2018年01月22日

やはり労働者の賃金は労働者が決めなければならない


トランプ米大統領の就任から1年を迎えた20日に全米各地で行われた「反トランプデモ」に関して現地からのリポートの視点がメディアにより若干の差異があった。 
 
<反トランプ100万人デモ 政府機関 閉鎖続く>
 2018年1月22日 朝刊 東京新聞
20180122_tokyo.jpg 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領の就任から1年となった20日、全米各地でトランプ氏に抗議する「ウィメンズ・マーチ(女性大行進)」が相次ぎ、米メディアによると、参加者は100万人を超えた。同日には連邦政府のつなぎ予算が失効し、政府機関の一部が約4年ぶりに閉鎖。大統領の資質と政権運営の手腕が共に問われる波乱の2年目の幕開けとなった。
 抗議デモは、首都ワシントンに加え、ニューヨークやロサンゼルス、シカゴなどの各都市で行われ、トランプ氏の排外主義的な政策や人種差別的、女性蔑視的な言動を非難した。米メディアによると、ニューヨークは約20万人、ロサンゼルスは約60万人、シカゴでは約30万人が参加。21日もラスベガスなど他の都市で行われる。
 与野党幹部は20日、政府閉鎖の解消に向けた打開策を協議したが、歩み寄りはみられなかった。共和党上院トップのマコネル院内総務は「22日朝までに新たな予算案をまとめる」と表明したが、民主党が応じるかは見通せない。
 米紙ワシントン・ポストによると、417ある国立公園は20日、首都ワシントンのスミソニアン博物館などで開業したものの、ニューヨークの自由の女神像など約3割では職員らが自宅待機となり、運営が休止されたという。
 トランプ氏は当初、19日中にフロリダ州の別荘に入り、20日に就任1年を祝うパーティーを支援者らと行う予定だった。しかし、政府閉鎖のため旅程を変更。ホワイトハウスで過ごし、ツイッターで「私の大統領1周年の記念日に、民主党は素晴らしいプレゼントをくれた」と、民主党を皮肉った。
 
「米メディアによると、ニューヨークは約20万人、ロサンゼルスは約60万人、シカゴでは約30万人が参加」とデモ参加者の人数を際立たせていたようである。

一方、朝日新聞の視点は「ウィメンズ・マーチ(女性大行進)」というより「ウィメンズ・パワー」にあったようである。
 
<「投票に力を」女性ら大行進 反トランプデモ、全米各地で再び> 
 2018年1月22日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 トランプ米大統領の就任から1年を迎えた20日、1年前に女性を中心に世界的に広がったトランプ氏に対する抗議デモ「ウィメンズマーチ」が、全米各地で再び開かれた。11月に連邦議会の中間選挙を控える中、「パワー・トゥー・ザ・ポール」(投票に力を)と行動を呼びかけた。
 ワシントンのリンカーン記念堂前には数万人の女性が集まり、トランプ氏を批判するプラカードがあふれた。バージニア州のハレー・バグショーさんは「全米で小さくてもたくさんの行進が起きている」と語り、女性による一連のデモが、多くの女性がセクハラ被害を告発した「#MeToo」(ハッシュタグ・ミー・トゥー)の動きにつながったと訴えた。
 セクハラ騒動の「震源地」となったハリウッドのあるロサンゼルスでは約50万人が参加。サンフランシスコでも約8万人が市中心部を行進した。参加したルネ・ジーンさん(34)は「もはやトランプ氏を大統領と思っていないが、次の選挙では周囲にも投票を呼びかけたい」と話した。
 デモは20、21の両日で全米250地域で開かれる。(ワシントン=土佐茂生、サンフランシスコ=宮地ゆう)
 ■「私たちには、決定権がある」 政治家目指すうねりに発展
 トランプ流の政治に「ノー」を叫ぶ声は、政権2年目を迎えたこの日も全米で聞かれた。女性らの行進はいま、自ら政治を志す動きに発展している。
 「もしヒラリー(クリントン元民主党候補)が大統領になっていれば、私は小学校の先生を続けていた」
 今年11月の連邦議会選挙で、ニュージャージー州から下院議員をめざす弁護士で元小学校臨時教諭のリサ・マンデルブラットさんは、こう語った。20日には地元のデモに参加した。
 立候補のきっかけは昨年1月、首都ワシントンでの行進だった。「公平性や平等など、子どもに教えてきた価値観を侮辱する大統領の誕生」に衝撃を受けて参加すると、全米から同じような不安を持った人々が大勢集まり、抗議の声を上げた。「私たちにはまだ決定権があり、民主主義社会に生きていると実感し、勇気づけられた」
 デモから戻ると夫や友人に相談し、民主党の女性候補の選挙を支援する1985年設立の団体エミリーズ・リストに電話を入れ、昨年5月に出馬表明した。
 とりわけ、反中絶など女性の権利を制限しようとする政権の動きを警戒し、「出産するか否かを決めるのは政府や政治家ではない」と訴えている。
 マンデルブラットさんのような初挑戦の女性候補が全米で急増している。
 エミリーズ・リストの広報責任者バネッサ・カルデナスさんは「大統領選後、民主党の女性議員の誕生を後押しする前代未聞のうねりが起きている」と話す。
 立候補に関心を持って同団体に連絡してくる女性は、大統領選前の2年弱で900人ほどだったが、トランプ氏の当選以降は約1年3カ月で2万6千人超に膨れ上がった。
 米タイム誌がラトガース大の集計として伝えたところによると、少なくとも79人の女性が今年の州知事選に立候補を模索し、過去最多だった94年の2倍となる可能性がある。下院選で現職に挑む民主党の女性候補も前回16年の選挙から3倍以上に増える見込みという。(ニューヨーク=金成隆一)
 
「ウィメンズ・マーチ(女性大行進)」を中心に「トランプ流の政治」が反面教師となって多くの女性たちを覚醒させ立ち上がらせているという記事である。
 
それにしても米国の女性の逞しさには圧倒されるが、下記の写真の奥の建物が、つくづく国会議事堂だったらよかったのにと思ってしまう。
 
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ワシントンで、トランプ米大統領の女性蔑視発言などに抗議するデモ参加者=2017年1月21日【EPA=時事】
 
さて、国内に目を移せば、年が新しくなってもリセットされない問題が山積している。 
 
安倍晋三の腹心の友である加計孝太郎理事長が責任者の岡山理科大獣医学部が今年の4月には開校するらしいのだが、莫大な補助金支出に対する地元市民への説明はなかなか納得される内容ではなかった。 
 
<「加計学園」説明会に不満と怒りの声、納得してない>
 2018年1月21日21時48分 日刊スポーツ
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愛媛県今治市で開かれた、加計学園が開学する岡山理科大の獣医学部に関する住民説明会(共同)
 
 愛媛県今治市は21日、同市内で、学校法人「加計学園」(岡山市)が4月に開学する岡山理科大獣医学部について、市民向け説明会を開催した。今治市の菅良二市長(74)や、岡山理科大学の柳澤康信学長(70)らが出席。学園の加計孝太郎理事長(66)の姿はなかった。市民からは、県と合わせて最大96億円の補助金の支出や、土地の無償譲渡に対する不満、加計氏が出席しないことに対する怒りの声が上がった。
 第2次安倍政権の国家戦略特区制度を活用し、今治市での新設が計画された岡山理科大獣医学部。野党は、加計氏が安倍晋三首相の長年の友人であることや、行政上の手続きに関して「総理のご意向」と書かれた内部文書が流出するなど、決定過程の不透明さを追求している。市が決定した学園への補助金や土地の無償譲渡については、市の第三者委員会が12日に「手続きに瑕疵(かし)はなく、妥当だ」との最終報告を出した。それでも、市民からは「納得していない」という声も多く聞かれる。
 市のこれらの決定経緯ついて、菅市長に質問した沢田康夫さん(76)は「市長は質問に対して全く答えておらず、疑惑も一切晴らされていない」と怒りを隠せなかった。菅市長は、補助金支出や土地の無償譲渡について「みなさんの生活に支障が出ないことは大前提。議会の理解を得て決定した」と繰り返した。
 この日の説明会は、予定通り2時間で終了。質疑応答の質問者はわずか3人だった。終了後には「何も説明されていないじゃないか!」と菅市長に詰め寄る市民の姿も。説明会後に予定されていた市長の囲み取材も、「混乱をきたす」という理由で中止された。
 一方、開学に賛成する声もあった。市内の高校1年生、池本慎太郎さん(16)は「いろんな疑惑はあるが、大きな大学ができて、市の活性化にもつながる。進学の選択肢の1つにもなってくる」。
 開学に向けた説明会は昨年4月以来、2回目。前回の300人を大きく超える約500人が集まった。
 
加計学園の岡山理科大学は昨年12月に推薦入試を実施して、他校と重複して受験できる併願制を採用したことにより、獣医学部(獣医学科、獣医保健看護学科)は募集人員36人に対して699人が出願。倍率は30倍を超えたらしい。
 
しかし、他の学科の志願状況は1月11日時点で、<理学部103人(昨年度最終志願者数=1045人)、工学部65人(同955人)、総合情報学部13人(同112人)、生物地球学部42人(同423人)、教育学部12人(同181人)、経営学部9人(同164人)、獣医学部143人(なし)>と昨年に比べ激減している。
 
加計学園の財政事情はすでに補助金頼りの自転車操業ということは広く知られている。
 
学園の「平成29年度事業計画」の「経常収支差額」を見ると、岡山理大は約9億円のプラスだが、倉敷芸術科学大は約6億円マイナス、千葉科学大も約5億円マイナス。“屋台骨”の岡山理大に学生が集まらなければ、獣医学部新設の問題どころではなく、仮に経営難に陥れば、多くの学生が被害を受けるのは避けられない状態だという。
 
果たしてそうなれば安倍晋三は最後まで加計孝太郎を支えるのだろうか。   
 
先日、「またもやNHKの印象操作番組か」の中でNHKの「クローズアップ現代+」でG7各国の名目賃金のグラフを明らかにしていたことを紹介した。

通常国会が開会される本日に、日本経済新聞が日本の賃金は世界と比較して見劣っていると報じていた。  
 
<日本の賃金、世界に見劣り 国際競争力を左右(賃金再考)>
 2018/1/22 1:31 日本経済新聞 電子版
 世界の賃上げに日本が取り残されている。大企業の賃上げ率は4年連続で2%を超えるが、主要7カ国で日本だけが2000年の賃金水準を下回る。多くの人が賃上げの実感に乏しく、このままではデフレ脱却の足取りも弱くなる。年功序列や終身雇用など「日本株式会社」の慣行にとらわれない賃金のあり方が求められている。
 
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 ロボットが接客し、荷物の搬送や清掃も担う――。エイチ・アイ・エス(HIS)がグループで展開する「変なホテル」は、同規模のホテルの4分の1にあたる7人で運営する。「世界的に低い生産性を高める」(沢田秀雄会長兼社長)ことで、類似施設の2倍以上の利益率が可能となった。
 人手不足が続くなか、省人化投資による生産性向上の取り組みが相次いでいる。経済学のセオリーでは、従業員一人ひとりの生産性が上がれば、企業の収益力が高まり、対価としての賃金も上がる。だが、この生産性と賃上げの関係に異変が生じている。
 
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 日銀によると、この5年で日本の労働生産性は9%伸びた一方で、物価変動の影響を除いた実質賃金の上昇率は2%にとどまる。
 世界を見渡すと、日本の賃金が取り残されている。経済協力開発機構(OECD)の調べでは物価の影響を除いた実質賃金(各国通貨ベース)は日、米、独など主要7カ国のうち、日本だけが00年よりも低い水準だ。過去20年、デフレが続くなか、多くの日本企業が「人件費が増えると国際競争力が落ちる」(素材大手首脳)と考え、賃上げを渋ってきた。
 
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 しかし、人手不足と経済のデジタル化が構図を変えた。ロイヤルホールディングスの菊地唯夫会長は「生産性向上の成果を賃金で還元できるかどうかが企業の生き残りを左右する」と言い切る。製造業も高い品質の製品を安価に作るコスト競争力ではなく、新しいビジネスモデルを競う段階にきている。賃金はコストではなく、イノベーション(革新)への投資になりつつある。
 世界では人材獲得競争が広がる。人事コンサルティング大手の米マーサーによると、日本企業の給与・報酬は部長・取締役の幹部クラスでアジア各国に抜かれる傾向にある。アジア企業は若手社員でも、日本よりも高い賃金を払い始めた。
 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は17年、日本国内の新卒採用で初任給40万円を提示した。ソニーなど日本の電機大手の2倍近い水準だが、「世界的には珍しくはない。優秀な人を採るためのグローバルスタンダード」(ファーウェイの日本法人)。
 日本企業は発想の転換がいる。働き方改革に伴って過剰な残業を見直す企業が増えたが、残業時間が減れば残業代も減る。短い時間で効率よく働いても、時間で測る従来型の賃金体系では働く人に成果を還元できない。
 高いスキルを持つ人には、成果に応じて高い賃金を払う仕組みが必要だ。優秀な人材には高い賃金で報いなければ、人材の獲得競争で海外企業に後れをとる。「日本の労使は仕事のスキルではなく、雇用を保証することを重視してきた。これまでの仕組みを変える必要がある」(富士通総研の早川英男エグゼクティブ・フェロー)
 政府は労働規制の緩和などで企業の背中を押さなければならない。時間ではなく仕事の成果で賃金を払う「脱時間給制度」の整備は関連法案の審議が先延ばしにされてきたが、22日召集の通常国会で議論される見通しだ。
 持続的な賃上げにつなげるには、新たなサービスで利益を生み出すことも大切だ。ソフトウエアロボットによる資料作成や人工知能(AI)を使った接客、製造現場の無人化……。仕事の量を減らすだけでは売り上げは伸びず、上がった生産性を従業員に還元する好循環の勢いがつかない。
 ヤマトホールディングスは主婦や高齢者向けの買い物代行サービスの開発に取り組んでいる。値上げや外部への配送委託の削減で収益の改善に取り組んでいるが、それだけでは成長できない。新しいビジネスの種をまき、将来の従業員に報いようとする。
 上場企業は18年3月期に2年連続の過去最高益を見込む。動き始めた賃上げが長続きするかどうか。3%の賃上げがテーマとなる18年の春季労使交渉で、企業と労働組合がどれだけ発想を転換できるかが、日本の国際競争力を左右する。

 22日、経団連が労使フォーラムを開き、春季労使交渉が本格的に始まる。日本の国際競争力を高め、経済成長力を維持していくための賃金のあり方を探る。
 
「年功序列や終身雇用など『日本株式会社』の慣行」は1995年以降確実に破壊されてきている。
 
成果主義が取り入られ、あたかも労働者がみずから「目標を設定」し、それをクリアできれば賃金が上がるという夢物語は残念ながらほとんどの企業では成功していないのが現状である。
 
それは、「人件費が増えると国際競争力が落ちる」というまことしやかな理由から、また先行き不透明という理由で企業収益の真っ当な配分を怠ってきたからであり、さらには労働者側が強く要求してこなかったことも一因である。
 
今国会では、経営側からみた「働かせ方改革」が喧伝されているが、やはり働く側が自ら自分たちの働き方や賃金を決めなければ現状は変えられないであろう、とオジサンは思う。    

posted by 定年オジサン at 13:03| 神奈川 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする