2018年02月23日

安倍晋三と残業代ゼロ法案とオリンピック


昨年の文科省も今年に入っての財務省も、そして昨今の厚労省も、国会で野党に追及される毎に新たな「資料」が出てくる。
 
不思議な組織である。
 
本来は不都合な資料の類は公開せず(隠蔽)、政府に求められたら忖度しながら、説得資料を作成(捏造)する。
 
そして、ついに自分たちが窮地に追い込まれそうになると、なぜだがあとからドンドンあらたな資料が噴出してくる。
 
 「裁量労働「4時間以下」120件 厚労省データ 野党「不自然だ」
    
国会答弁における安倍晋三首相の言動のいい加減さに、ますます磨きがかかってきたようだ。
 
盗人猛々しい」、「思い上がった態度」、「被害者ヅラ」、「都合が悪くなると他人のせいにして涼しい顔」、「困ったときは省庁に責任転嫁」云々。
 
こんな表現が最近のメディアにあふれてきている。
 
そのような熾烈な表現の源を過去から遡って調べてみた。   
 
■2015年5月20日 安保法制をめぐる「党首討論」
我々が提出する法律についての説明は全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから
 
この答弁を記憶している人はかなり多く、SNS上で今でも飛び交っている。
  
■2017年通常国会
 「会計検査院の調査結果を待ちたい」(森友問題の追及に対して)
■2017年11月27日(衆院予算委員会)
「国有地売却問題について財務省や国土交通省から適切に処分していたとの答弁があったところであり、私もそのように報告を受けておりました。これまでの私の発言については、そのような理解の上で申し上げたものでした」
それぞれの省庁が的確と判断したものを執行していくわけでございます
■2017年12月4日 参院本会議
「適材適所で配置するという考え方に基づき行った」
 ⇒「所管の大臣から答弁させる」
■2018年2月20日(衆院予算委員会)
一つ一つの資料を正しいか確認しろなんてことはあり得ない
役所から上がってきた資料については、ある程度信頼して答えざるを得ない
 
さすがに、あきれて開いた口が塞がらないのだが、「赤旗」は志位和夫委員長の国会内の記者会見内容を、「『働き方改革』 法案は提出断念を 首相自身の責任も重大」と詳細に報道していたが、「志位委員長の会見」の一部を切り取り編集して記事していたよう朝日新聞に対しては、当然、こんな批判的なネトウヨのツイッターもあった。

<「首相の答弁、よそごとのよう」共産・志位氏>
 2018年2月22日18時21分 朝日新聞DIGITAL
【志位和夫・共産党委員長(発言録)】
 (裁量労働制に関する国会答弁を安倍晋三首相が撤回した問題について)一体誰の責任で捏造(ねつぞう)データが作られたのか。大臣や官邸の関与はどうだったのか全部洗いざらい明らかにされる必要がある。
 厚生労働省の責任は極めて重いことは明瞭だ。同時にもう一つ言っておきたいのは総理の答弁姿勢だ。
 簡単に言えば、自分は厚労省から上がってきた答弁書を読んだだけで、細かい所まで把握しているわけではないと。厚労省の責任で私は知らないよ、と言わんばかりの説明をしている。
 しかし、内閣総理大臣は役所から上がってきた答弁書を読むだけの係ではない。自分の認識としてデータを紹介した以上、総理自身の認識になってくる。役所の紙を読んだだけというのは通用しない。安倍首相のよそごとのような答弁は通用しない。
 総理自身も重い責任が問われる。国民に謝罪した以上、(法案提出を)断念し、調査することが総理の責任の取り方だ。
 (記者会見で)
 
至極ごもっともな内容で、的確に安倍晋三の答弁姿勢を「内閣総理大臣は役所から上がってきた答弁書を読むだけの係ではない」と痛烈に批判しており、朝日新聞としては、官邸からの指摘を恐れて「裁量労働拡大 法案から分離し出直せ」といった優等生的な社説しか書けなかったのであろう。 
 
本人が自ら単なる「答弁係」であると白状してしまうほど、今回の筋悪法案に対しては「官邸擁護メディア」も大いなる危機感をもっているようである。
 
<働き方改革法案 崩れた政府の思惑 連合離反、自民党からも異論続出>
 2018.2.23 00:25 産経新聞
 裁量労働制の適用拡大に関する厚生労働省の不適切データ発覚に端を発し、政府の働き方改革関連法案に暗雲が漂っている。本来は労働界が望む長時間労働の是正を通じ野党の支持層を取り込もうと野党の支持層を取り込もうとしたが、肝心の連合が離反。そもそも自民党が支持基盤とする中小企業経営者らは残業時間の規制強化に反発していた。裁量労働制の適用拡大を棚上げにして成立を強行すれば、「アベノミクス」による好景気に水を差しかねない。
 働き方改革は、少子化で労働力が減っても経済成長を続けられるよう生産性の向上を目指し、安倍晋三首相が昨年の衆院選公約で掲げた最重要政策だ。残業時間の上限を時間外労働を定めた労使協定(36協定)で「月100時間未満、年720時間未満」に制限し、同一労働同一賃金の導入も盛り込んだ。労使協定も複雑化するため、ギリギリの労働力でやりくりする中小企業経営者らは「経営を圧迫する」と反発した。
 それでも首相が改革を目指したのは、野党の支持層を切り崩す狙いがあったからだ。政府は昨年3月、連合の神津里季生会長もメンバーの政府の会議で働き方改革実行計画を決定。菅義偉官房長官は連合の逢見直人事務局長(当時)と水面下で交渉を重ね、連合の主張を一部取り入れて改革全体への賛成を取り付ける算段だった。
 首相は賃上げを経済界に要請するなど、連合に寄り添うような労働政策を続けてきた。悲願とする憲法改正で連合の協力を取り付ける狙いもあった。
 しかし、誤算が生じた。連合が昨年7月に裁量労働制の適用拡大と年収の高い専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)への反対姿勢を鮮明にしたためだ。連合側は否定するが、方針転換は組織内で逢見氏らが官邸に近づきすぎることへの反発が広がったためとみられる。
 連合が働き方改革に厳しい目を向け、厚労省の不手際が重なった今、自民党にとって旧来の支持層を犠牲にしてまで法案を成立させる意味は薄れつつある
 自民党の中小企業・小規模事業者政策調査会などは今月1日、中小企業の経営実態への配慮など4項目の決議をまとめ、圧力を強めている。党幹部からも「そもそも党内には法案自体への不満があった」「もはや何のためにやるのか…」と戸惑いが相次いでいる。
 
「野党の支持層を取り込み」、「野党の支持層を切り崩す狙い」で働き方改革関連法案を成立させようとすることは、明らかに労働者を無視した「党利党略」そのものである。
 
年下の神津里季生会長と年上で単組出身ではない逢見直人事務局長(当時)との間に生じていた連合内の確執問題は、昨年の2017年06月21日付け共同通信配信記事「連合会長の退任論浮上 旧総評と同盟確執で混乱」や、さらには文春オンラインが「『残業代ゼロ』問題で『連合』内部が大混乱」と詳細に報じていた。
 
いやはや、労働法制改正案を巡って、「党利党略」と「組織内対立」が繰り広げられていたとは、対象となる労働者はもっと怒らなくてはならない。  
 
さて、過去の冬季五輪で獲得したメダル数を上回る結果を残した平昌冬季五狂騒曲も終わりに近づいた。
 
こんな時に、あえて言わなくてもいいことを口走った「オリンピックの申し子」がいた。  
 
<「政治が五輪を利用した」 橋本聖子氏が痛烈批判>
 2018/02/23 テレ朝ニュース
 「オリンピックの申し子」とまで呼ばれた自民党幹部が平昌(ピョンチャン)オリンピックの在り方を批判しました。
 自民党・橋本聖子参院議員会長(日本スケート連盟会長):「これほどまでにスポーツが、あるいはオリンピックが政治の影響を受けたことがなかったな。政治がこれほどオリンピックを利用したこともなかったなと」
 平昌オリンピックを巡っては、アイスホッケー女子の南北合同チームや北朝鮮の金正恩委員長の妹・与正(ヨジョン)氏の韓国派遣など、政治的な動きが目立っています。橋本氏は「政治とオリンピックがお互いを利用する場合、信頼と敬意が必要だが、平昌オリンピックにはその部分が少し見えない」と批判しました。
まあ、批判、非難を浴びてしまうのは当然であろう。 
「政治が五輪を利用した」ことは過去も現在も事実であるが、今後も大いに利用しようとしているのが、安倍晋三である。 
 
通常国会が開会した日に、「雑記(主に政治や時事について)というサイトでこんな記事を書いていた人がいた。
 
<【残業代ゼロ法案】働き方改革の名のもとに押し込まれるもの>
 2018-01-22 雑記(主に政治や時事について
・・・前略・・・ 
安倍政権はなぜここまで残業代ゼロにこだわりを見せるのか? 自分は憲法改正が関係していると読んでいる。
資本家の夢である「給料の要らない従業員」を叶えてやる代わりに、経済界は安倍晋三の夢である憲法改正を全面バックアップする、というお互いの夢が実現するWin-Winの構図である。
もちろんその構図の中に、国民の夢も人生も登場しない。
 
20180223_manga.jpg
 
どういう風に経済界が憲法改正をバックアップするのか? 彼らはテレビ局のスポンサーなので、テレビ局は彼らの言うようにテレビ番組を作る。スポンサーから「改憲に肯定的なニュアンスを含んだ番組を作れ」と言われ続けたとしよう。テレビの制作現場が断りきれるはずなどないのである。
安倍晋三は所信表明演説で、まず明治維新150年を持ち出してきた。次に働き方改革を語り、最後に憲法改正を語った。明治維新150年を、改憲の大きなきっかけにしたい、という意思がはっきりと見える。働き方改革の美名のもとに混ぜ込まれる残業代ゼロ法案は、いわばその露払いの役目なのである。
安倍晋三は、過去には憲法改正を東京オリンピックに合わせて達成しようなどとも言っている。
安倍晋三は、「歴史の中に自分を位置づけたい」という意志が、近年のどんな総理大臣より強い男である。それはもはや誇大妄想と言っていいほどである。
我々は今、愚かな誇大妄想狂に政治を任せ、日々の残業代すら払われなくなる未来を自ら招こうとしている。
 
労働者は命を削りながら働かされ、誇大妄想狂の男は、「2020年、新しい憲法で東京五輪を迎えましょう!!」と喚き立てる 
こんな悪夢が、単なる思い過ごしで妄想であってほしい、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:31| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする