2017年11月23日

国有地払下げ疑惑の第2幕が上がった


いつ頃だったか、こんな惹句がネット上に流れていた。
選挙前「森友加計については選挙で説明する」
選挙中「森友加計については国会で説明する」
選挙後「森友加計についてはすでに説明した」  

 
ご存じ「息を吐くように嘘を付く」、別名「永田町の詐欺師の親分」と言われている人物の言葉であることは、あえて説明するまでもない。
 
 
通常国会中の3月2日、安倍晋三首相が国有地払下げ疑惑についてこう言っていた
 
会計検査院がしっかり審査すべきだ。それに全面的に対応するのが政府としてできる最大限のことだ
 
そして、しっかり審査した会計検査院の調査内容が国会に報告された。

 「森友ごみ『最大7割減』 検査院試算、値引き根拠揺らぐ 調査内容を国会に報告」  
 
■消えぬ不信、背景解明を 大阪社会部長・杉林浩典
 森友学園への国有地売却問題で、会計検査院が公的な機関として初めて手続きのおかしさを認定し、過剰に値引きされた可能性を指摘した。国は「適正に処理した」と非を認めてこなかっただけに、調査結果が突きつけた意味は大きい。
 しかし、一番の焦点は財務省や国土交通省がなぜ数々の異例な対応をとったかだ。建設予定だった小学校の名誉校長には安倍晋三首相の妻昭恵氏が就いていた。昭恵氏の関与や2人への忖度(そんたく)はなかったのか。朝日新聞が問題を2月に初めて報じてから国会でも追及されたが、検査院の調査でも背景は不透明なままだ。
 上場企業では社内で不正があった場合、弁護士ら有識者の第三者委員会を設けることが多い。大阪地検特捜部が財務省職員らを対象に背任罪の捜査を進めているが、国も外部の目を入れ、組織に問題がなかったか検証すべきではないか。資料の破棄は国民への背信行為であり、担当者から徹底的に聞きとるべきだ。
 検査院は一連の問題を「国民の関心が極めて高い」とする。丁寧に説明する姿勢が首相にあるなら検証の先頭に立つべきだし、国会は昭恵氏を含めた関係者を証人喚問してほしい。背景が解明されない限り、国民の不信は消えない。
 
この結果について「政府が全面的に対応する」ことになるのか。
  
<森友 財務省と国交省「重く受け止め」>
 毎日新聞 2017年11月22日 22時10分)
学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、会計検査院が22日に国会に提出した報告書の公表を受け、財務省は22日、「結果については重く受け止めなければいけないと考えている」とのコメントを発表。だが、問題に関係した職員の異動を凍結するなどの影響が出たこともあり、省内には「痛くもない腹を探られ、財務省の信頼に傷が付いた」(幹部)と反発する声もある。
 検査院が国有地の売却手続きを疑問視したことについて、この幹部は「積算にはさまざまな方法がある。我々の方法が間違っていたとは言えない」と漏らす。しかし、積算の根拠となる文書を破棄したことを指摘された点について、別の幹部は「政府全体で文書管理を見直してほしい」と言葉を濁した。
 一方の国土交通省。石井啓一国交相は22日、財務省と同様に「結果は重く受け止めなければいけない」とのコメントを発表。航空局の担当者は「国会で答弁してきたように積算は適正だったと考えているが、報告書の内容を十分に精査して対応を真摯(しんし)に考えたい」と述べた。【井出晋平、酒井祥宏】
佐川氏コメントせず
 ごみ撤去費の算定に関して「十分な知見と実績がある国交省への依頼が最適だった」との国会答弁を繰り返した前財務省理財局長の佐川宣寿氏(現国税庁長官)。「財務省の対応に問題はなかった」とする佐川氏の説明と、検査院の報告は食い違う形となった。毎日新聞は佐川氏にコメントを求めたが、本人ではなく国税庁国税広報広聴室が「所管行政に関わらない事柄について答える立場にない」との談話を出した。
 
「痛くもない腹を探られ、財務省の信頼に傷が付いた」とは、開いた口が塞がらない。
 
既に数か月前から、誰も財務省なんかは信頼しておらず、傷が付くことはありえない。

正確に表現すると、「痛い腹を探られ、えぐられ、財務省の面子が丸つぶれだ」となる。
 
しかも、証拠書類を破棄しておきながら、「我々の方法が間違っていたとは言えない」ということは、防犯カメラに映っていた窃盗犯が「盗んだものは破棄したから俺はヤッテいない」と開き直るのと大差がない。
 
「結果は重く受け止めなければいけない」というのならば、積極的に疑惑を解明することが先決である。
 
<「森友」検査院報告解明、あとは首相「誰が得、究明を」>
 毎日新聞 2017年11月22日 22時24分
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 「値引きが過大だとはっきりした」「首相自ら説明を」−−。大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に格安で売却された問題で、22日公表された会計検査院の報告書。国の価格算定を「根拠が不十分」と批判する一方、詳しい資料が残っていないとして適正価格は明示しなかった。疑惑発覚から9カ月。地元住民や関係者からは改めて真相解明を求める声が上がった。
 「国有地」と表示された柵の中には、今もレンガ色の校舎が未使用のまま残る。学園が一時、安倍晋三首相の妻昭恵氏を名誉校長に迎え、今春の開校を目指した現場だ。ごみを理由に鑑定価格から約8億2000万円値引きされ、1億3400万円で売却された。
 「地元が疑惑にまみれ、嫌な思いをしてきた」という事務員の男性(52)は「国が資料を残していないのが最大の問題で、安倍首相の説明が全然足りない。誰が本当のことを言い、誰が一番得をしたのか、知りたいのはその点だ」と話した。別の男性(40)は「検査院も結局は国の機関で信用できない。国会答弁を聞いても、もやもやが晴れず、安倍首相は納得できる説明をしてほしい」と話した。
 近畿財務局職員らを背任容疑で告発した木村真・豊中市議は「検査院の調査で、国が算定したごみの量や深さに疑問符が付き、ごみが値引きの口実に使われたことがはっきりした。ただ、検査院がどこまで厳しく書類提出を求めたのかは疑問だ。国会で改めて追及してほしい」と話す。
 ごみ撤去費が過大とする意見書を大阪地検に提出した告発グループの共同代表、阪口徳雄弁護士は「値引きの根拠がなかったのを指摘したのは評価できるが、検査院は自らごみがどれだけ残っているか客観的に調査して算定すべきだった。恣意(しい)的な基準で8億円減額したのは職務に反しており、地検は厳正に捜査すべきだ」とのコメントを出した。【岡村崇、宮嶋梓帆】
「捨てた者勝ち」浮き彫り
 NPO法人・情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長 会計検査院の検査では、財務局の電子ファイル管理について従来よりも具体的な状況が明らかになった。しかし、土地の売却に至る当事者間のやりとりなどについては行政文書が残っていないとされ、検査院ですらも十分な検証ができなかったという印象だ。行政文書や記録がなければ、廃棄した側の「捨ててしまった者勝ち」になるという問題が改めて浮き彫りになった。
財務省の誰がどう判断したか
 元会計検査院局長の有川博・日本大教授 ごみ推計量の積算で、ごみの深さ、混入率などが根拠不足と認定された。積算のプロの国交省のずさんさに驚く。財務省も森友学園側から損害賠償を求められるリスクを逃れるためと言って甘い見積もりを見逃した。国民の財産を管理する立場として大きな問題がある。しかも、学園は土地購入時に審査が不十分なまま代金の延納が認められるなど何重にも特例を受けている。財務省の誰が、何を理由に判断したのかはっきりさせるべきだ。
 
テレビのサスペンスドラマなどでは、発生した犯罪の現場には最初に鑑識課の連中がやってきて、徹底的に現場から証拠を根こそぎ拾い集める。
 
そのとき、全く証拠が跡形もなければ、たとえば本来あるはずの指紋が一切採取できなければ、捜査陣は決まってこう言う。
 
「これはプロの仕業だ」と。
 
財務省の疑惑隠蔽のための関連資料廃棄というのは、まさに「指紋さえ出なければ決定的な証拠にならない」ということを熟知した連中が行った極めて悪質な犯罪行為であろう。
 
大手マスメディアの社説では、産経新聞はまったくのスルー状態で、朝日新聞は、「森友値引きは『根拠不十分』 やはり証人喚問が必要だ」と強調していたが、出だしの文にはこんなイチャモンが付けられていた。

政府広報紙化している讀賣新聞でさえ、「森友検査院報告 不透明な値引きに疑念が募る」という形だけの社説を掲げていたが、「政府には納得のいく説明が求められる。」といった程度のぬるい指摘では全く効果がない。
 
そういう意味では、毎日新聞の「森友値引きは『根拠不十分』 やはり証人喚問が必要だ」が国民が望んでいることではないか。

 安倍晋三首相は、国会審議で売却の妥当性を問われると、「検査院の検査に委ねる」と繰り返してきた。
 結果が示された以上、一連の売却が不適切だったことを政府はまず認めるべきだ。
 学園前理事長の籠池泰典被告と妻諄子被告は、大阪府などから補助金を詐取したとして詐欺罪などで起訴された。大阪地検特捜部による捜査の過程では、財務省近畿財務局職員が学園側の希望する金額に近づけるために「努力する」と両被告に答え、具体的に金額を示す音声データの存在が明らかになっている。
 佐川宣寿(のぶひさ)・前財務省理財局長(現国税庁長官)は国会で「価格を提示したことはない」と答弁していたが、明らかに矛盾している。
 安倍首相の妻昭恵氏の国会での説明もまだ行われていない。昭恵氏は一昨年、学園が計画した小学校の名誉校長に就き、今年まで務めていた。国有地の売却は昨年だ。官僚のそんたくが指摘されるゆえんだ。
 会計検査院の検査は国会の要請に基づくものだ。疑惑の解明には、昭恵氏や佐川氏、さらに国交省の幹部らの国会での証人喚問が必要だ。
 
ところで、森友学園疑惑と同時に加計学園疑惑では、建設費の水増し疑惑や「加計獣医学部図面から浮上 バイオハザード施設に重大欠陥」といったハード面での疑惑が多かったのだが、「加計学園の獣医学部が韓国留学生パンフにノーベル賞学者を『輩出』とデマ→毎日新聞に指摘され削除へ」という、まさに杜撰さを絵に描いたようなことをしており、学園の中身というソフト面でも大きな欠陥があり、まだまだ「モリ・カケ問題」は、国会における野党の質問時間を削減したところで決して幕を下ろすことはできないし、許されないことである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:20| 神奈川 ☔| Comment(0) | 国有地売却疑惑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする