2017年08月23日

津波被害からは復興したが放射能汚染からは復興できていない

恐らくは8月に入って2週間ぶりといえる夏日になった。
 
オジサンの書斎の室温も30℃を超えていた。
 
1週間前に比べると一気に5℃も上昇している。
 
着ているものも一気に真夏仕様に戻ってしまった。    

今月3日に発表された「第3次安倍第2次改造内閣」という長ったらしい名がついている新しい内閣だったが、翌日には、早くも「茂木敏充人づくり担当相には女性記者へのセクハラ常習説」という記事が出ていた。
 
まあ、その程度の内容ならば特に大きく取り上げることではないが、公職選挙法に抵触するとなれば話は別である。  
 
<茂木経済再生相、公選法違反を否定も“証拠リスト”入手>
 週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載
 この度の内閣改造で、4度目の入閣を果たした茂木敏充経済再生相(61)。「週刊新潮」前号が報じた公職選挙法違反について否定コメントを発表したが、その“証拠”となるリストが存在していた。
 小誌が報じたのは、茂木事務所が地元・栃木5区の有権者に、約3000部の「衆議院手帖」を配布していた問題である。配布の対象は、各地域の後援会幹部が主だが、その中には後援会費や自民党費を払っていない人物が多く含まれ、彼ら自身も無償で提供を受けていると認識していた。
 “選挙区内”の“不特定多数”に“無償”で有価物を配布するこの行為は、
「公選法が禁じる『寄附行為』に該当し、違法である可能性が高い」
(政治資金問題に明るい上脇博之神戸学院大教授)
 これに対し、茂木事務所は8月9日に“政党支部の政治活動だから問題ない”旨のコメントを発表。しかし、小誌は手帖の“配布リスト”を入手している(写真)。「手帳配布予定概要(栃木市)」と題されたこの書類には、配布対象者の氏名が明記されているのだ。
 リストに名を連ねる面々に取材すると、
「(後援会費は)ないです。正月なんかには(茂木)本人が“これ作ったから使ってください”という感じで手帖をくれます」(Tさん)
「(後援会の)会費は納めていない。手帖は年末、自宅まで秘書さんが持ってきてくれるんです」(Mさん)
 との証言が。茂木事務所に改めて見解を尋ねるも、「事実関係については、9日付コメントで説明したとおりです」という答えだった。
 
まだこんなことが続いていたとはあきれるが、思い出すのは3年前。
 
2014年9月3日に発足した第2次安倍改造内閣には、小渕、松島両氏を含め史上最多タイの5人の女性閣僚が入閣した。
女性活用にこだわる安倍首相の強い意向が反映されたが、小渕氏は辞任、松島氏も辞任する方向になった。閣僚が次々と辞任して崩壊につながった、第1次安倍政権の二の舞になる可能性も出てきた。
 
事の発端は、当時まだ元気だった民主党の蓮舫が国会で、「松島氏が、自らの選挙区(東京14区)でのお祭りで配った」として、「寄付にあたり違法だ」と訴えたことであった。 
 
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「しっかりとした柄。それにつながる骨組みがある。うちわなら、価値のある有価物で、その配布は寄付となり違法だ」と指摘したことに対して、松島みどりは、「議員の活動報告を印刷した配布物だ。うちわと解釈されるならば、うちわとしての使い方もできる」と主張していた。
 
よく見れば、とても「討議資料」とは見えない代物であった。
 
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この「うちわ」が、討議資料か?有価物か?の議論はその後深まることはなかったのだが、松島みどりが野党の追及を「色々な雑音」と形容して陳謝したり、民主党議員が公選法違反容疑で刑事告発したりするなどし、追い込まれる形での辞任となったわけだが、いまから思えば、まだ野党として民主党に存在感があったことが、懐かしく感じてしまう。
 
当時の勢いならば、金田勝年法相を辞任に追い込み、共謀罪も葬り去ることが可能であっただろうし、「憲法・自衛隊法・公職選挙法」の三重の違反を犯した稲田朋美防衛相なんかはとっくにクビが飛んでいたことであろう。
 
こんなことをつぶやくと、「死んだ子の歳を数える」との表現で一笑に付されてしまうかもしれない。
 
しかし、あれから6年経っても一笑に付すことができない現実がある。
 
<福島第一原発 「凍土壁」の最終凍結始まる>
 8月22日 11時58分 NHKニュース
 福島第一原子力発電所の汚染水対策の柱で、建屋の周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土壁」について、東京電力は安全のため凍らせずに残していた最後の部分の凍結を22日始めました。去年3月に最初の凍結が始まってから1年5か月たち凍土壁はようやく完成のめどが立ったことになります
福島第一原発の「凍土壁」は、汚染水が増える原因となる建屋への地下水の流入を抑えるため、建屋の周りに埋めたパイプに氷点下30度の液体を流して長さおよそ1.5キロの氷の壁を作るものです。
すべての部分を凍らせると建屋の周囲の地下水の水位が急激に下がり、汚染水が漏れ出すおそれがあったため、山側の幅7メートルの場所は凍らせずに残されていましたが、今月15日、原子力規制委員会は安全対策が整ったとして、この部分の凍結を認可していました。
これを受けて福島第一原発では、22日午前9時に3人の作業員が氷点下30度の液体を流す地下のパイプにつながる11か所のバルブを順次開き、残されていた部分の凍結が始まりました。凍土壁は、去年3月に最初の凍結を始めてから1年5か月たちようやく完成のめどが立ったことになります。
凍結にかかる期間について、東京電力はこれまでの実績を当てはめると2か月程度になるものの、地下水の流れが速いため、それより時間がかかる可能性があるとしています。
東京電力は、凍土壁が完成すれば、建屋に流れ込んでいる1日およそ140トンの地下水を100トン以下まで減らせるとしていて、規制委員会は効果を慎重に見極めることにしています。
 
■原子力規制庁の大熊一寛総務課長
「仮に建屋周辺の地下水の水位が下がると建屋内の汚染水が外に出てしまうので今後、しっかりと状況を監視していく」
国費およそ345億円をかけて建設した凍土壁の費用対効果が明確でないという指摘については、「規制委員会はあくまで原発の周辺の環境に影響を及ぼさないように監視する立場で、コメントすることはない」
 
◆資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官
「万が一、地下水の水位が下がった場合の対応など、建屋から汚染水が漏れないよう対策をとっている。安定的に凍土壁を運用するとともに、さまざまな対策を組み合わせて汚染水対策の効果をあげていきたい」
 
NHKニュースはかなり楽観的な表現であったが、日本経済新聞はかなりシビアな見方をしている。
 
<福島第1原発の凍土壁、遮水効果見えず 秋にも全面凍結 >
 2017/8/22 21:54 日本経済新聞
 東京電力は22日、福島第1原子力発電所の汚染水対策として建設した氷の壁「凍土壁」を全面凍結させる作業を始めた。早ければ秋にも完成する。東電は全面凍結により1日約130トンの汚染水を100トン未満に減らせると説明するものの、原子力規制委員会や専門家は疑問視しており、遮水効果がはっきり表れるかどうかは不透明だ。
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 東電は22日午前9時、約7メートルの未凍結箇所に冷却液を流し込む作業を始めた。6年前の事故の爪痕が残る原子炉建屋を背に、作業員3人が11カ所のバルブを開けた。立ち会った経済産業省資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官は「凍結よりも成果を出すことが重要だ」と述べた。
 凍土壁は1〜4号機の周り全長約1.5キロメートルの地下に埋めた配管に冷却液を流して管の周囲を凍らせ、建屋に流れ込む水の量を抑える。345億円の国費を投じて建設し、昨年3月から段階的に凍結を進めてきた。
 東電によると、凍結を始める前は山側から凍土壁を抜けてくる地下水量が推定で1日約760トンだったが現在は同580トンに減った。9割以上凍結を終えた壁の遮水効果は、単純計算で2割強にとどまる。
 一方で、1〜4号機の周りに約40カ所ある井戸「サブドレン」で1日400〜500トンの地下水をくみ上げている。15日に全面凍結を認可した規制委は、このくみ上げが主要な汚染水対策だとしており、凍土壁は「あくまでもサポート」との見解だ。
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配管に冷却材を流す作業が開始された「凍土遮水壁」の未凍結区間(22日午前9時ごろ、福島第1原発)=代表撮影
 凍結をこれまで段階的に進めてきたのは、急激に水位が減ると建屋内の高濃度汚染水が外に漏れ出る恐れがあるからだ。摂南大学の伊藤譲教授は「水位を調整しながら慎重に作業を進めることが肝心だ」と話す。
 完全凍結が終わる時期もはっきりしない。2〜3カ月かけて地下30メートルまで凍らせる予定だが、水の通り道が細いと流れが速くなって凍りにくくなる。「今回は流れが速いため従来通りというのは難しい」(東電の担当者)
 かつて「汚染水対策の切り札」といわれた凍土壁だが、劇的な効果が期待しにくいうえ、維持費も年間十数億円かかる。三重大学の渡辺晋生教授は「凍土壁は一時的な遮水対策だ。別の方式の壁を作ることも検討すべきではないか」と主張する。
 
「凍土壁」は試行錯誤の結果の「汚染水対策の切り札」であったが、なぜ汚染水が発生するのかという根本的な問題を解決する術がないのが現状であろう。
 
1979年にアメリカで起きたスリーマイル島事故では炉心溶融が起きたが、燃料デブリは原子炉の圧力容器の底にとどまっていたため、1990年までに全て取り出すことができた。 
 
しかし原子炉の圧力容器を突き破り溶け落ちた核燃料が原子炉のコンクリートや金属と混ざり合い、冷えて固まった燃料デブリが存在する福島第一原発の2号機の格納容器内の放射線量は、5年前の3月の調査時に毎時73シーベルトという人間は5分46秒間で死亡するレベルを観測されていた。  
 
少なくとも人間の力では決して取り出すことができず、また、うまく取り出すことができても処分する場所が確定されていない状態である。
 
最近ではほとんどメディアに登場しなかった福島第一原発の後処理は途方もない時間と費用が発生する。 
 
それでも原子力ムラの連中は原発再稼働を進め、最近ではおどろくべきことに、エネルギー基本計画をめぐり、焦点となっている原発の新設や建て替えについて明記を見送る方向になったにもかかわらず、原発関連業界などから見直して盛り込むよう求める声が出ている。
 
すでに韓国や台湾が原発新設を白紙に戻して、エネルギー政策の転換を図っているにもかかわらず、いまだに「に原発神話」にすがりつく日本は、再生可能エネルギーへと向かう世界の潮流から取り残されることになることは明らかであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:54| 神奈川 ☀| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする