2015年01月31日

トマ・ピケティはアベノミクスに“ダメ出し”

今年初冠雪だった雪も昨日は途中から雨になってしまったが、一夜明けて周辺の家々を見ると屋根には雪が残り白銀の世界が広がっている。
 
今月最後の日になったが、例年に比べて騒がしい1月となった感は強い。
 
もちろん、20日に公開された日本人2人の殺害予告という衝撃的な事件で月の後半は国民生活にとって重要な国会審議よりも、人質解放関連報道で占拠されてしまった。
 
うんざりしていた時に、昨日は「NHK経営委員:百田氏が退任へ」という「朗報」があった。
   
「南京大虐殺はなかった」との歴史認識「ゼロ」の持論を引っ提げ、「人間のクズみたいなやつ」との暴言や社民党元党首の土井たか子元衆院議長について、「売国奴」呼ばわりするなど罵詈雑言を繰り返してきた人物である。
 
節度を超えた「言論の自由」を振り回すうちはそれなりに逃れることができたのだろうが、故やしきたかじんの闘病生活を描いた著書が事実に反するとして、彼の長女から出版差し止め訴訟を起こされ、捏造作家との烙印を押されれば、物書きとしてはもうお終いである。
 
もっと早くNHKの経営委員会は百田尚樹を葬り去るべきだった。
 
今年の最初の日には話題のフランスの経済学者のトマ・ピケティのインタビュー記事が出ていた。
 
<失われた平等を求めて 経済学者、トマ・ピケティさん>    
 2015年1月1日05時00分 朝日新聞ディジタル
20150131piketty.jpg 自由と平等。民主主義の理念のうち、自由がグローバル時代の空気となる一方、平等はしばらく影を潜めていた。だがその間、貧富の差や社会の亀裂は拡大し、人々の不安が高まった。そこに登場したのが大著「21世紀の資本」。不平等の構造をあざやかに描いた著者のトマ・ピケティ教授は「私は悲観していない」という。
 ■競争がすべて?バカバカしい 平等と資本主義、矛盾しない
 ――あなたは「21世紀の資本」の中で、あまりに富の集中が進んだ社会では、効果的な抑圧装置でもないかぎり革命が起きるだろう、と述べています。経済書でありながら不平等が社会にもたらす脅威、民主主義への危機感がにじんでいます。
 「その通りです。あらゆる社会は、とりわけ近代的な民主的社会は、不平等を正当化できる理由を必要としています。不平等の歴史は常に政治の歴史です。単に経済の歴史ではありません」
 「人は何らかの方法で不平等を正そう、それに影響を及ぼそうと多様な制度を導入してきました。本の冒頭で1789年の人権宣言の第1条を掲げました。美しい宣言です。すべての人間は自由で、権利のうえで平等に生まれる、と絶対の原則を記した後にこうあります。『社会的な差別は、共同の利益に基づくものでなければ設けられない』。つまり不平等が受け入れられるのは、それが社会全体に利益をもたらすときに限られるとしているのです」
 ――しかし、その共同の利益が何かについて、意見はなかなか一致しません。
 「金持ちたちはこう言います。『これは貧しい人にもよいことだ。なぜなら成長につながるから』。近代社会ではだれでも不平等は共通の利益によって制限されるべきだということは受け入れている。だが、エリートや指導層はしばしば欺瞞(ぎまん)的です。だから本では、政治論争や文学作品を紹介しながら社会が不平等をどうとらえてきたか、にも触れました」
 「結局、本で書いたのは、不平等についての経済の歴史というよりむしろ政治の歴史です。不平等の歴史は、純粋に経済的な決定論ではありません。すべてが政治と選択される制度によるのです。それこそが、不平等を増す力と減らす力のどちらが勝つかを決める」
 ――最近は、減らす力が弱まっているのでしょうか。
 「20世紀には、不平等がいったん大きく後退しました。両大戦や大恐慌があって1950、60年代にかけて先進諸国では、不平等の度合いが19世紀と比べてかなり低下しました。しかし、その後再び上昇。今は不平等が進む一方、1世紀前よりは低いレベルです」
 「先進諸国には、かなり平等な社会を保障するための税制があるという印象があります。その通りです。このモデルは今も機能しています。しかし、それは私たちが想像しているよりもろい」
 「自然の流れに任せていても、不平等の進行が止まり、一定のレベルで安定するということはありません。適切な政策、税制をもたらせる公的な仕組みが必要です」
 ――その手段として資産への累進課税と社会的国家を提案していますね。社会的国家とは福祉国家のことですか。
 「福祉国家よりももう少し広い意味です。福祉国家というと、年金、健康保険、失業手当の制度を備えた国を意味するけれど、社会的国家は、教育にも積極的にかかわる国です」
 ――教育は不平等解消のためのカギとなる仕組みのはずです。
 「教育への投資で、国と国、国内の各階層間の収斂(しゅうれん)を促し不平等を減らすことができるというのはその通り。そのためには(出自によらない)能力主義はとても大事だとだれもが口では言いますが、実際はそうなっていません」
 「米ハーバード大学で学ぶエリート学生の親の平均収入は、米国の最富裕層2%と一致します。フランスのパリ政治学院というエリート校では9%。米国だけでなく、もっと授業料の安い欧州や日本でも同じくらい不平等です」
 ――競争が本質のような資本主義と平等や民主主義は両立しにくいのでしょうか。
 「両立可能です。ただしその条件は、何でもかんでも競争だというイデオロギーから抜け出すこと。欧州統合はモノやカネの自由な流通、完全な競争があれば、すべての問題は解決するという考えに基づいていた。バカバカしい」
 「たとえばドイツの自動車メーカーでは労組が役員会で発言権を持っています。けれどもそれはよい車をつくるのを妨げてはいない。権限の民主的な共有は経済的効率にもいいかもしれない。民主主義や平等は効率とも矛盾しないのです。危険なのは資本主義が制御不能になることです」
 ■国境超え、税制上の公正を 私は楽観主義。解決信じる
 ――税制にしろ社会政策にしろ、国民国家という土台がしっかりしていてこそ機能します。国民国家が相対化されるグローバル時代にはますます難しいのでは。
 「今日、不平等を減らすために私たちが取り組むべき挑戦は、かつてより難しくなっています。グローバル化に合わせて、国境を超えたレベルで税制上の公正を達成しなければなりません。世界経済に対して各国は徐々に小さな存在になっています。いっしょに意思決定をしなければならない」
 ――しかもそれを民主的に進める必要があります。
 「たやすいことではありません。民主主義の運営は、欧州全体という大きな規模の社会よりも、デンマークのような500万人くらいの国での方が容易です。今日の大きな課題は、いかにして国境を超える規模の政治共同体を組織するかという点にあります」
 ――可能でしょうか。
 「たとえば欧州連合(EU)。仏独が戦争をやめ、28カ国の5億人が共通の制度のもとで暮らす。そしてそのうちの3億人が通貨を共有する。ユートピア的です」
 ――しかし、あまりうまくいっているようには見えません。
 「ユーロ圏でいうと、18の異なった公的債務に、18の異なった金利と18の異なった税制。国家なき通貨は危なっかしいユートピアです。だから、それらも共通化しなければなりません」
 ――しかし、グローバル化と裏腹に多くの国や社会がナショナリズムにこもる傾向が顕著です。
 「ただ、世界にはたくさんの協力体制があります。たとえば温室効果ガスの削減では、欧州諸国は20年前と比べるとかなり減らしました。たしかにまだ不十分。けれど同時に、協力の可能性も示してもいます」
 ――あなたは楽観主義者ですね。
 「こんな本を書くのは楽観主義の行為でしょう。私が試みたのは、経済的な知識の民主化。知識の共有、民主的な熟議、経済問題のコントロール、市民の民主的な主権、それらによってよりよい解決にたどり着けると考えます」
 ■民間資産への累進課税、日本こそ徹底しやすい
 ――先進国が抱える巨大な借金も再分配を難しくし、社会の不平等を進めかねません。
 「欧州でも日本でも忘れられがちなことがある。それは民間資産の巨大な蓄積です。日欧とも対国内総生産(GDP)比で増え続けている。私たちはかつてないほど裕福なのです。貧しいのは政府。解決に必要なのは仕組みです」
 「国の借金がGDPの200%だとしても、日本の場合、それはそのまま民間の富に一致します。対外債務ではないのです。また日本の民間資本、民間資産は70年代にはGDPの2、3倍だったけれど、この数十年で6、7倍に増えています」
 ――財政を健全化するための方法はあるということですね。
 「日本は欧州各国より大規模で経済的にはしっかりまとまっています。一つの税制、財政、社会、教育政策を持つことは欧州より簡単です。だから、日本はもっと公正で累進的な税制、社会政策を持とうと決めることができます。そのために世界政府ができるのを待つ必要もないし、完璧な国際協力を待つ必要もない。日本の政府は消費税を永遠に上げ続けるようにだれからも強制されていない。つまり、もっと累進的な税制にすることは可能なのです」
 ――ほかに解決方法は?
 「仏独は第2次大戦が終わったとき、GDPの200%ほどの借金を抱えていました。けれども、それが1950年にはほとんど消えた。その間に何が起きたか。当然、ちゃんと返したわけではない。債権放棄とインフレです」
 「インフレは公的債務を早く減らします。しかしそれは少しばかり野蛮なやりかたです。つつましい暮らしをしている人たちに打撃をもたらすからです」
 ――デフレに苦しむ日本はインフレを起こそうとしています。
 「グローバル経済の中でできるかどうか。円やユーロをどんどん刷って、不動産や株の値をつり上げてバブルをつくる。それはよい方向とは思えません。特定のグループを大もうけさせることにはなっても、それが必ずしもよいグループではないからです。インフレ率を上昇させる唯一のやり方は、給料とくに公務員の給料を5%上げることでしょう」
 ――それは政策としては難しそうです。
 「私は、もっとよい方法は日本でも欧州でも民間資産への累進課税だと思います。それは実際にはインフレと同じ効果を発揮しますが、いわばインフレの文明化された形なのです。負担をもっとうまく再分配できますから。たとえば、50万ユーロ(約7千万円)までの資産に対しては0.1%、50万から100万ユーロまでなら1%という具合。資産は集中していて20万ユーロ以下の人たちは大した資産を持っていない。だから、何も失うことがない。ほとんど丸ごと守られます」
 「インフレもその文明化された形である累進税制も拒むならば大してできることはありません」
     *
 Thomas Piketty 1971年フランス生まれ。パリ経済学校教授。米マサチューセッツ工科大学助教授などを経て現職。不平等の拡大を歴史データを分析して示した「21世紀の資本」(邦訳、みすず書房)は世界的な話題に。同書より前に著した論文は、金融資本主義に異議を申し立てた米ウォール街でのオキュパイ運動の支えになったともいわれる。
・・・後略・・・

「21世紀の資本」は経済学者が書いた経済の著書ではなく「不平等についての政治の歴史」であり、不平等の歴史は、純粋に経済的な決定論ではなく、すべてが政治と選択される制度によるのであり、それこそが、「不平等を増す力と減らす力のどちらが勝つかを決める」ということになるとピケティは力説する。 
 
金持ちたちが言っている「これは貧しい人にもよいことだ。なぜなら成長につながるから」という内容は、まさに安倍政権の成長戦略の基本になっている。 
 
上記の朝日新聞記事の2日後には、毎日新聞の社説でもピケティを取り上げていた。
 
<社説:戦後70年 ピケティ現象 希望求め議論始めよう>
 毎日新聞 2015年01月03日 東京朝刊
・・・前略・・・
 ◇資本主義の疲労に直面
 「資本主義のもとでは、資産を持つ人がますます富み、持たない人々との格差が広がり続ける。富も貧困も世襲されていく」と分析している。「資本主義の疲労」とも言うべき現状と今後への警告だ。
 50万部の米国をはじめ世界で100万部売れた。とはいえ、700ページを超える学術研究書で1冊が5940円(税込み)もする。邦訳版を出したみすず書房も、日本での反応は予想しづらかった。
・・・中略・・・
 昨秋の国際通貨基金・世界銀行の年次総会でも「所得格差と機会の不平等」が議題になった。
 意外な人も口を開いた。歴史的な金融緩和策で、世界に金あまり状況を生み出している米連邦準備制度理事会のイエレン議長である。
 昨年10月の講演で「富裕層の所得や富が著しく増大する一方、大半の所得層では生活水準が低迷している。これは明白だ」と指摘し、「こうした傾向が、わが国の歴史に根ざした価値観、なかでも米国民が伝統的に重きを置いてきた『機会の平等』に照らしてどうなのか」と話した。金融政策も、格差問題を避けて通れなくなっているのだ。
 日本では、どうだろう。
 非正規雇用やシングルマザーの貧困などが取り上げられても、社会を巻き込むうねりや問題提起にはなっていない。政治、経済の指導者が正面から向き合って、何かを語ることもない。逆に、現在進行中の経済政策は「持てる者に向けた政策こそが、すべての問題を解消する」といった考えに基づいている。
 ◇立ちすくまず向き合う
 しかし、この国でも「疲労した資本主義」と、その先に待つものを心配する人は少数ではなかった。
 みすず書房によると、「21世紀の資本」の読者層はビジネスマンにとどまらない。女性や高齢者も手に取り、大都市だけでなく地方でも売れている。日を追って次第に読者の裾野が広がっているという。
 この本を手にする人に限らず、世界のさまざまな場所で人々は今、経済や社会の行く末に疑問や不安を抱えている。
 「個人の努力や才能が、正当に評価されない世の中がやってくるのではないか
 「社会の安定を欠き、民主主義を支える基盤を弱めはしないか
 「積もり積もった不満を栄養として、全体主義や排外主義が大きく育っていくのではないか
 「格差が拡大する傾向と『イスラム国』の台頭は関係ないのか
 こうしたさまざまな問題に、どんな答えがあるのだろうか。一人一人はどう行動すればいいのか。多くの人がそう思い、考え、論じていきたいと願っている。
 ピケティ氏は、格差を解消するため、国際協調による「富裕税」の創設を唱えている。専門家は「非現実的だ」とそっけない。だが、結論は何ら出ていない。まさに論争はこれから始まる。本を読んでいなくてもいい。議論に加わろう。
 「疲労した資本主義」の先にあるのは、社会の分断や混乱とは限らない。新たな価値観に根ざした希望かもしれない。問題の大きさや困難さに目をそらしたり、立ちすくんだりしてはならない。きちんと向き合い、考えることが大切だ。
 「ピケティ現象」を希望を見いだすための論争の幕開けにしたい。

若干、朝日新聞でのインタビュー記事内容とは温度差があるような論調だったが、「不平等」という言葉の含意をあらためて考えながら、日本語の文章での「格差」を「不平等」に置き換えてみることも必要であろう。
 
「男女の格差」を「男女の不平等」に、「一票の価値の格差」を「一票の価値の不平等」に置き換えることで本質がより明確になるようだ。
 
それら不平等が民主的な社会の土台への脅威であること、そして、その解決を担うのは政治であり民主的な社会でしかない。
 
さて、1月28日の参議院本会議で、日本を元気にする会の松田公太代表は「フランスの経済学者トマ・ピケティが格差解消のために資産課税を強化すべきと主張している」という主旨の質問をしていたが、安倍晋三首相はに対して、「導入にあたって執行面で難しい」と否定的な見解であった。
 
さらに松田公太代表の指摘には「日銀の金融緩和は固定化したデフレマインドを一掃し、持続的な経済成長の実現を目指すもの」と反論し「企業収益の拡大が賃金上昇や雇用拡大につながる」と相変わらずの成長論を繰り返していた。
  
安倍晋三首相の答弁の翌日の29日、来日したピケティは都内で開かれたシンポジウムで日本に対してこんな発言をしていた。
 
「日本のように人口減かつ低成長の国では、過去に蓄積された資産が相続によって一部の富裕層により集中し、格差拡大の要因になる」
 
パネルディスカッションにおいて、西村康稔内閣府副大臣はピケティに対して、政府の「雇用者100万人増」や「トリクルダウンの試み」について説明し「アベノミクスが格差を拡大しているというのは誤解である」などと言っていたが、こんな反論をされてしまった。
 
「確かに日本の格差は米国ほどではない。しかし、上位10%の富裕層の所得は、国民所得全体の30〜40%まで広がっています。日本がゼロに近い低成長なのに、上位の所得が増えているということは、裏を返せば、実質的に購買力を減らしている人がいるということです。日本の最高所得税率は1960〜70年代より下がっています。上位10%の所得が増えているのに、税率が低い状態では格差が広がるばかり。所得税の累進性を高めるべきです」 
 
自分と同じ考えのお友達に囲まれて、難しい国会答弁は優秀な官僚のメモの棒読みに明け暮れる安倍晋三首相は、まさに「裸のバカ殿」なのだが、とりわけ経済に関しては全くの素人なので「井の中の蛙大海を知らず」状態であろうが、国民はそんなを必要としていないことは言うまでもない、とオジサンは思う。 

ラベル:ピケティ
posted by 定年オジサン at 11:38| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月30日

人質事件では外交ミスを繰り返し、沖縄では民意を無視

昨夜の天気予報通り、関東平野部も朝から雪景色となった。
 
オジサンの書斎の窓から見えるきれいに雪化粧した市有地の木々を眺めると、雪見酒しながらブログでも、などと妄想も駆け巡ったが、国内外の危機的な情勢をみれば、とてもそんな不謹慎なことはできない。 
 
自国民の救出と日本政府からの要請に板挟みになっている、などど書かれているヨルダン政府。
 
親米で有志連合に入り「イスラム国」と戦っているヨルダンは米国から強く「テロを実行した政治犯は釈放するな」と言われており、だからと言って11回も訪ずれた日本の政府からの日本人解放のための政治犯の釈放も容易には断りきれない 
 
こんな状況を見透かした「イスラム国」の巧妙な人質解放条件。
 
20150126hitojitiukousyou.jpg

 
中東における過去の人質解放交渉は当事者国ではなく第三者国が仲介することが必須であった。
 
今回はヨルダンも日本も当事者であり、直接交渉は端から無理であった。
 
それでも安倍政権は親米派のヨルダンに頼るしかなかったというところが、そもそもの選択ミスだという。 
 
<なぜトルコでなくヨルダン…日本政府が対イスラム国交渉で犯した“選択ミス”>
 2015.01.29 リテラ
 イスラム国人質事件をめぐり情報が錯綜している。一時は「交渉が成立し、近いうちにイスラム国が後藤健二さんを解放する」との情報が流れたが、その後は再び交渉が難航しているとの見方が広がり、本日朝には「現地時間の29日木曜日の日没までに、リシャウィ死刑囚をトルコ国境に連れてこなければ、ヨルダン軍のパイロットのムアーズ・カサースベは即座に処刑される」という新たなイスラム国のメッセージがアップされた。
 いずれにしても、交渉は完全にイスラム国ペースで進んでおり、日本もヨルダンも厳しい判断を迫られていることは確かだろう。とくに、追いつめられているのがヨルダンで、自国パイロットの解放を優先しなければ当然、国内世論が黙っていないが、日本からは後藤さんの解放協力を要請され、イスラム国もあくまで解放は後藤さんひとりと主張。一方、同盟国のアメリカからは「人質の交換には応じるな」とプレッシャーをかけられている。
 ヨルダンとしてはどうなっても反発を受けるのは必至で、ただでさえ、国内情勢が不安定なところに、大きな火種を抱え込まされたかたちなのだ。
 今後の行方はまだ不透明だが、こうした状況に専門家から「そもそも日本政府がヨルダンを頼ったこと自体が間違いだったのではないか」との声が上がっている。
 日本政府は少なくとも後藤さんがイスラム国に拘束された昨年11月にヨルダンに現地対策本部を置き、以来、交渉窓口をヨルダン政府に委ねてきた。しかし、ヨルダンは親米国であるだけでなく、現状、もっとも激しくイスラム国と対立している国であり、イスラム国空爆の有志連合にも参加している。当然、イスラム国との直接的な交渉ルートがあるわけでもない。むしろ、その選択がイスラム国を硬化させ、解決を大幅に遅らせたのではないかというのだ。
 いや、解決を遅らせただけではない。日本がヨルダンに現地対策窓口を置いたことで、イスラム国側は敵対国に揺さぶりをかけようと、リシャウィ死刑囚の解放を持ち出したと考えられる。つまり、日本政府の選択が無関係なヨルダンを巻き込み、イスラム国側に新たなカードを与えてしまった可能性が高いのだ。
 では、日本はどうすればよかったのか。同志社大大学院教授で中東問題の専門家・内藤正典氏は、26日のテレビ朝日『報道ステーション』に出演した際、こう話した。
「今となっては遅いのですが、事件発生当初の段階で、(日本政府が協力を)トルコに要請をしていれば、まず、トルコ国民は日本の要請に関していえば、ほぼ100パーセント好意的にみるんですね。日本の為になにかしなければいけないと(トルコは)思う」
「しかも人質を49人昨年とられて、3ヶ月におよぶ交渉のすえ、全員無事解放している。なおかつ米軍の対イスラム国の攻撃要請に対しては頑として首を縦に振らない。攻撃のためには基地を貸していない」
 たしかに、イスラム国爆撃の有志連合にも参加しているヨルダンに対して、トルコは昨年9月にオバマ米大統領から「攻撃参加」を強く要請されたものの、その呼びかけを拒否している。また、イスラム国と独自のルートをもち、中東の中で人質交渉を成功させた実績が最もある国でもある。
 また、内藤教授は情報の面でも、トルコの方がはるかにメリットがあったのではないかと語っている。
「それにトルコとシリアの間は人の往来が非常に活発ですので、結局トルコ側でそういう世論を醸成すればシリア側に伝わるんです。しかし、ヨルダンからそこへ伝えるのは困難です。」(26日の『報道ステーション』)
「現地対策本部はヨルダンでなくトルコの首都アンカラに置く方が、はるかに情報が集中してくる。多くのガセ情報から本物を選ぶときに、ヨルダンでは欧米の情報機関が中心になるが、トルコでは欧米+現地情報が得られる」(23日のツイッター)
 こうした意見は内藤教授がトルコの専門家だから出たものではない。宮田律氏はじめ他の中東の専門家の間でも同じ見方をとる人は多い。中東支局の経験がある全国紙の外信部記者もこう話す。
「日本政府は今頃になって、トルコとシリアの国境で引き渡しがある、として、トルコ政府にも協力を働きかけ始めましたが、遅すぎます。初動段階で日本政府がトルコに現地本部をおいて交渉を依頼していたら、ここまで事態が錯綜することはなかったかもしれません。もしかしたら、Youtubeでの公開もなく、秘密裏に交渉が進み、それこそ身代金で湯川遥菜さんも解放された可能性もあった」
 しかしだとしたら、日本政府はなぜトルコではなく、ヨルダンを選んだのだろう。
 まず考えられるのは、アメリカの顔色をうかがった判断、ということだ。前述のように、トルコはイスラム国に対しては独自外交を展開しており、アメリカとは距離をとっている。「テロとの戦い」でアメリカに追従する安倍政権としては、親米で有志連合に入っているヨルダンに現地対策本部をおくのが当然、と安易に選んでしまったの可能性が高い。
 また、この判断には外務省の事情も関係したのではないかとささやかれている。今回の人質交渉を担っているのは外務省の中東アフリカ局だが、同局はアラビア語の研修を受けたアラブスクール出身者が主流のため、トルコ系のルートは軽視されがちなのだという。
「しかも、局長の上村司氏も元イラク大使館参事官で、同代理大使時代にイラク日本人外交官射殺事件にも遭遇した人物ですから。ヨルダンのほうに人脈が圧倒的にある。それで、トルコに、という省内の声をおさえて、ヨルダンに本部をおいたんでしょう」(全国紙・外務省担当記者)
 こんな大事な決定を省内の力学で決めていたとしたら唖然するしかないが、いずれにしても、安全保障や危機管理などどという名目で「戦争のできる国」づくりをめざす安倍政権の実態はこんな程度ということなのである。
 しかし、ため息をついていても始まらない。現実問題として日本政府はヨルダンを選び、イスラム国からリシャウィ死刑囚の釈放を交換条件としてつきつけられた。こうなったら、なんとか後藤さんとヨルダン人パイロット、リシャウィ死刑囚という2対1の交換を実現できるよう働きかけるしかない。
「現実的には、死刑囚の釈放に加えて裏金を積み、2対1の人質交換にもっていける可能性はゼロではないと思います。ただ、ヨルダンにここまで頼ってしまった以上、日本がイスラム国や過激派から有志連合の一角として認識されてしまうのはもう避けられない。心配なのはこれからですね」(中東外交の専門家)
 いっておくが、この事態は後藤さんの責任ではない。「2億ドル支援」をめぐる不用意発言をはじめ、アメリカに付き従うことしかできない安倍政権の稚拙な外交がもたらした結果である。
(野尻民夫)
 
まあ、「タラレバ」的な記事内容になっているのだが、外交問題はいくら官邸が頑張っても外務省を無視した行動は取ることは不可能である。
 
少なくとも「アメリカに付き従うことしかできない安倍政権の稚拙な外交」であることは疑いようもない事実なのだが、同様に米軍基地に占領されている沖縄でも危険な普天間基地撤去という名目で、米国が望みもしなかった辺野古新基地を米国のために沖縄県民を犠牲にしてもかまわないという安倍政権の非情さが益々露骨になってきている。
 
26日に通常国会が開会されたが、それに合わせるように翁長雄志沖縄県知事は「第三者委、今週中に設置 辺野古埋め立て検証へ」と発表した。   
 
そして具体的に「辺野古『作業中止を』 知事『検証委』を設置 来月上旬に初会合」ということになり、政府側は素早く、「中谷防衛相『作業中止しない』」と反応したが、これは安倍晋三首相の強い指示があったとされた。
 
それを裏付けるように、連日、強行作業が行われ沖縄県民の抵抗が繰り返されている。 
 
<深夜のシュワブゲート前騒然 市民鉄柵越え、警官が排除> 
 2015年1月27日 琉球新報
20150130henokosakugoe.jpg 【辺野古問題取材班】普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する市民らは、26日も米軍キャンプ・シュワブゲート前で抗議行動を続けた。26日午後9時40分ごろ、旧ゲート前で作業車両や工事資材の搬入を警戒して座り込みをしていた市民らに対し、警察官がゲート前から移動するよう求めたところ、市民らと警察官のにらみ合いが起きた。27日午前0時10分ごろには、一部の市民らが旧ゲート前に設置された鉄柵を乗り越えたため、警察官に排除されるなど現場は騒然とした。
 膠着(こうちゃく)状態が続いたが、沖縄平和運動センターの山城博治議長が、指揮を執る警察官に対し現場を収拾させるための話し合いを求めたが、警察官側が応じなかったため、一部の市民らが柵を乗り越えた。最終的に27日午前0時半ごろ、市民側が現場から引き揚げる形で事態は収拾した。
 
翌28日には「辺野古に数十トンブロック投入 防衛局、作業を強行」が発生した。
 
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実はすでに1週間ほど前には、こんな事件が発生していた。
 
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海上保安官が影山あさ子さんに馬乗りする連続写真(上から下へ)。保安官は背後から左手でカメラをつかみ、守ろうとしゃがみ込む影山さんの左肩から左足を乗せて馬乗りしている=20日午後2時35分、名護市の大浦湾(金良孝矢撮影) 

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当時は、「馬乗りになったという事実はない。過剰警備には当たらない。(海上保安官は)かじがある船体後部へ通り抜けるために女性をかわして奥に進んだ」と第11管区海上保安本部は22日、琉球新報の質問に対して回答していたが、それが虚偽であり証拠写真をつきつけられ釈明する羽目になった。
  
<女性馬乗り「体使い転落防いだ」 海保、説明を訂正>
 2015年1月28日 琉球新報
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 名護市辺野古への新基地建設に反対する市民の抗議船に乗船し、海上作業の様子を撮影していた映画監督の影山あさ子さん(51)が20日、海上保安官に馬乗りされた件で海上保安庁は27日、これまでの説明を一転させ訂正した。同庁は本紙に対し「女性は(船上で)立ったまま不安定な状態で撮影していた。安全確保のために体全体を使って転落しないようにした」と説明した。
 第11管区海上保安本部(那覇市)は本紙が馬乗りを報じた当初、本紙や要請した県選出国会議員に対し「船体後部へ向かうため、狭い船内を通り抜けるために女性をかわして移動した」などと説明していた。
 同庁によると、本紙が21日に馬乗りの写真を掲載した後、同庁が撮影していた動画を確認した上で「女性をかわした」としていた。だが23日に本紙が掲載した連続写真を見て「(確認した)動画とタイミングが違う、と判明した」と釈明した。
 同庁は27日、「当時周囲には多数の船があった。女性が転落して船と船の間に挟み込まれ、けがをする恐れがあった」とした。
 影山さんのカメラにつかみかかったことについては「カメラが海に落ちたり、壊れたりする場合もあるので、一時的に預かることがある。その後安全な環境が整った上で返却する。報道規制の意図は全くない」と述べた。
 影山さんは27日、「いい加減な発表であり得ない。腹は立つが『やはりか』という気持ちだ。昨年からけが人が出ているが、全部覆い隠そうとしている。法律にのっとり、正々堂々と対応してほしい」と話した。
 
昨日は「軍転協、普天間の県外移設要求を継続 日米に来月要請」ということで、県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協、会長・翁長雄志知事)が、日米両政府にあらためて「県外移設」を求めることになった。
 
さらに「辺野古移設 国の監視委内部で疑義 環境対策に異論」によれば、名護市辺野古への米軍普天間代替基地建設に向け、事業に伴う環境保全策を検討するため沖縄防衛局が設置した環境監視等検討委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院教授)をめぐり、委員自らが監視委の客観性確保や環境影響判断の難しさに疑問を呈し、第三者機関設置を求めていたことが明らかになっている。
 
それにもかかわらず、政府は既成事実を積み上げている。
 
<辺野古ケーソン工事、本体部分で初契約 中断要請顧みず>
 2015年1月30日 琉球新報
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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて、辺野古沿岸部に護岸を建設するため、沖縄防衛局が29日までに、キャンプ・シュワブ内のケーソン新設工事(1工区)をゼネコンの五洋建設などの共同企業体(JV)と契約したことが分かった。移設計画に伴う埋め立て本体工事の契約は初めて。埋め立て予定区域の外周部の約3割に当たる護岸整備に着手する。辺野古移設反対を訴えて当選した翁長雄志知事が工事を見合わせるよう求める中、国は海底ボーリング調査に続き、本体工事着工に向け作業を進めようとしている。
 防衛局は今回契約したケーソン新設の1工区を含め、中仕切り岸壁の新設など本体工事6件について昨年10月に入札を公告。1工区以外の5件の本体工事も近く契約する。ボーリング調査終了後、早ければ4月にも本体工事に着手する。
 1工区を契約した共同企業体の構成は筆頭の五洋建設のほか、清水建設、みらい建設工業。
 ケーソンは、埋め立ての護岸を形成する鉄筋コンクリート製の巨大な箱で、県外の作業場で製作し、海中に沈めて、洋上運搬する。移設予定地では、箱の中に大量の砂を投入して重量を増やして沈め、ふたを閉めて海底に固定する。
 ケーソン1基当たりの長さは52メートル、幅22メートル、高さ24メートルで重量は約7400トンとなる。今回契約した工事では、海底を整備した上でケーソン計6基を海底に固定する。
 JVへの契約額は131億500万円(税込み141億5340万円)。工期は2017年9月30日まで。
 
27日の衆院本会議で普天間問題について問われた安倍晋三首相は「地元の理解を得ながら普天間の一日も早い返還に向け、安全に留意しながら着実に移設を進めていく」と答弁した。
 
いつものことだが、安倍晋三首相の発言と実際の行動は言行不一致そのものである。
 
翁長雄志知事の要請に反した作業強行は「地元の理解」を得る考えなど持ち合わせていないことの表れであり、「安全に留意」とも言うが、辺野古沖では海上保安官による暴力行為が横行している。
 
安倍晋三首相は「負担軽減に取り組む政府の姿勢が民主主義に反するとは考えていない」とも述べていたが、盗人猛々しいとはこのことだ。
 
いったい安倍政権のどこが民主的というのだろう。
 
今沖縄で起きていることは国策への従順を県民に押し付け、反対者を排除する非民主的行為そのものであり、沖縄県民からすれば安倍晋三がまさにテロリストであろう、とオジサンは思う。 
 
 
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2015年01月29日

人質事件、国内メディアの限界と真相

あえて政府の対応ぶりを強調するかのように、参議院本会議中に緊急退席をするほどの迫真の演技を行っていた菅義偉官房長官と岸田文雄外相。
 
人質解放交渉は完全に日本の手を離れ、ヨルダン政府に預けられた形になってしまった。
 
この時点で、もう日本政府を直接批判、非難する声は出にくくなった。  
 
政府広報紙メディアは論外なのでさておき、国内大手マスメディアの報道ぶりを見てみる。
 
<有志連合の分断警戒 米「割れている印象」懸念 対「イスラム国」>
 2015年1月29日05時00分 朝日新聞ディジタル
 米オバマ政権は、「イスラム国」が有志連合の分断を狙って揺さぶりをかけていると警戒し、改めて結束を呼びかけている。「イスラム国」は、日本に人質の身代金を要求したり、ヨルダンに死刑囚の釈放を求めたりして、国ごとに要求を変えているためだ。
 「いかなる人質事件も、連合の強固さをはかるリトマス試験紙にはならない。60カ国以上が加わっている連合は非常に強固で、日本も貢献している」。国防総省のカービー報道官は27日の会見で、こう強調した。
 「イスラム国」の身柄交換要求について「日本が決めることだ」と判断を尊重する考えを示しつつも、人質事件が有志連合の結束に影響すべきではないと訴えたものだ。オバマ大統領も24日、湯川遥菜さんが殺害されたとみられる画像の公開を受け、声明で「同盟国である日本と肩を寄せ合い、日本の貢献を称賛する。我々は『イスラム国』を打倒するため断固たる行動を取り続ける」と結束を訴えた。
 米国内では、独仏などがこれまでに身代金の支払いに応じたとされていることを巡って、「有志連合内も割れているという印象を与える」(CNNに出演した元CIAアナリスト)と懸念の声が出ている。
 米国単独ではなく、国際的な包囲網で「イスラム国」打倒を目指すオバマ政権は、引き続き日本やヨルダンが対「イスラム国」で役割を果たすことを期待しており、人質事件の影響は最小限に抑えたい考えだ。
 ただ、人質事件への対応の難しさは、オバマ政権も理解している。「イスラム国」は昨年、米国人の人質3人を殺害。この間に、米軍の特殊部隊による救出を図ったが失敗している。現在もシリアの子供たちを支援するため入国した米国人女性が拘束されたままで、「イスラム国」は身代金や米国に服役中のパキスタン人科学者との交換を要求しているとされる。オバマ政権は「可能なあらゆる努力をしている」(マクドノー大統領首席補佐官)としているが、拘束は1年半近くに及んでいる。
 (ワシントン=大島隆)
 
国の命令に従って出撃し捕虜になった兵士は人質交換には応じるが、民間人に関しては決して交換交渉に応ぜずジャーナリストらを見殺しにしてきた米国なので、米国の論理と同様な役割を「日本やヨルダンが対『イスラム国』で役割を果たすことを期待」するということは、ヨルダンの捕虜になっているパイロットの交換までは認めるが、日本人ジャーナリストの交換は認めないというメッセージであろう。
 
しかし日本政府から180億円という莫大な援助をしてもらっているヨルダン政府に対する「イスラム国」の戦略は相手の弱点を突く、巧妙さが際立っている。
 
<「イスラム国」人質(その1) 翻弄されるヨルダン>
 毎日新聞 2015年01月29日 東京朝刊
20150129hitojitisyasin.jpg ヨルダンがイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の巧妙な要求にギリギリの対応を迫られている。ISの要求に応じ、ヨルダンに収監されているテロリスト、サジダ・リシャウィ死刑囚を釈放してフリージャーナリストの後藤健二さん(47)が解放されても、ヨルダン人パイロットは解放されず、批判が政府に向かう恐れもある。死刑囚の釈放か否か、どちらの選択肢を取っても、ヨルダンが痛手を負うことは避けられない。【アンマン坂口裕彦、カイロ秋山信一】
 ◇決断には痛み不可避
 「日本人の解放ではなく、パイロットを返せ」。27日夜、首都アンマンの首相府前では、昨年12月に身柄を拘束されたパイロットの母や親族、支援者らが集まり、政府に解放を迫った。
 ヨルダン政府は27日のISの映像公表で苦しい立場に置かれている。映像では後藤さんを解放する見返りにヨルダンに収監されているサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を求めている。ヨルダンにとって重要なパイロットの解放には言及せず、「殺害されない」ということしか分からない。さらに映像は「24時間以内に応じないと2人を殺害する」と有無を言わさぬ形で「最後通告」。自国民の解放が確定的でない段階で、日本人解放を優先することに、国内から批判が高まるのは避けられない。
 「ヨルダンの弱みを突く卑劣な手法」と地元紙記者は話す。ヨルダンは中東にありながら非産油国で経済基盤が極めて弱い。2013年の国内総生産(GDP)は世界92位の336.8億ドルだ。
 ヨルダン政府にとってISの要求に応じる最大のメリットは、パイロットの命だ。「日本人を優先した」という国内からの批判は避けられないうえ、パイロットが確実に救出される保証はない。それでも、同胞を見殺しにすることは辛うじて避けることができる。ヨルダンにとって日本の政府開発援助(ODA)は米国、アラブ首長国連邦(UAE)に次いで3番目で、将来、日本からの支援額の増額も期待できる。
 一方で、デメリットも大きい。テロに屈したことになり、パイロットの解放に向けた交渉でISが、さらなる難題を突き付けてくる可能性もある。何より国境を接するシリアで暴れるISが、ヨルダンへのテロを激化させる恐れもある。米国はISの死刑囚釈放要求について「テロに譲歩しない」(サキ米国務省報道官)とヨルダン側に圧力をかけた。対ISの有志国連合を率いる米国との緊密だった関係がギクシャクする可能性もある。
 ◇イスラム国、狡猾な戦術
 「私には24時間しか残されていない。パイロットにはより短い時間しかない」。ISの本拠があるシリア時間で27日午後4時(日本時間午後11時)過ぎ、イスラム過激派が犯行声明の発表などに利用するインターネットサイトに後藤健二さん(47)の新たな映像が公開され、ISは「劇場型」の人質事件を締めくくるべく、日本とヨルダン両政府に最後通告を突きつけた。
 ISは今月20日に後藤さんと千葉市出身の湯川遥菜さん(42)を拘束している映像を公開。その後、要求や状況はめまぐるしく変わり、日本とヨルダン両政府は翻弄(ほんろう)されISに主導権を握られる形となった。
 最初の声明で「72時間以内の人質殺害」を予告し2億ドル(約235億円)という破格の身代金を求め、世界の耳目を集めた。24日の声明では、ヨルダンで収監されているISの前身組織メンバー、サジダ・リシャウィ死刑囚と後藤さんとの「人質交換」を要求。
 メディアや事件に関心を持つ人は、次々と展開していく事件の推移に引き込まれていった。存在感を誇示するというISの広報戦略は、事件の結末に関わらず、成功したと思われる。
 一方、ISは、実質的な成果を得るための駆け引きも見せた。身代金から死刑囚釈放に要求を変えた点について、過激派の動向に詳しいエジプト人評論家のサラハ・エルディン氏は「当初は日本だけが標的で(法外な身代金を要求したが)、アラブメディアの関心が薄かった」と指摘。安倍晋三首相がアブドラ国王らと電話協議したことで「ヨルダンが仲介役になったと思い、アラブ世界での宣伝効果を狙って要求を変えた」と分析する。
 また「無理難題を押しつけてから現実的な要求に変更することで、相手に『検討の余地がある』と思わせるアラブ流の交渉術」(過激派研究者)との見方も。
 相手陣営の分断を図るという狡猾(こうかつ)な戦術も徹底していた。20日の声明では日本政府に2億ドルの支払いを要求し、国民に政府へ圧力をかけるよう要求。「政府」対「国民」という構図を作ろうとした。リシャウィ死刑囚釈放の決定権を持つヨルダン政府に対し「パイロット殺害」を示唆して脅す傍ら、日本政府にはヨルダン側に最大限の政治的圧力をかけるよう要求し、二国間の分断も狙った。
 さらに、ISはパイロットの解放については一切言及しなかった。ヨルダンを揺さぶる「カード」として今後も利用する考えとみられ、したたかさを見せた。
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 ■ことば
 ◇ヨルダン
 西はイスラエル、北東はシリアとイラクに接する。人口約700万人で、イスラム教スンニ派が9割とされる。遊牧民ベドウィン系のアラブ人のほか、パレスチナ難民も多く抱える。王室は日本の皇室と関係が深く、元首のアブドラ国王は10回以上訪日歴がある親日家。産油国ではなく、衣料品などを輸出し、原油などを輸入している。紛争地に囲まれていることから、米国や周辺アラブ諸国と幅広く協調する「バランス外交」を取ってきた。「イスラム国」のテロが自国にまで及ぶことを懸念し、有志国連合による空爆にも加わった。
 
元軍事ジャーナリスト黒田小百合は、2人の人質ビデオが公開された20日前後から、日本のマスメディアが報道しない、できない内容を精力的にツイッターで流していた。
 
以下に最新情報から遡って彼女からのツイッターを紹介する。
(少々長いので、飽きたら止めてください) 
  




































中東を始めとする海外メディア記事に容易に接する機会がない国民にとっては、国内メディア、特にテレビメディアからの情報だけで判断することなく、たまには海外情報に接して事の真実を把握する必要がある。

それにしても最終的にどのような形で終わろうとも、安倍政権はあらゆる手段を使って今後の安保法制政策を有利に進めることだけは確かである、とオジサンは思う。

 
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2015年01月28日

言語道断な行為は沖縄辺野古でも行われている

日本人人質事件に関しては、「今後もテロに屈することなく、世界の平和と安定に積極的に貢献するよう全力で取り組む」と相変わらず安倍晋三首相の空虚な、壊れたレコードのような言葉が繰り返し聞かされるが、「国益?のために真実を伝えないマスメディア」でもつぶやいたが、日本のマスメディアは政権批判精神をすっかり置き去りにして、翼賛報道になりつつある。
 
そしてお決まりのように、安倍晋三首相と政局の節目には必ず酒食を共にする時事通信社解説委員の田崎史郎は「『イスラム国』人質事件における安倍官邸の『危機管理能力』を評価する」という提灯記事を書いている。
 
その記事の最後では「野党もマスコミも『安倍がテロを誘発した』などと政権批判に走りがちだ。しかし、そういう意見はテロを正当化することにつながる。ここは安倍官邸の対応を見守るべきではないか。」と頓珍漢な安倍晋三擁護に熱心である。
 
一方、元駐イラン大使の孫崎享は「安倍外交が『イスラム国』のテロを誘発した」と明確に批判し、かつ「集団的自衛権行使の法整備が進み、日本が後方支援という名目で、中東地域に自衛隊を派遣する方向にある。するとどういうことが予想されるのか。今回の事件は教訓になっている。アラブ・イスラム世界と長年かけて築いた良好な関係や、信頼は毀損されていき、日本人が『テロ』の対象になることが懸念される。」と至極真っ当なことを指摘している。
 
評論家はそれぞれの立ち位置から大いに「表現の自由」の権利を行使すればそれでいい。
 
しかし、24時間と期限がつきつけられた人質の生命に関しては、今後の様々な展開を予測しておくことも大切である。
 
文春新書で1月20日に『イスラーム国の衝撃』を出した東京大学・先端科学技術研究センターの池内恵准教授は「人質殺害脅迫の犯行グループが期限を24時間に:生じうる交渉の結果を比較する」という観点から自身のfacebookで以下のような興味深い分析結果を発信していた。
 
(1)非常に悪い結果
イスラーム国:ムアーズ中尉(パイロット)を殺害、後藤さんを殺害。ヨルダン政府:サージダ死刑囚を釈放→ヨルダン政府の体面失墜、武装集団の威信高揚。
 死刑囚を釈放したのに対して、相手方は殺害した遺体を送りつけてくる、という最悪の結果は、中東諸国が他のイスラーム主義武装集団と行った交渉ではあった。ヨルダン政府は、「イスラーム国」が本当にムアーズ中尉が今も生きているのか、生きて返す意思があるのかを、必死に見極めようとしているだろう。ヨルダン政府にとっては、そこが絶対に譲れない一線だ。日本人人質を併せて解放してもらえるかどうかは、あくまで副次的な要素だろう。
(2)悪い結果
イスラーム国:ムアーズ中尉を殺害、後藤さんを解放。ヨルダン政府:サージダ死刑囚を釈放→ヨルダン政府は、日本の金でヨルダン人パイロットを売ったと嘲笑・非難される。
 私は、イスラーム国がムアーズ中尉を生きて返す可能性は極めて低いと思う。付随して、ヨルダン政府を嘲笑するために、「より罪の軽い」通りがかりと言っていい日本人を返す可能性はないわけではない。その時日本は手放しで喜ぶというわけにはいかない。
(3)最良に見えるが実際には重大な帰結を付随する結果
イスラーム国:ムアーズ中尉を解放、後藤さんを解放。ヨルダン政府:サージダ死刑囚を釈放→日本にとっては良い結果に見えるが、イスラーム国はサージダを宣伝に活用し、おそらく仲介者を通じて資金も受け取る。ヨルダン政府は死刑囚への寛大な措置と、日本人人質も救った英明さを強調できるが、アンマン・テロ事件の重要実行犯を解放する超法規的措置で、威信を問われる。日本政府は、ヨルダン政府に大きな借りを作り、金銭面だけでなく、政治的、そして人的支援を、ヨルダン政府に一旦緩急ある時求められる。自衛隊派遣等を求められる事態も将来に生じないとも限らない。ヨルダン政府は、すでに人員の危険を冒して、日本人人質の奪還に動いている。テロリストを解放すれば、将来の危険が増す。裏で渡る身代金はイスラーム国とその中核の武装集団の活動を支える。より酷くない悪を選ぶしかないが、中長期的に見てどれが最も「悪い」結果なのかは、判断がつきかねる。
(4)このままでは最も可能性が高い、悪い結果
人質が殺害され、ヨルダン政府は死刑囚を解放しない。ヨルダン政府の方針は守られるが、日本政府の目的は達せられない。時間が切迫しているが、取れる手段は限られている。
 可能性はこれらだけではない。今回も映像の編集が貧弱で、これまでの脅迫映像で使われていた背景映像がなく白無地の背景で、動画による人質の発言などが盛り込まれていない、等を考えると、(1)武装集団が従来の機材を使えない状態にある。すなわち軍事的にかなり打撃を受けている。処刑人が第2回の映像から出てこないのは、負傷・死亡したか、別の場所にいて撮影の場に来られないといった理由が考えられる。(2)第2回の映像以来、それまでとは違う武装集団が後藤さんの身柄を奪った、という可能性もないわけではない。これらの武装集団側の状況変化によって、展開は早まりもするし、新たな要求が出る可能性もある。
 
さて、今年に入って国会を取り囲むというパフォーマンスが17日の土曜日と、25日の日曜日に行われた。
 
最初は「7000枚のレッドカードが国会を縛り上げた〜『女の平和』ヒューマンチェーン」。
 
全身「赤」だらけではなかったが、かなり強烈な女性パワーである。
 
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次が、辺野古の海を象徴する「青」をシンボルカラーとして身に着けた人たちによる「辺野古に基地はつくらせない! 1.25国会包囲ヒューマンチェーン」。
 
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総選挙や県知事選、市長選で沖縄県民の「辺野古新基地No!」の姿勢が明確になり、翁長雄志知事は26日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画に関する仲井真弘多前知事の埋め立て承認に法的な瑕疵がなかったかを検証する外部有識者の「第三者委員会」を設置した。
 
これを受けて安慶田光男副知事が井上一徳沖縄防衛局長と会い、県の検証作業が終わるまで辺野古沖の海上作業を見合わせるよう申し入れたが、菅義偉官房長官は同日午後の記者会見で、前知事の埋め立て承認を挙げ「着実に進めることには全く変わりがない」と拒否して海上作業が強行されてきた。 
 
<辺野古に数十トンブロック投入 防衛局、作業を強行>
 2015年1月28日 琉球新報
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トンブロックを海中に降ろす大型クレーン船=27日午後4時40分すぎ、名護市辺野古沿岸

【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で27日、大型クレーン船など作業船計7隻が大浦湾に到着した。沖縄防衛局は大型クレーン船で浮具(フロート)や浮具を固定するためのトンブロック(数十トン規模のコンクリートブロック)を設置する作業を開始。これまでで最大規模の海上作業となる。翁長雄志知事は26日に立ち上げた第三者委員会で埋め立て承認の取り消し撤回を視野にした検証期間中、海上作業を見合わせるよう求めていた。政府は要請を聞き入れず作業を強行した格好で、翁長知事は「できる限りの対処をしたい」と反発を強めている。
 防衛局は環境影響評価書で「日の出1時間程度後から日没1時間程度前の間に作業を行うよう努める」としてジュゴンなど環境への影響を考慮することを明記した。だが、27日の作業が始まったのは日の出前の午前7時すぎだった。
20150128okinawahenokotizu.jpg さらにトンブロックについても県が新たな岩礁破砕に当たる可能性があるとして防衛局に詳細を問い合わせていた。だが、回答しないまま設置作業を開始。防衛局は「個別の作業には答えられない」としている。
 防衛局は27日午前7時すぎ、大型クレーン船2隻と資材運搬用の台船3隻など計7隻を大浦湾に投入した。作業はキャンプ・シュワブのビーチ沿岸を囲んだフロートの中で行われた。大型クレーン船が何度も向きを変えながら、トンブロックを次々と海中に投下した。
 関係者によると今後2、3日かけて施工区域を山形のフロートで囲い、準備が整い次第、事実上の埋め立て工事となる仮設桟橋(岸壁)設置作業を開始する。2月に大型スパット台船を投入し12カ所の海底ボーリング調査を実施する予定。
 海上の作業現場は臨時制限区域を明示するために設置された油防止膜(オイルフェンス)で囲われている。
 海上保安庁の巡視船が警戒する中、移設に反対する市民らは作業現場に近づけなかった。
 
総選挙では「国民の信任を得た」とうそぶきながら、平気で国民の過半数が反対している政策を推し進めようとしている安倍政権は、地方創生と高らかに掲げながらも、沖縄県は日本の地方とみなしていないらしく、露骨に米国配下の地域としてしか見ていないようである。
 
もう正月気分でもないのに、以下の着物姿の連中は一体誰でしょう?
 
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通常国会召集日恒例の記念撮影ということで、超党派の「和装振興議員連盟」が26日、国会正面玄関前で行ったパフォーマンスである。
 
この議連会長の伊吹文明前衆院議長は、取ってつけたように過激組織「イスラム国」によるとみられる日本人人質事件を踏まえ、「国民衣装である着物を着て、国民が一致結束してテロ組織に対応している姿を示す」と記者団に語るほど、惚けていた。
 
拘束され殺害されたという日本人に対しては、安倍晋三首相は「言語道断な卑劣な行為」と言っていたが、事実上の埋め立て工事が進む沖縄県の辺野古で日本人同士がそのうちに激しく対立し衝突を繰り返せば、権力側による「言語道断な卑劣な行為」が発生するのも時間の問題ではないだろうか、とオジサンは思う。


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2015年01月27日

国益?のために真実を伝えないマスメディア

第189回通常国会が26日に開会した。
 
事前に発表されていた通り、安倍晋三首相による所信表明演説は先送りになった。
 
もっとも先週の20日に公開された「イスラム国」による公開ビデオでの警告以来、政府内部はそれどころではない状態なので、所信表明演説の先延ばしは賢明だったのかもしれないが、うがった見方をすれば、ひょっとして織り込み済みだったのではと、勘ぐってしまう。
 
今国会では、集団的自衛権の行使容認に伴う安全保障関連法案をめぐり激しい論戦が予想され、その日程は以下のように想定されている。
 
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それにしても「イスラム国」による邦人人質事件に関しては、微妙な交渉が続いているのであれば政府としては手の内を明かすことはできないので、メディアに対しての情報提供は自ずと制限されることは仕方がない。
 
ところが不思議なことに大手マスメディアを始めとして、各社の報道内容が横並びで、そして事の発端がエジプトでの安倍晋三首相の会見内容であったことは「イスラム国人質事件は首相の舌禍」とネット上で指摘しているブログや「安倍首相中東訪問 外務省は時期悪いと指摘も首相の反応は逆」という週刊誌もあったにもかかわらず、新聞各社や民放テレビでは一切報道されていない。
 
<イスラム国人質事件で新聞各社が“安倍批判”自粛!? 露骨な擁護記事も登場>
 2015.01.26 リテラ
 湯川遥菜氏が殺害されたと見られる動画が公開され、さらに難しい局面に入ったと思われるイスラム国事件。政府がきちんと救出にあたるよう国民もプレッシャーをかけ続ける必要があるが、しかし、ここで気になるのは、日本の大手メディアの姿勢だ。
 本サイトが再三指摘してきたように、こうした事態を招いた責任の一端は安倍晋三首相にある。すでに湯川氏は昨年8月に、後藤健二氏についても10月末に拘束されたことを政府は確認していた。後藤氏については外務省が昨年の段階で秘密交渉を働きかけたものの、失敗に終わり、そのまま放置してしまったことも本サイトの取材で判明している。これは本日26日発売の「週刊ポスト」(小学館)2月6日号も指摘しているように、明らかな事実だ。
 安倍首相はそんななか、中東歴訪で2億ドルの支援をぶちあげ、しかもわざわざ「支援はISILの脅威を食い止めるため」「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」と、軍事援助であるかのような発言をしたのである。
 政府や外務省がこの「2億ドル」を「人道支援やインフラ整備などの非軍事分野での支援」などと“言い換えた”のは、最初の予告動画公開の後。「2億ドル=人道支援」ということ自体は誤りではないが、だとしたら、安倍首相のカイロでの演説は明らかなスタンドプレーであり、致命的な失言といっていいだろう。
 だが、新聞もテレビもそのことをほとんど報道しない。それどころか、政府の言い分を垂れ流し、安倍首相を擁護し続けているのだ。たとえば、人質事件が発覚した翌日、新聞各紙の社説にはまるで判で押したように同じ文言が並んだ。
〈しかし、日本からの医療や食料の提供は、住んでいた街や国を追われる人たちが激増するなかで、不可欠の人道的な援助である。「イスラム国」に向けた攻撃ではなく、脅迫者たちの批判は筋違いだ。安倍首相は記者会見で「許し難いテロ行為に強い憤りを覚える」と述べ、中東地域の平和や安定を取り戻すための非軍事の支援を続けていく意思を強調した。毅然(きぜん)として向き合っていくべきだろう。〉(朝日新聞 21日付朝刊「社説」)
〈身勝手で筋違いな要求だ。安倍首相はエジプトでイスラム国対策の2億ドルの支援を表明したが、それは避難民向けの食料や医療など人道援助が中心だ。あくまで非軍事活動に徹している。菅官房長官が「テロに屈することなく、国際社会とテロとの戦いに貢献する我が国の立場に変わりない」と語ったのは当然だ。〉(読売新聞 21日付朝刊「社説」)
 〈安倍首相は確かに訪問先のカイロで演説し、「イスラム国」対策として近隣のイラクやレバノンなどに2億ドルの支援を表明した。だが、その内容は「イラク、シリアの難民・避難民支援」や「地道な人材開発、インフラ整備」など非軍事的な色彩が強く、「イスラム国」との戦闘に力点を置いた支援ではない。〉(毎日新聞 21日付朝刊「社説」)
〈見当違いも甚だしい。「イスラム国」の暴力から逃れるため、シリアやイラクでは多くの人々が住む家を追われた。難民を支える環境を整えることが急務だ。そのための人道支援である。〉
〈安倍首相は「テロに屈してはならない」と述べるとともに、「国際社会と連携し、地域の平和と安定に貢献する方針は揺るがない」と決意を示した。「イスラム国」と対峙する各国と綿密に連携し、2人の早期解放に全力をあげてほしい。〉(日経新聞 21日付朝刊「社説」)」
〈エルサレム市内で会見した安倍首相は(中略)2億ドルの拠出は避難民への人道支援であることを強調し、実施する考えを示した。菅義偉官房長官も「テロに屈することなく、国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく」と述べた。この姿勢を支持する。〉
(産経新聞 21日付朝刊「主張」)
 読売や産経だけなく、朝日や毎日まで──。まるで、報道協定か?と見紛うばかりの画一的内容だが、取材してみると、やはりそこには自主規制があるようだ。全国紙の政治部記者が語る。
「報道協定や表立った圧力はないが、官邸も外務省も口を開けば『人命がかかっているから慎重に』といってきますからね。政権批判をしたら、『事件を政治利用した』『イスラム国を利する報道をした』などと叩かれるのは目に見えている。今の段階では、我々としても人命最優先ですから、政府見解をそのままトレースするしかない」
 しかし、「人命がかかっているから慎重に」というが、新聞やテレビが手控えているのは安倍政権批判であり、イスラム国に対しては「許しがたい」「言語道断」などと、論陣をはっているではないか。ようするに、マスコミが刺激しないよう配慮しているのは、イスラム国でなく、国内の空気なのだ。
 実際、新聞だけでなく、テレビも過剰としかいいようのない自粛体制をとっている。ニュース番組はもちろん、フジテレビはアニメ『暗殺教室』の放映を中止し、テレビ朝日の『ミュージックステーション』では、ロックバンド「凛として時雨」による楽曲「Who What Who What」の歌詞が、「血だらけの自由」を「幻の自由」に、「諸刃のナイフ」を「諸刃のフェイク」に改ざんされ、またKAT-TUNが演奏予定だった新曲「Dead or Alive」が別の曲に変更されるという対策がとられた。
 そして、安倍政権はこういったメディアの空気を利用して、「人命尊重」を大義名分に自分たちの批判をしないように圧力をかけているのだ。
 「官邸はとにかく、今、救出よりも自分たちへの批判をどう抑え込むかということに躍起になっています。菅義偉官房長官や今井尚哉首相秘書官らは後藤さん湯川さんの自己責任論を示唆する一方、御用メディアの読売や産経、NHKを使って、露骨な安倍擁護を吹き込んでいる」(前出・政治部記者)
 その成果か、読売と産経は、表立った批判も出てきていない段階で、機先を制するように、こんな社説を掲載した。
〈気になるのは、安倍首相の中東歴訪がテロリストを刺激し、今回の事件を招いたかのような、的外れの政権批判が野党の一部などから出ていることだ。首相の中東訪問は、各国との連携を深め、地域の平和と安定に貢献することが目的である。〉(読売新聞 23日付朝刊「社説」)
〈中東歴訪中だった安倍晋三首相は一部予定を変更して帰国した。イスラム過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件の陣頭指揮を国内で執るためだ。事件は首相の歴訪が招いたものとの批判があるとすれば、誤りだ。卑劣なテロによって評価が左右されることはない。〉(産経新聞 22日付朝刊「主張」)
 
 何度でも繰り返すが、安倍政権が守ろうとしているのは自分たちの権力だけであり、国民の生命など一顧だにしていない。だが、メディアがこんな有様では、安倍首相の責任追及どころか、「テロとの闘い」を訴えたブッシュ政権支持一色になって、それに異を唱える者がバッシングされた9.11後の米国のような状況になる可能性はきわめて高いといわざるをえない。
(田部祥太)
 
26日発売の「週刊ポスト」の記事の以前には、すでに「マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係」を詳細な過去の、記事やブログを基に検証していたブログもあった。
 
このブログ主の見解には賛否入り混じっているのだが、全く無視するには惜しい内容なので全文掲載する。  
 
<後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係>
 2015-01-21 23:30 世に倦む日日
 後藤健二についてマスコミが隠して報道しない事実がある。正確に言えば、後藤健二と湯川遙菜の関係についてだが、マスコミは重要な事実を説明せず、われわれを誤解に導いている。このことは、昨年の記事にも書いたので、Blogの読者は覚えておられるだろう。一般には、後藤健二と湯川遙菜の接点について、昨年の7月末、湯川遙菜がトルコ経由でシリアに二度目の潜入をし、反アサドの自由シリア軍に拘束され、アジトで尋問を受けていたとき、英語が堪能な後藤健二が湯川遙菜を救ってやったのが最初の接触だという理解になっている。後藤健二自らが昨年8月にテレビで証言したとき、湯川遙菜との関係について、詳しくは説明しなかったが、そのときが初対面であるかのような印象で語っていた。自由シリア軍のアジトで最初に偶然に出会ったと、われわれはそんな感じで二人の関係を認識している。マスコミの報道も、そうした演出と論調になっている。しかし、実際にはそうではない。本人のBlogで検証するかぎり、昨年の湯川遙菜の中東渡航には全て後藤健二が同行しているのである。証拠を挙げよう。昨年4月下旬、湯川遙菜はシリアに一回目の潜入をしている。無論、外務省から渡航禁止令が出ている状況でだ。湯川遙菜にとって紛争地入りの初体験だった。帰国後の報告に、「僕が入国して数日後、ジャーナリストの後藤健二さんが入国し、お会した」とある。このときが、Blogで確認できる湯川遙菜と後藤健二との最初の接触である。


この事実は、Blogの公開情報であるにもかかわらず、そして見落とされていた重大事実であるにもかかわらず、昨年8月の湯川遙菜事件のときは、誰も指摘することなく、不審視され掘り下げて調べられるということがなかった。今回、二人の殺害予告映像が出て、朝日などが、さも以前から既知の事項であったかのようにさらっと書いている。その次。4-5月のシリアに続き、6月下旬に湯川遙菜はイラクに渡航している。イスラム国がイラク北部に侵攻して勢力を拡大させ、米国が空爆で阻止をしようとしていた時期だ。日本に帰国後、現地のレポートを書いているが、6/29の記事を見て欲しい。イスラム国と戦うクルド人部隊と撮影した写真に、後藤健二が収まっているではないか。このとき、後藤健二は現地レポートを報ステの映像にしている。この事実について、マスコミがこれまで注目して取り上げたことは一度もない。つまり、昨年4月のシリアでも、昨年6月のイラクでも、昨年7月のシリアでも、湯川遙菜は常に後藤健二と一緒だったのだ。湯川遙菜は英語ができない。だから、現地で活動するためには事情をよく知る通訳が必要で、シリアでも、イラクでも、後藤健二が湯川遙菜のガイドとなって世話をしていたのだ。英語のできない湯川遙菜には、後藤健二のサポートなしに現地活動は不可能だった。7月の自由シリア軍でのエピソードは、二人の初対面ではないし、後藤健二のあの証言が真実かどうかは疑わしい。

昨夜(1/20)のテレビ報道を見ていると、後藤健二は、湯川遙菜が8月にシリアでイスラム国に拘束された件について、自身が責任を感じており、イスラム国に潜入して身柄を救出する準備を進め、10月下旬にそれを実行している。10月22日にトルコに向かい、23日にトルコのコーディネーターに電話をかけ、24日に国境の町で接触し、25日に国境を越えてイスラム国の首都であるラッカに向かっている。帰国予定は10月29日だった。29日に帰国ということは、28日にイスタンブールから飛行機に乗らなくてはいけない。テレビ報道でのトルコのコーディネーターの証言だと、27日になっても帰らなかった場合、家族を含めた5件の連絡先に電話を入れてくれと後藤健二に頼まれ、本人の携帯電話を直に渡されたと言っていた。ここから察知できることは、後藤健二による湯川遙菜救出の行動がきわめて短期の計画だったということだ。25日に国境を越えてシリアに潜入し、27日には再び国境を超えてトルコに戻っていなくてはいけない。2泊3日の行程。つまり、後藤健二は何も事前に情報のないままイスラム国(ラッカ)に入ったのではなくて、イスラム国側のコーディネーターの手引きに従い、イスラム国側との打ち合わせに従って、本人の主観からすれば、湯川遙菜の身柄を引き取りに行ったのだ。現地で時間をかけて捜索するのではなく、調整した約束どおりに素早く身柄を引き取って戻ってくる予定だったのだ。

ところが、後藤健二の方は計画に自信を持っていたのに、豈図らんやのどんでん返しがあり、裏切られてイスラム国に拘束されてしまった。これは、推測を働かせれば、後藤健二が最初から騙されて誘き出されたのであり、事前のイスラム国との交渉の中で、イスラム国側が後藤健二を騙していたことになる。どうしてこういう展開になったのか。その推理は措いておくとして、確認しなくてはいけないのは、後藤健二による湯川春菜の救出行動がきわめて短期計画であり、先方との何らかの調整が事前にあったことだ。後藤健二は、この湯川遙菜救出行動を本当に単独で発意して実行したのだろうか。動機なり背景としてあるのは、本当に個人的な責任感だけなのだろうか。私はそうは思わない。後藤健二による湯川遙菜の救出行動は、単独の冒険的なものではなく、日本政府が何らか背後についていて、政府関係者と入念に相談した上で、言わば日本政府のエージェントとして動いたものだと思われる。10月下旬と言えば、湯川遙菜が捕まって2ヶ月半の時点であり、人質の解放について条件が纏まってよい頃合いでもある。ここで私の仮説を述べれば、後藤健二は、その「秘密機関」における湯川遥菜の上司なのではないか。湯川遙菜はあのとおり素人である。プータローの湯川遙菜が、一体誰から資金を得て、何やら任務のようなものを受けて、インドレバノンやシリアやイラクに頻繁に渡航していたのか。それは未だ謎のままだ。

私は、これは安倍晋三とJ-NSAがJ-CIAの海外拠点を創設し、機関工作員を養成するプロジェクトの一端を示すものではないかと疑い、Blogでそう書いてきた。湯川遙菜は、その機関工作員の初代の見習生で、言わばテスト・パイロットだったのではないか。最も危険な地域に送りこみ、リスクがどの程度あるか、その瀬踏みをさせる使い捨ての派遣道具だったのではないかと、そのように想像を巡らせている。見習生を現地実習で教育するには上司たる教官が要る。その中東における上司教官が、インディペンデント・プレスのジャーナリストである後藤健二ではなかったのか。湯川遙菜の三度(レバノンを含めれば四度)の中東渡航が、趣味の個人旅行ではなく、組織から資金と任務を受けた工作活動(の教育実習)であったことは、ほぼ間違いないものだと断定できる。そのとき、三度の中東渡航に常に影のように付き添い、英語通訳としてサポートしている後藤健二について、われわれはそれを偶然と見ることはできない。現地で後藤健二とコンタクトするよう、予め組織から指示されているのであり、後藤健二に対しても(実習生の)湯川遙菜と現地でコンタクトするよう、誰かから依頼がされているのだ。後藤健二が熟練の戦場ジャーナリストで、確かな取材をしていた仕事師であることは事実だが、ジャーナリストで同時にCIAの要員という人間はいくらでもいる。学者でも記者でもいる。スノーデンも平素の身分はDell社の社員で、東京で日本法人に勤務していた。

重要な事実は、後藤健二が行方不明になり、家族が外務省にその届けを出した後、11月にイスラム国から身代金10億円を要求するメールが入っていたことだ。この件は、昨日(1/20)初めてマスコミによって明らかにされた。毎日の記事では、ある政府関係者によるリークだ。この事実が漏れることは、安倍晋三にとって相当に不都合だったのではないか。つまり、日本政府は、昨年の11月から延々と2か月間もイスラム国と人質解放交渉をしていたことになる。当然、10億円の身代金の値切りとか条件面の折衝もやっていたのだろう。また、そのやりとりの逐一を米国に報告し、対処の指図を受けていたに違いない。結局、いつまで経っても埒があかず、日本政府が決断をしないため、業を煮やしたイスラム国側が、安倍晋三の「イスラム国と戦っている諸国への2億ドル支援」の発言を口実に取り、もう裏交渉は終わりだと表の勝負に出たということだ。簡単に言えば、イスラム国側は、後藤健二と湯川遙菜については身代金は放棄しているのであり、この二人については政治目的に絞って使ってきた。処刑宣告動画の衝撃を発信し、世界を恐怖させ、自らの存在を示威する宣伝に使うことに決めたのであり、オレンジ色の服を着せられて処刑宣告された以上、その方針が変わる可能性はない。それでは、イスラム国は身代金を手に入れられなくてもいいのかという疑問がわくかもしれないが、ひょっとしたら、彼らは3人目、4人目の日本人の人質を確保している可能性がある。そして、水面下で日本政府と交渉している可能性がある。

残酷な処刑シーンが動画で流れたとき、英米のように、何人人質が殺されても頑として身代金を拒否し続けるか、仏西のように、「テロには屈しない」と口で言いながら裏で交渉に応じる方針に転換するか、イスラム国は、日本は後者だと判断したのだろう。私も同じ見方に立つ。3人目、4人目、5人目と処刑が続いたとき、日本国民は、英米のような強硬路線をよしとせず、安倍晋三に方針を変えろと言い出し、内閣支持率を下げる方向に世論が向かうだろう。誘拐テロの手口は、注意と警戒をしていても防止は容易ではないものだ。中東には多くの日本人が仕事で駐在している。また、イスラム国の取材は商売になるので、湯川遙菜のような、あるいは前の北大生のような無謀な潜入者が出てしまう。中東イスラムの人々が持つ日本人への親近感・信頼感は、そっくり裏返して、日本人の中東イスラムの人々への無警戒感・安心感と合わせ鏡である。日本人は、カネさえ持っていれば何とかなると思ってしまい、そこに隙が生まれてしまう。イスラム国が、新しい別の日本人人質を取ることは難しいことではない。
 
「1強多弱」国会では自民党の要請から政府批判を自粛する空気が漂っており、所属議員のツイターでの安倍政権批判に対しては、共産党までが「共産・池内氏のツイート『今あのような形で発信することは不適切だ』志位氏が批判」という始末である。
 
当然というべきなのか、一昨日の日曜日に共同通信が実施した世論調査の結果、日本人殺害脅迫事件に対する安倍政権の対応を何も知らない善良な国民の60.6%が「評価する」または「ある程度評価する」という結果になった。 
 
これもメディア操作の成果かもしれないが、このような状態が徐々に続くと、いわゆる「茹でガエル」状態の国民は、来るべき発議された自民党の憲法改正案にも過半数が賛成してしまうという悪夢が現実になってしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 11:55| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 人質事件関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月26日

日本人は「I am not Abe」と叫べるか

昨日の千秋楽で横綱白鳳が全勝優勝し大相撲初場所が終わった。
 
もっとも幕内力士40人中、11人のモンゴル人を含む15人もの外国出身の関取が闊歩する大相撲なんかには全く興味が薄れていたのだが「大相撲初場所:白鵬全勝、最多V飾る 関脇・小結、全員負け越し」という記事を目にすると、国会の中だけではなく相撲界も「1強多弱」の世界なのかと思ったりもした。
 
通常国会は本日召集日なのだが、先週来からのイスラム国による人質事件で安倍政権の本音の対応が試されるという中で、政府は「イスラム国:事件対応専念へ、国会負担軽減を 野党に要請方針」などと呼びかけたらしいが、それは少々筋違いも甚だしいことであり、日本の行く末を左右する重要な法案が目白押しであり、後藤健二さんの解放に向け、政府を後押しすることは構わないが、そのために安倍晋三首相を始め重要法案提出担当閣僚への質問等を手抜きすることは許されない。
 
安倍晋三が初めて首相になったころから、外交の不味さは指摘されており、2国間交渉はまだしも複数国にまたがるような「連立方程式」は解けないと酷評されたこともあった。
 
今回の人質解放交渉に関しては、対イスラム国との交渉ではなく、ヨルダン政府を巻き込んだ複雑な交渉となった。
 
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<「湯川さん殺害」映像(その1) ヨルダンの対応焦点 新局面に政府懸念>
 毎日新聞 2015年01月26日 東京朝刊
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シリア北部ラッカで、過激派組織「イスラム国」に撃墜されたヨルダン軍戦闘機のパイロット(左から5人目)の拘束時の画像=2014年12月24日、AP
イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループに拘束された後藤健二さん(47)の新たな映像が24日深夜、インターネット上で公開され、政府の対応は一気に緊迫度を増した。23日午後の交渉期限を過ぎ、関係者の間では長期化の見方も出ていただけに、湯川遥菜さん(42)殺害情報の衝撃は大きい。政府はヨルダンなど中東各国と連携して人質救出に引き続き全力を挙げる。
 後藤さんの映像公開は突然の出来事だった。菅義偉官房長官はその数分前に首相官邸を後にし、岸田文雄外相は外務省から帰宅した直後に報告を受けた。岸田氏は慌ただしく同省に戻り、幹部からは「相手の動きがまったく読めない」との声も漏れた。
 しかし、政府は湯川さんの殺害情報を映像公開より先につかんでいたとみられる。25日午前0時過ぎに緊急記者会見した菅氏は「言語道断の許し難い暴挙で、強く非難する」と述べ、「残り1名の後藤氏に危害を加えず、直ちに解放するよう強く求める」と強調。安否情報への言及に慎重だった姿勢とは一変、湯川さんの死亡を否定しなかった。
 政府は「映像に目視で不自然な点や加工された形跡がない」(政府筋)として、公表からわずか1時間で本物と判断した。外務省関係者は「相手の意図が分からないまま反応すれば、相手のペースに乗せられかねない」と述べ、湯川さん殺害情報の確認を政府として事前に続けていたことをほのめかした。映像には、男性の声による英語メッセージを政府と後藤さんの家族にも送ったとする字幕が付いていた。25日の2回目の会見で事実関係を問われた菅氏は「そこは承知していない」と述べつつ、「さまざまな情報はあったが、確たることを言う状況にはなかった」と説明した。
 政府は今後、後藤さんの救出に全力を挙げる方針だ。しかし、解放の条件が2億ドル(約235億円)の身代金要求から、ヨルダン政府に拘束されたサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放に変わり、対応は一層難しくなった。
 日本が頼るヨルダンは、中東和平実現に向けたパレスチナ支援策「平和と繁栄の回廊」構想で協力する最大の友好国だ。安倍晋三首相は事件に先立つ18日、アブドラ国王とアンマンで会談し、約120億円の円借款供与を表明した。皇室・王室間の交流も深く、国王は頻繁に来日している。こうした関係から、政府はヨルダンに現地対策本部を置き、中山泰秀副外相を派遣した。首相は24日、国王との電話協議で重ねて支援を要請した。ただ、ヨルダンも当事者になり、これまでのような「全面協力」とは局面が変わった。政府筋は「まったく新しいことが起きたのだから、対応は違ってくるだろう」と懸念する。
 後藤さんの映像公開以降、25日夜までに犯行グループに新たな動きはなく、今後の展開は予断を許さない。菅氏は会見で、死刑囚釈放という新たな要求に期限があるかどうかを明言しなかった。政府は「現地ではいろいろやっているが、結果に結び付かなければ意味がない。膠着(こうちゃく)状態というほど日数もたっていない」(首相官邸関係者)と警戒を強めている。【鈴木美穂、青木純】
 ◇ザルカウィ側近きょうだい 交換対象の女死刑囚
 「イスラム国」と見られるグループが、拘束している日本人人質、後藤さんと交換に解放を求めているサジダ・リシャウィという名の女は、一体何者なのか。その背景から、イスラム国というテロリスト集団の「出自」が浮かび上がる。
 2005年、ヨルダンの首都アンマンで少なくとも57人の命を奪った3件の連続ホテル自爆テロ事件で死刑判決を受けたのが、リシャウィ死刑囚だ。最も多くの犠牲者37人を出したホテルで自爆を図ったが機材の故障で失敗。当局に拘束された。夫のアリ・シャマリ容疑者は同じホテルで自爆死した。
 ヨルダンの国営テレビが事件直後に放送した「自白」の中で、リシャウィ死刑囚は「夫の指示で爆発物を身につけ、自爆の手順も教わった」と述べた。イラク西部アンバル県の県都ラマディ在住で、偽造パスポートでヨルダン入りしたという。
 リシャウィ死刑囚は、イスラム国の前身組織「イラクの聖戦アルカイダ組織(AQI)」の元最高指導者ザルカウィ容疑者の側近だったムバラク・リシャウィ幹部がきょうだいだとされる。イスラム国のバグダディ最高指導者もAQI幹部だった。
 イラクの安全保障専門家、ヒシャム・ハシミ氏によると、06年に米軍の空爆で死亡したザルカウィ容疑者がリシャウィ死刑囚の解放を誓っていたという。
 ハシミ氏は、「その願いの実現はイラクの聖戦主義者の間では大きな意味を持つ」と述べた。【ワシントン和田浩明、カイロ秋山信一】
 ◇人命と対テロ板挟み
 「イスラム国」がヨルダンに収容されているサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を交換条件として求めたことで今後、ヨルダンの対応がカギを握る。
 ヨルダンは米国から軍事援助を受け、欧米との良好な関係を維持する穏健派のイスラム教徒の国で、米軍主導の有志国連合に加わり「イスラム国」への空爆にも参加している。それだけに、イスラム過激派からは「欧米側」と見られがちで、これまでもテロの標的になっていた。日本からも政府開発援助などを受け関係は緊密だ。今回の事件で、テロリスト釈放に反発してきた米国と、人命尊重を求める日本との間で板挟みとなる中、ヨルダンの今後の対応が注目される。
 「イスラム国」は昨年末からリシャウィ死刑囚の釈放を要求していた。昨年12月、シリア領内でヨルダン軍の戦闘機が墜落し、パイロットが「イスラム国」に拘束された。地元メディアによると「イスラム国」はパイロット解放の条件として、有志国連合からの離脱と、死刑囚の釈放を求めていた。
 パイロットの解放交渉が行われているかなどは不明だが、ヨルダンは交換条件として提示された死刑囚の釈放に応じていない。今回、後藤さんとの「捕虜交換」の条件として同じ死刑囚が名指しされたことで、ヨルダンは新たな難問を突き付けられた。
 ヨルダン大学戦略研究所のムーサ・シュテイウィー氏は「強固な関係を築いている日本との関係は重要だが、状況は複雑で、釈放するかは分からない」と分析する。
 一方、別の安全保障専門家は「ヨルダン政府にとって、死刑囚はさほど重要な存在ではなく、交渉に応じる可能性もある」と話し、パイロットも含めた「捕虜交換」が行われる可能性もあるとした。
 ヨルダンはこれまで過激派との「捕虜交換」に応じたこともある。昨年4月、駐リビア・ヨルダン大使が武装グループにトリポリで誘拐された。グループは大使解放と引き換えに、ヨルダンでテロ容疑で終身刑の判決を受けた男性服役囚の釈放を要求。その後、大使と服役囚の「捕虜交換」が行われた。
 日本人人質の殺害予告事件が起こる以前、パイロットの解放交渉について地元メディアは「遠く離れたリビアにテロリストを戻すのと、すぐそこにある脅威であるイスラム国に屈するのは、まったく意味が違う」と報道。カギを握る死刑囚の釈放がさらなる「事件」を招く可能性と対応の難しさを指摘している。【キリス(トルコ南部)大治朋子、カイロ秋山信一】
 
最近はめっきり「老人型」生活が馴染んできて、特に家で晩酌して腹一杯食った後は素直に睡魔に負けてしまうことが多くなった。
 
夜の9時からの2時間枠のテレビ番組も、しっかりとした原作を基にした刺激的なサスペンスドラマなら何とかなるが、そうではない番組を最後まで見ることは苦痛になった。
 
同様に夜10時前から放映される「報道ステーション」も見る機会が減ってしまった。
 
そんなわけで見ることはなかった先週金曜日の報道ステーションでゲスト出演した古賀茂明のまさに核心を突いた発言をネット上で見つけた。

動画は既に削除されてしまったが、書き起こした内容を以下に紹介する。  
 
古賀さん:
イスラム国がやってる事は、もうとんでもない事なんですけれども、言ってる事にはけっこう共鳴する人たちが多いんですね。
で、それは何かと言うと、例えば 第一次世界大戦後に、まぁイギリスとかフランスがですね、「勝手に国境線決めちゃって民族が分断された」とか、あるいは最近であれば アメリカのですね、アフガンとかイラクとかですね、ああいうところの戦争でですね、「アメリカに罪の無い女性や子供を含む民間人が沢山殺されてるぞ」と、で、そういう事に報復するんだというような、あの主張っていうのは、これはあの〜 一面では嘘じゃなくて、で、イスラムの中にはそれに共鳴する人がいる。
で、イスラムの人も勿論 だから人を殺して良いって人はほとんどいないんですけれども、でも、その思想自体はけっこう共鳴する人がいるからこそ、こう人がまだまだどんどん入ってくるという事があるというのは、ひとつ事実として押さえておかなくちゃいけないと思うんですね。
で、私はですね、ただそれよりも 今回一番驚いたのは、そのー この 安倍さんが、まぁずっとこう中東歴訪してですね、エジプト、ヨルダンなどでこう色々スピーチされてました。で、私聞いてた感じは、「あ、すごいパフォーマンスだな」と、要するに自分はもう「イスラム国と戦うんだぞ」っていうのをすごいアピールしてるなっていう風に見てたんですよ。
ところが その この事件のことが明るみに出て、よく聞いてみたら 実はその、「後藤さんが人質に取られて身代金を要求されてる」なんて情報を「政府が知ってた」っていうんですね。
で、これはちょっと私、でも「人命第一」っていう風にいま言ってるんですけど「本当なんだろうか?」と。ていうのは、普通 人質取られて身代金の交渉なんていう事になっていたらですね、まぁ一番大事なことは「犯人に対して刺激をしない」とかですね、そういうこう常識的な事があるのに、今回わざわざ向こうに、わざわざ現地の方に近くに行って、「私はイスラム国を批判しますよ」と「イスラム国と戦う周辺国に2億ドル出しますよ」なんていう、まるで いかにもイスラム国に宣戦布告するかのような事を言ってしまったと。
で、これ普通に考えるとイスラム国は、まあ交渉できたら良いなと、もしかしたら考えてたかもしれないんですけども、そんな事を公の場で言われちゃったら、もう「日本政府だって今さらお金払いますなんて出来ないよな?」と、じゃあこれ「交渉出来ないんじゃないの?」だったらもう「宣伝に使っちゃおう」と、あるいはもう「思いっきりふっかけてやろう」と、いうふうになってしまったんじゃないのかなと危惧していて、私はそこは、あの 安倍さん、官邸はですね、まぁそういう事で「後藤さん犠牲になっちゃうかもしれないけど、でも もっと大事な事があるんだ」っていう判断をして、一連の発言をしたんだろうなと、いうふうに思うんですね…。
古館キャスター:
古賀さんのお考えとしては、今日の動きを見ても、あるいは昨日あたりからを見てもですね、やっぱりあのー、総理、あるいはまあ防衛大臣、えー、有志連合のイギリス・アメリカを始めとして、あるいはオーストラリア、それがいけないって言うのじゃなくて、空爆を慣行している人たちの方向に向いていて、「これで交渉が進むだろうか、人質解放の」ということを、ちょっと気をもむ方は多いんじゃないかな?というところは、どんな風に捉えますか?
古賀さん:
そうですね、ですからそこは あの〜「人命第一です」っていうのは、私は少なくとも向こうに行くまではそうじゃなかったんじゃないかなと思うんですけれども、じゃあ「何が第一だったんですか?」というと、やっぱりその今おっしゃったようにですね、「イスラム国と戦っている有志連合の仲間に入れて欲しい」と、まぁ正式なメンバーとまではなれないけど、まぁ「仲間と認知して欲しい」と。
で、そのためには本当は空爆をしたりだとかですね、あるいはイラクに武器を供与したりとか出来ればいいんですけど、これ 出来ないじゃないですか。だから、もともと その「安倍さんが願っている目標」っていうのは本当は出来ないことなんですよ。でもそれをやりたい。で、それをやるために「じゃあ何ができるか」っていうと人道支援しか出来ないと。
で、人道支援を あたかも「イスラム国と戦うための支援なんです」っていう風に、まぁ 表現してしまう。で、それを思い切り宣伝してしまうっていう事をやっちゃったんだろうなと、いう風に思います。
で、ある意味 目標は達成したと思うんですね。アメリカやイギリスは、多分 安倍さんは「もうテロなんかには屈しない」と、で、え〜「テロと戦う人たちの為にお金出します」と言ってくれるのは、非常に評価してると思うし、もう今まさにじゃあ「あなたはもう仲間ですね」と、最後まで屈しないで「身代金なんて払わないで頑張ってくださいね」「みんなで応援しますからね」って、そっちにどんどん今引き込まれてる感じがするんですよ。
ですけど、これあの? 後藤さんのね お母さんが その 憲法のこと言ってましたけども、「日本は戦争しない国なんだ」と、で、やっぱりちょっと1回ね、我々はそこに立ち返らないといけないと思うんですね。
その、安倍さんは、いや「有志連合に入りたいんだ」あるいは入って「そういう国なんだ」って言いたいかもしれないけど、でも そんな事は 日本は憲法もあるし出来ないはずなんですよ。
で、世界の人たちに今回はですね、非常に変な宣伝になってしまって、イスラム国に上手く利用されてですね、いかにも日本ていうのは「アメリカの正義」っていうのを「日本の正義」だと思い込んでいるんじゃないか?と、あるいは その アメリカやイギリスと一緒なんだと いう、そういう国だぞっていう風に思われてしまいつつある。で、それを世界に発信されていると。
で、それに対して私たちは、いや「そうじゃないんです」と、だって「日本は今まで戦後ず〜っと戦争もしてませんよ」と、憲法では そんな「日本のこと攻めて来ないような人たちの事を一方的に敵だなんて絶対に思いませんよ」と、もう「なるべく多くの人と仲良くしたいんですよ」と、そういう国が日本なんですよ、日本人なんですよっていう事を、もう1回ここでですね、世界に僕はアピールしていく必要があるだろうなと。
その、今回は そういう日本のイメージのまったく逆の方に、まぁ安倍さんの発言もそうなんですけど、それを、まぁイスラム国に上手く利用されてですね、そうするとみんな まぁイスラム諸国の人たちも、いや なんか「日本て結局アメリカなのか?」みたいなね、“Japan is the United States”みたいなですね。
それに対して、我々は、「安倍さんはそういう印象与えちゃったかもしれないけど違うんですよ」と、もう あの “Je suis Charlie(私はシャルリー)”っていうプラカード持ってフランス人が行進しましたけども、まぁ 私だったら“I am not Abe(私は安倍じゃない)”というプラカードを掲げて、「日本人は違いますよ」と、そんなことじゃない、もう「本当にみんなと仲良くしたいです」と、決して あの、日本は攻めてない国に対して攻撃するとか、敵だっていう、そういうことは考えない国なんですっていうのを、しっかり言っていく必要があるんじゃないのかなと思いましたね。
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古賀茂明の発言は「政府がイスラム国との秘密交渉に失敗していた!? 後藤氏を雇ったテレビ局も関与か」とか「安倍首相はほくそ笑んでる? イスラム国人質事件で『戦争のできる国』づくりが加速」といった記事が裏付けしている。
 
先週「単なるテロ組織か、それとも国家なのか」のつぶやきの中で指摘した「最終的に邦人が犠牲になることを通じて『「テロとの闘い』を前面に押し立てて、ISILに対する軍事攻撃を展開する米国軍に日本軍が加担するような図式が描かれている」ということが現実的になりつつある。
 
今こそ、すべての日本人はイスラム国に対して“I am not Abe(私は安倍じゃない)”というべきではないだろうか、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 12:03| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 人質事件関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

施設と病院の狭間で-その2

昨日、地元のNPO団体の理事会で女性理事たちと懇談した時、2名の女性が田舎の親の介護で「遠距離介護」をやっていたと話していた。
 
親元を離れ結婚した女性が年老いた自分の親を介護するということは男性からすれば想像を絶する重労働である。
 
私の年上の知人は、2人姉妹の奥さんが自分の母親の面倒を見るため、姉妹で独り暮らしの母親の元を交互に通っているという。
 
決して近い所に住んでいるわけではないので、週の前半と後半を担当しているという。
 
オジサンが30代の頃、新入社員で入った女性は今では2児の母親なのだが、数年前から書道の師範として自分の教室を郊外の自宅近くに構えたのだが、夫の仕事の都合で都内に引っ越し、自宅からは書道教室に電車で通っている。
 
その彼女の独り暮らしの母親が昨年病で倒れ介護のため長女の彼女が実家の母親の元に看病のため通っているという。
 
今年一番最後に彼女からきた年賀状には、週に3回の教室とそれ以外の日の実家の母の介護で休む日がないという。
 
当然、自分の家庭のこともおろそかになり、自炊しなければならない彼女の夫を想像してしまう。
 
このような介護は決して長続きしないもので、最後は介護人が心身ともに壊れていくということが多い。
 
出来れば母親が介護認定を受けて施設入所可能な介護度ならば施設に入ることが、双方にとっても最善の道かも知れない。
 
しかし、そこに行きつくまでにはかなりの時間を要する。
        
オジサンは5年前の6月末に退職し認知症の母親の面倒を見ることになった。
 
オバサンはフルタイムで働いていたため実の息子が面倒を見なければならない、という気持ちが強かった。
 
しかし母が自分で歩けるうちは徘徊しないように気を配るだけでよかったが、腰を圧迫骨折して下肢麻痺となると、事情はかなり異なってくる。
 
車椅子生活になり、排尿・排便が自分でできなくなると、自宅の狭いトイレでは車椅子ごと入れないので困難を要する。
 
週4回のデイサービスとそれ以外に訪問看護と訪問介護にお願いして何とか凌いできた。 
 
そして2012年5月には、それまで「ショートステイ」利用していた介護老人保健施設に入所することができ、そこに1年ほどいて、特別養護老人ホームに無事入所して今年で2年目を迎えることになった。
 
オジサンの母の場合は運が良かったほうかもしれない。 
 
オジサンの従姉妹の母親は、都内の介護老人保健施設を何か所も転々としているという。
 
そのような高齢者は「老健わたり」と呼ばれるそうである。
 
先週、こんな新聞記事が載っていた。
 
<(報われぬ国 負担増の先に)介護老人保健施設 仕方なく「老健わたり」>
 2015年1月19日05時00分 朝日新聞デジタル
 ◇第3部 療養不安
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 介護の現場の一部で、「老健わたり」と呼ばれる高齢者がいる。自宅で暮らすのは難しく、特別養護老人ホーム(特養)にも入れない。仕方なく介護老人保健施設(老健)を渡り歩く人たちだ。
 東京23区内に住む女性(91)は2008年に背中を痛め、歩けなくなった。それから3カ所の老健を転々としてきた。
 ふりだしは病院の紹介で入った埼玉県の老健だった。「特養とちがい、終身いられる施設ではありません。医師が3カ月ごとに退所の判断をします」。入る前にそう言われた。
 車いすから立つ訓練などを受け、半年たったときに退所を求められた。だが、自宅には戻れなかった。
 当時の要介護度は2番目に高い「4」。すでに夫を亡くし、息子夫婦と同居していたが、昼間は2人とも仕事があり頼れなかった。
 特養はどこも多くの高齢者が入居待ちの状態だった。息子の妻が23区内の老健を探し回り、ようやく顔なじみの職員がいる老健に入れた。そこも1年半で出され、紹介を受けていまの老健に移った。
 それから約4年半たつ。この老健の相談員によると、足の炎症で入院したり食道のヘルニアになったりして、「出すに出せなかった」という。
 だが、ずっといられるわけではない。「様子をみて、今年半ばには移ってもらうことになると思う」と相談員はいう。
 老健は介護を受けることもできるし、医師や看護師がいてリハビリも受けられる。自分で払う費用は特養より少し高いが、有料老人ホームより安くすむ。ただ、けがや病気などを療養して回復させるのが目的なので、本来は長く入り続けることができない。
 しかし、自宅に帰れず、特養も入れずに老健に長くいる人は少なくない。
 ■100歳、入退所3回
 東京23の区内のある老健では、100歳の男性が13年夏に入ってから、これまでに入退所を3回繰り返している。近くに住む70代の娘の家で1〜2カ月過ごし、また戻ってくる。
 「こちらからお願いしていったん出てもらう」と職員は明かす。その理由は、介護保険から払われる報酬の仕組みにある。
 政府は12年度に介護報酬を改定し、自宅に帰る人を増やしたり、新しい高齢者を多く受け入れたりした老健ほど報酬を加算するようにした。
 厚生労働省は、施設が足りなかったり介護報酬がふくらんだりしているので、在宅介護を増やそうとしている。老健にいる高齢者も帰そうと促す。
 しかし、100歳の男性が70代の娘の家に帰っても、介護は容易ではない。職員は現実と政策のギャップに悩みながら、出戻りの男性を受け入れている。
 1月上旬、秋田県中部のまちは家々の屋根に雪が積もり、正月の松飾りを片づける人たちの姿があった。
 このまちの老健にタノさん(92)は5年ほど入っている。系列の病院に入院したこともあるが、退院するとすぐに戻った。
 ■平均年齢は83歳
 この老健も半年で出ていくのは3人に1人しかいない。入所者の平均年齢は83歳。タノさんのように病院と老健を行ったり来たりする人も多いという。
 タノさんは19年前に夫に先立たれ、ずっとひとり暮らしだった。5年前にベッドから落ちて動けなくなり、車いすの生活に。ひとり暮らしは難しく、「要介護3」の認定を受けて老健に入った。
 2年ほどたったとき、60代の娘は老健の相談員から「そろそろ出て頂いてもいいですか」と打診された。
 調理のパートをする娘は月に数万円の手取り収入しかなく、自分の生活で手いっぱいだ。老健にはタノさんの年金から月に6万円の入所費を払ってきた。
 娘は特養を探したが、どこも100人以上の入居待ち。有料老人ホームは月に十数万円かかり、とても入れることはできない。 自宅に引き取ることも考えた。だが、働きながらタノさんを世話するのは大変で、老健の看護師からも「引き取れば、あなたが壊れる」と言われた。
 老健の理解を得ながら、その後も母を預けてきたが、いつ出ることになるかわからず、不安が募る。
 「もともと一人で暮らせなくなり入った人が多い。リハビリしても高齢なのでもとの体に戻ることはない。そのまま自宅へは帰せない」。中部地方にある老健の施設長はそう語る。
 この老健では入所者の平均年齢が00年ごろは80歳ほどだったが、いまは86歳になった。半年で出る人は2割に満たず、平均の入所日数は約2年3カ月になる。
 イノさん(94)は89歳のときに入ってから、5年がたつ。両足が悪く、車いすでの生活だ。「足がはれて痛くて動かないの。息子の嫁も入院したりして、家に帰っても不自由で動けない。できれば、ここにずっといさせてほしい」
 施設長は「帰れるのは、介護する人がいたり経済的にゆとりがあったりという条件がそろった人たちが多い。逆に、老健から出た後の環境が整っていない高齢者も多い」と指摘する。
 ■「在宅復帰」促す厚労省
 厚生労働省は来年度の介護報酬改定でも、高齢者の「在宅復帰」の割合が高い老健にはより高い介護報酬を払うようにする方針だ。老健には自宅で療養できるような支援も求めていくという。
 老健でつくる全国老人保健施設協会の東憲太郎会長も「いま入所している高齢者を追い出そうとしているわけではない。ベッドを少しでも空けて、在宅療養する人がショートステイなどで利用するニーズにもっと応える努力をしなければならない」と話す。
 厚労省は施設への介護報酬がふくらむのを抑えるため、在宅での介護を重視している。老健からの退所を促すのもその一環だ。
 しかし、老健のなかにも「在宅復帰は幻想だ」という声がある。老健を出ても行き先が整っていないという現実があるからだ。
 特養は都市部を中心に施設や職員が足りず、入居待ちの高齢者が多い。有料老人ホームに入ろうにも月に十数万円以上かかる。
 ひとり暮らしだったり家族の負担が重くなったりして、自宅に戻れない人も多い。実際に、老健から自宅へ帰る高齢者は約3割にとどまっている。
 厚労省は退所の難しい高齢者本人と家族に老健の次の行き先の希望を尋ね、昨年10月に結果をまとめた。
 通常の老健では、本人は「意思表示が困難・希望なし」が37.6%、「このまま老健」が23.6%、「自宅」が22.5%、「特養」が5.6%だった。家族は「このまま老健」が50.9%、「特養」が33.4%で、「自宅」は4.3%しかいなかった。(松田史朗、本田靖明)
 ◆キーワード
 <「特養」と「老健」> 特別養護老人ホーム(特養)は自宅での生活が難しい高齢者が入り、介護を受ける。終(つい)のすみかにする人も多い。社会福祉法人の運営が多く、全国に約8千施設(13年度)ある。ただ、高齢化に追いつかず、入居を待つ人が約52万人いる。
 介護老人保健施設(老健)の制度は1986年にできた。無料で入れる老人病院に高齢者が入院し続ける「社会的入院」が問題になり、これを減らすためにつくられた。医療法人の運営が多く、全国に約4千施設ある。国の基準では在宅への復帰を目指すと定められている。
 特養は医師の常勤を義務づけられていないが、老健はベッド数100床につき医師1人、看護職員9人を配置しなければならない。平均の入所日数は特養の約4年に対し、老健は約1年になっている。
 ■介護老人保健施設と特別養護老人ホーム
 <全国の施設数>
 介護老人保健施設  3993カ所
 特別養護老人ホーム 7982カ所
 <ベッド数>
 介護老人保健施設  約35万床
 特別養護老人ホーム 約52万床
 <月間の平均費用(自己負担)>
 介護老人保健施設  約7万8千円
 特別養護老人ホーム 約6万2千円
 <入所している平均日数>
 介護老人保健施設   313日(1年弱)
 特別養護老人ホーム 1405日(約4年)
 <100床あたりの職員らの配置基準>
 介護老人保健施設  医師1人、看護職員9人、介護職員25人
 特別養護老人ホーム 看護職員3人、介護職員31人
 (施設数、ベッド数は2013年度、平均費用と入所している日数は13年。厚生労働省の調査などから)
 
オジサンの父は90歳になった2007年に脳梗塞で倒れ緊急入院し、急性期を過ぎた1か月後には半ば強制的にリハビリ病院に転院させられた。
 
リハビリとは名ばかりで、半身不随の父に対するリハビリは本人に苦痛を与えるばかりだった。
 
そして決められた短時間での食事介助により誤嚥を繰り返し、肺炎となり危篤状態で追い出され、隣接の一般病院に転院した晩から意識不明となり翌未明に息を引き取った。
 
今、終の棲家となる特養に入所している母も来週は亡夫と同じ90歳になる。
 
車椅子生活が続き両足はほとんど筋肉がなくなり骨と皮状態である。
 
幸なことにまだ自分の歯が残っており胃腸も丈夫そうなので当分は生命の危険はなさそうなのだが、嚥下力が低下し誤嚥の危険性は増しており、昨年の秋のような緊急入院の可能性は残っており、まだまだ目が離せない状態である、とオジサンは思っている。  
 
posted by 定年オジサン at 10:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月24日

3年後のロシアW杯をめざすべき日本代表

一部の民放テレビでは拘束された2人の日本人の身代金支払い期限までカウントダウン表示していてが、余りにもの無神経さに非難が起こり直ちに中止したらしい。
 
この間の政府側の対応も国民には緊迫感がほとんど伝わらない報道の仕方であったが、水面下の極秘交渉があるのならお得意のメディア統制をするのだがそれもなく、むしろ自民党内からの発言をメディアに積極的に提供しているように思えた。
 
ふだんは全く無視する政府広報メディアだが、昨日にはこんな内容の記事が掲載されていた。 
 
<日本人人質交渉頓挫か 「イスラム国」と越境支援のシリア反体制派>
 産経新聞 1月23日(金)7時55分配信
 ■捕虜と交換、金銭で条件合わず
 【カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が日本人2人を殺害すると脅迫した事件で、身代金支払いの期限とされる23日午後が間近に迫った。日本政府は湯川遥菜さん(42)とフリージャーナリストの後藤健二さん(47)の救出に向けて全力を挙げている。一方、イスラム国とシリア反体制派組織の間で昨年10月下旬以降、日本人2人を含む人質・捕虜交換の交渉が行われたが、反体制派がイスラム国に金銭の支払いを求めたため、頓挫した可能性があることが分かった。
 ◆昨年10月下旬以降
 拘束されている後藤さんの足取りを知るシリア北部の武装組織「北部革命戦士団」のシリア人男性(38)が、産経新聞に明らかにした。
 男性によると、後藤さんがシリア人ガイドの案内でイスラム国に向かった昨年10月下旬、この男性はイスラム国支配地域に隣接する町の検問所に詰めており、イスラム国側に入ろうとする後藤さんらの通過は危険性が高いとして拒否した。
 しかし後藤さんらは、やはり北部を拠点とする別の反体制派組織「イスラム戦線」の幹部に電話で連絡を取り、口添えを依頼。この幹部が男性の上官に「イスラム国側にツテがあるため、戻れる保証がある」と伝えたことから、検問所通過が認められた。後藤さんはその後、イスラム国に拘束されたとみられる。
 イスラム戦線とイスラム国は互いの捕虜の交換交渉を以前から行っており、後藤さんのほか、昨年8月にイスラム国に捕らえられた湯川さんをめぐっても交渉に当たったという。
 だが交渉は難航。男性は「(イスラム戦線は)単なる捕虜交換ではなく、イスラム国側に金銭の支払いも求めたので、条件が折り合わなかった」と指摘した。
 この男性の話が事実だったとしても、イスラム国の側に日本人2人の解放に応じる意思があったかどうかは不明だ。イスラム国は今月20日、72時間以内に身代金計2億ドル(約236億円)を支払わなければ2人を殺害するとするビデオを公開した。
 
当然、日本政府はこの事実を昨年から把握しており、今回のビデオ公開も全くの寝耳に水ではなかったようで、あえて期限を菅義偉官房長官が明言したのも、主導権を握ることが狙いであったらしい。
 
そうなれば事態は早急に動かず、多額の身代金が目的のイスラム国からすれば簡単に人質を殺害するメリットは少ないと思われる。
 
さて、昨夜は炬燵に入ってサッカーアジア杯の準々決勝「日本vsUAE」戦を観戦した。
 
見終わった感想は率直に言って、120分精一杯走り続けた日本代表に勝たせたかった。   
 
しかし勝てなかった、勝ちきれなかった理由も明らかになった感がある。
 
<サッカー:アジア杯 UAE1-1日本 日本4強逃す PK戦で>
 毎日新聞 2015年01月24日 東京朝刊
 【シドニー大島祥平】第14日の23日、準々決勝2試合があり、連覇を目指したD組1位の日本(国際サッカー連盟ランキング54位)はC組2位のアラブ首長国連邦(UAE、同80位)と対戦し、1-1からのPK戦の末に4-5で敗れて、準決勝進出を逃した。4強入りできなかったのは1996年大会以来、5大会ぶり。
 日本は前半に先制され、今大会初失点を喫した。後半に途中出場の柴崎(鹿島)がゴールを挙げて同点に追いつき、延長戦に持ち込んだが、勝ち越し点を奪えなかった。PK戦では、本田(ACミラン)と香川(ドルトムント)が外した。
 もう1試合は、D組2位のイラクとC組1位のイランが対戦。3-3からPK戦を7-6で制したイラクが2大会ぶりの4強入りを果たした。準決勝は、オーストラリア-UAE、韓国-イラクの組み合わせとなった。
 ◇アギーレ監督、当面続投へ
 日本サッカー協会の大仁邦弥会長は23日、アジアカップのUAE戦後、報道陣の取材に応じ、アギーレ監督は続投するのかとの質問に対して「そうです」と明言した。
 96年大会以来の準々決勝敗退という結果を受けての進退については「私は考えていない。技術委員会が分析すると思う」と話した上で、チーム作りや采配手腕は「十分よくやってくれて、いいチームにしてくれたと思う」と評価した。
 アギーレ監督の八百長疑惑に関しては「(告発が)受理されたら(対応を)説明すると言った。まだ受理が確認されていないので、説明しなくていいと思う」とだけ述べた。【大島祥平】
==============
 ■焦点
 ◇シュート枠に飛ばず
 命運を託したPK戦。6人目のキッカーだった香川は左隅を狙った。だが、ボールはポストに当たり、横にはじかれて外れた。その場に座り込んだ香川は「責任を感じている」。直後に相手に決められると、選手たちはピッチにぼうぜんと立ち尽くした。何度頭を抱え、天を仰いだのだろう。敗因は、運が左右するPK戦にまで持ち込んでしまった自分たちにある。
 前半7分、縦パス1本で抜け出されてFWマブフートに豪快なシュートを決められた。ただ、挽回するチャンスはいくらでもあった。特に後半になると相手は明らかに足が止まり、日本が試合を支配したが、「最後にシュートを打った選手が枠内に飛ばしていれば。手詰まりなのではなく決定力」と本田。
 後半36分に本田とのワンツーパスから柴崎がゴール左に起死回生の同点弾を決めたが、ネットを揺らせたのは120分間戦って結局その1発のみ。フリーでヘディングを放った武藤、豊田のシュートは枠外に消え、香川が好機で放ったシュートはことごとく決められなかった。シュート数は日本の35本に対し、相手は3本という数字が全てを物語る。
 前回大会は苦戦続きながら勝ち上がった。「完成度は絶対に今回の方が高かった。それと勝負を制するのは別だと痛感させられた」と本田。抱える課題の根深さを、改めて突きつけられる敗退となった。【大島祥平】
 
いつも言っていることだが、国際サッカー連盟ランキンは過去の戦績を基にしており、必ずしもランキング上位チームが有利とは限らないことは、スポーツの世界では常識であろう。
 
ランキングが1ケタ(1位から9位)のチームと3ケタ(100位以降)のチームでは圧倒的な力の差があるが、54位の日本と80位のUAEではランキングはまったく当てにならない。
 
UAEの選手は欧州組が主力の日本代表とは異なり、同一監督で10年近く同じメンバーで、クラブチーム並みの熟成度があるチームである。
 
FIFAワールドカップの戦績を比較すれば、1998年フランスW杯から5大会連続出場している日本とすべて予選で敗退しているUAEとは大きな差が合ることは事実である。
 
ところがその日本も5大会連続出場しているW杯での結果は以下の通りである。
 
◆ 1998年:1次リーグ敗退(3連敗)
○ 2002年:ベスト16
◆ 2006年:1次リーグ敗退(2敗1分け)
○ 2010年:ベスト16
◆ 2014年:1次リーグ敗退(3連敗)
  
初めて出場したフランス大会は、世界のトップレベルの壁の高さになすすべもなく敗退したので、その4年後の日韓大会は強化の成果が表れた。
 
その勢いに乗って臨んだ2006年のドイツ大会は黄金の中盤と呼ばれたにもかかわらず惨敗。
 
メンバーが一新した2010年の南アフリカ大会では再び決勝トーナメントまでは進出できた。
 
そして欧州クラブ所属の海外組と呼ばれる選手が大半を占めた昨年のブラジルW杯では、過去最高の成績を当人たちは胸張って口に出し、国内サポーターも期待していたが結果はまたもや惨敗に終わった。
 
4年に1度のW杯は連続して肉体的に最高の状態を保持することは至難の業である。
 
絶頂期のメンバーが揃った年はそれなりに好成績を上げることができるが、人選を誤れば結果は自ずと明らかになる。
     
アジア杯の代表選手の中で昨年のW杯惨敗組がナント8人もレギュラーとして4試合先発メンバーとして登場した。
 
盛を過ぎて必ずしも体調が万全ではない選手も含まれていた。 
 
とりわけ昨夜のUAE戦では前後半と延長30分間で35本のシュートを放ったが僅か3本のシュート数のUAEに結果として敗れたわけである。
  
まさに日本のシュートは.「闇夜の烏」を撃つ如くで、最終的な正確さが決定的に欠落していた。
 
サッカー解説者のセルジオ越後は、「中2日でけが人やコンディションが万全じゃない選手を使った。不動のメンバーを使った結果だね」と振り返り「相手は日本とのレベルの差を考えた試合をしてきた。それを打ち破る戦いができなかった」とコメントそていた。
 
さらに大会を通じての香川真司のパフォーマンスについても言及し、「香川が代表で何百日ぶり(実際にはヨルダン戦で228日ぶり得点)にゴールとかがニュースになることがおかしいよ。香川以上の結果を出す選手はいないの? 香川のためにも代表を外すことを考えなきゃいけなかった。競争すること、這い上がろうとすることで香川も成長できるんだからね」と、好不調の波に関わらず招集が続いたことへの疑問を口にしていた。
 
5大会ぶりにアジアカップ準々決勝敗退となった日本に対してセルジオは、「メディアにも責任がある。良い時は良い、ダメなときはダメと厳しく言わないといけない。結果が出ていなくてもテレビやCMに出るしね。ダメな時は試合に使わない、そうすることで成長につながるんだよ」、「今回の結果を見ても、次のロシア・ワールドカップに出られない可能性だって当然ある。選手、協会、メディア、ファン、日本全体で自覚を持たなければいけないね。日本のメディア、日本サッカーの組織を見直す必要があるよ。今回の敗退をプラスにするには、そういった検証をしっかりとすること。ワールドカップの後にはやらなかったんだから。良い薬になったんじゃない」と語っていた。
 
同点でPK戦に入り、最初に日本のエース本田が小学生並みのキックをしてが、その後相手のミスもあり5人の選手が蹴り終わった時点で4-4となった。
 
ここからはサドンデスとなり両チームのいづれかが外せば終了となるのだが、最初の5人に入っていなかった香川が予想通り蹴ったボールをポストに当てて、その後UAEの若い選手が冷静に決めてすべては終わった。
 
メディアが散々煽りあげていた日本代表の2人のPK失敗で、アジア杯敗退は諦めがつく結果となった。
 
しかし、かつては絶大の信頼感があった守護神と呼ばれたGKの川島がUAE選手のPKのコースを1本も読み切れず呆然と見送った姿を見ると、彼も過去の人となり、なんで今年一番輝いていたGKの西川を起用しなかったのだろうか。
 
日本サッカー協会が今日からやるべきことは、疑惑の監督を解任し、新監督の元で国内から生きの良い若手を選んで3年後に迫ったロシアW杯に備えるべきではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:17| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月23日

単なるテロ組織か、それとも国家なのか

中国の『韓非子』にこんな故事がある。
 
楚の国に矛と盾を売り歩く商人が、矛を売る時は「この矛はとても鋭いので、どんな堅い盾でも突き通す」と言い、盾を売る時は「この盾はとても堅いので、どんな鋭い矛でも突き通せない」と言った。
それを聞いた客の一人に、「それでは、その矛でその盾を突いたら、どうなるんだ?」と聞かれ、返答に困ってしまったというものである。
 
そこから、矛盾は論理的に辻褄が合わない意味となった、ということは中学生でも知っていることである。
 
こんなことを思い出させてしまうのが、ISILによる日本人2名の殺害予告が発せられ、日本政府が基本方針として二つの対応を掲げていることである。
 
人命第一での対応」であり「テロに屈せず」である。  
 
国内向きには、日本国民の生命を守ると言って憚らない安倍晋三首相なので「人命第一での対応」を行わなければならず、国際社会、特に英米を念頭にすれば「テロに屈せず」という闘う姿勢を見せておかなければならない。
 
72時間という制限時間後には結果が出ているかもしれないが、多くの人の最大の杞憂は「最終的に邦人が犠牲になることを通じて『「テロとの闘い』を前面に押し立てて、ISILに対する軍事攻撃を展開する米国軍に日本軍が加担するような図式が描かれている」ということである。
 
既に昨年の8月には「過激組織、スパイ扱い=「悲劇的な結末」と投稿−千葉の湯川さんか・シリア」という時事通信の記事では「シリア国内とみられる場所で『ユカワ・ハルナ』を名乗る男性が額から血を流し、ナイフを突き付けられる姿を映した映像が動画サイト『ユーチューブ』に掲載された。関係者によると、この男性は千葉市の湯川遥菜さんとみられる。」と報じていた。
 
早くもISILは情報戦をしかけていたのかもしれないが、実は組織の弱体化に直面しているという。
 
<日本人殺害予告 テロ包囲網揺さぶり イスラム国弱体化>
 毎日新聞 2015年01月23日 東京朝刊
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 日本人2人を人質に取り2億ドル(236億円)という巨額な身代金を要求しているイスラム過激派組織「イスラム国」。米軍主導の有志国連合による空爆に加わっていない日本をターゲットにして世界の関心を集め、存在を誇示する広報戦略は奏功したかにみえるが、足もとでは軍事的な劣勢と、組織の弱体化に直面している。焦りが事件を引き起こしたのか、それとも、国際社会への揺さぶりを狙ったのか。交渉期限は23日午後に迫っている。
 「重要な地域を奪還した。イスラム国の補給が困難になるのは間違いない」。イラクでイスラム国と対峙(たいじ)するクルド自治政府の治安部隊ペシュメルガは21日、イスラム国が支配するモスル郊外の町キスク近くに軍事拠点を確保したと発表した。キスクはモスルとシリアを結ぶ幹線道路沿いにあり、イスラム国の補給を妨害する態勢が整った格好だ。
 イラク第2の都市モスルの攻防戦は、イラクでのイスラム国の命運を左右すると目されている。だが、昨年11月にモスル地域を管轄するイスラム国の「知事」が空爆で殺害され、後任の「知事」も内通の疑いで就任直後に処刑されるなど、体制に揺らぎも見える。イスラム国は農村部で強制的な徴兵を始めるなど、なりふり構わぬ姿勢で防備の強化を急いでいる。
 シリアでもイスラム国の勢いに陰りが見える。イスラム国は昨年9月以降、トルコ国境に近い北部アインアルアラブ(クルド名コバニ)を攻撃しているが、米軍主導の有志国連合の空爆とクルド人部隊の反撃に遭い、後退している。「首都」と称するラッカでも、外国人戦闘員の脱走疑惑が表面化。イスラム国は約100人を処刑し、引き締めを図ったと報じられた。
 有志国連合は、イスラム国の資金源対策でも、徐々に成果を上げている。過激派の動向に詳しい専門家によると、イスラム国は▽原油密売▽身代金目的誘拐▽通行税などの徴収▽シンパからの送金などを資金源にしてきた。原油の密売では米政府の分析で1日100万ドル(約1億1800万円)を得てきた。
 有志国連合は軍事拠点と並行して、油田や簡易製油施設など関連施設を集中的に空爆してきた。米国防総省によると、有志国連合は昨年8月以降、イラクとシリアでイスラム国の原油関連施設259カ所を破壊。原油安の影響で密売される石油製品の価格も低下した。米国務省のハックスタイン国際エネルギー担当特使は昨年12月、米メディアに「イスラム国の原油関連収入は著しく低下した」との認識を示した。
 また空爆を逃れるため、イスラム国幹部らは頻繁に居場所を変え、位置情報を悟られないために携帯電話の使用も制限しているとされる。そのため、徴税など地域の統治に関わる余裕を失っているとの見方もある。シンパが多いとされるペルシャ湾岸諸国が有志国連合に加わり、慈善活動を装った送金などへの対策を強化したことも打撃になっている。
 しかし、イスラム国側は資金源が細っているとの見方を否定している。イスラム国を支持するシリア人男性は22日、毎日新聞の電話取材に「日本への巨額の身代金要求は、動揺を誘う心理戦の一環だ」と述べた。
 一方、イスラム国の内情に詳しいイラク人安全保障専門家ヒシャム・ハシミ氏は「イスラム国は過去3カ月間で軍事的にも経済的にも大打撃を受けた。地下に潜っていく動きが強まる」と分析している。【カイロ秋山信一】
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米国中心の有志国連合による空爆で爆煙が上がるシリア北部アインアルアラブ(コバニ)=2014年11月、AP
 ◇期限早まるのを懸念 23日午後2時50分、日本があえて設定
 イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人2人の殺害予告の期限を「23日午後2時50分」に設定したのは政府の判断だ。身代金要求のビデオ声明を確認した20日午後2時50分から「72時間後」が根拠で、犯行グループが起算点を明示したわけではない。政府は期限が早まることもあり得るとみて、救出に向けた対応を急いでいる。
 政府は、「日本側から期限を明示すれば相手のペースに乗ることになる」(外務省幹部)と期限設定には慎重だった。しかし、犯行グループが表明した「72時間」を超えて時間を稼げる見通しはなく、菅義偉官房長官は21日の記者会見で「23日午後2時50分」とあえて踏み込んだ。政府関係者は「相手はもっと前が期限だと考えているかもしれない」と指摘。菅氏の判断は、政府が事態に対処できる時間を最大限引き延ばす狙いだったと解説する。別の外務省関係者は「期限を明確にしなければ日本の本気度が問われ、早期に人質の身が危険にさらされる恐れがある」と語った。
 安倍晋三首相は21日の関係閣僚会議で「厳しい時間との闘いの中で、徹底した情報戦を展開する必要がある」と述べ、中東諸国への2億ドル拠出が人道支援だということを含め、日本の中東外交の意図を積極的に発信するよう指示。菅氏は22日の会見で「懸命に努力している」と一刻も早い救出を強調した。【鈴木美穂】
 
「米国中心の有志国連合による空爆」で物理的な破壊は限りなく進むだろうが、ローマ生まれの女性ジャーナリストであるロレッタ・ナポリオーニは『イスラム国  テロリストが国家をつくる時』という著書で警鐘を鳴らしていた。
 
さらに『イスラム国の正体』の著者の元日本外交官の国枝昌樹は、ISILはこれまでの武装過激派組織とは異なり、しっかりとした財政基盤を持ち、決算書も作成し、都市インフラを整備するなど、限りなく「国家」に近づきつつあるという。 
 
<決算書にインフラ、住民サービス…イスラム国はテロ組織ではない、もはや国家だ>
 2015.01.22 LITERA
 本サイトの記事にもあったように、「イスラム国」が日本人2人の身代金要求と殺害予告を行うという衝撃的な事件のきっかけが、中東歴訪中だった安倍晋三首相の不用意な発言であることは明らかだろう。1月17日にエジプトで開かれた「日エジプト経済合同委員会」で、こう述べたのだ。
「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISIL(アイシル)がもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に総額で2億ドル程度、支援をお約束します」
 日本政府は2人の日本人が「イスラム国」に拘束されていることは知っていたはずである。それを考えると、あまりに不用意としか言いようがないが、いまはそんなことを言っている場合ではない。「イスラム国」が設定したタイムリミットが刻一刻と迫っているからだ。
《汝の敵を知れ》という格言がある。
「イスラム国」とはいったい何者なのか。日本のメディアは「イスラム国」の前に必ず“イスラム過激派組織”という枕をつける。欧米の専門家の多くは「イスラム国」をタリバンと同じ時代錯誤の過激派組織だと考えている。安倍首相やアメリカ政府が「イスラム国」(英語の略称はIS)という名称でなく、わざわざ旧名称の「ISIL」を使うのは、「イスラム国」があくまで武装組織だと強調したいからだという。だが、本当にそれでいいのだろうか。
 この疑問にいち早く応えたのが、『イスラム国  テロリストが国家をつくる時』(文藝春秋)だ。著者のロレッタ・ナポリオーニ氏はローマ生まれの女性ジャーナリストで、ハンガリー国営銀行に勤務していたという異色の経歴を持つ。ひょんなきっかけからテロ組織の資金調達に興味を持つようになり、研究を始めた。いまでは北欧諸国政府の対テロリズムのコンサルタントを務め、「イスラム国」には早くから警鐘を鳴らしていた。
 もう1冊、きわめてわかりやすい参考書がその名もズバリ『イスラム国の正体』(朝日新書)だ。こちらの著者は元日本外交官の国枝昌樹氏である。在エジプト大使館勤務を皮切りにイラク、ヨルダン、シリアを渡り歩いた中東のエキスパートだ。1990年の湾岸危機では十数人の治安軍兵士にカラシニコフ小銃を突きつけられながら司令官と交渉し、日本人人質の解放に当たった強者でもある。
 この2冊の本から浮かび上がる「イスラム国」の印象は、黒覆面の男たちが銃を掲げて跋扈する単なる野蛮な武装集団とはかなり違う。しっかりとした財政基盤を持ち、決算書も作成し、都市インフラを整備するなど、限りなく「国家」に近づきつつある。とはいえ、その手法はテロと暴力の連続だ。最高指導者のアル・バグダディを頂点に優秀な人材を集め、財政、捕虜、徴兵、法務、広報などの各大臣を配している。その意味では、成功したオウム真理教と言えなくもない。
「イスラム国」がこれまでの武装過激派組織と際立って違うのは、次の3点だと国枝氏はいう。
(1)「国」を名乗り、領土を主張し、行政を敷いていること
(2)インターネット上で効果的にメッセージを発信していること
(3)欧米人を含む外国人の参加が多いこと
 とくに(1)は重要だ。「イスラム国」の目的は明確すぎるほど明確で、イスラム教の預言者ムハマンドの「代理人」を意味する「カリフ」を頂点とするイスラム国家をつくることだ。1922年のオスマントルコ帝国の崩壊でなくなったカリフ制を再興し、聖典コーランやムハマンドの教えを厳格に守る国を目指している。
 そのため、イスラム過激派の“先輩”にあたるアルカイダのように、アメリカと闘うといったバカで無駄なことはいっさいしない。アメリカのような遠くにある国を攻撃しても、カリフ制国家建設には何の役にも立たないと考えるからだ。その代わり、国家の基盤となる「領土」の獲得には熱心だ。こんな武装集団は過去にはなかった。
 例えば、「イスラム国」が“急成長”したのはシリアの内戦に介入してからだった。シリアのアサド政権に対抗する反政府組織が入り乱れる状況につけ込んで権益を拡大した。群雄割拠する反政府組織の目的は文字通り、“反政府”つまりアサド政権の打倒にあった。これに対して、「イスラム国」(その時々によって名称が変化するが、本稿ではわかりやすいように「イスラム国」で統一する)は内戦で荒廃した土地を支配下に置くことを主たる目的に戦った。
 こうして獲得した「領土」には行政を敷き、恭順する住民にはさまざまなソーシャルサービスさえ施し始めた。
 上級幹部は前出の最高指導者で「カリフ」を名乗るアル・バグダディを含めて12人。バグダディの下に「シリア担当」と「イラク担当」の最高統括官がいて、その下に各大臣、さらにその下に準幹部が25人程度いる。その3分の1がイラク人だ。行政経験のあるサダム・フセイン体制下のバース党員が重用されているという情報もある。
 幹部はそれぞれ県知事のような形で支配地域に配置され、その下にまた各担当者が置かれている。税金を徴収するが、アサド政権よりも公正かつ税額も少なめで領収書も発行するので、街の商人には歓迎されているという報道もある。道路を補修し、家を失った人のために食料配給所を設置し、電力の供給も開始した。かつてアフガニスタンを支配していたタリバンは偏執狂的な傾向があってワクチン投与には懐疑的だったが、「イスラム国」はポリオワクチンの接種も推進している。
 それだけではない。「建国」以来、米ドルのほか、シリアでは「シリア・ポンド」、イラクでは「イラク・ディナール」が使われていたが、昨年11月から独自の通貨発行まで始めた。単位は、金貨が「ディナール」、銀貨が「ディルハム」、銅貨が「ファルス」とアラブ世界ではよく使われる単位となっている。驚くべきことである。
 過去の武装集団は、制圧地域の住人は搾取の対象であり、政治に参加させるなどもってのほかだった。だが、「イスラム国」はそれでは「国家」にならないことをよく知っている。支配地域の女性と兵士を結婚させることにも余念がない。それほど目的意識が明確なのだ。
 では、「イスラム国」に支配された地域の住民はみんなが幸せかというと、もちろんそんなことがあるはずはない。イスラム教スンニ派の中でもとくに厳格なサラフィー主義による「国家運営」を目指しているので、まるでタリバン時代のアフガンと同じだという証言もある。飲酒はもちろん厳禁で、喫煙やカメラの使用も禁じられている。女性は男性の親族の付き添いなしで外出してはならず、当然、肌を見せてはいけない。
 報復や刑罰は極めて冷酷で、イスラム法廷と移動警察を備え、処刑は広場などで公開される。さらに怖いのは、強力な布教・改宗活動による宗教的浄化活動を行っていることだ。制圧地域に残る住民は過激なサラフィー主義に改宗するか、でなければ処刑される。アメとムチを巧妙に使い分けた強権支配を行っているのである。
「イスラム国」の戦略でもうひとつ特徴的なのは、アルカイダのように遠くの敵を相手にするのではなく、近くに敵を設定したことだ。アル・バグダディの夢は近い敵との征服戦争に勝利し、バグダッドを中心とするカリフ国家を再興することだ。ここでいう「近い敵」とは、シリアとイラクを支配する腐敗し切った一握りのエリート、つまりシーア派のことを意味している。かつてのイスラム帝国の領土をシーア派という「暴君」から解放しようとしているとも言える。初期の「イスラム国」はシーア派に対して執拗に自爆テロを繰り返した。
 これによって、それまでシーア派に虐げられていたスンニ派イスラム教徒が続々と「イスラム国」を支持するようになったという。カリフ制国家の再興を唱える新カリフ(バグダディのこと)の登場を、多くのスンニ派の人々は武装集団の出現とは受け止めていない、と前出のロレッタ氏は指摘する。数十年に及ぶ戦争と破壊の末にとうとう頼もしい政治主体が誕生したと。その意味で、「イスラム国」の目的は、〈スンニ派のムスリムにとって、ユダヤ人にとってのイスラエルになることである〉とも言っている。衝撃的な例えではないか。
 国際社会のある意味“知らぬ間”にここまでの国家もどきを創り上げたアル・バグディとはどういう人物なのか。
 1971年にイラクの古都サマラで生まれ、自らを預言者ムハマンドの末裔だと称している。バグダッドの大学でイスラム関係の学位を取得し、イスラム教の指導者として活動していたこともある。テロリスト集団のリーダーには珍しくそれなりの教養はありそうだ。学生時代は物静かでサッカー部のエースだった。90年代の終わりにアルカイダ系グループと行動を共にしていたとの情報もある。他の武装集団の指導者がよくやるように、自分の動画を公表したり、声明を発表したりすることはめったにない。2014年7月にインターネット上に演説映像を公開して以来、いっさいその姿を現していないのだ。謎の存在というか、謎めいた存在であることを演出しているという説もある。指導者になったのはほんの4年前だが、「イスラム国」が台頭し始めたのもその頃からだ。
 前出のロレッタ氏は、「イスラム国」が先行する他の過激派武装集団と決定的に違うのは、その近代性と現実主義(プラグマティズム)にあるという。それを体現しているのが、バグダディなのかもしれない。彼自身のみならず、周辺には相当に優秀な人材を集めている。
 カリフとしての最初の演説で、バグダディはイスラム法に従う医師、技術者、法律家、各種専門家に向けて、自分の元に馳せ参じるよう呼びかけている。この演説は翻訳チームによってほぼリアルタイムでリリースされ、演説原稿はウェブサイトのほか、フェイスブック、ツイッターのアカウントに英語、フランス語、ドイツ語を始め数カ国語でアップされた。
 こうした巧みな広報活動も「イスラム国」の特徴のひとつだ。それらはアル・ハヤートという広報組織が指揮しているといわれている。インターネット上に英字雑誌「DABIQ」を展開したり、広報宣伝用の独自のアプリ「吉報の夜明け」も開発している。それが、世界各地から兵士を獲得することにもつながっている。今日のインターネットがもともとは米軍の通信用に開発されたアーパネットを前身にしていることを考えると、なんとも皮肉な話である。
「イスラム国」に「人」が集まるのは、それだけが理由ではない。
「カリフ制国家の再興」というこれまでのイスラム過激派組織にはなかった明確な目標を掲げたことで、「イスラム国」は他の武装集団との圧倒的な差別化ができた。これによって、世界中でくすぶっていたムスリムの兵士や優秀な人材が集まるようになった。単純な話だ。目的がはっきりせず明日をも知れないアルカイダに行くよりも「イスラム国」へ行こう!ということになる。まさにブランディングの手法である。
 ロレッタ氏の分析によると、「イスラム国」が台頭した背景には世界の多極化もあったという。冷戦下では武装集団のスポンサーは米ソの2つにひとつしかなかった。それぞれの武装集団が米ソの代理戦争を戦った。ところがポスト冷戦の多極化で大国の思惑が複雑に絡み合うようなり、その状況を明確に理解した「イスラム国」が、間隙を縫うように多様な資金源を獲得していったという。しかも、他の武装集団のようにいつまでも同じスポンサーに頼らず、早期に財政的な独立を果たしたとみられている。
 よくいわれているのが、シリア東部とイラク北部の支配地域にある多数の油田の存在だ。シリアで50カ所、イラクで30カ所あり、1日に8万バレルの原油が生産できるとされている。「ウォール・ストリート・ジャーナル」の報道によれば、1日の密輸額は200万ドルにも達するという。その他、前述の税金や寄付もある。さらにいえば、人質も「イスラム国」にとっては貴重な収入源だ。わかりやすく言うと“払えば解放される”のだ。「ニューヨーク・タイムズ」の報道によると、身代金の相場は一人当たり200万ユーロ(約2億9800万円)。それを考えると、今回の日本人2人に対する要求がいかに法外かがわかるだろう。2014年12月には殺された米国人記者の遺体を遺族に100万ドルで売却しようと持ちかけているとも報じられた。
 いずれにしても、「イスラム国」が単なるイスラム過激派組織で片付けられないほどとんでもない怪物になっていることがおわかりいただけたと思う。いま、日本をはじめとする国際社会は、この国家もどきにどう対応すればよいかが迫られている。前出の国枝氏は「長続きはしないだろう」との分析だが、ロレッタ氏はこんな不吉な“予言”すらしている。
〈ヨーロッパ各国の首脳がアル・バグダディと握手する日は訪れるのだろうか。(中略)今の時点で「イスラム国」と交渉するなど論外とされている。だが、(中略)彼らが好きなように中東の地図を書き換えてしまう前に国際社会に取り込み、国際法を守らせるほうが賢明ではあるまいか。〉
(野尻民夫)
 
ISILは「最高指導者のアル・バグダディを頂点に優秀な人材を集め、財政、捕虜、徴兵、法務、広報などの各大臣を配している。その意味では、成功したオウム真理教」かもしれないが、日本ではオウム真理教は成功してはいない。
 
ただ一つだけいえることは弱冠44歳のアル・バグダディは自分の頭で考えられない日本のリーダーとは大きく異なり、テロリスト集団のリーダーには珍しくそれなりの教養とカリスマ性があって戦略的であり、それが益々危険な存在にしているのかもしれない、とオジサンは思う。


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2015年01月22日

外務省の怠慢とやはり飛び出した自己責任論

昨日のつぶやき「人質の身代金はオスプレイ2機分」の中で「イスラム国邦人人質:後藤さん家族に身代金10億円メール」という毎日新聞記事を紹介したのだが、実は要求金額は20億円だったと朝日新聞が最新の情報を発信していた。
 
<後藤さんの妻に20億円要求 「イスラム国」、11月からメール 邦人人質>
 2015年1月22日05時00分 朝日新聞デジタル
 イスラム過激派組織「イスラム国」に拘束されたジャーナリスト後藤健二さん(47)=東京都=の妻あてに昨年11月〜今年1月、後藤さんの拘束を伝え、身代金を要求するメールがイスラム国関係者から送られていたことが政府関係者への取材でわかった。妻は相手側と約10通のメールをやりとりして、後藤さん本人の拘束が間違いないことを確認した。身代金の要求額は20億円余だったという。
 後藤さんは昨年10月下旬にシリア入りし、間もなく連絡が途絶えた。政府関係者によると、妻は同月末に外務省に相談。メールが届いたのはその後で、昨年12月初めに、気づいて開封した。メールには、後藤さんの身柄を預かっていることが英文で記されていた。
 妻は内容の真偽を確かめるため、後藤さん本人しか知り得ない事柄についてメールでただしたところ、複数の質問に対して正しい回答が返ってきた。届いたメールのなかには、他の外国人の誘拐事件で被害者側とイスラム国側がやりとりした情報にたどり着くアドレスが記されたものもあり、情報の内容が過去の被害と合致したという。
 イスラム国側が身代金を要求したのは、今年1月初めのメールで、20億円超に相当する1千数百万ユーロを指定してきた。外務省はメールの内容をふまえ、警察当局とともに海外の関係機関の協力を得ながら、メールを送信した人物の解明や情報収集にあたってきた。メールに後藤さんの写真など画像が添付されていたことはなかったという。
 
「外務省はメールの内容をふまえ、警察当局とともに海外の関係機関の協力を得ながら、メールを送信した人物の解明や情報収集にあたってきた」らしいのだが、どうも外務省は本気モードになっていなかったようである。 
 
<日本人2人を放置…怠慢の外務省内では「いい迷惑」の放言も>
 2015年1月22日 日刊ゲンダイ
 過激組織「イスラム国」による日本人2人の身代金要求・殺害警告事件は、日本が本格的に「テロ標的国」になったことを示す。日本人を狙ったテロ行為は今後、海外だけでなく、日本国内でも起きる可能性が高まった。警視庁は早速、首相官邸など政府機関の警備を強化することを決めたが、許せないのは、「イスラム国」による2人の拘束情報を「無視」し続けた外務省の怠慢だ。
 そもそも、トルコ経由でシリアに入国した湯川遥菜さんが「イスラム国」に拘束されたとみられるのは昨年8月だ。一方、後藤健二さんは昨年10月、自身のツイッターに「シリアで取材中」と書き込んだまま行方不明となった。
 本来であれば、外務省はこの時点ですぐに2人の情報収集に当たるべきだった。それが数カ月間もホッタラカシで、斎木昭隆事務次官をトップとする「緊急対策本部」を設置したのは、事件が表面化した20日だ。あまりに遅過ぎる対応だし、人命軽視も甚だしいだろう。
 「外務省は昨年、2人の拘束情報が寄せられても、<イスラム国は国じゃない><日本人とは断定できない>と動きませんでした。省内では<いい迷惑だ>と言い放った職員もいたほどです。昨年、NHKから後藤さんについて問い合わせがあった際も、同様のスタンスで無視し続けた。それが今、最悪の状況となり、内部では責任のなすり合いが始まりました」(外務省事情通)
■拘束情報を無視
「イスラム国」に拘束された外国人が解放されたケースでは、政府機関が水面下で交渉した例もあるという。日本政府や外務省が腰を据えて動いていたなら、少なくとも展開は変わったはずだ。
 軍事評論家の神浦元彰氏はこう言う。
「つまり、外務省は何もしていなかったことがハッキリした。2人の拘束情報を得ても『イスラム国』と交渉するチャンネルをつくる努力さえしなかった。さらに悪いのは、こういう事態に備えて設置した『国家安全保障会議』(日本版NSC)です。日本の首相がパリのテロ事件直後に中東を訪問し、<イスラム国対策にカネを出す>と発言すれば、どんな状況を招くか容易に想像がついたはずです。今さら『非軍事目的』なんてゴマかしても無駄です。外務省と日本版NSCの無能が今回の事件を招いたのです」
 日本版NSCは、安倍首相が議長を務め、事務局の国家安全保障局のトップは谷内正太郎・元外務事務次官だ。最悪の事態となれば、そろって糾弾されるのは間違いない。
 
国家安全保障会議は、通常時は「4大臣会合」として、首相・官房長官・外相・防衛省の4人の大臣から構成されるのだが、今回の人質誘拐事件発生時には国内には、菅義偉官房長官しか存在していなかったことから、政府の安全保障におけるリスク管理体制がいい加減だったことが分かる。
 
さらには「日本人拘束 安倍首相のバラマキ中東歴訪が招いた最悪事態」なのだが、予想通り、11年前の小泉純一郎首相当時の「自己責任論」が意図的に流されているようである。 
 
<「身代金、自分で払わせれば良い」「危険承知していた」 拘束された2人にネットで吹き荒れる「自己責任論」>
 2015/1/21 18:31 JCASTニュース
 「イスラム国」を名乗る集団から殺害が警告されている湯川遥菜さんと後藤健二さんに対し、ネットでは「自己責任論」が噴出している。
 2004年、紛争地だったイラクで日本人3人が武装勢力の人質となった当時を思い起こさせる状況だ。
後藤さんは「責任は私自身に」と話していた
 2人がイスラム国に拘束されるまでの経緯は2015年1月21日現在はっきりしないが、これまでの報道をまとめるとシリア入りの目的が少しずつ明らかになってきた。
 北部アレッポで拘束された動画が8月に公開されて以降、消息が分からなくなっていた湯川さんに関して、軍事会社の関係者は「実績が作りたかったのではないか」などと各紙の取材に答えている。一方の後藤さんは、知人で現地ガイドの男性が「友人の湯川さんの情報を得るために行った」と話しているとし、救助のために現地入りしたと各紙が報じている。
 2人は現地での危険を認識していなかった訳ではない。湯川さんは最後の更新となった7月21日のブログで「今までの中で一番危険かもしれない」と書いた。後藤さんも、ガイドの男性が撮影したという動画の中で「これからラッカ(シリア)に向かいます。どうかこの内戦が早く終わってほしいと思っています。何が起こっても、責任は私自身にあります」と話している。
 しかし結果は人質として拘束され、日本政府には計2億ドルという法外な身代金が要求されることとなった。ツイッターをはじめ、ネットでは「そもそも行くなって言われてんのに行ったのは自己責任でしょ」「もし払うなら自己責任は明白なので自分で払わせれば良い。危険地帯を承知で出かけているのだから」と「自己責任論」が吹き荒れている。
拘束された奴の命がどうなろうと、現地へ行った奴の自己責任なんだからほっときなよ」という書き込みや、「そもそも後藤、湯川両氏はイスラム国と意を同じくしているのではないか?とすら思う」「捕まったやつはイスラム国の仲間で日本から資金得るため演技してんだよ」とイスラム国と共謀した自作自演を疑う人までいる。
「『自己責任』という言葉を使わないことを願う」
 同様の見解をする著名人もいる。タレントのフィフィさんは「この時期にあの地域に入るのには、それなりの覚悟が必要で自己責任」とツイート。元衆院議員の渡部篤氏は、2人について「日本政府が要請してシリアに行ったのではない」と突き放す。「冷酷かもしれないけど、イスラム国のテロに屈してはならない。ここで妥協すれば、世界中の日本人がテロに狙われることになる」と持論を書いた。
 被害者に批判的な「自己責任論」は、04年にイラクで日本人3人が拘束された当時と似通っている。外務省から渡航自粛勧告が出されていたにもかかわらず現地入りした3人へ批判は強く、今回と同様に共謀説も飛び出した。
 当時の関係者は今回の事件についてツイッターで見解を示している。被害者の弁護団だった神原元弁護士は「あのとき、政府関係者が『自己責任論』を唱え、日本社会は被害者家族へのバッシングに覆われた。あれは狂気だった。狂気にとりつかれるな。被害者とその家族をサポートせよ!」という。
 18歳で拘束され、現在NPO法人の共同代表を務めている今井紀明さんは「今回の人質事件で『自己責任』と彼らを切り捨ててはいけないことだと思う。海外では様々なことが起こりえる、守られていても殺される時だってある。どんな人でもあっても切り捨てず、最後まで国は対応してほしい。そして国の関係者が『自己責任』という言葉を使わないことを願う」としている。
 
イスラム過激グループによる人質誘拐事件では水面下の交渉と並行して人質救出作戦が行われるらしいのだが、今回の2人の日本人は容易に救出できるような場所に拘束されているわけではないらしい。 
 
<イスラム国:日本人殺害脅迫 シリア北部に拘束か 本拠地、救出作戦困難>
 毎日新聞 2015年01月22日 東京朝刊
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 【カイロ秋山信一】殺害予告された日本人2人がシリア北部ラッカ周辺で拘束されている可能性が高いことが21日、シリア反体制派への取材などで分かった。ラッカはイスラム国の本拠地で、特殊部隊などが潜入するのは難しく、米軍の人質救出作戦も昨年、失敗している。交渉以外で2人を救出するのは困難な情勢で政府は難しい対応を迫られている。
 日本政府によると、拘束されているのは千葉市出身の湯川遥菜さん(42)と仙台市出身の後藤健二さん(47)。2人のシリア入国を助けた複数のシリア反体制派メンバーによると、湯川さんは昨年7月、後藤さんは10月、トルコ国境のバーブサラマ検問所からシリア入りし、アレッポ北郊のマレア周辺で消息を絶った。
 アレッポ近辺では、アサド政権と反体制派、イスラム国が三つどもえの抗争を続ける。反体制派組織「イスラム戦線」メンバーのイスラム・アルウシュ氏によると、イスラム国は通常、アレッポ付近で捕虜や人質を拘束した場合、敵対勢力に奪われないため、実効支配が確立しているラッカに移送する。イスラム国に処刑された欧米人記者らも、ラッカ周辺で1カ所に集められたことが、解放された人質の証言で分かっている。
 湯川さんに同行し、行方が分からなくなった後にイスラム国との解放交渉を続けてきたイスラム戦線幹部は「湯川さんはラッカに移動した可能性が高い」と証言。イスラム国の動向に詳しく、シリア北部に住んだ経験があるイラク人安全保障専門家、ヒシャム・ハシミ氏も、公開された映像について「背景の砂漠などからラッカ周辺で撮影されたのは間違いない」と分析した。ただ、映像は合成された疑いも指摘されている。
 しかし、詳細な居場所の特定は困難とみられる。イスラム国に約10カ月間拘束された仏人記者は「12回以上場所を変えた」と地元メディアに証言。有志国連合やアサド政権の攻撃を警戒し、ラッカ周辺で頻繁に場所を変えている模様だ。
 米軍は昨年夏、ラッカ付近でヘリコプターから特殊部隊を降下させ人質を救出しようとしたが、目標地点に人質はいなかった。ラッカ周辺には、アサド政権や親欧米反体制派の地上部隊も不在で、救出作戦を実施するのは厳しい状況だ。
 
残り時間が少なく救出はまず不可能な状態で、しかも身代金交渉ルートもない現状では安倍政権はなにもできない。
 
既に身内からは「身代金は支払うのか 中谷氏は『毅然たる態度』、高村氏『払えない』」という声が出始めている。
 
<クローズアップ2015:日本人殺害脅迫 首相「時間との闘い」>
 毎日新聞 2015年01月22日 東京朝刊
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 イスラム過激派組織「イスラム国」によるとみられる日本人男性2人の身代金要求を受け、政府は21日も解放に向けた情報収集を急いだ。同日帰国した安倍晋三首相は、23日午後の期限を念頭に「厳しい時間との闘い」と強調。欧州ではイスラム国に拘束された人質が解放されたケースがあり、政府は関係各国と連携しながら、人質救出に向けたぎりぎりの対応を探っている。
 ◇大使館閉鎖 パイプ細く
・・・中略・・・
 ◇身代金で解放の例も
 「イスラム国」への身代金の支払いを巡り、国際社会の対応は割れている。支払わない方針を明確にする米、英と異なり、他の欧州諸国は「支払っている」と報じられている。
 身代金を支払ったケースで関係国は一切、事実を明かしていないが、米ニューヨーク・タイムズ紙によると、イスラム国に拘束された人質は少なくとも12カ国、23人(日本人2人を除く)。米国、英国の計5人は殺害されたが、仏、独、スペインなど計15人は解放されている。その際、1人当たり200万ユーロ(2億7400万円)以上が支払われたとしている。
 身代金を支払えば、さらなる拉致を誘発したり、身代金で購入した武器でテロ攻撃を受けたりすることは自明だ。2013年6月の主要8カ国首脳会議(G8)では「身代金支払いを全面的に拒否する」との文言を首脳宣言に盛り込み、14年1月には国連安全保障理事会で同様の決議を採択。国際社会はテロに屈しないことを確認していた。英国では保険会社による身代金支払いなどを禁じる法案を審議している。
 なぜ、欧州諸国は身代金を支払うのか。複数の外交官は同紙に「テロリストの要求を受け入れるか、罪のない人が殺害されるのを黙って見ているか、悩み抜いた決断だった」と話した。
 昨年11月に国連安保理に提出された報告書によると、「イスラム国」は最近1年間で得た身代金は約3500万?4500万ドル(約41億?53億円)で、主要収入源の一つになっている。今回イスラム国の要求額は、その4倍以上にあたる2億ドル(約236億円)。これまで公開されたビデオと異なり、殺害を警告しながら身代金を要求する初のケースだ。欧米メディアは「日本は身代金を支払う国とみられているからだ」と報じている。
 海外で日本人らが人質になり政府に要求を突きつけた事件では、1977年9月に起きた日本赤軍によるダッカ日航機ハイジャック事件がある。人質と引き換えに日本で拘置・服役中の仲間の釈放と身代金600万ドル(当時で約16億円)の支払いを要求。福田赳夫首相(当時)は「人命は地球より重い」として超法規的措置を発動して6人を釈放、身代金も支払った。しかし、日本政府の対応は諸外国から「弱腰」との批判も浴びた。
 自民党の高村正彦副総裁は21日、党本部で記者団に「テロ集団の要求に応じて、政府が人道支援を取りやめることは論外だし、政府が身代金を払うこともできない」と強調。その上で「できる範囲で人質救出のために、政府は最善を尽くしてもらいたい」と求めた。
 また、21日の日英防衛相会談で、ファロン英国防相は中谷元防衛相に対し身代金を求める脅迫について「金銭も含めて毅然(きぜん)とした態度をとるべきだ」と述べた。【三木幸治、岸達也】
 
テレビメディアは中東専門家を登場させて様々な分析をさせているが、誰一人と入して自信を持ってこの事件の解決策をアドバイスする専門家は見当たらなかった。
 
少なくとも今度の人質事件は、まさしく安倍晋三首相と、安倍晋三首相の言いなりになる外務官僚が招いた大失策といえるだろう。
 
狡猾な安倍政権は最悪の事態に備えて恐らく国民の批判をかわす策略を考えているかもしれない。
 
それにもかかわらず、安倍政権と外務省は、自ら招いた大失策への対応で動きが取れず、さらなる泥沼にはまり込んでいこうとしている。
 
安倍政権の中東外交大失策のために日本が巻き込まれるという事態を見据えて、来週から始まる通常国会では野党は厳しく安倍外交を追及しなくてはならない、とオジサンは思っている。


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2015年01月21日

人質の身代金はオスプレイ2機分

昨夜は18時前からサッカーアジア杯「日本vsヨルダン」戦を見る準備をしていたがNHKニュースで安倍晋三首相が日本人の人質事件について弱気な表情ながらも、「人命を盾にとって脅迫することは、許しがたいテロ行為であり、強い憤りを覚える。2人の日本人に危害を加えないよう、そしてただちに解放するよう、強く要求する」と原稿には無い内容をしゃべっていた。
 
日本代表がヨルダンに勝って決勝トーナメント出場を果たした後、報道ステーションの予定を変更した現地からの緊急報告を見て、そして深夜までツイター情報を読んでおおまかな全貌がわかった。
 
<日本人2人の殺害警告 「イスラム国」ビデオ声明>
 2015年1月21日 07時19分 東京新聞
20150121hitojitieizou.jpg イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」とみられるグループが20日、72時間以内に身代金2億ドル(約234億円)を支払わなければ、拘束している日本人2人を殺害すると警告するビデオ声明をインターネット上で発表した。映像にはオレンジの服を着せられた日本人とみられる男性2人が写り、日本政府は昨年拘束されたとされる湯川遥菜(はるな)さん(42)=千葉市花見川区=と、仙台市出身のフリージャーナリスト後藤健二さん(47)の可能性があるとみて確認を急いでいる。 
 映像では全身黒ずくめで目出し帽をかぶった男がナイフを持ち、英語で「日本の首相へ。日本はイスラム国から8500キロも離れていながら、進んで十字軍に参加した」などと、安倍晋三首相が17日のエジプトでの演説でイスラム国対策で2億ドルの供与を表明したことを批判。日本国民に対し「命を救うのに2億ドル支払うという賢明な判断をするよう政府に迫る時間が72時間ある。さもなければ、このナイフがおまえたちの悪夢となるだろう」と警告した。
 湯川さんは昨年8月、シリア北部アレッポ郊外でイスラム国に拘束された可能性が出ていた。本人のブログによると、昨年1月に民間軍事会社「ピーエムシー(PMC)」を設立。イラクやシリアへ渡航を繰り返し、シリアの反政府武装組織「自由シリア軍」のメンバーと撮影した写真などをブログに掲載していた。更新は、昨年7月21日付の「(渡航の)目的地は書けない。今までの中で一番危険かもしれない」などという記述が最後だった。
 後藤さんは自身のツイッターで昨年10月2日、「シリア取材に入ります」と告げ、翌3日に「シリアで取材中です」と書き込んだ後、「シリア現地リポート」というタイトルの動画を複数回投稿。最後の書き込みは同23日だった。
 
ジャーナリストの後藤健二さんに関しては「イスラム国邦人人質:後藤さん家族に身代金10億円メール」の記事によると、昨年11月に「イスラム国」側から後藤さんの家族に約10億円の身代金を要求するメールが届いており、総選挙前でもあり政府はこの事実は隠していたらしい。
 
こんな危険な地域には決して自社の記者を派遣しないという立派な安全規則を定めている在京大手マスメディアの今朝の社説を読んでみた。
 
■朝日新聞「イスラム国―許しがたい蛮行だ
2人が拘束された経緯ははっきりしないが、どんな事情で現地にいたにせよ、人命の重みを最優先に対応すべきだ。 
 
■毎日新聞「『イスラム国』人質 早期解放に全力挙げよ
イスラエルで記者会見した安倍首相は、人質の処刑予告に「強い憤り」を表明する一方、人命尊重を第一に早期救出を目指す方針を示した。その通りである。日本は中東に有する人脈を生かして人質解放に全力を挙げるべきだ。  
  
上記2社とも教科書通りの優等生的な論調で、余り深く立ち入っていない。
 
◆讀賣新聞「『イスラム国』 人質の殺害脅迫は許されない
不当な要求に応じれば、日本がテロに弱いとみなされる恐れがある。テロ組織を勢いづかせ、同様の事件を引き起こしかねない。
 菅官房長官が「テロに屈することなく、国際社会とテロとの戦いに貢献する我が国の立場に変わりない」と語ったのは当然だ。 
 
◆産経新聞「邦人人質脅迫 テロに屈してはならない
菅義偉官房長官も「テロに屈することなく、国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく」と述べた。この姿勢を支持する。
 2004年にイラクのテロ組織が日本人を人質にとった際には、当時の小泉純一郎首相が直ちに「テロには屈しない」との大原則を示した。
 事件は最悪の結末を招いたが、それでも大原則を曲げるわけにはいかない。無法な要求を受け入れれば、日本が脅迫に屈する国であると周知され、同様の犯罪を招くことにもつながる。   
 
さすがは、安倍晋三首相の戦争の出来る国づくりを応援するメディアだけあって、本音を隠さず正直に人質が犠牲になっても「テロには屈しない」という、強い日本を強調すべきであると主張している。 
 
ここまでは想定内のメディア評なのだが、なんでこの時期、タイミングにこんな警告声明が発せられたのだろう。
 
このビデオ声明の前日は「『悲劇繰り返させない』首相、ホロコースト記念館で演説」しており、その演説後の記者会見では「特定の民族を差別し、憎悪の対象とすることが、人間をどれほど残酷にするのかを学ぶことができた」と発言したため、「特定の民族を差別し、憎悪の対象とする」ことを目的とした在特会に対して懇ろな安倍晋三首相に対して「御自身の 支持者に 言いなはれ️」という批判のメッセージがネット上には広まっていた。

 
「こんな時にイスラエルまで行くってことは、イスラム過激派への挑発って捉えられることだってなきにしもあらずで、安全保障という観点からはまったくお粗末ですね。こんな危ない遊びさせておくなんて、アルカイダじゃなくてアホカイナです。ネタニヤフの「日本も巻き込まれる可能性」って言葉は、おそらく「オメー、そのつもりがあってここまで来たんだろうな」って脅しが言外に込められてたりして。つまり、テロ撲滅のために軍隊送ってくれるんだろ、ってことです。ネタニヤフに聞いたわけじゃないけどさ。」とくろねこの短語は今回の事件を予見していた。
 
そして安倍晋三首相の一連の行動に対してはこんなツイッターが飛んでいた。

 
特に紛争地ではないアジア各国にカネをばら撒く感覚で最もホットで危険な中東地域に、カネをばら撒きに行き、さらには本人もおあまり理解していないだろうと思われる「中庸」を1月17日の日エジプト経済合同委員会で強調していた。     
  
ヒョットすると「中道」とか「中東」と勘違いでもしているような「中庸」へのこだわりだった。
  
今朝の東京新聞の「私説・論説室から」では安倍晋三の無知、無定見な外交振りを痛烈に批判していた。
 
<地球儀を俯瞰しない外交> 
 十年前の「悪夢」が頭に蘇(よみがえ)った。ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の葬儀を、パリ支局からバチカンに出張取材した時のことだ。
 元法王は東欧の民主化を支援し、ソ連崩壊−冷戦終結の「陰の功労者」といわれた。カトリック教会という一宗教の指導者を超えた存在であり世界平和に偉大な足跡を残した。
 葬儀には百カ国以上の大統領や王族らが顔をそろえた。イラク戦争をめぐり法王の制止を振り切って開戦したブッシュ米大統領は、どの要人よりも先に駆けつけ、法王の遺体の前に跪(ひざまず)いたほどである。大国で元首級が出席しなかったのはバチカンと反目したロシアと中国の「共産国」、そして日本だけだった。
 歴代三人の大統領が出席した米国とは対照的に、バチカンの影響力を理解していない外交オンチぶりを露呈、弔問外交という貴重な機会を生かそうとの戦略もなかったのだ。
 悪夢の再来は、フランスで反テロの連帯を示す各国首脳のデモ行進。日本は駐仏大使の出席で済ませた。米国も首脳が参加しなかったが、批判が集中し、ホワイトハウスは「外交上の失敗だった」と判断ミスを謝罪した。
 しょせん世界が見えていない「井の中の蛙(かわず)」なのである。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」と大仰だが、単に原発や武器を売る相手国探しだろう。「積極的平和主義」とは戦争には積極的だが、平和裏に行う連帯デモなど無関心なのだろう。まさに悪夢だ。 (久原穏)
 
今回の過激派組織「イスラム国」とみられるグループ公開ビデオ画像に関しては映像は加工、合成の疑いとの点が指摘されており、要求した身代金の額も今までの要求額とは桁外れである。
 
しかしテロに屈しなかったオバマ米大統領の国では2人のジャーナリストが実際に殺害されている。
 
安倍晋三首相にそんな覚悟があるわけがない(と信じている)。
 
ここは国内向けにも点数を稼ぐ意味からも、自らが人質の代わりになることは周りから止められるだろうから、せめて「未亡人製造機」と呼ばれ、国内では大して役に立ちそうもないオスプレイ2機分の購入を断念すればいいだけではないだろうか、とオジサンは思う。   
 
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2015年01月20日

国民は心配していない、安倍晋三首相の健康不安

一般国民にはとても手が届かないほどの給料をもらいながら、「地元への帰省」と称して国会会期中に平気で職場放棄したり、ゴールデンウィークには与野党問わず税金で「海外視察」という観光旅行を楽しんだりすることができる日本の国会議員。
 
そのトップに君臨しているのが内閣総理大臣。
 
きめ細かな気配りと「忍耐と寛容」、品性を絶えず保ちながら激務に耐えられる体力と気力を要求される職務である。
 
これらの要件を全て持ち合わせていない人物といえば、誰もが否定しない安倍晋三。
 
もう9年前になるが、秋の臨時国会での施政方針演説後に体調不良を訴え、突然職務放棄をしたことは、多くの人の記憶に残っている。 
 
その後、難病指定の潰瘍性大腸炎という持病を持っていたことが明らかになり、雌伏6年経って新薬のお蔭で2012年に蘇ってきた。
 
難病に指定されている程なので医学的には完治しない病であり、第二次安倍内閣発足当時から、ことあるごとに健康問題は多くの耳目を集めてきた。
 
ちなみに「安倍晋三首相 健康不安」というキーワードでGoogleで検索すると「約 390,000件(0.46 秒)」と表示された。
 
優雅な国会議員の中では最もストレスの溜まる立場であるのだが、国会記者クラブの連中はあからさまに安倍晋三首相の健康に関しては記事にすることは決してしないし、できない。
 
それは不定期に開催されている「安倍晋三首相と記者クラブ担当者懇談会」の成果かもしれない。
 
そんな懇談会に出席できないフリージャーナリストや自分では署名記事としてはかけない大手マスメディアの記者が投稿するような週刊誌には、情け容赦なく安倍晋三首相の健康問題に関する記事が登場する。 
  
国民も心配!健康不安説が流れる安倍晋三首相」と題したまとめサイトに掲載された過去2年間のタイトルだけを古い順に列挙してみる。
 
■疲労困憊でボロボロで夏休み長期休暇
■安倍首相 「食事中の写真撮影はNGにした」との証言も浮上
■安倍首相がすがる「ラドン吸入器」
■議員も配慮?首相のトイレ中座は審議止めよと民主党も不採用
■連日の予算委トイレ中座で心配
■東南アジア歴訪で健康不安再燃
■そもそも潰瘍性大腸炎は完治できるのか?
■総選挙後の17日に行われた安倍晋三自民党総裁の記者会見
異常に顔色の悪かったと声が多数

■12年衆院選挙中から付きまとっていた健康不安説
■安倍首相に異変? トイレ回数増
■安倍首相 ケネディ大使表敬訪問すっぽかし1時間空白に憶測
■9日間で4回歯を治療した安倍晋三首相 歯科医師が症状を分析
■安倍首相に“健康不安説”が再燃…深刻な副作用で歯科通いか
■安倍首相の健康不安説をダシに反主流派が露骨なポスト要求も
■石破茂氏 「総理の体はもう限界」情報リークうけ決起決断か
■安倍首相 持病の治療を隠すほど症状が悪化している可能性も
■番記者も知らない本当の病 安倍首相「すい臓がん」兆候
■安倍首相またもや健康不安説
■SPに促されても座席にヘナヘナ...。公邸には防衛医官が24時間待機
■秘書たちが噂する安倍首相の顔の変化 原因はストレス?
■生放送で「国民の声」にブチ切れ 安倍首相“精神状態”に異変
■ネットで小学生を名乗り、衆院解散を批判した大学生にマジ切れした安倍首相
■表情暗く、すぐイライラ…安倍首相に再燃する「健康悪化」説
 
そして最新の記事が先日発売された週刊誌に掲載された。 
 
<安倍首相の主治医交代 自民党議員からは腫瘍発見かとの話も>
 2015.01.16 07:00 NEWS ポストセブン
 「最近、総理の体調が非常に悪く見える。新年互礼会でも、下を向いて疲れた表情をしていた」──自民党内からはそんな声が聞こえてくる。
 表向きは「健康」をアピールしている安倍晋三首相だが、実際は持病の潰瘍性大腸炎の病状は深刻なようだ。重大情報が浮上した。
 首相の体調管理は主治医で慶応大学医学部教授(同大病院消化器内科)だった日比紀文(ひび・としふみ)氏(現在は北里大学大学院特任教授)を中心とした医療チームが細心の注意を払ってきたが、昨年末から年始にかけて、その医療体制に大きな変化があったという情報が永田町を駆け巡り、様々な憶測を呼んでいることは全く報じられていない。
 自民党幹部や慶応病院関係者が集まった最近の会合で、“御典医の交代”が話題の中心になった。
「総選挙の直後、総理の主治医がひそかに交代した。日比氏にかわって新たな主治医に就任したのは腫瘍の専門医だ」
 後任者とされるのは慶応大学病院腫瘍センター(がん専門初診外来)の高石官均・准教授である。もともと安倍首相の医療チームのメンバーの1人で、これまでも日比氏とともに首相の潰瘍性大腸炎の治療にあたってきた人物だが、長く主治医を務めた日比氏に代わってチームの中心に座ったとすれば何らかの大きな意味があるはずだ。
 安倍氏は第1次内閣の退陣後、インタビューでこう語っている。
 「在任中は夜遅くに突然体調が悪くなった時でも、無理を言って日比先生や高石先生には何度も公邸に来ていただくなど、献身的に診てもらいました」(週刊現代2011年10月22日号)
 日比氏は2年前に慶応大学を定年退職し、前述のように現在は北里大学に移り、北里研究所病院・炎症性腸疾患先進治療センター長を務める。安倍首相は今も慶応病院で検診を受けており、長年、日比氏の補佐役として治療を担ってきた高石氏が主治医となることは不自然ではない。
 注目されているのは両氏の専門の違いである。日比氏は「日本消化器内視鏡学会指導医」で日本消化器免疫学会理事長などを歴任。潰瘍性大腸炎の診断、治療法研究の専門家として知られているのに対し、高石氏は「がん治療認定医」「がん薬物療法指導医」などの資格を持ち、大腸炎そのものではなく、症状が悪化して腫瘍ができた場合の治療が専門である。
 しかも、2年前の日比氏の定年退職のタイミングではなく、この時期に「腫瘍」が専門の高石氏が主治医になったことに、会合では関心が集まった。出席した議員が語る。
「当然、腫瘍が発見されたんじゃないかという話になった。総理は肉が大好物で酒もよく飲んでいるようだが、潰瘍性大腸炎には脂っこい食べ物や酒は禁物。いくら症状が良くなっているとはいえ、あんな食生活は好ましくないと同席した医師も心配していた」
 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に潰瘍ができやすい原因不明の難病だが、専門医の間では、長期間(10年以上)患っている患者は大腸がんになりやすいことが知られている。安倍首相が最初に潰瘍性大腸炎の診断を受けたのは20代半ばの頃で、すでに30年が経つ。
※週刊ポスト2015年1月30日号
 
1年ほど前には「すい臓がん」と噂され、今度は「大腸がん」らしいという。
 
自民党所属議員全員が安倍晋三を支持しているわけではないのは当然で、主義主張に温度差や違和感を感じているまともな自民党議員もいるのだが、内閣への入閣適齢期にもかかわらず大臣の椅子が回ってこない連中の中には、安倍晋三首相の健康不安説を意図的にリークする輩も存在する。 
 
希望的観測も含めて「安倍晋三首相健康不安」は国内ではすでに常識になってきた感があるが、海外での評価にも変化が表れていると、カレイドスコープは「安倍晋三首相だけが消えた・・・」のなかでこう分析していた。
 
・・・前略・・・
「The Economist」、2013年3月24日号の表紙に、「アベノ・スーパーマン」が使われたことは記憶に新しい。
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このとき、外国人投資家たちは、日銀の異次元の量的金融緩和によって日本株の持ち分をどんどん増やしていた。まさに「アベノミクス、さまさま」だった。
それなのに、そのたった9ヵ月後に出版された「2015 世界はこうなる」の表紙に安倍晋三だけが描かれていない。
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安倍晋三に、近々、何かが起こる?
そうだろうね、起こる。
まず、健康問題と、13日深夜に起きたセガサミー・里見会長宅銃撃事件に関係する一大スキャンダルだ。これから続々出てくる。
安倍をはじめとする小泉らのパチンコ富豪を通じての韓国・北朝鮮コネクションを週刊誌がいっせいにすっぱ抜くはずだ。
安倍は、汚れすぎて、遠からず「消える運命」であることをThe Economistの編集部は見抜いているのだろう。だから表紙から削った。
つまり、安倍晋三は、2015年の世界支配層のプレーヤーとしては、「そこ」に存在しない、ということなのである。
英語のゼロ・ヘッジには、この日本語翻訳版が出ている。
なぜ、英語圏の彼らには英語版があるのに、わざわざ日本語版を出してきたのだろう。
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そう。それで、メルマガには書けなかった・・・
しかし、そんな配慮は、もう必要なくなったようだ。
昨日の週刊誌サイトに、出てしまった。
「安倍首相の主治医交代 自民党議員からは腫瘍発見かとの話も」
ゼロ・ヘッジの投稿者が使ったソース、「The Vigilant Citizen」の執筆者は、それを知っていたのだろう。それで、わざわざ日本語翻訳版を出した・・・
安倍晋三は、世界支配層の一員として、なんとか認められようと、日本の富と国民の命まで差し出そうとしているが、あっちは認めていないようだ。
世界支配層とて、「口だけ 今だけ 自分だけ」と、今を生きることしかできないような男とは関わりを待ちたくないのだ。
晋三、もういいから養生しろ。
硫黄島の英霊まで利用して、集団的自衛権の行使に突き進んだので、彼らの怒りを買ったのだろう。
さらに、安倍は、5月の連休に真珠湾訪問を計画しているとか。アメリカ兵の恨みまで背負いこむつもりらしい。
官房長官の菅は、慌てて否定しているが、これは毎日新聞のスクープだ。
菅義偉のような、嘘をつく以外に何の取りえもないイエスマンの言うことなど信用してはいけない。

「晋三、もういいから養生しろ」とは優しい言葉だが、安倍晋三という男は簡単には「成仏」できるわけがないので、いい加減に往生せよ、とオジサンは言いたい。
 
posted by 定年オジサン at 12:02| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月19日

傾聴すべき異見には耳を傾けるのだが・・・

閉店前の店が在庫一掃セールを始めたようだった民主党代表戦。
 
全く関心がなかったのでつぶやきの対象にすらならなかったのだが、決まってしまったので、それなりの感想をつぶやく。 
 
財政再建原理主義者にして消費税率引き上げ論者かつ規制緩和論者の岡田克也と、応援団に憲法や外交・安全保障問題に関するタカ派が勢揃いしていた(長島昭久・松原仁・前原誠司など)細野豪志との対決は予想通りの結果になった。
 
そもそも民主党崩壊の主犯格のひとりであり、党首選の最中に、テレビ朝日「報道ステーション」で辺野古基地建設に関しては「現時点でそれ以外の答えはない」というほどで、過去の総括も反省もしていないのが岡田克也。
 
元自治官僚で、元自民党員の経歴を持ち、集団的自衛権行使容認や原発再稼働についても基本的なスタンスは自民党と変わらない、いってみれば自民党の党外派閥の人間が野党第一党の党首になったということである。
 
2012年の自民党総裁選で地方票で石破茂に大きく差を付けられたが国会議員票で総裁になったという点では当時の安倍晋三と今回の岡田克也新代表は類似点があり、安倍晋三と少々異なるのは民間企業の創立者の御曹司で東大での官僚出身者ということだけである。
 
ざっくり言えば、庶民感覚からは大きく離れているという点では安倍晋三と対して変わりはない。
 
昨年来から、大手マスメディアの幹部連中が政局の節目に安倍晋三首相と酒食を共にしていることは、オジサンも何度も取り上げた。
 
ネット上では、「安倍晋三首相と会食しなかったのは東京新聞の幹部」という記事を見かけたが、これは大きな間違いで、東京新聞の本社でもある中日新聞は社長と論説委員が会食した事がある。
 
マスコミが首相に抱き込まれている」のなかでは「さらに中日(東京)、中国、西日本などの地方紙の社長とも意見交換」と指摘されており、中日新聞社長と同席して安倍晋三首相と意見交換をしているのが、ご存じ東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋である。
 
彼は常日頃、自社の社説とは異なる意見を持っていることを表明し、また外部記事も積極的に書いている。 
  
そして今朝の東京新聞の「私説・論説室から」ではこんな内容の記事を書いていた。
 
<異なる意見に耳を傾けよ>
 2015年1月19日 東京新聞
 第三次安倍晋三政権が昨年末に発足したとき、本紙や毎日新聞は社説で「異なる意見にも耳を傾けよ」と主張した(ともに十二月二十五日付)。その通りである。
 政権だけでなく、私は新聞自身も異なる意見に対して紙面が開かれているべきだ、と信じている。だから、ささやかながら、この欄で社説と異なる私見を述べよう。
 東京新聞の社説は一貫して集団的自衛権や憲法改正に反対している。だが、私はともに賛成である。集団的自衛権を容認する本質は「日本が単独で中国や北朝鮮の脅威に対抗できない」という点にある。
 日本の海上保安庁や自衛隊はいまのところ海からの脅威に対応できている。だが、軍事力増強を急ぐ中国に見合って日本が米国抜きで対応しようと思ったら、単純計算でも防衛費を三倍に増やさなければならない。
 財政赤字を抱えた日本がそんな軍事国家を目指せば、年金や医療、介護などの社会保障費を大幅に削るか、一層大幅な赤字予算を組むか、大増税を求められるだろう。
 国民はそんな政権を容認しないはずだ。だから抑止力を維持するために米国と手を組むのは、もっとも安上がりで現実的である。
 と、ここまで書いたらもう紙幅が尽きた。コラムは順番制なので、次は当分先になる。異見に耳を傾けてもらうのに不十分なのは承知している。残念だ。 (長谷川幸洋)
 
私見を述べるのは言論の自由なのだが、東京新聞の多くの読者の中には違和感を覚える人もいるかもしれない。
 
しかし、彼は既に「軍事力増強を急ぐ中国に見合って日本が」社会保障費を削減してまでも5兆円を超える防衛費ではなく軍事費を確保していることにはなんら抵抗がないようである。
 
長谷川幸洋に対しては、2012年の総選挙前に「2012-11-28 東京新聞・長谷川幸洋は読売か産経にでも行けば」と彼の詭弁振りを批判しているブログ記事があった。 
 
あらためて長谷川幸洋の「集団的自衛権を容認する本質」をおさらいしてみよう。
 
昨年の5月には現代ビジネス「ニュースの深層」で「米国に基地の使用を認め、朝鮮半島有事での使用も認めたときから『集団的自衛権の行使』を容認してきた事実を直視しよう」と、既に集団的自衛権の行使は既定の事実であるかのような言説を展開していた。 
 
そしてその後も週刊ポストに同様の主張を掲載していた。
 
<政府は「集団的自衛権はすでに行使されている」を隠し続け中>
 2014.05.12 01:00:16 by NEWSポストセブン
・・・前略・・・
 まず前提になる事実関係をチェックしよう。日米安保条約はもちろん日本を守るのが使命だが、同時に「極東の平和と安全」に寄与する役割も担っている。つまり朝鮮半島有事への備えだ。
 1960年に条約が調印されたとき、日米両国は「米国が韓国防衛のために日本の基地を自由に使える」という密約を結んでいた。この密約は民主党政権時代に大問題になったが、外務省の調査では1969年に当時の佐藤栄作首相が日本は米軍の基地使用を「前向きに」検討する方針を表明したので事実上、失効したと結論付けている。つまり基地使用を容認した。
 以来、自民党政権はもちろん民主党政権でも米軍の基地使用を見直した形跡はない。それどころか、1999年には周辺事態法を作って有事には後方支援をする枠組みを決めている。だから、冒頭の発言が本当になったら大変だ。
 そんなことは百も承知のはずだから、発言者の意図は「韓国が反日姿勢を続けるなら、ひどいことになるぞ!」と一発かましたのだろう。
 それはともかく、ここで注目したいのは、1960年当時から日本は韓国防衛に出撃する米軍への地提供を事実上、約束していた事実である。それこそ、集団的自衛権の行使容認ではないか。
 北朝鮮が韓国だけでなく日本も攻撃する意図が明白なら、個別的自衛権の発動でもOKだろう。だが韓国の救援に出動する米軍が日本の基地で武器弾薬を補給するのを認めるのは、集団的自衛権の行使でないと説明できない。仲間を助ける行為だからだ。
 当時の岸信介首相は国会で「他国に基地を貸して自国のそれと協同して自国を守るようなことは従来、集団的自衛権として解釈されており、日本として持っている」と述べている。当時の内閣法制局長官も同じ国会答弁で、米軍への基地提供を集団的自衛権という言葉で理解すれば「(それを)日本の憲法は否定していない」と明快だ。
 つまり、日本を守るために米軍に基地を提供した段階で集団的自衛権は容認されていた。いまはそこから事態が進んで、日本そのものではなく韓国を救援する米国の支援が眼目だ。そうであれば、ますます「集団的」と考えられる。
 周辺事態法以来、国会では与野党が「外国の武力行使と一体化していれば集団的自衛権の行使」という前提で議論を続けてきた。マスコミもそれに乗ってきた。だが、そんな話は虚構ではないか。
 間違いの始まりは「密約」からだ。韓国防衛には基地を使わないかのように国民を欺いてきたから、その後の政権は集団的の「しゅ」の字も言えなくなってしまった。いい加減でタブーを解禁し「日本の平和は極東の平和から」という安全保障の基本に立ち返った議論を望む。
文■長谷川幸洋:東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。政府の規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)。
※週刊ポスト2014年5月23日号
 
安倍晋三の母方の祖父である岸信介が「他国に基地を貸して自国のそれと協同して自国を守るようなことは従来、集団的自衛権として解釈されており、日本として持っている」ことは事実であり、その状態は特別大きな議論もなく国民も黙認状態あったことは確かである。
 
当時は、あくまでも自国を守ることが主眼であり、そのレベルでは憲法違反ではないという共通認識があった。
 
しかし昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定後の安倍晋三首相の会見における説明は従来の解釈とは大きく異なっていたはずである。 
 
「外務省北米局日米安全保障条約課に2回所属していまして、アメリカ在勤時代も加えたら日米安保を約10年やりましたけど、何が上手くなったかというと国会答弁を作るのが上手くなりましたね(笑)。当時は国会答弁がちゃんと書けるかどうかが最も必要とされる能力だったわけです」
 
こんな発言をしている、外務省時代は、日米安全保障条約課長ながらも本人いわく「安保屋」として暗躍し、現在はキヤノングローバル戦略研究所研究主幹、外交政策研究所代表である宮家邦彦立命館大学客員教授とのインタビューの中で長谷川幸洋はこんな持論を展開していた。 
  
<宮家邦彦氏と語った集団的自衛権の核心>
 2014年08月22日 ニュースの深層
・・・前略・・・
集団的自衛権は日米安保改定時に容認されていた
長谷川:では最後に集団的自衛権の問題で、これについてどう考えるかということなんですが、最初に私の考えをお話ししますと、私は1960年の日米安保改定のときに日本だけではなく極東の防衛にもコミットした。それから1972年に沖縄が返還されたときは、佐藤栄作首相がナショナルプレスクラブで演説して、極東防衛のときにはアメリカに沖縄の基地を使わせるということを事実上コミットした。
みんな忘れていますけど、その時点で日本は極東有事の場合は米軍に基地を使わせるということによって、事実上集団的自衛権はもう容認しているのだというのが私の理解です。そもそも岸信介首相が1960年に安保条約を改定したときに、そういう他国に基地を提供しそれとともに日本を守るんだ、という考えだった。実際に秘密協定も結んでいた。
これを集団的自衛権といわれれば、それはそうだということを、当時の岸首相も内閣法制局長官もそのように答弁していて、私はこれがいわば国際的スタンダードの考えじゃないかと思いますが、その辺りはいかがですか?
宮家:その通りですね。そもそも1960年の安保改定というのは日米相互安全保障条約の相互性を高めるための努力だったわけです。本来であれば狭義の集団的自衛権を含めて行使をして、日本をNATO並のステータスの相互安全保障条約の同盟国に、おそらく岸さんはしたかったんだと思いますよ。
 
国内の米軍基地は日本のためには未来永劫必要であると信じてやまない、まさに米国隷属ジャーナリストの急先鋒でもある。
 
最後に「あいも変わらず“減らず口”を叩く長谷川幸洋 銭ゲバの隷米主義者に過ぎない」と辛辣な批判をしているブログ主の一節を紹介しよう。
 
一応ジャーナリストを名乗り、中道からリベラル色を持つ中日東京新聞の論説員を仮面にし、如何にも中道のような顔をして世間に名を売り、忍者の如く身をひるがえし、世界金融勢力やオバマ米国政府の代弁者となっている。多くの部分で、安倍官邸の意と同方向を向き、ほぼ政府プロパガンダ報道ジャーナリストと成り下がった。筆者の感覚からすると、昨年の夏以降、長谷川の論調はおかしくなった。俗に言う“変節漢”なのだと思うが、きっと同氏は「昔から考えは変わっていない」と強弁するだろう。しかし、本人が何と言おうと、彼は変わった。評論家とかジャーナリストとして、成功者と言われるには、新聞・テレビで重宝されることであり、その為には筆も曲げるだろう。
 
こうまで酷評されている人物の、自社の社説と異なる私見を掲載する自由を保障している「東京新聞」は、翁長沖縄県知事との会談から逃げている安倍晋三と比べれば、かなり懐が深いのではないだろうか、とオジサンは思う。

 
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2015年01月18日

岩盤を壊せば後は何が残るのか

5日間ほどつぶやかずに暮らしていたが、相変わらず安倍政権のやることが、ますます国民感情を逆なでにしているようだ。
  
民主党政権時代に発生した福島における原発震災。
 
これにより原発依存体質からの脱却の初めてとして再生可能エネルギーへのシフト政策が取られ、太陽光発電による仕組みが作られたのだが、蘇った安倍政権により、発電した電気の買い取り価格が年々下がってきている。
 
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2014年度に子ども1人あたりの臨時給付金は、1万円を支給するのに一人当たり2,500円の経費がかかったという。
 
政府は10%への消費税率の引き上げを今年10月から1年半先送りすることを決めていたことにより財源が厳しくなり、子育て給付金は1回限りで打ち切る方針だった。
 
しかし今年春に統一地方選が控えていることもあり、公明党を中心に与党内で給付の継続を求める声が強まり、一転して支給を継続することになったが、内容的には1回限り、すなわち1年間で3000円の支給となり、「子育て給付金、一転"3000円支給"でネット大炎上」となっていた。
 
地方選に影響が出れば政権にも影響が及び、内閣支持率の低下を恐れるあまりの姑息な対応である。
 
国内では「阪神大震災」から20年目を迎える17日までは、メディアは連日「20周年記事・番組」を垂れ流していた。
 
そして17日には天皇皇后がわざわざ現地に赴き慰霊祭に出席していた頃、安倍晋三首相は「首相、カイロで政策スピーチ 中東支援、非軍事3000億円」と大盤振る舞いスピーチをまたもや行っていた。 
 
海外で威勢のいいスピーチをするのがお好きな安倍晋三首相は、国内の「岩盤規制」に自分がドリルで穴をあけることを昨年来盛んに吹聴していた。
 
そして予想通り、働く者に対する規制緩和政策を実施しようとしてきた。
 
<残業代ゼロ制度の骨子案提示 年収1075万円以上対象>
 2015年1月17日 朝刊 中日新聞
20150118zangyouidaizero.jpg 厚生労働省は16日、労働時間ではなく成果で評価する「残業代ゼロ」制度の報告書骨子案を労働政策審議会分科会に示した。新制度の対象者を年収1075万円以上の専門職と規定。長時間労働防止策と働く人の健康を守る対策も盛り込んだが、長時間労働を助長するとの立場を取る労働側は反発。年収や対策の要件をめぐり、経営側と対立する場面もあった。厚労省は今月中に分科会の了承を得て報告書を決定し、次期通常国会に関連法案を提出する考えだが、調整が難航する可能性もある。
 骨子案によると、制度の名称は「高度プロフェッショナル労働制」。対象は高度な専門職で「金融商品の開発」など銀行、証券、情報通信、製薬などの業界を想定する。働き過ぎを防ぐため、経営側が労働時間を把握し(1)終業から始業まで一定の休息時間を設ける(2)会社にいる時間の上限を規制(3)年104日以上の休日取得−のいずれかの対策導入を条件とした。
 分科会では、対象者を増やしたい経営側の委員が年収1000万円以上への引き下げに言及。「1000万円の人でも(会社側と労働条件について十分な)交渉力があり、問題ないのではないか」と発言すると、労働側は「値切り交渉か」と激しく反発した。制度が始まれば、いずれ年収要件が下がって対象が拡大すると懸念しているためだ。
 ある労働側委員は「1000万円の根拠が分からない。対象者の規定を省令ではなく(変更には国会での法改正が必要な)法律に規定すべきだ」と主張。別の委員も「安倍晋三首相は働き方によって賃金が減らないようにすると発言している。賃金が減らないように適切な処遇の確保を」と注文した。
 働き過ぎを防ぐ3つの条件をめぐっても、経営側と労働側は対立した。
 労働側は3つのうち複数の対策を義務付け、確実性を高めるため法案に明記するよう要請。経営側は法案には書かず、いずれかの選択制にすることを省令か指針で定めるとした骨子案を支持した。
 
いわゆる成果型労働制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)は第1次安倍内閣当時は「過労死促進法案」と反対の声が多く日の目を見なかった。
 
「長時間労働防止策と働く人の健康を守る対策」という目くらまし作戦を今回は準備したようである。
 
しかし「年収1075万円以上の専門職」という規定には全く根拠が無く、「専門職」の定義も不明瞭である。
 
この手の法案の記述の曖昧さは、「対象は高度な専門職で『金融商品の開発』など銀行、証券、情報通信、製薬などの業界」という表現の中の「など」という語句に如実に表れており、将来的にはすべての業界が対象になることを容易に推測させる。
   
さらに働き過ぎを防ぐための選択肢も大いに問題が内在している。
 
「終業から始業まで一定の休息時間」を設けなければ、連続の徹夜作業になり、いまさら言われなくても当たり前だが、そのまま過労死につながってしまう。
 
本来ならば、終業して家に帰り食事と充分な睡眠を取って翌日の始業に臨むことができれば残業時間が無くなり健康的な生活が送れることは言うまでもない。
 
しかし専門職として一定の成果を求められルにもかかわらず「会社にいる時間の上限を規制」されれば、必然的に「自宅残業」となってしまう。
 
「開発業務」とは必ず納期があり、納期に間に合わせることが出来なければ「成果」とならないため、いくら規制しても、それをかいくぐって長時間作業が発生するという宿命を持つものである。
 
すなわち、今回の「残業代ゼロ制度」は日本の労働基準法という労働者を守る「岩盤」を崩すことが最終的な目標であり、「いずれ年収要件が下がって対象が拡大する」ことはミエミエの悪法なのである。 
 
永年自民党政権時代に行ってきた手厚い農業政策も「TPP:合意へ『米は本気』 日本も危機感共有--2カ国協議終了」という事態となり、農業の聖域を守ることは事実上不可能となり、農業の形そのものの改革を断行し始めた。
 
<農協改革:強行へ 週明け議論本格化 政府・自民、「岩盤規制」突破の試金石>
 毎日新聞 2015年01月18日 東京朝刊
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 政府・自民党は週明けから農協改革の論議を本格化させる。狙いは、全国農業協同組合中央会(JA全中)の権限を縮小させて約700ある地域農協の競争を促し、農業を成長産業に転じさせることにあるが、11日の佐賀県知事選で与党推薦の候補が、農協の政治団体が支援した候補に敗れたため、与党内に慎重論も出始めた。しかし安倍政権は、農協改革を、社会保障や労働規制など一連の「岩盤規制」改革の試金石と位置づけ、強行する構えだ。【宮島寛】
 「戦後、中央会なり農協が果たしてきた役割は認識しつつも、より良いものに変えていこうという共通認識はある程度できた」
 農協改革を主導する自民党の稲田朋美政調会長は17日、地元・福井市で地域農協の幹部らと懇談した後、記者団にそう述べた。
 稲田氏は、参加した地域農協の幹部33人をJA全中の頭越しに集めており、会合は「JA全中への宣戦布告の場」(自民党政調幹部)ともなった。会合では、出席者から「自民党は農協バッシングをしているのではないか」など、農協改革の目的をいぶかる声も上がったが、稲田氏は「地域農協と農業者の自由度を高めるのが目的だ」と説明し、理解を求めた。
 政府・自民党が目指しているのは、農協法で定められたJA全中や都道府県中央会の指導・監査権限の全廃。JA全中の組織は残すものの、経団連など他の経済団体と同じ任意組織に移行させたい考えだ。
 JA全中を頂点とする中央会制度は1954年、当時1万以上を数えた地域農協を統括するために設けられ、減反調整など行政の代行機能を担った。その一方で、中央会による地域農協への指導が行き過ぎ、経営規模や地域の実情にそぐわない画一的農業を強いてきたとも指摘されてきた。
 農家からは「高品質の農産物を作っても出荷価格が変わらない」「農機具をJAグループではない企業から直接仕入れようとしたら妨害された」などの批判の声も上がり、付加価値を付ける努力を重ねたり、合理化を進めようとする農家や地域農協には阻害要因と見られることが多くなった。
 こうした事情を踏まえ、政府は「中央会制度の役割は終わった」(規制改革会議)と主張。減反廃止や企業の農業参入促進などと共に、農協改革を、農業の成長産業化の切り札として打ち出した。
 政府の動きをにらみ、JA全中も昨年11月、自ら改革案を発表した。しかし、手放す方針を示したのは、地域農協の経営資料を閲覧できる権利などにとどまり、指導の根拠となる監査権は残す内容だったために、政府は「改革は不十分だ」と判断。安倍晋三首相は今月16日、農協改革を「断行する決意だ」と宣言し、JA全中に「脇役に徹していただきたい」と踏み込んだ。
 自民党は20日から作業部会を開いて改革論議を本格化させる方針で、4月の統一地方選前に農協法改正案を決め、通常国会で成立させる日程を描いている。
 
お上の意向を受けて農民を取り締まってきた代官を、奉行が外国の宗主の力が強くなり代官を不要にしたい、という構図のようである。
 
奉行の中でも筆頭が「寺社奉行」で将軍直轄であった。
 
自民党内に置き換えれば、安倍晋三総裁直轄の総務会長が奉行であり、稲田朋美「悪奉行」がJA全中という代官を無き者にしようとするわけである。
 
減反政策という本来の農業とは異なる政策漬けにより、休田が増え高齢化に伴い後継者不足も手伝いかつての農業政策は破たんを来していることも事実である。
 
しかしTPPという外圧を利用して日本農業の本来の姿まで変えてしまうような改革では、日本のコメは守ることはできない。
 
JA全中の頭越しの地域農協の幹部との懇談とやらで「JA全中への宣戦布告」をするようでは、統一地方選で佐賀県知事選で見られたような結果を招くことが予想され、それが傲慢な独走安倍内閣への大きな打撃になるのなら大歓迎である、とオジサンは思う。
  
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2015年01月17日

日本人写真家 Azul Obscuraの世界5

今日は外出していますので、つぶやきをお休みしますがすばらしい写真をお届けします。 

超絶風景を全国津々浦々撮影しながら旅をしている、日本人写真家 Azul Obscura。
 
建築物のみならず自然物までがまるでファンタジー映画のワンシーンのような不思議な力を秘めた風景に変貌した写真をお楽しみください。
 
 
  
【日本人写真家 Azul Obscuraの世界5】
          
<平等院>
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<比叡山>
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<明石海峡大橋>
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2015年01月16日

日本人写真家 Azul Obscuraの世界4

明日まで外出しています。
 
その間はつぶやきをお休みしますが、すばらしい写真をお届けします。 

超絶風景を全国津々浦々撮影しながら旅をしている、日本人写真家 Azul Obscura。
 
建築物のみならず自然物までがまるでファンタジー映画のワンシーンのような不思議な力を秘めた風景に変貌した写真をご堪能してください。
 
 
  
【日本人写真家 Azul Obscuraの世界4】
          
<伏見稲荷大社>
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<京都高雄・神護寺>
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<丹波・白毫寺>
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2015年01月15日

日本人写真家 Azul Obscuraの世界3

今週は土曜日まで外出しています。
 
その間はつぶやきをお休みしますが、毎日すばらしい写真をお届けします。 

超絶風景を全国津々浦々撮影しながら旅をしている、日本人写真家 Azul Obscura。
 
昨日までは、よく見かける建築物でしたが、今日からは建築物のみならず自然物までがまるでファンタジー映画のワンシーンのような不思議な力を秘めた風景に変貌した写真をお届けします。
 
 
  
【日本人写真家 Azul Obscuraの世界3】
          
<嵯峨野・竹林の中で高く伸びる樹木>
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<大阪・長居植物園>
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<京都・清水寺>
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2015年01月14日

日本人写真家 Azul Obscuraの世界2

今週は土曜日まで外出しています。
 
その間はつぶやきをお休みしますが、毎日すばらしい写真をお届けします。 

超絶風景を全国津々浦々撮影しながら旅をしている、日本人写真家 Azul Obscura。
 
その被写体は決して特別な建物ではなく、実在する建築物である。
 
チョットSF映画もどきの写真を17日までお届けします。
 
  
【日本人写真家 Azul Obscuraの世界2】
          
<天王洲アイル>
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<南港ATC>
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<有楽町マリオン>
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<伊丹空港>
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<新宿センタービル>
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<京都国際会館・大会議場>
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2015年01月13日

日本人写真家 Azul Obscuraの世界1

今日から5日間、遠地に出かけます。
 
その間はつぶやきをお休みしますが、毎日すばらしい写真をお届けします。 

超絶風景を全国津々浦々撮影しながら旅をしている、日本人写真家 Azul Obscura。
 
被写体たちは決して特別な建物ではなく、実在するよく見かける建築物である。
 
チョットSF映画もどきの写真を今日から17日までお届けします。
 

【日本人写真家 Azul Obscuraの世界1】
          
<新宿NSビル>
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<羽田空港第2ターミナルビル>
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<神戸ファッションマート>
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<福岡天神・ソラリアプラザ>
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<梅田スカイビル>
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<港区・プリンスパークタワー>
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<名古屋・スパイラルタワーズ>
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2015年01月12日

地方創生が「地方争政」になってきた

1990年と2014年度の社会保障費の額を比べると3倍ほどに増加している。
 
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その中でも生活保護者受給数の推移は下図のとおりである。
 
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生活保護受給者は必ずしも毎年増加しているわけではなく、景気が上向き求人率が上がり、失業率が下げれば自ずとある程度の受給者数は減少する。 
 
身体的に就労困難者以外は政治の世界での解決が可能なのである。
 
したがって政府が税金の配分先を誤らない限りは「生活保護:190億削減 『住宅扶助』17年度までに」という事態は政策的に避けられるはずである。
 
様々な理由から出生率が下がり新生児の数が年々減り、それに引き換え医療の進歩により高齢者の平均寿命が延び高齢社会になるにつれて、少子高齢化社会の特徴として就業可能年齢者数と年金受給者の比率が狭まってくることは避けられない事実である。  
  
高齢のため自力で生活できない人は介護を受けることになるが、その介護費用も2000年の介護保険制度が出来て以来、増加の一途を辿っている。
 
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このような状況の中で2015年度の予算案の暮らしにかかわる内容が明らかになった。
 
<介護報酬2.27%引き下げ 幼児教育の一部無償化見送り 予算折衝決着>
 2015年1月12日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 政府の2015年度当初予算案で、麻生太郎財務相と各閣僚による最終折衝が11日、行われた。介護サービスの公定価格である介護報酬は2.27%引き下げるが、介護や障害者福祉の現場で働く人の賃金は月1万2千円上がるようにする。生活保護の引き下げや幼児教育の一部無償化の見送りなど、福祉や教育の分野で厳しい折衝結果が目立つ。
 全体の予算総額は過去最大の96.3兆円となる。新たな借金のための国債発行額は36.9兆円。予算案は14日に閣議決定し、2月に国会に提出する。
 塩崎恭久厚生労働相との折衝では、高齢化による予算増や、保険料や利用者の負担増を抑えるため、介護報酬の9年ぶりのマイナス改定を正式に決めた。
 ただ、報酬カットが介護現場の人手不足に拍車をかけないよう、賃上げのための加算措置を拡充する。事業者が月1万2千円の賃上げに相当する待遇改善計画を提出すれば、賃上げ分の報酬を税金や保険料から出す。賃上げ分の報酬を除くと、事業者自体に入る報酬は実質4%ほど減る
 障害者への福祉サービスに応じて支払う報酬は「据え置き」とした。現場で働く人の賃金は介護と同じように上げるため、事業者自体に入る報酬は実質1.78%の減額となる。
 生活保護は、家賃として支給する「住宅扶助」や、冬の暖房費などに応じた「冬季加算」などを見直して実質引き下げ、15年度は320億円の減額とする。
 下村博文文部科学相との折衝では、年収270万円を下回る世帯で子どもを幼稚園に通わせる人への補助を増やし、保育料負担を年3万6千円(私立幼稚園なら現行10万8800円)に下げることを決めた。文科省は年収360万円未満の世帯の5歳児の保育料負担の無償化を求めていたが、15年度は見送る。
 
今後も介護の職場で働く人の需要は高まるのだが、賃金が他の職種に比べて低いため中々人が集まらないという現状であったので、現場で働く人の賃金の引き上げ額を明示したことは評価できるのだが、彼らが働く介護施設への介護報酬を削減するということは、賃上げ分の報酬を税金や保険料から出ても施設が総額的には利益が減るということで、介護士や入居者たちにそのしわ寄せが及ぶことが充分予想される。
 
このあたりの感覚の鈍さが霞が関官僚の最大の弱点である。
 
日本の政治は確かに政府と中央官庁の役人が動かしているのだろうが、余りにも地方の実情を無視した中央指導という姿勢は思わぬしっぺ返しを食うのである。 
 
<自公推薦候補敗れる 保守分裂、山口氏初当選>
 2015年1月12日 朝刊 東京新聞
 前職の国政転身に伴う佐賀県知事選は11日投開票され、元総務省過疎対策室長山口祥義氏(49)が、前武雄市長樋渡啓祐氏(45)=自民、公明推薦=ら3人を破り初当選した。一部の自民党県議や、安倍政権の農協改革に反発する地元JAが山口氏を推し、保守支持層が分裂した。今月26日にも召集される次期通常国会で推進する農協改革への影響は必至。4月の統一地方選への懸念も与党内で強まりそうだ。
 無所属の新人4人による選挙戦の投票率は54.61%で過去最低。当選した山口氏は樋渡氏に約4万票の差をつけた。山口氏は当選後、佐賀市内で記者団に、農協改革を掲げる安倍政権に対し「押し付けでなく、地方でしっかり話し合った上で進めるべきだ」と求めた。
 選挙戦では、自民党を長年支えてきたJA側が「負ければ農協改革が進んでしまう」(幹部)との懸念を強め、知名度で劣る山口氏の浸透に全力を挙げた。
 樋渡氏陣営には政権幹部が次々に駆け付け、支持を訴えた。有権者の電話に安倍晋三首相の録音メッセージを流すてこ入れも図ったが、JAの離反が痛手となった。
 一方、新知事に判断が委ねられる九州電力玄海原発の再稼働や、陸上自衛隊が導入予定の新型輸送機オスプレイの佐賀空港配備の是非は山口、樋渡両氏ともほとんど触れなかった。
◆滋賀・沖縄に続き 自民また敗北
 佐賀県知事選は与党の推薦候補が敗れた。自民党にとっては昨年7月の滋賀、同11月の沖縄両県知事選に続く敗北となった。 沖縄、佐賀はいずれも党本部主導で候補者を擁立したが、地方組織をまとめきれず保守分裂を招いた。
 このところ、地方選で苦戦を強いられていることもあり、安倍政権は佐賀県知事選を「どんな手を使ってでも勝たないといけない」(政府高官)重要な戦いと位置付けた。菅義偉(すがよしひで)官房長官や自民党の谷垣禎一幹事長らが現地入りする総力戦を展開した。
 大きな争点は、安倍晋三首相が抜本的な組織の見直しに意欲を示す「農協改革」だった。与党は「改革派」として知られる元武雄市長を擁立したが、強引とも評される政治手法を疑問視する向きがあり、農協が全面支援した対抗馬に保守層が流出。一部の保守系首長や議員が担いだ元総務官僚に及ばなかった。
 農協改革に限らず、先の衆院選に際しての各種世論調査でも、与党が進める政策への評価は必ずしも高いと言えない。知事選では、政権に対する不満や批判がよりストレートに、結果として表れているという見方もできる。
 自民党の稲田朋美政調会長は11日夜、「残念な結果となったが、引き続き経済再生、地方創生に最優先で取り組む」とのコメントを出した。 (生島章弘)
 
滋賀、沖縄に続いて、これで自公推薦の選挙では3連敗となった。
 
全国的に注目を集めていたのは「九州電力玄海原発の再稼働」問題や、「オスプレイの佐賀空港配備の是非」だったのだが、残念ながらこの両候補とも争点にしなかった。
 
佐賀県知事選挙は当初は自民党楽勝の予想だったのだが、そもそも自公推薦候補は地元では人望がない人物で、ましてや農協改革を自民党が打ち出したために態勢が一挙に逆転し、総務官僚上がりの対立候補が勝ってしまった。
 
選挙戦終盤には、投票をお願いする安倍晋三首相のメッセージテープが電話で流され、地元では「不幸の電話」と呼ばれていた。


 
この動画を聞いた人のコメントは以下の通り。
  
udauda2時間前
これは樋渡陣営に反対する側からのネガティブキャンペーンでしょ?こんなのがかかってきたらだれも樋渡氏に投票しなくなるよ。自民党がわざと負けるようなことをするはずがない。安倍首相も自分の声を(滑舌悪く改悪されて)無断で使われてるんだから、訴訟しないと。ひどいぞ野党!
と自爆キャンペーンを張ってみました(笑)まあ自民党の操り人形にしか見えない人を推薦する方がおかしいんだけどね。武雄でもひどいことたくさんしていたみたいだし。?
 
kashi haya32 分前
アベちゃんの「ネガティブキャンペーン」の甲斐あって、見事!樋渡候補、落選しました。ホントに効果抜群ですね。統一地方選挙の時もぜひ、全国津々浦々にこの様な電話をおかけ下さい。きっと、地方から「火の手」が上がってくる事でしょう。?
 
jyanbokun2 分前
これが本物の総理大臣がやったことだとしたら「ホラー」だな?
 
Heart Brave2 日前
武雄市の樋渡さんってあの「ひまじんうんこ」発言で有名な方ですか?
安倍氏は突然の電話を自らの声でしっかり詫びるべき。
どっちにしても傲慢。?
 
KYY655522 時間前
映像なしだと聴覚に専念するから滑舌の悪さが強調される効果があるんですね?
Yasuyuki ENDO Google+ から14 時間前
 
オジサンのツイッターにも、佐賀県知事選の結果よりも、安倍晋三テープの不気味さに話題沸騰しており、さらにはこんなまとめツイッターもあった。
 
昔の自民党は農業関係者の大きな票田に支えられていたが、TPP交渉参加という話は、民主党政権時代の菅直人首相が突如言いだしたのだが、2012年の総選挙では自民党は「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。」と公約していた。
 
しかし絵に描いた餅の如く、TPP交渉が進むにつれて日本はどんどん譲歩を迫られて「聖域」は限りなく少なくなっている。
 
2014年の総選挙の公約には、特に農協改革については、「農協改革(中央会制度など)等については、本年6月に与党で取りまとめた『農協・農業委員会等に関する改革の推進について』に基づき、議論を深め、着実に推進する」と明記したが、今月の通常国会での農協法改正に向けた具体的な内容には触れず、選挙後の政府・与党間の議論に委ねる格好だった。
 
そして自公の大勝という選挙結果から規制改革推進派の考えが強くなり佐賀県知事選挙で農協改革を前面に押し出して戦って自公候補は敗れた。
 
「地方創生に最優先で取り組む」という言葉とは裏腹に、自民党執行部の意向を地方に押し付けても、もはや通用しないということを認識すべきであろう。
 
滋賀県知事選挙では「原発再稼働などのエネルギー問題」が争点に、沖縄県知事選挙では「辺野古基地建設」が争点となり、どちらも県民の過半数が反対している争点であった。
 
第18回統一地方選の前半戦は2015年4月12日(日)、後半戦は2015年4月26日(日)に投開票が行われる。
 
国民の約25%程度の得票率で「国民の信任を頂いた」と思っている安倍政権に対して、地方から選挙で国民の生の声をぶつけて戦うという、まさに「地方争政」の時代に入ったのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年01月11日

自民党と責任を背負う野党になればいいのか民主党は

数年前まではオジサンの周辺にも「東大卒」の新聞記者が何名もいたことがあった。
 
彼らは全員が「朝日新聞社」所属でしかもそこの労組の委員長になったり、必然的に新聞労連の委員長も経験していた。
 
そのような朝日新聞出身で東大卒の記者は退職後は、私立大学教授というコースが用意されていた。 
 
最近では朝日新聞の慰安婦関連報道で、例の「吉田証言」を基に記事を書いた記者が右派メディア連中から名指しでバッシングを受け、その記者は家族の情報までネット上で公開されたり、早期退職後の就職先の私立大学にまで脅迫文が送りつけられたりと大きな社会問題にまでなったが、ちなみに当該の記者は東大卒ではなかった。
 
朝日新聞社がどこの大学の卒業生を採用しようとしまいとオジサンは全く興味が無かったのだが、昨年の4月には「東大生から見放された朝日新聞 今春『入社ゼロ』に幹部ら衝撃」という記事があったことは全く知らなかった。
 
それにより今後の朝日新聞社の体質がどうなるのかは予測できることではないのだが、少なくとも現在の安倍政権の暴走を食い止められなかった大手マスメディアの代表として、生まれ変われるのなら、今後も「東大卒がゼロ」は大歓迎である。
  
5年前に政権交代を実現した民主党は、今までの自民党とは大きく異なる国民生活を重視したマニフェストを作成し、消費税を上げなくても事業仕訳を徹底的に行えばいくらでも無駄な支出は削られ原資が生み出せると喧伝していた。
 
残念ながらしたたかな霞が関官僚の逆襲により失敗し、民主党の3人目の首相になった野田佳彦はマニフェストを破り自民党と組んで消費税増税を決めてしまった。
 
結局、民主党政権時代の未熟な政権運営振りをその後蘇ってしまった自民党の安倍晋三総裁に攻められ、2012年の総選挙で敗れ政権は自民党に戻ってしまった。
 
その後の2年間の野党時代に徹底的な総括ができなかった民主党は、遂に昨年の総選挙では自民党の露骨な民主党役員の落選運動により海江田代表が落選するという前代未聞の結果、多少の議席数の増加はあったが実質的には敗退し代表もいなくなった。
 
そして今月の7日には、民主党代表選が告示され、元厚生労働相、元幹事長、代表代行といった3人が「昔の名前」のままで立候補し、18日の臨時党大会までの12日間の選挙戦がスタートしたのだが、国民の関心は極めて低い。
 
元外交官の天木直人は「とどまるところを知らない安倍暴政の前に消えゆく野党勢力」と題して、こんな野党民主党に嘆いていた。
 
・・・前略・・・
 民主党代表選はこれから地方遊説が始まるという。
 これ以上恥をさらすのはやめてくれと叫びたい気持ちだ。
 腹痛で政権を投げ出した前代未聞の安倍首相は、本来ならばその時点で議員として終わっていたはずだ。
 それを復活させて首相にさせたのも民主党なら、ここまで独裁的にさせたのも民主党だ。
 その民主党が、いつまでたっても団結できず、おまけに政界再編の暴露合戦という内ゲバを、よりによって代表選で始め出した。
 こんな代表選挙があと10日も続くのである。
 ますます民主党に対する国民の反感が強まる。
 安倍政権を応援する読売と産経が民主党代表選について一番詳しく報じていることは象徴的だ。
 今朝の日本テレビは三候補者の討論jをわざわざ放映した。
 民主党代表選挙はいまや安倍政権の引き立て役と化しているのである。
 野党第一党がこの体たらくだから、ほかの野党はいうまでもない。
 野党の体をなしていない。
・・・後略・・・
  
「安倍政権を応援する読売と産経」のうち産経新聞がが民主党代表選について、「『首相に向いている方を代表に』 自民・高村副総裁」という記事の中で、自民党の高村正彦副総裁の「できれば今の候補者の中で、比較的首相に向いている方を選んでほしい」という発言をわざわざ載せていた。
 
健全な野党ではなく、あたかも自民党補完勢力となれとは民主党も随分舐められたものである。
 
安倍晋三の天敵とまで言われた朝日新聞だが、民主党政権の検証で、プロジェクト座長を務めた上智大の中野晃一教授の話を掲載していた。
 
<民主党を分析してきた上智大の中野晃一教授>
 2015年1月11日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 民主党代表選(18日投開票)で、長妻昭元厚生労働相、細野豪志元幹事長、岡田克也代表代行が論戦を繰り広げている。民主党の現状には何が欠け、代表選ではどんなことが議論されるべきなのか。民主党を分析してきた上智大の中野晃一教授に聞いた。
 ■代表選、方向示す一歩に
 野党だったこの2年間の民主党は、政権時代と比べて党の体質や組織文化にあまり変化がなかった、というのが正直な感想だ。
 民主党の特徴として、問題の所在や原因をリーダー一人に負わせる傾向が強い。縁の下の力持ちをやる人が少なく、党の合意形成に汗をかかない。サッカーで言えば、みんながフォワードをやりたいチーム。それではうまくいかない。
 自民党には地味に汗をかく人がたくさんいるのに、なぜ民主党には少ないのか。それは、まさに地味な働きを評価して選挙で支えるような組織文化がないからだ。
 また、結党から政権交代まで中心的役割だった鳩山・菅・小沢各氏を「第1世代」とすると、第2世代以降の「主体的に党をつくる」覚悟に疑問を抱く。
 民主党政権検証のため、下野後に多くの議員に会ったが、二大政党制を根拠に「自民党に行った振り子はいつか戻ってくる」という楽観的な空気を何度も感じた。第1世代の胸を借りてきた次の世代の人たちには、党を背負う意識や経験がまだ足りない気がする。
 しかし、民主党がこのままでいいとは思わない。自民党に対抗できる勢力をつくり、選挙を通じて政権交代を可能にする政治の実現は、1993年以降の大きな実験だった。民主党の消滅は、そのオルタナティブ(選択)政治の失敗を意味する。維新の党については、私は自民党の補完勢力としか見ていない。
 日本の政党政治は、かなり危機的な状況にあると言える。3けたに満たない現在の民主党の勢力では、自民党のオルタナティブになり得ず、55年体制時代の社会党のような明確なオポジション(反対)野党も共産党くらいだ。新たな「1党優位体制」の状態だが、日本の民主主義にとって良いはずがない。チェックが働かない政権は必ず腐敗するからだ。その意味でも民主党の責任は重い。
 代表選で、党の自主再建か、野党再編かの路線をめぐる議論があるが、永田町の内向きの論理で動いてはいけない。
 選挙を戦ううえで、自分たちの新たな支持層をつくる作業が大切だ。自民党のような旧来型の組織選挙でなくとも、やり方はあるはずだ。例えば、市民社会の中には安倍政権の女性政策に反発する「怒れる大女子会」のような動きも出てきているが、ごく一部の議員しかそこへ飛び込んで声を聞くことをしない。民主党は他の野党と比べても、新たな支持層を開拓することに鈍感だ。
 安倍政権は株価を重視し、リニアモーターカーをつくり、東京五輪へ突き進むが、すでに成熟した日本が高度成長期に戻るかのような政策が本当に唯一の道なのか。女性が働きつつ子供を産み、育てられる社会づくりに必要な制度や負担は何か。原発事故を経験した我々はエネルギー問題にどう向き合うべきか。議論すべき課題が山積している。
 その中で民主党はどんな人たちに寄り添い、どんな未来を描くのか。国民との対話を重ね、立ち位置を明確にする努力が欠かせない。代表選をその第一歩にしなくてはならない。
 (聞き手・冨名腰隆)
 
記事中の中野晃一教授の「サッカーで言えば、みんながフォワードをやりたいチーム」という指摘を読んで、思わず昔のことを思い出してしまった。
 
オジサンは30代の後半から地元の小学校の弱小サッカークラブのコーチを約10年間やっていた。
  
その頃は専任のコーチはおらず、サッカー好きの男性教師が3人で面倒を見ていた。
 
小学校の先生が同じ学校に長期間在籍していると「父母会」との間に癒着が発生し、民主的なクラブ運営ができないという弊害があった。
 
そして3人のベテラン先生たちが他校に異動になったことを契機に改革を始めた。
  
当時は4年生にならなければ入部できなかったクラブなので、対外試合で小学校1年生からサッカーをやっている子たちのクラブチームとは試合にならなかったほどのボロ負を経験したので、新入生を積極的にサッカークラブに誘った。
 
サッカー日本代表が初めてW杯フランス大会に出場して惨敗した後だったので、2002年のW杯日韓大会に大いに期待がかかっていたこともありクラブ入部者も毎年増えていき1年生から6年生まで総勢100名を超えるまでになった。
 
初めてサッカークラブに入った1年生たちに、ミニゲームをさせると、誰でもがボールを扱いたいため全員がフォワードになってしまう。
 
しかし新入生たちも3年生の地区大会では優勝を経験したのである。 
 
やはりまだ民主党は「小学1年生」のサッカーチームレベルなのかもしれない。
 
安倍晋三首相から「首相『強力なリーダー誕生を期待』」と言われるようではとてもじゃないが、自民党の敵ではない。
 
「責任野党として議論を進めるうえで、わが党とともに責任を背負っていただきたい」とも指摘される前に、自分たちでこの国を責任もって運営していくという気構えを持ち、次期総選挙までに戦えるチームに成長しなければ永遠に「小学1年生」レベルの野党となってしまうだろう、とオジサンは思う。 
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2015年01月10日

安倍晋三が特定秘密になるのは?

昨年の総選挙では比例代表選挙で16.99%、 小選挙区で24.49%に過ぎない自民党の絶対得票率だったのだが、「国民の皆様から力強いご支持をいただいた」と総選挙後にあたかも民意が反映した結果のような口ぶりだった安倍晋三首相。
 
それならば、辺野古基地建設反対の県民により翁長県知事が誕生したり、自民党の小選挙区の候補者全員を落選させた沖縄県民の民意は一体どこに行ってしまったのだろうか。 
 
<在日米軍再編:普天間移設 官房長官、知事反対でも「支障ない」>
 毎日新聞 2015年01月10日 東京朝刊
 菅義偉官房長官は9日のBSフジ番組で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設工事が、反対を掲げる翁長雄志知事の権限で止まる可能性について「ほとんどない」と否定。「(仲井真前県政から)承認を受けており、全く支障はない」と述べ、移設推進に強い自信を示した。現在実現していない翁長氏との面会については「政治判断」を条件に挙げ、翁長氏が方針転換しなければ困難との認識を示した。
 一方、山口俊一沖縄・北方担当相は同日、麻生太郎財務相と会談し、2015年度の沖縄振興予算について「必要な額まで削るのはおかしい。理屈が通るようお願いしたい」と指摘。沖縄の反発も考慮し、概算要求から過度な減額は避けるよう求めた。【木下訓明】
 
県民の意思を無視して自民党と手を組んだ前知事のように政府に都合の良い「政治判断」を求めるとはまさに民主主義を根底から覆すよう暴挙に他ならない。
 
こんな政府が一昨年に強行採決して成立させ、昨年12月10日に施行された特定秘密保護法の問題点が早くも露わになった。 
 
<秘密382件、公表紙1枚 政府、初の発表>
 2015年1月10日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20150110tokuteihimitu.jpg
公表された「各行政機関における特定秘密の指定状況一覧表」 
 政府は9日、特定秘密保護法に基づいて指定した特定秘密が、昨年末現在で計382件(項目)だったと発表した。政府全体の指定件数を公表したのは今回が初めてだ。秘密指定をする行政機関は19あるが、今回指定したのは10機関で、最も多いのは防衛省の247件。秘密指定の適正な運用を国民がどう検証するかなど、今後の課題は多い。
 ■資料、記号と数字羅列
 「各行政機関における特定秘密の指定状況一覧表(平成26年末現在)」
 政府が9日、内閣官房のホームページで公表した一覧表は、A4判1枚分のPDFファイルだった。
 横の列には、秘密指定をした10の行政機関の名前。縦の列には、特定秘密に該当する情報として運用基準が定める55項目が「第1号イa(a)」などという記号で並び、項目ごとの件数が記載されている。運用基準と照らし合わせない限り、例えば「第1号イa(a)」が「自衛隊の訓練または演習」に該当するとは分からない。
 最多だった85件を照合したところ、防衛関連の「暗号」だった。他の項目も、「自衛隊の情報収集」「国民の生命及び身体の保護」などと定義はあいまいだ。件数が公表されただけでは、具体的な内容を知ることはできない。
 総件数は382件。防衛省のほかは、内閣官房49件▽外務省35件▽警察庁18件▽海上保安庁15件▽公安調査庁10件▽経済産業省4件▽総務省2件▽国家安全保障会議1件▽法務省1件だった。内閣府、国家公安委員会、金融庁、消防庁、公安審査委員会、財務省、厚生労働省、資源エネルギー庁、原子力規制委員会の9機関は、指定がなかった。
 朝日新聞が各行政機関に、指定した項目の内容を取材したところ、その対応には違いがあった。
 防衛省は「暗号85件など、内閣官房のホームページの一覧表にある通り」と回答した。内閣官房は、49件のうち46件が内閣情報調査室、2件が内閣官房副長官補(事態対処・危機管理)、1件が国家安全保障局の情報という内訳は明らかにしたが、説明した項目の内容はほぼ、一覧表と運用基準を照合すれば分かる範囲にとどまった。
 一方、外務省は指定した35件について、インテリジェンス(情報収集・分析活動)20件▽外交の暗号4件▽朝鮮半島4件▽東シナ海2件▽日米安保・防衛協力2件▽北方領土1件などとして、運用基準の項目とは異なる分類でも回答した。
 特定秘密は「項目」を1件として指定する仕組みで、実際は数十万点にのぼる文書や写真が各項目にぶら下がっている。
 内閣官房は今後、年に1回はホームページで数字を更新するという。特定秘密の実数についても取りまとめ、公表を検討しているが、時期は未定だ。
 ■国会の監視態勢、整わず
 秘密の指定が妥当かどうかは、チェック機関の監視が欠かせないが、その態勢はまだ十分とは言えない。
 国会の監視機関「情報監視審査会」は与野党の対立でメンバーが決まっておらず、始動するのは今月下旬の通常国会以降。昨年12月10日の秘密法施行から件数の公表まで、国会のチェック機関は整わないままだ。
 一方、不正な秘密指定をチェックする内閣府の「独立公文書管理監」には検事出身者が充てられ、事務局として職員20人の「情報保全監察室」も施行と同時に発足した。ただ、職員は全員官僚で、「身内のチェック」がどこまで徹底されるかは未知数だ。
 さらに、特定秘密を多く抱える省庁には、今回の382件は「入り口」にすぎないとの見方がある。防衛省関係者は「今後、指定が減ることはない。何事も肥大していくのが行政組織の常だ」。警察庁幹部は「項目の種類が大きく増えることはないだろうが、各項目に入る個別の文書などは増えていくはずだ」と語った。
 秘密指定は原則5年で解除されるが、大臣らの判断で30年まで延長できる。さらに内閣が承認すれば60年まで延長でき、暗号などは例外として半永久的に指定を続けられる。実態が見えにくいまま特定秘密が積み上がり、歴史の検証が不十分になる恐れは否めない。
 (久木良太)
 ■<考論>指定だけが先行、大問題
 右崎正博・独協大法科大学院教授(憲法学)の話
 安倍晋三首相が約束した乱用を防ぐ仕組みが未整備のうちに指定だけが先行するのは大問題だ。内閣府には独立公文書管理監が置かれたが、支える事務部局はまだ不十分。国会に設けられるはずの情報監視審査会は衆参ともに委員すら決まっていない。厳罰を伴う法律なのに、施行の体制がないままの見切り発車を許した政治の罪は重い。項目数だけ発表されたが、指定が適正になされたのか国民はチェックできず、法の問題点が改めて示された形だ。
 国会は早急に審査会の人選を決め、今回の指定について報告を求めるべきだ。その上で、第三者のチェックも利かない法の欠陥を改正すべきだ。
 ■<考論>国民議論のきっかけに
 特定秘密保護法の運用基準を議論した「情報保全諮問会議」のメンバー、清水勉弁護士の話
 特定秘密の件数が4分野55項目ごとに示されたことは意義がある。各省庁が秘匿性の高い情報をどの程度持っており、それがどのような種類のものなのか明らかにされたのは初めてで、国民が秘密保護のあり方について議論するきっかけになる。
 ただ、「1件」に含まれる資料や画像の数はバラバラで、件数は実態を反映したものではない。情報量を示すなど、もう少し公開度を高めないと、第三者機関も国民も監視はできない。公表方法は今後議論すべきだ。また、国会や内閣府の準備が整わないままの指定はやはり問題だ。法施行は延期すべきだった。
 
昨年12月24日に参議院議員の山本太郎が「安倍首相の『会食』に関する質問主意書」を参議院議長に提出した。
 
そして質問に対する、木で鼻をくくったような回答が昨日出てきた。
 
回答だけを並べると安倍晋三首相のマスメディア首脳との会食は特定秘密のような扱いである。
 
・一から五までについて
御指摘の「会食」については、政府として企画等を行っておらず、その費用も支出していないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。
・六について
お尋ねについては、政治家個人の活動に関するものであり、政府としてお答えする立場にない。
なお、原子力発電所の再稼働については、「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)において、「原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む」こととしている。
・七について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国会議員等が政治家個人として行う活動については、政府としてお答えする立場にない。
・八について
お尋ねの「利益相反関係にはないと言えるか」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。
・九について
御指摘の「会食」については、政府として企画等を行っておらず、その費用も支出していないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。
・十について
内閣官房報償費については、その取扱責任者である内閣官房長官が、責任を持って、真にその経費の性格に適したものに限定して、適正に執行しているところである。また、お尋ねの「内閣官房報償費の会食等に関わる使途、明細等」の意味するところが必ずしも明らかでなく、特定秘密の保護に関する法律(平成二十五年法律第百八号)第三条第一項に規定する特定秘密に該当するか否かについてお答えすることは困難である。
 
 
<マスコミ会食 安倍首相「政府の企画ではない」>
 2015年1月9日 19:28 田中龍作ジャーナル
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衆院選投開票の翌々日、首相はマスコミと西新橋のすし店で会食していた。=11月28日、新宿 写真:筆者=
 赤坂の中国料理店で●●新聞の●●●●社長、帝国ホテルで●●テレビの●●●●社長・・・
 安倍晋三首相がマスコミ幹部と親しく会食している事実が伝わってくるようになって久しい。安倍首相と会食を重ねる記者クラブメディアから政権批判が出なくなってからも久しい。
 報道の中立公平・不偏不党の原則からしてもおかしい。国際常識に照らし合わせても奇異である。
 「出席者の所属(会社)と氏名」「安倍首相が費用を負担したのであれば、出処」などを「明らかにされたい」として山本太郎参院議員が質問主意書を提出していた。
 答弁書がきょう(9日)届いた。差出人は、「内閣総理大臣 安倍晋三」。
 質問主意書によると、報道関係者(主に記者クラブメディア)と安倍首相の会食は次の通り―
・首相就任後初めて靖国神社を訪問した2013年12月26日当日、赤坂の日本料理店で。
・消費税増税が施行された2014年4月1日当日と翌日。(場所は東京)
・集団的自衛権の行使容認の検討を公式に表明した2014年5月15日当日、西新橋のすし店で。
・衆院選挙が実施された2014年12月14日の2日後、西新橋のすし店で。
・特定秘密保護法が成立した2013年12月6日から10日後に赤坂の中国料理店で。
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政府やマスコミにとって不都合なことを追及し続ける山本太郎議員。=写真:筆者
 国民生活に密接に関わり、国家としてターニングポイントとなる政策を実施したり決めたりした当日、翌日、翌々日に最高権力者がマスコミと高級料理店で会食しているのである(特定秘密保護法だけは10日後だったが)。
 新聞テレビは「消費税増税は必要だ」と説き、「集団的自衛権の行使容認」については批判的に報道しない。「特定秘密保護法」については うわべ の批判をする。
 首相との会食にほとんど名前が出たことのない東京新聞、沖縄タイムス、琉球新報などは、きっちりと安倍政権の政策を批判している。
 山本議員の質問に対して安倍首相は「会食については政府として企画等を行っておらず、その費用を支出していないことから、お尋ねについてお答えすることは不可能である」と文書で答弁した。
 字面だけ読めば、会食の費用は官房報償費(機密費)からは出ていないことになる。
 答弁書を信じる信じないはともかく、安倍首相と食事を共にするメディアが、政権を批判しないことだけは揺るぎのない事実である。
 企業倒産が相次ぎ、道端に死体が転がるようになっても、新聞テレビは「アベノミクスの失敗」を報じないだろう。会食の力は絶大だ。
 
「首相との会食にほとんど名前が出たことのない東京新聞」は政府のマヌケぶりをきっちりと批判している。
 
<円安進行、税で穴埋め 14年度予算は「1ドル=97円」>
 2015年1月10日 07時03分 東京新聞
20150110sisyutukanrate.jpg 政府が2014年度予算編成に当たって設定した為替レートが、実際の相場より円高の水準に設定され、追加的な財政負担が生じていることが分かった。14日に閣議決定する15年度予算案でも実勢と異なる為替レートが設定されれば、同様の事態が起きる可能性がある。 (中根政人、石川智規)
 この為替レートは、海外から購入する物品などの価格を円換算する「支出官レート」と呼ばれ、財務省が予算編成を行う毎年12月下旬に設定。このレートに基づき、翌年度の予算が組まれる。実際に取引する時点の為替レートが、支出官レートより円安だった場合は財源が不足するため、一般会計から穴埋めする。逆に円高の場合は、剰余金が国庫に返納される。
 14年度の支出官レートは1ドル=97円。防衛予算での新型戦闘機F35の購入を例にとると、14年度予算では、このレートに基づき「4機で638億円」の支払いを計上した。ただ、145年度の支出官レートが決まった13年12月下旬の円相場は、1ドル=104〜105円台で推移。この時点で、当時のレートと離れていた。
 さらに、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の影響で円安は進行。最近の為替水準に従い、1ドル=120円で実際に購入したと試算すると、支払額は789億円となり、差額の151億円を税金で穴埋めしなければならなくなる。
 財務省の担当者は、支出官レートの算出方法について「市場実勢を踏まえて、総合的に判断する。為替予測ではない」とだけ説明。15年度の支出官レートは近く公表される予定で、実勢との差が焦点になる。
 穴埋めの財源となる一般会計の「貨幣交換差減補填(ほてん)金」は、円安を受けて膨らむ傾向にある。従来は500億円程度を毎年度、当初予算で計上していたが、13年度は足りなくなり、補正予算も含めて約920億円に上積み。14年度当初予算では13年度の予算総額とほぼ同額の約920億円を計上しているが、円安が進めば足りなくなる可能性もある。
 明治大公共政策大学院の田中秀明教授は「財務省が設定するレートが適切かどうか、検証する制度がないことが問題だ」と指摘している。
 <支出官レート> 政府が毎年度の予算編成の度に設定する為替レート。予算上のレートで、実際に海外の企業・団体から各省庁が物品やサービスを購入する際に適用されるレートとは異なる。当初予算だけでなく、その後に編成する補正予算でも、原則として同じ支出官レートが使われる。2014年度は1ドル=97円、1ユーロ=128円、1ポンド=150円などと設定された。
 
安倍晋三首相に関しては「安倍晋三って、バカなのですか? 漢字一文字で・・」という質問がYAHOO知恵袋に掲載されていたが、当時の動画はなぜか削除されていた。
 
恐らくは、今後は以下のような無邪気な写真も特定秘密に指定され、公表すると捕まってしまうかもしれない、とオジサンは半ば本気に思っている。
  
20150110abetokuteihimitu.jpg
 
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2015年01月09日

戦争が見え隠れする積極的平和主義

一昨日の仏週刊紙「シャルリーエブド」の本社襲撃事件に関しては、世界中の指導者が「テロには屈しない」と型通りのコメントを出していたが、米国オバマ大統領のコメント発表後に、日本の総理大臣も「仏週刊紙テロ:安倍首相『断じて許せない』」とありきたりの、おそらく心にもない発言だったのではないだろうか。
 
何しろ「言論の自由、報道の自由に対するテロであり、断じて許すことはできない。」といいながら、昨年の衆院選前にNHK始め民放各局に「公平公正な報道を要請」という明らかな恫喝文書を送らせた張本人であり、11年前、小泉純一郎内閣時代、マッド・アマノが以下のような自民党のポスターのパロディ版を公表したことに対して、当時の自民党安倍晋三幹事長は、削除通告をしていたことがあり、表現の自由、言論の自由、報道の自由を最も軽視している政治家のひとりであることは間違いない。

20150109jimintouposterparody.jpg
 
東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館632号室
中村敦夫 殿
東京都北区上中里1-14-2 有限会社ビッグバン内
マッド・アマノこと天野正之 殿
平成16年6月28日
東京都千代田区永田町1丁目11番23号
自由民主党
幹事長   安倍晋三 印
千代田飯田橋1丁目7番10号
三京ビル本館 705号
自由民主党代理人弁護士
自由民主法曹団幹事長   鈴木利治 印
 
通告書
前略 中村敦夫殿は、同人の管理しているホームページ(http://www.monjiro.org)において、「マッド・アマノの右も左もパロディでばっさり斬るぞ」ページの2004年6月23日付「「構造改革」に不具合が生じましたので回収・修理・辞任の要望にお応えします。」と題するページに、マッド・アマノこと天野正之殿が作成した図画を掲載しました。
上記図画は、自由民主党が著作権を有するポスター(以下、「原図画」という。)に対し、「小泉純一郎」の「純」を「鈍」に、「この国を想い(改行)この国を創る」との文章に対し、「この国を想い」の「こ」の×印を付けて「あ」文字を横に配置し、「この国を想い」中「の」と「国」の中間に「米」という文字を加入させる旨の記載を行いました。さらに、「この国を創る」中、「の」と」「国」の中間に「属」という文字を加入させる旨の記載を行い、総合して、「あの国を想い(改行)この属国を創る」と」読み替えさせる文章を作成してあります。
さらに、本件図画上部の「小泉鈍一郎」の左部分に「リコール!」との文字を記入し、さらに下部左には「★「構造改革に不具合が生じましたので(改行)リコール(回収・修理・辞任)に応じます。」と記載されています(天野正之殿によって改変された図画を以下「本件改変図画」という。)。
このように改変された本件改変図画は、自由民主党が改変を承諾したものではなく、小泉純一郎総裁および自由民主党の社会的評価を低下させるものです。かかる本件改変図画を、天野正之殿が作成し、中村敦夫殿が不特定多数の者が閲覧できる同人管理の上記ホームページに掲載していることにより、まさに公然事実を摘示して小泉純一郎総裁および自由民主党の名誉を毀損したことは明白であります。
また、中村敦夫殿は、(以下は本通信の前号既報)今次参議院議員選挙において比例代表区の名簿届出政党である、みどりの会議代表委員であるにもかかわらず、かかる本件改変図画をホームページに掲載し、選挙戦に利用しようとしていること自体、政党人としての見識を疑われるものであります。
 よって、わが党は、貴殿らに厳重に抗議するものであります。また、中村敦夫殿には、直ちに上記ホームページ上の本件改変図画を削除されるよう併せて厳重通告いたします。
 草々
 
安倍晋三にご指名された品性のかけらもない男が、「NHK:政治家ネタ却下、品性あるべきだ 会長」という記事の中で、「品性、常識があってしかるべきだ。なおかつNHKは公共放送。NHKに出るときは慎む、というとややこしいが、自然とそういうのはやめた方がいいのではないか」と言って憚らなかったのには笑ってしまった。
 
昨日「下品でも本質を突く発言はたまには歓迎?!」の中で、「麻生大臣による「守銭奴」発言。表現は下品だが、本質を突いている」という記事を紹介したのだが、今度は日刊ゲンダイが「麻生発言で注目度アップ 大企業30社“守銭奴”ランキング」の記事の中で、その注目大企業を晒していた。
 
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いくらなんでもヒドい言いようだが…/(C)日刊ゲンダイ

ところで、話変わって昨年10月に「開発協力大綱の決定について」が発表され、10月29日〜11月27日の期間でパブリックコメント募集されていた。
 
その新たな「開発協力大綱」の基本方針の中には、こう書かれていた。 
 
・非軍事的協力による平和と繁栄への貢献
非軍事的協力によって,世界の平和と繁栄に貢献してきた我が国の開発協力は,戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた我が国に最もふさわしい国際貢献の一つであり,国際社会の平和と繁栄を誠実に希求する我が国の在り方を体現するものとして国際社会の高い評価を得てきた。我が国は今後もこの方針を堅持し,開発協力の軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避するとの原則を遵守した上で,国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に積極的に貢献する。
 
そして「開発協力の適正性確保のための原則」としてはこう規定していた。
 
(イ)軍事的用途及び国際紛争助長への使用の回避
開発協力の実施にあたっては,軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する。民生目的,災害救助等非軍事目的の開発協力に相手国の軍又は軍籍を有する者が関係する場合には,その実質的意義に着目し,個別具体的に検討する。
(ウ)軍事支出,大量破壊兵器・ミサイルの開発製造,武器の輸出入等の状況
テロや大量破壊兵器の拡散を防止する等,国際社会の平和と安定を維持・強化するとともに,開発途上国はその国内資源を自国の経済社会開発のために適正かつ優先的に配分すべきであるとの観点から,当該国の軍事支出,大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造,武器の輸出入等の動向に十分注意を払う。
 
基本方針は明快なのだが、それ以降の原則は甚だ玉虫入りになっており、閣議決定内容はかなり軍事的援助が濃厚になってきた。 
 
<ODA、軍事転用の恐れ 新大綱「積極的平和主義」を反映 
   中国の援助拡大を意識>
 2015年1月9日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 日本がODA(途上国援助)による民生支援を始めて60年あまり。安倍内閣が閣議決定する「開発協力大綱」は、ODAによる他国軍への支援を初めて可能にした。日本の国益に沿った利用を前面に打ち出すなど、「積極的平和主義」を掲げる安倍晋三首相の外交方針が、色濃く反映された内容だ。しかし、軍事転用される可能性があるなど、問題点も残る。
新大綱で安倍内閣が意識するのは、世界中に資金提供を広げる中国の存在だ。
 日本のODA予算は1997年度の約1兆1700億円をピークに、13年度は約5600億円と半分以下になっている。一方で中国政府が発表した対外援助は、12年までの3年間で約1兆7200億円。単純に1年にならすと日本政府を超えている。この統計には含まれていない援助もあるとみられ、実際には年間8千億円にのぼる、との試算もある。中国企業の受注で利益を戻す「ひも付き」の支援も展開。昨年10月には、ブラジルやロシアなどとともに途上国へのインフラ整備に融資する銀行の設立を決めた。
 新大綱では支援にあたっての重点課題として、従来の「貧困削減」に、中国を意識して「法の支配」「民主化の促進・定着」を加えた。新大綱で可能となる他国軍の支援は、中国が支援に力を入れる東南アジア諸国連合(ASEAN)が念頭にある。
 実際、日本政府はODAをASEANとの関係強化に使い始めている。政府は昨年、ODAを使ってベトナムに巡視船に転用できる中古船の供与を表明。軍には直接送れないため、ベトナム政府は軍から海上警察を切り離し、船はその組織に送られる。新潟の大学にはODAから学費を受けるミャンマーの元軍人が留学しているが、ミャンマーが事前に軍とは別の省庁に異動させ、そこから留学したという。
 新大綱では、こうした手続きを経ないで、軍への直接支援が可能だ。政府は当面、ミャンマーの現役軍人の留学や、カンボジアへの地雷の撤去機材の提供などを検討している。
 一方で、他国軍に提供した物資・技術が軍事転用される可能性は残る。
 「軍への協力は違和感を持つ。厳格なガイドラインや審査制度はあるのか」。昨年11月、新大綱の政府原案に対し、京都であった公聴会の参加者らが疑問をぶつけた。外務省の担当者は「二重三重の縛りを相手国との間でかける。支援後も追跡調査する」としたが、「細かい話は大綱の性格上、書いていない」と具体的な言及は避けた。
 想定されるのは、日本が送った船が紛争に使われたり、支援によって整備した空港や道路を軍が利用したりするケースだ。政府は13年、フィリピンの沿岸警備隊のために巡視船10隻の提供を表明した。しかし、その2カ月前には同隊の船が台湾の漁船を銃撃し、死者が出る事件が起き、双方の紛争は今も続いている。
 ■国益前面、外交カードに
 新大綱のもう一つのねらいは、ODAを新たな「外交カード」に使うことだ。新大綱はODAが「我が国の平和と安全の維持、繁栄の実現といった国益の確保に貢献する」などと「国益」という言葉を初めて使い、「外交政策の最も重要な手段の一つ」とも位置づけた。
 これまでは経済成長してODAを「卒業」した国には支援を制限していたが、時の政府が日本の国益につながり、外交戦略上で必要と判断すれば支援できるようにした。名称を「開発協力大綱」に変えたのも、「卒業国」への支援が国際機関の定義でODAに含まれないためだ。
 具体的には、日本と中東を結ぶ海上交通路(シーレーン)の要にあるインドネシアや中東のオマーン、アラブ首長国連邦(UAE)への支援が想定されている。安倍首相は集団的自衛権をめぐる議論の際に、シーレーンの重要性を繰り返し訴えている。
 さらに、ブラジルやカリブ諸国、アフリカへの支援も拡大する方針だ。国連の安全保障理事会改革をめざす政府にとって、できるだけ多くの国の支持が欠かせないからだ。
 ただ、こうした方針変更は、政府の判断のみで支援する国としない国を恣意(しい)的に選別したり、日本の利益だけを追求して、本来の目的であるはずの貧しい国の経済成長がなおざりにされたりする可能性もある。
 昨年11月の福岡の公聴会では、参加者からこんな指摘も出た。「(中国が)アジアやアフリカでやっている『ひも付き』や、国益を露骨に出した援助に、援助の先輩国の日本が寄ってしまっているのではないか」
 (広島敦史、杉崎慎弥)
 
中国企業の受注で利益を戻す「ひも付き」の支援は、既に日本のODAの得意技であり、中国は遅れて仲間入りしたに過ぎない。
 
「法の支配」「民主化の促進・定着」という名目は、かつて米国が新興国の共産化を恐れてCIAを使った国家転覆工作を思い起こさせるまさに覇権主義そのものである。

「細かい話は大綱の性格上、書いていない」ということは、特定秘密に指定されれば国民は全く知るすべがなくなる。
 
福島における「原発震災」はなかったことにして原発を輸出し、武器まで大々的に輸出する。
 
そしてその先に見えてくるのは「国防軍」になった兵隊たちの海外への派兵ではないのか。
  
安倍晋三首相の「積極的平和主義」とは「積極的『兵は?』主義」と言い換えた方がふさわしい、危険な野望である、とオジサンは思う。
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2015年01月08日

下品でも本質を突く発言はたまには歓迎?!

「戦後70年」というキーワードが昨年からメディアにしばしば登場していたが、年が明けて戦後70年目に入り、早速、安倍晋三首相が予定通り「安倍談話」発表することが現実的になってきたが、「微力でもメディアの力で変えられるものがある」の中で、談話を取りまとめる「有識者会議」については、「昨年集団的自衛権行使容認を答申した安保法制懇のような、安倍晋三首相の意向を忖度するメンバーを集めたら、日本の本気度がますます疑われ、正面衝突の危険性が高まるのではないだろうか
」とつぶやいた。
 
そして昨日のNHKニュース「首相談話 早ければ今月中に有識者会議」によると、女性を含む歴史学者や大手マスコミの幹部らをメンバーとする有識者会議を、早ければ今月中に設置する方向で具体的な人選に入ったという。
 
この人選に「日本最大の右派組織」と呼ばれる日本会議に属する戦争を美化するような歴史学者や、安倍晋三首相と会食頻度No.1の渡邊恒夫讀賣グループ会長のようなマスコミ幹部であったりしたら、「首相談話」の中身は自ずと明らかになってくる。 

ところで、日本は、2000年まで多くの年で1人あたりGDPが主要国中1位だった。
 
その後、日本の順位は急落し、2007年には主要国中最下位に転落し、リーマンショックによる他国の落ち込みで一時は回復したが、2013年には再び順位が急落しているということが2014年12月25日、内閣府発表した2013年度のGDP確報値で判明した。
 
それによると2013年の名目GDPは4兆9207億ドルとなり、世界GDPに占める割合は6.5%になった。2012年は5兆9526億ドルで、世界GDPに占める割合は8.0%だったので、大きくシェアを落としたことになる。円ベースの名目GDPは基本的に横ばいなので、2013年にランクを落としたのは、円安による影響が大きい。

これに伴って豊かさの指標である1人あたりGDPも大きく低下しており、2013年は前年から8000ドル以上減少して、3万8644ドルとなり、OECD加盟国中の順位は13位から19位に後退し主要7カ国では6位で、日本より下はイタリアしかない状態になっている。
 
1人あたりのGDPが減少することは、日本人の購買力が減少しているということであり、端的に言えば、日本が貧しくなったことを意味するのだが、この数年、その割には大手企業の儲けが盛んに宣伝され、特に内部留保が増大しており、昨年の総選挙で議席を大幅に増やした共産党の口癖が真実味を帯びていることは有権者も実感したらしい。

安倍政権は法人税率の削減に必死であり、その引き換えとして賃上げを要請しているのだが、今まで企業の内部留保に関しては、それを口にすれば共産党の政策に組するとでも思っていたのか言及したことはなかった。
 
安倍晋三という政治家は平気で嘘をつくことでは定評があるのだが、それは総理大臣としての特権であり、言葉変えれば本音を言えない宿命でもある。
 
その点では「副総理」という立場は総理大臣が不在の時しか意味をなさない職務であるので、比較的発言内容は本音が含まれることが多く、時には総理大臣としては口に出せないことを代弁する場合もある。
 
そんな職務には最適の「舌禍」政治家の麻生太郎副総理が久々にクリーンヒットを飛ばした 。  
 
<麻生大臣による「守銭奴」発言。表現は下品だが、本質を突いている>
 2015年1月7日 ニュースの教科書
 麻生財務大臣は2015年1月5日、日本企業が内部留保を蓄積していることについて「まだカネをためたいなんて、ただの守銭奴にすぎない」と発言した。いつもの放言ではあるのだが、今回の放言はかなり本質を突いている。
20150108asotarou.jpg この発言が飛び出したのは、信託協会の賀詞交換会での挨拶。日本企業が内部留保を330兆円近くまで貯め込んでいることについて批判し、設備投資などに資金を回すべきだとの見解を示した。
 守銭奴という言葉のニュアンスが良くなかったせいか、6日の記者会見では「個別企業について言及したものではない」との釈明を行った。
 守銭奴という言い回しはともかく、日本企業が空前の内部留保を蓄積しているのは事実である。9月末時点における日本企業の内部留保は324兆円に達している。20年前の1994年には140兆円程度しかなく、デフレ下で内部留保を2倍に膨れあがらせていたことになる。
 内部留保はあくまで決算書上の数値に過ぎず、これが収益資産などに変わっていれば何の問題もない。しかし、日本企業の内部留保のうち、じつに半分が現預金となっている。つまり日本企業は160兆円もの現金を何もしないまま、ただ銀行に預けているのだ。
 企業側の言い分としては、日本経済の見通しが暗く、人口も減る中、積極的に設備投資をする先がないという理屈になるわけだが、こうした状況を打開するための方策が、日銀の量的緩和策だったはずである。日銀が大量にマネーを供給することで、期待インフレを醸成させ、実質金利をマイナスにして企業の設備投資を促そうという目論見である。
 つまり現金を持っていると損をするような仕組みを作るということなのだが、今のところ企業は全く反応しておらず、現預金は増える一方となっている。
 麻生氏の発言の背景には、量的緩和策を実施しているにもかかわらず、企業が想定通りの行動を取らないことに対する苛立ちがあると考えられる。
 日本企業の行動が鈍いのは、業績向上に対する株主からの圧力が乏しいことが大きく影響している。日本国内に目立った投資先がなければ、工夫して新しい事業を創造するか、海外へ投資するというのが一般的なセオリーであり、多くの株主はそれを求めているはずだ。
 だが日本の場合、会社は従業員や経営者のものという意識が強く、株主が経営に関与することは批判を浴びることもある。このため日本の投資家の多くは経営に対して口を挟まない。経営者も従業員からの昇格が多く、株主から経営を委託されたという感覚は乏しい。
 日本企業の経営者は株主からの突き上げがないため、リスクを取って業績を上げる必要がない。思い切ったことをせず、経営者としての任期をまっとうした方が有利であり、結果として現金の貯め込みが続くことになる。変化がないことは現状の立場を維持したい多くの従業員にとって悪い話ではないため、これを改革しようというインセンティブは生じない。
 本来、構造改革とはこうした状況を打開することを意味していた。しかし、現在の日本では、過度な競争を強いる政策というニュアンスにすり替わっており、説得力を持っていない。こうした社会の風潮が大きく変わる兆候は今のところないため、大企業を中心に現金の蓄積がさらに進む可能性が高い。
 
「岩盤規制に私のドリルで風穴を開ける」と豪語していた安倍晋三首相だが、日銀の量的緩和策に全く反応しない日本企業に対してはドリルが通用しないようである。
 
財務大臣の立場から、量的緩和策を実施しているにもかかわらず、企業が想定通りの行動を取らないことに対する苛立ちに対して「守銭奴」発言をした麻生太郎だったのだが、彼の物議を醸す発言は決してピントはずれではなく、以下の記事を思い出してもらいたい。
 
「ナチスの手口に学べば」

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 麻生太郎副総理兼財務・金融相は2013年8月1日、憲法改正論議に関連し、ナチス政権の手法を肯定したとも取れる自身の発言について、「誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」とのコメントを発表した。内外に批判が広がったことを受け、早期にこの問題での幕引きを図りたい考えとみられる。
 財務相が問題の発言をしたのは7月29日。東京都内のホテルでの講演で、「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」と述べた。憲法議は静かな環境で進めるべきだとの認識を強調したものとみられるが、ナチス政権の手法を肯定したとも取れる発言だった。
 これに対し、米国の反ユダヤ活動監視団体や中国外務省の副報道局長が、発言を非難する声明を相次いで発表するなど国際的に波紋が広がった。国内では、野党などから批判の声が出ていた。
 写真は、ナチス政権の手法を肯定したとも取れる自身の発言を撤回し、首相官邸を出る麻生太郎副総理兼財務相(東京・永田町)(2013年08月01日) 【時事通信社】
 
「ナチス」発言では米国の反ユダヤ活動監視団体からかなり厳しい抗議があったらしいのだが、「あの手口」に学ぶかのようにこの発言後の翌年の2014年7月1日には安倍政権は「集団的自衛権行使容認」を粛々と閣議決定し、事実上憲法9条を蔑ろにしたのだが、日本企業が内部留保を330兆円近くまで貯め込んでいることはまさに「守銭奴」であり特に釈明するまでもなかった。
 
安倍晋三も麻生太郎も共に基礎的な知識に乏しく、生まれの「毛並みの良さ」とは裏腹に品性がないことも共通しているが、狡猾な安倍晋三に比べれば、頭に浮かんだことをそのまま口にしてくれる麻生太郎の方が国民にとっては分かりやすいのだが、やはりトップとしては無理だが「Vice Prime Minister」として今後も安倍政権の足を引っ張ってくれることを国民は望んでいるのではないだろうか、とオジサンは思う。


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2015年01月07日

微力でもメディアの力で変えられるものがある

経済3団体の新年祝賀会が6日、東京都内で開かれ余裕の笑みを浮かべながら安倍晋三首相は、法人税減税に関して「今後もさらに上乗せを目指していきたい。これは皆さんにかかっている」と、法人税を引き下げる代わりに経済界は賃上げをしろと要求していた。
 
会合後には3団体のトップがそろって記者会見し、日本経済の見通しなどを語っていたが、主だった経営者たちの今年の見通しと首相から要請された賃上げに対する見方は以下のようだった。
 
  
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1部上場のトップ企業は本来ならば自らの判断で行うべき賃上げを、国の総理大臣に言われて行うというのは決して資本主義社会ではなく、むしろ非民主的な独裁国家のようでもある。
 
昨日は「首都高逆走、80代男性が死亡 軽乗用車、トラックなどと衝突」という痛ましい事故が発生していたが、高速道路を逆走すれば年齢や運転していた車種にかかわらず、その結果は目に見えている。
 
今日の東京新聞「本音のコラム」で文芸評論家の斎藤美奈子は、安倍晋三首相は高速道路を逆走しているバスの運転者のようだと比喩していた。
 
大企業と富裕層の優遇に偏った経済政策。武器輸出を解禁し、集団的自衛権の行使に向かう安全保障政策。原発の再稼働と原発輸出への意欲。すべて暴走というより逆走だ。

そして安倍晋三首相が運転するバスは「年中アクセルとブレーキを踏み間違える。交通ルールの解釈も平気で変える。誤りをただすナビゲーター役の野党は居眠りしているし、メディアは後部座席で遊んでいる。」ので、60歳の安倍晋三が運転しているバスは、「早晩、交通事故は免れまい。せめて対向車との正面衝突だけは避けたい」と指摘していた。
 
まさに今の日本はこのような危険な状態なのだろう。
 
しかし「後部座席で遊んでいる」と非難されたメディアの中には、遊ばずに本来のメディアとしての役目を果たしているところもある。
 
昨年末に「年末近くになると弱者イジメが顕在化してくる」とのつぶやきの中で、東京新聞の「ひとり親 手当打ち切り シェアハウス 住人に異性いるだけで」という記事を紹介し、最後に「国立市は都の見解に従っただけだというが、国立市議会が『実態に即さない理不尽な判断』と判断し、時代遅れの石頭の厚生労働省や都、市に改善を求める決議案を可決したことは唯一の救いである」と結んだ。
 
大手マスメディアは全く取り上げなかったささやかな記事だったが、その反響が予想以上に大きくひろがり、厚労相も無視できない事態になった。 
 
<シェアハウス ひとり親手当停止 国、適正運用通知へ>
 2015年1月7日 07時09分 東京新聞
20150107sharehouse.jpg 東京都国立市のシェアハウスで暮らすシングルマザーの女性が同じ家に住む独身男性と「事実婚」とみなされ、児童扶養手当などが支給停止となった問題を受け、厚生労働省は6日、生活実態を反映して適正な支給を判断するように全国の自治体に文書などで徹底させる方針を決めた。国立市の対応をめぐっては、塩崎恭久厚労相がこの日の記者会見で「一緒に住んでいるだけで打ち切るのは簡単ではない」と疑問を呈した。
 女性は昨年11月に手当の支給停止を市から通知された。市は女性が男性と事実婚の関係にないことは把握していた。だが、東京都に助言を求めた結果「同一住所に親族以外の異性がいることによって支給要件を満たさなくなることが判明した」ことが理由だった。
 この問題を本紙が昨年末に報じたことを受け、塩崎氏は6日の会見で「今回の場合は生活実態などが本当に事実婚か精査しなくてはいけない」と指摘。その上で「適正な手続きを市町村がやっていくことが大事で対応を求めていきたい」と述べた。東京都の舛添要一知事も6日の記者会見で、国立市の措置に関し「社会常識からみておかしければ検討し直す」と述べた。
 厚労省は、今週中にも都を通じて国立市に一連の経緯を聞いた上で「全国の自治体に文書などで適正な支給をするよう求めたい」(担当者)としている。
 問題の背景には1980年に厚生省(現厚生労働省)が出した課長通知の存在も指摘されている。通知では「事実婚」と判断する基準に原則として当事者同士の「同居」を挙げ、同時に社会通念上夫婦としての共同生活がある場合「それ以外の要素については一切考慮することなく、事実婚として取り扱う」と規定しているためだ。ただ、塩崎氏は通知については「すぐに直さなければならない感じは持たない」と述べるにとどめた。
 
まさにメディアが動けば行政も非を認めざるを得ないという実証である。

前述した齋藤美奈子の「早晩、交通事故は免れまい。せめて対向車との正面衝突だけは避けたい」相手はいうまでもなく日本の2つの隣国であり、安倍晋三首相が戦後70年の今年に発表しようとしている「安倍談話」の内容に強い関心を持っており、メディアも大いに注目し監視していく必要がある。
 
<安倍談話、反省の表現が焦点 戦後70年、アジア諸国への言及は>
 2015年1月7日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20150107rekidainaikaku.jpg 安倍晋三首相が戦後70年の今年、首相談話を出す考えを表明した。首相は過去のアジア諸国への植民地支配と侵略を認めた「村山談話」を含め、歴代内閣の立場を「全体として引き継ぐ」と語る。だが、「安倍談話」が従来通りに、「侵略」や「おわび」といった言葉を明確にするかはまだあいまいで、談話の焦点になる。首相の歴史認識を懸念する米国、中国、韓国は早速、牽制(けんせい)球を投げる。
 ■有識者の人選も注目
 「安倍政権として、先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、アジア太平洋地域や世界のためにどのような貢献を果たすか、世界に発信できるものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく」。安倍首相は6日、官邸で開かれた政府・与党連絡会議で「安倍談話」について、こう語った。首相は2012年の再登板直後から、戦後70年の「安倍談話」を出す意向を表明してきた。
 戦後の節目の首相談話には前例がある。いずれも、アジア諸国との関係維持・改善を目指したものだ。
 1995年8月の戦後50年では、村山富市首相が過去の植民地支配と侵略を認め、アジアの人々に痛切な反省とおわびを表明した「村山談話」を発表。戦後60年の05年には、小泉純一郎首相が村山談話をほぼ踏襲した「小泉談話」を出した。
 小泉氏は在任中、靖国神社参拝を繰り返し、中韓との関係が悪化したが、談話ではアジア諸国に対して「改めて痛切な反省と心からのお詫(わ)びの気持ちを表明する」と明確な謝罪の文言を盛り込んだ。
 「安倍談話」では、こうした具体的な言葉が、そのまま受け継がれるのかが焦点だ。
 首相は5日の記者会見で、談話について「次なる100年に向け、日本は積極的平和主義の旗のもと、世界の平和と安定のため貢献しなければならない。節目の年に世界に向けて発信したい」と「未来志向」を強調。「安倍内閣としては、村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」とも述べた。政権内にも「談話自体をひっくり返すなんてばかなことをすれば、近隣諸国から袋だたきだ」(官邸幹部)との声がある。
 一方で、首相はもともと「戦後レジーム(体制)からの脱却」が持論だ。
 13、14年の終戦の日の式辞では、それまであったアジア諸国に対する反省などに、直接は言及しなかった。13年4月の国会答弁では、村山談話について「安倍内閣として、そのまま継承しているわけではない」と発言。また、侵略についても「侵略の定義は定まっていない」と述べた。首相が語る「全体として引き継ぐ」とは何か、「侵略」「反省」「お詫び」など、村山談話の具体的な文言を含めて受け入れるのかどうかなどは、まだはっきりしない。
 菅義偉官房長官は6日の会見で、談話を有識者による会議で検討する考えを示した。早ければ1月中にもスタートさせるが、メンバーの人選もポイントになる。(本田修一)
 ■「謝罪継承を」米が牽制
 関係各国も「安倍談話」に注目している。米政府は5日、直接的な表現は避けながら、安倍首相に歴代政権の歴史認識を引き継ぐよう求めた。米国務省のサキ報道官はこの日の定例会見で、「これまでに村山富市元首相と河野洋平元官房長官が(談話で)示した謝罪が、近隣諸国との関係を改善するための重要な区切りだったというのが我々の見解だ」と強調。村山談話と河野談話の趣旨を、安倍談話でも引き継ぐことが好ましいとの意図を明確にした。
 オバマ政権は日本との関係を重視しているが、これまでの安倍首相周辺の歴史問題にかかわる発言に対する警戒感は根強い。特に米国の同盟国である日韓が歴史問題でいがみ合うことは、アジア重視を掲げる米国の国益を損なっているとの思いが強い。
 さらに昨年、日中首脳会談が実現したことを歓迎しており、こうした改善ムードを壊すべきではないとの思いもある。
 中国外務省の洪磊副報道局長は6日の定例会見で「日本の政府と指導者が今年、侵略の歴史について外国にどのようなシグナルを送り、どのような態度を採るかに注目している。日本側が歴史問題についてこれまで表明してきた厳粛な態度と約束を固く守り、平和発展の道を歩むことを希望する」と述べた。
 中国共産党は今年を「反ファシズム戦争勝利70周年」と位置づける。安倍首相が歴史問題でどのような立場を採るかは中国側の出方も左右する。共産党や政府関係者は談話の内容に強い関心を寄せている。
 韓国外交省の魯光鎰報道官も6日の定例記者会見で「歴代内閣の談話を継承し、正しい歴史認識に基づいて誠実な行動をすることで、周辺国と国際社会の信頼を築いていくことを期待する」と述べた。韓国にとっては今年、日本の植民地支配から解放されて70年、日韓国交正常化から50年という節目に当たる。
 (ワシントン=奥寺淳、北京=林望、ソウル=東岡徹)
 
「日本が村山談話や河野談話で謝罪したことは日本が近隣諸国との関係改善に努める上で重要な一章だったというのが我々の見解だ」とまで米国からいわれた安倍晋三首相である。
 
菅義偉官房長官は「談話を有識者による会議で検討する」との考えのようだが、まさか、昨年集団的自衛権行使容認を答申した安保法制懇のような、安倍晋三首相の意向を忖度するだけのメンバーを集めたら、日本の本気度がますます疑われ、正面衝突の危険性が高まるのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
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2015年01月06日

筋金入りのネトウヨスターだった安倍晋三

「侵略の定義は定まっていない」と過去に国会で答弁し、「村山談話」には一貫して批判的な立場だった人間が、いまさら「村山談話を含め歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」と言っても誰も信用しないのではないだろうか、と憐みをもって聞いてしまった昨日の安倍晋三首相の伊勢神宮参拝後の年頭の記者会見。
 
もっともその会見の内容は特に目新しいものはなかったのだが、相変わらず経済最優先の立場から原発再稼働の姿勢は崩さなかった。
 
昨年の総選挙により延命を実現した安倍内閣であったが、あと1年半ほどで運転期限を超える原発の廃炉がスケジュールの乗ってきた。
 
<老朽原発:5基、廃炉へ 月内にも地元協議 電力4社>
 毎日新聞 2015年01月03日 東京朝刊
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 関西電力、中国電力、九州電力、日本原子力発電は、2016年7月時点で40年の運転期限を超える原発5基の廃炉に向け、月内にも立地自治体の理解を得るための協議に入る。多額の費用がかかる運転延長は採算が合わないと判断、3月末までに廃炉を正式に決定し、老朽原発以外の早期再稼働を優先する。廃炉になれば、立地地域の経済が打撃を受けかねないため、政府は補助金の拡充などで立地自治体を支援する。
 13年7月施行の改正原子炉等規制法で原発の運転期間が40年に制限されたが、原子力規制委員会の認可を得れば、最長20年の延長ができる。施行から3年間の猶予期間が設けられており、16年7月時点で40年を超える7基が最初に運転期限を迎える。延長する場合、設備の劣化状態を調べる「特別点検」を実施し、運転期限の1年前までに規制委に申請する必要がある。
 7基のうち、廃炉に向けた地元協議に入るのは、関電美浜原発1、2号機(福井県)▽中国電島根1号機(島根県)▽九電玄海1号機(佐賀県)▽日本原電敦賀1号機(福井県)--の5基。関電高浜原発1、2号機(福井県)は運転延長を目指し、昨年12月から特別点検を始めている。
 5基は日本の原子力開発の先駆けで、1970年に営業運転を開始した日本原電敦賀1号機は、普通の水を冷却材などに使う軽水炉としては国内初の商業用原発。しかし、5基の発電能力は34万〜56万キロワットで、現在主流の100万キロワット級より小さい。運転延長に必要な安全対策には1000億円規模の費用がかかる見込みで、再稼働してももとが取れるかわからない。審査も厳しくなりそうで、「期限の16年7月までにクリアするのは困難」(電力大手幹部)との見方が強まった。
 原発依存度低減を掲げる政府も、老朽原発の廃炉の早期判断を促している。ただ、廃炉になって原発の資産価値がゼロになると、1基当たり210億円程度の損失が発生し、電力会社の財務が悪化する。このため政府は、損失を10年程度に分割し、電気料金で回収する会計制度を導入する。
 一方、営業運転が終了すれば、原発立地自治体は、国からの「電源立地地域対策交付金」や電力会社からの固定資産税収入、原発の定期検査などに携わる雇用を失う。政府は15年度予算で、原発立地地域の産業を育成するための補助金を拡充し、地域経済の原発依存からの脱却を支援する方針。各社は政府の支援策を見極め、立地自治体と廃炉に向けた調整を進める考えだ。廃炉方針が決まった場合、代替電源の確保などに向け、原発を建て替える議論が進む可能性もある。【中井正裕、浜中慎哉、寺田剛、加藤小夜】
 
ところで、昨年の9月頃に「安倍首相にも「在特会」との親密写真が! 自民党とヘイト団体の蜜月」と騒がれていたが、その時の親密写真がこれであった。
 
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当時、国会で在特会元幹部とのツーショット写真について追及を受けた際は「極めて失礼だ 何の証拠で在特会と親しいと言ってるんだ!?」と逆ギレしていたが、在特会と親しいと言わざるを得ない証拠が明らかになった。 
 
<安倍首相が嫌韓反中、在特会を持ち上げるヘイト出版社の本を大量購入!>
 2015.01.05 リテラ
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 安倍首相がヘイト出版社のヘイト本を大量購入していた──。へイト団体やレイシストとの関係がさんざん取沙汰されてきた安倍晋三首相に、こんな新たな疑惑がもちあがっている。年明け、ネット上に安倍首相の政治団体「晋和会」の2011年度政治資金収支報告書がアップされたのだが、そこに以下のような書籍購入記録が記載されていたのだ。
「(株)産業経済新聞社 716,320円 H23/3/30」
「(株)産業経済新聞社 355,200 円 H23/12/27」
「ワック(株) 436,590円 H23/6/20」
「ワック(株) 405,405円 H23/10/21」
「(株)青林堂  195,930円 H23/7/19」
 3社あわせて210万9千445円。この年の書籍費合計が約222万円なので、9割以上を占めることになる。本サイトも総務省のホームページで公開されている収支報告書を確認したが、これは間違いなく公的な記録だ。なぜ、特定の出版社からだけ、かくも大量に書籍を直接購入しているのか。しかも、問題なのはその出版社の顔ぶれだ。
 まあ、産経新聞社は新聞、雑誌の「正論」ともに超タカ派路線をとっており、これまで一貫して安倍首相の応援団的役割を演じてきたので、今さら説明の必要はないだろう。しかし、残りの2つの出版社については、正直、驚きを禁じ得ない。
 たとえば、ワックは花田紀凱が編集長をつとめる「WiLL」の発行元だが、この「WiLL」は侵略戦争肯定や従軍慰安婦否定などの歴史修正主義的主張だけでなく、ヘイトスピーチまがいの嫌韓・反中記事を毎号のように掲載している極右雑誌なのだ。たとえば、毎号の見出しにはこんな吐き気をもよおすような文言がズラリと並んでいる。
「哀れな三等国、韓国!」「世界中で嫌われる韓国人とシナ人」「恥知らぬ韓国とは国交断絶」「韓国人は世界一の嘘吐き民族だ!」「何と哀れな国民か 韓国人でなくてよかった」「韓国こそ世界一の売春輸出大国だ」「去勢しないと性犯罪を抑えられない国」……。
 雑誌だけではない。単行本や新書も嫌韓・反中本のオンパレードだ。
『醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!』(古田博司)、『ほんとうは、「日韓併合」が韓国を救った!』(松木國俊)、『あの「中国の狂気」は、どこから来るのか』(金文学)、『「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』(馬淵睦夫)、『虚言と虚飾の国・韓国』(呉善花)……。
 ワック以上にすごいのは、青林堂だ。昨年秋、韓国人や中国人へのジェノサイドまでを主張するヘイト団体・在特会の桜井誠と、大阪市長・橋下徹の面談がテレビ放映され、その際に桜井の著書『大嫌韓時代』が大写しされていたが、青林堂はこの『大嫌韓時代』の発行元なのである。
 いや、同書だけではない。同じく桜井の著書『在特会とは「在日特権を許さない市民の会」の省略です!』をはじめ、青林堂は在特会関係者やレイシストの書籍を次々に出版している。
「「反日日本人」による「反日外国人」のための優遇政策が進行中」というコピーが大書された在特会のイデオローグ・村田春樹の著書「『日本乗っ取りはまず地方から! 恐るべき自治基本条例!』、在特会元事務局長で「慰安婦は捏造」と訴え続ける「なでしこアクション」代表・山本優美子の『女性が守る日本の誇り 「慰安婦問題」の真実を訴えるなでしこ活動記録』、そして慰安婦像に紙袋をかぶせる差別的パフォーマンスで大顰蹙を買っているトニー・ラマーノの『テキサス親父の「怒れ!罠にかかった日本人」』……。
 また、同社は2011年に「ジャパニズム」(隔月刊)という極右雑誌を創刊しているのだが、この雑誌でも、「中国・コリアに蹂躙される日本社会」「今こそ中・韓の謀略に止めを刺そう!」「日本の敵 中国と韓国」「在日コリアンと犯罪」などの嫌韓・反中記事に加え、在特会・桜井誠をインタビューに対談に、毎号のように登場させている。
「桜井誠氏インタビュー 在特会の真実を、今こそ激白!」(13年10月)
「在特会、京都裁判の真相!」(13年12月)
「「韓国」「在日」と対峙してきた八年間 国民世論を変えた「行動する保守運動」が次に目指すもの」(14年4月)
「桜井誠会長 『嫌韓』が多数派となる『大嫌韓時代』の到来」(14年10月)
 いわば、青林堂は在特会やヘイト勢力のPR出版社といってもいい存在なのだ。そして、安倍首相はこういった出版社から書籍を大量購入していたというわけである。だとすると、安倍首相はこういう差別と陰謀論丸出しのヘイト本をむさぼり読んで、「そうだ! 嘘つきチョンはぶち殺せ!」「韓国の女はみんな売春婦だ!」などと叫んでいたのだろうか。
 まあ、安倍首相の嗜好や教養のなさを考えれば、その可能性もゼロではないが、しかし、たんに自分が読むためだけにしては金額が大きすぎる。しかも、出版社から直接買ったというのも不自然だ。そのへんを考えると、もっと蓋然性の高い購入理由が考えられる。それは、自分のPRのためのまとめ買いだ。
 安倍の政治団体が書籍を大量購入した2011年というのは、腹痛で首相の座を放り出し、謹慎状態だった安倍が東日本大震災の混乱に乗じて、政権返り咲きのために政治活動を再開、再びメディアに露出し始めた時期である。
 そんな中で大々的に安倍のことを取り上げたのがこの3社が発行する雑誌だった。産経新聞社の「正論」は11年3月号で、安倍と下村博文現文科相との対談「教育改革の後退を許すな」をはじめ、安倍待望論を何回も掲載している。
 「WiLL」も11年7月号で「震災復興 私ならこうやる」という安倍のインタビュー、そして政治評論家・三宅久之の「安倍晋三元総理 再登板待望論」を掲載。11年11月号でも、「正気ですか? 野田さん!」というタイトルで野田批判を語らせている。
 そして、2011年6月に発売された「ジャパニズム02」にも 「安倍晋三の逆襲…元内閣総理大臣 安倍晋三」と題されたインタビュー記事が堂々と掲載されている。
 おそらく、安倍事務所はこうした自分のインタビューや称賛記事が掲載された雑誌を大量購入して、支持者や関係企業に配りまくったのではないだろうか。
 しかしだとすれば、たんにヘイト本を大量購入したというより、もっと悪質といえるだろう。安倍はこれまで雑誌に対しては必ず自身の味方になるメディア、自身の思想と合致するメディアだけを選別し、インタビューに応じてきた。つまり、安倍はこんなヘイトスピーチまがいの中国・韓国差別を叫び、在特会をPRするような出版社を支持し、自分のインタビューを発信する場所にふさわしいと考えていたということだ。
 しかも、まとめ買いという事実を考えると、両者の間にはもっと深い関係があることも考えられる。政治家のインタビューというのは、もともとまとめ買いを約束した上で、政治家と出版社が組んで仕掛けることが多い。安倍は当時からヘイト出版社と一体化していた可能性も十分あるだろう。
 安倍首相は昨年秋、国会で在特会元幹部とのツーショット写真について追及を受けた際、「極めて失礼だ! 何の証拠で在特会と親しいと言ってるんだ!?」と逆ギレしていたが、こうした過去のメディアとのつきあい方を見れば、少なくとも在特会的な排外思想をよしとしてきたことは言い逃れできない事実だろう。
 そして、ヘイト出版社の扱いを見れば、安倍晋三という政治家が、桜井誠と同種の“ネトウヨスター”であることもよくわかるというものだ。
(エンジョウトオル)
 
野党第一党の民主党が、国会前の重要な時に代表選にエネルギーを消費してしまい本気で安倍政権と戦う気がないことが明らかになった今、今月からの通常国会は安倍晋三首相の独壇場(独断!)となってしまう可能性が大きい。
 
しかし国際的にも人種差別の極みであるヘイトスピーチは厳しく批判されている中で、へイト団体やレイシストとの関係があらためて公になれば、安倍晋三の命取りにもなりかねず、外務省が画策している5月連休の安倍晋三の訪米などできるわけがない、とオジサンは思う。 

 
posted by 定年オジサン at 11:46| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月05日

今年は弱者切り捨てが露骨になってくる

今回総選挙の自民党の絶対得票率は、比例代表選挙で16.99%、 小選挙区で24.49%に過ぎない!」にもかかわらず、「国民の皆様から力強いご支持をいただいた」とか「我々にはお約束したことを進めていく義務がある」と昨年の12月15日の総選挙後に平然と嘯いていた安倍晋三首相。
 
そして新年の挨拶では、
 
信任という大きな力を得て、今年はさらに大胆にスピード感を持って改革を推し進める。日本の将来を見据えた改革断行の一年にしたい
早期に実施し、成長戦略を果断に実行する。今年も経済最優先で政権運営に当たり、景気回復の温かい風を全国津々浦々に届ける
 
と言っていたのだが、正月の4日間はどんな暮らしをしていたのか。
 
元旦の午後から東京・六本木のホテル「グランドハイアット東京」に入りそこを拠点として、午後から映画鑑賞、夜はホテル内のステーキハウス「オークドア」で夕食。
 
2日も午後から映画を見て夜はホテル内の日本料理店「旬房」で夕食。 
 
そして3日からは、神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場「スリーハンドレッドクラブ」で経団連の御手洗冨士夫名誉会長、榊原定征会長とゴルフ場密談。夜はホテル内のフランス料理店「THE FRENCH KITCHEN」で食事。
 
4日はまたもや神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場「スリーハンドレッドクラブ」で古森重隆富士フイルムホールディングス会長夫妻とゴルフして夜は場所を替えて横浜市栄区の日本料理店「九つ井本店」で古森同社会長夫妻と食事してようやく東京・富ケ谷の私邸に帰った。
 
安倍晋三首相の接待ゴルフを受けた(?)経団連榊原定征会長は昨年の「政労使会議」での安倍晋三首相の要請に応えるようにNHKニュースでは「経団連会長『ベアも選択肢』賃上げ呼びかけ」などとほざいていたが、ベアは決して選択肢ではなく、収益が拡大した企業に対して従業員全体の基本給などを引き上げるベースアップは労働者からすれば必須の要求であることは言うまでもない。
 
それにしても、体調も「完璧?」で国家の最高権力者として「ゴルフと高級料理」を満喫して何が悪い、と開き直られてしまいそうな安倍晋三の勢いである。 
 
こんな首相の1日を朝から晩まで詳細に伝えてくれる「首相番」の記者には「ご苦労さん」と労いたいのだが、本当はもっと書く記事があるのではないだろうか、と小言を言いたくもなる。
 
贅沢三昧でわが世の春に浸りきっている安倍晋三首相には、こんなことが行われていたなんて知らなのかもしれない。
 
<障害基礎年金 支給停止や減額6割増 10〜13年度>
 2015年1月5日 朝刊 東京新聞
20150105syougaikisonenkin_01.jpg 国の障害基礎年金を受け取っている人が1〜5年ごとの更新時に支給を打ち切られたり、金額を減らされたりするケースが2010〜13年度の4年間で6割増えていたことが4日、分かった。支給実務を担う日本年金機構が開示したデータのうち、10年度以降の分がそろっていた群馬など8県について調べた結果、判明した。
 年金機構は「支給を絞る意図はない」と説明しているが、障害年金の審査をする医師(認定医)や社会保険労務士からは「受給者増加に伴い、機構が支給を抑えようとしているのではないか」との指摘が全国各地で以前から上がっている。障害者の生活を支える年金が恣意(しい)的に減らされている可能性がある。
 170万人以上が受け取る障害基礎年金は、都道府県ごとに置かれている年金機構の事務センターが審査している。年金機構は更新に関するデータを一律に取っておらず、共同通信が情報公開請求したところ、独自に集計している事務センターについて09〜13年度のデータを開示した。
20150105syougaikisonenkin_02.jpg 13年度は千葉、栃木、群馬など17道県のデータがあったが、09年度は4県にとどまっていたため、10年度以降のデータがある秋田、石川、大分など8県について審査件数全体に占める支給停止と減額の割合を調べた。
 10年度の停止と減額の割合は平均2.3%だったが、年々増え続け、13年度は6割増の3.7%となった。中でも岡山県は支給停止だけで12年度に11.5%に達し、10年度から約5倍に増えていた。更新を申請した9人に1人が年金を打ち切られた計算だ。
 <障害基礎年金> 国の障害年金には、加入制度に応じて障害基礎年金と障害厚生年金などがある。身体障害の場合、大半は状態が変動しないため「永久認定」となるが、精神障害や神経、内臓の疾患などでは1〜5年の「有期認定」となり、更新が必要になることが多い。最重度の1級から3級に分かれ、「厚生」は3級でも受けられるが、「基礎」は3級と判定されると、停止になる。支給額は基礎の1級で月8万500円。2級になると月6万4400円に減る。
 
障害基礎年金は既に減額されていたのだが、介護保険については、2015年度の介護報酬改定については、財務省主計局が財政制度等審議会財政制度分科会に提出した社会保障費抑制策の総ざらい的な資料によると、中でも、介護職員の処遇の確実な改善(処遇改善加算の拡充)や在宅サービスの充実等を行いつつ、介護報酬の基本部分の適正化(▲6%程度)が大きな問題となっている。
 
介護福祉ジャーナリストの田中元は昨年「介護職の想いをつなぐ介護職のウェブマガジン」にこんな記事を載せていた。
 
介護報酬マイナス改定がおよぼすものとは?
 衆院総選挙は、与党が3分の2の議席を獲得する圧勝となりました。直後に報道されたのが介護報酬の引き下げです。厚労大臣は記者会見で「引き下げ決定」について否定していますが、財政健全化を強く掲げる政権が基盤を固めたことで、9年ぶりのマイナス改定が現実味を帯びてきたことは間違いありません。
地域によっては深刻な介護資源の不足も 
 仮にマイナス改定が提示された場合、政権側が持ち出すと思われるのが、「景気回復が遅れている中でのさらなる消費増税の延期」という論旨です。つまり、「消費増税が延期された分、プラス改定は我慢してもらう。将来的に増税を進めてプラス改定につなげるのなら、まずは景気回復のためにお金を使うのが先決」という流れで訴えていこうとするでしょう。
 衆院総選挙は、与党が3分の2の議席を獲得する圧勝となりました。直後に報道されたのが介護報酬の引き下げです。厚労大臣は記者会見で「引き下げ決定」について否定していますが、財政健全化を強く掲げる政権が基盤を固めたことで、9年ぶりのマイナス改定が現実味を帯びてきたことは間違いありません。
しかし、この論旨には矛盾があります。マイナス改定となった場合、事業者側は徹底した経営の効率化を図ろうとするでしょう。その結果として、利用者密度が低い地域を対象としたサービスから撤退を図る事業者が出てくるかもしれません。大手としては、加算取得を目当てとするべく、必要な人員体制の抱え込みに入ろうとする場面も増えるでしょう。
 つまり、地域によっては、介護保険によるサービス資源やそれを担う人的資源が足りなくなるわけです。その隙間を担おうとする事業者はいるでしょうが、「苦しくても地域のために」という志のある良心的な事業者は、生き残るのは困難になってくるかもしれません。
 むしろ、地域の窮状につけこんで、制度外の「住まい提供」などで利用者のなけなしの資産を吸い上げようとする悪質なビジネスだけが残ってしまう懸念も生じます。そうした悪疾な事業者を規制するのが地方行政ですが、「背に腹は変えられない」という意識から排除していこうとする姿勢が緩みかねません。 
介護軽視は、経済政策を重視する施策と矛盾
 サービス資源が一気に縮小、あるいは劣悪化した場合、怖いのは「介護保険」そのものへの信頼が揺らぐことです。民間保険であれば、全国どこにいても、どのようなケースでも、一律の給付を行なうことが条項でもきちんと示されます。それが実現できなければ、契約違反とみなされかねません。介護保険も、国民は同じ見方をするのが自然でしょう。
 もし、サービス資源の地域的・質的偏りが進めば、「これでは契約違反だ」と考える利用者も出てくるはずです。そうなれば、「もう介護保険には頼らない。要介護者は家族が面倒みるし、なけなしのお金をためて高くても良質な保険外サービスを使う」という考え方も少しずつ広まっていく可能性があります。
 当然、家族の負担は増え、現役世代が仕事を犠牲にして身内の介護に力を注ぐことになります。なけなしのお金は消費せずに貯めておく志向も強まるでしょう。いずれにしても、これでは経済の好転にはつながりません。国がどんなに経済の活性化にお金を使おうとも、それを活かす基盤が崩れてしまうからです。
その後もマイナス改定が続く最悪のシナリオ
 そして、経済は好転しない→再び消費増税は延期→だからマイナス改定という悪循環は続くことになります。そうした業界に「夢を託そう」とする若い人がいるでしょうか。
 与党は、介護現場の人員確保のために「処遇改善策」には力を入れようとしています。しかし、経営側から見た場合、人を雇うコスト・育成するコストを伸ばすことはできません。職員の賃金を上げるのは当然としても、それを支える土台が揺らいでは、せっかくの処遇改善策の効果も中途半端になるでしょう。国はいつも、社会保障費の費用対効果を気にしますが、皮肉なことに当の国がそのことに無頓着な政策を行おうとしているわけです。
 では、私たちはどうすればいいのか。総選挙は終わりましたが、来年4月には足元の地域のあり方を問う統一地方選があります。総合事業のあり方の問題も含め、地方から再び政治のあり方を問う機会です。今から地元の地方議会などを傍聴しつつ、地方から介護保険を立て直すための礎を築きたいものです。
関連記事:なりふり構わぬ社会保障費の抑制?社会保障あれこれ vol.3
関連記事:報酬改定の先行きに見える厳しさ
関連記事:介護報酬改定 vol.1 来年度からのデイサービスのゆくえ
 
納得いかないのが、財務省が削減の根拠とする、社会福祉法人が営む特別養護老人ホーム(以下、特養)の高収益性ということである。
 
特に特養が黒字分をため込んだ「内部留保」が全体で2兆1000億円に上っていることを問題視する。

収入に対する利益の割合を示す「収支差率」は平均8%で、中小企業の2〜3%の水準まで引き下げるべきだというのが財務省の主張である。
 
チョット待てよ!
 
特養全体でため込んだという内部留保が2兆1000億円多すぎるから介護報酬を削減するというのなら、なんで資本金10億円以上の大企業が保有する内部留保が、前年度からのわずか1年で13兆円積み増し、過去最高の285兆円に達しているにもかかわらず、企業の法人税を減税するのだ。
 
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もちろん内部留保とは「企業の収益から原材料費や人件費などの費用を引いた利益をもとに税金を払い、株主配当など除いて、企業が蓄積したもの」で会計処理上はすべてが現金とは限らず、それをそのまま従業員に配分できる原資ではないと主張している人もいるが、それならば同じ理由がどうして特養などに適用されないのだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:58| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月04日

正月気分もお終い、その前に怒って、見て、聞いて、楽しんで!

関東周辺は年末から年始三が日にかけて好天気に恵まれたが、既に昨日からはUターンラッシュが始まり、昨夜5時頃には東名高速道路上りで43kmというところもあった。
 
多くのサラリーマンは、今日の日曜日は「正月連休のお疲れ休み」という人も多いかもしれない。
 
年末から年始にかけて、一般紙では余り報道されなかったネタをいくつか紹介する。
 
権力を監視するのはメディア? メディアを監視するのは誰?」の中で、特定秘密保護法がらみの発言で物議を醸していた男が、またもや新年早々こんなことを発していた。
 
新年を迎えて〜回顧と展望〜
内閣総理大臣補佐官・参議院議員 礒崎陽輔
・・・前略・・・
一方で、大議論がされたのは、特定秘密保護法でした。この議論は、大きな誤解に基づくマスコミの誤った報道により、想定しない範囲にまで過熱しました。どこの国にも、国家安全保障上の秘密はあり、日本でも、従来、防衛秘密については法律を設けて保護していましたが、その他の秘密については運用で秘密指定をして対処してきました。運用による秘密指定のままだと、国家公務員法の守秘義務違反の罰則しか科すことができないので、新たに法律を設け、秘密漏えいの罰則を国際標準に合わせて引き上げることとしたものです。
 このように、特定秘密保護法は、公務員に対する罰則強化を目的として制定されたものであり、秘密を増やしたり、一般国民への規制を加えたりするものでは、全くありません。それにもかかわらず、「情報」というマスコミがらみの課題であったにしても、なお異常な報道が続いていることについては、遺憾に感じます。
・・・後略・・・
 
まさに安倍晋三首相の本音の代弁なのだが、「誤った報道をした」と名指しで批判されたマスコミ側からの反論は一切ない。
 
平然と人を小馬鹿にしたような発言をすることがお得意なのが、慶応大学教授とは名ばかりの、その実態は大手派遣会社パソナグループ会長であり、「竹中平蔵氏が『朝まで生テレビ』で非正規雇用について熱弁」と報じられた内容がこれ。
 
「日本の正規労働ってのが世界の中で見て異常に保護されているからなんです」
「(実現を目指すなら)正社員をなくしましょうって、やっぱね言わなきゃいけない」
「全員を正社員にしようとしたから大変なことになったんですよ」
 
ところで防衛予算といいながら、どこから見ても戦争ができる軍事予算なのだが、2014年度はおよそ4兆7,838億円だった。
 
その軍事費に匹敵するほどの額が、2001年3月に発生した原発震災による東電が支払った原子力損害賠償で、2014年12月12日現在で約4兆5,104億円にも上っていた。
 
そんな非生産的な原発をまだまだ稼働させたいという電力会社の今年の年賀状。
  

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もっともこんな洒落た年賀状ならもらいたいものである。
 
20150104nengajyou_01.jpg
 
近年の大晦日は3世代の人間が我が家に集まるため、オジサンはNHKの歌番組以外の番組を見るか、朝まで飲酒かのどちらかであった。 
 
そのためある歌手が歌った歌詞が一部で話題になっていたことは知らなかった。

 
NHKの映像は流せないので、2013年の「SUPER SUMMER LIVE2013」をどうぞ。
 


4年前に亡くなった漫才師喜味こいしは生前、こんなことを言っていたという。
 
「芸人は国のためにしゃべるな、目の前のお客さまのためにしゃべれ。そこ間違えたらあかん」
 
もはやこのような気骨のある芸人は絶滅危惧種であり、もしいても日本のテレビには出ることができない。
 
2003年の漫才コンテスト「M-1グランプリ」に出ていきなり準決勝まで進んだ夫婦漫才の「おしどりケン・マコ」。
 
このコンビは2011年の3月11日以来、ファンの子どもたちへの放射能の影響を心配し、マコが原発の取材を始め、東電の記者会見にも頻繁に出席してインターネットで情報発信を続けた。
 
そして3か月後には仕事がゼロになり、オジサンが初めて彼らを見たのは、ある「脱原発集会」だった記憶がある。
 
それに比べれば「安倍様のNHK」と会長が言って憚らない国営放送局の現場がこのようなパフォーマンスを放映したことは一抹の望みを感じさせる。
 
さて「怒って」「見て」「聞いた」あとでは、こんな動画で「楽しんで」もらい、明日からの活力としてほしいと、オジサンは願っている。
   
最初は、今まで誰も見ようとも思わなかった「食器洗浄機の内部」の風景。
 

 
次に、嘘か真かわからない「マジでなんでもできる男、AZOさんのトリック映像」。
 

 
最後に、いままで最もリクエストが多かったザ・ピーナッツの懐かしの映像。
 
   
posted by 定年オジサン at 12:03| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月03日

大手企業は減税、国民はやはり増税か

昨年の総選挙前に自民党から恫喝文書が送りつけられすっかり怖気づいた民放各局は、正月早々、いつもの「おせち番組」を垂れ流していた。
 
テレビ番組欄を見る限り、日本では誰でもがうまい料理を腹一杯食べられる豊かな国であると政府に代わって宣伝しているようである。
 
「危険な安倍政権の元、2015年の日本を憂う」といったタイトルの番組などもはや期待できない時代になった。 
 
ところで、スイスで昨年1月に開かれた「世界経済フォーラム」の総会(ダボス会議)の主要議題は「所得格差の是正」「貧困の解消」だった。
 
格差が、持続的な経済成長や企業の発展にとって大きな足かせになるという認識を世界の政治、経済のリーダーたち、つまり持てる人々がこの問題を重視した意味は小さくない。
 
その翌週、オバマ米大統領が一般教書演説で格差是正にこう言及した。
 
「景気は回復しているが、多くの米国人は生活を向上させるためでなく、生活を維持するために、長時間働かざるを得なくなっている」と最低賃金の引き上げを約束した。
 
すなわち所得格差是正が、国の安定に欠かせないとの考えからだった。
 
こんな話を知っていたのかどうかはしらないが、安倍晋三首相は自ら唱えた「阿呆のミス」ではなく「アベノミクス」の正当性の維持のため、実質賃金が低下していることから意地になって賃上げを経営者団体に強要していたのが、昨年の政労使会議だった。
 
<政労使会議で来春の賃上げを明記。だが他の要請事項は相互に矛盾している>
 2014年12月21日 ニュースの教科書
 政府は2014年12月16日、政府、経済団体、労働団体の代表らが、雇用や賃金について話し合う政労使会議を開催した。会議では合意文書がまとめられ、「経済界は、賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図る」と明記された。来年の春闘における賃上げは確実となったが、他の要請事項との兼ね合いから、賃上げ幅がどの程度になるのかは不透明な状況だ。
20141229seirousikaigi.jpg 政労使会議は、昨年度は5回開催され、今年度と同様、ベースアップの実施など、賃上げと雇用拡大に関する合意文書が作成された。今年の春闘では、久々に賃上げが実施されたが、その直接的なきっかけとなったのがこの政労使会議である。
 本来、従業員の待遇は労使間の交渉で決定すべきものだが、日本の企業や労働組合は機能不全を起こしており、政府が介入しないと、意思決定できない状態となっている。現在の日本では、政労使会議が実質的な労使交渉の場となっている。
 安倍政権の最大の課題は、物価の上昇ペースに賃金が追い付いていない状況を改善することである。今回の政労使会議において賃上げが明記されることはほぼ確実だったが、問題は賃上げの幅である。衆院選で勝利したこともあり、政権側は財界に対して、大幅な賃金上昇を求めることになるだろう。
 政府による事実上の強制とはいえ、賃金が大幅に上昇すれば、個人消費の拡大と物価上昇が進む可能性が高い。2年で2%という目標達成は難しいものの、目標値には一歩近づくことになる。
 だが政労使会議では、中小企業対策という観点から、下請け企業に対する価格配慮も求めている。また、政労使会議とは別に、公的年金改革を通じて企業に対してROE(自己資本利益率)の向上や配当の強化についても政府は強く要請している。
 ROEを向上させるためには、利益率を高くする必要があるが、これは、下請けへの価格配慮と賃上要請とは完全に矛盾する。配当強化も同様である。
 つまり政府は企業に対して、複数の矛盾する要請を行っていることになり、企業側は結果として、もっともラクな部分を犠牲にする可能性が高い。
 賃上げを実施しない場合、政府や世論から批判されることになるので、これを選択する可能性は低い。だが現状では賃上げ幅をなるだけ低く抑えようという意向が働いてしまうだろう。ROEの向上策については、これを実施しない場合、公的年金による投資対象からはずされる可能性があるので、保身を考える経営者としては選択しにくいはずだ。
 最終的には下請けへの価格配慮が犠牲になる可能性が高いと考えられる。また正社員の採用抑制と非正規社員の増加という形で調整する可能性もある。
 相互に矛盾する政策はどこかに綻びが出てしまうことになる。賃上げ、下請け配慮、公的年金という3つのファクターにおける一種のババ抜きゲームである。
 
簡単に、「従業員の待遇は労使間の交渉で決定すべきものだが、日本の企業や労働組合は機能不全を起こしており、政府が介入しないと、意思決定できない状態」と断定してしまうことには違和感を感じてしまう。
 
このような機能不全状態に至るまでには様々な要因があるのだが、もっとも大きな原因は、戦後日本の高度経済成長を支えた「終身雇用」「年功序列賃金」「企業内労働組合」の3つの要素の内、「終身雇用」と「年功序列賃金」を経済界が破壊したことである。
 
自己申告による「目標管理制度」の元、成果主義により各人の賃金が決められてしまえば、労働組合の出番はなくなり、毎年の春闘で賃上げ交渉していたのが、年齢に応じた賃金テーブルが消滅してしまえば「ベース」が曖昧となり、必然的に「ベースアップ交渉」自体がなくなってしまうということであった。  
 
その結果として、従業員間での賃金格差も生まれている。
 
政労使会議では頓珍漢な発言をしていた安倍晋三首相だったが、税制に関しては明確に大企業優先策を鮮明にしている。 
 
<税制大綱:固まる 法人減税2年で3.29% 中堅企業、負担緩和も>
 毎日新聞 2014年12月29日 東京朝刊
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 自民・公明両党の2015年度税制改正大綱の全容が28日、判明した。経済政策「アベノミクス」の目玉政策と位置付ける法人税の実効税率(標準税率34.62%、東京都は35.64%)は、15年度に2.51%引き下げる。さらに16年度までの2年間で計3.29%以上の引き下げを目指す方針。税率下げに必要な財源を確保するため、赤字法人にも課税する法人事業税(地方税)の外形標準課税(資本金1億円超が対象)を拡充するが、中堅企業については15年度から2年間、増税額を半分に抑える負担緩和策を導入。賃上げ企業の税負担を軽減する制度も新設・拡充する。【横田愛、宇都宮裕一】
 自民・公明両党は28日夜、東京都内で与党税制協議会を開き、大綱の最終案について協議。法人減税を通じて企業の賃上げの動きを後押しし、消費回復で経済成長を軌道に乗せる方針で一致した。
 最大の焦点の法人実効税率は15年度に2.51%下げ、16年度も0.78%以上下げ、合計の下げ幅を3.3%近くまで広げる。1.5兆円程度の代替財源が必要になる計算だが、外形標準課税を2年連続で拡充することなどで確保できる財源は現時点で1.2兆円程度。財源の上積みが今後の課題となる。
 外形標準課税は事業規模に応じて課税する仕組みで、給与総額やオフィス賃料などに基づいて税額を計算する。与党内から「中堅企業への負担増を軽減すべきだ」との声が上がったため、一定の事業規模を下回る企業を対象に負担緩和策を導入。外形標準課税の税額が前年度より増えた場合、その半額を免除する。
 企業に賃上げを促す税制も新設・拡充する。新たに一定以上の賃上げを行った企業を対象に、賃上げ相当分を外形標準課税の納税額から差し引ける制度を新設。国税の法人税で賃上げ企業を優遇する「所得拡大促進税制」も適用要件を一部緩和し、企業の賃上げ意欲を引き出す構えだ。
 一方、自民、公明両党は28日の協議で、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率については衆院選の両党共通公約を踏襲し、税制改正大綱で「17年度からの導入を目指す」との文言を盛り込む方針を確認した。二輪車所有者が毎年払う軽自動車税の引き上げ時期は、予定していた15年4月から先送りする方向だ。
 
企業だけの減税対策というのは法人税減税だけではなく、国民には馴染みがない「賃上げ促進税の制」要件を緩和してさらに企業に手厚い減税策となる。 
 
<賃上げ減税、要件緩和へ 一部たばこ軽減廃止 与党税調方針>
 2014年12月29日05時00分 朝日新聞DIGITAL
2014genzeipattern.jpg 自民・公明両党の税制調査会は28日、来年度税制改正で、賃上げなどで給与総額を増やした企業を減税する「賃上げ促進税制」の要件を緩める方針を決めた。法人減税は、穴埋め増税を上回る「先行減税」とすることも両党間で確認した。安倍政権が企業に求める賃上げを後押しする狙いだ。
 ともに30日に決める与党税制改正大綱に盛り込む。
 賃上げ促進税制は、企業が基準年度の2012年度に比べて給与総額を一定程度増やすなどした場合、増えた額の1割を法人税から差し引く仕組み。13、14年度は2%増で対象になったが、企業に継続的な賃上げを求めるため、15年度は3%増、16、17年度は5%増が条件になっている。
 税制改正では、着実に賃上げする企業を対象にするため、16年度の条件を「4%増」に下げ、15〜17年度に1%ずつ給与総額を増やしていれば対象にする。さらに中小企業は、15〜17年度は一貫して「3%増」とした。15年度以降は、12年度比で3%増やした給与総額を維持すればよくなる。
 たばこ税も一部見直す。たばこ専売時代から「3級品」として低価格で売られてきた「わかば」「エコー」などの紙巻きたばこは、特例で税率が半分ほどに軽減されているが、4〜5年かけて段階的に軽減をやめる。自国製品の特別扱いを禁じた世界貿易機関(WTO)の協定を踏まえて是正が求められていた。
 危険ドラッグ対策の一環では、関税法を改正して、原料となる指定薬物を「輸入を禁じる貨物」に追加する。これまでは税関が発見しても輸入を不許可にするだけで、厚生労働省や警察などに通報していた。今回の追加で税関が自ら没収・廃棄したり、主体的に調査したりできるようになる。
 28日夜の与党税制協議会では、こうした内容や「先行減税」を確認した。終了後、野田毅・自民党税調会長は記者団に「思い切って下げる。ぜひ賃上げなどに回してほしい」と語った。
 (相原亮、池尻和生、吉川啓一郎)
 ■税制改正方針の主な検討結果
<賃上げ促進> 給与総額を増やした企業に減税する要件を16年度から緩和
<たばこ税> 「エコー」など一部たばこの特例税率を段階的に廃止
<危険ドラッグ対策> 違法指定薬物を見つけたら税関で没収・廃棄できる
<法人税改革> 外形標準課税の増税で、一定規模以下の企業の負担増を軽減
<エコカー減税の見直し> 減税幅を取得税3→5段階、重量税3→4段階に
 
そして昨年末、国民が大晦日と正月の準備に忙しい時に、明らかな格差拡大税制が決定した。 
 
<税制大綱:決定 潤う大企業・富裕層 賃上げや消費促す>
 毎日新聞 2014年12月31日 東京朝刊
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 自民、公明両党は30日、2015年度与党税制改正大綱を決定した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の柱と位置付ける法人税改革では、企業のもうけ(所得)にかかる法人実効税率を15年度から段階的に引き下げる。家計向けでは、高齢者の資産を子や孫に移し、住宅購入や育児などに活用してもらうため、贈与税の非課税制度を大幅に拡充。企業、家計向けの減税で賃上げや消費拡大などを促し、「デフレ脱却」を後押しする考えだ。ただ、好業績企業や富裕層への優遇が目立っており、減税の効果が幅広い層に波及するかは見通せない。(3面にクローズアップ、4面に関連記事、6面に特集)
 与党の2015年度税制改正大綱は、法人税改革を目玉にする一方、暮らしに関わる税制で減税メニューを並べた。とりわけ、高齢者の資産を若い世代に移す際の贈与税を大幅に軽くするなど、富裕層への優遇が目立つ。
 祖父母や親が、子や孫にお金を贈った場合の贈与税の非課税制度を拡充する。住宅資金については、非課税枠(現行1000万円)を16年10月から最大3000万円に拡大する。教育にかかるお金を贈った場合、1500万円まで非課税とする措置も18年度末まで延長。新たに、結婚や出産、育児にかかるお金も1000万円を上限に非課税の対象に加える。
 また、株式などへの投資で得た利益への所得税を軽くする「少額投資非課税制度」(NISA)に、子供版の「ジュニアNISA」を新設する。子どもや孫の名義での年80万円までの投資について、運用益に課税しない。贈与や投資への減税について政府は「子育ての時期にあたり、いろいろな意味でお金がかかる若い世代に(高齢者から)資産が移転すれば、消費を喚起する」(麻生太郎財務相)としている。ただ、子や孫にまとまったお金を贈る余裕のない高齢者は、拡充のメリットを受けられない。
 4月の消費税率引き上げ後、低迷している住宅市場のてこ入れ策としては、17年末に期限を迎える住宅ローン減税を1年半延長することを決めた。17年4月の消費税率10%への引き上げ後の落ち込みを避けることも目指す。
 この他、自動車販売の下支えとエコカー普及のため、燃費の良い車を対象にした「エコカー減税」を、燃費基準を厳しくした上で延長。軽自動車税も新たに適用対象に加える。
・・・後略・・・
 
「高齢者の資産を若い世代に移す際の贈与税を大幅に軽くする」という政策は単に資産の移動に過ぎず、富裕層は子孫まで続くことを意味する。
 
子や孫に住宅資金として3000万円も贈与するなんて、普通の国民感情からは想像もつかない。
 
もっとも、80歳を超えた高齢者ならば、自分の余命を考えれば数千万円も残して死んでしまうと、相続問題が発生するので存命中に非課税対象額の贈与をするということには、他人は文句が付けられない。
 
しかし現実は減税対象の拡充のメリットを受けられない「子や孫にまとまったお金を贈る余裕のない高齢者」が大半以上を占めている中で、低所得年金受給者への給付金は見送られている。
   
安倍政権の延命に手を貸してしまったツケは今後もますます増大していくのではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月02日

権力を監視するのはメディア? メディアを監視するのは誰?


年末の29日から娘一家4人が大量の荷物とともにオジサンの家にやってきて、大晦日には息子夫婦が到着し、いつもは2人しかいなかった我が家が一気に8人になってしまった。
 
元旦の午後には小雪がちらつく中を、来た時よりも増えた荷物を車に積んで娘一家は次の目的地である夫の実家目指して去って行った。
 
そして息子夫婦も仕事の関係で遅い朝食を取って去って行った。
 
この間はツイッター情報をチェックしていなかったが、トンデモないツイッターが流れていたのに気が付いた。 
 


問題だらけの内容には多くの批判が起きていた。 






最後のツイターの「報道機関が為政者と馴れ合いになっているのは、報道機関ではありません」と真っ当な指摘だったが、創生「日本」の事務局次長でもある旧自治省出身の礒崎陽輔内閣総理大臣補佐官の発言は、まさに安倍晋三首相の本音でもある。
 
この男は2年前にも特定秘密保護法に関して問題ツイッターをして物議を醸した人物である。 
 
これに対しては国内大手マスメディアは完全に無視しているようだ。
 
安倍晋三とメディア首脳との会食会と称する酒食饗宴は以前から問題になっていたが、もっとも精力的に報道しているのが共産党機関紙の「赤旗」である。   
 
年末にも「安倍政権のメディア戦略 幹部とは会食 現場には恫喝 政権べったりの社を選別 突出する『読売』、フジテレビ」と名指しして、今までの癒着ぶりを報道していた。
 
内容的には既に明らかになっているものもあるので、ここではメモ的に掲げておく。
 
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古賀茂明が日刊ゲンダイで書いていたように、今年は「改革せず戦争する安倍政権止める勢力」を市民が中心になってメディアも監視しながら作っていかなければならないようである、とオジサンは思う。

 
posted by 定年オジサン at 11:08| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月01日

新しい年を迎えて

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少なくとも、今年は「安倍内閣打倒」がより具体的なテーマになるのではないかと思う。
 
せめて元旦くらいは静かに「つぶやき」も控え、そして英気を養い、明日からは早速つぶやいてみたいと思っています。
 
本年も時間が許す限りの訪問をお待ちしています。


posted by 定年オジサン at 08:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする