2015年02月28日

安倍晋三首相の顔と政権がたるみ、自衛隊はどこでもドアか

今週の衆議院予算委員会の安倍晋三首相の答弁は以前にもまして酷いものだった。
 
野党議員からの政策的な質問に対しては、官僚が作成したルビ付きの答弁書を句読点を無視しながらも、自分の考えを入れずに読んでいた。
 
しかし「糖分と脇が甘過ぎた」ために違法献金問題で首切られた西川公也農水相に関した首相の任命責任を問われ、自らの考えや言葉で答えようとすればするほど何を言っているのかが分からなくなる。
 

   
自民党のかつての総理の中には「言語明瞭意味不明」答弁が得意な御仁がいたが、僅か7分足らずなのだが、安倍晋三首相の答弁内容は「言語不明・意味不明瞭」であり、正直に答えられないという気持ちだけは伝わっていた。
 
チョット前までは「脱法ドラッグ」という言葉がメディアで度々登場していたが、昨年の7月に厚労省が「『脱法ドラッグ』に代わる新呼称名を選定しました」と発表した。
 
しかし政治の世界では依然として「脱法献金」が横行しているが、驚くことに「本人が知らなければ」違法にならないどころか「合法」らしい。 
 
<補助金企業から閣僚に献金 知らなければ「合法」>
 2015年2月28日 朝刊 東京新聞
20150228obatatorio.jpg 望月義夫環境相と上川陽子法相は27日の衆院予算委員会で、国の補助金交付が決まっていた企業から2013年、それぞれが代表を務める自民党支部で献金を受けていたことを明らかにした。寄付を受ける政治家が補助金の交付決定を知っていれば違法となる恐れがあるが、知らなければ法的には問題はない。外国人献金はそのような事情は関係なく、受ければ違法となるだけに、制度が大きく異なる。 (生島章弘)
 望月、上川両氏の政党支部に献金したのは静岡市の大手物流会社「鈴与」。2013年3月、国土交通省の「広域物資拠点施設整備補助金」(4200万円)の交付が決まり、その後一年間の政治献金は政治資金規正法で禁じられた。
 国の補助金を受けた企業による政治献金が一定期間禁じられるのは、税金を使った事業をめぐり、政治家が利益誘導に走ることを避ける狙いがある。戦後に疑獄事件が相次いで「政治とカネ」に関する国民の不信が高まったことを背景に、1975年の政治資金規正法改正で導入された。
 総務省によると、法改正に際し、企業活動をすべて把握するのは難しいと判断。献金を受ける側は、補助金交付を事前に知らなければ違法にならないという規定になったという。
 一方、規正法は外国の勢力が国政に影響を与えることのないよう外国人の寄付は禁止している。補助金を受けた企業の献金とは異なり外国人と知らなかったという事情は考慮されない。
 27日の予算委で、望月氏は、鈴与から2013年に受けた献金額は140万円で、今月26日に返金したと説明。上川氏は計60万円で、今後の対応については「しっかり調査する」と述べた。
 両氏は鈴与の補助金交付決定について「知らなかった」と答えた。望月氏は鈴与役員が自身の後援会長だと認めたが、事前に知り得る立場にあったのではないかという見方は否定した。
 民主党の後藤祐一氏は鈴与が13年、環境省からも補助金を交付されていると指摘。望月氏は「国ではなく(環境省所管の)一般社団法人が交付決定を行っている」として、法的な問題はないと主張した。
 
厳密な法律論からはこれらの「脱法献金」受け取りグループの一斉検挙は難しいのだろうが、国民から負託された国会議員の中でもより責任の重い閣僚たちには、遵法精神と共に高い倫理観や道徳観求められることは言うまでもない。
 
そして日本の子どもたちに愛国教育の重要性を主張してきた文部科学大臣は、「偽装後援会」からの闇献金を長年受け取ってきており、「言っていることとやっていることがちがう」と批判されている。 
 
<不正献金の下村文科相、日本の子どもに愛国心強制しながら息子は小学校から英国へ>
 2015.02.27 LITERA
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 本サイトの予想どおり「週刊文春」(文藝春秋)で違法献金を報道された下村博文文科相だが、本人は強気の姿勢を崩していない。「法のルールに則って処理している」と強弁し、文春の報道を「一方的な誹謗中傷」と決めつけ、追及した民主党議員に「非常に失礼なことを言いましたね。訂正してください」と逆ギレする始末。
 だが、下村大臣の金集めは明らかに違法だ。政治団体の届け出をしていない全国6団体以上の後援会で金を集めさせ、その団体から講演料などを裏金として受け取っていた。さらに、この後援会「博友会」には逮捕歴や実刑判決を受けている複数の暴力団関係者まで入り込んでいた。そんな真っ黒な状況で潔白を主張するのだから、下村大臣の神経の図太さには唖然とさせられるではないか。
 しかし、二枚舌を駆使して、表の顔と裏の顔を使い分け、言ってることとやってることがまったくちがうのが、この政治家の特徴なのだ。
 それは、下村大臣がライフワークと自認する教育政策にまさに表れている。安倍首相のオトモダチで、ゴリゴリの右派である下村氏は、これまで一貫して愛国教育の重要性を主張してきた。
 教育勅語にある「よく忠に励みよく孝を尽くし、国中の全ての者がみな心一つにして」という意味の文言を「日本の国柄を表している」と絶賛し、「万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気を奮い一身を捧げ」の部分を「わが国が危機にあった時、みんなで国を守っていくという姿勢は当たり前」と述べたこともある。
 実際、第二次安倍政権の文科相として、その愛国心教育を徹底する政策を次々と打ち出してきた。2013年には「教科書改革実行プラン」を発表し、愛国心を養うなど教育基本法の趣旨に反した教科書は不合格とする、検定申請時に教科書会社が編集方針をまとめて文科省に提出する書類にどの程度教育基本法の趣旨を反映しているかを明示させる、などの方針を打ち出した。
 さらに、2014年には道徳を「特別の教科」へと格上げし、真っ赤な嘘であることがわかっている「江戸しぐさ」やアパルトヘイトを称賛する曽野綾子を取り上げた「私たちの道徳」を教材として学校に配布した。しかも、この道徳の教材を、学校に置きっぱなしにせずうちに持ち帰っているか調査させる通知まで出した。
 まさに、「私」を捨て、その身を「国」に捧げることのできる日本人を育てようとしているわけだが、しかし、その下村大臣は自分の子どもにはまったくちがう教育を受けさせている。なんと、長男は小学校からずっとイギリスの学校に通い、今もイギリスの大学で学んでいるのだ。
 下村大臣は著書『下村博文の教育立国論』(河出書房新社)で、その事実を自ら明かしている。というか、美談として自慢げに語っている。同書によると、下村大臣の長男は小学校4年のときにディスレクシア(学習障害)であることがわかったのだという。そこで、下村氏が学習障害に合った教育支援に取り組み、学習障害を差別せずに社会全体で受け止めているイギリスに着目。小学6年生からウェールズ州の全寮制の学校に入れることを決める。
 その結果、長男はコンプレックスから解放され、のびのびと自分の才能を発揮できる場所を見つけ、ロンドンの美術大学(University Arts of London)に進学。今はこんな夢を語るまでになったという。
「自分の考えを絵にしたい。絵なら自分を表現できるし、人に自分の考えを伝えられる。コミュニケーションもとれる。絵やイラストレーションで、とくにファッションをいうコンテンツに絞って、生計を立てていきたい」
 言っておくが、長男をイギリスに留学させた、そのこと自体を責めているわけではない。むしろ、ひとりひとりの個性を尊重するイギリスの自由な教育に出会った結果、長男が学習障害を乗り越えたのは、とても喜ばしいと思う。
 下村大臣が問題なのは、自分の子どもにはそういう機会を与えながら、日本では真逆の教育政策を進めていることだ。今、安倍政権下で下村大臣がやろうとしているのは、教科書改革実行プランなどに見られる国家主義的な「思想統制」、?道徳の教科化に見られる新保守主義的な「人格統制」、?全国学力テストの学校別結果公表や大学入試改革に見られる成果主義的な「教育統制」、学校現場・教職員の管理主義的な「行政的統制」……ひとりひとりの個性にあった居場所を見つけさせるどころか、国家による統制教育と管理なのだ。
 しかも、下村大臣は「江戸しぐさ」や「親学」などのトンデモ理論の旗ふり役もつとめている。とくに親学は “子どもを産んだら母親が傍にいて育てないと発達障害になる。だから仕事をせずに家にいろ”という科学的にはなんの根拠もないことをふりかざす差別的な教育理論だが、下村大臣はこの親学推進議員連盟の事務局長まで務め、2012年5月のブログ(現在は削除済み)では、〈そもそも発達障害にならないためには、赤ちゃんの時からテレビを見せ続けないことや、これまでの伝統的育児をすることだが、今の若い親はそういう方法を知らないし教えられていない〉と発言。「障害者差別だ」という批判コメントが殺到して大炎上したこともある。
 自分の子どもは親元から離れたイギリスにやって、自由な教育を受けさせたことで障害を乗り越えたのに、日本では親がそばにいないと発達障害になると脅し、根拠のない江戸しぐさを強制しているのである。
 言っていることとやっていることがちがうのは、こうした点だけではない。
 下村大臣は同書の中で「貧困家庭の子供は教育を受けられない。ディスレクシアやできない子のレッテルが貼られる」といい、さまざまな子どもがそれぞれの事情に応じて教育を受けられる制度の整備、そして貧困が生み出す教育格差をなくすことを主張している。
 その言やよしだが、しかしこれも、下村文科相が今、教育行政でやっていることはまったく逆なのだ。小中一貫教育の制度化、塾や教育産業の学校経営促進、さらには公立学校の運営を民間に委託する計画まで。ようするに、公教育は最低限にとどめ、充実した教育を受けたければ金を払え、といわんばかりの教育改革を推し進め、「教育機会の制度的格差」をさらにエスカレートさせているのである。
 そして、裏ではこの制度格差化で恩恵を得る塾や教育産業から、違法な団体を使って献金をかき集める──。これが下村大臣のやっていることなのだ。これでは「教育を食い物にしている」と批判されるのも当然だろう。
 こんな文部科学大臣はすぐにでも退場してほしいものだが、官邸は西川農水相のケースとはちがい、下村文科相のことはなんとしてでも守る方針のようだ。
「安倍首相にとって、下村さんがもっとも親しいオトモダチであることはもちろんですが、もうひとつは、安倍首相自身にも同様の政治団体の届け出をしていない『安晋会』という後援会組織の疑惑があるからです。下村さんを辞任させたら、自分にも飛び火しかねない。この疑惑はメディアへの圧力を総動員して、つぶしにかかるでしょう」(全国紙政治部記者)
「週刊文春」は来週、第2弾を用意しているともいわれているが、新聞・テレビははたして圧力に屈せずに疑惑追及ができるのだろうか。これはもしかすると、日本の教育の未来にとって分水嶺になるかもしれない。
(野尻民夫)
 
自分の子どもを海外留学させることはその親の財力と教育方針なのであり、決して法に背いているわけではない。
 
さらに学習障害の我が子を、「ひとりひとりの個性にあった居場所を見つけさせる」ために英国に留学させたというのなら、慶大在学中に同女子大生をレイプしてその事実隠蔽のためロンドンに偽装留学したといわれている小泉純一郎よりははるかにましである。
 
しかし、現実は「国家による統制教育と管理」に熱心な姿勢は「貧困が生み出す教育格差をなくす」という主張とは全く逆なのでありそれが批判される所以である。 
 
ところで「自衛隊よさらば、いつでもどこでも誰とでも」のつぶやきの中で「『文官統制』廃止へ法案 制服組、立場対等に」という記事を紹介し、まさに「制服組とうとう本音丸出しに」状態になったのだが、その批判に対して戦争を知らずに大人になった昔の子どもは「中谷防衛相 文官統制 規定廃止批判に反論」と不満だらけだった。
 
しかし現在与党内協議では、政府は自衛隊の活動範囲を限りなく拡大しようとすでに画策している。 
 
<安保法制協議 周辺以外で船舶検査>
 2015年2月28日 朝刊 東京新聞
20150228jiieitainokakudai.jpg 政府は27日、安全保障法制整備に関する自民、公明両党の与党協議で、自衛隊による民間船舶の検査活動を日本周辺以外の世界各地でも可能にしたいと提案した。自衛隊の邦人救出では、領域国の同意を前提に拘束された人質の奪還作戦も含め検討すると提示。前回までの協議も含め、海外での自衛隊の活動を限りなく拡大させようとしている。
 船舶検査法は、周辺事態でのみ検査ができると定める。積み荷を確認して、経済制裁や軍事物資の運搬禁止などをする。憲法九条が禁じる武力行使にあたらないよう、武器を用いた強制的検査は行わず、国連安全保障理事会の決議か、船舶の旗国の同意を得て船長の承諾を必要とする。
 政府は27日の協議で「国際社会の平和と安定」を目的に、世界中で可能にすると提案。武力紛争が発生していなければ、船長が承諾しなくても武器を使って強制的にできるようにすると説明した。自民党は賛成し、「周辺事態でも、強制的にできるようにすべきだ」とも求める意見もあった。公明党は「強制的な検査は困難だ」とした。
 邦人救出では、政府は当該の領域国の同意を条件に在外邦人を輸送・警護するため、海外での武器使用を、正当防衛に当たるとして認められている「自己保存型」だけでなく、「任務遂行型」にすると提案。テロ組織からの人質奪還も検討すると説明した。
 任務遂行型の武器使用は「国や国に準じる組織」に行うと違憲の恐れがある。公明党は「同意した領域国の権力が維持され、国に準じる組織がいないと判断する基準を示すべきだ」と要求。人質奪還検討も「非現実的だ」と反対した。
 
すでに「人質奪還作戦も想定 安保法制 与党協議で政府側」に関しては、自衛隊の機関紙である朝雲新聞がイスラム国事件について、2月12日の記事には「自衛隊が人質を救出できるようにすべきとの国会質問は現実味に欠けている」と書いてあり、自衛隊の救出が非常に難しいことを解説していた。
 
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しかし、自民、公明両党の与党協議では公明党が認められない高いハードルをあえて設定(提案)して、あたかも公明党に譲歩するような形で、自民党の思惑通りの落とし所で決着した、集団的自衛権行使容認の閣議決定した新3要件というまやかしがあった。
 
違法献金していた政治家には「脱法献金」ではなく「危険献金」であり政治家としての政治生命までが脅かされるという状況に追い込まなければ、安倍政権のやりたい放題となり憲法9条改悪前に自衛隊は、本当に「どこでもドア」を開けてしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。  

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2015年02月27日

政権の意向を忖度した最高裁の自殺行為

2011年に東京地裁に提訴して闘った81名のパイロットと84名の客室乗務員ら「JAL整理解雇原告団」は2012年3月の相次ぐ不当判決により、その後は「JAL不当解雇撤回原告団」と名称を変えて、単なる整理解雇ではなく、会社側の真の狙いである「不当労働行為」を全面に押し出して、東京高裁に控訴した。
 
そして、その高裁においては周到に証拠資料と証人を準備して臨み確かな手ごたえを得たにもかかわらず2014年の9月にほとんどが東京地裁の判決の焼き直しのような内容の不当判決だったことから、2014年9月最高裁に上告した。
 
膨大な資料のため最高裁での事務局の調査には1年以上かかるものと予想されていたが、なんと半年もたたずに最高裁からは下記の「常套文句」による門前払いの用紙が送られてきた。 
 
1.上告について
 民事事件について最高裁判所に上告することが許されるのは民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び不備・食い違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。
2.上告受理申立てについて
 本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
 よって裁判官全員一致の意見で、主文の通り決定する。
 
 裁判長裁判官 鬼丸かおる
    裁判官 千葉勝美
    裁判官 小貫芳信
    裁判官 山本康幸
 
ちなみに、最高裁が上告棄却する際の根拠となる民訴法とは下記のとおりである。 
 
■民事訴訟法312条
・判決に憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法の違反があること(1項)
・法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと(2項1号)
・法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと(同項2号)
・日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと(同項2号の2)
・専属管轄に関する規定に違反したこと(特許権等に関する訴えにつき、民事訴訟法6条1項により定まる東京地方裁判所か大阪地方裁判所かの選択を誤った場合を除く)(同項3号)
・法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと(追認があった場合を除く)(同項4号)・口頭弁論の公開の規定に違反したこと(同項5号)
・判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること(理由の不備・理由の齟齬)(同項6号)
(高等裁判所にする上告の場合)判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があること(3項)
■民事訴訟法318条
 民事で、上告すべき裁判所が最高裁判所である場合は、上告理由がなくても、上告受理の申立てをすることができる。判例違反やその他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、最高裁は、上告審として事件を受理することができ、その場合には上告があったものとみなされる。


原告団のパイロットと客室乗務員は直ちに下記の声明を出した。
 
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日本では三審制が取られており、一審が地方裁判所、控訴審が高等裁判所でさらに最高裁判所に上告することができ、日本国憲法第6章「司法」の第81条にはこう書かれている。
 
【法令審査権と最高裁判所】
 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
 
これによると、全く憲法判断をしない高等裁判所の判決に対して異議を申立て最高裁判所に不服申し立てしても、最高裁は憲法判断を回避して棄却できてしまう、とも解釈できる。
 
若き佐藤高志弁護士は「最高裁判所の審理状況 〜事実上の二審制?〜」という法律コラムの中でこう解説している。 
  
・・・前略・・・
民事事件判決に対する最高裁判所への不服申立方法は,@上告(民事訴訟法311条1項)とA上告受理申立(同法318条1項)の2通りがありますが,その要件は極めて厳しいものです。@の上告理由は同法312条に列挙されていますが,要するに控訴審の判断に憲法違反がある場合や,事件に利害関係のある裁判官が担当してしまった場合等の通常の事件ではまずあり得ないような例外的ケースに限って認められています。裁判所が平成25年7月に公表した第5回「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(以下「本報告書」といいます。)によれば,平成24年に終了した上告事件合計2263件のうち,上告理由があるとして破棄判決がされたのはわずか2件(0.09%)ということですから,これが如何に狭き門かがわかると思います。
 Aの上告受理申立は,同法318条1項に規定されているとおり,控訴審の判断に過去の判例違反や法令解釈に関する重要事項が含まれている場合に例外的に最高裁判所が上告を受理することができるという仕組みになっています。要するに,最高裁判所が「これは最高裁判所として統一的な法令解釈を示した方が良いな。」と考えた場合に限って例外的に認められるということです。平成24年に終了した上告受理申立事件合計2817件のうち,この狭き門を突破して受理されたのはわずかに51件(1.8%)です。その他は裁判所が取り上げるに値しないということで「不受理決定」等により終結しています。いわば門前払いです(ちなみに,上告受理申立事件の半数近くは,最高裁判所が事件記録を受け取ってから3か月以内に不受理決定により門前払いされます。)。
 狭き門を突破して受理されても,その全てで申立人の主張が認められるわけではありません。最高裁判所での審理の結果,上告受理申立理由が容れられて控訴審判決等が破棄されたのは,平成24年に終了した上告受理事件51件のうち36件です。ただし,受理された事件のうち約70%が控訴審判決等を破棄しているわけですから,受理さえされれば逆転の可能性は比較的高いといえます。
 このように,最高裁判所で逆転するというのは確率論でいえば極めて例外的ケースです。当然のことですが,第1審から訴訟活動に全力を尽くすことが極めて重要です。
 
JALの165人の整理解雇という労働組合及び組合役員等を狙い撃ちした不当解雇事件は、会社更生法手続き下の企業には再建が優先されそのためには労働者を自由に解雇できるという、安倍政権が推し進めている労働法制改悪の先取りであった。
 
したがってこのような状況下で首を切られた労働者を裁判闘争によって職場に戻すことは許されないという政権の意向を忖度した最高裁の判断であったと推測できるが、これでは最高裁の自殺行為である。
 
一般の国民は、最高裁判所は「正義の最後の砦」と思っているかもしれないが、幻想に過ぎない。 
 
しかしこんな事例を認めてしまえばますます働きにくい、「物言えば唇寒し労働者」という暗黒の社会になってしまう。

22日日曜日の原告団は集会後に「日本航空は不当解雇を撤回し、165名を職場に戻せ 私たちは不当解雇撤回まで決して諦めず闘います」というアピールを出した。
 
 最高裁は、2月4日と5日の両日、JAL不当解雇撤回の客乗訴訟と乗員訴訟の上告棄却・上告不受理の不当な決定をした。客乗訴訟で4カ月、乗員訴訟では3カ月にも満たない異例の早さでの決定であった。しかも、補充書提出を承知している矢先での決定である。会社更生手続き下での初の解雇事件であることや、管財人(弁護士)の行った不当労働行為事件の行政訴訟が東京高裁で審理されている最中での決定である。また、大阪地裁の客室乗務員の裁判で「解雇無効の判決が出された直後のことである。
この異常な決定は最高裁が判断を放棄したものであり、JAL解雇撤回闘争の拡がりを嫌った意図的・政治的判断でもある。ここに強く抗議する。
JALの職場では、この4年間にパイロット170名が他社に流出して、現在パイロット不足が深刻となっている。客室乗務員も毎年600名前後の流出が続き、すでに2000名が採用されている。にもかかわらず、パイロット81名と客室乗務員84名を職場に戻さない。こうした問題にILO(国際労働機関)は強い関心を持ち、労使協議で解決するよう二度の勧告を出している。JALが自主解決を拒否しているのは、165名の解雇の真の狙いが人員削減に名を借りた労働組合潰しであり、もの言う労働者排除にあったからである。
JALの現場からは“職場が暗い”“人がいない”“勤務がきつい”の声が次々と報告されている。ベテランパイロットや客室乗務員の解雇は世界中に例がないばかりか、職場のモチベーションに悪影響を与えている。165名の不当解雇でJALの安全運航の基盤が崩れてきていることを経営者は認識すべきである。
 この4年余に亙る解雇撤回の闘いを通じて原告団は多くを学んできた。解雇撤回を求めて一人原告で闘う労働者、過労死で息子を亡くされ裁判で闘うご両親、冤罪事件に巻き込まれ闘う青年、すべて社会の不条理を許さない闘いである。JAL不当解雇撤回の闘いは4年余の運動で全国に拡がっている。国際的な連帯も強化されている。私たちの闘いは、労働組合だけでなく、広範な人々の支援によって支えられてきた。裁判が終結しても当解雇に変わりはない。私たちの闘いは人権と雇用を守らせる闘いであり、空の安全を守る闘いでもある。決して譲ることのできない闘いである。
本日、JAL不当解雇撤回原告団として新たな闘いを開始する。不当解雇撤回まで諦めず、団結して闘う決意を確認するとともに、これまで以上のご支援を呼びかけ、闘いの決意とする。

 2015年2月22日
                              JAL不当解雇撤回乗員原告団
                              JAL不当解雇撤回客乗原告団

原告団と多くの支援者は今日は最高裁判所前に結集して抗議行動を起こすことになった。
 
20150227saikousaikougi.jpg 
 
そして明日からは裁判闘争の原告団を卒業したJALのパイロットと客室乗務員たちが、日本航空に対して直接話し合いで解決を求める本来の争議団に対して争議解決まで支援しなければならない、とオジサンは思う。
 
posted by 定年オジサン at 09:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月26日

いつまで続く安倍政権の疑惑のデパート

昨日は「デマをまき散らす安倍晋三と汚染水を垂れ流す東電」の中で、「日本の2大アキレス腱になった感じの『嘘つき安倍晋三』と『隠蔽体質東電』」とつぶやいたが、東電は隠蔽がお得意だが、発覚した汚染水漏れを東電はたしかに世間に対して公表していなかったのだが、原子力規制委員会には報告しており、報告を受けた規制委員会の怠慢プレーでもあったようだ。
  「汚染水漏れ1年以上前報告 規制委、対策指示せず

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実際に汚染水を海洋に漏水させていたことは事実であり、地元の漁業関係者が怒るのは当然である。
 
<流出非公表、東電に憤り 「信頼揺らぐ」 福島第一汚染水>
 2015年2月26日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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漁業者に対し頭を下げる新妻常正・東京電力福島復興本社副代表(中央)。野崎哲・福島県漁連会長(左)は硬い表情を崩さなかった=福島県いわき市
 東京電力福島第一原発から港湾外の海に汚染水が流出していた問題で、地元の福島県からは25日、流出を公表してこなかった東電の姿勢に一斉に反発の声が上がった。建屋周辺の地下水をくみ上げ、浄化後に海に流す「サブドレン計画」の交渉は棚上げに。信頼関係が失われ、廃炉計画に影響する可能性も出てきた。
 福島県漁業協同組合連合会(野崎哲会長)は25日午前、いわき市で組合長会議を開いた。東電幹部が出席、雨が降るたびに排水路の水の放射性物質濃度が高まることを把握しながら公表しなかったことを陳謝した。
 東電が排水路の放射性物質の定期測定を始めたのは昨年4月。8月には、ベータ線を出す放射性物質で通常の10倍以上の1リットルあたり約1500ベクレルを検出した。
 これに対し、漁業者からは「なぜ我々に黙っていたのか」「情報隠しだ」と批判が相次いだ。この日はサブドレン計画について協議する予定だったが、持ち越しとなった。会合後、野崎会長は「東電との信頼関係を揺るがせる事態だ」と記者団に語り、計画をめぐる交渉を凍結する考えを示した。
 県も内堀雅雄知事ら幹部が急きょ対応を協議。内堀知事は「情報の速やかな公表と、その意識の徹底という基本がなされなかったことは極めて遺憾だ」と強い口調で東電を批判した。
 排水路には、2号機の原子炉建屋とつながる「大物搬入口」の屋上にたまった雨水が汚染されて流れ込んだとみられる。東電は、外洋と仕切られた港湾内へ排水路の水を流すポンプの設置などを検討するという。
 菅義偉官房長官は25日午後の記者会見で、流出先の海水での濃度は低い値だとして「港湾外への汚染水の影響は完全にブロックしている。状況はコントロールされている」と強調した。
 ただ、原子力規制委員会にも、検出状況は報告されていなかった。東電は「原因を調べ結果が分かってから公表するつもりだった」と釈明。搬入口が原因と特定できたため24日になって公表したという。規制委の田中俊一委員長は25日の会見で「環境に影響するようなことなら、速やかに発表するべきだ」と指摘した。
 東電は過去にも、放射性物質の分析結果や流出を示すデータを公表せず、批判を招いてきた。サブドレン計画をめぐっても、以前から地下水くみ上げを検討しながら、浄化して海に放出する考えを明らかにしたのは昨年8月。計画は汚染水対策に必要として理解を求めている最中だった。
 ■福島第一原発のデータ公表について東電が批判された例
<2013年6月>
 【内容】5月に岸壁近くの井戸で高濃度の放射性物質を検出。対策開始後の6月まで公表せず
 【東電の説明】測定に不備があり、念のため追加の分析をした
<13年7月>
 【内容】汚染された地下水の海への流出を示すデータを社内で共有できず、流出と判断後も3日間公表せず
 【東電の説明】情報共有が不十分、情報を公表する姿勢も積極的でなかった
<14年1月>
 【内容】港湾内や地下水中のストロンチウム濃度の計測値を半年分公表せず
 【東電の説明】他のデータとつじつまが合わなかった。隠す意図はなかった
<15年2月>
 【内容】2号機搬入口上部のたまり水が流れる排水路で、雨のたびに放射性物質濃度が高まることを把握しながら10カ月公表せず
 【東電の説明】排水路の清掃に目を奪われ、情報公開の観点が欠けていた
 
これまでの世間の批判に対する東電の言い訳は、閣僚が疑惑を追及され辞任する度に「任命責任は私にあり、国民におわび申し上げたい」と陳謝するだけで、その責任を一切取らない安倍晋三首相と根っこは全く同じである。
 
日頃から飼い慣らしているメディアに自らのミスを批判させないで、イスラム国人質事件を政治利用して支持率をアップさせ、盤石に見えた安倍政権。
 
西川公也農水相を脱法献金問題で辞任させて一安心したと思ったが、今度は安倍晋三首相の側近中の側近である下村博文文科相に脱法献金疑惑追及の動きが持ちあがった。
 
実際、下村文科相には以前から、教育産業との癒着が指摘されてきており、2013年には、進学塾や予備校などの関連企業から7年間で1300万円近い献金を受け取っていたことを「赤旗」で報じられた。
 
これら献金企業の中には、小泉政権時代、下村文科相が教育特区担当者として推し進めた規制緩和の恩恵にあずかっていた教育系企業が多数含まれていた。
 
また、見逃せないのは総合教育サービス企業「成基コミュニティグループ」から多額の献金を受けていることである。
 
同グループの代表・佐々木喜一は安倍政権下で下村文科相の担当する教育再生実行会議の委員に抜擢されており、明らかに、利害関係企業からの献金である。
 
さらに、今年はじめには、山口組弘道会系幹部と深い関係にあって、大阪府警からも「暴力団と関係を有している企業」と認定されている土木建築会社からの献金が発覚している。
 
そして遂に疑惑献金ではなく明らかな政治資金規正法違反の疑いが出てきたと週刊文春はスクープした。
 
<下村博文文科相 「無届け後援会」で政治資金規正法違反の疑い>
 2015.02.25 18:00 週刊文春Web
 下村博文氏の後援会が政治団体の届出をしないまま、下村氏の講演会やパーティーを定期的に開いていることが週刊文春の取材でわかった。
下村氏には、「博友会」の名前を冠する後援会が10団体あるが、総務省や都道府県選挙管理委員会に政治団体として届出をしているのは、東京にある博友会のみで、他の近畿博友会や中部博友会などは届出をしていなかった。これらの団体では、定期的に下村氏の講演会や懇親パーティーをホテルで開催しており、近畿博友会では、会費2万円で200人超が参加したという。
政治資金規正法には、<特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体>は政治団体となり、届出をした上で毎年、政治資金収支報告書を提出する必要があると明記されている。
下村事務所は、
「政治団体である博友会(編集部注・東京の博友会のこと)と各地域にある『●●博友会』は、同じ『博友会』という文字を使用していますが関係がありません。
『●●博友会』はあくまでも有志個人の集まりに過ぎず、年に一度程度下村を招いて懇親会をやる程度のことであり、特に他から寄付を受けたりしていることもなく、したがって貴誌が考えるような継続的・組織的に政治活動をしていることはなく貴誌のご指摘とは事実関係が異なります」
政治資金に詳しい神戸学院大学法科大学院の上脇博之教授によれば、
「下村氏はフェイスブックで中部博友会が自身の後援会であることを認めていたり、毎年講演会を開いており、政治団体ではないとの説明は成り立ちません」
政治団体の届出をせず、寄付を受ければ、政治資金規正法違反であり、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金が科せられる。
博友会の現役幹部は週刊文春に対して、講演料名目での資金提供や会費の上納があったとの具体的な証言をしており、下村氏が今後、国会で追及を受けることは必至だ。
 
昨年秋の第2次安倍内閣の辞任した閣僚たちを振り返ってみると・・・・。
 
SMバーと東電株で辞任した宮沢洋一、地検特捜が入る前に証拠隠滅を図ったドリル優子のあだ名をつけられた小渕優子、うちわ騒動で第二の田中真紀子と言われている松島みどり、政治資金問題を抱えた江渡聡徳
  
それ以前にも、公務中に税金でダイビング三昧の石原伸晃、国防そっちのけでASKAの女に異常接近していた小野寺五典などがいた。
  
最近は創業46年になる大手家具メーカーで父娘の骨肉の争いが繰り広げられているが、その内実は外部からは安易には論じられないのだが、自由民主党版疑惑のデパートでも、発達障害が続いている最高責任者に早く引導を渡さないと、有権者という大切なお客を失うのも時間の問題だろうが、多くの国民は一刻も早くそれを願っているであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:32| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月25日

デマをまき散らす安倍晋三と汚染水を垂れ流す東電

民主党政権時代の2012年2月以来、実に3年ぶりに「1強国会、揺らぎ 西川氏辞任、年度内予算成立に暗雲」が立ち込めているのかは定かではないのだが国会の審議が止まった。
 
強気の安倍政権も疑惑閣僚を辞任させてだけで押し切ろうとしたが、本気で野党が共闘してきたり、与党の足もとからも不満の声が出始めたらしい。
 
次年度予算審議を行う衆議院予算委員会では、かつては予算を人質にとって野党が政府を攻めるという構図が普通であった。
 
それが第2次安倍内閣から与党の絶対多数を背景にほとんど紛糾することなしに予算委員会は進んでいた。
 
今回は、さすがに「人質」を見殺しにはできないのだが、安倍晋三首相の自責点ともいえるデマに近かった「日教組ヤジ」で陳謝せざるを得なくなり、ある意味では、政権内の気の緩みが露見というよりは安倍晋三個人の資質の問題が大きく影響しているようである。 
 
<日教組ヤジは氷山の一角…安倍首相こそ「息吐く様に嘘つく」>
 2015年2月24日 日刊ゲンダイ
 <民主党は息を吐く様に嘘をつく>――。かつて自身のフェイスブックにそう書き込んだ安倍首相。この過激な言葉がそっくり我が身にハネ返っている。先週の衆院予算委員会で飛ばした「ヤジ」の説明について、「正確性に欠く発言だった」と事実誤認を認め、訂正に追い込まれた。
 安倍首相は19日の予算委で民主党議員が西川前農相の脱法献金を追及中、突然「日教組はどうするの」とヤジった。翌20日も「日教組は補助金をもらっていて、教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいる」と答弁したが、日教組は国から補助金を受け取っていなければ、教育会館から献金をもらっていた民主党議員もゼロ。安倍首相は国会でデマをまき散らしたようなものである。
 安倍首相にとって今回の騒動は氷山の一角。論理の飛躍や根拠の乏しい情報に基づく誹謗中傷で「政敵」を陥れるのが常套手段だから、タチが悪い。
 ■デマに基づく悪口雑言の数々
 昨年秋の国会質疑中には民主党の枝野幹事長を面罵した。何の脈絡もなく「JR総連」や「JR東労組」から枝野氏が献金をもらっていると指摘。両労組に革マル派の活動家が浸透していることを背景に、両労組と過激派を一緒くたにして論理を飛躍させ、枝野氏が「殺人を行っている団体」から「献金を受け取った」と一方的に断罪した。
 朝日新聞についても、常に根拠を示さず「安倍政権打倒が社是」と繰り返し答弁。拉致交渉にあたった元外務省審議官の田中均氏が13年に毎日新聞紙上で「外国での国際会議などで、日本が極端な右傾化をしているという声が聞こえる」と指摘すると、安倍首相は<田中均局長を通し伝えられた北朝鮮の主張の多くがデタラメ><彼に外交を語る資格はない>とフェイスブックで切り捨てた。
 野党時代の11年5月には自身のメルマガで、福島原発事故の対応をめぐり<海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです>と断言。後にデマだと判明しても、今なお問題のメルマガを削除せず、菅元首相から名誉毀損で訴えられている。
・・・中略・・・
 安倍首相は昨年2月に国会で「ある夕刊紙は私を毎日“人間のくず”と報道している」と答弁。恐らく日刊ゲンダイ本紙を指したのだろうが、これもデマだ。本紙は安倍首相を「ボンクラ」「嘘つき」と評したことはあっても、創刊以来「人間のくず」と報じたことは一度もない。
 
国内では「ボンンクラ」とか「嘘つき」と呼ばれても「体制」には影響がないのだが、海外で「嘘つき」と指摘されるような内容を口走ればその影響は決して少なくはない。
 
2年前の9月7日、オリンピック東京招致委員会が、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたIOC総会で最終プレゼンテーションを行い、最後に立った安倍晋三首相のたどたどしい英語のスピーチのこの発言はいまでも語り草になっている。

とりわけその後大いに問題になった箇所がここである。
 
フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。
 
オジサンは2011年の東電の福島第一原発の大事故以来、「汚染水垂れ流し」について幾度となくつぶやいてきた。
 
2年前の8月には「2年経ってますます酷くなった汚染水事故」、そして2020年東京五輪招致決定後には、「『汚染にキャラメル』では五輪は呼べない」とか、「『お・も・て・な・し』より『あ・と・し・ま・つ』が先だろう」とつぶやいてきた。  
 
最終プレゼンテーションでの安倍晋三首相の「国際的嘘」を取り繕うように政府は年内(2013年)には政府主導で汚染対策を行うと宣言した。 
 
しかし現実には福島第一原発構内の現場では連日多くの下請け労働者が被爆しながら過酷な作業を続けているにもかかわらず、汚染水は一向に減らず海洋への漏洩もしばしば伝えられていた。
 
昨年の今頃、経産省がホームページで「『原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案』が閣議決定されました」と発表した。
 
本日、「原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、当法案を第186 回通常国会に提出いたします。
 本法案は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策について、国が前面に立って、より着実に廃炉を進められるよう支援体制を強化するため、原子力損害賠償支援機構の業務に事故炉の廃炉支援業務を追加する等の措置を講じるものです。
 
そして「国の責務規定等」には、
 
「国の責務規定に、汚染水による環境への悪影響の防止等の環境の保全についての配慮を追加。また、国は、福島第一原子力発電所の汚染水の流出の制御が喫緊の課題であることに鑑み、万全の措置を講ずる旨の附則を規定。」
 
とあらためて明記せざるを得ない状態が続いていたのである。
 
これにより東電は福島第一原発事故の被災者への賠償資金として原子力損害賠償・廃炉等支援機構から747億円の交付を受け取ったと一昨日発表している。
 
資金の交付は37回で累計4兆6867億円となり、東電はこれとは別に政府から原子力損害賠償法に基づく1200億円を受け取っており、総額は4兆8067億円にも上っている。 
  
昨年は汚染水の海洋への漏水問題はほとんどメディアには登場しなかった。
 
それも当然で、東電がその事実をまたもや隠蔽していたからであった。 
 
20150225fukusimaosensui.jpg

 
<汚染水 外洋に垂れ流し 1年前に把握、放置 福島第一>
 2015年2月25日 07時09分 東京新聞
20150225osensuirouei.jpg東京電力が、福島第一原発の排水溝から高濃度の放射性物質を含む水が外洋に漏れ続けるのを放置していたことが24日、分かった。外洋への継続的な漏出を昨年4月に把握しながら公表せず、排水溝を専用港内に付け替えるなどの対策も取っていなかった。(荒井六貴)
 東電によると、昨年4月16日以降、1週間に1回、4本ある排水溝の出口付近で流れる水を採取し、放射性セシウムやストロンチウムなどを分析。当初から4本とも明確に汚染が確認され、特に1〜4号機の山側を通る排水溝(K排水溝)では、ほかよりも一段高い濃度を示していた。
 例えば、昨年8月26日には、1リットル当たりセシウムが1010ベクレル、骨にたまりやすいストロンチウムなどは1500ベクレルと、水としては非常に高い値だった。日常的に、両物質とも数10ベクレル以上のレベルで推移している。流量は1日当たり約1700トンに上る計算になる。2号機の建屋屋根にたまった放射性物質などが雨で流され、溝に入り込んだ可能性がある。
 ほかの排水溝も、K排水溝ほどではないものの、日常的に汚染が確認され、降雨で濃度が上がる同様の傾向を示している。
 東電は、一昨年8月にタンクからの高濃度汚染水漏れを受け、タンク群近くのC排水溝の出口は、水が比較的拡散しにくい専用港内に付け替えた。
 しかし、東電は他の排水溝は対策を取ろうとせず、昨年4月以降のデータを公表しようともしなかった。
 東電は、自社が実施する外洋の濃度測定で、セシウムとストロンチウムなどはほとんどが同一ベクレル以下であるとして、「外洋には影響はない」と説明している。
 東電の小林照明原子力・立地本部長代理は「(排水溝内を清掃するなど)できるだけ放射性物質の濃度を下げるという方策を取ってきた。(漏出防止については)重要な項目であるので、検討を進めたい」と話した。
◆東電、今も続く隠蔽体質
<解説> 東京電力は「福島復興への責任を果たす」と強調する一方で、福島第一原発から高濃度汚染水が漏れ続けているのを知りつつ公表せず、対策を講じようともしなかった。東電の隠蔽(いんぺい)体質は今も続き、福島を裏切り続けていたとも言える。
 海に出た汚染水は、波や潮流で急速に薄まる。海水魚は取り込んだ塩類をどんどん放出するため、淡水魚に比べセシウムなどを体内にためにくいのも事実だ。
 しかし、汚染水は「八」の字形をした原発専用港の中でブロックされているどころか、外洋を直接汚していた。しかも雨のたび通常の100倍の濃度にまで高まる状況。こんな状況を放置していて何も影響が出ない保証はない。
 東電の精度の低いモニタリングでも、原発の南北にある放水口近くの海水から時折、1リットル当たり数ベクレル、高い時には10ベクレルを大きく超える放射性セシウムが検出されてきた。こうしたデータは、海の浄化作用でもカバーしきれない汚染が続いていることを示している。
 せめて問題の排水溝を専用港内に付け替え、港内の海水を浄化する機能を強化しないと、復興に向けて試験操業を続ける地元の漁業者にとっても大きな痛手となりかねない。
 本紙と共同で福島や首都圏各地の放射能汚染調査を続けてきた独協医科大の木村真三准教授は「やはり原発の状況を、東電自身ではなく、第三者がきちんと調べないと、信頼回復につながらないのではないか」と指摘した。(山川剛史)
 
とうとう日本の2大アキレス腱になった感じの「嘘つき安倍晋三」と「隠蔽体質東電」。
 
このアキレス腱が存在する限り、国民は安心して暮らせないことは言うまでもない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:10| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月24日

品性を欠いたヤジがブーメーランとなり強気の姿勢を一変させた?

昨日「日本人が辺野古で米軍に拘束される」の中で、「沖縄県名護市の辺野古での出来事は、本土の大手マスメディアはほとんどがスルー」とつぶやいたが、1日遅れで朝日新聞と毎日新聞は取り上げていた。
 
在日米軍再編:辺野古移設、抗議中に連行 基地敷地内に入った、と 沖縄」の毎日新聞は写真なし、「米軍の拘束、沖縄反発 辺野古移設反対派の抗議活動中 強硬警備、県警も『えっ』」の朝日新聞の写真は沖縄タイムスから借用するという、本土大手マスメディアの鈍感さがよく現れていた。
 
再び、現地メディアの記事を引用する。 
 
<辺野古新基地:山城議長ら「境界線越えてない」と抗議>
 2015年2月24日 06:00 沖縄タイムス
20150224yamasirogichou.jpg
釈放され、支援者の前で礼を述べる沖縄平和運動センターの山城博治議長(右)=23日午後7時46分、名護市東江の名護署前
 名護市辺野古の新基地建設に対する抗議行動のさなか、米軍キャンプ・シュワブに侵入したとして刑事特別法違反の疑いで県警に逮捕されていた沖縄平和運動センターの山城博治議長(62)と男性参加者(63)の2人が23日夜、名護署で釈放された。那覇地検は今後、任意で調べを続ける方針。複数の県警関係者によると、22日の拘束は米軍独自の判断で、県警との事前の調整はなかったという。
 釈放された山城議長は「(提供区域との境界を示す)黄色のラインは越えていない。私は騒ぎを抑えようと、皆にとりあえず下がろうと言っただけ。明らかに不当だ」と抗議した。「集会の日に逮捕というのは、嫌がらせだ。だが、逆に県民の怒りに火を付けた」と強調した。
 名護署前には午前から市民最大約100人が集まり「仲間を返せ」と繰り返し抗議の声を上げた。午後7時45分ごろ、山城議長が署の建物から出てくると、抱き合って喜んだ。山城議長を助けようとして逮捕された谷本大岳さん(63)=宮古島市=もその約15分後に釈放された。「怒りしかない。何が何でも、新基地建設は絶対に止める」と語った。
 一方、複数の県警関係者は米軍による2人拘束について、「寝耳に水だった」「意図は分からない」と語った。フェンス外の境界線を越えたとして刑特法を適用するのも異例だという。抗議行動激化を警戒してリーダー逮捕を避けてきた県警に対し、米軍がいら立ちを強めていた可能性がある。
 名護署は23日、2人を那覇地検に送致。地検が裁判所へ勾留請求せず、釈放した。逃亡や証拠隠滅の恐れがなく、勾留の必要はないと判断したとみられる。
 
那覇地検の釈放は当然すぎる措置なのだが、「県警との事前の調整はなかった」ということは日本政府もまったく関与できなかったということだったらしい。
 
名護市辺野古への新基地建設をめぐって、沖縄は急速に「50年代化」しつつあると指摘されている。
 
1950年代、沖縄では基地建設のため強制的な土地接収が相次いだ。
 
武力で農地を奪われた農民は県内各地を「乞食行脚」し(伊江島)、南米に移民したりした(伊佐浜)。
 
沖縄人民党の幹部は、CIC(米軍民間情報部隊)によって拉致され、CIC本部で裸にされ、騒音と光線の拷問を受けた。
 
「50年代化」とは、辺野古への新基地建設をめぐる最近の動きが、50年代当時の政治状況と似てきた、という意味である。
 
新基地建設のため政府は、県との話し合いを拒否し、関係機関を総動員してしゃにむに工事を進めている。
 
政府の問答無用の姿勢が県民の激しい反発を呼び、抗議行動の高まりが米軍の行き過ぎた対応を招いているのであり、これ以上安倍政権が放置すればますます混乱を深めてしまい、まずは工事を中止することが先決であろう。
 
安倍政権の「我が世の春」を満喫しているらしい安倍晋三首相だが、昨日の衆院予算委員会で維新の党の松木謙公に「首相官邸と同じ敷地内にある公邸になぜ住まないのか」と聞かれ、「自宅の方がゆっくり休める。(官邸まで)15分しか時間がかからず、危機管理対応にほとんど支障がない」と説明していた。
 
また、第1次内閣では公邸に住んでいたことを挙げ、「第2次内閣の方がうまくいっている」とも答えていた。
 
過去の記事を調べると20日の衆院予算委員会でも安倍晋三首相は「私に求められているのは、心身ともに健康を保って大切なときに判断を間違わないことだ」と私邸に住む利点を強調していたらしい。
 
ということは、母親名義の私邸に住んでいる方が、同居の母親のお蔭で「心身ともに健康を保って大切なときに判断を間違わない」とでも言っているようである。
 
ところで2年前の2013年4月の参院予算委員会では、民主党議員のヤジに対して「私が答弁しているのにヤジって良いんですか。テレビをご覧のみなさん、この状況を見てくださいよ」と応酬しており、今月の4日の衆院予算委でも、答弁中に野党議員を名指しし、「黙っていただけますか。もうやめてくださいよ」と牽制していた安倍晋三首相。
 
しかし、砂糖業界の関連企業から西川公也農林水産相側に寄付があった問題について、民主党の玉木雄一郎が19日の衆院予算委員会で「脱法献金だ」と指摘すると「背に腹はかえられない」とばかりに安倍晋三首相は自席から「日教組はやっているよ」などとヤジを飛ばし続けていたことは「不毛な国会と危うい日本の外交」の中で詳述した。
 
そしてようやく自分のヤジの内容が見当はずれであったことを指摘されて、「私の記憶違いによって正確性を欠く発言をしたことは遺憾で訂正する」と発言を撤回し、「不快な念を持った方がいるとすれば申し訳ない」と陳謝した。
 
20150224abeyasitenmatu.jpg
 
思わず、不確かな記憶でヤジらなければならないほど、危うかった西川農相の「脱法献金」だったのだが、その当人は追及に耐えられず辞任してしまった。 
 
<西川農相 辞任 資金問題で引責>
 2015年2月24日 朝刊 東京新聞
20150224nisikawakifukouzou.jpg 西川公也農相(72)=衆院比例北関東=は23日、自身が代表を務める自民党支部が国の補助金を交付された企業から寄付を受けていた政治資金問題の責任を取って、安倍晋三首相に辞表を提出した。首相は了承し、後任に林芳正前農相を充てた。第二次安倍内閣発足以降、閣僚辞任は昨年秋の臨時国会の小渕優子前経済産業相、松島みどり前法相に続いて3人目となる。西川氏を含め、いずれも「政治とカネ」問題を理由に、2国会続けて閣僚が辞任する事態となった。
 西川氏は辞表を提出後、官邸で記者団に「内閣に迷惑をかけてはいけない」と説明。政治資金問題については「法律に触れることは全くない」「いくら説明しても、分からない人は分からない」と主張した。
 首相は辞任を了承後、記者団に「任命責任は私にある。国民におわびを申し上げたい」と陳謝した。
 西川氏をめぐっては、代表を務める自民党栃木県第2選挙区支部が2013年7月、国の補助金交付が決まっていた砂糖メーカーの団体「精糖工業会」(東京都)が運営するビル管理会社「精糖工業会館」(同)から100万円の寄付を受けていた。砂糖は環太平洋連携協定(TPP)交渉でコメなどと並び、日本が関税撤廃の例外と位置付ける重要5項目の一つ。また同支部は、同様に国の補助金交付が決まっていた栃木県内の木材加工会社からも12年9月、300万円の寄付を受けていた。
 政治資金規正法は国から補助金を受ける会社に対し、交付決定通知から1年間、政党などへの寄付を禁じている。西川氏は交付決定を知らなかったなどとして、違法性を否定していた。
 
またもやというのか、なぜか農水相はこれまでも「政治とカネ」の疑惑で辞任などに至るケースが繰り返されてきた。
 
第1次安倍政権下の2007年には、松岡利勝の資金管理団体が、電気代や水道代、家賃のかからない議員会館を事務所としているにもかかわらず、年間計数1000万円の事務所費や光熱水費を計上していることが発覚し、国会で追及を受けた。松岡利勝は5月に自殺した。
 
同年7月、後任の赤城徳彦に事務所費問題が発覚。参院選惨敗後の8月、辞任に追い込まれた。さらに遠藤武彦も、自身が組合長を務める農業共済組合の補助金不正受給問題で在任わずか8日間で辞任。首相の安倍晋三はその9日後、辞任を表明したという歴史がある。
 
■2000年代以降の農水相の主な疑惑(敬称略)
 氏名   就任期間        疑惑の概要とその後
 大島理森 02年9月〜03年3月 元秘書の金銭疑惑、辞任
 松岡利勝 06年9月〜07年5月 事務所費、自殺
 赤城徳彦 07年6月〜8月    事務所費、辞任
 遠藤武彦 07年8月〜9月    補助金不正受給、辞任
 太田誠一 08年8月〜9月    事務所費、事故米問題の責任で辞任
 
2日前に「玉木議員は刺し違えてでも西川農水相の首を取りに行くべきだ」とけしかけて元外交官の天木直人は、西川農相の辞任について「西川農水相の突然の辞任に驚く」の中で独自の解説をしていた。
 
・・・前略・・・
それにしても安倍首相は大きな間違いをした。
何があっても西川農水相に留任を厳命して強行突破すべきだった
民主党や野党が騒ごうが知らん顔をして抑え込むべきだった
今の安倍独裁政権ならやろうとすれば何でもできたはずだ
世論は、嘘か本当か知らないけれど、5割以上が安倍内閣を支持していることになっているのだから、怖くないはずだ。
一瞬の弱気が、すべてを逆回転させることになる。
しかし、今度は辞めるわけにはいかない
健康状態は絶好調らしいから、二度と同じ手口は使えない。
最後まで任期をまっとうしてもらって、すべての懸案を解決してもらわねばならない。
国民はそれを見届けなければいけない(了)
 
弱気にならずに何が何でも政権にしがみ付けとでも言っているようであるが、世論調査では決して「5割以上が安倍内閣を支持していること」にはなっておらず、西川農水相の「脱法献金」は説明して済む話ではなく、安倍晋三首相は8年前の農水相連続辞任劇を思い出したのであろう。
 
昨年の総選挙で「自公の与党が過半数を制し、灰色閣僚たちも地元で『みそぎを受けた』ので留任するというのは、余りにも有権者をバカにしている」と昨年の総選挙後につぶやいたが、そのツケが今頃になって現れた。 
 
驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し」と安倍政権の最終章の幕開けになるかもしれない、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:16| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月23日

日本人が辺野古で米軍に拘束される

昨日までは朝起きた時の室温は10℃以下だったが、今朝は10℃を超えていた。
 
文字通り「三寒四温の候」になってきた。
 
首都圏では今日の最高気温が19℃まで上がると予報されていた。
 
しかし日本の南の島では、それどころではない出来事が起きている。
 
在京大手紙が揃って報道していた日本最西端の沖縄県与那国町(与那国島)で昨日行われた陸上自衛隊の部隊配備について賛否を問う住民投票の結果。
      
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政府広報紙は「抑止力強化に追い風…陸自配備『賛成』過半数」と諸手を挙げた歓迎ぶりで、政府忖度紙も同じような論調で「自衛隊配備『賛成』多数 沖縄・与那国の住民投票」と結果の報道が中心である。
 
この町の当日有権者数は1276人(うち中学生以上の未成年96人)で、投票率は85.74%だったが実際には開票結果に法的拘束力はないため、防衛省は南西諸島の防衛強化を目的に、2015年度末までにレーダー施設を配置し、沿岸監視部隊員約150人規模を配備する計画を進めすでに町有地の賃貸借契約が済み、昨春には造成工事も始まっているという。 
 
しかし人口約1500人の町よりもはるかに大きくより本土に近い沖縄県名護市の辺野古での出来事は、本土の大手マスメディアはほとんどがスルーしており、東京新聞だけは「米軍、反対派2人拘束 辺野古移設の抗議集会前」と伝えていた。
  
やはり地元紙は昨日の無謀な行為には黙ってはいない。 
 
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<米軍が市民3人拘束 辺野古中止訴え集会>
 2015年2月22日 琉球新報
 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対しようと、県選出・出身野党国会議員や県議会与党5会派などでつくる「止めよう辺野古新基地建設実行委員会」は22日午後1時から、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で県民集会「国の横暴・工事強行に抗議する県民集会」を開催した。
 辺野古で県民集会が開かれるのは翁長雄志知事が建設阻止を公約に掲げて当選し、就任した2014年12月以降初めて。午後0時50分までに約2千人が集まっており、「県民の意向を無視した作業強行は許さない」「海上作業は中止しろ」などと声を上げ、作業を強行する政府に怒りの拳を上げた。
 同日午前10時から予定されていた海上行動は悪天候のため中止された。ゲート前では午前7時前から市民らが抗議行動を展開していたが、道路上での抗議行動を排除しようとする機動隊と断続的に衝突。米軍の警備員とみられる者に沖縄平和運動センターの山城議長ら3人が一時拘束された。正午現在、山城議長ら2人が基地内に拘束されている。
 日本政府は14年11月の県知事選や衆議院議員選挙などを受け一時中断していた海上作業を、ことし1月15日に再開。浮具(フロート)などのアンカー(重り)としてコンクリート製の「トンブロック」(10〜45トン)を海底に設置するなど準備を進めている。シュワブのゲート前や海上では、抗議する市民らと警察官や海上保安官とのもみ合いが激化し、市民らからけが人も出ている。
 翁長知事は今月16日、「トンブロック」がサンゴを傷付けていることから、防衛局に設置作業の停止と設置したブロックを移動しないよう指示。防衛局は後に「トンブロック」を新設しない方針を示したが、ゲート前のテントの撤去要求を出すなど、作業を強行する姿勢は崩していない。
 ゲート前には、県民集会を前に「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」が出す貸し切りバスなどが続々と到着した。
 
当日は多くのフリージャーナリストや支援団体が集まっていたが、辺野古通信の現場写真が以下の2枚である。
 
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無抵抗の沖縄県人を見せしめ的に拘束しようとしている。
 
現地で取材していたフリジャーナリストの田中龍作も生々しく状況を伝えていた。 
 
<【辺野古発】米軍 道路の境界線越えただけの反対派リ−ダーを拘束>
 2015年2月22日 19:41 田中龍作ジャーナル
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山城議長らの拘束について説明を求める国会議員ら。写真左、帽子を被っているのは照屋寛徳衆院議員(沖縄2区)=22日、米軍キャンプシュワブ・ゲート前 写真:筆者=
 
 日本の統治者がバラク・オバマであり、アベシンゾーではないことを改めて認識させられる事件が起きた。
 きょう午前9時頃、米軍キャンプシュワブのゲート前で、辺野古基地の建設強行に反対する抗議活動を平和裡に行っていた、沖縄平和運動センターの山城博治議長らが米軍に拘束されたのである。
 山城議長らが身柄を押さえられた場所は、キャンプシュワブ前を走る国道と米軍の敷地(厳密にはゲート)を隔てる黄色い線より、数十センチ基地側だ。言い方を換えれば、山城議長らは道路を数十センチ、はみ出たに過ぎない。決して柵を越えたりしたのではないのだ
 国道と米軍基地とを隔てる線は、道路上に引かれた何の変哲もない線(写真)で、子供2〜3人が横に並んで歩けば、簡単に越えることになる代物だ。
 酔っぱらったオッサンが千鳥足で歩けば、先ず線をまたぐだろう。要するに注意して歩かない限り、簡単に越えてしまうのだ。
 山城議長らの身柄を直接取り押さえたのは、米軍のセキュリティー(日本人)で、身柄は即、海兵隊に引き渡された。
 
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道路上に引かれた黄色の線(写真・中央)。山城議長らはこの線を数十センチ越えただけだ。=米軍キャンプシュワブ・ゲート前 写真:筆者=
 
 その後、山城議長らは沖縄県警・名護警察署に移送された。
 沖縄県警が山城議長らを拘束しているのは、刑事特別法(※)違反による。在日米軍基地に侵入したという容疑だ。だが基地の敷地とを隔てる道路上の線を越えたというのは、形式犯に過ぎない。
 地元記者によると米軍から山城議長らの身柄を送られた沖縄県警は困惑しているそうだ。道路上の線をまたいだだけの住民を刑事訴追するつもりなどサラサラないからだ。逮捕するかどうかは現時点では未定だ。
 きょうは午後から米軍辺野古基地の建設に反対する県民集会が開かれることになっており、会場のキャンプシュワブ・ゲート前は朝から緊迫した雰囲気が張りつめていた。
 「ヒロジ」の愛称で親しまれる山城議長は基地反対運動のシンボル的存在だ。米軍はヒロジさえ抑えれば反対運動が尻すぼみになるとでも思ったのだろうか?
 山城議長らの手足をつかんで基地内に引きずり込んだセキュリティー(日本人)の身分は、基地従業員。米軍のセキュリティーといえども雇用主は日本政府だ。
 「米軍の土地に入るとは何ごとかっ!」。アベシンゾーが御主人様の意向を汲んで沖縄の住民を捕まえたのである。

(※)
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法
 
「米軍から山城議長らの身柄を送られた沖縄県警は困惑している」のなら、まだ救いがある。
 
「日米地位協定の実施に伴う刑事特別法」の第2条は、正当な理由なく米軍が使用する施設、または区域に入ることを禁じる規定があり違反した場合、最高で懲役1年である。
 
しかし沖縄平和運動センターの山城博治議長ともう1名はデモ隊に基地境界を示すイエローラインの内側に入らないよう誘導している最中に拘束されたという。
 
明らかに、反対運動の中心人物を狙い撃ちして運動参加者の委縮を目的とした蛮行であろう。 
 
今後住民側の怒りがますます高まれば、いよいよ辺野古の海が血に染まるかもしれない。
 
かつて1960年の安保闘争の時、安倍晋三首相の母方の祖父である岸信介首相は国会を取り囲むデモ隊を排除するため、自衛隊の出動を本気で考え、自衛隊首脳の同意が得られず赤城防衛庁長官に断られたという歴史がある。
 
それから半世紀以上もたって、祖父岸信介首相の悲願であった米軍基地撤退を、孫の安倍晋三首相は、日本から撤退させられないどころかその逆に米軍基地を強化している。
 
祖父岸信介首相でさえ自国民を押さえつけることができなかったのに、孫の安倍晋三首相は官憲によって逮捕させている。
 
あの時、岸信介首相の暴挙に対して体を張って制止した閣僚がいたのに、いまは、ただの一人も安倍晋三首相の暴走を止める者はいない。
 
辺野古の反対派の拘束は、沖縄県民の民意を無視してまで米国に新基地を作ろうとしている安倍政権が本気になって牙をむき出したのかもしれない。
 
今こそ大手マスメディアは体を張ってでも安倍政権の暴走を止めるべく報道をしなければならないのだが、政権恭順メディアにはそれを望むべくもない。
 
このままだと、日本人はイスラム国のテロの前に暴走政権のテロに襲われるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:30| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 普天間問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

自衛隊よさらば、いつでもどこでも誰とでも

かつて「決められない政治」と言われたのは、政府・与党が参議院で過半数を占める事が出来なかった時期であった。
 
第1次安倍内閣時代、2007年7月29日の第21回参議院議員通常選挙で自由民主党の獲得議席数は37議席と第15回参議院議員通常選挙(1989年)以来の歴史的大敗を喫し、1955年結党以来初めて他党に参議院第1党の座を譲ったことから始まった。
 
そこから「ねじれ国会」とよばれる状態になり、第168回国会の所信表明演説を行なった安倍晋三首相が、代表質問が始まる予定の9月12日、緊急記者会見を開いて首相の職を辞するという前代未聞の「突然の職場放棄」を行ったことは多くの国民の記憶に残っている。
 
その後、福田康夫、麻生太郎と自民党内でのたらい回し内閣を経て、2009年の総選挙で民主党に政権が移った。
 
しかし民主党の政権運営の未熟さは早くも馬脚を現し、政権2代目の菅直人首相が唐突な「TPP交渉参加」とか財務省に洗脳された「消費税の増税」を掲げた参議院選挙で敗れ、またもや「ねじれ国会」となる。
 
そのような経緯から2012年の暮れの総選挙でゾンビの如く蘇った安倍晋三は「決められない政治」の民主党政権時代を批判しながら、スピード感をもった政治を推し進めると宣言していた。
 
それは2014年の参議院選挙と昨年暮れの総選挙で衆参両院の過半数を占めることにより憲法以外のすべての法律を成立させることができる独裁的な内閣となった。
 
今年の通常国会では異例の施政方針演説が2月に先送りになったが、2月12日に行われた第189回国会施政方針演説以降、安倍政権の制限速度を上まわる暴走感が露骨になってきた。    
 
昨年12月の総選挙前には2人の日本人のイスラム国による拘束問題を把握しておきながら、ほとんど無視して最悪の事態になったことを奇禍として安全保障法制に拍車がかかってきた。 
 
昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定よりはるか前に、当時の石破幹事長が「自民幹事長『地球の裏側行かない』 集団的自衛権の行使容認で」と当時の高見沢将林官房副長官補が先に地球の裏側への自衛隊派遣の可能性を排除しない考えを示したのを打ち消す狙いの発言をしていたが、中国と抑止力の均衡をはかるため、集団的自衛権の行使対象を米国以外のアジア諸国に広げるべきだとの考えも示していた。
 
そしてその考えが具体的に現れてきた。 
 
<周辺事態法:地理的な制約を撤廃、政府が提案>
 毎日新聞 2015年02月20日 14時14分
 ◇与党協議会 公明、法律からの削除に慎重姿勢
 政府は20日午前、安全保障関連法案の整備に向けた与党協議会で、朝鮮半島有事などで米軍を後方支援するための周辺事態法を改正し、「周辺事態」という事実上の地理的な制約を撤廃する考えを示した。同法を米軍や他国軍を支援する法律に改正したうえで、これとは別に人道支援や復興支援のために自衛隊を派遣する恒久法を制定する。自衛隊を派遣できる範囲が拡大することとなり、派遣時の歯止めをどう確保するかが与党協議の焦点となる。
 政府は、周辺事態は「事態の性質に着目した概念」で、地理的な概念ではないと説明してきたが、「周辺」という言葉を用いているうえ、1999年に当時の小渕恵三首相が国会で「中東やインド洋で起こることは想定されない」と答弁するなど、一定の地理的制約があると考えられてきた。
 与党協議後、自民党の高村正彦副総裁は記者団に「地理的概念と誤解されないように『周辺』は取った方がいいと政府は考えているのではないか」と述べた。
 安保法制の整備に関する昨年7月の閣議決定は、弾道ミサイルの開発などにより、「脅威が世界のどの地域で発生しても、我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る」と明記している。
 政府側は与党に対し、周辺事態法が制定された99年以降、アフガニスタン戦争で、テロ対策特別措置法により自衛隊が派遣されインド洋で多国籍軍への給油を行ったことや、イラク戦争でイラク復興特別措置法により輸送支援を実施した実績を強調。「自衛隊が我が国の平和と安全につながる活動を行う範囲は拡大している」と説明した。
 そのうえで、周辺事態法の冒頭にある目的の規定から「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態など」との文言を削除し、「周辺事態」という表現を変える。
 公明党は、周辺事態法の改正により自衛隊の活動範囲や支援対象を広げることには一定の理解を示す一方、周辺事態を法律から削除することには慎重な姿勢だ。概念の名称が変わる場合でも一定の地理的な制約が残るように求めていく考えだ。同党の北側一雄副代表は協議会冒頭で、「自国防衛のための後方支援と、国際協力での局面は切り分けて議論すべきだ」と語り、改正する周辺事態法は日本の周辺有事のための法律として残すことが望ましいとの考えを示した。【飼手勇介、高本耕太】
 ◇周辺事態法
 朝鮮半島有事や台湾有事を想定し、1999年に成立した。「日本周辺地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態」を周辺事態と規定し、武力行使をする米軍に自衛隊が後方支援をすることができる。政府は、周辺事態を地理的概念ではないと説明してきたが、事実上の地理的制約と考えられてきた。燃料や水などの輸送、補給や負傷者などへの医療行為が可能だが、武器・弾薬の提供や発進準備中の航空機への給油は除外されている。

「自衛隊が我が国の平和と安全につながる活動を行う範囲は拡大している」とことさら強調し、自衛隊が日本だけではなく他国へも派遣され活躍することを願ってやまない安倍政権。
 
しかし安全な国内で最新式の武器を使って行われる演習と称した「戦争ゴッコ」とは異なり、明らかな紛争状態での活動は自衛隊員自身も大いに危険に晒される。
 
それを見越すかのようなこんな動きが直ちに出てくる。 
 
<自民・高村氏 武器使用緩和、新基準を>
 2015年2月22日 朝刊 東京新聞
 安全保障法制整備に関する与党協議の座長を務める自民党の高村正彦副総裁は21日、北九州市で講演し、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の制定をめぐり、自衛隊員の武器使用権限を拡大するため、新たな基準を設ける考えを明らかにした。
 高村氏は恒久法制定に関し、自衛隊員が離れた場所にいる他国兵士らを助ける「駆けつけ警護」での武器使用、任務に対する妨害を排除する「任務遂行のための武器使用」を可能にすべきだとの考えを示した。
 その上で「武器使用を超えて『武力行使』にならないような枠組みをつくる必要がある」と述べた。いずれの武器使用も、過去の海外派遣では認められていない。
 20日の与党協議では、政府側が恒久法に関して自衛隊員の武器使用基準を緩和する方針を示し、公明党から慎重論が出ていた。
 高村氏は「公明党が心配するのはよく分かる。しっかり要望に応えていかなければいけない」と述べ、新基準の策定では公明党の意見に配慮する考えを示した。
 新たな安保政策に関する昨年7月の閣議決定は、国連平和維持活動(PKO)に派遣された自衛官による「駆けつけ警護」「任務遂行のための武器使用」を可能にする方針を示したが、恒久法をめぐる武器使用基準には直接触れていなかった。
 
「武器使用を超えて『武力行使』にならないような枠組みをつくる必要がある」というものの、戦火の他国で複数の自衛隊員が護身のためとして重機関銃を携帯すれば立派な武力部隊と見なされることは誰が見ても明らかである。 
 
「公明党からの慎重論」は決して反対論ではないので最後は「必ず妥協」することも目に見えている。 
 
昨年7月の閣議決定後に行われた記者会見における安倍晋三首相の説明は、時間と共に変質し国民に対する詐欺まがいの行為となんら変わらないようになってきた。 
 
そして遂に極めつけは、戦前回帰現象が現実的になってきたことである。 
 
<「文官統制」廃止へ法案 制服組、立場対等に>
 2015年2月22日 07時09分 東京新聞
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 防衛省が、内部部局(内局)の背広組(文官)が制服組自衛官より優位を保つと解釈される同省設置法12条を改正する方針を固めたことが分かった。自衛隊の部隊運用(作戦)を制服組主体に改める「運用一体化」も改正法案に盛り込む。背広組優位からの転換となり、背広組が制服組をコントロールする「文官統制」の規定が全廃される。制服組や制服OBの国会議員からの強い要求を受け入れた形。
 3月に設置法改正案を通常国会に提出するが、万が一、制服組が暴走しようとした際に、阻止する機能が低下するとの懸念もある。
 設置法12条は、大臣が制服組トップの統合幕僚長や陸海空の幕僚長に指示を出したり、幕僚長の方針を承認したり、一般的な監督をする際に、背広組の官房長や局長が「大臣を補佐する」と規定。これにより「文官統制」ができる仕組みになっていた。改正案では、官房長、局長らは各幕僚長と対等な立場で大臣を補佐すると改める。
 1954年の防衛庁、自衛隊発足時、旧軍が暴走した反省から設けられたのが文官統制だ。制服組の政治への介入を阻むため、文民統制(シビリアンコントロール)が日常的に行われるよう文官が関わる制度で、その要は、内局の局長らが所掌を超えて大臣を直接補佐する参事官を兼ねる「参事官制度」だった。
 しかし、自衛隊の地位向上や国民からの支持増大などを背景に制服組が反発を強め、2004年に参事官制度撤廃を要求し、09年に廃止。制服組は、設置法12条を「背広組が制服組より上位と解釈される」として強く削除を求めていた。
 改正後は、運用面でも「自衛隊の行動の基本」を所掌してきた内局の運用企画局を廃止し、統合幕僚監部(統幕)に一元化。内局が持っていた運用計画を作成して大臣決裁を求める権限が統幕に移行する。作戦計画を文官がチェックする機能が弱体化することに、背広組幹部は反発を強めている。
◆歴史の教訓全否定
<纐纈(こうけつ)厚・山口大教授(政治学)の話> 政府の十分な説明もなく、国民的議論もないままに文官統制を実質無にする案にぼうぜんとする。大胆な恐るべき改悪だ。このまま法律が変われば、文官は軍事的分野に立ち入れなくなり、制服組優位が実質化してしまう。防衛強化の流れの中で非常に不安が大きい。戦前、軍事専門家である軍人に全てを委ね、国民が知らないうちに決定がなされ、戦争に突入してしまった。その反省からつくられた文官統制をほごにするのは、歴史の教訓の全否定につながると考える。
◇防衛省設置法関連条文
 12条 官房長および局長は、その所掌事務に関し、次の事項について防衛大臣を補佐するものとする。
 1 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊または統合幕僚監部に関する各般の方針および基本的な実施計画の作成について防衛大臣の行う統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長または航空幕僚長に対する指示
 2 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊または統合幕僚監部に関する事項に関して幕僚長の作成した方針および基本的な実施計画について防衛大臣の行う承認
 3 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊または統合幕僚監部に関し防衛大臣の行う一般的監督
 
中学生の頃、初めて「シビリアンコントロール」という言葉を耳にした。
 
とても響きが良く、なんだか格好いいことのように思えたことを覚えている。 
 
「文官統制」の廃止とは、言うまでもなくシビリアンコントロールをなくすという事であり憲法9条の精神の否定につながる。
 
昔の自民党内閣時代なら野党の激しい批判を受けて国会が騒然となり内閣が吹っ飛ぶような大問題になったはずである。
 
それにしても、あらたな安保法制に関する国会審議や報道を見ていると、「スピード感をもった政治」どころか戦争を知らないで育った大人たちがここにきて物凄いスピードで驚くような憲法9条否定の政策を次々と既成事実化しようとしていることに危険性を感じる。
 
日本は無謀な海外侵略という帝国主義ゴッコに敗れ、その結果、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とうたった憲法9条が与えられた。
 
これは決して押しつけではなく、コントロール出来なくなった軍隊の横暴を否定する国民の総意でもあった。
 
ところが、自衛隊という「暴力装置」を制御する「文官統制」を廃止するということは、明らかに憲法9条の精神を否定するものであり、憲法9条の歴史的経緯を無視したまったく新しい防衛政策の導入である。
 
まさに憲法9条の外堀を徐々に埋めていきながら「憲法改正原案発議、参院選後が『常識』 首相」といわれる安倍晋三首相は歴史に全く学ばない無知な、その存在自体が憲法9条違反の首相であろう。
 
「歴史に盲目な者は未来にも盲目だ」という故ワイゼッカー独大統領の至言も安倍晋三首相には「馬の耳に念仏」にもならないであろう、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 12:51| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月21日

不毛な国会と危うい日本の外交

月曜日から5日間、家を離れていたため新聞やネット情報から遠ざかっていたので、急いで今週の出来事を振り返ってみた。
 
国会では16日から代表質問と答弁が繰り広げられたが、国会の野党質問中の安倍晋三首相の答弁の練習場面があったらしい。

 
 
別の日の会議では1年前の自分の発言の真意を問いただされたNHK籾井勝人会長の醜態が国民の前に曝け出されれていた。
 
 
 
そして極めつけは、落ち着きがなく他人を責めることは得意でも身内の非を咎められるとすぐにキレテしまう安倍晋三首相の情けない姿が晒されていた。
 
 
安倍首相「日教組!」
玉木議員「総理、ヤジを飛ばさないでください」
玉木議員「いま私、話してますから総理」
玉木議員「ヤジを飛ばさないでください、総理」
玉木議員「これマジメな話ですよ。政治に対する信頼をどう確保するかの話をしてるんですよ」
安倍首相「日教組どうすんだ!日教組!」
大島委員長「いやいや、総理、総理……ちょっと静かに」
安倍首相「日教組どうすんだ!」
大島委員長「いや、総理、ちょ…」
玉木議員「日教組のことなんか私話してないじゃないですか!?」
大島委員長「あのー野次同士のやり取りしないで。総理もちょっと…」
玉木議員「いやとにかく私が、申し上げたいのは…」
玉木議員「もう総理、興奮しないでください」
 
あまりにも子供じみた安倍晋三首相のヤジに対しては「前原元外相ブチ切れ『反省をすべきだよ!』 安倍首相の『日教組やじ』説明に納得せず」という始末であった。 
 
最近では、インターネット上にて「勝ち組クラブ」を主催し、ある人に言わせれば右翼月刊誌らしい小学館の『SAPIO』に記事を連載している、小説家で国際ジャーナリストの落合信彦が、歯に衣着せぬ激しい安倍批判を3月号でしているという。
 
●愚かなリーダー
●カネにものを言わせた「地球儀外交」の末路
●安倍晋三のバカげた功名心が「人質事件」を起こした
●アメリカや中国とはまともな外交が出来ないくせに、小国で歓待されていい気になっているのだから情けない
●この事件の責任は、誰よりも安倍晋三にある
●よりによってイスラエル国旗に前でスピーチした。アラブの敵だと言っているようなものだ。
●安倍よ、頼むからこれから外国旅行で国民の税金だけは使わないでくれ。その金は東北再建のためにつかってくれ。 
 
SAPIO愛読者に多いネトウヨ連中は戸惑っていたようだが、この批判はどれも決して間違ってはいない。
 
残念ながらこのような権力者批判ができない風潮が蔓延ってきたことは、最近のメディアの対応を見れば明らかである。
 
圧倒的に与党が多数を占めている国会では野党からどのような質問を浴びても表面上は興奮する場合もあるが、いまさら身内の閣僚の過去の不祥事では辞任させられることが無いと、平然としているような安倍晋三首相。
  
今夏の終戦記念日にはなんとか歴史に残る談話を残したいと画策している安倍晋三首相は、例によってお仲間を集めた有識者会議と称する「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」(21世紀構想懇談会)という首相の私的諮問機関を設置した。 
 
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16人のメンバーで特に問題なお友達は以下の面々。
 
◆座長代理の北岡伸一・国際大学長
 安倍ブレーンとしてメディアに度々、登場する人物。
 集団的自衛権の行使容認をめぐる有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の座長代理も務め、テレビに出演した際には「歴代内閣の集団的自衛権に関する憲法解釈は間違っている」と主張。自衛隊の活動範囲についても「地球の裏側で行動することは論理的にあり得る。もっと乱暴に言えば、地球の外だってあり得る」と仰天発言し、安倍首相と同様、早期の憲法改正を訴えている。
 
◆中西輝政・京大名誉教授
 第1次安倍政権の「美しい国づくり企画会議」のメンバーを務めたブレーンのひとり。
 「SAPIO」(2月号)では、<戦後70年の今年こそ、日本人は憲法改正に向け長い眠りから目覚めるべき><戦勝国により押しつけられ、主権や軍事力といった国家の基本的バックボーンを放棄した9条と前文がある限り、日本の平和と繁栄を安心して次の世代に受け渡せない>と「歴史修正主義」を訴えるような“タカ派”で知られたトンデモ論客。

◆西原正・平和安全保障研究所理事長
 昨年8月に産経新聞のコラムで「戦後70周年記念は日米で祝おう」と題し、<中国が虚構の『抗日戦勝利』を大仰に祝して日本を貶める戦略を進めているのは明らかだ>との論陣を張っていた。
 13年1月の同じ産経のコラムでは「『河野談話』をより正確なものに」として、<河野談話には、不適切で信憑性が疑われる表現がある>と怒りをあらわにしていた。河野談話をハナから疑っているような人物。
 
◆山田孝男・毎日新聞政治部特別編集委員
 安保法制懇の報告書を受けて、集団的自衛権行使容認の記者会見したその夜に安倍晋三首相と酒食を共にして、祝杯をあげたであろう御用ジャーナリスト。
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安倍談話の内容は想像するに難くないのだが、国民向けのアリバイ的なパフォーマンスであろう。 
 
ところで目を国外に向けると、あまりメディアが取り上げなかった会議が開かれ終わったようである。
 
それは米政府が主催した過激派対策を巡る閣僚級会合であり、過激思想の拡散阻止に向けたほとんど効力のない共同声明を採択し、19日に閉幕した会議である。
 
その内容というのが、オバマ大統領の勇ましい演説で始まり、テロ拡散防止行動計画などという名前が先行するような大げさな対策で、(1)各国の過激派を分析し、その情報を共有する(2)過激派に対抗するための専門知識を深め、戦略を練る(3)地域の宗教指導者や女性の役割を考え、協力を拡大する(4)警察当局との連携を強化するなどとおよそ中・長期的な2次的対策ばかりであり、当面は何も役に立たない代物ばかりである。
 
当然ながら、こんな会議をいくら重ねても、拡散するばかりのイスラム国の攻勢を止めることはできないし、イスラム国対策とは、「テロに屈しない」という呪文を唱えながら、どんなに犠牲が出ようともイスラム国を根絶させるか、製造物責任者である米国がみずからの中東政策、軍事政策の誤りを認めて改めることしかないのだが、米国は誤りを認めず有志国連合の軍事力増強と結束を決める会議になった次第である。
 
驚くべきことに、そんな不毛な会議で、出席した中山外務副大臣は中東やアフリカ諸国のテロ対策支援のために1550万ドルを供与するなどと日本だけが突出して、もはや人道援助という言葉すら消え、イスラム国との戦いのための援助であることをはっきりと表明したわけである。
 
最後に先に紹介した落合信彦の列挙した安倍晋三批判をつなげるとこうなる。
 
カネにものを言わせた「地球儀外交」の末路の結果、愚かなリーダーである安倍晋三のバカげた功名心が「人質事件」を起こした、とオジサンも思う。
 
posted by 定年オジサン at 12:21| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月20日

絶海の孤島「青ヶ島」その5

今日まで家を離れていますので「つぶやき」をお休みしますが、その代わり東京都で最も南に位置する「青ヶ島」から眺めた幻想的な星空を紹介します。 

青ヶ島は東京の南358q、八丈島から68qの洋上、伊豆諸島最南端に位置し、緯度からいえば九州の宮崎県とほぼ同じ。
 
島全体を黒潮暖流の流れに包まれ、年間平均気温では東京はもちろん宮崎県よりもいくらか高く、一年を通じて10〜25℃と温暖な気候である。
 
周囲を高さ50から200メートルの直立する崖に完全に囲まれた絶海の孤島「青ヶ島」。伊豆諸島の中でも最南端、八丈島の南方65キロメートルにある有人島で、人口195人、丸山(オフジサマ) という中央火口丘をカルデラが囲んでいる。
 
約3000年前に大規模なマグマ水蒸気爆発が起こり、その後3000年の間に溶岩流が火口を埋め現在の状態になった。
 
1785年4月18日に発生した天明の大噴火は1ヶ月以上も続き、島民327人のうち約半数が死亡。その後40年間は無人島となる。
 
 
 
【絶海の孤島「青ヶ島」その5】

 
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2015年02月19日

絶海の孤島「青ヶ島」その4

明日の金曜日まで家を離れています。
 
その間は「つぶやき」をお休みしますが、その代わり東京都で最も南に位置する「青ヶ島」を紹介します。 

青ヶ島は東京の南358q、八丈島から68qの洋上、伊豆諸島最南端に位置し、緯度からいえば九州の宮崎県とほぼ同じ。
 
島全体を黒潮暖流の流れに包まれ、年間平均気温では東京はもちろん宮崎県よりもいくらか高く、一年を通じて10〜25℃と温暖な気候である。
 
周囲を高さ50から200メートルの直立する崖に完全に囲まれた絶海の孤島「青ヶ島」。伊豆諸島の中でも最南端、八丈島の南方65キロメートルにある有人島で、人口195人、丸山(オフジサマ) という中央火口丘をカルデラが囲んでいる。
 
約3000年前に大規模なマグマ水蒸気爆発が起こり、その後3000年の間に溶岩流が火口を埋め現在の状態になった。
 
1785年4月18日に発生した天明の大噴火は1ヶ月以上も続き、島民327人のうち約半数が死亡。その後40年間は無人島となる。
 
 
 
【絶海の孤島「青ヶ島」その4】

 
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2015年02月18日

絶海の孤島「青ヶ島」その3

東京の南358q、八丈島から68qの洋上、伊豆諸島最南端に位置する青ヶ島は、緯度からいえば九州の宮崎県とほぼ同じ。
 
島全体を黒潮暖流の流れに包まれ、年間平均気温では東京はもちろん宮崎県よりもいくらか高く、一年を通じて10〜25℃と温暖な気候である。
 
周囲を高さ50から200メートルの直立する崖に完全に囲まれた絶海の孤島「青ヶ島」。伊豆諸島の中でも最南端、八丈島の南方65キロメートルにある有人島で、人口195人、丸山(オフジサマ) という中央火口丘をカルデラが囲んでいる。
 
約3000年前に大規模なマグマ水蒸気爆発が起こり、その後3000年の間に溶岩流が火口を埋め現在の状態になった。
 
1785年4月18日に発生した天明の大噴火は1ヶ月以上も続き、島民327人のうち約半数が死亡。その後40年間は無人島となる。
 
今週は金曜日まで家を離れています。
 
その間は「つぶやき」をお休みしますが、その代わり東京都で最も南に位置する「青ヶ島」を毎日紹介します。 
 
 
【絶海の孤島「青ヶ島」その3】

 
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2015年02月17日

絶海の孤島「青ヶ島」その2

東京の南358q、八丈島から68qの洋上、伊豆諸島最南端に位置する青ヶ島は、緯度からいえば九州の宮崎県とほぼ同じ。
 
島全体を黒潮暖流の流れに包まれ、年間平均気温では東京はもちろん宮崎県よりもいくらか高く、一年を通じて10〜25℃と温暖な気候である。
 
周囲を高さ50から200メートルの直立する崖に完全に囲まれた絶海の孤島「青ヶ島」。伊豆諸島の中でも最南端、八丈島の南方65キロメートルにある有人島で、人口195人、丸山(オフジサマ) という中央火口丘をカルデラが囲んでいる。
 
約3000年前に大規模なマグマ水蒸気爆発が起こり、その後3000年の間に溶岩流が火口を埋め現在の状態になった。
 
1785年4月18日に発生した天明の大噴火は1ヶ月以上も続き、島民327人のうち約半数が死亡。その後40年間は無人島となる。
 
今週は金曜日まで家を離れています。
 
その間は「つぶやき」をお休みしますが、その代わり東京都で最も南に位置する「青ヶ島」を毎日紹介します。 
 
 
【絶海の孤島「青ヶ島」その2】

 
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2015年02月16日

絶海の孤島「青ヶ島」その1

東京の南358q、八丈島から68qの洋上、伊豆諸島最南端に位置する青ヶ島は、緯度からいえば九州の宮崎県とほぼ同じ。
 
島全体を黒潮暖流の流れに包まれ、年間平均気温では東京はもちろん宮崎県よりもいくらか高く、一年を通じて10〜25℃と温暖な気候である。
 
周囲を高さ50から200メートルの直立する崖に完全に囲まれた絶海の孤島「青ヶ島」。伊豆諸島の中でも最南端、八丈島の南方65キロメートルにある有人島で、人口195人、丸山(オフジサマ) という中央火口丘をカルデラが囲んでいる。
 
約3000年前に大規模なマグマ水蒸気爆発が起こり、その後3000年の間に溶岩流が火口を埋め現在の状態になった。
 
1785年4月18日に発生した天明の大噴火は1ヶ月以上も続き、島民327人のうち約半数が死亡。その後40年間は無人島となる。
 
菊池利光村長はこう宣伝している。
 
「わたしたちが住むこの島は、伊豆諸島有人島で最も南に位置しています。江戸時代、天明年間に数度の噴火を起こし、島民200人余りが70q離れた隣島の八丈島へ逃れました。青ヶ島は無人となり、半世紀におよぶ忍従を経て故郷へ島民全員が帰還還住≠果たした歴史があります。
いま、人口170人あまり。全国最小の行政村でありますが、厳しい自然環境のなかで生き抜いてきた先人たちの歴史や文化を色濃く受け継ぎ、「起こし返せ」とさまざまな取り組みを行なっております。
このたび、HPをリニューアルいたしました。島の生活や観光情報など、青ヶ島の魅力を広く発信しています。近くて遠い・・青ヶ島。「青ヶ島」を身近に感じていただける契機になれば幸いです。」
 
この孤島に行く訳ではないのですが、今日から5日間家を離れ、電話、新聞、パソコンから離れた生活をします。
 
その間は「つぶやき」をお休みしますが、その代わり東京都で最も南に位置する「青ヶ島」を毎日紹介します。 
 
 
【絶海の孤島「青ヶ島」その1】

 
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2015年02月15日

口は災いの元、老害作家の哀れ

23歳で文壇デビューし翌年、24歳で「新思潮」同人の三浦朱門と結婚。
 
夫婦ともカトリック信徒ながらも天皇崇拝家。 
 
若い時に旺盛な創作力から才女との評価も得ていた曽野綾子。
 
彼女の放つ言葉の数々は、多くのファンには名言として耳に残るらしく「曽野綾子名言集」などを立ち上げた熱心な人もいる。
 
しかし、その名言も見方を変えれ「迷言・妄言」となり「曽野綾子氏の話題になった発言まとめ」というサイトもある。
 
齢を重ねるごとにその評価も下がり80歳を過ぎれば、困った老害作家に成り下がってしまった感がある。
 
2013年12月24日にはフリーライター武田砂鉄が「『誰かを叩きたい欲求』を誘発し続ける古びた論客」の一人として曽野綾子を評して、その基本テーゼは、
「戦争中に比べれば今はなんて贅沢」
「途上国に比べれば日本は恵まれている」
「若者や女性はなんでも社会に権利を求めるな」

であり、そこから、以下のような考えが出てくると批判していた。
 
「不運や不幸を社会が補償するのが当然だ、というような発想は全く最近のものである。厳密に言うと、今回の事故でも、原発ができる以前からあの土地に住んでいた人はほんとうにお気の毒であった。しかし原発ができた後であの土地に移り住んだ人は、原発を承認して住んだのだから、補償の額も違って当然だろう」
 
「自宅に戻れなくなった地域の人が、(中略)補償として大人から子供まで月十万円の補償を受けるようになった。そのような家の子供が、転居先の町で、タクシーを乗り回していると先日教えてくれる人がいた」 
 
「今、私たちの世代(注:曽野氏は現在82歳)が集まると、社会はどうしてこれほどに、世間を甘やかすようになったのだろう、と言う。若者を甘やかし、年寄りを持ち上げ、障害者の言うことなら何でも正しい、とする。怠け者の貧困さえも人間的なことになったのだ。こんな甘やかしの時代を、私たちは見たこともない」
 
2月11日といえば、世界的には「ネルソン・マンデラが釈放された日」で、今年2015年は25周年(四半世紀)の節目の年です。そのタイミングで「日本の大手新聞のひとつ」が掲載した「名誉白人」的な人種隔離推奨の文章は、ロイターやWSJなど大手報道で世界に知れ渡っています。
 
こんな書き出しで「2月11日付産経新聞掲載の曽野綾子氏の発言が『日本にもアパルトヘイトを』論として英語圏に伝わっている」というまとめサイトが登場した。
 
オジサンもこんなツイッターを見たのだろうが、最初はあまり気にはしていなかった。


しかしその拡散振りは凄まじかった。
 
恥ずかしながらこのような団体の存在も知らなかったのだがアフリカ日本協議会が以下の抗議文を曽野綾子と記事を掲載した産経新聞社常務取締役の飯塚浩彦に送りつけたことから様々な論客も参加、乱入する騒ぎになった。
 
産経新聞 曽野綾子さんのコラムへの抗議文

曽野綾子様
産経新聞社常務取締役 飯塚浩彦様
 
 『産経新聞』2015年2月11日付朝刊7面に掲載された、曽野綾子氏のコラム「労働力不足と移民」は、南アフリカのアパルトヘイト問題や、日本社会における多様なルーツをもつ人々の共生に関心を寄せてきた私たちにとって、看過できない内容を含んでおり、著者の曽野綾子氏およびコラムを掲載した産経新聞社に対して、ここに強く抗議いたします。
 曽野氏はコラムのなかで、高齢者介護を担う労働力不足を緩和するための移民労働者受入れについて述べるなかで、「外国人を理解するために、居住を共にするということは至難の業」であり、「もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」との持論を展開しています。
 「アパルトヘイト」は現地の言葉で「隔離」を意味し、人種ごとに居住区を分けることがすべてのアパルトヘイト政策の根幹にありました。また、アパルトヘイトは、特権をもつ一部の集団が、権利を剥奪された他の集団を、必要なぶんだけ労働力として利用しつつ、居住区は別に指定して自分たちの生活空間から排除するという、労働力管理システムでもありました。移民労働者の導入にからめて「居住区を分ける」ことを提案する曽野氏の主張は、アパルトヘイトの労働力管理システムと同じです。国際社会から「人道に対する罪」と強く非難されてきたアパルトヘイトを擁護し、さらにそれを日本でも導入せよとの曽野氏の主張は言語道断であり、強く抗議いたします。このような考え方は国際社会の一員としても恥ずべきものです。
 おりしも、このコラムが掲載された2015年2月11日は、故ネルソン・マンデラ氏が釈放されて、ちょうど25年目にあたる日でした。その記念すべき日に、南アフリカの人びとが命をかけて勝ち取ったアパルトヘイトの終焉と人種差別のない社会の価値を否定するような文章が社会の公器たる新聞紙上に掲載されたことを、私たちはとても残念に思います。
 曽野綾子氏と産経新聞社には、当該コラムの撤回と、南アフリカの人々への謝罪を求めます。また、このような内容のコラムが掲載されるに至った経緯、および人権や人種差別問題に関する見解を明らかにすることを求めます。以上について、2015年2月28日までに文書でアフリカ日本協議会(AJF)へお知らせくださるようお願いいたします。また、貴社のご対応内容については他の市民団体、在日南アフリカ共和国大使館、国際機関、報道機関などへ公開するつもりであることを申し添えます。
2015年2月13日
(特活)アフリカ日本協議会
代表理事 津山直子 
 
人種問題に関する差別発言は国内のメディアは極めて鈍感だが海外メディアの反応は素早いものがある。
 
REUTERSのタイトルが痛烈ながらも核心を突いていた。
 
Japan PM ex-adviser praises apartheid in embarrassment for Abe」 
 
「安倍首相の非公式顧問」と位置付けしている曽野綾子のコメントにより安倍晋三首相の政策を複雑にするとの政治評論家の話も同時に掲載している。
 
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Japan's Prime Minister Shinzo Abe delivers his policy speech at the lower house of parliament in Tokyo February 12, 2015.
 
そして今度は南アフリカ大使からも産経新聞宛に抗議文が送られた。
 
<産経新聞:曽野氏コラム、南ア大使も抗議文 人種隔離許容>
 毎日新聞 2015年02月14日 22時29分
  産経新聞が掲載した作家の曽野綾子氏のコラムにアパルトヘイト(人種隔離)を許容する内容が含まれているとして、南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使が同紙に抗議文を送っていたことが14日分かった。同紙によると抗議文は13日付。
 問題視されているのは、産経新聞11日付朝刊の「労働力不足と移民」と題したコラム。曽野氏は労働力不足を緩和するための移民受け入れに言及し、「20ー30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」などと書いた。
 同紙によると、ペコ大使は「アパルトヘイトを許容し、美化した。行き過ぎた、恥ずべき提案」と指摘。アパルトヘイトの歴史をひもとき、「政策は人道に対する犯罪。21世紀において正当化されるべきではなく、世界中のどの国でも、肌の色やほかの分類基準によって他者を差別してはならない」としているという。
・・・後略・・・
 
小林毅産経新聞執行役員東京編集局長はこの抗議を受けて、「当該記事は曽野綾子氏の常設コラムで、曽野氏ご本人の意見として掲載しました。コラムについてさまざまなご意見があるのは当然のことと考えております。産経新聞は、一貫してアパルトヘイトはもとより、人種差別などあらゆる差別は許されるものではないとの考えです」と、作家としての言論の自由を尊重する姿勢を見せながら、反対の意見を載せるということなしにその内容を無批判に掲載しているということは、当然産経新聞というメディアの思想性も同じ延長線上にあるのは当然である。

歴史認識の貧困さでは曽野綾子と甲乙を付け難い安倍晋三。

安倍政権との距離感が近い人物のコメントが国際問題になることは、「この問題は、最悪の場合は安倍政権批判につながっていく」と安倍政権の継続を心底から願っている元外交官は、自分のブログで「悪い事は言わない。産経と曽野綾子氏は即刻、全面謝罪すべきだ」と題して、「最悪の政権の下で、最悪のタイミングで、最悪の失言、暴言がなされ、それを最悪のメディアが掲載した。」と嘆いたようであったが、ある意味では、世界中に日本の安倍晋三首相に近い人物の思想的な危うさを発信したことは、決して最悪のタイミングではなく、極右メディアが掲載したことで、最悪の政権が一刻もはやくなくなれば最高のタイミングであっただろう、とオジサンは思う。

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2015年02月14日

メディアが作ったイスラエルに関する10の嘘

日本の近現代史に関しての歴史認識が全く欠落している安倍晋三首相。 
 
極東国際軍事裁判ではA級戦犯被疑者として3年半拘留された母方の祖父である岸信介の名誉回復のため、先の戦争を美化しようと躍起になっている政治屋に、複雑怪奇な中東問題などは難しいだろうな、と思っていたが数日前に「安倍首相の中東の知識は小学生並み? イラクとシリアとトルコの区別もついていない疑惑が…」という記事を読んで合点がいった。
 
もっとも安倍晋三だけを責めるわけにはいかない。 
 
人質事件発生以来、テレビの情報番組に雨後の筍の如く「中東問題専門家」が出席していた。
 
胡散臭い連中も多く、オジサンも独自でネットで調べていたら、こんなサイトにイスラエルに関しての説明があった。 
 
■イスラエルという国
 イスラエルという国は1948年に国連の決議によって建国を認められたユダヤ教徒の国です。どういういきさつで建国に至ったかは中東問題とは?に譲りまして、現在のイスラエルという国を説明させていただきます。
◆ユダヤ教徒(ユダヤ人)
 ユダヤ人とはユダヤ教を信仰している人々の事です。国や人種の名ではありません。ユダヤ教を信仰すれば、あなたも今日からユダヤ人です。
じゃあ、父親がキリスト教徒で母親がユダヤ人から生まれた場合、子供はどっちの宗教徒になるのでしょう。これは、その子供本人がユダヤ教徒にならなければユダヤ人ではありません(つまり強制的にユダヤ人にはされないという事です)。
でも、ナチスはユダヤ人抹殺計画の中で、母親がユダヤ人であればその子供もユダヤ人として、抹殺対象にしていました。
◆イスラエルの国民
 イスラエルの国籍はユダヤ教徒であれば誰でも取得できます。しかも、二重国籍も認められています。離散の民ユダヤ人は移民の国イスラエルに戻ってきましたが、その離散2000年の歴史の中で人種が多様化してしまいました。
つまり、ヨーロッパ系の白人ユダヤ人もいればエチオピアから空輸されてきた(ソロモン作戦)黒人ユダヤ人もいるし、さらに地元アラブ系のユダヤ人もいるのです。ユダヤ教を信仰していればユダヤ人なのです。
・・・中略・・・
◆イスラエルの言葉
イスラエルの公用語はヘブライ語(Hebrew)ですが、場所がらアラビア語(Arabic)も通じます。もちろんアラブの国から移住してきたアラブ系ユダヤ人はアラビア語も話します。この国では英語(English)も使えます。そして、ロシア語やタイ語も通じるかもしれません。
ユダヤ人はヘブライ語を話します。イスラーム系アラブ人はアラビア語を話します。イスラーム系アラブ人とユダヤ人のコミュニティーは分かれています。しかし、労働力としてユダヤ人の社会にいるアラブ人はヘブライ語も話せます。
◆イスラエルの周辺事情
イスラエルは周辺のアラブ諸国と対立しています。でも、最近は対外戦争もなくまあまあ平和なのですが、国内のテロや北のレバノン国境あたりはまだ危険です。
◆イスラエルの国内事情
イスラエルに旅行の際はユダヤ人のバスに乗らないほうが良いでしょう。客として乗り込んだパレスチナゲリラが自爆する危険性があります。自分のカバンなども30秒と放置してはいけません。爆弾と間違われて処理班を呼ばれてしまいます。
こんな時、無敵の日本のパスポートを出してもあまり効果はありません。外国人なのでスパイでは?という目で見られます。 パレスチナ自治区に”入国”するには検問所(国境か!)を通ります。パレスチナ自治区にはイスラエル国防軍が侵攻してくるので、行動する際はそこいらにいる現地のシトに状況を聞いてからにしましょう。
アメリカなどの危険地帯は夜出歩いたらダメだと言われ(多分今も)、運が悪かったら強盗にあってしまいます。しかし、イスラエルの危険地帯(自治区との境、特にパレスチナ側)では強盗はいないのですが、イスラエル兵から実弾を撃ちこまれます。死にたくなければそういう行動は控えましょう。日本のパスポートでも通用しません!
 
おそらくこんな説明が現在では一般的なのかもしれない。 
 
しかし最近見つけたのだが、ベルギ−人ジャ−ナリスト、ミシェル・コロンが、イスラエル正当化のためにメディアが-大衆に信じ込ませた神話について説明し、中東の平和実現のため、世界の人々に、インタ-−ネットなどを使い正しい情報を伝える記者の役目を果たすよう呼びかけている2011/08/04 にアップロードされた動画を紹介してみたい。


 
以下のかなり長めの書き起こしを読めば、イスラエルの実態がより一層はっきりと見えてくるかもしれない。
 
時間的に余裕のある人にはお勧めする。 
 
『イスラエルについて語りましょう』という本の執筆を準備していた時、私は、二人の助手に頼んで、ブリュッセルの通りに出て、イスラエルの歴史と状況について何を知っているか、人々に尋ねてもらいました。
結果は悲惨なものでした。
大衆の無知が存在します。
そして、それは偶然ではないと思います。
60年前から、世界一を誇るヨーロッパのメディアが、大衆に情報を与えていますが、大衆は、最も重要な点を知らされていなかったことがわかります。
これは、メディアを用いた、イスラエルのプロパガンダ作戦であると思います。
私はそれを、イスラエル正当化のためにメディアが広めた10の大嘘、として要約しました。
■メディアによる第一の嘘は、イスラエルが、1940年から1944年のユダヤ人虐殺への反動として作られた、というものです。
これは完全に嘘です。
実際は、それ以前からの植民地計画でした。
1897年のバーゼル会議で決定されました。
ユダヤ民族運動が、パレスチナの植民地化を決定しました。
当時は、植民地主義という言葉を使っても、恥ずかしくはありませんでした。
そして、保護を得るために、当時の強力な植民地保有国に、援助を求めました。
トルコ帝国は関心を示しませんでしたが、大英帝国は非常に関心を持ちました。
なぜならイギリスは、東西に広がるアラブ世界の中央に、植民者を必要としたからです。
彼らは、脅威である大国エジプトを弱体化したいと考え、莫大な利益をもたらしたインドの植民地への通り道である、スエズ運河の支配も望みました。
その後、アメリカがそれを引き継ぎました。
彼らの関心は石油なので、石油の警察官が必要でした。
ですから、イスラエル建国は1944年から45年に始まったものではなくもっと古いもので、それは植民地計画でした。
当時、ヨーロッパの植民地主義列強は、アフリカを菓子を切り分けるように分割していたことを、思い出すべきです。
1885年のベルリンの会議で、イギリス、フランス、ポルトガル、ベルギー、ドイツが、アフリカを、ただの菓子のように分割しました。
アフリカ人は当然、一人もそこに呼ばれていませんでした。
ですから、完全に植民地時代の出来事なのです。
イスラエルは、植民地計画だと言うべきです。
■イスラエルを正当化する第二の神話は、「しかし、ユダヤ人は彼らの国に戻るにすぎない。紀元後70年に、ローマ人から追放されたのだから」というものです。
これも、完全な神話です。
私は、本を書くために、歴史学者シュロモー・サンドにインタビューしました。
彼自身が、イスラエル人の考古学者や歴史学者に話を聞いた結果、全員が、追放は存在しなかった、と言っています。
ですから、帰還も無いのです。
大まかに言えば、人々はあの地にとどまったのです。
そこから移動しませんでした。
もちろん、侵入や移民や混血はありました。
しかし全体的に見て、人々は移動しませんでした。
そこから、二つの滑稽な結果が生じます。
第一の結果とは、イエス・キリストの時代のユダヤ人の子孫は、現在パレスチナに住んでいる人々だということです。
第二の結果は、人々がそれでも国を出たと仮定して、帰還すると言っている人々は誰でしょうか?
実は、彼らは、ヨーロッパ東部や西部や、マグレブ地域の改宗者です。
彼らは様々な時期に、様々な理由で、ユダヤ教に改宗しました。
そして、シュロモー・サンドが言っているように、ユダヤ民族というものは存在しません。
共通の歴史や言語や文化は存在しません。
あるのは宗教だけです。
しかし、宗教は民族ではありません。
キリスト民族やイスラム民族とは言いません。
ですから、ユダヤ民族も存在しません。
■第三の大きな神話とは、「でも、彼らがパレスチナ植民のために居住したのは許せる。なぜならあそこは砂漠で人も住まず、空いた土地だったのだから」というものです。
これも全くの嘘です。
当時の証言があります。
19世紀初期の人の言葉ですが、「パレスチナは麦の大洋だ」と。
作物の栽培が行われ、特にフランスに輸出されていました。
油、石鹸、有名なジャファのオレンジなどです。
ですから、1920年から、植民者のイギリス人に次いで、ユダヤ人がパレスチナに居住しようとした時、パレスチナの農民は、土地を譲ることを拒否しました。
人々は反抗し、集団ストライキやデモが行われ、多くの死者が出ました。
パレスチナにはゲリラさえ存在しました。
ですから、空いた土地どころではなかったのです。
全ては、占領者のイギリス人、次いでシオニストの極めて残忍な弾圧によって、打ち砕かれました。
■それでも、「確かにパレスチナ人はいたけれども、彼らは自分から出て行った」と言う人がいるかもしれません。
これも嘘です。
私は長いことそう信じており、皆この説を信じました。
これがイスラエルの公式説だったのです。
ところがある時、イスラエルの新歴史学者と呼ばれる人々、私がインタビューしたベニー・モリスやパッペなどが、
「そうではない。パレスチナ人は、暴力とテロ行為によって追放された。
土地を空にする目的で、パレスチナ人を強制退去させるための徹底的な作戦が存在した」と主張しました。
ですから、これも完全な神話です。
以上は、歴史に関することです。
イスラエルの歴史に関する嘘です。
私たちに隠されていることを理解することは、非常に重要です。
■次に、現在の状況について言われることは、
「イスラエルは、中東で唯一の民主主義国家であるから、他国に保護される権利がある。イスラエルは正当な国家だ」
というものです。
第一に、イスラエルは正当な国家ではありません。
イスラエルは世界で唯一、憲法が領土の限界を定めない国です。
世界の全ての国の憲法に、領土はここで始まってここで終わる、と書かれています。
私たちの国はそうです。
イスラエルはそうではありません。
なぜなら、イスラエルは、制限の無い拡張計画だからです。
さらに、その憲法は完全に人種差別的で、イスラエルはユダヤ人の国家である、と書かれています。
つまり、それ以外の人は市民以下、人間以下である、ということです。
これは、民主主義の否定であり、憲法の否定です。
ですから、イスラエルは民主主義では全くありません。
イスラエルは、植民地主義、土地の略奪、そして民族浄化です。
これを、民主主義をみなすことはできません。
それでも、イスラエルには、国会もメディアも、NIFの教授の批評もある、と言われるかもしれません。
それは正しい(事実その通り)です。
しかし、国家が土地の略奪に基づく以上、それは、いかにしてさらに盗み続けるかを決めるための、泥棒同士の間の民主主義です。
これは、民主主義ではなく植民地主義であり、独裁に変わりありません。
イスラエルを保護しようとするアメリカは、イスラエルが隣国を攻撃するために、毎年30億ドル分の軍備支援を行っている、と言われています。
アメリカが守ろうとしているのは、中東における民主主義である、と言われます。
しかし、民主主義を守ろうしているためならば、そうだと知れたことでしょう。
なぜなら、サウジアラビア、クェート、暴君ムバラクの恐ろしい独裁政権を敷いたのは、アメリカ人なのです。
彼らはこれら全てを設置しました。
実際は、アメリカがイスラエルに関心を持つのは民主主義ではなく、石油の警察官のためです。
チョムスキーもサミール・アミンなども、よく説明していますが、アメリカは、石油の支配を絶対的に望んでいるので、中東の支配が必要です。
彼らは、彼らの計画に抵抗し、タダで石油を与えようとしない国家を全て、崩壊しようと望み、イラク戦争でも他の侵略でも、それが明らかでした。
とはいえ、アメリカは、気に入らない中東の全ての国を、絶えず攻撃することはできません。
それで、チョムスキーが言うところの、『地区警察官』を必要とするのです。
イスラエルは『地区警察官』なのです。
かつてアメリカに(とって都合の良い人物として)は、1953年にイランで選挙で選ばれた首相モサデクを倒して強制した、恐ろしい独裁者シャーが存在しました。
アメリカは、恐ろしい独裁を敷いたのです。
しかし、彼らはイランを失い、現在では、実質上イスラエルしかありません。
そのためにアメリカは、イスラエルが国際法に違反し、国連憲章に違反し、人間同士の平等に反するにも関わらず、この国を保護するのです。
ですから、アメリカが行っているのは、経済戦争であるのは明らかです。
■ヨーロッパは、より中立的立場を主張し、イスラエル人とパレスチナ人の間の解決を模索しているように振る舞っていますが、それは完全に嘘です。
ヨーロッパ外務大臣ソラナが、最近イスラエルで、あなた方は28番目の欧州連合加盟国である、と言いました。
ヨーロッパの軍需産業が、イスラエル軍需産業に協力し、財政支援しているのです。
フランスでは、サルコジと親しいダガルデールやダッソーが、イスラエルの軍需産業と協力しています。
そして、パレスチナ人が独自の政府を選出した時、欧州連合は承認を拒否し、ガザ攻撃へのゴーサインを、明確にイスラエルに伝えました。
ネタニヤフやバラクやオルメルトがパレスチナ人を爆撃する時、爆撃するのは同時に、サルコジであり、メルケルであり、欧州政府であるということを、明確に世論に伝える必要があります。
私たちはこのように、パレスチナとイスラエルについての真実を話し、アメリカとヨーロッパの憤慨すべき打算を示すと、彼らは直ちに、反ユダヤ主義者だと言って、黙らせようとします。
反ユダヤ人種差別者というわけです。
明確にしておかなければならないことが一つあります。
イスラエル政府を批判する時、私たちは反ユダヤ人種差別者ではなく、その反対です。
私たちは、人間同士の平等や、ユダヤ教徒とイスラム教徒の間の平等を否定する政府を、批判するのです。
私たちはその反対に、ユダヤ教徒とイスラム教とキリスト教徒と無宗教者の間に、いずれ(いつの日か)平和と相互理解が可能になることを望むのです。
そのために、イスラエルがあのような犯罪を犯すのを、止めさせることが必要なのです。
なぜなら、それは憎しみを撒き散らすだけだからです。
そして、緊張と憎しみを撒き散らすことが、まさにイスラエルの戦略なのです。
すると、メディアはそれに答えて、「でも、パレスチナ人は暴力的だ。これはテロリズムである」などと言います。
私が言いたいことは、真の暴力は植民地主義だ、ということです。
それは、60年前からパレスチナ人の土地や家を盗み続けている、イスラエル占領軍です。
イスラエル軍が、パレスチナ人が正常な生活を送ることを妨げているのです。
家と仕事場の間に検問所があり、そこで1時間、時には1日待たねばならないのです。
独裁的な検問所の警官に止められたせいで、死亡した妊婦もいます。
ですから、占領こそが暴力なのです。
国連は、その重要な憲章の中で、植民・占領支配を受ける全ての人々に、彼らが正しいと判断する全ての手段を用いて、抵抗する権利を認めています。
抵抗は正当です。
暴力とは、ここでは占領だけです。
当然ながら、多くの人々が問題にすることですが、
イスラエルやイスラエルを支持する国々が、意図的に撒き散らす多くの憎しみに対して人々は、「この紛争は常に存在し、解決方は無い、憎しみが多すぎる」などと思います。
しかし、解決法が存在することを知るべきです。
1960年代半ばに、パレスチナの複数の大組織が、非常に民主主義的で単純な解決法を提案しました。
すなわち、差別の無い国家、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒、無宗教者が、全て平等な権利を持つ単一国家という案です。
これは、民主主義の定義そのものです。
男性、女性に(関わらず)、一人一票です。
イスラエルは常に、解決へ向けた交渉を拒否してきました。
イスラエルがしたこととは、投獄や暗殺です。
ハマスの指導者だけでなく、ファタやパレスチナ解放人民戦線の指導者に対しても、それを行いました。
このように、イスラエルは交渉を拒否し、明快な解決法を拒絶します。
その理由がなぜなのか、考えるべきです。
唯一の理由は、先ほども言ったように、イスラエルはアメリカにとって、石油の警察官として役立つ、ということです。
ですから、これは経済戦争であり、石油のための戦争、多国籍企業のための戦争なのです。
これを止める唯一の方法は、全ての人々の、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アフリカ、中東など、各地の市民の圧力です。
イスラエルの共犯である政治的指導者への圧力です。
真実を言わないメディアへの圧力です。
インターネットを用いて、私たちのように、パレスチナの関する情報書簡を流すなどのイニシアチブを用いて、それを行うことです。
各自が情報提供を行い、メディアの嘘や、イスラエル正当化の神話の仮面を剥いで、真実を明らかにするのです。
この考えを実践すれば、私たちは皆、記者であり、真に、短期間で、中東に平和を確立するための交渉の可能性が生まれると思います。
 
正確に「10の大嘘」が書かれているかは不明である。 
 
もし安倍晋三がこのようなイスラエルの実態を少しでも学習していたら、1月20日、イスラエルで日の丸とダビデの星のイスラエル国旗の前での無神経な行動はできなかっただろう、とオジサンは思う。
 
20150210abeenzetu.jpg 
イスラム教を全ての価値観の基盤とする中東諸国では、この演説の態勢がイスラエル国旗を背景にするというものであったことにより必然的に日本国に対する印象は悪化してしまった。

posted by 定年オジサン at 09:31| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月13日

高揚感あふれて異論はやめろと安倍晋三首相、足元は大丈夫か?

「改革断行国会」と位置づける安倍晋三首相は衆院本会議場の壇上で声を張り上げた。
 
「戦後以来の大改革」と安倍晋三首相は約45分の演説でこのフレーズを3度繰り返し、これを含め、「改革」という言葉を36回も連呼していた。

昨日の安倍晋三首相の施政方針演説を見ていて驚いた。
 
もっとも演説内容は特に聞くほどのものはなかったのだが、自分の言葉に酔い、文字通りの「自己陶酔」に陥っており、よく言えば高揚感にあふれていたが、傍から見れば悪い薬でも飲んだのか、という疑念も湧いてしまった。 
 
それでも、最近はすっかり官邸に飼い慣らされた感が強かった大手マスメディアのこの新聞社はトップ面で「首相『戦後以来の大改革』 施政方針演説 官邸主導の姿勢示す」と恥ずかしげもなく、一切の批判なしに演説内容の紹介に終始していた。
 
しかしそれではメディアとしての矜持を疑われてしまうとばかりに、社説「施政方針演説 『戦後以来』の行き先は」の中では「目先の改革への多弁さとは裏腹に、首相は集団的自衛権を含む安全保障法制や戦後70年を踏まえた『積極的平和主義』、そして憲法改正についてはあっさりと触れただけだった。公明党との調整が控えているからなのだろう。」と遠慮しながらあさりと書いていた。
 
実際の演説風景を見ていない読者には全く伝わらない報道ぶりだった。
 
毎日新聞は社説「施政方針演説 首相こそ合意の努力を」ではこう表現していた。
 
・・・前略・・・
 首相は国会に批判の応酬の自制を求め、経済政策をめぐり「批判だけを繰り返していても何も生まれない」と主張した。揚げ足取りのような議論は別にして、野党はそれぞれの立場から政策を主張している。選挙で自民党が掲げた政策に有権者が全て賛成し、野党による主張を全て否定したわけでもない
 「変化」の中身も問われる。後半国会の焦点となる安全保障法制に関しては「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする」と述べるにとどめた。国会での幅広い合意形成を図るのであれば、少なくとも論点と基本的な見解を提示すべきだ。戦後70年にあたり首相が公表する新談話についても目的と趣旨をより踏み込んで説明してほしかった。
・・・中略・・・
 首相の足元には急を要する課題が山積している。肝心の経済成長は黄信号がともり、格差の拡大も懸念されている。巨額の国の債務を抱え、急速な人口減少を迎える厳しい状況も現実だ。首相が言う20年には首都圏の超高齢化問題が深刻化し始める。税や社会保障で広範な国民合意を形成していくこともリーダーの重要な役割のはずだ。
 政権運営で見直すべき点は見直し、首相こそ批判に耳を傾け、着実な合意形成に努めるべきだ。
 
安保法制 自公に隔たり きょうから与党協議」ということから公明党に若干の配慮から、演説内容は国民が知りたがっていることには触れたくなかったらしい。

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<施政方針演説 集団的自衛権 首相語らず>
 2015年2月13日 朝刊 東京新聞
20150213abekokkaienzetu.jpg 安倍晋三首相は12日、衆参両院の本会議で施政方針演説を行った。今国会最大の焦点である安全保障法制を整備する方針を強調したが、武力で他国を守る「集団的自衛権」の文言には言及しなかった。集団的自衛権の行使容認は平和憲法を骨抜
 きにする懸念が強いが、首相はこれまでの国会の演説でもほとんど触れていない。法整備を目指す今国会で言及を避けたことに、野党からは批判の声が上がっている。 
 2012年12月の第2次安倍政権発足以降、首相は今回を含め、施政方針演説や所信表明演説を計6回行った。このうち首相が集団的自衛権という文言を使ったのは、昨年1月の通常国会だけ。このときも「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)の報告を踏まえ、対応を検討していく」と述べただけで、具体論に触れなかった。
 今回も首相のこだわりとは裏腹に演説では時間を割かず、「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする安保法制の整備を進めていく」などと、簡単な表現にとどまった。
 その一方で、昨年7月の閣議決定以降、集団的自衛権の行使容認に向けた準備は進む。13日には与党協議がスタートし、行使を容認するケースなどの具体的な論議の段階に入る。
 首相が今回も集団的自衛権の文言を使わなかったのは、与党協議への影響を避けるためとみられる。
 だが、首相の意図が国民に見えないまま安保法制の枠組みが決まっていくことになりかねず、民主党の岡田克也代表は記者団に「集団的自衛権という言葉も出てこず、安保法制の中身の説明もない」と不満を示した。
 首相は施政方針演説で、原発政策で原子力規制委員会の新規制基準を通れば、再稼働を進める考えなども強調。麻生太郎財務相らが財政演説などを行った。
 
来週の16日から衆議院及び参議院で計4日間にわたり代表質問と答弁が行われるのだが、少数野党が「同調圧力」に負けず、決して予定調和と揶揄されることのない厳しい質問をしてもらいたいものである。
 
ところで官邸主導で向かうところ敵なし状態の安倍政権だが「好事魔多し」の如く、昨年の総選挙で疑惑のみそぎが済んだと安心していた閣僚から、またもや疑惑が明らかになった。
 
すでに「西川農相:農相側に違法献金の疑い 補助金決定企業、1年内に300万円」と報じられていた西川公也農相。
 
<西川農相:木材加工会社、農相側に09年にも献金100万円 年末に補助1.7億円>
 毎日新聞 2015年02月13日 東京朝刊
20150213nisikawa.jpg 西川公也農相の政党支部が国の補助金を受ける木材加工会社から2012年に政治資金規正法違反の疑いが強い献金300万円を受けていたことが判明したが、同支部は09年にも同社から100万円の献金を受け、同社は同年末にも同様の補助金交付決定を受けていた。09年の献金は交付決定前とみられ、決定後1年以内の献金を禁じた政治資金規正法違反の可能性は低いが、献金と補助金の関連性がうかがえる。【杉本修作、高橋慶浩】
 問題の舞台となった補助金「森林整備加速化・林業再生事業」が補正予算として衆院本会議で可決された09年5月、西川氏は自民党の「公的森林整備検討チーム」の座長。同事業をはじめとする森林保護や林業振興を支援する立場にあった。一方、西川氏の選挙区内にある栃木県鹿沼市の木材加工会社は00年の会社設立後、09年に100万円を西川氏の政党支部「自民党栃木県第2選挙区支部」に初めて献金した。政治資金収支報告書などによると、それ以前は07年に同支部から40万円分のパーティー券購入を確認できるだけだ。
 初献金した09年の12月25日、同社は同事業の一環として、木材加工工場のコンピューターシステム導入費1億7000万円の補助を受けることが決定。10年9月-11年3月にも計3回、各1億2000万円余の補助金交付が次々と決まった。12年には5月に新設工場の機械設備導入費として7億円の交付決定を受けた後、9月に西川氏の政党支部に300万円を献金し、これは政治資金規正法が禁じた交付決定後1年以内の献金に当たる。
 同社への補助金交付は09-12年に計5回、総額12億4000万円に上り、栃木県林業振興課によると、同社の補助金総額は県内最多という。
 ◇取材時期に返金
 西川氏の事務所は違法の疑いが強い2012年の300万円について「今年1月の1、2週目あたりに返金した」と話す。毎日新聞が林野庁にこの問題の取材を始めた時期だ。一方、政治資金収支報告書における返金処理は15年分の報告書で行うとしている。
==============
 ◇木材加工会社が交付決定を受けた国の補助金と西川氏の政党支部への献金等
  年月    補助金額       献金等の額
2007                40万円
  09               100万円
  09・12 1億7000万円(支出は10・3)
  10・9  1億2500万円(同 11・1)
  11・1  1億2250万円(同 11・3)
  11・3  1億2250万円(同 11・5)
  12・5  7億円     (同 12・11)
  12・9  (違法の疑い強い)  300万円
  13・1             100万円
  13・6             100万円
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     計 12億4000万円 計 640万円

 ※年月は交付決定日か献金等受領日。07年と09年の献金等は政治資金収支報告書の保存期限が過ぎているため何月か不明(受領の事実は県報に記載)。07年と13年6月はパーティー券代、13年1月は社長個人名義の献金、それ以外は会社名義の献金

木材加工会社社長との一問一答は以下のとおりである。
 
 --西川氏の応援をいろいろとされているが。
 社長 してますよ。
 --西川氏に会社から献金されてますね。
 社長 してますよ。
 --元々会社名義だったが個人に変わった。
 社長 そんなの意識してないですよ。不正なことは一切やってません。ちゃんとした献金で、変なことをしているわけではない。
 --国の加速化基金を知っていますか。
 社長 ええ、知ってます。もらってますよ。(でも)うちは変なことやってないから。
 --法に触れている可能性があるから聞いている。
 社長 いや(違法なことは)してませんよ。どういう法律に触れるのか。
 --政治資金規正法に、国から補助金を受けた会社は一定期間、政治献金してはならないと書いてある。献金の時期は一致する。
 社長 ……。
 (※その後、文書でも改めて質問したが期限までに回答せず)
 
小学生が出来心から万引きして捕まったが少額で初めてでもあったことから取った商品を返したことにより無罪放免、ということならだれでもが納得するが、自民党の「公的森林整備検討チーム」の座長という立場の政治家が「森林整備加速化・林業再生事業」という名目で税金である補助金を分捕ってきて自らの支援業者に与え、その見返りとして政治献金をもらうという、古色蒼然たる斡旋利得という政治犯罪の典型であろう。
  
3年も前の違法献金も疑惑が指摘されたから返金すれば済むという話ではないであろう。
  
「改革断行国会」で「戦後以来の大改革」と叫ぶのであるならば、「トローチも事務所費 日用品ツケ回す安倍首相のデタラメ」と指摘されている自分自身と身内閣僚の悪しき慣行の改革を断行するのが先ではないだろうか、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 11:56| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月12日

本当に必要なのか、金食い虫の自衛隊

2人の日本人人質を見殺しにしてまでも「テロに屈しない」とイスラム国に対して強気の発言を繰り返し、身代金を支払わなかった安倍政権は、英米から評価されたらしく、有志連合として認められて一安心といった所なのだろうか。
 
その余裕からか政府対応を検証する「邦人殺害テロ事件対応委員会」の初会合を首相官邸で開いたらしいのだが、検証対象に政治家を含んでいないことから「人質事件:政治家は対象外に…検証委、問われる実効性」といった体たらくである。
 
そして海外の人質を自衛隊が救出するという夢のような話を安倍晋三首相は本気で口走っているが、米国の精鋭部隊でも人質の奪還作戦は成功しなかったことから分かるように、戦後70年間、国内外で「殺人」経験のない自衛隊にそんなことを望んだところで「ボッチャンの戦争ゴッコ」の域を出ない。
 
現在の国連常任理事国の中で、米、英、仏、露は第2次世界大戦の戦勝国であが、中華人民共和国は第2次世界大戦が終了した4年後の1949年に建国されており戦勝国ではない。
 
日本は米国に戦争で負けたが中国には負けていないと思っている安倍晋三首相は中国が国連の常任理事国にはいっていることが気に食わず、戦後からの脱却を標榜している安倍政権としては、国連改革の一環として、ドイツ・インド・ブラジルとの4か国同時の常任理事国入りを求めて、国際社会に強く働きかけたが、実現していない。
    
それならば軍事力を高めればと日本は中国に負けるなと防衛費と称して米国から高い武器を買い揃え、常任理事国のフランスを追い抜いて世界第5位になっている。
 
しかし肝心の自衛隊の戦力となると甚だ心もとないと、毎日新聞の「日本の論点編集部」は1年前から指摘していた。 
 
<自衛隊の戦力は適正か 軍事費は高額だが、有事の際の戦闘能力は未知数>
 2014年03月31日 毎日新聞
20150212gunjihiranking.jpg
 ◇自衛隊は、じつは高コストの集団 
 スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が2013年4月に公表した12年の世界の軍事費ランキングによると、日本は600億ドル(5.9兆円=13年4月現在のレート)で第5位、4位の英国とほぼ同額だった。1位はもちろん米国で、6820億ドル(約67兆円)と世界全体の軍事費の4割を占める。2位は25年にわたり2ケタの伸び率で軍事費を増大させている中国の1660億ドル(約16兆円)、3位はロシアで907億ドル(約8.9兆円)である。
 軍事費の総額だけ見れば、日本はたしかに軍事大国だが、対GDP比で見ると、米国の4.4%、中国の2.0%、ロシアの4.4%に対して日本は1.0%と、ランキングに掲載された15カ国中、最下位である。さらにその内実といえば、軍事費のうち人件費・糧食費が42%を占めるうえ、装備も高額なものばかり。ほぼすべてが国産で、武器輸出三原則があるために輸出によって単価を下げることができないからである。また、米軍に準じた高価な装備を揃えたがる傾向があるのも否めない。
 13年12月に閣議決定された「中期防衛力整備計画」(中期防)では、14年度から5年間の防衛費を総額約24兆7000億円とすることを決めた。前回、民主党政権下で10年に策定された中期防の総額23兆5000億円からすると1兆円以上の大幅増となるが、前述のような事情を考えると、それがただちに戦力の向上につながるかについては疑問符がつく。しかも同時に策定された「防衛計画の大綱」(新防衛大綱)では、陸上自衛隊の定員を今後5000人増やすことになっている。英国軍がこの3年間で2万1000人(12%)もの定員を削減し、人件費の浮いた分を兵器の研究開発に回しているのとは好対照である。
水陸機動団で尖閣は守れるか
 新防衛大綱は、中国の軍事的台頭と海洋進出に「強い懸念」を表明し、中期防も尖閣諸島を含む南西諸島防衛の強化を鮮明に打ち出した。
 警戒監視能力を強化するため、新型の早期警戒機に加え、無人偵察機グローバルホークを導入。さらに空自那覇基地に配備するF-15戦闘機部隊を倍増させ、次期戦闘機F-35と新空中給油・輸送機も導入する。また、ヘリに比べて速度・航続距離の面で優れ、離島防衛に活用できる新型輸送機オスプレイの導入も決まった。
 特筆すべきは、陸自に「島嶼(とうしょ)へ侵攻があった場合、速やかに上陸・奪回・確保するための本格的な水陸両用作戦能力」をもつ、「水陸機動団」の新設である。そのための装備として、米海兵隊と同じ水陸両用車を導入、さらに空輸性・路上での機動性に優れ、戦闘地域への迅速な展開が可能な機動戦闘車を99両調達し、代わりに従来の戦車は削減する。
 だが、陸自がこうした“海兵隊”を持ったとしても、制空権を確保できなければ、離島の防衛も奪還も不可能なのは、太平洋戦争下のガダルカナル島攻防戦を例に出すまでもなく明らかだ。2013年、中国が東シナ海に防空識別圏を設定したのも、有事における制空権確保に備え、日頃からこの空域での航空優勢を維持しようとする意図の現れといってよい。中国空軍が保有する戦闘機の数は、空自をはるかに上回るうえ、近年では旧型機を退役させ、性能面でF-15を凌駕するともいわれるSu-30をロシアから購入、ライセンス生産も始めた。空自の次期戦闘機F-35は、17年以降に配備が始まる予定で、開発が遅れ気味なのが気になるところだ。
 水陸機動団の新設は、冷戦時代にソ連の着上陸侵攻に備えて北海道に戦車を集中配備してきた陸自が、南西諸島防衛で「海空重視」の傾向が強まったために、自らのあらたな存在意義を離島防衛・奪還作戦に見出したともいえる。だがそれとて、輸送や艦砲射撃、射爆撃といった海自・空自の支援なくしては不可能だ。新防衛大綱・中期防とともに策定された「国家安全保障戦略」(NSS)に明記されている「統合運用を基本とする柔軟かつ即応性の高い運用」をどう実現するかが、自衛隊の実力をはかるうえでの試金石となろう。
 ◇ミサイル戦にどこまで対応できるのか
 中国の海洋進出ともうひとつ、新防衛大綱が「我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」と規定したのが、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発だ。これに対応するため、中期防では、SM-3ミサイルを搭載し弾道ミサイルの迎撃能力をもつイージス艦を、現状の6隻から8隻に増強することにした。
 しかし、SM-3が弾道ミサイルを迎撃できるのは、弾道ミサイルがエンジンで加速・上昇する「ブースト段階」、大気圏外で慣性飛行する「ミッドコース段階」、切り離された弾頭が落下する「ターミナル段階」のうちの、ミッドコース段階である。米国本土へ向かうテポドン2(およびその派生型)のような大陸間弾道ミサイル(ICBM)であれば、ミッドコース段階も6000km以上になるので、時間的にも正確な弾道計算が可能となるが、日本のほぼ全域を射程に収める準中距離弾道ミサイル(MRBM)・ノドンは10分程度で着弾するため、確実に破壊できるとは限らない。
 テポドン2はまだ実験段階だが、ノドンはすでに300発程度を保有しているとされる。ターミナル段階での迎撃を担うPAC-3ミサイルは射程が20kmと短く、日本全土をカバーするには相当な数が必要になるが、新防衛大綱・中期防では増強の予定がない。
 一方、核弾頭保有数の多さや技術力・生産力などの面から見て、潜在的には北朝鮮以上に脅威なのが、中国の弾道ミサイルである。北朝鮮の核兵器は、まだ「小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も排除できず」(防衛白書)という、はっきりしない段階だが、中国はすでに約240発の核弾頭を保有し、うち約180発が配備中だ。また米ロが持たない中距離弾道ミサイル(IRBM)や準中距離弾道ミサイル(MRBM)を多数配備しているのも特徴で、米海兵隊が沖縄からグアムに移転する理由の一つは、沖縄が中国のIRBMの射程内にあるからだという専門家もいる。
 現在、米ロにとって、敵の核攻撃をまぬがれる確率の高い核戦力の主力、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)についても、中国は最近「初期的な運用能力」を持つに至ったと、米議会の諮問機関が発表した。ただ中期防では哨戒機P-3Cの後継機で、速度・航続距離ともに優れたジェット哨戒機P-1の調達も本格的に始まる。対潜哨戒・戦闘能力が世界最高レベルにある海自は、静音性に優れた攻撃型潜水艦も保有しており、当面、日中間で衝突が起きたとしても、中国海軍のミサイル潜水艦を追い詰めることは難しくないといわれる。
 ◇敵基地攻撃能力の保有
 中国のミサイル戦力に関して、日米にとり将来の不安材料といえるのは、14年1月に実験をおこなったと伝えられる「超音速飛翔体」である。このミサイルは、ICBMに搭載されて打ち上げられ、大気圏内をマッハ5以上の超音速で滑空できるため、放物線を描く通常の弾頭とは異なり、着弾地点の予想が非常に困難となる。もし実戦配備されれば、自衛隊が運用するMDシステムのうち、少なくともPAC-3は無効化されてしまう。
 そこで14年夏には、空自に「航空戦術教導団」(仮称)を新たに編成、総隊司令部飛行隊に属している電子戦支援隊を教導団の下に移して「電子作戦群」とし、敵のレーダーや地対空ミサイルを無力化する電子戦の技術向上をはかるという。さらに第3航空団に属する航空支援隊も戦術教導団に移し、敵地に潜入して戦闘機の侵入ルートや爆弾投下のタイミングを指示する「爆撃誘導員」の養成もおこなうとみられる。
 安全保障環境が激変するなか、日本が、世界の軍事費の4割を占める米国との同盟を強化するのは、合理的な選択であるとはいえ、結局のところ、専守防衛という国是に則った防衛力整備を続けている以上、どれほど最新鋭の装備を揃えようと、北朝鮮や中国のミサイル攻撃を完全に防ぐこと、また米軍の支援なしに尖閣を防衛することは不可能なのである。政府もそれを意識してか、中期防では「弾道ミサイル発射手段への対応能力のあり方を検討し、必要な措置を講じる」と、間接的な表現ながら敵基地攻撃能力の保有を検討すると明記した。(日本の論点編集部)
 
ウクライナでは米露の代理戦争もどきが繰り広げられ、中東では「製造物責任者」である米国が生み出した過激集団と周辺国との戦いが激しさを増しているが、今のところはまだ局地戦の域を出ていない。
 
これが本格的な国同士の戦争になれば、もはや取り返しのつかない時代になり米露のトップもその辺りは十分理解している。
  
ホットな表だった戦いができないので、「冷戦」状態はなかなか解消されず、米露が激しい「攻撃」ではなく「口撃」合戦を展開しているといった状態であろう。 
 
結局日本としては安保条約を破棄してまで最高の軍隊を保持し独自性を保つという戦略を安倍政権は取れない。
 
そこで浮上してきたのが昨年7月に急いで閣議決定した「集団的自衛権行使容認」だったのだが、当然ながらそれなりの立場の論客が賛否を戦わしていた。
 
前述した毎日新聞の「日本の論点編集部」は「日本の論点」という特集記事で「集団的自衛権の行使容認は利益か損失か」というテーマで2人の論説を掲載していた。 
 
初の生え抜きの防衛大学校校長を務め、2013年、産経新聞正論大賞を受賞した(財)平和・安全保障研究所理事長の西原正はその立場から中国を牽制するには、集団的自衛権行使が必須とばかりに「集団的自衛権の行使は、東アジアにおける日本の役割を充実させ、対外発言力を増強させる」と安保法制懇の答申内容をなぞっていた。
 
これに対しては、3年前の「戦後史の正体」では左派連中からも絶賛されながらも、多くの批判もあった元外交官で評論家でもある孫崎享は、集団的自衛権の行使に対してはこう批判していた。 
 
集団的自衛権の行使は、自衛隊を米軍の“傭兵”にするだけで、東アジアの安定にはまったく寄与しない
日本防衛のためなら安保条約で十分な理由 
 集団的自衛権の推進者が指摘する理由に次の2つがある。
(1)中国の軍事大国化が進み、海洋進出が活発になる。尖閣諸島の防衛を含め、米軍にますます依存しなければならない。
(2)日米同盟は日本の基軸である。日本は米国に一方的に守ってもらっているので、日本も軍事的貢献をしなければならない。
 この代表的見解は、小泉元首相が2004年6月27日のNHKの討論番組で話した論拠であり、彼は、「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法を改正して、日本が攻撃された場合には、米国と一緒に行動できるような形にすべきだ」と述べた(*1=脚注)。
 だが、日本防衛のためには、すでに日米安保条約がある。何も新たに集団的自衛権を設ける必要はないのだ。
 日米安保条約の第五条では「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」と規定されている。
 しばしば、「米国が一方的に日本を守るだけであって、日本は何ら自国の防衛に貢献していない」という議論があるが、これは正しくない。「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時には、日本は行動をとること」が条約上の義務になっているのである。
全世界に拡大される自衛隊の行動範囲 
 ではなぜ、政府は集団的自衛権の行使を認めようとするのか。
 それは安保条約と比較すれば解る。安保条約には二つの縛りがある。一つは「日本国の施政の下にある領域」という縛りである。もう一つは「いずれか一方に対する武力攻撃があった時」と限定している点である。
 つまり、集団的自衛権の行使を認めることによって、対象となる地域を「日本国の施政の下にある領域」から「全世界」に拡大することができるのだ。
 2013年10月16日の時事通信は、次のように報じている。
「政府の『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』座長代理の北岡伸一国際大学長は、集団的自衛権の行使などを可能にした場合の自衛隊の活動範囲について、『地球の裏側で行動することは論理的にはあり得る』と述べた」
 なぜ自衛隊が地球の裏側に行く必要があるのか。それは米国に要請されるからである。
 では、どのような時に集団的自衛権が行使されるかを考えてみよう。
 安保条約では「いずれか一方に対する武力攻撃があった時」と限定している。しかし集団的自衛権では、「国際的安全保障環境の改善のため」という理由がよく指摘されるように、「相手の攻撃」の存在が必ずしも前提となっていないのである。
 この点、あたかも集団的自衛権は国連憲章で認められた権利であるかのような説明がなされるが、じつは国連憲章の理念とも異なる。国連憲章は第51条(*2)で「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」と集団的自衛権は認めているが、あくまでも「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合」に限定している

日本にとって何一つプラスにならない 
「まあ、問題はあろうが、集団的自衛権の行使を認めてもさしたる害はない。日米関係が重要だからいいんじゃないの」という声がある。
 だが、これは間違っている。
 認めれば、まず第一に、日本は「国際的安全保障環境の改善のために」米軍と一緒に行動、つまり軍事行動に参加することになる。それは先方がまだ軍事行動を行っていない場合を含むのだ。日米が軍事行動を起こせば、当然、先方は報復措置を考える。今だったら、中東やアフリカ諸国には日本にテロを行う理由はない。しかし、日本の方から攻撃を仕掛けるなら、これらの国や団体は、日本に関するテロを考えるだろう。いわば、起こるはずのなかったテロ行為をわざわざ呼び込む行動になるのだ。
 第二は対北朝鮮である。
 集団的自衛権の行使容認では、「同盟国を攻撃する弾道ミサイルをMDシステム(*3)で撃破する」ことが想定されている。北朝鮮のミサイルが米国に飛んで行く時、約1000キロメートル上空を飛ぶが、日本に配備される迎撃用ミサイルの射程距離はせいぜい数十キロ、可能であったとしても数百キロで、北朝鮮の弾道ミサイルには届きだにしない。ではどうするか。北朝鮮が撃つ前に攻撃するしかない。
 米国にとっては、自国に向かってくるミサイルを日本が撃墜してくれるのでプラス。
 北朝鮮は撃たれれば当然、それに見合う報復をする。日本に到達するミサイル、ノドンを200から300発配備しているので、これを使う。北朝鮮にしてみれば、日本から攻撃されればそれに見合う反撃をするので、プラスマイナスなし、ということになる。
 では日本はどうか。ミサイルは米国行きなので、これを撃墜しても何らプラスにならない。しかし、北朝鮮から報復攻撃されるのでマイナスだけが残る結果となる。
 米国のためといいながら、日本の安全保障にマイナスの行動をとる。それを是とするくらい、日本の指導層は退廃しているのだ。
 集団的自衛権は米国の軍事目的のために、自衛隊を傭兵的に使うシステムである。しかも自分のお金を使ってである。世界史でも稀な傭兵の形式といってよい。
北朝鮮、中国からの激しい反発は必至 
 日本が集団的自衛権の行使を認めた時、日本の周辺諸国からは、どのような反応が出るであろうか。
 いうまでもなく北朝鮮は激しく反応するであろう。
 北朝鮮にとって日本の集団的自衛権とは、「北朝鮮が米国を射程に収め得るミサイル発射を行う場合」、日本が北朝鮮の国土を直接攻撃しようとするものであるから、当然だ。
 中国の場合はどうであろうか。
 尖閣諸島問題を含む日本と中国との安全保障関係は、基本的に日米安保条約の範囲で処理される。したがって、中国の軍事戦略である大陸間弾道弾発射に日本が関与していくことはありえない。しかし日本政府は「いまなぜ集団的自衛権が必要か」という説明を行うのに、中国の軍事力強化を口実として使っている。さらに、日米安保条約の「極東」の域外である南シナ海における日米軍事行動を活発化することに、集団的自衛権が利用される可能性が高い。もし日本で集団自衛権の行使容認が成立すれば、軍部を中心に中国の激しい反発にさらされることが予想される。
【編集部注】
*1 小泉元首相の発言
参議院選直前の党首討論会で、各党首が集団的自衛権についての見解を問われ、答えたもの。この時期に集団的自衛権が議論された背景には、アフガニスタンにおける対テロ作戦の後方支援や、イラク戦争後の復興支援業務など、自衛隊の任務が拡大していたことがある。その際、集団的自衛権の行使を禁じる憲法解釈が、金銭だけでない「汗をかく」国際貢献の障害になるとみなされるようになったのだ。小泉首相は、就任(01年4月)直前までは憲法解釈変更による集団的自衛権行使に前向きだったものの、その後「憲法解釈を変えることは考えていない」(03年2月の国会答弁)と軌道修正、「解釈の変更ではなく、正面から憲法改正を議論することで解決すべき」(04年2月の国会答弁)と述べるようになっていた。
*2 国連憲章51条
集団的自衛権とは、国連憲章51条において初めて明文化された、国際法においては比較的新しい概念である。第2次世界大戦の終結直前、米国とラテンアメリカ諸国は相互援助条約を締結しようとしていた。ところが同時期に制定へ向けて作業が進められていた国連憲章では、「地域的機関」による強制行動(=武力行使)には、安全保障理事会による承認が必要になり、さらに米ソ英仏中(当時は中華民国)の常任理事国には拒否権が認められることとなった。したがって、5常任理事国のうち1国でも反対すれば、共同防衛のための武力行使が行えなくなる。そこで米国は、自衛権について定めた51条に集団的自衛権の概念を盛り込み、「他国から武力攻撃を受けた場合、安保理が必要な措置をとるまでの間」は、安保理の許可なく共同防衛が可能となるようにしたのである。
*3 MDシステム
専守防衛を基本とする日本では、敵国が発射した弾道ミサイルは、人工衛星、イージス艦、地上配備レーダーなどで探知・追尾し、大気圏外に到達したとき(ミッドコース段階)、イージス艦のスタンダードミサイル(SM−3)が迎撃するという第一段階と、敵弾道ミサイルがそれでもこの迎撃をくぐり抜けて大気圏に再突入したとき(ターミナル段階)には、パトリオットミサイル(PAC−3)によって撃ち落とすという2段階の迎撃システムをとっている。米国では、これにさらにミッドコース段階で迎撃する地上配備型システム(GMD)と、ターミナル段階で撃ち落とす高高度地域防衛システム(THAAD)が構築されている。
*4 賠償の負担
損害賠償事件は、部品の納入でも実際に起きている。たとえば三菱重工は2009年からアメリカのサンオノフレ原発に4基の蒸気発生器を納入したが、その後、1基の配管から放射性物質を含む冷却水が漏れる事故があり、廃炉にすることが決まった。運営するサザン・カリフォルニア・エジソン社は三菱に対し、廃炉費用40億ドル以上の損害賠償を求めて、国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。三菱側は、契約上の賠償上限は1億3700万ドルと主張して争っている。 
 
外務省入省後、英・米・ソ連・イラク・カナダ等の駐在勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任し、2002年から09年まで防衛大学校教授を務めたという経歴には文句のつけようがない。
 
退官後は外交問題の論客として活躍しているが気になったのは山本七平賞の受賞。
 
1970年-イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』を発売したのが山本書店の店主の山本七平。
 
その後、1983年に浅見定雄の「にせユダヤ人と日本人」で徹底的に論破され、「イザヤ・ベンダサン」は架空の人物でその著書も山本氏七平の創作であったことが世間に知れ渡った。
 
1991年に創設され、1992年から始動したPHP研究所が主催する山本七平を記念する学術賞である山本七平賞の第2回目の受賞であるのが孫崎享。
 
保守派の作家や学者が受賞対象で1997年の中西輝政、1998年の半藤一利などが受賞しているが、21世紀に入って2006年の竹田恒泰や2009年の「中日・東京新聞」で社説と異なる持論を展開している長谷川幸洋など、「?」的な人物も受賞している。
 
政治ブロガーの中にでは孫崎享の評価は全く分かれる。
 
それをいちいち列挙はできないが、過去の業績や発言の如何で本人を全面的に否定せず、当面する課題に対しての的確な論評には耳を傾けてもいいのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年02月11日

この道しかない?! 戦争する国にまっしぐら

なぜか不思議なことに、イスラム国によって2人の日本人が殺害されたことにより、憑き物が落ちたように安倍晋三首相はますます確信的に「この道しかない」とばかりに、やることが横暴になってきた。 
 
20150211konomitisikanai.jpg
 
なかなか本土の大手マスメディアは報道しなかったが、さすがにこのような暴挙が行われば、報道ぜざるを得ない。
 
 「辺野古沖のブロック、サンゴ礁に傷 移設作業用に設置
 
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海底にめり込んだブロック=沖縄県名護市辺野古沖、ヘリ基地反対協ダイビングチームレインボー提供 
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海底に投下されたブロック=沖縄県名護市辺野古沖、ヘリ基地反対協ダイビングチームレインボー提供 
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海底に投下されたブロック=沖縄県名護市辺野古沖、ヘリ基地反対協ダイビングチームレインボー提供 

そして辺野古では連日のように海上保安官の「安全を確保する」という名目の基地建設に反対する市民への暴力まがいの行為が続いている。
 
<抗議船、海保官乗り込み転覆寸前 辺野古>
 2015年2月11日 琉球新報
20150211henokokoubou.jpg 【辺野古問題取材】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で10日、海上作業の中止を求め抗議する市民船を海上保安官がゴムボートで確保する際、市民船の右舷が大きく傾き、転覆寸前となった。
午後3時すぎ、安部沖の油防止膜(オイルフェンス)上で保安官が乗り込んだ瞬間に船が大きく傾き、船内にいた6人のうち4人が海に投げ出された。危険な状態に気付いた別の市民船4隻が集結し「命を奪うのか」と激しく訴え、現場海域は一時、大混乱となった。
 市民船は当時、定員の6人が乗船しており、海保が近づいた際にも「定員いっぱいだ」と市民らが注意したが、保安官3人が一気に乗り込んだため、大きく傾いた。
 この市民船を含め、海保の危険な確保と作業中止を求め抗議した市民船も午後4時すぎ、オイルフェンス内外でほぼ全て拘束された。同5時には全船が解放された。
 
1月16日と19日に市民が海上保安官の警備活動中にけがをしたことについて、糸数慶子参院議員は政府に質問主意書を提出し回答を求めていたが「辺野古の海保警備『適切』 政府が答弁書決定」と全く現場を無視するかのような内容であった。
 
ところで昨年の7月1日の「集団的自衛権行使容認」という閣議決定を国会での議論なしに勝手に決めてしまった安倍政権だが、今度は「ODA政策、転換 非軍事限り軍支援・『国益を重視』鮮明 新大綱閣議決定」ということをしでかした。
 
20150211ODAhensen.jpg
 
「非軍事的協力による平和と繁栄への貢献」を基本的原則としているが、実体は他国軍への支援解禁であり、自民党の日本国憲法改正草案2012版に登場した「国益」という言葉が全面的に表れている。
 
<平和外交後退 ODA新大綱決定>
 2015年2月11日 07時11分 東京新聞
20150211sekkyokutekiheiwasyugi.jpg 政府は10日、政府開発援助(ODA)の基本方針を定めたODA大綱に代わり、新たな「開発協力大綱」を閣議決定した。これまで原則禁じてきた他国の軍隊への支援を、非軍事分野に限って解禁したことが柱だが、軍事分野への転用も懸念される。新大綱には「積極的平和主義」を明記。安倍晋三首相の持論に基づいて進めてきた一連の政策の延長線上にあり、日本の平和外交をさらに変質させる恐れがある。 (上野実輝彦)
 安倍政権は2012年12月の第2次政権発足以来、「積極的平和主義」の旗の下、憲法の柱である平和主義に反するとの批判が強い政策を進めてきた。
 13年には、国家安全保障会議(日本版NSC)を設置。少人数の閣僚らで外交・安全保障政策を決められるようになった。外交や防衛に関する情報を「特定秘密」に指定し、国民に閉ざす特定秘密保護法も成立させた。昨年4月には武器輸出を原則禁止する武器輸出三原則を見直して、輸出を事実上解禁。7月には、他国を武力で守る集団的自衛権行使を容認する閣議決定にまで踏み切った。
 安倍政権は、米国を中心とした各国と軍事面を含めて連携を強化し、中国などに対抗する戦略をとってきた。今回の新たな大綱も、開発支援目的に限ってきたODAを、そうした戦略に使えるようにする意識が透けて見える。
 従来の大綱では、ODAは「軍事的用途および国際紛争助長への使用を回避する」としていた。新大綱では、軍や軍関係者への援助に関しては「実質的意義に着目し、個別具体的に検討する」として、日本政府が非軍事目的と認めれば支援を可能にした。
 経済成長によって国民総所得(GNI)が一定水準に達した「卒業国」には援助を認めてこなかったが、新大綱では「国益の確保」に貢献すると判断すれば資金や物資、技術を援助できる。
 岸田文雄外相は十日の記者会見で「国際社会の平和と安定に一層貢献していく」と新大綱の意義を強調した。
 だが、他国軍が日本のODAを正しく使っているかどうかを把握するのは困難で、援助したものが軍事分野に転用される懸念はぬぐえない。中国との間で新たな緊張を生む可能性すらある。
 
政府広報紙として政府の本音を代弁している讀賣新聞は社説で「開発協力大綱 戦略的ODAで国益追求せよ」とこの大綱の狙いを明確に指摘していた。
 
・ODAで重視すべきは、支援の対象機関ではなく、その目的のはずだ。軍隊が重要な民生活動を担っている場合は、一律に排除するのは適切ではない。
・エネルギー資源の安定的な確保の観点から、中東地域との関係を深める意義は大きい。
・経済協力開発機構(OECD)の基準ではODAの対象外となる高所得国も支援する方針を打ち出した。
・国連安全保障理事会の改革などでより多くの賛同国を得るために、ODAを有効活用したい。
・カリブ諸国への支援も拡大する。
 
「支援の対象機関」ではなく、なぜ資金援助をするのかという「目的」を重視するという。
 
朝日新聞は社説「開発協力大綱 外交の変質を恐れる」のなかで、
 
新大綱には「国益」という言葉を初めて盛り込み、日本の安全保障や経済のための支援という性格を打ち出した。
戦略性も強調されている。支援対象国については「戦略的重要性を十分踏まえる」という。
ことは対外協力の問題にとどまらない。戦略的な外交ツールとして活用するのは当然としても、短期的な「国益」を追求するあまり、諸外国を安易に選別していけば、これまで人道的な理念を重んじてきた日本外交の性格を変質させかねない。
 
と「戦略的な外交ツールとして活用するのは当然」と認めていたが、「戦略的」では決して「人道的」支援はできない。 
 
経済的に恵まれない「後発開発途上国」に対して永年ODAの経済援助を行ってきたことにより、東日本大震災においては世界163の国・地域から復興支援の申し出があったということを思い出すべきであろう。  
 
<新ODA大綱 「非軍事」を貫いてこそ>
 2015年2月11日 東京新聞
 政府の新しい「開発協力大綱」は他国軍への援助に道を開くものだ。非軍事分野との限定付きだが、軍事転用の懸念は消えない。転用を許さず、非軍事を貫いてこそ、日本の平和主義は生きてくる。
 きのう閣議決定された大綱は従来の政府開発援助(ODA)大綱を見直し、対外援助に関する新たな理念や基本方針を示すものだ。
 安倍内閣が掲げる積極的平和主義に基づき、ODAを戦略的に活用し、日本の国益確保につなげる狙いがあるのだろう。中国の軍事的台頭を受け、ODAを安全保障にも役立てたいとの思惑もにじむ。
 1955年に始まった途上国への日本の非軍事的な援助は平和国家にふさわしい国際貢献であり、国際社会で高い評価を得てきた。
 92年に策定され、2003年に改定された旧大綱は、対外援助について「軍事的用途および国際紛争助長への使用を回避する」と定めている。民生支援でも他国軍にはODAを使わないのが、日本の対外援助の大原則だった。
 しかし、新しい大綱は「民生目的、災害救助など非軍事目的」との限定付きながら、軍などへの援助も「個別具体的に検討する」と定め、対象を軍関係にも広げた。
 感染症対策や災害復興など戦闘以外でも軍が能力を発揮する場面が多くなり、特に民間部門が未発達な途上国では、軍の役割が大きいためと、政府側は説明する。
 そうした事情は一定の理解はできても、軍事転用されたり、日本の援助が結果的に他国軍の軍事能力向上につながる可能性は消えない。紛争当事国や周辺地域、紛争に至る可能性が潜在的にある地域では、特に注意が必要だ。
 日本の援助が結果的に国際紛争を助長することになれば、平和主義は空文化する。相手国に軍事転用しないよう継続的に求めたり、定期的に点検することが必要だ。
 日本のODAは97年度の1兆1687億円をピークに減少が続き、15年度当初予算案では5422億円にとどまる。
 大綱見直しの背景には、減少した予算を効率的に使うという切迫した事情もあるのだろう。財政事情が厳しく、直ちには無理としても、国民の理解を得て、いずれは増額を検討してはどうか。
 東日本大震災では世界163の国・地域から復興支援の申し出があり、深刻な貧困にあえぐ「後発開発途上国」も含まれる、という。民生支援を地道に積み重ねた成果だと、確認しておきたい。
 
安倍晋三首相は後藤健二さんが殺害されたことを確認した後、「テロリストに罪を償わせる(文法的には、償わせる)」と息巻いていたが、海外メディアはこの表現を「日本の平和主義を逸脱し、安倍晋三は、殺害のために復讐を誓う」と報道していた。
 
復讐とは「殺されたら、殺し返す」ということで、 国のトップが公言することではないだろう。
 
すこしでも戦争に近づきたいという気持ちの現れなのかもしれないが、この文芸評論家は安倍晋三の幼児性を的確に批判していた。
 
20150211honnenocolumn.jpg
 
しかし、安倍晋三が1人前に扱われたら、日本は「戦争する普通の国」になってしまい、元来た道に逆戻りしてしまう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:17| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月10日

テロに屈しない安倍政権のために国民は自粛するのか

「イスラム国」による日本人人質事件を巡る政府の対応が「適切だった」と思う人は55%で、「そうは思わない」の32%を上回り、イスラム国対策として中東諸国への人道支援をさらに拡充するという安倍晋三首相の方針についても「賛成」が63%で、「反対」は26%にとどまった。人質事件への対応が評価されたことが、内閣支持率を押し上げたとみられる。
 
この結果は「内閣支持上昇58%、人質対応を評価…読売調査」という讀賣新聞の世論調査結果。
 
この内容はロイター通信も報道しており、それを読んだ米国のネットユーザーから以下のようなコメントがあった。
 
「9.11の時のアメリカのように、首相の支持率が上がるようにお膳立てされたのだろう」
「にせの世論調査結果じゃないのか」
「2人の人質を救出できなかったのに、どうして支持率が上がるんだ?」
「安倍首相はこの悲劇を引き起こして、支持率が上がったって?日本でしか起こらない奇跡だ」

 
この讀賣新聞の世論調査には、あえて「自己責任論」を喚起するような罠が仕掛けられていた。 
 
<危険地域のテロ被害「責任は本人にある」83%>
 読売新聞 2月7日(土)22時9分配信
 読売新聞社の全国世論調査で、政府が渡航しないように注意を呼びかけている海外の危険な地域に行って、テロや事件に巻き込まれた場合、「最終的な責任は本人にある」とする意見についてどう思うかを聞いたところ、「その通りだ」が83%に上り、「そうは思わない」の11%を大きく上回った。
 「その通りだ」とした人は、イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件を巡る政府の対応を「適切だ」とした人の90%に達し、適切だとは思わない人でも73%を占めた。支持政党別にみても、自民支持層の88%、民主支持層の81%、無党派層の79%が「その通りだ」としており、「最終的には自己責任」の考え方が、広く浸透している。
 一方、海外で日本人がテロの標的となる可能性が「高まった」と思う人は81%を占め、「そうは思わない」は14%だった。
 
この世論調査に誘導されたことにより、海外で日本人がテロの標的となる可能性が「高まった」と思う人が81%にも上ったことが、さっそく具体的な動きとなってスポーツ界にも広がってきた。 
 
<テロ標的に?「JAPAN」ジャージー使うな>
 2015年02月09日 22時24分 讀賣新聞
 イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件を受け、スポーツ界では、中東などで開催される国際大会への選手派遣を見合わせる動きが広がっている。
 日本オリンピック委員会(JOC)では「現時点では(出場の判断は)各競技団体に委ねている」と静観しているが、安全面の不安などから、自主的に派遣中止を検討する団体も相次いでいる。
 読売新聞社が各競技団体に問い合わせたところ、少なくとも6団体が派遣中止を決定、もしくは検討している。既にクウェート、カタールで開催される国際大会への遠征中止を発表した日本卓球協会のほか、日本レスリング協会でも、強豪国であるイランへの遠征を取りやめた。
 日本フェンシング協会でも、今月下旬からアラブ首長国連邦(UAE)で開催される若手のアジア選手権への派遣について、派遣中止を含めた議論を始めた。豊田友彦事務局長は「外務省と情報を共有しながら協議している。安全を担保できるかがポイントだ」と説明した。近代五種も3月にエジプト・カイロで行われる大会に出場させるかどうかを検討している。
 日本人を標的としたテロなど不測の事態を避けるため、既に海外へ出発した選手たちにも、注意を促している。フェンシング協会では、海外遠征している選手らに対し、日本選手団の服装で、むやみに外出することを控えるように求めた。全日本柔道連盟でも、欧州に遠征する選手やスタッフらに対し、日の丸や「JAPAN」の文字が入ったジャージーやバッグなどの使用を控えるよう通達する。
 
1月20日、イスラエルで日の丸とダビデの星のイスラエル国旗の前で行った安倍晋三首相の演説。
 
20150210abeenzetu.jpg 
イスラム教を全ての価値観の基盤とする中東諸国では、この演説の態勢がイスラエル国旗を背景にするというものであったことにより必然的に日本国に対する印象は悪化してしまった。
 
有志連合を率いる米国を後ろ盾とするイスラエルの国旗を背景としてイスラム国と戦う姿勢を強調したことにより、日本国がどれだけ世界情勢に対する認識が粗雑なのかが世界全体に認識させてしまった張本人は言うまでもないが安倍晋三であり、スポーツ界もとんだとばっちりを受けたことになる。  
 
さらに「米主導の有志連合は『憂死連合』となる」でも紹介したが、「旅券の強制返納事件」。
 
明らかな報道・移動の自由は最大限尊重する憲法違反なのだが、旅券法を優先する方針を改めて明言していた。 
 
<シリア渡航予定・旅券返納命令:保護規定を初適用 政府、人質事件で方針転換>
 毎日新聞 2015年02月10日 東京朝刊
 シリア渡航を計画していた新潟市のフリーカメラマン、杉本祐一さん(58)が外務省から旅券の返納命令を受けた問題で、菅義偉官房長官は9日の記者会見で、シリア全土に渡航延期・退避勧告を出していることなどを理由に、今後も同様のケースで旅券返納を求める方針を明言した。イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)による日本人人質事件に危機感を高める政府は、説得に応じない人に旅券法の邦人保護規定を初適用して強行策に踏み切った。ただ、憲法の「渡航の自由」に絡むだけに、邦人保護を巡る議論は尾を引きそうだ。【鈴木美穂、木下訓明、堀祐馬】
 菅氏は会見で、ISの活動地域について「日本人2人が拘束、殺害されており極めて危険」と指摘し、▽ISが日本人殺害を継続すると宣言した▽杉本さんが出国後、シリアに渡航しない保証がない??と命令の理由を説明した。杉本さんは「ISの支配地域には入らない」としていたが、菅氏は支配地域の境界は流動的だとし、シリア全土で拘束や生命の危険が「極めて高い」と述べた。
 旅券法19条1項4号は、旅券所有者の「生命・身体・財産の保護」を理由に、政府が旅券の返納命令を出せると定めている。政府関係者によると、1951年の法施行当時は海外へ渡る日本人が少なく、現地で金銭的に困ったり、心神耗弱に陥ったりした人を「強制帰国」させる事態を想定。日本からの出国を止める趣旨ではなかったという。
 実際、政府は「憲法上、渡航中止を強制するのは困難」とみて、過去に危険地域に渡航しようとする人には任意で中止を要請するにとどめてきた。外務省は昨年、後藤健二さんにもシリア渡航中止を3回促したが、旅券返納は求めていない。同省関係者は「2人の殺害で全く新たな状況が生じた」と方針転換を認めた。
 政府は返納命令の際に過去の判例も検討した。旧ソ連での国際会議に出席しようとした元社会党衆院議員の帆足計(ほあしけい)氏の旅券発給に政府が応じず、帆足氏らが損害賠償訴訟を起こした「帆足計事件」で、58年9月の最高裁判決は、海外渡航も「公共の福祉のために合理的な制限に服する」として、政府判断の違法性を認めなかった。この判決も踏まえ、政府は今回の命令が訴訟に耐えうると判断しているが、判決を巡っては学会などに異論もある。
 杉本さんは4日付の地元紙で渡航を表明。新潟県警と同省が中止を求めたが翻意せず、菅氏の指示で同省は7日に旅券返納命令を出した。杉本さんは毎日新聞の取材に、旅券の返還を求める考えを明らかにし、「返してもらえなければ裁判も検討したい」としている。
 菅氏は「憲法が保障する報道・移動の自由は最大限尊重する」とし、同省幹部は「シリアは例外だ。他の地域への適用は考えていない」と説明する。ただ、渡航が事前に表面化せず、第三国経由でシリアに入国する人を政府が把握するのは「難しい」(菅氏)のが現状だ。
 ◇強制手段、慎重に 報道の自由、侵害
 国民の安全確保のための旅券返納命令と、取材の自由の兼ね合いをどう考えるべきか。元共同通信記者の春名幹男・早稲田大客員教授(国際ジャーナリズム)は「状況が分からないので評価が難しい」としつつ「政府は強制的な手段を取ることに慎重であってもらいたい。少なくとも今回、例外的に旅券を返納させた理由を可能な限り明らかにすべきだ」と指摘する。
 一方で山田健太・専修大教授(言論法、憲法)は「行くべきか、行くべきでないかは報道機関、ジャーナリストが自ら判断すべきだ。旅券返納命令は憲法が保障する移動の自由、報道の自由を侵害しかねない」と外務省の判断を批判する。政府による「危険」との情報は、判断材料に過ぎないといい「危険だからとの理由で渡航を強制的に止めてしまえば、戦争当事国からの一方的な情報しか流れない状態になる恐れもある」と語った。
 
国内のジャーナリストは特定秘密保護法により政府が秘密にしている情報には近寄れなくなった。
 
それによって国民の国家機密に対する「目と耳」を奪ってしまった。
 
さらに今回の旅券返納という強制的な措置が「公共の福祉のために合理的な制限に服する」という1958年9月の最高裁判決に倣うということには無理がある。  
 
現行憲法が「GHQ押し付け憲法」と言って憚らない安倍政権では、もはや憲法は「国家権力を縛るもの」ということを忘れ去ろうとしているようである。 
 
大手マスメディア(新聞・テレビ)がすっかり政権批判をしなくなった最近の風潮に危機感を覚えた人たちが立ち上がった。
 
<「政権批判の自粛、社会に広がっている」1200人声明>
 2015年2月9日23時43分 朝日新聞DIGITAL
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報道などの自粛や萎縮に抗する声明の会見では、賛同者の元経済産業官僚の古賀茂明さん(中央)らが参加した=東京都千代田区
 「イスラム国」人質事件後、政権批判の自粛が社会に広がっている――。フリージャーナリストや学者らが9日、会見を開き、「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」を発表した。インターネットなどを通じ、映画監督森達也さん、社会学者の宮台真司さん、作家平野啓一郎さんや中島岳志さんら表現に携わる1200人が賛同し、NHKのディレクターや新聞記者も名を連ねた。
 「政府が主権者やメディアに監視、検証され、批判されることは当然のこと。批判を控えることは戦前の翼賛体制につながりかねない」。そう指摘するのはジャーナリストの今井一さん。今月2〜4日、衆・参院予算委の人質事件に関する野党議員の質疑とNHK・民放のニュース番組の放送時間を検証。2日は4分以上報じる民放がある一方、多くが1分以内。約20秒の番組もあった。「メディアは『自粛』しているという自覚がない。非常に危険だ」
 元経済産業官僚の古賀茂明さんは「いまは相当危機的な状況に至っている」。1月下旬、コメンテーターとして出演するテレビ朝日の番組で人質事件に絡み「アイ・アム・ノット・アベ」と話したところ、ネット上で「政権批判をするな」などの非難が殺到。神奈川県警から自宅周辺の警備強化を打診されたという。声明では、「物言えぬ空気」が70年前の戦争による破滅へ向かった、と指摘している。
 昨年暮れの衆院選前に政権与党が報道各社に「公正な報道」を要請したことにからみ、古賀さんは当時、「報道の自由が失われるまでに3ステップある」とし、「ホップ」で報道抑圧、「ステップ」で報道機関の体制への迎合(自粛)、「ジャンプ」で選挙による独裁政権の誕生、と指摘した。古賀さんは「報道の自粛が蔓延(まんえん)し、国民に正しい情報が行き渡らなくなりつつあるのではないか」と警鐘を鳴らした。(斉藤佑介)
 
声明文の全文は以下の通り。 
 
翼賛体制の構築に抗する
言論人、報道人、表現者の声明

 私たちは「ISIL」による卑劣極まりない邦人人質惨殺事件を強く非難し、抗議するものである。また、この憎しみと暴力の連鎖の帰結として起きた事件が、さらなる憎しみや暴力の引き金となることを恐れている。
 同時に、事件発生以来、現政権の施策・行動を批判することを自粛する空気が日本社会やマスメディア、国会議員までをも支配しつつあることに、重大な危惧を憶えざるを得ない。
 「このような非常時には国民一丸となって政権を支えるべき」
 「人命尊重を第一に考えるなら、政権の足を引っ張るような行為はしてはならない」
 「いま政権を批判すれば、テロリストを利するだけ」
 そのような理屈で、政権批判を非難する声も聞こえる。
 だが、こうした理屈には重大な問題が潜んでいる。
 まず、実際の日本政府の行動や施策が、必ずしも人質の解放に寄与するものとは限らず、人質の命を危うくすることすらあり得るということだ。であるならば、政府の行動や施策は、主権者や国会議員(立法府)やマスメディアによって常に監視・精査・検証され、批判されるべき事があれば批判されるのは当然の事であろう。
 また、「非常時」であることを理由に政権批判を自粛すべきだという理屈を認めてしまうなら、原発事故や大震災などを含めあらゆる「非常時」に政権批判をすることができなくなってしまう。たとえば、日本が他国と交戦状態に入ったときなどにも、「今、政権を批判すれば、敵を利するだけ」「非常時には国民一丸となって政権を支えるべき」という理屈を認めざるを得なくなり、結果的に「翼賛体制」の構築に寄与せざるを得なくなるだろう。
 しかし、そうなってしまっては、他国を侵略し日本を焼け野原にした戦時体制とまったく同じではないか? 70数年前もこうして「物言えぬ空気」が作られ、私たちの国は破滅へ向かったのではなかったか? 
実際、テレビで政権批判をすると、発言者や局に対してネットなどを通じて「糾弾」の動きが起こり、現場の人々に圧力がかかっている。
 問題なのは、政権批判を自粛ないし非難する人々に、自らがすでに「翼賛体制」の一部になりつつあるとの自覚が薄いようにみえることである。彼らは自らの行動を「常識的」で「大人」の対応だと信じているようだが、本当にそうであろうか?私たちは、今こそ想像力を働かせ、歴史を振り返り、過去と未来に照らし合わせて自らの行動を検証し直す必要があるのではないだろうか?
 日本国憲法第21条には、次のように記されている。
 「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」
 日本国憲法第12条には、次のようにも記されている。
 「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
 私たちは、この日本国憲法の精神を支持し尊重する。そしてこの精神は、「非常時」であるときにこそ、手厚く守られ尊重されなければならないと考えている。
 なぜなら「非常時」にこそ、問題の解決のためには、様々な発想や見方、考え方が必要とされるからである。
 私たち言論・表現活動に携わる者は、政権批判の「自粛」という悪しき流れに身をゆだねず、この流れを堰き止めようと考える。誰が、どの党が政権を担おうと、自身の良心にのみ従い、批判すべきだと感じ、考えることがあれば、今後も、臆さずに書き、話し、描くことを宣言する。
                        2015年2月9日
 
「いま政権を批判すれば、テロリストを利するだけ」
「このような非常時には国民一丸となって政権を支えるべき」
 
こんな身勝手な屁理屈には、こんな風に対抗すべきであろう、とオジサンは思う。
 
いま政権を批判しなければ、今後もますます人質は見殺しにされる!
 
このような安倍政権の横暴と暴走には、国民一丸となって政権批判を続けなければならない」 

posted by 定年オジサン at 12:36| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 人質事件関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月09日

冷静に、かつ厳しい海外メディアの安倍晋三評価

昨日は「米主導の有志連合は『憂死連合』となる」の中で、「いつから『有志連合』入り? まともに答えられない安倍政権」という記事を引用したが、米シンクタンクで海軍アドバイザー等を務める戦争平和社会学者の北村淳が「イスラム国と戦う『有志連合』、まぎれもなく日本は一員である」という記事の中で、こうのように解説していた。
  
そもそも、アメリカ政府の定義によると日本は「人道支援を提供する同盟国」と見なされていたという。
 
ちなみに2014年9月時点でアメリカ政府が有志連合としたのは、
「何らかの軍事支援を提供する同盟国」が20カ国、
「軍事支援ではなく人道支援を提供している同盟国」が13カ国、
「いまだに軍事支援も人道支援も提供していないが支援を表明している同盟国」13カ国、
「特定の支援は表明していないがアメリカ政府は同盟国と見なしている諸国」が13カ国、
それにアメリカ自身を加えた60カ国であった。
 
その詳細は区分けによって若干国の数が合わないところもあるが、おおよそこんな感じである。
 
■軍事支援と人道支援を実施する有志連合:17カ国
 アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、オランダ、ベルギー、ドイツ、イタリア、デンマーク、カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エストニア、ハンガリー、チェコ、ブルガリア
◆軍事支援だけを実施する有志連合:4カ国
 ヨルダン、バーレーン、アルバニア、クロアチア
□人道支援だけを実施する有志連合:14カ国
 日本(シリアとイラク領内の難民に対しておよそ2550万ドルの人道支援)、韓国、クウェート、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、スペイン、アイルランド、スイス、オーストリア、ルクセンブルグ、スロバキア、グルジア
 
そして現時点での有志連合軍事作戦は、以下のように大別されるらしい。
(1)シリア領内のIS支配地域に対する空爆
(2)イラク領内の支配地域に対する空爆
(3)IS軍と地上で戦闘を交える自由シリア軍、イラク政府軍、それにクルド族部隊に対する補給活動
(4)自由シリア軍、イラク政府軍、クルド族部隊に対する軍事顧問団による教育訓練
 
したがって日本が行っている人道支援は軍事作戦の一部ではないのだが、2月1日に公表された後藤健二さんの殺害動画を見て、「テロリストに罪を償わせる」と表明した安部首相が「人道支援」よりステップアップする場合、理論的には以下のことを行っていくことになると指摘している。
 
「人道支援プラス軍事支援(武器弾薬の提供)」
「人道支援プラス軍事作戦での補給活動」
人道支援プラス軍事作戦での戦闘活動
 
しかしながら、菅官房長官は「有志連合に対して資金援助や後方支援は行わない」と明言したが、一部ネトウヨは困惑し非難轟々であった。
 
上記のように、人道支援を実施してきた日本は有志連合の一員なのである。ただし防衛関係法令や軍事的能力の制約により有志連合による軍事作戦には参加しておらず、軍事支援も実施していないだけなのである。
 
ということは、日本政府やメディアは「日本は有志連合の空爆などの軍事作戦にはいかなる形でも参加しないし、兵器弾薬の供給をはじめとする軍事援助も実施しない」と表現しなければならない。そうでなければ、人道支援を通してISとの戦いに貢献している日本が、あたかもいまだに有志連合に参加していないとの誤解を招くことになってしまうと指摘する。
 
そして結びとして、人道支援を実施する日本は、有志連合の軍事作戦には参加していないが、アメリカはじめ有志連合諸国そしてISからも、名実ともに有志連合の一員と見なされていることを、日本政府はじめ我々日本国民はしっかり認識しておかねばならない、と警告していた。   
 
すでに日本も一員とみなされている有志連合の国のメディアは日本国内の翼賛メディアとは少々異なる安倍晋三評価を痛烈にしていた。
 
<後藤氏殺害は安倍総理のミスか。白熱する欧米の報道>
 2015/2/6 Weekly Briefing(ワールド編)
 ジャーナリスト後藤健二氏がイラク・レバントのイスラム国(ISIL)の手により斬首されたショックを受け、多くの世界のメディアは安倍総理の外交手腕、交渉力を疑問視し始めている。たとえば、イタリアのメディアは、「後藤さん殺害、すべてのエラーは安倍総理のせい」と報道。そのエラーを7つに分けて解説した。一方、ドイツのメディアは安倍外交に無関心。その対比も面白いが、海外メディアのストレートな物言いは日本のメディアではお目にかかれそうもない。
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Japanese PM Shinzo Abe after hearing news of the execution of Jordanian pilot Lt. Muath Al-Kaseasbeh. ーREUTERS/Aflo/Toru Hanai
英国は「日本は自立しろ」と批判 
英国は、「ジハーディ(聖戦士)・ジョン(ISILの処刑人)」の出身地だ。英国の大手メディア、BBCやPearsonなどは、ISILとの人質解放交渉において実績のあるトルコではなく、実績のないヨルダンに交渉を頼ったのはなぜかと酷評した。
また、日本国内で、安倍外交の評価について議論がされている点を指摘するとともに、安倍政権は他国に頼らず、外交において自立すべきと示唆した。
また、Financial TimesのDavid Pilling記者は今までの日本外交政策についてこう解釈した。
「大ざっぱに言うと、日本は、自国の経済的利益を追求するとともに、すべてすべての国の友達を演じている。その一方、国防という厄介な仕事についてはアメリカにアウトソースしている」
アメリカは、人質情報を知りながら中東訪問したことを疑問視 
アメリカは、テロリストと交渉しない姿勢を明確にしている。WSJNYTQuartzなどアメリカのメディアは、日本国民の間で、安倍政権に欧米のようなアクティブな外交を期待する機運が高まっていると報じた。
その他、英国のメディアと同様、なぜISILとの交渉に長けたトルコに人質解放の仲介を願い出なかったのかと報じた。
大手メディアのIACが運営しているThe Daily Beastは、日本人の拘束情報をいち早くキャッチした日本の週刊誌「週刊ポスト」に対して、外務省が「先んじて報道することは人質2人の命に関わる」としてストップの指示を出したことを報じた。そして、「週刊ポスト」がその指示に従ったにもかかわらず、安倍総理は中東を訪問するなど、人質の保護に気を配らなかったと、糾弾した。
また、ISILが後藤さんら2人の日本人人質を拘束していることを知りつつ、当初の予定通り訪問を断行したことにより、日本政府はISILのブラックリスト入りし、人質2人が開放されるチャンスは実質ゼロとなったと報じた。
フランスは、日本人は世界における立ち位置を模索していると報道 
フランスは、英米との協調を乱している。同国のLe MondeLe Pointなど大手メディアは、日本の各国に対する中立的な政策は実に“日本らしい”と主張した。
また、Le Monde、Le Pointなどを深く読むと、今後安倍政権は中立路線から離れ、よりアクティブな外交をしたいと意気込んでいると述べた。
ちなみに、代表的な経済メディアLes Echosが安倍総理の憲法9条改正案について、改正ではなく” 再解釈する“と述べたことにも注目だ。
イタリアは、後藤さん殺害は安倍総理のエラーとリポート 
イタリアは、シリア難民問題に悩んでいる。イタリアの「Il Sore 24 Ore」は、後藤さんが殺害されてしまったのは、安倍総理が7つの間違いを犯したからだと報じた。
1つ目は、秘密裏に行われた11月以前の交渉が失敗に終わったこと。
2つ目は、その交渉の情報を得た「週刊ポスト」など日本のメディアに対し外務省が報じないように圧力をかけ、そして安倍総理はそれを看過したこと。
3つ目は、カイロでの演説において、中東地域に対し2億ドル支援すると表明したが、その目的を明確にしなかったため、ISILが同じ金額を身代金として要求する結果となったことなどだ。
残りは、ISILとの有効なコミュニケーション・チャネルを見いだせなかったこと、また、安倍総理がISILに対して「罪を償わせる」と欧米の政治家なような厳しい発言をしたことが、集団的自衛権など安倍総理のポリシーとあまりに重なったことなどだ。
ドイツは、安倍外交について報道なし 
ドイツは、ISILに参加する自国民が欧州一多い国だ。『Charlie Hebdo』銃撃に対するデモがドイツでも行われ、なおかつ、ISILに参加する自国民が多いドイツの大手メディアは、後藤健二氏がISILの手により殺害されたことについてのみ報道。安倍総理の対応については、特にカバーしなかった。
 
今さらながら、無知で無策だった安倍晋三首相を批判、非難したところで、もう日本は後戻りできないレベルに来てしまったことは否定できない。
 
そううなれば今後世界の中でどのような振る舞いが大切なのか、思想家・武道家の内田樹はこう解説している。 
  
<米の従属国・日本がイスラム圏から敵視されてこなかった理由>
 2015.01.28 16:00 NEWS POST SEVEN 
 イスラム共同体は北アフリカのモロッコから東南アジアのインドネシアまで、領域国家を超えて結ばれた人口16億人の巨大なグローバル共同体であり、宗教、言語、食文化、服装などにおいて高い同一性を持っている。これほど広い範囲に、これだけ多数の、同質性の高い信者を擁する宗教は他に存在しない。
 加えて、イスラム共同体の構成員の平均年齢は29歳と若い。欧米先進国も中国もこれから急激に少子高齢化の時代に突入する中で、イスラム圏の若さは異例である。ここが21世紀の政治経済文化活動のすべてについて重要な拠点となることは趨勢としてとどめがたい。
 アメリカ主導のグローバリズムとイスラムのグローバル共同体はいずれもクロスボーダーな集団であるが、支配的な理念が全く異なる。イスラム社会の基本理念は相互援助と喜捨である。それは何よりも「孤児、寡婦、異邦人」を歓待せねばならないという荒野の遊牧民の倫理から発している。
 アメリカ型グローバリズムには相互扶助も喜捨の精神もない。「勝者が総取りし、敗者は自己責任で飢える」ことがフェアネスだというルールを採用している。この二つのグローバル共同体が一つの原理のうちにまとまるということはありえない。かといって相手を滅ぼすこともできない。隣人として共生する他に手立てはない。
 日本はアメリカの従属国でありながら、幸い平和憲法のおかげで今日にいたるまでイスラム圏から敵視されていない。それは日本の宗教的寛容の伝統もかかわっているだろう。ムスリムもキリスト教徒も仏教徒も平和的に共生できる精神的な基盤が日本にはある。
 この「ゆるさ」は日本の外交的なアドバンテージと評価してよいと思う。この宗教的寛容に基づいて二つのグローバル共同体を架橋する「仲介者」となることこそ、日本が国際社会に対してなしうる最大の貢献だと私は思っている。
※SAPIO2015年2月号
 
暴力を受けた側が暴力で返せば最後は両者が傷つく。
 
戦争はその典型的な暴力行為なのだが、残念ながら戦争を推し進める一部の人間は安全な場所に居て、戦闘行為を行わせその被害者は手足となる軍人と彼らに殺される一般人たちである。
 
安倍晋三も戦争を推し進める一部の人間に属する。
 
日本はアメリカの従属国でありながら、幸い平和憲法のおかげで今日にいたるまでイスラム圏から敵視されていない」という事実を今一度よく噛みしめる必要がある。
 
しかし「安倍、習両日中首脳を国賓で招待、米大統領補佐官」となればより一層安倍晋三首相の米国追随ぶりが強まることは確かであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:02| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 人質事件関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月08日

米主導の有志連合は「憂死連合」となる

2人の人質見殺しという大失態の原因も「特定秘密法」によって闇に葬り、国民に対しては「テロには屈しない」と強気の姿勢を崩さない安倍政権に対して、共同通信の世論調査では日本人人質事件に対する安倍政権の対応を「評価する」は「ある程度評価する」を合わせると計60.8%もあったという。
 
それはテレビの情報番組やニュースでは露骨な政権批判が全く見られないので多くの国民は、17日間も自宅に帰れず首相公邸で寝泊まりした安倍晋三首相を「よくやった」と錯覚している人が多いということであろう。 
 
このような事態が発生した場合の首相公邸であり、さすがに晋三ボッチャンもおいそれと母親名義の私邸には戻れなかったということであった。 
 
しかし、今後の国際的な連携の在り方について57.9%が「非軍事分野に限定」と回答しており、国民はまだまだ冷静であることがわかる。
 
ところで「人質殺害から1週間たたず…安倍首相が“夜の豪遊”もう解禁」によると、後藤健二さんが殺害された事実を把握した2日後の2月3日夜の自民党の鳩山邦夫元総務相を中心とするグループ「きさらぎ会」が都内ホテルで開いた「新年会」に出席した安倍晋三首相は「日本は変わった。日本人にはこれから先、指一本触れさせない」という勇ましい挨拶をしたという。
 
この発言の主旨は、海外の過激グループが存在しているという地域には日本人を行かせないということである。
 
国内ならばイスラム国の過激集団も簡単には入国できないだろうからリスクは少ないが、危ない海外には出さないという短絡的な発想から出た言葉だったのかもしれない。
 
しかしその姑息な首相の考えを忖度したような事態が発生していた。  
 
<シリア渡航 強制阻止 男性に旅券返納させる>
 2015年2月8日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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命令の理由を記した旅券返納命令書=7日午後11時21分、新潟市中央区(個人情報保護のためにモザイクをかけています)
 シリアへの渡航を計画していた新潟市の男性フリーカメラマンが外務省から旅券の返納を命じられ、男性が命令に応じて提出していたことがわかった。邦人の生命保護を理由にした返納命令は初めて。同省は過激派組織「イスラム国」による人質事件を受け、シリア全域に退避勧告を出しているが、「渡航制限」という踏み込んだ対応は論議も呼びそうだ。
 「現地での取材を自粛するのは、それ自体がテロに屈するということ」。外務省から旅券返納命令を受けたフリーカメラマンの杉本祐一さん(58)=新潟市中央区=はシリア入りの計画の理由をこう説明した。
 今回の渡航では、クルド人自治組織が「イスラム国」から奪還したシリア北部の街コバニや、自由シリア軍、トルコ国内の難民キャンプなどを取材する予定だった。「イスラム国」の支配地域には入るつもりはなかった。生きて帰れなければ伝えられない、との思いがあるためだという。
 突然の旅券返納に、「渡航や言論、報道・取材の自由が奪われている」と憤る。「足を踏み入れなければ、そこで暮らす人々の気持ちを理解できない。我々はみんな宇宙船地球号の一員。無知ではいけないはずだ」と危険地帯で取材を続ける意義を語る。
 (大野晴香)
 ■外務省・与党、制限論強まる
 外務省や与党内では、邦人保護の観点から危険地域への渡航を制限する必要性を訴える意見が強まっていた。「イスラム国」に殺害されたとみられるフリージャーナリストの後藤健二さんがシリアに渡航する前、外務省は9、10両月、電話と面談で計3回にわたり渡航中止を要請したが、受け入れられなかった経緯がある。このため、同省内では「あれだけ止めてだめなら、ほかの強い手立てが必要になる」(同省幹部)との声が出ていた。
 ただ、憲法22条は「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」と規定し、海外渡航の自由を認める根拠となっている。菅義偉官房長官は「憲法との兼ね合いがある」と規制に慎重な姿勢を示していた。
 一方で、外務省幹部は「憲法上の問題があると言って裁判に訴える人がいるかもしれないが、国民も今回の人質事件を見ていたので、理解が得られるのではないか」と話す。
 ■取材締め付け/返納、仕方ない
 フリージャーナリストの安田純平さん(40)は「政府が取材をしてはいけない場所を自由に決められることになってしまう。極めて問題だ」と批判する。「政府が善しあしを判断して取材を制限していい問題ではない」と話した。中東取材の経験がある写真家の八尋伸さん(35)も「何の目的でどこに行く人の旅券を没収するのか、基準があいまい。取材活動への締め付けを感じる」と指摘した。
 一方、公共政策調査会の板橋功・第1研究室長は「シリアにいま日本人が渡れば、『イスラム国』に拘束される可能性が高い。『渡航の自由』があるとはいえ、多くの人を巻き込み、自分だけでは責任を負いきれない。邦人保護のためには返納命令は仕方ない措置だ」と理解を示した。
 
杉本さんによると、7日午後7時半ごろ、同省職員と新潟県警の警察官ら計数人が訪れ、旅券返納を求め、この際のやりとりの中で、職員らは「返納に応じなければ逮捕する」との趣旨の発言をしたという。
 
さらに杉本さんは同日深夜、共同通信の取材にも応じ、「取材と報道の自由どころか、言論の自由を妨げる行為。言語道断だ」と政府の対応を批判した。
 
杉本さんは、過激派組織「イスラム国」の日本人人質事件を受け、3日に新潟日報社の取材にシリア入りの計画を語っていた。 

「現地に滞在しなければ見えないものがある。ジャーナリストやカメラマンは現地に行く必要がある」とし、27日に日本を出発してトルコ経由で現地に入り、1週間から10日ほど滞在し、難民キャンプなどを取材する予定だった。
 
既に容疑者は逮捕されたが数日前に発生した小学校5年生の男児刺殺事件。
 
事件直後は当然ながら児童を持つ親は、独りで危険な場所に行ってはいけないと引き留める。
 
しかし、フリージャーナリストやフリーカメラマンたちは、政府の発表記事を垂れ流すような記者クラブの連中が行けないような危険な地域に行って貴重な写真や現地レポを公表して生計を立てている人たちである。
 
これを阻止するということはもちろん憲法上の問題も大きいが、個人の生きる自由を奪う行為である。
 
外務省の今回の措置は「邦人保護の観点」ということではなく、単に事件が起きてから非難されることを回避する自己保身であろう。
 
安倍晋三首相は「政権を批判することはイスラム国に忖度することになる」と言っていたが、今回のパスポートを取り上げて海外渡航を阻止する行為はまさに「現地での取材を自粛するのは、それ自体がテロに屈するということ」になる。
  
人質交渉の未熟さを曝け出してしまった安倍政権であったが、ビデオジャーナリストの神保哲夫は、オーストリアのウーロンゴン大学の教授で国際テロの専門家として知られるアダム・ドルニック教授が、2015年1月13日付けの国際政治誌「フォーリン・アフェアーズ」のオンライン版に、「身代金に関する4つの誤謬」と題する論文を自ブログで紹介していた。
 
<人質の命を救うことを最優先しなければならない
   身代金に関する4つの誤謬 ー アダム・ドルニック教授>
 February 7, 2015 
 オーストリアのウーロンゴン大学の教授で国際テロの専門家として知られるアダム・ドルニック教授が、2015年1月13日付けの国際政治誌「フォーリン・アフェアーズ」のオンライン版に、「身代金に関する4つの誤謬」と題する論文を寄稿している。テロリストによる人質問題と身代金に関する一考察として注目に値すると思われるので、ここで簡単に紹介したい。
 
人質解放交渉などに関わった経験を持つドルニック教授は、「政府は身代金を支払ってでも自国民の人質を助け出さなければならない」と主張する。そして、人質事件における身代金の位置づけや「テロには屈しない(no concessions)」政策の持つ意味については、大きな誤解があるとして、その中でも代表的な4つの誤謬を紹介している。
まず最初の誤謬として「テロには屈しない」(no concessions)(=身代金は払わない)を掲げる政府が、一切の交渉をしていないと考えるのは大きな間違いであると、教授は指摘する。欧米の先進国はほぼ例外なく、政府が正式に身代金を支払うことはしていないが、デンマークやオランダの例に見られるように、政府は人質の家族や仲介者などを通じて、身代金の支払いには柔軟に応じている場合が決して少なくない。アメリカは世界でもかなり例外的にテロリストとの交渉を無条件で拒否する立場を強く打ち出している国だが、後に紹介するように、アメリカは人質を救出するための特殊部隊を擁していたり、実際の紛争当事者であるためにテロリスト側の人質や捕虜を抱えている場合が多く、捕虜交換には応じている。no concessions方針をもっとも厳密に打ち出しているアメリカでさえ、人質の救出を図ったり、人質・捕虜交換など一定の交渉の余地を与えているのだ。よって、「テロリストとは交渉もしない」方針を掲げた国の政府が、テロリストと一切の交渉をしていない考えるのは誤りであると、行為はドルニック教授は言う。
 
2番目の誤謬として教授は、身代金の支払いを拒絶することで、その国の国民がより安全になるという説にも、根拠がないと指摘する。特にアメリカは、身代金の支払いに応じれば、その国の国民はまた人質に取られる可能性が高まり、逆にそれを拒絶すれば、人質に取られにくくなると主張しているが、それを裏付けるようなテータは存在しないとドルニック教授は言う。教授は、テロリストが人質を取る場合、場当たり的な行動による場合がほとんどで、その場でテロリストが国籍によって人質を選り好みするような話は聞いたことがないという。また、人質を取ったテロリスト側の主な要求としては、人質や捕虜の交換がもっとも優先順位が高く、身代金は二の次の場合が多い。そのため、一度身代金を払った国の国民はその後より大きな危険に晒されるというのは根拠のない説であるとして、「テロリストとは一切の交渉しない」ことを正当化する側の論理を一蹴する。
 
3番目の誤謬として、身代金がテロリストをより強大化させてしまうという説にも、教授は疑問投げかける。確かに何億円もの身代金を支払えばそれがテロ組織の強化につながる可能性はあるが、身代金目的の誘拐の場合、人質が政府高官のような要職にある人物でない限り、テロリストは少額の身代金でも妥協する場合が多いと教授は言う。むしろ、人質を取ったテロリスト側の真の目的が身代金ではない場合は、最初に法外な金額をふっかけてくる場合が多く、身代金目的の場合、金額にはかなり妥協の余地があるという。
また、身代金を支払うことが、テロ組織を弱める場合もあると、教授は指摘する。それはテロリスト組織は多くの場合は、「帝国主義との戦い」といった理念的な正当性を掲げている場合が多く、それが多くの兵士をリクルートしたり、場合によっては自爆テロのような自己犠牲まで強いることを可能にする原動力となっている。ところが、その組織が、実はカネを目当てに人質を取っている銭ゲバ集団であることが明らかになれば、その組織が理念的・精神的な正当性を失うことになると考えられるからだ。実際、フィリピンのイスラム過激組織「アブサヤフ」は2000年以降に相次ぐ人質事件で多額の身代金を得たことで、国民の支持を失い、今や大義を掲げるテロリストなどではなく、単なる犯罪集団のような地位に成り下がっているとドルニック教授は言う。
 
そして4つめにして最後の誤謬として教授は、身代金は払わないでも、他にも人質を救う手段があると思われていることをあげる。身代金を支払う以外に、人質を助ける手段がないことを認識すべきだというのだ。1つ目の誤謬の中でも触れたが、アメリカは特殊部隊による救出作戦を遂行する能力があると思われているが、実際は人質が殺される最も大きな要因が救出作戦であることは、テロ専門家の間では常識となっている。救出作戦は数十回に1回成功すればいい方で、失敗した場合、人質のみならず、救出に乗り出した特殊部隊の隊員にまで犠牲が出る場合も少なくない。
以上のような4つの誤謬を示した上でドルニック教授は、「身代金を払ってでも政府は自国民を救うべきである」と主張する。上にあげたように、実際は身代金を出す以外に人質を救う手立ては存在しないに等しく、身代金を払ったとしても、その影響は一般に言われているほど大きくはないというのが、教授の主張の主たる根拠となっている。
特に紛争地帯で危険な任務に携わる援助団体やNGOのスタッフやジャーナリストや医療スタッフが人質になった場合、政府はあらゆる手段を講じてでも彼らを助けることが重要だと、教授は言う。なぜならば、政府が「テロには屈しない」といった単なる原則論で彼らを見殺しにした場合、彼らの多くは危険な場所に行きたくても行けなくなってしまう。それは紛争地帯で日々の生活にも苦しむ住民への食料や医療などの人道的援助が行き渡らなくなることを意味し、教授の言葉を借りれば、テロと戦う上で最も重要な要素と言っても過言ではない「hearts and mind」(軍事ではない心の外交)が止まってしまうことを意味するかである。
 
安倍晋三首相が就任以来行ってきた珍妙なネーミングの「地球儀を俯瞰する外交」は、外交というよりは、国内の経済界の首脳を引き連れて行ったトップセールス(たとえば原発や武器部品等)であり、もう一つはODAと称する発展途上国に対して行う税金のバラマキであった。
 
そのため行く先々の国では大いに歓迎され、それが己の力と錯覚し悦に入っていた。
 
したがって「井の中の蛙大海を知らず」の如く、本当のタフな外交経験は安倍晋三は全くない。
 
今回の人質救出ということは安倍政権にとって経験のない交渉となり成果を上げることができなかった。
 
安倍政権が掲げる「積極的平和主義」も過半数の国民が「非軍事分野に限定」することを望んでいる。
 
それにもかかわらず「いつから『有志連合』入り? まともに答えられない安倍政権」という体たらくでは、政府に見殺しにされた人たちにとっては「憂死連合」となってしまった、とオジサンは思う。

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2015年02月07日

お好みの時間-おもしろ動画編

昨日は施設に入居している母の満90歳の誕生日なので母の妹を連れてオバサンと施設を訪ねた。
 
当日は施設が作成した「モニタリング一覧表」について担当の介護職員から説明を受けた。
 
これは施設が3か月ごとに作成する入居者別の介護計画とその評価結果の一覧である。
 
短期目標には「誤嚥しない」「尿路感染の再発を予防する」「不安を減少させる」の3つが掲げられており、それらに対する施設側の「サービス内容」と評価が記入されている。
 
そして「特記事項」には、嚥下機能は低下しているものの自力での食事が継続的に実施されており、特に驚いたことに「集団体操に積極的に参加」とか「笑顔が多くみられるようになった」と記載されていた。
 
どうやら心身ともに健康な90歳で今後もまだまだ長生きしそうである。 
 
取りあえずホットしたので今日は気分を変えて明るい、楽しい動画をいくつか紹介したい。  
 
 
10000本以上の棒を使って「飛び上がるドミノ」 何度見ても不思議だ!

 
変わりドミノ1 
 
 
変わりドミノ2 


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

人間とマシーンのコラボレーションドミノ

11人のレッドブル・アスリートを動力に、25トンもの資材を連鎖させて動かすマシーン、Red Bull Klugeが登場!(Klugeとはスラングで、不完全ながらも効果的な問題解決法の意味) 様々なシーンで活躍するアスリートが壮大すぎるマシーンを動かす! 
 
 The Athlete Machine - Red Bull Kluge

アスリートが動力となって動かす大規模装置、Red Bull Kluge! 器械のトラブルなど、撮影の裏側にあったハプニングや秘話をまとめた映像はこちら

 
posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | お好みの時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月06日

大手メディアからネット業者にまで広がってきた「政権忖度」風潮

国の指導者は国民からの支持が低下すると、共通の敵を国外に求め国民に一致団結を呼びかける。
 
殺害された日本人2人の拘束事実を事前に知っていたと国会で認めざるを得なくなった安倍政権。
 
その事実を知りながら昨年の12月の総選挙に突入し、水面下での外務省の交渉を中断させてしまった安倍政権。
 
人質には決して身代金を渡さないという英米型交渉を貫き、日本人の命よりも有志国連合へ顔が向いている安倍政権。
  
エジプトでの演説内容もしっかりと自分で推敲したとして、テロリストには「忖度」しないという安倍政権。
 
そんな安倍政権を支持するかのような、「イスラム国」による日本人人質事件を非難する決議を衆院は5日昼の本会議で、全会一致で採択した。
  
「テロ行為はいかなる理由や目的によっても正当化されない」と批判することは決して間違っているわけではなく、「わが国と国民はテロリズムを断固として非難するとともに、決してテロを許さない姿勢を今後も堅持する」と強調することもいいだろう。
 
問題はこの後である。
 
「非道、卑劣極まりないテロ行為」と非難して、「中東・アフリカ諸国に対する人道支援を拡充し、テロの脅威に直面する国際社会との連携を強め、これに対する取り組みを一層強化するよう政府に要請する」と、あたかも中東地域への支援を今後拡充するという安倍晋三首相の方針に沿うような内容であった。
 
「非道、卑劣極まりないテロ行為」を既に数多く繰り返してきた「イスラム国」に対して挑発的な発言をあえて行い人質を見殺しにしたことに対する「安倍晋三非難決議」は出来なかったようである。
 
そして最も問題な箇所は「テロの脅威に直面する国際社会」という表現である。 
 
イラク戦争開戦前後に当時の川口順子外務大臣宛に2通の公電を送ったため、北島信一外務省大臣官房長から詰問を受け、竹内行夫外務事務次官署名入り「勧奨退職」を通告され、事実上のレバノン大使「解雇処分」を受けたと主張している天木直人はブログでこう批判していた。
 
・・・前略・・・
国際社会という言葉はごまかしだ。世界で200か国ほどある国のなかで、ここでいう「テロ」の脅威に直面している国はわずかだ。「国際社会」ではなく「テロと戦う有志連合」と書くべきだ。それさえも高々世界の4分の一程度だ。断じて国際社会ではない。
 そして戦争を行っている国に援助を行うことほど間違いはない。そもそも人道援助という言葉自体が嘘だ。真の人道援助にあんな巨額はいらない。戦争当事国にプロジェクト援助をしても破壊される。財政援助ならどこへ消えるかわからない。腐敗や戦費に使われる。だからこそ、日本の援助は紛争当事国に供与しないという大原則があった。いつからその原則が変更されたというのか。誰が勝手に変えたのか。
・・・後略・・・
 
国会議員が「イスラム国」という仮想敵国と戦うために政権批判を控え始めているが、ネット上の政治ブロガーは大手マスメディアが報道しない、いや報道できない「真実」を盛んに発信している。
 
このようなアクセス数が異常に大きいブログはJNSCとよばれる「自民党ネットサポーターズクラブ」のネトウヨ顔負けの会員たちによってチェックされ安倍晋三側近に知らされるという。
 
そのような風潮が蔓延り、ブログ管理者が政権の意向を忖度して特定の記事を削除するという事件が起きていた。
 
当初は「エキサイトによる記事削除(公開停止) - 言論統制に出た安倍晋三」とブログ主は息巻いていたが、どうやらその後の調べで直接圧力があったわけではなく自主規制であったことが判明している。
 
ちなみに削除された記事は「湯川遥菜と後藤健二の命の尊厳の格差 - 差別に抵抗を感じない世論」と「後藤健二の神話化と神格化の洪水となった日本のマスコミと世論」いうものだったらしい。
 
しかしこのような騒ぎが起きることでネット上での自粛が広まれば政権側の思うツボとなる。     
 
もっとも就任当時から政権のツボに嵌って悪びれない日本の「公共放送」のトップは今でも「嵌り具合」は健在である。 
 
NHKの籾井勝人会長は昨日、定例の記者会見で、戦後70年の節目に従軍慰安婦について番組で取り上げる可能性はあるかと問われ、「正式に政府のスタンスというのがよくまだ見えない。慎重に考えなければならない」などと訳の分からぬことを口走っていた。
 
安倍政権は「戦後70年談話」を検討中だが、籾井会長は「夏にかけてどういう政府のきちんとした方針が分かるのか、この辺がポイント」と発言していた。
 
<NHK会長「挑発的な質問やめて」 会見主なやりとり>
 2015年2月5日21時16分 朝日新聞DIGITAL
・・・前略・・・  
 【戦後70年の番組について】
 ――今年は戦後70年の節目。夏に特集番組や戦争に関するものをやると思うが、基本方針は
 籾井勝人NHK会長 現場で検討してもらっている最中。そういう意味で私が基本方針がどういったものか承知しているわけではございません。戦後70年、前回は60年だったんですが、だんだん戦後が遠くなっている中で、戦争というものの悲惨さと同時に、やはり我々が戦争の廃墟(はいきょ)からどうやって立ち上がってきたのかという、こういう元気が出る番組も入れていただきたいと個人的には思っております。ただ全体としての方針は、まだ聞いておりません。
 ――去年、朝日新聞の誤報問題で従軍慰安婦が脚光を浴びたが、従軍慰安婦問題を戦後70年の節目で取り上げる可能性は
 籾井 なかなか難しい質問ですが、やはり従軍慰安婦の問題というのは正式に政府のスタンスというのがよくまだ見えませんよね。そういう意味において、やはり今これを取り上げてですね、我々が放送するということが本当に妥当かどうかということは本当に慎重に考えなければいけないと思っております。そういう意味で本当に夏にかけてどういう政府のきちっとした方針が分かるのか、この辺がポイントだろうと思います。
・・・中略・・・
 ――先ほどの従軍慰安婦問題で、正式に政府のスタンスがよく見えないとおっしゃった。現時点では河野談話があり、現政府も踏襲すると言っている。それでも政府のスタンスがよく見えないというのは、河野談話について変わるべきだとか変わりうるとか言うことでおっしゃってるんでしょうか
 籾井 その手の質問にはお答えを控えさせていただきます。
 ――「よく見えない」という認識は……
 籾井 あの、どんな質問もお答えできかねます。
――それはどうしてですか
 籾井 しゃべったら、書いて大騒動になるじゃないですか。
――大騒動になるようなお考えをお持ちなのですか
 籾井 ありません。そんな挑発的な質問はやめてくださいよ。
・・・後略・・・
 
全く主体性も自主性のかけらも感じさせない。

さすがに昨年1月の会長就任時に「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」などと発言した筋金入りの「政府寄り」会長の面目躍如といったところか。 
 
碓井広義・上智大教授(メディア論)はこう批判していた。
 
籾井会長は、就任会見での「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」という発言から何も変わっていない印象だ。そもそもジャーナリズムというのは、自分たちで課題やテーマを探して報じるもの。なかでも公共放送は国民の放送局で、国営放送ではない。権力者から見解を聞かされて、一定の方向に伝えるものではない。NHK内部に慰安婦問題に取り組みたい人がいても、企画書が書けなくなる。NHKのジャーナリズム機能を損なう発言だ。
 
あらためてNHKのジャーナリスムをNHKのホームページ「放送法と公共放送」から抜粋してみる。
 
NHKは、全国にあまねく放送を普及させ、豊かで良い番組による放送を行うことなどを目的として、放送法の規定により設立された法人です。
いわゆる特殊法人とされていますが、NHKの行っている「公共放送」という仕事は、政府の仕事を代行しているわけではありません。「国営放送」でも、「半官半民」でもありません。
放送法は、NHKがその使命を他者、特に政府からの干渉を受けることなく自主的に達成できるよう、基本事項を定めています。その大きな特徴は、NHKの仕事と仕組みについて、NHKの自主性がきわめて入念に保障されていることです。
NHKが自主性を保っていくためには、財政の自立を必要としますが、それを実現しているのが受信料制度です。
NHKの運営財源は、すべての視聴者のみなさまに公平に負担していただくように放送法で定められています。政府のほか、財界などいかなる団体の出資も受けていません。(政府から支出されているのは、政見放送の実費や国際放送の一部の実施経費のみです)
受信料制度によって財政面での自主性が保障されているからこそ、NHKは、視聴者のみなさまの要望に応えることを最大の指針として放送を行うことができます。

よくもまあ、こんな恥も外聞もない文章を堂々とネット上に公開できるものである。
 
「政府の仕事を代行しているわけではありません。『国営放送』でも、『半官半民』でもありません」と言いながら、「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」という籾井勝人会長の発言との齟齬を国民はどのように理解したらよいのだろう。 
 
事実と異なるのなら「詐欺罪」という刑法があるがなかなか適用は難しい。
 
しかし、不当景品類及び不当表示防止法というのが存在する。
 
20150206keihyogaiyo.jpg
   
この法律の4条1項1号「優良誤認」という条文にはこのように書かれている。
 
商品・サービスの内容が、事実と相違して、
1.実際よりも優良であると誤認させる
2.他社の商品・サービスよりも優良であると誤認させる
ことを規制する。
 
「政府の仕事を代行しているわけではありません」と言いながら、「自主性がきわめて入念に保障」されておらず絶えず政権の顔色を窺いながら安倍晋三の意向を忖度する態度は、受信料を支払っている顧客である国民を、「実際よりも優良であると誤認させる」という点からしても、明らかに「景表法」違反ではないだろうか、とオジサンは思う。
posted by 定年オジサン at 12:37| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 人質事件関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

人質殺害事件の責任を放棄して、心は早くも改憲か

人質殺害事件に関しては、詳細はすべて「特定秘密にする」と本音を露わにした安倍晋三首相。
 
すでに官邸サイドは収束に向けて様々な画策を始めている。
 
以下の3点はこの10年余りで外務省が「朝日系列」の朝日テレビや週刊朝日に対して、その報道内容に抗議を行った結果の報道なのだが、最近の人質事件に関しても、テレビ朝日の「報道ステーション」に対して抗議したと外務省のHPに掲載されていた。
 
●2009年9月「インドネシア・コタパンジャンダム事業訴訟に関するテレビ朝日の報道について」
●2008年11月斎木アジア大洋州局長及び外務省幹部の発言と報じられた週刊朝日の記事について
●2006年10月TV朝日放映番組「ドスペ(小倉智昭の国民は怒っているぞ!3 年金が消えていた!真相スペシャル)」について(番組内容の事実誤認)
 
2月2日放送 テレビ朝日「報道ステーション」の報道(総理中東訪問関連)に関する申し入れ
【文書による申し入れ】
 貴社は,平成27年2月2日放送の「報道ステーション」において,シリアにおける邦人人質殺害事件につき報じる中で,総理の中東訪問に関し,「そもそも外務省関係者によれば,パリのテロ事件もあり,外務省は総理官邸に対し中東訪問自体を見直すよう進言していた」旨報じ,また,エジプトで行われた総理の政策スピーチに関し,「外務省幹部によると,この内容についても総理官邸が主導して作成されたという」と報じるなど,あたかも外務省の意に反して,中東訪問が行われ,スピーチの当該部分が作成されたかのような報道がありました。
 この報道内容は事実と全く異なるものです。
 総理の中東訪問については,同2日の参議院予算委員会で総理も述べられているとおり,様々な観点を総合的に判断して決めたものであり,貴社のように社会的に影響力の大きい報道機関が,このように事実に反する報道を行うことは,国民に無用の誤解を与えるのみならず,テロリストを利することにもつながりかねないものであり,極めて遺憾と言わざるを得ません。
 当該報道に関し強く抗議するとともに,本日の番組の中で速やかに訂正されるよう強く求めます。
 なお,同番組のその他の部分については,申し入れの対象としておりませんが,外務省としてそれらの内容について確認したものではありませんので,念のため申し添えます。
 
ジャーナリストの後藤健二さんが殺害されたと動画が公開された日には、すでに「交渉を妨害し後藤さんを見殺し! イスラム国事件で安倍政権が犯した3つの罪」という記事を載せていた本と雑誌のニュースサイト「リテラ」は、今度は安倍政権による人質見殺しの事実を突きつけ、上記の外務省によるテレビ朝日の「報道ステーション」への抗議も、官邸からの圧力だったらしいと報じている。
 
<後藤さん妻に口止めして選挙、外務省の反対抑え中東歴訪…安倍官邸の人質見殺しが明らかに>
 2015.02.04. リテラ
 イスラム国に拘束された後藤健二さんと湯川遥菜さんの映像がアップされて以降、本サイト・リテラは一貫して官邸が救出に動いていないこと、それどころか交渉の障害になっているという事実を指摘してきた。
 当初、外務省が水面下で動いていた際も、官邸は少額の身代金交渉さえ許さず、二人を放置したまま解散総選挙を強行。拉致情報が選挙に影響を与えないよう外務省の動きにストップをかけて、箝口令をしいた――。
 これらの記事に対しては、安倍晋三首相の親衛隊やネトサポらしき連中が「安倍さんを攻撃するためのデマ」「真偽不明のいい加減な情報」と攻撃してきていたが、本サイトが載せたのは外務省担当記者ならほとんどが把握しているような情報ばかりだ。大手マスコミが「人命優先」「テロに屈するな」という政府の圧力に怯えて報道を自粛していた事実を活字にしたにすぎない。
 実際、ここにきて、わずかながら本サイトの記事を裏付けるような報道もでてきている。
 たとえば、『報道ステーション』(テレ朝系)は2月2日の放映で、外務省は11月1日に、後藤さんがシリアで音信不通になったことを把握し、その翌日には外務省は後藤さんのガイドから聞き取りを行うなど、動いていたことを報じた。
 ところが、同番組によれば、昨年12月2日、後藤さんの妻のところにイスラム国から届いた身代金の要求があった少し後、外務省は後藤さんの妻に、政府としてメールを含めた直接交渉はしない、また身代金は支払わない、という趣旨を伝えていたという。
 いわば外務省は、ある時点から態度を急変させ、一切の交渉を放棄していたのだ。この変化の背景には選挙に走った官邸の意向があったことは想像に難くない。
 実際、イスラム国入りしたこともあるジャーナリスト・常岡浩介氏がイスラム国からのメールがあった12月2日、後藤さんの妻やシリア人の現地ガイドに対して外務省が口止めをしていたことを「女性自身」(光文社)2月17日号で明かしている
「この12月2日という日は、衆議院総選挙の告示日でした。12月14日が投票日ですから、その12日前という状況です。じつはこのとき、外務省が後藤さんの奥さんとシリア人の現地ガイドに、厳重に“口止め”をしていたのです」
「奥さんは子供を守るため、もともとメディアにさらされたくないとは思っておられましたが、外務省からの“口止め工作”について、現地ガイドがはっきりと証言しています。外務省は『後藤さんを守るためだ』と言ってきたそうですが、選挙前にこの話が出たら、安倍首相にプラスにはなりません。譲歩して助けても、助けられなくても批判されますから」
「後藤さんを守るため」というのが真っ赤な嘘だったことは、その後を見ても明らかだろう。常岡氏は「選挙前に拘束の事実が明らかになっていたら、日本政府はもっとまじめに助けていたかもしれませんね」とも語っていたが、そのとおりだ。本サイトが指摘してきたように、安倍官邸は選挙に影響を与えないよう事件そのものを隠蔽しただけなのだ。
 官邸の動きをめぐっては、本サイトが知らなかった事実も明らかになっている。これも同日の『報道ステーション』が報じたことだが、そもそも外務省関係者によると、パリのテロ事件もあり、外務省は総理官邸に対して、中東訪問事自体を見直すよう進言していた。それでも、総理官邸は行くと決断したという。
 また、『報ステ』は、問題になっている「支援はISILの脅威を食い止めるため」「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」というカイロスピーチの内容についても、「総理官邸が主導して作成した」という外務省幹部の証言を報じている。
 ようするに、一連の安倍首相の言動は外務省も止めるほどの、危険な挑発行動だったのだ。
 だが、こうした事実は『報ステ』以外のテレビ局では一切報道していない。それどころか、日本テレビやフジテレビでは、コメンテーターも含めて安倍政権の責任を問う声自体一切なし。たとえば、2月3日には参院予算委員会で共産党の小池晃副委員長が安倍首相の演説内容を追及したが、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)などはこの国会のやりとりさえ放映せず、そのかわりに自衛隊のテロ対策部隊の海外派遣のための体制づくりという安倍政権のPRのような映像を延々流し続けた。
 こうした背景には、もちろん安倍政権の圧力がある。安倍首相は国会で小池副委員長に対して「テロリストを批判してはいけないのか!」とムチャクチャな反論をしていたが、安倍首相とその周辺にいる政治家、官僚、専門家は自分たちの政権批判には必ずこの台詞を持ち出して恫喝をかける。
 いうまでもないが、テロリストに対峙し、テロを防ぐことと政権の対応を検証することはまったく別だ。ところが、安倍政権は「テロに屈しない」という錦の御旗を使って自分たちの批判を抑えにかかるのでる。
 実際、外務省幹部の証言による官邸の暴走を報じた『報ステ』には、さっそく外務省から「事実と全く異なる」との抗議があったという。外務省はこの間の官邸のやり方にかなり不満をもっており、『報ステ』には次官か審議官クラスが直接証言したのではないかといわれているが、官邸に「何をいってるんだ! 抗議をしろ!」とねじこまれ、態度を一転させて抗議をしたということらしい。
 おそらく、これに呼応してまたぞろ、ネトウヨやネトサポの『報ステ』攻撃が始まり、同番組はますます孤立することになるだろう。
 しかもここにきて、岸田文雄外相が、イスラム国人質事件が特定秘密保護法の対象になりうることを明言した。安倍政権はなんとしてでも、自分たちの犯罪をもみ消すつもりらしい。
(編集部)
 
恐ろしいことに、フジサンケイグループや讀賣グループの政府広報紙はともかく、一部のメディアを除いて、今回の人質殺害事件を機により一層翼賛メディア体制が強まってしまった。 
 
「どんな嘘でもつきつづけると本当になる」とよく言われるが、「テロに屈しない」ことを批判すると「テロリストの利益になる」と叫び続ければ、安倍政権がそのように言うのだから政権批判はやめようという空気が漂ってきてしまう。 
 
今回の事件にはいくつかの闇の部分が依然として残っている事実は指摘しておかなければならない。
 
田母神・湯川のツーショット」とか、「後藤氏がNHKの依頼で湯川氏救出にシリアに向かった」とか「JICA職員の後藤氏の奥さんがなぜいつも海外に向けて声明を出していたのか」、さらには「1日10万円と言われる後藤さんが加入した『誘拐保険』の保険料は誰が払ったのか」等々、政府の検証作業では決して明らかにはされない事項であろう。
 
昨夜のある会議で上記の噂の闇部分の話が出た時に、ある人が「今回の人質に対して昔のように『自己責任論』があまり聞かないのだがなぜだと思う」と切り出した。
 
「それは後藤健二氏がジャーナリストとして認められた仕事を残していたからではないか」とか「彼はかつてイラクへ遊び半分で出かけて誘拐・殺害された若者とは違うからだ」といった内容が大部分だったが、実は「読売や産経が『自己責任論』を控えてるということは政府が積極的に世論を抑えているからだ」という意見も出た。
 
なぜなら「自己責任ならば政府は身代金を払ってまでも救出する義務はないと突き放すこともできるが、そうすると自衛隊のテロ対策部隊の海外派遣のための体制づくりが進まないからだ」と言われ得心した。 
   
人質を見殺しにすることで「イスラム国」によるテロの残虐さを際立て、海外在留邦人に恐怖感を与えることにより、武装した自衛隊の恒久的な海外派兵を可能にすることができるという魂胆らしい。
 
そして常時自衛隊が海外の日本人救出と称して出動すれば、もはや憲法9条の外堀は完全に埋められてしまう。
 
そして仕上げとして行うのが憲法改正ということになる。 
 
<憲法改正、踏み込む首相 参院選へ、機運高める思惑>
 2015年2月5日05時00 朝日新聞DIGITAL
20150205kenpoukaiseischedule.jpg 安倍晋三首相が4日、憲法改正について、来夏の参院選後に国民投票を実施する目標を初めて示した。改正の是非を参院選の争点に掲げ、機運を盛り上げる狙いがありそうだ。改正を検討するテーマについてはまず政党間での議論に委ね、改正に慎重な公明党からも賛同を得られそうな点に絞り込む戦略を描く。
 3日の参院予算委。首相は、自衛隊の海外派遣をめぐる質疑で、憲法改正への意欲を示した。「今後、様々な事態にどう対応していくか。我が党はすでに9条改正案を示している。なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る、その任務を全うするためだ」
 翌4日、自民党の船田元・憲法改正推進本部長との会談では、改正発議の時期について、来夏の参院選後と踏み込んだ。具体的な時期を示し、早期の憲法改正を実現する機運を高める思惑からだ。
 首相は昨年末の衆院選時点では、憲法改正を前面に打ち出してはいなかった。討論会でも「残念ながら国民の中で、憲法を改正していこうという機運が盛り上がっている状況ではない」と述べるにとどめていた。
 しかし選挙の大勝で、自民、公明両党で、衆院で再び改憲発議に必要な定数3分の2超を確保すると、「政権公約で約束したことは、しっかりと実行していかなければならない」とトーンを上げ始めた。
 世論を見極めつつ改憲をめざすメッセージを発してきた首相と歩調を合わせ、自民党は連立を組む公明党のほか、民主や維新両党など改憲に理解を示す野党と連携し、改正に向けた準備を進めてきた。
 昨年の通常国会では、投票年齢を18歳以上とする改正国民投票法が、共産、社民を除く与野党の賛成で成立。改憲案が国会で発議されれば、国民投票が行える環境が整った。先月開会の今国会では、推進派の与野党の枠組みを使って、具体的な改正テーマについての議論も始まる見通しだ。
 ただ、1月に就任した民主党の岡田克也代表は「安倍政権である限り、憲法改正の議論はしない」と明言。与野党の枠組みによる改正テーマのすり合わせや議論には応じない姿勢を打ち出した。
 参院では現在、民主を除くと、改正推進勢力は、発議に必要な3分の2(162議席)をわずかに超える状況だ。このため首相側が任期中に国民投票を行うためには、来夏の参院選で改正の是非を掲げ、自公をはじめとする推進派で3分の2超の議席を確保することが前提条件となる。
 ■緊急事態・環境権、テーマ絞る
 首相は4日、会談した船田氏に対し「(改正を検討する)テーマについては何も言いません」と話し、具体的な改正点をめぐる議論は、政党間の協議に委ねる考えを伝えた。
 首相はこれまで、戦争放棄を定めた9条や改憲手続きを定めた96条の改正の必要性について訴えてきたが、公明党などの反発もあり、棚上げにした経緯がある。このため最近の言動からは、戦略を練り直して着実に改正への歩を進めようとする姿勢がうかがえる。
 昨年11月の朝日新聞のインタビューでは、首相は「(憲法改正案の発議に必要な衆参両院の)3分の2の多数派を形成できるものから行っていくアプローチが一番現実的」と語り、各党が一致するテーマから改正に着手する考えを示した。
 自民党は昨秋の衆院憲法審査会で、今後検討していく具体的な改正テーマとして、(1)大規模な災害や有事の際、個人の権利を制限することなどを定めた緊急事態条項(2)次世代への負担先送りを制限する財政規律条項(3)国や国民の環境保全への責任を定めた環境権――の3点を各党に提案した。緊急事態条項については、共産を除く7党から反対意見は出なかった。
 4日の会談後、船田氏は記者団に「我々も国民も(憲法改正に)慣れていない。1回目の憲法改正はきちんと手続きを行って実現することが非常に大事だ」と述べ、国民が賛成しやすいテーマに絞って改憲議論を進める方針を示した。
 しかし、公明党幹部は「まだ何を改正するかさえ決まっていない。相当詰めた議論が必要なのに、期限を先に言うのはなぜだ」と反発。政党間の協議がスムーズに行くかどうかは見通せない。(渡辺哲哉)
  
そもそも、
(1)大規模な災害や有事の際、個人の権利を制限することなどを定めた緊急事態条項
(2)次世代への負担先送りを制限する財政規律条項
(3)国や国民の環境保全への責任を定めた環境権
などは別に憲法に書き加えなくても十分に個別立法で対応が可能である。
 
「加憲」を唱えている公明党への配慮ということもあるのだろうが、「我々も国民も(憲法改正に)慣れていない。1回目の憲法改正はきちんと手続きを行って実現することが非常に大事だ」ということにより、憲法は自分たちで変えることができるのだ、と国民に浸透させることが狙いなのであろうが、現在の日本国憲法は、憲法の改正に通常の法律の改正の場合より困難な手続を要求している硬性憲法と呼ばれているからこそ、戦後70年日本は戦争に巻き込まれなかったことを、改めて広く知らしめなければならない、とオジサンは思う。  

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2015年02月04日

安倍晋三は人命尊重より「テロとの戦い」がお好き

珍しく暦通りの暖かな「立春」の日となった。
 
もっとも世の中には「立春」どころか、「アギーレ監督解任 報道4カ月、対応後手」のように日本を旅立って帰れなくなった人もいる。
  
沖縄県名護市の辺野古沖では今でも安倍政権による「非人道的」な行為が、同じ日本人によって繰り返されている。
 
以下の連続写真を見てほしい。
 
20150204_henoko01.jpg
(写真上から)カヌーが臨時制限区域内に入ると、海上保安庁の職員が飛び移り転覆させた。その後、カヌー隊のメンバーは、ゴムボートに引き上げられて拘束された=2月2日午後2時56分、名護市・大浦湾(伊藤桃子撮影)
 
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<カヌー転覆させ拘束、沖合に連行…反発強まる辺野古沖>
 2015年2月3日 14:25 沖縄タイムス
 【名護】新基地建設作業が進む名護市辺野古沖で2日、海上保安庁に沖合まで連れて行かれ、降ろされたカヌーの市民は「海の安全を守るための海保だろう」と唇を震わせた。この日は稲嶺進名護市長が過剰警備を控えるよう求めたが、海保の行動はエスカレートする一方だ。
 「降りろ」。海保職員が午後4時ごろ、沖合に連行したカヌー隊の8人に命令した。そのうちの1人、名護市の女性(47)は「ちょっと待って、ここは危険。降りない。なぜ降ろすの」と抵抗したが、職員は「上司からの指示」の一点張り。無理やりボートから降ろされた。
 抗議船でカヌー隊を迎えにいった男性(38)は「これまで解放場所は拘束現場か、岸の近くだった」と説明する。「日没も近い午後4時にあんな場所に放置するなんて、絶対にやってはいけないこと。いつか死者が出てしまう」と深刻な表情を浮かべた。
 マリンレジャー業の男性によると、「現場は外洋と変わらない。水深は深く、波は荒く、流れが速い」という。「海保が岸とは逆に沖に連れて行ったり、カヌーを転覆させたり。命を預かるプロとしてどうなのか」と疑問を投げ掛けた。
 
このような現場の映像が本土のメディアが報道すれば、安倍政権の余りにも酷い仕打ちぶりが国民に明らかにされるのだろうが、残念ながらそのようなメディアは在京大手マスメディには存在しない。
 
さて先月の2人の日本人人質事件が発覚して以来、「いまこそ安倍政権をキチンと批判すべき」で、
 
「自共対決時代になった」と自画自賛していた志位委員長自らが安倍政権に迎合するかのような言動にでていた。 
「自共対決」どころか、総選挙になると必ず自民党補完勢力と陰で揶揄されている実態を「自供」したようなものだった。
 
とか、「イスラム国は悪いが、政権批判はもっと悪いのか?」では、「『自共対決』とはしゃいでいた共産党の山下芳生書記局長も『悲劇を繰り返さないための検証というスタンスが大事だ』と全く対決の姿勢はない。」と共産党の姿勢を批判してきた。
 
ところが昨日の参議院予算委員会で質疑に立った共産党小池晃副委員長の「対決姿勢」を見て、前言を撤回しなければならない気持ちになった。
 

 
「イスラム国」対策としての2億ドルの支援表明を行ったことに関してこんな質疑応答があった。
  
◆共産党・小池晃副委員長
「こういう演説をやれば、2人の日本人に危険が及ぶかもしれないと、そういう認識は総理にあったのか、なかったのか」
●安倍晋三首相
「テロリストに過度な気配りをする必要は私は全くないんだろうとこのように思いますし、これは今後とも不動の姿勢であります」
◆共産党・小池晃副委員長
「私は過度な気配りをしろなどと言ってません」
●安倍晋三首相 
「小池さんのご質問は、まるでISIL(「イスラム国」)に対して批判をしてはならないような印象を我々は受けるわけでありまして、それはまさにテロリストに私は屈することになるんだろうと、こう思うわけであります」
 
残念がら安倍晋三首相は、人質の生命を助けることができなかったことには全くの反省も遺族に謝罪する気持ちがないことを曝け出した。
  
「テロに屈しない」「不動の姿勢」を取る限りは、海外在住の日本人が仮にテロ組織に誘拐されたとしても日本政府は本気で救出することはない、と宣言したに等しい安倍晋三首相の答弁である。
 
<“イスラム国”2邦人殺害 国会検証 首相「テロに屈せぬ」と異論封じ>
 2015年02月04日01時57分) 西日本新聞
20150204abehatugen.jpg 過激派「イスラム国」に邦人2人が殺害されたとみられる事件で、政府対応の検証が国会で本格化する。一つは、エジプト・カイロで「イスラム国と戦う周辺国への支援」を表明した安倍晋三首相の演説の是非。過激派を刺激し、人質の命を危険にさらしたのではないか−。首相は指摘に対して「テロリストに過度な気配りをする必要は全くない」と反論する。「テロに屈しない」というスローガンを前に、正当な指摘や批判がかき消される恐れはないか。
 3日の参院予算委員会。共産党の小池晃氏がカイロ演説を取り上げ、「テロに屈することと慎重に言葉を選ぶことは違う。スピーチが人質に危険を与える可能性をどう認識していたか」と問うと、首相は声を荒らげて反論した。
 「小池さんの質問は、まるでISIL(イスラム国)を批判してはならないような印象を受ける。まさに、テロリストに私が屈することになる」
 予算委は騒然となり、審議は一時中断。小池氏は「テロに屈しない。そのひと言で懸念や批判に耳を貸さなくていいのか」と食い下がったが、やりとりは深まらなかった。
 首相はカイロで「イスラム国と戦う周辺国に総額2億ドルの支援を約束する」と述べた。これをイスラム国側は勝手に解釈、1月20日に公開した映像で「日本は十字軍に進んで参加した。2億ドルを支払わなければ2人を殺害する」と予告した。
 論点は、政府が邦人2人が人質となっていることを把握しながら、中東の地で「イスラム国と戦う」と表現したことの是非だ。
 政府は「人命最優先」と「テロに屈しないこと」の両立を目指した。この姿勢がカイロ演説でも必要だったのではないか、と複数の識者も指摘している。
 これは「2人がカードとして使われる可能性を情勢判断して演説を組み立てたのか。国家として優れた情報能力を持っているのか」(外交ジャーナリストの手嶋龍一氏)という問題提起であり、単なる政府批判ではない。テロの脅威が迫る日本にとって、国家の危機管理能力をどう高めるかの課題でもある。
 だが、首相は3日の参院予算委で「どういうメッセージを出すべきか。しっかり議論して発出した」と述べるだけで、質問に正面から答えない。「テロリストの思いをいちいち忖度(そんたく)して気を配る、あるいはそれに屈することがあってはならない」と繰り返した。こうした答弁を続ける限り、議論はかみ合わない。
    ◇   ◇
 後藤健二さん(47)とみられる男性の殺害映像が公開された1日、首相が「テロリストたちにその罪を償わせる」と声明を出したことも、国際社会で波紋を呼んでいる。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)の見出しは「平和主義からの決別、安倍首相が殺人者たちへの復讐(ふくしゅう)(リベンジ)を誓う」。記事は「過激派の暴力に指導者が直面した際、報復の誓いは西欧では普通だろうが、対決を嫌う日本では異例だ」と紹介した。
 英BBC放送は「異例の力強い言葉」と報じ、米紙ワシントン・ポストは「日本の国家主義者は、今回の人質危機を軍事強化の口実に使おうとするだろう」とする識者の見方を伝えた。
 これらの記事は曲解しているが、首相の声明は確かに踏み込んだ表現だ。政府は英語とアラビア語でも声明を発表し、「償わせる」という部分は英語で「責任を取らせる」と記したが、タイムズ紙やBBCの記事は「代償を払わせる」と強い語調になっている。
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 首相の真意は「犯人に法の裁きを受けさせる」ことであり、菅義偉官房長官は記者会見で国際刑事裁判所を例に挙げた。だが、世界に影響力を持つ英語メディアの報道は、過激派側に直接届く可能性が高い。
 カイロ演説で「戦う」と表明し、声明で「復讐」を誓ったとなれば、過激派がどう受け止めるか。テロに屈しないことと「挑発」は異なる。国会では冷静な検証が求められる。
 
安倍晋三首相は、先月の衆議院予算委員会で、第1次政権で掲げた「戦後レジームからの脱却」とのフレーズを用い「占領時代に大きな仕組みが作られた。自分たちの手でこの仕組みを作ったとは言えない」と強調し、日本国憲法制定など第二次世界大戦後の連合国軍総司令部(GHQ)の施策に否定的な考えを示した上で「21世紀にふさわしい新たな仕組みを自分たちの手で作るべきだ。私の信念だ」と明言していた。
 
「占領時代に大きな仕組み」といえば、第1次対戦後イギリスとフランスの「サイクス・ピコ協定」により主に植民地支配権と資源利権の分配を意図して中東地域が分割された。
 
サイクスとピコは、それぞれ青と赤のペンで自分たちの領域を分け、パレスチナを別の色にしたと言われている。
 
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その後の長い中東の歴史を経て、今の「イスラム国」は当時の列強国による分割を認めずに、まさに「戦後レジームからの脱却」を標榜しており、その点では安倍晋三もまた日本における「過激派」と呼ばれてもなんら不思議ではない、とオジサンは思う。

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2015年02月03日

イスラム国は悪いが、政権批判はもっと悪いのか?

自らのタイミングの悪い中東訪問の失策の追及を恐れた安倍晋三首相はさっそく、お得意の手を使ってきた。
 
後藤健二さん:世耕氏『外務省が計3回、渡航中止を要請』
 
実は「イスラム国」に殺害されたジャーナリストの後藤さんは、外務省の3回もの渡航中止も無視して、無謀にも危険な地域にいったのですから、当然なことで「自己責任」でしょう・・・とでも言いたかったのだろうが、露骨に政府側がそんなことをいうことは憚ったので「命を守れなかったのは政府の責任だ。自己責任論には立たない」と言い訳していたが、後の祭りというものである。 
 
昨日も「いまこそ安倍政権をキチンと批判すべき」の中で、「今日から再開される国会での審議で野党は安倍晋三首相に『これからも日本人を見殺しにするのですか?』と是非問いただしてもらいたいものである」とつぶやいた。
 
それでは昨日の参院予算委員会での野党議員はどのように政府に詰め寄ったのか。 
 
<空爆、後方支援否定 安保法制へ波及警戒 首相、慎重論を憂慮>
 毎日新聞 2015年02月03日 東京朝刊
・・・前略・・・
20150203kongonoterotaisaku.jpg 参院予算委では午前中からISに関する質疑が続いた。民主党の那谷屋正義氏が、ISを空爆する米軍などの有志国連合を支援すれば「テロの危険性が高まる」とただしたのに対し、安倍首相は「日本が空爆に参加することはもちろんあり得ないし、(補給、輸送などの)後方支援も考えていない」と断言。人道支援を拡充する考えを表明した。
 政府は集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を今国会に提出する方針だ。首相が軍事的な関与を明確に否定したのは、ISに対する空爆作戦と国内での安保論議が結び付き、世論の慎重意見が高まるのを警戒しているためとみられる。
 昨年7月の閣議決定は「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」など新たな3要件を満たせば、武力の行使を認める見解を打ち出した。しかし自民党の高村正彦副総裁はISへの空爆作戦を3要件に該当しないと明言。空爆など直接的な武力の行使で多国籍軍に参加することは安保法制が整備されても不可能と考えられている。
・・・後略・・・
 
残念ながら、とても追及という姿勢は全く見られなかったが、それもそのはずで、民主党の枝野幸男幹事長は2日の記者会見で、「対決姿勢で臨むべき話ではない」と強調しており、「自共対決」とはしゃいでいた共産党の山下芳生書記局長も「悲劇を繰り返さないための検証というスタンスが大事だ」と全く対決の姿勢はない。
 
さらには「悪いのはISで、政府を不用意に攻めても国民の批判を受ける。まずは分析が必要だ」と国民世論を気にして及び腰の民主党幹部もいたほどである。
 
国会の質疑でなんで「日本人2人が殺害されなければならなかったのか」という素朴でかつ本質的な質問は一切出ず、むしろこれを奇禍として安倍晋三首相が安保法制にますます前のめりになり始めている。
 
<人質事件に便乗か 首相は早くも「安保法制」整備に前のめり>
 2015年2月3日 日刊ゲンダイ
 いつの間にか、テロと戦う“有志連合”に参加することになったことで、この先、日本の軍事大国化が一気に進められていくのは間違いない。
 安倍首相は「邦人救出」を前面に打ち出し、自衛隊の海外派兵、集団的自衛権……といった安保法制の整備を強引に進めていくつもりだ。はやくも、先週の衆院予算委員会で「自衛隊の持てる能力を生かし、対応できるようにすることは、国の責任だ」と、法整備の必要性を強調している。5月の連休明け、関連法案を次々に成立させていく算段だ。
 日本人が殺害されたいまこそ、安保法制を整備する絶好のチャンス、と計算しているのは明らか。人質事件をトコトン利用するつもりだ。しかし、こうした“惨事便乗”が許されるのか。安倍首相のやり方について、法大教授の山口二郎氏が東京新聞でこう語っている。
<とらわれた同胞を助けられないことに多くの良心的な人々が無力感を覚えている状況に付け込み、安倍首相は偽薬を売り込んでいるようなものである。この偽薬はたちが悪い。実際に使用すれば問題はさらに悪化するが、それは薬が足りないからと為政者は言いつのり、より大量の薬を投入させようとする。犠牲者が出れば出るほど、人々は強い薬を求める> 
 安倍首相のやり方を黙認していたら、テロとの戦いが拡大すればするほど、日本人が犠牲になればなるほど、日本の軍事大国化は進んでしまう。
「安倍首相は、湯川さんと後藤さんが人質になったと分かった時点で、安保法制の整備に利用しようと考えていたのではないか。素早い対応を見る限り、そうとしか思えません。しかし、自衛隊を海外に派遣できるようにすれば、日本人は狙われなくなるのか。逆でしょう。アメリカがテロのターゲットになっているのは、世界中に軍隊を派遣した結果です。中東に親日国が多いのは、戦後、日本は軍隊を派遣しなかったためなのに、安倍首相のやろうとしていることはアベコベです」(立正大教授・金子勝氏=憲法)
 大新聞テレビは、まったく伝えようとしないが、人質事件の裏側で何が起きていたのか、何が起きようとしているのか、国民は冷静に観察する必要がある。
 
トルコのアンカラ大客員研究員を務め、現代イスラム地域研究者でもある同志社大学の内藤正典教授は、今回の人質事件についてこう語っていた。
 
 私は「イスラム国」はヨルダン政府と交渉していなかったとみている。両者の要求はすれ違い、日本政府は身動きが取れなくなった。ヨルダンが巻き込まれなければ、死刑囚と後藤さんの交換という難しい交渉にはならなかったのではないか。
 安倍晋三首相がエジプトで表明した2億ドルの人道支援は攻撃的ではない。イスラエル国旗の前で演説したのはミスだ。後藤さんらが人質になっているのを掌握していたはずだが配慮が足りず、「イスラム国」側に揚げ足をと垂れた。外務省hじゃ中東情勢をよく知っている。官邸側のしきりに問題があったのではないか。
 首相は事件後、「罪を償わせる」と述べた。各国首脳も使う言葉だが、他国メディアが意訳する可能性がある。現にトルコでは「日本の首相、復讐を誓う」という見出しになるなど、挑発的に伝わる恐れがある。
 
少なくとも国内においては、警察官の数の増加に伴い犯罪率は下がっているようである。
  
しかし国境を越えたテロ行為は軍隊を動員しても簡単には無くならない。
 
「イスラム国」の最後の声明の中で安倍晋三首相に向けられた「勝ち目のない戦争に参加するというお前の無謀な決断」というメッセージは決して的外れではない。
 
「テロとの戦い」と叫んだかつてのブッシュ米大統領以降、米国は14年間テロと戦って勝利を収めたことはない。
   
むしろ世界各国にテロが拡散させてしまった。
 
日本の自衛隊は実態はどうであれ、憲法上は軍隊ではない。
 
それでもさまざまな形で自衛隊は後方支援という形態でこの10年余り米国を支えてきた結果、ついに2人の日本人を見殺しにしてしまったわけである。
 
<やまぬテロの悲劇 自衛隊派遣 米支えた10年余>
 2015年2月3日 07時10分 東京新聞
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 イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」を名乗るグループによる日本人人質事件を受け、安倍晋三首相は2日、国際社会と連携してテロとの戦いに貢献していく必要性を強調した。悲劇を繰り返さないためにも、米国などと連携を強めてテロに対抗するという理屈だ。一方、日本は10年以上、米国の「テロとの戦い」を支えるとの名目で、自衛隊の活動範囲を次々と拡大させてきた。 (高山晶一)
 首相は2日の参院予算委員会で「どの国もテロの脅威から逃れることができない」と指摘し「国際社会が連携して、過激主義の流れを止めないといけない」と強調。日本人人質事件を踏まえ、自衛隊による在外邦人救出を可能とする法整備に意欲を示した。
 2001年の米中枢同時テロの発生以降、日本は米国による「テロとの戦い」を後押しする自衛隊の海外派遣を繰り返してきた。
 米国が同時テロの報復としてアフガニスタンに侵攻すると、日本はテロ対策特別措置法を成立させ、インド洋上で給油活動を実施。03年に米国がイラクを攻撃した際には、イラク特措法を成立させ、陸上自衛隊が人道復興支援の名目でイラク南部に足を踏み入れ、航空自衛隊は物資輸送などを担った。
 日本人10人が犠牲になった13年のアルジェリア人質事件後、安倍政権は自衛隊による在外邦人の陸上輸送を可能にする改正自衛隊法を成立させた。首相が口にした邦人救出の法整備は、その延長線上にある。
 しかし、テロはなくなるどころか、むしろ拡散している。シリア内戦の泥沼化に乗じ、資金力や戦闘力を備えた「イスラム国」が台頭。米国や欧州諸国は「イスラム国」空爆に踏み切ったが、今年1月にフランスで風刺週刊紙テロが起きた。テロへの緊張感が高まる中で「イスラム国」を名乗るグループは日本人2人の殺害予告を発した。
 安倍政権は昨年7月、集団的自衛権の行使容認や、他国軍への戦闘支援の拡大方針を盛り込んだ新たな安保政策を閣議決定した。今国会では、決定内容を自衛隊の任務に具体化させる安保法制の関連法案を提出する方針。成立すれば、自衛隊の海外派遣の機会が増えることにつながる。
 自衛隊の海外派遣は、首相が掲げる「積極的平和主義」の根幹で、近隣の中韓両国などには警戒感がある。
 中東諸国は、専守防衛と平和外交に徹する日本に対し、欧米とは違う信頼感を抱いているといわれてきたが、最近は変化を感じているとの指摘も出ている。
 だが、首相は2日「テロのない社会をつくるため、積極的平和主義を進める」と明言した。
◆防衛駐在官の増員検討
 安倍晋三首相は2日の参院予算委員会で、日本人人質事件を受け「どれだけ時間がかかろうとも、国際社会と連携して犯人を追い詰め、法の裁きにかける」と述べ、テロ対策を強化する考えを示した。中東での情報収集能力を高めるため、ヨルダンをはじめとする日本大使館に派遣する防衛駐在官の増員を検討する考えも表明した。
 首相は自衛隊による在外邦人救出について「受け入れ国の了承がないと成立しない」と指摘。今回、救出活動を可能にする法律が整備されていたとしても「シリアの同意(を得るの)は難しいだろう」と述べた。
 安全保障法制に関しては「全体像を国会になるべく早く示したい」と表明。集団的自衛権行使が認められる状況については「どのような事態(で可能だ)ときれいに切り分けて整理することは、机上の論理でしかない」と明言を避けた。
 
「『積極的平和主義を推進』 集団的自衛権で首相答弁」という安倍晋三首相には、この人の言葉を送ろう。
 
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「東京新聞」本音のコラム

人の死を冒涜するだけではなく、利用しようとする「品がない」安倍晋三首相に対してはこれからも批判の手は緩めてはいけない、とオジサンは思う。 
 
posted by 定年オジサン at 12:11| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 人質事件関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月02日

いまこそ安倍政権をキチンと批判すべき

先月20日の「イスラム国」の日本人2人の人質ビデオ公開以降、連日にわたってさまざまな角度からつぶやいてきたが、通常国会が開会される前には「外務省の怠慢とやはり飛び出した自己責任論」の中で「安倍政権の中東外交大失策のために日本が巻き込まれるという事態を見据えて、来週から始まる通常国会では野党は厳しく安倍外交を追及しなくてはならない」とつぶやいた。
 
しかし、自民党から「イスラム国:事件対応専念へ、国会負担軽減を 野党に要請方針」と機先を制され、さらには共産党の池内沙織議員がツイッターで安倍政権批判をしたところ、「共産・池内氏のツイート『今あのような形で発信することは不適切だ』志位氏が批判」と、「自共対決時代になった」と自画自賛していた志位委員長自らが安倍政権に迎合するかのような言動にでていた。 
 
「自共対決」どころか、総選挙になると必ず自民党補完勢力と陰で揶揄されている実態を「自供」したようなものだった。
 
批判された池内議員の問題とされたツイッターは削除させられたが、その内容は至って健全なものであった。
 
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その後、同議員の公式ホームページの表紙はこんな風に変わってしまった。
 
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これを見た共産党支持者どころかそうではない人もかなりの違和感を覚えたのではなかっただろうか。 
 
しかし、実際に湯川氏の殺害写真が公開されたころからか、以前の表紙に戻っていたので少々安心した。 
 
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まあ、この程度ならば可愛いものなのだが、ツイッターのフォロワーが数千人を要するある人が「ツイッターで人質事件の原因は安倍晋三にある」と言ったらたちまちネトウヨ連中から、「人質事件を政治利用するな」と執拗に攻撃されたと言っていた。
  
1月17日は阪神淡路大震災20年目の節目には天皇・皇后も追悼式典に出席していたが、安倍晋三首相は外務省の忠告を押し切ってすでに中東入りしていた。

人道的に一番気を遣わなければならない自国の震災被災者を放置して、エジプトで「イスラム国」と戦っている国の人々に「人道的支援に2億ドル」とバラマキ演説という政治的なパフォーマンスを繰り広げていた。
 
まさに安倍晋三首相の政治的な行為が結果的には日本人2人の殺害につながったという指摘は決して「政治利用」なんかではない。
 
ところで、自分の軽率な言動が人質の殺害につながったとは決して思ってもいない安倍晋三首相は「テロリストたちを決して許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連携していく」と訳の分からぬことを口走っていた。
 
「テリリストにその罪を償わす」とは一体どういうことなのか。
   
まさか実行犯を特定して仇討を遺族にさせるわけではあるまい、と思っていたらどうやら「『後藤さん殺害』 殺人容疑などで警視庁が捜査 千葉県警と」ということらしい。
 
日本の警察の捜査権が及ばない外国で日本人が殺害されたということで、殺害されたと思われる2人の居住地を管轄地域とする警視庁と千葉県警が60人態勢で合同捜査本部を設置し、殺人や人質強要処罰法違反などの容疑を視野に捜査を始めるということらしいのだが、現場は「イスラム国」支配地域で政府がすでに立ち入りを禁止している地域であり、余りにも滑稽な話である。
 
ある程度は最悪の結果を想定していた安倍政権だったのだろうが、余りにも「イスラム国」が予告通りに事を運んでしまい狼狽した安倍晋三の側近が警察庁に指示した結果であろうが、ほとんど国民向けのパフォーマンスである。 
 
今回の人質殺害という「事態は同時に、安倍晋三首相が進める『積極的平和主義』とそのための『集団的自衛権行使解禁』による対米軍事追従路線の拡大が招いた結果」であり、「『イスラム国』の“製造物責任”はアメリカにあるということ」を念頭に、「複雑怪奇な中東世界へその地理も歴史もろくに勉強せず、世界を東西冷戦時代と同じ構図でしか認識できない安倍首相がノコノコ出かけて行って、何の想像力も覚悟もないまま、有志連合の端くれに名を連ねたいばかりに『イスラム国』と敵対する国々への援助を約束しただけでなく、こともあろうにイスラエルにまで急接近し、イスラエル国旗の前で『テロには屈しない』とやってしまった」安倍晋三首相をキチンと批判することが国会の役目である。
 
<後藤さん殺害では終わらない! 米国と安倍政権が踏み込む泥沼の対イスラム国戦争>
 2015.02.01 リテラ
 とうとう後藤健二氏が殺害されたと見られる映像が公開された。言語道断の残忍な所業であり、イスラム国への非難の声を上げることは当然の事だ。しかし、本サイトで何度も指摘してきたように、事態は同時に、安倍晋三首相が進める「積極的平和主義」とそのための「集団的自衛権行使解禁」による対米軍事追従路線の拡大が招いた結果でもある。
「テロリストが悪い」のは当たり前で、その無法者からどうやって国と国民を守るかに腐心するのがリーダーの役目だが、世界を単純構造でしか把握できない安倍首相は真逆のことをやってしまった。
 しかも、安倍首相は「テロリストに罪をつぐなわせる」と話し、この事件を機にさらに強硬路線を進めようとしている。いったいその結果、何が起きるのか。そのことがよくわかるのが、現代イスラム研究センター理事長・宮田律氏が書いた『アメリカはイスラム国に勝てない』(PHP新書)だ。
〈米軍の軍事行動は、さらなる暴力の“増殖”をもたらす〉(同書帯より)、〈米国の「対テロ戦争」はイスラム世界の「パンドラの箱」を開けてしまった感があるが、米国にはその蓋を閉じるための有効な方策がまったくない状態だ〉(同書「はじめに」より)。このことを理解せず、アメリカの尻尾に乗って、(今回の安倍ように)ノコノコ中東に出ていくことがいかに危険なことかを、我々日本人は知る必要がある。
 まず、最初に認識しておかなければならないのが「イスラム国」の“製造物責任”はアメリカにあるということだ。「イスラム国」の前身にあたるISISの創始者はヨルダン出身のアブ・ムサブ・ザルカウィという人物で、1989年当時、ソ連のアフガニスタン侵攻に抵抗するイスラム義勇兵としてオサマ・ビン・ラディン指揮下のゲリラ訓練所だった「アル・カイーダ」(アルカイダ)に入り、テロリスト人生をスタートさせた。アルカイダはいまでは世界的な反米テロ組織としてその名が知れ渡っているが、もとは米CIAがアメリカの対ソ戦略上の必要からパキスタンの諜報機関ISIを使ってつくらせたものだ。
 1980年代を通じてアメリカが武器、弾薬、資金、軍事訓練などの支援を受け続けたことで、アルカイダは9.11テロを起こすほどの“化け物”に育ってしまった。前出のザルカウィはアルカイダでの活動を通じてテロリストとしての経験を積み、先鋭化していった。いま問題とされるイスラム過激派組織の“生みの親”“育ての親”は、実はアメリカだったというわけだ。
 やがてザルカウィはイラク入りして、ISISの前身に当たる「イラクの聖戦アルカイダ」を結成する。このきっかけをつくったのもアメリカだった。2003年のイラク侵攻とサダム・フセイン殺害だ。当時の米ブッシュ政権は「サダム・フセインが大量破壊兵器を所持していて、それが明日にもアルカイダ系テロリスト(ザルカウィのこと)に渡ろうとしている」などと主張し、開戦に踏み切った。ところが、「大量破壊兵器を持っている」という情報も、「フセインがザルカウィとつながっている」という情報も完全な捏造だったことが、後に米上院情報特別委員会の調査によって明らかになる。とくに、後者はイスラエルの諜報機関モサドから米CIAにもたらされた“偽情報”だったことはよく覚えておいてほしい。
 いずれにせよ、開戦前のイラクにはアルカイダもしくはアルカイダの影響を受けた組織が活動していた事実はなかった。話はむしろ逆で、アメリカの軍事介入とサダム・フセイン体制の崩壊によって生じた権力の空白に、ザルカウィらテロリストが入り込んでしまったというのが真相なのだ。そして、その後の米軍による占領政策とポストフセインとして登場したアメリカの傀儡マリキ政権の腐敗が、さらなる過激派武装組織の増長を生んでしまう。
 アメリカはイラク占領後、脱フセイン政策を徹底的に推し進めた。サダム・フセインがイスラム教スンニ派だったことから、シーア派をひいきにして革命に近い状態をもたらした。フセイン時代の支配政党だったバアス党は米軍統治によってことごとく排除され、政府機関の職員や学校の教員など数十万人のスンニ派市民が解雇された。200あった国営企業も解体されて外国資本に売り飛ばされた。ここでも大量の失業と不満を生んだ。
 この傾向はアメリカの指名で誕生したシーア派・マリキ政権になってさらに拍車がかかる。バアス党の高官たちは裁判にかけられ、罪を自白されられ、処刑されたり、自宅軟禁に置かれたりした。バアス党出身者がいるというだけで部族全体が公職から追放され、失業や貧困に陥った。旧政権幹部を放逐したマリキ政権の行政能力は驚くほど低かった。その上、露骨なシーア派優遇を行ったため、スンニ派地域では失業率が高まり、とくに若者たちが強い不満を募らせた。治安維持にあたった軍や警察も主にシーア派によって構成されていたため、スンニ派住民を不当に扱い、恣意的な逮捕、拷問、投獄が行われた。
 こうしたなか、前出のザルカウィ率いる「イラクの聖戦アルカイダ」はフセイン政権時代の行政テクノクラートや軍の解体で職を失った人たちを吸収していった。フセイン時代の諜報機関「イラク共和国防衛隊」の将兵やフセインの民兵組織「フェダイーン」も加わった。ザルカウィらはシーア派を“異端”と考える傾向があり、シーア派に対するテロを拡大させた。スンニ派部族の一部がザルカウィの支持に回り、過激派武装組織はしだいに「国家」としての体裁を整えていった。これが「イスラム国」の始まりだ。確実に言えるのは、アメリカのイラク侵攻がなかったら「イスラム国」の誕生もなかったということだ。
〈「イスラム国」がイラク北部を席巻したとき、スンニ派住民の多くは、彼らはマリキ前政権の圧政からの“解放者”だと考えた。(中略)「イスラム国」とスンニ派住民たちには、イラク中央政府は“共通の敵”であった〉(前掲書より)
 06年にザルカウィが米軍の空爆で殺された後も組織は着実に「領土」を広げていった。殺害されたザルカウィの後を継いだのが、バグダッドの大学でイスラムの博士号をとったインテリ知識人のアブー・バクル・バグダディだ。11年のアラブの春を経て隣国シリアの内戦が泥沼化すると、バグダディはすかさず部下をシリアに派遣し、アサド政権に対する超過激テロに参戦した。やがて、アルカイダ系と袂を分かってISIS(イラクとシリアのイスラム国)と名乗り始めた。14年になると支配地域を急拡大させ、ついには「国家樹立」を宣言するまでになる。このきっかけは、またもやアメリカの大きな“判断ミス”だった。
 米オバマ政権は14年6月に「イスラム国」と戦う“穏健な武装勢力”を支援するため5億ドルの資金提供を決めた。“穏健な武装勢力”とは、具体的にはシリアの反政府勢力「自由シリア軍」のことだ。アメリカはこれまでもシリアのアサド政権打倒のため、反政府勢力に武器、弾薬、資金を与えて支援してきた。ところが、その豊富な資金と武器の一部がなんと「イスラム国」にも流れていたのだ。ルートはいろいろあって、武器の供与を受けていた組織が丸ごと「イスラム国」に吸収されてしまったり、戦利品として奪われたり、あるいはイラクのシーア派主体の政府軍から米国製武器がブラックマーケットに流れることもあったという。アメリカがアテにしていた「自由シリア軍」の兵士たちも腐敗していて、貰った兵器を「イスラム国」に売却して現金を手にする者も続出した。
 要は、内戦下のイラク、シリアはぐちゃぐちゃで、“穏健な武装勢力”といっても、いつどっちに寝返るかわからない連中ばかりなのだ。「イスラム国」の手先もいれば、アルカイダにつながるテロリストも紛れ込んでいる。そんなところへアメリカは大量の武器・弾薬を投入し、結果として「イスラム国」の軍事力強化に手を貸してしまったわけだ。
 実は、アメリカはこれと同じ過ちを何度も何度も繰り返していた。
 なぜ、こんなことが続くのか。米オバマ政権はもともとアフガニスタン、イラクへと米軍の海外展開を進めたブッシュ前政権を徹底批判し、「イラク戦争にけじめをつける」と宣言してホワイトハウス入りしたはずだ。就任から3年かけてようやくイラクからの撤兵にこぎつけ、アフガニスタンからの引き上げも数年中には完了する予定となった。これが計画通り実行されると当然、米政府の国防予算が削られ、軍産複合体の利権が毀損される。困ったことにアメリカには、これを全力をあげて阻止しようとする勢力が存在しているのである。
 米議会は15年度の軍事予算とし586億ドルを承認する予定だったが、これは14年度予算から200億ドル余りの減額になる。しかし「イスラム国」の台頭で国防費の増額が検討され、米軍需産業に再び“好況”が訪れつつあるという。米政府がシリア空爆を開始した3日後にはレイセオン社が47基の巡航ミサイル(2億5000億ドル相当)を受注した。ボーイング社が製造するアパッチヘリがバグダッド郊外に新たに配備されることになり、このヘリにはロッキード・マーティン社製のヘルファイア・ミサイルが搭載されているといった具合だ。こうして軍需産業の生産ラインが動き出せばブルーワーカーたちの新たな雇用も創出される。アメリカの経済はいまや戦争なしでは成り立たないようになっている。
 03年のアメリカのイラク侵攻で最大の利益をあげたのは、チェイニー元副大統領がCEO(経営最高責任者)を務めていたハリバートン社だったといわれている。同社はおよそ400億ドルの巨利をイラク戦争でむさぼったという。米軍需産業はいまや世界の武器市場の75%を占めていて、中東はその最大マーケットになっている。これこそがアメリカが外国での軍事介入をやめられない実は本当の理由なのだと、前掲書の著者、宮田氏は指摘している。
 安倍政権は、そんなアメリカの戦争に集団的自衛権を使って加担しようとしているのだ。
 もうひとつ、知っておかなければならないのがアメリカとイスラエルの特殊な関係だ。米上院は14年7月8日、イスラエルがガザ攻撃を始めた10日後に全会一致でイスラエル支持決議を成立させた。決議には「ハマスのイスラエル攻撃はいわれのないもの」であり、「アメリカはイスラエルとその国民を守り、イスラエル国家の生存を保障する」とあった。イスラエルのガザ攻撃は国際法を踏みにじる行為であり、イスラム諸国はいうまでもなく、ヨーロッパ各地で大規模な抗議デモが起きている。パレスチナ人2000人以上が犠牲となり、500人余りの子どもも殺された。そんな虐殺行為が満場一致で支持されたのだ。
 この“虐殺支持”の背景には、イスラエル・ロビー(圧力団体)の活動があった。アメリカの議員の多くはイスラエル・ロビーから多額の政治献金を受け取っている。イスラエル・ロビーはアメリカ社会のあらゆる分野の重要なポジションを押さえているため、彼らの活動を批判すると政治家としての地位を脅かされたり、選挙に当選することができなくなったりする。それがアメリカの中東政策を著しく偏ったものにしている、と前出の宮田氏は言う。
 イランの核開発を問題にするアメリカは、同じ中東に位置するイスラエルの核兵器についてはまったく問題にしていない。アラブ諸国に対してはNPT(核不拡散条約)に加盟することをしきりに促しているが、イスラエルにはそうした姿勢は微塵もみせない。パレスチナ人が何人殺されようと、おかまいなしだ。それどころか、全会一致で殺害行為を支持してしまう。「イスラム国」に参加する若者たちには、そんなアメリカの“不正義”に対する憤懣があるにちがいない、と宮田氏は分析する。イスラエル・ロビーの圧力を受けた米政府の“不公正”な中東政策が、結果として「イスラム国」やアルカイダなどの過激派組織の台頭をもたらし、彼らの主張や活動に正当性を与えてしまっているというのである。
 それだけではない。アメリカはイスラエルの意向を受け、イスラエルにとって不倶戴天の敵であるイランに執拗な圧力をかけ続けてきた。その延長でイランとつながりの深いシリアのアサド政権も敵視し、一時は空爆による軍事介入さえしそうになった。このときも、アサド政権が化学兵器を使っているという、これまた真偽不明の情報に踊らされた。
 アメリカにとってのジレンマは、アサド政権が弱体化すると「イスラム国」の勢力が拡大してしまうことだ。そこで、やむなく「イスラム国」と敵対しながら、アサド政権打倒も掲げる“穏健な武装勢力”である「自由シリア軍」を支援するという作戦をとらざるを得ない。だが、これは支離滅裂な話である。なぜなら、作戦がうまくいってシリア国内で「イスラム国」が弱体化すると、今度はアサド政権が息を吹き返すことになるからだ。しかし、打倒アサド政権のためにアメリカが「イスラム国」を支援するわけにはいかない。本来なら、イランと和解・協力して、対「イスラム国」作戦を進めるべきだが、イスラエルやアメリカ国内の右派、ネオコンの反対もあってそれもなかなか容易でない。
 こうした複雑怪奇な中東世界へその地理も歴史もろくに勉強せず、世界を東西冷戦時代と同じ構図でしか認識できない安倍首相がノコノコ出かけて行って、何の想像力も覚悟もないまま、有志連合の端くれに名を連ねたいばかりに「イスラム国」と敵対する国々への援助を約束しただけでなく、こともあろうにイスラエルにまで急接近し、イスラエル国旗の前で「テロには屈しない」とやってしまったわけである。
 しかも、安倍政権はイスラエルとの軍事協力まで約束してしまっている。14年5月にイスラエルのネタニヤフ首相が来日した際、「新たな包括的パートナーシップの構築に関する共同声明」という文書が交わされ、日本の国家安全保障局とイスラエルの国家安全保障会議、防衛当局同士の交流、企業や研究機関による共同の研究・開発が進められることになった。その中には兵器開発についての技術交流も含まれていた。こうして安倍政権は国民の知らないところで日本の伝統的な「アラブ寄り」という中東政策の基調を捨てて「イスラエル寄り」に転換し、あろうことか武器のやりとりを協力し合うところまで踏み込んでしまったのだ。
 安倍首相の言う「積極的平和主義」とは、要するに「対米軍事追従」なのだ。アメリカと同じようにイスラエルとも仲良くして、アメリカの敵とは一緒に戦う。それが日本と日本人にどういう影響を与えるかにつてはまるで想像力が働いていない。この状況で集団的自衛権行使が解禁されるとどうなるか。安倍政権はしきりに「東アジアにおける緊張の高まり」を口にするが、『日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門』(朝日新書)の伊勢崎賢治氏も、『国家の暴走 安倍政権の世論操作術』(角川oneテーマ21)の古賀茂明氏も、現実的に考えて東アジアでの有事はまずあり得ないと分析している。では、何のための集団的自衛権かというと、それは中東での米軍の仕事の一部肩代わりをさせられるのが可能性としてはもっとも高いと口をそろえる。
 そうなると、日本はいよいよアメリカ・イスラエルの傀儡でイスラム世界の“敵”と位置付けられることになり、今回のような人質事件や過激派による国内テロはもちろん、あらゆる危険を覚悟しなければならなくなる。しかもそれは出口の見えない泥沼だ。アメリカのブッシュ政権が「対テロ戦争」を宣言して今年で14年目になるが、テロ組織はなくなるどころか数も規模も拡大し、アメリカ市民は日常的にテロに怯える生活を強いられている。
 安倍政権が続く限り、日本も同じ道をたどることになる。今回の人質事件は、その入口に過ぎないのだ。
(野尻民夫)
 
2国間の戦争は一般には戦力の差によって決着がつく。
 
従来の米国の海外での戦争はすべて軍事力で優る戦争であった。
 
それが、頭の悪いブッシュ2世の米国大統領が2001年の「9.11」以降仕掛けた「テロとの戦い」は、軍事力の優劣とは関係なしに14年間も続き、米国には勝利感がないばかりか、オバマ大統領になって撤退を余儀なくされている。
 
しかし米国は米軍需産業による雇用の創出のためには軍事介入を簡単には止められない。
 
頭の悪さではブッシュに引けを取らない安倍晋三首相はイスラエルとの軍事協力まで約束し、人的交流のほかに武器の共同開発という、日本の伝統的な「アラブ寄り」という中東政策の基調を捨てて「イスラエル寄り」に転換してしまった。
    
「積極的平和主義」とは、要するに「対米軍事追従」であるという、化けの皮がはがされたような結果が今回の人質殺害事件なのであろう。
 
今日から再開される国会での審議で野党は安倍晋三首相に「これからも日本人を見殺しにするのですか?」と是非問いただしてもらいたいものである、とオジサンは思う。 
posted by 定年オジサン at 11:59| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 人質事件関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月01日

過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる

日本国内の新聞社が朝刊を刷り終え各戸配達が終わった頃に、「後藤さん殺害か ネットに動画投稿」という衝撃的なニュースがネット上を駆け回り、号外新聞が出た。
 
犯行グループはイラク時間29日の日没(日本時間29日深夜?30日未明)を期限に、後藤さんとヨルダンで収監されている「イスラム国」の前身組織メンバー、サジダ・リシャウィ死刑囚の交換を要求、応じなければ中尉を殺害すると脅迫していたが、結果的にはその通告どうりに実行されてしまった。
 
その兆しは、30日にヨルダン政府寄りのニュースサイト「アンマンニュース」で「治安当局高官が『リシャウィ死刑囚と他のISメンバーの命は、カサスベ中尉の命にかかっている』と語った」と報じ、中尉が殺害された場合、死刑囚の刑を執行する可能性を示唆した発言からも予想されていた。
 
後藤さんとリシャウィ死刑囚の交換を求める「イスラム国」の要求に対して、ヨルダン政府はカサスベ中尉が解放されれば死刑囚の釈放に応じると、要求内容を無視した形で応えていたため、より強い交渉カードを握っている「イスラム国」が後藤さんを声明どおりに殺害したことになる。
 
これは米国が主張しヨルダンやに日本政府に対して圧力をかけていた「テロには屈しない」ということを実践すればどうなるのかを、「イスラム国」はあらためて世界中に見せつけた格好になった。
 
政府としての最初の緊急記者会見は菅義偉官房長官が行った。 
 
そしてその後緊急招集された会議で、安倍晋三首相が同様の内容のメモを読みながらこんな声明を発していた。 
 
 湯川遥菜さんに続いて、後藤健二さんが殺害されたとみられる動画が公開されました。
 ご親族のご心痛を思えば、言葉もありません。政府として、全力を挙げて対応してまいりました。誠に無念、痛恨の極みであります。
 非道、卑劣極まりないテロ行為に、強い怒りを覚えます。許しがたい暴挙を、断固、非難します。
 テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連携してまいります。
 日本が、テロに屈することは、決してありません。
 中東への食糧、医療などの人道支援を、更に拡充してまいります。
 テロと闘う国際社会において、日本としての責任を、毅然(きぜん)として、果たしてまいります。
 このテロ行為に対して、強い連帯を示し、解放に向けて協力してくれた、世界の指導者、日本の友人たちに、心から感謝の意を表します。
 今後とも、国内外における国民の安全に万全を期してまいります。
 
こうなることを予想して作成されたメモの棒読みのためなのか、昨年から水面下で2人の人質交渉を行いながらできなかったことへの反省の意は全く無く、殺害された本人たちへのお悔やみの言葉もなかった。
 
そして益々戦闘態勢を強化するかのような言葉に終始していた。
  
その罪を償わせるために、国際社会と連携」するということは、米国や英仏を中心とした有志連合の一員になって「イスラ国」の壊滅のために将来的には自衛隊を派兵するということを宣言しているようである。 
 
さっそく届いたいくつかのツイッターを紹介しておく。








 
当分の間、このテロ殺害事件を巡り、安倍晋三首相の一連の言動に対する批判と、右派連中からの政権擁護が続くのだろうが、狡猾な安倍政権は昨年8月以降の流れからは織り込み済みの結果なのだろうから、政権批判を如何にかわし今後の安保法制の強化に腐心することが容易に予想される。
 
そんな状況の時に、安倍晋三とは対照的な人物の死去が報道された。
 
<ワイツゼッカー氏死去 元ドイツ大統領 戦争責任直視促す演説>
 2015年2月1日 07時06分 東京新聞
20150201Weizsacker.jpg ドイツ大統領府は31日、元ドイツ大統領のリヒャルト・フォン・ワイツゼッカー氏が死去したと発表した。94歳だった。ドイツの戦争責任やユダヤ人迫害の歴史と向き合うよう国民に求め、「ドイツの良心」とも評された。ガウク大統領はメッセージの中で「過去と立ち向かうドイツの立場を世界中で代弁してきた」と死を悼んだ。 
  (ベルリン支局長・宮本隆彦)
 1985年5月、「荒れ野の40年」と題したドイツ敗戦40周年の連邦議会演説で発した「過去に目を閉ざす者は現在に対しても盲目となる」との言葉は有名だ。ドイツ国民が犯した罪と歴史を直視しなければナチス・ドイツが迫害したユダヤ人や近隣諸国との真の「和解」はできないとの訴えで、国内外で大きな反響を呼んだ。
 90年10月の東西ドイツ統一でも「統一することとは、分断を学ぶこと」と演説し、過去を真摯(しんし)に振り返ることの大切さを主張した。
 戦後50年の95年夏には、本紙の招きで来日。記念講演で「過去を否定する人は過去を繰り返す危険を冒している」と訴えた。
 20年、南部シュツットガルトで貴族の家に生まれた。第2次大戦に従軍し、ポーランド戦線で一緒に戦っていた次兄は戦死した。戦後のニュルンベルクの戦犯裁判でナチスの外務次官だった父親の弁護に加わった。
 中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)に入党し、連邦議会議員(69〜81年)、西ベルリン市長(81〜84年)をへて、84年に連邦大統領就任。党派を超えて国民から広く信頼を集め、89年には史上初めて無投票で再選され、東西ドイツ統一を挟んで大統領を務めた。
 94年の退任後も、欧州委員会から「三賢人」の1人に任命されて欧州連合(EU)の機構改革を提言するなど活躍した。
 
日本は戦後70年を今年の8月15日に迎える。 
 
決して勝ち戦ではなく完璧な敗戦だったが、敗戦に至るまでは欧米帝国主義者と同様、中国、朝鮮を始め東南アジア諸国への侵略と植民地政策を続けていた加害国であったことは忘れたはならない。 
 
過去を忘れ、積極的平和主義とやらで未来にしか目が向かない「自分勝手談話」を発表したい安倍晋三に、1985年5月8日に西ドイツの連邦議会でワイツゼッカー大統領が行った敗戦40周年を記念する演説の一部を改めて読んでもらいたい、とオジサンは思う。
 
・・・前略・・・
問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。
・・・中略・・・
われわれ年長者は若者に対し、夢を実現する義務は負っておりません。われわれの義務は率直さであります。心に刻みつづけるということがきわめて重要なのはなぜか、このことを若い人びとが理解できるよう手助けせねばならないのです。ユートピア的な救済論に逃避したり、道徳的に傲慢不遜になったりすることなく、歴史の真実を冷静かつ公平に見つめることができるよう、若い人びとの助力をしたいと考えるのであります。
人間は何をしかねないのか--これをわれわれは自らの歴史から学びます。でありますから、われわれは今や別種の、よりよい人間になったなどと思い上がってはなりません。
・・・中略・・・
自由を尊重しよう。
平和のために尽力しよう。
公正をよりどころにしよう。
正義については内面の規範に従おう。
 
あらためて、安倍政権に見殺しにされた湯川遥菜、後藤健二両氏のご冥福をお祈りします!! 
posted by 定年オジサン at 11:53| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする