2015年05月31日

国会の茶番・空転で地の底からマグマが怒る

衆院特別委員会で長時間答弁中に野党からヤジられて「議論の妨害はぜひやめていただきたい。学校で習いませんでしたか?」と高圧的な態度に出ていた安倍晋三首相は、実は本人も学校では何も習っていなかったことを証明してしまったヤジ騒動。
 
またヤジで陳謝…安倍首相には『懲罰動議が相当』と森田実氏」の記事中で、政治評論家の森田実はこう指摘していた。
 
 民主党は安倍首相に対し、『懲罰動議』を出すべきです。吉田茂首相の『バカヤロー解散』のきっかけになったのは、1953年の予算委での『バカヤロー』発言でした。吉田首相が答弁席から帰りがけに吐き捨てた言葉に野党が激怒、議会軽視の表れとして懲罰動議を出した。その結果、可決し、吉田首相の不信任案も可決、解散となったのです。懲罰動議は安倍首相のイメージダウンになるでしょう。いまのだらしない自民党では造反者は出ないでしょうが、採決を記名投票でやれば誰が安倍首相を擁護するのか一目瞭然になる。民主党はここまでナメられていいのか。懲罰動議を出すべきです
 
懲罰動議よりも総理大臣としての適格性が疑わしい人間には「議員辞職勧告」が最適かもしれない。
 
そして、政府が提出した「戦争法案」の責任者として特別委員会の政府側に座っている岸田文雄外相は6つもでっち上げられた「事態」の説明もできずに「ついに国会空転 岸田外相のデタラメ答弁が“戦争法案”を潰す」という結果になればいいのだが、この記事中で立正大名誉教授・金子勝はこう語る。
 
そもそも、国防に関する11もの法案を十把一からげにして一括審議することが無謀なのです。各法案の定義する『存立危機』『武力攻撃切迫』『重要影響』など複数の『事態』を閣僚はおろか、官僚すら整理しきれていない印象です。だから、それぞれの事態への政府答弁がアヤフヤとなり、紛糾させる事態を招いている。安倍首相が米国に約束した手前、重要法案を“エイヤ″と夏までに仕上げること自体にムリがあるのです
 
かつて党内に総裁候補を擁する派閥が複数あった頃の自民党政権時代は、強い野党の存在もあったが重要法案の審議の場合は「1法案1国会」が暗黙の原則であった。
 
それが「1強多弱」とか「総裁選対立候補ナシ」状態のいまの安倍政権は、対米公約すれば日本の国会や国民を無視してでも法案を数に任せて成立できると高を括っている。
 
そのような状態を、今朝のTBSサンデープロジェクトに出演していた政治学者の姜尚中は「消化試合」と言っていた。 

 
こんな状態では国会に「激震」が発生することは当分なさそうである。
 
激震と言えば、IOC(国際オリンピック委員会)に見習って、サッカーW杯をビジネスとしてカネまみれになったFIFAでは激震がつづいている。
 
<FIFA激震:/上 商業権転売価格、自在に 購入額+賄賂+利益 南米会長「私も、もうけないと」>
 毎日新聞 2015年05月31日 東京朝刊
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 「スポーツマンシップの表現の場であるべきサッカー大会が、幹部らのポケットを1億1000万ドル(132億円)の賄賂で満たす場として利用された。大会の商業権(広告権や放映権)の3分の1にも達する額だ」。幹部ら14人が起訴された国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で捜査の指揮を執るリンチ米司法長官が非難した。
 司法省の起訴状によると、2015年から23年までの南米選手権「コパ・アメリカ」4大会について、スポーツマーケティング会社「ダチザ社」(本社ウルグアイ)が、主催者の南米サッカー連盟などに払った商業権料は3億5250万ドル。さらに1億1000万ドルの賄賂を払ってもうまみはあるのか。
 ニューヨークに本社を置くマーケティング会社の幹部が口を開いた。「賄賂を渡しても、商業権を転売する際に損をしない値段を設定することは可能だ」
 米国の場合、マーケティング会社は大会主催のスポーツ団体から広告権や放映権を購入し、手数料を上乗せして、広告を出したい企業や試合を放映したいテレビ局に売る。手数料の目安は15%。だが、商業権を一括で買い取るダチザ社の場合、会計は不明朗になりがちで、主催者側が手数料に制限をつけなければ、売値は思うがままだった。
 マーケティング会社の幹部は「例えば……」と続けた。「仮にスポーツ団体から2000万ドルで商業権を買い、5000万ドルの賄賂を渡しても権利を1億ドルで売ればもうけがでる」
 サッカーは最も金になる競技だ。コパ・アメリカの場合、「トラフィックグループ」(本社ブラジル)が主催者の南米サッカー連盟と契約を結び、1987-2011年まで商業権を独占。最初の3大会は、大会ごとの契約料は170万ドル。ト社は購入した放映権をテレビ局に転売し、成長していった。
 起訴状によると、そこに目をつけたのが、当時の連盟会長のレオス被告(86)だった。91年1月、契約延長を望むト社の代表に対し、「君は連盟から得た商業権でもうけるのだから、私ももうけないと不公平だ」という趣旨を伝えて、賄賂を強要。ト社は数十万ドルを払った。商業権がもたらす利益は劇的に増加し、11年大会の契約額は2200万ドル、レオス被告への賄賂も数百万ドルになった。
 16年の特別大会は米国でのサッカー人気の高まりを受けたもので、南米10カ国に加え、米国など6カ国が参加する。巨大化したサッカービジネスの利益をト社とレオス被告が独占することは困難となった。
 ト社は13年、「フルプレーグループ」「トルネオス社」(いずれも本社アルゼンチン)と合弁してダチザ社を設立。1大会ごとの賄賂は2000万ドルとし、その分配先も決めた。南米サッカー連盟の会長と、ブラジル、アルゼンチンの連盟会長の計3人が300万ドルずつ▽他の加盟国の連盟会長が150万ドルずつ。利権の構図が完成した。
 賄賂総額1億1000万ドルのうち、4000万ドルは既に支払われた。昨年5月、ダチザ社の幹部らが賄賂について議論していた際、一人がつぶやいたという。「みんな痛い目に遭うかもしれないな。刑務所に入る可能性だってある」。その予感は約1年後に的中することになった。【ニューヨーク田中義郎、草野和彦、サンパウロ朴鐘珠】
 
それにしてもFIFA幹部ら14人がどのようにして起訴されたのか。 
  
米国の捜査当局にとっては司法取引は日常茶飯事である。
 
日本でも放映されていた米国の刑事ドラマ「LAW&ORDER」では、容疑者が取調室に弁護士と一緒に入ると、担当検事が最初から司法取引を始め「認めれば8年、さもなければ25年」とか「共犯者の名前を言えば10年減刑」などと大陪審前に決めてしまう。 
 
米紙ニューヨーク・デーリーニューズによると、米捜査当局は元幹部からの情報などを基に少なくとも4年前から捜査に着手しており、2011年に米連邦捜査局(FBI)と税務当局の担当者2人が、FIFA元理事で北中米カリブ海サッカー連盟事務局長も務めたチャック・ブレイザー氏(70)を訪ね、同氏が10年以上も脱税していると指摘し、「手錠をかけられるか、それとも捜査に協力するか」と、脱税での検挙かFIFA事件での情報提供かの二者択一を迫ったことにより、FIFA幹部の「患部」が明るみに出たらしい。 
 
少なくとも日本の捜査当局には出来そうもない芸当である。 
 
今後、FIFA幹部らの疑惑がどこまで明らかになるのか、その透明度がFIFAの信用回復の鍵を握っていると言えよう。
 
人間の不正によってその組織に激震が走ろうが、それは人間の手で解決することは可能である。
 
しかし自然の力による激震はそううまくは行かない。 
 
オジサンの携帯電話の「緊急地震速報」はこの数年間、鳴らなかった。
 
説明によると「震源地に近い地域では強い揺れに間に合わないことがあります」と書いてある。
 
それが久しぶりに鳴ったのが5月25日の埼玉県で「震度5弱」の時だった。
 
昨晩の8時過ぎ、いつもの遅い夕飯の最中に、いつもとは少々異なる横揺れを感じたが、携帯の緊急地震速報は鳴らなかった。 
<小笠原沖M8.5 遠い場所も揺れ 「異常震域」>
 毎日新聞 2015年05月31日 東京朝刊
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 小笠原沖で30日に発生したマグニチュード(M)8・5の巨大地震。2011年3月の東日本大震災(M9・0)以降、最大規模となる地震は、東京?青森の距離にも匹敵する深さ590キロという極めて深い場所で起きた。
 深さ100-200キロ以上の場所で起きる地震は「深発(しんぱつ)地震」と呼ばれる。防災科学技術研究所の岡田義光理事長は「地球内で地震が起こり得る場所としては最深部に近い」と指摘する。最近の国内の深発地震では、2000年に小笠原近海でM7・2の地震が深さ445キロで起きた。
 今回の震源付近は、太平洋プレート(岩板)が伊豆・小笠原海溝から急角度で地下に潜り込む。地震は深く潜り込んだ太平洋プレート内の岩が何らかの原因で壊れたことで起きたと考えられる。平田直(なおし)・東京大地震研究所教授は「これだけ大規模の深発地震は世界的に見ても例がない」と話す。
 深発地震が少ない理由の一つは、地球の深いところほど圧力が高く、岩が動きにくいことがある。さらに深い場所は温度が高く、岩が比較的軟らかくなり、たとえ動いても大きな揺れを伴う破壊現象が起きにくい。例外が、周囲より温度が低く、硬いプレート内の地震だ。
 震源から遠く離れた地域でも強い揺れが観測される「異常震域」と呼ばれる現象が起きたのは、地震の規模が大きく、プレート内の地震だったためだ。古村孝志・東大地震研究所副所長は「揺れはプレート内に閉じ込められ伝わる。プレートの形に沿って、北海道や東北、関東まで揺れが広がった」と説明する。
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 一方、津波は地震で海底が上下し、それが海面を変動させることによって発生する。岡田理事長は「(震源が)あまりに深すぎるので、海底は変動しない。津波が起こることはまず考えられない」と話す。
 阿部勝征(かつゆき)・東京大名誉教授は「現在、口永良部島や箱根山で活発な火山活動が続いており、不安を覚えるかもしれないが、地下の活動がどうつながっているかは分からないので何とも言えない」と話した。 【久野華代、河内敏康、伊藤奈々恵】
 
火山噴火予知連絡会が、最近一万年間の火山活動に基づく火山活動度指数により日本の活火山110のうち87活火山のランク分けを指定した結果の分布図が以下である。
 
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上記の活火山と日本列島の活断層と原発立地の図が以下である。
 
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日本列島と周辺の諸島に住む日本人は常に時限爆弾の上で暮らしていることになる。
 
今朝の東京新聞「本音のコラム」で、山口二郎・法政大学教授は、安倍晋三を評するこれ以上の言葉はないと、「実戦の経験がないことに劣等感を持つ少年兵」と評していた。
 
己の劣等感克服のため、仮想敵国に対して抑止力を高め、自衛隊員を犠牲にしてまでも国民のリスクを軽減するという絵空事を言う前に、明日にでも発生するかもしれない自然の驚異から日本国民を守ることに、無い知恵を搾ってほしい、とオジサンは思う。

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2015年05月30日

曖昧な法案も、杜撰な計画も白紙に戻すべき

先日、「初日からかみ合わない論戦が始まった」の中で、
 
それにもかかわらず中谷元防衛相は、自衛隊に危険性が高まる事は絶対にないと繰り返す。
明らかなウソなのだが、既に“お粗末答弁”で囁かれる中谷防衛相の『更迭』説があるらしいのだが、更迭される前に国会の場で野党がもっと厳しく追及し、辞任に追い込まなければならない。
 
と、つぶやいた。
 
やはり特別委員会の野党委員たちも攻めどころは同じであったらしく「野党、中谷防衛相を狙い撃ち 答弁不安定で」ということになっていた。
 
しかし、せっかく狙い撃ちをしたのなら、最後まで仕留めなければ、安倍晋三首相に「野党の攻め方は下手だ。自分たちが野党ならもっとうまくやれる」と言われてしまう。   
 
中谷元防衛相の次の標的は、岸田文雄外相で「外相あいまい、野党退席 経済的影響だけで自衛隊派遣、可否めぐり」と野党が一斉に退席するという「事態」を招いてしまった。
 
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どんなに名称でごまかそうが「安全保障関連法案」が「戦争法案」と呼ばれる所以は、どうしたら戦力としての自衛隊を「切れ目なく」世界各地に派兵できるか、という魂胆がミエミエだからである。
 
切れ目を作らないために、憲法違反になりそうな行動をあたかも「グレーゾーン」と表現し、それを埋めるために、様々な「事態」をでっち上げことにより、矛盾と混乱を招いてきている。 
 
<安保法案審議 「事態」重なり混然 武力行使の範囲 政府裁量に>
 2015年5月30日 朝刊 東京新聞
201505306tunojitai.jpg 安全保障関連法案に関する衆院特別委員会の29日の審議で、自衛隊の派遣や出動が可能となる6つの「事態」の線引きの不明確さが浮き彫りになった。安倍政権は平時から有事まで「切れ目のない」対応を重視し、各事態を曖昧に定義した。このため、一つの状況がいくつもの事態に該当する場合、政府の裁量で武力行使が可能な事態に認定できるようになる。現行法では武力行使が許されないケースでも、安保法案が成立すれば他国を武力で守る集団的自衛権を行使できる。
 中谷元・防衛相は特別委で、集団的自衛権に基づいて日本近海の米艦船を防護できる「存立危機事態」の事例を説明。北朝鮮を念頭に、敵国が日本を狙って弾道ミサイルを発射する危険が迫っている場合、弾道ミサイルを迎撃する能力を持つ米艦への攻撃に自衛隊が反撃しなければ、「弾道ミサイルの第一撃で日本が取り返しのつかない甚大な被害を受ける」と述べた。
 現行の武力攻撃事態法では、この状況は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫している「切迫事態」か、武力攻撃が予測される「予測事態」に当てはまる。政府は、存立危機事態は切迫または予測事態に「同時に該当することが多い」との見解を四月に示している。自衛隊は切迫事態、予測事態には敵国を攻撃できないが、存立危機事態なら武力行使ができる。
 安保法案のうち、重要影響事態法案では、日本の安全確保を目的に米軍を中心とする他国軍への支援が可能となる「重要影響事態」を新設する。国際平和支援法案は、各国軍の戦闘を支援できる状況を「国際平和共同対処事態」と定めた。現行法と合わせ、自衛隊派遣に関する「事態」は6つ入り組む。 (新開浩)
 
「夜郎」とは漢の時代中国の西南部にあった小国の名前で、「自大」は自分を大きく見せる尊大な態度をいう。
 
漢の使者がこの小国に立ち寄った際、漢の強大さを知らなかった夜郎国の王が自分の国の力を自慢したと言う故事による。
  
この故事から「夜郎自大」という熟語が生まれたのだが、自分の力量をわきまえず、仲間うちで威張ったり、知識も力もないのに尊大にふるまう安倍晋三を的確に表現するときにも使われそうである。
 
もっともオジサンからすれば、今回の戦争法案における自衛隊を自由奔放に派兵すること自体が「夜郎自大」ならぬ「野郎事態」だと思ってしまう。
 
さて、曖昧な法案は時間をかける程綻びが出てきて廃案にすることが可能なのだが、杜撰な計画に基づく箱ものは、ひとたび作り始めたらもう後には戻れない。
 
物を作る場合、ハードウェア(箱もの)でもソフトウェア(システム)でも見積もりという作業をするが、あくまでも最終的な作業量が明確にならない限り、「正確な見積もり」とは形容矛盾なのである。
 
さらに、最終納期が決められてしまえば工期は早めに着手する程余裕はできるが、予算が無尽蔵でない限りは、最後は「予算内で」「納期に間に合う」製造物となり、当然、当初の目論みとかけ離れた結果となることもある。
 
まさにそのような代物になりそうなのが「新国立競技場」建設であろう。 
 
<新国立競技場:相次ぐ計画見直し 甘かった当初の見積もり>
 毎日新聞 2015年05月18日 
 五輪のシンボルとなる新国立競技場が相次ぐ計画変更にさらされている。JSC関係者は「費用や工期という現実に直面するにつれ、(当初計画の)実現が難しくなった」と率直だ。
 2013年9月に開催が決まったが、招致段階で新国立競技場の総工費は1300億円だった。しかし、基本設計を立案する段階になり、総工費は3000億円規模まで膨らむことが明らかになった。課題だった国民世論の支持率を高め、招致を実現するため、予算を低く見積もったことのツケが回ってきている。
 工費を抑制するため、新国立競技場は当初の姿から変わってきた。13年11月、床面積を25%削減する縮小案が提示され、流線型のラインが近未来を予感させる世界的建築家のザハ・ハディド氏の原案は失われた。
 また、招致段階では「最先端の競技施設」と日本の技術力をアピールした。その一部が音楽ホール並みに音響効果を高める遮音性の高い開閉式屋根、臨場感を増すためにグラウンドにせり出す電動式の可動席。今回の見直しで、その新技術も五輪に間に合わない。JSC関係者は「掲げてきた旗印が変わるのだから重く受け止める」と話した。
 新国立競技場の建設はデザイン選定が議論を呼び、一部の建築家から「景観を壊す」と指摘された。それでも工期に間に合わせるために計画を推し進め、工費を補うためスポーツ振興くじ(toto)の対象をプロ野球に拡大する案すら浮上している。新国立を巡る議論は不透明感がつきまとう。
 皮肉にも「オールジャパン」体制を組むはずの身内の舛添知事から「情報開示」を迫られて「万機公論に決すべし」とさえ諭された。国民に負担を強いる一大事業であるからこそ、丁寧に説明責任を果たして理解を得る必要がある。【田原和宏】
 
面目丸つぶれになりそうな国立競技場将来構想有識者会議の委員を務める日本協会の小倉名誉会長が、五輪招致活動中にはFIFA首脳陣に新国立競技場の資料を配付して応援要請した経緯もあり、開閉式屋根の設置を含めた計画通りのスタジアム建設を要請していた。
 
小倉名誉会長『うそダメ』 再建問題 計画見直し苦言
 
現実的には政治問題に発展しそうで、自らの政治資金問題に対する一連の疑惑にまともに答えられないような下村博文文科相が、増大する建設費用の一部を東京都に負担要請をしていたが、その過程が余りにも不明瞭で、当初の500億円から突然580億円になるなど、東京都知事の不信が高まってきた。
 
<東京都、文科省との面会拒絶…建設費巡り>
 毎日新聞 2015年05月29日 23時56分) 
 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の建設を巡り、都に建設費の一部負担を求めている文部科学省の幹部が29日、経過説明のため都幹部に面会を求めたところ拒絶された。舛添要一知事は同日午後の記者会見で、総工費など詳細な情報開示を求めているとして「(今回は)私が求めていることではないので来る必要はないとお答えした」と説明した。
 下村博文文科相は同日午前の記者会見で、久保公人スポーツ・青少年局長に対し、都の事務的な責任者に会って途中経過を説明するよう指示したと明らかにした。都によると、文科省は副知事との面会を求めたという。
 建設費に関しては、18日に下村氏が舛添氏と会談して約500億円の負担を要請した。舛添氏は26日、文科省が21日に都負担分580億円との試算を首相官邸に報告したことが判明したとして「ひどい数字を出して官邸に説明した。これだけでも背信行為」と批判した。面会拒絶の背景には、相談なく官邸に金額を提示されたことへの反発もあるようだ。
 【飯山太郎、藤野智成】
 
今後の推移は予断を許さないのだが、最終的な責任は日本の伝統で「誰も取らない」可能性が強く、いっそのこと新国立競技場は計画を白紙に戻すしかないのだろう。
 
そうなればドミノ倒しではないが本体の東京五輪がどうなるのか、別の問題から危ぶまれそうである。
 
<「禁煙五輪」条例、先送り 国の規制に期待 都の検討会>
 2015年5月30日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 2020年東京五輪に向けて、飲食店などの屋内施設での禁煙や分煙を罰則付きで義務づける条例の是非を議論してきた東京都の検討会は29日、条例化を事実上、先送りする最終提言をまとめた。喫煙者を顧客とする業界に配慮した。04年以降、定着していた「禁煙五輪」の流れを断ち切りかねない動きだ。
 提言は、都に受動喫煙防止への取り組みを工程表で示すよう求めながらも、条例制定の必要性には踏み込まず、18年までの検討を求めるにとどめた。一方、東京以外でも競技が予定され、諸外国の多くが法律で規制している点を挙げ、法律で全国一律に規制するのが望ましいとし、国への働きかけを都に求めた。
 罰則付きの条例化は、舛添要一知事が昨夏、テレビで「議会で通せばできる。ぜひやりたい」と発言。昨年10月に委員12人の検討会を設置。医師らが条例化を強く求める一方、法学者らは条例で不利益を被る飲食店などによる訴訟リスクを挙げ、賛否両派が対立。今年3月末に予定した結論を持ち越して調整していた。
 禁煙五輪をめぐっては、04年のアテネ五輪以降、開催国で罰則付きの法令化の流れが定着。10年には国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)が「たばこのない五輪」の推進で合意した。
 ■法律、罰則なし
 国レベルでは、03年施行の健康増進法が「多数の人が利用する施設では、受動喫煙の防止に努めなければならない」と定め、施設の管理者に努力義務を課す。労働者の受動喫煙を防ぐため、事業者に対策を求める改正労働安全衛生法も今年6月に施行される。ただ、いずれも罰則がない。
 05年からの10年間で「喫煙率を半減させる」との政府の目標も、15年の予測値で26%減どまりで、達成が難しくなっている。厚生労働省によると、国内で罰則付きの条例を施行しているのは10年の神奈川県、13年の兵庫県だけだ。
 塩崎恭久・厚労相は29日の定例記者会見で「国として法律を制定するのか、あるいは現在進めているような政策をさらにやるのか、いろんな意見がある。さらに検討を重ねて、決めていきたい」と話した。
 (川口敦子、福宮智代、錦光山雅子)
 ■公共の全面禁煙、世界の潮流
 「日本は22世紀のように進んでいる社会だが、たばこに関しては20世紀のままだ
 都内で3月にあった会合で、世界保健機関のダグラス・ベッチャー生活習慣病予防局長は、東京の遅れを皮肉った。たばこ規制枠組み条約(FCTC)の発効から10年がたち、公共空間の全面禁煙は世界で広がる。喫煙率が高いロシア、中国・北京、韓国でも昨年以降、飲食店を含む屋内を全面禁煙とする法律や条例が成立、施行された。
 新たな政策も進む。英国では4月から店で客に見える場所にたばこを陳列できなくなった。来年5月には、包装に独自のロゴやデザインが使えなくなる。豪州・タスマニアでは00年生まれ以降の住民へのたばこの販売・提供を禁じる条例案が議員立法で上院に提出され、審議中だ。
 
本来ならば、スポーツ選手と「喫煙」は無煙ではなく無縁のものである。
 
プロスポーツはともかくも「アマチュアスポーツの祭典」である五輪なのだから、世界の潮流に逆らった「禁煙五輪」の条例化先送りは、「日本は22世紀のように進んでいる社会だが、たばこに関しては20世紀のままだ」という批判をそのまま受け入れるしかなく、「世界一」「最先端」が大好きな「夜郎自大」の安倍晋三首相にとっても、嘘までついて招致した2020年五輪なので、「禁煙問題」で五輪開催自体が暗礁に乗り上げればその責任は計り知れない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:22| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月29日

感情的な自制心を失った最高責任者の危うさが浮き彫りに

米国が金融緩和で進めてきた事実上のゼロ金利を年内にも解除して利上げするという見方を背景に、低金利の円を売って、金利が上がるドルを買う動きが強まっていることにより「NY市場 円安一時124円 中小・家計に逆風、輸出・観光には恩恵 輸入原料値上がり」という状態になり、輸入食材の値上がりで家計にも益々負担がかかりそうのなっている。
 
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しかし衆院特別委員会ではこんな庶民の生活とはかけ離れた世界で、曖昧な「戦争法案」の解釈で政府内の乱れが予想通り噴出してきた。 
 
<機雷掃海 定まらぬ前提 防衛相「国民に死者なくても」>
 2015年5月29日 朝刊 東京新聞
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 安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で28日、戦時の機雷掃海をめぐり、安倍政権内の見解の不一致が浮き彫りになった。中谷元・防衛相は中東・ホルムズ海峡が機雷で封鎖され、日本へのエネルギー供給が途絶えた場合、国内で死者が出るほど影響が大きくなくても、他国を武力で守る集団的自衛権に基づき機雷を取り除くことは可能だとの考えを示した。法案提出前の与党協議で座長を務めた自民党の高村正彦副総裁は機雷掃海の前提となる状況として「寒冷地で凍死者が続出」を例示しており、海外派兵の基準のあいまいさを印象づけた。
 戦時の機雷掃海は、ばらまいた国への反撃となり、国際法上の武力行使にあたる。日本を標的にしているのが明確でない限り、集団的自衛権を行使しなければ取り除くことはできない。
 中谷氏は特別委で、どの程度の経済的な影響が出れば戦時の機雷掃海を実施できるかに関し「国民の生死にかかわるような深刻、重大な影響が出る場合だが、必ずしも死者が出ることを必要としない」と説明。凍死者が続出するほどでない経済的な影響でも、集団的自衛権の行使が可能になる「存立危機事態」に認定する可能性に言及した。
 安倍晋三首相はこれまでの審議で、生活物資の不足や電力供給の停滞を例示。自民党の稲田朋美政調会長は「凍死者や餓死者」が出る事態を想定している。
 見解に違いが生じるのは法案が定める集団的自衛権行使の要件があいまいで、解釈の幅が大きいためだ。
 首相は28日の特別委で他国領域で武力を行使する海外派兵は自衛のための必要最小限度を超え、認められないとする一方、機雷掃海は「受動的、限定的な武力行使」として例外だと重ねて主張。これに対し、民主党の辻元清美氏は、米軍は機雷掃海を能動的な武力行使に位置付けており、例外にはならないと追及した。
 政府によると、日本に輸入される原油の八割が中東・ホルムズ海峡を通過する。海峡のほとんどはオマーン、イランの領海にあたり、機雷掃海を実施すれば他国領域での武力行使になる。
◆柳沢協二の安保国会ウォッチ 判断基準を持たぬ政府
 安倍晋三首相がこだわる中東のホルムズ海峡で機雷掃海を行う基準について、中谷元・防衛相は「どれくらいの被害を想定しているのか。死者が続出する状況か」と問われ、「必ずしも死者が出ることを必要としない」と答弁した。首相は「総合的に判断する」と言う。
 死者が一人も出なくても、集団的自衛権が行使できる「存立危機事態」と言えるのか。武力攻撃を受けたときと同じ損害というのに、一人も死なないというのは同等の被害じゃない。
 国民が一番知りたいのは、政府が総合的に判断する基準が何かだ。それについて何も答えていない。要するに政府は基準を持っていない、答えられないのだと思う。「その時になったら政府が判断する」というのが唯一の答えのようだ。
 端的にホルムズ海峡に機雷がまかれれば、まいた国が日本に届くミサイルを撃ってくるというなら分かりやすいがイランは日本に届くミサイルを持っていない。中東の国で日本に届くミサイルを持っている国はない。
 首相は「それ以外はなかなか念頭にない」と言う。具体例としてそれしかないのであれば、そこを徹底的に議論すべきだが政府自身が他国への攻撃で日本の存立を脅かされることがあると思っているのかさえ、疑わしい。
 首相は27日の答弁で、私が指摘した自衛隊の後方支援に関するある新聞でのコメントを「柳沢さんは間違っている。なぜ初歩的なことを分からずにべらべらしゃべっているのか」と批判した。「べらべら」などと言うのはご不快だからだろう。
 私は事実上起こる軍事的常識を指摘しただけだが武力行使を拡大させる法案を出し、実際にその重い決断をする首相自身がこのような感情的な言葉を使ってしまうことに不安を感じる。
 
昨年の今頃は、集団的自衛権の行使容認を閣議決定するのではないかという多くの国民の危機感から、防衛省取材担当の東京新聞の半田滋編集委員は、各地の市民団体等に講師として呼ばれスケジュールは空きがないほどたったという。
 
そして今年は「戦争法案」の審議が始まった時期に合わせて、過去4代の内閣(小泉・安倍・福田・麻生)で官房副長官補の立場にいた柳沢協二が、「安保国会ウォッチ」と題して、連日、この怪しげな法案を的確に批判している。
 
かつての身内のような人が、あまりにも図星の批判をするため、人格的にも少々難がある安倍晋三首相が、特別委員会で名指しで批判するという異例の言動に出ていたのだ。
 
テレビ中継されている場で「柳沢さんは間違っている。なぜ初歩的なことを分からずにべらべらしゃべっているのか」と批判した安倍晋三首相について、「『べらべら』などと言うのはご不快だからだろう」と軽くいなしながら、「重い決断をする首相自身がこのような感情的な言葉を使ってしまうことに不安を感じる」とまで言っていたのだが、おそらくテレビ中継を見ていた茶の間の善良な市民も、「この総理大臣で大丈夫なのか?」と不安にさせるほどだった。
  
感情的に自分の口からでる言葉をコントロールできない安倍晋三首相は、またもや「総理のヤジ」を演じてしまった。
 
<早く質問しろよ! 首相、辻元氏にヤジ 審議中断>
 2015年5月29日 朝刊 東京新聞
 安倍晋三首相は二十八日の安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で、民主党の辻元清美氏に「早く質問しろよ」とやじを飛ばし、審議を中断させた。首相が命令口調で野党議員にやじを飛ばすのは極めて異例。質疑再開後に謝罪したが、野党は納得しなかった。 (安藤恭子)
 審議で、辻元氏が中東・ホルムズ海峡での機雷掃海を取り上げ「機雷掃海に行くことで、日本がテロに狙われることにつながりかねない」と、自衛隊による機雷掃海が軍事作戦とみなされ、テロを誘発する恐れを指摘していると、首相はいら立ったように「早く質問しろよ」と声を上げ、議場が騒然となった。その後、首相は「辻元議員が延々と自説を述べて、私に質問しないから、早く質問したらどうだと言った」と理由を説明。「言葉が過ぎたとすれば、おわび申し上げたい」と謝罪した。
 辻元氏は終了後、記者団に「がくぜんとした。国民の命の問題を質問していたさなかの発言で、怒りというより、一国の首相として悲しくなった」と語った。
 首相は27日の審議では、答弁の長さを野党から批判された。28日の審議では、浜田靖一委員長(自民)から「国民に分かりやすい簡潔な答弁を」と注意され、簡潔な答弁に「留意する」と述べた。
 首相は2月の衆院予算委員会で、日教組についてのやじを批判され「日教組は補助金をもらっていて、日本教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいる」と答弁。その後、正確性を欠く発言だったとして訂正したことがある。
 
さすがに「怒り心頭に発する」気分になった辻元清美はブログで「安倍総理が『早く質問しろよ』発言、三権分立の基本をおわかりでないのか?」と冷静に批判していた。
 
早くもネトウヨ連中は「辻元が30分以上演説し、総理がいらだった」というデマをまき散らしていた。
 
実際に安倍晋三首相がヤジったのは、辻元清美が発言を始めてから3分50秒の時点あたりであったと辻元の事務所は指摘していた。(下記の動画では10秒あたり)
 


果たしてこの質問者が野党の男性議員だったら、安倍晋三首相は同じようなヤジを飛ばしただろうか?

安倍晋三首相の女性蔑視の姿勢があらわれている様でもある。 
 
特別委員会での答弁では、傲岸不遜で不見識、論理のすり替えや詭弁を駆使して質問者の意図をはぐらかし、最後はチンピラまがいのヤジを飛ばすという安倍晋三首相に対しては、「立法府の委員の質疑を、行政府の長が妨げるということは、三権分立や民主主義の基本がわかってないといわざるをえません」という辻元清美の指摘が正鵠を突いていた、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:53| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月28日

初日からかみ合わない論戦が始まった

最近様々なスポーツの世界大会を「W杯」と呼んでいるが、違和感を覚えることがある。
 
例えば、国際バレーボール連盟(FIVB)が主催する4年に1度の世界大会が「FIVBワールドカップバレーボール」。
 
オリンピック、世界選手権と並んでバレーボール3大大会として位置付けられているらしいのだが、大会に出場するのは僅か世界の強豪男女各12チーム。
 
8月22日に日本で開催されるようだが、開催国(日本)、世界選手権・優勝国に加え、各大陸予選を勝ち抜いた、優勝国と準優勝国が出場し、その結果上位2チームには2016年リオ五輪の出場権が与えられるということは、オリンピックの方が権威があるスポーツと言えよう。
 
杜撰な計画とデザインの国際コンペの如何わしさが露呈して、建設自体が危ぶまれている新国立競技場。 

2020年東京五輪の前年には「2019ラグビー・ワールドカップ」が日本で初めて開催するために「屋根ナシ」でも強引に建設を進めるらしい。
 
別にバレーボールやラグビーにイチャモン付けているわけではないが、「W杯」と言えば、世界で最も競技人口が多いサッカーしかない。
 
完全なプロ集団の戦いである「FIFAワールドカップ」はサッカーの大会の世界最高峰と位置付けられ、全世界のテレビ視聴者数や経済効果はオリンピックを遥かに凌ぐ世界最大のスポーツイベントである。
 
オリンピックがスポーツの祭典から商業イベントとなり金銭まみれになって多くの批判を集めているが、それ以上の経済効果があれば当然ながら、裏では莫大な闇のカネがうごめいているのが「FIFAワールドカップ」らしい。
 
<FIFA:贈収賄容疑で幹部ら7人逮捕 総額185億円か>
 毎日新聞 2015年05月28日 01時05分)
 【ベルリン中西啓介、ニューヨーク田中義郎、草野和彦】米司法省は27日、サッカー・ワールドカップ(W杯)の放映権などを巡り、不正に巨額の利益を得ていたとして、国際サッカー連盟(FIFA)のジェフリー・ウェブ(50)、エウヘニオ・フィゲレド(83)両副会長ら幹部9人と、米国などのスポーツマーケティング会社社長ら5人の計14人を贈収賄や詐欺、資金洗浄などの罪で起訴したと発表した。1991年から現在まで、企業側からFIFA幹部に不正に渡った金額は総額1億5000万ドル(約185億円)以上とされ、世界最大のスポーツイベントを巡る事件に発展した。
 米司法当局の依頼を受け、スイスの司法当局は同日早朝、ウェブ副会長ら7人を逮捕。米司法省の発表によると、FIFA幹部らは91年から現在まで、W杯の放映権やスポンサー権に関する便宜の見返りとして、スポーツマーケティング会社から、巨額の賄賂を受け取っていた。2010年の南アフリカW杯の開催地選定などに関しても、現金の受け渡しなどが行われたという。27日に記者会見したリンチ米司法長官は、起訴内容には11年のFIFA会長選なども含まれるとしたうえで、ブラッター会長に捜査が及ぶかどうかについては言及を避けた。
 FIFAにとって最大の収入源はW杯関連の放送権やコマーシャル関連。11-14年の全歳入のうち7割は14年W杯の放送権料などで占めている。米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は「汚職と拝金主義の文化をつくり上げた」として、起訴されたFIFA幹部らを厳しく批判。司法省は「今回の起訴は捜査の最終章ではない」として訴追対象者が拡大する可能性を示唆した。
 ◇18、22年W杯招致疑惑
 スイス検察も27日、W杯開催地選定を巡る疑惑で独自捜査に乗り出した。ロイター通信によると、スイスの検察当局は、18年のロシアW杯と、22年のカタールW杯の開催地決定についても、不正行為や資金洗浄が行われた疑いがあるとして、捜査に乗り出したという。関係者宅の家宅捜索では、これらの疑惑に関する資料も押収。チューリヒにあるFIFA本部のコンピューターからも関連資料を押収したという。
 28日からチューリヒで開かれるFIFA総会では、ゼップ・ブラッター会長の再選が有力視されていた。ブラッター氏は捜査対象には含まれていないが、ブラッター体制の屋台骨を支える幹部から逮捕者が出たことで、国際大会開催地選考や事業運営で透明性を求める声が高まるのは必至だ。記者会見したFIFAの広報担当者は「FIFAは被害者だ」と釈明した。会長選とロシアW杯、カタールW杯については予定通り行う方針。
 【ことば】国際サッカー連盟(FIFA)
 サッカーの国際統括団体。本部はスイスのチューリヒ。1904年に設立され、現在、209カ国・地域が加盟。4年に1度開かれるワールドカップの主催が最大事業で、世界各地で普及活動も展開している。会長は、スイス人のゼップ・ブラッター氏。理事会は会長1人、副会長8人、各大陸連盟選出理事15人、女性理事1人の計25人で構成される。日本サッカー協会は29年に加盟。同協会の田嶋幸三副会長が4月、アジア・サッカー連盟選出のFIFA理事への就任が決まった。
 
「アマチュア選手のスポーツの祭典」とうたわれたオリンピックでも利権がらみで莫大な裏金が動いていることからすれば、FIFA幹部の不祥事が20年以上も表ざたにならなかったこと自体が不思議であった。 
 
さて昨日から、昨年7月に閣議決定した集団的自衛権行使容認を実現し、米軍の下請けとなるための戦争法案の審議が始まった。
 
はやくも「首相、前のめり 防衛相への質問にも答弁」と、こんな顔が写っていた。
 
20150528maenomeri.jpg
 
衆院平和安全法制特別委員会で安全保障関連法案についての質問に答える安倍晋三首相=国会内で2015年5月27日午前11時49分、望月亮一撮影
 
<安保法案、集団的自衛権 首相、必要性を強調 「軍事バランスを保ち、抑止力利かせる」>
 毎日新聞 2015年05月28日 東京朝刊
20150528beikanbougo.jpg 安全保障関連法案は27日、衆院平和安全法制特別委員会で実質審議入りした。安倍晋三首相は安保環境の変化により集団的自衛権の行使を容認する必要性が生じたと強調。野党は集団的自衛権の行使で、米国の戦争に巻き込まれる危険性が高まるなどと批判した。他国軍の後方支援を行う自衛隊の活動範囲も議論となり、政府は活動が安全にできる区域に派遣すると反論した。【青木純、飼手勇介】
 ◇野党「戦争、巻き込まれる」
 「アジア太平洋地域には軍事力を増強している国がある。軍事バランスを保ち、抑止力を利かせていかなければならない」。集団的自衛権行使容認の必要性を問う維新の党の松野頼久代表に対し、首相はこう答弁した。
 首相の発言は、米国に次いで世界2位の軍事費を支出している中国を念頭に置いている。首相側近は「『世界の警察官』をやめると宣言した米国を、どうすれば日本防衛に引き続き関与させられるか。それが首相の問題意識だ」と話す。
 政府・与党が集団的自衛権の行使容認を目指すのは、その延長線上にある。自衛隊が米軍を守れるようになれば「日米同盟がしっかりと機能している」とのメッセージになり、中国への抑止力が高まるとの見立てだ。首相は「法整備は日米の絆を強め、日本の平和と安定につながっていく」と強調した。
 これに対し、野党は集団的自衛権を行使できるようになれば、「米国の戦争に巻き込まれる危険性が高まる」などと政府を追及した。民主党の大串博志氏は、米英両国が2003年に自衛権の行使としてイラクを空爆したことを質問。「米国はフセイン大統領が大量破壊兵器を持っていると主張したが、最終的にはなかった。このような事例で集団的自衛権を行使することはあるのか」とただしたのに対し、首相は「自衛隊が大規模空爆や大規模戦闘をすることはない」と述べるにとどめた。
 他国領域での武力行使についても野党は追及した。首相は「考えうるのは機雷掃海のような受動的、限定的な行為」と改めて説明したが、民主党の岡田克也代表が日本人を輸送する米艦船の防護も外国の領海で行う可能性を問うと、「公海では間違いなくできるが、領海については慎重な当てはめをしていく」と述べ、状況によりあり得るとの見解を示した。
 外国領海での米艦防護を巡っては横畠裕介内閣法制局長官も「他国の領域における活動は例外的に認められる場合がある」と答弁。横畠氏は集団的自衛権行使による敵国のミサイル基地などへの攻撃も、状況によっては可能との見方も示し、今後は他国領域での「例外」の具体例がどこまで及ぶかが焦点となりそうだ。
 抑止力を巡る政府側の説明について、岡田氏は特別委後、記者団に「抑止力のことを言うばかりで(日本が戦争に)巻き込まれるリスクは言わない。国民の議論は深まらない」と批判。松野氏も集団的自衛権行使について「日本が責任を持つことに米国は期待しているが、首相は国内では『国民の命を守るため』としか言わない。国内向けと米国での発言がずいぶん違うのではないか」と批判した。
 ◇自衛隊リスク増、認めず
 首相は27日の特別委で、「戦闘現場に近づくなんて全く誰も考えていない」と述べ、安保関連法案の成立後も、他国軍への後方支援で自衛隊部隊を前線近くに派遣することはないと強調した。「現に戦闘行為が行われている場所」以外では支援活動が可能になるが、政府は「リスクが増大することはない」(中谷元防衛相)との立場を崩していない。野党側は、法整備により隊員の「リスク」が高まると認めるよう追及した。
 民主党の大串博志氏は「活動エリアが広がるのにリスクが上がらないのはおかしい」と詰め寄った。
 これに対し、中谷防衛相は「将来を通じて戦闘行為が起こらない見込みの場所を指定する」と反論。関連法案は「円滑かつ安全」に活動できる区域を防衛相が指定すると規定しており、自らの責任で隊員の安全を確保する考えを示した。
 イラク戦争時に自衛隊を派遣した旧イラク復興特別措置法が「活動期間を通じて戦闘行為が行われない」場所(非戦闘地域)への派遣を条文で明記していたのに対し、政府が提出した国際平和支援法案などには明文規定はない。大串氏は「安全を確保する手段を(条文から)削ったらリスクは増大する」と畳みかけた。
 陸上自衛隊が派遣されたイラク南部サマワは「非戦闘地域」と指定されたが、実際には自衛隊の宿営地内にロケット砲が4回撃ち込まれた。首相はこうした現実を踏まえ「サマワ全体が半年間、非戦闘地域であったかどうか。反省も込めながら、活動場所を限定していく」と語り、非戦闘地域とは言い切れなかったとの認識をにじませ、慎重に派遣場所を選ぶ考えを示した。
 後方支援の活動場所が広がるにもかかわらず、それに伴うリスク拡大を認めようとしないのは「危ないと認めてしまえば、リスク論が過熱して法案が危うくなる」(防衛省幹部)ためだ。一方で、現場の自衛官からは「任務が拡大する覚悟はできているが、より危険な任務を任せるからよろしく頼むと言ってほしい」と不満の声が漏れている。
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 ◇27日の国会審議での主な首相答弁
 --日本が武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使する「専守防衛」の定義は変わったか?
 専守防衛の考え方はまったく変わらない。(日本への武力攻撃がなくても)我が国と密接な他国への武力攻撃が発生したことによって我が国の存立が脅かされる明白な危険から我が国を防衛するのは、まさに専守防衛だ
 --中東で集団的自衛権を行使する事例は?
 想定し得ることは、ホルムズ海峡が機雷封鎖された際の機雷除去だ。現在、他の例というのは念頭にはない。
 --後方支援が戦闘現場に近づき、自衛隊員のリスクは高まるか?
 戦闘現場に近づくなんてことは全く誰も考えていない。自衛隊が活動する期間に戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に選ぶ。
 
新聞記事になると淡々と質問と答弁が繰り返されているように見えてしまうが、実際は安倍晋三首相は、相変わらず同じ答弁を繰り返し、さらには議論のすり替えを行い、特に維新の党の柿沢未途幹事長の1分4秒の質問に対し、安倍晋三首相はなんと5分35秒もかけてほとんどが外務官僚が作成した答弁書の朗読会になっていた。
 
 
 
戦闘の危険 決定的に高まる 『兵たん』は戦争行為の一部」と共産党の志位和夫委員長の質問には明確に答えられなかった安倍晋三首相と中谷元防衛相は、やはりただ単に答弁書を読むだけだった。 
 
 
 
そもそも戦争法案は、集団的自衛権行使容認のために外務官僚たちが分かりにくい内容で作成し提出された。
 
そして集団的自衛権行使を容認するということは、言葉の定義として、日本が攻撃されなくても米国という同盟国が攻撃された時、米国を助け、ともに戦えるようにする、ということである。

しかし安倍晋三首相は、戦闘地域での後方支援をしないという。
 
平然と米国の戦争に巻き込まれることはないとまで言い切ってしまう。

それにもかかわらず中谷元防衛相は、自衛隊に危険性が高まる事は絶対にないと繰り返す。
 
明らかなウソなのだが、既に「“お粗末答弁”で囁かれる中谷防衛相の『更迭』説」があるらしいのだが、更迭される前に国会の場で野党がもっと厳しく追及し、辞任に追い込まなければならない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:17| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月27日

この国の形を変える攻防が始まった

当初の予定では昨年末までに日米ガイドラインを改訂し、年明けには安全保障法制案の審議に入るはずだったのが、4月の統一地方選に対する影響と公明党に配慮する形で先延ばしをした政府・自民党。
 
そのため戦略を変えて安倍晋三首相の訪米時に現地でガイドラインを改訂し、米国上下院合同会議で今年の夏までに安保法制を成立するという「海外公約」をした。 
 
全てが国会軽視、国民無視と批判されながらも、ようやく昨日の衆院本会議で審議入りした。
 
当然、このような重要法案の審議の冒頭の政府に対する与野党の質疑に関して、あろうことか公共放送であるはずのNHKが中継しなかった。 
 
しかし、「緩む議場、ヤジと笑い 荒れ模様、議長が苦言」のような「空席が目立つ自民党の議席」や居眠りの自民党議員が多く、とても「安倍様のNHK」としては国民にこんな醜態をさらすことは憚ったのであろう。 
 
<安保関連法案:審議の衆院本会議「原則外」NHK中継せず>
 毎日新聞 2015年05月26日 20時36分 
20150527jimingiin.jpg
衆院本会議の開会から1時間半が経過。民主・枝野幹事長の質問に対する中谷防衛相の答弁を聞く自民党の議員たち=国会内で2015年5月26日午後2時38分、宮間俊樹撮影
 NHKは26日、安全保障関連法案の審議が始まった衆院本会議を中継しなかった。NHK広報局は「本会議を放送するのは、原則として、首相の施政方針演説や所信表明演説などの政府演説と、それに対する代表質問がある場合」と説明している。
 27日以降の衆院平和安全法制特別委員会の審議は中継する予定という。【丸山進】
 
儀式的な与野党代表の質問が行われ、それに対する安倍晋三首相答弁は相変わらず具体性を欠き、「木で鼻を括った」ような断定調の答弁だった。 
 
<武力行使 政府の裁量 首相「総合的に判断」強調>
 2015年5月27日 東京新聞
20150527tokyopaper.jpg
 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案は、26日の衆院本会議で審議入りした。安倍晋三首相は集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」の認定について「政府が総合的に判断する」と、厳格な判断基準を示さなかった。集団的自衛権行使は政府の裁量に任されることが鮮明になった。首相は、焦点の一つとなる他国の領域で武力行使する海外派兵は憲法上許されないとして、法案に禁止を「重ねて規定する必要はない」と表明。一方、戦時の機雷掃海は例外とし、他国領域での武力行使に余地を残した。
 首相は、どういう状況が存立危機事態に該当するかについて「個別具体的な状況に即し、政府がすべての情報を総合して客観的、合理的に判断する。一概に述べることは困難」と説明。その上で、国際紛争でエネルギー輸入が途絶えた場合などに「国民の生死に関わるような深刻、重大な影響が生じるか否かを総合的に評価する」と述べた。首相の答弁は、過去の記者会見や国会での抽象的な説明を繰り返すにとどまった。
 首相は、武力行使を目的に自衛隊を他国領域に派遣する海外派兵について「一般に自衛のための必要最小限度を超える」との憲法解釈を説明。「集団的自衛権を行使する場合も変わらない」と述べた。戦時の機雷掃海は「民間船舶の安全な航行を確保することが目的で、あくまでも受動的、限定的な行使だ。外国領域でも新3要件を満たすことはあり得る」と述べた。
 海洋進出を強める中国を名指しし、日本の安全保障環境が厳しさを増しているとも強調。法案が成立すれば日米同盟の強化で抑止力が高まり、日本が攻撃を受ける可能性が低下すると主張した。「政治家は平和を願うだけではなく、果敢に行動していかなければならない」とも強調。法案の今国会成立を目指す考えを重ねて表明した。
 本会議では自民、公明、民主、維新、共産の五党が質問に立った。法案は27日の衆院平和安全法制特別委員会で実質審議に入る。
 <武力行使の新3要件> 安倍政権が昨年7月、集団的自衛権行使を認めるために閣議決定した要件。(1)日本に対する武力攻撃、または日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命や自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある(存立危機事態)(2)日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまる−場合に武力行使できるとした。
 
それにしても、矛盾だらけの答弁や発言を繰り返している安倍晋三首相の存在自体が日本の政治の「存立危機事態」であることは言うまでもない。
 
恒例の在京大手紙の社説読み比べを行ってみる。 
 
■朝日新聞真価問われる国会 なし崩しは認められない
 
一連の首相の答弁は、乱暴な決めつけと、異論への敵意に満ちている。
・・・・
首相は今回の法制を進める理由について、「わが国を取り巻く安全保障環境がいっそう厳しくなり、国民にとってリスクが高まっているからだ。切れ目のない法制で抑止力が高まれば、日本が攻撃を受けるリスクは下がる」と強調した。
 それが首相の言う「森を見る」ことならば、9条を改正して必要な法整備を進めたいと説くのが法治国家の首相のとるべき道だったのではないか。その順序は完全に逆転している。
 そのために安全保障環境の変化にどう対応すべきかという議論がかえって妨げられているのは本末転倒である。
 この倒錯を正せるのは国会での言論であり、世論である。
 
最後の行が気にかかる。
 
「この倒錯を正せるのは国会での言論であり、世論である。」の次に「その世論を喚起し正しい道に導くのがわれわれマスメディアの使命である」と続ければ及第点を上げられたのに残念である。
 
■毎日新聞安保転換を問う 国会審議入り つじつま合わせの無理
 
安全保障関連法案が衆院本会議で審議入りし、早くも政府の説明にほころびが見られる。こんな状態で夏までに成立させようというのは、やはり無理がある。期限を設けない与野党による徹底論戦が必要だ。
 政府の説明が安定しないのは、法案が無理なつじつま合わせの上に成り立っているためではないか。
 法案の柱である集団的自衛権の行使容認は、本来は憲法9条改正の手続きをとるべきものだが、政府は憲法解釈の変更という手法を選んだ。
・・・・
自衛隊員のリスクが高まる懸念についても、政府の説明は混乱気味だ。首相は党首討論で「リスクとは関わりがない」と述べたが、きのうは「リスクは残る」と一定程度、認める方向に修正した。一方、中谷氏は「増大することはない」と語る。
 首相は、自民党役員会で「自衛隊員のリスクが高まるといった『木を見て森を見ない』議論が多い」とも述べたという。リスクについても丁寧に語る姿勢を示さなければ、国民の理解は得られないだろう。
 
多数の国民のなかには、集団的自衛権が発動され米軍の下請けで戦闘地域に派兵されるのは自衛隊員なので、自分たちは直接は関係ないという若者が存在することも事実である。
 
しかし少々想像力を働かせれば、今まで「人殺し」の経験のない自衛隊が戦地に赴けば当然、「遺族」が出ることくらい分かるであろう。
 
◆讀賣新聞安保法案審議 自衛官のリスクを克服したい
 
自衛隊の他国軍に対する後方支援の活動範囲の拡大に関して、枝野氏は、「自衛官のリスク」が高まるはずだ、と主張した。
 維新の党の太田和美氏も、「自衛官の活動地域が戦闘地域に近づくことで、戦闘に巻き込まれる恐れも格段に高まる」と述べた。
 中谷防衛相は、「自衛隊はこれまでも任務を拡大し、厳しい訓練を重ね、リスクを極小化してきた。今回の法改正でも、リスクをゼロにはできないが、与えられた任務を着実に果たす」と反論した。
 国際平和協力活動に完全に安全な活動はあり得ない。だからこそ、組織的な訓練を受け、武器を使える自衛隊を派遣するのである。危険な任務は一切引き受けないのでは他国の信頼を得られまい。
 
自民党の機関紙と揶揄されるほどであるので、自衛隊員のリスクが高まることを暗にほのめかしている。
 
◆産経新聞安保法審議入り 国民守り抜く論戦深めよ
 
自衛隊の活動範囲が広がれば、リスクが増すという点を野党側は強調するが、実際には日米同盟の抑止力が強化されることにより、かえって平和が保たれる。
 首相は「日本が攻撃されるリスクはいっそう下がる」という言葉で説明した。「備えあれば憂いなし」の側面が大きいことを分かりやすく国民に語るべきだ。
 首相はまた、「日本有事はいうに及ばず、海外派遣など従来の任務も、命がけで自衛隊員は限界に近いリスクを負っている。新たな任務も命がけだ」と明言した。
 リスクはあるが、誰かがやらなければならない任務があるからこそ、高度に訓練された自衛隊が出動する。
 当たり前のことであり、一部野党がその是非ばかりに焦点をあてるのはおかしい。今後は政府側も批判を恐れ、ことさらリスクがないと強調すべきでない。
 
一部のブロガーたちは、産経新聞は「官邸のリーク紙」と呼んでいるそうだが、「今後は政府側も批判を恐れ、ことさらリスクがないと強調すべきでない。」ということは、徐々に政府側は「リスクはあるのは当然である」という論調に変わることを暗示している。
 
ところで、衆院本会議での質疑応答が終了したあとは衆院平和安全法制特別委員会が開催する予定なのだが、初日から政府側のたるみが出てしまった。
 
外相遅刻で特別委の開会遅れる…『連絡不十分』」という記事によれば、
 
26日の衆院平和安全法制特別委員会に、常時出席が求められている岸田外相が遅刻し、委員会の開会が遅れるハプニングがあった。
 岸田氏は、安全保障関連法案の趣旨説明が行われた衆院本会議終了後、いったん外務省に戻ったが、連絡を受けて急きょ国会に戻った。岸田氏は、特別委の冒頭で「われわれの連絡不十分により、開会を遅れさせ、おわび申し上げる」と陳謝した。委員会ではその後、予定通り同法案の提案理由説明が行われた。
 自民党の佐藤勉国会対策委員長は26日の記者会見で「野党におわびしたい。反省しなければならない」と神妙な表情で語った。
 
この外相はNSC(日本版国家安全保障会議)のメンバーであり、こんな連中の裁量で「総合的に判断」されて戦争が勃発する可能性の方が高い。
 
切れ目のない日米軍事同盟により、仮想敵国の中国に対する抑止力を高めたつもりなのだろうが、抑止力は軍事力競争につながり、さっそく「中国:「軍事衝突に備える」南シナ海念頭…国防白書」と反応し、中国は、日本を名指しして「積極的に戦後体制からの離脱を追求し、大幅に軍事安全政策を調整しており、国家発展の方向性をめぐり、地域諸国の高い関心を引き起こしている」と懸念を示したように、日中間の緊張感を高めるだけの「戦争法案」なのだろう、とオジサンは思う。

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2015年05月26日

「木を見て森を見ない議論」自衛隊員の命は「木」なのか

来月以降からやっと僅かばかりの年金が「満額」もらえる程度の定年オジサンにとっては、国会議員の資産公開は、全く別世界のようである。
 
毎回感じることは、選挙で当選した直後の資産と、任期満了時の資産を比較して、その間の資産の増減が分かるような調査ならば、各議員の仕事っぷり(資金集め)が国民によく分かるのではないか、ということである。 
 
それにしても自民党議員の突出は半端ではなく、とりわけ世襲議員の資産は、まさに国会議員が「稼業」ではなく「家業」になっているということを如実に現している。
 
<衆院議員資産公開 平均3463万円、上位10人は自民>
 2015年5月25日11時56分 朝日新聞DIGITAL
20150526sisanbest10.jpg
 
 昨年12月の衆院選で当選した国会議員475人分の資産が25日、公開された。資産額の平均は増えているが、全体を押し上げたのはごく一部の自民党議員で、自民党と民主党の「格差」が広がっている傾向が浮かび上がった。
全議員の資産データはこちら。ダウンロード可
 資産公開法に基づいて公開された資産報告書からわかった。朝日新聞の集計では、土地と建物の課税標準額、預貯金、株式を除いた有価証券を合計した「資産額」の1人あたりの平均は、3463万円だった。前回2013年の公開時点より、235万円増えた。
 資産額の平均は1993年の制度開始以来、減少傾向が続いていた。しかし、民主党から自民党に政権交代し、77万円の増加に転じた前回に引き続き2回連続で増加した。定数の6割を占める自民党の平均が4704万円と、前回より596万円増え、2010年(5018万円)に近い水準に戻りつつあるためだ。
 上位10人はいずれも自民党で、1位の鳩山邦夫氏は30億6520万円。前回より10億6636万円増やし、1人で全体の平均を224万円押し上げた。増加額最大も鳩山氏で、高木宏寿氏(自民)、平井卓也氏(同)が続いた。3人だけで、前回より総額18億3930万円増加していた。
 一方、民主党の平均は1351万円で、前回の1322万円とほぼ同じ水準だった。自民党と民主党の平均の開きは、前回の2786万円より拡大し、3353万円。株式の公開対象が銘柄と株数だけになり、価値が全く反映されなくなった04年以降最大となった。
 公開対象は任期が始まった時点(昨年12月14日)での議員本人の資産だが、預貯金は定期のみで普通預貯金は含まれない。閣僚の資産公開と違い、家族名義の資産も対象外だ。土地や建物の公開価格は固定資産税の課税標準額で、実勢価格を反映していない。虚偽記入に対する罰則もないため、実効性が疑問視され続けているが、抜本的な見直しの動きは起きていない。(二階堂友紀)
■上場株所有は132人、時価254億円
 衆院議員475人の資産報告書によると、日本の証券市場に上場する株を持つのは自民94人、民主18人、維新8人、公明6人など132人で、前回2年前の資産公開に比べ15人減った。ほかに25人が非上場株や外国株だけを持つ。
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 報告書に記載された上場株について、朝日新聞が今月22日の終値で計算したところ、時価総額は約254億5千万円。2年前の前回資産公開時(13年5月24日終値)と比べると、所有議員数が減ったにもかかわらず、約64億円増えていた。
 保有株の時価総額の上位20人は、民主の岡田克也氏(三重3区)を除き自民の議員だった。前回に続き1位の鳩山邦夫氏(福岡6区)が約205億円で保有者分の8割を占めた。鳩山氏を除く平均額は約3773万円で、前回公開時点より約800万円増えた。
 日経平均株価は、13年5月24日は1万4612円だったが、今月22日は2万264円と上昇傾向にある。(贄川俊)
 
さすがは高給取り記者が多い朝日新聞の記事らしく、むしろ「衆院議員資産公開:『資産ゼロ』35人、形骸化」という記事の方が議員の実態を現している。
 
資産公開法では、本人名義の土地、定期預金、有価証券などが対象となっているため、もっとも基本的な資産である普通預金が対象に入っておらず、しかも名義が本人でなければ、その資産について公開する必要はない。
 
したがって妻名義の預貯金を含めれば倍増する可能性もある。
 
資産が少ない議員でも彼らにはザル法で守られた「政治資金」があり、公私混同の使い方では自民党の元経産相の小渕優子が昨年、見事な手口をあからさまにしてくれた。
 
また2年前の参院選で当選した自民党の渡邉美樹は翌年の資産公開では約17億円だったが、資産管理会社などを通じて本人が所有する外食チェーン「ワタミ」の株式を保有しており、実質的な資産総額は軽く200億円を超えており、国会議員の実際の資産は闇の中と言った方が正しいかもしれない。 
 
そんな連中が集まって安倍内閣が提出した「戦争法案」の審議が今日から始まるが、東京新聞に、名古屋本社の論説主幹が極めてシンプルな指摘をしていた。
 
<平和主義を守ろう 安保法案 きょう審議入り>
 2015年5月26日 07時08分 東京新聞
・・・前略・・・
◆名古屋本社論説主幹 深田実
 いわゆる安保法案の国会審議がいよいよ始まる。二つのことを指摘したい。
 一つめは、日本はやはり平和主義を守らねばならぬということだ。
 戦後日本はアメリカの平和を受け入れ、頼ってもきた。繁栄も享受した。同時に先の大戦の反省を踏まえ、世界に誇ってもいい平和主義を築いてきた。
 安保法案とは、要するに自衛隊を限りなく戦場に近い場所へ送り出すということだ。戦闘に巻き込まれるかもしれず、戦闘になる恐れがあり、戦後70年かけて培った平和主義が崩れるかもしれない、ということだ。やすやすと受け入れるわけにはゆかない。
 平和とは、戦争とちがって目立たないものである。平時はニュースになりにくい。しかし振り返れば、日本のアジアや中東諸国への経済支援は群を抜いていた。貧困撲滅と教育普及は軍事に劣らぬ力でもある。私たちは非軍事的貢献の大きさをもっと自覚してもいいのではないか。
 日本は米同盟国ではあるが、なお一般に中立的国家という印象をもたれている。アジアの一員でもある。アメリカの手足となるより紛争対象との懸け橋となるべきだろう。世界貢献には日本なりの仕方がある。専守防衛からもし踏み出すなら、得るよりも失うものの方が大きいだろう。
 二つめは、国会の役割である。
 国会は、憲法にいう「全国民を代表する」機関である。原理的には国民意思の公正かつ忠実な反映でなくてはならない。しかるに世論調査などでは、今国会での安保法案成立について賛成よりも反対の方がかなり多い。
 議員は特定の問題について選挙の投票で選ばれたわけではない。問題が重大なほど選挙民の声を聞き、考え、行動せねばならない。
 法案の審議はもちろん尽くされねばならない。国民はしっかりと見ている。是とするか、非とするか。
 平和主義を重く見るのなら、今国会で決める必要はないし、出直してもいいのである。
 
法案審議の中では国のトップがどのような考えから法案を作成したかということが問われる。
 
したがって安倍晋三首相の発言に注目が集まるが閣僚らの発言との整合性の有無、正否も追及すべきである。
 
<「他国で戦わず」首相発言焦点 「法案にない」野党追及>
 2015年5月26日 朝刊 東京新聞
20150526abesetumeigimon.jpg 26日の衆院本会議で審議入りする安全保障関連法案は、「他国の領土、領海、領空で戦闘行為を行わない」とした安倍晋三首相の発言が焦点となる。首相は戦時の機雷掃海はあくまで例外で、これを除くと他国の領域で武力行使することはないと受け取られる発言を繰り返す。しかし、野党側は法案にそのようなことは明記されておらず、他国での武力行使の例外が広がっていく可能性がある、と反論している。 (金杉貴雄)
 野党側が疑問視するのは、他国での武力行使の範囲が不明確な点だ。
 安倍政権は他国を武力で守る集団的自衛権の行使を認める条件として、武力行使の新3要件を閣議決定した。(1)日本の存立と国民の生命、権利に明白な危険がある(2)他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまる−との内容で、安保法案にも盛り込まれた。
 首相は20日の党首討論で「『一般に』海外派兵は認められていない。他国領域で戦闘行為を行うことを目的に武力行使しない」と明言した。その理由として、新3要件に定められた「必要最小限度」を超えると説明した。中東・ホルムズ海峡を想定した戦時の機雷掃海は「一般に、の外だ」として認める考えを示した。
 しかし、新3要件にも法案にも「他国領域での武力行使はしない」と明記されていない。民主党の岡田克也代表が党首討論で「法文のどこを見てもそんなことは書いていない。間違っている」と反論したのはそのためだ。
 しかも、菅義偉(すがよしひで)官房長官は25日、「新3要件に当たれば、他国での戦闘も、敵基地への攻撃もあり得る」と明言した。中谷元・防衛相も同様の発言を繰り返していて、首相の発言と食い違っている。
 もう一つの疑問は日本の直接の武力行使ではないが、他国軍の戦闘支援を大幅に拡大することで事実上、他国での戦闘参加と同じことになるのではないか、ということだ。
 自衛隊は周辺事態法を改正する「重要影響事態安全確保法案」と新法「国際平和支援法案」であらゆる国の領土を含む世界中で他国軍の戦闘を支援できるようになる。
 さらに自衛隊が活動できる地域を従来の「非戦闘地域」から「現に戦闘を行っている現場以外」にまで拡大し、自衛隊が戦闘現場になり得る場所でも活動できるようにする。弾薬など人を殺傷することにつながる物資も提供、輸送する。後方支援の内容をここまで拡大すれば、他国での戦闘参加になるのでは、との指摘が野党側から出ている。
 
まやかしの「武力行使の新3要件」は時の政権の解釈によってはいくらでも変わるものであり、極論すれば歯止め3要件にはなりえず、「切れ目のない」自衛隊の海外派兵になることは十分に予想される。
 
多くの国民と自衛隊員の家族が最も気がかりなのは自衛隊員のリスクであろう。
 
そのリスクに関しても「中谷防衛相『自衛隊のリスクは増大しない』 安保関連法案」という記事の中で、中谷元防衛相は、「今回の法整備によって、国際社会の平和と安全により貢献できるようになる。日米同盟の抑止力は確実に高まる。得られる効果の方がリスクよりもはるかに大きい」と、自衛隊員のリスクがあるが、その彼らの犠牲によって高まる抑止力の方が大切であると言わんばかりである。
 
安保法制で自民・谷垣氏『自衛隊員のリスクはある』」という記事では、自民党の谷垣禎一幹事長は新たな安保法制に伴う自衛隊員のリスクに関し「実際を言えばリスクはある」と正直に話している。
 
ところが、安倍晋三首相は身内の会議で許されない発言を発していた。
 
<「木を見て森を見ない議論」 安保めぐる野党批判に首相反論>
 2015.5.25 18:40 産経新聞
 安倍晋三首相(自民党総裁)は25日の党役員会で、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の審議をめぐり、野党側から自衛隊員のリスクが高まるとの反発が出ていることに対し、「木を見て森を見ない議論が多い」と批判した。
 首相は「安保環境が厳しくなる中で国民のリスクが高まり、そのリスクを自衛隊員が担っている」と指摘。26日から衆院本会議で始まる法案の審議については「国民のリスクを低くしていくための法整備であるという本質的な議論をしっかりやっていきたい」と述べた。
 
一般に「木を見て森を見ず」とは、小さいことに心を奪われて、全体を見通さないことの喩として使われるだが、この戦争法制の審議で使うのは甚だ不謹慎であるばかりではなく、喩が悪すぎる。
 
過去に1800名位余りの殉職者を出した自衛隊は外国との戦闘行為では一人の殉死者はいなかった。
 
それが地球の裏側まで米軍の後方支援と称して戦闘地域に派兵される自衛隊員は、まさに戦死者予備軍となる。
 
「安保環境が厳しくなる中で国民のリスクが高まり、そのリスクを自衛隊員が担っている」ということは、国民のリスクが高まることを抑えるために自衛隊員のリスクを高めるということを図らずも認めたに等しい。
  
正直にそのように国会でも説明しなければならない。
 
くれぐれも自衛隊員が「木」で国民のリスクが「森」であるかのような詭弁は止めて、自衛隊員も含めて国民をどのように守るのかを国民に示すべきであり、少なくとも武器や戦力で平和は得ることはできない、とオジサンは思う。

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2015年05月25日

直球ではなく曲球で安倍晋三を三振に

IAEA(国際原子力機関)は1957年に発足し、2005年にはノーベル平和賞を受賞したが、そのとき、ノーベル平和賞団体の国際平和ビューローの推薦を受けた最有力候補と言われた日本被爆者団体協議会(日本被団協)を押しのけて受賞したことは余り知られていない。
 
日本被団協はアメリカの原爆投下や核保有国の核実験を決して容認しないので、アメリカにとっては煙たい存在であり、日本被団協がノーベル平和賞という極めて政治的で特殊な賞を受賞できなかった理由はそれにつきると当時言われていた。
 
そもそもIAEAという組織は、アイゼンハワー大統領の「平和のための原子力」提案にもとづいて、原発の普及と核物質が軍事目的に転用されるのを未然に阻止しようという2つの目的のために設けられた機関である。
 
昔から、よく核の「平和」利用、核拡散防止が目的といわれるが、IAEAの「平和」は核軍縮・核廃絶とは全く無縁の存在であり、核兵器の拡散阻止は核保有国の核軍縮ではなく、核兵器の独占の維持でしかないのでIAEAの主目的は要は原発推進にあると知る人ぞ知る常識となっている。
 
昨年4月に「福島原発事故対応をめぐる問題」の中で引用したジャーナリスト、新・人類学モメンタム研究所、共同設立者であるアニェス・シナイ女史の調査報告「国際原子力機関IAEAの迷走 独立性には程遠い原子力産業の憲兵」の中で、
 
2011年6月以降、IAEAは福島第一原発の原子炉6基の推移に関して危険性は高くない旨のコミュニケを流布させてきた。これは、東京電力(TEPCO)や日本の安全当局である原子力安全・保安院(NISA)によって伝えられた情報をもとにまとめたものである。「原子力の監視と促進」という「矛盾のカクテル」、これこそが他に類のないこの機関、IAEAの本質なのだ。 
 
そんなIAEAが東京電力福島第一原発事故を総括し、加盟国に配布した最終報告書の全容が24日、判明した。
 
東電や日本政府の規制当局は大津波が第一原発を襲う危険を認識していたにもかかわらず実効的な対策を怠り、IAEAの勧告に基づいた安全評価も不十分だったと厳しく批判していた。
  
報告書は42カ国の専門家約180人が参加して作成し、その要約版約240ページが6月のIAEA定例理事会で審議された後、9月の年次総会に詳細な技術報告書と共に提出される予定だという。
 
<「想定外」を一蹴 IAEA報告書 「国際慣行に従わず」批判>
 2015年5月25日 朝刊 東京新聞
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東京電力福島第一原発の津波の影響などを調べるため、3号機を視察するIAEA調査団のウェイトマン団長=2011年5月(グレッグ・ウェッブ氏撮影、IAEA提供・共同)
 【ウィーン=共同】「勧告した安全評価を十分実施しなかった」「国際的な慣行に従わなかった」。国際原子力機関(IAEA)がまとめた東京電力福島第一原発事故の最終報告書は、東電や規制当局の認識の甘さを痛烈に批判している。
 事故当時、東電や日本政府からは「想定外」との弁明が相次いだ。
 しかし、IAEAは日本が何十年にもわたり原発の安全性を過信し、発生の確率が低い災害などに十分備えてこなかったと一蹴した。
 IAEAは福島の事故前から、加盟国に対し原発の安全性を評価する際、機器の故障などが大事故に至るすべての可能性を把握する確率論的安全評価(PSA)の適用を勧告。2007年の専門家による訪日調査では「日本には設計基準を超える事故について検討する法的規制がない」と指摘し、過酷事故に十分備えるよう求めていた。
 しかしIAEAの勧告や助言を受けた抜本的な対策は取られず、報告書によると、第一原発ではPSAを十分適用せず、非常用ディーゼル発電機などの浸水対策が不足。10年ごとの定期安全レビューでも地震・津波予測の再評価が義務付けられておらず、過酷事故への対応や安全文化の見直しも含めて「国際的な慣行」に十分従っていなかった。
 福島の事故後、中東のヨルダンが「原発の建設予定地を地震が少ない場所に変更」(同国原子力委員会幹部)するなど各国は新設・既存の原発の安全を強化している。
 
事故の教訓を生かした提言により各国の原発安全対策に活用されるのだろうが、IAEAの本音は「もっときちんと安全対策を実施しないと原発の存在そのものが批判される」ことを恐れているのだろう。
 
決して「脱原発」を進める組織ではないということは、明確にしておかねばならない。
 

 
明治大学の西川伸一教授によれば、安倍晋三の振る舞いは、まさに「ホップ、ステップ、ジャンプ」だという。
 
2013年8月に、内閣法制局長官に従来の慣行を破って小松一郎駐仏大使を充て(ホップ)、翌年7月には、集団的自衛権行使容認を閣議決定し(ステップ)、ついに今年の5月14日に、「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」を閣議決定(ジャンプ)したことを指している。
 
先週土曜日の東京新聞のコラム「筆洗」にはこんな指摘があった。
 
・・・前略・・・
▼さて、来週いよいよ審議が始まる安全保障関連法案を、何と呼ぶか。政権は「安全保障法制」と呼んでいた一連の法案を、突然「平和安全法制」と呼び始めた
▼誰が何のために言い換えたのか。防衛相に尋ねても「誰が名付けたのか、私も確認していない」。重大な法案をどう呼ぶかについてさえ情報が共有されぬようなチームワークで危機的な事態に対処できるのかと、ふと不安が首をもたげる
▼安全保障は略して安保。平和安全を略せば平安。海外での武力行使に道を開くことになる法制を「平和安全」と呼べば、論議も平安に進むだろう。そう考えての言い換えだとしたら、国会も世論も随分と甘くみられたものだ。
 
この筆洗子に呼応するように、昨日の同紙朝刊「本音のコラム」で法政大学の山口二郎教授は、「素晴らしき平安時代」と題して、10年後の日本の学校教育を痛烈に皮肉っていた。
 
 2025年の日本の学校では、こんな歴史を教えることになるかもしれない。
 2015年から、日本は「第二平安時代」に入りました。といっても、首都を京都に戻したわけではありません。この年、偉大なる安倍晋三総理の下で、「平和安全法制」が決定され、日本は自国の平和だけに一生懸命なわがままな国から、世界の平和と安全に、武器を持って貢献する偉大な国になりました。これで、戦後という屈辱的な時代が終わり、日本はあらたな平安時代に入ったのです。
 平和を守るためには力が必要です。だから平和への貢献を具体的に示すのは、犠牲者の数です。戦後の日本では、1人の戦死者も出さなかったと変な自慢をする人がいましたが、平安時代ではどんどん犠牲者を出すことで、世界平和への貢献を内外に誇れるようになりました。
 平安時代は、平和を安上がりに使い捨てる時代でもあります。貧乏な皆さんにとっては、大人になったら安い給料でこき使われるか、軍隊に入って平和のために犠牲になるというのが正しい生き方です。皆さんはなんと素晴らしい時代に生きていることでしょう。
 こんな素晴らしい時代に不満を持たないようにするためにこれ以上歴史の勉強をする必要はありません。試験対策の暗記の苦労もありません。文句ある?
 
余りにも生々しく一笑に付すことができないパロディーである。
 
正面から肩肘張って「戦争法案反対」と叫び続けてもその実態がより多くの国民に伝わらなければ世論にならない。
 
このような近未来の日本のたとえ話が現実のものにならないような啓蒙活動が今後はますます重要になってくる。
 
ある新聞の投書欄に「安倍晋三」の名前の文字を入れ替えて「不倍三」と表現していた人がいた。 
  
そういった点からも、日本の総理大臣が宗主国の米国議会で演説した内容とか、先週の党首討論で発言した内容などは、もっと広く「丁寧に」国民に知らせることがメディアの役割なのであろう。
 
もっとも安倍晋三首相の「頭の悪さ」と「歴史認識の欠如」振りは、「知識の欠如をあらわにした安倍晋三の「歴史認識』」の中で「つまびらかに」説明されているが、実際に10年ほど前に「「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を2発も落として日本に大変な惨状を与えたあと、『どうだ』とばかり叩き付けたものです。そんなものをもちだし、あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で、日本の総理を責めあげる」といった低能振りを披露していた。
 
自らを「離婚弁護士」とか、近い将来は「貧困弁護士」という言葉が生まれるが、そのトップランナーは自分である、と自虐的なプロフィールで有名になった「まちべん」こと名古屋の岩月浩二弁護士が、ブログ「街の弁護士日記」で安倍晋三首相がいみじくも「つまびらかに承知していないポツダム宣言」発言内容をわかりやすく「翻訳」してくれた。
 
ポチダヨ宣言全文
お尋ねのポツダム宣言ですね、ポツダム宣言はつまびらかにしておりませんが、ポチダヨ宣言なら昭和天皇誕生日に帝国議会で行ってまいりました。
先の大戦は「痛切な反省」をですね、しているわけです。誤解のないように申し上げますが、『先の大戦』というのはですね、1941年12月8日にですね、真珠湾を攻撃してですねアメリカ帝国をですね怒らせたということは『痛切な反省』をしたということをですね、したわけでありまして、その前のシナとの戦争とかですね、韓国の併合とかを間違ってもですね、反省するわけではなくてですね、ここは未来志向でいこうじゃないかと、こう申し上げた訳であります。
したがってですね、そのためには、アメリカ帝国の傭兵としてですね「我が軍」をですね、使っていただきたいと、とくにアメリカ帝国がですね、大変気にかけておられるホルムズ海峡の奥ですね、ここはぜひとも「我が軍」にですね任せていただきたいと、こう申し上げた訳であります。
それからですね、本当は東シナ海が気になるわけでありますが、南の方がお気に召すのであれば、似たようなものでありますからね、南に「我が軍」を派遣してですね、シナと対決をも辞さないと、こういう訳であります。
それからですね、コメの関税ですが、直ちにとは言いませんが、緩やかにですね、将来的には撤廃いたしますと、その場合にですね、枯れ葉剤を蒔いても枯れない遺伝子組み換えコメを開発していただければ、強靭な国土を作るという観点からもですね、是非、輸入させていただきたいと、美しい国をですね、作って参りたいと、アメリカ帝国の議会が大統領権限を認めるためには協力いたしますとね、大統領には申し上げた訳であります。
聖域なき関税撤廃ではないということでしたから、アメリカ帝国のですね、両院議員の前でですよ、日本の総理としてですね、初めて演説をするというわけですからね、申し上げた訳であります。
TPPはですね、安全保障と一体ですからね、こう妥結も辞さないということを申し上げた訳であります。
それからですね、危なくてアメリカ国民の上を飛ばすことができないオスプレイといいますか、これを首都圏にも受け入れましょうと、我が軍にも言い値で買い取らせていただきたいと、まあ、そう申し上げた訳であります。
わが国の安全のためにはグァムまで引くとは言わずにですね、移転費用は好きなだけ持ちますからね、140年にわたってですね、わが国が占領している沖縄にですね、ぜひ止まっていただきたいと、そのためには沖縄県民の理解を得たわけでありますからですね、辺野古にですね、ぜひ新基地をですね、沖縄県民の負担軽減のためにもですね、作らせていただきたいと、こう申し上げた訳でありまして、ですからね、アメリカ帝国の議会もですね、我が軍の集団的自衛権をですね、法律的にですね、認めていただきたいと、まあ、そのように申し上げた訳であります。
私がですね、アメリカ帝国議会でですね、日本国の総理としてですね、初めて日本国のためにですね、演説するという、いわば国益をですね、はかるためにですね、そのためにはですね、未来志向で近隣諸国と付き合って参るためにも、他にもいろいろ約束して参りましたが、ポチダヨ宣言をして参った訳であります。
 
最近特に悪質になった安倍晋三首相の答弁ぶり。
 
口先からは「国民の皆様に丁寧に説明を」と言いながら、国民が本当に聞きたがっている内容に対しては、論点をぼかし、議論をすり替えるということが顕著であり、それだけまともに答えたら矛盾だらけで、決して国民のためにならない「戦争法案」であることが歴然としてしまうからであろう。
 
こんな時には山口二郎教授や岩月浩二弁護士のように、直球勝負ではなく曲球(くせだま)も時には有効なのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年05月24日

案ずるよりは産むが易し

昨年の10月、オジサンの息子が小田原郊外の山の上にあるホテルで結婚式をしたことは「いまどきの結婚披露宴風景」で簡単に紹介した。
 
オジサン世代の結婚式は両家の親族が大勢出席する賑やかなものが多かったが、それに比べると息子の式と披露宴に出席した親族は両親以外では自分の姉一家4人と10歳年上の従姉とその両親だった。
 
その従姉(いとこ)は息子の母親の姉の長女であり、オジサンの姪にあたるのだが当時は未婚だった。
 
式の始まる前に彼女とその両親とコーヒーを飲んでいる時に、彼女に同棲している相手がいることを知って、少々ホットした。
 
年が明けてしばらくして、「私たちは無事、入籍しました」という知らせを受け取った。
 
オジサンは暖かくなったらお祝い持って彼女の両親の家にお邪魔しようとオバサンと話していた。
 
5月に入った頃、オジサンはオバサンに姉の家に連絡するように言った。
 
「連休明けの先方の都合の良い日にお邪魔したいと伝えてくれ」
 
オバサンは姉との電話の中で、40歳になる姪が5月初めに出産したと知らされた。
 
なんと「結婚祝い」と同時に「出産祝い」も合わせて持って行くことになった。
 
妊娠したことをなんで早く知らせてくれなかったのかとオバサンは姉に聞いたところ、出生前検査でいろいろと問題が見つかったという。
 
最初は胎児の首の後ろに瘤があるとの診断があり、さらに頭の大きさから割り出した手足の長さが普通より短いと医者から告げられたという。
 
不安になり別の産婦人科に行ったところ、今度は高齢出産でもあり無事に産まれる確率は50%と言われたという。
 
そんな状況であったので、無事に「五体満足」で産まれるまでは誰にも知らせなかったという。
 
妊婦と彼女の母親はかなり迷い苦しんだという。
 
そんな時、1年前に放送されたNHKの番組お思い出したという。
 
「新型出生前検査 導入から1年 〜命をめぐる決断 どう支えるか〜」>
 おなかの中で元気に動く赤ちゃん。
出生前検査で、重い障害がある可能性が母親に告げられました。
出生前検査を受けた女性
「元気そうに見えるけど、これでも病気があるんですか?」
妊婦の血液を調べて、胎児に病気があるかどうか判定する新型出生前検査。
導入から1年。
予想をはるかに上回る8,000人近くの妊婦が受けました。
出生前検査を受けた女性
「私も高齢になるので、受けておいたほうがいいかなと思って。」
妊婦とその家族は胎児に障害があると分かったとき、子どもを産んで育てられるのか、中絶するのか、多くの場合重大な決断に直面します。
しかしその決断を支える体制が、十分に整っていないことが分かってきました。
出生前検査を受けた女性
「1日1日おなかにいればいるほど、愛情もわいてきますし。
かといって産んで育ててあげる勇気も出ない。」
急速に広まる出生前検査とどう向き合うのか。
各国でも模索が始まっています。
ドイツでは国を挙げた議論の末、法律を整備。
全国に設置した専門の相談所で、妊婦と家族の支援を行っています。
出生前検査を受けた女性
「気持ちが安定するまで大きな助けになりました。」
命を巡る決断をどのように支えていけばいいのか考えます。
新型出生前検査 突然決断を迫られて…
 
関東地方に住む43歳の女性です。
この日、新型出生前検査の結果を聞きに来ていました。
赤ちゃんに病気が見つかれば中絶するしかない。
女性はそう考えていました。
医師
「病気が出てくる確率が高いというふうに出たわけです。42.9%です。」
検査の結果は陽性。
胎児は重い心臓病や知的障害が起きる病気、18トリソミーの可能性が40%以上あると告げられました。
病気かどうか確かめるため、女性はすぐに次の検査を受けました。
おなかに針を入れて羊水を取る検査です。
画面には妊娠18週を迎え、元気に動く赤ちゃんの姿が見えました。
 
新型出生前検査を受けた女性
「元気そうに見えるけど、これでも病気があるんですか?」
病気だと分かれば中絶するつもりだった女性の気持ちに、変化が現れました。
 
新型出生前検査を受けた女性
「かわいそうというのと、かわいいというのと、産んであげたいというのと、いとしい気持ちですね。」
中絶が認められるのは妊娠22週未満まで。
羊水検査の結果が出てから2週間しか時間がありません。
障害のある子どもを産んで育てるとしたら、どんな生活になるのか。
何か支援は受けられるのか。
逆に中絶したらどんな思いをするのか。
女性には知りたい情報がたくさんありました。
しかし医師らによる遺伝カウンセリングで伝えられたのは、検査の意味や病気の詳しい症状など、医学的な説明が中心だったといいます。
女性は、知りたかった情報をなかなか聞くことができなかったといいます。
 
新型出生前検査を受けた女性
「おなかにいる子を人工で陣痛を起こして死産させるという、こんなことを自分が今しようとしている恐ろしさとか、悲しさとか。
かといって産んで育ててあげようという勇気も出ない。
そのジレンマで、毎日毎日葛藤していました。」
1週間後、女性は再び病院を訪れました。
羊水検査の結果、胎児は病気ではなかったと告げられました。
5か月後、女性は元気な女の子を出産。
しかしいっときでも中絶を考えた自分に、後ろめたさを感じています。
新型出生前検査を受けた女性
「ごめんね、情けなくてね。
そのときの私は全然情報も何もなかったので、陰性だったらマル、陽性だったらバツという考えしかできなかったので、それ(中絶)しかないって思い込んでいた危うさというか、怖さも思いますし。」 
・・・後略・・・
 
先週の日曜日、オバサンの姉の家で産まれた赤ん坊を抱いた姪と会った。 
 
NHKの放送を見て、彼女は母親と相談して産むことにしたという。
 
高齢のため帝王切開で3000g未満の小さな女の子で暫くは保育器に入っていたという。
 
ようやく我が子を抱いたときには、「あれほど医者が不安がらせた兆候は何もなかった」と言っていた。
  
最後は母親になるという強い気持ちからなのだろうが、産む前から多くの情報により妊婦は惑わされる。
  
しかし、どんなに優秀な医者でも自分の責任を逃れるために、最終判断は妊婦に委ねるという。
 
女性にとって初めての妊娠で、しかも「無事に産まれる確率は50%」と宣言されながら子どもを産むというのは一大決心なのだが、「案ずるよりは産むが易し」という昔の人の言葉を信じて、最後は「医師より自分の意思」で決めたという姪の母としての力強さに改めて感心したオジサンであった。

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2015年05月23日

過去の歴史から見る、日本は既に戦前なのか?

「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいないので論評を控えたい」と言い放った総理大臣のお蔭で「ポツダム宣言」に対するネット上での検索が飛躍的に高まったらしい。
 
閣僚を始め戦争を全く知らない政治屋連中の中で「ポツダム宣言」を正確に覚えている輩は皆無であろう。
 
だからと言って、「安全保障法制」を「平和安全法制」と言い換えたところでその実態は全く変わらないことは確かである。
 
26日から始まる衆議院の特別委員会で野党が法案の矛盾やまやかしに対して、どこまで政府を追い込むことができるのか、期待したいのだが、委員会の過半数の委員を自民党議員で占めているので、最後は十分議論は尽くしたという「強行採決」の場面を想像してしまう。
 
され、農水省のホームページで「台湾による日本産食品の輸入規制強化について」というのが発表されたのが5月15日だった。
 
その中身については「日本産食品の輸入規制強化、一時的なもの=台湾の馬英九総統」という記事では、
 
[台北 18日 ロイター] - 台湾の馬英九総統は18日、福島の原発事故を受けた日本産食品の輸入規制強化は一時的なものであり、産地の偽装表示を防止するのが目的だと表明した。
台湾は前週、日本から出荷されるすべての食品に政府発行の原産地証明書の添付を義務付けると発表。日本政府は、規制が緩和されない場合、世界貿易機関(WTO)への提訴も含めた対応を検討する姿勢を示していた。
馬総統は記者らに対し「これらは短期的な措置だ」と述べるとともに、「台日関係を重視している」と強調。原産地証明がどちらの国で偽装されたものなのか、早急に調査する必要があるとの意見を表明した。
台湾当局は今年、福島第一原発近くの放射能汚染地域で生産された200以上の食料品が、産地を偽装して台湾に輸入されていたと主張。日本の原産地表示ラベルの上に、輸入業者が別の産地を表示した漢字のラベルを貼っているケースもあったと指摘していた。
 
あくまでも産地偽装の輸入品があったという理由なのだが、逆の見方をすれば産地を偽装しなければ「福島第一原発近くの放射能汚染地域で生産された200以上の食料品」は台湾に輸入することができないということである。
  
よせばいいのに、過剰反応した政府は「台湾の「WTO提訴も検討」と林農相 原発事故がらみの食品輸入規制強化で」ということになったが、これに対しては日刊ゲンダイに「米国の輸入規制に黙る安倍政権…台湾には“脅し外交”のア然」と裏側を暴露されていた。
 
指摘された県の中には「輸出食品に産地証明書…台湾輸入規制強化で」とする秋田県のように直ちに対応した県もある。
 
2011年3月の福島県の原発震災から4年も経っているにもかかわらず、被災した県からの水産物輸入規制は残念ながら「世界的規模」なのである。
  
<世界各国による輸入規制について>
 2015.5.18 WHITEFOOD
 台湾政府以外の諸外国も日本の食品に対して、輸入禁止措置をとっていたり、放射能検査を実施を要求したり、あるいは自国で放射能検査を実施しています。
農林水産省のデータをもとに、世界各国における日本食の輸入禁止措置を地図で表示してみました。 
20150523sekainokisei.jpg
赤色:日本食で輸入禁止措置の項目がある国
オレンジ:輸入される日本食に対して放射能検査を要求、あるいは、自国で放射能検査を実施
情報ソース:農林水産省のホームページ 
 
このような事実はネット上では誰でもが見ることができるのだが、大手マスメディア(新聞・テレビ)には絶対に登場しない。
 
これは政府によるメディア規制が第二次安倍政権から特に露骨になったあかしであるのだが、海外メディアもその辺りは良く知っているらしい。
 
イギリスの週刊新聞で世界的な知名度があるエコノミスト (The Economist) 誌が日本の安倍政権を批判する記事を先週掲載していた。
 
タイトルは「The media in Japan Speak no evil(日本のメディアは悪について話さない)」となっており、安倍首相に土下座をしているメディアの風刺画も一緒に載っていた。
 
<The media in Japan Speak no evil>
 May 16th 2015 | TOKYO | From the print edition
20150523abedogezamedhia.jpg WITH a weak opposition, an election in the bag and buoyant approval ratings, the government of Shinzo Abe, Japan’s prime minister, would hardly seem to have much to fight against. Yet it is waging an increasingly heavy-handed campaign to intimidate the media. Even pro-government journalists are crying foul.
Discreet interventions by politicians have long been customary. But bullying recently broke into the open when a bureaucrat turned political gadfly, Shigeaki Koga, accused the government on a television show of strong-arming the media by securing his removal from “Hodo Station”, a news show owned by TV Asahi, a liberal broadcaster. The ruling Liberal Democratic Party (LDP) promptly proved Mr Koga’s point by grilling the programme’s producers over the outburst under the auspices of Japan’s broadcast law.
・・・後略・・・
 
記事中でエコノミスト誌は「政治家による介入が長く続いている」と安倍政権を批判し、リベラル系のニュース番組に圧力を加えていると指摘しました。報道ステーションでコメンテーターだった古賀茂明氏が安倍政権を批判して辞めたことも取り上げ、日本政府は放送法を悪用しているという事まで書いてある。
 
まあ、安倍政権が海外のメディアから批判されるのはそれほど珍しいことではなくなってしまった。
 
この数年で、「日本は戦前に後戻りするのか」とか「また、いつか来た道にもどるのか」といった声はよく聞かれる。
 
簡単に「戦前」と最近の出来事を比べてみた。
 
【戦前】 
1923年 関東大震災
1925年 治安維持法
1940年 東京オリンピック(中止)
1941年 太平洋戦争
【震災後】
2011年 東日本大震災・原発震災
2013年 特定秘密保護法
2014年 集団的自衛権行使容認
2015年 戦争法案成立(?)
2016年 戦争法案施行(?)
2018年 自衛隊米軍と海外派兵(?)
2020年 東京オリンピック(?)

 
なんとなく似ているのは、東京五輪が戦争の影響で中止に追い込まれそうであるということである。
 
しかし現実的な問題はやはり核の最終処分場も決まらずに、再稼働を推進する安倍政権の強引さであろう。
 
<核ごみ処分、国主導 候補地選定、見通せず>
 毎日新聞 2015年05月23日 東京朝刊
20150523saisyuusyobunnjyo.jpg

高レベル放射性廃棄物の最終処分場検討の経緯

 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を埋める最終処分場の選定について、政府は22日、受け入れ自治体が表明するのを待つ「公募方式」を改め、国が地方自治体に対して建設を申し入れる方式に転換した。「トイレなきマンション」と言われる原発のアキレスけん解消に向け、政府が重い腰を上げた格好だが、原発再稼働への「地ならし」の思惑もある。ただ、「迷惑施設」が地域に受け入れられる可能性は低く、使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクルの実現にはまだほど遠いのが現状だ。
20150523kakunogominonagare.jpg ◇地元住民の反対必至
 「恐らく(最終処分場の)有望地は相当な数になるだろう。これはどういう意味になるのかを、各自治体に丁寧に説明する必要がある」。宮沢洋一経済産業相は22日の記者会見でこう述べ、地震や火山などの影響が少ない最終処分場の「有望地」は国内に多数存在するとの見通しを示した。
 核のごみをどこに捨てるか。かつては「深海に投棄」「ロケットで宇宙に飛ばす」などの案が浮上したが、現在は地下300メートルより深い地中に埋める「地層処分方式」が最も安定的な手段として認知されている。
 この地層処分について、科学的な基準を検討している経産省審議会は、(1)火山の半径15キロ圏内(2)活断層の付近(3)過去10万年間に300メートル以上隆起した地域--などについては「不適地」として候補地から除外する方針だ。
 これに照らし合わせると、国内では国土の7割が該当するとみられる。新基本方針を閣議決定した政府は今後、複数の自治体へ処分場の建設を申し入れる方針だが「なぜここを選んだのか」などの地元の疑問や批判が噴出するのは確実だ。
 その一方で、再処理工場の受け入れと引き換えに最終処分場を受け入れない確約を歴代政権と交わしている青森県や、条例によって受け入れを認めない北海道のようなケースもあり「科学的根拠」だけでは説明できない事態も予想される。
 政府が処分地選定を急ぐ背景には、九州電力川内原発1、2号機が今夏以降に再稼働するのをにらんで、「トイレなきマンション」ともいわれる原発のごみ問題への批判をかわし、再稼働の環境を整える思惑がある。再稼働すればするほど核のごみは増え、反原発の世論が高まって再稼働の「足かせ」になる可能性があるからだ。
 一方、基本方針が変わったとはいえ、交付金と最終処分場の受け入れという「アメとムチ」で、処分場探しを続ける政府の姿勢は変わらないままだ。
 候補地の絞り込み作業は、(1)文献調査(2年程度)(2)掘削などによる概要調査(4年程度)(3)地下施設で試験する精密調査(15年程度)--の3段階でその地域が適切か検討されるが、「入り口」となる文献調査を受け入れるだけで、地方自治体には最大20億円、第2段階の概要調査なら同70億円の交付金が国から転がり込む仕組みだ。
 高知県東洋町は2007年、文献調査の受け入れを表明したが、直後から地元では「カネで町を売った」などとする反対運動が拡大。当時の町長は選挙で落選に追い込まれ、新町長が白紙撤回する騒動があった。
 政府が候補地を示すとはいえ、受け入れを最終判断するのは自治体側。「迷惑施設」をアメとムチで押し付ける構造を維持したままでは地元住民の反発を招くことは確実だが、その方法以外に自治体の受け入れを促す打開策は見当たらないのが現状だ。
【阿部周一】
 ◇めど立たない再処理
 政府は、一度発電に使った使用済み核燃料から、発電に使えるプルトニウムや燃え残りのウランを取り出す「再処理」を行い、新たな核燃料として再利用する「核燃料サイクル」をエネルギー政策の中核に位置付けてきた。しかし、その中核となる高速増殖炉や、国内の再処理工場が稼働できず、サイクルは事実上破綻している。このため、使用済み核燃料を原発から出せず、発電所内にたまり続ける事態に陥っている。
 使用済み核燃料を再処理する日本原燃の工場(青森県)は、試験でトラブルが続いたうえ、原子力規制委員会の安全審査も長引き、稼働のめどが立っていない。プルトニウム燃料を使う高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)も、相次ぐ事故やトラブルで運転が停止したままだ。再処理のめどが立たない使用済み核燃料は、原発の敷地内にたまり続け、保管容量に余裕がない原発も多い。
 昨年3月末時点の経産省の調査では、全国の原発で約2万1000トンの使用済み核燃料を保管できるが、7割近い約1万4000トンがすでに埋まっている。九州電力玄海原発(佐賀県)では、このまま全原発が再稼働すれば、約3年で保管スペースがなくなる。
 このため大手電力会社は、使用済み核燃料を一時的に発電所外に保管する「中間貯蔵施設」の建設を目指しているが、住民の反対は必至で、建設地探しが難しい。電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は3月、「中間貯蔵施設を電力会社で共同建設することも検討したい」との考えを示したが、「複数社でも建設地を探すのが困難なのは同じで、ほとんど検討されていない」(電力業界関係者)のが実情だ。
 政府やエネルギー業界には、使用済み核燃料を直接、最終処分場に保管する「直接処分」への方針転換を模索する向きもあるが、候補地選定の難しさは高レベル放射性廃棄物と変わらない。日本の原子力政策は、廃棄物処理の観点からも行き詰まりを見せている。【安藤大介】 
 
候補地の絞り込み作業だけで文献調査(2年程度)、掘削などによる概要調査(4年程度)、地下施設で試験する精密調査(15年程度)でざっと20年以上。
 
その前に3年ほどで九州電力玄海原発では、このまま全原発が再稼働すれば、約3年で保管スペースがなくなってしまう。
 
「核燃料サイクル」は事実上破たんしており、使用済み核燃料を再処理する日本原燃の工場も稼働のめどが立っていない。
 
年間維持費だけで200億円近くといわれる「金食い虫」の高速増殖原型炉「もんじゅ」は使い物にならない。
 
やはりこのままでは「2020年東京オリンピック中止は既定路線 〜安倍現総理も日本には居ないだろう!?」と大胆な予想を開陳するブログ主のいうことも笑って済ますわけにはいかないだろう、とオジサンは思う。

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2015年05月22日

「絶対にない」という安倍晋三の妄言は絶対に信じられない

5月14日、「日本と世界の平和と安全を確かなものとするための平和安全法制を閣議決定しました」と始まった安倍晋三首相の記者会見の模様は残念ながら遠地に出向いていたので見ることはなかった。
 
その後、首相官邸のホームページで見たのだが、会見内容に関しては多くの人がそれなりに批判しており、いまさら批判する気もないが、一つ気になったのは、会見後の讀賣新聞の記者による「やらせ質問」に対する安倍晋三首相の回答だった。
 
(記者)
 読売新聞の中島です。
 総理は、安全保障法制を整備する必要性について、常々日本を取り巻く国際情勢が厳しさを増しており、万全の備えをする必要があるということをおっしゃっているかと思います。厳しさを増す国際情勢というのは、具体的にどのような点なのでしょうか。そして、なぜ、今、万全の備えをとる必要があるとお考えなのでしょうか。
 また、本日閣議決定された法案には、将来にわたって万全の備えをとるために必要な点が全て盛り込まれたとお考えでしょうか。
(安倍総理)
 先ほど申し上げましたように、日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。
 例えば北朝鮮の弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れております。そして、なかなか北朝鮮の行動については予測するのが難しいというのが、これが実態だろうと思います。そして、また、残念ながら何人もの日本人の方々がテロの犠牲となったわけであります。
・・・後略・・・
 
「日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています」というフレーズは既に10年前から使われてきており新鮮味がなく、また「北朝鮮の弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れ」ているのは今に始まったことではない。
 
問題の個所は「残念ながら何人もの日本人の方々がテロの犠牲となったわけであります」という点である。
 
これを読んで、約3か月前にどうして積極的にイスラム国に人質となった2人の邦人を救出しなかったのか、という疑問が見事に解消された。
 
あえて殺害されても仕方がないような挑発的な発言でエジプトで演説してまでも、実際にテロの犠牲者が欲しかったという本音が明確になった瞬間だった。 
 
当時は政府が人質を見殺しにしたという批判も多く出ていたことを受けて、検証委員会を設置して政府の対応を検証すると約束をせざるをえなかった。
  
その検証委員会のメンバーは正式には「邦人殺害テロ事件対応検証委員会」と呼ばれたが、どう見ても委員会メンバーは政府を厳しく批判・非難できる顔ぶれどころか、全員が身内の人間であった。
  
●委員長   内閣官房副長官(事務)
■委員長代理 内閣危機管理監
       国家安全保障局長
       内閣情報官
◆委員 内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)
    国家安全保障局次長
    警察庁、外務省及び防衛省の局長級
 
昨日、「対応検証委員会」の報告書が公表された。 
 
<日本人人質事件 首相に慎重発言求める 政府報告書で有識者>
 2015年5月22日 朝刊 東京新聞
20150522yuusikisyakaigi.jpg 過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)による日本人人質事件への政府対応を検証していた政府の検証委員会(委員長・杉田和博官房副長官)は21日、報告書をまとめた。犯行グループが殺害警告で口実とした安倍晋三首相の演説については「問題なかった」と総括したが、有識者からは慎重な発言を求める意見が複数出た。
 検証委は関係省の担当者と有識者で構成。報告書は、湯川遥菜(はるな)さんと後藤健二さんが行方不明になり、殺害されるまでの一連の政府の対応を評価した上で、有識者の意見を併記した。
 首相が1月17日、エジプトで行った「(ISと)戦う周辺各国に総額で2億ドル程度支援する」との演説が適当だったかどうかについて、報告書は「非軍事分野の支援と明確にしている」などとして、問題ないと明記。一方、「よりしたたかな発言を追求する必要がある」「今後、人質救出の可能性がある場合、対外的発信には十分注意する必要がある」との有識者の意見も盛り込んだ。
 後藤さんを殺害したとする動画が公開された2月1日、首相が出した「罪を償わせる」との声明に対しても、有識者から「不必要に緊張を生む表現」「内容や表現等を十分検討する必要がある」との意見が出た。
 「人質救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない」と総括。「今回は始まりにすぎないとの指摘を踏まえ、テロ未然防止に万全を期す」とした。
 危険地域への日本人の渡航を制限すべきかどうかについては「必要に応じて渡航を抑制するため、適切な措置を講じる必要がある」と指摘。情報不足による救出難航に対しては「情報の収集・集約・分析能力の強化に取り組む必要がある」と対応を求めた。
20150522jyouhoukikan.jpg ◆「日本版CIA」実現性は? 非合法活動懸念消えず
 日本人人質事件への政府対応を検証していた検証委員会が21日まとめた報告書には、情報収集能力を強化する必要性が教訓として盛り込まれた。政府内には、対外情報機関を求める声が出ている。背景や実現性をまとめた。 (上野実輝彦)
 Q なぜ情報機関が必要という声が出たのか。
 A 人質事件で日本政府は犯人グループと接触できず、周辺国や地元部族に情報提供を求めたが、人質2人を救出できなかった。これを教訓に、日本でも米国中央情報局(CIA)や英国秘密情報局(MI6)のような機関をつくろうという声が上がった。
 Q 今回初めて出てきた動きか。
 A 1996年にペルーで起きた日本大使公邸人質事件、2004年にイラクで起きた日本人殺害事件など、海外で日本人が犠牲になる度に設置論が出た。自民党が政府に設置を提言したこともある。
 Q 現在、情報を集める政府機関はないのか。
 A 警察庁、内閣情報調査室、外務省国際情報統括官組織など9つある。海外情報の収集についてはどの組織も専門家が不足し在外大使館との連携が良くないとの指摘がある。
 Q 安倍晋三首相も前向きなのか。
 A 今国会で「情報収集の強化に取り組む中で研究していきたい」と答弁した。だが、「設置にはさまざまな議論がある」として、課題が多いことも認めている。
 Q 課題とは。
 A 情報収集に非合法な手段が使われがちな点だ。米国の情報機関職員だったエドワード・スノーデン氏が、国家安全保障局(NSA)による各国大使館の盗聴を告発したことは記憶に新しい。職員が身分を偽るために不正な旅券を使ったりする可能性もある。
 Q そう簡単に実現しそうにないわけだ。
 A ある自民党幹部は、法律を逸脱するようなやり方は「日本の世論ではとても容認できない」と話している。
 
報告書には特に身内の有識者からの意見がこのように記述されていた。
   
【有識者との議論における指摘及び課題】
有識者からは、ISILと闘う周辺各国に対する支援というスピーチの表現については、日本側の意図とは異なるが、ISILにより脅迫の口実とされたとの指摘がなされた。
テロリストが政府の発言を都合よく曲解するのは当然であり、このようなテロリストの脅しに屈するべきでないのは言うまでもないが、有識者からは、善悪白黒の二元論ではなく、よりしたたかな発言を追求する必要があるとの指摘や、今回は必ずしもあてはまらないとしても、今後、人質を救出できる可能性があるような場合には、このように注目を集める対外的発信には十分に注意する必要があるといった指摘がなされた。
 
そして気になる部分が以下の箇所であり、日本版CIA(JCIA)の創設の思惑が見え隠れしていた。
 
情報収集・分析については、これまでも治安・情報機関を含む各国政府との連携・協力や収集した情報の政府部内での迅速な共有に取り組んできたところであるが、結果として、2015年1月20日の動画公開までの期間に、犯行主体等について断定するには至らなかった。収集した情報を的確に分析して事案対応や政策に活用し、また、海外の治安・情報機関とのさらに緊密な関係を構築するためにも、言語・宗教・現地情勢等に精通した専門家の育成・活用をはじめ、情報の収集・集約・分析能力の一層の強化に取り組む必要がある。
 
さて、20日の党首討論で安倍晋三首相は、岡田克也民主党代表の質問に対して“自衛隊が活動する場所は安全だ”という机上の空論を繰り返した。
 
「安全が確保されている場所で後方支援をする」
「支援部隊は重武装をしていない。戦闘に巻き込まれることがなるべくないような地域を選ぶのは当然」
「戦闘が起こったら速やかに作業を中止、あるいは退避する」
 
そして、さらに自衛隊の海外活動を拡大しようとする安倍晋三首相は「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にあり得ない」と言い切っていた。
 
12年前にも米国の言いなりになって、後に「失敗」と認められたイラク戦争に陸上自衛隊を派遣した日本。
 
今度はもっと危険な地域に自衛隊を派兵しようと目論む安倍政権。
 
イラク戦争では米国に追随した英国だったがその後は時間をかけて検証しているが、日本は依然として当時の検証はうやむやにしている。
 
<再び米国の言いなり? 安保大転換、イラクの失敗「置き去り」>
 毎日新聞 2015年05月21日 東京夕刊
20150522iraqjieitai.jpg
派遣先のイラク・サマワで宿営地付近を警戒するる陸上自衛隊員。海外活動の拡大で危機が増すことはないのか=2004年、加古信志撮影
 世の中に絶対はない、という。だが、安全保障政策を転換し、自衛隊の海外活動を拡大しようとする安倍晋三首相は「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にあり得ない」と言い切る。ちょっと待ってほしい。日本は12年前、イラクを攻撃した米国を支持したが、大義名分とした大量破壊兵器は発見されていない。イラク戦争の失敗を繰り返すことはないのか。【石塚孝志】
 ◇原発事故同様、検証進まない日本/「国益損ねた」教訓にする英国
 「日米同盟はより一層堅固になる。この夏までに必ず実現する」。安倍首相は4月30日未明(日本時間)、米議会の上下両院合同会議で、日本の国会に法案さえ提出していない集団的自衛権の行使容認を含む安保法制の整備を進めると明言した。米国に対し、自衛隊が地球規模で米軍への後方支援を行うことを“公約”したのだ。
 問題は、米国から自衛隊派遣の要請を受けた時、日本は自主的な判断で可否を決めることができるのかという点だ。軍事ジャーナリストの前田哲男さんはこう危惧する。「安全保障関連法案が成立すれば、日本は自衛隊の派兵を断る根拠としていた集団的自衛権の行使禁止や専守防衛を放棄することになります。そうなれば、日本は米国の言いなりになる公算が大きい
 米国の言いなり--。実はイラク戦争でも指摘されていた。小泉純一郎首相(当時)は米国のイラク攻撃を国際社会の中でいち早く支持。米国から「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上に靴を)」と求められると、フセイン政権崩壊後にイラク特措法を制定し、非戦闘地域での復興支援や多国籍軍の物資や兵隊の輸送を担った。
 しかし、米国が開戦理由とした大量破壊兵器は見つからなかった。この点について、小泉首相は「(米国を支持した)日本の判断は正しかった」などと釈明したが、米国に追随しただけでは、という疑問を消す答えはいまだにない。
 そもそも日本はイラク戦争を支持した政策判断をきちんと検証しているのだろうか。
 外務省が2012年12月に公表した「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」という報告書がある。民主党政権下の松本剛明外相(当時)の指示を受け、02年初めから米英などによるイラクへの武力行使に至るまでの同省内の検討や意思決定過程を検証したという資料だ。
 報告書の概要は同省ホームページで閲覧できる。冒頭には「検証作業は、日本政府が米英等の武力行使を支持したことの是非自体について検証の対象とするものではなく」という“お断り”の一文が入っている。しかも報告書全体は「ページ数なども含め非公開」(同省)という。
 概要は「報告の主なポイント」とのタイトルで、A4判4ページにまとめてある。「教訓と今後の取組」の項目では「大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については、我が国としても厳粛に受け止める必要がある」とし、今後については「更に多様な情報源からの情報収集能力を強化すること」などと明記した。
 イラク戦争から12年。強化策が実現しているはずだと、同省中東2課に問い合わせると、回答は「改善は常々やっていますが、対外的には説明が難しい」。具体的な取り組みが分からず、どうもすっきりしない。
 元内閣官房副長官補の柳沢協二さんは憤る。「外務省の報告はまったく検証になっていない。だいたい日本には太平洋戦争を含めて事後的に検証しようという文化がありません。検証は糾弾が目的ではなく、今後に生かすものでなければいけない。それなのに日本は、一つ一つが政争につながってしまう。検証は、他国のように第三者がやらなければ意味がない」と話す。
 柳沢さんが日本と違うと指摘する他国の検証状況を調べてみた。
 米独立調査委員会は05年3月、大量破壊兵器に関する米情報機関の判断は「ほぼ完全な誤りだった」とする報告書を発表した。米情報機関は「フセイン大統領は生物兵器を持っているはず」という思い込みを捨てきれず、自らの主張に合う情報だけを積み重ねたと分析した。
 米国の失態で激震に見舞われたのが、国内外の反対を押し切って開戦に踏み切った英国のブレア政権だった。英国は4万5000人規模の部隊をイラクに派遣し、179人の兵士が犠牲になった。国民は、「ブレア首相は、ブッシュ(米大統領)のプードル犬」などと批判を強めた。
 戦後、英国では政府から独立した調査委員会などが、数度の徹底的な検証を進めてきた。その結果、政府は開戦半年前、イラクの大量破壊兵器の脅威を誇張していたという事実が判明した。
 09年設置の調査委員会は、多くの政治家や外交官、軍や情報機関の幹部らを聴取。10年1月にブレア氏が出席した公聴会は約6時間に及んだ。また、これまで非公開とされた聞き取り調査をインターネットなどで公開している。
 なぜ、英国は検証の手を緩めないのか。その理由について、英国の政策に詳しい慶応大法学部の細谷雄一教授(国際政治学)は「英国は、イラク戦争が国益を損ねたと判断しているからです」と話す。「検証によって(開戦前の英国政府は)米国の情報を信じるほかなかった、という実態が分かった。その上で、今後は政策を誤らないために、より上質なインテリジェンス(国家の情報収集活動)を持つ必要があると反省しているのです」。政府内の悪者探しではない。真実に迫り、今後の教訓とするために検証を続けているわけだ。
 日本の検証はお粗末と言えそうだが、なぜ検証は進まないのか。「永続敗戦論」などの著作がある京都精華大の白井聡専任講師(政治学)はこう語る。「日本がイラク戦争を本気で検証すれば、米国の強引な手法や判断ミスで自衛隊が危険な目に遭う可能性が高いことが分かる。それでは今後、日本は米国に追随できないという困った事態になってしまう。原発事故の検証も同じ。再稼働を念頭に置いているので本気で検証しているとは思えない。いずれにしても結論ありきなのです」。日本は「敗戦」を「終戦」とごまかし、それを容認してくれる米国には従属を続け、敗北が際限なく続く--。こう主張する白井さんの分析だ。
 前出の柳沢さんは怒りが収まらない。「安倍首相は対米公約を先行することで米国のお墨付きをもらいました。安保法案の成立に向けて米国の権威を振りかざし、有無を言わせずに進めるでしょう。そのような対米追随の政権に自主的な判断ができるわけない。これで独立国と言えますか」
 日本が米国の戦争に巻き込まれることは絶対にないと信じる人はどれほどいるのだろうか。
 
安倍晋三首相が自衛隊員のリスクについて「今までも1800人の隊員が殉職している」と嘯いていたが、殉職者の大半は任務中の事故によるもので、戦闘に巻き込まれて亡くなった隊員は、過去1人もいない。
 
20150521jieitaiinnjunnsyokusya.jpg
 
今後海外派兵された自衛隊員が命を落とすことになれば、もはや殉職とはいえず安倍晋三の妄言に騙された哀れな戦死者と呼ばれるであろう、とオジサンは思う。 

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2015年05月21日

党首討論で明確になった、確かな野党

野党の「戦争法案」という呼び方が無責任な「レッテル貼り」と決めつけた安倍晋三首相だが、国会に提出された「平和安全法制案」は、内容と外見が全く異なる「偽装表示法案」であろう。
 
昨日の党首討論では、野党が主張する「戦争法案」というレッテルは安倍晋三首相により剥がされることなく、レッテル通りとなったようである。 
 
<「自衛隊、他国で戦闘しない」 安保法案 首相、リスク語らず>
 2015年5月21日 07時11分 東京新聞
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 安倍晋三首相と民主党の岡田克也代表ら野党三党首による党首討論が20日、行われた。首相は他国を武力で守る集団的自衛権の行使をめぐり「戦闘行為を目的にして外国の領土に上陸することや、大規模な空爆を(他国と)ともに行うことはない」と明言した。自衛隊を他国に送り、武力行使させる海外派兵は「一般に認められていない」と説明したが、中東・ホルムズ海峡を想定する機雷掃海は例外との考えを重ねて示した。 
 首相は「戦後日本を守ってきた抑止力は日米同盟と自衛隊の存在だ」と解説。安全保障関連法案を成立させることで「より日米同盟の絆は強くなり、効率的に抑止力を発揮できることになるのは自明の理だ」と強調した。
 他国の軍事行動を支援する危険性については「現場で戦闘が起こった時には、部隊の責任者の判断で一時中止や退避をすると明確に定めている」と説明。自衛隊の派遣先は「戦闘に巻き込まれることがなるべくない、安全が確保されているところで活動するのは当然だ」と、慎重に選ぶ姿勢を示した。
 日本を取り巻く安全保障環境については、北朝鮮が進める核・ミサイル開発や、領空侵犯に備えたスクランブル(緊急発進)の増加を指摘。「こうした現実を踏まえ、立法府の責任とは何かを考え、決めるべきは決め、やるべき立法はつくっていく姿勢がとても大切」と、今夏の法案成立に向け国会審議を急ぐよう求めた。
 党首討論は昨年12月に第三次安倍政権が発足して以来、初めて。維新の党の松野頼久代表、共産党の志位和夫委員長も参加した。
◆岡田代表「議論にならない」
 今国会初の党首討論で、民主党の岡田克也代表は安全保障関連法案、維新の党の松野頼久代表は国会議員の定数削減、共産党の志位和夫委員長は歴史認識を中心に論戦を挑んだ。安倍晋三首相は、自衛隊の活動拡大に伴うリスクや先の大戦の評価は語らず、矛盾を突かれる場面もあった。
 他国を武力で守る集団的自衛権の行使で、岡田氏が「間違っている」と語気を強めたのは、首相が戦闘行為を目的に外国に上陸しないと断言したときだ。
 集団的自衛権の行使を認める安保法案には、行使の地理的範囲は書いていないが、首相は要件の「必要最小限度の実力行使」から「導き出される結論として海外派兵は認められていない」と説明した。岡田氏は他国で武力行使できる法案だと反論し「だったら修正してほしい」と要求した。
 他国軍の支援を拡大する法案では、岡田氏が自衛隊員の危険が高まることを認めるよう求めた。だが首相は「(活動範囲の)概念を合理的に整理し直したので、リスクとは関わりがない」と否定。安保法案の閣議決定時に「戦争に巻き込まれることは絶対ない」と発言したことの根拠を問われると「国の存立が脅かされない限り武力行使はしないし、後方支援も戦闘現場になれば撤収するから、あり得ない」と主張した。
 首相の断定的な発言に具体的な裏付けはなく、岡田氏は討論後、記者団に「『絶対ない』と言ってしまうと、まともな議論にならない」と問題視した。
◆「少数尊重」矛盾
 松野氏は議員定数削減問題で、首相が野党時代の2012年、党首討論で約束した大幅削減が実現していない理由をただした。
 首相は「当時、少数政党の意見も聞いていくべきだと言った。多数で決めていいとは思わない」と説明。松野氏は「調子のいいときだけ少数政党の意見を聞く」と反発し、19日に設置された安保法案を審議する衆院特別委員会の委員数は、少数会派が加われない規模に与党が決めたと矛盾を指摘した。
◆大戦の評価せず
 志位氏は「過去の日本の戦争は間違いと認めるか」と何度も質問。首相は、侵略と植民地支配を謝罪した村山富市首相談話を「全体として受け継いでいく」と述べたが、先の大戦の評価は語らず、志位氏は「日本の戦争の善悪が判断できない首相に、米国の戦争の善悪が判断できるわけがない。『戦争法案』を出す資格はない」と批判した。 (金杉貴雄)
 
この党首討論は、1回の時間は参加する野党党首が何人でも一律45分と決められており、まずは「ガチ」の討論は望むべくもない。
 
政権交代可能な野党が存在すれば、首相と45分間、十分な討論が期待できたのだが現状ではそれは叶わない。 
 
恒例によって在京大手マスメディア各紙の社説を比較してみる。
 
■讀賣新聞「党首討論 抑止力向上の議論を深めたい
 
維新の党の松野代表は、「何でも反対の野党を作るつもりはない」と言明した。首相が進める憲法改正について、「胸襟を開いて話し合おう」とも呼びかけた。
 政権とは政策ごとに是々非々の関係を築き、前向きな論争を深める。維新の党は、民主党とは一味違う野党の路線を貫くべきだ。 
 
弱小野党に対する安倍晋三首相の余裕を代弁しているようで、改憲賛成派の維新の党へのエールを欠かさなかった。
 
■産経新聞「党首討論 民主は責任ある安保語れ
 
岡田氏は、討論の終わり間際に「私は集団的自衛権の行使は反対だ」と明言した。これは、民主党としての見解とは異なるのではないか。
集団的自衛権の行使容認で同盟の抑止力を高めなければ、日本の平和と国民の生命財産を守ることが困難になる。
 それに目をつぶるような岡田氏の姿勢は、抑止力強化への意識があまりに希薄といえる。
 
産経新聞の誰が書いたかが自ずと知れてしまうような、民主党攻撃の姿勢が明らかに出ている。
 
◆朝日新聞「党首討論―不誠実な首相の答弁
 
首相の答弁は、これまで記者会見などで述べてきた見解をなぞったものだ。官僚が用意した想定問答の範囲内なのだろう。紛争の現場では想定外の事態は当然起きるのに、そうしたリスクを考慮して答弁していてはとても審議は乗り切れないと考えているように見える。 
 
なぜか安倍晋三首相の心情を察して深謀遠慮な言い回しが気になった。
 
◆毎日新聞「党首討論 矛盾示した首相の説明
 
首相が討論で「われわれが提出する法律の説明はまったくただしい。私が総理大臣なんですから」と言う場面もあった。総じて、正面から議論に応じ、理解を求めようとする姿勢が乏しかったのではないか。
 今回、岡田氏が多岐にわたる法案からポイントを整理して首相に見解を聞き、国民に問題点を示した姿勢は理解できる。だが、法案が審議入りすれば民主党がどこまで自衛隊の活動を認めるかの立場も問われる。 
 
われわれが提出する法律の説明はまったくただしい。私が総理大臣なんですから」とは、傲岸不遜であり、言葉変えれば「盗人猛々しい」である。
 
権力を監視するメディアとしての矜持を少しでも持っているのなら、「あなたが総理大臣だから、戦争法案の説明が信じられないのです」と書けば、多くの国民からよくぞ言ってくれたとばかりに拍手喝采となったであろう。
 
討論に立った党首の中で、安倍晋三首相が官僚が作成した答弁書では答えられない質問した共産党の志位和夫委員長の質問とそれに答えた安倍晋三首相の答弁が一番興味深かった。
 
 
 
志位和夫委員長 日本の戦争が間違った戦争か、正しい戦争か、その善悪の判断を聞いたんですが、全く答えがなかった。この問題はすでに、70年前に歴史が決着をつけている。戦後の日本は1945年8月、ポツダム宣言を受諾して始まった。ポツダム宣言では、日本の戦争についての認識を2つの項目で明らかにしている。
 ひとつは第6項で、日本国国民を欺瞞し、これをして世界征服に出ずるの過誤を犯した勢力を永久に取り除くと述べている。日本の戦争について世界征服のための戦争だったと明瞭に判定している。日本がドイツと組んでアジアとヨーロッパで世界征服の戦争に乗り出したことへの厳しい批判だ。もうひとつ、ポツダム宣言は第8項で、カイロ宣言の条項は履行せられるべく、と述べている。カイロ宣言とは1943年、米英中3国によって発せられた対日戦争の目的を述べた宣言だが、そこでは3大同盟国は日本国の侵略を制止し、罰するため、今次の戦争を行っていると日本の戦争について、侵略と明瞭に規定するとともに、日本が暴力と強欲によって奪った地域の返還を求めている。
 こうしたポツダム宣言は日本の戦争について、第6項と第8項の2つの項で、間違った戦争だという認識を明確に示している。首相にお尋ねする。ポツダム宣言のこの認識を認めないのか。端的にお答えください。
安倍晋三首相  このポツダム宣言を、われわれは受諾し、そして敗戦となったわけだ。そして今、私もつまびらかに承知しているわけではないが、ポツダム宣言の中にあった連合国側の理解、例えば日本が世界征服をたくらんでいたということなども今、ご紹介になられた。私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、ここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思うが、いずれにせよ、まさに先の大戦の痛切な反省によって今日の歩みがあるわけであって、われわれはそのことは忘れてはならない。このように思っている。
 
「私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりません」と自らの無知ぶりを認めた首相なのだが、さっそくこんな親切な記事が出ていた。
 
<安倍首相が「読んでいない」ポツダム宣言 現代語訳だとこうなる>
  2015年05月20日 20時35分 JST The Huffington Post
・・・前略・・・
ポツダム宣言は、1945年7月26日、ドイツのポツダムにおいて、アメリカ・イギリス・中国(のちにソ連も参加)が発した対日共同宣言。日本に降伏を勧告し、戦後の対日処理方針を表明したものだ。では、その内容は、一体どんなものだったのか。英語で書かれた文書を現代語訳したものを紹介しよう。(※外務省の日本語訳はこちら)。
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ポツダム宣言
1.我々、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席とイギリス首相は、我々の数億の国民を代表して協議した結果、この戦争終結の機会を日本に与えることで意見が一致した。
2.アメリカ、イギリス、そして中国の陸海空軍は、何度も陸軍、航空編隊の増強を受けて巨大になっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。この軍事力は、日本が抵抗をやめるまで同盟国によって維持できるものだ。
3.世界中の自由な人々は立ち上がった。それに対してドイツが採った無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人々に対しても極めて明快な例として示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力―全ドイツ民の生活、産業、国土を荒廃させるのに必要だった力―に比べると、測り知れないほど大きいものだ。決意をもって、我々の軍事力全てを投入すれば、日本軍は壊滅し、また、日本の国土は焦土と化すだろう。
4.日本が決断する時は来ている。知力を欠いた身勝手な軍国主義者によって制御され続け、滅亡の淵に至るのか。それとも、理性の道を選ぶのか。
5.我々の条件は以下の通り。条件からの逸脱はないものとする。代替条件はない。遅延も一切認めない。
6.日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・権力は、排除されなければならない。無責任な軍国主義が世界からなくなるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能である。
7.そのような新秩序が確立されるまで、また日本の戦争遂行能力が壊滅したと明確に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、連合国軍がこれを占領するものとする。基本的目的の達成を担保するためである。
8.カイロ宣言の条項は履行されるべきものとし、また、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。
9.日本の軍隊は、完全に武装解除されてから帰還を許し、平和で生産的な生活を営む機会を与えることとする。
10.我々は、日本を人種差別し、奴隷化するつもりもなければ国を絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待した者を含めて、全ての戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を行うものとする。日本政府は、日本の人々の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって、障害となるものは排除する。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重が確立されなければならない。
11.日本は産業の維持を許される。そして経済を持続し、正当な戦争賠償の取り立てに充当する。しかし、戦争を目的とする軍備拡張のためのものではない。この目的のため、原材料の入手はこれを許される。ただし、入手と支配とは区別する。世界貿易取引関係への日本の事実上の参加を許すものとする。
12.連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯び、かつ責任ある政府が樹立される限りにおいて、直ちに日本より撤退するものとする。
13.我々は日本政府に対し日本軍の無条件降伏の宣言を要求する。かつ、誠意を持って実行されるよう、適切かつ十二分な保証を求める。もし拒否すれば、日本は即座にかつ徹底して撃滅される。
 
実は安倍晋三と志位和夫は同い年で当選同期の中。
 
興味深い話としては、所在が不明になってしまったのだが、とある人のサイトにこの2人の対照的な光景がこう書かれていた。

「1960年の安保改定の際に首相官邸でデモに取り囲まれた時、安倍晋三は官邸で祖父の膝に座っていたが、志位和夫は国会周辺にいた共産党員の父親に肩車されていた」
 
今後の衆参両院での特別委員会等で「戦争法案」の審議は行われるが、「確かな野党」が「確かに野党」とならぬように存在感を示してもらいたいものである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:25| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月20日

戦争モード全開の安倍晋三、屋根と一緒に飛んでいくのかも

先週の木曜日の東京新聞の「発言」欄にこんな投稿が掲載されていた。
 
<専守防衛覆す日米同盟>
 安倍晋三首相の暴走は、もはやとどまるところを知らない。日米両政府の防衛新指針(ガイドライン)は要するに「商取引」である。安倍政権が最も脅威とする中国の尖閣諸島進出に、米軍の支援を買い取ろうとして、米軍が最も警戒する中国の蠢動を抑えるために自衛隊の活動地(水)を世界全域に拡大したのである。
 もともと米国は、日本領有の岩だらけの小さな島などに関心はない。尖閣支援を餌に、自衛隊の軍事力を超安値で買い取ったようなものである。米国に圧倒的な有利な(商)取引を国会を素通りして、安倍首相の独断で行い、自衛隊を売り渡したのである。つまり隣家との境界にある小さな石ころを守るために、累代の家訓を破り家族にも相談せず、先祖伝来の家屋敷を手放したようなものだ。
 日米同盟は両国に公平なものではない。本来、米国の軍事力は全世界に及び、それに対し日本自衛隊は憲法9条限界の法理の妥協と国民の認知による専守防衛を隊是としている。日米対等同盟は、あくまでも9条の妥協範囲である。これを、国民を軽視し、沖縄を置き去りにして、首相の独断で、同盟という名分のきわめて不公平な商取引によって手前勝手な契約をかわしたのである。
 日米防衛新指針は、日本の安全よりも、威信低下や財政難に悩む米国にとって干天の慈雨のような取り引きである。わが国の存続と国民の命と人生にとって明白な危険の被害者は、まず世界のどこの戦場にも派遣される自衛隊員とそのご家族である。そして隊員の大量退職を補う国民徴兵となり日本はまたいつか来た道を歩むことになる。
 
一般の読者には中々書けない内容だと思いながら、改めて投稿者の名前を見ると「作家 森村誠一 82」と書かれていた。
 
思わず「納得!」
 
先祖代々の田畑を子供の人数で田畑を分けると、孫の代、ひ孫の代へ受け継がれていくうちに、それぞれの持つ面積は狭くなり、少量の収穫しか入らず家系が衰退するということから「田分け者」という説があるが、これは「滄浪夜話」という本に「中農以下は男子何人あるとも田畑を分つくからず。たはけ者といふ諺もこれよりはじまる」と記されている。
 
安倍晋三批判文章はゴマンと出回っているが、「隣家との境界にある小さな石ころを守るために、累代の家訓を破り家族にも相談せず、先祖伝来の家屋敷を手放した」安倍晋三はまさに「田分け者」であり本来の戯け者であると、この老作家は喝破している。
 
森村誠一は戦前生まれで、埼玉県熊谷市出身なのだが、12歳の時に、日本で最後(8月15日未明)の熊谷空襲を体験しており、それがのちの「反戦平和」の原体験となったと言われている。
 
テレビ番組の安価なサスペンスドラマは、1時間過ぎたあたりから結末が見えてくるのが多いのだが、この老作家の原作のサスペンスドラマは最後まで気が抜けないストーリーが多い。
 
ところで、中谷元・防衛相は19日の参院外交防衛委員会で集団的自衛権の行使要件となる「存立危機事態」に関し、こんな様々な事例を答弁で挙げていた。
 
■「天然ガスや原子力(発電の燃料)」
■「食料が確保されない」「電力不足」「生活物資の不足」
■「生活物資」:「日常生活や生命に関するもの」「食料も含まれる」
■「天然ガスや原子力とかそういった部分」「天然ガスとかウラニウム(ウラン)もプルトニウム」 
 
これでは、まさに日本がエネルギー資源を求めて東南アジア各国に侵略した戦前と同じ情景が思い出されてしまう。 
 
さて、1992年に防衛庁(現在の防衛省)担当記者となり、現在に至るまで国防、軍事について取材しており、特に集団的自衛権に関しては昨年の今頃は各地の市民団体からの要請で講演に飛び回っていた編集委員の半田滋が、今朝の東京新聞の【私説・論説室から】で「よみがえる国家総動員」と題したコラムを書いていた。
 
 先の大戦でたいへんな思いをしたのは「外地の兵隊さん」だけではなかった。国家総動員法のもと、国民とその持ち物が政府により徴用され、やがて空襲が始まった。
 安倍晋三内閣が国会提出した安全保障法制にも「国家総動員体制」が明記されている。存立危機事態、すなわち他国を守るための武力行使が追加された武力攻撃事態法、特定公共施設利用法の両改正案を読めば分かる。
 他国の戦争であっても時の政権が日本存立の危機であると判断した場合、首相が対処基本方針を定めることになる。この方針に従い、港湾、飛行場、道路、海域・空域、電波について、自衛隊と米軍など他国の軍隊の利用が優先される。
 自衛隊や他国軍への協力が義務付けられるのは中央省庁や都道府県庁、市町村役場だけではない。協力が責務とされる指定公共機関として日銀、日本赤十字、NHK、民放、通信、電力、ガス、商船、航空、JR、私鉄、バスなど152社・機関が並び、改正案にそっくり引き継がれた。国民は「必要な協力をするよう努める」とされている。
 武力攻撃事態法、特定公共施設利用法は、日本が武力攻撃を受けた際の対処策のはずである。これを「他国の防衛」にまで広げるのだから「銃後の国民」も無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは「戦地の自衛隊さん」だけではない。
 
昨日の「ミサゴよりもハトが似合う日本の空」の中でもつぶやいた国家的プロジェクトの「新国立競技場」計画変更問題。
 
益々、深刻な状況になりつつある。
 
<新国立 開閉屋根先送り 都知事「国 責任取らず」>
 2015年5月20日 07時01分 東京新聞
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 文部科学省が2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の計画見直し方針を明らかにした問題で、舛添要一知事は19日の定例会見で「設計図通りになるのを国民が期待し、国民の税金で造る。できないなら誰の責任なのか。誰も責任を取らない」と強い口調で批判し、「不利な情報は早く開示した方がいい」と情報共有の必要性を訴えた。
 下村博文文部科学相は18日、新国立競技場の開閉式屋根の設置を五輪後に先送りにする方針を表明し、都側に500億円の費用負担を要請した。
 会見で舛添知事は「コストの問題と(工期が)間に合わないということだが、計算して予定を立てていたのではないか」と苦言。費用負担についても「都民に500億円の拠出をお願いするだけの論理が必要だ」と指摘した。「国民に現状を理解いただいて打開策をみんなで考えるしかない」と危機感を示した。
 一方、下村文科相は19日の会見で、開閉式屋根は五輪後、施設が赤字にならないようコンサートなどに活用するためとして「五輪・パラリンピックやラグビーのための準備として必然性があったわけではないから問題はない」と語った。
 文科省によると、19年ラグビー・ワールドカップに向け同年春の完成を目指すが、グラウンド上部に予定する開閉式屋根の取り付けは技術的に難しく、完成が間に合わない恐れがある。観客席を覆う固定屋根は建設当初から設ける。可動式の約15000席の設置は取りやめ仮設席に変える。 (北爪三記)
◆維持費も莫大 「後から設置無意味」「技術的に困難」
 開閉式屋根は、高さ70メートルある競技場頂上部周辺の約15000平方メートルに及ぶ。建築エコノミストの森山高至さんは「後から設置するのは相当ナンセンス」と指摘する。工事の危険度など難しさが増す上、足場を組む追加の費用がかかりコストも割高になるためだ。 (森本智之)
 そもそも、開閉式屋根は「トラブルの元凶」と批判されてきた。
 独創的な外観のため、複雑な曲面にならざるを得ない。面積も広大で「世界に例がないほど技術的に難しい」(日本スポーツ振興センター=JSC)とされ、懸案の工期やコストを押し上げる要因と指摘されてきた。
 屋根といっても、テントに用いる柔らかい素材を折り畳んだり張り巡らせる構造だ。曲面を覆うにはこうした可燃性の素材を選ばざるを得なかった。建築基準法は安全のため屋根を不燃材で造ることを義務づけており、そのままでは違反の可能性があった。JSCは昨年五月、突然「開閉式屋根」の名称を「開閉式遮音装置」に変更しており、「違反逃れ」との指摘もある。
 また、屋根は日照を遮り内部の風通しを悪くするため、グラウンドの芝生が傷みやすい。新競技場は年2回芝生を全面張り替えする計画で、年間の管理費用は3億3000万円に達する。
 こうした問題点にもかかわらず、JSCや国が設置にこだわるのは、収益性の高いコンサートなどイベントを開くためだ。旧国立競技場は周辺への騒音のためコンサートは年数日が限度だったが、屋根を閉じれば音が漏れるのを防ぐことができる。
 新競技場は巨大スタジアムであるがゆえ完成後の維持費も莫大(ばくだい)。JSCの試算でも旧競技場の5倍の年35億円。スポーツだけでは赤字は確実のため、コンサートを年12日(6億円の収入)開き、収益の柱にすることにしている。だが、一連の問題を踏まえれば屋根によるコスト増は避けられず、割に合うとは言えない。森山さんは「開閉式屋根は不合理そのもの。設置をやめてもっと合理的な計画を作り直すべきだ」と主張する。

2020年東京五輪の開会式は7月24日で、晴れならば「盛夏」で、屋根が無ければ冷房も効かず蒸風呂状態となり、梅雨が長引けば、どうなるかは想像に難くない。
 
同新聞の朝刊には1面コラムの筆洗子がやんわりだが核心を突く批判していた。
 
しゃぼん玉とんだ 屋根までとんだ>。童謡の「しゃぼん玉」(作詞・野口雨情)。誰もが知っている曲だが、勘違いというべきか、不思議な「解釈」をしている人もいる
▼大半の方はしゃぼん玉が屋根の高さまで舞い上がっていく様子を目に浮かべるだろうが、ある人は子どもの時から、しゃぼん玉とともに「屋根まで」も飛んでいったと思い込んでいたという。かなりの強風である
▼これも強風が予想される問題である。2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場には「屋根」がない。正確にいえば、客席上には屋根が付くが、グラウンド上を覆う開閉式屋根は五輪には、間に合わないという
▼以前から巨額工費への批判が絶えなかった新競技場だが、まさか「屋根まで」飛んでしまうとはのけぞる。人件費、建設資材などの高騰が読めなかった甘い見積もりが原因である
▼国際社会に対し、屋根付きの新競技場のイラストを示して招致した事実がある。今になって「オモテナシ」どころではない「ヤネハナシ」では日本人が世界を御強(おこわ)にかけたと文句をいわれても仕方あるまい
▼世界には日本人に対し勤勉、誠実。器用の印象があるそうだが、信用や評判は「しゃぼん玉」。不誠実で不器用な計画で戦後70年の信用は「屋根まで飛んでこわれて消えた」となるのか。強い風が吹きそうである。
 
個人的には「2020東京五輪いらない」運動に賛成している一人なので、「ヤネハナシ」により「深刻立競技場」となり、最終的な責任を安倍政権が取らなければならない事態になれば、まさに願ったり叶ったりである。
 
この「ヤネハナシ」問題が発覚する以前から、建設コンサルタントの降籏達生はブログで「2020年東京オリンピックの準備が間に合わない3つの理由」を指摘していた。
 
・・・前略・・・
■東京オリンピックの準備が間に合わないと考える3つの理由
では2020年の開催まであと5年に迫った東京オリンピックは大丈夫なのでしょうか。準備が間に合わず直前になってたいへんなことにならないでしょうか。私が間に合わないと考える理由は3つあります。
1.2020年首都直下地震が東京を襲う
2011年東日本大震災における都内の最大震度は5強でした。一方、中央防災会議が2013年12月に発表した首都直下地震の想定震度は7で、東日本大震災を大きく上回ります。2004年文部科学省 地震調査委員会は、南関東地域におけるM7クラスの地震発生確率は今後30年間(2034年まで)に70%と推定しました。2020年のオリンピック開催日までに大震災が発生する確率は、単純計算すると35%ということになります。
もしも震災が発生すると建物倒壊や火災などで2万3千人が犠牲になり、道路、鉄道、飛行場などの運送手段や、水道、下水道、電気などの生活にも甚大な被害が発生します。また東京都に集中しているマンションが損壊したり、エレベーターの停止によるマンション内での閉じ込めや、人口が集中しているため避難所の不足が懸念されます。交通の遮断による地域の孤立、東京ベイエリア等埋め立て地の液状化現象による地盤沈下のおそれもあります。
そうなれば東京オリンピックどころでなく、開催中止も充分にありえますし、開催したとしても大幅な準備の遅れが懸念されます。
地震が起きないようにすることはできませんが、地震が起きてもその被害を最小限にすることは可能です。東日本大震災の教訓を踏まえて2020年に備える必要があります。
2.建設工事の労働者が消える
1996年670万人いた建設業従事者は、市場の縮小に伴い現在では約500万人に減少しています。加えてそのうち55歳以上の割合が33.6%(全産業平均28.7%)、29歳以下11.1%(全産業平均16.7%)と急激に高齢化が進んでいます。
一方、アベノミクスに伴う公共工事の増加、東日本大震災の復興需要を中心として建設投資が急拡大しており、人手不足が深刻です。政府は2015年から2020年の5年間で復興予算は総額6兆円と想定しています。東京オリンピックの会場施設整備などの直接建設投資は1兆円であり、復興予算と比べるとその規模は小さいです。しかし2018年から2020年に集中して建設工事が行われること、そしてオリンピック開催に向けて既存の道路や施設のリニューアルが前倒しされること、関連する民間の建設投資を考慮すると、工事の増加に伴い人手不足がさらに深刻化するおそれがあります。
対策として考えられている外国人の受け入れもピーク3万人といわれており、建設業従事者500万人の1%にも満ちていません。建設業従事者の給料や休日などの待遇を改善すること、3K(危険、汚い、きつい)を敬遠する若者に汗を流して働くことのすばらしさを伝えることで建設労働者人口を増やすことは急務です。
3.自民党政権が崩壊し財政難に陥る
安定政権を保っているように見える自民党政権ですが、安全保障法制、憲法改正問題、原子力発電所の再稼働問題、沖縄基地問題、TPP問題など課題山積です。少し方向性を間違うと自民党政権崩壊の可能性があります。加えて財政難も大きな問題です。消費増税の延期、原子力発電停止に伴う燃料の海外調達に伴う外貨流出でさらに財政難に拍車がかかっています。
自民党政権が崩壊したり、財政難になっても東京オリンピックを中止にすることはないでしょうが、財政支出が縮小され、施設建設が遅れる危険性は大いにあります。政権交代で準備が遅れたアテネオリンピックの二の舞になりかねません。
 
このように東京オリンピックの準備が大きく遅れる可能性は大きいのです。2020年に外国からの選手団や観光客を笑顔で日本に迎えるためには、どうすべきかを真剣に考える必要があります。今後東京オリンピックの準備状況を本ブログにて随時お知らせしたいと思います。
 
2016年に開催予定のブラジル、リオオリンピックは、開催2年前の段階で施設が完成している割合はまだ10%らしい。
 
2018年 韓国、平昌オリンピックも準備が滞っているという。
 
そろそろ「スポーツ利権屋」連中のための五輪のあり方を見直す時期に来ているのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:11| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月19日

ミサゴよりもハトが似合う日本の空

大阪市民の最後は冷静な(?)判断から、一世を風靡した「橋下徹劇場」の幕が下りた。
 
問題提起能力という観点からは抜群だったが、説得する相手と話し合って解決する姿勢には乏しい政治家だった。
 
7年余りの軌跡は功罪あったが、少なくとも弱者にとっては良くなったことは一つもなかった7年だったようである。
 
悲願の大阪都構想は、議会から多くの批判を浴び、否決されたが、奇策で住民投票に持ち込み自ら論戦の先頭に立ち、反対派の主張を「デマ」と切り捨てた。
 
「選挙で僕を落とせばいい」と大見得を切っていた橋下徹。
 
大阪府知事、大阪市長のダブル選や国政選挙などで勝利するたび、「民意を得た」と勢いづき、ことあるごとに政治決戦に走る姿勢は、丁寧な合意形成をすっ飛ばす「選挙至上主義」といわれ、このあたりは安倍晋三と共通するところもある。
 
負けるはずはない、と高を括っていたので「負けたら政治家を引退する」といっていた言葉に責任を持ってもらいたい。
 
強い旋風も時間と共に過ぎ去るものである。
 
じっくりと腰を落ち着かせて本当の政治家として歩もうとすることができなかった橋下徹の初期の賞味期限が切れ、時が経って消費期限も切れて、大阪市民の多くが「橋下徹退場」との民意を示したのだろう。
 
これからは持ち前の詐欺師振りを発揮した本来の「悪徳弁護士」家業に精を出してもらいたいものである。    
 
ところで、昨日のオジサンのブログのアクセス解析を調べたら、2年前につぶやいた「初めから問題多かった新国立競技場」の参照回数が多かった。
 
新国立競技場建設に関しては、かなりの回数を費やしてその非現実性と胡散臭さを指摘してきた。
 
多くの著名建築家たちが揃って批判していた新国立競技場建設問題が、遂にはボロを出してしまった。
 
<新国立競技場:計画見直し 招致時の背伸びのツケ>
 毎日新聞 2015年05月19日 01時01分)   
 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場として建て替える新国立競技場(新宿区)で18日、再び計画見直しが浮上した。13年9月の開催決定時に国際オリンピック委員会(IOC)から「安心、安全」と評された大会は開幕まで約5年前になっても、全体像が定まらず、どたばた劇が続いている。
 この日、下村博文文部科学相が舛添要一知事を都庁に訪ねたのは新国立競技場の費用負担の要請が目的だった。だが、舛添知事から説明不足を詰め寄られると、下村文科相が突如、見直しを口にした。春に工期が間に合わないことが分かり「国家プロジェクトで失敗は許されない」(文科省幹部)と水面下で検討した打開策だった。
 経費節減に向けて下村氏が「誠意」を見せるための踏み込んだ発言だったが、根回しがなかったため周囲は慌てた。組織委員会の森喜朗会長も「とにかく物価高騰だけ(が原因)じゃないぐらい(建設費が)すごいんだ」と説明に苦労した。
 一方、バスケットボールなどの会場予定だった「夢の島ユース・プラザ」(江東区)も建設費が招致時に見積もった364億円から880億円に上る試算となり建設が中止された。経費削減のため、既存施設の活用が検討され、全体の会場計画も変更が相次いでいる。招致時の最大の売りだった競技会場の85%が選手村(中央区)から半径8キロ圏内の構想も崩れさった
 それでもIOCはバッハ会長が進める中長期改革「アジェンダ2020」で掲げた経費削減策のモデルと期待しており、東京を支持する。IOCにも開催費が高騰して招致を希望する都市が減り、五輪ブランドが低下しつつあることに危機感があるためだ。国民の負担を軽減することは五輪開催の流れだが、招致に関わった関係者は計画の見直しが続き「日本への信頼感が揺らがないか心配だ」と懸念する。【藤野智成、田原和宏】
 
「収容人数8万人規模だった計画のうち1万5000人分を仮設とし、オリンピック終了後、6万5000人規模に縮小する」という考えは、2年前から2012年ロンドン大会の会場を参考にしろ、と専門家たちは口を酸っぱくして叫んでいた。
 
当然ながら、こんな姑息な計画変更には多くの非難の声が上がっていた。




 
もっとも下村博文文科相は「下村文科相への告発受理 政治資金問題で東京地検」という立場なので今後の東京地検の捜査次第では「国家プロジェクトで失敗は許されない」などと言っている場合ではなく、我が身に降りかかる火の粉によっては、とてもじゃないが東京五輪どころではないかもしれない。
  
さて、オスプレイがハワイで着陸に失敗し炎上、1人死亡という事故が起きた時、琉球新報では号外を出した。
 
ハワイの地元民が撮影した画像が以下の数々。
 
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これらは決して他国の出来事ではなく、日本国内でいつ発生してもおかしくない事故なのである。
 
<オスプレイ着陸失敗 墜落の悲劇 再び懸念>
 2015年5月19日 07時09分 東京新聞
 米ハワイ州で18日(日本時間)、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した。米軍機の墜落事故は、首都圏でもたびたび発生。多くの日本人が犠牲になった。米軍横田基地(東京都福生市など)にCV22オスプレイの配備が決まり、事故を知る関係者は「悲劇が繰り返されるのでは」と案じた。沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は、墜落原因が究明されるまで宜野湾(ぎのわん)市の普天間(ふてんま)飛行場に配備されているMV22の飛行停止を米側に求める意向を明らかにした。 (小沢慧一、寺岡秀樹)
 1977年9月に横浜市緑区(現青葉区)に米軍機が墜落した事故で2人の息子を失い、自らも大やけどを負って約4年の入院の末、亡くなった土志田(どしだ)和枝さん=当時(31)。兄隆さん(66)=同市青葉区=は、横田基地にオスプレイが配備されることに触れ、「もう一度事故は起こりうる」と危機感を募らせた。
 「妹の事故を忘れたことはなく、ハワイの事故を聞いて『またか』という印象だ。事故原因は何か、どんな状況で事故が起きたのか、きちんと公開してほしい」と要望。「妹は4年間生きていてよかったと思う瞬間はなかったと思う。事故が起きたとき、苦しみを背負うのは国民。配備で日本人全員にその危険性が増すことになる」と話した。
 64年9月、神奈川県大和市の墜落事故で亡くなった遺族と交流を続け、事故から50年の昨年9月に慰霊碑を建て替えた市民グループ事務局長の久保博夫さん(64)=大和市=は「悲劇を繰り返さないために建立したのに、われわれの気持ちを踏みにじるかのように、慰霊碑の上を米軍機が飛行している」と話し、「市街地の上空を飛ばないなど、悲劇を2度と起こさないような運用を」と米軍に求めた。
◆米に飛行停止求めず 政府
 日本政府は18日、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの事故を受け、事故原因を究明し、速やかに説明するよう米側に要請した。だが、沖縄県の米軍普天間飛行場に配備済みの同型機の一時飛行停止は求めない考えを示した。
 米側への要請は、午前中に外務省担当局長らが在日米大使館幹部らに行った。要請では同型機の飛行については、普天間飛行場での運用に関し「安全面に最大限の配慮をしてほしい」とだけ求めた。
 これに対し、米側からは「迅速かつ透明性を持って対応したい」との回答があったという。
 中谷元・防衛相は防衛省での記者会見で、飛行の一時停止について「米国人兵士が乗っており、米側も安全性を十分に考慮する。運用は米側の判断だ」と、求めない理由を説明した。
 
日米地位協定によって日本の空は米軍によって制限されているのが実情で、独立国でありながら米軍の行為は治外法権が与えられている。
 
これが日本の保守層の米国隷属思想につながっている。
 
「オスプレイ」とは鳥類の「ミサゴ」のことで、その獰猛さはまさに今度日本本土を訓練と称して我が物顔で飛び交うオスプレイそのものなのである。
 
以下の写真は「渓流詩人の徒然日記」から拝借したミサゴの「雄姿」である。
 
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人殺しが職業の米軍たちからすればミサゴのような形のオスプレイは自慢の高価な「非行機」なのだろうが、日本の平和な空には可愛いハトたちが似合うのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
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posted by 定年オジサン at 11:48| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月18日

空から見た、美しすぎる地球の風景-5

非営利のパノラマ写真プロジェクト「AirPano」は、眼を見張るほど美しい世界各地の作品シリーズを掲載している。
 
広大な山並みや巨大な滝が広がり、大都市が増殖していくこのすばらしい惑星をとらえた数々の作品は、人間がどんなに小さな存在であるかを思い知らせてくれる。
 
これまで世の中に合った地球の写真の中でも、最高クラスだと言ってもいいかもしれない。
 
AirPanoの360度パノラマ写真は、その多くがヘリコプターから撮影されたもので、すばらしい景色が広がる200を超える場所の上空を、まるで実際に飛んでいるかのような気持ちにさせてくれる。
 
今日は出かけていますので「つぶやき」はお休みしますが、その代わり空から360度で見下ろす素晴らしい世界の風景を紹介します。
 
【空から見た、美しすぎる地球の風景-その5】

 
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スペインのバルセロナ


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オーストラリアのグレートバリア・リーフ


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ベネズエラの滝「エンジェルフォール」


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アフリカ南部にあるヴィクトリア滝


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2015年05月17日

空から見た、美しすぎる地球の風景-4

非営利のパノラマ写真プロジェクト「AirPano」は、眼を見張るほど美しい世界各地の作品シリーズを掲載している。
 
広大な山並みや巨大な滝が広がり、大都市が増殖していくこのすばらしい惑星をとらえた数々の作品は、人間がどんなに小さな存在であるかを思い知らせてくれる。
 
これまで世の中に合った地球の写真の中でも、最高クラスだと言ってもいいかもしれない。
 
AirPanoの360度パノラマ写真は、その多くがヘリコプターから撮影されたもので、すばらしい景色が広がる200を超える場所の上空を、まるで実際に飛んでいるかのような気持ちにさせてくれる。
 
明日まで遠地に行っていますので「つぶやき」はお休みしますが、その代わり空から360度で見下ろす素晴らしい世界の風景を紹介しています。
 
【空から見た、美しすぎる地球の風景-その4】

 
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エジプトのギザ


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アラブ首長国連邦のドバイ


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ドミニカ共和国


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2015年05月16日

空から見た、美しすぎる地球の風景-3

非営利のパノラマ写真プロジェクト「AirPano」は、眼を見張るほど美しい世界各地の作品シリーズを掲載している。
 
広大な山並みや巨大な滝が広がり、大都市が増殖していくこのすばらしい惑星をとらえた数々の作品は、人間がどんなに小さな存在であるかを思い知らせてくれる。
 
これまで世の中に合った地球の写真の中でも、最高クラスだと言ってもいいかもしれない。
 
AirPanoの360度パノラマ写真は、その多くがヘリコプターから撮影されたもので、すばらしい景色が広がる200を超える場所の上空を、まるで実際に飛んでいるかのような気持ちにさせてくれる。
 
週末から来週月曜日まで遠地に行ってます。
 
その間、「つぶやき」はお休みしますが、その代わり空から360度で見下ろす素晴らしい世界の風景を毎日紹介して行きます。
 
【空から見た、美しすぎる地球の風景-その3】

 
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アイスランド


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ベトナムのハロン(下竜)湾


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エベレスト山


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2015年05月15日

空から見た、美しすぎる地球の風景-2

非営利のパノラマ写真プロジェクト「AirPano」は、眼を見張るほど美しい世界各地の作品シリーズを掲載している。
 
広大な山並みや巨大な滝が広がり、大都市が増殖していくこのすばらしい惑星をとらえた数々の作品は、人間がどんなに小さな存在であるかを思い知らせてくれる。
 
これまで世の中に合った地球の写真の中でも、最高クラスだと言ってもいいかもしれない。
 
AirPanoの360度パノラマ写真は、その多くがヘリコプターから撮影されたもので、すばらしい景色が広がる200を超える場所の上空を、まるで実際に飛んでいるかのような気持ちにさせてくれる。
 
日本列島各地での民族大移動のゴールデンウィークも終わり、静けさも戻り、来週月曜日まで遠地に行ってます。
 
その間の日々の「つぶやき」はお休みしますが、その代わり空から360度で見下ろす素晴らしい世界の風景を毎日紹介して行きます。
 
【空から見た、美しすぎる地球の風景-その2】

 
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シンガポール


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ニューヨーク市


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ドイツにあるノイシュヴァンシュタイン城


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イグアスの滝


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2015年05月14日

空から見た、美しすぎる地球の風景-1

非営利のパノラマ写真プロジェクト「AirPano」は、眼を見張るほど美しい世界各地の作品シリーズを掲載している。
 
広大な山並みや巨大な滝が広がり、大都市が増殖していくこのすばらしい惑星をとらえた数々の作品は、人間がどんなに小さな存在であるかを思い知らせてくれる。
 
これまで世の中に合った地球の写真の中でも、最高クラスだと言ってもいいかもしれない。
 
AirPanoの360度パノラマ写真は、その多くがヘリコプターから撮影されたもので、すばらしい景色が広がる200を超える場所の上空を、まるで実際に飛んでいるかのような気持ちにさせてくれる。
 
日本列島各地での民族大移動のゴールデンウィークも終わり、静けさが少々戻ってきたので、今日から来週月曜日まで遠地に行ってきます。
 
その間の日々の「つぶやき」はお休みしますが、その代わり空から360度で見下ろす素晴らしい世界の風景を毎日紹介して行きます。
 
【空から見た、美しすぎる地球の風景-その1】

 
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ニューヨーク市


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インドのタージマハール


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ロシアのトルバチク山


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フランス、パリ

 
 
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2015年05月13日

米国の一方的な通知で本土の沖縄化が進む

今朝の地震の揺れは久々に長く続いたが、布団から飛び出す元気はなかった。
 
発生時刻は午前6時12分頃で、宮城県沖深さは46キロを震源とする地震とかで、気象庁によると岩手県花巻市で震度5強、岩手県遠野市、宮城県気仙沼市などで震度5弱を観測したという。
 
これも4年前の大地震の余震なのだろうか。
 
朝早かったので大した被害はなかったと思っていたら、乗車する新幹線のめどが立たずJR仙台駅の改札付近には、修学旅行で東京へ向かう中学生たちが待機していた。
 
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朝日新聞DIGITALより
 
楽しみにしていた修学旅行なのだろうから、無事に東京まで来てほしいものである。
 
その中学生たちが向かう先の東京都下にある横田基地では、米軍のオスプレイが沖縄に続いて本土に初めて配備されることが正式に発表された。 
 
<オスプレイ、全国で運用 17年横田配備、沖縄などでも訓練 米軍と自衛隊、連携加速>
 2015年5月13日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 米軍のオスプレイが沖縄に続いて本土に初めて配備されることになった。米国防総省は11日午後(日本時間12日午前)、米空軍の新型輸送機オスプレイCV22を10機、横田基地(東京都福生市など)に配備すると発表した。沖縄をはじめ、全国で運用される予定だ。世界に展開する米軍と、日本の自衛隊との連携が一層強化されることになる。
 米軍のオスプレイは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に海兵隊仕様のMV22が24機配備されている。これに加えて空軍仕様のCV22を横田基地に10機配備することになる。
 今回の配備は、米軍が中国を意識して進める「アジア太平洋リバランス(再均衡)」の一環だ。横田基地には、在日米軍の司令部だけでなく、航空自衛隊の航空総隊司令部もある。オスプレイ配備で、米軍と自衛隊の連携はさらに深まる。
 MV22が主に兵員・物資の輸送用なのに対し、CV22は空軍の特殊作戦部隊が使用する。自衛隊にも陸自と海自に特殊作戦を担う部隊があり、共同訓練などを通じ、自衛隊部隊の能力を向上させる狙いもある。
 オスプレイの訓練は自衛隊の基地や演習場でも行われるとみられ、横田基地のCV22が自衛隊員を輸送する可能性もある。防衛省幹部は「自衛隊と米軍のCV22の連携は、いろいろな可能性をもたらすのではないか」と話す。
 米空軍はCV22の日本配備をめぐって、特殊作戦部隊が駐留する米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)への配備を検討した。しかし、普天間飛行場の移設問題で沖縄県の反発が強まる中、県外の選択肢をとらざるを得ないと判断したという。
 ただ、CV22は横田に籍を置くが、実際には全国で運用される。防衛省によると、嘉手納基地や沖縄県のトリイ通信施設(読谷村)、米グアムに駐留する特殊部隊のために、輸送を担う見通しだという。空軍の三沢基地(青森県)や海兵隊の岩国基地(山口県)など、国内の米軍基地も、訓練や整備などの活動拠点となる。
 中谷元・防衛相は12日の閣議後会見で「通常の飛行訓練に加えて、低空飛行、夜間飛行(訓練)は実施する」と説明。訓練はより過酷な条件で行うため、事故率はMV22に比べ高いとされる。防衛省が12日に示した数字によれば、事故率は10万時間あたり7・21で、MV22の約3倍だった。
 (三輪さち子、ワシントン=佐藤武嗣)
 
その昔、「最低でも県外」と言って後に変節した首相がいたが、まさに彼の望みを逆手に取ったような「普天間飛行場の移設問題で沖縄県の反発が強まる中、県外の選択肢」が取られた形になってしまった感が強い。
 
そもそもオスプレイは人殺しを専門とする兵隊とその関連物資を運ぶ輸送機なので、横田基地にじっと佇んでいることはありえず、訓練と称して本土内を縦横無尽に飛行する可能性が大である。 

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東京新聞より

<沖縄の危険 首都圏にも オスプレイ 横田10機配備>
 2015年5月13日 朝刊 東京新聞
20150513yokotakiti.jpg 日米両政府は12日、米空軍が特殊作戦に使う垂直離着陸輸送機CV22オスプレイを、米軍横田基地(東京都福生市など)に配備すると正式に発表した。2021年までに10機態勢とし、夜間や低空飛行訓練も想定されている。基地周辺自治体は同日、「突然の配備の申し入れは誠に遺憾」などとするコメントを発表した。事故率の高さが問題視されているCV22オスプレイだが、配備そのものへの明確な反対や見直し要請には言及しなかった。
 この日は外務省の鈴木秀生・北米局参事官と、防衛省の渡辺一浩・北関東防衛局長らが、東京都瑞穂町をはじめ基地周辺5市1町を順に訪問し、市長や町長らに、オスプレイ配備に関する米政府の通報内容を説明した。横田基地周辺市町基地対策連絡会の幹事市、武蔵村山市の藤野勝市長はコメントを読み上げ、「安全性などについて国への要望活動を続けていかなければ」と述べた。ただ、オスプレイ配備に反対するかなどについては、「詳細はあらためて説明するとのことなので、説明を伺いたい」と述べるにとどまった。
 外務省や防衛省は都庁にも説明に訪れた。都側は住民生活への配慮や周辺住民への十分な説明を要請した。これに先立ち、舛添要一知事は記者会見で「国の安全保障政策なので、第一義的に日本政府が責任を持ってやること。私どもとしては説明を聞いて、都民の生命と安全を守るという立場から、申し上げるべきはしっかりと言っていく」と話した。
 CV22オスプレイは17年後半に3機配備するのに続き、21年までに7機を追加する。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)には、米海兵隊仕様のMV22オスプレイが配備されているが本土への配備は横田基地が初めて。
 中谷元・防衛相は12日の記者会見で「オスプレイは、アジア・太平洋地域の複数箇所に所在する米軍の特殊作戦部隊を輸送する任務がある」と述べた。政府は米軍に対する自衛隊の協力を地球規模に拡大するため、日米防衛協力指針(ガイドライン)の再改定で合意。それを裏付ける安全保障関連法案の今国会成立を目指している。オスプレイ配備で米軍と自衛隊の共同訓練が活発化し、地球規模での一体化が進む。
 
沖縄が本土復帰を望んでいたころは「本土並み」ということがしばしば語られていたが、今後は「本土の沖縄並み」ということになりそうである。

「オスプレイは、アジア・太平洋地域の複数箇所に所在する米軍の特殊作戦部隊を輸送する任務がある」らしいのだが、改めて紹介するが「オスプレイ、ネパール支援中に屋根吹き飛ばし『使えない』と報じられる」ように、役立たずの代物なのである。
 
そんな事実を全くご存じなかったのかのように、防衛大出身の軍人気取りの中谷元・防衛相は、オスプレイの横田基地配備について、「首都圏にオスプレイが存在するということは、首都圏直下型地震とか南海トラフ大地震といった大規模災害等にも対応できる」と頓珍漢なコメントを出していた。
 
単なる頓珍漢野郎なら可愛いのだが、中谷元・防衛相は12日の参院外交防衛委員会で、日本が掲げてきた「専守防衛」の定義に関し、他国が攻撃されたときに反撃する集団的自衛権の行使も含まれると大胆に言い放った。
 
防衛相の立場でこれまでの政府見解を事実上変更した発言をしたわけである。
 
「専守防衛」は戦争放棄と交戦権の否認などをうたった憲法9条に基づく日本の防衛政策の根幹となる考え方であることは今さら言うまでもない。

政府は「相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使する」と定義、防衛白書にも明記している。
 
しかし、中谷元・防衛相は憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を認めた昨年の閣議決定に基づき、専守防衛は「他国への攻撃でも国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合も含むと解している」と、勝手に都合よく読み替えていた。
 
憲法99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という立憲主義の本質を防衛大学では学生に教えていないようで、「専守防衛」も勝手に「先制攻撃」と読み替えているのではないだろうか、とオジサンは訝ってしまう。

posted by 定年オジサン at 11:56| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月12日

切れ目なく戦争できる国になるのか

三権分立の原則からすれば、国民の代表から構成される国会の審議前に、行政のトップである内閣総理大臣が、特定の法案の成立を米国で約束するという、まさに独裁者然とした言動に対しては、日本のメディアは余りにも寛容すぎた。
 
「成立させたいという努力目標だ」などとすっとぼける菅義偉官房長官に対しても記者クラブの記者連中は追及しなかった。
  
在京大手紙の社説を見ると、朝日新聞社説は「安保法制の与党合意 戦後日本の危うい岐路」とタイトルからして緩い内容である。
 
毎日新聞社説は、ズバリ「自公の安保合意 政府案を追認しただけ」とわかりやすいタイトルで、
与党協議とは結局、連立政権維持を優先した結果、政府の意向を踏まえてまとめるための議論になってしまったと言わざるを得ない。自公の党内議論も「政高党低」という政権構造のもとで盛り上がらず、与党の活力の乏しさが目立った。
と、見せかけの与党協議を切り捨てていた。
 
当然ながら、与党協議がこのような結果になることを事前に承知しており、特に購読者にも知らせる必要性を感じていない讀賣新聞は社説ではスルーであり、産経新聞に至っては「主張」にはなにもなかったが、「安保法案与党合意 自衛隊の役割大きく前進も残る制約 武器使用に『日本ルール』」という記事の中では、この程度の法律ではまだまだ不十分で「日本や国際社会の平和のために戦う他国軍を後方支援する場合、自衛権が発動されているケースを除き、任務遂行型の武器使用は引き続き認められない。」と憲法9条の存在を恨むかのような論調であった。
 
さて、社説は緩いが現場の記者はそれなりに努力して読者の期待に応えようとしている朝日新聞の記事と、分かりやすい図解だけを紹介しておく。
 
『専守防衛』変質 安保法制11法案、自公が合意 14日閣議決定
 
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行使、政権の裁量次第 集団的自衛権 国会事前承認、あくまで『原則』」 
 
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東京新聞は記事内容はさらっと書いているがわかりやすい大きな図を載せていた。
 
<安保法制の全条文 与党合意 戦闘参加 厳格基準示さず>
 2015年5月12日 07時09分 東京新聞
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 自民、公明両党は11日、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認をはじめとする新しい安全保障法制に関する与党協議で、関連法案の全条文に最終合意した。政府は14日に関連法案を閣議決定し、週内に国会に提出する。集団的自衛権の行使を禁じてきた憲法解釈を変更した昨年7月の閣議決定を法制化する与党協議では、日本が戦闘に参加する基準は厳格化されなかった。経済混乱の際に集団的自衛権を行使する可能性も排除しなかった。
 安保法制は、集団的自衛権の行使容認のほか、周辺事態法を改正して地球規模で米軍の戦闘などを支援できるようにする重要影響事態安全確保法案、「国際社会の平和と安全」を目的に他国軍の戦闘を随時支援できるようにする国際平和支援法案が主な内容。これらに加え、あらゆる事態に「切れ目なく」対応するとして、海外での自衛隊の活動を大幅に拡大する。
 集団的自衛権の行使容認については、武力攻撃事態法改正案で、他国への武力攻撃が発生し「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」事態を「存立危機事態」と規定。自衛隊法改正案は、存立危機事態の場合には武力行使できることを明記した。
 集団的自衛権の行使を可能にする主な法改正はこれだけで、何が存立危機事態なのかの明確な基準は示さなかった。安倍政権は、原油や天然ガスが国内に入ってこなくなるような経済混乱は存立危機事態に該当する可能性があるとして、中東での戦時の機雷掃海を集団的自衛権行使の事例に挙げる。
 こうした法解釈に基づき、日本に波及する何らかの経済混乱が海外で発生した場合に「自衛」を名目にした武力行使が広がっていく恐れが残った。
 与党は、閣議決定では明確でなかった集団的自衛権行使の基準は、法制化を通じて厳格化すると説明していたが、法案には閣議決定で示した「武力行使の新三要件」の要素を盛り込むことにとどまった。
 
毎日新聞は「安保法制のポイント」をやはりわかりやすい表を載せて、今日と明日にわけて詳細に解説するという。 
  
<拡大する「自衛」:安保法制のポイント/上 「歯止め」実効性は 集団的自衛権行使 緊急時、事後承認>
 毎日新聞 2015年05月12日 東京朝刊 
20150512mainitisimbun.jpg
 安倍晋三首相は訪米中の米議会演説で、「夏までに」安全保障法制関連法案を成立させる考えを表明した。日程ありきの姿勢に野党は対決姿勢を強めている。国会審議では、何が焦点となるのか。安保法制のポイントを振り返る。
    ◆   ◆
 「地球の裏側で(集団的自衛権行使の)新3要件に合致することが実際にあるのか。私はちょっと思い浮かばない」
 自民党の高村正彦副総裁は11日の安全保障法制整備に関する与党協議会後の記者会見で、集団的自衛権行使の範囲が「限定的」であることを強調した。
 公明党の北側一雄副代表も、同党が求めてきた「歯止め」について「個々の法制で、主張は相当盛り込めたと思っている」と胸を張った。
 与党協議会は、集団的自衛権の行使容認を含めた自衛隊の活動を拡大する昨年7月の閣議決定を受け、今年2月から具体的な法整備の議論を重ねてきた。焦点は公明党が求める「歯止め」をどこまで条文に反映させるかだった。
 北側氏は、自衛隊の海外派遣の歯止めとして(1)国際法上の正当性(国連安保理決議など)(2)国民の理解と民主的統制(国会承認)(3)自衛隊員の安全確保??の3点を明確にすることを要求。集団的自衛権に関しては、特に「新3要件」のうち、第2要件の「国民を守るために他に適当な手段がない」を条文に明記することも強く求めた。
 集団的自衛権の行使を可能とする「存立危機事態」の定義は「他国への武力攻撃により、日本の存立が脅かされ、国民の生命などの権利が根底から覆される明白な危険がある」(第1要件)とされたが、抽象的で範囲があいまいとの懸念が相次いだためだった。
 実際に武力攻撃事態法改正案では、9条で、政府が国会に集団的自衛権行使の承認を求める際に提出する「対処基本方針」に「国民を守るために他に適当な手段がなく、武力行使が必要な理由」を説明するよう求める規定が盛り込まれた。
 一方、緊急の必要性がある場合は、例外的に事後の国会承認が認められた。その場合、「他に適当な手段がない」との政府の判断に対する国会審議は、武力行使後になる。集団的自衛権を行使するような重大局面では対応が急がれることも予想され、「歯止め」の実効性には疑問も残った。
 国会審議では、集団的自衛権が行使される具体的な想定について、政府側は説明を求められることになりそうだ。与党協議会でも議論が尽くされたとは言い難く、不透明な点が多い。
 首相は2月の衆院本会議で、民主党の岡田克也代表から説明を求められ、具体例として(1)朝鮮半島有事などで避難する邦人を輸送する米軍船舶が攻撃された場合の防護(2)日本が輸入する原油の約8割が通過する中東・ホルムズ海峡が機雷封鎖された場合の機雷掃海??の2例を集団的自衛権の行使が可能な例として挙げた。
 与党協議会も、首相答弁を基に議論した経緯がある。ただ、4月末に日米両政府が合意した日米防衛協力の指針(ガイドライン)には、集団的自衛権を行使しての日米協力として▽不審船を強制的に停船して積み荷を調べる「臨検」▽北朝鮮などが米国を標的とした弾道ミサイルを自衛隊が迎撃するミサイル防衛(MD)??も明記された。こうした事例は、与党協議では詳細な検討はなかった。
 特に、MDについては、現在の技術では、北朝鮮から北米に向かう弾道ミサイルを迎撃するのは困難とみられている。将来的に技術が進歩した場合を想定し、ガイドラインに盛り込んだとみられるが、政府はMDの将来展望を説明していない。
 そもそも、米国を狙った弾道ミサイルを撃ち落とさなければ、「日本の存立」が脅かされると言えるのかについて、野党から追及されることになりそうだ。
 ホルムズ海峡の機雷掃海を巡っては、与党協議では「3要件に当たると評価された場合は行使する」との結論で決着させた。だが、政府と自民党は行使が可能と解釈しているが、公明党内は「該当する可能性は低い」との意見が大半で、玉虫色の決着だったというのが実態だ。
 高村氏は記者団に、「ようやくここまで来た。国会で十分に審議することによって国民の理解が深まる」と述べ、法案成立に自信をのぞかせた。
 ◇苦肉の「限定容認」 「必要最小限度」に含む
 政府は昨年7月の閣議決定で、憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を限定的に容認した。「日本の存立が脅かされる場合」にのみ集団的自衛権の行使が可能との「限定容認」は、関連法案の条文にも反映された。
 集団的自衛権の限定容認は、国際法上の一般的な集団的自衛権行使の定義とは異なる。これまでの憲法解釈との整合性を追求したうえでの苦肉の策だが、分かりにくさは拭えない。
 集団的自衛権は「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する国際法上の権利」と定義される。国連憲章にも規定された各国が持つ権利だ。しかし、日本政府は憲法9条との整合性から、集団的自衛権の「権利は有するが行使はできない」との立場を長年、取ってきた。
 日米同盟を強化するため、集団的自衛権の行使容認が必要と考えていた安倍晋三首相は、憲法解釈の変更を決断したが、過去の政府答弁とのつじつまを合わせるため全面的な行使容認は断念した。
 代わりに、憲法9条は国民を守るための「必要最小限度」の武力の行使なら認めており、その「必要最小限度」の中に、集団的自衛権の行使が含まれる場合があると結論付けた。これが「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される」ような場合には、外国への攻撃でも、武力の行使が許されるとの新しい解釈だ。
 ただ、野党は「過去の憲法解釈を逸脱している」と批判しており、今月下旬から始まる国会審議では、憲法解釈の変更をめぐっても激論が交わされることになりそうだ。
 
与党内の協議などは誰が見ても茶番だとわかっているのだが、何しろ密室協議なので深く追及することは困難である。
 
連立与党で「平和の党」という看板を昔は掲げていたらしい公明党は、「安保法制は『これをやっちゃいけない』という出発点から発想するべきなに、公明党は弁護士出身の幹部たちが理屈をこねて『ここまではできる、あれもできる』と法案を認める針の穴を開けていった。やはり連立を切られる怖さがあるから」と、参議院議員時代は一貫して小沢一郎と行動を共にし、「小沢の知恵袋」と称された平野貞夫に指摘されていた。
 
安倍晋三首相が好んで使う「切れ目のない」という言葉は、一見すると綻びがないようにも聞こえるが、米国の要請でひとたび戦地に派兵された自衛隊員は、後方支援と称して自己保存型の武器使用を行えば、相手を殺すまで「切れ目のない」殺人が繰り広げられる。
 
「元米軍海兵隊員が語る戦争と平和」というこのドキュメントを見れば、戦争の悲惨さと軍隊の実態が良くわかるので、多くの若い世代に見てもらいたいものである、とオジサンは思う。
 




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2015年05月11日

身勝手な自民党の酒の安売り規制は統制経済の先駆けか

昨日の毎日新聞の記事「安保法案:「新3要件」全て明記 武力行使 条文判明」の冒頭にこんな文章があった。 
 
政府が14日に閣議決定する安全保障関連法案の全条文案が判明した。集団的自衛権行使を容認した昨年7月の閣議決定で示した「武力行使の新3要件」の「必要最小限度の実力行使」に関し、改正する武力攻撃事態法案に「事態に応じ合理的に必要と判断される限度」(3条)にとどめると明記。これにより新3要件は全て法案で明文化された。閣議決定した「歯止め」を法案に盛り込むことで、限定的な行使だと強調する狙いがあるとみられる。
 
これに対して、BLOGOSブロガーで龍谷大学客員教授の宮武嶺が自分のブログで「必要最小限→合理的に必要と判断される限度を安保法案:「新3要件」すべて明記と報じる毎日新聞はアホ」と毎日新聞を批判し、その安保法制の実態を解説していた。
 
安保法制については14日に閣議決定するらしく、その後の安倍晋三首相の記者会見を聞いてから批判するが、毎日新聞に対してはそのブログ主はこう批判していた。
 
法律家から見ると
「必要最小限度」と「合理的に必要と判断される限度」は全く違うものなので、毎日新聞はアホなのか、それとも何か国民に悪意でもあるのか、ということが言いたかったのです。
 アホと言うか、悪意があるというか、この「安保」法制の条文をつかんだというのは毎日新聞の「スクープ」=安倍政権からの垂れ流し、のようなので、見出しや内容まで官製の記事なんでしょう。
・・・中略・・・   
3要件では『必要最小限度』となっているものを、「合理的に必要な限度」とされているのにちゃんと規定したというのですから、ちゃんちゃらおかしいわけです。
 いかに記者クラブと言うのが政府御用達で、政府の広報に成り下がっているかがわかります。 
 
「毎日新聞の『スクープ』=安倍政権からの垂れ流し」というのは少々正確さを欠いているのだが、政権というのは従順なメディアにだけ他社には出さない情報を小出しに伝え、スクープと大々的に記事にさせて他社が後追い記事を書く、という情報操作を日常的に行っている。
 
その筆頭格が、政府広報紙とか自民党機関誌と常に揶揄される讀賣新聞や産経新聞であるのだが、安倍政権に屈服した感が強い朝日新聞が最近はおこぼれをもらっているようで、最後に狙われるのは在京大手紙では毎日新聞だけなのである。
 
先週の記事なのだが、その批判された毎日新聞にこんな記事が載っていた。 
 
<社説:酒の安売り規制 特別扱いは理解されぬ>
 毎日新聞 2015年05月04日 東京朝刊 
 自民党が酒の安売りを規制する法案を今国会に提出する方針を決めた。量販店などとの価格競争で疲弊した「町の酒屋さん」を救う狙いという。だが、消費者の負担は増す恐れがある。酒屋だけ特別扱いするのは理解が得られないのではないか。
 自民党の案によると、酒税法などを改正し、酒の「公正な取引基準」を財務相が定める。基準に違反して、改善命令にも従わない業者については、罰金を科したり、販売免許を取り消したりできる。
 国税庁によると、酒の小売業者全体に占める酒屋の比率は1995年度は8割近かったが、2012年度は3割強に減った。90年代からの販売規制緩和で量販店やスーパー、コンビニが参入し、対抗できない中小酒屋の廃業が続出したからだ。
 酒の過度な安売りを防ごうと国税庁は06年に取引指針を定めた。だが、法的拘束力や罰則はなく、酒屋の業界団体が規制強化を求めていた。
 ライバル店の排除を狙って、仕入れ原価や製造コストを下回る価格で販売する不当廉売が許されないのは当然だ。だが、不当廉売は、企業の公正な競争確保を目的とする独占禁止法が明確に禁じている。公正取引委員会が厳格に摘発するのが筋だ。
 量販店やスーパー、コンビニは、大量の仕入れのほか、独自の商品開発、流通の合理化などでコストを抑えてきた。安売りが不当な乱売か、正当な経営努力の結果かは、線引きが難しい場合もある。
 「公正な取引基準」の内容は、財務相が審議会に諮って定めるという。だが、基準があいまいになり、背後に免許取り消しという強硬手段がちらつけば、量販店などが萎縮し、問題がなくても価格を引き上げてしまう可能性がある。
 そもそも、なぜ酒屋を特別扱いするのか。町の電器屋や八百屋などでも、量販店やスーパーの安売り攻勢で廃業が相次いだ。中小商店の保護は、地域活性化の観点から行政が対策を講じるべきだ。その場合、経営難の店については成長が見込める業態に円滑に転換できるようにするなど地域全体の底上げにつながる環境整備に徹するべきだろう。
 自民党には「酒屋が急減すると、酒税の円滑な徴収が阻害される」との意見もある。酒屋の経営者は伝統的に自民党支持者が多く、規制の背景になったようだ。だが、酒税収入が減っている主な原因は高齢化や若者らのアルコール離れだ。規制で価格が上昇し、アルコール離れがさらに進めば、税収に逆効果になる。
 酒の規制緩和は、業界の競争を活発にして、経営努力を促し、消費者が低価格で酒を楽しめる契機となった。その原点を大事にすべきだ。
 
「公正な取引基準」を定めるということからして胡散臭いものを感じてしまう。
 
改正案は、酒類の製造や販売に関する「公正な取引基準」を定め、従わない業者を公表したり、免許を取り消したりできるようにするらしいのだが、その基準の詳細は今後詰めるとしている。
 
また原則として酒類の売り場ごとに選任する「酒類販売管理者」に、未成年者への販売防止研修を3年ごとに受講することを義務化する。
 
小規模酒販店である「町の酒屋さん」は1995年度は全体の販売業者に占める割合は約8割であったのが、2012年度は約3割までに減少させてしまったのは、一体どこの誰だったのか?

全国的に「シャッター通り」が発生し酒店のみならず商店街が消滅した町もあった。
 
小泉・竹中構造改革と称する1990年代後半以降の相次ぐ規制緩和が要因であることは言うまでもない。
 
酒販店ごとの距離や、地域の人口に関係なく酒販免許を取得できるようになり、それまで酒を扱っていなかったスーパーやコンビニエンスストアの一部が相次いで参入し、ホームセンターや家電量販店などもお酒を売るようになった。
 
オジサンの家から歩いて数分の場所に、自治会の副会長を務める地主が経営していた酒屋があった。
 
古い体質の自治会なので役員はみんな「屋号」を持っている人が占めていた。  
 
「ビールはキリンだ」という世代のオジサンの父親がまだ元気な頃は、その酒屋から定期的に24本入りのケースを配達させていた。 

当時の「キリンビールは本物のビールではない」ことを知ったオジサンは、新しくできた量販店に車で缶入り「サントリーモルツ」を24缶買っていたが、地元の酒屋よりかなり安い値段で手に入った。
 
そして気が付いたら、その酒屋はあるコンビニのチェーン店に替わっていた。 
 
そのコンビニも長くは続かず、いつの間にか閉店していた。
 
しかしながら町の酒屋さんが、酒の安売りを規制する法案によって生き残れるとは、とても考えられない。
 
法律だけでは、酒店の経営者の高齢化、後継者不足といった、小規模小売店共通の問題を解決できないからである。
 
そうなると、自民党の連中の狙いは別のところにあるのではないだろうか。 
 
そんな疑問に答えるような記事が出ていた。 
 
<弱者の味方は大ウソ!? 法改正で“酒の安売り禁止”の本当の狙い>
 2015年5月10日(日)17時0分配信 週刊実話
 酒の安売りはNO!
 われら庶民のささやかな楽しみを奪う、驚くべき法律が近く成立しそうだ。自民党がディスカウントストアや量販店などで横行する酒類の安売り競争に歯止めをかけるため、酒税法改正法案を議員立法で今国会に提出する。公明党も同調する見通しで、多くの国民が目を剥く“天下の悪法”成立が現実味を増してきた。
 なぜ酒の安売りを規制するのか。自民党の野田毅税調会長は法案提出の方針を承認したことを受け、「安売り競争で小売酒販店が廃業に追い込まれていくという悲惨な状況が続いてきた。何でもありは見直さないといけない」と強調した。まるで町の酒屋さんの利益代表を買って出た図式だが、「本当の狙いは別では」と量販店関係者は指摘する。
 採算を度外視したような安売り競争がなくなれば、ビール会社は莫大な販売奨励金を注ぎ込む必要がなくなり、収益力が飛躍的に向上する。だからこそ「利益の一部を自民党に献金させる魂胆ではないか。むろん、延命策を施す酒屋の組合からもタップリ吸い上げる二兎作戦」と疑っているのだ。
 これには“伏線”がある。今秋の消費税率10%引き上げが先延ばしされた上、「酒税引き上げは昨年12月の総選挙で自民党にマイナス」との政治判断から、土壇場で急きょ見送られた。その時点で自民党税調は「各社の開発・販売競争が税率の安いビール類に偏っているのは問題だ」と、将来の税率引き上げに含みを持たせていた。その脈絡で捉えると、庶民を敵に回す今回の安売り規制は極めてわかりやすい。
 「これが他の業種に波及する可能性は十分ある。最大の焦点は、町の電器屋を次々と閉鎖に追い込んでいる家電量販店で、今や日本を代表する電機メーカーでも頭が上がらない。もし自民党税調が家電量販店を新たなターゲットに据えたら、電機メーカーは拍手喝采でしょう。市場規模は酒類の比ではなく、その分吸い上げる献金額もハンパではありません」(永田町関係者)
 安売り規制の本質は、庶民に「ぜいたくは敵」と知らしめることらしい。
 
「利益の一部を自民党に献金させる魂胆ではないか。むろん、延命策を施す酒屋の組合からもタップリ吸い上げる二兎作戦」なら、自民党なら「さもありなん」という権力を背景とした昔の悪代官と酒問屋との関係という構図であろう。
 
しかし、最近ではメディアに対して放送法を根拠に、自分たちにとって「公正公平」で「不偏不党」な放送をしなければ、放送免許取り消しという恫喝を行った自民党である。
 
財務相が酒税法などを改正し、酒の「公正な取引基準」を作成し基準に違反して、改善命令にも従わない業者については、罰金を科したり、販売免許を取り消すという脅しの下地を作れば、酒販売業者は創意工夫による自由競争が出来なくなる。
  
もしも、安売り規制の本質が、庶民に「ぜいたくは敵」と知らしめることだとすれば、、資本主義のまま、国家が戦争を遂行するため、個々の経済主体の経済行為を組織的に、しかも直接的・強制的に規制していくという「経済統制」の足掛かりになるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年05月10日

世論の後押しで潮目は変わった

沖縄振興特別措置法が出来た背景には、歴史的・地理的・自然的な事情を考慮したことによるのだが、最も大きいのは「国土面積の0.6%の沖縄に在日米軍専用施設・区域の約74%が集中している」という社会的事情であることは言うまでもない。
 
その社会的事情を少しでも緩和するために、長年政府自民党は振興予算という金を与え続けてきた。
 
しかし振興予算をもらうことが常態化してしまうと、やはり基地負担軽減策が必要となってくる。
  
これは自然な流れなのだが、基地負担を軽減するためには沖縄にある米軍の諸機能を「本土」にも移すという話になる。
 
本来はすべての米軍基地を撤去することが真の独立国の証なのだが、「日本を取り戻す」といって憚らなかった安倍晋三首相は矛盾を承知で米国隷属主義に邁進している。
 
やはりオスプレイは高価な『非行機』である」に中で、「米軍、横田にオスプレイ 年内にも 本土初の配備へ」と題する朝日新聞の記事を紹介し、東京都の福生市など5市1町にまたがる横田基地周辺は市街化が進んで人口密集地になっているから危険なオスプレイCV22配備には反対という内容であった。
 
それなら沖縄なら良いのか、という話になりこのメディアでは社内論議の末、以下のようなタイトルになったという。 
 
<横田・辺野古「問題は同じ」 住民の反対無視>
 2015年5月10日 07時05分 東京新聞
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昨年7月、米軍横田基地に着陸するオスプレイ=東京都羽村市上空で、本社ヘリ「あさづる」から(嶋邦夫撮影)
 
 米政府が、空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイを、2017年から米軍横田基地(東京都福生市など)に配備する方針を9日、明らかにした。初の本土常駐で、基地負担に苦しむ沖縄県の住民感情に配慮したとされるが、沖縄では「訓練が続けば、負担軽減に逆行する」との見方もある。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾市(ぎのわんし))の名護市辺野古(へのこ)への移設では、国は県や住民の反対をよそに強行する構えだ。何の説明もなく決まった横田配備に、首都圏の基地周辺住民からも「民意無視は全く同じだ」と憤りの声が上がる。
 「『計画はない、知らない』と言いながら、国民に知らせるときには決定している。普天間の移設問題でもそうだ」
 横田基地周辺の5市1町の1つ、立川市の元市議で市民団体「横田基地問題を考える会」メンバーの島田清作さん(76)は、オスプレイ配備方針の決定に「日本にオスプレイは必要ない。米国が必要なら米本土に配備すればいい。沖縄の負担軽減のため横田、というのは全くの筋違いだ」と、怒りを露わにした。
 米軍がオスプレイの横田配備に初めて言及したのは、2013年夏。米太平洋空軍司令官が日本配備先として横田基地を候補と明言し、波紋を広げた。島田さんは今年3月、6つの在日米軍基地の騒音訴訟団が政府に申し入れを行った際、この件を防衛省の担当者にただしたが、担当者は「日米間でそういう話はしていない」と答えたという。
 「地元が意見を差し挟まないようにして強行する。普天間同様、横田でもそうするつもりなのか」
 島田さんは「横田に来るのはオスプレイだけではない」とも。米国防総省は最新鋭ステルス戦闘機F35の整備拠点を将来、日本に置くと発表している。エンジン整備拠点は横田に隣接するIHI瑞穂工場とされ、「東京の住宅街にある横田が、騒音や危険をまき散らす戦闘機の基地になっていく。絶対反対を強めなければ」と意志を固める。
 福生市の奥富喜一市議(66)も「こんなに早く配備されるとは思っていなかった。北関東防衛局は否定し続けてきた。だまし討ちに遭ったような気持ちだ。反対運動を大きくしていきたい」と、国への不信感を口にした。 (榎本哲也、林朋実)
 
辺野古新基地建設に反対している沖縄に対して、話し合いの努力をしているというアイバイ的なセレモニーのために中谷元・防衛相は沖縄県庁まで出向いていた。
 
<「辺野古が唯一」政権強固 沖縄知事と防衛相会談>
 2015年5月10日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 中谷元・防衛相は9日、沖縄県庁で翁長雄志(おながたけし)知事と会談した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設は「唯一の解決策」か「不可能」か。双方の主張は平行線のままで、認識の違いが際立った。安倍晋三首相が訪米し、オバマ米大統領に辺野古移設の推進を約束したことで、国と沖縄県との溝は一層深まっている。
 ■重い「米に約束」
 「どう考えても普天間の辺野古移設は唯一の解決策だと私は確信している」
 防衛相に就任後、初めて沖縄を訪れた中谷氏は、翁長氏に断言した。
 これに対し翁長氏は「辺野古に基地を建設するのは不可能だ。沖縄県として絶対反対していく」と厳しく反論。中谷氏がこれまで「話し合っても溝が深くなるだけだ」などと会談に応じてこなかったことを、「高飛車な発言が聞こえてきた」とも批判した。約40分間の会談で双方の主張はかみあわなかった。
 安倍政権には、かたくなにならざるを得ない事情があった。中谷氏も出席し、4月に米国で開かれた日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で、両国は辺野古への移設について「普天間飛行場の固定化を避けるための唯一の解決策」との認識で一致。安倍首相もその後の日米首脳会談で「辺野古移設が唯一の解決策」と表明した。
 中谷氏はこの日の会談で、「米国もアジア太平洋に力を入れていく。日本にも米国にも、沖縄は戦略的に極めて重要な位置に存在する」と強調。菅義偉官房長官もこの会談に先立ち、「辺野古は米国との約束だ。絶対に譲れない」と周囲に語った。
 中谷氏は翁長氏に、2プラス2では沖縄の基地負担の軽減を米国に要請したことも強調した。ただ、「抑止力を維持するという両方の仕事をしなければならない」とも語り、「移設を進めていきたい」との考えは最後まで崩さなかった。
 4月の2プラス2や日米首脳会談を経て、沖縄県との隔たりがさらに広がったという見方は、政府内にもある。防衛省幹部は「米国との間で辺野古移設が『唯一の解決策』との認識を共有したため、沖縄とは対話する余地がなくなってしまった」と話す。
 ■翁長氏、訪米戦略
 政権の姿勢に変化はないが、会談後に記者会見した翁長氏に悲壮感はなかった。「会談は(政権の)アリバイ作りだとも言われるが、主張を多くの方に聞いてもらわなければ、この問題は変わらない」
 背景には、政府要人との会談を通じて、沖縄への本土の世論の関心が高まっている、との手応えがある。4月の菅官房長官との会談前後から、報道機関は相次いで辺野古移設に関する世論調査を実施。多くは、政府の進め方を評価しない意見が多いとの結果だった。中谷氏との会談では、これらの結果を踏まえ「本土の沖縄への理解が深まったことに意を強くしている」と語った。
 今後、翁長氏の動きの焦点となるのは、自らの訪米と、移設工事に不可欠な県の承認や許可の撤回・取り消しをするかどうかだ。9日の会見で、許可取り消しなどについて質問された翁長氏は「場面、場面で対応を考えていく」と含みを持たせた。一方、訪米については「90数%、5月末に行く」と明言。「辺野古の問題を(日本の)国内問題にしておきたいという米政府の考えもあるだろうが、国内に押し込めておけるかどうか」と、米国世論に直接訴えかける意義を強調した。
 (今野忍、泗水康信)
 
ここまでは従来の日本政府の姿勢の頑なさを確認したような会談で、それを報道するメディアの内容は大同小異であった。 
 
しかし、決して無視できない気にかかる内容を東京新聞だけが報じていた。
 
<「普天間停止 空手形にしないで」 知事、政府に不信感>
 2015年5月10日 朝刊 東京新聞
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 中谷元・防衛相と沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事が9日、県庁で初めて会談した。翁長氏は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対した上で、普天間飛行場の5年以内の運用停止も実現するよう念押しした。 
 5年以内の運用停止は、仲井真弘多(ひろかず)前知事が辺野古埋め立てを承認した際に強く求め、安倍晋三首相が努力を約束した。
 翁長氏は、中谷氏が以前、運用停止の定義について「飛行機が飛ばないこと」と国会答弁しながら、その後「幻想を与えるようなことは言うべきでない」と撤回したことに不信感を示した。「5年以内の運用停止は埋め立て承認の大きな柱。空手形にならないようにしてほしい」と求めた。
 中谷氏は会談後、記者団に「あらゆる努力を通じて実施したい」と話した。
 
中谷元・防衛相と翁長雄志知事との会談は冒頭のみ公開されたので、詳細な話の内容は不明である。
  
しかし「5年以内の運用停止は埋め立て承認の大きな柱。空手形にならないようにしてほしい」という発言は何を意味しているのだろうか。
 
あたかも「普天間の5年以内の運用停止が確約されれば埋め立て承認してもいい」と解釈できてしまう。
 
琉球新報の会談冒頭の録画を見る限り、シャッター音がうるさくて確認できなかった。
 
 
 
その後の翁長雄志知事の記者会見の録画を見る限りでは、知事の決意の強さを再確認できたので、潮目は変わり沖縄に世論の後押しあり、とオジサンは思った。
 
 
 
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2015年05月09日

やはりオスプレイは高価な「非行機」である

先日「国民をバカにするお試し改憲発想」の中で紹介した記事中に「自民党の船田元氏は緊急事態条項、環境権に加え、時の政権が際限なく借金を拡大させないよう財政の健全性を堅持する財政規律条項の3点を優先して協議するよう提案していた。」という記述があった。
 
その憲法改正にあたっての自民党のお試し改憲部分の3つ目「時の政権が際限なく借金を拡大させないよう財政の健全性を堅持する財政規律条項」があたかも憲法で定めなけれなならないような印象を国民に植え付ける記事があった。
 
<国の借金:1053兆3572億円 国民1人830万円>
 毎日新聞 2015年05月08日 19時48分
 財務省は8日、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が2014年度末時点で1053兆3572億円になったと発表した。13年度末から28兆4003億円増え、過去最大を更新した。高齢化に伴い膨らんでいる社会保障費の財源不足を、借金で賄い続けていることが主因だ。
 総務省推計の4月1日時点の総人口1億2691万人で割ると、国民1人当たり約830万円の借金を抱えている計算となる。
 借金の内訳は、国債が881兆4847億円。13年度から27兆7211億円も増え、借金依存の体質をあらためて浮き彫りにした。
 
2014年度末時点の国債と借入金、政府短期証券の合計金額など、もっと早く集計されているにもかかわらず、このタイミングで発表するというのは安倍政権の意図的な情報操作であることは想像に難くない。
 
「高齢化に伴い膨らんでいる社会保障費の財源不足」と言いながら安倍政権は消費税増税後に米国債5兆円を購入し中国を抜いて米国債保有額では世界1位になり、さらには「安倍政権が外国にばらまいた金額一覧」によれば、2012年の政権に返り咲いた以降、海外での税金のバラマキは軽く50兆円を軽く超えている。
 
このような国民の生活とは無関係の税金の使い方は、ゴールデンウィーク中の訪米により、さらに激しくなっていた。 
 
<日本にオスプレイ17機売却 社会保障費削減分に匹敵 総額3600億円
  想定価格の2倍超える 米国防総省 議会に通知>
 2015年5月8日(金) 赤旗
 米国防総省は5日、垂直離着陸機V22Bオスプレイ17機と関連装備を日本に売却する方針を決め、米議会に通知しました。
 同省の国防安全保障協力局(DSCA)によると、価格は推定で総計30億ドル(約3600億円)。2015年度の社会保障予算削減分3900億円に匹敵する金額です。
 日本政府はオスプレイの購入価格として1機あたり100億円程度を想定しており、15年度軍事費に計上した購入経費も5機分で516億円でした。しかし、米側の提示した価格は1機あたり約212億円で、想定の2倍以上です。
 米国製オスプレイの最初の輸出先はイスラエルの予定でしたが、同国が昨年末にとりやめたため、日本が最初の輸入国になる見通しです。このままでは、消費税増税分が社会保障費ではなく、米国の軍需産業を潤すという、異常な対米従属政治になりかねません。
 DSCAが通知したのは最新鋭のブロックCで、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備されているMV22Bオスプレイと同世代です。また、日本側が売却を求めていた関連装備としてロールスロイス社製エンジン40基や通信・航法システムなど12品目、予備の部品などを挙げました。
 防衛省は19年度から陸上自衛隊にオスプレイ17機を順次配備し、佐賀空港を拠点とする計画です。
 DSCAは「V22BブロックCの売却は陸自の人道支援・災害救助能力や強襲揚陸作戦の支援を高める」と指摘。同機の配備が、自衛隊の「海兵隊」化=強襲揚陸能力の向上につながるとの考えを示しました。
 また、DSCAは日本へのオスプレイ配備には「何の困難もない」と述べています。しかし、佐賀空港を抱える地元の佐賀市は「(空港の軍事利用を否定している)公害防止協定が前提だ」(秀島敏行市長)との態度を崩していません。

防衛省は垂直離着陸ができ、離島への部隊展開が可能などと説明しているらしいが、それほど性能が優れたヘリなら、なぜ、他国はこれまでに1機も買っていないのか不思議である。
 
当初は6機購入を計画していたイスラエルですら、昨年10月に計画を中止していることからも、米国でも世界でも“お荷物扱い”の「バカ高いヘリ」を日本は売りつけられたということになる。
 
軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は日刊ゲンダイの記事でこう言っていた。
 
「オスプレイは機関砲もない単なる輸送機で、通常は輸送機なら1機30億〜50億円ほどが相場です。それに大型の輸送ヘリが必要なら、警視庁や海上自衛隊も使っている国産の『CH−101』(約20億円)で十分ですよ。メンテナンス費用も安く、使い勝手もいい。オスプレイ購入は日本にとってかなり高い買い物です」
 
改めて、オスプレイの輸送機としてのハードの脆弱さを確認しておく。
 
  
 
すでに沖縄の普天間基地にもオスプレイMV22が24機配備されているが、MV22とは搭載する電子機器などが異なるCV22を本土の都内の横田基地に10機も配備するという。
 
<米軍、横田にオスプレイ 年内にも 本土初の配備へ>
 2015年5月9日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 米空軍が横田基地(東京都福生市など)に新型輸送機オスプレイを配備する方針を固めたことがわかった。米軍のオスプレイは現在、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場には配備されているが、日本本土への配備は初めてとなる。米空軍は、早ければ年内にも配備を始め、最終的には10機程度とする見通しだ。
 オスプレイは、垂直離着陸ができる米軍の新型輸送機で、米空軍が配備を予定しているのは空軍仕様機CV22。沖縄県の普天間飛行場にも米海兵隊の別型のオスプレイMV22が、24機配備されている。米軍は、これに加え10機程度を新たに横田に配備することになる。CV22はMV22とは搭載する電子機器などが異なる。
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 オスプレイは開発段階などで事故が相次ぎ、沖縄では配備に反対する声がいまも強い。CV22も、2012年には米フロリダ州で墜落事故を起こしている。
 CV22は、米空軍の特殊作戦部隊が使っており、低空飛行など危険性の高い任務に使うことがある。普天間の米海兵隊オスプレイと同様に、日本国内各地で低空飛行訓練を行う可能性があるうえ、横田基地から訓練や任務に向かう際、離着陸時の安全性や騒音の問題が起きるおそれもある。
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 横田基地には在日米軍司令部が置かれており、日本国内の米軍の拠点となっている。12年3月には、米軍とのミサイル防衛の情報共有を強化するため、航空自衛隊の航空総隊司令部が横田基地に移転した。横田基地は東京都の福生市など5市1町にまたがる。基地周辺は市街化が進んで人口密集地になっている。配備されれば、地元住民や自治体が安全性を懸念して反発する可能性がある。
 米空軍はアジア太平洋地域へのオスプレイ配備を進めている。13年7月には、候補地として横田基地と米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)を挙げた。その際には地元から反発が起きたが、防衛省は関係する国会議員らに対して、「日米同盟の抑止力、対応力の向上や、アジア太平洋地域の安定に寄与する」とし、米軍の検討に理解を求めた。
 
「機関砲もない単なる輸送機」であるオスプレイの本土配備が、どうして「日米同盟の抑止力、対応力の向上や、アジア太平洋地域の安定に寄与する」のか、防衛省はいまだに詳細な説明はしていない。
 
さて、4月25日に発生したネパール大地震によりネパール国内と周辺国を含めると死者は8000人を超えるという。
 
世界各国から救援隊が駆けつけ、さらには多くの救援物質が空輸されているのだが、日本が米国から1機あたり約212億円で買わされようとしているオスプレイが、ネパールでとんでもない「ミスプレイ」を演じているらしい。 
 
オスプレイ、ネパール支援中に屋根吹き飛ばし「使えない」と報じられる
 投稿日: 2015年05月08日 18時54分 JST
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4月25日に発生したネパール大地震で、アメリカ政府はオスプレイ4機を救援活動のために、沖縄の普天間飛行場から現地に派遣した。4機は5月3日、首都カトマンズの空港に到着し活動を開始。しかし、活動の最中に住宅の屋根を吹き飛ばしてしまい、地元紙に「使えない」と報じられたという。沖縄タイムスが現地紙「カンティプール」の記事を伝えた。
カンティプールは在日ネパール国大使館も紹介する日刊紙。記事は「オスプレイは使えない、アメリカから4機が到着」という見出しで英語で書かれており、5月5日にインターネット上で配信された。4機のうち1機が、ネパール中央部ドラカのチャリコート地区本部まで300キロの救援物資を輸送する際、住宅の屋根を吹き飛ばす被害を発生させたという。
現地にいるロイターのロス・アドキン記者は5日、「アメリカのオスプレイが、チャリコート地区への支援活動からの撤退に直面している。ローターが強力すぎて、建物を損傷させる懸念がある」とツイートした。


オスプレイは長距離を飛ぶことができ、また大量の貨物を輸送できる。しかし、ネパールのような山岳地帯では、必ずしも便利というわけではない。ウォール・ストリート・ジャーナルは、オスプレイが山岳地帯で使われる際の欠点を、「狭い場所では、巻き上げた砂煙が視界を悪くし、空中に停止するホバリングも難しくなる」と解説した。
オスプレイのローターが巻き起こす砂埃がどれほどのものか、実際にネパールで支援活動を行っている在沖縄米軍基地所属部隊の動画を紹介しよう。

 
こんな体たらくな「未亡人製造機」と呼ばれていた「非行機」は、決して日本国民の命と暮らしを守るわけがない、とあらためてオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:15| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月08日

国民をバカにするお試し改憲発想

米国の上下両院合同会議で米国人が喜びそうな情緒的な美辞麗句をちりばめた演説では、過去の歴史認識問題に関しては事前に米側の意向を聞いてなんとか切り抜けたと思っている安倍晋三首相。
 
しかし従軍慰安婦問題に関しては曖昧な表現に終始し、それについては5日、米の日本研究者ら187人が「日本の歴史家を支持する声明」と題する文書を発表し、その中で歴史解釈、中でも慰安婦問題については、下記のように指摘していた。
 
・・・前略・・・
その中でも、争いごとの原因となっている最も深刻な問題のひとつに、いわゆる「慰安婦」制度の問題があります。この問題は、日本だけでなく、韓国と中国の民族主義的な暴言によっても、あまりにゆがめられてきました。そのために、政治家やジャーナリストのみならず、多くの研究者もまた、歴史学的な考察の究極の目的であるべき、人間と社会を支える基本的な条件を理解し、その向上にたえず努めるということを見失ってしまっているかのようです。
 元「慰安婦」の被害者としての苦しみがその国の民族主義的な目的のために利用されるとすれば、それは問題の国際的解決をより難しくするのみならず、被害者自身の尊厳をさらに侮辱することにもなります。しかし、同時に、彼女たちの身に起こったことを否定したり、過小なものとして無視したりすることも、また受け入れることはできません。20世紀に繰り広げられた数々の戦時における性的暴力と軍隊にまつわる売春のなかでも、「慰安婦」制度はその規模の大きさと、軍隊による組織的な管理が行われたという点において、そして日本の植民地と占領地から、貧しく弱い立場にいた若い女性を搾取したという点において、特筆すべきものであります。
・・・後略・・・
 
その昔、評論家の佐高信は「クリーンなタカ派の小泉より、ダーティでもハト派の加藤紘一を選ぶと書いたことがある。それについて、クリーン過ぎる市民派の集会で、ダーティなハトより、やはり、クリーンなハトを推すべきなのではないか、と質問されて、呆然とした。残念ながら、クリーンなハトはほとんど絶滅危惧種となっているので、クリーンなタカよりはダーティなハトをと説明した」と語っていたが、それから10年も経って、蘇った安倍晋三の周りにはダーティーなタカだらけになってしまった。
 
ところが、驚くべきことに「自民党:若手『ハト派』が初の勉強会 約20人出席」という記事を見つけたのだが、「歴史修正主義的な過剰なナショナリズムを排し、保守の王道を歩む」という設立趣意書を掲げ、「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」が7日、国会内で初会合を開いたという。
 
下記のメンバーを見ると衆議院当選1回から2回という、2012年と2014年の安倍晋三総裁の下での総選挙で当選した若手たちである。
 
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「歴史修正主義的な過剰なナショナリズム」に凝り固まった安倍晋三を排して保守の王道を歩む」なら大したものである。 
 
さて、憲法記念日が過ぎて国会内では憲法をいじくりたい連中が集まって談合らしきことを始めたようである。 
 
<衆院憲法審 自民、改憲項目絞る 緊急事態など賛同狙い>
 2015年5月8日 07時01分 東京新聞
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 衆院憲法審査会は7日、昨年末の衆院選後初めての自由討議を行い、実質審議に入った。安倍晋三首相は米議会演説で、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法案の今夏成立を明言した。首相が次に目指すのは悲願である改憲。来年夏の参院選後の発議を目指し、大規模災害に備える緊急事態条項の新設や、環境保全に対する国の責務などを新たに定める環境権の追加など、他党の賛同を得やすい項目の絞り込みを急いでいる。 (大杉はるか)
 審査会の委員は、国会内会派の所属議員数に応じて決まるため、生活、社民両党を除く6党で構成する。
 自民党の船田元氏は緊急事態条項、環境権に加え、時の政権が際限なく借金を拡大させないよう財政の健全性を堅持する財政規律条項の3点を優先して協議するよう提案した。特に緊急事態条項について「(任期満了直前の)大災害に対応するため、国会議員の任期延長などをあらかじめ憲法で規定することが急務だ」と強調した。維新、公明、次世代の3党が緊急事態条項の必要性に言及した。
 国会が改憲を発議するには、衆参両院でそれぞれ総議員の3分の2以上の賛成が必要。自民党は衆院で3分の2に迫る議席を持つが、参院は現在、過半数に届かない。来夏の参院選では次世代など改憲勢力で3分の2の議席確保を目指すが、容易ではない。そのため、他党が理解を示す緊急事態条項などの協議を優先させ、発議に向けて幅広い合意をまとめたい考えだ。船田氏は「九条は党として早く改正したいが、国論を二分する問題だ。各党が関心事項として挙げているところから議論を始めるのは自然な流れだ」と明言した。
 公明党の斉藤鉄夫氏は新たな理念を加える「加憲」の考え方をあらためて提唱し、環境権について「対象とする姿勢は変わらない」と述べた。次世代も環境権の必要性に言及した。
 民主党の武正公一氏は、安倍首相が国会で憲法は連合国軍総司令部(GHQ)によって押しつけられたと述べたことについて「押しつけ憲法だから改正するという主張の是非を、議論の前提として各党で確認する必要がある」と指摘。首相の憲法観などをめぐり自民党の見解を聞く考えを示した。また、首相が昨年、衆院を唐突に解散したとして、7条に関する首相の解散権を制限するよう求めた。共産党は改憲自体に反対で、前提となる審査会は開催すべきではないと主張した。
 <憲法審査会> 憲法に関する総合的な調査や改憲原案を審査する国会の機関。改憲手続きを定めた国民投票法に基づき2007年8月、衆参両院に設置された。委員数は衆院50人、参院45人。改憲案が提出された場合、両院の憲法審査会が審査後、両院でそれぞれ総議員の3分の2以上が賛成すれば60〜180日の間に国民投票が実施される。
 
どう考えても、立憲主義の精神から権力者(国会議員も含む)の横暴を制御、監視するのが憲法であり、「(任期満了直前の)大災害に対応するため、国会議員の任期延長などをあらかじめ憲法で規定することが急務だ」と意味不明な「緊急事態条項」はまやかしである。
 
戦争法案と呼ばれる各種の安保法制では、様々な事態が明記されているが、その事態の明確な定義は曖昧であり、この緊急事態条項における「緊急事態」も時の政府の判断でいかようにも解釈され、かつ総理大臣に最高特権を与えるようになれば、「戒厳令」がいとも簡単に出現するかもしれない。
 
<改憲論議、入り口から溝 自民、合意へ妥協も>
 2015年5月8日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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憲法審査会での主な意見/自民党が描く憲法改正スケジュール
 早期の憲法改正をめざして「2段階戦略」をとる自民党の頭には、「緊急事態条項」「環境権」「財政規律条項」という3枚のカードがある。自民党は各党の合意を得やすいとみるが、そのイメージはばらついており、そう簡単ではない。一方、民主党や公明党は立憲主義や国民的議論といった「そもそも論」の必要性を主張。結論を急がぬよう求めた。
 「緊急事態条項、環境権をはじめとする新しい人権、財政規律条項。これらのテーマを優先的に議論してはどうか」。憲法審査会のトップバッターとして発言した自民党憲法改正推進本部長でもある船田元氏は切り出した。
 この三つは自民が掲げる「2段階戦略」のカードだ。いずれも昨年11月にあった審査会の自由討議で、各党が前向きな姿勢を示している。自民は、まず与野党で一致できるのではないかとみる3項目から改正に向けた具体的な議論を開始。憲法改正に対する国民の抵抗感を薄め、2回目以降で前文や9条改正につなげるシナリオを描く。
 船田氏は3枚のカードの中でも、とりわけ「緊急事態条項」を最優先とし、「大規模自然災害発生時などに、国会議員の任期が延長できることなどを規定することが急務だ」と強調した。民主の野田内閣が2011年、緊急時の国会議員の任期について「臨時特例法制定により国政選挙の期日延期や国会議員の任期延長はできない」との答弁書を決定。憲法改正をしない限り、緊急時に国会議員が不在の場合の対応ができないことを明確にしたため、反対できないとみているのだ。
 実際、この日の憲法審査会では民主、公明、維新の各党が「緊急事態条項」の必要性は認めた。ところが「看板」はともかく、具体的な「中身」となると意見の隔たりが大きい。
 自民が12年に発表した憲法改正草案では、「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国、その他公の機関の指示に従わなければならない」と、個人の権利が制限されうることを明記。自民党内ですら「戒厳令を思わせる」(副大臣経験者)との意見がある。
 これに対し、民主の武正公一氏は「非常時も国民主権や基本的人権の尊重が侵されることなく、憲法秩序が維持される仕組みの明確化や首相の解散権の制限」を設けるべきだと主張した。
 船田氏はこの日の審査会で「衆参両院の3分の2以上の合意を得るために、大いなる妥協を続けることとなり、結果として草案は元の姿ではなくなる」と語ったが、折り合えるかどうかは不透明だ。
 環境権もハードルが高い。「加憲」の一例として掲げてきた公明内でも、否定的な意見があるためだ。公明党憲法調査会長代理の斉藤鉄夫氏は審査会で「憲法13条の幸福追求権と環境基本法の理念がすでにあり、それよりも上位の概念をどう提示するか技術的な課題もある」と述べた。環境権を根拠に、経済開発などをめぐって訴訟が多く起こるのではないかとの懸念も大きい。
 財政規律条項についても、柔軟な財政出動ができなくなるとして、自民内からさえ「アベノミクスを制約する」との意見が根強い。そもそも、何をもって財政規律と見なすかの線引きも難しい。
 3枚のカードを先行させる戦術に、審査会では自民内からも公然と批判が飛んだ。
 民主の辻元清美氏が「本来は9条を改正したいが、簡単なところからという『お試し改憲』という話すら漏れ伝わってくる」と批判すると、自民の山田賢司氏も「珍しく辻元議員と意見が合う。合意を得やすいところからではなく、やらないといけないところからやらないといけない」。
 ■「自・維連合」民・公は警戒
 自民が念頭に置く3枚のカードに「あら」も見える中、性急な憲法改正に慎重な民主、公明両党は、「そもそも論」で改憲論議の加速にブレーキをかけたい考えだ。
 「立憲主義からいえば、一内閣が都合のよいように恣意(しい)的に憲法解釈を変更することはあらざるものと言わざるを得ない」。民主の武正氏は審査会で、安倍晋三首相による集団的自衛権の行使容認の憲法解釈変更を批判した。憲法で権力をあらかじめ縛っておく「立憲主義」という大きな論点を持ち出すことで、具体的な改正論議に入るのを阻止したい考えだ。
 民主がこうした方針を取るのは、党内に9条改正を主張する改憲派から、旧社会党出身の護憲派までおり、憲法改正への明確で具体的な見解をなかなか打ち出せないからだ。
 さらに、来年夏の参院選をにらみ、憲法改正に積極的な野党第2党の維新と自民が「改憲連合」を組むのを防ぐ狙いもある。 維新の橋下徹・最高顧問(大阪市長)は7日、審査会の開催を受けて「絶対に憲法改正は必要だ」と記者団に強調した。自民が橋下氏の悲願である「大阪都構想」の実現と引き換えに憲法改正で維新と手を握るようなことになれば、国会での民主、維新の野党共闘が不発に終わるほか、参院選での選挙協力も困難になる可能性がある。そうなれば、自民に漁夫の利をもたらす結果となる。
 自民と維新の改憲連合に警戒を強め、結論を先送りしたいのは公明も同じだ。自・維が主導し、憲法だけでなく、あらゆる政策を決める枠組みができかねないからだ。
 公明は1964年の結党時に「平和憲法擁護」を掲げており、何を改正するかも支持母体の創価学会の理解が必要だ。いまの憲法の大枠を維持する一方、環境権など「新しい権利」を加える「加憲」を掲げてきたが、「改憲の中身を詰めるのは相当時間がかかる」(幹部)という。
 公明の斉藤氏は審査会で「国民的合意形成に向けて、冷静かつ慎重に議論を進めていくべきだ」と強調。改正で自民と維新の連合が進んでいくことを牽制(けんせい)した。山口那津男代表も審査会を受け、7日の記者会見でこうクギを刺した。「まだ出発点に立ったばかりではないか」(安倍龍太郎、渡辺哲哉、池尻和生)
 
中身の見えない瓶に何が入っているか分からない場合は瓶の外側には単なるラベルではなく「レッテル」を貼る。
 
特に「取扱い注意」とか「危険物」などは正確に表示されなければならない。
 
安全保障関連法案を「戦争法案だ」と表現されて安倍晋三首相は「レッテルを貼って、議論を矮小化していくことは断じて甘受できない」と反論したが、法案の中身が国民に分かりやすくするのはキチンとレッテルを貼ることが大切であり、「議論を矮小化」という安倍晋三首相の言葉が、そのまま悪意に満ちたレッテルになる。 
 
先日の横浜・臨港パークでの護憲集会に民主党の長妻昭が政党代表として登壇したが最後に長妻昭は共産党の志位和夫委員長の手をつなぐ求めを拒否したことは、多くの参加者からも民主党支持者からも失望と失笑を買っていた。
 
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その長島昭が憲法調査会ではこんなことを言っていた。  
 

 
この「お試し改憲」というまさに本筋を見事に表している表現に対して、決して安倍晋三に「レッテル貼りだ」と言わせないような議論を野党各党に臨みたいのだが、肝心の共産党はそもそも改憲論の土俵には乗っていないので、よぼど独自色を出さないと「自民・維新」の改憲積極派と、加憲派の公明党の狭間に民主党は埋没してしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
posted by 定年オジサン at 11:59| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月07日

女性の目から見た安倍訪米の反日性

安倍政権による憲法改悪、いや憲法破壊が身近に迫ってくる危機感から、横浜・臨港パークに約3万人が集まった「憲法集会」。
 
その集会が終わるころ、1週間余りの米国内旅行を楽しんだ安倍晋三は帰国した。
 
その日の夕方には山梨県富士吉田市の中国料理店「蓮」で母親、友人、秘書官と食事して鳴沢村の別荘に泊まったまことはいつもの行動なので驚くことはない。
 
驚くべきことは、翌日から3日間連続ゴルフ三昧だったということを、メディアは一切の批評も加えずに垂れ流していたことである。
 
連休最後のゴルフのお相手は、経団連の御手洗冨士夫名誉会長、榊原定征会長、渡文明JXホールディングス名誉顧問だそうで、このメンバーでどんなグリーン密談が行われたのか知る由もない。 
 
もっとも安倍晋三の心中を察すれば、卒業旅行として最後の訪米をした際に本人の靖国神社参拝問題により米国議会演説ができなかった元小泉純一郎首相を超え、しかも敬愛する母方の祖父である岸信介もできなかった上下両院合同会議での演説を行い、「米国民の心とらえた“絆”スピーチ、満場の拍手35回…安倍氏への親近感醸成」と政府広報紙から絶賛されたことから高揚感がみなぎって訪米の疲れなんか感じなかったのだろう。
 
オジサンも「連休中なので取るに足らぬ話など・・」で軽く安倍晋三の演説に関しては「安倍首相の演説が笑いモノに『8割の米議員わからず』の声も」という批判的なメディアに記事を紹介した。
 
最近では経済紙のワシントン特派員経験のあるジャーナリストの町田徹が「賞賛された“はずの”安倍首相演説、なぜ米国メディアから酷評されたのか?」という文章を書いていた。
 
・・・前略・・・
 だが、ほとんど日本で報じられていないが、米国にも明確な安倍演説への批判が存在した。それは、米有力メディアの報道だ。裏返せば、その点こそ多くの米国市民が関心を持ち、日本と安倍首相に期待、もしくは警戒したりしていたと取れる。
 例えばリベラルで知られるニューヨークタイムズは29日の電子版政治面で『安倍晋三首相、演説で貿易協定の突破口に言及せず』という見出しの記事を掲載。リード部分から、安倍首相が「日本はいま、経済改革の『クォンタム・リープ(量子的飛躍)』のさなかにあると自画自賛しながら、難航する太平洋地域の貿易協定に懐疑的な上下両院の議員たちに、合意を後押しするような具体的な譲歩を一切示さなかった」と酷評した。
 また、米国唯一の全国紙であるUSAトゥデイは、30日付電子版で『安倍首相、議会演説で貿易協定の後押しを要請』という見出しの記事を掲載。その中で、安倍首相が「私たちは、長年続いた農業政策の大改革に立ち向かっています。60年も変わらずにきた農業協同組合の仕組みを、抜本的に改めます」「日本は、どんな改革からも逃げません」と強調したことを取り上げた。そして、かねてTPPに批判的なミシガン選出のサンディ・レビン議員のコメントを引用、「首相の演説には、長年閉鎖的な農業や自動車の市場を開放するという兆候がなんら見いだせない」と切り捨てた。
 加えて、USAトゥデイが指摘したように、農業分野はまだ農協改革に着手しただけの段階だ。株式会社の農業参入などの懸案を先送りした“やったふり改革”を材料に、「日本は、どんな改革からも逃げません」と大見栄を切っても迫力不足の感は否めない。他の分野でも、外国人労働者や移民の受け入れ拡大といった重要テーマに知らんふりを決め込み、女性に出産と仕事の両立を強いる女性活用策しか講じずに「人口減少を反転させるには、なんでもやるつもりです」と語るなど、大言壮語が過ぎた感がある。
 経済紙のワシントン特派員をした筆者の経験からいえば、米国社会が日本に対して持つ関心となると、歴史認識や安全保障といった問題より経済的役割への期待のほうが圧倒的に高いのが実情だろう。安倍首相の歴史的な議会演説は、そのことを改めて明らかにするとともに、美辞麗句で米メディアの評価を得ることの難しさも浮き彫りにしたといえる。
 
男社会の目からの賛否の記事は多くみられたのだが、女性から見た安倍演説に対する批判的で辛辣な記事もいくつかあった。
 
アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫と2人の子ども暮らすピアノ弾き&教師が自身のブログ「ウィンザー通信」でこんな風に演説をやんわりと批判し、日米防衛協力のための新しいガイドラインの合意には厳しく批判していた。
 
<『積極的平和主義』=アメリカの破壊・殺人行為に協力すべく、自衛隊を米軍の下請けに差し出す政策>
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夫は英文が意味する白々しさに、わたしはこの→(顔上げ、拍手促す、収まるのを待ち、)注意書きに、苦笑の連続だったのですが、なにやら日本では、というか日本の大手報道社では、非常に高い評価を与えていたそうですね。
ああいう演説で、聴衆の議員たちが立ち上がって拍手をするのはいつものことで、だいたいどういうタイミングでするかも決まっています。
そんなことも知ってか知らないでか、スタンディングオベーションを受けた首相などと賞賛するマスコミって、仕事をちゃんとしてないことの証明ですね。
そんなつまらないことよりも、
・まだ日本の国会で議論が始まってもいない安保法制をこの夏までに必ず実現すると、アメリカの国会議員を前に約束した。
・日米首脳が“歴史的な転換”と自賛する日米防衛協力のための新しいガイドラインが、(これまた日本の国民には何の説明もなく)勝手に合意されてしまった。
ことを、ガンガン伝えるべきなのではないでしょうか?
特にこの新しいガイドラインというのは、
・『戦闘や武力行使に一体化しない活動=『後方地域支援』に限定されていたのに、その限定が解除されてしまっていて、
・原則『日本周辺』とされていた活動範囲が、地理的な制約なく米軍に協力すると明記され、
・さらには日本が攻撃された場合に限らずできるようになっているのです。
なので、停戦前のペルシャ湾での機雷掃海や南シナ海での監視活動など、日本に肩代わりさせたい“任務”が山ほどある米軍は、これまで憲法などの制約があってできなかったことでも、首相がすべてお引き受けしましょうと約束してしまったので、
地球の裏側でも、いつでもどこでも、自衛隊を差し向けさせることができるようになります。
「日本海域を越えた偵察活動をよりしやすくなる」by米国防総省高官。
「日本の後方支援をあてこんだ戦略が練れる」by米軍関係者。
まさに、アメリカのアメリカによるアメリカのための新ガイドラインを、安倍氏はわざわざ合意しに渡米したわけです。
税金から約1億円も使って…。
というわけで、日本の自衛隊(安倍氏にとっては我が軍なのでしょうが)は、積極的平和主義とのお題目のもとに、アメリカの覇権に協力するため、米軍の下請けに差し出される集団と化してしまったのです。
・・・中略・・・
ここまであからさまにアメリカに媚びを売る丁稚政権が、今後も権力を持ち続けることは、日本の国益にはならないと思います。
 
女性教師ではないが女性記者も、同様に新ガイドラインについてはその内容を詳細しながら辛辣に非難していた。 
 
<新ガイドラインはすべて米国のため…安倍首相は自衛隊を米軍の下請けに差し出した>
 2015.05.03 LITERA
 今回の安倍晋三首相の訪米をひとことで言い表わせば、ネギを背負ったカモが言葉の限りを尽くしてご主人様に忠誠を誓い、すべてを捧げますと約束するための旅だった。ポスト冷戦でかつての西側諸国が新たな国益をかけた駆け引きを演じるなか、安倍首相はいまさらのように「米国と組み、西側世界の一員」になったことを喜び、「いまも、この道しかありません」とブチ上げた。そして、アジア太平洋地域を重視するアメリカのリバランス(再均衡)戦略を「徹頭徹尾支持するということを、ここに明言します」とまで媚びたのだ。
 日本のマスコミは上下両院合同会議での演説で「侵略」や「おわび」の言葉があるとか、ないとかで騒々しかったが、アメリカがこだわっていたのはそこではない。
 演説で安倍首相は、まだ日本の国会で議論が始まってもいない安保法制をこの夏までに必ず実現すると、アメリカの国会議員を前に約束した。また、演説の2日前の27日には、日米首脳が“歴史的な転換”と自賛する日米防衛協力のための新しいガイドラインが(これまた日本の国民には何の説明もなく)勝手に合意されてしまった。アメリカが期待したのは、まさにこの1点だったと言ってもいい。そして安倍首相は、ご主人様の期待通りのパフォーマンスをして見せたのだ。
 この訪米でハッキリわかったのは、安倍政権が進める安全保障政策は、日本の国益のためというよりは、アメリカの要請というほうがより強い要因だったということだ。なにしろ、合意された新ガイドラインは、アメリカに都合のいいことばかりなのだ。例えば、日米協力における自衛隊の活動は、これまでは戦闘がなく米軍の武力行使とも一体化しない「後方地域支援」に限定されていたが、新ガイドラインでは限定が解除された。さらに、原則「日本周辺」とされていた活動範囲も、今後は地理的な制約なく米軍に協力することが明記された。そしてそのいずれもが、集団的自衛権によって、日本が攻撃された場合に限らずできるようになる。
 これにはアメリカも大喜びだ。防衛費の大幅削減を迫られているアメリカでは、停戦前のペルシャ湾での機雷掃海や南シナ海での監視活動など、日本に肩代わりさせたい“任務”が山ほどある。これまで憲法などの制約があってできなかったことだ。それを、日本の国民には何の相談もなく、すべてお引き受けしましょうと約束してきてしまったわけだ。アメリカ様に言われれば、地球の裏側でも、いつでもどこでも、自衛隊を差し向けますというわけだ。29日付の朝日新聞には「日本海域を越えた偵察活動をよりしやすくなる」といった米国防総省高官のコメントや、「日本の後方支援をあてこんだ戦略が練れる」という米軍関係者のコメントが紹介されている。まさに、アメリカのアメリカによるアメリカのための新ガイドラインなのである。
 ……なんてことを書くと、必ず「いや、そんなことはない」という反論が聞こえてくる。東アジアの国際情勢はますます厳しさを増し、米軍の協力なしに日本の安全保障は確保できない。27日の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)では「尖閣諸島が日米安保条約の範囲に含まれる」ことが再確認され、新ガイドラインでも尖閣を念頭に置いた新たな「離島防衛」が盛り込まれたではないか、と。
 だが、これこそが日本国民をあざむくペテンなのだ。確かに、新ガイドラインに「離島防衛」が書き込まれたのは事実だが、米軍の役割はあくまでも自衛隊の作戦の「支援」「補完」とされ、改定前と変わっていない。
 日本を取り巻く国際環境が厳しさを増し、いかにも有事が迫っているかのような言い方自体が、実は真っ赤なウソなのだ。
 この話を暴露したのは他でもない、元米太平洋軍司令官で米国家情報長官も歴任したデニス・ブレア氏だ。先日、日本外国特派員協会で講演し、次のように明言した。
日中戦争が起きる危険性があるとする報道が多いが、私はそうは思わない。東アジアの軍事情勢は非常に安定しており、そうした状態がずっと続くと私は見ている
 これは、そんじょそこらの左翼政治家の言葉ではない。れっきとした米太平洋軍の元最高責任者でかつ、米CIAをも指揮するアメリカ情報機関の総元締めだった人物の言葉なのだ。したがって、根拠も実に明快だ。
「東アジアの領有権問題は一部例外を除けば、ほとんどが島に関するものだ。島の領有権を変えるには大規模な軍事作戦が必要で、侵略国は空と海の支配を長期間、続けなければならない。しかも、東アジアは東欧や中東のように地続きでないため、国境線を巡る地上戦は起きないし、宗派間、民族間の対立や代理戦争の危険もない」
「中国が尖閣諸島を軍事的に支配できる可能性は極めて少ない。そのようなことを試みれば失敗するし、すごい政治的リスクを冒すことになる」
 そうして、こう断言する。
東アジアを見渡した場合、紛争が起きる可能性があるところは見当たらない
 中国の漁船が大挙して押しかけてきたり、公船が出没したりといったニュースを連日見せつけられていると、明日にでも中国が攻めてきそうな気になるが、冷静に考えればブレア氏のような専門家でなくてもわかる話だ。日本と日本の周辺国とは政治的にどれだけ冷え込んでも経済的には極めて強い相互依存の関係にあり、戦争を起こすことはそれぞれの国の経済破綻につながりかねない。さらに、日本には大きな米軍基地があり、日本を攻撃するということは(世界の軍事の常識では)アメリカに宣戦布告するのと同じだからだ。そんな“危ない”ことをする国がいったいどこにあるというのだろうか。
 北朝鮮がときどき思い出したように日本海に向けてミサイルを発射するのも、単にアメリカの気を引きたいだけの話で、日本の領土に対する野心があるわけではない(もちろん政治体制の崩壊や暴走の危険はあるが)。そう考えると、いったい誰が何の目的で、途方もないコストとリスクをかけて日本を侵略するのか、ということになる。「東アジアを見渡した場合、紛争が起きる可能性があるところは見当たらない」というブレア氏の見解は、あまりに当然のことなのだ。
 前出「2プラス2」の共同発表は安倍政権が掲げる「積極的平和主義」を最大限にもち上げた。〈米国は(集団的自衛権行使を認めた)昨年7月1日の閣議決定、防衛装備移転三原則、特定秘密保護法など、日本の最近の重要な成果を歓迎し、支持する〉とまで書いている。要するに、これらの決定はすべてアメリカに言われてやったことだった。積極的平和主義とはつまり、アメリカの覇権に協力するため、自衛隊を米軍の下請けに差し出す政策と言ってもいいだろう。
 かつて日本の保守派の政治家が自主憲法制定を求めた背景には、対米自立と自主外交を求める姿勢があった。いま保守を自称する安倍首相は、それとは真逆なことをやっているように見える。日本の憲法は本来、唯一日本の主権者である日本国民の意思によってしか改正できない。にもかかわらず安倍政権はアメリカの要求にしたがって憲法改正を経ることなく、専守防衛を謳った現行憲法を、海外派兵を可能にする解釈に変え、しかも、国権の最高機関である国会での議論もないまま、外国人(アメリカ人)との約束を先行させてしまった。
 日本人としてこの行いをどう評価するか。憲法記念の日に際し、じっくり考えてほしいテーマである。
(南 千希)

このような内容はテレビでは一切放映されず、一部のメディアでしか紹介されない。

民放の情報番組や購読者数が数百万の大手紙が報道すれば直ちに多くの国民の眼が覚めるかもしれないが、残念ながらそれは「ない物ねだり」になってしまう。
 
そうならば、「唯一日本の主権者である日本国民の意思によってしか改正できない」日本の憲法を外国の要求に従って変えようとする安倍三対して、ネトウヨ連中が「反日」「売国奴」といったレッテルを貼って批判・非難しなければならない、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 11:42| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月06日

裁判所は三権分立の精神を忘れるな

仕事の心配が無く、潤沢な資金があれば、先月25日の土曜日から一気に「12連休」をゆっくりと海外にでも行って楽しめるのだろうが、多くの善良な勤労者は、精々2日の土曜日から今日までの5日間がゴールデンウィークであった。
 
特に小さな子供がいる家庭の父親はさぞかし大変な苦労を強いられたであろうと同情してしまう。
したにちがいない。
 
大渋滞が予想されても目的地に行かなければならない宿命を負わされたドライバーの父親にとっては、子どもたちを前にして逃げることができない。
 
オジサンは.この時期になると忘れられない苦い思い出がある。
 
東武鉄道が創立95周年(1992年)の記念事業として1993年4月24日に開業した東武ワールドスクウェア。
 
当時小学校2年生になった息子と中学1年生の娘にせがまれて朝早く起きて家族4人で自家用車で開業したての東武ワールドスクウェアに向かった。
 
その日は「こどもの日」だったと思うのだが、その途中までの渋滞は半端ではなかった。 
 
栃木県内に辿りつく前に昼食となり、家から持ってきたお握り弁当を子どもたちは車中で食べ始めた。
 
さらに運転手が必死にノロノロ運転でイラついている間は子どもたちはお昼寝の時間となった。
 
そして目的地まであと数キロという時に、無情な営業終了を告げる午後5時の鐘を車中で聞く羽目になった。
 
仕方なくそれ以上は前には進むことも困難だったので、子どもたちをなだめながらUターンして深夜に帰宅した。
 
それでも親子で遠出したという思い出だけは残った。 
  
原発震災から4年目のゴールデンウィークを迎えた東京電力福島第一原発事故による被災者らが、東電を相手に原状回復や慰謝料などを求めた集団賠償訴訟の原告数が1万人に達する見通しになったという。
 
訴訟を支える「原発事故被害者支援・全国弁護団連絡会」によると、原告数は4月末現在で計9992人に達し、今年に入っても約900人増えており、1万人超えは確実になり、ほとんどの訴訟が国家賠償法に基づいて国も訴えている。

これまでの公害裁判では、沖縄県の米軍嘉手納基地の周辺住民が2011年に騒音被害などを訴えた第3次訴訟の原告数が2万人を超えたが、福島の原発事故をめぐっても異例の大規模な集団訴訟となる見込みである。
 
故郷を奪い、残り人生を破壊されてしまうのが原発事故の悲惨さである。
 
そんな危険な原発を再稼働させないために全国で裁判が起こされているが、4月には全く判断が異なる2つの裁判結果が下された。 
 
4月14日に福井地裁が下した、関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認めないとする仮処分決定と、22日に鹿児島地裁が下した再稼働差し止め却下という決定であった。 
 
しかし鹿児島地裁の決定内容には避難計画や巨大噴火リスクに関する事実認定に大きな問題のあることが明らかになってきた。
 
<地裁差し止め却下 「川内」事実認定に問題>
 2015年5月5日 07時04分 東京新聞
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 九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働差し止めを却下した鹿児島地裁の決定内容を、本紙が検証したところ、主な論点とされた避難計画や巨大噴火リスクに関する事実認定に大きな問題のあることが浮かび上がった。 (小倉貞俊、荒井六貴)
 先月22日の地裁決定は、原発の新規制基準に不合理な点はなく、避難計画の具体化や物資の備蓄も進み、多数の専門家が巨大噴火の可能性は小さいとしているなどとして、住民らの訴えを退けた。
 しかし、地裁決定には、いくつもの疑問点がある。
 30キロ圏の住民は、地区ごとに避難先が指定されているが、風向きによっては放射能汚染で使えなくなる可能性がある。地裁は、県が調整システムを整備し、迅速な避難先の変更に備えていると認定した。
 県に取材すると、風向きの入力で避難先施設の候補がリスト化される程度のもの。必要な人数を収容できるかや、汚染状況は1件1件、現地とやりとりする必要がある。入院患者らの避難先についても、病院の空きベッド数データがないため地道な確認が必要だ。
 半年前、避難者受け入れに向けた計画ができていなかった鹿児島県霧島市など12市町に取材すると、指定先の学校や公民館などへの説明や、避難所の運営方法などの協議はいずれもされていなかった。
 一方、巨大噴火への備えについて地裁は、九電の火山監視の手法や能力に「専門家から異論はなかった」と問題ないと評価した。しかし、専門家とされた当の東大地震研究所の中田節也教授らからは「曲解された」「事実誤認だ」との声が上がっている。
 住民側は近く福岡高裁宮崎支部に抗告する予定だ。

同じ地方裁判所でも、裁判官によっては判断が異なることはある、と言ってしまえば身も蓋もない話となってしまう。
  
毎日新聞の「社説を読み解く」というコーナーは、前月の社説の主なテーマを取り上げ、他紙とも比較しながらより深く解説している。 
 
そして同じ論説委員でも原発の「安全審査を取材している」論説委員と、エネルギー政策を担当する論説委員とでは見方が異なるという。 
 
<「賛否の二元論だけでは語れぬ リスクのとらえ方の違い 再稼働巡る姿勢分ける>
 毎日新聞 2015年05月05日 東京朝刊
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高浜原発3、4号機再稼働差し止めの仮処分が決定され、喜ぶ人たち=福井市の福井地裁前で2015年4月14日、加古信志撮影
 原子力規制委員会の安全審査に合格した原発の再稼働を巡り、相反する二つの司法判断が示された。再稼働の是非は、国民の間でも意見が激しく対立する難しい問題だ。
 毎日新聞の論説室でも活発な議論が交わされた。その内容も紹介しながら原発問題に関する私たちの主張と各社の主張を整理し、議論の分かれ目を解きほぐしたい。
 最初の判断は、福井地裁が4月14日下した、関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認めないとする仮処分決定だ。今後の司法手続きで決定が覆らない限り、再稼働できないのだから影響は大きい。
 規制委が耐震安全審査の前提にしている「基準地震動」について決定は、「実績のみならず理論面でも信頼性を失っている」と指摘し、その意義を否定した。新規制基準そのものも「緩やかに過ぎ、合理性を欠くもの」と一蹴した。
 安全審査を取材している論説委員は「地震の平均像で考える基準地震動では、それを超える地震が起こる可能性は残る。裁判所の考え方は理解できる」と評価した。
 一方、エネルギー政策を担当する論説委員は「規制基準は原発事故後に厳格化された。それを否定している根拠は科学的といえるのか」と疑問を呈した。
 さらに、「福島の経験を踏まえれば事故は起きるという前提に立つべきだ」「一切のリスクを容認しないというのは現実的でない」といった意見が出されたが、「現実に立脚しながら、この時期に出された決定の意義を考えるべきだ」という主張に賛意が集まった。
 議論を踏まえて社説は「いくつもの問題を先送りしたまま、見切り発車で再稼働をすべきでないという警鐘」であると論じた。周辺住民の避難計画を含めて、安全確保という肝心の問題に疑問を残したまま再稼働を進めようとする政府に反省を促す司法判断だという評価である。
 <即時全廃の現実性>
 一方で社説は「ゼロリスクを求めて一切の再稼働を認めないことは性急に過ぎる」とも指摘した。
 毎日新聞はこれまでの社説で、できるだけ早期に原発ゼロを目指すべきだと主張してきたが、即時の原発全廃は訴えていない。電力の安定供給や電気料金の抑制、原子力協定を結ぶ米国との関係などを総合的に考えると、国民全体の利益を損なう恐れがあると考えるからだ。
 その上で、規制基準を満たすだけでなく避難計画を含めた安全の確保や地元の合意などを条件に最小限の再稼働は認めざるを得ないと考える。最小限とは、省エネや再生可能エネルギーの拡大など原発依存度を引き下げるために最大限努力することを前提にするという意味である。
 「再稼働を粛々と進める」という政府と決定的に違うのは、政府が原発の維持を前提としているのに対し、私たちは可能な限り早期の脱原発を求めているということだ。
 そのため、政府に対しては原発ゼロの目標を掲げ、それを実現できる環境を整備する道筋を描くことこそ必要だと重ねて主張してきた。
 <思想の相違>
 二つ目の司法判断は、その8日後に出た鹿児島地裁の決定だ。福井地裁の決定について裁判長の個性を反映した特異な判断との見方がある中で、規制基準の信頼性を否定して差し止めを認める裁判が続けば、司法審査の潮目の変化を印象付けることになると注目した。
 原発を巡る司法審査の基準になっているのは1992年10月の四国電力伊方原発訴訟最高裁判決だ。安全審査について、専門家の意見を尊重して行う行政の合理的な判断に委ねるべきだとして、行政の裁量権を大幅に認めた。その上で、裁判所は審査基準が不合理か否か、適合性の審査や判断過程に見過ごせない誤りがあるか否かなどを審理すべきだとした。
 福井地裁の決定は、安全性に関して自ら踏み込んで審理し、規制基準の合理性を認めなかった。行政裁量を限定する内容である。
 しかし、鹿児島地裁は九州電力川内原発1、2号機の再稼働差し止めを求める住民の仮処分申し立てを退けた。規制基準について「福島第1原発事故の経験も考慮した科学的知見に照らしても、不合理な点はない」と評価し、基準地震動についても妥当性を認めた。
 二つの司法判断が極端に分かれた背景には、原発のリスクに対する思想の違いがある。原発事故の影響の大きさに鑑み、リスクが少しでもあれば許容できないのか、基準を厳しくすることでリスクは許容できる程度まで減らすことができると考えるかの違いである。
 判断の難しい問題で、これは再稼働を巡る国民の意見の違いにも通じる。社説は「原子力政策はこのように評価が難しい問題であり、だからこそ政府は政策について丁寧な議論を深め、国民の理解を得ていく必要がある」と論じた。
 確かに鹿児島地裁の判断は、伊方判決を踏襲しているように見える。しかし福島の原発事故以降、安全性という事実評価にまで広範な行政裁量を認めてきたことへの反省が、裁判所内でも生まれてきたのではないか。例えば大津地裁は昨年11月、高浜・大飯両原発の再稼働を巡り、差し止めは認めなかったものの避難計画の策定が進まなければ再稼働はあり得ないと指摘した。
 3・11以降、原発に対する国民の意識は変わった。「安全神話」の崩壊は行政不信にも通じる。それにもかかわらず、住民の理解を置き去りにし、使用済み核燃料の処分といっった最大の課題を解決できるメドもないまま原発回帰を進めようとする政府の姿勢は容認できない、というのが私たちの立場だ。
 <各社の論調>
 原発のリスクに対する思想の違いは各紙の社説にも反映している。
 朝日は福井地裁決定について「裁判所の目線は終始、住民に寄り添っていて、説得力がある」と論じ、東京も「普通の人が普通に感じる不安と願望をくみ取った」と評価した。
 これに対して読売は「合理性を欠く決定と言わざるを得ない」と批判した。産経は「奇矯感の濃厚な判断」と驚きを表明し、「重大な負の影響をもたらす」と指摘。翌日もこのテーマを取り上げ、迅速にこの決定を覆すよう裁判所に求めた。
 一方、鹿児島地裁の決定については、朝日は安全性の判断を専門家に委ねることに疑問を呈し、東京は規制基準に対する国民の疑問は一層深まったと論じた。対して読売は最高裁判例に沿った妥当な司法判断だと論じ、産経も極めて当然で理性的な決定だと高く評価した。
 リスク思想の違いで二つの陣営にきれいに分かれた格好だ。しかし私たちは、原発は是か否かという二元論だけでは、この国の未来は描けないと考える。
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 ◇司法判断に対する社説の見出し
<福井地裁決定>
毎日 司法が発した重い警告
朝日 司法の警告に耳を傾けよ
読売 規制基準否定した不合理判断
産経 「負の影響」計り知れない 迅速に決定を覆すべきだ

東京 国民を守る司法判断だ
<鹿児島地裁決定>
毎日 丁寧な原発論議が要る
朝日 専門知に委ねていいか
読売 再稼働を後押しする地裁判断
産経 説得力ある理性的判断だ
東京 疑問は一層深まった
==============

2011年の原発震災以降、在京大手紙の原発に対する旗幟は鮮明になっており、讀賣新聞・産経新聞は原発推進派、その対極には途中から脱原発派となった朝日新聞、脱原発の急先鋒になった東京新聞の間くらいに毎日新聞は位置している。 
 
したがって社説では「できるだけ早期に原発ゼロを目指すべきだと主張してきたが、即時の原発全廃は訴えていない」と主張してきている。
 
安全審査を取材している論説委員「地震の平均像で考える基準地震動では、それを超える地震が起こる可能性は残る。裁判所の考え方は理解できる」
 
エネルギー政策を担当する論説委員「規制基準は原発事故後に厳格化された。それを否定している根拠は科学的といえるのか」
 
立場上は仕方がない見方なのだろう。
  
しかし「福島の経験を踏まえれば事故は起きるという前提に立つべきだ」「一切のリスクを容認しないというのは現実的でない」といった相反する意見が出たにも拘わらず「現実に立脚しながら、この時期に出された決定の意義を考えるべきだ」という主張に賛意が集まったということは評価できる。
 
三権分立における裁判所の司法権は、内閣(行政権)に対する違法性の審査であるので、裁判所が訴訟内容を独自に調査して判断することが求められるのだが、国家行政組織法3条2項の委員会(三条委員会と呼ばれる行政委員会)として独立性を高めることなどを定められたにもかかわらず、原子力規制委員会は環境省の外局であり、行政側でもある。
 
したがって独立性を保つ裁判所ならば、行政側の原子力規制委員会が作成した規制基準について「不合理な点はなく、避難計画の具体化や物資の備蓄も進み、多数の専門家が巨大噴火の可能性は小さい」などという安易な判断はすべきではなく、田中委員長も「安全性を担保するものではない」と認めている以上は、住民のリスクを第一に考えるべきであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:02| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月05日

お好みの時間・サッカーゴールキーパー

今日は子供の日。
 
3月3日の節句が「女の子」の雛祭りなので、どうしても5月5日は「男の子」の祝いとなり飾られるのは武者人形のように勇ましいものが多い。 
 
第一生命は2014年11月20日、同年7月から9月にかけて実施した夏休みこどもミニ作文コンクールアンケート 第26回「大人になったらなりたいもの」の結果を発表し、男の子のランキングで「サッカー選手」が5年連続で1位となった。
 
ほぼ同じ時期に別組織が調査した結果でも、やはりサッカー選手が1位だった。
 
<男子小学生の将来の夢1位は昨年に続き「サッカー選手・監督」>
 2015.03.05. 19:02 SoccerKing
 特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)は5日、第8回「小学生『夢をかなえる』作文全国コンクール」の応募作品をもとに、「将来なりたい職業」の集計結果を発表した。
 同コンクールは全国の小学生を対象に、「私の将来の夢」をテーマにした作文と、夢を実現するための道のりを描いた「ライフプランシート」を、昨年の6月1日から10月31日まで募集。日本FP協会は、その作品から小学生の「将来なりたい職業」を集計している。
 この結果、男子の将来なりたい職業は、昨年に続き「サッカー選手・監督」がトップに輝いた。なお、男子の2位は「医師」で、それに次いで「野球選手」が僅差で3位に入った。
 一方、女子の1位は、男子のトップ3にも入った「医師」。そして「パティシエール」と「保育士」が同じ件数で2位となっている。
 男女別ランキングベスト10は以下のとおり。
■男子(カッコ内は件数)
1位 サッカー選手・監督など(86)
2位 医師(45)
3位 野球選手(43)
4位 ゲーム関連(クリエーターなど)(34)
5位 シェフ・調理師(16)
6位 教師(14)
6位 バスケットボール選手・コーチ(14)
8位 建築士(13)
9位 自動車関連(11)
9位 テニス選手(11)
9位 マンガ家(11)
9位 宇宙飛行士・宇宙関連(11)
9位 警察官・警察関連(11)
 
小学生以下の男子児童が憧れるサッカー選は、多くは大観衆の前で華麗な足技を披露する選手や、豪快なシュートを放ちヒーローになるフォワードの選手かも知れない。
 
その意味では、ピッチ上で唯一、同じチーム仲間と異なる色のユニフォームを着ているゴールキーパーは異色の存在で小学生の遊びで行うサッカーゲームではみんな攻めるフォワードばかりの場合もある。
 
そこで今日はゴールキーパーにも光を当てて、それも時にはとんでもない失敗を犯す人間的なキーパ−たちも紹介してみたい。
 
最初は「間抜けなGK」
 

 

次は、最大の見せ場のGKのファインプレーをお楽しみください。
 
【クレージGK】
 
 
 
posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月04日

青空に「9条守れ」と3万人

その新聞社の名前からしても保守的とされる日本経済新聞が憲法記念日に「憲法『現状維持』44%、改憲賛成を上回る 日経調査」という世論調査結果記事を発表した。
 
日本経済新聞よりはもう少しリベラルであろう毎日新聞は世論調査で「9条改正、反対55% 昨年より4ポイント増」となっていた。
 
昨年より反対が増えたということは、安倍政権による憲法破壊への危機感を多くの国民が感じている現れであろう。
 
そんな危機感満載の老若男女約3万人が、横浜の臨港パークに集まった。
 
朝日新聞は「戦後70年、憲法の岐路 安保法制に『9条壊すな』・中国台頭に『変わらねば』」と一瞥したところ「?」というタイトルなのだが、記事の中身を読むと、護憲派の集会の航空写真(後述)と共に、改憲派のミニ集会記事も掲載するという、まさに官邸主導の「不偏不党」編集方針を貫いたような記事体裁であった。
 
ご丁寧にも主催者の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の共同代表でジャーナリストの櫻井よしこの「日本人らしくない憲法を戦後ずっと守ってきた。本当に悲しい」、「米国は『外の紛争に巻き込まれたくない』という方向に変わってきた。中国の膨張も考えると、私たちが変わらねばならない」という基調講演を紹介していた。
 
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」という憲法第99条に明確に違反している安倍晋三及びその一派の動きを、むしろメディアは批判すべきであり、護憲派と並列に報道するには値しない。
    
東京新聞は、過去に掲載不可となった俳句を念頭に「横浜で集会 青空に『9条守れ』と3万人」とトップ面で紹介し社会面も半分以上使った関連記事を掲載していた。

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讀賣新聞は完全にスルー状態だったが、それとは対照的に、護憲派の集会を取材した記者が、会場の雰囲気に圧倒され、改憲に対する反対の声に危機感を募らせで精一杯の皮肉を込めた産経新聞のこの記事「『すべて安倍のせい』と護憲派が横浜でスパーク  大江健三郎氏『米演説は露骨なウソ』 香山リカ氏『憲法使い切ってない…』」は大変興味深く、オジサンが撮影した写真と組み合わせて紹介してみる。 
 
 憲法記念日の3日、各地で改憲、護憲両派の集会が開かれた中、横浜市西区の臨港パークでは「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会〜戦争・原発・貧困・差別を許さない〜」(実行委員会主催)が行われた。会場には作家の大江健三郎さんら護憲派の人々が3万人以上集まった(主催者発表)。それぞれが安倍晋三首相を「安倍」と呼び捨てで批判し、集団的自衛権反対を訴えた。
 司会を務めたのは、女優の木内みどりさん。「いろいろなグループの思いは同じではないかもしれないが、憲法を守りたいという気持ちは一緒です」とまくしたてた。
 作家の雨宮処凛さんは「このくそ暑い中、熱中症で誰か倒れたら全部安倍のせい」と最初から“戦闘モード”。貧困問題と戦争の親和性を主張し、「戦場に行くのは貧しい人たち。(集団的自衛権行使で)命を使い捨てられるような人が国内からも生み出されるのではないか。経済や何かのために人の命が犠牲になる社会を止めたい」と訴えた。
 
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次いでスピーチした大江氏は、安倍首相が4月29日に米上下両院合同会議で行った演説に対し「あまりにも露骨な嘘。だが(日米両国で)はっきりとした拒否の言葉が述べられることはなく、それをどうひっくり返すかが大きな問題だ」と断じ、会場からは大きな拍手が起こった。安倍首相が夏までの安全保障関連法案の成立に決意を示したことにも「安倍は日本の国会で(そのことについて)はっきり述べて、われわれ日本人の賛同を得たことはない」と強調した。
 大江氏はさらに、この日配布されたパンフレットに書いてある「私たちは、『平和』と『いのちの尊厳』を基本に、日本国憲法を守り、生かします 集団的自営権の行使に反対し、戦争のためのすべての法制度に反対します」というメッセージを自身の考え方の根本にあると紹介。「自分がこれだけ大勢のみなさんの前で語るのはこれが最後」と語った。

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 憲法学者の樋口陽一東大名誉教授は、盟友だった俳優、菅原文太さんの「政治には2つの役割がある。ひとつは国民を飢えさせないこと。もうひとつ、絶対に戦争をしないこと」という“遺言”を引き合いに出し、「今の政治は憲法が目指してきた方向と何から何まで正反対の方向に日本を引っ張ろうとしている。憲法を壊し、自由闊達な言論を貶め、彼ら政治勢力自身の先輩政治家が作り上げてきたはずの戦後史そのものをないがしろにしている」と糾弾した。

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 作家の沢地久枝さんは「私は安倍晋三とその周りにいる政治家、それから軍需産業でもうける経済人たちに絶対反対。安倍という人はアメリカに行って、国会にもかけず、選挙民にもかけず、アメリカと約束をまた結んだ。あの人は平和とか命とか大事な言葉をあんなに汚くした。政治家としては珍しい。私たちは今、あの人を引きずり下ろしてやりたいと思う」と感情をあらわにし、「戦後70年間、日本は戦死者を1人も出していない。こんな国はないんです。この次の段階になったとき、戦後70年間戦死ゼロできた歴史が切り替えられた年が2015年だった、とならないようにがんばっていく」と結んだ。参加者からは「その通りだ」「アホ政権!」などの声が飛んだ。

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 精神科医の香山リカさんも「私たちはこの憲法を変えるどころか、まだ使い切ってもいない。今の憲法さえ使いこなせていない政権に憲法を変える資格はない」と持論を展開した。

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 集会には民主党の長妻昭代表代行、共産党の志位和夫委員長、社民党の吉田忠智党首ら野党幹部も登壇し、「戦争立法反対の一点で協働し、安倍政権のたくらみを必ず打ち破ろうではありませんか」(志位委員長)と共闘を呼びかけた。
 
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 生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎共同代表も飛び入り参加。「政府の面を被った人間たちが根底から覆そうとしているこの憲法、何が何でも守りましょう」と叫んだ
 
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これは主催者側がチャーターし、上空から集会の様子を山本太郎がレポートしているヘリコプター。
 
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それでは臨場感あふれる熱気に満ちた会場風景をどうぞ!
 
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開場前の静かな臨港パーク

 
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人・人

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そして人・人・人
 
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護憲派による「平和といのちと人権を!5・3憲法集会」に集まった参加者たち=3日午後2時3分、横浜市西区、本社ヘリから、井手さゆり撮影(朝日新聞より)
 
今までの日比谷公会堂での憲法集会は「老々男女」が中心だったが、今回の野外集会は開放的な雰囲気の中で親子連れも多くみられ、特に若い世代が中心となって戦争が自分たちの身近に迫ってきているという状況から様々な護憲団体を作っているということを知って少々安心した。
 
憲法改正を発議し国民投票への政治日程を明らかにしている与党自民党に対抗するのは、来年以降18歳以上になる若者たちの力が必要となる。
 
それにしても、改憲を叫ぶ連中の中には、「舞の海氏が新説『日本人力士の“甘さ”は前文に起因する』「反省しすぎて土俵際…」などとほざいている無知で無恥な輩もいるが、ある意味では今の憲法が国民隅々まで十分に理解されておらず「私たちはこの憲法を変えるどころか、まだ使い切ってもいない。今の憲法さえ使いこなせていない政権に憲法を変える資格はない」という精神科医の香山リカの発言がまさに的を射ていた、とオジサンは思った。

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2015年05月03日

5・3憲法集会

少なくとも50代の前半までは、地元の少年サッカークラブのコーチをやっていたので、5月の3連休はサッカーの遠征試合に子どもたちを連れて行っていたので、3日の憲法記念日とは無縁の生活に没頭していた。
 
そのサッカーのコーチも足首や膝の古傷のため後進に託して引退し、その後初めて憲法記念日に日比谷公会堂に行ったのが10年前だった。
 
前年の2004年6月、下記の「九条の会」の呼びかけ人らが「九条の会アピール」を発表して全国的に「九条の会」が広がりつつある頃であった。
 
それから11年経って9人の呼びかけ人は4人になってしまった。
 
・井上ひさし(作家)
梅原猛(哲学者)
大江健三郎(作家)
・奥平康弘(憲法学者)
・小田実(作家)
・加藤周一(評論家)
澤地久枝(作家)
鶴見俊輔(哲学者)
・三木睦子(元内閣総理大臣である三木武夫の妻)
は故人

第1次安倍内閣が発足した年に、安倍晋三首相は安倍内閣メールマガジン(第29号 2007/05/17)でこんなことを言っていた。
 
今週月曜日(14日)、「日本国憲法の改正手続に関する法律」が成立しました。
 憲法96条には、国会の「三分の二以上の賛成」を経た後、「国民投票」における「過半数の賛成」によって、憲法改正を行うことができると規定されています。
 しかし、その「国民投票」の具体的な手続きは、定められないまま60年間放置されてきました。今回手続きが初めて整備されたことにより、国民が、自らの手で憲法を改正することが可能となります。
 国会において精緻な議論が行われ、立法府としての責任を果たされたことに対して、敬意を表したいと思います。
 憲法は、国のかたち、理想を物語るものです。
 「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」
 戦後の焼け跡の中から発信された、憲法前文にある理想は、外交の基本として、その後日本が国際社会へ積極的に貢献する姿勢へとつながりました。
 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という、憲法の基本原則は、日本の平和と繁栄に極めて大きな役割を果たしました。現行憲法が持つこうした基本的な価値は、今後も変わることはありません。
 一方、この60年の間で、私たちを取り巻く情勢は、随分変わりました。
 環境権などの新しい価値観が生まれました。冷戦が終わり、大量破壊兵器の拡散や国際テロといった新たな脅威が出現するなど、国際社会も大きく変化しました。さらに、世界第2位の経済大国となり、国際社会における責任も大きくなっています。 それでも憲法は60年前のままでよいと思っている人は、どれほどいるのでしょうか。私は、国民の中にも、時代の変化を正面から受け止め、今こそ憲法について議論すべき、という声が大きくなっていると感じています。
 私は、行政府の長たる内閣総理大臣として、また、一政治家として、当然現行憲法を遵守し、尊重します。一方で、21世紀にふさわしい日本の役割とは何か、守るべき新しい価値とは何か、といった議論をすべき時が来ていると確信しています。
 年頭に当たって、私の内閣として憲法改正を目指すことを参議院選挙でも訴えていきたい、と申し上げたことについて、憲法論議を政治問題にすべきではないとか、国民の生活から遠い憲法を争点にすべきではない、といった批判がありました。
 私は、これらの批判は理解できません。選挙は、国民のみなさんに自らの考えを説明し、議論する重要な機会です。こうした機会で、国家ビジョンに関わる憲法論議を避けることは、不誠実と考えます。
 私は、政治家を志したときから憲法改正を目指し、総理に就任する際にも、憲法改正を政治スケジュールにのせていく、と申し上げてきました。私は、これからも、こうした考えを隠すことなく誠実にみなさんに説明していきたいと考えています。
 「日本がどうなるかということではない、日本をどうするかということ」
 「われわれ自身の手によって運命を開拓する外に途はない」
 現行憲法の制定にも関わった芦田元総理は、日本の将来はどうなるか、と問う若者たちに、このように答えたそうです。
 憲法は、私たち自身のものです。国民投票法の成立を契機として、この国の将来と、私たちの憲法について、落ち着いた環境の中で、静かに、そして広く、深く、国民的な議論が行われることを期待しています。(晋)
 
「私の内閣として憲法改正を目指すことを参議院選挙でも訴えていきたい」という安倍晋三の言葉に危機感を持った多くの護憲派の活動はにわかに活発になったが、その参院選に自民党が大敗し結果的には安倍内閣は倒壊し、その後自民党内で1年ごとの首相が誕生し、民主党の「ホップ・ステップ・ジャンプ」の勢いから2009年秋に政権交代が起きて、しばらくは改憲の危機は去ったと誰もが思っていた。
 
そして民主党の自滅と共に自民党の安倍晋三がゾンビの如く蘇り、いつかはまた持病の病気でいなくなるだろうという大方の予想を見事に覆し、さらにパワーアップを重ね、昨年の暮れの「大義なき総選挙」で弱小野党が壊滅的敗北を喫し、自民党の「1党他弱」と揶揄される国会勢力分布となり、憲法改正が極めて現実的なことになってきた。
 
これまで東京では、5月3日の憲法集会は、超党派の市民団体や労組が参加する「5・3憲法集会実行委員会」が開催する集会と、平和フォーラムが主催する集会の2つが別個に行われてきた。
 
しかし、安倍政権の憲法無視・破壊の暴走がつづき、さらに加速しそうな情勢に立ち向かうため、大きな共同で「5・3憲法集会」を開催すること、そこに平和やいのちや人権の問題で発言し行動する人びとや団体の結集を実現することで意見が一致し、新たな「5・3憲法集会実行委員会」の結成に至った。
 
そのため今までの日比谷公会堂は狭すぎるので「横浜・臨港パーク」で開催することになった。
 
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旧総評の平和運動を継承する組織としての平和フォーラムは旧社会党・原水禁系の組織であり、参加団体の労働組合は連動傘下である。
 
5月1日のメーデーは労働者の祭典にもかかわらず、4月29日の連合系と5月1日の全労連系に長らく分裂開催であった。
  
しかし憲法に関しては、今年初めて大同団結する集会となった。
 
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もはや労働者、市民が本気に一体となって安倍政権に立ち向かわなくては、日本の明日は危ない、という気持ちで、定年オジサンもこれから同世代の仲間と一緒に臨港パークに向かいます。

posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月02日

連休中なので取るに足らぬ話など・・

昨日のメーデーは真夏を思わせる強いの日差しの下、代々木公園には主催者発表で約2万8000人の老若男女が参加した。

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しかし会場に敷かれたブルーシートにはかなり隙間がありその分は会場外の木陰に避難していた人々だった。

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11時ころから約1時間半近く会場で立ちながら挨拶を聞き、恵比寿まで約1時間ほどのんびりと歩いて発汗しながら冷たいビールが待っているいつもの店に入った。
  
14時半から飲み始め、2次会、3次会と重ねて4軒目ではかつて同じ釜の飯を食った悪友と2人だけになっていた。
 
メーデーの式典とデモ行進合わせて2時間足らずだったが、その後の時間がその数倍も費やされた。
 
さて、安倍晋三首相の米国会議での演説については「哀れ安倍晋三、米国議会で尻尾を振る」の中でやんわりと酷評したが、政府広報紙では「米国民の心とらえた“絆”スピーチ、満場の拍手35回…安倍氏への親近感醸成」と題して、こんなヨイショ記事を書いていた。
 
米上下両院合同会議での安倍晋三首相の演説は、米側から高い評価を受けた。第二次大戦への「反省」と、未来へ向けた日米の絆への言及が好感をもって受け止められ、日本と安倍首相自身に対する親近感を醸成するものとなった。
・・・・
「フィリバスター(議事妨害)をする意図、能力はない」などとユーモアで笑いを誘う演説は、中国、韓国のステレオタイプ的な「ナショナリスト」という安倍首相のイメージを払拭したようだ。発せられた率直なメッセージは、米国民の心そのものをつかんだといえる。
 
約45分余りの演説は日本語でも原稿なしでは話すことは難しいのだが、ましてや日常使っていない英語で演説するには用意周到な英文原稿が必要なのは誰でも分かる。
 
こんな見方をしている安倍政権の天敵メディアもある。
 
<安倍首相の演説が笑いモノに「8割の米議員わからず」の声も>
 2015年5月1日 日刊ゲンダイ
 米上下両院合同会議で演説した安倍首相。日本のメディアは安倍首相の訪米を“大成功”と絶賛しているが、残念ながら、米メディアは、ほとんど関心を示していない。
 日米首脳会談が行われたのに、米主要紙の1面は、警察に拘束された黒人男性が死亡したボルティモア問題に充てられた。オバマ大統領との共同会見も、記者の質問はボルティモア情勢に集中。会見の約4分の1の時間が割かれ、オバマ大統領が「重要な問題なので」と安倍首相に釈明する場面もあった。
 日本メディアが「10回以上のスタンディングオベーションが起きた」と持ち上げている米上下両院での演説も、失笑の対象になっている。
 米メディアが安倍首相を笑いモノにしているのは、安倍首相が英語で書かれた原稿をひたすら棒読みしただけでなく、原稿に日本語で「顔を上げ、拍手促す」「次を強く」などと、あんちょこが書かれていたからだ。「ウォールストリート・ジャーナル」などが、あんちょこペーパーを大きく報じている。アメリカ人記者たちは、「まるで中学生の英語スピーチ大会だ」と笑い合っているそうだ。素直に日本語でやればよかったのだ。
 国際ジャーナリストの堀田佳男氏は言う。
「テレビで見ていましたが、リズムが悪すぎて意味がわかりませんでした。米議員の半分以上がスピーチを聞かずに、紙を見ていた。文節の切り方がおかしいし、リズムもない。単語ひとつひとつを明確にしようということなんでしょうが、8割の議員がわからなかったでしょう。安倍首相は演説で自らの留学のエピソードも入れていましたが、ただ恥ずかしいだけです」
 議員の中には途中退席する者もいたという。米議会では、スタンディングオベーションは習慣で、タイミングもあらかじめ決まっている。ありがたがっているのは、何も知らない日本のメディアと、おめでたい安倍首相だけだ。
 税金約1億円も使って、一体何をしに行ったのか。まだ、日本でおとなしくしてくれていたほうが、よっぽど国益のためになったのではないか。
 
再三再四、外交ルートを駆使して頼み込んで実現した訪米と議会演説だったのだが、その実態は予想をはるかに上回るものだったのか、それとも予想通りだったのか、残念ながらオジサンはその場にいなかったので、急遽演説場面の動画を見てみた。
 
 
 
なるほど、「単語ひとつひとつを明確にしようと」ゆっくりと正しく発音しようとして、リズムもなくおかしな文節の切り方になっているのだが、安倍晋三は国会の答弁や日本語の演説でも、文節の区切りというのか句読点という概念が全くない。
 
もっともオバマ米国大統領が、日本の国会でローマ字で書かれた日本語の原稿を読めば、きっとこんな感じなのかもしれないが、絶対にあり得ない。
 
「米議会では、スタンディングオベーションは習慣で、タイミングもあらかじめ決まっている」らしいのだが、満足に英語も話せない日本人がたどたどしくも英語で演説したことに驚いて、ご褒美の拍手をしたということなのだろう。 

「まるで中学生の英語スピーチ大会だ」と言われたらしいが、スピーチ大会に出席している英語が得意な日本の中学生はもっと華麗な発音でスピーチしている。
 
この動画で最後まで安倍晋三の拙い演説を聞く忍耐心はなかったのだが、「議員の中には途中退席する者もいた」ということもうなづける。

まあ、どうでも良いことである。 
 
選挙においてインターネットを使って政治家がさまざまな自分の考えや政策を有権者や支持者に発表するようになり、政党の党首クラスもSNSやツイッターアカウントを取得して積極果敢につぶやきを飛ばしている。
 
その中でもツイッターのフォロワーがずば抜けて多い安倍晋三首相ツイッターは、どうやら偽装ツイートだったらしい。 
 
<山本一太氏が安倍首相のアカウントを乗っ取り? 「爆睡」つぶやきでネット騒然 「誤操作で混乱招いた」と謝罪>
 2015.5.1 23:19 産経新聞
 自民党の山本一太参院議員は1日、訪米中の安倍晋三首相のツイッターに誤って自らの記事をつぶやいたとして、自身のツイッターで謝罪した。首相の要請で代理投稿することがあるため誤操作してしまったようだが、インターネット上では「一太が首相のアカウントを乗っ取った?」と騒動になった。
 騒動は4月30日夜の首相のツイッターのアカウントで起きた。首相のツイッターなのに「空港で総理を出迎える。昨晩はほとんど寝ていない。機内で爆睡する」といった不自然な文章に、なぜか山本氏の写真が添えられてあった。
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 実は山本氏も訪米中で、首都ワシントンから政府専用機で移動する首相よりも一足早く民間機でサンフランシスコに到着していた。
 山本氏が1日にツイッターで行った釈明によると、その際、「誤って総理のパーソナルアカウントに投稿してしまった」という。誤った投稿はすでに削除されている。
 第2次安倍内閣でIT担当相を務めた山本氏は現在、自民党総裁でもある首相の「総裁ネット戦略アドバイザー」の肩書を持つ。1日のツイッターでは「総理のパーソナルアカウントのツイートは『総理自身の言葉』だ。本人がツイートする時間がなかなか取れないので、総理の要請でネット戦略アドバイザーの自分が代わりに総理の言葉を投稿している」と釈明。
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 さらに「総理にも直接、お詫びしたが、誤操作で混乱を招いたことを重ねてお詫びします。以後十分に気をつけます」と平謝りだった。
 
さもありなんだが、これもどうでも良い話である、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 11:35| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月01日

第86回メーデー

今に始まったことではないが、政治に無関心な若者が多い。
 
もっとも、関心のある若者と無関心の若者の人数比較した調査結果を持ち合わせていないので、正確なことは言えないのだが、オジサンがよく参加する「原発」「憲法」などの集会やその後のデモ行進に若者が参加していること自体が珍しい。
 
しかし最近は若者が狙われるというのか被害者になりやすい「ブラック企業」問題や、生涯派遣社員になりかねない「派遣法改悪」問題に関する若者の関心は強まっていることは確かである。
 
毎年行われているメーデーは組織労働者が中心なので、労働組合の若者が動員されることも多い。
 
そのような組合はなんとか若者に参加してほしいため「参加手当」を出したり、昼食やデモ行進後の交流会の飲食費を出したりする。
 
特に今年のメーデーはこんな「若者の要求アピール大作戦」を全面に出している。
 
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しかし、オジサンを始め一部の中高年たちは、今年の公式宣伝ビラを見て、違和感を持っている。
 
単に、思い過ごしのイチャモンなのだが、こんな写真をみると、「もうお手上げ!?」、とか「万歳突撃」を彷彿させる。
  
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まあ、つまらぬ冗談はさておき、オジサンもこれから第86回のメーデー会場に出かけ青空の下、若者たちと公道を堂々と歩いてみることにする。

posted by 定年オジサン at 09:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする