2015年06月30日

世界の奇妙な建物-その5

ザハ・ハディド氏が設計した新国立競技場は、当初はその奇抜性と大きさから縮小せざるを得なかったが、現在は建設費の増大と技術的な問題から工期までもが怪しくなってきた。
 
さらに、不足建設費を巡り、文科省と東京都の間では緊迫した状態が続いている。 
 
しかし、世界にはもっと奇想天外な建物があり、常識を超えた建築物も多く存在する。
 
今日は遠地に出かけていますので、「つぶやき」はお休みしますが、世界から集めた奇妙な建物を紹介します。

多くのサイトからの寄せ集めですので、すでに目にした人もいることでしょう。

【世界の奇妙な建物-その5】
 
 
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2015年06月29日

世界の奇妙な建物-その4

ザハ・ハディド氏が設計した新国立競技場は、当初はその奇抜性と大きさから縮小せざるを得なかったが、現在は建設費の増大と技術的な問題から工期までもが怪しくなってきた。
 
さらに、不足建設費を巡り、文科省と東京都の間では緊迫した状態が続いている。 
 
しかし、世界にはもっと奇想天外な建物があり、常識を超えた建築物も多く存在する。
 
明日まで遠地に出かけています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、毎日、巨大すぎるとか、超奇抜などと、少なくともまともではなさそうな建物を紹介します。

多くのサイトからの寄せ集めですので、すでに目にした人もいることでしょう。

【世界の奇妙な建物-その4】
 
 
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2015年06月28日

世界の奇妙な建物-その3

ザハ・ハディド氏が設計した新国立競技場は、当初はその奇抜性と大きさから縮小せざるを得なかったが、現在は建設費の増大と技術的な問題から工期までもが怪しくなってきた。
 
さらに、不足建設費を巡り、文科省と東京都の間では緊迫した状態が続いている。 
 
しかし、世界にはもっと奇想天外な建物があり、常識を超えた建築物も多く存在する。
 
週末から来週の火曜日まで恒例の夫婦旅行に出かけています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、毎日、巨大すぎるとか、超奇抜などと、少なくともまともではなさそうな建物を紹介します。

多くのサイトからの寄せ集めですので、すでに目にした人もいることでしょう。

【世界の奇妙な建物-その3】
 
 
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2015年06月27日

世界の奇妙な建物-その2

ザハ・ハディド氏が設計した新国立競技場は、当初はその奇抜性と大きさから縮小せざるを得なかったが、現在は建設費の増大と技術的な問題から工期までもが怪しくなってきた。
 
さらに、不足建設費を巡り、文科省と東京都の間では緊迫した状態が続いている。 
 
しかし、世界にはもっと奇想天外な建物があり、常識を超えた建築物も多く存在する。
 
週末から来週の火曜日まで恒例の夫婦旅行に出かけています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、毎日、巨大すぎるとか、超奇抜などと、少なくともまともではなさそうな建物を紹介します。

多くのサイトからの寄せ集めですので、すでに目にした人もいることでしょう。

【世界の奇妙な建物-その2】
 
 
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2015年06月26日

世界の奇妙な建物-その1

ザハ・ハディド氏が設計した新国立競技場は、その奇抜性と大きさから縮小せざるを得なかったが、現在は建設費の増大と技術的な問題から工期までもが怪しくなってきた。
 
さらに、不足建設費を巡り、文科省と東京都の間では緊迫した状態が続いている。 
 
しかし、世界にはもっと奇想天外な建物があり、常識を超えた建築物も多く存在する。
 
今日から来週の火曜日まで恒例の夫婦旅行に出かけています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、毎日、巨大すぎるとか、超奇抜などと、少なくともまともではなさそうな建物を紹介します。

多くのサイトからの寄せ集めですので、すでに目にした人もいることでしょう。

【世界の奇妙な建物-その1】
 
 
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2015年06月25日

無責任の極みのツケは誰が負う

当初の国会会期末に合わせて計画されていた国会大包囲デモが、14日の25,000人の包囲デモからさらに参加者が増加した。
 
<「安保法案を廃案に」 3万人が国会大包囲>
 2015年6月25日 朝刊 東京新聞
 集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案に反対し、廃案や撤回を求める市民や学生、学者らの抗議活動が24日、東京・永田町の国会周辺で相次いで行われた。市民ら3万人(主催者発表)は国会を包囲し、粘り強く戦っていくことを誓った。学生や学者もそれぞれ会見を開き、法案の違憲性を強く訴えるなど廃案を求める声が大きなうねりとなってきた。 
 国会包囲を主催したのは、15日から平日の日中に、国会前で座り込み行動をしていた市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。正門前に設けられた仮ステージの周辺は身動きできないほどの人が集まり、横断幕などを掲げ、「戦争法案絶対反対」などとシュプレヒコールを繰り返した。
 政府・与党は法案を今国会で何としても成立させようと、24日までの予定だった会期を、現憲法下で最長の95日間も延長したばかり。
 埼玉県所沢市から参加した中村義則さん(70)、美智子さん(70)夫妻は法案について「国民が70年かけてつくり上げてきた平和を壊すのは許せない」と強調。義則さんは「私たちは今、こういう方法しか表現する力がないけど、粘り強く続けたい」と話した。
 毎週金曜日に国会前で安保法案に反対する抗議活動をしている学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」は24日夕、参院議員会館で会見。中心メンバーらが「本当に戦争法案を止められるという思いでやっている」と訴えた。
 集団的自衛権の行使を憲法の解釈変更で認めようとする安倍晋三首相の姿勢に危機感を抱く多分野の学者でつくる「立憲デモクラシーの会」も同日、衆院第二議員会館で会見し、法案の撤回を求める声明を発表した。
 
この2年間、政局の節目ごとに大手マスメディアの懐柔策を積極的に行ってきた安倍晋三首相。
  
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そして昨夜も国会対策の「労をねぎらって?」こんな連中と会食をしていた。
 
首相動静―6月24日
7時19分、東京・銀座の日本料理店「銀座あさみ」。
朝日新聞の曽我豪編集委員、
毎日新聞の山田孝男特別編集委員、
読売新聞の小田尚論説主幹、
日本経済新聞の石川一郎専務、
NHKの島田敏男解説副委員長、
日本テレビの粕谷賢之メディア戦略局長、
時事通信の田崎史郎解説委員
と食事。
 
お馴染みの顔ぶれなのだが、席上、戦争法案に対して「違憲」などとは誰も言わなかったことは当たり前なのだが、全員が日米同盟重視派であり、彼らの口からもペン先からも、政権批判は一切ない。 
 
それならば、憲法の「け」の字も理解できない頭の悪い安倍政権に対して、憲法学者らが憲法違反の戦争法案の撤回を求める声明を発表した。 
 
<「安保法案反対」立憲デモクラシー 「賛成派と公開討論を」>
 2015年6月25日 朝刊 東京新聞
20150625rikkendemocracy.jpg 安全保障関連法案の撤回を政府に強く求める声明を発表した「立憲デモクラシーの会」の24日の会見には、共同代表の樋口陽一東京大名誉教授(憲法学)と山口二郎法政大教授(政治学)ら9人が出席した。集団的自衛権の行使を容認することや、外国軍隊の武力行使と自衛隊の活動が一体化するおそれが極めて高いことが「日本国憲法に明確に違反している」と強調し、審議が続く限り問題点の指摘を続けていく考えを明らかにした。
 4日の衆院憲法審査会で法案が「違憲」との見解を示した長谷部恭男早稲田大教授と小林節慶応大名誉教授(いずれも憲法学)も出席。小林名誉教授は、西修駒沢大名誉教授ら「合憲」とする憲法学者に「論争としてわれわれが勝っている。学術的に決着させよう」と公開討論を呼び掛けた。
 政権側から「憲法学者の言うとおりにしていたら、自衛隊も日米安保条約もなかった」などの批判が繰り返されているのに対し、山口教授は「再軍備を進める政治権力に学者がおかしいと言い、意見のぶつかり合いの中で専守防衛などの平和国家の路線が生まれた」と反論した。
 さらに、今年が1935年の天皇機関説事件から80年に当たることに言及。「学問の観点から批判するのは職業上の義務。権力により学問が弾圧されて(45年の敗戦で)国が滅びるまでわずか10年だった史実を、重く受け止めている」と述べた。
 ほかの出席者も法案審議における政権側の対応を口々に非難。長谷部教授は「集団的自衛権行使の違憲性や武力行使の一体化に関し、誠実な回答、対応がされているとはいえない」と政権側の対応を問題視。千葉真・国際基督教大教授(政治学)は「曖昧模糊(もこ)とした答弁を繰り返しており、議論を深める姿勢が見えない。背後には愚民意識があるのではないか」と指摘した。
 千葉教授はさらに「アメリカ、イギリス、フランスですら国内に厭戦(えんせん)気分がまん延している現在、安倍政権の『積極的戦争容認主義』はネギを背負ったカモのようなものだ」と話した。
 政権が使う「言葉のまやかし」に対する注意喚起も。国文学者の小森陽一東大教授は、他国軍の戦闘に対する自衛隊の支援を「国際平和共同対処事態」と名付けたことを例に「たぶらかしの本質。日本語を使うすべての人が日々国会で冒涜(ぼうとく)されている」と述べた。 (荘加卓嗣)
◆「一つの意見」「違反しない」憲法学者に菅氏反論
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は24日の記者会見で、憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」が安全保障関連法案の撤回を政府に求めたことについて「そういう人たちの一つのご意見と受け止める」と述べた。
 法案が憲法違反との指摘に、政府が誠実に対応していないと憲法学者らが批判していることには「憲法違反ではないと思っている」と反論した。
 
昨夜は会議後の飲み会の席上で、「いっそのこと、政府寄りの10人の憲法学者と、200人以上もいる法案違憲学者と討論会でもしたら面白い」とオジサンは言っていたのだが、小林名誉教授は、「論争としてわれわれが勝っている。学術的に決着させよう」と公開討論を呼び掛けたらしい。
 
もっともこんなことをしたら、たちどころに違憲法案は吹っ飛んでしまう。
 
菅義偉官房長官が「憲法違反ではないと思っている」と反論するのが精いっぱいだったのであろう。 
 
さてさて、またまた問題多き「新国立競技場」建設関連話題である。
 
国民の中には、政治家や官僚は自分たちよりも、期待を込めてだが、「先見性」や「洞察力」、そして「指導性」があると思っている人たちがいるかもしれない。
 
役員には文部省(現文部科学省)、大蔵省(現財務省)といった中央省庁からの天下り官僚が就任している日本スポーツ振興センター(JSC)は文部科学省の外郭団体である。
 
この組織が中心となって、実現不可能なデザインを検証能力も無いのに、設計を丸投げし当初予算の倍近くになってうろたええ、急遽規模を見直しをしたりしたが、頑なにコンペで優勝したデザインに固執していた。
 
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1年前からすでに「新国立競技場、本当にこれでいいのか!」といったレポートでは、こう指摘していた。
 
・・・前略・・・
そもそもJSCは大規模改修を検討していた時期がある。市民グループが情報公開で入手した内部資料によると、大規模改修は3年前に検討されていた。JSCが設計会社に詳細な耐震補強調査を依頼し、7万人収容規模への改修工事を4年の工期、総工費770億円で行えるとの試算結果がある。なぜ改築ではダメなのかについて、合理的な説明がなされていないままだ。来年10月の着工まで、まだ紆余曲折がありそうだ。
 
もっと紆余曲折してもらいたかったのだが、結局、消費税5%時の2013年7月の単価による概算で総工費1625億円予算が、軽く900億円も増加してしまった。
 
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<新国立、2520億円で契約へ 財源1000億円超不足>
 2015年6月25日 朝刊 東京新聞
20150625sinkokuritukyougijyouzaigen.jpg 2020年東京五輪・パラリンピック大会の主会場になる新国立競技場(東京都新宿区)の建設で、文部科学省などと施工予定のゼネコン2社が、総工費2520億円で契約する方針を決めたことが分かった。基本設計時の1625億円から約900億円膨らんだが、めどが立った財源は、国の税金(国費)など500億円程度。文科省が都に負担を求める500億円やスポーツ振興くじの売り上げを活用しても、当面見込めそうな財源は合計約1400億円で、1000億円以上が不足する。 (山口哲人、沢田敦)
 文科省と、所管する事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は月内にも、大成建設、竹中工務店と正式合意し、7月上旬までに契約する。屋根を支える二本の巨大アーチなど基本のデザインは維持する。着工は予定通り今年10月の方針。ラグビーワールドカップ(W杯)の開催半年前に当たる、19年3月の完成を目指す。
 デザインの実現性など見通しの甘さから大幅なコスト増となったことに、批判が高まるのは必至だ。
 政府は財源として国費、スポーツ振興くじ「toto」の売り上げの5%、都の負担−を当て込む。国費分は、総工費の枠外の解体費なども含め、計391億円を充当。totoは13年度に関連法が改正され、毎年度の売り上げの5%(年間50数億円)を建設費に投入する。13、14年度分で計109億円で、これらを合わせ、現時点でめどが立っている財源は計約500億円にすぎない。
 財源が大幅に不足する中、文科省は都に500億円の負担を要請。契約締結後、都との協議を本格化させる。今月29日には東京五輪大会組織委員会の調整会議が都内で開かれ、文科省はこの席上、総工費の増額について、組織委の森喜朗会長や東京都の舛添要一知事に報告する。
 この他、JSCが選手強化などのために使う「スポーツ振興基金」の政府出資分の一部、125億円の取り崩しも検討されている。totoの売り上げを財源に充てる期間は、「当分の間」となっている。仮に今後20年度までの6年分を充てると、約300億円強になる見込みだ。
 文科省と財務省は「これ以上の経費は原則、国費以外で賄う」ことで合意している。超党派の国会議員でつくるスポーツ議員連盟からは、売り上げの5%を10%に変えようという意見や、くじを野球にも広げる案が出ているが、2500億円の捻出は容易ではない。
 財源が不確実なまま見切り発車した巨大な事業のツケは、都民や国民に回される懸念が強まっている。
◆開閉屋根 別に100億円超
 政府とゼネコンが合意した2520億円には、設置が五輪後に先送りされた開閉式屋根の費用は含まれない。政府関係者によると、屋根の設置には別途、百数十億円が必要だが、どこが負担するかや財源は未定という。
 他にも、消費税増税や物価上昇、東日本大震災の復興需要などによる資材費や人件費の高騰が続けば、費用はさらに膨らむ。難工事が予想される巨大アーチでも追加費用が発生する可能性がある。
◆500億円負担要請 「話聞いてから」舛添都知事
 東京都の舛添要一知事は24日午後、報道陣の取材に「できるだけ広くみんなで議論した方がいい、など言いたいことは全部言って、ボールはもう投げている。受け取って行動するのは国」と強調。「答えを正式にいただいてから、どういう協力をできるか考えたい」と話した。
◆懸案アーチ そのままに
 新国立競技場の総工費は当初、1300億円の見込みだった。デザインは2012年11月の国際コンペで英国在住の建築家ザハ・ハディド氏の作品に決まったが、JSCの試算で3000億円になることが判明。昨年5月の基本設計時には規模が縮小され、1625億円とされた。
 だがゼネコン側は今年3月、3000億円超の見積もりを提示。アーチ構造がコストを押し上げた。文科省は、開閉式屋根の設置を五輪後に先送りし、8万席の観客席の一部を五輪時は仮設にするよう計画を変更した。
 建築家の槇文彦氏はアーチがコスト増大の原因だとして、見直しを訴えた。政府関係者によると、見直すと19年3月の完成予定に間に合わない恐れがあり、アーチの維持を決めた。
 
このアーチは「キールアーチ」と呼ばれ長さが370m、重さが約3万トン。
 
例えてみれば、東京タワーを曲げて競技場の屋根にかけるのだが、この費用だけで1500億円もかかるらしい。

昨年の8月には建築家の槇文彦氏が「槇文彦が新国立に対案『無蓋化し子供施設を併設』」という極めて現実的な提案を行い、現行の計画の問題点を指摘していたにもかかわらず、当時は一切耳を貸さず、今頃になって「見直すと19年3月の完成予定に間に合わない恐れ」があるなどと、始めから結論ありきのプロジェクトであったのであろう。
 
仮に建設が予定通りに行われても、その後の年間50億円と見込まれる維持費の手当ても曖昧模糊としている。
 
さらに官僚が7月の人事異動で交代し担当者も代わったりしたら、もちろん下村博文文科相は5年後にはその職にはついていないであろうから責任者を新たに作ったらしい。。
  
五輪担当相を特措法を成立して新たに設け、最終責任を押し付けようとの魂胆だろうが、65歳の無派閥の遠藤利明議員にはそんな力はない。
 
やはり最後は税金で負担しようとするのだろうが、そうなれば安倍内閣の責任問題となるが、その前に総辞職することが国民にとっても一番リスクの少ない方法ではないだろうか、とオジサンは思う。

 
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2015年06月24日

本土メディアは報道しない「帰れコール」

昨日の沖縄戦戦没者を追悼する「慰霊の日」では「首相と知事、辺野古で隔たり鮮明 沖縄・慰霊の日」ということになったが、翁長雄志知事は沖縄全戦没者追悼式での「平和宣言」で、政府に対し米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を中止するよう求めた。
 
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これに対して政府広報紙の讀賣新聞は社説「首相沖縄訪問 現実的な基地負担軽減を図れ」の中で、「犠牲者に哀悼を捧ささげ、平和への誓いを新たにする場を利用し、自らの政治的主張を前面に出したことには、違和感を禁じ得ない。」と翁長知事を批判していた。
  
これが平均的な本土メディアの姿勢なのだろうか。
 
海外メディアは異なる視点からこんな記事を発信していた。
 
<安倍首相、「慰霊の日」式典でやじ浴びる 沖縄戦70年>
 2015年06月23日 16:41 AFPBB News 発信地:糸満/沖縄
 【6月23日 AFP】太平洋戦争末期に住民を巻き込み多大な犠牲者を出した沖縄戦の終結から70年に合わせ、沖縄・糸満市の平和祈念公園で23日に行われた沖縄全戦没者追悼式で、あいさつのため登壇した安倍晋三(Shinzo Abe)首相が参列者からやじを浴びせられる一幕があった。
 米軍の沖縄駐留に不満を持つ地元住民らが、檀上にあがった安倍首相に「帰れ」などのやじを飛ばした。日本で首相が直接市民からやじられることはまれだ。
 安倍首相はあいさつの中で「沖縄の人々には、米軍基地の集中など長きにわたり、安全保障上の大きな負担を担っていただいている」と述べたうえで、「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と語った。
 一方、翁長雄志(Takeshi Onaga)沖縄県知事は、米軍施設の73.8%が日本の国土面積の0.6%を占めるに過ぎない沖縄に集中し、県民に負担を強いていると訴え、参列者の温かい拍手に迎えられた。(c)AFP/Alastair HIMMER
 
これでもかなり抑えた論調だが、ネット空間を飛び交うメッセージはより鮮明に式典模様を伝えていた。 
 
<「何しにきたんだ」「嘘言うな!」安倍首相の「沖縄慰霊の日」スピーチに「帰れ」コールが巻き起こる>
 2015年6月23日15:5 BUZZAP!
 米軍基地の辺野古移設強行を目論む安部首相が本日行われた「戦後70年沖縄全戦没者追悼式」に出席しましたが、スピーチ時に大きな「帰れ」コールが巻き起こりました。
米軍普天間飛行場の辺野古への移設を強行に推進する安部首相が、多大な住民らを犠牲にした悲惨な沖縄戦が終結した「慰霊の日」である本日6月23日に開催された「戦後70年沖縄全戦没者追悼式」に出席。
沖縄「慰霊の日」 翁長知事が平和宣言 :日本経済新聞
沖縄慰霊の日 翁長知事、平和宣言で「辺野古反対」表明:朝日新聞デジタル
辺野古移設反対を訴え、オール沖縄の支持を受けて当選した翁長雄志知事が平和宣言で辺野古移設反対を強く訴え、国民の自由・平等・人権・民主主義の等しい保障を求めるという異例の事態となりました。
 
沖縄の米軍の基地問題は我が国の安全保障の問題であり、国民全体で負担すべき重要な課題であります。特に普天間飛行場の辺野古移設については昨年の選挙で反対の民意が示されており、辺野古に新基地を作ることは困難であります。そもそも私たち県民の思いとは全く別に強制接収された「世界一危険」といわれる普天間飛行場の固定化は許されず、その危険性除去のため「辺野古に移設する。嫌なら沖縄が代替案を出しなさい」との考えは到底、県民には受け入れられるものではありません。国民の自由・平等・人権・民主主義が等しく保障されずして、平和の礎を築くことはできないのであります。
政府においては固定観念に縛られず、普天間基地を辺野古に移設する作業の中止を決断され、沖縄の基地負担を軽減する政策を再度見直されることを強く求めます。
(沖縄慰霊の日、異例の平和宣言 翁長雄志知事「辺野古移設の中止を」【全文】より引用)
 
この後安倍首相が登壇し、スピーチを行ったのですが、名前を呼ばれた時点から参加者からは相次いで「帰れ!帰れ!」「嘘言うな!」「何しにきたんだ」と激しいヤジが浴びせ掛けられます。
戦争立法 安倍晋三「沖縄慰霊の日」スピーチ6/23 – YouTube
海外から訪れた報道陣はこの異例の事態を素早くツイート。




しかしNHKはニュースでこの沖縄の反応を黙殺。これについても同様に海外報道陣が指摘しています。



 

 
安部首相はスピーチで「これからも沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」などと述べましたが、沖縄知事選と衆院選での沖縄の民意を尽く踏み躙り、反対を押し切って辺野古移設を進める安倍政権が沖縄から大きな反感を買い、知事から「自由・平等・人権・民主主義の等しい保障」を求められるのは当然のこと。
本当に安倍政権が沖縄の基地負担軽減に全力を尽くすのであれば、まずは辺野古移設の作業を停止するというごく基本的な誠意を見せなければ話は始まらず、嘘つきのレッテルを剥がすことも叶わないでしょう。
【追記】
「これからも沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」はずの安部首相ですが、翁長知事との実質的な会談を行わないなど、スピーチの内容が上辺だけの美辞麗句にすぎないことが浮き彫りとなっています。仲井真知事の時代は「慰霊の日」で来沖した歴代首相が知事と昼食を取りながら会談するのが恒例となっていました。昨年も安部首相と仲井真知事はホテルで会食しています。
しかし安部首相と翁長知事の「会談」は那覇空港に見送りに来た知事と貴賓室で5分程度経済問題について話したのみ。しかも「同席した山口俊一沖縄・北方相が沖縄観光について聞き、翁長氏が説明するなどにとどまった」とのことで、いったい安部首相が沖縄の基地負担をどのように軽減するのか、辺野古移設に反対する沖縄の民意にどう応えるかについては何ひとつ明らかにされていません。ほんの4時間ほどの沖縄滞在の中でもこうした二枚舌を隠そうとすらしない姿勢は不誠実であると言わざるをえないでしょう。 
 
もっとも、こんな「反日クズマスコミ大嫌い」人間が、


と喚いていたが、大方の日本人は、こんな冷静な見方かもしれない。


今朝の東京新聞「核心」によると、沖縄戦前年の1944年に米軍は対日占領政策の指針をひそかに策定していたという。
 
その中で沖縄(琉球)は「琉球人は(本土の)日本人から人種的に同等とみなされていない。日本と琉球の間には潜在的なあつれきがあり、(米国は)政治的に利用できる」とされていた。
 
つまり、「米国は『沖縄に基地を置いても日本国内でそれほど問題にならないだろう』ということを戦前から見抜いていた」と、長年、基地問題を追っている沖縄市在住のジャーナリストの屋良朝博さんは、日米同盟や東アジアの安全保障政策のために沖縄の基地政策は必要という世論にに対して異論を唱えていた。
 
実際にその通りのことがいま起きている。

沖縄駐留前にアフガニスタンに2度駐留したことがある海兵隊員は「沖縄の人は可哀想だが日本にとって沖縄しか選択肢がないのだから仕方がない」と言ってのける。
 
戦争法案を成立させることで、米国との同盟関係強化を急ぐ安倍晋三政権。
 
米国人が喜ぶ演説で媚を売り、己の保身のためには日本人の命を米軍に差し出す安倍晋三政権。
 
70年前と同じく「お国のため」という無言の圧力の下、名護市辺野古沖で新基地建設を強行しようとしている様は、沖縄を再び「捨て石」にしようとしているのだろう、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 10:48| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月23日

外圧に弱い安倍晋三、国民の声にも畏れよ

この1年ほど、憲法関係の学習会や集会に対して、今までは「共催」とか「後援」していた行政が、軒並み拒否するということが続いていた。
 
マスメディアに対しては「世論を二分するテーマは公平、中立に」という政府・自民党の要請と言う名の「恫喝」により、忖度報道が続いている。
 
そのような情勢の下、昨年の6月25日、地方のある公民館が個人の俳句を月報に不掲載するという「信じられない」出来事が起きていた。
 
ほとんどのメディアは報道せず、それも個人が被ったことなので危機感を強めた一部の人々が支援してきていた。
 
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そして、ついに行政の行為に対する司法判断を求める事態にまでなった。 
 
<九条俳句作者 提訴へ さいたま市に掲載求める>
 2015年6月23日 07時05分 東京新聞
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「三橋公民館だより」の昨年6月号(左)には俳句を掲載するコーナーが最下段にあったが、同7月号(右)ではなくなった
 「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ俳句を、さいたま市の三橋(みはし)公民館が月報に掲載するのを拒否したのは憲法で保障された表現の自由の侵害にあたるなどとして、作者の女性(74)が市などを相手取り、月報への掲載と、掲載拒否で被った精神的苦痛に対する200万円の損害賠償などを求め、25日にさいたま地裁に提訴することが分かった。
 掲載拒否から間もなく1年。公民館の判断を支持した市や市教育委員会の対応の是非が、司法の場で争われることになった。 訴状によると、三橋公民館では2010年11月以降、地元の俳句会が会員の俳句の中から選んだ一句を月報に掲載。「梅雨空に−」は昨年7月号に掲載する一句として句会で選ばれたが、公民館は昨年6月25日、「世論を二分するテーマ」として不掲載を句会に伝えた。
 訴状は、月報の俳句コーナーについて「住民が学習成果を発表する場(表現活動の場)として公民館が句会に提供してきた」とし、掲載拒否など内容を規制できるのは「規制目的がやむにやまれぬ公共的利益のため」で、かつ「規制手段が必要最小限度」に限られると指摘。公民館は世論が二分していることを理由に掲載を拒否しており、本来の規制目的・手段を逸脱、表現の自由を侵害したと主張する。
 また、趣味のサークルの表現活動に突然、公権力が介入したとして「民主主義の根幹を揺るがしかねない重大な問題が潜んでいる」と説明。
 この問題でシンポジウムや討論集会が開かれるなど社会的関心が高く、自由な学習や表現活動の場が失われかねないという国民の危機感の表れだと訴える。
◆「見過ごしてはいけない」
 「1年たったが、ほとんど何も変わらなかった。このまま私の俳句がなかったことにされるのは許せない」。作者の女性は本紙の取材に、訴訟にかける思いをこう語った。
 女性が「梅雨空に−」の句を詠んだのは昨年6月上旬。東京・銀座で集団的自衛権の行使容認に反対する女性たちのデモを見かけ、親近感を覚えたのがきっかけだった。「自分と同じような女性が声を上げていたのに心を揺さぶられた。それで自然に詠んだ句で、当時はこんなことになるとは…」と振り返る。女性は俳句が掲載拒否されて以降、市教育委員会の定例会や、掲載を求める市民の集会に足を運んできた。そのたび、絶対に掲載を認めようとしない市教委の対応を目にした。
 「私はどこにでもいる普通の主婦。思ったことを発言することくらい当然の自由と思っていた。けれど、そうではなかった」
 訴訟になると「家族や周囲に迷惑がかかるのでは」と迷いもあったという。それでも「自由に発言したり、表現したりできる今の社会は先輩方が必死に守り、育ててきてくれたもの。私がこれくらいいいかと、見過ごしてはいけない」と最後は決断した。
 「平和を祈ったなんでもない私の句が、なぜダメと言われなければならないのか。このまま納得はできない」 (岡本太)
       ◇
 今年1月1日から本紙朝刊1面に掲載している「平和の俳句」は、選者の金子兜太(とうた)さんといとうせいこうさんが昨年8月15日の本紙朝刊で「梅雨空に−」の掲載拒否などをめぐり対談したのがきっかけとなっている。
 
過去の公民館をめぐる訴訟で「『集会が政治的だ』との理由だけで自治体が使用を拒否できない」との判決が出ており、弁護団は「同様の判断が出るだろう」と期待しているという。
 
公民館の使用拒否の妥当性が争われた訴訟の判決は1989年、福岡地裁小倉支部で言い渡された。
 
原告は、福岡県の旧築城町(現築上町)の住民で、町内にある航空自衛隊基地での日米共同訓練に反対し、地元の公民館で集会を開こうとしたところ、町教育委員会は「政治的活動で、混乱を招きかねない」として使用許可を取り消したという。
 
住民は「集会の自由を保障する憲法21条に違反している」として町に慰謝料など130万円を求めて提訴し、判決は、憲法違反かどうかの判断は示さなかったが、「住民が公民館で行う集会について、単に政治的活動というだけで不許可にすることは全く合理性がない」と判断し、公民館などの公共施設について「正当な理由がない限り、利用を拒んではならない」と定めた地方自治法に違反するとして、町に15万円の支払いを命じていた。
 
神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は「公民館が『梅雨空に−』だけの掲載を拒否したのは事実上の検閲で、表現の自由の侵害だ」とした上で、「全国の自治体で憲法集会などの後援申請を認めないケースが相次いでいる。今回の裁判で原告の訴えが認められれば、その結果が全国に影響するのではないか」と話していた。
 
単なる「護憲」運動ではなく、憲法を生活に生かすと言う観点から、憲法に違反している行政の行為に対しては司法に判断させることも大切である。
 
さて、毎年、沖縄県の平和祈念公園で開催される沖縄全戦没者追悼式に出席し当時の知事と会談していた安倍晋三首相は、戦後70年の節目にもかかわらず今年は「首相、23日沖縄入り 知事と正式会談見送り」となり、「辺野古新基地建設」という困難なテーマからの敵前逃亡との誹りは免れない。
 
日韓首脳会談も、口先では「絶えず門戸は開いている」と言いながらも、歴史認識問題を避ける姿勢から実現していなかった。
 
このようなギクシャクした日韓関係については、、「米国にとって有害であり、これを直さなければ(アジア重視の)リバランス政策はできない」という米国からのメッセージや、「域内国家間の関係改善と協力が米国の政策と符合するとの立場を表明した」米国高官の発言により、遂に「日韓正常化50年:両首脳、未来志向の関係構築を強調」という次第になった。
 
「安倍家」「岸家」という名門政治家血族の取材を40年以上にわたって続けてきた政治ジャーナリストという肩書の野上忠興が、日刊ゲンダイの取材に対して、最近の安倍晋三の挙動についてこんなことを言っていた。
 
「70年談話を『私的見解』にすることを検討していると知り、またか、と思いましたよ。安倍さんはいつも威勢のいいことをブチ上げて、都合が悪くなると、裏口からコソコソ逃げるようなやり方をとる。憲法改正の発議に衆参それぞれ3分の2以上の賛成を必要としている憲法96条の見直しも尻すぼみ。憲法改正そのものも解釈変更でごまかす。全員を返すと宣言した北朝鮮拉致問題も何も動いていません。いずれにしても、『安保法制は違憲だ』と憲法学者3人が国会で断言したのをきっかけに、潮目が変わり、安倍首相の工程表はことごとく崩れた。順調に航路を進んできたつもりでしょうが、ここへ来て、急速に舵が重くなり、絡まり始めたように思います」
 
日曜日の共同通信の世論調査に続いて、朝日新聞も世論調査結果を発表した。
 
<内閣支持下落39% 安保法案「反対」53% 朝日新聞社世論調査>
 2015年6月23日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 朝日新聞社が20、21両日に行った全国世論調査(電話)によると、安倍内閣の支持率は39%で、前回(5月16、17日調査)の45%から下落した。支持率の40%割れは昨年11月22、23日の調査以来で、第2次安倍内閣発足以降最低に並んだ。安全保障関連法案への賛否は、「賛成」29%に対し、「反対」は53%と過半数を占めた。同法案が内閣支持率に影響したとみられる。
 安倍内閣の不支持率は37%(前回32%)。今回、内閣支持率は女性での落ち込みが大きく、前回の42%から34%に減少。不支持率も37%と前回の31%から増え、支持と不支持が逆転した。女性での逆転は昨年11月29、30日の調査以来だ。
 安保関連法案については、憲法学者3人が衆院憲法審査会で「憲法違反だ」と指摘したが、こうした主張を「支持する」と答えた人は50%に達した。他方、憲法に違反していないと反論する安倍政権の主張を「支持する」という人は17%にとどまった。
 安倍晋三首相は法案について「丁寧に説明する」としているが、首相の国民への説明は「丁寧ではない」という人は69%。「丁寧だ」の12%を大きく上回った。
 安保関連法案をいまの国会で成立させる必要があるか聞くと、「必要はない」が65%を占め、前回調査の60%から増えた。逆に、「必要がある」は17%だった(前回23%)。法案に「賛成」という人でも、今国会成立の「必要がある」と答えた人が49%いる一方、「必要はない」は37%と、一定数を占めていた。
 
安倍晋三首相が成長戦略の一環として「女性活用」を唱え、「活用」と言う語句に女性から批判が集まり、「女性が輝く・・」という姑息な表現に直した経緯があったが、その肝心の女性の内閣支持率が大きく下がったのが特徴である。
 
今朝の朝日新聞の社説は「安保法案―違憲の疑いは晴れない」と題して、
 
安倍首相はその後の参院決算委で「その時々の国際情勢への対応をどうすべきか。これを考え抜くことを放棄するのは、国民の命を守り抜くことを放棄するのに等しい」と反論した。
 だからといって、時の政府の裁量で憲法の歯止めを外していいことには決してならない。首相の言い分はあまりに乱暴だ。
 政権は、国会会期を9月27日まで延長することを決めた。通常国会の延長幅としては、戦後最長となる。異例の大幅延長は、法案が合憲だと国民を説得することに自信を持てないことの裏返しではないか。
 
と、いつものように今一つパンチが効いておらず、世論調査結果を背景に厳しく批判すべきであった。
 
その点、東京新聞は自民党に弱みを握られていないのか社説では「『違憲』の安保法制 撤回・廃案を決断せよ 」とのタイトルで、
 
与党が衆参両院で多数を占めていても、民意を無視して法案を強引に成立させていいわけがない。
 国民を畏れ、政府自らが法案撤回を決断するか、国会が良識に基づいて廃案とすることを、会期延長に当たって強く求めたい。 
 
と、明確に違憲法案の廃案を求めていたが、すべての良識あるメディアが揃って廃案キャンペーンを展開すれば、前歴のある安倍晋三首相は「都合が悪くなると、裏口からコソコソ逃げる」というお得意の醜態を演じて見せてくれるのではないだろうか、とオジサンは思う。 

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2015年06月22日

内閣支持率は漸減し、談話の閣議決定もできないらしい

連日、国会の周辺には多くの反対の声があふれている。
 
「労働者派遣法改悪反対」の声は、強行採決近くになって、公の場に出ると仕事がなくなるという弱い立場であった当事者たちが声を上げ始めたが、企業内労働者(正規社員)で組織されている労働組合の連合は、採決後に申し訳程度に街頭宣伝をするという体たらくであった。
 
正規、非正規にかかわらず、またすでに労働者を卒業してしまった高齢者たちも、揃って反対の声を上げているのが、分かりやすいレッテツが貼られている「戦争法案」。
 
この法案は違憲と明言している憲法学者は200名を超えたと言われているが、テレビでも有名になった「違憲」側の3人の憲法学者に対して、菅義偉官房長官が「いっぱいいる」と反論した中で、指名された3人の「合憲」側の学者の発言がまたもや話題になっている。
 
<「徴兵制は合憲」安倍政権“お抱え学者”3人のトンデモ解釈>
 2015年6月21日 日刊ゲンダイ
 トンデモない事態だ。菅義偉官房長官が「安保法案は合憲」とする憲法学者として名前を挙げた3人が、「徴兵制は違憲」とする政府判断について、「間違っている」と主張していることがわかった。要は“徴兵制は合憲”と言っているのだ。19日の衆院特別委員会で、辻元清美議員の質問で明らかになった。
 3人とは、西修・駒沢大名誉教授、百地章・日本大教授、長尾一紘・中央大名誉教授の各氏。西教授は「政府の徴兵制に関する解釈は、およそ世界的に通用しない解釈」、百地教授は「意に反する苦役に当たるという議論には反対」、長尾教授は「徴兵の制度と奴隷制、強制労働を同一視する国は存在しない。徴兵制の導入を違憲とする理由はない」としている。
 いずれも、憲法調査会の議事録や書籍などに記録として残っており、よほど自分の解釈に自信があるのだろう。
 この独創的な解釈に真っ青になったのは、3人を推した“張本人”の菅官房長官だ。委員会では「徴兵制は憲法上許容されるものではない」と否定した上で「(3人の主張は)知らなかった。あくまでも憲法学者のひとつの意見だろう」と話した。
 95%以上の憲法学者が「安保法案は違憲」とする中、安倍政権にとって、3人は“頼みの綱”だったはずだ。それでも、さすがに「徴兵制は合憲」と発言していたことが分かり、「ひとつの意見」と突き放すしかなかったのだろう。切り捨てられた3人は唖然としたのではないか。
 安倍政権は「憲法18条(その意に反する苦役からの自由)がある以上、徴兵制はあり得ない」と答弁しているが、本当に信じていいのか。徴兵制も自分たちの都合のいいように解釈をねじ曲げ、いずれ「違憲ではない」とするのではないか。
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
 「憲法9条から考えると、日本は戦争を放棄し、戦力を放棄しているので、徴兵制を問題にすること自体あり得ないんです。ただ、集団的自衛権を認めた安倍政権の手法を使えば、『国を守ることは国民の義務だ』との解釈から、18条を吹っ飛ばして、徴兵制を認めてしまうことも可能でしょう」
 このまま安倍政権の“横暴”を許せば、子供や孫たちが強制的に戦地に送り込まれることになるだろう。
 
「トンデモ3人組」の憲法学者と対比して、「安保法制は違憲」と言った「違憲3人組」憲法学者は、政府の指摘とことなり「自衛隊は合憲」論者であった。
 
<参考人3氏とも自衛隊は「合憲」 政権側の説明と食い違い>
 2015年6月22日 朝刊 東京新聞
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法案について、衆院憲法審査会で「違憲」の見解を示した憲法学者3氏がそろって、自衛隊は「合憲」と考えていることが分かった。3人の「違憲」表明後、政権側は、憲法学者は自衛隊までも違憲と考える人が多いと主張し、安保法案を違憲とする憲法学者の見解の説得力を弱めようとするが、3人は当てはまらなかった。 (荘加卓嗣)
 4日の衆院憲法審査会で、参考人の長谷部恭男早稲田大教授、小林節慶応大名誉教授、笹田栄司早大教授の3氏全員が、集団的自衛権の行使容認は憲法9条が認めた自衛権の範囲を逸脱しているとして「違憲」と断じた。
 これに政府・自民党は反発。自民党の谷垣禎一幹事長は5日の記者会見で「憲法学者には自衛隊の存在は憲法違反だと言う人が多い。われわれとは基本的な立論が違う」と強調。横畠裕介内閣法制局長官も同日の衆院特別委で「一般に憲法9条に関する憲法学者の意見は伝統的に『自衛隊は違憲だ』とするものが多い」と答弁した。
 11日の憲法審査会では、自民党の高村正彦副総裁が「自衛隊をつくった時にもほとんどの憲法学者は違憲だと主張していた。その通りにしていたら、自衛隊も日米安全保障条約もない」と発言した。
 しかし、15日に行われた日本記者クラブでの会見で、小林氏は「30歳から大学の教師をやっているが、ずっと自衛隊合憲説できた」と反論。長谷部氏も「自衛隊は合憲と思っている」と述べた。
 笹田氏も本紙の取材に「必要最小限度の実力の行使にとどまり、個別的自衛権の行使に限定された『実力組織としての自衛隊』は合憲と考える」と答えた。3氏とも自衛隊合憲説に立っており、政権側の説明と食い違った。
 
こんなことは、チョット考えれば分かることなので、いまさら驚くことはないのだが、一つ明らかに言えることは、自分たちのストーリーが否定されて狼狽した時の自民党の政治家の言うことには「信憑性がない」ということである。
 
ヤクルトの大ファンの「きまぐれな日々」のブログ主が、こんなことを書いていた。 
 
6月4日に3人の憲法学者が発した「安保法案は『違憲』」という意見で、安保法案をめぐる議論の「潮目が変わった」とも言われているが、安保法制に反対する側が優勢になるにはほど遠い。野球の試合にたとえれば、6回表まで5点をリードされた試合の6回裏に1点を返したもののそれに続く満塁のチャンスを逸してしまい、7回からの残り3イニングで4点差を逆転しなければならない試合展開というのが私の見立てである。
 
サッカーファンのオジサンの見立ては、後半45分寸前で敵のオウンゴールで同点になり、引き分け終了(会期終了・廃案)かと思いきや、国際ルールに則って延長戦に入ってしまいそうな状態である。
 
どうやら政府・与党は大幅な延長戦で最後はPK戦になっても圧倒的に選手が多い数の勝負に持ち込もうとしている。 
 
<安保審議、時間を確保 国会、9月下旬まで延長 政権、「再議決」も視野>
 2015年6月22日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 政府・与党は今国会の会期について、9月下旬までの大幅延長に踏み切る。最重要法案と位置づける安全保障関連法案で、維新の党との修正協議のめどがたたず、自民党が単独過半数を持たない参院での審議に時間がかかる可能性があると判断したためだ。十分な審議を行う姿勢をアピールする一方、最後は圧倒的多数を占める衆院での「再議決」も視野に法案成立をめざす。
 「国会で十分議論をし、国民に納得してもらう必要がある。そういうことをしっかりできるよう会期をとって、この国会で法制を仕上げたい」。自民党の谷垣禎一幹事長は21日、山形市での講演で訴えた。
 大幅延長に踏み切らざるを得ない一つの要因は、法案の修正協議を探っていた維新の党の出方がわからないためだ。安倍政権は維新との修正協議などを通じて、法案への賛成か、反対でも採決を容認してもらえないか、協力を得ようと接触を続けてきた。だが、維新の松野頼久代表は17日の党首討論で政府案の修正協議について「応じるつもりはない」と明言。23日にも党独自の対案をまとめるが、与党内には「一枚岩でない維新は信用できない」(自民党幹部)との声があり、現時点では修正協議のめどはたっていない。
 もう一つの要因は参院だ。自民は単独過半数の議席を持たず、衆院に比べて野党の主張が通りやすいため、審議が暗礁に乗り上げる可能性もある。参院自民は谷垣氏に対して「十分な審議時間を取ってほしい」と求めていた。
 官邸や自民党執行部は、衆院での「再議決」を視野に入れる。法案が衆院を通過後、60日経っても参院で採決されない場合、衆院で「3分の2」以上で再議決できる仕組みだ。自公は衆院で3分の2をゆうに超えている。ただ、のっけから「再議決」を前面に出したのでは、参院の存在感を軽んじることにつながる。このため、「再議決もあり得るとの印象を薄めるため」(参院自民幹部)として、想定以上の延長幅を確保した。
 公明党が強く求めながら、自民内で意見がまとまっていない参院の選挙制度改革をめぐる議論の時間を確保する狙いもある。
 自民党は安保関連法案が審議入りした当初、今月24日までに衆院を通過させ、7月中の成立をめざしていた。一時は8月のお盆前までの延長も検討したが、安倍晋三首相の野党議員へのヤジ問題や衆院憲法審査会で3人の憲法学者が「違憲」と断じたことなどから審議が進んでいなかった。
 首相は安保関連法案について米議会での演説で「この夏までに成就させる」と述べ、「対米公約」になっている。政府高官の一人は「今の国会でやらなければあと20年はできない。必ずやり遂げる」と漏らす。
 ■野党は「敵失」頼み
 「法案を取り下げるべきだ」。民主党の枝野幸男幹事長は21日、仙台市内で記者団に強調した。与野党で対立する安保関連法案と労働者派遣法改正案が24日までの会期内に成立しないのであれば、会期延長ではなく両法案をいったん廃案にすべきだとの訴えだ。
 特に安保関連法案をめぐり、政権が衆院での再議決も視野に入れた延長幅を設定してきたことへの反発は野党に強い。民主党幹部は「政府は7月10日ごろには(衆院で)採決させろと言ってくるだろう。そこから押し合いだ」と話す。別の幹部は「これだけ延長すれば審議不十分とはならず、『60日ルール』は使えないはずだ」と牽制(けんせい)した。
 維新幹部の一人も「これだけ延ばすのなら、いったん国会を閉めて継続審査にするのがまっとうだ」と強調する。維新は安保関連法案への対案を提出する構えだが、予想を超える延長幅に別の幹部は「独自案も含めて、こちらも出方を考えないといけない」。会期が限られていれば修正協議で与党が譲歩する可能性もあるが、大幅延長ではそれも望みにくいとの考えだ。
 衆参両院で与党が過半数を握り、国会運営を主導できない野党にとって、政権・与党の「敵失」に頼らざるを得ない面もある。民主党の閣僚経験者が語る。「国会を開いていれば何かが起きる。そこで野党は追及できる」
■今後の主な政治日程
 <6月24日>
 通常国会会期末
 <7月上〜中旬>
 政権が想定する安保関連法案の衆院通過
 <8月15日 終戦の日>
 この日までに安倍首相が戦後70年の談話発表
 <9月30日>
 自民党・安倍総裁(首相)の任期満了
 <9月下旬>
 延長国会の会期末
 国連総会
 <夏以降>
 九州電力川内原発の再稼働
 沖縄・米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う埋め立て工事開始
 
もし9月下旬までの会期延長となれば、「安保法制を成就した」暁に発表する予定だった「戦後70年の談話」も騒音に掻き消されてしまうことが予想されるが、その辺の事情を政府広報紙が如実に伝えていた。
 
<「70年談話、閣議決定見送りへ…「公式」薄める」>
 2015年06月22日 08時32分 YOMIURI ONLINE
 安倍首相は今夏に発表する「戦後70年談話」について、閣議決定を見送る方針を固めた。
 政府の公式見解としての意味合いを薄め、過去の談話にとらわれない内容とする狙いがあるとみられる。
 政府は、戦後50年に村山首相談話、60年に小泉首相談話をそれぞれ閣議決定した。いずれも「植民地支配と侵略」により、アジア諸国に「多大の損害と苦痛」を与えたとして、反省の意を表明しており、政府の公式見解となっている。
 安倍首相は、村山、小泉両談話を「全体として引き継ぐ」と明言しているが、「同じことを言うなら、談話を出す必要はない」と述べ、個別の文言にはこだわらない考えを示している。
 4月の米議会演説では、先の大戦への「痛切な反省」や「深い悔悟」に言及したが、「侵略」や「おわび」という表現は使わなかった。首相周辺は「今回おわびすれば、この先もずっとおわびし続けることになる」と話しており、70年談話でも「おわび」などへの言及を避けることが想定される。
 
「閣議決定見送り」に対して、安倍晋三擁護の天木直人は「安倍談話の閣議決定を見送る安倍首相は愚かの極みだ」と批判しながら「あたらな談話も発表しません、と撤回すればいいのだ。そこまで迷走すれば優柔不断の安倍と批判されるだろう。しかし、迷走の末に最悪の選択をするよりはましだ。傷が浅くて済む。これを称してダメージ・コントロールという。」と、そこまで庇うのかと呆れるようなアドバイスをしていた。
 
おそらく、国会会期が長くなればなるほど「安保法案『反対』58% 前回比11ポイント増 世論調査」のように「反対」の数字が大きくなることであろう。
 
最後に、元東電原子力技術者で、「院長の独り言」のブログ主が作成し話題になっているパロディ動画を紹介して、こんな「安倍ヒトラー」が早く成仏するまで、反対の輪を広げなければならない、とオジサンは思う。 
 


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2015年06月21日

仏滅の父の日

複雑な話の場合、相手の理解を得るために「例え」を示して説明することはよくある。
 
しかし、例えるものが異なれば、説明する内容も全く逆になってしまう。
 
<「集団的自衛権はフグ」 法制局長官が異例の答弁>
 2015年6月20日05時29分 朝日新聞DIGITAL
 政府の憲法解釈を担当する横畠裕介・内閣法制局長官は19日、安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で、国際法上の集団的自衛権と、安倍内閣が主張する「限定的」な集団的自衛権の違いを「フグ」に例え、「毒があるから全部食べたらそれはあたるが、肝を外せば食べられる」と答弁した。
 他国防衛を目的とする包括的な集団的自衛権は違憲となる一方、「限定的」な集団的自衛権なら合憲という趣旨だが、厳密な法解釈を行う立場の法制局長官が、こうした例え話を持ち出すのは異例。法案への理解が広がらない現状の裏返しと言えそうだが、長官経験者からは「好ましくない」との批判も出ている
 民主党の寺田学氏が、政府がこれまで集団的自衛権の行使を違憲としながら、憲法解釈を変更し、「限定的」なものとして容認したことについて、「腐ったみそ汁の中から1杯とっても、腐っているものは腐っている」とただした。
 横畠氏は「例え話をされたので」と切り出し、「(集団的自衛権が)毒キノコだとすれば、煮ても焼いても食えないし、一部をかじってもあたる」と答弁。さらに、「じゃあフグかもしれない」と続けた。
 内閣法制局は、内閣が出す法案などを審査したり、法律問題について首相や大臣に意見を述べたりする内閣の一部門で、長官は通常、憲法や法律についての厳密な答弁が求められる。今国会では、過去の憲法解釈と今回の安保関連法案との整合性が問題になっており、横畠氏が答弁に立つことが多い。
 横畠氏の答弁について、法制局長官経験者の一人は「法律論は政策論と違う。例えを出すのは正確性を欠くことが多く誤解されるおそれもある。条文を離れ、『例え』でやることは好ましくはない」と話す。政府関係者も「ここまでくだけた例え話は異例だ」と述べた。
 横畠氏は東大卒で検事出身。前任者の退任に伴い、昨年5月に長官に就任。集団的自衛権の行使容認に伴う憲法解釈変更の閣議決定や安保関連法案の審査を担った。(三輪さち子)

横畠裕介・内閣法制局長官は安倍晋三より遥かに頭がきれる人物であり、「例え」に対して「例え」で切り返す能力はあるようだ。。

恐らく安倍晋三首相ならば、鈍い頭がキレて「レッテル貼りはやめましょう!」と壊れたレコードのようにバカの一つ覚えを繰り返したことだろう。

「毒キノコ」を強引に「フグ」に例えたところまではうまくいったと本人は思ったのだろうが、むしろ逆にこの答弁で,集団的自衛権には毒があることがよく分かってしまった。
 
「肝を外せば食べられる」ということは肝、つまりは肝心な部分は外す必要があるらしい。
 
取りあえず前週までの安保国会における論点進行表を掲げておく。
 
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国会内で、「肝心な議論」よりも「例えゴッコ」している男たちに対して、元気な女性たちが「安保法案:反対の女性ら1万5000人、国会を囲む」という行動を起こしていた。
 
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年齢にかかわらず、男だけが集まって国会を包囲しても、全く絵にならなかったに違いない。
 
ところで「母」になった女性には、「母の日」があり、毎年メディアを中心に様々なイベントが催されることが当たり前になった。 
 
日本では84年前が起源らしく、5月の第2日曜日に行われる曜日なったのは米国の影響らしい。 
 
「母の日」は日本では、1931年(昭和6年)に、大日本連合婦人会を結成したのを機に、皇后(香淳皇后)の誕生日である3月6日(地久節)を「母の日」としたが、1937年(昭和12年)5月8日に、第1回「森永母の日大会」(森永母を讃へる会主催、母の日中央委員会協賛)が豊島園で開催された後、1949年(昭和24年)ごろからアメリカに倣って5月の第2日曜日に行われるようになった。
(Wikipedia)
 
小学生の頃、母の日に胸に赤いカーネーションを付け、母がいない児童は胸には「白いカーネーション」を付けさせられていた記憶があるが、余りにも可哀想と誰が言ったかは知らぬが、そんな悪習は姿を消している。
 
先月の母の日にたまたま立ち寄った地元のスーパーで、自分の母親に贈る1本のカーネーションを母親に買ってもらった幼児がいたが、それを見て「自分で金を貯められるようになるまで、生意気なことをするな」と腹の中で思ったが、もちろんオジサンは何も言わなかった。 
 
それでも、最近はカーネーションだけではなく、母への贈り物はバリエーションが増えており「母の日プレゼントまとめ」というサイトがあるほどである。
 
そんな母親の存在に比べれば、圧倒的に髪も影も薄い父親だが、それもそのはず「世界の父の日」には、日本独自の起源が記述されていない。 
 
父の日(ちちのひ)は、父に感謝を表す日。
・・・
最初の父の日の祝典は、その翌年の1910年6月19日にスポケーンで行われた。当時すでに母の日が始まっていたため、彼女は父の日もあるべきだと考え、「母の日のように父に感謝する日を」と牧師協会へ嘆願して始まった。
(Wikipedia)
 
「父に感謝を表す日」も、世界中でバラバラであり、最も早い国が、「1月6日のセルビア」で、もっとも遅い国は「12月26日のブルガリア」らしい。
 
しかしその他の、アジア、欧米、中南米、アフリカなど27か国が「6月第3日曜日」になっている。
 
今日は暦によれば「仏滅の父の日」である。
 
父の日プレゼントは『メール』を 贈る子どもはわずか」の記事によれば、
 
日本生命保険が実施した父の日に関するアンケート結果で、父親が欲しいプレゼントは「手紙・メール」が14.2%を占め、「食事」「酒類」に次いで3番目に多いことが17日分かった。しかし、子どもや妻が考えているプレゼントで「手紙・メール」を挙げたのはわずか1.0%にすぎず、大きな開きが出た。 ニッセイ基礎研究所の井上智紀准主任研究員は「プレゼントは物だけではなくメッセージを添えると喜ばれそうだ」と話している。
 父親が欲しいプレゼントとして「食事」は22・1%、「酒類」は15・3%を占めた。子どもや妻が贈ろうと考えているのは「食事」が28・2%で1位。
 
ということらしく、贈る側と贈られる側の意識の違いがあるというのは、日ごろの接触時間が母親に比べようもないほ短いので当然であろう。
 
オジサンの誕生月は6月なので、誕生祝と父の日プレゼントを両方贈ってくれるような妻も子どもたちもいない。
 
既に所帯を持っているオジサンの2人の子どものなかで息子は律儀に「6・7怒りの大集会」で報告したように、高級日本酒を誕生日祝いとして贈ってきた。
 
息子の姉であり2人の子持ちのオジサンの娘は、誕生日の前から事前のリサーチをオバサンとしていたらしく、誕生日と父の日のプレゼントをまとめたのか、中間の先週の日曜日に大きな箱詰めが届いた。
 
開けると、最近話題になっていたサントリーの瓶ビールセットだった。
 
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包を開けると箱の上に「1日1本以内でお願いします」と娘の手書きの「警告」メッセージがあった。
 
僅か305mlの小さな瓶入りなのだが、最初の1本を晩酌として飲んでみた。
 
2015年3月17日に新発売されたこだわりの瓶ビールである。
 
「醸造家の夢」と大げさに謳ったSUNTORY渾身の瓶ビールという触れ込み通りに、色は金エビスより濃いめでホップの香りが心地良く普段のビールより香りが強い。
 
一口飲むと予想以上に苦味がいいのだが後味で甘みがくる、プレミアムモルツと同じ甘みをわずかに残している。
 
当然ながら値段が「1cc」で1円以上もする高級ビールである。
 
決して喉の渇きを潤すように飲んではならないビールである。
 
晩酌用に飲むよりも、1日の最後の時間にゆっくりと独りで飲むビールである。 
 
今日の父の日が最後の1本であり、醸造家の夢を飲みながら、今夜は「オジサンの夢」でも見ることにする。

posted by 定年オジサン at 12:45| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月20日

これは選別指名解雇制度なのか

労働者派遣法大改悪法案が、19日の衆院厚労委で、同一労働同一賃金法案が「骨抜きどころかトゲ1本もない」修正案によって自公維3党の賛成多数で可決された。

そして衆院本会議でも民主・共産党以外の賛成であっさりと可決した。
 
今後この調子で様々な労働法制が憲法と同様に根本から崩されていく。
 
労働基準法とか労働組合法などが有名無実になってしまう。
 
そのような法案の先取り的な社内規則が一部の企業でも行われているという。
  
先日、1000名以上の関西のあるIT企業が労働組合に提案したこんな規程を入手した。
 
セカンドキャリア支援制度に関する規程

第1章 総則
(総則)
第1条 この規程は、次の4つで構成されるセカンドキャリア支援制度およびその運用に関する事項を定める。
(1)早期退職者に対する退職金の優遇加算制度(早期退職制度
(2)早期退職者が、独立・自営あるいは事業会社等を起こし、その経営者となる場合に会社が定める限度額内での出資又は融資、業務面での支援を行う制度(起業支援制度
(3)早期退職者の当社在籍中における転職活動や独立準備を行うための休暇制度(転進支援制度
(4)再就職支援を行う制度
(目的)
第2条 セカンドキャリア支援制度の目的は、次のとおりとする。
(1)中高年齢社員のセカンドキャリアを支援すること
(2)中高年齢社員の独立・自営の立上げを支援すること
(3)中高年齢社員の生活設計を支援すること
(申請可能者)
第3条 本制度の適用申請が可能な者は、第4条に該当する場合を除き、次の条件をすべて満たす者とする。
(1)申請時点において勤続10年以上
(2)申請時点において満45歳以上満58歳以下
(適用対象外)
第4条 下記の各号の1に該当する者は、本制度の適用対象外とする。
(1)懲戒あるいは普通解雇される者
(2)会社都合により退職する者
(3)引抜きによる競合会社への転職など当社の利益に著しく反する者
(4)会社が基幹的人材として教育投資を行っている者および過去行ってきた者
(5)会社の戦略的重要業務を担当している者および直近3年間に担当していた者
(6)上記(4)もしくは(5)の条件に準じる者
(7)その他本制度の主旨に合わず不適当と判断される者
第2章 早期退職優遇加算制度
(対象者)
第5条 本制度の適用対象者は、第3条に定める条件を満たし、かつ第4条各号に該当しない者のうち、本制度の適用を希望し、退職を申し出て会社から許可された者とする。
(本制度適用申し出の受付)
第6条 本制度を利用した退職の申し出は随時受け付ける。
(申請手続き)
第7条 本制度の適用を希望する者は、退職願とともに「早期退職優遇制度適用申請書」を会社に提出するものとする。
2 人事部は本人との面接および所属上司への意見聴取を行い、本制度の適用可否を決定し、人事担当取締役の決裁を受ける。3 本制度の適用可否は「早期退職優遇制度適用可否通知書」にて本人へ通知する。
(退職日)
第8条 本制度の適用を許可された者は、会社と協議し決定した退職日をもって退職とする。
2 第1項で定めた退職日は、変更することはできない。ただし、会社と本人双方で合意した場合は、早めることができる。
(本制度適用対象者の責務)
第9条 本制度の適用対象者は、次の事項を遵守しなければならない。
(1)退職日まで担当業務を誠実に遂行すること
(2)会社が指名した後任者との間で業務の引き継ぎを適切に行うこと
(3)退職日までに会社から貸与されたものを返却すること
(4)在職中に知り得た会社の業務上の秘密を他に漏らさないこと
(優遇加算金)
第10条 会社は、本制度の適用対象者に対し、退職金規程に定める退職金のほか、次の区分により優遇加算金を支給する。なお、ここで適用する年齢は本制度の申請時点における満年齢とする。
年齢区分    優遇加算金
満45歳〜満50歳  1000万円
満51歳〜満58歳 満50歳より1歳増える毎に1000万円から100万円を減額した額
(優遇加算金支払日)
第11条 優遇加算金は、退職金と共に、退職日にその全額を支払う。
第3章 独立・自営支援制度
(対象者)
第12条 本制度の適用対象者は、本規程第2章に定める早期退職優遇制度の適用を受けることを会社から許可された者のうち、独立・自営のための出資又は融資の申請を行った者で会社が認めた者とする。
・・・中略・・・
第4章 転職・独立準備休暇制度
(対象者)
第20条 本制度の適用対象者は、本規程第2章に定める早期退職優遇制度の適用を受けることを会社から許可された者のうち、転職活動又は独立・自営の準備活動を目的とした休暇取得の申請を行った者で会社が認めた者とする。
・・・中略・・・
第24条 休暇取得中は原則として1ヶ月に一度、人事部長に活動状況について報告しなければならない。
(その他)
第25条 本制度の適用を受ける者については、本規程第5章に定める再就職支援制度は適用しない。

第5章 再就職支援制度
(対象者)
第26条 本制度の適用対象者は、本規程第2章に定める早期退職優遇制度の適用を受けることを会社から許可された者のうち、再就職支援の申請を行った者で会社が認めた者とする。
・・・後略・・・
 
会社側の言い分によると、これは社員個々人の問題なので労働組合とは協議することはない、ということらしいが、当然ながら組合側の反発を招いているという。
 
まだまだその会社で定年まで働きたいと思っている社員が、「早く辞めれば少々退職金に色を付けてやる」と言われれば、労働条件の大きな変更になり、組合との協定を結ぶ必要がある。
 
雇用調整の一環として時限的に実施される希望退職とは異なり、早期退職優遇制度は、中高齢者が定年を待たずに自らの意思で退職しやすい環境を整えて、社員が第二の人生を歩むことを会社として支援すること、及び組織の若返りを図ることを、その目的としているらしいのだが、社員の高齢化に伴い、ポストが不足し、人件費負担が重くなってくる中で、社員のためではなく、企業側の都合であることは言うまでもない。 
 
上記の規程において、極めて危うい項目がある。 
 
第4条 下記の各号の1に該当する者は、本制度の適用対象外とする。
(1)懲戒あるいは普通解雇される者
(2)会社都合により退職する者
(3)引抜きによる競合会社への転職など当社の利益に著しく反する者
(4)会社が基幹的人材として教育投資を行っている者および過去行ってきた者
(5)会社の戦略的重要業務を担当している者および直近3年間に担当していた者
 
上記の適用対象外の内、
(4)会社が基幹的人材として教育投資を行っている者および過去行ってきた者
(5)会社の戦略的重要業務を担当している者および直近3年間に担当していた者
たちは、会社が必要として将来的には幹部候補生とみなされる社員であり、簡単には辞めては困るのだが、これは言葉を変えれば、(4)、(5)以外の社員は、定年まで企業で働くことができない、早く退職せよ、と言うことになる。
 
そして(4)、(5)に適用する社員は全体の人数からすれば当然少数となる。
 
したがって、「セカンドキャリア支援制度」とは聞こえは悪くはないが、社員を選別して、早期退職しか道がないという状況に追い込む、明らかな「選別指名解雇制度」ではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月19日

安倍晋三シンパ評論家の危機感か墓穴か

「たくさんいる」といっていた憲法学者の中で僅か1人の西修という「憲法学者」をメンバーにした昨年の安保法制懇を使って、「憲法の枠組み」の中で集団的自衛権行使容認は「合憲」と答申させて、強引に閣議決定を行った安倍政権。
 
そして閣議決定に基づいて自公の与党協議を経て「戦争法案」というわかりやすい「レッテル」を貼ってもらった安保法制案が、こともあろうか衆院憲法審査会の船田元・与党筆頭幹事の「自民・船田氏、憲法審参考人は『人選ミス』」により、3人の憲法学者の参考人に戦争法案は「違憲」と明言されたことに危機感を覚えた安倍晋三首相は、どうやら戦法を変えてきた。
 
<首相「解釈固執は責任放棄」 安保法案>
 2015年6月19日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 安倍晋三首相は18日、衆院予算委員会の集中審議で、集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障関連法案について、「国際情勢にも目をつぶって従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任の放棄だ」と述べた。
 4日の衆院憲法審査会では、憲法学者3人が、憲法解釈の変更を「憲法違反」と指摘した。首相の発言は学者らの指摘を否定し、国際情勢の変化に応じた解釈変更を正当化したものだ。
 首相は、北朝鮮を念頭に「我が国の近隣にたくさんの弾道ミサイルを持った国があり、大量破壊兵器、核兵器を載せる能力を開発している」と述べ、集団的自衛権の行使を容認した理由として、安全保障環境の変化を挙げた。これに対し、民主党の玉木雄一郎氏は、憲法学者3人の指摘を取り上げ、「国民の理解は深まっていない」と批判した。
 首相は1959年の砂川事件判決を挙げ、「最高裁によって、国の存立を全うするために必要な措置を取り得ることは、国家固有の権能として当然との判断があった」と強調。「その上で必要な自衛の措置とは何かを考えるのは、国民の命を守る内閣や国会に課せられた使命だ」と述べ、集団的自衛権の行使容認は、最高裁判決の範囲内との考えを示した。
 
法律論では憲法学者に勝てるはずがない安倍晋三首相。
 
今度は、憲法学者と違って政治家は、国際情勢の変化に応じて憲法解釈をしてもかまわない、ということを言い始めたのである。
 
あたかも、「優秀な憲法学者」よりも「頭の悪い政治家」の方が上であるかのごとき発言である。
 
1年生議員から「最高責任者」の総理大臣まですべてが、憲法学者を含む国民の税金で「雇われてる」ということを知らないらしい。
 
国民の負託というのは、何をやってもいいという「白紙委任」ではない。 
 
そして露骨に北朝鮮の脅威を掲げる様は、国民の生命を守るというよりは、北朝鮮に負けない軍事力を持ちたいという「戦争を知らない」戦争ゴッコにあこがれる大きなガキである。
 
こんなガキに対して、黙ってはいられない女性がマイクを握った。 
 

 
 
<93歳寂聴さん、国会前「命懸け」スピーチ>
 2015年6月19日 08時04分 東京新聞
 死を覚悟した訴えが、国会前に響きわたった−。18日夜、東京・永田町の国会議事堂近くで繰り広げられた安全保障関連法案に反対する抗議行動に、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(93)が参加した。すぐれない体調と高齢を押して駆け付けた「命懸け」のスピーチは、主催者発表で2000人以上集まった参加者の心に深く刻み込まれた。
 「どうせ死ぬならここに来て、『このままでは日本はだめだよ』と申し上げて死にたかった」。法衣姿の寂聴さんが車いすから立ち上がり、国会議事堂裏の歩道で語り始めると、抗議行動に集まった人たちからどよめきが上がった。
 背骨の圧迫骨折や胆のうがんなどで昨年五月から療養生活に入り、ほとんど寝たきりだった。今年4月には法話を再開したが、完治にはほど遠い。
 1922年に生まれ、太平洋戦争末期の空襲では母親と祖父を亡くした。自著で「戦争の生き残り老人は、嫌われてもののしられても、戦争反対を言い続けなければならない」と記すなど、戦争を憎む思いは人一倍強い。91年の湾岸戦争、2001年の米アフガニスタン攻撃の際には断食も決行した。
 「良い戦争は絶対ない。すべて人殺しだ」。この日も、反戦を訴える舌ぽうは衰えをみせなかった。約5分のスピーチを終えると、参加者たちは「ありがとう」と声を上げた。
 抗議行動への参加を決意したのは2日前の16日。スピーチ後、会見した寂聴さんは「年寄りを集めて国会前に座りたかった。必ず冷えて3人や4人は死ぬ。あなた方(報道陣)はほっとけないから大騒ぎする」と冗談めかして振り返った。
 今の状況は開戦に向かっていた当時の日本の雰囲気に似ているという。「表向きは平和だが、すぐ後ろの方に軍靴の音が続々と聞こえている。そういう危険な感じがする」
 療養中も法案をめぐる国会論議に注目していた。「このまま安倍晋三首相の思想で政治が続けば、戦争になる。それを防がなければならないし、私も最後の力を出して反対行動を起こしたい」と決意を語った。
 参加者からは感激の声が相次いだ。東京都小平市のNPO法人役員保坂みどりさん(63)は「あの年齢で、命を懸けて来てくださるなんて。すごく勇気をもらった」と声を弾ませた。
◆国会前スピーチ要旨
 瀬戸内寂聴です。満93歳になりました。きょうたくさんの方が集まっていらっしゃったが、私よりお年寄りの方はいらっしゃらないのではないか。去年一年病気をして、ほとんど寝たきりだった。完全に治ったわけではないが、最近のこの状態には寝ていられない。病気で死ぬか、けがをして死ぬか分からないが、どうせ死ぬならばこちらへ来て、みなさんに「このままでは日本はだめだよ、日本はどんどん怖いことになっているぞ」ということを申し上げて死にたいと思った。私はどこにも属していない。ただ自分一人でやってきた。もし私が死んでもあくまでも自己責任だ、そういう気持ちで来た。だから怖いものなしです。何でも言って良いと思う。
 私は1922年、大正11年の生まれだから、戦争の真っただ中に青春を過ごした。前の戦争が実にひどくって大変かということを身にしみて感じている。私は終戦を北京で迎え、負けたと知ったときは殺されると思った。帰ってきたらふるさとの徳島は焼け野原だった。それまでの教育でこの戦争は天皇陛下のため、日本の将来のため、東洋平和のため、と教えられたが、戦争に良い戦争は絶対にない。すべて人殺しです。殺さなければ殺される。それは人間の一番悪いことだ。二度と起こしちゃならない。
 しかし、最近の日本の状況を見ていると、なんだか怖い戦争にどんどん近づいていくような気がいたします。せめて死ぬ前にここへきてそういう気持ちを訴えたいと思った。どうか、ここに集まった方は私と同じような気持ちだと思うが、その気持ちを他の人たちにも伝えて、特に若い人たちに伝えて、若い人の将来が幸せになるような方向に進んでほしいと思います。
 
オジサンの母親は寂聴さんより3歳も「若い」が、既に老人施設の認知症入居者であるので、93歳になってもしっかりと聴衆の前で話せる寂聴さんには驚いてしまう。 
 
昨年は「言論の自由は政党内でもメディア内でも保障される!?」の中で、集団的自衛権の行使容認を積極的に説いていた、東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋を批判した。
 
そして今年になって「デタラメ流布する右翼論説委員」では、「『労働者派遣法改正』に関して、自説に都合の良い図や表を用いて歪んだ結論を作り出してしまう、こんな似非ジャーナリスト」と批判を続けた。
 
ところが、2週間ほど前に発表したコラム「新国立競技場の建設問題 いったい何が起きているのか?」では、「まずは第一義的当事者であるJSCと文科省、そして下村大臣が自らの責任を自覚して、国民と都民に事態をしっかり説明する必要がある。それができないというなら、首相官邸が事態収拾に乗り出す以外にないだろう。」と、当たり障りのないことを言っていた。
 
しかし、安倍政権に批判が集まり始めると、トタンに本性がむき出しになってくる。 
 
<安全保障法制見直し論議。憲法学者の見解は絶対なのか>
 2015年06月12日(金) ニュースの深層 長谷川 幸洋
 安全保障法制の見直しについて、3人の憲法学者が国会で「違憲」と断じたのをきっかけに憲法論議が再燃している。だが、違憲かどうかを決めるのは学者ではない。最高裁判所だ(憲法81条)。そこで最高裁の砂川判決(1959年)をあらためて読み直してみよう。
 
「専門家」の権威に弱い日本人
こういう作業はともすれば、プロの裁判官や弁護士など専門家にお任せすべき仕事と思われがちだ。とりわけ新聞記者やジャーナリストがそうだ。普段は「自分が一番事情に詳しい」とうぬぼれているくせに、こと法律とか判決になると、からきし「専門家」の権威に弱い。
私は40年近く新聞業界にいるが、ちょっと専門的な話になると「先生のお説を賜ります」とへこへこする記者が多いのにあきれている。司法記者はとくにそうだ。自分の頭で判断できないのだ。だから、一見もっともらしく書いている司法記事や社説は、たいてい「専門家」から聞いた受け売りである。
とりわけ左派系マスコミはここぞとばかり、左派系論者を動員し、自分たちもそれに追従して論陣を張っている。もともと安保法制論議では長谷部恭男・早大教授も小林節・慶大名誉教授も左派系マスコミの御用的存在だった。彼らの議論はずっと前から同じだが、国会で意見を述べたとたんに大注目されるのは、マスコミの歪んだ権威主義の裏返しである。
そもそも安保法制のような案件で、憲法学者の説をありがたく賜っていること自体が日本の危機ではないか。憲法学者の議論が無駄とは言わないが、憲法の専門家が日本を脅かしている脅威を正しく判断し、それへの対応策を立案できるわけがない。
 彼らの多くはひからびた法律知識を金科玉条のごとく抱きしめて、それを学生たちに講義するのを職業としている。「ひからびた」というのは、文字通りだ。なぜなら憲法は制定以来、一度も改正されていない。
その間、日本を取り巻く安全保障環境は激変し、ここ数年はとりわけ大激動している。にもかかわらず、憲法は変わらず、したがって憲法学者の頭の構造も変わっていない。そういう学者の説にしたがって、日本の安全保障政策を考えようという姿勢自体が日本を危うくする。私はそう思う。
 
砂川判決をどう読むか
その点を確認したうえで、あえて憲法論争の土俵に乗ってみよう。私は専門家でも司法記者でもないが、日本語が読めればとりあえず十分だ。最終的に何が正しく、どうあるべきかを考えるのは学者ではない。国民である。実は後で触れるように、砂川判決のエッセンスも「最終的には国民の判断に委ねる」という点にある。
砂川判決(要旨はこちら、http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55816、全文はこちら、http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/816/055816_hanrei.pdf)とは、米軍立川基地の拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に突入して逮捕された事件に関連して、最高裁が憲法9条と日本の自衛権や日米安保条約との関連について初めて下した判決だ。
最高裁はこの判決で、憲法9条は戦争を放棄し戦力の保持を禁止しているが、それによって「主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく」(中略)「我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」と述べた。
ここで国家固有の権能として認められた自衛権の中に集団的自衛権も含まれるかどうか、が焦点になっている。判決はそこを明示していないが、論理が指し示す含意的結論はたどっていける。
判決は日米安保条約について言及した中で「条約の目的は(中略)国際連合憲章がすべての国の個別的および集団的自衛の固有の権利を有することを承認しているのに基づき(中略)わが国の安全と防衛を確保するに必要な事項を定めるにあることは明瞭である」と書いている。
そのうえで、そんな目的をもった安保条約が「違憲なりや否やの法的判断は、純司法的機能をその使命とする司法裁判所の審査には、原則としてなじまない性質のものであり、したがって一見、極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のもの」(=統治行為論)という判断を示した。
 
集団的自衛権が違憲ではない根拠
まず「安保条約は国連憲章51条にある個別的自衛権と集団的自衛権を基礎にしている」。判決はこの点を認めた。そのうえで「安保条約が違憲かどうかは一見、明白に違憲とはいえず司法権の範囲外」というロジックになっている。
言い換えれば「集団的自衛権も基礎にしている安保条約は一見、明白に違憲とはいえない」。そうであれば、安保条約が基礎にしている集団的自衛権も一見、明白に違憲とはいえない、という話になるのではないか。むしろ、おそらく合憲の範囲内になる。私にはそう読める。
奥野健一裁判官と高橋潔裁判官は判決に対する補足意見の中で、もっと鮮明に安保条約合憲論を展開した。判決本文が示した統治行為論を退け「裁判所が安保条約の国内法的効力を審査することは可能」としたうえで、次のように述べたのだ(判決全文の中にある)。
ーーーーーー
「安保条約は(中略)国連憲章51条の『個別的および集団的自衛の固有の権利』に基づき(中略)自衛のための措置を協定した集団的安全保障取極で(中略)もとより侵略を目的とする軍事同盟であるとは言いがたく、憲法9条の精神にも、その前文の趣旨にも反するものとはいえない」
ーーーーーー
この補足意見にしたがえば、個別的および集団的自衛権に基づいた安保条約を合憲としている。そうであれば、条約の前提の一部になっている集団的自衛権が違憲という話になるわけがない。もっと簡単にいえば、安保条約自体がそもそも日米2国間で取り決めた、集団的自衛権に基づく協定なのだから、集団的自衛権を否定したら安保条約自体が成り立たないのだ。
 
裁判所に最終判断を委ねるべきではない!
さらにいうと、米国との2国間関係のみならず、第6条で極東(具体的には韓国、台湾、フィリピン)の平和と安全にもコミットした安保条約が集団的自衛権を前提にしているのを認めたとしても、集団的自衛権に基づく武力行使は認めていない、というような左派の議論もある。
これは馬鹿げている。基地があるのは有事で使用するのが前提だ。基地使用を認めないというなら、基地そのものを認めないのと同じである。つまり安保条約違憲論であり、これはまさしく砂川判決が結論を出している。
統治行為論については、先に引用した「司法審査権の範囲外のもの」という記述に続いて、こうある。「第一次的には、右条約の締結権を有する内閣およびこれに対して承認権を有する国会の判断に従うべく、終局的には、主権を有する国民の政治的批判に委ねらるべきものであると解するを相当とする」
この「国民の政治的批判に委ねられるべきもの」という点に、私は同意する。先の補足意見は条約の「国内法的効力」に注目して、その限りにおいては司法審査権が及ぶという主張だった。
だが、国の存立にかかわるような重大案件についていえば、最終的には国民の判断次第ではないか。まずは国民が選ぶ国会議員と議員が選ぶ政府の判断が大事であって、裁判所に国の存立にかかわる最終判断を委ねるべきではないと思う。
これは1959年の判決である。いまから56年前だ。それだけの時間が経っても、同じような議論が国会で蒸し返されているとは、ある意味、驚き以外のなにものでもない。それくらい安全保障の論議は、時間が止まっていた証拠である。安保条約と砂川判決については、1年前の2014年5月16日に公開したコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/39274)もご参考に。
 
「もともと安保法制論議では長谷部恭男・早大教授も小林節・慶大名誉教授も左派系マスコミの御用的存在」と決めつけてしまうところに、長谷川幸洋の「自分が一番事情に詳しい」とうぬぼれている浅薄さが現れている。 
 
小林節・慶大名誉教授は自民党お抱えの改憲派の筆頭であったが、改憲せずに解釈改憲による戦争法案が「違憲」と断じたに過ぎず、決して「左派系マスコミの御用的存在」ではない。
 
しいて言えば「9条改憲派のあの小林節・慶大名誉教授までもが反対している」という表現が多かった。
 
特定秘密保護法案に賛成した長谷部恭男は前述したように、衆院憲法審査会の船田元・与党筆頭幹事の『人選ミス』に過ぎない。
 
「砂川判決をどう読むか」は読んだ人の勝手だが、少なくとも安倍政権内部の連中の論理は「1972年政府見解」を認めている以上は破綻している。 
 
不思議なのは、自民党の高村正彦副総裁が憲法審査会で必死になって行った言い訳「憲法の番人である最高裁判所が下した判決こそ、我々がよって立つべき法理であります」を、「裁判所に最終判断を委ねるべきではない」と一喝していたが、その後の文章を精査してみると、「最終的には国民の判断次第ではないか。まずは国民が選ぶ国会議員と議員が選ぶ政府の判断が大事」とあり、結論的には安倍政権が自由に判断しても構わない、と言うことになる。
 
今となっては、安倍政権自体が「我が国の存立危機事態」であるにもかかわらず、その政権の判断が大事とは、この御仁の立ち位置はもはや「極右論説委員」であろう、とオジサンは思う。

ラベル:長谷川幸洋
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2015年06月18日

サヨク嫌いでも批判する戦争法案

少なくとも現在の自民党幹部や首相取り巻き官邸連中に比べれば、日本国憲法に関しての知識と教養をはるかに多く持ち合わせている憲法学者たちに「違憲」と明言されて、居直り始めた安倍晋三首相。
 
戦争法案に関する審議も、法案の個別質疑ではなく、「そもそも違憲」という流れになってしまったため、昨日の党首討論も、特に民主党・岡田克也党首との討論が単なる「闘論」になってしまった感は否めなかった。

<首相、具体的説明を拒否 集団的自衛権行使 岡田氏「違憲」>
 2015年6月18日 朝刊 東京新聞
20150618tousyutouron.jpg 安倍晋三首相と民主党の岡田克也代表ら野党三党首による党首討論が17日、行われた。首相は安全保障関連法案に関し、他国を武力で守る集団的自衛権の行使が許される具体的な状況の詳細な説明を拒んだ。政府が集団的自衛権の行使を容認する理由に挙げる安全保障環境の変化も明確に示さなかったため、岡田氏は「安保法案は違憲だ」と断言した。
 安保法案を違憲と批判する声が憲法学者を中心に広がって以降、首相が国会で答弁するのは初めて。首相は「安保法案の正当性、合法性には完全に確信を持っている」と強調した。
 首相は集団的自衛権行使の事例として、朝鮮半島有事の際に日本へのミサイル攻撃を警戒する米艦の防護を例示。詳細な状況を明らかにすれば、日本が武力行使に踏み切る判断基準が他国に知れ渡ると指摘し、「国際的にも、こんなことをすべて述べているリーダーはいない」と述べた。
 岡田氏は、安倍政権が昨年7月の閣議決定で集団的自衛権の行使を容認する理由に安保環境の根本的な変容を挙げたことを踏まえ、首相が戦時の機雷掃海に意欲を示す中東・ホルムズ海峡の状況変化をただした。首相は「国際社会全体の変化を言っている。お互いにより助け合わなければならない時代になった」と、ホルムズ海峡の状況変化には言及しなかった。
 これに対し、岡田氏は「時の内閣に武力行使や憲法判断を白紙委任しているのと一緒だ。立憲国家ではない」と批判。「集団的自衛権は要らない」と語気を強めた。首相は質問に正面から答えず、岡田氏に逆質問する場面が目立った。
 維新の党の松野頼久代表は、政府の安保法案に関し「(与党との)修正協議に応じるつもりはまったくない」と表明。共産党の志位和夫委員長は、戦闘中の他国軍を支援する活動について「武力行使と一体不可分だ」と批判し、安保法案の即時廃案を求めた。
 
党内の意見がまとまっていないという根本的な弱点を持っている民主党に対しては、安倍晋三首相の挑発的な言動が目立ち、野党党首が国民を代表して質問しているということを全く無視して、ディベートして勝とうとしたり、感情論、感情的な価値判断で答えようとしており、法律論にはなっていなかった。
 
ところが共産党の志位和夫委員長の過去の国会答弁等を使用した理詰めの質問には、途端に早口で同じことを繰り返すなど、理論的に答える場面はなかった。
 
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志位委員長の「『後方支援』は兵站という戦闘行為」との指摘に対して、安倍晋三首相は「安全なところでの後方支援」なので「兵站」ではなく「平坦」とでも解釈しているかもしれない。
 
これなら、民主党党首の質問時間を半減して、もっと志位委員長に十分質問させれば、安倍晋三首相はボロを出し自己論理矛盾に陥り自滅したかもしれない。
 
【党首討論の全容】 
 

 
朝日新聞の社説では、珍しく分かりやすく安倍晋三首相の言葉の欺瞞性を的確に指摘していた。 
 
<党首討論 空費される言葉たち>
 2015年6月18日05時00分 朝日新聞DIGITAL
・・・前略・・・
 首相は、何のために討論の場に立っているのか理解していない様子だった。時間が限られていることを承知の上で、延々と持論を展開したり、岡田氏が「暴力を肯定した」とレッテルを貼ったりと、民主党批判に時間を費やした。法案への国民の理解を深めたいと本当に思っている人が取る態度ではない
 「重要影響事態にどういうことが加われば存立危機事態になるのか」。岡田氏の質問に対し、首相は法案の定義をなぞるばかりで、あえて付け加えたのは「どういうことでなければ武力行使をしないのか、そんなことをいちいちすべて述べている海外のリーダーはほとんどいない」という言葉だった。
 岡田氏は「だからやはり憲法違反だ。(法案は)時の内閣に、武力行使するしない、憲法違反になるならないの判断を丸投げしているのと一緒。こんな国はどこにもない」と指摘。それでも首相は集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更について「昨年5月15日の私の記者会見以来、約300人の議員の質問に答えている。この正当性、合法性には完全に確信を持っている」と言い切った。
 何人の質問に答えようが正当性とは無関係だ。「憲法違反」の疑念は払拭(ふっしょく)されていない。
 討論を通じて改めてはっきりしたのは、首相は異論に耳を傾けようとしないし、異論をもつ人を説得する意思も持ち合わせていないということだ
 維新の党の松野代表は「審議をすればするほど、内閣の説明が十分でないという人が増えていく。答弁されればされるほどよくわからなくなっていく」と指摘した。その通りである。
 こんな審議をどんなに重ねても、日本という国のありようを大転換させる重大法案の成立を許す免罪符にはならない。
 
さて、1990年代後半に「新しい歴史教科書をつくる会」をやっていたり、『戦争論』という漫画で大東亜戦争を真っ向から肯定した漫画家が、最近は「ネトウヨの生みの親・小林よしのりが右傾化を憂えている! 安倍とネトウヨを徹底批判」とか「小林よしのり氏が米軍の沖縄駐留を批判『自衛隊への侮辱』」と、還暦を過ぎた頃から立ち位置が右からずれてきたらしい小林よしのりが、安保法制に「真っ向から」批判している。
 
<安保法制・私はこう考える:戦争する覚悟あるのか 漫画家・小林よしのりさん(61)>
 毎日新聞 2015年06月18日 東京朝刊
20150618kobayasiyosirin.jpg 
 米国に追従して自衛隊が地球の裏側まで行けるようにする安保法制は、いわば「戦争法案」ですよ。わしが嫌いなサヨクみたいな言い方になっちゃうけれど、それが現実。みんな、戦争をする覚悟はできているのか?
 後方支援は、戦争遂行のために兵や物資を運ぶ兵站(へいたん)です。リスクは変わらないと政府は言うが、うそ。真っ先に攻撃される可能性があるし、戦死者が出るかもしれない。そしたらどうやって弔うの? 靖国神社にまつるの? 当然、考えるべきことなのに、政府は考えていない。当事者意識も覚悟も感じられないよ。
 戦死者が出るってこと自体、今の憲法ではあり得ないことで、改正するのが筋でしょ。わしは、日本国憲法は護憲派が言うほど平和な憲法ではないと思っている。「戦力不保持」という建前のせいで、防衛をアメリカに依存せざるを得なくなる。主権を握られているのと同じことで、だから米国の侵略戦争に引きずり込まれてしまう。
 今度の安保法制もその流れにある。自主防衛の体制を整えれば、自立できるのに。現憲法は戦争を助長する憲法ですよ。
 イラク戦争なんて完全に失敗だった。どれだけ中東を混乱させ、罪のない民が殺されたか。そんな戦争を我々が支持してしまったのに、総括をしないばかりか、罪悪感すら感じてない。平和国家なんかじゃないよ、この国は。安保法制でさらに「従米」を強め、同じことを繰り返すの? わしはもう、うんざりだよ。【聞き手・川崎桂吾】=随時掲載
==============
 ■人物略歴
 ◇こばやし・よしのり
 福岡大在学中に漫画家としてデビュー。代表作に「東大一直線」など。新著は「ゴーマニズム宣言SPECIAL 新戦争論1」。
 
「日本国憲法は護憲派が言うほど平和な憲法ではないと思っている。『戦力不保持』という建前のせいで、防衛をアメリカに依存せざるを得なくなる。主権を握られているのと同じことで、だから米国の侵略戦争に引きずり込まれてしまう」という論理には無理がある。
 
国内への米軍の駐留を認めているのは「戦力不保持」という憲法があるからであり、したがって米軍駐留は憲法違反ではないというのが、多くの問題を背景に抱えての最高裁の砂川判決だった。
 
憲法を無視した戦争法案だから「米国の侵略戦争に引きずり込まれてしまう」可能性が大きいのである。
 
完全な失敗だったイラク戦争に「人道的支援」を行ったが、憲法の制約によって一人の死者も出さずにすんだのだが、2014年4月16日現在の自衛隊イラク派遣後の自殺者合計が28名も出ていることも事実である。
 
政治的イデオロギー抜きの多くの憲法学者や法律家、歴史家たちまでが戦争法案反対の声を上げている。
 
そして保守派からも、改憲派の憲法学者もこの法案の如何わしさが指摘され、もはやこの法案は「夏までに成就」ではなく、夏までに「成仏」させなければならない、とオジサンは思っている。

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2015年06月17日

サッカー日本代表に欲しい、安倍晋三の「スピード感を持って前に進めたい」

昨夜の天気予報では今日は厚い雲に覆われるが雨の心配はなさそうであった。
 
それが、10時過ぎ頃から突然の豪雨に見舞われ、隣家の雨どいからは雨があふれ、外の道路を見ると排水溝から雨水があふれていた。 
 
遠く九州を襲った集中豪雨が他人事ではなくなった気分になった。
 
20150617gouu02.jpg20150617gouu01.jpg
 
日本だけではないのだが、近年の気象状況は人智を超えているようである。
 
予測できない地震や火山の噴火などは、日本列島の地の底からの自然の怒りそのものである。
 
しかし多くの国民の怒りは政府のやること成すこと全てに向けられている。  
 
逼迫している国の財政健全化については、政府と自民党の間では「財政健全化:自民『歳出改革』ちぐはぐ政府は経済成長優先」という国民不在の不毛な議論になっているらしい。
 
20150617zaiseikenzenka.jpg
 
どちらの政策も国民の立場に立った政策ではないことは明らかである。 
 
「規制緩和」という言葉がイメージが悪いからと「規制改革」と看板を付け替えても、結局は経済界のための施策であり、それは労働者や農業・医療分野にも大きな影響を与えることになる。
 
<「解雇に解決金」導入答申 規制改革会議>
 2015年6月17日 朝刊 東京新聞
20150617kaiketukinimage.jpg 政府の規制改革会議(議長・岡素之(もとゆき)住友商事相談役)は十六日、雇用や農業、医療などの分野で規制緩和策の答申を決め、安倍晋三首相に提出した。焦点の不当に解雇された労働者に支払う「解決金制度」について導入検討と踏み込んだ。農地の集約に向けた耕作放棄地の課税強化も明記した。
 安倍首相は、答申を受け「提言をしっかりと実行していくことが私たちに託された使命だ」と強調。改革実行に向け「スピード感を持って前に進めたい」と表明した。
 解決金制度は、裁判で解雇が無効との判決が出た場合、職場復帰ではなく金銭の支払いで決着する仕組み。労働者に金銭解決の選択肢ができることで早期決着が見込め雇用の流動化が進む一方、安易な解雇につながるとの問題が指摘されている。労使の代表や有識者が今後、具体的な制度設計を議論する見通しだが、利害対立で調整が難航する可能性もある。
 政府は、答申を新たな成長戦略に反映。規制改革実施計画を策定し、成長戦略と経済財政運営の指針「骨太方針」とともに月内に閣議決定する。
 答申は経済界の要望を受けた解決金制度の導入検討のほか、耕作放棄地への課税強化を打ち出した。農地は固定資産税が低く抑えられているため、耕作しない農地を保有したままでは税負担を重くする仕組みを検討する。農地集約による大規模化を進めやすくする。
 医療では、患者の服薬情報を一元的に管理する「かかりつけ薬局」の要件を明確にする。普及すれば薬の飲み残しや重複を防ぎ医療費の抑制効果が期待できる。調剤薬局を医療機関と別の場所に置く「医薬分業」について、経営が独立していることを前提に分業規制の緩和も要望した。
 理髪店と美容院が兼業できない規制を見直し、従業員が全て理容師と美容師の双方の資格を持っている店に限り兼業を認める。
 自民党の規制改革推進委員会も16日、地域活性化に向けた規制緩和策などを盛り込んだ提言を政府に提出した。
◆経済界の意向優先
 政府の規制改革会議が答申に盛り込んだ「解雇の解決金制度」は、過去の政権も導入を目指したが労働界の反対で見送られてきたいわくつきの政策だ。経済界との関係を重視する安倍政権は、その要望に応えて再び導入を目指すが、「不当解雇が増える」と反発する声は根強く、今後の議論も難航必至だ。
 政府は労使紛争の長期化を避けるためと説明するが、「解雇が容易になる」と労働側は批判、溝は埋まっていない。制度導入は2002年と06年に厚生労働省の審議会で議論されたがいずれも連合などの反対で実現には至らなかった。
 経済界はその後も、規制改革要望として掲げ続けた。国際競争が激しくなる中、迅速な組織再編や人員の整理に制度が役立つからだ。
 一方、アベノミクスは3年目を迎え、政府の成長戦略で目新しい政策は乏しくなってきた。今回、難題の解決金制度をあえて重点項目と位置づけて「再チャレンジ」したことに、経済政策の手詰まり感がうかがえる。厚労省の調査では、14年度の民事上の労使紛争に関する相談件数は23万8806件と高水準で推移している。
 日本労働弁護団(東京)常任幹事の佐々木亮弁護士は「解雇が無効となった場合、判決が命じた支払額に上乗せして雇用関係を終わらせるという交渉は既に行われている」と指摘し、制度を新たに設ける必要性を疑問視する。今後の議論で解決金が不当に低い金額に抑えられることも懸念している。
 政府は解決金制度を、労働者側のみ選択できる仕組みにする方向だ。しかし、政府内の議論では、労働者の保護よりも、企業の活性化を重視して制度導入を目指す姿勢が際立っている。
 佐々木氏は「いずれは企業側も制度を選べるようにするなど、条件を緩めていくのではないか」と警戒している。
◇規制改革答申骨子
▼裁判で解雇が無効との判決が出た場合に、職場復帰ではなく金銭の支払いで決着する「解決金制度」の導入検討 
▼耕作放棄地への課税を強化。耕作しない農地への税負担を重くする仕組みを検討
▼患者の服薬情報を一元的に管理する「かかりつけ薬局」の要件を明確にして普及を推進
▼調剤薬局と医療機関を別の場所に置く「医薬分業」を見直し、経営独立を前提に規制緩和
▼従業員が全て理容師と美容師の資格を持っている店は、理髪店と美容院の兼業を認める
 
「解雇の解決金制度」の実態は「首切り自由な社会」の実現であり、雇用主にとっては正社員を次々と非正規社員に置き換え、反抗的な社員はいつでも解雇して、裁判になれば少額の金銭で解決できるということになり、働く者は雇い主の顔色をうかがって働かなければならないという、閉塞感が充満する社会になってしまう。 
 

 
すでに本番に突入しているFIFA女子ワールドカップ・カナダ2015。
 
競技人口が少ないこともあり、4年前に大方の予想を覆して華麗なパスサッカーにより世界一になった、なでしこジャパン。
  
その後は、パスサッカーを多くの国が取り入れ、体力的に勝る欧米のチームには勝てなくなった。
 
「前世界一」のチームが世界ランキングでは現在はランキング4位。 
 
グループCでは相手の3チームはいずれもランキングでは格下であるが、なでしこジャパンは初戦のスイス代表戦、第2戦のカメルーン女子代表戦、そしてとエクアドル女子代表戦でいずれも1点差での勝利を収めC組1位で決勝トーナメント進出を決めた
 
年々差が縮まってきている女子サッカー界。
 
最小得点ながらも勝ち点3を取り続けた結果である。 
 
一方、ロシア・ワールドカップ アジア2次予選の初戦を迎えた日本代表は16日、格下のシンガポール代表と対戦し、23本もシュートを放ちながら0−0で引き分けてしまった。
 
試合終了後の日本代表の選手たちは惨敗したかのような表情だった。
 
20150617soccerjapaneleven.jpg 
(毎日新聞より)  
 
昨夜は、夜の定例会議が終了した時点で、速報をネットで見ると「前半0-0で終了」という信じられない結果。
 
さっそくテレビ中継やっているいつもの店に入り、後半を見るが、どちらが格下なのか分からないような日本代表の戦いぶり。
 
得点欲しさに選手が個人プレーに走り、日本らしさの連携プレーが影を潜めていた。
 
今までもアジアの格下チーム相手には良く見られた光景だが、それでもかなりの点差で勝っていた記憶がある。
 
しかし最近の日本代表(2014年ブラジルW杯当時のメンバー)には、肝心の何かが欠けているようである。
  
辛口で有名だが、指摘内容は核心を突いているサッカー解説者のセルジオ越後は、SoccerKingで、日本代表の戦い振りをこう批判していた。
 
「親善試合ではなく、しっかりと研究してきた相手には何もできない。裏のスペースを消した相手に対して、展開力もスキルもなかった。アジアカップのUAE戦と一緒で、同じ試合を見ているようだったよ。ハリルホジッチはすごいとみんな言っていたけど、過去の戦いとどこが変わったの? 相手監督には素晴らしいと言うべきじゃないかな」
 
「差があると言われた相手にしっかりと差をつけて勝つことができて、初めて強いチームと言えるんだよ。イラクより格下、なんて世間が言っていた相手に何もできない。本当に強いチームのエースなら1人で4点、5点は取っているような試合だよ」
 
「ハリルホジッチのやり方をみんなが絶賛していたけど、選手は怯えちゃっていたよね。日本人は厳しく追及された時にそれを跳ね返す文化がない。指示を受けている宇佐美の表情はこわばっていたしね。サッカーをエンジョイするという気持ちもなかった。それではサッカーに幅もできないよ」
 
「裏のスペースを消されて柴崎はパスが出せなくなった。本田も香川も良くなかった。酒井宏樹なんてひどかったよ? 海外組もスーパーじゃないし、スキルがこれしかないということ。長谷部は試合後『修正して次に…』といつもと同じことを言っていた。次の試合も出場できるものだと思っているのかな。危機感を感じないと」
 
「日本は6人の交代枠があれば世界でトップ5に入れるかもしれない。でも3人の交代枠だと崩せなくなる。狭いところで崩せないよね。(フットサル日本代表の)森岡薫がいたら3点は取れていたかもしれないよ。練習の時のミニゲームでやっているような狭いところでのパス回しを何でやらないの? やろうとしないからやれないんでしょ。しっかりと強化せず、このまま繰り返しているようでは、日本のサッカーは強くなるどころか弱体化していくよ」
 
「ハリルホジッチは縦への速さを求めて、選手も監督に言われたことを従順に繰り返した。裏に飛び出せないのに同じやり方をしたよね。打開策の交代も前線の数を増やすという今まで見てきたやり方と同じ。ピッチ上で選手たちが工夫しないと」
「サポーターは日本代表のユニフォームを着ると、みんなブーイングをしなくなる。今日だって少なすぎるよ。マスコミも海外なら、こんな試合をした翌日の新聞やテレビは大荒れだよ。ちゃんと批判するのか、明日が楽しみだね」
 
これほど名指しで選手を批判する解説者は他には見当たらない。
 
数年前までは海外でプレーしている「海外組」でチームを編成すれば最強のチームになる、という夢をみている国内のサポーターもいたが、今では海外のチームで「控え組」になっている連中のほうが多いのが実情である。
 
サッカーは「昔の名前」と経験が通用する程簡単なスポーツではなく、常に試合感覚を磨かなければ通用しない。
 
ところが、海外組の多くは「試合間隔」が長い選手が多いのが最大の問題である。
 
世界中のエースクラスが集まる欧州のクラブに国内リーグで得点王になった選手がオファーを受けて欧州のチームに移籍しても、レギュラーの地位を確保するのは並大抵ではない。
 
欧州組のリーグ戦の最近10試合の出場状況(5月8日現在)を見ると、常時スタメンに名を連ねるのは、FW岡崎慎司(マインツ)とMF長谷部誠(フランクフルト)の2人だけ。
 
ビッグクラブに所属していても出場機会を得られなければ、試合勘は鈍るのは当然で、昨夏までマンチェスター・ユナイテッドに所属していたMF香川は、ブラジルW杯で調子が上がらず先発落ちしている。
 
就任当時、ハリルホジッチ監督は「ザッケローニ元監督のように、欧州組を優先する気はない」と言っていた。
 
たしかに欧州組でも日本ベンチには多くの選手がいたが、GKの川島永嗣だけは別格であり、常にレギュラーなのだが、昨日の試合を見た人が「川島永嗣だけなんで所属チームでレギュラーでないのに日本代表に呼ばれているのですか?」とYAHOO知恵袋に投稿していた。

まさに「我が意を得たり」の気持ちになった。
 
世界のサッカー界ではGKは守りの中心でありDFとのコンビネーションとコミニュケーション能力が重視されるため、代表にGKが3人選ばれても、正GKが全試合でゴールを守ることが常識となっている。
 
この常識を見事に破ったのがなでしこジャパンの佐々木則夫監督で、予選リーグ3試合を3人のGKと複数のDFの組み合わせで勝ち抜いてきた。
 
今後の決勝トーナメントの采配はどうなるのかは不明だが、少なくとも男子の日本代表のGKは川島以外の、Jリーグ全試合出ているGKを起用することが、今後のチームの士気を高める秘訣になるのではないだろうか、とオジサンは思う。
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2015年06月16日

ご都合主義者たちの憲法の私物化

「与党の政治家は参考人が都合のよいことを言ったときは『専門家』、都合が悪いときは『素人』と侮蔑の言葉を投げ付ける」
 
この強い不快感を示したのは、昨日、日本外国特派員協会で記者会見した、安全保障関連法案に関し、衆院憲法審査会で「憲法違反」と明言した長谷部恭男早稲田大教授。
 
名古屋高裁が2008年にイラクでの航空自衛隊活動を違憲と判断した際には、
傍論にすぎず、政府としてこれに従う従わないという問題は生じない」との立場を取ったことは記憶に新しい。
 
ところが、米軍駐留の合憲性が争われた最高裁の砂川事件判決(1959年)のうち「自衛の措置」に言及した部分は判決理由と関係ない付随的な意見「傍論」にあたり、「厳密な法的拘束力はない」と認めたにもかかわらず、判決には「重みがあり尊重すべきだ」と述べ、集団的自衛権の行使を認める根拠に位置付けたという、素人には理解できないダブルスタンダード。
 
都合の悪い時には「傍論」と矮小化し、1972年(昭和47年政府見解)には、「集団的自衛権行使ができるということは、憲法9条をいかに読んでも読み切れない。」と政府見解を作成した当時の吉國内閣法制局長官が明言しているにもかかわらず、この年の見解より13年も前の「傍論」を根拠に「集団的自衛権の行使を認める根拠に位置付けた」とはまさに「暴論」。  
 
法案の与党協議を主導した自民党の高村正彦副総裁は先週11日の衆院憲法審査会で「憲法の番人である最高裁判所が下した判決こそ、我々がよって立つべき法理」と強調していたが、昨年11月、格差が最大4.77倍だった2013年7月の参院選は違憲状態だったとする「憲法の番人である」最高裁の判断には無視してきたような連中は、論理も法理も何もない、単なる手前勝手なご都合主義者であろう。 
 
やはり、地方からも市民の反対の声が上がり始めた。 
 
<市民の声受け止めて 高知で憲法審査会公聴会、懸念続々>
 2015年6月16日05時19分 朝日新聞DIGITAL
20150616kouchoukaimember.jpg
 意見陳述者として出席したのは6人。公募に応じた約20人の中から憲法審査会の委員(衆院議員)が選んだ。公募テーマは「改正国民投票法等の施行を受けて、これからの憲法審査会に望むこと」だったが、安保法制に言及する人が相次いだ。
 日本料理店を営む土倉啓介さん(52)=徳島県阿南市=は、集団的自衛権を使えるようにすることに「賛成」の立場を示した。一方で、憲法の解釈を変えて進めることには「解釈変更は最高法規を軽視することであり、正面から改正するべきです」と訴えた。
 約5年前に親族が振り込め詐欺に遭いそうになったことを機に法律に関心を持つようになった土倉さん。用意した原稿5枚を早口で読み上げたが、持ち時間の10分では足りなかった。
 2人目は主婦の竹田昭子さん(58)=高知市。子育てが一段落した十数年前、思い立って司法試験を受けたといい、「意見を言いたい」と応募した。
 安保法制をめぐる国会審議はラジオで聴いてきた。竹田さんは原稿を手に、安倍晋三首相へ「総理大臣は憲法で与えられた地位。憲法改正を軽々しく扱わないでください。憲法は権力者側で都合良く変えてはいけない」と呼びかけた。
 高知大人文学部の岡田健一郎准教授(憲法)、高知自治労連の筒井敬二さんは新たな安保法制を「憲法違反」と指摘。最後に陳述した翻訳業の佐野円(まどか)さん(49)=高知県いの町=は「憲法の根幹を損なうような改憲は改正の限界を超えてしまい、クーデターに近づいてしまう」と強い口調で訴えた。
 早稲田大法学部で学び、塾の講師などを経て30代前半で地元に戻った佐野さんは、時事問題を議論する元中学教師の父(80)と応募した。政府中枢から憲法を否定するような発言が相次ぐことに「立憲主義を軽視している」と非難した。
 5人目に陳述した尾ア正直・高知県知事は安保法制に触れなかった。民主党議員から尋ねられ、政府方針への支持と十分な議論の必要性を明らかにした。
■市民ら50人が傍聴
 応募した市民ら約50人が公聴会を傍聴した。主婦の藤田希民子(きみこ)さん(47)=高知県香美(かみ)市=は「議員がどんなつもりで憲法を議論しているのか見てみたい」と考え、夫と足を運んだ。
 4〜15歳の3人の子どもがいる藤田さん宅は山あいにあり、上空は米軍機が飛行訓練を繰り返す「オレンジルート」。低空を飛ぶ様子を撮影し、昨年12月にフェイスブックに載せると、2週間で再生回数が10万回を超えた。爆音を響かせる機影と驚いて泣き出す次男が映っていた。
 米軍との関係がさらに強まる新たな安保法制を危ぶむ意見が公聴会で出たことに、「議員は今日の議論を聞き置くだけでなく、慎重な審議につなげてほしい」と藤田さん。「一人一人が関心を持てば流れが変わるかも。傍聴の感想もフェイスブックに書き込みます」と話していた。
 百貨店でアルバイトをする大西由祐(ゆうすけ)さん(24)は兵庫県加古川市から列車を乗り継いで来た。「中国の海洋進出を考えると、米軍とも助け合う必要がある」と言い、集団的自衛権を使える国になることには理解を示す。一方で公聴会での議論を聴き、「徴兵制度ができたら、自分や子どもの世代が心配」とも考えるようになったという。「法案についての賛否は自分の中で明確にならなかった。もっと国民の意見を聴く場を各地で設けてほしい」
     ◇
 《国会の公聴会》 国民の関心が高い重要な案件を国会で審議する過程で、識者や市民らを「公述人」として招き、意見を聴く。国会内で開く中央公聴会、地方に議員が出向く地方公聴会がある。特定秘密保護法(昨年12月施行)をめぐっても開かれたが、法案が反対意見を踏まえて大きく見直されることはなかった。
 
「公聴会」はあくまでも国会議員が「市民の声を聞き置く」程度で政治的な拘束力はない。
 
だからと言って、「特定秘密保護法をめぐっても開かれたが、法案が反対意見を踏まえて大きく見直されることはなかった」と事実をそのまま報道するだけでは、こんな公聴会がうまく利用されたり形骸化されてしまう。
 
むしろ「特定秘密保護法」をめぐるメディア側の弱腰をこの際は反省し、公聴会での市民の声を、どのように国会に届かせるのか、ということに知恵を絞ってもらいたいものである。
  
昨日の夕刊には、小林節慶応大名誉教授の怒りが十分に伝わっていた。
 
<これはもはや憲法私物化?>
 毎日新聞 2015年06月15日 東京夕刊
20150616kokkaihouidemo.jpg
 「憲法は、国の最高法規」のはず。ところが憲法を軽んじるかのような発言が、安全保障関連法案を巡る国会審議などで安倍晋三内閣の閣僚や自民党幹部から相次いでいる。憲法を政治家の“ご都合主義”で解釈されてしまっていいのか。【小国綾子、小林祥晃】
 ◇9条2項 陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない
 やはり、この人の怒りは収まっていなかった。憲法学の重鎮、慶応大の小林節名誉教授だ。「憲法軽視発言は、安倍政権が独裁化している証拠です!」と声に力を込める。まず問題にしたのが、5日の自民党役員連絡会で飛び出した高村正彦副総裁の発言。「憲法学者はどうしても9条2項の字面に拘泥するが……」という内容だ。憲法学者3人が4日の衆院憲法審査会で安保法制を「違憲」とする見解を表明したのを受けたもので、審査会では小林氏も参考人として意見を述べた。
 いわば売られたケンカ。小林氏はこう反論する。「憲法学者が法律の『字面に拘泥』するのは当然です。言葉にこだわる学者を煩わしいと思うなら、それは政治家の慢心。人治国家と法治国家を、あるいは独裁国家と民主国家を分けるのは、約束を言葉にまとめた法律です。『字面』をないがしろにすれば、その先にあるのは独裁政治です」
 小林氏の怒りの火に油を注ぐかのように、さらに高村氏が「学者の言う通りにしていたら、自衛隊も日米安全保障条約もない。平和と安全が保たれたか極めて疑わしい」と憲法学者を批判した。小林氏は「事実誤認だ。1950年、自衛隊の前身の警察予備隊ができた当時も『憲法は自衛権を認めており、警察予備隊は憲法上認められる』という憲法学者はいました」と説明する。
最もとんでもない発言と小林氏が憤るのが、5日の衆院平和安全法制特別委員会での中谷元(げん)防衛相の「現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのかという議論を踏まえて(集団的自衛権行使容認の)閣議決定を行った」という答弁だ。中谷氏自身、自著「右でも左でもない政治」(2007年)で「これ以上、解釈の幅を広げてしまうと(略)憲法の信頼性が問われる」と記した。13年には雑誌の対談で憲法解釈変更による行使容認はすべきでないと発言していたはずだが??。
 ◇98条1項 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない
 ここで、改めて憲法を確認しよう。憲法98条1項は<この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又(また)は一部は、その効力を有しない>とある。つまり「法律が憲法に適合するか」と考えるのが当然だ。中谷氏もさすがに10日の同委で「趣旨を正確に伝えられなかった」と発言を撤回した。
 小林氏は「立憲主義を何と考えているのか。まさに憲法を軽んじる失言で、語るに落ちたと思いました。『綸言(りんげん)汗のごとし』の格言通り、責任ある者の一旦発した言葉は簡単に取り消したり訂正したりはできない。このような人物が防衛相の要職にあること自体問題です」。中谷氏に「レッドカード」を突きつける。
 菅義偉官房長官も問題発言の当事者だ。憲法審査会で憲法学者から「違憲」の見解を示されると「合憲だとする憲法学者はたくさんいる」と発言したのだ。ところが、10日の同委で野党から具体的な名前を問われた際は3人しか列挙できず「数の問題ではない。憲法の番人は最高裁であって学者ではない」などと述べた。
 小林氏は「ご都合主義」と怒る。「昨夏、集団的自衛権行使の容認を閣議決定した時、政府は、今回、合憲とする学者として名前を挙げられた3人のうちの一人、西修・駒沢大名誉教授らがメンバーになった安保法制懇で識者の意見を聞いて決定した、と国民に説明しました。ところが、学者に違憲と指摘されると『憲法の番人は学者ではない』と反論する。都合の良い学者の意見しか聞けない姿勢は問題です」
 他の学者はどう受け止めているのか。首都大学東京大学院の木村草太准教授は「圧倒的多数の憲法学者が安保法制を『違憲』と考えている。政府が法案の合憲性に本当に自信があるなら、違憲論者を納得させるぐらい、明確に説明すべきだ」と語る。
 さらに「あいまいで具体性を欠く閣僚答弁に、憲法や法の理念をないがしろにしている姿勢がうかがえます。『法の支配』の理念に反しています」と批判する。
 「野党議員が『こういう場合は武力行使するのか』と質問しても、答弁に立った閣僚は『行う』『行わない』と明言せず、武力行使ができる範囲をあいまいにしています。一連の答弁は、安保法制の今後の運用を決定づける重要な解釈であるべきなのに」。国民が一連の答弁を認めてしまうことに潜む危険性も説く。「将来、時の政権がいかようにも法を乱用できる道を開くことになるのです」
 国会議員の定数是正問題でも自民党は憲法を軽んじている。最高裁は昨年11月、格差が最大4・77倍だった13年参院選について「違憲状態」と認定。しかし参院選を来年に控えた今もなお、選挙制度改革は進んでいない。「1票の格差」是正を訴え、各地で国政選挙の無効訴訟を起こしている弁護士の伊藤真さんは「菅官房長官が『憲法の番人は最高裁』というなら、まず1票の格差の問題に真摯(しんし)に取り組むべきです」と主張する。
 「都合の良い時だけ最高裁を持ち上げ、都合の悪い時は最高裁の意思を無視する。これでは二枚舌。最高裁判断の軽視は、憲法の軽視と同じ。そして学者、有識者はいわば国民の代表です。自民党が学者らを軽視するのは国民軽視にほかならない」
 ◇99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ
 なぜ、憲法や憲法学者を軽んじる発言がとまらないのか。ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「根っこは昨夏の『解釈改憲』。そこでボタンを掛け違えたから、つじつま合わせのために無理な答弁を強いられ、憲法軽視発言につながっている」と説明する。
 「『安倍1強』状態で、党内でまともな議論にならない。数の力にあぐらをかき、安保法制の勉強会一つない。地元で安保法制についてまともに説明できない1、2年生議員も山ほどいる。閣僚らの憲法軽視発言の背景に、自民党の組織のゆるみが見て取れる」と問題を指摘する。
 党幹部の中には「どうせ数で決まる。下手に反対して安倍首相の恨みを買い、9月の総裁選後の新体制人事で干されるより黙っていた方が得」と漏らす者もいるという。国の将来より自分のポストが大事というわけなのか。
 もう一度、憲法99条を読んだ。国務大臣、国会議員らはこの憲法を尊重し擁護する義務がある、と定めている。自民党が憲法を「私物化」するのは許されない。
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そして、さらに「『安全保障法制は違憲、安倍政権は撤回を』〜長谷部恭男氏・小林節氏が会見」の中で、小林節名誉教授の具体的な運動に関する発言が印象的だった。
 
「狂ってしまった政治は、次の選挙で倒せばいいんです。」
「撤回しないならば選挙で倒すべきだと思います。」
「いま世論調査が支持率が下がれば、安倍内閣は次の選挙が怖くなってやめるんですよ。やめなかったら、それは露骨にひどい事だしたとして、次の選挙で交代させればいい。参議院選挙で自民党が沈めば憲法が改正できなくなるんです。その次の衆議院選挙で自民党政権を倒せばいいんですよ。これが4年後の最高裁判決を待つよりよっぽど早いですよ。」

 
極めて真っ当な意見だが、問題は「次の選挙」の時期であり、一部には昨日の「安倍・橋下会談」では国民に信を問うという「7月総選挙」という噂も出始めており、さっそく天木直人は「緊急提案! 小林節名誉教授は今こそ新党憲法9条を提唱せよ」と舞い上がっていた。 
 
今後国会の会期が延長になれば、地方からの国民の反対の声がさらに強くなり、内閣支持率は確実に下がり、不支持率が大きく上回れば安倍政権はどう対応するのか?

おそらく、安倍晋三は簡単に戦争法案の撤回や、ましてや内閣総辞職などは決してやらない。
 
そうなれば、「追い込まれ解散」の可能性は否定できず、野党側の選挙戦略の早急な見直しが必要となるだろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:59| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月15日

全国に広がる戦争反対の国民の怒り

先週の土曜日は「STOP安倍政権!6・13大集会」に昼前から出かけ、炎天下に3時間近く座り、最後にお台場までデモ行進をした。
 
主催者発表では16000人だったが、会場の「東京臨海広域防災公園」が広すぎて、さらに日陰を求める高齢者も多く、実数は不明であった。
 
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デモ行進の後、体内の枯渇した水分補給の時間と回数が多くなり、翌日の日曜日は「お疲れ休み」した。
 
今朝は新聞休刊日で朝刊は配達されなかったが、都内各所では戦争法案に反対する行動が繰り広げられていた。
 
朝日新聞の昨日の夕刊は国会前デモについて「『戦争させない』安保法制反対デモ 国会周辺を取り囲む」と、あっさりと報道していた。
 
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やはり現場からの写真は臨場感があり、今日はいくつかのブログを紹介する。
 
<「アベを最前線に送る戦争絶滅法案を」 2万5千人が国会包囲」>
 2015年6月14日 20:24 田中龍作ジャーナル
 
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I am not ABE マスクは安倍政権になって物言えなくなったことを表す。=14日、国会議事堂正門前 写真:筆者=
 
論理破たんで国民には説明がつかない。それでも戦争ができる国に持って行こうとしているのが安倍政権だ。
 「力ずくの憲法破壊を許してはならない」。平和な生活を願う2万5千人が、きょう、人間の鎖となって二重三重に国会を包囲した。(主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
 議事堂正門前の特設ステージには、安保法制に反対する野党議員や文化人が次々と登壇した。
 佐高信氏(評論家)は身を乗り出すようにして言葉を放った―
 「アベは最前線に送る。アッキーは野戦病院の看護師になる。宗教指導者も最前線に送る・・・こうした戦争絶滅法案を出さねばならない。今までは平和のパスポートだった。アベを引きずり下ろさなければ私たちは戦争のパスポートを持つことになる」。
  
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戦争法案を審議中の国会に向かってシュプレヒコールをあげる参加者たち。=14日、議事堂正門前 写真:筆者=
 
 鳥越俊太郎氏(ジャーナリスト)は呼びかけるように話した―
 「こんな酷い政権はこれまでなかった。国民の声を無視して独裁政治をする。アドルフ・ヒトラーと同じじゃないですか。わたしはアドルフ・アベ政権と呼んでいる。アドルフ・シンゾーが耳をふさいでも届くように全国から皆が集まって声をあげる必要がある」。
 政治の非情さを知る2人のスピーチに、会場から割れるような拍手が起こった。
 子を持つ親は戦争法制の行方に気を揉む。練馬区から足を運んだ女性は、21才と19才の息子がいる。
 「徴兵制には絶対させたくない。世界で戦争が起こっているのだから想像力があれば分かること。子供の命を失いたくない。子供を死なせる世の中にしたい母親は世界のどこにもいないはず」。彼女はハンカチで目頭を押さえながら話した。
 国会周辺が人で埋め尽くされるのは久々だ。移動するのにも掻き分け掻き分けしなければ進めなかった。
「戦争法案、絶対反対」
「アベは辞めろ、今すぐ辞めろ」・・・
 2万5千人(主催者発表)の怒気が国会議事堂に突き刺さった。
 
国会は中高年ばかりではないのだが、若者の街「渋谷」では「渋谷の反安保法制デモが物凄いと話題に!宮下公園に入りきらないほど人が集まる!若者達を中心に日曜の渋谷をデモ行進!」によれば、学生中心のSEALDsが主催したらしいのだが、予想以上の参加者が集まり、渋谷周辺は大賑わいだったらしい。
 
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最後は「レイバーネット」の豊富な写真の数々と動画を紹介。
 
「安倍のひどさを何とかしなくては」〜戦争法案反対!国会包囲に2万5千人」
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 国会周辺の3つある地下鉄駅出口は人並みであふれた。6月14日午後「とめよう!戦争法案 国会包囲行動」には、かつてない規模の人々がやってきた。中高年の層が目立つが、若い人や家族連れもいた。「安倍首相!この国を壊すな!」のプラカードを持った女性は、「安倍のひどさに何とかしなくてはという思いで来た」という。正門前集会では、この間の集団的自衛権をめぐる安倍政権の答弁・対応に怒りの発言が続いた。沖縄の学生が登壇。「若い人が声を上げれば社会は変わる。九条を絶対に守る。辺野古に基地を絶対につくらせない。一緒に日本社会をどうにかしていきましょう」と訴えると大きな拍手が起きた。この日は57個のスピーカーを国会周辺に配置したため、集会の声はすべてに行き渡った。約2万5千人の参加者は心を一つにして「戦争法案反対」「安倍はやめろ」の声を上げた。
 集会では、長妻民主党代表代行、志位共産党委員長、吉田社民党党首ら、野党の党首クラスがそろって「安倍批判」の力強い演説をした。「生活」も参加はできなかったが連帯の意志を伝えてきた。15日から「戦争法案」の審議が再開されるが、これにあわせて15日から連日国会前座り込み行動が行われる。また24日の当初の国会閉会日には、再び大規模な国会包囲が呼びかけられている。(М)
 

 
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↓国会正門前集会は「戦争法案絶対反対」のコールからはじまった 
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↓最初に呼びかけ人の佐高信さんがスピーチした。その後、民主・共産・社民の代表の挨拶、各個人の発言つづいた。 
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↓沖縄から来た学生(20歳)が思いを語った 
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↓ジャーナリストの鳥越俊太郎さん「自衛隊員だけでなく国内テロなど国民にリスクが広がる」
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・・・後略・・・
Created by staff01. Last modified on 2015-06-14 22:27:45 Copyright: Default
 
ところで、1週間前に天木直人がブログで「安倍内閣支持率低下を一面に掲載した読売新聞の衝撃」と題して、
 
なぜ安倍応援団の筆頭であるナベツネの読売新聞がこのような、安倍首相にとって明らかに不利になる世論調査結果を、しかも一面に掲載したのかということだ。
 
と言っていたが、さらに追い打ちをかけるように、讀賣グループの日本テレビが 2015年6月12日(金) 〜6月14日(日)の世論調査結果を発表していた。
 
[安 倍 内 閣 支 持 率]
         支持する  支持しない わからない
今 回 (6月)  41.1%    39.3%   19.6%
前 回 (5月)  43.5%    37.7%   18.8%
前々回 (4月)  46.6%    35.4%   18.0%
 
限りなく「支持率」と「不支持率」が近づいてきており、不支持の理由も「政策に期待がもてないから」が43.7%で断トツである。「不支持率」が逆転するのも時間の問題であろう。
 
安倍晋三首相は、2012年と2014年の総選挙で過半数を得たことにより「国民の皆様の圧倒的支持を得た」と嘯き、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を行い、それに依って「戦争法案」を国会に提出したのだが、国民の多くはそのインチキ性に気が付き始めたということであろう。
 
国会の会期延長も大幅になる可能性もあり、ますます「戦争法案反対」の国民運動を全国的に広げる時ではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:13| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月14日

ますます泥沼化してきた新国立競技場建設

自民党の町村信孝前衆院議長が脳梗塞のため東京都内の病院で死去したのは6月1日の午後。
 
その晩は安倍政権のメディア懐柔政策の一環としての記者クラブ連中との会食会の予定が入っていたという。
 
一般常識からすれば、故人の弔問を優先するのだろうが、安倍晋三首相は「官邸キャップ懇談」に出席して、赤ら顔のまま町村信孝前衆院議長の弔問に出かけていったという。 
 
<安倍氏 町村氏訃報直後「オバマの見る目変わった」と上機嫌>
 2015.06.13 07:00 NEWポストセブン 
 安倍晋三・首相とメディア幹部が、高級レストランでたびたび会食している。第2次内閣発足以来、報道で確認できるだけでも約60回も夕食をともにしている。安倍首相の番記者たちも豪華ディナーの相伴にあずかっている。
 昨年10月、東京・赤坂の高級中国料理店「赤坂飯店」の個室には、内閣記者会(記者クラブ)に加盟する新聞・テレビ各社の官邸キャップが一堂に会した。名目は安倍首相を囲む「オフレコ懇談会(オフ懇)」だ。安倍氏の首相再登板以来、年に1回以上のペースで開かれている。
 さる6月1日も、同じ「赤坂飯店」で官邸キャップ懇談が開かれる予定だったが、会の直前に町村信孝・前衆院議長の訃報が届いた。記者たちは懇談会は中止になると思っていたが、官邸から「予定通り開催する」と連絡が入ったという。
 
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「驚きました。総理は到着するなりビールをぐいぐいとあおって、『オバマの俺を見る目が変わってきたんだよ』と上機嫌でした。しかも、秘書官に促されてようやく赤ら顔のまま町村さんの弔問に出かけていった」(出席者)
 安倍首相にとって町村氏は党の先輩議員であるだけでなく、自身が所属する派閥の領袖でもあった。その弔問よりも子飼いの記者との酒席を優先するとは、いかに安倍首相がマスコミの“餌づけ”に熱心であるかがわかる。しかも、翌日の新聞にはそんなことは1行も書かれていないのだから、記者たちも忠犬に成り下がっているのだ。
※週刊ポスト2015年6月19日号
 
こんな首相が「夏までに成就する」と米国上下院合同会議で宣言して国会に提出した「戦争法案」。
 
産経新聞に言わせれば「人選ミス」により、与党の参考人の憲法学者からも「この法案は違憲」と指摘され、野党から見ればまさに「オウンゴール」。
 
危機感を募らせた自民党は直ちに新宿西口に谷垣禎一幹事長を派遣して法案の必要性と正当性を訴えさせたが、聴衆から「帰れコール」を浴びせられる始末。
 
週末には地元に戻った自民党議員たちは有権者への訴えに必死だったが、自民党支持者からも法案への批判が相次いだという。
 
<自民議員、地元で安保法案訴え 有権者から「なぜ今か」>
 2015年6月14日03時49分 朝日新聞DIGITAL
 国会で安全保障関連法案の審議が進む中、地元へ帰った国会議員は13日、賛否それぞれの立場から有権者への訴えに走り回った。
 「正直、なぜ急ぐのか私も分からない……」。自民党で新潟1区の石崎徹衆院議員(当選2回)は13日、新潟市内で開いた車座集会で、支援者14人を前にこう打ち明けた。
 年配の男性は「(安倍晋三首相は)国民に分かりやすく説明すると言いながら、誰も分からない議論をして国民を戸惑わせている。安倍政権の悪いところだ」。「法案より、憲法改正を優先すべきだ」との意見もあった。
 石崎氏は、自民が作った「平和安全法制は、抑止力をさらに高めて、戦争を起こさないようにするものです」と書かれた文書を配ったが、「なぜ、いまこの法案なのか、国会審議を聞いていてもわからないと思いませんか」と呼びかけた。
 石崎氏は集会後、「14人に2時間かけて説明しても難しい。1億2千万人の理解を得るには国会審議をもっと丁寧にしなければ。採決は強行すべきでない」。
 福岡市南区の交差点では、福岡2区選出の鬼木誠衆院議員(同2回)が「戦争に向かうつもりも、巻き込まれるつもりも毛頭ない。防衛と戦争の間に明確な線引きをする。これが『平和安全法制』だ」と声を張り上げた。「頑張れ」と声をかける男性もいたが、ビラを配っていた秘書に「間違っている」と詰め寄った市内の女性(69)は「後方支援と言っても、自衛隊が行けば戦争に加勢するのと同じだ」。
 福岡2区は、12日の記者会見で「自衛隊が相手方と殺し合う関係になる」などと安保関連法案に反対を表明した山崎拓・元自民党幹事長の地元だ。鬼木氏は演説後、「互いの思想信条は尊重している」としつつ、「そもそも賛否両論が激しくある法案だ。今国会の成立は目指すが、結果はどうなるか分からない。やっぱり丁寧な議論が与野党とも必要だ」と語った。
     ◇
 安保関連法案に「憲法違反」「説明不足」といった批判が高まり、危機感を抱く自民党は議員らに街頭や集会で説明するよう指示した。有権者から「なぜ今か」などの声が上がる中、戸惑う議員の姿もあった。(蔵前勝久、明楽麻子)
■有権者に説明苦心
 安全保障関連法案で、自衛隊は中東・ホルムズ海峡に行くのか、集団的自衛権の行使容認は憲法違反なのか――といった議論が続く中、自民党議員は、法案の複雑さなどから有権者の関心がいま一つ高まらないという問題に直面している。
 13日午後、宮崎市郊外の山あいにある製茶工場の事務所。自民党で宮崎1区の武井俊輔衆院議員(当選2回)は、工場の従業員ら約10人を前に「テレビや新聞で集団的自衛権やら出てますが、ピンときてますか」と切り出した。
 だが、従業員から返事はなく、茶葉の蒸し機の稼働音だけが響く。「わかりにくいんですよね」。武井氏は言葉を継いだ。
 武井氏は自民党ハト派とされる岸田派に属する。「憲法学者の多くが法案を『心配』と言うことは重く受け止めたい。間違った方向にいかないようにしたい」と訴えたが、質疑応答では、補助金や地元の歩道橋設置といった陳情が続いた。集会後、60代の女性は「自分たちからかけ離れていてピンとこない」。
 一方、法案反対の市民と議論になるケースもあった。同日午後、神奈川県藤沢市のJR藤沢駅前で集団的自衛権の行使の必要性を訴えていた神奈川12区の星野剛士衆院議員(当選2回)は、演説の合間に、聴衆の中にいた安保関連法案に反対する「藤沢・明治地域九条の会」の宮本忠彦さん(68)ら4人と「にわか討論会」をした。
 宮本さんは「抑止力を武力に頼るのは反対だ。国同士が同じことを繰り返してエスカレートする」。星野氏は「南シナ海や東シナ海を見れば、中国の海洋進出の意図は明らかだ」と反論したが、平行線だった。それでも「戦争反対」では一致したとして、両者は握手を交わした。
 報道機関の世論調査では安保関連法案への反対が多く、約8割が「政府の説明は不十分だ」とした調査もある。加えて、自民推薦の参考人を含む3人の憲法学者が衆院憲法審査会で法案を「憲法違反」と指摘したことが追い打ちをかける。内閣官房の中堅幹部は「国民の反応が『説明が足りない』というのは、今の政権の説明への拒否に近い。印象としてダメ、ということで厳しい」と話す。(横枕嘉泰、遠藤雄司)
■民主・共産、批判強める
 これに対し、民主党や共産党は批判のトーンを上げた。
 民主の枝野幸男幹事長は13日、さいたま市のJR大宮駅前で演説し、「圧倒的多数の憲法学者が憲法違反だと言っている。世論の力で安倍政権にブレーキをかけたい」と訴えた。共産の志位和夫委員長も同日昼、東京都内の集会で「憲法9条を踏みにじり、殺し殺される戦闘に自衛隊を参加させる危険な道だ。『戦争法案』を葬り去ろう」と訴えた
 ただ、野党が法案反対でまとまっているわけではない。維新の党の馬場伸幸国対委員長は13日昼、大阪市で開いた会合で「中国や北朝鮮の問題を考えた場合、このままでいいのか。何でも米国に日本を守ってもらうことをお願いできない」と述べ、米軍との連携を強める法案の必要性に理解を示した。(高橋健次郎)
 
ちなみに、共産の志位和夫委員長の東京都内の集会での訴えた様子がこれ。
 
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さて、さて段々と泥沼に入りつつある「新国立競技場」の建設問題。 
 
2020年五輪招致のためには「なんでもあり」という招致委員会連中の雰囲気が安倍晋三首相の「Fukusima is Under Control」という国際的な虚言まで飛び出すほど、当初の杜撰さは明らかであった。
 
多くの政治家も招致が決まれば後は何とかなる、といった安易な考えがあったのであろう。
 
もっとも五輪とは都市が招致するものであることが原則なのだが、現実は国の威信にかけて国家予算を目一杯使うのが従来の商業化五輪であった。
 
東京五輪招致時の東京都の責任者は「5000万円借用問題」を明確に説明できずに消えてしまい、その後、都知事になった舛添要一知事は、自民党から除名処分された裏切り者(与党関係発言)であるので、両者は心底しっくりしていない
 
そんな関係にも拘わらず下村博文・文科相が、都知事の頭越しに東京都の負担額を官邸に報告していたり、都知事から要求されていた情報公開も行わずに、高圧的な態度に終始している。
 
当然、それには都知事も自ブログでこう反論していた。 
 
2015-06-10 09:01:57
テーマ:ブログ
 昨日、下村大臣は、新国立競技場整備費のうち、500億円を東京都に支出させるために、特別立法をすると言ったと報道されている。しかし、一憲法学徒として、私は、すぐに日本国憲法95条が頭に浮かんだ。95条には、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」とある。地方自治を守る観点から、憲法はそのように定めているのである。
 この憲法の規定を、下村大臣は理解した上で、東京都のみを標的にした特別法を考えているのであろうか。
 
もっともこの反論は予想していたらしく、下村文科相は、12日朝の会見で「憲法第95条の規定については、当然承知しているわけでありまして、その規定もふまえて、法整備を進めるのは当然のこと」と、現行法で、都の費用負担は可能との認識を示し、都や関係省庁と具体的な法整備を検討したいとしていた。
 
しかし、新国立競技場の建設費に関し、財務省と文部科学省が、事業を進める独立行政法人の計画に昨年12月、「国費以外の財源で賄う」と言うことを合意していた事実が明らかになった。
 
<新国立競技場「追加経費 国費使わない」 財源不透明、見切り発車>
 2015年6月14日 朝刊 東京新聞
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 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場になる新国立競技場の建設費に関し、財務省と文部科学省が合意し、事業を進める独立行政法人の計画に昨年12月、「国費(国の予算)以外の財源で賄う」との文言を盛り込んでいたことがわかった。既に390億円の予算を投入した財務省は今後の国費計上には慎重姿勢。財源が確保できないまま見切り発車した文科省の「場当たり的」計画への批判が高まっている。 (山口哲人)
 五輪関連施設を新設する際の財源について政府は11年12月、「財政改革が喫緊の課題」として「多様な財源の確保に努力する」ことを基本方針として閣議了解している。「多様な財源」について、下村博文文科相は「国費を基本とする考え方はとられていない」としている。この閣議了解を受け、新国立競技場の建設費用について文科省と財務省は13年1月、「多様な財源の確保のあり方などを踏まえる」ことで合意。13年度予算に新競技場の基本設計費として13億円を計上する代わりに、合意内容は新競技場の整備主体である独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の中期計画に盛り込まれた。
 さらにこの計画は昨年12月に改定され、「真に『やむを得ない場合』に当たらない経費については、原則として追加は認めない」「国費以外の財源で賄う」などという文言が追加された。文科省関係者によると、改定は財務・文科両省の合意内容を反映したものだとしている。
 新国立競技場の建設費については現在1625億円と計画されているが大幅に膨らむことが確実。その一方、財源として確保できているのは、スポーツ振興くじ「toto」の売り上げの5%分のみ。年間約50億円が見込まれ、既に13、14年度分として109億円が充当された。財源不足を補うため、文科省は500億円の負担を東京都に求めているが、全体像は宙に浮いた状態が続いている。
 一方、政府はこれまでに新競技場の設計費や解体費などとして390億円の国費を既に投入。「多様な財源」で賄うべき建設費に対し、既に巨額の国家予算を投入したため「財務省主導」(関係者)で計画を改定し「国費以外」で対応していくことを明確にしたものとみられる。建設費に対する財源のメドは立たないままだが、財務省では「これ以上の国費負担は国民の理解を得られない」としている。
 東大大学院の松原隆一郎教授(社会経済学)は「計画を主導する文科省が場当たり的な対応に終始しており、責任の所在も明確ではない」と指摘。建設費が膨らむ中で「今後負担が増えるようなら国民や都民の納得は得られないだろう」としている。
 
真に『やむを得ない場合』に当たらない経費については、原則として追加は認めない」という文言は、例の霞が関文学表現で、政府が「『やむを得ない場合』に該当する」と判断すれば、追加経費は認められることになる。

そもそも違憲であることを捻じ曲げて解釈して作った昨年7月の閣議決定での「集団的自衛権行使容認」。
 
新国立競技場、『ザハ』なぜ選ばれた 審査激論の中身」によれば、審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄の強引さが今日の混乱の最大原因と思われる。
 
技術調査での主な確認事項は、
(1)可動席
(2)スタジアムへのアクセスや入退場の動線計画、
(3)音響環境、
(4)省エネ技術、
(5)屋根の開閉機構
(6)工期――だった。
 
この審査に残ったのが6作品がだったが、安藤委員長の「デザイン競技の趣旨から、この段階では実現性に多少の難しさがあってもユニークな挑戦的な作品を残しても良いのではないか」といった意見がその後の選考に大きく影響し、特徴のあるシンボリックな作品を選定することにしたという。
 
そして最終審査で残り、採用されたザハ案に対するマイナス評価は以下のようであった。
 
・日本の現状から見て、少しチャレンジブルなものがあってもおかしくない。技術的には可能だろうが、コストがかかることが懸念される。
・エレベーテッドパス(2・3階)に上がるエントランスの修正が条件となる。加えて、施設面の提案も不十分で補強が必要である。
・ダイナミックで面白いが、内部空間の性格と外形がつながらない。天井面が強烈で、競技者にとってどうか懸念される。
・線路を越える部分を変更すると、デザインイメージが大きく替わってしまうことが懸念される。下部構造について提案がなく、今後検討すべきことが多い。 
  
残りの3作品も技術的な観点から実現性には懸念されるなど、抜きんでた作品は無かったらしい。
 
そして、安藤委員長の当時のこの言葉を改めて確認してみよう。
 
「日本の閉塞的な状況を打ち破る意味でも、(ラグビーの)ワールドカップやオリンピック、そして壮大なスケールのエンターテイメントができることを期待している」
「最優秀案は相当な技術力が必要である。これが日本でできるとなれば、世界へのインパクトがある。材料、工法、構造技術、設備技術について、日本の優秀さを世界にアピールできて、世界中の人たちから注目を集めることができたら素晴らしい
 
まさに安倍政権の成長戦略に沿った発想であり、端から技術的にも、工期的にも、予算的にもそもそも無理だった計画と言わざるを得ない、とオジサンは思う。 

 
posted by 定年オジサン at 12:28| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月13日

STOP安倍政権!6・13大集会

日本年金機構から個人情報が流出した問題をめぐり、民主党やメディアが、「消えた年金」が今度は「漏れた年金」と、安倍政権にとっては過去の不愉快な事態を思い出させる状況に神経質になった菅義偉官房長官は「『漏れた年金』との表現自粛を要請 「無用な不安と誤解を与えかねない」とメディア規制とも取れることを言い始めていた。
 
このため派遣法改悪案を審議している衆院厚生労働委員会は12日の強行採決は来週に持ち越された。
 
同様に、19日に衆院特別委で採決を目論んでいた「戦争法案」も違憲論争になってしまい、かなり先になりそうである。
 
24日の国会閉会までにはこの法案の成立は不可能となり政府は大幅な会期延長を模索しているが、通常国会の場合は会期延長は1度しかできないため、延長期間が大きな焦点となる。
 
短すぎれば廃案になる可能性が出てくるが、余りにも長期間延長となると、国民に「違憲法案」という認識が浸透してしまうと政府・自民党は頭を抱えているらしい。
  
しかし余程のことが起きない限りは最後は数の勝負になり、戦争法案は成立してしまう。
 
こうなると国会内での反対行動には限界があり、国会外で大きなうねりを作る必要がある。 
 
黙って座り込みするよりは具体的な行動を取ろうと仲間と一緒に、先日は主要マスメディア向けと、国会議員向けの要請行動を行った。
 
具体的には、改憲マスメディアの讀賣新聞本社と、「安倍様のNHK」と揶揄されるNHK、護憲派の毎日新聞、朝日新聞の4社を訪問し同じ内容の要請書を手渡し、NHKは「広報局視聴者部」の担当者が対応したため、基本的には全てのご意見を伺い、現場に伝えるシステムになっているため50分近くも懇談してしまった。
 
議員要請は衆院特別委の45名の与野党議員に対して要請書を持参して議員会館の各部屋を尋ねた。
 
要請書の受け取りを断ったのは、民主党の緒方林太郎一人で、自民党議員の部屋では以前と異なり、ドアを開けて秘書たちが要請書を受け取り対応していたことは、法案の違憲性が追及されたことも大きく影響しているかもしれない。
 
以下に、当日手渡した要請書を基に、オジサンの個人的な思いを付加した文書を示しておく。 
 
 【国民の負託を受けた国会議員個人としての賢明な判断を求める要請書】


 連日の委員会への出席、ご苦労様です。
 私は、すでに現役生活から離れて5年目になる年金生活者です。
 私の父は20歳の時に召集され約10年ほど中国大陸で従軍していたと聞いています。
 父の左足の腿には大きな傷跡があり、子どもの頃一度だけその理由を聞いたことがありましたが、誰によって傷つけられたかは死ぬまで話してくれませんでした。
 決して戦争を美化するような話も聞いたことがありませんでした。
 但し、戦前の教育の影響で中国人は常に蔑視していました。
 90歳で亡くなりましたが、亡くなるまでの30年余りが、とても良い時代だと言っておりました。
 戦後、70年間の平和を維持することができたのは、安倍首相に言わせれば「多くの英霊のお蔭」かもしれませんが、残念ながらそうではなく、日本国憲法の第9条のお蔭であることは言うまでもあるません。
 その平和が安倍政権になって様相が一変しました。とりわけ、法理的には可能だが、歴代内閣が憲法9条に照らして、それを禁じてきた「集団的自衛権」の行使をあっさりと閣議決定で容認したからです。
 その大きな理由として「わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している」と安倍晋三首相は繰り返し述べています。
 しかし、この言葉は第一次政権で最初に安保法制懇を招集した際の安倍首相の冒頭発言と変わりがなく、その後7年間も「わが国を取り巻く安全保障環境」は危機的だったにもかかわらず、その後の自民・民主の5人の首相は誰もが集団的自衛権の行使を容認しようとはいたしませんでした。
 もはや安倍首相の目的は「集団的自衛権」の行使そのものといえます。
 このような背景から現在、衆院特別委員会で審議されている「平和安全法制」における改正法案の1つ「存立危機事態対処法」も、安倍首相のこだわりで集団的自衛権の行使が目的化されているため、その法案自体が抽象的な表現が多く、政府側委員の中谷元・防衛相も岸田文雄外相も、野党側の質問に満足に答弁できず、答弁書の丸読み状態が続いています。
 これら(改正)法案は、どんな角度から見ても憲法違反です。それは、4日の衆院憲法審査会で招かれた3人の憲法学者がいずれも、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案は「憲法9条違反」と発言していることからも明らかです。
「自衛」は合憲であっても、「他衛」は違憲であります。
 共同通信社が先月の30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案への安倍政権の姿勢に関し「十分に説明しているとは思わない」との回答が81.4%に上ったことは、同法案の分かりにくさを表しています。
 さらに、政府・与党協議では、電話による閣議決定によって、内閣総理大臣による治安出動の発令や海上警備行動の承認を可能にすることが確認されています。これは、最終的に安倍首相の一存で、「自衛隊を、いつでも、どこにでも」派兵することが可能になる、大変危険な「戦争法案」と呼ぶに等しいものです。
 自民党の佐藤国対委員長は、日本経済新聞5月23日付朝刊で以下のように言っていました。
 「国対メンバーには法案の内容なんて知らなくていいと言っている。通すことに突き進めばいい」。
 この発言は、国民の代表である特別委の自民党の皆さんを、採決の数合わせにしか思っていないということであり、それは国民を余りにも蔑ろにする許されないことです。
 特別委の皆さんは、それぞれの所属会派の代表ですが、その前に選挙で国民から負託された国会議員であることを忘れずに、民意にそむかず、末裔に残るような悪法によって、日本を再び戦争に巻き込む愚を繰り返さぬよう、賢明なご判断をしていただくことを強く要請いたします。
以上

 
そして今日は昼から東京臨海防災公園で「STOP安倍政権! 6・13大集会 許すな!戦争する国づくり まもれ!憲法と平和、いのちと暮らし」大集会が開かれるので、オジサンもこれから出かけることにする。
 
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posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月12日

蟻地獄にはまった違憲集団

あの櫻井よしこが共同代表の1人になっている「美しい日本の憲法をつくる国民の会
 
そのサイトには主旨らしきものが載っている。
 
私たち「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は、平成28年7月に実施される予定の参議院選挙で、「憲法改正国民投票」の実現と、過半数の賛成による憲法改正の成立をめざして、次の活動を全国で推進しています。
一. 「美しい日本の憲法をつくる1,000万人賛同者(ネットワーク)」を拡大します。
二. 「憲法改正の早期実現を求める」国会議員署名および地方議会決議を推進します。
三. 全都道府県に「県民の会」を設立し、憲法改正の世論喚起をする広範な啓発活動を推進します。
 
代表発起人には、NHKの経営委員の長谷川 三千子埼玉大学名誉教授や退任したが百田尚樹などが名を連ねている組織である。
 
当然、発起人の中には「たくさん」の憲法学者も存在する。
 
長尾一紘・中央大学名誉教授や西修・駒澤大学名誉教授、そして百地章・日本大学法学部教授は幹事長だという。
 
この連中が菅義偉官房長官が「ひとり、ふたり、さんにん・・・いやいや数の問題じゃないと思うけど・・・」と口ごもっていた3人らしい。
 
そして今度は、あの出来の悪い小学生だった安倍晋三の家庭教師をやっていた平沢勝栄が、「もっといっぱいる」とばかりに10人の御用学者の名前を出していた。 
 
<「合憲」の憲法学者10人の名前を紹介>
 毎日新聞 2015年06月11日 20時04分
 ◇自民・平沢勝栄氏 衆院憲法審査会で 「違憲」3人に対抗
 自民党の平沢勝栄衆院議員は11日の衆院憲法審査会で、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を「合憲」とする憲法学者として、八木秀次麗沢大教授ら10人の名前を紹介した。4日の審査会に参考人として出席した3人の憲法学者が「違憲」としたのに対抗した形だ。
 平沢氏は、10人から名前公表の許可を得たと説明した。合憲とする憲法学者に関しては、菅義偉官房長官も10日に3人の名前を挙げた上で「私自身が知っている人は10人程度だ」と述べていた。
 平沢氏が紹介したのは、菅氏が挙げた百地章日大教授、西修駒沢大名誉教授、長尾一紘中央大名誉教授の3人のほか、八木教授と日大の小林宏晨名誉教授、池田実教授、東裕教授、青山武憲元教授、松浦一夫防衛大教授、石田栄仁郎近畿大名誉教授。
 
それにしても、すでに200名以上の憲法学者たちが安保法制は「違憲」と言っているにもかかわらず、その憲法学者たちをあからさまに批判する様は、何とも情けない。
 
<自民、学者批判相次ぐ 枝野氏「参考人質疑を軽視」>
 2015年6月12日 朝刊 東京新聞
20150612kenpousinsakai.jpg

 衆院憲法審査会は11日、自由討議を行い、憲法学者三人が先の参考人質疑で安全保障関連法案を「違憲」と明言したことをめぐり、与野党が論争した。政府が他国を武力で守る集団的自衛権を容認する根拠に挙げる砂川事件の最高裁判決(1959年)の位置付けが最大の対立点になった。政府が行使容認の理由にしている安全保障環境の変化も論点になった。自民党の委員からは安保法案を違憲と断じた学者への批判が相次いだ。(新開浩)
 自民党の高村正彦副総裁は、自衛の措置を認めた砂川判決について「集団的自衛権の行使は認められないとは言っていない」と説明した。その上で「最高裁が示した法理に従い、自衛の措置が何であるかを考え抜くのは憲法学者でなく政治家だ」と主張。「違憲だという批判は当たらない」と述べた。
 これに対し、民主党の枝野幸男幹事長は「集団的自衛権行使の可否は、この裁判で問題になっていない。論理の一部をつまみ食いしている」と反論した。
 安全保障環境の変化をめぐっては、高村氏は「自衛の措置が時代によって変化するのは当然だ」と強調。朝鮮半島有事の際、日本を守るために活動する米艦が攻撃された場合に「わが国として何もできないままでいいはずがない」と集団的自衛権を行使して米艦を防護する必要性を訴えた。
 枝野氏は、政府が砂川判決の後、一貫して集団的自衛権は憲法上許されないと説明してきたことを指摘。砂川判決が集団的自衛権の行使を認めていると解釈できるなら「以前から集団的自衛権の行使は法理上は可能だったはずだ。最近の安保環境の変化で集団的自衛権の行使容認が必要になったというのは、つじつまが合わない」と述べた。
 参考人質疑で憲法学者が安保法案を違憲だと明言したことに対しては、高村氏に続いて発言した自民党の委員らは「権力を拘束するのは最高裁判決だ」などと次々に反論。自民党が推薦した長谷部恭男早稲田大教授を名指しし「一刀両断のような意見は現実の安保環境の激変をふまえていない」(務台俊介氏)と批判する意見も出た。
 枝野氏は「国会の参考人質疑そのものを軽視し、国会議員が天に唾するものだ。自民党が傾聴に値すると判断した先生の指摘を重く受け止めるべきだ」と苦言を呈した。
 共産党の赤嶺政賢氏も「参考人全員が閣議決定で憲法解釈を変更したことを立憲主義に反すると指摘したことは極めて重要だ」と述べた。
 <砂川事件> 1957年、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に立ち入り、7人が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴された事件。米軍駐留が戦力の不保持を定めた憲法9条に違反するかが争点になり、東京地裁は59年3月、米軍駐留は違憲として無罪を言い渡した。検察側の上告を受け、最高裁は同12月、9条は日本に自衛権があると認め、安保条約のような高度に政治的な問題は司法判断になじまないとも指摘。一審判決は破棄され、その後有罪が確定した。
 
朝日新聞の朝刊の社説「安保法制 違憲の疑いは深まった」は自民党議員の屁理屈に対して厳しい批判をしていた。
 
・・・前略・・・
 民主党の枝野幸男幹事長は「自衛隊違憲論は、9条の解釈が確立する前の白地での議論。参考人の意見は定着した政府の憲法解釈を前提として集団的自衛権の容認は憲法違反だと論理的に指摘したものだ」と反論。砂川判決についても「判決から集団的自衛権の行使容認を導きうるのなら、判決後も政府が一貫して行使は許されないとしてきたことをどう説明するのか」と問うた。
 一連の自民党議員の主張からうかがえるのは、法案を違憲と断じた憲法学者の指摘をおとしめようという意図だ。平沢氏の発言にいたっては「学者の言うことなど聞く必要はない」と言わんばかりの、専門家に対する侮辱であり、国民に対する脅しでもある
 最高裁について高村氏らは「憲法の番人」と持ち上げてはいるが、一票の格差是正を迫る最高裁の指摘をのらりくらりとかわしてきたのはだれか。
 与党側が慌てて乱暴な説明をしなければならないのは、集団的自衛権の行使はできないとした72年の政府見解の論理はそのままに、結論だけを「できる」と百八十度変えた閣議決定があまりに無理筋だったからだ。
 政府は「これまでの憲法解釈との論理的整合性及び法的安定性は保たれている」と繰り返すが、とても納得はできない。
 深まるばかりの疑義に、安倍首相はどう答えるか。
 
「論理的整合性及び法的安定性は保たれている」のならもっと悠然と構えていればよいものを、残念ながら「論理的に不整合」であり、法的にも不安定なため、もがけばもがくほど身動きがとれなくなる。
 
昨年末の総選挙で国民は安倍内閣に白紙委任状を差し出したわけではないのだから、もはや蟻地獄に陥った戦争法案は廃案にして、正々堂々と、憲法9条の改正の是非を国民に問うべきである、とオジサンは思う。

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2015年06月11日

日米共同演習に見る戦争の先取り

衆院憲法審査会に参考人として出席した3人の憲法学者によって、自公の推薦者を含めて現在審議中の「戦争法案」は違憲と表明されたのだが、政府側は、まさに「蛙の面にションベン」の如く表面的には素知らぬ顔をしている。
 
すでに明らかになっているのは「集団的自衛権」を行使して米国の指示に従って自衛隊を地球の裏側まで派兵する「恒久法」の制定が目的であることは、いうまでもない。
 
だからと言って、あからさまに米軍と共同で中東でのテロ作戦に加わることは憲法上も無理があり、安倍晋三首相もまともには答弁できず、時には質問者に反論する場面もある。
 
したがって、自衛隊はあくまでも、『現に戦闘が行われている地域』以外での後方支援という戦争行為ではないので「派兵」ではなく「派遣」であるという屁理屈を並べ立てている。
 
後方支援は即ち「兵站」であり、英語では「Military Logistics」と呼ぶが、戦闘地帯から後方の、軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもので戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動を指す用語でもあり、例えば兵站には物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれる。(Wikipediaより)
 
政府は、あくまでも「後方支援」という表現で「戦闘行為」とは異なり「安全である」ことを強調したいようである。
 
しかし後方支援は英語ではCombat Service Supportと訳され、作戦行動を行う部隊の軍事的な機能を保持させる意味合いが強くなる。
 
これらは国内での話であり、米国側の意図は国会では明らかにされていない。
 
米海軍の制服組トップのジョナサン・グリナート作戦部長はすでに昨年5月19日、ワシントンで以下のように講演していたという。
 
「(集団的自衛権行使により)『将来的に北大西洋条約機構(NATO)の同盟国と同じように一体となって作戦を実施することも考えるべきだ』と述べ、日米の協力を英国などNATO諸国のレベルまで引き上げることが望ましいとの見解を示した」(『共同』2014年5月20日)。
 
つまり米国の最終目標は、03年のイラク戦争でNATO加盟諸国から唯一参戦した英国と同様に、米軍が世界中で引き起こす戦争に自衛隊を集団的自衛権行使の名目で従軍させることである。そして米軍は、すでに10年以上前から自衛隊との共同演習を通じ、英軍並みに「引き上げる」ための準備を着々と進めてきた。
 
その結果、日米共同演習の実態を見れば、将来自衛隊が、世界各地で米軍といかなる作戦を展開することになるのかが、予測可能なまでになっている。なぜなら日本が英国並みの「レベル」になると決断するのを待ってから、米軍が自衛隊を「引き上げる」ための努力に着手しても時間がかかりすぎるからだ。そのため集団的自衛権行使の将来の具体像はとは、すでにこれまでの日米演習によって先取りされているといえよう。
 
もともと日本は、小泉内閣時代の2005年10月29日、米国で開催された日米安全保障協議委員会(日本から外務大臣と当時の防衛庁長官、米国から国務・国防両長官が出席)の席上、『日米同盟未来のための変革と再編』と題する報告書に米国と署名した前後から、大きく防衛政策を変えて来ている。
 
そこでは両国の「重点分野」として、「日本の防衛及び周辺事態への対応」と並び、「国際的な安全保障環境の改善のための取り組み」が明記されていたからである。
 
これは米国の力による世界支配に、地球規模で宣言したに等しい。同時に06年6月に自衛隊法が改定され、それまで雑則扱いだった「国際社会の平和と安全の維持に資する活動」といった海外活動が、「侵略からの防衛」と並び「本務」に引き上げされた。加えて米軍と自衛隊の指揮系統や部隊レベルでの運用面での統合が急速に進んでいる。
 
陸上自衛隊の例では、05年から東富士や霧島といった全国の自衛隊演習場に、アパートや銀行、官公庁を模した建物が並ぶ市街戦訓練用の「大規模市街地訓練場」が建設され、そこにイラクで戦闘訓練を積んだ米兵が米本土から参加し、自衛隊に戦闘技術を指導する光景が見られたという。
 
しかも滋賀県高島市の饗庭野演習場の同「訓練所」で実施された06年2月の日米共同演習では、自衛隊員がムスリム風のターバンを巻いて「敵役」を演じており、一連の日米共同演習が、イラク戦争で多発した市街戦を中東や中央アジアを舞台に想定していることを暗にうかがわせた。
 
また、昨年1月から2月にかけ、米カリフォルニア州の砂漠演習場で実施された日米共同演習では、陸自と米陸軍双方の戦車や装甲車両、そして歩兵が実弾の代わりにレーザー光線を発して互いに撃ち合う本番さながらの訓練を初めて展開。これについては、「日本にはない砂漠での訓練が、国土を守る「専守防衛」の自衛隊になぜ必要なのか。『イスラム国』など過激派組織が勢力を強める中東・アフリカ地域で、米軍と肩を並べて戦う布石ではないのだろうか」(「西日本新聞」2月3日付)と言う疑問が出ていた。 
 
<国防を問う 変貌する自衛隊<1> 陸自 砂漠の戦闘訓練 中東想定「本番」へ布石?>
 2015年03月20日 13時45分) 西日本新聞
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不審者役の俳優を尋問する米兵の横を通過する陸上自衛隊の74式戦車=昨年1月、米カリフォルニア州の米陸軍戦闘訓練センター(菊池雅之氏提供)
自衛隊が昨年1〜2月、米国西部の砂漠地帯で、中東での対テロ戦争や多国籍軍の一員としての武力行使を想定したとみられる戦闘訓練を、米陸軍と共同で行っていたことが分かった。集団的自衛権の行使を限定容認した同年7月の閣議決定後も、安倍晋三首相が一貫して否定する中東での戦闘参加を連想させる。日本にはない砂漠での訓練が、国土を守る「専守防衛」の自衛隊になぜ必要なのか。「イスラム国」など過激派組織が勢力を強める中東・アフリカ地域で、米軍と肩を並べて戦う布石ではないのだろうか。
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砂漠地帯で戦闘訓練をする陸自隊員たち=昨年1月、米カリフォルニア州の米陸軍戦闘訓練センター(菊池雅之氏提供)
 防衛省によると、全国の陸上自衛隊部隊が北富士演習場(山梨県)で実戦形式の訓練をする際、敵役を担う陸自富士学校の部隊訓練評価隊約180人が渡米。米カリフォルニア州モハーベ砂漠にある米陸軍戦闘訓練センター(NTC)に、74式戦車や96式装輪装甲車を持ち込んで約1カ月間、米陸軍第1軍団の部隊と訓練をした。
 軍事フォトジャーナリストで、この訓練を現地取材した菊池雅之氏によると、NTCはイラクやアフガニスタンなどでの戦闘を想定した巨大演習場。アラビア文字の交通標識やモスクもあり、中東風の集落が点在。訓練期間中は、ハリウッド俳優協会のアラブ系俳優が住民に扮(ふん)して生活し、民間軍事会社の戦闘員がテロリスト役を務めたという。
 架空の国の間で紛争が起き、日米などの多国籍軍が平和維持活動をする設定。敵軍やテロリストの侵攻を制圧する内容で「陸自は後方支援ではなく、米軍と一緒に戦闘訓練をした。米軍と陸自の戦車が並走する場面もあった」と菊池氏。
 レーザー光線で撃ち合って被弾判定できる装置を使い、戦車の中で寝泊まりするなど実戦さながらの訓練が約10日間続いた。陸自の装甲車がロケット弾で撃破されて乗員全員が「戦死」したり、陸自車両が地雷で「破壊」されたりする場面もあったという。
 集団的自衛権の行使容認に伴い、自衛隊の海外活動が広がる見通しだが、安倍首相は昨年10月の国会で「イラク戦争やアフガン戦争のような戦闘に参加することはない」。今月2日の参院予算委員会でも「日本が(イスラム国への)空爆などに参加することはあり得ない」と述べた。
 ただ、離島侵攻など日本有事を想定した従来の日米共同訓練と、今回の訓練はまったく異なる。目的は何か‐。元防衛庁官房長の柳沢協二氏は「日本防衛の訓練でないことは明らか。自衛隊の活動拡大を目指す政治の動きを見て、自衛隊側が任務を先取りしたのだろう。政治が訓練をどこまで把握していたのか、実際にそんな任務を考えているのかが問題だ」と語った。
 防衛省陸上幕僚監部は取材に「今回の訓練の想定については回答を控える。あくまで日米が共同作戦を実施する場合に備え、米軍との相互連携要領を演練(本番さながらの訓練)したものだ」と説明した。
=2015/02/03付 西日本新聞朝刊=
 
また2013年度(13年4月〜14年3月)は、日米共同演習の回数(74回)、日数(915日間)とも過去最多を記録。
 
<13年度 日米共同演習 最多更新 少なくとも74回 のべ915日間>
 2015年1月13日(火) 赤旗
20150611nitibeikyoudouensyuu.jpg 2013年度(13年4月〜14年3月)に自衛隊と米軍が実施した共同演習(日米が参加した多国間共同演習を含む)が少なくとも74回、のべ915日間にのぼり、回数・日数ともに過去最多となることが分かりました。防衛省への情報公開請求で入手した資料から本紙が集計しました。のべ日数が過去最多となるのは12年度に続いて2年連続。
 東日本大震災の影響から前年度比で微減となった11年度を除き、過去5年間の演習日数は一貫して増加傾向にあります。(グラフ)
 13年度の日米共同演習を象徴するのが、米カリフォルニア州で行われた大規模な強襲上陸訓練「ドーン・ブリッツ(「夜明けの電撃戦」の意味)」(13年5〜6月)です。同訓練はこれまで米軍単独で行われてきたものですが、13年は陸海空の3自衛隊が海外で初めてそろって参加した共同統合訓練として実施されました。
 陸上自衛隊は2005年以来、米国で海兵隊との共同訓練を重ね、上陸作戦の技術を吸収してきました。しかし、今回の「ドーン・ブリッツ」では、陸自に加えて海上自衛隊のヘリ空母や大型輸送艦も投入して、上陸部隊のための海上拠点の役割を果たしました。
 自衛隊の準機関紙「朝雲」は「新たな共同統合運用の幕開け」などと報じ、写真特集を2回にわたり連載しました(13年6月20日、27日付)。海外への侵攻能力を高める「海兵隊化」の動きが、陸海空3自衛隊の統合作戦として遂行する新段階に入ったことを意味します。
 統合運用 二つ以上の軍種(例えば空軍と海軍)が単一の指揮下で一体に作戦任務を行うこと。自衛隊が統合運用への移行を進める背景には、部隊の行動を迅速にするとともに、統合軍を基本とする米軍との一体化を促進する狙いがあります。
 
以下の日米共同演習の動画を見れば見るほど、日本の自衛隊はいつでも米軍に従軍して世界各地の戦場に行けるようである。
 
これらの一連の流れは安倍晋三首相の一存では止められることではなく、もしこの戦争法案が廃棄になれば、それは安倍晋三の政治生命の終焉を迎える時になるのではないだろうか、とオジサンは思う。 
 
 

10式戦車の初アメリカ遠征 (日米合同軍事演習ライジング・サンダー2014)


アイアンフィスト2014 - part 2(陸上自衛隊・米海兵隊 合同演習)


陸上自衛隊 スナイパー訓練 「アイアン・フィスト2015」 西部方面普通科連隊


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2015年06月10日

もの言えば唇寒し、"合憲"政府見解

昨日「『違憲ショック』で潮目が変わる」のつぶやきで、参議院議員の小西洋之助のブログを紹介し、1972年に「昭和47年政府見解」については、こう紹介した。
 
「昭和47年政府見解に集団的自衛権行使が含まれている」という主張は、昭和47年政府見解にある「(我が国に対する)外国の武力攻撃」という文言を、42年目にして勝手に、「同盟国等に対する外国の武力攻撃」という意味に読み替えるという単なる「言いがかり」に過ぎないものであり、何の根拠もない空前絶後の暴挙であり「正真正銘のレッテル貼り」というべきものです。
 
3人の憲法学者から「安保法制は違憲」と言われ、野党から見解を求められた政府は、さすがに「昭和47年政府見解」は根拠にならないとして、よせばいいのに性懲りもなく砂川事件の最高裁判決を持ち出してきた。
 
20150610kenpougakusyavsabe.jpg
 
<安保法案 根拠乏しき「合憲」 政府見解「砂川判決」を拡大解釈>
 2015年6月10日 07時14分 東京新聞
20150610seifukenkai.jpg 政府は9日、衆院憲法審査会で憲法学者3人が他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を「違憲」と批判したことに対し、合憲と反論する見解を野党側に示した。自国防衛に目的を限った集団的自衛権の行使容認は、日本が攻撃された場合のみ武力行使を認めた従来の憲法解釈の「基本的な論理」を維持し、「論理的整合性は保たれている」と結論づけた。野党側は見解には説得力がないとして、国会で追及する方針。
 見解は、戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法九条の下でも「自国の存立を全うするため、必要な自衛の措置を取ることを禁じているとは到底解されない」という従来の政府解釈に言及。自衛権行使を「国家固有の権能」と認めた砂川事件の最高裁判決と「軌を一にする」と指摘した。その上で、国民の生命や幸福追求の権利を根底から覆す事態は日本が直接攻撃された場合に限られていたが、軍事技術の進展などで、他国への武力攻撃で「わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る」との認識に改めたと表明。集団的自衛権の行使は「自衛の措置として一部、限定された場合に認めるにとどまる」ため、これまでの政府見解との整合性は保たれていると主張した。
 一方、「いかなる事態にも備えておく」との理由から、集団的自衛権行使の要件に「ある程度抽象的な表現が用いられることは避けられない」と認めた。
 安倍晋三首相は8日、ドイツでの内外記者会見で「違憲立法」との批判に対し、法案を合憲とする根拠に砂川判決を挙げ「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない」と反論した。
 ◇
 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を中心とした安全保障関連法案が多数の憲法学者から憲法違反と批判されていることに対し、政府が9日に野党に示した見解は最高裁の砂川事件判決(1959年)を挙げて、法案が合憲だと主張した。砂川判決とはどんなものか。 (金杉貴雄、西田義洋)
 Q 砂川事件とは。
 A 60年も前の在日米軍基地の反対運動をめぐる事件だ。東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に入り、7人が日米安保条約に基づく刑事特別法違反罪で起訴された。
 Q 現在の集団的自衛権の行使容認をめぐる議論とどう関係するのか。
 A 「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡した一審の東京地裁判決(伊達秋雄裁判長の名をとり通称・伊達判決)を破棄した最高裁判決が首相が指摘する「砂川判決」だ。
 (1)憲法は固有の自衛権を否定していない(2)国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを憲法は禁じていない(3)だから日本を守る駐留米軍は違憲ではない(4)安保条約のような高度な政治性を持つ案件は裁判所の判断になじまない−がポイント。首相らは「自衛権」や「自衛の措置」に集団的自衛権の行使も含まれると主張し始めた。
 Q 争点は何だったの。
 A 日本を守るために外国の軍隊を国内に配備することが「戦力の不保持」をうたう憲法9条2項に反しないかが最大の争点だった。伊達判決が駐留米軍を「戦力」とみなして違憲としたのに対し、最高裁判決は「指揮権、管理権なき外国軍隊は戦力に該当しない」と判断した。日本が集団的自衛権を行使できるのかという問題は裁判ではまったく議論されず、判決も触れていない
 Q 判決は、日本が行使できるのは個別的自衛権だけとも書いていない。
 A それは確かだ。それでも歴代政府は判決を踏まえて国会答弁や政府見解を積み重ね、1972年の政府見解では「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と明確にし、40年以上維持されてきた。安倍政権がそれ以前の砂川判決を引っ張り出し「集団的自衛権の行使も許される」と言い始めたことに、憲法学者が相次いで「論理に無理がある」と批判している。
 Q 砂川判決の経緯も疑問視されているとか。
 A 近年の研究で、当時の裁判長の田中耕太郎最高裁長官(故人)が判決前に、一審判決を破棄すると米側に伝えたことが判明し、司法が中立性を損なっていたと批判されている。
 
『安保法案に関する政府見解』の全文」の中には、「自民党議員向け文書」も一緒に掲載してくれているので、その文書の全文を以下に紹介する。
 
<【文書B(自民党が所属議員に配布した文書)】>
※国会議員ご本人にお渡し願います。
 平和安全法制について
 現在国会で審議されている平和安全法制は、憲法のもとで、国民の命とわが国の平和を守るために必要な法律を整備するものです。決して憲法違反だとか立憲主義の逸脱ということはありません。日本を取り巻く安全保障上の環境が大きく変化する中で、色々な法律を点検してスキマを防ぎ、抑止力を高めて、戦争を未然に防ぐことが必要なのです。
 かつてほとんどの憲法学者は自衛隊が違憲だといっていました。今でもそういっている憲法学者もいます。憲法9条の2項に「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」と書いてあるから、憲法違反だというのです。しかし、私たちの先輩は日本が侵略されたとき『座して死を待て』と憲法が決めているはずはないと言って自衛隊の創設を決断しました。その自衛隊のおかげで日本の平和と安全は守られてきたのです。
 みなさん、そもそも憲法判断の最高の権威は最高裁です。最高裁だけが最終的に憲法解釈ができると、憲法81条に書いてあるのです。その最高裁が唯一憲法9条の解釈をしたのが砂川判決です。そのなかで、日本が主権国家である以上、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために自衛権の行使ができるとしたのです。最高裁のいう自衛権に個別的自衛権か集団的自衛権かの区別はありません。複雑化する世界情勢のなかで、他国が攻撃された場合でも日本の存立を根底から覆すような場合があります。そのような場合、集団的自衛権を行使することはなんら憲法に反するものではないのです。
 さらに最高裁は、わが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有する事柄が憲法に合致するかどうかを判断するのは、一見きわめて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所ではなく内閣と国会であるともいっています。
 すなわち国民の命と日本の平和を守るための安全保障政策に責任を持つべきなのは私たち政治家なのです。
 安倍内閣とわが党は長年この問題を議論し、日本の平和と安全を守るために、憲法の許す範囲で限定的に集団的自衛権を行使することが必要であると考え、平和安全法制を国会に提出しました。皆さんの理解を得ながら、早期に法案の成立を図り、わが国の平和と安全を守ることが国会の責任だと考えています。
 
「そもそも憲法判断の最高の権威は最高裁です。最高裁だけが最終的に憲法解釈ができると、憲法81条に書いてあるのです。」
 
その通りなのだが、残念ながら、昨年2月の衆院予算委で、憲法改正ではなく解釈変更により集団的自衛権の行使を容認できるのかと問われ、「(憲法解釈の)最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ」と答弁したのが安倍晋三首相。
 
やはり、この言葉通り「国民の審判を受ける」必要がある大きな問題なのである。
 
それにもかかわらず、どうして「論理的整合性は保たれている」と言えるのか、全く支離滅裂状態であろう。
 
20150610hasebekenkai.jpg
 
「最高裁のいう自衛権に個別的自衛権か集団的自衛権かの区別はありません」とは、余りにも自分勝手なご都合主義なのだが、こんな反論にもならない見解に対しては「安保法案:長谷部氏、政府見解を批判…違憲論高まる」という事態にもなり、危機感を感じたのか政府側が「集団的自衛権」とは何か、ということを「分かりやすい例え」で説明したところ、「国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官 礒崎陽輔 集団的自衛権について10代の若者に叱られる。」という惨めな目に遭っていたヤツがいた。










 
東大卒の国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官のレベルの低さが、もうすぐ20歳という女性に暴露されたのだが、これは御愛嬌で済まされる話だが、戦争法案で自衛隊員のリスクのみが質疑されていたが、実は戦争法案が成立すると、防衛費の増強という財政リスクも無視できない。
 
<安保転換を問う 防衛費 財政リスクも議論せよ>
 毎日新聞 2015年06月10日 東京朝刊
・・・前略・・・
 防衛費への影響に関する国会での数少ないやりとりの中で、中谷元防衛相は「装備の大増強が必要になるということではない」とかわした。すでに防衛大綱や中期防衛力整備計画(中期防)で総額が固まっている、との根拠だが、現在の中期防の対象は2018年度までの5年間だ。毎年実質0・8%の伸びを想定するが、19年度以降はわからない。
 防衛費を増やしたいというのが本音ではないか。そう思わせる安倍晋三首相の発言があった。4月末に訪問したワシントンで「経済を成長させれば、社会保障の財政基盤が強くなり、防衛費をしっかり増やしていくことができる」と語っている。
 問題は、成長率上昇による税収増だけで余裕が生じるほど、日本の財政難は軽くないことだ。
 目を国外に向けてみよう。
 米国ではこのところ、国防予算の大幅な削減が続いている。10年度から5年間で総額16兆円相当圧縮された。戦費を含まない基本予算でも4兆円規模の減少だ。財政健全化の一環である。米国と「特別な関係」を保ってきた英国も、米軍幹部が懸念をあらわにするほど国防関連の歳出を切り込んでいる。
 国の債務残高(国内総生産比)で日本は約230%と、米国の約110%、英国の約96%よりはるかに深刻だ。最も財政健全化を迫られている危機的状況なのである。
 仮に防衛費の本格的な上積みを政府が望んでいないとしても、安保法制を整えることで、米国に日本の負担増への期待を抱かせることになりはしないか。また、中国との緊張関係をさらに悪化させ、日本が防衛費を増額せざるを得なくなる事態を自ら招くことにならないか。ここで忘れてならないのは、中国の国防費がすでに日本の3倍ほどあり、今後も年10%近い伸びを続けていく可能性があるという現実である。
 日本の今の財政は、日銀の異次元緩和で人為的に維持された異例の低金利が支えている。国民の命とくらしを守るための安保法制というが、財政危機に見舞われ、社会保障を維持できなくなっても国民の命やくらしは脅かされる。
 政府には、内なる財政のリスクも含め、安全保障を語る責任がある
 
「後方支援」しかやらないから危険はないと嘯く安倍晋三首相だが、それは「兵站」といって立派な戦闘行為なのだと共産党の志位和夫委員長に論破されていたが、兵站は「後方補給」ともいわれ補給する燃料、武器、弾薬、食糧、医療品等々の費用は決してバカにならない。
 
戦争とは無駄なカネがかかる愚か者たちの行為なのである。
 
こんな愚行を実施する権限を愚かな政府に与えてはならない。
 
日本中の憲法学者を総動員してこの憲法違反の悪法を葬らなければ日本の未来はない、とオジサンは思う。 

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2015年06月09日

「違憲ショック」で潮目が変わる

チョット日本酒にうるさい人なら誰でもが知っている「YK35」。
 
あえて日本酒に疎い人のために説明すると、この言葉は製品名ではなく、しいて言えば「製造方法」と言ったところかもしれない。
 
原料の酒米には山田錦を使い(Y)、『香露』で知られる熊本県酒造研究所で分離されたきょうかい9号(K)という酵母を使い、精米歩合を35%まで高めれば(35)、良い酒ができて鑑評会でも金賞が取れる、ことから生まれた呼び名である。
 
オジサンの学生時代は大手酒蔵メーカーの名だたる酒しか置いていない店が多かったので、特に酒の銘柄を指定することもなく「熱燗2本」とか「冷酒」といった注文をしていたものである。
  
そして40代の頃、初めて「純米酒」の存在を知り、本当の酒は米だけで作る「純米酒」であると思い込んできた。
 
その後「吟醸酒を楽しむ会」に入会し、年に2回「試飲会」に参加してからは、必ずしも「米だけ」にこだわらず、大吟醸と呼ばれる日本酒には10%未満の醸造用アルコールが含まれるものがあることも学んだ。
 
「日本酒は概ね1升瓶で3,000円までは、値段と味は比例的に向上する」といわれるのだが、それは米の「精白度」に比例するからであり、熟成させるワインやウィスキーとは根本的に異なり、日本酒の「○○年もの」などは存在しない。
 
この程度の知識は最近は常識の範囲になっているのだが、「日本酒は純国産に限る」とは、何を今さらと訝しがられる時代錯誤甚だしいことを財務省が唱えているという。 
 
<「日本酒」純国産に限る 財務省、年内にも定義 外国の米・水使用は呼称認めず>
 2015年6月9日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 純国産でなければ「日本酒」とは呼ばせません――。政府のクールジャパン戦略の一環で、財務省がそんな方針を年内にも決める。今後増えるとみられる外国産の清酒と差別化し、日本食ブームに乗って本家本元の日本酒を、世界で味わってもらうのが狙いだ。
 これまで、日本酒のはっきりした定義はなかった。国税庁長官は年内にも「日本酒」について地名を商品名に使う知的財産権である「地理的表示」に指定。日本酒や英語の「ジャパニーズ・サケ」を名乗れる清酒を、国産米や国内の水を使って国内でつくられた清酒に限る方針だ。
 日本など世界貿易機関(WTO)の加盟国は、地理的表示に指定した商品を保護し、その地名を産地以外の商品に使わないよう取り決めている。英スコットランドの「スコッチ・ウイスキー」、仏シャンパーニュ地方の「シャンパン」が代表例だ。
 指定が実現すれば、海外産のコメを原料にしたり、海外で醸造したりした清酒を「日本酒」と表示することを認めず、違反した商品の製造や販売の取り締まりを各国に求めることができるようになる。違反した業者には、罰金を科すこともできる。
 近年は日系人が多い米国やブラジルのほか、カナダ、中国などで現地産のコメなどで清酒を生産する動きが広がっている。米国内の清酒販売量の8割が米国産ともいわれる。(青山直篤)
 
たとえTPPが締結されて、カリフォルニア米が大量に輸入されるようなことがあっても、日本酒の原料には程遠いのだが、米国産の廉価な清酒が輸入されて、日本酒離れの若者たちが戻ってくれれば日本酒業界も歓迎すべきだろうが、その暁にはあらためて「日本酒好き」の味覚が試される時が来るかもしれない。
 
日本酒の味など全く分からずに米国大統領に銀座の高級すし店で大吟醸酒を振る舞った男が、憲法審査会での自民党が呼んだ参考人の「違憲立法」との指摘による「違憲ショック」により、支離滅裂な強弁を繰り返し始めた。 
 
<「安保法案 合憲」強調 首相 砂川判決を引用>
 2015年6月9日 朝刊 東京新聞
 【ミュンヘン(ドイツ南部)=高山晶一】先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)は8日(日本時間同日)、中国を念頭に、東シナ海と南シナ海での力による「現状変更の試み」への反対などを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。安倍晋三首相はその後、内外記者会見に臨み、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認などを含む安全保障関連法案に関し、憲法学者から「違憲立法」との指摘が相次いでいることに対し「憲法の基本的論理は全く変わっていない」と反論し、法案撤回にも言及しなかった。 
 首相は法案が合憲との根拠について1959年の最高裁による砂川事件判決を挙げ「わが国の存立を全うするために自衛の措置を取りうることは国家権能として当然のこと」と指摘。その上で今回の集団的自衛権の行使容認に関し「他国の防衛を目的とするのでなく、最高裁判決に沿ったものであるのは明白」と述べた。
 砂川事件は57年に東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対し、基地内に立ち入ったデモ隊の一部が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴され、裁判で米軍駐留の合憲性が問われた。最高裁判決は日本の個別的自衛権を認めたもので集団的自衛権は問題になっていないとの考えが一般的学説
 また首相は会見で、集団的自衛権の行使を認める場合の武力行使の新3要件にも言及。他国への攻撃であっても日本の存立が脅かされ、国民の権利が覆される明白な危険があるといった新3要件に基づき「憲法の基本的な論理は貫かれている」と強調した。新3要件に適合するかどうかは政府の判断に委ねられ、行使の基準があいまいとの指摘には答えなかった。
 
すでに多くの識者から批判されていた「1959年の最高裁による砂川事件判決」を持ち出すとは、おろらくその場に的確にアドバイスする「識者」がいなかったので、思わず口から出てしまったのかもしれない。
 
昨年の7月1日の閣議決定は、「昭和47年政府見解」を読み替え曲解したものだと、小西洋之助議員はブログで以前から指摘していた。  

<安保法制を根底から覆す! 〜昭和47年政府見解「幻の集団的自衛権」の立証〜>
・・・前略・・・
 もっと、本質的な議論をしなければいけません。
 それは、「そもそも、新三要件は存在し得るのか?(合憲なのか?)」という問題です。
 昨日の安倍総理の答弁を見てみましょう。
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■平成27年5月26日 衆議院本会議速記録(議事速報)抜粋
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
昨年七月の閣議決定における憲法解釈は、従来の憲法解釈との論理的整合性と法的安定性に十分留意し、昭和四十七年の政府見解における憲法第九条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための合理的な当てはめの帰結を導いたものであります。
昨年の閣議決定では、国民の命と幸せな暮らしを守るため、必要最小限度の自衛の措置が許されるという、従来の憲法解釈の基本的考え方を変えるものではないことから、憲法の規範性を何ら変更するものではなく、立憲主義に反するものではありません。
 したがって、御指摘のとおり、昨年の閣議決定について、解釈改憲、立憲主義の逸脱という批判は全く当たらないと考えます。
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・ 安倍総理は、「7.1閣議決定による憲法9条の解釈変更は、解釈改憲というべきものであり、立憲主義に反するのではないか?」という質問に対して、「7.1閣議決定の解釈変更は、昭和47年政府見解に書いてある憲法9条解釈の「基本的な論理」と同じだから解釈改憲ではない。」と答えています。
・ これを分かりやすくいうと、安倍総理は、「昭和47年政府見解の中には、もともと集団的自衛権行使が許容されていたのだ。その集団的自衛権行使が許容されている憲法9条の法理(法的な論理)こそが「基本的な論理」なのだ。」と述べているのです。
・ 「えっ? 憲法9条では、昭和47年政府見解という政府の9条解釈の時から、集団的自衛権行使が認められていたのか?」と驚かれるかも知れませんが、そのとおり7.1閣議決定にははっきりと書いてあるし、安倍政権はそのように答弁をしているのです。
・ つまり、7.1閣議決定の解釈変更とは、「昭和47年政府見解を、作成されてから42年ぶりに読み直してみたらそこに集団的自衛得権行使が書かれていたのを発見した。そして、この集団的自衛権行使がもともと含まれている憲法9条の法理こそ正しい憲法9条解釈であり、安倍内閣はこの法理たる『基本的な論理』にホルムズ海峡事例や邦人親子避難事例を当てはめて、初めてその解釈を実際に使ったという意味で『解釈変更』をしたのだ。」と言っているのです。
・ ちなみに、安倍内閣は、「昭和47年政府見解の前後のあらゆる国会答弁や政府見解で、集団的自衛得権行使を許容することが明記されているもの、法理として読み取れるものは存在しない。」と、私の国会質問に対し答弁しています。
・ これは、当たり前です。なぜなら、「憲法9条において、集団的自衛権行使は、限定的な集団的自衛権行使なるものを含めて、憲法解釈の変更の余地すらなく、憲法の条文を変える以外に手段がない。」というのが確立した(憲法制定議会以来一貫した)政府の憲法9条解釈だったからです。
・ そうすると、安倍内閣が7.1閣議決定において主張するところの、「歴代政府が踏襲してきた憲法9条解釈の「基本的な論理」(この中には集団的自衛権行使が含まれている)なるもの」は、昭和47年政府見解以外には表明され、あるいは明記されたものが存在しないことになります。
・ では、本当に昭和47年政府見解には、もともと集団的自衛権行使が含まれていた(法理として許容されていた)のでしょうか?
もし、これがとんでもないインチキだったら、安保国会は「幻の集団的自衛権行使」の上に議論が始まっていることになります。
・ 結論を先に申し上げると、「昭和47年政府見解に集団的自衛権行使が含まれている」という主張は、昭和47年政府見解にある「(我が国に対する)外国の武力攻撃」という文言を、42年目にして勝手に、「同盟国等に対する外国の武力攻撃」という意味に読み替えるという単なる「言いがかり」に過ぎないものであり、何の根拠もない空前絶後の暴挙であり「正真正銘のレッテル貼り」というべきものです。
・ 現に、例えば、昭和47年政府見解を作成した当時の吉國内閣法制局長官が、当見解を作成し国会に提出する契機となった国会答弁において(作成のわずか3週間前ののもの)、以下のように明言しています。
集団的自衛権行使ができるということは、憲法9条をいかに読んでも読み切れない。
 「(日本には未だ武力攻撃が発生せず)他国にのみ武力攻撃が発生している集団的自衛権の状況では、日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることはあり得ず、よって、日本はあらゆる自衛の措置(集団的自衛権行使)を行うことはできない。」
・ つまり、「昭和47年政府見解には集団的自衛権行使は存在しない」のです。
・ で、あるならば、昨日から始まった安保国会は「日本の政治史上、最大の喜劇」というべきものです。
 つまり、「安保国会は、安倍内閣の終わりの始まり」なのです。
・  にもかかわらず、この真実を国民の皆さまが知ることなく、安倍政権の欺罔によって憲法を奪われたまま、「安保国会がクーデター改憲が強行される日本の政治史上、最大の悲劇とならないよう(そして、その先には、違憲の戦争という自衛隊員や国民の最大悲劇が待っています)」、以下の私のご説明ビデオをぜひご覧下さい。
  目からウロコの衝撃をお約束致します。
・・・後略・・・
 
やはり、この戦争法案を論ずるよりも、その根拠となった昨年の「7.1閣議決定」の違憲性を問わなければならない。
 
政府の意向を忖度する記事内容の讀賣新聞が「内閣支持率、53%に低下…安保法案に懸念か」という5〜7日に行った全国世論調査結果を発表していた。
 
讀賣新聞の調査らしく、以前としては内閣支持率が50%を超えているのだが、「違憲ショック」によって5ポイントも支持率が下がったと、ある意味では危機感を表してきた。
 
そろそろ今まで無関心だった国民も、この安倍政権の欺瞞性に気づき、自民党・青年部の街頭宣伝には、声をそろえて「違憲法案廃棄」「違憲総理退場」とまで叫ぶようになった。
 
このような国民の多くの声が現在の不毛な国会審議の流れを変えていくのではないだろか、とオジサンは思う。 

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2015年06月08日

「帰れコール」よりも「安倍辞めろ」コールを広げよう

昨日は1060名が集まった「6・7怒りの大集会」で、琉球新報の島洋子・東京報道部長の講演を聴いた。
 
学者や評論家のように弁舌さわやかではないが、合併前のゴザ市生まれの生粋の沖縄人であり沖縄の実態を生々しく話してくれた。
 
特に基地問題に関しては、本土では「沖縄は基地で生活が成り立っている」と実情を知らない無責任な発言者がいるが、現実は米軍基地の返還後の開発により、基地跡地は経済規模が拡大し、県経済全体を牽引していると、琉球新報が独自に調査した「中南部に位置する米軍基地の経済問題」という資料を基に説明していた。
 
20150608keizaikouka.jpg 
 
先週4日の衆院憲法調査会で、自民、公明両党の与党と次世代の党が推薦した参考人も「憲法違反である」と明言し、自民党側からは「当初予定した先生の日程が都合つがず、特定秘密保護法には反対していた長谷部教授を呼んでしまった」という話が聞こえてきた。
 
その呼ぶはずだった参考人は、あるシンポジウムで「憲法の個別的事柄に修正すべきことがあるのは否定しないが、根幹を変えてしまう発想は英米独にはない。日本ではいつまでぐだぐだ言うのか、腹立たしくなる」と言っていた佐藤幸治・京大名誉教授であった。
 
<憲法学者が不信感 シンポに1400人>
 2015年06月06日 毎日新聞
20150608rikkenforum.jpg
シンポジウム「立憲主義の危機」で発言する佐藤幸治・京大名誉教授(右端)=東京都文京区の東大で2015年6月6日午後8時6分、森田剛史撮影
 安全保障関連法案の衆院審議が続く中、京都大名誉教授で憲法学者の佐藤幸治氏が6日、東京都内で講演し、「憲法の個別的事柄に修正すべきことがあるのは否定しないが、根幹を変えてしまう発想は英米独にはない。日本ではいつまでぐだぐだ(根幹を揺るがすようなことを)言うのか、腹立たしくなる」と述べ、憲法を巡る現状へのいらだちをあらわにした。法案を巡っては4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦の参考人・長谷部恭男氏を含む憲法学者3人全員が憲法9条違反だと批判。自民は当初佐藤氏に参考人を要請したが断られ、長谷部氏を選んでいた。
 佐藤氏は「(憲法という)土台がどう変わるか分からないところで、政治と司法が立派な建物を築くことはできない」とも語り、憲法の解釈変更で安保法制の整備を進める安倍政権への不信感をにじませた。
 講演は「立憲主義の危機」と題するシンポジウムで行われた。続く討論で安保法制について、樋口陽一・東京大名誉教授が「(関連法案の国会への)出され方そのものが(憲法を軽んじる)非立憲の典型だ」と、また石川健治・東京大教授が「憲法9条の論理的限界を超えている」と、憲法学の立場から政府のやり方を厳しく批判した。
 会場の東京・本郷の東京大学構内では、開始前に700人収容の会場から人があふれ、急きょインターネット中継を利用して300人収容の別会場が用意された。だが、そこも満員で立ち見が出る盛況ぶりで、最終的に約1400人が詰めかけた。開始20分前に着き、別会場へ誘導された埼玉県入間市の日本語教師の男性(66)は、「安保法制の進め方は民主主義とは違うと感じていた。それが確かめられ、すっきりした」と満足そうに話した。
 主催した「立憲デモクラシーの会」は昨年4月に設立され、樋口、石川両氏のほかノーベル賞を受けた理論物理学者の益川敏英氏など日本の代表的知識人約60人が呼びかけ人に名を連ねている。【林田七恵、太田誠一】
 
憲法学者3人に正面から「安保法制は違憲」と付きつけられ危機感をにじませた自民党が渦中の栗拾いを始めたのだが、国民の怒りの声の反撃に遭ってしまった。
 
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(朝日新聞より)

  
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(朝日新聞より)
 
 
<谷垣氏に帰れコール 「帰れだけで平和は来ない」と反論>
 2015年6月8日05時06分 朝日新聞DIGITAL
 「『帰れ』と叫ぶだけで平和は来ない」――。自民党青年局が主催して7日に全国各地で開いた街頭演説活動で、聴衆から「帰れ」コールがおき、谷垣禎一幹事長が反論する一幕があった。谷垣氏は「反対であっても国会でみなさんの代弁者を通じて、しっかり議論しようじゃありませんか」と呼びかけた。
 街頭演説は安全保障関連法案と拉致問題をテーマとし、7日を中心に全国約100カ所で開いている。谷垣氏が参加したのは東京・新宿会場だった。
 谷垣氏は、4日の衆院憲法審査会で憲法学者3人全員が関連法案を「違憲」と断じたことを念頭に、「違憲・合憲を判断する最高裁は、日本が持つ固有の自衛権として集団的自衛権も否定してはいない。今度の法案も、まさに最高裁の憲法論の枠内で作られている」などと主張した。
 これに対し、「憲法壊すな」「立憲主義を守れ」などのプラカードを掲げた聴衆が「戦争反対」「9条守れ」と声を上げ、次第に「帰れ、帰れ」という声が大きくなったところで、谷垣氏が反論した。
 谷垣氏の発言に対して、民主党の枝野幸男幹事長も7日、「専門的に研究してきた人たちが(違憲と)言っている。(合憲と)一刀両断で片付けられるほど、どこで憲法を勉強してきたのか」と、さいたま市内で記者団に述べた。
 
「反対であっても国会でみなさんの代弁者を通じて、しっかり議論しようじゃありませんか」といくら呼びかけても、国会の衆院特別委では安倍晋三首相は自衛隊を米軍に差し出すことしか念頭にないため、法案の詳細な部分について国民の代弁者が質問してもまともに答えられない現実が、多くの国民の怒りを買っていることに、谷垣禎一幹事長は気づいていない。

田中龍作ジャーナルは街宣車に対して反対行動をしている人々の声を拾っていた。 
 
<在特扱い 戦争法制で自民に「帰れコール」>
 2015年6月7日 20:02 田中龍作ジャーナル
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街宣車に向けて怒号が飛ぶ。「死神総理」のプラカードも登場した。=7日、新宿西口 写真:筆者=
 
 自らが推薦した憲法学者から「集団的自衛権は違憲」と指摘された自民党。オウンゴールを挽回しようと やっき だが、混迷はさらに深まりそうだ。
 自民党はきょう全国一斉に「拉致問題の解決と安保法制」を訴える街頭宣伝を行った。
 「憲法守れ」「戦争させない」・・・吉祥寺駅前にはプラカードを手にした人々が集まった。

品川区から足を運んだ女性(60代)は「改憲ビラを回収しようと思ってきた。拉致問題(の街宣)なんてウソでしょ?」と語る。
 八王子から来た男性(72歳)は「少子化の時代に戦争しようなんて正気の沙汰とは思えない」と憤った。
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「戦争反対」「憲法壊すな」…高層ビルの谷間にシュプレヒコールが響いた。=7日、新宿西口 写真:筆者=
 
 都議会議員や国会議員の演説が始まると「憲法壊すな」「戦争反対」のシュプレヒコールが起きた。街宣車のスピーカーで拡声されているのだが、演説の声はかき消された。
 拉致問題で求心力を高めようと目論む自民党議員たちにとっては思惑外れだ。憤った地元選出の都議会議員は「戦争反対は中国に(向かって)言って下さい」と声を荒げた。(荒げたので聞こえた)
 谷垣幹事長が登壇するとシュプレヒコールはさらに大きくなった。筆者は話を聞き取るために街宣車に一番近い場所まで移動した。
 「日本国憲法の守護者は最高裁なんです。最高裁は自衛隊は違憲ではないと言ってるんです」。
 党をあずかる谷垣幹事長は火消しに懸命だ。幹事長は砂川判決を引用し「集団的自衛権は違憲ではない」ことをアピールしようとした。
 砂川判決(1959年)は「集団的自衛権は違憲である」とする趣旨の東京地裁の判決を、田中耕太郎最高裁長官が米大使館から圧力をかけられてひっくり返し「合憲」としたのである。
 谷垣幹事長の「砂川判決」引用は、袋小路に入った自民党の姿を象徴していた。
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女性はこの後、新聞記事を地元選出の土屋衆院議員に突き付けた。=7日、吉祥寺北口 写真:筆者=
 
 年配の女性は「憲法学者が集団的自衛権は違憲と証言した」新聞記事(拡大コピー)を、土屋正忠衆院議員(元武蔵野市長)の目の前に突き付けた。
 土屋議員は「学者は責任がないからね、どこで戦争があるの?」と捨てゼリフを吐いた。
 新宿西口にはさらに多くのカウンターが出た。100人近くはいただろう。吉祥寺の倍だ。
 練馬区から参加した男性(公務員・60代)は「『憲法改正マンガ』を回収するゴミ袋を6袋持って来た」と力を込めた。
 新宿西口でも谷垣幹事長がマイクを握った。「帰れ、帰れ」「ブラック政権、アベ政権」のシュプレヒコールが起きた。人数が多い分、吉祥寺よりも迫力がある。
 山谷えり子国家公安委員長が登壇した。シュプレヒコールは「在特大臣帰れ」「ネトウヨやってて恥ずかしくないのか山谷」…となった。
 論理は破綻し、何を言っても国民の反感を買うばかり。もはや在特レベルになり下がった政府与党の姿があった。
 
「安保法制」の論理は破綻したのだから、そもそも昨年7月の「集団的自衛権行使容認」ということ自体が「憲法違反」という原点に戻らなければならない。
 
個人的に違憲訴訟を起こしているが、「違憲訴訟で闘う試みー『安倍内閣・集団的自衛権行使容認違憲訴訟』」によれば、
   
何を違憲の対象として特定するのか、被告の選定、原告適格、被侵害利益、訴えの利益、請求権の根拠、どのような請求の趣旨を立てるか…。裁判を土俵に乗せるまでが至難の業なのだ。さらに、土俵上でしっかり組んだと思っても、スルリと体をかわされる。そのうっちゃり技が統治行為論である。
・・・
「高度に政治性の高いテーマについては、一見きわめて明白に違憲無効と認められない限り、違憲かどうかの法的判断を下すべきではない」という統治行為論である。つまりは、できるだけ国会や内閣という「民主的機関」の意思を尊重して司法は軽々に違憲判断をすべきではない、というのである。一見きわめて明白な憲法の番人の職務放棄である。
  
と現実的には弁護士の立場からも困難だという。
 
安保で違憲訴訟『あるかも』谷垣幹事長」と足元がぐらつき始めていることは確かであり、サミットから帰国したならば安倍晋三首相は是非、街宣車に乗って国民の生の怒りの声を聴くべきである、とオジサンは思う。

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2015年06月07日

6・7怒りの大集会

今日で65歳を迎えた。
 
余り馴染みがないが「前期高齢者」の仲間入りである。
 
しかし本人にはそんな自覚はない。
  
改めて自分の年回りを意識させられるのは行政からの3つの「贈り物」である。
 
1週間ほど前に家に送られたのは地元の市の健康福祉局から届いた「すこやか福寿手帳」。
 
表紙の裏には「入場優待券(福寿手帳)」と書いてあり、そこには最小限の「個人情報」を記入するようになっている。
 
これを指定された施設で見せれば「無料」又は「割引」で利用できると書いてある。
 
最も重要なのは「救急情報連絡票」であり、すべて記入しておけば一人で出かけて突然見知らぬ場所で倒れても、救急隊員等に発見されれば口がきけなくてもそれなりの治療が受けられる。 
 
しかしオバサンの見解では、酒飲んで酔って過去に鞄の置き引きやタクシー内での忘れ物をした前科者のオジサンは、かえって個人情報がダダ漏れするので危険だと言われる始末。
 
次に送られてきたのが、第1号被保険者用の「介護保険被保険者証」。 
 
90歳の母と同じ保険証だが大きく違うのは、母の保険証には「要介護状態区分等」の欄に「要介護5」と記入されていることである。
 
これを受け取ったということは65歳から(最初の8か月ほどは納付書が送付)介護保険が年金から差し引かれることになる。
 
最後の贈り物はやはり健康福祉局からの「高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種のお知らせ」だった。 
 
テレビCMで毎日放映されているがまさかこんなに早く自分が対象者になるとは思っていなかった。

そして最高の贈り物は、昨年秋に結婚した息子から誕生祝に贈られた「北雪 大吟醸 YK35」であった。

年金暮らしのオジサンには手が届かないような高級日本酒なので、正月まで寝かすことにした。
 
さて、今年で参加し始めて10年目になる「怒りの大集会」。
 
毎年2回開催されて参加してきたが、最近は中々日程調整がつかなかったり、体調異変が起こったりと最後の参加は3年前の「今日は『怒りの大集会』」だった。
 
この集会の特徴は「労働者・学生・市民」が主体で特定政党や大手ナショナルセンターの主催ではない。
 
労働者の中には様々な上部団体に属する各種の単産傘下の組合員もいれば、まったく労働組合にすら入れない、昔の労働者も多い。
 
中でも学生たちは、それぞれの大学の自治会の役員や中心的な学生が多く、まず「ノンポリ学生」は皆無である。
 
かつての「全学連(全日本学生自治会総連合)」は様々な闘争と運動を繰り返しながら現在では5団体が存在しているが、もっとも活発な活動を行っているのは、革マル派系とされる全学連、この集会にも傘下の早稲田大学・國學院大學・津田塾大学・和光大学などの学生が参加している。
 
そのために、毎回の集会には入口までの沿道に公安関係者が多い時には数十人も休日出勤して、寒暑にかかわらず帽子とマスく姿で手帳になにやら参加者情報を集めているらしい。
 
最近の公安連中は以前に比べて堂々と顔を晒している者もいる。
 
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見方を変えれば権力側からすれば無視できない、彼等の論理からすれば「要観察対象」団体ということである。
 
そうなれば、単なる暇に任せた老々男女の集まりとはいえず、それなりに一定の影響をもつ集会と言えるかもしれない。
 
今日も、公安警察の皆さんに「守られながら」の集会に出かけることにする。 
 
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2015年06月06日

デタラメ流布する右翼論説委員

4日の衆院憲法審査会で「与党が推薦する参考人が、政府提出法案に異論を唱えるのはもちろん、違憲と明言するのは極めて異例」と言われるほどの「人選ミス」を犯した政府・自民党。
 
大々的に報道され苦虫を潰したような表情で、菅義偉官房長官は、直ちに「集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案を合憲とする憲法学者はたくさんいる」と反論していた。
 
そして昨日の記者会見では、「たくさんいる憲法学者名は?」と具体的な学者名を記者団に問われたが、挙げられなかった。
 
さらに菅義偉官房長官は、行使容認を提言した安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」に言及して「有識者の中で憲法学者がいる。その報告を受け決定した」と説明したが、今度は「安保法制懇に憲法学者が1人しかいない」と指摘されると「憲法学者全員が今回のことに見解を発表することはない。憲法の番人である最高裁が判断することだ」と支離滅裂状態だった。
 
昨日の夕方、ツイッターには「明日の自由を守る若手弁護士の会」が作成したこんな図が拡散されていた。
 
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相変わらず政府側の答弁は腰が定まらず、憲法の枠内で戦争法案を作成したと言いながらも、憲法学者らから「法案は違憲」と指摘されると「政府の裁量で憲法解釈できる」と強弁する始末である。
 
<安保法案審議 立憲主義に反する解釈変更 政権「裁量の範囲」強調>
 2015年6月6日 朝刊 東京新聞
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 中谷元・防衛相は5日の安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で、衆院憲法審査会で憲法学者3人が他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認は違憲と明言したことに「憲法解釈の変更は政府の裁量の範囲内」と反論。民主党は違憲立法だとして政府に法案撤回を求めた。
 安倍政権は昨年七月の閣議決定で、自国防衛のための武力行使しかできないとの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認。歴代政権が堅持してきた憲法解釈を一内閣の判断で変えたことは、憲法によって国家権力を縛る「立憲主義」に反するとの意見が強いが、政府は閣議決定に基づき安保法案を作成した。
 民主党の辻元清美氏は質疑で、憲法学者グループが声明で廃案を求めたことに触れ「根幹が揺らいでいる」と法案の撤回を要求。同党の岡田克也代表は記者会見で「憲法学者と共通の基盤に立っている。政府の考え方では憲法九条をクリアできない」と強調した。
 自民党の高村正彦副総裁は党会合で「学者は九条の字面に拘泥する。最高裁は『必要な自衛の措置を講じることは主権国家にとって当然』と言っている」と反論した。
 
「憲法解釈の変更は政府の裁量の範囲内」とまで言い切れば、当然、この人は黙ってはいない。
 
<<柳沢協二氏の安保国会ウォッチ> 国民納得せぬ「違憲立法」>
 2015年6月6日 朝刊 東京新聞
 中谷元・防衛相が、集団的自衛権行使を憲法解釈の変更で容認することは「立憲主義を否定していない。解釈変更は行政府の裁量の範囲内だ」と答弁したが、明らかに間違っている。
 憲法上、集団的自衛権の行使は認められないというのは、何十年もかけ定着し、法的に安定した国民のコンセンサス(合意)だ。それを政府が勝手に変えることは「裁量」などとは言えない。それは立憲主義に反している。日本が武力行使するかどうかの基準、つまり国にとって最大の重大事である戦争するかどうかの判断だ。国民が納得し、リスクを覚悟することも必要で、明確な共通理解がなければいけない。
 衆院憲法審査会で、与党推薦の参考人を含む憲法学者全員が、安保法案を「違憲」と断言した。憲法学者の大多数は同じだろう。重い事実だが、政府は専門の学者の意見に聞く耳を持とうとしない。安倍晋三首相が「早く質問しろよ」とやじを飛ばしたのと同じ姿勢で、違う意見は聞く必要がないということだ。
 今回の安保法案は、武力行使法であり戦争支援法だ。日本が攻撃を受けていないのに、政府が「日本の存立が脅かされる」と判断すれば武力行使できる。だが、他国への攻撃をどうやって日本への攻撃と同等と評価するのか、審議でも説明できていない。
 立憲主義とは、国家権力の裁量の範囲を憲法によって制約する考え。だが政府は「政府が決めるから、国民は任せなさい」と言っているだけだ。裁量というだけなら、その姿勢自身が憲法違反だ。 (聞き手・大杉はるか)
 
その昔、社説の「憲法観」への違和感から朝日新聞の購読を止め東京新聞の購読を始めて10年になるが、その間に極めて不愉快な論説委員が登場し、その人物に関しては昨年4月に「ジャーナリストとしての立ち位置とは」というつぶやきの中で、集団的自衛権行使容認を支持する長谷川幸洋を批判した。
 
所属する新聞社の社説と正反対の意見を同じ紙面で「言論の自由」を振りかざして述べることには多くの識者が批判しており、東京新聞の読者からも困惑の声が聞こえてきていることは事実である。
 
他人の意見に対して「異見」を述べることは確かに保障されている行為であるが、その内容が事実と異なり歪曲して読者に知らしめる行為は決して許されることではない。
 
華麗な経歴の持ち主の長谷川幸洋はエリートジャーナリストであり、労働者感覚は恐らくは持ち合わせてないないのかもしれない。
 
例えば先月の現代ブジネス「ニュースの深層」に掲載されている「野党ならずとも心配になる労働者派遣改正法案の核心」ではこんなことを書いていた。
 
・・・前略・・・
 本来なら、企業に対して正社員と派遣労働者の均等・均衡待遇を働きかけるべきなのだ。そういう考えは、改正案の附則第2条3に「政府は派遣労働者と(中略)派遣先に雇用される労働者との均等な待遇及び均衡のとれた待遇の確保の在り方について検討するため、調査研究その他の必要な措置を講ずるものとする」という文言にかろうじて盛り込まれた。
だが、あくまで附則にすぎない。それ自体が今回の法改正は良く言って道半ば、悪く言えば中途半端なことを示している。派遣労働を「臨時的、一時的労働」などと法律で差別しているのは、いまや日本くらいだ。欧州では正規と非正規の区別なく「同一労働・同一賃金」が当たり前である。
厚労省が5月12日に公表した労働力調査によれば、2015年1〜3月期に非正規労働者は前年同期に比べて9万人増えて1979万人になった。一方、正規は同じく42万人増えて3265万人である。非正規は全体の37.7%だ(http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/2015_1.pdf)。
これだけみると、非正規は相変わらず増えている話になる。だが、問題はその増え方である。実は2013年10〜12月期の122万人増以来、非正規の伸び率はずっと鈍化している。一方、正規の増え方は14年1〜3月期の58万人減から増加に逆転した。
つまり、いよいよ非正規から正規への転換が定着してきたのだ。企業は非正規を増やすだけでは間に合わず、正社員を増やし始めた。景気が立ち上がってきた証拠の1つでもある。
 
「同一労働・同一賃金」が当たり前」と言いながらも、「総務省統計局」の「労働力調査(詳細集計) 平成27年(2015年)1〜3月期平均(速報)」を表面だけ見て、あたかも安倍政権の経済政策が奏功したかのように「景気が立ち上がってきた証拠の1つでもある」と結論づけていた。
 
恐らくは、派遣労働者の増減に名を借りた政権擁護記事であったのだろう。
 
そんな姿勢がより顕著になったのは週刊ポスト2015年6月12日号に掲載された記事である。
 
<労働者派遣法改正 派遣の是非より正社員との差別撤廃目指せ>
  2015.06.01 16:00 NEWポストセブン
 通常国会で労働者派遣法改正案が審議されている。はたして法改正で派遣労働者の雇用は安定するのだろうか。
 現状は秘書や受付、通訳、情報処理など特定の28業務であれば、派遣会社との契約が有期だろうと無期だろうと、派遣先で無期限に働ける仕組みになっている。改正案は28業務の限定を取り払ったうえで、有期契約の場合だと最長3年で契約を打ち切らなくてはならなくなる。そこで民主党など野党は「これでは一層、雇用が不安定になる」と批判している。
 ところが、話はそこで終わりではない。改正案は期限が到来したら、「派遣会社が派遣先に直接雇用を働きかける」「新しい派遣先を紹介する」あるいは「派遣会社自身が有期契約を無期に変更する」ことを義務付けた。無期契約なら3年打ち切りルールを適用しない。
 なぜ改正かといえば、有期契約のまま無期限に働き続けるより「直接雇用や派遣会社との無期契約への移行を促したほうがましなはず」というのが政府の理屈である。それは一理ある。派遣料をもらえなければ元も子もないので、派遣会社の中には実際に無期契約に変えるケースも出始めているようだ。
 もっと根本の話は、そもそも法律が派遣労働を「一時的、臨時的」なものと差別している点だ。働く側からみれば、正規だろうと派遣だろうと、給料を含めた労働条件が同じであればいい。
 派遣というと「みんな正社員を望んでいるはず」と思いがちだが、実はそうでもない。「自分の都合の良い時に働きたい」「家計の補助」「家事、育児、介護等と両立させたい」という理由が全体の6割弱を占め「正規の仕事がないから」という理由は2割弱にとどまっている(労働力調査、2015年1〜3月)。
 自己都合に合わせて多様な働き方を選んだり、たまたま非正規になったとしても、正社員と差別されず労働が適正に評価される。本来、政策はそんな「同一労働・同一賃金」「均等・均衡処遇」の方向を目指すべきだ。
 もう1つ、国会は高度専門職を対象にした労働基準法改正案も審議する。こちらは労働時間で賃金を決めるのではなく、成果で評価する。
 成果報酬でもっとも進んでいる1つの例は、夜のホステス業だろう。彼女たちは自前の客を抱えて売り上げさえ上げれば、見合った報酬が約束される。ダメなら即クビだ。残業代? そんなものはもちろん、ない。彼女たちはそれが分かっていて働いている。
 左派系論者は残業代ゼロ法案などと批判するが、彼らは「ホステスにも残業代を認めるべきだ」と言うのだろうか。そっちはよくて、こっちはダメというのは二重基準のきれいごとではないか。
 
■文・長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ):東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)
※週刊ポスト2015年6月12日号
 
さっそく、上西充子・法政大学教授が正確な批判をしていた。(誤記や読みやすくするため編集した)
 
労働者派遣法改正 派遣の是非より正社員との差別撤廃目指せnews-postseven.com/archives/20150…
東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏によるこの文章、派遣を選んだ理由として労働力調査結果が紹介されているが、これは派遣労働者対象の結果ではなく、非正規全体の結果。
出所は労働調査(2015年1月〜3月)とあるので、下記の表2と思われる。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/2015_1.pdf
「非正規の職員・従業員」について、「現職の雇用形態についた主な理由」として「正規の職員・従業員の仕事がないから」をあげた者が男女計で17.6%。
この結果を引いて長谷川氏が「派遣というと『みんな正社員を望んでいるはず』と思いがちだが、実はそうでもない。・・・『正規の仕事がないから』という理由は2割弱にとどまっている(労働力調査、2015年1〜3月)。」と書くのは、端的に誤り。非正規労働者の中でも派遣労働者の場合、他の非正規と比べて、正社員の仕事に就けなかったから、という理由の割合が高いのは、様々な調査結果からわかっていること。
例えば厚労省委託調査と思われる楽天リサーチによる「派遣労働者実態調査−結果報告書−2013年3月」p.34によれば、
派遣を選んだ理由のトップは「正社員として働きたいが、職が見つからなかった」で39%
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000023061.pdf
厚生労働省「平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査」でも、派遣労働者の場合、「正社員として働ける会社がなかったから」の理由が突出して44.9%。他の非正規との違いは明らか。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/5-22b.html#g
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楽天リサーチの調査結果のグラフも貼っておく
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楽天リサーチ「派遣労働者実態調査」より、派遣労働者の調査結果
(今後)希望する働き方としては、「正社員として働きたい」が61%とトップ
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同じく楽天リサーチ「派遣労働者実態調査」より、派遣労働者の調査結果
一方で、直接雇用の打診(正社員に限らず、契約社員やパート・アルバイト雇用の打診を含む)を受けたことが「ない」者が70.0%。
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当然、政府も、派遣法改正を審議している厚生労働委員会の委員たちも、こういうデータは把握しているはず。
その上で、政府側は、法改正により派遣労働者の正社員雇用が促進されるかのようにPRしているのが現状。
追記:長谷川氏が言及している労働力調査(2015年1月〜3月)のデータで、派遣労働者に限定したデータを見つけました。
下記のU-17
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001134116
これは、過去3年間に離職した者に限定したデータですが、派遣労働者の場合、現職の雇用形態についている理由(主な理由)のトップは「正社員の職員・従業員の仕事がないから」で40%、2番目の理由は「自分の都合のよい時間に働きたいから」で17%で、大きな開きがあります。
 
上記の記事を引用しながらさらに正確に派遣労働者と非正規労働者の実態を、井上伸(国家公務員一般労働組合執行委員、国公労連書記、雑誌編集者)が「【派遣法改悪】正社員を望む派遣労働者は6割と非正規の中で突出して多いのにデタラメ流布する長谷川幸洋氏」で解説しているので参照してもらいたい。
 
自説に都合の良い図や表を用いて歪んだ結論を作り出してしまう、こんな似非ジャーナリストは、「そろそろ東京新聞から放逐しろ」という読者運動を展開しなければならなくなるだろう、とオジサンは思う。

ラベル:長谷川幸洋
posted by 定年オジサン at 12:42| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月05日

意見を求められた参考人が違憲と明言

産経新聞によれば「沖縄知事の訪米成果乏しく 政府との対立は第2幕へ 県民投票、法廷闘争が焦点」ということらしいが、確かに1回の訪米で簡単に日米両政府の密約は覆すことは困難である。
 
しかし、「『辺野古唯一』は概念 米専門家『政策を拘束せず』」という琉球新報の記事によると、翁長雄志沖縄県知事の訪米に同行する国会議員や県議団、経済人らで構成する訪米団は、軍普天間飛行場の返還・移設問題で、下院軍事委員会が2016会計年度の国防権限法案に辺野古移設が「唯一の解決策」との文言を盛り込んだことについて、米議員や専門家からはこの文言は概念的なもので、日米の政策判断を「拘束はしない」との見解があったという。
 
巨悪に対する反対運動は一発大逆転ということは望むべくもないが、着実にジワジワとボディーブローを続けることが大切である。 
 
翁長知事の訪米中に、辺野古新基地建設の現場では、相変わらず海上保安庁が抗議船で抗議のため臨時制限区域を示すとされるフロート内の海域を泳いでいた男性にけがを負わせるという事件が起きていた。 
 
<海保ボート、男性衝突 顔面にけが 辺野古抗議排除で>
 2015年6月5日 7:29 琉球新報
20150605henokokaiho.jpg 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う新基地建設が進む名護市の大浦湾で4日午後、抗議しようと臨時制限区域を示すとされる浮具(フロート)内の海域を泳いでいた男性(21)に海上保安庁のゴムボートが正面から衝突した。男性は救急車で搬送され、顔面打撲傷と海水誤飲で加療約3日間の診断を受けた。一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では機動隊の指揮官が座り込む市民らを強制排除する際に「犯罪者、早く排除しろ」と部下に指示を出していたとして、市民らが強く抗議した。
 4日午後、海上の掘削(ボーリング)作業を止めようと、男性2人が抗議船からフロート内の海に飛び込み、スパット台船を目指して泳ぎ始めた。目撃していた抗議船のメンバーによると、飛び込んだ直後に海保のゴムボート1隻が男性らに向かって進み、1人に衝突した。ゴムボートは船体のおよそ中央部分まで男性に乗りかかり、その後、男性はゴムボート脇に自力で脱出した。
 男性をボートに引き上げる際、海上保安官が「そんなにスピード出ていないから大丈夫だろ」と言ったのをこの男性や確保されていた別の男性が聞いたという。ゴムボートに衝突された男性は「一瞬、死ぬかもしれないと思った。これが海保の言う『安全確保』なのか」と語った。
 海保のボートのへりはゴムで覆われているが、船底はゴムとは異なる硬質の素材でできている。
 抗議船やカヌー隊のメンバーは謝罪を求めたが、海上保安官は謝罪しなかった。第11管区海上保安本部は、本紙取材に対し「臨時制限区域内に進入した抗議者の行為を制するためゴムボートで接近した際、抗議者に触れた可能性があったことからけがの有無を尋ねたが、けがはなかったと確認した。個別具体の状況に応じて適切に対応している」とコメントした。
 
昨年来、裁判所から「違憲」または「違憲状態」と判断されていた総選挙で当選した「違憲議員」たちにより選ばれたのが「違憲総理」。
 
本来は、憲法を遵守すべき立場でありながら憲法9条を蔑ろにする「集団的自衛権行使容認」を閣議決定するという違憲行為を行い、その閣議決定に基づいて、「平和安全法制」という詐欺師紛いの名称の戦争法案が審議されているが、政府の法案に対する説明が十分ではないという世論調査が発表され、自民党は急遽「『戦争に巻き込まれません』 自民が安保関連法案でチラシ作成」ということで80万枚ほど作成したという。
 
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皮肉なことに、こんなチラシが出来た頃、国会では戦争法案審議とは別に、衆院憲法審査会が開かれていたが、与党側が予期せぬ事態が発生した。
 
改憲派である讀賣新聞は「自公推薦の憲法学者、安保法案は『憲法違反』」となぜか冷静に事実のみを報道していたが、戦争をやりたくてウズウズしている産経新聞は「与党参考人が安保法案『違憲』 “人選ミス”で異例の事態 野党『痛快』 憲法審査会」と自民党内の狼狽ぶりと改憲メディアとしてのうろたえを隠せない内容だった。
 
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<「安保法案9条違反」憲法審参考人が見解 「違憲立法」論戦焦点>
 2015年6月5日 朝刊 東京新聞
20150605kenkainosuii.jpg 衆院憲法審査会は4日、憲法学者3人を招いて参考人質疑を行った。3人はいずれも、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案は「憲法九条違反」との考えを示した。野党は根幹にかかわる問題だとして、5日以降の衆院特別委員会で追及する構え。安倍政権が歴代内閣の憲法解釈を変更してまで成立を目指す安保法案が「違憲立法」にあたるかどうかが、論戦の焦点になる。 
 参考人質疑で、自民、公明両党の与党と次世代の党が推薦した長谷部恭男早稲田大教授は、集団的自衛権の行使を認めた昨年7月の憲法解釈変更に基づく安保法案について「従来の政府見解の論理の枠内では説明できず、法的安定性を揺るがす」と批判した。与党が推薦する参考人が、政府提出法案に異論を唱えるのはもちろん、違憲と明言するのは極めて異例だ。
 民主党推薦の小林節慶応大名誉教授も「日本は憲法上、海外で軍事活動する道具と法的資格が与えられていない」と指摘した。維新の党推薦の笹田栄司早稲田大教授は、これまでの安保法制が合憲性を保つ限界だったとして「今回は踏み越えてしまい、やはり違憲だという考えだ」と述べた。国際貢献の目的で他国軍支援を随時可能にする国際平和支援法案についても、参考人二人が違憲もしくは違憲の疑いが強いと指摘した。
 長谷部氏は他国軍への弾薬提供や戦闘現場近くでの活動を認めたことについて、違憲となる恐れが「極めて強い」と述べた。小林氏は「戦場に後ろから参戦することになる」として、他国の武力行使と一体化するため憲法違反になると指摘した。笹田氏は言及しなかった。
 憲法学者が国会で安保法案を憲法違反と明言したことで、野党は違憲立法の問題点を追及する。
 民主党の枝野幸男幹事長は「自民党が推薦した学者まで違憲だと明言した。いかにでっちあげの論理で法案ができているのか自ら認めたようなものだ」と指摘した。共産党の志位和夫委員長は「いかにこの法案が憲法違反かを示している」と述べた。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「憲法解釈として法的安定性は確保されている。違憲との指摘は全く当たらない」と反論した。
 
「憲法解釈として法的安定性は確保されている。違憲との指摘は全く当たらない」とは、まさに「盗人猛々しい」である。
 
安倍政権の歴史認識に関して国会で追及されたとき、安倍晋三首相は「歴史的判断は専門家にまかせるべきだ」とのたまわっていたことを忘れたのか。
 
歴史家が歴史的判断を下せば従うという主旨なのだが、その裏には「自分たちにとって都合の良い歴史的判断」をする歴史家というのが念頭にあったのであろう。 
 
それでは「集団的自衛権行使や戦争法案の憲法判断も憲法の専門家に任せる」べきであり、そのために自民党は憲法学者を参考人として推薦したのだろうが、その専門家が「違憲」と断言したことに対して、「違憲ではないという著名な憲法学者もたくさんいる」という言いぐさは、まるでガキの言い訳のようである。
 
ところで、昨夜は「なかのゼロホール」に満員の1200名が集まって「『戦争する国』、ゴメンです。」が開かれた。
 
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主催が「九条の会東京」なので都内の各地の九条の会が多く集まった。
 
リレートークの冒頭に登壇した小林節慶応大名誉教授は参考人として呼ばれた憲法審査会での自民党連中の沈黙振りを生々しく話してくれた。
 
 
最後に小森陽一・九条の会事務局長より下記のような提案があった。
 
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「敵は一つ、オール平和でこの勝負を勝ち抜こう」と締めくくられ、まさにこれからが正念場であろう、とオジサンは思った。

posted by 定年オジサン at 12:19| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月04日

専門家が読み解く戦争法案の実態

先月27日から国会で審議されている戦争法案(平和安全法制整備法案国際平和支援法案)は、その分量と難解な用語によって、まず普通の国民ではとてもじゃないが理解するどころか、読もうとする気も起きない。
 
マスメディアが簡単にまとめた内容や図解を見て、なんとなく分かった気になっているだけである。
 
衆院特別委員会で政府側委員である中谷元・防衛相や岸田文雄外相らも、おそらくまともには全文を読んでいないことは、細部を質問されると曖昧な答弁になることから明らかである。
 
そこで先日ある市民団体が開いた勉強会で、日本国際法律家協会事務局長の宮坂弁護士から丁寧な解説を受けたので、その時の資料を紹介する。
 
平和安全?法制(戦争法案・戦争立法)に対する批判
                           弁護士 宮坂 浩
1 はじめに
 5月14日、安倍内閣は、米国が世界各地で行う戦争に自衛隊が参戦・支援する戦争法案を閣議決定し、15日に国会に提出しました。
 閣議後の記者会見で安倍首相は、「不戦の誓いを将来にわたって守り続けていく。そして国民の命と平和な暮らしを守り抜く…」などと述べ、この法案があたかも「平和」と「国民を守るため」であるかのような欺瞞を繰り返し、さらに「戦争法案といった無責任なレッテル貼りは全くの誤り」「戦争に巻き込まれる、という批判がまったく的外れであったことは歴史が証明している」などと批判には全く耳を貸さない態度をとりました。
 さらに、この戦争法案について、政府・与党は「平和安全法制。略して『平安法』」などと、姑息な名称を冠して国民を欺こうとしており、この法案の本質を広く国民に知らせ、廃案に追い込む運動を広めてゆく必要があります。
  
2 安全保障法制(戦争法案・戦争立法)の全体像
(1) 新法案1本
 国際平和支援法(海外派兵恒久法 旧テロ特措法、イラク特措法を一般法化):海外で自衛隊が他国軍を後方支援する
(2) 改正法案10本
・ 武力攻撃事態・存立危機事態対処法(武力攻撃事態法を名称変更):集団的自衛権の行使要件を明記。
・ 重要影響事態法(周辺事態法を名称変更):米軍や他国軍を地球規模で支援する。
・ PKO協力法:PKO以外にも自衛隊による海外での復興支援活動を可能にする。
・ 自衛隊法:在外邦人の救出や米艦防護を可能にする。
・ 船舶検査法:重要影響事態で日本周辺以外での船舶検査を可能にする。
・ 米軍等行動円滑化法(米軍行動円滑化法を名称変更):存立危機事態での米軍や他国軍への役務提供を追加。
・ 海上輸送規制法:存立危機事態での外国軍用品の海上輸送規制を追加。
・ 捕虜取り扱い法:存立危機事態での捕虜の取り扱いを追加。
・ 特定公共施設利用法:武力攻撃事態で、米軍以外の他国軍も港湾や飛行場などの利用を可能にする。
・ 国家安全保障会議(NSC)設置法:NSCの審議事項に存立危機事態等への対処を追加。
3 日米ガイドラインが示す「切れ目のない軍事同盟」
 4月27日に日米両政府が合意した「日米防衛協力のための指針」の改定では、平時から有事までのあらゆる段階で、世界のどこででも米軍と自衛隊が切れ目のない協力をすることが宣言されており、これら戦争法案は、この改定日米ガイドラインを実行するための法案であるということができる。
* この改定日米ガイドラインは、その適用範囲を世界中に広めており、安保条約の「極東条項」に違反している
 これら戦争法案をその内容に基づいて整理すると以下のようになる。
(1) 米国の戦争にもれなく参戦…集団的自衛権・有事法制
 @ 「存立危機事態」における防衛出動
 「@我が国に対する武力攻撃が発生した場合、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、Aこれを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、B必要最小限度の実力行使をすること」を自衛の措置としての武力行使の新3要件とした。
 これは、日本への武力攻撃がないにもかかわらず、自衛隊が武力行使を行うことを認めるもので、「集団的自衛権」の行使である。
 * 従来の政府解釈は、憲法9条の下では「専守防衛」(個別的自衛権)のみが認められるとしてきたのであり、集団的自衛権行使容認は、憲法9条に違反し、立憲主義にも反する。
 * 一部メディアや憲法学者(注:首都大学東京准教授木村草太)には、この閣議決定は集団的自衛権を容認したものではなく、従来の政府解釈を変更していないかのような言説を吐く者がいるが、これは完全な誤りである。この言説は、個別的自衛権行使と集団的自衛権行使が一部重なり合う、というものであるが、個別的自衛権行使が認められるのは、我が国に対する武力攻撃があった場合に限定されており、国際法上も個別的自衛権と集団的自衛権は明確に峻別されている。
 * 武力行使新3要件により「歯止め」になると政府は言っているが、安倍首相は、ホルムズ海峡に機雷が敷設され、日本への石油供給が滞るような場合もこれに該当するとしており、「歯止め」にならないことは明白である(なお、機雷掃海は武力行使であることに注意を要する)。
 * 「我が国に対する武力攻撃」は客観的に認定されるものであるのに対して、「存立危機事態」(「我が国と密接な関係にある他国」とか「我が国の存立が脅かされる」、「国民の生命…が根底から覆される明白な危険がある」)の概念は抽象的かつ曖昧で、時の政府の主観的判断に委ねられている。また、特定秘密保護法により、軍事秘密を盾に、国民及び国会に武力行使の要件充足の判断の根拠とされた事実が提供されず、その真偽を検証できない恐れがある。
 ※ 戦前、南満州鉄道の権益を守るとして満州事変を起こしたことや、自国民保護を理由に起した上海事変等が想起される。
 * 国際法上、集団的自衛権行使の要件として、被攻撃国の攻撃を受けたことの宣言、被攻撃国の援助要請が必要とされる(国際司法裁判所のニカラグア事件判決)が、この要件が全く無視されている。
 A 存立危機事態と国民
 存立危機事態では、地方自治体や民間企業等(指定公共機関)に対する対処措置や国民の対処措置に協力する責務は規定されていない。また、自衛隊法の徴用・徴発の規定等は適用されず、国民保護法制は発動しないとされている。しかし、海外の戦争であっても、医療技術者や建築技術者の現地での協力や、輸送のための船舶や航空機は必要不可欠であり、政府は医療機関や民間企業に協力を要請し、これらの機関や企業が協力すれば、従業員である労働者は業務命令により戦地に送られることになる。また、存立危機事態で日本が武力行使をすれば、相手国は日本に対して反撃を加える公算は極めて大きく、存立危機事態は同時に武力攻撃事態あるいは武力行使予測事態にもなり得ることになり、結局、民間企業や地方自治体は対処措置に組み込まれて対処が義務付けられ、自衛隊法(徴用・徴発)や国民保護法も発動されることになる。
(2) 米軍等の武力行使支援のための自衛隊海外派兵の拡大
 これまでは、PKO法(カンボジアPKOや南スーダンPKO等)、周辺事態法(周辺事態に際して自衛隊が武力行使を行う米軍を支援する)、テロ特措法(アフガン戦争での燃料補給)・イラク特措法(イラクでの人道復興支援活動や輸送などの協力支援活動)を通じて、自衛隊を海外に派兵する法制が施行されてきた。これらいずれの法制も、他国の武力行使と一体化して「武力の行使」に該当しないように、厳しい制約が課され、活動地域については「非戦闘地域」(周辺事態法では「後方地域」)に限定し、武器の使用については、正当防衛又は緊急避難に該当する場合と武器防護に限定していた。
 しかし、7・1閣議決定は、非戦闘地域・後方地域の概念を廃止し、武器使用については、派遣先国の同意があり、「国家に準じる組織」が「敵」として登場しない場合には、「駆け付け警護」のための武器使用や治安維持活動などの任務遂行のための武器使用を認めることになった。
 当初は1本にまとめられるとみられていた海外派兵法制は、重要事態影響法、国際平和支援法、国際平和協力法の3つが並立する形になった。
・・・中略・・・
 @ 重要影響事態法(周辺事態法、周辺事態船舶検査活動法の改正)
  * 発動される事態は、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」(重要影響事態)であるが、「放置すれば…直接の武力攻撃に至るおそれ」は例示にすぎず、こうした「おそれ」がまったくない事態でも発動は可能であること等から、際限なく発動される。しかも国連決議などの「お墨付き」を必要としないことから、日米両政府の判断だけで発動できることになる。
  ※ 例えば、NATOによる旧ユーゴスラビアへの軍事介入は、人道的介入を理由として、安保理決議がないまま行われた。
 * 自衛隊が他国軍隊の支援活動を行う地域の地理的限定がなくなり、公海、同意を得た他国の領域など、世界中に広がる。
 * 戦闘現場に近い場所でも、戦争を行っている他国軍隊への支援・兵站活動を行うことになるから、他国の武力行使との一体化は避けられない。そうすると、相手国から自衛隊が攻撃され、それに対する反撃、交戦、武力行使へと発展する危険性が大きい。
 * 弾薬の提供や戦闘発進準備中の航空機への給油などは、他国の戦争への直接的な加担であり、相手国の攻撃対象になる。
 A 国際平和支援法(自衛隊の海外派兵恒久法)
  * 国際社会の平和と安全を脅かす「国際平和共同対処事態」の対処に活動する他国軍隊に対する支援活動を自衛隊が実施できるようにする一般法で、国連決議又は関連する国連決議があること、国会の事前承認を要するとしている。しかし、明確な武力行使を容認する安保理決議がなくても、「平和への脅威、平和の破壊への対処を求める」といった具体性のない決議でも他国軍への支援が可能になり、また実体的には特定国の個別的自衛権行使の場合であっても、国連の関連決議があれば、後方支援が可能になる。
  ※ 「明確な武力行使を容認する決議」がなかったのに、軍事介入が行われたケースとして、リビアへのNATOの軍事介入がある。2011年3月の安保理決議は、リビアの人々の人命保護(いわゆる「人道的介入」)のために「あらゆる措置」をとることを容認したが、NATO軍はこれを口実に空爆を行い、政権打倒をめざす性格を帯びることになった。
 * 事前の国会決議も「7日以内に衆参各院が決議するよう」との努力義務規定が設けられており、実質的な調査・検討が行われないまま国会決議が形骸化する恐れがある。
 * 活動場所、活動内容等は重要影響事態法と同じ問題がある。
B 国際平和協力法(PKO法)
 * 国連が統括しない「国際連携平和安全活動」を新設拡大しており、広く「平和維持・協力活動」として、自衛隊が国際紛争の停戦処理等に世界中で関われるようになる(例としては、アフガニスタンにおける国際治安支援部隊(ISAF)やイラク暫定政府の要請を受けた多国籍軍等の活動である)。
 * 追加された安全確保活動、駆付け警護について、妨害排除や他人の防護等、任務遂行のための武器使用権限を認めたが、これは相手方の妨害を抑止し、凌駕するだけの強力な武器使用を認めることを意味し、武器使用の応酬から武力行使に至る危険が大きい。
 * 国会の承認(原則事前)が要求されているのは、停戦監視活動と安全確保活動にすぎないことから、駆け付け警護や司令部業務、軍事組織の設立・再建は対象になっておらず、その結果、国会が関知しないうちに派兵された自衛隊が、駆け付け警護で発砲し、現地の武装勢力と交戦状態に突入する事態が発生し得る。
 * 固有のPKO活動でも安全確保活動、駆け付け警護などが追加され、自衛隊が担当するPKO活動が軍事的性格を強めることになる。
 * 政府は、「駆け付け警護」ができないことは国際常識に反しており、国際社会の非難の対象になり得るとしているが、米軍やカナダ軍の交戦規則では、駆け付け警護はできないことになっており、米陸軍では駆け付け警護をするためには、特にそのための権限が付与されることが必要だとしている。任務遂行のための武器使用についても、各国の交戦規則でも武器使用についての制限が存在しており、日本だけが武器使用が制限されているという主張は誤りである。
(3) グレーゾーン事態
  グレーゾーン事態とは有事(武力攻撃を受けた事態)でも純然たる平時(有事でない状況)でもない事態とされ、尖閣諸島などの離島への武装集団の不法上陸や、国際法上の無害通航に該当しない外国潜水艦の潜航航行などとされている。こうした事態に性急に自衛隊への治安出動・海上警備行動を発動すれば、「領海内に侵入した船舶に護衛艦が船体射撃」「浮上勧告に応じない潜水艦に爆雷を投下」といった対処を引き起こし、一つ間違えば戦争を誘発しかねない。
 * このグレーゾーン事態は、安保法制懇の報告書では、「切れ目」あるいは「隙間」の例としてその対処を求めているが、現行法でも対処は可能である。
 * 国際法上は、「領海侵犯」という概念はなく、船舶には公海自由の原則があり、全ての国の船舶は他国の領海内であっても無害通航権が認められている。また、国際法は、無害でない通行を防止するため、自国の領海内で必要な措置をとることを認めているが、外国の軍艦や公船は当該領海の主権国の管轄に属さない(当該主権国の各種の統制はできない)ため、旗国の同意なく立入検査や乗員の逮捕などはできず、領海から出て行かない軍艦や公船を追い払うために武器を使用することもできない。したがって、「浮上勧告に応じない潜水艦に爆雷を投下」することは、国際法に違反することになる。
 @ 在外邦人の救出
  在外邦人についての自衛隊法の規定は、防衛大臣の命令による在外邦人の輸送だけであるが、これを改正して、領域国の受け入れ同意がある場合に、領域国の同意が及ぶ範囲で、内閣総理大臣の承認を受けた防衛大臣が、自衛隊の部隊に邦人保護のための措置(保護措置)を命令でき、命令を受けた自衛隊は保護措置の対象である邦人等の防護と妨害行為排除のための武器の使用(任務遂行のための武器使用)ができるとしている。
   政府・与党協議で、政府が提示したのは以下の5つの事例である。
 @  邦人の集合場所に向かう途中を妨害する武装勢力の排除
 A  邦人の集合場所を取り囲んでいる群集の排除
 B  集合場所に移動中に連れ去られた邦人の救出
 C  在外公館が占拠され、人質となった邦人の救出
 D  邦人が多数乗る航空機がハイジャックされて他国に着陸した場合
 * こうした場面でやみくもに自衛隊を突入させれば、抵抗・妨害を加える武装勢力等との交戦を避けることはできず、そのために任務遂行のための武器使用が認められている。こうした武器使用を行うことは、領域国の紛争に軍事介入することを意味しており、領域国に居住する邦人を一層危険に追いやることになる。
 A 米軍等の武器等の防護
  自衛隊法では、自衛隊の武器等を職務上警護する自衛官に、警護する武器等を防護するための武器使用(武器防護型)を認めているが、これを自衛隊と連携して各種活動を行う米軍等の部隊に、武力攻撃に至らない侵害が発生した場合に、米軍等から要請があって防衛大臣が必要と認めたとき、米軍等の部隊の武器等を防護するための武器使用を行えるようにした。
 * 憲法9条の下で、他国軍隊防護のために自衛隊が武器を使用できる 根拠は不明であり、米軍等の部隊への侵害行為を行った「敵軍」が、「国家もしくは国家に準じる組織」であった場合には、武器を使用した自衛隊は「敵軍」との交戦状態に突入することになる。「武力攻撃にまで拡大していくような事態」まで想定している閣議決定は、こうした場合を排除しておらず、警護にあたる自衛隊が「国家もしくは国家に準じる組織だけ除外して武器を使用する」などという対処をできるわけはない。
 米軍等の武器等防護のための武器使用は、新3要件該当性の判断や事態対処法による手続をまったく経ないまま、なし崩し的に集団的自衛権行使になだれ込む危険が大きい。
 B 電話による閣議決定、内閣と現地部隊の直結
政府・与党協議では、電話による閣議決定によって、内閣総理大臣による治安出動の発令や海上警備行動の承認を可能にすることが確認されている。また、防衛省設置法改正案では、「運用企画局」を廃止し、自衛隊部隊の運用については「統合幕僚監部」に一元化することになっている。その結果、統合幕僚長は文官(背広組)との調整を経ずに防衛大臣に連絡し、防衛大臣から各幕僚長を通じて部隊に直接指示が出されることになる。
「電話による閣議決定」は、こうしたルートを通じて、瞬時に現地部隊に伝達されることになり、内閣と現地部隊が直結することになる。
 
※ いつでも切れ目なく戦争へ
 これまで憲法9条の下で、自衛隊が生み出され、海外への派兵が行われ、有事法制などの「軍事法」が生み出されてきたが、その「軍事法」は海外での戦争は許さず、海外派兵は慎重なうえに慎重に行われた結果、自衛隊は海外で1発も撃たず、だれも殺さず、1人も戦死者を出さなかった。こうした「平和国家」日本は、平和的手段による解決を模索している国際社会から、評価されこそすれ、非難を浴びたことはなく、イラクに派遣された自衛隊も、武装勢力の攻撃対象から外されたのである。
 これまで述べてきたように、米軍の戦争にもれなく参戦する集団的自衛権の行使(存立危機事態)でも、3つのチャンネルによる自衛隊海外派兵でも、グレーゾーン事態でも、日本が戦争に巻き込まれ、戦争当事国になることを意味している。
 こうした戦争立法の実態を一人でも多くの人に伝え、この法案を廃案に追い込みましょう。
 
これだけの内容を1時間余りで解説されたのだが、聞き終わった直後の感想は、戦争法が「憲法に対する下剋上」という伊藤真弁護士の言葉を思い出した。
 
改正法案10本の中の「重要影響事態法」と新法の「国際平和支援法」に共通することは、『国会の承認』は原則「事前承認」となっているが現実的な運用になれば、すべて「事後承認」でも問題ないように読める。
 
『活動場所』についても、「救援活動を除いて、現に戦闘が行われている現場以外」ということは、米軍を救援する場合は戦闘地域に当然入って行くことになる。
 
中東のイスラム国が占領地域を拡大しているような場合、「戦闘地域以外」という概念は無くなる。
 
恐ろしいことに、「電話による閣議決定、内閣と現地部隊の直結」によれば、電話による閣議決定によって、内閣総理大臣による治安出動の発令や海上警備行動の承認を可能にすることが確認されていることである。
 
安倍晋三首相の一存で、米国の要請があれば、国会へは事後報告で「自衛隊を、いつでも、どこにでも」容易に派兵することができてしまう。 
 
また「国際平和協力法(PKO法)の改正では「駆けつけ警護」が重火器を持って行うことが可能にしているが、 
 
「政府は、『駆け付け警護』ができないことは国際常識に反しており、国際社会の非難の対象になり得るとしているが、米軍やカナダ軍の交戦規則では、駆け付け警護はできないことになっており、米陸軍では駆け付け警護をするためには、特にそのための権限が付与されることが必要だとしている。任務遂行のための武器使用についても、各国の交戦規則でも武器使用についての制限が存在しており、日本だけが武器使用が制限されているという主張は誤りである。」
 
ということが事実ならば、この法案は「安保条約の『極東条項』に違反」し、「国際法上、被攻撃国の攻撃を受けたことの宣言、被攻撃国の援助要請という集団的自衛権行使の要件」を満たしておらず、さらには他国の交戦規則をも無視しており、国際的にも信頼性のない法案である、とオジサンは思う。

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2015年06月03日

リスク増大でも止められない国営ブラック企業の自衛隊

5月27日に米司法省がFIFA副会長ら14人を贈収賄などの罪で起訴したことを受けて、欧州サッカー連盟のプラティニ会長は翌日28日に、涙ながらにブラッター会長に「辞任してくれ。もう十分だ」と訴えていた。
 
それにもかかわらず、居直りその後の会長選でブラッター会長は、アジアやアフリカの票を集め再選した。
 
当選直後の会見で「私にはFIFAをあるべき姿に戻す義務がある」と、組織改革の先頭に自身が立つ考えを明らかにしたにもかかわらず2日、スイス・チューリヒで緊急記者会見を開き、「ブラッター会長が辞意 『抜本的な変化が必要』」と、汚職事件を受けて引責辞任する意向を表明した。
 
直ぐに辞任しなかったのは目前に迫っていた会長選で勝利し、自分の力を温存する形で身を引くというのかもしれないが、FIFA副会長らの贈収賄事件で捜査が進み、自分に疑惑を向けられるのを察したかのようなこの間の言動だった。
 
さて、多くの国民からすれば、衆院特別委における戦争法案に対する野党の質問は生ぬるいと指摘されるように、世論調査では政府側の説明が不十分と回答した人が81.4%もいた。
 
今後も政府側の見解の不一致を追及し法案自体の欺瞞性を暴くことができればますます世論は戦争法案に対して厳しく見るようになる。
 
首相の一日」によると、6月1日の夜は「7時5分、東京・赤坂の中国料理店『赤坂飯店』。内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談」とあった。
 
戦争法案の審議真っ最中にもかかわらず、いわゆる飼い慣らされている「記者クラブ」のキャップ連中を集めて飲食を共にしたわけである。
 
各社の現場で取材している記者はそれなりに情報を集め記事にするが、その記事の採否はキャップが握っており、また社説などは記者クラスでは書くことができない。
 
安倍晋三首相と赤坂で飲み食いした記者クラブのキャップ連中が所属する大手マスメディアでの翌日の社説はこんなタイトルであった。
 
◆朝日新聞「南シナ海問題 中国は埋め立て中止を
◆讀賣新聞「南シナ海情勢 人工島を合法と強弁する中国
◆産経新聞「南シナ海 対中抑止へ多国連携図れ
◆日本経済新聞「中国は南シナ海の緊張緩和へ自制を

 
まさに「見事!」な連携プレーである。
 
当然、「我々を取り巻く環境が大きく変わった」と明確に中国の危機を強調してきた安倍晋三首相にとっては、思うつぼであった。
 
<南沙埋め立ても“利用”へ 中国の脅威を喜ぶ安倍政権の危険度>
 2015年6月3日 日刊ゲンダイ
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         中国脅威論にニンマリか(C)日刊ゲンダイ 
 「強硬中国止められず」「南沙埋め立て“軍事目的”」――。南沙諸島をめぐってエスカレートする「アメリカVS中国」の対立を日本のメディアが大きく取り上げている。軍事衝突を予測する声まで飛び出している。しかし、本当に一触即発なのか。強まる“中国脅威論”にニンマリしているのが安倍首相だ。
 アジア安全保障会議で、アメリカのカーター国防長官が「即時中止」を要求したことで、中国による南沙諸島の埋め立てが一気に国際問題化。批判された中国サイドは、「アメリカは絶対に勝つ自信があるのか」と、とうとう戦争まで口にしはじめている。
 会議に出席していた日本の中谷防衛相も、「力による一方的な現状変更に反対する」と中国を強く批判し、安倍首相は来週開かれるG7で埋め立てへの懸念を表明する予定だ。
 しかし、安倍政権は内心、中国の強硬姿勢を歓迎しているのが実態だ。
 「この通常国会で“安保法制”を成立させたい安倍首相にとって中国の脅威が高まるのは、願ったりかなったりです。世論調査では、反対の声が強いが、中国の脅威を突きつけられれば、安保法制への賛成が増えると計算しているのです。もともと、安倍応援団からは“北朝鮮にミサイルをぶっ放して欲しいくらいだ”という声が上がっていた。安倍官邸は意図的に中国の脅威を煽っていくはずです」(官邸事情通)
・・・後略・・・

ところで、衆院特別委で野党側から執拗に「自衛隊員のリスクが高まるのでは」という質問に、頑として答えない安倍晋三首相。 
 
今まで派遣されなかったような危険な地帯に重火器を持って任務に就くのですから、当然、皆さんのリスクは高まりますが、お国のために我が身を犠牲にしてでも頑張ってきてください
 
なんてことを総理大臣として口に出せば、明らかにこの戦争法案はすっ飛んでしまうであろう。 
 
そのためには、あえて過去の自衛隊員の殉職者数を上げて、以前から危険な任務に就いていたと強調したかったのだろうが、1800名余りの殉職者はあくまでも業務や訓練中に殉職したのであり、決して戦死者ではなかった。
 
先月27日の特別委で、アフガニスタン、イラクの両戦争に派兵された自衛官が国民平均の約9〜18倍という異常な高率で自殺している実態を明らかにした防衛省の真部朗人事教育局長の答弁を受け共産党の志位和夫委員長はこう指摘した。
 
20150603jieitaiinjisatusya.jpg 
「54人の自殺というのは深刻な数字だ」
 
イラク派兵隊員4000人を対象にした内部調査で1〜3割の隊員が心の不調を訴えていたと報じたNHK番組の内容を紹介しながら、「『非戦闘地域』が建前の活動でも、これだけの若者が犠牲になった。『戦地』派兵でこれをはるかに超える負担と犠牲を強いることになるのは避けがたい」 
 
当然ながら、安倍晋三首相は「大変胸の痛む話だ」と言うしかなかった。 
 
しかし、この帰還自衛隊員の自殺の異常さの原因は他にあるらしい。 
 
<安保法制でリスクが増えても自衛隊は辞められない! 陰湿な退職妨害、引き留めの実態>
 2015.06.02 リテラ
20150603ritera.jpg 安倍政権は最後まで、安全保障法制(新安保法制)のリスクを隠したまま逃げ通すつもりらしい。
 一昨日のNHK『日曜討論』で、自民党の岩屋毅・安全保障調査会副会長が、新安保法制に伴う自衛隊員の安全上のリスクについて、「高まる可能性があるのは事実だ」と認める発言をした。にもかかわらず、昨日午前に行われた衆院平和安全法制特別委員会では中谷元防衛相が「リスクは高まらない」とこれを否定。これまでどおり“自衛隊員のリスク増加”を認めてこなかった安倍首相をはじめとする政府の認識を踏襲したかたちだ。
 しかし、安倍首相がどう言い繕おうと、自衛隊員のリスクは増大する。戦闘に巻き込まれる可能性はもちろん、もうひとつのリスクもある。
 それは自殺というリスクだ。先月27日の国会でも、イラク特別措置法で海外派遣された自衛隊員のうち、帰国後に自殺した者が今年3月末時点で54人もいたことが公表された。新安保法制では、自衛隊による友軍後方支援の範囲がこれまでの「非戦闘地域」以外に拡大される見込みで、ますます自殺者は増加の一途をたどるだろう。
 おそらく集団的自衛権の容認と新安保法制の成立で、自衛隊員のなかには退職希望者が続出しそうだが、実は、自衛隊というのはそう簡単に辞めることができない組織なのだ。
 あまり知られていないが、自衛隊法第40条にはこういう規定がある。
〈第31条第1項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。〉
 これはつまり、上官が任務遂行に支障をもたらすと考えたときは、隊員の退職申し出を拒否することができるという規定だ。また、任期自衛隊員の場合は入隊時に、「任期中に退職しない」という誓約書を書かされるという。
 もちろん、憲法22条の職業選択の自由は自衛隊員にも保障されており、原理的には本人が申し出れば、退職は自由だ。しかし、現実には、この自衛隊法第40条や誓約書をタテに、執拗な引き留めにあうのだという。
 昨年出版された『自衛隊 この国営ブラック企業 隊内からの辞めたい死にたいという悲鳴』(小西誠/社会批評社)には、辞めたいのに辞めることのできない自衛隊員の生の声がいくつか収録されている。
 「海上自衛隊で艦艇勤務のものです。精神的にきつくすぐに辞めたいのですがなかなか辞めさせてもらえません。今私の船は忙しいので補充部かどこかの陸上に降りてから辞めさせてもらえるそうですがなかなか連絡がつきません。もう1年以上も交渉や話し合いをしています。精神を完全に病んで頭がおかしくなってしまった人だけが1週間程度ですぐに降りて辞めていきます。護衛艦は増えていっているのに人はふやさないので人手不足のせいで完全におかしくなるまで使われるのです。
 私はほかの人間から見ると一見まともで真面目そうで思いつめてもいないそうに見え、逃げたこともないので人事をやっていないのだと思います。海上自衛隊を恨むつもりはないです。私には向いていなくて精神的に追い詰められているので転職したいだけです」
「私は昨年の3月に会社員から一般陸曹候補生として自衛隊に転職した今年28になる男です。9月末に部隊配属され、今日に至ります。しかしながらここに来て、やってもやらなくても給料が変わらず、またそのせいで当然やらない人間もいる環境に嫌気がさしました。また成果主義の民間企業に戻りたい。そのような話を小隊長、先任曹長、隊長に話しましたが、先任曹長以下は納得して頂けたのですが、隊長が首を縦に振りません。
 気持ちはわかったが、宣誓しているのだから簡単には辞められない。民間でちゃんとやっていけるのかを見極めなければならない。そのために今月末の小隊検閲でしっかり結果を出してからまた話し合おう。また、そのとき辞めてからの将来設計をレポートとして提出しろとのことでした。正直言って、話は平行線のように感じます。年齢もあり、焦っております。転職先は以前のツテで既に目星はついております。この状況を打破したいのですが、妙案はございませんでしょうか」
「現役自衛官の◯◯と申します。私の彼(自衛官3曹)が、自衛隊を辞めたいと数年前から中隊長や大隊長に言っているものの、なかなか辞めさせてもらえません。辞めたい理由は、勤務体や環境が悪く、代休等も30日以上あるのが普通で、でも休みを取れないのが現状だそうです。本当に限界で、辞めさせてもらえないから懲戒免職になるしかないと思ったらしく、以前窃盗をし、停職7日の処分をもらいました。しかしそれでも、辞めさせてもらえませんでした。それからまた最近も、退職について上司と話したそうなのですが、わかったと言われ、何も話が進まないそうです。
 このままでは精神的におかしくなって自殺をしてしまう可能性があるのと、何か犯罪を犯すのではないかと不安です。辞めてからの人生設計はしっかりしていて、親の同意もあります。どうしても辞めさせてあげたいんです。直接、大隊長、師団長、方面総監にまで手紙を書いて、退職届を受理してもらうか、訴訟を起こすしかないのでしょうか?? どうしたらいいのでしょうか」
 これらは、小西氏が主宰する「自衛官人権ホットライン」に寄せられている相談だが、この相談で一番多いのが退職についてだという。退職希望を叶えるために犯罪すら犯さなければならないほど、自衛隊員たちは追いつめられているのだ。
 おそらくこうした執拗な引き留めは、自衛官の志願者数が年々右肩下がりで優秀な人材が減っていることへの組織的な焦り、そして、退職者を出すと、上官の責任問題、失点になることが作用しているのではないかと思われる。
 しかし、この退職したくてもできないという状況が、自衛隊内での自殺の大きな原因になっているのは間違いない。しかも、集団的自衛権、新安保法制で退職者が増えればますます、引き留め工作は激しくなるだろうと思われる。そして、派兵された隊員だけでなく、自衛隊全体でさらに自殺者が増えていく。
 首相・安倍晋三は5月26日の衆議院本会議で「(新安保法制での自衛隊の)リスクは残ります。しかし、それはあくまでも国民の命と平和な暮らしを守り抜くために自衛隊員に負ってもらうものであります」と述べるなど、“そもそも自衛隊なんてお国のために死んで当然”という本音をさらけ出している。そう、この男の頭のなかには、自衛隊員が命を落とす可能性を語ることで自らの支持を落とすのはまっぴらだという保身の気持ちしかないのだ。
 労働者の生命などまったく顧みないトップと自殺まで追いつめられる社員たち。まさに自衛隊は“ブラック中のブラック企業”と言っていいだろう。
 
「国営ブラック企業」とまで言われている自衛隊が、はたして国を本気で守ることができるのだろうか。
 
防衛大卒業生25人が任官拒否 安保法制によるリスクも影響か」ということで自衛官の志願者数が年々右肩下がりになれば、自ずと政府が否定しているにもかかわらず「徴兵制」の足音が聞こえてくるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年06月02日

安保法制審議中に国民の貴重な情報ダダ漏れ

ようやく4日目の審議を終えた衆院特別委員会。
 
5月中の審議は、安倍晋三首相の傲岸不遜な言動が際立っていた。
  
20150602syusyouhatugen.jpg
<朝日新聞より>
 
そして審議が法案に明記されていない箇所に及ぶと、その曖昧さが益々顕著になってきている。 
 
「一般に憲法上許されない」と安倍晋三首相は自ら言いながら、は憲法上許されないが「例外」を主張している。
  
20150602sealane.jpg
<毎日新聞より>
 
20150602seifunokangaekata.jpg
<毎日新聞より>
 
<集団的自衛権 首相見解 日本攻撃意思不明でも行使>
 2015年6月2日 朝刊 東京新聞
 政府は1日の安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で、米国などを攻撃した相手国が日本を標的にする意思を持つかどうか不明な場合でも、集団的自衛権に基づく武力行使は可能との見解を示した。中東・ホルムズ海峡での戦時の機雷掃海が念頭にあるが、他のケースでも当てはまる可能性がある。武力行使の要件となる「国民の生命、権利が根底から覆される明白な危険がある」などに該当するかの判断は、政府の裁量次第ということがあらためて鮮明になった。
 安倍晋三首相は、相手国が日本を攻める意思はないと表明しても、他国への攻撃の発生場所や状況から「そうではないという推察も十分あり得る。単純に見ることはできない」と説明。すべての情報を分析し、集団的自衛権行使が可能となる「存立危機事態」に該当するかどうかを「総合的に判断する」と述べた。中谷元・防衛相も、対日攻撃の意思表明がなくても武力行使に踏み切る可能性を「排除しない」と述べた。
 首相は、集団的自衛権に基づく戦時の機雷掃海の必要性が生じるのは、現時点で「ホルムズ海峡しか想定できない」と重ねて表明。集団的自衛権を行使して敵国のミサイル基地を攻撃することは憲法解釈上は可能としつつ、「装備体系を保有しておらず、想定していない」と述べた。
 中谷氏は「専守防衛」に関し、他国が攻撃を受けたときに反撃する集団的自衛権も含まれるとして見解の一部変更を認める一方で、「受動的な防衛戦略という定義はいささかの変更もない」と繰り返した。
 
集団的自衛権があれば何でもできる、と思い込んでいる安倍政権。 
 
そして国民にとって比較的わかりやすい事例として安倍晋三首相がこだわっているホルムズ海峡で実施する機雷掃海作業。
 
それに関する安倍晋三首相の矛盾点を、<柳沢協二氏の安保国会ウォッチ>は鋭く指摘していた。  
 
<機雷掃海 議論するほど矛盾鮮明>
 2015年6月2日 朝刊 東京新聞
 安倍晋三首相は1日の答弁で、集団的自衛権を行使して戦時の中東・ホルムズ海峡で実施する機雷掃海について「受動的、制限的な行為」と強調するため「完全な停戦合意はしていないが、合意に向けた話し合いが進んでいる状況」でのみ行うような説明をした。
 だが、そんな限定的状況なら期間も短く、ほどなく正式停戦になるし、手続きが残っているだけなら外交力で早く決着させればいい。原油の輸送ルートもほかにあり「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」という武力行使の要件に当たるはずがない。
 首相はこんなに無理がある事例に、なぜこれほどこだわっているのか。現憲法で集団的自衛権の行使を容認する解釈の変更をするために、何とか説明のつく事例として、自身が一番理解できたのが機雷掃海だからではないか
 首相は私が官房副長官補を務めていた第一次政権でも解釈変更しようとしたが、当時の事例は弾道ミサイル迎撃と米艦防護で、機雷掃海はなかった。今回、機雷掃海が加わったのは、おどろおどろしくなく、国民にも理解されると思ったのかもしれない。だが、要件と矛盾するのは明らかで、議論すればするほど説明がつかなくなっている。
 集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」や他国軍を支援する「重要影響事態」に、明確な認定基準がない。特に存立危機事態は日本が武力行使するトリガー(引き金)であり、武力行使とは戦争だ。国がいつ戦争するか、主権者である国民の誰も分からない法律をつくろうとしている。立憲主義からもおかしい。 (聞き手・上野実輝彦)

安全保障関連法案の国会審議は事前の与野党の取り決めで「週3日、1日7時間」というスケジュールで開かれている。
 
この法案は、安倍晋三首相がが米議会演説(4月30日)で「夏までに成立させる」と国際公約(対米公約)したため、審議スケジュールに関しては、安保法制の事務方を務める官邸筋(?)がこうリークしていたという。
 
官邸は安保法を参院まで通すために今国会を8月10日頃まで延長する方針だが、通常国会は延長が1回しかできないから、参院での審議時間を考えれば、従来の会期末(6月24日)までに衆院通過させておく必要がある。
 ギリギリの採決は何が起きるかわからないし、6月23日には沖縄の全戦没者追悼式が行なわれ、そんな日に強行採決すれば余計に反発が強まる。逆算すると会期末の前週の19日金曜が官邸が想定する強行採決のタイムリミットだ。そのことはすでに国対に伝えられている
」(週刊ポスト2015年6月12日号より
 
こんな「初めからスケジュールありき」で国民の生命と財産を守り、リスクは減らすという法案を審議している最中に、国民の大切な年金情報が外部からの侵入により流出していたという。 
 
<年金情報125万件流出か 機構にサイバー攻撃 支払い「特段の影響ない」>
 2015年6月2日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 日本年金機構は1日、サイバー攻撃を受け、年金の受給者と加入者の基礎年金番号や氏名などの個人情報が流出した、と発表した。現時点で約125万件が流出したとみられ、さらに増える可能性がある。年金の支払い業務に特段の影響はないとしている。警視庁公安部は、不正アクセス禁止法違反や不正指令電磁的記録作成などの疑いがあるとみて捜査を始めた。
 日本年金機構によると、5月8日に職員がパソコンに届いた電子メールに添付されたファイルを開いたところ、ウイルスに感染。18日までに複数のパソコンがウイルス感染した。19日に相談をした警視庁から、28日になって情報流出を指摘された。ウイルス入りのファイルを開いたことで不正アクセスされたという。
 不正アクセスされたのは一部の職員に見る権限が限られている「情報系システム」の情報で、流出したとみられるのは「基礎年金番号と氏名」が約3万1千件、「番号、氏名、生年月日」が約116万7千件、「番号、氏名、生年月日、住所」が約5万2千件。年金記録を管理する「社会保険オンラインシステム」は情報系システムとは分離されており、不正アクセスは確認されていないという。
 年金番号、氏名、生年月日、住所という四つの情報があっても個人情報はほかに免許証などで確認した上で答えているといい、機構は「何らかのなりすまし行為が行われることは考えにくい」と説明。該当者の情報を扱う場合は職員の端末の画面が点滅して警告する仕組みを2日から始める。機構は該当者については「細心の注意を払って本人確認をする」としている。
 機構は近く外部有識者を含めた委員会を立ち上げ、原因の調査や再発防止策を検討していく。記者会見した塩崎恭久厚生労働相は「極めて残念で、備えが不十分だったことは率直に認めないといけない」と話した。
 政府は1日夕、首相官邸で各府省庁の関係者による「サイバーセキュリティ対策推進会議」を開き、杉田和博官房副長官が、類似した手口の攻撃を受けていないか点検を指示した。警視庁公安部は過去のサイバー攻撃の例などから、国外からの組織的な攻撃だった可能性もあるとみている。
 ■電話窓口設置
 日本年金機構は対応のため、専用の電話窓口を設置した。フリーダイヤル(0120・818211)で、外部から不審な電話などがあった場合に連絡を求めている。受付時間は、14日までの午前8時半〜午後9時。
 個人情報が流出した加入者については、個別に文書を送って謝罪する。2日以降に該当者から年金の手続きがあれば、本人確認した上で手続きする。また、不正を防ぐために基礎年金番号を変更する。
 ◆キーワード
 <基礎年金番号> 国民年金や厚生年金などに加入する際、原則1人に一つずつ付けられる番号。年金記録の確認や住所の変更、年金の振込口座の変更などの手続きに必要。2013年度末時点で加入者6718万人分、受給者3950万人分の番号がある。
 
「パソコンに届いた電子メールに添付されたファイルを開い」てはいけない、という基本的な動作は、民間の企業ではすでに10年以上前から徹底されていた、セキュリティ教育の初歩である。
 
2009年12月31日、社会保険庁は廃止され、様々な不祥事を隠蔽するために「公的年金業務の適正な運営と国民の信頼の確保」を図る目的で、非公務員型の特殊法人として2010年1月1日に日本年金機構が発足した。
 
旧社保庁の職員から年金機構への採用基準は以下のようであったが、実際は年金業務の混乱も考慮せずに厚生労働省は経験ある職員を解雇したのである。 
 
●懲戒処分を受けた者は採用しない。なお、採用内定後に懲戒処分の対象となる行為が明らかになった場合には、内定を取り消す。また、採用後に懲戒処分の対象となる行為が明らかになった場合には、機構において、労働契約を解除する。
●過去に矯正措置などの処分を受けた者については、処分歴や処分の理由となった行為の性質、処分後の更生状況などをきめ細かく勘案した上で、採否を厳正に判断する。
●これまで改革に後ろ向きな言動のあった者及び改革意欲の乏しかった者については、改革意欲の有無や勤務実績・能力を厳正に審査し、採用の可否を慎重に判断する。また、採用内定後に、社会保険庁で行う各種調査に協力しないなど、改革に前向きでないことが明らかとなった場合には、設立委員会において採用の可否を再検討する。
 
民主党政権になった2009年12月28日、長妻昭厚生労働大臣は、懲戒処分を受けていた251人の職員を含めた525人を分限免職とする方針を決定し公表後、実施された。
 
その後の解雇された全厚生労働組合の組合員は、分限免職処分の取り消し訴訟を起こし今でも闘っている
  
そして大量解雇された人員を補うために多くの非正規社員が採用され、今回のような初歩的なセキュリティ大事故につながった。
 
<年金情報流出:「消えた」の次は「流出」か…怒りと不安>
 毎日新聞 2015年06月02日 08時18分
 ◇日本年金機構に「危機管理お粗末。冗談ではない」の声
 日本年金機構で125万件に上る個人情報流出が明らかになった。複数の職員がウイルスに感染したメールを開封して被害が拡大した可能性があり、記者会見した機構の幹部は苦渋の表情を浮かべて謝罪した。2007年に発覚した「消えた年金問題」も思い起こさせる不祥事に「機構はいったい何をしているのか」と怒りの声が渦巻いた。【堀智行、川崎桂吾、野島康祐、和田浩幸】
 「個人情報を流出させた事態を深くおわび申し上げる」。厚生労働省での会見で水島藤一郎理事長は頭を下げた。5月8日に不正アクセスを察知して以降、機構は職員に不審なメールに注意するよう呼びかけたが、徹底されなかった。
 経済ジャーナリストの荻原博子さんは「『消えた年金』問題が発覚した当時の安倍晋三首相は『最後の一人まで解決する』と言ったが結局うやむや。いったいどう事態を収拾するのか。情報管理には最上級の危機意識を持つべきなのに、今度は情報漏れかとうんざりする」とあきれた。
 日本弁護士連合会情報問題対策委員会の坂本団(まどか)委員長は「流出した年齢や住所情報などは振り込め詐欺などに十分悪用できる」と問題の深刻さを指摘する。
 そして「多くの官庁が職員に不審なメールを開封しないよう呼びかけているが、それでもこうした事件は起きうるということではないか」と述べた上で、今年10月に国民に通知が始まるマイナンバー制度について「マイナンバーは中小企業など民間も従業員らの分を保管することになる。対策が手薄なところを狙ってサイバー攻撃は必ず起きる。政府は今回の事件も参考に備えが十分か検討すべきだ」と注文を付けた。
   ■  ■
 さいたま市桜区のパート従業員の女性(71)は「消えた年金」問題の際に自身の年金も一部記録漏れが見つかったといい、「またこういう不祥事が起きると不安になるし、制度そのものが信頼できなくなる」とため息をついた。
 千葉県職員の40代男性は「機構はセキュリティー対策をちゃんと講じていたのか。ちょっと信じられない思いだ。サイバー攻撃を仕掛けた人間が誰なのかも含め、早く事実関係を確認し、私たち年金加入者に開示してほしい」と語った。川崎市のIT関連会社に勤める男性(55)も「今時、よく分からないメールの添付ファイルを開いてウイルスに感染するなんて民間企業ではあり得ない。危機管理がお粗末だ。冗談ではないと言いたい」と憤った。
 最近まで会社勤めをしていた東京都内在住の自営業の女性(50)は「買い物などで銀行口座を記入する時もあまり使っていない口座にするなど、個人情報が漏れないように自衛してきた。それなのに公的機関がこんなことではどうしようもない。個人情報が詰まったマイナンバー制の導入が不安だ」と話した。
 
今後の日本では毎年、年金暮らしの高齢者が増えていく。
 
「流出した年齢や住所情報などは振り込め詐欺などに十分悪用できる」程の、年金受給者にとっては最高レベルで保護されるべき個人情報である。
 
毎年増加している高齢者も年金だけでは暮らしていけない
 
国民の生命と財産を守るため、法律をでっち上げて自衛隊を米軍の「しもべ」にするために国家予算を使う前に、すでに生命の危機に晒されている国民を救う方が先ではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:34| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月01日

6月は気が抜けない月になる

昨年の今頃は「なんとか還元水ではなく磁気玉水とは!」という牧歌的なつぶやきの中で、「磁気玉水」を飲んでいる安倍晋三首相のこんな画像を紹介していた。
 
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それから1年、事態は大きく変化し、今ではこんな画像と映像ががネット上に広がっている。
 
20150601abeyajiphoto.jpg 
 
 
 
さて、防衛省の取材が長い東京新聞の半田滋編集委員が、分かりやすい<ここが変だよ安保法制>シリーズを始めた。
 
<戸惑う自衛隊員 任務・派遣先明示なく>
 2015年5月31日 朝刊 東京新聞
 Q 安全保障法制をめぐり「自衛隊のリスク」が議論されています。自衛隊員はどう受けとめているの?
 A 折に触れて自衛隊幹部から話を聞いていますが、「どのような場面で活動するのだろうか」「何が起こるのか分からない」と疑問や不安を口にする人が目立ちます。どのような活動が命じられるのか分からないので戸惑っているのではないでしょうか。
 Q 集団的自衛権は海外で武力行使することだし、後方支援は他国軍の戦闘に必要な物を提供することでしょう? 任務ははっきりしています。
 A いやいや、過去の海外派遣は具体的なニーズがあったから備えることができたのです。例えば1992年の国連平和維持活動(PKO)協力法。日本人が代表となるカンボジアPKOに参加するため、気候、風土、現地情勢、憲法上の制約などを踏まえて派遣地域や活動が決まりました。
 Q 1999年の周辺事態法は? 周辺というだけでは場所が分かりません。
 A 周辺事態法は93、94年にあった北朝鮮による核開発問題をめぐる朝鮮半島危機を下敷きにしています。当時、核開発施設の空爆を計画した米国からの支援要請を日本政府は断りました。すると日米関係が極端に悪化したので、日本周辺で戦う米軍の後方支援を憲法の枠内でできるようにしたのです。
 Q イラク派遣は期間と目的を特定した特別措置法で対応しましたね。
 A 2003年、当時の小泉純一郎首相は世界に先駆けてイラク戦争を支持しました。すると米国から「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(陸上自衛隊を派遣せよ)」との要請があり、イラク特措法を制定して陸上自衛隊六百人をイラクに送り込んだのです。
 Q 今回は特措法ではなく、いずれも恒久法です。
 A いつ、いかなる場所へも時の政権の判断で自衛隊を派遣できるケースが広がります。当然、「自衛隊のリスク」は高まるはずですが、法案からはどこへ派遣され、何が任務となるのかさっぱり分かりません。自衛隊の活動を軍隊並みにするという理念先行の法案だからです。 (半田滋編集委員)
 
先週末は国会はお休みだったので「安保法案 先週の審議は 集団的自衛権、行使基準なお曖昧」による29日までの論点を示す。
 
20150601rontensinkouhyou.jpg
 
 
国会の答弁では安倍晋三首相は「口が腐っても」決して「自衛隊員のリスクが高まる」とは言えないらしい。
  
ところが、身内からこんな声が出始めた。 
  
<自衛隊リスク「高まる」 自民・岩屋氏 首相と不一致>
 2015年6月1日 朝刊 東京新聞
 自民党の岩屋毅・元外務副大臣は31日のNHK番組で、安全保障関連法案に伴う自衛隊のリスクに関し「高まる可能性があるのは事実だ」と述べた。岩屋氏は安保法制の与党協議会に参加した主要メンバーの1人。これまで安倍首相はリスク増を認めておらず、政権内で見解不一致が露呈した。
 番組で、岩屋氏は「明らかに自衛隊の活動範囲や内容は拡充される」としてリスク増の可能性を明言。同時に「リスクを極小化する手だてを法制面、運用面でしっかり講じる」と強調した。
 民主党の大串博志「次の内閣」防衛副大臣は「(政府は)『リスクが広がる』と説明すべきだ」と首相らの姿勢を批判した。
・・・後略・・・
 
衆院特別委員会の政府側の担当大臣である中谷元防衛相と岸田文雄外相が提出した法案内容を余りにも知らず、答弁では度々醜態を曝け出し、遂には安倍晋三首相が質問者の指名を受けでもいないのに自ら手を挙げ答弁する様を、テレビのニュースでも報じられていたので、それが先月末の世論調査に如実に表れた。
 
<安保法案「説明不足」81% 反対が賛成上回る>
 2015年6月1日 朝刊 東京新聞
20150601seronchousa.jpg 共同通信社が30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案への安倍政権の姿勢に関し「十分に説明しているとは思わない」との回答が81.4%に上った。「十分に説明」は14.2%だった。
 法案成立後、自衛隊が戦争に巻き込まれるリスクが「高くなる」は68.0%で、「変わらない」26.1%、「低くなる」2.6%を上回った。安倍晋三首相はリスク増を認めていないが、国民の根強い懸念を裏付けた形だ。
 安倍内閣の支持率は49.9%で、4月の前回調査に比べて2.8ポイント減った。不支持率は38.0%(前回34.9%)。
 安保法案そのものについては、47.6%が反対で、賛成35.4%を上回った。
 首相が意欲を示す改憲については、賛成が46.0%、反対は42.1%。今年夏に発表する戦後70年の首相談話をめぐっては、54.5%が「植民地支配と侵略」への「反省とおわび」を盛り込むべきだとした。
 沖縄県知事が米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)での新基地建設に反対しているのに対し、移設作業を継続している政府の対応をどう思うかと聞いたところ、「作業を停止する」が49.6%、「作業を進める」は37.2%だった。
◆与党支持層も説明要求
 共同通信社の世論調査で、安保関連法案の政府説明に関し、自民党支持層の69.1%、公明党支持層の81.7%が「十分に説明しているとは思わない」と回答した。与党支持層の間でも、安倍首相の説明責任が果たされていないとの認識が高まっている実態が浮き彫りになった。
 「安倍内閣を支持する」と回答した層でも「十分に説明」は24%にとどまり、72%が説明を求めた。
 野党支持層では民主党が92.4%、維新の党は78.3%、共産党は91.2%が「十分に説明しているとは思わない」と答えた。
 法案成立後に自衛隊のリスクが「高くなる」と回答した人を支持政党別にみると、民主党、維新の党、共産党の各支持層で70%を超えた。自民党支持層でも57.7%に達した。一方、公明党支持層は、50.1%が「高くなる」と回答したのに対し、「変わらない」は46.8%だった。
 
一部週刊誌の中釣り広告には「6・19強行採決」という言葉が躍っていた。
 
確かに会期は6月24日で両院本会議での採決時間を考慮すれば、この期日が妥当ということなのだろうが、それでは全く世論を無視した横暴と批判されるので、おそらく与党側は会期延長を目論むであろう。
 
しかしいくら会期が延びでも委員会採決や本会議採決で野党が全党一致したところで数の勝負では結果が明らかである。
 
それに対抗するためには国会外の運動が大きく影響してくる。
 
1960年安保改定時のような国民的大運動が起これば廃案への道も開けるのだが、当時国会周辺を埋め尽くした元気な学生たちは、全員が70歳代になってしまった。
 
だからと言って「座して死を待つ」わけにはいかず、今週から様々なイベントや、国会審議の山場に入る来週からは会期末まで炎天下の「国会前連続座り込み行動」が始まる。
 
オジサンに送られてきたスケジュールを以下に紹介するが、懐かしい「決戦は金曜日」という歌詞の内容とは異なるが、まさに今月は「決戦は6月」となるのであろう、とオジサンは思う。
 
★6・4戦争法案反対!総がかり国会行動(18:30〜19:30参院議員会館前)
★6・11戦争法案反対!総がかり国会行動(18:30〜19:30参院議員会館前)
★6・14(日)
 ◇憲法共同センター全国交流集会(10:00〜14:30星陵会館)
 ◇国会包囲行動・国会前集会(14:00〜15:30)(総がかり行動実行委員会)
 ◇若者憲法集会(都内各所)
★6月15日(月) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
★6月16日(火) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
★6月17日(水) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
★6月18日(木) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
 ◇国会包囲行動・国会前集会(18:30〜19:30)(総がかり行動実行委員会)
★6月19日(金) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
★6月22日(月) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
★6月23日(火) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
★6月24日(水) 国会前連続座り込み行動(10:00〜17:00/衆院第二議員会館前)
 
●九条の会東京2015
【日時】6月4日(木)18時00分開場、18時30分開会
【出演】小林節(慶応義塾大名誉教授)、池田香代子(ドイツ文学翻訳家)、宝田明(俳優)
石井夕紀(バイオリン演奏)、小森陽一(九条というの会事務局長/東大教授)
【場所】東京/なかのゼロ・大ホール
【申込&参加費】事前申込制、参加費1500円
【主催】九条の会東京連絡会=03-3518-4866
●STOP安倍政権!6・13大集会数万人規模)
【日時】6月13日(土)プレ企画12時20分〜、集会12時50分〜、パレード14時30出発
【場所】東京臨海広域防災公園(ゆりかもめ有明駅・徒歩2分/りんかい線国際展示場駅・徒歩4分)
【主催】6.13大集会・大行動実行委員会

 
posted by 定年オジサン at 11:33| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする