2015年07月31日

血を流す政治より、血の通う政治を

戦争法案の審議が参院に移り、少数会派すべてに質問時間を与えたことは決して悪くはないのだが、質問者が多くなれば必然的に質問時間が削減されてしまう。
 
テレビ中継される機会が全くなかった少数野党の代表者は、首相に質問したというパフォーマンスで満足している輩も見受けられ、少なくとも違憲の戦争法案を何が何でも廃案にする、という気迫は全く伝わってこない。
 
心の中では、「頑張って参院で廃案にしたところで衆院で再可決されてしまう」という腰が引いている感じである。
 
しかし国会の外では、「理解が進んできた」様々な年齢層の人々が反対の声を絶やさない。
 
NHKで戦争法案反対のデモは絶対に放映されないが、メディアチェックしている安倍晋三首相の側近らは、反対運動の広がりを遂次安倍晋三首相に伝えている。
 
それが、国会での答弁に如実に表れ始めている。
  
<断言首相 「絶対にない」「断じてない」「いささかもない」 安保法案>
 2015年7月31日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20150731abezettaininai.jpg 
 絶対にない」「断じてない」「いささかもない」――。安倍晋三首相が安全保障関連法案の参院審議で、こんな断定調を増やしている。法案に対する世論の不安を払拭(ふっしょく)するためとみられるが、「断定」の根拠はというと、いま一つはっきりしない。
 ■「戦争、巻き込まれることは絶対ない」「徴兵制全くあり得ない、今後もない」「専守防衛、いささかの変更もない」
 首相は30日の特別委員会で、自民党の森雅子氏から集団的自衛権の行使を認めたことをめぐり、「戦争に巻き込まれることはないのか。世界の警察であるアメリカに言われたら断れないのではないか」と問われ、「戦争に巻き込まれることは絶対にない」と述べた。
 あくまで日本の防衛のために集団的自衛権を使うのであり、それに関係ない戦争に自衛隊は出せないという説明だ。だが、首相が普段から「日米同盟」の重要性を強調しているだけに、野党や憲法学者は、米国に助けを求められれば何らかの理屈を作り、米国の戦争に加わることにならないかと指摘する。
 さらに森氏が徴兵制を取り上げ、「子育て中のお母さんと話すと、『徴兵制になるんじゃないの』という声を聞く」とただすと、首相は「徴兵制の導入は全くあり得ない。今後も合憲になる余地は全くない。子どもたちが兵隊にとられる徴兵制が敷かれることは断じてない」と繰り返した。首相は「政権が代わっても導入はあり得ない」と言い切ったが、民主党幹部は「長年の憲法解釈を変更し、歴代内閣が使えないとしてきた集団的自衛権の行使を認めたのは首相で説得力がない」と指摘する。
 また首相は、民主党の広田一氏から、日本が相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使するとされる「専守防衛」の原則について問われ、「基本方針であることにいささかの変更もない」と述べた。だが集団的自衛権が使えるようになると、他国への攻撃でも、日本の存立が脅かされる明白な危険があると、政府が判断すれば武力行使できるようになる。広田氏は「専守防衛の考え方が破棄される」と批判した。
 ■<視点>説得力欠ける
 首相が「断定調」を繰り返すのは、法案への国民の理解が深まっていないとみて危機感を募らせているからだ。首相周辺の一人は「攻撃は最大の防御だ」と語る。強気の答弁で野党の批判を封じ、国民の支持を得たいということなのだろう。
 しかし首相がどう口調を強めようと、問題の本質は法案の「違憲性」と、どんなケースに集団的自衛権が適用されるかがあいまいな点にある。
 多くの憲法学者が法案を「憲法違反」と指摘し、その根幹への不信感が高まっているのに、首相は集団的自衛権を行使する判断基準を聞かれると「総合的な判断だ」と繰り返す。政権の裁量を少しでも広げておこうと、あえて法案や答弁ぶりにあいまいさを残している。これでは憲法上も安全保障政策上も、行使が適切かわからない。
 そもそも、長年の憲法解釈を一内閣の閣議決定で変更したのは首相自身だ。その首相が、いくら将来のことを「絶対にない」「今後もない」などと明言しても説得力に欠ける。
 
毎日新聞の社説「安保転換を問う 存立危機事態 想定がころころ変わる」でも言われているように、仮定の話で作り上げた「存立危機事態」には具体性が無く、なまじ例をあげればすぐに事態が変わり、一貫性が保てなくなる。
 
そうなると、国の最高責任者として「強く」言い切ることが、国民に安心感を与えることになると取り巻き連中が考えたのであろう。
 
しかし、こんな断定調は、虚言症の子どもが「僕は絶対に嘘をついていない」と言っているようなものである。
 

数年前までは、皆さんのような人たちの前で話をするとは想像もしていませんでした
 
この「皆さん」とは、戦争法案と集団的自衛権に反対している人々であり、話を始めたのは2004年から6年程、歴代政権の中枢にいた元防衛官僚で内閣官房副長官補を務めた人。
 
昨日、都内の200名程入れば満席という小さなホールで柳澤協二さんの講演を聞いた。
 
講演前の話は続く。
 
「最近、あちらこちらで安保法制の問題点を話しているので、妨害なんかないのですか、と聞かれます」
 
「そんな妨害はないのですが、かつての友人からは、『利用されないで』といわれます」
 
「しかし私は十分に皆さんに利用されるためにやってきました」
 
こんな出だしから、穏やかな口調でわかりやすい解説を始めた。
 
会場には彼の講演の「追っかけ」と思われる御婦人も参加しているらしく、「この前の資料にチョット付け加えました」とも話していた。
 
表紙を含めて22枚の資料がプロジェクターで映し出されたが、そのうちの13枚を特別にお借りして画像で紹介してみる。
 
20150731_01.jpg
 
20150731_02.jpg
 
自衛隊法88条では「国家意思として防衛出動命令行い、武力行使により殺傷・破壊ができる」と定義されているのだが、海外派兵に適用すると憲法違反になるので、国家意思ではなく、あくまで自衛官個人の意志による「殺傷・破壊」行為が行われることになる。 
20150731_03.jpg
 
国会では安倍晋三首相が「自衛隊員のリスクはむしろ低くなる」という全く根拠のない正反対の答弁をしていたのだが、それは真っ赤なウソであると断じていた。
20150731_04.jpg
 
この服務規程は柳澤さんも防衛庁に入ったころ宣誓したらしいのだが、日本国憲法を遵守しなければなえらない自衛隊員が違憲の法律で海外派兵に行かされるという大きな矛盾を抱えることになるという。
20150731_05.jpg
 
20150731_06.jpg
 
20150731_07.jpg
 
20150731_08.jpg
 
20150731_09.jpg
 
20150731_10.jpg
 
20150731_11.jpg
 
20150731_12.jpg 
 
やはり参加者の一番の関心は今後のことなのだが、柳澤さんは法案は成立してしまうだろうが、それを効力のあるものにするには「国会承認」が必要であり、これは参院で野党が過半数になれば、衆院でも再承認ということはできないという。
 
そのためには法案が成立しても諦めず、来年の参院選挙まで怒りを継続して、自公政権から過半数を奪えばよい、と強調。 
20150731_13.jpg
 
安倍政権の強行採決のお蔭で、それまで関心の薄かった人々が目覚め、自分たちの問題として捉え始めている。
 
安倍政権は平気で自衛隊員を米国に差し出す。
 
当然、戦闘行為に巻き込まれ命を落とす危険性は増大する。
 
最後に柳澤さんはこう締めくくった。
 
血を流す政治より、必要なのは血の通った政治である
 
この意味がはたして安倍晋三首相が理解できるのか、おそらくは無理だろうな、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:51| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月30日

似た物同士か似て非なるものか

一昨年の特定秘密保護法に反対して生まれた学生のグループ「SASPL」が衣替えした「SEALDs」。
 
最初は東京から生まれたが、SNSの活用により「SEALDs東北」とか「SEALDs関西」や「SEALDs京都」等々、まるで第一次安倍政権の時に生まれ全国的に広がった「9条の会」の学生版といったところか。
 
余りにも急速に拡大し、危機感を持った連中はさっそく、昔ながらの「赤攻撃」をやっているが、公安関係者は「学生だけでなく主婦など政治的思想のない普通の人の集まりです。共産党や日本民主青年同盟(民青)が裏で手を引いているとの指摘もありましたが、それはないと判断しています。むしろ、共産党や民青が一枚かみたいとシールズに近づいているという構図。それもうまくいっていません」と解説する。

それでも、2週間ほど前から、こんなツイッターが発信され、一部の若者の間では拡散しているらしい。

 
このツイッターの内容について大手メディアが検証していた。  
 
<デモに参加すると就職に不利…「いつの時代の話?」>
 2015年7月30日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 安保法案に反対の声を上げる学生団体が注目され、若者が国会前に足を運んでいる。しかし、ネット上では「デモに行けば就職できない」という声が飛び交う。本当に就職に不利になるのだろうか。
 ■「つぶやき」次々と投稿
 都内に住む女子大生(19)は、衆院特別委の強行採決直後の15日夜、初めて国会前のデモに参加した。
 家を出る前、母と祖母に「デモに参加して就職できなくなった人も昔はいたのよ」と言われた。「行動しないと気持ちがおさまらない」と1人で出かけたが、「就職に響くって本当かな」という心配も、頭の片隅に残った。
 衆院の安保審議が大詰めを迎えた14日以降、「就職や結婚に響く可能性」などという大学生のデモ参加をめぐるツイートが次々と投稿された。「デモに行くだけで、確実に人生詰みますよ」「就職に不利益が…」。16日にツイッターに投稿されたつぶやきは約3千回もリツイートされた。
 ■採用拒否は認めぬ流れ
 「デモに行くなどの政治的表現の自由は、憲法が保障する権利の中でも価値が高いもの」と一橋大大学院の阪口正二郎教授(憲法学)は話す。しかし、誰を採用するかは「企業活動の自由」でもある。
 「三菱樹脂事件」では、学生の思想を理由に企業が採用を拒否したことが争われた。1973年の最高裁判決は「特定の思想信条を有する者を雇うことを拒んでも、当然に違法とはできない」とした。しかし、学界から「憲法で保障される思想、信条の自由を考慮していない」と批判され、三菱樹脂社も結局学生を雇った。阪口教授は「企業が思想で採用を拒む自由は、時代を追って狭くなっている」と指摘する。
 職業安定法が99年に改正され、企業が求職者の個人情報を集めるのは業務に必要な範囲に限られた。厚生労働省は思想信条などに関わる情報の収集を原則禁止する指針を出している。
 雇用問題に詳しい成蹊大の原昌登教授(労働法)は「労働法学界では、思想信条を理由に採用拒否するような行為は公序良俗に反し不法行為になるという考えが多数派だ」と説明する。また、思想を理由に内定を取り消された場合は、労働基準法違反で無効になる。
 ■感度の高さ、評価の傾向
 思想信条による企業側の採用拒否について「あるべきではないが、あり得ないともいえない」と話すのは就活事情に詳しい千葉商科大専任講師の常見陽平さんだ。「社風によっては敬遠することもあるかもしれないし、不採用の理由は明かされないから分からない」
 一方、企業は近年「社会問題への感度の高さを評価する傾向にある」という。「国会前に足を運ぶのは、デモでヘイトスピーチを叫ぶのとはわけが違う。むしろ肯定的に受け取る可能性は十分ある」と感じる。
 実際に採用する側はどう感じるのか。
 大手化学メーカーで採用を担当する幹部は「デモが就職に不利なんて、いつの時代の話ですか。学生がデモに参加したかなんて調べるヒマもリソースもありませんよ」と一刀両断。「うちの会社には学生運動出身の役員も何人もいますし、私もキャンパスの学長室で座り込みをしていて写真を撮られました。もう30年以上も前かなあ」と笑う。
 (後藤遼太)
 
やはり、ガセネタのようだったらしい。
 
しかし就職に有利・不利は本人の生き方の問題であり、学生時代の活動・運動が原因で就職(就社)できなかったら、その程度の企業だったと、見下せばよい。
 
■最高顧問 - 麻生太郎、谷垣禎一、安倍晋三
◆相談役 - 小池百合子
●代表 - 平井卓也(2010年11月- )自民党ネットメディア局長が兼任する。
▼事務局長 - 新藤義孝
 
上記の連中が役員になっている、怪しげなJ-NSCよりは外に出てデモをしているSEALDsのメンバーの方がズット健康的で頼もしいと考えるまともな企業の経営者もどこかにいるはずである。
 
さて話変わって、新聞の日曜版などによく掲載されている「2枚の絵の間違い探し」というクイズがある。
 
複数の登場人物や風景などで、違いを見つけるという極めてわかりやすいクイズなのだが、実際の世の中で余りにも大胆に「間違い」があると、むしろ気が付かれずに放置される場合がある。 
 
東京メトロ:新駅名「北干住」? 1カ月足らずでパネル修正
 
20150730kitakanjyu.jpg 
 
20150730kitasenjyu.jpg
 
ところで参院特別委は昨日で2日目の審議を終えたのだが、戦争法案を廃案に追い込む迫力は野党には見られない。
 
単発的に鋭い質問をしても事前に「質問予告」をしているので、それに対して官僚が模範答弁を作成し、安倍晋三首相や中谷元・防衛相や岸田文雄外相が「木で鼻を括った」ように棒読みするという、衆院特別委の焼き直し場面が多い中で、昨日たまたま出先でテレビ中継を見ていたら、あの「にわか原発反対野郎」の山本太郎が安倍晋三首相を、上手に攻めていた。 
 

 
山本太郎議員
 「稼働中の川内原発がミサイル攻撃を受けた時にどれくらいの放射性物質が放出されるのか?」
●原子力規制委員会の田中委員長 
 「弾道ミサイルが直撃した場合の想定はしていません。ちなみに事故が起きた場合の想定は福島原発事故の1000分の1以下」
山本太郎議員
 「どうして福島原発の1000分の1で済むのか。前に質問したところ、仮定の質問でありお答えするのは差し控えたいとの返答があった。仮定の話ではお答えするのは難しいということなのでしょうか総理」
■安倍首相 
 「武力攻撃は規模の大小やパターンが異なることから、一概に想定するのは難しい」
山本太郎議員
 「今回の法案、中身や仮定や想定を元にしていませんか? A国がB国に攻撃を仕掛けた。友好国のB国から要請があって武力行使が出来るの出来ないの。これは仮定ですよね?」
山本太郎議員
 「都合の良い時だけ仮定を連発して、国防上ターゲットになり得るような核施設に対する仮定や想定は出来かねますって、どんだけご都合主義ですか!?
 
当初は原発再稼働の可否の問題かと心配していたら、分かりやすく、うまく戦争法案の本質を突いていた。
 
「平和安全法案」とネーミングして臨んだ安倍政権だったが、法案の中身は明らかになるにつれて「危険戦争法案」、略して「戦争法案」という呼び名が全国的に広がってきている。
 
そもそも「正しい戦争」などあり得ない。

ましてや「安全な戦争」などは形容矛盾であることはいうまでもない。

戦争は人を殺し、殺されるのである。
 
特に米国が今世紀に行った戦争は全て他国への侵略戦争である。
 
その米国の手先となって名目上の「非戦闘地域」で後方支援と称する「兵站」活動は立派な戦闘行為であると、衆院特別委では共産党の志位委員長が鋭く追及していた。
 
安倍政権は参院特別委では、「戦争」という言葉を「自衛措置」と言い換えるという姑息なことをやり始めている。
 
<「戦争」とは―― 首相「集団的自衛権と区別」 野党「武力行使すれば戦争」>
 2015年7月30日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20150730whatiswar.jpg

  何をもって「戦争」と呼ぶか――。安全保障関連法案を審議中の参院特別委員会で安倍晋三首相は国連憲章を挙げ、「戦争法案」と呼ぶ野党に反論した。一方、野党は集団的自衛権の行使を「戦争参加」そのものと断じる。法律上の定義か、あくまで実態か。
 「『戦争に参加する』という表現は、違法行為を我が国が行っていると誤解されかねない、極めて不適切な表現だ」。首相は29日、参院特別委で「戦争法案」との批判に反論した。
 首相が根拠に挙げたのは「国連憲章」だ。事実上、戦争を違法だとする条文を設ける一方、安全保障理事会が集団安全保障措置を決定するまでの間、加盟国の個別的、集団的自衛権を「固有の権利」と認める。首相は「国連憲章で違法とされる戦争とは明確に区別されている」と答えた。
 だが野党の見方は違う。民主党の福山哲郎幹事長代理は28日の特別委で「集団的自衛権の行使は戦争に参加することだ」。日本と密接な関係がある国が戦争中で、それにより日本の存立が脅かされる危機がある場合、集団的自衛権で武力行使すれば、国連憲章の考え方は別にして、実態は戦争参加と同じだというわけだ。横畠裕介内閣法制局長官は「戦争ではない。あくまで自衛の措置にとどまる」と答えたが、概念上の「戦争」と、一般的な「戦争」とで認識が異なっている。
 国連憲章が認めない違法な戦争に日本が加担する可能性もある。2003年のイラク戦争では、米国は湾岸戦争直前の1990年の安保理決議などを根拠に開戦。仏、独などが反対し、当時のアナン国連事務総長は04年、「国連憲章上から違法」と指摘した。だが、自衛隊はクウェートを拠点にバグダッドへ米兵や物資を輸送するなど後方支援を行った。社民党の吉田忠智党首は29日の特別委で「米国の対テロ戦争にお付き合いした」と指摘した。(石松恒)
 
渋谷のママデモでは多くの母親たちが「自分の子どもを戦場に行かせない」「徴兵制反対」という声を上げていた。
 
このような女性たちの声には敏感な安倍晋三首相は「首相、徴兵制を強く否定 『合憲の余地なし』安保特別委」と、お得意の「解釈」をしないで、現憲法では違憲と宣う。
 
しかし集団的自衛権の話になると憲法を飛び越え、国連憲章を持ち出すという、まさに山本太郎が指摘したように「ご都合主義」そのものではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:31| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月29日

トカゲは尻尾を切れるが、獅子身中の虫は切れない安倍晋三

2012年3月「国立競技場将来構想有識者会議」なるものが発足していた。
 
新国立競技場の建設計画を話し合う会議ということで、委員は当時の石原都知事、森元首相、竹田JOC会長など総勢14人。
 
国家プロジェクトとあって錚々たる顔ぶれが並んでいたが、委員の中に異色の人材が1名交じっていた。
 
「錚々たる」と書けば、一般には「特にすぐれている」一流の人ということになるが、「多少はましである」という意味を含むため、決して絶賛してはいない。

さらには、語源の「鉄中錚々」の意味からすると、屑鉄みたいな連中の中に澄んだ音の存在として作曲家がいたということも考えられる。 
 
その人物が作曲家の都倉俊一であった。
 
同年7月、国立競技場将来構想有識者会議は2回目の会合を開き、計画を正式決定した。
 
諸悪の根源である「ドーム型開閉式(屋根付き)」は、都倉俊一が「開閉式ドームをぜひお願いします・・・コンサートその他のイベントでは音響が大切になる」と提案し、それが採用されたのである。
 
参院内閣委員会・文教科学委員会連合審査会では、屋根付きとした理由について、文科省スポーツ・青少年局長の久保公人局長は「コンサートの遮音のため」とする旨の答弁をした。
 
JSC(日本スポーツ振興センター)の鬼沢佳弘理事は「コンサートの年間開催日数は12日間」と答えている。
 
わずか12日間のコンサートのためにドーム型開閉式(屋根付き)競技場になったのである。開閉式の屋根は建設費を高騰させた元凶である。
 
そして、内閣支持率下落防止のタイミングを計り、安倍晋三首相が白紙撤回し、その建設費高騰の諸悪の根源は、「新国立 開閉式屋根を見送り 政府方針 工期と工費を圧縮」となった。
 
さらに、1週間前には「舛添都知事、文科省担当局長の更迭要求 新国立計画撤回」と、大人の常識が通らない世界が文科省だと激しく批判していたが、文科相への絶好のアシストになった感がある。
 
我が身の保身から、自ら身を引く気はさらさらない下村博文文科相は、さっそく世間では通らない「大人の常識」を見せたらしい。 
  
<新国立競技場:局長辞職 「とかげのしっぽ切り」 政府内から批判>
 毎日新聞 2015年07月29日 東京朝刊
 文部科学省は28日、新国立競技場の整備担当部署であるスポーツ・青少年局の久保公人局長(58)が辞職することなどを盛り込んだ人事異動を発表した。発令は8月4日付。下村博文・文部科学相は閣議後の記者会見で「役人人事は基本的に(職員が)自分で判断することはあり得ない。大臣として判断した」と述べた。だが、事実上の更迭との見方が強く、野党だけでなく政府内からも「とかげのしっぽを切ったとしか映らない」と批判の声が上がる。【三木陽介、田原和宏、福岡静哉】
 久保局長は定年退職まで約1年半を残しての辞職となった。下村文科相は「後進に道を譲るという意味での勇退」と説明したが、政府関係者は「(更迭なのは)見れば分かるでしょう。だが、これでは火消しにならない。(野党に)攻撃する機会を与えただけ」と冷ややかに話した。
 文科省は近く第三者による検証委員会を設け、担当部局や建設主体である日本スポーツ振興センター(JSC)などから白紙撤回に至る経緯を調査する。しかし、9月にまとめる中間報告を待たずに更迭に踏み切ったことで調査対象に予想される関係者は「久保局長はスケープゴート(いけにえの意)。ここまで来たら政治の話。政治が決断したのだから」と反発。意思決定した下村文科相らの責任問題を指摘した。
 民主党の高木義明国対委員長も「下村文科相の責任は大。役所のどなたかに責任をなすりつけることは決してあってはならない」と批判。維新の党の柿沢未途幹事長も「とかげのしっぽ切りで済むと思うなら安倍政権の感覚が狂っている」と語った。後任には、高橋道和(みちやす)内閣官房教育再生実行会議担当室長(54)を充てる。
 
刑事ドラマなどで、警察の不祥事が発生した場合、必ずこんな会話が展開される。
 
刑事部長「今度の件はもみ消すことはできないのか!」
審議官:「部長、すでにマスコミも嗅ぎ付けておりまして、もみ消すにはチョット遅いかと・・・」
 
刑事部長「バカもん! 上層部に責任が及ばないよう、お前が何とかしろ!」
審議官:「・・・そういわれましても、私が責任を取るわけにはいきませんので・・・」
 
刑事部長「なに言ってんだ、このカスが! 所轄の署長の首を差し出せ!」
審議官:「しかし、彼はあと1年半で定年退職なので・・・・」
 
刑事部長「そんなことは心配スンナ。上がちゃんと面倒みるから・・」
審議官:「はい、わかりました。早速記者会見を開きます」
 
ということで、辞職したスポーツ・青少年局の久保公人局長も文科省が、傘下の組織に世話することだろう、と世間の誰でもが想像するに難くない。 
 
ヤクザの親分が発砲事件を犯して殺人罪になりそうな時は、現行犯でない限りは、かならず若い組員が自首することになっており、数年、塀の中でお努めを終えた後には、2階級くらい特進している。
 
まあ、ヤクザの世界も官僚の世界も大同小異なのだが、決して巨悪は捕まらないということは一致している。 
 
ところで、昨日から参院特別委での質疑が始まったが、委員会で民主党の大塚委員の先制攻撃についての質問に対して、安倍晋三首相はとても危険な答弁をしていた。
 
大塚委員:衆院で政府は、日本を攻撃する意思もない他国に武力行使することもある、としているが。

安倍首相:攻撃国の意思は総合的に判断する。『日本を攻撃するつもりはない』と言いながら、意図を隠している場合もある。
 
だから、そんな国には「攻撃する意思があると推測できたら、攻撃される前に叩きますよ」ということで、先制攻撃するぞと宣言したようなものである。
 
しかしよく考えてみれば分かるように、集団的自衛権とはまったくレベルの違う話である。
 
親分がこんな調子なのだから、補佐官も50歩100歩のレベルなのであろう。 
 
<安保法案審議 首相、補佐官更迭を拒否>
 2015年7月29日 朝刊 東京新聞
20150729sensouhouanjikou.jpg 安倍晋三首相は28日の安全保障関連法案に関する参院特別委員会で、礒崎陽輔(いそざきようすけ)首相補佐官が法的安定性を軽視するような発言をした問題に関し、野党の更迭要求を拒んだ。憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を認めても法的安定性は維持されており、安保法案の合憲性に「完全に自信を持っている」と述べた。野党は安倍政権が憲法を軽視していると追及を強めた。
 安保法案はこの日、特別委で実質審議入りした。礒崎氏の発言については民主党の福山哲郎氏が「法的安定性を放棄して集団的自衛権をやると政府内の人間が認めている。こんな補佐官は更迭すべきだ」と迫った。
 これに対し、首相は「法的安定性を確保することは当然だ。疑念を持たれる発言は厳に慎まないといけない」と問題を認める一方、菅義偉(すがよしひで)官房長官が口頭で注意したとして処分には言及しなかった。福山氏は礒崎氏の特別委出席を求めた。
 首相は、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について、自国を守る個別的自衛権の行使だけが認められるとしてきた従来の政府見解と論理的に整合していると主張。国際情勢の変化で必然的に「自衛の措置」の範囲が広がったとの説明を繰り返した。
 福山氏は、日本近海で同盟国が攻撃された場合など、安倍政権が挙げる限定的な集団的自衛権行使の事例も含めて、歴代政権は否定してきた経緯を指摘。その上で「一内閣が憲法解釈を変え、法的安定性を崩している」と批判した。
 審議に先立つ理事会では、自民党が礒崎氏から陳謝があったことを野党に報告。礒崎氏は党の聴取に「私の発言で国会、委員会運営に迷惑をかけ、心から反省し、おわびを申し上げたい」と述べたという。
 
決して「疑念を持たれる発言」をしたから問題になっているわけではない。
 
安倍晋三首相の考えを、そのまま口に出したことで、この法案自体が「法的安定性」を欠いていることが明確になったわけで、野党はオバカ補佐官の更迭を要求するだけではなく、法案自体の違憲性と違法性を攻めるべきである。
 
磯崎陽輔補佐官は、安倍晋三にとって獅子身中の虫かも知れないが、うっかりその虫を切ってしまえば虫と一緒に「獅子心中」となってしまうのだが、むしろその方が多くの国民は望んでいることだろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:58| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月28日

衆院と答弁内容が変わるならば白紙撤回せよ

昨年の年明けの頃「2020年東京オリンピックを考える-4」の中で、以下の記事を紹介した。
 
<東京五輪:祭典の陰、転居迫られる「霞ケ丘アパート」住人>
 毎日新聞 2013年11月05日
20140106kasumigasekiapart.jpg 2020年東京五輪への期待が高まる中、東京都新宿区の都営団地「霞ケ丘アパート」に暮らす約230世帯の住民たちの思いは複雑だ。アパートは五輪のメイン会場となる国立競技場の建て替えに伴い、遅くても18年までに取り壊されるからだ。住民約370人の6割が65歳以上のお年寄りで、1964年東京五輪に続いて2度目の転居を迫られている老夫婦もいる。【竹内良和】
 霞ケ丘アパートは、戦後間もない47年ごろ整備された。板ぶき屋根のバラック建て長屋に約100世帯。柴崎俊子さん(86)は51年、結婚をきっかけに入居した。約30年前に死別した夫は当時、団地の管理人を務めていた。
 アジア初の五輪開催を控えた60年、都は「国立競技場周辺の古い町並みを一掃する」と建て替えを始め、アパートは鉄筋コンクリートの団地に生まれ変わった。5階建ての建物にエレベーターはなく、約50年がたった今は至る所にひびが入るが、柴崎さんは緑豊かな環境が気に入っている。「ここは涼しく、空気も違うね」。遊びに来た友人に言われるとうれしい。
20140106kasumigasekiappeople.jpg アパート取り壊しが表面化したのは昨夏。8月の住民説明会では反対が相次いだが、次第にあきらめムードが広がった。「抵抗しても仕方がないし……」と柴崎さん。都から渋谷、新宿区の都営住宅を中心に入居をあっせんすると言われているが、希望はまだ出していない。
 心臓にペースメーカーが入り、脚が悪くて歩くのもおっくうになった。でも顔見知りの住人は余ったおかずを届けてくれるし、病院に付き添ってもくれる。買い物の御用聞きもある。「引っ越しはつらい。一日でも長く、ここで暮らしたい」
 団地内の小さな商店街「外苑マーケット」でたばこ店を営む甚野公平さん(80)は、64年五輪の時も、住む土地を手放した。国立競技場に隣接する、今の都立明治公園がある場所だった。妻保子さん(79)は長男を背負い、長女の手を引き、数十人の近隣住民と徒歩で当時丸の内にあった都庁へ計画撤回を求める陳情に行った。
 立ち退きから2年後に霞ケ丘アパートへ移るまで、一家4人は兄の自宅の3畳間で身を寄せ合って暮らした。今度で2度目の立ち退き。五輪自体に反対ではない。でも、今ある施設をうまく活用できないものか。「五輪で泣く人がいることも考えてほしい」と唇をかむ。
 
当時は、新国立競技場がバカでかく、古いアパートが立ち退くのは仕方がないと住民の多くはあきらめていた。
 
しかし、そのバカでかい競技場の建設計画が白紙に戻ったのであれば、その計画に関連する立ち退きも一旦は白紙に戻すべきであったにもかかわらず、その計画だけは変更されないという。
 
<新国立白紙も都営アパート撤去は続行 計画変更せず>
 2015年7月28日 朝刊 東京新聞
20150728toeikasumigaokaapart.jpg 2020年東京五輪・パラリンピック大会の主会場となる新国立競技場の建設計画が白紙撤回されたにもかかわらず、東京都が、跡地の南にある都営霞ケ丘アパート(東京都新宿区)の取り壊しを旧計画通り進める方針であることが27日分かった。
 霞ケ丘アパートは1960年から6年かけて、10棟建てられた。撤回された建設計画では、新国立競技場は旧競技場より大規模な施設とし、アパートの敷地も公園にすることにしていた。都は2012年7月に取り壊しを通告。住民の立ち退きは始まっているが、残った住民の多くは住み慣れた土地を離れることに難色を示している。取り壊しは始まっていない。
 都の担当者は本紙の取材に対し、アパート取り壊しのため住民に転居を求める方針は変わらないと説明。「霞ケ丘アパートは計画敷地の対象範囲。デザインや工事、金額は見直しても(新国立競技場が)できるのは変わらない」と述べた。
 27日の民主党会合でも取り上げられ、出席した議員から「新国立の規模が縮小され、アパートを取り壊す必要がなくなる可能性はあるのだから、いったん白紙にすべきではないか」などとする声が上がった。
 
後期高齢者以上の住人しかいない、築50年以上の老朽建物は、2020年東京五輪にはふさわしくない建物との判断なのであろうか。
 
都から指定された転居先は全員が入居できるわけではなく、バラバラになる。
 
長年培ってきたコミュニティが破壊されることは、東日本大震災によって住居を失った老人たちが、バラバラの仮設住宅に移動させられ孤独死になった人が多いことからも、高齢者の行く末は明らかである。
 
介護のプロと自称し、お年寄りに優しい舛添要一都知事のコメントが欲しいものである。
 
衆議院での特別委では、唯一例外的な集団的自衛権行使の例として、「経済封鎖により我が国の国民の生命に重大な危機が生じる」からホルムズ海峡での機雷掃海の必要性を幾度となく主張してきた安倍晋三首相。
 
ところが、米国とイランが核協議で最終合意し、駐日イラン大使が海上封鎖の可能性を否定したりする始末で、このままでは機雷掃海の正当性がなくなってしまうからか、昨日の参議院での野党質疑では「特定の国を想定していない」と、方向転換してしまった。  
 
<首相、掃海の答弁修正 「特定国の機雷敷設を想定せず」>
 2015年7月28日 朝刊 東京新聞
20150728kiraisoukaiimage.jpg 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案は27日の参院本会議で、政府による趣旨説明と与野党の質疑が行われ、審議入りした。安倍晋三首相は、中東・ホルムズ海峡での戦時の機雷掃海について、イランによる海上封鎖を前提にしてきた答弁を修正し、こだわってきた集団的自衛権行使の事例の根拠が揺らいだ。「違憲立法」との批判を参院がどう受け止め、審議に反映させるかが焦点になる。 
 首相は本会議で、ホルムズ海峡での戦時の機雷掃海について「特定の国が機雷を敷設することを想定していない」と説明。同時に「中東地域の安保環境が不透明さを増し、あらゆる事態に万全の備えをすることが重要だ」と集団的自衛権行使の必要性を訴えた。
 機雷掃海は機雷をまいた国への敵対行為となり、国際法上は武力行使と解釈される。首相は衆院の審議ではイランによる海上封鎖を前提に答弁していたが、イラン核協議の最終合意やイランの駐日大使が海上封鎖の可能性を否定したことに配慮し、軌道修正した。民主党の北沢俊美・元防衛相はホルムズ海峡での機雷掃海を視野に入れた立法には理由がないと追及した。
 首相は、憲法学者の大半が安保法案を「違憲」と批判していることに対し、集団的自衛権の行使容認は従来の憲法解釈と矛盾せず、「法的安定性は確保されている」と主張した。
 他国軍の戦闘に対する支援では、法案が成立しても、過激派組織「イスラム国」(IS)対策は非軍事分野に限り、米国主導の有志国連合には「政策判断として参加する考えはない」と強調。米軍主体でアフガニスタンに駐留し、多数の死者を出した国際治安支援部隊(ISAF)のような活動への派遣も「検討していない」と述べた。
 安保法案に関する参院特別委員会は28〜30日の3日間、首相と関係閣僚が出席して質疑を行う。
 
「法的安定性は確保されている」と主張した安倍晋三首相の足をうまく引っ張るかのように、十代の女性にツイッターで論破されたオバカ首相補佐官が、またもやトンデモ発言をしていた。 
 
<安保法案「法的安定性関係ない」 補佐官発言を与野党が批判>
 2015年7月28日 朝刊 東京新聞
20150728isozakihosakan.jpg 憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案をめぐり、礒崎陽輔(いそざきようすけ)首相補佐官が法的安定性を軽視するような発言をしたことに対し、与野党幹部が27日、発言を相次いで批判した。
 民主党の枝野幸男幹事長は「行政に関与する資格がない」と記者団に指摘。「行政や法の支配のイロハも分かってない首相補佐官をいつまで使い続けるのか」と安倍晋三首相に解任を求めた。
 維新の党の片山虎之助総務会長は「適当な発言ではない」と述べ、共産党の山下芳生書記局長は「安保法案は法的安定性に欠け、立憲主義を踏みにじる違憲立法だと自ら認める発言だ」と廃案を求めた。社民党の吉田忠智党首も解任を訴えた。
 自民党の谷垣禎一幹事長は記者会見で「そのような発言をしたとすると、極めて配慮の欠けたことだ」と苦言を呈した。安保法案に関する参院特別委員会の理事懇談会では、鴻池祥肇(こうのいけよしただ)委員長(自民)が発言の事実関係や真意を報告するよう自民党理事に求めた。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「安全保障環境の変化を十分に踏まえる必要があるという認識を示したもので、法的安定性を否定するようなことはなかった」と擁護し、野党の解任要求を拒んだ。「誤解されるような発言は慎まなければならない」とも述べた。
 礒崎氏は26日の大分市での講演で、憲法解釈の変更について「法的安定性は関係ない。わが国を守るために(集団的自衛権の行使が)必要かどうかが基準だ」と述べた。27日には「政府の憲法解釈は一貫して何も変わるところはない」と記者団に釈明した。
◆礒崎首相補佐官 発言要旨
 礒崎陽輔首相補佐官の26日の講演での発言要旨は次の通り。
 憲法には自衛権について何も書いていない。1959年の(最高裁の)砂川事件判決は、わが国の存立を全うするための自衛の措置は国家固有の権能であるとした。
 中身を言わないから政府は解釈してきた。昔は憲法九条全体の解釈から、わが国の自衛権は必要最小限度でなければならず、集団的自衛権は必要最小限度を超えるから駄目だと解釈してきた。72年の政府見解だ。
 ただ、その時はまだ自衛隊は外に行く状況ではなかった。その後40年たって、北朝鮮は核兵器やミサイルを開発し、中国も軍備を拡張している。
 政府はずっと必要最小限度という基準で自衛権を見てきたが、40年たって時代が変わったのではないか。集団的自衛権もわが国を守るためのものだったらいいのではないか、と提案している。
 何を考えないといけないか。法的安定性は関係ない。(集団的自衛権行使が)わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない。わが国を守るために必要なことを憲法が駄目だと言うことはあり得ない。「憲法解釈を変えるのはおかしい」と言われるが、時代が変わったのだから政府の解釈は必要に応じて変わる。
 (安全保障関連法案の審議は)9月中旬までには何とか終わらせたいが、相手のある話だから簡単にはいかない。
 
「集団的自衛権もわが国を守るためのものだったらいい」のだが実態は米国を守る「他衛」だから憲法違反だと、多くの憲法学者が明言している。

「憲法が認める必要最小限度の武力行使は国際情勢によって変化するとの意図」だと釈明していたらしいが、憲法には国際情勢が変化したら解釈を変えてもよい、などとは書いていない。
 
「報道は(発言を)短く切って書かれた」と産経新聞には答えていたらしいのだが、上記の発言要旨を見れば、「法的安定性は関係ない」の前後を読んでも、短く切ったわけではないことは容易にわかる。
 
首相補佐官は基本的には首相の考えを理解し時には代弁する役割がある。
 
すなわち、磯崎陽輔首相補佐官の発言は安倍晋三首相と全く同じと考えれば筋が通る。
 
要するに、「時代が変わったのだから政府の憲法解釈は必要に応じて変わる」と言い切ったということである。
 
さて、一昨日の「良識の府の与党議員とメディア連中に読んでもらいたいこと」では、国会前には、今まで見たこともない「SGI」と書かれた創価学会支持者たちも来ていたと、紹介した。
 
どうやら、その動きは段々と大きくなりそうである。
 
<安保法案:公明離れの学会員次々…自民と協調に「失望」>
 毎日新聞 2015年07月28日 02時47分
 安全保障関連法案審議の舞台が参院に移った。日を追って国民の批判が高まる中、自民と足並みをそろえる公明党の足元で、地方議員や支持母体の創価学会員たちの反発や離反が起きている。平和を訴え、与党の「ブレーキ役」を自任する党はどこへ向かうのか。
 愛知県武豊町の本村強町議(62)は創価学会員だが、公明党を離れ10カ月になる。「失望しました。平和の看板を掲げてきたのになぜだ、と」
 まだ党にいた昨年6月、集団的自衛権に反対する意見書案を共産党議員らとともに議会に提出し、自民系議員らを説得し、1票差で可決させた。これが後に反党的だと問題視されたが、信念を貫き離党。今春、町議選に無所属で出た。学会関係者に「あなたの個人票は(学会票の)2%だ」と警告されたが前回並みの得票で3選された。一部の学会員も陰で応援してくれたという。
 和歌山県岩出市の創価学会員、春村徳龍(のりたつ)さん(53)は19日、大阪での安保法案反対デモに家族で参加した。「法案は平和を求める学会の教えにそぐわない。『自民の歯止めになる』と公明党への投票を呼びかけてきたが裏切られた思いだ」
 デモ行進では、学会のシンボルの三色旗に「バイバイ公明党」などとプリントしたプラカードを掲げた。別の学会員がデザインし、ツイッターで配布していたものという。
 ツイッターには、東京都内の抗議デモで同種のプラカードを掲げる参加者の写真も投稿されている。春村さんは言う。「今は『点』に過ぎないが、線になり面になれば党に脅威となる。法案を止めるには学会員が声を上げるしかない」
 九州地区で活動する創価学会職員も「一般の会員は同じ感覚だ」と、抗議デモ参加に理解を示す。公明党の地方組織も批判への対応に追われる。沖縄県の党県本部関係者は、「支援者に批判的な意見が多い」。遠山清彦衆院議員(比例九州)の事務所でも、寄せられる意見の大半は「法案反対」。事務所は「戦争を止めるための法案だと、なかなか納得してもらえない」と頭を抱える。【町田結子、日下部聡、門田陽介】
 ◇2年前、全員「認めない」…解釈改憲巡り参院議員11人
 集団的自衛権を巡って、2013年に当選した公明党参院議員11人は、当時の毎日新聞の候補者アンケートに「行使容認のために憲法解釈を見直すべきではない」と回答しており、今回の参院審議入りを機に、11人のうち4人から改めて話を聞いた。
 アンケートは、国政選挙のたびに全候補者を対象に毎日新聞が実施し、政治課題を巡る賛否や見解を尋ねている。13年参院選で「集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えるか」という問いを設け、公明党候補11人がそろって「見直すべきではない」と回答した。
 「覚えていない。当時どういう政治状況だったのか……」。平木大作氏(比例)に2年前の回答の理由を聞くと、当惑の表情を浮かべた。今の見解を尋ねると、一転「集団的自衛権の容認は限定的」との政府の公式見解を展開。「限定的ではなくフルサイズの集団的自衛権を認めるための解釈見直しなら、2年前も今も反対だ。やろうと思ったら憲法改正しかない」と語った。
 魚住裕一郎氏(同)は「政府の考えは深まった。自国防衛だと総理も言っている」と説明した。若松謙維氏(同)は「政府の努力を覆すような報道はフェアではない」とマスコミ批判を口にした。新妻秀規氏(同)は「今回の見直しは専守防衛の枠内だ」と強調した。【樋岡徹也、林田七恵】
 
良識の府である参議院の公明党の議員のうち、来年改選になる議員たちが、このまま自民党に付いていくと次回の選挙は危ないと感じてくれれば、参議院では否決することが可能になる。
 
国会包囲デモもいいが、いまこそ公明党・創価学会の本部がある信濃町をデモで埋め尽くことも必要ではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:52| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月27日

安倍政権STOP!の主役は若者、女性、母親たちに変わる

ゼネコンと癒着し、利権まみれの男たちがやりたい放題した挙句が、白紙に戻された新国立競技場建設問題。
 
日本のお得意の責任者不在の公共事業の典型と海外メディアも報じている最中、昨日のNHK日曜討論「与野党激論 どうする新国立競技場・安保法案」では、司会が安倍晋三首相との会食仲間の島田敏男だったので、結局は責任者は「党行政改革本部で検証」(自民党)ということになり、身内から責任者が出る可能性は薄くなった。 
 
<新国立 野党、文科相辞任を要求 自民、来月中旬に検証>
 2015年7月27日 朝刊 東京新聞
 与野党幹部は26日、新国立競技場建設計画の見直しをめぐり、NHK番組で主張を繰り広げた。野党は「下村博文文部科学相は辞任すべきで辞めないなら安倍晋三首相が解任すべきだ」(松沢成文次世代の党幹事長)と辞任を求めた。自民党の稲田朋美政調会長は8月のお盆前までに党行政改革本部で検証し、政府に結果を報告する意向を明らかにした。
 民主党の細野豪志政調会長は「下村氏の責任は絶対に免れない。税金の無駄遣いに対する感覚が甘くて鈍い」と批判。維新の党の今井雅人政調会長は、首相がもっと早く計画の白紙撤回を決断すべきだったとした上で「下村氏の責任は重い」と指摘した。
 共産党の小池晃政策委員長、社民党の吉川元・政審会長も下村氏の責任は重大だとして、国会で追及する考えを示した。
 稲田氏は「どこかで引き返す決断ができなかったのか。責任の所在も含め党内で検証する」と強調。公明党の石井啓一政調会長は、第三者機関が九月中旬に中間報告をまとめることを踏まえ「(文科省が)検証結果を受けて責任の取り方を明確にすべきだ」と述べた。
 
「8月のお盆前」とは、明らかに多くの国民がお盆休みで帰省したり、メディアも終戦記念日特集で忙しい時であり、明らかになった責任者のへのインパクトを最小限にする狙いがミエミエである。

数か月前には、自身の「博友会」という「誰がどう見たってリッパな政治団体」を隠れ蓑にした違法献金疑惑では「下村大臣を違法献金疑惑で告発 “決定的証拠”添付で万事休す」という事態にまで進展していた、この真っ黒けの大臣は、この際早めに自ら身を引いた方が国民のためでもある。
 
先週は海の日から連続して炎天下活動をした影響で週末には疲労が蓄積してしまい26日の国会前の総ががり行動には参加できなかった。
 

 
最近の戦争法案に対する反対行動は、近未来の当事者たち学生や、将来、自分たちの子どもが犠牲になるかも知れない危機感を持った母親たちが主役になりつつある。 
 
<【安保法案】ママたちが渋谷ジャック 「だれの子供も殺させない」>
 2015年7月26日 17:52 田中龍作ジャーナル
20150727tamaka01.jpg
子育て仲間たちとベビーカーを押して参加した母親。=26日、渋谷ハチ公前 写真:筆者=

 「戦争させない、子供を守る、誰の子供も殺させない」・・・母親たちの叫びが炎天下の渋谷に響いた。「ピースサイン」「NO WAR」などのプラカードが乱舞した。
 日本を代表する繁華街はママたちによりジャックされたのである。
 「安保関連法案に反対するママの会」がきょう、渋谷で集会とデモを開いた。「戦争法案の廃案」を求めるインターネット署名は、今日午前9時現在で1万7千人を超えた。
 署名呼びかけ人の西郷南海子さん(3児の母・京都市在住)によれば「北海道から沖縄、そして海外に住むママたちが今、何かを言わなければならないと思って立ち上がった」。
20150727tamaka02.jpg
「カネも権力もないが、自分の思いと体がある」。呼びかけ人の西郷さんは体を張って法案を阻止する覚悟を語った。=26日、渋谷ハチ公前 写真:筆者=
 SNS上には「きょうは子供が熱を出して行けないけど」「自分の街でデモをやるけども心は一つだよ」などといったメッセージが溢れている、という。
 西郷さんが街宣車の上に立ちマイクを握った―
 「命令されて殺されるために子供がいるわけじゃない。利益のために利用されるのはもう終わり・・・(中略)戦前の人たちがやれなかったことをやり廃案にしよう」。
 新潟から駆けつけた母親は4歳の息子を持つ―
「安倍首相は徴兵制はないと言ってるが信用できるか。解釈で9条を変える人です。どこに向かうか恐ろしく感じます」。彼女は声を震わせるようにしてスピーチした。
 会場の渋谷ハチ公前で参加者に聞いた。ある母親は「戦争に関することを聞きたくない、怖くなるからイヤダ、と8歳の息子が脅えている」と顔を曇らせた。
20150727tamaka03.jpg
母親たちは身を焦がすような猛暑をものともせずデモに繰り出した。=26日、宮下公園 写真:筆者=

 元経産官僚の古賀茂明さんの姿もあった。『I am not ABE』のフレーズを人口に膾炙させた功労者だ。
 「お母さんの純粋な気持ちが(社会を)動かしている。普通の政治の波とは違う。潜在的な可能性を秘めている」。古賀さんはママたちに期待を寄せる。
 労働組合、市民団体、学生、学者そして今度は母親が立ち上がったのである。女の怒りが安倍政権にとっては一番やっかいだ。
 ママデモは渋谷の他にも京都、福岡などで行われた。きょうは戦争法案に反対する集会・デモが国会前はじめ全国各地各所で繰り広げられた。
 
かつての政治運動の中心を占めていた労働団体は、労線問題から分裂し、力も拡散してしまった。
 
特定秘密保護法案反対闘争も、労働組合が率先してスト権を確立して闘うことはなかった。
 
今回の戦争法案に対しては、時期的にも大手組合の定期大会時期とも重なり、一部ではスト権を確立して反対するという動きがあったが、世論を引っ張るほどの力は全くない。 
 
上意下達式の労働組合の指揮命令により「動員」された労働者とは異なり、SNSを駆使する若者や若い母親世代は、広くネットワークでつながり、自分の意思で集まり行動する。 
 
<安保法案、ママたちもデモ 学生のSNS投稿、背中押す>
 2015年7月27日05時01 朝日新聞DIGITAL
 商業施設が立ち並び、若者であふれる日曜の渋谷。母親たちがベビーカーを押したり子供の手を引いたりしながら、ゆっくり歩いていく。26日、「安保関連法案に反対するママの会」が企画したデモだ。
 京都市に住む西郷南海子(みなこ)さん(27)が3週間前、インターネット上に一人で立ち上げた署名活動がきっかけ。1万7千人以上の賛同者が集まり、「ネットから出て反対の声を上げよう」と決めた。
 西郷さんは大学院で学びながら、7歳と4歳、1歳の3児の子育てをしている。地元で脱原発運動をしていたが、今回の法案については不安を感じながらも、子育てに追われて行動を起こせないでいた。
 背中を押したのは、ネットの動画で目にした学生団体SEALDs(シールズ)のスピーチだった。「若者が自分の言葉で訴えている。子育て中だからこそ感じる不安や、命の大切さを訴えよう」
 1歳の息子をベビーカーに乗せて来た神奈川県川崎市の斎藤善香さん(31)は、フェイスブックで反対の声を上げている人を検索していて「ママの会」にたどり着いた。「一人で参加する度胸はないけれど、ネットで同じ不安を感じるお母さんとつながれたので、勇気が出た」という。
 運動は各地に広がる。フェイスブック上では、都道府県単位で立ち上げるグループが29に及び、集会や勉強会などの活動を始めている。福岡や京都のグループは26日にそれぞれの地域の繁華街で声を上げた。
20150727mamademo.jpg
「戦争させない」「子どもを守る」と声を上げながらデモ行進する参加者たち。子どもたちが先頭に立っていた=26日午後、京都市中京区の河原町通、戸村登撮影 

■学生、LINEで呼応
 「SEALDs」も若者がネットで言葉をつなぎながら広がっていった運動だ。都内に住む大学1年の女性(19)を例に、どう広がるかをたどった。
 女性は7月上旬、安保法案のニュースを見ていた大学4年の兄(22)の「最近の政治、やばいよね」という言葉が気にかかった。
 友達に相談すると、「『#本当に止める』とツイッターで検索してみたら」と助言された。検索すれば法案に反対する人たちのツイートが一覧できる。女性は15日のデモを知り、一人で参加してみた。
 マイクを握る学生に、言葉にできない感動を覚えた。政治の話を友達にすることはほとんどない。だが今回は、気づいたらツイッターに書き込んでいた。
 「SEALDsの方の挨拶(あいさつ) 素晴らしかった。同じ学生として誇らしい」
 7分後、返信のツイートが流れた。大学で1学年上の先輩(19)からだ。
 「国会行ったんだ!」
 「はい! 来てます!」と答える。「迷ってたけど、触発されて私も金曜行こうって今決めた! ありがとう!」と返ってきた。
 試験勉強中だった先輩女性は、「忙しさに追われて動かないと後悔する」と、知人を通じてLINEで呼びかけた3人と17日のデモに参加してくれた。自らも24日、2度目の参加をした。今後も足を運ぶつもりだ。
 
スマフォよりガラ携のおじさん族は、ツイッターやFacebookとは無縁であり、タイムリーな行動への参加呼びかけには応えられない。
 
3年前の総選挙では、民主党への懲罰的な意味も込めて、多くの若者や女性たちが自民党に投票した。
 
その後の安倍政権の誕生により、加速度的に「戦後レジーム」からの脱却を目指す安倍晋三首相により、次々とこの国の形が変わり、小学生からの教育にも国が介入し始めている。
 
2013年の参議院選挙と昨年末の総選挙で自民党の独裁政治体制が出来てしまい、一部の左派・リベラルの人たちは、自民党を選んだ日本人の民度が低いと嘆き、批判もしていた。
 
その批判の対象になった若者や母親たちが、日常から遠かった政治の問題が「戦争」というキーワードで一気に身近な問題となって目覚め、反対運動を始めたことは「すべての女性が、輝く日本へ」とうたった安倍政権の成長戦略とは皮肉にも異なる方向に向かってしまい、まさに安倍政権からすれば想定外のことだったのだろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:48| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月26日

良識の府の与党議員とメディア連中に読んでもらいたいこと

安保法案の衆院強行採決後、報道各社の世論調査で支持率が軒並み30%台に急落した安倍晋三政権へ、「鉄槌を下さねばならない」との発言が印象的だった記者会見が、1週間前の2015年7月20日、東京・神田錦町にある学士会館で行われた。
 
主催は、「安全保障関連法案に反対する学者の会」100人記者会見である。
 
その学者の中で、国際刑事法が専門の高山佳奈子教授が海外からの反応を紹介していた。
 

 
会見でのスピーチ全文は以下の通り。
 
高山氏「京大の高山です。私は専門が刑法、国際刑事法です。
 私たちの学者の会が最初に出したアピールには、英語バージョンがございます。そして、それが発表された少し後に、英語の署名フォームも公表されております。この英語署名フォームが、なぜ出来たかと申しますと、国際刑法学会のアメリカ部会長から『英語の署名フォームを作ってほしい』という要請があったために作りました。
 この国際刑法学会というのは、私も10年強、役員をやっている学会ですが、刑事法の分野から、国際平和に大変強い関心を持っている人たちが会員になっており、国際刑事裁判所の裁判官も複数会員ですし、各国の著名な学者・実務家が多く参加している古い学会です。
 この学会から、英文のほうの署名フォームに、事務総長がブラジルから署名してくれましたし、また、名誉会長、名誉副会長といった役職の方々が、フランスやスペイン、イタリア、そして旧ユーゴスラビア諸国といった主要な国々から賛同してくださっております。
 また、これとは別に、最近、アメリカのシカゴ大学やイエール大学、それからアジアのトップレベルの大学の憲法学の先生方が、日本で行われている今般の抗議行動に賛同、そして、表現の自由、報道の自由を重視する声明を発表しておられます。
 国際世論がどうなっているのかということは、みなさん関心があることと思いますが、私の認識は次のようなものでございます。
 たしかに、米軍の財政的、人員的な負担の一部を日本が肩代わりするということについては、そのほうがいいんじゃないか、という意見も諸外国にあることと思います。しかしながら、憲法を無視してそのような政策を推し進めるべきだという意見は、まったく寄せられておりません。憲法を無視してよいという国際世論は存在していないのです。
 アメリカ国民の方々は、憲法の大切さを最もよく分かっている人々だといえると思います。また、ヨーロッパでも、欧州人権条約を中心とする基本的人権の保障を掲げた法秩序があるわけでして、たとえば独裁国家とされるベラルーシは、欧州評議会に入れてもらえていないわけでして、ヨーロッパ諸国でも非常に、基本的人権、立憲主義が重視されているわけです。
 国際秩序というのは、物理的な力だけで決まっているわけではありません。世界一の軍事大国であるアメリカが世界征服しているかというと、していないわけです。なぜか。もちろん、それは国際社会においてもある程度の『法の支配』というものがあって、これを大きく拡大していくということが、私たちに課せられた使命であると思うわけです。
 また、理屈の面、理念の面だけでなく、事実的な面で考えましても、今般の憲法に反する政策を推し進めていけば一体どういうことになるのか。外国にいるジャーナリストやボランティア、一般市民の日本人が、たとえば、過激派によって拘束されたり殺害されたりする危険は、高まるんでしょうか、低くなるんでしょうか。これは明らかだろうと思います。
 また、先日のSEALDsの集会で鳥越俊太郎さんが話されていたことですが、無理な政策が通れば、日本でも、かつてスペインやイギリスで起こったような、交通機関を狙った爆弾テロが起きるかもしれない。そのような危険は、この政策を進めることによって大きくなりこそすれ、小さくなることはないのではないか、という警鐘を発しておられました。
 また、拉致問題の解決ということを考えても、アジアの周辺諸国との友好関係が何よりも大事なのであって、日本単独で軍事力を拡大するような政策を進めるというのは、色々な面において、むしろ日本人に対する危険を増すことのほうが大きいように思うわけです。
 国際刑事法の観点から申しましても、ボランティアとかジャーナリストなど、一般の民間人に対して、軍事攻撃を行うということは、それだけで国際犯罪、全世界からの非難を浴びる、人類に対する罪と考えられているわけです。
 これに対して、武器を持った人が、武力衝突によって死んでしまっても、それはやむをえないという評価にもならざるをえないのでして、まさにこれは逆説的ではありますけれども、武器を持たないこと、丸腰でいるということが、逆に、攻撃を避ける意味も持っているのではないか、と私は考えております。
 そういう意味では、『積極的平和主義』というのは、政府が言っているような内容ではなく、むしろ産業面や学術、研究、あるいは文化の交流を進め、国際的な協力関係をどんどん進めていくことによってこそ築かれるものであって、武器を揃えるとか、武器による抑止力を強めることによって秩序をもたらすという方向性は、全然、平和主義でもなんでもないというふうに考えております。
 もうひとつだけ、最後に申し上げます。
 京都大学では、今月のはじめに、『自由と平和のための京大有志の会』というのが設立されまして、そこが発表している『戦争は』という言葉で始まる声明書が、全国で大変好評を博しております。
 
 
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
  戦争は、防衛を名目に始まる。
  戦争は、兵器産業に富をもたらす。
  戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
  戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
  戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
  戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。
  精神は、操作の対象物ではない。
  生命は、誰かの持ち駒ではない。
  海は、基地に押しつぶされてはならない。
  空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
  血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
  知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。
  学問は、戦争の武器ではない。
  学問は、商売の道具ではない。
  学問は、権力の下僕ではない。
  生きる場所と考える自由を守り、創るために、
  私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。

            
自由と平和のための京大有志の会
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇

 
 このような、印象的な声明を発することができるというのも、大学ならでは、京大ならではというところがあります。しかし、その中でも政府の国立大学に対する圧力は強まる一方で、文系学部は廃止、などといった政策がまさに進められつつあるわけです。
 この反知性主義というのは、日本のこれからの国力をなくしていく、日本を滅ぼすような政策に他ならないと私は考えておりまして、安保法制の問題とともにここで提起したいと思います。ありがとうございました」
 
さらに、会見後、岩上安身のインタビューに応じた高山佳奈子教授は「安倍総理とメディアの会食は『業務妨害罪』『贈収賄罪』の可能性」があると話していた。 
 
岩上「様々なメッセージや論文をお寄せくださいという呼び掛けに一番最初にお寄せいただいたのが高山先生でした。ありがとうございます。何を今、一般の人達にお伝えになりたいのか。そこのところをひとつ、一言お願いできますでしょうか」
 
高山氏「先ほどの発言の時には言えなかったことがありまして、それは民主主義に関することなんです。
 世論の中には『選挙で自民党が勝ったんだから、しょうがないじゃないか』という意見もかなりあるんですね。私は、それは正しい意見だとは思わないんです。なぜかというと、民主主義にとても必要な二つのことが欠けているというふうに認識しています。ひとつは、情報がきちんと正しく自由に流通しているかどうか、ということです。
 例えば、首相と夕食会というのをマスメディアの要職の方々がずーっと何十回も繰り返しているということがあり、これが国会でも質問の対象になりましたけれども、『私的に行っていることなので、明らかにならない』ということだったと思います。
 でも、場合によっては、これは圧力をかけたり、それから裏取引をしたりということは、場合によっては『刑事罰の対象になる行為』であることも考えられるんですね。
『業務妨害罪』であるとか、あるいは民間の『贈収賄罪』というような犯罪類型もございます。これは、これから時間をかけて徹底的に明らかにしていくべきことではないかと思います


岩上「これは要するに、権力とメディアが、一種の談合を行った場合、情報をそれで歪めるということは、贈収賄罪が成り立ちうる、と。すごい重要な指摘ですね」

高山氏「たとえば、嘘の情報を意図的に流すということが実際に行われているという、私に直接関係する問題点でもそういう経験がございましたので、これは本当に、市民たちの判断を直に誤らせることになってしまいますので、真実を解明する必要があると考えています。それがひとつです。
 もうひとつは、民主主義といっても多数を取った人たちが何でもできるということではなく、やはり政策の一貫性とか合理性、それから政策を転換する場合には、そのための合理的な説明と納得のいく説得というものが大事である。そのときに、今、行われようとしているのは、それらを一切無視したことでありまして、ずーっと政府は閣議決定で防衛白書の内容を承認して、その中で毎年毎年毎年毎年、『集団的自衛権は憲法違反です』ということを言ってきて、閣議決定してきたわけですよね。
 それをまったく正反対の見解に改めて、そのまま押し通そうということは、これは国民は何を信頼していいかもう分からないという独裁に突っ走ってしまう危険な行為であると考えていて、これも本来の民主主義のあり方とは真っ向から反するものだと思っております」
 
岩上「法学者の中にはですね、『あの時に法の支配の切断が行われた、そしてこれは国民が支持していない。国民が支持していれば革命だけど、国民が支持していない場合はクーデターである。法学的な解釈であれば7.1閣議決定はクーデターなんだ』という意見があります。これはどういうふうに考えていますか?」
 
 高山氏「実は私も、今日は石川健治さんのインタビューを見まして、彼もクーデターと言っているな、と思ったところです。私自身もまったく、自分の考えとして、これはクーデターであると考えておりました。簡単なことです。立憲主義そのものを破壊する行為はクーデターと呼ぶしかないのではないかと思います」
 
岩上「民主主義は一任主義ではない、白紙委任したわけではない。そして憲法の範囲内でやらなければならない、ということですよね」
 
高山氏「そうですね。多数決ではすべてを決めることができない、というのが立憲主義の大きな原則のひとつですので、数で勝った人はその後なんでもしていい、という考え方はまったく誤ったことですから、一般の市民の方々にもそのことは十分理解していただきたいと思います」
 
じつは、こんな動きが海外にも広がっているという。 


身内の集会のため参加できなかった先週金曜日の様子を動画で確認した。
 
2015/07/24 安保法制、TPP、ヘイトスピーチ、辺野古、秘密保護法、雇用、教育、農業、社会保障、そして原発 安倍政権の国民無視の政治に『NO!』 3000人以上の市民が日比谷野音に集結
 
国会前には、今まで見たこともない「SGI」と書かれた創価学会支持者たちも来ていたという。

 
27日から参議院特別委に出席する自公の議員たちよ。
 
衆院の連中から「60日ルール」という参議院の存在を無視するかのような国会の会期が大幅に延長がされた。
 
しかし、決して参院での審議を「消化試合」にしてはならない。
 
憲法に対するクーデターに加担するのか、しないのか、良識の府の存在が問われる時である、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 12:01| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月25日

安倍政権での憲法改悪の可能性はなくなった

現在、日本が抱えている大きな政治問題で「BEST 12」は、以下の項目であろう。
 
 原発 
 安保法制
 憲法
 沖縄米軍基地 
 秘密保護法
 TPP
 消費税増税
 社会保障
 雇用・労働法制
 農業・農協改革
 ヘイトスピーチ
 教育


そして、今まではそれぞれの課題ごとに対する組織ができていたが、これらの政治問題の諸悪の根源は安倍政権にあり、安倍政権の打倒しかないという社会的風潮が定着してきた。
 
20150725kokkaimae.jpg
<東京新聞より>
 
 

 
<「NO」言い続ける、やり続ける>
 2015年7月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20150725hibiyayaon.jpg
安倍政権の政策に反対する人たちが、日比谷野外音楽堂に集まった=24日、千代田区、仙波理撮影
 安全保障関連法案の参院での審議が週明けから始まる。国会周辺では24日夜、法案をめぐって様々な訴えが響き渡った。
 法案に反対する人たちは安倍政権下の原発や環太平洋経済連携協定(TPP)、消費増税などの政策に抗議する団体らと集会を開いた。日比谷野外音楽堂(東京都千代田区)の約3千席を埋めた人たちは「安倍政権NO」と書かれたプラカードを掲げた。
 集会では学生団体「SEALDs(シールズ)」の元山仁士郎さん(23)が「言い続けること、やり続けることが現状を変える力になる」と呼びかけた。東京都小金井市の保育園職員の女性(42)は「政府の判断で憲法の解釈を変えるのは許せない。衆院は通ったけど、絶対にあきらめない」と話した。
 一方、法案に賛成する保守系政治団体「頑張れ日本!全国行動委員会」は国会前でアピール行動をした。参加者は「日の丸」の旗を掲げ、「今ある危機から日本を守る法制だ」などと法案の重要性を訴えた。
 ■医療者も集会
 安保法案の廃案を求める医療者らが24日、衆院議員会館で集会を開いた。「いのちと暮らしを脅かす安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会」の主催で、約50人が参加した。
 長野県にある佐久総合病院の北沢彰浩診療部長(内科)は「生きたいと思いながらも、命をなくす患者も見てきた。この法案によって貴い命がどうなるのか危機感を覚える」と訴えた。最後に、「命を守る医療、支える介護、尊重する福祉は、戦争のない真の平和社会であってこそ保ちうる」とする声明文が読み上げられた。
 
法案に賛成する保守系政治団体「頑張れ日本!全国行動委員会」の行動もあえて報道し、「世間を二分する問題」に対しての公平感を示した朝日新聞らしいが、戦争法案は、世間を二分ではなく、圧倒的な国民が反対している事実は隠せない。
 
政治日程的にみれば、安倍晋三が肉体的または精神的なトラブルを起こし政権を放り出さない限りは、たとえ参議院で廃案になっても9月末には可決成立する可能性は大きい。
 
したがって、安倍晋三を個人的に追い詰める示威行動は最後まで続けるしかない。
 
しかし、たとえ戦争法案が成立しても、日本全国へ急拡大している反対運動が、安倍政権としての憲法改正を限りなく困難にしていると、立命館大学政策科学部の上久保誠人准教授は分析している。
 
<悲願の憲法改正の可能性を消した安倍政権3つの誤り>
 2015年7月25日 DIAMOND online
 7月16日の衆院本会議で、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連の11法案(以下、安保法制)が、民主、維新、共産など野党5党が退席する中、「強行採決」によって可決された。安倍晋三政権が最重要と位置付ける安保法制は、9月27日の今国会会期末までに成立する公算が高くなった。
 国会における野党の連日に厳しい追及と、憲法学者による集団的自衛権行使を「違憲」とする意見表明、それに対する安倍政権の二転三転する粗っぽい答弁によって、安保法案への反対運動が日本全国へ急拡大している。野党は、参院での審議で政府への追及を更に強めて、廃案に追い込むことを狙っている。
 だが筆者は、安保法制は本来、それほど難しい政治課題ではなかったはずだったと考える。それが衆院強行採決に至ったほど混乱したのは、安倍政権のいくつかの状況認識の誤りと、稚拙な国会運営のためである。それでも、安保法制は本国会で成立するだろう。ただ本質的に重要なことは、安保法制を成立させる代償として、安倍首相の「最もやりたい政策」である「憲法改正」の実現可能性が、ほぼなくなってしまったことにある。
  
安倍政権の第一の誤り:
野党内の保守派議員との協力関係を破壊

 
「安保法制は違憲だ!」という反対運動が盛り上がってしまったために忘れられているが、野党である民主党や維新の党の中には保守的な思想信条を持つ議員が、実は少なくない。民主党政権期に外交や安全保障政策に取り組んだ議員もいる。(第35回・4P)。彼らは「普天間基地移設問題」(前連載第50回)「尖閣諸島沖の日本領海に侵入した中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事故」(前連載第59回)「尖閣諸島の国有化」など、非常に難しい判断を迫られる政治課題に直面した経験を持っている。もちろん、民主党政権の運営の稚拙さは批判されてきた。だが、少なくとも彼らは、厳しい国際情勢にリアリスティックに対応することの重要性を知ることになった。
 彼らは、安保法制11法案すべてが「違憲」であるとは考えていない。法案の中には「合憲」のものもあり、さまざまな問題点を修正しながら、国際情勢の変化に対応する安全保障政策を実現していくべきだというのが、彼らの「本音」だったはずだ。
 実際、民主党は今年4月の時点で、安保法制を巡る国会審議への準備として「安全保障法制に関する民主党の考え方」をまとめていた。この中で、民主党は「憲法の平和主義を貫き、専守防衛に徹することを基本とし、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に対応する」という安全保障政策の基本方針を示し、「国民の命と平和な暮らしを守るのに必要なのは個別自衛権であり、集団的自衛権は必要ない」と、安倍政権とは異なる主張を展開していた。
 だが一方で、民主党は「日本を取り巻く安全保障環境が近年大きく変わりつつある」と、安倍政権と共通する国際情勢認識を持っていることを記していたし、「離島など我が国の領土が武装漁民に占拠される『グレーゾーン事態』への対応は最優先課題」「周辺有事における米軍への後方支援は極めて重要である」としている。要するに、安保法制に関して安倍政権と全てにおいて相容れないということはなく、国会審議において政権と是々非々で議論をする準備をしていたということなのだ。
 安倍政権が、野党の保守系議員と協議の場を設けて、彼らの考えを取り入れて妥協しながら進めていけば、ここまで国会で揉める必要はなかったはずだ。そうなれば、たとえ社民党・共産党が反対し、憲法学者が「違憲」と主張しても、国民的反対運動が盛り上がる余地はなかっただろう。「違憲」の部分を後回しにして、合憲の部分から法案を通していくことができたからだ。更にいえば、安倍政権がより戦略的に動けば、憲法や安全保障について党内に多様な考えが存在する民主党の内紛・分裂を画策することもできたかもしれなかった。
 
安倍首相の第二の誤り:
政権担当経験がある野党を甘く見たこと
 
 実際には、安倍政権が野党の保守派と協議しながら国会審議を進めることはなかった。その根本的な原因は、4月末の首相の訪米、米議会での演説である。
 首相はこの演説で「今夏に安保法制を成立させる」と宣言した。本格的な国会論戦が始まる前に米国に法案成立を約束してしまったのだ。これが、「原理主義者」「ロボコップ」と呼ばれる堅物の岡田克也代表を完全に硬化させ、他の民主党の保守系議員たちをも大激怒させてしまった。彼らは、「安保法制の全てに反対ではないが、安倍にだけはやらせない」と言い放ち、安倍政権の安保法制に全面的反対の姿勢を取った。
 衆院での審議について、政府と野党の間で議論が深まらなかったという批判がある。だが実際には、「存立危機事態の定義」「存立危機事態認定のタイミング」「存立危機事態における武力行使が第三国に及ぶ可能性」「後方支援における自衛隊員のリスク拡大の懸念」など、野党の質問はどれも政府が答えにくい部分を突く、非常に厳しいものだった印象だ。政府はどれも曖昧に答えざるを得なくなった。安倍首相や閣僚の答弁は迷走に迷走を重ね、衆院での委員会審議は、100回以上中断してしまった。
 野党の質問が効果的だったのは、やはり「政権担当経験」を持ったからだろう。野党は、なにが政府にとって答えづらい、難しいポイントなのか、政府の立場を経験することでわかるようになっていたのだ。野党は、ストレートにそれらを政府にぶつけ続け、法案を徹底的に潰そうとした。これでは、政府はたまったものではない。
 民主党政権の崩壊、安倍政権の登場後、野党はすっかり委縮してしまっていた。国民の信頼を失い、国政選挙で連敗を重ねたためだ。だが、それ以上に大きかったのは、多くの野党議員が、民主党政権の経験を通じて、政権担当の難しさを知ってしまったために、単純に「反対!」と声を上げられなくなっていたことだった。
 野党は、財政赤字の深刻さを知って、単純に「増税反対!」と言えなくなったし、社会保障費が毎年1兆円ずつ増えることを知り、「もっと増やせ!」とも主張できなくなった。特定秘密保護法など、安倍首相の「やりたい政策」についても、国際情勢悪化の「現実」を知ってしまった以上、単純な平和主義は唱えにくくなり、政府批判は迫力を欠いていた(第92回)。
 しかし、それでも93年の自民党下野以降、細川護煕政権、自社さ政権、自公政権、民主党政権を経て、共産党を除くほぼすべての政党が政権担当の経験を持ったことの意義は、決して小さくなかったのである。野党議員は潜在的には、財源を考慮した現実的な政策立案能力と、官僚とのコネクション構築による情報収集能力を持ち、質量ともに充実した国会論戦ができる力をつけていたのだ。大人しくしてはいたが、決して55年体制下の「万年野党」のままではなかった。
 今回、安倍首相の「国会審議前の対米公約」がきっかけで、野党は怒りを爆発させて「物わかりのいい野党」の衣を脱ぎ捨てた。野党は遂に目覚め、本来持つ攻撃力を発揮し始めたといえる。安倍首相の誤りは、政権担当の経験を持った野党が、昔の「万年野党」ではないということ認識せず、甘く見てしまったことではないだろうか。
 
安倍首相の第三の誤り:
日本政治の歴史・文化を全く理解していなかったこと
 
 戦後の日本政治では、国会で安定多数を持つ政権が短命に終わり(田中角栄政権、竹下登政権など)、与野党伯仲状態や連立政権を組んだ不安定な基盤しか持たない政権が長期政権を築いてきた(中曽根康弘政権、小泉純一郎政権など、第64回参照)。また、特に安全保障政策に関しては、自民党が安定多数を確保した時には前に進まず、野党(主に「中道左派政党」)が積極的に関与した時に進展してきた歴史がある。
 国会で与野党の議席数に差がある時。野党は政権の座を意識せず、安全保障問題については反対に徹し、自民党は野党の反対が大きい時に安全保障政策を無理に進展させようとはしなかった。一方、与野党伯仲状態(大平正芳政権)や、中道左派政党が連立政権に参加する時(自社さ政権、自公連立政権など)には、本来「平和主義」である中道左派政党が、より現実的な対応を模索するようになり、自民党との間に話し合いの余地が生まれ、安全保障政策が前進してきたのだ(前連載第29回)。
 今回の安保法制の政治過程を振り返っても、このセオリーが当てはまっているように思う。法案の国会提出前、連立与党協議においては、自衛隊の海外での活動範囲をできるだけ拡大したい自民党と、それに「歯止め」をかけたい公明党が激しい議論を繰り広げた。だが結局、「平和」を志向する公明党の関与によって、安保法制は自民党の強い思いが出すぎたものから、リアリティのある法案に練り上がった(第104回・3P)。
 だが、国会審議に入ると、衆院で圧倒的な多数派を形成しているはずの安倍政権が、野党の徹底した批判に苦戦している。国会で少数派にすぎない野党には、近いうちに政権を担うリアリティが全くない。中途半端に与党に協力しても飲み込まれるだけであり、協力を拒否して、徹底的に政府に反対することになる。
 そして、特に安全保障政策の場合、野党の徹底的反対が国民の間に「戦争反対」という「空気」を作ってしまう。そうなると、政府・与党もなかなか無理に法案を通すことが難しくなる。この日本政治の歴史・文化を甘く見て、国会で圧倒的多数を持つことに驕ったことが、安倍政権の失敗だ。
 安倍政権は、たとえ国会で圧倒的な多数派を形成していようとも、安全保障政策について考え方が近い野党内の保守派とのネットワークを大事にし、しっかり話し合っていく謙虚さを持ち、慎重に事を進めていくべきだったのだろう。
 安保法制の成立と引き換えに、憲法改正は「政治的な死」を迎えることになる
 それにしても、なぜ安倍首相は国会審議前に「対米公約」を行い、わざわざ野党を怒らせるようなことをしたのか。あまりに稚拙な国会運営であり、理解に苦しむところだ。だが、もしかすると安倍首相は確信犯的に、野党との話し合いを拒否したのかもしれない。安倍首相は常々、「戦後レジームからの脱却」を訴えてきた。首相にとっては、「安全保障政策は、野党ともできるだけ話し合い、コンセンサスを得て進めるものだ」という日本政治の文化は、まさに「戦後レジーム」そのものであり、真っ先に否定したいと考えたのかもしれない。
 今国会で安保法制は成立するだろう。野党は追及を強め、国会の外でも反対運動が盛り上がるが、結局参院で強行採決できるし、参院審議が行き詰まり採決できなくても、「60日ルール」で衆院に法案が戻ってくれば、3分の2の賛成で再可決できるのだ。
 そして、安保法制が成立した後、反対派は難しい状況に陥るだろう。反対運動に参加した若者たちの多くは、日本政治のしくみがよくわかっていないので、本気で「廃案」に追い込めると信じているように思える。彼らは「廃案」に追い込めないことが分かった時、強烈な無力感、敗北感に襲われるだろう。野党は、反対運動をコントロールし続けるのに苦労することになる。また、国民のアベノミクスに対する「消極的な支持」が根強いことも、野党にとっては頭が痛い問題となってくる(第109回(下)
 しかし、それでも安倍首相が自らの信念である「戦後レジームからの脱却」を貫こうとした代償は、決して小さくはない。安保法制の実現と引き換えに、首相が最も「やりたい政策」である「憲法改正」の可能性は、ほぼ消えてしまったのではないだろうか。
 憲法学者が次々に「違憲」の見解を示したことをきっかけに、国民的な反対運動が広がったことの影響は大きい。その運動が、法案成立後に挫折感からしぼんでしまったとしても、国民の多くが持った「憲法改正」に対する強いアレルギーは、しばらく消えることはない。おそらく今後10年間、憲法改正は国民の支持を得られない。政治課題として検討することは極めて難しくなった。
 憲法改正については、野党側の保守系議員も巻き込んで、超党派で少しずつ議論を積み上げてきていた。9条改正だけではなく、「新しい人権」や「行政改革」を進めるための「加憲」という考え方も打ち出されてきた(第106回)。国民の間に、少しずつ改憲についての理解が広がりつつもあったはずだった。
 だが、安倍政権が野党の保守系議員や国民の信頼を一方的に崩し、積み上げてきた議論が崩壊させてしまったことこそが、安保法制の攻防を通じて起こった、本質的に重要な変化ではないだろうか。憲法改正は「政治的に死んだ」のである。
 
現在の野党第一党の民主党議員の約6割は憲法改正派である。
 
そして自民党の安全保障政策に極めて近い長島明久を衆院特別委の委員にした時点で、民主党の本気度が疑われていた。

こんな野党がいるので戦争法案は止められないだろうが、「安倍政権3つの誤り」によって憲法改正は「政治的に死んだ」のなら、自民党の「改正憲法草案」が永遠に日の目を見ないことになるのだろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:23| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月24日

権力側の嘘を見抜く表現の自由を守ろう

今日7月24日の5年後は「2020年東京五輪」の開会式である。
 
今年6月には省庁間にまたがる難題に取り組むため、遠藤利明・五輪担当相が就任し、2020年8月9日の閉幕まで17日間にわたるスポーツの祭典に向けた国を挙げての準備作業が始まった。
 
しかし、白紙撤回により1年以上も手戻りした新国立競技場建設問題のため、「五輪まで5年、間に合うの? 新国立騒動、日程を圧迫」という事態が明らかになっている。
 
さらにサイバー攻撃対策のほか、暑さ対策、外国人旅行者への多言語対応など取り組むべき課題は多い。
 
<東京五輪:開幕まで24日で残り5年 課題多く>
 毎日新聞 2015年07月23日 23時43分
・・・前略・・・
 ◇サイバー攻撃対策
 ロンドン五輪では、細かなものも含めれば約23億件のサイバー攻撃にさらされた。5年後の東京に向けて大会組織委は「文字通り桁違いの攻撃」を予想する。日本でも今年6月、日本年金機構で125万件に上る個人情報流出が明らかになるなどサイバー攻撃が大きな社会問題となり、改めて対策の難しさが浮き彫りになった。
 国は五輪・パラリンピックに向けた準備を視野に入れ、サイバー対策に本腰を入れる。具体的な対策を進めるサイバーセキュリティ戦略本部が今年1月に発足。あらゆる機器がインターネットでつながる新たな時代に対応するための「サイバーセキュリティ戦略案」を当初は6月にまとめる予定だったが、日本年金機構の流出問題を踏まえてさらなる議論を重ねている。
 戦略案には政府機関や原発などの重要インフラの対策強化を図るほか、サイバー攻撃に対応する能力を持つ人材育成、サイバー攻撃の検知・防御能力の向上などが盛り込まれている。
 ◇スポンサー獲得、上々の滑り出し
 組織委の国内スポンサー獲得は上々の滑り出しを見せている。1月から契約に着手して半年で既に15社と締結。目標額の1500億円を突破し、2000億円規模に到達している。
 国内スポンサーは協賛額で3ランクに分かれる。大会後の20年末までの契約で150億円相当が最高位の「ゴールドパートナー」、60億円前後が「オフィシャルパートナー」、10億-30億円が「オフィシャルサポーター」。五輪マークを使った国内での宣伝活動ができる他、自社の技術、製品を大会運営に投入し、世界に発信できる。
 15社のうちゴールドパートナーが13社で、オフィシャルパートナーが2社。原則1業種1社だが、銀行と旅客航空輸送サービスの2分野では2社が共存する盛況ぶり。組織委は最終的に50社近い契約を目指している。
 ◇なくせ「言葉の壁
 招致段階で日本の弱点に指摘されたのが多言語対応。来日する外国人との「言葉の壁」をなくす取り組みも始まっている。
 22日には東京都内で、多言語に対応した最新技術などを紹介するイベントが開かれた。東京都など官民60機関・団体でつくる多言語対応協議会が主催。あらかじめ設定した数カ国語が表示できるデジタルサイネージ(電子看板)や、音声翻訳ができるタブレット端末などが展示され、約820人が訪れた。
 会場には舛添要一知事と遠藤利明五輪担当相も訪れ、英語を話せるロボットの実演などを見学した。舛添氏は「日本人はなかなか英語が上手ではないが、これでうまく補える。これらの力を結集して20年大会を成功させたい」。遠藤氏は「これで日本の印象が良くなれば」と期待した。
 東京都の担当者は「20年に向けて道案内の標識も多言語化をはかって『言葉のバリアフリー』を実現し、大会のレガシー(遺産)としたい」としている。
 ◇高温多湿…暑さ対策も重要
 暑さ対策も本格的な検討が始まっている。10月開催だった前回の1964年東京五輪と違い、今回は高温多湿な夏の開催となる。22日に総務省消防庁が発表した速報値では、13-19日の1週間に全国で熱中症で救急搬送された数は猛暑日が続いたこともあり、前週から2倍近くに増えた6165人。搬送時の死亡者数も14人を数えており、改めて厳しい環境となる。外国人旅行者を含め、救急医療体制の整備も重要な検討課題の一つとなっている。
 このほか、国土交通省では道路の舗装素材の改良による温度抑制に取り組む。内閣府はゲリラ豪雨や竜巻の到来を正確に時間的な余裕を持って伝えられるような事前予測技術を開発する。経済産業省は気化熱を応用した衣服内の温度低下の研究など日本の技術力を生かしていく方向だ。
 政府は8月中にも総合的な暑さ対策の中間取りまとめを行う方針。
 ◇被災地復興を後押し
 東日本大震災の被災地復興をスポーツの力で後押しする「復興五輪」としての意義付けは招致段階でも国際オリンピック委員会(IOC)の多くの委員の共感を呼んだ。具現化する活動や構想が徐々に出始めている。
 先頭に立つのが、大会組織委員会の室伏広治スポーツディレクター。2004年アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリストの室伏氏は5月、若手アスリートらと福島県いわき市を訪ね、小学校の運動会に参加し、子供たちと交流を深めた。
 また開催都市提案での追加種目の会場を被災地に置く構想も出ている。組織委の森喜朗会長、遠藤利明・五輪担当相とも、追加が有力視される野球・ソフトボールが加わった際、1次リーグを東北で開催することを望んでいる。遠藤氏は各国・地域の事前キャンプを被災地に誘致することにも意欲的だ。
 その他、組織委が2月にIOCと国際パラリンピック委員会に提出した大会開催基本計画では、被災地で聖火リレーを実施することを明記している。
 ◇8競技に絞った追加種目、8月に最終選考
 26競技から8競技に絞った東京五輪の追加種目は8月の最終選考を経て、9月末までに国際オリンピック委員会(IOC)に提案する。大会開催費の増大が懸念されており、費用を抑えながら種目をどのぐらい増やすのかが課題となる。
 最終選考に残ったのは、野球・ソフトボール、空手、スカッシュ、サーフィン、ローラースポーツ、ボウリング、スポーツクライミング、武術。サーフィンなどは若い世代に人気が高く、スポーツ離れに危機感を抱くIOCの「若者重視」の意向を受けた選考だ。
 IOCは、どのぐらい種目を増やすのかを組織委の判断に任せる考え。選考のポイントは注目度を高めながら、なおかつ運営コストをどこまで抑えられるのバランスとなり、現実的には2競技程度との見方もある。
 
スポーツそっちのけで、五輪を金儲けとしか考えていない「スポンサーの獲得」だけは順調のようである。
 
しかし5年後の開会式は、これから設計される新国立競技場で行われるのだが、ピッチの芝の管理のためには開閉式屋根は見送られそうであり、当日の梅雨明けの日射対策が最も重要になることは確実である。
 
20150724tppkouzu.jpg
<毎日新聞より>

 
ところで、戦争法案の陰ではTPP交渉があたかも最終数値の摺合せかのような「TPP 大筋合意目指し交渉は山場へ」との報道があるが、自民党は選挙公約では当時の選挙用ポスターで断固反対していたのだが、最近、この画像をFacebookにアップすると即座に消されるという話が伝わっている。
 
20150724tpphantaiposter.jpg

 
恐らくは、いまさらそんな公約ポスターを広められたら困る連中の仕業なのだろうが、今月に入って安倍晋三首相の不評を買ったテレビ出演による「戦争法案の分かりやすい説明」より以前に、自民党の安保法制PRアニメ「教えて!ヒゲの隊長」がYouTubeに公開されたが、その1週間後にはこれに反論する作者不明のパロディ動画「ヒゲの隊長に教えてあげてみた」がアップされ、瞬く間に本家をしのぐ再生回数となった。
 
<自民党の安保法制PRアニメ「ヒゲの隊長」をことごとく論破! 再生回数も抜いたパロディ動画がスゴい>
 2015.07.23 リテラ
 自民党の安保法制PRアニメ「教えて!ヒゲの隊長」が話題になっている。といっても、「国民の間で『ヒゲの隊長がカワイイ』と人気」とかいう話ではない。なんと、このアニメを批判したパロディ動画が登場し、そちらに人気が集まってしまったらしいのだ。
 本家の「教えて!ヒゲの隊長」は元陸上自衛官で2004年のイラク派遣では第一次復興業務支援隊長を務めた経験を持つ“ヒゲの隊長”こと佐藤正久参院議員を模したキャラクターが、“あかりちゃん”なる女子中高生風キャラの安保法案に関する質問に答えていくというもので、7月2日にYouTubeで公開された。
 

 
 もっとも、評判は芳しくなく、インターネット上では、「隊長が一方的にしゃべっているだけ」「電車の中での会話というのが意味不明」といった意見が寄せられていた。
 すると、一週間後の9日に、これに反論する作者不明のパロディ動画「ヒゲの隊長に教えてあげてみた」がアップされる。映像は自民党のつくったアニメほぼそのまま、ヒゲの隊長のセリフもほとんど変わっていないのだが、あかりちゃんのセリフがそっくり入れ替わっていたのだ。本家ではシンプルな質問と相槌を打つことしかしないあかりちゃんが、ヒゲの隊長の説明に逐一、毒舌のツッコミを入れていくというもの。
 

 
 すると、このパロディ動画が人気を集め、再生回数で本家の自民党アニメを抜き去ってしまったのだ。24日9時現在の両者の再生回数を見ると、本家動画が305,273回に対し、パロディ動画が414,802回。(注:当ブログ作成時情報)“PR”よりも“反論”が人気というこの状況は、安保法案強行に疑問を持つ国民がいかに多いか、の証明だろう。
 だが、このパロディ動画がスゴいのは、本家より注目集めているというだけではない。その内容が素晴らしく、本家でのヒゲの隊長が訴える安保法案の必要性を、徹底的に論破しつくしているのだ。
 たとえば反論動画の冒頭、あかりちゃん(以下あかり)はヒゲの隊長(以下ヒゲ)に対して、こう直撃する。
 あかり「じゃあ、ズバリ言うけど、今回の安保法制、憲法違反だよね
 ヒゲ「そーりゃ大変だ」
 あかり「超大変だよ。この時代に立憲主義の否定なんて。どこの独裁国家って感じ。ありえない。恥ずかしすぎて国際社会に顔向けできないんだけど
 ヒゲ「そんなことない。でも、本気で心配なんだね。大事な問題だよね。政治をあずかる私たちも真剣に考えているんだ」
 あかり「真剣に考えているわりには、真剣に国民に説明する気はなさそうだけどね。国民の8割が説明不足、6割が反対って言ってるのに、理解を得られなくても決めるって、首相も高村(正彦・副総裁)さんも言ってたよね。戦争法案って批判されたら名前だけ変えてみせたり、まったく詐欺師かよって話だよ
 ここ一ヶ月、安保法案を検証するのが日課になっている本サイトからみても、あかりちゃんの毒舌は的確な批判だ。この後、「改憲したいならしたいで堂々と筋とおせよ」と皮肉るあかりちゃんに対して、ヒゲの隊長は“国際情勢の変化”と“ミサイルの脅威”を持ち出すのだが……
 ヒゲ「実際に日本にミサイルを向けている国があるの知ってる?」
 あかり「中国って言いたいんでしょ? はっきり言えよ。しかもなんか最近ミサイル向けられたみたいな言い方してるけど、ミサイルの照準が向いているのは冷戦期から変わってないんだけど。なんのために危機感煽ってるの?
 ヒゲ「もし、現実にミサイルを撃ってきたらどうする?」
 あかり「現実にミサイル撃ってきたら個別的自衛権で対応できるでしょ。あんたたちが無理やり押し通そうとしてる集団的自衛権の話とは関係ないよね。それにミサイルを撃たせないようにすることが政治なんじゃないの? ちょっと煽られただけで大騒ぎするなんてプライドだけ高くて気が安いボンボンの発想だよね
 とメッタ切りにされてしまう。実際、ヒゲの隊長だけでなく、安倍首相が意味不明の比喩を用いて説明する集団的自衛権発動の具体例もまた、ほとんどが個別的自衛権の範疇に収まるものばかり。ヒゲの隊長は、閣議決定後の首相会見と同様、“自衛隊のスクランブル発進は10年前の8倍だ”と中国の脅威をアピールするのだが、これにも、あかりちゃんは「そもそも冷戦期にはそれ以上の発進回数があったのに、あえて最低の回数だった10年前と比べる理由は?」と、鋭く切り返すのだ。そして、「北朝鮮も核実験を繰り返しているし、最近はテロや、サイバー攻撃も本当に深刻。私たち日本人もいろんな脅威にさらされているんだ!」という例の決まり文句にもこう返す。
 あかり「サイバー攻撃とか言ってる暇あったら、まずは年金の情報流出の件なんとかしてくんない? つーか、テロって戦争に参加するから狙われるんだけど。あんたたちは戦争に参加できるようにしたいんだよね? 自分言ってることが矛盾してるのわかってる?
 とにかくひとつひとつの説明をぐうの音も出ないほど叩き潰し、「狂った政権が一番の脅威だってのは私もびっくりだけど」というオチまでつける。まさにフルボッコというやつである。さらに、動画内でヒゲの隊長が強調する“安保法制によって抑止力が高まれば戦争が起きにくくなる”という論については、こう畳み掛けるのだ。
 あかり「抑止力って言葉、ほんと好きだよね。対テロ戦争にそんな抑止力なんて効かないし、アメリカ見てみなよ。日本は今まで戦争しない国として様々な平和貢献をしてきた。特に紛争地域、貧困地域における民間レベルの活動は、本当に大きな信頼を得てる。それこそが一番の抑止力でしょ? なのにそんなことも無視して無駄なマッチョイズムを政治に持ち込むわ、そのために憲法違反まで侵して突っ走っちゃうわ……あんたのとこのボスに一言伝えてあげてよ、『狂ってますよ』って。簡単でしょ
 ヒゲ「(ニッコリして)あはん。そんなに簡単じゃあないんだ」
 あかり「でしょうね」
 ヒゲ「(突如3体に増殖して)でも何重にも備えることは大事」
 あかり「増えてんじゃねえよ、キモいな」
 とまあ、万事がこのような感じで、キレッキレのあかりちゃんに思わず吹き出してしまうのだが、やはり、特筆すべきは、本家動画で自民党が尻切れトンボに終わらせた、徴兵制についての議論だろう。
 あかり「最後にひとつ、徴兵制に関して。憲法を軽んじて解釈改憲しようとしているくせに、なぜか徴兵制に関してだけは『憲法で禁じられているから』と言って絶対にしないと言い張ってる
 ヒゲ「そんなこと──」
 あかり「あなたたちの狙っているのは経済的徴兵制だから。日本はいま貧困大国になろうとしてる。大学に通いたくてもお金のない18歳の若者に、他の仕事とは比べものにならない厚遇で自衛隊入隊の手紙が来る。そうやって自発的に軍隊に押し込むんだよ。アメリカがそうしてるみたいに
 ヒゲ「そんなことないから」
 あかり「本音をいえば徴兵もしたいんじゃないの? そういうマッチョなの大好きだもんね。訓練受けさせて思想教育して美しい日本人が作れるとでも思ってるんでしょ。選挙権を18歳にまで引き下げたのもその関係だもんね
 ヒゲ「絶対にありえない、だって、だって、だって──」
 あかり「ほらね、その先言えないでしょ? 図星だもんね。あんたたちが間抜けなことばかり言っているあいだに国会前は法案に反対する人たちで溢れかえるよ。もし来てくれたら“主権在民”っていう中学で習う単語について教えてあげるね。待ってますよ、佐藤正久議員
 繰り返すが、ヒゲの隊長のセリフは、「だって──」のあと説明しないことも含めて、ほぼ本家動画と同じである。いやはや、反論動画でここまで完膚なきまでにやられるとは……。
 そもそも、今回のPR動画に自民党が佐藤議員を起用したのは、イラク派兵を知る自衛官OBという経歴を見込んでのものだろう。いわば“戦場のプロフェッショナル”として説得力のある説明を期待されていたわけだ。しかし結果は、どこの誰とも知れない人に完膚なきまでに論破されてしまった。結局、安保法案というのは、安倍首相ら政府だけでなく、自衛隊の制服組すら、自分たちの願望以上のことは語れないということらしい。……ほんと、なんなんだろう、このグダグダ法案は。
 しかも、恐ろしいのは、この動画について佐藤議員が22日、ツイッターで〈中身は間違っているけど、佐藤も思わず吹いた〉〈なかなかよく出来ている。現時点で本家が24万回再生、パロディーが27万回再生。共にすごい再生回数だ、関心が高い!〉と語っていることだ。
「思わず吹いた」って、国民を戦争に巻き込む法案をつくっておいて、反論に対してこういうノーテンキなコメントを出すとは、いったいどういう神経をしているのか。それとも、論破されたこと自体を理解できていないのか? いずれにしても、安倍政権と自民党の反知性主義、恐るべしである。
(宮島みつや)
 
本来ならば、安倍晋三首相が「朝まで生テレビ」などに出演し、戦争法案を違憲とした憲法学者たちや、将来、戦場に駆り出されるかもしれない若者や、その親たちと徹底討論をすべきなのである。
 
そうすれば安倍晋三首相の無知と無教養による狼狽ぶりが日本中に拡散され、戦争法案なんて吹っ飛んでしまう。
 
もちろん、そんな危険な「火中の栗拾い」などはするはずがない。
 
願わくば、安倍晋三首相の取り巻き連中がこのパロディを見て危機感を感じる程、上記のパロディの存在が知れ渡り、その結果、戦争法案のいい加減さが明らかになれば大成功である、と思う。

posted by 定年オジサン at 11:33| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月23日

笑える話と笑って済ませされない話

首相官邸の屋上に放置されていた小型無人機「ドローン」のお蔭で、その使用規制が厳しくなった。
 
そして、重要施設にドローンが飛来した際に探知する防衛省・自衛隊の装置についての関係省庁向け説明会が23日に予定されており、昨日は説明会に飛ばすドローンを模擬的に飛行させていた。
 
ところが、風に流されて制御不能になり、敷地北側に飛ばされて行方不明になってしまった。  
 
20150723fumeidorn.jpg
防衛省敷地内から一時行方不明になったドローン=防衛省提供
 
とんだお粗末な話なのだが、「ドローン対策を講じる立場にある防衛省が、こういう事態をひきおこし、迷惑をかけ大変申し訳ない。二度とこのようなことがないようにする」とは何とも情けない。
 
日本の安全は大丈夫なの? とツッコミを入れたくなる。 
 
内閣支持率の暴落結果を受けて、「支持率だけを大切にするなら、こういう法案を通そうとは思わない。支持率だけで政治をやっていない」と強気の発言をしていた安倍晋三首相。 
 
しかし、毎日新聞の世論調査結果の分析により、「内閣支持率急落、政治感情の変化鮮明に ポジティブ層が『反安倍』シフト」と、政治感情の変化が大きいという。
 
20150723naikakunoseijikanjyou.jpg
 
やはり支持率には敏感な安倍晋三首相らしく、「首相、異例の長時間TV出演 安保で連日たとえ話」をしたまではよかったが、身内からも「首相の例え話に身内も『??』 自民総務会『分かりにくい』」という哀れな結果となってしまった。
 
支持率低下の原因は戦争法案の強行採決が大きいが、その戦争法案の目的も安倍晋三首相が図らずも漏らしている「中国への抑止力の強化」であるので、中国の脅威論を改めて国民に示すことにより、戦争法案への理解を求めようとしている。
 
<中国ガス田 新たに12基 政府、東シナ海の写真公表>
 2015年7月23日 朝刊 東京新聞
20150723gasudenkaihatu.jpg 政府は22日、中国が日中間で共同開発の合意があるにもかかわらず東シナ海で一方的に新たなガス田開発を進めているとして、証拠となる掘削関連施設の航空写真や地図を外務省のホームページに公表した。菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で、日中中間線の中国側で2013年6月以降に新たに12基が確認され、既設の4基を加えて計16基になったと発表。「一方的な資源開発は極めて遺憾だ」と批判した。 
 東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国をけん制する狙い。軍事用レーダーなどの設置で施設が軍事拠点化する可能性も指摘されている。公表に中国が反発し、関係改善の流れに影響を与える可能性もある。日本側には世論の支持が低迷する安全保障関連法案について理解を広げたいとの思惑もありそうだ。
20150723gasdentizu.jpg 菅氏は会見で、公表理由について「東シナ海での中国の一方的な現状変更に対する内外の関心の高まりを総合的に勘案した」と説明。中国に08年の共同開発合意の順守を求める考えも示した。外務省幹部は「中国の行為は合意の文言には反していないが、精神に反する」と述べた。
 公表された写真は計14枚で防衛省が提供した。天然ガスを掘削するヘリポート付きのプラットホームの写真が中心で、一部の施設からはガスの燃焼によるものとみられる炎が確認できる。2カ所で建設中の土台の写真もあった。13年6月から今年6月にかけて相次いで確認された。ほかに施設が確認された位置を示した地図も添えた。
 東シナ海のガス田開発をめぐっては08年6月の共同開発合意後、10年5月の日中首脳会談で条約締結交渉の開始を確認したが同年9月に沖縄県・尖閣沖で中国漁船衝突事件が発生して以降、交渉は中断した。その後、日本政府は中国が一方的に開発を進めているとして抗議してきた。これまで「白樺」(中国名・春暁)など4基が確認されていた。
 
今回、新たに中国のガス田12基が加わったと発表したが、外務省は2013年6月以降増えていたことは全て把握していたという。
 
ガス田増加を指摘していたのは右派アジテーターの桜井よし子の産経新聞に掲載された寄稿記事であり、当時(今年の7月6日)は「外交交渉に支障を来す」ために、菅義偉官房長官は12基の増加の確認を避けていた。
 
それが、内閣支持率が急低下し安倍晋三首相がテレビで醜態を演じるに及び、官房長官として戦争法案の局面打開のために「中国カード」を切ったということであろう。
 
これに呼応するように、中谷元・防衛相は「掘削施設に中国がレーダーを配備する可能性がある」と、あたかも軍事転用の恐れをほのめかし、「写真に日本の現状を語らせることで『法の備え』は必要と国民に理解してもらいたい」とその意図を明かしていた。
 
戦争法案は、自衛隊が米軍の手先となって地球の裏側まで付いて行き、後方支援と称して他国の人間を殺したり、また自らが命を落とす危険性があることは否定できないが、なにもすべてが米国のためではない、という戦争法案の最終目的がほかにあるとある週刊誌が書いていた。
 
<安倍首相が隠したい「戦争法案」の最終目的 ニッポン軍需産業大国への道>
・・・前略・・・
実は、安倍首相がここまで法案の採決をゴリ押しする裏には、米国の強力な圧力があるとみられているからだ。
 「ご存じの通り、米国は'08年のリーマンショック以来、財政が悪化し、'21年までに50兆円もの軍事費削減を迫られている。その一方、中国の南沙諸島への軍事基地建設問題やIS(イスラム国)問題、ウクライナ問題に端を発したロシアとの確執などが山積し、これらの一部を自衛隊に負担させようと躍起なのです。国民の大半は気づいていますが、今の安倍首相は完全に“オバマの操り人形”。米国の意のままに自衛隊員、ひいては国民をも戦火に巻き込もうとしているのです」(全国紙政治部記者)
 もっとも、ここまで安倍首相が米国の言いなりになる背景には、“さらなる思惑”があるとの見方も浮上している。それが、「ニッポン軍需産業大国化」の野望である。
 「これは、アベノミクスが提唱されだした頃からくすぶっていた話だが、実は安倍首相は我が国に“新たな産業”を根付かせようと模索し、重要輸出品目の一つに、軍需製品を据えようとしているとの噂がある。就任以来、あれほど深刻な事故を起こした原発を首相自らが海外にトップセールスしていたのも根は同じで、永田町では『ついに法案を強行採決し、悲願とする軍需産業の振興に踏み切るのではないか』との噂が広まっているんだ」(自民党議員)
 また、全国紙の政治部デスクもこう話す。
 「安倍が敬愛する祖父の岸信介元首相は、国家の自立が繁栄に結び付くと考え、『自主憲法の制定』『自衛隊の軍隊化』『輸出産業の振興』を説いていた。そのため、安倍が改憲や自衛隊の軍隊化に手を付けるのは既定路線で、早くから軍需産業の活性化にも奔走すると指摘されていました」
 就任以来、安倍首相の極端な右傾化がしばしば問題視されてきたが、その行き着く先が「軍需産業振興」だったとすれば納得がいく。
 軍事アナリストが言う。
 「第二次安倍政権は'12年暮れに発足したが、安倍首相はわずかその4カ月後に、我が国の防衛産業の要である三菱重工や川崎重工を含む国内12社の幹部を同行させ、ロシアや中東5カ国を訪問。また、その後も三菱重工や日立製作所、NECなど7社の社員を引き連れ、軍事政権国家のミャンマーを訪問している。これらは『原発の売り込みが目的』と伝えられてきたが、その裏では防衛関連の協議が行われており、世界の軍隊、武器事情の視察という目的も含まれていたのです」
また、集団的自衛権の行使容認問題の議論が本格化し始めた昨年4月には、戦後日本が一貫して禁止してきた「武器輸出三原則」を、いち早く撤廃。新たに武器の輸出入を原則的に認める「防衛装備移転三原則」が閣議決定された。これは事実上、日本が武器の輸出を解禁したことを意味している。
 「今年の秋には防衛省内に、自衛隊の装備を効率よく調達することを目的とした『防衛装備庁』を発足させる予定です。これは、イギリスの国防装備支援庁やフランスの警備総局を模して作られる行政機関だが、日本の防衛産業が海外進出するのを間接的にアドバイスする機能も備えている。つまり、今後、日本製の武器が海外進出していく布石にもなるはずです」(防衛省関係者)
 政権発足以来、首相が人目につかぬように推し進めてきた日本の軍需産業大国化への取り組みが、ここにきて徐々に明るみになり始めているわけだ。今では、こんな声すら聞こえくるほどである。
 「そもそも日本の軍事大国化を目論んできた首相にとって、米国の軍事費削減は渡りに船だった。米国の圧力のせいにして、自衛隊の海外派遣を可能にする安保法制関連法案の採決にたどり着けそうなところまで来ているからだ。それに、この採決時期にギリシャの破綻が濃厚となって経済事情が悪化しそうなのも、実は追い風。首相は『経済界も安保法制には反対だろうが、強行採決に成功すれば、その後の軍需産業大国化には賛成の意向を示すだろう』とみているフシもある」(自民党長老議員)
 果たして、首相の思惑通りに経済界が動くのか。一部の防衛関連企業はもろ手を挙げて歓迎するだろうが、やはり大半の企業は「軍需産業大国への転換」に難色を示すのではないか。
 「あながちそうとも言えません。日本の防衛産業規模は'11年度の公表数値で約2.1兆円。全工業製品生産量のたった0.77%です。この数字では軍需産業大国化は到底無理ですが、政府が本腰を入れれば、あらゆる業界が参入してくる。事実、昨年の『武器輸出三原則』撤廃後には、日本の多種多様な企業が国際的なミリタリー見本市に参加。日本製のハイテク軍事機器などが、世界の注目を集めているのです。こうした状況を考えれば、今後、日本が軍需産業大国に転換する可能性は高いと思います」(前出・軍事アナリスト)
 実際、「武器輸出三原則」撤廃後にオーストラリアは、三菱重工と川崎重工が共同開発したディーゼル型潜水艦『そうりゅう』を10隻購入したいと打診してきているという。
 最終的には同国の議会の承認が必要だが、この商談がまとまれば、約2兆円もの金が転がり込むとも言われているのだ。
 「インドも新明和工業が開発し、自衛隊にも導入されている救難飛行艇『US-2』16機の購入を検討しており、これも1700億円規模の商談になる。さらに、イギリスは川崎重工が製作した哨戒機『P-1』に興味を示している。この哨戒機はオールジャパン製で、潜水艦が発するどんな微音もキャッチできる高性能機として、世界の軍事関係者の注目を集めているのです」(同)
 すでに日本は、水面下で急速に軍需産業大国への道を歩み始めている。この波が、安保法制関連法案の強行採決でさらに加速するとなると恐ろしい。
 こうした背景を踏まえた上で、安倍首相の“真の企み”を、自衛隊幹部が次のように裏読みする。
 「安保関連法案の狙いは、集団的自衛権を盾に自衛隊が世界中で戦えるようにすることだが、これは武器の輸出振興にも密接に繋がっている。なぜなら、武器の売り込みに重要なのは『実戦データ』があることだからです。米国やフランスの武器販売が活況なのはこのためだが、首相の肚には自衛隊の海外派遣で武器の性能を宣伝し、これを売りさばこうとの企みが隠されているとも推測できます」
 いかにも、子供の頃からケンカもしたことがなく、すべてをカネで解決してきたであろうボンボン首相が思い付きそうなプランだ。
 民主党をはじめとする野党が不甲斐ないからといって、自民党を圧勝させてしまった日本国民は、自分たちが取り返しのつかないミスを犯したことに、これから気付かされるだろう。
 
以前、「安倍政権の露骨な言論弾圧は週刊誌まで及んでいた」とつぶやいたが、上記の記事はおそらく首相官邸の連中も読んではいないであろう、「風俗」情報を中心とした、スキャンダル記事が満載の「週刊実話」から拾ってきた。
 
信憑性の低い記事も多い中で、当記事は他の大手サイトが取り上げたり有名ツイッターでも拡散されており、内容が真実味を帯びているので無視するわけにはいかないのであろう。 
 
「安保関連法案の狙いは、集団的自衛権を盾に自衛隊が世界中で戦えるようにすることだが、これは武器の輸出振興にも密接に繋がっている。なぜなら、武器の売り込みに重要なのは『実戦データ』があることだからです。米国やフランスの武器販売が活況なのはこのためだが、首相の肚には自衛隊の海外派遣で武器の性能を宣伝し、これを売りさばこうとの企みが隠されているとも推測できます
 
「日本人の生命と財産を守るため」と言いながら、その裏では実戦データを集めるために海外で自衛隊員を危険な状況に晒すということは、断じて許されることではなく、こんな邪悪な思想の持ち主を一刻も早く最高責任者の立場から引きずりおろし、同時に戦争法案も葬らなければならない、とオジサンは思う。

 
posted by 定年オジサン at 11:53| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月22日

民主主義が生きている限り、わたしたちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利があります。

話が上手な人に共通する特徴として「例え話」がうまいということがあげられる。
 
随分前の話だが、ある企業のCMで「クリープの入っていないコーヒーなんて、・・・」というフレーズがあったが、当時は、その後に続くフレーズを「コーヒーの入ってないクリープみたい」と茶化していたことがあった。
 
しかし、本当に例え話が上手な人にかかると、「クリープの入っていないコーヒーなんて、星のない夜空のようなもの」となる。
 
「クリープを入れないコーヒーは味気ない」というよりも、イメージしやすい。
 
聞いている方も、なんとなくわかった気がするものである。
 
セブン&アイホールディングスの鈴木敏文会長は、ある雑誌の中で「例え話ができるのは、相手に伝えたいテーマが完全に『自分のもの』になっているから。そのため、有能な人ほど例え話がうまい。」と話していた。
 
日本の官僚はやさしい話をわざわざ難しく説明することが、優秀だと思い込んでいるらしい。
 
それならば、難しい話を、誰にでも分かりやすく話すことが、優秀な政治家の条件かもしれない。
 
そして、たとえ話をするには、常日頃からわかりやすい話し方をしていなければならない。
 
大分前置きが長くなってしまったが、昨日「安倍首相の安保法制説明がワケわからなさすぎで失笑! フジテレビへの生出演は逆効果」を紹介したが、まさに「相手に伝えたいテーマが完全に自分のものになっていない」安倍晋三首相が、よせばいいのに、またもや訳の分からぬ「たとえ話」を民放のBS番組で出演したらしい。
 
<首相、異例の長時間TV出演 安保で連日たとえ話>
 2015年7月22日 朝刊 東京新聞
 安倍晋三首相は20、21両日、安全保障関連法案を説明するため、民放テレビ番組に出演した。出演時間は2日間で合計2時間半。現役の首相が1人で1つの課題についてこれほど長時間テレビ番組に出るのは異例。世論調査で内閣支持率が急落した原因となった安保関連法案について、たとえ話を持ち出すなどして理解を求めた。
 首相は21日に民放BSの番組を収録。「残念ながら(安保法案に)厳しい批判がある。きっちり説明する責任が私にはある」と強調。安保法案の柱となっている他国を武力で守る集団的自衛権については、自宅と他人の母屋、その離れにたとえて説明。「(離れから)火の粉を含んだ煙が来て、自宅に火が移る明白な危険の時に、離れの消火活動に入る」と述べた。
 司会者が「分からない。離れはホルムズ海峡のことか」とただすと、首相は「(米国の)イージス艦だ」と説明するなど、議論がかみ合わない場面も目立った。
 首相は20日には別の民放番組に出演し、同様の説明をした。自民党のインターネット番組にも今月6日から5日間出演した。 (石川智規)
 
たしか自民党のインターネット番組では、「アソウ君」とか「スガさん」が登場したのだが、身内からも不評だったらしく、さらに分かりづらい模型などを使ったものだから、蟻地獄に入り込んだ感がある。
 
さて、2年前の特定秘密保護法に反対して「特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL)」を立ち上げた学生が、活動のテーブルを広げ、自由で民主的な日本をつくるための、学生による緊急アクション(SEALDs=シールズ)を立ち上げたのが今年の5月頃。
 
SEALDsはStudents Emergency Action for Liberal Democracy―sの略。「一人ひとりの行動こそが、日本の自由と民主主義を守る盾となる」という思いで、英語で複数の盾を意味するSEALDs。
 
中高年のオジサンたちには真似できないFacebookやLineなどを駆使し、フットワークの良さで支持者が広がり、東北や関西でも、「SEALDs」の地域版が立ち上がっている。 
 
「わたしは、戦争で奪った命を元に戻すことができない。
空爆で破壊された街を建て直す力もない。
自分の責任の取れないことを、あの首相のように、『わたしが責任を持って』とか、威勢のいい言葉にごまかすことなんてできません」
 
こう訴えたのは、寺田ともかさん(21)。
 

 
衆院特別委員会で「戦争法案」が強行採決された2015年7月15日、「SEALDs KANSAI」が、大阪・梅田駅のヨドバシカメラ前で、緊急街宣アピールを行った。
 
この日、寺田さんがサウンドカー上で行ったスピーチは、多くの反響を呼び、今もネット上で拡散し続けているので、その全文を以下に紹介する。
 
こんばんは、今日はわたし、本当に腹がたってここにきました。
国民の過半数が反対しているなかで、これを無理やり通したという事実は、紛れもなく独裁です。
だけど、わたし、今この景色に本当に希望を感じてます。
大阪駅がこんなに人で埋め尽くされているのを見るのは、わたし、初めてです。
この国が独裁を許すのか、民主主義を守りぬくのかは、今わたしたちの声にかかっています。
先日、安倍首相は、インターネット番組の中で、こういう例を上げていました。
喧嘩が強くて、いつも自分を守ってくれている友達のアソウくんが、いきなり不良に殴りかかられた時には、一緒に反撃するのは当たり前ですよね』って。
ぞーっとしました。
この例えを用いるのであれば、この話の続きはどうなるのでしょう。
友達が殴りかかられたからと、一緒に不良に反撃をすれば、不良はもっと多くの仲間を連れて攻撃をしてくるでしょう。
そして暴力の連鎖が生まれ、不必要に周りを巻き込み、関係のない人まで命を落とすことになります。
この例えを用いるのであれば、正解はこうではないでしょうか。
なぜ彼らが不良にならなければならなかったのか。
そして、なぜ友達のアソウくんに殴りかかるような真似をしたのか。
その背景を知りたいと検証し、暴力の連鎖を防ぐために、国が壊れる社会の構造を変えること。
これが国の果たすべき役割です。
この法案を支持する人たち、あなたたちの言うとおり、テロの恐怖が高まっているのは本当です。
テロリストたちは、子供は教育を受ける権利も、女性が気高く生きる自由も、そして命さえも奪い続けています。
しかし、彼らは生まれつきテロリストだった訳ではありません。
なぜ彼らがテロリストになってしまったのか。
その原因と責任は、国際社会にもあります。
9.11で、3000人の命が奪われたからといって、アメリカはその後、正義の名のもとに、130万人もの人の命を奪いました。
残酷なのはテロリストだけではありません。
わけの分からない例えで国民を騙し、本質をごまかそうとしても、わたしたちは騙されないし、自分の頭でちゃんと考えて行動します
日本も守ってもらってばっかりではいけないんだと、戦う勇気を持たなければならないのだと、安倍さんは言っていました。
だけどわたしは、海外で人を殺すことを肯定する勇気なんてありません。
かけがえのない自衛隊員の命を、国防にすらならないことのために消費できるほど、わたしは心臓が強くありません。
わたしは、戦争で奪った命を元に戻すことができない。
空爆で破壊された街を建て直す力もない。
日本の企業が作った武器で子供たちが傷ついても、その子たちの未来にわたしは責任を負えない。
大切な家族を奪われた悲しみを、わたしはこれっぽっちも癒せない。
自分の責任の取れないことを、あの首相のように『わたしが責任を持って』とか、『絶対に』とか、『必ずや』とか、威勢のいい言葉にごまかすことなんてできません。
安倍首相、二度と戦争をしないと誓ったこの国の憲法は、あなたの独裁を認めはしない。
国民主権も、基本的人権の尊重も、平和主義も守れないようであれば、あなたはもはやこの国の総理大臣ではありません。
民主主義がここに、こうやって生きている限り、わたしたちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利があります
力があります。
あなたはこの夏で辞めることになるし、わたしたちは、来年また戦後71年目を無事に迎えることになるでしょう。
安倍首相、今日あなたは、偉大なことを成し遂げたという誇らしい気持ちでいっぱいかもしれません。
けれど、そんな束の間の喜びは、この夜、国民の声によって吹き飛ばされることになります。
今日テレビのニュースで、東京の日比谷音楽堂が、戦争法案に反対する人でいっぱいになったのを見ました。
足腰が弱くなったおじいさんやおばあさんが、暑い中わざわざ外に出て、震える声で拳を突き上げて、戦争反対を叫んでいる姿を見ました。
この70年間、日本が戦争せずに済んだのは、こういう大人たちがいたからです。
ずっと、こうやって戦ってきてくれた人達がいたからです。
そして、戦争の悲惨さを知っているあの人達が、ずっとこのようにやり続けてきたのは、紛れもなくわたしたちのためでした。
ここで終わらせるわけにはいかないんです。
わたしたちは抵抗を続けていくんです。
武力では平和を保つことができなかった、という歴史の反省の上に立ち、憲法9条という、新しくて、最も賢明な安全保障のあり方を続けていくんです。
わたしは、この国が、武力を持たずに平和を保つ新しい国家としてのモデルを、国際社会に示し続けることを信じます。
偽りの政治は長くは続きません。
そろそろここで終わりにしましょう。
新しい時代を始めましょう。
2015年7月15日、わたしは戦争法案の閣議決定に反対します。
今日の採決に反対します。
ありがとうございました。
 
恥ずかしながら、オジサンの3分の1程度の人生しか経験していない21歳の女性の話に、感動してしまった。
 
安倍晋三首相の拙いたとえ話を、正論で見事に打ち砕いてくれた。
 
「わけの分からない例えで国民を騙し、本質をごまかそうとしても、わたしたちは騙されないし、自分の頭でちゃんと考えて行動します。」・・・その通り! 
 
「わたしたちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利があります。」と、こんなことをサラッと言える若者がいる間は、まだまだ日本も捨てたもんじゃないな〜、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 11:06| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月21日

真夏でも、物言えば唇寒し、安倍虚言症首相

あえて理由は言わないが、オジサンは讀賣グループの日本テレビの午後の情報番組の宮根誠司が司会する「情報ライブ ミヤネ屋」は決して見ないし、またフジサンケイグループのフジテレビの情報らしき番組もまずは見ない。
 
そのため、昨日、フジテレビの夕方の報道番組『みんなのニュース』に安倍晋三首相が生出演したということは知らなかった。
 

 
TBSやテレビ朝日の番組だと、まともに突っ込まれ墓穴を掘ることは明らかであり、日ごろから社長連中と定期的会食を行っている日本テレビやフジテレビに出ることは予想でき、また内容も当然ながら「ヨイショ」番組であろうと思っていた。
 
しかし、その実態は予想をはるかに超えていたようである。
 
その前に、今一度、安倍晋三の今までの「虚言症」振りを振り返ってみたい。 
 
2013年9月、ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席。英語で招致演説を行い、その後の投票で東京開催が決まった。
 
演説では、福島第一原発事故について「私から保証します。状況は統御(アンダー・コントロール)されています」と明言した。
 
しかし、汚染水が海に流出し続けるなど、原発事故は収束には程遠い状況だった。
 
政府は今年6月の廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)改定でも、使用済み核燃料の取り出し開始時期を大幅に遅らせており、現在も原発事故対応をコントロールできているとは言えない。
 
もう一つは、競技場について「ほかのどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから、確かな財政措置に至るまで、確実な実行が(東京で開催すれば)確証される」と断言した。 
 
20150721usotukisinzou.jpg
<東京新聞より>
 
どちらも、安倍晋三に言わせれば「守らなければならない国際公約」なのだが、競技場に関してはいとも簡単に「白紙撤回、ゼロベースの見直し」を宣言し、国際公約破り云々は言及しなかった。
 
戦争法案の衆院特別委で、野党から自衛隊員のリスクが増えるという指摘については、むしろ減るという頓珍漢な答弁をしていた。
 
さらに自民党員向け、ニコニコ生放送でも「あらかじめ平素から情報収集や教育訓練が可能になれば実際はリスクは下がる」などと答えたが、6月26日の衆議院本会議では「リスクは残るが、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために自衛隊員に負ってもらうものだ」と答弁で語っている。
 
少々古い話になるが、昨年4月20日に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)に出演した安倍晋三は、「私はお国のためなら死ねる」という質問に対して「○」も「×」も出さずに、国会答弁のような訳の分からぬ言い訳をしていたという。
 
私の親父、安倍晋太郎は晩年ですね、膵臓ガンになったんですが、まさに手術の後、命を削ってモスクワに行って当時のゴルバチョフ大統領と交渉して、北方領土問題、平和条約問題を解決するという言葉を引き出すことができたんです。まさに政治家が命を削っても成し得る必要のあるものはですね、やり遂げるものはやっていかなきゃいけない、というものを学んできたつもりではあります
 
これを聞いて番組パネラーの津川雅彦はいかにももどかしい表情で「総理になった途端に死ぬ覚悟はできているわけでしょ?」と畳みかけたのだが、しかし、安倍首相は「これはあの、あの、死ぬ覚悟はできてると、いま私が言ってもですね、嘘っぽく聞こえてしまうんだなと思うんですが、あの?、晩年の父の姿を見てですね、そう簡単なことではないなと、政治という仕事はですね、ということは認識しましたね」と、またしても父親の話でお茶を濁したという。
 
冒頭の、フジテレビの夕方の報道番組『みんなのニュース』の話に戻る。
 
やくみつる氏 安倍首相に突っ込むもお説伺いに」との記事では、安倍晋三首相に「裸の首相」などの漫画を見せ、疑問を呈した漫画家やくみつるの突っ込みが面白い。
 
 例示が「ちんぴらのけんか」から、今回は「火事場の消防士」に変わった。法案を分かりやすく説明されたのだろうが、かえって突っ込み所が増えた。
 米国家が火を付けられるのではなく、米国家が他の家に火を付けに行くのに日本も一緒についていくことにならないか、と指摘させていただいた。安倍首相は「イラクやベトナムには行かない」と説明されたが、イランの石油ルートが断たれるなら「我が国存立の危機」となる可能性がある。火事場の消防士の例では、法案の説明が付かない。
 支持率の服が脱げた裸の王様ならぬ、裸の首相の漫画も出した。安倍首相は「支持率のためにやっているのではない」とのことだったが、大きな選挙から遠い時期にこの法案をやっているという指摘は多い。
 「戦争法案」のレッテルに対し、安倍首相は「戦争を未然に防ぐための法案」という言葉を、本に売り文句などを書いて巻く「腰巻き」のように使っている。戦争を防ぐなら、前々から憲法が持つ「不戦の誓い」の腰巻きがある。安倍首相は最近使い始めた腰巻きで、憲法の大事な腰巻きを奪おうとしていないか。
 
結局、何を行っても安倍晋三首相のお説をうかがう会になってしまったらしい。 
 
この「うかがう会」の実態を正確に批判すると、こんな内容になるという。 
 
<離れ、振り込め詐欺、生肉…安倍首相の安保法制説明がワケわからなさすぎで失笑! フジテレビへの生出演は逆効果>
 2015.07.20 リテラ
 本日、安倍晋三首相が、フジテレビの夕方の報道番組『みんなのニュース』に生出演した。番組出演の意図は〈「国民の理解が進んでいない」と認める安全保障関連法案に関し、自ら国民への説明に乗り出す〉(産経ニュース)ということだったが、蓋を開けてみれば、集団的自衛権を“強盗に入られたスガくん、ケンカに強いアソウくん”というニコニコ生放送でのたとえ話につづき、安倍首相はまたしても“ご近所さんの火事”という設定に置き換えて展開した。
 しかし、司会の伊藤利尋アナウンサーいわく「総理肝いりの」模型まで使って安倍首相は火事の説明をはじめたのが、その説明がわけがわからない。
「アメリカの家が燃えて、横にある離れにも火が燃え移っても、日本は何もしない。でも、離れの火がぎゅーときて、日本の家が燃えたら日本の消防士がはじめて出てくるけど、これからは風向きでアメリカの離れの火が日本の家まで来そうなら、日本の消防士は道の上から離れの消火活動ができる。でも、アメリカの家までは行かない」
 アメリカの家の離れ? 家までは行かず道の上? 生肉にしか見えない炎の模型もさることながら、たとえ話なのにもはや何を何にたとえているかさえわからない状態。これにはコメンテーターの津田大介も「消防士が出なくても、隣人の誘導とか子どもの安全を確保するとか、後ろからできることもあるのでは?」と疑問を投げかけたが、安倍首相はいつもの「日米同盟の絆」をもちだして正当化するだけだった。
 また、「どうしてこんなに焦っているのか?」という疑問には、戸締まり論をもちだし、「かつては雨戸だけを閉めておけば泥棒を防いで、家の財産は守れた。でも、いまはどうでしょう。たとえば振り込み詐欺なんて、電話がかかってきますね。それへの対応もありますし」と回答。それもう、戸締まりの話ですらないんですけど……とつっこまずにはいられなかった。
 同じくコメンテーターの犬山紙子が「日本でテロが起きる可能性もあるのでは?」と尋ねたときも同様だった。安倍首相は「まったくないですね」と言い、犬山は日本でテロが起きる可能性を指摘しているのに、「海外で日本人がテロに巻きこまれたら」と、なぜか海外の話にすり替えて説明しはじめたのだ。
 ……とまあ、一事が万事この調子で、対話による回答にはまったくなっていなかった。
 だが、そうした一般視聴者の感想とは別に、この放送に怒りをたぎらせているのは、安倍首相を神と崇めるネトウヨたちだ。彼らは一様に「伊藤アナは安倍さんに失礼すぎ」「犬山紙子?なんだこいつ。バカ国民の代表みたいな質問するな」「あー。クソみたいな番組作りに、くそコメンテーターで、安倍さん可哀想」「フジじゃなく日テレに出れば良かったのに」などと立腹。フジテレビや伊藤アナ、犬山、同じくコメンテーターとして出演していたやくみつるらが炎上状態に陥っている。
 しかし、このネトウヨの怒りはお門違いというものだ。そもそも、今回、安倍首相は「自分の言い分をそのまま垂れ流してくれるだろう」という目論見で、わざわざフジテレビを選んだのである。
 実際、フジはこれまで、一貫して安保法制について擁護的な態度を取り続けてきた。15日の衆院特別委員会での強行採決時も、フジは「ホウドウキョク24」が生配信を行っていたが、そのときも辻元清美議員が「やめて!」と懇願する様子をフジの西山喜久恵アナウンサーは「(強引に採決されちゃったと)印象付ける方法ですかね」などと実況。事実、強引に採決されようとしていたのだから、この実況こそが“強行採決ではないと印象付ける”ものだった。
 さらに、今回、安倍首相が生出演した『みんなのニュース』は、4月の放送でも、米議員のマイク・ホンダ議員を「日系なのに反日」だと報じている。「反日」などというヘイト用語を平気で使う時点で報道番組としてのあり方を疑問視せざるを得ないが、とにかくフジは安倍首相のお仲間スタンスが露骨なメディアだった。
 しかも、今回のフジテレビ出演は、安倍─日枝久・フジテレビ会長のトップ同士の談合で決まったものらしい
 安倍首相は今月6日に「本当はテレビ番組に出たいのだが、どこも呼んでくれない」などとぼやいていたが、これは真っ赤な嘘。少なくとも、テレビ朝日やTBSは、安倍首相が番組に出演したいと言えば、応じるつもりがあったという。
 ところが、安倍首相はTBSやテレ朝では批判にさらされると怖じ気づき、盟友の日枝に泣きついて「PRの場を」と要請したらしいのだ。
 たしかに番組を観ても、犬山、やく、津田らは決して安倍首相に厳しかったわけではかった。一応、ツッコむポーズはとるものの、安倍がトンデモ回答してもさらに追及するわけでもなく、そのまま言わせっぱなし。
 さらに、伊藤アナにいたっては、新国立競技場の問題にも「民主党政権時代に決まったなどいろんな背景があるようですが」などと虚偽(決まったのは自民党政権下のこと)のフォローを入れていたし、安保法制についても、安倍首相が火事のたとえ話を行う前から伊藤アナは何度も“疑問を出すのは首相が説明してからで”と念を押していた。
 また、ネットでは伊藤アナが安倍首相に安保法制が「中国を想定している」ことを言わせようとしたと批判されているが、むしろ、これは表立っては口にできない安倍首相をアシストしようとしたと考えるべきだろう。
 いずれにしても、この日の『みんなのニュース』の進行は明らかに安倍の言い分を語らせてあげようという配慮の行き届いたものだった。それでもこんなことになってしまうくらい、安倍首相の説明がひどかったということである。
 しかし考えてみれば、それも当然だろう。犬山も指摘していたが、集団的自衛権は隣人の火事などではなく、人と人が武器を持って衝突するという話。このリアリティをごまかそうとするから、どんな説明を行っても説得力がないのだ。
 しかも、国民は安倍首相の本音に少しずつ気がついてきている。本サイトでも何度も指摘してきたように、安倍首相はかつて「日本人も血を流す」「日本人も命をかける」などと、日米同盟をつくると宣言してきた。そして、いまも内輪の講演や懇談でははっきりと「中国との戦争」を意識した発言をしている。
 安倍首相の主張は、応援団のメディアすら正当化しようがないくらい、破綻しているのだ。これで、まだ安保法制を強行しようというなら、それはもう「狂気」と呼ぶしかない。
(野尻民夫)
 
単なる「無知」とか「頓馬」、「間抜け」さらには「狂気」と呼ばれるような総理大臣がはたして今まで存在しただろか。
 
まさに「稀代の最悪総理」の名をほしいままに振る舞って独り占めしているようである。
 
今後も、ドンドンテレビや街頭に出て、「私の法案」の正当性を広く国民に訴えてほしい。
 
しゃべれば、しゃべるほどボロがでて国民の理解がさらに進むかもしれない。 
 
この安倍晋三と対極の、知性集団が昨日、戦争法案廃棄の声を上げていた。
 
<益川氏ら学者150人 安保法案「廃案」>
 2015年7月21日 朝刊 東京新聞
20150721gakyusyasyuukai.jpg
安保関連法案に反対し、気勢を上げるノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏(前列左から7人目)ら学者たち=20日午後、東京都千代田区の学士会館で(淡路久喜撮影)/span>
 大学教授らでつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」が20日、都内で会見した。ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京大名誉教授ら約150人が集まり「法案を廃案にするため、あらゆる行動をする」と訴えた。益川氏は「安倍政権はこの法案で、憲法9条をなしくずしにしようとしている」と批判した。 
 参院での法案の審議に向け、教育学者の佐藤学・学習院大教授が「学生と共同行動をする」と語ると、学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の奥田愛基(あき)さんも「学者の皆さんと声を上げたい」と応じた。 学者の会は、益川氏や佐藤氏らが発起人となり、6月上旬に発足。20日現在で1万1218人の学者、研究者が賛同人として名を連ねている。会とSEALDsは31日夕、国会周辺で抗議活動をする。
 
今までの政治的な集会は「老々男女」の集会と揶揄されてきたが、この戦争法案に関しては、近い将来「当事者」になるかもしれない若者たちが「俺たちの問題だ!」とばかりに立ち上がり、反対の声を挙げている。
 
そして街頭デモ参加者には、ベビーカーを押した母親や親子連れの家族も日毎に増えている。
  
この国民的な運動をさらに全国各地に広げ、来年改選予定の自民党参議院連中に、安倍晋三首相に従うと自らの議員生命に影響が出るかもしれない、と思わせることが肝心ではないか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:33| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月20日

原発利権に群がる地方議員

梅雨が明けて今日は海の日、これから本格的な夏に突入する。
 
「自然冷暖房」を採用しているオジサンの書斎は早くも室温が30℃を超え始めた。
 
首には冷却袋を入れたタオルを巻くのが例年のスタイルなのだが、キーボードをたたくときに二の腕が汗ばむのだが、手首だけで支えての入力は少々辛く、どうしても肘まで机についてしまう。
 
自分が選んだ環境なので誰にも文句は言えない。
 
大量に室内発汗して、食後の水風呂が最高の楽しみである。
 
さて、共同通信と毎日新聞の世論調査に続いて朝日新聞も「内閣支持37%、不支持46% 安保法案採決「よくない」69% 朝日新聞社緊急世論調査」を発表した。
 
これで3紙の世論調査結果が、安倍内閣の不支持率が支持率を上回ったことになった。
 
当然、戦争法案の強行採決に対する批判も多い。
 
20150720chousakekka.jpg
<朝日新聞より>


これでは、讀賣新聞や産経新聞は、恐ろしくて世論調査なんかできやしない。
  
それにしても傲岸不遜なのが「『支持率犠牲にしても成立を』自民副総裁」と言って憚らない自民党の高村正彦副総裁。
 
支持率を犠牲にしてでも、国民のために必要なことはやってきたのがわが党の誇るべき歴史だ」と、平然と国民を愚弄する。
 
支持率を下げた国民は、あたかも安倍内閣が自分たちのために必要なことをやっていることを気付かないとでも思っているようである。
 
実は、内閣支持率を一番気にしているのが安倍晋三首相であろう。
 
戦争法案の衆院強行採決の翌日に、新国立競技場建設を白紙撤回するとのぶら下がり会見で、安倍晋三首相は既に1か月前から検討していたと言っていた。
 
問題は、いつ、どんなタイミングで発表するかと入念に演出したつもりだったが、支持率向上には寄与しなかった。
 
しかし、白紙撤回したところで、それまでに要した費用はゼロにはならない。
 
<新国立“白紙”でも戻らず…JSCがドブに捨てた100億円>
 2015年7月19日 日刊ゲンダイ
20150720sinnkokuritumudagane.jpg
100億円はいくら見直しても戻らない(C)日刊ゲンダイ
 
 どんぶり勘定で迷走した揚げ句、やっぱり「白紙撤回」――。世界中の五輪関係者がアングリしているに違いない。17日、安倍首相が見直しを表明した新国立競技場の建設問題。理由について、安倍首相は「コストが当初の予定よりも大幅に膨らみ、国民から批判があった」と説明していたが、一体、どのツラ下げて言っているのか。
 そもそも新国立の建設問題が浮上したのは昨日今日じゃない。2012年11月にザハ・ハディド氏のデザインが選ばれ、翌13年9月に東京五輪開催が決定した直後から、約1300億円の巨額工費に対して国内の建築家から異論が続出。世界的建築家の槇文彦氏は同11月に「計画見直し」を文科省に訴えたのに完全無視だった。それが今さら「白紙撤回」を宣言しているのだからお笑いだ。
「建築のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞している建築家の伊東豊雄さんは昨年5月、旧競技場を改修した案を発表しました。スタンドの一部を削り、観客席を増設する内容で、工費は新国立計画の『半分程度』。つまり700億円程度と試算していました」(建築ジャーナリスト)
 この時、見直していれば現状工費(2520億円)の3分の1以下で済んだのに、今や旧競技場は跡形もない。それに安倍首相は「ゼロベースで見直す」と威張っていたが、既に事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が新国立の関連工事費で使ったカネはざっと85億円にも上る(表)。ハディド氏に支払ったデザイン監修料13億円と合わせると約100億円。「白紙撤回」でこれらのカネもパーだ。
 それだけじゃない。今後、デザイン変更に伴う違約金や損害賠償が発生する可能性もある。JSCは9日、スタンド部分の資材を大成建設に発注し、32億9400万円の契約を結んだ。大成建設が担当するスタンド建設費は現段階で約1570億円、屋根部分を担当する竹中工務店は約950億円の建設費を見込んでいるが、大幅見直しとなれば、両社がJSCに“損失補填”を求めるかもしれない。JSCは「ハディド氏側から、デザイン見直しに伴う違約金や損害賠償を求められる可能性はある」(広報)と認めた一方、他の賠償については「分からない」(同)。大成建設や竹中工務店に、JSCに賠償を求める可能性を問うと「個別の工事についてお答えしていない」(大成)と回答した。
 大手ゼネコン関係者がこう打ち明ける。
「契約内容にもよるが、1000億円の受注を見込んでいたのに事業主の都合で500億円になった、なんて事態になったら業者側は賠償請求を検討する。ただ、今回の場合、それほど大幅なコスト削減は難しい。工期が短くなるほど、現場の作業員を確保するために人件費が膨らむからです。それに建設資材もどんどん高くなっている。17年4月には消費税が10%になり、さらに高騰するのは確実。削っても総工費は2000億円を切るかどうか……」
 メーン競技場以外でも、開催地が二転三転した会場ではコスト増が囁かれている。こんなんで五輪なんて開催できるのか。いっそのこと、五輪そのものを「白紙撤回」で返上したらどうか。
 
当初、安倍晋三首相は国会で「ザハのデザインによって2020年五輪を招致したので、国際公約である」と答弁していたが、じつは真っ赤なウソであることがバレてしまった。
 
IOCの会長は、そんなことは日本国内の問題であると明言していたからである。
 
上記記事が最後に書いているように「五輪そのものを『白紙撤回』で返上」したら勇気ある行動なのだが、その時には安倍晋三は政治の世界にはいないであろう。
 
ところで、今年の8月中旬を目途に、2013年7月に施行された新規制基準下で全国初となる川内1号機が再稼働準備を進めている。
 
さらに、原子力規制委員会が四国電力伊方原発3号機(愛媛県)について規制基準に適合するとの審査書を15日決定し、これを受け菅義偉官房長官が安倍政権として「再稼働を進める」ことを明らかにしている。
 
これで規制委の審査書決定は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続き3例目となる。 
 
原発再稼働に関しても、国民の理解は決して進んではおらず、規制基準に適合しているからと言って「安全が保証」されているわけではない。
 
なんでこんなに原発再稼働に執着するのか、それは原発がらみの利権に群がる政治家が多いからであり、最近、朝日新聞が原発立地自治体の道・県会議員の実態を暴いていた。
 
<原発工事会社から報酬 立地の道県議6人、役員や顧問に>
 2015年7月20日05時23分 朝日新聞DIGITAL
20150720familycompany.jpg

 原発が立地する自治体の道県議計6人が、地元の原発工事を受注する会社の役員や顧問に就任し、報酬や株主配当を受けていたことが朝日新聞の調べでわかった。関係する6社の原発工事受注額は、東京電力福島第一原発事故後で少なくとも計10億7千万円。6議員は議会などで、原発の再稼働を促す考えを表明している。
 親族が経営する会社の原発工事受注は、立地市町村の首長や議員でも発覚している。原発の安全性や妥当性を審議する立場の議員が、原発事業者側から利益を得る構図で、原発立地の各地に広がっていた。
 朝日新聞は、原発が立地する全国13道県の全道県議を対象に、議員側が報酬を受けている企業について議長に報告する関連会社等報告書(2014年提出分)を調査。記載された会社について、各社が国や道県に提出した工事経歴書を調べた。議員は15年6月時点での現職に限り、同年4月の統一地方選などで落選・引退した議員は除いた。
 その結果、元請けか下請けで原発工事を受注していた会社から報酬や配当を受けていた現職の道県議は6人=表。全員が自民党に所属し、県議会議長などの要職に就いていた。また6人全員が、道県議会で「原子力・エネルギー対策特別委員会」といったような原発の安全調査を担当する委員会に所属していた。6人のうち4人の会社は現在、議員の親族が経営している。
 各議員は議会で「原発だけとらえて言うなら再稼働しかない」(三富佳一・新潟県議)、「当面は原発に頼らざるを得ない」(村田憲俊・北海道議)、「北陸電は地震・津波対策を積極的に取り組んでいる」(石田忠夫・石川県議)と発言している。
 6人は取材に対し、早期再稼働を求める考えを明らかにしたうえで、議会審議と報酬受領との関係については「割り切ってやっている」「会社経営に関わっていないので関係はない」などと、影響を否定した。
 地方自治法は、都道府県発注の工事を請け負う会社の役員に都道府県議が就任することを禁じている。だが原発工事は電力会社が発注するため、適用外だ。
 6議員の関係6社の本社は、いずれも原発立地周辺にある。6社が受けた工事には、原発施設内での建物建設や機器のメンテナンスなど。免震重要棟や防潮堤の建設といった、原子力規制委員会の新規制基準に適合するためのものも含まれる。建設費の大半は電気料金で賄われている。
 6社が受けた原発工事を発注した電力5社と日本原燃は取材に、「公正な手続きで実施した」などと恣意(しい)的な発注を否定した。
 関連会社等報告書は議員自身が報酬を受ける企業を記す決まり。経営を妻子に譲り、自身の報酬は現在はないとするケースは、同報告書では発覚しない。
 原発が再稼働するには規制委の審査後に、地元の同意が必要とされる。九州電力が8月中の再稼働を目指す川内原発の場合は、薩摩川内市議会と鹿児島県議会が再稼働を求める陳情を採択、市長と知事の同意表明がそれぞれ行われた。
 これまでに川内、高浜(関西電力)、伊方(四国電力)の3原発が審査に「合格」。このほか今回の6社が工事を受注していた6原発を含む計13原発で、審査の申請が出されている。(大谷聡)
 
さらに、お上が発表する内容の記事よりは、自分で調べたルポ記事は生々しく、迫力がある。 
 
<「再稼働を」議会で発言 報酬の影響は否定 道県議6人>
 2015年7月20日05時00分 朝日新聞DIGITAL
・・・前略・・・
 ■新潟
 「原発の雇用が地域を支え家庭を支えてきているという現実は誰もが認めるところ」「とたんに稼働停止になったというダメージは非常に大きい」「再稼働しかない」
 一昨年12月、新潟県議会。東電柏崎刈羽原発の地元、柏崎市刈羽郡選挙区選出の三富佳一県議(77)が訴えた。
 再稼働に慎重姿勢をとる泉田裕彦知事に対する県議会。そのなかで、三富氏の当選10回は2番目に多く、影響力は大きい。
 その三富氏が監査役を務める会社は、原発正門から約1キロの通り沿いにある。
 この会社は原発機器のメンテナンスなどを実施。福島事故後、同原発工事を少なくとも50件受注した。
 監査役を務める理由は何か。三富氏は「前社長が親戚にあたる縁。経営には何も関わっていない」と説明。同社の役員は「先代の社長は原発誘致の旗振り役だった。そういった面での三富さんの政治力を期待していた」と明かす。
 三富氏に報酬を支払うほか、同社は地元の自民党支部に2011〜13年、計60万円を寄付した。
 柏崎は故・田中角栄元首相の地元だ。田中氏は73年のオイルショック直後、原発周辺自治体に交付金を出してその分を電気料金に上乗せする電源三法を成立させ、原発建設を進めた。交付金だけでなく、原発では建設、宿泊、飲食など、地元は様々に潤う。柏崎刈羽原発は7基まで増えた。
 三富氏は田中氏の後援会「越山会」の幹部だった。自宅は田中氏と同じ西山地区にある。原発建設当時に開かれた公開ヒアリングでも陳述に立ち、誘致を進める発言をしたという。
 それから30年あまり。三富氏は取材に対して言う。「エネルギーの面でも、地元経済の面でも、原発は当面必要だ。規制委のOKが出れば、再稼働をちゅうちょすることはない」
 ■石川
 規制委の有識者会合が17日、原子炉建屋直下の断層について「活断層の可能性は否定できない」とする報告書案をまとめた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。地元に動揺が広がる。
 「従業員の皆さんがしっかりした対策をとられている」。石田忠夫県議(72)は昨年2月、県議会で規制委の審査についてこう発言した。5月の取材に対し「12万年も前に断層が動いたかもと言われても、ぴんとこない。それで(原発を)動かさないなんていいのか」と答えた。
 ■北海道
 6月初旬の北海道議会。
 「電力自由化に伴っての様々な懸念がある。需要家が享受できるメリットはどのようなものか」。村田憲俊道議(65)が質問した。
 電力各社が抵抗姿勢を示す電力自由化は、国会でも論議が交わされた課題だ。6月中旬、関連法が成立した。問われた道側はこのとき、「国では、競争を通じて電気料金の最大限の抑制を図るとしている」と、国の方針を引用して答弁するしかなかった。
 東日本の電力会社幹部は「地方でも電力会社の考えを代弁してくれる議員を持つことは大切だ」と言う。
 村田道議は、北海道電泊原発のある泊村近くの岩内町出身。父が創業した電気工事会社を継ぎ、自民系道議団の会長になってからは弟に経営を譲ったという。
 「『電気屋』だからこそ、安全性にも詳しい。北電も遠慮して自分には何も言ってこない。北電に近い、なんてことはない」と言う。
 ■青森
 反原発・反核燃を訴えた候補と三村申吾・青森県知事との対決となった6月の知事選。自民県連は三村氏を推薦し、丸井裕県議(58)も応援のマイクを握った。原発・核燃施設の工事を受注する親族会社をかつて経営し、いまは顧問だ。「工事を受けることと政治活動とは関係がない」と言う。
 核燃施設は、丸井氏の地盤・十和田市の北部にある六ケ所村に集中する。三村氏の圧勝となった選挙戦で、六ケ所村での三村氏の得票率は93・4%。全40市町村で最も高かった。
 核燃工事の受注は、六ケ所村議の親族会社でも発覚している。村議の一人は「地域全体が核燃に支えられている。反核燃じゃない候補に投票するのは当然だ」と言う。
 (大谷聡)
     ◇
 九州電力が8月中旬の再稼働を目指す川内原発。地元の鹿児島県では、再稼働に同意した県議2人の関係会社による九電関連工事の受注が1月、朝日新聞の報道で発覚したが、1人は報道の2日後に役員を退き、もう1人は4月の県議選に立候補せずに引退した。
 ■高い公共性、ルール必要
 福島第一原発事故の政府事故調査・検証委員会委員だった吉岡斉(ひとし)・九州大教授(科学技術史)の話
 原発地元の議員は原発受け入れで主導的役割を演じてきたケースが多く、原発の巨額な財源・発注に対し極めて強い依存心を抱く。利害当事者が地方自治体行政を私物化しているという批判は当然だ。自治体発注の工事についてだけでなく、公共性の高い電力会社の工事についてもつながりを公開するルールをつくらなければいけない。一方で、原発依存から脱する地域経済の構造転換ビジョンも必要になる。
 ■道県議関係会社の原発工事受注とコメント
<道県/原発/議員(主な肩書)/議員の役職/工事受注額>
    *
<北海道/北海道電・泊/村田憲俊(自民系道議団会長)/取締役会長/2500万円>
 「自分は電気の技術者なので、だめなものはだめと言える。経営に直接関わってないし、北電も私には言ってこない」
<青森/東北電・東通/丸井裕(自民党県連幹事長代理)/顧問/2億6千万円>
 「いまは社長をやめているし、原発工事だけでやっているわけではない。安全の審議と工事は自分にとってリンクはしない」
<新潟/東電・柏崎刈羽/三富佳一(元県議会議長)/監査役/5千万円>
 「経営にはかかわっていないし、議員としての判断で困ることはない」
<石川/北陸電・志賀/石田忠夫(元県議会議長)/元社長/5億8千万円>
 「県議になってからは経営から離れている。会社の事業と議会の審議は、私は割り切ってやっている」
<島根/中国電・島根 洲浜繁達(元県議会議長)/顧問/200万円>
 「県議になったころに、大変だろうということで顧問にしてもらったが、県議会での考えには影響しない」
<島根/中国電・島根/岡本昭二(元県議会議長)/顧問/1億6千万円>
 「顧問と言っても具体的にはしていることはない。受注をめぐって中国電に働きかけるようなことは一切ない」
 〈各社の工事経歴書や議員への取材による。受注の時期は2011年4月以降、14年9月まで〉
 
今年は例年にも増して、国会内外と再稼働原発予定の立地自治体ではより暑い夏になりそうである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:30| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月19日

安倍政権の露骨な言論弾圧は週刊誌まで及んでいた

「3連休を挟めば空気も和らぐ」どころか、3連休の初日は、全国的に「アベ政治を許さない」市民がプラカードを掲げて集まった。
 
20150719abeseijiyurusanai.jpg
<朝日新聞より>

 
この市民の怒りが当たり前のように世論調査結果に表れていた。
 
20150719naikakusijiritusuii.jpg
<毎日新聞より>


自ら「国民の理解は進んでいない」と言いながら強行採決してしまい、想定外の支持率の暴落でうろたえた自民党は、さっそく街頭に飛び出して広く国民に説明を行うのかと思ったら、なんと敵前逃亡の如く「自民、街頭演説を当面見送り 安保法制巡るヤジなど警戒」と国民に背を向ける醜態を露にしてしまった。
 
多くの識者が指摘していたが、「国民は理解できないから怒っているのではなく、理解すればするほど違憲法案の本質が分かってきた」からであることは言うまでもない。 
 
一般大衆に対してはなかなか安倍政権の脅しは通用しないが、陰では様々な言論弾圧が繰り広げられていた。 
  
<女性自衛官のブログ 自民党が問題視>
 2015年7月9日 00:40 日テレニュース
 女性自衛官のブログが自民党で問題視されている。
 かつて慰安婦についての報告書を国連・人権委員会に提出したクマラスワミ氏と昼食をともにしたことを、現役の女性自衛官がブログで「光栄なこと」と書いていた。
 クマラスワミ氏の報告書は事実と異なる内容を多く含む事などから、7日の自民党国防部会で、複数の議員が「軽率だ」などと批判した。
 防衛省は「誤解を招いた点について反省する」などの記述をブログに加えるよう調整している。
 
該当するブログは、在ベルギー大使館のHPにあるブログで、NATO事務総長特別代表(女性、平和、安全保障担当)補佐官として出向されている栗田千寿さんのブログ「chizuの部屋」である。 
 
栗田さんは、第1回のブログでは
 
『条約機構(NATO)本部に派遣され、12月1日、ブリュッセルに赴任してきました。ヨーロッパに来たのはこれが3回目。しかも、日本人初のNATO勤務という栄えある機会を頂き、正直言ってとても緊張しています。
今回の派遣は、2014年5月の安倍総理とラスムセン前NATO事務総長の首脳間の合意に基づくものです。
安倍総理は、これまでに「女性の輝く社会の実現」を国内外で強調しており、この中には途上国の女性支援という面と、日本女性の社会での活躍拡大という面が含まれています。
つまり、日NATO協力の進展と、国際的課題である「女性分野」での日本女性による取り組み、という二つのニーズから実現した派遣ということになります。』
 
ということで、「安倍総理の『女性の輝く社会の実現』という公約のために、国際的課題である女性分野での日本女性による取り組みというニーズから実現したNATO派遣」ということで、緊張感と共に重大な責任感も感じられた。
 
そして問題にされたのが、第3回目のブログ内容。(現在は削除され跡形もない)
 
『さて今回は、NATO事務総長特別代表(女性、平和、安全保障担当)オフィスへの来訪者についてご紹介します。1月のことになりますが、当オフィスにとっては貴重な方々がNATO本部を訪問されました。
 まずは、ラディカ・クマラスワミ氏。彼女は、1996年に女性に対する暴力とその原因及び結果に関する国連の報告書(「クマラスワミ報告」)を担任したことで有名です。その後は、国連事務次長や国連事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)等を務めた人物です。』
・・・中略・・・ 
『今年2015年は、国連安保理決議1325号「女性、平和、安全保障」(2000年)から15周年の節目に当たり、国連は1325号の履行状況に係る総括報告を予定しています。
 彼女は、この報告の筆頭著者(Lead author)として今年秋の国連での発表に備え、成果収集等のため関係機関を訪問しているのです。NATO本部にはこのたび1月に訪問し、アフガニスタンのジェンダーアドバイザー等を経験した軍人等との懇談に加え、NATO加盟各国やパートナー国等からの参加を得て、1325号の履行状況等について意見交換をしました。
 私は、光栄なことにNATO特別代表とともにクマラスワミ氏と昼食に同席する機会を頂きました
 スタッフレベルの私にとって昼食への参加は特例だったので、恐縮しつつではありましたが、もてなしの気持ちだけでもお伝えしたいとテーブルに星や季節の花の折り紙を置いたところ、ちゃんと日本の物だと気づいて下さいました。
 そして、
「自分もアジア出身(スリランカ出身)だから、NATOで日本人が勤務していることに親近感を持った。日本にはジェンダー分野で将来アジアを引っ張る立場を期待している」
との言葉を頂きました。
 女性の処遇には依然厳しい環境の南アジア出身で、またアフリカを始め紛争影響国の現場を数多く見てきたはずの彼女は、とても穏やかで徳が感じられる方でした。
 NATO本部の訪問はわずか半日でしたが、NATOの取組みと成果についてのインプットを得られたようです。発出予定の総括レポートでは、NATOの取組みだけでなく幅広い成果に触れられることを期待しています。』
 
普通の感覚の持ち主ならば、なんら問題にすべき内容ではないのだが、「従軍慰安婦」を戦時性奴隷と断罪した国際的な最初の文書である「クマラスワミ報告書」を作成した本人と会食できたのは光栄だと書いたのはけしからん、とばかりに、ブログを書きなおせと騒ぎ始めたのである。 
 
そのきっかけが、柿谷元陸将補が、自衛隊OBなどで構成される隊友会が発行する新聞「隊友」(4月15日付)に、NATOに事務総長特別代表補佐官として出向中の栗田さんが寄稿の記事の中で、過日、NATO本部を訪問したラディカ・クマラスワミ氏と昼食をともにしたことを「光栄」と書いていることと、当該記事を掲載した「隊友」の編集者及び理事長を批判したことから始まったらしい。
 
そして政府広報紙の極右メディアがこう報じていた。 
 
<「慰安婦=性奴隷」と定義したクマラスワミ氏を礼賛 女性自衛官ブログ削除へ>
 2015.7.16 07:04 産経新聞
 政府は15日、北大西洋条約機構(NATO)に派遣している女性自衛官が在ベルギー日本大使館のホームページで公開しているブログの一部を、近く削除する方針を固めた。ブログは慰安婦を「性奴隷」とする国連報告書をまとめたクマラスワミ氏との会談について「光栄」とし、「とても穏やかで徳が感じられる方」と礼賛している。
 ブログは今年3月に公開された。歴史認識をめぐり日本政府と相いれない立場を取るクマラスワミ氏をたたえる内容のため、自民党国防部会で「軽率だ」などの声が上がっていた。ある議員は「自衛官にも表現の自由はあるが、大使館ホームページで公開する以上、国際社会からは政府の公式文書とみられる。内容をチェックしない防衛省にも責任がある」と指摘する。
 女性自衛官は昨年12月からNATO本部に勤務。自身の活動を定期的にブログで紹介している。政府が削除するのはクマラスワミ氏に関する記述があるブログのみの方向だ。
 クマラスワミ氏が平成8年に国連人権委員会に提出した報告書は、朝鮮半島で女性を強制連行したとする吉田清治氏の虚偽の証言を引用しながら慰安婦を「性奴隷」と定義し、日本政府に法的責任の受け入れや元慰安婦への補償などを勧告している。
 朝日新聞が吉田氏の証言を引用した記事の誤報を認めたことを受け、政府は昨年10月、クマラスワミ氏に報告書の一部を修正するよう求めた。クマラスワミ氏は拒否している。
 
そして今では削除され、何事もなかったかのようになっていた。
 
さらに、大手マスメディアでは取り上げられなかった安倍官邸の弾圧が最近明らかになっている。
 
<「安倍政権の疑惑を追及していた「週刊ポスト」編集長が突如の更迭! 背後に官邸の圧力」>
 2015.07.13 リテラ
20150719weeklypost.jpg 「マスコミを懲らしめる」「沖縄の2紙をつぶす」発言であらためて露わになった安倍政権の言論弾圧体質。実際、安倍政権はこの間、ずっと自分たちを批判する新聞・テレビに対して徹底的に圧力をかけてきた。一連の朝日新聞バッシング、『報道ステーション』(テレビ朝日)への圧力、『NEWS23』(TBS)への安倍首相自らの恫喝、選挙直前のテレビ局へ圧力文書送りつけ……。
 しかし、そのターゲットは、新聞とテレビだけではなく、週刊誌にまで及んでいたらしい。
 この7月、「週刊ポスト」(小学館)で、三井直也編集長が就任わずか1年で更迭され、代わりに前編集長の飯田昌宏氏が返り咲くという前代未聞の人事が発令されたのだが、この人事の背後に官邸の圧力があったという仰天情報が飛び込んできた。
 あまり週刊誌を読まない読者は、なぜ「週刊ポスト」のような軟派週刊誌に?と思うかもしれないが、三井編集長が就任してからの「ポスト」は、それまでの軟派路線とはうって変わって、反安倍政権の姿勢を鮮明にしていた。毎号のように政権批判が特集され、今年4月には、高市早苗総務相の大臣秘書官をつとめる実弟が関わったとされる「高市後援会企業の不透明融資」問題をトップページで報道。
 続いて5月には、東京地検特捜部が捜査を始めた日本歯科医師連盟(日歯連)から、菅義偉官房長官が代表をしていた自民党神奈川県連に3000万円が迂回献金されていたとすっぱ抜いた。大手紙の政治部記者が言う。
「高市さんのスキャンダルは3月くらいから官邸内でも頭痛のタネになっていたね。もみ消しに動いたのが、菅さんだと言われている。高市さんの実弟に問題融資の回収を速やかに処理するよう指示したと言われたし、『ポスト』の報道後、高市さんの実弟が名誉毀損で訴えたのも、菅さんの指示らしい。ところが、その菅さんを今度は日歯連との関係で追及した。官邸の『ポスト』憎しは相当なものだった」
 実際、この間、「ポスト」には、官邸から様々な方法での圧力がかけられていたという。
 最初に行われたのは、安倍首相との蜜月ぶりがすっかり有名になった幻冬舎の見城徹社長から「ポスト」発行人・森万紀子氏へのプレッシャーだった。
「森さんは同じく小学館の『女性セブン』編集長を務めていた人物ですが、夫がバーニング系の事務所の社長を務めていることもあり、バーニングべったりで知られています。もちろん見城社長とも昔から仲がよく、『セブン』時代には見城社長をネタ元にしていた」(小学館関係者)
「ポスト」は今年2月に、テレビ朝日の放送番組審議会会長である見城社長が審議会で『報道ステーション』は政権擁護もすべきと発言していたことを暴露。それに怒った見城社長が旧知の森氏に裏で執拗な抗議を行っていたという。
「すでにこの時点で、森さんは三井編集長の更迭を考えていたようです。ただ、1年で交代させるのはさすがに難しいということで、時期はもう少し先を考えていた」(同前)
 しかし、そこに加わったのが官邸からの訴訟攻撃だった。前述した高市総務相の実弟が関わったとされる「後援会企業への不透明融資」報道をめぐって、高市氏の実弟がすぐさま「ポスト」を名誉毀損で訴えたのである。しかも、三井編集長だけでなく、発行人の森氏に、担当編集者、ライターまでを被告にするもので、さらに、高市氏の実弟は警視庁への刑事告訴まで行っていた。
「『ポスト』の記事は非常に慎重で、高市総務相が会見で否定した『日本政策金融公庫の不正融資に関与していた』というような話はそもそも書いていない。その不正融資が焦げ付いた後に、別の融資会社に口利きをしたという事実だけです。それなのに、民事、刑事両方で、発行人やライターまで訴えた。SLAPP訴訟の典型です」(前出・大手紙政治部記者)
 さらに5月、前述した東京地検特捜部が捜査を始めた、菅官房長官の日歯連3000万円迂回献金疑惑の記事に対しても、「ポスト」は菅官房長官から訴訟を起こされたという。
「菅官房長官は報道直後、囲みの取材で『弁護士と相談して、法的措置も含めて、いま、検討している』と答えたきり、一切会見はしていませんが、すでに東京地裁に提訴ずみと聞いています」(同前)
 とにかく、この訴訟で発行人の森氏をはじめ、小学館の幹部は震え上がった。そして、慌てて三井編集長の更迭を決めたのだという。後任の飯田編集長は、前述の軟派路線の上、政治的には保守で、むしろ中国や韓国叩きに熱心だった人物。同誌から安倍批判が消えるのは確実と言われている。
「一説には、名誉毀損裁判と編集長人事をめぐって、官邸と小学館の間で、何らかの裏取引があったのではないか、とも言われています」(小学館関係者)
 まあ、裏取引はともかくとして、安倍政権と自民党がいま、訴訟に出るという手を使って週刊誌を押さえ込もうとしているのは事実だ。
「高市総務相のケースもそうでしたが、自民党は閣僚や幹部のスキャンダルを週刊誌がやろうとすると、すぐに党の顧問弁護士をたてて、『訴訟するぞ』とプレッシャーをかける作戦をとっています。新聞とテレビは抗議だけで黙らせることができるが、週刊誌はそうはいかない。それで、週刊誌がいま、いちばん恐れる訴訟をもち出して、圧力をかけるわけです。週刊誌もよほどの鉄板の事実がない限り、スキャンダル追及なんてできなくなってしまいました」(週刊誌編集幹部)
 安倍政権によって脅かされているのは憲法9条だけではない。「言論の自由」がいま、危機に陥っているのだ。
 
安倍政権が行うメディアコントロールとは「新聞・TV各社」に対しては、組織のトップから記者クラブの一線の記者たちまでを酒食でもてなす「懐柔」、そしてアメにはなびかない週刊誌に対してはSLAPP訴訟を使った「恫喝」である。
 
メディアから政権批判がなくなれば、ジャーナリズムは消滅してしまう。
 
憲法第9条も戦争法案が成立してしまえば形骸化してしまう。
 
それを食い止めるのは、憲法第3章「国民の権利及び義務」の中にある、第21条の「集会・結社・表現の自由」という権利を最大限駆使して、断続的に首相官邸と国会を包囲しデモを繰り返すことが必要である、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:59| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月18日

どこにでもある、集団的無責任体制

「3連休を挟めば空気も和らぐ」と衆議院本会議で戦争法案を与党単独採決したあと、平然と言い放った菅義偉官房長官。
 
そして内閣支持率の急激な低下を危惧した、新国立競技場建設白紙撤回宣言。
 
2020年東京五輪が白紙撤回ならば拍手喝采といったところであった。 
 
「ゼロベース」で見直すと言ったところで、膨れ上がった工事費が半減することはなく、精々2000億円を下回る程度であろう。
 
先日もつぶやいたのだが、2年前のつぶやき「初めから問題多かった新国立競技場」が昨日だけで200人以上のアクセスがあったことは、国民の関心の高さというよりは、安倍晋三首相が「この問題では、これまで国民の声に謙虚に耳を傾け、さまざまな点を踏まえて検討を進めてきた」という発言の真意を訝ったからではなかったのだろうか。
  
諸悪の根源とか自民党の老害とまで批判されていた御仁は「新国立競技場:『国が一番負担少ない』…森会長チクリ」と言いながらも本音はこんな感じであった。
 
20150718moriyosirou.jpg
 
 
民意「NO」で政権一転 新国立競技場、振り出しに」となったわけだが、その最大の原因は責任者不在の「集団的無責任体制」であったことだけは確かである。
 
20150718musekinintaisei.jpg

<朝日新聞より>

 
20150718soukanzu.jpg
<朝日新聞より>
 
もっとも白紙撤回して関係者に指示しただけでは問題の解決にはならならず、どのように見直しするのか、というその中身について今後も注視し監視していかなければならない。
 
<新国立計画、世論が動かす 見直しに必要な視点は>
 2015年7月18日00時31分 朝日新聞DIGITAL
 無節操に膨らむ総工費を容認する安倍政権に建設計画の見直しを迫ったのは、市民たちの「異議申し立て」だった。誰のための新国立競技場なのか。どんな理念を実現するのか。2020年東京五輪・パラリンピックが5年後に迫るなか、改めて問われている。
 総工費が最大3千億円に上るとの試算が国会で明らかになった13年10月から、計画の見直しを訴えてきた市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」共同代表の大橋智子さんは「市民の声の積み重ねで、計画見直しにこぎつけた。ただ、どう変更するのか方向性が見えず手放しで喜べない」と話した。
 事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が採用したザハ・ハディド氏のデザイン案に対して「巨大すぎる」と早い段階から指摘し、提言書を示した建築家の槇文彦さん(86)は首相の判断を評価。「新しい計画は純粋にスポーツ施設として建設してほしい」と注文した。
 「潔い決断。あっぱれだと思う」。経済同友会の小林喜光代表幹事も判断を評価した。前日の16日、「ゼロベースで対処すべきだ」と強く批判したばかりだった。白紙撤回に「政治や官がいかにお金に対して甘い管理をしてきたかが証明された」とも指摘した。
 一連の問題が五輪の本来の価値を見えなくしていると涙ながらに訴えた元女子マラソン選手で五輪メダリストの有森裕子さん(48)は「不安は少し和らいだ。競技がしやすく、近隣の人たちにも親しまれる競技場にしてほしい」。
 見直しによって、19年のラグビー・ワールドカップの新国立開催の夢はついえた。元ラグビー日本代表で神戸親和女子大講師の平尾剛さん(40)は「もっと早い段階で計画を見直していれば。遅きに失した感もあり残念」と語った。
 時間が限られるなか、どんな視点が必要なのか。
 「柔軟性が大事。どんな大会にして、スタジアムをどう生かすのか、ビジョンを持つべきだ。20年はゴールではなく中継点にすぎない」。ロンドン五輪の馬術会場を設計した建築家の山嵜(やまざき)一也さん(41)は新国立のイメージとして、大会後にサッカー専用の競技場に改修したロンドン五輪のメインスタジアムを挙げた。
 東京都の職員として16年東京五輪の招致活動に関わった順天堂大の鈴木知幸・客員教授(67)が重視したのは、施設の維持管理費のスリム化だった。「五輪後も使い勝手のよい競技場をどう造るか。施設を使う側の意見も採り入れた見直しを早急に進めてほしい。責任の所在もはっきりさせてほしい
 新国立はパラリンピックのメインスタジアムでもある。パラリンピック競泳金メダリストの成田真由美さん(44)は「計画をやり直すのであれば、スロープやエレベーターの大きさなどパラリンピアンの声をさらに採り入れてほしい」と言う。
 放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんは「安倍さんは安保法案で下がった支持率を上げたいのかな。これまでの議論で一番欠けていたのは、納税者に対しての『おもてなし』。日本の技術を使ったからこそこんなに安くできた、という形で技術力を示せばいいのでは」と話す。
■安保・原発、こちらの民意は?
 政権の方針に反対する声が賛成を上回っているのは、新国立競技場の建設問題だけではない。
 「新国立に対する反対の声だけが聞こえて、目の前で訴えているこっちの声は聞こえないとは言わせない」。17日夜、安保関連法案に反対する国会前デモに訪れた東京都杉並区の会社員加藤梅造さん(48)は語った。
 法案は衆院を通過したが、国会周辺には夕方ごろから人々が続々と集まった。神奈川県松田町のアルバイト妹尾尚美さん(33)は「方針が一度打ち出されても市民の声によって撤回することができると、安倍首相が自分で言ってくれたようなもの。法案も撤回してと言いたい
 自宅が福島県浪江町の帰還困難区域にあり、県内に避難している今野秀則さん(67)は、五輪招致の演説で大量流出が続いていた福島第一原発の汚染水問題を「コントロールされている」と言い切った安倍首相を思い出していた。「民意によって見直しをするなら、原発再稼働も国民の意見に従うべきだ
 沖縄県名護市辺野古。金物店を営む西川征夫さん(71)はテレビで新国立競技場の建設計画の見直しを知った。米軍普天間飛行場の移設問題では、各種選挙で移設反対派が勝っても、政権は譲らない。「安倍政権が基地問題で民意に耳を傾けることはないと思う。最後は司法の場。それまではあきらめない」
 政治評論家の有馬晴海さんは「新国立の白紙撤回は評価したいが、本当の意味で国民の声を聞いたわけではない。安保法案の強行採決による内閣支持率の下落幅を小さくするのが狙いで、反対の声が多い他の問題でも同じ対応をするとは考えにくい」と語った。
    
本当の意味で国民の声を聞いたわけではない。安保法案の強行採決による内閣支持率の下落幅を小さくするのが狙いで、反対の声が多い他の問題でも同じ対応をするとは考えにくい」との見方が一般的であろう。
 
ところで、日本一の利益を上げている自動車会社が、今年、初めての女性役員を米国から連れてきたまではよかったのだが、麻薬常習者として逮捕されてしまい社長が直ちに擁護会見までしていたのだが、その女性役員は辞任後不起訴になり、いつのまにか米国に逃げ帰ってしまった。
 
これには予想通りというのか、日本の司法にまたもや米国政府の介入があったらしい。
 
ケネディ駐日米大使、日本側と接触-元トヨタ常務釈放に先立ち
 2015/07/09 11:48 JST
 (ブルームバーグ):麻薬及び向精神薬取締法違反容疑で逮捕されていたトヨタ自動車 の元常務役員、ジュリー・ハンプ氏の釈放に先立ち、ケネディ駐日米大使が日本の当局とこの件について接触していたことが分かった。事情に詳しい米当局者が明らかにした。
東京地検は8日、ハンプ氏(55)を起訴猶予とし、釈放した。この米当局者は、米国民が外国で拘束されるか罪に問われた場合、今回のように米国の大使が求めに応じてこのような役割を果たすことはよくあることだと説明した。情報が非公開であることを理由に匿名で語った。
米国務省のマーク・トナー副報道官はワシントンで記者団に対し、ケネディ氏が米国の大使として「何らかのレベルで」関与したことは確かだが、それ以上のコメントは控えると話した。
匿名の米当局者によれば、ハンプ氏の件ではケネディ大使の関与のほか、米大使館による日本の当局者への照会もあった。こうした動きの背景には、この問題が大きな注目を浴びたことで、訴訟手続きもないまま同氏が有罪であるかのような不公正な印象が生じかねないとの懸念もあったという。
米当局者はまた、米国の大使や外交官、在外公館の法務担当者は今回のケースほど人目を引かない問題でも駐在国の当局者と日常的に話しをしていると指摘。今回も含めそうした接触では、米国民逮捕の根拠や不利となる証拠の性質について相手国の司法当局者に問い合わせるが、現地の法律が類似の米国の法律と異なる場合でも特別な免除を求めることはないと語った。
原題:Former Toyota Executive Released 20 Days After Drug Arrest (3)
 
日米地位協定を悪用して、沖縄で少女強姦事件を起こした米海兵隊員らが、本国に送還され自由の身になった事件ほどの悪質さはないのだろうが、国民としては不快感を隠せない。
 
トヨタ麻薬容疑者不起訴処分の裏にあったケネディ大使の圧力」と天木直人ブログも指摘していたが、その裏にはもっと深刻な日本の検察の闇が潜んでいた。
 
<アメリカの圧力に屈した? 前トヨタ役員「麻薬密輸でも不起訴」の裏事情>
 2015年07月16日(木) 現代ビジネス ニュースの深層 
20150718toyotasyachou.jpg
記者会見で終始ハンプ氏を擁護した豊田章男社長〔PHOTO〕gettyimages

 
不起訴「3つの理由」
罪状は「麻薬の密輸」である。
決して軽いものではない。覚醒剤、ヘロイン、麻薬などの薬物は所持していただけで罪に問われ、起訴され、有罪判決を受ける可能師が高い。それだけ国家は、薬物が社会に与える悪影響を重く見ている。それを「密輸」したのだから起訴して裁判に委ねるのは当然のこと。ところが、東京地検は不起訴(起訴猶予)処分にした。
警視庁組織犯罪対策5課が、トヨタ自動車前常務役員のジュリー・ハンプ氏を逮捕したのは6月18日である。拘留中の6月30日にハンプ氏は役員を辞任。拘留期限の7月8日、不起訴が決まった。
東京地検が処分を下すと、『読売新聞』はその理由として、次の3つを上げた。
@ハンプ前役員に違法性の認識はあったが程度が低いこと
A入手先や使途に悪質性がうかがえないこと
B逮捕後にトヨタの常務役員を辞任し、社会的制裁を受けていること
実は、3つのなかで「本当の理由」はBだけである。トヨタの役員を辞めたから見逃した。それは、同時進行の形で進められていた麻薬密輸事件で明らかだ。
「快楽のための常用」の疑いもあった
警視庁は、4月13日、米国籍の34歳の男性が、浅草のホテルに滞在している自分宛に、オキシコドンを含む錠剤21錠を、航空小口急送貨物に隠し入れて発送したとして逮捕した。
男性の目的は観光ビザによる日本旅行。21錠は、1日3回で一週間分ということで、常用性はあるものの、営利目的ではなく乱用の危険性もなかった。ヘルニアとなったのをきっかけに、2年ほど前から常用するようになったという。
しかし、持参することなく隠し入れて航空便を使ったことから「違法性の認識」があったのは明らかだった。東京地検は、4月23日に起訴。本人は事実を認めて争う所がなく、初公判の次は判決。東京地裁刑事3部は、6月30日、懲役1年6カ月、執行猶予3年の判決を言い渡した。
裁判長は、「2年前から麻薬を常用しており、親和性や依存性は看過できない」としつつも、今回が初犯であること、反省の態度を示していること、本国から母親が来て監督をすると申し出ていること、などを考慮して執行猶予がふさわしいと判断した。
オキシコドン入り錠剤の持ち込みによる逮捕は、第一号がこの男性で第二号がハンプ氏。比較すれば一目瞭然。ハンプ氏の不起訴理由の@とAはまったく同じ。いや、「旅行」と「滞在」の違いがあるとはいえ、男性の持ち込み分が21錠であるのに対し、ハンプ氏は当初の57錠に加え、200錠を船便で取り寄せたことが判明している。
ハンプ氏は、「膝の痛みを和らげるため」と説明しているものの、警視庁の調べでは、「常用するほどの痛みがある状態ではない」とされており、「快楽のための常用」の疑いも浮上、数量の多さという意味で、悪質性はこちらの方が高い。少なくとも男性を起訴し、ハンプ氏を不起訴にする合理的理由がない。
ケネディ大使が圧力をかけた?
だから不起訴理由はBなのである。検察の日本を代表する大企業、トヨタ自動車への“配慮”以外に考えられない。
この処分に、憤懣やるかたないのは薬物を扱う組対5課の捜査員である。
「ハンプ逮捕の6月18日はトヨタ株主総会の2日後。最大限の配慮はしていますし、前検事総長が監査役に就いているぐらいで政治力があるから、東京地検とは綿密なすり合わせを行い、起訴に絶対の自信を持っていました。でも、不起訴処分。地検より上の東京高検、あるいは最高検の判断でダメになったとか。現場はやってられません」(警視庁捜査関係者)
加えて、法務省には「外圧」もあった。7月8日付けの『USAトゥデイ』電子版は、「キャロライン・ケネディ駐日大使が、麻薬密輸に関わったとして拘留されているハンプ氏の釈放の手助けをした」と、報じている。
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件から5年の歳月が流れたが、検察は今もその後遺症から立ち直っていない。
独自捜査は手控え、警察、国税、証券監視委、公正取引委員会といった外部の捜査・調査機関から持ち込まれる案件には非常に慎重で、確かな証拠と容疑者の自白が前提。そうでなければ受け付けず、起訴もしない。
この国に「法の下の平等」の精神はないのか
そんな「へっぴり腰」をわかっているから、警視庁はトヨタ自動車の「今年の人事の目玉」といわれる女性役員を逮捕するからには、起訴して公判に耐えうる材料を集めていた。
「法の下の平等」が、実際はカネと力のある者によって捻じ曲げられる現実を知らないわけではないが、見過ごすことはできない。
今後、「薬物の密輸」が発覚、社会的地位のある政治家、官僚、実業家が、職を辞したら「社会的制裁を受けた」として不起訴にするのか。そして、地位と身分のない者や外国人が同じ罪を犯したら「社会的制裁を受けていない」として起訴するのか。
起訴するかしないかは検察官の判断に委ねられ、それを「起訴便宜主義」と呼ぶ。それを「起訴ご都合主義」と言い換えていいことが判明した今、検察の信用は、さらに失われている。
 
国会で新国立競技場のデザインに関しては民主党政権の責任だと決めつけて、大嘘がすぐにばれてしまった安倍晋三首相。
 
下村博文文科相が、高騰した建設費の責任者探しを宣言し始めたら、建築家の安藤忠雄が「俺には責任がない」と平然と言ってのける。
 
「集団的自衛権」を行使できる戦争法案を数の力で可決したのだが、建設問題では御用メディアまでにも批判され、最後は「集団的無責任体制」が暴露されてしまった安倍政権。
 
今後は「戦争法」の違憲訴訟が起きるだろうが、日本の法の支配が米国に迎合して、いとも簡単に捻じ曲げられてしまった「起訴ご都合主義」の検察官たちが跳梁跋扈しているようでは心もとない。
 
政治家も司法も頼りにならなければ、国民一人一人が知的武装して団結して立ち向かえば、「民意『NO』で政権一転 戦争法案、振り出しに」となるのではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 13:07| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月17日

いまさら過去を悔やまず、打倒!安倍政権に邁進すべき

新国立競技場建設は最悪の公共事業・五輪じゃなくてラグビーW杯のため」の中でつぶやいた「石川県の田舎高校のラグビー部出身程度ではとても早稲田ラグビー部の練習にはついていけず体を壊し、入学から4ヶ月で退部をせざるを得なかったという森喜朗の強烈なトラウマ」が2020年東京五輪より2019年のラグビーW杯を優先するあまり、旧国立競技場は解体されてしまったことから、悲劇が始まった。
 
しかし、戦争法案が衆院本会議で可決されたとたん、「新国立見直し、首相きょう表明へ ラグビーW杯会場断念」と、あたかも国民の法案成立への怒りの「ガス抜き」のように一部では語られていたが、実際は、政府御用達の大手マスメディアが「新国立競技場、『産経』『読売』『日経』も激烈に批判」と本気で批判したからであった。
 
新国立競技場:舛添知事、見直し検討『本来は1年前に』」というように、戦争法案の成立の危険性は昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定の時点で、全ての新聞・TV(NHK・民放)が解釈改憲の違法性をとことん追求していたら、法案提出すらできなかった可能性があった。
 
例えば、1985年の第102回国会で自民党所属議員により衆議院に議員立法として提出されたが、第103回国会で審議未了廃案となった通称「スパイ防止法案」の時には、全野党と産経新聞を除く大手マスメディア、さらには当時元気だった労働組合がストライキ権を行使して大規模な反対運動を展開した。
 
それから30年、すっかり政権に懐柔されてしまったメディア(新聞・TV)、自民党から分裂した似非野党、同じ労働者が分裂されてしまったナショナルセンター、さらにすっかり影を潜めてしまった学生運動等々、当時の運動の面影はなくなった。
  
しかし元気な中高年と今までデモなんか参加したことが無かった若者たちが、連日国会周辺を取り囲み、戦争法案の声を上げ続けた。
 
国会内の数の力で違憲法案は可決されてしまったが、一部の右翼政治屋連中がいくら声高に叫ぼうと、違憲という事実は決して消すことはできない。
 
「柳沢協二氏の安保国会ウォッチ」では審議過程の安倍晋三首相の異常さを指摘し、「国民が理解していること以上のことを自衛隊にやらせてはいけない」と強調していた。
 
<「自国守るため」論理破綻 首相のおごり不信拡大>
 2015年7月17日 朝刊 東京新聞
20150717yanagisawasuteki.jpg

 ◆柳沢協二氏の安保国会ウォッチ
 衆院審議でよく分かったのは、安保関連法案について抽象論は言えるが、具体的な説明では矛盾があちこちに出て、きちんとした答弁ができないということだろう。首相は「国民の理解は進んでいない」と自ら認めながら強行採決した。これ以上議論しても矛盾が出るばかりで、参院選に近づく前に一刻も早くやってしまおうと考えたのだろう。
 この異常さの背景には、「首相の自分がやっていることが唯一絶対正しい。だからやる」との思い上がりがある。思い上がりの姿を国民が見て、一層不信感を強める。国民と首相の意識のずれが拡大するスパイラル(悪循環)に陥っている。
 首相は多数の憲法学者や歴代の内閣法制局長官の「違憲」との指摘に、「最高裁が判断すべきこと」と応じなかった。要するに「学者や元長官は黙れ」と言っているにすぎない。「自分が首相だから異論は聞かず決めていい」との言い方は、民主主義を分かっていないということではないか。
 全ての根源は、他国を守るのが集団的自衛権なのに、「自国を守るための集団的自衛権」と、論理的に成り立たないことを進めようとしているからだ。世界の集団的自衛で過去に例がない「自国を守るための集団的自衛権」との考えに無理がある。
 「自国を守るため」というのは動機で、法的な性格の要件ではない。一番の基本が論理として矛盾しているから、ぼろが出て答弁が二転三転し、聞けば聞くほど国民が理解できない。
 私は法案についてさまざまな指摘をしたが、衆院審議を通じてすべての議論が全く詰まらず、疑問のまま残った。
 首相は、祖父の岸信介首相が1960年に反対の中で日米安保条約を改定したことと重ねているかもしれない。だが岸氏は米国に日本防衛義務を負わせた。首相は逆に、米国を世界中で支援する義務を負ってしまったことが決定的に違う。米国の期待感を高めていざやらなかったら、同盟が弱体化する。
 最も言いたいのは、国民が理解していること以上のことを自衛隊にやらせてはいけないということ。自衛隊に対する国民の支持の基盤が失われてしまう。安保改定と国連平和維持活動(PKO)協力法では、自衛隊は海外で一人も殺さず、殺されなかった。今回の法案はその逆になってしまうからだ。 (聞き手・金杉貴雄)
 
この戦争法案の強行採決の裏には、安倍晋三という人物の精神的な問題が根底にある。
 
「サイコパス」とは、小学館の大辞泉には「精神病質(その人格のために本人や社会が悩む、正常とされる人格から逸脱したもの)である人」と記載されており、犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。
 
◆良心が異常に欠如している
◆他者に冷淡で共感しない
◆慢性的に平然と嘘をつく
◆狡猾さ/正直さの欠如
◆行動に対する責任が全く取れない
◆罪悪感が皆無
◆自尊心が過大で自己中心的
◆口が達者で表面は魅力的
 
このような、サイコパスの定義を念頭に、戦争法案の審議の期間中に安倍晋三首相の様々な発言をリテラの2つの記事「やっぱりサイコパス! 安倍首相の安保法制トンデモ発言ランキング〈第10位ー第5位〉」と「独裁者の本音が次々露わに! 安倍首相の安保法制トンデモ発言ランキング〈第4位-第1位〉」から編集して、第1位から第10位までを並べてみた。
 
★第1位 「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」
(5月20日、国会党首討論で)
 ■俺が言ってることは正しいのだから正しい! まさにファシスト! さようなら民主主義■
 やはり、栄光の第1位はこれをおいてないだろう。他でもない“安倍ファシズム宣言”だ。5月20日の国会での党首討論会では、共産党・志位和夫委員長とのポツダム宣言をめぐる攻防が話題となったが、むしろ見逃してはいけないのはこっちのほうだ。
 煮え切らない首相の答弁に、民主党・岡田克也代表が「何一つ納得できない。間違っていますよ!」と怒りをあらわにしたことに買い言葉の安倍首相。「何をもって間違っていると言っておられるのかわかりませんが、我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ」とをまくしたて、そして小バカにしたように吹き出しながらこう続けた。「私は総理大臣なんですから」(笑)。
 まさかの「俺が法律だ」宣言である。もうあきれ果ててツッコむ気にもなれないが、安倍首相の民主主義観というのは、つまり「一度選挙で選んだら国民は白紙委任して黙っておけばいい」ということだろう。そう考えてみると、今回の安保法制法案について、国民の理解が進まないのは、法案の内容が複雑だからでも、政府の説明が下手だからでもない。ひっきょう、安倍首相が国民のことなどどうでもいいと思っているからだ。おとなしく俺の言うことに従っておけばいい、と。
 
★第2位 「日本を攻撃しないと言いながら、意図を隠して攻撃の用意をしていることは当然あり得る」ほか
(7月3日、特別委での答弁)
 ■集団的自衛権の条件をいつのまにか拡大! 陰謀論を駆使して侵略戦争も可能に■
 二転三転した安倍首相の答弁のなかでも、もっとも酷いのはいつの間にか集団的自衛権発動の条件が変わっていたことだろう。7月10日の特別委で、集団的自衛権の行使が可能となる状況について「邦人輸送中やミサイル警戒中の米艦が攻撃される明白な危機がある段階で認定が可能」と言い放った。しかし、首相は6月には「米艦にミサイルが発射された段階」で判断できるとしていたわけで、いつのまにか条件を拡大していたことになる。
 ようするに、「あの国から米艦隊が攻撃されるだろう」と政府が恣意的に認定しさえすれば、いつでも集団的自衛権を行使することができるらしい。
 
★第3位 「戦争法案などといった無責任なレッテル貼りは全くの誤りだ」
(5月14日、記者会見で)
 ■または首相は如何にして説明するのを止めてレッテル貼りを愛するようになったか■
 閣議決定の日の記者会見で言ったこのセリフ。もはや説明は不要だろう。昨年7月14日にも、集団的自衛権をテーマに開かれた衆院予算委員会の集中審議で、民主党の海江田万里代表(当時)が「抑止力を高めると軍拡競争が始まるのでは」と指摘。すると安倍首相は「レッテルを、私がレッテルを貼ったなら謝るが、海江田さんもレッテルを貼ったなら取り消していただきたい。お互いにレッテルを貼りあうという不毛な。海江田さんがまずレッテルを貼ったから、私もレッテルを貼った。レッテル貼りの議論ではなくて、レッテル貼りではなく中身の議論をすべきだと思う」と、なんと1回の答弁で8回も「レッテル」という単語を使った。“首相の異常なレッテルへの愛情”はなんなのか?
 
★第4位 「実際、(自衛隊員の)リスクは下がっていくと思います」
(7月8日、ネット番組で)
 ■自衛隊のリスクはむしろ下がる? 小学生低学年以下の反論で輪をかけてわかりにくく■
 前編でも紹介したネット番組で、自衛隊員のリスクについて「例えば1あるリスクが1増えて、更に1増えて、1+1+1=3で、今まで2だったものより増えたじゃないかという単純な話ではない」というわけのわからない発言をした安倍首相。
 上から目線で分かりやすく説明しようとして、逆に自分の頭の悪さを露呈させたかたちだが、もっと驚いたのは“むしろ自衛隊のリスクは下がる”などと言い出したことだ。
「今度私たちがつくる法律は恒久法ですから、あらかじめ各国とも連携した情報収集や教育訓練が可能となり、色んな事態に対応できる訓練が可能になりますから、実際、リスクは下がっていくと思います」
 地球上のあらゆる戦闘場所に出かけて行って、後方支援、つまり一番狙われやすい兵站を担当するのに、訓練さえすれば大丈夫!って、そんなわけないだろう。
 むしろ、安倍首相は「1+1+1=3」という小学生レベルの当たり前を一から勉強し直した方がいいのではないか。
 
★第5位 「『秘密の会だったら何言ってもよい』なんて一言も言っていないですよ」
(6月26日、民主党・辻元清美氏との質疑で)
 ■そんなこと言ってない→直前に言ってた 超絶スピードで捏造認定する脅威の鳥頭■
 自民党の勉強会で、若手議員や百田尚樹氏が“言論弾圧発言”を行った問題で、民主党・辻元清美議員が安倍首相の責任を追及。そのなかで、お得意の捏造認定が飛び出した。
 辻元「総理は『公開で行われた会じゃない』とおっしゃった。秘密の会だったら、こういう発言をしてよいとお考えか」
 安倍「『秘密の会だったら何言ってもよい』なんて一言も言っていないですよ。言ってないことを言っているかのごとく紹介し、批判されても、答弁のしようがない」
 これはまっかなウソ。その直前の答弁で安倍首相は「まさにこれは党の中で、私的な勉強会の中にあって、いろいろな自由闊達な議論があります」「(百田氏が)そもそもお話しになった内容は、外に出すということは前提にしていない中において話をされた」などと発言しており、議事録にもしっかり残っている。ようするに「公開の会でないのだから追及するな」という詭弁だが、それにしても、自分の発言をものの数分間で忘れるとは……もしかしたら、数ある安倍首相の“捏造認定”のなかでもナンバーワンのスピードかもしれない。おそるべき鳥頭である。
 
★第6位 「今まで自衛隊に死傷者が出ていなかったかのごとくの認識ですが、それは違いますよ」
(5月27日、特別委での民主党・大串博志議員との質疑で)
 ■議論のスリカエお手のもの 事故での自衛隊死者と戦死を意図的に混同させる■
 安保法制成立で飛躍的に増大する自衛隊員の“戦死”リスク。だが、安倍首相は、これまでも「死傷者」はいたと突っぱねる。「今までにも1800名の自衛隊員の方々が、様々な任務等で殉職をされておられます」(5月14日閣議決定後の会見)。だが、これらの「殉職者」の大半は任務中の事故によるものだ。戦闘で殺害された隊員は、戦後70年、ひとりもいない。事故で死ぬのと戦死するのとでは性質がまるで異なるし、常識的に考えれば、これまで任務中・訓練中の事故で亡くなっていた人数に加えて、自衛隊員が戦死する可能性が増すのだから「殉職者」の数は確実に増える。卑劣な論理のスリカエ以外のなにものでもない。
 
★第7位 「では危機が起こらないと言えるのか」
(5月27日、維新の党・松野頼久氏との答弁で)
 ■ガキンチョか! 痛いところを突かれると逆ギレ・逆質問して遁走するという手口■
 安倍首相の「丁寧に説明する」は完全にポーズだけだ。5月27日の衆院特別委で、維新の党・松野頼久代表の「法改正をしなくてはならない相当な危機が迫っているのか」との質問に、安倍首相は「では危機が起こらないといえるのか」と逆質問。社会言語学者の東照二・立命館大学教授は、毎日新聞紙上で「この逆質問は『あなたとは価値観を共有しない』と相互理解を拒む姿勢の表れです」と解説しているが、それにしても、異様に子供っぽい逆ギレである。しかも安倍首相は、「どういう危機になるか個別的に申し上げられない。(言うことは)むしろ無責任ではないか」などと、無茶苦茶な答弁を続けている。
「無責任」なのはどっちか、それこそ小学生でもわかるだろう。
 
★第8位 「『安倍晋三は生意気なやつだから今度殴ってやる』という不良の人たちがいる」ほか
(7月7日、ネット番組で)
 ■ヤンキーにからまれたら、戸締りすれば泥棒が……反知性主義的喩え話が止まらない■
「国民に理解を求めるため」などといって、計5日にわたって自民党のネット番組に出演した安倍首相。その模様は「ニコニコ生放送」でも中継されたが、唖然としたのは、彼が持ち出した集団的自衛権のたとえ話だ。
「『安倍晋三は生意気なやつだから今度殴ってやる』という不良の人たちがいる」
「例えば私の友達のアソーさんという人が、『俺はけんかが強いから、一緒に帰って守ってやるよ』と言って(略)私の前を歩いてくれている。そこに3人くらい不良が出てきて、いきなりアソーさんに殴りかかった。(略)私はアソーさんと一緒に、この人たちに対応する。私もアソーさんをまず守る」
 戦争をヤンキーの喧嘩にたとえるって、これ、一国の首相の語る言葉なのだろうか。そもそも、国と国との関係は何より経済的な問題が大きな影響をもっており、こんなに単純化できるはずもない。
 他にも「一般のご家庭でも戸締りをしっかりとしていれば泥棒や強盗が入らない」など、とにかくレベルの低いたとえ話で、国民をごまかそうというのが見え見えなのだ。
 いや、待てよ。もしかしたら、国民をごまかそうとしているんじゃなくて、安倍首相は本当に国際政治をヤンキーの喧嘩と同じだと思っているのかもしれない。
 
★第9位 「言えば政策の中身をさらすことになる」
(6月17日、民主党・岡田克也氏との討論で)
 ■説明放棄は当たり前! 北朝鮮ばりの秘密主義を目指していることがあきらかに■
 「総合的に判断する」「一概に申し上げることはできない」という台詞など、国会で説明責任を放棄しまくった安倍首相。 しかし、なかでもひどいのは、6月17日、民主党・岡田克也代表との党首討論での発言だ。岡田代表から武力行使の前提となる「存立危機事態」の具体例について繰り返し質問されると、対する安倍首相は「そういうケースで私が述べていくということは、(他国に)政策的な中身をさらすことになる。国際的にもそんなことをいちいち述べている海外のリーダーはほとんどいない」と反論したのだ。 
 
★第10位 「私も丁寧に説明して(国民の)理解が進んできたと思う」
(7月13日、自民党役員会で)
 ■2日前には「理解は進んだ」と言っていた! 場当たりで嘘をついても無反省のサイコパス■
 衆院特別委での強行採決が行われた昨日、安倍首相は安保法案について「国民の理解が進んでいないのも事実だ。理解が進むように努力を重ねていきたい」と述べた。だったら強行採決するなよ!と全員がツッコんだと思うが、そんなことを言っても安倍首相には通用しないだろう。そもそも、この男は2日前の13日、党役員会で「私も丁寧に説明して(国民の)理解が進んできたと思う」と言ってのけていたのだ。各社世論調査で、安倍政権が法案を十分に説明しているかという設問に対して“不十分”という回答が軒並み8割を超えているのに、平気でそんな嘘をつく。
 で、それを批判されると、罪悪感皆無でシレッと前言撤回。それでいてまったく矛盾する強行採決を行う。常識では理解不能の行動、まさにサイコパスだ。きっと、安倍首相の言う「国民」とは、彼の脳内で都合よく想像された存在にすぎないのだろう。
 
そして、同記事は最後に以下のようにまとめていた。
      
真の恐怖はこれからだろう。なにせ、自衛隊の最高指揮監督権を持っているのがこの男で、しかも安保法制により、その自衛隊の活動範囲が飛躍的に拡大し、他国への攻撃が可能となるのだ。はっきり言うが、安倍晋三が総理大臣であるかぎり、日本は他国との戦争はさけられない。
 だが、15日の晩、国会前には6万人もの国民が集まり、戦争法案反対の声を上げたが、この法案がいかにでたらめで、安倍晋三という男がいかに危険であるかをもっともっと認識して、この暴挙に対してさらに多くの人が怒りを表明すれば、まだ望みはある。世論がもっと盛り上がり大きな反対運動になっていけば、安倍内閣を倒し、安保法制を廃案にすることも、決して不可能ではないのだ。
 そのためにも、この史上最悪の総理大臣の危険な本質をさらに多くの人に知らせる必要がある。奮って拡散していただきたい。
 
以下のような発言を見れば、国民の怒りは決して簡単には消えず継続していくはずである、とオジサンは思う。
 
20150717sugakanbouchoukan.jpg

 
20150717abegougann.jpg


posted by 定年オジサン at 12:34| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月16日

国民のガス抜きに利用するとは許されない、新国立競技場設計見直し

戦争法案の国会審議が開始されて僅か2週間後の5月31日、TBSのサンデーモーニングに出演した政治学者の姜尚中は、国会で審議されている安保法制における政府側の不誠実な答弁は、「まるで消化試合をやっている」と批判したが、その姿勢が「安保法案の国会討論を『消化試合』と評した無気力な姜尚中」と一部の政治ブロガーから批判されていた。
 
いわゆるリベラルと呼ばれる人々の安倍政権に対する闘争心の欠如を「無気力」と表現したのだった。
 
それから1か月半足らずで、本気モードになったのは全国の憲法学者たちで、その境目は6月4日の憲法審査会であった。
 
参考人として出席した与野党の3人の憲法学者が、本来の目的ではなく民主党の委員からの突然の「裁判官だったらどう判断するか」という仮定の質問に対する回答が「違憲である」という程度であった。
 
その後はメディアも「潮目が変わった」との表現で戦争法案の違憲性を報道し始めたが、そもそも現行憲法を変えることが党是となっている自民党の連中の頭の中には、憲法99条の「憲法尊重の擁護の義務」なんてものは存在していなかった。
 
むしろ憲法学者よりも政治家の方が上であるとの意識がむき出しにされた。
 
その後は戦争法案の合憲の根拠を砂川裁判の最高裁判決を持ち出すなど、泥縄的な情けない対応であったが、大手マスメディアがこぞって批判するまでには至らなかった。 
 
「丁寧な説明を」という口実から国会会期を大幅に延長し、狡猾的な自民党は、自分たちの都合の良い時には憲法を用いて、第59条の「法律案の議決、衆議院の優越」で定められている、いわゆる「60日ルール」を念頭に、国民の理解が進んでいないと安倍晋三首相が認めながらも、昨日の委員会での強行採決と本日の衆院本会議での採決という既定路線を突き進んでしまった。 
 
今後の世論調査では、内閣支持率はかなり低下し、不支持率が支持率を大きく上回ることも予想されるが、自民党内では「想定内」であると高を括っている連中が多いが、一部の良識派の議員の中には国民の怒りに危機感を抱いていることも事実である。
 
そして強行採決を行った後に、なぜか自民党の中から、こんな声が出始めた。
 
<「新国立競技場:残り4年2カ月「設計見直し」声のうねり」>
 毎日新聞 2015年07月16日 00時41分
 総工費2520億円に膨らんだ新国立競技場の建設計画について、政府が見直す方向で調整に入った。主会場として予定する東京五輪・パラリンピックまで5年、ラグビーのワールドカップ(W杯)までは4年2カ月に迫っての方針転換に、大会関係者や、現行の建設計画に反対意思を表明していた人たちからさまざまな声が上がった。【藤野智成、田原和宏、新井隆一、飯山太郎】
 与党からも吹き荒れる批判の風圧を肌で感じていた政府関係者は「自民党内にも『見直すべきだ』との声がものすごい。官邸からも『今の案はどうにかしなくてはいけない』との声が出ている。今回は見直しの方向で行くだろう」と話した。建設主体の日本スポーツ振興センター(JSC)を管轄する下村博文文部科学相はこれまで、反対の声をよそに現行案での施工方針を表明してきたが、今回は見直しを迫られるとの見方が強い。
 文科省幹部からも既に自戒の言葉が漏れ始めた。「引き返すべきだったのは、総工費が3000億円に膨れあがるとわかった2013年10月。あの時は(同9月に)五輪招致を勝ち取り、どこかみんなが浮かれていた」。東京都の幹部は「寝耳に水。職員にはとにかく静観するよう話した」と語った。一方で実際に見直しが行われた場合に「(19年秋のラグビーW杯に)工期は間に合うのか」との懸念も示した。文科省は設計を見直せば、完成まで61カ月かかると試算しており、すぐに着手しても20年8月中旬までかかる計算。ラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」は、通常主会場で行う開幕戦と準決勝、決勝の観客収容数について「6万人以上」を推奨しており、規定上は8万人を条件としていない。このため、今後はラグビーW杯の主会場変更案も持ち上がる可能性がある。
 自身のツイッターで新国立競技場の計画見直しを訴えていた元ラグビー日本代表で神戸親和女子大講師の平尾剛さん(40)は「少し風向きは変わった」と一歩前進を評価。「(現行案では)莫大(ばくだい)な税金を投入する。将来そこでプレーする選手がどのような気持ちを抱くのか考え、反対した。選手の視線も盛り込んだ見直しにしてほしい」と要望した。
 巨大構造の見直しは槙文彦氏(86)らの建築家グループが再三、訴えてきた。その一人の大野秀敏・東大名誉教授(65)は見直し方針を「歓迎したい。ただ(巨大な弓状の構造物の)キールアーチを残した中途半端な変更では、工期が間に合うかのリスクを抱え続ける。デザイン変更に踏み込むべきだ」と提案。「スポーツ界や文化界など各団体の要求を詰め込みすぎているから設計も苦しくなる。外観も空から見た格好良さにこだわるのでなく、神宮外苑の景観に合わせるべきだ」と語った。
 現行計画に反対する市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の共同代表を務める作家の森まゆみさんは「まだ内容が分からないので何も言えない」。一方で、安全保障関連法案が衆院特別委員会で強行採決された日に「見直し検討」情報が出たことについて、「(政府が)こういう日にぶつけて来て、(市民の不満の)『ガス抜き』をしたのでは」と指摘した。
 
国際コンペで設計デザインの最終決定を行った責任者の安藤忠雄までもが、7月11日には「「新国立競技場2520億円に安藤忠雄氏『なんでこんなに増えてんのか分からへんねん』」と、自分には全く責任が無いかのような発言をし、無責任大王のレイシストが、その翌日に「【新国立競技場】石原慎太郎氏『都民以外の通勤者に1000円取ればいい』」などと言う始末。
 
さらには、14日には「『新国立競技場、もう72億円かかります』2520億円に歩行者デッキ費用が含まれていなかった」という新たな事実が明らかになり、最終的な総予算は誰も予想できないところまで来てしまった。
 
オジサンは2013年11月10日から「初めから問題多かった新国立競技場」と、この問題に関してのつぶやきを始めたが、その中ですでにほとんどの問題点を提示していたので、今でも毎日このつぶやきのアクセスが絶えない。
 
2020年東京五輪は国家的事業で安倍晋三首相が大ぼら吹いて招致したので、どのような問題が明るみにでても、政府寄りのメディアは批判はしてこなかった。
 
しかし最近になって、国民の関心が高まるに連れて、政府を庇いきれなくなったようである。 
 
<「ずさん」「あぜん」「無責任」「もはや見直すしかない」 新国立競技場、「産経」「読売」「日経」も激烈に批判>
 2015/7/14 16:30 JCASTニュース
この評判の悪さは安保法制どころではない。2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場のことだ。槙文彦氏ら建築家グループのほか、陸上の為末大さん、ラグビーの平尾剛さんらアスリート、さらにはマスコミの論調も批判一色。
 第2次安倍晋三政権成立以来、安保法制を含め政権支持の論調が際立つ「読売」「産経」なども、「かつてないほどの強い言葉使いでケチョンケチョンに批判」(大手紙論説委員)している。もはや、計画を見直すしかないというのが国民的常識のようだ。
20150716medhianews.jpg
各紙がケチョンケチョンに批判

朝日は「冷静に立ち止まって考えたい」と比較的穏健だが・・・
新競技場の建設費について、下村博文・文部科学相が当初計画の1300億円、その後の修正計画の1625億円から大幅に膨らみ、2520億円になると明らかにしたのが2015年6月29日。東京都に500億円の負担を求め、舛添要一都知事と激しい言い合いになったことは、J-CASTニュースでも詳報した通りだ。
 文科省管轄で建設主体になる日本スポーツ振興センター(JSC)は7月6日に2520億円の内訳を説明し、アーチなど建築の特殊性が原因で765億増えるなどとする数字を示し、有識者会議が7日にこの計画を承認、9日には工事の一部33億円分について大手ゼネコンとの契約も結ぶというように、事態は一気に動き出した。「既成事実を積み上げ、時間切れに持ち込もうとの魂胆」(大手紙運動部デスク)が見え見えだが、政府や日本オリンピック委員会(JOC)などの「身内」や利害関係者以外の間では批判が一気に拡大しているのが現在の状況だ。
 とりわけ新聞論調は、第2次安倍内閣発足後でも特筆すべき厳しさだ。
 「納得できぬ見切り発車」とする「毎日」6月27日社説は「財源が確保できていない。長期にわたる維持費も膨大だ。......それでも『国際公約』などを理由に見切り発車しようとしている。こんなずさんさでは『国家プロジェクト』の名に値しない」と、バッサリ切り捨て、「このままでは新国立が『負の遺産』になってしまわないか。計画の見直しを改めて求めたい」と明快に求める。
 「東京」7月9日社説も「神宮外苑は都心の緑のオアシスである。その歴史や文化の薫りを損ね、景観を壊し、国民に重いつけを回して箱物を造る。かつて繰り返された巨大公共事業の再来のようだ」と批判し、政府に「出直し」の決断を要求。「見切り発車は禍根残す」と題した「朝日」7月6日社説も「後世に残す国民の財産をめぐる議論はまったく尽くされていない」「設計を一から見直す......結果、五輪に的を絞ることで間に合うのならば、ラグビーW杯は別の主会場を検討するべきだ」と、見直しを求める。ただし、「冷静に立ち止まって考えたい」など、言葉使いは比較的穏便だ。
五輪がらみで異例の厳しさ
 際立つのは、安保法制や歴史認識などで安倍政権を支持、また安倍路線推進の論調が目立つ各紙も、新国立競技場に限っては、批判の論陣に加わっていることだ。
 「産経」の社説にあたる7月9日「主張」は、JSCの河野一郎理事長が「国民一人一人の財産になる」と述べたことに、「ずさんな計画の責任を国民に転嫁するつもりか」とかみつき、「この計画はあまりに無責任だ。計画を見直す、これが最後の機会であると危機感を持ってほしい」と強く要求。「日経」も7月10日社説は「これほど無謀な国家プロジェクトがいっさいの見直しもなく進行する事態に、あぜんとするばかりだ」という厳しい書き出しで始まり、「危惧すべきは新競技場そのものの問題だけではない。こういう感覚でものごとを進めていく無責任体質が、いま日本をむしばんでいることが恐ろしい」と、一度動き始めたら止まらない「公共事業体質」にも批判の矛先を向ける。
 極めつけは「読売」だ。7月9日社説で「財源のメドすら立たないまま、建設へと突き進む。あまりに愚かで、無責任な判断である」ときつい言い回しで批判。「JSCを所管する文科相こそが責任者だろう」「有識者会議に出席した東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長や遠藤五輪相、舛添要一東京都知事らが着工にお墨付きを与えたことは、理解に苦しむ」など、関係者を槍玉に挙げ、「東京五輪の『負の遺産』として、将来世代にツケを回すことは、決して許されない」と、最後まで厳しい言葉を連ねた。
 ある大手紙関係者は「一般に、五輪関係の論調は甘くなりがちだ。というのも、五輪関連で広告を集めるなど、新聞自身の儲けに直結するからだ」と語る。それだけに、この問題での各紙の論調の厳しさは「異例」ともいえ、現行計画の「筋の悪さ」を一層際立たせている。
 
1年半前からインターネット上で賛同者を募っていた「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」は7月14日に下記のようなかなり核心を突く公開質問状を関係責任者に提出していた。 
  
下村博文 文部科学大臣殿
河野一郎 独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長殿
新国立競技場現行案に関する公開質問状
 
時下、ますますご清祥のことと存じます。
さる7月7日の国立競技場将来構想有識者会議におきまして、総工費2,520億円の現行案が了承されました。
しかし、当会「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」は、この結果に納得できかねます。
つきましては、下村博文大臣と河野一郎理事長の両氏に下記14点をお尋ねします。
お手数ですが、7月28日までにご回答くださいますよう、よろしくお願い申しあげます。
なお、この質問状は、47,000人超の賛同人はじめ、多くの国民の疑問を背景にしておりますので、質問事項と回答内容を当会のホームページなどで公開するとともに、マスコミにも告知いたします。
1. 現行案を変更できない理由「国際公約違反」について
変更すると国際公約違反になるとのことですが、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長は「変更したいのなら、できる」と言っています(『毎日新聞』7月1日)。
IOCが許可しているにもかかわらず、国際公約違反になるという根拠を教えてください。
2. 現行案を変更できない理由「違約金や訴訟の可能性」について
変更すると違約金が発生したり、訴訟になるとのことですが、違約金と訴訟になった場合の費用の試算を教えてください。また2014年9月25日の自民党無駄撲滅プロジェクト・チームのヒアリングで約束されたザハ・ハディド氏との契約書を公開してください。
3. 現行案を変更できない理由「間に合わない」について
変更すると間に合わないとのことですが、日本スポーツ振興センター(以下JSC)の鬼澤佳弘理事が発表した代替案の工期は「設計19ヶ月+工事42ヶ月=計61ヶ月」(TBS『ひるおび』7月13日)と報道されています。
この工期は誰がどのような根拠で試算したのか、教えてください。
4. 現行案の評価について
下村大臣は、国際コンクールでザハ案を選んだ安藤忠雄委員長に対して「なぜ、ザハ氏の案を選んだのか、説明してほしい」と言ったと報道されていますが(『産經新聞』7月10日)、計画の当事者として、現行案をどのように評価されているのか、具体的にご説明ください。
5. 総工費について
総工費2,520億円の内訳を教えてください。またこの金額が「上限ではない」とJSCが回答したと報道されましたが(TBS『Nスタ』7月1日)、ほんとうの総工費はいくらになるとお考えでしょうか。
今回別工事となった開閉式遮音装置、15,000人分の可動席、周辺整備、さらにいまだ明らかにされていないと指摘される地下の基礎工事や残土処分を含んだ新国立競技場を完成させるのに必要な総額を教えてください。
6. デザインの特殊性について
総工費のうち、765億円は現行案のデザインの特殊性によるとのことですが、特殊性とは具体的に何を指すのか、その特殊性がなぜ必要なのか、765億円の内訳もあわせて教えてください。
7. 開閉式遮音装置について
開閉式遮音装置は、東京五輪には間に合わず、2020年以降に設置されることになりましたが、このまま設置しないという可能性もあるのでしょうか。設置についての判断は、いつどなたがなさるのでしょうか。
8. 大規模修繕費について
現行案の大規模修繕費が当初試算の656億円から1046億円に増えることが明らかにされましたが、約400億円近くも増えた理由をお知らせください。また1046億円の内訳を教えてください。
9. 現行案で間に合わなかった場合
「工期に余裕は一切ない。一度でも天変地異が起きれば、間に合わなくなる可能性がある」(ゼネコン幹部の証言)と報道されています(『朝日新聞』7月11日)。万一、新国立競技場の建設が間に合わなかったときのことは想定されていますか。その場合、腹案として調布の「味の素スタジアム」を活用するお考えはありますか。
10. 責任の所在について
下村大臣は、こうした事態を招いた原因について「責任者がわからないまま来てしまった」と言われ(『NHK』6月9日)、その後、「私が責任をもって取り組む」と答えられました(『日本経済新聞』6月26日)。しかし、その直後には、東京都との調整(500億円負担含む)を遠藤利明五輪担当大臣に一任した報道されています(『朝日新聞』7月3日)。
新国立競技場建設計画の責任者は、どなたであるとお考えでしょうか?
11. 組織改革について
下村大臣が指摘されたとおり、このような事態を招いた原因の1つは「JSCの能力を越えた」からだと考えられます。JSCはしかるべき責任を取って計画当事者から退いた上で、大型の公共事業を監督できる別の組織が必要と考えますが、組織改革の予定はありますか。
12. 大成建設との工事契約について
7月9日、大成建設と工事契約を結んだと報道されましたが、JSCのホームページに「公募型プロポーザル方式」で実施したと示されています。有識者会議で設計が承認された7月7日からわずか2日後の契約とはあまりに性急です。公募日時、公募内容、応募した会社名を教えてください。また大成建設と契約した「新国立競技場新営工事における一部建設資材の 発注等」の仕様書を公開してください。
13. デザイン選考の検証について
下村文科相は、国際コンクールの「デザイン選考について検証する考えを表明した」と報道されています(『共同通信』7月10日)。具体的な検証方法、検証期間、検証者、公表の時期と方法を教えてください。
14. 国民の理解について
今回の現行案了承を受け、意識調査では95%が「現行案での建設に反対」(『読売新聞』7月10日)、93%が「計画を見直して建築費を縮小すべき」(『日本経済新聞』7月14日)と回答しています。今後、計画を進めていく上で、国民の理解と共感を得るために、どのような改善策をお考えでしょうか。情報開示と市民参加の方法についても教えてください。
 
神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
 
この公開質問状に全て回答できた暁には、新国立競技場の建設問題は大きく見直しされることだけは確かである、とオジサンは確信している。 

posted by 定年オジサン at 11:13| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月15日

予定通り、バカがバカをやっただけだけでは済まされぬ

「いつまでもだらだらと続けることでなく、やはり決めるところは決める」とほざいていたのは菅義偉官房長官。
 
「そろそろというのが相場観だ」と訳の分からぬ表現をしたのが公明党の山口那津男代表。
 
永田町はいつから兜町になったのだろうか。
 
「決めるところは決める」とか「相場観」だという言葉は、そもそもが議論をないがしろにする意思が露骨に出ている。
 
「いつまでもだらだらと」という表現に至っては、国会そのものを侮辱しており、それは国民をも侮辱していることになる。
 
当然、多くの国民は「市民団体、学生、法曹、地方議会、医療界… 『安保法案反対』広範に」ということになっているのだが、「安保法案:衆院委で15日採決強行 与党方針、野党反発」という既定路線を突き進むらしい。
 
20150715hantainokoe.jpg
 
 
7月15日といえば、第2次岸改造内閣で、新安保条約の批准書交換の日の6月23日に岸信介が辞意を表明して総辞職した日でもある。
 
「ジッチャンの仇」と安倍晋三が15日の採決にこだわった理由かもしれない。
 
この母方の祖父の亡霊を追い続けている男は、集団的自衛権行使の大きな理由の一つに、イランがホルムズ海峡に敷設した機雷の掃海行為を挙げていた。
 
昨年の6月9日の参院決算委員会で「(機雷掃海は)受動的かつ限定的な行為で、空爆や敵地に攻め込むのとは性格が違う」と詭弁的な答弁をしていたが、日本が攻撃を受けてもいないのに、外国の敷設した機雷を進んで除去する行為は、「能動的」な行為であって、決して「受動的」ではないことは明白である。
  
20150715irannukessatelite.jpg
<毎日新聞より>
  
その日本にとって生命線である原油の輸出に関しては「イラン核交渉:最終合意 ウラン濃縮制限 経済制裁を解除」という交渉結果をうけて、今後は、イラン産原油輸出が拡大すれば日本のエネルギー政策にも好影響を与えそうになってきた。
 
もちろん、任期末が迫っている米国オバマ大統領の思惑からであろうが、集団的自衛権を行使しなくても外交努力で解決できるということを示したのである。
 
昨夜の日比谷野音では会場に入りきれない人たちも含めて約2万人が押し寄せていた。
 
20150715yaonsyuukai_asahi.jpg
<朝日新聞より>
  
このような大規模の反対行動にも拘わらず法案は強行採決により衆院本会議で成立する可能性が高くなってきた。
 
しかし、護憲派の小林節慶大名誉教授は「安保“強行採決ムード”も…小林節氏が宣言『安倍政権は倒せる』」とばかりに、k学者らしからぬ過激なことを言っていた。
 
「野党は比例区の直近の票を前提に、(衆院の)小選挙区や参院の選挙区で取る割合・数をまず決める。それぞれの政党で一番戦いやすい選挙区を取る。そこで、いかにも党内だけでしか通用しない人ではなくて、周辺からも票が取れそうな超党派で推してもらえそうな人を出す。各党がそういう人を責任を持って出して、その代わり、他党は絶対に邪魔しない。これさえすれば、安倍政権なんて吹っ飛ばせるのです」
「今回、強行採決をされても、諦めないで下さい。予定通り、バカがバカをやっただけです。『やっぱり来たか! バカ野郎!』と言っていればいいのです。強行すれば、参院選はつまずく。いや、つまずかせる。違憲訴訟も準備しています。法律が成立してしまったら、その瞬間から我々の平和的生存権がシクシクと害され続けるのです。たくさんの人が集団訴訟を起こすでしょう。今日も弁護士会でお願いをしてきました。『何百人という話も出ていますが、1000人の弁護団を作りませんか』と。そうすると、地裁の裁判官も『違憲』の判決を出しやすくなる。私は死ぬまで諦めません」
 
無知の実行ほど恐ろしいものはない」(ゲーテ)
 
先週の7月10日付の「週刊金曜日」には、「ウソと詭弁、無知のオンパレード・・・・」とのタイトルで「安倍首相の妄言集」という記事が掲載されていた。
 
国内では、集団的自衛権行使は「専守防衛」だと言い切り、国外では「国連憲章の集団的自衛権を含む、安全保障の法的枠組みの再構築」だの、「戦後、初めての大改革です」だのと、専守防衛の破棄を自分の手柄のように吹聴していた。
 
そのほかにも、明らかなウソの数々や、発言の矛盾と法案の曲解が国会答弁では日常茶飯事如く繰り返されてきた。
 
先週の金曜日の衆院特別委では、まさに安倍晋三の「発言の矛盾と法案の曲解」が辻元清美議員の質問により明らかになった。
 
そして本人が自分のブログで質疑内容と答弁の全文を文字起こししたものを掲載していた。
 
・・・前略・・・
○辻元 総理、後方支援についてお聞きしたいと思います。この後方支援で、総理は、この委員会で、細野議員とのやりとりで、「他国の部隊と一緒に活動していて、」細野さんがこう聞きました、自衛隊だけ途中で撤収するということ、それはできるんですか、本当にそれで海外の国に対して責任を果 たせるんですかという質問をされたんですね。それに対して、総理は、まさに戦闘現場になったら直ちに撤収するのは当然のことであろう、それを前提に自衛隊は活動をするわけでございますとおっしゃっているわけです。でも、私はやはり、これは国際社会では全く通用しないのではないかと思いますし、そんな国とはなかなか活動できないなと思われかねないと思うんですが、いかがですか、総理。
○安倍総理 これはもう、我々は、そういう運用で今回法律をつくっているわけでございますから、当然これは確かにそういう状況になれば自衛隊は撤収をするわけでございまして、後方支援をやめることに、戦闘現場になればですね。ですから、補給を受ける方にとっては、確かに辻元さんがおっしゃったような意味合いもあるかもしれません。しかし、これは私たちの法律によって定められているまさに運用の基本的な考え方でございます。そして、まさに我々は、後方支援ということについては、武力行使と一体化しない、我が国独自の憲法との関係の一体化論もあるわけでありますから、これを理解した上においての後方支援しか当然行えないということになりますし、かつて、PKOについても、ゴラン高原については、我々は五原則がございますから、これにのっとって我々の自衛隊は撤収をしたという事例もございます。
○辻元 これは、先日私がお示しをした安倍総理と百田尚樹氏の対談、あの後、私、拝読い たしました。そうすると、この中にこういうくだりがあるんですね。36ページあたりなんですが、ASEAN諸国に総理が行かれて、そして安保法制懇の説明を各国の首脳とするというようなくだりがございまして、ここで総理がこうおっしゃっています、対談で。サマワの例を挙げていらっしゃるんです、オランダ軍と一緒に活動して。そして、
「日本は“ここは戦闘地域になったので、私たちはこれから撤退します。お先に失礼しますが、オランダ軍の皆さん、どうか頑張って下さい”と言い残して帰国することになるんです」と。 このように個別案件の説明をすると、ASEANのどの国のリーダーも大変驚かれます。』。
これに対して百田さんが、「国際社会では全く通用しないことですね。」。これに対して総理、「通用しません。そんな国とはともに活動したくないと思われて当然です。」「インドネシアのユドヨノ大統領にも、 このような話をしました。」と書いてあるんですよ。
そうすると、今回出していらっしゃる法案、国内では撤退すると言い、インドネシアの大統領にこのようにおっしゃったとここに書いてあるわけですけれども、外国では、全く国際的には通用しない、そして、そんな国とは一緒に活動したくないと思われるという御認識を示されたということでよろしいですか。これ、もしもよろしければどうぞ。
○安倍総理 今、 辻元委員のおっしゃっていることは、述べていることは、PKOについて……( 辻元委員「いやいや、サマワのオランダ軍。ちょっと見てください。イラクの」と呼ぶ)ああ、イラクのですね。いや、ちょっとそれは結構です。イラクのオランダ軍につきましては、それは基本的に後方支援活動ではないということでもございますから、いわば武力行使をしているところの後方支援活動ではございませんから、それはまさに、これはいわばPKO活動ではございませんが、いわば人道復興支援の活動になるわけでございます。いわば、人道復興支援という文脈において、私は、それを使ったことは、いわば駆けつけ警護的な、そこではちょっと、若干正確性は欠けますが ……(辻元委員「だから、ちょっと拝見」と呼ぶ)いや、それは結構ですが、いわばPKOにおける駆けつけ警護ということも念頭に置きながら私はそれを述べたわけでございまして、今回は、例えばPKO活動において駆けつけ警護等は可能になるわけでありますから、その点は相当改善された、こういうことになるわけでございまして、 先ほど私が答弁いたしましたのは、まさに、これは後方支援活動でございますから、後方で支援をする、戦闘現場になるかならないかということで、 文脈で申し上げているとおりであります。いずれにいたしましても、今、私は総理大臣として、この新たな法制について申し上げているところでございますから、今までのたてつけとは変わり、新たなたてつけの中において私が申し上げていることは、その申し上げているとおりでございます
○辻元 ここで総理はイラクでの、サマワでの活動のことをおっしゃっていて、この法案も 途中で撤退することになっているんです。そのことをとって、これは国際的に通用しない、そして、そんな国とは一緒に活動したくないと思われても当然だとおっしゃっているんですね。今回の後方支援も、これは同じたてつけになっているわけで す。(安倍内閣総理大臣「いや、それはちょっと違う」と呼ぶ)同じですよ。これは法案の根幹なんですよ。総理は、本心では途中で活動をやめることは国際的に通用しないなと思っていながら、法案は、そう思って、そんな国とは活動したくないと思われて当然と思っている中身の法案を今回お出しになっているのか。そして、総理大臣がそう思っている法案に従って、自衛隊員の皆さんが命がけで海外に出ていくんですか。私は、これを読んで愕然としました。今、PKOだとかいろいろおっしゃったけれども、全部言いわけだと思います。今回の法案も、途中で活動をやめるわけでしょう、前と同じで。(発言する者あり)同じでしょう。そうすると、ここでおっしゃっているように、国際的には通用しない。ですから、総理、もしも通用しないと思っていらっしゃる、しかし憲法の制約があるからこうしかできないんだとおっしゃるんだったら、そうおっしゃったらいいですよ。いかがですか。
○安倍総理 まさに私の念頭にあったのは、基本的に、他国部隊が襲われたときには…… ( 辻元委員「違う、違う、よく見てよ」と呼ぶ)いや、私の念頭にあったことでありますから、 他国部隊が襲われたときに、その部隊から助けてくれと言われても、それは襲われたという状況になったことに鑑みて、我々は失礼します、助けに行くことはできません、そして、かつ危険な状態になったので、私たちは失礼しますということになりますよという意味のことでございます。そこにおいて、今度の法改正においては、まさに駆けつけ警護はできるようになった。その駆けつけ警護そのものを皆さんは否定をしているわけでございますが、それはできるようになったということでございます。そして、それとは別に、まさに武力行使をしているところに対する後方支援でありますから、これはサマワによる人道復興支援活動とも全く根本的に違うわけでございまして、人道復興支援活動は限りなく、いわば平和維持活動にかなり近づい ていく活動であります。ただ、これは国連の決議 に基づくPKO活動ではないという形であった、こういうことでございまして、それを述べていることといわば後方支援活動を混同させるべきではない。事実、PKOについてもそうですが、またこの後方支援活動についても、そういう状況になれば撤収するのは当然のことであり、PKOについても、先ほど申し上げましたように、ゴラン活動においても私たちは撤収をしているということであります。
そもそも法律の中においてできることしかできない、これは当然のことで、遵法精神のもとにおいてそれを行うということは当然のことであろう。私がどう思うか思わないかは全くかかわりのないことでありまして、これはまさに法律そのものを見ていただきたいということでございます。
○辻元 苦しい答弁だと思います。ここに、日本は、ここは戦闘地域になったので、私たちはこれから撤退します、お先に失礼しますが、これはイラクですよ、オランダ軍の皆さん、 どうか頑張ってくださいと言い残して帰国する、これは国際的に非常識だと総理がおっしゃっているわけですよ。私は、今回、この法案、無理があるし、私たちはこの点をずっと指摘してきたわけですよ、途中で中断できますかと。できないでしょう。特に、イラクのサマワよりもっと危険地帯に、後方支援というのは弾薬も運ぶんですよ、そこに送るとい うことで、今の自衛隊、そして途中で撤収するというところまで踏み込むのは、だから憲法違反だと言われているんです、武力行使と一体化すると。それでは次に、そのことについてお聞きしたいと思います。ここに、イラク復興支援活動行動史という、陸上幕僚監部がつくった、これは内部文書です。イラク派遣の成果と教訓をまとめたものと言われています。これは、ジャーナリストの布施祐仁さんという人が情報公開で入手されて、私も防衛省から入手をいたしました。これを見ますと、では、イラクの中で、先ほどの撤収の話、私は、先ほどの総理の姿勢は、海外で言っていること、本で言っていることと、法案、 全く違うことをおっしゃって、国民や自衛隊の皆さんに対して不誠実だと思います。
では、イラクでどうだったかということです。これを見ていただいたらわかりますように、きょう岡田委員も、イラクの活動の内容の検証をしっかりしないと、やはり今回後方支援に出すというのは無理だという話があって、これを見ていただいたらわかるように、ほとんど黒いんですね。
中谷防衛大臣、第一次イラク復興支援群長の番匠幸一郎さん、この方は中谷大臣と防衛大学校で同期じゃないでしょうか。この方を中心に、これは前書きも番匠さんがお書きになって、私は、とても誠実な、一生懸命イラクで活動された方だと思うんですが、この審議に当たって、この黒塗りの部分は公開していただかないと、この法案の実のある審議ができないと思いますが、防衛省として公開していただけますか、いかがですか。
○中谷防衛大臣 その文書は、イラク特措法に基づく陸上自衛隊の活動に関する活動実績等において、各種研究とか、また教育訓練の資とすることを目的としてまとめられたものでございます。番匠さんは私と同期でありまして、レンジャーも一緒に訓練をしたこともございますが、非常に優秀な隊員で、第一次の支援隊長として派遣をされて、大変すばらしい仕事をされたと思っております。今後の参考にとしてまとめられた文書でございますが、この公表等につきましては、適切に情報を公開して、しっかりとした議論を行うことが重 要だと考えておりまして、これまで不開示としていた部分の公表につきましても検討を始めておりまして、速やかに結論を得ておきたいと思っております。
○辻元 今、速やかに公表の検討をして、 結論を得たいとおっしゃいました。これ、イラクの問題をしっかり検証しないと話にならないですよ、この委員会で。そう思いませんか、皆さん。委員長、この審議中にしっかりと、この衆議院の本委員会に黒塗りのところを公表していただく ことを理事会で協議してください。お願いいたします。
○浜田委員長 理事会で協議いたします。
○辻元 中谷大臣、これを読んでいきますと、死亡した方への処遇とか、それから精神疾患を患う方の処遇とか、それから、それ以外にもいろいろ出てきます。そして、活動内容なんですけれども、これを見ていきますと、イラクの中で非常に厳しい状況にあったということがわかります。例えば、三夜連続の陸自宿営地に対する砲撃、そして、2005年に入ると、1月11日に陸自宿営地にロケット弾が着弾する事案が生起し、この後です、敵対勢力が存在した、そして、陸自車両に対する爆弾事案が発生した、陸自部隊は復興支援活動を一時自粛する、ロケット弾5発が陸自宿営地に向けて発射されたとか、非常にリアルなんですね。それで、この番匠さんがどうお書きになっているか。この前書きです、「イラク人道復興支援活動は、純然たる軍事作戦であった。」と報告されています、内部文書で。我々がいかに幸運に恵まれてその任務ができたかと。大臣、今回、このイラクの人道復興支援、これは、学校をつくったり道を修復したりなんですよ。今度は、弾薬を運んだり、要するに、兵たん、ロジスティクス、軍事行動の一環と見られないことをやるわけです。ちょっと大臣、これを見てください。「イラク人道復興支援活動は、純然たる軍事作戦であった。 」今度の後方支援は、イラクでそうであるならば、 純然たる軍事作戦になるんじゃないですか、大臣。
○中谷防衛大臣 その文章が番匠さんの教訓、読みました、私も。(辻元委員「読みましたか」と呼ぶ)ええ。その後に、私はサマーワで、隊員たちによくロバとライオンの例え話をした、我々の任務は、戦闘を主体とするものでもないし、人道復興支援というのは一見非軍事の、軍事組織でもなくて実施できるロバのような仕事のように思えるかもしれないが、なぜライオンである陸上自衛隊がこの仕事をするのか、それは、ライオンの構えと能力があるからこそロバの仕事ができるものであって、その逆ではないと語っております。 自衛隊は、日ごろからいろいろな訓練を重ねておりまして、リスクに対する管理とか、そういう厳しい状況下での仕事ができるようになっております。そこでいろいろな任務が与えられても、隊員を、安全を確保しつつ任務をするという能力を持っておりまして、そういうもので全ての力を総合して、いろいろなケースを考えて、いろいろな心配を考えて、彼なりに仕事をしたという話だということでございます。
○ 辻元 ごらんになっていただいたらわかるように、サマワというのは、一番激戦地のファ ルージャから二百三十キロ離れたところ、東京がファルージャなら、名古屋ぐらいで活動していたんです。それでもこの事態ですよ。そして、今度は、非戦闘地域を外して後方支援に行く。そして、この本では、総理が、国際的に全く通用しないとか言っている。そういうところに自衛隊の皆さんを出すんですか。これは、最後、こうお書きになっているんです。この本行動史の最後に、国家国民の心の支えこそが我々隊員の士気の根源であることをつけ加え、 まとめとしますと。総理、私は、自衛隊の皆さんは、本当に、災害 のときもそうだし、イラクで頑張られたと思いますが、今回、集団的自衛権の行使で任務もふえますし、それから後方支援、これは総理がおっしゃっているのを取り上げましたけれども、活動ももっと危険度が増すんですよ。私は、自衛隊の服務の宣誓をもう一度しっかり皆さんにしていただくこと、そうでないと、士気の問題にもかかわると思います。服務の宣誓、もう一度自衛隊の皆さんによく説明して、していただくべきだと思いますが、いかがですか。総理。
○ 中谷防衛大臣 一言申し上げたいんですが、これは何のためにやったかというと、イラクの復興支援なんです。その写真にもあるように、道路ができたり水を運んだり、本当に地元の人に喜んでいただく問題でございまして、非常に評価をされておりますので、私は、立派な仕事でもありますし、この任務は、自衛隊の任務である国を守る、そういう中で培った能力、国にとっては財産ですよ、そういうことがなし遂げる力を国際貢献に果たしたものでありまして、あくまでも、我が国を守るという宣誓のもとに自衛隊員は日々訓練を続けておりますので、こういった宣誓を見直すというような必要はなく、やはり国を守るという能力、 力によっていろいろな活動をなし遂げたということでございます。
・・・後略・・・
 
「イラクのオランダ軍につきましては、それは基本的に後方支援活動ではないということでもございますから、いわば武力行使をしているところの後方支援活動ではございませんから、それはまさに、これはいわばPKO活動ではございませんが、いわば人道復興支援の活動になるわけでございます。いわば、人道復興支援という文脈において、私は、それを使ったことは、いわば駆けつけ警護的な、そこではちょっと、若干正確性は欠けますが ……」
 
官僚の書いた答弁書が無ければ、自分の言葉では相手を納得させる答弁ができないことを如実に語っている答弁内容である。
 
「につきましては」「ございますから」「ございませんから」・・・と丁寧語を使っているようで単なる時間の引き伸ばしであり、「いわば」という語句は上記の文節のなかで、じつに5回も多用しており、「例えてみれば」という副詞なのだが、全く文脈が支離滅裂である。
 
「予定通り、バカがバカをやっただけだけ」なのかもしれないが、そのバカが国の最高権力者であり誰も諫言できない「裸のバカ殿」なので、簡単には済ますわけにはいかず、これからも継続して廃案運動をしていかなければならない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月14日

Ray Collinsの世界-5

2007年に写真を撮り始めた色盲の炭鉱作業員 レイ・コリンズ (Ray Collins)は、サーフィン仲間を撮り始め、いつしか「波」に惹かれていく。
 
「色盲」ではない者が見たことのない海の姿。
 
彼は、生まれつき持った"能力" によって、色彩に惑わされず、神から掠め取った「形状の神秘」という財宝で、我々の心を衝撃し、震わせる。
 
今日は出かけていますので「つぶやき」をお休みします。
 
代わりに、色盲の写真家レイ・コリンズが、時には海中から撮影した波の神秘的な姿をお届けします。
 
【Ray Collinsの世界-5】
 
2015_07_14_01.jpg

2015_07_14_02.jpg

2015_07_14_03.jpg

2015_07_14_04.jpg


posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月13日

Ray Collinsの世界-4

この時代、世界はとても狭いと思ってしまっても、「認識(感じ方)」こそが本当の姿なんだとしたら、地球上の72億人の、72億通りの地球が、広大な意識のなかに、つながったネットのなかに存在しているということを教えてくれる作品がある。
 
2007年に写真を撮り始めた色盲の炭鉱作業員 レイ・コリンズ (Ray Collins)は、サーフィン仲間を撮り始め、いつしか「波」に惹かれていく。
 
「色盲」ではない者が見たことのない海の姿。
 
彼は、生まれつき持った"能力" によって、色彩に惑わされず、神から掠め取った「形状の神秘」という財宝で、我々の心を衝撃し、震わせる。
 
明日まで出かけており火曜日には戻る予定ですが、その間は「つぶやき」をお休みします。
 
それに代わって、色盲の写真家レイ・コリンズが、時には海中から撮影した波の神秘的な姿をお届けします。
 
【Ray Collinsの世界-4】
 
2015_07_13_01.jpg

2015_07_13_02.jpg

2015_07_13_03.jpg

2015_07_13_04.jpg


posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月12日

Ray Collinsの世界-3

最近では「色盲」という言葉は使われなくなってきており、「色覚異常」もしくは「色覚障害」等の表現が使われることが多くなっているという。
 
それは「盲」という言葉に差別的なニュアンスがあることと、色盲が大抵の色を判別することができるにも関わらず、色覚の全盲であるという誤解を招くという懸念からだという。
 
しかし、自然科学者の分野を対象として、バリアフリープレゼンテーションの普及活動をしている人々は、そこであえて「色盲」という言葉を使っているという。
 
それに倣って、色盲の写真家が捉えた、「波の写真」を紹介する。
 
それは我々が見たことのない海の姿。

地球はひとつしかない。
 
この時代、世界はとても狭いと思ってしまっても、「認識(感じ方)」こそが本当の姿なんだとしたら、地球上の72億人の、72億通りの地球が、広大な意識のなかに、つながったネットのなかに存在しているということを教えてくれる作品がある。
 
2007年に写真を撮り始めた色盲の炭鉱作業員 レイ・コリンズ (Ray Collins)は、サーフィン仲間を撮り始め、いつしか「波」に惹かれていく。
 
「色盲」ではない者が見たことのない海の姿。
 
彼は、生まれつき持った"能力" によって、色彩に惑わされず、神から掠め取った「形状の神秘」という財宝で、我々の心を衝撃し、震わせる。
 
連休は出かけています。
 
火曜日には戻る予定ですが、その間は「つぶやき」をお休みします。
 
それに代わって、色盲の写真家レイ・コリンズが、時には海中から撮影した波の神秘的な姿をお届けします。
 
【Ray Collinsの世界-3】
 
2015_07_12_01.jpg

2015_07_12_02.jpg

2015_07_12_03.jpg

2015_07_12_04.jpg


posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月11日

Ray Collinsの世界-2

最近では「色盲」という言葉は使われなくなってきており、「色覚異常」もしくは「色覚障害」等の表現が使われることが多くなっているという。
 
それは「盲」という言葉に差別的なニュアンスがあることと、色盲が大抵の色を判別することができるにも関わらず、色覚の全盲であるという誤解を招くという懸念からだという。
 
しかし、自然科学者の分野を対象として、バリアフリープレゼンテーションの普及活動をしている人々は、そこであえて「色盲」という言葉を使っているという。
 
それに倣って、色盲の写真家が捉えた、「波の写真」を紹介する。
 
それは我々が見たことのない海の姿。

地球はひとつしかない。
 
この時代、世界はとても狭いと思ってしまっても、「認識(感じ方)」こそが本当の姿なんだとしたら、地球上の72億人の、72億通りの地球が、広大な意識のなかに、つながったネットのなかに存在しているということを教えてくれる作品がある。
 
2007年に写真を撮り始めた色盲の炭鉱作業員 レイ・コリンズ (Ray Collins)は、サーフィン仲間を撮り始め、いつしか「波」に惹かれていく。
 
「色盲」ではない者が見たことのない海の姿。
 
彼は、生まれつき持った"能力" によって、色彩に惑わされず、神から掠め取った「形状の神秘」という財宝で、我々の心を衝撃し、震わせる。
 
週末は出かけています。
 
来週の火曜日には戻る予定ですが、その間は「つぶやき」をお休みします。
 
それに代わって、色盲の写真家レイ・コリンズが、時には海中から撮影した波の神秘的な姿をお届けします。
 
【Ray Collinsの世界-2】
  
2015_07_11_01.jpg

2015_07_11_02.jpg

2015_07_11_03.jpg

2015_07_11_04.jpg

posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月10日

Ray Collinsの世界-1

最近では「色盲」という言葉は使われなくなってきており、「色覚異常」もしくは「色覚障害」等の表現が使われることが多くなっているという。
 
それは「盲」という言葉に差別的なニュアンスがあることと、色盲が大抵の色を判別することができるにも関わらず、色覚の全盲であるという誤解を招くという懸念からだという。
 
しかし、自然科学者の分野を対象として、バリアフリープレゼンテーションの普及活動をしている人々は、そこであえて「色盲」という言葉を使っているという。
 
それに倣って、色盲の写真家が捉えた、「波の写真」を紹介する。
 
それは我々が見たことのない海の姿。

地球はひとつしかない。
 
この時代、世界はとても狭いと思ってしまっても、「認識(感じ方)」こそが本当の姿なんだとしたら、地球上の72億人の、72億通りの地球が、広大な意識のなかに、つながったネットのなかに存在しているということを教えてくれる作品がある。
 
2007年に写真を撮り始めた色盲の炭鉱作業員 レイ・コリンズ (Ray Collins)は、サーフィン仲間を撮り始め、いつしか「波」に惹かれていく。
 
「色盲」ではない者が見たことのない海の姿。
 
彼は、生まれつき持った"能力" によって、色彩に惑わされず、神から掠め取った「形状の神秘」という財宝で、我々の心を衝撃し、震わせる。
 
梅雨の真っ最中にもかかわらず、今日から遠地にしばらく出かけます。
 
来週の火曜日には戻る予定ですが、その間は「つぶやき」をお休みします。
 
それに代わって、毎日、色盲の写真家レイ・コリンズが時には海中から撮影した波の神秘的な姿をお届けします。
 
【Ray Collinsの世界-1】
2015_07_10_01.jpg

2015_07_10_02.jpg

2015_07_10_03.jpg

2015_07_10_04.jpg

 
posted by 定年オジサン at 10:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月09日

もはや敗戦処理か、アリバイ作りの維新と民主

相変わらず国会では、衆院特別委で戦争法案に関する与野党議員と政府側との無益な禅問答が繰り広げられている。
 
自民党の佐藤勉国対委員長に「安保法案 全て理解は不可能」と言われるほどの膨大な量の法案を、熟読することはほとんど不可能に近い。
 
そんな法案の字句を取り出して質問する野党議員と、これまた法案を全く理解していないような答弁を繰り返す中谷元・防衛相と岸田文雄外相。 
 
たしかにこんなことをいくら繰り返しても国民はとてもじゃないが理解に苦しむ。
 
国会の外では、すでに明らかになってはいるのだが「安保法案 憲法学者9割『違憲』 本紙調査に204人回答」という調査を東京新聞の社会部と政治部が連携して行ったという。
 
20150709kenpougakusyakaitou.jpg
(東京新聞より)

 
さらに地方議会に目を向ければ「岩手県議会:安保関連法案『廃案求める意見書』全国初可決」ということになっている。
 
20150709tihougikainokoe.jpg
(朝日新聞より)
 


<安保法制、144議会「反対」 181議会「慎重に」 意見書可決>
 2015年7月9日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 安全保障法制や集団的自衛権の行使容認をめぐり、全国で少なくとも331の地方議会が国会や政府への意見書を可決していることがわかった。「反対」の立場が144議会、「賛成」が6議会、「慎重」は181議会だった。
 開会中の通常国会に届いた意見書に加え、全国の議会が6月定例会などで可決した意見書を朝日新聞が集計。集団的自衛権の行使や法案そのものに批判的で、廃案や撤回などを訴える意見書を「反対」、逆に法案成立を訴えるものを「賛成」、慎重審議や国民の理解、十分な説明などを求める議会を「慎重」の立場とした。
 47都道府県議会では4県が可決。三重、鳥取、長野が慎重、岩手が反対だった。安倍晋三首相の地元の山口や長崎、秋田は自民・公明などが主導し、賛成の可決をする見通しだ。
 全国に1741ある市区町村では、143市町村が反対。愛知県扶桑町は安保法案の制定に「反対」、京都府宇治市は「撤回」などを訴えた。
 賛成は6市区。東京都町田市は「抑止力を高めることが必要」とし、自公が賛成。豊島区も成立を求めている。
 慎重は178市区町村。さいたま市は「慎重な取り扱い」を求める意見書を自民や公明、民主、共産など全会派の賛成で可決した。甲府市は「徹底審議」、愛知県犬山市は「国民的合意」を求めた。慎重の立場には幅があり、鳥取県の「慎重審議を求める意見書」は「切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備しなければならない」と法案には理解を示す。自公が賛成、民主や共産が反対した。
 意見書を働きかける住民の請願や、意見書そのものを否決する動きもある。自民系と公明が多数の宮城県は民主系が出した撤回の意見書を否決。横浜市や福岡市も反対や慎重の意見書を否決した。
 地方自治法上、地方議会は意見書を国会または関係行政庁に提出できる。意見書に法的拘束力はない。
 ■<解説>地方議員、保守系も懸念
 衆議院が今年になって受理した安保関連の意見書の数は、6月中旬までは70通ほどだった。それが一気に300通を超えた。
 その多くが、先月の憲法審査会で憲法学者が法案を「違憲」と断じた点に触れている。反対から慎重まで濃淡はあるものの、最近の法案審議に地方議員が一定の懸念を抱いていることの表れと言える。
 国政と同じく、地方議会も保守系や自公の議員が多数を占める。彼らが賛同して、意見書が可決された例は少なくない。地域社会に身近な地方議員による異議申し立ては、自公の支持層も含む有権者に、法案の内容や議論の進め方への理解が十分進んでいないことを示している。(西本秀)
 ■安保法制について意見書を可決した地方議会
 【賛成 6】
県:(秋田、山口、長崎が可決見通し)
市区町村:豊島区、八王子市、三鷹市、調布市、町田市、日野市(いずれも東京)
 【慎重 181】
県:三重、鳥取、長野
市区町村:花巻市(岩手)、会津若松市(福島)、千代田区(東京)、草加市(埼玉)、尼崎市(兵庫)など
 【反対 144】
県:岩手
市区町村:旭川市(北海道)、山形市、武蔵野市(東京)、飯山市(長野)、三次市(広島)、那覇市など
 
かなり遅きに逸した感が強いのだが、会期末まで徐々に増えていくことが政府にとってボディーブローとなる。 
 
ところが永田町では、政府提出の戦争法案に対抗する対案の出し方についてお互いの党利党略から揉めていたが、昨日、両党の国対委員長の頭越しに民主党の岡田代表と維新の党の松野頼久代表のトップ会談で急遽共同提出になった。
 
それに関しては岡田代表は自分のブログで自画自賛する始末であった。  
 
<【ブログ】領域警備法案を共同提出>
 2015-07-08 22:49:00 
領域警備法案を共同提出─野党がスクラムを組むための重要な一歩
先ほど、維新の党と「領域警備法案」を国会に共同提出しました。領域警備法案というのは、いわゆる「グレーゾーン事態」、例えば、ある離島にどこかの国の漁民が上陸する、一見漁民ですが、重武装しているというような場合を考えたときに、これは国(からの攻撃)ではないので、日本に対する武力行使には当たりませんので、基本的には警察が対応することになります。
しかし装備からいって、例えば、向こう(漁民)が機関銃などを持っているということになると、警察では対応できないかもしれない。そのときには自衛隊の力を借りなければいけない。しかし、警察から自衛隊への流れがスムーズに行かない可能性があるということが、従来から懸念されていました。
したがって、我が国に対する危険、攻撃ということを考えると、軍が出てくるような、そういう攻撃というよりは、今言ったような形での、偽装した形での攻撃ということのほうが、より可能性が高いと考えられますから、そういうときに、きちんと国として対応できるように、法律をもって、グレーゾーン事態に対応できるようにしようと、これが領域警備法案です。
民主党としては、昨年の国会に一度提出していますが、維新ともこの間協議をしてきて、共同で領域警備法案をまとめ、そして、まとめた以上は提出しようということで、今回提出するに至ったのです。
昨日の夜あたりにかけて、少し行き違いが生じまして、それぞれ別々に提出しようかという話もありましたが、もう一度、今朝、松野代表と党首会談を行い、共に提出するということを確認し、すでに提出したところです。
非常に重要な法案です。政府には対案がありません。政府のほうは、警察と自衛隊の間で運用でやりくりすると。電話で閣議が認められるようにするとか、非常に技術的なことを言っています。
しっかり法律で対応し、あらかじめ問題が起きそうなところは、特別の地域(「領域警備区域」)として指定して、他のルールとは違うやり方で対応できるようにする、というのが我々の領域警備法案の基本的な中身です。
これは是非必要な法案だと考えています。これから安全保障法制特別委員会の中で、しっかりと両党提案の法案として議論していきたいと考えています。
松野代表とはもう1つ、この特別委員会の審議についてですが、与党からは参議院における60日ルールを使うために、早期に衆議院で採決するという話が聞こえてきますが、やはり大事なことは国民の理解です。
国民の理解が得られるまで、十分な審議を行う、強行な採決は認められない、ということも両党で確認しました。
野党各党がお互い協力しながら、それぞれ考え方に違いはありますが、しかし国民の理解を得られる審議を行っていくという一点では、しっかりとスクラムを組んでやっていかなければならない。そのための今日の党首会談は、重要な一歩だったと思っています。
 
野党として今やるべきことは、集団的自衛権が憲法上そもそも認められるのかどうか、つまり戦争法案の正当性そのものを論じるべきにもかかわらず、法案の一部について対案を出して審議しろということは戦争法案を認めたことになり、相手の土俵に乗るということである。
 
それは、いうまでもなく最後は採決に出席しなければならなくなり、「一応対案は出したが数の力で負けました」というアリバイ作りである。 
 
この両党の動きに対して、影の安倍内閣応援団の天木直人はブログでこんなことを書いていた。 
 
決裂したと思った民主党と維新の会が一転して対案を共同提出した。
このニュースを私が知ったのは外出先だった。
そして思わず笑ってしまった。
これが安保法案の国会審議の行き着く先である。  
この国の政治の不毛さである。
今度の安保法案に反対するなら、最後まで廃案を貫くしかないと私は言い続けて来た。
安保法案の内容が悪すぎるからだ。
米国に約束した安保法案成立であるからだ。
是々非々で臨むと言って修正案や対案を出した時点で、安倍法案成立に手を貸す事になるのである。
私の懸念通りに見事に政治は展開している。
・・・後略・・・
 
「見事に政治が展開」しては困るわけだが、最近、特に市民団体や地方議員たちから「引っ張りだこ」状態なのが、防衛庁に入庁し、防衛研究所所長などを歴任した後、内閣官房副長官補に着任し、イラクへの派遣を決めたときに安全保障・危機管理担当として内閣で憲法や法律との整合性を考えていた柳澤協二・元内閣官房副長官補が、 6月29日に「安保法制の狙いはこれだ!」と題した緊急シンポジウムで講演した内容を、「武蔵野市議 川名ゆうじ blog」から紹介する。
 
・・・前略・・・
▼戦争開始法案?
・専守防衛からいつでもどこでも「軍事行動支援」ができるようになる。
・武器使用が自己保存から任務遂行という質的拡大になり自衛隊が各国の軍隊と同じになる。
・治安維持に「主役」で参加する。
・重要影響事態、存立危機事態はあやふやだが、後方支援はいつでも可能。
・弾薬提供は武力行為そのもの
・後方支援、弾薬提供でも戦争に参加することになる。
・イラクの人道支援は、日本社会の限界。
▼アメリカとの約束優先
・日米ガイドラインは歴史的な転換。
 安保法制の前に結ばれた日米ガイドラインを読めば今回の安保法制の狙いは分かる。平時からアメリカ軍と政策や行動を一体化するもので歴史的な転換がされていた。
・このことからアメリカの要請を断れない。
・アメリカは違法な戦争はしないとの前提で論理だてられている。
▼存立危機事態とはなにか
・日本が攻撃されたら誰でも分かる(個別自衛権で対応すればいい)
・他国への攻撃が国の存立を脅かすときは時の政府が判断するのであって基準がない。
・立法事実の不在。必要性が明確ではない場合には法は不要。
・安保法制で何をしたいのかが分からない。
・米国艦隊を守る⇒強固な同盟を示す⇒抑止力が高まる⇒戦争にならないが説明だが、米国艦隊を守る⇒日本が敵対国になる⇒攻撃を誘発⇒戦争になる、と考えたほうが自然。
・南シナ海で米中が衝突⇒重要影響事態⇒自衛隊が後方支援⇒ミサイルが日本に打ち込まれる危険性。
■戦争が始まることへの覚悟
 戦争を決めるのは大国であり日本ではない。昔のように宣戦布告をして戦争が始まるのではなく一発の銃弾から始まるのが現代の戦争。何がきっかけになるか分からない。米国艦隊を守っていれば同じ戦争に参加していることになり、日本本土も戦争状態になる可能性があると指摘されていた。
 尖閣諸島については、日米ガイドラインで離島防衛は自衛隊が主体で米軍は支援とあり、手段的自衛権とは違う話。守りにくい島であり、占拠するには軍事合理性がないとされていたことも印象的だった。
 これらの矛盾も含めて説明は不十分、論理的でもない。国会の審議時間が論点ではなく誠実に国民にリスクを含めて説明すべき。国民は戦争が始まることの覚悟も必要だ。
■70年戦争に参加していないのが事実
 議論は尽くされていない。民意の抑止力が必要。来年には参議院選挙がある。集団的自衛権を持つとなれば、ベトナム戦争や湾岸戦争、イラク戦争に日本が参加していたことになる。戦後70年間、戦争に参加してこなかったのが事実。これをなぜ変えようとするのか。
* 
 ニカラグア判決であきらかなように、後方支援でも戦闘に参加していることになるのは国際的な常識だという。イラクへ自衛隊を派遣したが、一発の銃弾も撃たなかったことが最大の功績であり、一発撃てば戦争になっていた。イラク派遣が日本の限界であり、イラク以上のことをすれば、戦闘に参加することになり犠牲者は出るだろうとの指摘もあった。
 そして、来年には参議院選挙があり憲法改正が争点になるだろう。自衛隊が最初の一発を撃つまで時間がある。無駄な戦争はしない、日本らしさを大切に、と話を結び、今こそ民意による抑止力が必要だと力をこめて話されていた。
 柳澤さんは、防衛庁に入庁し、防衛研究所所長などを歴任した後、内閣官房副長官補に着任し、イラクへの派遣を決めたときに安全保障・危機管理担当として内閣にいた人だ。憲法や法律との整合性を考えていた当事者でもある。その人がイラク派遣をギリギリだった、安保法制には問題が多すぎると指摘していたことは重いと思う。
 指摘されていた矛盾を解決するには、憲法の課題を正面から議論して改正をすることが、法治国家、立憲主義として必要不可欠だ。それをないがしろにする政権を許してはならないのだ。憲法を無力化してしまったナチスと同じとの指摘もうなずける。
■アメリカは常に正しいのか
 また、アメリカは常に正しいのかが問わることになりそうだ。イラク戦争で大量破壊兵器が見つかっていないことを考えれば、どこに正当性があったかとなる。集団的自衛権を行使するとなれば、あのイラク戦争に日本も参加していたのだろう。ベトナム戦争、湾岸戦争もしかりだ。このままでは、アメリカが勝手にはじめる戦争に巻き込まれることも容易に想像できた。
 安保法制は、戦争法案と指摘されるのも分かる。戦争開始法案といったほうがいいのかもしれない。内閣支持率が下がってきているが、さらに、民意による抑止力が必要だ。
 
「反原発」「反TPP」「護憲」といったことを唱える人は、全て「左翼」というレッテルを貼るのが、安倍晋三首相のお得意とする所である。
 
しかし、戦争法案という非常にわかりやすいレッテルを貼られたことにより、「平和安保法制」という言葉とは裏腹の法案に対しては、保守陣営の人たちからも懸念や反対の声が上がってきており、元内閣法制局長経験者らも声を上げている。
 
とりわけ柳澤協二氏は保守陣営どころか政権の真っ只中にいた人物であり、このような人が本気でこの安保法制には問題が多すぎると指摘していることは、どうやら安倍晋三首相も法案の詳細については理解しておらず(というか能力不足)、これ以上恥をかく前に素直に取り下げることのほうが本人のためにもなるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:30| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月08日

はっきり言おう 駄目なものは駄目 新国立競技場と戦争法案

昨日の「新国立競技場建設は最悪の公共事業・五輪じゃなくてラグビーW杯のため」の中で、「将来『21世紀の負の遺産』として重く国民にのしかかるのは明らかであろう」とつぶやいた新国立競技場の建設に関して、全く役に立たない有識者たちが集まり、止まらない、辞められない巨額の公共事業をスタートさせてしまった。
 
20150708tokyosinbun.jpg
(東京新聞より)


 
20150708asahisinbun1.jpg
(朝日新聞より)

 
<新国立あっさり増額 有識者会議、コストより「国際公約」>
 2015年7月8日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20150708asahisinbun.jpg
 
 総工費2520億円の新国立競技場の建設計画に7日、ゴーサインが出た。異例の巨額事業となるが、最優先されたのはコストよりも、ラグビーワールドカップ(W杯)や東京五輪の招致で日本が世界に示した「国際公約」だった。財源も定まらぬままの見切り発車になった。
 ■舛添知事、一転異議なし
 「異議なし」。東京都内のホテルであった日本スポーツ振興センター(JSC)の有識者会議。出席した12人の委員はJSC側が「目標工事費」として示した2520億円の計画を了承し、1時間あまりで終わった。
 会議は、新国立競技場建設の事業主体のJSCの諮問機関。日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は、五輪招致で安倍晋三首相が「このスタジアムを造る」と発言したことに触れて「国際公約を守るのは重要」と指摘するなど、スポーツ界の重鎮からは計画推進を求める声が相次いだ。
 「膨れる不安にも説明が必要だ」と膨らむ総工費に疑問を呈したのは、「東京五輪・パラリンピック推進議員連盟」幹事長代理の笠浩史衆院議員(民主)だけ。委員からは逆に、可動席を仮設にするといったコスト削減のための計画変更に対して「仮設ではサッカーW杯を招致できない」(日本サッカー協会の小倉純二名誉会長)、「屋根がないことで外国人アーティストと長期契約が結べない」(日本音楽著作権協会の都倉俊一会長)との注文が相次いだ。
 下村博文・文部科学相やJSCへの批判を繰り返してきた東京都の舛添要一知事は「(2019年の)ラグビーW杯と五輪に間に合わせて、しかるべきものを造っていただきたい」と述べただけで、計画を容認した。
 舛添氏の態度を一転させた背景にあるのは、都議会最大与党の自民党だ。都知事選にかついだ舛添氏を「違和感がある。知事として自覚と責任を」と公然と批判。森喜朗・東京五輪・パラリンピック組織委会長も「知事ではなく、学者だから」と揶揄(やゆ)した。
 都や文科省の事務方は落としどころを探し始めている。「現行法でも都は500億円出せる」と文科省の担当者。頭にあるのは、兵庫県が地元の産業振興につながるとの理由で、JSCと同じ独立行政法人だった理化学研究所に土地を無償提供した例だ。一方の都側は表向き、知事の意向をくんで担当者が文科省側に接触することを「禁止」しているが、都幹部もこの枠組みに理解を示す。「地元にとっても意味のある目的を付加できればいい。新国立の場合は『防災』だ」。帰宅困難者らの収容施設としての活用を念頭に置く。
 とはいえ、国と都の費用負担はともに予算案にすらなっていない。国会、都議会での審議もこれからだ。
 ■特殊アーチ「バブル期の発想」
 五輪招致を勝ち取った東京は、斬新なデザインを国際的にアピールした。だが、現実に落とし込む段階で、難航を極めた。
 1本が400メートル近いアーチで巨大なスタジアムを支える構造は世界にも例がない。JSCによると、アーチに使う鉄骨は加工に高度な技術が必要な3次元構造で施工可能な業者が数社しかなく、競争が起きずに価格が高止まりするという。河野一郎理事長は「(建設需要の高まりにより)人材集めも負担が大きい」と述べた。JSCアドバイザーの和田章・日本建築学会元会長はこの日、2本のアーチに使う鉄骨だけで約200億円との見通しを示した。
 特殊技術を要するがゆえに、工期も圧迫。過去の夏季五輪で1千億円を超えたメインスタジアムはなく、総工費も突出している。
 ロンドン五輪の馬術会場を設計した建築家の山嵜(やまざき)一也さん(41)は「アーチは両端を地中に埋めて2カ所で固定しなければいけない。都営大江戸線が走っており、難しいのではないか」と指摘。「日本の技術力を示す、と繰り返しているが、もはや土建的な技術力を示す時代ではない。発想がバブル期のままだ」と話した。
 ■2520億円―― 5歳児の保育料を無償化/ギリシャのIMF延滞額
 2520億円を1万円札で積み上げると、高さは約2520メートル。群馬・長野の両県にまたがる浅間山(2568メートル)に匹敵する。そのお金で何が出来るか。
 5歳児の保育料の多くが無料になるかもしれない。政府は昨年、5歳児のうちで認可保育園か幼稚園に通う約99万人を無償化するには2797億円かかると試算した。年収680万円未満の世帯に限れば1273億円で実現できる。
 東日本大震災で被災したJR大船渡線と気仙沼線。津波対策などを施したうえで鉄路を復旧するには、計1100億円が必要だとJR東日本は見積もっている。開門をめぐって混迷している国営諫早湾干拓事業(長崎県)の総事業費は2530億円。ギリシャは、国際通貨基金(IMF)への約2千億円の借金を期限の6月末までに返せず、延滞扱いになった。
 経済アナリストの森永卓郎さんは「生活のなかで想像できる金額なら国民のチェックの目も厳しいが、2520億円となると巨額すぎて現実感がなくなってしまう。最近できたマツダスタジアム(広島市民球場)の建設事業費は約90億円。新国立がなぜこんなに高くなるのか納得できるよう説明してほしい」と語る。
 ■有識者会議の委員
 ▽安西祐一郎(日本学術振興会理事長)=欠席
 ▽安藤忠雄(建築家)=欠席
 ▽小倉純二(日本サッカー協会名誉会長)
 ▽佐藤禎一(元文部事務次官)
 ▽鈴木秀典(日本アンチ・ドーピング機構会長)
 ▽竹田恒和(日本オリンピック委員会会長)
 ▽張富士夫(日本体育協会会長)
 ▽都倉俊一(日本音楽著作権協会会長)
 ▽鳥原光憲(日本障がい者スポーツ協会会長)
 ▽馳浩(スポーツ議連事務局長)
 ▽舛添要一(東京都知事)
 ▽森喜朗(東京五輪・パラリンピック組織委員会会長)
 ▽横川浩(日本陸上競技連盟会長)
 ▽笠浩史(東京五輪・パラリンピック推進議連幹事長代理)=敬称略、五十音順
 
上記のメンバー14人中10人までがスポーツ関係者と五輪推進側であり、さらに新国立競技場の将来の利用者側も含めると、ほぼ全員が利害関係者(Stakeholder)であり、決して有識者ではない。 
 
そんな有識者たちの会議での発言要旨はここを参照してほしいのだが、ただ一人苦言らしき発言をしたのはこの人だけだった。
▽笠浩史衆院議員(20年東京五輪・パラリンピック推進議連幹事長)
 昨年5月に基本設計を発表して約1年2カ月たった。基本構想の時に1300億円程度で、いろんなものを積み上げていくと3000億円くらいかかるという予算になった。3000億はあまりにも予算が大きいとなり、基本設計の1625億円になったと思う。デザインのよしあしは専門家ではないので、専門家同士の議論で、国民の理解を得ていく努力を引き続きしてほしい。ただ、1625億円の基本設計から、今回2520億円に膨らんだことがいろいろな批判を招いている大きな要因と思う。しかも五輪・パラリンピック後に先送りした分を含めると3000億円近い予算がかかるかもしれない。なぜそうなるのかという説明が、かなり足りないのではないか。「多くの国民の支持を得て」と言ってますので、あらゆる努力していかなくてはいけないと思う。本当に工期は大丈夫か、この予算がもっと膨らむのではないか、財源をしっかりと、国として責任を持って都と一丸となって確保していけるか。「見切り発車」ではないかという批判もあろうかと思う。実施設計段階も消費税8%で計算しているが、17年4月には10%になることが決まっている。「また膨らむのではないか」という不信感を招かないような、今後も丁寧な説明をしてほしい。
 
20150708sinkokuritumodel.jpg 
 
ザハ・ハディドのデザインが採用された時点から、その実現性に大きな疑問を抱き、有識者会議の前日には、開閉式屋根と、それを支える巨大な構造物(キールアーチ)をやめる代替案が「最善」と改めて強調した提言書を、下村博文・文部科学相に建築家グループと提出した建築界の重鎮の槇文彦氏は以下のようにJSCの姿勢を批判していた。 
 
建築家の槙氏寄稿「問題はJSC強行姿勢」
 新国立競技場の現行案の最大の問題は、この種の施設として世界最大に近い建設コストを必要としながら、開閉式屋根、人工芝生育成、キールアーチの構造など、多くの問題を未解決のまま、設計、施工を強行しようとする日本スポーツ振興センター(JSC)の姿勢にある。
 しかも、現行案でうたった屋根のある構造物にすることによってイベント収入を得るという目的は、健全な芝生育成のために年間12日間しかイベントに使用することが許されない。しかし膨大な維持・管理費を必要とすることが極めて明らかであり、既に財政的に破綻しているといえる。
 したがってスポーツ専用として、開閉式屋根のない、一部観客席を仮設としたポスト・オリンピックにおいて身の丈にあった新しい施設を提案するしかない。そのために必要な時間が足りなければ、2019年ラグビー・ワールドカップは近隣都市で行えばよい。
 
さて、サッカー女子W杯の決勝で、せっかく米国からのオウンゴールを勝利に結びつけることができなかった「なでしこジャパン」だったが、永田町では、自民党の「無知でお粗末」3人組の暴言という絶好のオウンゴールをもらったにもかかわらず、それを味方の得点にできず、むしろ自民党にオウンゴールを上げてしまうような、情けない連中がいた。

前日には「民主・維新:領域警備法案、共同提出で合意」だったのが、翌日になったら決裂したらしい。
 
<安保法案:対案、共同提出断念…民主、維新が採決巡り決裂>
 毎日新聞 2015年07月08日 02時39分
 民主党と維新の党は7日の幹事長・国対委員長会談で、安全保障関連法案の対案と位置づける領域警備法案の共同提出を断念し、8日にそれぞれ国会提出することを決めた。政府案の強行採決に持ち込みたい民主と、対案の十分な審議を条件に採決に応じる考えの維新の路線対立が表面化した。与党との協調を模索する維新に対し、民主は「まるで与党の対応だ」(幹部)と反発を強めている。【福岡静哉、村尾哲】
 両党が対立したのは、衆院で可決された法案が参院送付後60日を経過しても採決されない場合、衆院の出席議員の3分の2で再可決できる「60日ルール」への対応だ。維新は60日ルールが使えなくなる今月末まで採決を引き延ばし、見返りに政府案の採決に応じることを検討。同時に対案の徹底審議を求め、今月中旬に与党が採決に踏み切れば退席する構えをみせている。
 会談では維新の馬場伸幸国対委員長が、採決日を民維両党で与党に提示することで採決を引き延ばす戦術を提案したが、民主は拒否した。民主の枝野幸男幹事長は記者団に「(世論の)反対が高まっている状況で出口の話をするのは無責任だ。与党に手を貸すような協力はできない」と維新を批判。維新幹部は「民主は強行採決に持ち込みたいだけだ」と反発を示した。
 両党は6日の政調会長会談で領域警備法案の共同提出で合意していた。民主は政府案の廃案を目指しており、出席者の一人は維新の提案を「与党がどう出るか分からず、乗りようのない話だ」と指摘。維新は引き続き与党と交渉を続ける構えで、採決日を巡る与党と民主、維新の神経戦が続きそうだ。
 
そもそもこの両者は、前日には「民主・維新:領域警備法案、共同提出で合意」だったはずなのだが、戦争法案に対する両党の思惑違いからなのか、単なる党利党略からなのか、戦争法案に反対する国民からは理解できない行動である。
 
「60日ルール」とは、あくまでも参院側で採決されないことが前提であり自公の議席数が過半数を超えている限りは、「参院送付後60日を経過しても採決されない場合」という想定は成立しない。
 
すでに90%以上の憲法学者が違憲(第9条違反)と明言している戦争法案に対抗して短期間で粗末な「対案」を出すこと自体が無意味である。
 
民主・維新は法案反対なら、対案など出す真似は止めて、廃案一点張りで審議をボイコットすべきだった。
 
自民、安保法案の衆院段階での修正は見送りへ」となれば、いくら参議院で法案修正審議をしたところで、自公の反対によって簡単に廃案にされてしまう。
  
1988年、竹下登内閣の時初めて3%の消費税法が国会に提出されたが、同年6月27日に北海道斜里郡斜里町(知床)で行われた記者会見で、「政府・自民党が臨時国会に提出を予定している『消費税』は、今申したうちの、『駄目なものは駄目なのだ』に属する政策問題だと受け止めています」と話していた今は亡き元社会党党首の土井たか子の言葉を思い出す。 
 
無駄な神経戦をやっている場合ではなく、国民にとって「駄目なものは駄目」と言うべき時ではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:38| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月07日

新国立競技場建設は最悪の公共事業・五輪じゃなくてラグビーW杯のため

来週中には採決が行われると、各種のメディアは無批判に垂れ流している。  
 
重要法案の採決の前には公聴会が地方と中央で開かれる。
 
最初の地方公聴会が昨日、関東は埼玉県さいたま市で、もう一つは沖縄県の那覇市で開催された。 
 
<那覇・さいたま参考人質疑 与党推薦も「慎重審議を」>
 2015年7月7日 07時08分 東京新聞
20150707tihousankouniniken.jpg

 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案に関する衆院特別委員会は六日、地方では初めての参考人質疑を那覇市、さいたま市でそれぞれ行った。那覇市では与党推薦の参考人二人が法案に賛成する一方、国民の理解が深まっていないとして慎重な審議を求めた。さいたま市でも、与党推薦の二人が法案は分かりにくいと指摘。来週中にも法案の衆院通過を目指す政府・与党の姿勢に対し、賛同者からも丁寧な説明を尽くすよう注文が付いた。
 参考人は両市で五人ずつ出席した。那覇市では、与党推薦の中山義隆石垣市長が市内にある尖閣諸島沖で中国公船による領海侵入が繰り返されている現状を説明し、離島防衛強化の必要性を訴えた。同時に「法案に対する国民の理解が深まっていない。慎重にも慎重を期した議論をし、成立させることを求める」と述べた。
 もう一人の与党推薦の古謝景春(こじゃけいしゅん)・南城(なんじょう)市長は、政府が集団的自衛権の行使は自国防衛目的に限ると説明していることに賛意を表明。時の政権が拡大解釈する懸念も指摘し、十分な国会審議を通じて国民の不安を払拭(ふっしょく)するよう要請した。
 野党推薦の稲嶺進名護市長、大田昌秀元沖縄県知事、地元紙・琉球新報の高嶺朝一(たかみねともかず)前社長は、いずれも廃案を要求。多くの犠牲者を出した沖縄戦や、基地負担を強いられてきた戦後の沖縄の歴史を踏まえ、周辺国との関係改善に向け外交努力の優先を訴えた。
 与党の国会運営は「世論をけむに巻いて、知らず知らずのうちに(成立を)狙っているのではないか」(稲嶺氏)と批判した。
 さいたま市の質疑では、いずれも与党推薦の佐伯鋼兵埼玉県商工会議所連合会長、細谷雄一慶応大教授が安保法案の必要性を強調。その上で、両氏とも法案を「分かりにくい」と述べ、政府に一層の説明を求めた。
 野党が推薦した弁護士三人は、集団的自衛権の行使容認を含む法案は違憲だとそろって批判した。
 沖縄での参考人質疑は、野党が米軍基地が集中し、安保法案と関係が深いとして提案。与党は東日本での開催を求め、さいたま市での質疑が決まった。
 
この公聴会の内容を報じる在京大手メディアの中で、明確に戦争法案に反対しているメディアでは、
 
■朝日新聞「『慎重審議を』与党枠の傍聴人も さいたま・那覇で参考人質疑
■毎日新聞「与党参考人『慎重審議を』 那覇で質疑 賛否は分かれる」 
 
と「慎重審議」を強調する見出しであった。
 
20150707sankouniniken.jpg

(毎日新聞より)

 
与野党がそれぞれの立場から呼んだ参考人なので、法案に対しての賛否は始めから明白なのだが、その内容の報道姿勢が、讀賣新聞だと「沖縄3市長、賛否分かれる…安保法案の参考人会」と、「慎重審議」という声が現れず、むしろ沖縄県では、「オール沖縄」ではなく3市長が意見が分かれているような印象を与えていた。
 
なぜ、辺野古新基地反対で盛り上がっている沖縄で地方公聴会を開いたのか。
 
陸上自衛隊配備を決めた中山義隆石垣市長を参考人として呼び、尖閣沖で領海侵犯を繰り返す中国の脅威を語らせ、「オール沖縄」というのはウソであり、その事を国民に訴える目的でわざわざ沖縄で参考人質疑を開いた安倍政権の沖縄分断作戦であったようである。
 
たとえ数の力で強行採決したところで、戦争法案の如何わしさは全く拭い去ることはできない。
 
首相、安保法案でぼやき 『怖いイメージ広がる』」ことを恐れて、テレビ番組からはお呼びがかからないので、自民党内のインターネット番組に出演して「備えあれば憂いなしだ。戸締まりをしっかりしていれば泥棒や強盗が入らない。助け合いができている町内は犯罪が少ない」と、日米軍事同盟を町内会レベルで話すお粗末さ。
 
お粗末さと言えば、これに勝るものはないとばかりに独走状態なのが「新国立競技場建設問題」。
 
スポーツライターの小川勝は、新国立競技場建設費を巡り東京都の500億円の負担について、五輪組織委員会の森喜朗会長の論理を東京新聞「直言タックル」で以下のように批判していた。
 
・・・前略・・  
 2520億円(あるいはそれ以上)という建設費の内うち、東京都は500億円負担すべきなのか。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は「(五輪は)東京都がやりたいと言った。東京都が場所を用意するのは当たり前のこと」と語っている。だが、この論理はちょっとおかしい。
 なぜなら、新国立競技場は東京五輪のために建設が決まった事業ではないからだ。建て替えそもそものきっかけは、2019年のラグビー・ワールドカップの招致が決定して、ラグビーW杯2019日本大会成功議員連盟が11年に「建て替え推進決議」を行ったこと。東京五輪の招致は13年で、建て替えが決まったあとの話だ。東京都が、20年のために建て替えを要望したわけではない。
 猪瀬直樹前都知事は、下村博文文部科学相との話し合いで、500億円の負担はできないが、周辺設備費のうち都民の便益となるインフラについては負担する考えがあり、その場合は、設計内容を精査する必要がある、こう回答したと猪瀬氏がツイッターで明らかにしている。
 500億円と言うのは、08年北京五輪メーンスタジアムだった「鳥の巣」総工費とほぼ同じである。(現在のレートで換算すると約520億円)。その500億円で、五輪のメーン会場になり得るスタジアムを、東京都が独自に建設することも可能な金額なのである。
・・・中略・・・
 1964年の東京五輪の際、大幅に改修された旧国立競技場の整備費、11億7800万円はすべて国の税金で賄われている。なぜ新国立競技場には東京都が500億円を出さなければならないのか。現行案が都民から十分に支持されているのなら検討の余地もあるかもしれないが、とてもそうは思えない。
 舛添要一知事は、現行案を支持する都民がどれだけいるのかを調査してみるべきではないだろうか。
 
「ラグビーW杯2019日本大会成功議員連盟」が発足してから5年がたち、2011年に初代会長の西岡武夫が死去、その後の会長に就任した町村信孝も今年死去しており、まともに動いているのは最高顧問の森喜朗くらいである。
 
彼は、高校時代はそれなりにラグビーで活躍したらしいが、父の知人であった当時の早稲田大学ラグビー部監督のスポーツ推薦を受けて、早稲田大学第二商学部商学科に入学したという。
 
しかし、当時のラクビー部は全国から強豪選手が集まっており、石川県の田舎高校のラグビー部出身程度ではとても早稲田ラグビー部の練習にはついていけず体を壊し、入学から4ヶ月で退部をせざるを得なかったという森喜朗には強烈なトラウマがあるのだろう。
  
こんな男のわがままから現在の「深刻な」問題に発展してしまったのである。
  
 
<なぜ見直せない「新国立」 核燃サイクルと同じ
       “国策の暴走” 「復興五輪」の理念どこへ>
 毎日新聞 2015年07月06日 東京夕刊
 これはもう「無謀な国家プロジェクト」と呼ばざるを得ないのではないか。巨額な資金を投じることに反対の声が強まる中、2020年東京五輪・パラリンピック大会の主会場になる新国立競技場(東京都新宿区)の建設計画が進んでいることだ。総工費は当初予算を895億円上回る2520億円になるが、財源が確保できていない。国の借金は1000兆円超なのに、なぜ、一度動き出した国策は止まらないのか。【堀山明子、吉井理記】
 「(東京五輪誘致で)支持を獲得できた大きなポイントは、あの新国立競技場の姿のはずだ」。大会組織委員会の調整会議が行われた6月29日、会長を務める森喜朗元首相は、アルゼンチンのブエノスアイレスで13年9月に行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会の最終演説を思い起こさせた。「あの姿」とは、キールアーチと呼ぶ2本の巨大な構造物を備えた現計画案だ。
 確かに、この総会で東京五輪の開催が決まり、関係者らは歓喜した。しかし、総工費が倍近くに膨らむ前の話だ。
 巨額な総工費を懸念する建築家らは計画の見直しを提案してきた。だが、建設主体の日本スポーツ振興センター(JSC)を管轄する下村博文・文部科学相は「国際公約だから」とほぼ原案通りの設計で建設を進める方針だ。
 JSCは7日に開く新競技場の将来構想有識者会議で、契約内容を報告。その後、施工予定業者の大成建設と竹中工務店と正式に契約を結ぶ段取りになっている。
 新国立の建設予算に895億円の追加がポンと決まる2日前の6月27日、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市で、震災後初の「復興マラソン」が開かれた。市は、壊す前の国立競技場から聖火台を借りており、市総合運動公園に設置。この日、初めて「復興の火」がともされた。聖火は1964年の東京五輪で戦後復興のシンボルとされた。その聖火に被災者を励まそうという願いを込めていた。同公園周辺に仮設住宅が建ち並び、市全体では1万人以上が仮設住宅で暮らす。
 主催者は当初、火を絶やさないことを検討したが、断念した。理由は予算不足。火をともし続けるには発火装置の修繕が必要で費用は約800万円。だが、地元企業や市民の寄付は260万円を集めるのがやっと。復興マラソンでは、仮設の簡易発火装置で除幕式とハーフマラソンの4時間だけ聖火を維持するのが精いっぱいだった。
 復興マラソンの事務局関係者は語る。「今後も修繕費を集め、聖火をともし続けられるようになったら、仮設住宅に聖火台を持って行きたい」
 800万円と895億円--。被災地がコツコツと資金を集めている時、新国立の巨額の追加予算が決まった。どう考えても金銭感覚がずれていないか。思い出してほしい。安倍晋三首相は「なんとしても『復興五輪』にしたい」と訴えてきた。石巻市で建設中の復興公営住宅は4000戸に約1000億円かかる見通しだが、もし895億円が被災地に回れば、単純計算で住宅3580戸分の財源になる。
 「国際公約というなら、震災復興を世界に示す『復興五輪』こそ、東京が支持された理由です。復興五輪、環境五輪、コンパクトな五輪という公約の原点に立ち返るべきではないでしょうか」
 こう話すのは、宮城県岩沼市の復興計画を支援してきた石川幹子中央大教授だ。新国立の建設問題が焦点になるあまり本来目指すべきビジョンが失われていると懸念する。
石川さんは、日本を代表する科学者の組織、日本学術会議の分科会委員長として今年4月、新国立建設計画の修正案をまとめた。約1500本の樹木を伐採して人工地盤を造る現計画案は、自然への配慮が欠けると批判。樹木を残し、地下に眠る水循環を復元して競技場建物周辺に「本物の森」を創り出す案を提示している。学術会議は、首相所管の専門家機関で、政府に勧告ができる。現行案の反エコぶりを見かねて「最低限これだけは修正できるはず」と現実的な案をまとめたという。提案に文科省は「検討する」と答えたというが、採用されるかは未知数だ。
 なぜ、日本は走り出すと止まらないのか。公共事業に詳しい千葉大名誉教授の新藤宗幸さんは「ありえないずさんさ。公共事業の常識からもかけ離れている」とあきれ顔だ。公共事業で当初予算より増加することはあるが、倍増はほとんどありえないという。図面を作る「基本設計」、構造上の強度などを計算する「実施設計」、建設材料を定める仕様書など何段階も確認するのが常識だからだ。
20150707yanbadum.jpg
本体工事が始まった八ッ場ダム建設予定地=群馬県長野原町で2015年1月21日、角田直哉撮影
 
 新藤さんは、思い起こす数少ない非常識の事例として八ッ場ダム(群馬県)を挙げた。建設費は86年の当初計画では2110億円だったが、現在では4600億円に倍増した。首都圏の水需要増加を見越して始まった計画だが、節水技術の進化や人口減で水需要は減少。このため政府は09年にいったん計画を中止したが、11年に「洪水を防ぐ治水」という新たな目的で建設を再開した。「必要性などおかまいなく、造ることや予算を維持すること自体が目的化した典型例です。新国立も、本当にあのデザインが必要なのか、吟味しないで決まったのでしょう」と疑問を呈した上でこう批判する。「文科省などは、五輪は国家威信を懸けた事業という時代錯誤的な意識が抜けていない」
20150707saisyorikoujyou.jpg
日本原燃六ケ所再処理工場=青森県六ケ所村で2011年3月、本社機から小松雄介撮影
 
 青森県六ケ所村で建設が進む核燃料再処理工場を取材し続けるルポライター、鎌田慧さんも「国家威信」のワナにはまっていると警鐘を鳴らす。国が音頭を取って始めた核燃料サイクル計画に基づく工場建設の予算は、93年の建設開始当初は7600億円だったが、現在は約3倍の2兆2000億円まで膨らんだ。「核燃サイクルは、技術的問題やコストなどの課題が多すぎ、諸外国はとっくに撤退したのに、日本だけが夢物語にしがみついている。一度決めたら変えない官僚主義のせいです。原子力船むつ、そして新国立も一緒。これでは、日本軍が『撤退は恥』と大勢の兵士を玉砕させた発想と、今も変わっていない」と批判する。そして市民にもこう問い掛ける。「国威発揚のために無謀な新国立計画を進めることは、必ず民衆にツケが回ってくる。私たち自身、なめられたままで本当にいいのですか」
 IOC調整委員会のジョン・コーツ委員長は6月末、現行の奇抜なデザインでなければ国際公約違反かを問う毎日新聞の単独取材に、けげんそうな表情を浮かべて答えた。「(日本)政府が決めること。IOCが象徴的な施設を求めたものではない」
 国際公約でないなら、市民はもっと声高に叫んでいいのではないか。「この暴走、おかしい」と。
 
国民を無視した「国際公約」で突き進む様は、かつての民主党政権時代の野田佳彦首相の「消費税増税」公約が思い出され、そして現在の安倍晋三首相の米国議会での「戦争法案夏まで成就」公約へと続く。
 
当初の建設費2110億円が現在では4600億円に倍増した非常識公共事業の典型である「八ッ場ダム」。
  
やはり、建設開始当初予算の7600億円から現在は約3倍の2兆2000億円まで膨らんだ「核燃料再処理工場」。 
 
そして、1625億円の当初予算から現在は2520億円にふくらみ、それでも工期内の建設が危ぶまれ、最終的な予算は3000億円を超えると想定されている「新国立競技場」。

これらは将来「21世紀の負の遺産」として重く国民にのしかかるのは明らかであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:33| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月06日

活発になる自衛隊のリクルート活動

朝の8時からの生中継で、サッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会決勝「日本vs米国」戦を応援したが、ナント僅か開始16分余りで0-4と大差を付けられ、しかも米国のロイドにハットトリックまで許してしまった。
 
W杯開始前のくじ引きで日本は順調に行けば決勝で米国と対戦するという恵まれた試合の組み合わせであった。
 
日本と異なるブロックには、日本より世界ランキング上位のドイツ、米国、フランスが入っており、その3か国が潰し合い実力的には上の米国が決勝に進出することは大方の予想であった。
  
そして予想どうりの組み合わせになったのだが、身長と体重に優る米国の「アマゾネス軍団」には大和撫子たちは、何とか大儀見の技ありのシュートで1点を返したが、その後もなす術もなく前半を終えることになった。
 
後半開始7分に、今大会2度目のオウンゴールで2点差に追いついたがこれを勝利には結びつけることができず、その後も追加点を奪われ終わってみれば2-5という大敗に終わった。
 
選手個人に着目すると、開始早々のクリアミスから失点を許し、前半で交代させられたDFの岩清水は、4年前のW杯決勝2-2で迎えた延長後半ロスタイムに、絶体絶命のピンチで必死のスライディングをして失点を防いだのだが、レッドカードを食らい退場した経験があり、2大会連続の決勝戦で2度もベンチで試合終了の笛を聞くという屈辱を味わうことになってしまった。
 
4年前は試合ごとに新たな選手が脚光を浴びたが、その後の選手の世代交代がうまくいかず、最盛期を超えた選手が主力だったということも、大敗の大きな要因になったと思う。
 
さて、話は変わって、自民党の勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番」と発言し、党執行部から厳重注意を受けた大西英男衆院議員。
 
少しは反省しているかと思ったら、とんでもなく、6月30日も記者団に向かって性懲りもなく大西議員は国会内で、安保法制が徴兵制につながる恐れがあると指摘する報道に対し、「そう報道している一部マスコミがある。懲らしめないといけない」「誤った報道をするマスコミに対して広告は自粛すべきじゃないか」と改めて強調していた。
 
この徴兵制に関しては、戦争法案が「合憲」と言っている菅義偉官房長官お気に入りの数少ない憲法学者の西修駒澤大学名誉教授が、政府見解とは全く反対に「徴兵制も合憲」と言っていた舌の根が乾かぬうちに、今度は違憲であると言ってのけた。。
 

 
戦前の人なら記憶に鮮明に残っている「赤紙」という召集令状。
 
最近、高校3年生の息子を持つある雑誌編集者から興味深い自己体験談が掲載されていたので紹介したい。
 
高校3年生の子どもに自衛隊から「赤紙」届きました
 (※「赤紙」=「赤紙なき徴兵制」「経済的徴兵制」)>
 2015年7月3日 15時36分 井上伸 | 国家公務員一般労働組合執行委員、国公労連書記、雑誌編集者
 昨日、私の子ども(高校3年生)宛てに、「防衛省・自衛隊からのお知らせ」という封書が郵送で届きました。
ちょうど1年前に書いた「AKB48×安倍政権の「赤紙なき徴兵制」-目の前の食べ物を追いかけているうちに気がついたら戦場にいた」の中でも紹介した「高3生に自衛隊の募集案内が、個人宛に続々と届く」という高校生への求人活動の解禁にあわせたものです。
うちの高校3年生の子どもは、自衛隊からの封書を見て、なぜ自分に自衛隊から直接勧誘されるのかという驚きと、自分の人生の中で初めて戦争を身近に感じてまさに「戦争したくなくてふるえる」という感覚に襲われていました。
子どもの親としては、自衛隊がどうやって個人情報を入手したのかがまずもって気になりましたが、その点について疑念を抱かれるであろうことは自衛隊側も承知のようで、以下の紙片が封書に入っていました。
 
20150706jieitaikojinjyouhouhogo.jpg
 
 この問題については、ジャーナリストの布施祐仁さんが昨年、ツイートで「自衛隊のリクルート戦略」の実態を告発していました。そして、今年も布施祐仁さんが次のようにツイートしています。

今日は高校生への求人活動の解禁日。今年も自衛隊が全国の高校3年生に一斉にDMを送ったみたい。戦争法案審議中ということもあり驚いた人もいるだろう。でも、これ毎年やってること。住所などの個人情報は市町村の住民基本台帳から入手しています。
 
出典:布施祐仁さんのツイート


自衛隊はこんなふうに市町村の住民基本台帳の閲覧をして「募集適齢者」の個人情報を集めています。高校3年生全員にDMを送るなんてことをしてるのは公務員でも自衛隊だけ。今でもそこまでしないと必要な数と質の隊員を確保できないということです。
 
出典:布施祐仁さんのツイート


今ですらそうですから、さらにこれから少子化が進み、そのうえ安保法案が成立して自衛隊が海外の戦地で「戦死者」を出すような事態になったらどうなるかは、推して知るべしです。「隙のない安全保障」どころか、自衛隊の人的基盤が崩壊しかねません。政府はそこまで考えているのでしょうか?
 
出典:布施祐仁さんのツイート 
 
「戦争法案」が成立していない現状でも自衛隊員の人数が確保できていないことは、暦年の『防衛白書』を見ても分かります。1989年版(平成1年版)の『防衛白書』にある自衛隊員の現員数は24万7,191人でしたが、直近の2014年版『防衛白書』では22万5,714人(2014年3月31日現在、充足率91.3%)と、2万1,477人も減少しているのです。

全日本教職員組合(全教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)が5月8日、「2015年度高校生の就職内定実態調査(卒業時)」の結果を発表しています。それによると高校生を対象にした自衛隊の違法な勧誘が次のように行われていることが明らかになっています。

自衛隊の違法な勧誘
自衛隊の違法な勧誘については、316校からの回答のうち4県の6校7件(北海道1校1件、愛知2校2件、山口2校3件、長崎1校1件)でした。昨年は5校11件(454校から回答)、一昨年は5校14件(426校から回答)。
・自衛隊受験者に家庭訪問や本人への直接の連絡(佐賀) 
・自衛隊が、学校を通さないで生徒の個人宅に行き勧誘活動をしている(北海道・10月末報告)
・自衛隊の勧誘の際に、県内の高校比較のような表を提示した。偏差値や受験合否の人達が書かれたものであった(滋賀・10月末報告)
・自衛隊の勧誘については、「消防希望者に併願として希望があるか確認する」と言った次の日に、名前も言っていないのに、その生徒の家に担当者が説明に行ったと聞き、不気味に思った。情報の入手先は自衛隊のイベント、市町村の公式機関とのこと(山口・10月末報告)
 この実態調査を受けて、全教等は5月29日、「自衛隊の違法な勧誘活動の中止」を求めて防衛省へ要請し、自衛隊が市区町村に対し、住民台帳に基づき高校卒業予定者の氏名、住所、連絡先のデータを要求し、これに自治体が応じていることをただしています。防衛省担当者は、各地の自衛隊が違法な勧誘をしている状況を把握しておらず、「個別勧誘は違反であり、今後は発見次第に指導する」と回答するにとどまっています。

それから、今回郵送されてきた封書の中にあったチラシ「自衛官の待遇ってどうなってるの???」(下の画像)にも驚きました。
 
20150706jieitainotaiguu.jpg
 
 とりわけ、「隊舎で生活する隊員は全て無料です!」として、「家賃、食費、光熱費、水道料金」など「生活費」(全国平均月約9万6千円)が全て無料とのこと(下の画像)。私たち国家公務員にも公務員宿舎はありますが、全て有料ですので(有料で当たり前ですが)驚きました。自衛隊員から私たち労働組合に、パワハラやセクハラ、残業代不払い、不当解雇などの相談が寄せられますが、そもそも自衛隊員には労働基本権である団結権すらありませんから労働組合に入ることができません。なので、自衛隊員の労働条件については詳細に知る機会があまりないわけです。私たち国公労連には人事院出身の人もいるのですが、その方に聞いてもこの「生活費も全て無料」というのは初めて知ったと言っていました。
 
20150706jieitaihitorigurasi.jpg
 
 アメリカでは、貧困家庭の子どもや学生に対して経済援助などを持ちかけてイラクやアフガニスタンなどの戦地に送り込む手段(※稲葉剛さんが指摘されている「赤紙なき徴兵制」「経済的徴兵制」)が常態化しています。そう考えると今国会で、安倍政権が「戦争法案」と労働者派遣法改悪などの労働法制大改悪をセットで強行成立させようと狙っていることは、まさに「最大の貧困ビジネスとしての戦争」であることを示すものといえるのでしょう。
 
▼同封されていたチラシ 
20150706jieitaitirasi.jpg
 
現行の憲法の「身体の拘束及び苦役からの自由」に関する第十八条には、
「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」と明記されており、これが徴兵制が違憲との根拠になっている。
 
ところが「自民党憲法改正草案」の同18条ではこう記述されている。
   
第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
 
現行憲法に比べて「いかなる奴隷的拘束」が消えている。
 
この無条件禁止が消えたので、今後の解釈で徴兵制をやりたい場合に障害にならないように抜け道を作ったと読むことができる。
 
さらには「社会的・経済的」の場合だけはと限定して拘束されないとしているが、それ以外の場合は拘束することがあるとも読める。
 
ようするに、奴隷的拘束では「政治的」をワザワザ抜いてきたことから、「政治的」理由からは拘束することができると解され、自民党の改正憲法になれば、政治的な判断から国民に奴隷的拘束である「徴兵制」を強いることができるのではないか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:30| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月05日

お好みの時間・オウンゴール特集

先週の「敵のオウンゴールで勝ちきった『なでしこジャパン』に学べ」の中で「自民党若手議員のマスメディアに対する暴言等は、決して『オウンゴール』とはなりえず、戦争法案を廃案に追い込むには、本来の議論で政府を追い込むしかない。」とつぶやいた。
 
安倍晋三首相や菅義偉官房長官が「陳謝」して一件落着させたかったのだろうが、肝心の野党からは、暴言発言の議員たちの厳しい処分を求める声は無かった。
 
むしろ改憲派の小林節慶大名誉教授の「お墨付き」をもらった対案を維新の党が出すなどという「後方支援」をする有様で、巷では小林名誉教授は、はじめからこのあたりを落としどころと狙っていたのではないのかという憶測も聞かれる。
 
昨夜のNHKスペシャル「与野党代表に問う 自衛隊の活動拡大と憲法」を見た多くの視聴者は「NHKスペシャルで自民党の高村副総裁が情緒不安定に!机を何度も叩いたりして、視聴者から『うるさい』とコメント!公明党も酷いと話題!」と散々な内容だったらしいが、共産党・志位和夫委員長の「戦争法案は、いくら議論をしても違憲。合憲にはなりません、廃案しかない。数の暴力で強行裁決は許されません!」というのが唯一のまともな発言だったようである。
 
さて、イングランドのDFのオウンゴールで6日の決勝戦に進んだ「なでしこジャパン」。
  
味方のオウンゴールで敗れたイングランドは、沈滞ムードを吹き飛ばすかのように実力で3位決定戦ではドイツを見事に破った。
 
オジサンも実は30代の頃、ある社会人チームに所属していたのだが、リーグ戦でオウンゴールを初めてやってしまった経験がある。
 
味方のサイドバックの選手が相手に抜かれて、センタリングを上げられそうになり、オジサンは中盤から一気にゴール前まで走り戻った。
 
その瞬間にボールが右方向から飛んできて、スライディングしながら大きく右足を出したのはよかったのだが、当たり所が悪く見事に自分たちのゴールのボールが飛び込んでしまった。
 
味方のGKも動けないような「素晴らしい」シュートになってしまい、結局試合は1-2で敗れた。
 
シュートで点を取るのも容易ではないサッカーで、オウンゴールを意識して行う選手は皆無であろう。
 
しかし世界中で行われているサッカーの試合では、怪しげなオウンゴールも多々ある。
 
今日は、雨の日の日曜日なので、ゆっくりと世界のオウンゴール特集をお届けする。
 




posted by 定年オジサン at 11:59| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月04日

予想通り「維新の党は国会内の自民党の後方支援部隊だった

昨日は夕方、雨雲立ち込める悪天候の中、束の間の曇り空の下で都内の超党派の区議団の戦争法案反対のリレートークを応援した。
 
その直前までは国会前で、めったに外に出て行動することは少ない憲法学者たちがリレートークを行っていた。 
 
<憲法学者15人 リレートーク 雨の国会前「平和主義終わらせない」>
 2015年7月4日 07時07分 東京新聞
20150704kenpougakusyarelaytalk.jpg 安全保障関連法案の審議が続く国会の前で、法案に反対する憲法学者ら15人が3日、リレートークを行いスピーチで「立憲主義に対する暴挙」などと批判した。学生らのグループ「SEALDs」(シールズ)の抗議行動にも約3000人(主催者発表)が国会前に集まり「強行採決にやっきになっている人は人の話を聞いて考え直してほしい」と訴えた。
 リレートークの呼び掛け人は石埼学・龍谷大教授、永山茂樹・東海大教授、西原博史・早稲田大教授の3人。樋口陽一・東大名誉教授ら憲法学の第一人者が六月に入り、国会前で反対の声を上げたことに触発されて企画した。
 首都圏や関西などの大学に所属する憲法学者らが参加。時折雨が強まる中、9条の条文を記したパネルを置いて、ビール箱の上から、約150人の市民の前で法案への意見を述べた。
 「日本を戦争する国に変える法案を平和安全法制と呼ぶのは、真実を虚偽の言葉で隠蔽(いんぺい)し国民を愚弄(ぐろう)する行為だ」と批判したのは、稲正樹・国際基督教大客員教授。「憲法が定める戦後の平和主義を、この夏で終わりにさせないために闘おう」と訴えた。
 藤野美都子・福島県立医大教授は「原発を再稼働しようとしている場合か。命や生活に責任を取らない政治家がこうした法案を出し、国民を犠牲にすることを見過ごせない」と憤った。
 シールズの集会では、若者らが次々にマイクを握り「全世代の人が怒っている」と主張した。
◆全参加者の発言(登壇順)
 稲正樹・国際基督教大客員教授 憲法の規範性を極限まで切り詰めるのは主権者の国民を愚弄(ぐろう)している
 中川律・埼玉大准教授 現政権には自分たちが憲法に縛られているという感覚がない
 志田陽子・武蔵野美大教授 集団的自衛権行使は他国の民間人にも深刻な巻き添えを出してしまう
 三輪隆・埼玉大名誉教授 憲法9条が守られてきたのは平和運動があったからだ
 大津浩・成城大教授 政府が説明をせずに憲法解釈を変えたことは我慢がならない
 渡辺弘・活水女子大准教授 「教え子を戦場へ送るな」が、まさに投げ捨てられようとしている
 清水雅彦・日体大教授 政権が無理なことをしようとしているから、研究者が声を上げている
 藤野美都子・福島県立医科大教授 国会論議は不毛。憲法の理念具体化に力を尽くすべきだ
 石川裕一郎・聖学院大教授 きちんとした人間を育てることこそが本当の意味での安全保障だ
 斉藤小百合・恵泉女学園大教授 立憲主義の破壊が起こりつつある。憲法を壊すことは、国を壊すこと
 渡辺洋・神戸学院大教授 憲法規範を守り権力が乱用されない国であり続けられるかの瀬戸際だ
 長峯信彦・愛知大教授 9条の徹底した平和主義が世界共通理念となるよう努力すべきだ
 石埼学・龍谷大教授 他国防衛を認める法案が通れば、もはや「自衛隊」と言えない
 藤井正希・群馬大准教授 武器を持たない平和外交で世界の敬意を集め、国を守るべきだ
 建石真公子・法政大教授 世界で最も多く集団的自衛権を行使してきた米国追随は危険
 
参加した学者たちは若干の世代差があったようだが、少なくとも自分たちが若い頃から学び、そして現在は学生たちに教えている「日本国憲法」が、安倍政権によって葬られようとしていることへの危機感と怒りが伝わってくる。 
 
しかし肝心の国会内での衆院特別委では、相変わらず呑気な議論が繰り広げられていた。
 
<安保関連法案:首相が使ったイラストパネルに問題あり?>
 毎日新聞 2015年07月04日 06時43分 
20150704panelkaiken.jpg
集団的自衛権行使の憲法解釈変更を決定した閣議後の記者会見で、パネルを示し質問に答える安倍晋三首相=首相官邸で2014年7月1日午後6時17分、藤井太郎撮影
 
 「昨年7月の記者会見のパネルは間違いだったのではないか」。民主党の後藤祐一氏は3日の衆院平和安全法制特別委員会で、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使を容認した閣議決定後の記者会見で使った「赤ちゃんを抱いた母親」のイラスト入りパネルを取り上げ、そう指摘した。
 
20150704oyakopanel.jpg
集団的自衛権行使の憲法解釈変更を決定した閣議後の記者会見で、安倍晋三首相が示したパネル=首相官邸で2014年7月1日午後6時17分、藤井太郎撮影 
 
 パネルは集団的自衛権の必要性を訴えるため、首相の肝いりでつくられた。日本周辺で武力衝突が起き▽避難のため女性や乳児が米輸送艦に乗艦▽輸送艦への攻撃の恐れがある▽米国が日本に輸送艦の防護を要請??との様子が描かれており、首相は「(輸送艦への攻撃は)わが国自身への攻撃ではないが、日本人の命を守るため自衛隊が米国の船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定だ」と力説した。
 ところが、政府は特別委で、輸送艦への攻撃の恐れがあるだけでは日本は集団的自衛権を行使できないと説明している。
 横畠裕介内閣法制局長官は3日の委員会で、パネルについて「攻撃国の言動により、わが国にも武力攻撃が行われかねない状況だということが前提の事例だ」と述べ、集団的自衛権行使の条件となる新3要件が満たされていることが前提の事例だとした。
 こうした前提がパネルに明示されていなかった点を批判する後藤氏に対し、首相は「パネルに全部書き込んだら(絵が)見えなくなってしまう」「ミスリードでも何でもない」などと反論。そのうえで、攻撃国が▽ミサイル▽工作員を運ぶ潜水艇▽特殊作戦部隊--などを保有し、「わが国に武力攻撃が行われかねない」と認定でき、新3要件に合致すれば、日本人を輸送中の米艦防護は可能になるとの考えを示した。【青木純】
 
実は昨年の7月に安倍晋三首相がこのパネルを使って記者会見で説明する様を、東京新聞の半田滋編集委員が、安倍晋三の欺瞞性をわかりやすく解説していた。
 
A:首相、お気に入りのようですね。1日も「自衛隊が米国の船を守れるようにする」と主張しましたが、以前の「まるわかり」で説明した通り、米軍が日本人を運んではくれません。日米ガイドラインには日本と米国がそれぞれ主体的に自国民を退避させる明記されています
Q:では、まぜまた同じパネルを。
A:「国民の命を守る」との訴えにぴったりと考えているのでしょう。高い支持率の首相に誰も意見できないのかもしれません。米軍を警護できるぐらいなら、なぜ自衛隊が直接運ばないのか不自然ですね。
 
要するに、日米ガイドラインには米軍は日本人を運ぶことは一切書かれていない。  
 
そんな基本的な知識もなく、今頃になって質問するという野党議員には、この法案を本気で潰す気がないことが分かってしまう。 
 
どうでもいい特別委での質疑を、朝日新聞は詳細に報じているが、まさに両論併記(良論平気?)の姿勢を崩さずに「事実」だけを知らせている。
 
あれだけ自民党勉強会でメディア規制を平然と語られていただけに、戦争法案に対しては明確に「旗幟鮮明」な報道をしてほしいものであった。
 
<朝鮮有事対応、どちらの自衛権? 集団的・個別的>
 2015年7月4日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 集団的自衛権をどんなケースで行使するのか――安全保障関連法案を審議する3日の衆院特別委員会では、安倍晋三首相が典型例に挙げる「朝鮮半島有事」が論点になった。野党は個別的自衛権での対応が可能だと主張。首相は反論したが、過去の政府答弁とのずれも顕在化した。審議時間が積み重なる中、法案をめぐるあいまいさは浮き彫りになる一方だ。
 ■首相、判断の基準答弁
 審議では、首相が集団的自衛権の行使事例に挙げる朝鮮半島有事での米艦の防護をめぐり、民主党との見解が対立した。
 首相「個別的自衛権の対応に限界があるので(武力行使の)新3要件を満たす場合は、武力行使して米国艦艇を守る必要がある」
 民主党・長妻昭代表代行「個別的自衛権、我が国に対する武力攻撃の着手と読みうるのではないか」
 首相はあくまで集団的自衛権が必要だとし、長妻氏は憲法解釈変更がいらない個別的自衛権で対応できるのではないか、とただした。
 こうした「米艦防護」をめぐる議論のきっかけとなったのが、先月26日の特別委だ。民主の岡田克也代表は朝鮮半島有事を念頭に、日本が集団的自衛権を行使する際の判断基準を繰り返し問うた。
 ここで首相が持ち出したキーワードは「火の海」だ。首相は「相手国が『東京を火の海にする』と言っている状況があり、日本に直接攻撃を加えようとしている情報が入っている。米艦船がミサイル防衛で重要な役割を果たしている中で、その艦艇が攻撃される」ケースを例示。集団的自衛権発動の要件である「存立危機事態」に該当すると述べ、相手国の日本への攻撃意図が明確なら、日本の存立が脅かされる状況に当たると説明した。
 首相は3日の特別委でも「ある国が弾道ミサイルを数百発持ち、『東京を火の海にする』と言っている」と例示。こうした中での米艦防護は、集団的自衛権の行使で対応すべきだと繰り返し強調した。
 ただ、首相は答弁で、可能性は低いとしながらも、米艦防護について個別的自衛権でも反撃できる事例に言及している。
 首相は「(相手国が)『次に日本を攻撃する』と公然と言っている、あるいはそういう決断をしたと完全に把握していれば、(日本への攻撃)着手と考えるかもしれない」と述べた。米艦攻撃に続き、日本を攻撃すると相手国が表明している時は、個別的自衛権で対処できるという説明だ。
 しかし、首相が集団的自衛権で例に挙げる「東京を火の海にする」と、個別的自衛権で挙げる「次に日本を攻撃する」の差はわかりにくい。政府はもともと、集団的自衛権の行使は、我が国の存立が脅かされるなど「武力行使の新3要件」に照らし、攻撃国の意思だけでなく「総合的に判断する」と説明してきた。だが、法案への理解が進まない中、首相が相手国の意図を具体的に強調するあまり、わかりにくくなっている。
 一方、首相と歴代内閣との間には答弁のズレも見えた。石破茂防衛庁長官(当時)は2004年の国会答弁で、個別的自衛権が発動できるケースとして「『東京を火の海にしてやる』と宣言し、ミサイルに燃料が注入された状況を考えた時、法的に着手と評価される場合がありうる」と答弁した。同じ「火の海」でも、首相は集団的自衛権の文脈で使い、石破氏は個別的自衛権で使っている。
 もともと公明党は、こうした米艦防護について「個別的自衛権で対処できる」と訴えてきた経緯もある。長妻氏は質疑で「個別的自衛権の概念を整理しないと現場の自衛官が困る。集団的自衛権ありきと疑ってしまう」と批判した。(石松恒)
 
そういえば、オジサンが昨夕聞いたトークの中で、ある女性が「安倍晋三首相は『丁寧に国民に説明する』ということを丁寧に言っているに過ぎない」と批判していた事を思い出した。
 
雑誌リテラの「安倍首相が安保法制の“丁寧な説明”のため雑誌に…でも選んだのはヘイト雑誌「WiLL」」の記事によると、こんな雑誌で「丁寧な説明」をしているという。
 
20150704wacmagagine.jpg

 
その中身によると、
 
<私たちとしてはベストなものであると確信しておりますので、法案を撤回するという考えはありません〉と高らかに宣言し、“この夏までに”成立をめざすというのだ。その理由は、昨年7月に閣議決定をして、12月にはその決定に基づいた法整備をすることを公約に掲げて国民の審判を受けたからだという。〈法整備の方針を閣議決定したうえで、選挙で公約に掲げて国民にお約束した以上、選挙直後の通常国会で実現を図ることは当然のことではないでしょうか〉。
バカを言うな。安倍首相はあの選挙では、最初は消費税増税を先送りしたことについての審判を受ける選挙だと言い、解散時の会見では「この解散は『アベノミクス解散』であります。アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか。それを問う選挙であります」と、そう強調していたではないか。会見での発言はいまも官邸のホームページでチェックできるが、その後の質疑応答も含めて、「安保法制」などという言葉はひとことも出てこない。
 こうした矛盾を葛藤なく言い切ってしまえるのが、安倍首相の恐ろしいところだ。ヘイトで極右思想な上に、このサイコパス――ハッキリ言って手のつけようがない。この危機的状況から日本を取り戻すには、今後、あらゆる選挙で「自民党以外」に投票するしかない。そう断言しておく。
 
と、いまの安倍政権に対してはなす術がなく、選挙で自公の与党の過半割れを実現させるしかない、ということなのだろう。
 
しかし、過半数割れした与党に対して、過半数を獲得できる野党があるのかと問われれば、残念ながら、あわよくば自民党にすり寄り政権内に入ろうと画策している野党らしき政党がいる。
 
維新、安保対案を3党に提示 高村氏『政府案と隔たり』」という意味不明な動きをしてきたのだが、「安保関連法案:13日中央公聴会 月内衆院通過へ攻防」というこが事実ならば、7月の15日か17日が採決日となりそうな中で、政府案とはかなりの隔たりがある対案を出したところで、審議期日を延ばすことにはならない。 
 
与党は通常、野党提出法案の審議を認めていないが、あえて維新の対案も審議し、法案と対案を同時に採決にかけることで、維新が採決に出席することを狙っているらしい。
 
すでに維新の党は、労働者派遣法改悪法案を反対しながら委員会を欠席した他の野党とはことなり委員会には出席した。
 
これにより、「与党単独強行採決」という事態がなくなり、結果として与党側に味方してしまった前科がある。 
 
もちろん、維新の党も民主党と同様、集団的自衛権行使に関しては一枚岩ではない。 
 
維新は対案を出すことで与党との修正協議も視野に入れる「大阪組」の顔を立てつつ、最後は法案に反対することで、民主との連携を模索する「野党再編派」にも配慮することもできるということらしい。
 
しかし党内事情を優先するあまりに、強行採決する委員会に出席することで、与党の「後方支援」をしているとの認識が無ければ、こんな「野党」は有名無実どころか無用の長物でしかない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月03日

政権にとって不都合なものはメディアでも教師でも規制するのか

先月末に、天木直人ブログ「沖縄二紙の本気度を疑う」の中で、
 
 きょう6月29日の東京新聞が百田尚樹の暴言に対する琉球新報と沖縄タイムスの抗議声明全文を掲載している。
 それを読んで私は沖縄二紙の本気度を疑った。
 何と言っても、その内容がどちらも冗長で甘い。
 怒りが全く伝わってこないのだ。
 二つ目に、それを発したのが、どちらも編集局長はおろか、編集局次長どまりだ。
 
と批判された沖縄タイムスと琉球新報の編集局長が上京し、「報道圧力発言:表現の自由危うい…沖縄2紙編集局長が批判」と、記者クラブで会見を開いたという。
 
20150703okinawamedhiakougi.jpg
百田尚樹氏の発言に抗議する琉球新報の潮平芳和編集局長(右)と沖縄タイムスの武富和彦編集局長=東京都千代田区の日本記者クラブで2015年7月2日午後4時5分、後藤由耶撮影 
 
タイミングとしては遅きに失するほどではなかったが、簡単に上京するほど暇人ではなかったのだろう。
 
さて、浄土真宗本願寺派敬覚寺に長男として生まれた日本の経済学者、エコノミストの高橋乗宣。
 
彼は日刊ゲンダイに『高橋乗宣の日本経済一歩先の真相』というコラムを書いているのだが、自民党のバカ手ではなく若手議員の勉強会での「本音の発言」に関して、こんな見方をしていた。
 
<標的は個人から報道機関に>
 2015年7月3日 日刊ゲンダイ
 時の政権にとって都合の悪い人物をメディアから排除する。そんなシステムが、この国には厳然としてあるようだ。
 5年半に及ぶ長期政権となった小泉内閣時代のころ。当時、竹中平蔵大臣が旗振り役を務めた構造改革路線に異を唱える専門家が次々とメディアから姿を消していった。現政権下でも安倍首相の戦前回帰路線を批判する評論家たちが、揃ってパージされた印象がある。
 今年3月の「報道ステーション」降板騒動の渦中に、元経産官僚の古賀茂明氏は「官邸から圧力があった」と明言したが、政権に不都合な人物を世の主流から遠ざける仕組みが存在するのは間違いなかろう。
 こうした政権内部の“公然の秘密”をエスカレートさせたのが、自民党の勉強会で飛び出した「言論封殺」発言ではないか。非公開の席で安倍首相と親しい若手議員たちは「マスコミを懲らしめる」と暴言を吐き、講師に招いた作家の百田尚樹氏の「沖縄の2紙は潰さなあかん」という妄言を聞き、大いに笑って盛り上がったそうだ。
 百田氏は首相と対談本まで出した“安倍シンパ”で、勉強会での発言について「飲み屋でしゃべっているようなもの」と開き直った。居酒屋ののれんをくぐる感覚で政権与党の勉強会に出向いて発言するとは、どこまで非常識な人物なのか。
 重要なのは安倍首相のシンパたちが揃って、政権に批判的な沖縄の2紙を「潰す」ことに肯定的なことだ。これまで排除の対象は政権の意に沿わない個人にとどめていたが、いよいよ、報道機関そのものまで標的に定めたとも言えよう。
 報道機関には政治の実態を国民にキチッと伝える使命がある。国民に正しい情報が伝わらなければ、健全な民主国家とは言えない。だから政府・与党に対する報道は賛否両論、いろいろとあっていい。多様な報道から何を選択するかは国民の自由であり、それが民主主義の基本の「キ」である。
 政権に批判的な報道に枠をはめ、自分たちに不都合な真実は国民に伝えなくても構わない。そう言わんばかりの安倍一派は、やはり戦前の言論統制への回帰を目指しているとしか思えない。
「言論の自由」が民主主義に不可欠であるというイロハすらわきまえていない議員に、民主国家ニッポンの政治活動に携わる資格などない。問題の勉強会に出席した安倍首相と親しい37人の議員は潔く身の処し方を考えるべきだ。
 
「飲み屋でしゃべっているようなもの」とは、なにも百田尚樹だけではなく、安倍晋三も同じ穴のムジナらしい。
 
リスク増大でも止められない国営ブラック企業の自衛隊」というつぶやきの中で、オジサンはこんなことをつぶやいた。
 
「首相の一日」によると、6月1日の夜は「7時5分、東京・赤坂の中国料理店『赤坂飯店』。内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談」とあった。
戦争法案の審議真っ最中にもかかわらず、いわゆる飼い慣らされている「記者クラブ」のキャップ連中を集めて飲食を共にしたわけである。
各社の現場で取材している記者はそれなりに情報を集め記事にするが、その記事の採否はキャップが握っており、また社説などは記者クラスでは書くことができない。
安倍晋三首相と赤坂で飲み食いした記者クラブのキャップ連中が所属する大手マスメディアでの翌日の社説はこんなタイトルであった。
◆朝日新聞「南シナ海問題 中国は埋め立て中止を」
◆讀賣新聞「南シナ海情勢 人工島を合法と強弁する中国」
◆産経新聞「南シナ海 対中抑止へ多国連携図れ」
◆日本経済新聞「中国は南シナ海の緊張緩和へ自制を」
まさに「見事!」な連携プレーである。
当然、「我々を取り巻く環境が大きく変わった」と明確に中国の危機を強調してきた安倍晋三首相にとっては、思うつぼであった。
 
この話を裏付けるような記事が、週刊現代WEB版にこんな見出しで掲載されていた。
 
20150703weeklygendai.jpg
 
この週刊誌を購読した記者はさっそくその内容をこう伝えていた。 
 
<安倍氏の野心、日本の悪夢>
 2015-06-30 11:11:02 | チャイナネット
 週刊現代の記事によると、安倍晋三首相は6月上旬に各メディアの関係者と内部の懇談会を開き、酒を飲んだ後に驚きの発言をした。安倍首相は、安保法制改革は南中国海の中国に向けられたものであり、日本は確かに中国との「戦争」を計画しており、集団的自衛権を行使し米軍と共に南中国海の中国を叩かなければならないと述べた。
この発言は中国から注目されている。中国外交部の報道官は、報道が事実であれば、日本は真剣に説明するべきだと表明した。
首相官邸はメディアに対して、安倍首相の上述した発言を漏洩しないよう、何度も圧力をかけたという。一部の記者は自分が所属する新聞で記事にできず、週刊誌やウェブサイトに漏らした。そのため安倍首相が酒を飲み本音を漏らした可能性が高い。
安倍首相は事実上、何度も南中国海問題で煽り立てており、その意図がはっきりと示されている。
まず、南中国海に介入し、集団的自衛権の行使容認を推進する。日本の国民と知識人の多くは、安倍首相の集団的自衛権の行使の合理性を疑問視している。日本メディアが先ほど実施した調査によると、回答者の57%が集団的自衛権の行使を認める安保関連法案の今国会成立に反対し、賛成の25%を大幅に上回った。多くの国民が反対しているにも関わらず、安倍首相はいわゆる「中国の南中国海における脅威」を、海外での活動推進の口実にしようとしている。
次に、南中国海の情勢を乱し、混乱に乗じて利益を得ようとしている。安倍首相は南中国海問題で緊張ムードを作り、各当事国を抱き込み中国に対抗しようとしている。中国の東中国海・南中国海における主権・権益を維持する正当な活動を妨害し、中国の釣魚島の主権を盗み取る陰謀を実現しようとしている。日本は南中国海情勢のエスカレートという機に乗じ、米国と共同で巡視を行い、日米同盟を強化し、日本の同盟における地位を高めることができる。
安倍首相は政治的野心を実現し、日本をいわゆる理想の「一流の国」にしようと躍起になっている。しかし彼一人の利益は、日本全体に負担を強いることになるだろう。
 
定期的に会食を続けている気心の知れた記者クラブのキャップ連中なので、酒の勢いからリップサービスのつもりなのか、本音が出てしまったのであろう。
 
それにしても、「飲み屋の会話」感覚で政治をしており、「飲み屋の会話」みたいに国会答弁をしているので、ろれつが回らない意味不明の答弁に終始することになっているのであろう。
 
とてもじゃないが、こんな輩に「集団的自衛権」なる権力を与えることは到底許されることではない。
 
ところで、重要法案メジロ押しの通常国会の中で、様々な問題を解決せずに決まってしまったのが、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法。
 
当然、政府・自民党は来年秋にも実施しようと企んでいる「お試し改憲」の国民投票の有権者として18歳以上の若者に期待している。
 
それは、ネトウヨと呼ばれる安倍晋三シンパの取り込みを狙っているのだが、戦争法案に対しては高齢者よりも若者の反対が多い。
 
それでは、そんな若者を教育する教員たちに対する締め付けを厳しくしようとの動きが出てきた。 
  
<18歳選挙権 教員の政治活動に罰則も 自民部会了承>
 2015年7月3日 朝刊 東京新聞
 自民党の文部科学部会(冨岡勉部会長)は2日、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法の成立を受け、学校教育のあり方をまとめた提言を了承した。公立学校の教員の政治的行為の制限を強化し、違反には罰則を科すため、教育公務員特例法の改正を盛り込んだ。罰則の内容は明記しなかった。月内にも政府に提言する方針。
 提言は選挙権年齢の引き下げに伴う「学校教育の混乱を防ぐ」ことを目的に掲げた。教員は「政治参加に関する指導で個人の考えや特定のイデオロギーを押しつけることがあってはならない」と明記した。これまでも教員の政治活動は制限されていたが罰則規定が設けられれば、教育現場が萎縮する可能性は否定できない。
 団体などが特定政党に偏った教育を教員にさせることを禁じた法律も改正し、対象を現行の義務教育から高校まで拡大するとした。
 新たに選挙権を持つ高校生への対応では「政治的活動は学校内外で抑制的であるべきだとの指導を高校が行えるよう政府が責任を持つ」とした。家庭には「子供を街頭演説に連れていったり、投票所で投票している様子を見せたりすることを通して、政治への関心を高める」ことを求めた。保護者が子供を投票に同行させることを可能にする公選法改正も提唱した。
 提言作成を主導した池田佳隆衆院議員は「1日も早くそういう形にしたい」と記者団に述べ、法改正に意欲を示した。
 自民党は野党時代の2010年に、公立学校の教員が政治的行為の制限に違反した場合、3年以下の懲役か100万円以下の罰金を科す特例法改正案を国会に提出したが、廃案になった。
◆教育の放棄につながりかねず
 林大介東洋大社会学部助教(政治学)の話 こうしてはいけないと上から押さえ付けると、現場は萎縮する。教員が生徒に「自分たちで材料を見つけて考えて」と教育を放棄することにつながりかねない。教員がデモに参加したり、SNSで意見を発信したりするような学校外の活動まで制限するべきではない。生徒に多様な意見をバランスよく提示し、自由に話せる環境づくりをしてほしい。
 
提言作成を主導した池田佳隆衆院議員がどのような発想から「教員の政治活動に罰則」というものが生まれたのかは、そもそも安倍晋三が会長の「神道政治連盟国会議員懇談会」に属し、しかも最近話題になった「文化芸術懇話会」というよりは「戦争法推進懇話会」改め「歴史歪曲政策詐欺師毒宰和製ヒトラー応援団」とでもいう組織の一員であるからである。
 
分かりやすく言えば、安倍晋三が喜びそうな法律を作ることが最大の仕事と錯覚しているおめでたい政治屋である。
 
オジサンが小学生の頃は、学校の先生たちの多くは日教組の組合員だった。
 
社会党がまだ元気だった時代だが、授業が時たま「自習」になることがあり、そんな時は担任の先生が組合の活動に参加したからだったらしいと、大きくなって知った。
  
児童にとっては自習は大歓迎で、校庭すべてが自習活動の場になった。
 
そんな先生たちに教わったオジサンはこの歳になっても、自分たちの考えを表明するデモにはなんら抵抗感もなく、むしろ自然な姿ではないかと思っている。
 
「政治的活動は学校内外で抑制的であるべきだとの指導を高校が行えるよう政府が責任を持つ」というが、その責任を持つべき政府が憲法違反の法案を強引に成立させようとしている時に、一体誰が、どのように諌めるのか、市民運動にその主役が期待されているのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:32| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月02日

敵のオウンゴールで勝ちきった「なでしこジャパン」に学べ

昨日の「百田尚樹と“沖縄ヘイト”のインチキを暴く」の中で、百田尚樹の数々の沖縄県民に対する誹謗中傷に対して、現地のマスメディアの記事を引用して反論した。
 
例えば、「基地の地主はみんな大金持ち」に対しては、
 
〈だが県基地対策課のまとめ(2013年)によると、県内の軍用地主のうち、軍用地料の受取額は100万円未満が54.2%、100万円以上200万円未満が20.8%を占める。大部分が200万円未満で「年収何千万円」と懸け離れている。〉(琉球新報)
<沖縄防衛局が発表した2011年度の軍用地料の支払額別所有者数(米軍・自衛隊基地)によると、(中略)500万円以上は3378人で7.9%だった。〉(沖縄タイムス)
ちなみに、六本木ヒルズの住居(レジデンス)の家賃は、1LDKなどの安価物件も含めて、ざっくりと平均で1ヵ月50万から150万で、年換算で600万〜1800万円の家賃である。
 
といった内容であった。 
 
これは個人レベルの話だったのだが、名護市に支払われる国の軍用地料が、政権に対する市長の政治的立場や国への協力度により格差が付けられていたという事実が明らかになった。 
 
<軍用地料:政治姿勢で差 沖縄・名護、革新市政に低く 防衛省算定>
 毎日新聞 2015年07月02日 東京朝刊
20150702gunyoutifeekakusa.jpg
 ◇「辺野古」提案後は急増
 米軍基地を抱える沖縄県名護市に国が毎年度払う軍用地料が、基地に反対する革新系市長の時代には低く抑えられ、基地を容認する保守系市長の時代に増やされていたことが分かった。特に、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設案が示された1996年度以降急増した。額を決める防衛省は、基地に土地を提供する対価(賃料)として公平に決めてきたとするが、実際には市長の政治的立場や国への協力度により恣意(しい)的に差をつけている実態が浮かんだ。
 名護市と隣接の宜野座村(ぎのざそん)は、米海兵隊基地のキャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブ内などに1500万平方メートル前後と面積のほぼ等しい土地を所有する。沖縄が本土に復帰した72年度から2014年度の各年に2市村が受け取った軍用地料を、2市村の決算資料などから調べ、比較した。
20150702beigunkiti.jpg 
 72年度は宜野座村約1億4300万円、名護市約1億1800万円で差は2500万円。額は国の方針で全体として伸びていくが、村長が一貫して保守系の宜野座村に対し、基地反対を掲げる革新系の渡具知(とぐち)裕徳(ゆうとく)氏(70年初当選)が市長を務めた86年までの名護市の伸び率は、低く抑えられた。渡具知氏4期目の83年度には宜野座村約8億300万円、名護市約4億9900万円で差は3億円超となった。その後、名護市で86?10年に比嘉(ひが)鉄也氏▽岸本建男氏▽島袋吉和氏??と基地を容認する保守系市長が3人続いた時期は差が縮小していく。市の受取額が急増したのは96年度から5年間で、普天間飛行場の辺野古移設案が浮上した時期と重なる。名護市が条件付きで移設を容認した99年度には、宜野座村約15億3600万円、名護市約15億3900万円で逆転。その後は同村を1億円超上回った状態で安定する。
 旧防衛施設庁長官を務め、96?98年に那覇防衛施設局長だった嶋口武彦氏は取材に、普天間飛行場の辺野古移設を当時の比嘉市長に提案した際、キャンプ・シュワブの軍用地料値上げなどを条件として示されたことを明かし、「私の一存でできるから条件にしなくていい、と答えた」と証言した。比嘉氏も取材に、やりとりがあったことを認めた。
 軍用地料急増について嶋口氏は「(局長の)裁量の範囲」と明言。渡具知市長時代については「(渡具知氏が)革新系で防衛施設局と対立し、局が(額を)抑えていた」と説明した。市長の政治的立場で差をつけることの問題性を指摘すると、「昔はやっていたが今はない。説明がつかないが差をつけたのは(前任者で)自分ではない。昔は値上げ交渉自体なかったが(比嘉市長時代に)交渉できるようになった結果、値上げされた。そもそも適正な価格などない」と釈明した。
 辺野古移設に反対する稲嶺進・名護市長が再選された後の14年度、宜野座村との差が前年度の1億2400万円から約8900万円に縮まった。防衛省は「首長の基地へのスタンスで軍用地料の価格が左右されることはない」としている。【川上晃弘、伝田賢史】
==============
 ■ことば
 ◇軍用地料
 米軍基地内に土地を所有する個人や自治体に日本政府が払う賃料。山林や農地、宅地など地目ごとに基地周辺の公示地価や開発状況などに基づき算出される。単価は「民間地主の収入が推測される恐れがある」(沖縄防衛局)として公表されていない。沖縄県内の米軍基地の土地は国有地、県市町村有地、私有地が約3分の1ずつで、県内の2013年度の受取総額は約830億円。
 
まさ「札束で頬を叩く」を地で行い、県民の自治そのものを管理しようとする意図が明白な行為である。
 
ところで、メディアに対する支配介入的な発言は、なにも自民党の若手議員だけではなく、むしろ安倍晋三首相の今までの言動が改めて異なった形で表面化したに過ぎない。
 
20150702jimintougendou.jpg

<朝日新聞から>

 
プロ野球の場合は「敵失」、サッカーの場合は「オウンゴール」と呼ばれる、相手側のミスによる味方の得点。
 
今朝の8時から生中継されたサッカーの女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会の準決勝、イングランドvs日本女子代表(なでしこジャパン)の試合で日本は後半ロスタイムにオウンゴールで決勝点を得て、2−1で勝利した。
 
実際の試合を見ていない人には分からないかもしれないが、このオウンゴールは、なでしこジャパンが決定的なチャンスを作り、FWの大儀見がゴール前に迫ったことにより、相手DFのクリアミスを誘い相手のゴールに入ったもので、相手が触らなければ大儀見が得点したシーンであり、決して偶然ではなかった。
 
ということは、自民党若手議員のマスメディアに対する暴言等は、決して「オウンゴール」とはなりえず、戦争法案を廃案に追い込むには、本来の議論で政府を追い込むしかない。 
 
国内の95%以上の憲法学者が「違憲」と明言した戦争法案だが、政府もおいそれと引き下がるわけにはいかず、あらたな参考人を与野党が推薦し意見陳述を行った。
 
政府側の参考人は元軍人や軍事オタクであり当然、戦争法案は合憲と主張し、野党側の3人の推薦人はそれぞれ異なる立場から根本的な問題点を指摘していた。 
 
<機雷掃海「個別自衛権では困難」 防衛相が見解>
 2015年7月2日 朝刊 東京新聞
20150702sankouniniken.jpg 中谷元・防衛相は一日、安全保障関連法案に関する衆院特別委員会の一般質疑で、中東・ホルムズ海峡での戦時の機雷掃海について、他国を武力で守る集団的自衛権を行使しなければ対応は困難だという考えを示した。
 中谷氏は、機雷敷設はシーレーン(海上交通路)を通過する船への無差別攻撃に当たるとして「日本を狙ったと認定するのは想定しがたい」と指摘。個別的自衛権に基づいて掃海すれば「国際法違反の恐れがある」と述べた。
 集団的自衛権行使についての国会承認を求める際、「存立危機事態」と認定する根拠に特定秘密が含まれる場合があれば「ニュースソース(情報源)や数字は明示せず、情報を整理して適切に公開し、理解を得ていく」と説明した。
 安保法案に盛り込まれている他国の軍事活動への支援拡大について、中谷氏は戦闘現場に向かう米軍機に燃料を補給するため「空中給油機の使用も排除されない」と説明。岸田文雄外相も、給油する場所が戦闘現場と一線を画しており、米軍の指揮・命令を受けないことなどを理由に挙げて、他国の武力行使との一体化を禁じる憲法解釈に反しないとの考えを示した。
 特別委は一般質疑に先立ち、参考人質疑を行い、有識者5氏が意見陳述した。
 与党推薦の小川和久・静岡県立大特任教授と折木良一・元統合幕僚長は、安保法案が成立すれば抑止力が高まるなどと主張した。
 野党推薦の柳沢協二・元内閣官房副長官補、伊勢崎賢治・東京外国語大大学院教授、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、軍事的な緊張が高まったり、テロに巻き込まれたりするリスクが増大する可能性を指摘した。
 与党は特別委の理事会で、法案採決の前提となる中央公聴会を8日に開催する日程を提示。野党は時期尚早だと反対した。2日にあらためて協議する。
 
国会論議では、政府側の答弁の食い違いを追及し、答弁そのものの曖昧さを際立たせ、法案自体のいかがわしさを強調しなければならない。 
 
昨年の集団的自衛権行使容認した閣議決定後の記者会見で安倍晋三首相が得意になって強調したことは、「公海上の米艦が他国の攻撃を受けた場合」と「ホルムズ海峡の機雷掃海への参加」が集団的自衛権の行使の対象になるということだった。 
 
その2枚看板がどうやら怪しくなったようである。 
 
<「2枚看板」を下ろした安保法制は廃案しかない>
 2015年7月2日 日刊ゲンダイ
 憲法学者の「違憲」発言をきっかけに内閣支持率が急落し、安保法案についても反対論が増えている中で、自民党の安倍親衛隊の勉強会で「マスコミを潰せ」という反知性的な粗暴発言まで飛び出して、よろず物事が安倍首相にとって不都合な方向へと転がっている。自民党の大物秘書が言うには、「一寸先は闇とはよく言ったもので、1カ月前には自信満々だった安倍晋三首相のイライラが増して『何とかならないのか!』と周りに怒鳴り散らす回数が増えている」という。
 やはり自民党勉強会事件がダメージになっている?
「いや、あれは偶発事故のようなもので、それよりも安倍と官邸が慌てているのは、安保法制の柱の部分が大きく揺らぎだしていることだろう」
 どういうことか。ひとつには、憲法学者に続いて歴代の内閣法制局長官がこぞって安保法制=違憲と堂々と言い始めたことで、横畠裕介現長官はたぶん「このままでは自分が、法制局を時の政権に屈服させた戦犯として歴史に名を残すことになる」と危機感を抱いたのだろう、安倍の思惑と違うことを勝手に言い始めた。
 その一例が29日の衆院委員会で、横畠は長島昭久議員らの質問に答えて、公海上の米艦が他国の攻撃を受けた場合「日本への武力攻撃と認められれば個別的自衛権で対処できる」と、安倍答弁とは完全に食い違うことを言ってしまった。それにつられてか、中谷元防衛相も、その場合に集団的自衛権と個別的自衛権のどちらを使うかの判断基準は「非常にあいまいだ」と告白した。これは安倍のこだわる「米艦防護」に最初から含まれていた矛盾点で、単純な話、邦人を乗せた船が米艦でなくどこかの国の貨物船だったらどうなるのか。それを防護しようとすれば、相手は米軍ではないから集団的自衛権は無関係で、個別的自衛権の拡大解釈で行うしかないのは自明のことだ。
 もうひとつは、ホルムズ海峡の機雷掃海への参加だが、これは谷垣禎一幹事長が主導する維新との「修正協議」で消える可能性が出てきた。このまま7月中旬に衆院で採決を強行すれば支持率がまた一気に下落して政権が危うくなる。それを避けるには、せめて維新を採決に参加させなければならないと谷垣は思い詰めていて、維新の修正要求を受け入れようとしている。
 安倍がこだわり続けてきた米艦防護とホルムズ海峡の2枚看板を下ろしたのでは、今までの安倍の説明は何だったのかということになる。安保法制は廃案しかないという野党の主張が勢いづくことになろう。
 
強行採決のターゲット日は7月17日だという。
 
それが出来なければ、次週の24日が「60日ルール」を使用できるリミットである。
  
表面的な質問に終わらず、もっと核心を突く質問をして、政府側に逃げ場を与えないように追い込むべきであり、そうなれば国民の戦争法案に対する不安感が増し、内閣支持率がさらに低下する可能性も出てくる。
 
そうなれば「ついに『9月末解散・総選挙』を記事にした週刊実話」という憶測記事が現実味を帯びて、本当のオウンゴールが期待できるかもしれない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:12| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月01日

百田尚樹と“沖縄ヘイト”のインチキを暴く

いまさら気が付かなくても、今年はすでに半分の月日が過ぎ去った。
 
オジサンの2人の孫たちは大した物を食っていないにもかかわらず、日々確実に成長しているようである。
 
とりわけ来月には3歳になる弟は、日増しにしゃべる量が増大してきているのだが、残念ながら意味不明な語句が多い。
 
しかし母親にはその意味が正確にわかっているらしい。
 
さて、先月の週末頃、いい歳をした安倍チルドレン等が、産みの親の心情を察して、人前では言えない、言ってはならいような内容を声高にしゃべっていたらしい。
 
会期を大幅に延長した通常国会だが、「平和安保法案」と子どもでも分かる厚化粧で実態を糊塗した戦争法案が、多くの憲法学者たちの逆襲に遭い「違憲」法案と言うことが広く国民に知られるようになり、何とかメディアを規制したいという政権の焦りから、チルドレンたちを利用したようである。 
 
<「脅し。メディア萎縮狙う」 識者、自民勉強会を批判>
 2015年6月27日 朝刊 東京新聞
・・・前略・・・
 勉強会は冒頭だけが公開された。「マスコミを懲らしめるには…」の発言があった時、報道陣は会場の外にいた。
 だが、元NHKプロデューサーの永田浩三武蔵大教授(メディア社会学)は、非公開の気安さで出た発言ではないと考える。声は室外に漏れ、そこに記者がいるのは、出席者も分かっていたからだ。
 「伝わるように言ったのだろう。若手議員が鉄砲玉みたいに親分が言えないことを言う。形勢が悪くなれば、党幹部が『若手が内々で冗談言っただけ』と収める」。そして、「言ったもの勝ち、脅したもの勝ち。メディア側の萎縮、忖度(そんたく)につながることがある」と説明する。
 永田氏はNHKに在職中、旧日本軍慰安婦を扱った自身の番組が、政治家と会ったNHK幹部の指示で改変された。その経験から、「強権を発動しないで、マスコミ側が自主的に制限してくれるのが(政治家側の)理想」と語る。今回も、同様の効果を狙った可能性があるとみている。
 勉強会で講師を務めた百田氏の「つぶさないといけない」の発言については、それを引き出した議員の発言を問題視。
 出席議員は「沖縄世論を正しい方向に持って行くために、どのようなことをするか。左翼勢力に乗っ取られている現状において、なんとか知恵をいただきたい」と百田氏に発言を促していた。
 永田氏は「会合全体の流れが問題。個別の記事を批判するレベルではなく、新聞をつぶせと言っている。議員が言論の自由の弾圧を公言したととらえていい。(言論の自由を保障した)憲法に違反すると思います」と批判した。
 
決して、「私的で非公開」の勉強会ではなかったことが分かる。 
 
「若手議員が鉄砲玉みたいに親分が言えないことを言う」これをヤクザの世界に置き換えれば、親分の気に食わぬライバルの組長の命を若手の組員が鉄砲玉となって相手を殺すということになる。 
 
今の安倍政権にとっては、標的がマスメディアということである。 
 
この辺の裏事情を元TBSでジャーナリストの田中良紹(自称フーテン)は分かりやすく解説していた。 
 
安倍自民党の知能程度が明らかにした日本の危機−(田中良紹)
 
フーテンが「冥土の旅の一里塚になる」と書いた国会延長が決まった矢先、安倍自民党の知能程度を示す事態が発生した。
若手議員らが安保法案成立を確実にするためにメディアに圧力をかける事を画策したのである。
安保法制の国会審議が再開される前日、安倍総理の側近議員らが自民党本部に総理お気に入りの作家百田尚樹氏を招き、国民の理解が進まない安保法案を成立させるための方策を語り合った。
国民にアピールするためにどうするか、狙いはメディア戦略である。
メディアを自分たちの思い通りにするには、「安倍総理の側近がメディアに圧力をかける意思を持っている」事をメディアに示す必要がある。従って会合はメディアに取材させる必要があった。
ただしカメラの前では自由闊達にしゃべれない話もある。
そのため取材は冒頭だけに限定し、しかし会には官邸と党から安倍総理の最側近を参加させ、単なる若手の会合とは思わせないようにする。
そうしないとメディアに軽く扱われてしまう。
おそらく主催者はそう考え加藤勝信官房副長官と萩生田光一総裁特別補佐に出席を仰いだ。
だから冒頭でゲストの百田氏はマスコミ批判を一席ぶち、そこはカメラにも撮影させ、それから取材陣を退室させて講演に入った。
取材陣は退出させられても立ち去る事はない。
それは取材の常識である。
会合が終わるのを待って出席者に内容を確認するためである。
そして部屋の外にいれば会合の話は声を潜めない限りドア越しに聞こえてくる。
百田氏は「盗み聞きされた。卑劣!」とツイートしたらしいが、取材のイロハを知らない無知蒙昧である。
聞かれたくない話をするのなら冒頭取材もさせなければ良い。
しかし勉強会の目的は、誰が言ったのかをカメラに撮らせて証拠にはさせないが、メディアに聞こえるようにして報道の委縮を狙ったのである。
それが「マスコミを懲らしめるためには広告料収入をなくせばいい。安倍総理が言う訳にはいかないから(百田氏のような)文化人、あるいは民間人の方々が経団連に働きかけてほしい」との発言になった。
この発言者大西英男衆議院議員は安倍総理の「本音」を忖度して発言している。
しかし放送業界でメシを食ってきた百田氏はそれには同調せず、むしろ放送界の既得権益をなくし自由競争させるべきだと発言したようだ。
そういう考えの持ち主なら、既得権益の最たる存在はNHKである。
それが安倍総理のご指名で経営委員に就任した事との整合性が問われる。
会合では安保法制に国民の理解が進まない事への不満と共に、沖縄が自分たちの思い通りにならない事にも不満が相次いだようだ。
それに関する百田氏の発言は誠に珍妙奇天烈なものであった。
沖縄が思い通りにならない事を地元新聞のせいにし、尖閣を中国に取られれば沖縄県民の目が覚めると言い、また田んぼしかなかった普天間基地の周りに住民が商売目的で住み着いたと発言した。
普天間の話は米国の主張の受け売りである。
そもそも米国は普天間基地の移設は必要ないとの立場だった。
「世界一危険な飛行場」と言っているのは日本側で、
住宅密集地に飛行場がある状態は福岡空港と変わらない。
しかも昔は基地の周りに住宅はなかった。
後から人が住みだして「危険だから出ていけ」というのはおかしいというのが米国の言い分である。百田氏はそれを受け売りした。
日本側が勝手に「世界一危険な飛行場」と言って移設を言いだしたのだから、移設の費用から何から日本政府が責任を持ってやれと米国は言い、日本が金を出すのだからどうせなら普天間より大規模な基地を作らせろと米国は考える。
一方で米国の軍事戦略は冷戦時代とはまるで異なり刻々変化する。
沖縄に米軍基地を置かなければならない理由はない。
ただ基地を置けば日本政府が金をくれるので置いている。
米国防総省の資料によると、2002年に各国が米軍駐留経費として米国に支払ってくれた金額は、日本がトップで44億1千万ドル、2位がドイツで15億6千万ドル、3位が韓国の8億4千万ドルで、ドイツは日本の三分の一、韓国は日本の五分の一である。ダントツに日本はおいしいのだ。
2011年に「沖縄はゆすりの名人」と発言して問題になったメア元在沖縄米国総領事は、米国の学生たちに「日本の平和憲法は米国に経済的利益をもたらす」と教えている。
沖縄の米軍基地は安全保障上の必要から置かれているのではなく、経済的利益の必要から置かれていると教えているのである。
一部だけ米国の受け売りをする百田氏はそうした側面を知らないか、あるいは目をつむっている。
この自民党若手の勉強会は当然ながら安保法制の審議に悪影響をもたらす事になった。
・・・後略・・・
 
若手議員による勉強会における自民党議員の発言は決して「不規則発言」ではなかったことが明白なのだが、大阪出身の売文業の百田尚樹の沖縄に対する諸々の発言は典型的なネトウヨ連中と同レベルの発言であり、リテラの「県民は金目当てで親中、戦争の悲劇は捏造…百田尚樹と“沖縄ヘイト”のインチキを暴く!」の記事を参考に百田発言に対する反論を紹介しておく。
 
■「普天間基地ができた後に住み始めて文句を言うのはおかしい」

普天間基地が建設された場所は、1925年の段階で1万人近い住民が住み、役場や小学校もあった。
 
1945年4月、沖縄戦で上陸した米軍が住民を強制排除して占拠し、本土決戦のため普天間での滑走路建設に着手。つまり、元々そこに住んでいた住民たちは強制的に土地を奪われたのだ。
 
そして、45年の終戦直前には住民は収容所に入れられ、終戦後に帰村が許されたときには、すでに基地に占拠され、自分の集落に立ち入ることができなかった住人が多くいた。それでやむをえず、米軍から割り当てられた周辺の土地に住み始めたのである。
 
■「基地の地主はみんな大金持ち」

〈だが県基地対策課のまとめ(2013年)によると、県内の軍用地主のうち、軍用地料の受取額は100万円未満が54.2%、100万円以上200万円未満が20.8%を占める。大部分が200万円未満で「年収何千万円」と懸け離れている。〉(琉球新報)
 
<沖縄防衛局が発表した2011年度の軍用地料の支払額別所有者数(米軍・自衛隊基地)によると、(中略)500万円以上は3378人で7.9%だった。〉(沖縄タイムス)
 
ちなみに、六本木ヒルズの住居(レジデンス)の家賃は、1LDKなどの安価物件も含めて、ざっくりと平均で1ヵ月50万から150万で、年換算で600万〜1800万円の家賃である。
百田尚樹の言う「地権者は六本木ヒルズに住んでいる大金持ちと同じ」というのは、もはや妄想であろう。
 
■「沖縄だけが戦争の犠牲になったわけではない。大阪も大空襲で多くの人が死んだ」

沖縄は我が国で唯一、地上戦が行われた場所であり、12万2千人の県民がこの戦闘で死亡している。
 
当時の沖縄県民は59万人といわれているから、実に5人に1人が戦死した計算だ。しかも、12万人のうち9万人は民間人だった。 
この沖縄戦の悲劇は、空襲のように米国の一方的な戦闘だけで起きたものではなかった。
 
本土決戦を少しでも遅らせるために、日本政府から徹底抗戦の場所として「捨て石」にされ、そのことが被害をより甚大なものにしたのである。
 
45年の年始に大本営が策定した公的文書「帝国陸海軍作戦計画大綱」にも、〈右前線地帯の一部においては状況真にやむをえず敵の上陸を見る場合においても極力敵の出血消耗を図りかつ敵航空基盤造成を妨害す〉とはっきり書いている。
 
また、沖縄防衛を担う陸軍第32軍の高級参謀として作戦担当にあたった八原博通大佐も自著『沖縄決戦 高級参謀の手記』(中央公論新社)のなかで、沖縄戦の役割をこう記している。
 
〈第三十二軍は本土決戦を有利ならしむる如く行動すべきである。すなわち戦略的には持久である。(中略)沖縄につとめて多くの敵を牽制抑留し、かつ、つとめて多くの出血を敵に強要し、しかも本土攻略の最も重要な足場となる沖縄をつとめて長く、敵手に委させないことであった。〉
 
■「沖縄の人は中国を歓迎している(から問題だ)」

日本の消費産業はいま、中国人客頼み、沖縄以外でも観光地ならみんな「マナーが悪い」と言いながら中国人を歓迎している。
日本の保守派が大好きな台湾だって、中国の観光客を多数呼び入れて、企業は大きなビジネスを展開している。
 
普通に考えればわかるが、中国の観光客受け入れやビジネスの提携は、そういうネトウヨ的な陰謀論とはまったく関係がないリアルなところで進んでいるのだ。
 
それを無理矢理、自分たちの単純な二分法的イデオロギーと結びつけ、基地問題を無視し続ける日本政府に対して反発している行為を、“中国の属国になって本土に仕返しする”というストーリーに仕立ててしまう。ここまでくると、狂っているとしか言いようがない。

まあ、百田尚樹は安倍晋三並みの歴史認識しかない、いわば似た者同士なのだろう。
 
それにしても、明らかな憲法無視の報道の自由を制限するかのような「マスコミを懲らしめるには、広告料収入をなくせばいい」という発言に対して、少なくとも在京大手紙は社長名での抗議文をだすべきであった。
 
そして、自分たちの報道の自由、言論の自由を示すためにも「戦争法案反対」という大キャンペーンを展開してマスメディアとしての矜持を示せばよいのである。
 
しかし「戦争法案審議入り1カ月 首相会食 銀座・赤坂へ」という記事を読む限りでは、残念ながら期待すること自体、土台無理なのかもしれない、とオジサンは思う。

20150701masukomikaisyoku.jpg

posted by 定年オジサン at 11:32| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする