2015年12月31日

JAL不当解雇撤回原告団、あれから5年

2012/04/05 JAL解雇撤回 総決起集会(東京・四ッ谷)


2012/08/31 に公開

 
整理解雇と称してJALの客室乗務員84名、乗員81名の計165名が「整理解雇」されてから5年が経った。
 
2011年に東京地裁に提訴して闘った「JAL整理解雇原告団」は2012年3月の相次ぐ不当判決により、その後は「JAL不当解雇撤回原告団」と名称を変えて、単なる整理解雇ではなく、会社側の真の狙いである「不当労働行為」を全面に押し出して、東京高裁に控訴した。
 
そして、その高裁における控訴審もほとんどが東京地裁の判決の焼き直しのような内容の不当判決だった。
 
さらに最高裁は2月4、5日付けで、客乗訴訟・乗員訴訟とも上告棄却・上告不受理という不当な決定を下し、ほとんど審査もされずに棄却という門前払いをされてしまった。
 
法廷闘争はこれ以上続けることはできない。
 
しかし解雇された客乗84名、乗員81名は依然不安定な生活を強いられている。
 
それでは165名を整理解雇したJALはその後どうなったのか。
 
職場の労働条件の維持・向上のためJAL経営側と闘ってきた「物言う組合」の中心人物を集中的に解雇したため、職場での労働強化がますます厳しくなり、退職者が続出した。
 
特に機内では立ち仕事が多い客室乗務員の過重労働による退職が続き、以下のように毎年数百名もの新人を採用する羽目になっている。
 
◆2010年12月31日・・・ベテラン客室乗務員84名を整理解雇
◆2012年度・・・・・・新人客室乗務員650名採用
◆2013年度・・・・・・新人客室乗務員660名採用  
◆2014年度・・・・・・新人客室乗務員580名採用 
◆2015年度・・・・・・新人客室乗務員270名採用さらに既卒者を募集 
◆2016年度・・・・・・新人客室乗務員330名募集開始 
 
20年、30年というベテラン客室乗務員が一気にいなくなり、新人を600名以上も採用したのだが各フライトで新人を教える先輩も入社数年という状況で、度々、表ざたにならないような事故が相次いでいる。
 
一たび大事故になればベテランの判断が生かされず、大事故につながる可能性が大きい。 
  
パイロットに関しては航空業界全体的に人員不足である。 
 
たとえば、今年の4月1日、航空各社では入社式が行われだのだが、事実上経営破綻したスカイマークですら11人の新入社員を迎え、そのうち10人はパイロット候補生である。
 
現在スカイマークは、経営破綻し民事再生手続き中なのだが、予定通りの採用を行っている。
 
これはパイロットを育成するのには時間を要することから、継続した人材の確保が重要だという経営判断が働いている。
 
残念ながら、2010年に整理解雇を行ったJALではこの経営判断が働かず、現在ではパイロット不足に陥り、来年度の事業も縮小しなければならない有様になっている。 
 
その後の行動の大きな特徴は日航乗組とCCUがの両組合が、10月3日よりジュネーブのILO本部に要請団を派遣したことである。 

そもそも、LAJ経営は解雇強行から、LO勧告を無視し、解雇問題の完全解決に向けて一切の交渉を拒否していていた。
 
10月の訪問の目的は、2月の訪問以降の日本の最新の状況についての報告を行い、更なる支援を要請することであり、ジュネーブでの論議は多岐に渡り、新たな三次勧告やILOの一歩進んだ具体的な支援措置についての論議にまで至った。
 
そこでの最新情報の報告は、9月5日付で乗員組合とCCUからILOの結社の自由委員会に提出した「追加情報」を中心に、行い「よく整理され、分かりやすい」という感想と共に「追加情報」の内容に対して、ILO各部署の高官からは、「解雇問題に状況の進展があったことが理解できた」との率直な評価が出されたという。 
 
国内においては、塩崎厚労相は解雇問題に対して「・・・解雇終了となった労働者再雇用に関する事項は労使の協議事項である・・・」(3月は9日参議院予算委員会)、「・・・(解雇問題の解決に向けては)労使で話し合いをすることが大事・・・」(4月5日衆議院厚生労働委員会)と発言しており、これは、この4年間の中で、解決に向けては労使交渉が行われるべきことが政府見解として初めて表明され、同時に、その内容が今までに出されたILO勧告内容と同じであるということに大きな意義があった。
 
ILO本部では、労働者活動局の高官を中心に率直な意見交換が行われ、以下のようなコメント等が寄せらた。
 
・国会発言をよく読むと、国としても放置できなくなってきた、という認識が出てきていることを読み取ることできる。
・今年の年末の交渉、来春闘の交渉は、労使双方にとって大変に重要な交渉になるでしょう。実質的なきちんとした交渉にすることがとても重要です。
・再雇用に向けては開かれた交渉のもと、差別が行われないという事が大変に重要です。
・次なる勧告が出される条件は、すべて整っています。
・皆さんの選択肢としてはILOに対して一歩進んだ手段を要請することができます。
・“ILOの窓”は常に開いており、諦めずに最大限ILOを活用してください。
・日本航空という企業は、解決するまでILO監視下に置かれているという事を忘れてはなりません。
・ILOは解決するまで皆さんへの支援を継続します。頑張ってください。

20151231jalilo.jpg

以下は、「JAL不当解雇撤回ニュース」より抜粋。 
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2015年11月12日、ILOから日本政府に対して第三次勧告が出されました。今回の勧告は2013年10月の二次勧告以降の労使関係の状況と、日本政府の動き(4月15日の塩崎厚生労働大臣国会発言「労使の当事者が自主的に解決に向けて努力しなければならないことに尽きる」)などを踏まえたものです。
今回の勧告の重要な点の一つは「委員会は、本件の最新の展開に鑑み、会社と当該労働組合との意義ある対話を維持することの重要性を、今一度,強調する」と、二次勧告よりも一歩進んだ形で、労使間での自主的な解決を更に強く求めている点です。 
また、ILOは「労働者の整理解雇の問題について、真に交渉についていたかどうかという点について、労働者と使用者間で意見の相違がある」と指摘しています。このことは、組合がこの4年間、解決に向けての協議を求め続けていることに対して、会社側の言う交渉が解決に向けた本当の交渉にはなっていないということをILOが把握し、指摘していることを示しています。
 
 今回の勧告では、次に示すように、JALの経営に対して、JALグループ関連の全ての労組との話し合いを求めているのも特徴です。勧告では解雇問題の解決に向けて「会社が、本件について、事業に関係するすべての労組との討議がなされるよう会社の態度を維持することを信頼し・・・」とJALに交渉を続けるよう求めています。このことは、146名(原告数)の整理解雇がJALの一連の人員削減策の中で実施されたことから、人員削減の影響を受けたJALグループ内の全ての労働組合との協議を求めています。希望退職した整備士等の地上職員や、整備子会社である日東整の解雇問題等についても議論していく必要があることを示していると言えます。
 
◆塩崎厚生労働大臣は、2015年4月の国会で「労使の話し合いがきちんと行われるよう、注視していきたい」とILO勧告にそった答弁をしています。
◆2015年11月、ILOはJAL案件で日本政府に対して三度目の勧告を出しました。勧告は、解雇した労働者を職場に戻すために、労使で意義ある話し合いをするよう再度強く求めています。
◆JALは、労使交渉で「争議が長引くのはよくない。話し合いは続けていく」と述べていますが、未だに解決のための誠実な交渉は一度も行われていません。
◆ILOは争議の早期解決を求めています。政府もJALも国際条約であるILO勧告に従い、早く争議の解決を目指すべきです。
◆解雇を強行するために、管財人が不当労働行為を行ったことが東京高裁で断罪されました。違法な手続きで行われた解雇を撤回し、解雇した人を職場に戻すべきです。
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丸5年を経過し、いよいよ来年は会社との交渉の場での闘いとなる。
 
まだまだ目が離せないが、最終的な解決まで微力ながらもオジサンは支援を続けるつもりである。 
 
 
本年も最後までお付き合い、ありがとうございました。、
 
毎日「つぶやき」続けて5年目が過ぎようとしています。
 
来年も、いや明日からもお暇なら、時間の許す限りの訪問をお待ちしております。
 
   よいお年をお迎えください!!!



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2015年12月30日

今年も多くの人が亡くなりました

文芸評論家の斎藤美奈子が東京新聞「本音のコラム」で、慰安婦問題における「日韓合意」に関して「考え方を変えた人に『なぜ変えたのか』を問う必要があるだろう」とした上で、
 
@自らの過ちに気づいて心を入れ替えた。
A逆らえない相手に翻意や譲歩を命じられたので、しぶしぶ従った。
B本当は考えを変えたわけではないが、変えたふりをして、その場を乗り切ることにした。
 
と三択問題を提示していた。(正解は@以外でしょう)
 
昨日のつぶやきでは「外交の談合」と、ある人のコメントを紹介したが、その談合に向けては米国の「米日韓vs中国」という世界戦略上「日韓合意」が是非とも必要であるので強引に強権発動して演出したというのはまぎれもない事実であろう。
 
すでに右翼はこんな行動を提起し昨日実行された。
 

 
安倍晋三首相も来年は安閑としてはいられまい。
 
願わくば、1年後には下記のリストに掲載できれば国民にとっても喜ばしいことかもしれない。
 
さて、両親が健在の男女が結婚すると、時が経つにつれ双方の親の死別に会い、年末恒例の「新年の挨拶欠礼はがき」を出す。 
オジサンの知人の中には、自分の両親と連れ合いの両親がそれぞれ1年おきに無くなったり、また、3年連続どちらかの親が亡くなり、しばらく年賀状を受け取る機会がなくなったという連中もいる。
 
そして今年もまた多くの有名人・著名人たちが様々な原因から亡くなっている。
 
病死、自殺、不慮の事故等々、不本意な思いもあっただろうが、各自が自分の人生の最後を飾って逝ってしまった。 
 
特に職業ジャンルは問わず、少なくともオジサンが知っている人々を亡くなった月毎に列挙した。
 
昨年に比べて10名以上増えているが特に根拠があるわけでもない。
 
それにしても、確実に戦争を知っている世代の人々がいなくなっている。
 
最近では「大正」という年号を知らない若者が増えてきた。
 
オジサンの母は大正時代最後の年に生まれている。
 
90歳でなんとか今年も生き抜いた。
 
亡くなった方々には、あらためて、謹んでお悔やみ申し上げます。
 
   
【1月】   
★吉行 あぐり (よしゆき・あぐり) 【美容師】 〔岡山県〕
★石井 光三 (いしい・みつぞう) 【芸能プロモーター】 〔東京都〕 ※石井光三オフィス 元社長
★矢吹 健 (やぶき・けん) 【歌手】 〔山梨県〕
★斉藤 仁 (さいとう・ひとし) 【柔道】 〔青森県〕
★陳 舜臣 (ちん・しゅんしん) 【作家】 〔兵庫県〕
★奥平 康弘 (おくだいら・やすひろ) 【法学者】 〔北海道〕
★河野 多恵子 (こうの・たえこ) 【作家】 〔大阪府〕
【2月】
★ウィレム=ルスカ (Willem Ruska) 【柔道】 〔オランダ〕
★坂東 三津五郎 〈10代目〉 (ばんどう・みつごろう) 【俳優】 〔東京都〕 ※旧名:坂東 八十助 〈5代目〉
【3月】
★塩月 弥栄子 (しおつき・やえこ) 【茶道家】 〔京都府〕
★桂 米朝 〈3代目〉 (かつら・べいちょう) 【落語家】 〔兵庫県〕
【4月】
★三條 美紀 (さんじょう・みき) 【女優】 〔京都府〕
★小島 功 (こじま・こお) 【漫画家】 〔東京都〕
★愛川 欽也 (あいかわ・きんや) 【俳優、司会者】 〔東京都〕
★加瀬 邦彦 (かせ・くにひこ) 【ミュージシャン、作曲家】 〔東京都〕 元《ザ・ワイルドワンズ》
★萩原 流行 (はぎわら・ながれ) 【俳優】 〔東京都〕
★阿修羅・原 (あしゅら・はら) 【格闘家/プロレス】 〔長崎県〕
【5月】
★滝田 裕介 (たきた・ゆうすけ) 【俳優】 〔東京都〕
★B. B. キング (B. B. King) 【ミュージシャン、歌手】 〔アメリカ〕
★今 いくよ (いま・いくよ) 【漫才師】 〔京都府〕 《今いくよ・くるよ》
★今井 雅之 (いまい・まさゆき) 【俳優】 〔兵庫県〕
【6月】
★町村 信孝 (まちむら・のぶたか) 【政治家】 〔静岡県〕
★クリストファー=リー (Christopher Frank Carandini Lee) 【俳優】 〔イギリス〕
【7月】
★大竹 省二 (おおたけ・しょうじ) 【写真家】 〔静岡県〕
★南部 陽一郎 (なんぶ・よういちろう) 【物理学者】 〔福井県〕
★高橋 一三 (たかはし・かずみ) 【野球】 〔広島県〕
★紀平 悌子 (きひら・ていこ) 【婦人運動家、政治家】 〔福岡県〕
★鶴見 俊輔 (つるみ・しゅんすけ) 【哲学者、評論家】 〔東京都〕
★川崎 敬三 (かわさき・けいぞう) 【俳優、司会者】 〔神奈川県〕
★加藤 武 (かとう・たけし) 【俳優】 〔東京都〕
【8月】
★山口 鶴男 (やまぐち・つるお) 【政治家】 〔群馬県〕
★花紀 京 (はなき・きょう) 【タレント】 〔大阪府〕
★北見 マキ (きたみ・まき) 【マジシャン】 〔北海道〕
★秋田 Aスケ (あきた・えーすけ) 【漫才師】 〔徳島県〕 《秋田Aスケ・Bスケ》
【9月】
★小林 陽太郎 (こばやし・ようたろう) 【経営者】 〔東京都〕 ※富士ゼロックス 元社長・元会長
★原 節子 (はら・せつこ) 【女優】 〔神奈川県〕
★宝生 あやこ (ほうしょう・あやこ) 【女優】 〔東京都〕
★デットマール=クラマー (Dettmar Cramer) 【サッカー】 〔ドイツ〕
★ゴーマン美智子 (ごーまん・みちこ) 【陸上競技/マラソン】 〔旧・中国〕
★塩川 正十郎 (しおかわ・まさじゅうろう) 【政治家】 〔大阪府〕
★ヨギ=ベラ (Yogi Berra) 【野球】 〔アメリカ〕
★川島 なお美 (かわしま・なおみ) 【女優】 〔愛知県〕
★福島 菊次郎 (ふくしま・きくじろう) 【写真家、ジャーナリスト】 〔山口県〕
★宝井 馬琴 〈6代目〉 (たからだ・ばきん) 【講談師】 〔静岡県〕
【10月】
★橘家 圓蔵 〈8代目〉 (たちばなや・えんぞう) 【落語家】 〔東京都〕 ※旧名:月の家 圓鏡 (つきのや・えんきょう)
★熊倉 一雄 (くまくら・かずお) 【俳優】 〔東京都〕
★モーリン=オハラ (Maureen O'Hara) 【女優】 〔アイルランド→アメリカ〕
★佐木 隆三 (さき・りゅうぞう) 【作家】 〔旧・朝鮮〕
【11月】
★加藤 治子 (かとう・はるこ) 【女優】 〔東京都〕
★あした ひろし (あした・ひろし) 【漫才師】 〔東京都〕 《あしたひろし・順子》
★阿藤 快 (あとう・かい) 【俳優】 〔神奈川県〕 ※旧名:阿藤 海
★山根 伸介 (やまね・しんすけ) 【タレント】 〔京都府〕 元《チャンバラトリオ》
★北の湖 敏満 (きたのうみ・としみつ) 【相撲】 〔北海道〕 ※第55代横綱
★水木 しげる (みずき・しげる) 【漫画家】 〔鳥取県〕
【12月】
★野坂 昭如 (のさか・あきゆき) 【作家】 〔神奈川県〕
★クルト=マズア (Kurt Masur) 【指揮者】 〔ドイツ〕   
★谷口 けい (たにぐち・けい) 【登山家】 〔和歌山県〕
★海原 小浜 (うなばら・こはま) 【漫才師】 〔岡山県〕 《海原お浜・小浜》
★川内 澄江 (かわうち・すみえ) 【声楽家】 〔青森県〕
★レミー=キルミスター (Lemmy Kilmister) 【ミュージシャン】 〔イギリス〕 《Motorhead (モーターヘッド)》
   
*** 合掌!! ***


posted by 定年オジサン at 09:47| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

安倍晋三首相のトンデモ語録

「合意の内容に関する正式な文書がつくられていない」
「一方的な共同記者会見で合意内容が発表」
「会談後の共同記者会見では一切の質問が受けつけられなかった」
「両国首脳が会談なしで外相会談を歓迎することで済ませた。」
 
・・・異例尽くしの歴史的な日韓外相会談だったようだが、すでに左右双方から賛否の声が上がっているが、少なくとも「慰安婦問題などなかった」と言いつづけてきた自民党の稲田朋美政調会長が今後は少しおとなしくなってくれれば大歓迎である。
 
ある人のコメントがすべてを物語っているようでもある。
 
それは「日韓外交の談合だ!!!」 

一応、在京各紙の社説のタイトルを見れば、おおよその内容がわかるようである。
 
◇朝日新聞「慰安婦問題の合意 歴史を越え日韓の前進を」  
◇毎日新聞「慰安婦問題 日韓の合意を歓迎する
◇東京新聞「従軍慰安婦問題で合意 『妥結』の重さを学んだ」 
◆讀賣新聞「慰安婦問題合意 韓国は『不可逆的解決』を守れ
◆産経新聞「慰安婦日韓合意、本当にこれで最終決着か 韓国側の約束履行を注視する
 
結局のところ、韓国大統領と面と向かって解決するということを避けた安倍晋三首相という印象は免れない。
 
やはり肝心な交渉では本人の言葉の軽さが災いするということを、本人自身がよく認識しているのかもしれない。
 
それでは、ネット上ではすでに話題となり、拡散しているようだが、今年の安倍晋三首相の「トンデモ語録ベスト10」とオジサンのツッコミを紹介したい。 
 
出典は、首相官邸からの脅しや圧力なんか馬耳東風の「リテラ」の下記の2本の記事である。
 
嘘、ごまかし、逆ギレ、開き直り…安倍首相「今年のトンデモ発言」ランキング(前編)10位〜6位
え、総理がこんなこといっていいの? 安倍首相「今年のトンデモ発言」ランキング(後編)5位〜1位

★1位
「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」
(7月15日、衆院特別委員会で)
 ⇒ おまえが総理大臣だから国民は提出する法律が信じられないのだ!
  
★2位
「我が軍の透明性を上げていくことにおいては、大きな成果を上げている」
(3月20日、参院予算委員会で)
 ⇒ おもわず自衛隊を「わが軍」と認めてしまった瞬間!
  
★3位
「政治家は歴史に対して、謙虚でなければならない、というのが、私の信念であります」
(9月11日、ネット番組『櫻LIVE』生出演時に)
 ⇒ 謙虚になれないお前は政治家ではなく、単なる政治屋稼業の三代目ボンボン!
  
★4位
「私の考え方をそこで述べることは言論の自由だ」
(3月3日、衆院予算委員会で)
 ⇒ 言論の自由とは権力者からの自由を保障しているという憲法そのものをわかっていないアホ!
 
★5位
「『安倍は生意気なヤツだから今度殴ってやる』と言う不良が来て、いきなり前を歩くアソウさんに殴りかかった。私もアソウさんを守る。これは今度の法制でできる」
(7月7日、ニコニコ生放送『安倍さんがわかりやすくお答えします!平和安全法制のナゼ?ナニ?ドウシテ?』で
 ⇒ 本人だけがうまい例えだとご満悦だった唐変木野郎!
 
★6位
「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」
(1月17日、日エジプト経済合同委員会でのスピーチで)
 ⇒ このお馬鹿発言で日本人ジャーナリストを見殺しにしたという自覚が全くない
 
★7位
「早く質問しろよ!」
(5月28日、衆院特別委員会で辻元清美議員に向かって)
 ⇒ 国民はみんなこう言っている「お前こそ、早く辞めろよ!」
 
★8位
「戦争法案などといった無責任なレッテル貼りはまったくの誤りだ」
(5月14日、安保法案閣議決定後の記者会見で)
 ⇒ この言い方自体が「バカの一つ覚え」で、戦争法案は「安全平和法案」の偽善性をよく表している
 
★9位
「難民受け入れは人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前にやるべきことがある。それは女性や高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手がある」
(9月30日、国連総会の一般討論演説後の記者会見で)
 ⇒ 「難民」と「移民」の違いも分からず、しかも「移民」を単なる外国人労働力としかみていない愚かさ
 
★10位
「第三の矢は的に届いていないとの批判を受けるが、私は大学時代、アーチェリー部だった。私の矢は必ず当たる」
(5月2日、ロサンゼルスでの日米交流関係者との昼食会で)
 ⇒ 結局当たり損ねて行方不明の矢のかわりに「新三本の矢」をまたまた放ってしまった!
 
明日から、恒例の年末特集になります。 

posted by 定年オジサン at 12:10| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月28日

辺野古新基地問題は政治の決断の回避であり、怠慢である

昨夜は民放のテレビ番組が余りにも見るに堪えない番組ばかりであったので、仕方なくNHKの21時からの「NHKスペシャル 証言ドキュメント▽永田町・権力の興亡 “安倍一強”実像に迫る」を見てしまった。
 
「『安倍一強』とも呼ばれる状況になっている日本政治。安全保障関連法の攻防、自民党総裁選でのせめぎ合いなどの舞台裏に政治家たちの証言で迫り、日本政治の行方を探る。」という番組案内であり、日常的なテレビのニュースでは紹介されない個々の自民党主要議員のインタビューには興味をそそられた。
 
番組冒頭のナレーションで「戦後70年の節目を迎えた2015年、日本政治は『安倍一強』とも呼ばれる状況になっている。その状況は、なぜ、いかにして生まれ、何をもたらそうとしているのか。国論を二分する中で成立し、最大の政治テーマとなった安全保障関連法をめぐる攻防、そして無投票に終わった自民党総裁選の水面下でのせめぎ合い…。今年の政治をめぐる『攻防・葛藤・決断』のドラマを政治家たちの証言から浮き彫りにし、日本政治の行方を探る。」と期待を膨らませてくれた。 
 
確かに、民放では絶対に制作できないような番組だったのだが、残念ながら現職の政治家たちの発言の内容に関しては当時のネットメディアが伝えていた内容とは大差なく、「今だがら本音を話そう」とまでにはいかなかったのは当然かもしれない。
 
野党党首のインタビューも登場するが、それはあくまでも安倍晋三首相の前座であり、至る所に安倍晋三首相のインタビューが登場し、その内容には一切の批判もせず、言いっぱなしにさせて、終わってみれば「安倍様のNHK」の看板通りの番組となって、安倍政権への「よいしょ」ドキュメントであった。  
 
国民に「当分は『安倍一強』が続きそう」と暗示しているかのようであった。
 
昔から「権力は腐る」といわれてきたが、権力が腐る前に国民が貧困と格差拡大とTPPにより疲弊してしまうことを予感させられた。
 
番組の中で安倍晋三首相は「『決めるときには決めなければいけない』それがリーダーとしての私の責任」と虚勢を張っていたが、リーダーなのだから少数意見や国民の反対の声を聞く必要はないとばかりに「強行採決」で戦争法案を可決したことには反省の色さえも見られなかった。
 
再放送はこちらから。(ただし、やることが無くてお暇な人向き) 
 
ところで、実は見逃していたのだが、数日前にこんな記事を朝日新聞の政治社説担当の小村田義之記者が書いていた。 
 
<(社説余滴)辺野古は唯一の解ではない 小村田義之>
 2015年12月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
2015122komuratakisya.jpg 「軍事上は、辺野古は唯一の解決策ではないでしょう。そう思いませんか」
 あえて直球の質問を投げてみた。相手は日本政府の関係者。沖縄の米軍普天間飛行場をめぐる日米交渉に携わったことのある人物だ。
 しばらく沈黙が続く。
 彼は目を落とし、意を決したように言った。
 「後輩たちが一生懸命やっているから、本当は言ってはいけないことだけど、軍事上は唯一ではないね」
 現役の自衛隊幹部にも同じ質問をしてみた。外務省の関係者にも尋ねた。答えは同じだ。「軍事上は唯一とは言えないでしょう」
 この答えは決して意外なものではない。むしろ常識的かもしれない。抑止力を保つ方策には多くの組み合わせがあり、一つの解しかないということはあり得ない。
 たとえば、嘉手納統合案。まず沖縄・嘉手納基地の米空軍の戦闘機部隊を青森県の三沢基地などに分散する。そのうえで、普天間の海兵隊を嘉手納に移す。2011年に米国で公表された案だが、それ以外にも具体的な代替案が取りざたされてきた。
 思い出したのは、この嘉手納統合案を唱えたレビン米上院軍事委員長が当時、辺野古案について日本側の関係者に伝えた言葉だ。その時の記録が手元にある。
 「日米両国は現実的な代替策を模索すべきだ。両国は内々ではこれを理解し、同じ思いを抱いていながら、公にするのを躊躇(ちゅうちょ)している」
 「これは、両国とも、同盟国としてお互いをがっかりさせたくないからである。しかし、その分、両政府は両国民に対して不正直であったと言わざるを得ない」
 率直な述懐だろう。この発言は伏せられたが、ずっと心に引っかかっていた。
 「辺野古が唯一」という主張の背景には、辺野古移設の見直しに伴う政治的な混乱を避ける思惑がある。埋め立てを進めれば、やがて沖縄県民の反対は収まるはずだという期待もあるだろう。
 政治的な意味で唯一、ということなのか。
 レビン氏は辺野古案について「環境面でも問題があり、実現は不可能だ」とも語っていた。その強行突破を図るのが、安倍政権である。
 だがそれが軍事上、唯一の選択肢でないとしたら――。
 現実的な代替案を検討しないのは、政治の決断の回避であり、怠慢ではないのか。
 (こむらたよしゆき 政治社説担当)
 
「環境面でも問題があり、実現は不可能だ」と語っていたレビン米上院軍事委員長の話をもっと早い時期に報道していれ状況は大きく変わっていたかもしれない。 
 
米軍普天間基地の危険性の除去のため「辺野古は政治上の唯一の解決」であり軍事上の解決ではないということは、多くの日米関係者が言っているという。
 
それならば現実的な代替案を検討し実現することが政治上の解決であり、「決める時には決める」という真のリーダーシップを取るべきと、日本の最高権力者にメディアとして諫言するべきであろう。 
 
今頃だから書ける記事なのだろうが、本来はもっと早い時期に日米双方の関係者の話を「社説余滴」ではなく、キチンと「社説」に書いてほしかった。
 
さて、本土では関心があまり盛り上がらない辺野古新基地建設反対運動だが、米国ではすでに「米バークレー市が『沖縄支援』決議 辺野古新基地中止求める」という動きが9月にあったのだが、今度はケンブリッジ市議会でも反対決議が行われた。
 
20151228kenbridge.jpg
 
<辺野古移設 米国からも反対 地方議会で決議広がる兆し>
 2015年12月28日 07時08分 東京新聞
20151228henokosinkitikeii.jpg
 
 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)の新基地建設に反対する決議を採択する動きが、米国の地方議会で広がりだした。カリフォルニア州のバークリー市議会に続いて21日には、東海岸マサチューセッツ州ケンブリッジ市議会が反対を決議。バークリーの場合は、反戦・反基地の主張を共有する沖縄とバークリーの女性平和団体による草の根の交流がもたらした。 (ワシントン・青木睦)
 先駆けとなったバークリー市議会の決議は、米軍基地が沖縄に過剰集中していることや、県民が移設に反対している実情を指摘。米政府にも環境や人権の面で法律に基づいた措置を取るよう要求し、米政府が移設問題の当事者であり、責任もあることを認めた。
 決議へ動いたのは、バークリーや隣接するサンフランシスコを拠点とする平和団体「真の安全保障のための女性の会(WGS)」で、教師や学生、主婦らで組織。WGSは市議会の諮問機関「平和と正義の委員会」を通じて決議採択を市議会(定数9)に働き掛けた。9月に行われた採決では6人が賛成し、3人が棄権した。
 一方、沖縄側の平和団体「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」はWGSと強いつながりを持つ。女たちの会は1995年に沖縄で起きた米兵による少女暴行事件後に発足した。翌96年に訪米し、基地問題を訴えて以来、WGSと連携。交流の輪は広がり、この2つの団体は韓国、フィリピン、米自治領プエルトリコなど米軍基地が社会問題化した地域の平和団体とネットワークを形成するまでになっている。
 WGSが反対決議を求めたのは、長年、沖縄基地問題に取り組んできたためだが、決議が採択されたのには、バークリーが全米でも進歩的な土地柄であることも見過ごせない。決議採択を後押しした平和と正義の委員会のダイアナ・ボーンさん(75)は「バークリーには世界の人々と連帯する伝統がある。沖縄基地問題の原因は米政府にある。新基地に反対することは米国人の責任です」と語る。
 女たちの会はサンフランシスコ市議会にも同様の決議採択を働き掛けている。広がりだした反対の意思表明。ボストンに隣接するケンブリッジの市議会で反対決議を提案したナディーム・マゼン市議は「こうした決議が集まれば、米国の政策決定者を動かすことができる」と語る。
 
そして、さらに「辺野古反対決議 審議へ ホノルル市議会、計画検証求める」と各地に広がりを見せている。
 
やはり、日本が「政治判断」をすべき時が近づいているのではないだろうか。 
 
特定秘密保護法が国会に提出されたことから、東京新聞では「言わねばならないこと」と題して様々な分野の人たちからの意見を掲載してきており、特に9月18日の参院での強行採決の頃は「特別編」として6人の識者の声を掲載していた。
 
そして今年の最後は62人目となる、オジサンと同じ干支の憲法学者の声である。 
 
「非立憲」の政治に警鐘 憲法学者・石川健治氏
20151228isikawakenji.jpg 安全保障関連法については、こういう決め方・変え方で良いのか、という違和感をもつ人々が、安倍政権の支持者の中にもいたはずだ。この違和感には理由がある。決め方・変え方のルールは、法秩序にとって自らがよって立つ根拠であり、最も重要なルールだ。これを破壊すると、法秩序の枠組み自体が壊れてしまう。
 ところが安倍政権は、発足当初から「憲法を国民に取り戻す」と称して、憲法改正ルールを定める憲法96条に狙いを定めた。この決定・変更のルールを攻撃するという姿勢において、政権は首尾一貫している。昨年7月1日の閣議決定による憲法解釈の変更もまた、そうだった。
 集団的自衛権を行使しないという政府の方針は「将来も変更しない」という約束として定着していた。「変えない」というのは変え方のルールの一種であり、憲法上のルールを補充するルールとして、政府が自らに課した義務づけである。しかし、一内閣の閣議決定によって、国民に信を問おうともせず、大転換が行われた。昨年12月の衆院選では、安保政策の争点化は巧妙に回避された。そして「勝手に決めるな」と叫ぶ国会前の声を無視して、安保法は成立した。
 自分が自分に課すルールは義務づけの力が最も強く、それを破るようでは、他のルールもたやすく破り始める。事実、安倍政権は、野党が臨時国会の開催を求めたにもかかわらず、そうした場合に召集を義務づける憲法53条を、公然と破るに至った。
 この間、私は安保法それ自体の違憲/合憲とは別に、政権の立憲/非立憲という対立軸をたてて発言をしてきた。戦後の立憲政治を担ってきたはずの自民党は変質してしまった。反対派のみならず賛成派ももろともに立憲政治が倒されようとしている事実に、あらためて警鐘を鳴らしたい。
 <いしかわ・けんじ> 1962年生まれ。東大法学部教授。「立憲デモクラシーの会」呼び掛け人。著書に「学問/政治/憲法 連環と緊張」(編著)など。
 
「決め方・変え方のルールは、法秩序にとって自らがよって立つ根拠であり、最も重要なルールだ。これを破壊すると、法秩序の枠組み自体が壊れてしまう」ということを安倍政権は今年一杯続けてきたということであり、これによって「他のルールもたやすく破り始める」ということになれば、これからの日本社会は「最高責任者がルールを破っているのだから」という理由で犯罪者たちが居直ることになってしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:43| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月27日

合格点とはいえない安倍政権、国民は選挙で民意を示すべき

今年最後の週に入り、テレビ各局はすでに年末モードで長時間スペシャルと称する人畜無害の「娯楽番組」の放映に余念がない。
 
活字メディアの世界では週刊誌は年末・新年合併号となり、新聞各紙は今年のまとめ記事が多くなった。
 
政治の世界は通常国会閉幕後、政府が憲法に従った開会要求を拒み続け臨時国会が開かれず、今年を終えようとしている。 
 
安倍政権が発足3年を経過し、キチンと総括・点検する時期なのに、「不偏不党」といった言葉は当社の辞書にはないとばかりに、政府・自民党に偏っているメディアたちは「安倍首相 散髪後にはお買い物」(産経新聞)とか、「安倍首相、つかの間の休日満喫」の讀賣新聞では、
 
「27日には約3か月ぶりのゴルフを楽しむ予定だ。前回の9月下旬のゴルフは安全保障関連法の成立直後だったために世論の批判を浴び、『自粛していた』(首相周辺)という。28日の仕事納めには日韓外相会談が控え、気の抜けない年末だが、つかの間の休日を満喫しているようだ。」
 
と、無駄な外遊を設定し臨時国会から逃げ出した安倍晋三首相に対して女性週刊誌の皇室報道なみの脳天気さである。

 
まともなメディアは安倍政権の3年間をそれなりに具体的に総括していた。
 
<安倍政権3年、公約達成度 「外交・安保」に独自色 対露・北朝鮮は停滞>
 毎日新聞 2015年12月27日 東京朝刊
20151227abeseikenhyouka.jpg

毎日新聞と言論NPOによる安倍政権3年の60項目の実績評価は、5点=1項目▽4点=10項目▽3点=31項目▽2点=18項目(説明不足による減点前の数値)となり、政策の達成見通しを現時点で判断できない「3点」が過半数を占めた。総合評価が今回の2.7点から上向くかどうかは、政権の今後の取り組みにかかっている。【野原大輔】
 「外交・安全保障」は平均3.6点と、分野別で唯一、3年連続の3点台を維持した。「いかなる事態でも国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能にする安保法制を速やかに整備する」という2014年衆院選の自民党公約を、安倍政権は集団的自衛権の行使容認を含む安保関連法として実現。沖縄県・尖閣諸島周辺海域などの監視態勢も強化している。「安倍カラー」が最もよく表れた分野だ。
 ただ、安保関連法を巡っては、法案審議の過程で、衆院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者3人がそろって「憲法9条違反」と指摘したのをきっかけに世論の批判が高まった。政府・与党は通常国会の会期を95日間延長し、9月に同法を成立させたが、「これからも粘り強く丁寧に説明したい」(安倍晋三首相)という姿勢は薄れつつある。今回の実績評価でもこの点が問題視された。
 「日米同盟の絆を強化し、中国、韓国、ロシアとの関係を改善する」は前回と同じ4点。首相は11月、就任後初めて韓国の朴槿恵(パククネ)大統領とソウルで正式に会談し、日韓関係に改善の機運が出てきた。半面、これまで個人的な信頼関係を築いてきたロシアのプーチン大統領の年内来日は見送られ、北方領土交渉が停滞したため、点数の上積みは難しいという見解で一致した。
 12月に完全施行された特定秘密保護法に関しては、12年衆院選から3回の国政選挙で、自民党は一度も公約に明示しなかった。評価項目のうち「国家安全保障会議を設置し、国家の情報収集・分析能力の強化および情報保全・公開に関する法整備による体制強化を図る」が同法制定を想定したと読めるが、「4点(目標達成の方向)にするには説明不足」と結論付けた。
 課題も少なくない。沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設問題を巡っては、同飛行場の一部を17年度中に前倒しで返還することに日米両政府が合意するなど、沖縄の負担軽減に取り組んでいる。一方で国と県は互いに提訴して法廷闘争に突入しており、「移設推進」は3点と判断した。
 首相が最優先課題の一つに掲げる拉致問題の解決は、北朝鮮による拉致被害者らの再調査の報告が遅れ、進展が見通せていない。
 「憲法改正」は、「国民の理解を得つつ改正原案を国会に提出し、改正のための国民投票を実施、改正を目指す」という自民党公約の達成が「困難な状況」とみて、前回同様に2点とした。ただ、来年夏の参院選の結果、参院で改憲勢力が3分の2を超えれば、状況は一変する。その場合、首相が改憲のタイミングを探る場面も出てきそうだ。
「エネルギー」説明不足
 「憲法改正」を除くと平均点が最も低かった「エネルギー」分野では、個別政策の達成見通しに厳しい意見が相次いだ。
 経済産業省は7月、2030年度の総発電量に占める電源ごとの割合(電源構成)を、原発20-22%▽再生可能エネルギー(大型水力含む)22-24%▽液化天然ガス27%▽石炭火力26%--と設定した。「エネルギーミックスの将来像を速やかに示す」という項目を実現したかにみえるが、実績評価は「再生可能エネルギーの最大限の導入」という別の項目を2点(目標達成は困難)と判定したうえで、将来の電源構成にも疑問を呈した。「原発20-22%」は運転期間延長や新設、増設を織り込んだ数字だからだ。
 安倍政権は原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原発を再稼働させる方針で一貫している。8月に九州電力川内原発1号機、10月には同2号機がそれぞれ再稼働した。
 これを踏まえると再稼働に関する項目は少なくとも3点になる。ただ、「再稼働を判断するのは事業者」(菅義偉官房長官)という政府の立場に対し、地元自治体は政府の責任を求めている。このため「国、事業者、地元自治体、原子力規制委の責任の所在が不明確」を理由に減点し、2点にとどめた。
 「東京電力福島第1原発の廃炉、汚染水対策を安全、着実に進める」は減点を含めて1点。海側遮水壁の完成後、汚染された地下水を海洋放出できず、建屋に移送する事態が発生したことなどを考慮した。原発事故による指定廃棄物の処分場候補地選びも難航しており、「復興・防災」は平均2・4点に低下した。
 「社会保障」は前回よりやや持ち直した。それでも、年金制度や介護保険制度の持続可能性については「不信感を払拭(ふっしょく)できず、将来への不安が膨らんでいる」と認定。「妊娠から子育てまで切れ目ない家族支援政策を積極的に進める」という項目では、3世代同居のための住宅改修費の負担を軽減する16年度税制改正に「首都圏で3世代同居は考えにくい」と注文が付いた。
 「希望するすべての子供に幼児教育の機会を保障するため、財源を確保しつつ、幼児教育の無償化に取り組む」は、低所得者層への支援拡充にとどまっているため2点を付けた。15年度予算編成の過程では5歳児を対象にした無償化が見送られ、この項目は前回も2点だった。
 
公約達成度という点からの評価では、公約違反でなければそれなりの点数になることは事実であり、政権2年目より平均点が上昇している。
 
しかし、その公約がはたして国民に受け入れられたものなのか、という点については安倍晋三首相は「選挙で国民の大多数が支持してくれた」と自画自賛していたが、小選挙区制度の欠陥と低投票率、そして安倍政権の受け皿となる野党の不在、さらには3年間で一度も公約に明示しなかったこと(特定秘密保護法)などを含めて考えると、国民の25%程度の得票率では「大多数の支持」とはどう考えても無理がある。
 
過去の2回の総選挙ではいずれも「安部カラー」を前面に出さずに「経済」を中心とした選挙戦略をとったため、生活苦に陥っている国民からの支持が取れたにすぎない。
 
24日の経団連の会合では、安倍晋三首相は「三本の矢によって日本経済は完全に復活を遂げた」「デフレ脱却まであと一息というところまで来た」とアベノミクスの成果を強調していた。
 
その根拠は、政権が発足した2012年末に1万円程度だった日経平均株価が一時2万円前後まで回復したことと、為替相場も1ドル=85円前後から120円台まで下落させ輸出企業の収益改善に大きく貢献したことであった。
 
だが、1本目の矢である金融政策では、日銀の「量的・質的金融緩和」で国債購入によって大量のお金を市場に供給したことによりデフレ脱却の方向性に向い他にすぎない。

そのどちらも恩恵をこうむった国民はほとんど存在しない。

さらに、民間活力を引き出す成長戦略については、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「スタートダッシュの金融緩和で予想以上に企業収益のプラスをもたらしたことで、成長戦略への期待感が高まったが、完全に色あせてしまった」と批判し、大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストも「農業や医療、介護、労働など既得権益の強い分野の岩盤規制に切り込めていない」と厳しい指摘をしている。
 
頼みの金融政策にも陰りが見え始めているという。
 
日銀の黒田総裁は就任当初、市場に供給するお金の量を「2倍」にし、物価上昇率を「2%」にする目標を「2年」程度で実現すると宣言したが、マネタリーベースこそ2倍以上に膨らんだものの、物価上昇率は0%近辺のままで、目標達成時期の想定も「16年度後半ごろ」まで後ずれしている。
 
政府の借金でもある国債を大量に購入することで成り立つ金融緩和は、財政規律の緩みや将来の金利上昇(国債価格の下落)など副作用を伴い、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「政権発足から3年。そろそろ今の金融政策を取りやめるなり、見直す時期に来ている」と指摘している。 
 
安倍政権の評価ポイントはメディアによっては大きく異なり、国民からどの程度支持されているかという点では、まだまだ大きな課題が残っている。
 
<安倍政権発足3年 安保・沖縄・原発 支持乏しく>
 2015年12月27日 朝刊 東京新聞
20151227juyouseisakumini.jpg 「経済の再生、外交、安全保障の立て直しに取り組んできた。それなりの成果は出たのではないか」
 首相は25日、政権発足3年について、安定した支持率を背景に、こう記者団に強調した。11月の共同通信の世論調査では、内閣支持率は48.3%で、不支持の40.4%を上回った。
 ただ、内閣を支持する理由として、首相が「成果」と誇る経済政策に「期待できる」を挙げたのは13.4%。「ほかに適当な人がいない」の36.5%に遠く及ばなかった。この傾向は昨年以降、固定化している。
 集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法の国会審議がヤマ場を迎え、国会周辺などで大規模な抗議活動が続いた今夏には「不支持」が「支持」を逆転した。成立直後の九月調査では、安保法に「賛成」は34.1%。「反対」の53.0%を大きく下回り、国民の理解を得られなかった。
 沖縄県の米軍普天間(ふてんま)飛行場移設に伴う名護市辺野古(へのこ)沖の新基地建設問題でも、政府の強硬姿勢を世論は支持していない。11月の調査では、政府は県と話し合って決着すべきだとの回答が7割近くに達した。それでも政府は、埋め立てに向けて翁長雄志(おながたけし)知事を相手に訴訟を起こした。
 原発政策をめぐる状況も似通っている。政府は原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発は再稼働させる方針だが、世論調査では反対が多い。にもかかわらず、政府は九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の2基を今夏以降に再稼働させた。関西電力高浜原発(福井県)の2基も来年1月下旬以降、再稼働させる構えだ。
 
内閣は決して「積極的」に支持されているわけではない。
 
それは支持の理由が「ほかに適当な人がいない」が最も多いという点からみても、「ほかの適当な人」とは野党も含めてのことである。
 
それにしても「5点満点で2.7点」とは満点の60%に満たなかったわけであり、学生のテスト点数評価では、かろうじて「赤点」を免れた程度であろう。
 
ひょっとすると安倍晋三の学生時代の成績よりはよかったかもしれないが・・・。 
 
「安保・沖縄・原発」といった「民意と離れる重要政策」に対しては国民の関心が強く、かつ政府の方針には反対や疑問をもっている人が多いので、それを選挙の投票にどのように結び付けていくか、ということが今後の最大の課題ではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:59| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月26日

47都道府県に入っているはずの沖縄の歴史の扱い方

大地震や大規模土砂災害などが発生した時などに、「インフラ関連の復旧は遅れそうです」などと報道されることがある。
 
インフラはインフラストラクチャー(infrastructure)の略であるが、狭い意味では、道路・鉄道・上下水道・送電網・港湾・ダム・通信施設など「産業の基盤となる施設」を指す。
 
一般家庭からすれば「電気・水道・ガス」といったところか。
 
そういう意味では、昨日はオジサンの家ではインフラ関連が暫し麻痺状態になってしまった。
 
オジサンの家は14年前に「太陽光発電所」になったわけだが、同時に東電と深夜電力契約を結び、単価の安い深夜電力で湯を沸かすという、粉飾決算で有名になったT社製の電気給湯・温水器を導入した。
 
これにより23時から朝の6時までの深夜帯で90℃の湯が180g沸かすことができ、常時温水が使用可能となる便利な設備であった。
 
しかしこの温水器に内臓されているセンサーが大変敏感らしく、漏電状態と感知すると自動的にブレーカーが切断されてしまうシステムになっている。
  
通電してなければ温水器は単なる水槽と化してしまう。
 
こんな異常状態がクリスマスの日の朝に発生していた。
 
前日はファミリークリスマス会に出かけており入浴せずに翌朝入浴することにしていた。
 
ところが、朝、湯張すべくコントロールパネルを見ると「湯切れ」と表示されており、調べてみると漏電ブレーカーが切断された状態であった。
 
早速、操作マニュアルを取り出して、リセット処理をしても湯沸し時間が夜間の11時からにセットされていたので結局入浴は断念。(夜間にマニュアルに「緊急湯沸しモード」があることを知った)
 
しかし、9年前に当時足腰が弱っていた父親のため浴室をバリアフリーのユニットバスに切り替えたことがあり、その作業は地元のガス会社に依頼したので、ガスによる給湯設備も設置されていた。
 
都市ガスが通っているバス通りからかなり離れているオジサンの家の周辺は皆、プロパンガスを使用している。 
 
このガス給湯器は電気温水器が使用不可の場合のための予備として日常は使用していないシステムであった。
 
夕方、初めて使用したオジサンは、湯を出す手順を若干間違ったらしいことに気付かず、湯栓を開きっぱなしにしてしまい、そのためなのか、給湯機に接続されているプロパンガスのメーターに緊急停止のサインがでていたらしい。
 
台所のガスが消えかかりオバサンからガスが供給されていないと指摘され、初めて気が付いた次第。
 
さっそくガス会社の夜間緊急連絡先に電話してリセット手順を教えてもらいガスは何事もなく供給され、ガス給湯器によってようやく浴槽に熱い湯が満たされたのは夜の8時を大きく過ぎていた。
 
電気やガスはもはや生活の必需品なのだが、事故防止のために予防装置が施されているのは結構なことなのだが、その危険を察知するセンサーの感度が良すぎると平穏な生活に浸っている人間にとっては厄介な代物となってしまうことがわかった。
   
さて、話は1か月ほど前に戻るのだが、日本の戦争加害者としての責任を認めたくない安倍晋三首相の強い意向を受けて、自民党内に歴史検証組織が発足されることになった。   
   
<自民が歴史検証組織 東京裁判など「修正主義」指摘も>
 2015年11月21日 朝刊 東京新聞
 自民党は20日の総務会で、極東国際軍事裁判(東京裁判)や占領時の憲法制定過程など過去の歴史を検証する「歴史を学び未来を考える本部」の設置を決めた。党総裁である安倍晋三首相の直属機関とする。29日の結党60年記念式典に合わせて発足させる。米国や中国、韓国などからは「歴史修正主義」につながる動きと受け取られる可能性がある。
 本部では、学識経験者を講師に招き、所属の国会議員が歴史認識を議論する。対象範囲は日清戦争(1894年)から第2次世界大戦後まで。第2次世界大戦後の連合国軍総司令部(GHQ)による占領政策に限らなかったのは、戦勝国である米国などの批判をかわす狙いがある。
 あくまでも歴史を学ぶ勉強会としての位置付けにとどめ、提言も作成しない方針。本部長には谷垣禎一幹事長を充てた。
 二階俊博総務会長は20日の記者会見で、歴史修正主義との懸念について「こじつけて言えばそういうこともあるかもしれないが、立党60年、戦後70年を勘案して勉強しようということだ」と強調した。
 一方、保守色の強い稲田朋美政調会長は「東京裁判で裁かれた日本の歴史、占領期間も含めてきちんと自分たちで検証することが必要だ」と繰り返している。本部設置は従来の歴史認識に不満を持つ保守層の声を受けて決まった側面がある。
 稲田氏は東京裁判に関して「裁判を受け入れて日本は独立を回復したので、効力は認めるが、とらわれる必要はない」と主張してきた。東京裁判のやり方や判決の内容などに疑問を示すような議論になれば、米国の反発は避けられない。
 中国と事実認定が食い違う南京事件や、韓国との懸案である慰安婦問題も取り上げる予定。国会議員が自ら都合よく歴史認識を示す場になりかねず、中韓との関係改善の動きに水を差す恐れもある。 (後藤孝好)
 
そして3日前に「慰安婦、南京…自民の『歴史を学び未来を考える本部』初会合 歴史検証、テーマ選定へ意見交換」という運びになったのだが、本部設置を主導した稲田朋美政調会長らは、東京裁判も議題にする方向で「稲田朋美自民党政調会長 『慰安婦』『百人斬り』…虚偽訂正 学ぶことから」と自分たちにとっては負の歴史になるという「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」などを、歴史上「無かったこと」にしようというのが真の狙いであろう。
 
こんな連中に支えられている安倍政権なので、沖縄の戦災の歴史も無視しようとしている。
 
1946年9月27日に府県制改正により北海道庁を北海道に移行してわが国は「1都1道2府42県」(46都道府県)となり、1972年5月15日の沖縄返還により沖縄県が復帰して「1都1道2府43県」(47都道府県)となり現在に至っている。
 
しかしどうやら43県の中に沖縄を入れたくないのが安倍政権の本音である。 
 
<沖縄抜き「全国戦災史」 国の調査、戦後70年行われず>
 2015年12月26日 朝刊 東京新聞
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 太平洋戦争の惨禍を後世に伝えるため、戦災に関する資料を調査・収集した政府の「全国戦災史実調査報告書」から、激しい地上戦があった沖縄戦が抜け落ちたままになっている。沖縄県は今年、政府の責任で記録を残すよう求めたが、安倍政権はあらためて調査はしない方針。政府の戦災記録に沖縄の悲劇が記載されないまま、戦後70年の年を終える。 (高山晶一)
 全国戦災史実調査は総務省などが社団法人日本戦災遺族会(2010年解散)に委託して1977〜09年度に実施。空襲被害、学童疎開、思想統制など違うテーマで報告書にまとめた。
 沖縄返還(72年)後の調査にもかかわらず、沖縄戦については一部の年表で「沖縄の守備軍全滅」などと簡単に触れるなどした程度。「46都道府県における戦災を対象に調査した」と前文に注釈を入れた年も複数ある。
 空襲被害の調査(77年度)では、調査員も派遣するなどして死者や負傷者数、焼失戸数などを詳しく記録したが、那覇市などで少なくとも668人(県調査)が亡くなった44年の「十(じゅう)・十(じゅう)空襲」は触れずじまい。学童疎開の調査(81年度)も、都市ごとに人数や受け入れ先を記載したが、多くの学童が犠牲になった沖縄からの疎開船「対馬丸」撃沈は巻末の年表で簡単に触れただけだ。
 今年9月、照屋寛徳衆院議員(社民)が質問主意書で沖縄戦を除外した理由をただしたのに対し、政府の答弁書は、調査報告書を作った当時の行政文書が残っていないことから「不明」とした。同遺族会の元幹部は、沖縄は沖縄開発庁(現内閣府)が担当していたため「所管の違いだったと思う」と本紙に説明。「特別な意図があって沖縄を外したわけではない」と話す。
 沖縄県は11月、国として沖縄の戦災記録を残すよう翁長雄志(おながたけし)知事名で要請。対応した総務省幹部は「県と協力しながら記録を残していきたい」と応じた。しかし、同省の担当者によると、県側からデータが提供されればホームページ(HP)に掲載する方針だが、政府として新たに沖縄戦の被害を調べる予定はないという。
 安倍政権は、名護市辺野古(へのこ)への米軍新基地建設問題で沖縄の「分断」を批判されているが、この問題でも同様の構図が浮かび上がる。
 吉浜忍・沖縄国際大教授は「最も厳しい状況に置かれた沖縄の調査をまずやるのが筋だった」と指摘。「沖縄戦の戦没者の実数はまだ分かっていない。国にしかできない調査はあるはず。それが過去に向き合うということだ」と強調した。
<沖縄戦> 太平洋戦争末期、沖縄本島などであった米軍と旧日本軍の戦闘。住民も動員され、集団自決に追い込まれたりした。沖縄県は1976年に「20万656人が犠牲になり、うち民間人は約9万4000人」と発表したが、正確な数は不明。国が、戦没者数を含む沖縄戦の実相を総合的に調査したことはない。厚生労働省が把握する戦没者数もあるが、旧日本軍の資料に基づく概数。
 
今年の1月31日、ベルリンで94歳で死去した西ドイツ大統領や統一ドイツ大統領を務めた、リヒャルト・フォン・ワイツゼッカーのこの言葉を改めて安倍晋三に贈りたい。
 
過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる
 
現在の沖縄についても、米軍のために辺野古新基地を作ることしか念頭になく、沖縄県民に対してはまさに盲目になっている政府に対して、沖縄県としては徹底的に国に対して闘う姿勢を貫いている。 
 
<沖縄県が国提訴 「抗告訴訟」那覇地裁に>
 毎日新聞 2015年12月25日
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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設計画を巡り、沖縄県は25日、翁長雄志(おなが・たけし)知事による埋め立て承認取り消し処分の効力を執行停止した国土交通相の決定は違法として、決定の取り消しを求める「抗告訴訟」を那覇地裁に起こした。併せて判決が出るまでの間、国交相の決定の効力を執行停止するよう申し立てた。記者会見した翁長知事は「移設工事を止めることが一番重要。抗告訴訟の提起は工事を止めるうえで有効な方法だ」と提訴理由を説明した。
 翁長知事による埋め立て承認取り消しの撤回を求める「代執行訴訟」を国が既に起こしており、双方が互いに提訴する異例の事態となった。
 訴状で県は、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づいて行った承認取り消しの執行停止の申し立てを国交相が認めたのは「違法」と主張。「行政不服審査制度は私人の権利利益の救済が目的で国(沖縄防衛局)には請求適格が認められず、国交相は却下すべきだった」とし、「それにもかかわらず国交相は埋め立て工事を実施する目的で執行停止決定を行っており、違法性は明らかだ」と指摘した。テーマで
 「沖縄県の民意に反して新たに米軍基地を建設することは沖縄県の自治権を侵害するもの」とも訴えた。
 抗告訴訟は行政事件訴訟法に基づき、行政庁の公権力の行使に不服がある場合に処分の取り消しなどを求めるもの。国民の権利利益を保護するための訴訟制度で、自治体の訴えは対象にならないとの見方もある。
 翁長知事は会見で「沖縄の主張は正当で必ず理解が得られると思っている」と移設阻止の決意を示した。これに対し、菅義偉官房長官はBS朝日の番組収録で「わが国は法治国家だ。(前知事の承認で)行政の判断は出ている」と強調した。国交相の決定を受けて沖縄防衛局の移設作業は現在も進んでおり、中谷元(げん)防衛相は記者団に「一日も早く移設が完了するよう全力で工事を進めたい」と述べた。
 一方、国交相の決定は違法だとする翁長知事から審査の申し出を受けていた総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会は24日夜、審査対象には当たらないとして県の申し出を却下することを決めた。
 翁長知事は25日の会見で「実質的な審査を一切行わずに却下した判断は係争処理委の存在意義を自ら否定しかねず、誠に遺憾」と強く批判。決定に不服がある場合は30日以内に高裁に提訴できるため、県は検討を開始した。訴訟になれば、辺野古移設を巡って国と県の間で三つの訴訟が並行することになる。【佐藤敬一、高本耕太】
 
おそらく現在の「忖度裁判」では国策に対しては逆らわない判決が出されることは十分に予想できる。
 
翁長雄志県知事もその辺りは覚悟の上であろう。
 
1か月ほど前に名護市民会館で「辺野古新基地建設問題---政府とどう向き合うか」というテーマで稲嶺進名護市長と対談した評論家の佐高信はこんな主旨の話をしていた。
 
「4月に訪米し米国の議会で安倍は英語で演説をしたのです。それも、僕ちゃんよく習ったねえというレベルの英語で。独首相のメルケルが米国に行って英語で演説しますか? するわけがないでしょう。頭のないタカ派が、米国に媚びをうったわけです。言葉は文化であり思想です。言語を奪われた経験のない安倍にはそれがわからない。沖縄の人には分かると思います。(中略)あまり指摘されないんですが、翁長雄志知事を訴えているのは正確に言うと国土交通省の石井啓一大臣なのです。この人は公明党議員です。公明党が辺野古の問題で安倍の代弁をしている。『国は〜」という言い方より、石井という公明党の議員が翁長知事を訴えているんだという事実をもっと追及する必要があると思う。」
 
菅義偉官房長官はBS朝日の番組収録で「わが国は法治国家だ。(前知事の承認で)行政の判断は出ている」と壊れたレコードのような発言を繰り返すが、承認した知事が選挙で民意を失い交代すれば、次の知事の判断に従うべきであり、それは安倍晋三自身が「民主党政権時代のものは政権が替わったので変えていかなくてはならない」と言ったことと大きく矛盾しているのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:48| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月25日

原発は再稼働し、予算は選挙目当て、そして言論統制は続く

現在の「政権忖度」姿勢の司法からは、ある程度は予想されていたことだったが、仮処分を下した同じ地裁で「高浜再稼働認める 福井地裁、仮処分取り消し 一転『新基準に合理性』」となったことには、すんなりと認めるわけにはいかない。 
 
安倍政権が「原子力規制委員会が新規制基準に則って安全と認めた原発から再稼働していく」という方針を繰り返し言い続けていたことに対して、法律論から判断して、その方針に正面から盾突く裁判官は皆無なのだろうか。 
 
朝日新聞の社説では「高浜原発訴訟 司法の役割はどこへ」と題して、こう批判していた。
 
原子力専門家の知見を尊重し、安全審査に見過ごせないほどの落ち度がない限り、司法は専門技術的な判断には踏み込まない」という1992年の四国電力伊方原発訴訟で最高裁が示した判例を踏襲しており「まるで福島原発事故以前の司法に逆戻りしたかのようだ」というが、まさにその通りになってしまった。
 
こんな23年前の最高裁判例を元にした枠組み中で2011年の3.11原発大震災が起きてしまったということを忘れてはならない。

今回の福井地裁の仮処分取り消し判決の裏には「高浜原発再稼動容認の裏に裁判所と原子力ムラの癒着! 原発推進判決出した裁判官が原発産業に天下りの実態」という暗躍が行われていたことを忘れてはならない。
 
来年のことを言うと鬼が笑うといわれていたが、2016年度は国民が心から笑える年になるだろうか。
 
選挙対策のための特定団体へのバラマキの要素が強い16年度予算案となってしまった。 
 
<参院選へ予算バラマキ色 日医重視、求めた首相 診療報酬本体プラス改定>
 2015年12月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 2016年度予算案づくりで安倍政権が重視したのは、経済政策「アベノミクス」の成果を、広く「還元」することだった。税収が増えていることを背景に、子育て世帯や介護が必要な家庭への支援を増やすなどしたが、来年の参院選をにらみ、農業や公共事業では効果が乏しそうな「バラマキ」も目立った。
 最大の焦点だった診療報酬の交渉が最終盤を迎えた18日、首相官邸。麻生太郎財務相が医師の診察料などの本体部分を増額する方針を報告すると、安倍晋三首相は「もう少し、どうにかなりませんか」と、暗に上積みを求めた。麻生氏が難色を示したことで実現はしなかったが、最終的に増額幅は前回の改定の約5倍の水準になった。
 診療報酬は原則2年ごとに見直され、今回は16年度の改定率を決める。財務省は当初、高齢化による社会保障費の自然増を概算要求の6700億円から5千億円に抑え、本体部分はマイナスとするよう求めた。
 これに、業界団体の日本医師会(日医)や自民党の厚労族議員らが強く反発した。本体の引き上げは医師や看護師の給料に直結するため、日医は「アベノミクスの賃上げの恩恵を医療現場にも」と訴えた。
 全国の開業医らでつくる日医は、選挙活動と政治資金で自民党を支える業界団体の代表格だ。横倉義武会長は首相と親密で、来年6月の会長選で3選をめざすとみられている。参院選はその直後だ。「横倉さんが立っていられるようにしないと」。自民党厚労族のひとりはそう語った。
 厚労省も、本体部分をプラス改定にするための財源確保に努めた。中小企業の社員らが入る公的医療保険「協会けんぽ」の補助金を削って約200億円を捻出。診療報酬の薬代の「薬価」を切り下げ、約2200億円をひねり出した。財務省から圧縮を求められた1700億円を上回り、本体をプラスにするのにも十分な財源だった。
 患者からすれば、薬代の負担は減るが、診察料は上がる。21日、横倉氏は本体の改定結果について記者団にこう言った。「ギリギリ合格点かなというところだ」(高橋健次郎、小泉浩樹)
 ■農家に配慮、大幅上積み 土地改良
 「政権が自民党に変わったことがわかる予算にしないといけないな」。夏以降、自民党の二階俊博総務会長は、財務省幹部にこう説いた。「予算」とは農道や排水路などを整備する土地改良事業のことだ。
 二階氏は、全国土地改良事業団体連合会のトップを務める。土地改良の予算は、民主党政権下の10年度に、前年度の半分以下にまで減ったが、これを元の水準に戻し、自民党政権への回帰を鮮明にするよう求めたのだ。「できることとできないことがありますが、しっかりやらせていただきます」。幹部はこう答えるので精いっぱいだった。
 結局、土地改良事業には約3千億円の予算がついた。今年度補正予算と合わせて約4千億円となり、今年度当初から約4割も増える。財務省幹部は「政治が求めるならそうするしかない」とあきらめ顔だ。
 だが、90年代のウルグアイ・ラウンド合意後の対策では、約6兆円の事業費の半分が土地改良などの公共事業に回り、無駄な農道などに形を変えた。今回の予算が、その「二の舞い」にならない保証はない。
 飼料用米などへの転作をするコメ農家の支援は1割増の3078億円に。合意した環太平洋経済連携協定(TPP)対策として、農協が求めていた。
 「この予算なら組合長も拳をおろす。参院選がんばります」。全国農業協同組合中央会(全中)の田波俊明副会長は18日の会合でそう強調した。出席した自民党議員らは拍手で応えた。(大畑滋生、奈良部健)
 ■借金依存、先進国で最悪
 選挙向けにバラマキができるほど、日本の財政に余裕はない。予算に占める借金の割合は今回、2.7%幅改善して35.6%まで下がった。だが、米国の借金依存度は11.9%(16年度)、英国6.5%(14年度)で、日本は先進国のなかで最悪水準だ。
 08年のリーマン・ショック後、米国の借金依存度は40.2%、英国が24.6%と大きく悪化した。だが、10年の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で各国は、歳入と歳出の差である「財政収支」の赤字を13年までに半減させる目標を決め、英米はほぼ達成した。
 これに対し日本は「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)」の20年度の黒字化という目標を掲げる。政策に必要な予算を税収などでまかなえるかを示す指標で、国債の利払い費まで含めた財政収支よりもハードルが低い。
 それでも日本の目標達成は厳しい。税収が増えても農業予算など、歳出の拡大に使うからだ。国債の残高が812兆円を超え、なお増え続けるのもこのためだ。
 海外の投資家らは、財政規律のゆるみとみる。欧米の主要格付け3社はこの1年で、日本国債を相次いで格下げした。政権は歳出の改革で「結果」を出すよう求められている。(石橋亮介、青山直篤)
 ■「1億総活躍」目配り まず施設整備
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 安倍政権が目指す「1億総活躍社会」の実現に向けた施策は、予算案にどう反映されたのか。「希望出生率1.8」と「介護離職ゼロ」という目標の達成へ重点を置いたのは、保育や介護の受け皿づくりだった。
 政府は17年度末までの5年間で整備する保育施設の目標値を10万人分上積みして50万人分とした。これを受け、待機児童の多い都市部での整備が進むよう、小規模保育所や事業所内保育所への補助を強化。さらに、所得が低いひとり親家庭に対する児童扶養手当も多子世帯では22年ぶりとなる増額に踏み切った。
 こうして20年代半ばの実現を目指す「希望出生率1.8」に関連する施策には、1兆4740億円を投じる。今年度当初予算の同じような施策と比べて2210億円(17.6%)多く、大幅な増額となった。
 年間10万人いるとされる家族らの介護を理由に離職する人を20年代初頭にゼロにするため、介護関連は今年度より460億円(24.8%)増やし、2360億円を計上。介護サービスの整備計画は20年度までの38万人分を前倒しし50万人分を目標とする。今年度補正予算でも特別養護老人ホームの整備費などを盛り込んだこともあり、施設整備や人材確保に充てる基金は今年度と同じ724億円とした。
 ただ、保育も介護も現場からの要望が強い賃金改善に回すお金は乏しい。
 保育士は17年度末に約9万人、介護職員は20年度に20万人が足りなくなる恐れがある。いずれも全産業の平均より月11万円ほど賃金が低いことが、人材不足の原因とされている。
 政府は保育士の賃金を改善するための財源確保について「早急に道筋を示す」としてきたが、来年度予算案では人事院勧告に連動した1.9%分の引き上げにとどまった。東京都内で認可保育所を経営する男性は「子どもの命を安全に預かるための専門性を求められ、体力的にもきつい仕事なのに、正当に評価されていない」と憤る。
 厚生労働省の幹部は、安倍首相が保育料の無償化拡大などを表明したことで、そこに予算を割かざるを得なかったと指摘。「本来やるべきことができなくなった」と漏らす。
 介護職員の確保策でも夜勤に従事する職員の育児支援や介護ロボットの普及加速化といった施策にとどまり、賃金改善につながるものはなかった。(伊藤舞虹、蔭西晴子)
 ■<考論>社会保障以外でルーズ
 土居丈朗・慶応大教授(財政学) 社会保障費の伸びを抑えたことは高く評価できるが、土地改良事業など社会保障以外でルーズな予算が目立つ。これらを切り詰めれば、もう一段、新規の国債発行を減らすことができたのではないか。国債依存度は依然として高い。このままでは、若い人は「将来、増税を引き受けなければならない」と感じ、安心できない。国債発行をもっと減らせていれば、若い人に心を配っている、とのメッセージをより強く打ち出せたはずだ。
 子育て支援などは景気に関係なく進めるべきだ。今回の予算は、誰にでも「手厚く振る舞う」という色合いが濃く、若者の支援に軸足を移せていないのが残念だ。
 ■<考論>優先順位つけない政治
 田中秀明・明治大教授(財政学) 財政規律を守ったように見えるが、補正予算案を含めると税収が増えた分を歳出拡大に使っている。日本の財政がここまで悪化したのは、税金の使い道を決める政治そのものの部分で、慎重な経済成長の見通しを前提に優先順位をつけてこなかったからだ。
 アベノミクスの成長戦略を実現し、財政を健全化するために最も必要なのは、若者の職業訓練や奨学金の拡充などの人材育成や労働市場の改革だ。働くインセンティブを高める必要があるにもかかわらず、税制改正では配偶者控除の見直しが先送りされた。こうした優先課題に取り組んでいくために、首相はリーダーシップを発揮する必要がある。
 
安倍政権の最大の課題は、戦争法案審議過程で巻き起こった政権に対する国民の批判が参院選に影響しないことである。
 
そのためには色あせたアベノミクスの失敗を認めるわけにはいかないので、国民の眼をそらすための「新三本の矢」を掲げ、その実現に向けて、本来の優先順位を無視してまでも、票田に対する予算を厚くするということをやっている。 
 
施設整備や人材確保に充てる基金は今年度と同じ724億円とした」にもかかわらず、たとえば介護の現場からの要望が強い賃金改善に回すお金は乏しいため、介護の現場で働く介護職員の離職率は決して低くはならない。 
 
<クローズアップ2015 来年度予算案 「総活躍」迫力不足 透ける参院選対策>
 毎日新聞 2015年12月25日 東京朝刊
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 政府は24日に決定した2016年度予算案で、安倍晋三政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けて、子育てや高齢者支援を重視する姿勢をアピールした。政権の経済政策「アベノミクス」の効果が大企業や富裕層にとどまり、中小企業や中低所得者層の不満が高まっていることが背景にある。しかし、予算案は参院選対策のバラマキ色も濃く、1億総活躍の実現に向けた本気さは見えてこない。【宮島寛、阿部亮介、和田憲二】
 「子育て世代の施策を充実させ、高齢者にも配慮できた」。麻生太郎財務相は24日の記者会見で16年度予算案を自賛してみせた。
 安倍首相は9月、「1億総活躍社会」を掲げ、新三本の矢として「国内総生産(GDP)600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」を打ち出した。低所得世帯の幼児教育無償化の拡大▽事業所内の保育所整備▽低所得の一人親世帯への児童扶養手当の拡充▽特別養護老人ホームの整備▽低所得の年金受給者らへの3万円の給付--。16年度予算案には、政府が「1億総活躍社会の実現に向けた施策」として掲げたメニューが並ぶ。
 
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 安倍政権はこれまで、大規模な金融緩和で円安を演出するなど、企業の経営環境をよくする政策に力を入れてきた。念頭にあったのは、大企業が稼いだお金を賃上げや投資に回し、中小企業や家計にも幅広く恩恵が及ぶことで消費が拡大し、更に経済が活性化する姿だ。
 実際に大企業の業績は過去最高水準まで拡大したが、中国経済の減速などで投資や賃上げに対する慎重姿勢は根強く、「経済の好循環」は不発に終わっている。多くの国民にとって実感がない景気回復は来年夏の参院選への影響も懸念される。16年度税制改正と予算では、更なる法人減税などで大企業支援を続ける一方で、アベノミクスの効果が及んでいない家計などを支援する姿勢を打ち出す必要があると判断したとみられる。
 ただ、予算案に盛り込まれた「1億総活躍」関連予算は、これまでも実施してきた政策の予算積み増しが中心だ。特別会計も含めても約2.4兆円と、前年度当初に比べ5000億円程度の増加に過ぎない。厳しい財政状況の中、新規事業に巨額の費用を投入する余裕はないためだ。低所得の高齢者には3万円を配る一方で、若年層への手当は手薄で、政策の偏りもみられる。
 また、財源を生み出すために、他の歳出項目に大ナタを振るった形跡も見えない。公共事業費を微増としたほか、防衛費を初めて5兆円の大台に乗せ、政府開発援助(ODA)も17年ぶりに増額。外交・安全保障重視の「安倍カラー」は堅持した形だ。今回の予算からは「1億総活躍」の実現に向けた政権の「本気度」は伝わらず、市場では「もっと削るところは削って、関連予算を手厚くする方法があったのではないか」(第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミスト)との指摘が出ている。
財政健全化見通せず
 政府の財政健全化計画の初年度に当たる2016年度の予算案は、計画に盛り込まれた「目安」に従い、社会保障費の伸びを5000億円以内に抑えた。しかし、国民の痛みを伴うような抜本的な歳出改革は先送りされ、健全化の実現に向けた道筋はなお見えない状況が続く。
 「健全化計画の『目安』がうまく機能した」。財務省幹部は、16年度予算案が過去最大になったものの、一定の歯止めをかけられたことに胸をなで下ろした。
 今年6月に決定した健全化計画は、財政健全化の指標である「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)」を20年度に黒字化する目標を掲げた。達成に向けて、膨張が続く社会保障費の伸びを16年度からの3年間で1.5兆円に抑える「目安」を盛り込んだ。
 計画策定の際には歳出抑制の数値目標を明記する案が浮上したが、甘利明経済再生担当相らが「景気の下押し要因になりかねない」として反対し、目標より緩やかな「目安」とすることで決着した経緯がある。来年に参院選を控えていることもあり、財務省内には、今回の予算編成でうやむやのうちに社会保障費の抑制が棚上げされるのではないかとの警戒心があった。
 しかし、今年の予算編成で最大の焦点だった診療報酬の改定で、8年ぶりのマイナス改定とする方針が早い段階で固まり、6700億円が見込まれていた社会保障費の伸びを5000億円以内に抑えるメドがついた。薬価を抑える一方で、医師の技術料である「本体」はプラスとすることで、医師会などの強い反発は避けられた。
 それでも、財政健全化目標の実現は社会保障費の自然増の抑制だけではほど遠いのが実情で、年金の削減など国民の痛みを伴うような歳出改革が避けられない。政府の経済財政諮問会議は24日、予算編成と並行して議論してきた健全化計画の達成に向けた工程表を決定した。割安な後発薬の使用拡大などが盛り込まれたが、年金削減などについては「検討を行い、必要な措置を講じる」といった表現にとどまり、具体策は先送りされた。
 16年度は、企業業績の改善などで税収を前年度当初比で3兆円増の57.6兆円と見込むが、それでも歳出の6割程度しか賄えていない。国の借金は増える一方で、今後も薄氷を踏むような財政運営が続く。
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さて、大手マスメディアの在京紙は政権に対する旗幟は一応鮮明になっており、その新聞社系列の民放テレビもおおよその色がついている。
 
しかしテレビの現場ではまだまだジャーナリスト精神を持っているプロデューサーが存在し、番組制作にも独自性を出してきたのだが、安倍政権になってから官邸から直接放送内容に圧力をかけるような言動がしばしば起きていた。
 
その顕著な例が「『報ステ』降板、古舘伊知郎を追い詰めた安倍政権とテレ朝上層部の癒着!『原発のゲの字もいえない』と不満を」という事態につながっていた。
 
さらに古舘伊知郎個人に対しては「古舘伊知郎降板 総まとめ特集! これが1年半、古舘と『報ステ』が受けてきた圧力だ!」という記事を読んでもらえれば、その実態がよく分かる。
 
そしてリベラルといわれていたテレビ朝日ですら、上層部は政権からの圧力には簡単に屈してしまうので、政府広報紙と呼ばれる讀賣新聞系列のテレビ局で「『ミヤネ屋』が安倍政権に批判的なコメンテーター・青木理をクビ切り降板! 政権への配慮、読売新聞の圧力説も」ということが起きても決して不思議ではない、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 13:47| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月24日

日本人よりはるかに沖縄県民を理解している米国の識者たち

今月の初めころ「徴兵予備軍へのリクルートは益々盛んになっている」とのつぶやきの中で、2015年版の自衛官募集CMを紹介した。
 
経済的徴兵にならないまでも、家庭の事情から条件の良い自衛官になる若者が増えるのではないだろうかと心配していたが、どうやらそれは杞憂だったらしい。
 
民主党時代より求人有効倍率が上昇したと、いつの席だったかは忘れたが安倍晋三首相が、あたかもアベノミクスの成果だと胸を張っていたのだが、どうやら今年の自衛官の応募の減少は、みずからの強行成立させた「戦争法」の成果であろう。 
 
<自衛官募集、苦戦 高卒応募、昨年度比2割減 企業の求人増・安保法も影響か>
 2015年12月24日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 自衛官の募集が苦戦を強いられている。高校新卒者らを中心に募集する「一般曹候補生」の今年度の応募者数は、昨年度比で約2割減。防衛省は「民間の雇用情勢が改善しているため」と説明する。だが、安全保障関連法による自衛隊のリスクの高まりが影響していると指摘する声もある。
 自衛隊の現場部隊の中核を担う一般曹候補生の応募は8〜9月に受け付ける。今年度の応募者数は2万5092人。2014年度より6053人少なく、19.4%減だった。現在の募集区分になった07年度以降でみると、東日本大震災時の自衛隊の活動が注目された11年度に最多の5万1192人を記録。今年度はそのほぼ半分だ。
 一般的に、景気が上向くと民間企業に人気が集まって公務員は苦戦する。防衛省は、有効求人倍率や新卒の高校生の求人倍率が高まっていることを踏まえ、応募者減は「景気や雇用情勢の影響」と説明。安保法制の影響について同省幹部は「志願者が減ったのは法制の影響が主だとは思っていない」と話す。
 ただ、複数の自衛隊幹部は「志願者本人が安保法制を気にすることは少ないが、保護者が心配して受験しないように働きかけるケースが増えている」と語る。
 大分県内の退職自衛官らでつくる「隊友会」は、志願者の情報収集・提供などでリクルートを支援している。ただ、事務局長を務める男性は昨年秋以降、自衛官を志望する高校生の母親らから「危険な目にあうのでは」などの相談を30件以上受けたという。
 一方、今夏、首都圏での採用説明会に参加した高校3年の男子生徒は「自衛官の父から、『集団的自衛権で戦争に行くかもしれないからやめた方がいい』と言われた。やめようかと思ったけど、国のために働きたいと思う」と話した。
 
「国のために働きたいと思う」と心から日本の国のことを思っている若者には、是非、知ってほしいことがある。
 
それは「集団的自衛権で戦争に駆り出されるのは、決して日本のためではなく米国のためなのだ」ということである。 
 
さて、米国のため日本政府が戦後国内至る所に進駐していた米軍基地を沖縄に集約した結果が、今日の「基地の島」沖縄であることはいまさら言うまでもない。
 
そして沖縄県民の悲願が基地撤廃であることも事実であるが、本土では「沖縄は基地で生活が成り立っている」と実情を知らない無責任な発言者がいるが、現実は米軍基地の返還後の開発により、基地跡地は経済規模が拡大し、県経済全体を牽引していると、琉球新報が独自に調査した「中南部に位置する米軍基地の経済問題」という資料がある。
 
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こんな沖縄の実情を全く無視するかのような政府と駐日米大使による茶番会見が行われたのが20日前だった。 
 
<沖縄基地 普天間など一部、返還前倒し 日米合意>
 毎日新聞 2015年12月4日
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普天間基地沿いの土地などの一部早期返還合意の共同記者発表で発言するキャロライン・ケネディ駐日米大使。右は菅義偉官房長官=首相官邸で2015年12月4日午後5時25分、藤井太郎撮影
 菅義偉官房長官は4日、ケネディ駐日米大使と首相官邸で会談し、沖縄県の米軍嘉手納基地(嘉手納町など)より南の米軍施設・区域のうち、普天間飛行場(宜野湾市)の土地約4ヘクタールなど一部を前倒しして2017年度中に返還することなどで合意した。
 前倒し返還を合意したのは普天間飛行場東側沿いの約4ヘクタールと牧港補給地区(浦添市)の東側沿いの約3ヘクタール。13年4月に決定した返還計画では、普天間は「22年度またはその後」、牧港は「24年度またはその後」としていた返還時期を17年度中に前倒しする。いずれも隣接道路拡充のため地元が早期返還を要望していた。
 このほか、今年3月に返還されたキャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区に隣接するインダストリアル・コリドー南側部分を日米共同使用の対象とする。宜野湾市が同住宅地区と国道58号を結ぶ高架式道路の建設を計画しており、市などの立ち入り調査を可能にする。1996年に一部返還で合意した北部訓練場(同県東村、国頭村)の迅速な返還の必要性も再確認した。
 合意では、普天間飛行場の名護市辺野古移設が「唯一の解決策」と改めて確認した。菅氏は共同記者発表で「沖縄の負担軽減のための話し合いが実を結んだ」と強調。ケネディ氏は「県民の日常生活にプラスの影響を与える」と述べた。
 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は県庁で記者団に「本来ならばもっと前に解決されるべきで、辺野古新基地を巡って裁判で争っている最中に発表したことは作為的で強い憤りを感じる」と述べた。
 
当時は明らかなパフォーマンスで歯牙にもかけなかったのだが、上記の記事に代表されるように本土メディアはこの共同記者会見模様をそのまま伝えるだけで、一切の論評もせずむしろ、あたかも「地元が早期返還を要望していた」ので日本政府が「前倒し返還する」ということを印象付けていた。
 
当日の会見では菅義偉官房長官は以下のように話しており、メディアは正確にこの内容を伝えていなかった。 
 
・・・前略・・・
また、牧港補給地区の一部返還は、1996年のSACO最終報告に記載された案件であり、これまで実現をしてきませんでしたが、今回の合意により統合計画を前倒した返還及び国道拡幅に向けた作業が具体的に動き出します。国道が拡幅されれば、同地区の渋滞が大幅に緩和され、住民の交通利便性が向上することが期待をされます。
さらに、普天間飛行場の東側の一部土地は、1990年に返還に向けた手続を進めることを米国と確認したものの、実現をするに至っていなかった案件であります。宜野湾市が市道を整備するために重視し強く要望していたものであり、返還の具体的目処を立てることができました。
 
そんな前に決まっていたことが何故、いままで実現できなかったのか、なんで今頃発表されたのかという説明もメディアはしなかった。 
 
こんな本土メディアに洗脳された一部の本土国民に対して現地の人が、今朝の東京新聞の投稿欄「ミラー」で以下のように沖縄の実情を語り、欺瞞だらけの政府発表を垂れ流す本土・大手マスコミを批判していた。
 
 今月4日、菅義偉官房長官とケネディ駐日大使が、米軍普天間飛行場の一部(約4f)と近くの牧港補給地区(約3f)を2017年度中に返還することで合意したと共同発表しました。事情をよく知らない沖縄以外の国民の中には、沖縄のため政府は頑張っているとの誤解があるかもしれません。沖縄では、周知の事実をあえてお知らせします。
 まず今回発表されたのは沖縄の米軍基地の総面積22,300f余りのうち約7f、率にして僅か0.031%の微々たる面積です。これらは以前から交通渋滞緩和に向けた道路拡張などのため地元から強い要望があったものです。しかも前者・普天間飛行場の一部返還はについては25年前、後者・牧港補給地区の一部については19年前に返還が合意されていたものにすぎません。
 このような経過や数値を知らない本土の国民には、日本政府が沖縄のため大いに努力し、米軍基地の大幅な削減を実現したとものと受け取ったかたもおられるでしょう。
 沖縄の実情を伝えない本土・大手マスコミの存在を考えれば無理もないかもしれません。今なお沖縄は基地で食っている、金ほしさにわがままを言っている、多くの振興予算をもらっているとの誤解が広範に存在しているようです。
 いま政府が大々的に喧伝している普天間飛行場が仮に全面返還されたとしても、沖縄が占める米軍専用施設の比率が73.8%から73.1%へ、たった0.7ポイント縮小されるに過ぎないことをご存じでしょうか。沖縄については政府発表が一事が万事、欺瞞がつきまとっています。
 
12月4日の菅義偉官房長官が演出した「前倒し返還を合意」パフォーマンスショーに共演したケネディ駐日米大使は、よせばいいのにこんな発言をしていた。
 
<ケネディ駐日米大使「辺野古が最善」 日本記者クラブで会見>
 2015年12月17日 沖縄タイムス
 【東京】ケネディ駐日米大使は17日、日本記者クラブで会見し、名護市辺野古への新基地建設計画について「普天間移転が実現できれば大きな前進になる。今はできるだけ早く現在の計画を実施に移すべきだと思う」と述べ、新基地建設を推進する考えを示した。
 ケネディ氏は、仮に日本側が辺野古以外の移設先を示した場合、米国政府として検討する余地があるかとの問いに、「さまざまな計画が検討されベストのものに至ったと信じている」と強調し、辺野古案が最善だとの考えを示した。
 また、普天間飛行場東側などの一部が返還合意に至ったことに触れ、「今まで発表されたものだけではなく、兵力を削減するためにさらなる土地返還は続く。米軍再編で将来(の沖縄)はよりよい状態になる」と述べ、基地負担軽減を進める考えを示した。 
 
まさにオバマ政権の主張をそのまま会見で言い放ち、自分の頭で考えられないこの駐日大使に対しては、米国内の識者たちが怒りの声を上げてくれていた。
 
<辺野古最善は「侮辱」 米識者70人、ケネディ氏発言に抗議声明>
 2015年12月24日 05:0 琉球新報
20151224oliverstone.jpg【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】映画監督オリバー・ストーン氏や言語学者ノーム・チョムスキー氏ら米国の文化人や識者ら70人は22日、ケネディ駐日米大使が17日の日本記者クラブでの記者会見で米軍普天間飛行場移設に関して、名護市辺野古への移設が最善だとの考えを示したことに抗議する緊急声明を発表した。声明は大使の発言について「(辺野古移設計画に)激しく反対してきた沖縄の圧倒的多数の人々に対する脅威、侮辱、挑戦であり、同時に法律、環境、選挙結果を軽視する行為だ」と批判した。その上で「米国市民として、米政府が沖縄市民の基本的人権を否定することをやめるよう強く要求する」とし、辺野古移設をやめるよう訴えた。
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 辺野古移設をめぐる海外識者による声明は今回で4回目。ただ今回は日本で米政府代表を務めるケネディ駐日米大使による発言であることから、その責任を問うため米国人識者が声明を発表した。声明にはストーン氏のほか、沖縄返還に関する米政府の交渉担当者のモートン・ハルペリン氏や元米陸軍大佐で外交官でもあったアン・ライト氏をはじめ、元連邦上院議員で大統領選にも立候補したことがあるマイク・グラベル氏が初めて加わった。
20151224MortonH_ Halperin.jpg 声明は日米両政府が推進する辺野古移設計画について「普天間飛行場は閉鎖されなければならないが、辺野古移設は解決策とはならない。より人目につかない場所に問題を移すだけで、島の別の場所に新たな脅威を導入し、米軍を強化するものだ」と強調した。
<ケネディ駐日米大使発言への抗議声明全文>
 12月17日、東京の日本記者クラブでの記者会見で、キャロライン・ケネディ駐日米大使は辺野古が米海兵隊の新基地の場所として最善であるとのオバマ政権の主張を忠実に繰り返した。
 米国は「良き隣人」であろうと努力しており、また沖縄本島の約20%を占める何十もの米軍基地を抱える地域社会への影響については「気を配る」という丁寧なコメントをした後、ケネディ大使は沖縄の人々が容赦ない実力行使と威嚇にもかかわらず何百日も抗議活動をしている基地に対しての支持を表明した。
 (記者会見で)「基地建設に対する沖縄の人々の反対についてどう思うか。また米国は代替案を検討するのか」との質問に対し、ケネディ大使は「この計画(現在人口の密集する宜野湾に位置する米海兵隊基地を閉鎖し移設する)は人々が大変懸命に努力し、多くの選択肢を検討し、練り上げてきたものだ。だから私は今まで検討された計画でこれが最善のものと思っている」と答えた。
 米国が普天間飛行場を閉鎖し、辺野古に基地建設を一刻も早くすることを求めているというケネディ大使の発言は、この計画に激しく反対してきた沖縄の圧倒的多数の人々に対する脅威、侮辱、挑戦であり、同時に法律、環境、選挙結果を恥ずかしげもなく軽視する行為である。
 普天間飛行場は閉鎖されなければならないが、辺野古に移設することは解決策とはならない。この計画はより人目につかない場所に問題を移すだけであり、島の別の場所に新たな環境・安全の脅威を導入し、沖縄の米軍拠点としての役割を強化するものだ。
 ケネディ大使は日本記者クラブのゲストブックに、ジョン・F・ケネディ大統領による報道の自由についての発言を引用しながら署名した。しかし大使が引用するべきはむしろ、ケネディ大統領が世界平和について力強く、説得力のある主張を行った1963年のアメリカン大学卒業式での演説だったのではないか。
 ケネディ大統領は言った。
 「戦争に絶望し、平和をもたらすことを望む思慮深い市民は誰でも、まず内面を見ることから始めるべきだ―平和の可能性への自らの態度を調べることを…」
 ケネディ大使は沖縄の人々の懸念に対し、誠実に尊厳を持って取り組む勇気も度胸も持たないような米国の選挙で選ばれた公職者、政策立案者、軍の指導者たちの代弁者としての役割を果たしている。大使は父親が「アメリカの軍事力によって世界に強制的にもたらされるパックス・アメリカーナ(米国による平和)」を拒絶した演説をもう一度読むべきだ。
 もし再読したならば、ケネディ大使は父親が「平和とはつまり基本的に、荒廃の恐怖を感じることなく生活できる権利、自然の空気をそのまま呼吸する権利、将来の世代まで健全に存続する権利といった人権に関する問題ではないか」と問うたことを思い起こすことになるだろう。
 これらの言葉はわれわれにとってまだ意味があるために、われわれは米国市民として、米政府が自己決定権、健全で安全な環境で暮らす権利を含む沖縄の市民の基本的人権を否定することを止めるよう強く要求する。
<ケネディ駐日米大使発言への抗議声明に署名した米識者>
(名字のアルファベット順、敬称略)
▽クリスティーン・アン(DMZをわたる女性たち)
▽ガー・アルペロビッツ(「ネクスト・システム・プロジェクト」共同代表、メリーランド大学政治経済学元教授)
▽クリスチャン・G・アッピー(マサチューセッツ工科大学歴史学教授)
▽サンディ・アリッツァ(翻訳家)
▽ダビンダー・ボウミック(ワシントン大学近代日本文学准教授)
▽ハーバート・ビックス(ニューヨーク州立大学ビンガムトン校歴史学・社会学名誉教授)
▽コートニー・B・キャズデン(ハーバード大学名誉教授)
▽ノーム・チョムスキー(マサチューセッツ工科大学言語学名誉教授)
▽マージョリー・コーン(トーマス・ジェファーソン法科大学院教授)
▽エリザベス・コリ―ジョーンズ(ハーバード大学)
▽フランク・コスティグリオラ(コネチカット大学歴史学教授)
▽ボブ・クッシング(ジョージア州セント・ジョセフ教会神父)
▽サーシャ・デイビス(キーン州立大学助教授)
▽ジーン・ダウニー(著述家、「京都ジャーナル」寄稿編集者)
▽アレクシス・ダデン(コネチカット大学歴史学教授)
▽リチャード・フォーク(プリンストン大学国際法名誉教授)
▽ジョン・フェッファー(「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」ディレクター)
▽ノーマ・フィールド(シカゴ大学名誉教授)
▽マックス・ポール・フリードマン(アメリカン大学歴史学教授)
▽ブルース・ギャグノン(「宇宙への兵器と核エネルギーの配備に反対する地球ネットワーク」コーディネーター)
▽ダニエル・H・ギャレット(元国務省外交局職員、アジアインスティテュート研究員)
▽ジョセフ・ガーソン(アジア太平洋平和と非軍事化ワーキンググループ)
▽ゲリー・ゴールドスタイン(タフツ大学教授)
▽マイク・グラベル(元米国上院議員)
▽メル・ガートフ(ポートランド州立大学政治学名誉教授)
▽モートン・ハルペリン(元米政府高官)
▽ローラ・ハイン(ノースウェスタン大学教授)
▽ダッド・ヘンドリック(ベテランズ・フォー・ピース)
▽ミッキー・ハフ(ディアブロ・バリー・カレッジ歴史学教授)
▽パット・ハインズ(「トラップロック・センター・フォー・ピース・アンド・ジャスティス」ディレクター)
▽カイル・イケダ(バーモント大学日本語准教授)
▽ビンセント・イントンディ(モンゴメリー・カレッジ歴史学准教授)
▽ゼニ・ジャーディン(ジャーナリスト)
▽レベッカ・ジェニソン(京都精華大学人文学部)
▽ジャン・ユンカーマン(ドキュメンタリー映画監督)
▽シーラ・K・ジョンソン(人類学者)
▽カイル・カジヒロ(「ハワイ・ピース・アンド・ジャスティス」理事)
▽タラック・カウフ(ベテランズ・フォー・ピース理事)
▽ピーター・カズニック(アメリカン大学歴史学教授)
▽バリー・レイデンドーフ(ベテランズ・フォー・ピース会長)
▽ジョー・ローリア(元「ウォール・ストリート・ジャーナル」国連担当記者)
▽ジョン・レットマン(ジャーナリスト)
▽スタンリー・レビン(ベテランズ・フォー・ピース)
▽C・ダグラス・ラミス(沖縄キリスト教大学大学院客員教授)
▽キャサリン・ルッツ(ブラウン大学教授)
▽アンドリュー・R・マークス(コロンビア大学教授)
▽ケネス・E・メイヤーズ(ベテランズ・フォー・ピース)
▽ヨシ・マッキンタイア(学生)
▽キャサリン・ミュージック(海洋生物学者)
▽クリー・ピーターソン―スミス(クラーク大学地理学部博士課程)
▽ロバート・ナイマン(「ジャスト・フォーリン・ポリシー」政策ディレクター)
▽クーハン・パク(「グローバライゼーションを考える国際フォーラム」プログラム・ディレクター)
▽サミュエル・ペリー(ブラウン大学准教授)
▽マーガレット・パワー(イリノイ工科大学歴史学教授)
▽クレイグ・キロロ(「レイプ・リリーフ」創立者)
▽スティーブ・ラブソン(ブラウン大学名誉教授)
▽ベティ・A・レアドン(「平和教育に関する国際研究所」創立者)
▽ローレンス・レペタ(ワシントン州弁護士会)コリーン・ラウリー(元FBI捜査官、弁護士)
▽アーニ・サイキ(「モアナ・ヌイ・アクション・アライアンス」)
▽ピート・シマザキ・ドクター(ハワイ・沖縄アライアンス)
▽ティム・ショロック(ジャーナリスト、労働運動家)
▽アリス・スレーター(「ワールド・ビヨンド・ウォー」調整委員会)
▽ジョン・スタインバック(首都エリアヒロシマ・ナガサキ平和コミティー)
▽オリバー・ストーン(映画監督)
▽デイビッド・スワンソン(著述業)
▽ロイ・タマシロ(ウェブスター大学教授)
▽エリック・ワダ(御冠船歌舞団会長)
▽ローレンス・ウィットナー(ニューヨーク州立大学アルバニー校歴史学名誉教授)
▽アン・ライト(元米陸軍大佐)
 
「現在人口の密集する宜野湾に位置する米海兵隊基地を閉鎖し移設する」という計画は「人々が大変懸命に努力し、多くの選択肢を検討し、練り上げてきたもの」ではなく、日本政府から言いだしたことである。
 
日本が無条件で新基地を作ってくれるのなら米国としては諸手を上げて歓迎するのは当たり前である。
 
「誠実に尊厳を持って取り組む勇気も度胸も持たないような米国の選挙で選ばれた公職者、政策立案者、軍の指導者たちの代弁者としての役割を果たしている」にすぎないケネディ駐日大使は残念がら父親のDNAを受け継ぐことができず、日本に汚点をのこして帰国するだけであろう。
 
それにしても民主主義と基本的人権を大切にする米国の有識者たちがこんなにいることを改めて知り驚くとともに、オジサンも寄付した辺野古基金を使って訪米し沖縄の問題は人権問題であると訴えた翁長雄志県知事の行動が実りつつあるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年12月23日

ま〜A案になったが、甘い経済効果予測は五輪よりTPPはもっと危険

もはや今後は「新国立競技場建設問題」は話題にはならず、数年経って「工期遅れ」と「想定外の工費」がメディアに登場するくらいであろう、
 
したがって今回はこの問題については簡単につぶやきながらも課題があることを残しておきたい。
 
大本営発表的なタイトルが「準備入念、A案に優位性 旧計画撤回前、官邸に大成『工期、大丈夫』 新国立」という朝日新聞の記事。
 
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それに対しては「新国立 隈氏・大成陣営に決定 コスト抑制は低評価」(東京新聞)や、明らかな課題が残されたという記事もある。

 
<クローズアップ2015 新国立、A案に決定 工費削減、課題残す>
 毎日新聞 2015年12月23日 東京朝刊
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 2020年東京五輪・パラリンピックのシンボルとなる新国立競技場のデザインは22日、建築家の隈研吾氏らのA案に決まった。工期最優先の選定で、国際オリンピック委員会(IOC)が求めた完成時期より早く、19年11月末の完成にめどが立った一方、総工費の削減面では物足りない内容となった。年明けから始まる設計業務では、選手、観客目線が求められ、大会後の民間委託への道筋をつけることも今後の重要課題となる。【藤野智成、芳賀竜也、浅妻博之】
「政府上限」ぎりぎり
 事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が東京都内で開いた記者会見。設計・施工の一括公募に応じた2グループの計画を評価した技術提案等審査委員会の村上周三委員長(東大名誉教授)は事業費(総工費)の縮減について「1割減ぐらいは期待していた」と声を低くした。
 政府が新整備計画で上限1550億円と設定したのに対し、A案は1490億円、B案が1497億円。旧整備計画が一時は3000億円にも膨らむ懸念があったことに比較すれば、圧縮したが、当初案の1300億円に比べればまだ高い。2グループのみの参加になったことで競争原理が働かず、おのずと政府の要求水準に近づけたためだ。
 その結果、7人の委員ごとの140点満点での採点でも「事業費の縮減」の項目は「工期短縮」と同じ30点が配点されていたが、7人計210点で、採用された隈氏や大成建設などのA案は31点、落選した建築家の伊東豊雄氏や竹中工務店、清水建設、大林組などのB案は28点と低かった。村上委員長は「工期を守る、短縮することに努力が向いた結果」と説明した。
 「杜(もり)のスタジアム」というタイトルまで同じだった両案の争いを建築専門家は「短い時間で一生懸命やろうとすると似たようなものにならざるを得ない。学生がやってもあの形にしかならない」と評する。むしろB案の方が評価が高かったのは9項目のうち5項目あった。巨大な列柱を使用するB案に対して「A案は普通の技術で作り上げている。専門家はB案を喜ぶかもしれない」と、この専門家は言う。
 しかし、政府関係者は「どんなにいい案でも、間に合わなかったらアウト。そんな状況に追い込まれていた」と言う。すべてが「工期短縮」で優劣がついた。白紙撤回で主会場に予定していたラグビーの2019年ワールドカップ日本大会には間に合わなくなり、国際統括団体「ワールドラグビー」から開催地変更を求める声すら上がった。政府は当初、20年4月の完成を目指していたが、IOCは巨額な放映権料を払うテレビ局の準備に配慮して3カ月早めることを要求した。この動きで「工期短縮」の項目の配点も上げ、国際的なメンツを保つことに注力せざるをえなかったのだ。
 旧整備計画の見直しを求めてきた槙文彦氏らの建築家グループの一人の大野秀敏・東大名誉教授は「白紙撤回が第1のスタートだとすると、まだ第2のスタートになったぐらい。ゴールにたどり着いたわけではない」と指摘する。
 今後、基本設計に向けては仕様に関する各界の要望が相次ぎ、コストが増大する懸念がある。「JSCがきちんとさばかないといけない。正念場はこれから」と大野氏。「事業費の縮減」への低評価はさらなるコスト抑制の努力を注文したといえる。
選手の意向、どう反映
 本番で実際に使うアスリート(選手)の意向を第一とする「アスリートファースト」の反映や、五輪・パラリンピックを合わせた約1カ月間に比べて長期間にわたる大会後利用の姿は明確ではない。1988年ソウル五輪競泳男子100メートル背泳ぎ金メダリストでもある鈴木大地・スポーツ庁長官は「アスリートの意見を取り入れながらやっていただきたい」と注文した。
 14日の技術提案書公開後、JSCは3日間にわたり五輪・パラリンピック出場経験者らと意見交換した。出席した陸上解説者の金哲彦さんは「大事なのは動線。待機場所、競技、ドーピング検査、取材対応がスムーズだと選手の負担は少ない。基本要件は両案とも満たしていた」と説明する。そのうえで、陸上関係者はサブトラック(補助競技場)の充実を求め、サッカーやラグビー関係者は「芝生の管理」を要望した。新整備計画が基本理念に掲げる「アスリートファースト」をどこまで実現するかが問われる。
 また、政府は大会後の施設運営を民間企業に移管する意向を示している。JSCの審査委員会は「維持管理費抑制」も評価項目に挙げた。旧計画では年間12日間のコンサート利用で6億円の収入を見込み、黒字をはじき出したが、コンサート利用が可能となる開閉式屋根や空調設備などはコスト削減で取りやめた。
 政府は22日付で、文部科学省を中心とした「大会後の運営管理に関する検討ワーキングチーム」(座長=冨岡勉・副文科相)を設置し、国内外の事例の検討を始める。「卵は割れたばかり」と政府関係者。有効な利活用を探る取り組みは、これからとなる。
  
森会長の発言なければ…識者『伊東さんは気の毒な気がする』」と慰められたB案の建築家、伊東豊雄氏はこう語っていた。 

<敗れた新国立B案の伊東氏が指摘 A案はザハ氏に「訴えられるかも」>
 2015年12月23日 スポニチ
  新国立競技場のデザイン案が、建築家の隈研吾氏らによるA案に決定した。敗れたB案の建築家、伊東豊雄氏が都内の事務所で会見。A案が、見直し前のデザインを手掛けた英国の女性建築家ザハ・ハディド氏に近いことを指摘し「訴えられるかもしれないですよ」と話した。
 伊東氏はA案について「表層部分は違うが、(骨格を)はぐと中身はザハさんの案とかなり近い。訴えられるかもしれないですよ」と懸念を表明。国産木材を多用する骨格を取り除くと、客席の構造などが物議を醸したザハ案とそっくりだと指摘した。
 自身はザハ案との決別を明確に意図して、建築の構造から相違を意識してきたという。デザインやコンセプトなどではA案と同等もしくは上回る評価を得た。ただ、審査の最重要ポイントとされた「工期短縮」で大きく点数をあけられた。「事前着工ができれば確実に19年11月に間に合う、できなくても何とか完成させたい、と誠意を込めたつもりが、工期に間に合わない可能性があると受け取られてしまった」と悔やんだ。
 「ある程度A案ありきだった部分もあるのかも」と恨み節も出た。両案が提示された直後、森会長が報道陣の質問に、B案支持を表明。この発言を受け、世論までもがA案シンパとなり、「反発も大きかったみたいですね」とため息をついた。「割と直感的な意見で、あの立場の方が言うのはまずいな、と内心思っていました」と、森発言が選考に与えた影響の大きさを悔やんだ。
 
「事前着工ができれば確実に19年11月に間に合う、できなくても何とか完成させたい」という言い方には、誠意があったのだが、プレゼンとしては正直すぎたのであろう。
 
それにしても、いみじくも「英国の女性建築家ザハ・ハディド氏に訴えられるかもしれないですよ」と話したことが現実的になりそうである。
 
<A案「驚くほど似ている」…ハディド氏が声明>
 毎日新聞 2015年12月22日
  【ロンドン=風間徹也】建設コストの高騰を理由に白紙撤回された新国立競技場の旧デザイン案を担当した英国在住の建築家ザハ・ハディド氏は22日、新デザイン案決定を受け、「今日発表されたデザイン案の競技場の設計や観客席の配置は、我々のものと驚くほど似ている」などとする声明を発表した。
 採用されたA案との類似性が「我々がこの2年間で提案してきたデザインやコスト削減が正しかったことを証明している」と指摘。デザインの知的財産権は同氏の事務所に帰属していることも強調した。
 
くれぐれも、エンブレム騒動の二の舞だけは避けてもらいたいものである。
  
2070年ころには五輪関係者は全員鬼籍に入っているにもかかわらず、2週間前に舛添要一都知事は、新国立競技場が完成後50年間での経済効果の大胆な予測をしていた。
 
<新国立競技場 全国の経済効果1.4兆円 東京都試算>
 毎日新聞 2015年12月8日
 東京都の舛添要一知事は8日、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の工事期間(17-20年)と完成後の50年間の経済波及効果について、全国で約1兆4000億円に及ぶとの試算を明らかにした。このうち、都内への波及効果は約7000億円とした。都議会本会議で、自民党議員の代表質問に答えた。
 都によると、建設工事に伴う雇用や資材調達などで3717億円▽維持・管理に伴う雇用などで3392億円▽スポーツ大会の来場者で6688億円??と見込んだ。現行計画では維持・管理費や来場者数は公表されていないことから、7月に白紙撤回された旧計画を基に、都が独自に算出した。
 新国立競技場の建設費は最大1550億円とされ、都は395億円程度を負担することで政府と合意している。
 
この東京都の試算発表から10日後には「東京五輪の運営費1兆8000億円 当初見込みの6倍」と報告されていた。
 
これから5年間での五輪の運営に1兆8000億円もかけながらも、五輪終了後から50年間での経済効果が全国で僅か約1兆4000億円ならば、結局は元も取れないということになってしまう。
 
このような将来の経済効果予測は、あいまいどころか、試算を行う部署により大きな開きがあることは、筋の悪い「大筋合意」と喧伝されたTPP交渉問題が顕著である。  
 
TPP交渉反対論者である農林水産省出身の鈴木宣弘東京大学教授の文章「隠され続けるTPP合意の真実と今後の対応策」を「改めて問う、なぜ大手マスメディアはTPPの真実を隠すのか」というつぶやきの中で紹介した。
 
その中では以下の試算数値を示していた。
 
「大筋合意」の日本経済への影響の暫定試算>
             「大筋合意」  全面関税撤廃
GDP増加率          0.069%    0.184%
GDP増加額          0.5兆円    1.3兆円
農林水産生産増加額     ▲1.0兆円   ▲2.1兆円
食品加工生産増加額     ▲1.5兆円   ▲2.1兆円
自動車生産増加額      ▲0.4兆円    2.8兆円
 (資料:GTAPモデルによる東大鈴木研究室試算)  
 
ところが最近政府はバラ色のTPP効果を発表するという。
 
<TPP 効果14兆円 政府試算、GDP押し上げ>
 毎日新聞 2015年12月22日 
 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)発効に伴う日本への経済効果について、政府が国内総生産(GDP)を実質で約14兆円(約3%)押し上げるとの試算を取りまとめる方針であることが22日、分かった。関税撤廃や通商ルールの統一などで貿易や投資が拡大すると見込んだ。24日に公表する。
 政府はTPP交渉参加前の2013年3月にも経済効果の試算を示し、その時はGDPの押し上げ効果を3.2兆円としていたが、新たな試算は効果が4倍超に拡大する。13年当時の試算は、農産品の関税がTPP発効と同時にゼロになるとの前提で、関税以外の通商ルール統一の効果も勘案していなかった。
 試算は、関税撤廃で見込まれる工業製品の輸出増や小売業や金融分野での外資規制緩和に伴う海外事業拡大を盛り込んだ。域内の外国企業による対日投資が促進され、日本国内の雇用も拡大するとした。農林水産分野は全品目の19%で関税が残るため、マイナスの影響は限定的と判断。ただ、条件の異なる複数の試算と示す方向だ。
 政府は来年の通常国会でTPP発効に向けた国内手続きを進める考えだ。経済効果を最大限見積もることで、審議をスムーズに進めたいとの思惑もあるとみられる。【横山三加子、松倉佑輔】

5年前の民主党政権時代の菅直人首相がTPP参加を言いだしたころ、日本の関連省庁はTPP参加によって関税撤廃にともなう試算を行っていた。
 
例えば「利益?不利益?そもそも『TPP』って何?」という当時の資料ではこんな風に試算されていた。
 
・内閣府は、日本がTPPに参加するとGDPが2.4〜3.2兆円増加
・農林水産省の試算では、農業関連のGDPが4.1兆円も減少、GDP全体としては7.9兆円もの損失になり、環境面でも3.7兆円の損失になり、合計で日本が被る損失は11.6兆円
   
ようするに「経済効果」の試算というものは極めて根拠薄弱であり、試算する組織の思惑が入り恣意的になるものである。
 
当時は、TPP反対派の代表、TPP反対の急先鋒とも言われており、反TPP論者として注目されていた、異色の経済官僚の中野剛志の「民主党政権とメディアの無知にブチ切れ」た様子を再録しておくが、彼の言っていることは今でも正しい、とオジサンは思っている。
 


posted by 定年オジサン at 12:51| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月22日

嘘つき安倍晋三が拉致問題をこじらせてしまった

暖冬といわれている中での今日は冬至。
 
定年オジサンの特権(?)で朝から柚子なしの浴槽にゆっくりと我が身を沈めた。
 
まさに「朝湯」であるが「朝酒」をするほどまでは出世してはいない。
 
冬らしからぬ気温の影響なのか「スキー場 雪がない…暖冬、対応に追われる」冬至者ならぬ当事者は死活問題である。
 
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オープンの季節を迎えても雪が降らず、地肌の見えるスキー場。人工雪でゲレンデを作っている様子も見えた=群馬県片品村で2015年12月21日午後1時42分、本社ヘリから徳野仁子撮影
 
先日「やはり談合と天の声で進められるのか新国立競技場建設」のなかで、「旧計画でスタンドを建設予定だった大成建設を外すわけにはいかず、その対抗として竹中工務店、清水建設、大林組などの共同企業体(JV)を先に決めていた節がある。」とつぶやいた。
 
まさに本命の大成建設が「新国立『A案』報告へ きょう関係閣僚会議」ということで決まりそうである。
 
そうなると「新国立競技場2案 森会長『B案がいい』」と言っていたことは、森会長の「A案」へ導くためのフェイクだったのかもしれない。
 
特にそれが理由ではないのだろうが、「五輪組織委・豊田副会長が突然辞任 『経済界から支援に専念』」ということになったのだが、やはり森喜朗会長下での組織委の運営態勢に疑問を持っていたのではないかとの見方もあるらしい。 
 
 
 
さて、時事ネタはこれくらいにして、最近「リテラ」紙上では毎週のように安倍晋三批判を繰り返している拉致被害者の元家族会の人が取り上げられている。
 
「リテラ」は安倍政権に完全にコントロールされている新聞・テレビメディアとは異なり、自由闊達に安倍晋三個人や政権批判を続けている。
 
『安倍さんは嘘つき』元家族会の蓮池透氏が拉致問題で安倍首相がついた真っ赤な嘘と政治利用の手口を全暴露」の記事の中では、こう批判されていた。
 
「安倍さんはかけ声だけ。自分の在任中に解決するって言ってますけど、では何をもって「解決」とするのか。安倍さん自身、わかってない」
 安倍首相はかけ声だけ。これは拉致問題に限らず、まさに安倍首相の政治姿勢すべてに当てはまる。アベノミクス、積極的平和主義、一億総活躍……すべてかけ声だけで、中身もなければ、その先に解決もない。
 
これだけかと思いきや、翌週には「安倍さんは薄ら笑いで私に…元家族会・蓮池透氏が著書でも徹底批判! 安倍首相の拉致問題政治利用と冷血ぶり」という記事が出て、
 
被害者のための積極的な交渉を行わない政権の外交には文句はつけず、右翼思想の議員やネトウヨたちは北朝鮮叩きのために拉致問題を利用しつづけている。拉致被害者救出運動のシンボルマークとしてつくった「ブルーリボンバッジ」も、いまでは議員たちの「国内向け選挙民向けのパフォーマンス」になってしまった。そして、こうしたすべての筆頭こそが安倍首相なのだ。
拉致問題の進展を阻む元凶が、被害者たちを政治利用しながら総理大臣の座にのさばっている。
 
と徹底的に酷評されていた。 
 
そして遂に安倍晋三批判をしていた本人が日本外国特派員協会で会見を開いた。 
 
<「拉致被害者はアベ晋三に利用された」 実兄が明るみに>
 2015年12月22日 00:1 田中龍作ジャーナル
 
20151222tanaka01.jpg会見に臨む蓮池透さん。終始淡々とした口調だったが、日本政府とマスコミに対する不信の念が溢れていた。=21日、日本外国特派員協会。写真:田中=
 
 拉致問題を最も巧みに政治利用し総理にまで上り詰めた男 ― アベ晋三の実態が明るみに出た。
 拉致被害者・蓮池薫さんの兄、蓮池透さん(元拉致被害者家族会事務局長・現在は退会)が近著『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社刊)を引っさげて21日、日本外国特派員協会で会見を開いた。
 透さんは まず 、「安倍さんは拉致問題においては日本では第一人者。政治利用して拉致問題を踏み台にして総理にまでなった。それほど重要なら、しっかり対応しろ」と訴えた。
 拉致問題に進展がないと批判することは、これを最重要課題と位置づけてきた安倍政権を批判することを意味する。マスコミが「拉致問題に進展がない」と書けない理由だ。
 帰国した拉致被害者5人が02年に日本の土を踏んだ時、アベ氏は「北に帰るな」と言ったとされるが、透さんはアベ氏の手柄話を否定した。
 「弟を止めたのは私です」、透さんはきっぱりとした口調で言った。
 拉致問題を政治的に利用した人たちは大勢いた。中山恭子元内閣参与(現参議院議員)をはじめ、ブルーリボンを胸につけた国会議員たち、右翼や活動家らは拉致問題に存在理由を見つけ出したのだ。アジアで常に加害者だった日本は、拉致問題では被害者でいられるからだ。
 
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拉致問題の集会で今年もまたアベ首相は「あらゆる手段を尽くしてまいります」と言ったという。透さんは「聞き飽きた」と書いている。
 
 人生の膨大な時間を奪われてやっと帰国したのに、拉致被害者達の生活はまったく楽にならなかった。生活にはお金がいるが、カンパも国家予算も十分あるのに、お金は本人達に渡らない。
 「帰国後に国民から寄せられた1億円を超えるカンパは、拉致被害者の手に渡っていない。子供達が帰国した際に数十万のお見舞い金が出ただけ」。
 「政府の支援金は月額13万円で、収入があれば減額される。これでは絶対暮らしていけない」。ハングルの翻訳家として活動を始めた薫さんだったが、印税が入ると支給が途絶えたりしたため、とうとう一切の支援金を返上したという。
 「まとめて日本で面倒みますと言うのでなければ(年配の拉致被害者は)帰ってこない。国の支援金13万円というのは知られていない。日本のマスコミには周知の事実であるのにも かかわらず、活字にしてこなかった」と、透さんは吐きすてた。
 そして、こう付け加えた。「国民は手厚い待遇でのうのうと暮らしているんだろうな、と思っている」。
 拉致被害者奪還を叫ぶ右寄りの政治家が被害者の事を何も考えていないのは明らかだった。マスコミも活動家も同罪だ。
 「外国メディアの皆さん、どうかアベ首相と拉致の事を書いて下さい」ーー会見の主は最後に英語で語りかけた。日本のマスコミは眼中になかった。
 「弟が北朝鮮から帰国して13年経ったのに、兄にとって拉致問題は終わっていないのか?」筆者は直接問うた。
 「拉致問題はまだ全然終わっていない。弟が精神的に囚われている。解放したい」。透さんは言葉を噛みしめるように語った。
 (文・竹内栄子)
 
拉致問題に関して安倍政権の失敗は明らかであることを、残念ながら日本のマスメディアは遠慮して記事にしないし、できないらしい。
 
「嫌中・嫌韓・嫌朝」路線で安倍政権を擁護していると思われている産経新聞。
 
蓮池透さんの記者会見と同じ日にこの新聞社の大野敏明編集委員がこんな記事を書いていた。
 
・・・前略・・・
 拉致問題は長い。被害者の家族はどんどん高齢化する。毎年、家族のだれかが被害者である家族の顔をみないまま亡くなっていく。本当に時間がない。日本の各地では署名活動が行われ、集会が開かれ、一刻も早い問題の解決を決議している。しかし、何も解決しない。解決しないどころではない。「調査する」という言葉に踊らされて、時間を空費している。何というむなしさだろう。
 いまの日本には北朝鮮に突き付けるカードがない、だから拉致問題は進展しないのだ、という意見がある。正しいだろう。しかし、カードがなければカードを作るのが政治である。まともな交渉で何とかなる相手ではない。
 「拉致問題は安倍内閣の最重要課題」と首相は言った。「安倍政権で解決しなければ私の使命は終わらない」とも言った。ではなぜカードを作らないのか。朝鮮総連本部という格好のカードをどぶに捨て、制裁を解除したままで、問題が解決するとでも思っているのだろうか。そしてこのまま今年も終わっていくのである。政治家も官僚も人ごとだと思ってはいないか。
 「北朝鮮拉致と『特定失踪者』」(展転社)の著者、荒木和博氏によると、外務省には時間が経過して、拉致問題がうやむやになってしまうことを願っている者がいるという。その点に関しては北朝鮮と利害が一致しているという。
 集団的自衛権も大事だ。1億総活躍社会もいいだろう。だが、北朝鮮に拉致され、救いを求めている被害者を見捨てるような国に、集団的自衛権だの、1億総活躍社会だの言う資格があるのだろうか。(おおの としあき)
 
珍しく真正面から真っ当な安倍政権批判をしていることを評価したい。 
 
「まともな交渉で何とかなる相手ではない」といわれながらも、すでに安倍政権は「日朝当局者、11月以降3回協議 拉致再調査は進展なし」というところまで追い込まれている。
 
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日朝交渉をめぐる最近の主な動き

 
12年前の安倍晋三の嘘から段々と出口が見えなくなってしまった拉致問題。
 
「反知性」の代表の安倍晋三首相なので、ここは蛮勇を持って蓮池透さんに直接会って心から謝罪すべきではないのだろうか、とオジサンは思うのだが、無理だろうな!

posted by 定年オジサン at 13:11| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月21日

私人でも公人でも悪法には立ち向かう

「20000%ありません」という有名な壮大なウソを得意とし、敵を挑発し論難することがお得意の橋下徹元大阪市長。
 
12月18日に正式に退任し、本人はこれからは「私人」であると宣言するのは勝手だが、「フリージャーナリストに『訴訟提起をします』 橋下氏、政界引退で『厳しい法的対処』宣言」とは、明らかにフリージャナリストたちへのSLAPP訴訟(Strategic Lawsuit Against Public Participation、威圧訴訟)をやるぞという恫喝宣言に他ならない。
 
本人曰く「名誉毀損専門の弁護士として結果を出す」ということらしいのだが、名誉棄損に関しては刑法でこのように定められている。 
  
第二百三十条(名誉毀損) 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
 
このように230条の2では、(1)事実の公共性(2)公益目的(3)真実性の証明を要件として免責されることになっている。
 
本条は表現の自由に配慮した規定であり、とりわけ公人に対する批判は、国民にとって政治や社会のあり方を知るうえでの不可欠の情報であり、表現の自由として保護する必要性が高いので、3項にあるように、(1)と(2)の要件が満たされるものとされ、(3)だけを証明すれば免責されることになっている。
 
ちなみに私人であっても社会的に一定の影響力を持つ者に対する批判は、(1)事実の公共性の要件を満たす場合があり、過去には1981年の最高裁判例がある。
 
したがって「安倍首相と橋下氏が憲法改正議論 菅長官が19日の会談内容明かす」という記事によると、「橋下氏が安全保障や外交について、いろんな質問をし、首相が答えていた」とか、「安倍首相の政権運営や政治手法などに関しても意見交換した」というように、現職の総理大臣と会談し憲法改正論議をおこなうということは一般には「私人」にはありえないことであり、「おおさか維新の会」という政党の法律顧問の橋下徹は「みなし公人」とでも言えよう。
 
さて、私人だろうと公人だようと、政府が作った悪法は許さないという国民はまだまだ希望を棄ててはいない。
 
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<反安保法で『市民連合』 参院選へ野党共闘促す>  
 2015年12月21日 朝刊 東京新聞
 安全保障関連法に反対する市民団体など5団体が20日、都内で記者会見し、来年夏の参院選で安保法廃止を掲げる候補を支援する組織「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の結成を発表した。野党に候補一本化を促し、安保法に反対する各地の市民の動きと連携する。
 市民連合は、32の1人区すべてで野党が候補者を1人に絞り込むよう要請し、安保法廃止などを公約とする協定を候補と結ぶ方針。統一候補が無所属で当選した場合、政党に所属せず国会内で会派をつくって活動するよう事前に協定を結ぶ。
 参加団体の1つ「立憲デモクラシーの会」の山口二郎法政大教授は「全国的に野党統一候補の大きな流れ、うねりをつくりたい」と述べた。参院選の前哨戦として来年4月の衆院北海道5区補選でも、野党候補の一本化を促す考えを示した。
 ほかの参加団体は「安全保障関連法に反対する学者の会」「安保関連法に反対するママの会」「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。
 
この記者会見の様子は、なぜが産経新聞だけがが当日の記者会見の参加代表者の話をすべて記載していた。
 
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学者の会・佐藤東大名誉教授『安保法反対の参院選候補を支援する』
 
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ママの会・西郷南海子氏『誰の子供も殺させないため野党共闘を…』
 
20151221hananpohouankaiken03.jpg山口二郎法大教授『民主党は市民の叫びに引っ張られ成長した』
 
SEALDs・諏訪原氏『私の強みは自分の言葉でいろんな人に語ることができること』
 
これらの団体の代表の見解には、産経新聞お好きな「揶揄」や一切の批判は加えておらず、極めて異例である。
 
戦争法案には基本的には賛成の立場であったはずの産経新聞が、なぜ「安保法反対」の記者会見模様を詳細に報道したのだろうか。
 
「国民の8割が説明が足りなかった」という戦争法案に反対している産経新聞の購読者も当然含まれている。
 
そんな読者の声を反映した報道ならばそれなりに評価できる。
 
しかし、この市民連合の行動に賛成しているわけではなく、ある種の危機感からかも知れない。
 
以下は質疑応答の内容。
 
学者の会・佐藤東大名誉教授『統一候補で当選して政党に入ったら有権者への裏切りだ』
 
『SEALDsの奥田愛基君が立てば必ず当選するが』…被選挙権ありませんよ
 
学者の会の佐藤学東京大名誉教授によると

「市民連合は、2000万人戦争法の廃止を求める統一署名の共同呼び掛け29団体の個人有志、また市民連合の理念と方針に賛同する諸団体有志および個人によって組織し、各地域において野党、あるいは無所属の統一候補擁立を目指し活動している市民団体との連携をはかる」という。
 
さよなら原発1000万人アクション」ですらこの数年間の署名はそのサイトには「現在の署名数: 2015/10/07 集計 8530462 人分 (1000万人まで続けます)」となっており、まだまだ1000万人達成もは時間がかかりそうであり、2000万人署名達成にはさらに膨大な時間がかかりそうである。
  
立憲デモクラシーの会の山口二郎法政大教授は記者会見で「参院選の全ての1人区で野党統一候補を立てるというゴールに向け各党を動かしていく」と強調し、具体的には、
 
(1)安保関連法廃止
(2)立憲主義の回復
(3)個人の尊厳を擁護する政治の実現
 
3項目の「協定」を結ぶことを条件に、共闘で一致した野党か無所属候補を支援るという。
 
しかし上記の中で(2)や(3)は問題ないのだが、(1)の安保関連法案廃止は、国会で衆参両院で護憲野党が過半数を占めることであり、それは政権交代につながるのだが、その先の政権構想はかなりグレーであることは民主党の内部の混乱ぶりからも明らかである。
 
高い理想を掲げなければ多くの人が賛同しないかもしれないが、少なくとも実現可能な所から結果を出していくべきであり、それは参議院で過半数を占めて、改憲発議を阻止して、かつ戦争法の発動ができにくい環境を作ることが先決ではないだろうか、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 12:50| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月20日

最高裁は違憲審査拡大できるのか

あるワンマン経営者がいる会社では、社内で何かトラブルが発生した場合は、社長が乗り出して「俺が憲法だ」と言って裁定を下す、というシーンを昔の映画かドラマで見た記憶がある。
 
もちろん日本国内の話なので「憲法」が最高法規であることは小中学生でも知っているという前提で作られていた。
 
それではある法律が憲法違反か否かを裁くのはどこかと言えば、「憲法81条に」には以下のように明記されている。
 
第81条【法令審査権と最高裁判所】
 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する。権限を有する終審裁判所である。  
 
これに従えば、一昨年の「特定秘密保護法」とか今年「違憲立法」と散々話題になった「戦争法」などを最高裁判所に対して「憲法違反である」と訴えることが出来そうである。
 
その前に「違憲審査制」ということに触れなければならない。
 
違憲審査制の基本的な類別は国によって様々である。
 
@政治機関型(憲法院)・・・フランス
A裁判所型
 -1 司法裁判所型(通常の裁判所が審査権を行使)・・・アメリカ
 -2 憲法裁判所型(特別の裁判所が審査権を行使)・・・ドイツ、イタリア、オーストリア
 
そもそも日本国憲法は戦後の短期間にGHQが中心となって作成されたものであり、アメリカの影響を大きく受けている。
    
それ故に違憲審査もアメリカに近く、司法裁判所型であり、さらに通説として憲法同条により最高裁判所の有する審査権は付随的違憲審査権(具体的な訴訟を前提としてその解決に必要な限りのみ審査する私権重視)とされている。
 
したがって日本の最高裁は具体的な不利益が生じた事実が無ければなかなか違憲判断を行わない。
 
ドイツやイタリアのように憲法裁判所を設けるとするならば憲法81条を改正しなければならない。
 
そんな最高裁判所なので違憲審査という点ではいままで十分に役目を果たしたとは言えない。
 
2か月前の毎日新聞だが、最高裁の変貌の歴史とでもいうような内容の記事が出ていた。
   
<戦後70年これまで・これから:第13回 「憲法の番人」最高裁 違憲審査拡大するか(その1)>
 毎日新聞 2015年10月23日 東京朝刊
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 ◇「政治と一線」に転機
 日本の司法は戦後、日本国憲法の下で三権の一翼を担う機関として独立した。憲法は裁判所に違憲立法審査権を与え、「憲法の番人」としての役割を託した。だが、最高裁がこれまでに示した違憲判断は、法令そのものを違憲とした9件を含めてわずか20件にとどまる。司法は「伝家の宝刀」をどう行使してきたのか。
 ◇弱者救済、国民参加を力に
 近代の立憲国家は三権それぞれが相互にチェックし合うことで権力の均衡を図る「三権分立」の原理を取り入れている。司法府(裁判所)による違憲立法審査権は本来、立法府や行政府の行き過ぎをただす強大な権限だ。だが、敗戦を引きずる中、早くも日本の司法の限界を示したといわれたのが砂川事件だった。
 事件では、米軍駐留を認めた日米安全保障条約が、戦力不保持を定めた憲法9条に反するかが争われた。最高裁は1959年の判決で、違憲立法審査権を行使せず、条約は高度な政治問題であり司法審査の対象外だとする「統治行為論」を採用。2人の判事は「最終的には国民の政治判断に委ねられている」と補足意見を述べた。
 主権を回復し、国際社会に復帰したこのころ、裁判所には政治色の強い問題が多く持ち込まれた。最高裁が特に注意を払ったのが「政治との距離」だったとされる。判決には当時から批判的な意見が寄せられた。政治問題から距離を置く基本方針はこの時期に固まったが、「司法が政治に手を染めることを自重した」とみることもできる。
       ◇
 70年安保闘争が燃えさかる中、司法は戦後最大の危機を迎えた。自衛隊の違憲性が争われた長沼ナイキ訴訟を巡り、札幌地裁所長が国側の主張を認めるよう担当裁判官に示唆していた平賀書簡問題が69年に発覚。所長は注意を受けたものの、これを契機に保守勢力から裁判所への批判が高まり、最高裁による「リベラル派」裁判官の任官、再任拒否が相次いだ。地裁は73年に自衛隊を違憲と言い切ったが、後に覆された。
 こうして司法不信が高まる中、最高裁は弱者の救済に役割を見いだしていく。人権の尊重は憲法の基礎であり、違憲審査の根拠でもある。経済成長に突き進む中、司法はないがしろにされてきた少数者の側に立ち「人権のとりで」であろうとした。
 典型は公害裁判だ。67年から各地で四大公害病の裁判が始まると、最高裁は全国の担当裁判官を集めて従来の法解釈にとらわれない紛争解決を促した。患者側が勝訴した一連の訴訟では公害法の基礎が固まり、国会や産業界を巻き込んだ環境対策にもつながった。
 個人の救済は刑事事件の判断にも表れた。73年、尊属殺事件で違憲立法審査権を発動し、50年に示された合憲判断を変更、初の法令違憲判決を言い渡した。妻同然の生活を実父に強いられた女性が減刑され、新聞は「憲法の精神が見事に貫かれた画期的判断」と伝えた。
 その後も80年代にかけて、薬局開設の制限を巡って職業の自由が争点となった薬事法訴訟(75年)や、2度の衆院の「1票の格差」訴訟(76年と85年)で法令違憲の判決を出した。二つの顔を使い分けながら司法の危機を乗り越え、違憲審査の領域を広げていった。
       ◇
 80年代後半以降、冷戦が終結して55年体制も崩壊、右肩上がりの経済成長も止まって「国のかたち」の抜本的な見直しが始まった。改革の波は司法にも押し寄せた。戦後70年を迎え、司法は大きな転機を迎えている。
 21世紀の司法の在り方を提言した司法制度改革審議会は2001年、裁判所に国民的基盤を強化するよう求めた。刑事裁判に市民が加わる裁判員制度が09年に始まり、裁判官の任命や裁判所の運営に外部の声が反映される仕組みも取られた。
 時を同じくして最高裁は、相次いで法令違憲判決を出した。衆院選で投票できなかった在外邦人が起こした選挙権制限訴訟で05年、公選法の改正を怠った立法府の怠慢を認めて国家賠償を命じた。
 国籍法訴訟でも08年、国籍法の規定を「不合理な差別」と断じ、13年に婚外子の相続差別を定めた民法の規定も違憲とした。「選挙で国民の信託を得た存在ではない」と立法、行政府に遠慮してきた最高裁の裁判官が、変わり始めているようにもみえる。
 司法に対する国民の要望はかつてないほど高い。原子力発電所の再稼働や安全保障政策、公共事業など、世論を二分する問題も次々に法廷に持ち込まれる。消極から積極へ、司法はかじを切るのか。
 ある元最高裁判事は指摘する。「政治の領域に踏み込めば判断は政治的になるだろう。司法は立法、行政による策が尽きた後の最後のとりでであるべきだ。無限に司法の役割が拡大していくことが好ましいとは思えない」
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 ◇憲法第八一条
 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
==============  
 
最後の砦の最高裁でも、残念ながら「政治の領域に踏み込めば判断は政治的になるだろう」と最高裁判事のOBが指摘するように、政治的な判断を下すような違憲判決はなかなか難しい。
 
例えば選挙における「一票の格差」については「違憲状態」までは判断できるが、明らかに「違憲であり選挙は無効」とまで踏み切る判決を下せば、国会と内閣に大きな空白期間が生じてしまうからである。
 
しかし民法に関しては明らかな違憲判決が近年は出ている。 
 
そして先週は最高裁大法廷で2つの民法に関する憲法判断が出された。
  
<夫婦別姓認めぬ規定「合憲」 最高裁初判断 「家族の姓一つに合理性」>
 2015年12月17日 07時29分 東京新聞
 明治時代から家族のあり方を定めてきた民法の2つの規定について、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎(いつろう)長官)は16日、初の憲法判断を示した。夫婦別姓を認めない民法750条が憲法違反かどうかが争われた訴訟では、「結婚時に夫または妻の姓(氏)を名乗る」との規定を「家族の呼称を1つに定めることには合理性があり、女性の不利益は通称使用で緩和できる」と、合憲と判断した。女性のみ再婚を6カ月間禁じる民法733条をめぐる訴訟では、100日を超える部分を「生まれた子の父の推定には不要で違憲だ」とした。最高裁が法律の規定を違憲としたのは戦後10件目。再婚禁止期間については、国会は今後、100日に短縮する法改正をする。
 最高裁は夫婦別姓訴訟の判決で、「いずれの姓を名乗るかは夫婦の協議に委ねており、規定には男女の形式的な不平等はなく、憲法違反とはいえない」とした。ただ、希望すれば結婚前のそれぞれの姓を名乗れる「選択的夫婦別姓制度」にも一定の合理性を認め、「どのような制度にすべきかは、社会の受け止め方を踏まえ、国会で論じられ判断されるべきだ」と、国会での積極的な議論を促した。
 現在の規定が「合憲」との判決は裁判官15人のうち10人の多数意見。女性裁判官3人は全員が違憲と判断し、「多くの女性が姓の変更による不利益を避けるため事実婚を選んでいる。別姓を全く認めないことに合理性は認められない」などとした。
 判決は「姓の変更で不利益を受けるのは女性の場合が多いと思われる」と認めたが、旧姓の通称使用が一般的になっていることなどから、「個人の尊厳と男女の平等に照らして合理性を欠く制度とは認められない」と結論づけた。
 夫婦別姓をめぐっては、法相の諮問機関の法制審議会が1996年、選択的別姓制度の導入を盛り込んだ民法改正案を答申した。しかし、自民党などから「家族の一体感が壊れる」といった批判を受け、法改正は棚上げされてきた。
 訴訟の原告は東京都、富山県、京都府の男女5人。国会が選択的別姓制度を導入するための法改正を行わず精神的苦痛を受けたとして、計600万円の損害賠償を求めた。2013年の一審東京地裁判決は「結婚後、夫婦が別姓を名乗る権利は憲法上、保障されていない」として請求を棄却。昨年3月の二審東京高裁判決も規定を合憲と認め、一審判断を支持した。
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合憲判決を出したのが全員男性で、その年齢は全員60代後半なので「やはり・・・」という気持ちになってしまう。
 
しかし3人の女性裁判官は全員が違憲を表明したところに、この判決には古臭い男性社会の残滓を感じてしまう。
 
とは言っても判決をよく読むと「これらの判断は、いわゆる選択的夫婦別姓制度に合理性がないと断ずるものではない。この種の制度の在り方は、社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、国会で論じられ、判断されるべきだ」と書いてある。
 
それは、国会でキチンと議論しろと言っているのだが、これまでも夫婦別姓の法律が国会に提出されそうになると、必ず自民党の古き悪しき男社会の末裔みたいな連中が「家族崩壊につながる」「離婚促進法だ」って難癖つけて潰してきた。

そんな連中の真ん中にいるのが安倍晋三首相であり「最高裁『夫婦別姓』否定判決の原因? 安倍首相が『夫婦別姓は家族の解体、共産主義のドグマ』と時代錯誤の恫喝発言」という記事に、過去のトンデモない言動が詳述されている。  
 
さらに前述した毎日新聞の記事の続きががこう最高裁の実情を語っている。 
 
<戦後70年これまで・これから:第13回 「憲法の番人」最高裁 違憲審査拡大するか(その2止)>
 毎日新聞 2015年10月23日 東京朝刊
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 ◇「権限行使」高まる声 司法は突出避ける 憲法裁の議論、途上 欧米、積極関与
 日本の違憲立法審査権は、具体的な法律上の争いを解決するのに必要な限度で違憲性を審査する「付随的違憲審査制」を採用している。このため、法令の違憲性を抽象的に審査する権限はないとされる。法律上の規定はないが、最高裁が1952年、警察予備隊訴訟の判決でこの立場を取り、判例が固まった。
 鈴木茂三郎・元社会党委員長が自衛隊の前身である警察予備隊の設置は無効だと主張したこの訴訟で、最高裁は「将来を予想した法令解釈の論争に判断を下す権限はない」と訴えを却下した。国家の行為への抽象的な審査が許されれば「法令の効力を争う違憲訴訟が頻発し、最高裁はすべての国権の上に位置する機関になる」との判断を示している。
 集団的自衛権の行使容認を巡る違憲訴訟も、この判例を踏まえて退けられている。ベテラン裁判官は「派遣された自衛隊員が負傷するなど具体的な権利の侵害が起きない限り、違憲審査は行えない」と指摘する。ただし、与えられた権限を司法が積極的に行使すべきだとの声は根強い。
 抽象的な違憲審査を行う憲法裁判所の設置は、日本でも議論されてきた。だが、日本の立法は政府提出法案によるものが多数を占める。内閣法制局が行政府から半ば独立し、政府の法案を事前に厳しく審査することで憲法との整合性を保ってきた。憲法裁の設置には憲法改正が必要との学説が有力なこともあり、議論が高まっているとは言えない。
 違憲審査の形は国によって異なる。19世紀に違憲審査を確立した「母国」の米国は、日本と同様の付随的審査制をとる。連邦最高裁の判事9人は終身制で、大統領の指名と上院の承認を経て就任する。欠員が生じた場合、後任の選出には大統領や議会多数党の意向が反映される。
 日本と比べて違憲審査に積極的とされるが、判事の党派色が鮮明なため、判断が保守的になることも、リベラル色が強まることもある。最近では同性婚を認めていない州法を憲法違反とする判決を出した。
 ドイツは第二次世界大戦時の独裁政治への反省から、憲法裁判所による「抽象的違憲審査制」を採用する。連邦憲法裁は強力な権限を持ち、頻繁に法律を無効にしている。94年には北大西洋条約機構(NATO)域外への独軍派遣に合憲判断を下すなど政治的問題にも関与してきた。
 司法が立法府の存在を超えているとの懸念も出ているが、明治大法学部のハインリッヒ・メンクハウス教授(ドイツ法)は「法の支配を守る役割に徹しているという国民の理解があり、支持されている。日本の最高裁も、より積極的な違憲審査をしていけばいい」と指摘した。
・・・後略・・・
 
憲法裁判所による「抽象的違憲審査制」を採用しているドイツ生まれの明治大法学部のハインリッヒ・メンクハウス教授は「法の支配を守る役割に徹しているという国民の理解があり、支持されている。日本の最高裁も、より積極的な違憲審査をしていけばいい」と指摘していた。
 
すでに10月に「訴訟2件、門前払い『訴えは不適法』 東京地裁」、そして11月にも「安保法『違憲』訴訟の行方は 抽象的訴え、4件門前払い」という判断が下級審で下されており、いずれも最高裁に上告される可能性が強い。
 
その時には最高裁は紋切型のように「抽象的に法律の違憲性を問うことはできない」などと責任回避の判断だけはしてはならない。
 
来年以降、改正PKOによって海外派兵された自衛隊員に「死傷者が出るような具体的な権利の侵害」が起きたとき、最高裁は違憲審査からは逃れなくなり、「最高裁はすべての国権の上に位置する機関」として堂々と違憲判決を下すことができるのではないだろうか、とオジサンは思う。 

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2015年12月19日

納得できないニュースと得心できるニュース

約1週間前には日中最高気温が24℃までになった日があった12月だが、シベリア寒気団の到来でようやく本格的な冬らしい気候となった。 
 
週末の生ゴミ出し作業(?)のあと朝刊を取り台所で朝食時間まで読むのが定年後の日課になっているのだが、朝刊のニュース記事には「ネタ切れ」ということが無いのか、それとも各紙の現場の記者たちが精力的に取材の結果なのだろうが、さまざまなニュースがちりばめられる。
 
中にはトップ面に取り上げられない記事でも、「?」と思われるものがある。
 
<元陸将ら7人を起訴猶予 ロシア武官への情報漏洩事件>
 2015.12.18 20:22 産経ニュース
 陸上自衛隊の東部方面総監などを歴任した泉一成・元陸将(64)がロシア大使館のセルゲイ・コワリョフ元駐在武官(50)=帰国=に陸自内部の冊子を渡したとされる事件で、東京地検は18日、守秘義務を定めた自衛隊法違反の教唆容疑などで書類送検された泉元陸将や元武官ら7人を、起訴猶予とした。
 地検は秘密の漏洩(ろうえい)を認定した上で、「諸般の情状を考慮した」としている。
 泉元陸将は平成25年5月、陸自の戦術や部隊運用などを記した冊子「教範」を、元武官に手渡したなどとして書類送検された。泉元陸将は、部下だった現役やOBの自衛官ら5人に依頼して教範を入手したとされ、警視庁公安部は5人も書類送検していた。
 防衛省陸上幕僚監部広報室は「陸上自衛隊としては速やかに調査を行い、あくまで同種事案の再発を防止すべく、適正に対処します」とした。
 
この記事は産経ニュースのWeb版なのだが、他社の内容もほぼ同じなのは検察発表記事だからであろう。
 
しかし唯一異なるのは他社(他紙)の中には「事案の重大性の程度など諸般の情状を考慮した」と記述されていたのが、上記の記事では「諸般の情状を考慮した」と極めて曖昧模糊の書き方である。  
 
2年前の12月に、強行採決を繰り返して成立させたのが特定秘密保護法であり、これによって機密漏洩した役人やそれを教唆したジャーナリスまで重罰を処すと取材の自由に暗黙の圧力をかけ、また取材自体を委縮までさせたのだが、内部の人間が関与した漏洩事件にしては「起訴猶予」とがあまりにも解せない気持ちだった。 
 
そのためネット検索したら、この漏洩事件の裏側には防衛省と警察庁の利権争いというつばぜり合いがあったらしい。
 
<自衛隊の現役大物幹部、ロシアへの機密情報漏洩に関与疑惑!警視庁が書類送検の動き>
 2015.11.30 Business Journal
 11月21日、元陸上自衛隊幹部が在日ロシア大使館の元駐在武官に情報漏洩した容疑で書類送検されると、新聞各紙が一斉に報じた。この事件については、6月6日付当サイト記事『陸上自衛隊元幹部 ロシアのスパイ容疑で逮捕秒読みか 警視庁と防衛省の対立が先鋭化』でお伝えした通りだ。
 事件の概要は、東部方面総監という陸自ナンバー3の地位にあった泉一成氏が退職後、ロシア大使館付武官でロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)のスパイであったコワレフ大佐に、「普通科運用教範」と呼ばれる戦術テキストを手渡したというものだ。
 事件をめぐっては、問題となったテキストについて、隊員であれば誰でも入手できるために「秘密漏洩」ではないという陸自側の主張と、その内容が「実質的な秘密」で自衛隊法の守秘義務違反に当たるという警視庁の主張が真っ向から対立していた。同時に、この対立の背景には、官房副長官補や国家安全保障局(NSC)のポストをめぐる防衛省と警察庁の利権争いがあったとも指摘されてきた。
 結局、新聞各紙が報じた通り、この防衛省と警察庁の利権争いについては、泉元総監と泉氏にテキストを渡した陸自関係者を書類送検するということで警察の勝利で決着がついたかのように見えた。
 
現職の将官を書類送検の動きも
 しかし、警察はいまだ、防衛省への最後の一撃を準備しているという声が聞こえてくる。
「新聞報道では、泉元総監と現場レベルの陸自関係者が書類送検されると書かれていましたが、警視庁は、陸上自衛隊富士学校の学校長という、陸上作戦の要の将官までも書類送検する方針です」(公安担当記者)
 一般には馴染みのない陸自富士学校とは、陸自の歩兵、砲兵、戦車という陸上作戦の基本となる兵科の教育や訓練、研究を一手に担う、陸自の要の部署だ。その学校長ともなれば、1万人の部下がいる師団長を経験した将官が就くポストで、陸自の花形とされている。
「泉氏が総監の時に部下として勤務していたのが、現在の富士学校長です。コワレフ武官に手渡したテキストは、実は泉氏が富士学校長に頼んで入手したもの。泉氏は警視庁の事情聴取でも、陸自の要となった元部下の関与については供述しなかったようですが、最終的に携帯電話やメールの履歴から富士学校長の関与が発覚したようです。
 警視庁は、泉氏が富士学校長の関与を供述しなかった背景には、防衛省・陸自の組織的な証拠隠滅の疑いがあるとみており、見せしめの意味も込めて、富士学校長の書類送検を決めたそうです」(前出・公安担当記者)
 防衛省・自衛隊をターゲットにしたスパイ事件は過去に幾度も起こっているが、これまでに逮捕された容疑者のほとんどは自衛隊OBで、現職自衛官の関与については、2000年に発覚したロシア武官によるスパイ事件で逮捕された三等海佐(海軍少佐相当)が最高位であった。いわゆる「将軍」である現職の将官が書類送検されるとなれば、今回の事件が「戦後最大のスパイ事件」と形容されることは間違いないだろう。
 
防衛省と警察のつば迫り合い
 はたして、防衛省は警察庁に煮え湯を飲まされたまま、黙って引き下がるのだろうか。
「防衛省は、00年のロシア武官によるスパイ事件を受けて、自衛隊に対するスパイ活動や反戦運動の情報収集を担当する、自衛隊の“公安”である自衛隊情報保全隊という1000人規模の部隊をつくりました。防衛省は今回も、スパイ事件を防げなかったのは情報保全隊の陣容が足りなかったからだと理由をつけて、この部隊を強化する思惑のようです。情報保全隊が警察やマスコミの動きを嗅ぎ回って、本業の対スパイ作戦ではなく、自衛隊の不祥事が表沙汰にならないための “情報収集”をしているのは、知る人ぞ知る話です。今回の事件を受けて、防衛省と警察の“公安”によるつば迫り合い探り合いが、さらに激しくなるのではないでしょうか」(同)
 フランス・パリのテロ事件をきっかけに、政府による情報収集のあり方が議論されているなか、日本の情報機関はどうやら役所の利害とポスト争いのための情報収集に熱を入れているようだ。今回の事件について、影でほくそ笑んでいるのは、陸自の要ポストの首を取ることになった、ロシアのスパイだということを、今一度思い返してほしいものだ。
 
恐らく検察が起訴して裁判になれば「戦後最大のスパイ事件」になる可能性も出てきて防衛省の暗部が暴かれる恐れもあった。

さらに「防衛省vs検察庁」となればマスメディアの格好のネタとなり、特定秘密保護違法に対する一般国民の関心を呼び起こすことを恐れた官邸の動きがあったことが容易に推察される。 
 
ニュース記事を見て「ああ、やっぱりそうだったのか!!」と思われるのが、2020年東京五輪関連の「疑惑」と「カネ」の問題である。 
 
<旧エンブレム不正投票 票不足2作品へ「秘密裏に」 外部有識者報告>
 2015年12月19日 朝刊 東京新聞
20151219fuseiimage.jpg 2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムが白紙撤回された問題で、大会組織委員会の外部有識者チームは18日、公募前に参加を要請した佐野研二郎氏らデザイナー8人全員を通過させるため、一次審査で不正な投票があったと発表した。8人の作品を含む37作品が残ったが、その後の審査で優遇措置はなく、佐野氏ら参加要請されていた入選3作品の決定自体に影響はなかったと結論づけた。 
 報告書によると、審査委員代表の永井一正・日本グラフィックデザイナー協会特別顧問が最高レベルのデザイナーに参加してもらおうと考え、槙(まき)英俊・組織委マーケティング局長や、審査委員の高崎卓馬・組織委クリエイティブ・ディレクター(いずれも当時)と協議。応募要項の発表前、永井氏が選んだ佐野氏ら6人と、高崎氏が選んだ2人の計8人に参加を要請した。
 104作品が集まった1次審査では、審査委員8人が作家名を伏せた作品に、1作品1票のルールで最大20作品に投票。2票以上得た作品が2次審査に進む。
 高崎氏だけは8人の作品を事前に把握し、既に2票を得ていた1作品を除く7作品にそれぞれ1票を投票した。このうちの2作品は投票が進んでも1票のままだったため、槙氏と高崎氏が永井氏に伝え、永井氏が1票ずつを入れて8作品とも1次審査を通過させた。
 報告書は、この参加要請を「不適切」、永井氏の追加投票を「秘密裏に耳打ちして追加投票させた行為は、いわば隠れシードで明らかな不正」と断じた。佐野氏の作品はこの2作品ではなく、審査過程で最高票数だったため、結果に影響しなかったとした。
 報告書では「専門家集団の発想で物事を進め、国民の存在をないがしろにした」とも指摘。「ガバナンス(組織体制)の運営上の問題として真摯(しんし)に反省すべきだ」としつつ、最高責任者の森喜朗会長の責任には触れなかった。
 会見でチームの和田衛弁護士は、槙氏と高崎氏は不正を認めたが、永井氏について「他の方々に比べて違法性の意識がやや薄い」と述べた。一次審査はDVDに記録されていた。
【旧エンブレム審査委員】
永井一正 日本グラフィックデザイナー協会特別顧問(審査委員代表)
浅葉克己 同会長
細谷巌 東京アートディレクターズクラブ会長
平野敬子 デザイナー
長嶋りかこ グラフィックデザイナー
片山正通 インテリアデザイナー
真鍋大度 メディアアーティスト(電通出向者
高崎卓馬 組織委員会クリエイティブ・ディレクター(電通出向者
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<エンブレム問題> 大会組織委員会は7月、佐野研二郎氏の作品を大会エンブレムに選定したと発表。しかし、その後、ベルギーの劇場のロゴと酷似しているとの指摘が出た。佐野氏は模倣を否定し、組織委も問題ないとしたものの、同氏や事務所が手掛けた他の作品で模倣や模倣疑惑が浮上。9月に佐野氏から取り下げの申し出があり、組織委は「国民の理解が得られない」と撤回を表明した。
 
「佐野氏の作品はこの2作品ではなく、審査過程で最高票数だったため、結果に影響しなかった」とのことだが、結果的には佐野研二郎の作品が選ばれてパクリ疑惑問題に発展したことには、外部有識者チームは全く触れていない。
 
専門家の話では名前が伏せられても作品の作風から作者はわかると言っており、佐野研二郎が最初から選ばれるということも既定の事実であったことは、もはや常識であろう。 
 
大会エンブレムは、五輪スポンサー企業になれば自社の広告やホームページなどに使用できる。
 
150億円以上支払えば「ゴールドパートナー」となり、60億円以上ならば「オフィシャルパートナー」となる。
 
ゴールドパートナーには既に15社が、オフィシャルパートナーには7社が契約したという。
 
早くも2500億円以上が集まっているという。
 
まさに五輪とは濡れ手に粟のような利権まみれの事業である。
 
その事業費ともいえる運営費が当初の見込みに比べ6倍も膨れ上がっているという。
 
<東京五輪の運営費1兆8000億円 当初見込みの6倍>
 12月18日 19時12分 NHKニュース
20151219nhknews.jpg
 5年後のオリンピック・パラリンピックに向けて組織委員会が準備や運営に必要な費用を試算したところ、およそ1兆8000億円と当初の見込みの6倍に上り、組織委員会の財源だけでは大幅に不足することが分かりました。不足分は東京都や国が補填(ほてん)することになっていて、今後、公的な財政負担がどこまで膨らむのかが焦点になります。
組織委員会が5年後の大会の準備や運営を行うのに必要な費用は立候補段階では3000億円程度と見込まれていましたが、関係者によりますと組織委員会が先月新たに試算したところ、当初の見込みの6倍にあたるおよそ1兆8000億円に上ることが分かりました。
内訳は、仮設の競技会場の整備費などが3000億円、会場に利用する施設の賃借料などが2700億円、警備会社への委託費などセキュリティー関連の費用が2000億円、首都高速道路に専用レーンを設けるための営業補償費など選手や大会関係者の輸送に関する経費が1800億円などとなっています。費用の大幅な増加は、首都高の営業補償など当初、想定していなかった経費が加わったことや、資材や人件費の高騰なども要因だということですが、立候補段階での見通しの甘さが浮き彫りになった形です。
一方、組織委員会がチケット収入やスポンサー企業などから集められる資金は4500億円程度と見込まれ、このままでは1兆円以上が不足します。組織委員会は経費の削減とともに東京都や国の事業として実施できるものがないか検討を進めることにしていて、最終的に不足分を補填することになる都や国の財政負担が、今後どこまで膨らむのかが焦点になります。
 
費用は組織委・東京都・国が分担
5年後のオリンピック・パラリンピックに必要な費用は、主に、組織委員会や、東京都、それに国が分担して負担することになっています。このうち競技会場については国がメインスタジアムの新しい国立競技場を整備しますが、総工費に設計費など関連費用を含めた1581億円のうち、国がほぼ半分の791億円程度を負担し、東京都も4分の1の395億円程度を負担する方針を決めています。また東京都は大会後も施設を残す競技会場の整備などを担当し、これだけで合わせて2241億円を支出する予定です。そして、組織委員会は、大会後に取り壊す仮設の競技会場の整備をはじめ、会場の警備や、選手の輸送などといった大会の準備・運営を担当することになっていて、立候補段階ではその費用は3000億円程度と見込まれていました。
しかし、組織委員会が試算したところその費用は1兆8000億円に上ることが分かり、国や東京都が競技会場の整備で負担する費用を合わせると2兆1000億円以上に上ることになります。
 
財政負担の拡大避けられず
組織委員会は今後、費用を削減できないか検討を進めるとともに東京都や国の予算で実施できるものがないか役割分担の見直しを進めることにしています。都や国の事業の対象になる可能性があるのは、会場やインフラなど大会後も残され、都民、国民が利用できるもの、また、交通インフラの整備など大会開催による都民活動への影響を抑えることにつながるものなどが考えられています。組織委員会は来年5月にIOCに予算の計画を提出するため都や国との協議を急ぐことにしていますが、最終的に都や国が不足分を補填することになっているため公的な財政負担の拡大は避けられない情勢で、都民、国民が納得できる説明がこれまで以上に求められます。
 
前回大会でも巨額の公的資金
前回、2012年に開催されたロンドン大会でも、準備や運営、それに競技会場の整備などにかかる費用が当初の見込みの3倍近くにあたる2兆1000億円余りに膨らみ、組織委員会が財源不足に陥り、巨額の公的資金が投入されました。ロンドン大会では組織委員会が大会の準備や運営を担当し、宝くじの売り上げやロンドン市などが拠出する公的資金で競技会場やインフラの整備を行う計画でした。しかし、組織委員会がチケット収入やスポンサー企業からの収入などで集めた資金は4300億円余りにとどまりました。このため当初、組織委員会が負担することになっていた競技会場などの警備や、開会式や閉会式などを開催するための費用は公的資金でまかなわれ、競技会場などの整備費と合わせて最終的に投入された公的資金は、1兆6700億円余りに上りました。
 
専門家「賛同得るには説明責任を」
オリンピックなどスポーツイベントの運営に詳しい早稲田大学スポーツ科学学術院の原田宗彦教授は運営費などが大幅に増加したことについて「オリンピックの招致の段階では国内の支持、IOCの支持を取り付けなければならず、非常に小さめの数字でまとめることが多く、今回の東京も当初、小さくまとめたことがこの結果につながったと思う」と指摘しています。そのうえで、前回のロンドン大会でも開催費用が当初の3倍に増えたことを例に挙げ、「東京も予算額が増えてもしかたない面はあるが、6倍というのはかなりの膨らみ方で、若干見通しが甘かったと思う」と話しています。また、資金の不足分については東京都と国が補填することになっていることから、原田教授は「組織委員会の財務状況が破綻することはないと思うが、都民、国民の賛同を得るために組織委員会は納得できる計画を立て具体的な数字について十分な説明責任を果たしていかなければならない」と指摘しています。
 
都市が主催するのが五輪の基本なのだが、残念ながらその運営規模からすればいずれの国でも国家的事業となり、それは青天井の公共事業となる。
 
公共事業ならば誰も責任を取る必要がないと居直る連中が多いが、最終的には主催都市の住民や国民の税金というかたちでツケが回ってくる。
 
新国立競技場の建設費が増大し大きな問題になっていた頃、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は平然と「2兆円超すことになるかもしれない」と言っていたものである。
 
こんな連中に任せても本当に大丈夫なのか?
 
アスリートにとっては自国開催で多くの支援者に応援してもらえ、五輪選手にあこがれる子どもたちには身近で一流選手のパフォーマンスを見ることができる、という甘い言葉で五輪を開催する時代では、もはやなくなっている。
 
やはり東京五輪は返上すべきであり、将来にわたって五輪は発祥地のアテネで行うという考え方にはいろいろな課題はあるにせよ、そろそろ本格的に検討すべきではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 13:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月18日

原発も核兵器もNuclearで根っこは同じ

あらためて言うに及ばずなのだが、原発(nuclear power plant)と核兵器(nuclear weapon)が紙一重であることはもはや世界の常識である。
 
例えば、北朝鮮は原発開発といって核兵器を作り、イランが原発開発は平和目的に限ると繰り返しても世界中からは信用されていない。
 
日本も4年前の福島第一原発における原発震災以降、「原子力の平和利用」という言葉は聞かれなくなった。 
 
そんな日本が、70年前には2度にわたる米国による原子力爆弾の人体実験にされるという悲惨な体験をしたにもかかわらず、核保有国のインドに原発を輸出すると安倍晋三首相がわざわざインドまで行った。
 
そのインドは核不拡散条約への加盟を拒否し続けている国であり、従来から日本はインドに原発輸出などしなかった。
 
それを安倍晋三首相はあっさり捨て去ったということであった。
 
当然ながら、まともなメディアは懸念と批判を表明していた。
  
<日印原子力協定 不拡散の根幹が揺らぐ>
 2015年12月16日 東京新聞
 日本がインドとの原子力協定締結に原則合意した。核兵器を持つインドに日本の原発が輸出されれば、不拡散の理念が根幹から揺らぐ。平和利用が保証されない限り、締結を急ぐべきではない。
 安倍晋三首相がインドを訪問してモディ首相と会談し、原子力協定と、高速鉄道計画への日本の新幹線方式導入などで合意した。
 インドは過去2回核実験をし、核拡散防止条約(NPT)にも加盟していない。だが、日本はインドが1998年以来、核実験モラトリアム(一時停止)を続け、第3国に核技術を移転していないとの理由で、協定を進めた。安倍首相は首脳会談で「核実験を行えば協定は停止する」と伝えたが、文書化はされていない
 日本政府は国連総会で核兵器廃絶決議を提出し、22年連続で採択されている。核保有国へ原発を輸出することになれば、被爆国としての発信力を弱めてしまうだろう。広島、長崎両市長も今回の協定合意を懸念する談話を出した。
 協議は民主党政権時代に始まったが、安倍政権は成長戦略の一環として交渉を加速させた。福島第一原発の事故後、海外市場に活路を求めたい経済界の意向も考慮したといえよう。
 人口約12億人のインドは、深刻な電力不足の解消と、石炭火力による温室効果ガスの削減を迫られ、原発の増設に前向きだ。既に米国やフランスとは原子力協定を結んでいるが、米仏日の原発関連企業は合弁、提携が進んでおり、日本との協定がないと本格的な原発建設ができないという事情があった。
 だが、経済の利点にだけ目を向けていたら、軍縮、不拡散という本質を見失ってしまう。
 いま米国、ロシアの核軍縮交渉は完全に足踏みし、NPT体制が危機に直面している。日本がインドを特別扱いして原子力技術を提供すれば、NPT弱体化はさらに進むのではないか。
 インドは、やはり核を保有する隣国パキスタンとの間で緊張が続く。核弾頭が搭載できる長距離弾道ミサイル(射程約5000キロ)を保有するが、中国全土を射程に収める。
 今回の首脳会談では、使用済み核燃料の再処理は先送りされた。日本側はインドに対し、軍事転用をしないという確実な措置を強く求め、交渉も慎重に進める必要がある。被爆国・日本の世界に向けた責任は軽くはないはずだ。
 
不思議なことに当日付けで「『核実験なら協力停止』日印原子力協定に明記へ」という記事が讀賣新聞から出ていたが、どうやら世間の批判をかわすために事前に外務省幹部がリークしたようである。
 
そして翌日、こんな記事が発信された。
 
<インド核実験なら燃料再処理停止 - 日印原子力協定、歯止め判明>
 2015/12/17 共同通信
 安倍晋三首相のインド訪問時に原則合意した原子力協定で、インドが核実験をした場合には「安全保障上の脅威」として、日本の輸出した原発から出た使用済み燃料の再処理を即時停止する手続きを明文化することが17日、分かった。再処理は核兵器の材料となるプルトニウムの量産につながる。日本政府は核実験や軍事転用の歯止めとなる「平和利用の担保」を取ったと強調しているが、具体的な内容を明らかにしていなかった。
 複数の交渉筋によると、日本は原発輸出国の立場で初めてインドに再処理を認める「事前同意」を与え、同意撤回のカード確保で核実験再開の道を閉ざしたい考え。
 
「平和利用の担保」を取るために「日本の輸出した原発から出た使用済み燃料の再処理を即時停止する手続きを明文化する」ことを確認するには日印原子力協定を確認しなければならず、それは国会の責任であり野党はきちんと追及しなければならない。
 
「3.11」の原発震災以来、「原子力ムラ」という言葉とその実態がさまざまな形で明らかになっているが、その勢力は依然として衰えるどころか結束が強まっているようである。
 
<原子力機構業務ほぼ独占 関連企業の落札率99%超>
 2015年12月18日 朝刊 東京新聞
20151218familydangou.jpg 日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)のファミリー企業・団体への不透明な発注問題で、一般競争入札でファミリー企業が獲得した業務の予定価格に占める落札額の割合(落札率)が、過去5年間の平均で99%を超えていたことが、機構や関係者への取材で分かった。ファミリー企業だけで競争した場合には100%のケースも多数あり、異常な状態になっている。 (小倉貞俊)
 通常、一般競争入札をすると、落札率はばらつきがあるものの、予定価格の80%前後で落ち着くケースが多い。90%超ばかりとなれば、予定価格が漏れていたり、談合があったりする可能性が指摘される。
 しかし、機構の公表データや関係者によると、ファミリー企業だけが参加した競争入札は、保守・管理や技術開発など各年度に百件前後あり、ほぼ全てが二社だけの争いになっている。落札率も100%近くだったという。
 ファミリー企業の担当者は「同じ業務は同じ仕様で発注されることが多く、前年度の契約額と同額を入れれば、たいていの場合は獲得できる」と話す。他社が受注し続けてきた業務を獲得しようと挑戦することもあるが、「初めての業務は分からない部分も多く、前年度と同額で競り落としても採算を取るのは難しい。少し額を多くし、『落とせれば幸運』と考える。現状を守れればいい」(別企業の担当者)という。
 各担当者の話に共通するのは、ファミリー企業以外からの新規参入はほとんどないのが実情のため、価格競争をする必要性を感じていない点だ。その分、税金で賄われている機構予算を節減する機会が失われたともいえる。
 ファミリー企業をめぐっては、互いに株式を持ち合ったり、中心的な企業が何社もの株式を保有したりして、いくつかのグループができている。ファミリー企業だけの競争入札の中には、グループ内の企業だけが入札し、名実ともに競争がなかった事例も少なからずあるという。
 こうした現状について、機構の担当者は「次年度の入札に影響するので落札率は公表していない。ただ、落札率が100%近くになるケースがあるのは、公表している契約額を見て各社が予定価格を類推していることが考えられる。適正な競争が行われるよう、さらに改善に向けて努力していく」とコメントした。
 機構を所管する文部科学省原子力課の担当者は「落札率の状況は承知しているが、予定価格が推測される恐れがあり、コメントはできない」と話した。
 
原発関連の記事では他社の追随を許さない東京新聞ならではの記事が出ていた。
 
<福島原発事故 2・3号機の部品溶融 注水遅れ外部汚染要因>
 2015年12月18日 朝刊 東京新聞
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2011年3月16日、原子炉建屋上部から蒸気が上がる福島第一原発3号機=東京電力提供

 東京電力は17日、福島第一原発事故の際、2号機で原子炉圧力容器内の蒸気を抜いて圧力を下げる「逃がし安全弁」と呼ばれる弁を作動させるための装置のシール材が、高熱で溶けていた可能性があると発表した。また3号機でも原子炉格納容器のふたのシール材が溶け、放射性物質を含んだ蒸気が隙間から直接、環境に放出されていた可能性が高いことも分かった。
 いずれも事故の未解明部分として進めていた調査で判明した。2号機のシール材溶融は「原子炉の圧力を下げる作業が難航し、注水が遅れた要因の一つとなった可能性もある」としている。
 2号機では、逃がし安全弁を作動させるために窒素ガスを送り込む「電磁弁」と呼ばれる装置のゴム製シール材が溶けた可能性がある。耐熱温度は約170度だったが、検証の結果、高温だと短時間の使用にしか耐えられないことが判明した。
 2号機では2011年3月14日、原子炉に注水を続けてきた冷却装置が停止、消防車による代替注水を試みたが、炉内圧力が高く水が入らなかった。東電は圧力容器の蒸気を抜くため仮設バッテリーで八個ある逃がし安全弁を開く操作をしたが難航。何度か操作するうち、弁が開いて注水が可能になった。
 東電は、電磁弁のシール材が溶けたことで窒素ガスが漏れ、逃がし安全弁が作動しなかった可能性があるとみている。
 一方、3号機でも格納容器のふたの接合部に使われていたシリコーン製シール材の耐熱性が不十分だったため高温で溶けて隙間ができ、格納容器の気密性が失われた。
20151218jyoukihousyutuimage.jpg 3号機では格納容器から蒸気を放出するベントを13〜16日に計6回試みたが、うち4回は格納容器内の圧力や電源不足などの影響で十分な効果がなかったことから、第一原発周辺の土地を汚染した3号機由来の放射性物質の大半は、ベントではなく格納容器の隙間から放出されたと判断した。
 東電は、再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)では高温下でも長時間の使用に耐えられるシール材に交換する方針。
<逃がし安全弁> 原子炉圧力容器の圧力が異常上昇した場合に損傷を防ぐため、容器内の蒸気を格納容器下部の圧力抑制室へ逃がす弁。蒸気は圧力抑制室内の水で冷やされ液化される。原子炉1基に複数設置されている。一定の圧力を超えた場合に自動で作動するケースと、中央制御室から遠隔操作で作動させるケースがある。弁を作動させるには電源のほか、装置内のピストンを動かすための窒素ガスが必要となる。
 
発表された資料「福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・検討結果「第4回進捗報告」は本文だけで60ページ、そして膨大な添付資料があり、とても一般国民には読み解くことは困難である。
 
しかし「映像アーカイブ」にはかなりわかりやすく図解されており一見の価値はある。
 
それにしても、改めて原子力発電の仕組みの複雑さを知ったのだが、ひとたび爆発事故が起これば、その原因も数年程度では解明できないということであり、そんな「危険な原子核発電」を外国に簡単に売りつけるというのが安倍晋三首相。
 
幻となった「三本の矢」の成長戦略が全く機能しない焦りからか、原発関連企業の利益のためにはたとえ12億人のインド人に大きなリスクを与えても構わないと安倍晋三首相は考えているのであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月17日

米国に言いなりの思いやり過ぎ予算

「昼夜健康(昼夜兼行)」とか「和婚洋妻(和魂洋才)」などという「誤字熟語」はいくつか創ったことがあるが、このような「創作四字熟語 『波乱番号』『責任十代』 住友生命発表」には足元にも及ばない。
 
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今は亡き防衛庁長官・金丸信が、在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部(62億円)を日本側が負担すると決めたのが1978年だった。
 
日米地位協定の枠を超える法的根拠のない負担に対して、円高ドル安などによってアメリカの負担増を考慮した金丸信が、「思いやりの立場で対処すべき」などと国会答弁したことから、思いやり予算と呼ばれるようになった。
 
それ以降、自民党政権の下では以下のような経緯を辿っている。
 
1978年 - 在日米軍基地日本人労働者の福利厚生費の一部を負担開始。
1979年 - 同労働者の給与の一部を負担開始。提供施設の整備が始まる。
1987年 - 在日米軍駐留経費負担特別協定を締結。在日米軍基地日本人労働者の手当の負担開始。
1991年 - 在日米軍基地日本人労働者の基本給の負担開始。(上限人数制限有)在日米軍施設の光熱費の負担開始。
1996年 - 在日米軍訓練移転費用の負担開始。
2001年 - 日本側が基本給を負担する在日米軍基地日本人労働者の上限人数を引き下げで合意。
2006年 - 期間を2年間に短縮した在日米軍駐留経費負担特別協定の新協定(以下「新特別協定」)を締結。
2008年 -「新特別協定」の3年間延長案、いわゆる「ねじれ国会」のため、参議院外交防衛委員会で、初めて否決。
 
当初は日本人労働者の給与や手当関係に支給されていたのが、1990年代から娯楽・保養施設、果ては日本人従業員に貸与される制服や備品までも思いやり予算で処理されている事が指摘され、さらには、バーテンダー・宴会マネジャーの給与等々、不適切な支出が発生していた。
 
このような不適切支出が判明し2008年度の予算について、野党であった民主党は「レジャー向けの職員の人件費まで日本が負担するのはおかしい」などとして反対した。 
 
そして2009年に民主党が歴史的な政権交代を果たし、これらの「思いやり予算」も見直しされると期待がもたれたが、鳩山由紀夫政権が「日米安保マフィア」に潰され、2011年1月21日には「安保政策では自民党以上」とかつての小泉純一郎首相に称賛されていた前原誠司外相が、以下のような会見を行っていた。 
 
(1)在日米軍駐留経費負担に関わる特別協定の署名について
【前原外務大臣】私(大臣)からは1点お話ししたいと思います。本日午前中に米国のルース大使との間で、在日米軍の駐留経費に関わる特別協定に署名をいたしました。向こう5年間の駐留経費に関わる協定を結んだ訳でありますけれども、一日も早く国会で承認されることを望んでおります。
 これの意義について改めてお話ししたいと思いますが、日米同盟というのは、日本の安全保障のみならず、我が国、あるいは、このアジア太平洋地域を取り巻く戦略環境が変化をしていく中で、日本の安全保障のみならず、この地域の安定のための公共財として極めて重要であるという観点から、厳しい財政状況でありますが、総額を5年間維持するとの決定をいたしました。もちろん、自らの国の安全保障は自衛隊を含めて、自らがしっかりと対応を一義的に行っていくということが基本でございますが、この日米同盟というものを使って、日本の安全保障、並びに、地域の安全のために活かしていくことが大事であると思っております。したがいまして、そういった観点を含めて、日本の安全保障、外交における戦略的な特別協定であるという観点から、もはや「思いやり予算」という言葉は適当ではないというのが、私(大臣)の思いでございまして、「ホスト・ネーション・サポート」という言い方を今後はさせていただきたいと考えております。
 また、同時に、この中には、グアムへの訓練移転の経費の一部等も含まれている訳でして、そのことによって沖縄の負担軽減につながることを、私(大臣)としては期待をしております。
・・・後略・・・
 
残念ながら、その後「ホスト・ネーション・サポート」という言い方はメディアには一切現れなかった。

その後「向こう5年間の駐留経費に関わる協定」により、
●2011年 1858億円
●2012年 1867億円
●2013年 1860億円
●2014年 1848億円
●2015年 1899億円
と、微減、微増を経て2016年度からの改定交渉に入っていた。
 
しかし過去3回も交渉したが米側は削減交渉は一切応じていなかった。
 
<「思いやり予算」の改定交渉、3回目も日米の溝埋まらず>
 2015年 10月 12日 16:43 JST REUTERS
 [東京 12日 ロイター] - 在日米軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」の改定をめぐる日米交渉は、前週に開いた3回目の協議でも溝が埋まらなかった。不均衡とされてきた日米同盟間の軍事負担が、安全保障法制の成立で是正されるとの立場を取る日本は減額を求めているが、「リバランス(再均衡)」でアジアへの戦力集中を目指している米国との見解に距離があり、調整は難航している。
5年に1度見直しが行われる同予算は、根拠となる特別協定が来年3月に改定期限を迎える。日米は今夏から見直し交渉を開始し、10月5日の週までに3回の協議を開いた。日本が来年度予算案を編成する12月末までに合意する必要があるが、日本の政府関係者は「全く折り合っていない」と話す。
日本が減額を求め、米国が反対する構図は5年前と同じだが、今回は今年4月の日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定で自衛隊の役割が拡大。9月の安全保障法制成立でその実効性が担保された点が異なる。日本の領域外で米軍が攻撃を受けた場合も自衛隊が防護や反撃ができるようになるほか、米軍に対する自衛隊の後方支援が地理的範囲、内容ともに広がる。
1960年に改定された日米安全保障条約は、5条で米国による日本の防衛義務を、6条で日本による基地の提供を定め、米国では片務的な同盟とみなす声が根強い。「米国が持っていた日本に対する不満が解消するレベルに近づく」と、別の日本の政府関係者は言う。「(思いやり予算の)改定協議につなげたい」と、同関係者は減額に期待を示す。
思いやり予算は年間およそ1900億円にのぼる。本来は米側が支払うべき在日基地で働く日本人従業員の給与の一部を、円高進行や日本の物価上昇、米財政の悪化を受け、1978年から日本が負担するようになったのが始まり。
現在は特別協定に基づく従業員の基本給、米軍の訓練移転費、光熱費に加え、協定外の従業員の福利費、施設整備費も日本が払っている。前回の改定では協定内の負担は減額されたが、その分が協定外で積み増され、全体として現状維持となった。
日本は今回、レストランやバーなど基地内の娯楽施設で働く従業員約5000人の給与負担を中心に減らし、整備費も抑えたい考え。
一方、世界的に国防費を削減する中で、アジアへのリバランスを進める米国は、イージス艦など日本に配備する装備を増やそうとしている。装備が増加すれば駐留費は膨らみ、米国は日本側が労務費を負担する従業員の上限数を引き上げたり、施設整備費の上積みなどを求めているもようだ。「互いに高い球を投げ合っている」と、日本の政府関係者は言う。
米軍駐留経費を含む日本の防衛予算5兆円は、新型輸送機オスプレイや次期戦闘機F35、無人偵察機グローバルホークといった武器の高額化で年々ひっ迫している。沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設工事が本格的に進めば、米軍再編関係費が現在の約1500億円から倍増するとの声もある。「交渉は厳しいだろうが、日本から折れるわけにはいかない」と、別の政府関係者は話している。
 
4月の日米ガイドライン改定で自衛隊の役割を拡大し、憲法を「壊憲解釈」してまでも戦争法を制定し、地球の裏側まで米軍にお供しますという恭順ぶりを明らかにして「米国が持っていた日本に対する不満が解消するレベルに近づく」ことにより、思いやり予算の減額協議がうまくいくと思っていた外務省と防衛省の甘さ。 
 
その思惑は見事に粉砕されてしまった。 
 
<思いやり予算、実質増 米に譲歩へ 5年で9400億円超>
 2015年12月8日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 日米両政府は、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の今後5年間の水準を、これまでの5年間よりも実質増額とする方向だ。日本側は、安全保障関連法の成立で自衛隊の役割が増すことなどを理由に減額を求めてきたが、増額を主張する米側が譲らなかった。
 年末に決める来年度予算案に反映させるため、日米が最終調整している。思いやり予算は1978年、円高や米国の財政赤字を背景に、米軍基地で働く従業員の労務費などを肩代わりすることから始まった。日米が結ぶ特別協定の期限が15年度末で切れるため、防衛、外務両省が米政府と交渉し、16年度から5年間の予算規模を協議してきた。
 11〜15年度の思いやり予算は総額で約9300億円。関係者によると、16年度以降の5年間はそれより100億円規模で増える方向だ。基地内で働く従業員の労務費の増加を入れればさらに膨らむ。ただ、15年度は1899億円と高水準だったため、今後5年間は単年度でみればその水準以下になることもある。
 日本側は当初、娯楽施設で働く従業員の労務費の廃止などを提案し、年数百億円の減額を要求した。安保関連法が成立し、米軍に対する自衛隊の任務が拡大することも、減額を求める理由の一つだった。
 これに対し、米側は外交・安全保障の軸足を中東からアジア太平洋に移すリバランス(再均衡)政策をとり、最新鋭のイージス艦を日本に追加配備することなどの見返りとして、日本に負担増を要求し、交渉は平行線をたどった。合意期限の12月に入り、日本側が「日米関係に水を差してはいけない」(政府関係者)として譲歩する方向となった。
 思いやり予算とは別に、沖縄の米海兵隊のグアム移転などを含む米軍再編関連経費(15年度は1426億円)は、16年度が大幅に増える。思いやり予算と合わせた対米軍経費全体は、過去最高水準の今年度(3114億円)を超す見通しだ。
 来年度予算案の防衛費も過去最高を更新し、初の5兆円を超えるのは確実。12年末に第2次安倍政権が発足してから、防衛予算は毎年増え続けている。
 
昨夜のニュースでは中谷元・防衛相は思いやり予算が減額できなかったことを質問されたとき、「交渉事なので個々にはお答えできません」と平然と答えていたが、要するに米国と対等に交渉できなかったということを図らずも暴露してしまった。
 
あくまでも「思いやり」から始まった予算措置が時の経過とともに、米国にとっては「当然の予算」と既得権となってしまったのであろう。

本来ならば日本の好意から出た予算措置であったので、今後の5年間は「大幅に減額する」と通告するだけで良いはずである。

一体、どこまで卑屈にならなければならないのか。
 
「米国の財布」とか「米国のATM」といわれて久しい日本。 
 
米軍基地がある各国の中でも日本における米軍人1人当たりの費用は突出している。
 
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こんな日本が米国に自ら差し出した辺野古新基地などは、米国にとっては造ってもらって当然という姿勢を貫いている。 
 
日米安保条約・地位協定上も支払い義務のない米軍関係経費である「思いやり予算」については、野党では唯一共産党だけが「米軍関係経費負担 『思いやり』もうやめるべきだ」と主張しているのだが、前原誠司を始め安保マフィア連中が跋扈している民主党が共産党と「戦争法廃案」のみで一致協力ということは、民主党が解党し「隠れ自民党員」連中が放逐されない限りはありえないであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:20| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月16日

「安」を倍増すると「不安倍三」になる

1995年から始まった日本漢字能力検定協会のキャンペーンである「今年の漢字」。
 
ちなみに、昨年までの選ばれた「漢字」は以下の通り。
 
震・食・倒・毒・末・金・戦・帰・虎・災・愛・命・偽・変・新・暑・絆・金・輪・税>  
 
そして今年は大方の予想に反したのかどうかは分からぬが、投票数が一番多かったのだから仕方がない。
 
<今年の漢字 「安」に>
 毎日新聞 2015年12月16日 東京朝刊
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 日本漢字能力検定協会(京都市下京区)は15日、この1年の世相を漢字1字で表す「今年の漢字」に「安」が選ばれたと発表した。安倍晋三内閣のもとで全保障関連法案の是非が議論されて国民の関心が集まったことや、世界で頻発するテロや異常気象で全が脅かされ、人々を不にさせたことなどが理由に挙げられた。
 応募総数は12万9647票で、1位の「安」は5632票を集めた。2位は4929票の「爆」で、3位以下は「戦」「結」「五」が続いた。世界文化遺産の清水寺(京都市東山区)で森清範(せいはん)貫主(かんす)が縦1.5メートル、横1.3メートルの和紙に「安」の字を揮毫(きごう)した。【礒野健一】
 
さっそく、こんなツイッターが飛んできた。


まともな新聞では取り上げないだろうと、自民党機関誌(?)を覗いてい見たら、やはり記事にしていた。 
 
<「安」倍増すると「安倍」になる…首相おどける>
 2015年12月15日 19時50分 讀賣新聞
 安倍首相は15日、2015年の世相を表す「今年の漢字」に「安」が選ばれたことについて、「テロや災害が続き、国民の安全や安心を願う気持ちが強かったのではないか」と述べた。
 「政治の責任として国民の安全を守り抜く」と決意も示す一方、「『安』を倍増すると『安倍』になる」とおどけた。首相官邸で記者団に語った。
・・・後略・・・
 
戦争法案の国会審議では、度々失言を繰り返し知識の無さを露呈していた中谷元・防衛相は15日午前の記者会見で、「政治にしても経済にしても、安定、安全、安心を目標に努力し、効果が出てきた」と、安倍晋三同様の無自覚に自画自賛をしていた。 
 
もっとも、1位から3位までの漢字を並べてみれば、やはり今年の世相をうまく表している。
 
倍晋三のお蔭で、国内でも自テロの可能性が高まり、もはや集団的自衛権を行使した争モードに入りつつある。」
 
あたかも国民のためにとばかりに10%の消費税を8%にしてあげるという自公のパフォーマンスがひとまず終わったらしいのだが、今度は「軽減税率線引き、活字文化にも 出版関係者ら困惑、批判も」ということになっている。
 
自民、公明両党は15日、週2回以上発行する新聞を定期購読する場合は軽減税率の対象とすることを了承したという。
 
しかし、駅やコンビニで即売される分には10%が適用されることになり、あるスポーツ紙の経営幹部は「駅やコンビニの売り上げへの影響は必至。販売費がかからない分、即売の方が利益率が高く、経営への影響は避けられない」と語る。
 
一方、駅売りが中心の夕刊紙「日刊ゲンダイ」を発行する日刊現代の寺田俊治編集局長は「知的インフラを守るのに、新聞を宅配と駅売りで線引きする理由がわからない。決め方が不透明だ」と反発していたが、最も安倍政権批判が激しく、安倍晋三首相も絶えずチェックしているゲンダイを狙い撃ち的に軽減税率の対象から外したと見るのは穿ち過ぎであろうか。
 
さて、4年前の民主党菅直人政権が、民主党の公約破りの消費税増税をぶち上げたことに対して、「消費税の税率引き上げに関する声明」を発表した反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士は、最近も貧困と格差の解消には法人税と所得税の引き上げが必要と言っていた。 
  
 現在、2017年4月に消費税を10%に増税することを前提として、軽減税率の範囲をどうするかについて、自民党税制調査会や自民・公明両党の与党税制協議会で盛んに議論が行われており、新聞・テレビなどマスコミもこの論議を詳しく報道している。しかしながら、マスコミは法人税や所得税の引き上げの必要性については、全く沈黙している。
 安倍政権は「財政難」を理由にして、社会保障費を聖域なく見直すとして、生活保護基準や年金の引き下げをはじめ、子育て・教育・医療・介護など様々な分野で、社会保障の削減を進めてきている。
 しかしながら、財政難を理由に社会保障費を削減しながら、法人税の実効税率(国税の法人税に地方税の法人事業税や法人住民税なども加えた税率)を引き下げるという矛盾した政策を取ってきている。法人実効税率を2015年度には34.62%から32.11%に引き下げ、16年度には31.33%に引き下げることを決めており、さらに17年度には20%台まで引き下げる方針である。法人実効税率は、最も高かった80年代半ばは52.92%だったが、その後消費税が導入され、増税されるに従って法人実効率は下げられてきた。
 税の専門家である富岡幸雄中央大学名誉教授の調査によれば、これまでの消費税収入のほとんどが、法人税減収の穴埋めに消えてしまっているということである。そしてこの事実は、消費税増税が社会保障の充実のためでも、財政再建のためでもなかったことを示していると指摘している。また、同名誉教授によれば、さまざまな優遇措置のため実効税率通り法人税を支払っている大企業は極めて少ないということである。
 東日本大震災の復興に充てる財源確保を目的として復興特別所得税と復興特別法人税が徴収されることになっていたが、2013年12月2日、自民・公明両党の与党税制協議会で1年前倒しして廃止の決定をしている。
 財務総合政策研究所の「法人企業統計」によれば、第二次安倍政権発足直前の2012年10月〜12月の従業員給与総額は28.8兆円で、法人企業の利益剰余金(内部留保)は274兆円であったが、2015年4〜6月の従業員給与総額は27.8兆円で、法人企業の内部留保は343兆円となっている。
 安倍政権下で従業員の給与総額が減少している一方で、企業の内部留保は69兆円も増えているのである。この統計を見れば、法人税の引き下げが、労働者の賃上げにはまったく結びついておらず、企業の内部留保を増やすだけの結果になっていることがわかる。
 実は所得税の最高税率も1980年当時は75%であったものが、現在は45%に引き下げられている。
 わが国で拡大し続けている貧困と格差を解消するには、課税において応能負担原則を貫き、富裕層や大企業に対する課税を適正化し、社会保障制度を通じて富・所得を再分配することが求められている。財政難を克服し社会保障を充実しようとするのであれば、法人税・所得税の引き上げこそ問題にすべきなのである。
 (週刊金曜日1067号「黒風白雨」より)
 
20151216tingincurve.jpg 
「『安』を倍増すると『安倍』になる」とおどけていた安倍晋三だが、それでは、オジサンも9年ほど前につぶやいた内容を再掲してみる。
 
「安倍晋三」という文字を遊んでみよう。
『晋』をとって『不』の文字を先頭に持ってくるとどうなるだろう。
そうですね、「不安倍三」(ふあん・ばいぞう)
さらに遊べば、「安倍晋三」⇒ 「安倍晋」は「安普請(やすぶしん)」と読めてしまう。
<2006.10.1>
 
大企業と富裕層の陰には日本を支えている多くの労働者たちがおり、彼らから働く意欲と生きる希望がなくなればこの国の未来は危うくなる。
 
そうさせないためには「社会保障制度を通じて富・所得を再分配する」ことにより心から「安定、安全、安心」が得られるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:36| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月15日

やはり談合と天の声で進められるのか新国立競技場建設

安倍政権による「壊憲的解釈」による違憲な戦争法案が国会で審議されている最中に、「幸せな社会の構築を皆で考えようという啓発活動」を行っている北海道の社会福祉協議会が配布したチラシについて、自民党の地方組織の連中が圧力と脅しをかけたという。
 
<安保チラシ配布 社協4理事退任 自民が辞任要求 北海道>
 毎日新聞 2015年12月15日 00時07分
 北海道美瑛町の社会福祉協議会が8月、国会で審議されていた安全保障関連法案について考えようと呼びかけるチラシを配ったことに対し、自民党美瑛支部が社協の活動としてふさわしくない「政治的活動」として理事の処分や辞任を求め、理事4人が退任していたことが14日、分かった。
 社協や関係者によると、チラシは8月末に新聞折り込みで町内の約2700戸に配布。チラシには「皆で考えよう安全保障法案 いま、世界では紛争により尊い命がうばわれています。私たちは争いのない助けあいの社会を目ざします」などと記されていた。8月下旬の社協理事会で、メッセージを出すことを承認したという。
 自民党美瑛支部の幹部は9月に「理事が政治的内容の意思決定に関わって問題はないのか」との質問状を社協に提出。社協は「幸せな社会の構築を皆で考えようという啓発活動」と回答し、会長らが「心配と混乱を招いた」と謝罪した。
 同支部はさらに10月、「(社協の)社会的存続をも危ぶまれる大失態を招いた今回の一連の騒動」と表現し、社協の理事3人の辞任と、会長の厳重注意を求める要望書を社協に届けた。その後、理事4人が退任した。
 社協の村上和男会長は「理事の退任は混乱の責任をとる自主的なもの」と述べ、4人の退任が自民党の要望を受けてのものではないとの考えを示した。自民党美瑛支部の福井努支部長は「謝罪を受け、終わった出来事だ」と話した。
 地元の野党系の町議は「チラシは賛成、反対に関係なく法案を考えようと読める。他の組織に名指しで辞任を求めるのは異常だ」と指摘した。(共同)

表向きは「理事が政治的内容の意思決定に関わって問題はないのか」という質問の体裁を取ってはいるが、本音は「政治的な行動をするな」ということであり、安倍政権に反対する行為をすべて「政治的」という言葉で批判する最近の風潮の典型的な現れであった。
 
しかも「社会的存続をも危ぶまれる大失態を招いた今回の一連の騒動」との表現は、社会福祉法に定められ、行政区分ごとに組織された団体であり、運営資金の多くが行政機関の予算措置によるという立場の弱い社会福祉協議会に政治家が圧力をかけるという、まさに当時の追い詰められた安倍政権の焦りの象徴的な出来事であった。
 
さて、あたかも国民の声に応えるかのように白紙撤回された新国立競技場建設問題も公募案が出そろって、日本スポーツ振興センター(JSC)はホームページで技術提案書を公開した。 
  
<「新国立」応募2案を公開 募集意見の反映「可能性小さい」>
 2015年12月15日 朝刊 東京新聞
20151215sinkokuritushedule.jpg 2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画で、設計・施工業者を決める日本スポーツ振興センター(JSC)は14日、大手ゼネコンなどの二グループが提出した技術提案書を公開した。JSCは建築の専門家らでつくる審査委員会で評価し、関係閣僚会議の了承を得た上で今月下旬に業者を決める。 
◆JSC、年内決定
 ホームページで国民の意見を募ったり、関係スポーツ団体などの声を聞く手続きも始めた。だが意見を踏まえて計画を見直すかどうかについて、JSCの池田貴城(たかくに)理事は会見で「(今まで)かなり聞いているので、可能性は小さいのではないか」と説明。意見募集が形骸化する可能性も出ている。
 本体工費はA案が1490億円、B案は1497億円で、上限の1550億円(関連工事22億円を含む)を下回った。両案とも国際オリンピック委員会(IOC)が要請している20年1月より早い19年11月に完成させるとした。
 JSCは「審査に影響を与える恐れがある」として業者名を明らかにしていないが、関係者によると、A案は旧計画でスタンドを建設予定だった大成建設を中心とするグループ。B案は竹中工務店、清水建設、大林組などの共同企業体(JV)とみられる。 両案とも明治神宮の森のイメージからか「杜(もり)のスタジアム」をコンセプトに掲げた。周辺に樹木を配置し、スタンドの一部に木材を使う。旧計画で70メートルだった建物の高さはA案で49.2メートル。B案で54.3メートルに抑えた。
 公共工事で業者選定前に応募内容を公表するのは異例。JSCは「(情報公開が不十分とされた)前計画の反省から情報は出そうと考えてきた。審査のプロセスはできるだけ透明化していく」と説明した。業者は大東和美理事長が最終的に決めるとしている。
<意見の応募方法> JSCのホームページにアクセス。トップページの「法人からのお知らせ」欄にある「新国立競技場整備事業に関する技術提案書の公表」の下の「ご意見について」をクリックすると書き込める。
 
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公開された「技術提案書」の中身をそのまま使用できないので、毎日新聞・写真特集から2つのプランの外観図を紹介する。
 
【Aプラン】
■日本建築の特徴を活かし、気候・風土や景観と調和したスタジアムを創出します
 
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【Bプラン】
●日本らしさに配慮した計画 神宮内苑・外苑の歴史に立脚しつつ、日本の「新しい伝統」を創ります
 
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<新国立、計画案公表 「狭き門」似通う2案 費用・工期、審査のカギに>
 毎日新聞 2015年12月15日 東京朝刊
20151215hikaku_mainiti.jpg 同じタイトル/木材で「日本らしさ」
 新国立競技場の新たな計画案が14日公表された。白紙撤回された旧計画には46作品の応募があったが今回の応募は2案のみ。しかも2案は似通い、審査で重視されるコストと工期がほぼ一緒で、「杜(もり)のスタジアム」というタイトルまで同じだった。新計画は設計と施工を一括して担う事業者を公募し、大半の建築家が施工会社と組めず、応募は狭き門になった。競争原理が働かない状況に批判の声も上がる。【山本浩資、飯山太郎】
 「コストと工期が限られた要求水準で、似たようなものが出てくるだろう」。今回の公表前、あるゼネコン関係者は指摘していた。
 A案は「外苑の緑と水とスポーツのネットワークをつなぐスタジアム」、B案は「神宮外苑の歴史を継承して『新しい伝統』を再発見し、明るく豊かな杜に包まれたスタジアム」をコンセプトとする。イラク出身で英国の建築家、ザハ・ハディド氏がデザインした旧計画は、巨大な弓状構造物などから景観上の問題を批判された。今回は両案とも神宮外苑に合う「日本らしさ」を前面に出した。
 スタジアムの構造はA案が3層式、B案は2層式。しかし、ある設計関係者は「客席全体の奥行きがほぼ均一で、長円形の平面形状にまとめられているため、両案の印象は酷似している。同一のタイトルを含め残念な偶然」と指摘した。
 2案を今後、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に設置された技術提案等審査委員会(委員長=村上周三・東京大名誉教授)が審査する。ヒアリングを経て、専門家の委員7人が1人140点満点で採点する。このうち「コスト・工期」が70点と、評価点の半分を占める。
 総工費を比較すると、A案が1490億円、B案が1497億円と差はない。コスト・工期の縮減方法として、A案は「同一フレームをシンプルに組み合わせる構造」と技術力をアピールし、B案は「施工3社の威信をかけた盤石体制」を掲げ、共同事業体の実績を強調する。ゼネコン関係者は「コスト・工期縮減の具体的な部分は黒塗りで公表された。審査で差が出るポイントだろう」と話す。
 2案はともに「木材」の利用が特徴となった。A案は「水平」、B案は「垂直」を意識していると専門家は指摘する。A案は各層のひさし状の部分に寺社仏閣に用いられる「垂木」を配し、法隆寺(奈良県)の五重塔を引き合いに出した。72本の列柱でスタンドを囲んだB案は三内丸山遺跡(青森県)を例に、縄文時代に祭祀(さいし)の場で巨木の列を並べた点に触れた。
 設計関係者は「木材をA案は屋根、B案は柱に用いている。スタジアムを訪れた時、いつどこで木材が見えるかで大きな違いがあると言えるかも」と話した。
 旧計画の見直しを訴えてきた槙文彦氏ら建築家グループの大野秀敏・東京大名誉教授は「鳥瞰(ちょうかん)図を見て前より地味などの意見が出るかもしれないが、目線の高さで周囲の環境に溶け込んでいるかを議論していくべきだ」と述べた。
設計・施工一括方式 応募事業者限られ
 旧計画のデザインコンクールに応募した建築家の遠藤秀平・神戸大教授(55)は、新計画でも大手ゼネコンを含む5社にデザインを提案したが、組む施工会社が見つからなかった。
 新計画でJSCは設計・施工を一括して公募した。大規模工事のため、建築家は施工会社と組めなければ応募できない。遠藤さんは「限られたメンバーしか参加できないのは時代に逆行している。談合に近い。国民の英知を結集して作るという形にならなかったのが残念」と指摘する。
 遠藤さんは日本最大級の屋内テニスコート「ブルボンビーンズドーム」(兵庫県)を設計し、防災拠点の機能も持たせた。その経験を基に新デザインを考案した。ドーム状の屋根で、2工区に分けて同時施工する計画。総工費は1390億円で、完成は2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会の前。スタンド下部には災害時の避難スペース、野菜工場、水族館を想定した。「建築界が沈黙を続けていてはダメ。いい競技場の呼び水になれば」と先月、大阪で開いた個展でそのデザインを発表した。
 今回、2案しか応募がなかったことについて、JSC幹部は「コストも工期も限られる中、五輪に向けて失敗が許されないプロジェクト。結果的に2社になったのだろう」と話す。
 技術提案等審査委員会による採点は、合計を業者決定後に公表するが、委員個々の採点は公表しない。これとは別にJSCは15-17日、日本オリンピック委員会や競技団体、アスリートの声を聞き、ホームページで国民の意見を募集する。ただ、今月中に2案から一つを選ぶ予定でおり、短期間で集めた意見をどう反映させるかは不透明だ。
 新国立競技場設置本部長の池田貴城(たかくに)JSC理事は「最終的に業者は大東和美理事長が決める」と言う。審査結果と決定業者が異なる可能性について池田理事は「可能性としてなくはない」と語った。
 公募に参加したあるゼネコンの関係者は「審査員がどんな点数をつけたかや、業者決定に至った判断について納得できる説明がほしい」と指摘している。

「客席全体の奥行きがほぼ均一で、長円形の平面形状にまとめられているため、両案の印象は酷似している。同一のタイトルを含め残念な偶然」という指摘がすべてを物語っているようである。
 
決められた入札額の上限に近い両案以外に、もっと経費のかからない案はいくつもあったはずなのだが、それらは公表されていない。
 
旧計画でスタンドを建設予定だった大成建設を外すわけにはいかず、その対抗として竹中工務店、清水建設、大林組などの共同企業体(JV)を先に決めていた節がある。
 
「新計画は設計と施工を一括して担う事業者を公募」することで、多くの設計者は応募前から外される運命にあった。
 
国家予算で行う公共事業である土木工事は利権の塊である。
 
丁度1年ほど前には国立競技場を解体する業者選定で多くの疑惑が発生し、「国立競技場解体工事業者がようやく決定!『天の声』続出で、調整決着の疑いも」という醜態は記憶に新しい。
 
すでに、「新国立競技場2案 森会長「B案がいい』」とあたかも自分が「天の声」であるかのような御仁もいる。
 
JSCの池田貴城理事が会見で、関係スポーツ団体などの声を今まで「かなり聞いているので、可能性は小さいのではないか」と、計画の見直しの可能性が少なく、広く国民から集める意見募集が形骸化することも指摘しているので、たとえ工期通りに4年後に完成し想定以上の費用がかかっても誰も責任を取らないことは明らかであろう、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 13:12| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月14日

改めて問う、なぜ大手マスメディアはTPPの真実を隠すのか

誰のための何のための軽減税率なのか」の中で、リテラ記事中の「たった2%の軽減税率のために、この国の新聞は、取り返しのつかないものを失ってしまったのではないか。」を受ける形で、ほぼ完璧に近いほど安倍政権にコントロールされてしまった在京の大手マスメディア、とつぶやいた。
 
軽減税率の適用対象になるか否かは、新聞社にとって「死活問題?」らしいのであえて与党の動きに正面からの批判を控えていたようだが、国民生活にもっとも大きな影響を与えることが必至のTPP関連報道に関しては、完全に報道管制下に置かれてしまった感が強い。
 
米国の新たな植民地政策がTPPの実態」では、アジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長を招いた学習会について報告したが、その1週間後には「検証TPP―全国フォーラム」が参院議員会館で開かれた。
 
しかし、大手マスメディアはこのフォーラムに関しては一切報道せず、ネット検索で見つかったのが「日本農業新聞」の記事と赤旗のみであった。
 
まさに「ヨイショ記事・報道以外は許さない」という報道管制が徹底しているのがTPPの実態である。 
 
<TPP 隠された危険を検証 調印・批准阻止へフォーラム>
 2015年12月10日(木) 赤旗
 環太平洋連携協定(TPP)の「大筋合意」の危険性を明らかにする幅広い市民団体・個人の呼びかけによる「検証TPP―全国フォーラム」が9日、参院議員会館で開かれました。英文の協定文を分析している市民団体、個人が呼びかけたものです。
 呼びかけ人の「TPPに反対する弁護士ネットワーク」の中野和子事務局長は、安倍晋三内閣が11月に公表した「大筋合意」の協定概要は、英文の協定文の10分の1であり、日米2国間並行協議も含め、隠されていることが多いと批判。「TPPは、食の安全、健康、環境、くらしを守る仕組み・規制を壊す。全文が明らかになれば、国民にとって何の利益もない協定だと分かるだろう」と語りました。
 「大筋合意」について分野別に報告した5氏は、「大筋合意」とアメリカ国民の矛盾、史上最悪の農業破壊協定の内容、医療の営利化の危険、ISD(投資家対国家紛争処理)条項で日本が訴えられる危険、食の安全などについて詳細に報告。「大筋合意には、あちこちに関税撤廃にむけた再協議のしくみや日米秘密交渉の危険な合意がある。合意協定の内容がはっきりすれば、反対運動が広がる」などと語りました。
 TPP調印・批准阻止の運動についてアジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長が報告。アメリカでは、労働組合や市民団体、議会の反対が強く、TPP協定の実施法案は来年11月の大統領選挙が終わるまで承認される見通しがないことを紹介。「反対運動を盛り上げるため、協定全文を翻訳し、役立てるようにしたい」と述べました。
 会場いっぱいに320人を超える人たちが参加。討論では「情報公開をいっそう迫っていく」「自治体や農協を訪問し、TPP撤回の共同を広げている」「参院選挙でTPPをすすめる安倍政権に審判を下そう」などの発言が相次ぎました。
 
既に2年前には「今こそ『99%の革命』を! 最後の砦『聖域』を守れ」と書いていたTPP交渉反対論者である農林水産省出身の鈴木宣弘東京大学教授の、当日のフォーラム資料に収録された文章を出席者から入手したので、TPPの御利益なるものの実態、それを推進する異常な連中の本性がたちどころに明らかになると思われるので、以下に全文を紹介する。
 
隠され続けるTPP合意の真実と今後の対応策
東京大学教授 鈴木宣弘

どこまで国民を欺くのか〜TPP合意の政府説明の異常

 米国では、TPP(環太平洋連携協定)の影響試算を出し、それに基づいて議会で議論する手続きと日程が明示されているのに、我が国では、TPP協定の日本語版も国民に示さず、影響試算もいつ出すか曖昧にされたまま、国会決議を守ったと強弁するための国内対策だけが先に示され、しかも、関連団体から要望を聞いたふりをしただけで、対策も半年以上前に決まっていた。政府が考えている以上のセーフティネット政策の必要性を要請項目に挙げた団体には、政権党の幹部が激怒し、役所を通じて、政府が考えている以上のことを要請するなと事前に要請事項の削除を迫るという、信じられない「暴挙」が行われた。
 6,000ページに及ぶ協定の日本語版がそのうち出されたとしても、その条文の背景説明を求めると、交渉過程は4年間秘密なので説明できないとの回答が返ってくるだろう。そして、どさくさに紛れて批准してしまうという、こんな異常な手続きが「民主主義国家」で進められている。

米国の「草刈り場」日本

 TPP(環太平洋連携協定)が合意に達したとされたアトランタ会合で、日本は、決着することを目的化し、合意のためには何でもする「草刈り場」と化して、他の国が「よくそこまで譲れるね」というほどに譲歩を一手に引き受けた。
他の国が医薬品の特許の保護期間などで最後までもめたら、どちらともとれる表現を提案し、火種を残したままでも、とにかく合意した形を作ろうとした(現に、豪州政府の「成果:バイオ医薬品」によると、『重要なことは、この規定は、豪州の現在のバイオ医薬品に関する5年間のデータ保護又は我々の健康に関する制度の他の部分は、一切変更しない、従って医薬品のコストは増大させない」と発表し、米国が反発している(JC総研木下寛之顧問による))。
 日本政府は、自動車での利益確保に、ハワイ会合を決裂させるほどにこだわった(ハワイ会合の「戦犯」は本当は日本だった)のに、アトランタでは、それさえ差し出した。TPP域内での部品調達率が55%以上でないとTPPの関税撤廃の対象とならないとする厳しい原産地規則を受け入れたが、TPP域外の中国やタイなどでの部品調達が多い日本車はこの条件のクリアが難しくなっている。また、米国の普通自動車の2.5%の関税は15年後から削減を開始して25年後に撤廃、さらには、メディアも意図的に報道しなかったが、大型車の25%の関税は29年間現状のままで、30年後に撤廃するという気の遠くなるような内容である。
 
「農林水産業への影響は軽微のウソ
 
 農林水産物で「重要品目は除外」と国会決議しながら、重要5品目に含まれる関税分類上の細目586品目のうち174品目の関税を撤廃し、残りは関税削減してしまい、自動車ではほとんど恩恵がないという合意内容で、日本の経済的利益を内閣府と同じGTAPモデルで暫定的に試算してみると、控えめに推定しても、農林水産物で1兆円、食品加工で1.5兆円の生産額の減少が生じる一方、自動車でも、むしろ生産額の減少が生じ、全体で日本のGDP(国内総生産)は、わずか007%しか増加しない可能性がある。 
<表1TPP「大筋合意」の日本経済への影響の暫定試算>
             「大筋合意」  全面関税撤廃
GDP増加率          0.069%    0.184%
GDP増加額          0.5兆円    1.3兆円
農林水産生産増加額     ▲1.0兆円   ▲2.1兆円
食品加工生産増加額     ▲1.5兆円   ▲2.1兆円
自動車生産増加額      ▲0.4兆円    2.8兆円
 (資料:GTAPモデルによる東大鈴木研究室試算)
(注)関税、輸入制度、原産地規則等の変更に伴う影響を試算したもの。内閣府が算入した「生産性向上効果」(価格下落と同率で生産性が向上)及び「資本蓄積効果」(GDP増加と同率で貯蓄が増加)は未考慮(GTAPモデルは国産品に対する輸入品の代替性を低く仮定しているため、関税撤廃の影響は過小評価傾向になることに留意「大筋合意」内容を暫定的に組み込んだ試算で確定値ではないことに留意。
 
政府は農林水産業への影響は軽微であるとし、国内対策を少し行えば、国会決議は守られたと言えると主張しているが、内閣府のモデルでも少なくとも1兆円の損失が見込まれるのを軽微とは言えない。そもそも、政府は、前回、関税撤廃された場合の生産減少額として、鶏肉990億円、鶏卵1,100億円、落花生100億円、合板・水産物で3,000億円と示し、これだけでも5000億円を超えていた。今回は、同じ品目が全面的関税撤廃という同じ条件なのに、「影響は軽微」という説明は、まったく説明がつかない。また現在の輸入先がTPP域外だから関係ないというのは間違いで、関税撤廃で有利になったTPP域内国からの輸入に置き換わる可能性(貿易転換)があることこそがFTA(自由貿易協定)なのである。
 すべては、「TPPはバラ色」との政府見解に合わせて「影響は軽微」だから、この程度の国内対策で十分に国会決議は守られた」というための無理やりの説明である。コメについては備蓄での調整のみ(しかも5→3年と短縮)、牛豚肉の差額補填の法制化と豚肉の政府拠出の牛肉並みへの増加、生クリームを補給金対象にする、などの対策は、牛豚肉の赤字の8割補填から9割に引き上げる点を除いて、TPP大筋合意のはるか半年以上前に決まっていた。TPPの農産物の日米合意と「再生産可能」と言い張るための国内対策はとっくの昔に準備されていて、あとは「猿芝居」だったのである。
 
「踏みとどまった感」を演出した「演技」
 
 牛肉関税の9%に象徴されるように、今回の主な合意内容は、すでに、昨年4月のオバマ大統領の訪日時に、一部メディアが「秘密合意」として報道し、一度は合意されたとみられる内容と、ほぼ同じだ。つまり、安倍総理とオバマ大統領は、昨年4月に、実は、寿司屋で「にぎっていた」のである。
 そのわずか2週間前に日豪の合意で、冷凍牛肉関税を38.5%→19.5%と下げて、国会決議違反との批判に対して、19.5%をTPPの日米交渉のレッドラインとして踏ん張るからと国民に言い訳しておきながら、舌の根も乾かぬうちに9%にしてしまっていたのであるから、恐れ入る。
 その後は、双方が熾烈な交渉を展開し、必死に頑張っている演技をして、いよいよ出すべきタイミングを計っていただけの「猿芝居」だったのだ。フロマンさんと甘利さんの徹夜でフラフラになった演技はすごい。「これだけ厳しい交渉を続けて、ここで踏みとどまったのだから許してくれ」と言い訳するための「猿芝居」を知らずに将来不安で悩み、廃業も増えた現場の農家の苦しみは、彼らにとってはどうでもいいこと。いかに米国や官邸の指令に従って、国民を騙し、事を成し遂げることで自身の地位を守るのがすべてなのである。
そもそも、3.11の大震災の2週間後に「これでTPPが水面下で進められる」と喜び、原発の責任回避に「TPP」と言い、「TPPと似ている韓米FTAを国民に知らせるな」と箝口令をしいた人達の責任は重大だ。このような背信行為に良心の呵責を感じるどころか、首尾よく国民を欺いて事を成し得た達成感に浸っている。すべてがウソとゴマカシで塗り固められている。
 
「TPPがビジネス・チャンス」のウソ
 
 日本が、ここまでして合意を装いたかったのはなぜか。アベノミクスの成果が各地の一般国民の生活には実感されないのを覆い隠すため、TPP合意発表で明るい未来があるかのように見せかけようとした側面もある。しかし、ビジネス拡大のバラ色の世界が広がるかのように喧伝されているが、TPPがチャンスだというのはグローバル企業の経営陣にとっての話で、TPPで国民の仕事を増やし賃金を引き上げることは困難である。冷静に考えれば、ベトナムの賃金が日本の1/36という下での投資や人の移動の自由化は、日本人の雇用を減らし、賃金を引き下げる。端的に言うと、グローバル企業の利益拡大にはプラスで、中小企業、人々の雇用、健康、環境にはマイナスなのがTPPだ。
 
「健康と環境は訴えられない」のウソ
 
 特許の保護期間の長期化を米国製薬会社が執拗に求めて難航したことに、「人の命よりも巨大企業の経営陣の利益を増やすためのルールを押し付ける」TPPの本質が露呈している。グローバル企業による健康・環境被害を規制しようとしても損害賠償させられるというISDS条項で「濫訴防止」が担保されたというのも疑問だ。タバコ規制は対象外に(カーブアウト)できるが、その他は異議申し立てしても、国際法廷が棄却すればそれまでである。健康や環境よりも企業利益が優先されるのがTPPだ。
 
「消費者は利益」のウソ
 
 消費者の価格低下のメリットが強調されているが、輸入価格低下の多くが流通部門で吸収されて小売価格はあまり下がらない。さらには、日本の税収40兆円のうち1割程度を占める関税収入の大半を失うことは、その分だけ消費税を上げるなどして税負担を増やす必要があることになり、相殺されてしまうのである。
 さらには、米国などの牛肉・豚肉・乳製品には、日本では認可されていない成長ホルモンなどが使用されており、それが心配だと言っても、国内で生産農家がいなくなってしまったら、選ぶことさえできなくなる。
 
「食の安全基準は守られる」のウソ
 
 食品の安全性については、国際的な安全基準(SPS)の順守を規定しているだけだから、日本の安全基準が影響を受けないという政府見解も間違いである。米国は日本が科学的根拠に基づかない国際基準以上の厳しい措置を採用しているのを国際基準(SPS)に合わさせると言っている。例えば、「遺伝子組み換え(GM)でない」という表示が消費者を「誤認」させるとして、「GMが安全でない」という科学的根拠が示せないならやめろと求められ、最終的には、ISDS条項で提訴され、損害賠償で撤廃に追い込まれることも想定しなくてはならない。
 それらを隠して、「TPPはバラ色」と見せかけ、自身の政治的地位を少しでも長く維持するために、国民を犠牲にしてでも米国政府(その背後のグローバル企業)の意向に沿おうとする行為は容認できない。
 
米国の要求に応え続ける「底なし沼」
 
 農産物関税のみならず、政権公約や国会決議で、TPP交渉において守るべき国益とされた食の安全、医療、自動車などの非関税措置についても、軽自動車の税金15倍、自由診療の拡大、薬価の公定制の見直し、かんぽ生命のがん保険非参入、全国2万戸の郵便局窓口でA社の保険販売、BSE(牛海綿状脳症)、ポストハーベスト農薬(防かび剤)など食品の安全基準の緩和、ISDSへの賛成など、日本のTPP参加を認めてもらうための米国に対する「入場料」交渉や参加後の日米平行協議の場で「自主的に」対応し、米国の要求が満たされ、国民に守ると約束した国益の決議は早くから全面的に破綻していた。
 しかも、「TPPとも米国とも関係なく自主的にやったこと」とうそぶきながら、結局、TPP合意の付属文書に、例えば、「両国政府は、
 @日本郵政の販売網へのアクセス
 Aかんぽ生命に対する規制上の監督及び取扱い
 Bかんぽ生命の透明性等に関してとる措置等
につき認識の一致をみた。」などの形で前言がうそだったこと、国会決議違反を犯したことを平然と認めているのが、なんとも厚顔無恥である。国民を馬鹿にしているとしか言いようがない。
 さらには、米国投資家の追加要求に日本の規制改革会議を通じて対処することも約束されており、TPPの条文でなく、際限なく続く日米2国間協議で、日米巨大企業の経営陣の利益のために国民生活が犠牲になる「アリ地獄」にはまった。
 
説明責任を果たさずしての批准はあり得ない
 
 米国では批准が容易でない状況にある。米国議会がTPA(オバマ大統領への交渉権限付与)の承認にあたり、TPPで米国が獲得すべき条件が明記されたが、通商政策を統括する上院財政委員会のハッチ委員長(共和党)がTPP合意は「残念ながら嘆かわしいほど不十分だ」と表明し、このままでは議会承認が難しいことを示唆し、再交渉も匂わせている。
ハッチ氏は巨大製薬会社などから巨額の献金を受け、特にISDSからタバコ規制が除外できることなどを問題視している。次期米国大統領の最有力候補のヒラリー・クリントンさんはじめ、労働者、市民、環境を守る立場から与党民主党はそもそも反対である。「巨大企業の経営陣の利益VS市民生活」の構造だが、双方から不満が出ている。米国議会批准のために水面下で日本がさらに譲歩することが懸念される(もうしている模様)。
 農業について、政府は「規模拡大してコストダウンで輸出産業に」との空論をメディアも総動員して展開しているが、その意味は「既存の農林漁家はつぶれても、全国のごく一部の優良農地だけでいいから、大手企業が自由に参入して儲けられる農業をやればよい」ということだ。しかし、それでは、国民の食料は守れない。食料を守ることは国民一人ひとりの命と環境と国境を守る国家安全保障の要である。米国では農家の「収入―コスト」に最低限必要な水準を設定し、それを下回ったときには政府による補填が発動される。農林漁家が所得の最低限の目安が持てるような予見可能なシステムを導入し、農家の投資と増産を促し輸出を振興している。我が国も、農家保護という認識でなく、安全保障費用として国民が応分の負担をする食料戦略を確立すべきである。
 TPPに反対してきた人や組織の中にも、目先の自身の保身や組織防衛に傾き、条件闘争に陥る人もいるだろう。しかし、それでは国民は守れないし、現場で頑張っている地域の人々や農家に示しがつかない。結局、組織も見放される。現場の人々ともに、強い覚悟を持ち、食と農と暮らしの未来を切り開いていくために主張し続ける人たちが必要である。
食料のみならず、守るべき国益を規定した政権公約と国会決議と整合するとの根拠を国民に示せない限り、批准手続きを進めることは許されない。
 
「我が国の国民の生命と財産を守る」ためには必要であると戦争法を強行採決によって成立させた安倍晋三首相だったのだが、他国から軍隊に攻められる前にTPPによって「食料を守ることは国民一人ひとりの命と環境と国境を守る国家安全保障の要」をすっかり忘れ去ったかのような国益を損なうどころか、日本の国自体を米国に売り渡すという売国奴に成り下がっている。
 
12月14日は新聞休刊日なので、たまには役に立たない情報満載の新聞の代わりに、上記の鈴木宣弘東京大学教授の文章を何度でも読んだ方がズットためになるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:36| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月13日

誰のための何のための軽減税率なのか

丸々1週間、新聞を読まず、パソコンもないためネット情報にも接していなかった生活から戻ったのだが、いつの間にか消費税が10%になった時の「軽減税率」を巡る与党内の綱引きが、曖昧のまま決着したらしい。
 
自公、軽減税率の対象『食品全般』で合意 外食は含まず
 
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【朝日新聞DIGITALより】

 
軽減税率 外食除く 自公協議が決着 財源1兆円先送り
 
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【毎日新聞より】

 
大手マスメディアがこんな体たらくなので、テレビでは歯に衣着せぬ発言で知られるこの人が「室井佑月氏が軽減税率対象範囲拡大で公明党を批判『騙されている感じ』」と、いつもの調子でバッサリ切り捨てていた。

「だからなんなのって感じですよ」
「よくやってくれたとも思わない。食べ物は8%の現状維持で、ほかは10%に上がるだけでしょう?騙されている感じがしますけどね」 
「軽減税率の恩恵を受けるわけじゃない気がしちゃうんですけど」
 
財務省と首相官邸とのバトルという内幕を「政治裁定 軽減税率/上(その2止) 財務省、重ねた誤算」と報道されても、実際のところ先の室井佑月の発言が国民の代表的な気分を言い表しているようである。
 
上記の記事中では、こんな試算結果が報告されていた。
 
【家計の負担を抑制 世帯平均年1万3000円 民間試算】
 2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に、酒類と外食を除く飲食料品に軽減税率8%が適用されることになり、世帯平均で年1万3000円の負担抑制効果が見込まれる。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストが試算した。
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 永浜氏は総務省の家計調査を基に、政府・与党が合意した軽減税率が導入された場合の影響を調べた。その結果、年収200万円未満の世帯では支払う消費税額が年間約9000円減る。450万-650万円世帯の負担軽減額は約1万3000円、800万-1000万円世帯では約1万5000円だった。高所得世帯ほど食費にお金をかけるケースも多いため、軽減される金額は大きいが、年収に対する軽減割合は、低所得世帯のほうが大きくなる。
 
明らかに軽減税率は低所得者対策ではないことが分かる。  
 
そもそも3年前の民自公の3党合意がないがしろにされているという指摘が大手マスメディアには欠けている。 
 
<社会保障拡充に逆行 「一体改革」自公民合意 変質>
 2015年12月13日 朝刊 東京新聞
20151213ittaikaikaku.jpg 政府・与党内の調整で12日に決着した軽減税率導入は、野田政権当時の2012年6月に自民、公明、民主3党が交わした「社会保障と税の一体改革」の合意文書にあった検討事項の一つだった。消費税率の引き上げに関する負担軽減策として、当時の合意には介護などの自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」の導入などもあったが、棚上げされた。
 一体改革では、税率引き上げの目的を財政健全化と社会保障の安定・充実と位置付け、増税分の一部で国民負担の軽減策を実施・検討するとしていた。当時の野田佳彦首相(民主党代表)と谷垣禎一自民党総裁(現幹事長)、山口那津男公明党代表が合意をまとめた。
 合意は軽減税率、総合合算制度のほか、一定額の現金支給と減税を組み合わせた「給付付き税額控除」、負担軽減策の結論を出すまで低所得者に現金を配る「簡素な給付措置」が主な項目だった。軽減税率は、公明党が当時から主張し自民党も同調していた。民主党は総合合算制度や、給付付き税額控除の導入を訴えた。野田政権は、総合合算制度に消費税増税で得られる財源から四千億円を割り当てる方向で、準備を進めていた。
 政権交代後の安倍政権では、簡素な給付措置については、消費税率が8%に引き上げられた14年4月以降、住民税非課税の約2400万人に臨時福祉給付金として1人1万〜1万5千円を支給。15年度も10月から6千円を配った。だが、前政権が進めようとした総合合算制度と給付付き税額控除は棚上げし、軽減税率の導入に切り替えた。総合合算制度に使うはずだった4千億円も、軽減税率の財源に転用することにした。
 軽減税率をめぐって自民党が当初、対象品目を生鮮食品に限ろうとしたのは、一体改革で負担軽減策に確保されていた財源が、総合合算制度の4千億円だけだったからだ。谷垣氏が対象拡大に抵抗したのは、一体改革に強い思い入れがあったこともあった。
 3党合意で求めた主要事項を無視された形の民主党は、「軽減税率は低所得者対策とは全く違うし、社会保障の充実に逆行する。4千億円が軽減税率に回されるのは明確に3党合意違反だ」(枝野幸男幹事長)と批判している。 (後藤孝好)
 
どのような形であれ、国民は税金からは逃れられない。
 
もっとも低所得者の場合は所得税や住民税などは免除または減免されるのだが、毎日生きるための行為にかかる税金は逃れるわけにはいかない。
 
高齢者(65歳以上)が支払う介護保険料は年金から天引きされてしまう。 
 
かつては「薄く広く」税金を徴収することにより安定税収が図れるというのが財務省の狙いであった。
 
そのためには安定した職に就き、毎年少しづつでも給与が上がることが前提であった。
 
しかし正社員になれない非正規社員と呼ばれる人たちが全労働者の40%に達した現在では、年収200万円未満の貧困層が増大しており「薄い」はずの消費税は負担以外の何物でもない。
 
それでも将来の退職後の社会保障が期待できるのなら、欧州並みの高率の税もある程度は甘受できるのだろうが、集めた税金の使い道が不明で、しかも生活保護費を始め社会保障費を削減することしか考えていない安倍政権の下では重税感がますます強くなる。 
  
<増税分「率より使い道」 軽減税率決着 市民の声>
 2015年12月13日 朝刊 東京新聞
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「8%と10%の二つの税率で混乱するでしょうね」と話すサンケイスーパーの水野竜宏社長=東京都江東区で
 軽減税率をめぐる与党協議は12日、ようやく決着した。だが、外食産業や小売店は積み残された線引きの曖昧さに戸惑いを隠せない。消費者の受け止めはさまざまで「本当に低所得者に配慮されているのか」と懸念の声も上がる。軽減税率で1兆円の財源確保が必要となったことで、社会保障への影響を心配する福祉関係者もいる。 (軽減税率取材班)
◇外食産業
 軽減税率の対象として一時浮上しながら結局、適用外となった外食。東京都港区のJR新橋駅前で、安価な焼き鳥店に行くという埼玉県越谷市の会社員関根健剛(たけよし)さん(47)は「高級ヒレ肉を食べるわけではない。安くてたらふく食べられるところを探すしかないね」とぼやいた。
 仕事帰りの東京都大田区の会社員小田圭子さん(45)は「独り暮らしなので、帰りが遅くなったときは、家で作るのは面倒なので外食する」と明かし「政府が女性の活躍を応援すると言うのなら、もっと働く女性のことを考えてほしい」と不満を漏らした。
 今回の合意では、飲食店から持ち帰る食品の扱いは決まっていない。店で食べれば10%だが、持ち帰れば弁当と同じ「加工品」扱いで8%になるとの見方もある。牛丼チェーン「吉野家」の広報担当者は「買い方によって金額が変われば、お客さんは納得がいかないのでは」と指摘。「店としても説明もしづらい。できれば避けてほしい」と話した。
 江東区の吉野家で定食を食べた出張中の男性会社員(63)=神戸市=は、社会保障を充実させる消費税増税の目的がおろそかにならないか気掛かりだ。「与党は票取りになるだろうけど、目先のことばかりではだめ」と強調した。
◇小売店
 東京都江東区のサンケイスーパー。食品は8%だが、売り場には雑貨もある。水野竜宏社長は「お客さんはお年寄りが多いので、2つの税率があると混乱するでしょうね。店員もお客さんに聞かれた時、すぐに答えられるか」と不安げだ。
 2014年に消費税率が8%に上がる際、遠からず10%に上がることを見越し、税率を入れない値札で売り場を統一した。「軽減税率が導入されたら、10%のものには印を付けるなど、ぱっと見て分かりやすい表示を考えなくては」
 同店を利用する区内の鈴木文夫さん(75)は「毎日のことだから安い方がいい。なるべくたくさんのものが対象になったほうがいいよ」と導入を歓迎。「食品に加えて光熱費なども入れてほしい」
 生後10カ月の息子を抱っこして店を訪れた同区の尾上静さん(35)は「食品への適用は助かる」とする一方、「軽減税率を適用せず、その財源で低所得の家庭の子どもを他の形で支援することもできるのでは」と訴えた。
◇福祉施設
 特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人福翠会(東京都板橋区)の川渕秀稔事務長は「職員の処遇改善などを進めているのに、今後、そのための財源が減らされるのは困る。軽減するのならば財源の議論が必要だが、後回しになっている。次の世代に負担を先送りすることになってしまう」と懸念を募らせていた。
◆販売店の負担大きく
<ニッセイ基礎研究所、櫨(はじ)浩一専務理事の話> 低所得者の方が食料品など生活必需品を支出する割合が高いとして軽減の対象としているが、軽減される額は高所得者の方が多く対策とならない。
 加工品は低所得者が購入する割合が高いと言っているが、所得の高い低いで食べるものは正確に分からない。あれもこれも低所得者対策というのではなく、対象範囲はなるべく小さくすべきではないか。
 異なる税率の商品を扱う販売店の負担は大きくコストもかかる。逆にそこが雑になれば、公正性などの問題が出てくる。
 所得格差の問題は、消費税の負担軽減だけで解決できない。義務教育の給食費無償化など総合的に考えるべきだ。
◆財布のひも固くなる
<主婦連合会の河村真紀子事務局長の話> 現行の8%の消費税率でも国民は苦しい家計を強いられており、消費が冷え込んでいる。食品を8%に据え置くだけでは低所得者層を中心に生活の苦しさや負担感が軽減されることはなく、財布のひもはさらに固くなるだろう。低所得者層の負担を和らげるため、食料品など生活必需品の消費税率をゼロにしたり、日用品も軽減税率の対象にしたりしてはどうか。高所得者の所得税や企業の法人税など税制全体を見直せば、消費税に頼らずに社会保障給付費などを捻出できるはずだ。
◆別の救済措置が必要
<農林中金総合研究所の南武志主席研究員の話> 低所得者対策は軽減税率制度の導入だけで達成することはできず、所得が少ない人に給付金を渡すなど別の救済措置を設けた方が効果は高いだろう。制度導入に伴い一兆円規模の恒久財源が新たに必要になると、消費税増税の本来の目的である社会保障の財源が確保されなくなるなど、悪影響が生じる懸念がある。政府が目指す2020年度の基礎的財政収支の黒字化も実現が難しくなり、財政再建策全体を見直す必要が出てくるのではないか。財源の不足分を確保するために国債を発行し、将来世代へつけを回すことは避けるべきだ。
 
自公の綱引きの実態なんかよりもっと多くの国民の声を届けるのがマスメディアの使命であることは今さら言うまでもないことなのだが、「朝日、読売、日経が『新聞に軽減税率』決定を書かない理由…消費増税主張しながら自分達は政権と取引する卑劣」という記事を読むとつくづく気が滅入ってしまう。
 
言うまでもなく、マスメディアは政治権力から独立して、市民のためにその不正や問題点を明らかにする“権力の監視”という責務がある。だが、今回の軽減税率に関しては、ようするに業界団体が政治権力に“頭を下げて”お願いしたという構図だ。当然、政治権力はその見返りを暗に求めるし、“自主規制”という名の圧力も増す。つまるところ、新聞メディアによる政権批判や政策批判などが健全に機能しなくなるという危険性が高い
 自分たちの既得権益のために、政権批判に手心を加えるようなことがあれば、これはまさに、国民に対する裏切り行為と言っていいだろう。
 いや、それはただの懸念ではすまない。新聞業界ではすでに、今回の軽減税率適用で、参院選までは表立った政権批判はやりづらくなった、との声が出てきている。実際、今回、大新聞が「新聞」の軽減税率適用をひた隠しにしているのは、まさに、その裏切りの自覚があるからだろう。
 たった2%の軽減税率のために、この国の新聞は、取り返しのつかないものを失ってしまったのではないか。
 
ほぼ完璧に近いほど安倍政権にコントロールされてしまった在京の大手マスメディア。
 
こんな調子では来年の参院選と、同時選挙がささやかれている衆院選により最悪の巨大与党が実現し、憲法改悪に向けての地響きがすぐそこに近づいてくるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年12月12日

Fong Qi Weiの世界

今日は外出しています。
 
「つぶやき」はお休みしますが、代わりに2013年に紹介した様々なアーティスト達の作品を再現します。
 
今日は、シンガポールのアーティスト「Fong Qi Wei」 の作品をです。
 
同じ風景の2-4時間ごとの変遷をスライスして合成した写真です。
 
とどまることを知らずに流れ続ける時間の "一瞬" を刻む写真、そして移りゆく時をリアルに記憶する映像。

まさに、「Time is a Dimension (次元としての時間)」を実現しています。
 
【Fong Qi Weiの幻想的な世界】

     
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2015年12月11日

天空に映し出される山の影

明日まで家を離れています。
 
恒例の電話やパソコンや新聞から解放された生活をしています。
 
「つぶやき」はお休みしますが、代わりに2013年に紹介した様々なアーティスト達の作品を日替わりで再現しています。
 
今日は、夕陽が醸しだす山の影の天空の幻想的な写真をお楽しみください。
 
【天空に映し出される山の影】


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2015年12月10日

Levaletの世界

土曜日まで家を離れています。
 
恒例の電話やパソコンや新聞から解放された生活をしています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、代わりに2013年に紹介した様々なアーティスト達の作品を日替わりで再現しています。

今日は、フランスのストリートアーティストLevalet の作品を紹介します。
 
【Levaletの不思議な世界】

 
同じ絵を、尺度と角度を変えて並べてみました。
 
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2015年12月09日

Chooo-sanの世界

週末の土曜日まで家を離れています。
 
恒例の電話やパソコンや新聞から解放された生活をしています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、代わりに2013年に紹介した様々なアーティスト達の作品を日替わりで再現しています。   
 
今日は「武蔵野美術大学の学生」Chooo-san の作品を紹介します。
 
【Chooo-sanの不思議な世界】

 
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2015年12月08日

Nino Orlandiの世界

週末の土曜日まで家を離れています。
 
恒例の電話やパソコンや新聞から解放された生活をしています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、代わりに2013年に紹介した様々なアーティスト達の作品を日替わりで再現しています。
 
今日は「イタリアの彫刻家」Nino Orlandi の作品を紹介します。
 
【Nino Orlandiの不思議な世界】

 
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2015年12月07日

水中の庭師の世界

週末の土曜日まで家を離れています。
 
恒例の電話やパソコンや新聞から解放された生活をしています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、代わりに2013年に紹介した様々なアーティスト達の作品を日替わりで再現しています。
 
今日は、世界で急激な盛り上がりを見せる水槽ガーデニングのコンテスト「世界水草レイアウトコンテスト (IAPLC)」で55の国と地域から1,800以上の作品から選ばれた世界の頂点を極める "水中の庭師" たちの超絶技巧の写真をお届けします。
  
【水中の庭師の世界】

   
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2015年12月06日

Emma Taylorの世界

今日から週末の土曜日まで家を離れます。
 
恒例の電話やパソコンや新聞から解放された生活をしてきます。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、代わりに2013年に紹介した様々なアーティスト達の作品を日替わりで再現します。
  
今日は「本の彫刻」アーティスト イングランドのEmma Taylor の作品を紹介します。
 
【Emma Taylorの不思議な世界】

 
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2015年12月05日

徴兵予備軍へのリクルートは益々盛んになっている

もう今となっては「57件で支持層に到達確認 旭化成建材のデータ偽装物件」という記事もすっかり話題にならなくなった「杭打ちデータ偽装事件」。
 
しかし、外国の「傾きタワー、施工業者が600年後に謝罪 イタリア」という記事には思わず読みたくなってしまう。
 
そして内容がおかしいとすぐに感じた人は「虚構新聞」の「政治家に求める資質、『体格』が最多 世論調査」というタイトルには騙されることはない。
 
しかし、下記のような記事は一読して「さもありなん」という気持ちになってしまうかもしれない。
 
<小中学校に新科目「農業」を 一億総活躍めざす>
 Kyoko Shimbun 2015.11.23 News
 安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」の実現について検討する「一億総活躍国民会議」は22日、小中学校の必修科目として「農業」を新設する案を提案した。少子高齢化が進むなか、子どもの労働力に着目し、これを積極的に活用していく狙いがあるとみられる。授業時間は文系科目の国語と社会を削減して捻出する。
 日本の未来を切り開く新たな国づくりの方針として「強い経済」など、3つの柱からなる政策「新・三本の矢」を掲げる安倍首相は、10月の内閣改造で一億総活躍推進室を新たに発足させた。
 22日に行われた国民会議では「一億総活躍社会」実現のためには、女性や高齢者の社会参加を促すだけでは目標とする活躍人口・1億人に届かないことから、さらに対象を拡大し、就学年齢に達した子どもの労働力を活用することが提案された。
 具体案としては、農業人口の減少を補うため、これまで主に社会科の体験学習にとどまっていた農業を必修科目として小中学生に学ばせる案が浮上。稲作・畑作を義務化することによって労働力人口を1千万人上乗せできる計算だ。また一部委員からは「全国の校庭を耕してイモ畑に変えれば、食糧増産に貢献できるのではないか」という意見も挙がった。授業時間は文部科学省が進める国立大学の文系学部再編方針に基づき、国語と社会を削減または廃止することでまかなう。
 内閣府が報告する「高齢社会白書」によると、今後日本の総人口は2040年から50年の間に1億人を割ることから、将来的には生まれて間もない新生児にも労働参加を課すことは避けられないものとみられる。
 
上記の記事の「農業」を「自衛隊」に置き換えると、すでにかなり前から綿密に行われている自衛隊のリクルート作戦と見紛ってしまう。
 
たとえば自衛隊富山地方協力本部では「職場体験学習のご案内・学校教育にご協力できる事項」という資料を地元の小中高大学に送っている。
 
1 はじめに
 昨今、防衛省・自衛隊の活動については、各種災害派遣活動等の報道や駐屯地・基地創立記 念日等の広報活動により、多くの皆さんに理解して頂いているところであり、富山県民の皆様にも今まで以上に防衛省・自衛隊を身近に感じて頂いているのではないかと思います。
 しかしながら、自衛隊の普段の活動内容や訓練状況などについては十分に認識されていないのも事実です。そこで、自衛隊富山地方協力本部は学校教育にご協力できる事項の一つである職場体験について、より一層ご理解頂き、学校教育に活用して頂くため「職場体験学習のご案内」を作成いたしました。
 自衛隊の職場体験学習は小・中学生、高校生及び大学生の皆さんに防災意識の高揚や職業感等の育成の一助のため各学校教育に取り入れて頂いているものであり、学習指導要領にもある「勤労感・職業感の形成」や「集団生活の在り方」等を学べる内容となっております。
 近い将来、社会人となって活躍される児童・生徒さん達の人間教育の一環としてご活用して頂ければ幸いです。
2 概 要
 職場体験学習とは・・・陸・海・空自衛隊の駐屯地や基地等において、「職業観・勤労観」「将来の自分を発見・考える」「社会とのかかわり」などの場を提供いたします。
<小学校>
@「職業観」の基盤をつくる機会の提供
A「規律ある集団行動」意識の醸成
B 防災意識の涵養
<中学校>
@「職業観・勤労観」の形成
A「規律ある集団行動」の基礎構築
B「職業・進路に係わる啓発」
C「主体的な進路選択」への寄与
D 防災意識の涵養
<高校・大学>
@「職業観・勤労観」の確立
A 規律ある集団行動の実践
B「進路適性」の理解
C「進路の選択決定」への寄与
D 防災・防衛意識の涵養
 
元東京都立高校教諭で立正大学非常勤講師の永井栄俊さんは、今年の2月に法学館憲法研究所のサイトで、小中学生の自衛隊での「職場体験」が広がっていることを中心にインタビューにこのように答えていた。 
  
自衛隊の高校生リクルートに注視を!!
 (永井さん)
 2000年から小中学生が地域の商店や企業とかで「職場体験」をするようになっているのですが、2002年に学校に「総合的学習」という時間が設けられ、「職場体験」の多くがこの時間に行われるようになっています。この「職場体験」を自衛隊で行うことが増えているのです。2000年には全国450校の生徒が自衛隊で「職場体験」し、その数は現在までに数千件になっていると報じられています。
---自衛隊が隊員を確保しようと学校への働きかけを強めている、と思われるわけですが、生徒たちの防災訓練もそのよう機会になっているようですね。
(永井さん)
 2011年の東日本大震災以降、人々の防災への意識が高まり、2012年、東京都教育委員会(東京都教委)は全日制のすべての都立高校で1泊2日の防災訓練を実施しました。その際に4つの高校で自衛隊員が招かれ、隊員による講演や災害救助活動のDVDの放映などが行われました。そして、2013年には都立田無工業高校の生徒が自衛隊朝霞駐屯地(埼玉県朝霞市)の隊内で、2014年には都立大島高校の生徒が自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市)で防災宿泊訓練をしました。
 自衛隊は東日本大震災の際に人命救助活動を行い、多くの国民がそれを評価しました。私は、自衛隊はいま、この東日本大震災を奇禍として隊員確保に向けたとりくみを強めている、と見ています。加えて、いま政府が集団的自衛権行使容認の閣議決定などによって自衛隊の海外派遣まですすめようとしていることも、最近の動きの背景にあると思います。この動きは急ピッチです。
---生徒に対する防災教育自体は否定されるべきでないでしょうが、やはり教育現場にはそれを自衛隊が担うことへの違和感のようなものはあるのではないでしょうか。
(永井さん)
 実は自衛隊は防災訓練プログラムを持っていません。隊内体験プログラムは持っていても、果たして生徒たちに適切な防災訓練ができるのか、という疑問を拭えません。
 ところが東京都教委は積極的に自衛隊との連携をはかっています。都教委はいま、生徒たちに集団的な規律を培わせることを重視しています。それがその背景の一つのようです。そのためには自衛隊の訓練がそれに適していると判断しているのだと思います。
 教育現場の中に、自衛隊だからという理由で連携は拒否できない、という雰囲気が広がりつつあることも懸念されます。
 学校現場に日の丸・君が代を強制する、東京都教委の10.23通達(2003年)以降、学校をめぐる状況が変わりました。それ以来、学校では平和についての教育をしづらい状況になりました。学説などで自衛隊は違憲とされていることを授業で生徒たちに教えたら教育委員会から指導を受けるような、そんな雰囲気になってしまっています。
いま、たとえば東京都の小中学校の合同の校長会があるのですが、最近ではそこへの自衛隊員の参加を認められ、自衛隊のPRの場が提供されるようになっています。高校にはここ数年自衛隊から自衛官募集のポスターが配られているのですが、今年度は高校の各クラスにカレンダーが配られた学校もありました。
---いま多くの高校生に自衛官募集のダイレクトメールが送られているそうですね。今年度は政府が集団的自衛権行使容認の閣議決定をした(2014年7月1日)直後だったので、多くの高校生がいずれ戦地に送られるのではないか不安を感じることになったと聞きました。自衛隊の活動に対する生徒たちの受け止めはどうなのでしょうか。
(永井さん)
 先ほど申した今年度の都立大島高校の自衛隊駐屯地での防災訓練では、訓練への参加を断った生徒が一定数いました。生徒、あるいはその保護者の中に不安や不信の気持ちがあったのだろうと思います。
 こうしたことも踏まえてなのだと思いますか、東京都教委は2015年度の予算を増やし、「都内の全公立学校の児童・生徒が保護者と共に、防災について家庭で学習できる『防災ノート』を作成・配布」することにしているようです。さらには全都立高校に生徒による「防災活動支援隊」を組織することにしています。各校での防災訓練においては自衛隊との連携の検討を促しています。こうした取り組みの中で自衛隊の隊員募集活動との連携がより強化されようとしているのです。
 私は生徒たちに平和を伝えたいがために教員になりました。ところがいま教育の現場はその逆の方向に動いています。なんとしてもこの動きを止めたいと思っています。
 
「防災訓練」で最も身近なものは「水害」「火災」「地震」が御三家であり、最近は原発事故に対する避難訓練などが現れている。
 
いずれも消防・警察、そして時には自衛隊が参加して連携して行われるものであった。
 
「防災訓練プログラムを持っていない」自衛隊が主体となって行う防災訓練は明らかに目的がべつにあることは言うまでもない。
 
それを自衛隊駐屯地などの敷地内で行うということは、入隊訓練につなげようとの目論みでもある。
 
国内の大規模災害で出動する自衛隊は、都道府県知事等の要請に基づき、防衛大臣またはその指定する者の命令により派遣されるのだが、特に緊急を要する場合は、要請を待たずに派遣されるという例外がある。
 
したがって国内で自衛隊員にお世話になるのは災害時の被災者たちであり、最近の大水害事故でも自衛隊員に救助される場面が全国的にメディアで流されていた。
 
憲法9条を普通によめば自衛隊の存在は明らかに違反であるのだが、長い月日の間に正面から自衛隊は憲法違反という世論は少なくなり「学説などで自衛隊は違憲とされている」程度になってしまったことは否定できない事実である。
 
それは、1994年6月に発足した自社さ連立の村山内閣で、「安保反対、自衛隊違憲」の立場の当時の社会党の村山委員長が、「自衛隊合憲安保堅持」と政策転換したことにより、国民の中に次第に自衛隊違憲という考えが薄れてきたということである。
  
さて、母方の血縁の叔父が2人まで元自衛官(いずれも陸上自衛隊)であった弁護士・金原徹雄は最近の自衛隊のリクルートに関してこう批判していた。
 
<自衛隊リクルートCM(2015年版)を見る〜若者をだましてはいけない>
 2015年8月3日 弁護士・金原徹雄のブログ 
・・・前略・・・ 
 昨年7月1日の閣議決定(国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について)の直後、全国の18歳の高校生らに一斉に自衛隊から募集案内が送られ、あまりのタイミングの良さに(?)、「自衛隊から赤紙が来た」と話題になりましたが(2014年7月5日付・しんぶん赤旗)、何も昨年から始まったことでも何でもなく、従来から行われていた求人活動の一環であり、自衛隊に対する市町村長による戸籍情報の提供は、上記自衛隊法施行令第120条が根拠と考えれば良いのだろうと思います。
 なお、上記赤旗の記事の中に「防衛省は1日、募集案内の発送と同時に人気アイドルグループのAKB48のメンバー出演の自衛官募集CMを全国放送しました。」とあるのは昨年のことで、今年の自衛隊リクルート隊長(という辞令が交付されているらしい)には女優の壇蜜さんが起用されています。

任命!自衛隊リクルート隊長 壇蜜(1分26秒/陸上自衛隊広報チャンネル) 

 
 調べてみると、「自衛官募集ホームページ」という専用サイトがあるのですね。
 そのトップページには、「自衛隊CM特集」のコーナーがあり、今年度のリクルート用に壇蜜さんを起用して作られたCM(や広報ビデオ)が集められています。
 基本となるCMには、陸上・海上・航空の3自衛隊ごとに作られた15秒ヴァージョンと、陸海空統合の30秒ヴァージョンがありますが、ここでは統合版のナレーション部分を文字起こししてみます。

平成27年度自衛官募集動画(30秒)
 
何気ない、でも 
「人の役に立ちたくて」(男性海上自衛官) 
かけがえのない暮らしを守るため
「はじめは少し不安でした」(女性航空自衛官)
今日もどこかで、その汗は流される
「自分も何かできるはずって」(男性陸上自衛官)
この今を、未来を、守る
陸、海、空、自衛官募集
まずは
 
 この30秒CMを見て、皆さんはどんな感想を持たれるでしょうか。
 おそらく、大手広告代理店が落札して作ったもので、ナレーション部分だけではなく、「人の役に立ちたくて」「はじめは少し不安でした」「自分も何かできるはずって」という自衛官の台詞部分も構成作家が書いたものでしょうが、それなりに、実際の自衛官の正直な気持ち(の一部)をすくい取っているのだろうということを、あえて否定する必要はないと思います。
 しかし、誰が考えても憲法違反の安保関連法案を、政府与党が無理矢理にでも成立させようとしている最中(さなか)に放映されるCMがこれでは、「若者をだましてはいけない」と言わざるを得ません。
 「人の役に立ちたくて」「自分も何か出来るはず」と思って自衛隊に入隊した自衛官に、生命をかけて「米軍の役に立つ」兵站任務を遂行するよう命じることのできる法律を作ろうとしているのですから。
  「かけがえのない(日本人の)暮らしを守るため」に入隊した自衛官に、日本が武力攻撃を受けた訳でもないのに、「米国を守るために」海外で武力行使することを命じることができる法律を作ろうとしているのですから。
 「この今を、未来を、守る」というキャッチコピーを考えたコピーライターに聞いてみたいですね。自衛官に「誰の」未来を守らせようというのかと。
 もっとも、自衛隊に志願しようかと考える若者は、大人が心配するまでもなく、十分に「自衛隊の変質」を把握しているのかもしれません。「変質」を十分に認識した上で、あえて自衛隊を志願する若者も一定数存在するのだろうとは思います。それはそれで恐いことですが。
 それでも、やはり言いたい。「若者をだましてはいけない」と。
(弁護士・金原徹雄のブログから)
 
少々古い資料だが「徴兵制の復活を公言する11人」というまとめサイトがある。
 
安倍晋三首相は、集団的自衛権行使容認を受けて戦争法案が国会で審議中に、自民党のインターネト中継でこう言っていた。
 
憲法18条には意に反する苦役、これはダメですよということが書いてあります。そして徴兵制度の本質は、意思に反して強制的に兵士の義務を負うことです。ですから、徴兵制は明確に憲法違反なんです。これは憲法解釈で変える余地は全くありません。これははっきりと申し上げておきたいと思います。
 
安倍晋三首相のお得意の「御都合憲法解釈」である。 
 
憲法18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」と定められている。  
 
しかし自民党の憲法改正草案ではこう記述されていることをあえて隠している。
 
(身体の拘束及び苦役からの自由)
第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
 
即ち「いかなる奴隷的拘束も受けない」という文言が削除され、しかも「社会的又は経済的関係」という文言は、うがってみれば「社会的又は経済的」な理由からの志願兵は大歓迎ということになるのではないだろうか、とオジサンは思う。 

 
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2015年12月04日

日米比較したカネ・金の使い方

先日「国境なきテロとテロの被害者差別」の冒頭でこんな風につぶやいた。
 
国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)には約150カ国・地域の首脳が出席したが、その集合写真を見る限り日本の総理大臣の姿は外国メディアの目には入らなかったようである。
 
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記念撮影に臨む各国首脳ら=パリ郊外で2015年11月30日、AP

 
その後、当日の実際の全体写真が明らかになった。
 
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これが残念がら日本の総理大臣の海外での評価らしい。
 
こんな人物がこの国のトップで最高責任者として暴政を行っている状況では、権力にすがり付く業者は後を絶たないのは当然である。 
 
<寄付、衆院選も地方選も 辺野古「目もくらむ公共工事」 沖縄の建設会社>
 2015年12月4日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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移設作業のため辺野古沖に停泊する大型作業船=11月30日、上田幸一撮影
 米軍普天間飛行場の移設関連工事を受注した沖縄県の建設会社は、衆院選や地元首長選で候補者側へ寄付を重ねていた。沖縄の建設会社にとっては公共工事が「命綱」とされる。総額3500億円の移設工事も、逃せない事業だったという。
 ■国とのパイプ期待
 「辺野古移設は公共工事の一つ。会社の売り上げログイン前の続きを上げたいという思いはあった」。2014年衆院選の時に寄付した建設会社の関係者は打ち明ける。
衆院選投開票を前にした14年12月、沖縄県浦添市の建設会社が県内地盤の国場幸之助、宮崎政久、西銘恒三郎(以上自民)、下地幹郎(おおさか維新)の4衆院議員側に計80万円寄付。同市の別の建設会社も12月、西銘議員側に50万円寄付した。
 この2社は15年に入ってから、護岸工事などを国から受注した。寄付した後の契約のため、公職選挙法の特定寄付には該当しないが、寄付はいずれも解散から投開票日までの期間内だった。14年にこのほかの寄付はなかった。
 14年衆院選では、沖縄市の建設会社が国からの工事受注後、11〜12月に議員6人に計90万円を寄付。公選法が禁止する特定寄付の可能性があるなど、選挙時の寄付が広がっている。
 別の建設会社社長によると、衆院選の投開票日の1カ月ほど前になると毎回、自民を中心に候補者側から集会への動員を求める文書がファクスや郵送で送られてくる。14年衆院選の時に参加したところ、事務所で陣営担当者から寄付の要請があったという。
 この時期の寄付計220万円について、5議員は「誤解を受けないため」として、朝日新聞の取材後に計160万円を返金した。もう1人も返金について検討している。
 地方選挙も似た構図だ。
 2013年12月に仲井真弘多・前知事が辺野古移設容認を表明し、移設の是非が争点になった14年1月19日投開票の沖縄県名護市長選。移設関連工事を受注した県内5社は12月16日から1月16日にかけ、移設容認派の元自民県議の候補者側に計110万円を寄付していた。
 「資金が厳しいので支援して欲しい」。名護市長選挙を控えた13年12月、建設会社社長の男性は、顔見知りの建設会社役員らを通じて頼まれ、移設を容認する候補者側に寄付した。
 男性は「3千億円超という辺野古工事は目もくらむ数字。でも、地元で受注できるのは一部。(移設容認候補の落選で)政府と話ができなくなることの方が心配だった」と振り返る。
 同様に寄付した別の建設会社の経営者の男性も「期待するのは国とのパイプ。国に見放されたら誰が仕事を持ってきてくれるのか」と語気を強めた。07年、移設先のV字形滑走路案を進める国に地元が反対して移設交渉が中断した際、国の北部振興予算が一時凍結され、同業者が何社か倒産した。「政府は恐ろしい。移設反対と言うと、いろんな予算が減らされる」
 候補者の元県議は「私の政治活動への寄付だ。お願いもしていない」と話した。
 14年11月16日の沖縄県知事選では、告示1カ月ほど前から工事を受注した県内の4社が計270万円を自民党県連と自民名護市支部に寄付した。県連と市支部は同年10〜11月に、立候補した仲井真氏を支援する二つの政治団体に計1億5300万円を寄付していた。
 仲井真前知事は「ノーコメント」としている。
 (小寺陽一郎、高津祐典、中村信義)
 ◆キーワード
 <特定寄付の禁止> 公職選挙法は国と請負契約を結ぶ個人や企業が国政選挙に関して寄付してはならず、政治家側も要求してはならないと定める。政策が寄付者の影響を受ける事態などを防ぐためと解釈されている。違反した場合は3年以下の禁錮または50万円以下の罰金に問われる。
 ■米軍普天間飛行場の移設関連工事を受注した業者らの寄付
 寄付先/業者数/寄付額(計)
    *
 【名護市長選】
 元沖縄県議が代表の自民党支部/5/110万円
 【沖縄県知事選】
 自民党沖縄県連と自民名護市支部/4/270万円
 【衆院選】
 国場幸之助、宮崎政久、比嘉奈津美、西銘恒三郎、下地幹郎、玉城デニーの各衆院議員が代表の政党支部/3/220万円
 (2014年の選挙時。13、14年の政治資金収支報告書から。衆院選時の寄付額と業者数は特定寄付の可能性がある業者を含む)
 
「政治とカネ」と随分以前からいわれてきたのだが、寄付を要請する政治家と寄付をする業者の関係は、明らかに「贈収賄」事件の当事者である。
 
この辺野古の新基地建設に関して、沖縄県民としては建設反対であるが地元業者としては受注できるか否かは死活問題となり、やむなく寄付という形で将来の仕事の見返りとしてカネを上納せざるを得ないのであろう。
 
このような構図は決して沖縄だけの問題ではなく金権政治を長年続けている自民党が与党である限りは根絶できそうもない。
 
<自民への企業献金、読み解くと 首位の自動車業界、2割占める 経団連歴代会長の母体、上位に>
 2015年12月4日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 2014年に自民党へ献金した上位100企業・団体(計16億9700万円分)を調べたところ、1位の日本自動車工業会など自動車業界からの献金が全体の2割を占めたことがわかった。また、企業別のトップ5社は、経団連会長の出身会社が並び、献金を促してきた歴代会長らの「メンツ」も読み取れた。
 自民党の政治資金団体「国民政治協会」の14年政治資金収支報告書によると、企業・団体献金は約22億1千万円(前年比13%増)。このうちトップ100企業・団体の献金が77%を占めた。
 業種別では「自動車」(部品・二輪・重機含む)が最も多く、自工会やトヨタ自動車など13企業・団体から計3億4700万円(トップ100の20%)が献金された。次いで「電機」が日本電機工業会やキヤノンなど11企業・団体から計2億7700万円(同16%)。「証券・保険・金融」は野村ホールディングスなど11企業・団体から計1億6800万円(同10%)だった。
 同業者間の「横並び」も見られた。東芝・日立製作所・パナソニックと三菱商事・三井物産の献金はそれぞれ同額で、大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店の建設大手5社はいずれも1600万円だった。
 一方、企業別の上位5社は、経団連の歴代会長の出身企業がそろった。現会長(13代)の榊原定征氏の東レは6年ぶりに献金を復活させ、11代会長・御手洗冨士夫氏のキヤノン(4千万円)と並んだ。トヨタは奥田碩氏(10代)ら2人、住友化学は米倉弘昌氏(12代)、新日鉄住金(当時・新日本製鉄)は今井敬氏(9代)ら3人の会長を輩出している。
 経団連は1990年代初めまで各業界団体に献金をあっせん。04年以降は各党の政策評価をもとに事実上自民党への献金を呼びかけてきた。10年から一時中断したが、榊原氏は「政治と経済が一体となって日本経済を立て直さないといけない」とし、14年9月に呼びかけを再開した。(小林豪)
 
自民党へ献金した上位100企業・団体でのなかで1位の日本自動車工業会など自動車業界は安倍政権の意図的な円安政策と輸出による消費税還元により大きな利益をあげている企業である。
 
そしてトップ100社が大幅に儲けた利益の一部を「賃上げ」と称して昨年と今年の2回、自社従業員にのみ行った。
 
当然、それらの企業の下請け企業には恩恵が全くない。
 
それにもかかわらず、安倍晋三首相は「アベノミクスにより賃上げを実現させた」と虚勢を張る。
 
海外では多くの首脳から避けられ無視されながらも、国内では権力にすり寄る経営者に祭り上げられている張子の虎が今の安倍晋三の実像であろう。 
 
さて、海外に目を転じると、ハーバード大学在籍中にソーシャル・ネットワーキング・サービスサイト、「Facebook」を開設したマーク・ザッカーバーグという経営者がいる。
 
現在はFacebookのCEOに就いており、2010年のTime誌「Person Of The Year」に選ばれた31歳の青年実業家らしい。

彼は昨年「FacebookのザッカーバーグCEO、エボラ対策支援で2500万ドル寄付」しており、2日前には「ザッカーバーグCEO、保有フェイスブック株の99%を寄付へ」と国内でもテレビニュースでも大きく取り上げられていた。
 
しかし、一見美談風に見えたこの青年実業家の寄付には隠された裏があるらしい。
 
<フェイスブック、ザッカーバーグCEOの寄付は本当に寄付なのか?>
 2015/12/04 ニュースの教科書
 SNS最大手フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)と妻のプリシラ・チャン氏は2015年12月1日、自らが保有する同社株の99%を慈善活動に寄付すると発表した。現在の株価で計算すると約450億ドル(約5兆5000億円)になる。
 ただ寄付する先は自らが設立するLLC(有限責任会社)で、資産管理会社に名義を移しただけとも解釈できる。
 
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 米国のIT長者が慈善活動に寄付するケースは珍しくないが、ザッカーバーグ氏の場合は、これまでとはやり方が大きく異なっている。通常、資産の寄付は財団を設立する形で行われることが多いのだが、その理由はズバリ税金である。NPOなど慈善団体への資金拠出が義務付けられる代わりに各種税金が免除される。
 資産家は、財団という形で自らの資産を公金にすることで、相続税などの問題に煩わされず、間接的な資産管理を続けることができる。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も、同じようなやり方で財団を運営している。
 しかしザッカーバーグ氏が設立するのはただのLLC(有限責任会社)であり、ごく普通の企業形態である。企業の創業者が、持ち株を個人の所有から資産管理会社に移管するケースは多いが、今回のケースも形式的にはそれと同じことなる。
 ザッカーバーグ氏は、その会社を慈善事業のプロジェクトを目的として運営するという点で寄付と呼んでいるわけだ。
 営利企業なので税金が発生することから、今回のスキームは税金対策にはならない。一方で、政治家に対するロビー活動など、どのようなプロジェクトにも資金を出すことが可能となるので、組織運営の柔軟性は増す。
 ザッカーバーグ氏はかつて学校などに巨額の寄付を行ったものの、寄付金の分配をめぐって組織の内紛が発生し、本当に困っている人にはお金が行き渡らないという事態を経験している。このため、ただお金を渡すだけという従来型の寄付には疑問を感じているといわれており、今回の会社設立を通じて、新しい慈善事業の形態を目指す可能性が指摘されている。
 単なる会社への名義移転なので、ザッカーバーグ氏のフェイスブックに対する支配権に変化はなく、今後もザッカーバーグ氏はフェイスブックの所有者であり続ける。
 今回の名義変更が単なる個人的な野心に基づく行為なのか、慈善事業の世界を変える画期的な取り組みになるのかについては、新しく設立される「チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ」がどのような実績を残すのかで判断するしかないだろう。
 
相続税問題などとは全く無縁で資産管理団体を設立するほどの資産があるわけではない年金暮らしのオジサンたちにとっては、寄付と言えば集会や学習会に出席した時に少額を「カンパ」したり、貧者の一灯として「国境なき医師団」に年数回送金する程度である。
 
オジサンの知人にはこんな組織を立ち上げ市民の手によって事業を応援する仕組みを作ろうとしている仲間がいる。
 
汚いカネでもキレイなカネでも懐に入ってしまえば同じという意味で「お金に色はない」といわれる。
 
しかし紐付きのカネはある意図が含まれる。
 
同じ意図なら善意の寄付で見返りを求めない「寄付」でなけばならず、本来は政治の世界も個人献金を中心とした善意の寄付金で賄うべきであるが、今の政治家にそれを求めるのは「海の底の白鳥」か「西から日が出る」ようなものなのだろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:37| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月03日

米国の新たな植民地政策がTPPの実態

ついに安倍政権と沖縄の全面的対決が開始した。
 
<「沖縄のみ負担は正常か 国民に問いたい」 辺野古代執行訴訟始まる>
 2015年12月3日 朝刊 東京新聞
20151203onagasiensya.jpg 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)の埋め立て承認を翁長雄志(おながたけし)知事が取り消したのは違法として、国が撤回を求めた「代執行」訴訟の第1回口頭弁論が2日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎(たみやとしろう)裁判長)で開かれた。翁長氏は意見陳述し、沖縄が過重な基地負担と犠牲を強いられてきた歴史を強調した。国は承認の適法性を主張し、迅速な審理終結を求め、県は訴えを退けるよう要求。国と県の異例の法廷闘争が始まった。 
 翁長氏は、住民を巻き込んだ沖縄戦や、米軍に土地を強制接収され、戦後70年続く基地負担の実態を説明した。「政府は辺野古移設反対の民意にもかかわらず移設を強行している。米軍施政権下と何ら変わりない」と批判し「(争点は)承認取り消しの是非だけではない。日本に地方自治や民主主義はあるのか。沖縄にのみ負担を強いる安保体制は正常か。国民に問いたい」と訴えかけた。
 国側は主張の要旨を読み上げ、まず「基地のありようにはさまざまな意見があるが、(法廷は)議論の場ではない」と指摘。「行政処分の安定性は保護する必要があり、例外的な場合しか取り消せない」と強調した。移設が実現しなければ普天間飛行場の危険性が除去されず、日米関係が崩壊しかねないなどの大きな不利益が生じるため、取り消しは違法と訴えた。県が主張する前知事による埋め立て承認の法的瑕疵(かし)にも反論。「県は辺野古に移設する根拠が乏しいと言うが、そもそも国家存亡にかかわることを知事が判断できるはずがない。環境保全も十分配慮した」と説明した。
 県側は(1)辺野古移設強行は自治権の侵害で違憲(2)埋め立て承認は環境への配慮が不十分で瑕疵がある(3)代執行は他に手段がない場合の措置で、国は一方で取り消し処分の効力を停止しているため、代執行手続きを取れない−と訴えた。
 判決で国が勝訴すると翁長氏が拒否しても国土交通相が取り消し処分の撤回を代執行する。次回弁論は来年1月8日。裁判長は、県側が申請した稲嶺進名護市長ら8人の証人尋問などの採否を、同月29日の第3回弁論で明らかにする。
◆翁長知事意見陳述 県民の思い伝える
 沖縄県の翁長雄志知事は2日の「代執行」訴訟の法廷で、米軍基地の重い負担に対する県民の心情を、歴史をひもときながら訴えた。辺野古移設反対を公約に、知事就任から約1年。「集大成」と位置付けた舞台で、法律論で勝訴を得ようとする政府に対し、日米安保体制の在り方という政治的な問題を持ち出して「日本に地方自治や民主主義は存在するのか」と国民全体に問いかけた。
 「歴史的にも現在も、県民は自由、平等、人権、自己決定権をないがしろにされてきた。私はこのことを『魂の飢餓感』と表現している。政府との間には多くの課題があるが、『魂の飢餓感』への理解がなければ、課題の解決は大変困難」
 こう切り出した翁長氏は、陳述のほぼ半分を歴史の説明に費やした。その意図について、裁判所に提出した書面で「過去の話はやめろと言われても、今ある基地の大きさを見ると、それを言わずして未来は語れない」と記していた。
 県民の4人に1人が命を落とした70年前の沖縄戦。生き残った県民が収容所にいる間に米軍は広大な軍用地を確保し「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強制的な土地収用で基地を建設した。日本本土は1952年に主権回復した一方、沖縄は72年まで米軍施政権下に。その状況を「日本国民でも米国民でもない無国籍人。当然、憲法の適用もない」と例示した。
 11分間で読み上げた陳述は約3400字。閉廷後、県庁で報道陣に囲まれると「裁判官から『分かりやすい話だった』と言われた。思いは伝えられたかな」と充実感をにじませた。
 
憲法違反の戦争法を制定した政府が、代理人を使って「法律論で勝訴を得ようとする」こと自体が噴飯ものである。
 
翁長雄志知事自身は誰よりも辺野古問題の本質を知り、自らの言葉で語っている。
 
沖縄の戦後史を語る時、日本の安全保障論を語る時、翁長雄志知事の言葉には、誰も否定できない正論がある。
 
しかしながら安倍政権側が語ることは「移設が実現しなければ普天間飛行場の危険性が除去されず、日米関係が崩壊しかねないなどの大きな不利益が生じる」という日米同盟重視のみである。
 
一体、日本の政府はどっちを向いているのかと呆れてしまう。
 
ましてや狡猾な安倍政権である。
 
今回の裁判の前に急遽那覇支部に人事異動された多見谷寿郎裁判長の訴訟指揮振りを今後は注視しなければならない。
 
来年の1月29日の第3回の弁論期日に承認申請を裁判長が認めるのか否かが裁判の行方を大きく左右すると思われる。
 
翁長雄志知事の「魂の飢餓感」の全文は「代執行訴訟 翁長知事陳述書全文」を参照のこと。
 
さて、話は変わって2012年から始まったブラック企業大賞。
 
同年の大賞は「東京電力株式会社」、翌2013年は「ワタミフードサービス」、昨年は「株式会社ヤマダ電機」、これらは10月27日にノミネート企業が発表され、ウェブ投票が開始された。
 
授賞式はすでに11月29日に行われ、大賞には「株式会社セブンイレブンジャパン」が選ばれたのだが、ネットメディアでは確認できたが、一般メディアでは全く報道されていなかった
 
セブンイレブンのメディアに対する影響力がかなり強かったらしいと話したのは、ブラック企業大賞企画委員会のメンバーの一人でもある、内田聖子氏。
 
大学卒業後明石書店で雑誌や、人権・環境・ジェンダー関連の単行本の編集に携わり、アジア太平洋資料センターの月刊雑誌「オルタ」の編集担当を経て2006年から同センターの事務局長に就いている。 

その内田聖子(アジア太平洋資料センター〈PARC〉)事務局長は、2015年9月30日から10月5日まで米国アトランタに滞在し、TPP閣僚会合を取材していた。
 
2011年当時の民主党菅直人内閣が、唐突に「日本も参加する」と宣言したTPP。
 
民主党政権が崩壊し、第2次安倍内閣が発足した以降から彼女は積極的にブログでもTPP関連情報を発信していた。
 
昨夜は彼女を講師として招いた学習会が開かれ「TPP協定文案リリースを受けて」と題して、協定文案の問題点から話が始まった。
 
大筋合意なるものの実態が、全く中身が整っていない段階の代物であり、10月末になってもテキスト(協定文案)は完成しなかったという。
 
最初にニュージーランド政府がテキストを公表し、それを受けて内閣官房TPP政府対策本部が、「TPP協定の暫定案文等に関する資料について掲載しました(2015年11月5日公表)」と、下記の文章が公開された。
 
TPP協定の全章概要(日本政府作成)【PDF:586KB】
・TPP協定の全章概要(別添・附属書等)【PDF:574KB】
・TPP交渉参加国との交換文書概要【PDF:153KB】
・TPP交渉参加国との交換文書(英文)【PDF:261KB】
・TPP協定に伴い法律改正の検討を要する事項【PDF:35KB】
 
しかしこれらの文書には以下のような諸問題が存在していた。
 
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TPPは参加12カ国間の関税完全撤廃が最終目標なのだが、2年前から指摘されてきた「TPPは日米FTAへの撒き餌だった」ようにTPPの実態は日米FTAであることが日米並行協議によってより一層明確になっているという。
 
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こまかな分野別の問題点はすでに言い尽くされているのだが、同資料センターが日本政府に要求している5つの項目を列挙しておく。
 
1.TPP協定案について、日本語を正文にするよう再協議せよ。
2.すべての2国間交換文書およびサイドレターについて、全文を日本語で公開せよ。
3.TPPによってもたらされる地域と社会全体への影響評価について、現実の条件(合意条件+制度変更+社会変動)を入れたD&Bシミュレーションを実施し、その内容を公表せよ。
4.米国議会では今後も通貨操作禁止条項、人権問題、個別問題を巡り議会での批准が危ぶまれている。こうした中で、米国会の結論が出る前に署名・批准してはならない。
5.民主主義の手続きによれば、「合意」→「署名」→「批准」→「発効」→「措置」である。各国はこの流れに沿って議会でTPP協定の内容を精査する準備を進めている。こうした手続きを無視した、署名・批准・発効前のいかなる制度変更と予算実行を許さない。

 
上記の政府への要求文にもあるように、TPP協定文の正文は「英語」「フランス語」「スペイン語」と規定されていることに気付いた夕刊紙があった。 
 
<許していいのか TPP合意文書「日本語訳」がない驚愕>
 2015年12月3日 日刊ゲンダイ
 TPP大筋合意を受けて、安倍首相は「攻めの農業に転換し商品の輸出額を1兆円にする」などと吠えているが、そんな中、とんでもない事実が明らかになった。合意文書の全容が日本語で公開されていないのである。臨時国会も開かず、議論から逃げ回っているうえに、文書も翻訳しないとは怠慢の極みというか、よほど後ろ暗いことがあるとしか思えない。「英語化は愚民化」(集英社新書)の著者で九大准教授の施光恒氏は、「これぞ、TPP交渉の本質」と看破した。
■政治家は誰も読んでいない?
 政府は11月5日にTPP合意文書の概要を公開しましたが、2000ページに及ぶ正文(英語)の翻訳は作成されていません。日本語に翻訳されたのはわずか97ページの「概要」だけですが、正文も100人ぐらいの翻訳者を動員すればあっという間にできるはず。やっていないのは、そもそも説明する気がないのでしょう。大筋合意した以上、いまさら覆されたくない、内容に関して突っ込まれたくないのだと思います。
 これだけ大量の英語の文書に、政治家が目を通しているとは思えません。官僚だって、全容をきちんと把握している人はいるのだろうか。だとしたら、検証も何もない。これだけ重要かつ広範な領域にわたる条約の正文を英語のまま放置したうえに、臨時国会も開かないのですから、とんでもない話です。
 農業分野では各県のJAから自民党の公約違反という声が噴出していますが、農業以外の分野はどうなっているのか、ちっとも伝わってこない。合意事項は7年後に見直すといいますから、なおさら懸念は膨らみます。
 たとえば、医療問題。政府は「国民皆保険は守る」と繰り返していますが、TPP発効後、政府が薬価を取り仕切る今の制度は障壁だといわれる可能性は否定できない。「医薬品の償還価格(日本では薬価)」の決定ルールについて将来、協議を行うことが日米間の交換文書に記されているのです。
 こうした懸念事項を政治家、マスコミ、そしてもちろん一般市民が十分に議論して、TPPという条約を批准すべきか議論するのが民主主義です。しかし、日本語訳がなければ始まりません。政治的に重要な文書を英語のまま放置するのは、英語の分かる「上級国民」だけが政治に参加する資格があり、英語の分からない「愚民」はつべこべ言うなと、安倍政権が考えているからなのでしょう。
 そもそも、大筋合意文書に日本語がない、ということもおかしいのです。正文は英、仏、スペイン語だけ。日本はTPP経済圏の中で、経済規模は2番目に大きいのですから、交渉過程で日本語も公用語にしろと主張するべきでした。
 TPPでは、政府調達の入札手続きにも英語での公示文書を作ることが努力義務として課せられる。入札だけでなく、その後の行政手続きも、すべて英語との併用を義務付けられていくのでしょう。こんなふうに、小さな自治体から霞が関まで日本中が英語化されれば、参入してくる外資に対して、日本人は国内でも競争や交渉に負けることになるでしょう。日本の国力は地に落ちます。言語という問題ひとつとっても、TPPが日本にとってロクでもないものであることがわかります。
 
実はアトランタでの無理やり開始された会合では交渉全体は細部まで詰められていないらしい。(内田聖子事務局長)
 
そのため、段階的に関税率を下げるという内容も、相手国から要請があれば、関税撤廃の時期の繰り上げについて検討するために協議すると規定されている。
 
その他の項目に関しても再協議や再交渉が規定されており、最終的なTPP全体像は最悪なものになることが予想される。
 
それは国内の大手グローバル企業の利益確保のため、あらたな米国の植民地政策の対象となるのが日本ではないだろうか、とオジサンは思う。
 
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posted by 定年オジサン at 13:08| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月02日

流行語大賞にも「偏ってる」のか?

オジサンの家には先月末に簡易書留で送られてきたマイナンバー通知書。
  
同居のオバサンは「私には来ていない」と不満そうだったが、住民票の世帯主宛に送られるので、封筒には2枚通知カードが入っており特に夫婦間のいざこざには発生しなかった。  
 
すでに「マイナンバー:不審電話届け出が全国で168件 2件実害」という詐欺事件が発生しており高齢者の被害者が出始めている。
 
そして遂に「マイナンバー:プライバシー侵害し違憲…5地裁に賠償提訴」と一斉に裁判闘争も開始された。
 
今年のカレンダーも最後の1枚となってしまったが、11月末までに全国の各家庭に配布するはずのマイナンバーの雲行きが怪しくなった。
  
<マイナンバー通知カード 越年必至 650万未配達>
 2015年12月2日 07時04分 東京新聞
20151202mynumberetunen.jpg 住民1人1人に番号を割り当てるマイナンバー制度の番号通知カードについて日本郵便は1日、45都道府県の計653万通が11月末までに配達できず、12月にずれ込むと発表した。全体の11.5%に当たる。最も遅い地域でも20日までに配達する方針だが、簡易書留のため転居や不在の場合は再配達などが必要で、制度の運用が始まる来年1月1日までにカードを受け取れない事例は相当数に上りそうだ。
 11月中に配達したが転居や不在で受け取られていないのは694万通。未配達分と合わせると、1347万通が届いていないことになる。
 総務省は「年内に間に合わなくてもデメリットがすぐに生じるということはない」と説明するが、当初11月中の配達を目指していた見通しの甘さが露呈した形だ。
 日本郵便によると11月30日時点で、全体の88.5%の5031万通が1回目の配達を終え、うち4337万通が受け取りを完了した。
 不在や転居などの理由で受け取りができなかったカードは、1週間程度の再配達期間を経て市区町村で保管される。市区町村は、あらためて通知したり、転居記録を調べたりして、可能な限り本人に届けることになっているが、配達の遅れによって時間の余裕がないのが実情だ。11月30日時点で郵便局から市区町村に保管先が移ったのは290万通だった。
 総務省は、印刷工場から各地の郵便局に搬送する過程で遅れが出たと説明。日本郵便によると、1回目の配達が最も遅くまでかかるのは千葉県四街道市の20日で、ほとんどの地域では15日までに終わる予定だ。
<通知カード> マイナンバー制度で、各人に割り当てた12桁の番号を記載した紙製のカード。氏名や住所、性別も記されている。住民票の住所に、世帯分がまとめて簡易書留で届く。来年1月以降、希望者に交付される顔写真入りの「個人番号カード」の申請書も同封されている。不在や転居で届けられなかった分は、市区町村で少なくとも3カ月間保管される。
 
一般国民にとっては全くメリットのないマイナンバー。
 
一体誰のためのナンバーなのか、老人施設に入居している高齢者や認知症の人たちにも公平に割り振られたマイナンバー。
 
各施設では本人に手渡しても分からない人のために特別個人情報なので金庫に保管しているというマイナンバー。
 
一生涯日の目を見ることもない多数のマイナンバーは「迷ナンバー」と化してしまうのであろう。
 
さて12月に入ると、もう今年1年を振りかえる恒例行事が始まる。
  
オジサンの娘が3歳の時、NHKの連続テレビ小説「おしん」が評判だった年に始まった「流行語大賞」もその1つである。   
<流行語大賞 爆買い、トリプルスリー>
 2015年12月2日 朝刊 東京新聞
20151202ryuukougotaisyou.jpg 今年話題になった言葉を選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞」が1日発表され、年間大賞に訪日中国人が大量に買い物をする「爆買い」と、プロ野球ヤクルトの山田哲人選手とソフトバンクの柳田悠岐選手が今シーズン達成した打率3割、ホームラン30本、盗塁30回以上の大記録「トリプルスリー」が選ばれた。
 授賞式で、総合免税店ラオックスの羅怡文(らいぶん)社長は「(娘が評価する私の)株価が上がったかな」とおどけつつ「爆買いの本質は日本の商品の良さにある」と強調。山田選手は「プロ野球界をもっと盛り上げられるよう、来年も頑張りたい」と笑顔で話した。
 トップテンも発表され、安全保障関連法に反対する大学生らのグループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」と「アベ政治を許さない」が入った一方、安倍政権の看板政策「一億総活躍社会」も選ばれた。
 他作品との類似が指摘され異例の選び直しとなった東京五輪・パラリンピックの「エンブレム」も入った。
20151202top10.jpg◆トップ10に「シールズ」
 流行語大賞トップテンに選ばれた大学生らのグループ「SEALDs」。リーダーの奥田愛基(あき)さん(23)は授賞式の壇上で、「たった10何人かのメンバーで始めたことが、まさかこんなことになるなんて」と驚いた様子。流行語に選ばれることを「光栄です」と喜んだ上で「自由や民主主義を掲げる、また憲法を守れということが、2015年に特有のことになっていいのか、という思いもします」と話した。
 「アベ政治を許さない」は、国会前の安保法反対デモに集まった人たちの持っていたビラのフレーズ。発案者として受賞した作家の沢地久枝さん(85)は、アイドルグループAKB48のヒット曲「僕たちは戦わない」のメロディーに乗せて登場。俳人の金子兜太(とうた)さんが書いたビラを掲げ、「私だけでなく、応援してくださった多くの方たちと一緒にちょうだいしたと思っています」と喜んだ。  
 
この賞の審査メンバーは、
委員長がジャーナリストの鳥越俊太郎、各委員として、東京大学名誉教授の姜尚中、歌人の俵万智・女優の室井滋・漫画家のやくみつる・クリエーティブ・ディレクターの箭内道彦、そして「現代用語の基礎知識」の清水均編集長の7名。
 
客観的に見ても、「御用学者」や「電波芸人」とか「右派論客」などと指摘されるような人は委員には見当たらない。
 
当然ながら必然的に選ばれる流行語にも、時の政権から睨まれる「語」も選ばれるのだが、政権の意図を代弁するかのように昨年は「『流行語大賞が政治利用されている』…『集団的自衛権』+『ダメよ〜』の“並び”が醸す“悪意”」と批判的な極右メディアがあった。
 
そして今年の選考内容に対しても、凝りもせず、ネトウヨ連中に押されて「『政治的に偏っている』 ネット中心に批判、事務局にも意見」という記事を書き続けている。
 
しかし昨年の「大賞」に比べれば、ことしの「曝買い」と「トリプルスリー」は全く政治的なメッセージは含まれておらず、かなり自粛したのではと思われてしまうくらいである。
 
もっとも恩恵にあずかった日本の一部の企業での「曝買い」も、現地中国の一般国民から見れば一部の富裕層に対する嫉妬感しかないらしい。
  
さらにオジサンからすれば「トリプルスリー」の「3割、30本、30個」という数字並びから連想するのは、昭和のヒーローだった「3番サード長嶋、背番号3」というアナウンスで呼ばれた人であり、そのとき初めてテレビ画面に表示された彼の打率が「3割3分3厘」の「333」でまさに6つも並んだ数字が今でも瞼に鮮明に焼き付いている。
 
今朝の東京新聞「本音のコラム」で文芸評論家の斎藤美奈子が政治家の「失言暴言大賞」を発表していた。
 
【字面に拘泥】
 ダブルバッチ(弁護士バッチと国会議員バッチ)の自民党高村正彦副総裁の発言
【たくさん】
 170人超の憲法学者の違憲声明に対する菅義偉官房長官の3人でも「たくさん」発言
【憲法を法案に】 
 「現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのか」と「てにおは」を取り違えた中谷元・防衛相の失言。
【法的安定性】
 安保法案の合憲性について「法的安定性は関係ない」と言い放った礒崎陽輔首相補佐官の暴言。
 
これらの1つでも選んであげたら、文句はつけられなかったかもしれない。  
 
さて最近ますます安倍政権のメディアに対する支配介入が露骨になっており、「放送法遵守を求める視聴者の会」なる団体が先月14日の産経新聞、翌15日の読売新聞に掲載した意見広告が問題になっているが、その怪しげな団体の正体が「『NEWS23』岸井攻撃の意見広告を出した団体の正体! 謎の資金源、安倍首相、生長の家、日本会議との関係」と暴露されている 
 
以下の記事を読むと、まともな識者たちが正論を述べていることに安心する。
 
<報道・出版への「偏ってる」批判の背景は 識者に聞いた>
 2015年12月2日05時06分 朝日新聞DIGITAL
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 報道や出版などの表現の「偏り」を批判したり、「公平」「中立」を求めたりする事例が相次いでいる。大手書店は「選書が偏っている」との批判を受けて、民主主義を考えるフェアを一時中止。テレビ番組の政治報道を「偏っているから違法だ」と主張する市民団体も発足した。背景や是非について識者に聞いた。
 「記事が偏っているという批判が寄せられる。それには、『ええ、偏っています』と答えるほかない」
 10月15日付の神奈川新聞に、安保法制への抗議行動などを取り上げる同紙の連載「時代の正体」への批判に答えた記事が掲載された。ツイッターやフェイスブックで1万回以上転載、言及されるなど、大きな反響を呼んだ。
 記事の終盤では「私が偏っていることが結果的に、あなたが誰かを偏っていると批判する権利を守ることになる」と記した。
 執筆した論説委員の石橋学さんは「無難な記事を求める社内外の自粛的な雰囲気と、それを受けて閉塞(へいそく)感を覚えている自分自身に向けて書いた」。反響については「10年前なら『何をいまさら』と言われたことを、わざわざ言わないといけない時代だということの裏返し」と語る。
 メディアの役割を「記者一人ひとりが考え抜き、地に足をつけ、公正であろうとする姿勢が大事」と言う一方、「昨今言われる『中立』は思考の停止であり、逃げ道。大事なのは、多様性の中でいかに説得力を持たせるかだ」。
 「偏り宣言」が注目される背景には、大手書店のブックフェアや博物館の展示など様々な場で偏りが批判される現状がある。特にテレビへの風当たりは強く、「政治的に公平であること」を求める放送法4条を根拠に、番組の「違法性」を問う動きも出ていた。
 読売新聞と産経新聞の紙面に11月中旬、「私達は、違法な報道を見逃しません。」とする大型の意見広告が掲載された。広告を出したのは「放送法遵守(じゅんしゅ)を求める視聴者の会」。安保法案の参院採決直前の9月、TBSの報道番組「NEWS23」のアンカーを務める岸井成格(しげただ)氏が「メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」などと発言したことを、一方的だと批判した。
 「視聴者の会」は11月に発足したばかり。呼びかけ人の作曲家、すぎやまこういちさんや、文芸評論家の小川榮太郎さんらは11月26日に都内で記者会見し、小川さんは「安保関連法に関するテレビ番組があまりに極端化していると感じた」と発足の趣旨を説明。安保法制を報じた各局の報道番組の賛成論と反対論の放送時間の比率を独自調査した結果を示し、一部の民放を「洗脳や政治宣伝のレベルに達している」と批判した。今後も報道番組の「監視」を続けるという。
■異論つなぐ姿勢が必要 京都大・佐藤卓己教授(メディア論)
 いろんな場面で「偏り」が指摘されるようになった背景には、電子メディアの普及がある。SNSでは、自分と同じ意見には「いいね」で応え、異なる意見の発信者は即ブロックする状況が生まれている。自分中心の快適な情報空間ができあがり、その延長で、自分とは違う意見に「偏り」というラベルを貼っている。
 それは「場所感覚の喪失」とも言える。政治的に右寄りか左寄りか、自分の立ち位置が誰もよくわからない、という状況だ。
 ネット空間には中立性も客観性もない。目の前にいる人には口にしないことを、反射的に書いてしまう危うさもある。多くは匿名で、実像が見えないため、対話はできない。議論が中抜きにされてしまう。
 私は同時期に東京新聞や産経新聞で論壇時評や紙面批評を連載していたが、心がけたのは「喜ばれないかもしれないが、考えてほしい意見」を書くこと。「他者性」を強く意識した。
 ネット言論が盛んになる中で、全国紙やテレビ局に求められるのは「中間性」だ。お互い背中を向けているような、単なる両論併記ではなく、異なる二つの意見をつなぐ媒介として、その間に立とうとする姿勢のことだ。
 コアな支持者だけに一方的に語りかける「モノローグ」(一人語り)ではなく、違う考えの他者を意識した「ダイアローグ」(対話)を模索すること。マスメディアがそれをやめてしまえば、言論の多様性はますます危うくなる。
     ◇
 さとう・たくみ 1960年生まれ。専門はメディア史。著書に「輿論と世論―日本的民意の系譜学」など。(聞き手・藤原学思)
■書店は「意見交戦の場」 ジュンク堂書店難波店 福嶋聡店長
 中立とは何か。例えば沖縄の基地問題。「基地をなくそう」の対極に、「必要だ」とする主張があるとする。「真ん中」はどこにあるのか。「私は何も考えません」だろうか。
 二つの意見を並べるだけの両論併記は「中立」とは呼ばない。高みの観客席から眺めているだけだ。民主主義社会の主権者がアリーナに立たないのは不誠実だし、「中立」を正義とする社会は、意見を持つことそのものを攻撃することになってしまう。
 ブックフェアは個々の書店員の表現行為だ。ジュンク堂書店難波店では、5月に「反ヘイト本」の常設を始めた。新刊コーナーにヘイト本ばかりが並ぶのに違和感を感じ、「ヘイトをやめよう」という本も並べてみたいと思ったからだ。「偏っている」と苦情を言いに来る人はいるが、丁寧に説明し、「あなたとは意見が違う」と話している。
 書店は本と本、意見と意見の「交戦の場」だと考えている。作家の高橋源一郎さんは、民主主義を「異なった意見や感覚や習慣を持った人たちが、一つの場所で一緒にやっていくためのシステム」と定義している。書店も新聞も放送も、「一つの場所」だと思う。だからこそ、クレームはひたすら回避されるべきものではない。真正面から向き合い、対話や説明の機会ととらえるべきだろう。
 意見を表明しようと思ったら、無傷ではいられない。出版や報道に関わるとき、その覚悟は不可欠だと思う。
     ◇
 ふくしま・あきら 59年生まれ、82年ジュンク堂書店入社。著書に「希望の書店論」など。(聞き手・市川美亜子)
 
あらためて思うのは、「右に偏りすぎている連中」が偏っていると批判する対象は、ある意味では正常な状態であることを意味している。
 
「記事が偏っているという批判が寄せられる。それには、『ええ、偏っています』と答えるほかない」
「私が偏っていることが結果的に、あなたが誰かを偏っていると批判する権利を守ることになる」
 
もっと多くのメディアにかかわっている人たちが、上記のように平然と毅然とした言動を取り、それを世論が後押ししなければならない、とオジサンは思う。
 
最後に「セイコーエプソン:オフィス内で紙を再生 世界初の製紙機」という記事からヒントを得て、偏りすぎている国会議員連中を再生する機械を紹介する。
 
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posted by 定年オジサン at 12:40| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月01日

国境なきテロとテロの被害者差別

国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)には約150カ国・地域の首脳が出席したが、その集合写真を見る限り日本の総理大臣の姿は外国メディアの目には入らなかったようである。
 
COP21:対テロ 首脳『連帯』 パリで演説
 
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記念撮影に臨む各国首脳ら=パリ郊外で2015年11月30日、AP

 
日仏首脳会談で安倍晋三首相は、いつもの調子で「フランスと手を携えてテロ対策に積極的に取り組んでいく。日本としてはテロリストの拡散防止に貢献したい」と話していたそうだが、これはフランスのイスラム国への空爆を支持したことであり、軍事力を使ってイスラム国を壊滅しようとしているフランスの側に立つと宣言しているに等しい。
 
日本のテロに対する姿勢と対照的なのが中国で、10日前の「Record China」にはこんな記事が載っていた。 
 
「中国は対シリア政策を調整しますか?軍事介入を含め、さらに踏み込んだ措置でシリア問題解決に関与する考えはありますか?」と問われた洪磊(ホン・レイ)報道官は次のように答えた。
「中国は一貫して、シリア問題は政治的に解決すべきであり、暴力的な手段に道はないと主張してきた。中国はこれまで解決に向けた考え方を提案しているが、その核心は、シリアの戦火・暴力を止め、包容性のある政治対話と政治の移行によって、国際社会の人道主義支援を強化し、同時に国際反テロ協力を強化することにある。シリア問題の政治的な解決は、2度のウィーンでの外相会議において進展があった。われわれはこの良好な流れを推し進め、早期にシリア問題を解決するよう努める」
 
「政治的に解決すべきであり、暴力的な手段に道はない」との主張はまさに正論であろう。 
 
しかし中国のネットユーザーからは、「次々と人質を拘束しながら、その人質を殺害していく。そんな相手にまだ『政治的解決』とか『暴力的な手段に道はない』とか言えるのか」「ISISと政治的な対話?三蔵法師になって妖怪に道理でも説くってのか?」といった批判もでているらしい。 
 
こんな中国の姿勢に対して「嫌中・嫌韓」の産経新聞は珍しく自己主張せずに冷静に海外メディア記事を紹介していた。
 
<パリ同時多発テロに乗じて中国がまたもやウイグル弾圧強化か?王毅外相「われわれもテロの被害者だ…」>
 2015.11.30 13:00 産経ニュース
 パリ同時多発テロの発生後、中国政府は国際社会に向けて盛んに「反テロでのダブルスタンダードをやめよ」と訴えている。中国は新疆ウイグル自治区の分離独立派を「テロ組織」と見なしており、フランスと連帯するならば、中国の「テロとの戦い」も支持せよ、というわけだ。欧米メディアからは、中国がパリのテロにかこつけて、ウイグル族の弾圧を強めかねないと懸念が出ている。
 
「われわれも被害者」
 
 中国国営新華社通信の報道によれば、中国の王毅外相(62)は15日、トルコ・アンタルヤでのG20外相による非公式会合の席上、「反テロには一致して取り組むべきだ。ダブルスタンダードを持つべきでない」と主張。「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)に代表される東トルキスタンテロ組織への攻撃は、国際的な反テロの重要部分だ」と強調し、「中国もテロの被害者だ」と訴えた。
 中国では近年、新疆ウイグル自治区を中心に、各地で、イスラム教を信仰するウイグル族による施設などの襲撃事件が相次いでいる。背景にあるのはウイグル族の文化・宗教を制限する政府の抑圧政策だ。
 ウイグル族による「テロ」もパリ同時多発テロと同様、イスラム過激派が絡んだ国際テロだとアピールし、各国の協力を取り付けようとする中国の姿勢に対し、英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は17日、北京発の記事で異を唱えた。
 記事は、ウイグル族が絡む事件について、「中国はETIMや他のテロ組織が関与している十分な証拠を示せていない」「ほとんどのケースで、ナイフや粗悪な爆弾が使われており、中国政府の統治に不満を募らせ、絶望した地元育ちの若者が引き起こしたものだ」とする人権団体の見方を紹介。そもそもETIMが、現存しないといわれていることも指摘し、国外のテロ組織の関与に疑問を呈した。
 加えて、「中国政府がこの機に乗じ、パリ同時多発テロを利用して新疆ウイグル自治区での弾圧を強化する」とする人権団体関係者の見解も伝えた。
 
あらゆる活動を同列視
 
 同時多発テロが起きたフランスでは、国営の国際ラジオ放送RFI(電子版)が19日付英文記事で、「中国が、パリ同時多発テロを国内の反テロ闘争に利用しているため、ウイグル族は新たな弾圧を危惧している」と指摘。中国から逃れたウイグル人の組織を束ねる「世界ウイグル会議」のドルクン・エイサ事務局長(48)の次のようなコメントを掲載した。
 「問題は、中国が常に、ウイグル族のあらゆる活動を同列視することだ。平和なデモはもとより、文章を書くことすら、テロリスト性を帯びていると分類される。だから、われわれは恐れるのだ」
 
公式メディアの唐突報道
 
 こうした中、新疆ウイグル自治区の公式メディア新疆日報は20日、自治区アクス地区の炭鉱で9月18日に襲撃事件があり、警察当局が56日間にわたる捜査の末に、28人の「テロリスト」を殺害したと報じた。
 実は、事件の発生や当局による容疑者の殺害は、米政府系放送局ラジオ自由アジアが先に報じていた。だが、その時点で中国当局は事件自体を認めておらず、中国メディアの報道もなかった。
 新疆日報の記事では、ラジオ自由アジアが報じた、「警察当局が殺害した容疑者の中に、子供3人が含まれていた」との情報は伝えられていない。また、新疆日報は、国外の過激派組織が事件を直接指揮したと断じながら、組織の具体名は挙げていなかった。
 中国は、国際社会に反テロ闘争での共闘を求めながらも、国内の「テロ事件」の背景や容疑者の動機を明らかにすることを嫌う。また、とりわけ新疆ウイグル自治区では、外国報道機関や人権団体の活動が厳しく規制されるため、事件に関する中国の発表や報道の真偽の検証も難しい。
 米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は20日の記事で、情報開示に消極的な中国の姿勢が「(テロとの戦いで中国の)協力者になり得る者を慎重にさせているのだろう」と指摘した。(国際アナリスト EX)
 
中国にとってはまさに「獅子身中の虫」とでもいうべき新疆ウイグル自治区なのだが、ウイグル族の文化・宗教を制限する政府の抑圧政策により「中国政府の統治に不満を募らせ、絶望した地元育ちの若者が引き起こした」事件であり、かつ国内問題であろう。
 
このような問題には、それこそ「政治的に解決すべき」であり、「暴力的な手段」では解決しないことは明らかである。
 
たとえ自爆でも無差別に全く関係のない人間を巻き込む殺人は明らかにテロであるが、そのテロによって命を奪われた者は国籍や人種・宗教が異なっても同じ被害者にもかかわらず、扱い方には大きな開きがある。
 
文明の衝突を回避するには何が必要か」の中で、パリで同時多発テロが起きた前日に「ベイルートで連続自爆攻撃、200人以上死傷」というテロ事件が発生していたのだが、日本のメディアの取扱振りはフランスのパリとは格段の違いがあった。 
 
そのため現地に行ってきた田中龍作ジャーナルのベイルートレポートを2本紹介する。 
 
<【ベイルート発】ISと戦うテロに晒された街の経済的徴兵制>
 2015年11月29日 22:37 田中龍作ジャーナル
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イスラエルとの戦争(2006年)で破壊されたビル。12日のテロではない。=29日、ベイルート市内 写真:筆者=
 
 12日、大規模テロがあったダーヒヤ地区に入った。ダーヒヤ地区には高級住宅街とスラムが混在する。
 自爆テロにより約280人もの死傷者を出したのはスラムのあるエリアで、ブルジュ・ブラージュと呼ばれる。
 ここには精強なイスラエル軍が手ひどい敗北を喫してきたヒズボラの本部がある。
 アサド政権と親密な関係にあるヒズボラは、当然のごとくISと敵対する。テロがISの仕業だとする根拠のひとつだ。
 警戒は厳重を極める。ブルジュ・ブラージュの交差点という交差点にはレバノン軍のチェックポイントがあり、兵士が検問にあたる。
 爆破されたビルはビニールシートがかけられていたりして、破壊の凄まじさを外から窺うことはできない。
 
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シリアで戦死した兵士の写真。きょうはヒズボラから許可が出なかったため、車中からの隠し撮りとなった。=29日、ブルジュ・ブラージュ 写真:筆者= 
 
 街のいたる所にヒズボラの若い兵士の写真が掲げられていた。シリアでISと戦い命を落としたのだという。
 戦死した兵士は殉教者として祀られる。彼らの写真が街に掲げられること自体、紛争地域に行けば当たり前のことなので驚きはしない。
 田中はただ やるせなく なった。シリアのアサド政権がヒズボラに依頼して兵士をシリアに赴かせているのだという。
 レバノンに強い影響力を持っていたアサド政権はヒズボラと親密な関係を保ってきた。ヒズボラはアサド政権の要請を むげに 断ることはできないのである。
 スラム街にあって満足な仕事に就けなかった若者がシリアでISと戦い殉教すれば、死後はヒズボラが家族の生活まで面倒を見てくれる、という。
 究極の経済的徴兵制である。
  
下記の記事には日本のメディアでは伝えられない写真が掲載されている。
 
<【ベイルート発】 地元住民「日本はなぜ米国とフレンドなのか?」>
 2015年11月30日 22:06 田中龍作ジャーナル
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フセインさんの店には自爆テロ実行者の上半身だけが飛び込んで来た。=12日、ブルジュ・ブラージュ 写真提供:フセインさん= 読者の皆様。自爆テロの現実を伝えるために凄惨な写真の公開に踏み切りました。
 
 ベイルートのスラムで12日に起きた大規模テロは想像以上に凄惨だった。ヒズボラの許可を得て現場に入り、ヒズボラ立ち合いのもと住民の話を聞いた。
 現場はミッド・ダーヒヤと呼ばれるブルジュ・ブラージュのディン・アル・シヴィア通り。幅3m足らずの道路の両脇に小さな商店がひしめく。
 1発目の自爆テロがあったのは午後4時45分頃だった。実行者の男がパン屋の前にバイクを乗り付け、バイクを爆発させた。腰に巻いていた自爆用のベルトは作動しなかった。
 パン屋経営者のフセイン・ショコルさん(40代)は、近くの商店に出かけていたため難を逃れた。大きな爆発音を聞き、すぐに自分の店に戻ってきた。
 店は粉々に壊れ、自爆テロ実行者の上半身だけが店内に飛び込んでいた。
 
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2発目の現場。身を賭して住民を守ったアデルさんと犠牲者を追悼する花輪が供えられていた。取材にはヒズボラの警察官が絶えず立ち会った。=30日、ブルジュ・ブラージュ 写真:筆者=
 
 2発目は7分後に起きた。パン屋から50mほど離れた場所だ。夕方の買い物客で賑わうなか、不審な男が「アラー・アクバル」「アラー・アクバル」とブツブツ唱えながら歩いていた。
 道行く人が「テロリストだ」と叫んだ。居合わせたアデル・トゥルモスさん(30代)が男を羽交い絞めにした。
 男は自爆ベルトを作動させたが、アデルさんが盾となったため、被害は大きくならずに済んだ。アデルさんは身を賭して住民を守ったのだ。
 前出のフセイン・ショコルさんは、筆者が日本人ジャーナリストと知るとまくし立てた ―
 「ISは貧乏人を殺してどうするんだ。アメリカは『テロとの戦争』などと偽りながらISをサポートしている。日本はなぜアメリカとフレンドなのか?」
 フセインさんは西側メディアの報道についても怒りを隠さなかった。
 「世界のメディアの90%はアメリカの影響下にある。アメリカはISがアラブ諸国の人々を殺そうとしていることを世界に知らせたくないのだ」と。
 アラブ世界の情報は部族社会や出稼ぎを通じ、口コミで伝わる。ミッド・ダーヒアの住民から聞く話は、ネット情報を つぎはぎして語る日本のコメンテーターの説よりも信ぴょう性があった。
 
フランスのパリのテロで死んだ市民と、ベイルートのスラム街で同じテロで亡くなった住民と、どれだけ差があるのだろうか。
 
約150カ国・地域の首脳が集まりテロに対抗する国際社会の連帯をアピールするよりも、テロリストたちを生み出した根本原因を明らかにしてその対策を協議し、世界から貧困を根絶する連帯を取ることの方が、長い目で見ればズット効果があるはずである。 
 
ISは貧乏人を殺してどうするんだ。アメリカは『テロとの戦争』などと偽りながらISをサポートしている。日本はなぜアメリカとフレンドなのか?」という言葉の意味は、そう遠くない日に日本がテロの標的になることを暗示しているのではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:54| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする