2016年02月29日

人の老衰は大往生だが原発の老衰は大事故になる

65歳を過ぎると「高齢者」(前期)の仲間入りらしいのだが、それゆえなのか新聞の「訃報欄」が気になってくる。
 
自分より若い人の死には詳細な事情は分からぬも「早死に」してしまい遺族の悲しみも大きいことだろうと勝手に推測してしまう。 
 
しかしオジサンより年上の死亡記事を見る時は、「自分はこんな年まで生きられるのか?」という思いと、このくらいの年ならば本人も納得しているかな、と無責任な思いがよぎる。
 
特に男性の平均寿命は昨年の発表によると80.21歳と初めて80歳を超えたという。
 
今日の朝刊の訃報欄を見ていて気になることがあった。 
 
「西田善夫氏(にしだ・よしお=元NHKアナウンサー、スポーツアナリスト)27日、心不全のため死去、80歳」
 
平均寿命まで生きたのだから一般的かなと思いながら、次の人を見ると、
  
「渡辺嘉蔵氏(わたなべ・かぞう=元社民党衆院議員、元官房副長官)28日、急性心筋梗塞のため死去、90歳」
 
とあり、この人はオジサンの父と同じ年齢で亡くなり、心筋の限界に至った死なのかもしれない。
 
しかし、3人目の人を見て少々疑問に思った。 
  
「中田作成氏(なかた・なりしげ=市民運動家)26日、老衰のため死去、77歳」
 
死因が「老衰」となっており、しかも年齢が77歳とは最近の元気な高齢者からすれば「まだまだ若い」部類に入るかもしれない。
 
ちなみに、前日訃報記事の死因と年齢を調べると、「肺炎のため死去、92歳。」、「急性呼吸不全のため死去、83歳」、「心不全のため死去、88歳」と特に変わった表現は無かったのだが、1人「死去、101歳」という人がいた。
 
100歳を超えると多くの臓器が加齢とともに機能不全となるので、特に死因が特定できないときは、こんな表現になるらしい。 

「生物学的・医学的には加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下することである」(Wikipedia)というのが「老衰」の定義らしい。
 
そして、多臓器不全により恒常性の維持・生命活動の維持ができなくなり死亡したと判断された場合は、死亡診断書に直接的死亡原因として老衰と記載されるという。
 
20世紀後半以後の日本においては、死亡者の死亡場所の大部分は病院であり、医師が心拍と呼吸の停止、瞳孔散大と対光反射の消失により死亡を確認するのだが、亡父の場合もオジサンが呼吸器を付けながら自力呼吸をしていた父を病室で一晩中見ていたが、ある瞬間ピタッと止まり、別室で待機していた医師に死亡を確認してもらった。
   
すでに前夜から意識不明状態であったので苦しむことなく臨終を迎えた。
 
その後の医師の診断書には多臓器不全とされていた。
 
しかし、デイサービス中に脳梗塞になり2か月後には緊急搬送された病院を追い出され、終の棲家となる老人施設への入居を待っている間、一時的に入れられた高級リハビリ施設で誤嚥から肺炎となり、最後は多臓器不全状態で人生を終えたのだが、決して大往生とは言えない父の死ではあった。
 
「人間は死ぬまで生きている」という人がいれば「人間は産まれた瞬間から余命を短くしていく」という人もいる。
  
自死や外的要因による死以外は、生命の灯が尽きるまで全うすることができるのが人間かも知れない。
 
そして個人差はあるが死ぬまで精いっぱい生きても、他人を巻き込むことはない

しかし、人間と違い、寿命を延ばされて稼働し、ある時突然その終焉を迎えた場合は大事故となり計り知れない影響を周辺に及ぼすのが原子力発電所という核施設である。
 
人間が決めた運転期間のルールを、人間が自ら破るということが起きている。 
   
<高浜1・2号機 「40年超」初の新基準適合 規制委>
 毎日新聞 2016年2月24日 12時23分
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 原子力規制委員会は24日の定例会合で、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)が新規制基準に適合しているとする審査書案を了承した。事実上の審査合格で、運転開始から40年を超える老朽原発では初めてとなる。規制委は意見公募などを経て、4月以降に正式な審査書をまとめる見通しだが、再稼働のためには運転延長などの認可がさらに必要で、法的な期限となる7月までに手続きが間に合わなければ廃炉になる可能性もある。
 新基準に適合した原発は、高浜3、4号機や九州電力川内(せんだい)1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)の5基あり、今回で計7基となる。しかし、高浜1、2号機の場合は手続きが7月に間に合ったとしても大規模な改修工事が必要で、再稼働は早くとも2019年10月以降になる。
 高浜1号機の運転開始は1974年11月、2号機は75年11月で、ともに40年を超えた。東京電力福島第1原発事故を受けた法改正で、原発の寿命は原則40年に限られ、一度だけ最長20年延長できる。そのためには審査の合格に加え、詳細設計を定める工事計画と運転延長の認可を期限までに得なければならず、高浜1、2号機の場合は新基準施行から3年に当たる7月7日が期限となる。20160229_mainiti.jpg
 審査では、老朽原発では1基当たり数百キロメートル使用されているとされる可燃ケーブルの取り扱いが焦点となったが、関電は難燃ケーブルへの交換が難しい場所については、可燃ケーブルに防火シートを巻いて延焼を防ぐ安全対策を提示。規制委もこれを容認した。地震・津波対策については既に合格している3、4号機のデータを利用した。関電は昨年3月に1、2号機の審査を申請し、11カ月の短期間で審査を終えた。
 高浜原発は3号機が今年1月に再稼働し、4号機も水漏れが発生したものの、関電は予定通り今月26日の再稼働を目指している。【酒造唯】
 【ことば】原発の40年運転制限(40年ルール)
 2013年7月8日施行の改正原子炉等規制法に盛り込まれた。導入当時の民主党政権が「圧力容器が中性子の照射を受けて劣化する時期の目安」として、ルールを定めた。運転延長には、運転開始から40年がたつ前日までに規制委の許認可を受ける必要がある。高浜1、2号機は既に運転40年を超えているが、施行後3年の猶予期間があるため7月7日が認可手続きの期限。電力各社は40年ルールに基づき、日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県)など5基の廃炉を決めている。
解説 廃炉ルール形骸化も
 運転から40年を超える関西電力高浜1、2号機は、原子力規制委員会が事実上の合格証をまとめたことで、延命への道を一歩進んだ。今後の手続き次第で廃炉の可能性は残るが、原発運転の「40年ルール」が、早くも骨抜きにされることを意味する。
 2基の安全審査が申請されたのは昨年3月。全国22、23基目と「後発組」だったが、規制委は昨秋以降、毎週のように2基の審査を開き、6、7基目という早い順番で審査書案了承にこぎ着けた。申請から2年半以上経過しても合格証が出ない原発もある中、こうした「厚遇ぶり」は異例だ。
 規制委が審査を急いだ背景には「時間切れで廃炉」の事態を避ける狙いがある。2基は7月に法的なタイムリミットを迎える。審査が長引いて廃炉になれば、電力会社から訴えられるリスクを抱えることになる。政府にとっても、2030年度の電源構成で原発比率を20〜22%とする方針を守るには老朽原発の運転延長が不可欠で、廃炉を避けたいのが本音だ。
 しかし、最長20年の運転延長は、あくまで「例外」だったはずだ。規制委の田中俊一委員長も「20年延長は相当困難」(12年の規制委発足直後の記者会見)と述べていたが、実際はわずか11カ月の審査で結論を出した。今回のケースを足掛かりに「40年ルール」が形骸化する恐れもある。
 40年ルールは、福島第1原発事故を教訓に原発依存度を減らすことを目指し、国会で成立した経緯がある。規制委はこうした初心に立ち返るべきではないか。【酒造唯】
 
「可燃ケーブルに防火シートを巻いて延焼を防ぐ安全対策」より以前に、「圧力容器が中性子の照射を受けて劣化する」ことによる事故の方がはるかに影響は大きいのだが、劣化した圧力容器を交換するということは「廃炉」そのものであり、現実的には老朽原発の延命は不可能なはずである。
 
再び大事故が起きても、原子力規制委員会は「新規制基準に合格したのであって安全を保証するものではない」と責任逃れをするだろうし、関西電力は、お決まりの「想定外」を連発するかもしれない。
 
こんな無責任体制で老朽化原発が再稼働され、被害を受ける可能性がある周辺住民が運転認可差し止め訴訟を起こした。 
 
<高浜1、2号機の「40年超」認可差し止めを 住民、名古屋地裁に提訴へ>
 2016年2月29日 朝刊 東京新聞
20160229takahamagenpatu.jpg 運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)をさらに20年運転させる原子力規制委員会の延長認可の差し止めを求め、福井県や東海地方の住民が4月中にも、国を相手に行政訴訟と仮差し止めの申し立てを名古屋地裁に起こすことが分かった。老朽化による安全性低下を争点とする方針で、相次ぐ原発訴訟の新たな流れを生みそうだ。
 老朽原発をめぐっては、東京電力福島第一原発事故後の2012年、原子炉等規制法の改正で「40年で原則廃炉」と規定されたが、規制委は今月24日、関電が1、2号機で予定する安全対策が新規制基準に適合するとの審査書案を全国に先駆けて了承。運転期間満了の7月7日までに規制委が延長を認可すれば、対策工事を施した上で最長60年の運転が可能になる。
 原告団と弁護団は「延長運転後に事故が起き重大な損害が生じる恐れがある」として規制委に認可を出さないよう訴え、認可が出された後は取り消し処分を求めて争う方針。老朽化した1、2号機の原子炉圧力容器では、核燃料から放出された中性子を受け続けたことによる劣化現象が起こるため、原子炉等規制法に基づく技術基準を満たさない、と主張。規制委による審理でも問題化した、重要機器をつなぐケーブルの防火策の不備も訴えるという。
 福島事故後は立地自治体以外の裁判所での原発訴訟が増えているが名古屋地裁では初めて。高浜原発をめぐっては昨年4月、福井地裁が1、2号機の約10後に稼働を始めた3、4号機の運転を禁止する仮処分を出したが同12月の異議審で地裁の別の裁判長が仮処分の取り消しを決定。3号機は今年1月、4号機は今月26日に再稼働した。
 福島事故では放射性物質が広範に飛散し、政府が半径250キロ圏内の住民への避難指示を検討していたことも判明。原告が勝訴した福井地裁での大飯3、4号機訴訟の判決では、同キロ圏内の住民の原告適格性が認定され、福井県内の原発に対する訴訟が隣接する大津、京都地裁で相次いで提起されるなど、県境を越えた法廷闘争が繰り広げられてきた。
 名古屋は高浜原発の約130キロ南東に位置し、季節風の風下に当たる。
 
一般的に工業製品は保証期間を過ぎると無料修理義務はなくなるが、製造物責任は存在する。
  
しかし原発に関しては「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」の第4条3項で、「原子炉の運転等により生じた原子力損害については、(中略)製造物責任法の規定は、適用しない」と明言されている。
 
この法律により日本の原発ビジネスが成り立っており、福島第一原発大事故が起きても、2年後の試算でも原発事故の総被害額は20兆円で投入された税金が3兆円以上にも上りながらも原子炉メーカーの負担額はゼロであった。
 
規制委員会により延命された原発が「老衰」を迎えたらどうなるのか。
 
一体誰が責任をとるのか。
 
2010年に原発にも製造物責任を問える法律を作ったインドに、安倍政権は原発輸出の前提となる原子力協定の締結に原則合意している。
 
近い将来、インドで原発が稼働し事故が起きた場合は日本のメーカーは製造物責任を問われ莫大な損害賠償金を取られ、おそらくはメーカーとしての存続の危機に陥ることが予想される。
 
いくら訴訟を起こされても国策に背く判決を出す勇気ある裁判官は残念ながら地裁レベルまでという現状では、日本国民を黙らすことはできても外国から訴訟を起こされたならば、その時点で日本は最大の窮地に立つことだろう、とオジサンは思う。

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2016年02月28日

まだある2020年東京五輪の競技施設問題

いつもの年なら今日が2月最後の日なのだが、今年は「五輪イヤー」の閏年なので、明日が月末となる。
 
そしてスポーツ界では各種目毎に「リオ五輪」出場候補の選手や団体が出場を決め初め、男子サッカーではU23によるアジアカップの優勝により五輪出場を決め、女子サッカーは29日からアジア最終予選が始まる。
 
こんなムードの中では2020年五輪に関する話題がめっきり減り、精々盗作疑惑でやり直しになったエンブレムの最終決定段階程度しかない。
 
「A案」か「B案」かと騒がれた新国立競技場建設問題は、結局「A案」になったらしいが、その後のスケジュールが表に出ないのだが、「新国立競技場の整備計画」によれば現在は「設計委託契約」が終わり基本設計の段階らしい。
 
初期の見積もり費用より大幅に増えた施設の増加金額は新国立競技場ほどではないが、かなりの数の施設の予算が膨らんでいることは既に明らかにされている。 
  
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特にその中でも当初見積額の7倍以上に膨れ上がった「海の森水上競技場」は建設金額の高騰のみならず、使用するアスリートから競技に際して異議が出ているという。 
 
<逆風に揺れる東京五輪「海の森競技場」 ボート選手から「異議あり」>
 2月23日(火)12時13分配信 YAHOO!ニュース
 「海の森水上競技場」をご存知だろうか。2020年東京オリンピックの「ボート」「カヌー(スプリント)」の競技場として、東京湾の埋め立て地の水路に計画された施設だ。ところが、計画が具体化するにつれ、肝心のアスリートたちから「海の競技場なので波や風の影響が強すぎる。競技に向かない」といった声があがっている。さらに建設費が一挙に7倍に膨らんだことから、「壮大な負の遺産」への懸念もある。東京五輪をめぐる施設の問題は、新国立競技場だけではない。「海の森」の何がネックなのか。(Yahoo!ニュース編集部)
 
「海水でのボート競技はやりたくない」
日本体育大学ボート部の鈴木正保監督は1年ほど前、オリンピックの出場経験者と一緒に「海の森」予定地に出向き、実際にボートを漕いでもらったことがある。

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ボート競技は静かな水面で行うのが理想とされている(撮影:木村肇)

 
「あそこに行ってみると分かるんですが、風力発電の風車が立っています。風力発電ができる風が吹く場所という証拠みたいなものですから。その風も(コースの)横から吹いてくる。横風が吹くと、ボート競技、カヌー競技では大変な問題になる」

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海の森水上競技場の建設予定地のすぐそばにある風力発電所

 
海の森水上競技場は、東京港中央防波堤の埋め立て地の間にある水路を利用して整備する。住所は東京都江東区の青海地区。すぐ近くに鉄道の駅はなく、JRや地下鉄の「新木場駅」からタクシーで約15分という場所だ。東京近郊の人には、お台場の先のごみ埋め立て地の上に整備中の「海の森公園」の一角と言った方が分かりやすいかもしれない。
鈴木監督の懸念は何よりも、この「海の競技場」という点にある。海からの風を防ぐため、計画では防風壁を作ることになっているが、「コンクリートに囲まれているんですよ。莫大な金をかけて人工のコースを作って、そこで是非オリンピックをやりたいというのはおかしい」。

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海の森水上競技場の完成イメージ図(画像提供:東京都)

 
おまけに、この場所は超過密空港でもある羽田空港への飛行コース直下にある。「集中したい選手が旅客機のごう音によって集中力もなにかも吹き飛ばされてしまう」と鈴木監督は付け加えた。
日本におけるボート競技の第一人者も「海の森」に強い懸念を持っている。1996年のアトランタ五輪から5回連続で五輪に出場した武田大作選手(DCMダイキ所属)だ。2000年のシドニー五輪と2004年のアテネ五輪では、軽量級ダブルスカルで6位入賞を果たした実績を持つ。

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海の森水上競技場の建設予定地(撮影:木村肇)
 
「完全な海水でのボート競技は五輪で初めて。不適当だと思います」と武田選手も言う。
「海だと(浮力で)若干、舟が浮いたようになり、風によるうねりもある。本当に漕ぎにくい。(うねりを防ぐために堰を造ったとしてもコースの)左右で差が生じます。コースの幅が広いので、両岸でフェアかというとフェアではない。海なので必ず風が吹き、レーン差が出ます。後輩も『本当に海でやるんですか』という意見ですね。みんな、びっくりやと思いますよ。あのコースはだめですね。みんな、あそこでやりたくないと言っていますね」

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風下のレーンのほうが波や風の影響を受けやすく、風上より不利になる

 
「都市開発ありき」の指摘も 
不透明な事業予算の問題も大きい。
東京都が2013年1月、国際オリンピック委員会(IOC)に立候補ファイルを提出した時、「海の森」の本体工事費は69億円とされていた。ところが、その年の9月に東京開催が正式決定された後、工事費はいきなり、1038億円と見積もられた。一挙に10数倍である。国民注視の中で進んだ新国立競技場のケースは、1300億円が2500億円に倍増して大騒動になった。金額の大きさは違うが、膨らみ方は「海の森」がはるかに大きいのだ。
2014年11月になると、舛添要一都知事が「圧縮した」と都議会で表明し、金額はおおよそ半分の491億円になった。それでも、当初の見積もりの7倍だ。

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「海の森」建設のための資材を運び上げる予定の船着き場(撮影:木村肇)

 
なぜ、こんなことになっているのか。東京都オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長の花井徹夫氏にたずねると、こう説明した。
当初の69億円というのは、立候補ファイル時点の整備費です。やりたいです、と立候補した時の金額なんですよ。なので、具体的なことが極めて難しい中、本体工事費だけを計上しています。調査や設計、周辺の整備費は含んでいなかったんですね
 
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水面を滑るように進むボート。この環境を作るのにいくらかかるのか(撮影:木村肇)

 
花井氏の説明によると、本体施設の設計費や上下水道など周辺整備の費用、海域の調査に掛かる経費といったものは、東京開催の決定後に足し算した、というのだ。工事期間中の警備に関する費用、消費税の増税分(立候補当時は5%、開催時は10%)、物価上昇の見込みなども盛り込んだ結果、「491億円」という見積もりに変更されたのだという。
そういった計画に対し、「2020オリンピック・パラリンピックを考える都民の会」のメンバーは、異を唱え続けている。五輪開催を都民の目線で見つめ直し、より良い大会にしようと活動を続ける団体だ。

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「海の森」建設予定地を視察する萩原純一さん(左)と市川隆夫さん(撮影:須藤美香)

 
都民の会事務局長の萩原純一さんはそもそも、「海の森」はスポーツ振興のためなどではなく、都市開発ありき、で始まったと考えている。同じく都民の会のメンバーの市川隆夫さんはこう指摘する。
「2016年(開催の五輪)招致に失敗した時も、ボートとカヌーはここでやる計画だったんです。臨海部の選手村を中心に8キロ圏内に施設を集め、コンパクトなオリンピックということを売りにした」

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東京五輪の競技施設の多くは、選手村に近い「臨海部」に集中している
 
その8キロ圏内を地図に落とすと、東京の臨海部がすっぽりと入る。そこは企業誘致などが思い通りに進んでいない再開発エリアでもある。
「東京都は臨海部開発の失敗したツケをね、オリンピックでいろいろ(施設を)ここに持ってきてという狙いがあるんじゃないかって。(邪魔な)橋も撤去して。そういう東京都の全体計画の中で臨海部を再開発する大きな狙いがある」と、萩原さんは疑念を口にする。

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五輪開催の2020年に向けて工事が進む(撮影:木村肇)

 
都市政策を専門とする五十嵐敬喜・法政大名誉教授も「海の森」の経緯には大きな疑問を持っている。「節約でコンパクトな五輪にすると言ってたものが、どんどん膨れあがっている。(森喜朗氏の話では)何兆円になる、と」
五十嵐名誉教授の指摘のポイントは、情報公開の少なさ、にある。
「わけの分からない金がずっと積み上がっていく。前に1038億円に増えたとき、関連施設を入れるから増えたと聞きました。じゃあ、どんな関連施設か、何と何か。それすら分からなかった」

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海の森水上競技場の予定地の上空を飛ぶ航空機(撮影:木村肇)

 
工事の主体もばらばらで、「海の森」本体の発注者は東京都港湾局。他国のように「スポーツ省」などが全体を見渡し、工事など準備段階から統一的に仕切っていく仕組みになっていない、とも指摘する。「新国立競技場より目立たないから関心が低いと思うが、問題の性質と疑惑は国立競技場と同じ。もっと根深いかもしれない
却下された「ボートの町」の代替案 
アスリートが反対し、都民や専門家も疑問を投げかける「海の森」。実は、「反対」の声の中には代替案もあった。発信地は埼玉県戸田市。前回1964年の東京五輪でボート競技の会場となった戸田漕艇場がある。「ボートの町」として、名は全国に知れ渡っている。

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戸田漕艇場。日本のボートのメッカとして知られる(撮影:木村肇)

 
その戸田市は日本オリンピック委員会(JOC)や東京都に「戸田市の彩湖を会場にしてほしい」と要望してきた。戸田漕艇場は現在では国際規格に合わず、五輪会場にはなれないが、同じ市内には荒川の調整池として造られた「彩湖」がある。淡水の湖なので当然、塩の影響はない。風は静か。波の影響もない。広さも十分で、アスリートたちも「臨海部の海でやるより、彩湖がはるかにいい」と口にする。

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戸田漕艇場の艇庫には数多くの競技用ボートがある(撮影:木村肇)

 
戸田市の神保国男市長によると、ボート競技の関係者らが地元建設業者に見積もってもらったところ、国際規格のコースが50億円弱で可能だったという。そこで、彩湖での競技場計画を立て、図面も完成させ、東京都にも組織委員会にも持って行く。最初は2014年9月だった。翌年1月にも東京都知事あてに要望したが、芳しい反応はなかった。
「東京湾は通常、3〜4メートルの風が吹くでしょう? ここはほとんどありません。公平なレースができる、と。費用面でも非常に安く済む、と」。さらに付け加えたい、と市長はこう言った。「五輪後の利用については、まさに戸田が今までずっとやってきた。選手も日頃、戸田に来ている。戸田で開催すれば競技場はオリンピックの遺産として残ります」

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埼玉県戸田市にある彩湖。遠くに日本アルプスが見える(撮影:木村肇)

 
ボートの町で長年、アスリートたちを励まし、育ててきた埼玉県ボート協会理事長の和田卓さんも、彩湖の優位性をこう強調する。
「日本の一番いい場所を世界の人たちに見せる。世界最高の場所を日本が提供し、最高のパフォーマンスを出してもらうのが、ホスト国としての役割じゃないかなと思います」

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カヌー競技も静かな水面が望ましい(撮影:木村肇)
 
ボート競技だけでなく、カヌー競技でも「海」の影響は大きい。埼玉県カヌー協会理事の藤田五月さんは、他の競技関係者と同様、風の影響を挙げた上で、カナディアン・シングルで不公平が出るとの見方を示す。カナディアンは右漕ぎ・左漕ぎの選手がおり、横風があると、「アンフェアな競技になる」と言う。
戸田漕艇場では連日、大学ボート部員らが厳しい練習を続けている。「海の森」に反対ではない、と考える法政大学ボート部のコーチも、波や風の影響を懸念する。学習院大学のヘッドコーチも「ボートって白波が立つとレースをするかしないか、というレベルになる。ボートをやる場所としてどうか。交通の便も含め、戸田の方が圧倒的にいい」。東京大学ボート部の選手も同意見だった。

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戸田漕艇場で練習するボート選手の手のひら。この鍛錬の先にオリンピックがある(撮影:木村肇)

競技の主人公であるアスリートたちが懸念を示し、予算面でも疑問が指摘される「海の森」。しかし東京都は、施設の本体工事を落札した施工業者と正式に契約を結び、新年度から本格的に競技場の建設を始める予定だ。
 
上記の同サイトで行っている「五輪の競技場の整備について、あなたがもっとも重視すべきだと思う点」の投票では、合計:46,212票の内、「選手が競技しやすい環境」に対する投票が18,714票で40.5%を占めていた。(2月28日現在)
 
しかし、この会場は「東京都は臨海部開発の失敗したツケをね、オリンピックでいろいろ(施設を)ここに持ってきてという狙いがあるんじゃないかって。(邪魔な)橋も撤去して。そういう東京都の全体計画の中で臨海部を再開発する大きな狙いがある」と言われるように、アスリート・ファーストではなく、箱物行政の一環で建設を進められている。
 
もはや国威発揚の場としての五輪の時代ではないと思う。
 
2兆円にも上るという2020年五輪の総運営費は、ほとんどが一般の国民には恩恵をもたらさないことは過去の多くの国の五輪のその後を見れば明らかであろう。
 
純粋にアスリートを目指す子どもたちの夢と希望の象徴としての五輪ならばまだしも、大手ゼネコンだけが潤うような時代遅れの五輪なら必要がない、とオジサンは思う。

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posted by 定年オジサン at 11:43| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月27日

あれから5年経つのに全く体質が変わらぬ電力会社

今週は関西電力の高浜原発に注目が集まっていたが、民主党政権時代に原子炉等規制法が改正され、原発の運転期間は原則40年と決められたのだが、原子力規制委員会が安倍政権の方針に従い、老朽化した関西電力高浜原発1、2号機について、新規制基準に基づく安全性を確認したとする審査書案をまとめたという事実が2日前の報道で明らかになった。
 
これについては原発推進メディアは社説で「原発40年超運転 『時間切れ廃炉』は許されない」と題して次のように主張していた。
 
政府は、2030年の電源構成で原発比率を20〜22%とする目標を掲げている。「40年廃炉」が相次ぎ、新増設もなければ、30年の原発比率は15%前後にとどまる。49年にゼロとなる。
 発電コストなどに優れた原発の活用は、日本経済の再生に欠かせない。原発を主要電源として活用し続けることが重要である。
 政府は、安全が確認できた原発の運転延長だけでなく、新増設の方針を明確に打ち出すべきだ。
 
相変わらず原発の「安全神話」に取りつかれているのだが、すでに論破されている「発電コストなどに優れた原発」を振りかざし、世の中の動きに逆行するような「新増設の方針を明確に打ち出すべきだ」とまで言い切っている。
 
その前日に「炉心溶融の判定基準発見 東電、3日後に公表可能だった」という驚くべき事実が明らかになった。
 
それによると、東電は、判定基準は、事故対応の方針を定めた10年4月改訂の「原子力災害対策マニュアル」の中に「炉心損傷の割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定する」と明記されていたにもかかわらず、「判断する根拠がなかった」ために炉心溶融の公表が遅れたと説明している。
 
さらに、東電は事故発生から3日後の3月14日午前、格納容器内で測定された放射線量から3号機の炉心損傷割合を30%、1号機も55%と確認し、2号機も15日夕に35%と分かっており、いずれも5%を大幅に超えており、炉心溶融と判定・公表ができたとしているにもかかわらず、当時は、この基準があることに気付いておらず、2年前にマニュアルを改訂した際も見落としていたと認めているのである。
 
ましてや、 東電の担当者が「気付くのに5年間かかったことは誠に申し訳ない。今まで十分な調査ができていなかった点は反省している」と謝罪までしていた。
  
それに対して、同原発推進メディアは「『炉心溶融』判定 責任感を欠く東電の情報発信」という社説の中で東電批判の矛先を変えていた。
 
当時の原子力安全・保安院は、震災翌日に1号機建屋が水素爆発した際、「炉心溶融」と発表した。だが、その時の広報担当者を交代させ、「溶融」という表現を使わなくなった経緯がある。
 政府事故調査委員会は、当時の政府の姿勢について、「『炉心溶融』に言及するのを避けるため、無理のある広報の形跡も認められ、積極的に否定する趣旨の発言を行った」と批判している。
 東電が、情報を発信する際に、政府の対応に合わせたことも考えられるだろう。
 福島の事故後、原子炉等規制法や災害指針が改正され、混乱を招かないよう、事故報告で「炉心溶融」は用いないことになった。
 
「東電が、情報を発信する際に、政府の対応に合わせたことも考えられる」という一方的な根拠のない推測で、暗に当時の民主党政府を批判しているようである。
 
読者を意識的にミスリードする悪意ある社説である。 
 
運転から40年を経ていないが4年7か月も稼働していなかった高浜原発4号機が、一次冷却水漏れ事故が発生したにもかかわらず予定通り再稼働してしまった。 
  
<高浜4号機 不安の再稼働 冷却水漏れ直後、予定通>
 2016年2月27日 07時02分 東京新聞
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 関西電力は26日、高浜原発4号機(福井県高浜町)を再稼働させた。福島第一原発事故後の原子力規制委員会の新規制基準下では、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)、高浜原発3号機に続き2カ所四基目。4号機では20日、原子炉補助建屋でボルトの緩みが原因で放射性物質を含む一次冷却水漏れが起きたが、関電は同様の弁を点検するなど対策を済ませたとして、当初予定通りの日程で再稼働させた。
 4号機の再稼働は4年7カ月ぶり。3号機と同様、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサーマル発電」での再稼働になる。4号機での実施は初めて。
 関電の八木誠社長は26日の会見で、3、4号機の本格運転再開を前提に「5月1日から電気料金を値下げする」と述べた。
 4号機の中央制御室では午後5時、運転員が核分裂を抑える制御棒を引き抜くレバーを動かし、原子炉を起動した。
 順調に進めば、27日午前6時ごろに核分裂が安定して続く「臨界」に達し、29日に発電と送電を開始、3月3日にフル出力運転に入る。関電は3月下旬に通常の営業運転に移行させたい考えだ。
 一方、先月再稼働した3号機は26日、原子力規制委員会によるすべての検査が終わり、営業運転に移行した。
 避難計画の策定が義務づけられる高浜原発から30キロ圏には福井、京都、滋賀3府県の12市町が含まれ、約18万人が暮らす。計画は昨年12月、複数府県にまたがる広域避難計画として初めて国の原子力防災会議で了承された。だが、実効性を確認する住民参加の避難訓練は実施のめどが立っていない。
 
4月から家庭向け電力販売自由化がスタートする。
 
関西電力の八木社長は、東日本大震災後の2度の値上げで全国的にも割高な電気料金なので「価格競争力で劣る」と経営戦略上の理由から高浜3、4号機を動かせば燃料費が月100億円減るとしており、それを原資に値下げすることで、新規参入組に対抗する考えらしい。
 
関電はこれまで、原発再稼働を急ぐ理由のひとつに「電気の供給力不足」をあげてきた。
 
大震災前は発電量の5割近くを原発に頼っていたが、福島第一原発事故後にすべての原発が止まり、自社で営業エリア内の電気をまかなえなくなり、冷暖房で電気の使用量が増える夏や冬は、中部電力や中国電力などからの「応援融通」に頼らざるを得ない状況が続いてた。
 
しかし、いまは原発なしでも電気に余裕がある状況になりつつある事実をあえて見ようとしていないようである。
 
関電の販売電力量は、最高だった2010年度の1510億キロワット時から下がり続け、14年度は1割以上減った。
 
今年度はさらに減ると見込まれており、電気需給の「厳しさ」を示す最大電力使用率95%以上の日数は昨夏はゼロになっているという。

すでに日本中で「節電意識」はかなり浸透している証でもある。

また、原発を動かせば動かすほど使用済み核燃料が増えることは誰でもが知るようになった。
 
関電の高浜、美浜、大飯原発では使用済み燃料を入れるプールがほぼ7割埋まっており、全9基の原子炉を再稼働すれば7〜8年で満杯になってしまい、許容運転年数すら全うできない事態になってくる。

「使用済み燃料は青森県六ケ所村の工場で再処理され、燃料としてよみがえる」という国の方針の核燃料サイクルも肝心の工場は完成延期が続き、実現のめどは立たないというのが現状である。

しかも、高浜原発4号機は3号機と同様にプルサーマル発電なので生じる使用済みMOX燃料は六ケ所の工場で再処理できなず、当面は原発内で保管するしかない。
 
このような国の無策により問題はどんどん先送りされているのである。
 
過去の原発事故も国策にしたがって起きた事故で自分たちには責任がないと逃げていた東電旧経営陣の3人組が、ようやく強制起訴されることになった。 
 
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左から勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長【毎日新聞より】

 
<東電元会長ら3人 29日に強制起訴>
 2016年2月27日 朝刊 東京新聞
  東京電力福島第一原発事故で、東京第五検察審査会から2度、起訴すべきとの議決を受けた東電の勝俣恒久元会長(75)ら旧経営陣3人について、検察官役の指定弁護士が26日に会見し、3人を29日に業務上過失致死傷罪で、在宅のまま強制起訴することを明らかにした。
 他の2人は、ともに原子力・立地本部長を務めた武藤栄元副社長(65)と、武黒(たけくろ)一郎元副社長(69)。3人は無罪を主張するとみられる。強制起訴されれば、2009年5月の改正検察審査会法施行後、9件目となる。
 指定弁護士の石田省三郎弁護士(69)は会見で、3月11日に業務上過失致傷罪が公訴時効(5年)を迎えるため、準備を進めてきたとし、「29日の起訴に向けて最終的な詰めをしている」と述べた。
 東京第五検審は昨年7月の起訴議決で「原発事業者は『万が一』にも発生する津波、災害にも備えなければならない高度な注意義務を負う」と指摘。勝俣元会長らについて「遅くとも09年6月までに、高さ15.7メートルの津波が福島第一原発を襲う可能性があるとの試算結果の報告を受けていた」と、3人が大津波を予測して対策を取っていれば事故は防げたと結論づけた。
 事故では、被災者らでつくる「福島原発告訴団」が12年6月、勝俣元会長らを告訴・告発。東京地検は13年9月、「大津波を具体的に予測できたとは言えない」と、捜査対象の42人全員を不起訴とした。東京第五検審は14年7月、元会長ら3人を「起訴相当」と議決。地検は3人を再び不起訴としたが、別のメンバーによる第五検審が昨年7月、起訴議決した。
 
「原発事故で死んだ人はいない」とテレビで公言した経済評論家が当時批判されていたが、直接高線量の放射線を浴びて死んだ人はいなかったのかもしれないが、あの大事故が起きなければもっと長く普通の生活を続けられた人々は多くいた。
 
原発事故により、故郷を奪われ流浪の身となったり、生活の糧であった家畜が全滅し前途を悲観して自殺した人たちも決して少なくはなかった。
 
このような人々を「原発関連死」と定義すれば、昨年末までに2000人近くの人々の命が奪われている。
 
予見できなかった津波で直接亡くなった人々は自然災害の被害者であるが、津波とは直接関係ない原発事故により、結果的に命を縮めてしまった住民の無念さは、誰かがその責任を負うべきあろう。
 
原発は人間が作った核施設であり、そこでの事故は当然「人災」なのであるということを、きっちりと明らかにすべきである、とオジサンは思う。

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2016年02月26日

野党の合併もいいが、日本のジャーナリストの団結はもっと重要

「平成の大維新」とまで言われた民主党による政権交代からすでに7年も経ってしまった。
 
うたかたの3年余りの政権であったが、その間に3人の首相が誕生し、それぞれが「普天間基地移設」「TPPへの唐突な参加表明」「公約破りの消費税増税」と自ら墓穴を掘って退陣してしまい、自民党政権に戻るという元の木阿弥となった。
 
その後自民党総裁になった安倍晋三が、かつての惨めな職場放棄入院という汚名を返上すべく蘇ってしまった。
 
何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称をゾンビと呼ぶが、安倍晋三は死体のままではなく、もっと悪質になって生き返ってしまった。
 
国会の答弁の中でしばしば口にするのが「民主党の政権時に比べれば私の内閣ではるかによくなった」というフレーズ。
 
都合の良い統計数字のつまみ食いで、あたかも労働者の賃金が上昇したかのような口ぶりだったが、それが真っ赤なウソであることは「過去26年で最低の賃金にしたアベノミクス」で詳細に説明した。
 
民主党政権よりはるかに酷くなった政策の筆頭はいうまでもない原発政策である。
 
5年前の福島第一原発大爆発により当時の菅直人首相は初めての国家的大災害に直面し経験不足を曝け出したのだが、翌年の2012年の年明け早々、野田佳彦首相は「原発の運転期間は原則40年」の方針を打ち出した。
 
その方針が第2次安倍内閣によって、いとも簡単に破られてしまったのが、先週土曜日に「高浜原発4号機、放射性物質を含む水漏れ34リットル 再稼働が遅れる可能性も」と報道された運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発の1、2号機の延命問題。
 
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関西電力高浜原発1号機(左)と2号機=1月28日、福井県高浜町、朝日新聞社ヘリから

 
『原発40年』原則、骨抜き 60年運転も現実味 高浜
 
ちなみに、全国の原発の運転年数は以下の通り。
 
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脱原発に関しては足並みを揃えている大手マスメディアはこぞって社説で批判していた。
 
●朝日新聞「原発の延命 電力会社次第なのか」 
 
●毎日新聞「高浜原発 『40年ルール』が崩れる
 
脱原発報道では断トツな東京新聞は「高浜原発40年超へ 安全文化はどこへ」という社説でこう結んでいる。
 
 1950年代前半、世界初のジェット旅客機である「コメット」の事故が相次いだ。航空機業界はその反省に立ち「安全寿命設計」という考え方を採り入れた。
 たとえば長距離型のジャンボでは、総飛行6万時間、離着陸2万回が“寿命”になるという。
 電力業界に安全思想、安全文化が根付いているとは、言い難い。
 私たちは、もう一度訴える。
 原発の40年寿命は厳格に守り、円滑な廃炉や核のごみの処分に備えるべきである
 
国家の安全保障政策には熱心だが、近視眼的な発想しかない安倍政権では、すべて電力会社の採算面しか考えていない原発再稼働及び延命政策を重視しており、過去の事故に学ぶという姿勢は全くない。 
 
安倍政権が民主党政権時代よりさらに悪くなったことを表しているのが、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が毎年発表している「世界報道の自由度ランキング」におけるランキングの低下。
 
その2015年版が下図なのだが、トップ3はフィンランド、ノルウェー、デンマーク。一方、ワースト3はエリトリア、北朝鮮、トルクメニスタンだった。
 
日本は前年より順位を2つ下げて61位に後退。他のアジアの国では、台湾が51位、韓国が60位、中国は176位(香港70位)だった。
 
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これが発表された当時は「『報道の自由度』ランキング、日本はなぜ61位に後退したのか? 日本大学大学院新聞学研究科教授・福田充」という記事では、
 
一昨年に成立した特定秘密保護法の成立が日本の順位下落に拍車をかけた形である。特定秘密保護法の成立により、戦争やテロリズムに関する特定秘密の存在が自由な報道の妨げになるという評価である。日本が置かれる国際状況や、日本国内の政治状況が大きく変化している現在こそ、日本のメディア、ジャーナリズムに自浄作用と改革が求められている。
 
という見方が多かったのだが、安倍内閣擁護派のこの人は「日本に報道の自由はあるのか? おそらく、ない。しかし特定秘密保護法のせいでも安倍政権のせいでも、ない」とのたまわっていたが、これも言論の自由としてあえて否定はしない。
 
報道の自由度が低下したということは、安倍政権のメディアコントロールが徹底してきたということであろう。
 
そして国内メディアだけではなく海外のメディアにまで及んでいるという。
 
<ニューヨークタイムズ前支局長が安倍政権の海外メディア圧殺の手口を暴露! 「日本の報道は安倍に分断されている」と警告も>
 2016.02.26 LITERA
20160226_LITERA.jpg 一昨日、本サイトで取り上げたように、イギリスの大手紙「ガーディアン」や「エコノミスト」がこぞって安倍政権におけるメディア圧力の実態を報じるなど、すでに、日本は先進国のなかで突出して“言論統制された国”であることが世界に露見し始めている。
 だが、おそらく安倍政権は、今後、こうした報道すら許さないよう、あらゆる手段で海外メディアまでもを封じ込めていくだろう。事実、第二次安倍政権以降、政府は露骨に“海外メディア対策”を強化させているのだ。
 米「ニューヨーク・タイムズ」前東京支局長で、日本取材歴20年を誇るアメリカ人ジャーナリスト、マーティン・ファクラー氏が、新著『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』(双葉社)のなかで、その実態を告発している。
 まずは、安倍政権による記者会見での海外メディアの扱い方だ。
〈そもそも安倍首相は、他の総理大臣に比べてぶら下がり会見を含め、記者会見の回数がやけに少ない。そのうえ記者会見に出ても、限られた時間の中で、まず記者クラブメディアの記者が優先されて指名される。私のような海外メディアの記者は当てられるかどうかはわからないし、仮に質問できたとしても、まるで政権公約を要約したような通り一遍の答えしか出てこないのだ。〉(『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』より、以下同)
 ようするに、安倍政権は、海外メディアが日本政府に直接質問をぶつける機会すら奪っているのだ。実際、自民党が政権与党に返り咲いて以降、一度として日本外国特派員協会(FCCJ)による安倍首相の記者会見は実現していない。しかも、ファクラー氏によれば、〈そもそも、選挙前ともなるとFCCJは自民党からほとんど無視されてしまう〉という。
〈FCCJでは海外の記者会見のスタイルを踏襲し、記者からタフな質問が次々と飛んでくる。どんな質問が出るのか、事前に把握することは難しい(本来、当たり前のことなのだが)。自民党の議員たちはその論戦に耐えられないと考えているのだろう。自分たちがコントロールできない場所は、戦う前に避けているのだ。〉
 海外の記者会見のスタンダードでは、政治家は記者から鋭い質問を受け、それにアドリブで答えていく。しかし、日本の記者クラブは“特オチ”を恐れて、各社横並びの報道に終始してしまっているのが現状だ。この構造についてファクラー氏は、官邸が指名を予定している記者に対して事前に質問項目を出すよう要求していることなどを例に、〈日本では官邸が記者クラブメディアをがっちりコントロールして〉おり、〈官邸の記者たちは、権力側からの管理によってあまりにも縛られ、またそのことに慣れすぎている〉と、厳しく批判する。
〈一国のリーダーが想定問答のような記者会見を開くなど、民主主義国家では考えられない。アメリカの大統領が記者会見を開くときには、質問項目など誰も事前には提出しない。記者はあらゆる角度から実にさまざまな質問を投げかけ、なかには大統領にとって相当にタフなやり取りもある。政権に批判的な質問もあるのは当然だ。〉
 だが、ファクラー氏によれば、2014年に自民党の山谷えり子国家公安委員長(当時)がFCCJで会見を開いた際、フリーランスの記者たちが在特会との関係について質問を浴びせかけてから、〈あれ以来、FCCJは自民党から目の敵にされている〉という。つまり、安倍政権にとってみれば、骨抜きになっている国内メディアは“政権の広報”で、一方、シビアな疑問をぶつける海外メディアなどは“利用価値がない”ということなのだ。
 これに関してファクラー氏は、9.11の後に米ブッシュ政権が諸国家を“敵と味方”に分けて「有志連合」をつくりあげたことと似ていると書く。実際に、安倍政権は〈味方のメディアと協力し、敵がたのメディアを一気に叩く〉というメディア戦略を次々と露わにしている。
 たとえば昨年、安保法審議中に安倍首相が生出演したのは読売テレビ『情報ライブ ミヤネ屋』とフジテレビ『みんなのニュース』だけだったが、安倍シンパ団体「放送法遵守を求める視聴者の会」によるTBS『NEWS23』岸井成格攻撃の全面意見広告を掲載したのも、安倍政権に近い読売新聞と産経新聞だった。また、一昨年、朝日新聞が「吉田調書」関連の自社報道を取り消した際、読売と産経は政府の吉田調書全文公開に先駆けてその全容をスクープしていたが、そこではもっぱら朝日バッシングが繰り広げられており、調書を隠蔽していた政府を批判するものではなかった。これも、官邸が“朝日潰し”のため読売と産経に情報をリークしたからだと見られている。
 この“アメとムチ”を使ってマスコミを分断させる手法は、海外メディアに対しても見られる。たとえば、第二次安倍政権以降、「ニューヨーク・タイムズ」が安倍首相に単独インタビューする機会は一度も訪れなかったが、ライバル紙である米「ワシントン・ポスト」は3度も単独インタビューに成功している。しかも、「ワシントン・ポスト」による3回目(15年3月26日)の安倍首相インタビューを担当したディヴィッド・イグナチウス氏は、日本での取材経験があまりない「コラムニスト」で、これも官邸による“厳しい質問をさせないための人選”だったと、ファクラー氏は記している。
 事実、このワシントン・ポストのインタビューは、その直後に控えていた米議会での安倍首相の演説前にアメリカでの歴史修正主義者との批判を打ち消す狙いがあったと言われていた。このとき、安倍首相は従軍慰安婦について「慰安婦は人身売買の犠牲者」(these people, who have been victimized by human trafficking)と発言し問題になったが、もしもファクラー氏のような慰安婦問題をよく知るジャーナリストによるインタビューであったならば、取材中にこの点をより強く追及されたはずだろう。ファクラー氏が言うように、〈日本を拠点に置く特派員ではなく、わざわざアメリカからやってきたコラムニストを相手にした官邸のメディア戦略は、結果的にうまくいった〉のだ。
 この例からもわかるように、安倍首相は海外メディアから歴史修正主義的だと指摘されることに神経を尖らせているが、最近も自民党でこんな動きがあった。昨年、自民党内に、明治以降の日本の近現代史を検証するという名目で「歴史を学び未来を考える本部」という組織が安倍首相の肝いりで設立された。ところが、12月22日の初会合では、自民党側の意向で、海外メディアの取材が許可されなかったのだ。同組織の会合は今後も定期的に行われ、GHQによる占領政策や南京事件、そして従軍慰安婦などについてテーマにしていくという。自民党が海外メディアの取材を拒否するワケは明白だろう。
 だが、ほとんどの国内紙やテレビ局は、こうした海外メディアの取材機会が制限されているという事実を積極的に報じようとしない。それどころか、朝日新聞やテレビ朝日、TBSなどが露骨な政治的圧力にさらされているのに、御用メディアの産経新聞らは官邸の尻馬にのって、これを積極的に後押しすらしている。繰り返すが、ファクラー氏が警鐘をならしているのは、まさにこうした政権による“メディアの分断”なのだ。
〈「取材のアクセスに制限をかけるぞ」といった恫喝にしても、メディアが負ければあとは政権のやり放題になってしまう。そんなとき各メディアが手を取り合って「そんな要望には応じないぞ」と論陣を張れば、そこは政権が譲るのだ。
「報道ステーション」や朝日新聞に官邸から圧力がかかったのであれば、こういうときこそ読売新聞も産経新聞も毎日新聞も、連帯してメディア・スクラムを組み、官邸に反発するべきだ。メディア単体への圧力は、風向きが変われば他のテレビ局なり新聞社なりへの圧力へとすり替わる。〉
〈FCCJが取材拒否に遭っているのであれば、そのことを敢えて取り上げて問題提起をする。会社という縦割りの縄張り意識を捨てて、「ジャーナリズム」という一点で日本のジャーナリストは団結しなければ、権力者の思うつぼだ。〉
〈本来、記者クラブはメディアが権力に対抗するために生まれた組織だ。今こそ記者クラブメディア同士で連帯し、安倍政権のメディア・コントロールと真剣勝負で戦うべきだ。〉
 はたして、国内の大マスコミは、このファクラー氏の叫びをどう受け止めるのだろうか。海外のジャーナリストにここまで言われながら、それでも連中が素知らぬ顔で“政府のポチ”のままでいるのならば、わたしたちは安倍政権にだけでなく、彼らにもまた「NO」を突きつけていかざるをえない。
(小杉みすず)
 
甘利明前大臣の金銭授受疑惑から1か月以上経過し、本人は「睡眠障害」と称して某病院に雲隠れしており、その間のテレビメディアは、甘利問題を国民から遠ざけるかのように、某週刊誌が緻密に仕掛けた人気アイドルグループの解散騒動、自ら作り上げた優等生の仮面が自らの首を締めるというゲスの不倫騒動、元スター選手のシャブ漬けを知りながら長きにわたり放置した業界の奇習とでもいうべき不気味さが漂う逮捕劇などで、多くの国民の関心を引きつけていた。
 
テレビや新聞で報道されるインパクトは大きいいのだが、報道の仕方によっては本来の問題が矮小化されたり、隠されてしまう。
 
このようなメディアコントロールが安倍政権によって日常的に行われているという事実は、一体、どこのメディアが広く国民に知らしめてくれるのだろうか。
 
あくまでも権力の監視と批判精神がなければ、もはやジャーナリストではなく、単なる大本営発表の情報伝達屋にすぎない、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 12:37| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月25日

遂に足下から崩れ始めたアベのミス

参院選に向けて、より一層メディアコントロールを強めようとする安倍政権が、高市早苗総務相を使い電波停止という脅しをかけさせていたが、テレビメディアのトップがようやく「高市総務相発言 武田TBS社長『自主自律の放送を行う』」と声を上げ始めた。
 
本来は直ちに抗議すべき問題なのだが、腰が引けていると批判されやっと腰を上げたということなのだろう。 
 
ところで、連日、高級料理店やレストランで外食を重ねている安倍晋三首相にとっては、国民の窮状などには全く関心がないようで「安倍首相 消費税率10%『重大事態ない限り実施する』」と公言している。
 
元財務官僚の高橋洋一は、そもそも5%から8%に増税したことが間違いだったと、今頃になって言い始めている。 
 
<アベノミクスついに沈没 「消費税8%」がすべての間違いだった>
 2016年02月24日(水) 現代ビジネス
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「どうする?」「どうしよう……」〔PHOTO〕gettyimages

失われた20兆円
'12年の年末、アベノミクスが始まった当初、日本のGDP(国内総生産)は順調な成長を続けていた。アベノミクス開始時のGDPが約517兆円。これが、'14年3月には実に約535兆円にも達した。
ところが、'14年4月の8%の消費税率導入を境に状況が一変した。'14年度第2四半期までに、GDPが一気に約14兆円も急落してしまったのだ。
その後もGDPは伸び悩み、直近の'15年7-9月期の数字は約530兆円。私の試算では、仮に消費増税さえしていなければ、GDPはその後も右肩上がりの成長を続け、今頃は約550兆円まで達していただろう。
差額は20兆円。これだけの金額が、増税によって失われたのだ。
この20兆円分の伸びがあれば、物価も上昇し、賃金も消費も好調という、良好な循環が生まれ、昨年中には「デフレ脱却宣言」ができただろう。日経平均株価も2万円台、為替も1ドル=120円の水準は保てたはずだ。
そもそも、GDPの6割を個人消費が占めている以上、増税による消費減退でGDPが下がるのはわかりきっていた。
増税の影響で失われた20兆円のGDPを国民一人頭で割ると、約15万円。所得が15万円も下がったと考えれば、買い物をする気が失せるのも当然だろう。
いま、日本では格安商品ばかりが売れる、デフレ時代と同じ状況が生まれている。アベノミクスの目標である、2%の物価上昇に相反する事態が起きているわけだ。だが、経済学の常識からして、増税すれば物価が下がるのは自明の理だ。
優秀なはずの財務官僚たちはそんなことすら理解できていなかった。自分たちの歳出権を拡大するため、なんとしても消費増税を可決させようと、「増税をしてもGDPは下がらない」という机上の空論を組み立て、押し切った。
5%に戻すしかない
失われた20兆円のGDPから試算される消えた税収は約5兆円。一方で、消費増税で増えた税収は約8兆円。
「3兆円多いのだから、増税のほうがいいのでは」と思うかもしれない。
しかし、冷静に考えると、増税によって税収を8兆円増やすのと引き換えに、一人当たり15万円のGDPを吹き飛ばしてしまったのだ。これが日本経済に与えたダメージは、計り知れない。
収益が上がらないのに税負担だけを増やしたので、企業は苦しみ、賃金も上がらない。消費も当然伸び悩む。アベノミクスの理想とは真逆の悪循環にはまりこんでいる。
結局、無知な財務官僚が身勝手な思惑で推し進めた増税で、国民は8兆円を取り上げられたあげく、本来、得られるべき所得までを失ったのだ。
この状況に、本来であれば、「責任をもって2%の物価上昇を達成させる」と明言している日銀の黒田東彦総裁こそが、「増税で物価が上がらないのなら、失敗を認めて減税するか、景気対策をしてください」と政府に強く進言すべきだろう。
だが、黒田総裁は「消費増税で成長が大きく損なわれることはない」と繰り返し発言してきた手前、今更もう何も言えない。起死回生のマイナス金利政策も、消費増税のダメージが大きすぎたため、いまのところ本来の効果が出ていない。
もし、安倍政権が予定通り、'17年の春に10%への増税を実行すると、どうなるか。8%増税の時と同じくらい、いや、それ以上の致命的なダメージを引き起こすだろう。
3%の増税でGDPが14兆円急落した。ということは、上げ幅が2%なら、単純計算で約10兆円のGDPが一瞬で失われる。さらに、今回は中国経済失速などの要因も加わるため、長期的に考えれば、8%増税時を上回る規模のGDPが失われる可能性がある。
消費増税が引き起こした負の連鎖から脱却するには、いますぐにでも消費税を5%に戻すのがベストなのは言うまでもない。だが、政府もいまさら引き返せないだろう。
それでも、本気で景気回復を目指すのならば、取れる策は消費減税の他にもいくらでもある。
例えば、国の特別会計上で余った資金、すなわち、いわゆる「霞が関埋蔵金」を使う手だ。
「外国為替資金特別会計」には円安の含み益の約20兆円、「労働保険特別会計」には約7兆円もの埋蔵金がある。これを原資に、国民に10兆円規模の給付金を配り、増税の痛みを和らげる。
この「埋蔵金10兆円バズーカ」をぶっ放し、景気に良好な刺激を与えて上向かせたところで、日銀が一気に金融緩和を推し進め、国債の購入量を今の80兆円から100兆円まで増やす。
極端な話に聞こえるかもしれないが、ここまでしてようやく、「8%増税の呪縛」は払拭される。
それほどまでに、消費増税が日本経済に与えたダメージは大きい。
「週刊現代」2016年2月27日号より
 
3年前、物価が年々下がり賃金も下がるというデフレスパイラルから脱却したいという安倍晋三首相の強引な人事によって実現したのが、デフレファイターの黒田東彦日銀総裁。
 
当時の茂木敏充経済産業相は新たな金融緩和策に対して、2%の物価上昇率目標を2年程度を念頭に早期達成、資金供給量を2年間で2倍、国債保有額・平均残存期間を2倍以上とした一連の金融政策について、「2%、2年、マネタリーベース2倍、そして国債2倍と、ツー・バイ・フォーだ」と表現していた。
 
おそらく単なる語呂合わせの「ツー・バイ・フォーだ」という表現だったのだろうが、建築工法の「2X4」は、もちろん利点もあるのだが、雨の少ないアメリカで生まれた2x4は、別名プラットホーム工法と呼ばれ、最初に床組をして、床の上で壁パネルを組み立て、最後に屋根を仕上げるため雨の降る時期には建築することは避けられている。 
 
それと比較して在来工法は、風土に合った工法であるため、屋根が早くつき建築の際雨の影響を受けなくて済み、将来の増改築が非常に楽である。  
 
金融政策を建築工法に置き換えて比較しても余り意味がないのだが、少なくとも「ツー・バイ・フォー」という金融政策はわが国の風土にはあっていなかったことを、黒田東彦日銀総裁は認めざるを得なかったようである。
 
<ついにギブアップ…黒田総裁がアベノミクスの失敗“認めた”>
 2016年2月24日 日刊ゲンダイ
 バズーカはやっぱり空砲だった――。日銀の黒田東彦総裁がついに“ギブアップ宣言”だ。23日の衆院財務金融委員会に出席した黒田総裁は、マネタリーベース(資金供給量)の増加と物価上昇率の相関関係についてあらためて問われた際、「マネタリーベースそのもので直ちに物価、あるいは予想物価上昇率が上がっていくということではない」と言い放ったのだ。
「(総裁に)就任して間もなく3年。そろそろ客観的な検証をした方がいい。マネタリーベースを増やすと期待インフレ率が上がるというのが異次元緩和の一つの大きな前提、根拠になる考え方だったと思うが、今もなおそう信じているのか」
 仰天答弁が飛び出したのは、民主党の玉木雄一郎議員が黒田総裁にこう問いただした時だ。
 2013年4月から始まった「異次元金融緩和」(黒田バズーカ)は、マネタリーベースを2年間で倍増させ、前年比2%の物価上昇率を実現させる――というものだ。
黒田総裁は当時の会見で、マネタリーベースを倍増させる理由を問われると、〈2年で2%の物価上昇目標を達成するのは容易ではない。これまでのように小出しにするやり方では達成できない。ここまでやれば達成が可能になるという額〉と断言。〈マネタリーベースは端的にいうと日銀の通貨。最も分かりやすく適切だ〉と威張っていた。同じ時期に都内で開いた講演会でも2%の物価上昇目標に触れて、〈この約束を裏打ちする手段として量・質両面の金融緩和を行う。具体的には金融市場調節の操作目標を『金利』からマネタリーベースという『量』に変更した〉と強調していた。
■異次元緩和の理論の支柱が折れた
 14年11月に日銀が資金供給量を年間60兆〜70兆円から約80兆円に増やす追加緩和を決めた際も、黒田総裁は〈2%の物価上昇目標の早期実現を確かなものにする〉と強弁。それが一転して「マネタリーベースと物価上昇に相関関係はない」と認めたのだから、のけ反ってしまう。玉木議員があらためてこう言う。
 「黒田総裁の発言には本当に驚きました。異次元緩和の理論の根幹、支柱がポキンと折れたのですから。つまり、それだけ行き詰まっているという表れなのでしょう」
 黒田総裁が白旗を揚げるのも当然だ。マネタリーベースは12年末の138兆円から昨年末は365兆円と2.6倍に膨らんだものの、15年平均の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は2%目標には程遠い前年比0.5%増。誰が見ても「黒田バズーカ」は失敗だ。さすがに「相関関係がある」とは言えないだろうが、シレッと手のひら返しの発言が許されるのか。「トリクルダウンは起きない」(竹中平蔵・慶大教授)と同様、アベノミクスの旗振り役は“泥舟”からの逃げ足だけは速い。
 
「トリクルダウン」理論は机上の空論に終わり、「異次元金融緩和」の黒田バズーカも空砲であることが明らかになれば、もはやメディアも囃し立てた「アベノミクス」も、経済音痴が集まって築いた「砂上の楼閣」というべきであろう。
 
すでに3年前からエコノミストの浜矩子同志社大教授は、アベノミクスは「アホノミクス」と言い続けており、当時から指摘していた3つの問題点がまさに現実的になっている。
 
(1)「成長」にとらわれすぎている
(2)人間に対する関心が少ない
(3)金融政策がお粗末
 
さらに、これらの政策を推進してきた閣僚がお粗末であったことは言うまでもなく、これは「アホノミクス」というよりは、「アベのミス」と呼ぶ方がよりふさわしい、とオジサンは思う。  
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2016年02月24日

米国無視して独自外交に走る安倍晋三

シリアのアサド政権存続に関して対立が続いている米国とロシア。
 
ロシアが「過激派組織『イスラム国』の拠点を標的としたものだ」として行ったシリアへの爆撃について多数の民間人の死者が出たことから、米国がロシアを非難し、それ以来、米ロの綱引きが続いている。
 
そんな国際的な緊張状態を無視するかのように、安倍政権はロシアとの距離を縮めつつある。
 
はた目からは、安倍晋三首相が一方的にロシア・プーチン大統領と個人的な関係を作ろうとしているようにも見える。 
 
先週の始めにはこんな記事が配信されていた。 
 
<ロシア外相、4月に来日 首相の5月ソチ訪問調整か>
 2016/2/15 18:04 共同通信
 日ロ両政府は15日、外務次官級協議を東京都内の飯倉公館で開いた。ロシア外務省は、ラブロフ外相が4月に日本を訪問すると発表した。岸田文雄外相と会談する見通しだ。安倍晋三首相とプーチン大統領による5月のロシア南部ソチの会談実現に向け、準備を図る狙いがあるとみられる。
 安倍首相は、ロシアを非公式に訪問し、停滞する北方領土交渉を前進させる姿勢を印象付けたい考え。ラブロフ氏の来日が決まったことで、首相訪ロに次ぐプーチン氏の年内来日と、領土交渉の具体的な進展に道筋が付けられるかが今後の課題になりそうだ。
 
日本のこうした対ロシア独自外交姿勢に対して、米国が黙って見逃すわけがなく、今月の9日にはこんな動きがあったようである。 
 
下記の記事は共同通信が配信したもので、在京の大手マスメディアはほとんど取り上げず、地方紙でもそのまま記事にしている程度であった。
 
<オバマ氏、首相に「訪ロ自粛を」 - 今月9日の日米電話会談で>
  共同通信  [2016/02/23]
オバマ米大統領が2月9日の日米首脳電話会談で、安倍晋三首相に5月のロシア訪問を自粛するよう求めていたことが分かった。「今はそのタイミングではない」と伝えていた。首相はこれに応じず、議論は平行線に終わった。複数の日ロ関係筋が23日明らかにした。
 北方領土問題の在任中解決を目指す首相の「対ロ接近」に対し、米外交当局だけでなく、オバマ氏自身が強い不満を抱いている実態が裏付けられた。首相はあくまでも訪ロを目指す構えだが、対米説得の難航は必至。日米関係が変調をきたす可能性もある。
 
地方紙の中でも「北海道新聞」は北海道在住の北海道新聞購読者向けには、さらに詳細な記事を提供していたようである。
 
<オバマ氏「ロシア訪問自粛を」 9日の電話会談、安倍首相応じず>
 02/23 21:30、02/24 08:20 更新 どうしんWEB
 オバマ米大統領が2月9日の日米首脳電話会談で、安倍晋三首相に4月下旬からの大型連休中のロシア訪問を自粛するよう求めていたことが分かった。「今はそのタイミングではない」と伝えていた。首相はこれに応じず、議論は平行線に終わった。複数の日ロ関係筋が23日明らかにした。
 北方領土問題の在任中解決を目指す首相の「対ロ接近」に対し、米外交当局だけでなく、オバマ氏自身が強い不満を抱いている実態が裏付けられた。首相はあくまでも訪ロを目指す構えだが、対米説得の難航は必至。日米関係にマイナスの影響を及ぼす可能性もある。
 首相はオバマ氏に、北方領土問題の解決は東アジア地域の安定につながるとの観点から「プーチン大統領との対話継続は重要だ」と説明した。大型連休中にロシアを非公式訪問しプーチン氏との会談に臨む方向で調整を進めている。日ロ関係筋は「首相は米国がどう言おうと、5月訪ロを断行する」と指摘した。
・・・・・ 
 
今まで安倍政権は「対米従属政権」と批判されてきたのだが、オバマ米大統領の自粛要請を無視してまで、プーチン大統領と会談して得られるものがあると本気で思っているのだろうか。
 
第二次安倍内閣以降、地球儀俯瞰的外交をやってきたと画自賛している安倍晋三首相だが、それらの訪問国はすべて日本の技術や資金援助を期待する国々であって、領土問題のようなタフな外交などは全く経験をしていない。
 
外務官僚がお膳立てした首脳会議と称する写真撮影用の会談を行い、既に事務方が折衝して作り上げた共同声明を読み上げるという「サルにでもできる外交」をしてきたに過ぎない安倍晋三首相。
 
それにしても、過去にたとえ電話でも日米首脳会談で「議論は平行線に終わった」という事実が報道されたことは余り記憶にはない。
 
首脳会談では、仮に結論が出なくても「今後も引き続き交渉を続けることを双方が確認した」という表現が使われる。
 
「対米説得の難航は必至」と指摘されても、4月下旬からの大型連休中のロシア訪問を強行するつもりなのだろうか。
 
5月26日〜27日に開催される伊勢志摩サミットの議長国である日本。
 
すでにサッミトのロゴも発表された。
 
20160224isesimasummitologo.jpg
 
安倍晋三首相の思惑は、日露首脳会談を成功させて、伊勢志摩サミットに臨もうとしているのかもしれない。
 
2014年3月18日、クリミア半島に軍事侵攻したロシア政府は半島を正式に併合した。
 
それを受けて、主要7カ国(G7)は1週間後の24日、核安全保障サミットが開催されているオランダ・ハーグで緊急の首脳会議を開き、ロシアによるウクライナ・クリミア半島への軍事介入を受けて主要8カ国(G8)からロシアを事実上除外することで合意した経緯がある。
 
20160224G7meeting.jpg
 
その会議後、G7は「ロシアの最近の行動はG7が共有する信頼や責任とは合致しないものだ」とし、「ロシアが方針を転換し、G8が有意義な討議を行える環境になるまで、われわれはG8への参加を見合わせる」との共同宣言を発表していた。
 
このような過去の事情をすっかり忘れたのかは不明だが、伊勢志摩サミットで議長である安倍晋三首相が日ロ会談の成果を発表でもしたら、明らかに米国に喧嘩を売るようなものになる。
 
いくらもう先がないオバマ大統領でも、属国の日本の首相にそんなことをされたらメンツ丸つぶれかも知れない。
 
そうなると、予想されることはオバマ大統領が、ロシア訪問したらサミットの出席を見合わすという「ボイコット」脅しである。
 
米国大統領が欠席すれば「G7」とはならず、サミット自体が中止に追い込まれる可能性もある。
 
それは安倍晋三首相の大失態であり退陣につながる。
 
それを避けるには、「諸般の事情から訪ロを延期」ということも考えられるが、すでに「首相は米国がどう言おうと、5月訪ロを断行する」と報道されてしまったので、明らかに米国の脅しに屈したという印象を国民に与えてしまうであろう。
 
まさに絵に画いたような対米従属外交を世界に知らせる事になり、プーチン大統領からは足もとを見られ、見放されることになるかも知れない。
 
北方領土の島の名前を読めないようなオバカ議員を北方担当大臣に任命する程、安倍政権の本気度の無さが海外にも知られてしまっている。
 
北方領土返還交渉は現実的には日本の思惑通りには事が進まないことは安倍政権も十分に認識しており、それはロシアによる北方4島に対する実効支配が実質的には完了していることが証明している。
 
それにしても、なぜ安倍晋三首相は訪ロしてプーチン大統領との会談にこだわるのか。
 
もはや内政に行き詰まり打つ手が無くなり、国民の目を外に向けるためだけの、無能な外交パフォーマンスに終わるのではないだろうか、とオジサンは思う。  

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2016年02月23日

シビリアンコントロールは風前の灯

議員の定数削減に関しては、あえて衆院予算委員会で自民党委員に質問させ、「定数10削減の時期を前倒しにする」とあたかも自民党の反対を押し切って政治主導を演出していた安倍晋三首相。
 
それはその後に続く民主党の野田佳彦前首相の質問の気勢を削ぐ目的であったのだが、質問後「できるんだったら、最初からやれって。何となく見え透いているんですよ。あまりにも自民党が後ろ向きだったことを普通の政党並みにしただけのことじゃないですか。サプライズでも何でもないですよ。『どや顔で言うな』と思いますよ。」と言われていた。
 
「どや顔で言っていた」その衆院改革に関しては「衆院選改革 自民アダムズ方式難色…民主、維新、公明容認」となり、残念ながら首相の思惑通りには進みそうもない。
 
20160223senkyokaikaku.jpg
【毎日新聞より】
 
 
そもそもこの改革は、2012年12月の党首討論で、消費税を8%に上げたい財務省の意を汲んだ当時の野田佳彦首相が、国民に負担を負わせる代わりに国会議員も身を削る覚悟が必要であるという流れから生まれたことである。
 
果たして「10削減」が国会議員にとって身を切る改革になるのだろうかという素朴な疑問と、議員の歳費削減の方が身を切ることになると東京新聞の豊田洋一論説委員が提起していた。
 
<定数減は身を切る改革か>
 2016年2月22日 東京新聞
 衆院「1票の不平等」是正に合わせて、衆院議員の定数が10削減されることになりそうだ。消費税率引き上げで国民に負担増を強いる以上、国会議員が率先して身を切る必要がある、のだという。
 しかし、国会議員の数を減らすことが、本当に身を切る改革になるのだろうか。そもそも誰が身を切ることになるのだろう。
 国会議員は「全国民を代表する」存在だ。その代表者を減らすことは、国民自身が身を切ることになる。本末転倒ではないか。
 国会議員自身が身を切る必要があるというのなら、議員の「実入り」を減らせばよい。
 国会議員は歳費や期末手当、文書通信交通滞在費など、年間4000万円程度を受け取る。3人の公設秘書の給与を含めれば、議員1人あたりの経費は7000万円程度とされる。
 議員を10人減らしても、削減効果は7億円だ。国会議員は衆参合わせて717人。1人当たり年間1200万円の文書通信交通滞在費を半額にすれば、43億円節約できる。この方がよほど身を切ることにならないか。
 さらに、共産党を除く各党は年間320億円の政党交付金を議席数などに応じて受け取っている。1割減らせば32億円、いっそやめてしまえば320億円の節約だ。
 国会議員はなぜこんな単純なことに気付かないのだろう。それとももっと深いわけが? あるのなら聞かせてほしい。
(豊田洋一)
 
ところで、大手マスメディアがスルーしていたような記事が話題になっていた。
 
20160223boueikaigi.jpg
【防衛会議風景】
 
 
<自衛隊の作戦計画策定 制服組が権限移譲を要求 防衛省、背広組は拒否>
 2016年2月22日 朝刊 東京新聞
20160223sakusenkeikaku.jpg 集団的自衛権行使を含み、今年3月施行される安全保障関連法を初めて全面的に反映させる自衛隊最高レベルの作戦計画策定に当たり、防衛省内で制服組自衛官を中心とする統合幕僚監部が、背広組防衛官僚が中心の内部部局(内局)に権限の大幅移譲を要求していることが、複数の防衛省・自衛隊関係者の証言で分かった。内局は拒否、調整が続いている。
 昨年6月の改正防衛省設置法成立で防衛省は、防衛官僚が自衛官より優位な立場から大臣を補佐する仕組みだった「文官統制」制度を全廃、内局と統幕、陸海空の各幕僚監部が対等の立場になった。統幕の要求が認められれば、防衛省内での力関係は逆転し、軍事専門家である制服組主導となる可能性もあり、危惧する声は多い。
 関係者の話を総合すると、争点となっているのは、「統合防衛及び警備基本計画」で、特定秘密に指定されている。5年先までの計画を3年ごとに全面改定、さらに毎年見直して修正している。同作戦計画に最新の情勢見積もりを加味した上で、統幕が日常的に陸海空3自衛隊を運用(作戦指揮)している。
 次の作戦計画策定では、昨年4月に改定された新日米防衛協力指針(ガイドライン)と、安全保障関連法の内容が初めて全面的に反映される。
 作戦計画策定までには3段階があり、これまでは、
 (1)内局運用企画局が基本的な方針を定めた大臣指針を決定
 (2)その指針に基づき統幕が作戦計画を作成
 (3)運用企画局が大臣に承認を求める
−という役割分担だった。
 しかし、統幕側は、内局運用企画局が昨年廃止され、自衛隊の運用(作戦指揮)が統幕に一元化されたことを受け「(作戦)計画もすべて統幕の権限だ」と主張、(1)と(3)の権限も譲るよう内局側に要求した。
 一方、内局側は「運用(作戦指揮)と(作戦)計画は違う」と主張。その上で、防衛省設置法の8条は、「防衛・警備に関することの基本と調整」や「自衛隊の行動に関する事務の基本」を、内局の所掌事務と規定しているとした。
 さらに、内局が総合調整機能を有していることを根拠に、(1)と(3)は運用企画局の機能の一部を継承した内局防衛政策局が引き続き担うべきだ、と統幕側に反論している。
◆一線越えたら戦前同然
<纐纈厚(こうけつあつし)山口大教授(政治学)の話> 制服組と内局の対立が最終段階に入ってきたのではないか。内局としては譲れないところまできており、この一線を越えたら軍事と政治が一体化し、構造としては戦前と同じようになってしまいかねない。自衛隊の任務が多様化していく中で、文民統制の必要性はこれまで以上に高くなっていくはずだ。内局の役割の重要性を広く世論にアピールした上で、文民統制のあり方について国民的議論を巻き起こしていく必要がある。
◆国際常識への同調必要
<元海自自衛艦隊司令官香田洋二氏の話> 自衛隊は世界で最も手足を縛られた軍事組織であり、他国であれば制服組の裁量に委ねられているような権限も、内局が持っているケースがある。それを緩和するのは国際的な常識に合わせていくためにも必要なことだ。今後、自衛隊が現場に出て行く機会も増えるはずで、制服組は専門家集団として任務達成に必要な権限行使や意見の上申を自由にしていくべきだ。必要なコントロールは政治がすればよい。
 
昨今、とみに在京大手紙は官邸の顔色を伺うことが多くなっており、アベノミクスについては決して「失政」とは言えないように、安倍晋三首相の意向を反映した政策は正面から批判することは無くなってしまった。
 
東京新聞は同日付の社説でも「自衛隊制服組 性急な権限拡大を憂う」と掲載していたが、同じような地方紙は自衛隊の制服組の突出には敏感に反応していた。
 
■信濃毎日「安保をただす 自衛隊の統制 あらためて国会で論議を
 
制服組の主導で進んだ場合、自衛隊と米軍の一体化が一段と加速しないか。自衛隊の統制の在り方は、省内の調整に任せておけばいい問題ではない。
 本来、昨年の法案審議に際して国民的な論議があってしかるべきだった。文民統制の一翼を担う国会の責任は重い。制服組と背広組の役割分担、権限はどうあるべきか、詰めなくてはならない。    
 
■高知新聞「【統幕の権限要求】文民統制の形骸化が進む 
 
違憲の疑いが拭えない安保法に基づく自衛隊活動の拡大も認めることはできない。仮に活動の多様化を議論する場合でも文民統制の必要性は高まりこそすれ、それを弱めていいことにはならない。
 背広組の統制がなくなっても、選挙を経て国民の負託を受けた政治家による文民統制がある。政府、与党などにはそんな声もあるようだが、実際はどうだろう。
 陸上自衛隊の秘密情報部隊が首相や防衛相に知らせず海外に拠点を設け、情報収集してきたことが発覚している。海上幕僚監部は最新型の潜水艦音響監視システムについて、歴代首相を選別し、一部には何の説明もしていなかった。
 文民統制をこれ以上、形骸化させることは許されない。軍事組織をどう統制していくのか。防衛省内にとどまらず、国会で徹底的に議論しなければならない。 
 
■琉球新報・社説「制服組権限拡大 原則がなし崩しでいいのか
 
第1次大戦後、政治の軍縮政策に反発した軍部は、政治の関与を「統帥権干犯」と主張した。統帥権、すなわち軍の統制権は独り天皇のみにあり、政治の関与はそれを侵すものと非難したのだ。それに萎縮した結果が関東軍の暴走による満州事変、日中戦争の泥沼化である。
 武力を持つ組織は、外部の制御が失われれば暴走しかねない。それは日本が尊い犠牲を払い獲得した、譲れない教訓ではないか。  
 
安倍晋三首相と日常的に会食をする機会が全くない地方紙は、まだまだジャーナリズム精神を失ってはいないようだ。
 
憲法9条を曲解して集団的自衛権行使容認を閣議決定し、それに基づき戦争法を強引に制定させたのは、日米同盟強化により自らの地位の安泰を図る安倍晋三のきわめて私的な理由に過ぎない。
 
にもかかわらず、安倍晋三首相の後ろ盾により自衛隊の活動範囲が世界中に広がり、制服組の勢いは増すばかりである。  
 
国防という名のもとに、おそらく一生使われることがないであろう高価な武器やシステムの整備費が国民が知らないうちに膨れ上がっていることが明らかになった。 
 
<ミサイル防衛費1.5倍超 政府想定超え累計1兆5800億円>
 2016年2月23日 07時00分 東京新聞
20160223thaadplan.jpg 北朝鮮の脅威に備えた弾道ミサイル防衛(BMD)に関し、政府が整備を始めた2004年度以降、想定を上回る規模の予算を投じていることが防衛省への取材で分かった。16年度予算案を含めると、13年間のBMD関連費用は累計で約1兆5800億円。北朝鮮が人工衛星と主張する事実上の長距離弾道ミサイル発射を受け、安倍政権は新たなミサイル迎撃システムの配備検討を表明したが、導入すればさらに費用が膨らむことになる。 (横山大輔)
 政府は08年4月の国会答弁で、BMD整備費を全体で「8000億円から1兆円程度を要する」と説明していた。約1兆5800億円という累計額は既に1.5〜2倍に達する。
 現在のBMDは、海上自衛隊のイージス艦4隻に搭載したSM3ミサイルと、全国に34基を展開する地上配備型のPAC3ミサイルの2段構えで弾道ミサイルを迎撃する。
 BMDは「スパイラル開発」と呼ばれ、順次能力向上を図る手法で開発が進むため、数が増えなくても費用が上乗せされる。実際、高性能レーダーなどの関連装備費や日米共同の開発費も加わり、毎年度数100億〜1000億円超の予算がかかっている。特に安倍政権ではBMDの強化を打ち出し、SM3搭載イージス艦を8隻体制に増強することを決定。15、16年度のBMD関連費は単年度でそれぞれ2000億円を超えた。
 北朝鮮の事実上のミサイル発射を受け、さらに配備を検討するのは、米軍の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」。迎撃高度がSM3とPAC3の間で、導入すれば3段構えの体制になる。費用は米政府との協議次第だが、少なくとも数1000億円との指摘がある。製造元の米ロッキード・マーチン社によると、アラブ首長国連邦に2基売却する概算契約は約20億ドル(2300億円)だった。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は、北朝鮮による弾道ミサイル発射前は「国民の安心・安全のための対応策はしっかりと整えた」と強調したが、発射後は「国民を守るため検討を加速する」と新システム導入に意欲を示した。
◆際限なく競争続く
 元航空自衛隊空将補でNPO法人「国際地政学研究所」の林吉永事務局長の話 弾道ミサイル防衛能力を向上させれば、相手はさらにかいくぐるミサイルを開発する。巨費を投じ新システムを導入しても「穴」は出る。際限ない競争が果てしなく続き、歯止めが利かない「安全保障のジレンマ」に陥る。安倍政権は安全保障関連法の議論で米国との「同盟強化」をあれほど強調しながら、日本を狙う弾道ミサイルに米軍とどう迎撃体制を組むか全く説明していない。国民に知らせず、巨額の予算を投じることは許されない。
<高高度防衛ミサイル(THAAD)> 米軍がミサイル防衛(MD)の一環として運用する地上配備型迎撃ミサイル。弾道ミサイルが大気圏外を飛んでいる間に迎撃し損なった場合に備え、大気圏内に再突入してくる高度150キロほどとされる段階で撃ち落とすとしている。PAC3も地上配備型だが、着弾直前の高度10数キロで使われる。
 
北朝鮮によるミサイル発射に対し、韓国の国連大使は、「発射費用で北朝鮮の国民に食料1年分を提供できる」と非難していたが、たとえ高価な掛け捨て保険かも知れないが、おそらく活躍する日は決して来ないであろう新たなミサイル迎撃システムの配備費用を国民のために使えば、格差と貧困に苦しめられている多くの子どもや青年を救うことができ日本の未来のためになるのだが、このままでは「日本も北朝鮮と同じように独裁者に苦しめられている」と批判されることになるであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:31| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月22日

辺野古も安保も根っこは同じ、次世代につなげる闘いを

もし前日(20日)のような悪天候だったら、こんなには多くの人々が集まらなかったかもしれない。 
 
主催者の最初の挨拶のように「天はわれらに味方した」かのような青空が国会周辺には広がっていた。 
 
<辺野古阻止も列島響く 全国8カ所で反対集会>
 2016年2月22日 朝刊 東京新聞
20160222kokkaimaehenoko.jpg 辺野古への米軍新基地建設に反対する市民らの国会包囲行動には、28000人(主催者発表)が集まった。札幌市や名古屋市など全国8カ所でも反対の集会があり、各地で抗議の声が上がった。
 国会包囲の輪に加わった参加者たちの多くは、沖縄の海をイメージした青色の服やスカーフなどを用意。「埋め立てやめろ」「海を守ろう」と声を合わせた。
 国会前のステージでは、沖縄県選出の国会議員らが参院選の野党共闘に触れ「安倍政権を退陣に追い込む」などと訴えた。稲嶺進・名護市長は「正義はわれわれにある。力を貸してください」と呼び掛けた。
 横浜市鶴見区の会社員大森英史さん(51)は、妻と五歳の長男とともに参加。家族旅行で辺野古近くのホテルによく泊まるといい「きれいな海をつぶすのはどうかと思う。少しでも力になれれば」と語った。
 
13時半過ぎから約2時間ほど、国会を見あげる歩道の石垣に仲間と座りながら演説とシュプレヒコールを繰り返した。
 
そのため国会前のステージまで近づくことができなかったので、何人かの写真をレイバーネットの「止めよう!辺野古埋立て〜国会大包囲行動に28000人」の投稿記事から紹介する。
 
20160222_inaminesicho.jpg
稲嶺進さん(オール沖縄会議共同代表 名護市長)
「名護市は今ピンチです。政府は官房長官含め辺野古しかないと強引に工事をすすめています。裁判も3つ。異常です。来週は私が被告席に立ちます。売られたけんかです。政府の法の乱用と不誠実を訴えたい。正義・道理は我々にあります。これからも力を貸してほしい」
 
20160222yasutomi.jpg
安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会・共同代表)
「沖縄の民意は普天間即時閉鎖と辺野古の美しい海を守ることです。普天間危険性の除去は、基地をアメリカに持っていくこと。アメリカの意向に沿って動くアベコベ政権を参院選で退陣に追い込もう」と話しました。沖縄選出の4名の国会議員が発言しました。赤嶺政賢さんは「世界一危険な普天間基地に、世界一危険なオスプレイを配備したのは安倍政権。オールジャパンで安倍内閣を追い詰めよう」   
 
20160222hisiyama.jpg
菱山南帆子さん(許すな!憲法改悪 市民連絡会。解釈で憲法9条壊すな!実行委員会。戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会。街頭宣伝を企画)
 
この日は渋谷では高校生たちのデモも行われ、国会包囲行動後に渋谷に移動した参加者もいたらしい。
 
安保法反対 『声上げたい』高校生らデモ
 
20160222koukouseidemo_asahi.jpg安全保障関連法に抗議する「全国一斉高校生デモ」が21日、東京や大阪などであった。高校生団体「T―ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」などが企画。都内では渋谷や原宿で、高校生らに大人も加わり、大音量の音楽に合わせて「選挙に行こう」「憲法守れ」と訴えながら歩いた。
【朝日新聞DIGITALより】

 
「老々男女」が大半を占めた国会前の「2.21止めよう!辺野古居埋立て 国会包囲行動」の報道よりは、若い高校生主体の渋谷でのデモの報道の方が圧倒的に多かったようである。  
 
20160222koukouseidemo.jpg
高校生らで作る団体「T-ns SOWL」が呼びかけた安保法制反対デモ=東京都渋谷区で2016年2月21日午後4時47分、後藤由耶撮影
【毎日新聞より】

国会前で見かけたオジサンの知り合いの記者が、上記写真にも映っていたが被写体としても若者中心のデモのほうが注目を集めたようである。 
 
今後、参院選に向けて選挙権を行使できる高校生を中心としたデモがより活発になることが予想されるが、想定外の高校生のいわゆる反政府的な政治活動に対して、行政側の規制に対しては自治体の反発も出ている。
 
<高校生のデモ参加届け出「自由縛られる」 自治体、分かれる対応>
 2016年2月22日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 先生、明日デモに行きます――。高校生にこうした届け出をさせることは必要か。文部科学省は届け出を容認したが、自治体の対応は分かれる。「18歳選挙権」の導入で高校生の投票も当たり前になるのを前に、デモに参加する生徒からは「自由が縛られる」といった声が上がる。
 「届け出をさせると、生徒が政治活動に参加しにくくなる恐れがある」。仙台市の担当者は1月に文科省が届け出容認を示して以降、市立高校などを訪ねて校長らに考えを伝えてきた。賛同する反応が多かったことも参考に市教育委員会は今月9日、「届け出制は不要」と正式に通知した。
 香川県も今月10日、県立高の教頭らを集めた会合で「届け出制は望ましくない」と伝えた。デモの名称や主催者名などを事前に教員へ伝える形にすると、生徒の参加意欲をそぎかねないと考えた。「本人と保護者の責任で動いてもらえばいい」と担当者は話す。
 届け出の制度化を決めた都道府県と政令指定市はなかったが、生徒の安全管理などの観点から必要性を指摘する声はある。「トラブルに備えるという点でアルバイトの届け出制と同じ。導入もあり得る」。福島県ではそんな意見も出たという。「生徒の権利を縛りかねない」という声もあったため採否の判断は各校に委ねた。
 熊本県は届け出について特に検討はしていないとした。ただ、県立高に配ったガイドラインで文科省通知を引用し、違法行為があったり、暴力的になったりする可能性が高い活動については「学校は制限または禁止することが必要」と記した。
 群馬県も「各校の判断」としたが、担当者は「参加する生徒がほかの生徒を強引に勧誘するなど、迷惑をかける行為が続けば、何らかの規制もあり得る」。京都市も同じ対応だが、担当者は「生徒が参加の是非を主体的に判断できるように、学校教育を充実させたい」と話した。
 ■デモ参加の高校生は
 「これからもデモで声を上げます。文科省が届け出制を容認したけど、高校生だって主権者です」
 21日午後、東京・渋谷。安全保障法制に反対する高校生グループ「T―ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」などのデモの途中、メンバーの女子生徒がこう訴えた。同グループは文科省の「届け出制容認」に対し、「主権者として認められるべき自由と権利をないがしろにする」と反対声明を出している。
 ■教員から「制服控えろ」
 参加した茨城県の高2女子(17)は「届け出制になると、デモ参加をためらう人が出る」。昨年夏からデモに参加し始めた。昨秋、新聞に載ったデモの写真に偶然、制服姿の自分が写っていた。それを見た高校の教員に言われた。「デモでは制服は控えろ」。嫌な気持ちになった。「政治的な活動だから、学校的にまずいと思ったのかも」
 埼玉県の高1男子(16)も「届け出にすると、デモに行く生徒に文句を言う教師が出てくる」と言う。
 21日には、仙台市や大阪市などでも高校生らによる同様のデモがあった。大阪市で初めてデモに参加した高3男子(18)は「たとえば届け出て、『成績悪いのに大丈夫か?』と先生に止められるようなことを言われれば、それは実質的に許可制だ」と心配する。
 ■「議論のきっかけにも」
 仙台市で参加した同市の高1女子(16)は、宮城県教委が届け出を不要と判断していることについて「うれしいこと。高校生が政治について考えるきっかけが増えればいい」。教員全員がデモ参加に反対ではないのも知っている。新聞で自分の活動を知った教員に「誇りに思う」と伝えられ、うれしかった経験があるからだ。
 大阪府の高3女子(18)は「届け出ずに参加し、後で問い詰められたりするなら届け出制に反対。でも、届け出で先生と政治について議論するきっかけになる可能性もある」と話した。
 ■人権侵害の恐れも
 近藤孝弘・早稲田大教授(政治教育学)の話 届け出制を導入すると、自分の思想信条を教員に知られたくない生徒が活動を控える事態が起こりうる。基本的人権の一つである集会の自由を侵しかねない。「安全管理のため」と言うが、そもそも大半のデモは平和的。高校生が平和的な政治活動のありようを学ぶ機会を奪わないようにすべきだ。
 <「届け出は不要」とし、各校に伝えた自治体>
 宮城、愛知、香川各県、大阪府、仙台、堺両市
 <「各校が判断」とした自治体>
 北海道、東京都、京都府、青森、秋田、福島、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、兵庫、和歌山、島根、山口、徳島、愛媛、福岡、鹿児島各県、札幌、横浜、川崎、新潟、京都、神戸、広島各市
 
56年前の「60年安保闘争」の主体は学生と労働者だった。
 
中心の全学連が内ゲバや内部抗争の繰り返しで崩壊し、高度経済成長時代の波に乗った労働者は、働かされ過ぎで疲弊し、労働組合への結集率は右肩下がりとなってしまった。

最近の自民党の劣化した、粗忽議員の失言、放言の数々を見ると、高校生の方がよりましに見えてくる。
  
政府の意のままになる独裁政治が現実味を帯びようとするときに、10代の高校生が政治的に目覚めてしまうことは、為政者側からすれば、これほど好ましくないことはない。

そんな政府の意向を忖度するかのようなトーンの記事をこの御用新聞は書いていた。 
 
<安倍首相呼び捨て、「私は言いたい」のパターン…ティーンズソウル、「兄貴分」を踏襲>
 2016.2.22 08:15 産経ニュース
 安全保障関連法に反対する高校生グループ「T−nsSOWL」(ティーンズソウル)が21日夕、全国各地でデモ活動を行った。東京・渋谷では数百人が1時間かけて繁華街を行進し、安倍晋三首相を呼び捨てにしながら政権打倒を訴えるシュプレヒコールを上げた。安保関連法に反対し、野党の応援を公言している大学教授も駆けつけ、高校生らに連帯を呼びかけた。だが、高校生らしき若者はごく一部だけ。反安倍政権の大人が高校生を利用しているかのような構図のデモだった。
 「戦争反対!」「戦争したがる総理はいらない!」「憲法読めない総理はいらない!」「安倍晋三から日本を守れ!」「安保法制絶対反対!」「安倍はやめろ!
 ティーンズソウルの高校生はこのようなラップ調の音頭を取り、参加者らはシュプレヒコールを繰り返した。主張の内容は、安保関連法に反対する大学生グループ「SEALDs」(シールズ)にそっくりで、首相を呼び捨てにするところまで踏襲していた。
 「安倍政治の本質は何か。今この瞬間のことしか考えない。だから原発を再稼働し、若者を使い捨てる」
 行進を先導する街宣車上で最初にマイクを握り、こう主張したのは、夏の参院選で野党統一候補の支援を目指す市民団体系の組織「市民連合」の中心メンバー、山口二郎法政大教授だった。
 山口氏といえば、「安倍を叩き切ってやる」と訴える民主党のブレーン的な存在だ。山口氏は「こんな情けない日本をつくったことについて私の世代は本当は責任をとらなきゃいけない。みんなに糾弾されても仕方ない」と“反省”の弁を述べつつ、「一緒に歩いて平和と民主主義を訴えてくれて本当にありがとうございます」と謝辞も述べた。
 山口氏は、6月19日に選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられることに触れ、高校生らに向かって「皆さんと一緒に日本の平和と民主主義を守るため戦い抜きたい」と訴えた。
 次にマイクを握ったのは、同じく市民連合の中心メンバーの佐藤学東大名誉教授だった。佐藤氏は自身が高校2年生のときにベトナム戦争反対のデモに参加した話を披露。デモに参加する現代の高校生がとても頼もしく見えたようで、「安倍政治を次の世代に渡すわけにはいかない。安保法制を廃止に追い込むまでともに戦い抜こう」と声を張り上げた。
 最後にスピーチをしたのは、ティーンズソウルの女子高校生、「あいね」さん(16)。
 「私は言いたい。まだまだ安保法制反対の声を上げていくべきだ。だから私はこれからもデモに行く。デモに行って声を上げる。間違ったことには間違いだと言い続けなければいけない。なぜなら私たちは主権者だからだ」
 「私は言いたい」やデモで宣言した日の年月日を最後に言うのは、兄貴分(姉貴分)のシールズとそっくりで、「あいね」さんは「私は安保法制の廃止と安倍政権の退陣を求めます」と締めくくった。
 参加者は「GO VOTE(投票に行こう)」と書いたプラカードを掲げて行進した。だが、高校生は先頭に集中し、数百人の参加者の大多数は中高年だった。デモの最後尾になると、シュプレヒコールの声を上げる人は少なく、先頭の熱い高校生とは同じデモとは思えないほど。「辺野古新基地NO」など安保関連法とは別の政治課題に関するプラカードを手にする中高年も目立った。
 デモが行われた日曜の夕刻の渋谷は大勢の買い物客らでにぎわった。大音量で音楽を流しながらシュプレヒコールを上げる一団を、物珍しそうに写真に収める若者や外国人観光客もいた。
(政治部 田中一世、酒井充)
 
「安倍首相呼び捨て」というタイトルから笑わせられる。
 
内閣打倒とアジテーションを行っている最中で、その内閣の最高責任者に対して「安倍さん辞めて」とは言わないであろう。
 
ましてや高校生はオジサンの経験からしても、尊敬できない教師は陰では「呼び捨て」していた。
 
法学部の学生時代に立憲主義を習ったことがないと豪語し、憲法すら読めない、理解できない安倍晋三に対して、尊崇の念を持てとは高校生に対してだけでなく、子どもにも大人に対しても言えるものではない。 
  
さらに「ティーンズソウル、『兄貴分』を踏襲」という表現にも、昨年の9月の深夜の国会前での長時間コールを行った「兄貴分」の「SEALDs」に手を焼いた連中の気持ちを見事に代弁している。
 
「SEALDs」を大学生にもかかわらず安保関連法に反対する悪いグループというレッテルを貼り、その兄貴分を踏襲しているとして、「T−nsSOWL」を貶めようとする狙いが透けて見える。
 
「高校生は先頭に集中し、数百人の参加者の大多数は中高年だった。デモの最後尾になると、シュプレヒコールの声を上げる人は少なく、先頭の熱い高校生とは同じデモとは思えないほど。『辺野古新基地NO』など安保関連法とは別の政治課題に関するプラカードを手にする中高年も目立った。」
 
歪んだ思想の政治部の記者らしい、かなり悪意に満ちた現場報道記事である。
 
主催者発表は5000人だが、仮に話半分でも「数百人の参加者」とは余りにも事実を矮小化している。
 
前述したように国会包囲行動後に「辺野古新基地NO」のプラカードを持って渋谷に移動した中高年の参加者も多かったようである。
 
オジサンも支援している「戦争を許さない市民の会」に、昨日の国会包囲行動に向けて寄せられたメッセージから、東洋大学教員の柴田隆行氏のメッセージを紹介しておく。
 
 ある意味、安倍政権のおかげで、安保、辺野古、原発、TPP、憲法改悪、教育体制改悪、情報統制等々に共通する資本の論理が明確になった。
 それぞれの現場で闘っている人たちのつながりも強くなった。心強い仲間が全国全世界にいりことが実感できるようになった。
 
今後は、個別政治課題ごとの集会やデモではなく、資本の論理をむき出しに国民を痛めつける「安倍政権打倒」に集結した運動がますます広がっていくのではないだろうか、とオジサンは思う。 
 
 
posted by 定年オジサン at 12:13| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

内孫はすんなり産まれたが、野党共闘は生みの苦しみが続く

昭和39年に流行った「松の木小唄」。
 
その5番目歌詞に「恋にもいろいろ ありまして ヒゴイにマゴイは 池の鯉・・・」という部分がある。
 
あえてこれに倣っていえば「孫にもいろいろありまして、初孫、内孫、外の孫・・・」となるのかもしれない。
 
「初孫」は自分の子どもに(娘でも息子でも)最初に生まれた孫を指すのだが、オジサンが子どもの頃、正月に祖父の家に親戚一同が集まり、従弟(従姉)たちが総勢11人になった。
 
その中で年長はオジサンの父の妹(叔母)の長女にあたる2歳年上の従姉であった。
 
祖父からすれば彼女が初孫なのだろうが、オジサンの父が長男だったので、当時はオジサンは最初の「内孫」と呼ばれていた。
 
しばらくして戸籍上、直系の孫を内孫といい、結婚して他家の姓を名乗った子ども(普通は、娘、養子縁組の場合は息子の場合もある)の子を外孫ということを教えられた。
 
その意味ではオジサンにとっての初孫は、父が亡くなって3か月後に産まれた娘の長女であった。
 
5年後に弟が産まれ、オジサンにとっては孫は2人となったが、彼らは戸籍上の表現を借りれば「外孫」であった。
 
昨日、昼前に息子から電話が入り「長女」が産まれたと聞き、オバサンとその産院に車で出かけた。

最近では「○○産婦人科」という表現ではなく「○○レディースクリニック」が主流らしい。
 
これも流行らしいのだが出産前の診断で男女の性別を教えてくれるそうで、「男か女か」という想像する楽しみというのが無くなっている。
 
それでも無事に産まれてほしいと願う気持ちには変わりがない。
 
近頃の若い父親は出産に立ち会うのが珍しくないそうで、息子も朝から分娩室に入り産まれるまで付き添ったという。
 
産まれてからは看護師たちの手伝いもしたといい、時代の変化を身に感じた。
 
分娩室から面会者用の待機室に新生児が連れてこられ、オジサンも僅か2840gの赤子を抱いたのだが、あまりにも黒々とした髪に羨ましく思いながらも、伸びている爪と、うっすらと開いている眼、なにかを掴みそうな小さな両手には感動するしかなかった。
 
オジサンの現役の頃は、産まれた2人の子どもの出産に立ち会うどころか、職場で同居している父から電話で知らされたが、仕事の関係で直ぐには駆けつけられなかったことを思い出した。
 
昔から「孫は目に入れても痛くない」といわれるように可愛いのは、一番状態の良い時に会うからかもしれない。
 
人間の出産は自然の営みであり、母親の産みの苦しみは伴うのだが、あせらずゆくりと時間をかければ産まれてくるものであろうと実感した。
 
ところで政治の世界では主義主張の異なる政党が、「野党」というだけで一つになるということは容易な話ではない。
 
昨年の9月の戦争法の強行採決後、共産党の志位和夫委員長が安倍内閣打倒のための国民連合政府構想をぶち上げてから、5か月経ってようやく、「野党5党 安保法廃止法案を提出…国政の選挙協力で一致」という運びになった。
 
そして、志位和夫委員長は「参院選の(改選数1の)1人区で思い切った対応をしたいとの思いから、国民連合政府の旗は横に置いて協力したいと述べ、1人区での独自候補取り下げに前向きに応じる考えを示した。
 
当時は民主党内の「共産党アレルギー」が強すぎ、とても実現は不可能であろうとの見方が強かった。
 
従って選挙協力などはできず、参院選では民主党候補と共産党候補者が共倒れして、結果として自公政権は絶対多数を占め、野党は共産党だけが比例区で議席を増やすのではないか、とオジサンは思っていた。  
 
だが、どうやら共産党は自党の公認候補を取り下げてでも戦争法廃止に向けての野党協力に本気であることを示した。
 
<参院選 共産「1人区擁立せず」 安保法廃止で競合回避>
 2016年2月21日 朝刊 東京新聞
 共産党は20日、臨時幹部会を党本部で開き、夏の参院選で32ある改選1人区での独自候補取り下げをめぐり協議した。民主党の公認候補などと競合する選挙区では候補者の安全保障関連法廃止への姿勢などを判断基準に、両党の合意に基づき取り下げる方針で一致した。共産党幹部は「思い切った対応を取る方針を確認した」と述べた。 
 共産党は1人区32のうち、29選挙区で公認を擁立しているが、民主党などとの「一本化」に協力し、与野党対決の構図をつくり出す狙い。野党候補が乱立すれば与党候補を利するだけだと判断した。週明けにも1人区の公認候補を集めた全国会議を開催し、こうした方針を説明。民主、維新、社民、生活4党の幹事長レベルで協議し、調整を急ぐ意向だ。
 共産党内で検討されている案では、民主の公認候補と競合する14選挙区について、中央レベルで協議した上で対応を決める。民主推薦の無所属候補と競う7選挙区に関しては地方レベルの協議を受け、判断する。取り下げの場合、当選後も安保法廃止の立場を貫くことを条件とする方向。
 選挙区によっては共産候補への協力を求める可能性もあるとみられる。
 民主党内には根強い共産党アレルギーから「地方組織の協議に委ねる」(幹部)との声もあり、調整は難航も予想される。
 志位和夫委員長は19日、安保法を廃止する法案2本を野党5党で共同提出したことを受け、1人区の候補者取り下げも視野に選挙協力を進める方針を表明。民主党の岡田克也代表は20日、共産党が候補を取り下げた場合について都内で記者団に「民主候補が自民党と戦う上で非常に条件が良くなる」と歓迎した。
 
たしか昨年の志位委員長の呼びかけの頃は、ある民主党幹部が「共産党候補が全員降りてくれれば助かる」といった党利党略レベルの話をしていたことを思い出す。
 
同じ野党でも民主党内にはかなりの数の改憲派議員がいる。
 
ただ単に「安全保障関連法廃止への姿勢などを判断基準」にするだけでは改憲阻止の力にはならない可能性もある。   
 
安倍晋三首相が野党の選挙協力に関しては「野合」と批判していたが、最近は自民党内からも「『国家観まったく違う』自民の鴻池氏、公明への推薦反対」と自公の選挙協力に異を唱える声が聞こえてくるようになった。 
 
「本音の発言⇒失言⇒撤回・謝罪」する劣化議員が噴出している自民党だが、やはり極めつけは、「人種差別発言と、逆人種差別ともいうべき隷米発言」を言い放った70歳の惚け弁護士丸山和也参院議員(自民党)の17日の参院憲法審査会での発言であろう。  
 
 
 
 憲法上の問題でもありますけれど、ややユートピア的かもわかりませんけれども、例えば、日本がですよ、アメリカの第51番目の州になるということについてですね、憲法上どのような問題があるのか、ないのか。例えばですね、そうするとですね、集団的自衛権、安保条約はまったく問題になりません。例えば、いまは拉致問題というのがありますけれど、拉致問題すらおそらく起こっていないでしょう。それから、いわゆる国の借金問題についてとかですね、こういう行政監視のきかないような、ずたずたの状態には絶対なっていないと思うんですよ。
 これはですね、日本がなくなることではなくて、例えば、アメリカの制度になれば、人口比において下院議員の数が決まるんですね。比例して。するとですね、おそらく日本州というのは、最大の下院議員選出数を持つと思う、数でね。上院もですね、州一個とすれば2人ですけれども、日本もいくつかの州に分かれるとすると、かなり十数人の上院議員もできるとなる。これは、世界の中の日本と言うけれども、要するに、日本州の出身が米国の大統領になるって可能性が出てくるようなんですよ。ということは、世界の中心で行動できる日本という、まあ日本とはその時は言わないんですけれども、ありうるということなんですね。
 バカみたいな話をすると、こう思われるかもしれませんが、例えば、いまアメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ、はっきり言って。リンカーンが奴隷解放をやったと。でも、公民権もない、何もない。ルーサーキングが出て、公民権運動の中で公民権が与えられた。でもですね、まさかアメリカの建国、あるいは当初の時代にですね、黒人、奴隷がですね、米国の大統領になるなんてことは考えもしない。これだけのですね、ダイナミックな変革をしていく国なんですよね。
 そういう観点からですね、例えば、日本がですね、そういうことについて憲法上の問題があるのかないのか、どういうことかということについてお聞きしたい。

この人種差別的な発言に対しては、「一部を切り取る批判」という意見もあるかもしれない。
 
それにしても、米国の押し付け憲法を忌み嫌い独自憲法を作ろうとしている自民党の党是に真っ向から刃向うような「隷米発言」を不問に付すほど今の自民党は腐敗しているというよりは、レベルの低い「粗忽議員」集団と化しているのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:22| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月20日

沖縄を再び戦場にしてはならない!

先月の宜野湾市長選挙で現職市長が当選したことにより、政府は普天間の辺野古移転が支持されたと喧伝した。
 
しかし現市長は辺野古移設問題を争点とせず、あくまでも普天間の危険性を訴え早期運用停止要求に過ぎなかった。 
 
その点では普天間基地を抱える宜野湾市民の総意は、危険な普天間基地の閉鎖に他ならない。
 
同じ沖縄県民としては、これ以上県内に基地を作らせないという思いは共有している。
 
辺野古沖への「移転」ではなく、新基地建設の是非が問われているのであり、沖縄県の翁長雄志知事は建設そのものを阻止するために国と裁判闘争を行っている。
 
しかし、福岡高裁那覇支部は、翁長雄志知事が埋め立て承認を認める代わりに国が代替施設の供用後30年以内の返還か軍民共用化を米国と交渉することを求める根本的な解決案と、国が工事を中断し再協議する暫定的な解決案の2つを国と県に示し、政府は米政府に協議を打診し、根本案の「供用後30年」や「軍民共用化」などの文言をもっと幅のある表現にできないか調整することにしたらしい。
 
そんな辺野古では本体着工前の準備工事としての仮設工事費がすでに2.5倍に膨らんでいるという。
   
<辺野古の仮設工事費2.5倍に 契約変更、1年間で4回>
 2016年2月20日05時04分 朝日新聞DIGITAL
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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設予定地とされる名護市辺野古に仮設桟橋などを造る工事について、防衛省が発注後の1年間に契約を4回変更し、工事費が当初の59億円から147億円と2.5倍に膨らんでいたことが朝日新聞の調べで分かった。抗議活動への対応で追加工事が必要になったためというが、「当初の入札の意味がない。新たな契約を結ぶべきだ」と批判が出ている。
 この工事は本体着工前の準備工事だが、その後に発注された本体工事でも契約が直後に変更され、当初より150億円以上増えたことも判明。防衛省は2014年3月、移設の総経費を「3500億円以上」と明かしたが、膨らむ恐れがある。
 2・5倍になったのは「シュワブ(H26)仮設工事」。沖縄防衛局は14年6月に指名競争で入札を実施し、大手ゼネコンの大成建設と59億6千万円で契約した。落札率は97・9%だった。
 沖縄防衛局や契約関係書類によると、工事内容は、仮設の浮桟橋・桟橋の設置▽フロート(浮き具)やブイ(浮標)の設置▽安全対策。防衛省は14年7月、移設予定地周辺の海域約560ヘクタールを日米地位協定に基づき立ち入り禁止と設定しており、フロートやブイはその周囲に設置された。
 辺野古移設に反対する人たちは、カヌーでフロートを乗り越えて立ち入り禁止区域内に入るなどの抗議活動をしている。防衛局は当初契約4カ月後の14年10月、「フロートの設置数量が追加となった」として契約を変え、47億8千万円増額した。防衛省関係者は「カヌーが入れないようにフロートを二重三重にした。安全確保のために仕方がない」と説明する。
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 沖縄防衛局はその後も3回契約を変更し、さらに金額は膨らんだ。この増額理由について、防衛局は詳細を明らかにしていない。
 防衛局は仮設工事を進める傍ら、14年10月〜15年2月に岸壁建設など本体工事を7件発注。当初契約では計413億7千万円だったが、うち4件について1〜2カ月後に契約を変更し、総額は計564億9千万円となった。契約変更調書には、理由について「設計精査」と記されている。
 会計検査院は今年1月に沖縄防衛局に検査に入っており、移設工事の妥当性を調べているとみられる。
 辺野古移設を巡っては、会計検査院の07年度の検査で、約8億円の予算だった海底地質調査に関し、旧那覇防衛施設局が抗議活動への対応として次々に追加で事業を出し、計約22億円を支払っていたことが発覚。この際は契約変更の会計手続きも怠っていたとして、検査院が悪質なケースに当たる「不当事項」と指摘した。検査院は09年、この事例で当時の局長2人を懲戒処分するべきだと防衛省に要求したが、防衛省は従わなかった。
 辺野古移設を巡っては、防衛省は昨年10月末、沖縄県が反対するなか本体工事に着手した。国は今後、本体工事を本格化させるとみられる。(大谷聡)
■増額分の閲覧、現地窓口のみ
 この仮設工事は、広く入札参加を募る「一般競争」ではなく、参加業者を発注側が選ぶ「指名競争」で発注された。だが、入札を行ったことが明らかにされたのは、契約を結んだ後。工事の内容を記し、入札時に業者に示された書類は、いまも公開されていない。
 入札参加業者名などを記した書類は契約後に公表されたが、それによると四つの大手ゼネコンや共同企業体が参加し、大成建設以外の3者は予定価格を超過していた。
 沖縄防衛局は工事や業務の契約について、当初契約の金額はホームページ上で公開しているが、変更後の契約金額については出していない。辺野古移設事業の増額分についても、沖縄県嘉手納町の同防衛局窓口まで行って書類を閲覧しなければ把握できない。同防衛局は「防衛省内のルールに従っており、沖縄防衛局としては適切に公表を行っていると認識している」としている。
■安全確保の観点から
 《沖縄防衛局の話》 現場の状況を踏まえ、工事の安全確保にさらなる万全を期す観点から、当初計画からフロートの設置数量が追加となったため、変更契約を締結した。移設の経費については、正確な数字を示すことは困難であるが、大まかな見積もりとして少なくとも3500億円以上と見込んでいる。
■入札の意味ない、新たな契約結ぶべきだ
 《元会計検査院局長の有川博・日大教授(公共政策)の話》 これほど高額な工事が何倍にも契約変更されるケースには接したことがない。当初の入札の意味がなくなり、競争性が失われてしまっている。本来、別途新たな契約を結ぶべきだ。内容でも、工事の中に多額の安全対策という業務が含まれるなどあまりに不透明。こうした増額が窓口に行かないと分からないのは仕組みとしておかしいし、最低でも増額の内容は説明されるべきだ。防衛省では09年に受けた検査院の懲戒要求に応じなかったことがあり、こうした過去の対応も今回の事例につながる一因になっているのではないか。

先日、ドキュメンタリー映画「戦場ぬ止み」を観る機会があった。
 
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辺野古ゲート前で座り込みを続ける市民に対し、本土のネトウヨ連中は「座り込みの大半は本土から応援に来たプロ市民運動家たちだ」とことあるごとに言っていた。
 
しかしこのドキュメントを見れば、そんな浅薄な言葉はすっ飛んでしまう。


 
「私を轢き殺してから行きなさい」と工事車両の前に身を投げ出したのは、あの残酷な沖縄戦を生き延びた85歳の文子おばあ。
 
我が身を呈して阻止する行動は、本土から応援に来た者にはできない行動である。
 
沖縄での市民たちの家族ぐるみで国家権力と闘っている姿は、この映画を見なければ本土の人間は理解できない。
  
せめてオール沖縄の声に呼応して全国でたちあがろうと、明日は国会大包囲行動が予定されている。
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辺野古ゲート前に行くことができない本土の人たちは、こぞって国会前に集まろう、とオジサンも行くつもりである。
 
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2016年02月19日

サントリーニ島の楽園5

今日は出かけていますので、つぶやきはお休みしますが、代わりにすばらしい写真をお届けします。
 
サントリーニ島は、エーゲ海のキクラデス諸島南部に位置するギリシャ領の島。
 
かつて大爆発を起こした火山が形成したカルデラ地形(サントリーニ・カルデラ)の一部で、その外輪山にあたる。
 
「サントリーニ島」の名はカルデラ全体、すなわち本島を含めた5つの島々(サントリーニ諸島)の総称としても用いられる。
 
カルデラ湾を望む断崖の上に白壁の家々が密集する景観でも知られており、エーゲ海の著名な観光地の一つである。
 
まさに楽園も、幻想も、すべてがここにあるともいえる「サントリーニ島」は、降りそそぐ太陽の光の中でも、微笑む月明かりの下ででも、あまりに美しくてなにも見えなくなりそうな世界である。
 
【サントリーニ島の楽園5】


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2016年02月18日

サントリーニ島の楽園4

明日まで遠地に出かけています。
 
つぶやきはお休みしますが、すばらしい写真をお届けします。
 
サントリーニ島は、エーゲ海のキクラデス諸島南部に位置するギリシャ領の島。
 
かつて大爆発を起こした火山が形成したカルデラ地形(サントリーニ・カルデラ)の一部で、その外輪山にあたる。
 
「サントリーニ島」の名はカルデラ全体、すなわち本島を含めた5つの島々(サントリーニ諸島)の総称としても用いられる。
 
カルデラ湾を望む断崖の上に白壁の家々が密集する景観でも知られており、エーゲ海の著名な観光地の一つである。
 
まさに楽園も、幻想も、すべてがここにあるともいえる「サントリーニ島」は、降りそそぐ太陽の光の中でも、微笑む月明かりの下ででも、あまりに美しくてなにも見えなくなりそうな世界である。
 
【サントリーニ島の楽園4】


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2016年02月17日

サントリーニ島の楽園3

金曜日まで遠地に出かけています。
 
その間はつぶやきをお休みしますが、毎日すばらしい写真をお届けします。
 
サントリーニ島は、エーゲ海のキクラデス諸島南部に位置するギリシャ領の島。
 
かつて大爆発を起こした火山が形成したカルデラ地形(サントリーニ・カルデラ)の一部で、その外輪山にあたる。
 
「サントリーニ島」の名はカルデラ全体、すなわち本島を含めた5つの島々(サントリーニ諸島)の総称としても用いられる。
 
カルデラ湾を望む断崖の上に白壁の家々が密集する景観でも知られており、エーゲ海の著名な観光地の一つである。
 
まさに楽園も、幻想も、すべてがここにあるともいえる「サントリーニ島」は、降りそそぐ太陽の光の中でも、微笑む月明かりの下ででも、あまりに美しくてなにも見えなくなりそうな世界である。
 
【サントリーニ島の楽園3】


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2016年02月16日

サントリーニ島の楽園2

金曜日まで遠地に出かけています。
 
その間はつぶやきをお休みしますが、毎日すばらしい写真をお届けします。
 
サントリーニ島は、エーゲ海のキクラデス諸島南部に位置するギリシャ領の島。
 
かつて大爆発を起こした火山が形成したカルデラ地形(サントリーニ・カルデラ)の一部で、その外輪山にあたる。
 
「サントリーニ島」の名はカルデラ全体、すなわち本島を含めた5つの島々(サントリーニ諸島)の総称としても用いられる。 

カルデラ湾を望む断崖の上に白壁の家々が密集する景観でも知られており、エーゲ海の著名な観光地の一つである。
 
まさに楽園も、幻想も、すべてがここにあるともいえる「サントリーニ島」は、降りそそぐ太陽の光の中でも、微笑む月明かりの下ででも、あまりに美しくてなにも見えなくなりそうな世界である。
 
【サントリーニ島の楽園2】

 
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2016年02月15日

サントリーニ島の楽園1

今日から金曜日まで遠地に出かけます。
 
その間はつぶやきはお休みしますが、毎日すばらしい写真をお届けします。
 
サントリーニ島は、エーゲ海のキクラデス諸島南部に位置するギリシャ領の島。
 
かつて大爆発を起こした火山が形成したカルデラ地形(サントリーニ・カルデラ)の一部で、その外輪山にあたる。
 
「サントリーニ島」の名はカルデラ全体、すなわち本島を含めた5つの島々(サントリーニ諸島)の総称としても用いられる。
 
カルデラ湾を望む断崖の上に白壁の家々が密集する景観でも知られており、エーゲ海の著名な観光地の一つである。
 
まさに楽園も、幻想も、すべてがここにあるともいえる「サントリーニ島」は、降りそそぐ太陽の光の中でも、微笑む月明かりの下ででも、あまりに美しくてなにも見えなくなりそうな世界である。
 
  
【サントリーニ島の楽園1】


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2016年02月14日

不倫辞職したゲス議員より居座る悪質な連中

テレビ視聴者が喜ぶから垂れ流すのか、それとも国民の目をそらすために意図的に垂れ流しているのかは定かではないが、相も変わらず女性タレントとロックバンドのボーカル男性との不倫報道が止まないのだが、そんな「ゲスの極み」を完璧に演じて議員辞職した自民党議員までもが、臆面もなく恥を晒されていたテレビ報道。
 
こんなことが続くと、本当の巨悪連中は国民の目からそらされてしまう。
 
ある女性漫画家が自分のコラムの中でこんなことを言っていた。
 
「甘利さんの顔、ニュースで見るたび『チロリン村とくるみの木』を思い出すのは私だけかな。アマリン村とタカリの木・・・」
 
なかなかうまいことを書くものだと思わず感心してしまった。
 
「国家公務員制度改革基本法」という法律がある。
 
これは省庁と族議員の癒着への批判を受けて内閣主導の政策決定を目指す改革のもと、第1次安倍政権で議論が始まり、次の福田政権で2008年に成立した。
 
政官接触の規制について、原案は接触自体を禁じていたが、与野党から異論が出て、接触の記録・開示で透明化を図る現行規定に修正された一方、公文書管理法は行政機関に、意思決定過程を後から検証できるよう記録文書の作成を義務付けているのだが、実態は骨抜きにされている。
 
甘利氏問題 秘書と接触、記録残さず 国交・環境省」によれば、当時の担当者の話をこう載せていた。
 
第1次安倍・福田両内閣で行革担当相補佐官として公務員制度改革を担当した原英史(えいじ)氏(現・政策工房社長、元経産官僚)は「まさに今回のような事態を防ぐために、すべての政官接触を公平・正確に記録・開示しようというのが基本法の趣旨だ。基本法にも閣僚懇の申し合わせにも違反していると言わざるを得ない」と指摘。「本来は政府として制度を整備する義務があるはずだ。『表に出したくない』と官僚は思うのかもしれないが、そもそも官僚も政治家も税金で活動している。国民にチェックされて困ることがあってはならない」と話す。
 
そもそもこのような法律を議員たちが作ったにもかかわらず、その法律に従わない連中を誰も取り締まることが出来無い状態は、国民からすれば全く理解できない。
   
しかしマスメディアが積極的に取材すれば、口利きを依頼した側から新しい証言が出てくるものである。 
 
<甘利氏秘書 「20億円提示しよう」…URの補償巡り>
 毎日新聞 2016年2月14日 
20160214amarijimusyo.jpg 道路工事を巡る千葉県の建設会社と都市再生機構(UR)の補償交渉を巡り、総務担当者だった一色武氏(62)が毎日新聞の取材に対し、追加補償額として約20億円をURに求めるよう昨年10月ごろ、甘利明前経済再生担当相の公設秘書(先月辞任)から提案されたと証言した。一色氏は、甘利氏側が補償交渉に積極的に関与していた証左だとしている。【本多健、樋岡徹也】
 県によると、道路工事は県がURに委託したもの。一色氏によると、建設会社は道路工事開始前にURから受け取った補償約2億3600万円以外に、工事開始後、建物の一部が振動でゆがんだなどとして2015年3月以降に約5100万円の追加の補償を得ていた。だが、その後「地中の産廃撤去が必要」などとURにさらなる追加補償を求め、甘利氏の秘書らに口利きを依頼したという。
 建設会社の敷地には40年以上前、当時の地主が産廃を不法投棄した。道路予定地は南北に敷地を分断し、千葉県は工事開始前に約31億円で予定地内の産廃を撤去していた。これに対し、建設会社はUR側に予定地外の産廃の撤去も求め、交渉はこう着状態になった。
 一色氏によると、公設秘書は昨年10月以降にURへの働きかけを強め、一色氏に「(追加補償額として)20億円というのを言葉にしてほしい」「(URから新たな)金額提示がなかったから、こちらから(20億円を)提示しよう」などと持ちかけたという。こうした秘書らとのやり取りについて、一色氏は記録に残しているとする。
 一方、URが公表した甘利氏の秘書らとの面談記録によると、URは昨年10月28日、先月辞任した別の秘書に「(建設会社側が追加補償の)具体額を仰(おっしゃ)らない」と交渉状況を説明。秘書は「私から先方に(額を)聞いても良いが?」などと持ちかけていた。
 この面談では、UR側が秘書に「先方に(額を)聞いてしまうとそちらも当方も(立場が)厳しくなる」とくぎを刺す場面もあった。URは取材に「具体的な補償額は示されていない」としている。この秘書は翌月、偽名を名乗って建設会社の社員になりすまし、補償交渉の場に同席していた。
 甘利氏は先月28日の記者会見で、弁護士による秘書らへの聞き取り調査に基づき、13年の補償交渉については「話はしたので、あとは当事者同士でやってほしいということだった」などと介入を否定。それ以降については調査するとした。
 秘書らから20億円の追加補償額を提案されたという一色氏の証言について、甘利事務所は取材に「何を根拠に述べられているのかわかりませんが(甘利氏が)記者会見で述べた通り」としている。
 
当初は、薩摩興業がURから受け取った補償約2億3600万円の謝礼が、甘利明個人に100万円、甘利事務所に500万円と報道されていた。
 
特に甘利明は1回50万円の封筒を2度、上着の内ポケットにしまったとバラされていたが、追加補償額が20億円ならば桁違いの口利き料が甘利明個人と事務所に渡されたと考えるのが普通であろう。
 
先月の八王子市長選挙では残念ながら惨敗した政治学者・五十嵐仁は、「ゲス議員の不倫より遥かに悪質 安倍政権の犯罪的情報隠し」の中でインタビューに応じてこう話していた。
 
甘利疑惑は、甘利さん個人の疑惑ではないと思う。業者から頼まれて役所に口利きをし、見返りとしてカネを受け取ってきたのが、自民党の歴史です。口利きは自民党が、なかば“制度化”してきたもの。政権交代が頻繁に起これば、政官財の癒着は一掃されます。でも、自民党の1強体制が盤石になったことで、安心して口利きが復活している疑いがあります。なぜ、全省庁が国会議員との“面談記録”を残そうとしないのか。甘利疑惑の裏には、とてつもない闇が広がっている可能性があります
 
さて、これもうんざりするほど繰り返し報道されるのが「北朝鮮が人工衛星と称するミサイルを発射」に関する、どうでもいい話しなのだが、今後、実際に人工衛星からの写真が発表されたら、バカ騒ぎした右派マスデイア連中はなんと説明するのだろうか。
 
いずれの国に対しても実際にミサイルを発射するというバカな真似はいくら暴君の金正恩でもやらないということは世界中の首脳は知っている。
 
そんなことをすれば北朝鮮は世界中から袋叩きになり、この国は1週間もあれば消滅してしまう。
 
むしろ北朝鮮の脅威を煽り対ミサイル防衛システムの強化に進もうとしている日米韓の軍需産業とその恩恵を受ける政治屋連中が喜ぶだけである。 
 
「北朝鮮 拉致 政治利用」のキーワードで検索すると「約 319,000 件(0.43 秒) 」も関連記事がひかっかる。
 
昨年の12月19日付の「『安倍さんは嘘つき』元家族会の蓮池透氏が拉致問題で安倍首相がついた真っ赤な嘘と政治利用の手口を全暴露」の中で、「安倍さんは、拉致問題を利用して、総理大臣になった」と糾弾された安倍晋三首相。
 
年明けて1月12日の衆院予算委員会で民主党委員からこの記事の内容を問われ、血相変えてこう反論していた安倍晋三首相。
 
「私が申し上げていることが真実であることはバッジをかけて申し上げます。私の言っていることが違っていたら、私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」
 
この安倍晋三首相の答弁が真っ赤なウソと見破った蓮池透は「蓮池透氏が安倍首相の“逆ギレ”国会答弁に堂々反論!『安倍さんは議員バッジより先にブルーリボンを外すべきだ』」とインタビューに冷静に答えていた。
 
 安倍さんが「バッジをかけて」って言った瞬間、議員バッジではなく、拉致問題の象徴でもあるブルーリボン・バッジのほうを外すのではと思ったほどでした。それくらい安倍首相の拉致問題への姿勢には失望しているし、彼は議員を辞めるつもりなんかないと思ったのです。私が『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(以下、『見殺しにした安倍首相』)に書いた内容はこれまで自分で体験し見聞きしてきたことです。Twitterにも書きましたが決してウソなど書いていません。
 それにしても、一国の最高権力者である総理大臣がですよ、私のような一介の市民が書いた本で批判されたからといって、本気で対決姿勢を示すというのはいかがなものかと思いました。最後にはキレ気味でしたからね。そうではなくさらりと流したほうが総理としての器を示せたのではないかと思います。
 
まさにその通りであろう。   
 
本当に自信があるのなら正々堂々と答えればいいものを、図星を突かれると簡単にキレる醜態をはしばしばテレビ中継されている予算委員会の場で曝け出している。
 
同じぼんくら三世の世襲家族出身という点では、安倍晋三も金正恩も違いはない。
 
むしろ敵愾心がより強くなるのだろうが、その強気が拉致問題では手痛いしっぺ返しを食らってしまった。   
 
<拉致解決へ日本手詰まり 正恩氏、交渉に関心示さず 北朝鮮、再調査中止を宣言>
 2016年2月14日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20160214rarisaichousa.jpg 北朝鮮が、日本政府による独自制裁への報復として、拉致被害者を含む日本人に関する再調査の全面中止を宣言した。日本側は交渉を続ける方針だが、北朝鮮は日朝合意に基づき発足した特別調査委員会を解体するとしており、拉致問題の進展に向けた機運は一気に失われた。金正恩(キムジョンウン)政権は拉致問題を重視しておログイン前の続きらず、展望は描けない。▼国際面=米も制裁強化へ、オピニオン面=社説、社会面=家族ら焦り
 今の北朝鮮に拉致問題を解決する本気度が見えないことには、理由がある。
 北朝鮮関係筋によれば、2002年に金正日(キムジョンイル)総書記が直接指揮し、拉致を認めた日朝首脳会談のときと異なり、金正恩第1書記が交渉に関心を示すことはほとんどなかった。
 北朝鮮は過去の経験から、日朝交渉が直ちに巨額の経済支援に結びつかないことを理解している。日本による制裁や不況の影響で、朝鮮総連から北朝鮮への送金額も減り、日本の戦略的な価値は低下する一方だ。
 実際、交渉での動きは02年のときと異なった。02年当時、日朝交渉を指揮した柳敬(リュギョン)・国家安全保衛部副部長は一切、公の場に出なかった。秘密警察である国家安全保衛部の本当の実力者が表に出ることはない。対照的に、特別調査委員長に就いた徐大河(ソデハ)・同副部長は14年10月の日朝協議で公に姿を見せた。
そんなことをすれば 北朝鮮関係筋は「国家プロジェクトだった02年とは全く様相が違った」と語る。日本側は、徐氏が正恩氏に直結する人物なのかを十分に検証できていないとみられる。
 北朝鮮政府の一部は、拉致問題で強硬な安倍晋三首相と合意すれば、日本の世論を説得できると期待した。しかし、こうした考えは、拉致問題を最重要課題とする日本の立場を理解する北朝鮮外務省などの対日部門に限られていた。正恩氏や軍部などは日本について「米韓の軍事的脅威を後方で支援する基地」といった安全保障の分析を重視。拉致問題の解決を急ぐ考えは持っていなかったという。
 いわば国家として拉致問題を進展させるとの明確な方針がないまま、北朝鮮外務省が交渉を任され、終戦前後に死亡した日本人の遺骨や残留日本人配偶者の問題などを小出しにして、段階的に制裁解除を勝ち取る戦略を取っていたという。だが、日本側が拉致問題にこだわり、交渉が停滞すると、打つ手がなくなり、事態を静観する姿勢に転じた。
 ここまで特別調査委員会を解体しなかったのは、自ら交渉を決裂させたという責任を負うのを避けたかったからとみられる。
 北朝鮮は「全責任は安倍政権が負うべきだ」と主張。日本に非があると印象づけようとしている。北朝鮮関係筋は「委員会を潰す口実ができた。次に関係を改善するとき、委員会再立ち上げをカードに使うこともできる」と語った。(ソウル=牧野愛博)
 ■安倍政権、妙案なし
 「北朝鮮から具体的な行動を引き出すために、最大限努力したい」。カナダを訪問中の岸田文雄外相は12日午後(日本時間13日未明)、北朝鮮が拉致問題の再調査中止を宣言したことを非難し、こう述べた。ただ、北朝鮮との交渉に展望を描けぬまま独自制裁に踏み切った日本政府に「妙案はない」(政権幹部)のが実情だ。
 拉致問題を最優先課題に掲げる安倍政権だが、最近は「拉致問題は動かない」(政府高官)との諦めムードが漂っていた。年明けからは北朝鮮による核実験強行、長距離弾道ミサイルの発射と続き、「北朝鮮との交渉はなかったことにしたい」と語る政府関係者もいた。
 日本政府関係者によると再調査に向けた発端は13年秋だった。北朝鮮関係者が北京の外交ルートを通じて日本側に接触し、日朝両政府は水面下でやり取りを始めた。日本外務省は拉致被害者の横田めぐみさんの両親と、めぐみさんの娘キム・ウンギョンさんとの面会をモンゴルで行いたいと提案。面会は14年3月に実現し、安倍首相は北朝鮮に対話の意思があると受け止めた。
 同年5月、スウェーデン・ストックホルムの協議で、日朝は日本の独自制裁の一部解除と引き換えに拉致問題を含めた日本人の包括的調査で合意。安倍首相は当時、「全面解決へ向けて第一歩となることを期待している」と語った。北朝鮮は7月、国家安全保衛部が率いる特別調査委員会を立ち上げた。
 だが、ほどなく双方の思惑のズレがあらわになる。日本政府は「拉致問題が最優先」と主張したのに対し、北朝鮮政府は日本人配偶者や遺骨の問題を優先する意向を示す。当初は同年秋に初回報告の予定だったが、北朝鮮は同年9月に「調査は1年程度を目標とし、まだ初期段階」と報告の先送りを通告した。
 双方は中国の大連や上海などで非公式協議を続けたが、15年7月に北朝鮮は再び回答延期を通告。北朝鮮は今年に入って矢継ぎ早に挑発行動に出た上、拉致問題の再調査にも見切りをつけた。日本政府関係者は「日本と交渉しても、うまみはないと判断したのだろう」と話す。(鈴木拓也)
 ■完全に振り出し
 小此木政夫・慶応大名誉教授の話 日本政府が期待とともに取り組んだ再調査だったが、かなり前から動きは止まっていた。「難しい」という実感は現場にもあったと思う。今回の再調査中止により、拉致問題解決への道のりは完全に振り出しに戻ってしまった。核実験、長距離弾道ミサイル発射など一連の動きには、日米韓との緊張を高める狙いが透けて見える。少なくとも5月の朝鮮労働党大会までは緊張した局面が続くだろう。(聞き手・冨名腰隆)
 
安倍晋三首相の頭にあるのは盟友と言われる連中を回りにはべらせ2020年東京五輪まで首相の座に居座りたいという思いだけであるかも知れない。
 
学習塾経営者上がりで文科相になり、無届けの政治団体として政治活動をしている後援会に支えられている下村博文は、「無届けの支援団体」疑惑が明らかになると、建設費が高騰し白紙に戻された新国立競技場建設問題で、あたかも責任を取らされるように閣外に逃げ出したが、実はその後も自民党安倍晋三総裁特別補佐と特命担当副幹事長に就任している。
 
おそらく甘利明もほとぼりが冷めたら再び首相周辺にまとわりついてくるであろう。
 
そうなれば「蓮池薫さん 政府に戦略的な交渉求める」というNHKニュースを見ると、安倍晋三首相には「戦略的な交渉」というものが全く無さそうであり、この男を取り換えない限りは拉致問題は永遠に解決しないであろう、とオジサンは思う。

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2016年02月13日

SEALDs運動と「国民連合政府」戦略では既成野党は動かない

昨年12月20日に「市民連合=「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成」の発足記者見が行われた。
 
呼びかけ5団体には、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、「安全保障関連法に反対する学者の会」、「安保関連法に反対するママの会」、「立憲デモクラシーの会」と学生を中心とする「SEALDs」も名を連ねていた。
 
そして今年になって1月19日には「立憲政治を取り戻す国民運動委員会」が戦争法案に反対してきた学者や弁護士らが設立された。
 
お馴染みの顔ぶれの世話人には奥田愛基(SEALDsメンバー)も入っていた。 
 
ところで、これらの動きの前に昨年12月14日には「市民のためのシンクタンクReDEMOS」が、SEALDsのメンバー6人が研究員となり、弁護士の援助により一般社団法人という形で発足会見を行っていた。
 
そのシンクタンクのHPにはこんな理念が掲げられていた。
 
STORY
わたしたちが望むのは、日本に生きる一人ひとりの自由と尊厳を大切にする社会です。わたしたちはそのために、立憲主義に基づき、自由と民主主義の価値を尊重する政治を求めます。
戦後70年を迎えた2015年の夏、日本では立憲主義と民主主義をないがしろにするかたちで安保法制の立法が強行されました。沖縄の辺野古基地建設の問題も、選挙によって示された沖縄の民意だけでなく、法治国家の正当な民主的プロセスも無視するものであると大きな反発を招きました。日本社会はいま、多くの課題を抱えています。その解決策については、様々な立場から自由闊達な議論が行われるべきです。しかし、そうした民主的な論争は、立憲主義、自由、民主主義といった根本理念が尊重されて、初めて健全に機能するものです。民主主義国家にふさわしい、尊厳ある個人の自由を保障するためには、一定の平等や公正な分配が達成されることも不可欠です。さらには、日本は国際社会と連帯し、東アジアの平和構築へ向けた責任ある判断をしていかなければなりません。
わたしたちは経済や生活保障、安全保障といった個別の政策について、包括的かつ領域横断的に研究します。そしてその知見を日本社会に対して発信し、めざすべき社会とはどのようなものか、大局的なヴィジョンを提示していきたい、と考えています。わたしたちは個々の政策的な垣根を超え、個人の尊厳や自由を尊重する社会の実現に向けて、政策アイデアの刷新を行い、具体的な制度づくりや取り組みを進めていきます。いま求められているのは、危機に瀕している立憲主義と民主主義とを取り戻すことだけではありません。自由、民主主義、平等、公正といった普遍的な理念を実現するアイデアと制度を、つねにアップデートさせていくこともまた、わたしたちの重要な仕事です。
 
そしてこの理念に基づく提言の中の「V 具体的な立法作業」のDが、物議を醸していた。 

V 具体的な立法作業
具体的に、2016 年度初頭をめどに、以下のような法改正を実現させるための具体的な立法準備を行います。
それに当たっては、憲法学、行政学、立法学等を含む学者専門家の方々や、議員、法制局などにも広く知見を伺い、具体的な法文案を含む提案を行う予定です。
・・・中略・・・
3.我が国に真の立憲民主主義を実現させるための関連法改正
@立法段階で適切な憲法判断を受けることができる仕組みの構築
…略・・・
A地方公聴会後の派遣報告や総括質疑などの適切なプロセスを明示
…略・・・
B報道の自由確保法(政府によるメディアへの不当圧力を禁止し、自立的な報道を確保するための法律)
C情報公開促進法(国会審議等の民主的意思決定に必要な情報についての迅速開示義務等)
D国会に、行政による違憲な処分や人権侵害を監視する立憲民主主義監視委員会の設置

今後、立憲民主主義の崩壊を防ぎ、むしろ今回の教訓を活かして、日本の議会制民主主義を真に立憲主義・民主主義に適合したものに発展させていくための、前向きな立法が必要となります。
多数派が立憲主義を蹂躙し、民主主義を無視した議会運営を強行した場合、それが明確に違法となる制度をあらかじめ準備しておかなければ、「良識無 き多数派」に対して無防備な統治機構となってしまう以上、一定の法的措置が必要です。
  
上記のDについては、こんなまとめサイト「ReDEMOSの提唱する立憲民主主義監視委員会について」がこの監視委員会を批判していた。
 
そしてネトウヨたちのの餌食になっていた。
 
さらに「辺見庸氏が激烈批判。SEALDs,戦争させない総がかり、大江健三郎氏などのデモ、運動などに。」でSEALDs批判で話題になった辺見庸が朝日新聞の誘導的なインタビューに対して、野党の不甲斐なさや国会前デモ、それにSEALDsに対してあらためて痛烈に批判していた。  
 
<(インタビュー)時流に抗う 作家・辺見庸さん>
 2016年1月21日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 彼らは本気だ。安倍晋三首相は、夏の参院選で改憲勢力による「3分の2」の議席を目指すという。一方で、国会前を埋めたあの夏の熱気はいまも残っているのだろうか。岐路となりそうな2016年を私たち一人ひとりは、どう生きるべきか。権力と個人の関係を問い続ける作家、辺見庸さんに聞いた。
 
 ――夏には参院選ですね。改憲が争点になりそうです。
 「まったく関心がないといったらうそになるけど、どちらかというと悲観的ですね」
 ――と、言いますと?
 「仮に安倍政権に退陣してもらったとしても、そのあとに何かが良くなるというのが見えません。安保法制で次のレールは敷かれてしまった。描いているのは、憲法をもっと融通無碍(ゆうずうむげ)なものにする緊急事態条項ですよね
 ――大規模災害などに備えるための条項だとしても要らないものでしょうか。
 「ひょっとしたら、いまは安倍政権の退陣を求めているような勢力さえも、そういうレトリックに乗ってしまうんじゃないでしょうか。例えば尖閣諸島、あるいは北朝鮮をめぐる動きしだいでね。全体として翼賛化していくかもしれないと見ています」
 「ぼくは、未来を考えるときは過去に事例を探すんです。むしろ過去のほうに未来があって、未来に過去がある。そういうひっくり返った発想をしてしまう。いまの局面をなぞらえるとしたら、すべてが翼賛化していった1930年代じゃないですか? 南京大虐殺が起きた37年前後のことを調べて、つくづく思いました。人はこうもいとも簡単に考えを変えるのか、こうもいとも簡単に動員されるのか、こうもいとも簡単に戦争は起こるのか――と。現時点で、もう37年と同じような状況に入っているのかもしれません」
 「戦争法(安保法)なんて、突然降ってわいたみたいに思われるけど、長い時間をかけて熟成されたものですよね。A級戦犯容疑の岸信介を祖父に持つ安倍(首相)は、昭和史をいわば身体に刻み込んだ右派政治家として育ってきたわけでしょ。良かれあしかれ、真剣さが違いますよ。死に物狂いでやってきたと言っていい。何というのか、気合の入り方が尋常じゃない。それに対して、野党には『死ぬ覚悟』なんかないですよ。これからもそうでしょう。だから、やすやすとすべてが通っていくに違いない。むっとされるかもしれないけれども、国会前のデモにしても『冗談じゃない、あんなもんかよ』という気がしますね
     ■     ■
 ――とはいえ、国民の声の大きさは、あなどれないのでは?
 「安保法制なんて、周辺事態法を成立させてしまった1999年から決まりきったことじゃないですか。日本が攻撃を直接受けていなくても、『有事』には米軍に物資輸送などの支援を可能にする法律です。あのときはいまの何倍も『これはやばいな』と焦りました。ぼくらが常識として持っていた戦後の民主主義、あるいは平和的な時間の連続といったものに、はっきりと割れ目が入った。この割れ目は広がるに違いないと直感しました。その後は、もう既定の事実です」
 ――SEALDs(シールズ)のような若者の行動は新鮮に映りましたが。
 「若い人たちが危機感を持つのは理解できます。ただ、あれは『現象』だとは思うけど、ムーブメント(運動)とは考えてません。まだスローガンみたいな言葉しか言えてないじゃないですか。ぼくはそこに何も新しいものを感じない。もっと迂遠(うえん)で深い思想というか、内面の深いところをえぐるような言葉が必要だと思います」
 「例えば米国や欧州でのサミット(主要国首脳会議)に反対するデモは、資本主義のあり方そのものに反対している。あまりにもむき出しで、びっくりしちゃうんですけどね。日本とは『怒りの強度』が全然違う。なぜ、国会前デモのあとに行儀良く道路の掃除なんかできるんでしょうかね
 「安倍政権が現状をこれ以上悪くすることへの反発というのはあるでしょう。しかしどこか日本的で、むしろ現状維持を願っているような感じがしますね。例えば、日々食うにも困るような最底辺層の怒りや悲しみを担ってるわけじゃない。なかにはそういう人もいるでしょうけど、全体としては『何としても社会そのものを深いところから変革したい』という強いパッションが見えないんです
 ――極端に言えば、いまの自分の暮らしが保たれることだけを願っているように見えると?
 「そういうことです。『怒りの芯』がない。それは言葉の芯とともにどこかに消失してしまったんでしょう。この傾向は70年代から幾何級数的に進んできたと思います。市場経済の全面的な爛熟(らんじゅく)って言うんでしょうか、それとともに言葉が収縮し、躍動しなくなったことと関係あるかもしれません」
     ■     ■
 ――市場経済と言葉が、どう関係するのですか。
 「この社会システムが必要なのは購買者・消費者としての人間であって、怒る人間とか変革する人間ではないということだと思うんです。『人間』を締め出していると言うんですかね。疎外ということです。ぼくらは歴史をつくる主体だと教え込まれて生きてきたけど、果たしてそうであったのか。歴史の主体ではなくて、歴史の対象なんじゃないでしょうか」
 「60年代には、抵抗とか反逆は美的にいいことだという価値観がありました。いまの若い人たちは全然違うようですね。表現の仕方は、我々の世代が目を白黒させるようなとっぴなものであっても全然構わない。ただ、それが時代のダイナミズムになっていくとは予感しえないんです。むしろ、悪い方に予感してしまう。何か他国による武力攻撃のようなことがあった場合、新しい国家主義的なものを簡単に受け入れてしまう可能性はありませんか? それに抗するバネがないでしょう。危ういものを感じますね」
     ■     ■
 ――ご自身はファシズムに抗(あらが)えますか。
 「ぼくの父親は1943年から中国に出征しています。法的プロセスによらない中国人の処刑などに、おそらく父親も直接、間接に関係したはずです。それを我々の先祖の時代の愚挙として片づけることはできないんですよ。記憶に新しい父親があそこにいた。そこに仮説として自分を立たせてみて、『じゃあ、自分だったら避けられたか』と問うてみるんです。あれだけ組織的な、誰もが疑わずにいた天皇制ファシズムと軍国主義のなかで、ぼく一人だけが『やめろ!』と言うことができたか。それは一日考えても二日考えても、到底無理だと言わざるを得ません。そういう局面に自分を追い詰めていく苦痛から再出発する以外にないと思うんです」
 「メディアに携わる人間もまた、よるべなき流砂のなかで手探りするしかありません。個のまなざしを持ちえるかどうか。そこだと思うんですよ。従来型の予定調和の記事を壊していくことじゃないかな」
 ――それは私たちも日々、努めているつもりです。
 「では、これはどうでしょう。昭和天皇が75年10月31日、国内外の記者50人を前に会見をしました。そこで戦争責任について尋ねたのは英紙タイムズの記者です。天皇は『そういう言葉のアヤについては(中略)よくわかりませんから、そういう問題についてはお答えができかねます』と答えた。広島の原爆については地元民放の中国放送の記者の質問に『気の毒であるが、やむを得ないこと』と答えている。朝日や毎日、読売はそんな質問をしていません。むしろ意識的に避けてあげたのでしょうか。しかも天皇の言葉に激しく反応してやしない。別に強制されたのではなく、ぼくたちはそういうことをやってしまうわけです」
 「01年のアフガン空爆のとき、朝日は社説で『限定ならやむを得ない』と書いた。それに抗議の声を上げた記者がいたことを、ぼくは知っています。あれは別に全社挙げての民主的な討論を経て書かれるわけじゃないですよね。しかし、それは違うんじゃないかって執拗(しつよう)に言い張ると『困ったちゃん』みたいに扱われる。場違いなわけです。ただ、場違いなことが、どれだけ大事なことかという気がします。ささやかな抵抗のほうが、国会前での鳴り物入りのデモよりも頭が下がります
 「そうしたことを冷笑し、馬鹿扱いすることが、時とともに組織や社会をどれだけ悪くしていくことでしょうか。コンフォーミズム(大勢順応主義)の傾向はますます、きつくなっている。だから場違いなことを試みるってことこそ大事なんじゃないかな。衆議に従って、ではなく緊急動議的に発言していく勇気って言うんでしょうか。勇気なんて、あんまり好きな言葉じゃないけどね。おずおずとした発言でいい。かっこ悪く、ぶつぶつでいい。自分がそういうことに直面したときに、果たしてどれだけ誠実でいられるかという問題だと思うんです」
 (聞き手・磯村健太郎、高重治香)
     *
 へんみよう 44年生まれ。元共同通信記「自動起床装置」で芥川賞受賞。近く、日中戦争から今に至る日本の闇をつく「増補版1★9★3★7」刊行。
 
「岐路となりそうな2016年」と朝日新聞の記者は問いたかったらしいが、「安保法制なんて、周辺事態法を成立させてしまった1999年から決まりきったことじゃないですか」と簡単に返り討ちにあってしまった。
 
さすが「1★9★3★7」を書いただけはある辺見庸の面目躍如といったところか。
 


こうツイートしていた「世に倦む日日」のブログ主が「八王子市長選の分析と解読 - 市民は五十嵐仁のメッセージに共感せず」というエントリーの中でSEALDsについてこう批判していた。
  
・・・前略・・・ 
あの夏の安保法の政治過程は、同時にSEALDsの政治過程でもあった。SEALDsが出現して活躍し、SEALDsが日本人にデモを教え、SEALDsが日本の民主主義を変えて高めたと、そう論評され意味づけられた経験となった。碩学の政治学者たちが口を揃えてそう論じ、権威である大御所の内田樹までがそう断言するものだから、誰もその総括を否定することなどできない。あの夏の政治経験は、私たち小さな国民一人一人にとっては、SEALDsに民主主義を教えてもらった日々ということになった。そういう意味にされた。私たちの抵抗は、SEALDsというシンボルに回収された。私たちがあの夏に政治によって受けた傷痕は、SEALDsの栄光の一部として吸収され、SEALDsの成功を支える土台の石ころとなった。私たちの鬱屈と絶望の思いは、SEALDsのキラキラした言説に逆転されて「代弁」された。だから、私はこう分析するのだ。11月の大阪の有権者と1月の八王子の有権者は、その総括を受け入れず、その物語を拒否したのだと。あの夏の政治は、私たちが安倍晋三に傷つけられ、蹂躙され、抵抗しようとしながら潰されて敗北した政治経験である。同時に、SEALDsがテレビでデビューし、マスコミの寵児となり、国民的英雄になった政治過程である。その過程はオーバーラップしているけれど、後者を前者と結びつける意味づけは、私たちには不審で面妖なのだ
何故というに、その二つを結びつけ、政治学者や内田樹の総括を自分の総括とすることは、二重に自分を傷つけることになるからである。彼らの言葉(SEALDs讃歌)は欺瞞であり、単なる左翼リベラル業界のビジネス商品であり、安保法に抵抗した国民の心を掬い取っておらず、代弁になってないのだ。私や辺見庸が、SEALDs学者には言葉がないと批判するのは、そういう意味である。SEALDsに出てきてくれと、私たちは頼んだ覚えはない。国会前で「なんだあ祭り」を踊ってくれと要望した覚えはない
 
そして、再び「京都市長選の衝撃の民意を分析する - 共産党はしばき隊と手を切れ」というエントリーに中でも批判は止まなかった。
 
・・・前略・・・
有権者の意識を変えた要因は、夏からのSEALDs運動と「国民連合政府」戦略にあると私は分析する。一言でいえば消極的不支持、あるいは不信の気分に他ならない。
無党派の市民の多くは、安保法案が阻止されることを願い、テレビ報道に釘づけになり、野党の国会での抗戦に期待し、法案反対の運動と世論が盛り上がることを祈っていた。安倍晋三の支持率が30%を割り、法案を断念する進行を待ち望んでいた。だが、7月に入る頃から様子がおかしくなり、テレビから憲法学者が消え、子どものような学生集団が主役になり、国会前のデモばかりにマスコミの焦点が当たる状況になる。反安倍・反安保の説得力を作っていた憲法学者の立憲主義の講釈が消え、入れ替わりに「デモ=民主主義」の教説が宣伝されるようになった。その現象の中心付近にいた黒子の高橋源一郎が、安保法の成立は諦めているが、若者がデモで民主主義を活性化させたことに意義があるなどと本音を吐き、SEALDs運動の正体を視聴者が訝しみ、政治戦の結末に期待を持てなくなった。そして国会に目を凝らすと、民主党も、共産党も、本気で法案阻止に動いているようには到底見えず、民主党は裏で自民党とニギって長丁場のプロレス政治をしているように見え、共産党は民主党に付き合いながら党利党略を虎視眈々と狙っているように窺われた。9月19日、案の定、無党派市民の不安が的中する形となり、共産党が出し抜けに「国民連合政府」を発表する。
一般市民の視線からは、共産党は狡猾に、安保法案の政治戦を党利党略に利用したとしか見えないのだ。そして、SEALDsのデモについては、売名と就活のために安保法案の政治機会を踏み台にし、マスコミで脚光を浴びることそのものが彼らの目的だったとしか映らないのだ。その疑念が真実かどうかは、テレビや新聞や雑誌の報道からは分からない。マスコミや論壇に溢れる言説では、SEALDsはとにかく輝く救世主であり、賛辞のみがびっしり書かれていて、その偶像の実体を不審視する声はネットの中の一部にしかないから。だから、無党派市民のSEALDs運動に対する受け止めは、主張や立場の字面は肯定するけれど、素性と動機に納得できないのでコミットできない、というものだろう。無党派市民は基本的にマスコミ不信であり、SEALDsのようにマスコミが一斉に宣伝し、共鳴へと世論を誘導する政治対象には警戒を覚える。そうした、都市の無党派層のSEALDs運動への猜疑や共産党の党利党略への不信感が、9月以降、少しずつ蓄積され意識化されてゆき、11月の大阪ダブル選での判断となり、1月の八王子市長選と2月の京都市長選での選択となったのではないか。つまり棄権であり、消極的不支持の民意の表明である。
京都市長選では、共産候補と陣営選対は、SEALDs運動を牽引した学者たちの応援メッセージを看板にし、有権者に訴求する戦略で臨んでいた。中野晃一、小林節、佐藤学、岡野八代などの顔を並べ、彼らのエンドースを紹介・強調している。八王子市長選の選挙手法と同じだ。つまり、京都市長選での共産候補の戦いが市民連合の「野党共闘」と軌を一にしたもので、SEALDs運動の延長上の戦いだという意義を積極的に訴えている。街宣車にSEALDs関西のメンバーが立ち、歩道の有権者に支持を訴えていた。SEALDs・市民連合との一体性を強調し、そうすることで無党派の票を得ようとしていた意図が分かる。しかし、八王子市長選と同じく結果は裏目に出た。SEALDs・市民連合は票にならないのだ。私はTwでずっと、「国民はSEALDsを支持していない」と言い続けてきたが、二つの市長選の結果を見て、その観察と結論にさらに確信を深めるに至った。民意の証明だ。SEALDs・市民連合が応援した選挙は、昨年11月以来、一つの例外もなく連戦連敗を続けている。しかも意外な大差で。このことは決して偶然ではなく、上に指摘したように内的に関連した意味があり、無党派層の複雑な葛藤と政治心理の構造がある。今後、市民連合が関与し、SEALDs学者が応援した選挙は、同じように候補が大差で負ける結果になるだろう
 
このまま国会が数の力で経過して行けば、6月1日閉会となり、7月10日の投開票になるだろう参院選挙の結果が、上記の読み通りに行かないことを願っているのだが、「参院選後は結果がどうであれSEALDsは解散します」といっている学生たちの就活に向けての本音が透けて見えると思っているのは、オジサンだけだろうか。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月12日

改めて言いたい、TPPに隠された本当の恐怖

日刊ゲンダイの「進次郎氏も“不要論”急に唱え 官邸が農林中金60兆円を狙う」という記事が出たのが先月の23日。
 
これは「人気のある小泉進次郎議員を農林部会長に据えた目的は、農家を懐柔して、農林中金が運用する60兆円の一部を株式市場に投入させて日経平均株価を支えさせよう、という目論見があるに違いない」というものだった。
 
多くの市場関係者が「近いうちに日経平均株価が1万4500円まで下がると分析している」ためだ。
 
どうも、週刊現代2月6日号の記事、「日銀内部資料を入手 激震!最悪の事態を想定せよ 株価1万4000円割れへ」のとおりの展開になっている。
 
20160212syukangendai.jpg
 
少なくとも昨日の段階では、国内の事情ではなく内外の銀行の暴落が原因ともいわれている。
 
<ほぼ半値になったメガ銀行株>
 By globaleye | 2016.02.10 16:51
 日経平均は午後に入り買い上げが入り、372円安まで戻し15,713円で終わっています。
一時は15,429円まで突っ込み、656円安まで急落していました。
この急落を演じていた原因は「銀行株」の急落です。
ドイツ銀行株の暴落から世界的金融システム不安が世界中に広がり、これが日本にも飛び火しているものですが、以下の通り、日本のメガバンク株も昨年来高値からは「暴落」状態になっているのが分かります。
-51% 三菱UFJ 終値456円(-34円:-7.08%)
-48% 三井住友 終値2,980円(-125円:-4.04%)
-42% みずほ 終値161円(-9円:-5.4%)
三菱UFJが51%を超える暴落となっており、高値の半値以下になっているのが分かります。
三井住友が48%安となっておりほぼ半値となり、3000円(通常の株価では300円)を下回り、2000円台(200円台)
に突入しています。
邦銀は過去数年規模を拡大してきていましたが、今後の金融収縮期には大打撃を受けるとみられており、このため外国の機関投資家は売却を急いでいるのです。
静かな金融危機が進んでおり、今後危機が深刻化してきた場合には、【三井住友】株は2000円を割り込み、1000円台に突入することもあり得るでしょうし、【みずほ】は100円を割り込むこともあり得ます。
尤も仮に【ドイツ銀行】が経営破たんするような事態になれば、世界中がひっくり返ることになりますので、メガバンク株の株価など意味をなさなくなりますので、ドイツ政府やECBは何とか支えるでしょうが、途方もないデリバティブを抱えており、果たして救済できるのかどうか。
【ドイツ銀行】破たんとなれば、全世界で金融取引停止という事態も最悪の場合あり得ますので、事の成り行きを見ておく必要があると言えます。
 
そして「【緊急速報レベル】1ドル110円台に突入!日経平均先物も14000円台をうかがう展開に!しかし、マスメディアは黙殺」という事態になっている。

株価900円超下落して1日で年金資金3兆円=国民年金保険料1500万人分、消費税1%分が吹っ飛んだにもかかわらず、官邸に完全にコントロールされているテレビメディアは余りにも静かであるのが不気味である。 
 
こんな事態を予測しながら、カレイドスコープは「進次郎がTPP違反でワシントンDCに証人喚問される可能性」と題して、TPPに隠された本当の恐怖と明らかになった危険すぎるシナリオに警鐘を鳴らしていた。  
 
・・・前略・・・
日本の国民は安倍政権の詐欺の被害者なのである。果たして国民は、ここを理解しているのだろうか。
その新しい詐欺に利用されようとしている小泉進次郎は、そのとき国民に自民党の議員お決まりの「遺憾の意」を表明するだろうが、TPP後は、そんな生易しいことで逃れられないだろう、と言っているのである。
「小泉進次郎・自民党農林部会長が、数年後、TPP違反でワシントンD.C.に証人喚問される可能性が出てくる」と書いているのは、認知学者であり金融のエスキパートでもある苫米地英人氏だ。
『TPPに隠された本当の恐怖 ついに明らかになった危険すぎるシナリオ』の冒頭のつかみである。
 
20160211tomabeti.jpg

 
小泉進次郎・農林部会長は、去年11月17日に「TPP対策として、国内農業の助成策」を発表したが、TPPの下では、これは実施できない。
なぜなら、TPPの基本的な概念である「内国民待遇」に反するからである。
「内国民待遇」とは、TPP協定に加盟した国と国の間では、自国の農家だけをエコ贔屓して救済措置を講じてはならない、とされているからだ。
常識的に見れば、「自分の国の農家を救うために、エコ贔屓して何が悪いのか」と思うだろう。
しかし、TPPでは、それが違反になるのである。
これを進めようとしている安倍官邸の閣僚たち、他の国会議員、売国官僚、御用ジャーナリストに経団連メンバーのテレビ局、新聞などの企業メディアの人々、御用学者すべてが、まだTPPの恐ろしさを何一つ理解していない。
いや、頭が悪すぎて理解できないのである。
理解しているのは、これで大儲けできると踏んでいる国際弁護士団たちだけである。彼らは、「グローバリズム」を理解しているからだ。
純一郎の郵政解体の成功に続いて、息子の進次郎は日本の農家を破壊する
小泉進次郎のTPPにおける立ち位置は明確だ。
それは、「日本の農家を徹底的に潰すこと」である。
・・・中略・・・
さて、せがれの進次郎はというと、日本破壊の総仕上げを仰せつかったようだ。
もちろん、日本解体計画の日本側のカウンターパートである自民党のキーマンからのご指名に違いない。
なんといっても、進次郎は、CSIS(戦略国際問題研究所)のマイケル・グリーンの子飼いだから、これから徹頭徹尾、日本を破壊し尽くしてくれるだろう。
一昨年、突如、安倍晋三が農協改革を言い出した。
これは、TPP(水面下で進められていた日米並行協議)と並行して日本の農業を開放することを目的としたものだった。
この段階で、TPP参加は既定路線だった、ということだ。
だから、「農産品5品目は絶対に死守する」などの公約は、最初から国民を騙すための大嘘であったということである。「死守する気など毛頭なかった」のである。
日本は、いちばん遅れてTPP交渉参加に臨んだ。
すでにラウンド会議は17回を重ね、日本は2013年7月15日から25日まで、マレーシア東部のリゾート地、コタキナバルで開かれたTPP第18回会合が初めての参加となった。
そのとき、会場にひょっこり現れたTPP対策委員長の西川公也は、こうつぶやいた。
「農業重要5品目はすべて守れないかも知れない」と。
まだ会合は始まっておらず、最初のラウンドから、そう言っていたのである。
 
20130211nisikawaiinchou.jpg

 
そして、甘利明には、マスコミが「タフ・ネゴシエーター」とあだ名をつけ、いかにも丁々発止の交渉が繰り返されたかのように演出したが、実際のところ、すべてアメリカに譲歩するだけだった。
なんと、西川公也がいったとおり、農産品5品目の関税は、7年後にはすべて撤廃される見通しが出てきたのである。甘利明は、芝居を続けていただけだった。
それでも、安倍晋三は「しっかり守れた」と臆面もなく言ったのである。
もし7年後に、関税が全廃されてしまえば、前述したようにTPPの基本的なルールである「内国民待遇」によって、日本の農家への補償すらできなくなる可能性があるのである。小泉進次郎が何を言おうとも、農家を救う政策そのものがTPPに違反する行為になってしまうのである。
農業関係者は、安倍晋三と彼の内閣に、いまだ騙されているのである。
農協は戦後70年、日本の農業を手厚く保護してきた。そのお陰で、日本人は危険な外米や農薬たっぷりの野菜を食べずに済んだ。
ところが、安倍政権になってから、多国籍の農業企業の資金が入った日本の一部のマスコミによって、「農協悪玉説」「農協無用論」がでっち上げられたのである。
多国籍の農業企業が日本の農業のいいとこどりをした後、不要な部分を廃棄するためには、どうしても日本の農業を保護している農協を解体するか弱体化させる必要がある。とうとう、農協は、立て直せないところまで弱体化させられてしまった。
もっとも、これはこうした広い視点を持たず、TPPの背景を知らない一般の日本人を巻き込んでのことであるから、元凶は「日本人の無知」にあると言わなければならないのかもしれない。
農協は農家への農薬の販売、資金の融資など、総合的なサービス行ってきた。
農家がお金を借りるのは農協傘下の農林中金だ。この運用資産が60兆円、あるということである。
安倍晋三と菅官房長官は、自民党を操っているアメリカのグローバリストの命令によって、この農林中金の豊富な資金を、株式市場に投じようとしているのだ。
GPIFが多額な損失を出してしまった今、他から原資を持って来なけば日経平均株価を維持できないところまで来てしまった。それで、農林中金の60兆円を使おうということなのである。
結果、安倍晋三と菅官房長官は、GPIFのケースと同じように、ヘッジファンドのハゲタカの群れの中にこの60兆円を差し出すだろう。とことん売国奴なのである。
彼らは、農協の弱体化、そして、次の農林中金の減資によって、徹底的に日本の農家を傷めつけようとしている。
小泉進次郎に、ここまで裏を読めというのは無理だろう。
しかし、父親ゆずりの売国奴である彼は、やり遂げようとするだろう。
 
マスコミの大リストラでホームレスが続出するだろう 
 
TPPの本質は、「国境を溶かす」「文化を溶かす」「経済・市場を溶かして世界市場化する」ということである。
TPPとは、「国境なき獰猛な資本が、世界の富を略奪するためにグローバリストが考え出した奴隷プログラム」のことである。「内国民待遇」とは、すべての国境、法律などあらゆる障壁を取り払って市場を一つのルールの下で平準化するということであるから、特定の国が、その市場を守ってはならないのである。
TPPでは、需要のなくなった市場は淘汰に任せる、という考え方がある。それが日本の農業であり、代わりにモンサントの遺伝子組み換え食品があふれることになる。これは、TPPを批准した場合、確定した未来になるのである。
安倍政権は、「強い農業」「攻めの農業」などと仮想のお伽噺で農家を騙している。一般人よりずっと劣っている低知能の安倍晋三などにTPPの秘密が理解できるはずがない。だから、精神論で農家を騙すという、毎度毎度の犯罪を働くしかないのである。
これは、すべての産業だけでなく、教育も、文化も、言語も、宗教についても同じだ。
この観点から見れば、安保法制も、日本の自衛隊を、アメリカに主な活動拠点を持つ「世界軍隊」に溶け込ませるためにつくられた法律であるということができる。
また、言語(国語)についても同じ。
TPPの「正文」は、英語(イギリス)、スペイン語、フランス語と決められている。日本語は入っていない。
これらの国々は、かつての植民地帝国を築いた国々である。
そう、TPPとは共存共栄の協定ではなく、強いものが略奪するための協定なのである。
TPPが発効されるようになっても、日本人が母国語として日本語を使用し続けることは自由だが、すべての文書が、この3つの言語で示されることになるので、最低でも英語に堪能でないと、まあまあの仕事にありつくことができない、ということになる。
まず最初に行われるのは、英語、そしてフランス語かスペイン語の話せない企業メディアの記者たちは大リストラされるということである。彼らの何割かは本当にホームレスになるだろう。
しかし、日経、産経、読売のように、それでも、せっせとTPPを礼賛しているのは、こうした組織メディアには財界の無言の圧力がかかっているためである。それは、スポンサー。海の向こう側にいる。
鳩山元首相が、メディア企業のコングロマリット化を防ぎ、国民が洗脳されることを防ぐため、クロスオーナーシップを壊そうとしたとたん、マスコミから猛攻撃を受けて政権を潰されてしまった。
その人間たちが、TPP実施後、今度はホームレスになるのである。だから、「自殺する国民」と書き続けてきたのである。
いずれ、国民から日本語が忘れ去られ、日本人のアイデンティティーも失われていくのである。
三島由紀夫が本当に守りたかったのは、日本語の文化である。
三島は、日本語が、あらゆる災難を避けてくれる力を持っていることを知っていたのである。それが、徐々に破壊されていくのである。
まず、その前の段階で、国民の富が剥きだしのまま市場に引きずり出され、「獰猛な国境なき資本」の餌食になるのである。それが目前にせまっている。政府は、そのため、前につんのめりそうになって国内法を変えている。
自分たちを殺すために・・・
それは、ブルッキングス研究所のロバート・ポウゼン(Robert Pozen)のレポートにある「コンピュータ・テクノロジーの進歩を伴った金融システムの革命」によってもたらされることだろう。
それは、サイバー・セキュリティー、人口知能、IoTによって実現可能になるだろう。
そのときの日本人は「色のない、無味乾燥な、存在感のない、無機質化した存在」になっているだろう。
つまり、それは人としての「死」である。
 
TPPに猛反対していた副大臣がチーズで落ちた 
 
2月4日、ニュージーランドでTPPの署名式が行われた。
ISDS条項が含まれているのか、さえも日本のメディアは報じていないが、「ISDS条項は含まれている」のである。
つまり、TPPが国会で批准されてしまえば、以上のことが現実になるのである。
民主党は基本的にTPPに賛成している。民主党の議員は、自民党・公明党の議員と同様に「白痴」である。
破廉恥なことに、甘利明に代わって署名式に参加した高鳥修一内閣府副大臣は、ただひとり和服姿で臨んだ。署名式後、ブログに「チーズがおいしかった」と書き込んだ。
幼稚園児並みの知能と知性しかない高鳥には少なからず批判が集まっているが、私は、そうではなく「日本人のアイデンティティーである和服姿などで、くだらないTPPの署名に臨むな」と言いたいのである。
こうした恐ろしいほどの無知な政治家、官僚、学者、ジャーナリストたちによって、日本は本当に破壊されていくのである。そして、それは6分目くらいまで来てしまった。
「死」の瀬戸際まで来てしまっても、日本人のTPPへの関心は当のアメリカ人より薄い。いったい、どういうことなのだろう。まずは、苫米地氏の以下の2本のビデオをしっかり観てほしい。
 

 
 
 
・・・後略・・・
 
あらためて声を大にして言わねばならない。
 
TPPの本質は、「国境を溶かす」「文化を溶かす」「経済・市場を溶かして世界市場化する」ということであり、さらにTPPとは、「国境なき獰猛な資本が、世界の富を略奪するためにグローバリストが考え出した奴隷プログラム」のことであると、オジサンもそう思う。


posted by 定年オジサン at 12:31| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月11日

カネが無ければ政治ができない? そんな政治はカネで買われてしまう

学校向けALT配置事業や、どちらかと言えば「人材紹介・派遣事業」が主な事業ともいえる株式会社インタラック。
 
ATL事業に関しては、こんな立派な宣伝もしている。
 
1991年創立した全国規模の多国籍相談センター=多国籍労組であり、20年以上も、インタラック社の教職員からの膨大なトラブルが、各校から持ち込まれ、その解決のアドバイスを行なってきたゼネラルユニオンが、インタラックについてこう批判していた。
  
インタラック社は、全国の教委への英語ALT講師派遣の6割を占めるという、独占最大手であるが、これまで、全国各県の労働局から、偽装委託などの派遣法・職安法違反で、数え切れなく摘発されてきた。しかし、是正するどころか、脱法方法を指南までして、各教委に、「講師委託=請負」を売り込んで、拡大してきた。
ゼネラルユニオンは、インタラックの全国の法違反を訴え、これまで何年も、各地の労働局も法遵守の指導を強化してきた。また、厚労省・文科省も「教委の直接雇用が望ましい。委託は法に抵触」という「通知」を出し、遵守状況把握の全国調査まで実施した。
特に、ティームティーチング【TT】は、日本人教諭と教員免許のないALTが2人で教える制度であるが、これのみが、学校教育法の定めによる、教委=学校の指揮管理に適合する。が、インタラック社は「たまたま両教員が同席しただけで、TTではない。打合わせはしない。学校がALTに用事がある時は、直接会話せず、インタラックに電話」などの脱法策を、各教委や学校に提案してまで、違法派遣を続けてきた。しかし、各校からの苦情や混乱が拡大し、インタラックの業績も芳しくなくなってきた。
そんな折、平成26年8月の新たな「通知」なるものが、上記の両省から突然だされた。この内容は、先の「通知」とは180度違う内容で、「請負拡大も想定し、授業内容確認や実演は、直ちに違法と判断しない」という驚くべき方向転換であった。インタラックの広報誌も「この通知により請負が拡大し、業務範囲が拡大する」との宣伝を開始しました。
【そして新「通知」以降、文科省・厚労省から何らの適切な指導は、見えなくなった】
報道によると、そんなインタラックは、大臣や官僚への政治工作に手段を選ばなかったようで、今般、遠藤五輪相ら文教族議員などへの、950万円献金のスキャンダルと、口利き疑惑が報道された。そして、偽装派遣の摘発逃れで、厚労省との疑惑も露呈してきている。
インタラックが、小中学校の英語教育強化のためとして、自治体への補助金を要請し、実現してきた。それまで、市教委への直接雇用しかなかった助成が、派遣や請負【違法、とされてきた】まで拡大されたことで、インタラック社が独占している市場に、自治体を通じて、国費が投入される結果を生んだことは、到底容認できない。
 
その口利きスキャンダルは、覚せい剤漬けだった元プロ野球選手の逮捕により、当時は一切テレビメディアでは一切報道されなかった。
 
内容は典型的な「950万円献金のスキャンダルと、口利き疑惑」であった。
 
<「遠藤・五輪担当相 外国人派遣会社、予算化要請 創業者、955万円献金」>
 毎日新聞 2016年2月4日 東京朝刊
20160211endoudaijingiwaku.jpg
 英語の授業で日本人教師を補佐する外国語指導助手(ALT)を派遣する東京都内の民間会社の創業者(71)から、遠藤利明五輪担当相(66)=山形1区、当選7回=側が2010〜14年の5年間で計955万円の個人献金を受けていることが分かった。この間、遠藤氏は自民党教育再生実行本部長などとしてALT利用拡大の旗振り役を務め、文部科学省は民間のALT派遣事業に絡み国の予算を付ける方針を初めて決定。派遣会社は高値で転売され、創業者は多額の対価を得ていた。
 遠藤氏は創業者や派遣会社からの依頼や文科省への口利きを否定するが、同社の複数の役員らは予算化に向けた遠藤氏への働きかけを認め、「陰でやられたのは遠藤さん」と証言。文科省の担当者によると、ALT拡大を求めて遠藤氏本人から声掛けされることもあったという。遠藤氏は説明を求められそうだ。
 創業者からの献金は、10年は遠藤氏の資金管理団体「新風会」に70万円▽11年は新風会と遠藤氏が代表の「自民党山形県第1選挙区支部」、地元の「遠藤利明後援会」の3団体に計350万円▽12年は新風会と政党支部に計200万円▽13年は新風会に150万円▽14年は3団体に計185万円--の計955万円。政治資金規正法は一つの団体への個人献金の上限を年間150万円と定めるが、創業者は複数団体に分散することで最大350万円を献金した。本人によると遠藤氏の政治資金パーティー券も購入している。
 遠藤氏は09年秋から衆院文部科学委員会に所属し、自民党の政権復帰後は13年1月に就任した党教育再生実行本部長として同年4〜5月、「英語などで外部人材30万人を学校サポーターに活用」などの提言をとりまとめた。提言は首相の諮問機関の教育再生実行会議で議論され文科省が具現化するが、遠藤氏は同年9〜10月の実行会議でもALT活用を求めて発言。文科省は13年12月に英語教育改革実施計画をまとめてALT拡大を明記し、民間会社のALT事業に国費を投入する方向を定め、16年度予算案で具体化した。
 派遣会社の役員はこの間の遠藤氏について「英語教育のことを随分お話しさせていただいた。文科省にもはっぱをかけていた」と証言。会社として遠藤氏のパーティー券を購入したことも認めた。文科省の担当者によると、ALT増員については遠藤氏から会議の席以外でも声を掛けられた上、事務所の秘書から直接電話が来たこともあったという。遠藤氏は15年6月の閣僚就任に伴い実行本部長を退いている。
 派遣会社は1972年の創業で、90年代からALT事業に注力し、業界大手の一つとなったが、2010年3月、関連会社の赤字などで経営不振に陥り、都内の投資会社が創業者から買収した。売買関係者によると、買収代金約10億円のうち約3億円はのちに会社の利益が一定以上確保できれば分割で創業者に後払いする取り決めだったという。代わりに創業者には10年10月に発足した派遣会社の新社(社名同じ)の6億株が割り当てられた。創業者による同年の新風会への献金は新社発足の直後だった。
 派遣会社はALT拡大が定まった後の14年3月、都内のコンサルタント会社に約51億円で転売され、創業者は後払いの対価を得て、6億株も手放した。【杉本修作、藤田剛】
 
厚労省・文科省が出していた「教委の直接雇用が望ましい。委託は法に抵触」という「通知」が、突然、2014年には「請負拡大も想定し、授業内容確認や実演は、直ちに違法と判断しない」と180度異なる通知になったのは、誰の圧力だったのか。
 
違法な行為は、その法律を変えない限りは違法性が継続するのだが、大物政治家が関与すれば、その口利きで容易に変更されてしまうとという明らかな斡旋口利きではないのか。
 
「陰でやられたのは遠藤さん」という献金側の証言。
 
「ALT拡大を求めて遠藤氏本人から声掛けされることもあった」という文科省の担当者の証言。
 
2009年秋から衆院文部科学委員会に所属し、2013年1月に党教育再生実行本部長として「英語などで外部人材30万人を学校サポーターに活用」などの提言をとりまとめ、さらに教育再生実行会議でもALT活用を求めて発言するなどして文科省に積極的に働きかけ、その文科省が2013年12月に英語教育改革実施計画をまとめてALT拡大を明記し、民間会社のALT事業に国費を投入する方向を定め、最終的に2016年度予算案で具体化した。      
 
この一連の流れを見れば、明らかに職務上の立場を利用した多額の献金への見返りであろう。
 
「英語教育のことを随分お話しさせていただいた。文科省にもはっぱをかけていた」と派遣会社の役員も証言しているという。 
 
これほどのネタが上がっているにもかかわらず、相変わらず「知らぬ存ぜず」であった。  
 
<遠藤五輪担当相 偽装請負で指導も…「承知していない」>
 毎日新聞 2016年2月10日 22時06分
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衆院予算委員会で今井雅人維新の党幹事長の質問への答弁のため、秘書官の言葉を聞きながら挙手する遠藤利明五輪担当相(中央)=国会内で2016年2月10日午後2時35分、藤井太郎撮影
 
 遠藤利明五輪担当相の事務所が、外国語指導助手(ALT)に関する通知を文部科学省が出す前に、通知に関与した厚生労働省とALT派遣会社の面会を仲介するなどした問題で、同社に委託した自治体が偽装請負だとして行政指導されていたことが分かった。10日の衆院予算委員会で維新の党の今井雅人幹事長が取り上げ、仲介との関連をただしたが、遠藤氏は「偽装請負があったかは全く承知していない」と述べた。
 質疑などによると、同社と愛知県東海市による業務委託(請負契約)について、愛知労働局は2010年3月、ALTと担任の「チームティーチング」は請負契約で認められず、労働者派遣法違反に当たるとして是正指導した。この問題は中央労働委員会でも審査され、中労委は13年1月、「業務委託の範囲を超えた業務が部分的に行われた」と判断した。
 これに先立つ09年8月、文科省は「担任の指導の下で行うチームティーチングは請負契約でできない」と自治体側に通知したが、遠藤氏の仲介後の14年8月、ALTと担任の「会話実演」は「直ちに違法とはならない」と新たに通知した。今井氏はこうした経緯を取り上げ「派遣会社は13年後半に(厚労省に)要望し始め、通知が変わっている」と指摘。遠藤氏は「詳細は分からない。指導や偽装請負は全く承知していない」と答えた。
 仲介については13年12月上旬と14年4月上旬、厚労省の担当課長らが遠藤氏の事務所で秘書と面会したことも判明。これで仲介に絡む面会は13年12月〜14年5月に計6回、うち4回は秘書が居たが、遠藤氏は「(派遣会社と厚労省の話の)内容には一切関わってない」と述べた。
 一方、文科省が16年度予算案に載せたALTなどの「指導員等派遣事業」について「自治体の直接雇用が対象で、派遣や請負は対象外」と説明していることに対し、今井氏は「直接雇用でも業務委託がある」と指摘。ALTを直接雇用する大阪市は、この派遣会社に13年度に約6000万円、15年度には約4200万円で採用業務などを委託している。【杉本修作、藤田剛】
 
ALTを巡る通知と利明五輪担当相の事務所による仲介などの経緯は以下のとおりである。
 
【2009年】
 ●8月28日 文部科学省がALTに関し「日本人担任とのチームティーチングは請負契約でできない」と通知
【2010年】
 ●3月3日 ALT請負契約を派遣会社と結んだ愛知県東海市に愛知労働局が「偽装請負」だとして是正指導
【2013年】
 ●1月25日 中央労働委員会が派遣会社と東海市によるALT請負契約を偽装請負と認定
 ●12月上旬  厚生労働省需給調整事業課長と遠藤利明議員の秘書が面会
 ●12月下旬  同省課長と秘書、派遣会社が面会
【2014年】
 ●1月上旬  同省課長補佐と秘書、派遣会社が面会
 ●4月上旬  同補佐と秘書が面会
        同補佐と派遣会社が面会
 ●5月上旬  同補佐と派遣会社が面会
 ●8月27日 文科省がALTの請負契約に関し、担任との「会話実演」は「直ちに違法とはならない」と通知
 
「遠藤利明」と「甘利明
 
どちらの名前にも「利」「明」が使われており、名づけの親の意思に反して「明らかに利得」に走ったことだけは事実のようである。
 
その甘利明も「甘利氏金銭授受 『秘書に額話した』衆院予算委UR認める」と段々と外堀が埋められつつあり、真相の解明はこれからであるが、甘利明も遠藤利明の「斡旋利得処罰法違反」の疑いがますます濃厚となり、ここは是非、辞任した甘利明は国会招致し、遠藤利明は「説明責任」を果たすべきであろう、とオジサンは思う。

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2016年02月10日

バカ殿の下では、ゲスの極みの女たちが跳梁跋扈する

10日の東京株式市場で、日経平均株価が下落し、一時1万6千円を割り込んだという。
 
取引時間中として、日本銀行が追加金融緩和を決めた2014年10月31日以来、およそ1年3カ月ぶりの下落振りである。
 
最終的には反発して上がるだろうが、株価頼りの「アホノミクス」の最終章の始まりかも知れない。
 
2016年に入ってまだ40日ほどしか経過していないのだが、今年の「流行語大賞」候補にあがるかもしれないのが「ゲス○○」。
 
オジサンも初めて知ったその語源は、もうすでに、うんざりするほど芸能マスメディアで叩かれた女性タレントの不倫相手の男が属するロックバンド名「ゲスの極み乙女。」である。
 
口利き金銭授受疑惑で辞任した甘利明元経済再生相だったが、実は昨年5月の記者会見で、そのロックバンド「ゲスの極み乙女。」のヒット曲「私以外私じゃないの」の替え歌を披露したことがあったのだが、そのことを念頭に甘利明を庇うため自民党の山東昭子がこんな発言をしていた。
 
「政治家自身も身をたださなければならないが、告発した事業者のあり方も『ゲスの極み』。まさに『両成敗』という感じでたださなければならない」 
 
もっとも、甘利明は「選挙で勝つためには悪い人からも金をもらってもいい」と公言するほどのゲスの極みの政治屋であった。
 
腐りかけた自民党からは、こんなお騒がせ男性議員が、またもや週刊文春の餌食になっていた。
 
育休国会議員の“ゲス不倫”お相手は女性タレント
 
弁解の余地がないほどのみっともない振る舞いには自民党からも批判が出ていた。
 
<「育休宣言」の宮崎衆院議員に不倫疑惑 週刊文春が報道へ、党内で批判強まる 記者団の取材に“逃走”>
 2016.2.9 15:17 産経新聞
 自民党の宮崎謙介衆院議員が、妻で同党の金子恵美衆院議員の出産直前に不倫していたとする記事が、10日発売の週刊文春に掲載されることが9日、わかった。育児休業取得を宣言し、国会議員の育休の制度化を推進していた宮崎氏の不倫疑惑に、党内で批判が強まっている。
 週刊文春に掲載予定の記事によると、宮崎氏は1月30日から31日にかけて、自身の選挙区である京都市内のマンションに30代の女性タレントと宿泊。宮崎氏は京都市長選の応援のため地元に戻っていたという。
 宮崎氏は9日の衆院本会議に出席後、国会内で記者団に不倫疑惑について問われたが、無言のまま駆け足で車に乗り込んだ。
 宮崎氏は、文春報道について自民党執行部に報告済みだというが、ある幹部は「育休を訴えておきながら、これ(不倫疑惑)では自民党どころか国会議員全体のイメージダウンにもなりかねない」と憤った。
 宮崎氏は妻の金子氏の妊娠を受けて育休の制度化を提案したが、党内で賛否が分かれた。長男が生まれた2月5日には、自身のブログで「これから2人で大切に育てていきたいと思います」と報告していた。
  
どうやら「『育休どころか永久にお休み』 育休宣言・宮崎議員の不倫疑惑に官邸筋も怒り」となるかもしれない。
 
しかし自民党の若手不倫議員よりも、もっと怪しく「輝いている」女性幹部や閣僚がいる。
 
<丸川環境相「被ばく上限、根拠ない」 国会追及で陳謝>
 2016年2月9日 夕刊 東京新聞
 丸川珠代環境相が、東京電力福島第一原発事故後に国が定めた年間被ばく線量の長期目標1ミリシーベルト以下について「何の根拠もない」と発言したと、9日の衆院予算委員会で指摘された。丸川氏は発言の記憶がないとしながら「誤解を与えたなら、言葉足らずだったことはおわびする」と述べた。
 丸川氏は7日、長野県松本市であった自民党の若林健太参院議員の集会で講演した際に「『反放射能派』というと変だが、どれだけ下げても心配だという人は世の中にいる。そういう人たちがわあわあ騒いだ中で何の科学的根拠もなく、時の環境相が1ミリシーベルトまで下げると急に言った」と発言した。
 民主党の緒方林太郎氏が9日の衆院予算委で問題だと追及。丸川氏は「記録を取っていないし、そういう言い回しをした記憶はない」と釈明した上で陳謝。「数字の性質を十分に説明し切れていなかったのではないかという趣旨のことを申し上げた」と述べた。
 福島第一原発の事故後、当時の民主党政権は、自然放射線などを除いた一般人の通常時の年間被ばく線量限度を1ミリシーベルトとした国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき、長期的な目標を1ミリシーベルトとした。
 
またもや「記憶がない」、「誤解を与えた」、「言葉足らず」と女子アナ崩れの言い訳三昧なのだが、詫びるならば己の勉強不足、無知さを素直に認めるべきである。 
 
こんなレベルの女性大臣でも「輝いている」とでもいうのだろうか、バカ殿は。 
 
次に、「暴力団幹部が『アイちゃん』と…島尻沖縄相に“黒い交際”疑惑」という噂が絶えず、地元では「島売りアイコ」と陰では言われている、自民党と民主党を交互に渡り歩いた「尻軽アイコ」が、その薄っぺらな素性を露にしてしまった。 
 
<島尻氏 歯舞「えー、何だっけ」 会見で読めずに…>
 毎日新聞 2月10日 00時20分
 島尻安伊子沖縄・北方担当相は9日、閣議後の記者会見で、北方四島の一つである歯舞(はぼまい)群島について発言する際に「歯舞」を読めず、言葉に詰まる場面があった。島尻氏は昨年11月、北海道根室市を訪れて対岸の歯舞群島などを視察している。
 島尻氏は会見の冒頭、北方領土の元島民らでつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」が取り組む「北方領土ネット検定」の活動を資料を見ながら紹介。団体名に言及する際に「はぼ、えー、何だっけ」と一瞬考え込み、秘書官に「はぼまい」と助け舟を出され発言を続けた。記者から「検定の初級編を受けた点数は」と聞かれると、島尻氏は「恥ずかしくて言えない」と言葉を濁した。
 政府関係者は「資料は『歯』と『舞』の間で行が変わっていて、読みにくかった」とフォローした。
 沖縄県選出参院議員の島尻氏は昨年10月の閣僚就任以降、沖縄県への公務は計9回もある一方で、北方領土関連の出張は1回しかない。【野口武則】
 
所詮は、安倍内閣の人気取り政策からの女性大臣であったので、多くの人は大して期待もしていなかったのだが、少なくとも「沖縄・北方担当相」という立場は、担当が沖縄だけではないということくらいは自覚してほしかった。 
 
しかし安倍晋三を取り巻く「ゲス」の極みの女たちでも、悪質なのがこの厚化粧総務相。
 
9日の衆院予算委員会で民主の玉木雄一郎委員が「憲法9条改正に反対する内容を相当時間にわたって放送した場合、電波停止になる可能性があるのか」と問いただし、それに対して「1回の番組では、まずありえないが私が総務相の時に電波停止はないだろうが、将来にわたってまで、法律に規定されている罰則規定を一切適用しないということまでは担保できない」と、重ねて電波停止を命じる可能性に言及した事に対しては、「高市総務相の停波発言に波紋 与党にも慎重対応求める声」という声が出ていた。
 
20160210takaitihatugen.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
だが、この問題を別の切り口から問題視していた記事があった。
 
<高市早苗が憲法改正に反対したテレビ局に「電波停止ありうる」と…民主主義を破壊する発言になぜテレビは沈黙するのか>
 2016.02.09 リテラ
 恐ろしい発言が国会で飛び出した。高市早苗総務相が、昨日の衆院予算委員会で“政治的に公平ではない放送をするなら電波を停止する”と言及、本日午前の国会でも「放送法を所管する立場から必要な対応は行うべきだ」と再び口にした。
 しかも、きょうの高市発言がとんでもないのは、答弁の前の質問にある。きょう、民主党の玉木雄一郎議員は「憲法9条改正に反対する内容を相当の時間にわたって放送した場合、電波停止になる可能性があるか」と質問し、高市総務相はこの問いかけに「1回の番組で電波停止はありえない」が「私が総務相のときに電波を停止することはないが、将来にわたって罰則規定を一切適用しないことまでは担保できない」と答えたのだ。
 つまり、高市総務相は、“憲法9条の改正に反対することは政治的に公平ではなく放送法に抵触する問題。電波停止もありえる”という認識を露わにしたのである。
 憲法改正に反対することが政治的に公平ではない、だと? そんな馬鹿な話があるだろうか。改憲はこの国のあり方を左右する重要な問題。それをメディアが反対の立場から論じることなくして、議論など深まりようもない。というよりも、改憲に反対し「憲法を守れ」とメディアが訴えることは、法治国家の報道機関として当然の姿勢であり、それを封じる行為はあきらかな言論弾圧ではないか。
 だいたい、現行憲法99条では「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と規定されている。ようするに、政治家には現在の憲法を守る義務があり、「9条改正に反対することが政治的に公平ではない」などと言うことは明確な憲法違反発言である。
 こんな発言が躊躇う様子もなく国会で堂々と行われていることに戦慄を覚えるが、くわえて高市総務相は重大なはき違えをしている。そもそも高市総務相は、放送法の解釈を完全に誤っている、ということだ。
 昨年、放送界の第三者機関であるBPO(放送倫理・番組向上機構)が意見書で政権による番組への介入を「政権党による圧力そのもの」と強く批判、高市総務相が昨年4月に『クローズアップ現代』のやらせ問題と『報道ステーション』での元経産官僚・古賀茂明氏の発言を問題視し、NHKとテレビ朝日に対して「厳重注意」とする文書を出した件も「圧力そのもの」と非難したが、その際にはっきりと示されたように、放送法とは本来、放送局を取リ締まる法律ではない。むしろ、政府などの公権力が放送に圧力をかけないように定めた法律なのだ。
 まず、放送法は第1条で「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」と定めている。これがどういうことかといえば、今回のように政治家が暴走することのないよう、政府に対して表現の自由の保障を求め、政治権力の介入を防ぐために規定されているものなのだ。
 一方、放送法4条には、たしかに放送事業者に対して〈政治的に公平であること〉を求める規定がある。だが、この4条は政府が放送内容に対して介入することを許すものではけっしてない。
 以前の記事でも紹介したが、放送法4条について、メディア法の権威である故・清水英夫青山学院大学名誉教授は著書『表現の自由と第三者機関』(小学館新書、2009年)でこう解説している。
〈そもそも、政治的公平に関するこの規定は、当初は選挙放送に関して定められたものであり、かつNHKに関する規定であった。それが、「番組準則」のなかに盛り込まれ、民放の出現後も、ほとんど議論もなく番組の一般原則となったものであり、違憲性の疑いのある規定である〉
〈かりに規定自身は憲法に違反しないとしても、それを根拠に放送局が処分の対象になるとすれば、違憲の疑いが極めて濃いため、この規定は、あくまで放送局に対する倫理的義務を定めたもの、とするのが通説となっている〉
 つまり、第4条は放送局が自らを律するための自主的な規定にすぎず、これをもって総務省ほか公権力が放送に口を挟むことはできないということだ。むしろ第4条を根拠に公権力が個々の番組に介入することは、第1条によって禁じられていると考えるのが妥当だろう。
 すなわち、放送法4条は放送局が自らを律するための自主的な規定にすぎず、これをもって総務省ほか公権力が放送に口を挟むことはできないということだ。むしろ4条を根拠に公権力が個々の番組に介入することは、第1条によって禁じられていると考えるべきだ。
 しかも、4条にある〈政治的に公平であること〉とは、「両論併記」することでも「公平中立」に報道することではない。というのは、メディアで報道されているストレートニュースのほとんどは発表報道、つまり権力が自分たちに都合よく編集したプロパガンダ情報である。これがただタレ流されるだけになれば、政策や法案にどんな問題点があっても、国民には知らされず、政府の意のままに世論がコントロールされてしまうことになりかねない。
 逆にいえば、高市総務相の今回の発言は「世論を政権の都合でコントロール」しようとするものであり、それこそが放送法に反しているのだ。にもかかわらず、無知を重ねて電波法を持ち出し、テレビ局に脅しをかける──。これは報道圧力、言論弾圧以外の何物でもない。
 しかし、つくづく情けないのは当事者たるテレビ局だ。このような発言が総務大臣から飛び出したのだから、本来は問題点を突きつけて高市総務相に反論を行うべきだ。なのに、昨晩のニュース番組でこの発言を報じた番組はひとつもなし。きょう、またしても高市総務相が電波停止に言及したため、取り上げられはじめているが、そうでなければどうするつもりだったのだろうか。
 だが、テレビに期待するほうが間違っているのかもしれない。NHKも民放も、幹部や記者たちは安倍首相と会食を繰り返し、官邸からの圧力にあっさり屈してキャスターを降板させる……。こんな調子だから、為政者をつけ上がらせてしまうのだ。報道の自由を自ら手放し、権力に力を貸している時点で、もはやテレビも同罪なのだろう。
(水井多賀子)
 
今朝の東京新聞の「本音のコラム」で文芸評論家の斎藤美奈子が「女性が輝く党」と題してこう切り捨てていた。 
 
「権力は人を腐らせるとはいわない。権力は人を粗忽にさせるのだ。彼女(丸川珠代・高市早苗・稲田朋美)たちに比べたら、歯舞群島の『歯舞』を読めなかった島尻安伊子沖縄北方担当相などご愛嬌かもしれないが、ダサイのはたしか。」
 
それにしても、こんな彼女たちが活躍するような社会などはとてもじゃないが、安心して住むわけにはいかない、とオジサンは思う。

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2016年02月09日

過去26年で最低の賃金にしたアベノミクス

2月4日の衆院予算委で、民主党議員が「表現の自由を制限し、言論機関を萎縮させる」と、自民党の憲法改正草案の問題点を指摘し、安倍政権に批判的なキャスターが次々とテレビから消えている事実を踏まえ、「権力者への批判の自由を担保する考えはあるか」と質問していた。
 
これに対する安倍晋三首相の答弁が墓穴を掘っていた。
 
帰りに日刊ゲンダイでも読んでみてくださいよ。これが萎縮している姿ですか
 
日刊ゲンダイの名前しか挙がらない時点で、言論機関の萎縮を認めたも同然で、他のメディアはすべて制圧したと思い上がっているようである。
 
衆議院予算員会での質疑応答で、最近特に酷くなっている安倍晋三首相の特徴は「批判されると逆上してわめき散らす」ことであろう。
 
強い信念と実力が備えていれば、そして総理大臣として、あらゆる批判に対しても「忍耐」と「寛容」の精神があれば、決して逆上したりわめき散らすことはないのだが、残念ながらそれらの必須要素が完璧に欠如しているので手に負えない状態である。
 
元大阪市長の橋下徹も「一部の特殊な例を挙げて、それが全体に当てはまるかのように丸め込む」という典型的な詐欺師の手法の愛用者だが、安倍晋三首相も負けず劣らずの詐欺師まがいの言動を平然と繰り返している。
 
恐らく本人だけが「アベノミクスは成功している」と思っているため、こんな数字を掲げて強弁する。
 
「名目GDPが28兆円増えた」
「雇用は110万人以上増えた」
「有効求人倍率は23年ぶりの高い水準」
「過去最高の企業収益を更新」
「賃上げは過去17年間で最高」
 
安倍晋三首相に対して「バカの一つ覚えの如く」という比喩は不要なのだが、文字通りのパフォーマンスを繰り返している。
 
自分に都合のいい数字だけを取り上げて成果をアピールする。
 
しかし、国際的に見ると、安倍政権になってからGDPは減り続けていることがわかる。
 
ドルベースで換算すると国民1人当たりのGDPはOECD加盟国の中で過去最低の20位にまで落ちてしまった。
 
雇用が増えたといっても非正規労働が増えただけで、正社員は減っていることは多くのテータが明らかにしている。
 
有効求人倍率だって、正社員は0.7程度しかないし、実質賃金も減り、貧困率が上がり続けている。
 
日本全体としては明らかに貧しくなっているのに、円安で収益を上げた大企業など、一部の実績を誇示して成果を振りかざすのはペテンでしかない。
 
先月も、野党議員から「実質賃金が下がっている」と批判された際に、「景気が回復し、雇用が増加する過程においてパートで働く人が増えていくので1人当たりの平均賃金が低く出ることになる」と説明し、その後、よせばいいのに庶民の現状を把握してないと厳しく批判された「たとえ話」をした。
 
妻は働いていなかったが景気が本格的によくなってきたので働き始め、私が50万で妻が25万なら75万に増えるが、2人で働くから平均賃金は下がる
 
これに対しては、「パート月収で25万円?時給1000円でも月250時間も働くパートがあるか?」とネット上では盛り上がっていた。
 
その後、1月22日に発表された厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、パート労働者の月間平均給与は、直近の2015年11月(確報)で9万63263円となっており安倍家の妻の月収25万円の4割にも達していない  
 
また、年間の所定内労働時間1860時間で計算しても「月25万円=年収300万円」となるには時給1613円が必要となる。
 
しかしながら、厚労省の「賃金構造基本統計調査」(賃構調査)の最新データ(2014年)で女性パート労働者の平均時給は1012円であることも客観的な事実である。 
 
「妻は働いていなかったが景気が本格的によくなってきたので働き始め」という部分も、かなり現実離れした発想である。
 
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上の図表1は、内閣府「家計調査」の最新のデータであり、表の「世帯主収入」を見ると、2000年は約46万円だったのが、直近の2014年は約41万円と、約4万5000円も下がっている。
 
決して景気が良くなったわけではなく、月4万5000円もの世帯主収入減で生活が苦しくなったため配偶者が働かざるをえなくなったのが実態である。   
 
事実と全く逆のことを前提として、「平均賃金は下がる」と強弁するのはやはりペテンであろう。
 
自慢のアベノミクスに都合の悪い数字はすべて知らなかったことにしたいのだろうが、「パートタイマー白書」(2012年、人と仕事研究所)によると、「主婦パートの働く理由」は、「家計補助のため」が44.4%と最も多く、次いで「生活維持のため」が35.9%と8割以上が家計・生活を維持するためである。
 
ペテン首相は、「実質賃金、平均賃金が下がっても世帯収入が増えている」とも言っていたのだが、先ほどの<図表1>にある「勤め先収入」の欄では、2000年は52万7818円だったのが、直近の2014年には48万3251円と4万4567円も世帯収入が減っている。
 
さらに直近の2015年11月の数字が内閣府公表の最新なのだが、過去の同月と比較すると、2人以上の勤労者世帯の収入は、同年11月で42万5692円、2014年11月が43万1543円、2013年11月が43万6293円となり、ぺテン首相が国会答弁で繰り返している「17年ぶりの高い賃上げ」とは全く逆に2人以上の世帯で見ても2015年は収入減となっている。
 
加えて、こんなことも言っていた。
 
「総雇用者所得で見なければならない。大切なのはそこだ。平均の賃金はその時の経済を正しく見るものではない。安倍家で私が50万と妻が25万で総雇用者所得は75万と増えたが、1人当たりの平均賃金は減る。しかしもっとも大切なことは総雇用者所得が増えることだ」
 
20160209soukoyousyotoku.jpg 
 
<図表2>は、財務省「法人企業統計」にある全産業の「従業員給与」の直近データである。
 
まさに、これはペテン首相のいうところの最も大切な総雇用者所得にあたる。  
 
残念ながら、2013年からスタートしたアベノミクスによって、ペテン首相が「最も大切だ」という総雇用者所得も民主党政権時代の2012年の数字をどれ1つとして上回っていない。
 
最後にペテン首相が国会答弁で繰り返している「17年ぶりの高い賃上げ」が大ウソであることを証明するデータもある。
 
厚労省の「毎月勤労統計情報」における「実質賃金指数」を見ると、1990年から26年間のデータがあり、2010年の年平均実質賃金を「100」とした場合の実質賃金指数の推移がわかる。
 
それによると、2010年以前に100を割ったのは2009年(98.7)のみで、それ以外の年はすべて100以上なのだが、アベノミクス以降の平均指数は2013年が98.3、2014年が95.5、2015年は上半期が89.3である。
 
下回ったのがそれだけではなく、「年平均」「上半期」「下半期」「四半期」「月」「年度平均」などすべての項目において、アベノミクス以降は最低の実質賃金指数になっており、「17年ぶりの高い賃上げ」どころか「26年間で最も低い賃金」にしたのがアベノミクスの現実である。
 
日本経済新聞ですら昨日はこんな記事を出していた。
 
<実質賃金0.9%減 15年、物価上昇に賃上げ追いつかず >
 2016/2/8 9:00 日本経済新聞
20160209-nikkeisinbun.jpg 
 厚生労働省が8日発表した2015年の毎月勤労統計調査(速報値)によると、物価変動の影響を除いた15年通年の実質賃金は前年から0.9%減少した。マイナスは4年連続となる。名目賃金にあたる現金給与総額は0.1%増で2年連続のプラスだった。賃金の上昇が物価上昇のペースに追いついていない。
 15年の現金給与総額は月平均31万3856円。内訳をみると基本給を示す所定内給与は前年比0.3%増の23万9712円、残業代にあたる所定外給与は0.4%増の1万9586円だった。ボーナスなど特別に支払われた給与が5万4558円と0.8%減ったため、現金給与総額の全体では0.1%増にとどまった。
 消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は前年に比べ1.0%上昇と現金給与総額の伸びを上回ったため、実質賃金の伸びはマイナス圏から抜け出せなかった。
 厚労省が同日発表した15年12月の実質賃金も前年同月より0.1%減った。12月の現金給与総額は0.1%増の54万4993円。基本給にあたる所定内給与(0.7%増)や残業代を示す所定外給与(0.8%増)は堅調だったものの、ボーナスなどの特別給与が0.4%減と足を引っ張った。   
 
いくら政府主導の「官製春闘」で賃上げを実現しても、その僅かばかりの額は円安により輸入食材が高騰し一般食料品の価格に影響し結果的には賃上げの効果は消えてしまう。
 
こんなことすら理解できない、否、現実を見ようとしない裸のバカ殿が悦に入っている「アホノミクス」の大失敗を、もっとメディアは厳しく追及すべきである、とオジサンは思う。

今回のつぶやきの一部は、週刊金曜日(2016.1.29)「この26年で最低の賃金にしたアベノミクス」を参考にしました。

posted by 定年オジサン at 12:17| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月08日

北朝鮮のミサイルよりもっと危ない核が身近にある日本

ようやく元甲子園のヒーローを演じた札付きの野球少年の惨めな薬漬けの晩年の報道が少なくなったと思ったら、今度は発射通告日を前倒しにした初日の7日に北朝鮮が世界の注目を集めていた。
 
20160208_yomiuri.jpg
【讀賣新聞より】

 
日頃は少々旗幟鮮明になっている在京大手各紙の社説のタイトルと論調はこんな感じであった。
 
●讀賣新聞「北ミサイル発射 地域の安定を揺るがす暴挙だ

「北朝鮮が対日関係改善に完全に逆行する行動を続けた以上、日本は、それに見合う厳しい措置を取る。『行動対行動』の原則を貫くことが重要である。」   
 
なんとも勇ましいことである。
 
「行動対行動」という表現から、「目には目を」という敵意むき出しの感情があるようである。  
 
●産経新聞「北のミサイル発射 暴挙止める実効策を急げ

「北朝鮮の暴挙は、とりわけ集団的自衛権の行使容認を含めた強固な日米同盟が欠かせないことを浮き彫りにした。日米韓の枠組みがより重要さを増している。
 集団的自衛権なしでは、同盟国間の密接な連携に基づき、弾道ミサイル防衛を強化していくことは困難だからである。」 
 
北朝鮮の「ミサイル」のお蔭で、集団的自衛権行使容認の正当性を強調するという、まさに御用新聞の面目躍如である。
 
■朝日新聞「ミサイル発射 安保理の対処を急げ

「金正恩氏は、元日に読み上げた『新年の』で、経済発展と市民生活の向上を強調した。だが、国民に希望を抱かせる演説は絵空事にすぎなかったことが証明された。
 長距離ミサイルを飛ばす費用で、北朝鮮の3年分の食糧不足が解消されるという韓国政府の試算もある。核やミサイルの開発に固執する限り、経済の再建などできるわけがない。」 
 
「金正恩」を「安倍晋三」に置き変えても十分通ずる内容に思えてしまう。
 
安倍晋三が放って的に当たらなかった「三本の矢」とか、さらに「新三本の矢」で無駄に使われる国民から「吸い上げた」と本人が言っていた税金を正しく使っていれば、ヤミ金に追われる奨学生とか、生活保護費を削減され路頭に迷う人たちとか、企業倒産で自死した零細企業主たちの命を守ることができたはずである。
 
■毎日新聞「北朝鮮ミサイル 暴走止める体制を作れ

「北朝鮮のミサイルで直接的な脅威にさらされているのは日本である。北朝鮮はすでに日本全土を射程に収めるノドン・ミサイルを大量に配備している。ミサイル技術の全般的な向上は日本にとっての脅威をさらに強めることにつながる。」
    
内政問題で失敗した為政者の取る常套手段は、国民の目を国の外に向けさせることであり、共通の外敵の脅威を煽れば、メディアもこぞって横並びの報道をするというかなり危険な状態になりつつある。
 


  
それにしても、あっというまに北朝鮮が人工衛星発射を敢行し、人工衛星発射とともに、日本政府は破壊命令措置を終了させた。
 
人工衛星が成功し、落下物が海上に落ちたことを見届けて政府はすぐに破壊措置命令を解除したと、昨日のテレビは何度も繰り返して報じた。
 
もともと日本への攻撃の危険性など皆無だったが、発射失敗で破壊された破片が落ちてくる危険性までも完全になくなった。
 
しかし今朝の讀賣新聞は「発射3分後、情報発信…破壊措置命令は継続」との記事で、
 「北朝鮮による別のミサイル発射に備え、自衛隊にミサイル迎撃態勢を取らせる『破壊措置命令』は継続する」と書いていた。
 
別のミサイルの発射の情報なんかまったくないにもかかわらず、何故こんなアホな命令を継続するのだろう。
 
ところで、すべてのマスメディアは「『人工衛星打ち上げ』との名目で、『長距離弾道ミサイルの発射』」という表現を使っていたが、これも大本営発表をそのまま流した翼賛体制の復活を彷彿させてしまう。
 
最も「アホ丸出し」だったのが、「防衛相『地球の周回軌道にのった可能性』」とのNHKニュースで、「何らかの物体が地球の周回軌道にのった可能性がある」と発言していた中谷元・防衛相。
 
これでは、「ミサイルと称する物」が地球の周囲を回っていることになる。
    
「海国防衛ジャーナル」のブログ主は、正確に「北朝鮮:人工衛星ロケット打ち上げ、太陽同期軌道に投入成功」と分析していた。 
 
毎回繰り返される予定調和の茶番劇であったことは確かである。 
 
さて前述したが「金正恩」と同様、世襲のボンボン三代目の危険な人物が国内にも存在する。
 
2015年12月17日にオーストラリアとの潜水艦共同開発や防衛装備品の輸出拡大など政府が進める武器輸出政策に抗議しようと、市民団体のメンバーや大学教授らが「武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)」を設立した。
 
呼び掛け人で市民団体「集団的自衛権問題研究会」の杉原浩司さんや、日本国際ボランティアセンターの並木麻衣さんは、中東のパレスチナで多くの市民が最新兵器の犠牲になっているとし、「(武器輸出で命を)奪うことに加担したら、いくら日本が人道的な支援をしても意味がない」と批判していた。
 
紛争地取材を続けるフリージャーナリスト志葉玲さんは、イスラエル軍に目の前で両親を殺された少女から「武器を世界に売らないで、私たちを殺さないで」と訴えられたことを紹介していた。
 呼び掛け人はほかに法政大の奈良本英佑名誉教授、名古屋大の池内了名誉教授、ルポライターの鎌田慧さん。
 
そしてこの武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)の発足集会が昨日開かれた。
  
 160207 武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)発足集会「Made in Japanの武器はいらない」
 
<「北朝鮮の脅威からの軍事強化は戦争の危険性を高めるだけ」 武器輸出反対で集会>
 2016年2月8日 朝刊 東京新聞
20160208najatmeeting.jpg 「メード・イン・ジャパンの武器はいらない」として、政府の進める武器輸出策に抗議する市民団体「武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)」が7日、発足後初の集会を東京都北区で開いた。杉原浩司代表は「人をあやめる武器の輸出は戦争への加担で、容認できない。市民が協力して武器輸出に対抗する必要がある」と約220人の参加者に訴えた。
 杉原氏は集会後の取材で、北朝鮮のミサイル発射に言及。「北朝鮮の脅威から軍事強化をしようという発想になるが、それは戦争の危険性を高めるだけだ」と、日本国内での冷静な対応を呼び掛けた。
 講演した元経済産業省官僚の古賀茂明氏は、フランスでは中東やアフリカの紛争によって主力戦闘機が爆発的に売れ国営放送が雇用増に喜ぶ軍事企業の従業員の声をニュースで伝えていたと紹介した。
 古賀氏は「武器輸出は武器産業をもうけさせるだけでなく、そこで働く労働者やその家族が武器を売ることを望むようにさせる。武器輸出に平和な世界は必要ない。知らず知らず金のために戦争を国民が容認すれば、戦争への歯止めは失われていく」と話した。宇宙物理学者で名古屋大学の池内了(さとる)名誉教授も講演した。
 NAJATはほかの市民団体とも連携し、政府や企業への抗議活動などを行っていく予定。
 
海外へ人殺し用の武器を輸出することは許されることではないが、国内に存在し一瞬にして大量破壊兵器にもなりかねない原発も輸出計画が進み、そして国内ではいつも間にか徐々に再稼働され始めている。
 
北朝鮮の「ミサイル発射」時期は国際社会に通告されるが、5年前の福島第一原発の大爆発事故は突然襲ってきた。  
  
昨年2015年度キネマ旬報ベストテンが発表され、『日本と原発 私たちは原発で幸せですか?』が2015年文化映画ベストテンにおいて第9位を獲得した。
 
『日本と原発』は弁護士が本業である河合弘之監督が、「伝わらないのなら、映像にしてでも伝えたい」と止むに止まれず作り上げた映画で、2015年の1年間で1,000回以上の自主上映会が開催され、観客動員数は約7万人以上に上っている。
   
今一度、予告動画を紹介しながら、日本にとっての本当の脅威はなんなのか、改めて見つめ直すべきではないだろうか、とオジサンは思う。
 

 


posted by 定年オジサン at 12:24| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月07日

原発輸出は成長戦略にならない

第二次安倍内閣以降、地球儀俯瞰的外交と称してODA予算をバラマキ続けて、それが外交だと自画自賛していた安倍晋三首相だったが、実態は国内の軍需産業というべき防衛産業の各社のトップクラスを引き連れて武器を売りつけるトップセールスであり、さらには核兵器製造にもつながる原子力発電所の海外輸出には、東芝・日立製作所・三菱重工業と原発関連メーカーの役員連中を連れて飛びまわっていた。
 
こんな危険な動きに対して、地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGOであるFoE Japanのサイトに昨年、こんなプレリリースが掲載されていた。
 
プレスリリース:インドの反核グループが、日印原子力協定に反対する書簡提出

「原子力ではなく、再生可能エネルギーへの協力を。核なき世界の達成を」
 
2015年11月26日

来月12月の安倍首相訪印時に、日インド原子力協定が締結される可能性が報道されています。核不拡散条約(NPT)や包括的核実験禁止条約(CTBT)に参加せず、核兵器を保有するインドと、戦争被爆国である日本との原子力協定締結は、いままでの日本の核不拡散に関する政策をくつがえし、世界の核不拡散の努力を損なうとして内外から批判の声があがっています。
このたび来日中の、インドで核廃絶に取り組むクマール・スンダラム氏とヴァイ シャリ・パティル博士が、11月26日、日本政府に対して、原子力協定を締結しないように求める申し入れを行い、「インド反核運動全国連合」(NAAM: National Alliance of Anti-Nuclear Movement)からの書簡を提出しました。
書簡は、安倍総理および日本の国会議員宛てとなっており、「原子力は生命、人々の生活、そして環境に様々な形で危険をもた らす」と指摘、「原発は環境的に持続可能なエネルギー源ではない」とし、日本政府に原子力ではなく再生可能エネルギーに投資するよう求めています。
内閣府・外務省との会合の中で、パティル博士は、「原子力は多額の投資にもかかわらず、インドではエネルギー生産の2.8%しかしめていない。インド政府が原子力を求めるのは、エネルギー生産のためではなく、核を保有したいがため」と指摘。
ジャイタプールの原発反対運動の中で、住民たちが弾圧されてきた状況を語り、「こうした状況の中で、インドとの原子力協力を行うことはどういうことなのかよく考えてほしい」と語りました。

スンダラム氏は、日印原子力協定の締結は「世界のNPT体制をゆるがすもの」と批判し、また、大規模集中型で巨大資本を利する原子力発電の導入は、「富めるものを富ませ、貧しいものをさらに貧しくする。現地の住民たちを危険にさらす」と指摘しました。
・・・後略・・・
 
そして以下の書簡が提出された。
 
日本国内閣総理大臣 安倍晋三 様
国会議員の皆様

2015年11月26日

〜原子力ではなく、再生可能エネルギーへの協力を。核無き世界の達成を〜
 
 私たちインドの市民は、日インド原子力協定に対し重大な懸念を抱いています。いくつかのメディアがこの12月にも日インド原子力協定が締結される見込みであると報道しています。私たちは、日インド原子力協定締結に対する反対を表明し、核なき世界というより良い共通のゴールのために、日本政府にこの二国間協定を締結しないように求めます。
 私たちは主に3つの理由により、原子力協定に反対します。
 第一に、私たちは福島のような悲惨な原子力事故を世界のどこでも二度と繰り返してはなりません。原子力は生命、人々の生活、そして環境に様々な形で危険をもたらします。このことはチェルノブイリや福島の事故ですでに明らかです。チェルノブイリ原発事故の後、原発事故が人々の生活と環境を破壊すると私たちに教えてくれました。インドでは、すでに人々がウラン鉱山での健康被害をうけています。事故が無くても、核技術そのものは生来的なリスクと非人間的な特徴を持つのです。ひとたび事故が起きれば私たちの土地を回復させるのは不可能です。
私たちのうち何人かは、すでに福島原発事故によって被災者となった方々の苦しみを直に目撃しています。生計手段を失い、自国で難民状態となってしまった人々を見ています。福島原発事故の被災者の困難から立ち直る力を、彼らが暗黙に原発を受け入れていると読み替えてはなりません。
それは地に足をつけ、力強く立ち直っていく日本の力です。日本が引き続き立ち直っていくために、原発は去らねばなりません。原子力技術に内在する破壊という特徴は、日本人の元来の困難に直面しても立ち直っていく力とは真っ向に対立します。私たちは日本の首相に原発を推進する事をやめるよう、強く求めます。
 第二に、原発は環境的に持続可能なエネルギー源ではありません。インドや日本のような国は、エネルギー需要と気候変動対策のために、再生可能エネルギーを用いていく可能性を模索すべきです。インド政府はエネルギー安全保障と、安定したエネルギー供給のために原発は不可欠であると主張しています。ですが、原発への巨額の投資とは裏腹に、原発から来るインドのエネルギーはたった3%です。原発は高価で危険な技術です。さらに、インドは再生可能エネルギーのポテンシャルを高くもち、その大部分がまだ開拓されていません。私たちは、日本政府に原子力ではなく再生可能エネルギーに投資するよう求めます。これは、気候変動と環境的に持続可能な開発のため、日本インド両国にとって利益となるでしょう。
 第三に、私たちは核無き世界を達成するため、原発の使用をやめなくてはいけません。日本は原爆の被害と原発事故の被害両方をうけた世界唯一の国です。即ち、日本ほど核なき世界に向けて国際社会を導いていくのにふさわしい国はありません。私たちインド市民は、日本とともにこのゴールが達成できる事を強く願っています。私たちは常に、核兵器の被害者、原子力事故の被害者、そして原子力そのものの被害者と連帯していきます。日インド間の原子力協定は、核の被害をうけているすべての人にたいしての侮辱です。有害な核の技術を拡散させることにしかなりません。
 インドには核に反対する人々が長年たたかってきた歴史があります。ある人々はすでに土地を失い、ある人々は放射能に苦しんでいます。反原発活動に従事する活動家らが情け容赦なく、権力によって抑圧されているという現状もあります。私たちは日本の人々に、インドの一般の人々の声が届く事を祈っています。福島や広島の被害者のように、私たちは原発に真剣に取り組んでいます。
 私たちは、安倍首相、そして日本の国会議員の皆様が、私たちの日本への親愛の情を理解し、日本とインドの一般の人々両方に取って一番ためになるように、日インド原子力協定を取りやめるという形で一致していく事を望んでいます。

インド反核運動全国連合(National Alliance of Anti-Nuclear Movement)  一同
提出者 クマール・スンダラム
Dr. ヴァイシャリ・パティル

連絡先:国際環境 NGO FoE Japan〒173-0037 東京都板橋区小茂根 1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
Email: info@foejapan.org
 
しかし、このような抗議声明にもかかわらず「日インド 原子力協定締結で原則合意 原発輸出可能に」となってしまったのは報道の通りであったが、共同記者会見の内容をそのまま伝えるだけで、原発を輸入する側からの反対の声を報道する日本のメディアは皆無であった。
 
それが先月に末頃、こんな報道があった。 
  
<「忘災」の原発列島 インドで「アベさん、帰れ!」 日印原子力協定に反対運動>
 毎日新聞 2016年1月28日 東京夕刊
20160207india.jpg
安倍晋三首相の顔が描かれた横断幕を手に、日印原子力協定への反対を訴える住民ら=インド中部・ナーグプルで昨年12月12日(現地の反核団体「核廃絶と平和のための連合」提供)
 安倍晋三首相は就任以来、海外での原発セールスに積極的だ。昨年12月にはインドでモディ首相と会談、原子力協定を締結することで合意し、原発輸出に道を開いた。安倍首相は成果を強調するのだが、インドは核拡散防止条約(NPT)に加盟していない。日本は唯一の被爆国であり、核兵器廃絶が国是であることをお忘れなのだろうか。【小林祥晃】
 
住民ら「フクイチが終わっていない」 NPT空洞化させる恐れも
 
 「ミスターアベ、ゴーバック!」(安倍さんは帰れ!)
 インド西部の町、ジャイタプールで昨年12月12日、原発建設の反対集会が開かれた。集まった農民や漁民ら2000人以上が冒頭のシュプレヒコールを何度も繰り返したという。インド政府は、この地で最大で6基の原子炉を建設する計画を進めているのだ。
 安倍首相はこの日、ニューデリーでモディ首相と会談、日印原子力協定を締結することで原則合意した。これに反対する集会がインド各地で開かれ、中部のナーグプルでは掲げられた横断幕にこう記されていた。「フクイチ(東京電力福島第1原発事故)が終わっていない。インドに原発売ってる場合か!」
 インド国民の反発をよそに、なぜ日本は原発を輸出しようとしているのか。まず、国際環境NGO「FoEジャパン」スタッフの深草亜悠美(あゆみ)さんが、インドの原発事情を解説する。「稼働中の原発は21基ですが、政府は『急増する電力需要に対応する』などとして、さらに原発を増やす方針です。具体的には建設中が6基、計画中が24基。いずれの予定地でも住民の反対運動が起きており、特に福島第1原発事故後に激しくなりました」。2011年にはデモ隊に治安当局が発砲し、死者を出した事件も発生。政府が強硬に原発建設を進めている構図が改めて浮かび上がった。
 原発建設を担っているのは米仏露のメーカーで、米仏企業は原子炉格納容器など重要な資機材に日本製を採用している。そもそも東芝は米ウェスチングハウスを子会社にしており、日立製作所は米ゼネラル・エレクトリック、三菱重工業は仏アレバと、それぞれ関係が深い。原発ビジネスは1基当たり5000億円規模と言われる。日本企業にとっても資機材の輸出によって莫大(ばくだい)な利益を得るチャンスなのだ。
 
原発輸出を成長戦略と位置づける安倍首相は第2次政権発足以降、インド首脳とのトップ外交を繰り広げてきた。その動きを批判するのは、市民団体「原子力資料情報室」のスタッフ、松久保肇さん。「インドには原発事故時、メーカーに賠償責任を負わせる『原子力損害賠償法』があることから、インド進出に二の足を踏む米国企業もある。日本はそのリスクを承知して、原発輸出を考えているのか」
 問題は原発輸出に伴うリスクだけではなさそうだ。松久保さんは「インドは核兵器の保有国ですが、イスラエル、パキスタンなどと同様、NPT非加盟国であることを忘れてはなりません」と批判する。NPTを空洞化させてしまう恐れもあると指摘するのだが、どういうことなのだろう。
 インドがNPTに加盟していないのは「米英仏露中の5カ国だけに核の保有を認め、非核国には国際原子力機関(IAEA)による査察を義務づけているNPTは不平等だ」との立場を取っているからだ。1974年と98年には核実験を行い、国際社会から原子力分野の技術協力やウラン燃料の取引を禁止された。
 その後、独自に核開発を進めてきたが、00年代に入り、風向きが変わった。「中国に次ぐ巨大市場としての可能性、そして力を強める中国へのけん制役として注目されるようになり、米国がインドとの関係改善に乗り出したのです」(松久保さん)。05年の米印原子力協力の合意に続き、08年には日本など原子力関連貿易を行う48カ国でつくる原子力供給国グループが、インドを「例外扱い」とし、停止していた貿易を再開。これによって、インドは事実上、米英仏露中に並ぶ地位を手にした。
 松久保さんは話す。「米国は『インドを孤立させるより、国際社会の枠組みの中に引き入れることが重要』という理屈で関係改善を進めました。日本も同じ論理で臨んでいます」。確かに安倍首相は、日印原子力協定の意義をこう強調している。「国際的な不拡散体制にインドを実質的に参加させることにつながる。不拡散を推進する日本の立場に合致する」と。しかし、松久保さんは「非核国の日本がこの協定を結ぶことは、インドの『核軍拡』を容認することになってしまう。それでも核不拡散体制に引き込んだと言えるのでしょうか」と、政府の理屈は成り立たないと断じた。
 日本がNPT非加盟国と協定を結ぶのは初となるだけに、「非核」を国是とする日本にとって望ましくないという声は根強い。両首脳が合意した日に、広島市の松井一実市長と、長崎市の田上富久市長は「交渉中止を政府に要請していたが、被爆地の要請が考慮されず誠に遺憾」などと批判した。原水爆禁止日本国民会議、原水爆禁止日本協議会も「核兵器の拡散につながる」などと、それぞれ抗議声明を発表している。
 さらに重大な問題がある。この協定では「原子力の平和利用」の確約が不十分だということだ。両国の交渉で、日本側は「核実験を実施した場合は協力を停止する」との規定を盛り込むことにこだわったが、核開発の制約を受けたくないインドは難色を示していた。
 「核実験で協力停止」という条件を巡って、安倍首相は「モディ首相に伝え、理解を得られた」と胸を張った。だが、首脳同士で交わした覚書にはこの記述はない。関係者によると、協定関連文書には明記される見込みだが、どんな文言になるかはまだ不明だ。
 使用済み核燃料の再処理をどこまで認めるかについても不明確なままだ。簡単に説明すると、日本製の資機材で作られた原発から出た核のごみが、核兵器の原料として利用される懸念が拭えていないのだ。
 10〜14年、内閣府の原子力委員会委員長代理を務め、現在は長崎大核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎教授は危機感をあらわにする。
 「被爆国の日本が軍事転用を防止する条件さえ認めさせられないようでは、核軍縮、核不拡散外交で日本の立場は弱くなるばかりです」。今回の協定を巡り、日本にはインドとの関係強化を望む声もあるが、鈴木さんは核不拡散の姿勢を貫くべきだと訴える。「インドが他国と結んだ協定よりも厳しい条件にすべきです。インドの核兵器開発に歯止めをかけるよう、全ての核燃料再処理施設で国際査察を受け入れるくらいの条件を求めてもよかった」
 東日本大震災後、福島第1原発の原子炉建屋の爆発の場面を目の当たりにした私たちは、原発の怖さを実感した。親日国インドの国民の中に強い反対があるにもかかわらず、自国の利益のために原発を売ることは本当に正しいことなのか。
 
「ミスターアベ、ゴーバック!」(安倍さんは帰れ!)というインドの住民の声を聴くと、子どもの頃どこで聞いたかは忘れたが「ヤンキーゴーホーム」という言葉を思い出す。
 
最近は、「ヤンキー(蔑称)ゴーホーム」はヘイトスピーチだ、否、「米軍にヤンキーゴーホームと言うのはヘイトスピーチではない」とネットでは喧しい。
 
それなら「ニューヨークヤンキース」は自ら「ニューヨークの不良ども」と名乗っていることになるのか。
 
元々親日国インドの国民は日本人には悪感情はないので、米軍に進駐され植民地化された頃の日本人が叫んだ「ヤンキーゴーホーム」とは質的には大きく異なる。
 
福島第一原発の大事故の後始末も満足に終わっていない日本。
 
いくら自らの破綻しているアベノミクスの成長戦略のためとはいえ、他国の住民に不安を与えるような原発輸出は根本から間違っている。
 
そんな国の危険な原発を売り込む安倍晋三首相に対して、現地住民の控えめながらの精一杯の抗議が「ミスターアベ、ゴーバック!」であったのだと、オジサンは思う。    

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2016年02月06日

サルには分からぬ数の不思議

今年4月から小学3年生になる孫娘は、数の問題に興味を持ってきたようである。
 
既にかけ算「九九」はマスターし2ケタや3ケタのかけ算も「ひっ算」で解くことができるようである。
 
特に「九九」を習得している日本の子どもたちは、数学のレベルではともかく、算数のレベルではかなり高いようである。
 
こんな動画を見せたら、自分で紙に書いたひっ算の方が早いと言われてしまった。
  
 
   
そんな孫娘にこんな問題を出したら親から叱られてしまった。
 
「9」の数字には魔力がある。
 
下の□の中にどんな数字がはいるか考えてごらん! 

12345679×□×9=111111111

12345679×□×9=222222222

12345679×□×9=333333333

12345679×□×9=444444444

12345679×□×9=555555555

12345679×□×9=666666666

12345679×□×9=777777777

12345679×□×9=888888888

12345679×□×9=999999999


少々賢い子ならば計算しなくても、を除いて1の位同士のかけ算をすれば、すべて1の位は「1」なのでの中には、上から順に「1,2,3,4,5,6,7,8,9」の数字が入ることがわかるはずである。
 
種を明かしたら、驚いていた。  
 
次にこんな問題を見せてみた。
 
なぜ、3ケタの数字を2回繰り返した6桁の数字は必ず、1001の倍数になるのか?
 
たとえば、753753を753で割ってみると・・・答えは1001になる。
 
ということは、753753=753x1001となり、1001の倍数ということになる。
 
ところで、この1001という数字を素因数分解すると、1001=11x13x7となる。
 
したがって、753753=753x11x13x7となり、1001の倍数ということは、11,13,7の倍数でもあるということになり、必ず11でも、13でも、7でも割り切れるということになる。
 
また1001に3桁の数字をかけると、必ずその3ケタの数字の繰り返しの6桁の数字になる。
 
なぜなら、1001=1000+1と分解すれば、(1000+1)x753=753000+753=753753というわけである。
 
これも小学生ではまだまだ無理であった。
 
世の中には「世界算数大会」という大会があり、それぞれ学年ごとに分かれて自分の実力を試すことができるらしい。 
  
いくつかサンプル問題があるので、お試しを!
 
さて、2014年現在では、円周率は小数点以下13.3兆桁まで計算されているらしいのだが、昔からその桁数をどの位覚えられるのかと、多くの人たちが試みている。
 
現時点では日本では「円周率記憶の超人 101,031桁 原口證」さんらしい。
 
普通の人でもなんとかなりそうな100ケタまでの覚え方を「ギネスに挑戦!? 円周率を100桁覚える方法」より紹介しておく。
 
3.1415926535897932384664338327950288419716939937510582097
 4944592307816406286208998628034825342117067

3.14159265
産医師 異国に向こう

3589793238462
産後薬(やく)なく 産婦みやしろに

6433832795028
虫さんざん闇に鳴くころにや

841971693
弥生 急な色草

9937510
九九 見ないと

58209749445
小屋に置く 仲良く獅子子(ししこ)

92307816406286
国去れなば医務用務に病む

2089986280348
二親の苦 悔やむに やれ見よや

25342117067
不意の惨事に言いなれむな

すこしばかり練習したが、数列を覚えるための日本語の文を覚える方がもっと難しい、とオジサンは思った。 


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2016年02月05日

TPP問題は保守政治家のリトマス試験紙?

今朝は朝刊を台所で立ち読みしている時に、震度4の地震に襲われた。
 
足もとから突き上げるまさに直下型地震のようで、台所の食器棚の上に置いてあった物が一瞬で倒れるほどであった。
 
5年前の東日本大震災をもたらした宮城沖の地震が段々に南下しているように感じられる。
 
「東京湾直下地震」や「南海トラフ地震」が身近になりつつある。
 
大地震で日本が崩壊するのが先か、それともこの国の独裁者による日本崩壊が先なのか。
 
昨日の衆院予算委員会での安倍晋三首の余りにも前のめりな憲法改正への姿勢が酷かった。
 
政府機関紙の報道内容が生々しい。 
 
<安倍首相、民主党に「思考停止」「弱々しい」憲法改正をめぐり>
 2016.2.4 12:51 産経ニュース
20160205abesinzou.jpg 安倍晋三首相は4日午前の衆院予算委員会で、首相が目指す憲法改正に否定的な民主党を「思考停止だ」「弱々しい」となじった。
 民主党の大串博志氏は「現行憲法はいい憲法だ」としたうえで、憲法について「日本人の精神に悪い影響を及ぼしている」とした首相の過去の発言などを例示したうえで、「首相のもとで憲法改正の議論が行われるのは、非常に危険だ」と発言。安倍政権下での憲法改正に拒否感をあらわにした。
 これに対し首相は「自民党は憲法改正草案を示し、それなりの支持を得ている。大串さんのように、考えないと、新しい時代に対応できない。憲法に指一本触れてはならない、考えることもだめなら思考停止だ」と反論した。
 大串氏は「議論は否定していない。思考停止ではない」と述べると、議論はさらにヒートアップ。首相は「民主党が立党してからずいぶんたつが、成果はなにも出ていない」と述べ、大串氏が「憲法提言を出している。考え方を出していないという風に誤解した答弁をするのは首相が思考停止だ」と応じると、首相は「具体的な憲法改正草案を出していないのは事実だ。弱々しい言い訳に過ぎない。政治家だったら(草案を)出してほしい」と切り捨てた。
 さらに、首相は平成19年に憲法改正手続きを定める国民投票法に民主党が反対したことを挙げ「憲法改正について議論する資格はあるのか」と迫った。
 
「なじった」、「切り捨てた」、「迫った」という表現は、いかにも安倍晋三首相の力強さを読者に伝えたいという、この記事を書いた記者の心情吐露なのだろう。

実際の発言のやり取りはこんな風であった。
 
 
 
同じ場面の報道でも、読者の立場になって見ればこんなにも表現が異なるものである。
 
<安倍首相 「民主党、成果何もない」改憲疑義にいらだち>
 毎日新聞 2016年2月4日 22時05分
 「民主党が立党されてからずいぶんたったが、成果は何も出てきていない」。安倍晋三首相は4日の衆院予算委員会で、自身が意欲を見せる憲法改正について疑義を示す民主党の大串博志氏に対し、いらだちを見せた。
 大串氏が「首相の下で議論を進めることはできない」と批判すると、民主党内に憲法について幅広い意見があることを念頭に「私にそういうことを言うなら(憲法改正草案を)出してみてくださいよ。御党がまとまるならばね」と皮肉。第1次安倍政権時に成立した憲法改正の手続きに関する国民投票法に触れ、「改正のためのものすら民主党は反対した。憲法改正について議論する資格があるのか」と批判した。首相のヒートアップぶりには自民党内からも「野党の挑発に乗らずに冷静にならないといけない」(閣僚経験者)という声が出ている。
 首相は改憲に前向きなおおさか維新の会の下地幹郎氏に対しては「21世紀にふさわしい憲法のあり方について真摯(しんし)な議論をされていることに敬意を表したい」と評価し、「野党分断」も忘れなかった。【野原大輔】
 
さらに安倍晋三首相は、改憲については2012年、2014年の衆院選と2013年の参院選で公約に掲げ「大勝を得た」と豪語していたが、過去の3回の選挙公約では、全体で140〜296ある項目のうち、改憲に関する公約はすべて末尾であり、公約の先頭に掲げられたのは「経済最優先で政権運営にあたる」(2014年衆院選)など、経済成長や被災地復興だったことを、スッカリ忘れているらしい。
 
20160205kenpoukouyaku.jpg
【東京新聞より】
 
 
ところで、国会でも質問された「清原容疑者逮捕」報道。
 
まさに朝から晩まで、テレビジャックされたかのような報道ぶりだったのだが、2月4日は12か国によるTPP署名の日であった。
 
このニュースを見て二重の驚きを覚えた。
 
 
 
もし辞任しなかったら、あの疑惑の甘利明も和服で参加したのだろうか?
 
本来ならば甘利辞任後は石原伸晃経済再生相が出席するのだが、予算委員会で集中砲火を浴びる役なので自ら出かけることはできず、副大臣が代理出席したらしい。
 
しかし、すでにネット上で話題になっている「はかま姿のTPP担当副大臣」の高鳥修一は典型的な政治屋の世襲三代目。
 
彼は公式ブログで5年前にはTPPについてこう宣言していた。
 
TPPについて(平成の売国)
投稿日: 2011年5月11日 投稿者: takatori55jim
私はTPPについて国家主権の放棄であり、平成の「開国」どころか平成の「売国」だと考えている。政治家の中にもいろんな考えや判断があるけれど、TPP問題は日本を守る断固とした決意のある「保守政治家」か否かのリトマス試験紙みたいなものだ。
 
そして2013年までは「TPP参加の即時撤回を求める会」に、それ以降は「TPP交渉における国益を守り抜く会」の会員である。
 
当然、以下のような批判・非難するツイッターが飛んでいた。
 




現地のニュージーランドでのこんなTPP反対行動は日本では報道されていない。(32秒過ぎから)
 

 
オジサンが子どもの頃、聞かされた「黒いカラスを白いサギ」とだますことを「詐欺師」という俗説があった。 
 
その関連からか、「黒を白だと言いくるめられなければ政治家になれない」という言説もある。
 
いずれにしても、先の高鳥修一副大臣の「『保守政治家』か否かのリトマス試験紙」で使われるリトマス試験紙はどうやら2種類あるらしい。
 
あのアドルフ・ヒトラーの「名言」の中に、こんな言葉がある。
 
「大衆は小さな嘘より、大きな嘘の犠牲になりやすい」
「嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる」 
 
これを分かり易く言い換えれば、
ウソは大きいほど良い。大衆は、小さなウソよりも大きなウソにだまされやすい。
 なぜなら、彼らは小さなウソは自分でもつくが、大きなウソは怖くてつけないからだ

となる。
 
まるで日本の独裁者然としてきた安倍晋三首相が言っているように聞こえてくるのは下衆の勘ぐりであろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:28| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月04日

甘利明元大臣の逮捕は国会閉会後が最適である

東京大学農学部卒で農学士でありながら通産・経産官僚を経験している民主党の福島伸享。 
 
過去2度の落選を経験し2009年民主党が政権交代を果たした総選挙で、茨城1区で非自民の候補として初めて議席を獲得した。
 
安倍政権が復活した2012年の総選挙では自民党新人に敗れ、その後2014年の選挙で復活当選した。
 
この福島議員が昨日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相にこう質問した。
 
「なぜ経済再生担当相に石原伸晃を任命したのか」と。
 
すると安倍晋三首相は「石原氏は自民党幹事長など要職を歴任している。適材適所の人事だ。経済再生は安倍内閣の最重要課題で、停滞は許されない」と胸を張って(いるように)答えていた。
 
しかしその後ろの閣僚席では、麻生太郎財務相が含み笑いしているように見受けられた。
 
さっそく、福島委員の石原伸晃経済再生相に対してTPPに関する鋭い質問が続いた。
 

 
オジサンはインターネット中継でこのやりとりを見ていたのだが、前任者の甘利明から十分な引き継ぎレクチャーを受けていない石原伸晃経済再生相は、分からないことは素直に言えばいいところ、無理して答えようとするため質問とかみ合わず、最後は発言しながら自席に戻るという興奮ぶりだった。
 
安倍晋三首相の適材適所人事の醜態には石破茂もあきれ顔だった。
 
この民主党の福島委員の先だって、自民党政調会長の稲田朋美と安倍晋三により「改憲」と題する田舎夫婦漫才とでも表現すべきような三文芝居を見せてくれた。
 
<9条改憲に首相踏み込む 「学者7割が自衛隊違憲。その状況なくすべき」>
 2016年2月4日 07時00分 東京新聞
20160204kaikentouben.jpg 安倍晋三首相は3日の衆院予算委員会で、戦力の不保持を規定した憲法9条2項に直接言及して改憲の必要性を訴えた。「憲法学者の7割が9条1項、2項を読む中で、自衛隊の存在自体に憲法違反の恐れがあると判断している」と指摘。その上で「憲法学者が自衛隊に疑いを持っている状況をなくすべきだという考え方もある」と述べた。
 予算委では、自民党の稲田朋美政調会長が、憲法学者の7割が自衛隊の違憲性を指摘しているとの見方を示した。その上で「現実に合わなくなっている9条2項をこのままにしておくことこそが立憲主義の空洞化だ」と訴えた。
 これに対し、首相は自衛隊は合憲だとする政府の見解を説明。他国を武力で守る集団的自衛権の容認を柱とする安全保障関連法が憲法学者に違憲と指摘されたことを念頭に「自衛隊の存在、自衛権の行使そのものが憲法違反だと解釈している以上、当然、集団的自衛権も憲法違反になるんだろう」と述べた。
 ただ、優先して見直す条項は「国会や国民の議論と理解の深まりの中で、おのずと定まってくる」と述べるにとどめた。9条改憲による集団的自衛権の行使容認や国防軍創設を明記した自民党改憲草案については「党として将来あるべき憲法の姿を示した。私たちの手で憲法を変えていくべきだという考えで発表した」と強調。草案は2012年4月に野党だった自民党がまとめた。
 首相は昨年の安保法審議で、9条改憲について「現状では改正せよという状況になっていない」と将来的な課題に位置付けた。安保法をめぐっては、昨年夏に本紙が行った憲法学者アンケートで、回答した204人のうち九割が「違憲」と指摘。安倍政権は市民の間に違憲との声が広がる中、9月に安保法を成立させた。
 
笑ってしまうのは、このやり取り。
 
 【稲田朋美政調会長】
「憲法改正は自民党の党是だ。憲法9条第2項の文言について、憲法学者のおよそ7割が自衛隊はこの条項に違反ないし違反する可能性があると解釈している。このままにしておくことこそが立憲主義を空洞化させるものだ」
 【安倍晋三首相】
7割の憲法学者が、自衛隊に憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきではないかという考え方もある」      
 
「憲法学者のおよそ7割」とは「【安保報道】朝日新聞 憲法学者アンケートの結果の一部を紙面に載せず」によると、昨年の7月11日付朝日新聞朝刊1面で「憲法学者122人回答 『違憲』104人『合憲』2人」と見出しをつけ、独自に実施した憲法学者へのアンケートの結果のことを言っているようである。
 
20160204jieitaihaiken.png 
 
それにしても、2人とも、集団的自衛権行使の容認を含む安保法案について、憲法学会では憲法学者9割以上、いや、日本会議関係者の数人以外のほとんどの学者が「違憲だ」、「立憲主義違反だ」と言っていたのに強行採決して通しておいて、今さら、立憲主義がどうだこうだ、「63%」をあえて「7割の学者」と誇大表示するなど、どの口が言えるのだろうか。
 
まさに自分に都合のいい数字だけを提示する安倍政権お得意の「ご都合主義」に対しては、東京新聞の社説が真っ向から批判していた。 
  
<首相9条発言 ご都合主義の改憲論だ>
 2016年2月4日 東京新聞
 戦力不保持を規定した憲法9九条2項の改正は、自民党結党以来の党是なのであろう。しかし、憲法学者の「自衛隊違憲論」を引き合いに出して改正の必要性を主張するのは、ご都合主義ではないか。
 衆院予算委員会はきのう、安倍晋三首相と全閣僚が出席して、基本的質疑が行われ、2016年度予算案に関する実質審議が始まった。金銭授受問題が報じられた甘利明前経済再生担当相の閣僚辞任で、数日遅れのスタートだ。
 首相が、稲田朋美自民党政調会長との質疑で言及したのが、9条2項改正論である。
 9条は1項で戦争放棄、2項で戦力不保持を定めている。にもかかわらず自衛隊が存在しており、「現実に合わなくなっている9条2項をこのままにしておくことこそが立憲主義の空洞化だ」というのが稲田氏の指摘だ。
 これに対し、首相は「7割の憲法学者が、自衛隊に対し憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきだという考え方もある」と、9条2項改正の必要性を訴えた。
 ちょっと待ってほしい。
 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法をめぐり、多くの憲法学者らが憲法違反として反対の声を上げたにもかかわらず成立を強行したのは、当の安倍政権ではなかったのか。
 自衛隊は、日本が外国から急迫不正な侵害を受ける際、それを阻止するための必要最小限度の実力を保持する組織であり、戦力には該当しないというのが、自民党が長年、政権を担ってきた歴代内閣の見解である。
 自衛隊を違憲とする意見があるのは確かだが、国会での議論の積み重ねを通じて定着した政府見解には、それなりの重みがある。
 安倍政権が憲法学者の自衛隊違憲論を理由に9条2項の改正を主張するのなら、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定や安保関連法についても、憲法違反とする憲法学者の意見を受け入れて撤回、廃止すべきではないのか。
 都合のいいときには憲法学者の意見を利用し、悪いときには無視する。これをご都合主義と言わずして何と言う。それこそ国民が憲法で権力を律する立憲主義を蔑(ないがし)ろにする行為ではないか。
 憲法改正には国民の幅広い支持が必要だ。9条2項を改正しなければ国民の平穏な暮らしが脅かされるほどの緊急性が今あるのか。1955年の結党以来の党是だとはいえ、憲法改正自体が目的化していると危惧せざるを得ない。
 
さて、昨日の「ワイドショー受けする事件で糊塗される危うい新大臣」の中で、「政権の都合の悪いニュースに対して、あえて関係のない芸能人の大スキャンダル記事が発表されたり、またより注目を集めるようなことをぶつけたりする」とつぶやいたのだが、すでに「植草一秀の『知られざる真実』」で「有名人の麻薬犯罪事案はメディアの報道時間、スペースを占拠する。・・・麻薬事案表面化の影に政治の暗部が潜む」と過去の麻薬関連報道がメディアジャックされた事実を明らかにしていた。
 
たしかに昨日のテレビメディアは朝から晩まで「清原容疑者逮捕」のニュースに占拠されていたのだが、新聞メディアでは、まだまだ政治家の金銭がらみのスキャンダル報道が続いている。 
 
<甘利氏の元秘書に「労働ビザを口利き依頼」 業者証言>
 2016年2月3日 朝日新聞DIGITAL
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 甘利明・前経済再生相をめぐる現金授受問題で、現金を渡した建設会社の総務担当者が、外国人の労働ビザ発給に絡む口利きを元秘書に頼み、現金40万円を渡したと朝日新聞の取材に語った。補償交渉に絡み、国土交通省局長へ渡す商品券代の趣旨で元秘書に30万円を渡したとも主張した。甘利氏の事務所は「事実関係を精査している」としている。
 総務担当者の一色武氏(62)によると、2014年と15年、知人の外国人の関係者が日本国内で働くためのビザ発給に関する口利きを頼む趣旨で、一色氏は甘利氏の元秘書らに自身の資金から現金20万円ずつ計40万円を渡したという。元秘書らの実際の関与は不明だが、一色氏は「(資金提供後)たった17日くらいで(ビザが)出た」と話す。
 法務省は取材に、「プライバシーに関わるので答えられない」としている。
 ログイン前の続き一方、同省は2日の国会内での野党の会合で、甘利氏の事務所から15年に、ビザ発給に絡む進み具合についての問い合わせが2回あったと明かした。
 同省は、問い合わせの際に甘利氏側から提出された「申請受理票」2点の写しも示した。受理票は、外国人が在留資格を得るための申請を入国管理局が受け付けたことを示す書類で、公開された受理票は一部が黒塗りされ、申請者の国籍はいずれも「中国」と記されていた。同省はこの2件は今も審査中としており、一色氏が証言した件とは別件とみられる。
 同省の担当者は野党側に「(2日に明かした2件は)口利きというか、許可できないものを何とかならないかという内容ではない」と話した。
■「国交省局長名目も」
 一色氏は朝日新聞の取材に、国土交通省の局長に渡す商品券代の名目で、元秘書側に「現金30万円を払った」とも証言した。証拠として、紙幣の記番号が分かるようコピーしたものや、渡した日付という昨年4月23日付のメモ、渡した現場という神奈川県平塚市の飲食店の同日付の領収書なども示した。
 千葉県の建設会社は、独立行政法人の都市再生機構(UR)と道路工事の補償をめぐって交渉している。同省はURを所管している。
 この名目での受け渡しで、元秘書から領収書は受け取っていないという。一色氏は「(同省)局長が受け取ったかどうか分からないが、現金を秘書に預けたのは間違いない」と話した。
 同省は朝日新聞に、商品券の受け取りを否定している。甘利氏の事務所は「事実関係を精査している」と答えた。
 一方、石井啓一国土交通相は2日の会見で、甘利氏の元秘書らとURが面会した際のやり取りについて、「URが補償を上積みすることはなく、大きな問題はなかった」という認識を示した。元秘書らについては「他の議員のやり取りにコメントする立場ではない」と述べるにとどめた。(小寺陽一郎、遠藤雄司、中村信義)
 
今日も「UR側と面談、甘利氏も把握 理事長認める」と続報が報道されており、やはりこのまま逃げとおすことは無理になったようである。
  
<整った逮捕条件 URの生殺与奪権を握っていた甘利氏の権限>
 2016年2月3日 日刊ゲンダイ
 甘利氏辞任で空転していた国会審議がようやく本格化する。今後は甘利氏本人や秘書、実名告発者らの参考人招致の実現が焦点となるが、野党は追及の手を緩める必要はない。甘利氏逮捕の条件はすでに整っている。これがプロの見立てである。
 確実に立件可能なのは、千葉の建設業S社が甘利氏側に依頼した独立行政法人・都市再生機構(UR)との補償交渉2件のうち、最初の案件だ。
 2013年5月9日に甘利事務所が“口利き″の依頼を受けた途端、事態は急転。S社は3カ月後、先行補償の約1600万円から約2億2000万円もの積み増し補償を受け取った。
 S社は“礼金″として同年8月20日、甘利氏の秘書に500万円、甘利氏には11月14日に大臣室で50万円を渡し、甘利氏本人も現金の授受を認めた。URも同年6月7日に横浜市の本社で職員3人が甘利氏の秘書と面談したことを明かしている。
 実は交渉当時、URは安倍政権によって生殺与奪権を完全に握られていたのである。
 政権発足から間もない13年2月、安倍首相は議長を務める「行政改革推進会議」で、独立行政法人改革の実行を宣言した。数ある独法の中でも、とりわけURは国交省OBの長年の天下り先として有名で、民業圧迫の観点や13兆円もの有利子負債を抱えていることから、何度も組織改編の俎上に載せられてきた。
「その原点は07年、当時の渡辺喜美行革相が『UR民営化』を打ち出した時です。しかし、あと一歩で実現できなかった。民主党政権になり、12年8月には当時の岡田克也副総理がURの分割・民営化の方針を決めましたが、その後、下野したことで方針は凍結。そうしたら、政権に返り咲いた安倍内閣が行革推進会議で“仕切り直し″を命じたため、URを生かすも殺すも政権の意向次第になったのです。URはまさに“まな板の鯉″で、包丁を握った政権の有力閣僚として甘利氏が君臨していたのです」(霞が関事情通)
 行革推進会議は13年6月5日に独法改革の「中間整理」を行い、9月20日にはURの問題点だけを議論するワーキンググループの設置を決めた。甘利氏の秘書とUR職員の面談は、中間整理の2日後のこと。補償交渉がトントン拍子に進んだのは、URが安倍政権の標的となっていた時期と合致する。
■「検察にとって捜査着手に躊躇する理由なし」
 また、URには当時、重要なリミットが迫っていた。01年に小泉政権は、約9000億円の赤字を抱えたURのニュータウン事業からの撤退を前提に、「13年度までにニュータウンの全工事を完了させる」と閣議決定。その範囲には補償トラブルの舞台となった「千葉ニュータウン」の道路工事が含まれていた。
「さらに07年、福田政権が『独立行政法人整理合理化計画』を閣議決定。URに全工事の前倒しを求めました。福田内閣の総辞職後、08年に麻生首相が渡辺行革相の後任に任命したのが甘利氏です。当然、URの抱える事情は引き継がれ、13年度内に千葉の工事を完了させたいことを知り得る立場にあったと思います」(国交省関係者)
 結局、安倍政権は同年12月、民主党政権の分割・民営化方針を正式に撤回。結果的にURに大きな恩を売ったのである。
 元検事の郷原信郎弁護士はこう指摘する。
「甘利事務所の行動は、あっせん利得処罰法の構成要件を満たしています。同法違反は国会議員としての『権限に基づく影響力の行使』が要件で、大臣としての権限や所管は不問です。甘利氏は元行革相としての経歴から他の議員以上にURの内情を知り、有力閣僚としてもURに影響力を行使でき得る立場にありました。S社の補償交渉が有利に進んだのも、甘利氏側がURの工事にリミットが迫っていることを示唆したからではないのか。これだけで議員とその秘書の『権限に基づく影響力の行使』の疑いが生じます。検察にとって捜査着手を躊躇する理由はありません」
 東京地検の本格捜査が待たれる。
 
いま議員辞職したら逮捕される甘利明元大臣」の中で、こうつぶやいた。
 
第50条【議員の不逮捕特権
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
  
国会議員には、職務執行の自由を保障するために不逮捕特権があり、その内容とは、
・国会議員は会期中、逮捕されない。
・会期前に逮捕されたとしても議院の要求で釈放される。
ということである。
 
ただし、院外における現行犯の場合は逮捕され(国会法33条)たり、所属する院の許諾があった場合は逮捕される(国会法33条)のだが、そんな例外は国会内勢力からしてありえず、したがって甘利明は通常国会会期中は議員バッチを離さない。
 
しかし、例えバッチを外さなくても『権限に基づく影響力の行使』の疑いが強まれば逮捕条件が整ってくるわけで、東京地検特捜部は捜査の手を緩めずじっくりと証拠を固め、国会閉会後に甘利明元大臣を逮捕すれば参院選は面白くなるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年02月03日

ワイドショー受けする事件で糊塗される危うい新大臣

最近は労働争議(特に不当解雇問題)裁判では、労働法制改悪の先取りとして「金銭解決」を裁判所が和解案として提示し、被解雇者はほとんどが職場復帰できずに、そこそこの金銭をもらって決着するというケースが多い。
 
三審制の日本では、一審の地裁で勝利判決を労働者側が勝ち取った場合、被告側が告訴して高裁に持ち込むと、明らかな不法行為が明白な場合は高裁は判決を下すが、そうではないような場合は職権で和解案を提示する傾向が強い。
 
沖縄県による辺野古新基地建設をめぐる国との代執行訴訟では直接高裁に落ち込まれたのだが、福岡高裁那覇支部は和解案を提示し非公開にしていたがその内容が明らかになった。   
 
<知事に取り消し撤回促す 辺野古代執行訴訟の和解案判明>
 2016年2月3日 06:04 沖縄タイムス
20160203wakaian_henokokiti.jpg
  名護市辺野古の新基地建設の埋め立て承認取り消しをめぐる代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が国と沖縄県に勧告した二つの和解案の内容が2日、分かった。一つは、県が埋め立て承認取り消しを撤回し、国は建設する新基地を30年以内に返還する根本的解決とする案。もう一つは、国が代執行訴訟を取り下げて工事を止め、県と再協議するよう促す暫定的解決案としている。国と県の両者が合意しなければ和解案は採用されず、両者の判断が注目される。
≫ 基地と原発のニュースをフクナワでも
 和解案は、多見谷裁判長が1月29日の第3回口頭弁論後、非公開の協議の場で提示した。裁判所の指示で公表されず、県は裁判所に公表を要求していた。
 「根本的な解決案」とされる県の承認取り消し撤回は、国の計画通りの新基地建設が前提となるため、県側は受け入れない可能性が高い。期限付きで返還か軍民共用にする国と米側の交渉も不可避となる。
 一方、「暫定的な解決案」とされる国の提訴取り下げは工事の中断が同時に求められ、根本的な解決策とはならず、国にとって歓迎する内容ではないとみられる。
 翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しに対し、国が違法確認訴訟や「是正の指示」など、別の手段で争う可能性も残る。
 翁長知事は第3回口頭弁論後、記者団に対し新基地建設は造らせない方針を示し、和解案への対応は「まったく白紙」と述べた。県側の竹下勇夫弁護士は、「行政事件訴訟の中で和解勧告は、かなりまれではないか」との認識を示していた。
 代執行訴訟は、今月15日に翁長知事、29日に稲嶺進名護市長の証人尋問を終え、同日結審する。和解案を国、県ともに受け入れない場合、3月中にも判決が言い渡される見通し。
 
そのそも、この和解案を提示した多見谷寿郎裁判長はかねてから「安倍政権が露骨な人事 沖縄『代執行』訴訟に“体制寄り”裁判官」と悪い噂の絶えない裁判長であり、この和解案自体も、沖縄も国も双方とも受け入れられることが困難な内容であり、最初から国側に有利な判決を出すよりは一見公平性を演出したとみるのが妥当であろう。
 
さて、メディアが取り上げるニュースは、その価値もさることながら一般庶民の関心が合ったり注目されるものが多く取り上げられることは、過去にも幾度と存在する。
 
政権の都合の悪いニュースに対して、あえて関係のない芸能人の大スキャンダル記事が発表されたり、またより注目を集めるようなことをぶつけたりするのだが、6年前にはこんなことが起きていた。


昨日の「清原元選手 逮捕 自宅で覚醒剤所持容疑 警視庁」というニュースも、すでに数年前から噂になっており、週刊誌にも大きく取り上げられ、警視庁は1年前から内偵していたとのことである。
 
かなり確実な情報を入手しての家宅捜査であったのであろうが、なんでこの時期なのか、という思いもする。
 
その甲斐あってか、「甘利明元大臣斡旋利得」疑惑問題がテレビメディアから無くなり、「『甘利氏、パーティー収入9286万円』 共産・塩川氏『大臣規範に抵触』と批判」という記事にも関心が薄れ、そして後任の新経済再生担当大臣に対しても注目が集まらなくなるかもしれない。
 
しかし、「石原伸晃・新経済再生担当相に期待する?」というネット上での調査では、投票総数:12877のうち、「期待しない」が9184票で71%も獲得したので、大方の国民の思いを正確に表しているようである。
 
この男の過去の低レベルの発言に関しては「こんなにあった!石原伸晃氏のこれまでの失言まとめ」というお馴染みのサイトに任せるが、TPP担当相としては、簡単には任せるわけにはいかない。
 
「TPP反対だったんのではないか」と突っ込まれ、「『例外なき関税撤廃が前提なら反対』という自民党の公約に沿ったものだったが、その後、関税の全廃は前提でないことなどが確認された」から態度変えましたと平然と説明していたが、残念ながら、当時の甘利明TPP担当相が「大筋合意」した内容が、「全農産品で関税撤廃の恐れ TPP協定案を弁護士ら分析」の結果、明らかなウソであることがわかっている。
 
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この程度の知識しかない新大臣なのだが、政治家としての資質には大きな問題がある。  
 
さくら館長の休憩時間」のブログ主が石原伸晃を含む石原一族と宗教団体の黒い関係を書いていた。
 
<石原伸晃氏が宗教と密接に関わっている事が有名に。その石原氏が新経済再生担当大臣に!!>
・・・前略・・・
 《石原一族と宗教団体》
東京に本部を置く、法華経系「妙智会教団」という新興宗教団体があります。(信者数80万人)
怪しさ全開というよりは、ドス黒い新興宗教であります。
宗教法人で裏金2億円流用などのニュースが過去にありました。
「妙智会教団」が、祭りなどで得た収入の一部を帳簿に記載せず、約2億円を宮本代表役員(57)が私的に使っていた事件です。
誰がどう見ても、法人という隠れ蓑を逆手に取った行為ですね。
そんな宗教団体に、石原伸晃氏は擦り寄っています。
政治家が宗教イベントに参加することは、珍しいことではありません。
隠されていることでもありません。
石原慎太郎氏は過去に
「『霊友会』の節分会に参加しただけでなく、
『立正佼成会』
『新生佛ヘ教団』
『崇教真光』
『幸福の科学』など、
さまざまな宗教と結び付いていました、票のためなら恥も外聞もありません。
また、妙智会教団が東京・代々木で挙行した「節分追儺式」(2月3日)には、当時環境大臣の石原伸晃氏が参加しています。
次男の石原宏高衆議院議員は2008年の総選挙前に、幸福の科学に入信していると報じられています。
本人は否定しているが、複数の教団関係者により入信が語られています。
政治家と宗教団体との関わりは、切っても切れない関係ですが、特に石原一族は宗教団体の利用の仕方が半端ではないようです。
《なぜ宗教団体は政治家と関わろうとするのか?》
それは公明党と創価学会、創価企業パソナと政治家達の関わり方を見れば、それは公共心からではなく、利権絡みであると分かります。
つまり、特定の宗教団体と関わりの深い政治家は、その宗教団体を守ろうと動くのである。
《石原慎太郎とオウム真理教》
確証はありませんが、石原慎太郎とオウム真理教の関係についてネット上ではかなりうわさが広まっていました。
石原伸晃氏も「石原氏が自民党幹事長だった2012年、報道番組で福島第一原発を「第一サティアン」と呼び、地元の反発を招いたことがあります。
これは石原氏が何らかの関係をオウム真理教と持っていた事が原因とされていました。
 
さらに悪徳政治屋につきものの、政治資金を食い物にしている事実も発覚している。 
 
<自身の別荘地でホテル宿泊 石原大臣デタラメ事務所費使途>
 2016年2月3日 日刊ゲンダイ
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 辞任した甘利氏の後任に収まった石原伸晃新経済再生担当相(58)。麻生財務相に、「経済分野はあまり得意じゃないかもしれない」とチクリとやられていたが、能力だけでなく常識も問いたい。政治資金の使い方がメチャクチャなのだ。
 伸晃大臣が代表を務める資金管理団体「石原伸晃の会」の収支報告書(2012〜15年)を見ると、怪しい支出が続々だ。
 例えば、13年3月7日には、東京・千代田区の帝国ホテルに入る高級会席「なだ万アプローズ」に6万8578円。14年5月30日には有名洋食店「たいめいけん」の東京・日本橋店に3万7100円。他にも、銀座の寿司屋やトンカツ屋、チェーン居酒屋なんかで毎回2万〜3万円程度使っている。3年間の総額は120万円を超える豪華メシだが、解せないのはこれらの支出が全て「事務所費」に計上されていることだ。
 総務省は事務所費について、「事務所の維持に通常必要とされるもの」と定義づけている。政治団体の家賃、通信費、清掃・修繕費、各種保険料などが該当する。「支出の目的」の項目には「会議飲食費」と記されていて、“内輪”で豪勢な会議をやっていることになる。これが「事務所費」なのか?
「組織活動費」に計上された「宿泊費」にも疑問符が付く。13年4月27日には、神奈川・葉山にある温泉旅館「葉山館」に1万500円支出しているが、伸晃大臣といえば葉山に立派な別荘を所有している。
「07年にリゾートマンションを購入しているのです。推定価格は1億6000万円。近くのヨットハーバーにクルーザーを係留させています」(政界事情通)
 そんな豪邸を持ちながら、なぜホテルの領収書なのか。3年間で葉山町内のホテルに計24回、約44万円を支出しているのだ。 これらの支出について石原伸晃事務所に問い合わせたが、期限までに返答はなかった。
「最後は金目でしょ」と言えるくらいのセレブなんだから、これくらい自腹を切れば?
 
菅義偉官房長官が安倍晋三に政権を守るために「泣いて馬謖を斬れ」と言ったそうだが、野党は切られた元大臣よりも、後釜の新大臣をTPPを突破口として杜撰な「政治とカネ」問題を鋭く追及して追い込み、再び大失言を誘い出し、政権を揺さぶらなければ存在感はますます無くなってしまうであろう、とオジサンは思う。 

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2016年02月02日

正常化すればすべてがうまくいくのか国会攻防

暖冬と騒がれながらも急激な寒波に襲われたりと、自然界に於いては「異常」という言葉はしばしば使われる。 
 
一般社会では「異常」な状態が続くことは決して好ましいことではなく、誰もが一刻も早く正常になることを期待し願っている。
 
ところが永田町の国会村では、非日常的なことがフツーに行われている。
 
昨夜からのテレビのニュースである程度は予想されたのだが、今朝の各紙の政治面での表現は、すべて「国会正常化」があふれていた。
 
●朝日新聞「国会正常化で与野党が合意 野党、引き続き甘利氏追及へ
●毎日新聞「与野党幹事長会談 国会の正常化で合意」 
■讀賣新聞「石原氏所信で与野党決着…空転国会、正常化
■産経新聞「国会、2日から正常化で合意 民主党は甘利氏の参考人招致求める」 
 
地方紙の情報を集めている「都道府県別ニュースリンク」で調べてみると、地元県民に密着したニュースが中心であり、北海道新聞が「石原氏きょう所信 与野党、国会正常化で合意」と報じていた。
 
ちなみに「国会正常化」というキーワードでGoogle検索してみると「約 1,070,000 件(0.64 秒)」と表示され、昨年と今年だけで200件以上のWeb上の記事が検索された。
 
それほど、国会は「異常」なことが多く発生するので必然的に「正常化」という言葉が使われる。
 
もっとも、国会内に異常現象や人物が発生するわけではなく、単に審議が進まない、または委員会等が開催されないという「空転状態」が解消されたというに過ぎない。
 
政府与党にとっては、通常国会において次年度の予算成立が最大の目的であり、野党は予算成立を「人質」にして様々な駆け引きを行う、ということが昔からの国会における「攻防」であった。
  
国会が空転状態になるというのは、政府側答弁で閣内不一致が発覚したり、政府与党側における大不祥事等が発生し、それが解決しない限りは審議入りしないと野党側が強硬な姿勢を取り続けることである。
 
もちろん、駆け引きなので一定の条件を出し与党側がそれを受け入れれば審議は再開される。
 
問題は、その妥協レベルである。
 
今回は甘利明元経済再生相の「斡旋利得罪」疑惑により辞任したことから始まる。
 
それは、1月22日に第190回国会に内閣府特命担当大臣(経済財政政策)として経済演説を行った甘利明担当大臣が辞任したので、改めて新大臣が経済演説を行うべきであると野党側が主張していたのであった。
 
それは当然で、2007年9月12日に国会での所信表明後に「内閣総理大臣及び自由民主党総裁を辞する」と退陣を表明した安倍晋三ほどの悪質さではなかったが、やはり演説しっ放しで辞任すれば後任の大臣が演説し直さなければならない。
 
結果的には、後任の石原伸晃経済再生相が衆参両院で経済演説に相当する「所信表明」を本日行う事により、新年度予算案は明日から実質審議に入る見通しになった次第である。
 
しかし、ここまでは当然なことであったが、野党としては「甘利明議員を予算委員会に参考人として招致する」ことを国会正常化の条件にすべきではなかったのだろうか。
   
こんな体たらくなので「“敵失”生かせぬ野党 民主党支持率上昇せず 企業・団体献金禁止も温度差」と産経新聞に舐められてしまう有様だ。
 
安倍晋三首相は、昨年の臨時国会召集要求を拒否し、その代わりに通常国会を1月4日に招集したと嘯いていたが、これは自民党の参院選をにらんだ予定通りの行動であった。
 
通常国会の会期は150日と定められており、会期延長が無ければ6月1日に閉会することができる。
 
その間、5月26日から27日まで主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催され議長国として安倍晋三首相は成功を収めて、それを引っ提げて参院選に臨もうとしている。 
 
従って政府にとって最も都合の良い日を考えると、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる来年6月19日の改正公職選挙法の施行日以降に参院選を実施することを考えれば「6月23日公示、7月10日投票」しかない。
 
それ以前では、国会が紛糾した場合、その影響を極力少なくするためには冷却期間が必要となり、さらに1週間ずれると世間は夏休みに入ってしまい投票率が悪くなるからである。
 
こんな政府側の都合の良いシナリオをすんなり実現してしまえば参院選での野党惨敗は目に見えており、少なくとも会期を延長しなければならないほどの国会での追及が必要となってくる。
 
権力を監視するジャーナリズムの力が落ちている」のつぶやきの中で指摘したのだが、讀賣新聞の社説「甘利経財相辞任 秘書の監督責任は免れない」の結びの「民主党など野党は、国会審議で、甘利氏の疑惑の追及を続ける構えを崩していない。疑惑解明も重要だが、内政、外交両面で建設的な論戦を挑むことが求められる。」という内容になることだけは、避けなければならない。
 
冒頭の「正常化」の記事では、東京新聞は共同通信の配信記事を使って独自見解は避けていた。
 
そして今回の甘利明大臣辞任後の世論調査結果について、政治心理学の先生に解説させていた。 
 
<「潔さ」「無念さ」演出 甘利氏辞任後 内閣支持率アップ>
 2016年2月2日 朝刊 東京新聞
 甘利明前経済再生担当相の辞任後、共同通信社が行った全国電話世論調査では、辞任を当然とする意見が多数を占める一方、安倍晋三首相の任命責任を過半数が否定し、内閣支持率は前回に比べて4.3ポイント上昇した。数字に表れた世論の心理を、明治学院大の川上和久教授(政治心理学)に読み解いてもらった。 (聞き手・安藤美由紀)
 −安倍政権の中枢にいた閣僚が辞めたのに、支持率が上がった理由は。
 「一つは『潔さ』。首相が甘利氏をかばい、環太平洋連携協定(TPP)署名式後まで引っ張るかという感じがあったのに、サプライズで辞めた。しがみついて辞めない人が多い中、驚きと同時に潔く辞めたと受けとめられた。志半ばで辞めざるを得ないという甘利氏の『無念さ』も伝わってきた。金銭授受があり、当然辞めるべきだったが、うまく演出され、国民は『安倍内閣けしからん』ということにならなかった」
 −首相の対応が評価されたわけではないのか。
 「首相が評価されたというより、消極的支持の増加ではないか。民主党と維新の党が新党を結成するとかしないとか、(共産党が提唱した)国民連合政府に対応しないとか、野党は相変わらずだめだという失望が、相対的に首相への期待につながった」
 −首相に任命責任はないという声が多かった。
 「甘利氏は政権の中枢で重要な役割を果たしたと強調して報じられた。『そのような人材を登用したこと自体は間違っていなかった』という世論につながったのではないか」
 −今後も安倍政権のリスク管理はうまくいくか。
 「今回は成り行きでうまくいき、浪花節的に収束したというのが本当のところ。政治は情緒に動かされる部分だけではなく、いつもこうなるわけではない」

◆安倍内閣支持率 第1次は負の連鎖

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 閣僚の辞任・交代による内閣支持率への影響は、第一次安倍内閣と第二次安倍内閣以降で差がある。
 2006年に発足した第一次内閣では、閣僚の交代で支持率が下落する負の連鎖が繰り返され、政権の体力が落ちていった。
 06年末に政治資金収支報告書問題で佐田玄一郎行政改革担当相(当時、以下同じ)が辞任すると、直後の07年1月の支持率は3.6ポイント減。その後「政治とカネ」に絡んで松岡利勝農相が自殺すると、支持率は11.8ポイントも下落した。
 事務所費問題で同年8月に赤城徳彦農相が辞任した後の調査では、支持率は11.5ポイント上がったが、これは内閣改造を挟んでおり、条件が異なる。
 政権に返り咲いた12年の第二次内閣以降は、今回の甘利明経済再生担当相を含め四閣僚が政治とカネ問題で辞任したが、支持率への影響は小さい。14年10月の小渕優子経済産業相、松島みどり法相の同時辞任後の調査では、1.2ポイントの下落。15年2月に西川公也農相が辞任した後は、今回と同様に上昇(1.2ポイント)している。 (篠ケ瀬祐司)
 
「今回は成り行きでうまくいき、浪花節的に収束したというのが本当のところ。政治は情緒に動かされる部分だけではなく、いつもこうなるわけではない」とこの先生はのたまうのだが、たしかに政治の世界はもっとドロドロして策略に満ちており、うまくメディアもコントロールされているのは、「甘利事件は終わった」と看破した天木直人ブログの通りに事が運ばされているのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年02月01日

いま議員辞職したら逮捕される甘利明元大臣

定期的な世論調査とは異なり、国民の関心が高い問題が発生した直後の場合は内閣支持率に注目が集まる。
 
先週末も、甘利明元経済再生相の辞任を受けて、在京大手マスディアでは讀賣新聞と毎日新聞、そして共同通信が世論調査を行い発表していた。
 
永田町の「町民」の間では安倍政権の中枢を「3A1S」と呼んでいたらしい。
 
それ以外の町民ならば「悪代官4人組」と呼ぶかも知れない。
 
改めて説明するまでもないのだが、安倍晋三、麻生太郎、甘利明が3つの「A」で陰の首相である菅義偉が「S」といううわけなのだが、その一角が崩れたあとの世論調査であった。
 
内閣支持率に関しては、常日頃高い数値を維持している讀賣新聞では、前回調査(1月8〜10日)の54%から今回は56%なので、「内閣支持率ほぼ横ばい、政府・与党内に安堵感」ということになったのであろう。
 
産経新聞や東京新聞は共同通信の世論調査結果を採用していた。
 
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讀賣新聞調査よりも支持率が4%も上昇している。
 
一方、毎日新聞の30、31両日の全国世論調査結果では、支持率は51%で、昨年12月の前回調査から8ポイント上昇し、支持率が5割を超えたのは2014年3月調査以来という。    
     
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昨日の首都圏は好天気に恵まれ、オジサンもオバサンと午後から長時間の買い物散歩に出かけたのだが、公園では若い親子連れでにぎわっていた。
 
おそらく、そのような時間帯に在宅し、固定電話にかかってくる世論調査に回答できる人たちの年齢層は大方予想がつく。
   
そもそも、「なぜ安倍内閣を支持するのか」との質問で毎回多いのが「他に適当な人がいない」ということで、絶対的な支持ではないことは毎回指摘されている。
 
それは政党支持率の推移を見ても、与党の自公以外で2ケタの支持率がある政党は見当たらず、とてもじゃないが政権交代の可能性は限りなくゼロに近い。
 
しかし、個別政策に関しての国民の関心は「毎日新聞調査 改憲勢力、参院3分の2『期待せず』46%」によると下図のようになっている。
 
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さて、先の「3A1S」の一人の閣僚辞任問題で、ようやく東京地検特捜部も重い腰を上げてきたらしい。
 
<東京地検がUR職員らを聴取へ…甘利氏献金疑惑>
 2016年01月31日 09時29 讀賣新聞
 甘利明前経済再生相(28日辞任)(66)を巡る違法献金疑惑で、東京地検特捜部が、近く都市再生機構(UR)の職員らを事情聴取することが、関係者の話でわかった。
 甘利氏側は、URとトラブルとなった建設会社側の依頼で、UR担当者と面談。建設会社側から受け取った献金の一部を政治資金収支報告書に記載していなかった。
 議員や秘書の口利きを禁じたあっせん利得処罰法や、政治資金規正法に抵触する可能性が指摘され、特捜部は聴取で面談内容を確認するなどし、違法性の有無を慎重に見極めるとみられる。
 甘利氏の説明によると、甘利氏は2013年11月と14年2月、URの道路工事に絡んだ補償金の請求を巡るトラブルを抱えていた千葉県白井市の建設会社側から計100万円を、13年8月には秘書が500万円を、それぞれ受け取った。

都市再生機構(UR)は国交省の天下りの巣窟であり、当然、甘利明の秘書から口利きの依頼があったなどとは、口が裂けてもいうまい。
 
政府広報紙側から発表された記事なので、当然、官邸の動きが裏にあることが推測され、URから多額の賠償金を受け取った建設会社の違法性にすり替えられる可能性もある。 
 
ところで、先月の20日に週刊文春の第一弾が出た後、薩摩工業の総務担当者は一時連絡がつかない状態で、本人から重要な証拠を提示されていた週刊文春が囲い込んでいるという噂が広まっていたが、不思議にも朝日新聞が独自インタビューに成功したらしい。
 
<甘利氏会見と食い違い 現金授受問題、建設会社担当者が証言>
 2016年2月1日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 甘利明・前経済再生相の現金授受問題で、現金などを渡した建設会社の総務担当者が31日、朝日新聞の取材に応じた。甘利氏が会見で説明した計600万円の授受以外に、900万円超を秘書に渡していたことを証言した。甘利氏自身の現金授受をめぐっても、「道路建設の補償交渉のお礼」と述べるなど、趣旨や状況に食い違いをみせている。
 ■「甘利氏、ポケットに」 大臣室50万
 総務担当者は一色武氏(62)。千葉県白井市の建設会社と都市再生機構(UR)との道路建設の補償交渉を担った。
 甘利氏は会見で、50万円ずつ計100万円の受領は認めている。一方で、授受の状況や認識は一色氏の主張と異なる。
 一色氏は2013年11月に甘利氏が大臣室で受け取った現金50万円について、「甘利氏が(現金入りの封筒を)スーツの内ポケットに入れたのは事実だ」と強調。「URの件でのお礼の意味で」面会を求め、秘書から事前に「50万円は必要です、と言われた」と語った。甘利氏は会見で「政治家以前に人間としての品格を疑われる行為だ」と否定している。
 14年2月に地元事務所で甘利氏に渡した50万円について、一色氏は「建設会社とURとの交渉を進めてもらう趣旨だとした上で、「甘利氏は『これはパーティー券にしようね』と私の前で言った」と主張。甘利氏は「大臣室訪問のお礼と政治活動への応援の趣旨だと思って受け取った」としている。
 記者は、甘利氏との授受の際のやり取りの録音について確認を求めた。一色氏は「(甘利氏が授受を)認めている以上、出さない方がいいと思う」と述べた。
 ■「秘書に昨年15万円53回」
 2014年11月20日に秘書が100万円を受け取ったと指摘される授受について、甘利氏の会見で説明はなかった。
 一色氏は、秘書から「(翌月投開票の衆院選の)選挙資金が足りない」と3日前に求められ、建設会社から50万円、一色氏から50万円を現金で神奈川県平塚市の居酒屋で渡したと証言した。秘書は一色氏からの50万円について10万円をダルマ代、20万円を祈祷(きとう)料などと使途を説明したという。
 建設会社からの50万円は甘利氏の自民党支部の政治資金収支報告書に記載があるが、一色氏からの50万円は記載がない。
 一色氏は15年もURとの交渉に関して秘書と会うたびに、現金15万円を53回渡したと主張する。いずれも秘書は領収書を作らなかったという。15年6月と11月に開かれた甘利氏の政治資金パーティーの券も計40万円分購入したという。
 甘利氏は会見で、13〜14年に建設会社から得た3回計600万円について説明。ほかに「秘書2人が飲食や金銭授受などの接待を多数回受けた事実は認めている」と述べたが、詳しい解明は弁護士による調査に委ねるとした。
 一色氏の証言や証拠資料が事実とすれば、建設会社や一色氏は、甘利氏が説明した3回600万円以外に14〜15年に少なくとも900万円超を甘利氏側に提供したことになる。
 ■交渉を記録「万一に備えて」
 一色氏の「告発」は最初に1月21日発売の週刊文春に掲載された。一色氏は情報提供した理由について、「(お金を払ったのに)甘利氏の秘書がやるべきことをしていないことが分かったから」と語った。
 建設会社の依頼を受けてURとの交渉を担った理由を「千葉県やURが建設会社や社長に、差別的な文書を作成したため」と説明。自身が右翼団体の元構成員だったと明かしつつ、「右翼活動は思想的なもの。行政にたかるつもりは一切なかった」と話す。
 自民党幹部らは、一色氏が甘利氏側との接触を詳細に記録していたことから「わなを仕掛けられた感がある」と指摘した。
 一色氏は行政などと交渉する時も音声を隠し録(ど)りするという。「聞いている、聞いていないと後で言われるのは嫌なので、万が一に備えている」と、告発を前提にした行為ではないと主張した。(中村信義、小寺陽一郎)
 ■東京地検、UR職員ら聴取へ
 東京地検特捜部は今後、URの職員らから事情を聴く見通しだ。政治家や秘書が口利きの見返りに対価を受け取ると、あっせん利得処罰法違反になる。特捜部は、立件の可否を慎重に見極めるとみられる。
 同法違反に問うには、甘利氏や秘書が、国会議員や閣僚としての権限に基づく影響力を行使していたかが焦点となる。
 ■主なやりとり
 一色武氏との主なやり取りは次の通り。
 ――13年11月14日に甘利氏に大臣室で現金50万円を渡した趣旨と状況は
 URの件でのお礼だ。秘書からは前もって「50万円は必要です」と言われた。(甘利氏が現金を)内ポケットに入れたのは事実だ。
 ――14年2月1日の地元事務所での現金50万円は
 甘利氏は「パーティー券にしようね」と言ったが、私はURとの件をお願いしていますから、「お受け取り下さい」と(言った)。
 ――秘書は弁護士の調査に、URと建設会社の「金額交渉などに介入したことはない」と答えたというが
 秘書は私に昨年10〜11月、「UR側に金額を提示しないと話が進まない」と言った。過去の補償(事例)の20倍くらいの額を言って、それをURの総務部長がうなずいた、という話も言った。録音もある。
 
今後は甘利明事務所の秘書の聴取が必須なのだが、すでに口裏合わせて金を積んで解雇してしまったので、決してスムーズには事が進まないかもしれない。
 
「悪い人とも付き合わないと選挙に落ちちゃう」から、「政治家以前に人間としての品格を疑われる行為」を平気で行っていたのであろう。
 
それにしても、50万円入り封筒を2度ポケットに入れる小粒なセコイ政治屋なのだが、その程度の金額で何とかなると見くびられるとはなんとも哀れなものである。
 
しかし、いくら追い込まれても甘利明は決して議員辞職をしない。
 
議員バッチを外せばただの人になってしまい、逮捕は免れないからである。 
  
安倍晋三が忌み嫌う日本国憲法にはこんな条項はある。
 
第50条【議員の不逮捕特権
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
  
国会議員には、職務執行の自由を保障するために不逮捕特権があり、その内容とは、
・国会議員は会期中、逮捕されない。
・会期前に逮捕されたとしても議院の要求で釈放される。
ということである。
 
ただし、院外における現行犯の場合は逮捕され(国会法33条)たり、所属する院の許諾があった場合は逮捕される(国会法33条)のだが、そんな例外は国会内勢力からしてありえず、したがって甘利明は通常国会会期中は議員バッチを離さない。
 
ヒョットすると盟友に対して「しばらく休んでください」と言っていた安倍晋三が甘利明の「禊を」済ますために衆参同一選挙を行うとすれば噴飯ものであり断じて許すことはできない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:21| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする