2016年05月31日

こんな政権に漢字を使うのはもったいないからアベ政治

「遅きに失する」という言葉があるが、その意味は「遅すぎて用をなさない」。
 
まさにその言葉通りの、今さら5年前の隠蔽を認めたところで、東電の隠蔽体質の懺悔にもならない。 
 
<炉心溶融の説明不備は「隠蔽」 東電幹部が認める>
 2016年5月31日 東京新聞
 東京電力が福島第一原発事故の当初、原子炉内の核燃料が溶け落ちる炉心溶融が起きていたのに炉心損傷と説明し続けた問題で、姉川尚史原子力・立地本部長は30日の記者会見で「炉心溶融に決まっているのに『溶融』という言葉を使わないのは隠蔽(いんぺい)だと思う」と述べ、同社の説明が不適切だったとの認識を示した。
 この問題で、東電の原子力部門トップが記者会見で見解を明らかにしたのは初めて。
 炉心溶融を巡っては、社内に判定マニュアルがあったにもかかわらず東電は事故後約五年間、見過ごしていたとされ、第三者検証委員会が経緯を調査中。姉川氏は、溶融という言葉を避けた背景を含め、近く検証結果がまとまるとの見通しを示した。
 姉川氏は、2011年3月の事故直後に東電が1号機で確認した炉心損傷割合の数値を示しながら「55%や70%炉心損傷した状態で注水できていない状況を考えれば、常識的な技術者は『そう(炉心溶融)です』と答える。マニュアルがなくても分かる」と述べた。
 一方、当時の社内マニュアルに「炉心損傷割合が5%を超えると炉心溶融と判定する」との基準があることを東電幹部が把握しながら意図的に隠したかどうかは、第三者委が調査中だとして明言を避けた。
 姉川氏は、社内マニュアルが存在していたことを東電が明らかにした後の3月23日、新潟県の技術委員会で経緯を説明し「調査のプロセスが非常に不適切だった」と謝罪していた。
 
少なくとも「認める」という行為は、自分自身の発言を「認めない」という行為よりはまだ許せる。 
 
ところが舌の音が乾かぬうちに、平気で嘘をつくお方がいる。
 
3日前に、「『リーマン前』に異論 新興国の指標に唐突感」という記事で、安倍晋三首相がG7の会議において、以下のような資料を提示していたことは、その内容の是非はともかく、多くのメディアが報道していた。
 
20160528worldcrisis.jpg
 
ところが「世界中から失笑」されて、やっと己の愚かな発言に気付いたのか身内の会合で否定していた。
 
安倍首相否定、政府側説明と相違 『リーマン前に似ている』発言
 
私が『リーマン・ショック前に似ている』との認識を示したとの報道があるが、まったくの誤りである
 
同記事によれば、「政府関係者はサミット時、記者団への説明で同様の説明をしている」と、この政府関係者が唯一、国内外のメディアへのスポークスマンになっていたことを示していた。
 
その政府関係者は、【「リーマンショック前夜」を裏付ける資料を作ったのは誰か/未遂に終わったサミットを国内政争の道具にする計画】と題して、ジャーナリストの神保哲生が社会学者の宮台真司との対談でサミットの裏側と日本のメディアの対応を批判していた。
 
    
 
この動画の内容を親切に解説してくれたのが「G7『リーマン危機前に似ている』は世耕弘成の姦計だった」とのタイトルでカレードスコープがこのように結論づけていた。
 
マスコミの記者たちにレクチャーを行ったのは、内閣府の政務官、世耕弘成・参議院議員だった。
記者たちは、サミットの会議の場には参加できないので、情報の出どころは世耕弘成からのレクチャーの1本だけ。どの新聞もテレビも、いっせいに同じことを書くだけ。
・・・中略・・・
これらのすべてに、馬鹿な安倍晋三の斜め後ろから囁く、吐き気がするほど暗黒の想念を放つ世耕弘成の存在があるのです。
世耕弘成は、いつ間にか、“自民党のゲッペルス”と呼ばれるようになりました。
この男は、決して前面に出ることはありません。安倍晋三を陰であやつり、ますます、国民の命を危険にさらすでしょう。
 
たしかに、「安倍総理のうしろに映り込む世耕官房副長官が『まるで背後霊w』と話題に」というまとめサイトでは、世耕弘成と安倍晋三が一心同体のような写真が多く掲載されている。
 
例えば、こんな風に!
 
20160531abe_sekou.jpg

 
要するに、安倍晋三という人物は自分の頭で考えられない政治屋なので、絶えず黒子のお膳立てに依って言動しているのである。
 
したがって、自分が今、何を言っているのかは全く気が付かず「息を吐くように嘘をつく」と言う評価が定着している。



最後にこの人の痛烈な安倍晋三批判をお届けしよう。
 
<俳人・金子兜太氏「アベとかいう変な人に痛切な危機感」>
 2016年5月30日 日刊ゲンダイ
20160531abeseijino.jpg
社会性俳句の旗手として活躍中(C)日刊ゲンダイ
 気迫ある毛筆で書かれた「アベ政治を許さない」のプラカードは、昨夏の「安保法制反対」運動のシンボルだった。揮毫したのは、現在96歳の俳句の大御所・金子兜太氏。南方で終戦を迎え、1年3カ月の間、米軍の捕虜となって最終船で引き揚げたという。あれから70年。安倍政権の安保法強行の動きに奮い立ち、老体を押して戦争体験を語る講演を全国各地で行っている。
■“カタカナ”なのは漢字じゃもったいないから
――「九条の会」呼びかけ人で、作家の澤地久枝さんの依頼で揮毫したそうですね。「許さない」の文字の大きさに、金子さんの思いが伝わってきます。
 若い人に絶対に戦争をさせてはならないという思いで、一発で書いたの。今の政権は国民の言うことに耳を傾けようとしない。憲法を変えずに自衛隊を戦場に送ろうとし、ズルいやり方でアメリカの顔色ばかりうかがっている。「アベ政治」をカタカナにしたのは、こんな政権に漢字を使うのはもったいないからね。戦争なんて無残な死を積み重ねるだけ。戦争ほどの悪夢はない。人間にとって全くの不幸ですよ。この体験を絶対に忘れないぞと思って帰ってきたんですが、70年の間に気持ちが緩む時もあった。
――安倍首相の再登板で思いが蘇った。
 そう、アベとかいう変な人が出てきたもんですから。私のようなボンクラな男でも危機感を痛切に感じるようになりましたね。安保法をやりだした時にね、こりゃ危ないって気がした。憲法9条の改正の是非を国民投票にはかる、とハッキリ言ってくれればいいんですよ。それが、直接9条には触らないで、周辺をグルグルといじった。特定秘密保護法なんて治安維持法みたいなものでしょう。遠巻きに近づく、これが危ないと思ったのね。
――過去に「戦前の私はデモクラティックでなくてデレデレティックなんです」と発言されています。それだけ、戦争体験が金子さんの思考を一変させたということなんでしょうか。
 戦争は反対だ、戦争はイヤだ、という気持ちにデモクラティックな意思が加わったというんでしょうか。だいたい、今の国会には戦争体験者が2割くらいしかいないんじゃないか。においを嗅いだ程度のやつも少ない。そういう連中が戦争に関わる憲法9条を議論して、安保法のようなケチなものをつくる。そんな資格はないと思いますよ。戦争経験がないのに、「戦争辞せず」くらいの顔をするやつがたくさんいる。戦争というのは、いろんな形で人間が死ぬんですよ。ろくなもんじゃない。なのに、戦争は男らしいなんて思っているバカげた国会議員が多い。一方では、女性のお尻をなでてばかりのやつもたくさんおるしね。
――戦時中、海軍主計中尉として旧南洋諸島のトラック島(現ミクロネシア連邦チューク諸島)に派遣された。米軍の爆撃で1日に50〜60人が死んだり、補給路を断たれて餓死者が続出するのを目の当たりにしたそうですね。
 着任したのが25歳、1944年3月だった。海軍経理学校を出て、1カ月の訓練を終えると、志望を聞かれる。行く以上は、と思って「南方第一線で戦いたい」と答えたら、「よし行ってこい」となったわけです。私は秩父の山の中の育ち。養蚕で生計を立てる家庭が多かったのですが、昭和恐慌で繭価が暴落してしまった。年頃になると、郷里の人たちが「兜太さん、あんた戦争に行ってくれ。戦争に勝ってくれ。そうしたら俺たちは楽になるだろう」と言う。当時は青年でしたから、雄々しい気持ちというか、励まされる気持ちを感じましてね。郷里の人を何とか救ってあげたいという思いが湧き上がるわけです。
 爆弾でポーンと飛んだ「男根」
――引き揚げまでの約3年間、トラック島で過ごした。
 派遣されたのは補給基地でもあった海軍施設群。海軍の土建現場ですよ。島の要塞化のために徴用された工員さんが大半で、私のような将校なんて数えるほどしかいない。工員さんたちはグラマン(戦闘機)の爆撃にやられ、自分たちで作った手榴弾の実験で死に、飢えて拾い食いして逝った。むごい死に方を山ほど見ました。私は工員さんたちを生の人間という意味で「存在者」と呼んでるんです。
――「存在者」ですか。
 工員さんたちは全く恥も外聞もなく、バカバカしさを如実に表している人たちだった。神様のような人間というのはこの人たちだな、と思いましたな。隧道(トンネル)が足らず、空襲で工員さんたちがまとめて殺された例がたくさんあった。掘っ立て小屋が1発の爆撃で吹っ飛ぶ。30人くらいの人間の手足がバラバラになり、首からストーンと吹っ飛ぶ。男根まで妙にハッキリとポーンと飛んで行く。実に残酷な状態、あるいは笑うべき状態、悲しむべき状態、いろんなものが錯綜した風景は耐えられないものでした。
 ■戦争で人間は普通じゃなくなる
――戦況が悪化すると、餓死も日常になった。
 腹が減る、拾って食う、腹を壊す。トラック島の周辺はサンゴ環礁なので、工員さんがポンポン船で漁をする。手榴弾をブッ込んで、浮き上がった魚を捕るんです。フグが上がって、工員さんが横に捨てても、別の工員さんが拾って食う。周りが毒があるからと止めても食う。餓死の状況は悲惨だと言うしかない。部隊の5、6人で代わる代わる山の上に遺体を担ぎ上げて、掘っておいた大きな穴にポンポン放り込んだね。最後は何人死ねば何人生き残るとか、そういう計算もしたな。
――戦場で俳句を作ろうとしたそうですね。
 自分に余裕を持たせようとしたんだけれど、男色が広がってからはそんな時期じゃないと思ったね。44年にトラック島が大空襲に遭い、病院船で女性たちを内地に帰したんです。病院の看護婦さん、施設群の電話交換手、タイプライター。売春の女性たちも帰した。島にいるのはカナカ族の女性だけ。それで、忍び込むんですよ。だけど、カナカ族の男はヤシの木を切る大きなナタのようなものを持って歩いている。後ろから切り付けられ、日本人はかなり死にましてね。男だけの社会ですから、男が男と一緒になる。約1カ月半くらいで、私のいた部隊が男色の世界になったんですね。それを見た時、こう思いましたね。これはもう普通の人間じゃない、生の人間だと。
――安倍政権はそうした悲惨な戦争体験に耳を傾けずに暴走し、権力を監視すべきメディアは牙を抜かれたように見えます。総務大臣は公然と「電波停止」をチラつかせ、政権に批判的なキャスターがテレビから消え、新聞は自粛する。自由な言論人が少なくなりました。
 満州事変以降の15年戦争と比べても、国民のあらかたは危ういという認識を持っていないように見える。まだみんなボケてる。どこかのんびりしている。政府の連中は、あの時の治安維持法の使い方を知っている。それだけに、見えない部分で言論統制が進行しているんじゃないかという気がするね。
――40〜43年に起きた特高による「新興俳句弾圧事件」にも直面された。
 戦争を風刺した俳人が次々に治安維持法で捕まった。当時は東大に通っていた時分だったけれど、英雄ぶって率先して抵抗するなんてできっこない、と思いました。1年の時だったな、俳句をやっている学生の先輩の姿がしばらく見えなかった。それがある時、私を待っていたようにその先輩がやって来て、(東大本郷キャンパスの)三四郎池に引っ張った。それで手を突きだすんですよ。見ると、爪が全部はがされていた。「金子、これになるから注意しろ」って言う。拷問を受けていたんです。顔が青くてね、蹌踉としていた。「気を失ったよ」って。その後は自分の行動をチェックして、警戒するようになったのを覚えています。   
――金子さんの作品は常に時代をとらえていて、後になってからズシリと重みをもつことも多いですね。選者を務める東京新聞の「平和の俳句」は2年目を迎えました。
 戦後70年を過ぎて、新聞紙上で戦争法反対の句を選ぶ時代がくるとは思わなかった。(体制に対する)警戒は常に念頭にありますよ。この辺で警察が何とか言ってきやがったら、くらいの気持ちでやっている。どこまで(体制批判の)表現が許されるのか、新聞という制限の中で限界までやってみようと思っています。
▽かねこ・とうた 1919年、埼玉県生まれ。旧制水戸高在学中に句作を始め、加藤楸邨に師事。東京帝国大(現東大)卒業後、日本銀行に入行。43年、海軍経理学校に入学。44年、トラック島に派遣。戦後は社会性俳句の旗手として活躍、56年に第1句集「少年」で現代俳句協会賞を受賞。2000年から現代俳句協会名誉会長。
 
このまま「アベ政治」を許してのさばらせてしまえば、俳人・金子兜太が経験したような、悲惨な光景が日本を覆い尽くしてしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。 
posted by 定年オジサン at 12:51| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月30日

井の中の腐った蛙にする前に・・・

おそらくは600億円を遥かに超えたであろう国家予算を浪費したサミットが終了し、さっそく世論調査結果が発表された。
 
毎度のことなので、改めて指摘するまでもないが、発表された数字の元データは一切公表されないので、最終的には世論調査したメディアの胸三寸で決められた数字が出てくる。
 
内閣支持率55%に上昇 米大統領広島訪問98%評価 共同通信世論調査」を見ると、内閣支持率が4月29日、30日の調査に比べ7ポイント上昇している。
 
内閣支持の理由として「首相を信頼する」「指導力がある」「政策に期待できる」等々が前回より軒並みにポイントが下がっているにもかかわらず、「外交に期待できる」という理由が5ポイントも上昇している。
 
これは、オバマ大統領の「歴史的」な被爆地広島訪問というパフォーマンスを日米両国の外交筋の演出と、それを大々的に取り上げた日本のマスメディアの連携プレーの成果であったのであろう。
 
それは野党第一党の民進党の代表代行ですら、ツイッターで「評価」していたことからも伺える。
 
まあ、民進党は永遠に政権には近づけないだろうと、率直に感じてしまった。
 
平日の2日間、垂れ流されるサミット関連ニュースを見続けることができる1000人余りの国民の年齢層はおおよそ想像がつくので、このような世論調査結果がでても不思議ではないかもしれない。
 
サミットにおける安倍晋三首相の「消費税増税延期」の言い訳を我田引水的に世界中に広めたことによる国際世論に関しては「安倍首相のサミット発言『リーマンショック級の危機』に世界中から失笑! 仏『ル・モンド』は『安倍のお騒がせ発言』」と詳述されていた。
 
ところでの、以前「民主党政権末期の負の遺産なのか」の中でこうつぶやいた。   
 
「サミットの期間中、なるべくリスクを減らしたい」らしいのだが、福島第一原発と直接関係のない件で作業をストップさせるのは異例中の異例である。
正式な休止理由を、東電担当者は「テロ対策というより、作業トラブルなど何かあったときにすぐ対応できるようにするため」と説明していたが、別の担当者は「作業が少なければ不審者の侵入やトラブルなどの異変に気付きやすい」と説明しているが、どうやら本音は、汚染水漏えいなどで政府に恥をかかせるわけにはいかないという配慮が働いたことは、疑う余地がない。
 
ところが、政府に対する配慮なんかではなく、作業停止は政府の要請によって一方的に決まったという事実が明らかになった。
 
<サミット期間中の福島原発「廃炉作業休止」は安倍政権の原発安全アピールのための“トラブル隠し”だった!>
 2016.05.29 リテラ
 伊勢志摩サミットで自らの失策を隠蔽するために、“リーマンショック並みの危機”なるデマをふりまき、世界の失笑を買った安倍首相。だが、今回、もうひとつ唖然とするような大嘘をついていたことはあまり知られていない。
 それは、福島第一原発事故をめぐる大嘘だ。5月27日に公表された「G7 伊勢志摩首脳宣言」には、こんな文言が記されている。
我々は、福島第一原子力発電所における廃炉及び汚染水対策の着実な進展、並びに福島の状況に関する国際社会の正確な理解の形成に向けて、国際社会と緊密なコミュニケーションの下で オープンかつ透明性をもって日本の取組が進められていることを歓迎する
 いったいどの口でそんなことがいえるのか、と呆れるほかはない。福島第一原発事故の収拾は決して「着実に進展」などしていない。廃炉作業にしても、事故から5年以上経った現在でも溶けた核燃料「デブリ」がどこにあるのかさえ分からず、廃炉の具体的日程さえ決定していない。また、汚染水にしても、保管スペースの不足、多発する汚染水漏れ、海洋放出、凍土壁が凍らない問題など、まったく対応が追いつかず、相変わらず大洋に汚染水を垂れ流し続けている。実際、サミット直前の5月23日にも1〜4号機の作業用スペースで放射性物質を含む雨水が漏れていたことが発覚している。
 福島ではいまだ10万人ほどの人々が避難したままで、除染はいたちごっこ状態で進まず、農作物は放射線の基準値を超え、漁業停止も続き、十分な賠償もないことから集団訴訟も相次いでいる。また、福島県の子どもたち167人もが甲状腺がんを発症し(今年2月15日福島県有識者会議の発表)、その発症率は全国平均の20〜50倍という専門家の分析もあるほどだ。
 しかし、日本政府、安倍首相はこうした事実をネグり、「首脳宣言」で原発事故の処理は順調であるとウソのアピールをした。これはサミットに参加した7カ国の共同宣言の形式を取っているものの、外務省の根回しの結果だった。
 「伊勢志摩サミットの首脳宣言での福島第一原発への言及については、外務省がかなり早い段階から参加国政府に根回しをしていました。もちろん、これは官邸の強い意向によるものです。日本政府は当初、“事故は収束に向かっている”というもっと踏み込んだ表現を盛り込もうとしていたようですが、一部の国に反対され、最終的に“着実な進展”というかたちで落ち着いた」(外務省担当記者)
 しかも、政府はこのサミットのために、“福島原発トラブル隠し”ともいえるような姑息な行動に出ている。
 福島第一原発事故の廃炉作業を、サミット開催前日の5月25日から3日間にわたって中止させたのである。東京電力は、原子炉冷却や汚染水処理、パトロールなど以外の、すべての作業を中断した。
 東京電力はこの措置について、「安全上、念のための措置。政府に求められたわけではない」としたうえで、「作業が少なければ、福島第一の中で何か異常が発生した際に早期に検知できる」と説明した。しかし、その一方で、「テロ対策ではない」とも言っており、廃炉作業中止の理由説明はまったく要領をえない。
 この問題は、原発に批判的な視点で独自の取材活動を続けている芸人・おしどりマコ氏が東京電力の記者会見で厳しく追及していたが、そのときの東京電力側の対応も支離滅裂としか言いようのないものだった。以下にその一部を紹介しよう。
──伊勢志摩サミットの際に、作業を休止することについて先程、「世界の要人が来られるので、どこで何があったかすぐに把握するため」とご説明されましたが。
東京電力 そうですね、福島第一の中で何か異常が発生した際に早期に検知するため。定期的な作業を除いて中止することとしました。
──伊勢志摩サミットの関連では、5月26日、27日だけでなく、5月15日から17日にも、茨城県つくば市で科学技術大臣会合が、5月20日から21日は、宮城県仙台市で財務大臣中央銀行総裁会議が伊勢志摩サミット関連の大臣級会合が行われ、世界の要人が集まりますが、その日は停止しなくても良いというお考えでしょうか? 筑波と仙台の大臣級会合のほうが三重県より、確実に福島第一原子力発電所に近いのですが。
東京電力 えー、距離で決めているわけではなくて26、27日はたくさんの方がいちばん来られるときですから、そのときに何か異常が発生した場合、早期に検知するために定例的な作業を除いて休止するということです。
──確認ですが、距離ではなく何ですか?
東京電力 あの、距離で決めているわけではなく、いちばんたくさんの方が集まるようなタイミングですので、異常が出たときに早期に検知するためにですね、定例的なもの除いて休止をするということにしております。
──距離ではなく人数ということですか?
東京電力 伊勢志摩サミットの本番ですよね? 26日、27日というのは。そのときにそうするというように私どもが決めさせていただきました。
──距離ではなく人数でリスクをとって停止をするというのなら、現在、福島県内にたくさんの方々が住んでおられるのですが。人数によって、伊勢志摩サミットの間、リスクを考え作業停止というのなら。少しご説明に整合性がないように思うのですが?
東京電力 その前後のなんとか会合というのではなくて、サミットの期間中に何か異常が発生したときに早期に検知するために定例的なものを除いて休止するというように決めたということです。
──現在、福島第一原子力発電所の廃炉作業で、とても慎重に作業をされていると思うのですが、それならあえて、サミット期間中に停止をするという理由が分かりません。伊勢志摩サミットにはたくさんの数の人が来るというなら、現在日本に住んでいる国民の数というのは問題ではないということでしょうか? 日本国民の数以上に伊勢志摩サミットに人が集まるわけではないですよね? なぜ作業を停止するのか、という明確な理由のご説明ではないと思うのですが。先ほどテロ対策ではない。というふうにおっしゃっておられましたので。テロ対策というのならある程度分かるのですが。
東京電力 サミット期間中ということで、中止するということで申し上げております。
 ……この後も、東京電力側は「サミットだから休止する」と繰り返しただけで、まともな説明がまったくできなかった。
 しかし、それも当然だろう。この休止は政府の要請によって一方的に決まったものだったからだ。そして、その目的は、「順調」どころか、トラブルと混乱続きの福島第一原発の現状を隠すためだったからだ。
 「東電には経済産業省を通じて、作業中止の要請があったようです。また、官邸は裏でマスコミに作業中止はテロ対策だというブリーフィングをしていて、一部のメディアはそう書いている。でも、それならパトロール強化をするべきで、作業中止ではリスクはたいして減らない。福島の廃炉作業中止の目的はテロ対策なんかではありません。世界のメディアが注視しているサミット期間中に「汚染水漏れ」や「配管の亀裂」など、新たなトラブルが発覚したら、『やっぱりフクシマはまだ危険な状況にある』という現実が世界に知れ渡り、サミットの首脳声明がくつがえりかねない。だから、トラブルの種になるような動きは一切するな、と命じたということです」(経産省担当記者)
 まさに、世界中を騙す詐欺的なやり口だが、安倍首相はなぜ、こんなことまでして、「事故対策の順調な進展」をサミットで宣言することにこだわったのか。
 その理由はもちろん、安倍首相が推し進める原発の再稼動と原発輸出に、はずみをつけることだ。
 実際、安倍首相はこの伊勢志摩サミットに先駆けて4月1日(現地時間)にワシントンで開かれた「核安全保障サミット」でこう演説している。
「日本は二度とあのような事故を起こさないとの決意の下、原子力の平和的利用を再びリードすべく歩み始めた」
 あれだけの事故を起こしながら“再びリード”とは恐れ入るが、ここにきて、安倍首相は原発政策についても、完全に本音をむき出しにし始めたということだろう。
 原発再稼動と輸出は安倍首相にとって、就任以来の大きな政策的柱だった。それは自らがどっぷりと癒着している原発ムラの利権構造を維持、発展させるためだけでなく、原発と原理、工程、技術において大差のない核兵器製造技術を維持するためにも、核エネルギーを保持することが最終目的にあるからだと言われている。
 安倍首相にとっては、その野望を達成するためなら、日本国民の命など取るに足らないということなのだろう。しかも、東京五輪招致の際、「原発はアンダーコントロールされている」と胸を張ったのと全く同じで、この男は目的のためなら平気で嘘をつき、国民と国際社会を騙すこともまったくいとわない。
 事実、サミットはまさにその詐欺的宣伝の格好の舞台になってしまった。おそらくこのままいくと、近い将来、安倍首相は原発再稼動だけでなく、新たな原発建設計画も言い始めるだろう。
 
サミット期間中の作業停止は政府の要請によって一方的に決まったものであるが、それを言うと官邸から叱られるので、「そのときにそうするというように私どもが決めさせていただきました」と真っ赤な嘘を平気でつかなければならない東電側は惨めである。 
 
「福島県内にたくさんの方々が住んでおられるのですが。人数によって、伊勢志摩サミットの間、リスクを考え作業停止というのなら。少しご説明に整合性がない」との質問は相手の嘘を見抜いたうえでの追及だったのであろう。
 
口を開けば「国民の生命と財産を守る」とおうむ返しの如く、息を吐くように嘘をつく安倍晋三首相なので、己の野望を達成するためには「日本国民の命など取るに足らない」ということなのだろう。 
 
国内メディアは残念がら安倍晋三首相に「完全にコントロール」されているので、ヨイショ記事しかかけないのだが、海外メディアにはまだジャーナリスト精神が健在である。 
 
<NYタイムズが「安倍は広島の平和の教訓に反している」、ガーディアンは「安倍がオバマ訪問を右翼的に利用」と本質喝破>
 2016.05.29 リテラ
 オバマ大統領の広島訪問で、米大統領による初の被爆地訪問を達成させたと、安倍首相は鼻高々のようだ。そして、メディアや世論にも「安倍首相はよくやった」という空気が広がっている。
 だが、欧米のメディアはまったくちがう反応を見せている。といっても、ナショナリスティックな立場からオバマの訪問そのものを否定しているわけではない。彼らが問題にしているのは、そうではなく、日本のリーダーのほう。安倍首相がこのオバマ訪問とまったく逆の本質をもっていると指摘しているのだ。
 たとえば米紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)は5月26日付で、「日本のリーダーは広島の平和の教訓をほとんど活かすつもりがない」(Japan’s Leader Has Little Use for Hiroshima’s Lessons of Pacifism)という見出しで報じた。
 記事では、戦後日本が憲法9条と日米同盟のもとで平和主義をとってきたと述べ、独自の軍隊をもち国際的により大きな役割を担う「普通の国」に変えようという安倍首相の路線は、原爆ドームに象徴されるメッセージ、すなわち、広島の慰霊碑の石碑に刻まれた「過ちは繰返しませぬから」の言葉に反している、と伝えられている。
 また、安倍首相が強行した安保法制や、武器輸出の推進に触れて、こうした日本の変化はオバマ政権からは歓迎されたが、同時に、安倍首相の動静はいまだ日本による占領や植民地支配の記憶が生々しく残るアジア諸国、とりわけ中国に不安をもたらしてきた、と記す。
 つまり、ニューヨーク・タイムズは、オバマの広島訪問をコーディネートしたと自慢げになっている安倍首相の政治的方針は、実のところ平和憲法の根幹である9条を形骸化し、また明らかな軍事的増長を見せていることに懸念を示しているのだ。そして、そのなかで最も強い安倍批判と言えるのが、記事の最後を、市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表である森瀧春子氏によるコメントで締めていることだ。森瀧春子氏の父親の故・市郎氏は広島で被爆し右目を失明、戦後、核廃絶と平和活動に従事してきた。
 春子氏は、オバマ大統領の広島訪問を受け入れつつも、原爆投下は誤りだったと言ってほしいとニューヨーク・タイムズに語る。そして、最も残念なのは、オバマの訪広で安倍首相までもが脚光を浴びて、広島の物語る歴史の教訓が蝕まれてしまうことだと言う。
「私はオバマ大統領には会いたい。けれども、その隣に安倍首相が立つ姿を見たくはない。広島の記憶を、利用してほしくはないのです」
 日本を文字通りの“戦争のできる国”に変えようと躍起になっている安倍首相が、ヒロシマを政治利用している。ニューヨーク・タイムズの記事は、そのことを強く印象付けるものだ。
 このように安倍政権の本質を伝える海外メディアは、ニューヨーク・タイムズだけではない。英紙「ガーディアン」もまた手厳しい。
 5月27日付電子版では、ロンドン大学SOAS・ジャパンリサーチセンターのシニアフェローであるマーティン・スミス氏が英報道局「Sky News」に語ったコメントを引用し、「オバマが謝罪しなかったことは、安倍政権の右翼志向を推し進めるのに利用されるでしょう。そして、むしろ東アジアでの日本の軍事的役割を強化し、1930年代から40年代に起こったことを忘却したい、いや、否定したいと思っている支配者層を後押しことになるのでないか」と指摘している。
 また、前大阪市長の橋下徹氏が、今月12日にこうツイートしたことも批判的に紹介している。
〈今回のオバマ大統領の広島訪問の最大の効果は、今後日本が中国・韓国に対して謝罪をしなくてもよくなること。過去の戦争について謝罪は不要。これをアメリカが示す。朝日や毎日その一派の自称インテリはもう終わり。安倍首相の大勝利だね〉
 オバマ大統領は原爆投下という自国の行為に謝罪をしておらず、そこは厳しく批判されるべきだが、一方で、被爆地を訪れ、被爆者の目をまっすぐ見て、その言葉に真剣に耳を澄まし、抱擁した。
 本当なら、安倍首相もこの姿勢にならい、ナヌムの家や、南京大虐殺記念館を訪ね、戦争根絶のために過去の教訓を学ぶと宣言すべきだろう。
 ところが、平和憲法を破壊しようと企む安倍政権と、改憲勢力として足並みをそろえる橋下氏のおおさか維新の会はそれを、グロテスクな歴史修正主義、戦争国家づくりに利用しようとしている。
 そして、欧米メディアはこれを見抜いて、率直に報じているのだ。これは「安倍首相はよくやった」との声で溢れかえっている日本国内とは対照的だ。
 この国は被爆国であると同時に、侵略国家だ。だからこそ、世界に向け、声を大にして戦争反対を発信し続けなければならない。戦前・戦中日本の無謬性を主張し続け、戦後日本の非戦の誓いを骨抜きにし、憲法や非核三原則をひっくり返そうとしている安倍政権に騙されてはならない。
 
安倍晋三首相が消費税増税を思惑通り2年半も再延期したことを受けて、自民党内では、あえて「増税再延期、きしむ政権 麻生氏、首相に翻意迫る」という、阿呆太郎ならぬ麻生太郎という財務省の回し者が茶番を演じていた。
 
政府広報紙のみならず一般紙も「2年半の増税延期」を既成事実の如く報道しているが、現在の消費税率8%は変わらないのであるのならば、2019年10月までに国民の生活が飛躍的に向上するとは、今の安倍政権ではとても考えられない。
 
度々言っているが、裸の王様ならぬ「裸のバカ殿」を井の中の蛙にしてしまった国内メディアの責任は重く、それが腐る前に井の中から取り出し、干からびさせて成仏させなければならない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月29日

沖縄の独立よりも、日本の宗主国からの独立が先

安倍晋三首相が全世界に己の低能児ぶりを曝け出した伊勢志摩サミットの開幕前に明らかになったのが、沖縄県民蔑視の象徴であろう、英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した在沖縄米海兵隊の研修資料。

赤旗」によれば、こんな内容だった。
 
在沖縄海兵隊の研修資料・スライド「沖縄文化認識トレーニング」から
 ●…沖縄の政治問題の大部分は米軍駐留に関係している。はっきりいえば、沖縄の政界は米軍基地問題を、多く地方レベル・国政レベルの問題に関するテコとして利用している
 ●…メディアや現地の政界は、負担を強調しつづけて今後の一定の課題のために、政治的な恩恵を引き出すために、半分の真実や未確認の主張を熱心に報道したがることがわかるだろう。
 ●…沖縄の政治問題の大半は米軍基地の存在に関係したものであり、もっとはっきり言えば、沖縄の政治は基地問題を、地方および国の多くのレベルの問題について、テコとして使っている。
 ●…反軍事の目標をもつメディアによって増幅された特定のできごとが、世論のバランスを大きく変えうる。
 ●…(沖縄主要2紙は)内向きで狭隘(きょうあい)な視点、反軍事のプロパガンダを推進している。
 ●…われわれの観点からすれば、(県民の)議論は、論理的というより感情的。二重基準。多分に「責任転嫁」現象を伴って、責任やイニシアチブを取ろうとしない
 ●…伝統的に、地主の多数は、米軍基地の土地の早期返還を望んでいない。高い地代、地主の高齢化、土地を経済的に利用することの能力欠如によるものだ。
 
それにしても、随分好き勝手なことを根拠もなしに断定的に新入りの沖縄海兵隊員に植え付ける神経が理解できない。

上記の内容の報道について、在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は28日に「報道『公平でない』 米四軍調整官、沖縄蔑視表現の教育研修資料で」と反論し、居直っていた。
 
これが米国が沖縄を、そして日本を見下しているという明らかな実態である。
 
今朝の「サンデーモーニング」(TBS)に出演した、「シノドス」編集長で若手評論家の荻上キチが、広島でのオバマ大統領の17分間に及ぶ演説に対して的確な批判をしていた。
 
「演説前に見学した原爆資料館や、被爆者と会話した感想などに全く触れられていない、あらかじめ用意された演説であり、心がこもった演説とは言い難いものだった」

ネット上でもこんな声があった。当日の演説の中継などは見ていなかったので、改めて見たが、さすがは大統領専属(?)のスピーチラーターが書いただけあって、きめ細かい配慮がされた文が至る所にあり、同時通訳で聴いている広島の被爆者らは、それなりの反応を示していた。
 
安倍晋三首相だけが、演説するオバマ大統領の脇であたかも「つんぼ桟敷」に座らされているかのような、浮かない表情をしていたのが対照的であった。

20160528abe_abama.jpg
 
おそらく「赤旗」以外の在京マスメディアは日米安保には決して反対しない姿勢であるので、日本の宗主国の大統領の演説についても批判的な論評はできない。
 
少なくとも、「アメリカによる広島・長崎への原爆投下は、ナチスのユダヤ人大量虐殺や日本の南京大虐殺、それにスターリンの大粛清や毛沢東の文化大革命の名を借りた自国民大量虐殺に匹敵する、20世紀屈指の極悪な犯罪(大量殺人)行為であると私は考えているが、戦後71年経ってようやく戦争犯罪を犯した国の大統領が被爆地を訪れただけが辛うじての一歩前進というお寒さだった」(kojitakenの日記)といった程度の批判的精神は持ってほしかった。
 
それに比べれば、大阪市住吉区生まれながら、ソウルと広島市で育ち旧制広島高等学校出身の元広島市長の怒りは至極真っ当であろう。
  
<米大統領広島訪問>平岡・元広島市長「何をしに来たのか」
 05月27日 22:34 毎日新聞
 ◇元広島市長の平岡敬氏(88)に聞く
 オバマ大統領は再び「核兵器のない世界」に言及したが、手放しで喜んではいけない。米国が「原爆投下は正しかった」という姿勢を崩していないからだ。原爆投下を正当化する限り、「核兵器をまた使ってもいい」となりかねない。私たちは広島の原爆慰霊碑の前で「過ちは繰り返しませぬ」と誓ってきた。原爆を使った過ちを認めないのなら、何をしに広島に来たのかと言いたい。
 日米両政府が言う「未来志向」は、過去に目をつぶるという意味に感じる。これを認めてしまうと、広島が米国を許したことになってしまう。広島は日本政府の方針とは違い、「原爆投下の責任を問う」という立場を堅持してきた。今、世界の潮流は「核兵器は非人道的で残虐な大量破壊兵器」という認識だ。それはヒロシマ・ナガサキの経験から来ている。覆すようなことはしてはいけない。
 「謝罪を求めない」というのも、無残に殺された死者に失礼だ。本当に悔しくつらい思いで死んでいった者を冒とくする言葉を使うべきではない。広島市長と広島県知事も謝罪不要と表明したのは、残念でならない。米国に「二度と使わない」と誓わせ、核兵器廃絶が実現して初めて、死者は安らかに眠れる。
 オバマ大統領は2009年にプラハで演説した後、核関連予算を増額した。核兵器の近代化、つまり新しい兵器の開発に予算をつぎ込んでいる。CTBT(核実験全面禁止条約)の批准もせず、言葉だけに終わった印象がある。だからこそ、今回の発言の後、どのような行動をするか見極めないといけない。
 広島は大統領の花道を飾る「貸座敷」ではない。核兵器廃絶を誓う場所だ。大統領のレガシー(遺産)作りや中国を意識した日米同盟強化を誇示するパフォーマンスの場に利用されたらかなわない。【聞き手・寺岡俊】
 
原爆投下に対するオバマ大統領の率直な気持ちが現れている2年前の画像がある。
【2014,6,13ノルマンディー上陸作戦記念式典】
 
上記の映像の中で、オバマ大統領はガムを噛みながらみんなと一緒に拍手していたが、その中でたったひとり、拍手をせずに静かに十字を切ったプーチン大統領プーチンは拍手せず、静かに十字を切った。
 
とっさの瞬間に人間性って出るものらしい。
 
それでは日本人はどのくらいバラク・オバマという人物を理解しているのだろうか。
 
カウンターパンチというサイトに以下のような論文が載っていた。
 
「Thank You Barack Obama for Showing Us That Peace is War」
by George Katsiaficas(CounterPunch、May 11, 2016)
http://www.counterpunch.org/2016/05/11/thank-you-barack-obama-for-showing-us-that-peace-is-war/ 
 
この論文の著者ジョージ・カシアフィカスは、「平和は戦争であることを教えてくれてありがとう、オバマ」という皮肉たっぷりの題名をつけて、オバマ大統領の経歴を次のように見事な簡潔さでまとめている。
 
彼は世界の多くの場所で称賛されている。特にアフリカ諸国民の間では神のごとく崇拝されるまでになっている。
 ところが、イラクでの戦争を拡大しアフガニスタンでの戦争を引き延ばした事実にもかかわらず、彼は大統領就任初年にノーベル平和賞を受賞した。
 彼はウクライナでクーデターを起こしてネオナチ政権を支援し(2014)、東欧諸国のロシア国境近辺にNATO軍と攻撃的兵器を配備して緊張を高めた。
 またリビア政府を転覆して破綻国家を生み出すのに手を貸しただけでなく(2011)、シリアに全面戦争と大量難民をもたらし(2011~)、少なくとも25万人の国民が死亡した。
 さらに、ケニヤとエチオピアに金をやってソマリアを攻撃させ(2011)、サウジアラビアに爆弾を供給してイエメン国民を爆撃させた(2015~)。こうして、ここからも大量の難民と死者をうみだした。
 彼は、多くの中南米の困窮した人々に惜しみない支援を提供した国ベネズエラの転覆を画策した(2002、2015)。そのうえ、ホンジュラスでの右翼クーデターを指揮・監督し(2009)、ブラジルでは新自由主義政策をおしすすめる政治家連中にルセフ大統領を追放するようけしかけた(2016)。
 さらに、米軍の“基軸”をアジア重点とする政策転換により、第二次世界大戦中におこなった行為(特に10万人以上の女性を拉致し日本軍の慰安婦にしたこと)を決して謝罪しようとしない日本の、軍事的重要性をよみがえらせた
 彼は、この「中国封じ込め政策」を推進するため韓国に日本政府と妥協するよう圧力をかけ、それと同時に中国近海を航空母艦で航海しながら挑発的な上空飛行をくりかえして中国を恫喝している。
 
2013/06/11 には、こんな動画も公開されていた。
【バラク・オバマ ノ−ベル平和賞受賞の裏】

 
そして2年前には、ナント「ノーベル委員会、オバマ氏に平和賞返上を要請」という記事が出ていたのだが、日本メディアは一切報道していない。
 
サミット開幕前日に、日米首脳会談で安倍晋三首相は、沖縄での元海兵隊の米軍属の男が犯した「強姦殺人事件」に対して「断固抗議した」と会見で言っていたが、これは国内向けであり、本来ならば抗議された相手はその内容を認めて謝罪することが本来の姿なのだが、過去にも現在に至るまで決して「謝罪」しないのが日本の宗主国の実態である。
 
根は深く、安倍晋三の退陣くらいでは日本の米国に対する立ち位置は全く変わらないであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:08| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月28日

予想通りのサミット利用の消費税増税延期演出

現在の世界は一部の「先進国」とよばれる国だけでコントロールできるほど単純ではない、ということを毎年のサミットで見せつけられている。
 
むしろ「先進国」の中には「潜深刻」と言われるほど、深刻な問題が潜んでいる国もある。
 
それでも、「新興国」と言い換えられている後進国に比べれば経済的には比較にならないほどの富裕国らしく、毎年のサミットには、僅か2日間の各国の首脳たちの「おしゃべり」と「食事」と「観光」のために莫大な国家予算が使われている。
  
今年のサミットの最終的な経費は発表されてはいないが、半年前に明らかになった費用は総額約600億位円だった。 
 
<サミット警備費340億円 テロ対策、実質増>
 2015年11月24日 中日新聞
20160525simmithiyou.jpg 来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)開催に要する予算総額が約600百億円に上り、うち警備関連費が約340億円になる見通しとなったことが分かった。政府関係者が23日、明らかにした。政府は前回2008年の北海道洞爺湖サミットと比べ、総額、警備費のいずれも実質的には増額に相当すると位置付けている。パリ同時多発テロを踏まえ、情報収集強化や警備態勢の充実に万全を期す考えだ。
 北海道洞爺湖サミットの総額は約606億円で、警備費は約331一億円。伊勢志摩サミットもほぼ同水準だが、政府筋によると、国際会議開催に関しては、既存の資機材やノウハウを活用できるため前回より減額されるのが通例で、総額、警備費の水準維持は実質的な増額に当たるという。
 約600億円のうち、約240億円は警察庁などが14、15年度予算で既に確保している。安倍晋三首相が今月中に編成を指示する15年度補正予算案と16年度当初予算案で計約360億円を上積みする方向だ。
 警備面では、メーン会場となる三重県志摩市の賢島のホテルが海に囲まれていることから、海上保安庁が海上からの警戒強化のため多数のゴムボートを調達。ホテルの窓の外側には防弾ガラスの「壁」を設置する。
 参加国首脳が空路で移動できるよう賢島近くに仮設ヘリポートを整備する。首脳の伊勢神宮参拝を想定し、防弾仕様の車両を数十台導入する。
 観光への波及効果を狙い、和食や日本文化の売り込みにも力を入れる。海外メディアが拠点を置く同県伊勢市の国際メディアセンターでは、地元食材を使った和食を提供するほか、日本の観光地を紹介するブースも設ける方向で検討する。
 
特に今年は、テロ攻撃にあった国の首脳も含まれており、サミット開幕前からの警備体制は国内主要都市周辺の地域にまで及んでいた。
 
ちなみに、下の写真は30年前の「東京サミット」の頃の警備風景である。
  
20160528summitgalary01.jpg
【1986年先進国首脳会議】東京サミット開幕で都内は厳戒。地下鉄丸ノ内線四ッ谷駅では物々しい警戒に驚く乗客たち <毎日新聞より>
 

簡潔にまとめるとサミットの成果とはこの程度であるらしい。
 
20160528summitresult.jpg
【東京新聞より】
  
 
日本に原爆を投下した米国の現職のオバマ大統領の広島訪問に対して、華々しく「歴史的」という言葉が多くのメディアで使われていたが、日米両国民がそれぞれの思惑から注目していた「広島演説」は、「核軍縮、進まぬ現実 オバマ広島演説、具体策欠く」という評価であった。
 
しかし「見事だったオバマの広島訪問」というタイトルのブログがあって、どんな「ヨイショ内容」かと期待したら、意外にも皮肉の羅列であった。
 
◆オバマの広島演説
「よくもここまで謝罪を避け、核廃絶は皆の責任であることにすり替えて、米国の原爆投下責任を回避したものだ。」  
◆安倍首相のオバマ歓迎の言葉
「よくもここまで、安倍首相は、自分のやってることと言ってる事の違いを、平気で口に出来たものだ。」
◆日本国民のオバマ歓迎
「よくもここまであの時と同じ事を再現できたものだ。マッカーサー司令官が日本を離れる時に、何十万人もの日本国民が沿 道に並んでありがとうと感謝して別離を惜しんだ、あの時と同じだ。」
◆日本政府の今回のオバマ優遇
「よくもここまで、その他のG7の首脳との差別化が出来たものだ。」
◆オバマ広島訪問を伝えるテレビ報道の徹底ぶり
「よくもここまで、オバマ歓迎の画像を流し、オバマ広島訪問劇場を演 出したものだ。」  
 
もっとも極めつけは、周囲から「よせばいいのに」と言われながらも、オバマ演説の後に、「昨年、戦後70年の節目にあたり、私は米国を訪問し、米国の上下両院の合同会議において、日本の内閣総理大臣としてスピーチを行いました。・・・」と手前味噌みたいな自慢話を始めた安倍晋三の無知蒙昧ぶりが世界中に流されたことであり、被爆者たちも心穏やかではなかったかもしれない。
 
20160528abe_abama.jpg
【自分の出番が気にかかるのか】

 
20160528abe_abama2.jpg
【演説後オバマに慰められる?安倍晋三】

  
以前から、消費税増税の延期の条件を自ら設定し、その条件をG7参加の首脳たちに同意を求めるため、5月の連休には意味のない根回し外遊まで夫婦で行った安倍晋三首相。
 
参加者の失笑を買いながらも、必死に「首相『リーマン』7回言及 G7議長会見、増税再延期の口実に?」と頑張っていた。
 
20160528abenonerai.jpg 
 
残念ながら国内の専門家からは冷ややかな声がでていた。
 
<「リーマン前」に異論 新興国の指標に唐突感>
 2016年5月28日05時00 朝日新聞DIGITAL
20160528worldcrisis.jpg
 
 閉幕した伊勢志摩サミットで、安倍晋三首相は世界経済について「リーマン・ショック前の状況に似ている」と強調した。ただ、各国・地域の状況は、新興国は減速しているが景気が堅調な米国は利上げを検討するなど、まだら模様だ。「危機前」とする安倍首相の認識には専門家からも異論が出ている。▼1面参照
 26日午後、世界経済に関する首脳会議で、安倍首相は参考データとして、グラフを交えたA4の紙4枚の資料を配布した。原油など資源価格の推移、新興国の経済指標などを示し、各所に「リーマンショック」という言葉が入り、2008年9月のリーマン・ショック前と、現在がいかに似ているかを強調している。
 目立つのが新興国関連だ。産出が多い原油や穀物など一次産品の価格は、ショック前の08年7月から09年2月にかけて55%下落。そして、14年6月から16年1月にかけても55%下がったとする。
 他でも、新興国の投資の伸び率は15年は2.5%で、ショック後の09年の3.8%より低い、とした。新興国の輸入伸び率は、15年が0.5%で、ショック後の09年のマイナス8.5%より高いが、それでも「ショック以降最も低い水準」と明記された。先進国も、国際通貨基金(IMF)の2016年成長率予測は米英独仏で下方修正され、「リーマンショック時もプラス成長が予測されたが実際はマイナス成長に陥った」とする。
 ただ、23日に政府が公表した月例経済報告も同様のデータから景気判断を示している。海外経済について「世界の景気は弱さが見られるものの、全体としては緩やかに回復している」とし、「リーマン・ショック」という言葉はない。
 経済政策を担当する石原伸晃経済再生相も、4月の国会審議で「リーマン・ショック級の危機が訪れようとしていると思うか」と問われ「その当時と今が同じような状況だという認識はない」と答弁している。こうしたなか、サミットで示された安倍首相の「危機感」は唐突にも見える。
 ■原油価格、底打ちの兆し
 リーマン・ショックは米国の不動産バブル崩壊をきっかけに世界中の株価が暴落。日本でも株価が6千円台まで下がったり、倒産も急増したりし成長率が戦後最悪のマイナスとなった。そんな経済危機の前に現在は「似ている」のか。
 SMBC日興証券の丸山義正氏は「リーマン・ショック並みの危機が迫っていると言われるのは違和感を覚える」という。資源価格低迷で、新興国の景気が悪化し、世界経済に悪影響を及ぼすかどうかは注意が必要としつつ、リーマンとは状況が違うという。
 丸山氏は「当時は需要が消失し価格が下落したが、今はシェールガスなどの供給過剰が主な原因だ。(同じ下落でも)原因が違うものを比較しているのでは」と指摘する。実際、米原油先物価格は26日、約7カ月半ぶりに1バレル=50ドル台に上昇し、底打ちの兆しが出ている。
 現在の新興国景気の低迷と、リーマン・ショックによる世界的な景気悪化は構造が異なるとの指摘もある。大和総研の熊谷亮丸(みつまる)氏は「リーマン・ショックでは世界経済自体がつるべ落としで一気に悪くなった。今は米国が金利を上げようとしており、そのために新興国にお金が入らなくなっている側面がある」という。
 米国の利上げは、国内の堅調な景気が背景にある。利上げで新興国から投資資金が引き揚げられている面はあるが、世界経済全体が急減速しているとはいえない、というわけだ。熊谷氏は「リーマン時と今起きている現象は一見、似ているように見えるがだいぶ違う」と話す。(中村靖三郎、津阪直樹)
 
下の画像を見てほしい。
 
20160528g7economics.jpg  
 
G7の議長国の日本の実質GDP成長率は最下位で、政府債務額は最大という、こんな自国の経済状況も把握しないで、「リーマン・ショック並みの危機が迫っている」と声高に叫ぶ様は、他国からはどのように見られているのか。 
 
<安倍首相のサミット発言「リーマンショック級の危機」に世界中から失笑! 仏「ル・モンド」は「安倍のお騒がせ発言」と>
 2016.05.27 リテラ
 日本の安倍晋三首相の“デマ発言”が世界の失笑を買っている。たとえば、フランスの高級紙「ル・モンド」は、26日夕方、こんな見出しの記事を掲載した。
安倍晋三の無根拠なお騒がせ発言がG7を仰天させた
 これはもちろん、伊勢志摩サミットの世界経済に関する討議での発言を指してのものだ。安倍首相は、この会議でいきなりこう切り出した。
「みなさん、世界経済はいま、不透明感が増大し、さまざまな下振れリスクを抱えています。このリスクから目をそらしてはいけません」
 そして、「リーマンショック直前の洞爺湖サミットでは危機を防ぐことができなかった。私は、その轍を踏みたくない」と言って、各国首脳に4枚のペーパーを配った。そこには商品価格や新興国経済に関する指標が示されていて、各ページごとにいちいち「リーマンショック」という文字が書かれていた。安倍はこのペーパーをもとに、世界経済の現状は「リーマンショック前の状況とそっくりだ」と言い、各国が揃っての一斉財政出動を促したのだ。
 エネルギーや食品など世界の商品価格がリーマン危機の直前と同じく「55%下落」している。新興国・途上国の経済指標の伸び率、資金流入、成長率予測の推移もリーマン危機の前後と似ている。安倍は、これをもって「政策対応を誤ると通常の景気循環を超えて危機に陥るリスクがある」と警告したのである。
 たしかに新興国は厳しい状況にあり、世界経済の先行きに「下振れリスク」があるのは事実だ。日本も場合によっては、財政出動も必要かもしれない。しかし、都合のいい指標だけをかき集めて、世界経済全体が「リーマンショック級の緊急事態」というのは、明らかに事実ではない。安倍はそんなデマの扇動をサミットという舞台でやってしまったのだ。
 いったいなぜか。それは、参院選を前に、いよいよ明らかになってきたアベノミクスの失敗を隠すためだ。日本経済が円高・株安で息切れしているのは、明らかにアベノミクスという政策の失敗であり、世界経済が“不透明”だからではない。しかし、それを認めたくないために、世界経済のせいだとアピールしているのだ。
 さらにもうひとつ、消費税増税延期の大義名分にするという目的もある。安倍首相が消費増税延期を決断したのは、参院選で改憲に必要な3分の2を確保するためだ。つまり、改憲という政治的野望のために消費税増税をあきらめた。しかし、そうは言えない。何しろ、安倍は先の増税見送り以降、ずっと「リーマンショック級の経済危機が起きない限りもう消費税延期はない」と言い続けてきた。だから、サミットを利用して、無理やり「リーマンショック級の事態が起きている」ということを喧伝しようとしたのだ。
 だからこそ、海外メディアはあきれ返り、名指しで安倍発言に冷水を浴びせかけたのだろう。
 いや、メディアだけではない。実はマスコミはあまり報じていないが、各国首脳はそのトンチンカンな主張に困惑を隠さなかったという。それでも、フランスのオランド大統領をはじめ複数の首脳は大人の対応で表立った批判は控えたが、ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相は「世界経済は安定成長への兆しをみせている」と安倍発言をバッサリ切り捨てた。
 また、安倍が事前に各国を回って根回ししていたにもかかわらず、キャメロン首相は「財政出動は各国の事情に応じてやればいい」と従来からの姿勢を一歩たりとも譲らず、オバマ米大統領も、「各国がそれぞれの必要性と余力に基づき成長を加速することに注力する」と、各国の独自判断を強調した。
 27日付の日本経済新聞によれば、そもそも安倍が配ったペーパーについては自民党執行部内からも「世界からどんな反応が出るか心配だ」との声が漏れていたという。その心配は的中したというわけだ。
・・・中略・・・
 ところが、こんなデマ首相をメディアは擁護し、世論も支持しているのだ。息をするように嘘をつく首相を長くのさばらせた結果、もしかしたら、日本という国全体が国際的信用なんて一顧だにしない“恥知らずな国”になりつつあるということなのか。
 
サミット参加各国の事務方が集まってまとめた「伊勢志摩サミット宣言」が外務省のHPに掲載されているが、その仮訳の最後には、「我々は,イタリア議長の下、2017年に会合することを楽しみにしている。」と記されていたが、来年のイタリアのシチリアサミットには安倍晋三の姿がないのではないだろうか、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 12:34| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月27日

長崎に対する謝罪は?

米大統領広島へ 長崎被爆者も参加検討 平和公園献花で」によると、政府から日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に被爆者の招待があり、広島と長崎で調整を進めており、長崎からは長崎市長らも参加する予定だという。
 
サミット終了後、オバマ米大統領は広島に移動して「最大核保有国のリーダーによる世界の核廃絶」というパフォーマンスが繰り広げられるらしい。
 
米国内の強い世論に配慮して、日本側は「謝罪は求めない」事を条件に広島訪問を要請していた。
 
しかし被爆された地域は広島だけではなく、広島原爆投下の3日後には長崎にも投下されたのだが、当初の目的地は小倉であった。
 
しかし当日の小倉の上空は雲が厚く、目視することができないので長崎に変更になったという話は有名である。
 
敗戦の1945年の前半には、基本的に無防備の60以上の日本都市を焦土と化す為に、ナパーム弾を用いていた焼夷弾攻撃作戦が繰り広げられ、その作戦では3月10日の東京大空襲が最大の犠牲者を出していた。
 
焼夷弾攻撃から守られる都市のリストには、広島、新潟、小倉、京都と長崎が含まれていたという。
 
この比較的無傷な5都市には、焼夷弾爆撃攻撃は許されなかったのは、これらの都市は、マンハッタン計画が始まって以来、アメリカ中の研究所や、製造工場で、研究され、開発されている“新機軸”兵器の潜在的標的として、保護されるべきものだったのである。
 
焼夷弾攻撃から免れていたそれらの5都市の中で、それから5か月先の大参事の標的になるとは全ての日本人の想像の域を超えていた。 
 
Dr. Gary G. KohlsはGlobal Researchに昨年、長崎原爆投下に隠された歴史的な真実を投稿していた。
 
長崎原爆投下70周年 : 教会と国家にとって歓迎されざる真実
 2015年8月4日 Global Research
20160527Atomic_cloud_over_Nagasak.jpg
 70年前、(19458月9日) 全員キリスト教徒の爆撃機乗組員が、“ファットマン”、プルトニウム原爆を、日本の長崎に投下し、何万人もの無辜の一般市民を瞬時に殲滅させたが、彼等の中でも不釣り合いなほど多数が日本人キリスト教徒だった。この爆発は、更に、キリスト教徒以外の無数の犠牲者達に、爆発や、とてつもない熱や、放射能によって致命傷を負わせた。
1945年、アメリカは、世界でも最もキリスト教徒の国(つまり、目には目をという報復の支持者で、他国を軍事的、経済的に搾取するアメリカを教会が支持し、山上の垂訓として教えられているイエスの倫理を、心から、教えたり、忠実に守ったりしそこねている国を、キリスト教と呼べるとすればだが)だった。
皮肉なことに、午前11:02に、浦上天主堂上空で原爆が爆発するまで、長崎は、日本最大のキリスト教都市だった。浦上天主堂は、東アジア最大のキリスト教大聖堂だった。
洗礼と堅信礼を受けた、このキリスト教徒航空兵達は、致命的な突然のトラブルがいくつもあったにもかかわらず、戦時の命令に一字一句従い、業務を能率的に行い、軍人としての誇りをもって、任務を完遂した。1945年の大半のアメリカ人なら、もしボックスカー乗組員の立場になっていたら、まさに同じことをしていただろう。そして、もし、我々が、地上で、原爆が引き起こした人々の苦難を実際に目にせず、聞かず、臭いを嗅がなければ、そして後に、英雄として処遇されるのであれば、遡及的に、一般に、戦争犯罪と見なされるようになったものに参加したことに、精神的苦痛もほとんどなかったろう。
実際、戦争の歴史において、あの極悪非道の大量破壊兵器使用は、後にニュールンベルク裁判で、国際的な戦争犯罪、人類に対する犯罪として定義された。
もちろん、任務当時、乗組員がそれを知る方法など皆無だった。原爆が実際に爆発した後で、自分達が関与したことに若干の疑念を感じたことを認めている乗組員もいる。しかし、彼等の誰一人として、犠牲者達の恐るべき苦難を、実際、間近で直接見てはいない。“命令は命令”で、戦時には、不服従というものは、厳しく罪を問われ、即決処刑される可能性があり、乗組員は命令に従ったのだ。
日本を降伏しにくくさせる
それは、原爆が広島を滅ぼした8月6日から、わずか3日後のことだった。長崎での原爆投下は、ファシスト軍事司令部が、いかに名誉ある降伏をするか議論すべく、天皇との会議を始めたばかりで、 すでに何ヶ月も前から、戦争に負けたことを理解していて、それゆえ戦争を終わらせる方法を模索していた東京における混沌、混乱のさなかに行われた。両国の軍と民間人指導部は、もう何カ月も、日本が戦争に負けたことを知っていた。
降伏に対する唯一の障害は、連合国諸国が、日本人が神と見なしていた天皇裕仁が、日本における名目上の長の立場から排除され、恐らく、戦争犯罪裁判にかけられる可能性を意味する、無条件降伏を主張していたことだった。この要求は、天皇を神と見なしている日本人にとって、耐えがたいものだった。
ソ連は、その一日前、8月8日に、40年前の(ロシアにとって)屈辱的な日露戦争で、日本に奪われた領土を奪還することを狙って、日本に対し、戦争を宣言し、スターリンの軍隊は、満州を前進していた。ロシア参戦は、ロシアより、アメリカに降伏するほうがずっとましだと考えている日本にとって、戦争を早急に終わらせる為の強い動機となった。そして、もちろん、アメリカは、いかなる戦利品も、ロシアと分け合いたくはなく、ロシアに対して、アメリカが、この世界における新超大国だという初期の冷戦メッセージを送りたがっていた。
ロシア参戦は、 7月16日、ニュー・メキシコ州での原子爆弾実験成功を知る前に、トルーマン大統領が奨励したものだった。
だが今や、トルーマンと彼のブレイン達は、スターリンの助けなしに、原子爆弾で日本を降伏させられるのを理解した。それで、ソ連と戦利品を分け合う意図は皆無だったアメリカは、アメリカが地球上の新たな超大国だという初期の冷戦メッセージをロシアに送りたかったので、天気が良く、原爆が利用可能になり次第(実際は、四発目の原子爆弾を製造する為に使える核分裂物質はもはや無かったが)原子爆弾使用の方向で進めるようトルーマンは、爆撃機司令部に命じたのだ。
長崎を標的にする決定 
20160527Truman.jpg1945年8月1日が、日本爆撃ミッション派遣の一番早い日時であり、ワシントンD.C.の標的委員会は、通常のUSAAF(アメリカ陸軍航空軍)焼夷弾攻撃作戦(1945年前半、基本的に無防備の60以上の日本都市を焦土と化す為に、ナパーム弾を用いていた)から除外されるべき、比較的無傷の日本都市リストを、既に作り上げていた。
ハリー・トルーマン大統領 (左)
焼夷弾攻撃から守られる都市のリストには、広島、新潟、小倉、京都長崎が含まれていた。この比較的無傷な5都市には、焼夷弾爆撃攻撃は許されなかった。これらの都市は、マンハッタン計画が始まって以来、アメリカ中の研究所や、製造工場で、研究され、開発されている“新機軸”兵器の潜在的標的として、保護されるべきものだった。
皮肉にも、8月6日と9日以前には、これら5都市の住民達は、他の都市の様に爆撃されない自分たちは幸いだと思い込んでいた。広島と長崎の住民達は、自分達が、何万人のも生ける人間モルモットが暮らす都市全体の大量破壊を引き起こす新兵器実験による更に酷い大量殺りくを一時的に免れているのにすぎないことを全く知るよしもなかった。
トリニティー実験
最初で、唯一の原子爆弾実地試験は、冒涜的なことに(明らかにキリスト教用語の)“トリニティー=三位一体”というコード名がつけられていた。この実験は、原爆投下に先立つこと三週間、1945年7月16日に、ニュー・メキシコ州アラモゴルドでおこなわれた。結果は見事に壊滅的だったが、爆風は、不運なコヨーテ、ウサギ、ヘビや他の砂漠の害獣を絶滅させただけだった。アラモゴルドの、プルトニウム原子爆弾は、長崎原爆と同じものだった。
トリニティー実験では、予期せず、後に“トリニタイト”と呼ばれるようになった、膨大な量の新たな鉱物をもたらしたが、これは原爆爆破地点上空の太陽温度の二倍もの強烈な熱によって生み出された溶岩塊だった。
1945年8月9日午前3時、(ボックスカーという“洗礼名を授けられていた”)超空の要塞B-29が、ルター派とカトリックの従軍牧師の祈祷と祝福を受けて、南太平洋のテニアン島を離陸した。
重い貨物を搭載した飛行機が離陸する前、すんでのところで滑走路からはずれるところだったが(搭載していた原爆は重さ10,000ポンド)、一次標的の小倉に向けて北上した。ボックスカーのプルトニウム原爆は、ウィンストン・チャーチルにちなんで“ファットマン”というコード名を付けられていた。三日前に広島を焼いて灰にした原爆、リトル・ボーイは、最初はシン・マン(=痩せ男) (ルーズベルト大統領にちなんで)と呼ばれていた。
長崎は日本の軍事参議院が、再度降伏条件について議論をしている最中、灰にされた。
次の会議を 8月9日午前11時に開催する予定だった、東京にある日本の軍事参議院は、広島で一体何が起きたのか、全く理解していなかった。それで、メンバー達には、降伏問題に関する緊急性を高める意図はなかった。軍事参議院は、会議を行いながら、長崎で一体何が起きているかより、もっぱらロシアの宣戦布告を懸念していた。
だが、それは既に遅過ぎた、軍事参議院メンバーがやってきて、御前会議に向かう頃には、歴史の流れを変える機会はもはやなかった為だ。無線封鎖をして飛行しているボックスカーは、既に、日本南部の諸島に接近し、第一目標の小倉に向かっていた。乗組員達は任務を遅らせてしまう可能性のある予想された台風と雲を切り抜けることを願っていた。
ボックスカー乗組員は、必ず目視照準をした上で、原爆を投下するよう指示されていた。しかし小倉は雲に覆われていた。そこで、都市上空の雲の上で、原爆投下の為の飛行を三度試み、エンジン四基中一基のトラブルを経験した後、貴重な燃料も消費した為、爆撃機は二次目標の長崎に向かった。
長崎キリスト教の歴史
長崎は、日本のキリスト教史上で有名だ。長崎は、日本で最大のキリスト教徒の集中地だった。浦上天主堂は当時の巨大教会で、12,000人の洗礼を受けた信者を擁していた。
長崎は伝説的なイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが、1549年に伝道教会を建てた場所だ。長崎のカトリック教共同体は拡大し、ついには続く数世代、繁栄した。ところが結局、日本にとって、ポルトガルとスペインの商業権益が、日本を搾取していることが明らかになった。やがてわずか数世代で、全てのヨーロッパ人と、彼等の外国宗教は国外追放された。
1600年から1850年まで、日本では、キリスト教徒であることは、死罪に値した。1600年代初期、信仰取り消しを拒否した日本人キリスト教徒は、磔刑を含め、言語に絶する拷問を受けた。大量磔刑を行った後、恐怖政治支配は終わり、あらゆる観察者にとって、日本におけるキリスト教は絶滅したかに見えた。
ところが、250年後に、マシュー・ペリー准将の砲艦外交が、沿岸の島を、アメリカ貿易の為に開放させた後、長崎には、政府には全く知られず、地下潜伏した形で、洗礼を施された何千人ものキリスト教徒達が暮らしていることが発見された。
この屈辱的な発見の後、日本政府は新たな粛清を開始した。ところが国際的圧力の為、迫害は止められ、長崎のキリスト教は地上に出現した。1917年には、政府から何の援助も受けずに、復興したキリスト教共同体が、長崎の浦上川地区に、壮大なセントメアリー大聖堂を建立した。
キリストの名において、キリスト教徒を殺害するキリスト教徒
9300メートル上空から確認可能な、長崎に二つしかない陸標の一つ(もう一つは、連合諸国の海上封鎖の為、原材料も不足していた、三菱の兵器工場複合体)である巨大な天主堂が、ファット・マン原爆の爆心地となったのは皮肉の極みだ。
午前11:02、木曜朝ミサのさなか、何百人もの長崎キリスト教徒はゆだり、蒸発し、炭化し、あるいは天主堂上空500メートルで爆発した、焼けつく放射能の火の玉へと消えた。間もなくきのこ雲から降った黒い雨が、多数の長崎の神道信者、仏教徒やキリスト教徒の入り交じった亡骸を包んだ。長崎の黒い雨の神学的含意は、あらゆる宗派の神学者達の心をひるませるに違いない。
長崎キリスト教信者の死者数
大半の長崎のキリスト教徒は、爆破から生き残れなかった。ゆるしの告解に出席していた全員を含め、6,000人が即死した。12,000人の教会員のうち、8,500人が原爆の結果として亡くなった。他の多くの人々も極めて致死的な全く新しい病気になった。放射能疾患だ。
近隣にあった三つの女子修道院と、キリスト教女学校が、黒煙となって消滅するか、炭の塊と化した。何万人もの無辜のキリスト教信者ではない人々も即死し、更に多くの人々が、致命傷を負ったり、治療もできないほど負傷したりした。犠牲者の子孫の中には致命的なプルトニウムや、原爆が生み出した他の放射性同位元素によって引き起こされる、継代悪性腫瘍や、免疫不全を患っている。
ここで、本記事の重要点の一つをあげよう。日本の帝国主義政権が、200年間にわたる迫害でできなかったことを(日本キリスト教の破壊)、アメリカのキリスト教徒は、数秒でなし遂げたのだ。
第二次世界大戦以来の数十年間で、キリスト教が、ゆっくりと復興した今でも、日本人教会信者数は、総人口のわずか1%というものでしかなく、キリスト教礼拝への平均出席者は、わずか30人と報じられている。戦争末期における長崎の絶滅が、一時は活気に満ちていた教会を、損なってしまったことは確実だ。
・・・後略・・・
記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/the-70th-anniversary-of-the-bombing-of-nagasaki-unwelcome-truths-for-church-and-state/5466919
 
そして、2週間前にははPaul Streetがcounterpuchに「広島爆撃が犯罪的で、不必要だったのであれば、長崎爆撃はどれほど犯罪的で、不必要だったろう」という文を載せていた。

長崎に対する謝罪は?
 2016年5月13日 counterpuch
20160527nagasakigenbaku.jpg
 
 最近のニューヨーク・デイリー・ニューズの見出しにはこうある。“オバマは広島に歴史的訪問をするが、アメリカによる日本の都市への原子爆弾投下は謝罪せず。”
では長崎についてはどうだろう? オバマは今月末の日本訪問時、長崎には謝罪するのだろうか?
誤解されぬようお願いする。広島への原爆投下は、それに続く、通常ほとんど無視されている長崎での犯罪無しでも、それだけで、人類に対する大規模な犯罪だ。1945年8月6日、アメリカ合州国は広島を原子爆弾攻撃したが、これは二カ月間で146,000人の日本人民間人の死を招いた行為だ。アメリカ軍最高幹部や諜報機関幹部が、日本は敗北し、第二次世界大戦末に降伏しようとしていたのを理解していたにもかかわらず、原爆は“命を救う”という名目で投下された。
この途方もない犯罪で、アメリカは、核兵器を一般市民に対して使用した唯一の国となった。原爆投下は、第二次世界大戦後の時代、難攻不落のアメリカの力を、世界に、そして特にソ連に対して誇示するべく行われたのだ。ガー・アルペロビッツや他の多数の歴史学者が豊富な一次資料調査を用いて明らかにした通り、狙いは明白だった。
敗北した日本(天皇も含め)は最初の原子爆弾が投下される前に、戦い続ける意欲を失っていたことを、アメリカ合州国のハリー・トルーマン大統領や顧問たちは良く知っていた。アルペロビッツや他の人々が実証している通り、アメリカ合州国は、アメリカによる、天皇の地位廃止を必要とする降伏の条件を修正するだけで、1945年初春あるいは夏に、日本を正式に降伏させることができていたはずなのだ。
そのような修正がなくとも、ホワイト・ハウスとアメリカ軍司令部は、確実に降伏を早めるであろう事態である、ソ連の日本への宣戦布告を待つだけで良かったのだ。実際には、広島から三日後、そしてロシアの宣戦布告後、二発目の原子爆弾が長崎に投下された。
アメリカの政策決定者が、原子爆弾を、ソ連が日本に対して参戦する前に戦争を終わらせる手段、そして初期のアメリカ冷戦“外交”を強化する手段と見なしていたことをアルペロビッツや他の人々が示している。アメリカ戦略爆撃調査によれば、広島と長崎は“産業活動と人口が集中していたため、標的に選ばれたのだ”。この二つの都市に暮らす一般市民に対する核攻撃は、“生命を救う”のが目的ではなかった。(2500万人のソ連国民を含む、5000万人から6000万人の命を奪った世界的大惨事で、比較的、被害を受けなかった)勝ち誇るアメリカが、国際行動のルールは自分が決め、アメリカによる世界支配を阻止しかねない可能性がある全ての国々(主にソ連)を従属的な立場におくと固く決意している、第二次世界大戦後の新世界秩序の中で、アメリカの威力を誇示し、強化するのが目的だった。
極めて重要なのは、原子爆弾投下の前、広島も長崎も、アメリカ空軍の通常爆撃標的リストから意図的に外されていたことだ。それは、勝ち誇るアメリカが所有する新たな大量破壊能力のデモンストレーション効果を、二つの都市で最大限に示せるようにするためだった。アメリカ政府は、愛すべき新たな大量破壊兵器の殺傷能力を、できる限り衝撃的な、畏怖の念をひき起こすような形で示したかったのだ。
長崎爆撃は、広島爆撃ほど頻繁に言及されたり、思い出されたりしない。二カ月の間に、80,000人の日本人民間人を殺害したのだ。
もし広島爆撃が犯罪的で、不必要だったのであれば、長崎爆撃はどれほど犯罪的で、不必要だったろう?
1945年夏の、多数の一般市民を原爆攻撃するという、アメリカ合州国の恐ろしい決断に疑問を抱くには、アメリカ帝国に対する左翼批判者である必要などない。第二次世界大戦時の連合国遠征軍最高司令官で、後の共和党アメリカ大統領となった、最も尊敬されているアメリカ軍指導者のドワイト・アイゼンハワーは、当時日本に原爆を投下するという決断に愕然とし、反対した。18年後、彼は、ニューズウイーク誌に“あの恐ろしいもので、彼らを攻撃する必要はなかった”と語った(実際は、二発の恐ろしいものだったが)。彼が反対したことも、この発言も、何世代もの国民や世論を形成する人々が、広島と、それほど頻繁には触れられない長崎とに対する犯罪は、必要なもので、“命を救った”情け深い行為だとまで見なすよう教えられているアメリカでは、あのオーウェルのメモリー・ホール行きになるばかり。
実にとんでもないことだ。
記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2016/05/13/apologize-for-nagasaki/
 
今回の伊勢志摩サミット終了後にオバマ米大統領が広島市の訪問を決めた理由の一つが、原爆投下に対する米国民の意識の変化だという。
 
従来から、「原爆が戦争を終わらせ、米兵の命を救った」と考える国民が多数派だったが、近年は若い世代を中心に「原爆投下は誤り」と考える人が増えているらしい。
 
ニューヨークのコロンビア大で現代史を学んだジョナサン・ナフマンさんは中学校や高校で「原爆投下は日本軍による真珠湾攻撃への報い。戦争を終わらせるのに必要だった」と習った。
 
自国の歴史の負の部分を正確に教えるということは、国の為政者にとっては屈辱的と映り、都合の良い内容を子どもたちに教え込む。 
 
しかし、その子らが成長し自分たちの頭で考えられるようになると、歴史の隠された事実に遭遇する。
  
米国で特徴的な教育の一つに、大学の講義の中で、あるテーマに対するデベートを行うことである。
 
ナフマンさんも大学で原爆投下の是非について支持派、反対派に分かれて議論した時に、日本が降伏を検討していたことや、多くの一般市民が犠牲になり、放射線被害が続いたことを聞き、「学校で習ったのは一面的だった」と感じたという。
 
「歴史を学ぶうちに疑いが強まった」と彼は、「当時のトルーマン大統領には、ほかの選択肢がなかったかもしれない。しかし、少なくとも軍事的には原爆投下は必要なかった」と今ではそう確信しているという。
 
彼の友人たちの多くも、原爆投下に懐疑的であり、「戦争を知らない世代が増え、原爆が家族を救ってくれたという意識が薄まっている。逆に核兵器が世界を不安定にしているという認識が広がっている」と指摘する。
 
日本の安倍晋三も米国のバラク・オバマも共に戦後生まれで、第二次世界大戦を経験しておらず、直接の戦争責任は2人にはない。
 
安倍晋三に至っては、自分の祖父の時代の戦争そのものを美化しようとの動きさえみられる。  
 
世界で唯一の被爆国である日本は、それまでに米国の原爆で殺された無辜の市民の数を上回るアジアの人々の生命を奪ってきた。
 
不名誉な過去を忘れるため「未来志向」という都合の良い言葉が好きな加害者(国)が多いのだが、戦争被害者である原爆被爆者の心の傷を癒すには、やはり加害国のリーダーの心からの謝罪の言葉が必要ではなかったのだろうか、とオジサンは思う。

  
posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月26日

民主党政権末期の負の遺産なのか

日本が議長国を務める主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は今日の午前開幕した。
 
午後からは主会場となる志摩市・賢島の志摩観光ホテルで、世界経済のリスク対処を最初の議題に討議入りするらしい。
 
これに先立ち、東京電力は、25日からの3日間、福島第一原発で、原子炉冷却やパトロールなど欠かせない作業を除き、作業を原則休止にした。
 
サミット中は廃炉作業休止 福島第1原発、異変警戒
 
20160526gukuitigenpatu.jpg
廃炉作業が続く東京電力福島第1原発

 
「サミットの期間中、なるべくリスクを減らしたい」らしいのだが、福島第一原発と直接関係のない件で作業をストップさせるのは異例中の異例である。
 
正式な休止理由を、東電担当者は「テロ対策というより、作業トラブルなど何かあったときにすぐ対応できるようにするため」と説明していたが、別の担当者は「作業が少なければ不審者の侵入やトラブルなどの異変に気付きやすい」と説明しているが、どうやら本音は、汚染水漏えいなどで政府に恥をかかせるわけにはいかないという配慮が働いたことは、疑う余地がない。
 
それにしても1日7000人前後の作業員が働いており、その間の収入がなくなる彼らへの影響も大きい。
 
<福島第一原発の作業休止 時間との闘いなのに>
 2016年5月26日 東京新聞
20160526fukusimagenpatu.jpg 主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせ、東京電力福島第一原発では、25日から原子炉冷却などを除いて作業が原則休止になった。東電は「リスクを減らすため」という。判然としない理由で作業が止まった福島第一の状況を、上空と地上から追った。 
(山川剛史、片山夏子)
 「リスクって何? 作業員たちの動向をチェックしきれないとでもいうのか?」。東電の言い分に疑問を感じつつ、午前10時半ごろ、本社ヘリ「あさづる」で上空に。1日延べ7000人が働く福島第一の異変はすぐ分かった。高度を変え、何度旋回してもらっても、作業をしている気配が感じられない。
 時間との闘いとなっているタンクの増設現場では、重機の多くがアームを畳んで並べられていた。3号機では、原子炉建屋の上部を鉄板などで覆う作業が大幅に遅れているが、作業員の姿はなかった。
 東京ヘリポート(東京都江東区)に帰投後、同乗のカメラマンと写真を拡大して探したが、対策本部のある免震重要棟や駐車場で10人に満たない作業員を見つけるのがやっとだった。
 一方、いつもは午前6時ごろから、福島第一や第二に向かう作業員の車で渋滞する国道6号も閑散としていた。タクシー運転手平子一也さん(57)は「気味悪いぐらいすいている」。海岸に近く、片側2車線から1車線に減っていつも大渋滞の場所も難なく通過。割り込む作業車もなかった。少しでも遅くなると、パンもおにぎりもなくなると作業員が嘆くコンビニも、人は少なかった。6号から福島第一に折れる交差点も車はまばらだった。
 ある作業員は、3日間の休止中は別の建設現場で働くため地元へ。「5月は10連休もあり、日給の人には3日の休みは大きい」と話した。別の作業員は「みんな給料が心配。3日間だけ別な所で働くのも難しい」と、子どもの世話などをするという。
 
ところで、一見関連がないような気になる2つの記事があった。
 
1つ目は、最近公務員の天下りが復活してきたということ。
 
<公務員の天下りが大復活。日本経済の貧困化が進行している証拠?>
 2016/05/25 ニュースの教科書
 一時は癒着の温床として批判されてきた公務員の天下りが復活している。背景にあるのは日本経済の低迷。ここ数年におけるGDP(国内総生産)成長の多くは政府支出によるものであり、民間主導で経済が拡大しているわけではない。
 多くの企業が政府の景気対策にすがっていることに加え、世論も官主導の景気対策を歓迎している現実を考えると、天下りは今後、さらに拡大していく可能性が高い。
 政府は2016年5月24日、新関西国際空港会社と首都高速道路の社長に国交省OBが就任する人事を閣議了解した。関空トップが官僚OBに戻るのは13年ぶり、首都高は8年ぶりのことになる。
 天下りについては、癒着の温床になるとして批判が絶えず、法的にも再就職が規制の対象となっていた。2007年の法改正では、再就職の斡旋など、天下りに関わる行為が規制対象となったが、あまり機能していないというのが実態である。
 これまでは、国民からの批判が大きかったことから、主要ポストを外したり、迂回して天下りするなど、あまり目立たない形で継続してきたが、今回の人事は、かなりストレートなものであり、天下り慣行が以前の状況に戻りつつあることを示している。
 アベノミクスのスタート以後、日本経済は成長したといわれている。確かに数字上はそうなるが、成長分の多くは政府支出の拡大によるものであり、民間の経済が自立的に拡大しているわけではない。多くの企業が、政府の景気対策や補助金に頼っている状況であり、天下りが増えやすい環境にある。
 かつては、民間でできることは民間でというのが世論の流れだったが、最近では官主導の景気対策を望む声の方が大きい。天下りの増加は、社会が望んだ結果でもある。
 最近では、従来型の天下りに加えて、新しいスタイルの天下り手法も登場している。それは企業の社外取締役である。
 安倍政権はコーポレートガバナンス改革の一環として、企業に対して社外取締役制度の導入を強く求めている。社外取締役制度の導入そのものは企業の透明性確保にプラスの効果をもたらすが、この施策の本当の狙いが、天下り先の確保にあるということはあまり知られていない。
 社外取締役をどう選任するかは企業の自由であり、官庁が直接働きかけることはできない。だが、実質的には企業側が官庁の意向を忖度し、官僚OBを社外取締役として受け入れるケースが増えている。企業側が消極的だったにも関わらず、導入が一気に進んだことにはこうした背景がある。
 天下りの増加は、日本経済の機能不全が進み、官主導型経済にシフトしている現実を如実に示している。官主導型の経済で、イノベーションを活発化させ、持続的な成長を続けることは困難である。
 つまり多くの企業が目先のカネに頼っている状況であり、こうした環境から脱却できなければ、経済の縮小均衡化が進み、日本はさらに貧しくなってくるだろう。だが、これも国民が選択した結果ということなら、受け入れるしかないのかもしれない。
 
「政府支出」「官主導の景気対策」によってGDP(国内総生産)を押し上げてきたのは安倍政権であることは、多くの識者の指摘する通りである。
 
そして、官主導型経済によって国民には気づかれずに天下りが増加したという。
 
だが、アベノミクスによって天下りが必ずしも復活したとは思えない事実がある。 
  
記憶によれば2009年の政権交代を果たした民主党は天下り撲滅を公約していたのだが、早くも1年後には、当時は「前国家公務員制度改革推進本部事務局審議官」という肩書であった古賀茂明に「民主党政権『脱官僚』というウソ、国民の期待を裏切る天下り規制の骨抜き」と厳しく批判されていた。
 
そして民主党政権の最後の首相になったこの人の懐かしい演説を思い出してしまう。
 
【野田総理 マニフェスト 書いてあることは命懸けで実行】

その一丁目一番地、税金の無駄遣いは許さないということです。
天下りを許さない、渡りは許さない。
それを、徹底していきたいと思います。
・・・中略・・・
シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。 
 
結局、シロアリ1匹も退治できずに自民党に政権を取り戻されてしまった。
 
そしてもう一つは、武器輸出を推し進める安倍政権によって軍需産業は好景気になり、2年前の防衛白書によれば産学官連携による武器の研究も進んでいるのだが、遂に科学者を代表する機関である日本学術会議の会長が「大学などの研究者が、自衛の目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきだ」という私見を公にしていたことである。 
 
<学術会議会長「自衛目的の研究許容を」 軍事否定から転換の可能性>
 2016年5月26日 朝刊 東京新聞
 国内の科学者を代表する機関である日本学術会議(東京都港区)の大西隆会長が、「大学などの研究者が、自衛の目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきだ」とする考えを、4月の総会で示していたことが分かった。学術会議は今後、委員会で軍事研究の許容範囲などについて議論し、一定の見解をまとめる見通し。これまで軍事目的のための研究を否定する声明を発表してきたが、その基本姿勢を転換する可能性も出てきた。 (望月衣塑子)
 学術会議は1949年の発足時の決意表明で、科学者の戦争協力を反省し平和的復興への貢献を誓った。50年と67年には、「戦争目的」や「軍事目的」の科学研究を行わないとする声明を決議した。50年の声明に会員として関わったノーベル賞受賞者の湯川秀樹氏は戦時中に原爆研究した反省から、戦後は核廃絶運動に取り組み「科学者の社会的責任」を唱えた。軍事目的の研究に関わることを否定する考え方は科学者の間に定着していった。
 大西会長は、学術会議の全会員が参加した4月の総会の会長報告で、過去の声明を「堅持する」とする一方で「国民は個別的自衛権の観点から、自衛隊を容認している。大学などの研究者がその目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきではないか」と述べ、学術会議としての見解が必要と主張した。
 こうした発言に対し、自由討議で「従来の立場と異なる考えだ」との反対意見も相次ぎ紛糾。京都大の山極寿一(やまぎわじゅいち)総長は「自衛隊の活動全般にわたって国民の総意は得られていない」と指摘し、見解をまとめる際は「これまでの声明を変えることのない文言を考えてほしい」と求めた。別の会員からは「会長の私見には疑問がある。科学には倫理や規範が必要な時がある」という意見もあった。
 大西会長は2011年10月に会長就任。都市工学が専門で、豊橋技術科学大学長を務める。
 
この大西隆会長とは一体、どんな人物なのか探してみたら、まさに民主党政権末期に「野田政権の意向によって学術会議会員に推薦され、会長に選出された」と推測する記事があった。 
 
<大西隆氏が日本学術会議議長に就任した背景、「原子力ムラ」「開発ムラ」「安全保障ムラ」を横断する政治人事>
 2012-11-22 広原盛明のつれづれ日記
 日本学術会議は、我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約84万人の科学者を内外に代表する機関だとされ、210人の会員と約2000人の連携会員によって組織されている。学術会議(1948年発足)は文法経理工農医の7部会で構成され、各部会会員は研究者の直接選挙で選ばれるという民主的な研究者代表機関であり、当時は「学者の国会」とも呼ばれていた。
しかし、学術会議のこうした民主的性格を嫌った政府・自民党の手で1983年に日本学術会議法が改正され(政府の文教政策・科学技術政策に批判的な会員が多かったので)、会員選出方法が研究者の直接選挙から学術研究団体(学協会)の推薦にもとづく首相任命に変更された。以来、学術会議は研究者からすっかり乖離した遠い存在となり、人文・社会科学分野はともかく、工学分野などでは(それ以前もそうであったが)いわゆる「学会ボス」といわれる大物しか推薦されないシステムが定着した。
さらに2004年の法改正によって、会員選出方法がこれまでの学協会推薦から日本学術会議自身が会員候補者を選考するという方法に変更された。学術会議自身が次期会員候補を選考することの意味は、要するに現会員が候補者推薦会議をつくって後任会員を選考し指名するということだ。国会で言えば、解散と選挙によって次期議員が選ばれるのではなく、現議員の指名で新しい議員が決まるということだから、「学閥間の談合」や「大物会員による世襲人事」が生じても不思議ではない。
また学術会議を代表する会長・副会長にしても、直接選挙時代には朝永振一郎・桑原武夫など名実ともに日本を代表する碩学が選ばれており、アカデミック組織としての学術会議の権威も高かった。だが法改正以降は、政府審議会の要職を歴任する大物会員の中から会長が選ばれるようになり、「科学テクノクラート」ともいうべき人物が学術会議のトップに就くことが多くなった。いわば、一種の「政治人事」によって学術会議会長が決まるようになったのである。
その極めつきが、第22期会長に選ばれた大西隆氏であろう。日本学術会議法第4章の「会員の推薦」には、第17条に「日本学術会議は、規則の定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府の定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする」とあるが、さしたる研究業績もない大西氏がなぜ会員(土木工学・建築学)に選ばれ、しかも会長にまで選出されたのか、私にはまったく理解できない。
通常、学術会議の会長は役員経験者の中から選ばれる。学術会議初の人文科学系会長として話題になった第21期会長の広渡清吾氏の場合も、それ以前に第1部長(人文科学系)や副会長を経験した後に会長に選出されている。また歴代会長もそのような経歴を有する人が多い。ところが大西氏の場合は、第22期会員(土木工学・建築学)に選ばれたばかりの無名の新人であるにもかかわらずいきなり会長に選出されたのだから、多くの会員の間からは「大西、WHO?」という声が上がったのも無理はない。
ここからは私の推測だが、大西氏は明らかに野田政権の意向によって学術会議会員に推薦され、会長に選出されたのだといえる。いうまでもなくその最終目的(狙い)は、学術会議による原発再稼働の容認だ。国家戦略会議のフロンティア部会座長に大西氏を据えることを決定した野田政権は、それだけでは不十分だということで大西氏を学術会議会長に選出し、学術会議そのものを「原発再稼働容認」の方向へ誘導することを目論んだのではないか。
これは決して私個人の憶測ではない。学術会議会員との交流集会後に聞いた「ここだけの話」であるが、会長就任後の大西氏が周辺会員に対して「学術会議をなんとか原発再稼働容認の方向に持って行けないか」と秘かに持ちかけているというのである。「できれば容認決議を出したい」とまで言っているのだから、野田政権(というよりは政府・財界)から託された「使命」を本気で果たそうと思っているのだろう。
こんな懸念を近辺の学術会議会員に伝えたところ、「そんなことはあり得ない」、「学術会議会員の見識からしてそんなことが通るはずがない」との声が異口同音に返ってきた。でも工学系会員のほとんどが「原発ゼロ」反対であり、「原発再稼働」賛成であることから考えると、大西氏の言動はあながち荒唐無稽なものだとは言い切れない。
いまや福島原発災害をめぐる議論は、「原子力ムラ」「開発ムラ」「安全保障ムラ」を横断する戦略的課題として火花を散らすようになった。大西氏が会長を務める計画行政学会では、政府そのもの意向である「原発周辺警戒区域20キロ圏の双葉、大熊、浪江、富岡、楢葉の5町を廃町して土地は国が買い取り、住民は土地なしで他の市町村に合併させる」という復興計画案が堂々と提起されており、しかも大西氏が国家戦略会議座長や学術会議会長の権威を背景にしてその推進に当たっているのだから、事態は決して侮れないと言うべきであろう。
 
この憶測記事が出てから4年経ったが、民主党時代に実現させた「稼働原発ゼロ」は、いつの間にか安倍政権によって徐々に「停止原発ゼロ」という方向に向かっている。
 
そして、いまや民主的な研究者代表機関であり、当時は「学者の国会」とも呼ばれていた日本学術会議が、民主党時代の「政治人事」によって無名の新人であった大西隆を会長にしてしまった。
 
当時の野田政権が作り込んだシロアリが、安倍政権で成長してしまい、軍事目的のための研究をするような学術会議に変質させられようとしているのであろう、とオジサンは思う。

 
posted by 定年オジサン at 12:36| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月25日

単なる勘違いか、それとも単なるアホか、いや改憲にむけたアピールかも

おそらく民主党政権時代なら首相の国会での「言い間違え」に対してはマスメディアがこぞって袋叩きしたのではないだろうか。
 
ところが、福島の汚染水垂れ流しは残念ながらコントロールできなかった安倍晋三首相だが、「鮨友」や「記者クラブ懇談会」などを通して「メディアコントロール」に成功しているため、安倍政権に不利になるような報道は国民には伝わらなくなっている。
 
5月16日の衆院予算委員会での報道は、「安倍首相『私は立法府の長』 衆院予算委、混同し発言か」という、信じられないような「控えめ」のタイトル表現である。
 
【安倍総理「私は立法府の長であります」 2016年5月16日衆院予算委員会】
 
 
当然、翌日の朝刊には大きく取り上げられるだろうと期待していたが、予想通り、大手マスメディア(含むテレビメディア)は全てがスルーしていた。
 
しかしネット上はまだ「検閲」がされていないため、翌日には、 総務庁(現総務省)出身の自称政策コンサルタントの室伏謙一が、ブログ「政治・政策を考えるヒント!」でこんなことを書いていた。
 
<「立法府の長」発言に垣間見える安倍総理の潜在意識ー我が国政治の劣化の兆候か?>
 2016-05-17 00:47:16 政治・政策を考えるヒント!
・・・前略・・・
 おそらく安倍総理は、自分は行政府の長であるから立法府のやることに口を出すのは筋違いということを言いたかったのだろうが、訂正もせず、うやむやのまま答弁を続けた。
 単なる言い間違いだろう?という解釈も成り立ちうるが、なんといっても一国の総理である。三権分立が制度的に担保されているところ、言い間違いとしても、あまりにもお粗末であろう。(それとも、「三権分立」という言葉、概念は、安倍総理の頭からどこかに飛んで行ってしまったということなのだろうか?)
 しかし、臆面もなく、堂々と発言し、訂正もしないという態度からは、自分は国家権力の頂点に立っているという驕りや、一強多弱と言われる政治状況の中で、国会を無意識のうちに軽視する慢心が垣間見えるように思う。
 一国の総理がそうした態度や意識を持っているとすれば、それは国家・国民にとってよろしくないのは勿論のこと、自民党にとっても驕りや油断、それに真摯に議論しないという態度の蔓延につながり、党の質の低下につながるのではないかと思われてならない。
 そして、与党の質の低下は野党の質の低下にもつながり、全体として我が国の政治の質の低下につながりかねないのではないか、と大いに危惧される。
安倍総理の「立法府の長」発言を目の前にして、それについて何も指摘しない民進党、こちらについては「コメントに値しない」という言葉しか浮かんでこない。
 
このブログ主は、元役人らしく現政権を倒すようなスタンスではないことは明らかであり、前半では安倍晋三首相のお粗末な発言とそれを訂正しない態度を批判しながら、それが自民党の質の低下につながると心配していた。
 
もっとも自民党の質の低下は止まるところがなく、議員ですら「神奈川県議『基地反対派はキチガイ』『沖縄の新聞つぶれろ』」と平気で差別用語をいともたやすく口にするようになっており、すでに「組織は頭から腐る」状態である。
 
おそらくブログ主の言わんとするところは、安倍晋三首相に直接言われた民進党の山尾志桜里議員が、その場で首相の「間違え発言」を指摘しなかった、または指摘できなかったことを言いたかったようにも受け止められる。
 
さらに、上記のブログの翌日には、「『私は立法府の長』言い間違え? 話題の発言、実は初めてじゃなかった」という記事によると、9年前に民主党から明確に間違いを指摘されていた事実が明らかになっている。
 
・・・前略・・・
実は、安倍首相が「立法府の長」と発言するのは初めてではない。2007年5月11日、「日本国憲法に関する調査特別委員会」でも述べている。
憲法改正議論をめぐって、民主党の簗瀬進参院議員(当時)が「総理が国民とともに議論をするとおっしゃったその言葉と全く矛盾する対応を現場がしている。これどう思うんですか」と追求すると、こう答えた。
「それは、正に参議院のこの委員会の運営は委員会にお任せをいたしておりますから、私が立法府の長として何か物を申し上げるのは、むしろそれは介入になるのではないかと、このように思います」
簗瀬氏は、この場で、安倍首相の間違いを正している。
「先ほど憲法尊重擁護義務の話がございましたけれども、総理大臣として現在の憲法を尊重し擁護をすると、これは憲法にちゃんと明記されている。しかも、三権分立というものがあります。国権の最高機関として定められているのは国会である。そして、その国権の最高機関と分立する形で立法府のほかに内閣があり司法があって三権が成り立っているんです。あなたはそういう意味では行政府の長であります
 
自民党はネット上における自民党に関する情報には多くの手間暇をかけてチェックしており、さすがに安倍晋三の間違い発言に対する批判が出始めてきて無視することはできないとばかりに、5月19日には側近の萩生田光一官房副長官が「『首相の言い間違い』 『立法府の長』発言を官房副長官が陳謝」という事態になった。
 
しかし、この陳謝は自民党国会対策委員会の会合でのことで、いわば身内の集まりである。
 
おそらくは国対レベルでこの問題の火消しを話し合い、あくまでも「言い間違え」ということにしようと決まり、23日の参院決算委員会で「『立法府の長』発言『言い間違えかも』 安倍首相が釈明」という運びになった。
 
だが9年前から平気に「私が立法府の長」と言い続けてきた安倍晋三首相にとっては、決して言い間違いではなく、確信的な言い方なのかもしれない。
 
実は先月18日の衆院TPP特別委でもこのようなやり取りがあった。
 
◆下地幹郎議員
 「国会議員の歳費を削減して、熊本地震の支援に充ててはどうか?」
■安倍晋三首相
 「議員歳費は、まさに国会議員の権利にかかわる話でございますから、立法府の長である私はそれについてコメントすることは控えたいと」
      
元 テレビ朝日報道局員であった政治ジャーナリストの角谷浩一は、優等生的な批判をする。
 
「首相は内心、国会は自分のコントロール下にあると思っているから、口をついて出るかもしれない。国会ルールの形骸化や国会軽視の象徴で、側近が注意しなければ『裸の王様』だ」   
 
残念ながら、時すでに遅く安倍晋三は「裸のバカ殿」状態になっていることは言うまでもない。
 
ところが、このような度重なる失言は「故意」であると、社会学専門の内藤朝雄・明大准教授はこう分析している。
 
「首相の露骨な三権分立否定発言の背後には、首尾一貫した『透明化作戦』がある」
 
透明化とは、想像もつかない酷い事柄も、少しづつ何回も繰り返し、人々がそれを日常風景のように感じ、注意を払わなくように仕向けることである。
 
内藤准教授はさらにこうも言う。
 
「一見、知性が低いような矛盾だらけの発言を、予測不能な奇襲のように繰り返す方法が効果的である」   
首相には並々ならぬ自信が見える。大衆は愚かだから騙すことができ、マスコミとは持ちつ持たれつで、コントロールできると言う自信。国民が慣らされれば、日本の政治から憲法秩序が消滅してしまう
 
なかなか憲法学者や政治学者からは聞こえてこない鋭い指摘である。
 
なぜ、度々「立法府の長」という発言を繰り返すのか。
 
それは安倍晋三首相の憲法改正の項目の筆頭に「緊急事態条項(国家緊急権)」があり、これにより現実的には首相が「立法府の長」も兼ねられることが可能になるからである。
 
自民党の改憲によりこの条項が導入されれば、首相が緊急事態を宣言することで、基本的人権を含む憲法秩序を一時停止し、国会の事後承認により、行政府が法律と同じ効力のある政令を制定したり、財政支出をすることができる。
 
どうやら、安倍晋三首相は「バカ殿」の振りをしながら、ワイマール憲法の緊急事態条項を利用して独裁を築いたナチスドイツの手口を本気で真似し始めたのではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 11:51| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

住民エゴVS公共の福祉か、「忍耐と寛容」はいずこに?

週に何回か散歩コースにしている途中にこんな写真の場所がある。
 
20160524_juminego01.jpg
 
自然公園などではなく、一見すると何かの跡地のようである。
 
20160524_juminego02.jpg
 
よく見ると「白線」の跡も見えるが、少し高い所からはこんな感じ。
20160524_juminego03.jpg
 
さらにはこんな屋根も見えてかなり傷んでいる。
  
20160524_juminego04.jpg
 
土地の広さは「19352.66u」とかなり広く、周辺に存在する平均的な戸建て建売住宅なら、200戸以上は建てられる。
 
そして古くなった看板には開発工事期間が「平成21年6月8日〜」とあり、完成時期は消されていた。
 
20160524_juminego05.jpg 
 
この写真の場所には以前は数面のテニスコートとクラブハウスがあったのだが、となりの区の業者によって、有料老人ホームの建設計画が持ち上がり、それに対して周辺の住民による建設反対運動が活発化した。
 
そして当初の建設計画を見直し、再度、住民側と協議を進めたのだが、諸般の事情を考慮したのかは知らないが業者側が建設を断念し、今日に至っている。
  
20160524_juminego06.jpg 
 
6年間余りも塩漬け状態になったわけだが、老人向けのホームがこんな住民エゴ(?)により建設困難な状態は、その後も各地で続いていたようである。
 
4年ほど前には、ネット掲示板に「特養老人ホーム建設を阻止したい」というタイトルで以下のような問題を提起していた。
 
問題点
1.投機目的でないとはいえ、特養老人ホームができる事で、自宅の不動産価値が下がる。(園からの回答:価値が下がることはありえない。)
2.代替の駐車場が現在の徒歩約1分から約15分になる。(園からの回答:受忍限度範囲で問題ない)
3.2階建てしか建設出来ない地域に3階建てを建てることによって日陰になる。(園からの回答:特養老人ホームは工場地域以外では特例で地域の設定を無視して建設できる。日照権も受忍限度範囲で問題ない)
 
この投稿主に対しては様々な意見が掲載されていたが、やはり、この一言に優るものはなかった 
 
貴方もいつかお世話になるかもしれず、公共性の強い(原発とかは別ですが)建物を法的に問題ないのに反対するのはどうかと思う。建設阻止は難しいでしょう。
   
少子高齢化に伴い老人が増え続け、元気で金持ちの老人は子や孫たちから「有効活用」されるかもしれないが、そうではない老人たちは必然的に様々な老人施設の世話になることは避けられない。
 
反対に「少子」と呼ばれる子どもたちは世間から歓迎され優遇されるのかと言えば、どうもそれも難しいらしい。 
 
「日本死ね」という保育所に子どもを入れることができなかった女性のブログが国会で紹介され、一躍脚光を浴びた保育関連問題。
 
国会で話題になりマスメディアも大々的に取り上げたのだが、この問題は既に全国いたるところで発生していた。
 
2年前にネット掲示板にこのような内容が投稿されていた。  
 
<保育園の建設に 反対? 賛成? 地域住民が戦争状態>
 2014/8/2502:20:40 YAHOO JAPN 知恵袋
 保育園の建設に 反対? 賛成?
地域住民が戦争状態!! 少子化対策の是非!!
老年/中年世代 vs 子育て世代 どちらのエゴ?
みなさんのご意見を伺いたいです。双方の世代から幅広いご意見をお待ちしています。
東京都内の保育園の建設計画に、一部の地域住民から大反対が起きています。
写真のような「のぼり」を掲げ、保育園建設は絶対阻止!!を声高に叫んでいます。
 
20160524hoikuenhantai.jpg
 
反対の主な理由は、以下です。
●保育園に接する道路幅が約2mと狭く、通園時や避難時の子供の安全が確立できない。
●通園の自転車が混雑し、交通事故が増える。
●子供の声がうるさい。
●上記の結果、地価が下がる恐れがある。
●計画推進のスピードが速すぎて、十分な説明を受けていない。
場所は東京都の杉並区永福4丁目、いわゆる「都内の閑静な住宅街」
正式な東京都の認可保育園として、各種基準や法令を満たした上で計画が進んでいます。
東京都杉並区は、保育園に入れない待機児童数が多く、テレビや新聞でも割と頻繁にとりあげられています。2013年2月には、幼児を持つお母さん達がデモを敢行して大きくメディアに取り上げられました。
 
【2013/03/01公開・杉並ママたちの怒り受け 保育問題解決を区長が猪瀬知事に直訴」

 
 東京都と杉並区は、行政にしては珍しいスピーディーな対応で、2015年の開園を目指し区内5か所の保育園の開園計画を進めています。
ところが、保育園予定地が接する長さ200m程の道路沿いに家を構える住民(約20戸)は大反対をしています。住民の多くは子育てをはるか昔に終えた老年/中年世代。保育園など利用しません。逆に迷惑と地価下落という明らかなデメリットしかない。たくさんの税金を費やして迷惑施設=保育園を作るなど承知できない。
一方で、子育て世代は手放しの大賛成。最寄り駅から徒歩5分という便利な立地に大きな期待が寄せらていますが、用地は閑静な住宅街のど真ん中。地元住民がこうむる迷惑に気づいているのか、はなはだ疑問が残る。
どちらの言い分にも理がありますし、エゴにも思えます。
みなさんは、どう感じますか??
 
この投稿に対しては7人からの回答があったらしいのだが、下記の回答がベストアンサーに選ばれていた。 
 
50代、子供無し、郊外(工場地帯ですけど、大音を発する工場はなし)に住んでいます。
●保育園に接する道路幅が約2mと狭く、通園時や避難時の子供の安全が確立できない。
 居住者、通園者以外は通行止にする。
●通園の自転車が混雑し、交通事故が増える。
 通園の自転車ってそんなに混雑するんですか?
●子供の声がうるさい。
 静かにしろと言うのは無理でしょ?
●上記の結果、地価が下がる恐れがある。
 地価な高いところに越せばいいんじゃないの?
●計画推進のスピードが速すぎて、十分な説明を受けていない。
 週1で説明させればいいんじゃないの?
 20戸だけの税金を投入するわけじゃないから、このまま建設されるんじゃないですかね?
 
中々シャープな回答なのだが、子育てがはるか昔に終わり、静かに余生を過ごしたいと考える世代の反対は根強いものがあるようで、最近でも保育所の建設計画が住民の反対で断念させられた。
 
<市川の保育所 また断念 近隣理解へ丁寧な説明を>
 2016年5月24日 朝刊 東京新聞
20160524hoikujyokaisetudannen.jpg 千葉県松戸市の社会福祉法人が同県市川市内に4月に開園予定だった保育所の計画を住民の反対で断念した問題で、市内の別の場所での新たな計画も住民の反対で断念していたことが分かった。前回と異なり、市への事業申請前に住民説明会を企画したが、子どもの声や道路の狭さへの懸念が相次ぎ、説明会を開けなかった。事業者は「近隣の反対が強かった」と話し、市によると別の土地を探すという。 (服部利崇、三輪喜人)
 同市の待機児童は今年4月1日現在、514人で、全国ワースト9位だった前年から141人増加。市は「住宅地は難しいと分かっていたが、理解ある地域かもしれず期待した。事業者も早めに対応したが、残念だ」(こども施設計画課)と話している。
 市などによると、今回の計画地は最初の予定地から西へ約2キロの閑静な住宅街。来年春の開園を目指し、ゼロ〜5歳児50〜60人を預かる計画だった。建設予定地は約600平方メートルで、現在は住宅。
 社会福祉法人は今月17日、地元自治会(556世帯)のうち、予定地周辺の約20世帯を訪ね、説明会を21日に開催する案内文を渡した。翌日から市や事業者に対し、「静かな環境を求めて大きな出費をした。保育所は認められない」「前の道は狭く、混雑して危ない」などの抗議が複数寄せられ、計画を見合わせた。
 近所の男性(61)は「手続きがおかしい。あいさつし、それから説明会の日取りだろう。交通トラブル回避に保育士が駆り出されれば、肝心の保育がおろそかになる」などと話した。
◆首都圏 相次ぐ中止や延期
 保育所の確保が課題となる中、住民の反発で建設中止や開園延期に追いこまれる事例が首都圏で相次いでいる。自治体や事業者には近隣住民への丁寧な説明が求められている。
 現在、5つの保育所の開園が予定より遅れている東京都世田谷区。区によると、計画公表時や着工前などの段階で説明会を何度も開く。1年近く話し合いが続くケースも。区が事業者とともに施設の必要性や待機児童の状況を伝え、住民の不安を聞く。子どもの声が気になるなら、二重窓にしたり、窓の場所を変えるなどして対応する。
 区の担当者は「反対の声も区民の意見。住民理解がないと、建設後にトラブルになることもあり、必要な過程だ」と指摘する。
 台東区では、今年四月開園を目指した認可保育所計画で、住民が反発。事業者と区が説明会を開いた結果、防音材の使用や二重窓などの対策で理解が得られ、三カ月遅れで開園の見通しとなった。
 千葉大大学院園芸学研究科の木下勇教授(まちづくり学)は、千葉県市川市の事例について「いきなり説明会ではなく、地域の下調べが必要だった。住民が狭い道を理由に反対しているのなら、安全な通行や歩車共存など地域の課題と結びつけて考える契機にもできた」と指摘。
 「市や事業者は、時間をかけてでも反対の理由一つ一つに耳を傾け、地域の課題として共有し、一緒に解決していく姿勢を見せることで対立が和らいだ可能性もある」と話している。
 
「ゼロ〜5歳児50〜60人を預かる計画」により助かる家庭は、子どもを含めて両親がいれば150人から180人近くにのぼる。
 
それと反対する「予定地周辺の約20世帯」の住民の数の多寡を比較すれば、より大きなメリットを受ける人たちの希望を優先するしかない。
 
最近、息子夫婦が生後3か月の女児を連れて、わが家から歩いて5分足らずの「築1年」という新居に越してきた。
  
いまから5〜6前にはオジサンの家の奥の傾斜地に6棟の建売住宅が売り出され、即完売していた。
 
そこに入ったある若い夫婦が、まさに息子夫婦と同様、乳飲み子を抱いて引っ越しの挨拶になってきたことを思い出す。
 
いまでは、その子らは園児となって朝の8時過ぎになると賑やかな声と共に親らと一緒に幼稚園に通っている。
 
その声が聞こえないと、少々心配してしまう年齢になった。
 
「騒音」と感じるのか、それとも「賑やかな声」と感じるのかは、その人の気の持ち方次第であろうが、「静かな環境を求めて大きな出費をした。保育所は認められない」というのは、あまりにも「先住民エゴ」むき出しの発想であり、どうやら日本から「忍耐と寛容」という言葉が死語になりつつある嫌な予感がする、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:05| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月23日

本土では「ゲスの極み」があふれ、沖縄は「痛恨の極み」が続く

4月28日から行方が分からなくなっていた沖縄県うるま市の島袋里奈さん(20)が昨日5月19日、遺体で発見された。沖縄県警は、元米軍海兵隊で現在米軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)を死体遺棄の疑いで逮捕。シンザト容疑者は島袋さんの殺害を示唆する供述をしているという。
 これを受け、新聞各社は本日20日付の朝刊で一斉に報じている。しかし、この逮捕前の2日間、事件をめぐる、“本土”マスコミの動きは、不可解極まりないものだった。」
 
こんな内容で5月20付けのリテラでは「沖縄の米軍女性殺害事件で本土マスコミが安倍官邸に異常な忖度! 読売は『米軍属』の事実を一切報道せず」と題して、いわゆる本土のマスメディアの報道のやり方に疑問を呈していた。
 
特に、完全に官邸の方向しか向いていない讀賣新聞は政治部の記事だけでなく、社会部や経済部の記事にまで、安倍政権の意向に沿うように徹底的に検閲をしており、そのスタンスは産経新聞より極端だ、とも批判されていた。
 
ちなみに、最新の産経新聞のこの事件に関する記事の見出しは「『草むら連れ込み乱暴』『首絞め、刃物で刺して殺害した』米軍属供述」と、かなり具体的な供述内容を記載している。
 
しかし讀賣新聞は「米軍属、一転して黙秘に…供述内容が不安定」と全く真逆のタイトルで読者をミスリードしているようである。
 
5月21日からは容疑者が自供し始めるとともに、「元海兵隊員の軍属による女性死体遺棄事件をめぐり、琉球新報社は容疑者の犯行態様の供述を踏まえ、人権に配慮して被害者名の報道を匿名に切り替えます。」となり、各社も実名は止めていた。
 
もっとも中年サラリーマン向け夕刊紙は、「沖縄女性死体遺棄事件 レイプ殺害認めた元米兵の“素性”」というタイトルで実名報道であったが、この事件は単なる「死体遺棄事件」ではなく、明らかな「強姦殺人事件」である。
 
さらに安倍政権が最も嫌がる正確な表現は、「元米兵による強姦殺人事件」であり、これが「米軍軍属による死体遺棄事件」と表現されれば、同じ20歳のアイドル・芸能活動をしていた女性が男性ファンに襲われた「傷害容疑 アイドル刺され重体…ファン?男を逮捕 東京」という事件によってかき消されてしまう。
 
沖縄県警はすでに、シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者の事情聴取段階で相当な証拠を固めていたのだが、県警内部で、捜査に圧力がかかっていたという。
 
安倍官邸の意向を忖度した県警上層部が「オバマ大統領の訪日前でタイミングが悪すぎる」と、言いだしていた。
 
それに対して「このままだと、捜査を潰されてしまう」と危惧した現場の捜査関係者が琉球新報にリークして報道させたことで捜査が進み、この琉球新報のスクープを「沖縄タイムス」が後追いし沖縄では一気に報道が広がっていったということである。
 
もっともどのメディアも、通常は欧米人の名前の表記は日本で言えば「姓」にあたるセカンドネームを使うところを、この殺人容疑者名はそろって「シンザト」というファーストネームを使っており、これは、あたかも容疑者は米国人ではないような印象を与えている。
 
恐らく沖縄県警がそのように発表させたのであろう。

ヒョットして「フランクリン」と表記すると、元アメリカ合衆国郵政長官の「ベンジャミン・フランクリン」とか、元アメリカ合衆国大統領の「フランクリン・ルーズベルト」を連想させてしまうので、許されないことだが、米国に対する配慮かもしれない。
 
さっそく沖縄では女性団体が喪章をつけた追悼行進を行った。
 
【米軍司令部前で沈黙抗議 米軍属女性遺棄事件で緊急集会】
 
 
<米軍属女性遺棄 女性団体が緊急集会 哀惜の歩み2000人>
 2016年5月23日 05:04 琉球新報
20160523okinawasyuukai.jpg
横断幕やプラカードを掲げて静かに抗議する参加者=22日午後、北中城村のキャンプ瑞慶覧ゲート前

 米軍属女性死体遺棄事件を受けた緊急集会「元米海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、米軍の撤退を求める集会」が22日、在沖米四軍調整官事務所がある北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧ゲート前で開かれた。参加者2千人(主催者発表)は喪章を着けて追悼の意を表し、プラカードを掲げて全ての基地と軍隊の撤去を求めた。マイクを使ったアピールはなく、基地周辺を静かに歩いて深い怒りと悲しみを表現した。翁長雄志知事は23日午前、首相官邸で安倍晋三首相らと面会し、今回の事件に抗議する。日米地位協定の改定も求める方向。
 集会の協賛団体には、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会、ワンストップ支援センターの設立を強く望む会、強姦救援センター・沖縄(REICO)、ジェンダー問題を考える会など、女性団体を中心に36団体が名を連ねた。
 参加者は黒や白の服に身を包んで抗議行動を行った。「全ての基地・軍隊の撤退を」「命を返せ」などのプラカードを掲げ、15分おきに、沈黙のまま基地内に向かって拳を突き上げた。
 基地・軍隊を許さない行動する女たちの会の高里鈴代共同代表は「過去に県民大会をやったのに、基地が撤去できなかった。悔いても悔い切れない」とした上で「事件は軍隊の持つ暴力性の結果だ。だから、今回は『基地・軍隊』の撤去を求めている」と説明した。
 集会で発表した声明文は(1)被害者を取り巻く人々への謝罪とケアが丁寧に行われること(2)真実が究明され、加害者への処罰が厳正に行われること(3)沖縄から全ての基地・軍隊を撤去すること−などを要求した。
 翁長知事は中谷元・防衛相や岸田文雄外相のほか、米国大使館への抗議も調整している。
 
さらに琉球新報では、松元剛・編集局報道本部長に特別評論記事を掲載していた。 
 
<守れなかった命 第2の容疑者は日米政府 オバマ氏は沖縄で直接謝罪を>
 2016年5月22日 16:25 琉球新報
 最悪の結末を迎えた米軍属の元海兵隊員による女性遺棄事件で、容疑者は女性を乱暴し、残忍な手口で殺害したと供述している。
 米軍基地問題の不条理に対し、沖縄社会は尊厳を懸けて抗う強さを増している。しかし、私たちは、成人式を終え、希望に満ちていた20歳の女性の命を守れなかった。
 痛恨の極みと言うしかない。
 名護市内で告別式が執り行われた21日午後、遺体発見現場に出向いた。多くの花束と飲み物がたむけられ、告別式を終えて駆け付けた同年代の女性たちが悲しみに暮れていた。化粧品のスペシャリストの資格を得る夢と結婚を控えていた人生を瞬時に奪われた被害者は、亜熱帯の樹種が重なる薄暗い雑木林の中に遺棄された。その無念さ、一人娘を突然奪われた両親の悲しみを思うと、猛烈な怒りが沸いた。こうべを垂れ、立ち尽くすしかなかった。
 米統治下の1955年9月、6歳の幼女を米兵が車で連れ去り、嘉手納基地内で何度も暴行して殺害し、基地内のごみ捨て場に捨てた。苦痛に顔をゆがめて歯を食いしばり、ぎゅっと結んだ小さな手には雑草が握られていた。立法院は「沖縄人は、殺され損、殴られ損で、あたかも人権が踏みにじられ、世界人権宣言の精神が無視されている」と抗議決議した。
 61年前の由美子ちゃん事件、1995年の少女乱暴事件、そして今回の事件は、軍隊組織で培われたむきだしの暴力が弱い女性の尊厳を容赦なく蹂躙(じゅうりん)する構図で共通する。基地がなければ、奪われることのなかった命は数え切れない。
 米軍基地の過重負担は、12万2千人余の県民が犠牲になった沖縄戦を起点とし、米軍統治下の27年間で積み重ねられた人権侵害が縦糸になっている。泣き寝入りした被害者を含め、無数の無念が戦後史に陰影を刻み、沖縄の施政権返還後も続く基地被害が横糸を紡ぐ重層的構造になっている。
 日本軍が駐留していたからこそ沖縄は戦場になった。不戦を誓う県民にとって、沖縄戦と今回の許し難い事件、そして名護市辺野古の新基地建設は地続きの問題だ。
 被害者にたむけるために花を購入した花屋の女性店主が「私の思いも届けて」と倍の花を包んでくれた。店主は「基地は仕方ないと思っていたが、基地があるから犠牲者が出る。考えを改めないといけないですね」と声を詰まらせた。
 過重負担の是正を求め、辺野古新基地を拒む沖縄の民意は民主主義的正当性を宿す。それを一顧だにせず、虚飾と印象操作に満ちた「負担軽減」の文言を繰り返すだけの無策の末、新たな犠牲者を生み出した日米両政府は、まぎれもなく第2の容疑者である。
 翁長雄志知事が国連人権理事会で「県民の人権と自己決定権が侵害されている」と世界に訴えた後、菅義偉官房長官は基地問題は人権問題ではないと批判していたが、今回の事件は最たる人権侵害以外の何ものでもなかろう。県内に渦巻く激しい怒りは、これまでの米軍事件とは全く次元が異なる。それを安倍政権は自覚せねばならない。
 2000年7月の沖縄サミットで、当時のクリントン米大統領は県民向けの演説で「米軍の足跡を減らす」と約束したが、空証文でしかなかった。同じ民主党出身のオバマ大統領は今月末の広島訪問に際して沖縄を訪れ、基地の島・OKINAWAに犠牲を強い続けていることを明確に謝罪し、辺野古新基地断念を表明すべきだ。
 沖縄は日米の植民地ではない。私たちには、子や孫の世代に新たな犠牲者を出す構造を立ち切る責務があり、「第3の容疑者」になることを拒む。そのために立ち上がるべき時が来ている。
 
シンザト・ケネフ・フランクリンが第一容疑者ならば「日米政府は第2の容疑者」とまで言い切れるのは、地元紙でも琉球新報だけであろう。
 
これは多くの県民の怒りに支えられているからこそできることである。
 
しかしその県民の永年の怒りは中々本土住民や安倍政権には届かない。
 
そして、予想通りというのか、この強姦殺人事件を受け、名護市辺野古の新基地建設阻止を掲げる「オール沖縄会議」は22日、緊急幹事会を開き、抗議の県民大会を6月にも開催することを確認した。
 
超党派による開催とすることも模索し関係者によると、開催日は6月19日を軸に調整しているという。
 
米兵たち3人による忌まわしい少女乱暴事件が起きた1995年に生まれた女性が殺された「強姦殺人事件」。 
 
当時の主催者発表で8万5千人が集まった県民総決起大会を上回る規模の怒りで、永遠に「痛恨の極み」の根っこを絶やさなければならない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:23| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月22日

動員学徒の青春・・・反応工程

世の中には、相変わらず残酷な事件が相次いでいるが、ようやく気候的には5月らしい、初夏の様相になってきた。
 
26日からの伊勢志摩サミットの影響なのか、サミット会場からは遠く離れているオジサンの地元の鉄道の駅にも、普段は見かけない防弾チョッキを付けた警官の姿がやけに目につくようになっている。
 
チョット古いのだが、知人の名前が載っていた記事があった。  
 
<平和でなければ芝居続けられぬ 俳優座、反戦に絞り年間上演>
 2016年3月16日 夕刊 東京新聞
 日本を代表する劇団の一つ、劇団俳優座(東京・六本木)が、反戦平和の願いを込めた芝居に絞った上演活動に取り組んでいる。夏の参院選で改憲が争点として浮上する中、若者の団体や本紙「平和の俳句」選者の俳人金子兜太(とうた)さんらが応援団を結成。劇団は「平和でなければ芝居は続けられない。演劇を上演すること自体を平和運動にしたい」と意気込んでいる。 (五十住和樹)
 劇団の創設は戦時中の1944年2月。創設を伝える新聞では、メンバーの千田是也(せんだこれや)さんが、治安当局に目を付けられていたため、検閲を考慮し名前を出さなかった歴史もある。
 制作担当の下(しも)哲也さん(64)によると、集団的自衛権行使を政権が認め、戦争へ向かう空気が広がってきたことを受け、劇団員には「国民が戦争に駆り出される近未来にしたくない」との思いが強く、反戦平和の演目を年間上演することを決めたという。
 1月には、安部公房作で、満州(中国東北部)を引き揚げる際の財閥家庭の悲喜劇を描いた「城塞(じょうさい)」を上演。5月には終戦直前の軍需工場が舞台の「反応工程」の上演を予定する。
 学徒動員を経験した劇作家、故宮本研さんの「戦後史三部作」といわれる戯曲の一つで45年8月、九州の軍需工場で炭鉱の石炭を化学変化させ薬品や爆薬を作り出す工程で働く動員学徒らの物語だ。原爆が投下され敗色が濃厚となっても召集令状が届く様子などが生々しく描かれる。
 
じつは、この夕刊記事が出る3日前、制作担当の下哲也さん(劇団俳優座制作部長)は64歳で心不全で突然亡くなった。
 
葬儀は近親者で営まれ「偲ぶ会」が4月6日午後6時から東京都港区六本木の俳優座稽古場で厳かに開かれ、その会に出席した人のブログから一部紹介する。
 
ひと月前に急死した俳優座制作の下哲也氏(64)を偲ぶ会が六本木・俳優座稽古場で。北海道から九州まで、各地の演劇鑑賞会の方々、各劇団、俳優、メディア関係者、評論家などが出席、盛大な会になった。
清水直子さん、早野ゆかりさんら俳優座の女優さんたちに挨拶。先日の公演で脚本を書いた美苗さんとは2010年の「心の止り」で親しくさせていただいた。先日の二作目「ラスト・イン・ラプソディ」は心に残る佳品だった。
今年、俳優座は年間を通して「戦争と演劇」をテーマに公演を行う。その中心になったのが下さんだった。さぞや心残りだっただろう。
「俳優座は千田是也らの遺志を伝える劇団。こんなふうな、明日にでも戦争が起きかねない時代に演劇で抗するのは当たり前。劇団としての覚悟は出来ている」と代表の山崎菊雄さんが言う。
再び戦争の時代になったとしたら、劇団はどうあるべきか。山崎さんの心強い同志だった下さんの不在は大きい。
新劇の巨木である俳優座の消長は若い俳優、スタッフの双肩にかかっている。
「アンチ新劇」を掲げたアングラが変質を重ね、今では時代と斬り結ぶことから遠ざかっているように見える。
 
今は亡き作家の宮本研は、戦後三部作の「反応工程」「日本人民共和国」「ザ・パイロット」、革命四部作の「明治の棺」「美しきものの伝説」「阿Q外伝」「聖グレゴリーの殉教」など1970年代前半までの作品の多くは、革命運動の中の革命党、革命指導者と民衆の矛盾を描くことが多かった。
 
宮本研は「人にはどうしても人に語りたくないものがあり、そんな時、人はたとえばモノを書いたりする。私の場合は、それが『反応工程』だった」と書いていた。
 
劇団俳優座は5月13日から22日まで、連続10日間の公演を紀伊国屋ホールで行っている。
 
その公演の前日にはこんな記事が掲載されていた。
 
<動員学徒の苦悩、二方向から 俳優座と文化座が競演「反応工程」>
 2016年5月12日16時30分 朝日新聞DIGITAL
 軍需工場で働く動員学徒の叫びや苦悩を描いた宮本研・作の舞台「反応工程」が今月、劇団俳優座と劇団文化座の公演で競演される。それぞれの演出家に聞いた。
 ■俳優座・小笠原響「不条理さ見せる」 文化座・米山実「社会の縮図焦点」
 終戦直前の九州の軍需工場で、石炭を化学変化させて爆薬を作り出す「反応工程」で働く動員学徒の物語。徴兵への焦燥感や思想統制への怒り、敗戦の準備を進めているのに工程を止めない大人たちへの不信感が、動員学徒を中心に描かれている。軍需工場に学徒動員されていた宮本の自伝的な作品だ。
 俳優座は演出家の小笠原響(きょう)を迎え、文化座は劇団の米山実が演出をする。
 現代に上演する意義について小笠原は「動員学徒たちに召集令状が来ると、周りの人が『おめでとう』と言うなど、戦争の不条理さを考えるきっかけになれば」と言う。召集令状が届く場面では学徒の心の動きを大切に演出する。
・・・後略・・・
 
俳優座の演出を初めて手がけた小笠原響は両親も俳優だという。
 
その演出家の小笠原はこの原作者についてこんなことを言っていた。
 
「・・・彼が動員された大牟田の石油化学工場は大空襲に遭い、共に働いた仲間が命を落としました。広島・長崎と原爆も落とされました。しかし終戦直前の8月、宮本氏は栄養失調で郷里の天草に帰っていて助かったそうです。かれは財閥が経営する巨大な工場で働くうちに、戦時下でありながら私腹を肥やす「戦争を好む者」の存在を感じたようです。新型兵器の存在も分かっていたはずのなのに戦争を続行し、失わなくても済んだはずの沢山の命が失われました。その責任はどこにあるのか、本当にそれは全て追及され明るみに出されたのか。宮本氏は生き残った者として沈黙し『わだかまり』を持ち続ける日々にふと気づき、知り得ることを証言する責任があると、お感じになってこの『反応工程』をお書きになったのでは・・・」
  
亡くなった下哲也さんの遺作にもなった「反応工程」の最終日なので、これから見に行くことにする。
 
20160521hannoukoutei.jpg


posted by 定年オジサン at 10:26| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月21日

抜くか抜けないのか首相の解散権

「人生で一番無駄な2時間だった」とは、昨日の都庁での舛添要一都知事の釈明会見を見ていた民放番組のあるコメンテーターの一言。
 
無味乾燥の会見内容はいまさら詳述するのはまさに時間の無駄なのだが、もっと重大なニュースがあるにもかかわらず、100名を超すマスメディア連中が集まって、あたかも直ちに国民に知らせななければならないような取り上げ方には「疑惑」が湧いてしまった。
 
安倍政権に完全に「コントロール」されているマスメディアは、甘利明TPP担当大臣の釈明会見では決して政権に不利なるような質問は控え、むしろ「斡旋利得罪」になるような人物を英雄に仕立て上げていた。
 
ところが、今度の舛添要一都知事の場合は「大いに派手に叩け」とのお許しがでたかのごとくのはしゃぎ振りである。
 
こんな場合、国民の目から重要な事案(事件)そらすという思惑が必ず存在する。
 
たとえば、東京オリンピック招致買収疑惑、パナマ文書、さらには通信傍受法と刑事訴訟法の改悪法案参院通過といった重要なテーマがあり、特に刑訴法、通信傍受法の改悪に対してのマスメディアの反応は鈍かった。 
 
<舛添叩きの裏で進む 逮捕されたら「ハイそれまでよ」>
 2016年5月20日 15:40 田中龍作ジャーナル 
20160521tanaka01.jpg
市民たちは国会議員に向かって刑訴法、通信傍受法の改悪に反対する声を2週間連続で上げ続けた。=17日、衆院会館前 撮影:筆者=
 
マスコミが舛添叩きに血道をあげる裏で、ファシズムに向けた動きがまたひとつあった。
 通信傍受(盗聴)法と刑事訴訟法(取り調べ可視化)の改悪法案が参院を通過したのである。衆院に送られて来週にも成立する見通し。
 通信傍受法の改悪により捜査機関による「合法的盗聴」が拡大する。これまでも警察は盗聴し放題だった。
 だが法廷に証拠として提出できる犯罪は4種類(薬物、銃器、組織的殺人、集団密航)に限られていた。
 法改悪により新たに9種類の盗聴が可能になり証拠となる。9種類とは窃盗、詐欺、殺人、傷害、放火、誘拐、監禁、爆発物、児童ポルノ。
 
20160521tanaka02.jpg
日弁連に抗議の声があがった。「人権の砦」であるはずの日本弁護士会館の前で抗議集会が開かれること自体珍しい。=16日、霞が関 撮影:集会参加者=
 
 刑訴法改悪は捜査当局のキモイリだ。「マスコミは全過程の可視化」と表記しているが、現実は違う。
 法廷に出てくるのは警察、検察にとって都合のよい部分だけ。その映像と音声を視聴した裁判員は「やっぱり被告はクロだったのか」と思うようになるだろう。
 冤罪の温床となるのは火を見るより明らかである。誰もが逮捕され確実に有罪となる社会が訪れようとしている。
 怖いのは弁護士会が権力に取り込まれたことである。17日、日本弁護士会館で開かれた集会では司会役の弁護士が「刑訴法改悪を日弁連の執行部が推進しようとしている。執行部への糾弾集会としたい」。
 前日には同会館前で市民団体が、日弁連への抗議集会を開いた。
 法律を駆使して権力から市民を守ってくれる― 人権の砦だった弁護士が、そうではなくなろうとしているようだ。
 刑事訴訟が戦前戦中の暗黒時代に戻ろうとしている。
 
さて、安倍晋三首相は16日午前の衆院予算委員会で、夏の参院選に合わせて衆院選を行う同日選に関し「解散については、今まで一度も言っていないし、解散の『か』の字も考えていない」と重ねて強調した。
 
しかし、追い詰められた舛添要一都知事が辞任すれば、都知事選と参院選が重なる可能性もあるのだが、そうなれば衆議院の解散総選挙も、ますます実現性が高くなる。 
 
もっとも、昔から解散は総理大臣の専権事項などと言われてきた。 
 
10日ほど前になるが、元東京地検検事公安部長のヤメ検弁護士で2年前の総選挙で自民党の国会議員となった若狭勝は、こんなことをオフィシャルブログで言っていた。
 
<解散の「か」の字もない、総理の言葉に嘘はない !?>
 2016年05月12日(木) 
 古来、「嘘つきは泥棒の始まり」と言われてきましたが、
なぜか、解散の時期についてだけ、首相の嘘は許されるとされてきました。
かつて、「解散については頭の片隅にもない」と言っていたある首相が、
言を翻して解散した後、「頭の真ん中にあったのだ」と強弁したこともありました。
その昔、永田町だけで政治を行なっていた時代であればともかく、
これだけ透明性や説明責任が求められ、国民との約束が重視される
ようになった現在の政治においては、「嘘をついてもいい」というのは、
ある意味、国民に対する裏切りでもあります。一事が万時です。
信頼される総理の像としては、嘘を言っていいはずがありません。
嘘を見抜く専門家の立場から申しますと、嘘には、2種類あります。
殊更に虚偽の事実や間違った内容を告げる「積極的な嘘」と、
相手の誤解や勘違いをそのまま放置しておく「消極的な嘘」です。
政治の世界では、戦略的な駆け引きの観点から、
答えをはぐらかしたり、消極的な嘘をつく場面をまま目にしますが、
他方、積極的な嘘は、結果的に国民を騙すことになりますから、
基本的には、許されないはずです。
さて、それでは、記者などから解散の時期を尋ねられたら、
どう答えればよいのでしょか。
政治家には、それぞれのスタイルがありますから、
模範解答はないのかもしれませんが、一例を挙げるなら、
一貫して「ノーコメント」と言っておくのが、無難なように思われます。
そうではなく、普段は、「解散はありません」と言っていた人が、
ある日を境に、突如「ノーコメント」を連発しだしたら、
逆に、そろそろ解散しますと言ってるようなものなので、そういう人は、ある意味、
正直な人なのかもしれませんが、無為無策な政治家と評価されかねません。
だから、「ノーコメント」を口にするのであれば、初めから貫く必要があります。
ところで、安倍総理は、「解散の『か』の字もない」と述べています。
であれば、解散はないと考えるべきです。
かく述べながら、何ら事情の変化もないのに解散に出るというのでは、
信頼されるべき総理の像からは、相当かい離してしまうからです。
 
国際的に「ペテン総理」として名高い安倍晋三首相だから、まともなことは言わないし、「嘘つきは政治家の始まり」を体現しているので、このヤメ検の主張は甚だ怪しいものがある。 
 
この「首相の解散権」については、ヤメ検ブログが更新された翌日に、こんな記事が載っていた。
 
<(異議あり)制限ない「首相の解散権」時代遅れ 統治システムを憂える政治学者、野中尚人さん>
 2016年5月13日05時00分 朝日新聞
  「伝家の宝刀」を抜くや、いなや――。首相が衆院を解散する権限は、参院選との同日選の可能性などともからみ、いつの世も関心事だった。しかし、この「不意打ち」は国民に広く悪影響を及ぼすもので、欧州では解散の権限を縛る流れが定着してきたと、政治学者の野中尚人さんは唱えている。何がどう、問題なのだろう。
■政局判断での総選挙、落ち着いて政策に取り組めぬ
 ――首相が衆院をいつ解散するのか、しないのか。歴史を振り返っても、常に人々の注目を集めてきた問題です。
 「首相1人がいつでも衆院議員全員をクビにできるとみなされているようですね。慣行の積み重ねの結果ですが、考え直すべき時期です。無制限な解散権は今や時代遅れになっており、国民に深刻な悪影響をもたらすだけだと考えられています」
 ――「解散で民意を問う」のはいけないことですか。
 「そもそも解散とは何でしょう? 中世ヨーロッパで議会と国王が対立した際、国王が気に入らない議会を解散したのが起源でした。18世紀以降に議院内閣制が形成されるにつれて、政府の運営には次第に議会多数派との信頼関係が必要になっていきました」
 「ところが、重大な問題が生じて議会多数派と政府との合意が崩れたり、議会多数派が割れてしまったり、単純に政府が議会多数派の信任を失ってしまう可能性もあります。こういう事態に際し、政府と議会との間の対立を解消させるために改めて国民に判断をゆだねるのが解散です」
 ――議会制民主主義の基本的な仕組みですね。
 「ふまえておくべきなのは、いまや主要先進国は解散権を制約し、ほぼ使えないようにしているという民主主義の潮流です。例えば、日本では何かとお手本とすることの多い英国を見てみましょう。歴史的な経緯もあって、日本と並んで、首相に強い解散権が残されてきた例外的な国として知られていましたが、2011年に、議会が内閣不信任した時以外にはほぼ解散ができないとする法律が成立しました。ヨーロッパでは、政府の最高責任者がいつでも議会を解散できる有力国は限られるようになっています」
     *
 ――なぜ各国は解散権を縛るようになったのでしょう。
 「根底には、政治エリートが勝手なことをやるのは慎むべきだという考えがあります。そして、政府には有権者との約束実現にじっくり取り組ませることが重要だと。任期が4年なら、4年でやるという公約、マニフェストあるいは基本方針を有権者に示して選挙を戦い、与えられた任期で実行する。任期中にできたこと、できなかったことをもとに次の選挙を戦うサイクルを重視しているからです」
 「日本でも、衆議院によって内閣が不信任され、内閣総辞職を避ける場合には、憲法69条による解散が可能ですが、これは他の主要国でも依然認められている解散に近いものです」
 「しかし問題なのは、憲法7条を根拠とする解散です。内閣の助言と承認があれば天皇の国事行為としていつでも解散できるとされ、首相1人がだれにも邪魔されずに解散について判断できるという解釈につながっています。世論調査などが発達した現代では、いつ衆院選を行えばどの党にとって有利かをかなりの程度まで予測することが可能です。首相は自らに最も有利な選挙のタイミングを選ぶことができるのです」
 「首相は解散をちらつかせて、野党ににらみをきかせるだけではなく、政府・与党内の求心力を保とうとします。日本では衆院選だけでなく、参院選、政党の総裁や代表の選挙も首相の進退にかかわるので、政局を次々と仕掛けてばくち的な勝負事に打って出ながら政権運営しなければなりません。だから、落ち着いて政策に取り組むのが難しいのです。逆説的ですが、日本の首相は内閣や国会でほとんど正式な権能を持たない『弱い首相』の典型。自由な解散権という残された武器で何とか頑張ろうとするわけです」
 ――とはいえ、憲法で認められているとの解釈があるわけですよね。
 「憲法は明示的に恣意(しい)的な解散をやるなとは書いていないし、明示的にどんな解散もできるとも書いていません。しかし、だからといって、憲法が改正されない限り、首相が解散するのを止める方法はないというのは誤りです。責任ある政党の間で、任期満了まで、不信任にならない限り衆院を解散しないことに合意すればいいのです。つまり政治的な知恵の問題です」
 「ヨーロッパの主要国は、政治家、官僚を問わず、統治のシステムをよりよいものにしようと常に工夫し、努力しています。日本は、明治維新の後には伊藤博文らが必死に政治制度を研究しました。いまはどうでしょう。政治の仕組みとしては非常に特異な進化を遂げた、あるいは進化を止めてしまったのではないかと感じています。これを私は政治の『ガラパゴス化』と表現しています」
 「フランスの政府高官から『各国と行政の組織や運営について意見交換をしているが、日本からだけはまったくコンタクトがない。どういうわけか』と質問されました。政治家や政府高官たちは、諸外国の統治の仕組みがいまどうなっているか勉強しているでしょうか。私はだいぶん懐疑的に思っています」
     *
 ――解散権のひずみは、私たちの現実の暮らしと関係あるのでしょうか。
 「政局判断で解散が行われ続ける限り、総選挙の果たす役割はどうしても限定されてしまいます。短い周期の解散はつまりリーダーシップや意思決定の仕組みが弱いことの結果ですが、そのために国民はいつも『不意打ち』を受けることになります。しかも、国民や野党だけでなく与党までもが不意打ちで右往左往しているのが現状のようです」
 「極めつきは、現状の経済政策、特に金融緩和でしょう。『景気回復にはこの方法しかない』とアベノミクスを掲げ、成果を強調しています。しかし、その裏でこれからの政策は、巨大な財政赤字と人口減少・老齢化という条件の下で、将来どれだけのコストがかかるか、後の世代にどのようなリスクがあるのかをほとんど説明していません。衆院選という国民との対話の機会が、閉じたものになっているというべきかもしれません。加えて与党も不意打ちを受けているせいか、内部でもまともな検討・議論がされていないようにみえます」
 ――「解散についてはウソをついてもよい」と永田町では言われているようです。
 「サプライズ効果を重視するからなんでしょうが、ひどい話ですね。メディアの責任も重大です。
 ある新聞社の幹部の方が『やっぱり解散がないと商売あがったりなんだよな』と話していました。正直な感想なのでしょうが『首相の大権』『首相の専権事項』などと無批判に報道し続けるのは問題だと思います。『だまし討ち』を肯定する政治手法で国民がどれだけ被害を受けているのかをしっかり受け止めてほしいです」
     ◇
 のなかなおと 58歳 1958年高知県生まれ。学習院大学教授。現代日本政治、比較政治が専門で、著書に「自民党政治の終わり」「さらばガラパゴス政治」。政策会議について近く出版する予定。今年度は欧州に研究の拠点を移している。
 ■任期満了は1度だけ
 現憲法下で衆院議員が任期を満了したのは1976年12月の三木武夫内閣時だけだ。それ以外はいずれも、任期途中での解散を受けて選挙になった。
 このうち憲法69条に規定されている内閣不信任決議案が可決した後の解散は、吉田茂内閣の48年、53年、大平正芳内閣の80年、宮沢喜一内閣の93年と計4回だけ。圧倒的多数の19回が69条を根拠としない解散で、7条解散とも呼ばれている。
 いわゆる7条解散をめぐっては、吉田内閣による48年の解散時、連合国軍総司令部(GHQ)が69条解散以外は認められないとの立場だったため、与野党で話し合い、内閣不信任案を可決した上で解散した。しかし、52年に吉田内閣が初めて、69条によらない「抜き打ち解散」を行った。これを違憲とする訴訟(苫米地訴訟)が起きたが、最高裁は60年に「高度に政治性のある国家行為」だとして判断を避けた。統治行為論を認めた判例とされている。
 80年と86年には、解散により衆参同日選挙が行われた。
 ■取材を終えて
 20年以上前、首相官邸の担当になった初日に、解散の詔書を包む「紫の袱紗(ふくさ)」のことをいつも考えるよう指示された。首相が解散についてどう考えているのか探るのは政治報道の重いテーマだが、その前提として、「首相はいつでも解散できる」ことが議会制民主主義の普遍的なスペックだと思い込んでいた。解散については首相のウソも許されるといった「常識」にどっぷりつかっていたことを恥じるしかない。(池田伸壹)
 
「政局判断で解散が行われ続ける限り、総選挙の果たす役割はどうしても限定されてしまいます。短い周期の解散はつまりリーダーシップや意思決定の仕組みが弱いことの結果です」という指摘は、衆参同日選挙で議席の2/3以上を確保して、憲法改正の発議を目論んでいる安倍晋三首相にソックリ贈りたい言葉である。
 
野党側が国会で主導権を握っているような状況ならば、内閣不信任案を提出し政権を追い詰めることが可能だが、議席数で圧倒的に与党が多数を占めている現状では、政局を動かすカードにはならない。
 
だからといって、政権交代の姿勢を国民に示さなければ「責任野党」ではないと批判されてしまう。
 
このような状況から、どうやら「民進、増税2年間延期法案提出へ 内閣不信任はサミット後判断」ということらしいが、これは日程的に6月1日の国会閉幕日に、安倍晋三首相に「内閣不信任案が提出されたので国民に信を問いたい」という解散権を許し「思うつぼ」になってしまうことになるだろう、とオジサンは思う。


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月20日

日本人女性の遺体発見が「最悪のタイミング」?

4月末に行方不明になった沖縄在住の女性の遺体が発見され、容疑者として元海兵隊員で現在は米軍属の男が逮捕され、沖縄県内にはまたもや怒りの声が上がり、米軍基地の存在に大きな批判が集中し始めている。
 
沖縄県民の怒りを早急に鎮めようと早速動いたのがこの2人。
 
沖縄女性遺体 岸田氏「強く抗議」…ケネディ大使と会談」 
20160520kisidagaisyo.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

「極めて遺憾だ。強く抗議する」なんていつもの官僚用語でお茶濁していた。

ケネディ大使「深い悲しみ」 明確な謝罪の言葉なし
20160520kenedytaisi.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

  
そして当然、怒りを抑えきれない人もいる。
 
『怒り 持って行き場ない』 知事、政府を痛烈批判
20160520onagatiji.jpg
【朝日新聞DIGITALより】
 
そして見逃せないのが、政府与党からの死者に鞭打つかのような発言である。
 
<オバマ氏訪日と参院選前…政府困惑 軍属の男逮捕に>
 テレビ朝日系(ANN) 5月19日(木)17時0分配信
沖縄県うるま市の20歳女性行方不明事件で19日午後、女性の遺体が見つかりました。沖縄県警は死体を遺棄した疑いで軍属の男(32)を逮捕しました。アメリカのオバマ大統領が歴史的に広島を訪問をする直前のタイミングというだけに、日本政府は困惑しています。
 (政治部・藤川みな代記者報告)
 政府・与党内からは「本当に最悪のタイミングだ」という声が相次いでいます。政府としては、オバマ大統領の広島訪問で悲惨な歴史を乗り越えた日米の同盟関係を世界にアピールしようとしていた矢先の事件で、友好ムードに水を差された状況です。日本政府はこれまでも、アメリカ軍関係者による事件が発生する度にアメリカ側に抗議し、綱紀粛正と再発防止を求めてきました。しかし、3月に女性が暴行された事件に続いて、またしてもこのような事件が起きたことで、自民党内からは「日米首脳会談でも取り上げて強く抗議するべきだ」という声が出ています。そして、沖縄県はもともと、自民党にとって厳しい戦いが予想されている選挙区ですが、この事件によって来月に予定さている県議会選挙、そして7月の参議院選挙に大きい影響が出るだろうという見方が出ています。  
 
こんな「本当に最悪のタイミングだ」という声に対しては、まともなネット市民からも批判が出ていた。



ひとり娘を殺された両親からすれば、「最悪の出来事」である。

そのような遺族感情には全く無神経なのが、いわゆる本土の人間だといわれても返す言葉がない。
 
<(時時刻刻)怒る沖縄、辺野古へ波及 元米兵を逮捕 県議・参院選控え一斉批判>
 2016年5月20日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 米軍基地が集中する沖縄県で19日、米軍属の男(32)が女性の死体遺棄容疑で逮捕された。翁長雄志(おながたけし)知事は「基地があるがゆえの事件」と断じる一方、オバマ米大統領の訪日を控えた日本政府は、岸田文雄外相が米政府に抗議するなど対応に追われた。沖縄県議選や参院選を控え、米軍普天間飛行場の県内移設をめぐる沖縄と安倍政権の対立が激化する可能性もある。
 翁長知事は19日夜、米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設計画に反対する姿勢を伝えるため出張していた米国から帰国したばかり。成田空港で記者団に「連邦議会議員、有識者らに沖縄の米軍基地がいかに理不尽な形で置かれているかと話してきた。その矢先に、基地があるがゆえの事件が起きてしまった」と語った。
 翁長氏を支える県議らも一斉に批判の声を上げた。被害女性が住むうるま市選出の山内末子県議は「あまりにひどい事件で言葉にならない。沖縄の人なら誰でも怒りを覚える」。新里米吉県議も「基地問題を解決するには、基地を減らしていくしかない」と憤った。
 警察庁によると、全国の警察が検挙した米軍人と軍属、その家族による刑法犯事件はここ数年、数十件で推移。昨年は76件(82人)だった。このうち沖縄は34件(42人)と、半分近くを占めている。
 1995年には海兵隊員らによる少女暴行事件が発生し、基地反対運動が大きなうねりとなった。県民大会に8万5千人(主催者発表)が集まり、翌年の日米両政府による普天間返還合意につながった。ただ米兵らによる事件は後を絶たず、今年3月にも観光客の女性に性的暴行を加えたとして海軍兵が準強姦(ごうかん)容疑で逮捕されている。
 今回の事件を受け、ある県議の陣営関係者は「県民は再び基地集中の矛盾に目を向けざるを得なくなる。『辺野古』への反発もさらに燃え上がるかもしれない」と指摘する。
 沖縄では今年、大きな選挙が続く。普天間のある宜野湾市であった1月の市長選では、「反辺野古」候補が政権に近い現職に大敗。今月27日には、県政与党が過半数を維持できるかが焦点となる県議選が始まる。夏の参院選は、自民現職に翁長氏側が擁立する新顔が挑む構図になる見通しだ。
 それだけに、翁長氏と対立する自民党県連は19日、沖縄防衛局に20日に抗議申し入れをすると決定。具志孝助県連幹事長は「人命が失われており、県民は怒っている。辺野古問題に関係なく徹底的に抗議する」としつつ、こう語った。「こういう事件が起きると政権への風当たりが強くなるので、早めに対応するしかない」(上遠野郷、小松重則)
 ■「時期まずい、大変な事に」
 事件は5月下旬に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)やオバマ米大統領の広島訪問を控える日本政府にも波紋を広げた。
 岸田文雄外相は19日深夜、ケネディ駐日米大使を外務省に呼び、「このような事件が発生したことは言語道断であり、強い憤りを覚える。ご遺族の悲しみを思うと胸が張り裂ける思いだ」と述べ、さらに「米軍人、米軍属の綱紀粛正と事件事故の再発防止の徹底」を求めた。ケネディ氏は終始、硬い表情で「このような事件が再び起こらないよう、私どもとして最大限努める」と語った。
 また、中谷元・防衛相も同日夜、防衛省内で在日米軍司令官のドーラン中将に対し、「強い遺憾の意を伝える」と抗議したが、ドーラン氏は「捜査に全面的に協力する」としながらも、「(容疑者は)現役の軍人ではなく、米軍に雇用されている人物でもない」などと述べた。
 安倍内閣の閣僚の一人は「タイミング的にまずい。大変なことになった」と嘆く。サミットやオバマ氏の広島訪問など重要な日米間の外交日程が続く中、友好ムードに水を差すことになるからだ。公明党幹部は「日米首脳会談でも触れざるを得ないかもしれない」とみる。
 事件は、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画にも影響するとの見方が出ている。政府と県は、移設作業を巡る訴訟が和解したことを受けて設置された協議の場「作業部会」を30日に開くことを決めていた。だが、政府側は日程の先延ばしの検討も始めた。自民党関係者は「何年もかけてきた努力が水の泡になる」と語った。
 さらに、今後は6月に投開票される沖縄県議選や夏の参院選などで、基地問題が問われるのは必至だ。政権が日米同盟を前面に掲げているだけに、選挙戦に影響を与える可能性もある。
 参院選で改選を迎える自民党県連会長の島尻安伊子(あいこ)沖縄担当相は19日夕、記者団に「報道されている内容については承知しているが、コメントはしない」。安倍晋三首相も、事件について尋ねた記者団の問いかけに無言だった。(山岸一生)
     ◇
 米国防総省は19日、朝日新聞の取材に「沖縄の地元当局の捜査には全面的に協力している」とコメントし、容疑者については「米軍所属ではなく、米空軍嘉手納基地で働く民間会社の請負人だ」とした。一方、「捜査中であり、事件の捜査に関わる、提供すべきこれ以上の詳細な情報はない」とも語った。(ワシントン)
 ■沖縄での米軍関係者による主な事件
1995年9月 海兵隊員ら3人が沖縄本島で小学生の女児に暴行したとして起訴
2003年6月 海兵隊員が金武町での女性への強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕
  05年7月 沖縄本島で空軍兵が小学生の女児への強制わいせつ容疑で逮捕
  07年1月 陸軍兵が沖縄市で女性を殴り、強盗致傷容疑で逮捕
 11年11月 軍属が沖縄市での自動車運転過失致死罪で在宅起訴
  12年8月 海兵隊員が那覇市での女性への強制わいせつ致傷容疑で逮捕
    10月 海軍兵2人が沖縄本島での女性への集団強姦致傷容疑で逮捕
  16年3月 海軍兵が那覇市での女性に対する準強姦容疑で逮捕
 
一体、何度「米軍人、米軍属の綱紀粛正と事件事故の再発防止の徹底」という言葉を聞かされたのだろう。

沖縄県人のみならず、多くの国民の記憶に新しいのが、1995年9月4日に沖縄県に駐留するアメリカ海兵隊員2名とアメリカ海軍軍人1名の計3名が、12歳の女子小学生を拉致した上、集団強姦した強姦致傷および逮捕監禁事件であろう。
 
その後、大規模な県民大会が開かれ反米・反基地運動が盛んになったのだが、実際は戦後の1945年3月26日から、1995年の5月10日まで絶え間なく【米兵による戦後沖縄の女性に対する犯罪】が発生していることを忘れてはならない。
 
日本を植民地同様に扱っている米兵にとっては、戦地から戻った時の沖縄本土は「治外法権」地域と思い込んでいる。
 
米国人は軍人だけでなくすべての者が、軍用機で自由に日本の米軍基地を往復できる。
 
税関の入国審査を一切受けることなく、誰もが米国軍用機に乗れば米国本土と在日米軍基地を往復できてしまう。
 
そしていったん在日米軍基地に降り立てば、そこから日本のどこにでも自由に行き来することができる。
 
さらに、日本で不祥事を起こしても、在日米軍基地に逃げ込めば、日本の主権は及ばないことが「日米地位協定」で定められている。
 
したがって、日本国内に駐留している米兵に対しては「綱紀粛正」という言葉は通用しないのである。
 
もはや、このような惨事を防ぐには「米軍基地撤廃」という抜本的な解決しかない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:53| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月19日

やはり「増税延期」で衆参同日選なのか

またもやかみ合わないというのか、安倍晋三首相があえて答えたくない、答えられない質問に対して、はぐらかし自説を滔々と披瀝するという党首討論であった。
 
国民に対して分かり易い説明をする絶好の場であるにもかかわらず、安倍晋三首相にとっては「討論」ではなく「闘論」と勘違いして、相手を如何に言い負かすかという競技ディベート(最狭義のディベート)をやっているつもりらしい。
 
そんなディベートでも、正確な情報に基づき理路整然と行われるのなら歓迎するのだが、単に時間稼ぎして、時間切れを狙うのなら初めからやらない方がましである。 
 
昨日の党首討論に関しては、ブログ・植草一秀の『知られざる真実』のブログ主は「党首討論で露見した安倍首相の悲惨な算数能力」と題して痛烈な批判をしていた。
 
・・・前略・・・
 安倍晋三氏は共産党の志位和夫委員長との討論において、算数能力の欠落ぶりをいかんなく発揮した。
個人の実質所得が2016年3月の数値で+1.4%を記録したことを大宣伝した。
安倍氏は2016年3月の毎月勤労統計における実質賃金指数が前年同月比+1.4%を記録したことを大宣伝したと見られるが、単月の数値だけを大宣伝すること自体、ミスリーディングである。
3月は「特別に支払われた給与」が前年同月比+19.8%の突出して高い数値を示した。
その影響で現金給与総額が前年比+1.4%の高い伸びを示したが、所得の基調を見る上で、単月の数値だけを見ることは適当でない。
実質賃金指数は2014年が前年比−2.8%、2015年が−0.9%
の減少を記録しており、最近の月次指数は
2015年11月 −0.4%
2015年12月 −0.2%
2016年 1月  0.0%
2016年 2月 +0.3%
を記録しており、3月の数値だけが突出している。
「異常値」のような例外的な数値を用いて強弁するのは、「詐欺師の手法」である。
ところで「算数能力欠落」の意味はこれだ。
衆議院TVインターネット審議中継
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=45890&media_type=
ビデオライブラリー
2016年5月18日
国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)
志位和夫氏の質問
ビデオ 1時間02分50秒から1時間03分  秒の部分
安倍氏はこう述べた。
「実質賃金というのは、3%消費税を上げましたから、3%分をですね、削られてしまうわけですから、そこで上げてゆくというのは大変なんですが、3月においては1.4%プラスになったということは、まず申し上げておきたい」
この発言のどこが「算数能力の欠落」なのか。
安倍氏の発言は、
「賃金が消費税増税による所得の目減りを消して増加した」
という意味になるが、まったく違う。
前年同月比の伸び率だから、名目賃金伸び率から差し引くインフレ率に、もう消費税増税の影響は含まれていないのだ。
かなり悲惨な間違いである。
何も知らない視聴者は、賃金が消費税増税分を打ち消して増加したのだと勘違いする。
このような、間違った数値解釈で国民に虚偽説明するで首相には退陣してもらうほかないだろう。
 
上記の中で紹介されていた共産党の志位和夫委員長の前に討論を行った、民主党政権時代に担当相として消費税増税を決めた民進党の岡田克也代表はこれまで、増税先送りの明言を求める党内の声に対し、あいまいな態度を続けていた。
 
本人は財政再建派を自任するだけに、安易な増税先送りには抵抗があったとみられたのだが、安倍晋三首相が先送りの方針を固めていることを逆手に取り、参院選前の最後の見せ場で「アベノミクスの失敗」を追及する方向に舵を切ったらしい。
 
首相の正式発表の前に税の新たな制度設計案を示すことで、責任野党の一面をアピールする狙いもあったのだろうが、こんなパフォーマンスはかなり前から安倍政権に対して批判的な識者たちからは促されていた。
 
それでも、この岡田克也代表の「突然の」舵きりで、さすがの産経新聞も「民進・岡田氏の抱きつき戦術に驚く安倍首相 先送り判断時期に影響?」と書く羽目になっていた。
 
メディアが発表する記事には、独自取材による記事の他には、政権首脳からのリーク情報記事や、政権の思惑を忖度した記事もあるが、時にはあえて正反対の流れを強調する記事を書くこともある。
 
昨日の党首討論の「増税先送り」の嫌な流れを察知したかのように、讀賣新聞は「『消費税、予定通り10%に』財政審が提言提出」と、どうでもよい内容を流していた。
 
これは、勘ぐれば「それでも消費税の増税はできない」という強い決心が安倍晋三首相にあるというサインなのであろう。
 
既に5日前には日本経済新聞が「消費増税再び延期 首相、サミット後に表明 地震・景気に配慮」と断定的な記事を発信していた。
  
そして、その動きは現実的なものになりそうである。 
 
<首相、消費増税を再延期 表明時期、延期期間は与党と調整入り>
 2016年5月19日 06時59分 東京新聞
 安倍晋三首相は18日、来年4月に予定される消費税率の10%への引き上げを再延期する意向を固めた。国内外の景気の低迷や熊本地震の被害拡大を考慮し、予定通り増税すれば政権が最重要課題に掲げるデフレ脱却が困難になると判断した。首相はこの日、官邸で与党幹部や麻生太郎財務相と会談。表明時期やいつまで延期するかなどを巡り与党内の調整に入った。
 首相は18日の党首討論で、増税を延期する条件として従来通り「リーマン・ショック、大震災級の出来事」を挙げる一方、世界経済に関し「2015年はリーマン・ショック後、最低の成長率になった。下方リスクがあることはみんな認識を一にしている」と述べ、厳しい現状とともに、悪化を続けていることへの懸念を示した。
 同時に26、27両日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に触れ「需要を創出していくべきだ。議長国として責任を果たしていく」と強調。公表された16年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値を受け「消費税を(8%に)引き上げて以来、個人消費が予想より弱いのは事実。そこに注目している」と、増税による消費へのマイナス影響を認めた。
 首相は党首討論後、官邸で麻生氏らと会談。続いて公明党の山口那津男代表や自民党の谷垣禎一幹事長らと会談した。
 山口氏は消費税の増税を見送る場合は協議を求めてきた。公明党は予定通り再増税すべきだとの立場だが、同党幹部は「(増税は)先送りだろう」と最終的に容認する考えを示唆。与党関係者は会談を「(与党協議の)第一ステップだ」と位置付けた。
 首相側近の自民党の下村博文総裁特別補佐は18日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、消費税増税を巡り「これから2年間はデフレ脱却に専心する必要がある。消費税を上げて税収が減るようなことを繰り返してはならない」と、先送りすべきだとの考えを示した。
 首相の経済政策ブレーンで内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授も同日、自民党本部の会合に出席後、消費税率に関し「世界経済の波風は荒い。みんなが『上がらないんだろう』と思っているところで上げたらかなりの混乱が起こる。来年上げることには反対だ」と述べた。執ることが
 増税延期の表明時期は伊勢志摩サミット後が有力。だが与党内に「アベノミクス失敗と言われる」のを理由に、参院選後にすべきだとの意見も浮上している。

野党にいわれて消費税増税を延期したり、衆参同日選(衆院解散)を行うことは、政権維持能力の欠如を自ら認めるようなものである。
 
大きな政策の変更と解散に関しては、最大限のイニシアティブを執ることが政権には求めらる。 
 
「アベノミクス失敗」と言われようが、参院選後では意味がないとばかりに、毎日新聞は「安倍首相 同日選を視野 消費増税の再延期検討」と、消費税増税延期の是非を問うという2014年秋の「二番煎じ」の手法で、同日選実施の可能性を示唆している。
 
自分の内閣で憲法9条を改正するという最大の目的のためなら、少々国民の生活を犠牲にしてもかまわないと思っているであろう安倍晋三首相は、何としてでも衆参で改憲派で2/3以上の議席を確保して改憲の発議をすることを狙っている。
 
これはある意味では「アベ政治を許さない」国民にとって安倍政権を倒す最後のチャンスになるかもしれない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:25| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 衆院総選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月18日

歓迎!東京五輪中止、ロンドン開催の現実性

まずは、簡単な世論調査の結果。
 
●JNNの世論調査(舛添要一都知事釈明会見)
「納得できる」 :6%。
「納得できない」:89%
「都知事にふさわしくない」:67%
      「ふさわしい」:13%
 
それにしても、なんでこの時期に舛添都知事の数年前の「粗探し」を誰がさせたのであろう。
 
昨日の「タブーや公私混同が横行し、五輪はカネまみれ」の中では、舛添知事はもはや任期を全うすることはできないだろうとつぶやいたのだが、「石原タブー」にも負けずに日刊ゲンダイの「石原都政と状況変わらず 舛添知事『仕事10倍』のデタラメ」という記事ではさらに「舛添知事の知事生命は風前のともしびだ」と言い切っていた。
 
20160518masuzoetotiji.jpg
リコール必至か(C)日刊ゲンダイ
 
安倍政権から疎んじられていたことは事実なのだが、どうやら安倍晋三首相は「衆参同日選挙」は難しそうなので、参議院選挙に都知事選挙をぶっつけて国民の目を参院選からそらし、投票率も下げようとしている、という憶測がネット上では飛んでいた。
 
しかし、そんな憶測が吹っ飛びそうな事態がやはり五輪招致疑惑らしく、それに対する目くらましが「舛添叩き」らしい。
 
3年前は自民党の招致推進本部長だった馳浩文部科学相は、つまらぬ言い訳で自爆してしまった。 
 
<【自爆】馳浩文科相、五輪誘致のための2.3億円の支払いを「多数派工作で、買収ではない」>
 2016年5月17日19:26 BUZZAP
 2020年東京オリンピック招致活動の贈賄疑惑で馳浩文科相から驚きの発言が飛び出しました。
馳浩文部科学相は5月17日の閣議後の記者会見で、東京オリンピック招致の贈賄疑惑に関して発言。Black Tidings社への2.3億円の支払いについて「ロビー活動を展開するため、より核心に触れる情報が必要だった。多数派工作(のため)で、買収ではない」と発言しました。
この件については16日の衆院予算委員会でJOC竹田会長は2.3億円の最終的な使途をBlack Tidings社代表のイアン・タン氏に「確認していない」ことを既に明らかにしていますが、馳浩文科相はどういった多数派工作が行われ、それを何をもって買収ではないと断言できるのかについては説明がありませんでした。
「多数派工作のため」に2.3億円という巨額の資金が支払われてたと言われれば、そこで何らかの買収行為が行われていると疑われても致し方ありません。実際にBlack Tidings社とIOC委員で国際陸連(IAAF)前会長のラミン・ディアク氏の息子パパ・マサタ・ディアク氏との間に深い関係があることは既に報じられたとおり。さらにそのBlack Tidings社がペーパーカンパニーであることも暴かれており、今回の支払いが「多数派工作」のためと明言してしまったのは自爆と言わざるを得ません。
なお馳浩文科相は2013年当時、IOC委員らが「(東京電力福島第1原発事故の)汚染水の問題に懸念を持っていて、日本政府がどうしようとしているのか、回答を求めていたという情報があった」と指摘、「どうしたら汚染水の問題に答えることができるのか、東京が2020年にふさわしいと思ってもらえるのか、核心的な情報を得るに当たってコンサルが果たした役割は極めて大きい」と語りました。
この問題について安倍首相がオリンピック東京招致最終プレゼンテーションで「The situation is under control(状況はコントロール下にある)」と高らかにデマを明言したことを覚えていない人はいないでしょう。
福島第一原発事故の汚染水問題は2016年現在も解決しておらず、切り札とされる凍土壁の建設もようやくこの3月に始まったばかり。予定通り完成しても汚染水の量を1/3に減らせるだけで完全に封じることはできません。
「汚染水の問題に答え」「東京が2020年にふさわしいと思ってもらえる」ためのコンサルタントの結論がこの日本中を呆れさせたアンダーコントロール発言だったとでも言うつもりなのでしょうか?もしそうだとすれば、ずいぶんとコンサル料をぼったくられたことになりそうです。
疑惑はさらに濃厚になってきましたが、フランスの検察当局の追求から逃げ切る公算は果たしてどれほどあるのでしょうか?
 
「多数派工作」とは、「ある主張や要求について、支持者を増やし勢力を強めるために、さまざまな働きかけを行うことであり、特に、政界でより多くの賛成票を獲得するために行われる企てと根回し」と一般には理解されており、そのためには多額のカネが動くのは政治屋では誰でも知っていること。
 
それをわざわざ「多数派工作で、買収ではない」というところに、馳浩のレベルの低さが現れており、「私は立法府の長であります」と言い切ってしまった安倍晋三と低能振りを争っている。 
 
「福島の復興なくして日本の復興はない」と大見得を切ったのは民主党政権最後の首相。
 
その御仁は何もしないで、シロアリ駆除もできないフツーのおじさんになってしまったのだが、福島の復興を引き継いだはずの安倍晋三首相はもっと酷く、福島の「状況はコントロール下にある」と国際的なデマ発言をしたのだが、「汚染水の問題に懸念を持っていて、日本政府がどうしようとしているのか、回答を求めていたという情報があった」ので、安倍晋三首相があんなデマ発言したことを馳浩は正当化しようとしていた。
 
それならば、今年の2月24日に公開された下記の動画を見てもらいたい。 
 
これは、東京電力が2月22日、事故発生からまもなく5年を迎える福島第一原発を時事通信社に公開した時の動画であり、高い放射線量のエリアに入るため、全面マスクと防護服を着用し、構内をバスで巡回し、水素爆発で大破した原子炉建屋の外観のほか、がれきが依然散乱する4号機1階、爆風により前面の窓ガラスが全て吹き飛んだ旧事務本館などが取材されている。 
 
福島第1原発、事故から5年=がれき散乱し惨状残る4号機1階撮影

 
<東日本大震災5年・福島第1原発の現状>
 2016年3月5日 jiji.com
20160518fuku1genjyou.jpg
 広範囲に被害をもたらし、世界に衝撃を与えた東京電力福島第1原発事故の発生から間もなく丸5年となる。政府と東電は廃炉作業を30〜40年と見込むが、この5年間で目標の未達成と工程の見直しが繰り返された。今後も計画通りに進まない状況が続くとみられる。
 敷地の建屋内やタンクに保管されている放射能汚染水は、2月下旬で86万トンを超えた。東電は5月中旬以降に汚染水対策が効果を発揮し、増加ペースが緩むと想定するが、それでも年内に100万トン近くに達する見通し。濃度を下げる作業も遅れ気味の上、処理を終えた水をどうするかも決まっていない。
 事故発生時、1〜3号機原子炉にあった核燃料は大半が溶け落ちた。圧力容器を突き抜け、格納容器下部に落下したと推定されているが、位置や形状は不明のまま。ロボットによる内部調査も強い放射線などが障害となって進んでおらず、政府と東電が廃炉工程表で目標とする2021年の取り出し開始は、見直しを迫られる可能性がある。
 核燃料があるのは炉心溶融(メルトダウン)を起こした原子炉だけではない。原子炉建屋のプールには、強い放射線を放つ使用済み核燃料が1号機に292体、2号機に587体、3号機に514体ある。計1393体の核燃料は第1原発が抱える大きなリスクの一つだが、取り出しは遅れ、3基の中で最も早い3号機でも作業開始は17年度となっている。
 
ようやく本題に入るのだが、「多数派工作」という紛れもない「買収」を行ったことが、じわじわと怪しい方向に向かっているようだ。 
 
<「東京五輪中止、ロンドン開催」の可能性が本格浮上。もはや 「誰も望まない五輪」への変貌と、森喜朗会長の「戯言」> 2016.05.17 Gambling Journal
20160518img.jpg
 2020年の東京五輪が、本格的に「中止」となる可能性が浮上した。
 2020年夏のオリンピックの東京への招致に関連して、日本側が国際陸上競技連盟に協賛金を振り込んだ可能性があるとフランスの検察当局が明らかにし、本格的に捜査を始めた件。仮に不正が見つかれば、開催地が「ロンドン」に変更される可能性があると、海外mailOnlineが報じた。
 東京五輪招致委員会は、シンガポールのブラック・タイディングス社に2回にわたって2億超にもなる金額を送金。受け取ったのは国際陸上競技連盟会長ラミーヌ・ディアク氏の息子、パパ・ディアク氏とのこと。JOCはこの金銭のやり取りを「コンサル料」や「成功要因分析」としているが、受け取りの張本人であるパパ・ディアク氏と現在連絡が取れず隠れているという状況を考えれば、説得力には乏しいだろう。この「裏金問題」には、五輪開催の際にそのマーケティング部分を掌握する大手広告代理店の電通が絡んでいるという情報もあるが、ペーパーカンパニーを経由して送金していたという事実からも疑いの目を向けざるを得ず、堂々とコンサル費を支払わなかった事実も説明がつかないだろう。まだ不正が確定したわけではないが、極めて厳しい状況といえる。最終的にはIOCが決定を下すので一概にはいえないが、情勢は最悪である。
 ネット掲示板や経済アプリなど、様々な媒体で様々な人が意見を出しているが、もはや東京五輪への期待や希望など皆無に等しい。「中止なら残念だが、仕方がない」「多額の税金が無駄になるけど言い訳のしようがない」「いっそここで中止にすれば余計な費用負担がなくていい」「これ以上恥をさらす前に」などなど、もはや開催に関してネガティブな回答だらけの状況。
 もともとエンブレム問題に競技場ならびに開催にかかる費用の問題などゴタゴタ続きだった東京五輪への動き。開催後の財源と終了後の施設維持や利用をどうするのかもはっきりせず「負の遺産」が残される可能性も指摘されていた。結局は中には今回の中止可能性の報道を「朗報」と捉える声すらある。2020年後のことを考えずに突っ走る「老人たちの自己満足」が寸断されたという理由からこういった声も非常に多いのだ。
 象徴的なのは、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長である。森会長は16日、「NEWS23」(TBS系)に出演し、大会経費が大幅に増える問題について「最初から計画に無理があった」と発言。何を今さら、他人事かという話である。その計画をコントロールしマネジメントするのがトップの務めだろう。「無理があった」の一言ですむなら簡単なこと。結局森会長をふくめ、大会を動かすトップ層が自分本意であることをさらけ出してしまった。財源が無尽蔵にあると勘違いしているからこそできるこの発言。さすがは失言の帝王といったところか。
 もはや国民から「歓迎されない大会」に変貌しつつある東京五輪。政府や招致委員会、電通に東京都は、仮に本当に開催中止となったらどう責任を取るのか。開催しようがしまいが誰も喜べないこの状況に呆然とするばかりだ。舛添要一都知事どころではない。
 
2019年のラグビーワールドカップ日本開催のことしか念頭なかった森喜朗が大会組織委員会の会長になったことが、呪われた東京五輪の始まりであった。
 
「最初から計画に無理があった」と他人事のような発言をして恥じない、鮫の脳みそしか持ち合わせていなかった不良老人である。
 
「開催後の財源と終了後の施設維持や利用をどうするのか」という指摘は、まさに建造して稼働させた原発の核のゴミ処理問題と根底はつながっている。
 
自分たちが権力者の立場にいる間にできる限りの「甘い汁」を吸い尽し、そのツケは後世代に廻せばいいという発想であろう。
 
今回の中止可能性の報道は「朗報」であり、それが現実になることを東京五輪なんかいらないと言い続けているオジサン切に願っている。

posted by 定年オジサン at 12:21| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月17日

タブーや公私混同が横行し、五輪はカネまみれ

相変わらず熊本地震の被害の復旧は、安倍晋三首相が「政府ができることは全て行う」という至極当たり前の事を口にしていたが、その実態は、仮設住宅建設一つを見ても、遅々として進んでいない。
 
久々にパソコンを開いたところ、この1週間余りでネットメディアでは「熊本」よりも「東京」関連の記事が踊っていた。
 
それが「東京都知事」と「東京五輪」の招致関連疑惑。
 
オジサンの忘備録としてWeb版情報から順次整理をしてみる。
 
海外視察における公費の無駄遣いや、毎週末の公用車での温泉別荘通いが発覚し批判されていた舛添要一都知事が、都知事就任前の参議院議員時代の政治資金不正使用が、またも週刊文春により「舛添都知事に政治資金規正法違反の重大疑惑!」と暴露された。
 
見つからなければ、分からなければ、どんな支出でも政治資金で賄っても構わないという多くの国会議員の誤った特権意識をむき出しにしたようなお粗末さ。
 
<舛添知事「客室で会議」 政治資金で家族と宿泊認める>
 2016年5月14日 07時00分 東京新聞
 東京都の舛添要一知事は13日に都庁で記者会見し、自らの政治団体が「会議費用」として千葉県内のホテルに支出していた約37万円が、家族旅行の宿泊代だったことを認めた。その上で「家族と宿泊した客室で事務所関係者らと緊急かつ重要な会議をした。これは政治活動だ」と説明、虚偽記載には当たらないとの認識を示した。誤解を招いたとして、政治資金収支報告書を訂正、返金する意向を明らかにしたものの、会議の出席者や人数など具体的な説明は拒否した。
 ほかに、自宅のある東京都世田谷区や神奈川県湯河原町の別荘近くで、私的飲食や政治活動と確認できない飲食費を政治資金で処理していたことも認めた。宿泊代約37万円を含め2013、14年分の計7件、約45万円を返金する。
 舛添氏は会見の冒頭で「都民の皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしました」と陳謝。自らの去就に関しては「できる限りの説明責任は果たした。批判を受け止めて反省すべきは反省し、全力を挙げて都民のために働く」と語り、辞職を否定した。
 舛添氏の資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」(14年解散)の収支報告書によると、参院議員時代の13年1月3日、千葉県木更津市のホテルに会議費として23万7755円を支出。都知事就任前の14年1月2日にも、同じホテルに13万3345円を支出していた。
 舛添氏の説明では、13年の支出は家族の2泊分で客室に事務所関係者らが訪れ、同年夏の参院選などへの対応を協議。14年は1泊分で、前知事の辞職に伴う都知事選への出馬準備に関し、客室で事務所関係者らと会議をしたという。
 会議の実態に関して「何時間何分かは分からないが、相当やった。せっかくの正月だったが、この日しか会議をやる日がなかった」と釈明。どういう人が何人来たのかと問われ「政治的な機微に関わるし、相手のプライバシーもある。差し控えたい」と語った。
◆「会議」人数など明かさず 就任前の13、14年と正月宿泊37万円
 今回の疑惑で焦点になっているのは、なぜ家族の旅行先で、2年続けて正月に「会議」をする必要があったのか。舛添要一東京都知事は「説明責任は果たした」と言うが、出席者、人数を明らかにしなかった。
 この千葉県木更津市のホテルに、舛添氏は2013年と14年の正月に2年続けて家族と宿泊した。
 新党改革の代表だった13年の宿泊時は「直前の総選挙の敗戦処理と参院選の出馬について関係者と話し合った」。翌14年には、都知事選の出馬準備のため事務所関係者らと会議をしたという。
 ホテルにはいくつも会議室があるが、そこは使わずに、家族4人で宿泊した客室に関係者を呼んだと説明。「都知事選の公約や自民党との関係はこうしようとか、ホテルの部屋で緊急かつ重要な会議をした。これは政治活動である」と強調したが、選挙で支援した自民党関係者も「会議は本当なのか」といぶかる。
 新たな疑惑の指摘も。舛添氏の政治団体の収支報告書によると、宿泊代として12年8月13日、栃木県日光市の旅館に8万3985円を支出していた。13日の記者会見で「これも家族旅行か」と問われ、舛添氏は「精査してみないと分からない」とだけ答えた。
 飲食費の説明では、東京都世田谷区の自宅近くや、別荘のある神奈川県湯河原町で、13〜14年に政治資金として処理した飲食代のうち5件が、私的飲食や政治活動と確認できなかったと認めた。
 「会計責任者に任せきりだった。なぜミスしたか分からない」と弁明。だが、その責任者は既に退職したとして踏み込まず、「会計責任者が悪かったと言う気はまったくございません」とも述べた。
 前都知事は医療法人から5千万円を受け取った問題で辞職。舛添氏は都知事選で「『政治とカネ』の問題は有権者との信頼をつなぎ、保つために最も重要」と訴えていた。今回の疑惑に対する説明に、都庁内から「都民が納得してくれるだろうか」と懸念が出ている。 (石川修巳)
 
会議の実態に関して「何時間何分かは分からないが、相当やった。せっかくの正月だったが、この日しか会議をやる日がなかった」と釈明するなら、当然、会議の相手がどういう人で何人来たのかくらいは明らかにすればいいものを、「政治的な機微に関わるし、相手のプライバシーもある。差し控えたい」というが、そもそも正月の家族旅行という極めてプライベートな時間帯に、「相手のプライバシー」を考慮するくらいならば、初めから公費を使わなければ済む話である。
 
この舛添流解釈に従えば、賃貸マンションに暮らしている政治家が、自分の部屋で「政治的な機微に関わる」会議をすれば、マンション費用は「事務所代」として政治資金報告書に記載されてしまうのであろう。
 
都知事としての公私混同ぶりは、なにも舛添都知事が初めてではなく、すでに誰でもが知っているように、石原慎太郎元都知事の常軌を逸した振る舞いは「舛添より酷かった石原慎太郎都知事時代の贅沢三昧、登庁も週3日! それでも石原が批判されなかった理由」の中で詳述されている。
 
日本最大都市のトップの不祥事にもかかわらず、安倍政権に「完全にコントロール」されているマスメディアが徹底批判している背景にはこんな理由があるらしい。
 
・・・前略・・・
 「安倍首相が舛添都知事のことを相当嫌っているからね。舛添氏は第一次安倍政権で自民党が参院選で惨敗した際、『辞職が当然』『王様は裸だと言ってやれ』と発言するなど、安倍降ろしの急先鋒的存在だった。安倍首相はそんな舛添氏の口を塞ごうと内閣改造で厚労相にまで起用したが、内心ではかなり舛添に腹を立てていた。都知事になってからも、五輪問題で安倍の側近の下村(博文・前文科相)を批判したり、憲法問題で『復古的な自民党改憲草案のままなら自分は受け入れられない』などと発言をする舛添都知事のことを、安倍首相はむしろ目障りだと感じていたはず。だから、今回の件についても、舛添が勝手にこけるなら、むしろいいチャンスだから自分の息のかかった都知事をたてればいい、くらいのことを考えているかもしれない。いずれにしても、官邸の反舛添の空気が安倍応援団のマスコミに伝わっているんだと思うよ」(政治評論家)
 
この話を裏付けるように、普段は露骨な安倍擁護を繰り返している安倍政権広報部長というべき田崎“スシロー”史郎・時事通信社解説委員などは、舛添都知事に対してはうってかわって、「外遊なんてほとんど遊びだ」と激しい批判を加えている。
    
恐らくは「舛添知事 ヤフオクで絵画落札 政治資金、『資料』と説明」するなど、ますます墓穴を掘り続けていれば、任期の全うすら難しいかもしれない。
 
当然だが、4年後に東京五輪が日の目をみても、舛添要一は私費でしか五輪開会式には出席できないであろう。
 
その開会式どころか、もっと厄介な問題が山積なのが東京五輪である。 
 
すでに前月末には「五輪 仮設会場や既存施設改修費 当初の4倍、3000億円に」と当初の見積もりの甘さと杜撰さを指摘されていたが、もう昔から五輪の招致には莫大な裏金が使われているとの噂が絶えなかったが、やはり2020年東京五輪招致に絡んで表には出せないカネが動いており、日本側では電通が暗躍していたようだが「東京五輪招致で1億6千万円の“裏金”に『電通も関与』とイギリス紙報道! だが国内メディアは一言も電通に触れず」と、残念ながら国内では「電通タブー」が今でも健在である。
 
しかし海外からは「東京五輪招致不正疑惑、海外からは厳しい視線 露呈する政府、招致委、電通の対応のずれ」と批判されている。
 
消極的な政府の態度に対して昨日は国会審議で取り上げら、五輪招致委の理事長だった竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が、衆議院予算委員会に参考人で呼ばれた。
 
<五輪招致2.3億円、使途「未確認」 国会でJOC会長>
 2016年5月17日05時05分 朝日新聞DIGITAL
  「海外コンサルタントなしには、招致は成功しないとまで言われている」。この日の衆院予算委員会。参考人として呼ばれた竹田会長は主張した。
 竹田会長が説明した契約の経緯はこうだ。
 招致決定2カ月前の2013年7月。投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員が多く集まる陸上世界選手権を前に、海外コンサルタント数社から売り込みがあった。招致委は大手広告会社の電通に実績を確認したうえで、その中からブラック・タイディングズ(BT)社(本社シンガポール)と契約。委託した業務は2度にわたり、計約2億3千万円を支払った。
 BT社は、当時IOC委員で、五輪開催を決める委員の票を取りまとめる影響力があったとされるラミン・ディアク国際陸連前会長の息子と関係が深かったが、竹田会長は「知らなかった」。電通は国際陸連の主催大会に関わる全世界のマーケティングなどの権利を01年から29年まで保有するが、電通の広報担当者は「ロビイストとしての実績はある、という事実を伝えたまで。取引は一切ない」とする。
 13年7月、国際ロビー活動、IOC委員の動向と情報収集を委託し、その対価として、約9500万円。東京五輪招致成功後の同年10月には、約1億3500万円を振り込んだ。勝因分析が名目で、成功報酬の意味合いもあった。この額は業務に見合っていたのか。竹田会長は「有形無形の各種報告が成果。票獲得に欠かせなかった」とするが、「どう使われたか確認していない」とも述べた。
 今回問題になっている2億円超の支払いについて、竹田会長は「招致委の口座から振り込んだ。原資は税金ではない」と説明する。招致委の活動報告書によると、20年大会の招致費の総額は89億円。35億円を東京都が支出し、54億円を招致委が寄付金、協賛金、サッカーくじ(toto)からの補助金などで賄った。海外のコンサルには、招致委が計約7億8600万円を支出。元幹部によると、十数社と契約していたという。
 安倍晋三首相は予算委で「政府としてもスポーツ庁を中心に引き続き事実関係の把握に努めたい」と述べた。(阿久津篤史)
■コンサル、ドーピング関連の疑惑
 招致委がコンサルタント料を支払ったBT社は、14年7月に閉鎖されている。
 法人登記簿などによると、2006年に設立。シンガポール市街地に近い築50年以上の集合住宅4階の一室を事務所として登録していた。経営者は、30代前半のシンガポール人のタン・トンハン氏だ。電通のスポーツ部門をサポートしているスイスのマーケティング会社AMSが、タン氏をコンサルタントとして契約していた。
 タン氏は、定期的に国際陸上競技連盟の会合に出席していた。ディアク国際陸連前会長の息子とも関係が深かったとされることが、招致を巡る金銭疑惑にもつながっている。また、BT社の口座は、ロシア陸上選手のドーピングをもみ消す賄賂のやりとりにも使われたことがわかっている。
 招致を巡る一連の疑惑は、フランスの検察当局によって浮上した。昨年11月、ディアク前会長がロシアのドーピング隠しに関わった疑いがあるとして、捜査を開始。検察当局は、モナコにある国際陸連の本部などを捜索し、捜査の過程で今回の振り込みが発覚したという。
 
20160517consultfeeflow.jpg
 
 今年1月の世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の第2回報告書は、国際陸連幹部の不適切な運営を明らかにする中で、「東京の招致委側が国際陸連に協賛金400万〜500万米ドルを支払った」という関係者の証言を紹介。独立委員会は、この問題は調査対象外とし、フランス当局や国際オリンピック委員会の調査に委ねた。(ロンドン=河野正樹)
■コンサル、IOC委員と仲介
 ロンドン、リオデジャネイロのみならず、東京に敗れたマドリード、イスタンブールなど、五輪招致では各都市とも例外なく、コンサルタントを雇っている。
 委託する主な業務は、国際広報宣伝、開催計画の立案、最終プレゼンでのコンセプト作り、スピーチの指導など多岐にわたる。その中でも、カギを握るのが、開催都市を決める投票権を持つIOC委員約100人への仲介役だ。
 
20160517olympicscandal.jpg
 
 ソルトレーク冬季五輪では、98年にIOC委員の内部告発で招致の買収疑惑が発覚。10人のIOC委員が追放または辞任に追い込まれた。99年にはIOC委員の立候補都市への訪問が禁止され、各都市が委員と接触するのは難しくなった。それに伴い、委員の家族構成や趣味に精通し、水面下で橋渡しができるコンサルタントの需要が増した。
 東京が雇ったコンサルタントは、失敗した16年大会招致で約20人、20年大会は十数人という。元招致委幹部はかつて「やる気をもって仕事をしてもらうには全額前払いにしない方がいい。招致に失敗した場合は経費が安くあがる」とし、1人当たりの契約金は最高で数千万円で、成功報酬は契約金の2〜3割程度と明かしていた。
 BT社との契約は、招致決定までの最終局面だった。約2カ月で2億円を超す巨費。かなり高額な契約が交わされたことになる。(編集委員・稲垣康介)
     ◇
 〈東京五輪・パラリンピック招致委員会〉 東京開催を目的に2011年9月15日、日本オリンピック委員会の竹田恒和会長を会長に設立。12年4月に特定非営利活動法人化して竹田氏は理事長となった。理事には五輪金メダリストの鈴木大地・現スポーツ庁長官や東京都幹部らが入り、立候補に必要な開催計画の立案やプロモーション活動などを展開。助言機関の評議会の会長は石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏ら当時の都知事が務めた。東京開催決定後の14年1月に解散。大会組織委員会に移行した。  
 
「原資は税金ではない」とはいえ、大会の招致費の総額89億円の内、35億円は東京都民の税金であることは確かである。
 
都知事の公私混同の先駆者の石原新太郎は「作家タブー」により守られ、五輪招致コンサルタント料に関しては電通がマスコミ最大のタブーとしてマスメディアは一切手が出せない。
 
さらには国会では、三権分立の「行政」の長である安倍晋三内閣総理大臣が昨日の予算委員会で「私は立法府の長であります」と言い切ってしまうほどの低能振りを曝け出していた。
 
やはり現在の日本の諸悪の根源はこの男なのかもしれない、とつくづくオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:43| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月16日

懐かしの日本の風景写真-6

欧米から見た日本は、地図の端っこの方にちょんと存在する極東の小さな国。

最近、ニューヨーク美術館に所蔵されている1800年代の日本の写真が美しいと密かな話題になっています。
 
さらに別途発見された100年前の日本の写真も美しすぎると評判になっているという。 

今は一般的ではなくなってしまった日本の風景をふくめ、伝統や文化を思いださせる貴重な写真ばかり。

今日は外出していますので「つぶやき」はお休みしますが、1800年代から1900年初めの頃の懐かしい写真を紹介します。

【懐かしの日本の風景写真-6】
  
2016_05_16_01.jpg
【神戸で正月前の餅つき」

 
2016_05_16_02.jpg
【神戸の商店街(1906年)】

 
2016_05_16_03.jpg
【神戸年越し蕎麦(1906年)】
 
 
2016_05_16_04.jpg
【神戸お正月風景(1906年)】

 
2016_05_16_05.jpg
【おせち料理】


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月15日

懐かしの日本の風景写真-5

欧米から見た日本は、地図の端っこの方にちょんと存在する極東の小さな国。

最近、ニューヨーク美術館に所蔵されている1800年代の日本の写真が美しいと密かな話題になっています。
 
さらに別途発見された100年前の日本の写真も美しすぎると評判になっているという。 

今は一般的ではなくなってしまった日本の風景をふくめ、伝統や文化を思いださせる貴重な写真ばかり。

明日まで外出しています。
 
「つぶやき」はお休みしますが、1800年代から1900年初めの頃の懐かしい写真を紹介します。
【懐かしの日本の風景写真-5】
  
2016_05_15_01.jpg
【京都鴨川(1880年代)】

 
2016_05_15_02.jpg
【京都嵐山(1880年代)】

 
2016_05_15_03.jpg
【道頓堀】

 
2016_05_15_04.jpg
【銀座新橋】

 
2016_05_15_05.jpg
【神戸で年末大掃除】

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月14日

懐かしの日本の風景写真-4

欧米から見た日本は、地図の端っこの方にちょんと存在する極東の小さな国。

最近、ニューヨーク美術館に所蔵されている1800年代の日本の写真が美しいと密かな話題になっています。
 
さらに別途発見された100年前の日本の写真も美しすぎると評判になっているという。 

今は一般的ではなくなってしまった日本の風景をふくめ、伝統や文化を思いださせる貴重な写真ばかり。

週末から来週の月曜日まで家を離れています。
 
いつものように電話やパソコンや新聞のない生活をしています。
 
そのため「つぶやき」はお休みしますが、1800年代から1900年初めの頃の懐かしい写真を毎日紹介します。

【懐かしの日本の風景写真-4】
  
2016_05_14_01.jpg
【立っているだけで絵になる女性たち-1】

 
2016_05_14_02.jpg
【立っているだけで絵になる女性たち-2】

 
2016_05_14_03.jpg
【立っているだけで絵になる女性たち-3】

 
2016_05_14_04.jpg
【立っているだけで絵になる女性たち-4】

 
2016_05_14_05.jpg
【子どもたち】


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月13日

懐かしの日本の風景写真-3

最近、ニューヨーク美術館に所蔵されている1800年代の日本の写真が美しいと密かな話題になっています。
 
さらに別途発見された100年前の日本の写真も美しすぎると評判になっているという。 

今は一般的ではなくなってしまった日本の風景をふくめ、伝統や文化を思いださせる貴重な写真ばかり。

来週の月曜日まで家を離れています。
 
いつものように電話やパソコンや新聞のない生活をしています。
 
そのため「つぶやき」はお休みしますが、1800年代から1900年初めの頃の懐かしい写真を連日紹介しています。

【懐かしの日本の風景写真-3】
 
2016_05_13_01.jpg
【街並み】

 
2016_05_13_02.jpg
【渡し船】

 
2016_05_13_03.jpg
【お坊さん】

 
2016_05_13_04.jpg
【青果店】

 
2016_05_13_05.jpg
【力車】


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月12日

懐かしの日本の風景写真-2

ヨーロッパ、アメリカから見た日本は、地図の端っこの方にちょんと存在する極東の小さな国。

最近、ニューヨーク美術館に所蔵されている1800年代の日本の写真が美しいと密かな話題になっています。
 
さらに別途発見された100年前の日本の写真も美しすぎると評判になっているという。 

今は一般的ではなくなってしまった日本の風景をふくめ、伝統や文化を思いださせる貴重な写真ばかり。

来週の月曜日まで家を離れています。
 
いつものように電話やパソコンや新聞のない生活をしています。
 
そのため「つぶやき」はお休みしますが、1800年代から1900年初めの頃の懐かしい写真を連日紹介しています。

【懐かしの日本の風景写真-2】
  
2016_05_12_01.jpg
【役者】

 
2016_05_12_02.jpg
【着飾り】

 
2016_05_12_03.jpg
【囲碁】

 
2016_05_12_04.jpg
【花見】

 
2016_05_12_05.jpg
【相撲】


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月11日

懐かしの日本の風景写真-1

ヨーロッパ、アメリカから見た日本は、地図の端っこの方にちょんと存在する極東の小さな国。

最近、ニューヨーク美術館に所蔵されている1800年代の日本の写真が美しいと密かな話題になっています。
 
さらに別途発見された100年前の日本の写真も美しすぎると評判になっているという。 

今は一般的ではなくなってしまった日本の風景をふくめ、伝統や文化を思いださせる貴重な写真ばかり。

今日から来週の月曜日まで家を離れます。
 
いつものように電話やパソコンや新聞のない生活をしてきます。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、1800年代から1900年初めの頃の懐かしい写真を連日紹介していきます。

【懐かしの日本の風景写真-1】
  
2016_05_11_01.jpg
【花見】

 
2016_05_11_02.jpg
【化粧】

 
2016_05_11_03.jpg
【牛車】

 
2016_05_11_04.jpg
【駕籠】

 
2016_05_11_05.jpg
【呉服屋】


 
posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月10日

「末は博士か大臣か」今となっては遠い昔の夢だった

戦後の高度成長の頃までは、子どもの将来の理想像を表現して「末は博士か大臣か」という例えで世間的には最高の栄達と考えられていたことを覚えている。
 
それは当時のお茶の間では、子供の一芸をみて、親が子供を揶揄してほめる言葉ともいわれていた。
 
この言葉の意味するところに注目すると、親は子供のどの部分の才能を期待して、『博士か大臣か』と言っているのか。
 
◇子供が頭が良い→博士(学者)
◆器量・愛嬌がある→大臣(政治家)
と、子供の一芸の大成を期待していたフシがある。
 
頭が良いなら、政治家ではなく学者になればよく、そうでなければ愛嬌、器量が何よりも大切な政治家はになれるということであったのだろう。
 
この頃から、政治家はすでに学者に比べれば低い地位にとみられていかのかもしれない
 
もっともその言葉を世間に広めたのは、1963年の大映映画「「末は博士か大臣か」かも知れない。
 
オジサンは当時は中学生でそんな映画を見ることはできなかったが、数年経った頃、テレビで見たような記憶があるが、定かではない。 
 
キネマ旬報社」の資料によれば、その映画は実在した作家の菊池寛と綾部健太郎の生き方を中心に、芥川竜之介や久米正雄を周囲に配置した映画となっている。 
 
今は亡き懐かしの、フランキー堺(菊池寛)、船越英二(綾部健太郎)、仲谷昇(芥川竜之介)、早川雄三(久米正雄)たちが出演していたらしい。
 
ところで当時から大臣(政治家)は家業として世襲する輩も多かったので、前述したように博士の方が各は上だった。
  
かなり前から、ネット上ではこんな質問がよく見受けられていた。
 
【質問】
こんにちは。26歳の大学院生です。
前から気になっていたのですが、博士課程を単位取得退学した後、課程博士を取った場合、履歴書に「博士課程修了」と書くと学歴詐称になるでしょうか?
論文博士だったら確かに中退になると思うんですけど、課程博の場合は「修了」と書いてもよいような気がするのですが…(実際、私の知り合いはそうしています)。
よろしくお願いします。
 
その質問に対する模範的な回答は以下のようなものだった。 

【回答】
大学院の修士課程を終了後、課程博士コースに進学し、博士課程の授業単位だけ全部取得し、研究が未完成で、博士論文提出の条件である学会等に論文発表件数などが不足で、博士論文が完成できず、その状態で博士課程を修了して大学院の学籍から離れて社会に出てしまうことを「博士課程単位取得退学」といいます。
通常、博士課程は最短3年で博士論文をまとめ、学会等に論文発表し、所定の授業単位を取得して大学院を修了できますが、博士論文が3年で提出できない場合は、必要な講義の単位数だけ全部取得して、修了して就職するか(博士課程単位取得退学)、大学院留年して研究を続けます。最大最短の3年の2倍の6年まで博士課程に籍を置くことができ、その間に博士論文の提出要件を満たし博士論文の審査に合格すれば、課程博士として大学院を修了できることになります。6年以内に論文提出できなければ、同じテーマの研究で博士論文の提出資格を失い、同時に学籍を除籍されます。その場合は、博士課程単位取得退学の道を選ぶことになります。
3年で博士論文を提出できず、博士課程単位取得退学の道を選んだ場合、通常の6年間の在学期限と同じく、退学後3年以内に博士論文を単位取得退学した大学院の指導教員に提出でき、審査に通れば、遡って、課程博士として大学院を修了したものとして扱われます。3年以内に博士論文を提出して審査に合格しなければ、その研究テーマでは博士論文が提出できなくなります(課程博士の論文とは認められなくなります)。
 
2005年6月に文科省のある審議会が「序章 大学院を巡る社会状況とこれまでの大学院改革の進捗状況」という中間報告を発表し、その中の「2 円滑な博士の学位授与の促進」では次のように書かれていた。 
 
<博士の学位授与の現状とその改善の方向>
・・・前略・・・
現在、課程の修了に必要な単位は取得したが、標準修業年限内に博士論文を提出せずに退学したことを、「満期退学」又は「単位取得退学」などと呼称し、制度的な裏付けがあるかのような評価をしている例があるが、これは、課程制大学院制度の本来の趣旨にかんがみると適切ではない
 
10年以上前から「適切ではない」とされてきたこと以上の詐称が現在でも行われていたことが明るみに出た。
 
<日銀HP、博士号ないのに「修了」 審議委員らの経歴に疑念>
 2016年5月10日 朝刊 東京新聞
 日銀が4月に政策委員会審議委員に就任したエコノミストの桜井真氏(69)の経歴について、東大大学院の博士号を取得していないのにもかかわらず、「経済学研究科博士課程修了」とホームページ(HP)に掲載していることが分かった。
 日銀広報は「博士号を持っていないことは把握していた」と認めたうえで、「博士課程の単位を取得して退学した場合なども『博士課程修了』という表現に含まれると認識している。学歴詐称には当たらない」との見解を示した。
 これに対し文部科学省大学振興課は「『博士課程修了』という表現を使うのは、博士論文の審査を終えて博士号を取得した場合」と指摘。
 省令の大学院設置基準では博士課程の修了要件として博士論文の審査に合格することを定めており、同省は博士号を取得していない場合は「単位取得退学」などとするのが適切だとしている。
 日銀によると、岩田規久男副総裁もHP上の経歴で東京大学大学院の「博士課程修了」となっている。
 博士課程で必要な単位を取得したが、博士号を取ることのないまま退学したという。
 また、桜井氏のHP経歴では、1984年に「大蔵省(現財務省)財政金融研究室特別研究員」と表記されているが、財務省秘書課は「特別研究員という役職の有無や84年という時期の在籍は確認できない」としている。90〜96年に「財政金融研究所特別研究官」という似た名前の役職に就いた記録はあるという。
 日銀広報は「大蔵省関係の経歴は本人の申告に基づいて掲載している」と説明した。
 一連の食い違いを修正するかなど今後の対応については「現時点でコメントできない」としている。
 桜井氏の経歴に関しては、一部週刊誌が詐称の疑いがあると報じた。
 
これは「週刊ポスト2016年5月20日号」の記事を基にしているので、本家の記事を掲載しておく。
 
<4月から就任した日銀審議委員の経歴疑惑に東大困惑>
 2016.05.09 07:0 NEWSポストセブン
20160510sakuraimakoto.jpg
 アベノミクスの金看板の一つが日銀と連携しながらの金融政策だ。「異次元緩和」や「マイナス金利導入」によって、日本経済にも株価にも、大きな影響を与えてきた。その政策決定に携わる、安倍官邸が送り込んだ審議委員の経歴に、重大な疑惑が見つかった──。
「博士論文」は文部科学省令によって公表が義務づけられており、博士号を授与した大学に行けば、誰の論文でも自由に閲覧できる。
 本誌記者が東京大学経済学部の資料室で、ある人物の博士論文の閲覧を申請すると、担当の助教が青ざめた顔で上司の室長代理を連れてきた。
「実は……」。室長代理は言いにくそうに切り出した。
「目録に該当論文がないんです。本学の資料室にも、図書館にも見当たらない。念のため、国内の博士論文をすべて所蔵している国会図書館のシステムでも検索しましたが、やはりありませんでした」
 そのうえで、こう続けた。
「結論を言えば、恐らくこの方は博士号を持っていないことになります」
 その人物とは、4月から日本銀行政策委員会の審議委員に就任したばかりの櫻井眞氏(70)である。日銀のホームページに掲載された櫻井氏のプロフィールには、中央大学経済学部を卒業後、〈昭和51年3月 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了〉とある。
 にもかかわらず、博士論文は東大になかった。東大資料室は「櫻井氏は博士号を持っていない」と結論づけたのである。
 今年3月、ニュース番組のコメンテーターとして引っ張りだこだった経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上氏の経歴詐称が話題になった。ハーバード・ビジネス・スクールでのMBA取得が虚偽だったことなど様々な経歴の粉飾が『週刊文春』に報じられたが、もし日銀審議委員の経歴詐称となれば、事ははるかに重大である。
 櫻井氏が就任した「日銀の審議委員」は一般には馴染みの薄い役職だが、その判断一つで企業の業績も、株価も為替も大きく動く。その影響力を見せつけたのが、4月28日の株価急落だった。
 この日の午前中に開かれる日銀の政策決定会合で追加金融緩和が打ち出されるとの期待から、日経平均は一時1万7572円まで上昇した。ところが、市場の予想に反して日銀は金融政策の現状維持を発表。午後の株価は一転して1000円近い大暴落となった。
 乱高下の引き金を引いた政策決定会合に参加するのは、黒田東彦・日銀総裁と2人の副総裁、そして櫻井氏を含む6人の「審議委員」である。日銀の金融政策はこの9人の合議制(多数決)で決定される。
 重い職責を担う審議委員には、〈経済又は金融に関して高い識見を有する者〉(日銀法23条2項)が選ばれ、国会の同意を得たうえで、内閣が任命すると定められている。年俸は大臣並みの2638万円だ(2015年度)。
 現在の審議委員には三井住友FG元専務、トヨタ元副社長、元早大教授など錚々たる経歴の持ち主が並ぶが、安倍内閣が4月1日、新たに任命した櫻井氏は「無名といっていい人物」(大手紙経済部記者)だった。
「『サクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表』だそうですが、全く聞いたことがなかった。エコノミストや経済学者にも『どんな金融思想の持ち主なのかよくわからない』と評されていた」(同前)
 その「謎の審議委員」について、公表された経歴をもとに取材を進めると、「博士号を持っていない」という事実に突き当たったのだ。
 念のため東大経済学部資料室の担当者が、博士課程にかかわる経歴の記載方法について、担当する同研究科庶務係に照会したところ、やはり「『博士課程修了』は、博士号取得済(博士論文が審査を通った)を意味する」とのことだった。東大資料室の室長代理は、こうも説明した。
「博士号を取得できなかった場合は、『単位取得退学』や『満期退学』といった言い方をします。櫻井さんはそれにあたるのでしょう。
 櫻井さんが在籍した当時の人文科学系の大学院では博士号を取らないまま大学の助手になったり、就職したりするケースが多かった。他の大学で教鞭をとりながら40歳ぐらいで博士論文を書く先生も少なくありませんでした」
 櫻井氏の来歴には、その他にも不可解な点がある。日銀HPによれば、櫻井氏は大学院を出た後、1976年に政府系の日本輸出入銀行(現国際協力銀行)に入行、1984年から「大蔵省財政金融研究室特別研究員」を務めたとされている。
 しかし、大蔵省(財務省)の1984年の職員録を調べても同研究室の職員に櫻井氏の名前は見当たらなかった。一連の問題について日銀広報課に質問すると、こんな答えだった。
「櫻井委員は東大博士課程を単位取得退学したと聞いています。HPにも『博士号取得』とは書いていない」
※週刊ポスト2016年5月20日号
 
明らかに「アウト!」な人物なのだが、安倍官邸が送り込んだ強い思惑があったので、かなり悪質である。 
 
日銀の金融政策が9人の合議で決定するのは、政策の多様性が求められているからである。
 
総裁の独裁や暴走によって国民経済が破壊されることを防ぐため、政策委員会は常に絶妙なバランスで成り立っているはずだった。
 
黒田総裁が今年2月の金融政策決定会合でマイナス金利を導入した際、9人のメンバーのうち4人が反対だった。
 
結果は同じでも、「4人が反対」という事実が国民に伝わり、記録に残ることが重要なのだったのだが、実はこの時、反対に回った審議委員の一人、白井さゆり氏が3月末で任期を迎え、エコノミストとしてまったく無名の櫻井氏が反対派白井氏の後任に選ばれたのは、任命権を持つ安倍内閣が、安倍-黒田ラインの傀儡として送り込んだからだと多くの識者が指摘している。
 
上記の「週刊ポスト」の報道に対して、菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で「日銀のウェブサイト上の表現の正確性の事柄であり、日銀が適切に対応する」などと言い訳にならない言い訳をした。
 
「表現の正確性の事柄」ではなく、本人が虚偽の経歴を申告していたことが大きな問題であるはずである。
 
テレビコメンテーターや芸能人の年齢や学歴詐称とは同一には論ずることはできない。 
 
そもそも安倍内閣は首相の安倍自身が、成蹊大学卒業後、南カリフォルニア大学の外国人向け語学コースに一時的に通っただけなのに、「南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学」とウソの経歴を語って恬として恥じない人物だ。
 
「公職に就く人物は経歴詐称をしてはならない」などという倫理感はハナから持ち合わせていない。
 
しかし、問題なのは、新聞やテレビの委縮姿勢であり、官邸にこう開き直られた途端、追及の動きを一気に鈍らせてしまった。
 
本来ならばテレビの昼の情報番組や夕方のニュース番組でこの「週刊ポスト」の報道に触れてよさそうなのだが、一切スルーしており、あのショーンKや小保方晴子のことをあれだけ叩きまくった勇ましい姿勢は陰を潜めている。
 
ある全国紙政治部記者が匿名で「新聞・テレビがこの件を大きく報じないのは、官邸を恐れて、というのもあるでしょうが、日銀ににらまれたら、金融政策に関する情報をもらえなくなると心配しているから。各社とも経済部が待ったをかけているんじゃないでしょうか」と内情を語っていた。
 
今さら官邸に怯えるメディアを批判しても仕方がないのだが、今後、子どもたちが、「博士」や「大臣」になることが夢ではなく「恥」と感じてしまうことが心配である、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:14| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月09日

世界の笑い者になりつつある安倍晋三

GW(ゴールデンウイーク)が終わったら、さっそく朝から近所の園児たちの賑やかな声が耳に入った。
 
昨夜のテレビニュースでは、海外で過ごした人たちの帰国ラッシュで成田空港や羽田空港の国際線ターミナルの混雑ぶりが映し出されていた。
 
昨日だけで成田空港に約4万3900人、羽田空港に約2万3300人が帰国したらしい。
 
特に富裕層というわけではないのだろうが、国内の観光地に大渋滞に巻き込まれながら子ども連れで行くよりは、海外の方が、車を運転しないですむ父親たちからすれば懐は痛むが体は少しは楽なのかもしれない。
 
もっともオジサンの散歩コースの途中にある緑地広場には昨日も多くの親子連れが手弁当持って最後の休みを楽しんでいた様子の方がとても幸せそうに見えた。
 
GW中は多くの若い人たちが熊本地震で被害に遭った地域にボランティアに駆けつけていたが、希望者が多すぎて割り振る仕事が無く断られてしまったボランティアが少なくなかった。
 
しかしGWが終わると特に学生たちはめっきりいなくなり「熊本地震 息の長いボランティアを GW終盤に急減」という事態になっているという。
 
大型連休が終わることでボランティアの不足も課題になりつつある。熊本県社会福祉協議会によると、大型連休中のピーク時には県内に1日約3300人が集まり、受け付けを早々に打ち切る災害ボランティアセンターもあった。だが7日は計約1700人に半減。熊本市では同日、1200人分の仕事があったが、参加者は約750人だった。
 学校や会社の再開で参加者が減る一方、避難生活の長期化や罹災(りさい)証明書の発行の本格化で、家屋の片付けなど被災者側の要望はむしろ増えている。益城町では、大型連休中は県内在住者に限った参加対象を9日以降は全国に戻すという。
 
さて、GWが終わると様々な動きが出てくる。
 
ICIJ『10日午前3時に史上最大の発表をする』」というニュースが昨日流れたが、その前に自ら発表した方がダメージが少なくなるという、おなじみの「リスク管理」からか、「パナマ文書 楽天・三木谷会長の名も 10日一部公表」ということになったらしい。
 
いまさらという気がするが、こんな声が代表的かもしれない。昨年の戦争法案審議中に、「安保法案は違憲」といった学者の一人で昔から改憲派で名を売っていた憲法学者が、政治家には任せてはいられないとばかりに、「参院候補擁立へ政治団体 『安保法制は違憲』の憲法学者」ということになったらしい。
 
しかし、参院選の比例区で本人を含めて最低10人を立候補させなければ政治団体とは認められず、比例区における供託金も1人600万円なので、自己負担できる候補者がいない限り、6000万円を公示までに用意しなければならない。
 
まさかこれから寄付を集めるわけではなく、ある程度のカネとヒトの目途がついてのことだとは思うのだが、ネット上の声は微妙である。

さて、「バカップル」と呼ばれながらも夫婦で税金外遊から戻った「裸の王様」ゴッコ真っ最中の「私が最高責任者」のバカ殿。
 
英国ではかなり問題になっていることをしでかしたようである。
そして、英国のキャメロン首相には「英国はEU残留が望ましい」「G7は構造改革の加速化にあわせて財政出動も辞さないという一段強いメッセージをサミットで出すべきだ。どのようなとりまとめにするかはさらにG7で議論したい」と偉そうにアドバイスしたと自慢してた安倍晋三首相。
 
これには英国民を代表してテレグラフ紙が「英国は日本経済で失敗した安倍総理のアドバイスに耳を傾ける価値なし」と辛らつな記事を書いていた。(原文はこちら)
     
当然、国内でもこのような声があがるのも無理はない。ところで、「1977年度成蹊大学法学部政治学科卒業生」という学歴の真偽を問うかのような抗議文が現役の学生から、昨年の戦争法案審議中に出されていた。
 
20160509protestabe01.jpg
 
20160509protestabe02.jpg  
 
PROTEST
1977年度成蹊大学法学部政治学科卒業生、安倍晋三さん
私たち成蹊大学後輩一同は、あなたの安全保障関連法案における、学問を愚弄し、民主主義を否定する態度に怒りを覚え、また政治学を学んだとはにわかに信じがたい無知さに同窓生として恥ずかしさを禁じえません。
日本国憲法に、集団的自衛権の行使を基礎づける条文が存在しないことを、私たちは成蹊大学で学んでいます。
憲法を、時の総理大臣が自らを責任者と称し解釈で改憲することは、法の支配に反する行為であると、私たちは成蹊大学で学んでいます。
日本国憲法は、アメリカによって押し付けられた恥ずかしいものなどではなく、日本国民が自ら選び取り70年間維持してきたものだと、私たちは成蹊大学で学んでいます。
そして、私たち成蹊大学生は、憲法学を机上の空論などと考え学者の意見を軽視することなどはせず、学問が蓄積してきた知識を大切にしています。
あなたは、本当に成蹊大学で学ばれたのでしょうか。
知っていますか。就職活動の際、自己紹介で母校の名前を答えると「ああ、安倍晋三のね」と冷笑されることを。その冷笑に含まれている意味を考えてみてください。
安倍晋三さん、あなたは成蹊大学の誇りなどではなく、ただその無知で不遜な振る舞いによって、私たちの大学の名誉と伝統に泥を塗っているのです。
私たち成蹊大学生は、先輩・安倍晋三さんの立憲主義を否定する態度に反対し、安全保障関連法案の廃案を求めます。
平成27年9月13日 発起人・成蹊大学法学部政治学科4年 秋山直斗
付記:成蹊大学の教授、職員の方々が「安全保障関連法案に反対する成蹊学園有志の会」を発足され、様々なご活動をされておりますが、現役学生は賛同者になることができないということなので新たにこちらを作りました。
 
オジサンはどこかの居酒屋で、「安倍晋三も卒業しているあの○流大学」という表現を使ったことをを思い出した。
 
その大学の現役の学生たちが、「『ああ、安倍晋三のね』と冷笑され」ていることは知らなかった。
 
機会があれば謝らなくてはならない。 
 
決して有名大学と言われなくとも、「法学部政治学科」の学生なら「集団的自衛権の行使」や「安全保障関連法案」の違憲性は誰でも知っていることであり、「日本国憲法は、アメリカによって押し付けられた恥ずかしいもの」などではないことも知っている。
 
親の力で小学校から大学まで(?)成蹊一筋だった安倍晋三なのだが、まともに学んでいる学生から「本当に成蹊大学で学ばれたのでしょうか」と突きつけられた、こんな情けない総理大臣は後にも先にもいない。
 
「無知で不遜な振る舞いによって、私たちの大学の名誉と伝統に泥を塗っている」安倍晋三はやはり学歴詐称常習者で世界からも笑い者にされる男なのかも知れない、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:28| 神奈川 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月08日

オトモダチ感覚で決めてしまう安倍晋三首相の私物化体質が墓穴を掘る

いまさらテレビメディアを始めとする記者クラブ所属のメディア記者連中を批判しても何も変わらないのだが、改めて愕きうんざりしたことが多く見受けられた。
 
連日続いた熊本地震の現地からのテレビ報道は、連休に入りかなり減ってきた。
 
それは「視聴率の取れる緊迫した場面」が減ってきたからである。
 
民間テレビはスポンサーが命なので、同じような報道番組では視聴率の数字で評価されてしまう。
 
したがって「熊本地震で露呈したテレビ局『失態の数々』」と暴露されるように、救出劇の撮影、割り込み、ホテル占拠で大迷惑といった現地の被災者たちから顰蹙を買うようなことも平然とやってしまう。
   
残念ながら、これはテレビメディアの宿命なのであろう。
 
熊本地震は知らん顔…安倍首相&7閣僚『GW外遊』に5億円」と報じられた外遊も終わったのだが、7閣僚の外遊はほとんど意味もなく成果などは報じられてなかったが、短期間で欧州各国を伊勢志摩サミットの根回しに回った安倍晋三首相に同行した記者団に対しては、「戦後日本の歴代首相でこれほどまで嫌われた人物とは」のつぶやきの中で、ベルリン在住のジャーナリスト梶村太一郎氏に「安倍首相の国際大名行列に随行する荷馬車に着いた瓢箪」と批判されていた。
 
5日にロンドンで内外の記者に対して、安倍晋三首相は「アベノミクスの3本の矢をもう一度世界レベルで展開させることだ。自由な競争から新しい技術革新や付加価値が生まれる。構造改革を進め自由で公正な市場をつくらなければならない。」と平然と言ってのけたのだが、その場で突っ込む記者などはおらず、そのまま垂れ流し記事を発信していた。
 
3年かけても結局内需は拡大せず、客観的に見ても「「アベノミクスの3本の矢」は行方不明となっているので、自ら「第二の3本の矢」を唱えて最初の3本の矢の失敗を糊塗しようとしたはずであった。
 
残念ながら国内のマスメディアはいずれも正面から批判していなかった。
 
そのため、こんなツイッターが余計注目を浴びていた。

さて、カリブ海の英領バージン諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)に設立された21万余の法人に関する電子ファイルを、南ドイツ新聞と非営利の報道機関「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が入手したという一報により、にわかに世界中の注目を集めた「パナマ文書」騒動から1か月以上が過ぎた。
 
日本では菅義偉官房長官が直ちに「我が国では調査しない」と早々と先手を打っていたことを思い出す。
 
そして、どうやら「ICIJ『10日午前3時に史上最大の発表をする』」ということになったらしく、21の回避地に設立された20万社以上、関連する37万人が、関係する国ごとに整理され、名前からの検索も可能となる見通しで、ICIJは「秘密法人とその背後にいる人物たちに関する史上最大の公表」だと位置付ける。
 
そして10日の発表を待たずに、安倍晋三首相の周辺に暗雲が立ち込めてきた。 
 
<税金逃れ「パナマ文書」に安倍首相のオトモダチの会社が…自ら内閣参与に抜擢、世界遺産を仕掛けたあの女性>
 2016.05.07 リテラ
 各国のトップや企業が「タックスヘイブン」(租税回避地)を利用し、税金逃れをしていた記録がおさめられた「パナマ文書」。全貌は週明け、5月10日に発表される予定だが、すでにイギリスのキャメロン首相、ロシアのプーチン大統領らの周辺人物の租税回避行為が発覚しており、文書に本人の名前のあったアイスランドのグンロイグソン首相は辞任に追い込まれた。
 日本でも早くから政治家の名前が出てくるのではないかという声があがっており、菅義偉官房長官が早々に政府としての調査を否定したことで、さらに疑惑が深まっていた。
 すると、この5月6日、問題のパナマ文書に案の定、安倍政権の関係者の会社名が記載されていることが判明したのだ。
 この関係者とは、安倍首相と個人的にも非常に親しい関係にあり、首相自ら内閣官房参与に抜擢した加藤康子氏。安倍首相の側近である加藤勝信「1億総活躍社会」担当相・拉致問題担当相の妻の姉でもある。
 ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)のパナマ文書分析プロジェクトに参加している共同通信によると、2005年に英領バージン諸島に設立された会社の約6.8%の株主として「東京個別指導学院」なる名が記載されていた。東京個別指導学院は、ベネッセ系の大手学習塾だが、その連絡先には、東京個別指導学院の住所でなく、加藤康子氏が代表取締役を務める会社の住所と、短縮した会社名が掲載されていた。
 共同通信は、加藤康子氏が代表を務める会社名を伏せているが、これは、ブライダル関連の輸入業をしているトランスパシフィックエデュケーションネットワークという会社ではないかと思われる。同社は東京個別指導学院の株を取得している。
 当の康子氏はこの報道に「全く心当たりがなく大変驚いている。当時の会社代表者は別の人で、連絡先として名前を使うことを認めた人がいなかったか調査する」としているが、実は、トランス社は加藤康子氏が学生時代の友人や今の夫と作ったオーナー会社だ。当時の会社代表者というのも「別の人」などではなく、投資家の夫である。もし、トランスパシフィックエデュケーションネットワークが英領バージン諸島に設立した会社に出資していたことがはっきりすれば、とても「知らなかった」ではすまないだろう。
 そして、そうなれば、次に問題になるのは、やはり安倍首相の責任だ。実は、安倍首相と加藤康子氏の関係は、たまたま内閣参与に抜擢したというレベルのものではない
 康子氏は故・加藤六月元農水相の長女だが、六月氏は安倍首相の父・晋太郎氏の四天王の筆頭で、康子氏の母は安倍首相の母・洋子氏と“姉妹”のように親しく、昔から家族ぐるみの付き合いをしていた。安倍氏と康子氏も幼い頃からしょっちゅう顔をあわせ、兄妹同様に育ったという。
 また、冒頭でも指摘したように、康子氏は安倍首相の側近中の側近とも言われる加藤勝信「1億総活躍社会」担当相の夫人の姉でもある。というか、もともとは康子氏が勝信氏と婚約し、結婚する予定だった。だが、康子氏は留学に理由に加藤氏と婚約破棄。すると、どうしても加藤六月氏の地盤を継ぎたい勝信氏は康子氏の妹と結婚したのである。
 そして、安倍首相の母親の洋子氏は、姉妹同然の大親友の娘である康子氏とその妹、娘婿の勝信氏を自分の子どものようにかわいがり、ことあるごとに安倍首相に引き立てるようプッシュしてきた。安倍首相が第二次安倍内閣で勝信氏を内閣官房副長官に、昨年、「1億総活躍社会」担当相に抜擢したのも母・洋子氏の強い推薦があったといわれている。
 ようするに、母親の圧力と“華麗なる一族”の閨閥人事で閣僚を決めてしまっているというのは、いかにも安倍首相らしいが、それは康子氏の内閣参与就任も同様だった。
 康子氏はもともと「一般財団法人産業遺産国民会議」の専務理事で、「明治日本の産業革命遺産」を世界遺産にする運動に10年間にわたって関わってきた。そして、2015年にこれが世界記憶遺産に登録されることになったことから、「産業遺産に関して、総理に対して情報提供や助言を行っていただく」として、内閣参与に抜擢された。
 しかし、そもそも、政府がこの「明治日本の産業革命遺産」をユネスコに推薦したこと自体が、安倍首相と康子氏のごく個人的な関係で始まったことだったのだ。
「週刊新潮」(新潮社)2015年5月21日号に掲載された康子氏のインタビューによると、自民党が野党に転落していた頃、安倍氏は世界遺産登録への熱意を語った康子氏にこう語ったという。
「君がやろうとしていることは『坂の上の雲』だな。これは、俺がやらせてあげる」
 そして、安倍首相は総裁の地位に返り咲いた3日後、彼女に電話してきて、「産業遺産やるから」と、決意を語ったという。 未来に遺す重要な人類史の遺産の選択を「俺がやらせてあげる」などと個人的なオトモダチ感覚で決めてしまう安倍首相の私物化体質には唖然とするほかないが、いずれにしても、安倍首相と康子氏はそれくらい親しい関係にあるということだ。
 現時点では、加藤康子氏のタックスヘイブンへの関与はまだ確定的ではないが、われわれはメディアのこの疑惑追及が圧力で尻すぼみすることのないよう、注視しなければならない。
(田部祥太)
 
「明治日本の産業革命遺産」の推薦書原案を執筆し、国連教育科学文化機関の世界遺産登録に尽力したという加藤康子内閣官房参与については、その功績には特に興味がないのであえてコメントはしない。
 
しかし、母方の祖父の力で安倍一族を“華麗なる一族”に押し上げ、その閨閥人事で閣僚を決めてしまっているというのは、まさに「お友だち内閣」で失敗した第一次安倍内閣を思い出させ、このような事実が明るみに出てくるということ自体が、安倍内閣の、そして安倍政権の終わりの始まりを予感させるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:12| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月07日

政治の堕落が企業も堕落させる

昨日のWeb版の夕刊を読んで以下のようにツイートした。


<トランプ氏「同盟国が駐留米軍の全額負担を」 持論変えず>
 2016年5月6日 夕刊 東京新聞
  【ワシントン=石川智規】米大統領選で共和党候補の指名獲得を確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は4日、米CNNテレビのインタビューで、日本や韓国などの同盟国が負担する米軍駐留経費について「なぜ100%(負担)じゃないのか」と強調。大統領に就任すれば日本などに駐留経費などの全額負担を求める考えを示した。
 トランプ氏はこれまでも、各国との同盟関係見直しや軍事費のさらなる負担を求める発言を繰り返してきた。指名を確実にした後も、軍事外交面での持論は変えなかった。
 トランプ氏は「われわれ米国は世界の警察になる余裕はない」と指摘。米国が多額の軍事費を計上している現状に不満を示した。さらに「もし彼らがわれわれに敬意を示さず負担もしないなら、自分たちで守らせればいい」とし、同盟国からの米軍撤退をあらためて口にした。日韓核武装についても「北朝鮮の脅威から自分たちを自分たちで守ることだ」と容認した。
 
在日米軍の駐留経費の総額は日本には明らかにされていない。
 
但し日本からの支出で明らかのは、基地の日本人従業員の人件費や施設整備費、光熱費などを負担する「思いやり予算」が2015年度で1899億円。
 
それ以外にも、基地用地の借地料、米軍再編関係経費など防衛相予算分だけでも、合計5197億円にも上る。
 
さらに全国の基地がある自治体への交付金など、他省庁からの予算を加えれば総額は7000億円を超える。
 
この金額が米軍駐留経費のどれ程を占めるのかは明確ではないが、日本の負担割合は米国の同盟国中、突出しているらしい。
 
少々古いが、米国防総省の2002年のデータでは「従業員の人件費を除いた運営経費の74.5%を日本が負担」としている。
 
米国の同盟国の韓国の40%、ドイツの32.6%と比べれば日本の高負担振りは一目瞭然である。
 
米CNNテレビは、現在の日本の負担割合を50%と試算しているので、それを基にトランプ候補が100%負担を求めるということは新たに7000億円を日本に要求することになる。
 
こんなにも「思いやり予算」を手厚くすれば、ますます保育所を作れとか、奨学金を支給制にしろといった声が大きくなる。
 
もちろん、トランプ候補が米国大統領になるというありえない前提の話なのだが、この際、日米の安保体制を見直すいいチャンスかもしれない。 
 
沖縄国際大学の前泊博盛教授は、「米国に過度に依存している日本の安保や外交を議論する良い機会となる」とトランプ候補の主張を歓迎していた。
 
さらに「日米安保条約をよく読めば、米国は必ずしも日本を守る必要はなく、『片務』とはいえない。日米地位協定で米国が負担すべき経費を実際には日本が肩代わりしている。現状の日本側の負担が妥当なのか、日米安保が本当に効果的なのかを考えるべきだ」とも言っていた。
 
今朝の東京新聞4面で「米大統領 トランプ現象の虚実」という特集の中で、米国事情に詳しいジャーナリストの堤未果が「脱金権政治への希望」という題でこんなことを言っていた。(一部抜粋)
 
 「今の米国では政治は完全にお金で買われています。もう対立軸としての共和党、民主党による二大政党制は幻想でしかない。『世界の1%』ともいわれる超富裕層から巨額の資金が、両党の有力候補に流れ込んでいるからです。
 ・・・だからお金の動きを見れば、何が起きているかが分かる。トランプ氏と対立していた共和党のテッド・クルーズ氏や、民主党のヒラリー・クリントン氏への資金の出どころは同じ。ウォール街やグローバル企業といった『1%』の側です。トランプ氏は手持ちの自己資金をメインにしており、むしろ1%からの献金を平気で受け取る他候補を激しく批判しています。・・・一見、主張は正反対ですが、やはり1%の強欲を批判し教育無償化などを掲げるバーニー・サンダース氏が若者たちの支持を集める構図と根っこは同じです。トランプ氏の集会で、ちり紙のように消費される過激な言葉の中に、一つだけ本質的なメッセージがあります。「強欲な『1%』からアメリカを取り戻す」という言葉です。・・・だからこそ1%側である商業メディアや御用識者たちは、トランプ氏つぶしに躍起となるのです。
 既に日本の政治にも1%の資本は網の目のように入ってきています。『強欲資本主義』という価値観をめぐるこの大統領選は、夏に選挙を控えた私たちにも多くのヒントを投げかけているのです。」
 
さて、随分前の話だが「技術立国日本」などともてはやされていた時期があった。
 
しかし昨今の日本の企業の堕落、腐敗ぶりは目を覆いたくなるような毎日である。
 
「警官の不祥事」というキーワードで検索してみると「約 454,000 件(0.44 秒)」(Google)と表示された。
 
そして「2015年度・2016年度・警察関係者の犯罪・不祥事のまとめ」というサイトもあるが、警察という組織は徹底的に身内を守る組織なので、ニュースになるのは「隠しきれない」事件であり、それはまさに氷山の一角である。
 
「警官」を上回るのが「企業の不祥事」で、やはり検索してみると「約 630,000 件(0.58 秒)」となり、警官不祥事をはるかに凌ぐ勢いである。
 
最新の企業事件・不祥事リスト」を見ればその多さに愕くばかりである。
 
まさに「カラスが泣かない日はあっても、企業の不祥事がない日はない」ということであろう。
 
オジサンの母の兄、すなわち叔父がその昔、ある自動車会社の部品の下請け工場を経営をしていた。
 
かなり景気が良かった時代だったのか、大学生3年の頃、新築した叔父の豪邸に一族郎党が正月に集まったことがある。
 
そのとき叔父から「卒業したらどこに行きたいか?」と聞かれたことがあった。
 
最近の学生のような「就活」なんかまったく興味がなくサッカーに明け暮れていたオジサンは「特に行きたいところなんかありません」と答えた記憶がある。
 
その時叔父は、「もし行くところがなかったら私の親会社を紹介してあげる」と言ったことを今でも覚えている。
 
今から思えばその会社が三菱自動車だった。 
 
それから何年か経ち親会社の都合で叔父は工場の閉鎖を余儀なくされ、数年後にはこの世を去った。
 
こんなことを思い出させてくれたのが「三菱自の燃費偽装、下請け打撃 部品の山… 雇用にも影」という記事であった。
 
今度は、昨日にこんな不祥事が明らかになった。 
 
<羽田滑走路耐震改ざん 東亜建設工業 社長辞意>
 2016年5月7日 06時57分 東京新聞
20160507sekoufuryouhaneda.jpg

 羽田空港C滑走路の耐震性強化のための地盤改良工事で、施工した東亜建設工業(東京)は6日、データを改ざんし、仕様書通りに工事をしたかのように装って、発注元の国土交通省関東地方整備局(横浜市)に虚偽の報告をしていたと発表した。整備局は「通常の利用は構造上問題がない」として滑走路の使用を制限しないが、地盤が改良されていないため、大地震の際には液状化の恐れがあるとしている。
 同社は工事をやり直す方針を明らかにし、整備局と方法などを協議する。
 工事は関東大震災級の地震が起きた場合に滑走路の液状化を防ぐため、地中に管を通して土を固める薬液を注入する計画で、昨年5月から今年3月に実施。しかし、管を通すため機械で穴を開ける際、地中のコンクリート片や古タイヤなどの障害物に当たって予定の位置に達せず、薬液を計画値の5.4%しか注入できなかった。このため、データを改ざんして全て入れたように装って整備局に報告していた。
 松尾正臣(まさおみ)社長は横浜市内で会見し、「羽田空港利用者や関係者にご迷惑とご心配をかけ、心よりおわびします」と謝罪。問題の責任を取り、当初予定していた六月の株主総会の交代時期より前に社長を辞任し、代表権のない相談役に退く意向を示した。
 同社によると、データ改ざんにはいずれも現在は役員の前東京支店長と現支店長が関与。同社は、過去に同じ工法で、松山空港と福岡空港のほか、羽田空港の誘導路と千葉港の工事を実施しており、今後、弁護士を入れた調査委員会を設置し、データ改ざんの有無など工事に問題がなかったか調査する。
 C滑走路の地盤改良工事は東亜建設工業など3社でつくる共同企業体(JV)が32億9千万円で受注。整備局は4月下旬、JVから施工不良の疑いがあると申告を受けていた。
<東亜建設工業> 海上土木を主力とし、東京証券取引所第1部に上場する総合建設会社。設立は1920年。東京都新宿区に本社を置き、国内に支店を展開している。横浜ベイブリッジや中部空港、関西空港などの工事を手掛けた実績がある。シンガポール、インドネシアなどにも拠点を持つ。2015年3月期連結決算の売上高は1988億円、純利益は20億円。


「管を通すため機械で穴を開ける際、地中のコンクリート片や古タイヤなどの障害物に当たって予定の位置に達せず、薬液を計画値の5.4%しか注入できなかった」時点で、現場はその情報を正確に上司に伝えたにもかかわらず、当時の支店長レベルでとどまり、企業トップまで届かなかったことになったらしい。
 
しかしこれは単に支店レベルで解決できる問題ではなく、やり直さなければ近い将来、大事故につながる恐れもあった。
 
日本では1970年代から企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility、略称:CSR)ということばが使われていたが、一般に日本企業がCSRに期待するものは、「企業の持続的発展」であり、そのため、しばしば企業の社会的責任は企業の社会的貢献や企業イメージの向上を図る慈善活動のように考えられ、このため企業収益を実現した後の活動のみを指すものと誤解されていたらしい。
 
また企業のコンプライアンスが叫ばれて久しいが、納期第一主義と「利益なくして安全なし」という誤った企業論理から、このような隠蔽工作が後を絶たない。
 
子どもや女性、さらには高齢者という弱者を大切にしないで、「企業が世界一活躍できる」と臆面もなく言い放つ安倍政権のもとでは、企業は絶えず利益を追求し政権におもねることになる。
 
やはり根本から変えていくには「安倍政治を許さない」という怒りを多くの国民が共有して、自分たちの意思を示す投票行動しかない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:13| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月06日

戦後日本の歴代首相でこれほどまで嫌われた人物とは

4月3日付けの飯田香織ブログの「【クルーグマン教授の暴露】」というエントリーによると、3月22日に首相官邸で行われた国際金融経済分析会合で安倍晋三首相はクルーグマン教授にこう尋ねていた。
 
「ドイツは財政を使う余裕がもっともある。私はドイツを訪問する予定だ。政策に協調してもらうために彼らと話す必要があるが、何かアイディアはあるか?」
 
この質問に対しては教授は「それは難しいでしょうし、メルケル首相はいま(難民など)ほかのことで頭がいっぱいだろう。」と答えていた。

この教授は自分のツイッターでさらに「これはオフレコでお願いします」という政府側の言葉も明らかにしていたので、メルケル首相の耳にも入っていたかもしれない。
 
その会議から1か月半余り後にはこんなツイッターが飛んでいた。 


<安倍首相 財政出動への協力要請、独首相 慎重姿勢崩さず>
 05日16:03 TBSニュース
 安倍総理は5日未明、ドイツのメルケル首相と会談し、減速傾向にある世界経済への対応策として、財政出動への協力を要請しました。
 5日未明、ドイツの古城で首脳会談を行った安倍総理とメルケル首相。最も注目されたテーマは、「財政出動」でメルケル首相から協力を得られるかどうかでしたが・・・
 「G7には構造改革の加速化に合わせて機動的な財政出動が求められており、伊勢志摩サミットでG7として一段と強い明確なメッセージを発出したいと考えていることをお伝えした。この点(財政出動)について、伊勢志摩サミットで引き続き議論を行っていくことで一致をいたしました」(安倍首相)
 議論を今月末の伊勢志摩サミットに持ち越すことになりました。そもそも「財政出動」とは・・・
 「大胆な金融政策。機動的な財政政策。民間投資を喚起する成長戦略」(安倍首相 2012年12月)
 アベノミクスの2本目の矢として位置づけられる「財政出動」。景気底上げの経済政策の一つで、税金などを公共事業などに投資することで需要を増やし、民間の消費を拡大する政策です。世界経済が減速傾向にある中、安倍総理は、伊勢志摩サミットで「G7各国が一致して機動的な財政出動」への強いメッセージを出すという成果を思い描いているのです。
 イタリア、フランス、それにEU首脳とは「財政出動」の重要性で一致しましたが、メルケル首相は会談で「私は財政出動のフロントランナーではない」とした上で、「構造改革、金融政策、財政出動の3つを一緒にやっていかねばならない」と強調し、慎重姿勢を崩しませんでした。
 サミット議長の安倍総理がG7各国の共同歩調を引き出すことができるのか、その手腕が問われる局面を迎えています。(05日16:03)
 
まさに絵にかいたような「井の中の蛙、大海を知らず」そのままの、間抜けな安倍外交を象徴するような会談だったようである。
 
そもそも首脳会談とは事前に担当大臣や事務方が十分に根回しして会談の合意点を確認したうえで、首脳同士が会った時点ですでに共同声明くらいが出せる状態になっていることが一般的である。
 
ところが日本国内では「私が最高責任者」といって憚らない男が、さらにはマスメディアが決して正面から批判できない状況に浸かりきっているので、自分が行って直接話せば必ず良い返事がもらえると思い込んでいたのだろう。
   
伊勢志摩サミットで議長国としてG7各国を取りまとめたという実績が欲しかったのだろうが、「伊勢志摩サミットで引き続き議論を行っていく」というお互いのメンツを立つような結果になったということは、明らかに失敗した首脳会談であり、全く無駄な外遊といっても間違いではない.。 
 
さらに付け加えれば「議論を今月末の伊勢志摩サミットに持ち越すことに」なれば、各国首脳たちと直接込み入った会話ができない安倍晋三首相では限りなく不可能であろう。
 
安倍晋三首相は実は2年前の4月30日、欧州外遊の最初の訪問国であるドイツのベルリンでメルケル首相と首脳会談を行っている。
 
その時には、ベルリンの首相府前で日独韓の市民たちによる「安倍首相訪独歓迎抗議デモ」という洗礼を受けていた。
 
そして今回もベルリンでは「安陪は辞めろ」との抗議行動が行われたと、岡山県津山市生まれでのフリージャーナリストだが、ドイツ外国人記者協会会員でもあり74年以来ベルリン在住している梶村太一郎氏のブログ「明日うらしま」では伝えていた。 
 
<316:ベルリンで「安倍は辞めろ!」抗議行動の写真報告 Abe Abtreten! Protest in Berlin>
20160506kajimura_01.jpg

 本日、5月4日、伊勢志摩サミットの根回しのためにドイツを訪問した安倍首相に、辞任を要求する抗議行動がベルリンで行われました。以下、写真で報告します。
 
20160506kajimura_02.jpg

場所は安倍首相と「随行ぶら下がり政治部記者団(これについては一番下をご覧ください)」が宿泊するホテルの前です。
 ちょうど2年前の訪独の際は、首相官邸前での→「安倍首相訪独歓迎抗議デモ」でしたが、今回はどういうわけか、時間もない強行軍であるのにベルリンから車で1時間以上も離れた迎賓館にドイツ政府との会談を移しました。
 その理由のひとつは、前回の抗議行動が日独のメディアで報道され、とってもみっともない思いをしたので、ドイツ政府に工作して、そうしてもらったのではなかろうかというのが、ベルリンのジャーナリストたちの間ではささやかれています。
 
20160506kajimura_03.jpg

そこで、空港から宿泊先のホテルの前での抗議行動となったのですが、わずか一日足らずの前の呼び掛けにもかかわらず、約50人の日独韓国の主に女性たちが参加しました。
今回は、「歓迎」の雰囲気はまったく無くなり、「安倍は即時辞任せよ!」との厳しい抗議となっています。
それも当然で、このデモに現れたプラカードでも、ご覧のように「川内原発即時停止せよ」、「慰安婦問題の真の解決を」、「憲法を改悪するな」、「秘密保護法を撤回せよ」と続き、ついに「嘘つき安倍」、「日本に良心はあるのか?」とまで、女性たちの怒りが募っていることがよく出ていました。
 
20160506kajimura_04.jpg

つまり、「安倍政治には良いことひとつもないのですぐ辞めてほしい」との国際世論が、この小さな抗議にも顕著です。戦後日本の歴代首相でこれほどまで嫌われた人物は、ちょっとわたしの記憶でもありません。明らかに末期症状と言えましょう
 
20160506kajimura_05.jpg

これは、日本だけではなくて、世界の声です。
 
20160506kajimura_06.jpg

向かい側がホテルです。このホテルもバブル時代は一時的に日本資本が買収しましたが、弾けてまた売却した歴史があります。
 
20160506kajimura_07.jpg

このスローガンは、今や世界の普遍的な女性たちの常識です。
 
20160506kajimura_08.jpg

マイクをとる女医さんは「何でこんな政治家を日本の有権者は選ぶのか、わたしにはさっぱり理解できない。日本人はもう少しお利口なはずだ」と述べていました。ニッポンジンとしては返す言葉もありませんね。
 
20160506kajimura_09.jpg
 
そろそろ、到着しそうだ。
 
20160506kajimura_10.jpg

20160506kajimura_11.jpg

20160506kajimura_12.jpg
20160506kajimura_13.jpg
20160506kajimura_14.jpg
横断幕も次々と長くなります。
・・・後略・・・
 
当ブログ主は「デモ隊が解散した頃に、ようやく随行の記者団らしい一行が到着。せっかくの光景を見逃してお気の毒でした。彼らは、安倍首相の国際大名行列に随行する荷馬車に着いた瓢箪のようなものです。荷馬車につれて上下左右に揺れるのです。だからその程度の報道しかできません。荷に着いた瓢箪記事と命名しましょう。」と痛烈に批判していた。
 
たしかに海外における安倍晋三首相に対する負の「歓待ぶり」は同行記者団たちは正確には報道できず、そんな報道する記者は随行メンバーには選ばれないのであろう、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 11:51| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月05日

子どもの日に警鐘を鳴らしたい、TPPより危険なTISA

国内の大手マスメディアは米国次期大統領選における指名争いで、共和党は不動産王のトランプがほぼ確定したと報じた。
 
米大統領選 トランプ氏指名へ…共和2氏撤退
20160505simearasoi_usa.jpg
【毎日新聞より】

 
もっとも11月の本選挙で勝利しなければ米国大統領にはなれないのだが、民主党の大統領候補のクリントン同様、トランプ候補はTPPに関しては、現状の内容では「米国が譲歩」しているとして反対している。
 
『異端』トランプ氏、本選へ あおる言動を求心力に
20160505trumppolicy.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
このような米国の動きもさることながら、国内では熊本地震の影響を口実に、今国会でのTPP批准は見送られた。
 
恐らく米国大統領選挙の結果を念頭に置いているかもしれないが、いずれにしてもクリントンかトランプのいずれかが大統領になっても米国の日本に対する圧力は今よりも強くなることが予想される。
 
民主党政権時代の菅直人首相が、唐突に「TPPにより日本の開国」とぶち上げたのが始まりだったが、現在ではTPPは「1%の大企業がグローバル経済を支配するためのツール」であることが広く知られている。
 
少なくともTPPは米国が批准しなければ正式には発効されないことに、日米両国のTPP推進派の連中は危機感をもっており、最悪の可能性を考えれば、何らか保障はしておきたいということから、「新サービス貿易協定(TiSA)」が既に始まっていたという。
 
国内では、「国家破壊の協定『TISA』を報じないマスコミ」と1年前に警鐘を鳴らしていたNPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子事務局長はすでに2年前にブログでTISAの危険性を訴えていた。
 
<新サービス貿易協定(TiSA)は何を目指しているのか ―いのちの市場化を進めるもう一つの貿易協定>
 2014年11月14日金曜日 Acts for Democracy
・・・前略・・・
 新サービス貿易協定(Trade in Service Agreement)とは、2013年6月に交渉が公式に始まった貿易協定である。参加国は日本、米国、オーストラリア、カナダ、メキシコ、そしてEU、韓国、トルコ、パキスタンなど合わせて22か国と、EU(欧州連合)であり、EU各国を1国とすれば50か国にもなる。TPPより参加国も多く、また日米、EUが参加しているため経済規模も非常に大きい。TPP交渉参加国12カ国のうち8か国はTiSAに参加している(参加していないのはマレーシア、ブルネイ、シンガポール、ベトナム)。
 TiSAはその名の通り、「サービス貿易」の協定である。TiSAの本質やその問題的を理解する上で、まずはこのサービス貿易の基本を押さえておこう。
1990年代半ばまでの世界の貿易は、モノの貿易の割合が圧倒的に多かった。従って国と国との貿易交渉において主要な議題となったのは、モノの関税削減である。自動車しかり、牛肉やオレンジしかり、現在のTPP交渉の中でいえば農産物や自動車の関税の議論がそれである。しかし経済のグローバル化に伴い、形ある「モノ」だけでなく「サービス」が貿易に占める割合が増加していく。こうした流れを受け1995年、WTO発足に伴って、世界で初めてのサービス貿易に関する多国間協定が発効された。「サービス貿易に関する一般協定(GATS)」と呼ばれる協定であり、WTO加盟国が批准している。国際的な貿易の流れ(特に先進国にとって)は、これを起点としてモノからサービスへと本格的に移行していく。「サービス貿易」の対象となるのはどのような取引、行為なのだろうか。GATSが締結される際に、WTOはサービス貿易を4つの形態に分けて定義している。この定義は、基本的にはTiSAにも引き継がれている。
@ある国のサービス事業者が、自国に居ながらにして外国にいる顧客にサービスを提供する場合(越境取引=第1モード)
Aある国の人が、外国に行った際に現地のサービス事業者からサービスの提供を受ける場合(国外消費=第2モード)
Bある国のサービス事業者が、外国に支店・現地法人などの拠点を設置してサービスの提供を行う場合(拠点の設置=第3モード)
Cある国のサービス事業者が、社員や専門家を外国に派遣して、外国にいる顧客にサービスを提供する場合(自然人の移動=第4モード)
またサービス貿易がカヴァーする12の分野、領域は以下の通りである。
●GATSとTiSAにおけるサービス貿易の12分野
1.実務(自由職業や研究、開発、不動産など)
2.通信(郵便、通信、音響映像など)
3.建設及び関連のエンジニアリングサービス
4.流通
5.教育
6.環境(汚水や廃棄物処理など含む)
7.金融(保険、銀行など)
8.健康関連及び社会事業サービス(病院を含む)
9.観光及び旅行に関連するサービス
10.娯楽、文化及びスポーツのサービス(通信社、図書館など含む)
11.運送
12. いずれにも含まれないその他のサービス

ほとんどのものが、私たちの日常に欠かせないことは一目瞭然だ。バス、電車などの運送サービスや銀行・保険などの金融サービス、電話・ファックスなどの通信サービス、デパートなどの流通サービス等々、また私たちが海外旅行に行って観光やショッピングをすることもサービス貿易であるのだ。
GATSは、WTO交渉に付随して2005年以来、交渉が進められてきた。しかしWTO交渉は先進国と途上国、そして新興国の間で関税やサービス貿易など多くの分野で真っ向から対立、すでに「死に体」となっている。これに伴いGATS交渉の動きも2006年以降、完全に止まってしまった。しかしそれでは、サービス貿易を推進したい米国など先進国の意図は実現できない。そこで登場した新たな貿易交渉の「舞台」がTiSAなのである。
TiSAの公式スタートは2013年6月だが、実はその前の2012年からGATSの中の「有志国」が、GATS交渉とは違う枠組みを模索してきたという。米国は、一向に進まず破綻寸前のWTO交渉を見限り、二国間貿易協定(FTA)やTPPなどの地域貿易協定にシフトしてきたわけだが、サービス貿易に関しても同様に、「中身が獲得できれば、器は何でもいい」と言わんばかりの態度で貿易協定を乗り換えてきたのだ。
米国の貿易戦略が反映されているといわれる『通商政策アジェンダ』(2014年版)の中には、米国にとって重要な貿易協定として、以下ものがあげられている。
@TPP
ATTIP(米国EU貿易・投資パートナーシップ協定)
BTiSA(新サービス貿易協定)
また米国だけでなく、EUもTiSAには積極的だといわれている。
★TiSAの何が問題なのか
 端的に言えば、「TiSAとは、TPPから関税分野を取り除いたもの」である。つまりTPPで懸念されている非関税分野への影響―医療や保険、雇用、食の安全・安心が脅かされる、などすべてがTiSAで考えられる懸念となる。私は特に、日本の公共サービス(電気、ガス、水道や教育、医療など)への自由化の波がさらに強まるのではないかと懸念している。なぜなら、GATS時代にすでに、公共サービスは「必要性」ではなく、「効率」「採算」を重視するサービス貿易の対象とされ、TiSAではその「自由化度」をさらに高めるとしているからである。
(1)徹底した貿易の自由化
 先述したとおり、TiSAには実に多くの分野が含まれているが、実は先進国においては多くのサービス分野がすでに一定程度以上、自由化されている。しかし、例えば日本のような先進国の中で、自由化されていないサービス部門には、「水道」「教育」「医療」などの公共サービスが挙げられる。フランスや米国など先進国の水道会社や教育サービス事業者、医療業界は、途上国に進出したいと同時に、日本のような先進国の「閉鎖的な」公共サービス部門に参入しようとしているのだ。その意味でTiSAにおける対立構図とは、「先進国対途上国」に加えて、「先進国の大企業対すべての国の人びと」ととらえるべきである。
 しかもTiSAは、GATS時代よりもさらなる「高度な自由化」を求めており、交渉対象から特定の分野を除外しないことを参加国は同意しているという。
 GATS時代からTiSAに引き継がれているサービス貿易の自由化原則に、以下のものがある。わかりにくい単語が並ぶが、要は、TPPの多くの分野で議論されているように、「外国企業がさらに進出しやすくするために、規制をするな、取っ払え」ということである。
@最恵国待遇 (MFN : Most-favored-Nation Treatment) 義務
加盟国のサービスやサービス提供者に対して、他の加盟国の同種のサービス提供者に与える待遇より、不利でない待遇を与えなければならない。つまり加盟国がお互いに平等・無差別に扱われるという義務。
A市場アクセス(MA : Market-Access) 義務
加盟国は、自国市場へのアクセスを約束した範囲において、以下の措置が禁止。
*サービス提供者の数や、取引総額・資産の制限(例:需給調整に基づく免許の付与、国内市場における外資系企業の占めるシェアの制限、テレビでの外国映画の放映時間の制限、交通機関の運行回数の制限など)
*サービスを提供する事業体の形態の制限・要求や外国資本の参加制限(例:支店設置要求、合弁要求、法人設立要求)
B内国民待遇 (NT : National-Treatment) 義務
約束した範囲において、他の加盟国のサービス提供者に対して、自国の同種のサービス提供者に与える待遇よりも不利でない待遇を与えなければならない。
(2)一度規制緩和したら後戻りができない「ラチェット条項」―政府の権限が弱められる
 TiSAには、「スタンドスティル条項」と「ラチェット条項」といわれるものが含まれている。前者は、現行の自由化の水準を一律に凍結することを義務付けるものであり、後者は、いったん自由化した中身を、後になって規制を加えたり最高有化することを禁じた条項である。例えば、ある国の中に公的健康保険制度による医療保険サービスがあるとしよう。これを一時的あるいは試験的に、民間保険制度を実施したとする。その際に、「我が国の健康保険部門はTiSAの例外とする」とはっきりと盛り込んでおかない限り、将来にわたってこの医療保険サービスを公的保険制度に戻すことは、「TiSA違反」ことになる。
 実は私たちの暮らしにかかわる様々な制度やサービス提供には、決して公的なものだけでなく、企業も参入しているしNPOなどによっても担われているものも多い。いわばそれらが混合されたシステムの中で、サービスが提供されているのが実態だ。それらの比重や選択肢は流動的であり、各国によっても異なる。だからこそ、それぞれの国の政府が自国の人々にとって必要な規制や制度を設け、特に公共サービスやいのちに関わる分野のサービスに関しては、安価で平等なサービスが提供されるよう、よりよい政策を実行する責任がある。しかしTiSAは、こうした各国政府の権限を限りなく弱体化させ、国内法や規制よりも自由貿易協定が上位に来るという形をとる。TPPにも共通するが、まさに私たちの主権が奪われるということなのだ。
(3)民主主義に反する秘密交渉
 すでに日本も参加し、1年以上も交渉が進んでいるTiSAについて、多くの人が知らされていないのはなぜなのか。TiSA交渉はTPP同様、過剰といえる秘密主義がとられているからだ。日本政府でTiSA交渉を担当しているのは外務省だが、そのホームページを見ても交渉に関する詳しい内容はまったくといっていいほど掲載されていない。マスメディアも同様で、交渉は2−3か月に一度開催されているが、そのこと自体も報道すらされていない。与野党含めて、国会議員の多くはTiSAという単語すら知らないのではないだろうか。
 TiSA交渉の場は、すべてのWTO加盟国に開かれているわけではなく(オブザーバー資格も)、交渉内容は秘密とされている。米国の交渉に関する提案は、「TiSA発効日から5年間、協定が実施されない場合には交渉終結から5年間」機密扱いにするというものだ。TPPのそれが「4年間」であることと比べても、より秘密性が高いといえる。実際に、国際NGOはTiSAに対して警鐘を鳴らし、交渉会合のウォッチも続けているが、TPPよりもさらに情報の壁は厚い。
・・・後略・・・
 
TISAはTPPよりもさらに過剰な秘密主義の下での交渉なので、国民は全く蚊帳の外に置かれている。
 
そして「グローバル大企業や一部の富裕層がさらに豊かになる”ツール”」であり、言い換えればそうした勢力によって「いのちの市場化」が進められているという恐ろしい現実だという。
 
最近では海外で米国オバマ大統領の推し進める貿易協定は、「経済的な恩恵」よりも経済的な害をもたらすということが明らかになっている。
    
<オバマ提案の貿易協定は、経済的に害をもたらすことが研究で判明している>
 2016年5月 3日 (火) マスコミに載らない海外記事
2016stoptpp.jpg
 現在、三つの‘貿易’協定とされるものを、(ロシア、中国と他のBRICS諸国を除く)主要貿易相手の国々で調印するよう、アメリカのバラク・オバマ大統領が提案している。アジアとのTPP、ヨーロッパとのTTIPと、更にヨーロッパとの(金融と他のサービスだけを対象とする)TISAだ。この三ついずれも、経済的な恩恵があるという触れ込みだ。
オバマのヨーロッパとのTTIP条約に関する二つの研究と、アジアとのTPP条約に関する一つの研究という、三つの独立した経済研究があるが、この三つの独立した経済分析の全てが、もし提案されている‘貿易’協定が発効すれば、それぞれの参加国の国民は苦しむことになり、(特にアメリカの)多国籍企業所有者が恩恵を受けると考えている
 
20160505tpptisattip.jpg
そうした研究の中で、最後に公開されたものは、イギリスにみける情報公開法訴訟で、イギリス政府に、独自に行われた研究の公表を強いたおかげで、公開されたものだ。それは実際は、この三つの研究の一番始めのもので、三年前、2013年4月のものだ。題名は“EU-アメリカ投資保護条約の費用対効果”だ。その結論はこうだ。“ISDS[国家主権の終焉となる投資家国家紛争解決]を含む、EU-アメリカ投資条約は、イギリスにとっての恩恵は、ごくわずかか、皆無の可能性が高く、重大な経済的、政治的費用をもたらすというのが結論だ。条約からISDSを削除しても、ISDSがある条約の(取るに足らない)恩恵に大きな影響を与える可能性はほとんどなく、条約によるイギリスのコストは大いに削減される。ISDSを含まないEU-米投資協定の完全な費用対効果評価を行ったわけではないが、そのような条約の方が、イギリスから見て、より費用が少なくてすむ政策の選択肢となる可能性が大きい。”この研究は、オバマの全ての‘貿易’協定の枠組みは、オバマが執拗に要求したものであり、アメリカ側交渉パートナー連中は、これを変えるために、何もしようとはしないだろうから、変えられる可能性は少なく - この枠組みは、他の国を本拠にする多国籍企業よりも、アメリカを本拠とする多国籍企業を、ずっと有利にするものだということを、ほかのどれよりも、良く説明している。
三つの研究のなかで、最初に公開されたものは、実際には、三つの研究のなかでは、二番目に完成したものだ。日付は2014年10月で、題名は“環太西洋貿易投資連携協定TTIP: ヨーロッパの分裂、失業と不安定”だ。所見は、“環太西洋貿易における、あらゆる恩恵は、ヨーロッパの経済統合過程を逆転させ、EU内の貿易を犠牲にして実現されることとなろう… TTIPは、GDP、個人所得と雇用の収縮をもたらすと我々は予想する。財政的不安定化の増大と、GDPの労働分配率の低下傾向継続も予想している。”言い換えれば、調印国の従業員(労働者と、その賃金)を犠牲にして、多国籍企業への投資家が儲けるのだ。
いずれの研究も、ヨーロッパとのTTIP条約を懸念している。しかも、提案されているアジアとのTPP条約に関して行われた独立した一つの研究は、2015年4月16日付けだ。題名は“環太平洋連携協定は、アメリカの労働者にとって、良い協定である可能性は低い”だ。この研究、業界が資金を提供したTPP研究は、経験的根拠が皆無な、あきらかに、でっちあげの想定に基づいていると結論付けている。研究は更にこう結論している。“賃金と不平等に関しては、もしTPPが、労働集約的な輸入向け部門から、資本集約的な輸出向け部門への国内生産の転換をもたらせば、不平等を激化させるだろう。もし、TPPがそのような転換をもたらさなければ、賃金への影響はささやかだろうが、そうなると、製造の転換をもたらさないような貿易協定を、一体なぜ、わざわざ結ぶのかという疑問がでる。結局、貿易による国の推定純利益の源、貿易機会を拡大しようとすること、そのものに。TPPは良いことばかりで、痛みは皆無だという言い方は、極めて陰険だ。”
要するに、オバマが提案した巨大‘貿易’協定に関する独立した研究全ての結論は、オバマが提案している協定は、国民への恩恵という約束に関しては、ウソのかたまりだ。
しかも、アメリカ憲法に違反もしているのだ。どうやら、オバマは(ビル・クリントン以降のあらゆる大統領と同様)そういうことは気にしないようだ。三つの協定は、より上位の法律に固執している。多国籍企業の主要株主による支配だ。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/05/01/studies-show-obama-proposed-trade-deals-would-produce-economic-harm.html
Eric ZUESSE
2016年5月1日
Strategic Culture Foundation
 
このようながんじがらめの状態を知ると、日本の国会でTPPに関する交渉経緯を何一つ口に出せない哀れなTPP担当相の気持ちがわかってくる。
 
日本政府自体が主体性を奪われ、米国の多国籍企業所有者の意を汲むオバマ大統領には逆らえないという呪縛に囚われている。   
 
本心から「日本を取り戻す」と思っているのなら、自主憲法を作り軍隊を持ちたいという前に米国から名実ともに独立することが先であろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:06| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | TISA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月04日

憲法改悪への危機感から集まった市民が憲法集会に5万の人波

好天に恵まれた昨日の有明防災公園での憲法集会。
 
オジサンは11時前にイベント会場に入り、ミニステージで安倍晋三の天敵と自他ともに認める(?)「制服向上委員会」のライブをゆっくりと楽しんだ。
 
20160504seifukukoujyouiinkai.jpg
 
彼女たちは、安倍晋三に媚びるアイドル芸人とは異なり、しっかりとした自分たちの意見を持ち、おかしいこと、ダメなことにははっきりと「反対」と発言していく姿勢を崩さない。
 
オジサンは小学3年生の孫娘を近い将来はこの委員会のメンバーに入れようかと思ったくらいであった。  
 
開会の13時を過ぎても参加者の波は続いていた。
 
20160504sankasyanonami.jpg
 
少なくとも昨年の横浜での憲法集会(30000人)よりはかなり多くの市民が集まっていた。
 
<市民のチカラを見よ!〜東京・憲法集会に5万の人波>
 2016年5月4日 レイバーネット日本
20160504labornetjapan_01.jpg
 

2016年5月3日の「憲法集会」には5万人が集まり、「憲法守れ」「戦争法反対」「-安倍退陣」の声をあげた。ジャーナリストのむのたけじさんが渾身の訴えをした。撮影=-レイバーネットTV
 
 5月3日、東京・有明防災公園で憲法集会が開かれた。5万人が集まり、人また人で会場は埋め尽くされた。この集会は、昨年横浜での5・3統一集会から始まっていた。3万人余りを結集した市民の力は、夏の安保法反対の大闘争を経て、参院選での野党共闘を生み出し、北海道5区参院補選の接戦に結実した。市民の力が政党を動かし、今日の集会につながった。安保法廃止の2000万人署名は現在1200万筆に達したと報告された。
 
20160504labornetjapan_02.jpg 集会ゲストの、菅原文子さん(辺野古基金共同代表/写真)は、「どういう国にしていくか決めるのはわたしたち。北朝鮮が挑発的と報道されているが、挑発しているのは米韓ではないか。おいつめられれば国家でも個人でも爆発しかねない。中国が6カ国協議を提案しているのは当然。わたしには夢がある。いつの日かピョンヤンでオリンピックが開かれることを」と語った。
 
20160504labornetjapan_03.jpg むのたけじさん(101才、ジャーナリスト/写真)は車椅子で登壇し、「戦争は、相手を殺さなければこちらが死に、死にたくなければ相手を殺せという世界。戦争は決して許されない。憲法9条こそが人類に希望をもたらす。70年間、戦死させず、他国民の誰も戦死させなかった道はまちがっていなかった」と話し、満場の拍手を浴びた。
 
20160504labornetjapan_04.jpg 奥田愛基さん(SEALDs/写真)は、「70年の不断の努力が憲法を支えてきた。こんなところで終わるはずがない。憲法はまぎれもなくわたしたちのことばだ」と話した。
 参加者一人ひとりが思いを一つにした集会だった。この力が社会を変えていく。
 
20160504labornetjapan_05.jpg
「安倍退陣」に向けて野党4党ががっちり手をつなぐ
・・・後略・・・
 
昨年の憲法集会では、民主党代表として登場した長妻昭代表代行は最後まで共産党の志位和夫委員長と手を組まなかったが、今年はすんなりと野党4党ががっちり手をつないだのが、今後の野党共闘を期待させるようであった。
 
ところで大手マスメディアの憲法に対する姿勢はなかなか旗幟鮮明できないメディアもあり、憲法集会を記事にして写真まで掲載していたのは、護憲を標榜しているこの地方紙だけであった。
  
<「憲法は私たちが支えてきた」 江東の公園 集会に5万人>
 2016年5月4日 07時01分 東京新聞
20160504kenpousyukai.jpg 憲法記念日の3日、護憲派の市民団体メンバーらが集まり、東京臨海広域防災公園(東京都江東区)で憲法集会を開いた。憲法施行から69年を迎えた今年の集会は、昨年より13000人多い5万人(主催者発表)が参加。安倍政権の下で立憲主義が揺らいでいると危機感を訴え、「憲法を守れ」と声を上げた。
 集会では、安全保障関連法反対や脱原発、沖縄の米軍基地の建設反対など、さまざまな立場の人たちがマイクを握った。安保法に反対する若者グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の奥田愛基(あき)さん(23)は「憲法の主権者は私たち一人一人。これまでの不断の努力がこれを支えてきた。こんなところで終わるわけがない」と述べた。
 高校時代、核兵器の廃絶を求める署名運動に取り組んだ杉並区の大学一年白鳥亜美さん(18)は、今夏の参院選から投票権を得る。「憲法九条を変えようとする動きがある中、そのままにしておけない。私たちが行動を起こすことが大切」と語った。
 従軍記者を経験した101歳のジャーナリストむのたけじさんは「国連に加盟しているどこの国の憲法にも九条と同じ条文はない。日本だけが理想を高く掲げ、必ず実現する」と主張。会場に集まった若者や女性の姿に希望を感じたとして「新しい歴史が大地から動きだした。とことん頑張りましょう」と呼び掛けた。参加者は集会後、会場周辺をデモ行進した。
 
朝日新聞は「憲法、攻防 参院選にらみ集会 『改憲発議求める』『市民共闘で阻止』」とタイトルからして両論併記スタイルという「委縮した」姿勢は変わらない。
 
興味深かったのは、自民党広報紙といわれる讀賣新聞が少なくともWeb版では関連記事は皆無にもかかわらず
、改憲派の産経新聞は「憲法記念日」特集として「護憲派集会詳報」として集会の様子を余すところなく報道していた。
 
(1)4野党党首がそろい踏み 民進・岡田代表「安倍首相の魂胆は9条改正だ」
(2)共産・志位委員長「憲法で縛られている自覚ない首相…お引き取り願うしかない!」写真あり
(3)社民・吉田党首「違憲訴訟、大衆行動、選挙…“三位一体の戦い”を」写真あり
(4)生活・小沢代表「頭ン中に、心ン中に刻んで頂きたい。選挙に勝たねば!」写真あり
(5完)シールズ奥田氏を乗せたタクシーがスピード違反で捕まった!?…写真あり
 
もっともこれには含みがありそうで、同時に改憲派の集会内容と安倍政権の目論みを如何なくかなりの紙面を割いて詳述していた。
 
【憲法記念日】櫻井よしこ氏「今の憲法のままでは日本国民を守ることができない」 民間憲法臨調(要旨)写真あり
【憲法記念日】安倍晋三首相 民間憲法臨調フォーラムにメッセージ(全文)「新しい時代にふさわしい憲法を」 写真あり
  
ところで、東京新聞は朝刊で4月29日から【いま読む日本国憲法】と題して断続的に連載している。
 
■4月29日「(1)前文 はじめに非戦誓う 自民草案では「国家」前面に」 
20160504kenpouzenbun.jpg
   
■4月30日「(20)第1条 天皇は「象徴」的存在 自民草案では「元首」と規定」
■5月2日「(3)第7条 首相、解散権の根拠に」 
 「憲法には首相に解散権を与える明文規定はありませんが、7条の国事行為は『内閣の助言と承認』に基づいて行うと書かれているからです。『内閣イコール首相』と解釈していいのかという指摘もありますが、多くの歴代首相はこれを根拠に、政権に有利な時期を選んで「7条解散」を断行してきました。」
 
20160504kenpou7jyou.jpg

 
■5月3日「(4)第9条 平和主義の根幹 自民草案では「国防軍保持」を明記」 
 
そして今朝の特別編では、「身近な憲法」を非常に分かり易く説明していた。 
 
<(特別編)条文 一生寄り添う 自由、人権…救いの手にも>
 2016年5月4日 東京新聞
20160504hitowosasaerukenpou.jpg

 水や空気と同じく普段あまり意識されない憲法が、私たちの平和で自由な生活を支えている。人の一生をたどり、憲法と生活の関わりを考えた。 (安藤美由紀)
 新しい命が誕生。出生届を出すと、親の社会的立場や財産で差別されることなく健康診断や予防接種の案内が送られてくる。人は生まれながらにして基本的人権を持ち(憲法11条)、個人として尊重され、幸福を追求する権利が認められている(13条)のだ。
 6歳になると、みんなが小学1年生に。子どもには教育を受ける権利、保護者には受けさせる義務があり、国も無償で義務教育を提供する(26条)。
 高校や大学に進み、好きな科目や専攻を選べるのは学問の自由(23条)が保障されているから。これがないと、国や教師が決めた分野を学ぶことになりかねない。教師に違う意見をぶつけられるのも、思想及び良心の自由(19条)があるためだ。サークル活動で自由な創作活動や発表ができるのは、表現の自由(21条)があるおかげだ。
 社会人になり、才能を生かした仕事に就いたり、住みたい街に引っ越したりできるのは居住・移転及び職業選択の自由(22条)があるから。成年者で意中の人が見つかれば、親の同意なしでも2人の合意だけで結婚できる(24条)。
 妊娠、出産をした場合、産休・育休を取得できるのは勤労条件の基準(27条)について定めがあるから。この条文は働き続ける限り、過酷な労働からの防波堤の役割を果たす。
 人生に思わぬ壁が立ちはだかった時、憲法が救いの手を差し伸べることも。
 実例がある。暴力を振るわれた夫と離婚し、新たな相手と出会ったものの、女性のみ再婚を6カ月間禁じた民法の規定のために苦しんだとして岡山県の女性が訴訟を起こした。最高裁は2015年12月、100日を超える部分の禁止期間は憲法14条(法の下の平等)、24条(両性の平等)違反との判決を下した。政府は再婚禁止期間を100日間とする民法改正案を今国会に提出した。
 13年9月には、結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を法律上の夫婦の子(嫡出子)の半分とする民法の規定は憲法14条違反とした和歌山県の婚外子女性の訴えを最高裁が認めた。同年、改正民法が成立。これらを含め最高裁は戦後10件の法律の規定を違憲としている。
 憲法は災害や病気、加齢で働けなくなり困窮した場合でも、文化的な最低限度の生活を営めるよう、生存権と国の社会的使命(25条)を明記している。生活保護の受給も施しではなく、権利なのだ。
 
安倍晋三首相の口癖の一つに「今の憲法は現実になじんでいない。だから現実に合わせて憲法を変えていく必要がある」という倒錯した考えがある。 
 
おそらく念頭に置いているのは、国民の9割が支持している自衛隊が、憲法学者の7割が違憲としていることから、それなら自衛隊のために、第9条を変更して「国防軍」にしてあげましょう、ということらしい。
 
しかし国民が支持している自衛隊の姿は、あくまでも国民の生命を守るため災害救助活動で活躍を自衛隊員たちである。
 
この彼らが殺傷能力の高い重火器をもって中東や地球の裏側の国にまで行って米軍の手先になって現地の人を殺すことは国民の誰も期待していない。
 
自民党憲法草案はことごとく憲法の主役は「国」であり国民に国が定めた憲法に従わせようとしている。
 
理想とされる究極の日本国憲法にすこしでも現状を近づけることが本来の政治家の役目であり使命なのであることは言うまでもない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:44| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月03日

平和を願う9条は真珠のような存在 5.3憲法集会

安倍晋三首相は先月29日放送の日本テレビ番組に出演し、9条改憲に意欲を示し「これからもずっと後回しにしていいのか。思考停止している政治家、政党の皆さんに真剣に考えてもらいたい」と益々前のめりになり、夏の参院選では、野党も含む改憲に賛同する勢力で国会発議に必要な定数の3分の2以上の議席確保を目指す考えも重ねて示してた。
 
9条に関し「自衛隊は日本人の命や幸せな暮らしを守るために命を懸けてくれる組織。その皆さんに対し、憲法学者の7割が憲法違反だと言っている状況のままでいいのか」と筋違いの指摘していたが、その日本人の生命を守る組織の自衛隊員を、9割の憲法学者が憲法違反と言っている戦争法で、危険な目に遭わせようとしている。
 
日本国憲法の評価は海外でも高い。
 
むしろ国内に暮らしている人たちのほうが、憲法の真のありがたさを理解していないのかも知れない。
 
<海外邦人ら「9条守れ」 「平和憲法」価値、離れてこそ実感>
 2016年4月30日 13時56分 東京新聞
 安全保障関連法施行で戦争放棄を掲げる憲法9条の精神が揺らぐ中、外国人や海外に住む日本人に「9条を守れ」との声が広がっている。「平和を願う9条は真珠のような存在」「平和国家という財産を捨てれば、現地の日本人を危険にさらす」。外国で実際に暮らし、離れて日本を見た立場から、70年戦争をしなかった国の「平和憲法」に価値を見いだしている。 (寺岡秀樹)
 「9条は平和を願う精神が反映され、真珠のようなもの。他に類がなく、光った存在です」
 カナダ国籍で、2011年に来日した日本基督教団職員デイビット・マッキントッシュさん(55)=東京都杉並区=は流ちょうな日本語で訴えた。神奈川県座間市の主婦鷹巣直美さん(39)が立ち上げた市民団体「憲法9条にノーベル平和賞を」(相模原市)実行委員会の署名に協力している。
 中学まで日本で育ち、カナダに帰国後、平和問題に関心を持った。05年、カナダ人や在住日本人らでつくる「バンクーバー9条の会」の発起人に。移り住んだトロントでも9条の会を立ち上げた。バンクーバーの会員は約200人を超えている。
 再び来日した後は、平和問題の勉強会での通訳などで9条に関わった。カナダの外相が二月、安保関連法を歓迎したことを受け、バンクーバー9条の会などは発言の撤回を求める抗議声明を出した。「理想だけではいけないが、理想を掲げることなくしては、人類は悪い方向にしか進まない。多くのカナダ人に9条を知ってほしい」
 安保関連法に反対する海外の日本人らが昨年8月に結成した「OVERSEAs(オーバーシーズ)」には、約2週間で84カ国、約1200人から賛同署名とメッセージが集まった。
 「OVERSEAs」は現在、ニューヨークやパリなどで9条の精神を広める活動も行っている。発起人の武井由起子弁護士(48)は中国に赴任した経験などから「いかに自分が『9条の防弾チョッキ』に守られていたのか分かった。アメリカと同類とみなされ、テロのターゲットになるリスクが高まるなど、安保関連法の一番の当事者は海外在住日本人だ」と訴える。
 鷹巣さんは5月3日の憲法記念日を前に「世界の人が9条の精神を支持し、一緒に広めてくれていることは心強い。インターネットが発達し、一人一人が意見や考えを発信できる時代。『外交』はもはや国の専売特許ではなく、市民によって国より強力な『外交』を行うことができる」と話している。
◆「OVERSEAs」に寄せられたメッセージ(抜粋)
「戦後、日本が1人の戦死者も出さなかったことを外国の人は知っている(から)私たちは海外で安全に暮らせる。国民を守るという意味で本当の安全保障」(男性・オーストラリア在住)
     *
 「日本人であることに憎しみの目を向けられたことはない。どの宗教、どの国も攻撃しない9条の精神に守られた国だから」(元青年海外協力隊員・中南米在住経験)
     *
 「安倍自民の進める安保法制、憲法破壊を許すわけにいかない。自民党の掲げる憲法改悪・破壊草案は立憲主義という人類が多大な血を流して獲得した智慧(ちえ)に逆行するもの。かつて満州国と呼ばれたこの土地で中国人たちに受け入れられ、支えられている私自身の果たすべき役割」(男性・中国在住)
 
今年は日本国憲法として公布されてから70年目。
 
憲法は国民が権力者を縛るものであり、政治家たちは憲法遵守の義務を負っている。
 
そして憲法は国民が必要と認めた時にしか変えることはできない。
 
ましてや総選挙の時のドサクサに紛れて比例区で当選した改憲派連中は、国民から直接選ばれたわけではない。
 
こんな連中に勝手に憲法を変えさせないためにも、オジサンは最近、失われつつある「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」をもう一度多くの仲間と確認するためにも、これから「東京臨海広域防災公園」で開かれる「5.3憲法集会」に自元の市民たちと出かけることにする。
 
20160503kenpousyukai.jpg
 

posted by 定年オジサン at 11:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月02日

いまこそ田中角栄の手法に学べ! 保育士問題

先月の熊本大地震後に「どうでもよかった五輪エンブレムが決まったが、災害を政治利用する輩がいる」との後半で、安倍晋三首相がこの地震災害を奇禍として政治利用しているとつぶやいた。
 
その後、被災地への物資輸送で米軍のオスプレイが登場し、ますます被災地の政治的な利用という声が高まり、沖縄タイムスの「オスプレイ熊本派遣「災害の政治利用」社民・照屋氏が批判」という記事では、
 
「照屋寛徳衆院議員(社民党)の質問主意書に答え、オスプレイの熊本地震災害支援で、政府の答弁書では、自衛隊の輸送機は310機だが、被災地で活動していたのは74機であり、自衛隊に余剰があったので、あえて米軍のオスプレイ派遣は災害の政治利用だ」と批判していた。
 
あきらかなミエミエの政府の行為だったのだが、参院外交防衛委員会で日本共産党の井上哲士議員に追及され、中谷元・防衛相はは苦しい言い訳をしていた。 
 
<オスプレイ支援を追及 井上議員 自衛隊で対応できた>
 2016年4月29日(金) 赤旗
 日本共産党の井上哲士議員は28日の参院外交防衛委員会で、熊本地震で、米軍の垂直離着陸機MV22オスプレイが輸送支援を行ったことについて政府の姿勢を追及しました。井上氏は冒頭、政府は米国からオスプレイによる支援申し入れを受けたとする一方、米海兵隊が「日本政府の要請」と発表したことの矛盾をただしました。
 中谷元・防衛相は「(海兵隊発表は)日米間の事務的調整の一部をとらえたもの」として、あくまで最初に米側から支援申し出があったと強弁しました。
 米軍オスプレイは18〜23日の間に、南阿蘇村白水公園に36トンの支援物資をのべ12機で輸送しました。
 井上氏は、オスプレイの積載量は9トンなのに、その3分の1しか運ばなかったと指摘。自衛隊は大型輸送ヘリCH47を70機保有しながら、18機しか派遣していないとして、「『自衛隊のヘリ能力だけでは不十分』というが、実際には自衛隊で対応できたのではないか」と追及しました。
 中谷氏は「確かにCH47はたくさん積める」と認めた一方、「一度に大量に運ぶのではなく、頻繁に送り届ける必要もある。米側が支援可能だと調整もしたので支援をお願いした」などと述べました。
 井上氏は、オスプレイの活動実績づくりのために「自衛隊の能力は不十分」とごまかすものだとして、「震災の政治利用は被災者にも現場の自衛隊員にも大変失礼な話だ」と厳しく批判しました。
 
米海兵隊が「日本政府の要請」と発表したにもかかわらず、「あくまで最初に米側から支援申し出があったと」事実とは異なる発言には、もっとメディアは強く批判すべきであるが、赤旗以外はスルーしていたようである。
 
安倍政権に手なずけられている記者クラブ連中は残念ながら記事には書けないらしい。

* * *
 
20160502bakappuru.jpg
 
ところで、昨日は政府専用機で夫婦で外遊に旅立った二人に対して「被災地ほったらかしで、お手手つないでタラップ上がるバカップル。こんな無意味な外遊に『おかしい』と声を上げないメディアもいかれてる。」と批判されていたカップルの相方である安倍昭恵は自身のFACEBOOKに、こんな情けない夫の顔を晒していた。
 
子どもがいないこの夫婦にとっては保育所問題は単なる「騒動」でしかないのかもしれない。
 
少なくとも当事者である母親たちの痛みを理解する皮膚感覚は皆無であろう。
 
待機児童問題解決のためには、最初に保育所建設という「ハードウェア」対応と、そしてそこで働く保育士たちの待遇改善という「ソフトウェア」対応が対になっていなければならない。   
 
手っ取り早いのが「箱物」の増加なのだが、数が増えれば自ずと質の問題が問われてくる。
 
<認可保育所、安心じゃない? 次々開設、各地で問題発覚>
 2016年5月1日21時21分 朝日新聞DIGITAL
 待機児童問題を解消するために次々と保育施設が開設されるなかで、安全面などで国の基準に基づいた認可保育所で問題が起きている。
 「毎日、無事に帰ってくるかどうか気が気でなかった。子どもも不安定になり、自分も精神的に追い詰められた」。東京23区にある認可保育所に子どもを通わせていた保護者は、昨年春のことを振り返る。
 この保育所は2015年春、都が独自に認定する認証保育所から、より基準が厳しい認可保育所になった。ところが、直後から保育士が次々に辞め、保護者からは「掃除が行き届かず、ぜんそくが悪化した」などの意見が寄せられるようになったという。
 地元の区はこの年の4月以降、職員を連日派遣して指導。転園を希望する人は優遇する異例の措置をとった。担当者は「こんなことは初めて。事故だけは起こしてはいけないと、ギリギリの対応をしてきた」。5月から今年4月入園の1次募集までは、新規募集も停止した。
 原因は、認可保育所になることが決まった後の14年末、運営会社の株式が譲渡され、経営者が変わったことだった。突然、園の名前から保育内容まで変わるなどしたため、保育士に動揺が広がったという。辞めた保育士の一人は「子どものために残りたかったが、限界だった」と話した。
 自治体が認可保育所を増やすことに追われ、質のチェックが甘くなっているという指摘もある。
 ある自治体の担当者は「保育士の配置や面積などの基準をクリアしてさえいれば、認可せざるをえず、一度認可すると、取り消しは難しい。基準を厳しくしてしまうと参入のハードルがあがり、量を増やせなくなる」。認可に関わったことがある専門家も「不安を感じつつ審査を通していることもある」と明かした。
 保育所を運営するある株式会社の経営者も、「以前は、認可の申請を出す前に自治体側が厳しく中身をチェックしていたが、最近は甘くなっている」と話した。
 京都市の認可保育所では14年6月、保育士資格のない職員が5歳児3人を園庭に投げだし、うち1人が頭の骨を折るけがをした。市の特別監査報告書によると、この園では労務管理などが不適切で、保育士の離職率が高かったという。
 問題は東京都や100万都市に限らない。
 茨城県取手市の認可保育所では、保育士が0歳児に無理やりご飯を食べさせるなど不適切な行為をしていたことが昨年1月、発覚。この園は、12年に民営化されたばかりだった。ずさんな会計処理なども発覚し、運営する社会福祉法人が運営辞退を届け出たため、今年4月からは別の法人に移譲された。(仲村和代)
     ◇
 〈認可保育所〉 施設の広さや保育士の数など国が決めた基準に基づいて都道府県や政令指定市などが審査し、認可した保育所。独自に保育士の数などを基準に上乗せしている自治体もある。運営に問題があると判断したときは、事業の停止や認可取り消しをできる。
 
親が安心して預けられる保育所にするには、保育士たちにより多くの負担がかかり、それが原因で止めてしまう保育士が現れ「安心」という質が低下してしまう。
 
豊富な保育士を、満足できる給与体系で働いてもらうのが理想なのだろうが、「『保育士足りぬ時間帯ある』指摘132件 認可園、都・11市が監査 12〜14年度」と現実はかなり厳しいのが実態である。
 
参院選を間近に控えて安倍政権はいままで関心のなかった分野の仕事に就く人々の賃金に関して「2%のアップ」とか「1万円の賃上げ」などと発言し始めているが、厚労省の「賃金構造基本統計調査」によれば、129職種の中で保育士や介護士は圧倒的に低賃金労働者で他の職種と大きな開きがある。 
 
<保育士・介護士 賃上げしても埋まらぬ格差 厚労省調査>
 2016年5月2日 07時00分 東京新聞
20160502tinginkakusa.jpg 低賃金が社会問題化している保育士と介護士は、厚生労働省による各職種の月収調査でも下位に低迷している。低賃金に過酷な労働条件が加わって離職率が高く、人手不足が待機児童問題や介護サービスの低下の一因になっている。政府が表明した保育士・介護士の賃上げが実現しても、他の職種との賃金格差はほとんど埋まらず、抜本的な待遇改善にはつながらない見通しだ。 (山口哲人)
 厚労省は、各職種の賃金実態に関する「賃金構造基本統計調査」を毎年実施。129職種を対象に勤続年数などに応じた賃金を公表している。
 今年2月発表の2015年調査に基づいて順位を付けると、残業代などを含めた平均月収は保育士が21万9200円で、下から10番目の120位。介護士は22万3500円で117位だった。全職種の平均月収は33万3300円で、保育士と介護士はともに約11万円下回る。
 こうした実態を踏まえ、3月に当時の民主、維新と共産、社民、生活の野党5党は、保育士らの処遇改善に関する法案を衆院に共同提出した。計約47万人の保育士や幼稚園教諭らの月給を1人当たり平均5万円引き上げる内容で、約2840億円の財源が必要となる。
 介護職や介護施設の事務員らの賃金を1人当たり月1万〜6千円増やすための法案も同じ野党5党が3月に共同提出したが、衆院厚労委員会で与党の反対で否決された。
 一方、政府は今月中にまとめる「ニッポン一億総活躍プラン」に保育士・介護士の待遇改善策を盛り込む方針だ。安倍晋三首相は4月末、保育士について「新たに2%の処遇改善を行う」と人事院勧告分を含めて約1万円引き上げる方針を表明した。介護士に関しても同程度の賃上げを行う考えを明らかにした。
 ただ、方針通りに賃上げが実現しても、厚労省調査での給与水準はいずれも110位台にとどまる。
 白梅学園大の近藤幹生教授(保育学)は「国の財政支援が不十分というのは、保育士・介護士に共通している」と指摘。「法人税減税の見直しや無駄な予算の洗い出しなどを行い、全額社会保障費に回す名目の消費税増税とは切り離して財源を探すべきだ」と話す。
 
保育士や介護士になろうとする人たちは、決して金儲けのためではなく、子どもやお年寄り、弱者と呼ばれる人たちのために働きたいという崇高な志があるはずである。
 
そのためには、自分が選んだ道なのだから多少給料が低くても頑張ってきたと思う。
 
しかし生きている手のかかる人間相手の仕事は、「ここまでやればいい」という境や限界がない。
 
その結果、長時間残業が発生したり、自らの体を壊したりして休職に追い込まれる人も出てくる。
  
しかし賃金的に魅力的な職業ではないので潜在的な人手不足に陥ってしまう。
 
魅力的な職業にするには思い切った給料のアップしかない。 
 
こんな状況を抜本的に解決するには、認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事がブログで提言していた「40年前に教師不足を解決した田中角栄の手法に学ぶ」に書かれているように、1974年の「人材確保法」のような「平成の人材確保法」を制定し、保育士給与の引き上げを行えばいいのではないだろうか、とオジサンは思う。

ラベル:保育士問題
posted by 定年オジサン at 14:13| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月01日

お好みの時間・BABYMETAL

芸能界には昔から「名子役」と呼ばれる子どもたちが多く存在したが、音楽界でも未成年のグループが何組か存在していた時代もあった。
 
しかし彼ら彼女は国内での活動が中心だったが、10代の若い女性アイドルグループで海外で大きな評価を得て、現在も活躍中というグループは彼女たち以外では見当たらない。
 
2年ほど前には、こんな記事が載っていた。  
 
<BABYMETALが全米ビルボード“World Albums”で首位に>
 2014/09/12 billboard Japan
 9月20日付の全米ビルボードチャート“World Albums”でBABYMETALのアルバム『BABYMETAL』が首位をマークしている。
 これまで総合アルバムチャートである“The Billboard 200”に史上最年少でチャートインする記録も打ち立てている彼女たち。“World Albums”は米国で販売された海外のアルバムを順位化したチャートで、『BABYMETAL』は同チャートに27週登場し、先週9位から大幅に順位を上げ、今回の快挙達成となった。
 レディー・ガガのアメリカツアーにサポートアクトとして帯同するなど、人気を世界規模で拡大している彼女たち。7月には【BABYMETAL WORLD TOUR 2014】で米ロサンゼルスでライブを実施済み。更に先日【BABYMETAL BACK TO THE USA/UK TOUR 2014】の開催を発表し、海外ファンを喜ばせていた。米国では11月4日にニューヨークのHammerstein Ballroomで公演を行う予定だ。
◎米国ビルボード“World Albums”
http://www.billboard.com/charts/world-albums
 
「BABYMETAL」は、株式会社アミューズ所属の女性アイドルグループ「さくら学院」の3人の卒業生で結成された。
 
菊地最愛(MOAMETAL)と水野由結(YUIMETAL)がともに16歳で、中元すず香(SU-METAL)が18歳の未成年トリオである。
 
知る人は知る、とはいうものの、最近はファン層が10代から60代まで広がっているという。 
 
オジサンのように最近知ったという人のためには、この動画が入門書としてはふさわしいかもしれない。  
 

 
こんなサイト「BABYMETALが全米首位!海外にウケた7つの理由+メディア情報」もあり、決して無視はできないユニットである。
 
以下は代表作とでもいうべき曲であり、見て聞いた人が自分の感性で良し悪しは判断するしかないかもしれない、とオジサンは思う。 
 
KARATE

Gimme chocolate!!

Road of Resistance - Live in Japan

Ijime,Dame,Zettai - Live at Sonisphere 2014,UK

こんな若者たちに負けないで、今日は昔の仲間と「労働者の祭典」に参加して、山の賑わいに一役買うために出かけることにする。

 

posted by 定年オジサン at 11:58| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | お好みの時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする