2016年09月30日

利権ファーストは築地移転も東京五輪も同じ構造か

豊洲新市場の「謎の地下空間」に関しては、なぜ盛り土がされていなかったのかという犯人探しは、どうやら、「盛り土問題、責任者は特定できず 小池知事、報告書きょう公表」ということらしい。
 
その報告書には、「地下空間の設置を決めた時期や責任者を特定できず、情報が共有されていなかったのは職員間の連携不足が原因とし、隠蔽の意図はなかった」と結論付けられているらしい。
 
巨大な行政組織の都庁が縦割りで運営されていることは昔から指摘されていることであり、いまさら「職員間の連携不足」を原因とするなら、各部署の局長クラスが部下に報告させた仕事内容を把握し、局長会議で調整するという仕組みになっていないことを認めてしまったわけである。
 
一般企業では考えられないことであるが、まともな社長がいれば防ぐことができるのだが、都庁のトップの都知事は残念ながらそのような立場ではなかったらしい。   
 
今まで土壌汚染対策をやり、地下水のモニタリングを7回もやってきて毎回環境基準を下回ってきたと報告されてきたのが、小池百合子都知事の肝いりの市場問題プロジェクトチーム(PT)の第一回会合が終了後に、突然こんな内容が発表された。
 
<豊洲地下水から基準超すベンゼン、ヒ素を検出 都が発表>
 2016年9月30日 07時02分 東京新聞
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 東京都は29日、築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の地下水調査で、青果棟がある敷地の3地点から、環境基準の最大1.4倍のベンゼン、1.9倍のヒ素が検出されたと発表した。2014年に土壌汚染対策工事が完了後、有害物質が基準を上回ったのは今回が初めて。水産仲卸売場棟の一部で床に使われているコンクリートの厚さが、構造計算と実態に違いがあることも新たに判明。問題が次々と明らかになることで、移転がさらに遠のく可能性がある。
 都によると、地下水モニタリングは14年11月から2年間の予定で、全敷地の201地点で調査を実施。8回目となる今回は8〜9月に採水した水質分析の速報値で、ベンゼン、ヒ素の環境基準(ともに1リットル当たり0.01ミリグラム)に対し、ベンゼンは2カ所で0.014ミリグラムと0.011ミリグラム、ヒ素は1カ所で0.019ミリグラムが検出された。
 過去7回の調査では、いずれも環境基準を下回っていた。今回の結果を受け、都は「専門家などの検証を踏まえ、適切に対応する」と説明。豊洲市場敷地内の地下水位を維持し、汚染を浄化する機能も備えた地下水管理システムは10月中旬に稼働予定という。
 小池百合子知事は、来年1月に最終調査結果が出るまで安全性を確認できないとして、11月7日の予定だった移転の延期を決めていた。
 構造計算書と実態の食い違いについては、29日に初会合があった有識者の「市場問題プロジェクトチーム(PT)」で明らかにされた。10月後半を予定している次回会合で設計を担当した日建設計(千代田区)にヒアリングし、耐震性に問題がないか検証する。
 都によると、食い違いがあったのは、水産仲卸棟4階にある荷さばき場の床。床本体の防水対策で敷設する「押さえコンクリート」が実際には厚さ15センチあるのに、構造計算書では1センチと記載されていた。床の重さが実際より軽く見積もられている可能性があり、耐震性に影響する懸念があるという。
 都の担当者は「実際の構造に基づき、耐震性を再計算したところ問題はないとみているがPTでの検証を待ちたい」と説明している。
<ベンゼンとヒ素> ベンゼンは無色透明な液体で発がん性物質。都市ガスの製造過程でも発生し、ガソリンにも含まれる。揮発性が高く、吸い込むと、中枢神経や造血機能に悪影響を及ぼす。ヒ素は都市ガス製造過程で使われた。通常は金属光沢のある結晶で、無味無臭。含有する水を飲むなどして体内に入ると、皮膚や感覚神経に異常の出る慢性中毒、胃痛、嘔吐(おうと)などの急性中毒も生じる。
  
その市場問題プロジェクトチーム(PT)の委員で建築家の佐藤尚巳委員は、驚くべきことに市場建物の地下空間の正当性を主張していた。 
  
<【築地移転問題】市場PT 「地下水基準値超え」都は会議終了後に発表>
 2016年9月29日 21:27 田中龍作ジャーナル
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会議終了後、佐藤委員(右)を呼びとめて話す小島座長。=29日、都庁大会議室。撮影:筆者=
 
 豊洲市場の安全性や施設、経済性などを検証する市場問題プロジェクトチーム(PT)の第一回会合がきょう都庁で開かれた。
 初回ということで、環境専門家の小島敏郎座長以下、メンバーが豊洲移転の経緯や、主な問題点をおさらいした。
 PTの主な検討課題は3つ。「土壌汚染」、「豊洲新市場の施設の安全性」、「事業の継続性」などに関わる問題について専門家が議論するというもの。
 メディアに配布された資料の中に「豊洲市場の経緯年表」が含まれていた。都が作成したもので土地の取得や工事発注などの時期が克明に書かれている。必見だ。
 年表を見ると、1988年に築地再開発基本計画が策定されたが、1996年に工事が中断される。そして石原慎太郎氏が都知事になった1999年の11月に突然、移転へと方向転換する。あとはご存知の通りのグダグダが始まったのである。
 出席した委員が一言づつ意見を述べていた時のことだ。佐藤尚巳委員(建築家)が「都の担当者が地下空間を作ったのは正しかった」と言い出した。
 「地下空間の件は大きな誤解を招いている・・・土地を盛ってから掘ると費用が高くなる。盛らないで下から建てたのは正しい判断だったハズだ」。
 「地下空間があると保守メンテ性が格段に上がる。これを作ったのは英知だ。決して責められることではない」。延々と熱弁が続いた。
 豊洲の土壌は普通の土ではない。汚染土へ盛り土をしたと報告されていたのが、実は無かったというガバナンスの問題に加え、有害物質が含まれる地下水が溜まっているのに・・・今後が思いやられた。 
 
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豊洲市場・卸売り棟の地下空間。縦横無尽に配管がめぐり、だれも全貌を把握できない。=24日、豊洲。撮影:筆者=
 
 地下空間を賛美するのはともかく、PTの設置目的自体が豊洲に移転するための検証であることには間違いなかった。
 会合終了後のぶら下がりで筆者は「移転白紙化や築地再整備の可能性については?」と聞いた。
 小島座長は「豊洲に行かないというのであれば最初から(PTを)やる必要はない。土壌汚染など大きな問題はいっぱいあるが、これらが解決すれば豊洲に移転しないという理由はない」とし、豊洲移転がまず前提という認識を示した。
 「解決できない時はどうするか?」という点については「それは、わからない。今は解決するということでやっている」。
 会合が終了した後で、都は今日午後遅くになって、豊洲の地下水から基準値を超えたベンゼンとヒ素が検出されたと発表した。報道各社が伝えた。
 都の後出しじゃんけんは、まだ終わっていないようだ。先に発表されていたら小島座長の姿勢はどう変わっただろうか。
 次回は構造計算をした「日建設計」の担当者を呼ぶ事になっている。それまでにまたぞろ、新たな問題が出てきそうな気配がする。
 
このPTの連中はどのような基準で選ばれ、小池百合子都知事からは、どのような姿勢で検証せよと言われたのかは不明だったが、小島敏郎座長が「豊洲に行かないというのであれば最初から(PTを)やる必要はない。土壌汚染など大きな問題はいっぱいあるが、これらが解決すれば豊洲に移転しないという理由はない」と言い切ってしまえば、もう結論はできていると勘繰られてしまう。
 
確かに白紙撤回は、既に投資した莫大な費用にさらにそれを超えるかもしれない費用が発生する可能性もあるので、相当な決断を要するかもしれない。
 
しかし豊洲新市場に移転すれば、10年や20年の期間で問題が発生すればもう手遅れである。
 
世界に誇る市場にするのであるならば少なくとも50年とか100年先を見越した安全で安心な場所にしなければならない。    
 
これと反対に4年後のわずか2週間余りのスポーツ貴族たちの「運動会」レベルに、莫大な金をかけて構造物を作るということに関しては、市場建設とは違う視点が必要となる。 
 
都政改革本部の調査チームが、2020年五輪に関して、こんな中間報告書を発表した。
  
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<東京五輪 一元管理、都が組織委監督 都調査チーム提言>
 毎日新聞 2016年9月30日 01時15分
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 2020年東京五輪・パラリンピックを巡り、東京都の都政改革本部の調査チームが経費や体制を検証した中間報告が29日に公表された。関係組織の役割分担が不明確だとして、費用総額に上限を設け、都と国またはどちらかが開催計画や予算、人員を一元管理することを求めた。さらに都が大会組織委員会を指導、監督し情報公開を進める仕組みづくりも提言した。
 また中間報告は、都が整備に着手している3競技会場の抜本的見直しや情報公開の推進なども求めた。小池百合子知事は報道陣に「ランニングコストも考えた上での報告書で、重く受け止めたい。負の遺産を都民に押し付けるわけにはいかない」と述べた。
 これまでに開催費用として明らかになっているのは新国立競技場や恒久施設の建設など約5000億円だけで、警備費などの大会運営費は公表されていない。調査チームは12年ロンドン大会でも招致時点で7500億円とされた開催費用が最終的に2兆1000億円に増えたとしつつ、ロンドン大会からソフト面の経費を推定し、現状のままでは総費用が3兆円を超える可能性があると警告した。
 その上で、開催費用の総額が判明しないのは、国と大会組織委員会、都がそれぞれに予算を試算しているためと分析した。関係組織の代表者が集まる「調整会議」は開かれているが、不十分だと指摘した。小池知事は29日午前に開かれた調整会議後、「報告書は(調整会議のメンバーにも)重く受け止めてもらっていると思う」と話した。
 一方、都内分の仮設施設整備費は都が負担するよう提案した。都外の仮設施設については「財政力の弱い自治体もあるので国が補助すべきだ」と求めた。対象は、射撃の陸上自衛隊朝霞訓練場(埼玉県朝霞市など)やサーフィンが予定されている釣ケ崎海岸(千葉県一宮町)など。
 中間報告が競技会場見直しを提言したことについて萩生田光一官房副長官は29日の記者会見で「トータルで考えなければならない。目先で少し(建設費の)金額が膨らんでいるからやめるのでは問題の解決にならない」と懸念を示した。
 
会場変更 時間に制約
 中間報告が移転による建設中止や既存施設活用などでの見直しを迫った3競技会場は、今年1月に実施設計と施工を一括で行う業者が決定している。海の森水上競技場(東京湾岸)は7月に着工され2019年3月に完成予定。他の2施設も今年度から工事を始め、19年12月の完成を目指していた。
 会場では実際に競技をする「テストイベント」を行う必要がある。「海の森」は国際オリンピック委員会(IOC)などから本番と同じ季節での実施を求められ、五輪1年前の19年7〜8月に行う予定だった。
 そもそも会場を変更するには、IOCや国際競技団体(IF)に改めて承認を得なければならない。現状ですら「完成時期やテストイベントも含めて時間的な余裕はない」(東京都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者)中で、会場変更はスケジュール的に大きな制約を受ける。
 東京は立候補時に「85%の競技会場を選手村から8キロ圏内に配置」という計画を示した。しかし、膨らむコストを抑えるため大会組織委員会は都と連携して計画を見直し、既存施設の活用で11競技12会場を変更した。当初はIFの反発もあったが、昨年2月、6月、12月と3回開かれたIOC理事会で承認された。組織委の森喜朗会長は「IFが了解しないとIOCは受け付けてくれない」と話す。【柳澤一男】 
 
いまから7か月前に、「まだある2020年東京五輪の競技施設問題」の中で、海の森水上競技場(東京湾岸)について、こんな声を紹介した。
 
この会場は「東京都は臨海部開発の失敗したツケをね、オリンピックでいろいろ(施設を)ここに持ってきてという狙いがあるんじゃないかって。(邪魔な)橋も撤去して。そういう東京都の全体計画の中で臨海部を再開発する大きな狙いがある」と言われるように、アスリート・ファーストではなく、箱物行政の一環で建設を進められている。
 
そして、「逆風に揺れる東京五輪『海の森競技場』 ボート選手から『異議あり』」と、実際に競技を行うアスリートの声も紹介した。
 
組織委の森喜朗会長は「IFが了解しないとIOCは受け付けてくれない」と脅しているようだが、開催地ができないと言えば、IOCや国際競技団体(IF)は正面から反対することはできず、実は、1996年のアトランタ五輪では、開催2年前にボート会場を変更した経緯もある。
 
調査チームは海の森の代替施設に推す宮城県の長沼ボート場について「既存施設であり、無謀な提案とは思っていない」と主張しており、海の森は着工しているが「違約金を払っても見直し効果はある」と判断しているらしい。
 
「トータルで考えなければならない。目先で少し金額が膨らんでいるからやめるのでは問題の解決にならない」という萩生田光一官房副長官も、アスリートファーストを思い出し、さらに五輪終了後の維持費用は永遠に続くことから、「すでに建設が始まっている」という目先にこだわらずに考えるべきであろう、とオジサンは思う。  
  
 
【付録】重要な問題が発生している沖縄県の東村高江からこんな情報が届いた。

  

posted by 定年オジサン at 12:29| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月29日

20年以上前から違憲だった自衛隊派遣

衆院本会議で野党の代表質問が始まったにもかかわらず、昨日のすべてのテレビメディアは、始まった都議会での小池百合子都知事の所信表明演説一色になっていた。
 
スポンサーが命の民放としては、視聴率を稼げる「小池劇場」の実況が最優先であった。 
 
その裏番組では衆院でも代表質問があり、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐり、論戦になっていた。
 
陸上自衛隊がPKOに従事する南スーダンの情勢について、共産党の志位和夫委員長は「内戦の悪化が深刻になっている」と指摘したことに対して、安倍晋三首相は、
 
「(7月の戦闘を)武力紛争とは考えておらず、現在、現地の情勢は比較的落ち着いている。『PKO参加5原則』は一貫して維持されている」と反論し「『殺し、殺される』というおどろおどろしいレッテル貼りは全くの的外れだ」と強調していた。
 
先日、「机上の空論、南スーダンPKO」の中で、「知的怠慢としかいいようがない。日本政府が想定するような状況が、南スーダンで本当にあり得ると考えているのでしょうか。PKO参加5原則の柱である『当事者間の停戦』はとっくに崩壊しています」と語る東京外語大の伊勢崎賢治教授の根本的な疑問を紹介した。
 
実はこの教授は異色の経歴の持ち主であることを最近知った。
 
インド国立ボンベイ大学大学院に留学中、現地スラム街の住民運動に関わる。2000年3月 より、国連東チモール暫定行政機構上級民政官として、現地コバリマ県の知事を務める。2001年6月より、国連シエラレオネ派遺団の武装解除部長として、 武装勢力から武器を取り上げる。2003年2月からは、日本政府特別顧問として、アフガニスタンでの武装解除を担当。現在、東京外国語大学教授。プロのト ランペッターとしても活動中。
 
この過去の経歴からも分かるように、PKOに関しての知識は日本の政治家たちは足元にも及ばない。
 
今年の2月ころ、「自衛隊『海外派遣』、私たちが刷り込まれてきた二つのウソ?ゼロからわかるPKOの真実」という記事ではこう怒っていた。 
 
つまり、自衛隊の派遣は、「武力の行使」と「交戦権」を禁じる9条に、20年以上前に自衛隊がカンボジアPKOに送られてた時から、ずぅーと、違反しているのだ。
こんな、現場に行けば(行っても自衛隊の追っかけばかりやっていなければ)簡単にわかることを、メディアが、それも派遣反対のメディアが、世論が、リベラル政治勢力が、検証を怠ってきた。
本当に、ふざけるな、なのである。
日本国民の、自衛隊へのアレルギーを取るために、PKOという"崇高"な目的を使い続けてきた歴代自民党政権の戦略にブレは無い。9条と抵触させないための見え透いた刷り込みは、着実に成果を上げ、自衛隊への好感度は国民にしっかり定着した。
安倍政権の今、野党/与党の対立の政局は、依然として、その刷り込まれたウソで固められた土俵の上に、繰り広げられている。安倍政権打倒を叫ぶ野党結集にも、その土俵を土台からひっくり返すことを結集の結節点にする声は、皆無だ。ただ、ABEの悪魔化と憎悪があるのみ。
いつまで、これを続けるのか。
 
こんな激しい口調では、多くの読者に不安と誤解を与えてしまうという杞憂からか、7か月後にはかなりトーンを変えて語りかけるような、分かり易い文章を提供していた。 
 
国会の代表質問への答弁で安倍晋三首相が、「現地の情勢は比較的落ち着いている」と答えたことに対しては、「安定している」と言い続けなれば、南スーダンに自衛隊を置き続ける法的な根拠が土台から崩れてしまうからだと、PKOの実態を明かしていた。 
 
<南スーダンの自衛隊を憂慮する皆様へ?誰が彼らを追い詰めたのか?>
 2016.09.27 現代ビジネス
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・・・前略・・・
南スーダンPKOの筆頭任務は「住民の保護」
南スーダンは、スーダンの内戦から生まれた、世界で一番新しい国です。2011年のことです。
国際社会は、依然隣国のスーダンとの紛争を抱えるこの国の誕生を支援しようとしました。PKOも、新しい国の建国の支援という意味合いで派遣されることになりました。
ところが、しばらくすると、この国は内部から分裂してしまうのです。なんと、新しい内閣の大統領と副大統領が仲違いし、両派の間で2013年から激しい内戦状態になるのです。
2013年は、1999年のPKO変革の後ですから、南スーダンPKOは、即座に、筆頭任務を「住民の保護」(保護する責任)に切り替えました。ルワンダの時のように、撤退はしません。
 
20160929_gendaibusiness2.jpg南スーダンで活動するPKO兵士。「住民の保護」のため、もはや撤退することはない。〔PHOTO〕gettyimages
 
昨年2015年にやっと、停戦合意が、締結されました。その合意を実行するために、ずっと国外にいた副大統領とその一派が首都ジュバに入り、これから新しい政府の体制をつくろうかという矢先、今年7月、両派の間で大規模な戦闘が起きてしまったのです。
多くの住民が犠牲になりました。でも、PKOは逃げません。中国軍のPKO兵士が2人殉職しました。
事態を重く見た国連安全保障理事会は、先月、PKO部隊4000名の増員を決定しました。
繰り返しますが、PKOは、もう、逃げないのです。住民を守るために。
 
 自衛隊派遣の根拠は? 
さて、自衛隊です。
皆さんの中には、「駆けつけ警護」などの新しい任務を背負わせて、安倍政権がこれから自衛隊を派遣すると思っている方はいませんか?
それは違います。南スーダンに自衛隊を送ったのは、2011年、民主党政権です。
この時に派遣の根拠としたのは、PKO派遣5原則という日本の国内法で、1992年にできたものです。
PKO派遣5原則とは、自衛隊の派遣のための条件です。
その条件とは、紛争当事者の同意があり停戦が守られていること。そして、その停戦が破られたら撤退できる、というものです。
これが、現在でも、南スーダンの自衛隊派遣の根拠になっているのです。
PKO派遣5原則はなりたっていないのだから自衛隊は今すぐ撤退させろ!と皆さんは思うでしょう。
できません。遅すぎます。
今、全世界が、南スーダンの情勢を憂い、住民を見放すなと言っている時に、日本が引いたら、どうなるか? ルワンダの時とは、まったく違うのです。日本は、危機に瀕した無垢な住民を見放す非人道的な国家として烙印を押されます。外交的な地位が失墜します。
だから、現場の自衛隊は、撤退しないのです。というか、できないのです。
 
 誰が自衛隊を追い込んだのか?
これは、非常に奇妙な状況です。
だから日本政府だけなのです。世界が重大な人道危機と憂いている南スーダンの今の状況を、「安定している」と言い続ける国は。
「安定している」と言い続けなれば、南スーダンに自衛隊を置き続ける法的な根拠が土台から崩れてしまうからです。
でも、その土台を根本的に見直す、という話にはならない。
だって、その土台を運用してきたのは、歴代の自民党政権だけでなく、旧社民党の面々も内閣にいた旧民主党政権の面々も、みんな同じ穴のムジナなのですから。
つまり、諸悪の根元であるPKO派遣5原則の見直しは、「政局」にならないのです。だから、ズルズルとここまできてしまったのです。
現場の自衛隊はたまったものではありません。全く意味をなさない日本の国内法と、国際人道主義の板挟みになって、世界で最も危険な戦場の一つに置かれ続けるのです。
自衛隊をこの状況に追い込んだのは誰の責任でしょうか?
1999年の国連によるPKOの劇的な変化を見誤ったのは、誰の責任でしょうか?
そのPKOに劇的な変化をさせたのは、現場で起こっている人道危機です。南スーダン、いや、アフリカのあの一帯の危機的状況を見誤ったのは、誰の責任でしょうか?
自民党だけですか? そもそも、常に批判の目を政策に注ぐのが、野党の役目じゃないのですか? 
僕は、安倍政権の安保法制に反対の立場をとってきました。これは、現場、特に南スーダンの自衛隊の立場を、今まで以上に悪くするものと考えています。
しかし、以上の説明のように、諸悪の根元は、この安保法制ではありません。それ以前からあるPKO派遣5原則なのです。
言うまでもなく、PKO派遣5原則の見直しには、与党、野党、双方がまず懺悔することが必要です。これを政局にしてはいけません。与野党の協力が必要なのです。 
残念ながら、それには、時間がかかります。
じゃあ、今、我々が直面する南スーダンの危機をどう乗り切るか?
神様に祈るしかありません。
国連がPKOの増員を決定したばかりですから、いつか必ず、現場は、小康状態になるはずです。それまで、自衛隊が、武力で住民を守らなければならないような状況に遭遇しないことを祈る。それしかありません。
そして、なんとか持ちこたえて、その小康状態が訪れたら(その時には国際人道主義も少しは余裕があるはずで)今度こそ、チャンスを逃さず、自衛隊を一旦、完全に撤退させましょう。
ここまでのプロセスを、懺悔と共に、与野党が合意するのです。
そして、PKO派遣5原則を見直す国民的議論をしましょう。
 
 「9条を護る」とはどういうことか
繰り返しますが、今PKOに加わることは、「紛争の当事者」になることを前提としなければなりません。
それは、つまり、「敵」を見据え、それと「交戦」することです。9条が許しますか?
これは9条の問題なのです。
二つしかオプションはありません。
@ 変貌したPKOに自衛隊を参加させるのだったら、9条を変える。
A 9条を変えないのなら、自衛隊は絶対にPKOに行くべきでない。
これを国民が決めるのです。
これこそを、与野党は、政局とするべきなのです。
その際に、特に憲法9条を大切に思っている皆様に考えていただきたいことがあります。
南スーダンのあるアフリカのこの一帯は、すべて、原油、レアメタル、ダイヤモンドなどの資源国です。
内戦状態のこういう国から、資源がなぜか我々一般消費者の元に届くのです。密輸されたものです。そして、この利権が内戦の原因なのです。
欧米では、こういうものを「紛争資源」「紛争レアメタル」「紛争ダイヤモンド」と呼んで、業界そして消費者自身の自主規制の運動を始めています。
 
20160929_gendaibusiness3.jpg9月12日、ワシントンで記者会見を開き、南スーダン内戦に加担する銀行を強く非難したジョージ・クルーニー〔PHOTO〕getty 
内戦の原因となる地下資源をマーケットから排除する取り組みがなされているのです。アメリカでは、それをすでに法令化し、EUでも同じ動きがあります。
日本はどうか。全く、悲劇的に、遅れているばかりでなく、日本のメディアは報道すらしません。
メディアの責任か? 我々視聴者が、それに興味を示さないかぎり、営利企業であるメディアは報道しません。
日本は、「紛争資源」を無批判に消費する、数少ない先進国の一つになってしまいました。日本国憲法の前文でいう「名誉ある地位を占めよ」とは、こういうことなのですか?
我々は、今度こそ、本気で、「9条を護る」とは、どういうことか、考えなければなりません。 
 
確かに「南スーダンに自衛隊を送ったのは、2011年、民主党政権」という事実を明確に覚えている人は少ないかもしれないが、当時のテレビニュースで放映されていた。
 
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「20年以上前に自衛隊がカンボジアPKOに送られてた時」から憲法違反だったPKO。
 
与野党が賛成して作った「諸悪の根元であるPKO派遣5原則」。 
 
PKOから自衛隊を撤退させるということができないのが、「歴代の自民党政権だけでなく、旧社民党の面々も内閣にいた旧民主党政権の面々」であるので、「与党、野党、双方がまず懺悔」をして、「PKO派遣5原則の見直し」をしなければ自衛隊員の命は守られない、と伊勢崎教授は説く。
 
過去には、「PKO法案に『憲法違反だ!』と大騒ぎしていた面々。あれから20年。彼らの言説は?」と批判している自称政治学者もいたが、このような法律は最初に認めてしまうと徐々に内容が変節してしまい、当時は自衛隊員の生命の危険などは想定外だったかもしれない。 
 
PKO法案が1991年に国会に提出されたとき、反対したのは当時の社会党と共産党だけ。
 
そして社会党が消滅し、国会で安倍政権に南スーダンの情勢について質問できるのが共産党だけだという理由がよくわかるのではないか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:53| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 南スーダンPKO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月28日

アベマリオではなくアベ「マリオネット」だった!

26日の月曜日から臨時国会が始まった。
 
お決まりの安倍晋三首相の所信表明演説があったらしいのだが、その日は、「特別養護老人施設は終の棲家ではない」の中でもつぶやいたように、施設に入所している母を介護タクシーを頼んで隣の区にある総合病院に連れて行き尿管結石の診察を受けたので、ほぼ半日以上も時間を費やしてしまい、国会中継なんかを見ている時間はなかった。
 
そして昨日は午後から自分の問題でやはり離れた区の大学付属病院に通っていたので、所信表明に対する野党の代表質問も中継では見ることがなかった。
 
もっとも正確に言えば大した内容もない演説に対して、野党側がいくら反対の姿勢を見せたところですべて拒否されることが、予定調和となっている儀式なので興味がなかった、とでもいうべきか。
 
しかし、昨夜から今朝にかけて様々なネット情報から、興味深いことを知った。
 
まるで北朝鮮! 安倍首相に自民一斉起立し拍手」によると、、首相は演説で「今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています」と訴えた上で「今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と呼び掛け、拍手し、自民党議員が立ち上がり首相に倣って立ち上がって拍手をしたらしい。
 
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演説者が自ら拍手する光景は、まさに北朝鮮の金一家のお家芸である。
 
もちろん、自然発生的に自民党議員が立って拍手をしたわけではなく、演説前の26日午前、萩生田光一官房副長官が、自民の竹下亘・国会対策委員長ら幹部に、「(海上保安庁などのくだりで)演説をもり立ててほしい」と依頼したという。
 
そして午後、首相の演説が始まると、自民国対メンバーが本会議場の前の方に座る若手議員に萩生田光一官房副長官の依頼を一斉に伝えたらしい。
 
そして自民党議員の拍手が終わると安倍晋三首相はコップの水を飲むのだが、これがすべて演説原稿に記述されており、さらにはその原稿は小学生3年生程度の漢字にも振り仮名が付けられていたという。
 
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もっともこの原稿のくだりは、3年前の「第百八十三回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説」の約36分頃の、この部分とほとんど同じである。
 
今、この瞬間も、海上保安庁や警察、自衛隊の諸君は、強い意志と忍耐力で任務に当たっています。荒波を恐れず、乱気流を乗り越え、極度の緊張感に耐え、強い誇りを持って任務を果たしています。皆さん、与野党を超えて、今、この場から、彼らに対し、感謝の意を表そうではありませんか。
 
この時は自らの拍手はしなかったが、原稿通り「コップの水」を飲んでいた。
 
安倍晋三首相が自らこんな原稿をかけるとはだれも思ってはいない。
 
ネタばらしをすれば、安倍晋三首相の演説原稿を書いているのは、ジャーナリスト出身の谷口智彦内閣審議官である。

「Japan is back(日本は戻ってきた)」のような決め台詞も盛り込む手腕が首相演説を支えているという。
 
第1次安倍内閣で国際広報を担当する外務副報道官を務め、当時の麻生太郎外相の訪米時の演説原稿を英語で書いていた。
 
こうした経歴を買って、首相がスピーチライターに指名しており、英語が堪能で首相のすべての外国訪問に同行している。


    
昨日の野党の代表質問を見た文芸評論家の斎藤美奈子は、東京新聞「本音のコラム」で『キツネとタヌキ』ど題して、TPPには反対だけど、バカにされた気分怒っていた。
 
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そのTPPに関しては、TPPに反対しているヒラリー・クリントンが米国大統領になっても「仮に米国から求めがあっても、応じる考えは全くない」と嘘つき総理は断言していた。
 
<首相「TPP再交渉に応じず」 今国会での成立に意欲>
 2016年9月28日 朝刊 東京新聞
 安倍晋三首相は27日の衆院代表質問で、日米両国を含む12カ国で合意したTPPの内容を修正するための再交渉について「仮に米国から求めがあっても、応じる考えは全くない」とあらためて否定した。
 TPP承認案や関連法案は今国会で成立させる考えを示した。TPP発効には米国議会の承認が最低限の条件となるため「米国に発効に向けた努力を続けてもらうためにも、日本がこのタイミングで手続きを前進させることが不可欠だ」と訴えた。
・・・後略・・・
 
トランプとのTV討論でもハッキリと立場を鮮明にしていたように、ヒラリーが大統領になればTPP再交渉を仕掛けてくるのは間違いない。
 
それでも「再交渉には応じる考えは全くない」という「全く・・・」と断言調の場合は、過去の発言から見ても安倍晋三首相は守ったためしはない。
 
米国に対して正面から再交渉を拒絶する勇気があるのなら、沖縄の辺野古になんか新基地を作らせないはずである。
 
その肝心のTPPの協定文書からみっともない誤訳が少なからず見つかっている。 
 
<誤記でTPP審議多難 政府貨物「含む」が「除く」など18カ所>
 2016年9月28日 朝刊 東京新聞
20160928tpptroubledoc.jpg 環太平洋連携協定(TPP)の協定文書の和訳などに18カ所の誤った記述が見つかった問題で、民進党は27日、事実と違う内容で国会審議をしていたとして、審議のやり直しを求めた。政府側は応じない考えだが、自民党内からは審議への影響は避けられないとの声が出始めている。
 外務省によると、誤りは協定文書の本文や付属書を日本語訳した文書に3カ所、TPPの概要や関税率の表などを掲載した「説明書」に15カ所ある。1月の通常国会召集前に作成し、閉会後に再チェックして不備が分かった。
 具体的には、「音響映像」を「音響影響」とした誤りに加え、1ページで3カ所間違っていたケースもあった。内航海運及び政府の貨物を「含む」とすべきところを「除く」と逆にし、意味が違ってしまう誤りもあった。
 民進党の山井和則国対委員長は27日の記者会見で「(事実と)違う内容で審議をさせられていた。(承認案を)再提出する必要がある。新たに審議することにならざるを得ない」と指摘した。
 これに対して、菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「臨時国会を控えて訂正部分を特定した。今国会で成立させたい気持ちは全く変わらない」と述べた。外務省の担当者も27日の民進党の会合で、正誤表で対応すると説明。承認案の出し直しには応じない考えを示した。
 ただ、自民党の竹下亘国対委員長は記者会見で「委員会の進め方も難しい。(国会審議に)影響はあると思う」と述べた。
 外務省や衆院事務局によると過去にも条約訳文の誤りはあり、正誤表で対応している。ただ、昨年9月に成立した改正労働者派遣法の審議では、厚生労働省提出の資料で「1年以下の懲役」とすべき罰則を「1年以上」と誤記したことなどが原因で、廃案になったこともある。
 東京大大学院の鈴木宣弘教授(農業経済学)は「『国有企業』を『国内企業』と間違える重大ミスもある。TPPは国民にとって本当にプラスになるかどうか分かりにくい。その説明資料がずさんではいけない。議論の前提が崩れたのだからやり直せという(民進党の)主張は正しい」と指摘した。(我那覇圭、大杉はるか)
 
「憲法発議は国会議員の責任」などと「憲法尊重擁護の義務」という憲法99条を頭から無視している安倍晋三首相だが、その空疎な頭の中には歴代首相で初めて憲法を改正したという功績に向けて高揚しっぱなしである。
 
しかし肝心の事務方には緊張感がなく、昨日も、「内閣法制局 安保法決裁『5月0日』 文書ずさん記載」ということが発覚しており、1年前の戦争法強行採決の際の議事録も平気で改竄していたことが明らかになっている。

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【毎日新聞より】
 
  
暴走する与党を止める野党がいなければ、最後は天罰を期待するしかない。
 
最近発生した北海道函館市で震度4の地震(M5.5)とその7分後、鹿児島県知名町で震度5弱の地震(M5.6)が発生したことに対して、「大地震の予兆か…日本列島の南北で“同時揺れ”の不気味」の記事の中で、元前橋工科大学の濱嶌良吉教授はこう分析していた。
 
「「2つの地震は連動していると思います。4月に起きた熊本地震の2カ月後に、函館で地震が起きた現象と同じです。アーチ状の日本列島は北海道と九州で支えられています。シーソーのように、一方が動くともう一方も動く。熊本地震の時のように数カ月のタイムラグがある場合もあれば、今回のように数分で連動することもあります」
 
「いま、日本列島は、地震の400年サイクルと1200年サイクルが重なる時期に突入しています。活動期に入ったのは間違いありません。気になるのは、青森県の十和田湖周辺で最近頻発している微小地震です。十和田火山の噴火の予兆の恐れがあります。もともと十和田湖は火山の噴火で形成された湖です。十和田火山が噴火した時、心配なのは六ケ所村の核燃料再処理工場にも近いこと。もうひとつ、東京湾直下にある南関東ガス田は要注意です。メタンガスは圧力がかかると爆発します。2020年東京五輪の前後に危機が訪れてもおかしくありません」
 
「アベマリオ」と言われた安倍晋三は、単なる「マリオネット」であったことが振り仮名つき演説原稿を呼んでいる姿を見ても明らかなのだが、この男は2020年東京五輪以降も居座るらしいのだが、その前に大天災に日本が襲われる可能性の方が高いのではないだろうか、とオジサンは思う。  

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2016年09月27日

机上の空論、南スーダンPKO

昨年9月19日に国会で戦争法が強行採決され、今年の3月には正式に施行された。
 
当時は4月から戦争法の中で改正された国連平和維持活動(PKO)で「駆け付け警護」が直ちに実施されるのではと思われていた。
 
しかし参院選前に自衛隊員に死傷者がでれば選挙に大きな影響を与えるとの安倍政権側の思惑から実施されず、それは参院選後に持ち込まれた。
 
その後日本政府は8月24日、戦争法に基づく自衛隊活動の訓練を順次実施すると正式に発表した。
 
それから約3週間経って実際の訓練が始められた。     
 
<自衛隊が新任務の訓練開始 南スーダン、安保法の駆け付け警護想定>
 2016年9月16日 朝刊 東京新聞
 陸上自衛隊が安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」など国連平和維持活動(PKO)に関する新任務の実動訓練を始めたことが、防衛省関係者への取材で分かった。11月、南スーダンPKOに11次隊として派遣される予定の陸上自衛隊第五普通科連隊(青森市)を中心とする部隊が対象で、新任務実施に向けた準備が加速する。
 今後は政府が実際に新任務を付与するかどうかが焦点になる。
 現行の南スーダンPKOに関する実施計画は10月末が期限で、派遣中の10次隊には新任務を付与していない。
 政府は期限までに現地の治安情勢や訓練の習熟度、世論動向などを見極め最終判断する。
 岡部俊哉陸幕長は15日の定例会見で「いつ、いかなる任務が与えられても事態に即応し、任務を完遂できるよう万全の態勢を取る」と述べた。
 訓練は武装集団に襲われた国連職員らを隊員が武器を使って助ける「駆け付け警護」と、他国軍と連携して宿営地を守る「宿営地の共同防衛」が対象。いずれも安保関連法で武器使用基準が緩和され可能になった。
 実際に部隊を動かす実動訓練は陸自の演習場などで当面、非公開で実施。駆け付け警護で新たに可能になる警告射撃を行う際の判断や、共同防衛での他国軍との連絡手順などを実際の状況に近い形で確認する。海外派遣部隊を教育する陸自の「国際活動教育隊」も立ち会う見込みだ。
 
この訓練に先立ち、安倍晋三のお気に入りのポスト安倍を狙う稲田朋美防衛相は、15〜18日の日程で、米国と南スーダンを訪問する日程が発表され、17日(日本時間同)には南スーダンの首都ジュバに入り、現地の国連平和維持活動(PKO)に派遣されている陸上自衛隊の施設部隊を視察することになった。
 
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ところが、なぜか突然南スーダン訪問が急遽中止になった。
 
<稲田防衛相、南スーダン視察中止 抗マラリア薬副作用か    
 2016年9月15日12時50分 朝日新聞DIGITAL
 防衛省は15日、稲田朋美防衛相が17日に予定していた南スーダン訪問について、体調不良のため中止すると発表した。ワシントンで15日(日本時間16日未明)に予定されるカーター米国防長官との会談は行うという。
 防衛省によると、稲田氏は抗マラリア薬の副作用とみられるアレルギー症状が現れた。医師と相談して南スーダン訪問を取りやめた。
 南スーダンでは、国連平和維持活動(PKO)で派遣される陸上自衛隊の宿営地などを視察し、安全保障関連法に基づく「駆けつけ警護」の任務を与えるかどうかの判断材料にする予定だった。
 
このドタキャンに関しては、陸自は黙っていたが、7月に首都ジュバで大規模な戦闘が発生した際、陸自宿営地の隣のビルで2日間にわたって銃撃戦が起きていたことが明らかになり、ネット住民は〈稲田大臣は怖くなって逃げ出したんじゃないか〉と噛みついていた。
 
官邸事情通によると、
「安倍政権は、稲田防衛相に南スーダンを訪問させ、それを受けて安保関連法に基づく『駆け付け警護』などの新任務を陸自に付与するシナリオを描いていた。政権にとっては重要な“イベント”だったはずなのに、体調不良を理由にすっ飛ばしたわけで、うがった見方が出るのも当然です。まあ、訪問中にドンパチが起きたら、新任務付与もへったくれもない。安保関連法に対する批判も高まるでしょう。安倍政権もそれは避けたい」
ということらしいが、稲田防衛相が逃げ出したとしてもおかしくないほど、南スーダンは緊迫しており、7月の大規模戦闘ではジュバで270人以上が死亡、陸自宿営地の隣で起きた銃撃戦でも政府軍兵士2人が死亡したという。    
 
<陸自宿営地 隣で銃撃戦 南スーダンPKO 参加要件に疑問も>
 2016年9月18日 朝刊 東京新聞
20160926southsudan.jpg 【ジュバ=共同】南スーダンの首都ジュバで7月に大規模な戦闘が発生した際、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の宿営地の隣にあるビルで2日間にわたり銃撃戦が起きていたことが分かった。南スーダン政府軍のルアイ報道官が16日、共同通信に現場を公開した。 
 南スーダンPKOへの日本の参加を巡っては、停戦合意などPKO参加5原則は満たされているのか疑問の声が上がっている。安全保障関連法の成立から19日で1年。同関連法に基づく駆け付け警護など新任務の付与について日本政府が検討する中、PKO参加の是非が改めて問われそうだ。
 陸自は、宿営地内で流れ弾とみられる弾頭が見つかったことは発表済みだが、周辺での戦闘の詳細は明らかにしていなかった。
 ルアイ報道官によると、銃撃戦があったのは7月10から11日にかけて。建設中のビルに立てこもった反政府勢力約20人と政府軍の間で断続的に続き、政府軍の2人が死亡した。
 ビルから宿営地までは約100メートル。報道官は七階建てビルの五階付近に記者を案内し「反政府側はここから狙撃を繰り返した」と説明した。5階からは政府軍本部につながる道路や陸自宿営地が見渡せた。ビルの外壁には砲弾痕が確認できた。
 反政府勢力は宿営地の近くにある空港の占拠を狙っていたもよう。宿営地は標的にならなかったという。
 ルアイ報道官は「反政府側は弾薬を使い果たした後、武器を捨ててPKO施設内の避難民キャンプに逃げた」と述べた。銃撃戦があった7月当時、陸自宿営地があるPKO施設内にはキャンプが設営され、戦闘により家を追われたジュバ市民を受け入れていた。
 7月の戦闘では首都で270人以上が死亡した。陸自隊員にけがはなかった。菅義偉官房長官は「武力紛争が発生したとは考えていない」との認識を示していた。
 
あらためて、「外務省・PKO政策Q&A」からPKO5原則を確認してみる。
 
1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2)当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊へのわが国の参加に同意していること。
3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4)上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5)武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。
 
この原則に照らし合わせれば、すでに南スーダンの首都ジュバは日を追うごとに内戦状態が激化しているので、PKOの対象の地域ではない。
 
そんな中で戦争法で新たな任務になった「駆け付け警護」がはたして現実的なのか。   
 
今月初めには、今回の南スーダンへの自衛隊の派兵はその任務内容からして、「知的怠慢としかいいようがない。日本政府が想定するような状況が、南スーダンで本当にあり得ると考えているのでしょうか。PKO参加5原則の柱である『当事者間の停戦』はとっくに崩壊しています」と東京外語大の伊勢崎賢治教授は疑問を投げかけていた。  
 
<続報真相 南スーダンへの自衛隊派遣 空論でなく現実見よ>
 毎日新聞 2016年9月2日 東京夕刊
 机上の空論と言わずして何だろう。アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への自衛隊派遣のことだ。安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新たな任務が11月にも課せられる方向だ。現地を知る専門家は「政府の想定とかけ離れた現実」と指摘するが、このまま突き進んでいいのだろうか。【吉井理記】
 「駆け付け警護」は、自衛隊が所在地から離れた場所にいる国連職員やNGO関係者らの生命を守るために駆け付け、武器使用すること。これまでは正当防衛と緊急避難以外は憲法が禁じた「武力行使」にあたるとされていたが、安保関連法によって別表のようにPKO参加5原則を満たしたうえで、任務遂行のための武器使用を認める条件を拡大した。日本の国会で議論された「駆け付け警護」は国際法にない概念で、戦闘が続く南スーダンでの武器使用が適法かは日本が独自に判断する必要がある。
 「知的怠慢としかいいようがない。日本政府が想定するような状況が、南スーダンで本当にあり得ると考えているのでしょうか。PKO参加5原則の柱である『当事者間の停戦』はとっくに崩壊しています」と根本的な疑問を投げかけるのは東京外語大の伊勢崎賢治教授だ。日本政府代表や国連の現地責任者としてシエラレオネ、アフガニスタンに乗り込んで武装勢力の武装解除の責任者を務めた「紛争解決のプロ」だ。
 南スーダンへの自衛隊派遣は2012年に始まったが、翌13年から政府側と反政府側との事実上の内戦状態に突入。昨年8月にいったん停戦合意が成立し統一政府が発足したものの、今年7月には大規模な衝突が発生し8月には統一政府を作っていた元反政府側トップが国外脱出する事態になっているのだ。自衛隊は国連南スーダン派遣団(UNMISS)の管理下で活動しているが停戦崩壊した状況でのPKOは現地では中立と受けとめられていないと伊勢崎さんは指摘する。
 「南スーダン政府側は国連やPKO部隊、援助団体職員の活動を『干渉』と敵視し始めています。現に7月には南スーダン政府軍の兵士集団が、人道支援団体の外国人が滞在していた施設を襲撃する事件が発生したと報じられています。自衛隊はどう対応するのでしょうか」
 南スーダンで民生復興支援を続けてきた日本国際ボランティアセンターの谷山博史代表理事も、停戦は成立していると強弁する日本政府の姿勢を危惧する。駆け付け警護の政府見解は「国または国に準ずる組織の場合は憲法が禁じる『武力行使』にあたる恐れがある」との立場のため、「政府軍が敵対者として登場しない状況を無理やり設定している」と指摘する。
 「実際の紛争現場で『武装勢力』『テロリスト』と政府軍をどうやって見分けろというのでしょうか。あまりに現実離れした要求です。軍服を着ていなければ、民間人と武装勢力・テロリストの区別もつかないでしょう。アフガニスタンでは、多くの民間人が米軍などに殺害されました。私たちの現地スタッフの親族も犠牲になったのです」
 民間人に犠牲者が出れば住民感情は悪化する。政府・反政府問わず、武器を使用すれば、どちらか一方への肩入れ、と受け取られかねない。いざという時、自衛隊員はためらわずに武器を使えるか。伊勢崎さんは「『撃てない銃』を抱えたまま、自衛隊の若者が事実上の戦地に派遣されるのです。殉職者は増える、と僕は心配しているのですが……」とつぶやいた。
間違いあれば隊員の責任?
 もう一つの新たな任務「宿営地の共同防衛」もリスクが高く、「民間人を殺傷した場合の責任の所在が不明確」と懸念するのは、カンボジアPKOなどを現地取材した経験のある軍事ジャーナリスト、前田哲男さんだ。
 「例えば宿営地に車が向かってくる。武装勢力か避難民か分からない。何となく銃みたいなものが見えた。隊員個人が撃った、または指揮官が発砲を命じた。相手は実は民間人だった、という場合もあり得る。この時、日本の法体系の下、だれが責任を負うのか、きちんと議論されていないんです。国の命令で派遣されるのに、間違いがあれば隊員や指揮官個人が責任を負うことになりかねない」
 これまでの自衛隊のPKO派遣では、武器使用した自衛隊員が個人的に責任を問われないよう、正当防衛を主張するための手続きがあった。前田さんは新たな任務では過失での武器使用を含め、こうした法的問題があいまいだと指摘する。
 「例えばこれまでの正当防衛なら警察官職務執行法をもとにした部隊行動基準があり、(警告や威嚇の射撃をしてから相手を狙い撃つ)事前回避義務があった。駆け付け警護や共同防衛は判断の遅れが命取りになる場合もある。事前回避義務が徹底できるのか」
 自衛隊OBは新たな任務をどう見ているか。01年、自衛隊初の特殊部隊「海上自衛隊特別警備隊」の創設に携わり、7月に出版した著書「国のために死ねるか」が波紋を広げる伊藤祐靖さんを訪ねた。
 自衛隊出身者なら、PKOなど海外活動の縛りを緩める安保関連法を歓迎するかと思いきや「個人的にはものすごく疑問です」ときっぱり。何のために自衛隊員を危険地に向かわせ、命をかけさせるのか。隊員が納得できる理由が必要だ、と感じているという。
 「私が派遣命令を受けたら、上官に『何で?』と問いますね。命を落とす危険性がある、でも憲法との絡みで活動に制約がある、それでも国として『国家の理念』を貫くために必要な行動だ、その理由はこれこれだ、だから行け、と。そうであればいいんですよ。隊員は『事に臨んでは危険を顧みず……』と宣誓して入隊するんですから」
 伊勢崎さんは「苦渋の代替策」を提言する。「憲法上、非現実的な武器使用を想定するしかない自衛隊に代わり、完全武装の警察を国連文民警察に派遣する。警察権の執行なら、憲法の問題はありません。そもそも事実上の戦地に派遣したくはないんですが……」
PKOは変質、先制攻撃も許容
 なぜこんなに現実離れした想定で計画が進んできてしまったのか。伊勢崎さんはPKOを巡る国際情勢は、日本が初めて自衛隊をカンボジアに派遣した1992年とは変わっているのに、日本ではそれが認識されていないことが背景にあると言う。「かつてのPKOは中立を守るため、停戦合意が破られればすぐ撤退しましたが、今は違う」と解説する。転機は94年にルワンダで住民虐殺が起きた際、PKO部隊が現地にいながら阻止できなかったことに対する国際社会の批判だったという。
 「これ以降、PKOの最優先任務は『住民保護』になり、場合によっては中立性を捨て、住民を守るための武力行使をするようになったんです。10年のコンゴ民主共和国(旧ザイール)PKOでは住民を攻撃する武装勢力に対し、先制攻撃する特殊部隊すら承認された。今のPKOは撤退しないし、交戦主体となることをためらいません。日本だけ時計が止まったままなんです。憲法上、交戦権のない自衛隊を長年、その現場に送り続けたことに無理がある。国会とメディアの怠慢ですよ」と記者を見据えた。
 PKO部隊のリスクが高まったことに伴い、先進国主導の部隊編成から、紛争国周辺や発展途上国から参加を募る流れも加速しつつある。国連PKO局資料によると、日本が初参加した92年末、PKO派遣人数の上位10カ国のうち6カ国を英仏加など欧米諸国が占めた。昨年末の統計では欧米諸国は姿を消し、パキスタンなど南アジア諸国や、エチオピア、ナイジェリアなどアフリカ諸国が占めた。南スーダンで展開する13カ国の内訳は、日本以外には、工兵部隊としてインド、韓国、中国、バングラデシュの4カ国で、残りの歩兵や航空部隊の主力はアフリカやアジアの発展途上国だ。
 谷山さんは「今やほとんどの先進国はPKOに軍を派遣していません。PKOへの貢献は自衛隊を送ることだけじゃないんです。民間や文民警察、他の公務員でだってできる。日本はいいかげん、PKO・国際貢献=自衛隊派遣という凝り固まった考えを捨てるべきです」と話す。
 安保関連法で新たな任務が法的に可能になったからと、自衛隊の武器使用を急ぐ必要はない。机上の空論はやめて、何のための国際貢献か、憲法上可能なのか、現地の状況や国際情勢を踏まえた議論をすべきではないだろうか。
安保関連法施行後の「武器使用」に関する政府見解
 (首相官邸ウェブサイトの資料などを基に整理)
 <PKO参加5原則>
 1992年制定のPKO協力法に定めたPKO参加5原則は、(1)紛争当事者間で停戦合意が成立(2)紛争当事者がPKOと日本のPKO参加に同意(3)中立性の厳守(4)原則が満たされない場合は部隊を撤収できる(5)「武器使用」は隊員の生命保護などのための必要最小限に限る。
 <現行法で認められる武器使用>
 武器使用は、(1)隊員自身の他、一緒にいる他の隊員や管理下の住民らの生命・身体を守る「正当防衛・緊急避難」(2)自衛隊の武器・装備の防護(3)「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」などの任務遂行を妨害する相手の排除  の場合に限られる。(3)では、相手が犯罪集団であることが明確な場合は武器使用が許容されるが、派遣国・周辺国の政府軍や現地警察など「国または国に準ずる組織」の場合、憲法で禁じる「武力行使」にあたる恐れがある。
 <憲法が禁じる武力行使>
 憲法が禁じる武力行使は、「国または国に準ずる組織に対する組織的・計画的な戦闘行為」。PKO部隊に派遣された自衛隊の活動でも認められず、仮にPKO部隊が武力行使に及んだとしても一体化することはない。
 
今やほとんどの先進国はPKOに軍を派遣していません。PKOへの貢献は自衛隊を送ることだけじゃないんです。民間や文民警察、他の公務員でだってできる。日本はいいかげん、PKO・国際貢献=自衛隊派遣という凝り固まった考えを捨てるべきです
 
まさに日本は戦闘経験のない自衛隊を、それも1周遅れでPKOに参加させようとしているのである。
 
なぜなら、今後、米国の下請けとなって地球の裏側まで自衛隊を派兵することが、米国と約束させられているのかもしれない。
 
オジサンは先週、こんなツイートを飛ばしたら、思いもかけずリツイートがあった。11月からPKOの新しい部隊が南スーダンに出発する。
 
このままだと、「自衛隊の戦死者」が出る可能性が強くなる。
 
そうした事態になったら、安倍内閣が政府専用機で日の丸に包まれた柩に入った戦死者を羽田空港に運び、そこで大掛かりに「国のために殉じた自衛隊員」として扱うセレモニーを実施するかもしれない。
 
安倍晋三が最もやりたいことかもしれない。 
 
しかし、南スーダンでの駆けつけ警護では、少なくとも「日本の敵」ではない誰かに殺される可能性が高く、その死は日本のためではなく、無駄死にであり犬死になってしまうのであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月26日

特別養護老人施設は終の棲家ではない

2010年に定年退職して認知症の母の面倒を見ながら、介護認定を受けて当時は要介護1と認定され、デイサービスの利用が可能になった。
 
その後、母は圧迫骨折から下肢麻痺状態になり車椅子生活に入る。
 
2012年5月に「『仮設』への入所が決まる」とつぶやいたように、老人保健施設という施設に入所できた。
 
さらに1年半には申請してから3年目にして「特別養護老人施設」に入居することができて、これで最後まで面倒見てくれる「終の棲家」に母を入れることができたとホットしたものだった。
 
しかし安寧の時は短く、1年後には、「早朝の救命救急センター」となり施設から緊急電話で母が救急搬送された病院に駆けつけた。
 
その日は応急処置で再び施設に介護タクシーで母は戻った。
 
ところが翌朝再び緊急電話で呼び出され、「古い尿路結石があり、それにより腎盂腎炎と水腎症を併発し脱水症状となっており入院して抗菌薬の投与が必要」と医師に告げられ、「夜間当直医師の判断ミスで緊急入院」ということになった。
 
2週間の入院後、退院して施設に介護タクシーを呼んで母を送リ届けたのだが、経過観察と称して、2カ月に1回、外来診察を繰り返した。
 
外来といっても本人は自分では移動できないので、介護タクシーに施設まで迎えに行ってもらい、オジサンが病院で母を受け取り、介護費用込のタクシー代を支払う。
 
診察が終了すると再び介護タクシーを病院に呼び、今度はオジサンも一緒に乗り込み、施設に到着し母を降しタクシー代を払い、施設から一番近くの鉄道の駅まで歩き家に帰る。
 
こんなことが半年近く続いた。
 
その後は何とか1年近くは施設側で毎日母の手厚い体調管理をしてもらいなんとか過ごしていたのだが、今年に入り、咀嚼と摂食・嚥下能力が低下してきて、普通食も水分もそのままでは飲食できなくなった。
 
90歳を過ぎれば自分の歯がいくら残っていても思うように使えない状態になることは避けられない。
 
夏頃から、微熱が続くという報告が施設からあり、尿も少々混濁しているという。
 
再び尿管結石ができた可能性もあると言われ、施設の委託医に紹介状を書いてもらい、今日は市立の総合病院に母を診察に連れて行くことになった。
 
施設が手配した介護タクシーが母を病院まで運んでくれるというので、これから出かけて母を病院で受け取ることになる。
 
その診断の結果では再び・・・・ということにならないことを祈っている。
 
特別養護老人施設は医療機関ではないので、入所者に医療行為が必要になった場合、必ず家族の者に連絡が入り、家族がすべて世話をしなければならない。
 
改めて、「終の棲家」に入所したなんて安心してはならぬ、とつくづくと思った次第。

  
posted by 定年オジサン at 11:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月25日

臭いものに蓋をするのが好きな日本人だが、パンドラの箱の底には何がある?

すでに国家としての形を失ったと指摘されているシリア。 
 
そのアサド政権は自国民を殺すことに何の躊躇もなくなっている。
 
混迷するシリアを巡り、アサド政権を支援するロシアと反体制派を支援する米国との「1週間の様子見停戦」はもろくも崩れ、再びシリア国内で多くの子どもたちを始めとする市民が殺され始めている。  
 
<停戦崩れ、シリア空爆激化 アレッポ死者100人超か 米ロなお溝、交渉不調>
 2016年9月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 ロイター通信は、現地病院関係者の話として、23日までに91人が死亡したと伝えた。在英NGO「シリア人権監視団」によると24日の空爆で少なくとも25人が死亡した。
 負傷者の救助を続ける非武装中立のボランティア組織「シリア民間防衛隊」のイブラヒムさん(29)は23日夜、朝日新聞の電話取材に「空爆は20日から続いている。夜間も空爆が続き、防衛隊の救出作業は困難を極めている」と話した。防衛隊の拠点のうち3カ所も空爆の標的となったという。
 国連児童基金(ユニセフ)によると、反体制派が支配しているアレッポ東部の約25万人に水を供給している水道施設が空爆で損傷した。反体制派は報復として政権支配地域のアレッポ西部の150万人に水を供給する施設の電源を遮断した。ユニセフは「水供給の途絶は特に子どもたちに深刻な健康リスクを引き起こす」と警告した。
 国連総会が開かれているニューヨークでは、ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相が、停戦の維持を図ろうと話し合いがもたれたが、両者の主張はすれ違ったままだ。ケリー氏は21日、「彼らは異世界にいる人々のようだ」とロシア側への不満をあらわにした。
 国連総会中、米ロに加え、欧州や中東諸国の外相を交えた「国際シリア支援グループ」(ISSG)の会合が急きょ、2度も開催された。
 しかし、米国は、ロシアが支援するアサド政権が、停戦合意に違反していると批判。一方のロシアは、米国が支援する反体制派に問題があると譲らなかった。米国が、一定期間の軍用機の飛行停止を提案したが、ロシア側に応じる気配はなく、不調に終わった。
 両氏は23日にも会談。ラブロフ氏は会談後の記者会見で、反体制派の一部がアルカイダ系のシリア征服戦線(旧ヌスラ戦線)と共闘していると指摘。反体制派とテロ組織が分離されていないのは、米国に責任があると批判した。
 (ドバイ=翁長忠雄、ニューヨーク=杉山正)
 
結局のところシリアでも「米ロ代理戦争」が行われているのだが、この膠着状態の原因はどうやら米国のオバマ大統領のあと2カ月余りの任期と大いに関係があり、一橋大学から外務省に入った変わり種の外交評論家の岡本行夫は今朝のTBS「サンデーモーニング」で、「オバマ大統領は未来の核廃絶よりも当面のシリア内戦をどうするかに注力すべき」という主旨の見解を示していた。
 
すでにオバマ米大統領は1月12日、上下両院合同会議で今年の内政・外交の施政方針を示す一般教書演説の中で、「危機的状況にある全ての国を引き受け、再建することはできない」と述べて「脱・世界の警察官」を宣言する一方、「世界で孤立もせず、米国の安全と強さを確保する」方法を見つける必要があると訴えた経緯がある。
 
さらに次期大統領に世界の関心が集まっている現状では、オバマ大統領が自らシリア問題の解決に乗り出すことは期待できず、先の岡本行夫の言葉を借りれば「レバノン内戦は15年も続き、シリアはまだ5年くらいなのでこれからも続く」ということらしい。
 
もはや世界には「鶴の一声」を発することができる指導者がいなくなったということか。 
  
日本人には「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とか、「人のうわさも75日」といった言葉が多々あるが、やはりどんなに年月が経っても忘れてはいけないものもあり、その当時の記録を残し未来につなげるということが大切である。
 
それが歴史的な大事故の場合は、決して2度と繰り返してはならないためにも、失敗から学ぶ姿勢こそが事故を繰り返さない基本にもかかわらず、せっかく集めた貴重な資料が生かされていないという事実が明らかになっている。 
 
<国会事故調、進まぬ開示 福島第一原発検証、のべ1167人聴取>
 2016年9月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20160925kokkaijikochou_asahi.jpg  東京電力福島第一原発の事故を検証した国会事故調査委員会の収集記録を国会が公開せず、閲覧できない状態が続いている。事故原因を究明する独立調査委を設けるよう求めた事故調の提言も実現していない。原発が再稼働し、廃炉費用の国民負担をめぐる議論が進む一方、事故に学ぶ姿勢がおざなりになっている。
 国会事故調が集めたのは政府、東電の内部資料のほか、事故当時の状況について関係者のべ1167人から計900時間を超えて聴取した記録などだ。分量は段ボール箱77箱分。公開の場で聴いた菅直人元首相らの聴取録もある。2012年7月に事故調が報告書を公表した後は、国会図書館の倉庫に保管されている。
 聴取録のなかには、非開示を前提にした内容もある。このため、同月に事故調が解散したときは、衆参両院の議院運営委員会が記録開示に必要なルールを定めることにしていた。
 事故調の側も開示に備えて、調査の経緯や資料の出典を含めた記録を残した。委員長だった黒川清・東大名誉教授は「記録をもとに新たな報告書や本にする人たちが出てくるなど、記録から事故の背景などを学ぶことができる。失敗から学ぶ姿勢こそが事故を繰り返さない基本だ」と語る。
 ところが議運メンバーが始めた議論は、同年11月に野田佳彦首相(当時)が衆院を解散したあおりで中断。自民、公明両党が政権復帰した後、超党派議連の「原発ゼロの会」(約70人)の要請で、衆院議運の小委員会が1度開かれたが意見交換どまりだった。
 「原発を推進した自民党にとっても、事故対応にあたった民主党にとっても不都合な内容が記録に含まれている可能性があり、与野党双方が開示に及び腰だ」と議運メンバーは説明する。何より議員の熱が冷めている。
 今年4月、自民党原子力規制に関するプロジェクトチーム座長で福島県選出の吉野正芳衆院議員の働きかけで、河村建夫氏が衆院議運委員長として初めて保管状況を視察した。河村氏は「(事故から)5年経ったので両院で協議したい」との考えを示したが、今月26日に始まる臨時国会で委員長を交代。積み残した課題として引き継ぐという。
 ■提言実現は一部
 国会が消極的なのは、記録の開示だけではない。事故調は報告書で7つの提言をした。国会には、民間中心の専門家からなる独立調査委の設置を求めた。事故調の解散後も、未解明な事故原因の究明などに継続的に取り組む組織になるはずだったが、議運では話し合いが行われていない。
 一方、規制当局を監視する委員会の常設を求める提言は、13年に衆参両院にそれぞれ特別委員会を設置する形で実現した。ただ、電力労組出身や原発立地県選出の議員が、再稼働に対する規制当局の審査の厳しさを批判したり、原発の運転期間を原則として40年以内とするルールの見直しを求めたり、原発推進を主張する場にもなっている。
 事故調の提言実現を目指す原発ゼロの会事務局長の阿部知子衆院議員(民進)は「原発事故は時間が経ってからわかるものもあるのに究明の場が閉ざされている。事故検証を続ける仕組みを整えることは立法府の責任だ」と話す。
 ■「ルール作り、原則公開を」
 曽根泰教・慶応大教授(政治学)の話 国政調査権を持つ国会による調査は国民に代わって調べるもので、得られた記録はプライバシーにかかわる点などを除き、原則公開が望ましい。国会事故調は国政調査権を背景に初めて国会に設けられた組織だ。今後の前例にもなるので、早く開示のルールを作るべきだ。
 ◆キーワード
 <国会事故調査委員会> 東京電力福島第一原発事故の原因を究明するため、国会固有の国政調査権を背景に、政府からも事業者からも独立した調査委として衆参両院が2011年12月に設置。12年7月に約600ページの報告書をまとめ、事故を「自然災害ではなく、明らかに人災」と断定した。政府が設けた政府事故調査・検証委員会とは別組織。こちらは当初非公開とした聴取記録のうち、本人の同意が得られたものを14年9月から順次開示している。
 
まさに「原発を推進した自民党にとっても、事故対応にあたった民主党にとっても不都合な内容が記録に含まれている可能性があり、与野党双方が開示に及び腰だ」という言葉にすべてが込められているようだ。
  
近い将来、似たようなことになりかねないのが、ますます混沌としてきた豊洲新市場関連問題。
 
都庁内では、「地下空間を推進した○○局にとっても、盛り土を推進した○○にとっても不都合な内容が・・・」とか、さらには、「豊洲移転を推進した・・にとっても、豊洲不具合の対応にあたった・・・にとっても不都合な内容が・・・」という事態になりかねない。 
 
もうすでにパンドラの箱は開けられてしまったらしいので、中途半端で閉めることは許されない。
 
一度解散した当時の専門家会議の座長の平田健正・放送大和歌山学習センター所長は、液状化対策の必要性も示したという。

<豊洲たまり水 専門家座長も「地下水」 液状化対策が必要>
 2016年9月25日 朝刊 東京新聞
 築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の盛り土問題で、安全性を確認する「専門家会議」座長の平田健正(たてまさ)・放送大和歌山学習センター所長は24日、水質調査の結果から、建物下の地下空間にたまった水は地下水だと発表した。都の調査では地下空間の水も空気も環境基準を満たしているが、今後、調査地点を増やして検証を続け、液状化への備えなど必要な対策を専門家会議で議論する方針を示した。
 平田座長は豊洲市場で、地下空間にたまり水のある水産卸売場棟など四棟を視察後、記者会見した。
 15日に3棟の地下空間と周辺の井戸から取った水のイオン濃度を調べたところ、組成がほぼ同じで「都は雨水ではないかと言ったが、明確な間違い。調査結果を見れば、地下水しかあり得ない」と述べた。地下空間の水からベンゼンやシアン化合物は不検出で「水道水レベル。安全ということ」と説明した。
 地下空間の地下水は、砕石層がコンクリートで覆われていない床部分から湧き出したとの見方を示し、10月中旬に予定する地下水管理システムの稼働によって「水は減っていくと思う」と説明。地震による液状化で泥が噴き上げないよう「地下水が上がってくるところはふさぐことが大事だ」とも述べた。たまり水については、共産党都議団が16日、独自調査の結果から地下水だと指摘していた。
 地下空間の大気中のベンゼン濃度の調査結果も初めて発表。15〜16日に三棟の九カ所で採取した空気中、ベンゼンは1立法メートル当たり0.0005〜0.0025ミリグラムで、環境基準(同0.003ミリグラム)を下回った。「一般環境大気に比べて過大でなく、安全」と評価した。平田座長は「築地市場の方々がどう考えるか、意見を聞いてみる必要があると思う」と話した。
 
液状化といえば、5年前の東日本大震災を引き起こした震度6の地震により、その昔は海だった埋立地の新浦安に住んでいる知人がこんな写真を送ってくれたことがある。
 
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さらには地震発生当時の豊洲の状況は東京新聞の「こちら特報部」がこう報道してた。
 
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「草ぼうぼうの空き地は埋め立て地だ。あちこちに水たまりがあり、油が流れた虹色の皮膜が見える。月面のクレーターのように、なだらかに盛り上がっている砂山も点在する。大きさはさまざまで、表面には水が流れたような筋もついている。
 色は真っ黒。水を含んで泥のようだが、乾くとさらさらと砂鉄のように細かい。埋め立てに用いたのは、海から浚渫した土砂で、地中から表に噴き出していた。」
 
豊洲新市場は「土壌汚染対策」のみならず「液状化対策」も必要なのだが、現在すでに市場周囲の道路ではその現象が現れているという。
 
それにしても「開場」前に余りにも多くの税金を使い過ぎてしまった豊洲新市場。  
 
「築地の改修はカネがかかるから安い豊洲へ」という話しが、豊洲で市場を開場するには、最終的には1兆円くらいになるという。 
 
<許していいのか 豊洲問題に投じられる都民の血税1兆円>
 2016年9月25日 日刊ゲンダイ
 いよいよ底ナシになってきた。東京・築地市場の豊洲移転をめぐる問題。土壌汚染対策で「盛り土」が必要とされながら、建物の地下に空間が広がり、今もナゾの汚染水がたまり続けるなど、新たな疑惑が出るわ出るわ。もはや豊洲市場の開場は「延期」どころか、「中止」が現実味を帯びているが、気になるのは結局、都民負担が一体、どのくらいになるかだ。
 今年3月15日の都議会「経済・港湾委員会」。これまで豊洲市場の整備に投じられたカネについて、答弁に立った都担当者はこう説明した。
〈豊洲市場整備に係る事業費の執行を開始した平成13年度末の(市場会計の)保有資金は約2800億円であり、来年度予算案の平成28年度末予定貸借対照表におきましては、保有資金は約455億円と見込まれます〉
〈平成13年度末の(市場関係の)企業債残高(借金)は約954億円であり、来年度予算案の平成28年度末予定貸借対照表におきましては、企業債残高は約3763億円と見込まれます〉
 つまり、豊洲移転によって資産はこの15年間で6分の1に減り、代わりに借金が約4倍に増えているということ。豊洲移転には既に6000億円近いカネが投じられているのである。
「豊洲移転がパーになれば、これまでの6000億円近いカネがドブに捨てられることになる。このため、都はもう後戻りできないと何が何でも豊洲移転を進めるでしょう。しかし、今のままでは移転はムリだから、何らかの対策が必要になる。開場延期による営業補償、新たな汚染対策費、再度の環境アセス……。今後、数千億円規模の負担は免れません」(都政担当記者)
 今までの費用と合わせると、豊洲移転には少なくとも1兆円規模のカネが必要になる計算だ。「築地の改修はカネがかかるから安い豊洲へ」だったはずなのに、こんなバカな話はない。小池百合子都知事はきのう(23日)の会見で、豊洲問題について「犯人捜しが目的ではない」なんて言っていたが、冗談じゃない。犯人を締め上げて責任を追及しなければ都民も納得しない。それに犯人を特定する“証拠”はいくらも残っているのだ。
 「例えば、08年12月15日に開かれた『第8回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議』。会議録には、都職員が改正土壌汚染対策法に触れつつ、豊洲市場の地下について『地下水浄化ができるような、そういった作業ができるような空間も確保する(略)こういった対策を東京都としては考えていく』と発言しています。要約すれば『都は地下空間をつくろうと考えている』と断言している。ここから遡れば、どこに“真犯人”が潜んでいるのかが分かります」(前出の担当記者)
 都民に1兆円規模のカネを負担させるオトシマエを、きっちりつけてもらおうじゃないか。
 
ギリシャ神話によると、神によって作られた人間の世界には、もともと「災い」がなく、男性しか存在していなかった。
それを良しとしない最高神のゼウスは、息子でもあるオリンポス12神の「ヘパイトス」に人間に災いをもたらすために人間の女性を作らせた。
その女性にゼウスが命を与え、そして 「全ての神からの贈り物」 という意味の名前を付けたのが「パンドラ 」。
このパンドラを、地上の人間の元へ連れて行く際、ゼウスが渡した箱が「パンドラの箱 」であり、その中には悲観、不安、嫉妬、争い、苦悩、悲嘆、欠乏、後悔、疫病、その他、ありとあらゆる災いが詰められていたという。
話しを簡単にすると、箱の中身が気になるパンドラはその箱を遂に開けてしまい、慌てて蓋を閉めたものの、時すでに遅し。
災厄は人間界に解き放たれてしまい、そして閉じられた箱の底には「希望」だけが残っていたという。
 
「男性が幅を利かせていた男社会」の都庁の中に都民がユリコという女性を送り込んだ。
 
そして長年、誰も触らなかった「トヨス」という地下の扉を開けてしまった。そして・・・・。
 
神話では、パンドラの箱の底には「希望」が残っていたというが、それが時には不吉な「予兆」にもなり、はたしてどちらに転ぶかは神のみぞ知るのかもしれない、とオジサンは思う。     

posted by 定年オジサン at 13:05| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月24日

もはやTPP批准のための無駄な時間を使うな

今年の3月頃、元朝日新聞編集委員でデモクラTV代表の山田厚史が「米大統領選で自壊し始めた『強者のためのTPP』」と題して、TPPの行く末をこう書いていた。
 
環太平洋経済連携協定(TPP)が、各国の批准を前に、失速し始めた。「21世紀の経済ルールを描く」と主導してきたアメリカで鮮明になっている。オバマ大統領は残る任期で批准を目指すというが、肝心のTPP実施法案の成立は絶望視されている。
大統領候補の指名レースで、「TPP賛成」だった共和党のルビオ候補が地元フロリダで負け、撤退を表明。TPPを担ぐ候補は1人もいなくなった。トップを走るトランプ候補は「完全に破滅的な合意だ」と歯牙にもかけない。民主党ではオバマ政権でヒラリー・クリントン候補が「反対」を表明。追撃するサンダース候補はTPP批判の急先鋒だ。 
 
ところで、途中から参加した米国の狙いはTPPの発効により中国包囲網の構築であったと思っていたのだが、米国のシナリオは次のようなステップを踏んでいるという。
 
・最初は中国抜きでTPPを実現する。
・次に、APEC加盟国からのTPP参加を増やして中国を孤立させる。
・最後に、中国に、TPPへの参加条件として国家資本主義からの転換とルール遵守を迫る
 
こう分析する杏林大学客員教授・馬田啓一が「中国のもう一つのTPPジレンマ」と題した論文を発表していた。
 
■ドミノ現象を恐れる中国
 TPP(環太平洋パートナーシップ)合意によって、アジア太平洋地域の通商秩序が大きく変わろうとしている。TPPは高度で包括的な21世紀型のFTAである。現在、TPPに参加しているのは12カ国であるが、将来的には中国も含めてTPP参加国をAPEC全体に広げ、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の実現を目指している。TPPのルールがアジア太平洋地域における新たな通商秩序のベースとなる可能性が高い。
 米国の狙いは、当面、中国抜きでTPPを実現し、その後APEC加盟国からのTPP参加を増やして中国を孤立させる。外堀を埋めてから中国に、TPPへの参加条件として国家資本主義からの転換とルール遵守を迫るというのが、米国の描くシナリオだ。
 TPP合意の直後に、韓国、台湾、タイ、フィリピン、インドネシアが相次いでTPPへの参加の意思を表明した。ドミノ現象を中国は最も恐れている。昨年のAPECマニラ会合で中国が首脳宣言にTPPの文言を盛り込むことに強く抵抗したのも、その表れだろう。
 中国がハードルの高いTPPに参加する可能性はあるのだろうか。国家資本主義に固執する中国だが、APEC加盟国が次々とTPPに参加し、中国の孤立が現実味を帯びてくるようになれば、中国は参加を決断するかもしれない。TPPへの不参加が中国に及ぼす不利益(貿易転換効果)を無視できないからだ。
■日米中貿易トライアングルの構図
 TPPに対する中国の出方次第では、アジア太平洋地域における日米中の貿易トライアングルが危うくなりそうだ。日米中トライアングルの貿易構造には、次のような特徴が見られる。
 第1に、中国の貿易は加工貿易型であり、日本やASEANから中間財(部品)を輸入し、中国で加工・組み立てを行い、最終財(完成品)をアジアのみならず、米国やEUにも輸出している。
 第2に、日本やASEANなど、東アジアにおける中国の周辺国は中間財輸出を通じて対中依存度を高める一方、中国は米国やEUへの輸出を伸ばしており、東アジアへの依存度はさほど高くない。中国の貿易構造については、輸入と輸出の間で「集中と分散の非対称性」が見られる。
 第3に、中国の貿易の主たる担い手は中国に進出した外資系企業であり、中国の貿易の過半を占める。国際生産ネットワークの拡大を通じて、産業内分業や企業内貿易が活発化している。中国は東アジアの生産ネットワークに組み込まれることによって、WTO加盟後の貿易を急増させることができた。
 このような日米中トライアングルの貿易と直接投資が中国の経済成長の原動力となった。日本から中国への直接投資が活発となり、日本の中国向け中間財輸出が急増、つまり、日本が中国に対して中間財の供給を担い、それによって、中国は米国向けの最終財の輸出を増大させていった。
 だが、メガFTAの時代に入り、日米中トライアングルは新たな局面を迎えている。国際生産ネットワークの拡大とサプライ・チェーンのグローバル化に伴って、日米中トライアングルにおける貿易や直接投資は大きく変貌しようとしている。
■中国のTPPジレンマ
 アジア太平洋地域において、TPPが日米中トライアングルに与える影響は大きい。もし中国がTPPに参加しなければ、日米中トライアングルの貿易構造は崩壊するだろう。なぜならば、日本から中国に中間財(部品)を輸出し、中国で加工組み立てした最終財(完成品)を米国に輸出するという貿易パターンの優位性が失われるからだ。
 TPPによってカバーされる国際生産ネットワークから中国がはみ出すことになれば、グローバルなサプライ・チェーンの効率化を目指す日本企業などは、対米輸出のための生産拠点を、中国から、TPPに参加するベトナムやマレーシアなどに移す可能性が高い。中国リスクの高まりがそれに拍車をかけるであろう。タイ、フィリピン、インドネシアなどもTPPに参加すれば、その流れはもっと加速するに違いない。
 中国の集中と分散の非対称的な貿易構造に着目すれば、ASEAN+6によるRCEP(東アジア地域包括的経済連携)が実現しても十分とはいえない。米国抜きのRCEPは日米中トライアングルの貿易全体をカバーすることができないからだ。しかも、皮肉なことに、最終財輸出をみると、RCEPは対米依存が大きい。したがって、貿易構造上、RCEPはいずれTPPと融合するのが合理的ともいえる。
 日米中の貿易トライアングルが中国の経済成長に寄与していることを考えれば、中国の本音はTPPに参加したいであろう。しかし、高い自由化率と米国が重視しているTPPルール(知的財産権、国有企業改革、政府調達、環境、労働など)は中国にとっては受け入れがたい。中国はTPPに入りたくても入れない、「TPPジレンマ」に陥っている。
 そうした中、米国が主導するTPPに反発する中国は、TPPの対抗手段として、アジアから欧州に至る広大なシルクロード経済圏の構築を目指す「一帯一路構想」を打ち出した。中国は、TPPと日米中トライアングルを見限るつもりなのか。
 
2015年度の日本の輸出先は、1位がアメリカ1,522(20.1%)、2位が中国1,322(17.5%)で2010年代から変わっていない。
 
そして同年の輸入先の1位は、中国1,942(24.8%)で2位がアメリカ806(10.3%)であり、やはり2010年以降変わっていない。
 
中国の貿易額の2014年度データでは米国がトップである。
   
今までの数字からみれば、これが「日米中トライアングル」であった。
 
しかし中国がTPPに参加してもしなくても、今後は日米中トライアングルに影響を与えることになり、それが中国のジレンマとなっているという。 
 
8月末には、「米国大統領選とTPPの行く末」の中で、「日本にとっていずれにしても興味深いのはヒラリーもトランプも米国のTPP参加には反対ということである。」とつぶやいた。
 
20160926tpphikaku.jpg 
 
その後、米国大統領選挙の結果にかかわらずTPPが実現しなければ中国のジレンマは解消されるとは限らない、と在北京ジャーナリストの陳言は「頓挫寸前のTPPを笑っていられるか」と警鐘を鳴らしていた。
 
<中国は頓挫寸前のTPPを笑っていられるか>
 2016年9月1日 DIAMOND online
 ほぼ1年前の10月5日、米国や日本、オーストラリアなど12ヵ国の閣僚が、「環太平洋経済連携協定(TPP)」を締結したというニュースが中国にも届いた時、中国のネット上ではそれを嘆く声が上がった。
「TPPによって米国は中国に対する包囲網を完成させた」と確信を込めて言う者もいれば、「中国経済の国際化は『大崩壊』に陥り、中国が享受してきたグローバル化によるボーナス期もこれで終わる」と、大げさに公言する者まで現れた。一部の中国人からすれば、TPPは「中国人を抜きにして遊ぶ」ゲームのようなものであり、彼らの目には、あたかも西側が中国を仲間外れにする排他的なクラブを作りたがっているかのように映るのだ。要するに、中国を巡る国際経済環境は、極めて危険な段階に突入しているということになる。
しかし、皮肉なことに、TPPに対して多くの中国人がまるで災難が降りかかったかのような恐れを抱いていた頃、今年の米国大統領選挙で注目されているドナルド・トランプ氏やヒラリー・クリントン氏、そしてバーニー・サンダース氏らがみな「TPP反対」を表明し、反TPPが米国大統領候補者たちの共通姿勢となってしまった。言い換えると、この1年で米国の政治や経済の情勢が変化し、早々にTPPの終了を宣告することもあり得るということだ。
 「TPP恐怖症」から「自然消滅の瀬戸際にあるTPP」へと事態が展開していることは、多くの人々が世界情勢を見誤っていることの表れであり、さらに米国の政治情勢が大きく変化しつつあることを物語っている。
 
 米国大統領選挙の犠牲となったTPP
TPPが災難に見舞われたのは、米国大統領選挙の年と重なってしまったことが関係している。10ヵ国以上のアジア太平洋の国々との間で、TPPの調印にこぎつけようとしていた頃、米国は得意になっていた。なぜなら、TPPによって米国はアジア太平洋地域でのリーダーシップを強化することができると同時に、発展の著しいアジアにおける「経済ボーナス」の利用をさらに拡大させ、米国の製造業と輸出の回復を図ることができるからだ。
 しかし、当時の米国はTPPの構想を練る一方で、自国経済は金融危機からの回復もゆるやかで経済格差が広がっていく状態であり、自らの目論見の産物であるTPPは自国民から空前ともいうべき反対を受けた。民意が政治の場に伝わったとき、TPPは今年の米国大統領選挙における重要な議論を呼ぶ話題の一つとなった。
オハイオ州やペンシルバニア州などの古くから工業の中心地だった州は、今では「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」となっているが、これらの州は多くの労働者階級の有権者を抱えており、米国の二大政党にとって主戦場といえる。民主党の候補者であるヒラリー氏、共和党の候補者であるトランプ氏のいずれにとっても、これらの州で勝利を収められるかどうかが勝敗に大きく影響する。しかし、これらの州の労働者階級の有権者からしてみれば、貿易の自由化によって仕事が失われることほど腹立たしいものはない。
有権者の気持ちと好みがすべてを決定するという状況下で、ヒラリー氏とトランプ氏は容赦なくTPPを酷評している。米国の二大政党の候補者がいずれも、貿易のグローバル化に対して明らかな敵意を示している。これは歴史的な観点から見ても、第二次世界大戦以降の大統領選挙では一度も見られなかった光景だ。かつてはグローバル化のリーダーだった米国が、態度を一変させて他国を顧みなくなった時、世界は震撼することだろう。
TPPの現状によってバツの悪い思いをさせられているのは、米国のオバマ大統領である。少なくとも発言上はTPPを救おうと試みてきた。5月に伊勢志摩サミットに参加して、日米首脳が会談し、その後の記者会見では、「私どもは引き続き、世界平和、世界経済の成長を促進し、TPPを前進させる必要性について話し合った」とオバマ大統領は語り、さらに別の場では、「TPPはグローバル化と科学技術のニーズであり、TPPの推進を継続しないことは、経済一体化の流れを逆転させるようなものだ」と表明している。
しかし、各国で反エリートや排他的な感情が高まっている中、こうした弁護にも説得力はない。来年の大統領退任前にTPPの議会で批准させることが、オバマ大統領にとってTPP救済の最後のチャンスとなるが、その望みは薄いといわざるを得ない。なぜなら、オバマ大統領が所属する民主党の大多数の議員がTPPを支持しない意向であり、彼が当てにできるのは国際貿易を支持している共和党議員の加勢だけだが、実際に支持を取り付けられるという保証などない。
もしTPPが米国国会で承認されなければ、ヒラリー氏であれトランプ氏であれ、だれが政権をとったとしてもTPPは暗礁に乗り上げることだろう。オバマ大統領が語ったとおり、TPPは「政治のサッカー」、つまり政治家たちの手中で操られる駆け引きの道具と化してしまった。
 
 一部のアジアの国々の焦燥感
 米国のアジア同盟国からすれば、TPPは米国がアジアでの地位を守るための努力の結晶であり、また中国に対してチェック・アンド・バランスを図るという姿勢の表れだ。つまり、TPPは米国の「アジアのリバランス」戦略における経済面での立脚点なのである。
この観点から見れば、一部のアジアの国々の焦燥感も理解できる。近ごろ、シンガポールのリー・シェンロン首相は、「TPPはアジアにおける米国の信用を計る『試金石』だ」という見解を示し、「TPPは米国の労働者と企業に有利なだけでなく、米国が引き続きアジア太平洋地域でリーダーシップを行使し、運命を共にする我々アジアの同盟国とのパートナーシップを強化するという明白かつ重要なシグナルだ」と表明したうえで、さらに「もし米国が長年にわたり苦心しながら交渉を進めてきたTPPを否決するならば、日本の安倍晋三首相をはじめ米国のアジアの盟友は政治面で損害を被ることになり、米国とアジアの同盟国との関係は長きにわたって損なわれることになる」とも語った。
日本でもTPPはかなり危なくなったと懸念する声が多い。しかし、このような同盟国からの不満の声には、恐らく米国内の政策を根本的に変化させるほどの力はないと思われる。
 TPP頓挫の背後で、米国の孤立主義の傾向が高まっている。もちろん、TPPが消滅の危機に瀕しているという現状は、政治の駆け引きの結果とも言い切れない。実のところ、TPPそのものに大きな欠陥が存在している。TPPはただの貿易協定ではなく、実際には各国の国内経済体制および監督・管理規則の変革、そしてグレードアップさせた「高基準」の自由貿易協定の締結を試みるものだ。
しかし、いわゆる「高基準」は「高コスト」を意味する。参加国に対して経済主権を譲渡させるという面で、要求が高すぎるかもしれない。まさにこのことが原因で、米国だけでなくTPP参加国である日本などのアジア諸国からもTPPに難色を示す動きが常に見られる。
事実上、TPPは米国社会に強烈な衝撃を与え、同国の政界や財界など各方面が利益をめぐって駆け引きをするという事態に発展したが、アジア太平洋地域の多くの国々にとってもそれは同様だ。協定は合意されたとはいえ、TPPはこれまでずっとどこか得体の知れない新制度とみなされており、存在そのものがぼやけたままだが、その最終的な姿は各方面間での駆け引きを通じて形成されていくことだろう。
 
 中国はTPPの現状を喜べるのか?
それゆえ、はじめから中国は盲目的な「TPP恐怖症」にかかるべきではない。現在のTPPをめぐる事態の展開は、中国の目の前に立ち込めていた霧を完全に払拭するものであり、TPPに対する過剰な恐れは全く根拠がないことを示している。
しかし、その一方でTPPが頓挫の危機に瀕していることで高笑いするべきではない。その理由として、まず米国の政治情勢は常に変化していることが挙げられる。オバマ大統領にはまだTPPを救うチャンスも残されており、予想に反してTPPが承認される可能性は否定できないからだ。次に、一部の中国人は米国が経済上および政治上の孤立主義を示すことは、中国にとってのチャンスだと考えているが、これはむしろ中国にとって試練となるかもしれない。
例えば、もしトランプ氏が政権をとるとすれば、米国は速やかにアジア地区の秩序を維持するというこれまでの役割を放棄するかもしれない。しかし、米国が去った後の空白状態を埋め合わせられるほどの国力を、中国が持ち合わせていないという状況下では、中国にとって非常に険しい外交局面が待ち受けているだろう。中国と米国との間は、ゼロサムゲームではない。それゆえ、TPPの現状を笑うべきではない。
TPPの話から分かるとおり、現状を越えた速やかな経済の一体化は成功するとは限らない。反エリート、反体制、反融合のトレンドが見られる今の世界ではなおさらだ。とはいえ、世界に災いが及べば中国も被害は免れられない。新たな逆グローバル化の波は中国にとって何を意味するのか?中国はその点を深く、かつ冷静に考えなければならない。
 
中国と同様、日本国内にも盲目的ではないにしろ「TPP恐怖症」にかかっている産業は多く、「現在のTPPをめぐる事態の展開」は、同じように「TPPに対する過剰な恐れは全く根拠がない」と言えよう。
 
そして、多くの業界が反対しているTPPが消滅すれば、日本は米国内のTPP反対派と連携し、独自の対米貿易交渉をしていけばよいのである。
 
今週の20日、米国を訪問している安倍晋三首相は、米国大統領選挙の民主党の候補、ヒラリー・クリントン前国務長官と会談し、TPPの早期発効を目指す考えを示したのに対し、「雇用を奪うあらゆる貿易協定を阻止する」TPPに反対する考えを表明しているクリントンはあっさりと同様の考えを安倍晋三首相に伝えたという。
 
とんだピエロの役を演じてしまった安倍晋三首相。
 
もっとも2年前の総選挙では「聖域を守らないTPPは断固反対」と熱く訴えていたにもかかわらず、選挙後は何食わぬ顔でTPP締結に突き進んでいたのも安倍晋三首相であった。 
 
来週の26日から臨時国会が開会する。
 
TPP発効までの期間は2年なので、米国の大統領が誰になっても、2年間塩漬けにすればTPPは消滅する。
 
臨時国会の会期末は流動的だが、安倍政権はTPPの承認案を米大統領選のある11月8日までに衆院採決に持ち込みたい考えらしい。
 
しかしそれよりも、2016年度第2次補正予算案や消費増税の延期法案、さらには野党が提出している「戦争法の廃止法案」の審議等、もっと時間をかけて議論すべき問題が山積しており、わざわざ先の見えないTPP批准のための無駄な時間を費やす必要はない、とオジサンは思う。

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2016年09月23日

5年半経っても変わらぬ福島だが、1年後の戦争法は絵に描いた餅か?

昨日は深夜から降り続く激しい雨を見て、19日の国会前の立ちっぱなしの1時間半を思い出し、参加は見送ってしまった。
 
しかし午後からは雨も上がったのでデモはやるのかい、と思ったが、現地では雨は止まずデモは中止になったようである。
 
それでも主催者発表ながらも、9000人以上の熱心な人々が参加した昨日の「さようなら原発 さようなら戦争大集会」。
 
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いつもながら、原発関連集会を必ず報道しているのはこのメディアだけ。
 
<「避難者は困窮している」 脱原発集会で訴え>
 2016年9月23日 朝刊 東京新聞
20160923sayonaragenpatu.jpg 脱原発などを呼び掛ける「さようなら原発 さようなら戦争大集会」が22日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。激しい雨でデモは中止になったが主催者発表で9500人が集結。参加者はずぶぬれになりながら、東京電力福島第一原発事故から5年半がたった福島や避難者たちの現状報告を聞いた。
 原発事故被害者団体連絡会「ひだんれん」共同代表の長谷川健一さんが登壇し、「来年3月に飯舘村の避難を解除するというが、帰った後は何の補償もない。自己責任で帰れというのはおかしい」と訴えた。
 「『避難の権利』を求める全国避難者の会」共同代表の中手聖一さんは、福島から母子で自主避難をしている人たちが経済的に困窮している状況を報告。来年3月には自主避難者への住宅無償提供が打ち切られるが、「国は汚染した土地に戻って被ばくをするか、自主避難で貧困かの選択を避難者に押しつけている」と批判。避難者への住宅支援の継続や強化を求めた。
 前橋市の生協職員佐藤千晶さん(29)は「避難者の支援打ち切りは反対。国や東電は支援をし続けるべきだ」と話した。
 
放射能で汚染されたのは住民の責任ではなく、その住民を強制避難させておいて、6年目の来年の3月には「避難解除」するので故郷へ帰れというのは、余りにも現場を知らない、避難住民無視の政策である。
 
田畑は5年以上も放置していれば、元の農業に戻れるまでには莫大な時間がかかり、その間の生活保障は全くないのである。
 
2020年東京五輪を「福島復興のシンボルに!」との号令の下、聖火ランナーを「復興した被災地」に走ってもらおうと企んでいる連中の犠牲になるのが、除染も完全ではない地域に再び強制帰還させられる被災者たちなのである。   
 
そんな被災者を生んでしまった福島第一原発のその後は、相変わらずのドタバタが続いている。 
 
<福島第一原発 汚染地下水が大雨で急増 流出防止作業、廃炉の足かせ>
 2016年9月23日 朝刊 東京新聞
20160923fuku1sagyouin.jpg 東京電力福島第一原発では、相次ぐ台風による大雨で、護岸に近い敷地の地下水が急激に増加した。現場は連日、放射性物質の混じった地下水が海に流れ出さないよう護岸際の地下水ドレン(井戸)から水をくみ出し、建屋に移送する作業に追われている。 (山川剛史)
 特に厳しかったのが台風16号。20日ごろから地下水位が急上昇し、翌21日午前7時前、井戸の水位は地表ぎりぎりにまで達した。地下水に含まれる放射性物質の濃度は、建屋地下にたまる高濃度汚染水とは比べものにならないほど低いが、過去には放出基準(放射性セシウム137は1リットル当たり90ベクレル)を上回ったこともあった。
 今回は濃度を測定してから対応していると、井戸から水が噴き出し、海に流れ出す恐れがあった。このため東電は、井戸の周りに土のうを積み、井戸の仮設ポンプをフル稼働。さらにはバキュームカ14台も動員して移送作業を続けた。
 いったん水位は下がったものの、21日夜になると再び地表ぎりぎりまで上昇し、22日もくみ上げ作業は続いている。雨が降った数日後に水位のピークが来ることが多く、雨がやんだ後も気を抜けない。ただでさえ建屋に地下水が流入し、建屋地下の高濃度汚染水の水かさが増えて廃炉作業の足かせになっているのに、大量の移送も加わることになる。
 東電も、雨が地中に染みこまないよう土の部分は徹底的に舗装し、1〜4号機周囲には氷の壁で囲う凍土遮水壁を設けるなどしたが、いずれも十分に機能していないとみられる。
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当時の科学技術の粋を集めた原子力発電所も地震と大津波の前にはなす術もなく、電源を失い冷却系統の故障により炉心の温度が異常に上昇し、核燃料が融解し圧力容器の底に溜まるというメルトダウン状態になり、その後、高温により圧力容器の底が溶かされて燃料が容器の底を突きぬけるメルトスルーになってしまった。
 
そして圧力容器から流れ出た核燃料により汚染された汚染水は、遮水壁作戦も崩壊し、海洋に徐々に流れ込んでいるにが現状である。
 
それでも原発の再稼働を断念しない原子力ムラの面々。
 
目先の企業利益しか念頭になく、それが将来の日本の安全を脅かすかもしれないという想像力が欠如している。
 
さて、日本を取り巻く安全保障環境が変わったからと、戦争法を成立させてしまった安倍政権。
 
それから1年が過ぎ、実態は日本の安全保障ではなく、「米軍とのシームレスな活動」と強弁する日米軍事同盟の強化に他ならない。  
     
<安保法成立1年 米との共同訓練に内容反映、強化へ>
 毎日新聞 2016年9月20日 01時03分
<20160923anpohounagare.jpg 集団的自衛権行使を可能にし、自衛隊の役割を拡大した安全保障関連法の成立から19日で1年となった。政府は今後、米国との共同訓練に安保関連法の内容を反映させ、日米同盟による抑止力の向上につなげる方針だ。だが、新たな任務に対する反対論は根強く、国民への理解をどう深めるかが問われている。
 「(安保関連法は)自衛隊の任務と遂行能力を大きく拡大することを可能にした。米軍とシームレス(切れ目なく)に活動する自衛隊の能力を向上させる」
 米政府の政策決定に影響力を持つワシントンの主要シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で15日、稲田朋美防衛相は安保関連法の意義を強調した。
 安保関連法は、昨年4月に改定された「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)や2013年に成立した特定秘密保護法などと合わせ、平時から有事まで「日米同盟をより深化させる」(河野克俊統合幕僚長)という狙いがある。
 防衛省は約1年間の準備作業を終え、先月24日、安保関連法を反映させた訓練を解禁した。集団的自衛権行使が可能な存立危機事態や、後方支援の地理的制約を撤廃した重要影響事態などの想定が可能となり、10月以降の日米共同演習から取り入れられそうだ。
 政府は安保関連法が必要な理由として「抑止力の向上」を訴えてきたが、今年に入り、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射、中国の沖縄県・尖閣諸島周辺での活動はエスカレートしている。抑止力に対する懐疑的な見方もあるが、安倍晋三首相は12日、防衛省で自衛隊幹部を前に訓示し、「制度は整った。必要なのは新しい防衛省・自衛隊による実行だ」と強調した。
 一方で、重要な協力項目が進んでいない現状もある。日米間の後方支援の拡大に必要な物品役務相互提供協定(ACSA)の改定は、通常国会での審議日程が確保できないとして臨時国会へ先送りになった。平時の米艦防護を巡っては、どのような要件下で自衛隊が米軍を防護できるかについての調整が必要で訓練解禁に至っていない。与党関係者は「1年たっても始まらなければ、米側の期待も下がるだろう。作業を急ぐべきだ」と指摘している。
 自衛隊の国際協力活動の拡大も安保関連法の大きな柱の一つだ。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している施設部隊に対し、離れた場所に救援に向かう「駆け付け警護」や、他国軍と拠点を守る「宿営地の共同防護」の任務を付与するかが焦点となっている。政府は11月中旬に派遣する交代部隊に任務付与する方針だが、現地の治安は流動的だ。自衛隊に被害が出れば、政権を揺るがす事態にもなりかねず、派遣直前に最終判断する。
 南スーダンには約350人の施設部隊を半年交代で派遣しており、交代部隊として派遣される陸自第9師団は、今月14日に駆け付け警護などの実動訓練を始めた。駆け付け警護では、自分や管理下に入った人を守るためだけでなく、妨害する相手を排除する武器使用も認められるようになり、新たな武器使用基準への習熟が課題となる。
 また、民間人を誤射したり、本格的な戦闘に発展したりする可能性も指摘される。毎日新聞の今月の世論調査でも、駆け付け警護の実施に反対が48%で、賛成の39%を上回った。
 稲田氏は15日、ワシントンで記者団に「国民のみなさん、特に女性や若い方にしっかり説明することが重要だ」と述べ、安保関連法の広報に力を入れる方針を示した。【村尾哲】
 
昨年の戦争法成立後、安倍晋三首相や当時の中谷元・防衛相らは、「これから国民にさらに丁寧に説明する」ということを、「丁寧に説明」するばかりであった。
 
しかし結局口から出た言葉が「抑止力の向上」であった。
 
これは、誰に対する、どんな行為を「抑止」するのかが曖昧であった。
 
安全保障上の抑止力は少なくとも日本と外交関係が良好な国に対しては必要がないことは明らかであり、その対象は米国が警戒する北朝鮮、中国、ロシアといった共産国である。
 
それでは、この1年間にどのような変化が現れたのであろうか。     
 
<安保法成立前後の1年比較 「抑止力高める」統計伴わず>
 2016年9月23日 朝刊 東京新聞
20160923anposeiritugo.jpg 昨年9月19日に成立した安全保障関連法。安倍政権は安保法は抑止力を高めると説明しているが、成立前後の1年間の統計を比べると、日本周辺で緊張を高める北朝鮮や中国などの活動は、成立後の方が活発化。政権の主張通りにはなっていない。 (新開浩)
 安倍晋三首相は、安保法が施行される直前の今年3月の国会答弁で、安保法について「日米同盟が強化され、抑止力が高まり、地域の平和と安定が保たれていく」と述べた。
 しかし、実際の統計では、昨年9月19日以後の1年間と、法成立前日までの1年間を比べると、成立後に北朝鮮による核実験やミサイル発射が極度に増加。結果的に、日本周辺の緊張は高まっている。
 北朝鮮の核実験はこれまで3〜4年おきに行われていたが、成立翌年の今年は1月に3年ぶり4回目の実験を行ったのに続き、今月9日にも5回目を実施。北朝鮮は「核弾頭の爆発に成功した」との声明を発表した。
 弾道ミサイル発射数も法成立前の1年間は、昨年3月のスカッド2発だったが、成立後は今年2月以降の13回にわたる計21発に急増した。8月と9月には、日本の排他的経済水域(EEZ)に相次いで着弾した。
 沖縄県・尖閣諸島周辺の中国公船による領海侵入も、成立後の一年間で延べ112隻に上り、成立前の1年間よりも増えた。海上保安庁によると、今年8月には延べ23隻が領海侵入し、尖閣諸島の国有化を宣言した2012年9月以降では最多となった。
 領海侵入が急増したのは、南シナ海の領有権を巡る中国の主張が仲裁裁判所で否定されたことを受け、安倍政権が中国は仲裁に従うべきだと主張していることへの反発とみられる。
 領空侵犯に備えた自衛隊機の緊急発進も、昨年10月から今年6月まで9カ月間の集計で計811回となり、昨年9月までの1年間の回数を既に上回った。811回のうち、中国機に対する発進が539回、ロシア機に対しては258回で、両国機への対処が全体の98%を占めた。
 
日本の戦争法は、みずから他国に仕掛けて戦争する、または戦争できる法律ではないことを、周辺国は良く分かっている。
 
したがって日本国領土に意図的に侵入しない限りは、日本の自衛隊は攻撃することはないので、さまざまな挑発行為をしているのであろう。
 
いくら安倍晋三が「抑止力は高まった」と強がって見せても所詮、日本は米国の命令でなければ戦争はできないと喝破されているからであろう。
 
ある筋の情報では、米国は「米中関係」の中で、日本の軍国化は米国がコントロールしていると伝えているらしい。 
  
それ故に北朝鮮はもとより、中国も日本には決して屈しない姿勢は崩していない。
 
しかし、最も恐ろしいことは、思い上がった日本の最高権力者の「バカ殿」が、日本の真の力を見せつけてやると「先制攻撃も辞さない」とばかりに、挑発に乗って尖閣諸島や直接は関係ない南シナ海に自衛隊機や艦船を派遣させることではないだろうか、とオジサンは思う。  

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2016年09月22日

いくら注込んでも、何年経っても文殊の知恵には届かなかった

3年前の4月頃、「強引な2・2・2の語呂合わせ」の中で、以下のようにつぶやいたことを思い出した。
 
物価が年々下がり賃金も下がるというデフレスパイラルから脱却したいという安倍晋三首相の強引な人事によって実現したのが、デフレファイターの黒田東彦日銀新総裁。
新たな枠組みによる金融緩和の実施を決定した。デフレ脱却の目標時期について「2年程度の期間で消費者物価上昇率2%を実現する」とした上で、金融市場に供給するお金の規模を2年間で2倍に拡大する。
茂木敏充経済産業相は新たな金融緩和策に対して、2%の物価上昇率目標を2年程度を念頭に早期達成、資金供給量を2年間で2倍、国債保有額・平均残存期間を2倍以上とした一連の金融政策について、「2%、2年、マネタリーベース2倍、そして国債2倍と、ツー・バイ・フォーだ」と表現した。
  
それから2年後に実現したのは、「マネタリーベース2倍、そして国債2倍」程度であり国民の暮らしにはなんら役に立つものではなかった。 
 
それにもかかわらず、日銀は黒田東彦総裁のもとで進めてきた大規模金融緩和策の「総括的な検証」を行い、併せて「新しい枠組み」を発表した。 
 
「新たな枠組み」が失敗したら「新しい枠組み」に言い換えればうまくく行くのだろうか。
 
まるで消費増税を見送った時の安倍晋三首相の「新たな判断」と同じように、色あせたその場しのぎの言葉の遊びとしか思えない。
 
毎日新聞の社説では「黒田日銀の転換 あの約束は何だったか」と題して痛烈に批判していた。
 
・無謀な実験は失敗に終わったということだ。
・日銀自身は、誤りを認めようとしない。黒田総裁は、政策の限界が枠組みの変更をもたらしたとの見方を、記者会見で強く否定した。
・日銀は検証の中で、14年の消費税引き上げの影響や海外の景気の鈍化を挙げているが、政策のプロなら、想定外とは言い訳できないだろう。
・確かに原油価格の激しい下落は、予想の域を超えたものだった。これについて日銀の検証は、米国などに比べ、日本人の将来の物価予想が、現実の物価動向に左右されやすいためだとした。長引いたデフレや、春闘という日本特有の賃上げ交渉が、短期的な物価下落の影響を受けやすくしていると説くが、明らかな言い訳、責任転嫁である。
・将来に重大な問題を残した異次元緩和策の責任は、日銀だけにあるのではない。アベノミクスの第一の矢に頼った政府の責任も問われる。
 
「無謀な実験は失敗に終わった」のは安倍政権が強引に進めた金融政策ではなかった。
 
今年の参院選前には、こんな記事が載っていた。 
 
<(核リポート)「もんじゅ」迷走、抜本的に見直す好機>
 2016年7月1日17時36 朝日新聞DIGITAL
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存続が揺れる高速増殖原型炉「もんじゅ」

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の存続に向けて、文部科学省が対応策を検討している。管理不備などが相次いだことを受けて、原子力規制委員会が、運営主体の日本原子力研究開発機構を「失格」と判断したからだ。7月10日の参院選までにはっきりした結論を出せば選挙に影響する可能性もあるだけに、関係省庁の動きは静かだったが、選挙後は議論が進むとみられている。
 ■有識者委員「責任ある対応を」
 「役所同士のさやあてみたいなことはご勘弁いただきたい。責任ある対応をしていただきたい。もうちょっと大きい場を設定して、腹を据えてしっかりと軌道修正しなければならない」
 5月下旬に開かれた文科省の有識者会合の最終回。委員から、こんな意見も出された。
 無理もないだろう。もんじゅのあり方を検討する場のはずなのに、有識者会合が昨年12月に設置された当初から、もんじゅの管理・運転体制の問題だけを焦点に議論を重ねてきた。もんじゅの存在意義自体、エネルギー政策の中であいまいになっているにもかかわらず、文科省サイドは核燃料サイクルの議論には踏み込まないという姿勢を崩さなかった。委員にも次第に消化不良気味の雰囲気が漂っていった。
 ことの発端となったのは原子力規制委員会の勧告だった。昨年11月、度重なる検査不備などの問題で、「原子力機構はもんじゅの出力運転を安全に行う主体として必要な資質を有していない」と断じた。そのうえで、文部科学相に対し、次の2点を求めた。
 @「機構に代わってもんじゅの出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定すること」
 A「もんじゅの出力運転を安全に行う能力を有する者を具体的に特定することが困難であるならば、もんじゅが有する安全上のリスクを明確に減少させるよう、もんじゅという発電用原子炉施設の在り方を抜本的に見直すこと」
 つまり、原子力機構以外で、適切な管理や運転ができる組織を見つけるか。あるいは、燃料を取り出すなど出力運転できないような措置を取って、研究施設としての性格を見直すか。いずれかを求める内容だった。
 このうち、文科省は@に絞って、有識者会合で議論を進めた。Aでは、「もんじゅ」ではもはや発電しないということを指し、事実上の廃炉になるもので、推進官庁の文科省としては、とても考えられる選択肢ではなかった。
 結局、有識者会合は5月の最終会合で、新組織に求められる要件を列挙するにとどまった。
 職員の意識を向上させたうえで、運転・保守管理や品質管理の能力向上に向けて、外部から人材を招くことや、監督官庁に代わって、組織運営の改善や、安全規制の要求に的確に対応するため、外部の専門家を招いた経営協議体を設置することを決めた。
 この報告書を受けて、文科省は、原子力機構から、もんじゅの運転開発部門を切り離し、新たな組織を設立することも検討しているが、関係者間には「争点にしないため参議院選挙前は何も決まらないだろう」という見方が強かった。
 有識者会合の報告書では、もんじゅで使うようなナトリウム技術は「現状として原子力機構にしか存在しない」とした。現実には、原子力機構の職員を柱にした組織にせざるを得ない。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は「看板の掛け替えは認められない」という姿勢を示している。文科省が新たな組織を提示しても、規制委員会が認められないという反応を示す可能性は高い。
 新たな運営主体が認められなければ、勧告の二番目にある、リスクの減少ということになる。そうなれば、研究開発が再開できるか見通しのないものに、予算がいつまで続けられるのか不透明だ。
 一方で、勧告には法的な強制力はない。文科省が、新たな組織の申請をすれば、規制委は受け取らざるを得なくなる。文科省内にも「審査の中で、どこが悪いのか見てもらいたい」という声もある。泥沼状態が続く可能性もゼロではないだろう。
・・・後略・・・
 
省益を第一に考えるのは文科省に統合される前の「科学技術庁」の残党の面々だとオジサンは思っていた。
 
無駄飯食いの「もんじゅ」の廃炉に関しては積極的な経産省に対して、科学技術庁のDNAが残っている文科省とは、「もんじゅ」に対する思入れに大きな溝が存在するようである。 
 
「日本エネルギー会議」の客員研究員の安方護明氏が寄稿した「科学技術庁のDNAはどこに引き継がれたのか」にはこんなくだりがある。
 
旧科技庁は、事務系のエリート官僚が主流を占める中央官庁の中にあって、理工系出身者の技官が事務次官をはじめとする主要幹部ポストに就く機会のある数少ない官庁であった。それだけに、科学技術の進歩や人材育成に積極的な姿勢を重視する風土が存在していたといっていい。原子力の平和利用を「国策」として推進しようという政治的な機運の高まりを受けて、1956年に誕生した旧科技庁には原子力行政を担う科学的、総合的な役割が期待されていた。科技庁長官は大臣ポストであり、原子力委員会の委員長もつとめていたのである。
ところが、中央省庁再編に伴い、原子力局は内閣府原子力委員会、経済産業省の外局である資源エネルギー庁、文部科学省に所管が分割され、原子力安全局は内閣府・原子力安全委員会事務局、資源エネルギー庁と同じく経産省の外局にあたる原子力安全・保安院、文科省へと所管が移された。あわせて、原子力委員会と原子力安全委員会は内閣府の審議会となり、原子力委員長は大臣ポストではなくなり、日本の原子力行政の中枢を担ってきた旧科技庁が解体の運びとなったのである。  
 
したがって、上記文章によって原子力規制委員会が出した2つの勧告もこんな風に読みとれる。
 
@「機構に代わってもんじゅの出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定すること」
A「もんじゅの出力運転を安全に行う能力を有する者を具体的に特定することが困難であるならば、もんじゅが有する安全上のリスクを明確に減少させるよう、もんじゅという発電用原子炉施設の在り方を抜本的に見直すこと」
   
ようするに、理工系出身者の技官が減少したことにより、必然的に「能力を有すると認められる者」が育てられなかったのではないだろうか。  
 
当然ながら、もんじゅの廃炉は既定路線に入ってきた。 
 
<もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持>
 2016年9月22日 07時04分 東京新聞
20160922monjyu_tokyou.jpg 政府は21日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について関係閣僚会議を開き、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す。もんじゅにはこれまで国費1兆円以上をつぎこんだ。再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。
 菅義偉官房長官は閣僚会議で「高速炉開発は、原発の新基準の策定など大きな情勢変化がある。本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」と述べた。
 核燃料サイクルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する。プルトニウムを燃やすもんじゅはサイクルの柱だ。もんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉「常陽」(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討される。
 廃炉も容易ではない。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の試算によると、30年の期間と3000億円の費用がかかる。地元の福井県には、松野博一文部科学相が陳謝し、直接出向いて事情を説明した。
 もんじゅは、消費した以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」とされた。半面、危険なナトリウムを冷却材に用いる必要があり、構造も複雑。1994年に本格稼働したものの95年にナトリウム漏れ事故を起こして停止した。その後もトラブルが相次ぎ、稼働日数は250日にとどまる。停止状態でも1日あたり約5000万円の維持費が必要だ。
 原子力規制委員会は昨年11月、約1万点の機器点検漏れなどを受け、所管する文部科学省に新しい運営組織を示すよう勧告した。運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団に始まり、すでに2回変更されている。文科省は新しい受け皿を探したが、電力会社は難色を示し、引き受け手はなかった。
◆核燃、既に12兆円 本紙調べ
 高速増殖原型炉「もんじゅ」を中心とした核燃料サイクルには、少なくとも12兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明している。施設の維持・運営費で年間約1600億円が新たにかかる。
 本紙は1966年度から2015年度までのもんじゅや再処理工場、取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料工場、高レベル廃棄物の管理施設の建設費や運営費、必要になる廃炉・解体費などを積算した。立地自治体への交付金も足しているが、通常の原発向けと判別が難しい場合は、全額を除外している。
 その結果、判明しただけで総額は計約12兆2277億円。主なものでは、もんじゅは関連施設なども含めると約1兆2000億円。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブル続きで稼働していないが、7兆3000億円かかった。
 核燃サイクルのコストを巡っては、電力会社などでつくる電気事業連合会が03年、建設から最終処分までの総額は約19兆円と試算している。
・・・後略・・・

もんじゅでは、主な燃料がプルトニウム。中性子を高速でぶつけ、燃料周囲に置いた「燃えないウラン」をプルトニウムに変える。燃料が増えるので、「高速増殖炉」の名があるが、トラブルも一緒に増えているのも事実である。
 
それでは、なんで「もんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉『常陽』(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討され」ているのか。 
 
<核燃サイクルの国策やめられない理由 もんじゅ廃炉でも>
 2016年9月21日10時21分 朝日新聞DIGITAL 
20160922kakunencycle_asahi.jpg
 日本のエネルギー政策の根幹は、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して使う核燃料サイクルだ。もんじゅでプルトニウムを増殖させて使う高速増殖炉のサイクルと、プルトニウムとウランを混合したMOX燃料を原発で使うプルサーマル発電のサイクルの二つがある。
 プルサーマル発電を進める経産省は、もんじゅが廃炉になっても、当面は核燃料サイクルがまわると主張する。
 福島第一原発事故以降、原発の安全性に対する社会の目は厳しい。現在稼働中の原発は3基しかない。再稼働の旗を振る経産省にとって、もんじゅがまたトラブルを起こし、それが原発政策に飛び火するリスクは避けたいのが本音だ。もんじゅにこだわり続ければ、「原発政策全体に悪影響を及ぼしかねない。廃炉はやむを得ない」。経産省の幹部はこう漏らす。
 経産省は、エネルギー政策からもんじゅの「切り離し」を進めてきた。2014年改定のエネルギー基本計画で高速増殖炉の実用化の記載は消された。
 高速増殖炉は使った以上のプルトニウムを生み出す。資源の少ない日本ではエネルギー不足の解消にもなるとして開発が進められてきた。だが、ナトリウムを冷却材に使う技術的なハードルも高く、世界で高速増殖炉のサイクルを実用化した国はない。ウラン燃料を原発で使う方が安い状態が続いている。
 とはいえ、もんじゅを廃炉にすれば、再処理で取り出したプルトニウムの消費先が減る。日本が保有するプルトニウムは国内外で計約48トン。原発を稼働させながら、プルトニウムを確実に消費する新たな「絵図面」が描けなければ、核保有国になろうとしているという懸念を国際社会に与えかねない。
 経産省は、フランスが30年ごろの運転開始を目指す次世代高速炉の実証炉「ASTRID(アストリッド)」計画に協力することで、高速炉研究の旗は降ろさず核燃料サイクルの枠組みを維持する構想を描く。
■文科省幹部「絵に描いたもちだ」
 もんじゅ無しで核燃料サイクルをまわすという経産省の主張に対し、文科省幹部は「まさに絵にかいたもちだ」と批判する。
 「高速炉がなければプルサーマルでもプルトニウムはたまり続ける。いずれ核燃料サイクル政策、ひいては原子力政策全体が立ちゆかなくなる」
 そもそも、原子力規制委員会の勧告は廃炉を求めていない。文科省の幹部は「存続を前提に作業をしてきたのに、なぜ急に廃炉というのか。廃炉うんぬんの前に国策である高速炉開発をどうするのか、きちんとした議論が必要だ」と憤る。
 文科省は規制委の勧告を受け、現在の日本原子力研究開発機構に代わる運営主体として新法人の設立を内々に省内の案としてまとめた。参議院選挙後に首相官邸の協力を取り付ける予定だったが、首相官邸は首を縦に振らなかった。
 経産省が構想に入れる高速炉アストリッド計画についても異を唱える。アストリッド計画はまだ基本設計段階で、資金ぐりを背景に、詳細設計に入る前に見直しも予定されている。
 文科省幹部は「もんじゅ廃炉後、どうやって核燃料サイクル政策を維持するのか、現実的な案を見せるべきだ」と話す。
 
文科省と経産省の綱引きは容易には終わりそうもないが、はっきり言えるいえることは、26年間もかけて12兆円以上を浪費しても結果が出せず、誰も反省も謝罪もせず、責任を取らないことであり、それだけの予算を社会保障や社会福祉に振り向けていたら、おそらく子供の貧困とか待機児童とか年金とかの問題は、いまほどに深刻になっていなかったに違いない。
 
最も不愉快なことは、「本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」という菅義偉官房長官の発言であり、これはひょっとすると、経産省にうまく担がれている軽い神輿の安倍晋三首相に「私がもんじゅの廃炉を決断しました」と言わせ、さらに内閣支持率を向上させ、その勢いで年末総選挙に突入するのではないのだろうか、とオジサンは思う。

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2016年09月21日

「私が最高責任者」の腰巾着が「廃炉費用負担は私が判断!」

国会議員の劣化が指摘されて久しいが、どうやら最初から劣化していたような地方の市・県議員がいたらしい。
 
ドミノ式にというのか「泥縄的」といったらいいのか、次から次へと「政治活動費」を「生活費」と思い込んでいた富山市議の辞職者は、遂に市議会議長までもが辞職し、総計9人となった。
 
政活費不正 富山市議長、辞職へ…9人目、架空請求認める」    
 
そして今度は「政活費不正 今度は山形の自民県議 辞職願を提出」とまたもや自民党議員が辞職したのだが、聞くところによると、政治活動費(政活費)の使途を定めた県議会の手引では、会議での飲食費に充てることは不可とされ、茶菓子代への支出が例外的に認められているという。
 
この例外的に認められている「菓子代」名目で他の用途に使っていたらしい。
 
もっとも、政治活動であるならばどんな領収書でも「お咎めなし」という「政治資金規正法」を悪用している国会議員連中の方がもっと悪質であることは間違いない。
 
豊洲新市場の「盛り土なし」の地下空間問題に関しては、かなりの責任者たちの存在が明らかになってきたのだが、残念がら「記憶がない」・「覚えていない」とか副知事への責任押しつけなどと、醜い事態に入りつつあり、白紙撤回という声も巷には広がってきているようである。
 
さて、以前「国民ファーストならぬ大企業ファーストの原発政策」の中で、こんな風につぶやいた。
 
<オジサンの主張>
・廃炉や賠償の費用は大手電力が経営努力で電気料金から回収すべきである。
・廃炉や賠償の費用を入れても原発は安いと言っていた主張と矛盾するのでこの政策は馬鹿げている。
・原発のない新電力や沖縄県の契約者が費用を負担するのはおかしい。大手電力の救済ではないか
しかし、福島第一原発の大事故から5年も経つのに全く反省も学習もしていない政府は、まさに絵にかいたような「大企業ファースト」を地で行っている。 
 
そしてついに、「大企業ファーストの原発政策」が現実的になろうとしている。
 
福島の廃炉、国民負担8.3兆円 新電力にも負担要求」 
 
20160921_asahi.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
朝日新聞の記事のタイトルより分かり易いタイトルの記事がこれ。
 
<原発電力の購入拒否でも 全原発の廃炉費用は国民負担>
 2016年9月21日 朝刊 東京新聞
20160921siensakuimage.jpg 経済産業省は、東京電力福島第一原発の廃炉や事故処理にかかる費用のほか、他大手電力が保有する原発も含む廃炉費用を、原則としてすべての電力利用者に負担させる方向で調整に入った。電気料金に含まれる「託送料金」に費用を上乗せする案が有力だ。同省の方針通りに決まれば、4月の電力小売り自由化で大手電力会社以外と契約した消費者も費用を支払うことになる。
 福島第一原発関連の費用に加え、すべての原発に必要となる費用がいくらかかるのか、上限が見えない中で、同省の方針通りに決まれば消費者の負担はさらに増えていく。原発を保有する大手電力会社ではなく、原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針は批判が避けられそうにない。
 同省が費用の上乗せを考えている「託送料金」は、大手電力会社の送電網を使うための「利用料」のようなもので、修繕費など送電網の維持管理に必要な経費を基に国が認可し、すべての電力利用者の電気料金に上乗せされている。主に原発の維持に充てられる電源開発促進税も含まれ、東京電力管内では1キロワット時当たり8.57円。ここに福島第一原発の廃炉や除染、賠償に必要な費用やほかの原発の廃炉費用も上乗せする案を軸に調整する。
 同省は、原発による電力の一部をすべての電力会社が安く利用できる仕組みを整えることで「国民への恩恵がある」(経産省関係者)とし、消費者に上乗せの理解を求める方針だ。
 20日に有識者会合「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」(東電委員会)「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を設置することを発表。年内に正式な結論をまとめ、2017年の通常国会に電気事業法の改正案を提出する考えだ。
 同省の方針通りになれば、消費者はどの電力小売り事業者と契約していても、原発に必要な費用を負担する可能性が生じる。料金が高くても原発による電力を売らない会社や、電源の種類を選ぼうとする消費者の意向に背くことになる。
 福島第一原発では廃炉や除染、被災者への賠償にかかる費用が13年の見通しを上回っている。東電の数土(すど)文夫会長は今年7月に「越えるべきハードル(負担)が見えないと、責任を持てない」と政府に支援を要請。自民党も対応を求める提言をまとめていた。同様に12年にも国に支援を求め、国民の負担を強めた。誰も責任を取らないまま国民負担が膨らむ構図は、今でも変わっていない。
 一方、ほかの原発の廃炉費用は同省が15年の有識者会合「廃炉に係る会計制度ワーキンググループ」で、すべての電力利用者から徴収する方針を示していた。電力の自由化で大手電力会社から顧客が流出すると、廃炉費用を工面できなくなる可能性があるためだとしている。
 
「原発による電力の一部をすべての電力会社が安く利用できる仕組みを整えることで『国民への恩恵がある』」という理屈にはかなり無理がある。 
 
自家発電している一般家庭では、自分で作った電気を使う事が出来るが、電力会社から送られている電気は、どこで、誰が発電した電気なのかは見分けがつかず、原発から送られる電気を拒否することもできない。
 
そもそも原発の廃炉費用は各電力会社が毎年積み立てており、それは自己責任で額の増分を考えれば良い話である。
 
長年、原発所有電力会社は、電気料金に原価の他に「原価の4.4%」を報酬として上乗せる「総括原価方式」により必ず利益が出るように守られてきているため欧米諸国と比較して日本の電気料金は家庭用でも産業用でも高くなっている。 
 
本来ならば膨大な内部留保をこのような廃炉や事故処理費用に充てるべきではないだろうか。
  
それを政府に泣きつき、廃炉費用を国民負担にさせるという、国民にとってはまさに問答無用の徴収である。 
 
長らく安倍晋三首相の黒子の存在のように、どこにでもくっついて世界中を回っていた首相補佐官が、経済産業大臣になったら、今まで仕えていた「バカ殿」のような言動を取るようになった。
 
<廃炉費用増大に世耕大臣「誰が負担するか私が判断」>
 テレビ朝日系(ANN) 9月20日(火)15時8分配信
 東京電力の福島第一原発の廃炉費用を巡り、世耕経済産業大臣は専門の委員会を設置すると発表し、「誰が費用を負担するかは最終的に私が判断したい」と述べました。
 世耕経済産業大臣:「賠償や汚染などの事故に伴う費用は増大し、東京電力の競争力確保は途上にある状況であります。この委員会で、専門家の皆さん、あるいは各省の声を集約して議論を頂いて、その結果を踏まえて最終的には私が判断したい」
 世耕大臣は来月初旬までに、増大する福島第一原発の廃炉や賠償の費用、さらに原発全般の廃炉費用について、誰が負担するかなど議論する2つの委員会を設置すると発表しました。これまで、福島第一原発の廃炉費用は事故を起こした東京電力が負担してきました。しかし、費用がかさみ、この廃炉費用に加え、賠償費用で足りない分、そして、これまで電力会社が積み立ててきた廃炉費用についても、突然、廃炉になると費用が足りなくなるため、利用者に負担させることが議論となります。この費用は、大手電力会社が保有する送電網の使用料金に上乗せして徴収する案が検討されています。経産省は年内に議論をまとめる方針です。
 
2011年の3月11日に発生した東日本大震災で大津波の被害に遭い、復興支援として「復興税特別税」として、2013年1月1日からの25年間、所得税には税額に2.1%を上乗せするという形で徴収されており、これは国民にとっては不公平感はない。 
 
しかし、「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」ノメンバーたちは決して「第三者」とは限らず利益代表や御用学者が名を連ねている「原子力ムラ」の住民たちらしい。
 
そんな会議の結論により、世耕経済産業大臣が「私が判断する」と言い切ってしまうことに対しては、
 
「いや、決めるのは君じゃなくてw選挙で問え!そして議会で決めてww国民の前に株主と出資者の銀行だろ!」
「あんたが決めるのか? 国民に負担させると決めているんでしょ。白々しい。」
「なんだ、この最高責任者気取り! もう新電力に廃炉費用を負担させる腹は決まっている。原発マフィアの原発マフィアによる原発マフィアのための原発行政。」
 
などと、多くの批判の声が上がっていた。
 
2016年4月に電力小売りの全面自由化がスタートし、2020年4月には大手電力会社の送配電網を発電部門から切り離す「発送電分離」が実現することになっている。
 
都市ガスについては2017年に小売りが全面自由化、2022年に大手3社のガス導管が分離される予定になっている。
 
大手が独占していた送配電網とガス導管は別会社となり、「新規参入者に公平なインフラ施設」となることが期待されており、東京電力の福島第一原発大事故を受け、政府が進めてきた一連の電力・ガスシステムの改革がこれで完成すれば、送配電網やガス導管の使用料金である「託送料金」のコスト計算が明確になり、さらなる料金の引き下げが期待されるというシナリオが、東電をはじめとする電力会社の利益を守るための政策により、完全に「3.11以前」に戻ってしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年09月20日

あきらめない雨中の23000人と往生際悪い伏魔殿の主

多少の雨は覚悟して出かけた昨日の国会前。
 
なんとか正門近い並木通りの石垣に座って、霧雨模様の中で開会まで待つこと約1時間。
      
「八王子生まれ・育ち!国会前デモの美人女闘士」とネット上で評判(?)の、「許すな!憲法改悪 市民連絡会。解釈で憲法9条壊すな!実行委員会。戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の街頭宣伝を企画担当している菱山南帆子嬢の司会で始まる。
 
さっそく例のコールが始まるが、正直なところ最近はこのコールは少々耳に付く。     
    
それでも周囲に座っている昭和前期生まれと思われるお姉さんたちは元気よくコールに応える。
 
 
 
開会冒頭、野党の代表が挨拶を始めた。
 
戦争法1年 国会前 4野党代表が勢ぞろい
 
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(写真)そろってコールにこたえる4野党代表。左から福島、岡田、志位、木戸口の各氏=19日、国会正門前
  
 
なぜか野党第一党の民進党の代表は、岡田克也元代表。
 
本来ならば生きのよい新しい代表が来てもよさそうなのだが、それができない複雑な内部事情を抱えている民進党。
       
「今日は雨の中、こんなにたくさんの皆さま、ありがとうございます」と岡田元代表が言った時、オジサンは思わず「お前にために来たのではない」とヤジったら、志位和夫共産党委員長ファンらしきお姉さまたちから、大きな笑い声が聞こえた。
 
段々と雨脚が強くなり座っていられず立ち上がり、傘を差しながらの1時間半余りの抗議行動に耐えた。
 
それでも一部を除けば、発言者の話の内容はそれぞれの立場から興味深い話も飛び出した。
 
元自衛官の人は、稲田朋美防衛相が17日に予定していた南スーダン訪問を取りやめた理由をこんな風に話していた。
 

 
実は南スーダンの首都ジュバは、日本政府は認めていないが既に内戦状態になっており、「稲田朋美防衛相がそこでPKOに参加している陸上自衛隊部隊を視察するためには『公人エスコート』が必要であるが、現地の自衛隊には公人擁護の命令を出しておらず、替わりに現地滞在の韓国軍や中国軍に依頼することをも出来ず、アレルギー症状を発症したことを理由に取りやめた・・・らしい」
 
まあ、主催者発表といえども、かなりひどくなった雨の中、よくも老々男女がこんなに集まったものである。       
    
戦争法1年 たたかい止まらない 国会前、雨つき2万3000人 市民と野党の共同さらに 全国400カ所超」 
 
2016092_akahata.jpg
(写真)戦争法廃止を訴える国会正門前行動の参加者=19日、東京都千代田区

 
安保法成立1年 廃止、諦めない…各地で抗議集会
 
20160919kokkaimae.jpg安全保障関連法の成立から1年がたち、国会議事堂(左奥)近くでの抗議行動に雨の中でも集まる人たち(右)。左は警戒する警官らと報道陣=東京都千代田区で2016年9月19日午後4時31分、山本晋撮影
      
さて、そろそろ豊洲新市場の「闇の劇場」もそろそろ閉幕を迎えるようである。
 
4.5mの盛り土で土壌汚染問題を解決することを前提に豊洲新市場移転が決まったはずだったのが、その肝心の盛り土が全くされておらず、「立派な地下空間」が出来ていたという闇に包まれたミステリー。
 
すでに、「新国立競技場の二の舞いになるのか豊洲新市場」の中で、9年前の「第1回豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の議事録では、石原慎太郎元都知事に「下から」と言われた比留間中央卸売市場長が挨拶の中で、「建物建設地以外は掘削いたしまして土壌の入れかえ等を行い、その上に法令の指針を上回る厚さの盛土を行ってまいります。」という発言をしていた事実を示した。
 
その後、犯人探しが始まり二転三転しながらも、ようやく動かぬ証拠が出てきた。 
      
<盛り土、厚いコンクリで代替 設計時に都部局判断 豊洲市場>
 2016年9月20日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 東京都の築地市場(中央区)から移転を予定する豊洲市場(江東区)で、主な施設下に土壌汚染対策の盛り土がされなかった問題で、都の担当部局が設計段階で「(建物の1階の床下を)厚いコンクリートで隔てれば、盛り土と代替可能」と判断していたことが19日分かった。
 豊洲市場については、都の「専門家会議」が2008年、盛り土による対策を提言。しかし実際には、主な3棟などで地下に空間が設けられ、専門家会議の了承も得られていなかった。
 都中央卸売市場の元担当者は「厚さ10センチ以上という土壌汚染対策法の基準を満たすコンクリートがあれば、(盛り土でなくても)十分対応可能と内部で議論した」と明かした。
 11年3月に大手設計会社・日建設計に基本設計を発注する際、建物下部と地下空間を隔てるコンクリートを厚くするよう条件をつけ、結果的に厚さは35〜45センチに。ただ、揮発したベンゼンをコンクリートで遮断できるかどうかは当時、判断しなかったという。元担当者は「専門家会議に説明し、効果を確かめてもらうべきだった」と話した。
 一方、11年8月に都と業者の間で交わされた土壌汚染対策工事の契約時の仕様書に、豊洲市場の建物の下には盛り土をしない内容が明記されていることが分かった。契約書には当時の石原慎太郎都知事の印鑑が押されており、石原氏の当時の認識が問われそうだ
・・・後略・・・
 
朝日新聞では、さらっと「契約書には当時の石原慎太郎都知事の印鑑が押されており」と書いていたが、都知事の印鑑を局長レベルが簡単に押せるものではなく、当然内容を確認したうえで当時の石原慎太郎都知事が押印したとみるのが一般的である。
 
まさか、それが「メクラ判」とか、「俺が知らないところで勝手に押された」となれば、もっと大問題であろう。 
    
昨夜の国会前の行動から帰宅後、テレビのニュースを見て、すべての流れが明らかになったようだった。    
    
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【情報画像…Nスタ ニューズアイより】
    
    
<建物下に盛り土なし工事、石原元知事が契約承認>
 TBS系(JNN) 9月19日(月)19時21分配信
 豊洲新市場の盛り土問題について、小池知事へ週内に調査結果が報告されます。一方、2011年8月、豊洲新市場の建物の下に盛り土をしない工事の契約がかわされ、石原元知事が承認をしていたことがわかりました。
 「答えない。面倒くさい。同じことだ」
 18日、取材には答えないと話す石原元都知事。その石原元都知事の印鑑が押された工事契約書。タイトルは「豊洲新市場土壌汚染対策工事」。費用は333億4275万円、日付は2011年8月30日です。契約書に記された内容は・・・
 「豊洲新市場予定地における施設建築物の建設エリア以外の」
 「盛土」
 「汚染のおそれのない土で埋め戻すこと」
 新市場の建物以外に盛り土をする、つまり建物の下の盛り土を行わない契約書なのです。
 「私は下から聞いたことを皆さんに報告しただけ」
Q.下というのは?
 「市場長でしょ」(石原慎太郎元知事 今月15日)
 石原元知事は当初、2008年に市場長から、建物の地下を、盛り土ではなく、コンクリートの箱にする案を提案されたと主張。しかし、当時の市場長が反対に「石原知事から提案された」と主張すると、一転して自らの指示だったことを認めたのです。
Q.2、3聞きたいことが・・・
 「いいんです。同じことを繰り返すつもりはないから」(石原慎太郎元知事 18日)
 結局、この地下コンクリート案は採用されなかったものの、今回、2011年8月に豊洲新市場の建物の地下に盛り土をしない契約書を石原氏が承認していたことがわかりました。資料を入手した一級建築士の水谷和子氏は・・・
 「建設エリア以外については埋め戻すが、建設エリア以内は盛り土をしないということがここに明記されている」(一級建築士 水谷和子氏)
 契約書の日付については・・・
 「平成23年8月30日になっています」
Q.この時点では盛り土はしないと決まっていた?
 「そうです。それがあって、この契約に至ったということ」(一級建築士 水谷和子氏)
 19日、リオパラリンピックの閉会式後に小池知事は石原元都知事について・・・
 「当時のご担当の方の発言ということで、その意味では情報として意味があるのだろうと。私の出張中にこれまでの経緯を調べるように指示していたので、戻り次第、調査結果を知りたいと思っています」(東京都 小池百合子知事)
 新市場の移転に影を落とす地下空間。2009年7月まで市場長だった比留間英人氏によると、自分の任期中に地下を空間とする案はなかったといいます。地下を空間とする基本設計ができたのは2011年6月、そして、同じ年の8月、当時の石原知事が建物の地下に盛り土をしない契約書を承認。この間にどんな経緯があったのか、都は2009年以降の担当職員を中心に聴取を進めています。
 
20160913toyosutikakukan.jpg

 
・・・後略・・・
 
晩節を汚した石原慎太郎。
 
度重なる差別発言では立派な「レイシスト」の称号を頂戴しているが、自ら口走った「都は伏魔殿」といった言葉がそっくりそのままわが身に降りかかってくることは夢にも思わなかった哀しき老兵であろう、とオジサンは思う。      

posted by 定年オジサン at 13:03| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月19日

戦争法廃止!9.19国会正門前行動

今から9年前の11月18日深夜、ほとんど血の気のなくなった老父の左手を握っていた。
 
もう心臓の力だけで呼吸させられている老父の息遣いが、段々と弱くなるのを感じていた。
 
日付が変り、まだ外は暗い午前3時20分、老父は生と死の境から、静かに眠るように彼方に旅立った。
 
2007年11月19日午前3時20分、老父90歳の人生を終えた。
 
その後は49日、1回忌、3回忌と法事を行っていたが、喪主の母が認知症が激しくなり2010年から在宅介護をするようになり、亡父の墓前に行く機会がめっきり減ってしまった。
 
亡くなった父より現存している母の世話が忙しくなり菩提寺からも足が遠のいてしまった。
 
世の中には大切な人を亡くし、いつまでも忘れないために亡くなった月日ではなく、「月命日」といって、毎月その日に墓前にお参りする人たちがいる。
 
国民にとって大切な憲法が踏みにじられ、立憲主義が無視され、民主主義と平和主義の根幹を揺るがす「戦争法」が強行採決されたのが1年前の9月19日未明。
 
戦後70年間守られた平和国家が、今後は海外に自衛隊員が派兵され、他国の人々を殺したり、あるいは殺されるかもしれない法律が作られてしまった。 
 
その後、多くの人々が毎月19日、国会前に集まって抗議行動を繰り広げていた。
 
残念ながら集まる人は徐々に減っている。
 
しかし決して忘れてはならぬと19日は「月命日」と決めている人もいる。
 
そして今日は「戦争法」成立から1年、「立憲主義」が安倍政権によって葬られて1周忌。

「敬老の日」で彼岸入りの、亡父の「月命日」でもある。
 
諦めてはならない、まだ間に合うを合言葉に「戦争法」廃止を求めて声を上げ続けなければならない。
 
少々空模様が不安定だが、それにもめげずオジサンも今日は昔の仲間たちとこれから国会前に出かけることにする。
 
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posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月18日

戦犯が生き返り、伏魔殿の主の真意が明らかに

昨日の「安倍晋三退治ではなく安倍政権と対峙とは?」の中では、「蓮舫新代表は野田氏を幹事長に指名して戦犯からの復権を図ったが、代表選挙の結果を見て自公は『55年体制』が復活したかのように考えにんまりしたのではないか。」というジャーナリストの田中良紹の言葉を紹介した。
 
しかし、最後に「55年体制とは少々異なる『政権は狙わないが対立する』野党の出現が待望されるのではないだろうか」とつぶやいた。
 
当然ながら民進党が総選挙で大敗し壊滅状態になることを想定して共産党の躍進を念頭に置いたものであった。 
 
それにしても、「野田幹事長」誕生には、小沢一郎シンパの掲示板では容赦ない批判が沸騰していた。
 
ネット上でも、安倍政権には反対しているが、それに代わる政権担当能力がある野党が存在していないことにいら立つ層が、民進党に激しく剥きだしの感情をぶつける人もいた。

●「選挙で惨敗して四分五裂では目も当てられないので、新代表はすぐ潰すべきです」
あるいは、もっと望ましいのは以下でしょう。
●「選挙で惨敗して四分五裂では目も当てられないので、さっさと選挙前に四分五裂すべきです」
これが唯一の国民の信を取り戻す方法でしょう。


 
野田佳彦は、2012年民自公3党合意という密室での取引で、完全に「自民党野田派」になり下がり、自民党に政権を渡してしまい「民主党大敗北」の戦犯としての反省も謝罪もないままに、4年後に蘇ってしまった。
 
ひょっとすると、本当に今の民進党を分裂させ、自民党のDNAの持ち主らを自民党に送り返すことを狙っているのかもしれない。
 
共産党との野党共闘には明らかに反対していた野田佳彦の民進党幹事長起用に対しては、共産党からはこんな余裕の発言があったらしい。
 
<共産・小池晃書記局長「私は色んな人と仲良く話ができるので心配していない」 民進・野田佳彦幹事長起用で>
 産経新聞 9月16日(金)19時27分配信
 共産党の小池晃書記局長は16日、民進党の新幹事長に野田佳彦元首相が起用されたことについて「安倍晋三政権の暴走を止めて立憲主義を取り戻すために力を合わせたい」と述べた。党本部で記者団に語った。
 野田氏はかつて集団的自衛権の行使容認を主張しており、今後の野党共闘への影響を問われた小池氏は「私は色んな人と仲良く話ができるので心配していない」と強調した。野党4党の選挙や国会対策での協力をさらに進めるため「建設的な話し合いをしていきたい」とも語った。
 
都知事選では共産党は支持者の2割近くを失った。
 
その前の参院選でも「目をつむって民進党候補者に投票した」というコアな支持者の声が多かった。
 
党勢も最近は伸びてはおらず、本来の共産党らしからぬ言動も多く、政権選択の総選挙では小選挙区での候補者擁立を回避すれば、ますます共産党支持者が離れていくことは確実である。
 
従って民進党野田幹事長が野党共闘に後ろ向きな姿勢を示せば、大義名分が出来て独自候補を立てることができる。
 
まあ、こんなことを勝手に想像したところで何も変わらないかもしれないが・・・。  
 
ところで、共産党都議団の地下室調査で明るみに出た「盛り土消滅」問題。
 
消滅させた張本人や犯人探しに豊洲新市場の場外では大いに「盛り上がって」いたが、先週の動きをもう一度おさらいしてみる。
 
◆9月13日 「石原慎太郎氏、築地移転問題に「僕はだまされたんですね」…BSフジ番組で語る
◆9月15日 「豊洲新市場“盛り土案潰し” 真犯人は石原元都知事だった
◆9月16日 「“盛り土”弁明が命取り 石原ファミリーが政界から消える日」 
◆ 同   「豊洲盛り土問題で犯人が石原慎太郎だとわかった途端、ワイドショーが一斉沈黙!『下から聞いただけ』も嘘だったのに」 
◆9月17日 「石原氏が発言訂正、地下利用案『私が言った』 豊洲市場
 
最初はとぼけていたが、メディアに裏を取られ自分の嘘がばれて最後は発言を訂正し、自分が地下利用案を部下に指示したと認めたのだが、実際にはコンクリート製の箱を埋める案は費用の問題から部下から拒否されたらしい。
 
しかしその裏では石原都政の失政を取り繕う策略があり、取り巻き連中が都知事の意向を忖度した可能性が強くなったらしい。
   
<食の安全より保身…石原元知事が「盛り土」ケチった事情>
 2016年9月18日 日刊ゲンダイ
20160918isiharasintarou.jpg
巨額の血税をドブに捨て非難されていた(C)日刊ゲンダイ

 なぜ専門家会議が提言した「盛り土」が行われず、地下に空間がつくられたのか――。東京都の豊洲市場問題の大きな焦点だ。石原慎太郎元都知事は、「私はだまされた」「他人任せにしてきた」などと呆れた発言を繰り返しているが、当時の状況を調べてみると、工法変更の裏に経営危機に陥った「石原銀行」の存在があった。慎太郎氏の責任は重大だ。
 豊洲市場予定地で環境基準の4万3000倍という高濃度のベンゼンが検出された08年5月。土壌汚染対策について当時の慎太郎知事は定例会見でこう発言している。
〈もっと費用のかからない、しかし効果の高い、そういう技術があるかもしれない〉(08年5月16日)
〈技術的なことをリサーチするのは私たちの責任。いたずらに金をかけることで済むものじゃない〉(08年5月23日)
 その年の7月に専門家会議の最終報告で「盛り土」が提言されるのだが、それまでの過程で慎太郎氏が、汚染対策にかかる“カネ”をしきりに気にしていたことがわかる。安全よりも工費優先か、とツッコミたくなるが、費用を抑えるのは都民のためじゃない。ズバリ“保身”だ。
■1400億円救済で針のムシロだった
 都庁の内情に詳しいジャーナリストの広野真嗣氏がこう言う。
「専門家会議の最終報告を愚直にそのまま実現しようとすると、費用は1000億円を超えると推計されました。タイミングの悪いことに、その直前の08年3月の都議会で経営不振だった『新銀行東京』について、1000億円の減資と400億円の追加出資を決めたばかりだった。そのため当局は、豊洲の土壌汚染対策について、新たな財政支出をなるべく抑えた上で、効果的な方法を模索せざるを得なくなったのです」
 慎太郎氏の“肝いり”で05年4月に開業した「新銀行東京」は、計画段階から都庁内で「自治体が税金を投入して銀行を経営して大丈夫なのか」と懸念された通り、多くの融資が不良債権化し、わずか3年で1016億円の累積赤字に転落した。事実上の倒産状態を救済するため、東京都は08年3月の議会に1000億円の減資と400億円の追加出資を提案。議場にヤジと怒号が飛び交う中、慎太郎氏が「都民の皆さまに、深くおわび申し上げます」と頭を下げ、提案を通してもらったのだった。
 1000億円の血税をドブに捨てた直後で、針のムシロの慎太郎氏だ。これ以上、都民に批判されないよう、豊洲問題でさらなる1000億円規模の支出は何としても避けたいと考えたのは、想像に難くない。
「そもそも石原知事は豊洲市場のことに関心がなかった」(都庁OB)という声もある。都民のための「食の安全・安心」にカネをかけるより、自分のメンツが大事。やはり豊洲問題の真犯人はこの男だ。無責任な態度は許されない。
 
結局のところ、大山鳴動して明らかになったのは伏魔殿の主がすべての始まりであり、その後、「盛り土をしている」と考えてきた職員と「地下に施設を造った」と把握していた職員の「両方の思い込みがそのままにきて、今回のような事態になっている」と説明されたところで、困るのは裏切られた築地市場関係者たちであろう。
 
リオから21日には帰国する小池百合子都知事。
 
「何があったのか、誰がどこで何を決めたのかを明確にしたい」、そしてどうするのか、それが最大の課題であろう、とオジサンは思う。   

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2016年09月17日

安倍晋三退治ではなく安倍政権と対峙とは?

訴訟というのは訴える側が原告で訴えられた側が被告となる。
 
したがって、訴訟の結果が裁判所で下される場合は、訴えた側から見た判決結果が報じられることが一般的である。
 
分かり易く言えば、「原告勝利」とか「原告敗訴」といった表現である。
 
民間同士ではない訴訟、例えば国が県を訴えるといった場合は、力関係から見ても圧倒的に国が有利である。
 
福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が16日に下した判決は、原告の国の主張を認めた内容であったので、在京大手紙は全て「国勝訴」が見出しに踊っていた。
 
唯一、東京新聞は「辺野古新基地 沖縄県敗訴 福岡高裁支部判決 知事の対応『違法』」と、訴えられた沖縄視点のタイトルであったが、記事内容は他紙と大同小異であった。
 
当然、地元紙では琉球新報が、「司法、国の主張追認 違法確認判決 専門検証なく結論 上告審向け政府と県、神経戦も
として、県側の怒りの声で以下のように判決結果を批判していた。
 
安全保障や環境など、専門分野で県と国の主張が対立した中、多見谷寿郎裁判長は県側が申請した専門家に対する尋問を却下し、今回の結論を導き出した。判決後、県側代理人は「尋問もしていないのに、なぜ専門的なことをここまで事実認定できるのか。裁判所は全知全能と勘違いしている」と強く批判。県幹部は「『辺野古ありき裁判』だ」と憤った。  
    
しかし、こんな判決は昨年の11月頃には予想されていた。
 
三権分立にもかかわらず司法は行政の意向に左右されるのか」とのつぶやきの中で、オジサンはこう指摘した。
 
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
もっと大きな問題は訴訟を取り仕切る裁判長が、訴訟の被告となる国の意向で交代させられるということである。
<安倍政権が露骨な人事 沖縄「代執行」訴訟に“体制寄り”裁判官>
 2015年11月19日 日刊ゲンダイ
 いよいよ法廷闘争に突入した、沖縄県の米軍普天間基地の名護市辺野古移設をめぐる「県VS国」のガチンコ対決。国は17日、辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長知事の処分を違法として、県に代わって国が処分を撤回する「代執行」を求める行政訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。
 米軍基地をめぐって県と国が法廷で争うのは20年ぶり。1995年に当時の大田知事が米軍用地の強制使用に必要な代理署名を拒否して以来だ。国は訴状で、埋め立て承認取り消しについて「日米両国で積み上げてきた努力が無に帰す」と主張。これに対し、翁長知事は会見で「基地建設は何があっても容認できない」と反論。自ら法廷で意見陳述する方針だ。ガチンコ対決の行方は司法の場に移ったわけだが、早くも“主戦場”となる那覇支部の裁判官人事で不穏な動きがあった。10月30日付で、東京地、家裁立川支部部総括判事の多見谷寿郎裁判官が那覇支部長に異動したのである。
 「前那覇支部長は『C型肝炎訴訟』や『原爆症認定訴訟』などで国の責任を厳しく指弾している須田啓之裁判官でした。新任の多見谷裁判官は大阪や東京、千葉などで勤務経験のある裁判官で、主に手掛けてきたのは住民が自治体や議員を訴える訴訟です。とはいえ、判決は住民寄りではない。成田空港用地内の農家男性に空港会社が土地の明け渡しを求めていた2013年の成田空港訴訟では男性に明け渡しを命じる判決を言い渡しています。11年に浦安市民が政務調査費の使われ方が不当として、市長と議員に返還を求めた訴訟では原告の請求を棄却している。体制寄りの判決を下す、ともっぱらの裁判官です」(司法ジャーナリスト)
 そんな“ヒラメ裁判官”が、寄りによってこのタイミングで那覇支部長に就いたのだ。県民じゃなくても「怪しい人事」に見えてしまう。なにしろ、安倍政権は憲法違反を正当化するために法の番人、内閣法制局長官のクビをすげ替えるぐらいだ。菅官房長官は「司法の判断を仰ぐことにした」なんて言っているが、本音は「多見谷裁判官よ、分かっているな」というプレッシャーがありありではないか。
 元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士は「おそらく那覇支部の人事は国が必ず勝つための布石」とした上で、こう言った。
「今の司法は独立しておらず、行政の一部と化しています。まったくヒドイ状況だし、ますます悪くなっています」
 裁判の結果が今から見えてくるようだ。
 (現物はこれ) 
 
日本の裁判は、特に下級審である地方裁判所の裁判官は自分の判決が今後の出世に大きく影響し、上昇志向の強い裁判官は特に「ヒラメ裁判官」と呼ばれ最高裁事務局の顔色を絶えず伺って判決文を書く。
出世を特に望まない良心的な裁判官や退官近い裁判官らは、時には驚くような判決文を書く。
多見谷裁判官による2013年7月の判決に関しては当時「天神峰やぐら裁判、多見谷裁判長の訴訟指揮を弾劾」と厳しく非難されていた。
「沖縄県vs安倍政権」の裁判訴訟は沖縄の将来の帰趨がかかっている。
「ヒラメ裁判官」であろうとも、この訴訟は憲法判断を伴うというよりは「沖縄差別」という人権問題として捉えるべきであり、「裁判の結果が今から見えてくるようだ」といわれないように、まさに裁判官としての矜恃が特に問われるのではないだろうか、とオジサンは思う。  
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
 
それから1か月後には、元証券マンで英国在住の作家の黒木亮が「辺野古代執行訴訟「国が勝つことは決まっている」と喝破していた。
    
「沖縄県vs安倍政権」と書くと、沖縄県と安倍政権が対立していることを示す。
 
最近驚いたことは、某野党の代表になった人物が、沖縄辺野古新基地建設には反対しないという発言であった。
 
そして、さらに「巨大な安倍政権と対峙していく」と言っていた。
 
勘の鋭い人は、「アレ? 何で安倍政権と対立しないのだろう」と思ったかもしれない。    
 
そもそも「対峙」とは、「元は山が向かい合うという意味」であり、大きなもの・力が大きいもの同士がじっと向かい合う事柄によく使われる。
 
したがって、弱小野党が巨大政権と「対峙」するということ自体が滑稽である。
 
「対立する者どうしが、にらみ合ったままじっと動かずにいること。」も対峙することを表すのだが、じっと動かずにいたら何も変わらないことは、誰が見ても明らかである。
 
こんな状況をジャーナリストの田中良紹が手厳しく批判していた。
 
<野党でない政党が野党を名乗る日本政治の病巣>
 2016年9月16日 19時12分配信 YAHOOニュース
 タイトルの意は与党の補完勢力が野党を名乗ることを批判するものではない。与党の補完勢力は自らを「や」と「よ」の中間の「ゆ」党であることを自覚しており、むしろ野党を名乗る政党と一線を画する。しかし日本政治の病巣は権力奪取を目指すふりをしながら実は目指さない政党が野党を名乗ってきたことにある。
民進党の代表選挙を見ていると、まさしく権力奪取を目指すふりをしながら目指さない政党になってしまったことを私に実感させた。本来、野党第一党の党首選挙であるならば何がしかの期待感を国民に抱かせるものだが、この選挙には最初から最後までそれが全くなかった。
まず代表選の告示が9月2日であることに私は驚いた。その日は安倍総理がロシアのプーチン大統領と会談することが予定されており、ニュースとしての扱いが小さくなることは火を見るより明らかである。国民にアピールする気があるのなら他の重要な出来事と重ならないよう配慮するのは基本中の基本である。
私がかつて社会部記者として担当した東京地検特捜部など、何が予定されているかを徹底して調べ上げ、ニュースの扱いが大きくなる日を選んで捜査着手や逮捕の日取りを決めていた。メディアに大きく扱わせることで国民の意識を誘導し、裁判を有利に進めるためにである。権力とはそうしたもので、それも考えない政党に権力奪取などできるはずがない。
 つまり民進党代表選挙は初めから安倍総理のニュースの添え物としてスタートし、最後まで日陰者扱いのニュースになる選挙戦が行われた。これが一度は権力を奪取した政党の党首選挙なのかと疑いたくなるが、小さく扱ったメディアが悪いのではない。権力奪取を目指すだけの発信力を持たない民進党に問題がある。
民進党の母体となる旧民主党は07年の参議院選挙と09年の衆議院選挙で勝利し自公政権から権力を奪ったが、そこまでは野党だったといえる。しかし10年の参議院選挙と12年の衆議院選挙に敗北して権力を手放し、以来3度の国政選挙にことごとく負け続けた。問題は10年以降の旧民主党と現在の民進党が権力奪取を目指す野党たりえるのかにある。
直近の参議院選挙では「改憲勢力3分の2阻止」を訴えて敗れ、その直後の東京都知事選挙では分裂選挙になった与党の足元に及ばない。都知事選挙では小池百合子候補に民進党支持者から票が流れ、支持層を固め切れない深刻さを見せつけた。にもかかわらず参議院選挙も都知事選挙も敗北の分析と責任追及が行われていない。
敗北の原因を分析し責任追及を行ったうえで代表選挙を行えば、民進党が野党として生まれ変わろうとしていることを国民に強くアピールできたと思う。ところが敗北の自覚がなく、参議院選挙は「敗北を一定程度食い止めた」ことにし、都知事選挙でも誰も責任を取らないのだから代表選挙の候補者が「反省している」「新しく生まれ変わる」と言っても、何を反省しているのか、本当に変わるのかがこちらには伝わらない。
新代表に選ばれた蓮舫氏は「圧勝」と報道された。特に地方の党員・サポーター票の71%という圧倒的な支持を得たという。しかしその内実は23万5千票ある党員・サポーター票のうち5万9千5百票を獲得したに過ぎない。つまり投票率が低く民進党の党員・サポーター全体では4人に1人の支持しか得られていない。
民進党の党員・サポーターの投票率は40%と去年1月に岡田代表が選ばれた時より6ポイントも下回った。つまり党員・サポーターにとっても期待の湧かない代表戦だったことになる。これこそが国政選挙にことごとく負け続けた民進党が権力奪取を狙える野党になりえていない実態を物語る。自らの党員・サポーターに期待を抱かせない政党がどうして国民の支持を獲得することができようか。
蓮舫氏はアメリカ大統領選挙のヒラリー・クリントンと自らを重ね合わせ、「ガラスの天井を突き破る」と語ったことがあるが、アメリカ政治を10年余見続けてきた私に言わせれば冗談もほどほどにしてもらいたい。何よりも民進党は野党になりえていないことを自覚することの方が先なのである。
野党を名乗る政党が権力奪取を目指すふりをしながら権力を奪取しない日本政治の病巣は自社二大政党が対峙した「55年体制」に始まる。私は政治記者になるまで社会党は野党だと思っていた。先輩記者からは自民党単独政権は民主主義にとって好ましくなくメディアは権力を厳しく監視し、社会党を応援するのが使命だといわれた。
ところが政治の実態を知るうちにそれが全くの誤りであることに気づいた。社会党は野党を名乗るが権力を奪取しようとしない。その証拠に選挙で過半数を超える候補者を擁立せず、従って全員が当選しても政権を取ることがないようにしていた。ただし国会では自民党政権にことごとく抵抗し「何でも反対」を貫いて国民の歓心を買う。それを新聞とテレビが「与野党激突」と報道するのである。
しかし裏側では自民党幹部と社会党幹部が秘密交渉を行い、法案成立と賃上げやスト処分の撤回などが取引されていた。その実態を知ることになったきっかけは私が田中角栄邸に通っていたころ国鉄労働組合の幹部が陳情に来た姿を見たからである。左派の労組幹部が自民党実力者に陳情する構図は私の目から鱗を落としてくれた。
調べていくと社会党の主張と言われる「非武装中立」はそもそも占領軍のマッカーサーが唱えた。マッカーサーは日本を平和国家にするのが目的ではなく二度とアメリカに歯向かわない国にするのが目的である。吉田茂も「非武装中立」を理想として掲げたが、それは経済復興を優先させる目的であった。
冷戦がはじまるとアメリカは一転して再軍備を求めてくるが、その要求をかわすため吉田は社会党に護憲運動を促し、社会党に3分の1を超える議席を与えて憲法改正ができない政治構造を作る。「55年体制下」で歴代自民党総理はアメリカの要求を一定程度は受け入れながら、しかし社会党の反対を理由に軍備増強圧力をかわす外交術を駆使した。そのため水面下で自社は手を握り、表では「激突」を演出してきた。
アメリカの歴史学者マイケル・シャラーはそれを「絶妙の外交術」と呼んだが、それは東西冷戦の時代に有効な手法である。冷戦が終われば野党のふりをしながら政権を目指さない野党の存在は必要がなくなる。ヨーロッパではイデオロギー対立がなくなったことで共産党が社民主義を採用し選挙による政権交代を実現する。
日本でも政権交代を目指す野党の必要性が叫ばれ、小沢一郎氏らが自民党を分裂させて政権交代可能な政治体制を目指した。しかし40年近い「55年体制」は国民の意識に深々とかつての社会党を野党とする考えを根付かせている。権力奪取を優先するより、弱者の味方であることを主張すれば国民に支持されると考えるセンチメントである。
 しかしアメリカ大統領選挙を見れば分かるが、国民の負託を得るには政策やパフォーマンスが重要なのではない。危機に陥ってもそれをはねのける人間力が問われるのである。スキャンダルが露見してもそれを全力ではねのけるさまを見て国民はリーダーの資質を見分ける。蓮舫氏も「二重国籍」が問題というより、それが発覚してからの対応力が問われたのだが、十分に対応したとは思えなかった。
そして何より懸念するのはこれまでの選挙敗北の責任追及をしないまま「生まれ変わる」というご都合主義である。蓮舫氏の背後には自民党に政権を明け渡した野田元総理がおり、玉木氏の背後にも参議院選挙に敗北し「ねじれ」を作ったのに続投して国民の不信を買った菅元総理がいた。
こういう人たちの顔が出てくると喜ぶのは自公政権である。蓮舫新代表は野田氏を幹事長に指名して戦犯からの復権を図ったが、代表選挙の結果を見て自公は「55年体制」が復活したかのように考えにんまりしたのではないか。これでは旧民主党から人心が離れたあの時代をいつまでも国民に忘れさせない政治が続く。
 
「旧民主党は07年の参議院選挙と09年の衆議院選挙で勝利し自公政権から権力を奪ったが、そこまでは野党だった」のだが、それは選挙に強い小沢一郎の存在を抜きにしては語れないであろう。
 
だからこそ、日本の闇の勢力は検察の力とマスメディアを使って猛烈な「小沢バッシング」を繰り広げ、鳩山・小沢コンビを政界から葬ったことは記憶に新しい。
 
蛇の道は蛇を地で行く選挙に強い人間がいなくなった後の民主党の転落ぶりを見れば今後の趨勢も容易に察しが付く。
 
昨夜のあるテレビ番組では、あの有名な苫米地英人が「苫米地英人氏が豊洲新市場問題で共産党を称賛し党の名称変更を提言」とまさに核心を突く発言をしていた。
 
共産党都議団について「今回はいい仕事をしましたよね」
「そろそろ共産党って名前、変えた方がいいですよね」
「この報告自体は本来、野党第一党である、民進党がすべき仕事だ」
「民進党の代表選結果は政権を取る気がまったくない」
「(蓮舫氏の)国籍問題は、ノーコメントをわざわざやってたんですよ」
「メディアを使ってガンガン攻撃し、あとは解散総選挙ですよ」
「おそらく大量離党していくし、これで民進党が消滅していく可能性あるんで、そういった意味で共産党はそろそろ民主党とか名前を変えて、頑張っていただいた方がいいと思う」
 
前回の総選挙から12月で2年目を迎える。
 
解散・総選挙になれば苫米地先生の御託通りになる可能制が強く、そうなればしばらくは55年体制とは少々異なる「政権は狙わないが対立する」野党の出現が待望されるのではないだろうか、とオジサンは思う。

    
posted by 定年オジサン at 11:54| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月16日

真犯人や戦犯が判明しても移転無期延期は避けられない

3日間連続して豊洲新市場問題をつぶやいてきたが、15日から小池百合子都知事がリオに出発し、もう新しい事実は出ないだろうと、昨日はこの問題をお休みした。
  
一昨日に、「闇を晴らし真犯人を暴き移転を断念か」で紹介したように当時の豊洲新市場移転を積極的に推進していた石原元都知事が、責任逃れの発言をしていた。
 
そうしたら、昨日は日刊ゲンダイらしい「豊洲新市場“盛り土案潰し” 真犯人は石原元都知事だった」というタイトルの記事が出ていた。
 
自分に火の粉が降りかからぬように先手を打ったつもりだったのが、メディアは石原都知事時代の記者会見はすべて記録しており、言い逃れはできなくなった。
 
豊洲市場 石原氏、08年に地下コンクリ箱案に言及『ずっと安く早い』
   
20160916isiharahatugen.jpg
 
 
テレビ取材では石原元都知事は上記の発言を追及され、こんな言い訳を言っていた。
 
「都庁の役人からそういう情報を聞いたから、そういう意見があると取り次いだ」
「全部、下(都職員)や専門家に任せていた。建築のいろはも知らないのにそんなこと思い付くわけがない」
「急に設計事務所を変えたことで、盛り土をやめて(建物の)下に訳の分からないものをつくった。恐らく盛り土をするよりも経費がかかり、ゼネコンがもうかる」
 
と息巻いていたが、最後には「東京は伏魔殿だ」と自分が伏魔殿の主であったことをすっかり忘れるほどモウロクしていることを曝け出していた。
 
しかし、当時の「下」の幹部は事実は全く逆であったと話していた。 
 
<豊洲地下問題 コンクリ箱案「石原氏が検討指示」 当時の都幹部証言>
 2016年9月16日 07時06分 東京新聞
20160916isiharasintarou.jpg 豊洲市場(東京都江東区)の土壌汚染対策を巡り、石原慎太郎氏が都知事在任中の2008年、地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことを受け、当時の都中央卸売市場長の比留間(ひるま)英人氏が15日、本紙の取材に応じ、「石原氏から『こんな案があるから検討してみてくれ』と指示を受けた」と明かした。当時のトップが専門家の方針に反し、盛り土をしない工法を模索していたことが裏付けられた。 (中沢誠)
 土壌汚染対策を検討する専門家会議は07年5月、豊洲市場予定地の地下利用について「有害物質が建物内に入る恐れがあるため、地下施設は造らない方がいい」と指摘。08年5月19日、土を入れ替えて盛り土にする方針を決定した。しかし、石原氏は同月30日の会見で盛り土案に疑問を呈し、地下にコンクリートの箱を埋める工法があると説明。こうした経緯について、本紙は15日朝刊で報じた。
 比留間氏は地下にコンクリートの箱を埋める案について、石原氏から指示を受けたと認め、時期を08年5月ごろと証言。「私の記憶では、工費や工期を検討した。しかし、かなり工費が高かった。09年1月か2月ごろ(別の専門家による)技術会議で工法内容がまとまり、石原氏にコンクリート箱案は採用できないと伝えた」と述べた。
 結果的に都が採ったのは掘削して壁を設ける地下空間案だが、地下に構造物を設ける点では石原氏のコンクリート箱案と共通する。比留間氏は「石原氏の指示で、都の地下空間案が影響を受けたとは思わない。当時は土壌対策費が1000億円を超えるとも言われ、石原氏は工費を抑えるため提案した」とも述べた。
 さらに「安全確保が最大の課題だった」と振り返り、地下空間は「地下水のモニタリングをする空間として必要だった」と説明。ただ、高さ4.5メートルもの広い空間となったことについては意外だったとした。
 豊洲市場はガス製造工場の跡地で、ベンゼンなど高濃度の有害物質を検出。都は専門家の提言に基づき、敷地を2メートル掘削するなどして4.5メートル盛り土をしたなどと説明、土壌対策費は858億円となった。しかし小池百合子知事が今月10日、主要な建物の下に盛り土がなされず、地下空間があることを公表した。
◆「役人の情報取り次いだだけ」石原氏が釈明
 石原慎太郎氏は15日、知事だった2008年5月の定例記者会見で、豊洲市場の建物下にコンクリートの箱を埋める案に言及したことについて「都庁の役人からそういう情報を聞いたから、そういう意見があると取り次いだだけ」と述べた。報道機関の取材に答えた。
 石原氏は「全部、下(都職員)や専門家に任せていた。建築のいろはも知らないのにそんなこと思い付くわけがない」と釈明した。
 一方、同氏は「急に設計事務所を変えたことで、盛り土をやめて(建物の)下に訳の分からないものをつくった。恐らく盛り土をするよりも経費がかかり、ゼネコンがもうかる」と持論を展開。盛り土がなかった問題について感想を求められると「東京は伏魔殿だ」と気色ばんだ。
◆石原氏08年の発言
 石原慎太郎氏は15日、知事だった2008年5月の定例記者会見で、豊洲市場の建物下にコンクリートの箱を埋める案に言及したことについて「都庁の役人からそういう情報を聞いたから、そういう意見があると取り次いだだけ」と述べた。報道機関の取材に答えた。
 石原氏は「全部、下(都職員)や専門家に任せていた。建築のいろはも知らないのにそんなこと思い付くわけがない」と釈明した。
 一方、同氏は「急に設計事務所を変えたことで、盛り土をやめて(建物の)下に訳の分からないものをつくった。恐らく盛り土をするよりも経費がかかり、ゼネコンがもうかる」と持論を展開。盛り土がなかった問題について感想を求められると「東京は伏魔殿だ」と気色ばんだ。
 担当の局長に言ったんですがね。(インターネットで海洋工学の専門家が)もっと違う発想でものを考えたらどうだと…(略)…コンクリートの箱を埋め込むことで、その上に市場としてのインフラを支える、その方がずっと安くて早く終わるんじゃないかということでしたね。土壌汚染をどう回復するか、そういう発想だけじゃなくてね、思い切ってものを取り換えるみたいな、違うベクトルというものを考えた方がいいと、私、かねがね言ったけど、それがどう伝わったのか。
◇豊洲市場地下空間をめぐる経過
2008年  
5月19日 専門家会議が盛り土案の方針を決める
5月30日 石原氏が会見で地下にコンクリートの箱を埋め込む案を「担当の局長に言った」と説明
5月ごろ 都中央卸売市場長が石原氏からコンクリート箱案検討の指示を受ける
7月26日 専門家会議が盛り土の上に建物を造るよう都に提言
8月15日 技術会議が初会合
11月5日 技術会議で都が地下に空間を設けて駐車場などに利用する公募案を紹介
12月15日 技術会議で都が汚染地下水の浄化作業用空間を確保する案を提示
12月25日 技術会議で駐車場案が不採用になる
2011年   
6月   設計図面に地下空間を造ることが記載される
 
「急に設計事務所を変えた」という話に関しては、石原元都知事時代の副知事だった猪瀬直樹が、その事務所は日建設計であり、しかも築地市場解体の落札業者は旧国立解体の落札と同じ会社である事実も気になる、と発信していた。
 
猪瀬 直樹
9月10日 5:19
築地→豊洲移転は90年代からの長い検討過程があって決まったこと。だから原理主義的な反対運動は前向きでなく蒸し返しで不毛になる。どう改善するかだ。
今回の盛り土の問題は、07年5月から08年7月にかけて土壌汚染対策専門家会議(平田座長)で2mの土壌入れ替え、さらに2.5mの盛り土が公開で決められた。問題はその後に起きていたようだ。専門家会議が親会議とすると、その結論を実施する子の技術会議(実施・施工会議)が08年8月から14年11月までの期間で、なぜか地下水のモニタリングをするには盛り土でなく建物の地下に約5mの空洞を置くとした。その結論は本来なら親会議にフィードバックされなければいけないが、そのまま舛添知事時代の14年6月に工事終了報告書となった。
そしてそのまま豊洲の工事が始まった。中央卸売市場の作ったHPは地下の空洞はなく盛り土の上に建物が立っている。なぜこうした虚偽が罷り通ったのか俄かに信じられないことだが、当局である中央卸売市場長(局長級)が謝罪し、今後のコンプライアンスについて説明しなければならない。ただし、いたずらに不安だけを煽らないこと、来年1月に2年間のモニタリング期間が終了する。それまでに9回のモニタリングがありすでに7回が終了したが7回とも汚染は不検出だったから。むしろ遡上にあげなければならないのは高騰した建設工事の入札の透明化だ。日建設計の説明も必要だ。築地市場解体の落札業者は旧国立解体の落札と同じ会社である事実も気になる。
 
「高騰した建設工事の入札」の裏にはやはり都とゼネコン業者の癒着があったことが明らかになっている。
 
<ゼネコンに聴取後、400億円増 豊洲市場3棟再入札、都の予定価格 99%超で落札>
 2016年9月16日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20160916nyuusatukakaku.jpg
 東京都の築地市場(中央区)が移転する予定の豊洲市場(江東区)の主要建物3棟の建設工事で、1回目の入札不調後、都当局が入札予定の大手ゼネコン側にヒアリングを行い、積算を事実上聞いていたことが、都幹部や受注ゼネコン幹部の証言で分かった。その後の再入札で3棟工事の予定価格が計407億円増額され、いずれも予定価格の99%超で落札された。
 また、受注ゼネコン幹部は「再入札前に予定価格を引き上げるから落札してほしいと都側からヒアリングとは別ルートで要請があり受け入れた、と社内で説明を受けた」とも証言した。都幹部はこうした要請を否定している。
 都とゼネコン側のなれ合いの中で建設費がつり上がっていた可能性が浮かび、小池百合子都知事が発足させた「市場問題プロジェクトチーム」の調査でも解明のポイントとなりそうだ。
 主要建物3棟の建設工事は別々に発注され、2013年11月の1回目の入札で、青果棟に鹿島の共同企業体(JV)、水産卸売場棟に大成建設JV、水産仲卸売場棟に清水建設JVがそれぞれ単独で参加予定だったが、辞退し、不調に終わった。翌14年2月の再入札では、3件の予定価格を計407億円引き上げて実施。3棟をそれぞれのJVが落札した。
 受注ゼネコンの一社でこの工事に関与した幹部によると、1回目の入札では3社は独自に積算した価格より都の予定価格が大幅に安く、資材や人件費が高騰する中で採算がとれないため、辞退したという。
 当時の都幹部によると、その後、業者にヒアリングし、何にどの程度の費用がかかるかなどをゼネコン側から聞いた。都幹部は「入札参加が数社ある場合は見積もりが一番安いところを基準にするが、今回は1社。談合というか、随意契約という風に見えてしまうところはある」と証言した。
 受注ゼネコン幹部も「再入札ではこちらの見積額を都が理解し、再予定価格を設定した」。別の受注ゼネコン幹部もヒアリングがあったことを認め、「通常、ヒアリングはない。都の焦りを感じた」と話す。
 朝日新聞の取材に対し、鹿島は「事前に受注調整を行ったなどの事実はない」、大成建設は「工事は適正な手続きを経て受注している」、清水建設は、見積価格を都に伝えたり、都から予定価格を上げるので落札してほしいとの要請があったりした「事実はない」と回答している。
 
まず、入札業者が1社ということは、指名入札であり、入札業者の見積額を事前に発注側がヒアリングしたりする行為は、「国や地方自治体などの職員が予定価格などの秘密を漏らした」ことと変わりがなく、あきらかな官製談合であり、「入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律」違反となるはずである。
 
それにしても、11月7日の移転が延期されてから、新たな問題が発覚し、次から次に欠陥が見つかるのは異常である。
 
しかも「盛り土」問題にしろ、床の積載荷重が不十分なことにせよ、東京都は外部から指摘されるまで口をつぐみ、組織的に隠蔽を続けている。
 
恐らくは、「バレなきゃいい」という考えであったのだろうが、「伏魔殿」の都がやったことなので、まだまだ“重大欠陥”が隠されているに違いない。

もはや、犯人探しとか、真の戦犯などを炙り出したところで、事態の解決は短期間では不可能であり、小池百合子知事は豊洲を“封鎖”して、「移転は無期延期」を宣言するしかないのではないだろうか、とオジサンは思う。


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2016年09月15日

役立たずの日本のミサイル防衛

遂に5度目の核実験を行った北朝鮮。
 
すでに、北朝鮮による核ミサイル攻撃は現実の脅威となりつつあリ、その射程距離は飛躍的に伸びている。
 
20160915northkoreamisile.jpg

 
しかし、「俺たちはいつでもお前たちを攻められるぞ」という虚勢を張った威嚇であることは、周辺国のみならず多くの国が認識しているところであろう。
 
ただし素直に大人の忠告に対して聴く耳もたぬ「ダダッ子」であるので、取扱い要注意といったレベルでもある。
 
日本はこの北朝鮮のお蔭で空の安全保障の強化と称して、防衛相省は着々と高価な「ミサイル防衛システム」の整備を目論んでいる。
 
1週間ほど前の東京新聞【私説・論説室から】で、長年自衛隊取材を行っている半田滋論説兼編集委員はこんな見方を披露していた。
 
<北朝鮮SLBMの対策は>
 北朝鮮が発射試験を繰り返す潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)。恐ろしい兵器だが、実用化は簡単ではない。
 北朝鮮は1993年、ロシアからくず鉄としてゴルフ級潜水艦を購入した。船底から艦橋まで貫通させた艦内にSLBMを垂直に積む通常動力型だ。米国の北朝鮮専門サイトは東海岸にゴルフ級に似た潜水艦が停泊している衛星画像を公開した。地名から新浦級と名付け、1、2発が搭載可能という。
 次には原子力潜水艦や大型潜水艦の建造を目指すと報道されているが、できるだろうか。米英中ロ仏印のSLBMは原潜に積まれている。なぜ原子力かといえば、水中速度が30ノット(約55.6キロ)前後と速く、乗員に必要な酸素も作れるからだ。高速で潜航時間に制約がない原潜の探知は極めて難しい。
 北朝鮮に原潜建造の技術はないとみられ、通常動力型を使った場合、速力や換気の問題が残る。トップレベルの対潜水艦戦の技量を持つ海上自衛隊の相手ではない。
 とはいえ、安倍首相はSLBM試射を「重大な脅威」と述べた。振り返れば、日本は北朝鮮の弾道ミサイル試射をきっかけに情報収集衛星を保有したり、一兆円以上かけてミサイル防衛システムを米国から導入したりした。「以前、米軍から原潜購入を持ちかけられたことがある」と元海自幹部。今度は原潜保有だったりして。 (半田滋)
 
まさに核心を突いた見立てである。
 
少なくとも北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は「トップレベルの対潜水艦戦の技量を持つ海上自衛隊の相手ではない」らしい。  
 
1か月前には軍事ジャーナリストの田岡俊次が、日本のミサイル防衛のお粗末さを指摘していた。 
 
<平和ボケの極み!北朝鮮の事前通告がないと役に立たないミサイル防衛>
 2016年8月18日 DIAMOND Online
 秋田県沖に落ちた北朝鮮のミサイル
政府は全く対応できなかった
 
 8月3日午前7時53分頃、北朝鮮は同国南西部の黄海南道の殷栗(ウンリュル)付近から弾道ミサイル2発を発射した。1発目は発射直後爆発したが、2発目は北朝鮮上空を横断して日本海に向かい、約1000km飛行して秋田県男鹿半島の沖約250kmの日本の排他的経済水域内に落下した。
 日本政府がこのミサイルの発射を知ったのはそれが落下した後か直前と見られ、ミサイル防衛に当たるはずのイージス艦や、陸上の要地防衛用の「PAC3」ミサイル部隊に「破壊措置命令」は出されず、全国の市町村の防災無線、有線放送などを通じて警報を出すはずの「Jアラート」も役に立たなかった。ミサイル防衛には今年度予算を含め1兆5800億円が注ぎ込まれたほか、「Jアラート」にも消防庁が市町村に交付金を出し普及率は100%になっていた。
 防衛省は「北朝鮮から事前の通告がなかった」「移動式発射機から発射されたため兆候がつかめなかった」と釈明するが、人工衛星の打ち上げと違い、実戦用の弾道ミサイルは当然予告なしに発射されるし、先制攻撃で破壊されないよう自走式発射機に載せるのが一般的だ。日本のミサイル防衛は形だけであることを証明する結果となった。
 北朝鮮はこれまで大型ロケット「テポドン2型」などを使って人工衛星打ち上げを目指し、2012年12月12日と今年2月7日、小型衛星を地球周回軌道に乗せることには成功した。これは米戦略軍総合宇宙運用センターが確認している。衛星は2回とも故障した様子で電波を出していないが、ロケットの第3段が高度500km付近で水平方向に加速、周回軌道に物体を放出した飛行パターンは人工衛星打ち上げを狙ったとしか考えられない。軍用ミサイルならさらに上昇して頂点に達した後、放物線を描いて落下する。
「テポドン2」は全長30m、重量90tもの大型で、高さ67mもの固定式発射機の側で2週間以上かけて組み立て、燃料を注入して発射している。海岸近くの発射場で衆人環視の中、戦時あるいは緊張時にこんな悠長な作業をしていては航空攻撃などで簡単に破壊される。また北朝鮮は発射の前にその日時(幅がある)や第1段、第2段のロケットの落下予定地点を国際海事機関に通報していた。
 防衛省は従来その通報を受けて「破壊措置命令」を出しイージス艦を出港させたり、ミサイル防衛用の「パトリオット・PAC3」を防衛省の庭や沖縄の宮古島、石垣島などに展開したが、これは実は「ミサイル」に対する防衛ではなく、人工衛星打ち上げ用ロケットが不具合を起こして落下して来ることへの対策になりうる程度だった。現実には、ミサイル防衛に巨費を投じることが国民の安全を守る役に立つ、と宣伝し予算を確保するための行動の色が濃かった。
・・・後略・・・
 
防衛省が8月末に発表した2017年度予算の概算要求の総額は、過去最大の5兆1685億円(16年度当初予算比2.33%増)で、5年連続の要求増となった。
 
もちろん、その根拠は北朝鮮の相次ぐミサイル発射のお蔭で、ミサイル防衛(MD)の態勢強化に1872億円を計上し、海上自衛隊のイージス艦に搭載する新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の取得費147億円を初めて盛り込んだ。
 
SM3ブロック2Aは現行のSM3の改良型で、より高い高度で複数の標的を同時に迎撃でき、防衛省は迎撃ミサイルを搭載できるイージス艦を現行の4隻から6隻に増やす計画を進めており、イージス艦「あしがら」のシステム改修費121億円も盛り込んだ。
 
弾道ミサイルを地上から迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)関連では、射程を伸ばした新型ミサイル「PAC3MSE」の取得費69億円を計上。航空自衛隊千歳基地などに配備している発射機28基を987億円かけて新型ミサイル対応型に改修する。
 
こんなにカネをかけてはたして本当にミサイル防衛体制が強化されるのかは、前述した軍事ジャーナリストの田岡俊次の指摘通りであろう。
 
それでも、防衛省はこれ幸いと、必要のない新型兵器までジャンジャン買い込もうとしている。

例えば、1機で318億円もする米ボーイング社製の空中給油機KC46A。
 
防衛省は戦争法の新任務に海外での補給活動が加わったため、新型の空中給油機が必要だと訴えているが、軍事ジャーナリストの世良光弘は首をかしげる。
 
「自衛隊はKC767という優秀な空中給油機をすでに4機も持っています。航続距離は、航空自衛隊の輸送機の中では政府専用機に次ぐ7200キロを誇ります。巨額の税金を使って新型の給油機を購入する必然性が見当たりません。自衛隊は世界のエネオスでも目指すつもりでしょうか」
 
また、最新鋭のステルス戦闘機F35を6機取得するために946億円の費用が盛り込まれた。
 
「専守防衛の日本は防空識別圏から敵機を追い払えればいい。制空権を守るだけなら現行のF15で事足ります。レーダーに探知されにくい隠密飛行ではなく、姿を見せた方が抑止力にもなるでしょう。F35が十分に能力を発揮するのはシリアの空爆などの場面。安倍政権は一体、どんなシーンでの活用を考えているのでしょうか」(世良光弘氏)
 
どうかしているのは、旧型の兵器まで買い込もうとしていることだ。防衛省は2018年度までに米海兵隊をモデルにした「水陸機動団」を新設する計画の実現のため、30年以上前に開発され、目新しい技術が使われていない水陸両用車「AAV7」に1両7億円も払い、52両を調達するという。
 
どれもこれも米国製のうえ割高に買わされているのだから、高校生に恐喝された小学生並みである。
 
1機当たり約100億円で取得する輸送機オスプレイを、米軍は50億〜60億円とほぼ半額で購入している。
 
軍事研究の助成費用も大幅アップされている。
 
「安全保障技術研究推進制度」の予算を今年度の6億円から18倍の110億円に大幅に増やす予定で、軍事への応用が期待できる基礎研究を行う企業や大学に対し、研究費を助成する制度である。
 
2年前、安倍政権は武器輸出を原則禁止する『武器輸出三原則』を180度転換した。
 
今回の予算措置は、武器を輸出するために大学や企業の協力を仰ぐ狙いがあり、いずれ世界中に兵器を売って稼ぐつもりなのである。

話しをミサイル防衛に戻そう。
 
ミサイル防衛には今年度予算までに1兆5787億円が投じられているが、これははっきり言って「ドブに捨てた」ようなものであるが、官邸や防衛省は、さらなる増強に躍起になっており、価格2倍のミサイル購入やイージス艦を増やしたり、ミサイル発射探知用に独自の静止衛星打ち上げの話まで出ている。
 
明らかに国家財政に響くような大プロジェクトになりかねず、ミサイル防衛の効果や限界を国民に説明せずに巨額の予算をつぎ込もうとしている。
 
「特定秘密」を盾に“不都合な事実”を隠蔽してこれ以上防衛費を膨らませるのは許されない、という立場から、26日からの臨時国会で是非ともこの問題に切り込んでほしい、とオジサンは思う。

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2016年09月14日

闇を晴らし真犯人を暴き移転を断念か

正直なところ、当ブログで取り上げるほどの関心がなかった築地市場の移転問題が、都知事が代った途端に別の問題で関心が強まり、先月の26日に初めて「問題だらけ、立ち止まって考えても解決しない豊洲新市場」とつぶやいた。
 
その後は全く異なる観点から「豊洲新市場移転の狙いは零細仲卸業者の排除なのか」とつぶやいていた。
 
しかし今月になってから、新たな事実が発覚し、「単なる移転延期で収まるのか、豊洲新市場の闇」と「闇」が潜むのではとつぶやいたところ、「【築地移転問題】 東京都がひた隠す 豊洲汚染地・土地売買の深い闇」と、別の闇を指摘するブログもあった。
 
昨日の「新国立競技場の二の舞いになるのか豊洲新市場」のつぶやきには、最近で最も多いアクセスがあり、拙ブログ読者の関心も高まってきているようである。
 
引き続き今日も同じテーマとなってしまった。
 
その昨日のつぶやきの中で、「まさに都側の思惑にそってうまく『専門家会議』や『技術会議』がアイバイ作りに利用されたということである。」と指摘したが、実は「専門家会議」で提言した内容は結果的には全く無視されていたと、当時の座長が驚いていた。
 
<豊洲市場 「盛り土は有害物質対策に必要」 専門家会議元座長が指摘   
 2016年9月14日 07時00分 東京新聞
2016091toyosutikasui.jpg 築地市場(東京都中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の土壌汚染対策で、2008年に盛り土を提言した「専門家会議」の座長だった平田健正(たてまさ)・放送大学和歌山学習センター所長(環境水理学)が13日、本紙の取材に応じた。「盛り土は有害物質の拡散を抑えるために必要な措置だった」とした上で「対策の前提条件が変わってしまった。改めて精査する必要がある」と安全性に危惧を示した。
 専門家会議は提言で、敷地全体に4.5メートルの盛り土をするよう求めていた。平田氏は「一番の問題は、ベンゼンなどの揮発性の有害物質への対応」と指摘。対策立案の際も、気化したベンゼンを人が吸ったり、食品に付着したりしないように検討したという。
 都側は「建物一階の床が厚いコンクリートになっているため、安全性を確保できると考えていた」と釈明しているが、平田氏は「土と違ってからっぽの空間。拡散の形が変わる。コンクリートの場合、隙間やひび割れなども考慮しないといけない」と話す。
 水産卸売場棟など主要3棟の地下空間の床に水たまりができている問題については、地下水の可能性もあると懸念し、都が設けた地下水管理システムによる水位の調整が重要とした。
 平田氏は、小池百合子知事が盛り土について記者会見した今月10日に初めて問題を知り「驚くというよりも、何が起きているのかすぐには分からなかった」という。専門家会議が再開された場合は「現場を詳しく確認しないといけない」とし、検証には時間がかかるとの見通しを示した。
 <ベンゼン> 炭素の多い素材の不完全燃焼で生まれる無色透明な液体で、都市ガス製造過程でも発生する。揮発性が高く、吸い込むと中枢神経や造血機能に悪影響を及ぼし、発がん性もある。プラスチックや樹脂の原料を製造する材料として利用される。かつては有機溶剤として広く使われたが、人体への強い有害性から原則禁止された。豊洲市場敷地内の土壌からは2008年当時、環境基準の最大4万3000倍のベンゼンが検出された。
 
どうやら、都の担当者は盛り土工事の費用見積もりの結果、あまりにも莫大な費用になりそうなので、すでに別の方法を考えていたらしい。
 
オジサンは、一昨日のつぶやきの中で、「それにしても、都庁の役人だけでこんな犯罪的な裏工作ができるとは考えられず、そもそも築地移転を言いだした石原慎太郎、その後継の猪瀬直樹、さらに舛添要一あたりも、決して無関係とはいえず、そこにはしかるべき権力が関わっている事だけは間違いない。」と指摘した。
 
そしてまさに専門家会議や技術会議が開かれていた頃の都知事であった石原慎太郎がついに口を開いた。
 
<石原慎太郎氏、築地移転問題に「僕はだまされたんですね」…BSフジ番組で語る>
 スポーツ報知 9月13日(火)22時17分配信
 元東京都知事で作家の石原慎太郎氏(83)が13日、BSフジの番組「プライムニュース」に生出演し、築地市場の移転問題について「(知事時代の)僕はだまされたんですね。結局、してない仕事をしたことにして予算を出したわけですから。その金、どこ行ったんですかね?」と都を批判した。小池百合子都知事(64)の就任以降、石原氏が移転問題について言及したのは初めて。
 築地市場の豊洲移転は石原氏が現職だった2001年に正式決定。その後も自ら移転を推進した立場として、土壌汚染対策の盛り土が行われていなかったことなどが発覚した一連の問題に関し「どうしてやってないことをやったとするのか。現場の人間しか分からないのに。手を抜いたわけでしょ」と不快感をあらわに。「あってはならないこと。(知事時代は)自分なりに自分の発想で新しいことを強引にやらせましたよ。でも、やってないことを『やってない』とは知らされなかった」とも述べた。
 さらに「豊洲移転問題では(新たな)スキャンダルが出そうなんですよ。(盛り土問題と)2つ合わせて、都の役人は腐敗していると思った」と、さらなる問題の発覚を予言。「いろんな問題の根は深い。五輪(関連)でも、下手すると、いろんな問題が出てくるかもしれません」とも語った。
 改革に着手した小池都知事については「徹底してやるべき。やってもらいたい」と今後の手腕に期待を寄せた。  

当時の東京都のトップだった人物の発言としては、あまりにもお粗末である。 

 
<豊洲「盛り土」提言を無視 新会議を立ち上げた真犯人は?>
 2016年9月14日 日刊ゲンダイ
 移転を覆う闇が、かすかに晴れてきた。各売り場棟地下に適切な「盛り土」が行われなかった豊洲新市場の土壌汚染対策は、もともと07年5月に当時の石原知事が平田健正・放送大学和歌山学習センター所長を座長とする「専門家会議」を設置。会議は翌08年7月まで計9回開催し、敷地全体に盛り土をするよう提言をまとめ解散した。
 その直後の08年8月に、都は専門家会議の提言をいかに実現すべきかを検討する「技術会議」(座長=原島文雄・首都大学東京前学長)を発足させた。わざわざ新たな組織を作ったのはなぜか。
 豊洲の土壌汚染問題を長年追及する日本環境学会元会長の畑明郎氏はこう言う。
「専門家会議には、平田氏をはじめ、土壌汚染対策の現場に精通したメンバーが名を連ね、相当厳格な対策を提言していました。彼らの提言通りに対策工事を行うと、1000億円以上の費用がかかることが予想された。都は『高すぎる』と慌てたのでしょう。専門家会議の提言を“骨抜き”にするために、新会議を設立したのではないか」
 技術会議は14年11月までに計18回開かれた。都のホームページに掲載されている過去の議事録を見ると、都の職員と技術会議の委員の間で、「地下空間の有効活用」について議論されたことが分かる。
 08年11月の第6回会議で配られた資料には「建物建設地については、汚染土壌の処理後、埋め戻しは行わず、この部分の地下空間を利用する」と記されていた。専門家会議において「揮発性有機化合物が建物内に入る恐れがあるため、地下施設を造らない方がよい」と指摘したことさえ問題視。提言の実現という発足のタテマエすら逸脱していた。同月の第7回会議では、委員のひとりが「例えば地下に駐車場を造ると、他の駐車場が必要なくなる」と発言していた。
 ただ、全18回の議事録からは、地下空間の使途を結論付ける記載が見当たらない。
 12日、都庁で会見した共産党都議団の尾崎あや子氏は、「なぜ、いつ、誰が専門家会議の提言から逸脱し、盛り土を行わないことを決めたのか。技術会議の過去の議事録を精査しても、決定プロセスが分からなかった。小池知事に事実解明と公表を求める」と訴えていた。
 「技術会議の提案通りなら、当初費用は600億円にも満たないことが想定された。その後、諸経費がかさみ約860億円に膨らんだが、都は工事費をケチるため、技術会議を設立したのではないでしょうか。地下空間についても、工事費をケチった結果である可能性があります」(畑明郎氏)
 専門家会議を解散させ、技術会議を立ち上げて地下空間について議論させた人物こそ“真犯人”に違いない。果たして、小池知事は闇を暴くことができるのか。
 
都側の説明では「技術会議」に08年11月公募に寄せられた案として、市場施設の地下に駐車場を設けるという内容であったが、経費と工期の面から採用されなかったという。
 
その時点から「市場施設の地下」という考えが技術会議のメンバーにも刷り込まれたのかもしれない。
 
そして、08年11月の第6回会議で配られた資料には「建物建設地については、汚染土壌の処理後、埋め戻しは行わず、この部分の地下空間を利用する」と記され既成事実化してしまった。  

「地下空間の有効活用」について公募があったというのだが、おそらくそれは公募に見せかけた都の「専門家会議」の「盛り土」提言潰しであったのだろう。
 
そもそも「有効活用」という言葉は、すでにある物をいかに活用するかという観点からスタートする場合に使われる。
 
最近、全国各地で高齢者の増加に伴う「空き家」が増加して「空き家の有効活用」といった動きが盛んになっているが、これは「空き家」があるのでどのようにリフォームなりして有効に使うのかということである。 
 
それを「地下空間の有効活用」ということは、最初から汚染度を2m掘削し、その上に2.5mの盛り土をするということなど全く眼中になかったということになる。
 
恐らく基本となる3棟の地下には、当初の計画にはなかった駐車場を作ることが念頭にあったのかもしれない。
 
いずれにしても、バレてしまった以上、いくら都の担当者が謝罪したところで事態の収拾にはならないのは目に見えている。
 
いまさら建物の地下に大量の土を入れるのは、盛り土の上に建物を作るということとは真逆なアホな話になってしまう。
 
現実的な対応は地下水の侵入を防ぐコンクリートの強化工事しかない。
 
おそらくその工事だけでも1年くらいはかかるといわれている。
 
やはりこの際は、築地市場の最も危険な老朽化部分の応急手当をしながら築地市場での営業を続けるしかないのではないか、とオジサンは思う。
 
20160914tukijideiijann.jpg

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2016年09月13日

新国立競技場の二の舞いになるのか豊洲新市場

2年前の7月1日、安倍内閣は「集団的自衛権行使容認」の閣議決定をする際に、安倍晋三首相の意を汲んだ御用学者たちを集めた有識者会議を設け、議論させ提言させていた。
 
過去にも、政府は「○○諮問会議」等で答申させてそれを政策に反映させる、という手法を取ってきた。
 
内容が分からない国民からすれば、偉い大学の先生方が「お墨」を与えたのだから特に反対することもできなかった。
 
さらには、難しい建築物になれば、さまざまな分野の専門家が集まった「専門家会議」を設け、議論し最善の方式を検討し提言することが一般的である。
  
豊洲新市場建設に関しては9年前に開催された、「第1回豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の議事録には見逃せない記述があった。
 
まず、その専門家たちは以下の4名と甚だ心もとないメンバーであった。(肩書は2007年当時) 
 
●座長:和歌山大学システム工学部長の平田健正教授
◆独立行政法人産業技術総合研究所の駒井武副研究部門長
◆京都大学大学院工学研究科内山巌雄教授
◆京都大学大学院工学研究科森澤眞輔教授
 
会議の冒頭、比留間中央卸売市場長がこんな挨拶をしていた。
 
「移転地は、かつてガスの製造工場であったことから、ベンゼン、シアンなどの汚染物質が確認されておりまして、事業主であった東京ガス株式会社が平成13年2月から、これらの操業に由来する汚染物質の処理を開始いたしまして、平成19年3月には現地盤面から2メートルまでの土壌を掘削し、処理を完了したところでございます。
また、東京都におきましても、市場が生鮮食料品を扱うことの重要性にかんがみ、独自の土壌汚染対策として、法令の対象外でございますけれども、環境基準を超える自然由来の物質につきまして、東京ガス株式会社と同様の対策を行うこととしてございます。
さらに、東京ガス株式会社の土壌汚染調査で汚染物質が検出されなかった区域につきましても、建物建設地以外は掘削いたしまして土壌の入れかえ等を行い、その上に法令の指針を上回る厚さの盛土を行ってまいります。」
 
上記の発言からは、「法令の対象外」地域で「東京ガス株式会社の土壌汚染調査で汚染物質が検出されなかった区域」で「建物建設地以外は現地盤面から2メートルまでの土壌を掘削して土壌の入れかえ等を行い、その上に法令の指針を上回る厚さの盛土」を行うと読める。
 
言い換えれば、今回指摘された「水産仲卸売場棟」、「水産卸売場棟」、そして「青果棟」は「東京ガス株式会社の土壌汚染調査で汚染物質が検出されなかった区域」なので、土壌の入れ替えと盛り土は必要ないとしているのである。  
 
議事録では、事務局で司会を担当する東京都の東京都中央卸売市場管理部・新市場建設飯田課長は、いみじくもこんなことを宣言していた。
 
「会議は、検討過程の透明性を確保し、検討結果を広く都民や市場関係者にご理解いただけますよう、すべて公開で行い、会議資料や議事録につきましてもホームページで公開してまいりたいと考えております。」 
 
しかし実際の会議議事録は法に基づいて情報公開を請求しても、通称「海苔弁」と揶揄された黒塗りだらけの資料であったことは既に明らかにされている。 
 
したがって、上記の議事録から考えても建物の地下は初めから盛り土なんかしないで他の用途に利用しようとしていたらしい。
 
<設計当初から「盛り土なし」 都、専門家の了承得ず 豊洲市場>
 2016年9月13日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 東京都の築地市場(中央区)が移転を予定している豊洲市場(江東区)で、主要な建物の地盤で土壌汚染対策の「盛り土」がされていなかった問題で、都が遅くとも2011年3月から盛り土をしない方針だったとみられることが分かった。同時期に汚染対策を検討していた有識者の会議に十分な説明はなかった。
 都によると、豊洲市場の施設の設計業務は、11年3月に大手設計会社・日建設計が都から受託。同年6月までに基本的な設計を作り、詳しい設計を13年2月に終えた。この作業当初から、主な施設の地盤に盛り土をせず、配管などを通す空間を設ける基本方針だったという。
 敷地から環境基準を大きく上回る化学物質が検出されたため、大学教授らの専門家会議が08年7月、盛り土などの対策を提言していたが、3年後の設計作業では専門家の了承を得ないまま、別の工法に変更されていた。
 設計を作っていた当時も、別の有識者らによる「技術会議」でより具体的な土壌汚染対策が検討されていたが、都から会議委員に工法変更について十分な説明はなかったという。
 専門家会議座長だった平田健正・放送大和歌山学習センター所長は「工法変更を知り驚いた。工事の前提条件が変わった以上、安全性を再調査する必要がある」。技術会議委員だった都環境科学研究所の長谷川猛・元所長は「建物の地下に空間があるイメージ図は見せられた記憶はあるが、具体的な説明は受けていない」と話した。
 小池百合子知事は12日、都幹部に工法変更の経緯を調べるよう指示。当時の委員による専門家会議を再開し、安全性を改めて検証する考えを示した。
 豊洲市場の主な施設のうち、青果棟の地下の地面は厚さ約50センチの砕石層がむき出しになっており、コンクリートで固められていなかった。一部施設の地下には深さ数センチ程度の水たまりもあり、小池知事は地下水漏出の有無についての調査も指示した。
 
「2011年3月から盛り土をしない方針」どころかさらに3年前から盛り土計画はなかったらしい。 
 
<豊洲市場 都、08年に地下空間案 盛り土提言を受けた直後>
 2016年9月13日 07時00分 東京新聞
20160913toyosutikakukan.jpg 築地市場(東京都中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)で土壌汚染対策の盛り土が主要建物でされていなかった問題で、都が2008年には工法を検討する有識者の会議で地下空間を設ける考えを示していたことが、都への取材などで分かった。別の有識者の会議で盛り土の提言を受けた直後だったが、安全性などを検証しないまま11年には地下空間の設置を盛り込んだ設計図面を作成していた。 (内田淳二、榊原智康、中沢誠)
 豊洲市場を巡っては08年7月、土壌汚染対策を検討する有識者の「専門家会議」が、敷地全体を盛り土するよう都に提言。都の資料によると、この会議では「有害物質が建物内に入る恐れがあるため、地下施設は造らない方がいい」と指摘していた。
 提言を受けて都は08年8月、工法を検討する専門家の「技術会議」を設置した。しかし、議事録などによると、都側は同年11月の会議で、地下空間を設けて駐車場などに利用する公募案を紹介。翌月には、地下空間を設ける理由として「有害物質が検出された場合、浄化作業ができる空間が確保できる」と別の提案もしていた。
 駐車場などの公募案は工費や工期の問題から技術会議で却下された。都は建物の下に浄化作業ができる空間を確保する案を設計に反映したという。だが、設計図面を技術会議の委員に示さなかった。豊洲市場の整備を担当する都の芳田浩司課長は「工法が変わったら専門家会議に戻して安全性などを検証するべきだったが、解散したこともあって検証が抜けていた」と説明した。
 一方、技術会議の委員だった川田誠一・産業技術大学院大学学長は「地下も盛り土がされたと思っていた。実は空洞だと聞き、びっくりした」と話した。委員だった長谷川猛・都環境公社非常勤理事は「地下空間の利用なんて都は会議で詳しく言っていない。技術会議で承認していないと思う」と指摘。都によると、地下空間がある建物のうち、青果棟は地下水の上昇を防ぐ砕石層がむき出しになっており、コンクリートで覆っていない。長谷川氏は「地下の改修工事が必要になるのでは」と話した。
 
なんとも情けない「専門家会議」であり「技術会議」の面々である。
 
まさに都側の思惑にそってうまく「専門家会議」や「技術会議」がアイバイ作りに利用されたということである。
 
単なる移転延期で収まるのか、豊洲新市場の闇」でも紹介した、「日本共産党都議団(吉田信夫団長、17人)が7日の現地調査で確認し、豊洲新市場で、土壌汚染対策として厚さ4.5メートルの盛り土を全面にわたって行う予定が、主な建物の地下の地盤で行われていなかったことを明らかにした」ことを受けて多くのメディアが取り上げ始めたのだが、都議団の他の会派の連中は、こんな事実には関心がなかったのか、それとも全員知らされていたのかは定かではない。
 
少なくとも、都民から負託を受けた都議たちは、都民を欺くような今回の都のやり方には大いに怒らなければならないはずだが、そんな動きは全く見られない。 
   
そんな中、共産党都議団がかなり厳しい提言をした。 
 
<豊洲新市場めぐる重大問題 「盛り土せず」徹底究明を 共産党都議団が提言>
 2016年9月13日(火) 赤旗
 日本共産党東京都議団(吉田信夫団長、17人)は12日、都が築地市場の移転先とする豊洲新市場予定地(江東区)で、土壌汚染対策として行うはずの盛り土を行わず、都民をあざむいていた問題などについて、徹底的に究明するよう求める提言(骨子は別項)を発表し、小池百合子知事あてに申し入れました。
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(写真)豊洲新市場の地下の写真パネルを示して記者会見する日本共産党都議団=12日、都庁

 この問題は、日本共産党都議団の調査(7日)で、主な建物の地下で盛り土工事をしていなかったことが発覚し、マスコミの取材が都議団に殺到しているもの。
 提言は「土壌汚染調査も汚染対策もきわめてずさんだった。全ての建物の下の盛り土を行っていないのに、やっているとの虚偽の報告で都民をあざむいてきた」と厳しく批判。「食の安全・安心に関わる重大問題」だとして、徹底究明を求めるとともに、新市場施設の建物内の大気中でベンゼン汚染が確認された問題(本紙8月5日付報道)とあわせて、第三者の専門家を交えて検証するよう提起しました。
 また、施設の床の耐荷重が不足し荷物の搬送が制約され、売り場が狭いなど使い勝手の問題、市場用地を不当に高い価格で取得した疑惑、汚染対策工事入札の談合疑惑についても検証を求めています。
 申し入れに野田数・知事特別秘書は「趣旨は承った。知事が指示を出した件もあるので調査結果を待ちたい」と答えました。
 この後、日本共産党都議団は、都庁内で会見し、「提言」について説明しました。
 豊洲新市場予定地は高濃度の発がん性物質ベンゼンや猛毒のシアン化合物、ヒ素などが検出。都の専門家会議は2008年、汚染土壌を掘削し、厚さ4.5メートルにわたり盛り土する土壌汚染対策をまとめ、858億円をかけて工事を実施しました。
「豊洲新市場整備をめぐる重大な問題点と徹底検証のための提言」(骨子)
 日本共産党東京都議団が12日に発表した「豊洲新市場整備をめぐる重大な問題点と徹底検証のための提言」の骨子を紹介します。

1.食の安全・安心にかかわる問題
(1)建物下の盛り土をやらなかった問題の徹底究明を
(2)地下空間活用案の検討は2008年11月の技術会議が発端―事実の徹底解明を
(3)建物内のベンゼン汚染について調査を
(4)地下水管理システムが機能していない問題について検証を
(5)これまでの移転推進の知事の下でおこなわれた、市場、環境局および技術会議の土壌汚染対策の対応を全面的に再点検すること
2.施設の耐荷重不足や使い勝手の問題
(1)施設の耐荷重不足の問題について、設計の経過の検証を
(2)使い勝手の問題について、都の対応に問題がなかったか検証を
3.豊洲新市場開場後の市場会計の検証
4.土地購入、市場の整備工事などの契約にかかわる情報の全面公開を
(1)土地取得にあたっての経過の検証と公表
(2)高騰した土壌汚染対策工事費および施設建設工事契約について、要因の究明を
〈土壌汚染対策工事の談合疑惑の究明〉
〈各売場棟の建設工事が予定価格の99.9%など建設費が高騰してきた経過の検証〉
 
建築エコノミストの森山高至氏はこう指摘する。
 
「地下空間をきれいな土で埋め直すのは不可能に近い。建物内に大量の土を運搬するのは現実的ではないし、埋め直す際に1階部分の床を剥がそうものなら、建物の構造全体に損傷を来す恐れもある。地下空間に一切、水が入ってこないように防水工事をするしかありません」
 
しかし、これもそう簡単ではない。
 
豊洲の各棟の建築面積は、仲卸売場棟が7万平方メートルで卸売場棟は4万9000平方メートル、青果売場棟は5万8000平方メートル。 
 
東京ドーム約4個分もの広大な面積で、地下空間に水が浸入する恐れのある穴や溝を補修するのは、気が遠くなるほどの作業になり、建築関係者は、「工事費用は100億円を超える。工期は少なく見積もっても半年」とはじいている。 
 
1級建築士の水谷和子氏は、
  
「地下水に含まれるベンゼンやシアン化合物などの有害物質が揮発し、上の建物に浸入する恐れがある」
 
「地下空間に地下水が流れ込み、冠水した様子を見ると、地下水管理がうまくいっていないことは明らかです。この対策には、地下水をくみ上げて外に排出するための揚水井戸を、敷地内にいくつも敷設しなければなりません。建物が出来てしまっている以上、今から敷設するならば、工事費用、期間がどれだけ必要になるかは想像もつきません」
 
2019年日本でのラグビーW杯開催に合わせて建設を急がせたあげく、白紙に戻った新国立競技場。
 
石原・猪瀬両都知事時代に東京五輪招致のため、強引に築地市場を取り壊し「五輪道路」を優先するために豊洲移転を決めてしまい、その結果今回の杜撰な工事が発覚した豊洲新市場。
 
もはや、「立ち止まって考える」と悠長なことは言っていられない事態ではないことは確かであろう、とオジサンは思う。

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2016年09月12日

単なる移転延期で収まるのか、豊洲新市場の闇

メディアが派手に取り上げない限り、ほとんどの国民の関心が薄いのが、わが国の野党第一党の民進党の代表選。
 
昨日の11日に全国遊説が終了したらしのだが、主義主張はそれぞれ3人の候補が異なるのは当然なのだが、党としての基本的な姿勢が不一致な連中がはたして、強大な与党に対して真っ向から対峙できるのかと大きな疑問と不安が増してしまう。 
 
改憲に対しては全員前向きながらも憲法9条に対しては大きく異なり、TPPの国会での批准に対しては反対姿勢にもかかわらず、蓮舫代表代行は旧民主党政権時代に辺野古移設を米国と合意したとして「結論は守るべきだ。非現実的とか、しっかり議論すると言うのは簡単だが、基軸はぶれないのが外交の基本だ」と新基地建設には反対ではないらしい。
 
それではTPP参加を最初に表明したのは民主党時代の菅直人政権だったのだが、3人とも忘れてしまったらしい。
 
こんな体たらくでは、国民は暴走する安倍政権をストップすべき野党としての民進党に、何を期待すればよいのか。
 
年末にも予想される総選挙では「政権選択のための選挙であり、共産党とは組まない」と断言しているので、衆院選小選挙区での野党共闘は、限りなく期待できそうもない。    
 
さて、ようやく日本列島に大きな爪痕を残した台風も去り、一気に秋模様になってきたのだが、豪雨に襲われた地方ではまだまだ復旧はずっと先の話である。
 
現地の実情を視察することは政治家としては当然の役目なのだが、被災現場を訪れる場合は、天皇・皇后ですら状況に合わせた服装と履物を準備している。
 
今月1日、務台俊介内閣府政務官は政府調査団の団長として、9人が死亡した高齢者グループホーム「楽ん楽ん」がある乙茂地区の被災状況を確認した際に、長靴を履かず、職員に背負われて水たまりを渡っていたという。
 
務台政務官、水たまりでおんぶ 被災地視察で長靴履かず」 
 
   
 
水害現場の視察で長靴がないのは明らかに準備不足というよりは横柄であり、不眠不休で対応している町役場に対しても失礼である。
 
ところで、今朝の情報番組では、豊洲新市場の重要な施設の地下が将来、水害現場になる恐れがある「手抜き工事」が発覚していたと報道していた。
 
地下の詳細な写真を見ると、すでに雨水らしきものが溜まっている箇所や、泥水まみれの地下もある。
 
これは、日本共産党都議団(吉田信夫団長、17人)が7日の現地調査で確認し、豊洲新市場で、土壌汚染対策として厚さ4.5メートルの盛り土を全面にわたって行う予定が、主な建物の地下の地盤で行われていなかったことを明らかにした。

さらに、大山とも子・日本共産党都議団幹事長は、こう説明していた。
 
「水たまりがどのくらいの深さなのか、何も道具がなかったので指を入れてみたんです。すると、人差し指の爪くらいの深さでした。物差しで測ると1.2センチくらい。どうして水がたまったのか、都の随行職員に聞くと、地下水管理システムはまだ稼働してないので、地下水だろうとのことでした。ところが、本庁に聞くと、地下水システムはすでに稼働していると言われました。それなのに水たまりがあるということは、もっと問題です」  
 
すでに7か月前に指摘されていた「築地関係者が怒りの公開質問状!ずさん極まる豊洲新市場の帯水層調査」という問題が、なんら解決していないということになる。
 
極め付きはこの事実。
これにより、小池都知事は緊急記者会見を開く羽目になった。
 
<小池知事、安全性検証へ 豊洲市場の施設、盛り土せず>
 2016年9月11日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 築地市場(東京都中央区)から移る予定の豊洲市場(江東区)で、食品を扱う建物の地盤で土壌汚染対策の「盛り土」がなされていなかったことが分かり、小池百合子・東京都知事が10日、経緯や安全性を検証する考えを示した。先月末に延期を決めた移転時期の判断への影響も示唆した。
 小池氏は10日午後に記者会見し、「主な建物で盛り土をした」としてきた都の説明について「間違った情報だった。真摯(しんし)に反省する。都政の信頼回復と逆行する。粛正していきたい」と述べた。今後は安全性などについて、盛り土を提言した専門家会議の委員や別の有識者らに調査を依頼する。移転時期については「予断をもたずに色々なケースを考えたい」とした。
 豊洲市場は、東京ガスの工場跡地にあり、建設前の2008年の調査で、環境基準を大きく上回る発がん性物質のベンゼンなどを検出。このため、大学教授らによる都の専門家会議が08年、深さ2メートルまでの土壌を入れ替えた後、その上部2・5メートルまで盛り土をする対策を提言した。
 しかし、都によると、食品を扱う青果、水産卸売場、水産仲卸売場の主要3棟などの地盤で盛り土がされていなかった。代わりにコンクリートで囲まれた高さ約4・5メートルの空間がつくられ、設計上必要な電気や排水などの配管が通されていた。安全性について、都の担当者は「法定基準を大きく上回るコンクリート層があり、問題ない」とする。
 (小林恵士)
 
都知事選における公約の一つに「情報公開」を掲げていたが、図らずも都が正しくない情報を公開していたわけである。
 
正しくない情報には、単純な手違いとか担当者による「ヒューマンエラー」などがあるが、この盛り土をしないという工事はしかるべき責任者の下で行われており、その事実を隠していたとなれば、都庁の隠蔽体質が改めて問題となる。  
 
<都が「虚偽」の説明、費用どこへ消えた 「豊洲市場盛り土せず」疑問山積>
 2016年9月11日 朝刊 東京新聞
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 東京都の築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転に、また問題が持ち上がった。土壌汚染の不安を払拭(ふっしょく)するための盛り土があるはずの場所に、盛り土がない。「説明不足だった」。都側はそう釈明するが、失った信頼を取り戻すのは容易ではない。 (内田淳二、北爪三記)
 「きれいな土を盛ります」。築地市場の移転を解説する都ホームページの「疑問解消ブック」には、建物の下も含め豊洲の市場用地全体に4.5メートルの盛り土をする図柄がカラーで描かれている。都は都議会などへも、全体に盛り土をしてきたと説明してきたが、実態は違った。
 盛り土がないのは、水産卸売場棟など5棟の地下。敷地面積約40万平方メートルの3分の1を占める。代わりにあるのはコンクリートで囲まれた、がらんどうの空間だ。
 なぜ、結果的に「虚偽」となる説明をしてきたのか。
 「下水管などを配置するため。後々のメンテナンスができるようにしている」。都の担当者はそう説明する。建物の下は盛り土をしていないことは認識してきたが資料の図柄や説明方法を変更することは「思い至らなかった」という。土壌汚染対策として敷地全体に盛り土をすることなどを提言した「専門家会議」などの識者にも、詳しい説明はしていなかった。
 10日、都庁で開かれた緊急会見では盛り土をしなかった分の費用がどこに消えたのかを問う質問も出た。小池百合子知事は当初予定の3倍弱の2700億円余となった建設費に触れ「あまりにも膨らみすぎたので安くあげる努力をしたのか、その点も調べたい」と話した。
20160912toyosuhistory.jp.jpg   □    ■ 
 土壌汚染対策についてのホームページなどでの説明と、施設の構造との食い違いを把握した経緯について小池知事は「いろんな方面から情報をもらった」とだけ述べた。地下空間を造ることがいつ、どのように決まったのかは調査中だが、都側は意図的な隠蔽(いんぺい)を否定する。
 土壌汚染対策に不備はないのか。地下空間の床は、薄いコンクリートが敷かれている場所のほか、コンクリートもない砂利だけの場所がある。建物1階の床の厚さは35〜45センチあり、担当者は「土壌汚染対策法で必要とされる安全性は確保している」と釈明する。しかし、専門家の目にさらされていない考え方について、小池知事は会見で「一番の問題」と指摘した。
   □    ■ 
 土壌汚染対策の柱となる盛り土がされていなかった問題を受け、焦点となるのは「食の安全」のための追加対策の必要性や、それに伴う移転時期への影響だ。
 小池知事は、豊洲市場での地下水モニタリングの最終結果が来年1月に出るのを待って移転時期を判断する考えだが、追加の汚染対策などが必要になれば大幅に遅れる可能性もある。「あのまま移転にOKを出していたら大変な問題になっていた。どういう結果が出るかは専門家の提言、判断になる」と慎重に判断する意向を強調する。
 建物下が空洞だったことに耐震性を不安視する声も出ている。小池知事は、元環境省審議官の小島敏郎・青山学院大教授をトップとする専門家のプロジェクトチームを設置し、安全性に加え耐震性も検証する。
 建築エコノミストの森山高至さんは「配管にあれだけ大きな空間が必要なのか」と疑問を呈す。土壌汚染対策の点からも「地下のコンクリートがどうなっているか。時間がたてば重さで沈み、ひびが入ることも考えられる。土壌から揮発成分が出てくる可能性もあるのでは」と懸念する。
 
この事実は、要するに都が嘘ついて、仲卸業者はもちろん都民をすら騙していたことになる。
 
おそらく、盛り土していないことは移転プロジェクトに深く関わってきた自民党都連や移転推進派の仲卸業者幹部あたりは知っていたのかもしれない。
 
だからこそ、移転延期には強行に反対し、とにかく移転してしまえば、いくら後で「手抜き」が発覚しても今さら取り壊しもできないという既成事実をつくってしまえ、と考えていたかもしれない。

敷地の3分の2が盛り土されてなかったというから、850億円とされる盛り土費用はどこへ消えてしまったのか。
 
工事途中から予想以上に費用が増加し、いまさら予算追加もできないということから、当初の850億円の予算内に収まるように「中抜き工事」をしてしまったのか。
 
それとも、850億円を全て盛り土工事に使わず、移転プロジェクトに関わる利権グループへと流れていったのか、いずれにしても今後の調査を待つしかない。

それにしても、都庁の役人だけでこんな犯罪的な裏工作ができるとは考えられず、そもそも築地移転を言いだした石原慎太郎、その後継の猪瀬直樹、さらに舛添要一あたりも、決して無関係とはいえず、そこにはしかるべき権力が関わっている事だけは間違いない。
 
移転の基本的条件だった盛り土が正しく行われていなかったという事実は、汚染対策そのものに重大な不備・欠陥があったわけであり、調査結果では、移転延期どころか白紙撤回となる可能性も現実味を帯びてくる。
 
都民いや国民の「食の安全」に関して嘘をついてまでも移転を強行しようという連中の意図には、単なる古くなった築地市場を新しい市場に移転するという枠を超えた、我々には計り知れない深い闇が隠されているのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
【追伸】
 豊洲新市場建設に関わっていたゼネコンは、清水建設(水産仲卸売場棟) 、大成建設(水産卸売場棟) 、鹿島建設(青果棟) の各社らしい。    

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2016年09月11日

デレク・ブラウンの世界-2

新境地「BEATBOX SAX」で知られるデレク・ブラウン (Derek Brown) の演奏。
 
廃墟のような倉庫内のサックスが、まるで弦楽器のように鳴り響く「バッハ 無伴奏チェロ組曲」のさわりの部分をお届けします。
 
今日は出かけています。
 
「つぶやき」はお休みしますが、デレク・ブラウンの「ビートボックスとの融合」の愕くべきサウンドをお楽しみください。 
 
【デレク・ブラウンの世界-2】
 

 
参考までに、本来の演奏はこのようにチェロで演奏される。(フルバージョンです)
 
聴き比べてください。
 
【Mischa Maisky plays Bach Cello Suite No.1 in G (full)】



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2016年09月10日

デレク・ブラウンの世界-1

新境地「BEATBOX SAX」で知られるデレク・ブラウン (Derek Brown) の演奏。
 
深夜の街角や廃墟のような倉庫内で鳴り響く音がとてもサックスだけとは思えない。
 
空間を埋め尽くす "音" がヘッドフォン越しでも、全身を包み込むかのようである。
 
最近、日本でも盛んになっている「ビートボックス」。 

今日から泊りがけの会議に出かけます。
 
いつもの「つぶやき」はお休みしますが、デレク・ブラウンの「ビートボックスとの融合」の脅威のサウンドをお楽しみください。 
 
【デレク・ブラウンの世界-1】
 

 

 

 


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2016年09月09日

国民ファーストならぬ大企業ファーストの原発政策

日曜から過ごした旅先では台風の影響も受けず、夜間に大雨が降り日中は晴れるという天候に恵まれた。
 
そして昨日我が家に戻り久々にWebニュースを見たが、あまりにものツッコミ所が多いニュースにあふれていた。
 
もっとも政治関連記事は中身のない低俗な話題が多かった。
 
その中でも、「何をいまさら?!」とか、「何でそうなるの?!」と思った記事があった。
 
今年の2月末に、「まだある2020年東京五輪の競技施設問題」というつぶやきの中で、新国立競技場以外の各種スポーツ施設の当初見積費用とその後の費用の差を下図のように示した。
 
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そして、「特にその中でも当初見積額の7倍以上に膨れ上がった『海の森水上競技場』は建設金額の高騰のみならず、使用するアスリートから競技に際して異議が出ているという。」と指摘し、「逆風に揺れる東京五輪『海の森競技場』 ボート選手から『異議あり』」という記事を紹介した。
 
最後に、 
この会場は「東京都は臨海部開発の失敗したツケをね、オリンピックでいろいろ(施設を)ここに持ってきてという狙いがあるんじゃないかって。(邪魔な)橋も撤去して。そういう東京都の全体計画の中で臨海部を再開発する大きな狙いがある」と言われるように、アスリート・ファーストではなく、箱物行政の一環で建設を進められている。
もはや国威発揚の場としての五輪の時代ではないと思う。
2兆円にも上るという2020年五輪の総運営費は、ほとんどが一般の国民には恩恵をもたらさないことは過去の多くの国の五輪のその後を見れば明らかであろう。
純粋にアスリートを目指す子どもたちの夢と希望の象徴としての五輪ならばまだしも、大手ゼネコンだけが潤うような時代遅れの五輪なら必要がない
と締めくくった。
 
それから7か月、新しい都知事の選挙公約に沿った様々な五輪関連費用見直しが行われ、遂に当初から噂されていたことが事実として明らかになった。
 
<大成建設中心のジョイント・ベンチャーの五輪会場巡る落札率99.99%に疑問>
 2016年09月08日 14時15分 週刊文春
 整備予算の膨張が問題となっている東京五輪の「海の森水上競技場」の入札に、専門家から疑問の声が上がっている。
 ボートとカヌー・スプリントの競技会場となる「海の森水上競技場」は、東京都が整備予算を負担する恒久施設の一つ。開催都市立候補の段階では約69億円の予算だったが、開催決定後、周辺工事費用などが含まれていなかったとして約1038億円まで膨れ上がった。結局、試算を見直し、約491億円となったが、小池百合子知事は「500億円を海に捨てるようなもの」と批判している。
「海の森水上競技場」のグランドスタンド棟や水門などの整備工事は、新国立競技場を受注した大成建設を中心とするJV(ジョイント・ベンチャー)に決まったが、異例ずくめだった。
 まず入札に参加したのは大成のJVのみだった。また、248億9863万9680円の予定価格に対し、大成のJVの入札価格は248億9832万円だった。予定価格を上回れば、入札不調となるが、わずか31万円ほど安いギリギリの価格での落札で、落札率で言えば99.99%となる。
 20年以上、公共工事をウォッチしてきたという法政大の五十嵐敬喜名誉教授が語る。
「官製談合を疑われても仕方がないケースです。落札率が99.99%で価格点は限りなくゼロに近く、技術点も60点中36点と非常に低い。しかも、これだけの大規模工事にもかかわらず、技術提案書締切の後、技術審査委員会は2回しか行なわれていません。
 他の恒久施設の審査では外部有識者がいるのに、今回は審査委員6人のうち5人が都港湾局の職員です。こうした点からも、公平性・透明性に欠けると言わざるを得ません。入札過程を検証する必要があります」
 大成建設の広報は、週刊文春の取材に対して、次のように回答した。
「工事受注者の選定につきましては、適正な手続きに基づき行われているものと認識しております」
 発注者の都港湾局も「落札者の決定は適正に行われております」と回答した。
「海の森水上競技場」については、巨額の予算だけでなく、風や騒音の問題で選手や競技団体からも批判の声があがっており、今後論議を呼びそうだ。
 週刊文春9月8日発売号では、森喜朗・東京五輪組織委員会会長と大成建設など五輪施設受注企業との関係について詳報する。
文/「週刊文春」編集部 
 
「500億円を海に捨てるようなもの」という表現は正しくはなく、「受注企業が懐に500億円入れるだけ」というのが正解であろう。 
 
誰がどう見ても「落札率が99.99%」という数字は限りなくクロというよりは、事前に落札価格を業者側が掴んでいたという証であり、明らかな官製談合であろう。
 
大成建設がどのような企業なのかは、いまさら説明するまでもないが、過去には、「安倍内閣”ご用達ゼネコン”大成建設の『底力』 」という記事が載っていたが、「新国立競技場2500億円の理由!ゼネコン大成建設(オークラ財閥)と安倍晋三・麻生太郎・菅義偉が癒着」というまとめサイトもある。
 
もっと直接的な関係を暴露しているのはこんなツイートか。 
 
改めて、2020東京五輪は「利権集団ファースト」プロジェクトである。
 
ところで、「何でそうなるの?!」と言いたくなるような記事がこれだった。
  
<原発コスト 新電力も負担、政府調整 料金に上乗せ>
 毎日新聞 2016年9月8日 08時24分
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 政府が原発の廃炉や東京電力福島第1原発事故の賠償を進めるため、大手電力会社だけでなく、新電力にも費用負担を求める方向で調整に入ったことが7日、わかった。電力自由化で大手電力から新電力に契約を切り替える消費者が増えた場合、原発の廃炉や原発事故の賠償にかかる巨額の費用を賄えなくなる可能性があるためだ。だが、本来は大手電力が負担すべきコストを国民全体に求めることになり、議論を呼ぶのは必至だ。
 現行制度で原発の廃炉は、原発を保有する大手電力が自社の電気料金から費用を回収することになっている。福島第1原発事故の賠償は、東電が国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から必要な資金の交付を受け、大手電力が負担金を同機構に納付している。
 政府が導入を検討している新制度は、原発を保有する大手9社だけでなく、新電力にも廃炉や福島原発の賠償費用を負担させる仕組み。新電力各社は電気料金に上乗せして回収するため、契約者の負担が増すことになる。政府は事故を起こした福島第1原発のほか、全国の原発が廃炉になった場合の費用と、同機構を設立する前にかかった福島原発事故の賠償費用の合計を約8兆円と試算。家族3人の標準家庭モデルで月額数十円から200円程度の負担を想定している。
 しかし、新電力の契約者に原発の廃炉や東電の賠償費用を負担させることは、大手電力と新電力との競争を促すことで料金引き下げにつなげる電力自由化の趣旨に反し、原発を抱える大手電力の事実上の救済策と言える。
 政府は総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の下に小委員会を設け、新制度を議論し、年末までに一定の方向性を出した上で来年の通常国会に電気事業法の改正案を提出する。【川口雅浩】
 
まさに「本末転倒」の「言語道断」の内容である。
  
原発の廃炉にかかる費用は、110万キロワット級の原発で570億〜770億円程度とされる。
 
これは50万キロワット級の火力発電所の廃炉費用30億円程度と比べて15〜20倍超と巨額で、電力会社の経営の重しとなっているが、これは原発を建設する時点で分かっていたはずである。
 
そのため原発を保有する電力大手各社は、原発の廃炉に備え、必要な費用を「原子力発電施設解体引当金」として、電気料金に上乗せして徴収している。
 
経済産業省によると、国内の原発の廃炉に必要な見積額は電力10社(大手9社と日本原子力発電)の合計で2兆8200億円。
 
このうち2013年3月末時点で10社が解体引当金として積んでいたのは1兆5800億円で、引当率は56%だった。
 
その後も10社は引当金を積み増ししているものの、電力全面自由化で将来、徴収が進まない可能性もあるのなら、利益を減らしてでも引当率をさらに上げるべきである。
 
大手電力から新電力に切り替えた契約数は7月末時点で約148万件と全体の約2.4%に過ぎないが、将来的には拡大するとみられている。

そこで今回、政府が考えたのが、大手電力会社だけでなく、新電力を含めたすべての電力会社に廃炉や賠償の負担を求める案なのだが、新電力に切り替えた消費者も、過去には大手電力が原発で発電した電力を使っており、「過去に大手電力の電気を利用した需要家(消費者)と、電力自由化後の需要家の間に負担の公平性が損なわれてはならない」というのが政府側の言い分だという。
 
まさに官僚お得意の詭弁である。
 
「過去に大手電力の電気を利用した需要家(消費者)」は電力使用に際して原発で発電された電力がどの程度なのかは、知るべくもなく、100ボルトで配電される家庭電力には中身の色分けなどあるはずがない。
 
政府側の勝手な原発政策で使わされていた電気を、いまさら何という屁理屈をいいだすのか、開いた口がふさがらない。
 
「負担の公平性」という文言も好んで使う官僚用語で、昔、「売上税」を言い出し潰され「消費税」と言い換えた時も、広く薄く全国民から公平に頂く、と言っていたが、公平性は担保される仕組みにはなっていない。
 
さらに言えば、最低賃金で生活するより生活保護費の方が高い時は、最低賃金を引き上げるのではなく、公平性の観点から生活保護費を引き下げるという詭弁を平気で実行する。
 
しかし、福島の原発事故を教訓に、再生可能エネルギーによる発電比率の高い新電力を選んだ消費者もいるし、すべての契約者に負担を求めるとなれば、原発のない沖縄県の消費者にも廃炉費用を負担してもらうことになる。
 
あきらかな制度的な矛盾は否めず、消費者から「原発のコストは大手電力が負担すべきで、すべての国民に転嫁するのはおかしい」などといった反発が強まることは当然であろう。
 
電力全面自由化は、地域独占だった大手電力と新電力の競争を促し、電気料金を下げるのが目的だったにもかかわらず、政府が原発の廃炉や賠償を優先せざるを得ないのは、原発が潜在的にコスト高であることを自ら認めているようなものである。
 
5年前には率先して原発のコストは一番高いと主張していた大島堅一・立命館大学教授はこう言っている。
 
「原子力事業者にも新電力にも有利、不利な点がある。なぜ原子力事業者だけ不利な点を取り去る必要があるのか。明らかにおかしな政策で、保護策といえる。要するに原発のコストが高いということ。原子力事業者が自己解決すべきで、国が制度を作り面倒を見る必要はない。原子力事業者が原発のコストを払いきれなくなっている証明で、これこそ原発のリスクだ。政府が事故や廃炉のコストを入れても原発は安いと主張してきたこととも矛盾する。」
 
今まさにこの正論が真実味を増しているのだ。 
 
いちおう、原発をめぐる政府の身勝手な主張とオジサンの主張を列挙しておく。
 
<政府の主張>
・電力自由化で大手電力は廃炉や福島原発事故の費用を回収できなくなる恐れがある。
・新電力に切り替えた消費者も、過去には大手電力が原発で発電した電力を使っている。
・原発の廃炉や事故の賠償を円滑に進めるには、新電力を含むすべての契約者に負担を求めるべきだ。
 
オジサンの主張
・廃炉や賠償の費用は大手電力が経営努力で電気料金から回収すべきである。
・廃炉や賠償の費用を入れても原発は安いと言っていた主張と矛盾するのでこの政策は馬鹿げている。
・原発のない新電力や沖縄県の契約者が費用を負担するのはおかしい。大手電力の救済である。
 
しかし、福島第一原発の大事故から5年も経つのに全く反省も学習もしていない政府は、まさに絵にかいたような「大企業ファースト」を地で行っている、とオジサンは思う。

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2016年09月08日

城塞都市 カルカソンヌの世界-5

人気爆裂中、2014年には実写映画化されたコミック/アニメ「進撃の巨人」の舞台で、圧倒的な巨人から人類を守る "城郭都市" を彷彿とさせるフランスの世界遺産「城塞都市 カルカソンヌ」。
 
現存するヨーロッパの城塞の中では最大といわれ、その歴史は古代ローマ(2500年前)まで遡り、街(シテ)の住民たちは "得体の知れない" 外敵から身を守り、籠城によって戦争を回避する術として城郭を拡大しながら、複合的で巨大な防衛システムを構築していったという。
 
都市を全長3000mの二重の防壁が取り囲み、その内側に53の塔や大砲の設置できる付き出した区画を含んでいる。
 
今日は外出しています。
 
「つぶやき」はお休みしますが、「城塞都市 カルカソンヌ」の世界をお届けします。
 
【城塞都市 カルカソンヌの世界-5】
 
 
 
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2016年09月07日

城塞都市 カルカソンヌの世界-4

人気爆裂中、2014年には実写映画化されたコミック/アニメ「進撃の巨人」の舞台で、圧倒的な巨人から人類を守る "城郭都市" を彷彿とさせるフランスの世界遺産「城塞都市 カルカソンヌ」。
 
現存するヨーロッパの城塞の中では最大といわれ、その歴史は古代ローマ(2500年前)まで遡り、街(シテ)の住民たちは "得体の知れない" 外敵から身を守り、籠城によって戦争を回避する術として城郭を拡大しながら、複合的で巨大な防衛システムを構築していったという。
 
都市を全長3000mの二重の防壁が取り囲み、その内側に53の塔や大砲の設置できる付き出した区画を含んでいる。
 
明日まで家を離れています。
 
いつもの「つぶやき」はお休みしますが、その替わりに「城塞都市 カルカソンヌ」の世界をお届けしています。
 
【城塞都市 カルカソンヌの世界-4】

 
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2016年09月06日

城塞都市 カルカソンヌの世界-3

人気爆裂中、2014年には実写映画化されたコミック/アニメ「進撃の巨人」の舞台で、圧倒的な巨人から人類を守る "城郭都市" を彷彿とさせるフランスの世界遺産「城塞都市 カルカソンヌ」。
 
現存するヨーロッパの城塞の中では最大といわれ、その歴史は古代ローマ(2500年前)まで遡り、街(シテ)の住民たちは "得体の知れない" 外敵から身を守り、籠城によって戦争を回避する術として城郭を拡大しながら、複合的で巨大な防衛システムを構築していったという。
 
都市を全長3000mの二重の防壁が取り囲み、その内側に53の塔や大砲の設置できる付き出した区画を含んでいる。
 
木曜日まで家を離れています。
 
いつもの「つぶやき」はお休みしますが、その替わり「城塞都市 カルカソンヌ」の世界をお届けしています。
 
【城塞都市 カルカソンヌの世界-3】
 
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2016年09月05日

城塞都市 カルカソンヌの世界-2

人気爆裂中、2014年には実写映画化されたコミック/アニメ「進撃の巨人」の舞台で、圧倒的な巨人から人類を守る "城郭都市" を彷彿とさせるフランスの世界遺産「城塞都市 カルカソンヌ」。
 
現存するヨーロッパの城塞の中では最大といわれ、その歴史は古代ローマ(2500年前)まで遡り、街(シテ)の住民たちは "得体の知れない" 外敵から身を守り、籠城によって戦争を回避する術として城郭を拡大しながら、複合的で巨大な防衛システムを構築していったという。
 
都市を全長3000mの二重の防壁が取り囲み、その内側に53の塔や大砲の設置できる付き出した区画を含んでいる。
 
木曜日まで夫婦で家を離れています。
 
新聞、電話、パソコンのない生活を送っています。
 
いつもの「つぶやき」はお休みしますが、日替わりで「城塞都市 カルカソンヌ」の世界をお届けしています。
 
【城塞都市 カルカソンヌの世界-2】
 
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2016年09月04日

城塞都市 カルカソンヌの世界-1

人気爆裂中、2014年には実写映画化されたコミック/アニメ「進撃の巨人」の舞台で、圧倒的な巨人から人類を守る "城郭都市" を彷彿とさせるフランスの世界遺産「城塞都市 カルカソンヌ」。
 
現存するヨーロッパの城塞の中では最大といわれ、その歴史は古代ローマ(2500年前)まで遡り、街(シテ)の住民たちは "得体の知れない" 外敵から身を守り、籠城によって戦争を回避する術として城郭を拡大しながら、複合的で巨大な防衛システムを構築していったという。
 
都市を全長3000mの二重の防壁が取り囲み、その内側に53の塔や大砲の設置できる付き出した区画を含んでいる。
 
今日から木曜日まで夫婦で家を離れます。
 
新聞、電話、パソコンのない生活を送ってきます。
 
その間は、いつもの「つぶやき」はお休みしますが、日替わりで「城塞都市 カルカソンヌ」の世界をお届けします。
 
【城塞都市 カルカソンヌの世界-1】
 

 
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2016年09月03日

自動車ならリコール騒ぎになる危ない日本の原発の強度不足

国内では本人が「私は最高権力者」と嘯いても誰もお咎めができない状態になっているのが今の安倍晋三。
 
それは、2007年に屈辱的な職場放棄まがいの政権を投げ出し病院に逃げ込んだという、本人にとっては忌まわしい経験から、民主党政権が瓦解したあと復活した後、最も力を注いだのだメディア対策。
 
国内主要マスメディアのトップには飲食接待漬けをして、現場サイドに対しては、政権に不都合な番組や記事については、その都度上層部に官邸からクレームを付けるということを繰り返し、安倍晋三や政権に対して正面から物申すメディアは少数派になってしまった。
 
オジサンは常に安倍晋三は「裸のバカ殿」と言っていたのだが、昔から使われてきた「王様は裸だ」とは言えない大手新聞を、天木直人ブログはこんな風に批判していた。  
 
<「王様は裸だ」と言えない大手新聞>
 今の大手新聞は、みな安倍首相に対して「王様は裸だ」と言えない状態に金縛りだ。
 「王様は裸だ」という言葉を「アベノミクスは失敗に終わった」という言葉に置き換えてみたらいい。
 「王様は裸だ」という言葉を「原発アンダーコントロールは大嘘だ」と言う言葉に置き換えてみたらいい。
 「王様は裸だ」と言う言葉を「拉致問題の解決は安倍政権では無理だ」という言葉に置き換えてみたらいい。
 「王様は裸だ」という言葉を「慰安婦問題の不可逆合意はいかさまだ」という言葉に置き換えてみたらいい。
 「王様は裸だ」という言葉を「安倍首相と習近平の日中関係は改善不可能だ」という言葉に置き換えてみたらいい。
 誰もがその通りだと思っている事が書けないのだ。
 そして、今度は安倍首相の訪ロである。
 安倍首相が訪ロしてプーチン大統領と会談した。
 しかし、この訪ロがほとんど成果のないパフォーマンスであることは、識者は皆知っている。
 いや、外交に素人の国民でもわかる。
 ところが大手新聞はどう報じたか。
 すべての新聞がきょうの一面トップでこう書いている。
 「プーチン氏来日合意 首相、領土問題に『手応え』」(読売)
 「領土問題 交渉加速を確認 日ロ首脳11月にも会談」(朝日)
 「日露首脳年内2回会談 首相 領土問題に強い意欲」(毎日)
 「首相『領土発展へ手応え』 プーチン氏来日12月15日会談」(日経)
 「首相『領土交渉に道筋』、日露11月に再会談」(産経)
 
これら一面トップの見出しはすべて首相官邸の言葉の垂れ流しだ。
 王様は裸である事を知っていながらそうは書けないのだ。
 真実を隠す大手新聞がこの国のメディアをリードし、国民に本当の事を教えないのだから、日本の政治が良くなるはずがない。
 そんな大手新聞の中でただ一つ、安倍首相の今度の訪ロを一面で無視した新聞がある。
 外報面で取り上げ、安倍首相とプーチン大統領の思惑のすれ違いを書いた新聞がある。
 それは東京新聞だ。
 そこにかすかな救いを見る(了)
 
「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」というこの言葉も安倍晋三に対してよく使うのだが、五輪憲章を無視して「アベマリオ」を12億円もかけて演じたのは、森喜朗が安倍晋三を担いだという内部の話が漏れている。
 
あるディアは、「米国のオバマ大統領が全世界に向けてミッキーマウスの被り物を披露するだろうか?」と安倍晋三の「軽さ」を批判していたが、産経新聞とネトウヨ連中だけは拍手喝采で、その他の大手メディアはスルーだった。
 
オジサンの日々のブログ作成には大手マスメディアのWeb版記事が欠かせないが、宅配される新聞紙の情報量にはかなわない。
 
上記のブログで指摘していた大本営発表記事を垂れ流した5紙のWeb版は全ては見つからなかったが、「かすかな救いを見」たと言われた東京新聞の記事はすぐに見つかった。
 
冒頭から、タイトルに安倍晋三首相の言葉を、無批判に使うという愚はしていない。
  
<日ロ会談、山口で12月15日 「領土」めぐり思惑交錯>
 2016年9月3日 朝刊 東京新聞
 【ウラジオストク=栗田晃】安倍晋三首相は2日、ロシア極東のウラジオストクで、プーチン大統領と会談した。両首脳はプーチン氏が12月15日に訪日し、首相の地元山口県長門市で首脳会談を行うことで合意した。
 プーチン氏訪日は大統領としては2005年11月以来、11年ぶりとなる。首相は地元に招く理由を「ゆっくり静かな雰囲気の中で、平和条約交渉を加速させたい」と記者団に述べた。訪日に先立ち、11月のペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも会談を行う。
 日本側は5月に行われたロシア・ソチでの前回会談で、北方領土問題が障壁となり停滞が続く平和条約締結交渉について「新たなアプローチ」を提案。
 今回、会談途中の55分間、通訳だけを残し、プーチン氏と1対1で話し合った首相は「2人だけでかなり突っ込んだ議論を行うことができた」と指摘。さらに「新たなアプローチに基づく交渉を具体的に進めていく道筋が見えてきた」と振り返った。
 前回会談では、極東の産業振興やエネルギー開発など八項目の経済協力案を提示。その後、ロシア側からも49の共同プロジェクトリストが示され、今回は具体化に向けて協議した。
 プーチン氏は会談冒頭のあいさつで「ソチでの提案を真面目に検討している」と述べ、首相は「ロシア極東地域は格好の共同作業の場。日ロ協力を強力に推し進めていきたい」と応じた。会談は夕食会を合わせて約3時間行われた。
◆首相、進展へ足掛かり プーチン氏、G7へ揺さぶり
 12月に実現することになったロシアのプーチン大統領の訪日。安倍晋三首相の北方領土問題の進展への強い意気込みと、欧米の包囲網を切り崩し、日本からの経済協力を得たいロシア側の意向が一致したことが背景にある。
20160903keizaikyouryokuan.jpg■不透明
 プーチン氏の訪日は、北方領土交渉を巡り日ロ間で合意した「新たなアプローチ」の成果が問われる場となる。首相はロシア極東での経済協力を加速して問題の前進につなげたい考えだが、功を奏するかは見通せない。
 首相は五月のプーチン氏との会談で、北方領土問題で「新たなアプローチ」で交渉を進めることを提案。極東の産業振興など八項目で協力を進めることを提示した。今回の訪ロ直前の一日には、ロシア経済分野協力担当相を新設し、経済協力の本気度を示した。
 日本と旧ソ連は国交回復を定めた1956年の日ソ共同宣言で平和条約締結後の歯舞、色丹2島の引き渡しを明記。プーチン氏が共同宣言の有効性を認めていることから、首相は経済協力をさらに進めることで、領土問題進展に向けた足掛かりとしたい考えだ。
 しかし、日本はこれまでも、領土交渉と経済協力を並行して推進してきたが、領土問題は停滞が続いてきた。首相は引き続き、プーチン氏との会談を重ねて信頼関係を深めたい考えだが、日本政府内にも「プーチン氏を動かしても、ロシア大衆の合意がないと難しい」と悲観論が根強い。 (関口克己)
■けん制
 先進7カ国(G7)の一角である日本へのプーチン氏の訪問は、日本から経済協力を引き出すとともに、ウクライナ危機を巡り対ロシア制裁で足並みをそろえるG7に揺さぶりをかける思惑がありそうだ。
 訪日は当初、2014年中を目指したが、ウクライナ危機で先延ばしになってきた。先月30日、ロシア側が訪日を一方的に明らかにしたのも、日ロの接近に懸念を示してきた米国へのけん制とみられている。
 プロジェクトが具体化してきた経済協力も、立ち遅れてきた極東開発に寄与するだけに、ロシアにとってメリットは大きい。
 ただ、北方四島をロシアは「第二次世界大戦の結果、正当に手に入れた」との立場を依然として崩していない。プーチン氏も、2日に報じられた米通信社とのインタビューで、経済協力を得られても「領土で取引はしない」と明言した。
 一方で、プーチン氏は04年に国境を画定させた中国との領土紛争を踏まえ、「同じように両国間の信頼関係が高まれば、妥協できるかもしれない」とも述べた。経済協力先行であれば、その先もあり得るとの示唆には交渉で優位に立とうとする姿勢がにじむ。 (ウラジオストク・栗田晃)
 
オバマ米国大統領から電話会談で再三再四、ロシア訪問やプーチン来日に対して厳しく牽制されてきた米国追随安倍政権だったが、11月8日の大統領選挙以降、来年の1月までは、実質的にはオバマ政権はレームダック状態になるとの見立てから、12月のプーチン来日を決めたのであろう。
 
4島全面返還が長年の日本の要求であったのが、「新たなアプローチ」で実現するとは思えず、安倍晋三の「新たな判断」で消費税増税時期が延期されたことを考えれば、単なる「新たなパフォーマン」に終わるかもしれない。
 
ところで、突然の如く海外から日本のメーカーが作った原発の原子炉圧力容器などの重要設備において強度不足の疑いが発覚した。   
 
国内原発13基で強度調査へ 仏で問題のメーカー製造
 
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【東京新聞より】
  
 
<国内8カ所13基調査へ 圧力容器に強度不足の疑い>
 毎日新聞 2016年9月2日 23時41分
 電力6社は2日、フランスの原発で強度不足の疑いがある原子炉圧力容器などの重要設備を製造したメーカーが、稼働中の九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)を含む国内8原発13基の圧力容器を製造していたと原子力規制委員会に報告した。
 電力各社によると、問題のメーカーが製造していたのは、ほかに東京電力福島第2原発2、4号機(福島県)▽北陸電力志賀1号機(石川県)▽関西電力高浜2号機(福井県)、大飯1、2号機(同)▽日本原子力発電敦賀2号機(同)▽四国電力伊方2号機(愛媛県)▽九電玄海2、3、4号機(佐賀県)--の原子炉圧力容器。6社は10月末までに強度に問題がないかなどをそれぞれ調査し、規制委に報告する。
 この問題を巡っては、フランスの規制当局が6月、同国内で運転中の原発18基の重要設備に強度不足の疑いがあり、調査を進めていると発表。設備は「日本鋳鍛鋼」(北九州市)と同国の「クルゾ・フォルジュ」が製造していた。日本の6社8原発の圧力容器はいずれも日本鋳鍛鋼が製造していた。
 
さっそく日本の原発推進メディアは、「『強度不足可能性』仏指摘の鋼材、国内8原発13基の原子炉容器で使用 10月までに調査報告」という記事の中では、問題のメーカーの日本鋳鍛鋼に「原子力の分野では特に厳しい仕様を定め、検査で強度も確認しており、現時点で問題はないと認識している。事業者の調査に協力し、原子力規制委員会から要請があれば、いつでも調査を受ける」と事態の沈静化を図る様な内容であった。
 
不思議なのは、「原子力の分野では特に厳しい仕様を定め、検査で強度も確認して」いる製品が、なぜフランスで強度不足の疑いが出てきたのか。
 
これは政権の意を汲んだ日本の原子力規制委員会と国民の安全を第一に考えるフランスの規制当局の大きな違いなのであろう。
 
原発設備の強度不足などは、大きな事故が発生して初めて分かったのでは取り返しのつかないことであり、たとえば自動車のエアバッグの不具合は、衝突事故が起きてエアバッグが作動して初めて発覚したら人命は守られない。
 
そのため昨年発覚したタカタ製エアバッグのインフレータの不具合により、世界規模で大量のリコールが発生しているが、原発の場合は原因が判明するまでは稼働中の川内1号機と2号機は直ちに停止するべきではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年09月02日

10万年後、私たちはネアンデルタール人と思われるのか

W杯出場のためには、最終予選の初戦は絶対に落とせない。W杯予選の長い歴史の中でも、最終予選の初戦を落とした国がアジアの代表として本大会に出場したケースは一度もない」と度々スポーツメディアで言われてきた。
 
その「絶対に負けられない」はずの2018年ロシアW杯アジア最終予選の初戦を昨夜観戦した。
 
イタリアでは出場機会のない本田圭祐が先制点を頭で叩き出し、順調なスタートで始まった「日本vsUAE」戦。
 
しかしすぐにゴール前の不用意な反則から相手にFKを与え、GK西川も手が届かなかった完璧なシュートを決められ同点。
 
後半に味方のペナルティエリアでPKを誘うUAEの選手の術にはまり足をかけてしまい、相手にPKを決められ逆転される。
 
あとはUAEの巧妙な時間稼ぎのためのトリックプレーに翻弄され、最後は若手FW3人を投入するが既に手遅れ感が漂い、最悪の結果を迎えてしまった。
 
最終予選B組は6チームが自国と相手国で2試合づつ戦う「ホーム&アウェイ}方式なので、全試合数は来年9月5日まで10試合あり、その初戦に負けたに過ぎないのだが、過去の結果を見ると先行き不安となる。
 
【日本のW杯アジア最終予選初戦の戦績】
1954年W杯予選=日本1●5韓国(H)→予選敗退
1962年W杯予選=日本1●2韓国(A)→予選敗退
1986年W杯予選=日本1●2韓国(H)→予選敗退
1994年W杯予選=日本0△0サウジアラビア(カタール)→予選敗退
1998年W杯予選=日本6○3ウズベキスタン(H)→本大会出場
2006年W杯予選=日本2○1北朝鮮(H)→本大会出場
2010年W杯予選=日本3○2バーレーン(A)→本大会出場
2014年W杯予選=日本3○0オマーン(H)→本大会出場
※( )内のH=ホーム、A=アウェー、国名は開催地(以下同)
 
1954年から1986年までは国内にプロサッカーリーグ(Jリーグ)ができる前であり、1993年のJリーグ発足以降は、翌年の1994年は引き分けしたが、それ以外は最終予選では初戦を勝利で飾っていた。        
 
従って1998年のフランス大会以降はすべて予選の初戦は負けなしで4大会連続出場していたのである。
 
こんな過去の記録から冒頭のようなことが言われ続けていたのだが、昨夜のテレビ中継の試合後のアナウンサーは「前を向き歴史を変えよう」と選手とサポーターたちを叱咤激励しているようであった。
 
残り9試合だが、オーストラリア、サウジアラビラ、イラク、タイ、UAEの中で確実に勝てる相手国は現在は存在しない。
 
来週6日の「日本vsタイ」戦を見守るしかない。
 
さて、先月末まで3つの台風に襲われた日本列島。
 
とりわけ台風上陸の経験がなかった北海道や東北では大きな被害や犠牲者が出てしまった。
 
テレビメディアは、少しでも迫力のある画像を視聴者に送るため風雨の強い現場に記者を派遣して実況中継を行っていた。
 
しかし初めて台風の直撃を経験する東北地方の原発のある福島県からの実況はひとつもなかった。     
 
これも最近のテレビメディアお得意の自己規制なのだろうか。 
 
やはり台風10号の大雨の影響は出ていた。 
 
<福島第一、地下水が急上昇 大雨続き、凍土壁2カ所溶ける>
 2016年9月2日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 東京電力福島第一原発で、汚染水対策で設置が進む凍土壁で遮蔽(しゃへい)された下流のエリアの地下水位が、台風10号による降雨の影響以上に上昇していたことが1日、わかった。東電は、凍っていた凍土壁の2カ所が、度重なる大雨で溶けたと明らかにした。こうした穴を抜け、原子炉建屋側の地下水が下流に流れ込んだとみられる。
 東電によると、凍土壁の下流の護岸の地下水位は、台風10号が通過した先月30日に一時、地表の下28センチまで上昇した。台風10号の通過前は35センチ下だったといい、7センチほど上昇した。台風10号による付近の降水量は1日で55ミリ。それだけなら5.5センチの上昇ですむはずだが、ポンプで740トンの地下水をくみ上げたにもかかわらず、降水量を超える水位の上昇があった。
 東電によると、先月17日に接近した台風7号の大雨以降、凍土壁の2カ所で0度以下だった温度が0度以上に上昇した。度重なる大雨で大量の水が流れ込んだことで溶けたとみられる。東電は薬剤を流し込み、再凍結を促す工事をする。
 凍土壁の上流にある原子炉建屋には、高濃度汚染水がたまっている。東電は、建屋近くを通って汚染された地下水が、凍土壁の穴を抜けて下流に流れ込んだとみており、凍土壁が機能していない状況を認めた。
 地下水が地表まであふれなかった出た場合、側溝などを通じて海に流れ出す恐れもあった。東電の担当者は1日、「あと150ミリ降っていたら、地表面を超えていたかもしれない」と話した。気象庁は当初、東北地方の多いところで24時間に200ミリほどの雨が降ると予想していた。(富田洸平)
 
杜撰な計画の汚染水の「凍土壁遮蔽」作戦は既に破綻しており、3年前の安倍晋三の国際的虚言とは裏腹に、コントロールできていない汚染水は相変わらず「ダダ漏れ」状態なのである。  
 
こんな汚染水を生み出した最大の諸悪の根源である原発の廃炉後のあとの始末について、原子力規制委員会がマンガのようなとんでもない基本方針を発表した。 
  
<制御棒処分、地下70メートル超 電力会社400年、国が10万年管理 原子力規制委>
 2016年9月1日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 原子力規制委員会は31日、原発の廃炉で出る放射性廃棄物のうち、原子炉の制御棒など放射能レベルが比較的高い廃棄物(L1)の処分の基本方針を決定した。地震や火山の影響を受けにくい場所で70メートルより深い地中に埋め、電力会社に300〜400年間管理させる。その後は国が引きつぎ、10万年間、掘削を制限する。これで、放射能レベルの高いものから低いものまで放射性廃棄物の処分方針が出そろった。
 原発の廃炉で出る放射性廃棄物は、使用済み核燃料から出る放射能レベルが極めて高い高レベル放射性廃棄物(L1)と、原子炉圧力容器の一部などレベルが比較的低い廃棄物(L2)、周辺の配管などレベルが極めて低い廃棄物(L3)に大きく分けられる。
 埋める深さは放射能レベルによって変わる。高レベル放射性廃棄物は地下300メートルより深くに10万年、L2は地下十数メートル、L3は地下数メートルとの処分方針がすでに決まっていたが、L1は議論が続いていた。大手電力会社でつくる電気事業連合会は、国内の原発57基が廃炉になれば、L1だけで約8千トンの廃棄物が出ると試算している。規制委はL1について、コンクリートなどで覆って70メートルより深い岩盤内に少なくとも10万年間は埋める必要があると結論づけた。電力会社が管理する期間については「数万年とするのは現実的でない」として、300〜400年間とした。その後は、国が立ち入りや掘削がされないように対策を取るとした。
 処分地はL1〜L3とも、電力会社が確保する必要があるが、候補地選びは難航しそうだ。すでに廃炉作業が始まっている日本原子力発電東海原発(茨城県)では、最も放射能レベルの低いL3に限って原発の敷地内に埋めることを今年1月、地元が容認した。しかし、これが受け入れが決まった全国で唯一の例で、L2やL1の受け入れを容認した自治体はない。
 一方、高レベル放射性廃棄物の処分地は、火山や活断層から離れた場所で、運搬しやすいように海岸から20キロ以内が「適性が高い」などとする条件が検討されている。国は年内にも候補となる「科学的有望地」の地図を示す方針だ。(杉本崇)
 
かなり前から言い続けられている「原発はトイレのないマンション」。 
 
昨年の今頃、九州電力川内原発(鹿児島県)が再稼働したことに対して、「再稼働は核のごみの増大につながる。この先、どれだけ発生するのか不確定なままでは国民は納得せず、将来世代にも無責任だ」と指摘していた、放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会」の委員長の今田高俊東工大名誉教授(社会システム論)。
 
今回の原子力規制委員会の処分方針に従い高レベル放射性廃棄物の処分地の候補となる「科学的有望地」の地図を示す方針に対しても、鋭く批判していた。 
 
<核のごみを地中に10万年「理解得られぬ」 今田名誉教授、拙速な計画を批判>
 2016年9月2日 朝刊 東京新聞
20160902imadakyouju.jpg 日本学術会議で「高レベル放射性廃棄物(核のごみ)」の最終処分に対する提言をまとめてきた東京工業大の今田高俊名誉教授が、本紙のインタビューに答えた。経済産業省が1日の有識者会合で、12月にも最終処分地に適した地域を色分けして示す日本地図を公表すると確認し、最終処分を急ぐ方針をあらためて示したことについて今田氏は「拙速で、国民の理解を得るのは難しいだろう」と批判した。 (吉田通夫)
 −学術会議の提言は「科学的な知見」に限界があることを認めている
 「『科学的な知見』というと絶対の真理に聞こえるが、東日本大震災と福島第一原発が覆した。核のごみは最短1万年、最長10万年にわたって人類から隔離しなければならない。1万年前は縄文時代。10万年前、私たちはネアンデルタール人だった。将来からみれば私たちもそういう立場だ」
 −政府は核のごみを地下300メートル以深に埋める方針を変えていない
 「核のごみを放置できないのは事実だが、一部の学識者と行政が出した結論に国民を誘導しようとしても、理解は得られない。行政などの利害関係者から独立した立場で科学者同士や市民同士が話し合う必要もある。国民が科学的な知見の限界を知りつつ、何らかの処分方法について合意できるよう、さまざまな議論の場を設けなければならない。そのために50年間は最終処分を保留し暫定的に保管することを提案した」
 −政府は昨年の自治体向け説明会を非公開にして批判を浴びた
 「秘密主義が見え隠れしている。一部の人たちだけで決めてしまうのではないかという不信が広がれば国民的な合意はできない」
 −経産省は原発マネーと同じように、処分場の受け入れ自治体に交付金を給付する
 「カネで自治体を釣る手法は、市民が主導する民主主義的な合意プロセスを台無しにしてしまう。政府や電力会社の原子力関連の機能を移転して町づくりに生かすなど、カネに頼らない支援が望ましい」
 −政府は、原発の再稼働と処分場の問題は別だとして、ごみの行き場がないまま原発の再稼働を急いでいる
 「理解できない。原発を動かせば核のごみが出るのだから処分場の問題と密接に関係する。私たちは核のごみを無尽蔵に増やさないため上限を設ける『総量規制』も提言している。私たちの調査では総量規制への賛成者の割合が高い。国民は脱原発に向けた着地を求めているのではないか」
20160902omonateigen.jpg

◆最終処分場をめぐる経緯
 「高レベル放射性廃棄物(核のごみ)」は、使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す「再処理」をした後に残る廃液。人が近づくと数10秒で死亡するほど強い放射線を出すため、政府は溶けたガラスに混ぜて固めて金属容器に入れ、地下300メートル以深に処分場をつくり埋設しようとしている。最長10万年の隔離が必要で、地震が頻発する日本では安全への懸念が根強い。
 最終処分場を決めないまま原発を推進してきた国の政策は「トイレなきマンション」と批判され、2013年には小泉純一郎元首相が脱原発を主張する理由に処分場がないことを挙げた。政府は最終処分地の受け入れ自治体の立候補を待ったが決まらず、15年5月に自らが主導して決める方針に転換。今年8月には海底に埋める案も検討することを明らかにした。
 <日本学術会議> 1949年に設立された内閣府が管轄する特別機関。「科学者の代表機関」や「科学者の国会」などと呼ばれ、84万人の学識者の中から210人が任期6年の委員に選ばれる。法学や経済学など30の学術分野に分かれた分野別委員会のほか、社会的に重要な課題に対しては課題別委員会を設置。政府から独立した立場で政策を提言する。海外の学術団体との連携なども担う。
 
「10万年間は埋める」とか、「数万年とするのは現実的でない」から「電力会社が管理する期間は300〜400年間」が本当に現実的と考えているのだろうか。
 
電力会社が最長400年間管理した後、管理する国とは一体どこにあるのか。 
 
そもそも、地球は10数枚のプレートで覆われており、陸地や海はその上に乗っている。
 
そして日本列島は下図のように4つのプレートの上に乗っかっているという現実を認識しなければならない。
 
20160902japanplate.jpg
 
 
「10万年前、私たちはネアンデルタール人だった」時代は、日本はまだ大陸と地続きであったのだが、これからの10万年で4つのプレートがどのように変動するのか、そしてその時に日本が存在していることすらも想像できない。
 
要するに「最後は金目でしょう」という発想から、原発マネーで自治体を釣り、最終処分場候補地として手を上げさせ、その後の埋設や管理方針は自分たちが決して責任をとらない「未来」に設定し、当面を逃げ切ろうという原子ムラ連中の姑息な浅はかな考えなのであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:43| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月01日

豊洲新市場移転問題は都知事に任せるが、閣僚の疑惑追及はメディアの出番

昨日は午後から小池百合子都知事の記者会見を最後まで見てしまった。
 
予想通りの内容であったが、既定路線を変えられたと思っている政権提灯持ち評論家として名だたる、時事通信の田崎史郎は、怒り心頭の表情を隠さず、「11月移転の延期の根拠が薄弱だ」と吠えまくっていた。
 
しかし、見方を変えれば、自民党が推薦していた増田寛也が都知事になっていたら、11月2日に築地市場は閉鎖され7日には新しい市場が開場され、その後隠されていた諸問題が露呈したかもしれなかったのである。
 
それが移転延期になったとたん、マスメディアは一斉に小池百合子都知事を血祭りに上げようとしていた。
 
記者会見を見た、「晴天とら日和」の管理人は、こう怒っていた。
 
テレ朝の報道で、何度も何かの一つ覚えのように繰り返しておられましたが、  
東京都の担当者によると、延期中も豊洲市場の維持管理費として一日700万円ほどが都の負担としてかかるという…
だから延期すべきではなく直ちにと豊洲に引っ越せとばかりに言うわけですな。
ザケンなよ!
こんな状況にした元凶の責任を問わないで、なんと言う言い草だと思う。(怒!!!!!
イシハラの責任、都議会のドンの責任、責任論を言うならば、こいつらに損害賠償を請求すべきだと思う。
テレ朝にしても、どこの益々ゴミが、豊洲に関しての、イシハラの責任を徹底追及したことが一度でもあるか!
ないだろうが、。。。
腰がひけていただろうが、。。。
益々ゴミには、益々ついて行けれない、って、思うわ、。。。
 
少々表現は悪いが核心を突いていた。
 
さらに、元外交官のこのお方は「よくもこんな豊洲移転が認められたものだ」と題して都議会だけの問題ではなく、最終的には国民全体の責任である、とまで言い切っていた。
 
・・・前略・・・
いま我々が問わなければいけないのは、よくもこのような問題だらけの豊洲移転が決定され、11月移転が当然視されてきたものだ、という事だ。
歴代の都知事の誰一人として本気で移転に待ったをかけなかったということだ。
もしその元凶が、巷間伝えられているように、内田某に牛耳られてきた東京都議会であるとしたら、吊し上げられるべきは彼らだ。
責められるべきは、それに屈した歴代の東京都知事である。
それにしても、よく内田某という一介の都議が、これほどまでに東京都議会を牛耳って来れたものだ。
よくも歴代政権は、民主党政権も含め、そんな都議会を野放しにして来たものだ。
東京都議会改革は、そっくりそのまま、この国の政治改革である。
小池百合子都知事一人の責任ではない。
都民の責任だ。
いや、メディアを含め、国民全体の責任である。
この際、徹底的に叩きのめさなければ、日本の政治は何も変わらない。
長きにわたり禍根を残す事になるだろう(了)
 
築地市場移転反対運動は既に3年前から組織的に行われており、2013年の「守ろう築地市場9・7パレード」では、以下の呼びかけ団体や賛同人や賛同団体が参加した。
 
【賛同人】
梓澤和幸(弁護士)
宇都宮健児(弁護士)
坂巻幸雄(日本環境学会・土壌汚染問題WG長)
畑明郎(日本環境学会・元会長)
三國英實(広島大学名誉教授)
【賛同団体】
市場を考える会
築地を守る市民会議
東京土建一般労働組合 主婦の会
日本消費者連盟
東京国公
中央区労協
【呼びかけ団体】
東京中央市場労働組合
新日本婦人の会東京都本部
婦人民主クラブ東京都支部協議会
農民連
東京地評
千代田区労協
全労連・全国一般東京地本(事務局)
(現在前向きに検討いただいている団体):食健連
自由法曹団
東京自治労連   
(2013/8/30現在 
 
今後は移転延期により、第二ラウンドに入るわけだが、数千億円もの新市場建設にかかわる多くの利権屋たちの反撃が予想されるが、ここは一つ、都知事に任せるしかない。
 
しかし安倍政権の「ポンコツ内閣」の閣僚たちの疑惑追及は国民が束になってもかなわないことなので、マスメディアが本来の使命感を発揮しなければならない。
 
先週、「今村復興相が検査入院、週明けに復帰予定」というニュスが流れ、どうやら閣僚就任前の「身体検査」のやり直しでもしているのかと思っていたら、ばれた財テク対策入院であった。 
 
<今村復興相の“怪しい財テク”…要職に就きながら株式売買>
 2016年9月1日 日刊ゲンダイ
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東京電力8000株も保有/(C)日刊ゲンダイ
 
 現役閣僚にまた“政治とカネ”の問題だ。今村雅弘復興相(69)が国交省の要職に就いていたころ、同省と関連のある企業の株式の売買を繰り返していたという。29日付の「赤旗」が報じて、わかった。現在も、1部上場の優良株18銘柄(別表)を保有。その時価総額(2015年3月時点)は6000万円超にもなる。
 議員が株式を保有してはいけないという決まりはないが、問題なのはその銘柄と職務との関連性だ。今村大臣は国交政務官や国交委員長などを歴任。典型的な国交族だ。現在保有する株の中には、通信インフラ事業などを行う「NDS」など、“国交関連銘柄”が数多く含まれている。
 しかも、復興相にもかかわらず、東京電力8000株も保有している。今村事務所は本紙に対し「株式の保有は他の閣僚もやっていること。これに関して特にコメントはありません」と回答したが、問題は大ありだ。政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
 「現職の復興大臣が東京電力の株を持っていること自体、あり得ない話です。国交委員長など影響力のあるポストに就きながら株を売買、保有していたなら、“疑惑”を持たれても仕方がないでしょう。“今村銘柄”は買いという話になりかねません」
 当の“財テク”大臣は、22日から検査のため都内の病院に入院していたが、30日から公務に復帰。一部では“重病説”も流れたが、「入院は4日間で、入閣前から決まっていたこと。検査で何か問題が見つかったわけではなく、本人は健康です。激やせしたのは4年前に糖尿病を患ったから」(今村事務所)とのこと。
 安倍内閣では他にも、時価総額8000万円超の株を持つ塩崎恭久厚労相や麻生太郎財務相ら、株長者がゴロゴロいる。これらは官製相場の上で成り立っていることを、有権者はよ〜く覚えておいたほうがいい。
 
それにしても数千万円もの国民の税金で支払われる議員報酬を得ている連中が財テクに走る様は、今では死語扱いになっている「公僕」ではなく「銭ゲバ」であろう。
 
そして極めつけは、またもや週刊文春記事から発覚した。
 
<安倍内閣の新閣僚が国会質問の見返りに5千万円の重大疑惑! 稲田朋美の領収証偽造に続きマスコミはスルーか>
 2016.08.31 リテラ
 明日9月1日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、安倍内閣現職大臣のスクープを掲載する。その疑惑の大臣は、“リフレ派”として安倍政権の金融政策を先導し「アベノミクスの仕掛け人」と呼ばれてきた山本幸三地方創生担当相だ。
 なんと山本氏は、自身が代表取締役社長を務める会社に資金提供した人物への強制捜査に対し、国会で疑義を呈する質問をし、捜査に圧力をかけていたというのだ。
「週刊文春デジタル」の記事(リンク)によれば、山本氏が社長を務める会社というのは、「ブルーエコノミー・ホールディングス」。ブルー社では山本氏の知人であるX氏が取締役に就いていたが、このX氏が〈実質的に支配する会社〉に対し、横浜市の金融業者である加藤次成氏が2億円を提供。そこから5000万円が山本氏のブルー社に流れていたのだという。
 じつはこの加藤氏、日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)の執行役員だった吉岡宏芳氏がインサイダー取引に関与した「日興インサイダー事件」で、吉岡氏とともに金融商品取引法違反の疑いで2012年6月に逮捕された人物。加藤氏は逮捕前の11年9月に証券取引等監視委員会(SESC)によって強制調査を受けていたのだが、捜査の真っ只中だった12年3月5日、山本氏は衆院予算委員会の分科会で“吉岡氏は知人”とした上で、SESCの強制調査を批判したのだ。
〈これは本当に、嫌疑、そういうものが犯則行為にならないということになれば、誰がその責任をとるのかという話にもなってくるわけであります〉
〈私は、こういう調査のやり方しかできない監視委員会というのはある意味で本当に必要なのかなというようにも思ってきていまして〉
 結局、この質問から3カ月後に吉岡氏と加藤氏は逮捕され、山本氏は両名の逮捕から5カ月後にブルー社の社長を辞任しているというが、山本氏のこの国会質問は、自身の会社の“資金源”となっていた人物を庇うため、国会議員という立場を利用してSESCによる強制調査に圧力をかけたと言っていい。
 山本大臣は本日の記者会見で「今はコメントは差し控える。キチッとした回答を今、準備している」と述べているが、明日発売の「週刊文春」の記事ではブルー社への金の流れが克明に記されており、もはや言い逃れは難しいだろう。
 この報道が事実ならば、山本氏は自身の利害のために権力を濫用したことはあきらかで、そうなれば大臣辞職は当然の話だ。
 ・・・中略・・・
 このように、稲田防衛相の問題にくわえて山本地方創生担当相の問題が浮上した安倍内閣。だが今後、山本大臣による国会圧力問題が徹底的に追及されるようなことはあるのだろうか。
 というのも、“先行例”となった稲田防衛相に対する報道を見てみれば一目瞭然だ。「ケチ」の一言ではけっして済まされない文書偽造罪の可能性が高い疑惑がもちあがったにもかかわらず、赤旗を後追いしたのは、本サイトと日刊ゲンダイ、あとは週刊誌の「FRIDAY」(講談社)と「FLASH」(光文社)の2誌という有り様。舛添責任追及にあれだけ血筋をあげていた大手新聞やテレビは、一切、稲田防衛相の疑惑を報じていないのだ。
 この調子だと山本大臣の疑惑も、大多数のメディアは山本大臣の一方的な言い訳だけを取り上げて、問題はフェードアウトするのではないか、と心配でならない。
 安倍政権は第一次政権時、4人もの大臣が事務所費や金銭問題などで辞職に追い込まれた。現在の第二次政権でもこのときと同様のスキャンダルが次々と発覚しているが、しかし、当時と決定的に違うのは、メディアに問題や責任の追及をしようとする動きがまったくないということだ。
「今、安倍政権の閣僚のスキャンダルを追求することについて、マスコミはとにかく消極的です。本人が認めるか、司法が動くか、国会で質問されるのかのいずれかの条件をクリアしないかぎり報道しない。テレビにいたっては、新聞報道などで盛り上がらないかぎり一切触れないことが不文律になっている。今回もよほど世論が盛り上がらないかぎりこのままスルーでしょう」(全国紙政治部記者)
 安倍首相と官邸はこれまでメディアに露骨な圧力をかけてきたことで、メディアを完全に黙らせてしまったのだ。
 問題は同じように起こっているのに、大臣や議員たちの不祥事や疑惑が黙認されていく。──権力のチェックをどれだけメディアが果たしていないかが、今回の山本大臣の疑惑でも露呈することになるのだろう。
 
マスメディアでは、産経新聞が「山本幸三地方創生担当相が『証券取引等監視委に圧力』 週刊誌報道」と、週刊文春の一部内容を示す程度であったが、毎日新聞は、「山本地方創生相 インサイダー調査で圧力?12年国会質問」と詳細に報道していた。
 
たしかに、「リテラ」や日刊ゲンダイ、あとは週刊誌の「FRIDAY」と「FLASH」などがいくらセンセーショナルな記事を書いても、読み手の層と数は限られており、本気で大臣の首を取るつもりならば、テレビメディアの影響力なしでは考えられないが、そんなことを考えること自体が「ない物ねだり」になるほど、マスメディア特にテレビメディアの劣化ぶりが甚だしい、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:17| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする