2016年12月31日

JAL不当解雇撤回原告団、あれから6年

2010年12月31日、整理解雇と称してJALの客室乗務員84名、乗員81名の計165名が「整理解雇」されてから6年目を迎えて。
 
残念ながら、司法の場では、地裁・高裁と敗訴し最高裁上告は棄却されてしまった。
・2012年3月:東京地裁不当判決
・2014年6月:東京高裁不当判決
・2014年9月:最高裁に上告
・2015年2月:最高裁で上告棄却
法廷闘争はこれ以上続けることはできなかった。
 
しかし、今年の9月23日に最高裁は、「管財人の行った発言は不当労働行為である」と断罪した。
 
この事件は、2010年11月16日の労使交渉において、整理解雇に反対し真摯な労使交渉を求めてスト権投票を始めたCCUと日航乗組に対し、企業再生支援機構のディレクターと管財人代理が、「企業再生支援機構の正式な見解」として、「整理解雇を争点とする争議権を確立した場合、それを撤回するまで企業再生支援機構は3,500億円の出資はできない」と発言した不当労働行為事件です。これほど明確な不当労働行為はありません。当然、都労委は不当労働行為と認定し、救済命令を出しました。しかし、日本航空はこれを不服として、命令の取り消しを求めて、東京地裁に行政訴訟を起こしました。昨年8月東京地裁は会社の申し立を棄却。会社が控訴したことから東京高裁で争われてきました。今回の判決で地裁に続き高裁でも、弁護士である管財人の行為が不当労働行為であると再び断罪されました。   
 
不当解雇撤回裁判は、今年2月に最高裁で審理もされないまま上告棄却され、解雇有効の東京高裁判決が確定したのだが、本判決で管財人の不当労働行為が断罪されたことによって、「管財人の判断はすべて正しい」「解雇は有効だから、不当労働行為はなかった」とした判決が間違っていることが証明された訳である。
 
裁判所が選任した、公正・公平なはずの管財人が違法行為を犯したことになる。
 
本判決で、管財人が組合と話合いをし、解雇を回避する努力をせず、違法行為を犯してまで、解雇を強行したことが明らかになったことにより、解雇が強行される前に立ち戻り、解雇回避のためになすべきことを労使双方で協議すべきである。
 
そして、10月には3労組統一要求を作り日本航空に対して下記の要求書を作成し提出した。 
 
日本航空株式会社
代表取締役社長 植木 義晴 殿
      
2016年10月19日
日本航空乗員組合 執行委員長 篠崎 恵二
日本航空キャビンクルーユニオン 執行委員長 古川 麻子
日本航空機長組合 執行委員長 柴田 利浩

三度に亘るILO勧告と、今般の不当労働行為に関する最高裁の決定を真摯に受け止め、以下の三労組統一要求に回答することを求めます。また本件要求に対して、至急、貴職出席の上、三労組合同の団体交渉を開催するよう求めます。
解雇問題に関する三労組統一要求

1. 被解雇者に関する要求
@ 職場復帰を希望する被解雇者については、組合との協議に基づいて、全員を職場復帰させること。
A 復帰に当たっては、年齢や長期にわたる業務離脱を勘案し、十分な手厚い訓練を行うこと。
B 病気等の理由で原職への復帰が適わない被解雇者については、組合との協議に基づいて、地上の職場における雇用を確保すること。
C 年齢などにより職場復帰が適わない被解雇者については、組合との協議に基づいて何らかの補償を行うこと。
2. 希望退職者・特別早期退職者の再雇用に関する要求
職場の人員不足に起因する高稼働、過酷な勤務を改善し全ての乗務員が健康で安心して働ける職場とするために、再雇用を希望する希望退職者・特別早期退職者に、再雇用への道筋をつけること。
3. 解雇問題の円満解決に関する要求
不当労働行為事件を含めた争議状態を円満に解決する為に、被解雇組合員や組合が受けた多大な不利益や負担を補填すること。
4. 労使関係の正常化に関する要求
2010年12月31日付整理解雇が、労使の信頼関係を阻害しただけでなく、職場からの経営に対する信頼感も大きく損なったことを率直に認め、争議解決を通じて、労使関係の正常化、職場の信頼感の再構築、安全運航の推進に全力を挙げること。
以上
 
しかし会社側がこの要求をすんなりと認めるわけがなく、社前抗議行動や都内各駅頭宣伝行動、本社前座り込み行動等を継続的に行っている。 
 
来年は正真正銘の解決に向けての大きな山場を迎えることになりそうである。
 
丸6年を経過し、まだまだ目が離せないが、最終的な解決まで微力ながらもオジサンは支援を続けるつもりである。 
 

 
本年も最後までお付き合い、ありがとうございました。、
 
毎日「つぶやき」続けて6年目が過ぎようとしています。
 
来年も、いや明日からもお暇なら、時間の許す限りの訪問をお待ちしております。
 
   
よいお年をお迎えください!!!


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月30日

今年も多くの人が亡くなりました

師走に入ってある作家が「遂にサギョウがなくなった」と言っていた。
 
その「サギョウ」とは作業ではなく、住所録の「さ行」のことらしく、毎年親戚、友人、知人たちが亡くなると年賀状を送る相手の住所録を削除していたのが、ことしは「さ行」の人が一人もいなくなったということらしい。
 
例年、11月に入ると「年始の挨拶の欠礼」はがきが届くのだが、今年は例年に比べ少なかった。
 
ところが年賀状の送付先リストが完成した後に、今月5日に91歳の母親が亡くなったという欠礼はがきが、2週間前に届き、最終的には6枚の欠礼はがきとなったが、幸なことに住所録から抹消するということはなかった。  
   
今年もまた多くの有名人・著名人たちが様々な原因から亡くなっている。
 
病死、自殺、不慮の事故等々、不本意な死もあっただろうが、各自が自分の人生の最後を飾って逝ってしまった。 
 
それにしても、確実に戦争を知っている世代の人々がいなくなっている。
 
最近では「大正」という年号を知らない若者が増えてきた。
 
オジサンの母は大正時代が終わる1年前に生まれている。
 
91歳でなんとか今年も生き抜いた。
 
亡くなった方々には、あらためて、謹んでお悔やみ申し上げます。
 
今年はジャンルに別に簡単に、少なくともオジサンが知っている人々を亡くなった月毎に列挙した。
 
●芸能人(歌手・ミュージシャン・俳優・タレント・落語家・声優・歌舞伎・司会者・アナウンサー・・)
 
■1月
 9日 桂春団治(3代目)85歳 心不全
   主演映画「そうかもしれない」98年紫綬褒章、04年旭日小綬章。
   「いかけや」「子ほめ」「皿屋敷」
 10日 デビッド・ボウイ ミュージシャン、俳優 癌
 18日 中村梅之助(4代目)85歳 俳優・歌舞伎役者 肺炎
   「遠山の金さん捕物帳」「花神」「伝七捕物帳」「天花」・・
■2月
 22日 秋田Bスケ 89歳 漫才師 急性循環不全
    秋田Aスケ(2015年8月死去)とコンビを組んでいた。
 28日 ジョージ・ケネディ 91歳 アメリカの俳優
■3月
 21日 江戸家猫八(四代目) 声帯模写 66歳 進行性胃がん
    うぐいすなど動物の声帯模写の第一人者
 26日 喜早哲 ダークダックスメンバー(ゲタさん) 85歳 急性肺炎
    バリトン。
    著書に「日本の抒情歌」「日本の美しい歌-ダークダックスの半世紀」  
■4月
 12日 大平透 声優 肺炎 86歳
   「スパイ大作戦」、ダースベイダー、喪黒福造、ハクション大魔王など
 26日 戸川昌子 シャンソン歌手・推理作家 83歳 胃がん 
■5月
 5日 冨田勲 作・編曲家、シンセサイザー奏者 84歳 慢性心不全
   「新日本紀行」「きょうの料理」「リボンの騎士」、大河ドラマ「天と地と」など
    数多くの作品を残した。
 12日 蜷川幸雄 俳優 演出家 映画監督 肺炎による多臓器不全 80歳
 18日(死去報道2016.7.11)伊藤ユミ 歌手 ザ・ピーナッツの妹の方 75歳
    姉のエミさんは2012年、71歳で死去。   
 24日 宮間利之 ジャズバンド「宮間利之とニューハード」リーダー 90歳 老衰
    紅白歌合戦の伴奏などでも活躍した
■6月
 14日 白川由美 女優 79歳 心不全
    二谷友里恵は長女。二谷英明は2012年死去
   「家族ゲーム」「パパとなっちゃん」「結婚物語」「家政婦のミタ」・・
 20日 佐々木行 ダークダックスメンバー 84歳 心不全
   「マンガさん」の愛称で親しまれた。ゲタさんは3月、
    パクさんは2011年死去。 
■7月
 7日 永六輔 83歳 肺炎 タレント、元放送作家、作詞家、随筆家
   「上を向いて歩こう」作詞、「大往生」「夢であいましょう」「誰かとどこかで」 
 12日(死去報道7.20)大橋巨泉 82歳 司会者、タレント 急性呼吸不全
 26日 中村紘子 72歳 ピアニスト、文筆家 大腸がん
    2016年5月8日の公演が最後となった。夫は芥川賞作家の庄司薫。
■8月
 8日(報道発表2016.9.2)梅津栄 88歳 俳優 肝硬変
    脇役として幅広く活躍。「Gメン75’」「必殺仕事人W」(玉助)
    舞台「ベリグリーズ」など 
 21日 十勝花子 70歳 タレント、女優 大腸がん
   「なんたって18歳」「大地の子」バラエティにも多数出演。
■9月
 28日 風見章子 女優 95歳
   10月6日、所属事務所が発表。
   1960〜70年代にかけて日本のお母さん役として親しまれた。
   テレビドラマ・ケンちゃんシリーズや映画「めし」「飢餓海峡」、
   2013年「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」など多くの作品に出演。 
■10月
 17日 笹るみ子 元女優 76歳 肺炎
    なべおさみの妻、なべやかんの母。 
 20日 肝付兼太 声優 80歳 肺炎
    ドラえもんのスネ夫、ドカベンの殿馬、おそ松くんのイヤミなど。
 23日 平幹二朗 俳優 82歳
    自宅風呂場で倒れているのを息子の岳大さんが発見した。
   「樅ノ木は残った」「王女メディア」「リア王」多数。
    ドラマ「カインとアベル」出演中だった。
■11月
 11日 りりィ 歌手・女優 肺がん 64歳
   72年「私は泣いています」、女優として「リップヴァンウィンクルの花嫁」
   長男・JUONさんはドリカム吉田美和の夫で、
   「ファジーコントロール」ボーカル。   
 29日 小川宏 司会者 90歳 多臓器不全
   1965〜82年まで「小川宏ショー」司会。
   通算17年、4451回はギネス記録。(後にいいともでタモリが記録更新)   
■12月
 6日 武藤まき子 芸能リポーター、元中国放送アナウンサー 71歳 虚血性心不全
 15日 島木譲二 吉本新喜劇 脳溢血 72歳
    元プロボクサー。1980年11月吉本新喜劇で初舞台。
   「大阪名物パチパチパンチ」「ポコポコヘッド」などのギャグで人気を博した。
 25日 ジョージ・マイケル シンガー・ソングライター、ワム! 53歳
    BBCが「自宅で死去」と報じる。後にマネージャーにより心不全と公表。
    解散後はソロに。アルバム「フェイス」 
    ワム!として「クラブ・トロピカーナ」「バッド・ボーイズ」
「ラストクリスマス」などのヒット曲多数。
 27日 キャリー・フィッシャー 女優 60歳
    「スター・ウォーズ」レイア姫。
    12.23 ロンドンからロサンゼルスへ向かう飛行機の中で心停止。   
    
●スポーツ(野球・サッカー・水泳・ラグビー・相撲・ボクシング・プロレス・・)
 
◆1月
 17日 マイク・シャープ・ジュニア 64歳 プロレスラー
    ジャイアント馬場や藤波辰巳とも対戦。ハンマーパンチ。  
◆2月 
 15日 大山茂 79歳 空手家
    極真空手の普及に尽力。段位は十段。
    晩年心臓を患い、ニューヨークで療養。  
◆3月
 24日 ヨハン・クライフ 68歳 元サッカー選手、指導者 肺がん
    オランダ出身。「フライング・ダッチマン」の異名。
    クライフ・ターンが広く知られる。
    引退後アヤックスの監督、バルセロナの監督。
◆4月
 23日 山本功児 64歳 元ロッテ監督 肝臓がん
    巨人で四番を打ったことも。引退後はコーチを経てロッテ監督に。
    自宅で最期を迎えた。長男は九国大付-DeNAに育成で入団した武白志。
◆6月
 3日 モハメド・アリ プロボクシング元ヘビー級王者 74歳
    1960年、ローマ五輪ライト・ヘビー級金メダル。プロに転向し、
   「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と形容された。        
◆7月
 31日 千代の富士貢(九重親方) 元横綱 61歳 すい臓がん
    優勝31回。89年国民栄誉賞。2015年9月、すい臓がんの手術。
    大関千代大海らを育てた。
◆8月
 12日 武邦彦 騎手、調教師、競馬評論家 77歳 病死
    武豊、幸四郎の父。JRA通算1163勝
 14日 豊田泰光 元西鉄ライオンズ内野手 野球評論家 81歳 誤嚥性肺炎
    新人王(当時の高卒新人記録.27本塁打)通算成績.277 263HR 
    引退後は野球解説者。2006年野球殿堂入り。
 30日 ベラ・チャスラフスカ 74歳 体操選手 膵臓がん
    1964年東京五輪で3個の金メダル獲得。「東京の恋人」と呼ばれた。
◆9月
 25日 アーノルド・パーマー 米プロゴルファー 87歳 心臓疾患による合併症
    ファッションブランドは彼の名前に由来。          
◆10月
 20日 平尾誠二 神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー 
    日本代表 53歳 肝臓がん
   「ミスターラグビー」と称される。最近は闘病生活を送っていた。
    伏見工業高時代「スクールウォーズ」のモデルにもなった。
 20日 田部井淳子 登山家 77歳 腹膜ガン
    75年エベレスト日本女子登山隊副隊長、女性で初めて登頂に成功。
    92年エルブルース登頂。世界7大陸最高峰を制覇した世界初の
    女性登山家になった。
 23日 羽黒岩智一 元小結 70歳 腎不全
    大鵬の連勝を「45」で止めたが、実際は戸田の右足が先に土俵外に出て
   おり、「世紀の大誤審」として有名になった。(当時の四股名は本名の戸田)
◆11月
 9日 石黒修 プロテニス選手 80歳 腎盂がん
   俳優・石黒賢の父。日本人初の男子プロテニス選手。
   1961年デビスカップ出場
   第一線から退いた後もベテランの部に参戦しており、生涯現役を貫いた。
◆12月
 4日 荒川博 元プロ野球選手 コーチ 監督 解説者 86歳 心不全
   王貞治に一本足打法を指導したことで知られる
   監督辞任後は日本テレビやフジテレビで解説者を務めた。
 11日 加藤初 プロ野球投手 66歳 直腸がん
   76年西鉄からトレードで巨人移籍。通算141勝113敗22セーブ。
 18日 磯辺(現姓・丸山)サタ 元バレーボール選手 72歳
   1964年東京五輪最年少メンバー。金メダリスト。東洋の魔女と呼ばれた。
   誕生日に死去。  
               
   
*** 合掌!! ***


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2016年12月29日

空疎な演説、沖縄の海よりハワイの海なのか!

昨日のテレビメディアはいずれの局もすべて御用評論家やタレントを動員して、ハワイ真珠湾での安倍晋三首相の演説を「絶賛」していた。
 
よくも白々とこんなに誉め立てられるものか、と感心してしまうほどであった。
 
その後、その演説内容と動画を見たネトウヨ連中がある掲示板でこんな会話をしていた。   
 
6: KSM WORLD NEWS 2016/12/28(水)10:43:47
あ…。ビックリした。カンペ無しか。
やっぱり政治家だなあ。流石だ。
9: KSM WORLD NEWS 2016/12/28(水)11:13:07
>>6
プロンプターがあった
* 
14 名前:ツームストンパイルドライバー(東京都)
全部暗記してるのかと思ったか、プロンプターがあった。
でもオバマは紙を見ていたような…
プロンプターは共有しないんかな。 
 
この画像を良く見ると、安倍晋三の眼が自分より低い場所に座っている列席者よりも高い位置に向いていることがわかる。
 
 
国会で官僚が作成した答弁書がない時の安倍晋の答弁ぶりを見れば分かるのだが、自分で何を言っているのか判断できない輩である。
 
ましてや自分が考えたわけではない17分近くに及ぶ原稿を完全に覚えてしゃべったと思うこと自体がが信じられない。
 
2013年11月21日に安倍晋三は初めて透明なパネルに原稿の文字を映し出すプロンプターを試用したとの報道がある。
 
その後は同年の年末のASEAN会議で初めて使用したらしい。
 
プロンプターの利点は、原稿を読みながらも、顔を上げて自由に身振り手振りできる点にあるのだが、ジェスチャーと演説内容が微妙にずれるシーンも過去にはしばしば見られた。
 
20161229_abe_prompter.jpg

別にプロンプター使用が悪いわけではないが、問題はその演説内容であろう。
 
御用新聞各社は押しなべて「絶賛」報道だったが、そうではないところでも、毎日新聞は「真珠湾慰霊 安倍首相、オバマ氏と 不戦の誓い堅持表明」と批判的論評はなく、朝日新聞は「真珠湾『和解の象徴』 首相が慰霊、大統領と演説 歴史認識は明示せず」と、過去の歴史に対する「おわび」とか「謝罪」はなかったと軽く報道するのみ。 
 
侵略戦争への反省・謝罪なし 日米首脳が真珠湾を訪問・追悼 首相、同盟強化を強調」と直球タイトルはもちろん「赤旗」。
 
東京新聞は「真珠湾 日米慰霊 安倍首相『和解の象徴に』 オバマ氏『今も涙流す海』」というタイトルで安倍晋三首相とオバマ大統領の認識の違いを浮き立たせていた。
 
首相は真珠湾を「和解の象徴として記憶し続けてくれることを願う」と述べ、過去に区切りを付け、新たな日米関係を始めたいとの意向をにじませた。これに対して、オバマ氏は首相の訪問を「歴史的な行動」と評価しながらも、真珠湾は「今も涙を流す海」と過去へのこだわりものぞかせた。

 
20161229sinjyuwanenzetu.jpg
 
 
さらに、国内の戦争被害者や在日米軍基地が集中する沖縄出身者からの安倍晋三演説に対する厳しい声を紹介していた。
 
<首相の真珠湾慰霊 国内から注文「これで和解成立でない」>
 2016年12月28日 夕刊 東京新聞
 日米開戦の地となったハワイ・真珠湾で28日に演説した安倍晋三首相は「和解の力」と日米の結束を繰り返した。演説を聞いた国内の戦争被害者や在日米軍基地が集中する沖縄出身者からは「言葉よりも行動を」「まずアジアへの謝罪を」という厳しい声が上がった。 
 「安倍首相は日米関係を希望の同盟と強調したが、沖縄にとっては絶望の同盟になりつつある。沖縄が置き去りにされていると実感した」。沖縄在住や出身の学生らでつくる「SEALDs(シールズ)琉球」の中心メンバーだった国際基督教大4年、元山仁士郎さん(25)=東京都杉並区=はそう受け止めた。
 首相は「(日米は)共通の価値のもと信頼を育てた」と語った。元山さんは「日米が共通して持っているはずの民主主義や地方自治の価値観をないがしろにして、沖縄に米軍基地の負担が押し付けられているのに」と違和感を覚えた。
 「歩み寄って慰霊したのは意義のあること。でも広島と真珠湾の相互訪問で、これで戦後が終わった、和解が成立したんだというふうにはしてほしくない」と思う。「沖縄では、あの戦争が米軍基地の集中という形で現在も変わらずに引き継がれている。沖縄も含める形で戦後を終わらせ、沖縄の人にも希望だと思えるような日米関係を築いてほしい」と訴える。
 中学生の頃、長崎で被爆した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局長の田中熙巳(てるみ)さん(84)は「和解、不戦の誓いなど一語一語は良い言葉だが、スピーチ全体を通して何を言おうとしているのか分からなかった」との感想を持った。
 首相は「和解」を強調したが「私たちは原爆被害者として政権に対して『和解』は求めていない。軽々しく和解という言葉を使ってほしくない。言葉よりも、その後の行動が大事だ」と語った。
 東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)の館長で作家の早乙女勝元さん(84)は「極めて情緒的で、きれいな言葉が並んでいる。歴史的な事実が裏に隠れてしまう」と危ぶむ。
 大空襲を生き延び、戦争被害を語り継いでいる早乙女さんは、当時の米軍パイロットからも話を聴いた。「彼らにとって、10万人もの命が失われた東京大空襲は『リメンバー・パールハーバー』だった」といい、「安倍首相の演説は真珠湾攻撃のつけが国民に回ってきたことに、言及はなかった」と残念がった。
 さらに「真珠湾攻撃以前に日本は中国や朝鮮半島を侵略し、マレー半島に上陸した。本来、アジア太平洋諸国への謝罪をまずすべきではないのか」と疑問を投げ掛けた。
◆靖国参拝の遺族「憎しみよりも戦争なくして」
 東京・靖国神社を参拝に訪れた静岡県吉田町の遺族会婦人部役員の曽根玲子さん(74)は「2度と戦争を起こさないと一生懸命言ってくれた」と評価した。
 父親の広次さんは39歳の時にフィリピンで戦死したという。潜水艦に乗っていたと聞いているが、詳しい状況は分からず、骨も遺品もなかった。「米軍に爆撃されて亡くなったとは思うけれど、米国を憎む気持ちはない」と話す。
 「米兵にも遺族はいて、気持ちは同じ。憎しみよりも、戦争をなくしてほしい。スピーチがその一歩になる…なってほしい」
 
戦後生まれの日米両首脳には、直接の戦争責任はないかもしれない。
 
しかし双方がそれぞれ加害国と被害国になった戦争だけを憎んでも、遺族の気持ちは治まらない。
 
なぜそんな悲惨な戦争が始まってしまったのかという反省の上に立ってこそ、未来志向が意味を持つ。
   
<「戦後の反省」忘れず 政治部長・金井辰樹>
 2016年12月29日 朝刊 東京新聞
  「パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれることを私は願います」。真珠湾で安倍晋三首相が言いたかったことは、この一節に凝縮されている。「パールハーバーを(中略)記憶し続ける」の部分が英文では「リメンバー パール ハーバー」となっている。「リメンバー…」は奇襲攻撃を仕掛けた日本に対する米国人の憎悪の言葉。この日の演説で、憎悪の記憶を和解の記憶に昇華しようという意図が浮かぶ。
 第一次政権の時から「戦後レジーム(体制)からの脱却」という言葉を使い、積極的平和主義を標ぼうする安倍首相。昨年は戦後70年の首相談話を出し、韓国と慰安婦問題で合意、今年はオバマ米大統領とともに広島を訪問した。今はロシアとの北方領土交渉に意欲をみせる。いずれも戦後71年間の負の遺産に、自分の手で幕を引き、未来に目を向けようという発想でつながる。その延長線上に真珠湾訪問があるから、17分間の演説は「未来志向」が突出し、過去への謝罪の言葉はなかった。
 しかし「未来志向」は、日本の戦争責任を修正しようとしているとの批判と表裏一体だ。今も国内やアジア諸国から警戒の目を向けられている。日米の歴史学者や有識者らは安倍首相に公開質問状を突きつけた。質問状では、過去の大戦について謝罪し侵略戦争と認める考えがあるか、そして米国に続き中国やアジア諸国への慰霊の旅を続ける予定があるかを首相に問うているが、演説からは答えは見えない。
 安倍首相と和解と同盟強化を確認しあったオバマ大統領さえ真珠湾を「今も涙を流す海」と表現。まだ戦争の傷痕が残っているという考えをにじませている。この日の真珠湾訪問が、誤った戦争をしたことへの「戦後の反省」を記憶し続ける機会となってほしい。
 
大手マスメディアが正面から批判できないことは、やはりネットメディアがやらねばならない。  
 
<安倍首相が“真珠湾訪問”で欺瞞のスピーチ! オリバー・ストーン監督らが徹底批判するも日本のマスコミは>
 2016.12.28 リテラ
 日本時間今日未明、アメリカ・ハワイ州を訪問中の安倍晋三首相は、「日米開戦」の舞台となった真珠湾で犠牲者を慰霊するとともにこんなスピーチを発表した。
「戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない。私たちは、そう誓いました。そして戦後、自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら、不戦の誓いを貫いてまいりました。戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります」
「あのパールハーバーから75年。歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く強く結ばれた同盟国となりました。(略)私たちを結びつけたものは、寛容の心がもたらした、ザ・パワー・オブ・リコンシリエイション、和解の力です」
 結局、蓋を開けて見れば謝罪や反省の言葉は一切なく、「不戦の誓い」とやらもアリバイ的な一般論にすぎないものだった。いや、それどころか、安倍首相はこの後、国家が戦争に駆り出した兵士を「勇者」ともち上げ、その死を「祖国を守る崇高な任務」と称えてすらいた。いったい、何が「不戦の誓い」か。
 しかし、考えてみれば、それも当然だろう。今回の安倍首相の真珠湾訪問は、誰がどう見ても今年5月のオバマ大統領による被爆地・広島訪問とのバーターだ。外交面で言えば、昨年4月に米議会上下両院合同会議で行った演説と同様、アメリカから「歴史修正主義者」と批判されないようにその本質を隠しながら、日米同盟の重要性と強化の意思を見せただけだ。
 たとえば「米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは平和と繁栄を享受することができました」というセリフが象徴するように、安倍首相が「脱却」すると息巻く「戦後レジーム」= 対米追従を継続させる誓いを真珠湾で立てさせられたにすぎない。
 しかし、これまで“安倍首相だからできたレガシーだ”と露骨なヨイショを繰り広げてきたマスコミはおそらく、この空疎なスピーチも絶賛するはずだ。そして、あの危険で欺瞞に満ちたレトリックをさらに増幅させていくのだろう。
 それは言うまでもない、「真珠湾の訪問で過去の戦争に完全に決着がついた」というレトリックだ。真珠湾訪問が決まった直後から、安倍首相は周辺に「真珠湾に行けば、日米では『戦後』が完全に終わったことになる」と興奮気味に語り(朝日新聞12月24日付)、官邸関係者や安倍応援団の保守系メディアもしきりに同様の「戦後の終焉」「過去の清算」という言葉を拡散し続けてきた。
 しかし、真珠湾で慰霊をしただけで、どうして“戦後を終わらせられる”ことになるのか。
 当たり前の事実だが、先の戦争で日本が戦ったのはアメリカだけではなかった。太平洋戦争ではオーストラリア本土空爆などを含む太平洋地域を広く攻撃し、同時に東南アジア各国を侵略、傀儡政権を樹立していった。もちろん、日中戦争も継続、泥沼化していった。
 事実として、日本は真珠湾攻撃と同時に、複数アジア各地への侵攻戦を開始している。このとき、軍部が想定していた戦いは、西太平洋の制海権を確保し、アジアの敵国拠点を叩いて資源及び輸送ルートを確保するというものだった。実際、1941年12月8日の真珠湾攻撃と同日には、英領マレーへの奇襲上陸、フィリピン空爆(翌1月に首都マニラを占領)、香港戦(12月25日に攻略)開始など、一斉にアジア各地で侵攻を始め、さらに翌年1月にはインドネシア、ビルマ、2月にはシンガポールと、次々と占領している。
 また、日本は真珠湾攻撃の前年から、大東亜共栄圏を掲げて仏領インドシナへの侵攻を始めており、さかのぼっていけば37年には日中開戦(盧溝橋事件)が、31年には満州事変がある。
 そして、これらの国で日本は真珠湾攻撃とは比べものにならない虐殺行為を繰り広げてきた。それは、南京事件や重慶爆撃だけではない。たとえば日本が傀儡政権を樹立したフィリピンでは45年のマニラ戦で市街が壊滅。約10万人の市民が犠牲になったとされる。また、ベトナムでは44年から45年にかけて日本の軍部が物資確保のため食糧を徴発し、そこに米軍の空爆や凶作が重なって大飢饉が発生。これによる餓死者は200万人以上とも言われている。こうした各国の民間人を含む多大な被害事実もまた、日本の戦争責任と呼ばなくてはならないものだ。
 だが、安倍首相は「真珠湾訪問で『戦後』を完全に終わらせる」と嘯き、こうした加害事実や戦争犯罪をまるごとすべて過去のものにしようとしているのだ。しかも、前述したように、日本のマスコミは今回の真珠湾訪問を“歴史的快挙”のように報じるばかり。安倍の言う「『戦後』を終わらせる」ということが、実際には何を意味しているかにほとんど触れようとしない。
 そんななか、25日には映画監督のオリバー・ストーンや高橋哲哉・東京大学教授など、日米韓の学者ら53人が安倍首相の歴史認識を問いただす公開質問状を発表した。
 質問状はまず、〈親愛なる安倍首相〉から始まり、1941年12月8日に日本が攻撃した場所は真珠湾だけではないと指摘したうえで、安倍首相の歴史認識に関して3つの質問をしている。
〈1)あなたは、1994年末に、日本の侵略戦争を反省する国会決議に対抗する目的で結成された「終戦五十周年議員連盟」の事務局長代理を務めていました。その結成趣意書には、日本の200万余の戦没者が「日本の自存自衛とアジアの平和」のために命を捧げたとあります。この連盟の1995年4月13日の運動方針では、終戦50周年を記念する国会決議に謝罪や不戦の誓いを入れることを拒否しています。1995年6月8日の声明では、与党の決議案が「侵略的行為」や「植民地支配」を認めていることから賛成できないと表明しています。安倍首相、あなたは今でもこの戦争についてこのような認識をお持ちですか。
 2)2013年4月23日の国会答弁では、首相として「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と答弁しています。ということは、あなたは、連合国およびアジア太平洋諸国に対する戦争と、すでに続行していた対中戦争を侵略戦争とは認めないということでしょうか。
 3)あなたは、真珠湾攻撃で亡くなった約2400人の米国人の「慰霊」のために訪問するということです。それなら、中国や、朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の「慰霊」にも行く予定はありますか。〉(ピース・フィロソフィー・センターHPの質問状全文より)
 このように質問状は、安倍首相が歴史修正主義の運動に積極的に加担してきた事実をどう考えているのか、先の戦争における日本の侵略戦争の評価について言葉を濁すのはなぜか、そして、真珠湾で「慰霊」するにもかかわらずなぜ他の被害国にはまったく「慰霊」に向かわないのか、という実に本質を突く疑問を投げかけている。
 だが、これは本来なら、マスコミが追及すべきことではないのか。何度でも繰り返すが、この国のテレビや新聞は、官邸の口車にのってデタラメな“安倍レガシー”の拡声器になるばかりで、真珠湾訪問の欺瞞、そして安倍の薄気味の悪いスピーチについてけっして批判しようとしない。
 この態度こそが、なし崩しの“次の戦争”につながっていることに彼らはどこまで気づいているのだろうか。
(編集部)
 
「戦争が終わり、日本が見渡す限りの焼け野原、貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれたのは、米国であり、アメリカ国民でありました。皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は未来へと命をつなぐことができました。
 そして米国は、日本が戦後再び、国際社会へと復帰する道を開いてくれた。米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは平和と繁栄を享受することができました」
 
良くぬけぬけとこんなことが言えるものである。
 
もちろん安倍晋三本人が作成したわけではないので、おそらく外務省関係者や首相側近連中が考えた内容であろう。
 
「見渡す限りの焼け野原」にした米国のオバマ大統領も広島では一切の謝罪の言葉は使わず、さらに主語が曖昧な言葉をちりばめていたことを思い出す。   
 
それにしても、戦後の日本の復興に協力してくれた米国を手放しで褒め称えるのなら、安倍晋三がいつも言ってる「押し付け憲法論」はどうなるのか? 
 
アンシャン・レジームからの脱却はどうするのか?
 
だが、この男はおそらく、こんなスピーチのことなんてすっかり忘れて、日本国内では再び「戦後民主主義はGHQの洗脳によるものだ」「アメリカの押しつけ憲法を捨て去るべき」などといった歴史修正主義的な政策を平気で遂行していくのだろう、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:09| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月28日

もはや日本は「放置国家」で、原発には「想定外」が良く似合う

官公庁、いわゆるお役所関係者は毎年12月29日〜1月3日の6日間が年末年始の休みと決まっている。
 
それで、休みの前日が「御用納め」と呼ばれており、12月28日の今日である。
 
しかし今年は安倍晋三首相がハワイ・真珠湾慰霊訪問という「異例」な行動に出たため、官邸職員たちの懇談会が26日に行われたという。
 
確かに「首相の一日」の26日を確認すると、「5時47分、内閣記者会との懇談会。6時17分、官邸職員との懇談会。」となっていた。  
 
官邸職員との懇談会なら分かるのだが、その30分前には「内閣記者との懇談会」にも出席していた。
 
これについては、毎年ながらも、日刊ゲンダイがこう批判していた。
 
<今年もタダ飯タダ酒 安倍首相ポチ記者“ごっつぁん忘年会”>
 2016年12月27日 日刊ゲンダイ
 26日夜、真珠湾を訪問するため米ハワイに向け出発した安倍首相。ところが、その直前の首相動静を見ると、〈5時47分、内閣記者会との懇談会〉とある。外遊前の忙しい時間に何をしていたかといえば、菅官房長官、萩生田官房副長官らとともに首相担当記者をねぎらうための“忘年会”に出席していた。
 この懇談会は過去の歴代首相も官邸や公邸で開催してきた恒例行事。今年は当初、28日の官庁御用納めに予定されていたが、真珠湾訪問が決まり、急きょ26日に前倒しされたという。
 記者クラブに詰めている記者が、普段から懇意にしている政治家や役人と酒食を共にするのは珍しいことではない。ただし、割り勘や会費制が“暗黙のルール”。ゴチになってしまうと、権力側に都合の悪い話が書けなくなってしまうからだ。ところが、内閣記者会の懇談会にかかる経費はすべて国費で賄われるのが通例となっているという。毎年、有名寿司店のケータリングやらローストビーフやら“豪華メシ”がドーンとふるまわれるそうだから、イイ気なもんだ。
 ■安倍首相との“撮影会”に記者が列
 タダ酒、タダ飯と聞いただけでア然だが、“ごっつぁん忘年会”には驚く恒例行事が他にもあるらしい。
「安倍首相と一緒に“撮影会”をするのが内閣記者会の恒例イベントとなっています。記者が喜々として列をなし、首相もご機嫌でニコニコしながら応じ、順番にスマホでツーショットを撮影していくのです。帰省した時に親戚に自慢したり、過去にはキャバクラで見せびらかす若手記者もいました」(ベテラン記者)
 権力者をアイドルみたいにあがめ、なれ合い、骨抜きにされていく――。それが今の安倍ヨイショ報道、国会での強行採決につながっていることを記者クラブの若い連中は分からないのだろうか。
 政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。
「第2次安倍政権になって、内閣への権力集中と情報の集約が顕著になりました。経験の浅い若手記者は政権幹部にかわいがられ、情報をもらうことが仕事だと勘違いしているのかもしれません。大マスコミの上層部がしょっちゅう安倍首相とゴルフをしたり、食事を共にしているのだから無理もありませんが、政権とベタベタしているだけの記者は失格です」
 すっかり飼い慣らされてしまった記者クラブのポチ記者たち。まさか、「2次会は政府専用機で」なんてノリで真珠湾訪問にゾロゾロ付いていってるんじゃないよな。
 
「首相官邸や財務省など中央官庁の記者クラブは、部屋代から電話代、コピー代、新聞代まで、国の費用で賄われている。つまり国民の税金でまかなっている事になる。そのため大手新聞社は『国民の利益』よりも『自民党の利益』が優先される事となる。国民には不利益でも自民党が進める政策は率先して反対意見を排除してきたわけだ。」という前書きで始まる「官公庁内(東京地域)に設置された排他的な記者クラブ一覧」を見ると、各記者クラブの所属メディアは公開されているのだが、なぜか省庁の記者クラブだけが非公開になっている。
 
官房機密費で飲み食いしていることが世間に公になってはまずいメディア各社であることは容易に想像でき、少なくとも上記の記事を書いた日刊ゲンダイの記者は「内閣記者クラブ」の会員には絶対になれないことだけは確かなようである。
 
こんな記者クラブ連中に飲み食いさせて、そくさとハワイに向かい、真珠湾での演説がこれまたどうしようもない酷さ。すくなくとも、日本を見渡す限りの焼け野原にしたのは、どこの国なのか! と思わず突っ込みを入れたくなる。

記事中の「「2次会は政府専用機で」なんてノリで真珠湾訪問にゾロゾロ付いていってる」日本経済新聞の記者はこうツイートしていた。さらに同行記者として「真珠湾訪問ライブ」を取材・制作した「兼松雄一郎、吉野直也、山口啓一、地曳航也、清水明」の記者たちは26日の“ごっつぁん忘年会”に出席していたかどうかは確認できていない。
 
さて、与太話はこのくらいにして、日本政府は安倍晋三首相の真珠湾でオバマ大統領との会談への手土産として、米国のための辺野古新基地建設工事を再開した。 
 
<辺野古工事を再開 沖縄知事「絶対に造らせない」>
 2016年12月28日 07時00分 東京新聞
20161228henokokensetusaikai.jpg 政府は27日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)で沿岸部埋め立てに向けた工事を再開した。話し合いを拒否して再開した政府の強硬姿勢に、米軍新型輸送機オスプレイ不時着事故の政府対応に不満を募らす沖縄は、さらに反発。翁長雄志(おながたけし)知事は「絶対に新辺野古基地を造らせない」と述べ、あらゆる権限を使って辺野古移設を阻止する決意を改めて示した。
 翁長知事は26日、最高裁敗訴を受け、埋め立て承認取り消しの撤回を表明。27日に承認が再び有効となり工事が可能になった。訴訟での政府と県の和解による中断以来、約九カ月半ぶりの再開で、政府と沖縄県が激しく対立する普天間移設問題は新たな局面に入った。今後は、海中に土砂を投入し埋め立てを開始する時期が焦点となる。
 工事再開に先立ち、翁長知事は27日午前、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、再開前の事前協議を要請。菅氏は「わが国は法治国家で(辺野古移設を巡る)確定判決の趣旨に従って工事を進める」と拒否した。両氏が記者会見などで明らかにした。2人の会談は、最高裁判決後初めて。
 翁長知事は工事再開後、東京都内で記者団に、県民の怒りと悲しみは非常に大きいと指摘。「そう簡単に物事は進まない」と述べ、政府の思い通りにはさせないと強調した。
 土砂投入は自然環境への影響が著しく、原状回復が困難なため、移設に反対する市民の阻止活動も激化するとみられる。埋め立ての際に必要とされる「岩礁破砕許可」が来年3月末に更新期限を迎え、翁長知事はこの許可の権限などを使って対抗したい考えだ。
◆住民ら猛反発
 沖縄の声を無視するかのように、政府が再び強行策に出た。27日、米軍普天間飛行場の移設工事が再開された沖縄県名護市辺野古。抗議のため集まった市民らは「国は聞く耳を持たない」「必ず工事を止める」と激しく反発し、怒りの声を上げた。
 埋め立て予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、朝早くから移設反対派の市民らが駆け付け、一時約250人に上った。工事再開の情報が伝わると「埋め立て許さんぞ」「県民は負けないぞ」と気勢を上げた。
 政府は、オスプレイ不時着事故で県民の不安が高まる中、同機の飛行再開を容認。工事再開では、翁長雄志知事が求める協議に応じなかった。
 沖縄平和運動センターの大城悟事務局長(53)は「県民だけでなく知事の声にも耳を傾けない。強硬姿勢が改めてはっきりした」と批判した。
 「国はやりたい放題だ」と憤るのは、第二次普天間爆音訴訟の原告団長島田善次さん(76)。「辺野古に基地ができれば、子や孫の世代にまで基地負担が残る。止める以外にない。正念場だ」とつぶやき、口を真一文字に結んだ。
 
あらためて、沖縄県と国側の対立点を確認しておく。
 
2henokotairituten.jpg
【産経新聞より】
  
 
とくに今後の対抗手段としている知事の「岩礁破砕許可」とは、水産資源保護法に基づくものだが、同法の目的は「漁業の発展」への寄与なのだが、地元の名護漁業協同組合は漁業補償締結に当たり作業海域の漁業権を放棄しており、移設作業が漁業に影響を与えることはないため、防衛省は「県の主張は法の趣旨から逸脱している」との反論を強めることが予想され予断は許されない。 
 
それにしても、菅義偉官房長官は翁長知事からの工事再開前の面談要請を拒否したあげくに、「わが国は法治国家で(辺野古移設を巡る)確定判決の趣旨に従って工事を進める」と言い放つ始末だ。
 
そもそも内閣が強引に首を差し替えた福岡高裁那覇支部長の裁判官に政府の意向を100%反映した判決を下させたことは、「辺野古トンデモ判決の裏に裁判所の露骨人事! リベラルな裁判官を異動させ行政べったりの裁判官を抜擢」に詳説されている。 
オスプレイ墜落という予想された事件が起き、詳細な事故説明も米国からされないうちに飛行再開させるという沖縄県民の声に耳を傾ける振りもできない今の安倍政権である。
 
ところで「法治国家」ならぬ、「放置会社」の典型であるこの会社が、原発事業で赤字を回復しようとしてさらに赤字を増大させてしまった。  
 
<東芝、数千億円損失か 米原発事業で巨額赤字>
 2016年12月28日 朝刊 東京新聞
20161228tousibakeiei.jpg  経営再建中の東芝は27日、米国の原発事業を巡り最大で数千億円規模の損失が生じる可能性があると発表した。米原発事業で巨額損失を計上するのは2年連続。東芝は不正会計問題に伴う巨額の赤字計上で財務基盤が弱っており、資本増強を含めた経営の抜本的な見直しを迫られそうだ。
 損失が発生するのは、子会社の米原発メーカー、ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が昨年12月に買収した米原発建設会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」。米国で建設中の原発4基のコストが想定より膨らんだことが影響した。東芝は損失額の確定を急ぎ、2016年4〜12月期連結決算に反映させる。
 東芝の綱川智社長は記者会見で「責任は痛感している。処理に真摯(しんし)にあたることに集中したい」と謝罪し、原発事業に関しては「将来は事業の位置付けを見直す可能性はある」と述べた。同席した経営幹部は「米国で建設を進めている原発の費用が、想定より大きい」と損失を計上する理由を説明した。
 東芝は経営再建策として原子力事業を収益の柱としているが、16年3月期に米原発事業の資産価値の低下で2476億円の減損処理を実施。これらを含め、連結純損益は過去最悪の4600億円の赤字に陥った。
 17年3月期は、もうひとつの柱である半導体事業の持ち直しで1450億円の黒字に回復すると見込んでいたが、今回の損失計上で再び赤字となる可能性が出てきた。
 東芝は財務の基盤である株主資本が、今年9月末時点で3632億円となっており、今回の損失でさらに削られる恐れがある。
 銀行に支援を仰ぎ、財務基盤強化のために資本を増強する方針。
◆再建の柱原発コスト誤算
 また東芝の原子力事業がつまずいた。2016年3月期に2500億円規模の損失を計上したばかりだが、再び巨額損失が確実に。不正会計問題からの再建の柱として原発を掲げる経営陣の見通しの甘さがあらわになった形だ。
 「当時はリスクを上回るメリットがあると判断した」。綱川智社長は記者会見で、損失が発生する見込みとなった米原発建設会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」の買収を決断した理由について釈明に追われた。
 だが、ふたを開けてみると、S&Wの原発建設で想定以上にコストが膨らむことが判明した。原発担当の畠沢守執行役は「東日本大震災以降、世界的に安全を最優先にモノをつくるようになったことが影響しなかったとはいえない」と説明。コストが増えた要因の詳細は精査中だが、安全対策にかかる費用が当初の計画よりかさんだとみられる。
 東芝は原発事業で失敗が続いてきた。06年には原発の需要増を見込み、米原発会社ウェスチングハウス・エレクトリックを約6400億円で買収したが、11年の大震災後、原発新設は世界中で停滞し、昨年度の損失計上につながった。
 S&Wの買収を決めたのは昨年10月という。その半年前には不正会計問題が発覚しており、エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「収益の柱の原発事業が滞ることを恐れるあまり、十分に精査せず、買収を焦ったのでは」と分析している。 (伊藤弘喜)
 
原発事業に関して「将来は事業の位置付けを見直す可能性はある」という発言は5年前に言うべきことであった。
 
そもそも、「不正会計問題からの再建の柱として原発を掲げる」ということ自体が全く原発のリスクの大きさを理解していない証拠である。
 
いみじくも、海外に原発を輸出したい安倍晋三首相が口に出していた「世界一厳しい基準」というまやかしの言葉が、実は「世界的に安全を最優先にモノをつくるようになった」ことになり、東芝が「想定以上にコストが膨らむ」ことになってしまった。
 
当然ながら、28日の東京株式市場で東芝株が急落し、一時ストップ安となった。
 
午前9時半近くになって取引が成立、前日比80円安の311円60銭と値幅制限いっぱいの値下がりで下落率は20.4%となった。
 
やはり原発はその関連事業でも「想定外」が付きまとう危険な代物ではないのだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:42| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

アベノミクスは成功していると思わない人が80%もいるのに・・・

今年も残り1週間を切って、多くの勤労者たちも仕事先のあいさつ回りをして、職場の大掃除をして早い人なら29日から年末年始休暇に入る頃である。
 
しかし、年の瀬が迫ってきたにもかかわらず、特に緊急を要する案件もないはずなのだが、自らの軽はずみな言動から播いたタネの後始末をするために、わざわざ取ってつけたような理由を付けてハワイに旅立った安倍晋三首相。
 
来年には退任するオバマ大統領とゴルフでもという話もあっさり断れ、結局、3年前に訪米した時にオバマ大統領に贈呈した山田パター工房特製の「山田パター・エンペラー」を使うオバマ大統領の姿も確認できないらしい。
 
まあ、こんなことはどうでも良いことなのだが、最近の安倍晋三首相の容体の変化が、日刊ゲンダイが「内蔵を蝕む“薬漬け” 安倍首相は再び政権を放り投げるのか」の中でこう書いている。
 
「自民党役員会で、安倍さんはあくびばかりで、ぐったりしていた。以前は自分の言葉でしゃべっていたのが、最近は紙を見ながら棒読み。気力が感じられない」
 
「酒席には出るものの、あれだけ好きなワインに一口しか口をつけない。料理にもなかなか手をつけない」
 
「大腸炎の炎症を抑えるため、安倍首相は有名な『アサコール』だけでなく、ステロイドも服用している。ステロイドには強烈な副作用がある。その上、強度のストレスに対応するため、10種類前後の多種多様な薬を合わせて服用しているという。こうした“薬漬け”が続けば、内臓がじわじわと蝕まれる。」

何より顔貌の変わりようには驚く。頬がたるみ、目の下はくぼんで、還暦過ぎたばかり(62歳)の男の顔じゃない。単に年を取ったというレベルじゃない
 
そして4年前に就任した当時と最近の顔を比較していた。
  
20161227abefaceihen.jpg
【4年でこの変貌(C)日刊ゲンダイ】

 
たしかに、頬のたるみが異様である。
 
来年もこんな顔を見せられるのかと思うとウンザリするだが、もっとウンザリするのが「アベノミクス」という言葉である。
 
本人は大層気に入っていたらしいので外遊先の欧米諸国では、無邪気にも「Buy My Abenomics」などと訳の分からぬことを口走っていたことを思い出す。  
 
政治ブロガーの中にはこの言葉を使う時には必ず括弧つきで「アベノミクス」とする人が多い。 
 
御用経済学者は別として、辛口の経済学者としても知られている浜矩子は「アベノミクス」を「アホノミクス」と言って憚らない。
 
その理由として「株や不動産の価格が上がるバブルは起きるものの、庶民が生活に必要とする商品の物価は上がらずデフレになるとしており、得をするというのは富裕層のみであり、庶民にとっては厳しい経済状況になるとしている」と指摘。
 
「アホノミクス」は2013年の「現代用語の基礎知識」が選んだ「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補語にノミネートされたほどであった。
 
ネット上の投票では、「アベノミクスは成功していると思わない」人が80%近くにもなっている。
 
そして、1年前には「アベノミクスの矢がいつまでも的外れな『本当の理由』」という記事の中では、こう酷評されていた。
 
「来年夏に参院選を控えているとはいえ、安倍首相は先の第3次内閣の発足に際し、国民へ向けて発したメッセージとしてはいかにも軽く、言葉だけが踊り過ぎていて、空しさを禁じ得ない。とりわけ「GDP600兆円」とか「希望出生率1.8」とか、揚句には「介護離職ゼロ」に至っては、いずれも現実離れした無責任な夢物語で、いかにも客寄せのセールストークに近い。」
 
この頃から、安倍晋三首相の「空疎」な発言が際立ってきたのだが、もともとじっくり考える能力は全くない欠陥人間であり、当然そのことは本人が気が付くはずもなく、ましてや側近は気が付きながらもうまく利用する連中なので、「裸のバカ殿」状態に置かれているから始末に負えない。  
 
10日ほど前には、アベノミクスは「3つの好運」にたまたま恵まれてラッキーなのだというレポートがあった。
 
<「アベノミクスは失敗だった」と声高に言いづらい空気の原因>
 2016年12月16日 DIAMOND online
明らかに失敗しているのにアベノミクス批判が噴出しない不思議   
 「アベノミクスは失敗だった」と、はっきりと言えないのはなぜだろう?
異次元の金融緩和を行った上で財政出動(公共投資)を行い、民間投資の喚起を目指して成長戦略も推進する。そのことでデフレを脱却し、経済成長を促す。これが2013年にブームとなったアベノミクスの「三本の矢」だったのだが、足もとの状況を見る限り、とても成功したとは思えない。
目玉政策だった金融緩和については次第に「黒田バズーカ」が不発になり、経済成長の実感が持てない上に、2%のインフレ目標も達成できるどころか、デフレに逆戻りする雰囲気が出始めている。
どう考えてもアベノミクスは失敗なのだが、メディアでは色々議論がなされつつも、「失敗」と断言しているケースは稀だし、国民の世論もそこまでの空気にはなっていない。これは不思議なことではないか。
なぜかというと、アベノミクスはラッキーなのだ。今回はアベノミクスをめぐる「3つの好運」について述べてみよう。
1つめのラッキーは中国の経済回復だ。そもそもアベノミクスは、2013年に日経平均株価の大幅上昇によってブームとなった。しかし、その因果関係を考えると、三本の矢で日経平均が上昇したというよりも、中国景気のおこぼれがやってきたという方が正しい。
中国人が一斉にスマホを買うようになったので、日本の電子部品株やスマホケースを削る工作機械株が上昇したり、中国人観光客が銀座で爆買いするようになったので百貨店株が上昇したりした。都心の湾岸エリアの不動産価格が高騰したのも、中国人の富裕層がタワーマンションに投資をしたからだ。
ところが2015年夏にチャイナショックが起きて、中国の経済成長が減速しそうになったとたん、日本経済も失速した。この頃から「アベノミクスに限界が来た」と言われるようになったが、何のことはない、中国景気が失速しただけのことだ。実際、その後の1年は、黒田バズーカを何発撃っても日本経済は冴えなかったではないか。
 ところが今年の夏あたりから、中国経済が持ち直し始めた。国際的なダンピングで余剰の鉄鋼を売りさばき、意味のある公共投資に力を入れた結果、どうやら目先の中国経済は最悪期を脱したようだ。
それで中国の景気が戻ってきた結果、以前のように様々なコモディティ(資源)の価格が上昇してきた。また中国の実需が世界相場を押し上げ始めたのだ。これが1つめのラッキーだ。現時点では、多くの日本企業が再び中国景気の恩恵を受けられるようになり始めた。
中国とトランプの追い風で責任がうやむやになった「ラッキー」
2番めのラッキーはトランプ氏だ。大統領選挙前までは1ドル=100円台の円高傾向にあったが、直近の為替は1ドル=117円とアベノミクス全盛時の円安に逆戻りした。
このメカニズムの説明には色々あるのだが、定説で言えばトランプ氏が大統領就任後にアメリカ国内に対して大きな財政出動をすることを表明していることが、為替変動の引き金となった。「アメリカ政府がたくさんお金を使うぞ」というのでアメリカにグローバルな資金が集まり、ドルが買われて円安になった。
そして1ドル=90円台の円高に突入することを覚悟していたトヨタ自動車や日産自動車、ファナックや日本電産といった製造業は、逆に為替レートが振れたことで息を吹き返した。
つまり、三本の矢とまったく関係ないところで、中国とトランプ氏という2つの要因により、景気回復への期待が高まり、株価が上がるというラッキーが起きたわけだ。
言い換えると、アベノミクスは失敗しても、足もとのエコノミクスはいい感じになってきたということだ。しかしなぜ、このような状況で誰も声高に「アベノミクスは失敗した」と言えなくなったのか。そこに3番めのラッキーが関係してくる。それは、朝日新聞が安倍政権の経済政策に対して名付けた「アベノミクス」という呼称が、世間に定着してしまったことが理由だろう。
これがもし「異次元緩和政策」のような呼称だったとすれば、「結局経済を持ち直させたのは、異次元緩和ではなく中国とトランプだったよね」というように批判しやすいのだが、「アベ」という呼称がついてしまったがゆえに、政策を批判することと権力者を批判することが、同じになってしまったのだ。
経済政策の呼称に首相の名前が入ってしまったという不幸
 本質的には、安倍総理が打ち出した異次元緩和政策には限界が見えてきた。外的要因で我が国の経済は持ち直してきたからこそ、ここで新たな政策を打ち出そうというような議論が、本来ならなされるべき局面にある。
しかし、固有名詞がアベノミクスになってしまったがゆえに、安倍政権が続く限りは、アベノミクスを見直そうとは誰も言えなくなってしまったのだ。そして、もしこのまま2017年の経済が2016年よりも良くなったとしたら、アベノミクスの失敗の検証や政策の見直しなど、政治家は誰も口に出せなくなってしまう。自民党の総裁選挙が近づくので、アベノミクス批判は「イコール安倍批判」と取られかねなくなってしまうという理由も大きい。
実は、黒田日銀総裁のマイナス金利政策がうまくいかないのは、経済学的に説明ができるそうだ。経済学では、貯蓄と投資はマクロでは一致するという考え方がある。その観点では「カネ余りでもマネーが投資に向かない」などという現象は本来起きにくい。ただ、貯蓄と投資が均衡するためには利子率が自然利子率(景気を緩和するでもなく引き締めるでもない中立的な利子率)と同じになる必要がある。
そして数年前からヨーロッパで問題になってきたのが、どうやらその自然利子率がマイナスになったらしいということだった。
簡単に言うと、以前は金利を下げれば投資が活発になったところが、現在では企業の借入金利が(公定歩合がではなく)マイナスにならないと投資が活発にならないということだ。そのためには、預金の金利もさらにマイナスである必要がある。不思議な話だが、「貯金をすると金利がとられる、借金をすると利子がもらえる」という状態になることが、世の中で投資が活発になる条件になってしまったのだが、現在のレベルのマイナス金利ではそうはならない。つまり日銀のマイナス金利は自然利子よりもまだ高すぎて、効果が出ないということらしい。
しかし、銀行にお金を預けたら金利が取られるという政策が今の日本で実現できるとは思えない。だから黒田バズーカは不発になるし、アベノミクスはうまくいかない。この手詰まりについてきちんとした議論をすべき時期に来ているのだが、国民にとってアンラッキーなことに、「アベノミクスは失敗した」と声高に言えない状況が続いているのだ。
 
もし、この「アベノミクス」という合成語が「『近いうち解散』と呼ばれた2012年(平成24年)11月の衆議院解散前後から朝日新聞が使用したことをきっかけに多用され始めた言葉であるともされる」(Wikipedia)ならば、朝日新聞は随分罪づくりなことをしたものである。
 
この筆者の見立て通りならば、決して「ラッキー」な状態は長くは続かず、その反動が来年のドナルド・トランプの正式な大統領就任後からはじわじわと現れてきそうである。
 
すでに「2017年の世界経済はトランプ政策が翻弄、日本はリスクに備えよ」という声が今後は高まっていくことが予想され、そうなれば、安倍政権の「張子の虎」振りが明らかになるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年12月26日

「安保ただ乗り」は根拠なき言いがかりである

東京新聞社には、長谷川幸洋のような東京新聞・中日新聞論説副主幹という肩書で安倍政権の提灯記事を書きまくっている輩と、1992年より当時の防衛庁取材を担当している東京新聞論説兼編集委員の半田滋という「軟硬」というのか「右左」というのかはともかくとして、全く正反対の論陣を張っている2人の論説委員が存在している。
 
最近では、「現代ビジネス レギュラー作家」と自称しているらしい長谷川幸洋は、「2017年、日本が世界の外交をリードするこれだけの理由」というタイトルで安倍晋三首相を喜ばせるような恥ずかしい位の記事を書いているのだが、一方、半田滋はより現実的な視点から、「アメリカが『駐留費全額負担』を求めてきたら、こう言ってやればいい」という記事の中では、こう言っていた。
 
「米国が転換点に立つのに『米国と価値感を共有する日本』(政府見解)が現状追認でいいはずがない。米国の日本への関心が薄れる中、中国との間合いのとり方を含め、日本はあらたな外交、安全保障政策を模索すべきだろう。
 トランプ・ショックは日本に再出発の機会を与えているのだから、今後、尖閣諸島をめぐる争いに米国の軍事力を期待できないとすれば、安倍政権が『存在しない』とする領土問題の存在を認め、日中交渉によって解決するしかない。米国に頼らない自立した外交戦略を構築するのは今をおいてほかにない。」
 
そしてトランプ次期米大統領が主張する「安保ただ乗り論」については朝刊記事「でこんな事実を明らかにしてくれた。
 
<「ただ乗り」はどっちだ>
 2016年12月26日 東京新聞・論説室から
 トランプ次期米大統領が主張する「安保ただ乗り論」で思い出した。
 防衛省は日米地位協定5条2項に基づき、在日米軍が演習場へ向かうなどの公務で高速道路を使う際の通行料を負担している。
 在日米軍はこの条項を拡大解釈して、米兵とその家族にレンタカーを貸し出す際にも通行料が無料となる「軍用車両有料道路通行証明書」を渡している。レンタカーは軍用車両ではないし、レンタカーを使ったレジャーは公務ではない。
 2008年5月、横田基地を管理する第374空輸航空団のホームページに「レンタカーは高速料無料」の記述があり、判明した。
 米軍発行の通行証明書は、料金所から防衛省に回され、通行料を肩代わりする。15年度、防衛省が負担した通行料は延べ72万台分、7億2900万円に上った。レジャーなど公務外の使用は肩代わりしないが、通行証明書をみただけではレジャーか公務かわからない。在日米軍は「米兵がレンタカーを使用するのは公務の福利厚生に当たる」と主張し、無料配布をやめようとしない。結局、日本政府による全額負担が続いている。
 日本が負担する在日米軍経費は米兵の光熱水料まで含まれ、本年度5566億円。基地を抱える各国中、ダントツの負担額、負担割合である。加えて高速道路の「ただ乗り」だ。米兵の天国ではないか。 (半田滋)
 
早速、「日米地位協定5条」を調べてみた。
 
第五条
1 合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によつて、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。この協定による免除を与えられない貨物又は旅客がそれらの船舶又は航空機で運送されるときは、日本国の当局にその旨の通告を与えなければならず、その貨物又は旅客の日本国への入国及び同国からの出国は、日本国の法令による。
2 1に掲げる船舶及び航空機、合衆国政府所有の車両(機甲車両を含む。)並びに合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、合衆国軍隊が使用している施設及び区域に出入し、これらのものの間を移動し、及びこれらのものと日本国の港又は飛行場との間を移動することができる。合衆国の軍用車両の施設及び区域への出入並びにこれらのものの間の移動には、道路使用料その他の課徴金を課さない。
 
あらためて読むと、まさに占領軍の横暴振りを認めるかのような内容である。
 
「合衆国によつて、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる」という内容は、米国の「船舶及び航空機、合衆国政府所有の車両」に限られるはずだが、いくら「軍属並びにそれらの家族」といえども、日本のレンタカー使用はありえない。
 
さらには、「米兵がレンタカーを使用するのは公務の福利厚生に当たる」という主張は、「前都知事の湯河原別荘往復の公用車使用」とは比べ物にならないほどの、勝手な解釈であろう。
 
「通行料は延べ72万台分、7億2900万円」以上のただ乗り料を認めたこんな弱腰な日本政府なのだが、日本にとってはむしろ危険な買い物を断りきれない呆れた事情を半田滋論説兼編集委員が明らかにしていた。
     
<自衛隊「オスプレイ導入」を中止できない、日本政府の呆れた事情>
 2016.12.25 現代ビジネス
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首都圏にオスプレイがやってくる
沖縄の人々がおそれていた垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の事故が遂に起きた。
「墜落」(米軍準機関紙『星条旗』)した機体は大破して沖縄県名護市の海岸に無残な姿をさらけ出した。集落付近の海岸からの距離はわずか80メートル。大惨事となる恐れもあった。
開発段階から墜落事故を繰り返し、性能が安定しないオスプレイ。沖縄県の米海兵隊普天間基地に24機配備されている。墜落したのはその中の1機だ。
2017年1月からは千葉県木更津市の整備施設で定期整備が始まり、沖縄からオスプレイがやってくる。
17年度には東京の米空軍横田基地に別の10機が配備され、18年度からは陸上自衛隊による導入が始まり、自衛隊機としてのオスプレイは当面17機となる。
墜落の恐怖にさらされるのは、もはや沖縄だけではない。近い将来、米軍機と自衛隊機合わせて51機もオスプレイが日本全土を飛び回るのだ。国民の安全・安心のためには、せめて自衛隊への配備は中止すべきではないのか。
そもそも自衛隊への配備は、異例の経過をたどった。
本来、自衛隊の武器類はユーザーの自衛隊が選定する。具体的には陸海空自衛隊を統合運用する制服組トップの防衛省統合幕僚監部が、20年先の安全保障環境を見通して策定する「統合長期防衛戦略」をたたき台に、陸海空の各幕僚監部が武力攻撃事態を想定して武器類の導入を要求し、予算化される。
陸上自衛隊幹部は「『統合長期防衛戦略』を受けて陸上幕僚監部がつくった『陸上自衛隊長期防衛戦略』に『オスプレイ』の名前はありませんでした。情報は入ってくるので検討対象になったはずだが、採用されなかった」と打ち明ける。
陸上自衛隊が導入を求めなかったのは、性能上の理由によるところが大きい。オスプレイは輸送機だ。陸上自衛隊はオスプレイの二倍以上の人員や物資を空輸できるCH47大型ヘリコプターを55機も保有している。速度、航続距離こそオスプレイが優れているが、狭い日本で活用するにはCH47で十分と判断した。
では、なぜ陸上自衛隊は導入することになったのか。
米軍が沖縄配備を進めた12年当時、沖縄から強い配備反対の声が上がった。これを見た民主党政権の玄葉光一郎外相は「安全性を訴えるため自衛隊も保有すべきだ」と提案、当時の森本敏防衛相が同調して13年度防衛費に調査費800万円を計上した。
「沖縄の民意」よりも「米軍の意向」を優先したい民主党政権と外務省、防衛省が共振したのである。
同年12月に衆院が解散され、選挙で勝利した自民党が政権に復帰すると、安倍晋三内閣は14年度予算に「オスプレイを陸上自衛隊に配備するための調査費1億円」を計上、さらに導入目標を15年度と公表した。
民主党政権で芽吹いたオスプレイ導入の兆しは、自民党政権で熟成され、異例の「政治主導による武器調達」が実現した。文民である政治家が「これで戦え」と軍事の専門家である制服組に武器を下げ渡したのである
沖縄で墜落したオスプレイの同型機は、事故からわずか6日後に飛行再開した。
民進党の蓮舫代表は「事故原因や再発防止策の説明が先だ」と政府や米軍を批判するとともに「私は国民の感情というのはとても大切なものだと思う」と述べたが、自衛隊配備のいきさつを知るならば、米軍のオスプレイを批判しても「自衛隊への配備撤回」とは間違っても言えないだろう。
もとより日本政府が米軍の運用に注文をつけることはない。あまりにも早い飛行再開をみても「米軍の言いなり」であることがわかる。
さらに自衛隊への配備について、最大野党の民進党さえ撤回を求めにくい状況にあるとすれば、もはやわたしたちは51機のオスプレイが事故を起こさないよう祈るしかないのだろうか。
防衛省HPに載る「ウソの数字」
防衛省は自衛隊オスプレイの佐賀空港への配備を計画している。
隣の長崎県佐世保市に発足する陸上自衛隊版海兵隊の「水陸機動団」を空輸するのに、佐賀空港は山と海をひとつ隔てただけという地理的優位性に加え、赤字の佐賀空港を抱える佐賀県当局には「札束をチラつかせれば何とかなる」という、都合のよい地元歓迎論が根拠になっている。
昨年(2015年)7月、防衛省は「陸上自衛隊の佐賀空港利用について」とのパンフレットを作成し、地元説明会を開いた。墜落などの危険性についてパンフには「開発途中においては大きな事故が4回発生しましたが、機能の追加や再設計など事故原因への対策を行い、技術的な問題点はクリアされています」と安全性を強調している。
 本当に安全なのだろうか。
米国防総省は、死者の発生や200万ドル(約2億3500万円)以上の損害を出した重大事故を「クラスA」と称し、事故率は10万飛行時間当たりで計算する。日本政府は、米軍がオスプレイを沖縄に配備する際、オスプレイのクラスA事故は1.93(2003〜12年)という数字を示し、米海兵隊が持つ航空機全体の平均2.45(同)より低く、安全だと説明した。
しかし、12年以降は上昇に転じ、15年9月末で2.64と現在の米海兵隊航空機全体の平均と並んでいるが、防衛省は今でもホームページに1.93の数字を載せ、国民をミスリードする。 
事故率は全機種平均の41倍
実戦ではどうなのか。
米海軍安全センターは「海兵隊航空機アフガニスタン事故報告書」(2010〜12米会計年度)を公表する中で、海兵隊航空機12機種のクラスA〜Dの事故率は26.69で、3746.8時間に1件の割合で事故が発生したことを明らかにした。
この中でオスプレイの事故率は1105.56で全機種平均の約41倍と極めて高く、90.4時間に1件の割合で発生した。クラスAの事故率は138.19で、12機種平均の21倍にも達した。
飛行時間は同じ輸送機のCH53Eが1万9480. 7時間、CH53Dが5630. 5時間となっているのに対し、オスプレイは723.6時間と極端に少ない。新型機なのでアフガンの砂地での運用に不慣れなのかもしれないが、実戦に不向きという致命的な弱点をさらけ出した。
オスプレイは昨年5月、ハワイで着陸に失敗し、機体は大破して乗員2人が死亡した。米太平洋海兵隊は「巻き上げた砂塵をエンジンが吸い込み、出力が低下した」と原因を操縦ミスに求め、日本の防衛省も追認した。砂地での運用はアフガンで経験済みではなかったのだろうか。
今回の沖縄での事故は、在日米軍によると、夜間の空中給油中、MC130給油機から伸びた給油ホースにオスプレイのローターが当たり、損傷したというものだ。
オスプレイは全幅25. 78メートルの機体の左右に直径11.6メートルの巨大なローターが付いている。給油口は操縦席の先に突き出ているものの、ローターが巨大ゆえに伸びてきたホースがあたりやすいという特性があるのではないだろうか。
空中給油機を持つ航空自衛隊の杉山良行航空幕僚長は会見で「(陸上自衛隊のオスプレイも)米軍と同様の訓練をやると聞いている」と語り、夜間の空中給油訓練を否定していない。
日本人にとって安心材料は何一つないようだ。
イスラエルもキャンセルしたのに…
日本政府は15年度5機(516億円)を発注したのを皮切りに、16年度は4機(447億円)と全17機のうちすでに9機を発注した。
1機あたり100億円強の計算だが、関連経費が加わるためそれだけではすまない。米国防総省は昨年5月米議会に対し、売却総額は推定で計30億ドル(当時約3600億円)に上ると報告している。
やっかいなのは日本政府が米政府から直接購入するFMS(対外有償軍事援助)方式となっていることだ。
FMSとは米国の武器輸出管理法に基づき、@契約価格、納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない、A代金は前払い、B米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる、という不公平な条件を受け入れる国にのみ武器を提供する米政府の武器売買システムだ。
つまり価格、納期は米政府の「言いなり」になってもらい、「言いなり」にならない場合は解約されてもやむを得ないというトンデモない商売だ。
購入する側に著しく不利な内容だが、高性能の武器が欲しい各国は甘んじてFMS方式を受け入れる。米政府は世界160ヵ国とこの方式で武器売買しており、日本も例外ではない。 
何のことはない。口先だけの安全・安心にすがり、不安定な武器取引を承知のうえで米政府の言い値でオスプレイを買うというのである。
在日米軍や日本政府が言うとおり、オスプレイが高性能で安全というなら、なぜ世界最強の米陸軍が採用しないのだろうか。
理由は容易に推測できる。陸上自衛隊と同様、CH47やUH60といった高性能のヘリコプターを多数保有しており、費用対効果や性能に不安があるオスプレイは不要ということだろう。
またオスプレイの高速性が魅力というなら、なぜ米政府は大統領専用ヘリコプターとして採用しないのか。不安がないなら大統領はじめVIPが乗って安全性を、身をもって実証すべきではないのか。
購入の意思を示していたイスラエルがキャンセルしたため、米国以外で本格的に導入するのは日本だけとなった。明らかな貧乏クジと分かりながら、大金をつぎ込み、導入するのだ。
安倍政権は、国民から寄せられる自衛隊への信頼を裏切るようなオスプレイの導入を断念すべきである。
 
「@契約価格、納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない、A代金は前払い、B米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる」というこんな一方的な売買システムは日本の企業間では到底許されない内容である。
 
それが、日米間では「当たり前」に運用されているところに致命的な問題がある。
 
言われるままで断りきれないこの日本政府の情けなさ。
 
「世界最強の米陸軍が採用しない」のは、オスプレイが高性能で安全ではないという証であろう。
 
さらに「米政府は大統領専用ヘリコプターとして採用しない」のは「オスプレイの高速性が魅力」ではないからであろう。
 
しかし、それにしても残念なことは、オスプレイ導入の先鞭をつけたのが民主党政権だということである。
 
安倍晋三首相は、事あるごとに「民主党政権」と比較して安倍政権の優越性を強調していたが、オスプレイ導入を本格化した安倍政権は、民主党政権の負の遺産に「ただ乗り」しただけであったのだろう、とオジサンは思う。 

    
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2016年12月25日

使用できない土地を返すことが負担軽減という欺瞞

昨夜は定年退職や早期退職によって企業家ではなく「起業家」になった中高年者たちの「大宴」と称する飲み会に参加した。
 
大手の企業人だったが天下りもせずに、オジサンと同年代の中高年の男女が新しい道を切り開きたいという希望に満ちた話しをしており、珍しいクリスマスイブの夜になった。
 
明けて25日はクリスマスとなり都会では華やかなイルミネーションに飾られた街中に、若者たちは吸い込まれていく。
 
日本におけるクリスマスの歴史は明治維新以前の16世紀にさかのぼるのだが、明治時代になり1900年(明治33年)に明治屋が銀座に進出し、その頃からクリスマス商戦が始まったことが大きな契機になり、日本でクリスマスが受け入れられるようになったという。
 
しかしすべての日本人がクリスマスの夜を楽しく過ごせるとは限らず、2008年のリーマンショックによる日本への影響は凄まじく、多くの季節工とか派遣労働者が職と住居を同時に失い、日比谷公園に「年越し派遣村」ができたことは忘れてはならない。
 
その頃は、「Merry Christmas」ではなく、「滅入り苦しみます」だと誰かが言っていたことを思い出す。
 
明日からクリスマス休暇をハワイですごす米国オバマ大統領とハワイ・真珠湾訪問するという安倍晋三首相。
 
大手マスメディアは当初、「現職首相の訪問は初めて」と大騒ぎだったが、実は1951年9月に当時の吉田茂首相の真珠湾訪問が表面化すると、「アリゾナ記念館を訪れるのは初めて」と一気にトーンダウンしてしまった。
 
さらに、22日付の米国「ハワイ報知」新聞は〈鳩山一郎、岸両首相も訪れていた〉との大見出しで、鳩山が1956年10月29日に、岸はアイゼンハワー大統領との会談で訪米した際の57年6月28日に、それぞれ真珠湾を訪れていた――と報じており、歴代首相としては4番目になってしまい話題性がなくなってしまった。
 
おまけに、河野洋平元副総理が、衆院議長時代の2008年12月にアリゾナ記念館を訪れていることが明らかになり、安倍晋三首相のパフォーマンスも新鮮味が全くなくなってしまったということであろう。
 
またもや不要な外遊であり国費の無駄使いである。    
   
しばしば政府にとって都合の悪い、反対派からの反発が強まることは目立たずに行ってしまうのが今の安倍政権の常套手段。
 
戦争法施行後、世論を気にして運用が先送りになっていた「グレーゾーン事態」における平時の米艦防護を可能にすることを国家安全保障会議で承認した。
 
<安保法 平時の米艦防護可能に 政府了承、運用開始>
 毎日新聞 2016年12月22日 東京夕刊
 政府は22日午前の国家安全保障会議(NSC)で、安全保障関連法で可能になった平時や有事に至らない「グレーゾーン事態」での米軍部隊の武器等防護(米艦防護)に関する指針を了承し、運用を開始した。米側との調整のため3月の関連法施行後も運用が先送りされていた。今後は米側の要請があれば防衛相の判断で自衛隊による米艦防護が可能となる。南スーダンでの駆け付け警護に加え、関連法の運用が一層本格化する。
 平時からの米艦防護は、日本の防衛に資する活動に従事する米艦を、第三国による妨害行為やテロ行為などの「武力攻撃に至らない侵害」から警護する任務。2015年4月に改定された日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)に明記された。適用場面としては北朝鮮などによる弾道ミサイル発射への警戒監視・情報収集活動や日米共同訓練などを想定している。
 運用指針によると、あらかじめ要請を受けた防衛相がその都度、米軍の活動目的や内容、周囲の情勢などを踏まえ、必要性を判断する。米側から初めて要請があった際や第三国での防護などはNSCを開き、その要否を判断する。稲田朋美防衛相は22日の記者会見で「日米同盟の抑止力、対処力が一層強化される」と意義を強調した。
 政府は相手から侵害行為を受けるなどの特異事象は速やかに公表するが、米艦防護の実施状況は「部隊の運用に支障が出る」として非公表とする。今後はまず自衛隊と米軍が机上訓練を通して実施に備える見通しだ。【村尾哲】
 
これに対して、戦争法案が国会に提出される前から、反対の論を張っていたこの人は、「平時の米艦防護は国会の関与を前提としていない。これも安保法制の欠陥だ」と批判していた。 
 
<柳沢協二さんのウオッチ安保法制 日本の開戦招くリスク>
 2016年12月25日 朝刊 東京新聞
◆「平時の米艦防護」可能に
 日米共同の警戒監視や訓練の最中に、第三国による妨害行為などから米艦を守る「平時の米艦防護」が運用可能となった。武力行使に至らないが、情勢が緊迫する「グレーゾーン事態」に対処する任務だ。米軍からの要請を受け、防衛相が実施の可否を判断する。つまり、緊張感がある程度高い状態が前提だ。
 政府は防護を実施する場合の具体例として、日米の共同訓練を挙げている。米艦の防護が必要となる共同訓練とは何か。
 太平洋の真ん中で行うような訓練で、襲撃してくる相手などいるわけがない。米軍から警護の要請があるということは、それなりに敵地に近い場所で訓練するということだ。一触即発の状況下で、第三国の軍事行動を水際で抑止するため、米軍が示威行動として行う訓練が想定できる。
 抑止とは、相手を軍事的な恐怖で抑えて戦争をさせないことだ。しかし、必要以上に追い込みすぎると、相手が恐怖に駆られて逆に先制攻撃をしかけてくるリスクもある。
 戦争とは往々にして、恐怖に駆られた予期せぬ行動がきっかけで起こるものだ。日本周辺では北朝鮮、中国との間で緊張が高まっている。相手の目の前で共同演習を行うことは、軍事的な挑発行動として受け止められる。そういう状況で自衛隊が米艦を守るために武器を使えば、日本が戦争の火ぶたを切ることになりかねない。政治家はその危険を認識すべきだ。
 他国を武力で守る集団的自衛権の行使や、戦闘中の米軍に日本が弾薬や物資を供給する重要影響事態の認定には、国会承認の仕組みが一応あるが、平時の米艦防護は国会の関与を前提としていない。これも安保法制の欠陥だ。 (聞き手・新開浩)
 <武器等防護> 政府が安全保障関連法で「武器等防護」の対象を米軍の艦艇などに拡大した。安保法整備で改正された自衛隊法は、平時から自衛隊と連携して活動する米軍などの他国軍に対し「わが国の防衛に資する活動」に従事している場合、武器等を防護できるとした。正当防衛や緊急避難の要件を満たさない場合は、危害を加える武器使用はできない。
 
そもそも「米艦の防護が必要となる共同訓練」が「太平洋の真ん中で行うような訓練」ではなく、「敵地に近い場所で訓練する」示威行動のことであり、極めてリスクの高い行動である。
 
日本が自ら好んで戦争に巻き込まれる行動になりかねない。
 
さて、最近の政治家はインターネットの発達により誰でもが簡単にブログを開設することができ、自らの意見表明を行ったり我田引水的な自慢話をする輩も多い。
 
この人の最近のブログもその傾向が強い。
 
菅義偉官房長官が自ブログで「沖縄県訪問:米軍の基地負担の更なる軽減を」というダイトルでこんなことを言っていた。
 
北部訓練場は、20年前にアメリカと沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小に関するSACO合意において、ヘリパッド代替施設建設を条件に総面積の過半、約4000haを返還することが決まっていましたが、
これまで一部のヘリパッドの工事が進まず、返還が実現していませんでした。昨年8月に私が沖縄を訪れ、北部訓練場のある東村、国頭村の村長とお会いしたときに、できるだけ早く返還してほしいという要請を受け、今年の7月から新たに4カ所のヘリパッドの建設に着手しました。
本年10月には、ヘリパッドの工事進捗状況を視察し、年内の返還に向けてアメリカと交渉することを表明し、この度の返還となりました。
返還式典には残念なことに翁長知事は出席されませんでしたが、地元から国頭村長、東村長、さらにはヘリパッドの移設先である高江区長が出席されて、この歴史的な返還の意義を分かち合いました。
 
米軍北部訓練場の部分返還について、あたかも自分の手柄の如くのような内容だが、じつは5か月ほど前にはこんなことが明らかになっていた。
 
<米は機能強化強調 北部訓練場運用計画 「最大限に活用>
 2016年7月27日 15:03 琉球新報
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】海兵隊が2013年に太平洋地域の基地運用計画についてまとめた「戦略展望2025」で、米軍北部訓練場の部分返還について機能強化と捉えていることが分かった。戦略展望では「最大で約51%の使用不可能な北部演習場を日本政府に返還する間に、限られた土地を最大限に活用する訓練場が新たに開発される」と明記している。
 日米政府は北部訓練場の部分返還を沖縄の基地負担軽減策と説明しているが、県内基地の整理統合によって基地の機能強化を進める海兵隊の戦略があらためて浮き彫りになった。
 米軍普天間飛行場の代替施設建設が予定されるキャンプ・シュワブについても「すさまじい変化を遂げる」と強調。日米両政府が合意している嘉手納より南の米軍基地の返還・統合計画については「海兵隊は、次世代の海兵隊員やその家族を支えるための最新で、近代化され、効率的な施設で利益を得るだろう」としている。
 
「嘉手納より南の米軍基地の返還・統合計画」とは、世界一危険な飛行場ではなく、手狭になり手放し、より機能的に向上する辺野古新基地に統合するということである。
 
そして、「海兵隊は、次世代の海兵隊員やその家族を支えるための最新で、近代化され、効率的な施設で利益を得るだろう」ということは、沖縄在住の海兵隊は決して日本の防衛のためではなく、抑止力にもなっていないということである。  
 
当時は在京大手紙は余り関心を示さなかったのだが、昨夜は沖縄米軍北部訓練場の返還が沖縄の負担軽減に役立つと宣伝する安倍・菅暴政の大ウソを見事に国民の前に証明してくれた番組がTBS「報道特集」で放映され、キャスターの金平茂紀が現地から報道していたという。
 
【住民負担増加? 生活の質は低下?】

 
あらためて米海兵隊「戦略ビジョン2025」を確認すると、「最大51%の使用できない土地を日本政府に返還する、一方で新しい訓練施設を使って海兵隊の土地が最大限に活用できるようになる」、そして「高江周辺6つのヘリパッドは、オスプレイの使用を想定し、各ヘリパッドで年間420回使用する」ことにより、従来使用した輸送ヘリよりも年間1200回以上多くなる。
 
一体、これのどこが「米軍の基地負担の更なる軽減」になるのか、むしろ負担増加になっているこの欺瞞性をマスメディアは追及するべきであろう、とオジサンは思う。

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2016年12月24日

年末モード全開だが見逃してはならない事実がある

どうやら日本のメディアは年末モードになってきた。
 
今さらではないが、テレビ番組表をみるとオジサンのような人間にとっては「ウンザリ」する「○○スペシャル」番組が勢ぞろいし、新聞では今年の「重大ニュース」の連載を始めている。
 
過去を振りかえることは決して悪いことではなく、問題は過去の失敗とか間違えを正しく評価できるかだと思う。
 
日本経済新聞によると、6月末時点の国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が1053兆4676億円だったという。
 
この数字は、経済ジャーナリスト・財部誠一氏の「日本の借金時計」でリアルタイムにその金額を確認できる。
 
そんな日本の財政状況を知っているにもかかわらず、相変わらず「地球儀俯瞰的外交」と称してバラマキ外交を続けている安倍晋三首相。
 
ことし最後の大判振る舞い的なロシアに対する経済協力と称するバラマキを含めて、今までの安倍政権として海外にばら撒いた金額を、まとめサイト「安倍政権が外国にばらまいた金額一覧」のタイトルから拾ってみた。
 
【安倍政権が外国にばらまいた金額一覧】
▼ミャンマーに日本への支払いが滞っている債務のうち新たに2000億円免除し、5000億円の債務解消、円借款と無償資金協力を合わせて総額910億円のODA実施
▼中東・北アフリカ地域に対し新たに総額22億ドル=2160億円規模の支援を発表
▼安倍首相、シリアの女性支援にODA3000億円表明 国連演説
▼シリア難民に59億円追加支援、安倍首相が国連演説
▼ASEANに5年間で2兆円規模の ODA拠出を発表
▼「ラオスに円借款90億円」 安倍首相、供与を表明
▼モザンビークに支援表明 700億円のODAを供与
▼アメリカでリニア構想、日本政府が融資提案 5000億円規模
▼インドへ円借款2000億円 首脳会談
▼バングラデシュに6000億円支援=政府
▼安倍首相パプアニューギニアに3年間で200億円規模を供与
▼チェルノブイリ支援に3.5億円=安倍首相表明、
▼インドに5年で3兆5000億円の官民投融資、日本政府が約束
▼日・スリランカ首脳会談、ア施設整備に137億円の借款
▼日本政府、1兆7400億円の途上国支援・気候変動サミットで表明
▼安倍首相、エボラ対策として、国連などに43億円の追加表明
▼安倍首相、中東支援で新たに55億円の緊急支援を表明
▼ガザ復興へ 日本政府、約22億円の支援表明
▼ミャンマーに円借款260億円供与 安倍首相、大統領に表明
▼エジプトに円借款430億円 首相、中東訪問で表明へ
▼安倍首相、中東政策スピーチ 安定化に3000億円支援表明
▼難民支援でヨルダンに147億円 首脳会談で安倍首相表明
▼シリア難民の新たな支援で7億円 政府拠出
▼政府:アジアのインフラ投資支援に約13兆円を提供 AIIBに対抗
▼中国の緑化、日本政府が100億円拠出へ
▼安倍首相エジプトインフラ整備に約411億円の政府開発援助
▼安倍首相、東ティモール大統領と会談。ODA50億円供与
▼安倍首相、ウクライナ大統領と会談。2000億円の経済支援
▼安倍首相、パナマのモノレール事業に約2800億円の支援
▼元慰安婦に1人1000万円…日韓合意
▼安倍首相、ベトナムに気候変動対策として円借款228億円伝達
▼安倍首相、ミャンマーの貧困削減、農村開発に1250億円支援
▼アフリカに3兆円投資 安倍首相表明
▼安倍首相 ケニアに10億円資金協力
▼安倍首相、難民支援に2850億円拠出 国連サミットで表明
▼安倍首相、キューバに12億円の医療機器供与
▼ヨルダン支援で300億円=安倍首相が国王に表明
▼フィリピンのドゥテルテ大統領地元に農業支援 安倍首相、50億円供与伝達
▼安倍首相、ミャンマーに8000億円支援表明
▼<安倍首相>「途上国の女性に3450億円以上」支援
▼日本政府、英原発に1兆円の資金援助へ
▼【ロシア】日ロ首脳会談 日本側の経済協力3000億円規模で合意
  
合計金額を計算するのもバカらしいのでやめておく。
 
さて話はがらっと変わるが、世界で後進国とか途上国呼ばれる国ではしばしば内乱が起きる。
 
とりわけアフリカでは今から四半世紀前のルワンダ紛争がいまだ記憶に残っている。
 
アフリカ中央部にあるルワンダにおいて、1990年から1993年にかけ、フツ系の政府軍及びインテラハムウェと、ツチ系のルワンダ愛国戦線との間で行われた武力衝突・ルワンダ内戦と、和平協定後も続いたツチとフツ等の対立、虐殺を指す。
(Wikpedia)     
 
一般に内戦とは、時の政府軍と反政府軍という対立構図を指すのだが、ルワンダの場合は政府軍のバックにはフランス陸軍、反政府軍であるルワンダ愛国戦線にはウガンダ軍がいた。
 
従って交戦状態では、フランスとウガンダがそれぞれ武器の調達支援をしていた。 
 
同じアフリカではスーダンから分離独立した南スーダン内でも政府軍と反政府軍の衝突と日本政府が強弁している内戦が行われている。
 
この国は大統領派と副大統領派の対立なのだが、背景は2つの民族(ディンカとヌエル)の対立があった。
 
内戦に必要な武器は国内で生産されるものではなくほとんどが他国から入ったものである。
 
そのため内戦をこれ以上悪化させないためにも、南スーダン政府や反政府勢力への武器禁輸などの対南スーダン制裁決議案を米国が非常任理事国の日本に賛同を強く求めていたにもかかわらず、「南スーダン安保理制裁決議案 米の賛同要求、日本難色」ということが今週初めに報じられた。
 
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その後、日本は同盟国の米国の賛同要求に応えず、棄権をして決議案は否決されてしまった。
 
<国連安保理 南スーダン制裁決議案を否決 日本は棄権>
 毎日新聞 2016年12月24日 00時49分
 【ヨハネスブルク小泉大士】国連安全保障理事会は23日、南スーダンへの武器輸出を禁止する制裁決議案を採決した。理事国15カ国中、採択に必要な9カ国の賛成が得られず、決議案は否決された。
 陸上自衛隊を現地の国連平和維持活動(PKO)に派遣する日本は棄権した。制裁が南スーダン政府を刺激し、自衛隊のリスクが高まることを懸念したと受け止められている。
 国連の専門家が「民族間の対立がジェノサイド(集団虐殺)に発展する恐れがある」と警告する中、米国のパワー国連大使は武器の流入を食い止める必要があると主張、決議案に慎重な日本の対応を批判していた。
 採決では米英仏など7カ国が賛成し、日本、ロシア、中国と、アンゴラなどアフリカ3カ国を含む計8カ国が棄権した。
 南スーダンでは、政府軍側が大量の武器を国外から持ち込み大規模戦闘の準備を進めているとの見方も広がっている。
 
それにしても、「制裁が南スーダン政府を刺激し、自衛隊のリスクが高まることを懸念」ということは理解しがたい。
 
南スーダン政府軍と反政府軍は民族間対立が根本にあり、日本政府がPKOに派遣した自衛隊員は基本的には政府軍寄りである。
 
その政府軍が「大量の武器を国外から持ち込み大規模戦闘の準備を進めている」としたら、南スーダン制裁決議案が否決されたことにより、反政府軍への攻撃が強まり、ますます内戦の危険性が増してくる。
 
そして反政府軍が難民たちに紛れて国連PKO部隊の宿営地に避難してきた場合は、一体どのような対応をするのか。
 
そしてそのような現地での対応がキチンと記録に残され、PKO任務終了後の検証に使われなければならない。
 
1年ほど前に、北海道新聞に「『経済的徴兵制』を書いた 布施祐仁さん」と紹介されたジャーナリストの布施祐仁氏が貴重な情報を入手した。
 
<PKO部隊の日報廃棄 南スーダン7月の武力衝突 防衛省「目的終えた」>
 2016年12月24日 07時02分 東京新聞
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防衛省の不開示通知書(抜粋、赤線は本紙記載)

 アフリカの南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊が、首都ジュバで7月に大規模な武力衝突が発生した際の状況を記録した日報が、廃棄されていたことが分かった。陸自の文書管理規則が定める3年間の保存期間に満たない。治安が悪化する同国でのPKOは派遣要件を満たしていないと疑問視する声が強いが、日報の廃棄でさらに批判が高まる可能性がある。
 南スーダンPKOは半年ごとに部隊が交代しており、7月に活動していたのは10次隊。ジャーナリストの布施祐仁(ゆうじん)氏が情報公開法に基づき、同月7〜12日の日報を9月末、防衛省に開示請求したところ、今月2日付で「既に廃棄しており、保有していなかった」とする通知を受けた。
 同省によると、陸自の文書管理規則では、PKO関連文書の保存期間の基準は3年間。一方で「随時発生し、短期に目的を終えるもの」や「1年以上の保存を要しないもの」は、例外的に1年未満で廃棄できる。
 同省統合幕僚監部の担当者は、廃棄の理由について「上官に報告した時点で、使用目的を終えた」と説明。これ以外の日報も、紙や電子データを含め、同様に廃棄しているという。
 陸自は、日報に基づき、後続部隊ヘの教訓をまとめた「教訓要報」を作成しており、当時の現地状況もこの中である程度記載される。しかし、原本に当たる日報が廃棄されてしまえば、治安の実態や自衛隊の行動について国民が正確に把握することが難しくなる。
 布施さんは「これが許されるなら、あらゆる報告文書はすぐに廃棄されてしまう。国民の検証のために公文書を保管する意識が欠如している」と批判する。
◆黒塗りより深刻
 日報廃棄の問題からあらためて浮かび上がるのは、活動継続への疑念が強い南スーダンでのPKOについて、国民に正確な情報を届けて理解を得ようという意識が、安倍政権に依然として薄いことだ。
 ジュバで最初の大規模衝突が起きた、2013年12月に派遣されていたPKO五次隊の「教訓要報」には、隊員らが防弾チョッキと鉄帽を着用したり、撤退経路を偵察したりという対応が記されている。
 これを作成する材料となった日報が存在していれば、国民は当時の状況をより詳しく知ることができた。
 まして今回、日報の廃棄が判明した六日間は、陸自の宿営地の隣にあるビルで銃撃戦が起きるなど、13年に劣らず緊迫していた状況が明らかになっている。日報の廃棄が、検証を難しくした可能性は大きい。
 PKO関連文書の保存期間を原則3年間と定めた、文書管理規則が形骸化している事実も見逃せない。今回のように「上官に報告したから」という理由での廃棄がまかり通れば、組織にとって都合の悪い文書はすべて公開せずに済む「抜け道」になりかねない。
 南スーダンPKOを巡っては、これまでも現地報道を基にした地図を黒塗りにして公表するなど、情報公開に消極的な政府の姿勢が批判されてきた。黒塗りどころか、将来公開される可能性を摘む「廃棄」は、より深刻な問題だ。 (新開浩)
 
日報廃棄理由が「上官に報告した時点で、使用目的を終えた」ということがまかり通れば都合の悪いことはすべて「上官に報告したから」で隠蔽することが可能になってしまう。
 
TPP関連資料の黒塗りの、いわゆるのり弁状態よりも悪質である。
 
これでは、現地に派遣された自衛隊の戦闘中の死傷者も、衝突事故死どころか、「上官に報告した」だけで闇に葬らされてしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:57| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 南スーダンPKO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月23日

安倍カラーは弱者いじめの危険な色

毎年、年末になると売り出されてきた「年末ジャンボ宝くじ」。
 
これは1980年12月31日に開催された「第164回年末ジャンボ宝くじ」が事実上、「第1回年末ジャンボ宝くじ」としてスタートしたという。 
 
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当時の賞金額は、1等が3,000万円、2等が2,000万円、3等が500万円であった。
 
それから36年後の今年は1等・前後賞合わせて10億円の「年末ジャンボ(第688回全国自治宝くじ)」と大幅に増額している。
 
おそらく庶民感覚からすれば、億円単位が「夢の金額」である。
 
従って、今年の都知事選で飛び受かった「1兆、2兆と豆腐じゃあるまいし・・」と豆腐1丁にひっかけて論じられた五輪開催費用の金額は大きすぎて実態は全く分からない代物であった。
 
一時は3兆円にもなりかねなかった開催費もIOCの圧力もあり、「五輪経費1.6〜1.8兆円公表 年明けに分担協議」となった。
 
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最大1兆8000億円をどのように「都」、「政府」、「組織委員会」で分担するのかでは既に水面下で綱引きも行われ、かつ競技を開催する周辺自治体へも分担金を求める事態になり、「話が違う」と問題になってきた。
 
【五輪費用負担「話が違う」、東京以外の開催自治体から不満続出】

  
本来ならば、五輪開催に向けての立候補ファイルで定められた「ルール」に従えば、ほぼ全額、都が負担することになる。
 
しかし、1兆円もの予算案を都議会に通すには、最大会派の自民党が猛反発する恐れがありかなり困難である。
 
そうなれば、追い込まれた小池百合子知事が持つ最後の“カード”は「五輪返上」かも知れない。
 
こんなブラフはお得意なのでチラつかせるだけでも効果は十分で都議会はおろか、政府も対応せざるを得なくなるかも知れない。
 
相手を恫喝するために「国が費用負担しないのなら、五輪は返上するしかない」と迫り、最終的には「五輪のために国も負担すべき」という世論を作るのだろうが、ここは思い切って「五輪返上」に至るまで3者の混乱ぶりを期待したいところである。
 
この間の詳細は、国際メディアサービスシステムム研究所代表者が「東京オリンピック 開催費用 小池都知事 予算 負の遺産 負のレガシー 会場見直し 3兆円 2兆円 都政改革本部」の中でまとめてくれている。
 
さて、五輪開催費用の額とは比べようもないほどの金額が国家予算である。
 
安倍政権は「経済再生なくして財政健全化なし」を掲げ続けている。
 
そのために、2012年12月に発足した第2次安倍政権以降に編成された過去4度の予算では、税収増とともに国債の発行を減らしてきた。
 
そこまでは良かったのだが、今年前半に進んだ円高で輸出企業を中心とする法人税収は伸び悩み、税収増の潮目は変わり、2017年度予算案と同時に閣議決定した16年度第3次補正予算では、想定していた税収が実現できず、赤字国債の追加発行を余儀なくされた。
 
しかし、それでも安倍政権は防衛費や公共事業を重視する姿勢は崩してはいない。
 
保育士や介護士の処遇改善などを予算の目玉に挙げるが、現役世代向けの予算額はまだ少ない一方で、先進国の中で群を抜く借金を減らすため、高齢者の医療費など社会保障費は抑制された。
 
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【東京新聞より】
 
 
<安倍カラー 暮らしにツケ 17年度予算案 閣議決定>
 2016年12月23日 07時02分 東京新聞
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 政府が22日に閣議決定した2017年度予算案の一般会計の歳出総額は97兆4547億円で、5年連続で過去最大になった。防衛費は5年連続で増やし5兆1251億円と過去最高を更新。一方で社会保障費は増加を抑えるなど、安倍政権の姿勢を反映した予算のしわ寄せは、国民の暮らしに及んでいる。 (桐山純平、新開浩)
◆膨張
 「わが国を取り巻く厳しい安全保障環境の下で、防衛の質と量をしっかり充実させることが必要だ」
 稲田朋美防衛相は22日の記者会見で強調した。
 17年度予算案では防衛費が過去最高額を更新。予算額は16年度当初比で1.4%増の5兆1251億円に膨れあがった。
 押し上げ要因として浮かび上がるのは、米国製の高額な武器を積極的に購入していることだ。
 最新鋭ステルス戦闘機F35六機の取得費計881億円、新型輸送機オスプレイ4機の取得費計391億円、無人偵察機グローバルホーク一機の組み立て費168億円…。
 米国から買う武器で17年度予算案に盛り込まれた総額は3596億円に上る。4000億円台だった15、16年度よりは減ったが、14年度の1905億円を大幅に上回る高水準だ。
 F35を巡っては、トランプ次期米大統領が「計画も費用も制御不能だ」と批判し、米国防総省による購入費の削減に取り組む考えを表明。日本政府内にも「高額であることは間違いない」(高官)との意見がある。
◆圧迫
 一方、歳出の3分の1を占める社会保障費の伸びを少しでも抑えるため、医療や介護などの分野で国民の暮らしを圧迫するメニューはめじろ押しだ。
 一定の所得のある70歳以上を対象とした医療費の自己負担上限を引き上げることや、後期高齢者医療制度の保険料の自己負担を段階的に増やすこと、さらには、中所得者を対象に介護保険サービスの利用者負担上限を高くすることなどが盛り込まれた。
 菅義偉官房長官は22日の会見で「社会保障と財政を持続可能にすることができるようにするということは当然。不断の取り組みが大事だ」と話して、翌年度以降の予算編成でも医療や介護での負担増が避けられないとの考えを早くも強調した。
 歳出は拡大していく一方だ。公共事業は老朽インフラの更新などで5兆9763億円と微増ながら増加を続け高止まりだ。中でも5年連続で増やした防衛費は5兆円を突破しただけでなく、16年度第3次補正予算案でも1706億円を計上する大盤振る舞いだ。
 高齢者の医療や介護では自己負担の増加を求める一方で、防衛費や効果が見えない「アベノミクス」の柱である公共事業を優先−。安倍政権の「本音」がより鮮明になった予算の姿を浮かび上がらせている。
 
「国民の生活が第一」という言葉が懐かしく聞こえてきそうな、安倍政権の「本音」むき出しの来年度の予算なのだが、要するに防衛費を増やすために、社会保障費用を削減しているに過ぎない。 
 
そして防衛予算の中には大幅に増額された「軍事研究」予算が隠されている。
 
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【東京新聞より】
 
 
<安倍内閣が前年の18倍の巨額「軍事研究」予算を閣議決定! 大学や科学者も軍事協力に前のめりに>
 2016.12.22 リテラ
 本日、2017年度予算案が閣議決定した。高齢者の医療費自己負担などを引き上げたことで社会保障費の自然増分から約1400億円もカットした一方、防衛費は5兆1251億円と過去最大に。なかでも目を見張るのが、軍事応用研究のための資金を大学などへ提供する「安全保障技術研究推進制度」に110億円の予算を盛り込んだことだ。
「安全保障技術研究推進制度」は2015年から開始された制度で、防衛装備庁が設定したテーマに基づいて大学や企業などから研究を公募、採択されれば研究費が支給されるというもので、同年は3億円を予算として計上。今年度は倍となる6億円がつぎ込まれたが、来年はこれをなんと一気に18倍も増額させたのである。
 だが、急速に「軍学共同」を押し進めてきた安倍首相にとって、この増額は既定路線だった。事実、自民党は今年6月2日に開かれた国防部会で同制度への予算を「100億円規模」に拡充させることを安倍首相に提言。他方、防衛省は同制度の「1件あたり3年間で最大3000万円支給」という内容を「1件あたり5年間で最大十数億円支給」へと拡大させることを計画。そして今回、110億円という予算が組まれたのだ。
 厳しい経営を余儀なくされて背に腹を変えられない大学や研究者の頬を札束で叩き、カネで釣ろうとする安倍政権の浅ましさ──。毎度ながらそのゲスっぷりには反吐が出るが、110億円という莫大な予算が意味するのは、この制度が「研究者版経済的徴兵制」だということだ。つまり、安倍政権は「戦争ができる国」づくりのために科学者を動員しようと本格的に動き出しているのである。
 しかも問題は、こうした学問の自由を踏みにじる安倍首相の狙いに対し、当の大学や研究者たちが手を貸している現実だろう。
 それを象徴するのが、日本の科学者の代表機関である「日本学術会議」会長・大西隆氏による、今年4月に開かれた総会での発言だ。
 日本学術会議は1950年に「戦争を目的とする科学の研究には、今後絶対に従わない」とする声明を発表、67年にも同様の声明を出している。しかし大西会長は「私見」としつつも、この声明を否定するかのように、こう述べた。
「国民は個別的自衛権の観点から、自衛隊を容認している。大学などの研究者がその目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきではないか」
 科学者が戦争に協力してきたことへの反省から、日本学術会議は「軍事研究には絶対に従わない」と声をあげてきたその事実を、大西会長はこんな詭弁で覆そうとしたのだ。ちなみに大西会長が学長を務める豊橋技術科学大学は、2015年度の「安全保障技術研究推進制度」で研究が採択されている。
 そして、「防衛のための研究ならOK」という詭弁と同様に、大学や研究者が軍事研究を肯定するために用いる言葉に、「デュアルユース」(軍民両用)がある。
 たとえば、カーナビのGPSなどは軍事のために開発された技術だが、このように軍事技術が民生利用されれば生活は豊かになる、だからこそデュアルユース技術は推進すべきだ。そういう声は研究当事者のみならず大きい。
 だが、名古屋大学名誉教授である池内了氏は、このような意見に対し、『兵器と大学 なぜ軍事研究をしてはならないのか』(岩波書店)のなかで以下のように反論している。
〈(軍民両用が)可能になったのは軍からの開発資金が豊富にあったためで、最初から民生品として開発できていれば、わざわざ軍需品を作る必要はないのである。これまでの例は、あくまで軍事開発の副産物として民生品に転用されたに過ぎない。要するに巨大な軍事資金が発明を引き起こしたのであって、戦争が発明の母であったわけではないことに留意する必要がある〉
 さらに同書では、獨協大学名誉教授の西川純子氏も、アメリカの軍産複合体の例を綴るなかで、デュアルユースの危険性にこう言及している。
〈デュアルユースは科学者にとっても福音であった。これを信じれば、科学者にとって研究費の出所はどうでもよいことになる。科学者はためらいなく軍事的研究開発費を研究に役立てるようになるのである。研究者を「軍産複合体」につなぎとめることができたのは、デュアルユースという魔法の言葉のおかげだった。
 しかし、科学者にとっての落とし穴は、軍事的研究開発費の恩恵にあずかるうちに、これなしには研究ができなくなってしまったことである。軍事的研究開発費を受け取らなければ彼らの研究はたちまちストップする。科学者は研究をつづけるために「軍産複合体」に依存する選択をとらざるを得なくなるのである〉
 この指摘は、軍需産業界だけではなく軍学共同にもあてはまるものだろう。大学や研究者たちが軍事研究という言葉を糖衣で包むようにデュアルユースと言い換え、国から巨額の研究費を得るうちに、それに頼らなくては研究ができなくなってしまう……。そうなれば、国からの予算を確実に得られるより軍事的な研究に専念せざるを得なくなる状況が生まれるはずだ。
 戦争のために科学が利用される──安倍政権によって再び繰り返されようとしているこの悪夢のような状況に、しかし、抵抗する動きもある。今月7日に関西大学は学内の研究者による「安全保障技術研究推進制度」への申請を禁止する方針を打ち出したが、このほかにも広島大学や琉球大学、京都大学、新潟大学などが「軍事研究の禁止」を再確認している。
 学生と教員たちが軍事協力をしないと誓った名古屋大学の「平和憲章」には、こんな宣言が綴られている。
〈わが国の大学は、過去の侵略戦争において、戦争を科学的な見地から批判し続けることができなかった。むしろ大学は、戦争を肯定する学問を生みだし、軍事技術の開発にも深くかかわり、さらに、多くの学生を戦場に送りだした。こうした過去への反省から、戦後、大学は、「真理と平和を希求する人間の育成」を教育の基本とし、戦争遂行に加担するというあやまちを二度とくりかえさない決意をかためてきた〉
〈大学は、政治的権力や世俗的権威から独立して、人類の立場において学問に専心し、人間の精神と英知をになうことによってこそ、最高の学府をもってみずからを任じることができよう。人間を生かし、その未来をひらく可能性が、人間の精神と英知に求められるとすれば、大学は、平和の創造の場として、また人類の未来をきりひらく場として、その任務をすすんで負わなければならない〉
 戦争に手など貸すものか。いま求められているのは、大学を軍の下部組織にしようとする安倍政権に抗う声だ。そして、科学は平和のために貢献すべきという大前提を、いまこそ確認する必要がある。
 
政権批判を一切しない、できなくなった最近のマスメディアは「翼賛体制化しつつあるが、まだ「翼賛体制の構築に抗する声」を出している人たちも少なからず存在する。
 
そして「軍産複合体」に依存しない名古屋大学の「平和憲章」は最後の砦になるのではないだろうか、とオジサンは思う。 
 
〈わが国の大学は、過去の侵略戦争において、戦争を科学的な見地から批判し続けることができなかった。むしろ大学は、戦争を肯定する学問を生みだし、軍事技術の開発にも深くかかわり、さらに、多くの学生を戦場に送りだした。こうした過去への反省から、戦後、大学は、「真理と平和を希求する人間の育成」を教育の基本とし、戦争遂行に加担するというあやまちを二度とくりかえさない決意をかためてきた〉
 
〈大学は、政治的権力や世俗的権威から独立して、人類の立場において学問に専心し、人間の精神と英知をになうことによってこそ、最高の学府をもってみずからを任じることができよう。人間を生かし、その未来をひらく可能性が、人間の精神と英知に求められるとすれば、大学は、平和の創造の場として、また人類の未来をきりひらく場として、その任務をすすんで負わなければならない〉 

posted by 定年オジサン at 12:07| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月22日

尽きない破綻サイクルの夢

「今回の安倍晋三の交渉は未来に禍根を残す致命的な失敗であり、国賊の誹りを免れないほどのものであるにも関わらず、自称保守側からは徹底批判がない。」と、自称保守の漫画家が「『お花畑』の国賊政権を糾弾する」と自ブログで、先の日露首脳会談の顛末を徹底批判していた。
 
少々品を欠く表現もあるが、正鵠を突いた内容である。
 
「紛争」を「衝突」と強弁している最近の安倍政権お得意の「言葉のすり替え」を痛烈に皮肉ったツイッターが飛んでいた。

その元凶の安倍晋三の嘘の数々は、いつも引き合いに出されるこの画像が物語っている。
 
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さらに安倍晋三率いる内閣の実態は、めったにテレビではお目にかかれないのだが、この人は明らかにしていた。
 
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さて、「3人寄れば文殊の知恵」の文殊とは知恵をつかさどる菩薩の1人なのだが、わが国の「もんじゅ」は知恵もなければ役立たずの最悪の「金食い虫」であった。
 
1日当たり40億円も費やしながらの廃炉となった。 
 
<もんじゅ廃炉決定 税金1兆円投入、稼働250日>
 2016年12月22日 朝刊 東京新聞
20161222monjyuzenkei.jpg ◆核燃サイクル 失敗認めず維持
 政府は21日、原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にし、より実用炉に近い「高速実証炉」の開発に着手する方針を決めた。発電に使った以上の核燃料を生み出す「夢の原子炉」と言われたもんじゅは国民の税金を1兆円も投じながら、稼働日数250日で退場する。しかし政府は使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」事業は続ける方針だ。 (吉田通夫)
 政府はもんじゅを核燃サイクルの中核に位置付けてきた。1994年に稼働させたが、爆発しやすいナトリウム漏れ事故が発生。その後もトラブル続きで、ほとんど稼働しなかった。
 2012年には機器の大量の点検漏れが発覚。原子力規制委員会は昨年、運営主体を文部科学省所管の「日本原子力研究開発機構(原子力機構)」から代えるよう求めたが、見つからなかった。また、再稼働には8年間で5400億円以上かかるとの見通しから廃炉を決定した。松野博一文部科学相は「一定の成果はあった」と失敗を認めなかったが、「フル出力での運転はできなかった」として議員歳費とは別に受け取る5カ月分の大臣給与と、賞与の計66万円を自主返納する考えを示した。原子力機構の児玉敏雄理事長も給与の10%の6カ月分の約66万円を返上する。
 政府は一方で使用済み核燃料から出る「高レベル放射性廃棄物(核のごみ)」を減らすためにも、「高速炉開発を推進することが重要だ」(菅義偉官房長官)と強調。仏政府が計画する高速炉「ASTRID(アストリッド)」に資金を拠出するなどして続け、原型炉の次の段階の「実証炉」の建設を目指す。開発の工程表を18年中に作る。
 政府は廃炉には30年で少なくとも3750億円かかると試算。22年までに使用済み核燃料を取り出し、解体作業に入る工程を示した。だが、福井県の西川一誠知事は原子力機構が廃炉作業を担うことに「極めて不安」と反発している。政府は福井県と継続的に協議する場をつくり、説得を続ける。
<もんじゅ> プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使い、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す高速増殖炉。実用化までの4段階のうち2段階目の原型炉で出力は28万キロワット。政府は使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル政策」の中核の一つに位置付けていた。
<核燃料サイクル> 原発で燃やした使用済み燃料から再処理工場でプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜてMOX(モックス)燃料に加工し、通常の原発や高速炉で使う構想。青森県六ケ所村に巨費を投じ、再処理工場とMOX燃料工場が建設されているが、いずれも未完成。高速炉開発も、原型炉の「もんじゅ」の段階でつまずき、ウラン資源のリサイクルは行き詰まっている。本紙の調べで、核燃料サイクルには、少なくとも計12兆円が費やされてきたことが判明している。
 
正確には、36年間で1兆410億円の国費を投じてきたのだが、さらに今後は30年間で3750億円かかるという試算も当てにならない。
 
いままで旨い汁を吸い続けてきた「原子力ムラ」の連中は30年後には恐らく生存者は皆無なので、一体だれが責任を持って見届けるのだろうか。
 
それにしても、立場上の責任者である松野博一文部科学相と原子力機構の児玉敏雄理事長が揃って僅か「66万円」で国民にケジメをつけるとは余りにも国民を舐め切っているのだが、同じ思いの人がいた。
 


やはり正直に「税金をドブに捨てる21世紀の大バカ公共事業」というべきである。 
 
「週刊現代」2016年12月24日号では、大手紙が書けない内容をレポートしていた。 
 
<国民負担、総額4兆円!「第2もんじゅ」のずさんな計画書スッパ抜く>
 2016.12.19 週刊現代
「ムラの5人衆」が集結
「(もんじゅは)まだ廃炉が決まったわけではないですよね。将来を考えたら続けるべきだと思いますよ。批判はありますけど、エネルギー資源の乏しい日本にとっては、将来的に絶対に役に立つはずですから」
自宅前での本誌記者の問いかけにこう答えたのは、児玉敏雄・日本原子力研究開発機構理事長。高速増殖炉「もんじゅ」の運営方針を、たった5人で決める政府の「高速炉開発会議」メンバーで、三菱重工副社長まで務めた人物である。原子力ムラの「ドン」のひとりだ。
実用化のめどが立たない「もんじゅ」のような高速増殖炉の開発は、米国や英国では断念されている。それなのに彼らは、まだ巨額の税金をつぎ込むつもりなのだ。児玉氏は事もなげにこう続けた。
「これだけデカいプロジェクトですから。そりゃ(実用化の)可能性はありますよ。時間とお金の問題。『もんじゅ』再稼働にはあと8年かかる。さらにその後8年間、(本格的に)稼働させる。毎年200億円はかかります」
「年間200億円の税金など安いもの」とでも言いたげである。
「もんじゅ」は、純白の外壁に似合わぬ「税金のブラックホール」だ。これまでに費やされた血税は、総額1兆2000億円。国民の猛批判に屈し、ついに今年9月、「廃炉の方針が政府内で決定した」と報じられたはずだった。
にもかかわらず、10月から3回にわたり行われた先述の「高速炉開発会議」では、延命策を書き連ねた「計画書」が、所管官庁の文部科学省によって示された。そしていつの間にか、「もんじゅの延命」「次世代の高速増殖炉=第2もんじゅの開発」という方針が既定路線とされたのだ。「廃炉決定」の報道は何だったのか。
本誌が入手した、「高速炉開発会議」と「計画書」のずさんすぎる内容を見てゆこう。
世耕弘成経済産業大臣が主宰する「高速炉開発会議」は、松野博一文部科学大臣、原研理事長の児玉氏、電気事業連合会(電事連)会長で中部電力社長の勝野哲氏、三菱重工現社長の宮永俊一氏の計5人からなる。原子力ムラを代表する、錚々たるメンツが集う場だが、その選定基準は不透明だ。
「『もんじゅ』は本来経産省ではなく文科省の案件ですが、原子力規制委員会から文科省が『ダメ出し』されたこともあって、世耕さんはかなりやる気になっている。今回の会議のメンバーもトップダウンで決めています」(経産省関係者)
第1回会議では、その「ドン」たちが次々にこんな前口上を述べた。
〈(「もんじゅ」は)投資に見合う価値があると考えております。もんじゅ研究計画に示された残されたミッションを遂行することは我々の使命〉(児玉氏)
〈(高速増殖炉は)重要な国家基幹技術であり、国際競争も激しくなる中で、我が国として必ず保持し続けるべき大事な基幹技術体系だと思っております〉(宮永氏)
いきなり「もんじゅは大事」「絶対に潰すわけにはいかない」という礼賛から始まるのだから、開いた口がふさがらない。
利権がありすぎて潰せない
さっそく議題は「もんじゅ」を維持した場合の莫大なコストの予測へ移る。司会の世耕氏に促され、文科省研究開発局長が言う。
〈大きなコストといたしましては、まず最初の運転保守・維持管理のための経費がございます。これは、今現在、毎年約200億円程度かかっておりますが、再開までの期間と運転期間合わせた16年で約3200億が必要〉
〈工事費につきましては、現在1300億円を見込んでおります。(中略)人件費及び「もんじゅ」の固定資産税等がかかりますので(中略)運転終了までの16年間で5400億円プラスアルファの費用がかかる〉
このとき配られた文科省の資料には、さも当然のように「『もんじゅ』は平成36年(2024年)までに運転を再開、その後平成44年(2032年)まで出力100%で運転を続ける」と、年表形式で記されている。
「原子力ムラのドン」たちは、このメチャクチャな計画にも違和感を抱かなかったかもしれない。しかし国民からすれば、「ちょっと待った」と言いたくなる。原研の元上席研究主幹で、「もんじゅ」での勤務経験もある技術者の田辺文也氏が言う。
「『もんじゅ』は30年以上の歴史をもつ巨大プロジェクトです。三菱重工などの基幹企業、地元業者など多くの権益が複雑に絡み合って、簡単には変えられない。国民の生命や財産を左右するプロジェクトなのに、そもそも『見直す』という選択肢がないし、国民の声を聞く気もないのです」
建造から30年あまりの間に、「もんじゅ」はたった883時間―つまり1ヵ月ほどしか発電していない究極の「ムダ飯食い」である。高速増殖炉の開発を続ければ、巨額の赤字が今後も膨らんでゆくのは確実だ。
今回の「高速炉開発会議」でも、文科省の担当者は今後の売り上げ見込みについて〈売電収入は約270億円〉とさりげなく触れている。5400億円以上かけて、たったの270億円しか儲からないというのだ。しかし、誰一人「おかしい」と声を上げる者はいなかった。
人が死んでも無反省
この後、議論は「もんじゅ」の後継となる原子炉、名前もまだ決まっていない「第2もんじゅ」とも言うべき巨大事業の話題へ進んでゆく。
11月30日に開かれた第3回会議の「検討課題」には、〈今後の実証炉開発を進めるに当たって〉とある。「もんじゅ」は、まだ実用化前の「原型炉」。その次の段階、つまり実際の発電に使える「実証炉」を作る―これが、いつの間にか既定路線とされているのだ。
この時、意気揚々とプレゼンしたのは、「もんじゅ」建造の際にも中心となった三菱重工である。同社の担当者が使った資料にはこうある。
〈「もんじゅ」の炉心設計や安全評価等のエンジニアリングや、主要機器の設計、製作、現地工事、保守などを分担させていただき、その各段階における高速炉開発最先端設計技術や人材を蓄積させていただいて参りました〉
〈蓄積された高速炉開発技術を有効に活用し中核メーカとして高速炉の開発に取組んで参りたいと考えております〉
延べ1ヵ月しか稼働せず、たびたび冷却材のナトリウム漏れ事故を起こし、東日本大震災直前の'10年には3・3トンの中継装置が炉内に落下、担当課長が自殺を遂げた―
そんな「もんじゅ」の過去を省みないだけでなく、あろうことか「第2もんじゅ」の開発に突き進む。信じられないことに、これが国民の目の届かぬ密室で、たった5人の会議で決まったのである。
これまで「もんじゅ」にかかった1兆円超のコストに、最終的な廃炉費用は含まれない。一説にはおよそ4000億円かかると言われるが、これから作るという実証炉が「もんじゅ」同様役立たずなら、同額以上のコストがかかるのは必至。ムダ遣いされる税金は、総額4兆円は下らない。
超党派議員連盟「原発ゼロの会」メンバーの、自民党衆院議員・秋本真利氏が言う。
「以前、経産省の役人が予算の説明に来た際、稼働するめどが立たない高速増殖炉の予算を上げてくるので、私は『いつ動くか分からないのに、何で今年予算がいるの?』と聞きました。すると彼らは『いやいや、3年後には動いてることになってますから』と言って聞かない。
高速増殖炉には電力会社もカネを出していますから、開発を止めて資産をゴミにするわけにはいかない。だから誰も止められないんです」
どうしても動かしたい人たちに、もはや論理は通用しない。新聞やテレビが決して報じない実態を、国民はまず知って、怒りを表明するべきだろう。
 
前述した「66万円」でケジメをつけたつもりでいた児玉敏雄・日本原子力研究開発機構理事長の発言が凄まじい。
 
「これだけデカいプロジェクトですから。そりゃ(実用化の)可能性はありますよ。時間とお金の問題。『もんじゅ』再稼働にはあと8年かかる。さらにその後8年間、(本格的に)稼働させる。毎年200億円はかかります」
「もんじゅは投資に見合う価値があると考えております。もんじゅ研究計画に示された残されたミッションを遂行することは我々の使命」
 
これが原子力ムラを代表する本音なのであろう。
 
あらためて原子力政策による国民へのしわ寄せはまさに青天井であることを図示しておく。
 
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【東京新聞より】

 
「新聞やテレビが決して報じない実態を、国民はまず知って、怒りを表明するべき」なのだろうが、その怒りを表明する機会や手段である「マスメディア」が全く機能していないことが最大の問題なのかもしれない、とオジサンは思う。    

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境・エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月21日

過去の原発の電気を使ったので、事故処理費用を払えと理不尽な請求がくる

安倍晋三首相の「ひとり相撲」と酷評された不毛な日ロ首脳会談で領土問題は1ミリも動かなかったが、大手マスメディアはこれに対してまともな批判は一切行わず、さらに東京での経団連との会談後の夜は、NHKを始めとして、絶対に逆らえない民放各局は得々と自分の成果を話していた安倍晋三首相の顔を垂れ流していた。
 
『プーチン訪日』大失敗をごまかす安倍官邸の情報操作にマスコミが丸乗り! ただのプレス発表を共同声明と」 
 
安倍首相が生出演『報ステ』『NEWS23』の異常な弱腰! 厳しい質問をせず、野党や元島民の批判VTRをカット
 
反政府的なコメントを毎回テレビで発信していたコメンテーターたちが安倍官邸により「粛清」され、ヨイショ発言に囲まれていたのだが、週明けた昨晩は、またもやいつもの連中がいつもの「高級近江牛」のお店に集まって「首相慰労会」を開いていたらしい。
 
首相動静」によれば、以下の面々で、ネット上でしばしば「マスゴミ」と揶揄されている似非ジャーナリストたちであることは言うまでもない。
 
石川一郎・BSジャパン社長
小田尚・読売新聞グループ本社論説主幹
粕谷賢之・日本テレビ解説委員長
島田敏男・NHK解説副委員長
曽我豪・朝日新聞編集委員
田崎史郎・時事通信特別解説委員
山田孝男・毎日新聞特別編集委員
 
もっとも過去数年、重要法案が国会ですべて強行採決されて成立された後は必ずこの連中が集まって飲み食いしていたわけで、今に始まったわけではない。
 
それよりも問題なのが「東電救済委員会」と言われている「東京電力改革・1F問題委員会」の提言である。
 
例えば、一般の企業は決済を終えた商品の価格を後から変えて費用請求することはできない。
 
それがナント電気料金の場合はそれを可能にしようとしていることである。
 
しかも、過去の電気料金を決めてきたのは大手電力会社と経産省にもかかわらず、何十年も原発からの電気を使ってきた高齢者と、まだそんなに使っていない若者に「過去分」として同様に負担させようとしている。
 
3.11の大震災による東電福島第一原発大事故以来、積極的に原発問題を取材し報じてきた東京新聞はこの10日間で、精力的に経済面で報道している。
 
理不尽な『過去分』請求 福島第一の処理費 国民負担、不公平感の恐れ
 
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あり得ぬ理屈に反発 電気料金「過去分」とは
 
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東電委提言 福島第一原発の処理21.5兆円は電気代で
20161221hiyou_futanitiran.jpg
 
 
これも以前から指摘されていたのだが、「東京電力改革・1F問題委員会」のメンバーが財界人の集まりなのである。
 
●東京電力改革・1F問題委員会
伊藤 邦雄 一橋大学大学院商学研究科特任教授
遠藤 典子 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
小野寺 正 KDDI株式会社取締役会長
川村 隆 株式会社日立製作所名誉会長
小林 喜光 経済同友会代表幹事、株式会社三菱ケミカルホールディングス取締役会長
白石 興二郎 株式会社読売新聞グループ本社代表取締役会長
冨山 和彦 株式会社経営共創基盤代表取締役CEO
原田 明夫 原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員長
船橋 洋一 日本再建イニシアティブ理事長
三村 明夫 日本商工会議所会頭、新日鐵住金株式会社相談役名誉会長
廣瀬 直己 東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長(オブザーバー)
 
しかも、なぜか大事故を起こした張本人の東電の廣瀬社長がオブザーバーながらも名を連ねていることである。
 
「お手盛り委員会」と批判されても当然である。
 
度々多くの有識者も指摘してきたことであるが、まず東電の責任を徹底的に追及し、東電では原発事故処理は手に負えないことを明らかにして東電を法的に整理し、同時に株主責任も明確にする。
 
現状はすでに国有化に近い実態なのだが、最終的には国がどう関わっていくのかを国会で議論すべきであろう。
 
さらに、原発事故処理費用を電気代に上乗せするというのなら、脱原発を宣言することが最優先である。
 
それが出来なければ、今後も事故が起きるたびに国民が負担しなければならなくなる。
 
<原発処理21兆円の大半は電気代 検針票の裏「託送料」に>
 2016年12月21日 07時05分 東京新聞
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 東京電力福島第一原発の廃炉費用などの大半が、家庭や企業が支払う電気料金に上乗せされることになった。経済産業省と財界人らが20日に開いた「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」で、21兆5000億円に膨らむと見込んだ事故処理費用の負担を国民に求める提言をまとめたためだ。負担は電気料金が記載された検針票に反映される。だが、複雑な仕組みに潜り込ませるため、分かりにくい。
 賠償費用は東電の検針票の場合、裏面に記載されている託送料金に盛り込まれる。現在は1キロワット時当たり9.26円で、0.07円が新たに加わる。
 託送料金は東電や中部電力など、地域ごとに大手電力が独占する送電線の利用料。送電線を利用している新電力の利用者も負担することになる。料金は同省が審査して、認可すれば変更できる。国会での審議は必要ない。
 費用の電気料金への上乗せは2020年から40年間続く見込み。同省は、新たな負担額について「料金の明細に明記させる」としている。だが、託送料金を検針票に記載していない会社もあり、自分がいくら負担しているのか分からなくなる恐れもある。
 東電は特例措置で利益を託送料金の引き下げに充てず、廃炉費用として積み立てる。大手電力は通常、送配電部門で一定の利益が出ている場合、託送料金を引き下げなければならない。だが、今回の仕組みができることで、託送料金は簡単に下がらないことになった。
 提言で電気料金に含まれることになった廃炉費用も、負担額は検針票からは読み取れない。また、検針票で「電源開発促進税」と小さく記載された費用には、事故の影響で放射能に汚染された土壌などを一時保管する中間貯蔵施設の建設費が盛り込まれる。
 同省は「増税せず、税収の中でやりくりする」と説明するが、事故がなければ税率が下がる余地があった。
 
電気料金は経産省が審査して認可すればいくらでも変更できるので国会審議は必要ないと言っているが、原発事故処理は国家プロジェクトで進めていくしかないため、こんな民間の訳の分からぬ連中にとやかく言われる筋合いはない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:17| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月20日

プーチンに恫喝され、米軍にも逆らえない日本の首相とは

大相撲の呼び出しが登場。
 
「ひ〜が〜し〜、あ〜べ〜し〜ん〜ぞ〜う〜、あ〜べ〜し〜ん〜ぞ〜う〜、あ〜べ〜し〜ん〜ぞ〜う〜」
 
「に〜し〜、プ〜チ〜ン〜、プ〜チ〜ン〜、プ〜チ〜ン〜、」
 
場内アナウンス!
 
「東方・・第96代内閣総理大臣として無様な途中降板をし、第97代内閣総理大臣として再登板した62歳の安倍晋三」
 
「西方・・ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン、第2代ロシア連邦大統領、第4代ロシア連邦大統領の64歳」
 
さらに「柔道六段の名誉段位獲得、得意技は払い腰」と場内に告げられる。
 
これを聞いた安倍晋三は、まともな勝負は無理と思ったのか「ひとり相撲」を取り始めた。
 
・・・おそらく実態はこんな有様だったらしい先週の「日露首脳会談」。
 
自分の故郷というよりは「山口県第4区の長門市」という選挙区で物々しい警備体制を敷き、地元では歓迎ムードをつくり出し、便乗商法も華々しかったのだが、ロシアからの同行記者陣目当ての地元の店は、2時半40分ほどの意図的な遅延行為により準備が水泡に帰す。
 
熱心に勧めた温泉も入らず、翌日の会見での「特別な制度の下での共同経済活動」もロシア側の言う「共同経済活動はロシア法に従って行なわれる」という見事な見解の相違が明らかにされる始末。
 
そして極めつけは、来日は大幅遅刻で帰国の途には予定より早く機上の人になって去ってしまったプーチン。
 
安倍・プーチン首脳会談の正しい評価はズバリこれだ」とばかりの、安倍晋三首相を陰ながらも支えているつもりのこの元大使の天木直人も匙を投げてしまったようである。
 
 今度の安倍首相の北方領土問題に関する外交をどう評価するか。
 それをめぐって様々な意見が行われているが、正しい評価はズバリこれだ。
 まず指摘したいのは、今度の安倍首相の北方領土返還交渉は、安倍首相のひとり相撲の末にプーチン大統領に完敗したということだ。これは誰も否定できない。
 そもそも北方領土返還に進展が見られるような外交環境などはじめから全く熟していなかった。
 それを、安倍首相が功名心のあまり、自分の手で動かそうとしたところに初めから無理があった。
 しかし、そんなひとり相撲でも、安倍首相がプーチン大統領とサシの交渉で勝つのなら文句はない。
 ところが安倍首相はプーチン大統領に首脳交渉で、完敗した。まるで歯が立たなかったのだ。
 2島の返還か、引き渡しか、知らないが、私は安倍首相は領土問題について、これまでから前進させて明確な成果を勝ち取ろうとしていたと思う。そして、それをプーチン大統領に対しみずから求めたと思う。しかしプーチン大統領は一蹴したのだ。
 つまり安倍首相は文字通りプーチン大統領との首脳交渉で負けたのだ。
 その時期がいつかは知らない、15回か16回か知らないが、その数ある首脳会談のどこかの時点で、あきらめたのだ。おそらく極めて最近だろう。
 だからといってケツをまくって決裂というわけにはいかない。政治生命がかかっているからだ。
 そこで考えたのが新アプローチだか環境づくりだか知らないが、今回合意した共同開発とか島民の交流実現などである。
 それでは、その合意をどう評価するか。
 私は、北方領土についての主権問題、領土問題は、今度の安倍首相の完敗で、日ロ間の外交問題としては当分遠のいた、いやそれどころか、終わったとすら思う。
 そのかわり、棚上げという名の北方領土問題の解決ができたのだ。
 もちろん安倍首相は、口が裂けても主権問題をあきらめたとは言わない。
 だから主権は譲らないと言い続け、不毛な領土交渉のかわりに、共同開発や島民交流などを進める。そのほうがはるかに意味がある事に、安倍首相は気づいたのだ。というより作戦変更をしたのだ。
 いわゆる環境づくりとは、そういうことなのだ。
・・・中略・・・
 やはり安倍首相は度し難い外交音痴であり、日本の指導者として失格だ。
 それがわかったことが、今度の安倍・プーチン交渉の最大の成果かもしれない(了)
       
北方4島はロシアが既に長期間にわたり実効支配しており、いまさら棚上げになったところで、これ以上悪くなることはない。
 
しかし、日本国内での治外法権状態の沖縄では、ますます人権無視、沖縄人蔑視が酷くなっている。 
  
13日の墜落事故から1週間もたたずに19日の飛行再開を黙認したのは、今月27日の真珠湾でのオバマ大統領との日米会談前に決着をつけたかったからという安倍政権。
 
在日コリアンのジャーナリストのリー・ジェイが、「沖縄・オスプレイ墜落現場で見た『日本の分断』」でこんな現地の実態を現場写真と共にしていた。
 
「沖縄が外国ではなく日本の領土だというならば、あまりにも理不尽な『分断』がそこで起きていることを見過ごすわけにはいかない。日本人が日本人を分断している。在日コリアンの私の目には、朝鮮半島の分断と全く同質の「分断」の風景がそこにあるように見えた。」 
 
20161220ospray01.jpg大破した機体の破片を集めていた憂鬱そうな米軍関係者。沖縄タイムスは墜落事故翌日の12月15日付の紙面で「オスプレイには乗ったことがない。乗りたくもない。悪い事故歴があるからね」と言って肩をすくめた米兵の声
 
20161220ospray02.jpg
墜落現場から遠くない高江の米軍関連施設建設に反対する日本市民から米兵を守っているように見える日本警察の隊列。日本人は一体誰の為に自分たちを分断しているのか。
 
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20161220ospray04.jpg日本警察に「安全確保」されながら墜落機の破片を運び出す米軍関係者。墜落機の証拠がすべて米軍側へと消えてゆく瞬間。
   
国内でも参議院会館で防衛省の追及集会が開かれていた。
 
<オスプレイ墜落 防衛省は米軍から何も知らされていなかった>
 2016年12月19日 22:49 田中龍作ジャーナル
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沖縄住民の北上田毅さん。オスプレイが墜落した翌朝、船で現場海域まで行き、残骸を間近に見た。=19日、参院会館 撮影:筆者= 
 オスプレイが飛行を再開した。墜落からわずか6日後。原因はいまだ究明されていないにもかかわらずだ。
 なぜ飛行再開を認めたのか? 沖縄の住民や本土の市民がきょう、国会内で防衛省を追及した。(主催:FoE Japanなど)
 防衛省は開口一番「(オスプレイの飛行再開は)合理性が認められる」と答えた。開いた口が塞がらなかった。
 合理性の理由は「搭載システム、機体の構造が原因でない」としたうえで、「我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増すなか、抑止力を保つため(オスプレイが)必要」と決まり文句を付け加えた。
 市民側が「防衛省として事故を調査しているのか?」と問うと、防衛省は「(無言)・・・・・・」。しばらく沈黙した後「今のところありません」と小声で答えた。
 防衛省は何を聴いても「不時着水事故は夜間の給油訓練中にホースがプロペラに絡まったもの」「オスプレイの搭載システム、機体の構造ではない」と繰り返した。壊れたテープレコーダーのようだった。しかも役所から持参した書類を読み上げて、だ。
沖縄住民「不時着水の定義を?」
防衛省「米側から『一定のコントロールのもとにあらかじめ着水しようと思っていた浅瀬に着水した』とうかがっている」
沖縄住民「(墜落した)岩礁地帯が着水しようと思う場所か?」
防衛省「(無言)・・・・・・」。防衛省は用意した書類に載っていないことを問われると押し黙った。
 
20161220tanaka02.jpg
持参した書類を懸命にめくる防衛省の役人。「書類に載っていないことは答えるな!」と上司に言われて来たのだろうか。=19日、参院会館 撮影:筆者=
 
 市民側「防衛省が何時に米軍から(墜落、胴体着陸の)連絡を受けたのか?」
防衛省「何時何分か、手元にない」
 この質問については福島みずほ事務所が15日に送付、通告していた。にもかかわらず、防衛省はいつ米軍から連絡が入ったのか、答えなかった。答えられなかった、と言った方が正確だろう。
沖縄住民「フライトレコーダーが回収されたそうだが、その情報は防衛省に来ているのか?」
防衛省「その情報は来ていない」
 防衛省が米側から何も知らされていないことが明らかになった瞬間だった。宗主国に黙って従う他ない属国の姿があった。
 琉球新報によると、アメリカ国防研究所(IDA)のレックス・リボロ元主任分析官は次のように指摘した―
 「ヘリモードで給油できなかったのは構造的欠陥である。事故はまた発生する」と。
 
【翁長知事、オスプレイ撤収要求 「北部訓練場返還式中止を」】

 
【防護服で機体解体 墜落のオスプレイ 海保の捜査困難に】
 
地元の琉球新報の社説も厳しく批判していた。
 
<オスプレイ飛行強行 墜落の恐怖強いる 命の「二重基準」許されぬ>
 2016年12月20日 06:01 琉球新報
 県民の命を危険にさらすオスプレイの飛行再開は断じて許されない。墜落原因が不明なMV22オスプレイの飛行を強行した米軍、容認する政府に強く抗議し、改めて飛行停止と撤去を要求する。
 米軍は13日の墜落事故からわずか3日後に飛行再開を政府に通告、6日後に飛行を全面再開した。政府は「安全性確認までの飛行停止」を求めていたが、それを覆す無責任な飛行容認である。
 事故原因の徹底解明、それに基づく安全性の確認が反故(ほご)にされた。県民の生命の安全をないがしろにする暴挙と断ずるほかない。
首相は発言に責任持て
 安倍晋三首相はテレビ番組で「原因が究明されるまで運航をやめるよう米側に要請した」と言明した。にもかかわらず菅義偉官房長官は飛行再開を「理解できる」と容認した。モラルハザード(倫理欠如)は甚だしい。首相は自らの発言に責任を持つべきだ。
 稲田朋美防衛相は翁長雄志知事に「県民と国民が理解し安全ということがない限り飛行はやめるよう申し入れた」と明言した。それが一転、「空中給油以外の飛行再開は理解できる」と容認した。
 しかしこの見解は欺瞞(ぎまん)に満ちている。事故機は回転翼を前に傾けた「固定翼モード」で墜落した。オスプレイの元主任分析官は「ヘリモードで補給できない事実は、予期されなかった航空機の欠陥」と新たな構造的欠陥を指摘している。
 従来指摘されている軟着陸のためのオートローテーション機能欠如の影響を含め、事故原因が解明されたとは到底、言えない。
 防衛相が「空中給油訓練以外の飛行」を認めると強弁するなら、オスプレイの空中給油は全廃すると明言すべきだ。
 名護市職員は、給油ホースを出した空中給油機が米軍機と並んで市役所上空を何度も通過したと証言している。危険な空中給油が海域だけでなく市街地など陸域上空でも行われている疑いがある。
 防衛省の土本英樹審議官は佐賀県議会で「オスプレイ配備は安全確保が大前提」とし、佐賀では給油訓練を実施しないと述べた。審議官は来県し「安全確保のため沖縄でも給油訓練を実施しない」と約束すべきだ。
 陸自オスプレイ配備を予定する佐賀の県議会、市議会で防衛省幹部、職員は何度も参考人質疑に応じている。防衛省は墜落事故が現実となった沖縄でこそ県議会、地元議会の質疑に応じるべきだ。
 県民の安全を軽視する「命の二重基準」は許されない。
欠陥機は撤去すべきだ
 県民の猛反発が予想されながらの飛行再開は、ヘリパッド完成に伴い22日に迫る米軍北部訓練場の過半の「返還式典」と無関係ではなかろう。オスプレイを飛行再開させねば同訓練場のヘリパッドは無用の長物となるからだ。
 住民、県民に墜落の恐怖を強いてでもヘリパッドでのオスプレイ運用を優先する軍隊の論理と日本政府の追従姿勢が明らかだ。
 オスプレイの飛行再開、ヘリパッドの運用強行は県民の怒りの炎に油を注ぐことになろう。
 オスプレイ対応のヘリパッドは県内に69基あり、50基が伊江島や北部訓練場、中部訓練場(キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン)に集中する。米軍普天間飛行場の「オスプレイ墜落の恐怖」が本島全域で一層、強まる。
 東村高江区住民の中にはオスプレイの訓練激化を恐れ転居した家族もいる。本紙「声」欄に「伊江島飛行場、高江、辺野古(新基地)を結ぶ魔の三角形」の投稿が載った。オスプレイが縦横無尽に飛び交う恐怖を県民に強いる。
 金武町の小学6年女子児童は「きょうふ心いっぱい。オスプレイ事故の避難訓練をしないといけないのかな」と書いた。
 県民に恐怖と忍従を強いるオスプレイ飛行再開は許されない。構造的差別に基づき配備された構造的欠陥機は撤去させるしかない。
 
自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議では批判の声が相次ぎ、共産党の小池晃書記局長の「稲田朋美防衛相が『米軍の説明は理解できる』と述べたのは、植民地の傀儡政権のようだ」という批判がすべてを物語っている。
 
早急に日米地位協定を見直し、北方4島返還より、日本人が暮らしている沖縄県を米国から取り戻すことの方が先ではないだろうか、とオジサンは思う。  

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2016年12月19日

水平の虹の世界-3

水平の虹「環水平アーク(Circumhorizontal arc)とは、上空の氷粒に太陽光が屈折して空の低い位置にほぼ水平な逆さ虹が見える気象現象である。
 
虹のように見える気象現象にはたくさんの種類があって、環水平アークもその一つ。
 
この環水平アーク、"水平弧" とか "水平環" とも言われるが、空に浮かんだ氷の結晶の方向が揃ったときに、レンズみたいに太陽の光を屈折して起こる現象で、虹が太陽と反対側にできるのに対して、環水平アークは太陽の方向に出来る。
 
今日は外出しています。
 
「つぶやき」はお休みしますが、水平の虹「環水平アーク」の幻想的な写真をお届します。 
  
【水平の虹の世界-3】
 
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2016年12月18日

水平の虹の世界-2

水平の虹「環水平アーク(Circumhorizontal arc)とは、上空の氷粒に太陽光が屈折して空の低い位置にほぼ水平な逆さ虹が見える気象現象である。
 
虹のように見える気象現象にはたくさんの種類があって、環水平アークもその一つ。
 
この環水平アーク、"水平弧" とか "水平環" とも言われるが、空に浮かんだ氷の結晶の方向が揃ったときに、レンズみたいに太陽の光を屈折して起こる現象で、虹が太陽と反対側にできるのに対して、環水平アークは太陽の方向に出来る。
 
明日まで家を離れています。
 
「つぶやき」はお休みしますが、日替わりで水平の虹「環水平アーク」の幻想的な写真をお届しています。 
  
【水平の虹の世界-2】
  
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2016年12月17日

水平の虹の世界-1

水平の虹「環水平アーク(Circumhorizontal arc)とは、上空の氷粒に太陽光が屈折して空の低い位置にほぼ水平な逆さ虹が見える気象現象である。
 
虹のように見える気象現象にはたくさんの種類があって、環水平アークもその一つ。
 
この環水平アーク、"水平弧" とか "水平環" とも言われるが、空に浮かんだ氷の結晶の方向が揃ったときに、レンズみたいに太陽の光を屈折して起こる現象で、虹が太陽と反対側にできるのに対して、環水平アークは太陽の方向に出来る。
 
週末から来週の月曜日まで家を離れています。
 
その間は「つぶやき」はお休みしますが、日替わりで水平の虹「環水平アーク」の幻想的な写真をお届します。 
  
【水平の虹の世界-1】
  
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2016年12月16日

David Oriasの世界-3

カリフォルニアのフォトグラファーDavid Oriasの撮影したまるで絵画のような美しすぎる波の写真の数々。
 
シンプルにもかかわらず、なぜか人をうっとりとさせてしまう強い魅力をも感じさせてくれるのは、やはり自然の持つ偉大な力なのかもしれません。
 
思わず見惚れてしまいます。 
 
来週の月曜日まで家を離れています。
 
その間は「つぶやき」を休みますが、今日までは、日替わりでにカリフォルニアのフォトグラファーDavid Oriasの波の素晴らしい写真をお届けしています。   
 
【David Oriasの世界-3】
 
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2016年12月15日

David Oriasの世界-2

カリフォルニアのフォトグラファーDavid Oriasの撮影したまるで絵画のような美しすぎる波の写真の数々。
 
シンプルにもかかわらず、なぜか人をうっとりとさせてしまう強い魅力をも感じさせてくれるのは、やはり自然の持つ偉大な力なのかもしれません。
 
思わず見惚れてしまいます。 
 
来週の月曜日まで家を離れています。
 
その間は「つぶやき」を休みますが、16日までは日替わりでにカリフォルニアのフォトグラファーDavid Oriasの波の素晴らしい写真をお届けします。   
 
【David Oriasの世界-2】
 
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2016年12月14日

David Oriasの世界-1

カリフォルニアのフォトグラファーDavid Oriasの撮影したまるで絵画のような美しすぎる波の写真の数々。
 
シンプルにもかかわらず、なぜか人をうっとりとさせてしまう強い魅力をも感じさせてくれるのは、やはり自然の持つ偉大な力なのかもしれません。
 
思わず見惚れてしまいます。 
 
今日は午後から家を離れます。
 
帰宅は、来週の19日を予定しています。
 
その間は「つぶやき」を休みますが、16日までは、代わりにカリフォルニアのフォトグラファーDavid Oriasの波の素晴らしい写真をお届けします。   
 
【David Oriasの世界-1】
 
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2016年12月13日

20年前に既に政府から見放されていた沖縄

突然ですが、全く季節外れの動画をご紹介!
 
 
 
そして冬になり、「今年の漢字は?」といえば思い出すのが、安倍晋三のこれ!! 
 
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まあ、お遊びはこのくらいにして、今年の漢字に関してはこんなつぶやきがあった。

それにしても、ベスト10の漢字たちは、総じてそれなりに世相を表しているのであろう。  
 
 「金」「選」「変」「震」「驚」「米」「輪」「不」「倫」「乱」
 
やはりというのか、高裁が政府側の主張の沿った判決を下したことで、県も政府も双方が「想定済」という結果になった。 
 
上告主意書もまともに読まず、弁論を開かずに判決を出すということは、最高裁の判決は決まっている。
 
今年の3月の和解条項に従い、翁長県知事は「判決には従う」ことになった。
 
<辺野古攻防、次の手は 翁長知事、徹底抗戦の構え>
 2016年12月13日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐる違法確認訴訟の上告審で、国の勝訴が確定する見通しとなった。安倍政権は勝訴確定も追い風に、移設に反対する沖縄県を揺さぶり、辺野古移設の推進を図る。一方、翁長雄志(おながたけし)知事は敗訴となってもなお、移設阻止に向けて徹底抗戦の構えだ。
 この日夕、翁長知事は報道陣を前に険しい表情を浮かべ「判決には従う」と述べた。「この2年間、いろんなことがありましたから、(一報は)淡々と受け止めました」とも言った。
 翁長氏にとって、最高裁での敗訴は想定内だった。それでも上告に踏み切ったのは、1996年に大田昌秀知事(当時)が国と裁判で争った「代理署名訴訟」の上告審と同様、「知事が東京の大法廷に立つ」ことに意義があると考えたからだ。県幹部は「全国に沖縄の現状を伝える機会だったのに」と残念がる。
 ただ、辺野古反対が翁長氏の最大の公約であることに変わりはない。11月末の合同インタビューでは、敗訴したとしても、来年3月末に期限が切れるサンゴ礁の開発許可を更新しないことや、知事の承認が必要な「埋め立て工事の設計や工法の変更」を認めない、といった手法を検討していることを明言。「判決の趣旨に従って誠実に対応する」と定めた和解条項についても弁護団と協議を重ね、「埋め立ての承認以外の手続きは縛られない」との解釈で押し切れると踏む。
 トランプ氏が大統領に就任する来年には、米国世論に訴えるため3度目の訪米も準備する。翁長氏はいつも通りのフレーズを繰り返した。「辺野古新基地は造らせない。私の思いを遂げていきたい」(吉田拓史)
 ■県に損賠請求案 政府
 「和解条項では司法の判断が示された場合、判決に従い、主文およびその理由の趣旨に従って協力して誠実に対応するとなっている」。菅義偉官房長官は12日の記者会見で、国が勝訴した場合には今年3月に成立した和解に基づき、埋め立て工事の再開に応じるよう県を牽制(けんせい)した。
 政府にとって、最高裁での勝訴確定は想定内だ。来春にも埋め立て工事を再開する道筋を描く。むしろ、懸念しているのは翁長氏の出方だ。最高裁で敗訴が確定しても、知事権限を使って対抗策を打ち出してくるのではないかとみているためだ。
 その場合の対応として、政府内では県に対する損害賠償請求案が浮上している。官邸幹部は「ここまで工事が遅れているのだから、その分の損害賠償を求めることについて議論している」と明かす。
 さらに、政府は来年で期限切れとなる酒税軽減など9項目の沖縄振興税制について、特例措置の延長期間短縮を決めた。今月22日には、沖縄にとっては負担軽減となる米軍北部訓練場(東〈ひがし〉村、国頭〈くにがみ〉村)の一部返還が予定されている。硬軟織り交ぜて揺さぶりをかける方針だ。(岩尾真宏)
 ■米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる経緯
<2013年3月> 国が辺野古沿岸部の埋め立てを沖縄県に申請
<12月> 仲井真弘多県知事(当時)が埋め立て申請を承認
<14年11月> 翁長雄志氏が県知事に当選
<15年10月> 翁長県知事が埋め立て承認を取り消し/国が埋め立ての本体工事に着手
<11月> 国が沖縄県を提訴
<12月と16年2月> 沖縄県が国を提訴(2件)
<3月> 国と県の和解が成立/国が埋め立て承認取り消しの撤回を県知事に指示
<7月> 国が取り消し撤回に応じない県知事の違法確認を求め提訴
<9月> 福岡高裁那覇支部で県知事が敗訴/県知事が上告
<12月> 最高裁が弁論を開かず20日に判決
 
「ここまで工事が遅れているのだから、その分の損害賠償を求めること」は、原発保有電力会社が、再稼働差し止め仮処分を不服として本訴に持ち込み勝った場合、差し止め中の損害を請求するという、まさに「スラップ訴訟」になりかねない。 
 
辺野古新基地建設反対派の人たちの声。
◆「ヘリ基地反対協議会」の安次富浩共同代表(70)
 「予想されたことで抗議活動への影響はない。最高裁判決を受け政府は辺野古移設を強硬的に進めてくるだろうが、挑発に乗らずしっかりと運動が展開できるよう対応を考えたい」
◆名護市汀間地区の新名善治区長(62)
 「国の政策に反対する判決が出るのは難しいと思っていた。しかし、絶対に辺野古に基地を造らせない。できる限りの手段で抵抗する」
◆辺野古の自営業、西川征夫さん(72)
 「移設問題を巡り20年にわたって辺野古の集落は二分されてきた。子や孫への影響を考えると、最高裁の判断に逆らってまで反対運動を続けるのは難しいのでは」「移設反対の気持ちは変わらない」
◆翁長知事を支える仲村未央県議
 「これで(移設工事に関する)知事権限が全てが封じられたわけではない。沖縄の民意に司法が向き合わなかったことで、新たな闘いに向けて県民の団結はより強まっていく」
 
移設を容認する人たちも存在することは、「100%の民意」ではないことを物語っている。
 
○移設容認する元辺野古商工会長の飯田昭弘さん(68)
 「もろ手を挙げて歓迎するわけではないが、こうなることは分かっていた」
 「インフラ整備を含め辺野古の将来ビジョンを定め、国としっかり交渉してほしい」
○辺野古代替施設安全協議会の許田正武代表理事(48)
 「想定内の結果だ。苦渋の選択だが、充実した雇用、教育、安全な暮らしを目指さないといけない」
○宜野湾市の女性会社員(53)
 「現実を考えれば県は国には勝てない。(辺野古移設で)自然を壊してしまうのは悔しいが、何年も訴訟を続けるよりも普天間を確実に返還してもらうことが大事だと思う」
 
移設を容認するといっても、決して積極的な移設派とはいえず、多くはお上には逆らえず、また逆らっても負けてしまうという諦めからの「苦渋の選択」支持派であろう。
 
移設反対の声は海外でも上がっており、具体的な行動を起こしている団体も存在していた。  
 
<退役軍人平和団体 辺野古反対を正式可決 全米に支持求める>
 2016年12月11日 10:16 琉球新報
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】全米120の支部を持つ退役軍人らでつくる平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」は10日までに、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画の中止を求める決議案と、米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江周辺でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設の中止を求める緊急決議案を賛成多数で再度可決した。沖縄に関する両決議は8月に開かれたVFPの年次総会では支部代表や役員らによって可決されていたが、今回は会員全員の投票で正式に可決された。
 決議案を提案したVFP琉球沖縄国際支部(VFP−ROCK)のダグラス・ラミス代表(沖縄キリスト教学院大大学院客員教授)は「私たちは沖縄問題に対して行動するよう、さまざまな支部に促すことができる」と述べた。同支部は可決を受け、全支部に対し、新基地建設に反対する決議を全米各地の議会でも可決するよう働き掛ける。
 可決した辺野古新基地に反対する決議文では、翁長雄志知事や稲嶺進名護市長が反対していることを強調した。その上で各支部に(1)普天間第1海兵航空団の撤退(2)新基地建設計画の撤回(3)沖縄からのオスプレイの撤収−の3点を地方議会などで決議するよう働き掛けることを求めている。
 
1996年4月12日夜、当時の橋本首相とモンデール駐日米大使は緊急記者会見を行い、沖縄県の米軍普天間基地を5ないし7年以内に日本に返還することで正式に合意したと発表した。
 
これまでの日米特別行動委員会(SACO)の協議では「困難」といわれてきていただけに、大きな政治的演出効果を持つものであった。
 
普天間基地の返還には厳密に4つの条件がつけられていた。
(1)沖縄の米軍基地の中に新たにヘリポートを建設する
(2)嘉手納基地には追加的な施設を整備し、普天間基地の一部機能を統合する
(3)普天間基地の空中給油機を岩国基地に移しかえる
(4)危機が起きた時の米軍による基地施設の緊急使用について、日米両国が共同で研究を行う
というものである。
 
この合意があくまでも米軍基地の現有機能を確保することを前提にしたものであり、「純粋な形での返還」ではないということであり、返還される普天間の施設は、米国へ持ち帰るのではなく沖縄県内、本土の他の基地へ移転され、そこには新たな重圧が加わると当時から指摘されていた。
 
そして「本土の他の基地へ移転」することは本土内で新たな基地反対闘争を引き起こすことを避けるため、その後政府内では名護市への移設を既定事実化するような書簡が明らかになった。
   
<辺野古決定 政権の本音 梶山元官房長官、98年に書簡>
 毎日新聞 2016年6月3日 08時34分
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に米側と合意した故橋本龍太郎元首相の下で沖縄問題を担当した故梶山静六元官房長官が1998年、本土(沖縄県外)の基地反対運動を理由に、同県名護市への移設以外にないと記した直筆の書簡が残されていることが分かった。政府はこれまでほぼ一貫して沖縄の地理的優位性や米軍の抑止力を名護への移設理由と説明しているが、当時の政権中枢が「本音」とも言える見方を示していたことで、名護移設の是非を巡り改めて論議を呼びそうだ。【鈴木美穂】
 本土の反対懸念「名護よりほか無い」
 書簡は縦書き便箋3枚。欄外に「衆議院議員 梶山静六 用箋」と印刷されている。普天間返還と名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖への機能移設を巡っては97年12月、名護市の住民投票で反対多数となりながら、当時の比嘉鉄也名護市長が受け入れと辞任を表明し、翌98年2月に行われた市長選で比嘉氏後継の岸本建男氏が当選。書簡はそれから間もなく書かれたとみられる。
 移設先について書簡は「シュワブ沖以外に候補地を求めることは必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす事が予想されます」と記載。「比嘉前市長の決断で市として受け入れを表明し、岸本現市長が『受け入れ』のまま市の態度を凍結するとしている名護市に基地を求め続けるよりほかは無いと思います」とつづられている。
 梶山氏は96年1月〜97年9月に官房長官を務め、退任後も防衛庁幹部とともに現地を訪れて要望を聞くなど沖縄問題に傾注した。書簡の宛先は、98年7月まで続いた橋本内閣の「密使」として革新系の大田昌秀沖縄県知事(当時)との橋渡し役を担った下河辺淳・元国土庁事務次官。梶山氏の郷里・茨城の先輩でもあり、書簡は「愚考も参考にして頂ければ幸いです。下河辺先輩」と結ばれていた。
 政府は名護移設の理由を「米海兵隊は司令部、陸上、航空、後方支援部隊を組み合わせて一体的に運用しており、普天間のヘリ部隊を切り離して移設すれば機動性や即応性を失う」などと説明している。しかし、書簡の出された前後の98年3月、大田知事らは来県した政府担当者に「海兵隊の距離や迅速性を挙げるなら揚陸艦をなぜ長崎・佐世保に置くのか説明がつかない」と指摘。政府側は「そのように言われるのは唐突な感を受ける」などと答え、議論はかみ合わなかった。
 書簡は下河辺氏の記録を管理する「下河辺淳アーカイブス」(東京都港区)から、近く他の沖縄関係資料とともに沖縄県公文書館に寄贈される。
書簡の内容(抜粋)
○シュワブ沖以外に候補地を求めることは必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす事が予想されます。
 比嘉前市長の決断で市として受け入れを表明し、岸本現市長が「受け入れ」のまま市の態度を凍結するとしている名護市に基地を求め続けるよりほかは無いと思います
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橋本内閣で官房長官として沖縄問題を担当した梶山静六氏が、政府の「密使」を務めた下河辺淳・元国土庁事務次官に宛てた直筆書簡の1枚目 
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橋本内閣で官房長官として沖縄問題を担当した梶山静六氏が、政府の「密使」を務めた下河辺淳・元国土庁事務次官に宛てた直筆書簡の2枚目 
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橋本内閣で官房長官として沖縄問題を担当した梶山静六氏が、政府の「密使」を務めた下河辺淳・元国土庁事務次官に宛てた直筆書簡の3枚目
 
先の、橋本首相とモンデール駐日米大使は緊急記者会見は金曜日の夜8時、テレビのゴールデンタイムを選んでの意表をついた重大発表という演出までして、「沖縄基地返還」を大々的に国民に印象づけ、闘争を分断、切り崩す攻勢に転じた。
 
日米政府はテレビでの記者会見を通じて、安保「再定義」への世論誘導を意図的に行ったが、モンデール大使はわざわざ「今回の計画で米国は兵力水準を減らすわけではないし、日米安保条約のもとで、果たすべき能力や即応力を劣化したり軽減するものではない」と強調したことを当時の日本政府は忠実に守ってきたという事であった。
 
沖縄県が、まさに20年前にすでに日本政府から見放されてきたという事実は覆い隠すことはできない、と同時に沖縄の基地問題を解決するには日米安保条約を根本的に改定するか破棄するしかない、とオジサンは思う。

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2016年12月12日

狡猾な人には知恵があるが、そうでない人は姑息な行動をする

雑誌「AERA 2016年12月12日号」に興味深い記事がいくつかあった。
 
「何を守るべきか 当事者たちが分析した日本の国防」という特集記事で、河野克俊統合幕僚長がこう語っていた
 
「『駆けつけ警護』の任務が新たに始まります。安保法の審議過程で最大の議論は憲法との関係でした。武器使用は、諸外国に比べて制約がありますが、われわれは憲法を守る立場です。憲法の範囲内でしっかり任務を遂行することが必要だ」と。 
 
まさか「違憲」と多くの憲法学者に批判された「安全法制」の下でPKOに派遣された自衛隊員に付与された「駆け付け警護」については、「憲法の範囲内でしっかり任務を遂行する」としか言えないのは立場上、当然であろう。
 
同特集では、こんな自衛隊幹部に対しては、軍事評論家・田岡俊次が語る自衛隊の現実「幹部たちも『戦争』を知らない」という記事で幹部たちを批判している。
 
さらに、「駆け付け警護」に関しては、戦争法案が国会に出される前から、各地の学習会や集会に引っ張りだこだった元内閣官房副長官補・柳澤協二が、「元内閣官房副長官補・柳澤協二が語る安保法制『自衛隊は殺人罪に問われる可能性』」という記事でこう指摘していた。
 
「稲田朋美防衛相はNHKのテレビ番組で、『法的な手当てはできています。正当防衛なら罪に問われない』と言っていました。しかし、個人の武器使用ですから、相手を殺害した場合は殺人の構成要件に該当します。『当然無罪』とはならないのです。」
 
さらに、「安倍首相は集団的自衛権を行使して戦争がしたいわけではなく、集団的自衛権の行使を容認すること自体が目的になっていると思うんです。背景にあるのは、安倍首相のDNAに生きている、祖父・岸信介元首相のころからの『アメリカと対等「になりたい』という欲求でしょう。」と喝破していた。
 
第二次世界大戦と称する「覇権国同士の争い」に米国に敗れた日本はまさに進駐軍に占領され、事実上属国になってしまった。      
 
戦後70年経って、母方の祖父である、A級戦犯被疑者として逮捕され東京の巣鴨拘置所に拘置された岸信介元首相の「アメリカと対等になりたい」という思いを受け継いだ安倍晋三は、何とか属国意識から逃れようとしていた。  
    
同AERAの巻頭エッセイで内田樹はこんな記事を書いていた。 
 
<内田樹「日本人がみんな知っていて、知らないふりをしていること」>
 2016/12/10 11:30 dot.
・・・前略・・・
 昨年末に電撃的に慰安婦問題についての日韓合意が成立したときに、メディアは日韓の外交当局の地道な努力の成果だと書いた。嘘をつけ、と私は思った。日韓の外交当局者がアメリカに呼び出されて「いい加減にしろ。こっちは中東で忙しいんだ。くだらない争いの調停役をさせるんじゃない!」と一喝されて、縮み上がって合意形成に及んだと思っていたからである。アメリカの「鶴の一声」で一件落着しただけで、日韓両政府間には「アメリカ抜き」で自主的にこの問題を解決できるほどの相互理解も信頼感もない。私はそう思ったし、記者たちもそう考えていたはずである。でも、彼らはそうは書かなかった。そう書くと日韓はその重要な外交政策について自力で決定することができない国だということを自ら告白することになるからだ。 
 日本がアメリカの属国であることを日本人はみんな知っている。知っているが、知らないふりをしているだけである。その現実を現実として直視したら、ではその現実とどう立ち向かうか、どうやって属国の地位を脱して国家主権を奪還するかについて本気で考えなければならなくなるからだ。残念ながら、そんなスケールの問題について考えることのできる人間は今の日本の指導層の中にはいない。だから、そんな問題は存在しない、日本は主権国家だという「ファンタジー」の中で夢見ることを人々は選んだ。日本が属国であるのはたかだか彼我の物理的実力の差の結果に過ぎない。国民的努力を結集すればいつか主権は奪還可能だと私は思う。けれども、属国であるという現実を直視しない限り、主権国家になる日は永遠に来ない。
 
このように指摘された属国意識が強い「主権国家」もどきの最高責任者である安倍晋三首相の突然(?)の真珠湾訪問について、安倍晋三首相の外交の失政とでもいうべき内容を、国内のマスメディアは「礼賛一式」の報道をしていると、元「週刊朝日」編集長だったジャーナリストの山口一臣は批判していた。
 
<安倍首相が「真珠湾訪問」をどうしてもしたかった本当の理由>
 12/8(木) 12:40 YAHOOニュース
 12月6日付の朝刊各紙は1面トップで安倍晋三首相の「真珠湾訪問」を大々的に報じていた。見た瞬間、私は胸がえぐられるような思いに駆られた。このカードをここで切ってくるのか。安倍さんという人は自らの政権維持や選挙のためなら何でもやる人なんだ、と。
領土問題が動かない
だが、それ以上に違和感があるのは、この日を機に始まった新聞・テレビの「礼賛一色」の報道だ。日本の首相が初めて日米開戦の地で犠牲者を慰霊するのだから、極めて重要なニュースであるのは間違いない。安倍首相が自ら語っているように「日米和解の価値を発信する機会にしたい」という意味もわかる。
だが、報道が伝えるべきはそうした表面的なことだけではないだろう。読者が本当に知りたいのは、いま起きていることの事実関係だけではなく、なぜそれが起きたかという“文脈”(コンテキスト)や背後関係だ。ところが、最近の新聞・テレビの報道では、そうした分析がほとんど見られない。
少し前には、ロシアのプーチン大統領来日が決まり、「北方領土が返還される」かのような報道も見られた。しかし、そのときも、合点がいく“文脈”や分析の報道はなかった。日ロ関係に詳しい一水会代表の木村三浩氏は「領土問題はすぐには動かないでしょう」とネット上で発言している。
今回の真珠湾訪問でいえば、例えば、なぜいま突然なのか? 戦後の歴代首相が真珠湾訪問(慰霊)を封印してきたのは、それが“謝罪外交”につながると見られたからだ。現職首相の真珠湾訪問は日本政府にとっての重要な“切り札”だ。それを安倍首相はなぜ、かくもあっさり出したのか。東京で手に入る限りの新聞をひっくり返したが、腑に落ちる答えはどこにもなかった。
あえて言うと、今年5月にオバマ米大統領が被爆地・広島を訪れたことの“返礼”の意味合いがあるという判で押したような解説はあった。だが、思い出してみてほしい。安倍首相はオバマ大統領の広島訪問に際しての記者会見で、「現在、ハワイを訪問する計画はない」ときっぱり否定していたのだ。米大統領の広島訪問は実現したが、原爆投下に対する謝罪はなかったのだから、これもひとつの判断だ。それがなぜ、わずか半年後に方針転換したのか。いま伝えるべきは、その“方針転換”の意味ではないか。
答えは、容易に想像がつく。11月17日にニューヨークで行われた“異例”の「トランプ・安倍会談」に対する“お詫び”である。
 安倍首相は米大統領選の直後、世界の首脳に先駆けて次期大統領であるドナルド・トランプ氏との会談に“成功”した、と伝えられた。この時も、報道が「礼賛一色」だったことを思い出してほしい。だが、オバマ大統領が現職でいるうちの次期大統領への表敬訪問は、外交的に著しく非礼なことだ。だから、どこの国もそんなことにチャレンジしない。「世界の首脳に先駆けて会談に成功した」というのは、そういうことだ。
当然、アメリカの現政権は激怒した。とくにキャロライン・ケネディ駐日大使は日本政府に強く抗議したと伝えられる。その結果、APEC首脳会議のために訪れたペルー・リマで11月20日に予定されていたオバマ大統領との日米首脳会談が流れ、たった5分間の立ち話になった。安倍首相は、この立ち話会談で「真珠湾訪問」というカードを切って、なんとか許しを請うたのだ。ホワイトハウスがこれを“歓迎”するのは当然なのだ。そう考えると合点がいく。
さらに考えてほしいのは、そもそもの「トランプ・安倍会談」も“お詫び”だったということである。
安倍首相は外交政策の目玉として日ロ関係の改善を模索していた。今月15日にはプーチン大統領の来日が予定され、あわよくば北方領土返還への道筋をつけようとしていた。ところが、米オバマ政権は日ロ接近を面白く思っていなかった。そこで、安倍政権はオバマ大統領が悲願とするTPP協定批准を援護射撃することで、日ロを黙認してもらうシナリオを描いた。安倍政権が他国に先駆けてのTPP批准を急いだのはそういう理由だ。
さらに、このシナリオを確実なものとするため、安倍首相は米大統領選挙期間中に一方の候補者であるヒラリー・クリントン氏との会談に踏み切った。先進国の首脳が選挙のさなかに一方の候補者だけに会うのも極めて異例なことだ。安倍首相(というか日本の外務省)はヒラリーの勝利を確信していた。この時点では、安倍首相にとってヒラリー氏は“次期大統領”そのものだった。
ところが、選挙はトランプ氏の勝利に終わり、当初のシナリオは崩れ去った。安倍首相は選挙期間中にヒラリー氏と会談した非礼を詫びるため、急ぎ会談がセットされた。先進国の首脳が、現職の大統領(オバマ氏)を差し置いて次期大統領(トランプ氏)と会談するのは“異例”というより“異常”なことだ。だが、このときも報道は「礼賛一色」だった。
安倍首相とトランプ氏の会談内容の詳細は明らかにされていないが、「週刊現代」(12月10日号)に「安倍官邸大パニック」の見出しで興味深いエピソードが書かれている。トランプとの会談を終えてリマに乗り込んだ安倍首相は、会う人ごとに「私は数日前に、ニューヨークでトランプとじっくり語り合ったんだけどね」と自慢げに吹聴していたという。ところが、安倍首相が現地での記者会見で「TPPは米国抜きでは意味がない」と言い切ったわずか18分後に、トランプ氏がビデオメッセージを公開し、「わが国に災厄をもららす恐れがあるTPPからの離脱の意思を通告する」と宣言する。これを聞いた安倍首相の顔は引きつり、言葉も出なかった、という。
月刊誌「選択」(12月号)は〈それは政権の座に返り咲いてから約四年、安倍政権が掲げる「地球儀俯瞰外交」の大きな柱が崩れ落ちた瞬間でもあった〉と書いた。
だが、こうした事実報道や分析・解説が読めるのは、雑誌ばかりだ。新聞やテレビではほとんど見られない。15日からのプーチン大統領来日、月末の真珠湾訪問と、また「礼賛一色」に染まるのかと思うとうんざりだ。永田町では早くも「真珠湾解散」などという声すら上がり始めているようだ。
6日配信の日本経済新聞電子版は、〈1月解散風再び 真珠湾訪問、支持率向上の思惑〉というタイトルで、自民党幹部が「真珠湾訪問で支持率も上がるだろう。やるなら1月解散だ」と語ったと伝えている。「オイオイ」と思うのは、私だけではないだろう。
 
このように「礼賛一色」に染まるメディア報道に対して、共同通信の編集局企画委員である美浦克教は自ら管理するサイトで真珠湾報道を「首相の真珠湾慰霊で日米同盟の意義だけが強調されることを危惧」して、日本のかつての侵略の史実から鑑みて、「『日米の歴史的かつ意義深い和解』としてくくってしまっていいのでしょうか。マスメディアは多面的、多角的な視点を提供するべきだろうと考えています」と主張していた。
 
<75年前の「12月8日」の意味と安倍首相の真珠湾訪問の報道>
 2016年-12月-12日 ニュース・ワーカー2
・・・前略・・・
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 ただ気になることがあります。日本のマスメディアの報道が「太平洋戦争開戦=真珠湾攻撃」の捉え方を強調し、今日的な意義として日米の和解をあまりにも強調していることです。「12月8日」は日米開戦の日ではあるのですが、日米関係だけにとって重要な日ではないはずです。
 史実から言えば、真珠湾で日本海軍の爆撃機が第一弾を投下する1時間余り前に、日本陸軍は英国領だったマレー半島北部への上陸作戦を開始しました。翌年1月にかけて日本軍は英軍を撃破しながらマレー半島を南下し、2月15日にシンガポールの英軍守備隊が降伏します。日本の占領期にシンガポールやマレー各地では、中国系住民がスパイの嫌疑で処刑されるといった例が数多くありました。当時、日本が中国でも戦争を継続していたことと関連があったはずです。
 そもそも太平洋戦争は「蘭印(オランダ領インドシナ)=今日のインドネシア」の油田地帯の占領など、資源確保が大きな目的でした。日本と中国との戦争に米国が強硬姿勢を示し、当時、日本が米国に依存していた石油輸入を止められたことも、開戦の要因にはあります。「12月8日」を今日振り返る時には、中国との戦争に始まる前段の経緯や、真珠湾攻撃だけではない陸軍の作戦にも目を向けないと、75年後のこの日の意義を一面的にしかとらえられなくなるのではないかと危惧します。このままでは、安倍晋三首相のハワイ訪問と真珠湾での慰霊の際には、今日の日米軍事同盟の意義が高らかに喧伝されるような報道ばかりが目立つようになりかねないと思います。
 安倍首相の真珠湾訪問に対しては、米国だけでなく中国や韓国のほか、日本の戦争のために戦渦を被ったアジアを中心とした国々へも慰霊に行くべきだ、との声があります。今まで日本の首相が簡単には真珠湾には行けなかった理由の一つには、中国や韓国ほかアジア諸国との関係があったはずです。その問題は今、どうなっているのでしょうか。
 また、安倍首相がオバマ米大統領に真珠湾訪問と慰霊を提案したのは、ペルーでのAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会合の場での、立ち話だったとの報道があります。年が明ければトランプ次期大統領の政権が立ち上がるという時期に、立ち話で提案せねばならないほどに「日米の和解」をこの時期に急ぐ理由は何なのでしょうか。
・・・中略・・・
 安倍首相の真珠湾訪問と慰霊はどのような意味を帯びて見えるでしょうか。「日米の歴史的かつ意義深い和解」としてくくってしまっていいのでしょうか。マスメディアは多面的、多角的な視点を提供するべきだろうと考えています。
 
組織を離れたフリージャーナリストと大きな組織の管理職クラスのジャーナリストでは若干トーンに差異がでるのは仕方のないことであろう。 
 
少なくとも組織されたジャーナリストは、その組織のトップ連中がすべて安倍晋三に懐柔され、管理されているため外部に向かう発言にはそれなりにオブラートに包む作法が身についてしまうことは当然なのかもしれない。
 
この間の一連の安倍晋三首相の行動を見ていると、とてもじゃないが入念に計画された行動とは思えない。
 
オジサンも「つぶやき」では、しばしば安倍政権に対して「狡猾な・・・」といか、「姑息なことを・・・」という表現を使っていた。 
 
数年前、国語辞典『大辞林』(小学館)編集部が「間違った意味で使われる言葉ランキング」と「言い間違いされる言葉ランキング」を発表していた。
 
そこでは、第5位になっていた「姑息」の説明では、
 
●本来と異なる意味……ひきょうであるさま
○本来の意味……一時しのぎであるさま  
 
と説明されていた。
 
そして、「狡猾」を調べると「ずる賢いさま」と定義して、さまざまな表現があった。
 
一例をあげると、「悪知恵の働く」、「立ち回りのうまい」、「政治力に長けた」などがあげられていた。
 
大統領選挙前は、訪米してヒラリー・クリントンと会談し、ヒラリーが敗れると、すぐさま「トランプ詣」をし、今度はオバマに叱られて「真珠湾でゴルフをしよう」と持ちかける。
 
とても「知恵」が働いたというよりは、信念に基づかないその場しのぎの行動のようであり、やはり安倍晋三首相は単なる「姑息」な人間なのである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:28| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月11日

原発は事故があっても安いという暴論

12月はオバサンの誕生日と最初の孫娘の誕生日が1日違いで続いている月である。
 
昨年までは、クリスマスの前の土曜日に2人の誕生日会とクリスマス会を合わせて行う「合同誕生日会」を行ってきた。
 
ところが、ことしは3連休であるためなのか、娘一家が温泉旅行(?)に行くので日程を早める必要があった。
 
そして調整の結果昨日の10日に、地元で人気のピザハウスに乳児を含めて総勢9名が集まった。
 
誕生祝と一足早いクリスマスプレゼントをもらい孫たちは満足げにピザをパクついていた。
 
そんなわけで、昨日の日比谷野外音楽堂の集会には行くことができなかったが、寒空の下、多くの老々男女が集まったらしい。
 
<新基地反対、沖縄と共に 全国11カ所で集会、8千人超参加>
 2016年12月11日 06:30 琉球新聞
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沖縄との連帯を誓い、新基地建設阻止を訴える参加者ら=10日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂

 米軍北部訓練場(沖縄県東村・国頭村)のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対し、辺野古新基地建設を巡る違法確認訴訟で最高裁に公正な審理を求める「12・10東京集会」が10日午後、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれた。沖縄からの参加者を含む約3900人(主催者発表)が参加。「沖縄と共に闘うぞ」「最高裁は沖縄の民意に応える判決を」などと沖縄との連携を誓いながら、「辺野古・高江新基地ノー」と書かれたプラカードを掲げ新基地建設を強行する政府に対して怒りの拳を突き上げた。10日は東京のほか大阪や沖縄など全国11カ所で集会があり、主催者発表で少なくとも全国で計8100人以上が参加した。
 11日にも全国各地で集会が開催される予定。両日で全国計33都道府県37カ所で同様の集会などを開き、ヘリパッド建設や辺野古新基地建設計画阻止を訴える。
 集会は基地の県内移設に反対する県民会議、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会が主催した。集会では「沖縄への差別を許さず、最高裁に対して民意に応える判断をもとめよう」などとするアピール文を採択した。
 同県民会議の仲本興真事務局次長はヘリパッド建設が進む東村高江周辺や辺野古で警察による「不当な逮捕」が行われていることなどを報告し、最高裁に対して「歴史に堪える見識を示してほしい」と訴えた。
 国会包囲実行委員会からは名護市出身の青木初子さん(69)が登壇し、宜野座村の民間地近くで繰り返されたオスプレイによるつり下げ訓練を厳しく批判し「県民の命は軽いのか」と憤り「まじゅんちばらなやーさい(共に頑張りましょう)」と共闘を呼び掛けた。
 集会では評論家の佐高信氏、成蹊大学の武田真一郎教授もマイクを握り新基地建設を強行する安倍政権を批判、違法確認訴訟の高裁判決を疑問視した。民進党、共産党、社民党の議員や参院会派沖縄の風の糸数慶子参院議員も野党共闘で新基地建設に異議を唱えた。
 集会後は会場から銀座に向けてデモ行進し、市民に沖縄の現状を訴えた。
 
沖縄県は米軍基地問題を米国に直接発信するための英語版ホームページ(HP)を開設した。

そこでは普天間飛行場の移設計画について「日米両政府は沖縄の人々の意見を誠実に聞き、断念すべきだ」と訴えている。
 
辺野古移設反対を掲げる翁長雄志知事は就任から2年を迎えた10日、来年1月に発足するトランプ米政権の幹部に訪米して直接、辺野古断念を訴えたい意向を示し、HPで「移設阻止には、沖縄の民意を米国の政府や連邦議会に伝えるのが大変重要だ」と強調していた。
 
HPでは辺野古移設計画について、対抗できる知事権限に言及し「終わりなき法廷闘争や、県外移設を求める県民の強い意志、粘り強い反基地運動を考えた場合、計画達成は極めて困難だ」と主張し、基地対策課は「米軍基地の当事者である米国に正確な情報を発信し、沖縄の基地問題を理解してもらいたい」と話していた。
 
果たして、どこまでトランプ新政権に沖縄辺野古新基地建設問題が理解されるのかが大きな課題であろう。
  
テレビのワイドショーで報じられるだけではなかなか実態が明らかにならないのが、五輪の開催費用の実態なのだが、テレビメディアではできなかった調査を、東京新聞は情報公開請求により、東京都におけるブラックボックスの部分に光を当てようとしている。
 
<都、五輪費協議「文書なし」 庁内は口頭報告だけ 検証に壁>
 2016年12月11日 朝刊 東京新聞
 2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都、大会組織委員会、政府の三者が協議している役割や開催費用の分担見直しについて、本紙が都に関連文書を情報公開請求したところ、都は「文書不存在」と回答した。都側の出席者は協議でメモを取らず、庁内には口頭で報告していたという。開催費用の膨張に伴い都の負担は増える方向だが、その経緯を文書に残さない都の姿勢が問われそうだ。 
 分担を巡っては今年3月末、舛添要一前都知事、森喜朗組織委会長、遠藤利明前五輪相が会談して見直すことで一致。その後は三者が実務者レベルで協議を続けてきた。開催費用が膨らむ一方、組織委が集める民間資金は限られるためだ。
 本紙は10月、役割分担についての関連文書を都に情報公開請求。都は12月2日付で「文書は作成、取得しておらず存在しない」と回答した。
 都によると、トップ会談は3月以降は開かれていないが、実務者協議は「月1、2回の頻度で開いている」という。開催日は「三者の申し合わせ」を理由に公表を拒んだ。
 都オリンピック・パラリンピック準備局の川田正敏・調整担当課長は「資料は組織委が作成し、協議の終了後、組織委が回収しているので都は保管していない」と説明。都が議事録やメモを作成していない点は「限られたテーマであり、会議の出席者が議論の方向性を理解していれば事足りるため」と話した。
 組織委は情報公開制度がなく、本紙の取材に「協議は非公開のため資料は提供できない。議事録は作成していない」と回答。協議の中身も「結論が出るまで話すことはできない」とした。政府の五輪担当者は「議事録や資料は作成してない」と説明した。
    ◇
 東京大会の組織委は11月末、開催費用が「2兆円を切る」と初めて示した。それでも招致段階の7300億円と比べて3倍近くに上る。
 一方で、組織委が集める民間資金は5000億円程度とされ、開催費用に赤字が出た場合、都が補填(ほてん)することが既に決まっている。都の支出が増え、都民の負担が重くなる可能性は大きい。
 膨らむ費用をどう分担するのか。「役割分担に関する文書すべて」の開示を求めた本紙の請求に対し、都は文書が全く存在しないと回答した。都民の負担増につながる重要な政策決定のはずだ。にもかかわらず、協議が始まった今春以降、都は庁内資料どころか協議でのメモも残していないという。
 これでは結論が出ても妥当性を検証できない。都にしても、協議の進捗(しんちょく)状況を文書で共有していないのに、小池百合子知事ら幹部は適切な判断を下せるのだろうか。 (中沢誠)
 
2年前に特定秘密保護法が強行採決により制定されて以降、政府の重要書類はほとんどが特定秘密化されているが、自治体レベルでは、情報公開制度により資料請求されても、その資料自体を作成しないということで、公開の義務を逃れているようである。
 
伏魔殿といわれ、そこには「頭の黒いネズミ」たちが多く生息しているらしいのだが、「大山鳴動」は繰り返し続けることにより、その隠れたネズミたちの悪行が日の下に晒させることになる。
 
昨年4月に、自分の資金管理団体「紀成会」が、関西電力の原発関連業務を受注している兵庫県高砂市の設備会社の社長ら幹部5人から2013年、個人献金の上限である150万円ずつ、計750万円の献金を受け取っていたことが、赤旗に「原発設備会社5幹部 世耕官房副長官側に750万円 企業献金を個人で“分散”か」と暴露されていた世耕弘成官房副長官。
 
こんな男だから、相変わらず、「世耕大臣『原発コスト安い』強調…廃炉費用増加でも」などと原発擁護のため平然と嘘ぶいていたが、既に5年半以上も前に「原発コストの嘘」でも紹介した大島堅一立命館大教授が、改めて「原発のコストは高い」と反論していた。
  
<事故処理費増え「原発は高い」 立命館大教授・大島堅一氏に聞く>
 2016年12月11日 朝刊 東京新聞
20161211oosimakyouju.jpg 原発の発電費用を研究してきた立命館大学国際関係学部の大島堅一教授が、原発で1キロワット時(エアコン1時間分)の電力量をつくるために必要な費用を、実際にかかってきた費用を基に「13.1円」と試算した。政府が9日にまとめた福島第一原発の処理費用21.5兆円を反映した。本紙のインタビューで、政府の「最大でも10.4円で、さまざまな発電方法の中で最も安い」とする試算を「架空の前提に基づくため実態を反映していない」と否定した。
 大島氏は「原発は高い」と説明する。現実に東京電力は必要な費用を払えない状態のため、「資本主義のルールに従って破綻処理したうえ、株主にも責任をとらせて財産を処分、それでもお金が足りない場合は国が責任を持って税金などを充てるべきだ」と提言。ほかの大手電力会社の原発への支援策もやめるべきだと指摘した。
 立命館大国際関係学部の大島堅一教授が試算した方法は明快だ。原発の建設費や投じられてきた税金、福島第一原発の賠償に充てられたお金など、実際にかかった費用を積み上げ、原発が過去につくった発電量で割った。すると、1キロワット時当たりの発電費用は12.3円だった。
 さらに、経済産業省が9日、原発の事故処理費が21.5兆円へと倍増する試算を示したため、これを反映させると13.1円になったという。
20161211hatudenhiyou.jpg 一方、経産省はこの21.5兆円を考慮しても、原発の発電費用は10.2〜10.4円にとどまると計算した。2015年に試算した10.1円とほぼ変わらず、水力発電(11.0円)などほかの発電方法を下回って最も安いとの説明を続ける。
 経産省と財界人らでつくる「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」の伊藤邦雄委員長(一橋大大学院特任教授)も「原発は最も効率的な発電方法だ」と語る。委員会の議論では「事故があっても安いということをもっと広報するべきだ」という意見があったという。
 この食い違いについて、大島氏は「政府の試算は『モデルプラント方式』といって、建設費の安い原発が事故もなく順調に稼働し続けるという理想的なシナリオを描いた計算。だから実際にかかった費用をそのまま反映するのではなく、仮定を置いて数字を変えるので安く見せるよう操作できる」と指摘する。
 例えば、日本の原発は稼働年数が平均30年の時点で3基の炉心が溶融する「過酷事故」が起きた。10年に1基で事故が起きる確率だ。しかし政府試算は事故はほとんど起きない前提。このため福島第一原発にかかる費用がいくら膨らんでも、政府の試算にはほぼ影響しない。国民負担が増えているのに、政府が「原発は安い」と主張し続けるからくりはここにある。
 また、震災後は原発に厳しい安全対策が求められるようになり、建設費は世界的に高騰している。しかし、政府試算の前提は従来の建設費と同じ。大島氏は「政府試算の建設費の前提を、英国で新設されるヒンクリーポイント原発の建設費に置き換えただけでも、発電費用は17.4円に跳ね上がる」と分析する。石炭火力(12.3円)はもちろん、液化天然ガス(LNG)火力(13.7円)より高くなる。
 ほかにも、政府が着手しようとしている次世代の原子炉「高速炉」の開発に投じられる税金は規模すらつかめない状態で、政府試算に反映されている金額を大幅に超えることは確実だ。
 大島氏は「原発は高い」と断言。「原発を続けるという選択肢があってもいいが、そのためには『原発は安い』という架空のシナリオではなく、客観的なデータを国民に示して判断を仰ぐべきだ」と語った。 (吉田通夫)
<おおしま・けんいち> 一橋大大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学、高崎経済大経済学部助教授などを経て現職。専門は環境経済学。著書に「原発のコスト」(岩波書店)など。
 
完全に「原発は安全だ」という神話が崩れ去ってしまったにもかかわらず、往生際が悪い経産省の役人連中である。
 
今年の夏頃に、「最近では1兆、2兆、3兆と。お豆腐屋さんじゃないんで、あります。」という話が飛び交っていたが、原発費用に関しては「11円だ、12円だという話は、スーパーの安売りじゃないんで、あります」と言いたくなってしまう。
 
「原発は最も効率的な発電方法」だから、「事故があっても安いということをもっと広報するべきだ」といトンデ発言は決して許されるものではなく、こんな発言の背景には、成長戦略という自分の政策を実現させるためには、「人命より経済」という安倍政権の人命軽視の発想があるからではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:31| 神奈川 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月10日

日ロ首脳会談もTPP批准強行もすべて我田引水の安倍晋三

安倍晋三首相が意気込んで、対ロシアとの北方領土交渉は「新しいアプローチ」などという言葉で大きな期待感を国民に与えていたが、先月も「『新しいアプローチ』も成果のない消化試合になるのか」とつぶやいたが、その後の安倍晋三首相のトーンダウンぶりが如実に表していた。
 
9月のプーチン大統領との会談では「手応えを感じた」が、11月のペルーでの会談後の会見では「そう簡単な課題ではない」と言い始め、遂には12月5日会議では「1回の会談で解決できるような簡単な問題ではない」と大幅に態度を後退させていた。
 
今まで何度もプーチン大統領と会談してきたと胸を張っていたが、外交の基本も分からない安倍晋三首相は、したたかなプーチン大統領との差しの会談でもいいように翻弄され続けていたということであろう。
 
それにも拘わらず来週15日にはプーチン大統領が来日するが、その先は安倍晋三首相の地元の山口県である。
 
これについて、マスメディアは特にコミットメントはしていないのだが、今朝の東京新聞の「本音のコラム」で、アラビア語講師でコラムニスト、エジプト人の父と日本人の女性の間に生まれた師岡カリーマ・エルサムニーは「選挙区でのおもてなし」と題して、素朴な疑問を呈しながらも、正鵠を突いたコメントをしていた。
 
 ロシアのプーチン大統領が、いよいよ15日から2日間の予定で来日する。初日は安倍首相の「地元」山口県で、2日目は東京で首脳会談がおこなわれるそうだが、たった2日間の滞在で、わざわざ長距離移動させる意義がよくわからない。
 「(現地は)準備で盛り上がっている。温泉宿でもてなしたい」と安倍首相。超大国の一行が来れば、街は華やぐし、宣伝にもなり経済効果も期待できる。盛り上がるはずだ。必然的に安倍氏の票につながる
 首相には2つの顔がある。国のリーダーであると同時に、選挙を経て議員になった政治家だ。国の重要な外交行事を首相として権限を行使し、議員としての自分に利する地で開催するってあり?法的規制がないのが不思議だ。どっちみち勝てる選挙だとしても、これはケジメの問題だと思うのだ。ブッシュ元米大統領がテキサスの私邸に小泉元首相を迎えたのとはだいぶ事情が違う
 経済産業省によれば、日ロは先月、福島第一原発廃炉で協力を加速すると合意した。それならば福島でやれば筋は通るし、復興支援にもなる。温泉にこだわるなら、熊本地震で痛手を受けた九州の温泉地という手もある。
 安倍氏は東京育ち。山口は彼の「地元」というより、事実上、政治家としての基盤にすぎない。首相としての彼の「地元」は日本全国だとおもうのだが。     
 
「福島第一原発廃炉で協力を加速すると合意」という事実は、11月2日〜6日にかけてモスクワを訪問した世耕弘成経済産業相が日露の経済協力に関してロシアのノバク・エネルギー相と「日露エネルギー・イニシアティブ協議会」の初会合を開催し、その席上、「原子力」の分野では「原子力では東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業への協力策などを検討していくことで合意した」と報道されていた。
 
どの程度ロシアと協力策が検討されるのかは不明だが、少なくとも廃炉作業の費用どころか、「後始末」の費用は途方もなく増大しており、杜撰な見積もりが露呈した東京五輪の開催費用の比ではない。  
 
そのツケが国民に回ってくることが明らかになった。 
 
<原発国民負担「過去分」2.4兆円 福島第一処理費倍増21.5兆円>
 2016年12月10日 07時00分 東京新聞
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 経済産業省は9日、自民党の会合や有識者会合などで、福島第一原発の廃炉など事故処理にかかる費用が、2013年に試算した11兆円から21.5兆円に倍増するとの試算を示した。中でも被災者の損害賠償に充てる費用を捻出するため、「電力消費者は過去に原発の事故に備えた賠償資金を積み立てておくべきだった」として「過去分」の費用2.4兆円程度を原則すべての電力利用者の料金に上乗せする。原発を維持するため、さまざまな形で国民負担が膨らむ。 (吉田通夫)
 原発事故の賠償費用は、東京電力など原発を持つ大手電力会社が、契約者の電気料金に「一般負担金」などを上乗せして負担させる仕組みが事故後の11年にできた。原発を持たない新電力は負担義務がなく、電気料金にも含まれていない。
 これに対し、経産省は「本来は電力会社が原発事業を始めた(1966年)時から、事故に備えて一般負担金を積み立てておくべきだった」として、大手から新電力に移行した消費者も含め「過去分」の負担金を請求する。現在、大手電力会社の契約者が納めている1600億円の一般負担金の規模を基に、2011年までに積み立てておかなければならなかった「過去分」は2.4兆円と試算した。
 20年をめどに大手電力会社の契約者だけでなく、新たに新電力に移った契約者にも、等しく請求し始める方針。経産省は、40年かけて負担する場合、月に257キロワット時の電力を使うモデル世帯の負担額は月額18円だと説明している。
 しかし、賠償費用の総額は7.9兆円に膨らむ見通しで、2.4兆円の追加負担を求めても足りない。残りは引き続き東電と大手電力会社の契約者に求めるため、大手の電力利用者は料金がさらに上がる可能性もある。このほか、廃炉費用は13年試算の2兆円から8兆円へと4倍になる。東電に利益を上げさせて資金を捻出するが、東電管内の電気料金は他社の管内よりもさらに下がりにくくなる。
 放射線に汚染された土壌などを取り除く「除染」の費用も2.5兆円から4兆円に増加。取り除いた土壌を保管する「中間貯蔵施設」の建設費1.1兆円も1.6兆円に膨らむ。ともに国民負担の増加につながる。
 
一般庶民感覚からすれば、「兆」単位の金額は全く想像がつかない。
 
分かり易くすれば、1兆円は、例えば1万円札100枚=100万円を1センチと仮定すれば、1億で1mなので1兆ならば10kmの高さになると考えれば、途方もないほどの金額である。
 
したがって「21.5兆円」というのは雲をつかむような話なのである。   
 
さて、「強行採決は結党以来、したことがない」と平然と嘘を続けて、与党補完政党の日本維新の会等をまきこんだ強行採決で遂にTPPに関する国会での審議は終わってしまった。 
 
<TPP発効見通しなく承認 トランプ氏、2国間交渉の意向>
 2016年12月10日 朝刊 東京新聞
・・・前略・・・
 ◆トランプ氏脱退明言
 安倍政権はTPPの国会承認で、自由貿易の拡大を今後も進める考えだ。トランプ次期米大統領が脱退を明言し、発効に向けた展望がない一方で、国内にも反発が強かった関税や非関税障壁の緩和といった合意事項は、今後、TPPに代わる2国間交渉が日米で進んだ場合の基準となり、さらなる譲歩を求められる可能性がある。
 安倍晋三首相は国会答弁で、TPP承認の意義を「TPP並みのレベルの高いルールを、いつでも締結する用意があるとの意思を示す。他の交渉を加速させる力となる」と述べてきた。日本政府はコメなど今後も関税を維持する「聖域」はTPP交渉の末に守ったとしている。首相の答弁は、これ以上の譲歩はしないとの決意を強調したものだ。
 だが、国際情勢を見ると、首相の言葉を額面通りには受け取れない。
 トランプ次期米政権はTPP脱退を実行した後、2国間交渉を進める意向。米国は日本の約4倍の経済力を背景に、TPPを上回る自由化を迫ってくることは避けられない。過去、日米の2国間貿易交渉は自動車や繊維などで、日本が譲歩してきた歴史があり、今後もそれが繰り返されないとも限らない。
 
「TPPは開国ではなく壊国」とかつては言われていたが、そのTPPが発効しなくても、トランプの出現によって日米FTAという2国間交渉で米国の「America First」政策が露骨になれば、なまじ「TPP並みのレベルの高いルールを、いつでも締結する用意がある」と表明したことが今後は墓穴を掘りかねない。
 
それでもTPP承認にこだわったのは安倍晋三首相のオバマ政権への配慮なのか。  
  
<押され続けた対米交渉 発効執着 オバマ政権配慮色濃く>
 2016年12月10日 朝刊 東京新聞
20161210tppsuii.jpg 環太平洋連携協定(TPP)は、遅れて交渉に参加した日本が9日に国会承認まで進めたのに、先導役だった米国は承認のめどが立たない。これまでの経過をたどると、米国の意向に振り回され、はしごを外された日本の姿が浮かび上がる。
 TPPはシンガポール、ニュージーランドなど4カ国による経済連携協定が前身。オバマ米大統領は2009年にオーストラリアなとともに参加の意向を表明し、10年3月から8カ国で拡大交渉が始まった。
 日本は米国との同盟関係を重視する立場から、当時、民主党の菅直人政権が交渉参加を検討。12年には事前協議も始めた。だが、TPPは関税撤廃を原則としたため、コメや牛肉・豚肉といった国内農畜産業への影響を懸念した野党・自民党などが抵抗。同年の衆院選では、自民党が「聖域なき関税撤廃」が前提の交渉参加に反対と公約に明記した。
 第二次安倍政権が発足すると、安倍晋三首相はすぐにオバマ氏と会い、「聖域なき関税撤廃」が前提ではないと確認したと表明。交渉参加に舵を切り、7月には交渉に合流し、米国と足並みをそろえて交渉を引っ張る姿勢を明確にした。
 いざ交渉が始まると、米国は日本側の「聖域」に対し、関税を撤廃に近い水準まで引き下げるよう圧力をかけてきた。オバマ氏が14年4月に来日した際、安倍首相が夕食会に招待した都内の有名すし店で「人生で一番おいしいすしだ」と喜びつつ、TPP交渉での歩み寄りを首相に真顔で迫る場面もあった。
 15年10月の大筋合意を受け、日本では野党などが「聖域が守られていない」と反発。首相は弁明に追われる中、オバマ氏とともに議会承認を目指した。
 ところが米国では、大統領選の有力候補だった共和党のトランプ氏や民主党のクリントン氏がそろってTPP批判を展開したことで様相が一変。米国内の承認手続きは進まず、今年11月の大統領選ではTPP脱退まで唱えるトランプ氏が勝利したことで、発効の見通しは立たなくなった。
 それでも首相は発効にこだわり、国会承認にこぎ着けた。TPP発効をともに目指しながら、残り任期1カ月あまりとなったオバマ氏への配慮が色濃くにじむ。

本当にオバマ大統領に配慮する意思があったのなら、オバマが欧州訪問中に、他国に先駆けてトランプ詣でなどできなかったはずであった。
 
このあたりが安倍晋三の狡猾さが良く現れているところである。
  
TPPの関連法は、TPP承認に合わせた国内法の整備と影響を受ける畜産農家の支援策など計11本の法改正だが、ほとんどが施行日をTPPの発効日としており、施行の見通しは立っていない。
 
それでは、なぜこのTPP予算をあえて残すのだろうか。  
  
<安倍首相、TPP予算を残す方針 トランプ大統領就任後も>
 2016年12月10日 朝刊 東京新聞
 安倍晋三首相は9日、環太平洋連携協定(TPP)の発効を見越して組んだ約1兆1900億円の関連予算について、来年1月にトランプ氏が米大統領に就任し、実際にTPP脱退を宣言した後も予算の執行を止めない方針を示した。野党からは「無駄遣い」との批判が上がっており、来年1月召集の通常国会でも問題視されそうだ。
 首相は9日午前の参院TPP特別委員会で「TPP(の発効の成否)にかかわらず、わが国に必要な政策であり、執行停止することは想定していない」と述べた。政府は2015年度補正で4875億円、16年度当初で1582億円、16年度補正で5449億円のTPP関連予算を計上。いずれも15年11月にまとめた「総合的なTPP関連政策大綱」に基づく措置で、農林水産業の体質強化や中小企業の海外進出支援策などだ。
 これらの予算について、9日、民進党の大野元裕氏は「トランプ氏が脱退を宣言すれば、未執行の予算は返納すべきだ。(税金は)1円でも無為に使うべきではない」と指摘。民進党は各種事業の正当性に懐疑的な姿勢を示しており、来年の通常国会で追及する方針だ。 
 
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「農林水産業の体質強化や中小企業の海外進出支援策」などは、来年早々にも想定される衆院解散にともなう票集めの目的であることはいうまでもなく、国家予算で自己の保身を図るというまさに我田引水と批判されても仕方がないのでないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:48| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月09日

国は守るが住民は守らない。そんな安保・防衛政策に正義はない!

・・・今年になって、なぜかフィリピンのドゥテルテ、「アメリカ第一」のトランプなど、ナショナリズムを煽るリーダーの出現が相次ぎ、欧州でも『ナショナリズム』に根差した新興政党の躍進が目覚ましい。
 
イタリアでは4日の国民投票で政権が倒れ、反グローバル・反EUを打ち出す「五つ星運動」が政権奪取に意欲を見せている。
 
来年春に大統領選を控えるフランスも右翼政党が勢いづき、来年秋のドイツの総選挙でも、反イスラム・反難民を掲げる新興政党が台頭しそうである。
 
もはやグローバルやインターナショナルのコンセプトは崩れ去り、それぞれの国が勝手気ままに民族主義や保護主義へとやみくもに駆け抜けていく。
 
何しろ世界はひどくガタついている。そんな時代の幕開けムードが世界中に漂う中で、安倍首相の抵抗は良い意味での「想定外」の出来事ではある・・・。
 
・・・こんなリードで書きだした老エコノミストの高橋乗宣が、安倍政権のカジノ解禁による成長戦略はセンスが疑われると言い放っていた。 
  
<協調外交は立派だが…ギャンブル立国は絶対あり得ない>
 2016年12月9日 日刊ゲンダイ
・・・前略・・・ 
 ただ、外交面はともかく、内政に目を向ければ、やはり支離滅裂だ。たった6時間未満の審議で、カジノ法案の採決を強行し、一気呵成に解禁してしまうなんて本当に理解に苦しむ。
 ラスベガス、マカオ、モナコと世界を代表するカジノはすでに衰退しており、新規参入にメリットがあるわけもない。むしろカジノで儲ける風潮を受け入れない潔癖な文化と社会を維持してきたのが、「日本らしさ」でもあったはずだ。
 そもそもカジノ解禁を成長戦略に掲げるセンスを疑う。ギャンブルを経済の尺度で扱うべきではないし、あぶく銭を当て込んだ経済成長もあり得ない。カジノが日本経済を牽引するとは到底思えないのだ。
 ものづくり大国、技術大国などと呼ばれ、輸出立国、産業立国を目指したのも今や過去の話なのだろうか……? それにしても、観光立国を新たな目標に掲げるのはまだ許せるが、ギャンブル立国というのはもってのほかだ。
 安倍政権は一体、この国をどこに導くつもりなのか。とてもじゃないが、納得できない。

いまさら、安倍晋三首相のセンスを疑っても手遅れなんだが、せめてお手本にする米国のカジノ事情をもうすこし調べてほしかった。
 
米ラスベガスと並ぶ「カジノの街」はある米東部ニュージャージー州で、住民の62%が「カジノ解禁は州にとって良くなかった」と考えていることが、7日、米キニピアック大学の世論調査で分かったという。
 
この大学の世論調査は米大統領選挙において投票の4か月前には既にトランプの有利を報じていたらしい。
 
ニュージャージー州は1976年、経済効果を期待して海岸リゾート地アトランティックシティーでカジノを合法化した。
 
一時はラスベガスと並び称されるほど栄えたが、最近はトランプ次期大統領が過去に所有したカジノも閉鎖されるなど衰退が目立っていた。
 
この調査によると、かつてにぎわっていたアトランティックシティーにとって「良かった」は35%にとどまり、「良くない」が60%を占めた。州全体では「良かった」が29%だった。
 
多くの住民がカジノは期待したほどの経済の特効薬にならなかったと感じていると、キニアピック大は指摘していた。
 
所詮、カジノに限ら賭博というものは「必ず胴元が儲かる」ようになっていることは歴史的な事実でもある。
 
安倍晋三首相からすれば、自分の任期中に経済効果が少しでも出てくればそれで良し、あとは野となれ山となれの心境なのであろう。   
    
ところで、日本は裁判では三審制を取っており、その裁判所は「三権分立」といって独自性が保たれている、と多くの国民は教えられてきた。
 
そのため、誤った判決が下されても告訴し(二審)、それでもダメなら上告して救われるという道があった。
 
上告先は最高裁判所なのだが、そこでは日本国憲法にもとづいて「人権」を重んじる判決が下されることが求められていたはずであった。   
 
残念ながら、「米軍」がらみになると、途端に住民敗訴になってしまう判決が出てしまう。
 
1か月ほど前にはこんな判決があった。
   
<米軍住宅反対の住民敗訴 岩国、最高裁で確定>
 2016.11.4 22:34 産経WEST 
山口県岩国市の愛宕山地区で進んでいた住宅市街地開発事業の許可を国が取り消したのは違法だとして、地権者だった住民らが撤回を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は住民の上告を退ける決定をした。1日付。住民敗訴の2審判決が確定した。
 この地区では現在、米軍岩国基地への艦載機移転に伴う米軍住宅の建設計画が新たに進んでおり、住民は建設に反対する目的で提訴していた。
 確定判決によると、地価の下落や需要低迷により採算が合わないとして、県は平成19年に開発事業を中止。県の申請を受け、国が21年に事業認可を取り消した。
 代わって米軍住宅の計画が浮上。訴訟で住民側は周辺が攻撃目標になる可能性が高まり、平和に生きる権利が侵害されるなどと主張したが、1審広島地裁判決は「米軍住宅の建設で、権利が侵害されるとまでは言えない」と退け、2審広島高裁も支持した。 
  
今度は、国内の米軍基地を使っている日本の自衛隊機の騒音被害に関する訴訟で有名な厚木基地の騒音訴訟では、ナントそれまでの住民救済の判決が覆ってしまった。 
 
<厚木基地騒音訴訟 自衛隊機差し止め認めず 住民側の逆転敗訴>
 2016年12月9日 朝刊 東京新聞
 ◆最高裁「高度の公共性」
 米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民らが騒音被害の解消を求め国を訴えた第四次厚木基地騒音訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)は八日、「自衛隊機の運航には高度の公共性がある」などとして、自衛隊機の深夜・早朝の飛行差し止めや、将来分の損害賠償を認めた二審東京高裁判決を破棄し、住民側の逆転敗訴を言い渡した。
 基地騒音訴訟では、民事訴訟での差し止め請求は不適切として、退けられてきた。第四次厚木基地騒音訴訟は、民事訴訟に加え、国の権限行使の妥当性を問う行政訴訟も起こした初のケースだった。最高裁が差し止めに高いハードルを設けて、請求を退けたことは、各地の同種訴訟に大きく影響しそうだ。
 判決は、自衛隊機による騒音が、基地周辺の住民に睡眠妨害など「重大な健康被害を生じさせる恐れがある」と認定。その上で、飛行には高度の公共性、公益性があり、国による深夜・早朝の自主規制や、住宅の防音工事への助成といった対策などを総合的に考慮すれば「防衛相の裁量の範囲は超えない」と指摘。差し止めは認められないと結論付けた。5人の裁判官全員一致の意見だった。
 二審判決が認めた2016年末までの将来分の損害賠償約12億円については「被害が将来も続くことが予想されても、あらかじめ損害額を明確に認定できない」として認めず、二審結審時までの過去分の賠償額約82億円が確定した。
 原告側は、騒音被害の大きな要因になっている米軍機の飛行差し止めも求めたが、一、二審同様、実質的な審理をせずに退けた。
 厚木基地 神奈川県大和市、綾瀬市に施設の大部分がある。旧日本軍の基地として整備され、終戦で米軍に接収された。1950年に米海軍に移管。71年から米海軍と海上自衛隊が共同使用を始めた。米海軍は横須賀基地に配備されている空母の艦載機の拠点として使用し、海上自衛隊は日本周辺海域で他国の潜水艦の動きを監視する任務などに従事。基地周辺に200万人以上が住む。
 
以下に、厚木基地騒音訴訟の経緯について説明している毎日新聞記事の一部を示しておく。 
 
<第4次厚木基地騒音訴訟 「振り出しに戻った」 住民、司法に怒り 「静かな空」願い届かず 最高裁判決>
 毎日新聞 2016年12月9日 東京朝刊
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逆転敗訴となった最高裁判決を受け、うつむきながら報告集会に臨む原告団ら=東京都千代田区で2016年12月8日午後4時26分、徳野仁子撮影 「逆転不当判決」「最高裁 被害救済を放棄」。午後3時25分、最高裁から飛び出した弁護士3人が正門前で旗を掲げた。「最悪の結果だ」。法廷を出てきた原告は、知らせを待つ支援者らに力なく伝えた。
・・・中略・・・
20161209souonsosyou.jpg
 ■解説
被害低減、国に責任
 最高裁判決は騒音被害について「睡眠妨害は深刻で軽視できない」とした。自衛隊機の飛行差し止めは覆ったが、1次訴訟の提訴から40年にわたり違法な騒音が継続しており、国には被害の低減を果たす責任は残されている。
 4次訴訟は1審から最高裁まで騒音の主因を米軍機と認定しつつ、司法による米軍機の飛行差し止めができない現実を改めて示した。そうした中、初めて自衛隊機の飛行差し止めを認めた1、2審判決を住民側は「大きな前進」ととらえていただけに、落胆は大きい。
 過去分の賠償を命じるだけでは騒音はなくならず、住民は何度も訴訟を起こさねばならない。2審が将来の被害に対する損害賠償まで認めたのも、そのためだ。最高裁は防衛省の防音対策などを評価したものの、差し止めの余地は残しており、「カネによる解決」にお墨付きを与えたわけではない。
 2審は騒音の程度に応じて原告1人に月4000〜2万円の賠償を命じ、確定した。4次にわたる訴訟で確定した賠償金は総額約125億円に上る。今回の原告は約7000人だが、賠償の対象となるのは約24万世帯とされ、訴訟が続けば巨額の賠償金が積み上がる問題もある。騒音軽減策として厚木基地の米空母艦載機の岩国基地移転が計画されているが「騒音のたらい回し」との懸懸念もある。国には住民の不安を解消する努力が求められている。【島田信幸】
厚木基地騒音訴訟の経緯
1976年 9月 住民92人が米軍機・自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を求める1次訴訟を横浜地裁に提訴
 82年10月 1次訴訟1審判決=飛行差し止めを却下し、損害賠償約3600万円を認める
 86年 4月 1次訴訟2審判決=住民側が全面敗訴
 92年12月 2次訴訟1審判決=原告約130人に損害賠償約1億1000万円を認める。飛行差し止めは認めず
 93年 2月 1次訴訟最高裁判決=損害賠償の部分のみ2審に差し戻す。飛行差し止めは住民側の敗訴確定
 95年12月 1次訴訟差し戻し審判決=約1億600万円の損害賠償を国に命じる(確定)
 99年 7月 2次訴訟2審判決=約1億7000万円の賠償を国に命じる。飛行差し止めは認めず(確定)
2002年10月 3次訴訟1審判決=原告が約5000人となり、約27億4600万円の損害賠償を認定。飛行差し止めは住民側が求めず、審理の対象外
 06年 7月 3次訴訟2審判決=約40億4000万円の賠償を国に命じる(確定)
 14年 5月 4次訴訟1審判決=自衛隊機の飛行差し止めを初めて認める。原告が約7000人となり、賠償額を約70億円と認定
 15年 7月 4次訴訟2審判決=1審に続き自衛隊機の飛行差し止めを命じる。将来の損害賠償を初めて認め、賠償額は約94億円に増加
 16年12月 4次訴訟最高裁判決
 
この毎日新聞の社説では「厚木最高裁判決 騒音被害に冷たすぎる」と判決を批判し、地方紙では北海道新聞が「厚木最高裁判決 『住民救済』が後退した」と住民側に立った社説内容で、日本最大の面積の米軍運基地を擁する沖縄県の地元紙では、沖縄タイムスが「[厚木基地騒音訴訟]救済の道狭めた判決だ」と若干の程度の差はあるが、一様に判決を批判していた。 
 
ある政治ブロガーが「右翼新聞」と酷評している讀賣新聞だけが「厚木騒音訴訟 海自の公益性重んじた最高裁」と、「公益」という言葉で、判決は当然という政府寄りの社説であった。
 
とくに「人権」を前面に押し出して判決を批判したのは朝日新聞の社説であった。 
 
<厚木基地判決 住民の人権の視点欠く>
 2016年12月9日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 何とか救いの手をさしのべようと、地裁や高裁が判例の壁に小さな穴をあける。それを最高裁が埋め戻し、より強固な壁をつくる――。被害者の視点を欠いた「人権のとりで」の姿に、大きな疑問と失望を抱く。
 神奈川・厚木基地の騒音をめぐる裁判で、最高裁は自衛隊機の飛行差し止めを求めた住民の訴えを退けた。やむを得ない場合を除き、夜間早朝の運航を禁じた東京高裁判決を破棄したうえでのゼロ回答である。
 差し止めには大きな壁が立ちはだかる。それでも高裁は、被害の深刻さを受けとめ、法律が定める差し止めの要件を柔軟にとらえて乗り越えようとした。
 これに対し最高裁は、騒音が「重大な損害を生ずるおそれ」があることは認めた。だが自衛隊機をどう飛ばすかは、防衛相の幅広い裁量にゆだねられるとし、運用はその裁量権の範囲におさまっていると述べた。
 「防衛に関することに部外者は口を出すな」との国側の主張をほぼ受けいれた判断である。
 平和と安全の確保はむろん重要だ。だが、やはり大切な日々の生活やだんらんは、判決では後景に追いやられてしまった。
 損害賠償の面でも高裁の踏みこんだ結論ははね返された。
 騒音が続く可能性が高いとして、高裁は15年7月に言い渡した判決で「16年末まで」の被害に対する支払いを国に命じた。将来の損害も救済対象にふくめて注目されたが、これも従来通り「高裁の審理が終わった15年5月まで」に変更された。
 縮められた期間の賠償を得るには新たに裁判を起こさなければならず、負担は大きい。
 かつて別の騒音訴訟の最高裁判決で、2人の判事が「期限や金額を控えめにしつつ、将来分についても賠償を認めることが公平にかなう」などとする見解を示した。こうした考えも手がかりに、住民の苦しみに向き合う判断はできなかったか。
 そして最大の騒音源である米軍機の飛行差し止めは、今回も認められずに終わった。
 「安保条約にも国内の法令にも、国が米軍の活動を制限できる定めがない」との理由で請求を退けた23年前の最高裁判決以降、同じ結果が続いている。
 この間、政府は米側にかけあって「制限できる定め」をつくるなどの努力もせず、「金を払うのだから我慢せよ」という態度を変えようとしない。
 国は守るが住民は守らない。そんな安保・防衛政策に正義はない。「人権」よりも「公共、公益」に傾く司法もまた、その責任を免れることはできない。
 
「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」と規定しているのは、自民党憲法改正草案である。
 
現憲法では「公共の福祉」という言葉を使うが、自民党の改正草案になると、あらゆる場面で「公益及び公の秩序」という文言が顔を出してくる。
 
憲法学者の小林節は、「『公益』と『公の秩序』は一時的には政府が認定」すると指摘していた。
 
どんなに表現の自由があろうとも、「公益」や「公の秩序」に反していると政府が認定すれば国民はなにも言えなくなってしまう。
 
基本的人権に関わる訴訟で「高度の公共性」を錦の御旗にした判決が出されるようでは、まさにこの国から正義がなくなってしまうのではないだろか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:40| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月08日

「日本文明の墓場」が終着駅のTPPバスからは下車すべし

ハワイでクリスマス休暇中のオバマ大統領に会って、今月26日に「葱を背負った鴨」と言われようとも真珠湾に行き何を語るのか、注目されている安倍晋三首相。
 
その真珠湾に旧日本軍が奇襲攻撃を行ったのが75年前の12月8日。
 
若き現代史家が、東京新聞・【言わねばならないこと】でこう語っていた。
  
<(82)大本営発表を教訓に 近現代史家・辻田真佐憲さん>
 日本軍が米ハワイの真珠湾を奇襲攻撃し、太平洋戦争が始まってから8日で75年。「勝った」「勝った」と国民を欺き続けた戦時中の「大本営発表」は、日本のメディア史で最悪の出来事だった。新聞が軍の動向をきちんとチェックしていれば、国民はそれを知ることができたし、軍もいいかげんなことはできなかった。最後の防波堤が壊れてしまった。
 軍の存在感が高まったきっかけは1931年の満州事変だった。陸軍に批判的な論調だった新聞各紙は、スクープをものにしたいために協力に転じた。戦争に便乗すれば新聞は売れた。軍は機密費で記者を接待するなど、一体化が進み、大本営は敗戦まで、でたらめな発表を繰り返した
 大本営は太平洋戦争で連合国の戦艦43隻、空母を84隻沈めたと発表した。実際の連合軍の喪失は戦艦4隻、空母11隻。米空母「サラトガ」は、昭和天皇が「沈んだのは今度で確か4度目だったと思うが」と苦言を呈したエピソードも残っている。戦果の誇張と損害の隠蔽(いんぺい)も当たり前となり、守備隊の撤退は「転進」、全滅は「玉砕」と美化された。
 大本営発表の問題は福島第一原発事故にも通じる。それまでマスコミは原発にあまり関心を持たなかった上に、電力会社が莫大(ばくだい)な広告費を出し、批判しにくい風潮の中で事故が起きた。マスコミのチェック機能がまひしていたわけで、戦後70年近くが経過しても大本営発表の教訓を学べていなかったのではないか。
 マスコミと政治権力の一体化は戦時下の異常な事態と片付けるのではなく、現在につながるものと考えた方がいい。政治と報道が再び一体化することを防ぐために、大本営発表という歴史の暗部を共有したい。
 <つじた・まさのり> 1984年生まれ。近現代史研究者。文筆家。著書に『大本営発表』『日本の軍歌』『ふしぎな君が代』(いずれも幻冬舎新書)。
 
「マスコミと政治権力の一体化」は、既に着々と進行していることは、今さら言うまでもない。
 
「軍は機密費で記者を接待」したそうだが、今では官房機密費がその役割を担っており、「『官房機密費』の使い道がヤバい!税金を泥棒する政治家・メディア・評論家たち!」というまとめサイトに実例がゴマンと掲載されている。
 
「大本営発表という歴史の暗部」を再現しているのは、2014年1月の就任あいさつで「政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない」と仰天発言し、その後も公共放送のトップとしての資質が度々、問われてきた籾井会長を迎えた「アベ様のNHK」であった。
 
そして、あまりにもの暴言やNHKにハイヤー代を肩代わりさせていたり、経営委に無断で350億円の土地を子会社に買わせたりして、遂に安倍政権から見捨てられ、ようやく来年1月からは新会長に交代するようだが、オジサンからみれば、ヤクザな三井物産出身者から、表向きは「清貧」の人柄の三菱商事出身者に代ったに過ぎず、安倍政権が反対していない人事なので、NHKの体質は変わりがないことは明らかである。
 
政治の世界の話になると不愉快な話題が尽きないのだが、久々にさわやかなニュースがあった。     
  
「子どもたちは抱きしめられるため、周りの人を笑顔にするために生まれてきた。この思いを胸に活動を続けていきたい」
「顔が見える方が子どもの励みになるし、支援しているのは『ヒーロー』ではなく『普通の人』と知ってほしかった」
「施設を出た後の子どもに支援が届くようになってほしいが個人や企業、団体では限界がある。行政も巻き込みたい」
 
こんな発言をしたのじは、6年前、「タイガーマスク運動」の先駆けとして前橋市の児童相談所にランドセル10個を届けた、決して「普通の人」ではできないことをやっていた「伊達直人 私の名は河村正剛、43歳…[『普通の人』」。
 
それに比べて、選挙で国民から負託され国民の税金で暮らしている「特別な人」は、昨日の国会での党首討論で、「質問にまともに答えない。聞かれた趣旨とずれた発言を長々と続ける。45分という党首討論の時間が過ぎるのを待つかのような、安倍首相の姿勢にあきれる。」と朝日新聞の社説に「党首討論 安倍さん、あんまりだ」と書かれる始末。 
 
ますます国会軽視の姿勢が露わになった証なのだが、TPPの国会決議が100%守られていない項目があると、TPPの事前協議に日本政府の交渉官として携わった人が指摘している。
 
<TPP国会決議違反「明白」 事前協議時の交渉官が指摘>
 2016年12月8日 朝刊 東京新聞
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 環太平洋連携協定(TPP)の承認案と関連法案は9日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立する公算だ。本紙は承認案について、コメ、麦を含む「重要5項目」の関税を維持する「聖域の確保」などを求めた国会決議に反する疑いがあると報じてきた。TPPの事前協議に日本政府の交渉官として携わった明治大学農学部の作山巧(さくやまたくみ)准教授(50)=貿易政策論=は本紙の取材に、重要部分で明白な決議違反があると語った。(清水俊介)
 農水省の国際交渉官として2007年から、経済連携協定などの交渉を担当した作山氏は10年12月からTPP専従に。他の参加国からの情報収集や交渉参加に向けた事前協議を担当した。13年3月に安倍晋三首相がTPP交渉参加を表明した後、退官した。
 国会決議は13年4月、衆参両院の農林水産委員会で行われ、8項目を政府に要求。作山氏は8項目のうち「重みのある3つ」が守られていないと説明した。
 1つは重要5項目を「除外又(また)は再協議の対象」とするよう求めた決議項目。重要5項目は594品目のうち155品目で関税率が維持されたが、「精米」「玄米」のようなくくりで見れば、いずれも低関税や無関税で輸入する枠が新設されたり拡大されたりする。作山氏が今年3月に学会で指摘し、政府側も国会審議で認めた。作山氏は「(事実上)税率を維持した品目はなく、『除外』は存在しない」として、決議に「100パーセント違反している」と述べた。
 作山氏は聖域が確保できない場合、「脱退も辞さない」よう求めた項目も守られていないと指摘。交渉官時代、これまでの貿易交渉よりかなり高い関税撤廃率を求められるなど厳しい条件を突きつけられた経験から「日本は手足を縛られたような交渉を強いられ、重要項目でも影響が少ない順に関税を見直していった」と分析。明らかに聖域は確保されなかったのに「脱退もしなかった」と話した。
 国会や国民に、交渉に関する情報公開を求めた項目も守られなかったとした。
 守られたのは食品表示での安全・安心の確保、企業や投資家が貿易相手国を訴えられる「投資家と国家の紛争解決手続き(ISDS)」条項の乱用防止など3項目で、残り2項目は「守られていないが、それなりに対応した」と評価した。
 政府側は「国益にかなう最善の結果を得られた。決議違反ではない」と国会審議などで主張している。
 
正確には「脱退もしなかった」のではなく、「TPP交渉は、国際法の形式上はともかく、国際政治の実質上は、途中離脱はほぼ不可能であり、しかも、日本にとってどれほど不利な交渉結果であってもそれを飲まざるを得ない可能性が極めて高い」と、日本がTPPに参加するのかしないのか、と当時の民主党政権時代に揉めていた頃、TPP参加反対を唱えていた中野剛志・京都大学大学院工学研究科准教授は、「TPP『交渉後の離脱も可能』は推進論者の詭弁!日米関係悪化を脅しとした協定締結が狙いだ」という記事の中で明確に指摘していたことを思い出す。 
 
最近国会で話題になったことの一つとして、野党時代の自民党の稲田朋美の発言であった。

墓場が終着駅のTPPバスからは、一刻も早く下車しなければ危険だ、と今月の参院のTPP特別委員会で、財務会計専門の会計学者である醍醐聰・東大名誉教授が参考人として発言していた。
 
【「TPPバスからの下車を!」 醍醐聰・参考人12/2参院・TPP特別委員会】

<「TPPバスからの下車を!」 醍醐聰・参考人12/2参院・TPP特別委員会>
【口述要約書き下ろし:一部不明箇所あり】
 醍醐と申します。こういう機会を頂きましてありがとうございます。
私が申し上げたい事は、大きく二つでございます。もはや発効が見込めなくなったTPP協定。それでも国会で承認するという事は、ただ無意味であると言うにとどまらず、危険な行為だと言う事をお話ししたい。
では、どこが危険なのか。協定案をスタートラインとして、二国間協議に入って行く事がどうして危険なのか?その事を少しお話したいと。
その場合、本日の主なテーマである医療、薬価問題を中心にお話ししたいと思っております。
TPP協議に参加入りを決めた時に、全国の大学教員が非常に将来を危惧しました。約850人の様々な分野の大学教員、私の様な名誉教授も含めまして、TPP参加交渉からの脱退を求めようという会を作りました。
今回、この28日に緊急声明を発表しました。今日の私の話と関わる所を少し読み上げさせて頂きます。
「死に体のTPP協定を我が国が国会で承認しようとするのは、無意味であるというにとどまらず、危険な行為である。協定文書を国内で承認すれば、仮にTPPが発効に至らないとしても、日本はここまで譲歩する覚悟を固めたという、不可逆的な国際公約と受け止られ、日米二国間協議の場で協議のスタートラインとされる恐れが多分にある。」
この点を私は強調したいと思っております。
次ですが、これは実は大学教授の会だけが言ったのではなくて、安倍首相ご自身が国会で仰ってる訳です。
28日、昨日私もテレビで見ましたが、この特別委員会の場で安倍首相はこういう答弁をされています。「協定案が国会で承認されるならば、日本がTPP並のレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるという国家の意志を示す事になる」こういうことを明言されています。解釈は全く逆ですけれども、将来の見通しについては奇しくもなんか同じになっている様な気がしました。
しかし、その解釈の違いなんですが、つまりTPPバスの行き先が全く違うと言う事ですね。協定案は、それほど、安倍首相が仰るほど胸を張れる内容なのか?バスの行き先は、墓場から〜?へといつ変わったのか??私は変わったとは思っていません。むしろTPPの原理主義である関税無き例外無き撤廃に向かってひたすら走り続けるという事だと思っております。
そのようなTPP協定を国会が承認すると言う事は、そもそもなぜ危険なのかっていう時に、その危険に警鐘を鳴らした国会決議に背いていると言う事です。これにつきまして、(昨日TPP特別委員会をテレビで見ておりまして、その録画をとって貼付けました。)ある議員がこういう事を仰っていました。他国に比べて多くの例外を確保した。と。これは、よく頑張ったと。いう仰り方でした。しかし、この他国に比べてと言う時に、日本は他国をほぼ100%関税を撤廃したのに対して、日本は全品目では95%農林水産品では82%という数字をパネルで紹介されました。問題は、この82%から外れたのは一体なんなのだと。その事を触れられなかったのを私は奇異に思いました。
重要5品目が594ラインです。そのうちの28.5%170品目で関税を撤廃しております。また、269品目45.3%で税率削減か新たな関税割当をしております。このような内容抜きに、よくやった!ととても言えるものではないと思っております。
しかも強調したい事は、この協定案がファイナルではないと言う事です。これからがむしろ、どんどんとTPPバスが先へまっしぐらに走り続けると。その事が協定案の言うまでもない事ですが、付属書をご覧になればもう随所に協議協議と言う言葉がもう登場致します。しかもまた、政府ガードにつきましても牛肉は16年目以降4年間連続で発行されなければ廃止。豚肉は12年目で廃止。と軒並みこれは廃止です。
次のページです。安倍首相は再協議には応じないってことを繰り返し仰ってます。私はこの言葉がすり替えだと言う風に思う訳です。
そもそもTPP協定案で明記されている再協議と言う事ではなくて、協議協議、つまり継続協議を約束すると言う事が、TPP協定の根幹だと思っているわけです。
協議を継続するって言う風に協定案の中に明記されている事をあたかも、任意でやったりやらなかったりできるかの様な、再協議と言う風に呼び方を変えると言うことは私は、すり替えだと思います!
しかも、この継続協議といいますけれども、逆戻りが出来るのかどうなのかです。
片道切符のバスと書きましたが、例えば第二4条一では、何れの締約国も現行の関税を引き上げまたは、新たな関税を採用してはならない!となってる訳ですからもう逆戻りは出来ない!ってことをこれは、もう好き嫌いではなくて約束している訳ですね。これは安倍首相と言えどもこれは変える事は、離脱しない限りは出来ない訳です、免れない訳ですね。
それから、同じ第二の4で前進的に関税を撤廃するってことも明記してます。
また、3項では、関税の撤廃時期の繰り上げについても検討すると。その為の協議を継続する。と言う事をこれをもう明記しております。
さらに、オーストラリア、ニュージーランド、米の要請に基づき現産品の待遇についての約束にセーフガードも含むと。検討をするためこの協定が効力を生じる日の後7年を経過する日以降に協議するとなっております。協議と言いましても、どちらにも向けるんでは無くて、関税を下げる、撤廃の方向にひたすら走る協議だということは、もうこれは動かせない事実となっております。
この後は少し医療をめぐって、意見を述べさせて頂きたいと思います。
協定の2の6、このあたりは時間が無いのでやめますが、その中の第五条で各締約国はこの付属所に関連する事項において協議を求める他の締約国の要請に好意的な考慮を行い協議の為の適当な機会を設ける。と。つまりTPP協定全般ではなくて医療でもこのような約束が明記されていおります。
また、これは日米両国間が交わした書簡というのが含まれております。
今年の2月4日日米がかわした書簡で、フロマン氏からこういう書簡が出されています。日本国及び合衆国は付属書26のa5に規定する協議制度の枠組みの元で付属書に関するあらゆる事項、この中には保健医療制度を含むと、について協議する用意がある事を確認する。本代表は貴国政府がこの了解を共有する事を確認されれば幸いであります。と書きました所、同じ日に高取修一副大臣名で本簡はさらに日本国政府がこの了解を共有していることを確認する光栄を有します。と述べています。
私が、このような協議を入る事を約束している日米の、つまりTPPの中に入り口がリンクされている訳ですね。ですから、TPPと二国間協議はもう連動している訳です。TPPを承認すると言う事は、このような協議に入る事をもう約束すると言う事になる訳です。あるいは、発行はしなくても安倍首相の言葉を借りれば、それを国際公約として胸を張ってこれを約束するってことを仰っている訳ですね。そのことが、どういう懸念があるのかと言う事ですが、2011/2発表されました日米経済調和対話の中の米国側関心事項ってことがございます。
・・・中略・・・
最後に私が感銘を持ったのは、2013年7月4日、こういう場で公表するのはいかがかと思ったんですが、自民党長老の尾辻秀久議員が選挙の出陣式でこういう事を仰っているのをYouTubeで聞きました。「米では4000万人が医療保険に加入していない。WTOは世界の医療保険制度で文句なしに日本が一番と太鼓判を押した。なんで15番の国、米から世界一の日本が偉そうに言われるんですか」
続きまして、「私たちの宝を、米の保険会社の儲けの倉庫にする様な事を絶対にしてはいけない」私はこの言葉を聞いて本当に感銘を覚えました。でこれを受けまして、最後に申し上げたいのは、多国籍製薬資本の営利に国民皆保険制度を浸食されて良いのか?国民皆保険制度を財政面から揺るがさないためには、TPPバスから下車するのが唯一最善の道だと私は考えます!結局今、国会議員の皆さんあるいは国民一人一人、有権者一人一人に問われているのは、未来の世代に尾辻さんの仰る貴重な財産、宝物を未来の世代にしっかりと引き継ぐ事ができるのかどうなのか。その引き継ぐ責任が、問われていると言う風に私は考えまして終わらせて頂きます。
 
米国次期大統領のトランプの「来年の大統領就任時にTPPからの離脱を宣言する」という発言に、国内のTPP反対派は諸手を挙げて歓迎していた人が多かった。
 
しかし、「日本はここまで譲歩する覚悟を固めたという、不可逆的な国際公約と受け止られ、日米二国間協議の場で協議のスタートラインとされる恐れが多分にある。」という醍醐名誉教授の指摘と、一見すると同じように聞こえる、「協定案が国会で承認されるならば、日本がTPP並のレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるという国家の意志を示す事になる」という安倍晋三首相の答弁が、むしろ来年以降は、トランプ米大統領に逆手に取られて、日米2国間協定で大幅な譲歩を迫られることは明白ではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:44| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月07日

外交オンチの安倍晋三を支えられなかった外務省が無能なのか

TPPの批准、年金カット法案、そしてあらゆるメディア、特にあの讀賣新聞も産経新聞も日本経済新聞も反対の意を表明していたカジノ法案がまたもや、自民党補完勢力の日本維新の会とともに「強行採決」された。
 
これだけでも今の国会の異常さは十分食傷気味なのだが、カジノ法案が今度は参院での闘いという期に及んで、自民党の二階俊博、民進党の野田佳彦両幹事長が昨日、東京都内で会食したという。
 
自民党の林幹雄幹事長代理、民進党の安住淳代表代行も同席したらしいのだが、「機微に触れる話は何もなかった」のなら、なんでこんな時期に会食しなければならなかったのか。
 
これでは安倍晋三首相と酒食を共にして、すっかり骨抜きになってしまった堕落したマスメディア連中と同じであろう。
 
かつて、「55年体制」の下で自民党と社会党が国会で火花を散らしていた時、その裏で手を結んでいたことが明らかになった。
 
当時の国会では社会党が「何でも反対」に回り、永田町界隈の料亭で自民党に招待されて会食した後は、各種の法案がすんなり可決した。
 
そんなことを繰り返していた社会党は消滅したのだが、いままさに民進党がその轍を踏もうとしている。
 
自民党的な体質を持っている議員が多く存在し、カジノ法案に対しては、前原誠司、長島昭久、松野頼久ら「有志議員」が「IR議連」を発足させていたくらいなので、政権の座から降ろされた後は、明らかに「退勢」と「先細り」のトレンドに入った状態にあるのが、いまの民進党なのかもしれない。
 
民進党としても、このままでは「政党助成金」も先細りとなるわけで、「税金で運営」される国会の他の各党と同様、将来のことを考えて、こんなウラ取引行為に走ったとしても不思議はないのだが、それにしても、これは驚き呆れる有権者に対する裏切り行為といえよう。
     
もっとも、わが国の最高責任者殿も、「驚き呆れる有権者に対する裏切り行為」の数々は、枚挙に暇がない程である。
 
そして国内の有権者だけならまだしも、国際的に信用を失うことは日本にとってもマイナスであることは言うまでもない。
 
来週の15日から始まる予定の「日露首脳会談」については、「安倍首相 日露平和条約『交渉簡単ではない』」という記事によれば、「高齢化している元島民の皆様の気持ちをしっかり胸に刻み、プーチン大統領との信頼関係のもとに着実に一歩一歩前進させていきたい」と言いながらも、「1回の会談で解決できるような簡単な問題ではない」と本音を漏らしていた。
 
1か月ほど前に、「『新しいアプローチ』も成果のない消化試合になるのか」の結びで「よほどのことが起きない限りは12月15日の山口県での『日露首脳会談』は、たんなる『消化試合』となるのではないだろう」とつぶやいた。
 
なぜなら、ロシア極東発展省は既に10月末に「経済協力は1兆ルーブル(約1.8兆円)規模」と一方的に発表しており、プーチン訪日を控え、日本メディアも1000億円規模の共同基金創設や、ロシア大手ガス会社のLNG開発事業への200億円融資など具体策を報じ始めていた。
 
ようするに、ロシア側にすれば数百億円から数千億円ものジャパンマネーが乱れ飛ぶ“入れ食い”状態なのだが、それでも日本に北方領土が戻ってくればまだマシだが、現実には2島返還もおぼつかない状況になっているからである。
 
さて、今年の5月の伊勢志摩サミットに集まった各国の首脳たちに囲まれた議長国の安倍晋三。
  
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【伊勢志摩サミットからたった半年で…(C)AP】

 
この伊勢志摩サミットの最終日に発表された「G7伊勢志摩首脳宣言」の中に、ウクライナ情勢「ロシアのクリミア併合を改めて非難」という項目がある。
 
ウクライナ情勢について、「我々は外交手段によって、また国際法、特にウクライナの主権、領土の一体性および独立を尊重する法的義務の完全な尊重によってのみ解決され得るとの確信をもって連帯する」としたうえで、ロシアに対し、「クリミア半島の違法な併合に対する我々の非難を改めて表明し、併合の不承認政策および関係者に対する制裁を再確認する」と書かれていた。
 
この時点で、国際社会がロシアに対して厳しい態度で臨むことが確認された訳である。
 
ところが、サミット議長だった安倍晋三首相が、率先して首脳宣言を踏みにじるように、「歴史に名を残したい」という功名心からロシアに急接近したのだから、G7の“鼻つまみ者”になってしまった。
 
そしてあの朝貢外交と揶揄されたトランプ詣での後のこんな発言が、さらに大きく波紋を広げてしまった。     
 
「まさに今、人事で大変お忙しい時に時間を割いていただきました。2人で本当にゆっくりと、じっくりと胸襟を開いて率直な話ができたと思っています。大変あたたかい雰囲気の中で会談を行うことができたと思っています。ともに信頼関係を築いていくことができる、そう確信の持てる会談でありました」
 
90分の時間で通訳を介せば実際の会談は半分以下となり、さらに黄金のゴルフクラブと博多人形の贈呈式等を含めれば、とてもじゃないが「ゆっくりと、率直な話」などはできるはずもなかった。 
 
その後、「血統、肌の色、宗教、性別、性的指向、政治的立場に左右されず、民主主義、自由、人権と、人の尊厳への敬意という価値観の共有に基づき、トランプ次期米大統領との緊密な協力を申し出たい」という、ドイツのメルケル首相の、トランプ次期大統領にかけたお祝いの電話の内容が明らかになり、日本の安倍晋三との格式の違いがひときわ国際的に広まっていた。
    
そして、トランブ詣でを米国首脳から叱責され、あたふたと、トンデモない「お詫び行脚」を強いられることになった。 
 
<安倍首相の真珠湾訪問、米国への「お詫び行脚」と酷評…米国の逆鱗に触れた首相が右往左往>
 Business Journal / 2016年12月7日 0時0分
 その“電撃的訪問”は、急転直下で決まったのか、はたまた周到に練られたシナリオなのか――。
 安倍晋三首相は5日、今月26〜27日に米ハワイを訪問し、第2次世界大戦で日米間の開戦(1941年12月8日)が起こったホノルル市・真珠湾をオバマ米大統領とともに犠牲者慰霊のため訪問すると発表した。日本の現職首相が真珠湾を訪れるのは初めてとなる。
 先の日米開戦から75周年を迎える今年、5月にはオバマ氏は現職の米大統領として初めて、大戦中に米国が原子爆弾を投下した広島市を訪問していた。安倍首相は5日の会見で、訪問の目的について、「犠牲者の慰霊のため」「日米の和解の価値を発信する機会にもしたい」としている。
●“お詫び行脚”
 今月12月といえば、15日にロシアのプーチン大統領との首脳会談が予定されており、さらに年明け1月にかけて衆議院解散の可能性も取り沙汰されるなど重要な政治日程がつまるなか、なぜ突如として真珠湾訪問が決定されたのであろうか。以前から日米政府間では水面下で調整が続いていたとも報じられており、5日の会見で安倍首相は、11月のアジア太平洋協力会議(APEC)首脳会議(ペルー)でオバマ氏と立ち話をした際に決まったとも語っているが、なぜ“今のタイミング”なのであろうか。
 ジャーナリストの朝霞唯夫氏は、こう解説する。
「今回の真珠湾訪問は、永田町では安倍首相の“お詫び行脚”と言われています。というのも、11月8日(日本時間9日)に米大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利し、次期大統領となった。それまで安倍首相は、民主党のヒラリー・クリントン候補が勝つと信じて疑わなかったため、慌ててトランプ氏に電話で祝辞を述べ、すぐさま会談の申し出をし、日本時間の同18日朝、ニューヨークのトランプ・タワーでの会談となりました。しかし、これがホワイトハウスの逆鱗に触れたといわれています。
 12月のロシアのプーチン大統領との首脳会談も思惑通りにいきそうにないところに、アメリカからもソッポを向かれれば日本の立場はない。そこでホワイトハウス、つまりオバマ氏に“お詫びに行く”という話を慌てて持ちかけた、という話が自民党内で囁かれています。
 この話だけだと、安倍首相のセンスのなさだけが目立ちますが、こうなった原因は、あまりにも外務省がだらしないからだという見方がもっぱらです。外務省の北米担当は『アメリカンスクール』と呼ばれ、いわばエリート中のエリート。にもかかわらず、今回の米大統領選をめぐる見通しの誤りに象徴されるように、きちんとした情報を得られず、首相に恥をかかせ続けている。この責任は重いでしょう。
 年末のクリスマス解散や年明け早々の解散がメディアを賑わせましたが、この真珠湾訪問でクリスマス解散は完全になくなりました。年明け解散も可能性は低いでしょう。安倍首相は“お詫び行脚”のツケで、内政に専念せざるを得ないのではないでしょうか」
 安倍首相はハワイ訪問時に行われるオバマ氏との会談を「これまでの集大成」と位置付けているが、内政は課題山積のようだ。
 
12月26日、27日はオバマ大統領にとってはハワイでクリスマス休暇中だという。
 
ひょとしたら「休暇中にハワイでゴルフしよう」と安倍晋三首相はこう持ち掛けたかもしれない。
 
しかし、真珠湾攻撃に参加した経験を持つ今年95歳になる元海軍兵士の瀧本邦慶さんは安倍晋三首相の慰霊訪問についてはこう話していた。

人気取りのパフォーマンスにしか思えない。戦死した仲間たちも喜ばないのではないか
 
1941年12月8日の真珠湾への奇襲攻撃から始まった先の大戦。
 
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真珠湾攻撃を受けて黒煙をあげるホイラー飛行場=1941年12月8日撮影【毎日新聞より】 
 
安倍政権はその責任を認めてはいない。
 
「あまりにも外務省がだらしないからだという見方がもっぱら」というのだが、実は、経産省の官僚に支配されている安倍政権に対する外務省の意趣返しではないのだろうか、とオジサンは思う。 
 
最後に、飛んできたツイッターを紹介しておく。



posted by 定年オジサン at 12:42| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月06日

脱亜入欧から連欧連亜へ

日本では、名字(苗字)は、家(家系、家族)の名のことを指し法律上(民法750条、790条など)は氏と呼ばれ、一般には姓ともいう。
 
個人を表す場合は「名」となり、姓名で、○○家の◆▽▲と識別される。
 
欧米では、日本の「姓」にあたる部分は「ラストネーム」であり、本人の識別は最初になるので、「ファーストネーム」とも言われ、一族の姓の前に、ミドルネームが入ることも多い。
 
欧米人のミドルネームは、「Christian Name」とか「母方の姓」を使うことが多いという。
 
さて世界中が注目せざるを得ない次期米国大統領のドナルド・トランプ。
 
「Donald John Trump」と表記されているが、「Trump」が日本では苗字にあたるが、語源と派生語には興味深い意味がある。
 
辞書での日本語訳の最初に現れるのが「切り札」とか「奥の手」。
 
そして2番目の訳が「頼もしい人」とか「好漢」とある。
 
申し分のない姓であるが、同音異語には、名詞の「Trumpet」から想像できるように「ラッパを吹く」という動詞もある。
 
しかし、形容詞や名詞になると意味合いが一変してしまう。
 
■trumped-up・・・でっち上げた・捏造の
■trumpery ・・・.見かけ倒しの物・派手な安物・つまらない物・馬鹿げたこと
 
この米国を再び偉大にするための切り札(トランプ)となるのか、それとも「見かけ倒しのつまらない男」なるのかどうかを見極めるには、今後の政権にどのような人物が入るのかに注目しなくてはならない。   
      
トランプ人事、本音じわり イスラム敵視・不法移民排除・「水責め」肯定 主要3ポスト指名
 
20161201trumpshift.jpg 
 
20161206trumpmember.jpgドナルド・トランプ次期米政権の中央情報局(CIA)長官、大統領補佐官(国家安全保障担当)、司法長官にそれぞれ指名された(左から)マイク・ポンペオ氏、マイケル・フリン氏、ジェフ・セッションズ氏(2016年11月18日作成)。(c)AFP/STF 
 
財務長官にユダヤ系投資家として知られる元ゴールドマン・サックス幹部のスティーヴン・マヌーチン氏、商務長官にはイェール大学卒の投資家ウィルバー・ロス氏が起用される。
 
20161206econicstaff.jpg 
 
 
かなり「問題大アリ」の連中が集まりそうだが、今後、まだまだ人事に関しては変わる可能性もある。
 
しかし、基本的なトランプの考えを基本とした体制になることだけは確実であり、そうなれば日本としてどのような振る舞いが必要になって来るのか。  
 
『アメリカ――黄昏の帝国』・『アジア力の世紀――どう生き抜くのか』(ともに岩波新書)の著書があり、早稲田大学アジア研究機構客員教授、東アジア共同体評議会副議長でもある、アメリカ外交、国際政治経済学、アジア地域統合等を専門とする進藤榮一筑波大学名誉教授が、ドナルド・トランプが米国次期大統領に決まった直後に、「『トランプ・ショック』を超えて『連欧連亜』に至る道」と題したレポートを発表していた。
 
トランプの勝利の原因については様々な評論家たちが指摘しているが、進藤名誉教授は「米国による覇権が終わりつつあることの象徴」であり、そうした時代の到来の前に、「日本には従来の対米従属に代わる別の選択肢」を取ることが必要で、かつての「脱亜入欧」から、アジア地域との経済連携を強め、社会文化交流を深化させる「連欧連亜」を目指すべきと主張していた。 
 
 いまポピュリズム(大衆迎合主義)と「テロ」の妖怪が、世界を徘徊している。民衆蜂起が世界各地で起こり、底辺から現存秩序の問い直しが蠢動し続ける。ロンドンやパリ、ダマスカスからマニラを経て、デトロイトやワシントンまで、ポピュリズムや「テロ」の嵐が吹き荒れ、大米帝国の世紀、パクス・アメリカーナが終焉の時を刻み始めている。その終焉が、「自由と民主主義」を普遍的価値と仰ぐ日米同盟と、安倍政権下の日本外交のあり方を問い直している。
 敗戦後70年以上、日本はパクス・アメリカーナの世界像の中で生きてきた。「アメリカン・デモクラシー」を押し戴き。アメリカの力によって「平和と繁栄」を享受できるとみなしていた。それが日本の"常識"だ。
 しかし、1年半にわたる米大統領選挙とトランプ大統領の登場は、米国流の自由と民主主義、資本主義と覇権外交に対する"常識"を根底から覆し始めている。
 結論を先取りするなら、もはや米国の政治や経済、外交の流儀は、日本が見習うべき師表ではありえなくなっている。その現実が、米国史上最も醜悪で異様な選挙戦に集約されている。その結果がいま、帝国以降の世界ーー多極化世界ーーを生み始めている。
 そもそもなぜ、そうした選挙を米国民は展開するに至ったのか。
 なぜ、既存政治を罵倒する不動産王トランプ氏が勝ち、初の女性大統領候補のクリントン氏が「ガラスの天井」を打ち破れなかったのか。答えは、2つのキャピタルーー資本と首都ーーに対する民衆の根深い反発にある。それが、スペインの哲学者オルテガのいう「大衆の反逆」を生み出している。
 第一にカネがカネをつくる金融資本主義に対する反発だ。富める1%と貧しい99%とに分断された超格差社会への、大衆の反逆なのである。その意味でのトランプ氏の勝利は、民主党予備選で健闘した「社会主義者」サンダース氏の旋風と、根が同じだ。
 いまや米国経済の仕組みは、ものづくりからカネつくりと変容した。米国企業収益に占める製造部門費は、1950年の60%から2005年の5%に低下した。0.001秒単位で、コンピューターを駆使し株価や為替変動などに応じて高速自動売買を繰り返すアルゴリズム投機商法で、巨万の富を稼ぐカジノ商法が展開する。そしてその破綻がリーマン・ショックと世界金融危機を生んだにもかかわらず先進諸国は、ゼロ金利と大量金融緩和を進めて一般庶民の可処分所得を剥奪し続ける。
終わり往く帝国
 第二に、首都で展開する政治の現在に対する民衆の反発である。膨大な選挙資金と利権に群がる政治家集団がつくり上げた異常な金権政治に対する民衆の反逆と重なり合う。規制緩和の下に政治資金規制が緩和され、10年に上限がなくなった。
今次の選挙において投じられた資金総額は100億ドル(約1兆円)を超えた。20年前ビル・クリントン氏の再選時の総額が6億ドル、桁違いの金券政治化が進行している。
 首都の政治に巣食う職業的口利き屋、ロビィストの数は、この30年間で5000人から3万5000人に増えた。そして彼らを仲介してウォール街の金融資本と首都の政治権力が癒着し、権力(クラチア)が民衆(デモス)から乖離し続ける。その米国政治の現在を、ウォール街と密着したクリントン前国務長官が象徴した。
 かくて、民主主義を世界に広めるという「アメリカン・デモクラシー」のソフトパワーは機能せず、帝国を支えるイデオロギーの基盤が削がれていく。情報革命下で米国が、ドローン兵器やオスプレイなど最先端電子兵器を手にしたにもかかわらず、内戦も危機も収束できず、テロと軍拡を誘発して、反米感情を煽り続ける。フィリッピンのドゥトルテ大統領が、オバマ大統領の面前で罵倒した米国非難の言葉が、反米感情の広がりと根強さを物語っている。
 米国はもはや白人優位の国ではなくなった。非アングロサクソン人種が全人口の38%を占め、30年後に過半に達する。トランプ氏の登場は、彼ら怒れる白人たちの失われた誇りを代弁する。共和党が選挙でラストベルトだけではなく、ラテン系移民が多数住む南部サンベルトの諸州をも制した所以だ。
 終わり往く帝国はどこに行くのか。トランプ氏の米国に日本がどう付き合うべきか。問われているのは、帝国終焉後の「同盟の作法」である。それは、安倍首相の強調するのとは違って、「普遍的価値」を両国が共有するが故に護持する日米基軸論ではない。「日米同盟は永遠なり」として、帝国につき従う道でもない。帝国に「貢物する国」(ブレジンスキー)として日本が軍事基地を強化し、対米従属を自ら選択し続ける道でもない。
対米従属からアジアへ
 それはまた、自由貿易推進体制推進の大義名分下で、日米双方のグローバル企業に奉仕するTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を進める道でもない。中国や北朝鮮の、虚構の"脅威"を煽り立て、米韓日の軍産官複合体によって核武装する道でも、無論ない。その意味で、極東からの米軍撤退さえ示唆するトランプ新政権の誕生は、日本が核武装ではなく、独自に単独軍縮外交と沖縄基地削減を進める好機となる。その場合、新政権の外交経済政策は大要次の方策を軸にしていくのではないだろうか。
 選挙期間中に吐いた"暴言"と違って、孤立主義的な「アメリカ・ファースト」の路線を堅持しながら、ビジネスライクで現実的な政策に彩られていくだろう。
 TPPの道はいっさいない。他方で、ロシアとの個人的なつながりを媒介して、プーチン政権との協調外交に乗り出すだろう。対ロ制裁を解除し、ロシアの支援を得ながらアサド政権主導下に、シリア内戦の収束にうごくだろう。たとえそれが、テロと難民の波を押し止めることがないにせよ、米国の中東撤退の道を拓いて、帝国終演以降の「多極化世界」を作り始めるだろう。中国についていえば、習近平政権の"為替介入"政策に表向き異議を唱えるけれども、巨大市場中国とのビジネス外交を進めながら、オアバマ政権下の「アジア軍事関与」から撤退する。
 国内的には、グローバル医療産業中心のオバマケア(医療保険制度改革)を修正し、国内インフラ投資による古典的な経済再建政策を積極化させる。大恐慌期のニューディール型の実務的政策の周回遅れの踏襲だ。
 日本にとって新政権の登場は、もう一つの通商外交の選択肢であるRCEP(東アジア地域包括的経済連携。東南アジア諸国連合加盟10カ国に日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドを含める構想)へと外交の舵を切り替える好機となる。
 日本貿易の対中依存度は23%、対米依存が17%で、対アジアはその3倍、50%を超える。ものづくり生産ネットワークが、アジアに張りめぐらされ、アジアは「世界の工場」から「世界の市場」となり、AIIB(アジアインフラ投資銀行)設立を機に、インフラ投資の機会を提供する。
 日本に求められるのは、終わり往く帝国が撤退する「力の空白」を軍事的に補完したり、対米軍事協力を進めたりする道ではない。興隆する新興アジア地域との連携を強め、社会文化交流を深化させる。「脱亜入欧」から「連欧連亜」に至る道だ。
それがトランプシ・ショックを超える「同盟の作法」である。登場しつつある帝国以降の「多極化世界」を生きぬく道だ。それを「アジア力の世紀」に生きる日本の道といいかえてよい。
 
「プーチン政権との協調外交」、「シリア内戦の収束」、「米国の中東撤退の道」、「『アジア軍事関与』からの撤退」、と数えきれないほどのオバマ路線からの大転換である。
 
安保体制維持に凝り固まっている日本の外務省は、安倍晋三首相に、「日米同盟の一層の深化」などとトランプに対して言わせてはならないであろう。
 
そもそもトランプはイデオロギーの政治家ではなく、取引の政治家と言われている。
 
その取引も基本は米国の利益を最大化するための取引となる。
 
安倍晋三首相が中国との間に真の信頼関係を築き不安を取り除かなければ、米国はそこにつけ込んで、駐留米軍の撤退をほのめかしながら、「思いやり予算の増額」と「米国企業からの武器購入」という二重の利益を手に入れることになる。
 
これからは、味方を増やして敵を減らすという外交の鉄則に従い、帝国終焉後の「同盟の作法」として、「連欧連亜」という道を切り開かなければ、トンデモない道を進まされるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年12月05日

時代劇が衰退し勧善懲悪の道徳観がなくなり政治家の悪がはびこる

オーストリア大統領選、親EU派が勝利 極右候補敗れる」によると、米国次期大統領にドナルド・トランプが米国民の選挙によって決まったことからの影響か、英国のEU離脱をめぐる国民投票と同様、大衆主義の波に乗って移民反対派のホーファー氏が勝利し、EU加盟国で初めてとなる極右系の国家元首が誕生するかどうかが注目されたが、実現しなかったという。
 
同じく注目を集めているイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票は反対派が勝利し、これでイタリアのEU離脱も視野に入ってくることになるかもしれない。
 
「ファースト・レディ」と言えば米国の歴代大統領夫人たちが、真っ先に思い出される。
 
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アメリカ合衆国の歴代ファーストレディ:左から、ナンシー・レーガン、レディーバード・ジョンソン、ヒラリー・クリントン、ロザリン・カーター、ベティー・フォード、バーバラ・ブッシュ (1994年)
 
その米国大統領夫人であるファースト・レディを護衛するための費用は、1日当たり100万ドル也であるということを、「メラニア夫人のNY残留に、ニューヨーカー10万人が”ノー”」という記事で初めて知った。
 
物価水準や人件費水準等、日本と比べようもないのだが、居酒屋を開いたり、SP2名従えて、「安倍昭恵さん 深夜2時に布袋寅泰呼び出し酔って首筋にキス」したり、SPなしで夫にも内緒で、「安倍昭恵さんの高江来訪について」と沖縄県東村高江のヘリパッド建設反対派のテントに行っていた安倍昭恵首相夫人には、まさか日本円換算で1億円の護衛費用などはありえないであろう。
 
所詮は日本の「ファースト・レディ」はこの程度なので、その夫も同じレベルであることは間違いない。  
   
小泉内閣、安倍内閣では「改革の司令塔」として活躍した元大蔵官僚出身で嘉悦大学教授の、別名内閣提灯持ち経済学者の橋洋一が「断言しよう。異例ずくめの『安倍・トランプ会談』は満点外交だ!」と力を込めて精一杯持ち上げていた「安倍・トランプ会談」。 

どうやら高橋も安倍晋三も恥をかいたに過ぎなかったようである。
 
トランプ・安倍氏会談に異議 日本へ米政府、対ロ接近を警戒か」によると実態はこうなる。
 
日米外交筋によると・・・米政府は、大統領選の結果を受けた11月10日の首相とトランプ氏との電話会談後、両氏が合意したニューヨークでの17日の初会談開催に異論があると日本政府に伝えてきた。
 ホワイトハウス内に反対論が強く、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が急先鋒だったという。米側は、トランプ氏との夕食会は受け入れられないとの考えも伝達。日本側は夕食会を見送り、通訳だけを同席させ「個人的な非公式会談」と位置付け、打開を狙った。・・・しかし、オバマ氏は20日、APEC首脳会議の記念撮影後、昼食会場に向かう途中で立ち止まり、首相と数分間会話をして終わらせた。 
 
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【オバマ米大統領に話し掛ける安倍首相(C)AP】

 
上の同じ写真の説明が、産経新聞によると「オバマ米大統領 安倍晋三首相との最後の接触は立ち話」の中では、『APEC首脳会議の記念撮影を終え、言葉を交わすオバマ米大統領(奥)と安倍首相=20日、リマ(代表撮影・共同)』となり、あたかも立ち話しているように写真を切り取っていた。 
 
この間の一連の安倍晋三首相の外交ベタの顛末を、外務省関係者やペルーでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)への同行記者たちからの詳細な取材にもとづき、「週刊現代」2016年12月10日号は、「トランプとプーチンにナメられて…安倍官邸『大パニック』実況中継 外務省と経産省が『責任のなすり合い』」と書いていた。
 
さて、先日の「巨悪にはカネがあつまり貪り食う・やりたい放題の安倍政権」の中で、政治資金での飲み食いが目立つ自民党議員の一覧を示してこうつぶやいた。
 
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「あくまでも、これらの金額は総務省に届け出た政治資金収支報告書の中央分と地方分に基づき、関係する政党支部と資金管理団体の収入を合算したものであるが、テレビドラマでよく見かける『菓子折り』に隠れている毒まんじゅうの類は含まれていない。」
 
しかし、最近は陰で悪事を働いている連中は、必ず最後は正義の味方に懲らしめられるという「勧善懲悪」の時代劇番組は無くなってしまった。
 
数年前からオジサン夫婦は中村吉右衛門主役の「鬼平犯科帳」の再放送を楽しんでいた。
 
それがネタが付き、代わりに吉右衛門の父親の松本幸四郎主演の再放送がローカル局で放映されている。
 
そして先週の木曜・金曜と、最後の「鬼平犯科帳 THE FINAL」が2夜連続放映された。
 
同年代の多岐川裕美や少し年上の憧れの梶芽衣子等が、昔を彷彿させてくれる演技を見せてくれた。
 
懐かしもの系全般のライターとして活動する傍ら、TV番組や映画等を企画・プロデュースしているフリーライター・編集者の岩佐陽一は、最近の「大人も子供も荒れているのは、時代劇衰退の影響だと」と語っていた。
  
<「鬼平犯科帳」終了 時代劇衰退で“社会荒れる”と危惧の声>
 2016年12月5日 日刊ゲンダイ
 人気時代劇シリーズ「鬼平犯科帳」(フジテレビ系)が12月3日の放送で28年の歴史に幕を閉じた。民放の時代劇は「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」「子連れ狼」など軒並み終了。NHKの大河こそ根強い人気を誇るが、民放のゴールデン枠はテレ東の「石川五右衛門」のみだ。
 実は、時代劇が消えていくことで弊害がある。大人も子供も荒れているのは、時代劇衰退の影響だという。TV番組に関する多数の著書があり、番組の企画も行うフリーライターの岩佐陽一氏に聞いた。
「時代劇の典型的な筋書きといえば、勧善懲悪、因果応報です。小さいうちから何げなく見続けることで、『悪いことをしたらいけない』という教えを学びました。善悪の基準は人によって異なるとはいえ、人を殺したり盗みを犯したりするのは、よくありません。絶対的にダメなものはダメ。そういうことをしたら、必ず自分にはね返ってくるという意識が、時代劇を見ることで培われるのです」
 30代以上は、小さいころドラマやアニメを見たいのに、両親や祖父母にチャンネルの主導権を握られ、時代劇を見て育ったはず。「つまんない」と渋々ブラウン管を眺めていても、悪さに手を染めた悪代官が「御用だ、御用だ」と追い詰められて奉行所で裁きを受けると、なぜかスカッとしたものだろう。
 そんなシーンを題材に、「悪いことしたらダメだよ」と大人が子供に倫理観を教えるキッカケとなるのが時代劇だった。だからこそ、作り手にも強さがあった。それを象徴するのが、1973年に神奈川で起きた殺人事件だという。
「男性が『必殺仕置人』を見ているうちに性的に興奮。一緒に見ていた女性を誘ったものの、拒まれたことに腹を立てて殺したという事件です。男の供述で、必殺シリーズは打ち切りの危機となりましたが、当時のプロデューサーが『番組は“殺人はよくない”ということを訴えるものであり、これを見て殺人を犯すというのは番組の責任ではなく本人の責任だ』と明言したのです」
 その後、犯人は「番組のせいではない」と証言を変えることになる。
■制作側には倫理観、道徳観を伝える意思が
「今のテレビ業界で、このような対応は難しいでしょうが、当時の制作陣は、時代劇の仕事に対する意地とプライドを持ちながらメッセージを伝えようとしていました。現代で、周りの顔色をうかがわずに自分の価値観をきちんと伝えることができる大人がどれくらいいるでしょうか。制作側の姿勢には、『自分の倫理観、道徳観を伝える』という意思がハッキリ表れていたのです」
 ところが、時代劇は下火になり、大人向けも子供向けも何が善だか分からないドラマばかり。そこに競争社会や格差社会で相手を蹴落とす意識が重なったら、大人も子供も軸を失って荒れるのは無理はないだろう。
「時代劇に描かれる生活には、電気も水道もなく、車もありません。代わりにあんどんで文字を読んだり、川の水や井戸から水をくんだり、かごを使ったりしていました。人と人とが助け合うシーンがよく見られます。テクノロジーが発達する前の暮らしを知り、今の便利さのありがたみに気づけば、モノを大事にしたり、助け合ったりする精神や人情が芽生えます。そういうことを子供に教えるには、もってこいの題材が時代劇だったのです」
 時代劇衰退が、世の中が荒れる原因のすべてではないが、これほど強烈に勧善懲悪をテーマにする題材はほかにない。そう思うと、こんな見方もあながち無理筋ではないだろう。
 
昔の子どもは大人から「嘘つきはドロボーの始まり」と教え込まれていた。
 
それだけ、嘘をつくことは悪いことだと子どもたちはそれなりに納得していたものであった。
 
そして「末は博士か大臣か」と言われた時代では、大臣、とくに総理大臣は最高の出世(?)の憧れでもあったかもしれない。
 
そんな憧れも、「漢字が読めない総理大臣」や「平気で嘘をつく総理大臣」、さらには「違法ではないが不適切」な行為を繰り返す大臣が雨後の筍の如く現われて、すっかり冷めてしまった。
 
時代劇を制作する側には「自分の倫理観、道徳観を伝えるという意思がハッキリ表れていた」のは、今は昔の話になってしまった。
 
格差を拡大させて貧困を増加させ、米国から近い将来増額を請求されるであろう「おもいやり予算」に備えて高齢者のための福祉予算はどんどん削る。
 
時代劇の中ではこんな政策をする城主には、水戸黄門が懲らしめていたし、悪党には容赦ないが弱い者には手厚かった鬼の平蔵などがいた。
 
やはり、「悪は凝らしめ」、「善いことは勧める」とい「勧善懲悪」の道徳観は今こそ求められているのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
【付録】1960年代から70年代後半にかけて人気のあった時代劇ベスト10
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posted by 定年オジサン at 13:21| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月04日

巨悪にはカネがあつまり貪り食う・やりたい放題の安倍政権

「言い訳をする気は毛頭ない」
「リーグ戦34試合を戦って勝点74を取った。その積み重ねは選手たちにとって大きな労力であり、メンタル的なプレッシャーも簡単ではなかった。そして我々は(11月)3日にリーグ戦を終えて、29日に第1戦があり、今日第2戦があった。リーグの中で疲れが溜まり、1カ月も何もない中でこの試合を迎えなければいけなかった。疲れ切ってパホームワーがゼロの状態から、決勝を戦うように持っていくのは難しい仕事だった」
 
これは、昨夜の明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ(CS)決勝の第2戦でアウェイでの第1戦を1−0で折り返し、引き分け、もしくは0−1でも優勝が決まるという浦和レッズのペトロヴィッチ監督の無念の言葉。
 
プロ野球でもサッカーでも、1年間余りを闘い続ければ、チーム力の差がでて最終戦(節)を待たずに優勝チームが決まってしまえば、それ以降の試合は消化試合となってしまうということがあった。
 
そのためサッカーJリーグでは1年を前期(1stステージ)・後期(2ndステージ)と分けて、それぞれの優勝者を出して年間王者を決めるという方式を取っている。
 
年間を通して同じチームが優勝する場合もあり、様々な議論を経て紆余曲折の結果、「年間1位→年間2位・3位→ステージ優勝」に変更し、今年は年間勝ち点1位のチーム(浦和)と2位のチーム(川崎)、そしてステージ優勝チーム(鹿島)でチャンピョンシップが行われた。
 
準決勝が「川崎vs鹿島」で鹿島が1stステージの王者の貫録で勝ち、浦和との決勝となった。
 
決勝は「ホーム&アウェイ」方式で、2試合の「総得点(得失点差)」「アウェーゴール数」で同点の場合は「年間順位上位チームの優勝」とし延長戦・PK戦は行わないというルールで行われた。
 
従って初戦の鹿島のホームグラウンドで「1-0」で勝った浦和が、「0-1」で負けても引き分けでも2点以上取られなければ優勝という2戦目は断然有利な状況で行われた訳である。 
 
ましてや、その第戦で先制した浦和は選手のみならず多くのサポーターも優勝を信じて疑わない状況であった。
 
その精神的な緩みから鹿島に同点に追いつかれると一気に形勢は逆転してしまい、2点目を取ったチームが優勝という緊迫した試合となったわけである。
 
そして、鹿島が初戦浦和に勝ったのがPKであったのだが、皮肉にも第戦はそのPKで浦和は逆転敗北してしまい、冒頭のペトロヴィッチ監督の敗軍の将の弁となった。   
 
「歴代政権が躊躇してきた手法により、安倍政権はロコツなNHK支配を進めましたが、腐敗の構造は民放や大手紙も同じです。経営トップや幹部が首相と会食を重ねる“ねんごろ”の仲となり、ちょっとでも政権の意に沿わないコメンテーターは、すぐに消されてしまう。そんな異常事態が余りにも長く続いたことで、報道の現場にも諦念がはびこり、“出る杭”となるのを控え、萎縮しているような印象です。メディアが政権と対峙しなければ、TPP承認や年金カット、カジノ解禁と、数に頼ったゴリ押しが続くのも当たり前となる。いつまでたっても負の循環は止まりません」
 
こう語っていたのは、元NHKプロデューサーの永田浩三武蔵大教授。
 
「現在の経営委員はすでに全員が安倍政権により任命・再任された面々となってしまいました。本来なら経営委員は放送法の定める『政治的公平性』に従って次期会長を選ぶべきなのに、安倍カラーに染まった今の陣容では当然、政権の意向が最優先されてしまう。つまり、暴言会長が消えてもNHKは一向に正常化されず、ポスト籾井に誰がなっても自動的に政権の傀儡となる宿命なのです」
 
これも、元NHK政治記者で評論家の川崎泰資氏の安倍官邸が仕切るNHKトップ人事に対する発言。
 
来年任期切れの籾井勝人会長が去った後も、政府の意向を忖度するNHKの体質は変わらないということ。
 
「民進党が『なぜ急ぐのか』とバカなことをいっているが、法案は3年前に提出されている。3年間、何してたんや」
「政治的に僕に対する民進党の嫌がらせだ。彼らは国民の方を全く見ず、日本のことも考えず、党利党略、個人的な好き嫌いで物事を考える。まあ、バカな政党だと思う」
 
野党第1党に対して、「バカ政党」と批判したのは、大阪府知事で日本維新の会の松井一郎代表。
 
松井一郎府知事の「3年間、何してたんや」発言は、すでに2年前に「大阪、沖縄、横浜を第一陣として想定? しかしカジノ合法化の法案に強い逆風が...」という記事で、日本経済新聞、讀賣新聞を含めたすべてのマスメディアが反対または慎重姿勢であり、それは今回の強行採決後も変わっていない。
 
その事実から、日曜日の「サンデーモーニング」のレギュラーコメンテーターの岸井成格が、「民進党がバカな政党なら、カジノ法案に反対しているマスコミも『バカなマスコミ』」なのかと反論。
 
今朝の東京新聞「本音のコラム」で山口二郎法政大教授はこう痛烈に安倍政権批判をしていた。
  
 安倍首相は同盟国を訪問すると、中国への当てこすりという意味も含め、日本と同盟国は自由、民主主義、法の支配などの価値観を共有すると必ず言う。この無意味な自画自賛に、最近特に腹が立つようになった。いったい日本のどこで民主主義や法の支配が尊重されているというのだろう。 
 臨時国会は会期延長され、重要法案がまさに駆け込みで処理されようとしている。年金改革法案の審議では安倍首相はこれ以上議論しても無駄とうそぶいた。また、いわゆるカジノ解禁法案については、委員会でほとんど審議されないまま採決され、与党はこの国会での成立を目指している。
 そこに現れているのは、議会あるいはそこでの議論に対する与党政治家の徹底した蔑視であり冷笑である。
 確かに安倍首相率いる自民党は選挙で勝って権力を取っているから、独裁とは言えない。しかし、民主主義が当てはまるのは選挙までである。
 多数を握れば何でもできるという開き直りと自己正当化の気分はむしろ専制国家の権力者に近い。
 
「最近特に腹が立つようになった」人は国民の中にも多くいるはずである。
 
閣僚ら政治資金で高額飲食 自民4人が1000万円超」という記事を読むと、何のために政治家ではなく政治屋をやっているのだろうと思ってしまう。
 
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まだまだある、腹の立つことがある。
 
<国会議員15年政治資金 1強自民、11位まで独占>
 2016年12月4日 朝刊 東京新聞 
20161204seitoubetuseijisikin.jpg 国会議員の資金管理団体と関連する政党支部が2015年に集めた政治資金の実収入額で、自民党が上位11位までを独占したことが3日、共同通信の集計で分かった。政党支部への企業・団体献金の87%超も集中しており「自民一強」が際立った。上位20位の内訳は自民党17人、民進党2人、日本維新の会1人だった。 
 平均収入は3794万円。政党別トップは自民党で4590万円。2位の民進党(3074万円)に大差をつけた。3位以下は自由党(2916万円)、日本のこころを大切にする党(2584万円)、日本維新の会(2515万円)、公明党(1512円)、社民党(898万円)の順。
 収入1位は2億187万円の自民党穴見陽一衆院議員。相談役を務めるファミリーレストランチェーン「ジョイフル」などから献金があった。政党支部への企業・団体献金は計29億2000万円。うち25億6000万円が自民党分だった。国会議員の収入総額は258億8000万円で、14年より59億8000万円減となった。
 共産党は全議員が資金管理団体を持たず、政党支部の代表にも原則就いていないため、除外した。
 
あくまでも、これらの金額は総務省に届け出た政治資金収支報告書の中央分と地方分に基づき、関係する政党支部と資金管理団体の収入を合算したものであるが、テレビドラマでよく見かける「菓子折り」に隠れている毒まんじゅうの類は含まれていない。
 
企業献金は企業のために「斡旋」してくれることを期待したもので、それにより「利得」となるカネである。
 
なかには、企業の裏金がそのまま政治家に渡るケースが多いというよりは一般的なのであろう。
 
「選挙で勝って権力を取っているから、独裁」とは言えないのかもしれないが、勝てば官軍の如く、数の力を背景に何でもアリという傲慢な政治は決して長続きはしないが、その前に早く終わらせなければならない、とオジサンは思う。

   
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2016年12月03日

人の不幸を踏み台にする疑問と懸念満載のカジノ法案

駆け付け警護に関しては、1か月前に「南スーダン 駆け付け警護に手当 6000〜7000円で」という報道があり、その中ではこう書かれていた。
 
「隊員が公務中に死亡した場合に遺族に支給する賞恤(しょうじゅつ)金(功労金)の引き上げは見送り、現行のまま6000万円とする。イラク派遣では最高額を6000万円から9000万円に引き上げた経緯があり、新任務付与に合わせての引き上げを検討していた。政府は駆け付け警護について『極めて限定的に実施する』との運用方針を示しており、危険性が大幅に高まるわけではないとして引き上げを見送ったとみられる。」
 
その後、自衛隊秋田地方協力本部大館出張所の男性隊員が作成した自衛官募集チラシのこのコピーが大きな話題となった。
  
〈稲田防衛大臣(女性)は少々頼りないですが頼れるあなたはぜひチャレンジを!〉 
 
頭に血が上った稲田朋美防衛相は、「事実関係を確認して」と指示を出し、それを受けて防衛省の武田博史報道官は「女性だから頼りないと捉え、防衛相をこのような形で取り上げているのは極めて遺憾」と会見で説明し、この隊員の処分を検討する意向を示していたが、防衛省、自衛隊内ではこの動きに反発する声が静かに広がり続けているという。
 
「こんな気の緩んだ大臣の命令で俺たちは、駆け付け警護など命懸けの任務に行くのか」という怒りも込められているのです」(防衛省職員)という声も聞こえてくるという。 
 
現場からの怒りを静めるためなのか、手当額が増額されるという。 
 
<駆け付け警護に手当8千円=弔慰金は最高9千万円−政府>
 2016/12/02-17:00 JIJI.COM
 政府は2日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊に対し、安全保障関連法で可能となった新任務「駆け付け警護」を実施した隊員には1日8000円の手当を追加支給する方針を固めた。職務執行中の死亡・傷害などに見舞金として支払われる賞じゅつ金(弔慰金)も、最高額を現行の6000万円から9000万円に引き上げる。
 同国では依然として不安定な治安情勢が続いていることなどを考慮した。近く関係する政令などを改正する方針だ。ただ、稲田朋美防衛相は新任務付与について「新たなリスクが高まるということではない」と説明しており、整合性が問われそうだ。
 道路整備などを行うため同国へ派遣されている隊員には現在、「国際平和協力手当」として、1日1万6000円が支給されている。駆け付け警護の業務に従事した場合、支給額は計2万4000円となり、イラク復興支援活動に派遣された隊員に支払われた手当と並ぶ。
 
稲田朋美防衛相は「新たなリスクが高まるということではない」と再三再四、国会で答弁していたが、それは真っ赤な嘘であることが、戦闘行為の危険性に鑑みた手当の増額という方針が見事に物語っている。 
 
ところで、自由主義貿易から保護貿易に大きく転換させようとしている米国次期大統領のトランプはかなり大胆なことを言い始めているようである。 
 
トランプ流介入、企業恐々 米キヤリア、工場国外移転を見直し
 
20161203trumphatugen.jpg
【朝日新聞DIGITALより】
 
 
このトランプに関してはこんな話がある。
 
「米大統領選挙でトランプ氏の大スポンサーだったのが、世界一のカジノ王である米ラスベガス・サンズのアデルソン会長です。トランプ氏の政治資金団体に約27億円を寄付しています。そのアデルソン会長が日本進出を熱望している。日本でカジノがやれるようになれば、アデルソン会長が喜び、トランプ氏にとって大きなメリットになる。トランプ氏も、もともとカジノを経営していたビジネスマンですからね。」
 
先月、50数万円の金色のゴルフクラブを手土産にトランプに会いに行った安倍晋三首相。
 
非公開の会談内容は明らかにはされていないが、おそらく話題となったであろう日本へのカジノ進出。
   
その可能性を一気に推し進めるべく、「カジノ法案 課題山積 衆院委可決、審議6時間」となった。
 
20161203kajinoromnten.jpg
【毎日新聞より】

 
<依存症対策・経済効果…疑問残したまま カジノ法案可決>
 2016年12月2日22時57分 朝日新聞DIGITAL
20161203kajinorongi.jpg 自民党が採決を強行して可決させた統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解禁法案」。ギャンブル依存症など数多くの問題点が残る中、日本維新の会とタッグを組み、渋る連立パートナー公明党を押し切った。
 スピード採決に至った法案の内容には、どんな問題点があるのだろうか。
 まず、施行後1年以内をめどにカジノの運営ルールなどを定めた法制化を行うことを定めており、具体的対策は政府がつくる実施法に委ねている点だ。公明からも「政府に丸投げ」との批判がある。
 1日の衆院内閣委の審議では、公明の高木美智代氏が経済効果への疑問やギャンブル依存症対策の不備を例に挙げ、「引き続きの努力を強く求めたい」と念を押した。
 ギャンブル依存症の増加の可能性もある。厚労省が2014年に発表した調査結果では、成人の5%弱がギャンブル依存症の疑いがあると推計。韓国でも、安宿に長期間泊まってカジノに通う「カジノホームレス」と呼ばれる人たちが生まれ、行政側が対応に追われている。この日の審議では依存症対策について質問が飛んだが、提出者の松浪健太氏(維新)は「実施法で議論する」と述べるにとどめた。
 カジノの経済効果を疑問視する声もある。11月30日の審議では、島津幸広氏(共産)が、マカオやシンガポールなどのカジノで来客数の減少で売り上げが前年割れになっていると指摘。日本のIRが来日する中国人富裕層をあてこんでいるとして「大前提がすでに破綻(はたん)しつつあるのではないか」と述べた。
 超党派議連の所属議員は約240人を数えるが、朝日新聞が2014年10月に実施した世論調査では法案への「賛成」が30%で「反対」の59%が大きく上回っており、世論の理解が広がっている状況にはない。
 衆院内閣委が2日に決めた15項目にわたる付帯決議では、入場規制や患者の相談体制といったギャンブル依存症対策の整備、カジノ事業者への厳格な規制をできる体制づくりなどを求めている。IR開ける区域を法律で限定することも盛り込んだ。決議を主導した公明の井上幹事長は採決前の記者会見でこう語った。
 「中身をきちんとしておかなければ、政府としても法案をつくりようがない」
■維新と接近、公明押し切る
 「重大な法案をわずかな審議時間で強行する責任を厳しく指摘する」
 2日の内閣委員会。共産党の池内沙織氏が、自民や維新を批判した直後、秋元司委員長(自民)が採決に踏み切ると、民進党議員は「6時間もやっていないぞ」と委員長席に詰め寄った。審議は5時間33分だった。
 民進の安住淳代表代行は可決後の記者会見で「賭博に関係する法案を強行採決した。官邸が命じるような形でやるのは異様なことだ」と怒りを込めた。
 法案は議員立法だが、カジノ推進の旗振り役は、政権幹部そのものだ。
 安倍晋三首相はシンガポールでカジノを視察した際に「日本の成長戦略の目玉になる」と語り、法案を提出した超党派の議員連盟の元最高顧問でもある。カジノ参入を狙うゲーム・パチンコ機器大手セガサミーホールディングスの経営者とは会食したり、家族の披露宴に招かれたりする仲だ。
 首相側近の萩生田光一官房副長官は10月まで、議連事務局長。菅義偉官房長官も推進派で、審議入りした11月30日、周囲に「この国会で必ず成立させる」と自信をにじませた。推進派の自民議員は「首相や官房長官が推進の立場だったのが大きい」と振り返る。
 首相本人にとっても今国会での成立を急ぐ理由があった。来年の通常国会には天皇陛下の退位を可能とする法案審議を控える。国民注視の最重要法案だけに、カジノ解禁法案に力を注ぐ余裕はなくなる可能性がある。衆院解散になれば2014年と同じように廃案になるリスクもある。
 自民にとって、最大の援軍となったのが維新だ。与野党で賛否が分かれた補正予算や環太平洋経済連携協定(TPP)承認案、年金改革関連法案などにいずれも賛成するなど、今国会の重要局面で常に協力してきた。その裏で、自民との幹事長、国対委員長会談を重ね、カジノ法案成立を働きかけた。維新議員は「賛成の見返りが、IRと大阪万博、リニア新幹線の大阪延伸だ」と言い切る。
 自民と維新の接近に気おされたのが公明だ。党内論議で賛否が伯仲。1日もまとまらず意見対立が先鋭化。山口那津男代表ら幹部による常任役員会が2日朝、賛否を個々の議員にゆだねる自主投票に決めたのは、採決の3時間半前だった。
 井上義久幹事長は直後の記者会見で「議員一人一人が自ら判断しても良い」と説明。自らは衆院本会議で反対する意向を示した。採決でも対応が割れ、佐藤茂樹氏が賛成、角田秀穂、浜村進の両氏が反対に回った。採決後、山口氏は集まった議員を前に「党内議論の時間が十分取れず、極めて例外的な自主投票となり、じくじたる思いだ」と振り返った。
 公明幹部は法案の付帯決議によって、かろうじて体面を保とうとしている。井上氏は内々に自主投票の意向を固めた後、大口善徳国会対策委員長に付帯決議の作成を指示。ギャンブル依存症対策の強化など政府に求める計15項目を、A4用紙4枚にまとめさせた。自民との関係を考えると、法案に反対はできないものの、歯止めの役割を印象づけることで「ギリギリのバランス」(党幹部)を取った。
 首相が悲願とする憲法改正の発議には、数のうえで公明も維新も必要になる。衆参で単独過半数を握った自民は、国会運営で公明と維新両党をてんびんにかける余裕が生まれる政治状況がはっきりしてきた。維新の幹部は「政界の力学が変わった」と語った。
 
すでに2年前にはズバリ核心を突くこんなブログがこう語っていた。
 
「皮算用すればIR議連の活動により利益を得る人たち(カジノ企業、ジャンケット、マネロン中国人、投資銀行、銀行、パチンコ・ホール、政治家、天下り官僚)は多岐にわたる。
それに比べ、損をする人たちは一様だ。
カジノに足を踏み入れ、必ず負ける人たちである。」
 
このカジノ法案に関しては、政府のリーク記事を垂れ流しているメディアまでもがまともな批判をしていた。
 
■讀賣新聞「カジノ法案審議 人の不幸を踏み台にするのか
 
カジノの合法化は、多くの重大な副作用が指摘されている。十分な審議もせずに採決するのは、国会の責任放棄だ。
法案は2013年12月に提出され、14年11月の衆院解散で廃案になった。15年4月に再提出された後、審議されない状況が続いてきた。自民党などは、今国会を逃すと成立が大幅に遅れかねない、というが、あまりに乱暴である。
そもそもカジノは、賭博客の負け分が収益の柱となる。ギャンブルにはまった人や外国人観光客らの“散財”に期待し、他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全である。
さらに問題なのは、自民党などがカジノの様々な「負の側面」に目をつぶり、その具体的な対策を政府に丸投げしていることだ。
 
「国会の責任放棄」、「あまりに乱暴」、「極めて不健全」等々、かなり激しい言葉で批判している。
 
しかし、このような言葉は最近の政府与党の国会運営に対して、そっくりそのまま当てはまることである。
 
「特定秘密保護法」、「戦争法」、「年金カット法」など挙げればきりがない。 
 
今回のカジノ法案は政府案ではなく、超党派による議員立法なので、法案成立後にアリバイ的に社説で批判したのならば、本来のメディアの責務を果たしたとはいえないであろう、とオジサンは思う。

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2016年12月02日

本当に日本には抵抗の文化がないのか

原発事故に遭遇した人々の証言を集めた記録文学「チェルノブイリの祈り」などで知られるベラルーシのノーベル文学賞作家でジャーナリスト、スベトラーナ・アレクシエービッチさんが来日して、先月の25日に東京大で講演した内容を報道した東京新聞の記事のタイトルは「『原発事故は新しい形の戦争だ』 ノーベル賞作家 アレクシエービッチさん 東大で講演」であった。
 
そして、「原発事故は、新しい形の戦争だと思った。われわれが考え方を変えない限り、原発は続く。人間が自然と共生するための新しい哲学が必要とされている」との発言を紹介していた。
 
5年半以上前の東日本大震災によりもたらされた福島第一原発の大事故以来、「脱原発」報道に真っ先に舵を切った東京新聞らしい報道内容であった。
 
しかし、このノーベル文学賞作家は3日後の28日には東京外語大でも講演をしていた。
 
この様子を報道した「時事ドットコム」では、福島原発事故について次のように語ったと報じていた。
 
福島で目にしたのは、日本社会に人々が団結する形での『抵抗』という文化がないことです。祖母を亡くし、国を提訴した女性はその例外です。同じ訴えが何千件もあれば、人々に対する国の態度も変わったかもしれません。全体主義の長い文化があったわが国(旧ソ連)でも、人々が社会に対する抵抗の文化を持っていません。日本ではなぜなのでしょうか
 
これを受けて「半歩前へU」のブログ主はこう解説をしていた。
 
・・・前略・・・
「日本社会に人々が団結しての『抵抗』がない」はいい指摘だ。日本は伝統的に「オカミ」に逆らうのをよしとしない風潮がある。右翼も、左翼も、最後は長いものに巻かれる。そうすることが「無難」と判断するのである。
 なぜ、そうなるか?闘う前から「あきらめる」のだ。「オカミに歯向かったところで敵うわけがない」と何もせず、何も言わず、早々と白旗を掲げる。
 為政者にとってこれほどやりやすい国はないのではないか。時々、欲求不満の“ガス抜き”をしてやれば、後は好きに操れる実に便利な国だ。安倍政権下の状況がそれを示している。
 日本人は憲法で学んだ本当の「主権在民」「民主主義」を知らないのだ。「主権在民」とは国民が主人公なのだ。政治家ではない。私たち一人ひとりが日本の主役なのだ。
 その主役が一言も発せず、動きもしないというのでは情けない。「誰かがやってくれるだろう」、と棚からぼた餅が落ちてくるのを待っていても、何も落ちてこない。他力本願でなく、自分の足で進むしかないのだ。
・・・後略・・・
 
いうまでもないが、憲法第28条には「勤労者の団結する権利および団体交渉その他の団体行動をする権利はこれに保障する」と規定されており、この「団結権」、「団体交渉権」、「団体行動権」の労働3権を労働者の基本的権利として全ての労働者に保障されていた古き良き時代を過ごしたこのブログ主などからすれば、歯がゆい思いなのかもしれない。
 
バブルが崩壊するまでは、日本の労働者はいまより元気がよく、それが闘う労働組合という組織として多くの政治課題解決の先頭に立っていた時代があった。
 
オジサンが会社人1年目の春闘時期には、当時の国鉄がお決まりのストライキを行い、それを見越して会社に泊まり込むサラーマンのための「貸布団屋」が繁盛していたことがあった。
 
そんな春闘のお蔭で組合のない中小企業でもわずかながらも賃上げをするということが続いていた。
 
ささやかながらも、使用者に対する「抵抗」の証でもあった。
 
その国鉄ストライキを指導したのが国労という組合であったが、中曽根内閣の「国鉄分割民営化」政策により国労が壊滅状態になり、国労が主体的運動を行っていた総評と社会党がその後消滅してしまうという歴史を経て、政府(オカミ)に対して闘わないナショナルセンターである連合が組織され、今日に至っている。
 
これ以上書くときりがないのだが、「日本は伝統的に『オカミ』に逆らうのをよしとしない風潮」があったと断定するには少々抵抗がある。
 
厳しい年貢の取り立てに農民たちが団結して闘った「一揆」の歴史を忘れてはならない。
 
もちろん大きな権力によって制圧されてしまうのだが、本当に苦しい状態に追い込まれれば「オカミ」に抵抗したいと思っている人たちはゴマンといる。
 
それは、昨年の8月30日の「主権者は私たちだ! 怒れる12万人の主権者たち」のように、弱体化した労働組合に組織されない一般市民が実際に「オカミ」に対して「NO!」という意思表示をしたことからも実証される。
 
この国会前道路を埋め尽くした写真が大手メディアに掲載され、それを恐れた官邸は、それ以降大量の警官を動員して物理的に市民を排除してしまったが、戦争法施行後も、人数は減少したにもかかでわらず毎月「19日」には数千名の市民が国会前行動を続けていることを一切報道しないメディアにも大きな問題がある。
 
さて、先日、共同通信の世論調査で安倍政権の支持率が60パーセントに上昇したことが報道されてネット上では、「あれは、これまでの地方紙の調査結果からも捏造された数字だ」との声が上がっていた。
 
20161202localnaikakusijiritu.jpg
 
土日の日中帯に固定電話にかかってきた世論調査に答える人の層は限られているで、共同通信の世論調査は信用できないと、facebookがネット上で安倍内閣の支持率調査を行っていた。

実際の最新の投票結果は下図のとおり。
20161202facebookchousa.jpg

 
ところで、最も政権寄りになった公共放送であるNHKの会長も、そろそろ消費期限切れとなりそうである。
 
会長再任を狙って、受信料の値下げを言い出したのだが、経営委員会に一蹴されていた籾井勝人会長。 
 
<NHK籾井会長、再任困難 経営委員の同意足りず>
 2016年12月2日05時04分 朝日新聞DIGITAL
 来年1月に任期が切れる籾井勝人(もみいかつと)・NHK会長(73)の再任が、極めて困難な見通しであることがわかった。任命権を持つ経営委員会(石原進委員長)の複数の委員が籾井氏の続投に否定的で、会長の任命にあたって放送法が規定する、経営委員12人中9人以上の同意が得られない状況だ。経営委は6日に開く「会長指名部会」で、籾井氏も含めた次期会長候補について協議する予定。
 籾井氏をめぐっては、3年前の就任当初から「政府が右ということを左というわけにいかない」と述べるなど、公共放送トップとしての言動がたびたび問題視され、経営委が3度にわたって注意。国会によるNHKの予算承認も、通例の全会一致が3年連続で崩れる事態を招いた。
 次期会長選考にあたって経営委は10月、「政治的に中立である」「人格高潔であり、説明力に優れ、広く国民から信頼を得られる」など5項目の資格要件を決定。ある委員は「籾井氏が合致しているとは言いがたい」とした。
 また籾井氏ら執行部が提案した来秋からの受信料値下げ方針では、11月の経営委で「今後余るお金は視聴者に返すのが当然」と値下げ案の了承を迫る籾井氏に対して、12人の経営委員全員が「中長期的に考える必要があり、時期尚早だ」などとして反対。「先行きの見通しが甘く経営手腕に疑問を感じる」と指摘する委員もいた。与党幹部も「籾井氏の続投がないことだけは確かだ」とする。
・・・後略・・・
 
籾井会長の後釜には当然予想されるのことだが、官邸の意向を忖度できる官僚的な連中の名前が挙がっているそうである。
 
しかし、会長資格要件である、「政治的に中立である」「人格高潔であり、説明力に優れ、広く国民から信頼を得られる」などをしっかりと前面に出して経営委員会が協議すれば国民を裏切るような輩は選ばれないだろうと期待しておく。 
 
最後に、このンメディアしか報道できない記事を紹介しておく。
 
<川が新たなセシウム運ぶ 東京湾河口部汚染 本紙3回目調査>
 2016年12月2日 朝刊 東京新聞
20161202toukyouwanchousa.jpg
 東京湾に注ぐ主要河川の河口部で、本紙が独自に堆積物を採取し放射性セシウム濃度を調べたところ、東京電力福島第一原発事故から5年半がたっても、川で運ばれてきたセシウムが新たに蓄積され、濃度はあまり低下していないことが分かった。調査は3回目。海水魚はセシウムを取り込んでも排出するため、影響は限られるとみられるが、継続的な監視は必要だ。 (原発取材班)
 採取は9月16と17の両日、関東学院大の鎌田素之(もとゆき)准教授(環境工学)や学生2人の協力を得て実施。鶴見川、多摩川、隅田川、荒川、旧江戸川、花見川の六河川の河口で、2種類の採泥器を使い、海底の表層のほか、海底下40センチまでの堆積物も採取した。
 最も高い濃度を検出したのは、印旛沼(千葉県)につながる花見川(同)。1キログラム当たり452〜789ベクレルと、他の河口より突出して高かった。基準値はないものの、原発で使ったコンクリートや金属を再利用できる基準は同100ベクレル。この値に比べ、大幅に高い。河口から700メートルほど離れると76ベクレルに急減していた。
 海底にステンレス管でできた採泥器を打ち込んで柱状に堆積物を採取。5センチごとに濃度も調べた。表層から深さ20センチまでは742〜757ベクレルと高く、印旛沼から流れてきたセシウムが継続的に蓄積しているとみられる。その下はやや下がり、30センチを超えると45ベクレルまで下がった。
 荒川(東京都)河口は2年前に比べると低めだが、昨年とほぼ同水準の120〜282ベクレル。底から40センチまでの層の濃度分布は、表層五センチが最も高い373ベクレル。30センチまでは200ベクレル前後で、その下は60ベクレル前後だった。
 東京と千葉の境を流れる旧江戸川河口は200ベクレルほど。多摩川河口(東京と神奈川の都県境)は100ベクレル強で、過去2回の調査と同水準だった。隅田川(東京都)河口は200ベクレル弱で、大きな変化はなかった。
 魚介類への影響がポイントになるが、水産庁が、各地の検査機関による水産物の放射能調査をまとめたデータによると、2016年度は東京湾で81件の魚などが調べられた。うち6件でセシウムが検出されたものの、魚種はいずれもスズキで、1ベクレル未満と検出できるぎりぎりの値だった。食品基準(100ベクレル)の100分の1未満の低い水準で、食べても何ら問題のないレベルといえる。
◆水環境に流れ込む
<鎌田准教授の話> 首都圏の河川の河口では、いまだにセシウムが継続的に供給され、蓄積し続けていることが確認できた。森林域では放射性物質は土壌にとどまり、水環境には流出しにくいが、都市部では河川など水環境に流れ込みやすいことが指摘されている。
<本紙の東京湾放射能調査> 2014年から毎年9月に実施。結果は、14年は10月13日、15年は11月13日付朝刊で掲載した。海底の堆積物は乾燥後、4〜8時間かけて放射性セシウム濃度を測定した。
 
1ベクレル未満のスズキの刺身を食べたところで、「直ちに健康には影響はない」かもしれないが、「東京電力福島第一原発事故から5年半がたっても、川で運ばれてきたセシウムが新たに蓄積され、濃度はあまり低下していない」という事実は、嘘つき総理の「福島の状況はコントロールされていると私が保証します」という言葉がやはり大嘘であり、こんな事実を4年後に東京湾の臨海部にやってくる海外からのアスリートたちが知ったら、五輪どころではない、という事態になりかねないであろう、とオジサンは思う。

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2016年12月01日

師走になって走り出すのは安倍政権の暴走

「師走」に入り、月めくりのカレンダーが最後の1枚になった。
 
本来ならば昨日で閉会となるはずだった臨時国会が2週間延長された。
 
その最終日となるはずだったのが延長された理由の一つが、「カジノ法案あす採決方針 自民、今国会成立狙う 衆院委」だったのか。
 
なんでも30日、衆院内閣委員会で審議入りし自民党は同日、連立を組む公明党に対し、12月2日に委員会で採決したうえで、6日に衆院を通過させる方針を示したという。
 
あれほど反対の声が大きかったトンデモ法案が、芸能人の覚醒剤使用問題でメディアが騒いでいる間に、国会で短期間で成立させようとしている。
 
どうやら、年内に急いで成立させる裏には早くも日米間の「密約」があったのかもしれない。
 
<法案審議入り 安倍政権“カジノ解禁”でトランプにゴマすり>
 2016年12月1日 日刊ゲンダイ
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日米関係をカジノに託す?(C)AP

 臨時国会が12月14日まで延長されるのに伴い、「カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案(カジノ法案)」が30日の衆院内閣委員会で審議入りした。
 通常、委員会への付託は与野党合意が原則なのに、民進と共産の反対を振り切っての“強行付託”である。採決だけでは飽き足りず審議入りまで強行とは、政府与党も「そこまでやるか」なのだが、スピード審議して今国会での成立まで視野に入れているというからびっくりだ。
「カジノ法案の早期成立は、トランプ大統領就任後の良好な日米関係に“有効”なのですよ」(カジノ議連事情通)
 一体、どういうことなのか。
米大統領選挙でトランプ氏の大スポンサーだったのが、世界一のカジノ王である米ラスベガス・サンズのアデルソン会長です。トランプ氏の政治資金団体に約27億円を寄付しています。そのアデルソン会長が日本進出を熱望している。日本でカジノがやれるようになれば、アデルソン会長が喜び、トランプ氏にとって大きなメリットになる。トランプ氏も、もともとカジノを経営していたビジネスマンですからね。カジノ第1号は大阪が有力です。大阪府の松井知事が前のめりで、自民党の二階幹事長も、2025年万博とカジノをセットでやるつもりです」(前出の事情通)
確かにアデルソン会長は、「日本でカジノ解禁となれば1兆円規模を投資する」と何度もメディアのインタビューに答えていて、鼻息が荒い。そして、トランプの大統領選勝利後は、50億ドルもの巨額の経費がかかるとされる「大統領就任式典」の運営委員にも名を連ねている。つまりトランプが足を向けて寝られない存在だ。ちなみにこの運営委員には、他に2人のカジノ経営者も加わっている。
 安倍首相はトランプと真っ先に会談したのに、TPP離脱表明でハシゴを外され、赤っ恥をかかされた。しかし、早期にカジノ法案が成立すれば、トランプに恩を売ることができ、挽回できるというわけだ。
「多額の献金を受けた借りがあるとすれば、カジノ業界に精通しているトランプ氏ですから、アデルソン氏に対し、何らかの橋渡しをする可能性は十分あるでしょう。ただ、カジノに素人の日本は、いいカモにされるのがオチでしょうが……」(米国事情に詳しいジャーナリストの堀田佳男氏)
 対米追従の安倍政権、カジノ献上で売国まっしぐらだ。
 
こんなカジノには全く無縁の年金生活者には今後さらに年金がカットされる法案が通り、そして今度は医療費に関しては、高齢者の負担に配慮し保険料を軽減する特例措置を廃止するという。
 
<70歳以上の医療費負担増 厚労省案、上限額段階的に>
 2016年12月1日 06時59分 東京新聞
20161201minaosian.jpg  厚生労働省は30日に開かれた社会保障審議会の部会で、医療保険制度の見直し案を示した。医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」については、2018年8月までに70歳以上の負担上限額を段階的に引き上げる。75歳以上対象の後期高齢者医療制度でも、低所得者などの保険料軽減の特例措置を廃止する方針を示した。同省は与党と調整し年内に決める。実施が決まれば、高齢者に医療費と保険料の両面で負担増を求めることになる。 (中根政人)
 高額療養費制度では、医療費が月額100万円かかったと仮定した場合、70歳以上で年収370万円未満の人の入院時の世帯での負担上限額(月額)を、現在の44000円から58000円に引き上げる。年収370円以上の現役並み所得の人については、年収に応じて新たに3つの区分を設定。負担上限額は現在の87000円から最大25万4000円に引き上げる。
 外来受診時の負担上限額は、年収370万円未満の人は現行の12000円から58000円に引き上げる。現役並み所得の人は44000円から最大25万4000円に引き上げる。
 一方、低所得で住民税が非課税の人の外来受診時の負担上限額も、現行の8000円を10000〜15000円に引き上げる案を盛り込んだ。
 後期高齢者医療制度では、低所得者や元会社員の扶養家族など約916万人の定額部分の保険料を最大9割軽減している特例措置を廃止して、本来の軽減幅に戻す案を提示した。特例措置がなくなった場合、夫婦世帯で妻の年金収入が年80万円以下の場合、夫の年金収入が168万円以下の高齢者の医療保険料の月額は、現在の380〜570円から1130円に値上げされる。
◆75歳以上の特例廃止へ
 厚生労働省がまとめた医療保険制度の見直し案は、高齢者に厳しい負担増となる内容です。 (鈴木穣)
 Q 見直しの理由は。
 A 高齢化による医療費増で政府は費用を削減したいのです。でも、受診を控える人が出ないよう注視が必要です。
 Q たとえば、どんな制度を見直すの。
 A 医療費の負担を軽減する高額療養費制度です。月ごとに決めた自己負担額の上限を超えた費用は、医療保険から支払ってくれます。70歳以上は入院で15000〜約8万円、外来で8000〜約44000円が自己負担の上限。治療を受けて高額な出費を強いられた時の重要な支援策になっています。
 Q どのぐらい負担を重くするの。
 A 70歳未満に比べ、70歳以上の自己負担は低く抑えられています。これを現役並みに引き上げる案で、収入の高い人の負担を増やします。見直し案が示された会合でも、委員から「負担能力に応じた制度に」との意見が出ました。
 Q ほかの負担増は。
 A 75歳になると、全員が「後期高齢者医療制度」に加入します。2008年に制度を始めた際、高齢者の負担に配慮し保険料を軽減する特例措置を導入しました。保険料は収入に比例し額が決まります。もともと軽減措置があるのですが、特例でさらに軽減されています。この特例をなくす案です。
 
10月末に、誤嚥性肺炎で緊急入院した母は、当初は大部屋が満員で個室に入れられ、差額ベッド代が数万円におよび、2週間余りの入院費は総計12万円を超えた。
  
当然、本人の年金だけでは支払いはできないのだが、従来は差額分がいくらか還付されていた。

それが今後、負担上限額が引き上げられれば、還付金額が減額され、自己負担額が増すことになる。
  
口を開けば、「現役世代との公平感」などというが、現役世代の年収を毎年減少させるような経済政策の綻びを繕わずに、高齢者に負担させるという、まさに仕事をしない高齢者は国家のお荷物と言わんばかりの政府の施策である。
 
そんな横柄な政治屋連中は、政治活動に使うべき政治資金を自分たちの飲食に費やしていることが、「政治家 行きつけ20選政治資金特集『支出編』」を覗いてもらえば一目瞭然である。 
 
国民のためになるのなら税金を使っても許されるかもしれないが、省益のために無駄な支出をこれ以上続けさせる事は許されない。  
 
<新高速炉 負担増大も もんじゅ代替 18年に工程>
 2016年12月1日 朝刊 東京新聞
20161201kousokurokaihatu.jpg 政府は30日、廃炉が濃厚な高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)に代わる新たな高速炉を国内で建設するため、今後10年程度で必要になる作業をまとめた工程表を2018年中に示す方針を固めた。1兆円の国費を投じながら、ほとんど稼働していないもんじゅの反省もないまま、さらに天井の見えない負担が国民にのしかかる恐れが出てきた。 (吉田通夫)
 官民合同の30日の「高速炉開発会議」で、今後の開発方針の骨子をまとめた。12月中に関係閣僚会議を開き、もんじゅの廃炉時期と併せて正式に決める。
 高速炉の実用化には(1)実験炉(2)原型炉(3)実証炉−の段階を踏み、実験データを集めて研究を進めねばならない。日本では(2)の原型炉のもんじゅの段階でつまずいたが、政府は仏政府が計画する実証炉「ASTRID(アストリッド)」に資金を出して共同研究したり、(1)の実験炉「常陽」(茨城県、停止中)を活用すれば、(3)の実証炉での研究に進むために必要なデータを集められると判断。国内に新しい実証炉を建設する方向で調整している。
 しかし必要な費用は検証できない状態だ。アストリッドは設計段階で、建設費は固まらず日本の負担額は分からない。常陽も東日本大震災後、耐震など新たな規制基準に合わせる工事をしている途中で、費用は不明。さらに新たな高速炉を建設する場合、構造が複雑なため、建設費が通常の原発より数倍は高いとされる。規模によっては一兆円を超えるとの見方もある。
 会議後、経済産業省原子力政策課の浦上健一朗課長は記者団に「現段階で費用は示せない」と話すにとどめた。もんじゅを所管する文部科学省も、過去の会議では、もんじゅを再稼働する場合と廃炉にする場合の費用試算を示しただけ。それでも政府は、原発で使い終わった核燃料を再利用する「核燃料サイクル」には高速炉が必要だとする従来の考え方を強調し、開発続行の方針を打ち出した。
 原子力政策に詳しい原子力資料情報室の伴英幸(ばんひでゆき)共同代表は「政策の流れを変えられないから費用や反省点を検証せず続けるというのでは、新しい高速炉を造ってもうまくいかないだろう」と話した。
20161201kousokurohiyou.jpg

 
「核燃料サイクルをやめれば、『パンドラの箱』が開いてしまう。高速炉開発を続ける意思を示す計画は、箱を封印する『お札』のようなものだ」と経済産業省幹部は、核燃サイクルと高速炉開発の旗を降ろせない理由を説明する。
 
核燃サイクルは、原子力発電所から出る使用済み燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを燃やす。
 
そして高速炉はプルトニウムを燃やしやすくした原子炉であり、高速炉開発をやめれば、使用済み燃料は「ゴミ」となり、青森県六ケ所村の施設で保管する理由がなくなる。
 
政府が高速炉にこだわる理由のもう一つは、日本が保有する48トンのプルトニウム(原爆約6千発分)が、核兵器の原料にもなり、使う見込みなく持ち続ければ、国際社会から核武装の懸念が出る恐れがあるからである。
 
原発の開発は、実験炉から原型炉、実証炉を経て実用化を目指すのだが、それは開発の常道であろう。
 
一般の製品開発ならば、まずはプロトタイプを作り、さまざまな実験を繰り返して製品化に進む。
 
原型炉である「もんじゅ」でつまづき反省もないまま、今後10年程度で実証炉の基本的設計思想を固めるとする。
 
珍しく、朝日新聞は社説で真正面から怒り、批判していた。
  
<もんじゅ後継 無責任さにあきれる>
2016年12月1日 朝日新聞DIGITAL
 利害関係者だけが集まり、密室で不合理な政策を決めていく。手痛い失敗の検証や反省がないまま、成否が見通せない巨額のプロジェクトに突き進む。
 政府はきのう、非公開の会議で、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の後継となる高速実証炉の開発を国内で進める方針を示した。
 無責任さに驚き、あきれる。
 1兆円超を投じたもんじゅは、1994年の初臨界からの20年余で、わずか220日ほどしか動いていない。扱いの難しい冷却用ナトリウムを漏らすなど、事故を起こしたからだ。
 開発の最初の段階にあたる実験炉「常陽」の稼働実績はもんじゅの十数倍、約3千日だ。技術開発は、段階が進むとまさに段違いに難しくなる。
 政府が目指す高速炉は、もんじゅのように炉内で燃料のプルトニウムを増やしていく増殖機能はないが、原理は同じだ。原型炉さえ満足に動かせなかったのに、安上がりで安全な実証炉を造れるのか。国際協力を踏まえるというが、頼りにする仏「ASTRID(アストリッド)」計画は、仏政府が建設の是非を数年後に決めるという段階だ。
 そもそも、議論の場がおかしい。きのうの会議の参加者は経済産業相や文部科学相、電力会社でつくる電気事業連合会、原子炉メーカーの三菱重工業、もんじゅの運営主体である日本原子力研究開発機構と、もんじゅの関係者ばかり。原子力機構の2人は三菱重工業と文科省の出身で、役所と企業の思惑だけで話を進めていると言っていい。
 なぜ、ここまで高速炉開発にこだわるのか。
 原発で生じた使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを燃料に使う。その核燃料サイクルの中核に位置づけてきたのがもんじゅだ。もんじゅ廃炉の方向性は示したものの、後釜を欠けばサイクルが崩壊し原発推進にも影響しかねない。そんな危機感があるのだろう。
 だが日本は既にプルトニウムを48トン、通常の原爆で6千発分を保有する。高速炉の実用化に具体的な展望がない今、経済性も欠くサイクルへのこだわりは国際的な疑念を招くだけだ。
 原子力行政については、一度決めた政策に固執する硬直性への批判が根強い。それでも福島第一原発事故後は、利害や経緯にとらわれない議論の大切さが広く認識されるようになった。
 政府はいま、過去の教訓に目をつぶり、お手盛りの会議で、疑問だらけの高速炉開発に税金をつぎ込もうとしている。こんな愚行は許されない。
 
経産省の技術官僚たちの多くは、理系の大学出身者で、企業経験などないままに出世しているであろうから、このような現実離れした案を平気で出してくるのではないだろうか。
 
もっとも、「高速炉開発会議」には電力会社でつくる電気事業連合会、原子炉メーカーの三菱重工業、もんじゅの運営主体である日本原子力研究開発機構と、もんじゅの関係者ばかりで、役所と企業の思惑だけで話を進めている。
 
「国策産業」にあっては「民間企業」も平気で破廉恥な判断に加担するというこんな愚行をのさばらしてしまったのは一体、誰の責任なのか、改めて第三者委員会などで検証しなければならないのではないだろうか、とオジサンは思う。

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