2017年05月02日

平日のメーデーの日に初の「平時の米艦防護」

国民的な労働者の祭典などと言われて久しい5月1日のメーデー。
 
1890年の5月1日に、アメリカやヨーロッパ各国などで 「第1回国際メーデー」が実行され、国連も認めた 「国際デー」として広がりを見せていた。
 
現在では、世界の80ヶ国以上でメーデーが祝日とされているというが、祝日としていない主な国は、OECD加盟国では、イギリスをはじめスイス、オランダ、デンマーク、そして 日本や韓国である。。
 
今年の5月1日は月曜日であったので、昨年や一昨年よりは、勤労者たちの参加が少ないように見え、その代り年金生活者の数は年々増加していることは確かである。
 
今年も都内ではナショナルセンターと言われる労働3団体はそれぞれの事情から、連合系は4月29日、全労連系は1日に代々木公園で、全労協系が日比谷野外音楽堂で開催された。
 
最大組合員数の連合のメーデーは大手紙でも翌日報道されていたが、肝心の5月1日の集会は大手マスメディアはスルー状態であった。
 
レイバーネットの「日比谷メーデーに7000人〜東部労組は『非正規差別なくせ!』と都庁行動」からの集会の様子。   
 
20170502hibiyamayday.jpg
【日比谷メーデー】

 
開会時刻が11時からの代々木公園での参加者の様子。
 
29170501mayday_01.jpg
【代々木公園メーデー】

 
主催者発表で3万人の参加者のデモ隊を送り続けるうたごえ隊の熱唱振り。
  
29170501mayday_02.jpg
【代々木公園メーデー】

 
さて、憲法遵守を義務付けられているはずの日本の首相は、相変わらず、「安倍首相 改憲へ『歴史的一歩を』 論議加速へ強い意欲」との記事によれば、「憲法を不磨の大典と考える国民は少数になり、いよいよ機は熟してきた。理想の憲法の具体的な姿を国民に示す時だ」と国民の感情を無視した考えを露わにしていた。
 
しかし世論調査結果では安倍晋三首相の思惑とはいささかずれている。 

 
この首相は自ら北朝鮮の脅威を国民に煽りながらも連休前にロシア、英国へと意味のない外遊をしていた。
 
当然、私人の安倍昭恵も同伴し政府専用機に同乗していた。  
 
この場合の安倍昭恵の立場とそれに伴う出費について、以前、政府は後ろめたさもありまともには答えられなかった。

昨日は、こんな動きがあった。

   「安保法任務を初実施 海自が米艦防護説明ないまま
20170502beikanbougo.jpg 
海上自衛隊が戦争法(安全保障関連法)に基づく「平時の米艦防護」を初めて実施した1日、命令を出した稲田朋美防衛相は驚くことに防衛省に登庁せず、公式に説明する場面はなかった。
 
公なアナウンスなき戦争法の発動は、北朝鮮情勢の展開によっては、国民が知らないまま自衛隊の米軍支援が進んでいく可能性を示した。
 
政府は平時の米艦防護に関し、米軍への妨害行為や偶発的な攻撃が発生した場合に限って実施を公表するとした運用指針を昨年末に決定し、米国からの要請の有無や自衛隊の活動内容は、米軍の弱点に関わるとして原則公表しない姿勢をとっている。
 
今回の防護命令も政府の公表ではなく、4月30日時点で報道機関の取材で明らかになっていた。
 
米艦が攻撃される可能性の低い太平洋側で、なぜ防護が必要なのか、政府は国民に説明していないが、明らかにこれは安全な海域での「実績作り」であろう。
 
他国を武力で守る集団的自衛権の行使には国会承認が必要だが、平時の米艦防護は防衛相の判断だけで実施できるという、国会も海自の活動内容を検証できない仕組みになっている。

米艦防護では武器を使った反撃が可能で、状況次第では武力衝突に発展する危険性をはらむのだが、こうした任務が国民への情報公開も国会のチェックもなく実施される戦争法の問題点が、鮮明になったわけである。
 
大手・ローカル各紙の社説をチェックして見た。
 
◆東京新聞・社説「初の米艦防護 本当に必要な任務か」 
◆毎日新聞・社説「自衛隊が初めて米艦防護 実績作りを急いでないか
◆河北新報・社説「初の米艦防護/なし崩し的拡大に歯止めを」 
◆秋田魁新報・社説「米艦防護初実施 なし崩しの恐れないか
◆神戸新聞NEXT・社説「米艦防護/一体化の歯止めはあるか
◆西日本新聞「米艦防護 なし崩しの「日米一体化」」 
◆琉球新報・社説「米艦防護開始 安保関連法を廃止せよ
 
決して政権側に忖度なんかしていない全て真っ当な記事であり、このような社説が普通に書ける報道の自由を守らなければならない。
 
ところで、「the camel's nose under the tent」(テントの下のラクダの鼻)という英文は「悪い前例」を意味する中近東の寓話から来ているらしいのだが、今朝の東京新聞・筆洗でこれを取り上げていた。  
 
 「ラクダの鼻」という言い方が英語にある。のんびりとした鼻を思い浮かべるが、その意味を知れば、ちょっと身構えたくなる。語源は中近東あたりの昔話だと聞く。こんな話である▼ある男が一頭のラクダを連れて、砂漠を旅していた。ある夜、疲れたラクダは男にこう頼み込んだ。「鼻だけテントの中に入れてもいいですか」。男は快く応じるが、その日を境にラクダはどんどん大胆になっていく。顔を、首を、脚を…。テントに入れてくる部分がどんどん大きくなる。結局、ラクダはテントの中で眠るようになり、男が出て行けといっても聞かない▼小さく、無害に見えてもそれをいったん認めれば、既成事実となり、やがて取り返しのつかぬ事態につながる。「ラクダの鼻」とはそういうたとえである▼「ラクダの鼻」になる危険は本当にないのか。海上自衛隊の護衛艦「いずも」が米海軍の補給艦防護のために、横須賀基地から出港した。安全保障関連法に基づく新任務が初めて実行に移された▼日程は約二日間。米補給艦を護衛するのは四国沖まで。本当に必要なのかの疑問も残るほどに「ラクダの鼻」程度の任務かもしれぬ▼心配なのはこうした任務の積み重ねがやがては米軍との一体化を思いもしないレベルまで強め、同時にそれに対する国民の警戒心を弱めないかである。不気味な鼻が太平洋を静かに泳いでいる。
 
「やがては米軍との一体化を思いもしないレベルまで強め、同時にそれに対する国民の警戒心を弱めないか」という指摘に対しては、政府広報紙が社説「海自『米艦防護』 双方向の協力で同盟を強固に」でこう批判していた。 
 
今後、防御が手薄な空母や、ミサイル迎撃態勢にあるイージス艦などの防護要請も想定される。
 実績を着実に重ね、双方向の協力を充実させるべきだ。
 自衛隊が役割を拡大し、非対称の関係を是正すれば、米軍が対日防衛により真剣に取り組むことにつながる。日本の発言力を高め、日米連携も緊密化しよう。
 疑問なのは、一部の野党が米艦防護を「米軍との一体化」などと批判していることだ。
 日本近海で活動する米軍艦船は基本的に、日本や地域の平和と安定を維持する任務を担っている。同盟国として、その米軍艦船を十分に守れる能力を持ちながら、法律上の制約で実行できなかった従来の状況こそが問題だった。
 米艦防護を通常の任務として円滑に実施できる同盟関係を構築することが肝要である。
 
まさに政権の見解そのものを代弁している社説である。
 
ジャーナリストならば、巨大な軍事力で「日本や地域の平和と安定を維持する」のではなく、外交の力で平和を維持するのが政治力であると政府には箴言すべきであろう。 

「『米軍との一体化』などと批判している」ことに疑問を感じる必要はない。
 
「米軍との一体化」に執着する同盟国根性丸出しの社説担当者には、改めて「ラクダの鼻」の寓話を読んでもらいたい、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 13:04| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする