2018年02月28日

消えた年金の再来で安倍晋三の先が見えてきた


昨年の3月17日に開催された第9回働き方改革実現会議では、労働時間の上限に対する政労使案、そして3月末にとりまとめる「実行計画の骨子」が会議に提出された。
 
この政労使案とは「連合」と「経団連」が合意したものがベースになっている。
 
その労働側代表の連合の神津里季生会長が、裁量労働制の不適切データ問題を受け、「裁量労働制の運用は相当怪しい。間違っていることは正すべきだ」、「制度の対象拡大を阻止するため、野党と力をあわせて戦う」と街頭演説をしていた。
 
20180228_asahi_rengoukaicho.jpg
【朝日新聞DIGITALより】
 

「でたらめなデータを発表しておいて、再調査しないと言い放つのは国民を愚弄した話だ」
(共産党の小池晃書記局長)
 
 「野党、再調査拒否に猛反発=予算案採決で徹底抗戦」 
 
さらに、「再調査要求、自民内からも=裁量制データに批判続出−厚労部会」という流れになってきた。
『働き方』与党にも不満 予算審議ずれ込み 法案分離論も」 
 
・・・前略・・・
■野党「消えた年金と同じ」
 野党側は、年金記録の取り扱いで不祥事が相次ぎ、第1次安倍政権が失速する契機となった2007年の「消えた年金」問題の再来と見て、攻勢を強めている。
 「昨日までの回答と何も変わらない。不誠実と言わざるを得ない」
 立憲民主党の福山哲郎幹事長は、記者団の前でこう強調。野党が求める法案撤回などに「ゼロ回答」を続ける与党の姿勢を批判した。その後、立憲、民進、希望、共産、自由、社民の野党6党は国会対策委員長会談を開き、衆院予算委の審議続行を求め、採決を阻止する方針で一致した。
 野党6党は27日も合同院内集会や厚生労働省の担当者からの合同ヒアリングなどを開催。立憲の長妻昭代表代行はヒアリングで「データの捏造(ねつぞう)が明らかになったら、内閣が吹っ飛びますよ」と迫った。
 今回の裁量労働制のデータ問題を「消えた年金」と重ねる発言も増え始めた。希望の古川元久幹事長は野党6党の集会で「消えた年金問題と対応が同じ。政権の体質は変わっていない」と強調した。
 自由党幹部は「かつて年金国会で荒れていた時のようになってきた。与党は裁量労働制の部分を法案から切り離さないで突っ込むと、大変なことになるだろう」と語る。
 
残念がら、どんなに野党が束にかかっても2018年度予算案を人質にしてまでの抵抗はできないと自民党は見抜いて、予算案は集中審議という儀式を経て「与党+維新の会」の多数により衆院は通過する。
 
だが、安倍晋三首相の目玉法案である「働き方」関連法案の国会提出はどうやら1か月程度延期されるらしい。
 
<働き方法案提出 大幅延期 厚労省検討 来月後半めど>
 2018年2月28日 朝刊 東京新聞
 裁量労働制を巡る不適切データ問題を受け、厚生労働省は27日、裁量制拡大を含む「働き方」関連法案の国会提出を当初より大幅に延期し、3月後半を目指す方向で検討に入った。全データの精査に時間がかかることに加え、自民党内からも批判が相次ぎ、作業が遅れているため。自民党からは裁量制の適用拡大を法案から切り離すべきだとの意見も出た。
 厚労省は2月後半に関連法案を提出する予定だったが、データ問題で衆院予算委員会が紛糾。野党の追及が強まり、与党での法案の事前審査も中断している。
 政府内では当初予算に関係しない法案の提出期限を3月13日とするが、厚労省幹部は「与党への説明も十分できていない」とし、期限に間に合わない可能性が高い。データの精査結果は3月中にはまとまる見通しで、法案提出と同時期に国会へ報告する予定だ。
 政府は働き方改革を今国会の目玉政策としており、関連法案を早期成立させる構えを崩していないが、提出の遅れに加え、精査結果で新たな問題が発覚すれば、国会審議や成立の見通しに影響を及ぼしそうだ。
 自民党厚労部会は27日、問題発覚後、初めて厚労省からヒアリングを実施。同省が異なる条件で調べた数字を比較したことについては「労働行政のプロが間違いに気付かなかったのか」と批判が相次いだ。
 関連法案に盛り込む予定の裁量制拡大について、西田昌司参院議員は会議後、記者団に「安倍政権にとって命取りになりかねない。政府として切り離しを決断すべきだ」と求めた。
 日本維新の会の馬場伸幸幹事長は記者会見で、関連法案から裁量制のほか、高収入専門職を労働時間規制の対象外とする高度プロフェッショナル制度(「残業代ゼロ制度」)に関する部分を削除するよう求めた。
 
「データの精査」をすればするほど、捏造の事実が明確になるはずなのだが、そうなればもはや政権は危ういことになる。
 
それでは、この捏造データは一体だれの指示で作成されたのか、という疑問に、この夕刊紙は興味深い記事を書いていた。
 
<裁量労働制データ偽装 “黒幕”厚労省課長は未来の次官候補>
 2018年2月28日 日刊ゲンダイ
 26日の衆院予算委で、労働時間の調査データの不備が新たに233件見つかった「裁量労働制の拡大」をめぐる問題。安倍首相は「データは撤回しない」「新たに調査はしない」――などと、何が何でも法案成立を強行するつもりらしい。
 問題のデータは、厚労省が作成した「2013年度労働時間等総合実態調査」。厚労省は、このインチキデータを法案作成の場である労働政策審議会に提出しながら、一方で、労働政策研究・研修機構(JILPT)による裁量労働制などの「時間調査」の結果を伏せていた。この調査では裁量労働者の方が一般労働者より労働時間が長く、政府の望む法案の“前提”が崩れてしまうからだろうと疑われている。
 オドロキなのは、このときJILPTに調査を依頼したにもかかわらず、調査結果を伏せた確信犯が“未来の次官候補”とささやかれていることだ。
 その人物は、厚労省労働基準局のナンバー2である村山誠総務課長(51)。医療情報誌「集中」は「厚労省人事ウォッチング」(2018年1月23日)で、<労働官僚の中で次官候補と目される2課長>のうちのひとりとして村山氏を紹介。記事の中で、働き方改革関連法案をまとめた主力として<「労働基準局のプロ・村山」>とうたっている。
 経歴もピカピカだ。
「開成高から東大文に進学し、1990年に旧労働省に入省。北海道や岡山、静岡など地方の『労働畑』を歩んだ後、2010年8月から出向先の内閣官房で労働基本権を担当する参事官として国家公務員法改正を手掛けました。12年9月から労働基準局労働条件政策課長、16年7月から現職です」(厚労省関係者)
 いくらエリートとはいえ、本をただせば、今国会の混乱を生み出した張本人。2014年の「総合職入省案内」で、村山氏(当時=労働条件政策課長)は「全国の働く人の声に正面から向き合う」と語っている。
 いま一度、当時の気持ちを思い出したらどうか。
 
それでは、「働き方改革の捏造データの作られ方、教えます」で紹介した元通産省官僚の古賀茂明作成の厚労省内部の「仮想会話」を上記の「村山誠総務課長」を念頭に再掲しておく。  
 
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
ある日大臣室で
大臣 「裁量労働にすれば労働時間は短くなると言えるんですよね」
局長 「実は、データではその逆になっておりまして、なかなか悩ましいところです」
大臣 「こっちはただ言葉で短くなるはずですと言うだけということか。それでは、苦しいな。何かうまいデータはないんですかね。安倍さんは経団連に約束しちゃってますからね。失敗は許されませんよ」

帰りの廊下で
局長 「大臣も相当なプレッシャーを感じてるんだな。確かに、労働時間が長くなるというデータしかないというのは苦しいな。短くなるというデータはないのかね」
課長 「色々見たんですが、ないんですよ。そもそも、今の日本の職場で裁量労働なんて入れたら労働時間が長くなるのは目に見えてますからね」
局長 「君、そんな他人事みたいなこと言ってちゃ困るな。何とかしてくれよ!」

課内で
課長 「いやあ、参ったなあ。大臣は安倍さんのことしか見てないし、局長も大臣のプレッシャーを感じちゃって、無理なこと言うんだよ。だけど、局長の立場もわかるよな。下手すると官邸に目をつけられて次官の目もなくなっちゃうしな。何とかうまくやっていいデータはできないかね」

課長補佐 「まず無理だと思いますよ」
課長 「……」
課長補佐 (小声で)「でも、やるだけやってみますか」
係長 「そんなこと絶対に無理ですよ! 相当なイカサマ調査をやるということになりますよ!」
課長 「イカサマやれとは言ってないよ!何とかいいデータはできないかなと言ってるだけだ。とにかく、やるだけやってみてくれよ。責任は俺が取るから」

深夜、課長退庁後の課内で
係長 「色々考えましたが、これくらいデタラメやれば何とかなるかもしれませんが……、あまりにもひどすぎますよね。やっぱり、無理だなあ」
課長補佐 「でも、俺たち、どっちにしてもこの法案出して、それを国会でディフェンドしなくちゃいけないんだよな。できなければクビだよ。馬鹿みたいだけど、やるだけやってみて、上に上げてみるか。どうせボツになるだろうけどな」

数カ月後、課内で
課長 「おおっ!よくこんなデータができたな!やっぱり、何でもやってみるもんだ」
課長補佐 「課長、これ、相当滅茶苦茶ですよ。その注釈(比較の仕方などを解説したもの。ひどい内容であることをアリバイのために書いておく)をよく読んでください」
係長 「それを読めば、誰も使えませんよね。このデータ」
課長 「うーん。確かに、ずいぶん無理をした比較だな。これじゃあちょっと無理かなあ。でも、これしかないんだろう?じゃあ、局長と相談してみるよ」

局長室で
局長 「いやあ、よかったなあ、いいデータができて。注釈は気になるけど、こんな細かいことはいちいち言う必要はないよな」
課長 「大臣に説明する時は必ず、無理のあるデータだということをよくご理解いただいたうえで、それでも使うということであれば、やむを得ないかと思いますが……」(官僚の責任逃れの常套句)

大臣室で
大臣 「おうおう、これで、立派に反論できるな。さすが、局長、お見事!」(官僚をおだてるのができる政治家)
局長 「いやあ、いろいろ無理をしまして。部下にもずいぶん文句を言われましたが、何とか……」
大臣 「法案が通ったら若い連中を呼んで盛大に慰労会をやらなくちゃいかんな」

課内で
課長補佐 「えーっ!?局長はあのデータの問題点を大臣に言わなかったんですか?大臣は知らないってことですか?それ、話が違うじゃないですか!課長、ひどいですよ!」
課長 「いやあ、俺も、局長が言わないから、自分で言おうかと思ったんだけど、局長は確信犯だな。全くそんな雰囲気じゃなかったんだ。帰りにおかしいと言ったら、そのうち、俺から話しておくからって」

夜、課長退庁後の課内で
係長 「局長絶対に大臣に言わないでしょ。今更言えないと思いますよ。後でばれたら、全部俺たちの責任ってことですよ!」
課長補佐 「……」
係長 「すみません。補佐も被害者ですよね。こうなったら、ばれないように祈るだけということですね」
課長補佐 「でも、絶対にばれるだろうな。あー、大臣がブチ切れる姿が目に浮かぶなあ……」

◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
 
読めば読むほど上記の会話が現実味を帯びてきている。
 
働き方改革関連法案 今国会で成立を 経団連会長」とついに本性を露わにしてしまった経団連の榊原会長。
 
その会長は、「今回の法案は、多様化する働き方への対応や長時間労働の是正など時代に即した改正で、社会の要請でもある。ミスと法改正の趣旨は別の問題だ」とうそぶいていたが、現在問題となっている「裁量労働制の拡大」は社会の要請ではなく、経団連の要望であり、また、「調査データの扱いにミスがあった」わけではなく、かなり悪質な組織的なデータ改ざんであり、それを根拠とした法案なので別問題として扱うことは許されない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 | Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月27日

言えば言うほどボロボロ答弁


冬季五輪出場選手たちが帰国して、一時のフィーバーは治まり、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」ではようやく裁量制労働者の労働時間に関する厚労省の異常データを「不適切データ問題」として取り上げていた。
 
やはりというのか、安倍政権に批判が及ばないよう、コメンテーターとしては官邸代表として御用ジャーナリスト田崎史郎をテレビ朝日は用意していた。
 
期待通り(?)、安倍晋三首相を庇う余り、「最近の役人は質が落ちているのですよ」と、異常データは役人の所為であるということを強調し、テレビ朝日社員の玉川徹に「キャリア官僚ですよ、そんな優秀な人たちが明らかなミスをしますか?!」と反論されていた。
 
国会では安倍晋三首相の頑なな答弁が見苦しかった。
 
 「不適切データ 新たに233件 裁量労働制 首相は撤回せず
 
20180227_tokyo.jpg
【東京新聞より】

 
今月中の予算案の採決は怪しくなった。
 「労働時間、更に233件異常値 衆院委で説明 予算案通過先送り」 
 
<また異常値でも「ゼロ回答」 働き方改革、再調査も法案断念も与党拒否>
 2018年2月27日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 労働時間の調査データに「異常値」が次々に発覚するなか、調査をやり直すよう求めた野党の要求に与党は26日、「ゼロ回答」で応じた。反発を強める野党に対し、安倍晋三首相や加藤勝信厚生労働相は火消しに躍起だが、新年度予算案の衆院通過にも影響を及ぼす事態になった。▼1面参照
 「間違いがぼろぼろと出てきている。データの信頼性が失われている」。26日の衆院予算委員会。立憲民主党の長妻昭代表代行は、厚生労働省が2013年度にまとめた「労働時間等総合実態調査」のデータに、新たな「異常値」があると指摘した。
 加藤厚労相は異常値の存在を認め、一般労働者の1日の残業時間がゼロなのに、同じ人が1週間や1カ月でみると残業をしたことになっているケースが新たに233件判明した、と明らかにした。加藤氏は「常識的に考えてあり得ないと思う」と述べた。
 この調査データをめぐってはすでに1日の労働時間が24時間を超えるケースや、同じ人の残業時間なのに1日の方が1週間や1カ月より長いといったケースが判明。異常値はこれで計365件に上る。
 それでも首相官邸幹部は「法案を提出する方針は揺るがない」と断言する。安倍首相は今国会を「働き方改革国会」と銘打ち、政権は3月中に8法案をまとめて国会提出することを目指してきた。法案の提出を断念すれば政権は大きなダメージを受けかねない。
 調査のやり直しは官邸幹部も一時、検討の余地は認めていた。だが再調査をすればさらに時間がかかる。
 そこで「ゼロ回答」になったが、野党が猛反発。衆院予算委も対立の余波で27日に開催できる見通しはなくなり、新年度予算案の衆院通過は28日以降にずれ込むことになった。
 与野党の幹事長・書記局長会談が終わった27日未明、自民党の森山裕国会対策委員長は記者団に「調査のデータをまず精査することが大事だ」とし、不適切なデータ問題で引き続き、野党の理解を求める姿勢を強調した。ただ、相次ぐ「異常値」で、世論の反発が強まる可能性がある。
 (藤原慎一、米谷陽一)
 ■詰め寄る野党、首相は「苦笑」
 「今まさに精査をしている。精査をしている中でデータ自体を撤回するということも適切ではない」。首相は26日の衆院予算委員会で、労働時間の調査データの撤回を求められ、こう退けた。データの撤回を認めれば、法案の提出断念をさらに強く迫られる恐れがある。「そのデータに依拠して法案を作ったわけではない」と予防線も張った。
 しかし、野党の追及はやまない。質疑に立った希望の党の玉木雄一郎代表は法案提出の断念を迫った。これに対し、首相は「法案を提出するかはまさに与党の審査があるから、今確定的なことは言えない」との「建前」を持ちだした。
 実際には政府として法案提出の方針に変更があるわけではない。菅義偉官房長官は23日の記者会見で「今国会の法案提出の方針に変わりない」と述べたばかり。それなのに、「与党の審査」を持ちだしてはぐらかそうとする首相の答弁ぶりに、いら立った野党理事が一斉に委員長席に詰め寄った。
 騒然とする議場で、苦笑いを漏らした首相の姿を見た玉木氏は声を荒らげた。「そんなに馬鹿にして笑う話ですか、そこに安倍政権の傲慢(ごうまん)さが現れているんじゃないか。(過労死で)人が死んでいる話なんですよ」
 
少なくとも「裁量労働制の適用拡大」という改正案の筋の悪さをあらゆる事実が示しているにも関わらず、自らが「働き方改革国会」と大見得を切ってしまい、安倍晋三首相は自分の口からは「撤回」という言葉を言えなくなってしまっている。
 
毎回、追い詰められるとキレてしまいボロボの答弁をしてしまう安倍晋三首相を守るため、与党は野党に対して国会における質問時間の削減を要求し、立憲民主党の幹部に「質問時間の配分問題は、結局はテレビ中継の際に、首相を(野党の追及から)守るための対応だったのではないか」と批判されていた。
 
予算委中継 首相質疑、6時間減 野党追及は8時間減」 
 
20180227_mainiti.jpg
【毎日新聞より】

 
年が改まり、もう「モリカケ問題」から逃げ切ったと安心していた安倍晋三首相に対して、昨年の総選挙で立憲民主党から初当選した議員の質問に対して、2月26日の国会で安倍晋三首相が森友学園問題について、答弁が二転三転する場面があった。

昨年、安倍晋三首相は「妻が森友学園問題に関わっていたら辞める」などと発言していたが、昨日の答弁では一転して「私の妻は名誉校長を引き受けたわけでありますから、無関係だと私が申し上げたことは全く無いわけであります」と答弁。
 
更に続けて、安倍晋三首相は「関係がないというのは国有地の払い下げについては関係が無いわけであります」などと述べ、あくまでも国有地の払い下げに関わっていないことだと強調していた。

以下はフルバージョンです。
【本多平直(立憲)「完全なクロ!昭恵夫人を国会証人喚問!」vs安倍晋三:2/26衆院・予算委】

 
追い詰められると、答弁書の「朗読係」になってしまう安倍晋三首相。
 
要するに、国有地の格安での「売買」には関わっていないということを正当化するために、将来、売却する前提での貸付の段階では妻(安倍昭恵)は谷査恵子を使って大いに関与していたことは、認めてしまったわけである。
 
冒頭、「冬季五輪出場選手たちが帰国して、一時のフィーバーは治まり」と書いたが、それはあくまでも現地からの中継は終わったが、帰国した「メダリスト」たちに関しては今後もテレビメディアは多くの時間を割くことであろう。
 
それもまた「アベ隠し」にもつながるのだが、客観的な状況を見ても、裁量労働制拡大法案にしても、国有地格安払下げ問題にしても、もはや安倍晋三はもう「詰み(罪)」のレベルに達しており、問題はこのような事実を新聞・テレビのメディアが如何に国民に分かるように報道するかということであり、まさにマスメディアの矜持が問われるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:10| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月26日

働き方改革の捏造データの作られ方、教えます


恒例の週末の世論調査が行われた。
 
Web上で確認できたのは日本経済新聞と毎日新聞であった。
 
内閣支持率横ばい56% 教育充実の改憲「賛成」72% 本社世論調査

20180226_nikkei01.jpg 
20180226_nikkei02.jpg
 
【日本経済新聞より】

今までの傾向から、「安倍政権支持派」メディアの内閣支持率は、そうではないメディアの結果より10ポイントほど高めである。   
 
そうではない派の毎日新聞の全国世論調査を結果の抜粋は以下の通り。
 
◆裁量労働制
@「対象拡大に反対・・・57%
A「対象拡大に賛成」・・18%
B「長時間労働を是正するため、残業時間の上限を月45時間、例外でも月100時間未満」
 「もっと厳しくすべきだ」・・・33%
 「妥当だ」・・・・・・・・・・33%
 「もっと緩くすべきだ」・・・・13%
◆森友学園問題・佐川宣寿国税庁長官就任
 「納得できない」・・・68%
 「納得できる」    14%
◆自民党総裁選・安倍首相
@代わった方がよい」・・・・・・44%
A「総裁を続けた方がよい」・・・41%
◆安倍内閣の支持率は
@支持する・・・・・45%
A支持しない・・・・32%
◆憲法改正
@「年内に発議する必要はない」・・・50%
A「年内に発議した方がよい」・・・・34%
B自民支持層
 「年内に発議」・・・・・・・・・・47%
 「年内に発議する必要はない」・・・41%
C「憲法9条の1項と2項はそのままにして自衛隊に関する条項を追加する」・・・37%
D「憲法9条の2項を削除して自衛隊を戦力と位置付ける」・・・・・・・・・・14%
E「自衛隊を憲法に明記する必要はない」・・・・20%
F「わからない」・・・・・・・・・・・・・・・20%
 
ひとつ問題なのは、憲法改正関連が、昨年の5月の安倍晋三の改憲発言によって、それを前提とした設問になっていることである。
 
そもそも、「憲法9条の2項」で保持しないと明記されている「陸海空軍その他の戦力」である自衛隊を、同じ9条に書き加えること自体がありえない話にもかかわらず、「自衛隊に関する条項を追加する」ことが前提のように最初の設問になっている。
 
そして、明らかに反対が多いであろう、「憲法9条の2項を削除して自衛隊を戦力と位置付ける」と比べれば、当然、追加することの方がよりよく見える。
 
本来ならば、「現行通り」か「現行を変える」の二者択一でいいはずである。    
 
個別選択できない8本の法律改正をひとまとめにした「働き方改革法案」。
 
とりわけ、経団連に対する「アメ」といわれた残業代抑制法案に対する労働者の反発は大きい。  
 「裁量労働制 対象拡大反対の緊急デモ 1000人が訴え」 
 
元通産官僚で、「I am not ABE」と書いたプラカードを放映中に掲げて「報道ステーション」のレギュラーコメンテーターを降ろされた古賀茂明が、現在、国会で紛糾している厚労省作成の捏造データに関して明快に解説していた。 
 
<古賀茂明「働き方改革の捏造データの作られ方、教えます」>
 2018.2.26 07:00 AERAdot.
 働き方改革法案の基礎となったデータの捏造疑惑が大問題となっている。
 あえて「捏造」という言葉を使ったのは、今回の不祥事は、単なるミスではなく、明らかに「故意」だとほぼ断定できるからだ。
 安倍政権が進める働き方改革の柱の一つである裁量労働制は、労働者が自分の裁量で日々の労働時間を自由に決められることにする一方、労働時間の上限規制は適用されず、経営者はあらかじめ決められたみなし労働時間に基づく給料を実際に働いた時間と関係なく支払えばよいという制度だ。仕事の配分や進め方を労働者がやりたいように決められるので労働者にとって便利で、効率も上がり、結果的に労働時間も短くなると政府は主張している。
 現在、この裁量労働制を適用できるのは、弁護士、会計士、新聞記者、テレビ局のディレクター、デザイナーなど専門的な職種と、本社などで企画、立案、調査、分析などをする一部の職員などに限定されているが、これをもっと拡大して欲しいという経団連の強い要望に応えて、安倍政権は、裁量労働制を営業職的な職種を含めて大幅に拡大する改正を今国会に提出する通称「働き方改革法案」に盛り込もうとしている
 これに対して、裁量労働制とは言っても、本当に自由裁量で労働時間を決められる労働者は極めて限られており、実際には「働かせ放題」につながり過労死も増えるという批判が労働者側からなされている。
 この争点に関して、厚労省は、裁量労働の方が一般労働よりも労働時間が短いというデータがあるとして反論してきた。そのデータは、元々は塩崎恭久厚労相時代に発表されて以来使われていたものだが、今国会への法案提出を前に、衆議院予算委員会などでも取り上げられ、安倍総理もこのデータを基にして、「平均的な方で比べると裁量労働の方が労働時間が短いというデータもある」と答弁していた。
 政権側にとっては、裁量労働制の導入で「労働時間は長くなるはずだ」という批判への唯一の反論材料がこのデータであり、しかも定性的な言葉ではなく、具体的数字で示すことができるので、非常に使い勝手が良いデータだ。
しかし、逆にもし、このデータが嘘だったということになると、裁量労働で労働時間が短くなるはずだと論証する手掛かりがほとんどなくなってしまう。いわば、政権にとっては、命綱と言っても良い重要なデータだったのだ。
 ところが、その根拠となる調査に根本的な誤りがあることがわかった。しかも、その誤りが並の誤りではない。
 この調査では、一般労働者には「最長の残業時間」を尋ねる一方で裁量労働制で働く人には単に労働時間を聞いていた。つまり、全く異なる質問への答えを比較して「裁量労働制の方が労働時間が短い」としていたのだ。この一点だけでも、この調査結果は何の意味もないということになる。
 また、個々の調査データを見ると、1日の残業時間が12時間45分なのに1週間の合計残業時間が4時間30分になっているというようなありえないデータが100件以上あることがわかり、調査の土台が信用できないということになった。
 さらには、当初は調査の原票がないと言っていたのに、数日後にはそれが入った32箱の段ボールが見つかり、隠ぺいしようとしたのではないかとの疑惑も生じた。
 はっきりしていることは、発見された大量の「不自然な数字」は単なる書き間違えとか転記ミスというような「過失」によっては到底説明できないということだ。日本の官僚は、創造力はないが、単純作業を正確にこなすということにかけては一流だ。そんな彼らが、これほどおかしなミスを大量に犯すとは到底考えられない。
 明らかに、明確な「故意」あるいは、そういうミスはあるかもしれないなと思いながらあえて精査しない「未必の故意」があったとしか考えられないのである。
 ■「無理筋」な要求を通したのは政治家の命令か官僚の忖度か
 では、なぜこんな「犯罪」まがいの行為が行われたのだろうか。
 霞が関で31年働いた私の経験から言えば、官僚は自分たちの利権、とりわけ天下り先確保のためには相当ひどいことをするが、それ以外では案外まともに仕事をするものだ。普通の仕事をしているときに、こんな「捏造」をするなどということは聞いたこともない。とても官僚の自由意思によるものとは思えないのである。
 ということは、上からの相当強力な圧力があったのではないかということになる。
そう考えると、誰でも思いつくのは、安倍総理やその側近、あるいは当時の塩崎厚労相から、そういうデータを作るように指示ないし、何らかの働きかけがあったのではないかということだ。国会でも野党がそういう質問をしていた。その可能性はもちろん、否定できない。
 一方、政治家から直接の働きかけがないのに、官僚の方が、安倍総理や塩崎厚労相の意向を忖度して、勝手に暴走したという可能性も十分にある。
 実は、並の経済官僚なら誰でも知っているデータがある。それは、裁量労働の方が一般の労働よりも労働時間が長いという、厚労省傘下の独立行政法人「労働政策研究・研修機構(JILPT)」の2014年のレポートだ。これによって、「裁量労働制」の方が労働時間が長くなるというのが官僚たちの間では常識になっていた。
 また、官僚たちは、自分たちの経験から、日本の通常の職場では、裁量労働が事実上青天井の長時間労働になることを知っている
 どういうことかというと、まず、役所には根強い「長時間労働信仰」があり、仕事を早く終わらせたから夕方定時で帰りますということが許されない雰囲気がある。多くの民間企業と同じだ。
 一方、役所では、労働基準法の適用がないから、何時間残業させてもお上にとがめられる心配はない。もちろん、建前上勤務時間は決まっていて、それを超えると残業代が払われるが、実際には予算の制約があり、一定時間以上働くとそれ以上は残業代はもらえなくなる。残業代定額制のようなものだ。そして、残業は上からの命令ではなく「自発的に」行われる。多くの上司は、夕方、若手にこう語りかけるのを日課にしている。「あまり遅くなるなよ。早く帰れよ」。いかにも、若手職員が労働時間を自由に決められるかのような言葉だ。
 つまり、役所の働かせ方は、民間企業で行われている「企画型裁量労働」の実態に非常に近いのだ。そんな彼らは、国会の作業なども含めて、深夜勤務が続くことも多いが、だからと言って、国会がない期間は4時間労働で帰りますということはよほどのことがない限り言えない。
 こんな経験を積んでいる官僚たちにとって、裁量労働制が普通の労働者に拡大すれば、きっと自分たちと同じ状況になるだろうと想像するのは非常にたやすいことだ。
 ところが、裁量労働制の拡大を進める安倍政権の「働き方改革」は、初めから結論ありきだった。労働の実態を調査検討して、最適な改正案を作るというまともな仕事をする自由は厚労省の官僚にはなかったのだ。
 そうなると、厚労省の官僚たちは非常に苦しい立場に陥る。自らは裁量労働制で労働時間は長くなると確信しながら、また、それを実証するデータの存在も熟知しながら、裁量労働拡大の正当性を証明しなければならないからだ。とりわけ、彼らにとって、JILPTのデータは、まさに「不都合な真実」であった。
 追い詰められた彼らは、これと反対のデータを自ら何とか作れないかと考えたのだろう。その際、確実に「良い」結果が出るように、質問の仕方、集計の仕方に「工夫」を加えて良い結果を導こうとしてしまった。
■寸劇風「歴史的捏造データの作られ方」

 私が30年以上の官僚の生活で得た知見をもとに、全くの仮説だが、いったいどうしてこんなことになったのかということを想像してみた。もちろん、実際に起きたことは、これとは全く異なる経過をたどったかもしれないが、役所ではこんなことが起こり得るのだということを知っていただくために紹介したい。
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
ある日大臣室で
大臣 「裁量労働にすれば労働時間は短くなると言えるんですよね」
局長 「実は、データではその逆になっておりまして、なかなか悩ましいところです」
大臣 「こっちはただ言葉で短くなるはずですと言うだけということか。それでは、苦しいな。何かうまいデータはないんですかね。安倍さんは経団連に約束しちゃってますからね。失敗は許されませんよ」

帰りの廊下で
局長 「大臣も相当なプレッシャーを感じてるんだな。確かに、労働時間が長くなるというデータしかないというのは苦しいな。短くなるというデータはないのかね」
課長 「色々見たんですが、ないんですよ。そもそも、今の日本の職場で裁量労働なんて入れたら労働時間が長くなるのは目に見えてますからね」
局長 「君、そんな他人事みたいなこと言ってちゃ困るな。何とかしてくれよ!」

課内で
課長 「いやあ、参ったなあ。大臣は安倍さんのことしか見てないし、局長も大臣のプレッシャーを感じちゃって、無理なこと言うんだよ。だけど、局長の立場もわかるよな。下手すると官邸に目をつけられて次官の目もなくなっちゃうしな。何とかうまくやっていいデータはできないかね」

課長補佐 「まず無理だと思いますよ」
課長 「……」
課長補佐 (小声で)「でも、やるだけやってみますか」
係長 「そんなこと絶対に無理ですよ! 相当なイカサマ調査をやるということになりますよ!」
課長 「イカサマやれとは言ってないよ!何とかいいデータはできないかなと言ってるだけだ。とにかく、やるだけやってみてくれよ。責任は俺が取るから」

深夜、課長退庁後の課内で
係長 「色々考えましたが、これくらいデタラメやれば何とかなるかもしれませんが……、あまりにもひどすぎますよね。やっぱり、無理だなあ」
課長補佐 「でも、俺たち、どっちにしてもこの法案出して、それを国会でディフェンドしなくちゃいけないんだよな。できなければクビだよ。馬鹿みたいだけど、やるだけやってみて、上に上げてみるか。どうせボツになるだろうけどな」

数カ月後、課内で
課長 「おおっ!よくこんなデータができたな!やっぱり、何でもやってみるもんだ」
課長補佐 「課長、これ、相当滅茶苦茶ですよ。その注釈(比較の仕方などを解説したもの。ひどい内容であることをアリバイのために書いておく)をよく読んでください」
係長 「それを読めば、誰も使えませんよね。このデータ」
課長 「うーん。確かに、ずいぶん無理をした比較だな。これじゃあちょっと無理かなあ。でも、これしかないんだろう?じゃあ、局長と相談してみるよ」

局長室で
局長 「いやあ、よかったなあ、いいデータができて。注釈は気になるけど、こんな細かいことはいちいち言う必要はないよな」
課長 「大臣に説明する時は必ず、無理のあるデータだということをよくご理解いただいたうえで、それでも使うということであれば、やむを得ないかと思いますが……」(官僚の責任逃れの常套句)

大臣室で
大臣 「おうおう、これで、立派に反論できるな。さすが、局長、お見事!」(官僚をおだてるのができる政治家)
局長 「いやあ、いろいろ無理をしまして。部下にもずいぶん文句を言われましたが、何とか……」
大臣 「法案が通ったら若い連中を呼んで盛大に慰労会をやらなくちゃいかんな」

課内で
課長補佐 「えーっ!?局長はあのデータの問題点を大臣に言わなかったんですか?大臣は知らないってことですか?それ、話が違うじゃないですか!課長、ひどいですよ!」
課長 「いやあ、俺も、局長が言わないから、自分で言おうかと思ったんだけど、局長は確信犯だな。全くそんな雰囲気じゃなかったんだ。帰りにおかしいと言ったら、そのうち、俺から話しておくからって」

夜、課長退庁後の課内で
係長 「局長絶対に大臣に言わないでしょ。今更言えないと思いますよ。後でばれたら、全部俺たちの責任ってことですよ!」
課長補佐 「……」
係長 「すみません。補佐も被害者ですよね。こうなったら、ばれないように祈るだけということですね」
課長補佐 「でも、絶対にばれるだろうな。あー、大臣がブチ切れる姿が目に浮かぶなあ……」
■独裁者安倍晋三にひれ伏し、良心、正義感、勇気、全てを失う官僚たち
 「捏造」されたデータは、その後も使われ続けた。あと数カ月嘘がばれなければ、彼らの目論見は成功したかもしれない。
 しかし、悲しいことに、結局失敗に終わった。今回の問題の発覚は単に厚労行政の不祥事というだけでは済まされない。どうして、こんな大それたデータ「捏造」が起きたのか。官僚は悪人ばかりなのだろうか。
 確かに、最近、官僚の評判はすこぶる悪い。しかし、彼らは決して悪人というわけではない。もちろん、聖人君子でもない。普通の人だ。普通の人は、良心もあり正義感もあり勇気もある。しかし、同時に弱い心も持っている。官僚も同じだ。官僚には能力の高い人がたくさんいる。良心も持ち合わせているだろう。正義感も不正と闘う勇気もあるはずだ。しかし、彼らの良心、正義感、勇気全てが劣化していると感じるのは私だけだろうか。
 どうしてそんなことになるのか。それは、安倍総理の独裁性が極限にまで高まり、少し前までは強大な力を持つと信じられていた官僚たちにさえ、最初から良心を放棄させ、正義感を忘れさせ、政権の過ちを指摘する勇気も失わせてしまったのではないか
 今回の厚労省のあまりにもひど過ぎる不祥事を見て、あらためて、日本には、「独裁者」が誕生しつつあるのだということを痛感させられるのだ。
 
上記の記事中の寸劇風「歴史的捏造データの作られ方」は、あまりにも生々しくまさに再現ドラマを見ているようである。
 
古賀茂明の単なる妄想ではなく、官僚経験者ならではの内容である。
 
官僚という人種は上長には絶対に逆らえず、いかなる難題でも解決することが「仕事」だと割りきり、ひたすら上を見て働いているのだろう。
 
そして、こんな彼らの上司は絶えず、こう言っているに違いない、とオジサンは思う。
 
 「無理させて 無理をするなと 無理を言う
(2006年 サラリーマン川柳より)


posted by 定年オジサン at 13:05| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月25日

裁量制労働者はストライキもできない


地上を走るJRだろうが、都営地下鉄であろうが「電車」はその名の通り、「電気」で走る車ということは幼稚園児でも知っている。
 
その肝心の電気の供給がストップすれば、多くの車両が運休し、時には数万人にも及ぶ乗客に影響がでる。
 
それにもかかわらず、最近、人身事故と同じように「電源事故」が多いように感じられる。   
 
昨年の9月5にはこんな事故が発生していた。
 
 「JR東の大規模停電、変電所の作業ミスが原因」 
 
その停電は同日午前10時ごろに発生し、山手線や京浜東北線、埼京線、高崎線などが最大で約40分停止し、計75本の列車が遅れた。
 
さらに東京、浦和など14駅でも停電が起き、改札機やエスカレーターが停止した駅もあったという。
 
その大規模停電からわずか1か月後の10月2日にも、こんな事故が発生していた。
 
 「停電で…JR東海道線など一時運転見合わせ
 
「神奈川県の大船駅近くの変電所で停電が発生し、東海道線、横須賀線、京浜東北線が全線で一時運転を見合わせた。 停電は、変電所内で漏電などの異常を検知する装置が誤って作動し、ブレーカーが落ちてしまったことが原因とみられるという。」
 
上記の停電事故はいずれも変電所内での作業ミスとか装置の誤作動などが原因と発表されていた。
 
ようするに、国内の電車を一斉に止めるには、拠点となる複数の変電所を人為的に同時に止めれば、確実に「同時多発テロ」状態になる可能性があるということである。
 
そしてついに、同時停電という事故が発生していた。
 

<都営3線、同時停電 複数変電所で異状 131本運休>
 2018年2月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 24日午後6時13分ごろ、都営地下鉄浅草線と三田線、都電荒川線で同時に停電が発生するトラブルが起きた。この停電の影響で、3線は午後7時30分ごろまで全線で運転を見合わせ、最も時間がかかった浅草線が全線で復旧したのは午後8時42分ごろだった。東京都交通局によると、全体で131本が運休し、5万5千人に影響があった。
 交通局によると、都が管理する複数の変電所で同時に異状を知らせる警報が鳴り、3線の架線が停電。いったん復旧したが、午後6時44分に再び停電した。三田線では15駅の構内でも停電が起きた。3線の電気系統はそれぞれ分離されており、停電が同時に起きた理由はわからないという。今のところ、人為的な操作などの形跡はないという。
 都交通局によると、三田線は大手町―神保町駅間で車両が停車し、乗客が約30分間にわたって閉じ込められたが、体調を崩す人やけが人はなかったという。
 
今回は、「停電が同時に起きた理由はわからない」ので、すんなりと「変電所内の作業ミス」というわけにはいかないようである。
 
それぞれ分離されている電気系統の下での同時停電発生とは尋常ではないはずである。
 
週末の土曜日で通勤客は少なかったが、それでも5万5千人に影響を与えたのだから、平日の同時刻ならばその影響は計り知れないほどになっていたはずである。
 
ところで、電気なしでは走れない電車を止める方法はまだある。
 
オジサンが会社人間になって1週間後には、当時の日本国有鉄道(国鉄)の従業員で構成された国鉄労働組合(国労)が、春闘時期に恒例となっているストライキを実施し、数日間、会社の会議室に寝泊まりした経験がある。
 
国労組合員の賃上げ交渉で、ストライキを背景に団交するのだが、当時の国鉄経営陣は組合の要求には簡単に応ぜず、あえてストライキをやらせていた。
 
たしかにストライキに反対する利用者も多かったが、ストライキなんかできない弱小組合や組合のない企業の労働者は、陰ながら応援していたものである。
 
労働組合にとっては、ストライキは「伝家の宝刀」でもあり、度々宝刀を抜いてしまえば影響力は落ちてしまうので、スト実施は経営側の出方をうかがいながら慎重に行わなければ、世間の厳しい批判を浴びてしまう。
 
そんな国労が当時の中曽根内閣の策動で1987年に国鉄が分割民営化されたことにより、労働組合も分裂状態になってしまった。
 
そんな中で今年はJR東海の労組がナント31年ぶりにストライキらしきものをやると、「JR東労組 ストの可能性通知」してきた。
 
「3月2日以降、民営化後初となるストライキなどの争議行為に踏み切る可能性を、厚生労働相などに通知した。今回の春闘で、組合員一律の定額ベースアップを求めている。
ストライキは、3月2日以降に、上野運転区や東京新幹線車両センターなど、東京都と千葉県で実施する可能性があるということだが、JR東労組は、列車の運行に支障をきたすことはないとしている 」
 
???、「列車の運行に支障をきたすことはない」ストライキとは一体何をやるのか、である。 
  
当然、「“電車を止めないストライキ”をJR東労組が予告 『それって効果あるの?』『これが現代のストか……』の声も」という話になる。
 
厚生労働省が、東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)から「ストライキ等の争議行為を行う予告」を受けたと公表した内容を読むとこう書かれてていた。
 
「全組合員(助役を除く)による本来業務以外に対する非協力(自己啓発活動など)の形式による争議行為の実施」。ただし今回のストライキで、「列車運行に支障をきたすことはない」   
 
あえて言うまでもないが、ストライキとは、労働者が経営側へ労働条件改善を求め、集団的に仕事を放棄する行為であり、これは労働者の権利として憲法第28条「勤労者の団結権」として認められている。
 
鉄道や路線バスなどの運輸事業、郵便、水道、電気、ガス、医療など公益事業でストライキを行う場合には、その旨を厚生労働大臣または都道府県知事に事前通知をすることが法律で定められているようで、今回の通知はこの法律に基づくもので、通知があったからといって必ずストライキが行われるわけではないらしい。
 
そして、単なる通告で過ぎなかったらしく、「JR東労組、争議行為を解除」となってしまった。
 
どうやらJR東労組内の一部の支部がストの強硬な方針に反対し、先週以降、5000人を超える組合員が脱退届を提出したという。
 
そもそも、JR東労組は今まで、自己啓発活動など本来業務以外に対して「無償」で協力してきたということらしい。
 
そんなことやっているから、本来業務遂行のために必要な賃上げ要求が実現しないのではないか。
 
そのうちJR東の従業員は全員、「裁量労働者」にさせられてしまうかもしれない。 
  
その裁量労働者をもっと増やそうとする政府の企みの足元がぐらついている。
 
なにしろ、裁量労働者の方が一般労働者の労働時間よりないという調査データ自体が偽装だと判明し、さらには、その調査を担当した本人が杜撰な調査だと認めていた。
 
<裁量制データ「ずさんな調査」 担当した労働基準監督官が証言>
 2018年2月25日 朝刊 東京新聞
20180225_tokyo.jpg 
 裁量労働制に関する厚生労働省調査に不適切なデータ処理があった問題で、調査に当たった労働基準監督官の男性が24日までの共同通信の取材に「1社当たりの調査時間を約1時間半とする内規に従ったが、(私の場合)十分な時間が取れなかった。結果的に調査がずさんになってしまった」と証言した。
 この調査を巡っては、これまで不自然な数値が200件以上見つかっているが、実際に担当した監督官が調査手法の不備を証言するのは初めて。全国約320の労働基準監督署が1万1575事業所を調査したが、不十分な調査の一端が浮かび上がった。
 問題となっているのは「2013年度労働時間等総合実態調査」。裁量制の拡大など働き方改革関連法案の一部は、この調査を踏まえた政府の審議会の議論を経て作成された。安倍晋三首相は全データの精査を指示しているが、調査全体の信頼性に疑義が生じれば法案そのものの正当性が問われかねない。
 男性は13年4月ごろ、東日本の監督署管内にある約10社を調査した。労使協定の内容や最低賃金などを確認する監督業務も行った上で、一般労働者の残業時間や裁量制で働く人の勤務時間など、多岐にわたる項目を聴取した。
 内規で定められた約1時間半の間には、移動や報告書作成の時間も含まれ、調査には数十分しか割けなかった。1日で5社を回らなければならず、「まともに調べられなかった」と話す。
 また、この調査では「その事業所で最も多くの従業員が当てはまる労働時間に属する人」を「平均的な人」と定義。うち1人を抽出して調べることになっていたが、正確に把握するには全従業員の労働時間を集計し、分布を調べる必要がある。
 男性は「抜き打ち調査のため事前に必要な資料を準備している企業はなく、分布を調べることはできなかった。実際は単に『平均的な人はだれですか?』と尋ねていた」と明かす。
 政府は、法案作成の過程で調査結果に基づくデータをたびたび利用。首相も国会答弁に引用した。
<労働時間等総合実態調査> 厚生労働省が実施する労働時間や賃金などに関する調査。政策検討の基礎資料とすることが目的で、直近では2013年4〜6月に、一般労働者の残業時間や裁量労働制で働く人の勤務時間などを調べた。全国に約4000人(15年度)いる労働基準監督官が企業を訪問し、労働条件の抜き打ち検査に併せて質問項目も聞き取る「調査的監督」という手法で実施する。
◆議論には再調査不可欠
<解説> 働き方改革関連法案の柱の一つである裁量労働制について、政府が法案作成に活用した調査そのものの正当性が揺らいでいる。データの不備が次々と発覚し、調査を担当した現場の労働基準監督官が不十分だったと証言した。厚生労働省は、現場が制約のある中で集めた数値を厳しく吟味しなかったのか。裁量制の是非を議論するには、十分に時間をかけた再調査が不可欠だ。
 今回の労働時間等総合実態調査は、働き方改革に含まれる(1)中小企業の残業代の割増率引き上げ(2)裁量労働制の拡大−という二つの政策実現に向け、厚労省が現状を把握するために実施した。だが政府はデータを不適切な手法で比較。「長時間労働を助長する」と批判する野党への反論材料として国会で引用してしまった。安倍晋三首相らが「調査によれば」と言及し、答弁撤回に追い込まれた。
 現場から上がってきた調査票には、1日の労働時間が「1時間」など極端な数字が並んでいた。野党からは「企業が都合の悪い数字を出せなかったのでは」との指摘も上がる。各地から報告を受けた厚労省の職員たちは疑問を感じなかったのか。この調査が労働者の実態を反映しているとは言えない。
 
「働き方改革法案」は、決定後も、中小企業は現行の予定からいずれも1年延期し、建設業界では5年の猶予期間があるのなら、こんなポンコツ一括法案を一度引っ込めて真の働く者に取って命と健康を守るべく法案に作りなおしてからでも遅くはない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:37| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月24日

あたりまえだが、労働時間は裁量労働制の方が長った


昨日の「安倍晋三と残業代ゼロ法案とオリンピック」の冒頭、こうつぶやいた。
 
昨年の文科省も今年に入っての財務省も、そして昨今の厚労省も、国会で野党に追及される毎に新たな「資料」が出てくる。
不思議な組織である。
本来は不都合な資料の類は公開せず(隠蔽)、政府に求められたら忖度しながら、説得資料を作成(捏造)する。
そして、ついに自分たちが窮地に追い込まれそうになると、不思議とあとからドンドンあらたな資料が噴出してくる。
 
そのあらたな資料が大量に出てきたが、悪しき習慣に倣って「のり弁」状態であったという。。
   
<厚労省、調査原票一部公開 労働時間以外黒塗り>
 2018年2月24日 朝刊 東京新聞
20180224_tokyo.jpg 裁量労働制に関する調査に不適切なデータ処理が見つかった問題で、厚生労働省は23日、衆院予算委員会の理事会に、同省地下の倉庫で見つかった調査原票のコピーの一部を提出した。3事業者分で計36枚あり、ほとんどが黒塗りの状態。今回、問題となっている労働時間の欄は黒塗りにせず、そのまま公開した。
 また野党6党の国会議員約10人は同日、原票が見つかった厚労省内の地下倉庫などを視察。原票が入っていた段ボール箱32箱や、見つかった状況を確認した。視察後、希望の党の山井和則氏は「段ボールを開ければ一目で原票だと分かる。地下室で隠していたのではないか」と語った。
 原票について、加藤勝信厚労相は14日の国会答弁で「なくなった」と説明していたが、後日、地下倉庫で見つかったとして陳謝。安倍晋三首相は22日の衆院予算委で「原票と打ち込んだデータを突き合わせ、精査しなければいけない」と、全データの精査を指示している。
 予算委理事会に提出した原票は、地下倉庫にあった段ボール箱32箱の資料の中から、職員が無作為で取り出した。一般労働者の残業時間、裁量制で働く人の労働時間のほか、労働者数や労働組合の有無などが記載されていた。
 
【「裁量労働制」山井和則(希望)逢坂誠二(立憲)2/23 衆院・予算委】

  
その地下倉庫にあった段ボール箱32箱の資料は、写真付の方が実感として良く分かる。 
 
<【裁量労働制】「廃棄した」捏造データの原本1万件、段ボール32箱 姿現す>
 2018年2月23日 18:07 田中龍作ジャーナル
20180224_tanakaj01.jpg
調査票原本の入った段ボール箱と野党議員。森ゆうこ議員は「ロッカー探したけど無かったという話自体がウソ。これロッカーに入る?入らないよ」。=23日、厚労省 撮影:筆者=
 
 「この段ボール32箱に国民の命が掛かっている。このデータを元に裁量労働制を拡大しようとしている」。
 安倍政権が厚労省にデータを捏造させた問題を追及する山井和則議員(希望)は、証拠物件を前に憤った。
 裁量労働制の方が一般労働よりも勤務時間が長くなるようにデータを捏造した調査票の原本約1万件が、このほど厚労省の地下倉庫で見つかった。
 野党議員11人がきょう午後、厚労省に乗り込み存在を確認した。地下倉庫にあったはずの調査票の原本は、16階の労働基準局に移されていた。
 福島みずほ議員(社民)が役人とのやりとりを明かした。「箱を見せないと言ってたが、ひと箱だけ見せた。強く要望すると32箱になった」。
 「見せろ」と迫る山井議員の怒声は廊下まで聞こえてきた。
 「(当初、厚労省は)段ボールの写真をマスコミに撮らせないと言ったが、国民は見る権利があると言って(最終的に)撮らせた」。山井議員は厚労省との攻防を振り返った。
20180224_tanakaj02.jpg
裁量労働制の勤務時間。右のデータ(8時間30分/8時間42分)が「裁量労働の方が短い」に利用された。
 
 調査票は、裁量労働については「一日の平均労働時間」を聞き、一般労働については「一か月のうち最も長い労働時間」を尋ねていた。一般労働の方が長くなるように仕組まれた調査だった。
 2013年に厚労省が実施した、この調査の結果は、労働政策の決定に重大な影響力を持つ労政審に用いられていた。
 裁量労働制の拡大を決めていた安倍政権の意向を汲んだ厚労省は、労政審をも欺くデータを提出していたのである。
 失態が明るみに出たことから、加藤勝信厚労相は「(調査票は)廃棄した」と答弁していた。厚労省事務方は「ロッカーを探したけどなかった」と回答していたのである。
 調査票の原本が見つかったからといって労働実態が分かったわけではない。調査は会社(経営)側に回答させたものだからだ。当然、労働時間をうんと短く答えるに決まっている。
 労働者自身から直接回答が得られれば、身の毛もよだつほど恐ろしい現実が明らかになるだろう。闇は深い。 
20180224_tanakaj03.jpg
森ゆうこ、山添拓議員らが次々と労働基準局に乗り込んでいった。=23日、厚労省 撮影:筆者=
 
この問題はその昔話題になった「耐震偽装問題」みたいに、ついに「データ偽装問題」になってしまった。
 
<裁量労働制データ偽装問題 厚労省に“確信犯”の疑惑浮上>
 2018年2月24日 日刊ゲンダイ
 立憲民主党の分析で新たに117件の異常値が見つかった、裁量労働制をめぐる厚労省のデータ問題。医療や福祉など国民生活と密接にかかわる官公庁の公表資料がこれほどズサンだったとは驚くが、どうやら、この問題の“本丸”は別にあるようだ。新たに浮上しているのは、厚労省が関連法案を議論した労働政策審議会(労政審)をダマしたのではないか、という重大疑惑である。
「実労働時間を調査する、と言って調査をしながら報告していない。委員からも(労働)時間を求められているにもかかわらず、答えていない。これは労政審に対し、労働時間を意図的に出さないようにしていると、誤解を受けてもおかしくない」
 22日の衆院予算委。立憲民主党の岡本章子議員が加藤勝信厚労相にこう迫った。
 裁量労働制の適用拡大を含む労働法制関連の議論は、2013年6月14日に閣議決定した「日本再興戦略」から始まった。そこには〈労働時間法制の見直し 企画業務型裁量労働法制を始め、労働時間法制について、早急に実態把握調査・分析を実施し、本年秋から労働政策審議会で検討を開始する〉とあった。
 これを受け、同年9月27日に労政審の労働条件分科会で審議が始まったのだが、注目すべきは〈早急に実態把握調査・分析を実施〉のくだりだ。
 議事録を読むと、厚労省の労働条件政策課長はこの調査の資料が〈平成25年度労働時間等総合実態調査〉と説明し、今のインチキデータ問題につながっているのだが、不自然なのは、なぜ厚労省が閣議決定前の13年4〜6月に実施した同調査結果を労政審に提示したのかということだ。
■「基礎資料にする」はずの調査を報告せず
 労政審の委員からは、裁量労働制の労働時間の実態がよく分からない――との意見が続出。13年10〜11月ごろ、厚労省から委託を受けた独法の労働政策研究・研修機構(JILPT)は〈裁量労働制の労働時間制度に関する調査〉として、わざわざ〈今後の労働時間に関する法制度や行政施策の在り方を検討するための基礎資料を得るために実施する非常に重要な調査です〉との注釈付きで調査を実施。翌14年5月に作成した報告書では、企画業務型裁量労働制の労働時間が194・4時間だったのに対し、通常は186・7時間と、平均で裁量労働制の方が長い結果をまとめている
 岡本議員が予算委で追及したのは、厚労省主導で裁量労働制の実態調査を行い、裁量労働制の労働時間の方が長いという精緻な調査データがありながら、なぜそれが労政審に報告されなかったのか――という点だ。
「厚労省がJILPTに委託した文書には『25年度下期に労政審で議論を開始する予定であり、それに間に合うように調査研究の成果をまとめて頂きたい』『労働時間法制の企画立案の基礎資料にする』と書いてあったと言います。しかし、JILPTの労働時間の調査結果は労政審には報告されなかった。これはどう見てもおかしいでしょう」(厚労省担当記者)
 閣議決定に従って裁量労働制の実態調査を行ったら、労働時間が安倍政権の思惑とは違って長い結果となった。だから、厚労省は閣議決定前に実施したフツーの労働調査の数字を適当につまみ食いして労政審に示したのではないか――。これが野党の見立てだが、仮にこの通りであれば、厚労省は確信犯と言っていい。法案取り下げどころの問題じゃない。内閣総辞職モノの“犯罪的行為”だろう。この問題はまだまだ根が深い。
 
どう見てもおかしいことだらけの厚労省の姑息な振る舞いなので、「与党内に裁量制切り離し論浮上 政府は慎重、働き方法案」という声もでてきたようである。 
 
この裁量労働制問題に関して、自身も裁量労働者として働いてきた経験がある経営戦略コンサルタントが、「『働き方改革』のイメージはなぜこれほど胡散臭くなったのか」という記事の中で、いみじくも本質を突いていた。 
 
<『働き方改革』のイメージはなぜこれほど胡散臭くなったのか>
 2018.2.23 DIAMOND ONLINE
・・・前略・・・
■本当に企業の生産性は上がる?
 成長戦略の部品となった働き方改革

 私は、過去のコンサルティング・プロジェクトで関わってきた経緯もあり、こうした問題はよくわかっているつもりだが、裁量労働制を導入して生産性が上がり、従業員が早く帰れるようになりそうな業務はそれほど多くはない。広告営業、不動産営業といった提案営業の分野では、むしろ労働時間は悪化する。ITの分野でも、プロダクト営業にとって裁量労働は、同様によくない仕組みだ。
 公正を期すために申し上げておくと、電通社内では女性社員過労自殺事件をかなり重く受け止めており、経営幹部は真剣に改革に取り組んでいる。この点はきちんと評価すべきことだと私は考えている。
 しかし、厚生労働省の中ではこの事件はもう風化しているように感じる。働き方改革は関連法案の中で、日本の生産性を上げるための柱として提案されている。しかしその実は、企業に対する「ムチ」として残業時間の上限規制や同一労働同一賃金が唱えられる一方、それを緩和するための「アメ」として高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の拡大が盛り込まれているのが実情だ。
 つまり冒頭で述べた「なぜ働き方改革が胡散臭く思えるのか」という理由は、働き方改革が企業の手を離れ、労働者の労働環境の改革ではなく、国の成長戦略の一部品になってしまったからなのだ。
 
5年も続けた経済政策である「アベノミクス」の破たんを認めることができない安倍晋三。
 
認めてしまえば安倍晋三の存在価値は一気に激減する。
 
自らの手で「憲法改悪」を果たすまでの延命として、自民党の総裁選規程を「3年3期」と変えさせた安倍晋三。
 
そして、労働生産性向上のため、経済界への「アメ」として「高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の拡大」により企業が残業代を支払わなくてもかまわない労働環境に変えようとしている。
 
労働環境は労働者が声を上げて自ら改革して行くものであり、安倍晋三の欺瞞的な「成長戦略の一部品」にさせることは断じて許されることではない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:38| 神奈川 ☀| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月23日

安倍晋三と残業代ゼロ法案とオリンピック


昨年の文科省も今年に入っての財務省も、そして昨今の厚労省も、国会で野党に追及される毎に新たな「資料」が出てくる。
 
不思議な組織である。
 
本来は不都合な資料の類は公開せず(隠蔽)、政府に求められたら忖度しながら、説得資料を作成(捏造)する。
 
そして、ついに自分たちが窮地に追い込まれそうになると、なぜだがあとからドンドンあらたな資料が噴出してくる。
 
 「裁量労働「4時間以下」120件 厚労省データ 野党「不自然だ」
    
国会答弁における安倍晋三首相の言動のいい加減さに、ますます磨きがかかってきたようだ。
 
盗人猛々しい」、「思い上がった態度」、「被害者ヅラ」、「都合が悪くなると他人のせいにして涼しい顔」、「困ったときは省庁に責任転嫁」云々。
 
こんな表現が最近のメディアにあふれてきている。
 
そのような熾烈な表現の源を過去から遡って調べてみた。   
 
■2015年5月20日 安保法制をめぐる「党首討論」
我々が提出する法律についての説明は全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから
 
この答弁を記憶している人はかなり多く、SNS上で今でも飛び交っている。
  
■2017年通常国会
 「会計検査院の調査結果を待ちたい」(森友問題の追及に対して)
■2017年11月27日(衆院予算委員会)
「国有地売却問題について財務省や国土交通省から適切に処分していたとの答弁があったところであり、私もそのように報告を受けておりました。これまでの私の発言については、そのような理解の上で申し上げたものでした」
それぞれの省庁が的確と判断したものを執行していくわけでございます
■2017年12月4日 参院本会議
「適材適所で配置するという考え方に基づき行った」
 ⇒「所管の大臣から答弁させる」
■2018年2月20日(衆院予算委員会)
一つ一つの資料を正しいか確認しろなんてことはあり得ない
役所から上がってきた資料については、ある程度信頼して答えざるを得ない
 
さすがに、あきれて開いた口が塞がらないのだが、「赤旗」は志位和夫委員長の国会内の記者会見内容を、「『働き方改革』 法案は提出断念を 首相自身の責任も重大」と詳細に報道していたが、「志位委員長の会見」の一部を切り取り編集して記事していたよう朝日新聞に対しては、当然、こんな批判的なネトウヨのツイッターもあった。

<「首相の答弁、よそごとのよう」共産・志位氏>
 2018年2月22日18時21分 朝日新聞DIGITAL
【志位和夫・共産党委員長(発言録)】
 (裁量労働制に関する国会答弁を安倍晋三首相が撤回した問題について)一体誰の責任で捏造(ねつぞう)データが作られたのか。大臣や官邸の関与はどうだったのか全部洗いざらい明らかにされる必要がある。
 厚生労働省の責任は極めて重いことは明瞭だ。同時にもう一つ言っておきたいのは総理の答弁姿勢だ。
 簡単に言えば、自分は厚労省から上がってきた答弁書を読んだだけで、細かい所まで把握しているわけではないと。厚労省の責任で私は知らないよ、と言わんばかりの説明をしている。
 しかし、内閣総理大臣は役所から上がってきた答弁書を読むだけの係ではない。自分の認識としてデータを紹介した以上、総理自身の認識になってくる。役所の紙を読んだだけというのは通用しない。安倍首相のよそごとのような答弁は通用しない。
 総理自身も重い責任が問われる。国民に謝罪した以上、(法案提出を)断念し、調査することが総理の責任の取り方だ。
 (記者会見で)
 
至極ごもっともな内容で、的確に安倍晋三の答弁姿勢を「内閣総理大臣は役所から上がってきた答弁書を読むだけの係ではない」と痛烈に批判しており、朝日新聞としては、官邸からの指摘を恐れて「裁量労働拡大 法案から分離し出直せ」といった優等生的な社説しか書けなかったのであろう。 
 
本人が自ら単なる「答弁係」であると白状してしまうほど、今回の筋悪法案に対しては「官邸擁護メディア」も大いなる危機感をもっているようである。
 
<働き方改革法案 崩れた政府の思惑 連合離反、自民党からも異論続出>
 2018.2.23 00:25 産経新聞
 裁量労働制の適用拡大に関する厚生労働省の不適切データ発覚に端を発し、政府の働き方改革関連法案に暗雲が漂っている。本来は労働界が望む長時間労働の是正を通じ野党の支持層を取り込もうと野党の支持層を取り込もうとしたが、肝心の連合が離反。そもそも自民党が支持基盤とする中小企業経営者らは残業時間の規制強化に反発していた。裁量労働制の適用拡大を棚上げにして成立を強行すれば、「アベノミクス」による好景気に水を差しかねない。
 働き方改革は、少子化で労働力が減っても経済成長を続けられるよう生産性の向上を目指し、安倍晋三首相が昨年の衆院選公約で掲げた最重要政策だ。残業時間の上限を時間外労働を定めた労使協定(36協定)で「月100時間未満、年720時間未満」に制限し、同一労働同一賃金の導入も盛り込んだ。労使協定も複雑化するため、ギリギリの労働力でやりくりする中小企業経営者らは「経営を圧迫する」と反発した。
 それでも首相が改革を目指したのは、野党の支持層を切り崩す狙いがあったからだ。政府は昨年3月、連合の神津里季生会長もメンバーの政府の会議で働き方改革実行計画を決定。菅義偉官房長官は連合の逢見直人事務局長(当時)と水面下で交渉を重ね、連合の主張を一部取り入れて改革全体への賛成を取り付ける算段だった。
 首相は賃上げを経済界に要請するなど、連合に寄り添うような労働政策を続けてきた。悲願とする憲法改正で連合の協力を取り付ける狙いもあった。
 しかし、誤算が生じた。連合が昨年7月に裁量労働制の適用拡大と年収の高い専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)への反対姿勢を鮮明にしたためだ。連合側は否定するが、方針転換は組織内で逢見氏らが官邸に近づきすぎることへの反発が広がったためとみられる。
 連合が働き方改革に厳しい目を向け、厚労省の不手際が重なった今、自民党にとって旧来の支持層を犠牲にしてまで法案を成立させる意味は薄れつつある
 自民党の中小企業・小規模事業者政策調査会などは今月1日、中小企業の経営実態への配慮など4項目の決議をまとめ、圧力を強めている。党幹部からも「そもそも党内には法案自体への不満があった」「もはや何のためにやるのか…」と戸惑いが相次いでいる。
 
「野党の支持層を取り込み」、「野党の支持層を切り崩す狙い」で働き方改革関連法案を成立させようとすることは、明らかに労働者を無視した「党利党略」そのものである。
 
年下の神津里季生会長と年上で単組出身ではない逢見直人事務局長(当時)との間に生じていた連合内の確執問題は、昨年の2017年06月21日付け共同通信配信記事「連合会長の退任論浮上 旧総評と同盟確執で混乱」や、さらには文春オンラインが「『残業代ゼロ』問題で『連合』内部が大混乱」と詳細に報じていた。
 
いやはや、労働法制改正案を巡って、「党利党略」と「組織内対立」が繰り広げられていたとは、対象となる労働者はもっと怒らなくてはならない。  
 
さて、過去の冬季五輪で獲得したメダル数を上回る結果を残した平昌冬季五狂騒曲も終わりに近づいた。
 
こんな時に、あえて言わなくてもいいことを口走った「オリンピックの申し子」がいた。  
 
<「政治が五輪を利用した」 橋本聖子氏が痛烈批判>
 2018/02/23 テレ朝ニュース
 「オリンピックの申し子」とまで呼ばれた自民党幹部が平昌(ピョンチャン)オリンピックの在り方を批判しました。
 自民党・橋本聖子参院議員会長(日本スケート連盟会長):「これほどまでにスポーツが、あるいはオリンピックが政治の影響を受けたことがなかったな。政治がこれほどオリンピックを利用したこともなかったなと」
 平昌オリンピックを巡っては、アイスホッケー女子の南北合同チームや北朝鮮の金正恩委員長の妹・与正(ヨジョン)氏の韓国派遣など、政治的な動きが目立っています。橋本氏は「政治とオリンピックがお互いを利用する場合、信頼と敬意が必要だが、平昌オリンピックにはその部分が少し見えない」と批判しました。
まあ、批判、非難を浴びてしまうのは当然であろう。 
「政治が五輪を利用した」ことは過去も現在も事実であるが、今後も大いに利用しようとしているのが、安倍晋三である。 
 
通常国会が開会した日に、「雑記(主に政治や時事について)というサイトでこんな記事を書いていた人がいた。
 
<【残業代ゼロ法案】働き方改革の名のもとに押し込まれるもの>
 2018-01-22 雑記(主に政治や時事について
・・・前略・・・ 
安倍政権はなぜここまで残業代ゼロにこだわりを見せるのか? 自分は憲法改正が関係していると読んでいる。
資本家の夢である「給料の要らない従業員」を叶えてやる代わりに、経済界は安倍晋三の夢である憲法改正を全面バックアップする、というお互いの夢が実現するWin-Winの構図である。
もちろんその構図の中に、国民の夢も人生も登場しない。
 
20180223_manga.jpg
 
どういう風に経済界が憲法改正をバックアップするのか? 彼らはテレビ局のスポンサーなので、テレビ局は彼らの言うようにテレビ番組を作る。スポンサーから「改憲に肯定的なニュアンスを含んだ番組を作れ」と言われ続けたとしよう。テレビの制作現場が断りきれるはずなどないのである。
安倍晋三は所信表明演説で、まず明治維新150年を持ち出してきた。次に働き方改革を語り、最後に憲法改正を語った。明治維新150年を、改憲の大きなきっかけにしたい、という意思がはっきりと見える。働き方改革の美名のもとに混ぜ込まれる残業代ゼロ法案は、いわばその露払いの役目なのである。
安倍晋三は、過去には憲法改正を東京オリンピックに合わせて達成しようなどとも言っている。
安倍晋三は、「歴史の中に自分を位置づけたい」という意志が、近年のどんな総理大臣より強い男である。それはもはや誇大妄想と言っていいほどである。
我々は今、愚かな誇大妄想狂に政治を任せ、日々の残業代すら払われなくなる未来を自ら招こうとしている。
 
労働者は命を削りながら働かされ、誇大妄想狂の男は、「2020年、新しい憲法で東京五輪を迎えましょう!!」と喚き立てる 
こんな悪夢が、単なる思い過ごしで妄想であってほしい、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:31| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月22日

施行を延期するならあきらめろ「働かせ放題」法案


まだまだスッキリしていない「モリ・カケ」問題。
 
安倍晋三に徹底的に詐欺師呼ばわりされ、トカゲの尻尾の如く切り捨てられた森友学園の籠池前理事長。
 
最近の獄中の様子を週刊文春がこう伝えていた。
 
暴力団組員や死刑囚が入る独居房で勾留されていた。
移動する際に付き添う刑務官も通常は1人なのに対し、籠池氏には3人が付いた。
昨年11月頃には、痛風を発症し1カ月弱、車椅子での生活を送ったという。 
 
ネット上ではこんな声が多かった。

(注:PMとは、Prime Minister=安倍晋三
 
一方、加計学園問題に関しては、こんな事実が明らかになっている。 

 
本誌特報の加計疑惑が再燃 官邸で首相秘書官と会った幹部を直撃」 
 
しかし残念なことに新聞・テレビが取り上げない限りは全くなかったことになってしまう。 
 
そうはさせまいと、この問題ではまだ一部のメディアは頑張っている。
 
<裁量労働制 厚労省ずさん調査 異常データ新たに117件>
 毎日新聞 2018年2月22日 04時05分
 裁量労働制に関する厚生労働省のデータを巡り、問題となっている「2013年度労働時間等総合実態調査」に、同じ人の残業時間が1週間よりも1カ月の方が短いなど、異常な数値が新たに87事業場で117件見つかった。立憲民主党の長妻昭代表代行が厚労省の資料を精査して発見し、21日の野党の会合で厚労省幹部が報告した。安倍晋三首相は国会で「データを撤回するとは言っていない」と答弁したが、データの信ぴょう性がさらに揺らいでいる。
 また、これまで厚労省が「ない」と説明していたデータの基となる調査票が、20日に厚労省本庁舎の地下倉庫から見つかったことも判明。野党の指摘を受けて調べたところ発見されたといい、問題発覚後の調査の甘さが浮かんだ。
 労働時間等総合実態調査では、全国の1万1575事業場を労働基準監督官が訪問し、その事業場の「平均的な人」に対して、1日▽1週間▽1カ月▽1年の残業時間を聞き取るなどして調べた。こうして一般労働者の1日の労働時間は9時間37分で、企画業務型裁量労働制の9時間16分よりも長いというデータを作成し、国会答弁に使っていた。
 19日に厚労省が公表した資料を長妻氏が精査し、新たに117件の異常な数値を見つけて同省に指摘した。例えば、ある事業場では調査した人の1週間の残業が「25時間30分」だったが、1カ月の残業は「10時間」だった。別の事業場では、1日の残業が「12時間45分」だったが、1週間では「4時間30分」の人がいた。厚労省幹部は「誤記や入力ミスが考えられる」と説明している。
 首相は14日にこのデータを引用した国会答弁を撤回している。20日の衆院予算委員会では「データを撤回すると言ったのではなく、答弁を撤回した」と説明したが、再びデータそのものに疑問点が浮上した形だ。
 また、労働基準監督官が調査の際に回答を記入した調査票が厚労省本庁舎の地下倉庫で見つかっていた。当初、担当課のロッカーを調べたが見つからず、「ない」と判断していたが、野党の指摘を受けて確認したところ、20日になって地下倉庫で段ボールに入った状態で見つかったという。
 調査票を巡っては、加藤勝信厚労相が14日の衆院予算委で「なくなっている」と答弁しており、野党は整合性を追及する構えだ。

日本の官庁では「地下倉庫」に入れてしまった資料は 「なくなっている」ことになるらしい。

1万人近い労働者の聞き取り調査票を基にいったい誰が集計したのだろうか。
 
そして集計結果を誰が転記や入力したのだろうか。
 
「誤記や入力ミスが考えられる」と説明している厚労省幹部は、おそらく外部委託業者かまたはアルバイトの人たちが行った作業だと思っているかもしれない。
 
しかしどこの誰がまとめようが、労働政策審議会に提示する前に厚労省の担当責任者が内容を確認すべきことである。
 
審議会のメンバーは提示された膨大な資料を短時間で精査できるはずがなく、ほとんど鵜呑みであることから、データ提出側の恣意的な操作を見抜くことは不可能である。
 
厚労省作成の答弁書を単に読み上げた安倍晋三首相は、自分は悪くないが答弁書内容がわるかったから「答弁を撤回」という考えらしいが、常に「私は最高責任者でありますから、・・・内閣総理大臣が答えているのですから正しい」と言っていたのであるから、偽りのデータを基にした答弁のみならず異常データが含まれた調査をやり直しするべきであろう。  
 
それにもかかわらず、「はじめに法案提出ありき」で進めているので、それは撤回せず早く採決して、施行だけを送らせるという姑息なことを言い始めていた。
 
<働き方法案 主要部分次々延期 成立急ぐ理由乏しく>
 2018年2月22日 朝刊 東京新聞
20180222_tokyo_01.jpg 政府は3月にも国会に提出する「働き方」関連法案について、主要部分の施行を軒並み遅らせようとしている。あらかじめ労使で決めた時間を超えて働いても残業代が支払われない裁量労働制の対象拡大についても、施行を予定より1年延期し、2020年4月施行とする方向。安倍政権は今国会を「働き方改革国会」に位置付けるが、法案の柱となる制度のスタートを遅らせることで、成立を急ぐ必要性は乏しくなりつつある。 (木谷孝洋)
 安倍晋三首相は21日、官邸で加藤勝信厚生労働相と関連法案の取り扱いを協議。加藤氏は会談後、記者団に「さまざまな周知や手続きを考えた時に、どういう(施行)時期がいいのかを議論している」と述べ、施行延期の検討を認めた。高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)」創設も1年遅らせる方針だ。
 両制度は労使交渉の大きなテーマとなる労働条件の変更に当たるため、現行のままでは周知や準備が間に合わないと判断。厚労省が裁量労働制に関する調査データを不適切に処理した問題を受け、周知や準備の時間を確保することで懸念を和らげる狙いもある。
 政府は、中小企業への残業時間の罰則付き上限規制、非正規社員の待遇改善を図る「同一労働同一賃金」の施行も1年遅らせることをすでに決めている。労務体制が弱い中小企業は制度変更に短期間で対応できない懸念があるためだ。予定通りに19年4月から実施するのは大企業の残業時間規制だけとなった。
こうした政府の姿勢に対し、立憲民主党の辻元清美国対委員長は21日の党会合で「小手先でごまかそうとしている」と批判。野党6党の幹事長・書記局長は国会内で会談し、法案の提出見送り、裁量制で働く人の労働時間の再調査を求める方針で一致した。
◆「人の命にかかわる問題を無視」 裁量制拡大 過労死遺族ら批判
20180222_tokyo_02.jpg 衆院予算委員会は21日、2018年度予算案採決の前提となる中央公聴会を開いた。野党推薦の公述人として出席した過労死遺族の会代表や専門家は、裁量労働制を巡る厚生労働省の不適切なデータ処理を批判し、「働き方」関連法案に盛り込まれる裁量労働制の対象拡大を撤回するよう求めた。
 寺西笑子(えみこ)・全国過労死を考える家族の会代表世話人(希望推薦)は、データ問題について「人の命にかかわる問題を全く無視している。怒りを禁じ得ない」と語った。
 裁量労働制の対象拡大についても「年収要件がなく、多くの若者が『定額働かせ放題』のターゲットになる。実際は裁量がない中で成果を求められ、長時間労働をやらざるを得ない。拡大すればさらに死人が増える」と強調した。
 上西充子・法政大キャリアデザイン学部教授(立憲民主推薦)は、データ問題について「裁量制が長時間労働を助長するとの指摘を野党側がしにくくなるように野党対策として作られた」と非難した。裁量制を拡大すれば「サービス残業を違法に労働者に強いている企業が合法的にできるようになる」と指摘。労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で再度議論すべきだと主張した。
 伊藤圭一全労連雇用・労働法制局長(共産推薦)は関連法案に関し「今のままでは労働者の命と健康に悪影響を及ぼす」と訴えた。
 与党推薦の公述人は、経済情勢や財政について意見を述べた。
 
本当に残業時間が削減できるのなら、「最良労働制」になるのだろうが、このままでは「最悪労働制」になることは間違いない。  
 
本当に誰のタメの「働き方改革」なのだろうか。 
 
<安倍首相が窮地も…「働き方法案」断念できない3つの理由>
 2018年2月22日 日刊ゲンダイ
 裁量労働制の拡大を含む「働き方改革」関連法案をめぐって、安倍政権が窮地に陥っている。20日の衆院予算委集中審議でも厚労省の“捏造”データについて野党から徹底攻撃され、安倍首相は言い訳と防戦一方。政府は、今月下旬か、ずれ込んでも3月上旬、という関連法案の国会提出姿勢を崩していないが、与党内からは「これはまずいんじゃないか」と先行きを不安視する声も出てきた。
「捏造」データは、一般労働者の「1カ月で最も長く働いた日の残業時間」と裁量労働者の「1日の労働時間」を同列で扱い、裁量の方が労働時間が短いという結論を導き出したヒドいものだ。野党6党は法案提出の断念を求めることで一致。8本の関連法案から裁量労働制拡大の部分を外すことやデータの再調査などを提案している。これに政権は平謝り。だが、安倍には法案断念に絶対応じたくない理由が3つある。
@アベノミクスの代替
 「日銀頼みの金融緩和政策も限界。それに取って代わる成長戦略が働き方改革です。法案が出せなければ成長戦略のシナリオが狂ってしまう」(官邸関係者)
 少子高齢化を「国難」とする安倍政権の懸念は労働力不足で国力が落ちること。「生産性革命」のために老若男女問わずモーレツに働いてもらわなければならず、そのための法案なのである。
A財界・連合とのバーター
 法案は厚労省の諮問機関である労働政策審議会(労政審)の議論を経て決定されたものだが、その労政審の上に置かれたのが「働き方改革実現会議」だ。経団連の榊原会長と連合の神津会長はメンバーだった。
 財界にとって残業代を減らせる裁量労働制の拡大は悲願。人件費抑制につながる働き方改革実現のため自民党への献金額を増やし、賃上げの官製春闘にも応じてきた。一方、連合も「長時間労働是正」とセット扱いにされ、法案作成で官邸と握ってきたのが実態だ。
 「だからなのでしょう。今回の不適切なデータについて、連合はもっと批判していいのに反応が鈍い」(野党関係者)
 連合を黙らせるためには8本セットで法案提出が絶対というわけだ。
B安倍首相のメンツ
 実はこれが一番大きいかもしれない。今国会を「働き方改革国会」と命名したのは安倍首相本人である。
「安倍さんが自らクビを絞めてしまった。働き方法案は今国会の目玉ですから、予定通り出さなければ政権は持ちません」(自民党関係者)
 とはいえ、自民党内からは、「データを再調査してスッキリさせた後の方がいいのは事実」「生煮えのまま出したら、国会審議が持たない」「森友問題より世論の批判は激しくなるんじゃないか」などという見方も出てきている。安倍首相は、このまま押し切れると思っていたら甘い。

私や妻が関係していたということになればこれはまさに私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい 」と大見得を切ってしまい、ズルズルと1年近く森友学園問題を引きずり、「国有地払い下げに関して、貸付には関与したが売買には関与していない」と国会で答えてしまった安倍晋三。
 
「働き方改革国会」の実態は、限界にきている日銀頼みの金融緩和政策に取って代わる成長戦略として、すなわちアベノミクスの破綻を糊塗するものであったわけである。
 
これでは、いままで長時間残業で過労死に追い込まれた労働者は浮かばれず、遺族の怒りはますます大きくなっていく。
 
最後に、スポーツ新聞らしからぬ核心を突いたコラムを紹介。

限界にきており<安倍政権のほころび激しい/政界地獄耳>
 2018年2月21日10時19分 日刊スポーツ
 ★何やら隙のないと思われていた安倍政権が、ほころびを見せてきた。最初は現内閣の発足直後、沖縄北方相に就任した江崎鉄磨が「しっかりお役所の原稿を読ませていただく。立ち往生よりちゃんと答弁書を朗読かな」と発言。政界の失笑とともに野党の批判を浴びた。その江崎は軽い脳梗塞の疑いで20日、検査入院した。そのほかにも今国会開会とともに経済再生相・茂木敏充の地元で秘書らが、線香や衆議院手帳を配っていた問題が発覚。茂木は幾度もこういった問題を抱えながら「合法」とうやむやにしてきた。
 ★公職選挙法に照らし合わせて合法であるとか規定があいまいと抗弁しようとも、市販されているものを選挙区で配布している事実にほかならず、閣僚としてのより一層の清廉さが求められることを鑑みれば胸を張れることではない。その意味ではこの内閣には羞恥心とか清廉さ、律するという線引きがない。だから当然ともいえるが、13年以来、極めてずさんなデータを用いて日本の労働環境を俯瞰(ふかん)してきた厚労省の怪しげな数字の組み合わせも、その精査なく国会で資料として答弁に使う首相・安倍晋三に恥ずかしさなどない。「自分が調べたわけではない」「役所を信じて使った」など子供のような言い訳を重ね、働く者の気持ちを忖度(そんたく)しようという気持ちもなさそうだ。
 ★ただ、厚労省は2週間前にはこの怪しげな数字の組み合わせのいかがわしさを承知していたとなれば、野党が意図的な捏造(ねつぞう)ではないかという疑惑もうなずける。それに佐川長官問題、森友・加計学園疑惑と堂々巡りが続く。政権のほころびが激しい。(K)※敬称略

恥も外聞もなく、ボクチャンは悪くない、悪いのは答弁書を作成した役人だと国会の場で言い切ってしまう、安倍晋三には最高責任者の椅子に座っている矜持も資格もなく、はやく引きずりおろしてあげることが国民のためであろうとオジサンは思う。 

 
posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☔| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月21日

裁量労働制の適用拡大は無期延期にするべし


今年になって発生した米軍機の事故は既に4件もある。
 
●1月6日 - 沖縄県うるま市伊計島の東側の砂浜に、普天間基地所属のヘリコプターUH-1Y輸送ヘリコプターが不時着した。機体の目立った損傷はなくけが人もいなかったが、不時着した場所は最寄りの民家から約100メートルの場所だった。
●1月8日 - 沖縄県読谷村儀間にある廃棄物最終処分場の敷地内に、普天間基地所属のAH-1Z攻撃ヘリコプターが不時着した。機体に損傷はなく、住民やヘリの乗組員2人にもけが人はいなかった。
●1月23日 - 沖縄県渡名喜村渡名喜島のヘリポートに普天間基地所属のAH-1Z攻撃ヘリコプターが緊急着陸した。飛行中に警告灯が点灯したため予防措置として着陸したという。
●2月9日 - 沖縄県うるま市伊計島の大泊ビーチでMV-22Bティルトローター輸送機のカーボン製の右側エンジン空気取り入れ口のカバーが海上に浮いているのが見つかった。在沖縄海兵隊は海上飛行中に落下したと8日に乗組員から報告を受けていたが日本側には報告していなかった。

 
いずれの事故も詳細な原因は発表されておらず、そのれらの事故によってすべての飛行中止措置も取られていない。
 
そして事故後には必ず発表される、「米側に対して安全管理の徹底と原因究明、再発防止を強く求める」という日本政府の常套句。
 
残念ながら、その言葉は5件目の米軍機の事故の発生で全く空虚に聞こえてくる。
    
<米軍機タンク投棄 漁船まで200m 漁すべて中止 青森>
 毎日新聞 2018年2月20日 23時59分
 20日午前8時40分ごろ、米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機のエンジンが離陸直後に出火した。同機は基地北西側の小川原湖に補助燃料タンク2個を投棄し、約3分後に基地に引き返して着陸した。タンクの投棄地点の周辺では漁船がシジミ漁をしており、小川原湖漁協によると、最も近い漁船は約200メートルしか離れていなかった。操縦士も含めてけが人はなかった。

20180221_mainiti_01.jpg
【小川原湖】

 
20180221_mainiti_02.jpg

 同漁協は同日、米軍がタンクや油を回収して安全が確認されるまで、湖でのすべての漁を中止すると決めた。三村申吾県知事は「漁師が近くにいたことは重大。シジミ漁は大事な産業で、被害が出たことは遺憾だ」とコメント。防衛省東北防衛局も三沢基地司令官に安全管理の徹底や再発防止を求める申し入れを行った。
 同機は三沢基地の第35戦闘航空団所属。同基地の声明によると、離陸直後にエンジン火災が確認され、「操縦士が人けのないことを確認し、タンクを湖付近に投下した」としている。同機は安全に帰投し、操縦士にけがはなかった。同航空団のジョーブ司令官は「原因究明のため徹底した調査を実施する」とコメントしたが、防衛省関係者によると、同基地ではトラブル後も同型機の飛行が続いているという。
20180221_mainiti_03.jpg

【小川原湖の氷上に散乱していた金属片=小川原湖漁業協同組合提供】


 防衛省などによると、F16の補助燃料タンクは通常、主翼の下に取り付けられ、全長は約4.5メートル、直径約1メートルで、重さは空の状態で約215キロ。最大約1400リットルの燃料を搭載できる。戦闘機のジェット燃料は灯油に近いケロシンと呼ばれる石油製品が主成分で、飛行中に不具合が発生した場合は、引火を避けたり、機体を軽くしたりするために燃料タンクを切り離すことが多い。今回の投棄地点の湖面には油膜や部品のようなものが確認されており、同省は今後、現地調査をして被害への補償も検討する。
 F16は1970年代に開発された対地攻撃も可能な戦闘機で、航空自衛隊のF2戦闘機のベースになった。三沢基地のF16を巡っては、2014年や15年にも海上に燃料タンクを投棄するトラブルが起きた。01年には基地北東でタンクやミサイルを投棄し、畑で金属片が見つかったこともある。【佐藤裕太、前谷宏】
「当たったら死ぬ」
 「冗談じゃない。船に当たったら妻が死んでいた」。地元のシジミ漁師、山田正彦さん(52)は語気を強めた。水につかりながら漁をしていると、上空を戦闘機が通過する爆音が響き、約500メートル前方で高さ約15メートルの水柱が突然上がった。妻はすぐそばの漁船上でシジミの選別中。突然上がった水柱に「何かの見間違いかと思った」と驚きを隠さない。
 小川原湖漁協によると、落下地点は小川原湖南岸の沖合で、厚さ約1センチの氷を突き破っていた。すぐ近くでは5、6隻が操業中。同漁協の沼田広樹指導課長によると、氷上には部品とみられる金属片が散乱し、油膜が確認された。米軍の状況確認に同行した漁師の山田さんは「氷に直径15メートルくらいの穴が開き、油のきつい臭いがした」と証言した。
 燃料流出の可能性があり、この日、湖の南側で水揚げされたシジミ385キロはすべて処分され、休漁日だった日本一の水揚げを誇るワカサギ、シラウオとともに当面、漁を見合わせることが決まった。
 東北町の蛯名鉱治町長は20日、三沢基地の司令官に対し「命にもかかわる重大事態」として、再発防止やタンクの早期回収を求めたが、禁漁長期化の懸念もある。
 付近でシジミ漁をしていた平田悟さん(58)は「漁に出られない日が続いたら、アルバイトを探すしかない」と不安そうに話した。
 
生命を脅かされる事故がある限り、「安全が確認されるまで、湖でのすべての漁を中止する」ことは仕方がないが、その前に「原因究明のため徹底した調査を実施」して、それまでは「すべての飛行を中止する」と三沢基地司令官はコメントすべきであった。
 
「日本の安全保障」のためではない米軍基地が存在する限り、常に日本人の命が危険に晒されているのは沖縄県だけではないはずだ。
 
そろそろ、米軍基地の在り方や米国に対する「おもいやり予算」という「在日米軍駐留経費負担」を隣国の韓並み(注:日本は74.5%、韓国は40.0%)に減額すれば、国立大学の授業料とか小中学校の給食費を無料にできるはずである。 
 
さて、相変わらず国会の予算委員会ではこの問題が続いている。
 
【長妻昭(立憲)「裁量労働制」撤回された首相答弁:2/20衆院・予算委】 
首相の答弁姿勢、責任は厚労省に 野党批判『無責任だ』
 
20180221_asahi_01.jpg
 
20180221_asahi_02.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

<説明不足データ、労政審に 働き方改革法案、作成過程に疑義 厚労省提出>
 2018年2月21日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 裁量労働制の対象拡大を含む働き方改革関連法案の作成にかかわる厚生労働省の労働政策審議会に対し、同省が、調査手法を十分に説明せずに労働時間のデータを示していたことがわかった。政権は、これまで労政審には不適切なデータを提供していないと説明し、法案に問題はないと主張してきたが、その前提が揺らいでいる。
 20日の衆院予算委員会で立憲民主党の長妻昭代表代行が指摘した。問題のデータは、厚労省が2013年10月に労政審に提出した「労働時間等総合実態調査」の一部。一般労働者の平均的な人について、1週間の残業時間を単に「平均2時間47分」と記載していたが、これは1カ月間のうちの「最長の1週間」の値を尋ねて集計したデータだった。長時間の回答が集まりやすい調査だったが、厚労省はそうした調査手法について説明していなかった。
 厚労省はこの調査結果が労政審に提出されたことを認めている。野党は、不適切な対応だったとして、調査のやり直しや法案の撤回を求めたが、加藤勝信厚労相は「(労政審の)委員がどこまで理解していたかは承知していない」と応じなかった。
 厚労省は19日、裁量労働制で働く人と、一般労働者の労働時間を比較したデータが不適切だったことを認めて謝罪した。安倍晋三首相はこのデータを元にした1月29日の「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」との答弁を撤回した。
 政権は、この不適切な比較データが労政審に示されていないことを理由に「法案提出、成立の方針に全く変わりはない」(菅義偉官房長官)と強調していた。だが、説明が不十分な別のデータが労政審に示されていたことで、野党から反発が出ている。
 首相は20日の衆院予算委の質疑で、「役所から上がってきた資料は、ある程度信頼して答えざるを得ない」と述べ、答弁撤回の責任は不適切なデータを提供した厚労省にもあるとの考えも示した。
 
厚労省は政府の息がかかった労働者代表委員を集めた「労働政策審議会」に丸投げして、しかるべき作成する法案に沿った議論と答申を行わせている。
 
したがって、恣意的なデータを政府側が提示すれば、それによって思惑通りの法案が出来てしまう。
 
さすがに今回は、もうこれ以上言い訳が困難と判断したのか、働き方改革関連法案に含まれ、不適切なデータ処理が問題になっている裁量労働制を巡り、政府は21日、裁量制の適用拡大の施行時期を予定より1年程度遅らせ、2020年4月と修正する検討に入ったらしい。
 
 「裁量労働制の適用拡大1年延期も 働き方改革、政府が検討」 
 
1年も先延ばしにすれば「ホトボリも覚める」とでも思っているのだろうが、そもそも雇用されている労働者に自分の働き方の裁量があるはずはないのである。
 
国内の外資系の高度な専門知識を有する年収10万ドルクラスになれば、ある程度の裁量権を持って、約束された一定の成果を出すまでは働き続けるかもしれない。(日本の高度プロフェッショナル制度のお手本)
 
しかし、企業に雇用されている現状の裁量労働者の多くは、数万円程度の残業代込の「みなし残業労働者」である。
 
そんな労働者を今後増やすということは、けっして多様な働き方を「お示しする」のではなく、経営者のために「残業代」というリスクをなくすだけの政策であり、1年延期どころか「無期延期」にすべきである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:24| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月20日

3年前、あの時もっと早く気づいていたならば・・・

 
現職の大臣の公設秘書が暴行容疑で現行犯逮捕されても、翌日釈放されたという事件を昨日紹介したが、その秘書は辞職したらしいが、おそらくは被害者との多額の示談金と引き換えだったのかもしれない。
 
 「世耕弘成経産相の政策秘書辞職 暴行容疑で逮捕
 
こんなチンピラ連中はどうでもよいが、第二次安倍内閣以降、辞任した閣僚は両手に余るのだが、まだ辞任していない線香大臣がいた。
残念ながら、余りにも安倍政権の虚偽答弁や、杜撰なデータ管理、さらにはデータの捏造等々により、忘れ去られている。
 
20180220_sankei.jpg
【産経新聞より】

   
 
朝日新聞社が17、18日に実施した全国世論調査(電話)で、森友学園への国有地売却問題について聞くと、交渉に関する文書を今月公表した政府の対応に75%が「納得できない」と答えた。
 
昨年の国会で交渉記録を「廃棄した」と答弁した財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)の国会招致は67%が必要あるとの回答だったが当然であろう。 

 
さて、昨日から再び衆院の予算員会では野党の鋭い質問が炸裂していたが、日中の国会中継も冬季五輪報道にかき消されてしまい、夜のニュースにもまともに取り上げられていない。
 
そのような人たちのために、昨日の主だった場面を再現してみる。
  
「麻生財務相 「『立憲が指導』撤回 佐川長官への抗議活動で」 
 
【佐川出席なしの森友問題 川内博史・立憲 :2/19 衆院・予算委員会】
 
 
そして圧巻だったのが国会での安倍晋三首相の答弁が「虚偽であった」と明らかに指摘したこの人の質問であった。 
 
【「準強姦罪」疑惑 柚木道義(希望):2/19 衆院・予算委】

 
御丁寧に、文字起こしをツイッターで広めていた人もいる。 


週刊誌的なネタ話はこれくらいで、やはり本題は、法案を成立させるためには政府は何でもやってしまうというのが、過去に厚労省が調査した杜撰なデータの使い回し問題である。
 
在京大手紙では、朝日新聞、毎日新聞、そして東京新聞の他には日本経済新聞もそれなりに事実関係のみを報道していたが、政府広報紙の讀賣新聞や、政府批判は一切しない産経新聞はこの問題は完璧にスルー状態である。 
 
クローズアップ2018 裁量労働制データ 『捏造』野党は追及 厚労省「意図的でない
 
20180220_mainiti01.jpg
20180220_mainiti02.jpg
【毎日新聞より】

 
『裁量労働』と『一般』異なる基準 厚労相、11日後に報告」 
 
20180220_tokyo.jpg
【東京新聞より】
  
<ずさんデータ、政府使い回し 「働き方改革」の対立激化>
 2018年2月20日05時11分 朝日新聞DIGITAL
 働き方改革関連法案をめぐる与野党の対立が激化している。安倍晋三首相が撤回した「裁量労働制」についての答弁の根拠が19日、厚生労働省から国会に報告され、政府が3年近く前からずさんなデータを使い回していたことが浮き彫りになった。加藤勝信厚生労働相はデータの扱いを「不適切だった」と謝罪したものの野党は攻勢を強め、最重要法案の雲行きが怪しくなってきた。
 「答弁の撤回で大変ご迷惑をおかけしています。深くおわび申し上げます」
 厚労省労働基準局の土屋喜久審議官は19日、省内で記者会見を開き、裁量労働制に関するデータの利用が不適切だったことを認めて陳謝した。一方で、「意図的に数字を作ったものではないと考えている」と強調し、データの捏造(ねつぞう)については強く否定した。
 問題のデータが国会答弁に使われたのは、実は初めてではない。
 2015年7月の衆院厚労委員会。野党議員から「裁量労働は長時間労働になりがちだ」と指摘された塩崎恭久厚労相(当時)は「むしろ一般労働者の方が平均でいくと長い」と答弁した。17年2月の衆院予算委でも、裁量労働制で働く人の労働時間が「一般労働者より短いデータもございます」と答弁している。いずれも今回と同じデータを根拠にした答弁だった。
 厚労省の説明によると、問題のデータが初めて対外的に示されたのは15年3月。旧民主党が開いた厚生労働部会の場だった。当時も、安倍政権が裁量労働制の対象拡大を盛り込んだ労働基準法改正案を国会に提出する直前の時期だった。
 旧民主党は当時、裁量労働制が「長時間労働を助長する」と批判し、裁量労働制で働く人の労働時間が一般労働者より長いかに関心を持っていた。「その議論を踏まえて、私どもで判断して(初めてデータを)出した」(土屋氏)という。
 厚労省は当時、一般労働者については残業時間のデータしか持ち合わせていなかった。手元にあるデータの中で可能な限り比較をしようと、当時の担当者が法定労働時間(8時間)と残業時間足し合わせる加工を施して「労働時間」を算出した。この数字は上司の課長と局長が決済したうえで部会に示されたという。土屋氏、当時の担当者は比較可能なデータと思っていたと釈明した。
 この時示されたデータは裁量労働制の方が労働時間が短いことだけを示すものではなかった。むしろ1日の平均労働時間が12時間を超える働き手の割合が、裁量労働制で働く人の方が一般労働者より多いことを強調する内容だった。土屋氏は「(労働時間の長さの)比較を意識した資料ではなかった」とも話した。
 15年に国会に提出された労基法改正案は2年以上たなざらしされ、昨年廃案になった。このため、問題のデータが大きな注目を集めることはなかった。
 安倍首相が「働き方改革国会」と名づけた今国会で自ら答弁に使ったことでにわかに注目され、データへの疑義も強まった形。答弁自体は目新しいものではなく、野党の批判に反論する答弁で不適切な利用が繰り返された。(千葉卓朗、贄川俊)
 「調査がおかしいと知っていたではないか。どうして答えなかったのか。隠蔽(いんぺい)していたのか」。19日の衆院予算委員会。衆院野党会派「無所属の会」の黒岩宇洋氏はこう訴えた。
 批判の矛先は加藤勝信厚労相。首相答弁のデータに不備があることを認識していたにもかかわらず、撤回するまでの対応を問題視し、政府の対応のまずさを追及したのだ。
 裁量労働制の労働時間は一般労働者より短いというデータもある、と首相が答弁したのが1月29日だった。2月19日にあった衆院予算委での加藤氏の説明によると、厚労省の担当局長が問題を把握したのは4日後の2月2日。さらに省内で加藤氏に報告があがったのは7日で、加藤氏が首相官邸に伝えたのは14日朝。そして同日午前、首相は答弁を撤回し、おわびした。最初の答弁から2週間以上過ぎている。
 加藤氏は19日の衆院予算委で、「隠匿しているわけではない」と理解を求めたが、野党側は強く反発した。審議は中断し、同日夕には無所属の会や立憲民主党、希望の党が退席し、審議をボイコットした。
 さらに野党は安倍政権の「自責点」をきっかけに攻勢を強める。
 データの問題を認識してからも国会で「精査している」と答弁していた加藤氏について、衆院予算委の野党筆頭理事を務める立憲の逢坂誠二氏は「なぜ虚偽答弁をしたのか明らかにしてほしい」と訴えた。野党6党の国会対策委員長は今国会への法案提出をとりやめるよう政府に求める方針で一致。立憲の辻元清美国会対策委員長は「根幹のデータがごまかしであったら、この法案は没だ」と述べた。
 これに対し、菅義偉官房長官は19日の記者会見で今国会で成立させる方針に変更はないことを強調した。自民党国対幹部は審議拒否に踏み込んだ野党を「(欠席する)タイミングを間違っている。隠蔽(いんぺい)とか虚偽答弁とか言うのもいい加減にしろ、という話だ」と批判した。
 そもそも、なぜ首相が不適切なデータを元に答弁したのかも問われ続けている。20日には衆院予算委には首相が出席した集中審議が予定されている。野党は19日、政府・与党側に首相答弁の撤回に至る経緯を改めて20日朝の予算委理事会で説明するよう要求。内容次第で審議復帰するか判断する構えを示した。
 政権幹部は19日、「塩崎厚労相時代の答弁をそのまま厚労省が官邸に持ってきた」と明かし、あくまでも厚労省側のミスだとの立場を強調。集中審議を前に、今回のデータ問題と首相の責任を切り離したい考えをにじませた。ただ同日、国会内であった政府・与党連絡協議会では、公明党の井上義久幹事長が政府の対応にこうクギを刺した。「答弁の中身は政府が責任を持ってやるべきことだ。緊張感を持って対応してほしい」
 
今回の調査データは2015年3月、旧民主党が開いた厚生労働部会の場に問題のデータが初めて対外的に示されたという。
 
2015年7月の衆院厚労委員会でも「むしろ一般労働者の方が平均でいくと長い」と当時の塩崎恭久厚労相は答弁していたらしい。 
なんでその時にはそのデータの信憑性を調べなかったのか。
 
あれは3年前、止める・・・・」こんなフレーズが浮かんでしまった。  
 
それにしても、残業時間の削減のためには裁量労働制の適用を拡大し、非正規社員にまで及ぼそうとした政府の企みは、その根拠データが真逆のデータであることが判明したことにより、「今国会での成立方針に全く変わりはない」と強調した菅義偉官房長官には、お前の言うことには「全く正当性がない」という言葉を差し上げ、今国会への法案提出は辞めるべきであろう、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:56| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月19日

国会答弁で政権の「専守防衛」ができるのか


沖縄県での米軍のヘリコプター事故が1月に連続して起きたのだが、そのこと自体は名護市長選挙には影響しなかった。
 
その後、あたかも米軍機の事故を覆い隠すかのように自衛隊機のヘリの事故も続いている。
 
陸自ヘリ 留め具破断、大阪府内に落下か」という記事を読むと、まさに「箍(たが)が外れる」とはこのことなのだろうが、たとえ落下物が小さい(直径8ミリ、厚さ1.5ミリ、重さ約0.4グラム)物でも、地上の住民は落下からは逃れる事はできないし、直撃すれば大事に至る可能性もある。
 
いまや、緊張感や束縛がなくなればヘリだけではなく、高慢・横暴・驕りの国会議員の秘書にまでその影響が及んでいる。
  
世耕経産相の政策秘書、タクシー運転手殴った疑いで逮捕」という記事中、「しっかりと個人としての責任を果たしてほしいと思います」という世耕弘成経済産業相のコメントに対して、ネット上ではこんな賛否の声が上がっていた。

●世耕大臣、アンタがまず秘書の働かせ改革をするべきじゃないか?監督不行き届きだし・・・
○仕事を離れたところでの、酔っ払いのご乱行やん。雇い主に責任はないやろ
 
中には、過去に同じような被害に遭ったらしい人からは、
「タクドラの時に、こういう身元のしっかりした人に殴られたかった・・・慰謝料で私は口を封じますよと(笑)」、翌日釈放された秘書は身元のしっかりした人で、かなりの示談金を提示されたのかもしれない。
 
少々余談になるが、2009年、沖縄県の米軍普天間基地移設問題で政権を奪取した民主党は、沖縄県の米軍普天間基地移設問題の解決に乗り出し、当時の鳩山由紀夫首相は「最低でも県外」とのスローガンを掲げた。
 
翌年の2010年4月14日、「ワシントンポスト」が鳩山由紀夫首相に対してこんな記事を書いていたことを思い出した。
 
「By far the biggest loser of the extravaganza was the hapless and (in the opinion of some Obama administration officials) increasingly loopy Japanese Prime Minister Yukio Hatoyama」
 
訳:この派手な催しの最大の敗者は、不運で(何人かのオバマ政府高官たちの意見において)ますます頭がいかれた日本の首相鳩山由紀夫だった。
 
この記事が日本に紹介された以降、「ルーピー鳩山」とネトウヨ連中から呼ばれたのだが、本人の名誉のために、「鳩山由紀夫元総理が激白 『売国奴』「普天間基地移設問題“Trust me”の真意」という記事を紹介しておく。  
 
なぜ、突然「ルーピー」という言葉を思い出したかといえば、昨日の、「国会の惨状よそに似非国際学者が闊歩する」というつぶやきの中で批判した自称「国際政治学者」の三浦瑠麗の名前を「【三浦瑠麗】今日のルーリー「多くの官僚は自分の担当期間中に工作船が自爆沈没したり、武器が見つかってもなるべく事なかれ主義で処理する」という記事の中で見たからであった。英語の俗語であるloopyという語は「おばかさん」とか「まぬけ」といった程度の蔑称なのだが、三浦瑠麗の場合は本人自ら「 Lully」と記しているだが、その言動からはすでに立派な「 loopy」の仲間入りを果たしたということであろう。
  
さて、緊張感のない、「箍が外れた」かのような国会答弁関連の話題に入る。 
 
その前に、「専守防衛」についておさらいを。
 
この表現は日本独特の用語であり、2017年版防衛白書は次のように記されている。
 
「相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいう」
 
つまり国連憲章で認められた自衛権のうち、個別的自衛権しか行使しない、というものであることはいうまでもない。
 
調べてみると、専守防衛という言葉を国会で初めて口にしたのは会議録を検索する限り、自民党が誕生する保守合同前の鳩山一郎民主党政権において、1955年7月の杉原荒太防衛庁長官の答弁らしい。
 
「わが国防衛の建前はあくまでも受身で、侵略を受けた場合に守る。名目のいかんにかかわらず、外に出て行って侵略することでない。言葉は少し固苦しいかもしれないが、専守防衛、専ら守る、あくまでも守る、という考え方だ」
 
それから63年経っても、安倍晋三首相は「専守防衛は、憲法の精神に則ったものであり、わが国防衛の大前提だ。この点には、今後ともいささかの変更もない」と語り、自らが主張する自衛隊の存在を明記する憲法改正が行われても「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」と強調していた。
 
ところが、その口先が乾かぬうちに先週はこんなことを言っていたのだ。   
息を吐くように嘘を付く代表の安倍晋三首相らしい発言なのだが、日本政府としても平気で「二枚舌」を使っていた。
 
<「北の脅威」政府に矛盾 衆院選「危機的」→安保法訴訟では否定>
 2018年2月19日 朝刊 東京新聞
20180219_tokyo.jpg 「北朝鮮の脅威」を巡る政府の主張の矛盾が明らかになった。安倍晋三首相が昨年10月の衆院選で、北朝鮮情勢が「危機的な状況」だと強調した一方、同時期に行われた安全保障関連法に関する訴訟では、米国と北朝鮮が衝突する危機にあることを政府自身が否定し、主張を大きく変えているためだ。野党は政府の説明を「二枚舌」と批判。今後の国会審議で追及を強めることも予想される。(新開浩)
 衆院選を通じ、首相や小野寺五典(いつのり)防衛相は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮と、武力行使を含む「全ての選択肢」を否定しない米国との間で、昨年末から今年初めにかけ、緊張が極度に高まる可能性を訴えた。
 首相は衆院選前日の演説で「北朝鮮の危機がある中で、安保法を廃止すると言う人は、あまりにも無責任だ」と強調した。
 一方、集団的自衛権の行使を容認する安保法が憲法九条に違反するとして、陸上自衛官の男性が、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」での防衛出動命令に従う義務がないことの確認を、国に求める訴訟を起こした。
 一審の東京地裁は昨年3月の判決で「原告の部隊に出動命令が出る具体的な可能性があるとは言えない」などとして訴えを退け、男性は東京高裁に控訴した。
 衆院選から約1カ月後の11月末、法務省は高裁に提出した準備書面で、男性が主張した米国と北朝鮮との武力衝突の可能性を「抽象的な仮定」と指摘。存立危機事態が発生する可能性についても「現時点における国際情勢」を理由に想定できないとした。国は北朝鮮情勢の深刻な危機を認めなかったことになる。
 しかし、東京高裁は先月末の控訴審判決で、安保法の成立を理由に、存立危機事態の発生を想定できないとした国の主張を「採用できない」と判断。男性の訴えは「適法」として一審判決を取り消し、審理を東京地裁に差し戻した。
 衆院選と控訴審での政府の主張の食い違いに関し立憲民主党の枝野幸男代表は14日の衆院予算委員会で「一方で、すぐにもミサイルが飛んできそうな危険をあおりながら、一方では具体的な危険はないと堂々と主張している。二枚舌ではないか」と批判した。上川陽子法相は予算委で、訴訟での法務省の主張を説明しただけで政府内で主張が異なる状況は変わっていない。
 
そんな政府の姿勢は今国会に提出予定の「働き方改革」法案に関しても現れていた。 

<「最長残業」根拠に首相答弁 残業データ、違う質問比較>
 2018年2月19日05時00分 朝日新聞DIGITAL
  裁量労働制で働く人の労働時間について「一般労働者より短いデータもある」とした国会答弁を安倍晋三首相が撤回した問題で、首相の答弁は、裁量労働制で働く人より一般労働者の労働時間の方が長い集計結果が出やすい調査を元にしていたことが分かった。そもそも質問内容が同じでなく、一般労働者に「最長」の残業時間を聞く一方、裁量労働制で働く人には単に労働時間を尋ねていた
  関係者によると、一般労働者への質問は、1日の残業時間について1カ月のうちの「最長時間」を尋ねる内容だった。一方、裁量労働制で働く人には単に1日の「労働時間の状況」を聞いていた。このため、一般労働者の方が長時間の回答が集まりやすくなっていた。質問そのものが異なる調査の結果を単純比較して答弁の根拠にしていたことになり、不適切な答弁だったことが一段と明白になった。データの使い方への疑義が強まるのは必至だ。
 答弁の根拠になったのは厚生労働省が2013年に公表した「労働時間等総合実態調査」。全国1万1575事業所の「平均的な人」の労働時間を調べた。この調査を元に、1日あたりの労働時間は一般労働者(平均9時間37分)より裁量労働制で働く人の方が平均20分前後短いと政府は説明していた。
 首相は働き方改革が議論された1月29日の衆院予算委員会で、厚労省の調査を元に「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁。裁量労働制で働く人の方が1日あたり平均20分前後短いとするデータに疑義があると野党から追及を受け、14日に答弁を撤回した。
 一般労働者の1日の労働時間は、残業時間に法定労働時間(8時間)を足して算出しており、裁量労働制で働く人の労働時間と単純比較できないこともすでに明らかになっている。厚労省は19日朝、データを精査した結果を同委員会の理事会に示す予定。不適切な答弁が作られた意図や経緯が厳しく問われそうだ。(贄川俊、村上晃一)
     ◇
 〈裁量労働制〉 労働時間の規制を緩める制度の一つ。実際に働いた時間でなく、あらかじめ定めた労働時間に基づいて残業代込みの賃金を払う。それ以上働いても追加の残業代は出ない。仕事の進め方をある程度自分で決められる働き手に限って適用できる。研究開発職などが対象の専門業務型と、企業の中枢で企画・立案をする人が対象の企画業務型がある。政権は、残業時間の上限規制と抱き合わせで対象業種を拡大しようとしている。
  
「働き方が違うんだから、質問が違うのさ当たり前。そもそも違うものを並べて比較すること自体がナンセンス。」などと屁理屈をつけて政権を庇う日本維新の会のポンコツ暴言議員もいるが、今回の「働き方改革」の最大の狙いは、限りなく残業代を払わずに、過労死ラインすれすれまで働かせても罰せられないように労働者を働かそうとする経済界の意を汲んだ法案なので、「100%労働者のための法案ではない」ことを、あらためて広めなければならない、とオジサンは思う。

ラベル:裁量労働制
posted by 定年オジサン at 12:17| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

国会の惨状よそに似非国際学者が闊歩する


気になる安倍政権の危険性を示唆するツイッターが飛んでいた。 

まさに、以前は考え方が非常に近いと持ち上げていたが、自分の尻に火が付き始めて、我が身が危なくなると、形振りかまわず目の上のタンコブを無き者にしようとする恐ろしさ。
 
誰が見ても明らかなスポーツ選手の政治利用としかい思えないこの日米の写真の違い。 

こんな現在の日本の政治の劣化と惨状を表しているのが2枚の写真。
 
20180218_abesinzo.jpg
【お疲れ?安倍晋三首相】

 
20180218_kouotaro.jpg
【豪快?河野太郎外相】
  
  
さて、最新の米国の犯罪捜査の番組を見ると、街中の至る所に設置してある監視カメラと顔認証システムによって、たちどころに容疑者が明らかになる場面をよく見かける、というよりは当たり前の手段として使われている。
 
日本では、昨年の10月18日、法務省が東京・羽田空港で、日本人の入国審査手続きに顔認証を使った「顔認証ゲート」の運用を始めた。
 
帰国する日本人が対象で、ゲートで撮影した顔写真をパスポートのICチップに記録されている画像と照合、本人と確認できればゲートが開く仕組みだ。
 
パスポートが無ければ日本を出ることも入ることも不可能なので、いやおうなしに「顔認証ゲート」の洗礼を受けてしまう。
 
このゲートはあくまでもパスポート写真とゲート使の際の写真との照合なので、善意に解釈すればその場限りの写真を使われていることになる。
 
しかし本格的に顔認証システムを実生活に応用しようとすれば、膨大な顔写真を集める必要がある。
 
それも無断ではなく、本人確認ができる程度の情報付きの写真が必要となり本人の申請が必要と思われる。     


<中国IT、異形のイノベーション 顔認証で買い物、帰りも手ぶら>
 2018年2月18日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 安い労働力を売りに「世界の工場」と言われた中国は、今やイノベーション(技術革新)で世界の最前線の様相を見せる。背景には技術者や起業家の奮闘に加え、独自の政治環境もある。異形の発展を遂げる中国式「創新(イノベーション)」は世界に広がるのか。
 (北京=福田直之、米カリフォルニア州バークリー=宮地ゆう)
 上海市中心部から車で20分ほど走った住宅街にある「百安居(バイアンチュイ)」は一見、日本の郊外でも見かけるような普通のホームセンターだ。
 だが、買い物の仕方は随分と違う。2017年に改装した同店は「顔認証」技術を使い、客が手ぶらで来て、手ぶらで帰れるシステムを導入した。
 お店に入った客はまず、自分の顔を端末に読み取らせる。欲しいものが見つかれば、店内のあちこちにある端末に再び自分の顔を読み取らせる。画面上に現れるリストから目当ての商品を選び、画面上の仮想買い物かごに入れていく。
 最後に出口近くにある端末にもう一度顔を読み取らせ、売り場で選んだ商品の合計額が表示されれば、あとは中国で5億人が利用するキャッシュレス決済「支付宝(アリペイ)」で支払うだけだ。言わば顧客の顔が財布や買い物かご代わり。市内なら商品も配達してくれる。
 アリペイは中国IT大手・阿里巴巴集団(アリババグループ)の関連会社が手掛けるサービスだ。お店や友人など相手のコードをスマートフォンで読み取るだけで、銀行口座からお金を支払える手軽さが受けて普及した。「顔認証」が広がれば、決済にスマホすらいらなくなる時代も近づく。
 イノベーションは、中国社会と人々の生活を激変させた。都市には無人コンビニや無人レストランなどが出現。物流にドローンを活用する会社もある。自動運転などにつながる人工知能(AI)の研究も活発だ。
 発展の裏には、世界第2の経済大国でありながら、発展途上でもあるという中国の特殊な土壌がある。
 中国には100元(約1670円)以上の高額紙幣がなく、汚れも目立つ現金の「不人気」がアリペイの普及に拍車をかけた。即席麺の需要を押し下げたとまで言われるネット出前は、地方出身の安い労働力抜きには成り立たない。GPSを使った乗り捨て型の自転車レンタルサービスは、放置自転車の規制がないことで爆発的に広まった。
 ■膨大な個人情報を活用 自分のデータ提供、薄い抵抗感
 「我々は計画経済を定義し直す」。17年5月、貴州省で講演したアリババの馬雲(ジャック・マー)会長はそう言い切った。 かつての社会主義経済の話ではない。膨大な消費者データを分析すれば何が、いつ、誰に売れるか予測がつくという意味だ。人口約14億人の中国には、「情報社会のオイル」と言われるデータが豊富にある。
 四川省成都市の旅行ガイド、符堅さん(27)が最近気にしているものがある。自分がどれだけ信用に値するかを数値化するサービス「芝麻(チーマー)(ゴマ)信用」で与えられる点数だ。
 点数が高ければ、ホテルの宿泊や自転車の共有サービスで保証金は不要になる。クレジットサービスの限度額も上がる。シンガポールなどのビザ申請の資料にすることもできる。
 芝麻信用はアリババの関連会社、アント・フィナンシャル・サービスが15年1月に始めた事業だ。
 「返済を延滞したことはないか」「資産状況」「学歴」「信用できる人との交際」まで、ありとあらゆる情報を集めポイント化する。
 アントの広報担当者は「保証金のような仕組みは不要になる。みんな信頼を失わないように心がけるので、人間の質を高める効果もある」と意気軒高だ。
 芝麻信用の点数を上げるには、アントに多くの個人情報を提供する必要がある。抵抗もありそうだが、中国でそうした議論は広がらない。符さんも「どうせ個人情報なんて次々と人の手を渡っていってしまうものでしょう」と割り切る。
 背景には、共産党の一党支配が続く中国特有の「文化」もある。中国には国民一人ひとりの経歴や賞罰などを記録し、行政が管理する「人事タン案(タンアン)」の制度があり、「個人情報は誰かに見られているものだ」という意識がもともと強い。
 集められる情報は、企業に蓄積されるだけとは限らない。芝麻信用などは政府が設立した金融協会と個人信用情報を共有する枠組みを立ち上げた。
 ■保護下で育ち、国外狙う 政府と密着、言論監視も協力
 「東北3省は困難に直面しているが、建国したころ、この地域が国内総生産の85%を占めていたことを忘れてはならない」
 1月、中国ITの4強「BATJ」の一角を占めるネット通販大手、京東集団の劉強東会長は、黒竜江、吉林、遼寧の3省に計200億元(約3340億円)規模の投資をして経済振興を図ると表明した。鉄鋼など重厚長大産業が中心の東北地方は成長率が低迷しており、東北振興は政府の悩みの種。そこに巨額の投資を約束して、救いの手を差し伸べたのだ。
 ほかのIT大手もこぞって国策に寄り添う。習近平(シーチンピン)国家主席の肝煎りで建設が始まった北京近郊の新都市・雄安新区には、アリババや京東のほか、対話アプリの騰訊(テンセント)、検索大手の百度(バイドゥ)の「BATJ」がいち早く進出を表明。テンセントやバイドゥは、政府が強める言論監視に従い、政権に都合の悪いユーザーや書き込み、検索を排除している。
 一方、政府はクラウド・コンピューティングやビッグデータなどの技術強化を国家戦略に据え、760億元(約1兆3千億円)規模の投資基金を創設。国内IT企業の育成に余念がない。国家の安全を名目に築く外国サービスの参入障壁は、事実上、国内企業の保護政策にもなっている。
 巨大で特殊な国内市場で育った中国IT大手は、海外にも目を向ける。アリババのクラウドサービスやキャッシュレス決済、自転車のレンタルサービスなどはアジア諸国や日米への進出を図っている。
 米カリフォルニア大バークリー校のスティーブン・ウイーバー教授(情報・政治学)は「中国IT企業はかつて日本の自動車メーカーが国内の保護主義の枠を抜け出し、海外に出た1980年代ごろと似たような時期にある」と指摘する。
 ■特殊な環境、競争力に疑問符 
米カリフォルニア大バークリー校、アナリー・サクセニアン教授(IT・地域経済学)
 中国のIT企業は、至る所に政府の影が及ぶ環境の下にある。政府の助成を受けている企業もあるし、成功している多くの企業は政府と強い結びつきを持っている。こうした特殊な環境にいることは、国外市場での彼らの競争力をそぐことになりかねないだろう。
 IT企業がイノベーションを遂げるためには日米欧などの主要な市場で利用者とつながらなければならない。国内だけで成功しても、グローバルな競争力には直結しない。
 中国IT企業は非常に先端的でおもしろいサービスや製品を提供しているが、中国市場にしか需要がないようなものが多く、大きな技術革新はまだ見えない。
 ただし、AIの深層学習には大量のデータが必要で、中国にはそれがある。政府がAI関連分野に巨額の投資をしているので、中国企業は国外企業に対し優位に立つことができる。
 
共産党の一党支配が続く中国特有の「文化」と「個人情報は誰かに見られているものだ」という意識がもともと強いことが、このような「異形のイノベーション」を生み出しているのかもしれない。
 
権力者の究極的な願望は、すべての国民の個人情報を完全に把握することであることは言うまでもない。
 
そのためには完全な顔認証システムの基礎となる「顔データベース」が必須である。
 
その手段として登場したのが、「顔写真付」のナンバーカードであり、政府はなんとか最大限の普及を目指してはいるが、2017年8月末時点のマイナンバーカードの普及率は人口比でわずか9.6%の普及率で、申請すれば無償でもらえるにもかかわらず、交付枚数は約1230万枚に過ぎない。
 
自治体内部からの情報漏洩の危険性が高く、多くの国民の支持を得ていないのが現状である。
 
このあたりが中国と大きく異なる点で、多くの国民の自由が保障されている憲法の存在が大きいことも確かである。
 
とりわけ、表現の自由度は中国に比べればはるかに高く、そのおかげでトンデモ発言が度々登場する。
 
生理的な嫌悪感を覚える数多くの連中の中でも最近は自称「国際政治学者」然としている三浦瑠麗の発言がネット上で炎上していた。
 
当初はあまり関心がなかったのだが、批判される毎にその言い訳に綻びが出ているにもかかわらず、開き直る態度には、あきれてしまう。
 
ことの発端は、三浦瑠麗が2月11日に放送されたテレビ番組「ワイドナショー」(フジテレビ系列)に出演し、北朝鮮のテロリスト分子が日韓に潜んでいると発言、とりわけ大阪が危険だとの認識を示したことであった。
 
そもそもこの番組自体が安倍晋三ヨイショ番組で、番組のMCのお笑い芸人松本人志も最近は安倍晋三との会食が報道されている。
 
こんな番組なので近頃は、安倍晋三の「喜び組」と揶揄されてきた三浦瑠麗の発言に過激度が増したことは容易に想像がつく。
 
今までの経緯を見ると、先週の日曜日の発言後、翌日には、「三浦瑠麗氏、ワイドナショーでの発言に批判殺到 三浦氏は『うがった見方』と反論」し御丁寧にも自ブログで、「朝鮮半島をめぐるグレートゲーム」と題して、発言の根拠を英国のデイリーメールだと明かした。
  
それに対して、「三浦瑠麗『北朝鮮スリーパー・セル潜伏』の情報源は“ネッシー”スクープの英タブロイド紙! 公安も失笑したフェイク」という記事がでた。
 
すると、またもや反論したのだが、「三浦瑠麗の再反論“大震災時に北朝鮮工作員の迫撃砲発見”に阪神大震災を取材した記者たちが『聞いたことない』」となってしまった。
 
この記事はこう結んでいた。
 
多くの住民が犠牲になった阪神大震災という大災害を利用して、そんなデマを口にするというのは、それこそ、関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマを拡散して、朝鮮人の虐殺を扇動した行為と同じではないか。そして三浦氏の今回の発言は、まさに差別のためのデマをつくり出してきたネトウヨの行動と地続きにある。
 抗弁すればするほど泥沼にはまって、国際政治学者としての知識や情報の乏しさ、フェイクぶりを露呈していく三浦氏。しかし、最大の問題はその無自覚な差別的本質にあるのではないか。

物言えば唇寒し」とか「雉も鳴かずば撃たれまい」といったことわざを三浦瑠麗はどこまで理解しているかは不明だが、今回の一連の経緯を見ると、明らかにこの似非国際政治学者は立派な「ネトウヨ」であることを自ら証明してしまったのであろう、とオジサンは思う。     

posted by 定年オジサン at 12:54| 神奈川 ☀| Comment(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月17日

年齢で高齢者を定義はできないが、それなりの環境整備が必要


60歳定年になって母の自宅介護生活のため、継続雇用せずに年金を前倒し受給した。
 
そのため65歳からの受給年金額は5年間継続雇用した場合より、その間1年ごとに0.5%ずつ減額されていたため、かなり低い金額である。
 
おかげで所得税は一切取られず、「確定申告」する程の雑所得もないのだが、フリーランスや自営業者はこの時期になると税務署とのシビアな攻防が至る所で起きている。
 
ましてや、徴収する側の最高責任者が国会で国民に対して堂々と虚偽答弁を繰り返していた人物なら、余計腹が立ってくる。
 「佐川氏へ『納税者一揆』デモ 確定申告開始、国税庁包囲
 
20180217_asahi_01.jpg
 
20180217_asahi_02.jpg
 
20180217_asahi_03.jpg
【朝日新聞DIGITALより】
 
もう数か月も公の場に姿を表せていない佐川宣寿国税庁長官なのだが、実は逃亡者のような生活を送っているという。 
 
<雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のような行動>
 2018.02.17 07:00 NEポストセブン
20180217_sagawa1.jpg
【【周囲を気にしながら退庁した佐川氏】

 確定申告が始まった2月16日午後、東京・霞が関の国税庁の周辺では、佐川宣寿・長官の罷免を求める抗議デモが行なわれ、1000人を超える人が集まった。デモは全国各地の国税局や税務署周辺でも行なわれ、「一官吏」に対して国民がこれだけ大規模な抗議活動を起こしたのは前代未聞だ。
 この日、当の本人は「税務署回り」という理由で国税庁を不在にしていた。
 佐川長官といえば、昨年の通常国会で、安倍首相夫妻の“お友達”が理事長を務めていた森友学園に国有地が格安で売却された問題をめぐって、財務省理財局長として「記録は速やかに廃棄した」という“証拠隠滅答弁”を行なったことで、その名を知られた。今年に入って財務省と森友側との膨大な交渉記録が残っていたことが発覚し、 “佐川バッシング”が広がっている。
 にもかかわらず、佐川長官は“雲隠れ”状態が続いていた。全国紙の経済部記者が言う。
「長官を捕まえようと自宅を夜討ち朝駆けしているが、どこの社もつかまえられない」 
 遡ること2日──。バレンタインデーの夕方、東京・霞が関にある国税庁の建物から、一人の男性が出てきた。あたりをキョロキョロと見回すと、停めてあった公用車に飛び乗った。マスコミから“逃走中”の佐川長官、その人だった。
 公用車に乗った佐川長官が向かったのは、都内のホテル。どうやら、ここを自宅がわりにしているようだ。
20180217_sagawa2.jpg
【人目を気にしてホテル暮らしか】

 翌日、ホテルから登庁する様子は前日以上の警戒ぶりだった。午前7時45分に公用車が地下駐車場に入ると、ホテル従業員が10分おきに地下駐車場とホテル正面の車寄せの見回りを始めた。佐川長官は一般客用のエレベーターではなく、従業員用のエレベーターで地下駐車場に降り、車が出発したのは9時半だった。
 佐川氏を乗せた公用車は霞が関とは別の方向に出発。普通なら10分もかからない距離を30分以上かけて遠回りして国税庁に入っていった。
 その姿は徴税官というより指名手配の逃亡犯。確定申告シーズンが終わるまで逃げ回るつもりなのだろうか。
 
自分の家族の将来のことを考えれば、負の遺産を残さずに正々堂々と長官就任の記者会見を開き、あらゆる質問に答えるならば禍根は残らないであろう。
 
もっとも彼の年齢からすれば、来月の誕生日以降は定年退職して関連団体の要職への道が用意されているらしい。
 
当然、65歳どころかもっと長く複数の天下り先を渡れば、億単位の退職金を手にするだろうから、年金なんかは当てにしなくてもいいかもしれない。
 
しかし一般のサラリーマンはそんな道はなく、1年でも長く働きたいという人は多いが、年金受給年齢が70歳以降になるとすれば話は別である。    
 
(時時刻刻)高齢社会、支え手増やす思惑 新大綱『65歳以上、一律に高齢者でない』
 
20180217_asahi_04.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
<クローズアップ2018
「高齢者65歳以上」転換 望ましい老後、模索>
 毎日新聞 2018年2月17日 東京朝刊
 政府は16日午前の閣議で、高齢社会対策大綱を決定した。65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方からの転換を打ち出し、65歳以降も働き続けられる環境を整えるとともに、年金の受取時期を70歳以降に遅らせることができる制度見直しの検討を盛り込んだ。背景には元気な高齢者の増加があるが、高齢になるほど経済的・身体的状況の個人差は大きくなる。自分にとって「望ましい老後」を選べる仕組みが求められる。【阿部亮介、下桐実雅子】

「労働ありき」に懸念
 
20180217_mainiti_01.jpg
 
 東証1部上場の電子部品メーカーを7年前に定年退職した山下隆志さん(69)=東京都=は有機溶剤リサイクル会社に再就職した。法務部長なども務め知的財産管理に明るい。その経験を生かし、米国など海外企業との契約書類の作成や知財管理に関するアドバイスをしてきた。2年前には「行政書士」と「海事代理士」の国家資格を取得した。これが有利になり、別の化学メーカーからも「アドバイザー」として法的な助言を求められている。
 再就職当初はフルタイムで働いていたが、徐々に勤務日数を減らし、今は両社で週1日ずつ働く。
 「いろんな分野の勉強をして仕事をまだまだ続け、いい技術を持った企業の海外進出を応援したい。あと10年はできる」。山下さんは声を弾ませる。
 定年退職した人の再就職先を紹介する人材紹介会社「サイエスト」では、あっせんを希望する登録者数は年々増加している。事業を開始した2014年の登録者数は100人程度だったが口コミなどで広がり、現在は定年退職前の55歳から82歳までの約3500人に。60〜65歳が半数を占め、人事や法務、マーケティングなど専門知識を生かした約300人が国内外の企業で働いている。山下さんも同社から紹介された一人だ。
 同社の担当者は「定年まで勤め上げたことが人材の質を保証している。登録者は月100人ずつ増えている」と話す。
 高齢者像は医学の面からも変化がみられる。日本老年学会などが13年から高齢者に関する調査を収集・分析したところ、「若返り現象」がみられた。
 
20180217_mainiti_02.jpg
 
 健康状態や体力、残っている歯の数、知的機能などが過去のデータに比べて一貫して改善。病気にもかかりにくくなっていた。調査したワーキンググループ(WG)の座長を務めた大内尉義(やすよし)・虎の門病院長は「以前より5〜10歳、ものによっては20歳若返っており、非常に驚いた」と振り返る。
 例えば、歩行速度。06年の75〜79歳の人たちは、1997年の65〜69歳の人たちと同じだ。食べ物をかむのに十分とされる「歯数20本」を保っているのも、57年には男性55歳、女性48歳だったが、2011年は男女とも68歳になった。
 これらのデータを踏まえ、WGは65〜74歳を「准高齢者」、75歳以上を「高齢者」とする新たな定義を示した。診療に当たる医師の多くも、75歳から患者の衰えを実感する。例えば心臓の病気で入院した時、全身に目配りしないと寝たきりになるケースが、このくらいから顕著になる。60歳以上の人に「支えられるべき高齢者」の年齢を尋ねた内閣府の意識調査によると、「70歳以上」の世代が多かった。
 ただし、元気な高齢者像が強調されると「働くのが当たり前」との雰囲気が強まる懸念がある。WGの新定義に対して、「悠々自適に過ごしたい人もいる」などの批判も多かったという。大内院長は「フレイル(筋力や心身の活力が低下した状態)の人もいて、高齢になると個人差が大きい。多様性を認めることが大切だ」と指摘する。
年金見直し 雇用が鍵
 加藤勝信厚生労働相は16日の閣議後の記者会見で「人生100年という時代を迎えようとしている。選択肢の幅を広げる検討をしたい」と述べ、個々の人生設計に合わせて年金の受取時期が選べる制度の意義を強調した。
 公的年金の受給開始年齢は原則65歳だが、今も受け取る時期を60〜70歳の間で選ぶことができる。早く受け取れば受給額は減り、遅くすれば増える。90歳まで生きるとすれば65歳で年金を受け取った人の年金生活は25年に及ぶ。75歳で受給すれば年金額が増える上、年金に頼る期間は15年になる。自分の事情を考えて老後の暮らしを計画できる。
 だが、政府の狙いは年金財政への好影響だ。
 年金は現役世代の保険料で賄う。少子高齢化の下では少ない現役世代が多くの高齢者を支えることになり、年金財政は厳しくなる。経済学者らの間では年金受給開始年齢そのものを引き上げるべきだとの意見は根強い。しかし、受給年齢引き上げには国民の強い反発が予想され、政治的ハードルは高い。この点について加藤氏は16日の会見で「考えていない」と否定した。
 厚生年金の保険料は働いている間は納付する。働く高齢者の増加は年金財政の支え手が増えることでもある。ただし、政府の狙い通りに運ぶには働ける場の確保が不可欠だ。今は企業に60歳以降の雇用確保を義務づけているが、60代後半に引き上げる必要がある。
 政府は昨年3月にまとめた働き方改革実行計画で、2020年度までを60代後半の雇用確保のための「集中取り組み期間」と位置付け、将来的に65歳以降の継続雇用について検討する方針を盛り込んだ。今国会に提出予定の働き方改革関連法案にも定年の延長などをした企業に対する助成制度を盛り込む。
  
オジサンが生まれた頃は、日本人の平均寿命は男58歳、女61.5歳であった。
 
したがって55歳で引退して「お爺ちゃん」と呼ばれる人が多かった記憶がある。 
 
その後の調査では、1960年に男65.32歳、女70.19歳、1970年に男69.31歳、女74.66歳、1980年に男73.35歳、女78.76歳と格段に伸びていたが、多くの企業において、依然55歳が定年退職年齢であった。
 
1986年の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正で60歳定年が企業への努力義務に、1994年の改正で60歳未満定年制が禁止(1998年施行)されたことで60歳が日本の定年になった。
 
定年が60歳になったことにより人件費の上昇を防ぐ意味からも、55歳を超えたら基本給は徐々に下げる企業も少なくはなかった。
 
さらに退職金の基礎データも55歳時点の基本給をベースに計算するという企業もかなり多かった。
   
2000年に企業に対して、65歳までの雇用確保措置を努力義務化され、2004年に企業に対して、65歳までの雇用確保措置の段階的義務化(2006年施行)、2012年には企業に対して、希望する労働者全員を65歳まで継続雇用することが義務化がされ(2013年施行)、今日まで続いている。
 
たしかに、65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方からの転換は決して悪くはなさそうだが、平均寿命が延びてもあくまでも統計上の「平均」であり個人差は大きい。
 
それを一律、「年金の受取時期を70歳以降に遅らせる」ために、まだ高齢者ではないので65歳以上も働けと言うだけでは、無年金状態が5年近く生じる可能性もある。
 
企業の負担もあるだろうが、全体的にみれば、自然な流れとして「65歳を定年」にして70歳までは継続雇用可能にするという、現行の制度の5年間引き伸ばしということを考える必要があるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 13:06| 神奈川 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

捏造データで作成した法案の正当性はあるのか


詐欺の容疑で家宅捜索され、森友学園の籠池前理事長宅からは根こそぎ資料を持っていかれたはずだだったが、その前に交渉過程を録音していたデータはすでに別のところに保管されていたらしい。
 
それにしても、次から次へと新たな証拠がでてくるので、やはり安倍政権は籠池夫妻をマスメディアの前には出したくないという狙いが彼ら2人の長期拘留になっていることは間違いない。  
<森友学園、希望額提示か=共産が音声データ公開>
 2018/02/15-17:34 時事通信
 共産党は15日、学校法人「森友学園」への国有地売却交渉に関する新たな音声データを公開した。学園側弁護士が国側に「1億5000万円より低い金額で買いたい」と持ち掛けているとみられる音声が記録されていた。同党は事前の価格交渉を否定した佐川宣寿国税庁長官(前財務省理財局長)の国会答弁と矛盾するとみて、引き続き証人喚問を求めていく方針だ。
 公開されたのは、既に部分的に財務省が「2016年3月下旬から4月ごろ」と認めていた学園関係者と近畿財務局職員らのやりとりの全容。新たな部分では、弁護士が「希望としては1億5000万円かかる分(を大阪)航空局からもらって、それより低い金額で買いたい」と話し、国側が「(その意向を)最大限反映できるような形の手続きをやっている」と答えていた。
 共産党の宮本岳志氏は15日の衆院予算委員会でこの音声を取り上げてただしたが、財務省の太田充理財局長は「相手から買い受け希望の価格を聞く手続きはない。そういうことも含めて前局長は価格の交渉はないと申し上げた」と述べ、価格交渉自体を否定した。
 
往生際が悪すぎるという表現がピッタリな財務省の体質なのだが、そろそろ官僚として最高権力者を守ることのバカらしさに目覚めて、国家、国民のための仕事をしてほしいものである 
 
さて、一般庶民の懐は相変わらず寒風が吹いているのだが、日本を代表する上場企業は過去最高の純利益を上げているようである。 
 
<上場企業の4〜12月期、純利益35%増え最高更新>
 2018/2/15 20:00 日本経済新聞 電子版 
 上場企業の成長ペースが加速した。2017年4〜12月期の純利益の合計額は23兆6364億円と前年同期比で35%増え、5年連続で過去最高を更新した。電気機器や自動車、化学など世界的な景気拡大の恩恵を受ける業種がけん引した。金融を除く32業種のうち27業種が増益となり、成長の裾野も広がっている。
20180216_nikkei01.jpg 15日までに17年4〜12月期決算を発表した1587社を日本経済新聞社が集計した。
 増益幅が最も大きかった業種は電機だ。純利益は1兆6061億円増え、全体の増益幅の3割弱を占めた。半導体関連の企業が特に好調だ。東京エレクトロンは10年ぶりに過去最高を更新。「半導体需要は20年に向けて右肩上がり」と河合利樹社長は語る。
 ソニーは不振だったテレビなどエレクトロニクス事業の構造改革が進み、スマートフォン向けの半導体イメージセンサーの需要拡大も重なった。物流や電動工具などの非中核事業を手放し、「選択と集中」を続けてきた日立製作所も最高益となった。
 自動車は円安進行で採算が改善した。円相場は4〜12月期の平均で1ドル=111円と前年同期より5円ほど円安・ドル高水準だった。トヨタ自動車は円安による増益効果が2950億円にのぼった。17年は米国市場での新車販売が減少に転じるなかでも、円安を支えに増益を確保した。
20180216_nikkei02.jpg 化学にも市況改善という追い風が吹いた。中国の環境規制や米国のハリケーンの影響で米中の化学プラントの操業度が低下し、石油化学製品の価格が軒並み上昇。住友化学など大手化学はそろって増益となった。
 陸運など5業種は減益となった。ヤマトホールディングスは人手不足で人件費や外部業者への配送委託費が膨らみ、純利益が半減した。
 好調な4〜12月期決算を受けて、18年3月期通期の見通し引き上げが相次いでいる。18年1月以降に上方修正した会社は293社にのぼった。18年3月期の純利益合計は前期比30%増の28兆6810億円と2期連続で過去最高を更新する見通しだ。
 
サラリーマン家庭では収入予測を途中で「上方修正」するなんてことは不可能で、春闘時期の賃上げ額で1年間のおおよその収入が分かるのだが、「18年3月期の純利益合計は前期比30%増の28兆6810億円」の僅か数パーセントでも労働者への配分に回れば行き先は明るくなるのだが、残念ながら「先行き不安」という企業側の常套句により、今年も内部留保に回ってしまうのだろうか。
 
春闘2018 政権賃上げ目標、かけ声倒れか 満額でも3%届かず

20180216_tokyo.jpg
【東京新聞より】

 
どんなに安倍晋三首相が、「3%の賃上げを行った企業は法人税を下げてやる」といってもなかなか応じない企業が多いということは、それだけ安倍政権の経済政策の行き詰まり、または破綻を見抜いているからであろう。
 
働き方改革こそが、『労働生産性』を改善するための最良の手段である。(中略)働き方改革は、『社会問題』であるとともに、『経済問題』であり、日本経済の潜在的成長力の底上げにもつながる、第三の矢・構造改革の柱となる改革である。
 
これは、昨年3月28日に発表された「働き方改革実行計画」のなかの「今後の取組の基本的考え方」から抜粋した内容である。  
一言でいえば、この改革は破綻したアベノミクスの「第三の矢・構造改革の柱となる改革」なので、「経済問題」であり、決して「労働問題」ではないところに、いかがわしさがある。 
 
そのためには働く労働者の長時間労働の実態も正確には把握せず、的確な分析もなされないまま、今回の改正案の根拠としてデータの捏造と疑われてしまうような醜態を曝け出したのである。 
 
五十嵐仁法大名誉教授はこう言っていた。
 
「時間管理の緩い裁量労働制が長時間労働を助長するのは常識です。難航する法案審議への焦りやイラ立ちが荒っぽい答弁につながったのでしょうが、それにしてもデータの怪しさに疑問を抱かなかったのはお粗末すぎます」 
 
<裁量労働制調査データ ミス?捏造? 厚労省、19日に精査結果公表>
 2018年2月16日 朝刊 東京新聞
20180216_tokyo_01.jpg 安倍晋三首相が裁量労働制で働く人の労働時間についての国会答弁を撤回した問題を巡り、加藤勝信厚生労働相は15日の衆院予算委員会で、首相が引用した厚労省調査を精査した結果を19日に国会で報告すると明らかにした。この調査では、裁量労働制ではない一般労働者が不自然に長く働いたケースが見つかっており、専門家や野党には「長時間労働の温床とされる裁量労働制への懸念をなくすために、捏造(ねつぞう)された数字ではないか」との疑いも出ている。
 問題の調査は、2013年度の労働時間等総合実態調査。一般労働者9449人の一日の残業時間を聞き取り、平均1時間37分とした。法定労働時間(8時間)を足すと9時間37分。裁量労働制で働く人の平均労働時間も調べ、約20分短い9時間16分とした。首相はこれを根拠に、今年1月、裁量労働制の労働時間が一般労働者より短いデータがあると答弁した。
 一般労働者の残業時間の内訳を公表するよう野党が同省に求めたところ、1日15時間超残業した人が9人いたことが判明。1日23時間超働いた計算だ。
 また、調査は一般労働者の1週間の平均残業時間を2時間47分としていた。それなのに1日の平均が1時間37分というのは不自然との指摘もある。
 厚労省の担当者は、15時間超の残業について「残業時間ではなく、1日の総労働時間を間違って聞き取った可能性もある」と、単純ミスだった可能性を指摘する。
 一方、立憲民主や希望など野党6党が15日、合同で厚労省から事情を聴いた会合では「官邸の指示で作った数字ではないのか」といった声が相次いだ。
 会合に出席した法政大の上西充子教授は「裁量労働制が長時間労働にならないことを示すため、調査の後から作られたデータと考えるのが自然だ」と話す。
 15日の予算委で厚労省は、裁量労働制の労働時間が一般労働者より短いとする調査は、今回問題になった厚労省調査以外にないことを明らかにした。
 首相は同日の政府与党連絡会議で、答弁撤回に触れ「気を引き締めて細心の対応をしたい」と与党に陳謝した。
 
「一般労働者9449人の一日の残業時間を聞き取り」調査したというが、胡散臭い。
 
一体どのような業界のどのような職種で、どのような場所で働いているのかが不明。
 
ましてや、タイムカード等で管理されている労働者なら正確さは増すが、自社ではなく他社に派遣や偽装請負として業務委託形態で働いていれば、時間管理者は把握できず、もちろん裁量労働制で働く人たちは、あくまでも本人の自己申告しかない。
 
さらに言えば、タイムカードを押して一旦退社したことにして継続的に作業する「サービス残業」を強いられている労働者も多い。
 
このように、すでに多種多様な「働き方」をしている1万人近くの労働者の聞き取り結果は、実態を知っている側からみれば、はなはだ信憑性が低いと言わざるを得ないのでは、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:22| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月15日

紛れこませ、抱き合わせの「働き方改革」という悪法案


国会では、佐川宣寿前理財局長(現在は国税庁長官)の昨年の国会答弁が明らかな偽証であることが濃厚となり国会証人喚問の声が上がっているにもかかわらず、公明党は端から腰が引けていた。
 
 「佐川長官の国会招致不要=山口公明代表」 
 
この裏には公明党幹部が触れられたくないある事実があった。
 
星条旗新聞が『安倍晋三小学校の醜聞は不正行為』と報じる」という昨年の3月頃のネット記事にはこんな写真と説明があった。 
 
20170302-8.jpg
 
上の写真。毎日の首相動静にも書かれているように、
「安倍は2015年9月4日、午後4時7分に、冬柴大(公明党・故冬柴鉄三元国土交通相の次男)経営の大阪市北区の海鮮料理店「かき鉄」で食事。 冬柴大は、元りそな銀行高槻支店次長。 りそな銀行は森友学園と提携、建設費用の21億円を融資」。
要するに、安倍晋三じきじきに、元公明党議員の冬柴ファミリーの銀行に、「森友学園に融資してやってくれ」と橋渡ししたわけだ。
 
その後も日刊ゲンダイが、「森友学園に新疑惑 小学校建設費『21億8000万円』の調達先」という記事の中で「大臣経験者の息子A」と書いていた。
 
元公明党の幹部の息子が一枚からんでいたことが、いままで公明党が森友学園疑獄に沈黙する理由であるならば、佐川宣寿前理財局長の国会招致を拒むということも「下駄の雪」らしい党である。
 
米軍のヘリコプター事故が沖縄で相次ぎ地元から批判の声が高まっていたころ、米軍に呼応するかのような自衛隊機の墜落事故が佐賀県で発生したことは、まだ記憶にあたらしいのだが、その原因が操作ミスとか整備ミスでもなく、12年前に造られた中古部品を取り付けたということらしい。 

<墜落ヘリ、修理の中古部品 別の機体で不具合 佐賀>
 2018年2月15日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 佐賀県神埼(かんざき)市で陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが住宅に墜落した事故で、防衛省は14日、直前に交換された「メイン・ローター・ヘッド」と呼ばれる部品は、以前に別の同型機に取り付けられて不具合が生じ、修理された中古品だったと発表した。この部品が空中で破損しており、強度に問題がなかったか防衛省は慎重に調査を進める。
 同省はこれまで「新品と交換した」と説明してきた。同省の担当者は「事実関係の確認が不十分なまま『新品』と公表した。申し訳ない」と陳謝した。
 メイン・ローター・ヘッドは、4本あるメインローター(主回転翼)にエンジンの出力を伝える部品。事故機の2本のメインローターは、墜落現場から300〜500メートル離れた場所で見つかった。いずれもヘッドそのものが破損していた。
 ヘッドは米ボーイング社製で、日本でライセンス生産している富士重工業(現スバル)が購入した。2006年9月に新品として陸自に納入され、別の同型機に取り付けられた。845時間飛行した後の10年4月、ヘッドのベアリング部分が摩耗し、機体が揺れるようになったため取り外された。
 富士重工業を通じて米国のボーイング社に送られ、12年10月に修理が終了。昨年8月からは、今回の事故機が所属する目達原(めたばる)駐屯地で保管され、1月18日〜2月4日の定期整備の間に事故機に取り付けられたという。
 陸自の担当者は「民間でも、部品そのものの耐用時間を迎えるまでは使い続ける。中古部品への交換自体は問題ない」と話している。
 
そもそも、既に後継機が使われている、いわゆるポンコツに近いAH64D戦闘ヘリコプターに中古部品を取り付けて、「部品そのものの耐用時間を迎えるまでは使い続ける。中古部品への交換自体は問題ない」と強弁する陸上自衛隊に日本の安全を任せられるのか疑問である。
  
さて、もっと疑問というのか危ういのが、この人物である。 

 「ずさん答弁撤回、首相異例のおわび 与野党対立へ火に油
 
さらにこんな声もネット上にはあった。 
◆ほとんどの裁量労働制では仕事量の裁量まではないのだから労働時間が短くなることはあり得ないという常識的な考えを無理矢理に否定したいだけ。嘘を根拠にした法案を出す内閣を支持しますか。
◆政策決定の基礎が間違ったデータではどうしようもない。しかもこれを使い回していたというのだから、誤りの根は深い。政策自体を見直すところから始めるべきだが、安倍政権にそこまでの謙虚さがあるか極めて疑問。
 
首相答弁撤回 裁量労働、募る不信 別調査結果は「『働長い』」 
 
20180215_tokyo_01.jpg
【東京新聞より】

 
<裁量労働、問題運用が横行 対象外に適用 過大業務を命令>
 2018年2月15日 07時01分 東京新聞
20180215_tokyo.jpg 安倍晋三首相は14日の衆院予算委員会で、裁量労働制で働く人の労働時間が一般の労働者より短いというデータがあるとした自らの国会答弁を撤回し、「おわび申し上げたい」と陳謝した。野党からデータの疑義を指摘されていた。裁量労働制を巡っては、企業による不適切な運用が相次いで発覚している。野党は長時間労働につながると批判するが、政府は柔軟な働き方で生産性が上がるとして、今国会で成立を目指す「働き方」関連法案に対象拡大を盛り込んでいる。 (木谷孝洋)
 裁量労働制は、仕事の進め方を労働者の裁量に任せ、残業代を定額で支払う制度。個人の能力を生かす働き方として導入された。現在はゲーム制作やシステムコンサルタントなど19の専門職「専門業務型」と、事業運営で企画や立案、調査を行う「企画業務型」が対象となっている。
 企業にとっては、労働者がいくら働いても残業代を上乗せする必要がない。このため対象外の職種に適用したり、過大な業務を命じて長時間労働につながったりと、さまざまな問題点が指摘されている。
 昨年8月に発足した労働組合「裁量労働制ユニオン」(東京都)には、約30件の相談が寄せられた。不適切な制度運用は出版やゲーム制作などの業界に多いという。
 不動産大手の野村不動産(同)は昨年12月、裁量労働制が認められていない営業職の社員600人に適用していたとして、東京労働局から是正勧告と指導を受けた。厚生労働省は全国1万3000社の実態調査に乗り出した。
 働き方関連法案には、企画業務型に、品質管理など管理的な業務を行う人と、一部営業職を加える内容が盛り込まれている。
 厚労省は対象人数を明らかにしていないが、全産業で営業職は342万人に上り、多くの労働者が「定額残業代」で働くことになる可能性が指摘される。
 労働問題に詳しい市橋耕太弁護士は「裁量労働制は企業の残業代抑制につながるが、労働者のメリットは乏しい。現行でも問題があるのに、なし崩し的に対象を拡大するのは問題」と指摘する。
<裁量労働制> 実態にかかわらず、あらかじめ決まった時間を働いたとみなす制度。出退勤の時間や仕事の進め方に裁量が与えられる一方、深夜や休日以外の割増賃金は支払われず、残業代は定額となる。1987年の労働基準法改正でシステムエンジニアなどの専門職に導入され、98年の同法改正で事業の運営で立案や調査を行う事務職に適用が拡大された。 
 
今回の政府が提出する「働き方改革-一括法案」は財界と経産省が主導した法案である。
 
それは、使用者にとって労働者をいかに効率よく働かせるのかという視点で作成されており、厚労省所管の労働基準法を形骸化させようと、厚労省の統計データを改竄とまではいえないが、都合よく加工して使ったということであろう。
 
したがってさすがの強気の答弁を繰り返してきた安倍晋三首相も謝罪せざるを得なかったのであろう。  
 
国会やFACEBOOKで安倍晋三首相から、最高権力者としてはあるまじき発言で非難された朝日新聞は社説でこう主張していた
 
裁量労働制の拡大が労働者のための改革であるかのような答弁を繰り返す政権の姿勢は不誠実であり、国民を欺くやり方だと言わざるを得ない
 裁量労働の拡大は、野党が「残業代ゼロ」と批判する高度プロフェッショナル制度の創設とともに、経済界が要望してきた規制緩和策だ。労働側の反対を押し切って政府は15年に国会に法案を提出したが、たなざらしになってきた。
 それを「働き方改革」関連法案の中に紛れこませ、残業時間の上限規制導入など労働側が求める改革と抱き合わせで実現しようとすること自体が問題だ。
 政府は近く法案を国会に出す構えだが、懸念や疑問が強い規制緩和策は切り離すべきだ。 
 
労働基準法の改正案だけでは国民の反発が強いとして、他の7本の法律の改正案と合わせて一括審議と一括採決を狙っている。
  
「懸念や疑問が強い規制緩和策は切り離す」のではなく、「国民を欺くやり方」までして働く者に押し付けるこんな法案は提出するべきではない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:15| 神奈川 | Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月14日

ブラック企業の新たな手口か?


先週、「労働者の奴隷化を促進する悪法は許してはいけない」とのつぶやきの中で、「今回の一括法案は、労働基準法を形骸化し、そして労働者を使用者の意のままに働かせるという、まさに労働者の『奴隷化法案』なのである」とつぶやいた。
 
しかし現実には既に労基法すら守られていない企業に知らずに入り込んで、酷い目に遭った労働者は数多く存在する。
 
そのような企業は、「ブラック企業」と呼ばれている。
   
2013年のユーキャン新語・流行語大賞で、トップテンの中に初めて「ブラック企業」が入った。
 
それから5年も経つのだが、その言葉は少なくともネット上から消えてはいない。
 
むしろ多くなっているかも知れない。
 
今すぐチェック!ブラック企業の10の特徴と見抜く方法」によると、10個の特徴とは以下の通りである。 
   
●特徴1.長時間労働
●特徴2.休日が少ない
●特徴3.給料が低い
●特徴4.残業代が出ない
●特徴5.謎の雇用契約
●特徴6.従業員の入れ替わりが激しい
●特徴7.簡単に入社できる
●特徴8.上司・社長は絶対
●特徴9.パワハラ・セクハラ
●特徴10.精神論がよく出てくる
 
上記の10の特徴は、そんな企業に入社した後で「知った、分かった、感じた」ことが多い。 
 
それでは、知らずに入社した会社がブラック企業だと見抜く方法があるのだろうか。
 
ブラック企業の見分け方!注目したい12の特徴! こんな会社早く転職したほうがいい!!」というサイトでは、ブラック企業に不幸にも入ってしまった体験者の具体的な事例から、入社してから見分ける知見を紹介している。

とりあえず、内容の小見出しだけを列挙しておく。
 
<求人情報からブラック企業を見抜く方法>
1. 残業や休日出勤は当たり前
2. 残業代が1円も出ないし、ボーナスも0円
3. 入社して間もない社員たちの離職率が高い
4. 上司からのセクハラやパワハラが多い
5. 休日なのに上司が自分の趣味のために社員を駆り出す
6. 会社を辞めたくても辞めさせてくれない
7. ネットの口コミを見るとブラックな噂しかない
8. 親族や友達の冠婚葬祭に出る余裕が全くない
9. 盆休みや年末年始ですら、まとまった休みが全くない
10. 職場の人間同士が不倫だらけ
11. 上司に言いたいことが言えない、言っても聞いてくれない
12. うつ病やノイローゼなどで会社に来なくなった社員がいる
 
このような情報が氾濫してくると、求人側も手の込んだ宣伝をしてくる。
 
最近、よく見かける人気女優の吉谷彩子を起用したこんなテレビのCMがある。  
 
【CM】BIZREACH

 
そしてこの会社に登録しているある会員企業があった。
 
 「システムエンジニア(自社内Webシステムの開発、運用、管理)※第二新卒歓迎」 
 
この会社に応募したのがベテランWebエンジニアのM君であった。 
 
書類選考後にM君に送られた内定通知書には、彼の過去の経歴や実績、スキル等を「慎重に審査」した結果の採用条件が記述されていた。
 
【内定通知書】
1.職務    社内業務及びサービス提供に関わるシステム全般にかかわる業務
2.所属部署  システム部
3.役職    エグゼクティブマネージャー
4.勤務地   本社(東京都千代田区大手町)
5.就業時間  9時00分〜18時00分
6.休日休暇  土日祝、年末年始、慶弔、有給、夏と冬に最低連続9連休の大型連休取得可
7.社会保険  健康保険:有、厚生年金:有、雇用保険:有、労災保険:有
8.給与    年俸制 1,020万円(月次給与 850,000円、役職手当など諸手当含) E1等級
        締切日:毎月15日 支払日:毎月25日
9.通勤費   月2万円まで支給(原則として会社の承認した定期代とします)
10.出社日   平成29年7月18日
11.試用期間   3か月
        採用時の給与は想定評価です。想定評価と実力が著しく違う場合は、期間内での昇級も降級もあります。
        以下省略
 
「勤務地」や「就業時間」から「通勤費」の内容までは、申し分のない内容に見える。
 
決してブラック企業ではなさそうであった。  
 
40代前半の技術者としてはかなり高い条件が提示されている。
 
これを見る限り多くのエンジニアが在籍しているであろう「システム部」の最高等級の部長待遇である。
 
M君は昨年の7月20日に正式に入社した。
 
当時の社員総数は10数名であったという。
 
そして入社して僅か5日目に、突然初めて会う会長(69歳)と社長、常務の3人に呼び出され面談をする。
 
その席上、「65%の賃金カット」を受け入れるか、または退職するかと迫られた。
 
一瞬、面食らったM君はかなりの衝撃を受けたという。(その後、ウツになり診断証明書をもらっている)
 
試用期間中ではあるが、内定通知書には確かに「想定評価と実力が著しく違う場合は、期間内での昇級も降級もあります」と書かれており、M君は数日間ではなんら結果を残す仕事もしていないにもかかわらず、実力が著しく劣っていたのかと思ったが、その場で聞かされた理由は驚く内容であった。
 
定時で帰宅するからやる気がない、自覚がない」という事であった。
 
彼は動転し気分が悪くなり、腹痛であるとその場を去った。
 
この面談は午前と午後の2度にわたって行われたが、会社側は終始ビデオ撮影していた。
 
午前中は3人の会社側の役員連中に叱責と怒号で退職を迫られた。
 
午後からはM君は会社の指摘した事項について反論を行った。   
 
驚くことに、翌日には以下のような「降級通知書」が内容証明郵便で自宅に送られてきた。
 
【降級通知】
・会社の課題の緊急性に対する責任感の欠如
・部長職として他の社員の模範となる意識と行動の欠如
・議事録作成についての社長指示に従わないこと
・定時後の業務について会社の支持に従う意思のないことを、上司に昼食時に表明したこと
・話し合いと指導のための面談後、会社の了承を得ず、腹が痛いといって無断早退したこと
 
 これらのことから、2017年7月27日より部長 E1等級から一般職237級に変更を行います。
 これにより給与が月額換算で30万円になります。


信じられない話である。
 
要するに、この会社は「年俸制 1,020万円」という高給を餌に、優秀な中途採用者を集め、突如「65%の賃金カット」と「退職」という二者択一を迫り、中途採用者は様々な事情があり簡単には辞められず、特に家族がいる人たちは、泣く泣く提示額の35%の給料で働かされるという荒っぽいやり方をやっているようである。
 
減額されても「年俸制」なので残業代はもちろん支払われない。

早い話が、その労働条件の実態は、「給料30万円、諸手当込 裁量制」ということであろう。
 
後で分かったことだが、今までにも数十名も辞めているそうである。 
 
余りにもの理不尽な会社のやり方に怒りを覚えたM君は、数か月の休職後、弁護士と相談して近々、裁判所の労働審判の場で闘うことを決意したという。
 
それにしても、いままでよくもまあ、こんな企業が存在していたこと自体に呆れて、驚くばかりだが、徹底的にこんな企業は世間に晒して同じ企業が現れないようにしなければならない、とオジサンは思う。   

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 労働争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月13日

永田町の外からリベラル新党を立ち上げられるのか


2005年3月1日に、自民党を中心に改憲への動きが活発化する中、9条をはじめ憲法について広く知ってもらうことを趣旨とするウェブマガジンとして立ち上がった「マガジン9条」。
 
その後、2度ほどサイトのリニューアルをして現在の「マガジン9」となる。
 
サイトの名前通り、憲法9条関連の話題が多く、9条に関心の強い揺るぎのない人たちが多くアクセスしているかも知れない。
 
しかし本当は、そのように9条守ることに揺るぎのない人たち以外にこそ知ってもらいたい内容が盛り沢山である。
 
そんな中で、先週、こんなコラムが載っていた。    
 
<「9条、いいね!」ビートたけしの瞬間芸>
 2018年2月7日 マガジン9
 国会が始まって改憲論議が本格化してきた。憲法9条の2項は残して3項に自衛隊の存在を明記するという安倍加憲の奇策は、野党のみならず与党側からも疑問視されていて、その矛盾は明らかになりつつある。だが、安倍総理は強気だ。
 「自衛隊の存在を書き加えるだけ。なにも変わりません。震災や災害時での自衛隊の活躍は皆さんありがたいと思っているでしょう。それに北朝鮮だって中国だっていつ攻めてくるか分からない。自衛隊は必要でしょう。それが違憲だなんて、あんまりではありませんか」
 シラっと、国民に呼びかける。根本的、本質的な論議は脇に置いて、ただひたすら自衛隊という目に見える具体的な存在、それも「災害時に助けてくれる頼もしい存在」というイメージに矮小化して、とにかく国民投票で「マル」をつけさせようと、それだけをもくろんでいるとしか思えない。だからわかりやすい。すっきりしている。「自衛隊、いいんじゃね?」、はい、マルとなりやすい。
 安倍改憲がいかに恐ろしいか、本サイトの伊藤真さんの「けんぽう手習い塾」第90回にくわしいが、それをすべての市民が理解して国民投票に臨むのは並大抵のことではない。「自衛隊、いいんじゃね?」くらいシンプルなワンフレーズがほしい。そう思っていたら、この人がふとつぶやいてくれた。ビートたけしである。去る1月27日、TBS系番組「新・情報7daysニュースキャスター」のなかで「陸海空、これをわれわれは保持しない。日本が一番いいね。憲法9条で」と発言したのである。
 発言は唐突だった。話題は憲法とは全然関係ない、アメリカでの河川事故についての衝撃映像について。75歳の男性が携帯電話を見ながら操船していて、前方不注意で、ほかのボートに衝突したというニュースで、たけしは「海でも陸でも高齢ドライバーによる事故が相次いで、空でもあったらどうするの」と発言、続いてこう言ったのである。
 「陸海空、これをわれわれは保持しない。日本が一番いいね。憲法9条で」
 えっ? 何でここで憲法なの? と、ほかの出演者はポカンとして話は続かず、すぐに話題は切り替わってしまった。まったく関係ない話題の中で突然発した一言に、半分寝ながら見ていた私は思わず飛び起きた。えっ? 今、9条いいね、って、言ったよね? 確かに……。自分の耳を疑うほど、あっという間の瞬間芸ではあった。
 たけしの真意は分からない。改めて問うても「そんなこと言ったかな、知らねえよ」とか何とか言ってごまかすだろう。正面切っての発言でなく、まったく関係ない文脈の中に紛れ込ませて、ぽろりと言うところがこの人らしい。
 「陸海空、それを保持しない。いいんじゃね?」「9条、いいね!」。たけしが期せずして発した、このストレートでまっとうなワンフレーズを胸に刻みたい。
 
この何気ない(?)文の中に、今後、やって来るであろう憲法改正のための国民投票運動における重要なポイントがある。
 
改憲派は安倍晋三を始め、上記文中のように、「『自衛隊、いいんじゃね?』、はい、マル」みたいな、誰でもが理解しやすいキャッチフレーズを投票日までの期間中に、膨大な資金を投入しマスメディアを使って日常的に垂れ流すことが予想される。
 
それに対して、護憲派はと言えば、「ケンポーをマモリましょう」では全く一般の国民にとっては心に響かない。
 
70代前半までの人は。生まれてからズット憲法に守られて生活をしてきたので、突然、「憲法を護る」と言われてもピンとこない。
 
そこで、テレビで顔なじみのビートたけしのような芸人が、何気なく「陸海空、それを保持しない。いいんじゃね?」「9条、いいね!」と発するような状況が当たり前になれば、かなり効果があると思われる。
 
しかし、その頃には安倍晋三首相と会食を共にしてきた数多の俳優、タレント、芸人たちが、連日、CMで「あたらしいケンポーは、私たちの手で!」とか、「古い憲法サヨナラ、新しい憲法、初めまして」などとやられたらその結果は火を見るより明らかであろう。    
 
さて、イラク戦争開戦前後に川口順子外務大臣宛に2通の公電を送ったため、北島信一外務省大臣官房長から詰問を受け、竹内行夫外務事務次官署名入り「勧奨退職」を通告されたとして、事実上の「解雇処分」を受けたと主張していた元外交官の天木直人。
 
複数国の公使、大使を務めた外交官としての経歴は特にケチをつけることはないが、退任後、政治ブログ「天木直人のブログ」を開設し、その中での外交関連話題はそれなりの経験からくる見立てが一定の評価を得ることもあるが、政局関連になると永田町界隈に太いパイプを持ちあわせていないのか、予測が見事に外れることがしばしばある。
 
もっとも本人は安保条約の下の日米同盟を支持しており、安倍内閣に対しても、ひいきの引き倒し的な発言はするが、安倍内閣打倒とは今までは唱えてはいなかった。
 
天木直人に対しては、そのブログを詳細に読んでいる人から、「<天木直人というどうしようもないアホ>」と痛烈に批判されている。  
 
「戦後民主主義の思想的指導者」といわれる政治学者、丸山眞男を高く評価しているブロガーの田中宏和が自分のブログ「世に倦む日日」の中で、最近、そんな天木直人との興味深い対談記事を書いていた。
 
<天木直人氏との対談 - 「安倍首相に憲法9条を改憲させてはいけない」>
  2018-02-09 23:30 世に倦む日日
 元外交官の天木直人氏と対談する機会をいただき、都内で1時間ほど撮影して動画を配信することになった。初めての経験だ。天木氏と私とは共通点が二つある。一つは、憲法9条に強くコミットする政治的立場にあることで、憲法9条を基軸に据えた日本の政治と外交でなくてはならないという信念と主張を持っていることである。天木氏は新党憲法9条という政党まで立ち上げて活動されている。ここまで強烈に憲法9条にコミットし、憲法9条の価値と意味を訴えている論者は他にいないだろう。この点は、9条改憲の政局が進行している今日の状況を鑑みたとき、特に注目され刮目されるべき事実だと思われる。憲法9条が変えられようとしている現実政治への危機感から、私たちは対談の席を持つことになった。その冒頭でも申し上げたが、天木氏はいわゆる左翼とか左派の世界に身を置く人ではない。左の地平にオリジナルのバックグラウンドを持った人ではなく、左の論壇業界にキャリアとネットワークを持つ人ではない。いわば純粋の霞ヶ関の元エリートというか、外務官僚としての人生を歩んで来た経歴の人だ。敢えて単純な表現を試みれば、ニュートラルなリベラルのステイツマンであり、イデオロギーフリーな良心的で職人気質を持った日本国の外交官という表象が妥当だろう。
 
左翼世界の住人ではないのに9条にコミットし、9条改定を目論む安倍政権に対抗し、体を張って阻止しようとしている人というのは、私にはとても貴重に見えるし、ありがたい存在に思われてならない。例えば、河野洋平、野中広務、加藤紘一などが同じ属性のステイツマンと言えるし、天木氏ほどアグレッシブな個性ではないが、防衛官僚の柳澤協二が同じ範疇に入るだろう。3年前の安保法制の政局のとき、安倍政権の暴走に危惧を抱いたマスコミは、世論の後押しを受けて柳澤協二にスポットを当て、柳澤協二に国民の声(反安倍・反安保)を代弁させたが、できれば今回、9条改憲の流れに牽制を試みようとするマスコミ - 例えば金平茂紀のTBS報道特集 - が、元官僚の天木氏の9条護憲論を拾い上げてくれるとよいと思う。対談の中でも述べ、ブログでも繰り返し書いてきたけれど、左翼世界の外の護憲リベラルの方が、むしろ素朴に9条護守に情熱的なのはどうしてなのだろうか。左派だのリベラルだのを自称(僭称)して左翼業界で論壇商売している者が、オレは護憲派じゃないとか、2項を削除しようとか、立憲的改憲だとか言い散らして国民の前で欺瞞のアクロバットを踊るのはなぜだろうか。野中広務の9条護憲論は熱かった。声が震え、目が潤っていた。天木氏もそういうところがあり、言葉に力が入る。
 
野中広務の9条護憲論は、まさに自らの戦争体験からの信念と態度だった。それは人を感動させる言葉で、9条の価値と意味がそこにある。8月6日に広島の平和記念公園にカメラが入り、原爆死没者慰霊碑に刻まれた「過ちは繰り返しませぬから」を映すとき、その前で手を合わせる人々の姿を映すとき、9条の精神と初志が重く甦る。この国を新たに出発させた原点に立ち帰る。その決意はまさにイデオロギーフリーで、右だの左だのはそもそも関係ない。共産党が護憲派だから嫌だとか、護憲と言うと古い戦後左翼のイメージだから嫌だとか、そういう9条に纏わる卑しく低俗で愚かしい、右翼のプロパガンダによって刷り込まれた悪性の政治感情とは無縁なものだ。9条とはそういう問題であり、共産党と自民党の間のポジションをアクロバティックに演出しないといけないから何とか詭弁で尤もらしい改憲論を細工しようとか、そういう愚劣な問題ではないはずだ。天木氏の9条護憲論も、野中広務ほどではないが言葉に力が入る。そこには常に孤独感が漂っている。自分は9条を国の政策の基軸に据えるのが正しいと確信するのに、どうして周囲はそれに同調する人が少なく、また、それを理解する人が少なくなる一方なのだろうと、そういうやりきれない哀愁感が滲んでいる。そのシンプルなメッセージと孤独な挑戦のリフレインが、私を天木氏の護憲論に引き込む。
 
私と天木氏の共通点のもう一つは、既成野党では安倍自公政権に歯が立たないという認識が一致している点である。その現状認識が同じで、何か別の方策を立てる必要があると焦っている点が同じだ。左翼なり左派なりの現在の言論状況を見回したとき、その認識と観点を明確にしている者は少なく、ほとんど皆無に等しい。ツイッターで意見を拡散しているしばき隊や左翼論者は、どれも例外なく立憲民主党か共産党の活動家かシンパで、あるいは小沢一郎と山本太郎の応援団で、立憲と共産の「野党共闘」で次の選挙に臨んで勝つのだと意気込んでいる。既成野党の数合わせでは勝てないという冷静な判断がない。何度負けても同じ失敗を繰り返そうとする。安倍晋三と5回国政選挙を戦って、既成野党は5戦5敗した。6年間で5連敗している。もうそろそろ、今の既成野党では勝てないという結論と自覚を持ってもいいのに、ネット空間の反安倍の者たちはそのスタートラインに立とうとしない。既成野党が選挙に負けるたびに、安倍政権の岩盤は強くなり、安倍政権を倒す条件は困難さを増して行く。安倍晋三の独裁が固まり、それが世間で容認されて行く。若い世代の観念においては、おそらく選挙で安倍晋三が野党に勝つのはデフォルトであり、われわれの少年時代の巨人のV9のような常態感覚に違いない。共産党や立憲民主党は、単なる負け犬の抵抗勢力にしか見えないはずだ。
 
私自身は、毎度言っているように、永田町の外からリベラル新党を立ち上げるべしという持論であり、既成野党とは全く無縁の、国民から圧倒的な支持を集められるキャラクターをシンボルとして担ぐ構想を考えている。その救世主となるカリスマが動き、マスコミが注目して、過去6年間の選挙で投票所に足を運ばなかった1千万人から1千500万人を動かし、議席を得るという戦略を想定している。投票率53%の現実を投票率65%に変える条件を創出することで、大きな政治変動を起こそうと策している。ポピュリズムと言われようと、空想と言われようと、安倍政権を倒すにはその方法しかなく、それだけが唯一の展望だと確信する。したがって、それは、天木氏の新党憲法9条とは少し方向が異なるかもしれない。が、私のリベラル新党の計画は未だ何も緒に就いておらず、何から着手すればよいかも不明な、アイディアだけが先行する状態だから、天木氏との対話を通じて相談を重ね、見解を聴き、そのことで輪郭と中身を埋めて行き、動画配信で世間に浸透させ、提案に共感し賛同してくれる人を増やして行けばよかろうと勘案している。今年は憲法9条の勝負の年ではあるけれど、何もせず1年を過ごしてしまうと、来年の参院選が目前に迫り、またぞろ共産党と立憲民主党の「野党共闘」がどうのの政治に撞着してしまう。同じことを繰り返し、安倍晋三が圧勝して高笑いする図が再現される
 
安倍晋三の9条改憲を阻止するためには、安倍内閣の支持率を落とさないといけない。支持率が落ちれば、公明党が改憲に合意しなくて済む環境が醸成され、マスコミが先送り観測を書き始めるだろう。自民党内に、改憲政局を権力闘争に転化しようと蠢くポスト安倍の反乱も起こるかもしれない。安倍内閣の支持率を落とすためには、国会と週刊誌で醜聞炎上という手もあるけれど、最も確実なのは有力な対抗勢力を出現させることだ。昨年の小池百合子のような対抗馬、すなわち安倍晋三にとって本格的な脅威となる政敵が登場して、次の選挙で浮動票を大量に取るぞという期待と予想が膨らむ政治構図を作ることができれば、内閣支持率はおのずと低下する方向に向かう。既成野党の共闘路線ではそうした展開は不可能である。
 
9条とは、「イデオロギーフリーで、右だの左だのはそもそも関係ない。共産党が護憲派だから嫌だとか、護憲と言うと古い戦後左翼のイメージだから嫌だとか、そういう9条に纏わる卑しく低俗で愚かしい、右翼のプロパガンダによって刷り込まれた悪性の政治感情とは無縁なものだ。」という問題であるという指摘は、いま最も欠けている発想かもしれない。
 
9条改憲に対して、国民を2分するような運動では解決しないのかもしれない。 
 
「既成野党が選挙に負けるたびに、安倍政権の岩盤は強くなり、安倍政権を倒す条件は困難さを増して行く」ことは、まさに事実である。
 
「若い世代の観念においては、おそらく選挙で安倍晋三が野党に勝つのはデフォルトであり、われわれの少年時代の巨人のV9のような常態感覚に違いない」ことは、最近の20代から30代の安倍内閣支持率の高さを見れば一目瞭然である。
 
「安倍内閣の支持率を落とさないといけない」ことは、誰でもが考えていることであろう。
 
マスメディアに批判されようが、野党が安倍晋三と安倍昭恵にまつわる政治スキャンダルを追及しメディアが後押ししたころは、内閣支持率は急落した。
 
しかし、当面は、「最も確実なのは有力な対抗勢力を出現させること」なのだが、「安倍晋三にとって本格的な脅威となる政敵」の影も姿も見当たらないことが、今の日本の実態であり悲劇でもあるのではないだろうか、とオジサンは思う。
    
【安倍首相に憲法9条を改憲させてはいけない/天木直人×田中宏和 特別対談】


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

改憲は「安倍ファースト」という安倍の趣味


労働者側では多くの弁護士たちが中心になって、安倍政権が積極的に進める、労働者の「働き方改革」の学習会が昨年から行われてきている。
 
ようやく、年が明けてから通常国会が始まり、いくつかのメディアでもそれなりに「働き方改革一括法案」のいかがわしさを指摘し始めている。 
 
 「政権が掲げる『働き方改革』国会 働く人のための改革なのか」(朝日新聞DIGITAL) 
 
たとえば、安倍晋三首相が「長年議論だけが繰り返されてきた『同一労働同一賃金』。いよいよ実現の時が来ました」と言いながら、厚労省作成の法案要綱には「同一労働同一賃金」という文字はない
 
さらに「『非正規』という言葉を一掃する」というのも政権のスローガンに過ぎず、「時間によらず成果で評価する制度」と言いながら、やはり法案要綱にこの文言はないと指摘していた。
 
ここ数年の「官製春闘」で会社員の賃金は上昇しているとされるが、暮らしが楽になったという実感は乏しい。
 
それは賃金上昇があっても支出も年々増えているからであり、その背景にあるのは増え続ける社会保険料や税金である。
 
民間シンクタンクの試算では、「手取り」を維持するだけでも1.5%の賃上げが必要とされており、今春闘で政府が要請する「3%の賃上げ」が実現しても、そのうち半分は増税などで帳消しになってしまうのが実情だ。
 
 「賃上げ1.5%分、増税で帳消し 社会保険料や消費税 増えぬ『手取り』」 
 
20180212_tokyo.jpg
【東京新聞より】

 
相変わらず、「未完成春闘」は続いているのである。 
 
さて、冬季五輪が開催したが、北朝鮮がこの五輪を100%.政治利用していることに、非難もあれば韓国側の対応にそれなりに理解を示している声もある。
 
最高裁で、受信料の徴収は合憲というお墨付きを得たからなのか、公共放送であろうNHKがSNSを使ってこんな情報を流していた。   

さすがに、これはチョットおかしいのではという批判や非難が上がっていた。 
当然ながら「安倍サマのNHK」なので、安倍政権を代弁していることは誰の目にも明らかであり、「NHKの国会報道が酷い! 必ず政府答弁で終わる恣意的編集、安倍政権の問題点を隠しサポートする『NW9』」と書かれてしまうのである。 
 
ところで、ソニー出身でグーグル日本法人元代表のアレックス株式会社代表兼CEOの辻野 晃一郎がビジネスマンながらも現在の政治の劣化について確信を鋭く突いていた。 
 
<自民党支持者の私が安倍政権に抱いた「大きな疑念>
 2018.02.09 現代ビジネス
・・・前略・・・
政権批判と不寛容さを増す社会
私は、もともとは自民党支持者だ。
正確に言うと、今のところ政権運営能力を保持した政党は自民党しかないことを渋々ながらも認めている立場だ。
2009年から3年余の間、旧民主党が政権を担った時期にそのことを痛感した。
また、思想的には特に右でもなければ左でもない。ましてや反権力でもない。権力者が権力を公正に行使してくれるのなら結構だ。
実際、第二次安倍政権が発足した当初は大いに期待したものだ。しかしながら、次第に、この政権は日本の将来を極めて危ういものにするのではないかと感じるようになった。
JNNの最新の世論調査が2月5日に発表された。
それによると、森友学園への国有地売却をめぐり、75%の人が佐川宣寿国税庁長官は「改めて国会で説明すべき」と回答しており、国税庁長官に就任して以来、一度も記者会見を行っていない理由についても78%の人が「納得できない」と答えている。
また、茂木敏充経済再生担当大臣の「線香配布」問題でも、70%が茂木氏の説明に「納得できない」と答えており、「納得できる」の15%を大きく上回っている。
昨年10月の衆院選前に、この連載への寄稿で、現政権の何が問題なのかを自分なりに整理して指摘してみた。別に政権批判が目的なのではなく、一国民の目線でおかしいと感じることを率直に指摘したまでだ。
すると、早速ツイッターなどで「がちがちの左翼脳」とか「朝日新聞の受け売り」などと言われたり、名誉棄損にあたるような誹謗中傷を受けたりした。
ヘイトが横行しているが、世間は不寛容な空気に包まれ、自由な言論を封じ込めようとするエネルギーが確実に高まっていることを実感した。
安倍政権への期待が疑念に…
最初は期待したこの政権を疑うようになったきっかけは、2015年9月の一連の安保法制の強行採決だ。
前年7月に集団的自衛権の行使容認が閣議決定されたころから政権の暴挙が目立つようになったが、安保法制の強行採決ははっきりとこの政権の異常さを露呈したものと感じた。
さらに決定的だったのは、昨年11月にドナルド・トランプ米大統領が来日した時だ。ジェラルド・フォード以降、歴代の現役米大統領は全員来日しているが、皆、羽田空港から入国している。
しかし、トランプは平然と米軍横田基地に降り立った。これは日本を植民地扱いしているとも解釈でき、我が国の主権を侵害する行為であったといえるが、安倍政権はそれを黙認し、メディアもそのことをまったく取り上げなかった。
挙句には、安倍総理は、「日米が100%共にあることを力強く確認した」と発言したり、米国製武器調達の積極推進を約束したりするなど、友好ムードをアピールする限度をはるかに超えて露骨に米国への隷属的な態度を示した。
また、国連での核兵器禁止条約採択の場では、日本政府は核保有国などと歩調を合わせて参加をボイコットした。
その後のICANのノーベル平和賞受賞に際しても冷たい対応に終始したが、これは、沖縄に対し一貫して冷淡な態度を取り続ける姿勢とも共通したものだ。   
日米安保条約によって守られているという建前の日本として微妙な立ち位置にいることは理解するが、米軍基地負担を一身に担う沖縄へ寄り添い続けること、および唯一の被爆国として、核不拡散や核兵器の全面的な廃絶に向けて尽力し続けることは、日本国としての基本的立ち位置である。
それを踏みにじるような行為は、多くの国民にとっても決して気持ちのよいものではないだろう。安倍総理は、長崎の被爆者代表に「あなたはどこの国の総理ですか?」と面と向かって問われていた。
トランプ政権は、米国の核戦略の指針「核態勢見直し(NPR)」を発表し、爆発力を小さくして機動性を高めた小型核兵器の導入に言及した。
これに対し、河野太郎外相は、「高く評価する」との談話を発表しているが、米国は、世界で唯一、人類に対して広島と長崎で実際に核攻撃を実施した国であることを決して忘れてはならない。
北朝鮮に対する先制攻撃「ブラッディ・ノーズ作戦」の現実味が高まっているようだが、米国という国が何をしでかすかわからない点においては北朝鮮以上に危険な存在ともいえる。
我が国の責務は、米国の暴走を煽ることではなく、抑えることであるのを間違えないでもらいたい。
戦争を放棄した国から戦争ができる国へ
武器輸出三原則を防衛装備移転三原則に置き換え、長く封じ込めてきた戦争ビジネスをついに解禁し、防衛省主導のもと、経団連をはじめとした経済界もその動きに積極的に加担している。
海外の武器展示会で、防衛副大臣が不慣れな手つきで武器を構える写真がネットに流れ話題にもなった。
憲法で明確に戦争を放棄した我が国を、強引な手法でなし崩し的に戦争ができる国に仕立て直そうとするやり口は尋常ではない。その総仕上げとしていよいよ今年は冒頭に触れた改憲が本格的に動き出そうとしている。
立憲国家にとっての憲法は、コンピュータでいうところのOSのようなものだ。時代に合わせて見直す議論があるのはむしろ健全だが、それは100%国民の為でなければならない
私自身は、戦争放棄、平和主義、人権主義、国民主権などの現憲法の原理原則は不変であるべきと考える立場だが、改憲については、護憲派と改憲派がそれぞれの考えを慎重に時間をかけて議論することが大前提だ。
強引に安保法制を成立させ、政治のモラルハザードを率先垂範するような現政権に憲法の見直しを主導する資格があるとはとても思えず、日本国民は大いに警戒しなければならない。
経済至上主義という根底にある問題
産業革命以降、世界の経済は大量消費を前提とした大量生産のビジネスモデルを根底に発展してきた。
2度の世界大戦を含む20世紀は、日本だけではなく、世界がまさに「物欲」や「支配欲」をベースにした資本主義で大きく経済発展を遂げた世紀であった。
そして、戦後の高度成長期は金融資本主義に移行してマネーゲームの世界が生まれた。
マネーゲームの世界はリーマンショックによって一旦破綻したが、その後は、インターネットや人工知能などの技術革新によって、「フィンテック」というテクノロジー主導のマネーゲームに姿を変えた。
日本ではコインチェックの事件が起きたばかりだが、仮想通貨フィーバーもその延長線上にある。
そもそも、行政が歪む根底にある問題とは何であろうか。前述の一連の政治スキャンダルはそのほとんどが利権や金銭に絡んでいる。
別に今に始まったことではないが、結局、政治が利益誘導の道具として利用される構図になっていることが本質的な問題だろう。田中角栄時代のロッキード事件以前から今日に至るまで、政治の本質は何も変わっていないということだ。
安倍政権が高い支持率を得てきた一番の拠り所も、実態はどうあれ、表向きの経済が好調な状態が続いているからだ。
世の中の根底に経済至上主義がある限り、権力者を利用して利益誘導しようという人たちが消えることはなく、政治が歪む根本要因となり続けている。戦争ビジネスはその最たるものだ。
「欲」の支配からの脱却
資本主義や経済至上主義が行きつくところまで行った結果、富の格差は広がる一方だ。
一説ではビル・ゲイツやジェフ・ベゾスなど、世界の8人の富豪が、世界の下位50%の人と同じ富を持つといわれる。また、米国に限ると、上位0.1%の人が下位90%の人と同等の富を持つとされる。
行き過ぎた格差社会の是正はまさに政治の役割だが、一方で、経済至上主義や利権に支配された政治が現代の格差社会を生み出したともいえる。
インターネットが普及した現代社会は「Wisdom of crowds(群衆の叡智)」の時代だ。今や、技術革新によって、一個人の発言や行動の影響力は飛躍的に高まった。政治の暴走や歪みを食い止めるのは、良識ある個人個人の叡智や行動でしかない。
政治の劣化について突き詰めて行くと、結局のところ人間の「欲」というテーマに行き当たる。
現代社会では、かつて大切にされた教えも忘れ去られてしまっているが、たとえば、孔子の教えを体系化した「論語」では、全人格的な成長を遂げた個人としての「君子」の在り方を描き、「徳」の大切さについて説く。
世の中の秩序を形成して維持し発展させてきた人類は、今こそ、欲に支配された古い秩序から抜け出さねばならないのではないか。
それができない限り、毎度同じような政治スキャンダルが繰り返され、戦前の軍産複合体や戦争ビジネスが復活し、歴史は繰り返す、という結論になりかねない。
今年は、政治家だけでなく、将来に対する我々一人ひとりの自覚と責務が問われる年になる。
 
評論家顔負けのエリート実業家の的確な分析と変節してしまった安倍政権批判である。 
 
一方、元朝日新聞の防衛担当の編集委員を経て、現在は軍事評論家、ジャーナリストである田岡俊次は、安倍晋三首相の「改憲」は本人の趣味の世界と喝破していた。 
 
<自衛隊明記の安倍改憲 それで自衛官の士気は高まるのか>
 2018年2月11日 日刊ゲンダイ
 安倍首相は1月4日、伊勢神宮に参拝後の記者会見で「今年こそ憲法のあるべき姿を国民に提示、憲法改正に向けた国民的議論を深めていきたい」と述べ、憲法改正に突き進んでいる。
 だが「改憲」と言っても、国民投票で多数の賛成を得るため、第9条1項の「戦争放棄」と2項の「陸、海、空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」はそのままにし、新たに「自衛隊の保持」を認める第3項を追加するだけだ。これでは次に「自衛隊は戦力ではないのか、3自衛隊は事実上、陸、海、空軍ではないか」との論議が再燃し、「憲法9条論議に終止符を打つ」という安倍首相の目的は果たせないだろう。
 自衛隊の存在を明記しても、現実的に考えればそれが日本の防衛、安全保障に有効とは思えない。「自衛官の士気が高まる」と言う人もいるが、現在でも自衛隊の士気が低いわけではない。もちろん平時だから戦意に満ちているはずはないが、規律は他国の軍隊と比較してもかなり良いほうだろう。有事の場合を考えても、前線の兵士が危険を冒して戦うのは、主として仲間から軽蔑されたくないためであるのは戦場心理学の定説で、憲法を考えつつ戦闘する兵士はまずいないだろう。
 米国のベトナム戦争のように戦争の大義が怪しく、長期化すれば士気、規律も低下するが、専守防衛で自国を守るのなら士気にまず問題は生じない。もし自衛隊が国民に白眼視されていれば士気に響くこともあろうが、2015年の内閣府の世論調査では自衛隊に「良い印象」を持つ人は41.4%、「どちらかといえば良い印象」が50.8%で計92.2%だ。
■形骸化した条文を無理に潰しても実益はない
「侵略を受けた場合どうするか」の質問に「自衛隊に志願する」と答えた人は男性の10.8%、女性の3.2%で、男約670万人、女約250万人が自衛隊に押しかければ大変だ。そのほか「何らかの方法で自衛隊を支援する」という人は男女計56.8%、「ゲリラとなって抵抗する」という無謀、勇敢な人も1.9%いる。
 東日本大震災での活躍で自衛隊支持が急増したと思われがちだが、実はそうでもない。1950年7月にマッカーサーの指令で7万3000人の「警察予備隊」がつくられ、再軍備が始まったが、その年の11月15日の朝日新聞の世論調査では「軍隊の創設」に賛成が53.8%、反対が27.6%で国民の約3分の2は再軍備支持だった。その後も支持は徐々に高まり、東日本大震災の2年前、2009年の内閣府の調査でも自衛隊に「良い印象」「どちらかといえば良い印象」は計80.9%に達していた。
 自衛官には「国民に敵視、軽視されている」との被害者意識を持つ人もいるが、妄想に近い。何事にも反対者はいるものだ。元航空幕僚長の田母神俊雄氏らは「こんな憲法では戦えない」と言い、安倍首相も「自衛隊を違憲とする議論が今なお存在しています。何かあれば命を張ってくれというのは無責任です」と述べた。これは自衛官が任用の際「日本国憲法及び法令を遵守し…事に臨んでは危険を顧みず責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえます」と服務宣誓をしたことを忘れた論だ。自衛官は現行憲法を承知の上で入隊したのだから、日本を守るため命を懸ける義務がある。現代の戦争では命の危険にさらされるのは軍人だけではない。
 もし自衛官が「戦えない」なら逃亡か投降することになるが、有事の際、命令に反抗又は不服従は7年以下の懲役か禁錮で、それを教唆、扇動した者も同罪だ。総理大臣は自衛隊の最高指揮官であり、その人が「命を張ってくれとは無責任」と言えば、出動命令に反抗、逃亡した隊員が起訴されても「最高指揮官が危険な命令は無責任とおっしゃっていた」と主張できよう
 1947年の憲法施行から僅か3年後、憲法9条を起草したマッカーサー自身が再軍備を指示して、憲法9条は空文化し、国民の大多数が70年近くそれを容認してきたのだから事実上「9条無視」が定着した、とも言える。国連憲章の「旧敵国条項」と同様、すでに形骸化した条文を無理に潰しても実益はない。安倍首相の趣味に類するか、と思われる。
 
「自衛隊明記案が国民投票で否決されても自衛隊の合憲性は変わらない」と訳の分からぬことを口走っていた安倍晋三首相だが、それに対しては、「だったら何故、憲法改正をするのか?!」と批判されていたが、「命を賭して任務を遂行している者の正当性を明確化することは、わが国の安全の根幹に関わる。改憲の十分な理由になる」との詭弁も、「憲法を考えつつ戦闘する兵士はまずいないだろう」とバッサリ切られればお終いである。
 
むしろ自衛官は、「日本国憲法及び法令を遵守し…事に臨んでは危険を顧みず責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえます」と服務宣誓をしているのだから、いまさら憲法に「あなたたちは合憲ですよ」と言われても少しも励みにもならない。
 
安倍晋三首相の下での憲法改正に反対は50%を超えており、やはり改憲自体が「安倍ファースト」になっているのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:43| 神奈川 ☀| Comment(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月11日

やはり、奴隷化法案は許すわけにはいかない


先週、「1強は一穴から崩せ」の中で、後半にこんなつぶやきをした。
 
「・・・国会で明らかになった国有地格安払下げ問題で当時の理財局長であった佐川宣寿国税庁長官の国会虚偽答弁等について説明していた。
田崎史郎曰く、『安倍政権が絶対に国会に招致したくない人は安倍昭恵と加計孝太郎の2人』と言い切り、佐川国税庁長官は、この2人を守るための盾として使われ、国会終了後の財務省内の人事異動にともない、国民の目につかないように天下りさせる準備をするはずだと、安倍政権に代わって答えていた。」
 
どうも、最近の情勢から国会終了まで待てない、いや自与党側が「もたない」事態になってきていた。
これは、財務省内部の善意ある官僚の反乱なのか、それとも官邸の支持なのかは定かではないが、佐川長官の国会招致や喚問頑なに拒んできた自民党が、佐川長官の喚問要求に対して「対応を協議したい」という姿勢を示したという。
 
「対応を協議する」とは、永田町用語では「国会招致に応じる」とほぼイコールらしいのだが、その裏にはやはり、安倍昭恵だけは国会でシャベリさせたくないという思惑がにじみ出ていた。 
 
佐川長官の喚問『協議する】 自民の豹変は“昭恵夫人隠し”」によれば、
 
「安倍首相は国会で“モリカケ疑惑”を追及されることを本気で嫌がっています。とくに、昭恵夫人の国会喚問を求められることに強いストレスを感じている。そこで“昭恵喚問”を消し去るために、佐川長官をいけにえとして差し出すつもりだろう、とみられています。佐川長官は理財局長時代、安倍首相を守るために平然と虚偽答弁を重ねたように、答弁はお手のモノ。参考人招致されてもボロは出さないでしょう。安倍官邸は、佐川長官の国会招致に応じることで、森友疑惑をジ・エンドにするつもりです。参考人招致しても新事実が出てこなければ、野党が昭恵夫人の招致を要求しても、“佐川長官の招致に応じたから十分だ”“参考人招致しても新事実は出てこない”と突っぱねられると計算しているようです。実際、参考人招致しても野党の追及が不発に終われば、森友問題は“終わった感”が広がるでしょう」(官邸事情通)
ということらしい。
 
そうなれば、御用官邸ジャーナリストの田崎史郎の「佐川国税庁長官は、この2人を守るための盾として使われる」という発言に真実味が出てきた。 
 
少なくとも安倍晋三自身の直接的な関与は実証できなさそうだが、国会に呼ばれた安倍昭恵ならば、安倍晋三のストレスを極致にするような証言が飛び出すことが十分に予想されるので、やはり「昭恵の国会喚問」は要求し続けるべきであろう。
 
そのストレスには弱い安倍晋三は、あいかわらず息を吐くように嘘を付いており、「安倍首相のウソ露呈 裁量労働で『労働時間短縮』根拠ナシ」と目玉政策としての「働き方改革」のインチキぶりが明らかになっている。
 
昨日、「労働者の奴隷化を促進する悪法は許してはいけない」の中でつぶやいたように、「安倍『働き方改悪』阻止! 2.10決起集会」に参加した。

労働法制中央連絡会の全労連雇用・労働法制局長の伊藤 圭一さんが、2018年働き方改革推進法案の問題点を分かりやすく解説している。
 
【2018年働き方改革推進法案の解説】

 
20180211_hatarakikasekata.jpg 
 
なにしろ8本の法律の「改正」案を一括に提出し、審議して一括で採決するという荒っぽいやり方で何とか成立を計ろうとしている。
 
とりわけ、労働基準法の改悪になれば、今後「過労死」は法律的には認められなくなってしまう。
 
本来ならば、時間外労働と休日労働をあわせて、「1週間15時間、1か月45時間、3か月120時間、1年間360時間」と期間を区切りながら管理を行い、それぞれの上限を超えた場合罰則を課すという法律を作るべきである。
 
ところが、改悪案では、時間外労働と休日労働で、毎月80時間、年間960時間労働が可能となり、現在の過労死ラインを超えても問題ないと法律化しようとしているわけである。  
 
しかし、現場では既にこの法案を先取りするかのような働かされ方をして、亡くなった若い女性もいた。
 
31歳で亡くなったNHK記者は、直前の実質時間外労働時間は1か月209時間、その前は月188時間と、想像を絶するような働き方をして、当時のNHKの同じチームの先輩や上司は全く無関心だったと、母親は涙ながらに報告していた。
  
【NHK記者過労死遺族 佐戸恵美子さん講演】

 
さらに、2年前に廃案になり、看板を付け替えて再登場した、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフッショナル制度」では、このような文言が入っている。
 
「1年間を通じ、104日以上、かつ、4週間を通じ4日以上の休日」を与えなければならない。
 
これは、上記の条件を与えれば、労働基準法の労働時間に関する規程を一切適用されないので、どういうことが起きるかと言えば、毎日24時間の労働が命じられ、さらには24日間連続24時間労働を使用者は命ずることが可能となってしまう。
   
「長年議論だけが繰り返されてきた『同一労働同一賃金』。いよいよ実現のときがきました。雇用形態による不合理な待遇差を禁止し、『非正規』という言葉を、この国から一掃してまいります」
 
非正規という言葉をこの国から一掃する──。じつは安倍晋三首相は2016年6月の記者会見をはじめ、この言葉を事ある毎に述べてきたが、今国会での「働き方関連改革法案」成立に血道を上げるなか、施政方針演説であらためて宣言していた。
 
一見すると、格差是正に向けた大胆な改革というようにも映るかもしれない。
 
しかし、騙されてはいけないのは、安倍晋三首相はけっして「非正規雇用をなくす」あるいは「正規と非正規の格差をなくす」と言っているわけではない、ということである。
 
たんに「非正規」という言葉を使わない、というだけの話なのである。
 
たしかに、働き方改革関連法案では、正社員と非正規の処遇改善を図る「同一労働同一賃金の導入」が盛り込まれ、ガイドライン案でも「基本給・各種手当、福利厚生や教育訓練の均等・均衡待遇の確保」が謳われている。
 
だが、基本給も手当も「実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める」としており、能力や会社への貢献度による「違いに応じた支給」でよいと認めているのだ。
 
これでは理由をつけることで格差もつけられるし、賃金格差は埋まらないどころか格差そのものを容認することになる。
 
事実、昨年3月に発表された「働き方改革実行計画」では、「正規と非正規の理由なき格差を埋めていけば、自分の能力を評価されている納得感が醸成。納得感は労働者が働くモチベーションを誘引するインセンティブとして重要、それによって労働生産性が向上していく」と説明している。
 
ようするに、「理由なき格差」=格差に理由をつけることで納得させよう、というわけである。
 
そもそも、「非正規という言葉をこの国から一掃する」という掛け声とは裏腹に、第二次安倍政権がはじまった2012年から16年までの4年間で、非正規雇用者は207万人も増加し、一方、この間の正規雇用者は22万人増加でしかなく、雇用者数の9割が非正規というのが実態である。
 
安倍晋三首相が成果として誇る「就業者数185万人増加」とは、不安定就労の非正規雇用者を増やした結果でしかない。つまり、「非正規という言葉をこの国から一掃する」というのは、“見かけ倒し”の同一労働同一賃金の導入によって格差を容認するための詭弁でしかない。
 
また、「裁量労働制」の拡大では、専門職のほかに管理職や一部の営業職にまで対象を広げる。これは「1時間働いても8時間働いたことになるのだから、いいのでは」と思われがちだが、とんでもない。仕事が片付かなければ逆に何十時間でも働かせることが可能になるのだ。

「長時間労働を是正する」と言いながら、労働時間の規制をなくそうという法案を推し進める安倍晋三首相。
 
あたかも格差を是正するものだと見せかけて、そのじつ、格差を容認させようとするばかりか、労働者を消耗品のように使い捨てする大企業の主張を押し通そうとする。
 
格差を固定化しさらに拡大する。
 
パートタイム労働者や有期雇用労働者の賃金は、「職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験を勘案し、その賃金を決定するようにつとめるものとする」と経営者に対して求めているのだが、要するに使用者目線でいくらでも恣意的な待遇が可能となる。
 
やはり労働者は自分たちの賃金を始めとする労働条件を、その手段は様々だろうが、自分たちで決められなければ一生「ドレイ労働」から抜け出すことはできないであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:53| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月10日

労働者の奴隷化を促進する悪法は許してはいけない


2017年10月の解散総選挙がなければ、昨年秋の臨時国会で安倍政権が提出予定だった「働き方改革推進一括法案」は、その中身はまさに『不良品の抱き合わせ商法』であることは、余り国民には知られていない。
 
2015年の通常国会で提出された労働基準法の改正法案は、「高度プロフェッショナル制度」(実は、悪名高き「ホワイトカラー・エグゼンプション」のこと)と、「裁量労働制」の対象業務を拡大し、裁量とは名ばかりの中間管理職層や営業マンを残業代なしでいくらでも長時間働かせることができる内容となっている。
 
この法案は当時、"残業代ゼロ法案"、"過労死促進法案"または"定額働かせ放題案"(所定賃金でいくらでも長時間働かせ放題であるから)と呼ばれ、野党や全ての労働組合から猛反対され続け、この2年間国会で審議入りすらできなかった改悪法案である。 
 
この年は、同時に安全保障関連法案も提出され、憲法解釈を曲解して集団的自衛権を容認する法案であることから、「戦争法」として多くの反対運動が起こった。
 
この戦争法案の特徴は、新しくつくられる「国際平和支援法案」と、自衛隊法改正案など10の法律の改正案を一つにまとめた「平和安全法制整備法案」からなる、計11の法案を一括審議したことであった。
 
そして今回の「働き方改革推進一括法案」も実は下記のように8本の法律を一括して改悪しようとするものである。
 
◆労働基準法
 ・時間外労働の罰則付き上限撤廃
 ・裁量労働制拡大
 ・高度プロフェッショナル制度
◆じん肺法
◆雇用対策法
◆労働衛生安全法
◆労働者派遣法(「同一労働同一賃金」関連)
◆パート法(「同一労働同一賃金」関連)
◆労働時間等設定改善法
◆労働契約法
 
上記の8本の法律は、趣旨、目的の違う法案であり、それを一括審議して一括採決するというのは、当然ながら丁寧な審議など期待できず問題のある部分についての個別の反対ができない 
 
今まで労働側が要求してきた「時間外労働の罰則付き上限撤廃」や「同一労働同一賃金」と抱き合わせることで、「裁量労働制拡大」と「高度プロフェッショナル制度」を無理押しするための狡猾な策略である。
 
その「裁量労働制」の拡大では、希望の党の山井和則衆院議員が質問主意書で、契約社員や最低賃金で働く労働者に対する裁量労働制の可否を問いただしたところ、政府は6日の閣議で〈契約社員や最低賃金で働く労働者にも適用が可能〉とする答弁書を決定した。
 
すなわち、働き方改革関連法案では雇用形態や年収に関する要件はなく、対象業種であれば正規雇用であろうと非正規雇用であろうと経営者側が適用させたいと考えればいくらでも適用させられる事になってしまう。
 
裁量労働制は実際に働いた時間にかかわらず、事前に労使で取り決めた分だけ働いたと見なす制度であるので、過酷なノルマの達成を対象者に課せば取り決め分だけの残業代で無限に働かせることが可能となってしまう。
 
そもそも、「指示を受けずに仕事の進め方を決めることができる非正規雇用者」なんてこの世には存在しない。

労働問題に詳しい「ブラック企業被害対策弁護団」代表の佐々木亮弁護士(旬報法律事務所)はこう言う。

「最低賃金の労働者が裁量をもって働けるなど常識では考えられません。政府の答弁は、労働の現場を見ないもので常識外れです。このような答弁(書)をブラック企業の経営者が見たら悪知恵を働かせる可能性もあります。働き方改革と言いながら労働者の苦境を顧みない無責任な答弁(書)だと思います」(日刊ゲンダイ
 
昨年の12月26日には、「裁量労働制を不当に適用して残業代払わずただ働き、野村不動産に是正勧告」ということが起きていた。
 
この一括法案が成立してしまえば、裁量労働制の適用が認められていない社員は存在しなくなり、残業代を支払わずにただ働きさせたとしても、是正勧告を受ける企業もいなくなる。
 
労働基準法が足かせとなり、労働者を自由に働かせることができないという日本の経済界からの強い要望から生まれた今回の一括法案は、労働基準法を形骸化し、そして労働者を使用者の意のままに働かせるという、まさに労働者の「奴隷化法案」なのである。
 
オジサンの息子や娘、そして孫たちに、このような悪法を残さないために、今日はこれから、「安倍『働き方改悪』阻止! 2.10決起集会」にでかけることにする。
 
20180210_syukai.jpg


posted by 定年オジサン at 11:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月09日

2チャネルレベルの産経新聞はメディア、報道機関を名乗る資格はない


新聞に誤報はつきものである、と言ったら現場の記者から大いに叱られるかもしれない。
 
ある事件が発生し、記者が現場に赴き周辺の人たちの証言を集めて記事を作る際に、特定の目撃者証言だけで記事にすれば、後に新証言が出たりして誤報になることがある。
 
一般には複数の証言を取ることが常識なのだが、他社との競争から出し抜かれることを恐れて手を抜くと痛い目に遭う。
 
通常は、その記事が誤りであると指摘さされば素直に謝罪し訂正記事を出す。
 
これは、ジャーナリストとしての最低のたしなみでもある。
 
しかし日本にはジャーナリストと呼ぶにはおこがましい連中が集まった新聞社がある。
 
昨年12月1日に沖縄県沖縄市で発生した車6台の多重事故に関して、「危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー」と題した美談仕立ての記事の中で、沖縄タイムスと琉球新報を口汚く非難したのが産経新聞。
 
その後12月9日付けで、「『危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー』は削除します」と題して簡単なお詫び記事を出していた。
   
12月9日に配信した「危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー」の記事中にある「日本人を救助した」は確認できませんでした。現在、米海兵隊は「目撃者によると、事故に巻き込まれた人のために何ができるか確認しようとして車にはねられた。実際に救出活動を行ったかは確認できなかった」と説明しています。
 記事は取材が不十分であり削除します。記事中、琉球新報、沖縄タイムスの報道姿勢に対する批判に行き過ぎた表現がありました。両社と読者の皆さまにおわびします。  
 
「琉球新報、沖縄タイムスの報道姿勢に対する批判に行き過ぎた表現」については、先月末の、「産経新聞はやっぱり“ネトウヨまとめ”だった! デマ常習者を情報源に沖縄二紙を攻撃するも県警に否定される醜態」という記事の中では、産経新聞の記事の一部を紹介している。
 
〈「米軍=悪」なる思想に凝り固まる沖縄メディアは冷淡を決め込み、その真実に触れようとはしないようだ〉
〈沖縄県のメディアはなぜ、こうも薄情なのだろうか。それでも事故後、この「報道されない真実」がネット上でも日増しに拡散されている。「続報」として伝えることは十分可能だが、目をつぶり続けているのである〉
〈「報道しない自由」を盾にこれからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ〉
 

上記記事の最後はこう結ばれていた。
  
本サイトではこれまでも産経がいかにフェイクニュースを垂れ流してきたのかを数々取り上げてきたが、それは2ちゃんねるの書き込みをもとに北朝鮮のミサイル発射のデマを予告したり、森友問題で辻元清美衆院議員にかんするネット上の流言飛語をそのまま記事化したりと枚挙に暇がない上、ひとつひとつの悪質性も全国紙とは思えないものばかりだ。実際、産経の顔とも言うべき政治部編集委員である阿比留瑠比氏は、辻元議員の阪神大震災時のデマを記事にした件や、Facebookに小西洋之参院議員を誹謗中傷する記事を投稿した件の裁判でともに敗訴している。
 ところが、このデマ製造新聞を、よりにもよってこの国の総理は贔屓にし、先日も平昌五輪開会式出席について独占インタビューさせたばかり。安倍首相をひたすらもち上げ、安倍首相に批判的なメディアや問題はデマを使ってでも潰そうとする。──これが「社会の公器」がやることなのか。
 今回の問題発覚によって、産経がしょせん「ネトウヨまとめ」に過ぎないことがはっきりしたように、もはや産経に「報道機関を名乗る資格」はない。ところが、産経の記事は全国紙の報道としてYahoo!ニュースなどでも取り上げられ、ネット上で真実として拡散されている。この現実こそ、なんとかしなくてはならないだろう。
 
同日には、やはり同じような内容で、「『米兵の日本人救助を報じない沖縄2紙は報道機関を名乗る資格がない』と断言した産経新聞の報道そのものがデマという悪夢」というネット記事が出ていた。
 
さらに、その産経新聞記事に関しては激しく非難された現地メディアが詳しく報じていた。 
 
<産経報道「米兵が救助」米軍が否定 昨年12月沖縄自動車道多重事故>
 2018年1月30日 11:56 琉球新報
20180209_ryukyusinpou.jpg
 昨年12月1日に沖縄自動車道を走行中の米海兵隊曹長の男性が、意識不明の重体となった人身事故で、産経新聞が「曹長は日本人運転手を救出した後に事故に遭った」という内容の記事を掲載し、救出を報じない沖縄メディアを「報道機関を名乗る資格はない」などと批判した。しかし、米海兵隊は29日までに「(曹長は)救助行為はしていない」と本紙取材に回答し、県警も「救助の事実は確認されていない」としている。産経記事の内容は米軍から否定された格好だ。県警交通機動隊によると、産経新聞は事故後一度も同隊に取材していないという。産経新聞は事実確認が不十分なまま、誤った情報に基づいて沖縄メディアを批判した可能性が高い。産経新聞の高木桂一那覇支局長は「当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた」と答えた。
 昨年12月9日に産経新聞の高木支局長は、インターネットの「産経ニュース」で「沖縄2紙が報じないニュース」として、この事故を3千字を超える長文の署名記事で取り上げた。「日本人運転手が軽傷で済んだのは曹長の勇気ある行動があったからだ」と紹介し、沖縄メディアに対し「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と断じた。
 同12日には産経新聞本紙でも「日本人救った米兵 沖縄2紙は黙殺」という見出しで、曹長の回復を祈る県民の運動と共に報じている。ネットでは県内メディアへの批判が集中し、本紙にも抗議の電話やメールが多数寄せられた。
 しかし海兵隊は現場で目撃した隊員の証言などから1月中旬、「(曹長は)他の車両の運転手の安否を確認したが、救助行為はしていない」と回答。県警交通機動隊によると、事故で最初に横転した車の運転手は当初「2人の日本人に救助された」と話していたという。
 海兵隊によると、曹長は意識を回復しリハビリに励んでいるという。産経ニュースはその後、曹長の回復や事実誤認については報じていない。
 批判を受けて琉球新報は高木支局長に(1)どのように事実確認をしたのか(2)県警に取材しなかったのはなぜか(3)沖縄メディアには取材したのか―の3点を質問した。高木支局長は23日に取材に応じ「当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた」と答えた。
◆海兵隊、投稿を訂正/「誤った情報の結果」
 事故は昨年12月1日午前4時50分ごろ、沖縄市知花の沖縄自動車道北向け車線で発生した。最初に左側の車線で追突事故が発生し軽自動車が横転した。追突現場の後方で停車した別の車に曹長の運転する車が接触し、さらに後ろから米軍の貨物車が衝突した。その後、後方から追い越し車線を走ってきた米海兵隊員の運転する乗用車に、路上にいた曹長がはねられた。
 米海兵隊第3海兵兵站(たん)群の英語ホームページ記事によると、曹長は接触事故後に現場にいた別の隊員に近づき無事を確認した後「自分の車を動かすよ」と言って離れた直後にはねられたという。
 在日米海兵隊のツイッターでは12月、曹長へ回復を祈るメッセージを送る県民の運動について発信する際に「多重事故で横転した車から県民を救出した直後に車にひかれ」と、救助したと断定した書き方をしていた。その後、このツイートは「多重事故で車にひかれ意識不明の重体になった」と訂正された。
 海兵隊は取材に対し「事故に関わった人から誤った情報が寄せられた結果(誤りが)起こった」と説明している。
<視点>事実確認を最重視
 本紙は12月2日付朝刊で事故の発生と曹長の男性が意識不明の重体で搬送されたことを報じた。インターネットの産経ニュースの報道後「なぜ救助を伝えないのか」という意見が本紙に多く寄せられた。
 続報を書かなかった最大の理由は、県警や米海兵隊から救助の事実確認ができなかったからだ。一方で救助していないという断定もできなかった。海兵隊は、現場にいた隊員の証言から「他の車の運転手の状況を確認はしたが救助行為はしていない」と回答したが、曹長が誰かを助けようとしてひかれた可能性は現時点でも否定できない。
 曹長自身も接触事故を起こしてはいるが、あくまでも人身事故の被害者であり、一時は意識不明に陥った。救助を否定することでいわれのない不名誉とならないか危惧した。
 それでも今回報道に至ったのは、産経新聞が不確かな「救助」情報を前提に、沖縄メディアに対して「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と書いたことが大きい。産経新聞の報道が純粋に曹長をたたえるだけの記事なら、事実誤認があっても曹長個人の名誉に配慮して私たちが記事内容をただすことはなかったかもしれないが、沖縄メディア全体を批判する情報の拡散をこのまま放置すれば読者の信頼を失いかねない。
 
まさに「当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた」にもかかわらず、「事故に関わった人から誤った情報」により誤報となったのが産経記事であった。
 
自らの誤報も気が付かず、不確かな情報を前提として沖縄の2つのメディアを攻撃するというジャーナリストらしからぬ行為にでたわけであった。
 
琉球新報の記事を受けて昨日、「沖縄米兵の救出報道 おわびと削除」という産経新聞の「検証」記事が発表され、そこには「経緯」と事故に遭った「男性側の説明」、そして「沖縄2紙の報道」内容、さらには、事故で横転した車の男性運転手の代理人弁護士が発表したコメント全文」、最後に乾正人産経新聞社執行役員東京編集局長の謝罪文が掲載されていた。
 
もちろんこの謝罪記事は批判されている高木桂一那覇支局長のものではなく、文中のどの部分にも一言も名前は登場していない。
 
自らの記名記事で批判したわけだから、自分の言葉で謝罪と撤回を行うのがジャーナリストとしての矜持ではないのか。
 
今回の一連の出来事に関しては、「沖縄2紙を『日本人として恥』と批判した産経新聞の記事削除 問題がはらむ危険性とは」という、別の観点からの記事もあった。
 
最後に、東京新聞が、「産経新聞が削除、おわび 『沖縄米兵が日本人救出』」の中で沖縄の2紙の大人のコメントを紹介していた。

◆おわび姿勢は評価 沖縄2紙
<普久原(ふくはら)均琉球新報社編集局長>
 「米海兵隊曹長の日本人救出」に関する今回の報道で、8日付産経新聞がきちんと事実を検証し、取材の不十分さを認めて、率直にわびた姿勢には敬意を表する。今回の件に関して、琉球新報社は「事実の報道に徹する」という基本姿勢に基づき慎重に取材を進めてきた。産経新聞が報じたように、米海兵隊曹長が日本人運転手を救助した後、事故に遭ったという事実があれば報道し、救助した事実がなければ産経新聞の報道の誤りをただすという方針で取材した。関係機関を取材した結果、曹長による救助行為を米軍が否定し、沖縄県警も確認していないことが判明したため、1月30日付本紙の報道に至った。琉球新報は今後とも「事実の報道に徹する」という基本姿勢を堅持する。
<石川達也沖縄タイムス社執行役員編集局長>
 産経新聞は、沖縄県警への取材を怠ったと認めた上で、沖縄タイムスと琉球新報の「報道姿勢に対する行き過ぎた表現があった」として、記事を削除、おわびした。報道機関として評価する。表現の自由は言論機関の根幹ではあるが、事実関係の取材が不十分なまま、二紙に対し「メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」などの表現を用いたことは不適切だったと思う。沖縄タイムスは今後も事実に基づいた報道を徹底する
 
最後に、産経新聞にブーメランをお返ししよう。
 
産経新聞は、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と、オジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:41| 神奈川 ☀| Comment(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月08日

ネトウヨは安倍晋三のためにはWikipediaまで改竄してしまうのか?


関東地方は立春後は比較的好天気に恵まれ、日中の最高気温も徐々に上昇してきているが、かつての「裏日本」側では豪雪により危機的な状況になっている。
 
南北に細長い日本列島だが、「裏日本」という呼び名は現在では放送上使用禁止用語となっているのだが、裏日本という語が使われ始めた当初は、首都である東京を玄関口であるという意味で「表」とした場合、自然と日本海側が「裏」となる事から単に地理用語として用いられ、侮蔑的な意味合いは持っていなかったらしい。
 
そのため天気予報などで地域を指す言葉として普通に使われていたが、NHKでは新潟県内のとある市の首長からの指摘により、1960年代末頃から差別的・侮蔑的であるとして「裏日本」という用語を使わなくなり、現在放送されている番組で使用されることは基本的になくなり、また民放や地方紙などでも1970年代後半ごろから徐々に使わなくなってきている。
 
月曜日あたりから徐々に大雪に見舞われている、かつての「裏日本」の福井県内各地の積雪状況は、5日午後5時現在の積雪は、大野市で98センチ、福井市で73センチ、小浜市で29センチ。6日午後6時までに予想される24時間降雪量は多いところで、嶺北の平地50センチ、奥越60センチ、嶺南の平地40センチであった。
 
そして、7日も断続的に雪が降り、福井市では午後9時現在、146センチを記録し、死亡者も出ている。
 
福井県などの国道8号で6日に発生した車の立ち往生は、7日夕に約680台を数え、陸上自衛隊は約900人態勢で除雪作業を続けたが、解消のめどは立たず、2夜続けて車内で過ごさざるを得ない状況になっており、県は大雪の被害が出ている福井、あわら、坂井の3市に災害救助法を適用した。
 
まさに緊急事態なのだが、自衛隊の最高責任者の動きはまったく鈍く、「国民の生命と財産を守る」という言葉が空疎に聞こえてくる。
 
しかし、数年前の山梨県下での大雪の時と似たようなボランティア精神がまだ生きていた。

<豪雪で立ち往生の車に500人前 餃子の王将、無償で>
 2018年2月7日20時02分 朝日新聞DIGITAL
 豪雪で車両が立ち往生している福井県坂井市では、国道8号沿いにある「餃子(ギョーザ)の王将」丸岡店が7日、ドライバーたちに無償で約500人前の料理を届けた。その裏には副店長の、阪神大震災の記憶があった。
 酢豚に焼きめし、天津飯、ギョーザ、あんかけ焼きそば……。店は雪のため前日から臨時休業だが、余った食材で7日昼過ぎから料理をつくっては、ドライバーたちのもとへ運んだ。店の常連のトラック運転手も雪にはまっていた。「ほんとにいいの?」「今度また店いくわ」と喜んでくれた。
 「こんなに一気に作り続けることはふだんもない。歩いて持って行くのも一苦労でしたし、疲れました」と副店長の中山幸紀(ゆきのり)さん(41)。午前に店を訪れ、急きょ炊き出しを思いついた。上司に確認すると、「どんどんやって」と快諾が得られた。
 中山さんが思い立った理由には、1995年の阪神大震災の経験がある。兵庫県川西市の「餃子の王将」多田店でアルバイトしているときだった。
 「水道もでないのに、店長の発案で震災当日に無理やり店をあけて、ギョーザとかを出した。あのときのお客さんの顔は忘れられないんですよね。飲食をやっているなら、こういうときは人のためにやらないと」
 ただ雪のため、出勤できるアルバイトは限られた。3年前にアルバイトを辞めていた近所の梅村莉奈さん(22)を急きょ呼び出した。梅村さんは「久しぶりにへとへとになったけど、やりがいがありました」と笑って話した。  
 
「仕入れた食材が大雪のため店を開けられず、廃棄処分になるよりは無償で配っただけだろう」などというヒニクレタ見方の連中もいたが、いつもこの店の前を通っている大型トラックの運転手たちは、今後はこの店の前を黙って通過することはできないかもしれない。
 
『損して得取れ』ということわざが、あらためて生き生きとして聞こえてくるようである。
 
さて、今月の初め、「1強「安倍政権」の泣き所を攻めよ」というつぶやきの中で、安倍晋三首相のエンゲル係数に関する頓珍漢振りというのか、我田引水ぶりを紹介した。
 
その2日後には、「“生活苦の指標”エンゲル係数アップに安倍首相がデタラメ言い訳! 直後にWikiのエンゲル係数解説が改ざん」というネット記事が掲載され、安倍晋三首相の答弁直後に書き換えられたWikipediaの「エンゲル係数」の詳細が説明されていたが、その情報源らしきものが前日に他のネット記事で詳細に解説されていた。
 
<Wikipediaの「エンゲル係数」が首相答弁の翌日に「重要度低下」と改ざんされていた問題について> 
 2018年2月2日18:20 BUZZAP

20180208_BUZZAP_01.jpg

 大きな話題となっているエンゲル係数ですが、Wikipediaが首相答弁の翌日に改ざんされていたことが明らかになりました。詳細は以下から。
◆「エンゲル係数」答弁翌日のWikipedia改ざん
BUZZAP!でも2月1日に「エンゲル係数が上昇しても景気回復、安倍首相が斬新すぎる新解釈を披露」と題して1月31日の首相答弁について取り上げました。
この国会答弁では高校生でも知っているエンゲル係数が29年ぶりの高水準となっていることが取り上げられましたが、その答弁の翌日である2月1日にWikipediaの「エンゲル係数」の項目が大幅に書き換えられていたことがツイッターユーザーのHOM55(@HON5437)さんのツイートによって明らかになりました。

20180208_BUZZAP_02.jpg

◆小説を出典としたあまりに稚拙な文章とその影響
改ざんが行われたのはWikipediaの変更履歴によると2018年2月1日 (木) 01:24。これはグリニッジ標準時であるため、日本時間では9時間足して2018年2月1日 (木) 10:24ということになります。なお、現在は既に改ざんは破棄され、編集がロックされています。改ざん以前の記述はこちら

20180208_BUZZAP_03.jpg

そして改ざん後の記述はこちら。大幅に書き換えられている事が分かります。

20180208_BUZZAP_04.jpg

その文中には「重要度が下がっている」「以前ほど重要視されてはいない」「必ずしも役だたなくなった」など、これでもかとエンゲル係数の重要度を毀損するような記述が盛り込まれています。
段落分けもできておらず、要旨をまとめることもせずにだらだらと書き連ねている上に句読点すら打ち間違いの見られる極めて雑な文章である事が一読して分かります
ではいったいこの与太話の根拠はなんなのかというと、出典として示されているのが「『貯金兄弟』p232竹内謙礼,青木寿幸、 2015年』」という「マネー戦略SFノベル」を謳う小説。
古典的な経済論文に対して小説の記述を引用して反論できると思っている辺りはあまりに幼稚すぎ、単なる愉快犯かと思ってしまいそうなところです。当然ながらこの改ざんは即刻「小説をソースに書かれることではない」として変更は破棄されています。
既に1月31日の夜の時点からエンゲル係数に対する安倍首相の独自解釈は炎上を始めていたこともあり、この改ざんは何らかの「火消し」ではないかとの指摘が当然ながら相次ぎます。
実際問題としてエンゲル係数をGoogle検索した場合に1ページ目のトップにヒットするのはこのWikipediaであり、サイト自体知名度からもエンゲル係数の内容をもう一度調べようと検索した人が最初に見る可能性の非常に高いもの。

20180208_BUZZAP_05.jpg

つまり複数のサイトの記述を比較検討して成否を確認するという習慣を持たない人に対しては、Wikipediaの改ざんされた記述だけで「エンゲル係数はもう大して役に立たない時代遅れの指標だ」という印象操作を行うことが十分に可能です。
◆改ざん者の特定とアカウントの動き
なお、Wikipediaの改ざんを行った利用者であるBratslaxlyの投稿記録を見ても今回のエンゲル係数のもののみで、登録も2018年2月1日 (木) 00:52(つまり日本時間で9:52)となっており、この改ざんのためだけに新しく作られたものでした。
ここでHOM55さんへのコメント欄などから改ざんを行ったと見られるツイッターアカウントが「発掘」されます。それが某有名スマホゲームの登場人物の名前とアイコンを使用したもので、登録時期は2018年1月となっており最初のツイートは1月30日。

20180208_BUZZAP_06.jpg

FXやスマホゲーム、漫画やアイドルについて無難なツイートをしている中、「Wikipediaのエンゲル係数の概要を修正しておきました。考えが古いままになっていたので。」と2月1日16:35に発言しています。これは改ざんが行われたおよそ6時間後のこと。さらに16:53には「英語版のWikipediaのエンゲル係数もGoogle翻訳使って追記しておきました。」とも発言。

20180208_BUZZAP_07.jpg

実際に英語版WikipediaのEngel’s lawのページも2月1日7:52(日本時間では16:52で上記発言の1分前)に改ざんされています。その追記内容も実にGoogle翻訳を使っただけの極めて拙いもので、30分後にはこの改ざんも破棄されています。

20180208_BUZZAP_08.jpg

こちらは153.168.73.202という利用者名(というかIP)で改ざんされていますが、この利用者は日本版のWikipediaで再び2月1日07:32?(日本時間では16:32)に「近年の情勢を踏まえ、修正をしました。」として英語版と同内容の日本語でしょうこりもなく改ざんを行い、「デタラメ書き加える前に出典付けろ。」と再び一蹴されています。

20180208_BUZZAP_09.jpg

これらのことから上記ツイッターアカウントとBratslaxlyと153.168.73.202は同一人物と推測することもできそうです。
◆単独か組織か
なお、この一連の書き込みが組織的に行われた「火消し」なのか、単に安倍首相の珍発言をフォローしたいと考えた支持者の独力での改ざんなのかは現時点では不明です。急ごしらえのアカウントで小説を出典として稚拙な文章でWikipediaを書き換えるという行動の幼稚さを考えれば、これが組織だった改ざんとは考えにくいもの。
ただし逃げ道として架空の間抜けな自称経済通のアカウントをでっちあげ、その人物が勝手にやったことにすれば誰も泥を被ることなくGoogle検索最上位のWikipediaを改ざんできてしまう事も事実です。
ところで自民党には会員数約1万9000人にも及ぶ「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC、ネトサポ)というネット上で主に活動する公認支援組織があり、規約にも「インターネット等を活用した各種広報活動・情報収集活動・会員相互の交流活動」と明記されているように、ツイッターなどのSNSを始めとしたネット上での自民党の支援活動を広く継続的に行っています。
この組織に関しては毎日新聞が2017年の衆院選前の10月6日に開催されたJ-NSC総会を取材した際の質疑応答での異様なやり取りを記事にしています。

ある男性サポーターが「希望NO党」「一見民主党」などの表現は誹謗中傷か、と質問。自民党ネットメディア局長でJ-NSC代表の平将明前衆院議員が「パロディーだからOKだと思います」と答え、笑いが起きた。別の男性が野党の代表と中国・人民解放軍兵士、女性候補と慰安婦のコラージュを投稿したと説明。問題はあるかとの問いに平氏は「個人のご判断だと思います」。会場に再び笑いが起きた。
(衆院選:安倍首相に熱狂 投稿内容は「自己責任」 - 毎日新聞より引用)
 
J-NSCメンバーが実際に上記のような書き込みをネットに行ったとしても、規約第8条に自己責任の原則があり、「会員は本会の活動を自己の責任と負担において行うものとする。本会の活動に要する費用、及び本会の活動に関連して会員と第三者との間に生じた損害または紛争に関して本会は責任を負わないものとする」としており、自民党本体はサポーターが何をしでかしても自己責任の名の下に無関係を装える形になっています。
つまり、個人で判断して自己責任で書き込むのであれば、上記のようなヘイトスピーチも「個人のご判断だと思います」で笑って済まされるという認識の組織であるということは改めて指摘されておくべき事実でしょう。
◆結論
今回のWikipediaの改ざんが誰によってどのような経緯で行われたのかは不明なままです。ジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984年」の真理省のような過去改変が組織的に行われたという想像は極めて恐ろしいものですが、そんな組織がなくとも国民が自ら進んでこうした記述を個々に書き換えてしまうとしたら、それもまた違った非常に恐ろしい現象と言えそうです。
なおこの改ざん以外にも、唖然とすることに安倍首相の発言に絡めてエンゲル係数が高くなったからといって貧困化しているとは言えないと安倍首相を擁護する発言がネット上では相次いでいます。
最後に2013年2月20日、第2次安倍政権とアベノミクスが始まって3ヶ月目の参議院予算委員会での共産党の大門議員と安倍首相のやり取りを参照して見ましょう。

○大門実紀史君 今日は、物価と賃金の問題について質問をいたします。(資料提示)
 パネルの下の方を御覧いただきたいんですけれども、昨日、最新のエンゲル係数、2012年の数字が発表されました。エンゲル係数というのは、もう御案内のとおり、家計支出に占める食料費、食費の割合でございます。所得の低い人ほど割合が高くなって、所得の高い人ほど割合が低くなると。つまり国民の生活のゆとりを示す数字でありますけれども、これは1ポイント上がるというのは大変なことでございます。そういうふうな数値として御覧いただければと思います。
 日本ではこの数年、このエンゲル係数が上昇をしてまいりました。つまり、生活にゆとりがなくなって、低所得者の方々と富裕層との生活格差が広がっていると。それを示すのがこのエンゲル係数でございます。
 総理は、通告はしていませんけれど、この数字を見ていかが思われますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このエンゲル係数を見ますと、これは11年、12年と上がっているんですね、10年から11年、12年と、こう上がっておりまして、これはたまたま民主党政権ということになるんでしょうか。2006年、2007年、これは下がっておりますが、これはちょうど第1次安倍政権でございましたが。
 いずれにせよ格差を、この格差の定義いろいろありますが、格差というのは、国民的に許容できない格差、あるいはそれが固定をしてはならない、これは安倍政権の基本的な方針でございます。
参議院会議録情報 第183回国会 予算委員会 第4号より引用)
感想を聞かれた安倍首相はエンゲル係数についての誰もが知る解釈を否定することもなく、民主党政権時に上がっていて第1次安倍政権の時には下がっていると誇っていますが、民主党政権時よりも高くなってしまった現在の回答が5年前と真逆になっている事にお気づきになるでしょうか?

 
国会での「誤読」や「珍解釈」を正当化するために、わざわざ閣議決定するような安倍政権である。
   
その政権の「裸のバカ殿」の無知蒙昧ぶりを批判する事は簡単なのだが、問題なのは今回の記事で詳細に述べられているように、組織的に安倍晋三を支持する「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC、ネトサポ)の連中が、ネット上で個人の責任の元、意図的に誤った情報を拡散することであり、これはきたるべき改憲に関しての「国民投票」に向けて同じような社会現象が大々的に起きることが容易に予想され、護憲派としては十分な対策を講ずるべきである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:32| 神奈川 ☀| Comment(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月07日

1強は一穴から崩せ


昨日、オジサンの母は満93歳の誕生日を入所している特別養護老人施設で、若い介護士たちに囲まれてお祝いを受けるはずだった。
 
しかし昼過ぎにかかってきた施設の介護担当者からの電話で事態は一変した。
 
「38度以上の発熱と痰が詰まり咳き込む状態が続いています」
「嘱託医により解熱剤と抗生物質で対応していますが、食事は水分だけの状態です」
「深夜帯に酸素密度が低下すれば救急搬送になります」等々。
 
そのため昨夜は遅くまで緊急連絡が来ないことを祈りながら朝を迎えた。
 
既に施設に入所してから3回も入院しており、昨年は「次回の入院は最後」とまで言われていたので覚悟をしていた。
 
父が11年前に90歳で亡くなっており、その年齢をはるかに超えてしまったので、本人には思い残すことはないかもしれない。
 
そろそろ「大往生」のお迎えがやってくることだけは確かである。
 
さて、若い男女の結婚は、普通の人同士ならば、余程の利害関係者でなければ、興味もなく、反対する者もいない。
 
しかし片方が皇室関係者ならば、簡単には事が進まない。
 
先月末頃に、「眞子内親王の婚約者・小室圭氏の母親の男性問題を週刊誌が報道! 背後に安倍政権や極右勢力の結婚ツブシが」というネット記事が載っていた。
 
そこにはこんな裏事情が書かれていた。
 
日本会議や安倍首相をはじめとする極右勢力は男系の伝統にこだわりこれに強く反対し、「旧宮家男系男子の皇籍復帰」を主張している。安倍首相のブレーン・八木秀次氏などは、その変形バージョンとして「旧宮家男系男子と女性皇族を結婚させる」などという、個人の意志を完全に無視したトンデモ案を提案しているが、安倍首相も「旧宮家の男系男子孫と結婚する女性皇族がいたら女性宮家を創設してもいい」と同種の考えをもらした。
つまり、安倍政権や右派のなかには、この眞子内親王の決断に対する強い不満があり、それが小室さんバッシングに転化したということだ。
「そして、今回の母親の問題で、この右派の結婚ツブシの動きは一気に拍車がかかったということのようです。このまま、結婚話が本当に潰れてしまう可能性もある」(前出・宮内庁担当記者) 
 
そして、その記事通りに、「眞子さま結婚延期 宮内庁『週刊誌報道は関係ない』」」ということになったらしい。
 
ところで、通常国会が開会され与野党の攻防が日々行われているにもかかわらず、民放テレビの朝のワイドショーは、相撲協会内部の不祥事や理事会内の権力争いなどを横並びで連日報道していた。
 
ようやく理事選も終わり、やっと・・・と期待していたところ今朝は、前述した結婚延期関連報道一色であった。
 
もっとも時間の経過とともにテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」では、久方ぶりに安倍晋三の「鮨とも」である御用ジャーナリストの田崎史郎がコメンテーターとして登場していた。
 
MCの羽鳥慎一がパネルを使って、国会で明らかになった国有地格安払下げ問題で当時の理財局長であった佐川宣寿国税庁長官の国会虚偽答弁等について説明していた。
 
田崎史郎曰く、「安倍政権が絶対に国会に招致したくない人は安倍昭恵と加計孝太郎の2人」と言い切り、佐川国税庁長官は、この2人を守るための盾として使われ、国会終了後の財務省内の人事異動にともない、国民の目につかないように天下りさせる準備をするはずだと、安倍政権に代わって答えていた。
 
招致拒否、与党かたくな 佐川氏・昭恵氏…『前例』あるのに
 
20180207_asahi.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
明らかな話なのだが、安倍昭恵がたとえ国会に参考人として招致されても、黙秘はできないので、思わず払下げに関しての関与を匂わす発言が出てしまえば、その時点で安倍晋三首相はアウトになる。
 
もちろん、加計孝太郎も同様で、いかなる手段を講じてでも国会には出させないということが安倍政権の方針であろう。
  
大阪地検に補助金詐取などの容疑で昨年7月末に逮捕されて以降、森友学園前理事長の籠池泰典被告と妻の諄子被告の拘留は7か月目を迎え、沖縄の平和運動センターの山城博治議長の不当拘留期間を上回っている。
 
まさか獄中死を狙っているわけではないだろうが、やはり安倍政権としてはこの2人を釈放してマスメディアにしゃべられることだけは絶対にさせないつもりであろう。
 
決め手を欠く森友学園問題を追及しても安倍政権は揺らぐことはないだろうが、やはり足元の閣僚から崩すことが先決である。

何度もつぶやいてきたのが「手帖・線香」配布大臣の公職選挙法違反疑惑。
 
相変わらずデイリー新潮は、次々と「茂木大臣 これが『線香』『衆議院手帖』配布リストだ!!」あらたな事実を提示している。
20180207_dayrysincho_01.jpg
 
20180207_dayrysincho_02.jpg
 
20180207_dayrysincho_03.jpg
 
20180207_dayrysincho_04.jpg 
  
そして、日刊ゲンダイも独自に入手した「手帳配布先リスト」を元に取材を行っていた。
 
<茂木大臣の地元ルポ 名入り手帳バラまきの“真っ黒”証言>
 2018年2月7日 日刊ゲンダイ
 選挙区の有権者に線香や手帳を配った問題で、連日、追及されている茂木経済再生担当相。日刊ゲンダイが入手した「手帳配布先リスト」には、茂木大臣から手帳を受け取った栃木市内の有権者の名前がズラリと並ぶ。どのように手帳が配られたのか。5日、本紙記者は同市に向かった。
 JR両毛線と東武日光線が乗り入れる栃木駅から北東へ大通りが市内を貫く。県内第3位、約16万人の人口規模を誇る都市だが、駅前通りは平日朝でも通勤や通学で混雑する様子はない。通り沿いには寺や蔵といった観光資源が複数あるものの、観光客の姿はまばらだ。
 まずは市の中心部に住む60代の建設業男性に話を聞いた。すると、手帳は「茂木大臣から」だとハッキリ認識していた。
「町内の自治会の役員が『茂木さんからもらった』といって持ってきました。数年間続けてもらったから、全部で5、6冊かな。年間4000〜5000円払って自民党籍に登録すると、手帳をもらえるみたいですね。茂木さんの秘書が直接配りに来た覚えはないな」
 この場合、党費の対価とも考えられるが、かつて茂木大臣の選挙活動を手伝っていたという別の男性(自営業・60代)はこう言った。
「今は何ももらってないけど、何年か前に『茂木事務所からです』と言って茂木さんの秘書から手帳をもらいました」
 町内会の役員から支援者に配布される場合と、事務所の秘書から配布される場合があるようだ。茂木大臣は秘書が手帳を配布したことを認めているが、「政党支部の活動として配った」として違法性を否認している。
■過去の手帳に「茂木敏充」の印
 公職選挙法は、公職の候補者が選挙区内の有権者に対してモノやカネを贈ることを禁止している。政党支部からの寄付についても「候補者の氏名を表示し又は氏名を類推させる場合」は禁止。例えば、配布した手帳に「氏名が表示」されていたら完全にアウトだ。
 茂木大臣を1回生時代から知る男性(自営業・80代)がこう明かした。
「10年以上にわたって茂木さんから手帳をもらいました。10冊以上あります。いつ頃からもらい始めたのか覚えてないけど、最初の2、3冊の手帳には、最後のページに『茂木敏充』のハンコが押されてありましたよ。その後の手帳には、ハンコがなくなりました。去年まで毎年、年末から年始の間に秘書が手帳を持ってきていたけど、今年の手帳は持ってこない。どうしたのかと思ったら、秘書が『今年は配りません。“ヤバい”ですから』といっていましたよ」
 過去に茂木大臣は「名前入り」の手帳をばらまいていた。ハンコをやめたのは、違法性が分かっているからこそ、後ろめたいのだろう。やっぱり茂木大臣はマッ黒だ。
 
このような現地での取材を自分の秘書に行わせて証言を得てくるような野党議員がいれば、もっと国会での追及に現実味がまし、安倍政権を追い詰めることができるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:35| 神奈川 ☀| Comment(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月06日

自衛隊機は国民を危険に晒し、安倍晋三は私人の妻を専守防衛


米軍のヘリが沖縄で墜落した時に「不時着」と米軍が発表していたが、まさか同じことを日本の防衛省が「事故を避けるための『予防着陸』」と当初は発表していたことには唖然としたが、広報室のテレビには機体が炎上して黒煙が上がる映像が流れ、説明を求める質問が記者から相次いだという。
 
小野寺五典防衛相は記者団に「着陸、炎上が確認された」と言っていながら、安倍晋三首相や菅義偉官房長官に報告した後にはようやく「墜落」と認めた。
 
亡くなった自衛隊員には気の毒であるが、民間人が死亡したら防衛相の首が飛んでいたことであろう。 
 
陸自ヘリ墜落、2軒炎上 隊員1人死亡1人不明 11歳けが、防衛相謝罪 佐賀

<近くに小学校があるところに・・>
20180206_asahi01.jpg
【朝日新聞DIGITALより】


<こんなヘリコプターが墜落して・・・>
20180206_asahi02.jpg
【朝日新聞DIGITALより】



<大炎上となった・・・>
20180206_asahi03.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
 
安倍晋三首相にとっては「我が軍」のヘリコプター墜落事故なので、「陸自ヘリ墜落 安倍首相、同型機の当面の飛行停止など指示」するのは当たり前の話。
 
今後は、「陸自ヘリ墜落 『ドーン』に黒煙と炎 『上空飛ばないで』」と沖縄県以外でもこんな声が上がりそうである。
 
自衛隊機を巡っては、今年度に入ってから死亡事故が既に3件起きており、今回で4件目となる。
 
最近の主な自衛隊機事故を以下に掲げる。
 
2005年 4月 新潟県阿賀町の山中に空自の救難捜索機が墜落し、乗員4人が死亡
2007年 3月 鹿児島県徳之島で陸自の輸送ヘリコプターが墜落し乗員4人が死亡
2009年 12月 長崎市沖で海自の哨戒ヘリが墜落し、乗員2人が死亡
2012年 4月 青森県の陸奥湾で海自の哨戒ヘリが護衛艦に接触し墜落し乗員1人が死亡
2015年 2月 宮崎県えびの市の山中に海自の練習用ヘリが墜落し乗員3人が死亡
2016年 4月 鹿児島県鹿屋市の山中に空自の飛行点検機が墜落し乗員6人が死亡
2017年 5月 北海道北斗市の山中に陸自の連絡偵察機が墜落し乗員4人が死亡
    8月 山口県岩国市の海自岩国航空基地で輸送ヘリが横転し乗員4人が負傷
    8月 青森県沖で海自の哨戒ヘリが墜落し乗員3人のうち2人死亡、1人が行方不明
    10月 浜松市の航空自衛隊浜松基地の沖合で空自の救難ヘリコプターが墜落し乗員4人のうち3人が死亡、1人が行方不明 
 
「墜落しそうな場合は、田畑など被害が出にくい場所に下りるのが基本」にもかかわらず民家に墜落したことにより、人為的なミスというよりも、最先端の機体の整備に問題があったとの見方が強い。 
 
<クローズアップ2018 陸自ヘリ墜落 高性能機、揺らぐ信頼 点検飛行離陸7分後>
 毎日新聞 2018年2月6日 東京朝刊
 整備を終え点検飛行中の高性能機に、いったい何があったのか。佐賀県神埼(かんざき)市での陸上自衛隊ヘリ墜落事故は自衛隊や政府関係者にとどまらず、国民に衝撃を与えた。沖縄で相次ぐ米軍ヘリの不時着や部品落下に抗議してきた政府は、足もとの自衛隊への信頼が揺らぐ事態に直面。自衛隊で予定する垂直離着陸輸送機オスプレイ配備の先行きに懸念が広がっている。
 「墜落しそうな場合は、田畑など被害が出にくい場所に下りるのが基本。民家に落ちたのなら、相当のことがあったのではないか」。ヘリコプターの操縦経験がある自衛隊幹部の一人はAH64D戦闘ヘリの墜落後、そう言って絶句した。
 墜落する瞬間を目撃した住民らによると、上空でメインローター(主回転翼)が機体から外れた状態で機首から落ちていったという。
 今回の事故は、50時間飛行するたびに行われる定期整備を終えたあとの、点検飛行中に起きた。この幹部によると、整備後の飛行は通常、エンジンの出力を上げ、飛行場の上でホバリングしながらエンジンなどの状態を確認する。異常がなければ、周辺の飛行を始めるのが一般的という。墜落は離陸のわずか7分後だった。この幹部は「普通なら整備後の不具合に備えて、不時着できる場所を選んで飛行するはず。よほど制御できない状況だったのではないか」と推測する。別の防衛省幹部も「整備に問題があった可能性もある」と漏らす。
 AH64Dの通称は「アパッチ・ロングボウ」。老朽化するAH1対戦車ヘリの後継機として防衛庁(当時)が2001年に導入を決定した。墜落したヘリは06年3月に陸自目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県吉野ケ里町)に配備された。高額化などが理由で62機の調達計画は途中で打ち切られ、現在は13機の保有にとどまる。性能は高く、地上の100を超える目標の探知が可能だ。
 陸自のヘリパイロットだった笹川平和財団参与の山口昇・元陸将は「陸自の中では最先端の機体。墜落はショックとしか言いようがない」と語る。山口氏は「システムは複雑だが、コンピューター制御なのでパイロットの負担は少なく、操縦も比較的簡単だ。イラク戦争で米軍の同型機の大半が帰還するなど、機体も丈夫。めったに落ちないのだが」と驚きを隠さない。
 航空評論家の青木謙知氏も、機首から落ちたという目撃情報があることから「住宅街で通常そういった操縦はせず、操縦不能になった可能性がある。パイロットではなく、機体に問題があったのではないか」との見方を示す。さらに「保有する機数が13と少ないため、整備士の数は限られ、整備士に負担がかかっていた可能性がある。自衛隊関係者から『整備の質が落ちている』という不安の声を聞いていた」と明かす。
 自衛隊機を巡っては、昨年5月に陸自のLR2連絡偵察機が北海道北斗市の山中に墜落。同8月と10月には海上自衛隊と航空自衛隊のヘリコプターが、それぞれ青森県沖と浜松市沖に墜落し、乗員はいずれも死亡か行方不明となるなどトラブルが絶えない。
 一方、米軍機を巡っても沖縄県東村で昨年10月、大型輸送ヘリが不時着、炎上する事故が起きるなどトラブルが相次ぐ。別の自衛隊幹部は「北朝鮮情勢などの緊迫化に伴い、訓練などが激化していることが背景にあるのでは」と推測。日本政府は米側に再三にわたって再発防止を求めてきたが、防衛省幹部は「米軍に整備をきちんとしろと言っている最中なのに」と対米交渉への影響を懸念する。【前谷宏、酒井祥宏、奥山はるな】
オスプレイの配備に影響も
 陸自のヘリが佐賀県の民家に墜落した事故の衝撃は政府内にも広がった。自衛隊への信頼が揺らぐことや、オスプレイの佐賀空港(佐賀市)への配備計画に影響が出ることを懸念する声が上がった。
 小野寺五典防衛相は5日夜、佐賀県の山口祥義知事と事故現場となった同県神埼市の松本茂幸市長に電話で謝罪し、原因究明と再発防止を徹底すると伝えた。防衛省は大野敬太郎政務官を現地に派遣した。同省幹部は「民間人にけが人が出ており、自衛隊員だけの事故とは全く違う。自衛隊への信用問題だ」と語った。
 墜落したAH64D戦闘ヘリは、陸自目達原駐屯地(佐賀県吉野ケ里町)の所属。この駐屯地の周辺は市街化が進んでおり、AH64Dを含むヘリ計約50機が、新たに配備されるオスプレイとともに、佐賀空港に移駐する計画になっている。
 今回の事故が計画にどのような影響を及ぼすか、現時点では見通せないが、「地元調整が難航しているオスプレイの配備については影響は避けられない」(防衛省幹部)との声が出ている。配備計画を担当する佐賀県の古賀英敏・政策部調整監は「県民の不安は高まっている。国は原因究明と安全対策をしっかりやっていただきたい」と政府に対応を求めた。
 南西諸島の防衛を重視する陸自は、今年3月に相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に離島防衛部隊「水陸機動団」を新設。部隊の移動手段として、約60キロの距離にある佐賀空港にオスプレイを配備し、機動的な運用を確保する計画だ。だが、地権者である漁業者が難色を示し、目指している2019年度からの運用開始には黄信号がともっていた。今回の事故を受け、配備はさらに難しくなった。
 陸自はオスプレイ17機を導入予定で、今年11月ごろには最初の1機が米側から納入される。防衛省は当面、高遊原(たかゆうばる)分屯地(熊本県)やオスプレイの整備拠点がある木更津駐屯地(千葉県)に暫定配備することを検討。だが、佐賀への配備が遅れれば、水陸機動団の任務に支障が出かねない。
 佐賀空港近くに住み、計画への反対運動を続けているノリ養殖業、古賀初次さん(68)は「ヘリが住宅に墜落するようなら、国内外で墜落事故が頻発して安全性に確証が持てないオスプレイならなおさら不安だ」と訴えた。そのうえで「今回の事故で、危険性がより身近に感じられるようになり、反対運動はこれから盛り上がると思う」と語った。
 
専守防衛を最大任務とする自衛隊が、「アパッチ・ロングボウ」という、この種の「戦闘ヘリコプター」としては“世界で最も強力な機種のひとつ”にもかかわらず、整備直後のテスト飛行で墜落してしまうとは死亡した隊員も不本意であったであろう。
 
しかし、「アパッチ・ロングボウ」に関しては既に4年ほどまえから、「アパッチ攻撃ヘリの調達、なぜ頓挫? 問われる陸自の当事者能力」とか、「陸自への最強機導入も頓挫 時代から遅れる戦闘ヘリ」と酷評されており、それらの記事によると、「『アパッチ・ロングボウ』の後継機といわれる『アパッチ・ガーディアン』(当時は「アパッチ・ロングボウ ブロックIII」と呼称)は、防衛省が「アパッチ・ロングボウ」の調達を行う何年も前から開発が進んでおり、防衛省はそれを承知で『アパッチ・ロングボウ』の調達を開始」していたという。
 
さらに、「アパッチ・ロングボウ」のコストパフォーマンスがあまりにも低いかったという指摘もあったらしい。
 
要するにいつものごとく、日本は米国の「役立たずのお古」を買わされていたということである。
 
このようなあたかも米国からの払い下げレベルの装備を与えられている自衛隊なのだが、憲法に追記することで自衛隊の合憲性を狙う安倍晋三首相は、たとえ改憲国民投票否決でも「自衛隊合憲は不変」だと吠えていた。

そして国会では安倍昭恵に対する様々な批判や疑惑が明らかになっても、「妻は関与していない」と専守防衛に余念がない。
 
<10分以上も報道批判 森友問題 首相、質問に答えず>
 2018年2月6日 朝刊 東京新聞
 安倍晋三首相は五日の衆院予算委員会で、学校法人「森友学園」の問題に関し、延々と報道批判を繰り返し、質問された内容になかなか答えなかった。場内のやじに反応し、いらだつ場面もあった。
 立憲民主党の逢坂誠二氏は、学園の小学校の名誉校長を務めていた首相の妻昭恵氏が最近の活動で「私も真実を知りたい。何も関わっていないんです」と語っていたと指摘。「真実を知りたいのは国民だ」として首相に感想を求めた。
 首相は、質問と関係ない報道への批判を展開。学園が設置予定だった小学校名を「安倍晋三記念小学校」と申請したとの籠池泰典前理事長の証言を報じた昨年の朝日新聞報道を取り上げ「事実かのごとく報道されたが、(校名は)実は開成小学校だった」と語った。
 ほかにも小学校の棟上げ式に昭恵氏が出席予定だったとしたり、国有地売却の件で財務省と交渉していた時に昭恵氏から電話をもらったりした−と籠池氏が話したとの報道に言及。「うその報道の繰り返しだ」などと、質問をはさんで計十分以上も批判を続け、「丁寧に説明させてもらった」と語った。
 逢坂氏は「私は棟上げ式のことも学校名のことも聞いてない。質問してないことを答えている」と反発した。
 これらの質疑中、首相は委員室での野党のやじを指しながら「うるさいので答えにくい」と不快感を示し、河村建夫予算委員長に注意するよう繰り返し促した。

 
【昭恵夫人発言で総理「籠池氏は嘘八百」20180205houdoustation】
 
 
あったことを「無かった」と言い、やったことを「やらなかった」と強弁し、野党議員の質問中の自分のヤジは「自席発言」だと正当化し、あげくの果ては「黒を白」とまで言ってしまうような安倍晋三発言の数々。
 
国有地格安払下げに関しては安倍晋三の直接的な関与はなかったのかもしれないが、安倍昭恵についてはあまりにも関与の疑いが濃厚であり、まともに質問には応えきれず、最後はお得意の朝日新聞批判にすり替えてしまう。
 
安倍晋三がたとえ党内では「1強」と言われようが、閣内の「線香大臣」の茂木敏充経済再生相や家庭内の安倍昭恵は、最大の泣き所であり、ここを集中的に野党は一致団結して追及するべきであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

争点隠しの名護市長選は敗れたが、県民の民意は基地はNO!


「国会に来て〜!」という国民の熱いラブコールにもかかわらず保身に走る夫のため国会喚問が実現しない安倍昭恵。
 
しかし、久々に自身が会長を務める公益財団法人・社会貢献支援財団(東京)が昨年表彰した田川市のNPO法人を訪れた際にマスコミに捕まり、トンデモ発言をしていたという。
 
ネット上では予想通りの批判の渦がまいていた。   

 「昭恵さん、森友問題『私が真実を知りたいと本当に思う』」 
 
さて、週末家から離れていたので、沖縄県の名護市長選の経過を知ることもなしに昨夜帰宅して遅い夕飯を済ませた頃、投票結果が発表されており、政府が100%後押ししていた候補が勝ったという。
 
渡具知さん、擁立見直し迫られた『屈辱』をバネに 名護市長選、市民感覚に響く公約が浸透」という記事を読むと、美談仕立ての内容なのだが、現実の選挙戦は、「二階自民幹事長に直撃! 名護市長選で安倍自民が卑劣な分断工作、菅と二階が訪沖して土建札束攻撃」という国家による「アメとムチ」による昔ながらの実弾も飛び交うような選挙であった。 

<名護市長選で菅官房長官が仕掛けた「なりふり構わぬ選挙戦術」>
 2018.02.05 現代ビジネス
力の込め具合が違った
「20年先、30年先、40年先を考えて辺野古新基地建設反対を訴えてきたのだが……」
新人で前市議の渡具知武豊氏(56歳、無所属。自民、公明推薦)の当確が出た後、現職の稲嶺進氏(72歳、社民、共産、社会大衆、自由、民進推薦、立憲民主支持)は報道陣の前でこう語り、言葉を詰まらせた。辺野古新基地建設に反対する翁長雄志沖縄県知事にとって、自民党系の「渡具知名護市長」の誕生は、今後のかじ取りをより難しくさせる要因となることが必至だ。
首相官邸や自民党本部は、この市長選挙に向けてヒト・モノ・カネを大量に投入した。昨年末には菅義偉官房長官が来県し経済振興を打ち上げ、今年1月4日には二階俊博幹事長、安倍首相側近の萩生田光一幹事長代行、塩谷立選挙対策委員長らが名護入りし、渡具知氏に檄を飛ばした。
1月31日と2月3日には小泉進次郎筆頭副幹事長が数百人の観衆を前に熱弁をふるっている。大人気を誇る小泉氏が二度も現地入りするのは異例だ。
数多ある自治体の中で政府与党がこれほど前のめりになる市長選挙は、そうはない。その理由は言うまでもなく、同市長選挙が辺野古新基地建設問題に直結するからだ。日米同盟を最重要視する安倍政権にとって「辺野古問題」は同盟の足かせ。「もう終わりにしたい」というのが本音だが、稲嶺現職に勝てる候補が見つからないことが悩みの種だった。
そんな中、選挙前はとても勝てる「器」「人物」とは見なされていなかった渡具知氏を、最終的に現職の稲嶺氏を破るまでに仕立てたのは、政権の番頭たる菅官房長官だった。
決め手となった「公明票」と「下地票」
「とにかく候補者選びが難航した。地元の自民党名護支部は当初から渡具知を出したがっていたけど、長官は『ちゃんと稲嶺に勝てる候補者を探せ』と言うし、幹事長も『あれでは勝てない』と突き放すし、幾人も名前があがっては消えた。あげくプロゴルファーの宮里藍に(市長選にでないかと)声をかけるのはどうかという話まで浮上した。最後はタイムオーバーで渡具知とならざるをえなかった」
こう語るのは自民党関係者である。渡具知氏の名前は約1年前から地元の自民党名護支部で「市長候補」としてあがっていたが、正式な候補者に決まったのは昨年10月のこと。自民党系の市議として「辺野古容認」の立場で稲嶺市政を批判してきた渡具知氏では「勝てるはずがない」というのが政府内の一致した見方だった。
事実、昨年10月の衆議院選挙の際に自民党が水面下で実施した調査では、稲嶺氏にトリプルスコア近く離されていたのだ。
そこからの逆転劇である。もっとも大きく流れを変えたのは、「辺野古反対」を掲げている公明党沖縄県本部に渡具知氏への「推薦」を交付させたことだろう。  
徹底した「争点ぼかし」
「名護の比例公明票がかなり増えたんだ。自民党はそれだけ公明党のために動いた」
これは、菅氏のオフレコ発言の一つだ。昨年10月の衆院選で、自民党は「選挙区は自民、比例は公明」を徹底した。沖縄でも例外ではなく、これによって、衆院選での名護市内における比例公明票は前回より約2000票増えた。
「きちっと恩が売れた」(渡具知選対幹部)ことで、公明党が渡具知氏に「推薦」を出さざるをえない環境が整う。その環境づくりに向けては「佐藤浩(創価学会副会長)と長官が綿密に協議していた」(自民党関係者)とされる。
創価学会の根本である「平和主義」を大切にしたい学会員の中には「辺野古基地移設を容認してきた渡具知さんに推薦を出したのでは、組織がもたなくなる」(名護市内の創価学会員)という悲鳴も上がったが、そんな学会員たちの不安を解消する手も準備されていた。
一つは争点をぼかすことである。菅氏は昨年来、オフレコの場でたびたび「稲嶺市長で経済はボロボロ」「争点は町づくりなんだ」と“指示”を出すかのように語っている。1月28日の告示日に渡具知氏の応援に入った三原じゅん子参議院議員は「ゴミの分別が多すぎる」と、環境行政に力を入れてきた稲嶺市政を批判。小泉進次郎氏は「この選挙の争点は町づくりだ」とくりかえし声を上げた。渡具知氏本人はマスコミや学生から上がる公開討論の要請をすべて断り、最後まで辺野古の是非について語らなかった。
もう一つ、創価学会員を突き動かしたのが「共産党主導」批判キャンペーンだ。
「『稲嶺の選挙は共産党が主導している。共産党主導の市政を終わらせなければならない』と強調したら、名護市外の学会員さんたちが続々と市内に入ってきて現地の学会員さんの説得に奔走してくれた。共産党と創価学会は水と油。共産党主導と聞いただけで敵対心を燃やす学会員さんが多いんだ。とてもうまくいった」(渡具知選対幹部)
結果、多くの学会員が期日前投票に赴き、渡具知氏に投じたと見られている。投開票3日前の2月2日朝、渡具知選対の朝礼には創価学会の総九州長だった山本武氏があらわれ、こう述べた。
「(稲嶺氏に)ほぼ並びました」
菅氏が「しもちゃん」と呼び、沖縄では一定の影響力を持つ下地幹夫衆議院議員(維新)が渡具知支持を表明したことも大きい。菅氏は常々「沖縄の選挙はしもちゃんに任せれば大丈夫なんだ」とうそぶいている。自民党への復党を果たしたい下地氏にすれば、自民党にできる限りの恩を売っておきたいのが本音だろう。
名護市内における公明票は2000票から2500票とされる。下地氏が持つ票が約1500票。前回の名護市長選における約4000票の票差は、「公明票」と「下地票」によって埋められたことになる。
翁長県政の危機
稲嶺打倒のための策を積み木のように積み上げていた菅氏が「あの時は大変だった」と語っているのが、1月25日の衆議院本会議で飛び出した「それで何人死んだんだ」という松本文明内閣府副大臣のヤジだ。沖縄県で続発する在日米軍機の事故やトラブルを巡る問題を議論していた際に飛んだこのヤジは、県民感情を大いに逆なでした。
約1週間後に行われる名護市長選挙への悪影響を察知した菅氏はすぐさま安倍首相とともに院内大臣室へ移動し、「もうだめです」と松本更迭の必要性を進言。安倍首相が「すぐにそうしてくれ」と答えると、松本氏本人に辞任を迫った。
松本氏は翌26日に辞任を表明したが、表明があと半日でも遅れていたら、野党から辞任要求が上がったかもしれない。あるいは市民団体が抗議声明を出し、マスコミが大きく扱ったかもしれない。そうなる前に、菅氏は電光石火のごとく“処理”を施し、野党や市民に辞任要求すらさせなかった。
副大臣の更迭を進言するなど、異例中のこと。菅氏はなぜそれほどまでして名護市長選挙にこだわったのか。市長選が終盤にさしかかった頃、「もし渡具知が勝てば、沖縄はどうなるでしょうか」と周囲に問われた菅氏は、こう言い切ったという。
「翁長の存在意義がなくなるんだ」
翁長知事が「辺野古反対が県民の意思」と言い切れるのは、名護市の市長が稲嶺氏だからであって、名護が「新基地建設容認派」の手に落ちれば、翁長県政の土台である「オール沖縄」が崩壊する――そんな見立てが菅氏の内にはあったのかもしれない。
その見立てが完全に間違っているとは言えないし、菅氏にかかれば翁長県政を切り崩すのはそう難しいことではないのかもしれない。
しかし、どうもひっかかる。今回の名護市長選挙について筆者が取材を進める中で、政権を動かす安倍首相や菅官房長官に「応援に来てほしい」という声は、地元の自民党関係者からさえ皆目上がらなかった。むしろ「票が減るから総理や官房長官には来ないでほしい」(渡具知選対幹部)という声が随所で聞かれたほどである。その「空気」が分かっているからこそ、年が明けて投開票日が近づいても2人は現地に近づかなかったのではないか。
11月には沖縄県知事選が控える。重要な名護市長選で自民党系の候補が勝利を収めたとはいえ、安倍官邸と県民の間にある溝、精神的な距離感が埋まったとは思えない。
(野中大樹・週刊現代記者)
 
4年前の1月19日の沖縄県名護市長選挙では、稲嶺進氏が約1万9,800票(下2桁四捨五入、以下同)を獲得し、容認派の末松文信氏に4,200票差で勝利した。  
 
当時、この結果に関して、伝聞や噂を基にした推測妄言がお得意の櫻井よしこがオフィイシャルサイトで、「飛行場移設反対派が勝利した名護市長選の奇妙な票の動き」と題して、こう言っていた。
 
全体像をもう一度整理してみよう。過去12年間、名護市では未成年者が減り大人ばかりが増えた。大人の増加率は12%、その正確な数は5,619人だ。そして今回の勝敗の差は4,155票だった。こうして見ると、不自然としか言いようのない有権者の増加が反対派の稲嶺氏を勝たせた強力な要因だったと言って間違いないだろう。
沖縄の関係者らが口々に訴えた。
「本土から基地反対勢力が住民票を移してきたと思います。一軒の家に10人単位で住民票が移されたりして、選挙管理委員会に調査を要請しても取り合ってもらえなかったのです」
これは推測だが、本土でほとんど相手にされなくなった運動家たちが沖縄を最後の戦いの場と見なして集結しているとみてよいのではないか。しかも、彼らは住民票を移して何年間もずっと選挙権を保有し続けているのだ。
いま、沖縄の人たちは心配している。9月の名護市議会議員選挙、11月の沖縄県知事選挙でも同じことが起き、往年の成田闘争が沖縄で再現されるのではないかと。政府は真剣に構えて対策を打つべきであろう。
  
4年前の櫻井よしこの、「政府は真剣に構えて対策を打つべきであろう」という提言が今回の市長選に現れたのかもしれない。
 
『挙前移住』は本当だった… 名護市長選、有権者が3000人増える」というニュースサイトによると、
 
19日投開票の名護市長選の投票率は76.71%で、4年前の市長選(76.96%)を0.25ポイント下回り、ほぼ前回並みとなった。当日有権者数は4万6582人、投票総数は3万5733人だった。
https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-218087.html (琉球新報:2014年1月19日 19:41)
 
有権者数は先月27日現在で4万9372人で、3日までに43.9%に当たる2万1660人が期日前投票を済ませた。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018020300397&g=pol(時事通信:2018/02/03-21:38))  

4年前と比べて有権者数が実に3000人以上も増えていた。  
 
それが、今回の市長選では僅差ではなく、あたかも増えた有権者数がそのまま相手陣営に移り「3458票差」で稲嶺陣営は敗れたということになる。
 
「この選挙を目当てにして住民票を名護市に移した学会員が多数いる」という巷の噂も全くの当て外れではなさそうである。 
さらには、こんなことが起きていたという。 

その結果がこのように明確な数値であらわれた。
 
20180205_nagosichousenkyo.jpg
 
昨年の総選挙でも10代、20代の自民党支持率が高かったことから、ある程度は予想されたことでもあった。
 
しかし唯一の救いは、「今回の名護市長選挙について筆者が取材を進める中で、政権を動かす安倍首相や菅官房長官に『応援に来てほしい』という声は、地元の自民党関係者からさえ皆目上がらなかった。むしろ『票が減るから総理や官房長官には来ないでほしい』(渡具知選対幹部)という声が随所で聞かれたほどである。」という週刊現代記者の結論であろう。
 
沖縄から基地をなくすには安倍政権を倒すだけではなく、日米地位協定を含む日米安全保障条約の見直し、ないしは撤廃しか道はないことは言うまでもない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:08| 神奈川 ☀| Comment(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月04日

ティルトシフトの世界-2


写真を撮る場合、遠近感とピントの合う範囲をコントロールできる特殊なレンズを使い、ティルト(レンズを斜めに傾けピントの合う範囲を調整)とシフト(レンズを水平・垂直方向にずらして歪みを矯正)を使い分けることにより、様々な不思議な光景が作り出されます。
 
今日は出かけていますので「つぶやき」はお休みして、世界ミニチュア化撮影「ティルト・シフト」の先駆者 ベン・トーマス (Ben Thomas)が、東京、ニューヨーク、パリ、ベルリン、ロンドンなどの世界の都市を上下対象のシンメトリー化した作品「ACCESSION」をお届けします。
 
【ティルトシフトの世界-2】
  
2018_02_04_01.jpg

2018_02_04_02.jpg
 
2018_02_04_03.jpg
  
2018_02_04_05.jpg

2018_02_04_04.jpg


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月03日

ティルトシフトの世界-1


写真を撮る場合、遠近感とピントの合う範囲をコントロールできる特殊なレンズを使い、ティルト(レンズを斜めに傾けピントの合う範囲を調整)とシフト(レンズを水平・垂直方向にずらして歪みを矯正)を使い分けることにより、様々な不思議な光景が作り出されます。
 
今日から泊りがけの会議に出かけますので、いつもの「つぶやき」はお休みして、世界ミニチュア化撮影「ティルト・シフト」の先駆者 ベン・トーマス (Ben Thomas)が、東京、ニューヨーク、パリ、ベルリン、ロンドンなどの世界の都市を上下対象のシンメトリー化した作品「ACCESSION」をお届けします。
 
【ティルトシフトの世界-1】
  
2018_02_03_01.jpg
 
2018_02_03_02.jpg
 
2018_02_03_03.jpg
 
2018_02_03_05.jpg 
 
2018_02_03_04.jpg


posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

33年経っても政治倫理綱領は不変である、茂木は首を洗って待つべし


国会論戦の舞台が参議院に移り、森友学園問題に関してあらたな事実が浮かび上がってきた。
 
◆朝日新聞「森友、交渉巡る新文書 財務省が存在認める
◆毎日新聞「参院予算委 森友学園、未開示文書公表へ 理財局長釈明
◆東京新聞「文書「全て廃棄」→存在 値引き「適正」→過大の疑い 佐川氏答弁 次々破綻

20180202_tokyo.jpg
【東京新聞より】

 
そして、日本経済新聞ですら「森友問題に新疑惑相次ぎ浮上 内部文書や音声データ、政権は否定 」と事実は否定できないようである。
 
一方、政府広報紙やデマまき散らし捏造紙などの在京紙は全くのスルー状態。
 
安倍政権が不利になるような事実は一切、自社の読者には知らせないつもりらしい。
(その結果、彼らの世論調査では安倍内閣の支持率が異常に高い)  
  
そして、新事実により昨年の国会での証言が全て虚偽であったと指摘されている佐川宣寿国税庁長官に対しては、与党内部や閣僚経験者からも「国会でちゃんと説明するべきだ」という声が上がっているという。  
 「(時時刻刻)森友、掘れば掘るほど 「廃棄」のはずが新文書 新録音に首相夫人の名
 
新事実を入手したのが日本共産党国会議員団で追及したのが同党の辰巳孝太郎議員だったので、赤旗の記事を紹介する。 
 
<森友疑惑 籠池氏発言の音声記録 辰巳議員が示す 参院予算委 “昭恵氏から頑張れと電話”>
 2018年2月2日(金) 赤旗
 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、同学園理事長だった籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=が、安倍晋三首相夫人の昭恵氏から「頑張ってください」と電話があったことを近畿財務局などに伝えていたことを示す新たな音声データが明らかになりました。日本共産党国会議員団が独自に入手し、辰巳孝太郎議員が1日の参院予算委員会で示したもの。安倍首相は事実関係について答えられなかったため、辰巳氏は昭恵氏の証人喚問を求めました。論戦ハイライト
 辰巳氏が暴露したのは、籠池被告と妻の諄子被告=同前=が財務省の田村嘉啓国有財産審理室長と面会し、国有地の取引をめぐって談判した翌日(2016年3月16日)に録音された音声データ。近畿財務局、大阪航空局の職員と面会した籠池被告が「昨日、われわれが財務省から出た途端に、安倍夫人から電話がありましてね。『どうなりました? 頑張ってください』って」と激励の電話があったと発言している様子が録音されていました。当時、昭恵氏は同学園が計画した小学校の名誉校長でした。
 辰巳氏は「昭恵氏は、籠池氏に電話をしたのか」「なぜ、昭恵氏が、籠池氏が財務本省に行ったことを知っているのか」と追及。安倍首相は「何年も前の話だから、本人に聞いたって覚えているかどうかわからない」としか答えられませんでした。
 参院予算委で辰巳氏は、15年11月ごろには昭恵氏付きの政府職員が田村国有財産審理室長に森友学園への国有地取引について問い合わせ、16年3月の面会の際には田村室長が籠池被告に「われわれとしても応援の気持ちでやっている」と述べていたことを指摘。国有地の売却に昭恵氏が関与していた疑いは強まったとして、昭恵氏の証人喚問を求めました。
 また、辰巳氏の質問に対し、財務省の太田充理財局長は、これまで公開した以外にも売却交渉に関する内部文書が存在することを明らかにしました。

さて、昨日の「1強「安倍政権」の泣き所を攻めよ」のつぶやきの最後で、茂木敏充経済再生相の公職選挙法違反疑惑に関して2度目の週刊新潮記事紹介をした。
  
そいてようやく大手マスメディアも正面から取り上げていた。 

<茂木氏、秘書の線香配布「知っていた」 参院予算委>
 2018年2月1日 朝日新聞DIGITAL
 茂木敏充経済再生相(衆院栃木5区)の秘書が選挙区内で線香や手帳を配っていた問題で、茂木氏は1日の参院予算委員会で、秘書らによる配布について「知っていた」と述べた。安倍晋三首相は「疑いをかけられれば、しっかり説明責任を果たしていくものと思う」と語った。
自民・茂木氏の秘書、選挙区で線香配る 違法性は否定
 民進党の石橋通宏氏の質問に答えた。茂木氏は、2014〜16年に配布していたことは確認できると説明。13年以前も「ある程度の年数は行っている」と述べた。配布は党勢拡大のためで、「指示はしていない」と語った。
 茂木氏によると、線香などを配っていたのは、茂木氏が支部長を務める「自民党栃木県第5区支部」の職員や自民党員の秘書ら。公職選挙法により、政党支部は政治家らの名前を表示したり、名前を類推させたりする寄付が禁じられている。総務省は1月30日、政党支部の職員や秘書が名前の書かれていない政党支部の寄付を持参することは「直ちに氏名が類推される方法とは言えない」との見解を示した。
 ただ、線香配布では1999年、自民党の小野寺五典氏(現防衛相)が公選法違反で書類送検。翌年、罰金刑を受けた。茂木氏は1日の参院予算委で「秘書は代理ではなくて政党支部の活動として行っている」と主張した。
 これに対し、野党側は「受け取る側が(茂木氏からだと)類推すればアウトだ」(石橋氏)と批判。さらに日本維新の会を除く野党6党は1日、公選法を所管する総務省に違法性について見解を聞く合同ヒアリングを2日から始めることを決めた。(山岸一生)
 〈上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)の話〉 総務省の見解は茂木氏に有利な解釈と言え、公職選挙法法の規定をザルにするようなものだ。個人的に付き合いがない者から線香や手帳を無償で渡されれば、「なぜだろう」となるのが普通だ。線香や手帳に茂木氏の名前が書いていなかったとしても、秘書が持参すれば、茂木氏の代わりに持ってきたと有権者は受け止めるだろう。つまり、茂木氏から無償で供与された線香や手帳だと類推できる。そうであれば、違法な寄付にあたる可能性が極めて高いと言える。
 〈富崎隆・駒沢大教授(政治学)の話〉 司法判断は別にあるとしても、行政官庁として、総務省が見解を出すのは一定程度理解できる。ただ、公職選挙法は形式的なので、線香を配るようなサービス合戦が展開されてしまう。そうした状況は政治倫理上、問題がある。総務省はもっと分かりやすく、シンプルなガイドラインを作るべきだ。政治家は、物品を配って支持を広げようとする選挙運動から撤退し、政策で競わなければいけないはずだ。与野党が合意する形で、公職選挙法の規制を健全な形に近づける必要がある。
 
そもそも、買収行為を防ぐため、公職選挙法は公職の候補者や関係団体などが、有権者に金銭や物品を寄付する行為を禁じているのだが、その抜け道として政党支部については例外として、候補者の氏名を表示したり、氏名を類推されたりしなければ禁じられていない。
 
被疑者である茂木敏充経済再生相の言い訳はこうである。
 
「線香や手帳に私の氏名は記していない。政党支部の党勢拡大のための活動であり、配布したのは政党職員である秘書で、私自身は配っていない。だから公選法にのっとった活動であり、違法性はない」。
 
「秘書がやった」という昔懐かしいフレーズを使っている。
 
しかし、茂木の秘書から線香などをもらった地元有権者たちは当然「茂木から」と受けとめるのが普通であろう。
 
「線香や手帳は資金管理団体で購入し、政党支部に寄付して配った」と茂木は説明したが、実質的に、寄付が禁じられている関係団体からだったということは明白である。
 
1985年衆院で議決された政治倫理綱領の一節にはこう書かれている。
 
われわれは、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない
 
ただちに法に触れないとしても、法の趣旨に従うことが国会議員として、ましてや閣僚として順守すべき当然の責任であろう。
 
小野寺五典防衛相には、当選1回だった1999年、氏名入りの線香を選挙区で秘書らと配って書類送検され、翌年、議員を辞職。公民権停止3年の略式命令を受けたという苦い経験がある。
 
線香に氏名を記したか否か、政治家本人が配ったどうか、という点を除けば茂木のケースとよく似ている。
 
本来なら政党支部についても、選挙区での寄付をすべて禁じるのが筋であり、法の不備があるなら正すのが国会の役割である。

しかし残念なのは、公職選挙法を所管する野田聖子総務相の答弁であった。
 
茂木の場合の違法性については「総務省は個別の事案について実質的調査権を有していない」としながら、秘書が氏名の表示のない政党支部からの寄付を持参することは「ただちに氏名が類推される方法とはいえない」という見解を示していた。
 
これでは秘書が政党支部からとして持って行けば、氏名を書かなければ、どんな寄付でもOKとなってしまう可能性が高くなる。
 
自民党の総裁選に立候補する意向を表明している野田聖子総務相なので、「総務省としても独自に調査を行いたい」とでもいえば存在感が増したのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☔| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

1強「安倍政権」の泣き所を攻めよ


国会論戦が面白くなってきているにもかかわらず、それを伝えないテレビメディア。
 
日常的に暴力が横行している閉鎖社会である相撲協会内部の理事選関連話題で満載のテレビのワイドショー。
 
それほど大切なことなのか、あきれてしまう。
 
もはや、政治関連情報はニュースで短時間流す程度になってしまい、多くの視聴者には今、国会で何が議論されているのかが正確に伝わらない。   
 
1年ほど前にこんな記事が出ていた。
   
<エンゲル係数 29年ぶりの高水準 16年25.8%>
 毎日新聞 2017年2月17日 22時17分
201800201_mainiti.jpg
 2016年のエンゲル係数(家庭の消費支出全体に占める食費の比率)が25.8%と4年連続で上昇し、1987年以来29年ぶりの高水準となったことが17日、総務省の調査で分かった。所得が伸び悩む中、食料品が値上がりし、食費以外の生活費を切り詰める節約志向が強まっていることを反映した。
 総務省が発表した16年の家計調査(2人以上の世帯が対象)によると、消費支出は28万2188円。物価変動の影響を除いた実質では前年比1.7%減と3年連続で減少した。このうち食料品への支出は7万2934円で前年より1090円増加。天候不順で高騰した野菜や調理済み食品の支出が増えた。
 この結果、エンゲル係数は前年より0.8ポイント上昇。支出全体のほぼ4分の1を食費に充てたことになる。
 エンゲル係数は、生活水準が高くなるにつれて数値が低くなる経済指標として知られる。日本では戦後長く下落傾向が続き、記録がある70年には34.1%だったが、05年には22.9%に低下。しかし、第2次安倍政権発足後の13年以降は上昇に転じた。 総務省が14〜16年の上昇要因を分析したところ、上昇幅1.8ポイントのうち、円安進行などを受けた食料品の価格上昇が半分の0.9ポイント分を占めた。それ以外は、節約志向の強まりによる消費の抑制(0.7ポイント分)▽夫婦共働き世帯や単身高齢者の増加に伴う外食や調理済み食品などへの支出増(0.2ポイント分)だった。
 末広徹・みずほ証券シニアマーケットエコノミストは「所得が伸び悩む中、最近の円安を受けた食品値上げなどで消費低迷は今後も続き、エンゲル係数も上昇するだろう」と指摘している。
 
「エンゲル係数」と聞くと、小学生の頃、家計簿調査みたいな宿題があり、調べさせられた記憶がある。
 
その時に、エンゲル係数が大きい家では、食費にお金をかけるのでレジャー費用とかにはかけられない貧乏の家だと知らされた。
   
上記の記事の1週間後には、共産党議員がエンゲル係数と安倍政権の関係を問いただしていた。
  
<エンゲル係数30年ぶり高水準 宮本徹議員 安倍政権の責任問う>
 2017年2月25日(土) 赤旗
 日本共産党の宮本徹議員は24日の衆院財務金融委員会で、消費支出に占める食品の割合を示すエンゲル係数が2016年に約30年ぶりの高水準になったことについて、安倍晋三首相の認識をただしました。
 宮本氏は、第2次安倍政権発足前の12年と安倍政権4年目の16年を比較し、2人以上世帯の消費支出が3981円減額した一方、食費が5659円増額していることを指摘。円安、消費税増税など安倍政権の政策がエンゲル係数上昇の大きな一因になっているという自覚があるか」とただしました。
 安倍晋三首相は、「収入の状況を注視していく必要がある」と述べつつも、エンゲル係数の上昇理由を「ライフスタイルの変化などのため」などと強弁しました。
 宮本氏は、「生活スタイルの変化では説明がつかない」と指摘。12年以降の4年間で可処分所得の伸びよりも食費支出の伸びの方がはるかに大きいことを示し、「安倍政権の政策で生活水準の低下がもたらされている」と批判しました。さらに宮本氏は、世帯年収がより低い層ほどエンゲル係数の上がり幅が高いことを示す総務省家計調査を示し、「国民のくらしに目を向け、消費税増税ではなく応能負担の税制に転換すべきだ」と迫りました。
 
この時点では、安倍晋三首相は、エンゲル係数の上昇理由を「ライフスタイルの変化などのため」などと、訳の分からぬ答弁をしていたが、1年経って今度は我田引水的な頓珍漢な答弁をしていた。 

やれやれ困った総理大臣である。
 
滑舌が悪く、漢字が読めないことを「誤読」とごまかすことぐらいは、大目に見てやろうという気持ちになるが、どうもエンゲル係数が上がるほど好景気」ということは、安倍晋三の頭の中では、エンゲル係数が「エンジェル係数」に置き換わっていたのではないだろうか。  
 
その「エンジェル係数」とは、1989年から隔年で「家計と子育て費用調査」を実施している野村證券による造語であり、消費支出に占める食料費の割合を示す「エンゲル係数」に掛けて、家計支出に占める子育て費用の割合を俗に「エンジェル係数」といい始めたのである。
 
子育て費用には、高校生以下の子どもの衣食、医療費、学校や塾などの教育費、レジャー費、小遣いだけでなく、子どもの将来のための預貯金や保険も含まれる。
 
野村證券による同調査によると、エンジェル係数は1993年の33.4%をピークに、2005年調査では過去最低の28.0%となった。
 
したがって、エンジェル係数が上昇したならば、食費以外の出費が増えて景気が良くなったということは可能である。
 
さて、憲法改正前のめり首相が、またまたとんでもないことを言っていた。
 
<首相「改憲議論は義務」>
 2018/1/31 18:21 共同通信社
 安倍晋三首相は31日の参院予算委員会で、憲法改正について「国民が(改憲の)権利を実行するために、国会で真摯な議論を深めることが必要であり、私たちにはその義務がある」と述べ、与野党協議を促した。「義務」という強い表現を使って議論を加速させる狙いがあるとみられるが、行政府の長である首相が国会での議論を主導することには野党から反発も出そうだ。
 首相は「党利党略や党が割れるからとかではなく、前向きに取り組んで良い案が出ることに期待したい」とも強調。安倍政権下での改憲議論に反対の立憲民主党や、9条改憲に対する賛否が混在している希望の党を念頭に置いているとみられる。
 
通信社の配信したニュースは多くのメディアによりそのまま全国に流される。
 
しかし、「改憲=国民の権利」、「改憲議論=国会議員の義務」なんてことは、どこの教科書にも書かれていない。
 
当然、政治学者は真正面から批判する。   
首相への批判は当然なのだが、直接批判せずに発言を垂れ流していた共同通信への批判も多かった。 

安倍晋三首相の「鮨友」と揶揄されている御用評論家の田崎史郎が席を置いている通信社なので、この程度なのであろう。
 
政治家の不正を追及するのは、もはや週刊誌メディアしかないかもしれない。
 
先月には、「アベを射んと欲すれば先ずモギを射よ」の中で茂木敏充・経済再生相の公職選挙法違反の第一弾を紹介した。
 
今度は第二弾である。  
  
<茂木大臣の「公選法違反」をおさらい 衆議院手帖を無償提供、香典を配布>
 週刊新潮 2018年2月1日号掲載
 線香に続き、香典問題をおさらいしよう。
「茂木のところは、足利・佐野・栃木の各事務所に詰める秘書らが、後援会の関係者のご不幸について新聞の訃報欄をチェックしています。事務員が香典を用意してくれて、それを茂木の代わりに持っていく。金額は5000円であることが多かったですね」
 と、茂木事務所関係者。
 一般的な社交の程度を超えない限り、政治家本人が香典を渡したとしても罰則はない。しかし、この、「秘書などの代理人が出席する葬儀や通夜の香典」は、総務省のみならず、どの選挙管理委員会でも公選法違反の典型として示されているものである。
「ある程度は地元秘書の裁量に委ねられていますが、有力者や大物だと東京の秘書を通じて茂木本人に“お伺い”を立て、1万円になることもあります」(同)
 実際、地元後援会の面々は本誌の取材にこう答えていた。
「茂木さんの秘書はお通夜なんかの時に香典は持ってきてくれますよ、でも金額が5000円と少ない。普通は1万円じゃないですか。年寄はズケズケと言うから、“香典返しだけは一人前に持っていくんだな”って、その秘書さんを笑ったりするんです」(Sさん)
「普通の後援会員の家族に不幸があった場合、秘書は5000円を持ってくるけど、すこし偉くなると1万円とかになる。芳名帳には、『茂木秘書◎◎』って書いてたな。本人は通夜、葬儀に来ないね。忙しいから。香典は問題ないんだろ?」(Kさん)
 政治資金問題に明るい上脇博之神戸学院大教授は、
「週刊新潮の取材では、香典袋に代議士の名前が記されており、その代金も茂木事務所から出ているということです。したがって、大臣の代理として秘書が選挙区内の通夜や葬儀に出席し、香典を渡していると言わざるをえず、公選法の『寄附の禁止』に違反している可能性が極めて高いです」
 と指摘する。他方、茂木事務所は、
「通夜・葬儀等に関しては秘書も地域において様々な人間関係があり、参列したと承知している」
 と、秘書自らの判断だと主張していたのだが、上脇教授はこう重ねるのだった。
「それが秘書個人のポケットマネーで支払われたものだと、有権者は普通考えないでしょう」
「会費は納めていない」
 そして、衆議院手帖の無償提供について。
「茂木の事務所は、5区の有権者に対して『衆議院手帖』を配っています。毎年3000部ほどで、1部600円なので、180万円に相当するものです」(前出の事務所関係者)
 手帖の形態を説明しておこう。黒地に金色で「衆議院手帖」と入り、縦15センチ×横9センチ×厚さ1センチと、スマホより少し大きめのサイズ。前半はスケジュール欄、半ばにメモ部分、巻末に日本国憲法や各代議士の連絡先が並ぶのが特徴だ。
「配布対象の選挙区内の有権者というのは……」
 と、この関係者が続ける。
「各地域内にある『後援会』の幹部が主ですが、後援会費を払っていない人がかなり含まれており、彼らが“無償で手帖の提供を受けている”と認識しているのは間違いありません」
 本誌は「手帳配布予定概要」と題された動かぬ証拠であるリストを入手。そこに名を連ねる面々に取材をしたところ、
「(後援会費は)ないです。正月なんかには(茂木)本人が“これ作ったから使ってください”という感じで手帖をくれます。お蔭様で私は毎年もらっています」(Tさん)
「後援会に入ってからは随分経つねぇ。会費は納めていない。手帖は年末、自宅まで秘書さんが持ってきてくれるんです。もう5年とか長いあいだね」(Mさん)
「黒を白と…」
 この事実を突きつけると、茂木氏ご本人は当初、
「党員だとか後援会や支部の役員に対して政治活動で手帖を配ることは公選法上、一般論として問題ない」
 と、自信の塊のように強調したものの、後援会費を支払っていない人達にも配っていることを告げると、
「あのー、それはないと思います。それは。ありません。ありません」
 配布リストの存在をぶつけても、
「はい? なんですか? まあそれは、その……わかりませんけれど」
 こう言い募った割には、その後にしれっと無償配布を認めている。そもそも、
「(手帖の配布数が)前年と今年が同数か、もしくは今年の方が少ない場合は、茂木に“仕事してないんじゃないの?”って感じで叱責されるんです」(前出の事務所関係者)
 と言うのだから、紛れもなく、茂木事務所内の年中行事として存在してきたのである。
 挙句、手帖の用途について、
「党は常に党勢拡大・政策広報を目指し活動をしており、党員のみならず党員以外の方にも政策の理解や支援拡大の政党活動を行っているところです」
 とまで弁明してきたのだった。とはいえ上脇教授によると、
「茂木大臣の回答は、破綻しています。手帖は自民党が発行しているパンフレットなどではないんです。『党勢拡大・政策広報』のために手帖を配布しているというのならば、そこに党の政策などが記されているべきなのに、そうした記述は手帖には一言もありません。黒を白と言い含めるために、嘘の説明をしていると言わざるをえません」
 語るに落ちるとはこのことである。
 週刊新潮を警戒して…
 最後に、茂木氏の近況についても触れておこう。地元政界関係者の言葉を借りると、
「相当に『週刊新潮』を警戒しているみたいです」
 ということになる。
「例えば、普段なら選挙の出陣式とか当選報告会には、煮物とか赤飯を用意して、ヤクルトで乾杯だった。それは『両毛ヤクルト』って企業が地元にあるからなんだけど、去年の衆院選では一切出なかったんだって。ある議員が“なんで何もないの?”って聞いたら、事務所のスタッフが“週刊新潮さんにまた取材されたら困るんで、一切やめます”と返したそうだよ」
 誰かの言うように、「ルールを作る人」「そうではない人」に人間が分かれるのだとしたら、選良はむろん前者にあたる。ルールを作る人は同時にこれを守る人でもあるはずで、破ってどうする。いま一度「信用」の2文字を噛み締めるべきではないのか。晩節を思い切り汚した派閥領袖の衣鉢を継ぐことになる前に。
 
すでに与党内からも、「自公幹事長ら『茂木氏に説明責任ある』 線香配布問題」という声が上がっており、野党は1強「安倍政権」の泣き所を攻めるべきである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:58| 神奈川 ☁| Comment(0) | 安倍晋三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする