2018年05月16日

安倍政権の最大の弱点は政策の失敗である


中間選挙に向けて「Trump First」に邁進するトランプ大統領。
 
こんな男が米朝首脳会談で成果を上げようが、ノーベル平和賞はブラックジョークとなる。
 
北朝鮮には「完全な非核化」を当たり前のように要求しながら、イスラエルには、自分の支援者にユダヤ系米国人が多いため、あえて米国大使館をパレスチナ自治区のエルサレムに強引に移転したことに対して、パレスチナ自治区ガザの抗議デモが14日から2日間続き、イスラエル軍との衝突でデモ参加者の死傷者が出ており、死者は計61人に上ったという。
 
外交に関しては経験と能力がない単なるビジネスマンが己の地位維持のために行った代償は計り知れない。
 
こんな男に盲目的に追従している安倍晋三の最後を見ずして亡くなったこの人はさぞかし無念であったであろう。
 
訃報 毎日新聞社特別編集委員 岸井成格さん73歳
 
安倍政権の政策に真っ向から批判してやまない数少ないジャーナリストであった。
 
3年前の戦争法の国会審議真っ最中には、同年9月16日のTBSの報道番組「NEWS23」で「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」という発言をしていたのが岸井成格。
 
その発言を取り上げ、「放送法」第4条をもち出して〈岸井氏の発言は、この放送法第四条の規定に対する重大な違法行為〉と批判広告を出していたのが「放送法遵守を求める視聴者の会」であった。
 
『NEWS23』でキャスター岸井成格の降板が決定の情報!「安保法制批判は放送法違反」の意見広告にTBSが屈服?
 
その後、この怪しげな「視聴者の会」の実態は、「報道圧力団体『視聴者の会』賛同者はやっぱり安倍応援団と日本会議だらけだった! 憲法改正のための報道統制が狙い」と暴露された経緯がある。
 
残念ながら2016年4月以降、民放テレビの報道番組からは、ことごとく骨のある「硬派」なジャーナリストは姿を消されてしまった。
 
11年前、所信表明のわずか2日後に突然記者会見を開き、辞任を表明した安倍晋三。
 
表向きの理由は難病である「潰瘍性大腸炎」であることが公表されたが、裏には「反安倍メディアにやられた」という思いが強かったという。
 
そのため、民主党政権が3人の首相であっけなく沈没し、2012年12月に政権に復帰した時には、かなり入念な執拗なメディア対策が練られた。
 
その成果が、日本会議が後押していた「放送法遵守を求める視聴者の会」とか、総務省から民放各社宛の「停波もありえる」という恫喝につながっている。
 
したがって、「モリカケ疑惑」が再び浮上しても、一部の新聞メディアが精力的に報道するが、一般大衆が視聴する昼下がりのワイドショーなどで、批判的に取り上げないので世論の厳しい目が安倍政権になかなか向かないということが、安定的な内閣支持率「30%超」が物語っている。
 
たしかに、国有地格安払下げ問題も結果的には国有地は返却され、だれも損はしていない。
 
安倍晋三の40年来の「腹心の友」に対する利益・便宜供与問題も、地元の今治市では精力的に追及の手を緩めない運動が行われているが、それ以外の地域ではかなり関心が低いと思われる。
 
それだからなのか、国会答弁では平気で、「安倍首相が集中審議で前川前次官の発言を捏造!『前川も京産大は熟度が十分でない、加計しかないと認めた』と大嘘」をつき、前川喜平・前文科省事務次官から反論されていた。

前川喜平氏、安倍首相答弁に『私の名前使わないで』」  
 
崩れかかった「疑惑のデパート」となっている安倍政権からは、まだまだ、こんな「『官用車』と虚偽記載か 加計問題に新たな疑惑」が露見しているという。

連休明けには「何かが起きる」と期待させられたが、与党から「18連休の野党」と批判され、成果を得られずして国会審議拒否戦術を撤回してしまった野党に対して、与党側は強気に出れば「逃げ切れる」と読んでいるのかもしれない。
 
それが、国民生活には直接影響しないことから、安倍応援メディアが、「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調を盛んに流し始めているらしい。
 
しかし、「『モリカケよりも』の安倍応援団 政策論争で困るのは誰か」と慶応義塾大学経済学部教授の金子勝は、これまでの安倍政権の政策の失敗を一つづつ具体的に指摘していた。
 
安倍政権が掲げた「経済政策」の最重要課題は「デフレ脱却」だった。黒田日銀は5年前「2年間で物価を2%上げる」と宣言した。ところが、達成時期を6回も延長したうえ、とうとう「物価上昇率2%」の達成時期を「撤廃」した。大失敗だ。
「財政健全化目標」も、2020年から2025年へ5年も先送り。借金は膨れる一方だ。「待機児童ゼロ」も減るどころか、増加の一途をたどっている。「女性活躍」は、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラに対して、麻生副総理は「(女性記者に)はめられた」とセカンドレイプのごとき発言を繰り返し、安倍首相本人は口をつぐんだままだ。
 さらに、「成長戦略」の柱として何度も「セールス外交」を行った「原発輸出」は、次々に頓挫している。ベトナム、台湾は建設中止、リトアニアは建設凍結、イギリスは事業費が3兆円に膨張し、大手銀行の融資に政府保証をつけても立ち往生。トルコも事業費が4兆円に倍増し、伊藤忠が撤退。この5年間、安倍政権の「成長戦略」で成果を上げたものは、ほとんど見当たらない。
 「外交の安倍」を自負しているようだが、外交政策も、北朝鮮問題は「蚊帳の外」に置かれ、北方領土は1ミリも返還されず、TPP離脱の米国には2国間貿易交渉を迫られる始末だ。
 安倍政権の政策はことごとく失敗に終わっている。考えてみると、この5年間、安倍政権は、行き詰まるたびにスローガンを変えてきた。「3本の矢」(2013年)→「女性活躍」(2014年)→「1億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→「人づくり革命」(2017年)といった調子だ。失敗を隠すために、次の政策目標を掲げるという繰り返しだった。
 森友・加計疑惑も、嘘がバレるとスリカエと居直りとごまかしに終始し、また嘘が発覚するというパターンである。
 政策論争をして困るのは、実は安倍首相自身だろう。安倍応援団メディアは、このことを分かっているのだろうか。

今月末には財務省が森友学園との国有地払下げ交渉記録を提出すると報道されていた。
 
これが明らかになれば、「交渉記録は全て廃棄した」という佐川宣寿前国税庁長官の虚偽答弁が明らかになるのだが、その先がない。
 
交渉記録には「安倍首相や安倍昭恵から具体的な指示があった」などと言う文言は絶対に出てこない。
 
それゆえ、安倍晋三首相は、モリ・カケ疑惑それぞれで、「私が指示したという証拠を示せ」と強弁することができるのだが、それ以上は野党は追及できそうもない。
 
しかし、スローガンが長続きしない安倍政権は「菜っ葉に肥やし(かけ肥だけで実にならない)政権」であろうことは言うまでもない。
 
それならば、安倍応援団メディアも分かっていない「政策論争をして困るのは、実は安倍首相自身」ということになれば、野党の攻め所はこの5年間の安倍政権の政策で「生活が楽になったか否か」ということを国民から直接聞き、それをベースに国会での政策論争を挑むべきではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:13| 神奈川 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする