2012年09月04日

やはり再稼働は無理、捨て場のない使用済み核燃料

当初は「悪い冗談」だと思っていた、安倍晋三の自民党総裁選出馬がどうやら確実になってきたらしい。
 
その安倍晋三は、今年の4月5日放送の「報道ステーション」に設けられていたコーナー「原発再稼働 わたしはこう思う」でこんな発言をしていた。
 
私は、賛成とか反対とかいう事ではなくて、再稼働が必要であると考えています。
想定を上回る地震や津波にも耐えうるという事が証明され、そして政府はそれを説明していく中において再稼働をしていくという事になると思います。
ーなぜ、再稼働が必要なのか?ー
原子力発電を止めて、ガス・石油に頼ると一年間で3兆円のコスト増につながり、それは企業にとって電力料金として2割高になってしまう
・・・後略・・・
 
確かに見た記憶があるのだが、中身は原発震災発生の張本人の自民党の元首相の発言なので、まだそんなことを言っているのか、という程度で無視していた。
 
その後、毎週金曜日の官邸前抗議行動の広がりなどと、パブリックコメントの結果を無視できなくなり、解散総選挙に向けてのポーズとして野田佳彦首相は関係閣僚に「原発ゼロにした場合の課題」を整理するように指示を出していた。
 
そして、その結果の試算が発表された。
 
<原発ゼロで光熱費月3万円超 政府試算、10年比2倍に>
  2012/09/03 産経新聞
政府が将来の原発ゼロに向けた課題や影響をまとめた文書が3日判明した。2030年の総発電量に占める原発比率をゼロにすると、電気代を含む光熱費が月額で最大3万2243円となり、10年実績(1万6900円)の約2倍に上昇すると試算。原発関連地域への対応にも懸念を示した。
 文書は野田佳彦首相の指示を受けて枝野幸男経済産業相がまとめた。政府は策定中のエネルギー・環境戦略に原発ゼロ目標を明記する方向で検討しており、閣僚で構成するエネルギー・環境会議を4日午前に開いて議論する。
 文書では、核燃料サイクル施設が集積する青森県など原発関連地域の理解と協力が得られなければ、原発が段階的ではなく「即時ゼロ」になり得ることも指摘。原発がゼロになると電力供給量の約3割が失われ、需給逼迫に直面するとの懸念も示した。
 
まさに、安倍晋三並の内容であった。
 
それは現在の電力会社が必ず利益が出るように電気料金を自由に設定できるという「総括原価方式」を今後も維持するという前提で試算しているところが、かなり恣意的である。
 
当然、原発ゼロにするためには多くの前提とステップがあり、最終的に電力を国民が自由に選べるような仕組みまで考えれば、もっとずっと電気料金は安くなる。 
 
ところで、「トイレのないマンション」と言われて久しい原発だが、現在停止中の原発が、財界の思惑通りに順次再稼働していくと、数年間で使用済み核燃料プールが満杯になることが明らかになった。
 
<核燃料プール 数年で満杯 6割が運転不可に>
  2012年9月4日 東京新聞
2012nenryoupool.jpg全国の原発50基のうち約6割の33基が、数年間稼働させれば使用済み核燃料プールが満杯になり、動かせなくなることが、各電力会社への取材で分かった。新たに中間貯蔵施設を造るには10年はかかり、使用済み核燃料を再処理しても、核のごみは減らず、再生される混合酸化物燃料(MOX燃料)は使う計画がない。原発の抱える深刻な問題がはっきりした。
 本紙は、原発を保有する9つの電力会社と日本原子力発電(原電)に、各原発のプールの空き容量のほか、1年(通常、原発の定期検査の間隔は13カ月)ごとの核燃料交換の実績値を取材。そのデータから、各プールがあと何年で満杯になるかを計算した。
 これまでプールの空き容量は3割強あり、当面は何とかなるとされてきたが、個別に見ると状況はもっと厳しかった。
 東京電力の福島第一5、6号機(福島県)や柏崎刈羽6、7号機(新潟県)は既にほぼ満杯。同社と原電は共同出資して青森県むつ市に中間貯蔵施設を建設中だが、まだ完成していない。仮に完成しても、6年ほどでいっぱいになる。
 中部電力浜岡3、4号機(静岡県)、関西電力美浜1、2号機、大飯1、2号機、高浜1、2号機(いずれも福井県)などは1〜3年分の空き容量しかない。新しい号機のプールは比較的余裕があるものの、ほかの号機の使用済み核燃料を受け入れると5年前後で満杯になってしまう状況だった。
 東電と原電以外は、再処理工場(青森県六ケ所村)の貯蔵プールを活用したいところだが、既に97%以上が埋まっている。中間貯蔵施設を新設することも考えられるが、むつ市の事例も計画からほぼ完成まで12年を要しており、とても各原発の厳しい状況には間に合わない。
 12年分以上の残り容量があるのは、北海道電力泊3号機(北海道)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九州電力川内1号機(鹿児島県)の3基だけだった。
<使用済み核燃料> 原発は定期検査ごとに原子炉内の核燃料をすべて取り出し、4分の1から3分の1程度を交換し、再び炉に戻される。交換作業が問題なく進むよう、使用済み核燃料プールには1炉心分強の空きスペースが必要とされる。使用済み核燃料といっても長期間、放射線と熱を発し続けるため、貯蔵プールでの継続的な冷却が欠かせない。
 
人間の力では容易に管理できない使用済み核燃料なのだが、昨年の原発震災により全国に拡散された放射性物質により、各地で除染が行われているが、それによって放射性廃棄物が新に産まれている。
 
現在では、それぞれの地の「中間貯蔵地」に置かれている状態である。
 
それを解消するために、環境省は、「福島第一原発事故に伴う放射性物質の拡散による環境の汚染への対処に関し、国、地方公共団体、関係原子力事業者等が講ずべき措置等について定めることにより、環境の汚染による人の健康又は生活環境への影響を速やかに軽減することを目的」として、「放射性物質汚染対処特措法」を昨年8月30日に公布した。
 
それに基づいて昨日、環境省は突然、栃木県矢板市の遠藤忠市長を訪問し最終処分場候補として国有林をを指定した。 
 
<栃木の処分場、矢板に 原発事故の指定廃棄物>
  2012年9月3日 東京新聞
2012saisyuusyobunnti.jpg横光克彦環境副大臣は3日午前、栃木県庁で福田富一知事と会談し、東京電力福島第一原発事故に伴い栃木県内で発生した、1キログラム当たり8000ベクレル超の「指定廃棄物」の最終処分場を、同県矢板市塩田大石久保の国有地に建設したい意向を伝えた。2014年度中の完成を目指し、地元住民への理解を得るための協力も求めた。
 政府は栃木、宮城、茨城、群馬、千葉の五県で最終処分場の建設を計画しているが、具体的な候補地を明らかにしたのは初めて。
 候補地は塩谷町との境にある国有林。環境省は「水源や河川から離れ、地下水位が深く安全性で有利。約300メートルの距離に民家が一軒あるが、山頂を隔てて候補地とは隔離されている」などと選定理由を挙げている。
 横光副大臣は会談で「処分場の構造、処分方法その後のモニタリングを適切に行い、安全性の確保に万全を期す」と説明。福田知事は「処分場の設置は地元の理解が不可欠。丁寧な説明をお願いしたい」と、地元の同意を得た上で建設するよう求めた。
 栃木県の処分場の規模は3〜4ヘクタールを想定している。
 
放射性物質汚染対処特措法」によれば、指定廃棄物の最終処分場の設置について、候補地となった自治体の同意を必要とする条項は定められていない。
 
それぞれの自治体の合意を必要とすればおそらくは永遠に最終処分場は建設されないであろう。
 
しかし、国有地なので住民は積極的には反対できない。
 
最終処分場がなければそれぞれの県内の数箇所での保管が続く状態になる。
 
原発事故による影響は広範で解決するまでには気の遠くなるような長い年月を要するものである。
 
脳天気な安倍晋三が言っているような「想定を上回る地震や津波にも耐えうるという事が証明」されることは一生ありえない。
 
再稼働しても数年間稼働させれば使用済み核燃料プールが満杯になり、核のゴミを増やすだけなのである。
 
こんな現状を理解すれば、やっぱり再稼働は無理であると「サルでも分かる」話ではないか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:24| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2030年原発ゼロなら光熱費2倍
Excerpt: ほんとか [疑/][?/]いつも政府がまとめたっていうし、今回も枝野経産相がまとめたってことだけど、そんなもん机に向かってチクチク計算したり文書化したりせんだろ [ニヤリ/]こういう時は総理の指示を受..
Weblog: 時々時事爺
Tracked: 2012-09-04 23:11