2017年02月17日

五輪の美名の下の超管理社会はいらない

2013年9月25日、米ニューヨーク証券取引所でこんなことがあったことを覚えているだろうか。
 
安倍晋三首相はそこで次のような主旨の演説をしていた。
 
「私がここに来たのは、日本が再び金を生む国になったことを伝えるためです。ゴードン・ゲッコーが金融界に復帰したのと同じように。私たちは今ここで断言できる。『Japan is Back』と」と述べた。「『どうすれば世界経済を再生できるのか?』と聞かれれば、私はゴードン・ゲッコーの言葉をもじってこう答えます。たった3語ですよ。『Buy my Abenomics!』」
 
ゴードン・ゲッコーはオリバー・ストーン監督の「ウォール街」(1987)に登場するアンチヒーローで有名だが、この映画の中で、企業を買収したゲッコーは最終的にインサイダー取引などを行った罪で刑務所に送られている。
 
そんなことより、「Buy my Abenomics!」を思い出したのは、「幼児性と排他性」が2人の共通項と呼ばれたトランプ大統領が、「BUY AMERICAN」と日本に対して吠え始めているからだ。
  
<安倍首相「武器購入で米雇用に貢献」 トランプ氏に協力>
 2017年2月17日 朝刊 東京新聞
20170217byamerican.jpg 安倍晋三首相が先の訪米後、トランプ米大統領の主張「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)、ハイヤー・アメリカン(米国人を雇おう)」に協力する姿勢を強めている。国会では米国製の武器を購入すれば現地の雇用創出につながるとの認識を示した。 (横山大輔、生島章弘)
 「わが国は米国の装備品を導入しているが、防衛に不可欠。結果として米国の経済や雇用にも貢献する
 首相は15日の参院本会議で、自民党議員の質問に答えた。「安全保障と経済は分けて考えるべきだ」と断ったが、トランプ氏への配慮は明らかだ。
 首相はトランプ氏との首脳会談や非公式日程で、米国に進出している自動車メーカーなど日本企業が米経済に貢献していると指摘。リニア新幹線などの最新技術を生かしたインフラ投資で「米国に新しい雇用を生み出すことができる」と訴えた。こうした経済分野だけでなく、武器購入でも協力を模索しているようだ。
 トランプ氏は日米首脳会談で経済分野を巡る具体的な要求こそ控えたが、共同記者会見では「貿易関係を自由で公平なものにし、両国が恩恵を受けられるようにしなければいけない」と指摘した。米国の貿易赤字国として、日本は中国に次ぐ2位。良好な関係を維持しようと、首相はこの問題に向き合う姿勢を見せている。
 首相が言及した防衛装備品はもともと、米企業からの購入が多い分野だ。2019〜23年度の中期防衛力整備計画策定にあわせ、「数千億円」(防衛省幹部)とされる高高度防衛ミサイル(THAAD)導入の検討が本格化することも念頭にあったとみられる。
 だが、武器などは通常、性能や価格などを評価して選定する。自衛隊には「装備としていかに効果的、効率的かという観点から防衛力整備を進めていきたい」(岡部俊哉陸上幕僚長)と、米国の雇用と武器購入を絡める首相発言に戸惑いも広がる。
 
トランプ大統領のご機嫌を損なわないための安倍晋三首相の発言は、結果的には「SELL JAPAN」となり「日本国ファースト」からはほど遠いものになってしまう。
 
「SELL」には「裏切る」という意味もあり、「SELL JAPAN」の安倍晋三はネトウヨが好んで使う「売国奴」そのものである。 
さて、東京新聞の半田滋編集委員が朝刊にこんな注目すべき記事を書いていた。
 
 神奈川県の米軍厚木基地の戦闘攻撃機は6割が飛べない?−米軍事専門紙「ディフェンス・ニュース」(6日付インターネット版)が伝えた米海軍の惨状から、日本防衛に資するはずの米空母艦載機「FA18戦闘攻撃機」の多くが稼働できない状態であることが分かった。
 同紙は米国防費の予算不足から、空母を含め約300隻ある米海軍艦艇が次々に稼働できない状態になっており、すでに原潜1隻が任務に就く資格を失い、年内にはさらに5隻が任務不能になると報じた。
 約1700機の航空機は53%が飛行不能に陥り、なかでもFA18は62%が稼働していない。艦艇、航空機とも修理ができず、部品供給が滞っていることが原因としている。
 米海軍のモーラン副作戦部長(海軍大将)は7日、米下院軍事委員会で「ディフェンス・ニュース」の報道に沿う証言をし、「予算不足により2001年から海軍の戦闘力は14%減少した」と明らかにした。トランプ政権になり、オバマ政権が施行した主に国防費を削減する予算管理法を廃止するのか、また廃止するならいつになるのかわかっていない。
 62%が稼働不能という数字を神奈川県横須賀基地を事実上の母港とする原子力空母「ロナルド・レーガン」の艦載機が配備された厚木基地にあてはめると、FA18は約50機のうち約30機が稼働できないということになる。
 稼働可能なFA18が20機程度となれば、本来空母に搭載するFA18の4個飛行隊のうち、2個飛行隊しか運用できないことになる。圧倒的な航空攻撃力を誇る空母機能の半減を意味し、日本防衛に資するはずの米軍の戦力に疑問符が付く。飛行時間の不足は事故に直結するおそれもある。
 市民団体「大和市平和委員会」は昨年11月から今年1月まで3カ月にわたり、FA18の飛状況を機体番号から調べた。2機が1度も飛行しておらず、8機が1回から3回の飛行にとどまり、連続して2週間以上飛行していない機体は23機以上に上った。稼働する機体が少ないことを裏付ける結果となった。
 
2001年から戦闘力が14%も減少しているということは、それだけ米国が「世界の警察官」としての存在が薄くなっているという証でもある。
 
それにしても、予算不足から故障部品の交換ができないということは、後進国ならいざ知らず、世界一の軍事力を誇る米国の話となると「笑い話」では済まなくなる。
 
さらにその影響が「厚木基地にあてはめると、FA18は約50機のうち約30機が稼働できない」ということは、深刻な爆音被害が減少することで住民にとっては朗報なのだが、世界一高い米軍駐留費を支払っている日本としては、トランプ大統領が日本の「おもいやり予算」に感謝していたが、むしろ「支払った分真面目に働け」というべきであろう。   
 
その昔から米国には正面から対立することは避けていた日本政府なのだが、特に第2次安倍政権になってからは、国民に対してはその不誠実さは目を覆うばかりである。
 
国民には耳あたりの良いことを言っていれば内閣支持率は自然と高くなると、完全に見くびっている節がある。 
  
たとえば、安倍政権お得意の「印象操作」の数々。
 
【問題】下記の左側の言葉を国民に受けいられるように直しなさい。 
 
 <戦闘>・・・・・・・「衝突」
 <他国の戦争支援>・・「国際平和支援法」
 <周辺事態法>・・・・「重要影響事態安全確保法」
 <武器輸出容認>・・・「防衛装備移転三原則」
 <年金削減法案>・・・「将来年金確保法」
 <カジノ法案>・・・・「統合型リゾート施設整備推進法」
 <残業代ゼロ法案>・・「高度プロフェッショナル制度」
 <クビ切り容認法案>・「解雇金銭解決制度法案」
 <共謀罪>・・・・・・「東京五輪実現テロ等準備罪」

 
そしてこの「共謀罪」については政府内の見解も揺れている。
 
20170217kyoubouzai_asahi.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
そして遂に政府は「普通の団体」も処罰対象とするという統一見解を明らかにした。 
 
20170217hensitukyoubouzai_asahi.jpg
【朝日新聞DIGITALより】
 
 
<性質一変なら「普通の団体」も処罰 「共謀罪」政府統一見解>
 2017年2月17日 朝刊 東京新聞
20170217kyoubouzai.jpg 「共謀罪」と同じ趣旨で政府が創設を目指す「テロ等準備罪」について、法務省は16日、衆院予算委員会理事懇談会で、普通の団体が性質を一変させた場合も、処罰対象の「組織的犯罪集団」になり得るという政府統一見解を示した。政府は東京五輪・パラリンピックのテロ対策を強調しているが、テロ組織や暴力団などに限らず、市民団体や労組、会社なども対象となり得ることを事実上認めた形だ。 (山田祐一郎、我那覇圭)
 法務省はこの日、「組織的犯罪集団」の定義について、「結合の目的が犯罪を実行することにある団体という趣旨で検討している」と説明。「もともと正当な活動を行っていた団体についても、目的が犯罪を実行することに一変したと認められる場合には、組織的犯罪集団に当たり得る」との考えを示した。例えば、基地建設反対の市民団体が工事車両を止めようと座り込みを決めれば、捜査機関が組織的威力業務妨害が目的の組織的犯罪集団と恣意(しい)的に認定する懸念がある。
 安倍晋三首相はこれまで「一般市民が対象となることがあり得ないよう検討している」と説明。法務省の林真琴(まこと)刑事局長も1月31日の参院予算委員会で「そもそもの結合の目的が犯罪の実行である団体に限られる。普通の団体は除外される」と答弁していた。
 一方、金田勝年法相は2月2日の衆院予算委員会で、普通の団体でも、犯罪を反復継続するなど性質が変わったと認められた場合に処罰対象となる可能性を否定しなかった。安倍首相や刑事局長と見解が分かれたため、民進党が政府の統一見解を求めていた。
 日弁連共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士は「犯罪行為を反復継続していなくても、一度でも犯罪に合意すれば、性質が一変したと判断され、組織的犯罪集団と認定される可能性がある」と指摘する。
 
この法案は正式に国会に提出されてしまったら、過去の特定秘密保護法案と同様、数の横暴で強行採決されてしまう。
 
やっと国会議員と11人の識者たちが声を上げた。  
 
<「共謀罪、自由を制限」 文化人ら集会、市民に影響危惧>
 2017年2月17日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 ジャーナリストらが16日に東京都内で集会を開き、「思想、表現の自由を広く制限するものだ」などと訴えた。規制対象が一般の市民に及ぶことを危惧する声が相次いだ。
 「共謀罪を考える超党派の議員と市民の勉強会」の主催で、約250人が集まった。ルポライターの鎌田慧さんは、対象のあいまいさを問題視し、「どこまでが『普通の人』で、どこからが過激派の犯罪集団になるのか」と指摘。「私たちが声を上げなければ、市民として自由を持ち続けられるか」と呼びかけた。
 日本ペンクラブの山田健太・専修大教授(ジャーナリズム論)は「秘密保護法や盗聴法(通信傍受法)拡大と合わさって、恣意(しい)的な身体の拘束の幅が広がり、思想表現の自由が制約される」と訴えた。法学者からも疑問の声が上がった。松宮孝明・立命館大教授(刑法)は「政府は対象犯罪を絞ろうとしているが、絞れば絞るほど現行法で足りるという結論になり新設は不要だ」と訴えた。(後藤遼太)
 
その他の発言者の要旨は以下の通り。
 
■佐高信(評論家)
 テロを心配するような社会をつくっているのは政権側である。五輪なんてやめて、その金を福島の復興などに回した方がいい。
■孫先享(評論家)
 日本国憲法の下の自由民主主義体制では戦争はできない。政府は共謀罪をつくることでこの体制を壊そうとしている。
■中野晃一(上智大学教授)
 合意したと認定されると共謀罪になる。戦闘を武力衝突、墜落を不時着などと言う政権が、合意を認定する事が恐ろしい。
■飯島滋明(名古屋学院大教授)
 権力者に目障りな存在になると、身柄拘束される暗黒社会を呼び込む。戦争反対も言えなくなるかもしれず、提出させてはいけない。
■太田啓子(明日の自由を守る若手弁護士の会)
 政府は自分たちを縛るものをなくして法治国家をやめたいのではないか。問題の関心を広げるには教育とメディアの役割が大きい。
■小林基秀(新聞労連委員長)
 クーデターを契機に成立したエジプトの現政府は前政権の勢力をテロ組織に指定した。権力者のレッテル貼りに注意が必要だ。
■岩崎貞明(日本マスコミ文化情報会議事務局長)
 マスコミの全活動が監視、摘発の対象となりうる。仕事に直接かかわる重大な問題だ。徹底的に反対し、提出を断念させたい。
■樋口聡(出版労連 出版・産業対策部事務局長)
 出版界には戦時下最大の言論弾圧である横浜事件があった。現代の治安維持法である共謀罪の成立を許してはならない。
      
「問題の関心を広げるには教育とメディアの役割」が必須なはずだが、本格的にキャンペーンを張るメディアは今のところ
出ていない。
 
そして教育は、残念ながら「安倍晋三記念小学校」を作ろうとしている塚本幼稚園は既に3歳児からこんな教育をしている。
 
 
 
もうすでに日本はどっぷりと戦前モードのぬるま湯に浸かってしまったようである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 13:09| 神奈川 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 共謀罪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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