2017年05月08日

ナベツネの入れ知恵なのか、ビデオメッセージの改憲日程

憲法記念日に日本会議関連の集会に安倍晋三首相が「ビデオメッセージ」で、憲法改正の具体的な内容と改正スケジュールまでを提示したことに対しては、その発言自体が憲法違反であろうとも、様々な議論を呼んでいる。
 
反安倍政権の旗頭でもある日刊ゲンダイが「立法府無視で唐突な改憲宣言…その裏側がまたおぞましい」の中で識者たちの評価を紹介していた。 
 
■聖学院大学の石川裕一郎教授(憲法学)
「憲法審査会をすっ飛ばし、自民党の改憲草案にもない独自案を首相がいきなり表明した。政権支持率が高止まりしている状況を見て、もはや何をやっても大丈夫とタカをくくっている表れでしょう。まさに、おごり高ぶりです。批判が続出しても不思議ではないのに、メディアは安倍首相のビデオメッセージを天皇の会見のように伝えるだけ。あまりに酷い状況です」
   
■上脇博之・神戸学院大教授=憲法
「自民党の総裁任期が3月の党則改正で『連続2期6年』から『3期9年』に延長され、最長で2021年秋までの長期政権を担うことが可能になりました。さすがに4期延長はないだろうし、仮に20年施行であれば、公布や国会発議、国民投票の実施などのスケジュールを逆算すると今が最後のチャンスと思ったのでしょう」
「高等教育の無償化は改憲しなくても可能です。それをあえて取り上げたのは、教育無償化を掲げていた維新を改憲勢力に取り込むためでしょう。ただ、7年前の旧民主党政権が政策の目玉に打ち出したのが『高校授業料の無償化』でしたが、バラまきと批判していた急先鋒は自民党。本当は無償化にヤル気がない政党が、果たして本気で取り組むのでしょうか」
 
■元外務省国際情報局長の孫崎享 
「日本政府が世論誘導したといっていい北朝鮮のミサイル脅威論と無関係ではない」
「先日、関西地方に講演に出掛けた際、幼稚園児が北のミサイル着弾に備えた避難訓練を行っていると聞きました。つまり、それほど北の脅威論は国民にじわじわと浸透しているのです。おそらく、安倍首相は今のタイミングであれば、『北朝鮮に備えるには改憲して自衛隊の態勢を整える必要がある』と訴えれば国民の支持を得られると判断したのだと思います。改憲を唱える日本会議にメッセージを寄せたのも同じ理屈で、今なら、安倍政権との近しい関係を問題視する世論の反発も抑えられる上、森友問題でギクシャクした関係改善も図ることができると考えたのでしょう」
 
「北朝鮮のミサイル脅威論」に関しては日本経済新聞編集委員の高坂哲郎が「ミサイル攻撃時にいかに国民を守るかを改めて考えて」みた記事を書いていた。  
 
<政府、ミサイル攻撃対策を模索 「いざ」に備え>
 2017/5/7 6:30 日本経済新聞
 朝鮮半島情勢がきな臭さを増している。日本政府はこれまでの対策の遅れを取り戻すべく、急ピッチで弾道ミサイル攻撃時の国民避難という課題に取り組み始めている。着手が遅かったという面はあるにせよ、何もしないよりは断然よい動きである。ミサイル攻撃時にいかに国民を守るかを改めて考えてみる。
 政府がミサイル攻撃時の国民避難という問題に対し、より現実的に対応し始めたのは昨年10月だった。ミサイルが日本領土・領海内に落下する可能性がある場合など3パターンに分け、政府が国民に警報を発する段取りや、国民がとるべき対処の仕方を国民保護ポータルサイト(http://www.kokuminhogo.go.jp/)で公開した。
 続いて、今年3月には秋田県男鹿市でミサイル発射を想定した初の避難訓練を実施した。訓練シナリオは、最終的にミサイルは領土内には着弾しないという想定で、訓練に参加した市民は100人余りというごく小規模の訓練ではあったが、全国瞬時警報システム(Jアラート)を実際に鳴らすことも含め、日本初の画期的な試みとなった。秋田で訓練の「ひな型」をつくった政府は、6月以降、全国各地の自治体と共同で避難訓練を実施する見通しだ。既に山形県や長崎県から「うちでも訓練をしたい」との声が上がっている。
■情勢認識、政府と国民の間でギャップ
 政府は近く、ミサイル発射を探知後に国民に避難を開始するよう促すタイミングを前倒しする見通しだ。現在は、
 (1)ミサイル発射
 (2)米軍の早期警戒衛星などが発射を探知
 (3)米国から日本政府・自衛隊に通報
 (4)政府はその時点でまず国民に警報を出し、発射の事実を周知
 (5)ミサイルの軌道を追跡し、日本領土内に着弾する可能性があることが判明した時点で国民に避難を呼びかける――という段取りだった。
 ただ、これだと(4)から(5)に至る1〜2分をみすみす無駄にしてしまう恐れが大きいため、新たに(4)の時点で避難を開始するよう呼びかけることに改める。菅義偉官房長官の一声で決まったと聞く。「政治主導」が良い方向へ働いている。
 読者の中には、こうした政府の動きをみて「そんなに事態は深刻なのか」「どうもピンとこない。騒ぎすぎなのではないか」と感じる向きもあるかもしれない。確かに、政府と一般国民の間には温度差がある。政府は、米国政府・米軍から朝鮮半島情勢、特に北朝鮮軍の動向などに関する多くの機密情報をもらっており、これらを国民を含む部外者には勝手に伝えてはならない立場にある。事態が切迫するほど政府と国民の間には現状に関する認識ギャップが生まれやすい。弾道ミサイルのリスクは、その最たる事例の一つだろう。
 この先、朝鮮半島で武力衝突が起きるような事態になれば、日本に弾道ミサイルが撃ち込まれる可能性は一気に現実味を増す。
 政府はミサイル攻撃時の避難場所として、「頑丈な建物」に加えて「地下」を挙げている。これは大いに意味がある。地下に入れば、熱線や爆風、破片、まき散らされる化学剤などから国民を守れる確率が増すためだ。
 1945年8月の米軍による広島への原爆投下時に、爆心地に近い日銀広島支店でたまたま金庫のある地下室にいた人が奇跡的に助かっている。同年3月の大阪大空襲では、地下鉄駅に避難した人々を地下鉄職員たちが鉄道輸送し、多くの人命を救っている。
■地下鉄構内をシェルターに
 韓国の首都ソウルには、北朝鮮から大量砲撃を受けた場合に市民が逃げ込める地下シェルターが市内各所に設けられているという。日本にはミサイル攻撃などを想定して設けられた地下シェルターはまだないが、ビルや地下鉄構内など既存の地下施設は活用できる。
 例えば、ミサイル発射警報が流れた時点で、すべての地下鉄の運行を止め、電車を動かす電流も止めることができれば、地下鉄の駅や通路に加えて線路も避難場所になり、収容可能人数を一挙に増やせるかもしれない。地下鉄の線路を通って爆心地から離れられれば、放射線や化学剤などに身をさらさずに済むだろう。
 政府の最近の取り組みに対し、一部からは「あの程度の避難訓練では意味がない」とか「地下施設の収容力を確認せずに、地下避難を呼びかけるのはいかがなものか」といった批判が起きている。確かに、そうした指摘には妥当なものもある。そもそも、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が顕在化したのは93年のノドン・ミサイル日本海着弾のときだった。当時、避難体制の構築に動き出す判断が国にあれば、現状は大きく変わっていたはずだ。
 これらについて今の政府でミサイル避難対策を担当する人々を責めても酷だろう。
 朝鮮半島でいつ武力衝突が起きてもおかしくない状況なのはまぎれもない現実だ。今は、過去の責任問題を取り上げたり、揚げ足取りをするのではなく、官民で当事者意識を持ち、建設的な知恵を出し合う時機である。筆者のみる限り、政府の担当者は「聞く耳」を持ってくれている。それが何よりの救いである。
 
こんな記事を読むと、日本経済新聞らしい記事だと思わざるを得ないのだが、自治体レベルが本気で避難訓練などを行えばますます国民の不安は増し、日本もしっかりと対抗するためには立派な軍隊が必要だ、という方向に世論が誘導されてしまう。
 
実際問題として、北朝鮮がミサイルを発射する場合は、やみくもに発射することは無く、特定の場所を狙う。
 
日本国内では米軍基地が最有力であろうが、日本海沿いの原発地帯を攻撃されれば、「頑丈な建物」や「地下」に一時的に避難したとしてもその後の広範な放射能汚染により、日本は壊滅状態に陥ることは言うまでもない。
 
もっとも北朝鮮が本気にミサイルを発射しようとした場合、自民党内では「『敵基地攻撃能力の保有必要』自民・安全保障調査会が緊急提言 30日に安倍晋三首相に提出へ」と本気で考えている連中もいる。
 
しかし、「敵基地攻撃論は北朝鮮に対する国民のイライラ感を解消するにはうってつけの話かもしれない。しかし、それによってできること、できないこと、日本にとってのプラスとマイナスのいずれが大きいかなどを考慮すれば、必ずしも当然の選択肢とはならない」と薬師寺克行・:東洋大学教授は、「対北朝鮮の『敵基地攻撃論』には実効性がない」と断言している。   
話しを元に戻すと、元官僚で御用経済学者の橋洋一は「安倍サプライズ発言から読み解く、憲法改正の『具体的な日程』」の中で御丁寧に解散日程も含めた具体的なスケジュールを示し、民進党は股裂きになり、共産党は論理破綻になると、安倍政権が聞いて喜ぶ内容のオンパレードであった。
 
元時事通信社政治部記者で「「生涯一記者」がモットーの政治ジャーナリストの泉宏は、東洋経済ONLINE版の「安倍改憲の本丸『9条改正』に待ち受ける関門」の中で、こんなことを暴露していた。
 
「4月24日夜には、数年前に独自の改憲試案を紙上で発表した読売新聞の渡辺恒雄・グループ本社主筆と会食。同26日には同紙の単独インタビュー応じ、その内容が同紙の5月3日朝刊の一面トップに掲載された。同日の集会での首相メッセージはこれを受けたもので、70年に合わせて憲法特集を組んでいた大手マスコミ各社は、首相の改憲案を競って報道した。」
 
やはり安倍晋三独自では考えられないような「9条3項の加憲」の発想だったらしい。   
 
この記事には多数のコメントがあったが、一つだけ以下のまともなコメントを紹介しておく。 
 
9条に第3項を加えるということは、歴代自民党政府が「自衛隊は憲法第9条に照らし合わせて合憲」として国民を欺いて来た定義を自ら否定する事になります。この事によって、問わず語りに現在の自衛隊は憲法第9条に照らし合わせると違憲状態であると告白しているようなものです。この重大な問題に対して、石破氏は「苦言」を呈しているのです。憲法を守るべき三権の長である首相自らがこのような重大な発言をするということの意味をアベヒトラーはまるで理解していないようです。司法の場では自衛隊合憲論に基づいて国民の自衛隊違憲の訴えを門前払いしてきましたが、これがデタラメであったと自ら告白してしまったワケです。
 
このように安倍晋三がナベツネの入り知恵により、「自衛隊は違憲」なので「合憲」としようとの発言に対しては、よせばいいのにこの男は、「首相の改憲発言『憲法審査会に一石』 萩生田官房副長官」と、一国の首相の発言を「あくまでも自民党総裁としての個人的提案」と擁護していたという。
 
当然ながら、批判ツイッターがあふれていた。



たしかに、朝日新聞は事実をそのまま垂れ流し、その内容には一切の批判がない。
 
少なくとも讀賣新聞や産経新聞や日本経済新聞よりは、「よりまし」なリベラルメディアだったはずが、これでは、安倍晋三に入れ知恵した讀賣新聞の渡辺恒雄・グループ本社主筆となんら違いがないのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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