2017年05月15日

本土復帰45年、もう自立してもいい頃だ

またもや北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射したらしいのだが、今回のミサイルは通常より高い高度に打ち上げる「ロフテッド軌道」をとったとみられ、実際の射程は4000キロを超える可能性があり、その場合、米軍のグアム基地が射程に入るという。
 
新型ミサイルを開発すればどこの国でも発射実験を行うし、現在の核保有国もすべて核実験を何回も行っている。
 
最近では米国も大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったという報道もあったが、もちろんこれは北朝鮮に対する牽制なのだが、2度も行っていながら、どこの国も、誰も批判はしていない。  
 
◆4月26日未明 「北朝鮮危機のさなか、米空軍がICBM発射実験
◆5月3日    「米軍が大陸間弾道ミサイル発射実験 北朝鮮を牽制か
 
現在の核保有大国は、米・中・露・英・仏のいずれも戦勝国なのだが、現在は休戦中だが朝鮮半島は戦時体制であり、朝鮮戦争は続行中という状況の中で、北朝鮮も小国ながらも事実上核保有国となり、国際外交上の「カード」を持つことになったので、国として早く認めてほしいとの米国への熱い思いかもしれない。
 
そんな中での日本の立場と役割は全く自立性と主体性がなく、米国追随姿勢にしがみ付いている。
 
元外交官のこの人は、分かり易くその辺りを解きほぐしていた。
 
<北朝鮮の瀬戸際外交のゲームに参加できない安倍首相の日本>
 2017.5.15 天木直人ブログ
・・・前略・・・
 果たしてこれから北朝鮮状況はどう展開していくのか。
 こればかりは私も分からない。
 しかしはっきりしている事がある。
 それは、北朝鮮はもとより、韓国も中国も米国も、そしてロシアでさえも、自らの国益を実現するという目標に向かってそれぞれのカードを持って、この一大外交ゲームに参加しているということだ。
 北朝鮮は文字通り金正恩体制の生き残りかけて引き下がる事の出来ない瀬戸際外交を高めている。
 たったいま北朝鮮はミサイル発射の成功を発表したというニュースが流された。
 攻撃されればやり返す。その能力を持っている。そうなれば皆が破滅する。もはや核保有国の北朝鮮を認めるしかない、そうメッセージを送り続けているのだ。
 韓国は民族統一という他の国にはない悲願がある。
 何といっても北朝鮮問題のもう一人の主役は韓国なのである。
 中国は北朝鮮とともに米国と朝鮮戦争を戦った血の同盟国だ。
 米国と世界を二分すると言い出すまでに増長した中国は北朝鮮にとってみれば裏切りだ。
 いち早く核兵器を保有し、どんどんと軍拡を進める中国が北朝鮮に対してどの面さげて核兵器を放棄しろと言えるのか。
 そう北朝鮮に痛罵され、返す言葉はない。
 しかも今の北朝鮮は中国との戦いすらおそれないだろう。
 中国は何があっても話し合いで解決したいはずだ。
 そして米国だ。
 なにしろ北朝鮮のすべての目的は米国によって体制を保証してもらう事だ。
 米国がそれに応じれば北朝鮮問題はあっという間に解決する。
 その米国はいまトランプ大統領の米国だ。
 トランプ大統領の一存ですべてが決まる。
 そしてトランプが最優先するのは米国経済の為になる事だ。
 米朝対話に豹変することは十分ありうる。
 プーチンのロシアはいまや北朝鮮の唯一の支援国だ。
 それを誇示する事によってここぞとばかりに北朝鮮危機を自国のために最大限利用しようとするだろう。
 
すべてが北朝鮮の仕掛けた瀬戸際外交にそれぞれのカードと思惑を持って参加しようとしている

 そんな中で安倍首相の日本は何もない。
 ひとり外交ゲームの埒外にある。
一番怒って、圧力をかけろと叫んでいるごとくだ

 場違いも甚だしい。
 今度の北朝鮮危機ではっきりしたことは、北朝鮮が核とミサイルを保有した国になった時点で戦争は出来なくなったということだ。
 北朝鮮がどんなに許しがたい国であるとしても、共存するしかない。
 それこそが憲法9条の精神が世界に求めるものだ。
 その憲法9条を否定して、蚊帳の外から、ひとり北朝鮮に圧力をかけろと叫び続ける安倍首相は、そのうちお前は黙って引っ込んでいろ、と言われるのがオチだ。
 北朝鮮の危機に、もっとも重要な役割を果たせるはずの憲法9条を持つ日本が、間違った歴史認識と、憲法9条否定で、もっとも役に立たない立場に追いやられている。
 これほどの外交失態はない。
 誰かがその事実を大声で叫ばなければいけない(了)
 
本来ならば、地政学的にも、日本は米朝の間に立って、交渉の主導的立場を握るような外交戦略を駆使すべきであろう。
 
それができず、米国の尻馬に乗って朝鮮半島の危機を煽るだけでは、中国や韓国にとってはそんな日本の存在が迷惑この上ないと思われてしまうかもしれない。 
 
いずれにしても、日本の将来を左右するような国益のかかったタフな外交経験がない安倍晋三首相にとっては、「どだい無理」な話しであろう。
 
ところで、中国の思想家であり哲学者の孔子には3,500人もの弟子がいて、孔子の言葉を弟子たちがまとめた論語には「15歳:立志、30歳:而立、40歳:不惑・・・」とあり、人間は30歳で自立し、40歳では心に迷うことなくと、自分の生き方や行動に従い人生を生きていけると解釈されている。
 
その不惑から5年も過ぎても、実質的に国から自立できない人々が存在する。
 
1945年の敗戦後、米軍の占領下に置かれていた沖縄が、その27年後の1972年に本土に復帰して45年が経った。
 
<沖縄本土復帰45年 今なお遠い憲法 安保優位、続く米軍特権>
 2017年5月15日 朝刊 東京新聞
20170515okinawa_kenpourekisi.jpg
 
 沖縄県が1972年に本土復帰してから15日で45年。復帰を願った県民の希望は、沖縄が本土と対等に日本国憲法に守られる存在になることだった。だが、沖縄は70年前の憲法制定・施行時も、復帰を待つ間も、そして復帰後も、憲法から遠く離れた位置に置かれ続けている。 (村上一樹)
 「政府は(沖縄)県民の代表が帝国議会において失われんとするに当たりまして、あらゆる手段を尽くし、これを防ぎ止めねばならぬ」
 終戦直後の45年12月の帝国議会。沖縄県選出の漢那憲和(かんなけんわ)氏は衆院の委員会で訴えた。米軍占領下となった沖縄県の人たちの選挙権が停止されようとしていたからだ。漢那氏の願いは届かず、沖縄の代表が不在となった46年、現憲法を審議した「制憲議会」が開かれた。
 仲地博・沖縄大学長(憲法、行政法)は当時の状況を「沖縄の声を聞くという姿勢は全くなかった。トカゲのしっぽ切りのように国のために処分されていい地域だった」と話す。
 憲法の施行から25年間、憲法がなかった沖縄では県民の生命や生活が侵され、言論や表現の自由も制限された。県民は米軍統治に抵抗し、本土復帰運動を起こした。仲地氏は「憲法が示す普遍的な価値が、沖縄では侵害されていた。その回復を求める運動に憲法は最も優良な武器だった」と指摘する。
 一方、本土では沖縄が復帰を求めている間も54年の自衛隊発足、60年の日米安全保障条約改定と日米の軍事同盟関係が整備・強化された。「合憲」とする政府解釈のもと、平和主義と戦力不保持をうたう9条の精神はないがしろにされていった。
 小林武・沖縄大客員教授(憲法、地方自治法)は県民の思いについて「日本政府が憲法を変えたいと思っていたことも、当然知っていた」と語る。それでも復帰を望んだのは「普遍的な価値を持つ憲法は、沖縄でこそ真の姿を取り戻せるという確信(があった)」と分析する。
 現実は厳しかった。復帰後の沖縄は、名護市辺野古(へのこ)の新基地建設が進むなど国内の米軍基地負担の大半を担わされ、駐留米軍による事件・事故も続いている。小林氏は「安保条約を沖縄も適用することで、占領下の米軍の特権、地位を引き継いだ。憲法が適用されても安保と二元的な法体系、より実体的には、憲法は安保の下にある」と語る。
 ■漢那憲和氏の発言
(1945年12月・第89回帝国議会) 帝国議会における県民の代表を失うことは、その福利擁護の上からも、また帝国臣民としての誇りと感情の上からも、まことに言語に絶する痛恨事であります。
 (中略)
 このたびの戦争において沖縄県の払いました犠牲は、その質においておそらく全国第一ではありますまいか。この県民の忠誠に対して、政府は県民の代表が帝国議会において失われんとするに当たりまして、あらゆる手段を尽くし、これを防ぎ止めねばならぬと存じます。
 
在京の大手紙では、毎日新聞・社説が「沖縄復帰45年と安倍政権 『償いの心』をかみしめて」というタイトルだったが、朝日新聞は一般記事扱いで、「沖縄復帰45年、最高の好景気 米軍基地負担は依然重く」と「最高の景気」が先にきている内容。
 
残念ながら、というのか予想通りというのか、政府広報紙の讀賣新聞や政権擁護紙の産経新聞などは沖縄関連記事は一切無し。  
 
赤旗は、「県民の尊厳どこに きょう沖縄復帰45年 やまぬ米軍機事故 709件」と現実的内容。
 
ここは、やはり地元2紙に語ってもらう。 
 
<きょう沖縄復帰45年 基地の過重負担いまだ>
 2017年(平成29年) 5月15日 沖縄タイムス
 沖縄の施政権が米国から日本に返還された「沖縄県の本土復帰」から15日で、満45年を迎えた。在日米軍専用施設面積の割合は1972年の58.7%から、最大で75%にまで膨らみ、昨年12月には北部訓練場のうち4千ヘクタールが返還され、70.6%とわずかに減ったが依然、基地の過重負担がのしかかったままだ。
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設で、翁長雄志知事は「沖縄戦で奪った土地を返すのに、新たな土地を沖縄側で用意しろというのは理不尽だ」と反対姿勢を貫く。政府は意に介さず先月25日には、埋め立て本体工事に着手した。対立の溝は深まっている。
 この1年間で、元海兵隊員による女性暴行事件やAV8BハリアーやMV22オスプレイの墜落、恩納村での流弾事件など「基地がある故の事件・事故」が続発。在沖縄米軍基地の面積の7割、兵力の6割を占める海兵隊の撤退を求めるなど、具体的な動きが出ている。
 経済では、年間の有効求人倍率が復帰後初めて1倍を超え、完全失業率も4%台で推移。主要産業の観光を中心に「自立型経済」構築への兆しが出ている。
 沖縄振興法に基づき、県が初めて主体的に策定した沖縄21世紀ビジョンの折り返し点となる。所得格差の解消や子どもの貧困対策、大型MICE施設を中心とした産業施策の推進、米軍基地の跡利用計画などの課題に取り組むことになる。
 
沖縄タイムスからは在京紙の朝日新聞並みに、県民の心底からの怒りの声が聞こえてこないようである。
 
自民党や右派の連中から嫌われている琉球新報が沖縄の現状を的確に伝えていた。 
 
<きょう復帰45年 溝深める政府の強権 「国策の手段」にはならない>
 2017年5月15日 06:02 琉球新報
 1972年5月15日の日本復帰から45年を迎えた。当日の記念式典で屋良朝苗知事は「沖縄が歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除して、平和で豊かな県づくりに全力を挙げる」と述べた。その決意は実現しただろうか。
 復帰後も改善されない最たるものは米軍基地の重圧だ。事件事故も後を絶たない。しかし、ここ数年の政府の姿勢を見ていると、負担軽減に取り組むどころか、沖縄との溝を自ら深めているように映る。沖縄の民意を無視し、力技で抑え込もうとする強権的政治だ。沖縄を再び国策の手段として扱うことは断固として拒否する。
高まる「不平等」感
 県民にのしかかる基地の重圧は、本紙の県民世論調査結果が如実に示す。復帰して悪化した点として「米軍基地の被害が増えた」が43.7%と初めて最多になった。国や県に望む施策でも「米軍基地の整理縮小と跡利用」が44.6%と過去最も多い割合になった。米軍基地の沖縄集中については70.0%もの県民が「不平等」と感じ、不条理に強い不満を募らす。
 辺野古新基地問題では、県民は数々の選挙で反対の民意を明確に示してきた。にもかかわらず、政府は沖縄の声に耳を傾けず、「辺野古が唯一」とばかり繰り返し、思考停止に陥っている。東村高江集落近くでのヘリパッド建設強行や辺野古新基地工事では、圧倒的な警察権力で市民運動を抑圧し、不当な長期勾留まで招いた。
 一方で、政府は沖縄の状況に詳しくない県外の人たち向けに、恣意(しい)的に説明する傾向も目立つ。昨年12月のオスプレイ墜落では、日米両政府とも「不時着」と矮小(わいしょう)化した。2012年の沖縄配備以来、県民が指摘し続けてきた危険性への対応をうやむやにした。
 昨年12月の北部訓練場の約4千ヘクタール返還では誇張が目に余った。米軍にとって不要な土地を返し、集落周辺へのヘリパッド新設・集約化を図ったのが実態だが、「負担軽減に大きく寄与」と印象操作した。
 沖縄の苦悩に真摯(しんし)に向き合わず、基地問題の本質から目を背けている例は他にもある。
 昨年、元米海兵隊員の米軍属による痛ましい女性暴行殺害事件が起き、県民は悲しみと怒りを共有した。基地の存在を揺るがす大きな事件だったが、政府が再発防止策として出してきたのは、軍属の範囲縮小やパトロール隊の巡回増加だった。米軍駐留という根本原因には踏み込まず、実効性が疑わしい小手先の対応に終わっている。
際立つ「沖縄ヘイト」
 本土との溝で言うと、近年、事実をゆがめる「沖縄ヘイト」が際立っているのが懸念される。インターネット上のデマや中傷に加えて、ついに地上波テレビでも偽情報を流布させるようになった。一部の動きとは言え、この兆候は国民に与える影響を考えると由々しき事態だ。正しい沖縄の状況を全国に伝えていく必要がある。
 「沖縄の経済は基地に依存している」との風説も、間違った認識の一つだ。復帰直後に県民総所得の15%だった米軍基地関連収入は、5%台まで落ちた。基地経済の限界ははっきりしており、もはや基地は経済発展を阻害する最大要因でしかないというのは県民にとっては常識だ。
 観光業の伸びは目覚ましく、沖縄経済を力強くけん引している。他にも、IT企業の増加や那覇空港の国際貨物ハブの成功が効果を上げている。沖縄は経済成長率も全国トップクラスの伸びで、長年の課題であった「自立経済」は輪郭が見えてきた。こうした正しい沖縄像を伝え、県外との認識の溝を埋めていかないといけない。
 米統治下で、沖縄は圧制を受けながらも人権や自治、民主主義を自らの手でつかみ取ってきた。日本政府の強権に対しても、粘り強く民意を示し、あらゆる手段で抵抗し続ける必要がある。それは「国策の手段」にならない沖縄の未来を描くことにもつながる。
 
「沖縄の経済は基地に依存している」と本気で思っている本土の連中は多い。
 
それでも沖縄出身のジャーナリストや有識者の話を聞く機会があれば、沖縄は「基地経済の限界ははっきりしており、もはや基地は経済発展を阻害する最大要因でしかないというのは県民にとっては常識」という現実を肌身で知ることになり、それを国内に広めることが「基地の沖縄」から基地のない沖縄に解放する大きな手助けになるのではないだろうか、とオジサンは思う。   

posted by 定年オジサン at 12:16| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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