2018年10月09日

時代に逆行する安倍政権の原発政策


我が家は今から17年前、当時の通産省の助成金が支払われる最後の年に太陽光発電システムを導入した。
 
まだ大学生や高校生の子どもがいたため、15年のローンを組んで契約した。
 
当時は最新の発電用パネルを12枚屋根に乗せて順調に自家発電を続けていた。
 
しかし数年後の大雨で屋根瓦の一部から雨漏りが発生し、屋根の修復工事が発生した。
 
その時に立ちふさがっていたのがパネルたちであった。
 
屋根の修理職人にはパネルを一時的にしろ撤去はできないので、設置した業者に依頼したところ、一度撤去し屋根の修理後に再び設置するという作業にナント数十万円も請求された。
 
その請求額の当否を問うこともできず、しかも同業者が少なく従わざるを得なかったということがあった。
 
その後は故障もなく定期点検でも発電には問題ないということであった。
 
最新のパネルに比べれば発電効率は数段落ちるが、今年の夏の猛暑には久々にエアコンの冷房にお世話になったが、太陽光の発電量により日中帯の電力は充分間に合い、余剰電力の東電の買い取り金額も4000円前後になっていた。
 
自然エネルギーの恩恵を改めて実感した夏であった。
 
10月に入り新潟県では過去に例がない36℃という猛暑を記録したという日があったが、最近ではめっきり秋らしくなり、朝夕の気温はかなり低くなった。
 
それに伴い冷房は不要となり、売電することが増えてきた。
 
個人の家庭では喜ばしいのだが、ある地域では太陽光発電業者にとっては極めて深刻な事態が起きそうになってきている。
 
1か月程前にこんな記事があった。
 
<太陽光発電、九電が停止要求の可能性 原発再稼働も一因>
 2018年9月3日08時21分 朝日新聞
 太陽光発電が盛んな九州で、九州電力が事業者に一時的な発電停止を求める「出力制御」に踏み切る可能性が高まっている。早ければ、冷房などの電気の消費が減る9月にも実施されそうだ。原発の再稼働も一因とみられる。実施されれば一部の離島を除いて国内で初めてになる。
 日照条件に恵まれた九州では、太陽光発電が普及している。連休中の今年4月29日には、午後1時の時点で九電管内の電力消費のうち、8割以上を太陽光発電でつくった電気がまかなった。現在も、九電が受け入れる太陽光による発電は月平均で5万キロワット程度のペースで増え続けている。
 電気の需要を超えて供給が増えると、電気の周波数が変動して大規模な停電につながりかねない。九電は火力発電を抑えたり、昼間に太陽光発電の電気を使って水をくみ上げ、夜間に水を流して発電する揚水発電を行ったりして、需給のバランスを調整してきた。
 これらの調整も難しくなったとき、実施するのが国のルールで決まった出力制御だ。太陽光発電の事業者に指示し、発電をストップしてもらう。すでに壱岐(長崎県)や種子島(鹿児島県)などの離島では実績があるが、離島を除く国内ではない。
 出力制御の可能性が高まるのが、晴れて太陽光発電の電気が増える一方、冷暖房を使わず消費の伸びない春や秋だ。工場や会社が休みになる休日には消費が一段と落ち込み、実施が現実味を増す。「この秋にも実施する可能性がある」(九電)という。天気などを考慮した需要予測に基づき、出力制御を行う場合は前日の夕方までに事業者にメールなどで指示をする。
 九電では2015年の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に続き、今年に入って玄海原発(佐賀県玄海町)が再稼働し原発4基態勢になった。供給力がより高まったことも背景にある。
・・・後略・・・
 
7年前の東日本大震災時に発生した東電の福島第一原発の大事故以降、東電管内では電力不足となり、計画停電も都市部で実施された経験を持つ市民からすれば、随分贅沢な問題にも見えてしまう。
 
しかし、脱原発の声と共に自然エネルギー(現在は、再生可能エネルギー)への流れになったのだが、この九州電力の対応 には多くの疑問も沸いてくる。

そして1か月が経ち、その「可能性」が現実的になってきた。
 
<太陽光発電に停止要求の可能性「秋に入り供給過多」理由に>
 2018年10月8日 20時59分 NHK WEBNEWS
・・・前略・・・
九州電力は、電力の需給バランスが崩れて大規模な停電が起きるのを防ぐため、火力発電所の稼働を抑えるとともに、今月に入って余った電気を本州や四国に送る需給調整を初めて行っています。
しかし、こうした手段を講じても需要の少ない日には電力供給が過剰になるおそれもあるとして、九州電力が太陽光などの事業者に一時的に発電の停止を求める「出力制御」の実施を求める可能性が出ています。
仮に「出力制御」が実施されれば離島を除いて全国で初めてとなります。
実施にあたって世耕経済産業大臣は先週、「透明性、公平性の確保が非常に重要で、万が一、制御が行われた場合には国の審議会でも検証する」と述べ、特定の事業者に不利益が出ないよう事後に検証を行う考えを示しています。
九州は太陽光発電の「先進地」
日照条件がよい九州は全国的に見ても太陽光発電などの導入が進んでいる地域です。
九州では太陽光発電だけでことし8月末の時点で出力が最大800万キロワットに上っています。
このため需要が少ない春や秋の晴れた日中には太陽光の発電量で需要の8割をまかなえるまでになっています。
一方で、原子力発電所が再稼働して、現在、川内原発と玄海原発の合わせて4基が常時400万キロワット以上を供給していますが、原発は一時的に発電量を減らすことが困難です。
こうした中、今月はほぼ連日、過剰になった電力を九州以外の地域に送っていますが、本州と結ぶ送電線「関門連系線」の容量は557万キロワットが上限です。
こうしたことから、九州では電力の供給が過剰になる可能性が出ているのです。
電力供給が過剰になり一部で発電を止めたり抑えたりする仕組み
「出力制御」は、電力の供給が過剰になった場合に一部で発電を止めたり抑えたりする仕組みです。
電力は需給のバランスが崩れて周波数を保てなくなると、トラブルを防ぐため、発電所などが自動的に停止して大規模な停電が起きるおそれがあります。
先月の北海道の地震では大規模な火力発電所が停止し、供給力が急激に低下したことをきっかけにほぼ全域が停電する「ブラックアウト」に陥りました。
このときは供給力の低下が要因となりましたが、供給力が増えすぎても需給バランスが崩れるため大規模な停電が起きるおそれがあります。
こうした事態を避けるため、電力会社は需要が少ない場合、火力発電所の出力を絞るほか、過剰な電力を他の地域に送ることで需給バランスを調整します。
それでも供給力が大きすぎて需給のバランスが保てない場合は、太陽光や風力発電所にも「出力制御」を実施します。
この場合、天候に左右される太陽光や風力は発電量の制御が難しいため、一時的に発電を停止することになります。
 
ごく普通に考えれば、原発を止めればいいのであり、余計なものをわざわざ再稼働させるのが悪いということになる。
 
しかし、こんなうがった見方も当然でてくる。

九州電力による発電の停止を求める「出力制御」とは一体どういうことなのか。   
 
太陽光発電の今後は政治がらみ?|停止要求でどうなる資金回収」という記事から、その内容を要約して紹介する。 
 
太陽光発電などはパワコンデショナー(通称:パワコン)と呼ばれる装置を使って発電している。
 
つまりそのパワコンの稼働を止めれば発電は止まるわけである。
 
発電事業者のパワコンの稼働は、現地にて手動で停止させるか、遠隔装置にて停止させることになる。
 
現地でパワコンを停止させるのであればその電源を落とせば停止させることができるが、直前に連絡を受けた事業者が翌日に現地に赴いてパワコンの電源を落とすということは現実的ではない。
 
個人投資家として太陽光発電を営んでいる人たちは、必ずしも近くに住んでいるわけではないので、実質上、手動でパワコンの稼働を停止させることは不可能であろう。
 
従って現実的には遠隔装置を使ってパワコンの稼働を停止させることになり、これなら事業者自らでも、電力会社でも遠隔操作できるわけである。
 
そして既に、昨年来、九州電力や四国電力は事業者に対しこの遠隔装置の設置を要請していたという。
 
当時は通知を受けた事業者等は、「一体何のことだと」大騒ぎになっていたらしい。
 
ところが、太陽光発電装置を設置した投資家たちには、契約時に電力供給状況によって停止要求が出される可能性があることは通知されていたにもかかわらず、販売業者等にはそれを正確に伝えず、また遠隔装置を設置せざるを得なくなることも通知していなかったことが少なからずあったようである。
 
つまり九州電力管轄の太陽光発電の事業者たちにとっては、「昨年来の停止要求の可能性」ということはある意味寝耳に水だったというわけである。
 
まさにすでに稼働している太陽光発電に対する買取拒否になってしまう。
 
この事態が予測できていたにも関わらず、九州電力はすでに4基の原発の稼働をさせており、需要と供給が合わなくなれば大停電が起きかねないとなれば、電力会社としては最も利益率の悪いものを停止させるという選択になり、太陽光発電などからの発電が、九州電力の裁量にて停止させられることになってしまうというわけである。 
 
九州電力の様子を虎視眈々と観察し、その実施後すぐに後を追う可能性があるのが四国電力だという。
 
四国電力もすでに再三遠隔装置の設置を事業者に要請しており、太陽光発電の停止要求を実施しない電力会社は東京電力、中部電力そして関西電力の三社だけである。
 
これら三社は太陽光発電事業者との契約において将来の停止要求を条件としていないので実質上、停止要求ができない。
 
契約通り、決められた単価で決められた期間、全量買取することになっている。
 
このように全量買取ができる電力会社がある一方で、需給のバランスが崩れたことを理由に買取を拒否する電力会社が存在するというのが現状である。
 
太陽光発電の余剰電力買取が電力会社に義務つけられたのは2009年で、環境を考えた国を挙げての施策だったはずにもかかわらず2009年から現在2018年、約9年間、計画的にインフラを管理できなかったということであろう。
 
それは、「太陽光発電で経済産業省がやらかした『甘すぎる見積もり』」と指摘される通り、日本の太陽光エネルギーの固定買取制度はそろそろ曲がり角に来ており、固定価格はそろそろ限界になりつつある。
 
最近では、地方では急激なメガソーラー建設がもたらす環境破壊も指摘されるようになり、住民の建設反対運動も目立ってきている。
 
持続可能な再生エネルギーを求めながらも環境破壊が起きるとは、なんとも皮肉な結果ではある。
 
これも国の「第5次エネルギー基本計画」における2030年代に向けた政策対応には、「4.原子力政策の再構築:福島の復興・再生,不断の安全性向上と安定的な事業環境の確立等」とうたっており、これは「安全で安定した原発」の推進とも読める内容であり、こんな政策を取り続けるかぎりは、太陽光発電を始めとした持続可能な再生エネルギーへの本格対応は無理なのかもしれない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。