2017年09月21日

福島第一原発事故は永遠に収束できない!

国連総会で米国のトランプ大統領が演説の中で、「北朝鮮による『日本人の13歳の少女』(横田めぐみさん)の拉致」に言及したことに、家族は驚きと感謝の意を表していたが、これは国連総会前に拉致家族会からの突き上げがあり、トランプ大統領に安倍晋三首相が哀願していたことを、某局のニュースキャスターが明らかにしていた。
 
その見返りとして、安倍晋三首相は国連総会での演説は完璧にトランプ大統領の尻馬にまたがったかのような演説をしていた。
「全ての核・ミサイル計画を放棄させるために必要な行動は『対話ではない、圧力』。日本は日米同盟、日米韓の結束によって北朝鮮の脅威に立ち向かい、『全ての選択肢はテーブルの上にある』『軍事攻撃による北朝鮮の全面的な破壊』とする米国の立場を『一貫して支持する』」とまで言い切り、さらには、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮は「史上最も確信的な破壊者」と最大限の非難をしていた。
 
まるですぐにでも米国と一緒になって軍事行動に参加したいという魂胆にあふれていたようである。
 
この日米の「戦争屋」の二人と比べるとフランスのマクロン大統領は、はるかに抑制的で冷静な判断を示し、極めて真っ当な発言をしていた。
 
「我々の責任は、中国やロシアを含む全てのパートナーと共に北朝鮮を政治的解決の交渉テーブルへと断固として引き戻すことである」
 
ところで、22日の夜に帰国する安倍晋三首相は週明けの25日に記者会見を開き、衆議院解散の大義名分を手前勝手な項目を並べ立てて国民に説明するようだが、「調整中」とはいえ、臨時国会冒頭または所信表明演説後に衆院解散して、10月10日公布で22日の投開票というスケジュールは一人歩きしているので止めることは不可能であろう。
 
そうなれば、国民の信を問うという選挙は「安倍政治がNOかYES」しかない。
 
衆議院の定数は465に減り、改憲に必要な3分の2の議席数は310なので、野党が「総がかり」になって自公議員と小選挙区で対決しなければならない。
 
「共産党との共闘関係を見直す」と宣言して民進党の代表になった前原誠司も、選挙日程が明らかになるにつれて周辺議員からの「生き残るためには、○○が嫌い、共産党は嫌い、なんて言ってる場合か」との声を無視できなくなりつつある。
 
さらには、「水面下で進む『野党共闘』…残業代ゼロ反対の連合がカギ」によれば、民進党の支持団体「連合」に変化が出ているという。
 
「これまでの選挙で連合は、安倍政権が経済政策を最優先で取り組む――と叫んでいたため、表立った反対運動ができずに腰が重かった。しかし、一部の富裕層のみが富を独占するというアベノミクスの虚像がハッキリした今、ようやく労働者のための組織という本来の立ち位置で選挙を堂々と戦える。さらに何といっても譲れないのが『残業代ゼロ法案』です。連合は法案をめぐって上層部が一時、容認するような動きを見せましたが、下部組織の猛烈な反対が起きて神津会長が撤回を余儀なくされました。政府の働き方改革実行計画では、残業代ゼロ法案を必ず実現すると宣言していて、安倍政権が勝利すれば真っ先に手を付けるのは間違いない。この法案を何が何でも潰したい連合は、野党共闘しかないと腹をくくり、動き始めています」
(経済ジャーナリスト)
 
「働く人の権利がどんどん奪われていく中で、今こそ、連合の組織力が問われている。今、踏ん張らないと、サラリーマンは確実に追い詰められる。連合は『正義は我にあり』と信じて戦うべきです」
(政治評論家の山口朝雄)
 
かなり希望的観測ではあるが、連合がどこまで本気モードになって「労働組合」らしくなるのかが見ものである。
 
昨年の参院選では強力に野党共闘をとなえ統一候補を立てて11の1人区で勝利した「市民連合」呼びかけ人が野党共闘の必要性を語っていた。
 
<安倍政権、改憲勢力に対立軸を 「市民連合」呼びかけ人・中野晃一上智大教授>
 2017年9月21日 朝刊 東京新聞
 10月に予定される衆院選を巡り、民進、共産、自由、社民の野党4党が共闘できるかが焦点になっている。昨年の参院選で野党統一候補の擁立を後押しした市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の呼びかけ人である中野晃一上智大教授(政治学)に、共闘の意義などを語ってもらった。 (安藤美由紀、坂田奈央)
 2年前、安全保障関連法の強行採決という憲法を壊す動きに対し、国会の内外で連帯があった。昨年には参院選に向けて野党四党で、安倍政権に終止符を打つことなど市民との約束も含めて合意した。
 参院選では32の1人区で候補者を一本化し、3分の1を超える11で勝った。前々回の1人区では、野党で2つしか取れなかったから、共闘の力はそれなりにあった。参院選の1人区も衆院選の小選挙区も最終的には二極対決。安倍政権、改憲勢力に対し対立軸を描けるかが勝負になる。
 今の民進党は共産党との違いを強調しているが、それによって有権者を引き寄せられるのか。共闘は野党間だけでなく、市民との共闘という認識が欠落している。安倍政権の暴走を許さないというのが一番の争点であり、第二自民党にしか見えない振る舞いだったら、何のための野党かということになる。
 市民連合としては、共闘が進んでいる地域ではできるだけ安倍政治に反対する候補者を一本化してもらうよう呼びかける。改憲に対抗する礎(いしずえ)となるような政治家や政党の枠組みを後押ししていきたい。
<なかの・こういち> 1970年、東京都生まれ。東京大、英オックスフォード大などで学び、米プリンストン大で政治学の博士号取得。
 
今回の衆院選で野党が本気度を示さないと安倍政権はこのままで行くと最悪2021年まで続くことになり、憲法9条が破壊された悲惨な日本国になってしまうかもしれない。
 
国のメルトダウンどころかメルトスルーとなってしまう。
 
昨日、「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」という本が講談社から出版されたが、著者はNHKスペシャル『メルトダウン』取材班である。
 
その内容紹介にはこう書かれている。
 
「官邸や東電本店の要請に従わず、海水注水を強行した吉田昌郎・福島第一原発所長。日本中が喝采を送った『海水注水騒動』だが、事故から5年半経って原子炉にほとんど水が入っていなかったことが判明した。6年にわたる検証で浮かび上がってきた数々の『1号機冷却』の謎に迫る!
東京電力技術者や原発専門家ら1000人以上の取材して浮かび上がってきたのが、原子炉冷却をめぐる『情報の共有』に失敗という事実だった。東京電力テレビ会議の内容を、AIで解析し、吉田所長の疲労度を解析したり、事故対応の意思決定に組織上の問題があったことなどを突き止める。
事故6年目経過しても、次々に浮かび上がる新事実。福島第一原発事故の調査報道の金字塔というべき作品。」
 
この本の内容を発行元の講談社の「現代ビジネス」が特別公開していた。
 
<福島原発事故、原子炉に届いた冷却水は「ほぼゼロ」だったと判明>
2017.09.20 現代ビジネス
ほとんど注水はされてなかった
2016年9月7日。福岡県久留米市内のホテルはどこも珍しく満室だった。
春と秋、年に2回行われる日本原子力学会の大会に参加するため、全国から原子力関係者が、久留米市に集まっていた。
学会では、原子力安全や放射性廃棄物処理、高速炉などの次世代炉開発、核燃料など様々な分野の専門家が研究成果を発表する。その時点の最新の知見が発表されることもあり、メルトダウン取材班にとっては、継続して取材を続ける対象の一つになっている。
取材班が注目していたプログラムの一つが、国際廃炉研究開発機構(IRID)による発表だった。テーマは「過酷事故解析コードMAAPによる炉内状況把握に関する研究」。最新の解析コードを用いて、福島第一原発事故がどのように進展し、どこまで悪化していったのかを分析するものだ。
東京電力が初めてメルトダウンを起こしたことを公式に認めたのは、事故から2ヵ月以上経った2011年5月15日。今から見ると解析結果は楽観的といえるものだった。
当時、東京電力は、解析コードMAAPを用いて1号機の炉心状態をシミュレーションし、「解析及びプラントパラメータ(原子炉圧力容器周辺温度)によれば、炉心は大幅に損傷しているが、所定の装荷位置から下に移動・落下し、大部分はその位置付近で安定的に冷却できていると考える」と結論づけた。
かみ砕いていえば「1号機はメルトダウン(炉心溶融)を起こしたものの、圧力容器の底が溶かされて燃料が容器の底を突き抜けるメルトスルーはごく限定的で、核燃料デブリは原子炉内にほとんどとどまっている」とされていたのだ。しかし、いまやそのように考えている専門家はほとんどいない。
いまでは大量のメルトスルーが起きたことは、もはや専門家間で共通の認識であり、関心事は、格納容器に溶け落ちたデブリの広がりが、格納容器そのものを溶かしているかどうか、という点に移っている。
今回の発表の特徴は、これまでの“どれだけ核燃料が溶けたか”に主眼を置いたものではなく、“どれだけ原子炉に水が入っていたか”という点に注目したことだ。その結果は、関係者に衝撃を与えた。
「3月23日まで1号機の原子炉に対して冷却に寄与する注水は、ほぼゼロだった」
事故当時に計測された、1号機の原子炉や格納容器の圧力に関するパラメーターを解析によって再現するためには、原子炉内への注水量を“ほぼゼロ”に設定しないと再現ができないことから、結論づけられたものだ。
東京電力が1号機の注水量が十分でないことに気づき、注水ルートを変更したのが事故発生から12日経った3月23日のことだ。それまでは、1号機の原子炉冷却に寄与する注水はほぼゼロだったというのだ。
会場はざわついていた。詰めかけた関係者の中で、最初に質問したのは全国の電力会社の原子力分野の安全対策を監視・指導する立場にある原子力安全推進協会(JANSI)の幹部だ。
「事故から5年以上たって、初めて聞いた話だ。いまだにこんな話が出てくるなんて……」
発言には明らかに不満が込められていた。事故から5年以上経過しても次々と出てくる新たな事実。最新の解析結果の発表は事故の真相の検証はいまだ道半ばであることを物語っていた。
浮かび上がった注水の「抜け道」
福島第一原発事故対応の“切り札”とされた消防車による外部からの注水。それが原子炉へ向かう途中で抜け道があり、十分に届いていなかった。
その可能性を最初に社会に示したのは、メルトダウン取材班だった。
取材班は2011年の事故発生直後から消防車による注水にいくつかの疑問を持っていた。2011年9月9日に発表された消防車からの吐出流量と原子炉近傍の流量が異なるという矛盾。さらに、本来空っぽであるはずの3号機の復水器が満水であるという東京電力からの不可思議な発表。
本当に消防車による注水は原子炉に十分に届いていたのか。本格的な検証を始めたのは2012年秋頃からだった。当時、後に公表される“吉田調書”はまだ未公開だった。取材班は、事故当時に公開されていたテレビ会議を詳細に読み解くことを試みる。
すると3号機への海水注入が始まった後の3月14日午前3時36分、原子力部門の最高責任者で副社長だった武藤栄と吉田が、3号機の消防注水の有効性を疑う会話を交わしていたことがわかった。
武藤「400t近くもうぶち込んでいるってことかな?」
吉田「ええ、まぁ途中で1時間位止まってますから」
武藤「ということは、あれだな、ベッセル〔原子炉圧力容器〕、満水になってもいいくらいの量入れてるってことだね」
吉田「そうなんですよ」
武藤「ちゅうことは何なの。何が起きてんだ。その溢水しているってことか、どっかから」
吉田「うん、だからこれやっぱ、1号機と同じように炉水位が上がってませんから、注入してもね。ということは、どっかでバイパスフローがある可能性が高いということですね」
武藤「バイパスフローって、どっか横抜けてってるってこと?」
吉田「そう、そう、そう、そう、そう。うん」
では、消防注水の抜け道は、どこにどのようなメカニズムで生じるのか。そして原子炉に届く水の量はどの程度なのか。取材班は独自に入手した3号機の配管計装図(P&ID)という図面をもとに専門家や原発メーカーOBと徹底的に分析した。
すると、消防車から原子炉につながる1本のルートに注水の抜け道が浮かび上がった。その先には、満水だった復水器があった。
検証を続けていた東京電力
実は、こうした“抜け道”は3号機だけではなく、1号機にも存在していた。しかもその漏洩量は、3号機をはるかに上回るものだった。
2013年12月になって、東京電力は事故の教訓を広く共有するため、技術的な分析「未解明事項」を発表した。報告によると、1号機には10本、2号機・3号機にはそれぞれ4本の「抜け道」が存在するというのだ。2011年3月23日までほぼゼロだった1号機への注水量。その原因はこの10本の抜け道にあった。
これだけの抜け道が存在する1号機の原子炉にはいったいどれだけの量の水が入っていたのか? その詳細を知るには最新の解析コードによる分析が必要だった。
福島第一原発の1号機、2号機、3号機にいつどれだけ水が入り、どのように核燃料はメルトダウンしていったのか、最新の解析コードで分析するBSAF(Benchmark Study of the Accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station 福島第一原発事故ベンチマーク解析)とよばれる国際共同プロジェクトが進んでいる。
事故の翌年2012年から経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)が始めたこの取り組みは、世界各国の原子力研究機関や政府機関がそれぞれ所有する過酷事故解析コードを改良しながら、福島第一原発事故の進展と現在の状況を分析する世界最先端の研究だ。
その運営を担う機関が東京・港区西新橋にある。エネルギー総合工学研究所。電力会社や原発メーカーのOBに加え、外国人研究者が名を連ねる日本でも有数の研究機関だ。
同研究所原子力工学センターの副センター長の内藤正則は福島原発事故前から日本独自の解析コードSAMPSONを開発し、BSAFプロジェクトの中心的役割を担う人物だ。
2017年2月、NHKでは内藤を含めた専門家を交え、1号機への注水など事故の進展に関する分析を行った。内藤は、BSAFの取り組みを通じて各国の研究機関がシミュレーションから導き出した“現時点で最も確からしい”としている最新の注水量を告げた。
「1秒あたり、0.07〜0.075リットル。ほとんど炉心に入っていないことと同じです」
国際機関が検証している最新の注水量。多く見積もっても、1分当たり1.5リットルペットボトルの半分程度しかない注水量に専門家たちも衝撃を受けた。
5年以上にわたって事故の検証を続けてきた内藤が提示したのは、この章の冒頭でIRIDが原子力学会で発表した数値より具体性を持った数値だった。
生み出された大量の核燃料デブリ
しかしながら、1号機の注水ルートに「抜け道」がなければメルトダウンを防ぐことができたのか? 答えはNOだ。
吉田が官邸の武黒からの指示を拒否し、注水を継続していた局面は3月12日午後7時過ぎのこと。しかし、SAMPSONによる最新の解析によると、1号機のメルトダウンはこの24時間前から始まっており、消防車による注水が始まった時点では、核燃料はすべて溶け落ち、原子炉の中には核燃料は全く残っていなかったと、推測されているのだ。
注水の遅れは事故の進展や廃炉にどのような影響を与えたのか。内藤は「MCCIの進展に関してはこの注水量が非常に重要になる」と口にした。
MCCI(Molten Core Concrete Interaction)は“溶融炉心コンクリート相互作用”と呼ばれ、溶け落ちた核燃料が原子炉の底を突き破り格納容器の床に達した後、崩壊熱による高温状態が維持されることで床のコンクリートを溶かし続ける事態を指す。
SAMPSONによる解析では、MCCIが始まったのは3月12日午前2時。1号機の原子炉の真下の格納容器の床にはサンプピットと呼ばれる深さ1.2メートルのくぼみがあり、そこに溶け落ちた高温の核燃料が流れ込むことで、MCCIが始まった。
それから13時間後。吉田が注水継続を判断した3月12日の午後7時過ぎには、侵食はおよそ2・1メートルまで達していたと推定される。
当時の消防車からの吐出量は1時間あたりおよそ60トン。東京電力の1号機事故時運転操作手順書(シビアアクシデント)によれば、この時点での崩壊熱に対して必要な注水量は、15トンとされている。つまり消防車は必要量の4倍の水を配管に注ぎ込んでいたのである。
この水が、原子炉、あるいは格納容器の床面にある溶け落ちた核燃料に確実に届いていれば、コンクリートの侵食は十分に止まるはずだった。
しかし、消防車から注ぎ込まれた大量の水は、途中で「抜け道」などに流れ込んだことで、原子炉にたどり着いた水は“ほぼゼロ”。コンクリートの侵食は止まることなく、3月23日午前2時半には深さは3.0メートルに達した。
その結果、もともとあった核燃料と原子炉の構造物、コンクリートが混ざり合い、「デブリ」と呼ばれる塊になった。1号機のデブリの量はおよそ279トン。もともとのウランの量69トンに比べ4倍以上の量となった。
日本原子力学会で福島第一原子力発電所廃炉検討委員会の委員長を務める宮野は、大量に発生したデブリが、今後の廃炉作業の大きな障害となると憂慮する。
「279トンってもの凄い量ですよ。しかも核燃料とコンクリートが入り混じって格納容器にこびりついている。取り出すためにはデブリを削る必要がありますが、削り出しをすると、デブリを保管するための貯蔵容器や施設が必要になっていく。
本当に削り出して保管するのがいいのか、それとも、削らずこのまま塊で保管するのがいいのかって、そういう問題になっていく。保管場所や処分の方法も考えなければいけない」
内藤が続ける。
「当時の状況では厳しいでしょうけど、いま振り返ってみればもっと早く対応ができなかったのかと悔やまれますね。2011年3月23日、1号機の注水ルートを変えたことで原子炉に十分に水が入るようになり、1号機のMCCIは止まりました。
では、あと10日早く対応していれば、コリウム(溶け落ちた核燃料などの炉心溶融物)によるMCCIの侵食の量は少なくて済んだ。少ないです、ものすごい……」
廃炉を成し遂げる道に立ちはだかる、1号機格納容器の底にある大量のデブリの取り出し作業。消防注水の抜け道が存在し、MCCIの侵食を食い止められなかったことは、今後長く続く廃炉への道の厳しい状況を生み出してしまったのだ。
 
「消防車による注水が始まった時点では、核燃料はすべて溶け落ち、原子炉の中には核燃料は全く残っていなかった」ことが事実ならば、当時はかなり無駄でしかも被曝するという危険なことをやっていたということであろう。
 
浅はかな人間の浅知恵だったのかもしれない。 
 
さらには自衛隊による空からの放水作戦はまったくのパフォーマンスであったかもしれない。  
 
【福島第一原発放水作戦】

 
【20130526 ANN テレメンタリー2013 自衛隊ヘリ放水の謎?日米同盟最大の危機?】

 
【石原慎太郎男泣き 放水作業の東京消防庁隊員 都知事に報告】

 
あらためて当時の動画を見ると、ひとたび原発事故が発生し炉心が冷却できなければ、もはや人間の手では放射性物質の拡散は止められず、それが、「核燃料20年度取り出し開始断念 福島第1原発1、2号機プール」ということになるのである。
 
ヒョットするとチェルノブイリのように石棺で覆わなければならなくなるかもしれない。 
 
この原発大事故の責任者はいまだ処分されておらず、検察審査会による強制起訴による厳正な判決が求められる、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:34| 神奈川 ☀| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月18日

さよなら原発 さよなら戦争 そして安倍晋三

台風一過の秋晴れとなった「敬老の日」。
 
しかし永田町には台風18号以上の強い「解散風」が吹きまくっている。  

 「総選挙、来月22日軸 臨時国会冒頭解散が有力 野党『疑惑隠し』
 
さらば、汚職まみれの五輪」の冒頭でつぶやいたように、「本音としては苦戦が予想される補選を避け、最重要課題として成立させる方針だった働き方改革関連法案を先送りし、何よりも最大の目的は、安倍晋三の保身から「森友学園・加計学園疑惑」をリセットする」という、党利党略、安倍晋三保身解散・総選挙となりそうである。
 
さて、脱原発を掲げる「『さようなら原発』一千万署名市民の会」が、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の協力を得て、本日9月18日(月、敬老の日)、東京・代々木公園B地区で「ともに生きる未来を!さようなら原発さようなら戦争全国集会」を開く。
 
同会が全国規模の集会を開くのは今年の3月20日以来で、6カ月ぶり。
 
 「『さようなら原発』一千万署名市民の会」は、経済評論家の内橋克人、作家の大江健三郎、落合恵子、澤地久枝、瀬戸内寂聴、ルポライターの鎌田慧、音楽家の坂本龍一各氏らの呼びかけで2011年3月の東京電力福島第1原発事故直後にスタートした、原発廃止を求める署名運動団体だが、すでに870万を超す署名を集めている。
 
同会はこれまで何回も全国集会を開いてきたが、この時期にそれを開くことにしたのは、まず、「2011年3月の福島原発事故から6年を迎えたいまも、8万人近い人々が苦しい避難生活を余儀なくされ、補償の打ち切り、帰還の強制など、被災者の切り捨てともいえる『棄民化』が押し進められている」(全国集会参加を呼びかける同会のチラシから)のに加えて、安倍政権と電力業界が原発再稼働をいっそう推進しようとしているからである。
 
現在稼働中の原発は、九州電力の川内原発1号機、同2号機(鹿児島県)、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)、関西電力の高浜原発3号機、同4号機(福井県)の5基だが、九州電力が来年1月に玄海原発3号機(佐賀県)を、関西電力が来年の1月に大飯原発3号機、3月に同原発4号機(いずれも福井県)を、それぞれ再稼働させる予定だ。
 
加えて、原子力規制委員会が9月6日、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について、新規制基準に適合したとする技術的な審査結果と、同社の適格性を判断した文書をまとめた。
 
こうした情勢に、脱原発運動関係者は危機感を深めており、原発廃炉と核燃料サイクルの中止を求める運動を再び盛り上げようというわけである。
 
それに、改憲を悲願とする安倍首相が今年5月に「2020年までに、憲法9条3項に自衛隊を明記したい」と提起したことだ。
 
同会は「安倍政権の暴走が止まりません。秘密保護法、戦争法、共謀罪の新設に続き、憲法9条の改悪を打ち出しています。私たちを戦争の泥沼に引きずり込もうとする動きで、決して許すことはできません」(全国集会参加を呼びかける同会のチラシから)として、「暴走政権に『NO!』の声をあげましょう」と呼びかけている。
 
同会は、これまで、集会の中心スローガンには専ら「脱原発」を前面に掲げてきた。ところが、今回の全国集会のスローガンは「さようなら原発さようなら戦争」で、「脱原発」と「反戦」を同列に置いた。これは初めてのことで、脱原発団体としても日本の軍事化に突き進む安倍政権に対し強い警戒心を表明したものと言える。
 
もはや、安倍政権が続く限りは、「原発」はなくならず、秘密保護法、戦争法、共謀罪も容易には廃止にはできない。
 
9月15日の夜、日比谷野外音楽堂で開かれた「共謀罪は廃止できる! 9・15大集会」での国会議員らの挨拶は、共謀罪を廃止にするためには選挙で野党が過半数を取らねばならないと強調していた。
 
おそらくは、今日の集会も最終的には「打倒! 安倍内閣」の大合唱となりそうだが、早く安倍内閣に「合掌」したいものである、とオジサンは思っており、そのためにもこれから代々木公園に出かけることにする。
 
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posted by 定年オジサン at 10:09| 神奈川 ☁| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月23日

津波被害からは復興したが放射能汚染からは復興できていない

恐らくは8月に入って2週間ぶりといえる夏日になった。
 
オジサンの書斎の室温も30℃を超えていた。
 
1週間前に比べると一気に5℃も上昇している。
 
着ているものも一気に真夏仕様に戻ってしまった。    

今月3日に発表された「第3次安倍第2次改造内閣」という長ったらしい名がついている新しい内閣だったが、翌日には、早くも「茂木敏充人づくり担当相には女性記者へのセクハラ常習説」という記事が出ていた。
 
まあ、その程度の内容ならば特に大きく取り上げることではないが、公職選挙法に抵触するとなれば話は別である。  
 
<茂木経済再生相、公選法違反を否定も“証拠リスト”入手>
 週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載
 この度の内閣改造で、4度目の入閣を果たした茂木敏充経済再生相(61)。「週刊新潮」前号が報じた公職選挙法違反について否定コメントを発表したが、その“証拠”となるリストが存在していた。
 小誌が報じたのは、茂木事務所が地元・栃木5区の有権者に、約3000部の「衆議院手帖」を配布していた問題である。配布の対象は、各地域の後援会幹部が主だが、その中には後援会費や自民党費を払っていない人物が多く含まれ、彼ら自身も無償で提供を受けていると認識していた。
 “選挙区内”の“不特定多数”に“無償”で有価物を配布するこの行為は、
「公選法が禁じる『寄附行為』に該当し、違法である可能性が高い」
(政治資金問題に明るい上脇博之神戸学院大教授)
 これに対し、茂木事務所は8月9日に“政党支部の政治活動だから問題ない”旨のコメントを発表。しかし、小誌は手帖の“配布リスト”を入手している(写真)。「手帳配布予定概要(栃木市)」と題されたこの書類には、配布対象者の氏名が明記されているのだ。
 リストに名を連ねる面々に取材すると、
「(後援会費は)ないです。正月なんかには(茂木)本人が“これ作ったから使ってください”という感じで手帖をくれます」(Tさん)
「(後援会の)会費は納めていない。手帖は年末、自宅まで秘書さんが持ってきてくれるんです」(Mさん)
 との証言が。茂木事務所に改めて見解を尋ねるも、「事実関係については、9日付コメントで説明したとおりです」という答えだった。
 
まだこんなことが続いていたとはあきれるが、思い出すのは3年前。
 
2014年9月3日に発足した第2次安倍改造内閣には、小渕、松島両氏を含め史上最多タイの5人の女性閣僚が入閣した。
女性活用にこだわる安倍首相の強い意向が反映されたが、小渕氏は辞任、松島氏も辞任する方向になった。閣僚が次々と辞任して崩壊につながった、第1次安倍政権の二の舞になる可能性も出てきた。
 
事の発端は、当時まだ元気だった民主党の蓮舫が国会で、「松島氏が、自らの選挙区(東京14区)でのお祭りで配った」として、「寄付にあたり違法だ」と訴えたことであった。 
 
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「しっかりとした柄。それにつながる骨組みがある。うちわなら、価値のある有価物で、その配布は寄付となり違法だ」と指摘したことに対して、松島みどりは、「議員の活動報告を印刷した配布物だ。うちわと解釈されるならば、うちわとしての使い方もできる」と主張していた。
 
よく見れば、とても「討議資料」とは見えない代物であった。
 
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この「うちわ」が、討議資料か?有価物か?の議論はその後深まることはなかったのだが、松島みどりが野党の追及を「色々な雑音」と形容して陳謝したり、民主党議員が公選法違反容疑で刑事告発したりするなどし、追い込まれる形での辞任となったわけだが、いまから思えば、まだ野党として民主党に存在感があったことが、懐かしく感じてしまう。
 
当時の勢いならば、金田勝年法相を辞任に追い込み、共謀罪も葬り去ることが可能であっただろうし、「憲法・自衛隊法・公職選挙法」の三重の違反を犯した稲田朋美防衛相なんかはとっくにクビが飛んでいたことであろう。
 
こんなことをつぶやくと、「死んだ子の歳を数える」との表現で一笑に付されてしまうかもしれない。
 
しかし、あれから6年経っても一笑に付すことができない現実がある。
 
<福島第一原発 「凍土壁」の最終凍結始まる>
 8月22日 11時58分 NHKニュース
 福島第一原子力発電所の汚染水対策の柱で、建屋の周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土壁」について、東京電力は安全のため凍らせずに残していた最後の部分の凍結を22日始めました。去年3月に最初の凍結が始まってから1年5か月たち凍土壁はようやく完成のめどが立ったことになります
福島第一原発の「凍土壁」は、汚染水が増える原因となる建屋への地下水の流入を抑えるため、建屋の周りに埋めたパイプに氷点下30度の液体を流して長さおよそ1.5キロの氷の壁を作るものです。
すべての部分を凍らせると建屋の周囲の地下水の水位が急激に下がり、汚染水が漏れ出すおそれがあったため、山側の幅7メートルの場所は凍らせずに残されていましたが、今月15日、原子力規制委員会は安全対策が整ったとして、この部分の凍結を認可していました。
これを受けて福島第一原発では、22日午前9時に3人の作業員が氷点下30度の液体を流す地下のパイプにつながる11か所のバルブを順次開き、残されていた部分の凍結が始まりました。凍土壁は、去年3月に最初の凍結を始めてから1年5か月たちようやく完成のめどが立ったことになります。
凍結にかかる期間について、東京電力はこれまでの実績を当てはめると2か月程度になるものの、地下水の流れが速いため、それより時間がかかる可能性があるとしています。
東京電力は、凍土壁が完成すれば、建屋に流れ込んでいる1日およそ140トンの地下水を100トン以下まで減らせるとしていて、規制委員会は効果を慎重に見極めることにしています。
 
■原子力規制庁の大熊一寛総務課長
「仮に建屋周辺の地下水の水位が下がると建屋内の汚染水が外に出てしまうので今後、しっかりと状況を監視していく」
国費およそ345億円をかけて建設した凍土壁の費用対効果が明確でないという指摘については、「規制委員会はあくまで原発の周辺の環境に影響を及ぼさないように監視する立場で、コメントすることはない」
 
◆資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官
「万が一、地下水の水位が下がった場合の対応など、建屋から汚染水が漏れないよう対策をとっている。安定的に凍土壁を運用するとともに、さまざまな対策を組み合わせて汚染水対策の効果をあげていきたい」
 
NHKニュースはかなり楽観的な表現であったが、日本経済新聞はかなりシビアな見方をしている。
 
<福島第1原発の凍土壁、遮水効果見えず 秋にも全面凍結 >
 2017/8/22 21:54 日本経済新聞
 東京電力は22日、福島第1原子力発電所の汚染水対策として建設した氷の壁「凍土壁」を全面凍結させる作業を始めた。早ければ秋にも完成する。東電は全面凍結により1日約130トンの汚染水を100トン未満に減らせると説明するものの、原子力規制委員会や専門家は疑問視しており、遮水効果がはっきり表れるかどうかは不透明だ。
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 東電は22日午前9時、約7メートルの未凍結箇所に冷却液を流し込む作業を始めた。6年前の事故の爪痕が残る原子炉建屋を背に、作業員3人が11カ所のバルブを開けた。立ち会った経済産業省資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官は「凍結よりも成果を出すことが重要だ」と述べた。
 凍土壁は1〜4号機の周り全長約1.5キロメートルの地下に埋めた配管に冷却液を流して管の周囲を凍らせ、建屋に流れ込む水の量を抑える。345億円の国費を投じて建設し、昨年3月から段階的に凍結を進めてきた。
 東電によると、凍結を始める前は山側から凍土壁を抜けてくる地下水量が推定で1日約760トンだったが現在は同580トンに減った。9割以上凍結を終えた壁の遮水効果は、単純計算で2割強にとどまる。
 一方で、1〜4号機の周りに約40カ所ある井戸「サブドレン」で1日400〜500トンの地下水をくみ上げている。15日に全面凍結を認可した規制委は、このくみ上げが主要な汚染水対策だとしており、凍土壁は「あくまでもサポート」との見解だ。
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配管に冷却材を流す作業が開始された「凍土遮水壁」の未凍結区間(22日午前9時ごろ、福島第1原発)=代表撮影
 凍結をこれまで段階的に進めてきたのは、急激に水位が減ると建屋内の高濃度汚染水が外に漏れ出る恐れがあるからだ。摂南大学の伊藤譲教授は「水位を調整しながら慎重に作業を進めることが肝心だ」と話す。
 完全凍結が終わる時期もはっきりしない。2〜3カ月かけて地下30メートルまで凍らせる予定だが、水の通り道が細いと流れが速くなって凍りにくくなる。「今回は流れが速いため従来通りというのは難しい」(東電の担当者)
 かつて「汚染水対策の切り札」といわれた凍土壁だが、劇的な効果が期待しにくいうえ、維持費も年間十数億円かかる。三重大学の渡辺晋生教授は「凍土壁は一時的な遮水対策だ。別の方式の壁を作ることも検討すべきではないか」と主張する。
 
「凍土壁」は試行錯誤の結果の「汚染水対策の切り札」であったが、なぜ汚染水が発生するのかという根本的な問題を解決する術がないのが現状であろう。
 
1979年にアメリカで起きたスリーマイル島事故では炉心溶融が起きたが、燃料デブリは原子炉の圧力容器の底にとどまっていたため、1990年までに全て取り出すことができた。 
 
しかし原子炉の圧力容器を突き破り溶け落ちた核燃料が原子炉のコンクリートや金属と混ざり合い、冷えて固まった燃料デブリが存在する福島第一原発の2号機の格納容器内の放射線量は、5年前の3月の調査時に毎時73シーベルトという人間は5分46秒間で死亡するレベルを観測されていた。  
 
少なくとも人間の力では決して取り出すことができず、また、うまく取り出すことができても処分する場所が確定されていない状態である。
 
最近ではほとんどメディアに登場しなかった福島第一原発の後処理は途方もない時間と費用が発生する。 
 
それでも原子力ムラの連中は原発再稼働を進め、最近ではおどろくべきことに、エネルギー基本計画をめぐり、焦点となっている原発の新設や建て替えについて明記を見送る方向になったにもかかわらず、原発関連業界などから見直して盛り込むよう求める声が出ている。
 
すでに韓国や台湾が原発新設を白紙に戻して、エネルギー政策の転換を図っているにもかかわらず、いまだに「に原発神話」にすがりつく日本は、再生可能エネルギーへと向かう世界の潮流から取り残されることになることは明らかであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:54| 神奈川 ☀| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月01日

住民を分断する原発事故の不始末

3月10日に第45回原子力災害対策本部会議が首相官邸4階大会議室で開かれた。
 
そこでは「浪江町・富岡町における避難指示区域の解除について」として以下のことが決定された。
 
(1)浪江町
@町内の居住制限区域及び避難指示解除準備区域を解除する。
A上記@の解除は平成29年3月31日午前0時に行う。
(2)富岡町
@町内の居住制限区域及び避難指示解除準備区域を解除する。
A上記@の解除は平成29年4月1日午前0時に行う。
 
この会議に出席していた安倍晋三首相は最後にこんな挨拶を行っていた。
 
・福島については、本日、浪江町及び富岡町の解除を決定した。大熊町・双葉町を除き、全ての居住制限区域、避難指示解除準備区域がこの春には解除され、「本格的な復興」のステージを迎える。
・「東北の復興なくして、日本の再生なし」。切れ目のない被災者支援、住まいとまちの更なる復興、観光振興や風評の払拭を通じた生業の復興、原子力災害からの復興・再生、そして、特に、被災地の将来を支える人材育成、震災を経験した方たちの心のケア、全て、東北の復興のために欠かすことができない。
・「閣僚全員が復興大臣である」との意識を改めて共有し、被災者の方々の心に寄り添いながら、自らの持ち場で全力を尽くすよう、改めて指示する。
 
「全ての居住制限区域、避難指示解除準備区域がこの春には解除され」さえすれば、「本格的な復興」のステージを迎えられると思っているのか。
 
まさに絵空事のような挨拶であった。
 
そして4月1日になり避難指示が解除された現地からのニュースが飛び込んでくる。  
 
<避難指示解除の3町村で催し>
 2017年04月01日土曜日 河北新報
 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の避難指示は1日午前0時までに、富岡町など4町村で一部を除き解除された。このうち浪江、川俣両町と飯舘村では解除日の31日、セレモニーや訓示などが行われ、関係者が復興への決意を新たにした。
◎浪江/「うっすら光が差した」
 浪江町では海を望む請戸地区の高台に、町関係者らが集まった。死者・行方不明者184人。慰霊碑に刻まれた東日本大震災の地元の犠牲者に避難指示解除を報告した。
 慰霊碑は3月11日、除幕された。町民有志の呼び掛けで駆け付けた約30人は夜明けに合わせて黙とう。馬場有町長は「復興へうっすら光が差した」と話した。
 避難先のいわき市から足を運んだ製造業半谷正彦さん(38)は「解除は一つの区切り。これからが大変だ」。南相馬市に避難する無職の女性(66)は「少しずつでも地域の人たちが戻るよう、できることから頑張りたい」と語った。
 町内の解除対象は、5841世帯1万5327人。帰還促進を目指す町は新年度から、大半の部署の業務を町内の本庁舎で再開する。 「新たな歴史の一ページを共に創ろう」。懸垂幕が掲示された町役場での訓示で、馬場町長は「住民に寄り添って行政執行してほしい」と職員に求めた。
飯舘/「かつての姿取り戻す」
 飯舘村は昨年8月開館の村交流センターで「おかえりなさい式典」を開催。「心を込めて丁寧に」を意味する方言「までい」の村らしく、着実に復興に取り組むことを誓った。
 約300人が出席した式典で菅野典雄村長は「新たな村づくりに挑戦していく」と表明。内堀雅雄知事は「努力の積み重ねで今日を迎えられた」と述べた。
 村民代表として畜産農家の山田豊さん(34)が「かつての村の姿を一歩一歩取り戻す。飯舘村が再び輝くまで決して諦めない」と宣言した。小学生たちの歌の披露やさとう宗幸さんのミニコンサートもあった。
 住民の思いは複雑だ。避難先の福島市から村内に戻った渡辺しづえさん(82)は「星もきれいな飯舘にようやく住める。言葉では言い表せない」と話した。10月に帰村予定の佐藤信行さん(76)は「周りで戻る人はほとんどいない」と地域の行方を心配した。
 飯舘村の解除対象は1753世帯5859人。
◎川俣・山木屋/「若い人にバトン渡す」
 山木屋地区の避難指示が解除され、避難区域が解消された川俣町は町役場で式典を開催した。佐藤金正町長は「解除は出発点。自然豊かな山木屋に戻すため心を一つにしなくてはいけない」と職員らに訓示した。
 解除対象は548世帯1156人。地元自治会は地域の輪を守ってきた。会長の広野太さん(67)は「少しだけ肩が軽くなった。高齢者らをサポートしながら(復興へ)若い人にバトンを渡していく」と話した。
 町内の仮設住宅に暮らす町民たちは徐々に地域に戻る。「自宅のリフォームはこれから。仮設暮らしがもう少し続きそう」と渡辺実さん(78)。鴫原嘉子さん(86)は「帰れるのはうれしい。ただ田畑がどうなっているか心配。帰ってからが大変だ」と語った。

大津波の被害からの避難者は解除によって新たな生活設計が可能となるかも知れない。 

地震や津波の被害はないが原発事故の影響で6年前の民主党政権によって強制的に避難させられた住民の中で、特に年配者たちには一刻も早く自分たちの故郷に戻りたい気持ちが強かった。
 
放射線量が世間水準より高かろうが、生まれた土地で最後まで住みたいという老人たちが多かった。
 
おそらく、当時の原子力関連学者の「60歳以上の高齢者は積極的に地元の生産物を摂取しても構わない」という発言が大きく影響したのかも知れない。
 
しかし現実的には解消された区域に帰還する人たちは一握りで、まだまだ多くの問題が残っている。    
 
<福島・避難指示解除 帰還1割未満 追い続ける復興>
 毎日新聞 2017年4月1日 00時43分 
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 増える作業員 共生を模索
 政府は1日、前日の福島県浪江町・飯舘村・川俣町に続き、富岡町でも東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示を解除した。帰還困難区域を除き、今春までに解除するとの政府目標は達成されたが、当面の帰還者は1割に満たない。国や自治体は廃炉産業などを頼りに新住民を転入させ「まち残し」を図る一方、事故前からの住民には見知らぬ廃炉・除染作業員との共生に不安を感じる人も少なくない。作業員が帰還者の数を上回る町もあり、復興に向けた新旧住民の共生は一筋縄ではいかない。【土江洋範、関谷俊介、宮崎稔樹】
 「世界の研究者や廃炉企業の関係者など新しい住民を受け入れたい」。富岡町の宮本皓一町長は力説し、元の町民の帰還だけにこだわらないとした。
 国は、被災した沿岸部を廃炉研究やロボット開発などの集積で復興させる「イノベーション・コースト構想」を推進。自治体側も関連施設の誘致に躍起で、雇用創出による人口増を期待する。
 富岡町も、構想の拠点となる廃炉研究施設の誘致を要望。放射性物質を含んだ稲わらや焼却灰を町内で最終処分する国の計画を、2015年12月に受け入れるのと前後して建設が決まった。
 一方、富岡町に隣接する楢葉町。「ゴミ出しを指定日以外にしたり、分別しなかったりして、イノシシやカラスに荒らされる」と男性(79)は顔をしかめた。不満の先は、自宅近くにある宿舎に住む除染作業員らだ。
 同町は解除から1年半が過ぎ、廃炉や除染の作業員の流入が進む。帰還した町民は人口の11%にあたる818人(3月3日現在)にとどまるのに対し、作業員は約1500人。25カ所の民宿やプレハブ宿舎に滞在する。昨年8月には、除染作業員2人が自転車盗の容疑などで逮捕され、町は「帰還意欲が低下する」と環境省に抗議した。
 町は昨年、住民の不安解消に向け、作業員宿舎の建築主に計画書の提出を求め、何が建つのかを記した標識を予定地に立てるよう義務づける条例を施行。町民の求めに応じて、説明会を開くことも求めた。同様の条例は同町の南隣にある広野町でも施行されている。
 住民の帰還が富岡町より一足早く始まった楢葉町。担当者は「作業員も復興のためになくてはならない存在」と述べ、共生の方法を模索している。
 
2011年3月11日の東日本大震災の大津波の影響で全電源喪失という想定外の事態により、東京電力福島第一原子力発電所が大爆発し大量の放射性物質が大気上に拡散された。
 
政府が大パニックを恐れた情報隠しにより、北上する風の影響で飯館村住民は数カ月にわたり内部・外部被曝にさらされた。
 
そんな地域でも避難者に帰還するよう政府は迫っている。
 
昨年6月、日本政府は2017年3月31日に福島県飯館村の帰還困難区域を除いて避難指示を解除する方針を明らかにし、それを受けて国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、飯館村村民が帰還して事故前の暮らしを続けた場合、生涯どれくらい被曝するかを推定することにした。
 
その結果を2017年2月、「遠い日常 No Return to Normal」と題して、福島・飯舘村の民家における放射線の状況と潜在的生涯被ばく線量を発表した。
 
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2017年3月末に、2011年以来避難していた福島県飯舘村住民の帰還が可能となる。日本政府はこの日に避難指示解除を予定しており、1年後には賠償が打ち切りとなる。6,000人超の飯舘村住民にとって不確実で、そして不安の時となる。飯舘村は、損傷した東京電力福島第一原発の北西に位置し、2011年の事故により高濃度に汚染された地域の一つである。面積は200平方キロメートル以上に広がり、その75パーセントは山林である。森林は、東電福島第一原発事故以前は住民の暮らしの一部だったが、現在は放射線量が高く、事故後30年の今も公式に居住が許されていないチェルノブイリの30キロメートル圏立ち入り禁止区域に匹敵する。
除染は民家のごく周辺と農地および道路脇から20メートルで集中して行われている。こうした除染により数百万トンもの核廃棄物が出るが、それが県内のあちこちに無数に置かれている。しかし、飯舘村の放射線レベルは安全な値までには低下していない。帰還について判断しようとしている住民にとって、年間ではなく生涯にわたる被ばく量がどの程度になるのかは、重要な問いだが、日本政府は答えていない。
グリーンピースの放射線調査チームが探したいと考えたのは、この問いに対する答えだった。グリーンピースは、2011年3月末に飯舘村を調査し、いち早く避難の必要を訴えた。
それ以来、継続的に調査を実施してきた。直近では2016年11月に調査を実施した。その目的は、飯舘村のエリア2(居住制限区域)内の民家で数千カ所の放射線測定値を集めることだった。日本政府が2017年3月で避難指示を解除するとしている地域である。
本調査では、民家をある区画ごとに分割し、その区画の加重平均を提供する測定値に加え、東京の測定所での土壌試料の分析、空間放射線量が高いホットスポットの測定および2016年2月より2軒の民家に設置した個人線量計(ガラスバッジ)の回収を行った。
民家で測定した空間線量の加重平均値は、その飯舘村住民が帰還した場合により高いリスクにさらされることを明確に示唆している。2017年3月から70年間とした生涯被ばく線量の範囲は、39ミリシーベルトから183ミリシーベルトだった。
これには、生涯にわたって受ける自然放射線による被ばく、また、2011年3月におきた東電福島第一原発事故直後から数週間、飯舘村の場合数カ月になるが、避難前の内部・外部被ばくは含まれていない。国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、一般公衆の被ばく限度は年間1ミリシーベルトである。日本政府、国際原子力機関(IAEA)および原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、福島県民が帰還した場合の生涯被ばく線量を提供することはしていない。
日本政府は、木造家屋のガンマ線に対する遮へい効果について、屋内の放射線レベルは屋外の40パーセントとなる数値を使っている。しかし、これは過大評価の可能性があることを、飯舘村の安齋徹氏宅に設置した個人線量計の値は示唆している。家の外で測定された平均値は毎時0.7マイクロシーベルトであり、これは政府の遮へい効果予測に基づけば、年間2.5ミリシーベルトになるはずだ。
しかし安齋氏宅内に設置した個人線量計は、年間5.1から10.4ミリシーベルトの間を示した。日本政府は、長期的な除染目標を年間1ミリシーベルトとしている。なお、これは毎時では0.23マイクロシーベルトとなる。
調査した民家において、放射線レベルは、あきらかに政府の目標からはほど遠いものだった。屋内屋外ともに比較的高い放射線レベルであったことは、飯舘村に帰還する住民のリスクが高まることを示す。日本政府はこのリスクに目をつむることを選んだ。飯舘村では非常に複雑な放射線緊急事態が続き、リスクは非常に不確実かつ未知である。事故以前の日常は遠いものとなってしまっているのである。
提言
・ 日本政府は、生涯被ばく線量の潜在的なリスクを含む科学に基づいた分析をしない、福島の人々を無視したままの帰還政策を続けてはならない。
・ 日本政府は、避難者を含む住民との協議など、住民の意見を反映させる透明性のある政策を確立すべきである。
・ 日本政府は、住民が帰還するか移住するかについての判断を、経済的に追い込まれたり、忍従を強いられたりすることなく下せるようにすべきである。避難者を経済的に支援し、人々の健康を守るため、予防原則に基づき被ばくリスク低減のための対策をとるべきである。
東京電力福島第一原発事故から6年になるが、飯舘村の放射線量はいまだ高濃度であり住民の安全な帰還は保証されない。2016年11月に行った最新の調査結果は、除染地域および非除染地域の両地域における放射線量を明らかにし、その結果、飯舘村の住民たちの帰還には、健康と安全についての危険性が増加する可能性があることを示した。よって、住民の帰還は公衆衛生・安全の見地からは、推奨することはできない。2017年においても、飯舘村はその放射線量において、いまだ非常事態の中にある。
ここで「非常事態」という言葉を明らかにしておきたい。仮にこれらの放射線量が飯舘村ではなく原子力施設で検出されたとしたならば、人の健康と安全、財産や環境に影響する重大な被害を軽減するための迅速な対応が、関係当局に求められるだろう。
しかし実際には政府は、今回グリーンピースが調査した地域においても除染が完了したとしている。その結果、避難指示は2017年3月に解除されることとなり、数千人におよぶ住民が村へ帰還するかどうかの決断を強いられている。1年後の損害賠償打ち切りを考えると、決断は非常に困難だ。
今回の飯舘村の民家のケーススタディーは、帰還する住民の生涯被ばく線量が、100ミリシーベルト超にさらされうるリスクを明確に示した。この値は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告、一般人の被ばく限度年間1ミリシーベルトをはるかに上回る値である。
国際原子力機関(IAEA)や原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)も、今のところ飯舘村やその他の避難指示解除予定の地へ帰還する住民の潜在的な生涯線量の分析を提供していない。
今回のグリーンピースの放射線調査は、非常に複雑な放射線状況を例証し、現状は事故以前の”日常”の状態とかけ離れていることを示している。調査及び個人線量計(ガラスバッジ)による計測から、線量のレベルはさまざまであり、リスクは非常に不確実かつ未知だと言える。
高い不確実性の残る中、とくに放射線に対し感受性の高い女性や子どもを含む飯舘村住民をこのような被ばくのリスクにさらすことは正当化できない。子どもたちは、電離放射線被ばくの影響を受けやすく、外遊びなどで地表高さの放射線に接するリスクもより高いため、潜在的な被ばくが特に懸念される。さらに、もし住民が帰還した場合、その複雑な放射線状況で被ばくリスクを最小化するためには、日常生活において事故前とはまったく違う行動をとることが求められる。
また、行政によって除染完了とされた地域は、飯舘村の土地のほんのわずかな割合であることも強調しておくべきだろう。放射線量が低下したとされるエリアでさえも、政府の長期的な除染の目標値である毎時0.23マイクロシーベルトはほとんど達成できていない。
東電福島第一原発事故以前は住民の暮らしの一部であった森林における放射線量は、事故後30年の今も公式に居住が許されていないチェルノブイリの30キロメートル圏立ち入り禁止区域に匹敵する。
日本政府は、あえて「除染された」住宅と道路でできた屋外監禁施設を作ることを決めた。しかしそこは、まだ放射線レベルはおおよその場所で安全とはいえず、そして除染不可能な広大な森林が再汚染を起こし続ける可能性がある。
帰還した場合に住民が受けるであろう生涯被ばく線量は、公共衛生と安全の観点から容認できるレベルをはるかに超える可能性があることが、グリーンピースの調査と分析により確認された。低電離放射線による長期被ばくの健康影響を観察した疫学的研究は、白血病などの非固形ガンへの過剰相対リスクには、しきい値がないと結論づけている。固形ガンへの放射線の相加リスクは、生涯にわたって被ばく量に対応して増えつづける。これは国際放射線防護委員会(ICRP)の定める放射線防護基準の国際的な基本である。
女性、若年層、子どもたちは放射能の影響を受けやすいことで知られている。そして放射能汚染地域に帰れば数十年にわたって被ばくする。意外なことだが、飯舘村の住民が帰還を選んだ場合、危険区域として管理された環境で、規制のもとで働いている世界中の原発労働者のほうが、より放射線から守られていると考えられる
4年前、国連人権理事会(UNHRC)の特別報告者は日本政府に対し、市民の健康に対する権利を守ることと、東電福島第一原発事故後の政策は、100ミリシーベルト以下の場合も含めた低線量被ばくに起因する健康への悪影響を示す既存の証拠をもとにすべきと求めた。報告者は「避難者は、放射線量を可能な限り下げられ、年間1ミリシーベルト以下のレベルになったときのみ、帰還を推奨されるべきだ」と訴えた。
今回の飯舘村で行った放射線調査の結果から、日本政府は、国連人権理事会からの勧告を拒んでいると言える。日本政府は、何万人もの福島の人々の権利を、冷酷にも意図的に無視している。
 
安倍政権は2020年までに「東北の復興なくして、日本の再生なし」を実現するために、東北3県の被災地を「復興」したことにし、さらには原発事故もなかったかのように、汚染地域に住民を今度も「強制帰還」させようとしている。
 
あらためて、この提言を政府は真摯に聴くべきである。
 
・生涯被ばく線量の潜在的なリスクを含む科学に基づいた分析をしない、福島の人々を無視したままの帰還政策を続けてはならない。
・避難者を含む住民との協議など、住民の意見を反映させる透明性のある政策を確立すべきである。
・住民が帰還するか移住するかについての判断を、経済的に追い込まれたり、忍従を強いられたりすることなく下せるようにすべきである。避難者を経済的に支援し、人々の健康を守るため、予防原則に基づき被ばくリスク低減のための対策をとるべきである。


 
この提言を実行できなければ、政府は原発被災者たちを危険な人体実験の対象にさせてしまうと非難されてもしかたがない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:37| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月18日

6年経っても「想定外」は通用しない原発事故

ふと思い出した先日の朝刊に載っていた文芸評論家・斎藤美奈子の「本音のコラム」。
 
【豊洲と豊中】
 「東の豊洲」と「西の豊中」ってなんだか似ていない? 多くの人が感じていることだろう。
 豊洲は東京都が破格の高値で買い上げた築地市場の移転予定地。豊中は国が不当な安値で払い下げた森友学園の小学校建設予定地だった土地。
 疑惑がらみの土地売買でもある点も、背後に政治家の関与がちらつく点も似ているが、さらなる共通点は土壌汚染や地下のゴミなど、問題の多い土地だった点である。
 片や卸売市場、片や小学校ですからね。通常以上にクリーンであるべきなのに、なぜこんなダーティーな土地が選定されたか理解に苦しむ。
 豊洲の場合は、銀座に近くて利用価値の高い築地を有効活用するため、市場を移転させたかった都と、洗浄が必要な工場跡地が高値で売れるならラッキーと考えた東京ガスの思惑が一致した?
 豊中の場合は、学校用地を安く取得したい学園と、使い道のない国有地を手放したい国の思惑が一致した? ここは伊丹空港の元騒音対策対象地で、過去にはゴミの投棄が絶えなかった池沼だったという話もある。
 いずれにしても「訳あり物件」だからこそ生じた政官民の不正疑惑。そこで鮮魚を扱う業者や学校生活を送る児童生徒のことはまるで考慮されていない。もしかしてこれは氷山の一角ではないのか。二か所であったことが三か所であっても不思議ではない。

「西の豊中」は、本質的な問題よりもキャラが濃すぎる胡散臭い連中が多く登場してしまい。テレビメディアの格好の餌食となってしまった感が強い。
 
そして、遂に尻尾を切られそうになった「大阪のおっさん」が上京し、国会で逆襲に転じるのではないかと期待されている。
  
最初は「民間人招致は慎重であるべきだ」と参考人招致を拒んできた自民党が、安倍晋三首相が「寄付をした」と名指しされると急転換して、「大阪のおっさん」の一方的発信を封じる狙いから証人喚問を言い出した。
 
当然ながら、民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は、「自分の親分の潔白の証明には証人喚問で、税金の無駄遣いの参考人招致は拒否する。ダブルスタンダード、支離滅裂だ」と批判していた。
 
ところで、「鮮魚を扱う業者」のことが全く考慮されていないといわれた「東の豊洲」では、またもや厄介な事実が明らかになった。 
 
<豊洲地下水、再調査でも基準超の有害物質>
 2017/3/18 0:34 日本経済新聞 電子版
  東京都による豊洲市場(江東区)の地下水モニタリングの再調査で、飲み水の環境基準を上回るベンゼンなどの有害物質が検出されたことが17日、分かった。昨年11〜12月の9回目調査では基準の79倍の濃度のベンゼンを検出していた。再調査でも濃度は大きくは改善していないもようだ。結果は19日に開く土壌汚染対策を検討する専門家会議で公表する。
 再調査は1月30日から3月上旬にかけて実施していた。豊洲市場内の29地点で地下水を採取し、4つの検査機関が分析を担当した。結果は複数の有害物質について環境基準を超える数値が出たとみられる。
 都は2014年11月以降、9回にわたって地下水の調査を実施してきた。9回目は1〜8回目に比べて数値が急激に悪化したため、再調査を実施していた。
 専門家会議では9回目と再調査の結果を比較・分析する。また、検出された物質がヒトや生鮮食品に影響するかなども議論する。9回目の採水作業の手順がそれまでと異なっていたことが指摘されているため、手順の違いが結果に影響したかどうかも検証する。
 小池百合子都知事は17日の記者会見で、再調査の結果に対する専門家会議の見解などを踏まえ、築地市場(中央区)から豊洲への移転の可否を判断する意向を示した。
 
いくら「百条委員会」で過去の悪行を暴いたところで、基準値を超えた有害物質がある限り「訳あり物件」に建てられた豊洲市場は使えない代物であろう。
 
さて、昔から住んでいた故郷がある日を境に放射能汚染により「訳あり物件」となり、他県に避難せざるを得ない状況に追い込まれた住民たちが起こした損害賠償裁判の判決が下された。
 
<原発事故、国・東電に過失 前橋地裁 避難者への賠償命令>
 2017年3月18日 07時04分 東京新聞
 東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県などに避難した住民ら137人が国と東電に計約15億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁は17日、「東電は巨大津波を予見しており、事故は防げた」と判断、東電と安全規制を怠った国の賠償責任を認め、うち62人について計3855万円の支払いを命じた。 
・・・中略・・・
 原告は避難指示区域に住んでいた76人と区域外からの自主避難者ら61人。賠償が認められたのは区域内が19人で1人当たり75万〜350万円、区域外が43人で7万〜73万円。
 原告は「生活基盤を失い、慣れない土地で精神的苦痛を受けた」と1人当たり1100万円の慰謝料などを求めた。国と東電は、長期評価は科学的知見として不十分だったとして予見可能性を否定。対策を取っていても事故は防げなかったと反論していた。
 
完全に国と東電の反論を撃破した前橋地裁判決の要旨は次の通り。 
 
【事故原因】
 津波が到来し、6号機を除く各タービン建屋地下に設置された配電盤が浸水し、冷却機能を喪失したことが原因。
【予見可能性】
 東電が予見できた津波の高さが、原発の敷地地盤面を超える津波と言えれば予見可能性を肯定できる。
 東電は、1991年の溢水(いっすい)事故で非常用ディーゼル発電機(DG)と非常用配電盤が水に対して脆弱(ぜいじゃく)と認識していた。
 国の地震調査研究推進本部が策定・公表する「長期評価」は、最も起こりやすそうな状況を予測したもの。2002年7月31日に策定された長期評価は、三陸沖北部から房総沖の日本海溝で、マグニチュード(M)8クラスの地震が30年以内に約20%、50年以内に約30%の確率で発生すると推定した。原発の津波対策で考慮しなければならない合理的なものだ。公表から数カ月後には想定津波の計算が可能だった。東電が08年5月ごろ「敷地南部で15.7メートル」と試算した結果に照らし、敷地地盤面を優に超える計算結果になったと認められる。
 東電は、非常用電源設備を浸水させる津波の到来を、遅くとも公表から数カ月後には予見可能で、08年5月ごろには実際に予見していた。
【結果回避可能性】
 配電盤の浸水は、給気口から浸入した津波によるものだ。
 (1)給気口の位置を上げる
 (2)配電盤と空冷式非常用DGを上階か西側の高台に設置する−などいずれかを確保していれば事故は発生せず、期間や費用の点からも容易だった。東電は高台周辺で堆積物調査を行い、津波が浸水すると考えにくいことを知っていた。
【侵害利益】
 原告が請求の根拠とする平穏生活権は、
 (1)放射性物質で汚染されていない環境で生活し、被ばくの恐怖と不安にさらされない利益
 (2)人格発達権
 (3)居住移転と職業選択の自由
 (4)内心の静穏な感情を害されない利益−を包括する権利だ。請求根拠に健康被害や財産権侵害は含まれていない。
【慰謝料算定の考慮要素】
 原発施設は一度炉心損傷になると、取り返しのつかない被害が多数の住民に生じる性質がある。
 国と東電の非難性の有無と程度は考慮要素になり得る。東電は、
 (1)常に安全側に立った津波対策を取る方針を堅持しなければならないのに、経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむを得ないような対応だった
 (2)津波対策を取るべきで、容易だったのに、約1年間で実施可能な電源車の高台配備やケーブルの敷設という暫定的な対策さえ行わなかった
 (3)規制当局から炉心損傷に至る危険の指摘を受けながら、長期評価に基づく対策を怠った−と指摘できる。東電には特に非難に値する事実があり、非難性の程度は慰謝料増額の考慮要素になる。
 (賠償水準となっている)国の中間指針は多数の被害者への賠償を迅速、公平、適正に実現するため一定の損害額を算定したもの。あくまで自主的に解決するための指針で、避難指示に基づく避難者と自主避難者に金額の差が存在しても、これを考慮要素とするのは相当でない。指針を超える損害は最終的には裁判などで判断される。
【個々の損害】
 原告個々の損害は、平穏生活権侵害で精神的苦痛を受けたかどうかを検討する。慰謝料は、侵害された権利利益の具体的内容と程度、避難の経緯と避難生活の態様、家族の状況、年齢、性別などの一切の事情を考慮するのが相当。
【国の責任】
 国は(耐震性を再確認する)バックチェックの中間報告を東電から受けた07年8月の時点で、それまでの東電の対応状況に照らせば、東電の自発的な対応や、国の口頭指示で適切な津波対策が達成されることは期待困難という認識があった。国は規制権限を行使すれば事故を防げたのにしなかった。著しく合理性を欠き国賠法上、違法だ。
 規制権限がないという国の主張は、事故発生前から津波対策を取り扱っていた実際の国の対応に反し、不合理で採用できない。国の責任が東電と比べて補充的とは言えず、国が賠償すべき慰謝料額は東電と同額だ。


20170318syuchou_hanketu.jpg
【朝日新聞DIGITALより】
 
<東電旧経営陣の刑事裁判に影響も 国に賠償命じる判決>
 2017年3月18日05時02分 朝日新聞DIGITAL
・・・前略・・・
■「国も対策命じるべきだった」
 非常用の設備を浸水させる津波が見込まれたのだから、まず対策を取るべきだった。しかも、それは難しくなかった。国も対策を命じるべきだった。今回の判決はこう指摘する。
 福島第一原発の主な施設は高さ10メートルの敷地に立つ。原子炉の冷却に必要な電気を送る配電盤や非常用発電機は地下にあった。1991年には1号機で水漏れ事故による浸水が起きており、東電は対策の重要性を認識していたはずだった。
 裁判で焦点になったのが、2002年に国の地震調査研究推進本部が公表した長期評価。防災に生かすため、その時点の知見を地震学者がまとめたものだ。三陸沖から房総半島沖のどこでも、津波を伴うマグニチュード(M)8級の地震が起こるとの見解だった。
 福島沖が震源の同様の津波は過去に知られておらず、学者の一部に地震のエネルギーがたまっていないとの見方もあったため、東電は裁判で「長期評価は具体的な根拠がない」と主張した。だが、判決は長期評価が学者の見解の「最大公約数」であることを重視。長期評価から計算すれば、数カ月後に浸水の可能性を認識できたと指摘した。
 千葉地裁での同様の訴訟でも、元原子力規制委員の島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)が「長期評価から計算すればすぐに分かり、有効な手立ては打てたはず」と証言していた。
 東電が長期評価をもとに津波を計算したのは6年後の08年。結果は15.7メートルだったが、仮定の震源をもとにした試算と位置づけ、対策を講じないままだった。
 判決は、設備を高い場所に移していれば事故は起きなかったと指摘。電源車の配備などの暫定的な対策は1年でできたと断じた。
 国も06年の指針改訂で津波対策を明記しながら、地震の揺れ対策のチェックを優先した。判決は、浸水の可能性があり、東電の自発的な対応が見込めないなら、口頭の指示でなく命令を出すべきだったとした。
 電力会社には、十分な証拠がなければ対策を取らない風潮があった。判決は、原発は常に安全側に立った対策を取るべきだと指摘。M9級の地震を予見できなくても、取れる対策はあったとの考え方を示した。
 佐竹健治・東京大地震研究所教授は「実際に起きた地震や津波を予見できたかといえば、そうではない。だが、何らかの対策が必要であることは予見できたということだろう」と話す。(編集委員・佐々木英輔、杉本崇)
■争点の絞り込みと被害実態の明確化
 訴訟戦略は二つあった。一つが争点の絞り込みだ。判決後の集会で、原告弁護団事務局長の関夕三郎弁護士は「絞り込まなければ判決にはたどり着けていなかったと思う」と提訴から約3年半を振り返った。
 これまでの原発訴訟は、争点が多岐にわたって証拠の数が膨らみ、長期化する傾向があった。原告弁護団は今回、被災者救済を最優先に考え、スピードを重視。争点を絞り込む戦術をとった。
 提訴時には、事故後の国の避難指示を批判する主張も盛り込んでいたが、膨大な資料の分析が必要と分かり撤回。また、原告団には原発反対の人も少なくなかったが、原発の是非など個人の考えに関わる論点は盛り込まなかった。
 訴訟上、もう一つ力点を置いたのが、事故の原因や原告が受けた被害実態を明確にすることだった。
 原告45世帯のうち40世帯の代表に法廷で証言してもらった。さらに、原告が事故直後に置かれた状況を肌で感じてもらおうと、裁判官に第一原発の周辺を見てもらうことも求めた。原道子裁判長らは昨年5月、福島県富岡町などの原告4人の自宅を見て回った。
 原裁判長の訴訟指揮も積極的だったと弁護団は評価する。14年4月の第1回口頭弁論から「大型訴訟としては異例」(弁護団)という、月1回ほどのペースで開廷。昨年6月の口頭弁論では東電や国が難色を示したが、「天変地異がない限り、結審する」と同10月の結審を宣言する場面も。
 昨年9月の口頭弁論で、国側が東電の元会長らが刑事事件で不起訴処分となった際の資料に触れ、「資料の収集が可能か検討中。審理を打ち切れば事案解明を放棄したに等しい」と訴えたが、原裁判長は「放棄とのいわれはない」と厳しい口調で退けた。(三浦淳、角詠之)
■「踏み込んだ判断、議論深まる」
 あるベテラン裁判官は「踏み込んだ判断で、電力会社と国のかなり高い安全配慮義務が前提だ。各地の原告はこれを基に主張を組み立てるだろう。各地裁がそれぞれの判断を出し、議論が深まっていくのでは」と述べた。
 別の裁判官は、勝俣恒久元会長(76)ら東京電力の旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事裁判の検察官役指定弁護人の主張にも影響する可能性がある、と指摘する。
 前橋地裁は東電に津波対策の義務があったと認め「経済的合理性を安全性に優先させた」とした。強制起訴を議決した検察審査会も、08年の試算などを基に高い防潮堤を設けていれば防げたと指摘。3人が「安全対策より経済合理性を優先させた」とした。刑事告訴した住民らの代理人海渡雄一弁護士は「判決は強制起訴と同じ枠組みで、予見可能性を明らかにした」と話す。
 一方、検察はこの試算では旧経営陣は津波を予測できなかったとして2度にわたり不起訴処分とした。ある検察幹部は「津波で起きた原発事故で死傷したことと、避難を強いられたことでは結果が異なり、民事と刑事の立証の仕方も違う」と突き放す。法務省幹部は前橋地裁の判決が今後も維持されるか、懐疑的だ。「裁判官は『過失』について何も知らないのでは。控訴すればしっかりした結論が出るだろう」と述べた。
 
国と東電の過失に対する民事訴訟のため、具体的に責任をとる人物はいない。
 
当時から幾度となく聞かされた「想定外」。
 
今回の前橋地裁の判決はまさに原子力ムラの連中からすれば「想定外」であった。
 
今後は、多くの被災者や避難者たちのためにも、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3人を断罪することではないだろうか、とオジサンは思う。

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2017年02月15日

三つの誤算でもう終わりの東芝日曜劇場

海外メディアがどんなに皮肉ろうとも、批判しようとも、「衆院予算委 安倍首相、トランプ氏との『蜜月』アピール」していたが、帰国後の予算委員会では、答弁に窮するポンコツ稲田朋美防衛相に代り相変わらずのドタバタ答弁を繰り広げていた。
 
【稲田防衛相「私は知らなかった!」vs「隠蔽大臣か、蚊帳の外大臣か!」辻元 南スーダンPKO日報2/14衆院・予算委員会】

 
そして日米首脳会談では、「日米間の自由貿易協定(FTA)に関してはトランプ氏から具体的な要請はなかった。」と報道されていたが、実際には「米、FTA締結を共同声明に要求 日本は難色、表現修正」ということだったらしい。 
 
世界の首脳の中で唯一トランプ大統領を批判しない安倍晋三首相を最大限のもてなしをしたのだが、自ら選んだ閣僚級の高官に足を引っ張られることになったドナルド・トランプ。
  
<トランプ政権、つまずく外交戦略 フリン氏辞任 親ロ路線に暗雲>
 2017/2/14 20:48 日本経済新聞 電子版
20170215trumppoorteam.jpg 【ワシントン=吉野直也】フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日、辞任した。トランプ政権の発足前にロシア当局者に制裁の見直しを約束したとの疑惑の責任を取った。発足から1カ月足らずで外交・安保の要である閣僚級の高官が辞任する異例の事態は、トランプ政権に打撃となる。ロシアとの関係改善を探るトランプ氏の外交にも影を落とす。
 ホワイトハウスが同日発表した。大統領補佐官代行にはケロッグ元陸軍中将を充てる。
 フリン氏は昨年12月29日、駐米ロシア大使と複数回、電話した。米大統領選を狙ったサイバー攻撃を理由に、オバマ前大統領がロシア制裁を発動した日だ。制裁見直しを持ち出し、ロシアに対抗措置をとらぬよう求めたとの疑いが浮上。実際、ロシアのプーチン大統領は対抗措置を見送った。
 当初、フリン氏は疑惑を否定していたが、米メディアがロシア大使との電話協議の録音記録の存在を報じた。米国には許可を受けない民間人の外交への介入を禁じる法律がある。米連邦捜査局(FBI)が調査を始め、民主党は辞任を求めた。
 フリン氏の電話での発言を知るロシアに弱みを握られた恐れがあった。ペンス副大統領やトランプ氏も不快感を漏らすようになったという。
 そもそもフリン氏は政権内で孤立気味だった。ホワイトハウス内はトランプ氏の娘婿クシュナー上級顧問ら大統領の家族、ペンス氏やプリーバス大統領首席補佐官ら共和党主流派、そしてそのどちらでもないフリン氏やバノン首席戦略官・上級顧問に大別できる。
 国家安全保障会議(NSC)を仕切るフリン氏は、NSCの常任メンバーにバノン氏を取り込み、基盤を固めようとした。だが独自路線のバノン氏との関係は劇的には変わらず、逆にバノン氏の起用へ批判が集まった。
 マティス国防長官との確執も響いた。両氏とも元軍人で、階級はマティス氏が大将に対し、フリン氏は中将。政権でフリン氏とマティス氏は同格扱いだが、フリン氏が推した人事をマティス氏が覆したこともあった。
 早くもつまずいた形のトランプ氏は、フリン氏の後任人事を含め、政権運営の立て直しを迫られる。その半面、マティス氏が安保戦略の主導権を握ることで政権の方針が一本化され、日本を含む関係国が対処しやすくなる可能性も出てきた。
 フリン氏は10日の日米首脳会談に同席し、谷内正太郎国家安全保障局長とファーストネームで呼び合うなど、日本との窓口の一人だった。これに関し、菅義偉官房長官は14日の記者会見で「揺るぎない日米同盟を構築していくことは首脳間で確認している。実務的には影響はない」と述べた。
 マティス国防長官はロシアのウクライナ侵攻を批判し、主要7カ国(G7)がロシアに科した経済制裁の無原則な解除にも反対だ。トランプ氏が探る親ロ路線の色合いが薄まる可能性もある。
 ロシアのペスコフ大統領報道官は「米国の内政問題だ」と平静を装うが、ロシア上院のコサチェフ国際問題委員長は「トランプ政権も反ロ感情にとらわれている可能性がある」、下院のスルツキー外交委員長は「米ロ対話に否定的なシグナルだ」と警戒感を示した。
 
傍から見れば、明らかな政権内の権力闘争が露呈したわけだが、見方を変えればトランプ大統領がまだまだ政権内部を掌握していないことを内外に明らかにしてしまったということであろう。
 
まだ出来上がっていない生煮えの「食い物」をEU諸国は遠目から眺めていたが、日本だけが世界に先駆け「味見」をしたのだが、その影響は今後じわじわとボディーブローのように影響してくることであろう。  
 
ところで、テレビが白黒にこんな番組があったことを懐かしく思い出す。
 
【東芝日曜劇場OP(白黒時代)】
 
そしてカラー放送になり、誰もが口ずさむこの歌があった。
 
【東芝日曜劇場 光る東芝 1981年】
 
そんな東芝が今では見るのも無残な企業と化してしまった。   
   
<東芝の原発事業、三つの誤算 建設コスト膨張、想定超す>
 2017年2月15日05時04分 朝日新聞DIGITAL
20170215smalldowntoshiba.jpg

 東芝が、原子力事業を巡って混迷を深めている。米国での原子力事業での損失は7千億円強に膨らみ、初の債務超過に陥った。米原発子会社ウェスチングハウス(WH)では、内部統制上の問題が浮上。14日に予定していた決算発表を延期する事態に追い込まれた。
 「買収時に認識していなかったコストの見積もりなど、三つの誤算があった」。綱川智社長は14日の記者会見で、米原子力事業での損失が7千億円強に拡大した理由について、こう説明した。
 「買収」とは、東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(WH)が、米国で受注した原発4基の建設工事を手がけるCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を2015年末に買収したこと。遅れていた建設工事を前に進めて損失を防ぐ狙いだったが、工事コストの詳細な見積もりを入手したのは買収の後で、コストは予想を超えて拡大したという。
 二つ目の誤算は、S&Wの買収価格の事後調整で、東芝は前の親会社に損失を埋め合わせてもらえるとみていたが、交渉が進まなかったことだ。現在も前の親会社との訴訟が続き、決着は見通せていない。
 三つ目は、買収後に現場の作業効率の改善が想定ほど進まなかったことだ。買収時には30%程度の効率改善を見込んでいたが、結局、実現できなかった。
 東芝が14日に発表した17年3月期の見通しでは、原子力事業の営業損益は6995億円の赤字。前年も2千億円を超える赤字が出ていた。赤字は4年連続で、東芝の経営にとって大きな重荷となっている。
 記者会見で、WHを06年に買収した経営判断について問われた綱川社長は「数字をみると正しいとは言いにくい」と、失敗だったと認めた。
 東芝は今後、原子力事業を社長直轄の組織とすることなどでリスク管理を徹底し、損失の再発防止に努める。国内では原発の再稼働や廃炉の事業を続ける一方、海外の新規受注では設計や原子炉の製造などに専念し、建設工事から手を引く方向性も示した。
 30年度までに45基としてきた受注の計画についても綱川社長は「工事を含む案件を減らすので、台数も金額も減るのは間違いない」と話した。
■決算発表 最長1カ月延期
 巨額損失を出した米原子力事業では、内部統制上の問題も浮上した。東芝は14日、追加の調査が必要になったなどとして決算発表を最長1カ月延期した。
 東芝は、調査中を理由にこの問題について詳しい説明を避けているが、WHの経営者がS&Wの買収価格の事後調整を巡り、社内で不適切な圧力をかけた恐れがあるという。決算の数値に影響が出る可能性もあり、延期に踏み切った。
 東芝は、15年3月期決算でも、不正会計が次々と発覚して発表を2度にわたって延期。もともと同年5月の予定だった発表は、同年9月上旬までずれ込んだ。
 不正会計問題でも、焦点となったのは東芝の「不適切な圧力」だった。経営陣が「チャレンジ」と称して達成が難しい損益改善を各部署に求め、長年にわたって利益を水増ししていたことが発覚。東京証券取引所から投資家に注意を促す「特設注意市場銘柄」に指定され、市場からの資金調達が難しい状態が続いている。
 東芝はなるべく早い指定解除を目指し、内部管理の強化など、再発防止策を積み重ねてきたはずだった。今回の問題を受け、東証の審査はより慎重に進められることになりそうだ。
 この日の記者会見で、監査法人出身で社外取締役も務める佐藤良二・監査委員会委員長は「改善を続ける中で起きてしまったことは、非常に残念だ」と語った。
     ◇
■東芝が決算発表延期に至った経緯
2015年12月31日 WHがS&Wを買収
 16年12月27日 米原子力事業で数千億円規模の損失が発生する見通しを公表
 17年1月8日、19日 S&Wの買収価格の事後調整を巡り、内部統制上の問題を指摘する内部通報
   1月27日 半導体事業の分社化を発表
   1月28日 WH経営者が社内で不適切な圧力をかけたとWH幹部が指摘
   1月下旬〜2月7日 法律事務所がWH幹部への聞き取り調査
   2月13日 東芝の監査委員会がWH経営者による圧力について更なる調査が必要と結論
    14日 16年4〜12月期決算発表を最長1カ月延期
 
「工事コストの詳細な見積もりを入手遅れ」
「S&Wの買収価格の事後調整ミス」
「買収後の現場の作業効率の改善ミス」
 
こんなミスを犯すとはまさに経営能力欠如と批判されても当然であり、4年連続の赤字では株主にも説明のしようがない。
 
2年前にも粉飾決算で問題となりながら、今回は初の債務超過に陥いりまともに決算が発表できなかった。   
 
<東芝迷走の1日 「不適切」の影再び >
 2017/2/14 13:49 (2017/2/14 20:15更新) 日本経済新聞
・・・前略・・・
■「不適切なプレッシャー」
 一時、前日比9%安の226円まで下がった。その原因は決算発表の遅れだけではないだろう。決算発表の延期を知らせるプレスリリースは2枚。「提出期限の延長を必要とする理由」という項目には、目を丸くするような事実が記載してあったのだ。
 リリースによると、問題があったのは、WHが2015年末に買収手続きを終えた米原子力サービス会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスターの買収に伴う手続きの過程。今年1月8日、19日に「取得価格配分手続きの過程において内部統制の不備を示唆する内部通報があった」と説明している。つまり、この買収を巡って不適切な行為があったという疑いが出てきたのだ。
 東芝では、監査委員会が国内の弁護士事務所を起用し、事実関係の調査を実施している。WHの経営者による「不適切なプレッシャーがあった可能性があり、さらなる調査が必要と判断した」という。
■「そう簡単にはいかないだろう」
 決算の認定には内部通報に関わる調査を終えることが求められている。発表の延期申請を迫られることは自明の理だった。
 「少し時間がずれているだけではないか」。東芝の社外取締役をつとめる経済同友会代表幹事の小林喜光氏は14日の昼すぎ、同友会の定例会見で口を濁していた。東芝が決算発表延期を発表する直前だった。
 この日の東芝の取締役会については「無事終わった」と説明。決算発表に絡んで、監査法人との調整が難航しているとの報道については、「近いうちに社長から聞いてもらうことになる。私から誤解を招くことは言えない」と慎重な口ぶりに終始した。そして、東芝の改革について、こう付け加えた。
 「そう簡単にはいかないだろう」
■米WHでも不適切行為
 東芝は傘下の米原子力大手、ウエスチングハウス(WH)での不適切行為について調査する方針を固めている。不適切行為が認められた場合には、巨額損失の発生過程での組織的な関与の度合いや経営幹部の責任の有無も調べる方向。当該不適切行為があった場合の会計上の処理を巡って、監査法人との調整が難航しているという。
 14日の決算発表は、単に業績だけでなく昨年末から続いている米原子力事業での巨額損失について、額や発生原因、再発防止策などを合わせて公表する予定。市場や関係者の関心は極めて高かった。
 東芝は原子力事業の位置付けを見直すことを表明しており、同事業の構造改革の方向性も示される可能性があった。
 東芝は2015年に発覚した会計不祥事以降、情報開示を巡って失態続きだ。2015年5月13日には不適切会計問題に絡んで過年度の利益修正額を出したが、発表自体が深夜11時45分と異例の時間帯となった。
 2015年11月には旧経営陣への会社側の民事訴訟の提起やリストラの方向性を示す重要な記者会見を土曜日に実施。16年8月には世間がお盆休みに入ったさなかに決算発表した。WHの過去の決算開示遅れなどもあった。
■「部門を超えれば、別会社」
 こうした遅れの原因が監査法人との調整不足だけなら、問題はさほどないともいえるかもしれない。しかし、発表日時を事前に公表しており、それは金融市場などへの事実上の公約といえる。
 東芝は東証の特設注意市場銘柄の指定を受け、新体制で企業統治や内部管理体制の改善をしてきたはずだ。そうした姿勢に疑問符がつく。信頼回復が東芝再生の重要なキーワードであるがゆえに、今回の決算発表遅れは致命傷ともなりかねない。
 東芝と仕事上のつながりがある公認会計士の1人は語っている。
 「半導体を売って、当面の危機をしのげたとしても、今後の収益源はどこにあるのだろうか。東芝は様々な事業部門を抱えているが、部門を超えると別会社のようだ。風通しが悪い。会計不祥事の問題を受け、経理の体制を変えているが、情報が他の部署にまわらない体質は本質的には変わっていない。それが問題だ」
■「遅れ」の常習犯に
 金融市場やメディア各社が注目していた東芝決算。昼12時という発表予定時刻が以前から周知されていたため、誰もが固唾を飲んで見守っていた。
 ところが、予定の12時をすぎても、会社のホームページにも日本取引所グループの適時開示情報閲覧サービスにも決算資料が公開されない。その代わり、東芝のホームページを見てみると、素っ気ない一文が掲載されていた。
 「2016年度第3四半期の決算を、本日公表することをお知らせしておりましたが、本日12時時点では開示できておりませんことを、お知らせします。(2月14日12:00現在)」
 決算発表の延期のお知らせだった。
 東芝は過去、経営にかかわる重要な発表案件について何度も発表時間の遅れがあった。アナリストやメディアからしばしば批判される「常習犯」だった。
 しかし、きょう14日は東芝にとって「特別な日」。決して失態は許されない。この日に発表される決算数字を見て、投資家はもちろん、取引金融機関、さらには政府関係者も東芝の将来を判断していくからだ。
■債務超過は回避できるか
 東芝は2017年3月期末時点で債務超過を回避できそうなのか。それとも、無理なのか。債務超過に陥れば、株式の上場市場が現在の東証1部から2部に変更される。さらには、金融機関からの資金調達に支障が出る恐れも膨らむだろう。東芝は、そんな瀬戸際に立たされている。
 そもそも、東芝は、この日に向けて準備を進めてきたのではないか。債務超過を回避するため、「ドル箱」である半導体メモリー事業の分社にも踏み切る覚悟を決めた。
 それもこれも日本のエレクトロニクス産業を支えてきた名門電機メーカーの命脈を保たせるためだろう。しかし、肝心の情報開示はゴタゴタが続き、投資家らに再び失態を見せてしまった。
 経営首脳のいざこざに始まり、その後の迷走を決定づけた会計不祥事の発覚、そして原発事業の巨額損失。東芝の経営陣が投資家の信用を取り戻すのは簡単ではない。14日12時時点の東芝が投資家に再び見せてしまったのも、ただただ残念な姿である。
 
海外で原発建設事業で莫大な赤字を出しながらも、「原子力事業を社長直轄の組織とすることなどでリスク管理を徹底し、損失の再発防止に努める。国内では原発の再稼働や廃炉の事業を続ける一方、海外の新規受注では設計や原子炉の製造などに専念」するのではなく、少なくともすべての原発関連事業からは撤退すべきであろう。 
 
東芝がスポンサーを降板した「東芝日曜劇場」としての放送は2002年9月に終了した。
 
それから15年たち、近いうちに東芝も「株式の上場市場が現在の東証1部から2部に変更され」そして最後は上場停止となるのではないだろうか、とオジサンは思う。 

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2017年01月31日

溶け落ちた核燃料が語る長い廃炉への道

昨日の「はやくも敗色濃厚、日米会談」の中で、共同通信社の世論調査結果について、以下のようにつぶやいた。
 
「共同通信社も全国電話世論調査を行っており、『米国第一』を掲げるトランプ米大統領の就任で、国際情勢が不安定になる『懸念を感じる』との回答が83・8%に上ったらしい。内閣支持率の59.6%は信じがたいが、日米関係について『悪くなる』54.6%はほぼ変わらない。」
 
この59.6%の内閣支持率の理由のトップが「ほかに適当な人がいない」(33.6%)で、「支持政党はない」と答えた人が35%もいれば、42.5%の支持率の自民党に対して選挙で全ての野党が束になっても勝ち目はなさそうである。
 
こんな高支持率に有頂天になっているのか、本会議での代表質問に対する答弁の中で、中学生程度の漢字能力もないことを自ら曝け出し「訂正云々(でんでん?) 晋三君は『麻生太郎』を超越した!」と揶揄されようが、トイレ帰りに予算委員会室でこんな醜態を演じても平然としていられるのが今の安倍晋三なのであろう。
 
ところが、得意になって施政方針演説に取り入れた江戸時代の逸話が実態とは大きくかけ離れていたことが明らかになった。
  
<首相、施政方針で「土佐のハマグリは今も大きな恵み」 地元困惑「そんなに捕れない」>
 2017年1月31日 朝刊 東京新聞
 安倍晋三首相が今国会の施政方針演説で、江戸時代に土佐(高知県)で始まったハマグリの養殖が「350年の時を経た今も、高知の人々に大きな恵みをもたらしている」と話したことに対し、同県の漁業関係者から「ハマグリはそんなに捕れない」と困惑する声が上がっている。
 演説で首相は、土佐藩家老だった野中兼山(けんざん)が江戸から持ち帰った大量のハマグリを地元民に食べさせず、「子や孫に味わってもらいたい」と海に投げ入れたエピソードを紹介。兼山の行動を「未来を拓(ひら)く行動」とたたえ、「子や孫のため、憲法審査会で(改憲の)議論を深めよう」と訴えた。
 しかし、現在の高知県はハマグリの有名な産地とは言えない。同県漁業振興課によると、ハマグリの漁獲量は1986年の約11トンをピークに減少しており、現在は400キログラム程度。
 県内の主要産地・黒潮町の漁協関係者は「70歳ぐらいの人は『昔は捕れた』と言うが…」と戸惑い気味。ハマグリは千葉県から稚貝を買って放流していると説明した。高知市内でハマグリ料理を売りにしている居酒屋も「店で販売しているのは千葉県産」と話す。
 千葉県漁業資源課によると、同県産のハマグリは年間およそ1800トン捕れる。 (安藤美由紀)
 
「憲法審査会で議論を深めよう」と訴えるために強引に過去のエピソードを側近に調べさせたが、自ら検証するすべもなくそのまま施政方針演説に取り入れ、棒読みしたのであろう。
 
自民党の参議院議員には高知県高知市生まれの元防衛相の中谷元や、同じ高知県高知市出身で現在は自民党高知県連副会長の、TPP採決強行発言について「この間冗談を言ったら、閣僚をクビになりそうになった」と発言した山本有農相らがいたのだから、事前に確認してもよさそうであった。
 
もっとも、誰も異を唱えないであろうという高慢な姿勢があったことだけは確かなようである。   
 
高慢な態度ではもはや世界広しと言えども、この男は余りにも突出しており、意気揚々と署名した大量の大統領令に対しては早くも国内から反撃を食らいつつある。
 
<州政府がトランプ氏提訴へ 「入国制限は違法」>
 2017/1/31 8:23 日本経済新聞
  【シリコンバレー=小川義也】米西部ワシントン州政府は30日、難民やイスラム教徒が多い中東・北アフリカ7カ国の市民の入国を制限する大統領令は違法だとして、トランプ大統領と政権幹部、国土安全保障省をシアトル連邦地裁に提訴すると発表した。今回の大統領令を巡り、州政府がトランプ政権を訴える方針を表明したのは初めて。
 同州のファーガソン司法長官は会見で、国内外に混乱が広がっている今回の措置は「非アメリカ的で違法だ」と主張。大統領令の執行停止などを求めている。訴訟にはシアトルに本社を置くアマゾン・ドット・コムとエクスペディアが支援を表明した。
 ワシントン州のインスレー知事は28日の記者会見で、特定の宗教を狙い撃ちにした今回の措置を第2次世界大戦中の日系米国人の強制収容の歴史になぞらえ「我々は75年前の“映画”を再び見ている。私は恐怖が何をもたらすのかを知っている。この仕打ちに対し、すべての米市民は立ち上がらないといけない」と訴えた。 
 
たとえ大統領令であっても常識破りの内容に対して「違法」として「トランプ大統領と政権幹部、国土安全保障省をシアトル連邦地裁に提訴する」ことができるということは、米国の民主主義は破壊はされていないということであろう。 
 
日本では、一昨年、立憲主義が無視され、民主主義と平和主義の根幹を揺るがす「戦争法」が強行採決されたのだが、ことし6年目を迎える福島第一原発の破壊された内部は今まで明らかにされていなかった。
 
湯気の向こう、へばりつく黒い塊 福島第一2号機
 
20170131youkainenryou.jpg
【朝日新聞DIGITALより】

 
【中継録画】福島原発2号機の原子炉直下に『黒い塊』 東電が会見
 
【福島第一原発2号機の原子炉直下に「黒い塊」 東電が記者会見(2017年1月30日)】

 
<堆積物は溶融核燃料か 福島2号機圧力容器下の映像>
 2017年1月31日 07時05分 東京新聞
20170131youyunenryo.jpg 東京電力は30日、福島第一原発2号機の格納容器内のカメラ調査を実施し、圧力容器下にある金網状の作業用足場の上に、黒っぽい堆積物が見つかったと発表した。溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性がある。デブリであれば、映像で捉えられたのは初めて。
 この日早朝からカメラ付きのパイプ(長さ約10.5メートル)を格納容器の外から入れ、圧力容器の約5メートル下にある鉄製の円形足場(約20平方メートル)を撮影した。映像では金網の網目が黒っぽく写っているが、その周辺一帯に汚泥のようなものや、溶けて固まったように見えるものが、照明で光って白っぽく写っていた。数センチ積もっていた箇所もあった。一部の金網がなくなっていたが、原因は不明。
 東電の担当者は、見つかった堆積物がデブリかどうかについて「サンプルを採るなどしないと、現時点では何とも言えない」と説明した。
 また、圧力容器の下部にある制御棒駆動装置の一部が原形をとどめた状態で見えた。担当者は「圧力容器の損傷は小さいかもしれない」と話したが、確認できたのはわずかだった。
 東電は2月中旬にも、カメラを取り付けた自走式のロボットを投入し、詳しく調べる。周囲の放射線量の分布や堆積物の広がり具合などを調べ、デブリの状況を分析する。今回は、ロボット投入前に障害物の有無を調べるための準備調査だった。映像や画像は、東電のホームページで見ることができる。
 溶け落ちた核燃料 取り出し、なお難題
20170131toridasikoutei.jpg  福島第一原発2号機の圧力容器下で見つかった黒いものが、溶け落ちた核燃料(デブリ)の一部とすれば、30〜40年かかるという廃炉作業に一筋の光が見えたことは確かだ。事故発生当初、核燃料は2000度を優に超える熱を発していた。6年近い注水冷却により、冷えて固まっていた、という安心材料にもなる。
 ただし、残りのデブリはどこにどう広がっているのか、削るなどして取り出せるのか−。作業を進める上で知らねばならないことが数多く残る。全体像が解明されて初めて、デブリを取り出す工法の具体的な検討ができる。調査は緒に就いたばかりとも言える。
 もう一つ重要なのは、格納容器内の放射線量が毎時73シーベルトと非常に高いこと。数分浴びると死亡するレベルで、どう取り出しを進めるか。圧力容器ないしは格納容器全部に水を張れれば、放射線はかなり遮断できる。しかし、損傷だらけで、注入した水は漏れ出していくのが現状だ。
 東京電力や政府は、年内にデブリを取り出す方針を決め、2021年に取り出しを始めるというが、技術は確立されておらず、あくまで目標にすぎない。一歩一歩進めていくしかない。 (山川剛史)
 
安倍政権は五輪招致の際、2020年東京五輪を「復興五輪」と位置付けた。
 
その裏には、なんとしても五輪までには福島のみならず地震と津波被害を受けた東北3県を念頭に「東北の復興なくして日本の再生なし」と言って復興したことを世界に示したかったのだろうが、残念ながら東電福島第一原発の大爆発事故の後始末は忘れようとしているようである。
 
福島第一原発の廃炉は莫大な費用は明らかにされたが、その道筋は不明である。
 
溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しも東京五輪後になるというのでは、「福島は完全に管理され、世界一安全な東京」での五輪開催も嘘で固められた虚構の産物となるのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
最後に、1月25日に行われた参議院本会議における山本太郎の「議事録から削除」されたらしい「代表質問」の一部を再掲しておく。  
 
福島東電原発の収束はその方法もなく、現在ではほぼ不可能、費用も今後、桁違いの額になることは容易に想像できます。事故原発の原因も究明しない、安全基準デタラメ、避難基準適当。原発が無くても電力は余っていますが、原発は再稼働します。海外に売りつけるため再稼働します。プルトニウムを持ち続けるため再稼働します。三菱、日立、東芝、鹿島建設、大林、大成、竹中、清水、IHI、富士電機、三井住友銀行、UFJ、などなど、原発に関係する企業の皆さん、安心してください。安倍政権は脱原発など絶対にやりません


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2017年01月11日

東電と経産省、利益相反の猿芝居はもう止めよ!

本来、政治というものは結果責任のはずである。
 
その点から見れば昨年12月の安倍晋三首相が地元選挙区向けに独り相撲した「ロシア外交」は一体何であったのか。
 
大手マスメディアは書けなかったが、実態は「北方領土の返還交渉は1ミリも進まず、3000億円という経済支援だけ約束させられてしまった」わけなので、これほど国益を損なう外交は今迄にはなかった。
 
それなのに、その後の世論調査では日ロ首脳会談を「評価する」は44%、「評価しない」が38%と、評価する声が上回っている。
 
恐らく大多数の国民は、結果よりも、安倍晋三首相が何か「やっている」ように装っていることに目を奪われているのかも知れない。
 
そういえば安倍晋三首相は、絶対に失敗を認めない。
 
失敗しても、ひたすら「挑戦」「道半ば」「新しい判断」「新しいアプローチ」などのフレーズを繰り返し、失敗していないように振る舞っている。
 
やはり安倍晋三首相の失敗を追及せず、結果責任を問わず、ウソとごまかしを許している大手メディアの責任が大きいのは今さら言うまでもない。
 
ところで日刊ゲンダイに比べればはるかに政権寄りの週刊誌である「週刊新潮」の2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号には「プーチンの怒りを訳せず…お粗末だった首脳会談の同時通訳」という記事が掲載されていた。
 
「『安部政権に都合が悪いことは削除し訳せ』と言われており、どう訳せば良いか、判断できなくなっただけ、でしょ?」という声も上がっていたが、その記事の中では興味深いことが指摘されていた。
 
「『日本に柔軟性を求めるのであれば、ロシア側はどんな柔軟性を示すのか』と訊(き)かれたプーチンは、要はお前はどんな妥協をするのかと突き付けられた格好となり、顔を赤くして、まくしたて始めました。そして、あたかも質問した記者が不勉強とでも言うかのように、急に19世紀からの北方領土史を披歴(ひれき)し始めたんです。古い歴史上の人物の固有名詞が出てきたこともあり、またプーチンが怒りに任せて早口で喋っていたせいもあって、確かに同時通訳するのは難しかったかもしれませんが、どう贔屓目に見てもお粗末でした」
 
この質問した記者は、一昨年、「元朝日新聞記者植村氏」と慰安婦記事捏造問題で対談し、植村氏から慰安婦捏造記事を書いたのが産経新聞社だったと証拠記事まで突き付けられても、自社記事にも係らず「こんな記事見たこと無い、信じられ無い」となお否定し生き恥を晒した上、完全論破され見事に「完敗」した産経新聞の「阿比留記者」だった。   
 
この記者とプーチン大統領の質疑応答を、「日露共同記者会見」から一部を抜粋する。
 
(記者)
 幹事社の産経新聞の阿比留と申します。
 プーチン大統領にお伺いいたします。今回の山口、東京での会談を通じて、大統領にとって政治分野、経済分野のそれぞれの最大の成果は何だったでしょうか。また、共同経済活動をどのように平和条約締結に結びつけるのか、改めてお考えをお聞かせください。さらに、平和条約締結に関しては、先日の日本メディアとのインタビューで、大統領は、我々のパートナーの柔軟性にかかっているとも述べられています。かつては、引き分けという表現も使われました。大統領の御主張は、何か後退しているような印象があるわけですが、日本に柔軟性を求めるのであれば、ロシア側はどんな柔軟性をお示しになるのか、お考えをお聞かせください。
(プーチン大統領)
 あなたの質問に完全に答えるために、私は、せめて非常に端的に、手短に、いずれにせよ歴史について述べなければなりません。
 尊敬する阿比留氏、私はそのようにあなたの名字を聞き取りましたが、尊敬する同僚、友人の皆様。
 確かに日本は1855年に「南クリル列島」の諸島を受け取り、ロシア政府及び天皇陛下との合意に従い、プチャーチン提督は最終的にこれらの諸島を日本の管轄下に引き渡しました。なぜなら、それまでロシアは、これらの島々は、ロシア人航海者によって開かれたため、ロシアに帰属していると考えていたからです。
 平和条約を締結するために、ロシアはこれら諸島を引き渡しました。ちょうど50年後、日本はこれでは不十分であると考え、1905年の戦争ののちに、これらの軍事行動の結果として、更にサハリンのもう半分、サハリンの北部を最終的に取りました。
 ところで、ポーツマス条約のある条で日本は、この領土からロシア国民をも本国に送還する権利を得ました。彼らは残ることもできたが、日本は、この領土から、サハリンからロシア国民を本国に送還する権利を得ました。更に40年後、1945年の戦争ののち、今度はソ連が、サハリンを自国に取り戻しただけではなく、「南クリル列島」の島々をも取り戻しました。
 昨日15日、私は安倍総理と話し、非常に感動的な「南クリル」の元住民の手紙を読みました。私の考えでは、これらの領土に関する歴史的なピンポンを止める必要があります。結局のところ、日本とロシアの根本的な利益は、最終的かつ長期的な解決を求めているということを、何とか理解しなければなりません。これが重要な点です。
 しかし、経済活動の問題や安全保障の問題を含め、この点に関する問題は多い。例えば、1956年、ソ連と日本がこの論争の解決に近づき、1956年宣言に署名し、署名しただけでなく、その後批准したところであり、我々が承知しているとおり、これは歴史的事実ですが、この地域に利益があると考えている米国が、当時のダレス国務長官の口を通じて日本に対して実質的に最後通牒を突きつけた。この最後通牒とは、もし日本において何か米国の利益に反することがなされれば、沖縄は完全に米国の管轄権に属すことになるというものでした。
 なぜこれを述べるのか。我々は米国の利益を含む、地域の全ての国家に対して敬意を持たねばなりません。これは完全に明らかです。しかし、これは何を意味するのでしょうか。これが意味するのは、例えばウラジオストクに、その少し北部に2つの大きな海軍基地があり、我々の艦船が太平洋に出て行きますが、我々はこの分野で何が起こるかを理解せねばなりません。しかしこの関連では、日本と米国との間の関係の特別な性格及び米国と日本との間の安全保障条約の枠内における条約上の義務が念頭にありますが、この関係がどのように構築されることになるか、我々は知りません。
 我々が柔軟性について述べるとき、我々は、日本の同僚と友人がこれら全ての微妙さとロシア側の懸念を考慮することを望みます。この他、我々は1956年宣言を基礎とする交渉に戻りました。あなたが記憶していれば、この宣言は二島の日本への返還を想定していますが、どのような基礎の上でか確かに明らかではありません。しかし、最終的に宣言は発効し、そこには平和条約締結ののちに、と記されています。
 ここには非常に多くのニュアンスと問題があります。我々は、最終目的の達成のために、プロフェッショナルに、しかし互いの関係、重要なのは何らかの形でこれらの領土とのつながりを持つ人々との関係において、善意を持って行動しなくてはいけません。この最終目的とはどのようなものでしょうか。既に冒頭で述べましたが、今一度繰り返します。これらの島々は、もし安倍総理のプランを実現すれば、ロシアと日本との間の不和の種ではなく、逆に、ロシアと日本を結ぶものになり得ます。
 もし我々が安倍総理から提案のあったプランの方向性に向かって正しく歩みを進めれば、安倍総理は島々における経済活動に関する別途の機構を創設し、政府間協定を締結し、相互協力のメカニズムを作り上げることを提案しましたが、これを基礎に平和条約に関する最終的な解決を達成し得るような条件を形成します。
 もし誰かが、我々が関心を有しているのは経済関係の構築だけであり、平和条約を後回しにすると考えているのであれば、それは違います。私の考えでは、最も重要なのは平和条約の締結であり、なぜならばそれは、歴史的展望、中長期的な展望に立った長期的協力のための条件を創設するからです。これは島々における活動よりも重要です。
 日本は70年間、ロシアとの協力、深い協力なしに生き、我々も生きてきました。我々は今後もそのように生きることができるでしょうか。できます。しかしこれは正しいでしょうか。いや、正しくありません。なぜならばもし我々が努力を結集すれば、我々の国々と経済の競争力は何倍にも拡大します。我々はこれを目指さなければなりません。
 
さて、本当にひどかったとオジサンの周囲の人は誰でもが思っている2016年の安倍政治は、少なくとも5つの大罪があるのだが、簡単に言うと「デフレからの脱却失敗」、死に体になった「TPP承認の強行」、「『介護離職ゼロ』と『待機児童解消』が空手形」、「『積極平和外交』と言いながら、内戦状態の南スーダンで駆けつけ警護(武力行使)を可能にした」、そして5つ目が、「原発に依存しない経済と社会を目指す」という公約を平然と破り、原発の再稼働を進め、40年廃炉原則も破り、11兆円から21・5兆円に膨らんだ東電の廃炉・賠償費用を賄うために国民負担増を強いることである。
 
この5つ目については、昨年「過去の原発の電気を使ったので、事故処理費用を払えと理不尽な請求がくる」のなかでつぶやいたのだが、そこまでに至った背景を毎日新聞が検証記事を書いていた。
 
<検証 福島賠償、新電力も負担(その1) 政官業でツケ回し 託送料方式、国会審議逃れ狙う>
 毎日新聞 2017年1月10日 東京朝刊
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 国会議事堂から通りを隔てて3棟並ぶ12階建ての衆院、参院議員会館。2016年9月上旬、大手電力の業界団体「電気事業連合会(電事連)」の幹部3人が、原発推進派を中心に複数の自民党議員とそれぞれの執務室で向き合った。持参したA4判計10枚の資料には、東京電力福島第1原発事故の賠償費用の大幅増を予測する電事連独自の試算が示された。
 東電を含む大手電力は福島原発事故以来、賠償費に充てる「一般負担金」を毎年約1600億円支払っている。電事連幹部は、費用が膨らむなら大手電力の負担も増えるとみて、電力自由化で新規参入した新電力にも負担を求めることを要望した。電力自由化で料金の安さを競う厳しい経営環境も説明し「大手だけが増額されるのは避けるようお願いします」と頭を下げた。「資料は外部には存在しないことになっています」と念を押した。電事連は経済産業省にも同じ資料を持参し、陳情した。新電力に負担を求める案は経産省の思惑とも一致した。
 これに先立つ7月末、東京電力ホールディングス(HD)は福島第1原発の事故処理費用が大幅に増えるとの見通しを示し、政府に支援を要請した。事故処理費用は賠償のほか廃炉、除染などがある。当面必要な賠償と除染は国が肩代わりし、賠償は東電と大手電力が返済、除染は政府保有の東電株売却益を充てる。年末に5.4兆円から7.9兆円に増えると試算される賠償費の手当ては重要課題だった。
 経産省は二つの有識者委員会を設けて9月末に議論をスタート。この時既に賠償費増額分の経産省の腹案は、「託送料」と呼ばれる送電線利用料に上乗せし、新電力を含む電力各社から回収するものだった。
 なぜ税金でなく託送料か。電力改革で20年以降、大手電力内の「小売り」と「送配電」が分離し、「小売り」(ひいては消費者)が「送配電」に託送料を支払う。「新電力」も大手の送配電に払う。そこで経産省は託送料上乗せを「原発の恩恵を受けた幅広い利用者から受益に応じて公平に回収する」と位置づけた。託送料の設定・変更は法改正が必要なく、国会審議を経ないで済む。経産省と与党は結託した。「東電救済が国会で議論されれば事態はどう転ぶか分からない」(経産省幹部)し、「野党に追及されると厄介」(自民党中堅議員)だからだ。
    ◇
 従来想定より倍増する福島第1原発の事故処理費用は、賠償の増額分を結果的に国民が広く負担する。決定にいたる経緯を検証した。
 
そもそも、国民に負担を押し付ける「託送料の設定・変更」が法改正もなく国民から負託を受けた国会の審議もなく決められてしまうこと自体が異常なのである。
 
それが、大手電力の業界団体「電気事業連合会(電事連)」の幹部や原発推進派を中心に複数の自民党議員、すなわち「原子力ムラ」住民たちが世間には公表できない資料を持ちより、経産省も巻き込んで密室で決めてしまった。 
 
検証記事は内部資料を入手してさらに解明する。 
 
<検証 福島賠償、新電力も負担(その2止) 経産省、託送料に執着 世論反発、廃炉に活用は断念>
 毎日新聞 2017年1月10日 東京朝刊
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 ◆福島原発の費用負担
 「1F(福島第1原発)廃炉 託送回収額4兆円 料金影響 関東エリアの標準家庭 月額120円」。昨年9月までに作成された経産省の内部資料には、年末に有識者委員会が提案した賠償費用だけでなく、従来想定の2兆円が8兆円に膨らむ福島第1原発の廃炉費用についても、送電線の使用料「託送料」で回収する計画が明記されていた。だがこの案は年末にかけて消滅する。
 経産省が廃炉費にも託送料を活用しようとしたのは理由があった。兆円単位で増える廃炉費が東電の負債と認識されると、資産で債務を賄えない「債務超過」に陥ってしまう。これは上場廃止につながり、銀行の融資継続も困難になる。
 このため経産省は、東電が廃炉費用を複数年に分けて計上できるよう会計ルールを変えることにした。だが分割計上するには東電から毎年、費用を回収する裏付けが必要だ。そこで浮上したのが2案。一つは東電がコスト削減や経営改革で捻出した資金を、国と大手電力が出資する「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(機構)」に積み立て、機構が廃炉費用を管理するもの。もう一つが託送料。「東電の経営改革をあてにするより託送料の方が確実です」。経産省幹部は10月時点でも、水面下で自民党議員にこう説明していた。
 ところがその後、これまで「東電単独で賄う」としてきた福島第1原発の廃炉費にまで託送料を活用することに専門家や世論の批判が強まったと見るや、経産省は方針を修正した。経産省が自民党へのレクチャーで持参した11月8日付「御説明資料」には、事故炉を廃炉する際の「確実な資金確保の方策」として2案が併記されていたが、12月1日付「御説明資料」以降、託送料案が消えた。経産省の担当者は「託送料も検討したがここまで批判が高まると無理」と語った。
 一方で、賠償費はこれまでも東電以外の大手電力も負担してきた経緯がある。その延長線上として、電力自由化で新規参入した新電力も含めた「託送料による回収」で増加分を賄う案が年末の有識者委の提言となった。「原発を保有する電力各社が事故に備えて積み立てておくべきだった」との理由で、新電力も「その利用者は過去に原発の恩恵を受けた」から負担する。大手電力には、原発などによる安い電気を新電力に供給することを義務づけ、いわばアメとムチで新電力を納得させようとした。提言を受けて経産省はパブリックコメントを募ったうえで実施に移す。その結果、原発のない沖縄県を除く地域の標準家庭で電気料金が2020年から40年間平均月額18円上乗せされる。
有識者委委員「結論ありき」
 経産省は入念に政界に根回しした。自民党への説明資料が直後の有識者委の結論となった。脱原発志向の濃い同党の河野太郎衆院議員らは反発したが少数派だった。有識者委メンバーの消費生活アドバイザー、大石美奈子さんは「電力自由化の趣旨に反する」などと託送料上乗せに反対する発言を繰り返し意見書も出したが、結託した政官の壁は高かった。大石さんは「最初から結論が決まっていた印象だ。福島事故の追加負担のような重いテーマは国会で議論すべきだ」と語った。
「電力再編」せめぎ合い
 経産省の有識者委員会が提言をまとめた昨年12月20日、東電の社内ネットに、広瀬直己社長のメッセージが流れた。提言は、福島第1原発事故の処理費用のうち東電負担分を16兆円と算出。これを捻出するためにも、原子力、送配電など事業ごとに他社と統合し経営効率化を図る事実上の解体と海外展開を迫った。メッセージは「ひるむことなく仕事を積み重ねれば、道は開ける。これは東電にしかできない」と社員を鼓舞した。
 だが、メッセージは広瀬社長の不安の裏返しだった。「社員のモチベーション維持が心配だ。萎縮しないように頼む」。翌日、広瀬社長は、東京都千代田区の本社会議室に集めた幹部を前に呼び掛けた。業績回復によって17年度にも「脱国有化」することを目指してきた東電の自立への願望は、柏崎刈羽原発の再稼働が遠のいていることもあり、もろくも崩れた。
 東電の事実上の解体を提言した有識者委のきっかけとなった昨年7月28日の東電首脳陣の記者会見。裏で主導したのは経産省だった。東電の数土(すど)文夫会長、広瀬社長と並び、西山圭太取締役が会見席に座った。西山氏は拡大する見込みの福島事故処理費用の負担のあり方などについて「政府も方針を明らかにすることが必要」との発表文を読み上げた。西山氏は東電の実質国有化を受けて経産省が送り込んだ官僚だ。
 硬い表現を交え、遠回しに国の支援を呼び掛ける文体。東電生え抜きの幹部は「民間企業人の文章じゃない」と苦笑した。記者会見は、福島事故処理費用の議論を機に、経産省が悲願の電力、原子力業界の再編に乗りだす号砲だった。
 その約2カ月後に経産省が設置したのが、東電改革と電力システム改革を議論する二つの有識者委員会だった。「国内では電力需要が停滞し、特に原子力事業は規制も厳しく斜陽産業だ。提携や海外進出は待ったなし。東電だけの議論では終わらせない」。設置当初から経産省幹部は語っていた。
 だが、東電内から「製造業と我々インフラ業は違う。安定供給も重要で、利益を増やせば良いものでもない」(中堅幹部)との不満の声があがる。「どこまで福島事故処理費用を負担させられるか分からない」「業界で傲慢だった東電の姿が目に焼き付いている」。他の電力大手幹部の冷たい反応が東電に漏れ伝わる。
 戦後の高度成長の基礎となる、電力を安定供給する大手電力の地域独占体制を築き、「電力王」と呼ばれた松永安左エ門以来の大改革−−。これが、経産省、そして東電改革を議論する有識者委の共通認識ではある。しかし、半導体や液晶など過去に経産省主導で統合再編した「日の丸企業」はその後、思うように育っていない。経産省が思い描く通りに東電が他の電力会社と手を結び、世界に進出できるかは見通せない。
    ◇
 宮川裕章、岡大介、秋本裕子が担当しました。
有識者委提言 骨子
・廃炉や賠償、除染など福島第1原発の事故対応費用は21.5兆円
・東電は16兆円を負担
・新電力を含む電力会社の送電網利用料(託送料)に2020年から40年間上乗せした計約2.4兆円を賠償費増額分に充てる
・柏崎刈羽原発の再稼働を前提に収益力改善
・原発や送配電事業で再編や統合を急ぐ
・廃炉や賠償の「福島事業」は実質国有化を継続
 
あらためて指摘するのだが、まず東電の責任を徹底的に追及し、東電では原発事故処理は手に負えないことを明らかにして東電を法的に整理し、同時に株主責任も明確にする。
 
現状はすでに国有化に近い実態なのだが、最終的には国がどう関わっていくのかを国会で議論すべきであろう。
 
さらに、原発事故処理費用を電気代に上乗せするというのなら、脱原発を宣言することが最優先である。
 
それにしても、東電の西山圭太取締役が、東電の実質国有化を受けて経産省が送り込んだ官僚であるならば、福島事故処理費用の負担のあり方などについて「政府も方針を明らかにすることが必要」と言う利益相反そのものの猿芝居はもはや許されることではない、とオジサンは思う。

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2016年12月28日

もはや日本は「放置国家」で、原発には「想定外」が良く似合う

官公庁、いわゆるお役所関係者は毎年12月29日〜1月3日の6日間が年末年始の休みと決まっている。
 
それで、休みの前日が「御用納め」と呼ばれており、12月28日の今日である。
 
しかし今年は安倍晋三首相がハワイ・真珠湾慰霊訪問という「異例」な行動に出たため、官邸職員たちの懇談会が26日に行われたという。
 
確かに「首相の一日」の26日を確認すると、「5時47分、内閣記者会との懇談会。6時17分、官邸職員との懇談会。」となっていた。  
 
官邸職員との懇談会なら分かるのだが、その30分前には「内閣記者との懇談会」にも出席していた。
 
これについては、毎年ながらも、日刊ゲンダイがこう批判していた。
 
<今年もタダ飯タダ酒 安倍首相ポチ記者“ごっつぁん忘年会”>
 2016年12月27日 日刊ゲンダイ
 26日夜、真珠湾を訪問するため米ハワイに向け出発した安倍首相。ところが、その直前の首相動静を見ると、〈5時47分、内閣記者会との懇談会〉とある。外遊前の忙しい時間に何をしていたかといえば、菅官房長官、萩生田官房副長官らとともに首相担当記者をねぎらうための“忘年会”に出席していた。
 この懇談会は過去の歴代首相も官邸や公邸で開催してきた恒例行事。今年は当初、28日の官庁御用納めに予定されていたが、真珠湾訪問が決まり、急きょ26日に前倒しされたという。
 記者クラブに詰めている記者が、普段から懇意にしている政治家や役人と酒食を共にするのは珍しいことではない。ただし、割り勘や会費制が“暗黙のルール”。ゴチになってしまうと、権力側に都合の悪い話が書けなくなってしまうからだ。ところが、内閣記者会の懇談会にかかる経費はすべて国費で賄われるのが通例となっているという。毎年、有名寿司店のケータリングやらローストビーフやら“豪華メシ”がドーンとふるまわれるそうだから、イイ気なもんだ。
 ■安倍首相との“撮影会”に記者が列
 タダ酒、タダ飯と聞いただけでア然だが、“ごっつぁん忘年会”には驚く恒例行事が他にもあるらしい。
「安倍首相と一緒に“撮影会”をするのが内閣記者会の恒例イベントとなっています。記者が喜々として列をなし、首相もご機嫌でニコニコしながら応じ、順番にスマホでツーショットを撮影していくのです。帰省した時に親戚に自慢したり、過去にはキャバクラで見せびらかす若手記者もいました」(ベテラン記者)
 権力者をアイドルみたいにあがめ、なれ合い、骨抜きにされていく――。それが今の安倍ヨイショ報道、国会での強行採決につながっていることを記者クラブの若い連中は分からないのだろうか。
 政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。
「第2次安倍政権になって、内閣への権力集中と情報の集約が顕著になりました。経験の浅い若手記者は政権幹部にかわいがられ、情報をもらうことが仕事だと勘違いしているのかもしれません。大マスコミの上層部がしょっちゅう安倍首相とゴルフをしたり、食事を共にしているのだから無理もありませんが、政権とベタベタしているだけの記者は失格です」
 すっかり飼い慣らされてしまった記者クラブのポチ記者たち。まさか、「2次会は政府専用機で」なんてノリで真珠湾訪問にゾロゾロ付いていってるんじゃないよな。
 
「首相官邸や財務省など中央官庁の記者クラブは、部屋代から電話代、コピー代、新聞代まで、国の費用で賄われている。つまり国民の税金でまかなっている事になる。そのため大手新聞社は『国民の利益』よりも『自民党の利益』が優先される事となる。国民には不利益でも自民党が進める政策は率先して反対意見を排除してきたわけだ。」という前書きで始まる「官公庁内(東京地域)に設置された排他的な記者クラブ一覧」を見ると、各記者クラブの所属メディアは公開されているのだが、なぜか省庁の記者クラブだけが非公開になっている。
 
官房機密費で飲み食いしていることが世間に公になってはまずいメディア各社であることは容易に想像でき、少なくとも上記の記事を書いた日刊ゲンダイの記者は「内閣記者クラブ」の会員には絶対になれないことだけは確かなようである。
 
こんな記者クラブ連中に飲み食いさせて、そくさとハワイに向かい、真珠湾での演説がこれまたどうしようもない酷さ。すくなくとも、日本を見渡す限りの焼け野原にしたのは、どこの国なのか! と思わず突っ込みを入れたくなる。

記事中の「「2次会は政府専用機で」なんてノリで真珠湾訪問にゾロゾロ付いていってる」日本経済新聞の記者はこうツイートしていた。さらに同行記者として「真珠湾訪問ライブ」を取材・制作した「兼松雄一郎、吉野直也、山口啓一、地曳航也、清水明」の記者たちは26日の“ごっつぁん忘年会”に出席していたかどうかは確認できていない。
 
さて、与太話はこのくらいにして、日本政府は安倍晋三首相の真珠湾でオバマ大統領との会談への手土産として、米国のための辺野古新基地建設工事を再開した。 
 
<辺野古工事を再開 沖縄知事「絶対に造らせない」>
 2016年12月28日 07時00分 東京新聞
20161228henokokensetusaikai.jpg 政府は27日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)で沿岸部埋め立てに向けた工事を再開した。話し合いを拒否して再開した政府の強硬姿勢に、米軍新型輸送機オスプレイ不時着事故の政府対応に不満を募らす沖縄は、さらに反発。翁長雄志(おながたけし)知事は「絶対に新辺野古基地を造らせない」と述べ、あらゆる権限を使って辺野古移設を阻止する決意を改めて示した。
 翁長知事は26日、最高裁敗訴を受け、埋め立て承認取り消しの撤回を表明。27日に承認が再び有効となり工事が可能になった。訴訟での政府と県の和解による中断以来、約九カ月半ぶりの再開で、政府と沖縄県が激しく対立する普天間移設問題は新たな局面に入った。今後は、海中に土砂を投入し埋め立てを開始する時期が焦点となる。
 工事再開に先立ち、翁長知事は27日午前、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、再開前の事前協議を要請。菅氏は「わが国は法治国家で(辺野古移設を巡る)確定判決の趣旨に従って工事を進める」と拒否した。両氏が記者会見などで明らかにした。2人の会談は、最高裁判決後初めて。
 翁長知事は工事再開後、東京都内で記者団に、県民の怒りと悲しみは非常に大きいと指摘。「そう簡単に物事は進まない」と述べ、政府の思い通りにはさせないと強調した。
 土砂投入は自然環境への影響が著しく、原状回復が困難なため、移設に反対する市民の阻止活動も激化するとみられる。埋め立ての際に必要とされる「岩礁破砕許可」が来年3月末に更新期限を迎え、翁長知事はこの許可の権限などを使って対抗したい考えだ。
◆住民ら猛反発
 沖縄の声を無視するかのように、政府が再び強行策に出た。27日、米軍普天間飛行場の移設工事が再開された沖縄県名護市辺野古。抗議のため集まった市民らは「国は聞く耳を持たない」「必ず工事を止める」と激しく反発し、怒りの声を上げた。
 埋め立て予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、朝早くから移設反対派の市民らが駆け付け、一時約250人に上った。工事再開の情報が伝わると「埋め立て許さんぞ」「県民は負けないぞ」と気勢を上げた。
 政府は、オスプレイ不時着事故で県民の不安が高まる中、同機の飛行再開を容認。工事再開では、翁長雄志知事が求める協議に応じなかった。
 沖縄平和運動センターの大城悟事務局長(53)は「県民だけでなく知事の声にも耳を傾けない。強硬姿勢が改めてはっきりした」と批判した。
 「国はやりたい放題だ」と憤るのは、第二次普天間爆音訴訟の原告団長島田善次さん(76)。「辺野古に基地ができれば、子や孫の世代にまで基地負担が残る。止める以外にない。正念場だ」とつぶやき、口を真一文字に結んだ。
 
あらためて、沖縄県と国側の対立点を確認しておく。
 
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【産経新聞より】
  
 
とくに今後の対抗手段としている知事の「岩礁破砕許可」とは、水産資源保護法に基づくものだが、同法の目的は「漁業の発展」への寄与なのだが、地元の名護漁業協同組合は漁業補償締結に当たり作業海域の漁業権を放棄しており、移設作業が漁業に影響を与えることはないため、防衛省は「県の主張は法の趣旨から逸脱している」との反論を強めることが予想され予断は許されない。 
 
それにしても、菅義偉官房長官は翁長知事からの工事再開前の面談要請を拒否したあげくに、「わが国は法治国家で(辺野古移設を巡る)確定判決の趣旨に従って工事を進める」と言い放つ始末だ。
 
そもそも内閣が強引に首を差し替えた福岡高裁那覇支部長の裁判官に政府の意向を100%反映した判決を下させたことは、「辺野古トンデモ判決の裏に裁判所の露骨人事! リベラルな裁判官を異動させ行政べったりの裁判官を抜擢」に詳説されている。 
オスプレイ墜落という予想された事件が起き、詳細な事故説明も米国からされないうちに飛行再開させるという沖縄県民の声に耳を傾ける振りもできない今の安倍政権である。
 
ところで「法治国家」ならぬ、「放置会社」の典型であるこの会社が、原発事業で赤字を回復しようとしてさらに赤字を増大させてしまった。  
 
<東芝、数千億円損失か 米原発事業で巨額赤字>
 2016年12月28日 朝刊 東京新聞
20161228tousibakeiei.jpg  経営再建中の東芝は27日、米国の原発事業を巡り最大で数千億円規模の損失が生じる可能性があると発表した。米原発事業で巨額損失を計上するのは2年連続。東芝は不正会計問題に伴う巨額の赤字計上で財務基盤が弱っており、資本増強を含めた経営の抜本的な見直しを迫られそうだ。
 損失が発生するのは、子会社の米原発メーカー、ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が昨年12月に買収した米原発建設会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」。米国で建設中の原発4基のコストが想定より膨らんだことが影響した。東芝は損失額の確定を急ぎ、2016年4〜12月期連結決算に反映させる。
 東芝の綱川智社長は記者会見で「責任は痛感している。処理に真摯(しんし)にあたることに集中したい」と謝罪し、原発事業に関しては「将来は事業の位置付けを見直す可能性はある」と述べた。同席した経営幹部は「米国で建設を進めている原発の費用が、想定より大きい」と損失を計上する理由を説明した。
 東芝は経営再建策として原子力事業を収益の柱としているが、16年3月期に米原発事業の資産価値の低下で2476億円の減損処理を実施。これらを含め、連結純損益は過去最悪の4600億円の赤字に陥った。
 17年3月期は、もうひとつの柱である半導体事業の持ち直しで1450億円の黒字に回復すると見込んでいたが、今回の損失計上で再び赤字となる可能性が出てきた。
 東芝は財務の基盤である株主資本が、今年9月末時点で3632億円となっており、今回の損失でさらに削られる恐れがある。
 銀行に支援を仰ぎ、財務基盤強化のために資本を増強する方針。
◆再建の柱原発コスト誤算
 また東芝の原子力事業がつまずいた。2016年3月期に2500億円規模の損失を計上したばかりだが、再び巨額損失が確実に。不正会計問題からの再建の柱として原発を掲げる経営陣の見通しの甘さがあらわになった形だ。
 「当時はリスクを上回るメリットがあると判断した」。綱川智社長は記者会見で、損失が発生する見込みとなった米原発建設会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」の買収を決断した理由について釈明に追われた。
 だが、ふたを開けてみると、S&Wの原発建設で想定以上にコストが膨らむことが判明した。原発担当の畠沢守執行役は「東日本大震災以降、世界的に安全を最優先にモノをつくるようになったことが影響しなかったとはいえない」と説明。コストが増えた要因の詳細は精査中だが、安全対策にかかる費用が当初の計画よりかさんだとみられる。
 東芝は原発事業で失敗が続いてきた。06年には原発の需要増を見込み、米原発会社ウェスチングハウス・エレクトリックを約6400億円で買収したが、11年の大震災後、原発新設は世界中で停滞し、昨年度の損失計上につながった。
 S&Wの買収を決めたのは昨年10月という。その半年前には不正会計問題が発覚しており、エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「収益の柱の原発事業が滞ることを恐れるあまり、十分に精査せず、買収を焦ったのでは」と分析している。 (伊藤弘喜)
 
原発事業に関して「将来は事業の位置付けを見直す可能性はある」という発言は5年前に言うべきことであった。
 
そもそも、「不正会計問題からの再建の柱として原発を掲げる」ということ自体が全く原発のリスクの大きさを理解していない証拠である。
 
いみじくも、海外に原発を輸出したい安倍晋三首相が口に出していた「世界一厳しい基準」というまやかしの言葉が、実は「世界的に安全を最優先にモノをつくるようになった」ことになり、東芝が「想定以上にコストが膨らむ」ことになってしまった。
 
当然ながら、28日の東京株式市場で東芝株が急落し、一時ストップ安となった。
 
午前9時半近くになって取引が成立、前日比80円安の311円60銭と値幅制限いっぱいの値下がりで下落率は20.4%となった。
 
やはり原発はその関連事業でも「想定外」が付きまとう危険な代物ではないのだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:42| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月21日

過去の原発の電気を使ったので、事故処理費用を払えと理不尽な請求がくる

安倍晋三首相の「ひとり相撲」と酷評された不毛な日ロ首脳会談で領土問題は1ミリも動かなかったが、大手マスメディアはこれに対してまともな批判は一切行わず、さらに東京での経団連との会談後の夜は、NHKを始めとして、絶対に逆らえない民放各局は得々と自分の成果を話していた安倍晋三首相の顔を垂れ流していた。
 
『プーチン訪日』大失敗をごまかす安倍官邸の情報操作にマスコミが丸乗り! ただのプレス発表を共同声明と」 
 
安倍首相が生出演『報ステ』『NEWS23』の異常な弱腰! 厳しい質問をせず、野党や元島民の批判VTRをカット
 
反政府的なコメントを毎回テレビで発信していたコメンテーターたちが安倍官邸により「粛清」され、ヨイショ発言に囲まれていたのだが、週明けた昨晩は、またもやいつもの連中がいつもの「高級近江牛」のお店に集まって「首相慰労会」を開いていたらしい。
 
首相動静」によれば、以下の面々で、ネット上でしばしば「マスゴミ」と揶揄されている似非ジャーナリストたちであることは言うまでもない。
 
石川一郎・BSジャパン社長
小田尚・読売新聞グループ本社論説主幹
粕谷賢之・日本テレビ解説委員長
島田敏男・NHK解説副委員長
曽我豪・朝日新聞編集委員
田崎史郎・時事通信特別解説委員
山田孝男・毎日新聞特別編集委員
 
もっとも過去数年、重要法案が国会ですべて強行採決されて成立された後は必ずこの連中が集まって飲み食いしていたわけで、今に始まったわけではない。
 
それよりも問題なのが「東電救済委員会」と言われている「東京電力改革・1F問題委員会」の提言である。
 
例えば、一般の企業は決済を終えた商品の価格を後から変えて費用請求することはできない。
 
それがナント電気料金の場合はそれを可能にしようとしていることである。
 
しかも、過去の電気料金を決めてきたのは大手電力会社と経産省にもかかわらず、何十年も原発からの電気を使ってきた高齢者と、まだそんなに使っていない若者に「過去分」として同様に負担させようとしている。
 
3.11の大震災による東電福島第一原発大事故以来、積極的に原発問題を取材し報じてきた東京新聞はこの10日間で、精力的に経済面で報道している。
 
理不尽な『過去分』請求 福島第一の処理費 国民負担、不公平感の恐れ
 
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あり得ぬ理屈に反発 電気料金「過去分」とは
 
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東電委提言 福島第一原発の処理21.5兆円は電気代で
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これも以前から指摘されていたのだが、「東京電力改革・1F問題委員会」のメンバーが財界人の集まりなのである。
 
●東京電力改革・1F問題委員会
伊藤 邦雄 一橋大学大学院商学研究科特任教授
遠藤 典子 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
小野寺 正 KDDI株式会社取締役会長
川村 隆 株式会社日立製作所名誉会長
小林 喜光 経済同友会代表幹事、株式会社三菱ケミカルホールディングス取締役会長
白石 興二郎 株式会社読売新聞グループ本社代表取締役会長
冨山 和彦 株式会社経営共創基盤代表取締役CEO
原田 明夫 原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員長
船橋 洋一 日本再建イニシアティブ理事長
三村 明夫 日本商工会議所会頭、新日鐵住金株式会社相談役名誉会長
廣瀬 直己 東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長(オブザーバー)
 
しかも、なぜか大事故を起こした張本人の東電の廣瀬社長がオブザーバーながらも名を連ねていることである。
 
「お手盛り委員会」と批判されても当然である。
 
度々多くの有識者も指摘してきたことであるが、まず東電の責任を徹底的に追及し、東電では原発事故処理は手に負えないことを明らかにして東電を法的に整理し、同時に株主責任も明確にする。
 
現状はすでに国有化に近い実態なのだが、最終的には国がどう関わっていくのかを国会で議論すべきであろう。
 
さらに、原発事故処理費用を電気代に上乗せするというのなら、脱原発を宣言することが最優先である。
 
それが出来なければ、今後も事故が起きるたびに国民が負担しなければならなくなる。
 
<原発処理21兆円の大半は電気代 検針票の裏「託送料」に>
 2016年12月21日 07時05分 東京新聞
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 東京電力福島第一原発の廃炉費用などの大半が、家庭や企業が支払う電気料金に上乗せされることになった。経済産業省と財界人らが20日に開いた「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」で、21兆5000億円に膨らむと見込んだ事故処理費用の負担を国民に求める提言をまとめたためだ。負担は電気料金が記載された検針票に反映される。だが、複雑な仕組みに潜り込ませるため、分かりにくい。
 賠償費用は東電の検針票の場合、裏面に記載されている託送料金に盛り込まれる。現在は1キロワット時当たり9.26円で、0.07円が新たに加わる。
 託送料金は東電や中部電力など、地域ごとに大手電力が独占する送電線の利用料。送電線を利用している新電力の利用者も負担することになる。料金は同省が審査して、認可すれば変更できる。国会での審議は必要ない。
 費用の電気料金への上乗せは2020年から40年間続く見込み。同省は、新たな負担額について「料金の明細に明記させる」としている。だが、託送料金を検針票に記載していない会社もあり、自分がいくら負担しているのか分からなくなる恐れもある。
 東電は特例措置で利益を託送料金の引き下げに充てず、廃炉費用として積み立てる。大手電力は通常、送配電部門で一定の利益が出ている場合、託送料金を引き下げなければならない。だが、今回の仕組みができることで、託送料金は簡単に下がらないことになった。
 提言で電気料金に含まれることになった廃炉費用も、負担額は検針票からは読み取れない。また、検針票で「電源開発促進税」と小さく記載された費用には、事故の影響で放射能に汚染された土壌などを一時保管する中間貯蔵施設の建設費が盛り込まれる。
 同省は「増税せず、税収の中でやりくりする」と説明するが、事故がなければ税率が下がる余地があった。
 
電気料金は経産省が審査して認可すればいくらでも変更できるので国会審議は必要ないと言っているが、原発事故処理は国家プロジェクトで進めていくしかないため、こんな民間の訳の分からぬ連中にとやかく言われる筋合いはない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:17| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする