2018年01月30日

7年前の原発大事故は組織的な人災であった


昨日、「安倍晋三の『女性活躍』とは右翼女性たちのこと」の中で、産経新聞の「額賀派クーデター全内幕「けんかは勝たねば」参院側が突きつけた最後通牒」という記事を紹介した。
 
そして、「傍から見れば単なる内輪もめであり、国民にとってはドウデモイイ話なのだが、『安倍1強』が長く続き、自民党として一致団結して戦う政敵がいなくなった証であろう。」とつぶやいた。
 
だが、どうやらその見立ては外れ、単なる内輪もめどころか今年の自民党総裁選にからんだ「アベ降し」の策略が見え隠れしているという。
 
<額賀派クーデターの波紋 “反アベ”結集なら総裁選は大波乱>
 2018年1月29日 日刊ゲンダイ
 突然、勃発した自民党の第3派閥「額賀派」のクーデター劇。参院議員21人全員が、派閥領袖の額賀福志郎氏に退任を求めている。
 この時期にクーデターが起きたのは、9月に行われる総裁選に備えるためだともっぱらだ。衆参54人の額賀派は、“反アベ”で動くつもりだとみられている。もともと、闘う集団だった額賀派が“反アベ”に回ったら、“安倍3選”に黄色信号がともる。
「クーデターの裏に、かつて参院ドンと呼ばれた青木幹雄さんがいるのは間違いないでしょう。額賀派に所属していた青木さんは、いまだに参院額賀派に絶大な影響力がある。青木さんが“右”と決めれば、21人全員が“右”に動く。派閥領袖の額賀さんは“安倍支持”ですが、どうやら青木さんは、総裁選では石破茂を担ぎたいようです。“安倍支持”の額賀さんをクビにして、派内を“石破支持”でまとめるつもりでしょう」(自民党関係者)
 もともと、青木幹雄氏と石破茂氏の関係は最悪だったが、2016年の参院選の時、石破氏が青木幹雄氏の長男・一彦氏の選挙を全面支援したことで関係が修復したという。
■「3人」の共通点は“安倍嫌い”
 自民党内は「額賀派」のクーデターを固唾をのんで見ている。第3派閥の「額賀派」が“反アベ”で腹を固めたら、第4派閥の「岸田派」(45人)と第5派閥の「二階派」(44人)も追随する可能性があるからだ。
 3つの派閥が“反アベ”で固まったら、安倍首相は敗北する可能性がある。
「3つの派閥が手を組む可能性はゼロではないでしょう。まず、岸田派の実質的なオーナーである古賀誠氏と青木幹雄氏は親しい関係です。同じビルに事務所を構えている。さらに、二階派の領袖・二階俊博氏も、2人とはツーカーの仲。青木―古賀―二階は、いつでも話ができる。3人の共通点は内心、安倍首相を嫌っていることです。3人ともいわゆる“保守本流”です。保守本流は、GHQと一緒に憲法を制定し、日本の繁栄を支えてきた。ところが、安倍首相が敬愛する祖父の岸信介氏は“保守傍流”です。戦犯だったため憲法制定に加われなかった。だから、安倍首相は“押しつけ憲法だ”と批判し、“戦後レジームからの脱却だ”と戦後の日本を否定している。そもそも、保守本流と保守傍流は考え方がまったく違うのです。もちろん、青木―古賀―二階の3人は、勝ち目のないケンカはしないでしょうが、勝てるチャンスがあれば、一気に勝負にでてくるはず。場合によっては、岸田文雄氏を担いでもいいと考えているはずです」(政界関係者)
 NNNの調査では「次の自民党総裁に誰がふさわしいか」は、石破21%、安倍19%だった。国民も“安倍3選”にはウンザリしている。今頃、安倍首相は悲鳴を上げているのではないか。
   
「国民も“安倍3選”にはウンザリしている」ことは確かであろうが、自民党内での政権のたらい回しならば、誰が総裁になっても大きな変化は望めず、もちろん国民の生活が一気に良くなる保証もない。 
 
安倍晋三自身も追及されることには「ウンザリ」している森友学園問題。
 
早速始まった予算委員会では、最近明らかになった新事実にもとづいた質疑応答が行われた。  

<野党「佐川隠し、やめて」 かばい続ける政権の事情は>
 2018年1月30日04時58分 朝日新聞DIGITAL
 「廃棄した」はずの交渉関連記録、首相の妻に言及する音声データ。29日に始まった衆院予算委員会では森友学園への国有地売却が再び焦点となり、昨年の特別国会以降に判明した新事実をもとに野党は追及を強めた。政権側はこれまで通りの答弁を繰り返し、真相究明は進まなかった。
 野党が矛先を向けたのは、昨年7月に国税庁長官に就任するまで答弁に立ち続けた財務省の佐川宣寿・前理財局長だ。
 一つは、売却までの経緯を記した文書が残されているかどうかに関する答弁。佐川氏は「廃棄した」と説明していたが、近畿財務局が今月になって新たに開示した内部文書には「(新たなごみの)撤去費を反映させた評価額で買い取りたい」などとする学園側の要望事項や国の対応方針が明記されていた。
 この日、会計検査院の報告が出る前日まで検査院にこの文書が提出されていなかったことも判明し、野党側は「佐川氏が隠した」と批判した。麻生太郎財務相は「検査の過程で気づく状態に至らなかった」「その後文書が判明し、速やかに提出した」と釈明した。
 事前の「価格交渉」をめぐる答弁も追及された。佐川氏は「価格について提示したことも、先方からいくらで買いたいという希望があったこともない」と否定していた。だが昨年11月、特別国会で財務局職員が不動産鑑定の結果が出る前に「1億3千(万円)」「ゼロに近い金額まで努力」と学園側に伝えていたことが明らかになった。
 立憲民主党の長妻昭代表代行は「事実と異なる答弁が連発されている」と強調。さらに佐川氏が長官就任時の会見を開いていないことや、森友問題で文書管理への姿勢が批判されたのに就任後の職員向けの訓示で「文書の管理徹底」を指示していたことも問題視した。2月に始まる確定申告を引き合いに、「国民は領収書1枚なくしても認められないのに、示しがつくのか」と疑問を投げかけた。
 佐川氏を「適材適所」とする政権は、この日もかばった。佐川氏の答弁の矛盾を認めれば、その答弁をもとに手続きを「適正」としてきた安倍晋三首相の答弁の正当性も揺らぐ
 麻生氏は、会見しないことを「所管の行政以外に関心が高まっていたことから実施しなかったと聞いている。適切な対応だ」とし、「多種多様な課題の解決に当たってきた人物。引き続き職責を果たしてもらう」と語った。これに対し、共産党の小池晃書記局長は会見で、「国民の多くが(佐川氏が)税務行政の責任者でいいのかと疑問を持っている。会見しないのをよしとするのは、政権ぐるみで真相隠しをやっていると言われても仕方ない」と批判した。
 与党側は同日の衆院予算委の理事会で、野党が求めた佐川氏の参考人招致を拒否。国会関係者によると、通常は国会で答弁しない「次官級」にあたると主張したという。
 立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は記者団に語った。「『佐川隠し』はやめていただきたい」(久保田一道)
昭恵氏と森友問題の関係、改めて焦点
 森友学園が開校予定だった小学校の名誉校長を務めていた安倍首相の妻、昭恵氏。この日の予算委では、昭恵氏と問題との関係も改めて焦点となった。
 朝日新聞がノンフィクション作家、菅野完氏から提供を受けた音声データによると、森友学園は国との協議で「棟上げに首相夫人が来る」と言及し、値段を安くするよう求めていた。学園が国に土地の購入を申し入れた2016年3月ごろのことだ。国の担当者は協議の場で、新たに見つかったと学園が報告してきたごみへの補償を「きっちりやるというストーリー」と述べていた。
 安倍首相は昭恵氏の名誉校長就任について「批判をいただいたことはやむを得ない」とする一方、「当時の近畿財務局長も(財務省)理財局長も妻が名誉校長をやっていることは知らなかった」と強調。昭恵氏が学園との交渉に影響を与えていないとする従来の主張を繰り返した。昭恵氏が実際に棟上げ式への出席を予定していたのかと長妻氏から尋ねられると、「突然聞かれても答えようがない」とかわした。
 麻生氏も「国有地の管理処分は相手方の役職にどのような方がおられるのかに関係なく、法令に基づいて行っている」として、国の担当者による「忖度(そんたく)」がなかったと強調した。
 立憲民主党の川内博史議員は「官僚の皆さんが総理の一言一言に敏感になっている」「総理の奥様が名誉校長就任を受けてしまった。そういう色んな出来事が異常な特別扱いを生んだのでは」と指摘した。(岡戸佑樹)
問われる財務省の姿勢
 この日は、会計検査院の検査報告前日に財務省近畿財務局の記録文書が提出されていたことも明らかになった。安倍首相は昨年3月の国会で「会計検査院がしっかり検査すべきだ」と述べていたが、財務省は存在する関係文書を存在しないものとして会計検査を受けていたことになる。
 財務省は検査院に対し、遅れて提出した理由について「検査を受けた部署とは別の部署から見つかった」と説明したという。提出を受けた当時は検査結果の国会報告を翌日に控え、すでに報告書はできていた。検査院幹部は「検査結果には直接影響しない内容だが、存在していたのに提出されなかったことは望ましいことではない」と話す。
 麻生氏は、文書の存在について「情報開示請求への対応の中で判明した」と説明しており、大学教授による昨年9月の開示請求が発見のきっかけだったとしている。検査院への提出は同年11月21日。特別国会中だったが、再三にわたって「記録がない」と答弁してきた財務省が存在を明らかにすることはなかった。
 検査院が求めた資料提出の要求に対し、職員が故意や重大な過失により応じなかった場合、検査院は所管大臣に懲戒処分をするよう求めることができるとされている。検査院の河戸光彦院長は29日の衆院予算委で処分要求について問われたが、「事実関係を踏まえ、慎重に検討する必要がある」と述べるにとどめた。
 
昨年来、大手メディアの先頭に立って森友学園問題を記事にしてきた朝日新聞なのだが、予算委員会での質問に対する答弁をそのまま記事にして、あたかも「両論併記」スタイルで公平さを出しているつもりなのだろうが、立憲民主党の長妻昭代表代行の事前通告してあるはずの質問に対して、「『突然聞かれても答えようがない』とかわした」との表現は、あたかも安倍晋三首相がうまく対応したかのような書き方であり本来ならば、「答弁を拒否した」と強く批判すべきであった。
 
優等生的な記事のお口直しには、やはり「野党手ぐすね 森友問題に新証言で『昭恵氏喚問』再燃必至」といった記事の方が、現実味があり分かりやすいかもしれない。
 
さて、在京大手紙に比べて2011年の「3.11」以降「脱・反原発」の姿勢が明快になった東京新聞。
 
年が明けて、あらたな事実が明らかになったことがある。
 
<福島津波試算 02年見送る 旧保安院、東電の反発で>
 2018年1月30日 朝刊 東京新聞
 2011年3月に起きた東京電力福島第一原発事故の約9年前、政府の地震調査委員会が「東北の太平洋岸ではどこでも大津波が起こる危険がある」との長期評価を公表した際、当時の経済産業省原子力安全・保安院が東電に「福島沖で津波地震が起きたときのシミュレーションをするべきだ」と求めたが、東電の反発を受け、見送っていたことが29日、分かった。
 原発避難者が国などを相手取った訴訟で千葉地裁に提出された関係者の陳述書で判明した。第一原発に津波が襲来し大事故が起きたが、この段階でシミュレーションをしていれば津波対策に早く着手できた可能性がある。
 陳述書は、旧保安院の原子力発電安全審査課で地震や津波関係の審査班長だった川原修司氏のもので、法務省の担当者に答える形で当時の事情を説明している。
 地震調査委は02年7月31日に長期評価を公表。川原氏らは同8月、複数回にわたって東電の担当者に事情を尋ね、長期評価を前提に津波のシミュレーションを行うよう要請した。
 東電は、地震学者による1つの論文を基に説明し、シミュレーションを拒んだ。陳述書に添付されていた東電の担当者の電子メールの写しには、当時のやりとりが記されており「40分間くらい抵抗した」と書かれていた。
 東電はさらに地震調査委メンバーの佐竹健治氏(現東京大教授)が長期評価の見解に異論を唱えていたことや、将来的に別の方法で第一原発への大津波を考慮するなどと主張。川原氏は「長期評価は具体的な理学的根拠が伴うものとは確認できない」として津波シミュレーションを行わないとの東電の方針を了承した。
 東電は取材に対し「継続中の訴訟に関わる事項なので回答を差し控える」とコメントした。
<福島第一原発の津波想定> 1号機建設当時は高さ海抜約3.1メートルの津波を想定した。国の地震調査委員会が2002年7月に出した大津波の危険を指摘する長期評価に基づき、東電が津波シミュレーションを行ったのは08年春。国の原発耐震指針改定を受けた安全性見直し作業によるものだった。敷地の高さを大きく超える最大15.7メートルの津波の危険性が示された。東電はこの結果を11年3月の事故直前まで当時の経済産業省原子力安全・保安院に報告せず、具体的な対策も取らなかった。東電が大きな津波の想定に本格的に取り組み始めたのは07年11月ごろとされてきたが、02年に保安院から要請を受けていた。
 
福島第一原発事故で、東電は「巨大津波は想定外」という立場を固持し続けている。
 
しかし、その傲慢な態度にも綻びが出てきたようである。
 
2002年に「東北の太平洋岸ではどこでも大津波が起こる危険がある」との長期評価をもとに、当時の経済産業省原子力安全・保安院が東電に「福島沖で津波地震が起きたときのシミュレーションをするべきだ」と求めたことが、独自取材で明らかになったわけである。
 
残念ながら、東電側の抵抗によって最終的には、旧保安院の原子力発電安全審査課で地震や津波関係の審査班長だった川原修司氏は東電の方針を了承してしまったわけである。
 
おそらくシミュレーションを行えば既存の防波堤では原発の敷地内が津波に覆われてしまい、その対策には最大津波を防ぐための巨大な防波堤が必要となり、膨大な費用のためにはシミュレーションはやりたくなかったのであろう。
 
リスク(危機)を最小にするには対策費用が増大するのだが、リスク管理に於いては、リスクの種類を以下の4種類に分類している。
 
◆リスクの回避
◆リスクの低減
◆リスク共有
◆リスク転嫁
 リスクが顕在化した場合の損失補償を準備すること。
◆リスク保有
 対策を何もしないこと。リスクを受容するともいう。発生頻度が低く、損害も小さいリスクに対して用いる。
 
どうやら東電はこのリスク管理を当時は組織として採用していなかったようである。
 
したがって「巨大津波」というリスクを「回避」したり「低減」することなく、しかも損失補償の準備というリスクの転嫁という発想もなく、ただ単に何もしないという「リスク保有」を行ってしまったのである。
 
明らかに、組織としてのリスク管理能力の低劣さが福島第一原発事故につながってしまったので、当時の東電会長や社長たちの責任は明らかであり、もはや「想定外」などという詭弁は通用しない、とオジサンは思う。
     
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2018年01月20日

出口なき日米原発協定と日本の核廃絶への道


日米地位協定という不平等な大きな壁が存在するため、沖縄の空はどんなに米軍機の事故が発生しても、日本政府はそれを止めることができない。
 
(時時刻刻)ヘリ飛行、主張食い違い 普天間二小の上空、米否定
 
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【朝日新聞DIGITALより】

 
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【朝日新聞DIGITALより】

 
ましてや、深化した日米同盟に埋没してしまっている日本の最高責任者が、「相次ぐ米軍事故に約束反故…それでも国会審議を拒否する安倍政権、安倍首相は『沖縄は我慢して受け入れろ』と暴言!」と言う始末なので開いた口が塞がらない。
 
その「アベ友学園」を巡る国有地格安払下げ問題で、ヤバイ資料を全て破棄したと居直っていた財務省も、会計検査院の厳しい指摘を受けて、ようやく「財務省 国有地処分手続き見直し 売却額公表、根拠も開示」ということになった。
 
19日、毎日新聞の情報公開請求に近畿財務局が、「森友学園 国有地売却問題 近畿財務局、交渉の文書開示 内部検討記録」と、当時の交渉記録を開示した。
 
来週からの通常国会での追及が楽しみである。
 
さて、2011年の福島第1原発大事故で溶け落ちた核燃料や損傷した構造物の状況を撮影し、2021年から始めるとした溶融燃料を取り出す具体的な計画をつくるため、東京電力はようやく2号機の原子炉格納容器を調査した。
 
その結果、2号機でカメラ付きのパイプを使い、原子炉格納容器底部に燃料集合体の一部が落下しているのを確認し、その周辺で見つかった堆積物は溶け落ちた核燃料(デブリ)と断定した。
  
今後は取り出し作業をどの号機から着手するかを19年度中に選び、詳細な工法を詰める予定とか。
 
これまでの内部調査では、3号機で溶融燃料とみられる物体をようやく捉えた程度で、情報は不足している。今年中に詳細工法の決定に向けて情報を着実に集める必要がある。
 
まさに廃炉技術が確立しておらず手探り状態であることには変わりがない。
 
ところで、今年7月に30年の期限を迎える日米原子力協定が1月17日に自動延長された。
 
両政府とも期限の半年前までに再協議を申し入れないため、今の内容で継続することになる。
 
日本の原子力事業は原発から研究開発まで、この協定に従って進められているのだが、なかでも、原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す「再処理」を日本に認めていることは、協定の大きな特徴らしい。
 
しかし、協定で許されていることと実際に再処理することは別の話であり、日本は既に長崎型原爆を約6千発作れるだけのプルトニウムを抱えており、それを実際に減らしていくメドは全く立っていない。
 
青森県六ケ所村に電力業界が建設中の再処理工場は、もはや動かすことなく建設中止を含めて議論すべき局面にきている。
 
前回の改定では、日本は再処理の権利を米国に認めさせることに注力し、核燃料サイクル構想を実現し、プルトニウムを高速増殖炉で燃やせば、燃やした以上の燃料を得ることができ、エネルギー問題を解決できると考えてた。
 
しかし、核燃料サイクルはこの30年間で、経済性を欠き安全上の懸念も大きいことが明白になり、先進国のほとんどがサイクルを断念しており、日本も一昨年、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を決め、サイクル事業は事実上破綻している。
 
まさに「もんじゅの知恵」は全く役に立たなかったわけである。 
 
日本が持つプルトニウムは、英仏両国に再処理を委託してきた分を含めて約47トンに達するという。
 
政府と電力業界は、それをウランと混ぜて通常の原発で燃やすプルサーマル発電で減らしていくと言うが、原発の多くは福島の事故後、止まったままである。
 
核不拡散条約のもとで、日本は非核保有国では唯一、再処理を認められているが、あくまでもプルトニウムの平和利用に徹するのが条件だが、現状では日本政府がいくらそう強調しても、国際社会の疑念は消えない。
 
内閣府の原子力委員会は「利用分だけ再処理する」方針を明示することを検討し始めたが、認識が甘く、対応が遅すぎると指摘されている。
 
新たにプルトニウムを取り出せる状況ではまったくないことは明らかである。
 
余剰プルトニウムは持たないとの国際公約にのっとって、保有量の削減に具体的に取り組むべきであり、英仏への譲渡や米国への処分法の研究委託も考えなくてはならない。
 
六ケ所村の再処理工場は97年に完成予定だったが、昨年末に23回目の延期が決まり、21年度上半期へと約3年先延ばしされた。 

トラブルが後をたたず、建設費は当初の4倍近い2.9兆円に膨らんでおり、もうすでに結論は明らかなはずである。
 
このような状況にもかかわらず、新たな動きが出てきている。
 
<日本政府、欧ウラン濃縮大手買収へ交渉>
 2018/1/19 18:00 日本経済新聞 電子版
 日本政府が、国際協力銀行(JBIC)を通じて欧州のウラン濃縮大手、ウレンコ社(本社・英国)の買収交渉に入った。米エネルギー会社との共同提案によるもので、原子力分野で影響力を強める中国やロシアに経営権が移るのを防ぐ狙いだ。政府は原子力発電を基幹電源として推進しており、米国とともに原発に欠かせないウラン濃縮の権益確保に踏み込む。
複数の関係者が明らかにした。日本政府が交渉しているのは、ウレンコ社の大株主である英国とオランダ両政府のほか、ドイツの電力大手RWEなどだ。独社はドイツ政府の脱原発、英政府は財政再建の方針を受けて株式売却をそれぞれ関係方面に打診しており、JBICは日本政府の意向を踏まえ株式を買い取れないか交渉している。
 ウレンコ社は天然ウランを発電燃料として使えるように核分裂する成分の濃度をあげる「濃縮工程」を手掛け、原発事業に不可欠な企業だ。濃縮ウランの生産能力では世界の3割を占め、ロシアのロスアトム傘下のテネックス社に次ぐ第2位だ。
 JBICは米セントラス・エナジー社と組み、少なくとも過半数の株式取得を目指している。金額は数千億円規模の見込み。JBICはこのうち2〜3割程度を保有したい考えだ。今夏にかけて買収金額や条件を詰める。交渉の行方はなお不透明だが、早ければ年内にも決着する可能性がある。
 共同買収は中国やロシアを強く意識した動きだ。中ロは濃縮ウランの需要拡大を見越してウレンコ社にも関心を示しているもようだ。日本原子力産業協会によると、中国で運転中の原発は17年1月時点で35基、ロシアは30基だが計画中までを含めるとそれぞれ82基、55基となり日本(53基)を上回る。日本政府は原発を基幹電源と位置づけており、大手のウレンコ社が中ロなどの傘下になれば調達が不安定になると懸念している。
 
ドイツ政府は福島第1原発大事故以降、脱原発に踏み切り、それによりドイツの電力大手RWEなどが政府の援助を受けられず株式売却を打診していた。
 
ところが、原発事故を起こし、その後始末もおぼつかない日本が米国とともに原発に欠かせないウラン濃縮の権益確保に踏み込むということである。
 
中国やロシアの原発が近い将来日本の原発を上回るからと、それを阻止するためのウレンコ社の共同買収とは、今後の日本の原発の廃炉への道はますます遠ざかってしまう。   
 
さて、新年早々「私人」を連れて「今まで行ったことがないから」という理由でバルト3国、東欧3カ国に出かけた安倍晋三夫妻。
 
その必然性のない外遊にはこんな裏事情があったという。 

<核の傘に依存 核廃絶への意思を表明できない卑怯な政権>
 2018年1月19日 日刊ゲンダイ
 安倍首相が6日間に及んだバルト3国、東欧3カ国歴訪を終え、ようやく帰国した。国の予算を決める通常国会が間もなく始まる重要な時期だ。どうして6カ国もの「小国」に昭恵夫人を連れて、新婚ならぬ“旧婚”旅行に出かけ、貴重な時間を潰してしまうのか。
 はなはだ理解不能だったが、ようやく謎が解けた。安倍首相には海外に逃げざるを得ない事情があったのだ。
 安倍首相の外遊中には、昨年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長が来日していた。ICANはフィン氏が東京滞在中に首相と面会できるよう昨年12月以降、政府へ2度要請していたが、日程を理由に断られてしまった。
 常に米国の顔色をうかがっている手前、トランプ政権が反対する「核廃絶」に賛成するわけにはいかない。ただし、唯一の戦争被爆国トップとしては、核兵器廃絶について明確に「反対」もできない。だから昨年、国連本部で「核兵器禁止条約」の交渉会議が開かれても、日本政府代表は欠席。採択の際に「賛成」「反対」の意思を表明することから逃げたのだ。
 今回のICAN事務局長からの“ラブコール”を拒否したのも同じ理屈だ。ノーベル平和賞をもらった人から表敬を受ければ、さすがに安倍首相も核廃絶について、何らかの考えを示さなければいけない。まさか「どっちでもない」などと玉虫色の返答はできまい。それが安倍首相には具合が悪かったのだ。
 そのため、6カ国で無駄に時間を潰して、フィン氏が日本を離れるタイミングを見計らって帰国したのである。核兵器という大きな問題から、逃げ隠れしている安倍首相の態度は実に卑怯極まりない。
 しかも、ICANに肩透かしを食らわせるための外遊に出かけた口実が、核開発を続ける北朝鮮への制裁強化だ。朝鮮半島の南北対話が始まった時期に6カ国歴訪で北朝鮮への「制裁強化」を言いふらし回って、どうするつもりなのか。
 北朝鮮による核攻撃の脅威が高まっている今こそ、日本は「核廃絶」に動くべきだ。米国の「核の傘」に守られながら、日本が北朝鮮の核による抑止力を許さないというのは、ある意味、矛盾している。国連参加122カ国が賛成した核兵器禁止条約の署名を拒み、核廃絶への意思表示から安倍政権は逃げ回っているのに、北朝鮮には「核廃絶」を押しつけるとは、国際社会への説得力に欠ける。典型的な二枚舌外交と言わざるを得ないのだ。
 それにしても、ICANに対する安倍政権の冷淡な仕打ちは、あまりにも大人げない。この子供じみた政権が続く限り、日本は国際社会からの信頼をどんどん失うことになるだろう。
 
米国の後ろ盾がなければ、日本の、否、安倍晋三首相の国際社会からの信頼などほとんど無きにひとしい。
 
その米国のトランプ大統領も決して地位が盤石とは言えず、ようやく就任1年目を迎えたが、はたして任期を全うできるのか疑わしい。
 
こんな男と付き合っていれば、「日本ファースト」どいころか「日本を取り戻す」ことすら危うくなる。
 
北朝鮮の核開発を批判しながら、国連参加122カ国が賛成した核兵器禁止条約の署名を拒み、核廃絶への意思表示から逃げ回っている安倍政権が続く限りは、日本の核廃絶への道のりは限りなく遠い、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月11日

時代に逆行、日本の原発政策


今週初めのNHK日曜討論で立憲民主党の枝野幸男代表はこう言っていた
 
「森友学園問題は(国有地売却額の)値引きが不正・不当であったことの結論は出ていますので、しっかりと『けじめ』をつけてほしい。
 まず国会でおかしな説明をしていた人(佐川宣寿〈のぶひさ〉・前財務省理財局長)がいま国税庁の長官をしている。これから確定申告だが、全国の税務署の職員は気の毒だ。トップがいい加減な説明で、捨てちゃいけない書類を捨てておいて、(納税者側から)『こんな小さなお金の書類がないといって何を言っているんだ』と確定申告の窓口で様々な声が上がってくるのではないか。その前にしっかりとけじめをつけていかないといけない。」
 
その渦中の人物である佐川宣寿前理財局長。
 
国税庁長官へ“栄転”後も就任会見を開かず、いまだに説明責任を果たしていないが、実はナント機関紙に登場し、今後の税務行政についてエラソーに語っていた。
 
 「森友問題どうなった? 佐川国税庁長官が機関紙で“珍発言”」 
 
全国15の税理士会で構成される「日本税理士会連合会」が定期的に発行する機関紙「税理士界」(18年1月15日号)には〈新春対談佐川国税庁長官と語る〉とのインタビュー記事が掲載されている。聞き手は神津信一日本税理士会連合会会長で、インタビューは昨年12月11日に行われた。

 佐川長官は、〈納税者の皆様の理解と信頼を得て適正な申告・納税を確保していく〉〈納税者や税理士の皆様から信頼される組織運営を一層進めてまいりたい〉などと発言している。
 
これに対して佐川長官を証拠隠滅容疑などで告発した「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」共同代表の醍醐聰東大名誉教授は、
「多くの国民が疑問視している以上、佐川氏は公の場で説明すべきですが、機関紙で当たり障りのないことを話すだけでは説明責任を果たしたとはいえません。納税者である国民を無視していると指摘されても仕方ありません。連合会側も、森友問題について質問していない以上、佐川氏に釈明の場を与えたようにしか見えません」 
と批判していた。
  
そして、内部向けには、「森友問題では『廃棄』と答弁したが… 佐川前理財局長『文書の管理徹底を』 国税職員に訓示」したというから、あきれてしまう。

さて、一般の国民にとっては誰がその座に就こうが関心がないかもしれない経団連の次期会長。
 
経団連は9日、会長・副会長会議を開き、榊原定征会長の後任に、筆頭副会長で日立製作所会長の中西宏明氏を内定したと発表した。
 
「財界総理」と呼ばれる経団連会長に、日立出身者が就任するのは初めてだが、各紙のタイトルからどのような人物かが浮かび上がる。
 
首相と近い関係」 (朝日新聞
政権に太いパイプ」(毎日新聞
エネルギーなど国の政策に強力に取り組む」(産経新聞
  
朝日と毎日は「その通り」なのだが、産経新聞があえて「エネルギーなど国の政策に強力に取り組む」と書いた裏には、すでにこんなことが進められていた。

 「英原発、日英政府が支援 日立計画に2.2兆円融資 損失なら国民負担も
 
実は、国民が正月気分に浸っている頃、こんな記事が出ていた。 
 
<原発輸出 政府が債務保証 大手銀など1.5兆円融資 英で新設>
 毎日新聞 2018年1月3日 東京朝刊
20180111_mainiti.jpg 日立製作所が英国で進める原発新設プロジェクトに対し、3メガバンクと国際協力銀行(JBIC)を含む銀行団が、総額1.5兆円規模の融資を行う方針を固めた。事故などによる貸し倒れに備え、日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する。政府系の日本政策投資銀行は出資による支援を行うほか、中部電力など電力各社も出資を検討する。総額3兆円規模に上る原発輸出を、政府主導の「オールジャパン体制」で後押しする。
 JBICや政投銀による投融資も含めると、政府が巨額のリスクを抱える形となる。損失が発生すれば、最終的には国民負担を強いられる懸念もある。
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 投融資の対象となるのは、日立の英国子会社が2020年代半ばの稼働を目指し、英中部アングルシー島で進める原発新設プロジェクト。日立は投資の最終判断を19年度に下す予定だが、リスクを1社で負うのは不可能として、日英両政府や金融機関と協議を続けている。国内金融機関と政府全額出資の日本貿易保険(NEXI)は昨年12月、日立の求めに応じ資金支援の意思を示す趣意書を提出した。
 関係者によると、日立は現時点で原発建設の事業費を3兆円程度と見積もり、うち1.5兆円程度を金融機関の融資、残りを出資で賄うことを見込んでいる。融資のうち、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは1行当たり千数百億円程度を拠出し、3行の融資総額は5000億円規模となる見通し。NEXIが債務を保証する。残りはJBICや、英国の民間金融機関が融資する。
 出資は政投銀が意向を日立に伝えたほか、日立製の原子炉を国内で使用する中部電力と日本原子力発電も検討に入った。日立は東京電力など他の電力会社や商社にも出資を打診しており、関連事業会社連合の協力でリスク分散を図る。原発新設を急ぐ英国政府もプロジェクトに出資する意向で、日英両エネルギー担当相は昨年12月、今後の協力に関する書簡を交わした。
 原発建設は、11年の福島第1原発事故後の安全コスト増大で世界的に採算が悪化しており、東芝の経営危機の原因にもなった。だが政府は「技術を絶やさないためにも、英国のプロジェクト獲得は必要」(経済産業省幹部)との立場で、全面支援の姿勢を示している。
 
「技術を絶やさないためにも、英国のプロジェクト獲得は必要」だからといって、損失は政府が保証するということは、当然予定されていない税金が使われることになる。
 
言うまでもなく、万が一に事故が起きた場合、大損害を被るのは英国民だ。
 
そんな英国の原発輸出問題について、9日、国際環境NGO「FoE Japan」が都内で会合を開き、「日立によるイギリス・ウィルファ原発建設は実現するのか」と題して昨年11月の現地調査について発表した。
 
「イギリスでは1995年以降、原発新設はありません。フランス電力がイギリスで建設予定のヒンクリー・ポイント原発は2017年に稼働開始予定でしたが、26年稼働に延期され、30年までに建設予定のイギリス国内の原発12基は、いまだにひとつも完成していません。(日立が計画する)ウィルファ原発は19年の着工を目指していますが、これから一体いくらの事業費がかかるのかは不明なのです」(FoE Japanの深草亜悠美氏)
 
日立の原子力事業子会社(ホライズン・ニュークリア・パワー)が英国で開発を進めるのは、福島第1原発と同型の「沸騰水型」である。
 
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【ウィルファ原子力発電所】

 
「建設予定地のアングルシー島(英国ウェールズ)では、新設の原発が福島原発と同型という理由で、反対する声がある。雇用創出の点で建設賛成派が多いですが、人口約7万人の島に安価な労働力が流入することや環境破壊を懸念する声も出ています」(深草氏)
 
現地の反対団体のサイトでは、2015年に福島第一原発大事故を経験した当時の菅直人首相が訪問したことを紹介していた。
 
Former Japanese Prime Minister visits Wylfa and warns energy policy makers to avoid the ‘man-made’ catastrophes of Fukishima
  
 原発が「安全」なら、わざわざ政府が税金で民間事業者の“ケツを持つ”必要はない。福島原発事故後の事故処理もままならない中で、なぜ、海外に原発を輸出するのか。
 
民主党最後の政権の野田内閣が「2030年代に原発稼働ゼロ」という閣議決定をしようとしたとき、米政府側が閣議決定を見送るよう要求していたことを当時の東京新聞が伝えている。
 
「米高官は日本側による事前説明の場で『法律にしたり、閣議決定して政策をしばり、見直せなくなることを懸念する』と述べ、将来の内閣を含めて日本が原発稼働ゼロの戦略を変える余地を残すよう求めていた。」
 
「また交渉で米側は、核技術の衰退による安全保障上の懸念なども表明したという。」
 
そして、その東京新聞は、「原発即時ゼロ法案 小泉元首相ら野党連携へ」という記事の中で、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の骨子を紹介していた。
 
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【東京新聞より】
 
日本もそろそろ米国の顔色を気にすることなく時代の要請に沿った原発政策を実現するべきであろう、とオジサンは思う。

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2017年12月14日

ついに? またか! やっぱり! 驚きの出来事


昨日のつぶやきの中で、「『エルサレムが首都』でトランプは孤立した」という記事を紹介したのだが、トランプ大統領はついに「内憂外患」状態に陥ったようである。 
  「米上院補選、共和党敗北 トランプ氏の目玉法案、頓挫も」  
 
1週間前に、「米軍機からか、長さ約10センチの筒が落下 宜野湾市野嵩の保育園」という事故が起きたばかりの沖縄で、またかという落下物に襲われた。
 
『逃げて』叫ぶ教師 あわや児童直撃 授業中断、泣き出す子も
 
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【沖縄タイムスより】
  
 
<落下物またか 今度は米軍ヘリ窓 児童から10メートル 運動場に破片、砂ぼこり>
 2017年12月14日 06:00 琉球新報
 空からヒラヒラと降ってきた物体は白く光って見えた。衝撃音と同時に砂ぼこりが舞い上がり、破片が飛び散った。13日に米軍ヘリから落下した窓は、沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校の運動場の中央に直撃した。落下点から児童までは約10メートル。児童らは恐怖におびえ、保護者らは「学校上空は飛ばないでほしい」と訴えた。
 2校時の最中だった午前10時すぎ、体育で2年は球遊び、4年は男児が大縄飛び、女児が鉄棒に取り組んでいた。2クラスが離れて運動するため、校庭の中央は使っていなかった。
 「音がいつもと違う」。ヘリの飛行音に違和感を抱いた小学校事務員は校舎2階の窓から外をのぞいた。白く光る落下の瞬間を目撃した。落下の衝撃で粉じんの小石が左腕に当たり、4年男児の1人は保健室へ。校舎内に避難後、思い出したように泣き出す子もいた。「外に出ないように」との校内放送が流れると、授業中の教室はざわついた。
 県警が学校内の立ち入りを規制し、物々しい雰囲気の中、事故機と同型のCH53Eが学校上空を旋回していた。
 午後は臨時休校となり児童を迎えるよう、学校からメールを受け取った保護者たちは険しい表情で集まり、子どもを迎えると多くは足早に立ち去った。落下事故の当時、校庭にいた4年の女児(10)は祖母に迎えられ、顔をこわばらせながら学校を後にした。
 校門から出てきた3年の東門仁悠君(9)は「教室にいたら急に放送が流れた。運動場に飛行機の部品が落ちたって。休み時間も外に出たらだめって」と眉を寄せ「怖い。米軍はもう少し沖縄の子どもたちに優しくしてほしい。前にも(米軍機)事故があったし、もう本当にやめてほしい」と訴えた。
 「今日は最悪」「ピンチだった」。校区内にある子どもの居場所には午後3時ごろ、口々に異変を訴えながら子どもたちが集まってきた。ただ「家族以外に言うなと先生に言われてる」と記者には口をつぐんだ。
 
絶対に米本国ならば許されない運用がまかり通っているとして、地元の宜野湾市は、事故の危険性をかねて指摘してきた。
 
本来、米軍基地の滑走路の延長線上には、住宅や学校などのない「クリアゾーン」を設けなければならないにもかかわらず、普天間にはこの決まりが適用されていない。
 
クリアゾーンにあたる地域には、約800棟の住宅と18の公共施設があり、普天間第二小学校はそのひとつなのだが、「できる限り学校、病院の上は飛ばない」という日米合同委員会の協定は空文化しいる。
 
事故を起こしたヘリは、10月に沖縄・高江に不時着し、炎上したのと同型機だが、米軍は原因を明らかにしないまま、1週間後に飛行を再開した。 
 
「整備の手順や運用に問題はなかった」とする2カ月前の説明はまったくのデタラメであったのか。
 
毎回「再発防止云々」と言われているが、もはや米軍基地の撤去以外は安全を保障できない。 
 
さて、9カ月も前のこの安倍晋三首相の答弁ぶりを思い出してもらいたい。 

やっぱり、安倍晋三首相は嘘を付いていたことになる。 
 
<「森友」撤去ごみ 100分の1 194トン、国交省明かす>
 2017年12月14日 朝刊 東京新聞
 学校法人「森友学園」が大阪府豊中市の国有地を小学校建設用地として格安で取得した問題で、国土交通省大阪航空局は13日、建設用地から実際に撤去したごみが、算定の100分の1に当たる194トンだったと明らかにした。国は撤去すべきごみの量を19500トンと算定し、土地売却額を約8億円値引きしており、値引きした根拠がより揺らぐことになった。
 森友、加計学園の疑惑を追及する民進党調査チームの会合で、大阪航空局の担当者は「まだ学園内に積まれたごみもあるが、最終処分場で処理したごみは非常に少ない。森友学園関係の業者から豊中市に提出された資料では、昨年、194トンと報告されている」と述べた。
 民進党議員(当時)は7月の衆院閉会中審査で、同じ資料に基づき、実際のごみの量をただしたが、財務省担当者は「財務省としては確認していない」と答弁していた。
 13日の会合では、売却手続きに関しても取り上げられ、財務省の担当者は「学園から損害賠償請求の可能性もあると言われ、通常かける期間を短縮する必要があった。早い対応が必要だという認識で、大阪航空局に依頼した」と説明した。
 
それにしても、特別国会が終わり国会で追及されることがないとばかりに、新事実が出てきたのだが、国民の7割以上が納得していないこの森友学園問題は来年の通常国会で引き続き安倍晋三首相に問いたださなければならない。


  「『火山国』の原発、是非問う判決 伊方原発差し止め
 
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【朝日新聞DIGITALより】
  
 
原発は国策なので地裁で勝っても高裁で必ず負けるというのが、いままでの原発の再稼働に関する差し止め裁判であった。
 
それが、高裁で負けた地裁判決が覆されるという驚きの判決が下った。 
 
<伊方3号 高裁が停止命令 広島地裁判断を覆す>
 2017年12月14日 朝刊 東京新聞
20171214_tokyo.jpg 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、広島市の住民らが申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁は13日、運転を差し止める決定をした。直ちに効力を持ち、対象期間は来年9月30日まで。3号機は定期検査中で、四国電が来年1月に稼働を再開する計画は事実上不可能となり、政府や電力会社の原発再稼働方針には再び大きな打撃となった。
 東京電力福島第一原発事故後、原発の再稼働や運転を禁じる高裁段階の司法判断は初めて。四国電は高裁に異議と、決定の効力を一時的に止める執行停止を申し立てる。
 野々上友之(ののうえともゆき)裁判長は、熊本県・阿蘇カルデラで大規模噴火が起きた際に原発が約130キロの距離にある点を重視。「火砕流が到達する可能性が小さいとはいえず、立地には適さない」とした。活火山の桜島を抱える鹿児島県の九州電力川内(せんだい)原発(薩摩川内市)など火山と原発の立地を巡る議論にも一石を投じそうだ。
 高裁決定は、原子力規制委員会が安全性を審査する内規として策定した「火山影響評価ガイド」を基に、四国電が実施した伊方原発内の地質調査やシミュレーションを検討。約9万年前の阿蘇カルデラ噴火で火砕流が原発敷地内に到達した可能性が小さいとはいえないとして、四国電の想定は過小だと判断した。
 火山の噴火による危険について、原発の新規制基準に適合するとした規制委の判断は不合理だと指摘し「住民らの生命、身体に対する具体的な危険の恐れが推定される」とした。差し止めの期間は、広島地裁で争われている差し止め訴訟で本格的な審理を経た結果、迅速に判断する仮処分と異なる結論が出る可能性を考慮した。
 原発から約100キロ離れた広島市の住民にも広域被害の恐れを認めており、福井県の関西電力高浜原発3、4号機(高浜町)に関して昨年3月に大津地裁が半径77ロ圏に当たる滋賀県の住民の申し立てを認めた決定よりも範囲が拡大した。
 3月の広島地裁決定は新基準や四国電の地震、津波想定などには合理性があると判断し、申し立てを却下していた。

 
日本では全国で活火山が108山あり、世界の活火山の7%を占ているという。
  
そんな世界有数の火山国である日本は、原発と共存することができるのかという根本的な問いかけが、司法からなされたと言うことであろう。
     
広島高裁は、現在の火山学には限界があり、過去最大規模の噴火を想定すべきだと指摘し、原発の敷地に火砕流が到達する可能性は低いとは評価できない、と判断したわけである。
 
北朝鮮の急速な弾道ミサイルの能力向上に伴い、防衛費を手厚く配分するため2017年度補正予算案の防衛費について、2000億円を上回る規模とする方向で最終調整に入る前に、広島高裁の決定に従って現在稼働中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)を停止させることのほうが、日本の安全保障により多く寄与するのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:29| 神奈川 ☀| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月04日

福島の本当の現実とは何か


昨朝見ていたサンデーモーニング。
 
今年で30年目になるという、数少ない長寿番組であり、日曜の朝の1週間のまとめ的なニュース番組は当時はなかったらしい。
 
この番組は、決して政権寄りではなく、ましてや安倍晋三に忖度する発言をするコメンテーターは呼ばれていない。
 
したがってネトウヨ連中からすれば「偏向番組」との誹謗中傷は絶えないのだが、森友学園への国有地払下げ問題で、交渉経過を始めとする一切の書類を破棄した財務省に対しては、10年前に敵前逃亡した安倍晋三に代わり第91代内閣総理大臣に任命された福田康夫がインタビューに答える形で批判していた。 
 
そして先週末に行われた世論調査結果が発表された。
 「JNN世論調査、森友問題の政府説明「納得できない」8割超す
 
JNN(ジャパン ニュース ネットワーク、Japan News Network)は、TBSテレビをキー局とする、日本の民放テレビのニュースネットワークであり、日本のテレビニュースネットワークとしては最も歴史が古いのだが、「日テレ讀賣グループ」や「フジサンケイグループ」の世論調査結果とは明らかに数字的にも開きがある。 


内閣支持率は30%台にまで落ちた時に比べれば総選挙後からは上昇しているが、相変わらず安倍晋三への信頼度と期待度は低く、他に代わる人物がいないという理由だけで総理大臣をやっているようである。
 
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その安倍晋三に対しては、父親の安倍晋太郎や後藤田正晴がかつて、厳しく批判していたことが思い出される。 


まあ、今後の大方の関心は、「安倍政権がいつまで続くのか」という懐疑派と、「一刻も早く安倍政権を倒す」勢力が拮抗し続け、「東京五輪は安倍総理で」という声は徐々に少数派になるであろう。
 
「いつまで続くのか」という声は、福島第一原発大事故の後処理に対しては根強い。
 
しかし地震と津波による甚大な被害は時間と共にかなり復旧・復興してきている。
 
大阪生まれで1985年、ドイツのシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了して、シュトゥットガルト在住で35年のドイツ暮らし。
 
昨年の『ドイツの脱原発がよくわかる本』(草思社)が、2016年、第36回エネルギーフォーラム賞の普及啓発賞受賞し、今年は若干賛否のある「復興の日本人論 誰も書かなかった福島 」を書いた拓殖大学日本文化研究所客員教授が、自著を元にこんな記事を発表していた。
  
<ドイツ在住35年の私が福島で見た、思いもかけない「現実」>
 2017.12.01 現代ビジネス
ドイツの二の舞を演じないために
11月22日より、拙著『復興の日本人論 誰も書かなかった福島』が書店に並んでいる。悩みに悩んで書いた本だ。
第一作『フセイン独裁下のイラクで暮らして』を発表したのが、1990年。以来、著書は20冊を超えるが、昨今は、回復の兆しの見えない出版不況の中、出してくださるという出版社があればひたすらありがたいご時世となった。なのに私は、今回に限っては上梓を猛烈に逡巡したのである。
私はジャーナリストではない。その昔、ドイツへ行ったのは音楽の留学のため。そのうち、ドイツや日本の日常生活から様々な現象を拾い上げては、日独比較のエッセーを書くようになった。それがいつしかドイツの時事問題の論評に移行し、福島の原発事故のあとは、ドイツと日本の「エネルギー問題」が、図らずもライフワークのようになってしまった。
ドイツは福島第一原発の事故のあと、2022年までに国内の原発を全て止め、それを再エネで代替していくという「エネルギー転換(Energiewende)」を宣言した。当初は日本からも拍手喝采を受けたご自慢の政策だったが、それから6年半、すでに膨大なお金を浪費しつつ、環境問題にもプラスになっていないという惨状だ。CO2の排出が減らない。
日本の状況を見ていると、まさにその二の舞を演じそうで大きな危惧を覚える。そこでもう一度、福島へ足を運び始めた私は、現地で思いもかけない現実に遭遇したのである。以下は拙著「序文」からの引用。
「福島についての報道を見ていると、人が減り、仕事がなく、悲しく寂れたイメージが強い。確かに、いまだに住民が帰宅できない帰還困難区域ではそういう光景もある。
しかし、その他の場所では、事故以来、各自治体が競って復興事業を立ち上げ、また、除染に莫大なお金がかけられていることもあり、かなりの雇用がある。実際に、それらの復興景気に引き寄せられて日本中から企業が集まっている。それは、走っているトラックのナンバープレートを見ると一目瞭然だ。関西の車も少なくない。
福島では、鉄道や道路の復旧はそろそろ終わろうとしており、だから、かえって心配なのは、復興が一段落し、除染も終了してしまったあとの話だ。バブル後のような状態が引き起こされる可能性がある。
また、住民が戻らないと言われているが、廃炉の関係者など、元の住民ではない人たちが移住してくるという現象も起こっている。廃炉はいわば国家事業で、資金切れになる心配はない。しかも、まだ何十年も続く。
だったら移り住もうという人が現れてもけっして不思議ではない。福島は、海あり、山あり、美味しいものありで、住むには良い所だ。避難指示が解除された福島第一原発のそばの町では、最近、すでに不動産取引が活発になっているという」
「もうひとつ驚いたのは、原発事故による避難者への賠償金の話。私は賠償金問題を調べようと思って福島に行ったわけではなかった。しかし、現地に行って話を聞くと、耳に入ってくるのはその話ばかりだった。
賠償金は天文学的な数字になっているが(中略)、多くは税金であり、あるいは、全国民の電気代から出ている。つまり、どちらにしても、ほとんどは国民のお金だ。
しかも、その額は破格のもので、二〇一七年までの賠償金の支払総額が、七兆五千億円。それどころか、賠償、除染、廃炉、中間貯蔵施設を含めた予算の総額は、二十二兆円にものぼる。
しかし、これだけのお金が注ぎ込まれているのに、不思議なことに誰も満足していない。それどころか当の福島では、東電が賠償を出しすぎるから悪いなどと、その貴重なお金がしばしば悪者になっていた」
「本来ならば、福島の復興では、限られた国家予算は国の基礎体力をつけるために活用すべきなのだ。なのに、実際におこなわれていることは、怪我をした人が怪我の部分を労わろうと、食べるものを切り詰めてまで高価な絆創膏を買い、重ね貼りしているのと似ていた。本当に復興を考えるなら、そのお金で滋養のあるものを摂り、体力をつけることのほうがよほど大切ではないか。そうすれば、怪我は自然と治る」
「日本では古来より、村人が全滅するのは、地震、台風、洪水、津波、火山の噴火など、たいてい自然災害のせいだった。だからこそ(中略)悲しくても恨まず、皆で力を合わせた。ところが、福島では原発の事故という異分子が入り込んだために、そうはならなかった。(中略)
しかし、だからといって、加害者と被害者の交渉が冷静になされたようにも見えなかった。法律の解釈はじつに曖昧で、皆がいまだにどこか、昔からの情に支配されていた。日本人らしさ、つまり日本人の長所であった完璧さや、弱い者に寄り添うという優しさまでもが、かえって現実的な事故処理の足を引っ張ったり、復興計画を不合理なものにしているようだった」
ドイツでは、9月24日の総選挙以来、組閣のための連立交渉が続いているが、未だにまとまらない。争点の一つが、やはりエネルギー政策だ。
現在の「エネルギー転換」は、このままいけば、最終的に東西ドイツの統一よりもお金がかかるだろうとさえ言われ始めている(統一後27年経った現在も、東を支えるために西からかなりのお金を送っている)。今後、どんな連立政府が立つにしても、エネルギー政策の修正は避けられないものになるだろう。
福島の本当の復興のために
さて、福島からは未だに憂鬱なニュースや風評ばかりが伝わってくるが、本当はいい話もたくさんある。拙著では、それらもたくさん取り上げたつもりだ。
今、私が一番願うのは、風評の撲滅。そして本書の最後は、将来、福島を日本のシリコンバレーに、柏崎をNASAに、そして、青森空港を国際空港にという、ちょっと跳びすぎた(?)青写真でしめた。「日本人よ、大志を抱け!」だ。
刊行の直後より、「まさにタブーに挑戦し、日本の問題点をしっかりと抉ったのが本書である」とか、「精力的に取材をして生の声を拾い上げつつ、中にいては気づかず、外にいるからこそ見える問題をズバズバ明らかにする、とても刺激的な日本人論」などといった評価をいただいている。
タブーに切り込むと、そのあと何が起こるのか、それが今でも大いに不安なのだが、出版に踏み切ったのは私なのですべて自己責任。あとは広く読者の意見を待つしかない。
ちなみに、逡巡していた私を動かしてくれたのは、話を聞かせてくれたいわき市の女性からの手紙だった。
「福島県の本当の復興のために、国も、いわき市民も、そしてもちろん双葉郡の方も語ることのできない真実を明らかにしていただくことが、今いちばん必要なことのように感じています」
この一言に勇気づけられてようやく仕上げたのが、今回の本である。福島の復興と日本のエネルギー政策、そして日本の未来について皆で考える一助としていただければ、とても嬉しい。  
 
上記の作者の最新作に対する極端なブックレビューが以下の2つ。
 
【好意的な絶賛コメント】
 
原発事故を通じて福島の問題、日本人の問題、日本国の問題の本質が見事に描かれています
投稿者仲小路昌備2017年11月28日
現地調査取材、原子力研究者からの個人レッスンを含め時間を掛けただけ説得力があり平易で分かりやすくとても有益でした。
著者が指摘しているように、電気は溜められないこと、供給不足・供給過剰とも大停電につながること、隣国との電力融通不可環境の日本では再生エネだけでは安定供給はありえないことなど、多くの日本人の理解を深められればと思います。
また、早急な廃炉の功罪、酸化ジルコニウム被膜の破損がポイントの一つである事故の原因究明と対策、再処理後の高レベル廃棄物の容量見積や長期保管の仕組みなど、不勉強な者にはとても勉強になることが満載でした。
福島原発被災者への巨額の賠償金が生んだ分断、マスコミの誤報や風評作りなどの問題、増大する化石エネルギーコストの巨額負担等に関し、事実を淡々粛々と述べているのでかえって問題が浮き彫りになっているのもよいです。
世界に対してあいまいさ(不合理さ)を取り除く日本人の課題の取り上げや、福島が日本のシリコンバレーで柏崎が日本のNASAの位置づけを目指すという提案は、ヨーロッパと日本を往復しつつ地球を俯瞰できるゆえの著者らしい提案です。
この本が、福島県民へ、報道関係諸氏へ、日本のエネルギー問題を議論する人へ、政財官学の各位へ、そして国民へ広く読まれることを希望します。

【おためごかしな内容との否定的なコメント】
 
福島とは無関係の、このような人物の書く言葉を「おためごかし」と言う
投稿者他県民2017年12月3日
「おためごかし」=表面は人のためにするように見せかけて、実は自分の利益を図ること
>> 『将来、福島を日本のシリコンバレーに、柏崎をNASAに』
福島原発と柏崎原発を抱える東京電力から筆者にカネが注ぎ込まれているのがわかる。
>> 『廃炉はいわば国家事業で、資金切れになる心配はない。しかも、まだ何十年も続く。』
廃炉に『限られた国家予算』、つまり国民の血税が何十兆円つぎ込まれようと他人ごとのようだ。このような人物を、別名 「商売ポピュリスト」と言う。まき散らすフェイクに騙されないように、よく注意しなければいけない。
福島の住民への共感をカタっているが、それが本当なら、
ドイツになんか住まないで、『不動産取引が活発になっているという福島第一原発のそばの町』に住めばいい。
 
確かに現実のどの部分を見るかによって評価は分かれるのだろうが、少なくとも拡散された放射性物質や、格納容器内のデブリの取り出し作業の途方もない困難さを見るにつけ、「福島を日本のシリコンバレーに」という青写真は余りにも突飛過ぎ、むしろ「福島を核物質最終処分地に」ということの方が現実味を浴びているのではないだろうか、とオジサンは思う。 

建屋最上階、足元に沈む残骸 床一面に鉄板、取材時間20分 福島第一3号機
 
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【使用済み燃料プールの水面近くにはがれきが残っていた=いずれも1日、福島県大熊町、竹花徹朗撮影】

 
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【東京電力福島第一原発3号機、プール内燃料取り出しに向けた準備】
    
  

posted by 定年オジサン at 12:55| 神奈川 ☀| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月21日

福島第一原発事故は永遠に収束できない!

国連総会で米国のトランプ大統領が演説の中で、「北朝鮮による『日本人の13歳の少女』(横田めぐみさん)の拉致」に言及したことに、家族は驚きと感謝の意を表していたが、これは国連総会前に拉致家族会からの突き上げがあり、トランプ大統領に安倍晋三首相が哀願していたことを、某局のニュースキャスターが明らかにしていた。
 
その見返りとして、安倍晋三首相は国連総会での演説は完璧にトランプ大統領の尻馬にまたがったかのような演説をしていた。
「全ての核・ミサイル計画を放棄させるために必要な行動は『対話ではない、圧力』。日本は日米同盟、日米韓の結束によって北朝鮮の脅威に立ち向かい、『全ての選択肢はテーブルの上にある』『軍事攻撃による北朝鮮の全面的な破壊』とする米国の立場を『一貫して支持する』」とまで言い切り、さらには、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮は「史上最も確信的な破壊者」と最大限の非難をしていた。
 
まるですぐにでも米国と一緒になって軍事行動に参加したいという魂胆にあふれていたようである。
 
この日米の「戦争屋」の二人と比べるとフランスのマクロン大統領は、はるかに抑制的で冷静な判断を示し、極めて真っ当な発言をしていた。
 
「我々の責任は、中国やロシアを含む全てのパートナーと共に北朝鮮を政治的解決の交渉テーブルへと断固として引き戻すことである」
 
ところで、22日の夜に帰国する安倍晋三首相は週明けの25日に記者会見を開き、衆議院解散の大義名分を手前勝手な項目を並べ立てて国民に説明するようだが、「調整中」とはいえ、臨時国会冒頭または所信表明演説後に衆院解散して、10月10日公布で22日の投開票というスケジュールは一人歩きしているので止めることは不可能であろう。
 
そうなれば、国民の信を問うという選挙は「安倍政治がNOかYES」しかない。
 
衆議院の定数は465に減り、改憲に必要な3分の2の議席数は310なので、野党が「総がかり」になって自公議員と小選挙区で対決しなければならない。
 
「共産党との共闘関係を見直す」と宣言して民進党の代表になった前原誠司も、選挙日程が明らかになるにつれて周辺議員からの「生き残るためには、○○が嫌い、共産党は嫌い、なんて言ってる場合か」との声を無視できなくなりつつある。
 
さらには、「水面下で進む『野党共闘』…残業代ゼロ反対の連合がカギ」によれば、民進党の支持団体「連合」に変化が出ているという。
 
「これまでの選挙で連合は、安倍政権が経済政策を最優先で取り組む――と叫んでいたため、表立った反対運動ができずに腰が重かった。しかし、一部の富裕層のみが富を独占するというアベノミクスの虚像がハッキリした今、ようやく労働者のための組織という本来の立ち位置で選挙を堂々と戦える。さらに何といっても譲れないのが『残業代ゼロ法案』です。連合は法案をめぐって上層部が一時、容認するような動きを見せましたが、下部組織の猛烈な反対が起きて神津会長が撤回を余儀なくされました。政府の働き方改革実行計画では、残業代ゼロ法案を必ず実現すると宣言していて、安倍政権が勝利すれば真っ先に手を付けるのは間違いない。この法案を何が何でも潰したい連合は、野党共闘しかないと腹をくくり、動き始めています」
(経済ジャーナリスト)
 
「働く人の権利がどんどん奪われていく中で、今こそ、連合の組織力が問われている。今、踏ん張らないと、サラリーマンは確実に追い詰められる。連合は『正義は我にあり』と信じて戦うべきです」
(政治評論家の山口朝雄)
 
かなり希望的観測ではあるが、連合がどこまで本気モードになって「労働組合」らしくなるのかが見ものである。
 
昨年の参院選では強力に野党共闘をとなえ統一候補を立てて11の1人区で勝利した「市民連合」呼びかけ人が野党共闘の必要性を語っていた。
 
<安倍政権、改憲勢力に対立軸を 「市民連合」呼びかけ人・中野晃一上智大教授>
 2017年9月21日 朝刊 東京新聞
 10月に予定される衆院選を巡り、民進、共産、自由、社民の野党4党が共闘できるかが焦点になっている。昨年の参院選で野党統一候補の擁立を後押しした市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の呼びかけ人である中野晃一上智大教授(政治学)に、共闘の意義などを語ってもらった。 (安藤美由紀、坂田奈央)
 2年前、安全保障関連法の強行採決という憲法を壊す動きに対し、国会の内外で連帯があった。昨年には参院選に向けて野党四党で、安倍政権に終止符を打つことなど市民との約束も含めて合意した。
 参院選では32の1人区で候補者を一本化し、3分の1を超える11で勝った。前々回の1人区では、野党で2つしか取れなかったから、共闘の力はそれなりにあった。参院選の1人区も衆院選の小選挙区も最終的には二極対決。安倍政権、改憲勢力に対し対立軸を描けるかが勝負になる。
 今の民進党は共産党との違いを強調しているが、それによって有権者を引き寄せられるのか。共闘は野党間だけでなく、市民との共闘という認識が欠落している。安倍政権の暴走を許さないというのが一番の争点であり、第二自民党にしか見えない振る舞いだったら、何のための野党かということになる。
 市民連合としては、共闘が進んでいる地域ではできるだけ安倍政治に反対する候補者を一本化してもらうよう呼びかける。改憲に対抗する礎(いしずえ)となるような政治家や政党の枠組みを後押ししていきたい。
<なかの・こういち> 1970年、東京都生まれ。東京大、英オックスフォード大などで学び、米プリンストン大で政治学の博士号取得。
 
今回の衆院選で野党が本気度を示さないと安倍政権はこのままで行くと最悪2021年まで続くことになり、憲法9条が破壊された悲惨な日本国になってしまうかもしれない。
 
国のメルトダウンどころかメルトスルーとなってしまう。
 
昨日、「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」という本が講談社から出版されたが、著者はNHKスペシャル『メルトダウン』取材班である。
 
その内容紹介にはこう書かれている。
 
「官邸や東電本店の要請に従わず、海水注水を強行した吉田昌郎・福島第一原発所長。日本中が喝采を送った『海水注水騒動』だが、事故から5年半経って原子炉にほとんど水が入っていなかったことが判明した。6年にわたる検証で浮かび上がってきた数々の『1号機冷却』の謎に迫る!
東京電力技術者や原発専門家ら1000人以上の取材して浮かび上がってきたのが、原子炉冷却をめぐる『情報の共有』に失敗という事実だった。東京電力テレビ会議の内容を、AIで解析し、吉田所長の疲労度を解析したり、事故対応の意思決定に組織上の問題があったことなどを突き止める。
事故6年目経過しても、次々に浮かび上がる新事実。福島第一原発事故の調査報道の金字塔というべき作品。」
 
この本の内容を発行元の講談社の「現代ビジネス」が特別公開していた。
 
<福島原発事故、原子炉に届いた冷却水は「ほぼゼロ」だったと判明>
2017.09.20 現代ビジネス
ほとんど注水はされてなかった
2016年9月7日。福岡県久留米市内のホテルはどこも珍しく満室だった。
春と秋、年に2回行われる日本原子力学会の大会に参加するため、全国から原子力関係者が、久留米市に集まっていた。
学会では、原子力安全や放射性廃棄物処理、高速炉などの次世代炉開発、核燃料など様々な分野の専門家が研究成果を発表する。その時点の最新の知見が発表されることもあり、メルトダウン取材班にとっては、継続して取材を続ける対象の一つになっている。
取材班が注目していたプログラムの一つが、国際廃炉研究開発機構(IRID)による発表だった。テーマは「過酷事故解析コードMAAPによる炉内状況把握に関する研究」。最新の解析コードを用いて、福島第一原発事故がどのように進展し、どこまで悪化していったのかを分析するものだ。
東京電力が初めてメルトダウンを起こしたことを公式に認めたのは、事故から2ヵ月以上経った2011年5月15日。今から見ると解析結果は楽観的といえるものだった。
当時、東京電力は、解析コードMAAPを用いて1号機の炉心状態をシミュレーションし、「解析及びプラントパラメータ(原子炉圧力容器周辺温度)によれば、炉心は大幅に損傷しているが、所定の装荷位置から下に移動・落下し、大部分はその位置付近で安定的に冷却できていると考える」と結論づけた。
かみ砕いていえば「1号機はメルトダウン(炉心溶融)を起こしたものの、圧力容器の底が溶かされて燃料が容器の底を突き抜けるメルトスルーはごく限定的で、核燃料デブリは原子炉内にほとんどとどまっている」とされていたのだ。しかし、いまやそのように考えている専門家はほとんどいない。
いまでは大量のメルトスルーが起きたことは、もはや専門家間で共通の認識であり、関心事は、格納容器に溶け落ちたデブリの広がりが、格納容器そのものを溶かしているかどうか、という点に移っている。
今回の発表の特徴は、これまでの“どれだけ核燃料が溶けたか”に主眼を置いたものではなく、“どれだけ原子炉に水が入っていたか”という点に注目したことだ。その結果は、関係者に衝撃を与えた。
「3月23日まで1号機の原子炉に対して冷却に寄与する注水は、ほぼゼロだった」
事故当時に計測された、1号機の原子炉や格納容器の圧力に関するパラメーターを解析によって再現するためには、原子炉内への注水量を“ほぼゼロ”に設定しないと再現ができないことから、結論づけられたものだ。
東京電力が1号機の注水量が十分でないことに気づき、注水ルートを変更したのが事故発生から12日経った3月23日のことだ。それまでは、1号機の原子炉冷却に寄与する注水はほぼゼロだったというのだ。
会場はざわついていた。詰めかけた関係者の中で、最初に質問したのは全国の電力会社の原子力分野の安全対策を監視・指導する立場にある原子力安全推進協会(JANSI)の幹部だ。
「事故から5年以上たって、初めて聞いた話だ。いまだにこんな話が出てくるなんて……」
発言には明らかに不満が込められていた。事故から5年以上経過しても次々と出てくる新たな事実。最新の解析結果の発表は事故の真相の検証はいまだ道半ばであることを物語っていた。
浮かび上がった注水の「抜け道」
福島第一原発事故対応の“切り札”とされた消防車による外部からの注水。それが原子炉へ向かう途中で抜け道があり、十分に届いていなかった。
その可能性を最初に社会に示したのは、メルトダウン取材班だった。
取材班は2011年の事故発生直後から消防車による注水にいくつかの疑問を持っていた。2011年9月9日に発表された消防車からの吐出流量と原子炉近傍の流量が異なるという矛盾。さらに、本来空っぽであるはずの3号機の復水器が満水であるという東京電力からの不可思議な発表。
本当に消防車による注水は原子炉に十分に届いていたのか。本格的な検証を始めたのは2012年秋頃からだった。当時、後に公表される“吉田調書”はまだ未公開だった。取材班は、事故当時に公開されていたテレビ会議を詳細に読み解くことを試みる。
すると3号機への海水注入が始まった後の3月14日午前3時36分、原子力部門の最高責任者で副社長だった武藤栄と吉田が、3号機の消防注水の有効性を疑う会話を交わしていたことがわかった。
武藤「400t近くもうぶち込んでいるってことかな?」
吉田「ええ、まぁ途中で1時間位止まってますから」
武藤「ということは、あれだな、ベッセル〔原子炉圧力容器〕、満水になってもいいくらいの量入れてるってことだね」
吉田「そうなんですよ」
武藤「ちゅうことは何なの。何が起きてんだ。その溢水しているってことか、どっかから」
吉田「うん、だからこれやっぱ、1号機と同じように炉水位が上がってませんから、注入してもね。ということは、どっかでバイパスフローがある可能性が高いということですね」
武藤「バイパスフローって、どっか横抜けてってるってこと?」
吉田「そう、そう、そう、そう、そう。うん」
では、消防注水の抜け道は、どこにどのようなメカニズムで生じるのか。そして原子炉に届く水の量はどの程度なのか。取材班は独自に入手した3号機の配管計装図(P&ID)という図面をもとに専門家や原発メーカーOBと徹底的に分析した。
すると、消防車から原子炉につながる1本のルートに注水の抜け道が浮かび上がった。その先には、満水だった復水器があった。
検証を続けていた東京電力
実は、こうした“抜け道”は3号機だけではなく、1号機にも存在していた。しかもその漏洩量は、3号機をはるかに上回るものだった。
2013年12月になって、東京電力は事故の教訓を広く共有するため、技術的な分析「未解明事項」を発表した。報告によると、1号機には10本、2号機・3号機にはそれぞれ4本の「抜け道」が存在するというのだ。2011年3月23日までほぼゼロだった1号機への注水量。その原因はこの10本の抜け道にあった。
これだけの抜け道が存在する1号機の原子炉にはいったいどれだけの量の水が入っていたのか? その詳細を知るには最新の解析コードによる分析が必要だった。
福島第一原発の1号機、2号機、3号機にいつどれだけ水が入り、どのように核燃料はメルトダウンしていったのか、最新の解析コードで分析するBSAF(Benchmark Study of the Accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station 福島第一原発事故ベンチマーク解析)とよばれる国際共同プロジェクトが進んでいる。
事故の翌年2012年から経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)が始めたこの取り組みは、世界各国の原子力研究機関や政府機関がそれぞれ所有する過酷事故解析コードを改良しながら、福島第一原発事故の進展と現在の状況を分析する世界最先端の研究だ。
その運営を担う機関が東京・港区西新橋にある。エネルギー総合工学研究所。電力会社や原発メーカーのOBに加え、外国人研究者が名を連ねる日本でも有数の研究機関だ。
同研究所原子力工学センターの副センター長の内藤正則は福島原発事故前から日本独自の解析コードSAMPSONを開発し、BSAFプロジェクトの中心的役割を担う人物だ。
2017年2月、NHKでは内藤を含めた専門家を交え、1号機への注水など事故の進展に関する分析を行った。内藤は、BSAFの取り組みを通じて各国の研究機関がシミュレーションから導き出した“現時点で最も確からしい”としている最新の注水量を告げた。
「1秒あたり、0.07〜0.075リットル。ほとんど炉心に入っていないことと同じです」
国際機関が検証している最新の注水量。多く見積もっても、1分当たり1.5リットルペットボトルの半分程度しかない注水量に専門家たちも衝撃を受けた。
5年以上にわたって事故の検証を続けてきた内藤が提示したのは、この章の冒頭でIRIDが原子力学会で発表した数値より具体性を持った数値だった。
生み出された大量の核燃料デブリ
しかしながら、1号機の注水ルートに「抜け道」がなければメルトダウンを防ぐことができたのか? 答えはNOだ。
吉田が官邸の武黒からの指示を拒否し、注水を継続していた局面は3月12日午後7時過ぎのこと。しかし、SAMPSONによる最新の解析によると、1号機のメルトダウンはこの24時間前から始まっており、消防車による注水が始まった時点では、核燃料はすべて溶け落ち、原子炉の中には核燃料は全く残っていなかったと、推測されているのだ。
注水の遅れは事故の進展や廃炉にどのような影響を与えたのか。内藤は「MCCIの進展に関してはこの注水量が非常に重要になる」と口にした。
MCCI(Molten Core Concrete Interaction)は“溶融炉心コンクリート相互作用”と呼ばれ、溶け落ちた核燃料が原子炉の底を突き破り格納容器の床に達した後、崩壊熱による高温状態が維持されることで床のコンクリートを溶かし続ける事態を指す。
SAMPSONによる解析では、MCCIが始まったのは3月12日午前2時。1号機の原子炉の真下の格納容器の床にはサンプピットと呼ばれる深さ1.2メートルのくぼみがあり、そこに溶け落ちた高温の核燃料が流れ込むことで、MCCIが始まった。
それから13時間後。吉田が注水継続を判断した3月12日の午後7時過ぎには、侵食はおよそ2・1メートルまで達していたと推定される。
当時の消防車からの吐出量は1時間あたりおよそ60トン。東京電力の1号機事故時運転操作手順書(シビアアクシデント)によれば、この時点での崩壊熱に対して必要な注水量は、15トンとされている。つまり消防車は必要量の4倍の水を配管に注ぎ込んでいたのである。
この水が、原子炉、あるいは格納容器の床面にある溶け落ちた核燃料に確実に届いていれば、コンクリートの侵食は十分に止まるはずだった。
しかし、消防車から注ぎ込まれた大量の水は、途中で「抜け道」などに流れ込んだことで、原子炉にたどり着いた水は“ほぼゼロ”。コンクリートの侵食は止まることなく、3月23日午前2時半には深さは3.0メートルに達した。
その結果、もともとあった核燃料と原子炉の構造物、コンクリートが混ざり合い、「デブリ」と呼ばれる塊になった。1号機のデブリの量はおよそ279トン。もともとのウランの量69トンに比べ4倍以上の量となった。
日本原子力学会で福島第一原子力発電所廃炉検討委員会の委員長を務める宮野は、大量に発生したデブリが、今後の廃炉作業の大きな障害となると憂慮する。
「279トンってもの凄い量ですよ。しかも核燃料とコンクリートが入り混じって格納容器にこびりついている。取り出すためにはデブリを削る必要がありますが、削り出しをすると、デブリを保管するための貯蔵容器や施設が必要になっていく。
本当に削り出して保管するのがいいのか、それとも、削らずこのまま塊で保管するのがいいのかって、そういう問題になっていく。保管場所や処分の方法も考えなければいけない」
内藤が続ける。
「当時の状況では厳しいでしょうけど、いま振り返ってみればもっと早く対応ができなかったのかと悔やまれますね。2011年3月23日、1号機の注水ルートを変えたことで原子炉に十分に水が入るようになり、1号機のMCCIは止まりました。
では、あと10日早く対応していれば、コリウム(溶け落ちた核燃料などの炉心溶融物)によるMCCIの侵食の量は少なくて済んだ。少ないです、ものすごい……」
廃炉を成し遂げる道に立ちはだかる、1号機格納容器の底にある大量のデブリの取り出し作業。消防注水の抜け道が存在し、MCCIの侵食を食い止められなかったことは、今後長く続く廃炉への道の厳しい状況を生み出してしまったのだ。
 
「消防車による注水が始まった時点では、核燃料はすべて溶け落ち、原子炉の中には核燃料は全く残っていなかった」ことが事実ならば、当時はかなり無駄でしかも被曝するという危険なことをやっていたということであろう。
 
浅はかな人間の浅知恵だったのかもしれない。 
 
さらには自衛隊による空からの放水作戦はまったくのパフォーマンスであったかもしれない。  
 
【福島第一原発放水作戦】

 
【20130526 ANN テレメンタリー2013 自衛隊ヘリ放水の謎?日米同盟最大の危機?】

 
【石原慎太郎男泣き 放水作業の東京消防庁隊員 都知事に報告】

 
あらためて当時の動画を見ると、ひとたび原発事故が発生し炉心が冷却できなければ、もはや人間の手では放射性物質の拡散は止められず、それが、「核燃料20年度取り出し開始断念 福島第1原発1、2号機プール」ということになるのである。
 
ヒョットするとチェルノブイリのように石棺で覆わなければならなくなるかもしれない。 
 
この原発大事故の責任者はいまだ処分されておらず、検察審査会による強制起訴による厳正な判決が求められる、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:34| 神奈川 ☀| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月18日

さよなら原発 さよなら戦争 そして安倍晋三

台風一過の秋晴れとなった「敬老の日」。
 
しかし永田町には台風18号以上の強い「解散風」が吹きまくっている。  

 「総選挙、来月22日軸 臨時国会冒頭解散が有力 野党『疑惑隠し』
 
さらば、汚職まみれの五輪」の冒頭でつぶやいたように、「本音としては苦戦が予想される補選を避け、最重要課題として成立させる方針だった働き方改革関連法案を先送りし、何よりも最大の目的は、安倍晋三の保身から「森友学園・加計学園疑惑」をリセットする」という、党利党略、安倍晋三保身解散・総選挙となりそうである。
 
さて、脱原発を掲げる「『さようなら原発』一千万署名市民の会」が、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の協力を得て、本日9月18日(月、敬老の日)、東京・代々木公園B地区で「ともに生きる未来を!さようなら原発さようなら戦争全国集会」を開く。
 
同会が全国規模の集会を開くのは今年の3月20日以来で、6カ月ぶり。
 
 「『さようなら原発』一千万署名市民の会」は、経済評論家の内橋克人、作家の大江健三郎、落合恵子、澤地久枝、瀬戸内寂聴、ルポライターの鎌田慧、音楽家の坂本龍一各氏らの呼びかけで2011年3月の東京電力福島第1原発事故直後にスタートした、原発廃止を求める署名運動団体だが、すでに870万を超す署名を集めている。
 
同会はこれまで何回も全国集会を開いてきたが、この時期にそれを開くことにしたのは、まず、「2011年3月の福島原発事故から6年を迎えたいまも、8万人近い人々が苦しい避難生活を余儀なくされ、補償の打ち切り、帰還の強制など、被災者の切り捨てともいえる『棄民化』が押し進められている」(全国集会参加を呼びかける同会のチラシから)のに加えて、安倍政権と電力業界が原発再稼働をいっそう推進しようとしているからである。
 
現在稼働中の原発は、九州電力の川内原発1号機、同2号機(鹿児島県)、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)、関西電力の高浜原発3号機、同4号機(福井県)の5基だが、九州電力が来年1月に玄海原発3号機(佐賀県)を、関西電力が来年の1月に大飯原発3号機、3月に同原発4号機(いずれも福井県)を、それぞれ再稼働させる予定だ。
 
加えて、原子力規制委員会が9月6日、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について、新規制基準に適合したとする技術的な審査結果と、同社の適格性を判断した文書をまとめた。
 
こうした情勢に、脱原発運動関係者は危機感を深めており、原発廃炉と核燃料サイクルの中止を求める運動を再び盛り上げようというわけである。
 
それに、改憲を悲願とする安倍首相が今年5月に「2020年までに、憲法9条3項に自衛隊を明記したい」と提起したことだ。
 
同会は「安倍政権の暴走が止まりません。秘密保護法、戦争法、共謀罪の新設に続き、憲法9条の改悪を打ち出しています。私たちを戦争の泥沼に引きずり込もうとする動きで、決して許すことはできません」(全国集会参加を呼びかける同会のチラシから)として、「暴走政権に『NO!』の声をあげましょう」と呼びかけている。
 
同会は、これまで、集会の中心スローガンには専ら「脱原発」を前面に掲げてきた。ところが、今回の全国集会のスローガンは「さようなら原発さようなら戦争」で、「脱原発」と「反戦」を同列に置いた。これは初めてのことで、脱原発団体としても日本の軍事化に突き進む安倍政権に対し強い警戒心を表明したものと言える。
 
もはや、安倍政権が続く限りは、「原発」はなくならず、秘密保護法、戦争法、共謀罪も容易には廃止にはできない。
 
9月15日の夜、日比谷野外音楽堂で開かれた「共謀罪は廃止できる! 9・15大集会」での国会議員らの挨拶は、共謀罪を廃止にするためには選挙で野党が過半数を取らねばならないと強調していた。
 
おそらくは、今日の集会も最終的には「打倒! 安倍内閣」の大合唱となりそうだが、早く安倍内閣に「合掌」したいものである、とオジサンは思っており、そのためにもこれから代々木公園に出かけることにする。
 
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posted by 定年オジサン at 10:09| 神奈川 ☁| Comment(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月23日

津波被害からは復興したが放射能汚染からは復興できていない

恐らくは8月に入って2週間ぶりといえる夏日になった。
 
オジサンの書斎の室温も30℃を超えていた。
 
1週間前に比べると一気に5℃も上昇している。
 
着ているものも一気に真夏仕様に戻ってしまった。    

今月3日に発表された「第3次安倍第2次改造内閣」という長ったらしい名がついている新しい内閣だったが、翌日には、早くも「茂木敏充人づくり担当相には女性記者へのセクハラ常習説」という記事が出ていた。
 
まあ、その程度の内容ならば特に大きく取り上げることではないが、公職選挙法に抵触するとなれば話は別である。  
 
<茂木経済再生相、公選法違反を否定も“証拠リスト”入手>
 週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載
 この度の内閣改造で、4度目の入閣を果たした茂木敏充経済再生相(61)。「週刊新潮」前号が報じた公職選挙法違反について否定コメントを発表したが、その“証拠”となるリストが存在していた。
 小誌が報じたのは、茂木事務所が地元・栃木5区の有権者に、約3000部の「衆議院手帖」を配布していた問題である。配布の対象は、各地域の後援会幹部が主だが、その中には後援会費や自民党費を払っていない人物が多く含まれ、彼ら自身も無償で提供を受けていると認識していた。
 “選挙区内”の“不特定多数”に“無償”で有価物を配布するこの行為は、
「公選法が禁じる『寄附行為』に該当し、違法である可能性が高い」
(政治資金問題に明るい上脇博之神戸学院大教授)
 これに対し、茂木事務所は8月9日に“政党支部の政治活動だから問題ない”旨のコメントを発表。しかし、小誌は手帖の“配布リスト”を入手している(写真)。「手帳配布予定概要(栃木市)」と題されたこの書類には、配布対象者の氏名が明記されているのだ。
 リストに名を連ねる面々に取材すると、
「(後援会費は)ないです。正月なんかには(茂木)本人が“これ作ったから使ってください”という感じで手帖をくれます」(Tさん)
「(後援会の)会費は納めていない。手帖は年末、自宅まで秘書さんが持ってきてくれるんです」(Mさん)
 との証言が。茂木事務所に改めて見解を尋ねるも、「事実関係については、9日付コメントで説明したとおりです」という答えだった。
 
まだこんなことが続いていたとはあきれるが、思い出すのは3年前。
 
2014年9月3日に発足した第2次安倍改造内閣には、小渕、松島両氏を含め史上最多タイの5人の女性閣僚が入閣した。
女性活用にこだわる安倍首相の強い意向が反映されたが、小渕氏は辞任、松島氏も辞任する方向になった。閣僚が次々と辞任して崩壊につながった、第1次安倍政権の二の舞になる可能性も出てきた。
 
事の発端は、当時まだ元気だった民主党の蓮舫が国会で、「松島氏が、自らの選挙区(東京14区)でのお祭りで配った」として、「寄付にあたり違法だ」と訴えたことであった。 
 
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「しっかりとした柄。それにつながる骨組みがある。うちわなら、価値のある有価物で、その配布は寄付となり違法だ」と指摘したことに対して、松島みどりは、「議員の活動報告を印刷した配布物だ。うちわと解釈されるならば、うちわとしての使い方もできる」と主張していた。
 
よく見れば、とても「討議資料」とは見えない代物であった。
 
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この「うちわ」が、討議資料か?有価物か?の議論はその後深まることはなかったのだが、松島みどりが野党の追及を「色々な雑音」と形容して陳謝したり、民主党議員が公選法違反容疑で刑事告発したりするなどし、追い込まれる形での辞任となったわけだが、いまから思えば、まだ野党として民主党に存在感があったことが、懐かしく感じてしまう。
 
当時の勢いならば、金田勝年法相を辞任に追い込み、共謀罪も葬り去ることが可能であっただろうし、「憲法・自衛隊法・公職選挙法」の三重の違反を犯した稲田朋美防衛相なんかはとっくにクビが飛んでいたことであろう。
 
こんなことをつぶやくと、「死んだ子の歳を数える」との表現で一笑に付されてしまうかもしれない。
 
しかし、あれから6年経っても一笑に付すことができない現実がある。
 
<福島第一原発 「凍土壁」の最終凍結始まる>
 8月22日 11時58分 NHKニュース
 福島第一原子力発電所の汚染水対策の柱で、建屋の周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土壁」について、東京電力は安全のため凍らせずに残していた最後の部分の凍結を22日始めました。去年3月に最初の凍結が始まってから1年5か月たち凍土壁はようやく完成のめどが立ったことになります
福島第一原発の「凍土壁」は、汚染水が増える原因となる建屋への地下水の流入を抑えるため、建屋の周りに埋めたパイプに氷点下30度の液体を流して長さおよそ1.5キロの氷の壁を作るものです。
すべての部分を凍らせると建屋の周囲の地下水の水位が急激に下がり、汚染水が漏れ出すおそれがあったため、山側の幅7メートルの場所は凍らせずに残されていましたが、今月15日、原子力規制委員会は安全対策が整ったとして、この部分の凍結を認可していました。
これを受けて福島第一原発では、22日午前9時に3人の作業員が氷点下30度の液体を流す地下のパイプにつながる11か所のバルブを順次開き、残されていた部分の凍結が始まりました。凍土壁は、去年3月に最初の凍結を始めてから1年5か月たちようやく完成のめどが立ったことになります。
凍結にかかる期間について、東京電力はこれまでの実績を当てはめると2か月程度になるものの、地下水の流れが速いため、それより時間がかかる可能性があるとしています。
東京電力は、凍土壁が完成すれば、建屋に流れ込んでいる1日およそ140トンの地下水を100トン以下まで減らせるとしていて、規制委員会は効果を慎重に見極めることにしています。
 
■原子力規制庁の大熊一寛総務課長
「仮に建屋周辺の地下水の水位が下がると建屋内の汚染水が外に出てしまうので今後、しっかりと状況を監視していく」
国費およそ345億円をかけて建設した凍土壁の費用対効果が明確でないという指摘については、「規制委員会はあくまで原発の周辺の環境に影響を及ぼさないように監視する立場で、コメントすることはない」
 
◆資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官
「万が一、地下水の水位が下がった場合の対応など、建屋から汚染水が漏れないよう対策をとっている。安定的に凍土壁を運用するとともに、さまざまな対策を組み合わせて汚染水対策の効果をあげていきたい」
 
NHKニュースはかなり楽観的な表現であったが、日本経済新聞はかなりシビアな見方をしている。
 
<福島第1原発の凍土壁、遮水効果見えず 秋にも全面凍結 >
 2017/8/22 21:54 日本経済新聞
 東京電力は22日、福島第1原子力発電所の汚染水対策として建設した氷の壁「凍土壁」を全面凍結させる作業を始めた。早ければ秋にも完成する。東電は全面凍結により1日約130トンの汚染水を100トン未満に減らせると説明するものの、原子力規制委員会や専門家は疑問視しており、遮水効果がはっきり表れるかどうかは不透明だ。
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 東電は22日午前9時、約7メートルの未凍結箇所に冷却液を流し込む作業を始めた。6年前の事故の爪痕が残る原子炉建屋を背に、作業員3人が11カ所のバルブを開けた。立ち会った経済産業省資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官は「凍結よりも成果を出すことが重要だ」と述べた。
 凍土壁は1〜4号機の周り全長約1.5キロメートルの地下に埋めた配管に冷却液を流して管の周囲を凍らせ、建屋に流れ込む水の量を抑える。345億円の国費を投じて建設し、昨年3月から段階的に凍結を進めてきた。
 東電によると、凍結を始める前は山側から凍土壁を抜けてくる地下水量が推定で1日約760トンだったが現在は同580トンに減った。9割以上凍結を終えた壁の遮水効果は、単純計算で2割強にとどまる。
 一方で、1〜4号機の周りに約40カ所ある井戸「サブドレン」で1日400〜500トンの地下水をくみ上げている。15日に全面凍結を認可した規制委は、このくみ上げが主要な汚染水対策だとしており、凍土壁は「あくまでもサポート」との見解だ。
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配管に冷却材を流す作業が開始された「凍土遮水壁」の未凍結区間(22日午前9時ごろ、福島第1原発)=代表撮影
 凍結をこれまで段階的に進めてきたのは、急激に水位が減ると建屋内の高濃度汚染水が外に漏れ出る恐れがあるからだ。摂南大学の伊藤譲教授は「水位を調整しながら慎重に作業を進めることが肝心だ」と話す。
 完全凍結が終わる時期もはっきりしない。2〜3カ月かけて地下30メートルまで凍らせる予定だが、水の通り道が細いと流れが速くなって凍りにくくなる。「今回は流れが速いため従来通りというのは難しい」(東電の担当者)
 かつて「汚染水対策の切り札」といわれた凍土壁だが、劇的な効果が期待しにくいうえ、維持費も年間十数億円かかる。三重大学の渡辺晋生教授は「凍土壁は一時的な遮水対策だ。別の方式の壁を作ることも検討すべきではないか」と主張する。
 
「凍土壁」は試行錯誤の結果の「汚染水対策の切り札」であったが、なぜ汚染水が発生するのかという根本的な問題を解決する術がないのが現状であろう。
 
1979年にアメリカで起きたスリーマイル島事故では炉心溶融が起きたが、燃料デブリは原子炉の圧力容器の底にとどまっていたため、1990年までに全て取り出すことができた。 
 
しかし原子炉の圧力容器を突き破り溶け落ちた核燃料が原子炉のコンクリートや金属と混ざり合い、冷えて固まった燃料デブリが存在する福島第一原発の2号機の格納容器内の放射線量は、5年前の3月の調査時に毎時73シーベルトという人間は5分46秒間で死亡するレベルを観測されていた。  
 
少なくとも人間の力では決して取り出すことができず、また、うまく取り出すことができても処分する場所が確定されていない状態である。
 
最近ではほとんどメディアに登場しなかった福島第一原発の後処理は途方もない時間と費用が発生する。 
 
それでも原子力ムラの連中は原発再稼働を進め、最近ではおどろくべきことに、エネルギー基本計画をめぐり、焦点となっている原発の新設や建て替えについて明記を見送る方向になったにもかかわらず、原発関連業界などから見直して盛り込むよう求める声が出ている。
 
すでに韓国や台湾が原発新設を白紙に戻して、エネルギー政策の転換を図っているにもかかわらず、いまだに「に原発神話」にすがりつく日本は、再生可能エネルギーへと向かう世界の潮流から取り残されることになることは明らかであろう、とオジサンは思う。

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2017年04月01日

住民を分断する原発事故の不始末

3月10日に第45回原子力災害対策本部会議が首相官邸4階大会議室で開かれた。
 
そこでは「浪江町・富岡町における避難指示区域の解除について」として以下のことが決定された。
 
(1)浪江町
@町内の居住制限区域及び避難指示解除準備区域を解除する。
A上記@の解除は平成29年3月31日午前0時に行う。
(2)富岡町
@町内の居住制限区域及び避難指示解除準備区域を解除する。
A上記@の解除は平成29年4月1日午前0時に行う。
 
この会議に出席していた安倍晋三首相は最後にこんな挨拶を行っていた。
 
・福島については、本日、浪江町及び富岡町の解除を決定した。大熊町・双葉町を除き、全ての居住制限区域、避難指示解除準備区域がこの春には解除され、「本格的な復興」のステージを迎える。
・「東北の復興なくして、日本の再生なし」。切れ目のない被災者支援、住まいとまちの更なる復興、観光振興や風評の払拭を通じた生業の復興、原子力災害からの復興・再生、そして、特に、被災地の将来を支える人材育成、震災を経験した方たちの心のケア、全て、東北の復興のために欠かすことができない。
・「閣僚全員が復興大臣である」との意識を改めて共有し、被災者の方々の心に寄り添いながら、自らの持ち場で全力を尽くすよう、改めて指示する。
 
「全ての居住制限区域、避難指示解除準備区域がこの春には解除され」さえすれば、「本格的な復興」のステージを迎えられると思っているのか。
 
まさに絵空事のような挨拶であった。
 
そして4月1日になり避難指示が解除された現地からのニュースが飛び込んでくる。  
 
<避難指示解除の3町村で催し>
 2017年04月01日土曜日 河北新報
 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の避難指示は1日午前0時までに、富岡町など4町村で一部を除き解除された。このうち浪江、川俣両町と飯舘村では解除日の31日、セレモニーや訓示などが行われ、関係者が復興への決意を新たにした。
◎浪江/「うっすら光が差した」
 浪江町では海を望む請戸地区の高台に、町関係者らが集まった。死者・行方不明者184人。慰霊碑に刻まれた東日本大震災の地元の犠牲者に避難指示解除を報告した。
 慰霊碑は3月11日、除幕された。町民有志の呼び掛けで駆け付けた約30人は夜明けに合わせて黙とう。馬場有町長は「復興へうっすら光が差した」と話した。
 避難先のいわき市から足を運んだ製造業半谷正彦さん(38)は「解除は一つの区切り。これからが大変だ」。南相馬市に避難する無職の女性(66)は「少しずつでも地域の人たちが戻るよう、できることから頑張りたい」と語った。
 町内の解除対象は、5841世帯1万5327人。帰還促進を目指す町は新年度から、大半の部署の業務を町内の本庁舎で再開する。 「新たな歴史の一ページを共に創ろう」。懸垂幕が掲示された町役場での訓示で、馬場町長は「住民に寄り添って行政執行してほしい」と職員に求めた。
飯舘/「かつての姿取り戻す」
 飯舘村は昨年8月開館の村交流センターで「おかえりなさい式典」を開催。「心を込めて丁寧に」を意味する方言「までい」の村らしく、着実に復興に取り組むことを誓った。
 約300人が出席した式典で菅野典雄村長は「新たな村づくりに挑戦していく」と表明。内堀雅雄知事は「努力の積み重ねで今日を迎えられた」と述べた。
 村民代表として畜産農家の山田豊さん(34)が「かつての村の姿を一歩一歩取り戻す。飯舘村が再び輝くまで決して諦めない」と宣言した。小学生たちの歌の披露やさとう宗幸さんのミニコンサートもあった。
 住民の思いは複雑だ。避難先の福島市から村内に戻った渡辺しづえさん(82)は「星もきれいな飯舘にようやく住める。言葉では言い表せない」と話した。10月に帰村予定の佐藤信行さん(76)は「周りで戻る人はほとんどいない」と地域の行方を心配した。
 飯舘村の解除対象は1753世帯5859人。
◎川俣・山木屋/「若い人にバトン渡す」
 山木屋地区の避難指示が解除され、避難区域が解消された川俣町は町役場で式典を開催した。佐藤金正町長は「解除は出発点。自然豊かな山木屋に戻すため心を一つにしなくてはいけない」と職員らに訓示した。
 解除対象は548世帯1156人。地元自治会は地域の輪を守ってきた。会長の広野太さん(67)は「少しだけ肩が軽くなった。高齢者らをサポートしながら(復興へ)若い人にバトンを渡していく」と話した。
 町内の仮設住宅に暮らす町民たちは徐々に地域に戻る。「自宅のリフォームはこれから。仮設暮らしがもう少し続きそう」と渡辺実さん(78)。鴫原嘉子さん(86)は「帰れるのはうれしい。ただ田畑がどうなっているか心配。帰ってからが大変だ」と語った。

大津波の被害からの避難者は解除によって新たな生活設計が可能となるかも知れない。 

地震や津波の被害はないが原発事故の影響で6年前の民主党政権によって強制的に避難させられた住民の中で、特に年配者たちには一刻も早く自分たちの故郷に戻りたい気持ちが強かった。
 
放射線量が世間水準より高かろうが、生まれた土地で最後まで住みたいという老人たちが多かった。
 
おそらく、当時の原子力関連学者の「60歳以上の高齢者は積極的に地元の生産物を摂取しても構わない」という発言が大きく影響したのかも知れない。
 
しかし現実的には解消された区域に帰還する人たちは一握りで、まだまだ多くの問題が残っている。    
 
<福島・避難指示解除 帰還1割未満 追い続ける復興>
 毎日新聞 2017年4月1日 00時43分 
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 増える作業員 共生を模索
 政府は1日、前日の福島県浪江町・飯舘村・川俣町に続き、富岡町でも東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示を解除した。帰還困難区域を除き、今春までに解除するとの政府目標は達成されたが、当面の帰還者は1割に満たない。国や自治体は廃炉産業などを頼りに新住民を転入させ「まち残し」を図る一方、事故前からの住民には見知らぬ廃炉・除染作業員との共生に不安を感じる人も少なくない。作業員が帰還者の数を上回る町もあり、復興に向けた新旧住民の共生は一筋縄ではいかない。【土江洋範、関谷俊介、宮崎稔樹】
 「世界の研究者や廃炉企業の関係者など新しい住民を受け入れたい」。富岡町の宮本皓一町長は力説し、元の町民の帰還だけにこだわらないとした。
 国は、被災した沿岸部を廃炉研究やロボット開発などの集積で復興させる「イノベーション・コースト構想」を推進。自治体側も関連施設の誘致に躍起で、雇用創出による人口増を期待する。
 富岡町も、構想の拠点となる廃炉研究施設の誘致を要望。放射性物質を含んだ稲わらや焼却灰を町内で最終処分する国の計画を、2015年12月に受け入れるのと前後して建設が決まった。
 一方、富岡町に隣接する楢葉町。「ゴミ出しを指定日以外にしたり、分別しなかったりして、イノシシやカラスに荒らされる」と男性(79)は顔をしかめた。不満の先は、自宅近くにある宿舎に住む除染作業員らだ。
 同町は解除から1年半が過ぎ、廃炉や除染の作業員の流入が進む。帰還した町民は人口の11%にあたる818人(3月3日現在)にとどまるのに対し、作業員は約1500人。25カ所の民宿やプレハブ宿舎に滞在する。昨年8月には、除染作業員2人が自転車盗の容疑などで逮捕され、町は「帰還意欲が低下する」と環境省に抗議した。
 町は昨年、住民の不安解消に向け、作業員宿舎の建築主に計画書の提出を求め、何が建つのかを記した標識を予定地に立てるよう義務づける条例を施行。町民の求めに応じて、説明会を開くことも求めた。同様の条例は同町の南隣にある広野町でも施行されている。
 住民の帰還が富岡町より一足早く始まった楢葉町。担当者は「作業員も復興のためになくてはならない存在」と述べ、共生の方法を模索している。
 
2011年3月11日の東日本大震災の大津波の影響で全電源喪失という想定外の事態により、東京電力福島第一原子力発電所が大爆発し大量の放射性物質が大気上に拡散された。
 
政府が大パニックを恐れた情報隠しにより、北上する風の影響で飯館村住民は数カ月にわたり内部・外部被曝にさらされた。
 
そんな地域でも避難者に帰還するよう政府は迫っている。
 
昨年6月、日本政府は2017年3月31日に福島県飯館村の帰還困難区域を除いて避難指示を解除する方針を明らかにし、それを受けて国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、飯館村村民が帰還して事故前の暮らしを続けた場合、生涯どれくらい被曝するかを推定することにした。
 
その結果を2017年2月、「遠い日常 No Return to Normal」と題して、福島・飯舘村の民家における放射線の状況と潜在的生涯被ばく線量を発表した。
 
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2017年3月末に、2011年以来避難していた福島県飯舘村住民の帰還が可能となる。日本政府はこの日に避難指示解除を予定しており、1年後には賠償が打ち切りとなる。6,000人超の飯舘村住民にとって不確実で、そして不安の時となる。飯舘村は、損傷した東京電力福島第一原発の北西に位置し、2011年の事故により高濃度に汚染された地域の一つである。面積は200平方キロメートル以上に広がり、その75パーセントは山林である。森林は、東電福島第一原発事故以前は住民の暮らしの一部だったが、現在は放射線量が高く、事故後30年の今も公式に居住が許されていないチェルノブイリの30キロメートル圏立ち入り禁止区域に匹敵する。
除染は民家のごく周辺と農地および道路脇から20メートルで集中して行われている。こうした除染により数百万トンもの核廃棄物が出るが、それが県内のあちこちに無数に置かれている。しかし、飯舘村の放射線レベルは安全な値までには低下していない。帰還について判断しようとしている住民にとって、年間ではなく生涯にわたる被ばく量がどの程度になるのかは、重要な問いだが、日本政府は答えていない。
グリーンピースの放射線調査チームが探したいと考えたのは、この問いに対する答えだった。グリーンピースは、2011年3月末に飯舘村を調査し、いち早く避難の必要を訴えた。
それ以来、継続的に調査を実施してきた。直近では2016年11月に調査を実施した。その目的は、飯舘村のエリア2(居住制限区域)内の民家で数千カ所の放射線測定値を集めることだった。日本政府が2017年3月で避難指示を解除するとしている地域である。
本調査では、民家をある区画ごとに分割し、その区画の加重平均を提供する測定値に加え、東京の測定所での土壌試料の分析、空間放射線量が高いホットスポットの測定および2016年2月より2軒の民家に設置した個人線量計(ガラスバッジ)の回収を行った。
民家で測定した空間線量の加重平均値は、その飯舘村住民が帰還した場合により高いリスクにさらされることを明確に示唆している。2017年3月から70年間とした生涯被ばく線量の範囲は、39ミリシーベルトから183ミリシーベルトだった。
これには、生涯にわたって受ける自然放射線による被ばく、また、2011年3月におきた東電福島第一原発事故直後から数週間、飯舘村の場合数カ月になるが、避難前の内部・外部被ばくは含まれていない。国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、一般公衆の被ばく限度は年間1ミリシーベルトである。日本政府、国際原子力機関(IAEA)および原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、福島県民が帰還した場合の生涯被ばく線量を提供することはしていない。
日本政府は、木造家屋のガンマ線に対する遮へい効果について、屋内の放射線レベルは屋外の40パーセントとなる数値を使っている。しかし、これは過大評価の可能性があることを、飯舘村の安齋徹氏宅に設置した個人線量計の値は示唆している。家の外で測定された平均値は毎時0.7マイクロシーベルトであり、これは政府の遮へい効果予測に基づけば、年間2.5ミリシーベルトになるはずだ。
しかし安齋氏宅内に設置した個人線量計は、年間5.1から10.4ミリシーベルトの間を示した。日本政府は、長期的な除染目標を年間1ミリシーベルトとしている。なお、これは毎時では0.23マイクロシーベルトとなる。
調査した民家において、放射線レベルは、あきらかに政府の目標からはほど遠いものだった。屋内屋外ともに比較的高い放射線レベルであったことは、飯舘村に帰還する住民のリスクが高まることを示す。日本政府はこのリスクに目をつむることを選んだ。飯舘村では非常に複雑な放射線緊急事態が続き、リスクは非常に不確実かつ未知である。事故以前の日常は遠いものとなってしまっているのである。
提言
・ 日本政府は、生涯被ばく線量の潜在的なリスクを含む科学に基づいた分析をしない、福島の人々を無視したままの帰還政策を続けてはならない。
・ 日本政府は、避難者を含む住民との協議など、住民の意見を反映させる透明性のある政策を確立すべきである。
・ 日本政府は、住民が帰還するか移住するかについての判断を、経済的に追い込まれたり、忍従を強いられたりすることなく下せるようにすべきである。避難者を経済的に支援し、人々の健康を守るため、予防原則に基づき被ばくリスク低減のための対策をとるべきである。
東京電力福島第一原発事故から6年になるが、飯舘村の放射線量はいまだ高濃度であり住民の安全な帰還は保証されない。2016年11月に行った最新の調査結果は、除染地域および非除染地域の両地域における放射線量を明らかにし、その結果、飯舘村の住民たちの帰還には、健康と安全についての危険性が増加する可能性があることを示した。よって、住民の帰還は公衆衛生・安全の見地からは、推奨することはできない。2017年においても、飯舘村はその放射線量において、いまだ非常事態の中にある。
ここで「非常事態」という言葉を明らかにしておきたい。仮にこれらの放射線量が飯舘村ではなく原子力施設で検出されたとしたならば、人の健康と安全、財産や環境に影響する重大な被害を軽減するための迅速な対応が、関係当局に求められるだろう。
しかし実際には政府は、今回グリーンピースが調査した地域においても除染が完了したとしている。その結果、避難指示は2017年3月に解除されることとなり、数千人におよぶ住民が村へ帰還するかどうかの決断を強いられている。1年後の損害賠償打ち切りを考えると、決断は非常に困難だ。
今回の飯舘村の民家のケーススタディーは、帰還する住民の生涯被ばく線量が、100ミリシーベルト超にさらされうるリスクを明確に示した。この値は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告、一般人の被ばく限度年間1ミリシーベルトをはるかに上回る値である。
国際原子力機関(IAEA)や原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)も、今のところ飯舘村やその他の避難指示解除予定の地へ帰還する住民の潜在的な生涯線量の分析を提供していない。
今回のグリーンピースの放射線調査は、非常に複雑な放射線状況を例証し、現状は事故以前の”日常”の状態とかけ離れていることを示している。調査及び個人線量計(ガラスバッジ)による計測から、線量のレベルはさまざまであり、リスクは非常に不確実かつ未知だと言える。
高い不確実性の残る中、とくに放射線に対し感受性の高い女性や子どもを含む飯舘村住民をこのような被ばくのリスクにさらすことは正当化できない。子どもたちは、電離放射線被ばくの影響を受けやすく、外遊びなどで地表高さの放射線に接するリスクもより高いため、潜在的な被ばくが特に懸念される。さらに、もし住民が帰還した場合、その複雑な放射線状況で被ばくリスクを最小化するためには、日常生活において事故前とはまったく違う行動をとることが求められる。
また、行政によって除染完了とされた地域は、飯舘村の土地のほんのわずかな割合であることも強調しておくべきだろう。放射線量が低下したとされるエリアでさえも、政府の長期的な除染の目標値である毎時0.23マイクロシーベルトはほとんど達成できていない。
東電福島第一原発事故以前は住民の暮らしの一部であった森林における放射線量は、事故後30年の今も公式に居住が許されていないチェルノブイリの30キロメートル圏立ち入り禁止区域に匹敵する。
日本政府は、あえて「除染された」住宅と道路でできた屋外監禁施設を作ることを決めた。しかしそこは、まだ放射線レベルはおおよその場所で安全とはいえず、そして除染不可能な広大な森林が再汚染を起こし続ける可能性がある。
帰還した場合に住民が受けるであろう生涯被ばく線量は、公共衛生と安全の観点から容認できるレベルをはるかに超える可能性があることが、グリーンピースの調査と分析により確認された。低電離放射線による長期被ばくの健康影響を観察した疫学的研究は、白血病などの非固形ガンへの過剰相対リスクには、しきい値がないと結論づけている。固形ガンへの放射線の相加リスクは、生涯にわたって被ばく量に対応して増えつづける。これは国際放射線防護委員会(ICRP)の定める放射線防護基準の国際的な基本である。
女性、若年層、子どもたちは放射能の影響を受けやすいことで知られている。そして放射能汚染地域に帰れば数十年にわたって被ばくする。意外なことだが、飯舘村の住民が帰還を選んだ場合、危険区域として管理された環境で、規制のもとで働いている世界中の原発労働者のほうが、より放射線から守られていると考えられる
4年前、国連人権理事会(UNHRC)の特別報告者は日本政府に対し、市民の健康に対する権利を守ることと、東電福島第一原発事故後の政策は、100ミリシーベルト以下の場合も含めた低線量被ばくに起因する健康への悪影響を示す既存の証拠をもとにすべきと求めた。報告者は「避難者は、放射線量を可能な限り下げられ、年間1ミリシーベルト以下のレベルになったときのみ、帰還を推奨されるべきだ」と訴えた。
今回の飯舘村で行った放射線調査の結果から、日本政府は、国連人権理事会からの勧告を拒んでいると言える。日本政府は、何万人もの福島の人々の権利を、冷酷にも意図的に無視している。
 
安倍政権は2020年までに「東北の復興なくして、日本の再生なし」を実現するために、東北3県の被災地を「復興」したことにし、さらには原発事故もなかったかのように、汚染地域に住民を今度も「強制帰還」させようとしている。
 
あらためて、この提言を政府は真摯に聴くべきである。
 
・生涯被ばく線量の潜在的なリスクを含む科学に基づいた分析をしない、福島の人々を無視したままの帰還政策を続けてはならない。
・避難者を含む住民との協議など、住民の意見を反映させる透明性のある政策を確立すべきである。
・住民が帰還するか移住するかについての判断を、経済的に追い込まれたり、忍従を強いられたりすることなく下せるようにすべきである。避難者を経済的に支援し、人々の健康を守るため、予防原則に基づき被ばくリスク低減のための対策をとるべきである。


 
この提言を実行できなければ、政府は原発被災者たちを危険な人体実験の対象にさせてしまうと非難されてもしかたがない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:37| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月18日

6年経っても「想定外」は通用しない原発事故

ふと思い出した先日の朝刊に載っていた文芸評論家・斎藤美奈子の「本音のコラム」。
 
【豊洲と豊中】
 「東の豊洲」と「西の豊中」ってなんだか似ていない? 多くの人が感じていることだろう。
 豊洲は東京都が破格の高値で買い上げた築地市場の移転予定地。豊中は国が不当な安値で払い下げた森友学園の小学校建設予定地だった土地。
 疑惑がらみの土地売買でもある点も、背後に政治家の関与がちらつく点も似ているが、さらなる共通点は土壌汚染や地下のゴミなど、問題の多い土地だった点である。
 片や卸売市場、片や小学校ですからね。通常以上にクリーンであるべきなのに、なぜこんなダーティーな土地が選定されたか理解に苦しむ。
 豊洲の場合は、銀座に近くて利用価値の高い築地を有効活用するため、市場を移転させたかった都と、洗浄が必要な工場跡地が高値で売れるならラッキーと考えた東京ガスの思惑が一致した?
 豊中の場合は、学校用地を安く取得したい学園と、使い道のない国有地を手放したい国の思惑が一致した? ここは伊丹空港の元騒音対策対象地で、過去にはゴミの投棄が絶えなかった池沼だったという話もある。
 いずれにしても「訳あり物件」だからこそ生じた政官民の不正疑惑。そこで鮮魚を扱う業者や学校生活を送る児童生徒のことはまるで考慮されていない。もしかしてこれは氷山の一角ではないのか。二か所であったことが三か所であっても不思議ではない。

「西の豊中」は、本質的な問題よりもキャラが濃すぎる胡散臭い連中が多く登場してしまい。テレビメディアの格好の餌食となってしまった感が強い。
 
そして、遂に尻尾を切られそうになった「大阪のおっさん」が上京し、国会で逆襲に転じるのではないかと期待されている。
  
最初は「民間人招致は慎重であるべきだ」と参考人招致を拒んできた自民党が、安倍晋三首相が「寄付をした」と名指しされると急転換して、「大阪のおっさん」の一方的発信を封じる狙いから証人喚問を言い出した。
 
当然ながら、民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は、「自分の親分の潔白の証明には証人喚問で、税金の無駄遣いの参考人招致は拒否する。ダブルスタンダード、支離滅裂だ」と批判していた。
 
ところで、「鮮魚を扱う業者」のことが全く考慮されていないといわれた「東の豊洲」では、またもや厄介な事実が明らかになった。 
 
<豊洲地下水、再調査でも基準超の有害物質>
 2017/3/18 0:34 日本経済新聞 電子版
  東京都による豊洲市場(江東区)の地下水モニタリングの再調査で、飲み水の環境基準を上回るベンゼンなどの有害物質が検出されたことが17日、分かった。昨年11〜12月の9回目調査では基準の79倍の濃度のベンゼンを検出していた。再調査でも濃度は大きくは改善していないもようだ。結果は19日に開く土壌汚染対策を検討する専門家会議で公表する。
 再調査は1月30日から3月上旬にかけて実施していた。豊洲市場内の29地点で地下水を採取し、4つの検査機関が分析を担当した。結果は複数の有害物質について環境基準を超える数値が出たとみられる。
 都は2014年11月以降、9回にわたって地下水の調査を実施してきた。9回目は1〜8回目に比べて数値が急激に悪化したため、再調査を実施していた。
 専門家会議では9回目と再調査の結果を比較・分析する。また、検出された物質がヒトや生鮮食品に影響するかなども議論する。9回目の採水作業の手順がそれまでと異なっていたことが指摘されているため、手順の違いが結果に影響したかどうかも検証する。
 小池百合子都知事は17日の記者会見で、再調査の結果に対する専門家会議の見解などを踏まえ、築地市場(中央区)から豊洲への移転の可否を判断する意向を示した。
 
いくら「百条委員会」で過去の悪行を暴いたところで、基準値を超えた有害物質がある限り「訳あり物件」に建てられた豊洲市場は使えない代物であろう。
 
さて、昔から住んでいた故郷がある日を境に放射能汚染により「訳あり物件」となり、他県に避難せざるを得ない状況に追い込まれた住民たちが起こした損害賠償裁判の判決が下された。
 
<原発事故、国・東電に過失 前橋地裁 避難者への賠償命令>
 2017年3月18日 07時04分 東京新聞
 東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県などに避難した住民ら137人が国と東電に計約15億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁は17日、「東電は巨大津波を予見しており、事故は防げた」と判断、東電と安全規制を怠った国の賠償責任を認め、うち62人について計3855万円の支払いを命じた。 
・・・中略・・・
 原告は避難指示区域に住んでいた76人と区域外からの自主避難者ら61人。賠償が認められたのは区域内が19人で1人当たり75万〜350万円、区域外が43人で7万〜73万円。
 原告は「生活基盤を失い、慣れない土地で精神的苦痛を受けた」と1人当たり1100万円の慰謝料などを求めた。国と東電は、長期評価は科学的知見として不十分だったとして予見可能性を否定。対策を取っていても事故は防げなかったと反論していた。
 
完全に国と東電の反論を撃破した前橋地裁判決の要旨は次の通り。 
 
【事故原因】
 津波が到来し、6号機を除く各タービン建屋地下に設置された配電盤が浸水し、冷却機能を喪失したことが原因。
【予見可能性】
 東電が予見できた津波の高さが、原発の敷地地盤面を超える津波と言えれば予見可能性を肯定できる。
 東電は、1991年の溢水(いっすい)事故で非常用ディーゼル発電機(DG)と非常用配電盤が水に対して脆弱(ぜいじゃく)と認識していた。
 国の地震調査研究推進本部が策定・公表する「長期評価」は、最も起こりやすそうな状況を予測したもの。2002年7月31日に策定された長期評価は、三陸沖北部から房総沖の日本海溝で、マグニチュード(M)8クラスの地震が30年以内に約20%、50年以内に約30%の確率で発生すると推定した。原発の津波対策で考慮しなければならない合理的なものだ。公表から数カ月後には想定津波の計算が可能だった。東電が08年5月ごろ「敷地南部で15.7メートル」と試算した結果に照らし、敷地地盤面を優に超える計算結果になったと認められる。
 東電は、非常用電源設備を浸水させる津波の到来を、遅くとも公表から数カ月後には予見可能で、08年5月ごろには実際に予見していた。
【結果回避可能性】
 配電盤の浸水は、給気口から浸入した津波によるものだ。
 (1)給気口の位置を上げる
 (2)配電盤と空冷式非常用DGを上階か西側の高台に設置する−などいずれかを確保していれば事故は発生せず、期間や費用の点からも容易だった。東電は高台周辺で堆積物調査を行い、津波が浸水すると考えにくいことを知っていた。
【侵害利益】
 原告が請求の根拠とする平穏生活権は、
 (1)放射性物質で汚染されていない環境で生活し、被ばくの恐怖と不安にさらされない利益
 (2)人格発達権
 (3)居住移転と職業選択の自由
 (4)内心の静穏な感情を害されない利益−を包括する権利だ。請求根拠に健康被害や財産権侵害は含まれていない。
【慰謝料算定の考慮要素】
 原発施設は一度炉心損傷になると、取り返しのつかない被害が多数の住民に生じる性質がある。
 国と東電の非難性の有無と程度は考慮要素になり得る。東電は、
 (1)常に安全側に立った津波対策を取る方針を堅持しなければならないのに、経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむを得ないような対応だった
 (2)津波対策を取るべきで、容易だったのに、約1年間で実施可能な電源車の高台配備やケーブルの敷設という暫定的な対策さえ行わなかった
 (3)規制当局から炉心損傷に至る危険の指摘を受けながら、長期評価に基づく対策を怠った−と指摘できる。東電には特に非難に値する事実があり、非難性の程度は慰謝料増額の考慮要素になる。
 (賠償水準となっている)国の中間指針は多数の被害者への賠償を迅速、公平、適正に実現するため一定の損害額を算定したもの。あくまで自主的に解決するための指針で、避難指示に基づく避難者と自主避難者に金額の差が存在しても、これを考慮要素とするのは相当でない。指針を超える損害は最終的には裁判などで判断される。
【個々の損害】
 原告個々の損害は、平穏生活権侵害で精神的苦痛を受けたかどうかを検討する。慰謝料は、侵害された権利利益の具体的内容と程度、避難の経緯と避難生活の態様、家族の状況、年齢、性別などの一切の事情を考慮するのが相当。
【国の責任】
 国は(耐震性を再確認する)バックチェックの中間報告を東電から受けた07年8月の時点で、それまでの東電の対応状況に照らせば、東電の自発的な対応や、国の口頭指示で適切な津波対策が達成されることは期待困難という認識があった。国は規制権限を行使すれば事故を防げたのにしなかった。著しく合理性を欠き国賠法上、違法だ。
 規制権限がないという国の主張は、事故発生前から津波対策を取り扱っていた実際の国の対応に反し、不合理で採用できない。国の責任が東電と比べて補充的とは言えず、国が賠償すべき慰謝料額は東電と同額だ。


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【朝日新聞DIGITALより】
 
<東電旧経営陣の刑事裁判に影響も 国に賠償命じる判決>
 2017年3月18日05時02分 朝日新聞DIGITAL
・・・前略・・・
■「国も対策命じるべきだった」
 非常用の設備を浸水させる津波が見込まれたのだから、まず対策を取るべきだった。しかも、それは難しくなかった。国も対策を命じるべきだった。今回の判決はこう指摘する。
 福島第一原発の主な施設は高さ10メートルの敷地に立つ。原子炉の冷却に必要な電気を送る配電盤や非常用発電機は地下にあった。1991年には1号機で水漏れ事故による浸水が起きており、東電は対策の重要性を認識していたはずだった。
 裁判で焦点になったのが、2002年に国の地震調査研究推進本部が公表した長期評価。防災に生かすため、その時点の知見を地震学者がまとめたものだ。三陸沖から房総半島沖のどこでも、津波を伴うマグニチュード(M)8級の地震が起こるとの見解だった。
 福島沖が震源の同様の津波は過去に知られておらず、学者の一部に地震のエネルギーがたまっていないとの見方もあったため、東電は裁判で「長期評価は具体的な根拠がない」と主張した。だが、判決は長期評価が学者の見解の「最大公約数」であることを重視。長期評価から計算すれば、数カ月後に浸水の可能性を認識できたと指摘した。
 千葉地裁での同様の訴訟でも、元原子力規制委員の島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)が「長期評価から計算すればすぐに分かり、有効な手立ては打てたはず」と証言していた。
 東電が長期評価をもとに津波を計算したのは6年後の08年。結果は15.7メートルだったが、仮定の震源をもとにした試算と位置づけ、対策を講じないままだった。
 判決は、設備を高い場所に移していれば事故は起きなかったと指摘。電源車の配備などの暫定的な対策は1年でできたと断じた。
 国も06年の指針改訂で津波対策を明記しながら、地震の揺れ対策のチェックを優先した。判決は、浸水の可能性があり、東電の自発的な対応が見込めないなら、口頭の指示でなく命令を出すべきだったとした。
 電力会社には、十分な証拠がなければ対策を取らない風潮があった。判決は、原発は常に安全側に立った対策を取るべきだと指摘。M9級の地震を予見できなくても、取れる対策はあったとの考え方を示した。
 佐竹健治・東京大地震研究所教授は「実際に起きた地震や津波を予見できたかといえば、そうではない。だが、何らかの対策が必要であることは予見できたということだろう」と話す。(編集委員・佐々木英輔、杉本崇)
■争点の絞り込みと被害実態の明確化
 訴訟戦略は二つあった。一つが争点の絞り込みだ。判決後の集会で、原告弁護団事務局長の関夕三郎弁護士は「絞り込まなければ判決にはたどり着けていなかったと思う」と提訴から約3年半を振り返った。
 これまでの原発訴訟は、争点が多岐にわたって証拠の数が膨らみ、長期化する傾向があった。原告弁護団は今回、被災者救済を最優先に考え、スピードを重視。争点を絞り込む戦術をとった。
 提訴時には、事故後の国の避難指示を批判する主張も盛り込んでいたが、膨大な資料の分析が必要と分かり撤回。また、原告団には原発反対の人も少なくなかったが、原発の是非など個人の考えに関わる論点は盛り込まなかった。
 訴訟上、もう一つ力点を置いたのが、事故の原因や原告が受けた被害実態を明確にすることだった。
 原告45世帯のうち40世帯の代表に法廷で証言してもらった。さらに、原告が事故直後に置かれた状況を肌で感じてもらおうと、裁判官に第一原発の周辺を見てもらうことも求めた。原道子裁判長らは昨年5月、福島県富岡町などの原告4人の自宅を見て回った。
 原裁判長の訴訟指揮も積極的だったと弁護団は評価する。14年4月の第1回口頭弁論から「大型訴訟としては異例」(弁護団)という、月1回ほどのペースで開廷。昨年6月の口頭弁論では東電や国が難色を示したが、「天変地異がない限り、結審する」と同10月の結審を宣言する場面も。
 昨年9月の口頭弁論で、国側が東電の元会長らが刑事事件で不起訴処分となった際の資料に触れ、「資料の収集が可能か検討中。審理を打ち切れば事案解明を放棄したに等しい」と訴えたが、原裁判長は「放棄とのいわれはない」と厳しい口調で退けた。(三浦淳、角詠之)
■「踏み込んだ判断、議論深まる」
 あるベテラン裁判官は「踏み込んだ判断で、電力会社と国のかなり高い安全配慮義務が前提だ。各地の原告はこれを基に主張を組み立てるだろう。各地裁がそれぞれの判断を出し、議論が深まっていくのでは」と述べた。
 別の裁判官は、勝俣恒久元会長(76)ら東京電力の旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事裁判の検察官役指定弁護人の主張にも影響する可能性がある、と指摘する。
 前橋地裁は東電に津波対策の義務があったと認め「経済的合理性を安全性に優先させた」とした。強制起訴を議決した検察審査会も、08年の試算などを基に高い防潮堤を設けていれば防げたと指摘。3人が「安全対策より経済合理性を優先させた」とした。刑事告訴した住民らの代理人海渡雄一弁護士は「判決は強制起訴と同じ枠組みで、予見可能性を明らかにした」と話す。
 一方、検察はこの試算では旧経営陣は津波を予測できなかったとして2度にわたり不起訴処分とした。ある検察幹部は「津波で起きた原発事故で死傷したことと、避難を強いられたことでは結果が異なり、民事と刑事の立証の仕方も違う」と突き放す。法務省幹部は前橋地裁の判決が今後も維持されるか、懐疑的だ。「裁判官は『過失』について何も知らないのでは。控訴すればしっかりした結論が出るだろう」と述べた。
 
国と東電の過失に対する民事訴訟のため、具体的に責任をとる人物はいない。
 
当時から幾度となく聞かされた「想定外」。
 
今回の前橋地裁の判決はまさに原子力ムラの連中からすれば「想定外」であった。
 
今後は、多くの被災者や避難者たちのためにも、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3人を断罪することではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 14:08| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原発関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする