2017年09月17日

さらば、汚職まみれの五輪

台風18号が九州に上陸し日本列島を北上し始めた頃、台風の影響でもあるまいが永田町に猛烈な「解散風」が吹き始めた。
 
安倍晋三首相は8月下旬から今秋の解散を内々に模索してきており、今月10日には麻生太郎副総理兼財務相と私邸で、11日には二階俊博幹事長、山口那津男公明党代表と首相官邸でそれぞれ会談し、政局情勢について意見交換したというニュースが流れていた。
 
衆院青森4区、新潟5区、愛媛3区の3補欠選挙が10月10日告示−22日投開票で予定されているが、これら補選はすべて自民党衆院議員の死去によるものだが、多くの場合はその地盤維持のため死去した議員の身内らが立候補して故人の遺志を継ぐという意味で「弔い合戦」などと呼ばれている。
 
当然、自民党は3勝を目指しているが、1つでも落とせば政局につながるとの見方が強かった。
 
その後、民進党の代表選挙があり、自民党にとっては野党共闘を積極的に進めることに反対していた前原誠司が代表になり、しかも人事問題で大きく揺れ、おまけに舌鋒鋭かった山尾志桜里が極めて個人的な問題で民進党を離党するという事態から、早期解散の流れが出てきた。
 
ましてや「泥船」から逃げだそうと民進党「離党ドミノ」が続き、小池百合子都知事の息がかかった「日本ファースト」がようやく政治塾を開講するレベルならば、早期解散しかないとなったらしい。
 
  「首相、年内解散を検討 臨時国会冒頭も視野
 
政府・自民党の広報紙と呼ばれているメディアは、「早期解散論、与党に浮上…竹下氏『遠くない』」といった程度の報道であったが、政権擁護紙はもっと踏み込んだ内容になっていた。
 
<安倍晋三首相、衆院解散を決断 10・29衆院選が有力 北朝鮮情勢の緊迫化で方針転換 「安保法制の意義問い直す」 創価学会も緊急幹部会>
 2017.9.17 07:01 産経新聞
  安倍晋三首相は、28日の臨時国会召集から数日以内に衆院を解散する方針を固めた。11月上旬にトランプ米大統領の来日が予定されていることから、衆院選は10月17日公示−10月29日投開票が有力だが、10月10日公示−10月22日投開票となる可能性もある。首相は今月18〜22日に訪米するため、帰国後に政府・与党で最終調整する構え。
 関係者によると、公明党の支持母体である創価学会は16日昼に方面長会議を緊急招集した。早急な選挙準備を指示する方針だという。公明党は19日に緊急常任役員会を開く。
 創価学会は「早期解散はリスクが大きい」として慎重姿勢を崩していないが、自公両党の選挙協力を維持する方針に変わりはないという。
 首相は当初、来年の通常国会で、9条への自衛隊明記を柱とした憲法改正を発議し、来年12月13日の衆院任期満了を前に、国民投票と衆院選を同時に実施する考えだった。
 ところが、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させ、米朝関係が緊迫化した。トランプ大統領は「軍事行動は間違いなく選択肢に含まれる」と明言しており、年末以降に事態はさらに悪化し、かつ長期化する公算が大きくなった。
 
解散総選挙の大義としては、
 
@安保法制や対北朝鮮政策の意義を国民に問い直すとともに、日米同盟のさらなる強化を訴える。
A憲法に自衛隊を明記する意義を国民に訴える。
    
くらいしかないのだが、本音としては苦戦が予想される補選を避け、最重要課題として成立させる方針だった働き方改革関連法案を先送りし、何よりも最大の目的は、安倍晋三の保身から「森友学園・加計学園疑惑」をリセットすることかもしれない。

まあ、いずれにしても自民党の党利党略と批判される解散となり、そうなれば衆院議員の3分の2議席割れの最大のチャンスでもある。 
 
さて、2020年東京五輪・パラリンピックの次期開催都市となる24年夏季五輪の招致を巡っては当初、5都市が立候補していたが、膨大な開催経費を税金で負担することに住民の間で批判が高まり、ハンブルク(ドイツ)、ローマ、ブダペストが相次いで撤退して、パリとロサンゼルスの2都市が残った。
 
IOCのバッハ会長は世界各地の「五輪離れ」に危機感を抱き、開催実績があり、財政と運営で高い評価を与えた2都市のどちらも落選させないために、7月の臨時総会で同時に選ぶ案を決めていた。 
 
そして、IOCは日本時間14日、リマで総会を開き、2024年と28年の夏季五輪の開催都市をそれぞれパリとロサンゼルスに正式に決めたという。
 
もはや五輪開催は開催都市にとっては名誉でもなければ夢でもなくなった。
 
単なる金食い虫であり一部の連中に莫大なカネが集まり、極めて不健全なシステムに成り下がっている。
 
当分の間は、五輪の招致合戦もなくなるかもしれないが、過去の五輪招致に関しては買収の噂が絶えなかったのだが、最近、英国のメディアが前回のリオ五輪と3年後の東京五輪の招致にからみ買収が行われていたことの明らかな証拠が出てきたと伝えていた。 
 
<ガーディアンの記事から「東京五輪買収疑惑に新たな局面」>
2017.09.15 内田樹の研究室
 9月13日付のイギリスの「ザ・ガーディアン」がリオと東京の五輪招致にIOCの票の買収があった容疑について新展開があったことを報じた。以下が記事。
リマでの総会で2024年パリ、28年ロサンゼルスでの五輪開催を決定したニュースに世界の耳目が集まることを期待していたその日に、2016年リオ、2020年東京五輪の招致チームによる買収容疑についての新たな疑惑をIOCは突き付けられた。
二つの開催地が決定した直後に汚職スキャンダルの渦中の人物が高額の時計や宝石を購入していたという調査結果が出て、この二都市の決定についてさらなる調査が開始されることになった。この事実がIOC総会での2024年、2028年の開催地決定セレモニーに暗い影を落としている。
『ガーディアン』紙は資料を精査して、信用を失墜した前IOC委員ラミーヌ・ディアクの息子パパ・マッサタ・ディアクがリオと東京の招致キャンペーンの前後にフランスの宝石店で高額の買い物をしていた証拠を得た。
ブラジル連邦検察局はフランス検察局の調査結果を踏まえて、支払いが「IOC内部に強い影響力を持つラミーヌ・ディアクの支援と票の買収の意図をもって」2016年リオ、2020年東京の招致成功のためになされたという結論を出した。
昨年、『ガーディアン』紙は、2020年の五輪開催都市レースのさなかに、東京五輪招致チームからマッサタ・ディアクと繋がりのあるブラック・タイディングスと称する口座へ七桁の送金があったことを暴露した。これらの支払は二回に分けて行われた。取引額は約170万ユーロで、2013年の9月7日、ブエノス・アイレスで開かれたIOCによる開催都市選定の前と後になされていた。
フランス当局の捜査にもとづいて、検察局は2013年9月8日に、ブラック・タイディングスはシンガポールのスタンダード・チャータード銀行の口座から8万5000ユーロをパリのある会社宛てに送金し、それがマッサタ・ディアクが宝石店で購入した高額商品の支払いに充てられたことを明らかにした。
ブラジル検察局によると、2009年から10年にかけてマッサタ・ディアクは一回6万5000ユーロから30万ユーロの支払いを、彼がコントロールしていると見られる七つの口座から、フランスとカタールの店舗およびモナコとニューヨークのオフショア・カンパニーに対して行っている。
2009年10月2日、コペンハーゲンでのIOC委員会で五輪開催がリオに決定したその日には、ディアク家と繋がりのあるパモジ・コンサルタンシイ社から7万8000ドルの支払いがパリの宝石店に対して行われている。
ブラック・タイディングスについての調査は日本の国会の審問に付託されたが、同国の総理大臣は招致のための票買収について調査を進めているフランスの検察当局と協力することを約束した。しかし、ブラジルからの今回の暴露によって、次回の五輪開催国に対する調査が再開され、どのようにして東京が五輪開催権を獲得したのかそのプロセスが解明されることになるだろう。
ディアクはこの疑惑に対しては回答していない。これまでのところすべての悪事を否定しており、彼に対する今回の主張は「世界スポーツ史上最大の嘘だ」と語っている。
記事はここまで。
東京の五輪招致については、シンガポールのブラック・タイディングスという怪しげなペーパーカンパニー(テレビが取材に行ったが、ボロい団地の一室であり、看板もなく、無人だった)にコンサルタント料が振り込まれたことが国会で問題になった。
この送金の事実を明らかにしたのは、国際陸連の汚職と資金洗浄を調査していたフランスの検察局である。
国会でも問題にされたが、当時の馳浩文部科学相は「招致委員会は電通からブラック・タイディングス社が実績があるからと勧められ、招致員会が契約することを決定した」と語っている。
ブラックタイディングス社の「実績」というのはペーパーカンパニーを経由しての資金洗浄と買収のことである。
支払いは2013年7月と10月の二度にわたって行われたが、これは開催地決定の前後に当たる。誰が見ても「手付金」と「成功報酬」としてしか解釈できない。
国会での答弁では、二度にわけた理由を問われて「金がなくて一度に全額払うことができなかった」とされているが、実際には招致委員会は資金潤沢であり、この説明にはまったく説得力がなかったが、日本のメディアは深追いせず、これを放置した。
文科省、招致委員会、電通・・・五輪招致をめぐって、これから忌まわしい事実が次々と暴露されるだろうけれど、それらを解明するのが「海外の司法機関」であり、それを伝えるのが「海外のメディア」であるということに私は日本の社会制度がほんとうに土台から腐ってきていることを実感するのである。
 
五輪の招致に莫大なカネを注込むのは、開催都市として大きな経済効果と黒字が得られると実証し「商業五輪」と呼ばれた1984年にアメリカ合衆国のロサンゼルスで行われた第23回夏季オリンピックであった。
 
それまでの大会は、スタジアムの建設や環境整備などで開催都市が多額の費用を負担し赤字続きで大きなダメージを残したこともあり、1984年大会の開催都市立候補はロサンゼルス市だけ、とオリンピック開催は不人気だった。
税金を使わなければ、政治的介入を阻止できると、南カリフォルニアオリンピック委員会は考えたのである(大会委員長はピーター・ユベロス)。
開催するために必要な費用は、以下の4本柱を立てて賄った。
1.テレビ放映料
 テレビ放映権は、それまでの常識を超える金額を最低価格として提示、アメリカ4大ネットワークのうちで一番高い金額を示したABCと約450億円で契約。放映権料を前払いとして、利息を稼ぐ徹底ぶりだった。
2.スポンサー協賛金
 それまで多くのスポンサー企業がマークを使用、多種多様な活動をしたが、スポンサー数があまりにも多すぎたので、メリットが半減していると判断し、スポンサーは1業種1社、合計で30社と数を減らして価値を高めた。ロサンゼルス五輪のマークを自由に使える、というのが条件だった。コカ・コーラとペプシが激しいスポンサー争いを演じ、他業種もスポンサーに次々に名乗りを上げ、高額の協賛金が集まった。
3.入場料収入
4.記念グッズの売上
かくして最終的にはこの大会は、およそ400億円の黒字で終了かつ成功し、その全額がアメリカの青少年の振興とスポーツのために寄付された。この大会の成功が、その後の五輪に影響を与える商業主義の発端となった。
(WIKIPEDIA)

ロス五輪以降の大会でプロスポーツ選手(テニス、バスケット、サッカー、野球など)が徐々に参加できるようになりそれによる注目度が増し、TVの放映権料が飛躍的に高騰したことも五輪の商業主義化と言われている。
 
早い話が、五輪で儲かるのはIOCやスポンサー企業であって、開催国には金銭的にメリットは極めて少ないと。
 
政治上、政治家は赤字と言いにくいから黒字と言ってるがインフラの整備、維持費なんかも含めて五輪開催後の費用対効果を含めれば絶対赤字になっており、現に過去の長野五輪後の長野県や長野市の財政状況をみれば一目瞭然であろう。
 
五輪を商業主義で堕落させたロサンゼルスが44年ぶりに2028年に3回目の五輪を開催させ、それが最後の五輪開催となるのではないだろうか、とオジサンは願っている。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月16日

復興の加速化をいうなら、五輪なんかにウツツを抜かしている場合ではない

驚いたね、小野寺五典防衛相ですら、一般論として抑圧的に話していたことを、この「ヒゲの隊長」はこう叫んでいたとは!

さらに驚いたことはこの夏の異常な天気で「梅雨期間」よりも梅雨明け以降の方が降雨量が多く、8月に入って9日だけは猛暑日だったが、観測上では今日で16日間連続で雨が観測されたということである。
 
長雨の夏、商戦暗雲 野菜高・レジャーに影響 」によると、
8月に入り、関東や東北など東日本の太平洋側を中心に雨の日が多い。東京では1日から15日連続で雨を観測した。東京では1977年に22日続いた例があるが、2週間以上続くのは珍しい。原因は太平洋高気圧の弱さで、7月には強く張り出して関東に空梅雨をもたらしたが、今は例年よりも弱い。従来予想と異なることで、気象庁も説明に苦慮している。
 気象庁によると不安定な天候は、太平洋高気圧が例年よりも弱いことが原因だ。相対的に強いオホーツク海の高気圧から冷たい風が吹き出し、北東から東日本へと流れ込む。フィリピン沖などの海水温が高く、暖かく湿った空気の供給源になっている。関東などで暖かくて湿った空気と冷たい風がぶつかり、雨雲が発達しやすい。
 例年ならば日本列島は発達した太平洋高気圧に覆われ、晴れた日が多くなる。太平洋高気圧の強さは一般的に海面水温や偏西風の流れ、地球規模での大気の動きなど複雑な要因で決まる。今夏は予想よりも弱いが「現時点で理由ははっきりしない」(気象庁担当者)。
と心もとないこれからの夏の気象予報である。

毎年この時期になると問題となる靖国神社参拝に関しては、「全閣僚、靖国参拝せず 第2次安倍内閣以降で初」となったらしいが、昨年は「急きょ海外へ 稲田防衛相『靖国参拝』見送りの姑息な口実」と批判されていた稲田朋美元防衛相は自民党若手保守派グループ「伝統と創造の会」のメンバーと参拝したらしい。

例年の8月15日は真夏の真っ盛りの中で日本武道館にて政府主催の全国戦没者追悼式が開かれているが、今年は例年になく涼しい中で行われたという。
 
しかし、自分の父(裕仁)の戦争責任を感じている現天皇・明仁は戦後70年の2015年から3年続けて「深い反省」との表現を使い、平和を祈る気持ちを示していたらしいが、どうやらA級戦犯の母方の祖父を持つこの男は、相変わらずの姿勢を続けていた。
    
<首相「加害」5年連続で触れず>
 2017年8月16日 朝刊 東京新聞
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 安倍晋三首相は15日の全国戦没者追悼式での式辞で、先の大戦での諸外国に対する「加害と反省」に触れなかった。一方で「未来を切り開く」との表現は用いた。いずれも5年連続。歴史認識問題に区切りを付け、未来に目を向けようとする考えがにじむ。
 首相は式辞で「戦後、わが国は一貫して戦争を憎み、平和を重んずる国として、ただひたすらに歩んでまいりました」と強調。その上で「歴史と謙虚に向き合いながら、どのような時代であっても、この不動の方針を貫いてまいります」と述べた。
 首相は第一次政権時の2007年の式辞では、歴代首相と同じように加害の事実を指摘し、「深い反省」を語っていた。第二次政権以降、「加害と反省」には触れなくなった。天皇陛下が15年以降のお言葉で「深い反省」に言及されているのとは対照的だ。
 歴代首相が表明した「不戦の誓い」の言葉も直接には使っていない。安倍首相は13、14年に触れず、批判の声が上がると、戦後70年にあたる15年と翌16年は「戦争の惨禍を繰り返さない」と言及。今年もほぼ同じ表現だった。
 第二次政権以降、一貫して用いているのが「未来を切り開く」との言い回しだ。今年は新たに「争いの温床ともなる貧困の問題」に取り組む考えも示し、「希望に満ちた明るい未来を切り開いていく」と強調した。
 未来へのこだわりは、歴史問題に一定の区切りがついたとの思いを映す。首相は戦後七十年談話でも、先の大戦への「痛切な反省と心からのおわび」をしてきた「歴代内閣の立場は今後も揺るぎない」とした上で、次世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と宣言している。
 
満員電車の中で他人から靴を踏まれ、相手に悪意がなくはずみで踏んだのなら軽く謝るだけで大したことにはならない。
 
ところが15年戦争といわれる大陸への侵略は、素足の人間に対して重くて硬い軍靴で踏みつけるような行為であって、決して軽く謝って済む問題ではなかった。
 
そのためせめて年1回くらいはきちんと謝罪の意を現すということで反省の姿勢を示すことができるというものである。
 
さて、今朝の東京新聞の「本音のコラム」で、文芸評論家の斎藤美奈子は、8月3日に閣議決定された政府の「基本方針」についてこう批判していた。
 
「『誇りある日本』を取り戻すためと称する4つの「政策」を掲げるが・・・。
 @復興の加速化
 からしてもう欺瞞だ。だったら五輪なんかにウツツを抜かしている場合ではないちゃう?」
      
そう、いろいろなところから 2020年東京五輪の開催の是非やもうやるべきではないかという声が上がっているのだが、そもそも「東京五輪を開く理由」はどこにあるのか、ジャーナリストの森田浩之は「あのCMにどうしても覚える違和感」と書いている。
 
<星野源にも絶対わからない「東京五輪を開く理由」>
 2017.08.11 現代ビジネス
ライバルは、1964年?
東日本大震災のときにテレビの公共広告で一躍知られるようになったACジャパンが、2020年東京オリンピックにまつわるCMを作った。
このCMで歌い、語るのは、いま人気絶頂の星野源だ。

「2020」という4けたの数字が、パラパラパラと「1964」にまで戻る。「1964」の世界で最初に映し出されるのは、今はなき国立競技場。東京オリンピック開会式での聖火点灯のシーンだ。
人々の笑顔が映る。今とは明らかに雰囲気が違う半世紀前の日本人の顔。子どもたちの笑顔。家族の笑顔。純朴という言葉が頭に浮かぶ。まだ貧しい国であることもわかる。
そして、植木等が登場する。星野源も「憧れの人」だというスーパーコメディアンのとぼけた顔。ある時代を象徴する植木の顔が、なんとも魅力的に映る。
星野源のナレーションが入る。
〈あのころの日本人に、笑顔で負けるな〉
〈見る夢の大きさで負けるな〉
〈人を思いやる気持ちで負けるな〉
〈暮らしの豊かさだけじゃなく、こころの豊かさでも、ぜったい負けるな〉
決めの言葉は──
〈ライバルは、1964年〉
最後に〈2020年に向け、日本を考えよう〉というテロップが入る。
楽しいCMである。ネット上の評判も、とてもいいようだ。
だが同時に、このCMはオリンピックについて重要な問題を示している。
それはオリンピックを開く理由が、過去の自分たちを乗り越えることくらいしかなくなったという点だ。
オリンピックに向けて国民がひとつになるには、〈あのころの日本人に笑顔で負けるな〉といった合言葉を持ち出さなくてはならなくなったということだ。
オリンピック開催のメリット
そもそも、1896年に始まった近代オリンピックは、今までなぜ開催されてきたのか。オリンピックの開催地には、どんな利益があると考えられてきたのだろう?
この点については、昨年のリオデジャネイロ大会後にNHK『おはよう日本』で刈屋富士雄解説委員が語った内容が論議を呼んだ。
「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ!」をはじめとして、オリンピックの実況アナとして数々の名言を残している刈屋は、「五輪開催5つのメリット」として以下の項目をあげた。
1 国威発揚
2 国際的存在感
3 経済効果
4 都市開発
5 スポーツ文化の定着
このうち最初に掲げた「国威発揚」が、「オリンピックは国家間の競争ではない」と定めたオリンピック憲章に反するとして、刈屋の指摘は批判を浴びた。
だがオリンピックの歴史を振り返れば、刈屋のあげたポイントはまったくまちがっていない。むしろ、国家間の競争ではないというオリンピック憲章の規定が建前でしかないことに、多くの人が勘づいている。
「国威発揚」と言うと、ヒトラーが政治利用したと言われる1936年のベルリン大会が頭に浮かぶ。刈屋がそれをトップにあげたことも、批判を誘う大きな要因になったかもしれない。しかしベルリン以外の大会でも、国威発揚が目的ではないオリンピックなどあっただろうか。
たとえば、1964年の東京大会。敗戦からわずか19年後にこのメガイベントを開催する目的が国威発揚でなかったとしたら、いったいほかに何があるだろう。
国威発揚という言葉の響きはよくないが、当時の日本が1964年の東京オリンピックを成功させることが国際社会に復帰する第一歩と考えていた点は異論のないところだろう。
何かが変わりはじめた
そのあたりまでは、まだライバルはいたのだ。大会招致にも対抗馬がたくさんいたし、大会が始まればメダル争いも激しかった。
オリンピックが実際には国家間の競争であり、国威発揚の場であることは、大会期間中の新聞やテレビで報じられる国別のメダル獲得数が何より大きな証拠だった。
しかし、ここへ来て何かが変わりはじめた。
いくら国威発揚に効果的だとはいえ、オリンピックは金がかかりすぎるイベントになった。そのため、大会招致に住民の支持を得にくくなってきている。
17日間のスポーツ大会のために巨額の金を投じて街をつくり変えようという都市は、今ではすっかり少なくなった。
2022年の冬季オリンピックでも、オスロ(ノルウェー)とストックホルム(スウェーデン)が開催に住民の支持が得られないとして立候補を取り下げ、サンモリッツ・ダボス地域(スイス)や、クラクフ(ポーランド)、ミュンヘン(ドイツ)は住民投票で反対が多数だったことから招致を取りやめた。
結局、開催都市は北京に決まった。雪が降らない街だが、幸か不幸か、住民投票もない。
立候補した都市の撤退が相次ぎ…
東京オリンピックのあとの2024年と2028年の夏季大会の開催都市選びをめぐっては、前例のないことが起こった。
2024年大会を招致したのは、ハンブルク(ドイツ)、ローマ(イタリア)、ブダペスト(ハンガリー)、パリ(フランス)、ロサンゼルス(アメリカ)の5都市だった。ところが立候補の届け出後に、撤退する都市が相次いだ。
ハンブルクは2015年11月に行った住民投票の結果、反対票が過半数に達したため、招致を取り下げた。
ローマは昨年9月、財政難を理由に辞退した。
ブダペストは今年2月、招致の是非を問う住民投票を行うことを求めた署名が必要数に達したため、招致成功の見込みが薄くなったという判断から、やはり立候補を取り下げた。
こうして2024年大会の開催地候補に残ったのは、パリとロサンゼルスの2都市だけになった。
2022年の冬季大会では、招致を検討しながら断念した都市が相次いだ。2024年の夏季大会では、正式に立候補した5都市のうち実に3都市が撤退した──この状況に、IOC(国際オリンピック委員会)もさすがに焦ったのだろう。
IOCは奇策を考えついた。
2024年と2028年の2大会を、2024年大会にまだ手を挙げているパリとロサンゼルスの2都市に割り振るというものだ。将来、立候補都市が出てこなくなる日がやって来るのではないかという不安の表れだった。
パリは2024年大会を、前回開いた1924年大会の100周年の記念大会にしたいと考えていた。そのためもあって、2024年大会はパリ、2028年大会はロサンゼルスで開催という方向でほぼ決まり、9月のIOC総会で正式決定される手はずになっている。2028年の開催都市は、実に大会の11年前に決まることになる。
もうオリンピックは、よほどのことがないと開けないイベントになった。この先、巨額の開催費用に対する住民の目はさらに厳しくなり、大会招致に手を挙げる都市はいっそう限られてくるだろう。
オリンピックは、IOCも扱いに困るモンスターのようになってきた。
はたして大義はあるのか
そんななかで、なぜ東京はオリンピックを開くのか?
思い起こせば招致活動中、オリンピック招致に対する住民の支持は、2020年大会に立候補した都市のなかで最も低かった。オリンピックに尻込みする国や都市が増えているなか、東京が2度目のオリンピックを開く大義とは何なのだろう。
NHKの刈屋解説委員があげた5つのポイントに沿って考えてみる。
まず「国威発揚のため」や「国際的存在感」を高めるためというポイントは、1964年大会を開く理由としては当てはまっただろう。しかし日本が世界の大国となってから開催する2020年大会で大きなメリットになるかと考えると、いささかピンと来ない。
「経済効果」に期待する向きはもちろん多いだろうが、以前の記事(参照「東京オリンピック『経済効果予測』のオカシさを暴こう」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52141)で指摘したように、これほどいい加減で当てにならない指標もない。
「都市開発」は「経済効果」というポイントと重なるように思えるし、「スポーツ文化の定着」は他の4項目に比べると大会を開くメリットとしては小ぶりな感じがする。
なぜ東京はオリンピックを開くのか──この問いに対して納得できる答えは、なかなか見つかりそうにない。
「あの日を超える未来」とは?
そこで、星野源の出番となる。
東京でオリンピックを開く理由が見つからないなら、大会に向けて日本人をひとつにする大義がないなら、つくり出してしまえばいい。
競うべきライバルが見つからないなら、こちらもつくってしまえばいい。自分たち自身をライバルと位置づけてもいい。そう、〈ライバルは、1964年〉でかまわないのだ。
国民みんなが共有できるような大きな目標を見つけにくい時代に、ニッポンをひとつにするのはむずかしい。そこで人気絶頂の星野源が引っ張り出され、〈笑顔〉や〈見る夢の大きさ〉や〈人を思いやる気持ち〉や〈こころの豊かさ〉で、1964年当時の日本人に負けるなと説くことになった。
オリンピックを開けば、2020年には本当に〈笑顔〉でいられ、〈こころの豊かさ〉を保っていられるのか。東京オリンピックにからんで、すでに私たちは笑顔ではなく、しかめ面をするようなニュースをたくさん見聞きさせられてきた。
大きなトラブルだけをあげても、新国立競技場の設計案が白紙撤回され、公式エンブレムも「パクリ疑惑」から撤回された。新たにコンペで決まった新国立競技場の設計案は、聖火台の設営を忘れていた。そのうえ、招致活動に裏金が動いたと英紙に報道される始末。
あと3年間の道のりは、どうなるのだろう?
ACジャパンのCMのバックに流れる星野源の曲「Hello Song」に、〈いつかあの日を/いつかあの日を/超える未来〉というフレーズがある。
〈あの日を超える未来〉──映像と合わせて聴くと、東京が輝いた1964年より素晴らしい未来がまもなくやって来るという意味に思える。
その未来とは、2020年のことだろうか?
答えは、星野源にもわからないにちがいない。

「仁義なき戦い」はヤクザの世界だが、五輪の世界では「大義なき戦い」となりそうである。
 
世界陸上で日本選手が「競歩」で銀・銅メダルを取り、「4×100mリレー」でジャマイカのアンカーのボルトが負傷・棄権したことにより3位にはいり銅メダルをとっただけで、英国から凱旋した選手は民放メディアに引っ張りだことなった。
 
これが仮に3年後の五輪で、もっと多くの種目で「メダルラッシュ」にでもなったら、日本中が五輪一色となり、世の中のあらゆる矛盾や悪政ぶりがメディアから消えてしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月01日

「復興五輪」に踊らされている1億総オリンピック病”の日本人

2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用1兆3850億円のうち、どこが負担するか未定だった都外競技会場の輸送や警備費など運営費350億円について、都が宝くじの収益を充てることを検討しているという。
 
検討しているのは、大規模イベントの財源として発行する「協賛宝くじ」。
 
全都道府県と政令市が発行し、当せん金や販売経費などを除いた売り上げの4割が各自治体の収益となる。
 
五輪関係では、昨年から別の「東京2020大会協賛くじ」が販売され、大会までの収益126億円が開催経費に充当される見通しだが、それだけではまだ足りず、新たに協賛くじを発行することで350億円の運営費に充てたい考えだという。
 
もっとも、宝くじの発行には「全国自治宝くじ事務協議会」に発行を要請し、了承を得なければならないが、その協議会の会長は小池百合子都知事であるため、最終的には押し通されるかもしれない。
 
こんな東京オリンピックまで、あと3年となったが、いまだ諸問題は落ち着かないが、私たちはこのイベントについてどれほど知っているだろうか。
 
ジャーナリストの森田浩之がオリンピックの知られざる重要な側面を追い、「TOKYO 2020」を多角的に考えるための連続リポートを現代ビジネスで発表しており、第1回は『東京オリンピック「経済効果予測」のオカシさを暴こう』、第2回は、女性アスリートの参加をめぐる闘争、その成功と失敗を、『男性至上イデオロギーが支配したオリンピックの「黒歴史」』として取り上げていた。。
 
そこでは、「近代オリンピックの父」と呼ばれたピエール・ド・クーベルタン男爵の五輪における女子選手の排斥ぶりがあからさまに書かれている。
 
クーベルタンは、女性がオリンピックに参加することをまったく考えていなかった」らしい。
 
そのため、クーベルタンは生涯を通じて、女性の汗によってオリンピックを「汚す」べきではないと信じ、女子選手をあからさまに排除したという。
 
クーベルタンの発言の数々が残っている。
 
オリンピック競技は男性によって保有されるべきであると、私は感じている
男性の参加しているすべてのフィールド競技への女性の参加を禁止する
スポーツとは愛国心と軍人精神に結びつき、本質的には男性のするもの
 
極めつけはこの言葉であった。
 
「今や、女性テニス選手や女性競泳選手がいるばかりではない。女性のフェンシング選手や騎手もいれば、アメリカには女性のボート競技者もいるというではないか。
将来はきっと、女性ランナーや女性サッカー選手までいるのだろうね? 女性が行うそうしたスポーツに、観客を魅了するスペクタクルをつくり上げることができると思っているのか? 私にはそうした要求を満たすことができるとは思えない」(1912年当時)
 
第2回リポートはこう締めくくっている。

今や女性ランナーや女性サッカー選手はもとより、オリンピックのほぼあらゆる競技で女性アスリートの参加が認められている。ここまではクーベルタンが皮肉っぽく予想したとおりだ。だがクーベルタンには、女性アスリートの活躍が観客を魅了する時代が到来することを見通せなかった。」と。
 
五輪の過去の「黒歴史」はともかく、わが国での3年後の五輪にまとわりつく「復興五輪」という曖昧な言い方には、拭いきれない違和感があると、第3回目のりポートでは鋭く指摘していた。
 
<「復興五輪」という言葉に、拭いきれない違和感が湧いてくる」>
 2017.07.18 現代ビジネス
「復興五輪」と言われるが…
2020年東京オリンピックは、東日本大震災からの「復興五輪」と言われる。だが、この言葉は実際のところ、何を意味するのだろう。
よく言われるのは「スポーツの力で被災地を元気にする」「復興に向かう姿を世界に発信する」の2つだ。
しかし、どちらも被災地の人々にとっては微妙なポイントだ。
「元気を与える」「元気をもらう」は最近よく耳にする言葉だが、「元気」なるものに実体があるわけではない。「復興に向かう姿を発信する」も、「復興」という言葉の使われ方が軽いと感じる被災者には受け入れがたいだろう。
それでも東北の被災地は、2020年大会に一定の参加をすることになっている。一部競技が開催されるほか、聖火リレーの出発地点の候補にあがっているという(石巻市は以前から、聖火リレーの出発地点に立候補している)。
リレーの期間も、IOCの「100日以内」という規定を緩和する形で、大震災の起きた3月11日の直後から開始する133日案が浮上している。
だが、このように被災地を大会にからめることが復興五輪なのだろうか。
2020年大会を本当の意味で復興五輪と位置づけるにはどうすればいいのか。もしそれができないなら、いたずらに期待をあおる復興五輪という言葉は忘れたほうがいいのではないか……。
市川崑が映し出した光景
思えば東京は、復興五輪を繰り返している。
東京での最初のオリンピックは、1940年に開かれることになっていた。しかし日中戦争が長期化したことから、鉄鋼をはじめとする戦略資材が不足。競技施設の建設にも支障が生じることになり、東京は開催権を返上した。後には大会自体が戦争のため中止となる。
だが、この1940年大会には「紀元二千六百年」を記念すると同時に、1923年(大正12年)に起きた関東大震災からの復興を世界に示そうというねらいがあった。
1964年の大会は、もちろん敗戦から立ち直った姿を示す復興五輪だったと言えるだろう。
市川崑監督の1964年大会公式映画『東京オリンピック』に、象徴的なシーンがある。
冒頭に映し出されるのは、東京のビルが鉄球で次々と壊されていく光景だ。スポーツイベントの記録映画にしては、いささか奇妙なオープニング。
しかしこれは、敗戦を経験した東京が再開発されて大きく変貌を遂げたことがオリンピックの重要な意味だったと、市川が感じ取ったからだろう。
聖火リレーが指し示すもの
それにしても、敗戦や災害からの復興をアピールするのに、なぜ東京はこんなにオリンピックという舞台を使いたがるのか。
そもそも2度(1940年大会も加えれば3度)の東京オリンピック以外で、復興をアピールすることを掲げた大会はすぐに思いつかない。たまたま東京には、敗戦や災害のあとにオリンピック開催のチャンスが巡ってきたということなのか。
いや、それだけではないだろう。もしかすると日本人は、オリンピックになんらかのメッセージを持たせるような演出が得意なのかもしれない。
1964年大会の公式映画『東京オリンピック』に戻ると、市川崑は冒頭部分で東洋に初めてやって来る聖火に注目し、リレーの様子をたっぷりと映し出している。
オリンピアで採火された聖火は、トルコのイスタンブールからアジアの各都市を巡る。ベイルート、テヘラン、ラホール、ニューデリー、ラングーン(現ヤンゴン)、バンコク、クアラルンプール、マニラ、香港、台北……。
聖火は台北から、リレーの最初の「国内開催地」であり、戦争の傷跡が深い沖縄に入る。公式映画が聖火リレーのなかでとくに時間を割いて描いているのが、この沖縄と広島の原爆ドーム前の光景だ。原爆ドーム前では今のような警備などなく、聖火ランナーが群衆をかき分けるようにして走るシーンが印象深い。
リレーは鹿児島、宮崎、千歳(札幌近郊)の3ヵ所を起点とする4つのコース(千歳からは2コース)に分かれ、東京を目指した。聖火はすべての都道府県を回り、リレー参加者は計10万713人にのぼった。
日本列島を駆け抜けた聖火は、東京・有楽町にあった都庁前に集められ、さらに皇居前広場の聖火台に移された。開会式当日に最終聖火リレーが行われた青山・外苑を抜ける道は、新しい東京を象徴する新たな動脈だった。
国内リレーのコースは、日本列島の中心、そして今後の経済発展を牽引するのが東京であるということを明確に示した。この聖火リレーは復興した日本の姿を見せただけでなく、これから国が歩もうとしている道筋まで指し示すものだった。
「なぜ原爆を結びつけるのか」
聖火リレーの最終ランナーは、当時19歳の坂井義則だった。早稲田大学1年生で、競走部に所属していた。
誕生日は1945年8月6日、出身は広島。原爆投下から3時間後に生まれた。
新聞は坂井を「原爆っ子」などと呼んだが、彼の生地は広島市から北東に70キロ離れた三次(みよし)市。被爆者ではない。
アメリカの著名な日本学者エドワード・サイデンステッカーは、この人選に不快感を表した。
「いまさら聖火ランナーになぜ原爆を結びつけるのか、アメリカ人はいやな思いをさせられた」
サイデンステッカーはそう語り、最終ランナーの人選は反米主義的なもので、日本人の「自己憐憫」だと主張した。
しかし東京大会の組織委員会で事務総長を務めた田畑政治は、坂井の選出はもっと広い視野の下に行われたと言う。
「最後の走者の坂井君が、原爆投下の日に広島県下で生まれた青年であることが象徴的であった。坂井君が最終ランナーであることがアメリカに悪感情を与えるとの批判も一部にあったようだが、われわれが憎むのはアメリカではなく、原爆そのものである。……アメリカにおもねるために、原爆に対する憎しみを口にしえない者は世界平和に背を向ける卑怯者である」
坂井の身体に投影されていたのは、敗戦から復興につながる時代そのものだったとも言えそうだ。彼は後年、次のように語っている。
「東京オリンピックは高度成長の入り口にあった日本の輝きを世界に発信する祭典だった。そして、自分たちはその高揚感を全土に伝えるメッセンジャーだった」  
「復興五輪だという意識は全くない」
これに対して、2020年大会はどうなのか。被災地を走る聖火ランナーの身体が復興五輪にからむ形で、なんらかのメッセージ性を持つようなことはあるのだろうか。
その点は疑わしい。河北新報(本社・仙台)が今年2月に被災地の42市町村長を対象に行ったアンケートの結果は、ある意味で衝撃的なものだった。
この調査によれば「オリンピックは復興に役立つか」との問いに、54%が「何とも言えない」を選択した。
「復興五輪の理念は明確だと思うか」という問いには、71%が「何とも言えない」と答えた。
「何とも言えない」は強い「NO」ではないものの、実名入りで報じられる記事のアンケートで7割に達したことには、首長たちの強い不満と戸惑いの表れと言えるだろう。
自由記述欄への回答も手厳しい。
〈(復興五輪という)位置付けは素晴らしいが、具体化の取り組みが見えない〉──阿部秀保・東松島市長(当時)
〈東京で開催するのは大歓迎だが、復興五輪だという意識は全くない〉──戸羽太・陸前高田市長
〈五輪は被災地だけで行われるものではない〉──戸田公明・大船渡市長
控えめに解釈しても、被災地の首長たちは復興五輪という言葉をまともに受け取っていない。東京オリンピックが開かれることで自分たちの自治体にプラスの要因があるなどとは、ほとんど信じていないように思える。
これが、2020年大会の復興五輪という言葉をめぐる意識なのだろう。
うまく利用されている?
そもそも復興五輪という言葉は、2020年大会にからんでいつから使われているのか。
2020年大会に震災復興が関連づけられたのは、震災発生のわずか1年後である2012年、当時の招致委員会がIOCに提出した開催計画の概要である「申請ファイル」だった。
しかし国際的な招致レースが始まると、東京の招致委員会は復興五輪を打ち出すことに消極的になっていく。
そのころ海外では、震災に伴う福島第一原発の事故の影響を懸念する声が強まっていたからだ。復興五輪をアピールすれば招致活動に悪影響を与えかねないという判断だった。
しかし昨年になって競技会場の見直し議論が起こると、都の調査チームはボート・カヌー会場を宮城県内に変更する理由として、再び復興五輪を前面に打ち出した(最終的には福島で野球・ソフトボールが、宮城でサッカーが行われることになった)。
結局、誰のための復興か
2020年大会の場合、復興五輪という言葉はその時々の情勢によって強調されたり、打ち消されたりした。いうなれば、被災地は2020年東京大会の招致と、その後のPRに利用されたことになる。
そもそもなぜ東京が、多くの犠牲があった被災地を「代表」できるのか。
須田善明・女川町長が河北新報のアンケートにこたえたように、これは〈「被災3県五輪」ではない〉のだ。彼の言うように〈観光振興など過剰な期待は方向違い〉と考えるくらいがちょうどいいのかもしれない。
1964年の東京オリンピックは、戦後復興の象徴と言われる。しかし東京都心が整備されただけで、地方との格差が拡大したという側面もある。
2020年大会にも同様の問題がある。オリンピックに向けて再開発やインフラ整備が進み、一極集中が加速している。
しかし1964年大会に比べてさらに厄介なのは、菊地健次郎・多賀城市長が河北新報のアンケートにこたえたように「東京に建設需要が集中することになり、結果として国の予算が被災地に回らなくなる」ことだろう。
それでも、このオリンピックは東日本大震災の復興五輪と呼ばれるのだ。
復興五輪でいう復興とは、どこのためのものなのだろう。東北の被災地なのか、それとも開催地の東京が潤うためのものなのか。いま確認しておくべきなのは、その点だろう。
 
「復興」されるべき被災地住民からすれば、五輪の招致とその後のPRにうまく利用されただけであるという認識は強い。
 
「東京に建設需要が集中することになり、結果として国の予算が被災地に回らなくなる」ことにより、さらに被災地の復興が遅れることになる。
 
そしてこの「復興」の対象には、原発震災地のことは全く考慮されていないことだけは確かである。   
 
「これ以上、東京の一極集中は避けるべきです。既にヒト、カネ、コンピューターが集まり過ぎ。オリンピックは日本中の財や富をさらに東京に集中させます。首都直下型地震が起きたら、日本の受けるダメージが甚大になる。」・・・だから東京五輪に反対していると、この人は吠えていた。
 
<久米宏氏 日本人は“1億総オリンピック病”に蝕まれている>
 2017年7月31日 日刊ゲンダイ
 メディアは24日に開幕まで3年を切ったと大ハシャギ。9条改憲も共謀罪も築地市場移転も東京五輪にかこつけ、押し通す。「そこのけそこのけオリンピックが通る」の狂騒劇に招致段階から反対し続けているのが、日本の放送史にその名を刻む元ニュースキャスターでフリーアナウンサーの久米宏氏。歯に衣着せぬ舌鋒の鋭さは健在だ。
  ――先月放送の「久米宏 ラジオなんですけど」(TBSラジオ)のリスナー国民投票には驚きました。2000票超のうち「今からでも東京オリンピック・パラリンピックは返上すべき」が83%に達しました。→https://www.tbsradio.jp/157179
 石原慎太郎さんが東京でやるって言った時から、僕は反対しているんで。リスナーの方々も僕に「忖度」して反対が多くなるとは思っていましたけど。予想以上でしたねえ。
 ――前回の東京五輪を経験した年齢層ほど「返上」の割合が多い。
 64年大会には意義があったと感じているのでしょう。開会式前夜はどしゃ降りで「明日はとんでもないことになるぞ」と思ったら、朝起きると、雲ひとつない快晴でね。この光景が非常に示唆に富んでいて。戦後20年足らずでオリンピックをやるなんて奇跡です。当時は日本人が自信を持ち、世界に復興をアピールできたけど、今回は何の意義があるのかと疑問に思っているのでしょう。
  ――都心では「レガシー」とか言って再開発がドンドン進んでいます。
 僕がオリンピックに反対する大きな理由は、これ以上、東京の一極集中は避けるべきと考えるからです。既にヒト、カネ、コンピューターが集まり過ぎ。オリンピックは日本中の財や富をさらに東京に集中させます。首都直下型地震が起きたら、日本の受けるダメージが甚大になる。
 ――直下型地震はいつ起きても不思議はない、と危ぶまれています。
 日本で開催するにしても東京だけは避けるべきなのに、ホント理解できません。
■酷暑の開催は非常識の極み
  ――この季節、東京はうだるような暑さが続いています。
 競技を行うには暑すぎます。台風も来るし。日本にとって最悪の季節に開催するのは、アメリカ3大ネットワークのごり押しをIOCが聞き入れているだけ。今からでもIOCに10月に変えてと懇願すべきです。
  ――アスリートファーストをうたいながら、選手には過酷な環境です。
 ウソばかりつきやがってって感じですよね。なぜ真夏開催でOKなのか。本当に聞きたいんです、組織委の森喜朗会長に。アンタは走らないからいいんだろ、バカなんじゃないのって。この季節の開催は非常識の極み。開催期間の前倒しは難しいけれど、3カ月ほどの後ろ倒しは、それほど無理な注文じゃないと思う。工事のスケジュールも楽になる。絶対に開会式は前回と同じ10月10日にすべき。それこそレガシーですよね。
 ――こうした不都合な真実を報じるメディアも少ない。朝日、読売、毎日、日経が東京五輪の公式スポンサー。いわば五輪応援団です。誘致の際の裏金疑惑などを追及できるのか疑問です。
 国際陸連の前会長の息子が、黒いカネを派手に使ったって、みんな気付いているんですけど。なんで追及しないのかねえ、あんな酷いスキャンダルを。
■国家挙げてのメダル争いのバカさ加減
 ――幼少期からオリンピック嫌いだったそうですね。その理由もメダルのことばかり騒いでいるのが疑問だったとか。
(おもむろに分厚い資料を出し)間違ったことを言っちゃいけないと思ってオリンピック憲章をプリントアウトしました。第1章6項1に〈選手間の競争であり、国家間の競争ではない〉、第5章57項には〈IOCとOCOG(オリンピック組織委員会)は国ごとの世界ランキングを作成してはならない〉とある。
  ――どの国が何個メダルを取ったかの競争を禁じるようにしっかり明文化しているのですね。
 ところが、日本政府はもう東京五輪の目標メダル数を発表しているんです。(別の資料を取り出し)JOCの発表は「金メダル数世界3位以内」。選手強化本部長は「東京五輪を大成功に導く義務があり、それにはメダルの数が必要」と言っていますが、ハッキリ言ってオリンピック憲章違反。国がメダルの数を競っちゃいけないのに、3年も前からJOCがメダルの数を言い出す。こういうバカさ加減が、子供の頃から変だと思ったんでしょう。
 ――お子さんの頃から鋭かったんですね。
 しかも、メダルの色や数で競技団体が受け取る助成金まで上下する。差別ですよ、完全に。
■「今さら」ムードが国や組織を誤らせる
  ――普段から憲法を無視し、そのうえオリンピック憲章違反とはルール無用の政権ですが、丸川珠代五輪相も昨年ラジオのゲスト出演をドタキャンしましたね。
 出演交渉したら「喜んで行く」と言ったんですよ。久々に会うから楽しみに待っていたのに、政務がどうとか言ってね、1週間前にキャンセル。理解に苦しみます。
  ――反対の意見は聞きたくないという今の政権の姿を象徴しています。
 自分たちに非があるって分かっているんじゃないですか。プロセスがちっとも民主的じゃないですから。五輪開催について都民の声を一切聞かない。巨額の税金を使うのに、都民に意見を聞かずに開催していいのか。非常に疑問です。今からでも賛否を問う住民投票を行う価値はあります。
  ――多くの人々は「ここまで来たら」というムードです。
 それと「今さら反対してもしようがない」ね。その世論が先の大戦を引き起こしたことを皆、忘れているんですよ。「もう反対するには遅すぎる」という考え方は非常に危険です。日本人のその発想が、どれだけ道を誤らせてきたか。シャープや東芝も「今さら反対しても」のムードが社内に蔓延していたからだと思う。
  ――都民の声を聞くのはムダではない、と。
 90%が反対だったら、小池都知事も「やめた」って言いやすいでしょう。彼女はあまり五輪に賛成ではないとお見受けします。石原さんが決めたことだしね。五輪を返上すると、違約金が1000億円くらいかかるらしいけど、僕は安いと思う。それで許してくれるのなら、非常に有効なお金の使い道です。
  ――24年夏季五輪招致に乗り出した都市も住民の反対で次々断念し、残るはパリとロサンゼルスのみ。IOCも28年大会に手を挙げる都市が現れる保証はない、と2大会をパリとロスに振り分ける苦肉の策です。
  世界は気付いたんですよ、五輪開催の無意味さを。ソウル大会以降、開催国の経済は皆、五輪後に大きく落ち込みました。リオも今酷い状況らしい。しょせん、オリンピックはゼネコンのお祭りですから。つまり利権の巣窟。一番危惧するのは、五輪後のことを真剣に考えている人が見当たらないこと。それこそ「オリオリ詐欺」で閉会式までのことしか誰も考えていない。国民が青ざめるのは祭りの後。いいんじゃないですか、詐欺に遭っている間は夢を見られますから。今は豊田商事の証券を持っている状況です。
 ――また古いですね。
 結局、日本人はスポーツが好きなワケじゃない。オリンピックが好きなだけなんですよ。ノーベル賞も同じ。科学とか文学とか平和が好きなんじゃない。あくまでノーベル賞が好きなんです。
  ――確かにオリンピックの時しか注目されない競技があります。
 フェンシングとかね。カヌーもリオで日本人が初の銅メダルを獲得した途端に大騒ぎ。異常ですよ。日本人はカヌーが好きなんじゃない。オリンピックが好き。メダルが好きというビョーキです。
■最後まで反対だけどいついつ粛清されても……
  ――世間はオリンピックのことなら何でも許される雰囲気です。
 ラジオで「オリンピック病」の話をしたら、モンドセレクションも加えてくれって電話が来ました。いっそ立候補する都市がもう出ないなら、IOCもずっと東京に開催をお願いすればいい。一億総オリンピック病なら安心でしょう。IOC本部もアテネの銅像も全部、東京に移しちゃって。
  ――五輪反対を公言する数少ないメディア人として、向こう3年、反対を言い続けますか。
 何で誰も反対と言わないのか不思議なんですよ。そんなに皆、賛成なのかと。僕は開会式が終わっても反対と言うつもりですから。今からでも遅くないって。最後の1人になっても反対します。でもね、大新聞もオリンピックの味方、大広告代理店もあちら側、僕はいつ粛清されても不思議ではありません。
 
ラジオで活躍の場を持っている人ならではの発言であろう。
 
いまのテレビに出ているような連中は、その職業(立ち位置)に関係なく、「電波芸者」であることを求められている。
 
前回のリオデジャネイロ大会閉会式で、五輪を最大に「政治利用」した安倍晋三。
 
「金メダル数世界3位以内」と東京五輪の目標メダル数を発表しているJOC。 
 
「東京五輪を大成功に導く義務があり、それにはメダルの数が必要」と言って憚らない選手強化本部長。  
 
もはや「オリンピック憲章」を誰も守らない五輪なんかはたして必要なのであろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月25日

晩秋となり劇場も幕引き近しか

わが国の憲法学者の大多数の意見が「違憲」と指摘した戦争法。
 
憲法を捻じ曲げて強行採決により成立させておきながら、国民には一切「丁寧な説明」はないまま1年以上が過ぎ、その戦争法により可能にした「駆けつけ警護」の訓練の様子が公開された。
 
だが、明らかに今後自衛隊員のリスクが高まるにもかかわらず、安倍晋三首相は「リスクは高まらずむしろ少なくなる」などと平然と嘘をついていたので、その訓練の中身も「泡の消えたビール」よりも、さらに酷い「アルコールのないビール」程度で国民を欺くことになった。 
 
<駆けつけ警護、限定公開 武器使わぬ訓練のみ>
 2016年10月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 安全保障関連法で可能になった「駆けつけ警護」=キーワード=の訓練が24日、メディア向けに初めて公開された。武器使用を伴わない訓練の公開にとどまったが、実際には小銃を使う訓練などをしている。国連平和維持活動(PKO)が続く南スーダンの治安が悪化するなか、安倍政権は駆けつけ警護の新任務付与に向け、地ならしを進めている。
 ■「手の内見せぬ」「世論考慮か」
 「Go back!(下がれ!)」。24日午後、陸上自衛隊岩手山演習場(岩手県)。国連機関の職員2人が残るという設定の建物のそばで、現地政府に抗議する群衆約30人に対し、隊員が大型拡声機で訴える。
 軽装甲機動車の上には、小銃を持った隊員もいた。車の動きにあわせ、盾を構えた隊員7人と小銃を持つ5人が前へ進むと、群衆は後ずさりする。その瞬間、国連の2人を助け出した。小銃は全て下向きのままで、ほかの場面でも武器が使用されることはなかった。
(注:以下の写真は毎日新聞提供) 
20161025kaketukekeigo_01.jpg政府施設に対するデモが行われる中、国連関係者(中央)を救出する想定で、駆けつけ警護の訓練をする自衛隊員=岩手県の岩手山演習場で2016年10月24日午後3時12分、喜屋武真之介撮影 

20161025kaketukekeigo_02.jpg政府施設に対するデモが行われる中、国連関係者(中央)を救出する想定で、駆けつけ警護の訓練をする自衛隊員=岩手県の岩手山演習場で2016年10月24日午後3時12分、喜屋武真之介撮影

20161025kaketukekeigo_03.jpg政府施設に対するデモが行われる中、国連関係者(中央)を救出する想定で、駆け付け警護の訓練をする自衛隊員=岩手県の岩手山演習場で2016年10月24日午後3時12分、喜屋武真之介撮影
   
 しかし、防衛省関係者によると、23日に同演習場で稲田朋美防衛相が非公開で視察した訓練のシナリオは違った。軽装甲機動車と、小銃を正面に向けて構えた隊員が、暴徒にゆっくりと近づく。隊員が小銃を繰り返し撃つ場面もあった
 稲田氏は視察後、「どういう対応をするかは手の内に関わる。私が見たこと全てを(報道陣に)公開するということではないと思う」と語った。複数の自衛隊関係者は24日の訓練の公開範囲について「正当防衛などでの武器使用訓練を見せるのは問題ない。公開内容を内部で調整したが了承されなかった。国会審議への影響や世論の反発を考慮したのだろう」とみる。
 安保法に関連した訓練は8月下旬に始まり、第5普通科連隊(青森市)の隊員らが駆けつけ警護などの実地訓練をしている。11月以降に南スーダンPKOに派遣される部隊には同連隊からも参加する予定だ。
 防衛省関係者によると、訓練では暴徒が投石をしたり銃撃してきたりする事態も想定し、催涙ガスを使った制圧や銃を撃とうとする暴徒を小銃で撃つ手順などを繰り返し確認している。負傷した隊員の応急処置も訓練しているという。
 とはいえ、南スーダンPKOの次期派遣部隊は駆けつけ警護の新任務が付与されても、特別に装備を強化するわけではない。これまで通り、隊員が携行する拳銃や小銃のほか、軽装甲機動車にも搭載可能な機関銃を持って行くが、武器は変えない方針だ。同省関係者は「機関銃は持っているが、そこまで必要になるような任務は基本的に想定していない」。
 南スーダンの首都ジュバでは7月、大統領派と副大統領派による大規模な戦闘が発生した。国連の発表によると迫撃砲も使われた。陸自幹部は「7月のような事態では宿営地内に退避する。相手の勢力が圧倒的に上回っている状況では、仮に国連に求められても駆けつけ警護はできない。要請されたら行きます、というものではない」と話す。(福井悠介)
 ■新任務の付与、来月判断
 南スーダンPKOへの派遣部隊に駆けつけ警護などの新任務を付与するのか。政府は来月20日ごろの次期部隊派遣までに判断する方向で調整に入った。
 安保法成立から1年余り。政府は新任務付与を目指し、環境整備を進めている。
 23日に陸自朝霞訓練場(埼玉県新座市など)であった観閲式。安倍晋三首相は「尊い平和を守り抜き、次の世代へと引き渡していくための任務であることを肝に銘じ、平和の守り神として、精強なる自衛隊を築き上げてほしい」と強調。出席した防衛省幹部は「事実上のゴーサインだ。首相の思いもある。付与しないという判断にはならないはずだ」と受け止めた。同じ日、岩手県で訓練を視察した稲田防衛相は隊員らに「各種動作を整斉とこなしていることを確認でき、大変頼もしく感じた」と語った。
 稲田氏は8日には南スーダンを視察し、現地の治安情勢を確認。14日に首相官邸で開かれた国家安全保障会議(NSC)では、自衛隊が活動するジュバ市内は「落ち着いている」(稲田氏)状況だと報告した。現地視察と訓練視察はセットとの位置づけで、防衛省幹部は「(付与に向けた)一連の準備はほぼ終わった。あとは政治判断だ」と語る。
 ただ南スーダンではたびたび武力衝突が起きており、死傷者が相次ぐ。臨時国会では野党が「自衛隊を派遣できるPKO参加5原則から外れている」などと追及。与党内からも「再び衝突が起きない保証はあるのか」という意見や、「政権へのダメージを避けるため、臨時国会閉会後に判断するのではないか」といった見方も出ている。
 そんな状況だけに、政府は来月の最終判断に向け、世論にも配慮しながら丁寧に手順を踏んでいく――という道筋を描く。菅義偉官房長官は24日の記者会見で「自衛隊が展開しているジュバでは、情勢は比較的安定している」としたうえで、改めてこう語った。「現地の情勢や訓練の状況を慎重に見極めながら、総合的に判断する。現時点で何も決まっていない」(相原亮)
 ■南スーダン、戦闘続く
 南スーダンは2011年にスーダンから分離独立したが、キール大統領とマシャル副大統領が石油利権をめぐって対立。13年にそれぞれの支持派が衝突して内戦状態に陥り、一時は200万人以上が住む場所を追われた。両派は昨年8月に和平合意を結んだ。今年4月に統一の暫定政府が樹立されたが、7月に首都ジュバで大規模な戦闘が再燃し、数百人が死亡した。
 現在も北部を中心に戦闘が続いている。今月中旬には北東部で政府軍と反政府勢力の戦闘があり60人以上が死亡。ジュバ周辺でも8日、民間人を乗せたトラックが襲われて市民21人が死亡した。
 副大統領を解任されたマシャル氏は朝日新聞の取材に「ジュバを解放できるだけの十分な部隊を有している」と述べ、政府軍と戦闘を続ける姿勢を崩していない。(ヨハネスブルク=三浦英之)
 ◆キーワード
 <駆けつけ警護> 駆けつけ警護は、海外に派遣されている自衛隊が、部隊のいる場所から離れた所で危険にさらされているPKO要員や日本人も含むNGOスタッフのもとに赴いて防護する任務。現場に向かう経路に妨害者がいれば、銃を構えて威嚇したり空に向かって撃って警告したりできる。相手の体に命中させる射撃は正当防衛などの場合に限られている。
 従来、海外での武器使用は、隊員や近くにいる仲間を守る場合に限られ、駆けつけ警護はその範囲を超えるため認められていなかった。だが、今年3月に施行された安全保障関連法で任務に認められ、それに伴う武器使用も可能になった。
 
「尊い平和を守り抜き、次の世代へと引き渡していくための任務であることを肝に銘じ、平和の守り神として、精強なる自衛隊を築き上げてほしい」とは、高揚した軍の最高司令長官の口ぶりであり、あたかも「平和のためには命をささげろ」と鼓舞しているようにも聞こえる。 
 
20161025kaketukekeigo_04.jpg駆けつけ警護の訓練のため、政府施設がデモ隊によって囲まれた状況を演じる自衛隊員たち=岩手県の岩手山演習場で2016年10月24日午後2時55分、喜屋武真之介撮影【毎日新聞より】
 
今回の訓練の想定について、9月に首都のジュバ市内で避難民支援を行ったNPO「日本国際ボランティアセンター」スーダン事業現地代表の今井高樹氏は「仕事を求めるデモが押しかけて、国連職員を救出する必要が生じる事態など聞いたことがない」と指摘し、現地では、政府の賃金未払いに対するデモは珍しくないが、国連職員を救出するような事態は起きていないという。
 
今井氏は「事態が悪化するとすれば、それはデモではなく最初から国連に敵対感情を持った行動だ。自衛隊が対応するのはリスクがある」と話した。
 
日本の自衛隊員は過去70年以上、国内はもちろん海外でも銃で人を殺した経験がないはずである。
 
この南スーダンPKOの「駆けつけ警護」付与により、安倍晋三首相は現場の判断で正当防衛と判断して相手を殺傷するという実戦訓練の場にしようと企んでいるのではないだろうか。  
 
自衛隊員は国家の命令で世界中に派兵され、自分の国を守ることもなく捨て駒的に無駄に命を落とすという局面に晒されることになる。 
 
さて、朝晩の気温がめっきり低くなり、今朝起きた時、室温は10℃を下回っていた。
 
旧暦や二十四節気によれば、寒露(今年は10月8日)〜立冬(11月7日)までの期間を晩秋とするといわれている。
 
来週は11月に入り、まさに晩秋の候となった。 
  
映画や演劇を見ている観客はスクリーンや舞台上の役者の演技に魅了され、我を忘れるほどの興奮や感激に浸ることが最高の楽しみでもある。
 
そして見終わったあと劇場を一歩でると現実世界が待っており、いままで見たものは泡沫のように消えていく。
 
そんな気持ちにさせられそうなのが、夏に開幕し、そろそろ終演真近い「小池劇場」である。
 
衆院の補選は、それまで議席を確保していた政党の候補者が圧倒的な優位で戦うのが一般的であった。
 
しかし今回の東京新聞10区や福岡6区の補選は、すんなりとはいかない状況であった。
 
それでも結果的には野党候補は敗れ、形の上では自民党の「2勝」だが、実態は「小池百合子の2勝」となった。
 
その小池百合子都知事も、本職での言動が当初からみると徐々に軌道がずれ始めているようである。 
 
<補選でハッキリした本籍自民党 小池劇場幕引きの懸念>
 2016年10月24日 日刊ゲンダイ
 午後8時、投票が締め切られると同時に当確速報が流れた。下馬評通りの圧勝だった。
 23日投開票された衆院ダブル補選。東京10区は自民公認の若狭勝・前衆院議員(東京比例区)、自民党の鳩山邦夫元総務相が死去したことによる福岡6区の補選は、次男の鳩山二郎・前大川市長が大差で勝利した。
 それにしても、仮にも国政選挙だというのに、ここまで野党の存在が見えなかった選挙も珍しいのではないか。盛り上がりに欠け、最後まで選挙の争点もハッキリしなかった。本来なら、安倍政権の経済政策やTPPが争点になってしかるべきなのに、与野党対決はまったく話題にならなかったのだ。
「福岡の補選は鳩山邦夫氏の弔い合戦の趣があったし、自民党からは県議会のドンの息子も県連推薦で出馬したため、保守分裂に注目が集まり、民進党は埋没してしまった。出口調査によると、無党派層の6割以上が二郎氏に投票したとされ、鳩山ブランドを前に勝ち目はありませんでした」(民進党関係者)
 自民党が候補者を一本化できなかった福岡6区の補選は、勝った方が公認ということで、正当性を争う選挙になった。
 実際、当確が出ると、党本部はすぐさま二郎を追加公認。二階派入りが既定路線だ。
「保守分裂選挙でも勝てなかった民進党は情けないの一言ですが、それより不甲斐なかったのが東京10区の補選です。若狭氏と、民進党が公認した元NHK記者の鈴木庸介氏との事実上の一騎打ちにもかかわらず、存在感を示せなかった。選挙戦は終始、与党のペースで進み、都知事選で完勝した小池劇場の番外編とでもいうような展開になっていました」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
■後続アピールだけの選挙戦
 東京10区の補選は、7月の東京都知事選に転出した小池百合子知事の議員失職に伴って行われたものだ。知事選で自民党の方針に逆らい、「離党も辞さず」と小池を支援した若狭が、茶番の公募で党公認候補として出馬。都知事選と同じ「百合子グリーン」をイメージカラーに使って、ひたすら小池の後継をアピールする選挙だった。
 小池も頻繁に応援に入った。公務の合間を縫って、公示日や最終日にも駆けつけ、「後継者としてシュア(確実)な方にお願いしたい」「圧倒的に勝たせてください」などと声を張り上げた。そんなこんなで、衆院補選が、まるで小池都政への信任投票みたいになってしまったのだ。
 小池の勢いに便乗した自民党は、応援に入った二階幹事長が「若狭さんは小池都政との連絡役」「連絡役になってくれれば若狭さんの言われることは何でも聞く」とまで言うなど、異常なまでに若狭を持ち上げてみせた。
 この変わり身には、有権者ものけ反ったのではないか。都知事選での自民党と小池のバトルは何だったのか。有権者をバカにするにも程がある。マトモな有権者ほど欺瞞に満ちた選挙戦の薄汚さを感じ取ったのか、東京10区補選の投票率は、34.85%と過去最低だった。
 政権基盤を強化する補選勝利に小池知事が大きく貢献
「都知事選で名を上げた若狭氏は、自民党に反旗を翻して小池知事を支えた孤独のヒーローのようなイメージで支持を集めていた。そこに自民党の幹部が続々と応援に入るのだから、有権者には構図が分かりづらかったと思います。それが歴史的な低投票率に表れている。選挙戦中盤には、安倍首相と小池知事が並び立つ場面もあり、反自民で若狭氏を応援している人は混乱したのではないでしょうか。安倍首相は、都知事選では自民党が推薦した増田寛也氏の応援演説に立たなかったのに、今回は若狭氏の応援に駆けつけた。節操がないと言われようが、勝ち馬に乗ることを優先したのです。ただ、東京10区での勝利は、あくまで小池劇場の延長戦上にあり、若狭氏以外の候補者だったら勝てなかったかもしれない。決して自民党の力で勝ったわけではないのに、これでまた政権与党が『信任を得た』ということにされてしまう。TPPの強行採決にも弾みがつくでしょう」(山田厚俊氏=前出)
 1週間前の新潟県知事選で実質的な野党統一候補が勝ち、TPPや原発再稼働に「NO」の民意を突きつけたばかりなのに、補選の結果に上書きされて、暴政が加速するわけだ。
 小池人気に便乗した勝利でしかないのに、あたかも安倍政権が支持されたように強弁するのは目に見えている。政権基盤の強化に小池が一役買ったのだ。
 自民政治に嫌気が差して、都知事選で小池を勝たせた有権者からすれば、「なんてことをしてくれるんだ!」と言いたくもなるだろうが、小池は福岡6区の鳩山二郎の応援にも入った。自派閥入りが決まっている二郎を支援する二階の要請とされる。完全に握っているのであり、そうなると今後の都政運営も怪しくなってくる。
■怪しい舞台裏が見えてきた
 就任早々、豊洲や五輪の問題に切り込んで喝采を浴びた小池だが、いつまで自民党との対立パフォーマンスを続けられるか。五輪組織委の森喜朗会長や、都議会のドンこと内田茂都議の利権にどこまで本気で切り込めるのか。
 「彼女には、最初から本気で自民党とケンカする気などありませんよ。その証拠に、五輪の会場施設についても妥協する姿勢を見せ始めている。有権者にウケそうなパフォーマンスはするけれど、確固たる信念やビジョンがあるわけではないし、自分にとってメリットがある落としどころであれば、妥協しても構わないと考えているはずです。小池氏は今でも自民党に籍があることを忘れてはいけない。都政改革にしても、しょせんは自民党内の利権争いでしかないということです」(政治学者の五十嵐仁氏)
 9月の都議会定例会では結局、豊洲新市場の盛り土や地下空間の問題は何も解明されなかった。鍵を握る石原慎太郎元知事の聴取も実現しなかった。閉会中も審議を続ける特別委員会の設置は決まったものの、どこまで真相解明に迫れるかは未知数だ。
「特別委よりも調査権限が強く、虚偽の証言をした場合は偽証罪に問われる可能性もある百条委員会を開いて石原氏を証人として呼ぶところまでいけば、たいしたものですが、補選での自民党との協調ぶりを見る限り期待薄です。都民の多くは、石原氏の責任をしっかり追及してほしいと願っていますが、アリバイ的に質問状を送ったことで終わりにしてしまうことも考えられる。自民党と裏で話をつけて幕引きでしょう。しょせんは同じ穴のムジナですから、こうなることは分かっていましたが、都民が納得できるような真相解明ができなければ、彼女自身が失望を買うだけです」(五十嵐仁氏=前出)
 市場長の更迭だけでお茶を濁すようなことになれば、さすがに都民も黙っちゃいない。華々しくスタートした小池劇場も、今回の補選で怪しい舞台裏がハッキリ見えた。終焉は刻一刻と近づいている。
 
豊洲新市場の「盛り土」が「地下空間」に変わった時期の最高責任者の石原慎太郎元知事に対しては、書状での質問に対する回答が余りにも具体性に欠けているとして、「石原氏聴取、小池氏再要請へ 豊洲問題」となるらしいが、公開の場で、しかも強制力と罰則がある「百条委員会」を設置して呼び出すしか真相は解明できないと指摘されているにもかかわらず、それを避けている小池知事の本気度が怪しくなっている。
 
東京五輪の施設見直し問題がメディアで取り上げられると、豊洲問題がフェードアウトしてしまいそうになってしまう。
 
その開催費用削減のため、ボート、カヌー・スプリント会場を宮城県長沼ボート場(宮城県登米市)に変更する案が浮上したのだが、IOCバッハ会長の来日により、なぜか「海の森水上競技場」の建設費見積もりがが大幅に削減されたり、森喜朗率いる組織委員会の巻き返しにより、すでにメディアでは規定方針通りで行く雰囲気が醸しだされている。
 
さらに、したり顔の某コメンテーターは、「519億円の見積もり額が300億円に削減されれば、小池知事の公約は守られ、組織委員会もメンツも潰れずに良かったのではないか」などと言っており、どうやら最初からの「出来レース」だったようである。
 
海による「塩害」や風、波、さらには羽田を発着する飛行機の騒音などを口にしていたアスリートたちの声よりも「アスリート団体ファースト」に傾いているようでもある。
 
派手な打ち上げ花火でさんざん騒ぎ立てるのだが、なにひとつ解決策が見つからず、結局は元の木阿弥になることが、このような劇場型政治の定めであり、少なくとも2年近くの延期は避けられない豊洲問題はともかくとしても、オリンピック会場の見直しに関して小手先の見積もり数字をいじくって終わるのではないだろうか、とオジサンは思う。  

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2016年09月30日

利権ファーストは築地移転も東京五輪も同じ構造か

豊洲新市場の「謎の地下空間」に関しては、なぜ盛り土がされていなかったのかという犯人探しは、どうやら、「盛り土問題、責任者は特定できず 小池知事、報告書きょう公表」ということらしい。
 
その報告書には、「地下空間の設置を決めた時期や責任者を特定できず、情報が共有されていなかったのは職員間の連携不足が原因とし、隠蔽の意図はなかった」と結論付けられているらしい。
 
巨大な行政組織の都庁が縦割りで運営されていることは昔から指摘されていることであり、いまさら「職員間の連携不足」を原因とするなら、各部署の局長クラスが部下に報告させた仕事内容を把握し、局長会議で調整するという仕組みになっていないことを認めてしまったわけである。
 
一般企業では考えられないことであるが、まともな社長がいれば防ぐことができるのだが、都庁のトップの都知事は残念ながらそのような立場ではなかったらしい。   
 
今まで土壌汚染対策をやり、地下水のモニタリングを7回もやってきて毎回環境基準を下回ってきたと報告されてきたのが、小池百合子都知事の肝いりの市場問題プロジェクトチーム(PT)の第一回会合が終了後に、突然こんな内容が発表された。
 
<豊洲地下水から基準超すベンゼン、ヒ素を検出 都が発表>
 2016年9月30日 07時02分 東京新聞
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 東京都は29日、築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の地下水調査で、青果棟がある敷地の3地点から、環境基準の最大1.4倍のベンゼン、1.9倍のヒ素が検出されたと発表した。2014年に土壌汚染対策工事が完了後、有害物質が基準を上回ったのは今回が初めて。水産仲卸売場棟の一部で床に使われているコンクリートの厚さが、構造計算と実態に違いがあることも新たに判明。問題が次々と明らかになることで、移転がさらに遠のく可能性がある。
 都によると、地下水モニタリングは14年11月から2年間の予定で、全敷地の201地点で調査を実施。8回目となる今回は8〜9月に採水した水質分析の速報値で、ベンゼン、ヒ素の環境基準(ともに1リットル当たり0.01ミリグラム)に対し、ベンゼンは2カ所で0.014ミリグラムと0.011ミリグラム、ヒ素は1カ所で0.019ミリグラムが検出された。
 過去7回の調査では、いずれも環境基準を下回っていた。今回の結果を受け、都は「専門家などの検証を踏まえ、適切に対応する」と説明。豊洲市場敷地内の地下水位を維持し、汚染を浄化する機能も備えた地下水管理システムは10月中旬に稼働予定という。
 小池百合子知事は、来年1月に最終調査結果が出るまで安全性を確認できないとして、11月7日の予定だった移転の延期を決めていた。
 構造計算書と実態の食い違いについては、29日に初会合があった有識者の「市場問題プロジェクトチーム(PT)」で明らかにされた。10月後半を予定している次回会合で設計を担当した日建設計(千代田区)にヒアリングし、耐震性に問題がないか検証する。
 都によると、食い違いがあったのは、水産仲卸棟4階にある荷さばき場の床。床本体の防水対策で敷設する「押さえコンクリート」が実際には厚さ15センチあるのに、構造計算書では1センチと記載されていた。床の重さが実際より軽く見積もられている可能性があり、耐震性に影響する懸念があるという。
 都の担当者は「実際の構造に基づき、耐震性を再計算したところ問題はないとみているがPTでの検証を待ちたい」と説明している。
<ベンゼンとヒ素> ベンゼンは無色透明な液体で発がん性物質。都市ガスの製造過程でも発生し、ガソリンにも含まれる。揮発性が高く、吸い込むと、中枢神経や造血機能に悪影響を及ぼす。ヒ素は都市ガス製造過程で使われた。通常は金属光沢のある結晶で、無味無臭。含有する水を飲むなどして体内に入ると、皮膚や感覚神経に異常の出る慢性中毒、胃痛、嘔吐(おうと)などの急性中毒も生じる。
  
その市場問題プロジェクトチーム(PT)の委員で建築家の佐藤尚巳委員は、驚くべきことに市場建物の地下空間の正当性を主張していた。 
  
<【築地移転問題】市場PT 「地下水基準値超え」都は会議終了後に発表>
 2016年9月29日 21:27 田中龍作ジャーナル
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会議終了後、佐藤委員(右)を呼びとめて話す小島座長。=29日、都庁大会議室。撮影:筆者=
 
 豊洲市場の安全性や施設、経済性などを検証する市場問題プロジェクトチーム(PT)の第一回会合がきょう都庁で開かれた。
 初回ということで、環境専門家の小島敏郎座長以下、メンバーが豊洲移転の経緯や、主な問題点をおさらいした。
 PTの主な検討課題は3つ。「土壌汚染」、「豊洲新市場の施設の安全性」、「事業の継続性」などに関わる問題について専門家が議論するというもの。
 メディアに配布された資料の中に「豊洲市場の経緯年表」が含まれていた。都が作成したもので土地の取得や工事発注などの時期が克明に書かれている。必見だ。
 年表を見ると、1988年に築地再開発基本計画が策定されたが、1996年に工事が中断される。そして石原慎太郎氏が都知事になった1999年の11月に突然、移転へと方向転換する。あとはご存知の通りのグダグダが始まったのである。
 出席した委員が一言づつ意見を述べていた時のことだ。佐藤尚巳委員(建築家)が「都の担当者が地下空間を作ったのは正しかった」と言い出した。
 「地下空間の件は大きな誤解を招いている・・・土地を盛ってから掘ると費用が高くなる。盛らないで下から建てたのは正しい判断だったハズだ」。
 「地下空間があると保守メンテ性が格段に上がる。これを作ったのは英知だ。決して責められることではない」。延々と熱弁が続いた。
 豊洲の土壌は普通の土ではない。汚染土へ盛り土をしたと報告されていたのが、実は無かったというガバナンスの問題に加え、有害物質が含まれる地下水が溜まっているのに・・・今後が思いやられた。 
 
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豊洲市場・卸売り棟の地下空間。縦横無尽に配管がめぐり、だれも全貌を把握できない。=24日、豊洲。撮影:筆者=
 
 地下空間を賛美するのはともかく、PTの設置目的自体が豊洲に移転するための検証であることには間違いなかった。
 会合終了後のぶら下がりで筆者は「移転白紙化や築地再整備の可能性については?」と聞いた。
 小島座長は「豊洲に行かないというのであれば最初から(PTを)やる必要はない。土壌汚染など大きな問題はいっぱいあるが、これらが解決すれば豊洲に移転しないという理由はない」とし、豊洲移転がまず前提という認識を示した。
 「解決できない時はどうするか?」という点については「それは、わからない。今は解決するということでやっている」。
 会合が終了した後で、都は今日午後遅くになって、豊洲の地下水から基準値を超えたベンゼンとヒ素が検出されたと発表した。報道各社が伝えた。
 都の後出しじゃんけんは、まだ終わっていないようだ。先に発表されていたら小島座長の姿勢はどう変わっただろうか。
 次回は構造計算をした「日建設計」の担当者を呼ぶ事になっている。それまでにまたぞろ、新たな問題が出てきそうな気配がする。
 
このPTの連中はどのような基準で選ばれ、小池百合子都知事からは、どのような姿勢で検証せよと言われたのかは不明だったが、小島敏郎座長が「豊洲に行かないというのであれば最初から(PTを)やる必要はない。土壌汚染など大きな問題はいっぱいあるが、これらが解決すれば豊洲に移転しないという理由はない」と言い切ってしまえば、もう結論はできていると勘繰られてしまう。
 
確かに白紙撤回は、既に投資した莫大な費用にさらにそれを超えるかもしれない費用が発生する可能性もあるので、相当な決断を要するかもしれない。
 
しかし豊洲新市場に移転すれば、10年や20年の期間で問題が発生すればもう手遅れである。
 
世界に誇る市場にするのであるならば少なくとも50年とか100年先を見越した安全で安心な場所にしなければならない。    
 
これと反対に4年後のわずか2週間余りのスポーツ貴族たちの「運動会」レベルに、莫大な金をかけて構造物を作るということに関しては、市場建設とは違う視点が必要となる。 
 
都政改革本部の調査チームが、2020年五輪に関して、こんな中間報告書を発表した。
  
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<東京五輪 一元管理、都が組織委監督 都調査チーム提言>
 毎日新聞 2016年9月30日 01時15分
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 2020年東京五輪・パラリンピックを巡り、東京都の都政改革本部の調査チームが経費や体制を検証した中間報告が29日に公表された。関係組織の役割分担が不明確だとして、費用総額に上限を設け、都と国またはどちらかが開催計画や予算、人員を一元管理することを求めた。さらに都が大会組織委員会を指導、監督し情報公開を進める仕組みづくりも提言した。
 また中間報告は、都が整備に着手している3競技会場の抜本的見直しや情報公開の推進なども求めた。小池百合子知事は報道陣に「ランニングコストも考えた上での報告書で、重く受け止めたい。負の遺産を都民に押し付けるわけにはいかない」と述べた。
 これまでに開催費用として明らかになっているのは新国立競技場や恒久施設の建設など約5000億円だけで、警備費などの大会運営費は公表されていない。調査チームは12年ロンドン大会でも招致時点で7500億円とされた開催費用が最終的に2兆1000億円に増えたとしつつ、ロンドン大会からソフト面の経費を推定し、現状のままでは総費用が3兆円を超える可能性があると警告した。
 その上で、開催費用の総額が判明しないのは、国と大会組織委員会、都がそれぞれに予算を試算しているためと分析した。関係組織の代表者が集まる「調整会議」は開かれているが、不十分だと指摘した。小池知事は29日午前に開かれた調整会議後、「報告書は(調整会議のメンバーにも)重く受け止めてもらっていると思う」と話した。
 一方、都内分の仮設施設整備費は都が負担するよう提案した。都外の仮設施設については「財政力の弱い自治体もあるので国が補助すべきだ」と求めた。対象は、射撃の陸上自衛隊朝霞訓練場(埼玉県朝霞市など)やサーフィンが予定されている釣ケ崎海岸(千葉県一宮町)など。
 中間報告が競技会場見直しを提言したことについて萩生田光一官房副長官は29日の記者会見で「トータルで考えなければならない。目先で少し(建設費の)金額が膨らんでいるからやめるのでは問題の解決にならない」と懸念を示した。
 
会場変更 時間に制約
 中間報告が移転による建設中止や既存施設活用などでの見直しを迫った3競技会場は、今年1月に実施設計と施工を一括で行う業者が決定している。海の森水上競技場(東京湾岸)は7月に着工され2019年3月に完成予定。他の2施設も今年度から工事を始め、19年12月の完成を目指していた。
 会場では実際に競技をする「テストイベント」を行う必要がある。「海の森」は国際オリンピック委員会(IOC)などから本番と同じ季節での実施を求められ、五輪1年前の19年7〜8月に行う予定だった。
 そもそも会場を変更するには、IOCや国際競技団体(IF)に改めて承認を得なければならない。現状ですら「完成時期やテストイベントも含めて時間的な余裕はない」(東京都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者)中で、会場変更はスケジュール的に大きな制約を受ける。
 東京は立候補時に「85%の競技会場を選手村から8キロ圏内に配置」という計画を示した。しかし、膨らむコストを抑えるため大会組織委員会は都と連携して計画を見直し、既存施設の活用で11競技12会場を変更した。当初はIFの反発もあったが、昨年2月、6月、12月と3回開かれたIOC理事会で承認された。組織委の森喜朗会長は「IFが了解しないとIOCは受け付けてくれない」と話す。【柳澤一男】 
 
いまから7か月前に、「まだある2020年東京五輪の競技施設問題」の中で、海の森水上競技場(東京湾岸)について、こんな声を紹介した。
 
この会場は「東京都は臨海部開発の失敗したツケをね、オリンピックでいろいろ(施設を)ここに持ってきてという狙いがあるんじゃないかって。(邪魔な)橋も撤去して。そういう東京都の全体計画の中で臨海部を再開発する大きな狙いがある」と言われるように、アスリート・ファーストではなく、箱物行政の一環で建設を進められている。
 
そして、「逆風に揺れる東京五輪『海の森競技場』 ボート選手から『異議あり』」と、実際に競技を行うアスリートの声も紹介した。
 
組織委の森喜朗会長は「IFが了解しないとIOCは受け付けてくれない」と脅しているようだが、開催地ができないと言えば、IOCや国際競技団体(IF)は正面から反対することはできず、実は、1996年のアトランタ五輪では、開催2年前にボート会場を変更した経緯もある。
 
調査チームは海の森の代替施設に推す宮城県の長沼ボート場について「既存施設であり、無謀な提案とは思っていない」と主張しており、海の森は着工しているが「違約金を払っても見直し効果はある」と判断しているらしい。
 
「トータルで考えなければならない。目先で少し金額が膨らんでいるからやめるのでは問題の解決にならない」という萩生田光一官房副長官も、アスリートファーストを思い出し、さらに五輪終了後の維持費用は永遠に続くことから、「すでに建設が始まっている」という目先にこだわらずに考えるべきであろう、とオジサンは思う。  
  
 
【付録】重要な問題が発生している沖縄県の東村高江からこんな情報が届いた。

  

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2016年06月01日

東京五輪、開催黄信号から返上か?

こんな政権に漢字を使うのはもったいないからアベ政治」の中で、オジサンはこうつぶやいた。
 
「安倍晋三という人物は自分の頭で考えられない政治屋なので、絶えず黒子のお膳立てに依って言動しているのである。
したがって、自分が今、何を言っているのかは全く気が付かず「息を吐くように嘘をつく」と言う評価が定着している。」 
 
先月27日に閉幕したサミットで、安倍晋三首相が世界中から失笑された発言内容は、その場には全世界のジャーナリストたちは立ち会っていないので、会議の様子を伝えるスポークスマンガが登場する。
 
このスポークスマンが安倍晋三の黒子の世耕弘成であることは周知の事実なのだが、その世耕が、「『リーマン前』 世耕氏『安倍首相は発言していない』」との記事の中で、こんな風に語っていた。
 
「『リーマン・ショック前に似ている』とは発言していない。私が少し言葉足らずだった」と釈明していたが、「言葉足らず」どころか安倍晋三が言ってなかった内容を付け足したわけであり、捏造発言であったということであろう。
 
さて、斡旋疑惑が週刊文春で暴かれた頃、ヤメ検の郷原信郎に「「甘利大臣、『絵に描いたようなあっせん利得』をどう説明するのか」とメディアでも散々追及されてきた甘利ワイロ問題。
 
あたかも自分は被害者かのような面持ちで、国会内で息のかかった記者クラブの連中を集め殊勝な態度で「潔く」辞任記者会見を行い、ネトウヨ連中から褒め立てられながらも、事の重大さと罪悪感から夜も眠れず「睡眠障害」との医師の診断書を国会に提出し、通常国会には一度も姿を見せずに、ましてや説明責任を果たさずに見事に逃げまくった。
 
そして大方の予想通り、「絵に描いたような」、「甘利前大臣、不起訴 違法口利き『証拠なし』 東京地検特捜部」ということになった。
 
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いまさら「政権に忖度している」と東京地検特捜部を批判しても始まらず、あとは検察審査会に任せるしかない。
 
興味深かったのは、政権擁護紙、政府広報紙などの社説の論調であった。
 
◆讀賣新聞「甘利氏不起訴 灰色の口利き利得を説明せよ
◆産経新聞「甘利氏を不起訴 政治・道義的責任は別だ
 

不起訴になったのだから「幕引き」というわけにはいかないことを意識的に強調していたようである。

それに比べて、朝日新聞や毎日新聞は社説では論じていなかった。  
 
国民感情からすれば「甘利氏不起訴 釈然としない結末だ」(東京新聞)といったところだろう。
 
しかし閣僚を辞任し、神奈川県大和市の地元では「落選運動」が始まっているようなので、有権者の良識に任せるしかない。
 
ところで、わが国には政治家ではなくて政治屋と称する輩が加齢とともに「老害」となって蠢いている。
 
新国立競技場建設と疑惑のエンブレムが共に白紙にもどされた2020年東京五輪。
 
これだけでも、五輪に対する熱気というのが冷め始めている中で、五輪の招致そのものに不正が発覚すれば、もはや先には進められないことになる。 
 
<IOC「不正があれば許さない」で東京五輪、ついに「開催黄信号」? 五輪とポジションに酔った「老害たち」の責任>
 2016.05.27 ギャンブルジャーナル
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 現在、2020年東京五輪の準備状況を確認のため、IOC=国際オリンピック委員会のジョン・コーツ副会長が来日中だが、26日、会議後の記者会見で、五輪招致に関する贈収賄疑惑に関し「疑惑は深刻であり、調査結果を待たなければいけないが、不正があるならば許さない」とコメントした。
 IOCのトップ級の人物が「許さない」と発した言葉の意味は非常に大きいと見ていいだろう。もちろん「これまでもやってきたんだろ」「自分たちは悪くないのか」「IOCの体質も問題」という声も多いが、東京が疑惑を向けられ、矢面に立たされている事実には変わりがない。
 具体的にどう「許さない」のかは現状定かではない。海外のメディアが「東京五輪中止の可能性」「ロンドンでの代替開催」という説を浮上させて話題となったが、そこまでいくのかは現状不透明であり、あと4年で他国が準備するのが難しいという声もある。ただ、「開催剥奪」の可能性が決してゼロではないことをコーツ副会長は示したのではないか。今回の調査にはフランスの検察当局も協力しており、その結果が待たれる。日本にも調査チームがあるが、日本側の調査結果に重きを置く人は少数派に違いない。
 競技場、ロゴ、招致の裏......ゴタゴタ続きの上に、組織委員会・森喜朗会長の問題発言連発などヒンシュクを買いまくっている東京五輪。ここまでケチがつくことを誰が想像しただろうか。世間からは、もうこの五輪開催を「熱望」「切望」する声は少ない。
 ネット上で見受けられるのは「まあ、アウトだろ」「完全にクロ」「こんな恥はないな」「もう毎年ギリシャ開催にすれば」と、東京五輪はもちろん五輪そのものへの不信感もあふれている。昨年FIFA(国際サッカー連盟)の不正が報じられたこともあり、世界規模のスポーツ運営における汚職やドロドロとした内情は「付き物」というイメージが強まっているのは間違いない。そして、「日本もその一部なのでは」という疑惑が報じられた今、その憤りは半端なものではないということだろう。
 さらに、東京都の舛添要一知事の公私混同も甚だしい政治資金の使い方が問題になり、五輪だけでなく東京都全体のイメージが一気に低下している現状、これで「招致の不正が事実」と認定されれば、東京という存在は国際的にも地に堕ちる。そんな都市で開催される五輪のどこが「平和の祭典」なのか。
 26日、政治資金の問題に関して、森会長は舛添知事を「彼とは彼が政治家になる前からの付き合いだが、五輪に関しては進めていく上で障害はまったくない」と絶賛し擁護した。「同じ穴のムジナ」のような心境だろうか。なぜこの人物が五輪をまとめるリーダーになっているのか謎である。五輪のゴタゴタ続きも当然である。
 ちなみに、JOCの竹田会長もまた、国会で疑惑を問われた際、疑われる金銭のやり取りは"事務局レベル"で行われており「経営者に会ったこともないし、会社も知らない。事務局が必要だということで契約した」と発言している。では会長、リーダーの役割とはなんなのか。
 今回の問題はすべて、高いポジションにあぐらをかいた「老害」によって引き起こされたものなのではないか。五輪という空気に酔っているのは、国民ではなくトップ層だったようだ。
 
国内では国会で招致当時の責任者であったJOCの竹田会長が居直り発言をしており、どうやらに日本では裏金疑惑を本気で明らかにする意志はないようである。 
 
そんな日本の姿勢を見てフランスの検察当局が裏金疑惑解明に精力的に動いているらしい。 
 
<裏金疑惑で「東京五輪中止」が現実味…フランス検察当局が執念を燃やす理由とは>
 2016年05月30日 週プレNEWS
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 東京五輪が崖っぷちだ。
JOC(日本オリンピック委員会)と東京五輪招致委員会がコンサル会社に2億2千万円を支払い、五輪開催を「黒いカネ」で買った疑惑が浮上。そんな日本に国際社会の厳しい視線が注がれている。
その急先鋒がフランスの検察当局。捜査本部を設置し、「このまま東京五輪を開催させるものか!」とばかり、疑惑解明にひた走っているという。
なぜフランス検察は日本という遠い国で浮上した疑惑の解明にこだわるのか? この疑惑を最初に報じた英・ガーディアン紙の記者が言う。
「捜査の大号令をかけているのは、フランスのパトリック・カネールスポーツ大臣、ジャン=ジャック・ウルヴォアス司法大臣です。カネール大臣はサマランチ体制下のIOC(国際オリンピック委員会)の金権体質を嫌い、欧州を挙げての五輪浄化を提唱してきた政治家。そこに次期大統領選に色気があり、得点を稼ぎたいウルヴォアス大臣の思惑が重なり、2014年ソチ五輪のドーピング疑惑を念入りに捜査していた。
JOCの裏金問題は、そのドーピング疑惑の中心人物であるラミン・ディアク元IOC委員を捜査する中で芋づる式に浮上した。だから全容解明にも力が入るんです」
では今後、JOCに向けてどんな一手を打ってくるのか? 仏・ユマニテ紙記者が言う。
「フランス検察はJOCが支払った裏金の総額は約37億円とにらんでいます。最初に送金された2億2千万円では、五輪開催地の決定権を持つメンバーへの付け届けには足りないとするラミン氏にJOCが追加送金した疑いがあると。それを解明するため、当初、東京五輪招致委員会の評議会議長である森喜朗元首相をスケープゴート的に召喚し、事情聴取する意欲を見せていました」
 だが、竹田恆和(つねかず)JOC会長が5月16日に行なった国会答弁により、そのシナリオは大きく変わったのだという。独・シュピーゲル紙記者が話す。
「フランス検察は『契約書の開示は原則しない』という竹田会長の答弁を重視しています。これは契約書という物証が存在していることをJOC自ら認めたことを意味している。贈収賄の立件に自信を深めたフランス検察は今後、招致委員全員を喚問して聴取、その上でJOCから裏金を受け取ったIOC関係者を訴追する動きに出るはずです」
そうなった場合、IOCの選択は以下の3案のどれかになる公算が大きい。(1)「JOC委員を全員罷免し、新執行委員会をつくるよう勧告」、(2)「IOC臨時総会を開いて東京五輪中止を決定。代替地にロンドンを推薦」、(3)「IOC浄化のため、今後の五輪開催予定を白紙化する」だ。
前出のガーディアン紙記者が続ける。
「ただ、(1)案はあまりもに甘く、フランス検察の追及がさらに厳しくなりかねない。おそらくIOCは(2)案か(3)案のどちらかを選択するでしょう」
もしも東京五輪の開催返上が現実になれば、日本は国際社会で恥さらしとなる。フランス検察がJOC関係者の喚問要求を突きつけるXデーは「革命記念日の7月14日から、リオ五輪開催日の8月5日の間」(前出・ユマニテ紙記者)と目されている。
このまま東京五輪は幻と終わってしまうのだろうか?
 
森喜朗のような肥えた老害政治屋とは異なり、「IOC(国際オリンピック委員会)の金権体質を嫌い、欧州を挙げての五輪浄化を提唱してきた」フランスのパトリック・カネールスポーツ大臣のような政治家には、彼の権力志向という思惑があるかもしれないが、腐りきったJOCの贈収賄を立件してほしいものである。
 
スポーツの世界も「カネ次第」ということになれば、ますます青少年に与える悪影響は大きく、ここはひとつワイロ甘利元大臣のように「潔く」五輪を返上したほうが日本の将来に向けてのダメージコントロールにもなる。 
 
そして近いうちに、下の写真のような風景が見られるのではないだろうか、とオジサンは思う。
 
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posted by 定年オジサン at 12:52| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月18日

歓迎!東京五輪中止、ロンドン開催の現実性

まずは、簡単な世論調査の結果。
 
●JNNの世論調査(舛添要一都知事釈明会見)
「納得できる」 :6%。
「納得できない」:89%
「都知事にふさわしくない」:67%
      「ふさわしい」:13%
 
それにしても、なんでこの時期に舛添都知事の数年前の「粗探し」を誰がさせたのであろう。
 
昨日の「タブーや公私混同が横行し、五輪はカネまみれ」の中では、舛添知事はもはや任期を全うすることはできないだろうとつぶやいたのだが、「石原タブー」にも負けずに日刊ゲンダイの「石原都政と状況変わらず 舛添知事『仕事10倍』のデタラメ」という記事ではさらに「舛添知事の知事生命は風前のともしびだ」と言い切っていた。
 
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リコール必至か(C)日刊ゲンダイ
 
安倍政権から疎んじられていたことは事実なのだが、どうやら安倍晋三首相は「衆参同日選挙」は難しそうなので、参議院選挙に都知事選挙をぶっつけて国民の目を参院選からそらし、投票率も下げようとしている、という憶測がネット上では飛んでいた。
 
しかし、そんな憶測が吹っ飛びそうな事態がやはり五輪招致疑惑らしく、それに対する目くらましが「舛添叩き」らしい。
 
3年前は自民党の招致推進本部長だった馳浩文部科学相は、つまらぬ言い訳で自爆してしまった。 
 
<【自爆】馳浩文科相、五輪誘致のための2.3億円の支払いを「多数派工作で、買収ではない」>
 2016年5月17日19:26 BUZZAP
 2020年東京オリンピック招致活動の贈賄疑惑で馳浩文科相から驚きの発言が飛び出しました。
馳浩文部科学相は5月17日の閣議後の記者会見で、東京オリンピック招致の贈賄疑惑に関して発言。Black Tidings社への2.3億円の支払いについて「ロビー活動を展開するため、より核心に触れる情報が必要だった。多数派工作(のため)で、買収ではない」と発言しました。
この件については16日の衆院予算委員会でJOC竹田会長は2.3億円の最終的な使途をBlack Tidings社代表のイアン・タン氏に「確認していない」ことを既に明らかにしていますが、馳浩文科相はどういった多数派工作が行われ、それを何をもって買収ではないと断言できるのかについては説明がありませんでした。
「多数派工作のため」に2.3億円という巨額の資金が支払われてたと言われれば、そこで何らかの買収行為が行われていると疑われても致し方ありません。実際にBlack Tidings社とIOC委員で国際陸連(IAAF)前会長のラミン・ディアク氏の息子パパ・マサタ・ディアク氏との間に深い関係があることは既に報じられたとおり。さらにそのBlack Tidings社がペーパーカンパニーであることも暴かれており、今回の支払いが「多数派工作」のためと明言してしまったのは自爆と言わざるを得ません。
なお馳浩文科相は2013年当時、IOC委員らが「(東京電力福島第1原発事故の)汚染水の問題に懸念を持っていて、日本政府がどうしようとしているのか、回答を求めていたという情報があった」と指摘、「どうしたら汚染水の問題に答えることができるのか、東京が2020年にふさわしいと思ってもらえるのか、核心的な情報を得るに当たってコンサルが果たした役割は極めて大きい」と語りました。
この問題について安倍首相がオリンピック東京招致最終プレゼンテーションで「The situation is under control(状況はコントロール下にある)」と高らかにデマを明言したことを覚えていない人はいないでしょう。
福島第一原発事故の汚染水問題は2016年現在も解決しておらず、切り札とされる凍土壁の建設もようやくこの3月に始まったばかり。予定通り完成しても汚染水の量を1/3に減らせるだけで完全に封じることはできません。
「汚染水の問題に答え」「東京が2020年にふさわしいと思ってもらえる」ためのコンサルタントの結論がこの日本中を呆れさせたアンダーコントロール発言だったとでも言うつもりなのでしょうか?もしそうだとすれば、ずいぶんとコンサル料をぼったくられたことになりそうです。
疑惑はさらに濃厚になってきましたが、フランスの検察当局の追求から逃げ切る公算は果たしてどれほどあるのでしょうか?
 
「多数派工作」とは、「ある主張や要求について、支持者を増やし勢力を強めるために、さまざまな働きかけを行うことであり、特に、政界でより多くの賛成票を獲得するために行われる企てと根回し」と一般には理解されており、そのためには多額のカネが動くのは政治屋では誰でも知っていること。
 
それをわざわざ「多数派工作で、買収ではない」というところに、馳浩のレベルの低さが現れており、「私は立法府の長であります」と言い切ってしまった安倍晋三と低能振りを争っている。 
 
「福島の復興なくして日本の復興はない」と大見得を切ったのは民主党政権最後の首相。
 
その御仁は何もしないで、シロアリ駆除もできないフツーのおじさんになってしまったのだが、福島の復興を引き継いだはずの安倍晋三首相はもっと酷く、福島の「状況はコントロール下にある」と国際的なデマ発言をしたのだが、「汚染水の問題に懸念を持っていて、日本政府がどうしようとしているのか、回答を求めていたという情報があった」ので、安倍晋三首相があんなデマ発言したことを馳浩は正当化しようとしていた。
 
それならば、今年の2月24日に公開された下記の動画を見てもらいたい。 
 
これは、東京電力が2月22日、事故発生からまもなく5年を迎える福島第一原発を時事通信社に公開した時の動画であり、高い放射線量のエリアに入るため、全面マスクと防護服を着用し、構内をバスで巡回し、水素爆発で大破した原子炉建屋の外観のほか、がれきが依然散乱する4号機1階、爆風により前面の窓ガラスが全て吹き飛んだ旧事務本館などが取材されている。 
 
福島第1原発、事故から5年=がれき散乱し惨状残る4号機1階撮影

 
<東日本大震災5年・福島第1原発の現状>
 2016年3月5日 jiji.com
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 広範囲に被害をもたらし、世界に衝撃を与えた東京電力福島第1原発事故の発生から間もなく丸5年となる。政府と東電は廃炉作業を30〜40年と見込むが、この5年間で目標の未達成と工程の見直しが繰り返された。今後も計画通りに進まない状況が続くとみられる。
 敷地の建屋内やタンクに保管されている放射能汚染水は、2月下旬で86万トンを超えた。東電は5月中旬以降に汚染水対策が効果を発揮し、増加ペースが緩むと想定するが、それでも年内に100万トン近くに達する見通し。濃度を下げる作業も遅れ気味の上、処理を終えた水をどうするかも決まっていない。
 事故発生時、1〜3号機原子炉にあった核燃料は大半が溶け落ちた。圧力容器を突き抜け、格納容器下部に落下したと推定されているが、位置や形状は不明のまま。ロボットによる内部調査も強い放射線などが障害となって進んでおらず、政府と東電が廃炉工程表で目標とする2021年の取り出し開始は、見直しを迫られる可能性がある。
 核燃料があるのは炉心溶融(メルトダウン)を起こした原子炉だけではない。原子炉建屋のプールには、強い放射線を放つ使用済み核燃料が1号機に292体、2号機に587体、3号機に514体ある。計1393体の核燃料は第1原発が抱える大きなリスクの一つだが、取り出しは遅れ、3基の中で最も早い3号機でも作業開始は17年度となっている。
 
ようやく本題に入るのだが、「多数派工作」という紛れもない「買収」を行ったことが、じわじわと怪しい方向に向かっているようだ。 
 
<「東京五輪中止、ロンドン開催」の可能性が本格浮上。もはや 「誰も望まない五輪」への変貌と、森喜朗会長の「戯言」> 2016.05.17 Gambling Journal
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 2020年の東京五輪が、本格的に「中止」となる可能性が浮上した。
 2020年夏のオリンピックの東京への招致に関連して、日本側が国際陸上競技連盟に協賛金を振り込んだ可能性があるとフランスの検察当局が明らかにし、本格的に捜査を始めた件。仮に不正が見つかれば、開催地が「ロンドン」に変更される可能性があると、海外mailOnlineが報じた。
 東京五輪招致委員会は、シンガポールのブラック・タイディングス社に2回にわたって2億超にもなる金額を送金。受け取ったのは国際陸上競技連盟会長ラミーヌ・ディアク氏の息子、パパ・ディアク氏とのこと。JOCはこの金銭のやり取りを「コンサル料」や「成功要因分析」としているが、受け取りの張本人であるパパ・ディアク氏と現在連絡が取れず隠れているという状況を考えれば、説得力には乏しいだろう。この「裏金問題」には、五輪開催の際にそのマーケティング部分を掌握する大手広告代理店の電通が絡んでいるという情報もあるが、ペーパーカンパニーを経由して送金していたという事実からも疑いの目を向けざるを得ず、堂々とコンサル費を支払わなかった事実も説明がつかないだろう。まだ不正が確定したわけではないが、極めて厳しい状況といえる。最終的にはIOCが決定を下すので一概にはいえないが、情勢は最悪である。
 ネット掲示板や経済アプリなど、様々な媒体で様々な人が意見を出しているが、もはや東京五輪への期待や希望など皆無に等しい。「中止なら残念だが、仕方がない」「多額の税金が無駄になるけど言い訳のしようがない」「いっそここで中止にすれば余計な費用負担がなくていい」「これ以上恥をさらす前に」などなど、もはや開催に関してネガティブな回答だらけの状況。
 もともとエンブレム問題に競技場ならびに開催にかかる費用の問題などゴタゴタ続きだった東京五輪への動き。開催後の財源と終了後の施設維持や利用をどうするのかもはっきりせず「負の遺産」が残される可能性も指摘されていた。結局は中には今回の中止可能性の報道を「朗報」と捉える声すらある。2020年後のことを考えずに突っ走る「老人たちの自己満足」が寸断されたという理由からこういった声も非常に多いのだ。
 象徴的なのは、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長である。森会長は16日、「NEWS23」(TBS系)に出演し、大会経費が大幅に増える問題について「最初から計画に無理があった」と発言。何を今さら、他人事かという話である。その計画をコントロールしマネジメントするのがトップの務めだろう。「無理があった」の一言ですむなら簡単なこと。結局森会長をふくめ、大会を動かすトップ層が自分本意であることをさらけ出してしまった。財源が無尽蔵にあると勘違いしているからこそできるこの発言。さすがは失言の帝王といったところか。
 もはや国民から「歓迎されない大会」に変貌しつつある東京五輪。政府や招致委員会、電通に東京都は、仮に本当に開催中止となったらどう責任を取るのか。開催しようがしまいが誰も喜べないこの状況に呆然とするばかりだ。舛添要一都知事どころではない。
 
2019年のラグビーワールドカップ日本開催のことしか念頭なかった森喜朗が大会組織委員会の会長になったことが、呪われた東京五輪の始まりであった。
 
「最初から計画に無理があった」と他人事のような発言をして恥じない、鮫の脳みそしか持ち合わせていなかった不良老人である。
 
「開催後の財源と終了後の施設維持や利用をどうするのか」という指摘は、まさに建造して稼働させた原発の核のゴミ処理問題と根底はつながっている。
 
自分たちが権力者の立場にいる間にできる限りの「甘い汁」を吸い尽し、そのツケは後世代に廻せばいいという発想であろう。
 
今回の中止可能性の報道は「朗報」であり、それが現実になることを東京五輪なんかいらないと言い続けているオジサン切に願っている。

posted by 定年オジサン at 12:21| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京五輪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月17日

タブーや公私混同が横行し、五輪はカネまみれ

相変わらず熊本地震の被害の復旧は、安倍晋三首相が「政府ができることは全て行う」という至極当たり前の事を口にしていたが、その実態は、仮設住宅建設一つを見ても、遅々として進んでいない。
 
久々にパソコンを開いたところ、この1週間余りでネットメディアでは「熊本」よりも「東京」関連の記事が踊っていた。
 
それが「東京都知事」と「東京五輪」の招致関連疑惑。
 
オジサンの忘備録としてWeb版情報から順次整理をしてみる。
 
海外視察における公費の無駄遣いや、毎週末の公用車での温泉別荘通いが発覚し批判されていた舛添要一都知事が、都知事就任前の参議院議員時代の政治資金不正使用が、またも週刊文春により「舛添都知事に政治資金規正法違反の重大疑惑!」と暴露された。
 
見つからなければ、分からなければ、どんな支出でも政治資金で賄っても構わないという多くの国会議員の誤った特権意識をむき出しにしたようなお粗末さ。
 
<舛添知事「客室で会議」 政治資金で家族と宿泊認める>
 2016年5月14日 07時00分 東京新聞
 東京都の舛添要一知事は13日に都庁で記者会見し、自らの政治団体が「会議費用」として千葉県内のホテルに支出していた約37万円が、家族旅行の宿泊代だったことを認めた。その上で「家族と宿泊した客室で事務所関係者らと緊急かつ重要な会議をした。これは政治活動だ」と説明、虚偽記載には当たらないとの認識を示した。誤解を招いたとして、政治資金収支報告書を訂正、返金する意向を明らかにしたものの、会議の出席者や人数など具体的な説明は拒否した。
 ほかに、自宅のある東京都世田谷区や神奈川県湯河原町の別荘近くで、私的飲食や政治活動と確認できない飲食費を政治資金で処理していたことも認めた。宿泊代約37万円を含め2013、14年分の計7件、約45万円を返金する。
 舛添氏は会見の冒頭で「都民の皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしました」と陳謝。自らの去就に関しては「できる限りの説明責任は果たした。批判を受け止めて反省すべきは反省し、全力を挙げて都民のために働く」と語り、辞職を否定した。
 舛添氏の資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」(14年解散)の収支報告書によると、参院議員時代の13年1月3日、千葉県木更津市のホテルに会議費として23万7755円を支出。都知事就任前の14年1月2日にも、同じホテルに13万3345円を支出していた。
 舛添氏の説明では、13年の支出は家族の2泊分で客室に事務所関係者らが訪れ、同年夏の参院選などへの対応を協議。14年は1泊分で、前知事の辞職に伴う都知事選への出馬準備に関し、客室で事務所関係者らと会議をしたという。
 会議の実態に関して「何時間何分かは分からないが、相当やった。せっかくの正月だったが、この日しか会議をやる日がなかった」と釈明。どういう人が何人来たのかと問われ「政治的な機微に関わるし、相手のプライバシーもある。差し控えたい」と語った。
◆「会議」人数など明かさず 就任前の13、14年と正月宿泊37万円
 今回の疑惑で焦点になっているのは、なぜ家族の旅行先で、2年続けて正月に「会議」をする必要があったのか。舛添要一東京都知事は「説明責任は果たした」と言うが、出席者、人数を明らかにしなかった。
 この千葉県木更津市のホテルに、舛添氏は2013年と14年の正月に2年続けて家族と宿泊した。
 新党改革の代表だった13年の宿泊時は「直前の総選挙の敗戦処理と参院選の出馬について関係者と話し合った」。翌14年には、都知事選の出馬準備のため事務所関係者らと会議をしたという。
 ホテルにはいくつも会議室があるが、そこは使わずに、家族4人で宿泊した客室に関係者を呼んだと説明。「都知事選の公約や自民党との関係はこうしようとか、ホテルの部屋で緊急かつ重要な会議をした。これは政治活動である」と強調したが、選挙で支援した自民党関係者も「会議は本当なのか」といぶかる。
 新たな疑惑の指摘も。舛添氏の政治団体の収支報告書によると、宿泊代として12年8月13日、栃木県日光市の旅館に8万3985円を支出していた。13日の記者会見で「これも家族旅行か」と問われ、舛添氏は「精査してみないと分からない」とだけ答えた。
 飲食費の説明では、東京都世田谷区の自宅近くや、別荘のある神奈川県湯河原町で、13〜14年に政治資金として処理した飲食代のうち5件が、私的飲食や政治活動と確認できなかったと認めた。
 「会計責任者に任せきりだった。なぜミスしたか分からない」と弁明。だが、その責任者は既に退職したとして踏み込まず、「会計責任者が悪かったと言う気はまったくございません」とも述べた。
 前都知事は医療法人から5千万円を受け取った問題で辞職。舛添氏は都知事選で「『政治とカネ』の問題は有権者との信頼をつなぎ、保つために最も重要」と訴えていた。今回の疑惑に対する説明に、都庁内から「都民が納得してくれるだろうか」と懸念が出ている。 (石川修巳)
 
会議の実態に関して「何時間何分かは分からないが、相当やった。せっかくの正月だったが、この日しか会議をやる日がなかった」と釈明するなら、当然、会議の相手がどういう人で何人来たのかくらいは明らかにすればいいものを、「政治的な機微に関わるし、相手のプライバシーもある。差し控えたい」というが、そもそも正月の家族旅行という極めてプライベートな時間帯に、「相手のプライバシー」を考慮するくらいならば、初めから公費を使わなければ済む話である。
 
この舛添流解釈に従えば、賃貸マンションに暮らしている政治家が、自分の部屋で「政治的な機微に関わる」会議をすれば、マンション費用は「事務所代」として政治資金報告書に記載されてしまうのであろう。
 
都知事としての公私混同ぶりは、なにも舛添都知事が初めてではなく、すでに誰でもが知っているように、石原慎太郎元都知事の常軌を逸した振る舞いは「舛添より酷かった石原慎太郎都知事時代の贅沢三昧、登庁も週3日! それでも石原が批判されなかった理由」の中で詳述されている。
 
日本最大都市のトップの不祥事にもかかわらず、安倍政権に「完全にコントロール」されているマスメディアが徹底批判している背景にはこんな理由があるらしい。
 
・・・前略・・・
 「安倍首相が舛添都知事のことを相当嫌っているからね。舛添氏は第一次安倍政権で自民党が参院選で惨敗した際、『辞職が当然』『王様は裸だと言ってやれ』と発言するなど、安倍降ろしの急先鋒的存在だった。安倍首相はそんな舛添氏の口を塞ごうと内閣改造で厚労相にまで起用したが、内心ではかなり舛添に腹を立てていた。都知事になってからも、五輪問題で安倍の側近の下村(博文・前文科相)を批判したり、憲法問題で『復古的な自民党改憲草案のままなら自分は受け入れられない』などと発言をする舛添都知事のことを、安倍首相はむしろ目障りだと感じていたはず。だから、今回の件についても、舛添が勝手にこけるなら、むしろいいチャンスだから自分の息のかかった都知事をたてればいい、くらいのことを考えているかもしれない。いずれにしても、官邸の反舛添の空気が安倍応援団のマスコミに伝わっているんだと思うよ」(政治評論家)
 
この話を裏付けるように、普段は露骨な安倍擁護を繰り返している安倍政権広報部長というべき田崎“スシロー”史郎・時事通信社解説委員などは、舛添都知事に対してはうってかわって、「外遊なんてほとんど遊びだ」と激しい批判を加えている。
    
恐らくは「舛添知事 ヤフオクで絵画落札 政治資金、『資料』と説明」するなど、ますます墓穴を掘り続けていれば、任期の全うすら難しいかもしれない。
 
当然だが、4年後に東京五輪が日の目をみても、舛添要一は私費でしか五輪開会式には出席できないであろう。
 
その開会式どころか、もっと厄介な問題が山積なのが東京五輪である。 
 
すでに前月末には「五輪 仮設会場や既存施設改修費 当初の4倍、3000億円に」と当初の見積もりの甘さと杜撰さを指摘されていたが、もう昔から五輪の招致には莫大な裏金が使われているとの噂が絶えなかったが、やはり2020年東京五輪招致に絡んで表には出せないカネが動いており、日本側では電通が暗躍していたようだが「東京五輪招致で1億6千万円の“裏金”に『電通も関与』とイギリス紙報道! だが国内メディアは一言も電通に触れず」と、残念ながら国内では「電通タブー」が今でも健在である。
 
しかし海外からは「東京五輪招致不正疑惑、海外からは厳しい視線 露呈する政府、招致委、電通の対応のずれ」と批判されている。
 
消極的な政府の態度に対して昨日は国会審議で取り上げら、五輪招致委の理事長だった竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が、衆議院予算委員会に参考人で呼ばれた。
 
<五輪招致2.3億円、使途「未確認」 国会でJOC会長>
 2016年5月17日05時05分 朝日新聞DIGITAL
  「海外コンサルタントなしには、招致は成功しないとまで言われている」。この日の衆院予算委員会。参考人として呼ばれた竹田会長は主張した。
 竹田会長が説明した契約の経緯はこうだ。
 招致決定2カ月前の2013年7月。投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員が多く集まる陸上世界選手権を前に、海外コンサルタント数社から売り込みがあった。招致委は大手広告会社の電通に実績を確認したうえで、その中からブラック・タイディングズ(BT)社(本社シンガポール)と契約。委託した業務は2度にわたり、計約2億3千万円を支払った。
 BT社は、当時IOC委員で、五輪開催を決める委員の票を取りまとめる影響力があったとされるラミン・ディアク国際陸連前会長の息子と関係が深かったが、竹田会長は「知らなかった」。電通は国際陸連の主催大会に関わる全世界のマーケティングなどの権利を01年から29年まで保有するが、電通の広報担当者は「ロビイストとしての実績はある、という事実を伝えたまで。取引は一切ない」とする。
 13年7月、国際ロビー活動、IOC委員の動向と情報収集を委託し、その対価として、約9500万円。東京五輪招致成功後の同年10月には、約1億3500万円を振り込んだ。勝因分析が名目で、成功報酬の意味合いもあった。この額は業務に見合っていたのか。竹田会長は「有形無形の各種報告が成果。票獲得に欠かせなかった」とするが、「どう使われたか確認していない」とも述べた。
 今回問題になっている2億円超の支払いについて、竹田会長は「招致委の口座から振り込んだ。原資は税金ではない」と説明する。招致委の活動報告書によると、20年大会の招致費の総額は89億円。35億円を東京都が支出し、54億円を招致委が寄付金、協賛金、サッカーくじ(toto)からの補助金などで賄った。海外のコンサルには、招致委が計約7億8600万円を支出。元幹部によると、十数社と契約していたという。
 安倍晋三首相は予算委で「政府としてもスポーツ庁を中心に引き続き事実関係の把握に努めたい」と述べた。(阿久津篤史)
■コンサル、ドーピング関連の疑惑
 招致委がコンサルタント料を支払ったBT社は、14年7月に閉鎖されている。
 法人登記簿などによると、2006年に設立。シンガポール市街地に近い築50年以上の集合住宅4階の一室を事務所として登録していた。経営者は、30代前半のシンガポール人のタン・トンハン氏だ。電通のスポーツ部門をサポートしているスイスのマーケティング会社AMSが、タン氏をコンサルタントとして契約していた。
 タン氏は、定期的に国際陸上競技連盟の会合に出席していた。ディアク国際陸連前会長の息子とも関係が深かったとされることが、招致を巡る金銭疑惑にもつながっている。また、BT社の口座は、ロシア陸上選手のドーピングをもみ消す賄賂のやりとりにも使われたことがわかっている。
 招致を巡る一連の疑惑は、フランスの検察当局によって浮上した。昨年11月、ディアク前会長がロシアのドーピング隠しに関わった疑いがあるとして、捜査を開始。検察当局は、モナコにある国際陸連の本部などを捜索し、捜査の過程で今回の振り込みが発覚したという。
 
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 今年1月の世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の第2回報告書は、国際陸連幹部の不適切な運営を明らかにする中で、「東京の招致委側が国際陸連に協賛金400万〜500万米ドルを支払った」という関係者の証言を紹介。独立委員会は、この問題は調査対象外とし、フランス当局や国際オリンピック委員会の調査に委ねた。(ロンドン=河野正樹)
■コンサル、IOC委員と仲介
 ロンドン、リオデジャネイロのみならず、東京に敗れたマドリード、イスタンブールなど、五輪招致では各都市とも例外なく、コンサルタントを雇っている。
 委託する主な業務は、国際広報宣伝、開催計画の立案、最終プレゼンでのコンセプト作り、スピーチの指導など多岐にわたる。その中でも、カギを握るのが、開催都市を決める投票権を持つIOC委員約100人への仲介役だ。
 
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 ソルトレーク冬季五輪では、98年にIOC委員の内部告発で招致の買収疑惑が発覚。10人のIOC委員が追放または辞任に追い込まれた。99年にはIOC委員の立候補都市への訪問が禁止され、各都市が委員と接触するのは難しくなった。それに伴い、委員の家族構成や趣味に精通し、水面下で橋渡しができるコンサルタントの需要が増した。
 東京が雇ったコンサルタントは、失敗した16年大会招致で約20人、20年大会は十数人という。元招致委幹部はかつて「やる気をもって仕事をしてもらうには全額前払いにしない方がいい。招致に失敗した場合は経費が安くあがる」とし、1人当たりの契約金は最高で数千万円で、成功報酬は契約金の2〜3割程度と明かしていた。
 BT社との契約は、招致決定までの最終局面だった。約2カ月で2億円を超す巨費。かなり高額な契約が交わされたことになる。(編集委員・稲垣康介)
     ◇
 〈東京五輪・パラリンピック招致委員会〉 東京開催を目的に2011年9月15日、日本オリンピック委員会の竹田恒和会長を会長に設立。12年4月に特定非営利活動法人化して竹田氏は理事長となった。理事には五輪金メダリストの鈴木大地・現スポーツ庁長官や東京都幹部らが入り、立候補に必要な開催計画の立案やプロモーション活動などを展開。助言機関の評議会の会長は石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏ら当時の都知事が務めた。東京開催決定後の14年1月に解散。大会組織委員会に移行した。  
 
「原資は税金ではない」とはいえ、大会の招致費の総額89億円の内、35億円は東京都民の税金であることは確かである。
 
都知事の公私混同の先駆者の石原新太郎は「作家タブー」により守られ、五輪招致コンサルタント料に関しては電通がマスコミ最大のタブーとしてマスメディアは一切手が出せない。
 
さらには国会では、三権分立の「行政」の長である安倍晋三内閣総理大臣が昨日の予算委員会で「私は立法府の長であります」と言い切ってしまうほどの低能振りを曝け出していた。
 
やはり現在の日本の諸悪の根源はこの男なのかもしれない、とつくづくオジサンは思う。

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2016年04月09日

相変わらず不透明な五輪エンブレムと明らかになりつつあるパナマ文書

日刊ゲンダイで「これが公正? 新『五輪エンブレム選考』またデキレースか」と4月3日に報道されていたこのいわくつきの五輪エンブレム。
 
・・・前略・・・
五輪のエンブレムは、国際オリンピック委員会(IOC)が定めた数々の条件を求められるが、コンペを主催する東京五輪組織委員会は、そのIOC規定を応募要項で告知しなかったのだ。
 規定の1つに「『社会の共有財産』と見なされるものと混同させるようなデザインを含まない」との条件がある。組織委は前回コンペの応募要項で、「社会の共有財産」の具体例として、「誰もが知っているようなシンボル 例:富士山」と説明していた。
「商標登録を行う際、事前に類似商標を避けるための措置で、富士山のほかには、日本を象徴する桜や扇子、芸者のシルエット、東京の街並みを表すデザインも抵触しかねません。ここ数大会の五輪エンブレムがおしなべて具象性に欠け、抽象的な幾何学模様ばかりなのは、この規定があるからです」(JOC関係者)
 ところが、新エンブレムの募集要項を隅から隅まで読んでも、この厳しい規定は1行も出てこない。ましてや白紙撤回後は芸能人らによる新エンブレムの提案が相次ぎ、ネット上には富士山や桜をモチーフとした作品があふれていた。
 さらに募集開始直前には2019年のラグビーW杯日本大会のエンブレムを発表。富士山と日の出をあしらったデザインを見れば、組織委が応募者への注意喚起を周知徹底しない方が不自然だ。「同じスポーツの国際大会でも五輪はダメ」と、アナウンスしてしかるべきで、これでは事前にIOC規定を知っていた応募者だけが圧倒的に優位になってしまう。
「前回のコンペに似てきましたね。当時は組織委のクリエーティブディレクターで、審査委員を兼ねていた電通出身の高崎卓馬氏が、審査基準として『デザインの展開力』を最重視。応募要項で『展開例は自由提出でよい』と記載していたにもかかわらずですよ。その結果、展開例を最も提出した佐野研二郎氏と未提出者の間で圧倒的な評価の差が付き、そのことが出来レースを疑われる事態を招いたのです」(デザイン業界関係者)
 すでにデザイン業界では、「今回も五輪を仕切る広告代理店と関係が深いH氏の作品で決まり」ともっぱらだ。はたして組織委は公正なコンペと言い切れるのか。戦略広報課はこう答えた。
「募集要項を定めるにあたっては、普段デザインのお仕事をされていない方でも応募できるように、誰にでもわかりやすい条件のみといたしました。そのため、応募要項に記載されていない条件(本紙注=富士山などをあしらうこと)のみを理由として、落選という判断はしておりません」
 
こんな状態で最終候補作品が発表された。
 
20160409embrel_asahi.jpg
【朝日新聞DIGITALより】 

  
<五輪エンブレム どれがいい…これが最終候補作品4点?
 毎日新聞 2016年4月8日 22時53分
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 東京2020大会エンブレム最終候補の(左上から時計回りに)作品A「組市松紋」、作品B「つなぐ輪、広がる和」、作品C「超える人」、作品D「晴れやかな顔、花咲く」=Tokyo 2020提供
 サイトとはがきで募集、25日に1作品を決定
 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は8日、旧作品の白紙撤回により選び直しを進めている公式エンブレムの最終候補作品4点を発表した。東京都内で開いたエンブレム委員会(委員長=宮田亮平・文化庁長官)で審議して決めた。組織委の公式サイト(www.emblem-comments.jp)とはがきで、17日まで国民の意見を募集し、25日に1作品を決定する。
【写真特集】東京2020大会エンブレム最終候補を見る
 作品Aのタイトルは「組市松紋(くみいちまつもん)」。江戸時代に「市松模様」として広まったチェッカーデザインを3種類の四角形で描き、多様性を表現した。「つなぐ輪、広がる和」の作品Bは、選手の躍動と観客の喜びが一つの輪となり、世界に広がっていく平和や調和の「和」を表現している。
 作品Cは「超える人」。俵屋宗達の風神雷神図や浅草寺の雷門で愛される風神・雷神をモチーフに、ゴールテープを切る選手の躍動感を描いた。作品Dは「晴れやかな顔、花咲く」で、自己ベストを尽くすアスリートと彼らをたたえる人々の晴れやかな表情を、空に向いて開花するアサガオに重ねている。
 組織委は昨年7月、アートディレクター、佐野研二郎さん(43)の作品を公式エンブレムとして発表した。ところがベルギーのリエージュ劇場のロゴと類似性を指摘され、佐野氏は盗作を否定したものの、組織委は同9月に「国民の理解を得られない」と撤回を決めた。その後の検証で選考の1次審査での投票操作も発覚し、組織委と東京都の撤回に伴う損失額は計1億1750万円に上った。
 今回は「参画」と「透明性」を基本方針に一般公募を実施し、1万4599点が集まった。芸術、スポーツ、インターネット専門家ら多彩な分野の委員21人が最終候補4点を選んだ。
 宮田委員長は「多くの人に愛され、ときめきを共有できる作品を選んできた。どう評価されるかドキドキしている」と述べた。組織委の森喜朗会長は「国民の意見を十分参考にしながら一つだけ選んでいただく。栄誉ある作品を楽しみにしている」と話した。
 25日の委員会では、国民の意見も参考に全委員で投票し、1作品が過半数を獲得するまで最少票の作品を除いて投票を繰り返す。【藤野智成】
 
今回の4作品もすんなりと決まったわけではなかった。
 
エンブレム委員会は今年の1月、審査に残っていた64点から有力候補と次点を4点づつ選んでいた。
 
その計8点から、商標調査を経て最終候補として最大4点を決め、公開すると説明してきた。
 
ところが、8点の作品の調査の中で、類似などの指摘が相次いだという。
 
一時は全滅になるリスクもあったらしい。
 
どうやら8点中次点を含めて3点しか残らなかったらしい。
 
しかし選定を1からやり直す時間は無くエンブレム委員会は「このまま進むのは困難」との判断から、1月の選定で落選した56点を再度、委員が投票し1位になった作品が敗者復活したという。
 
やくみつる氏 東京五輪エンブレム『滑り込み』で作品1点追加に指摘」では、「今回の選考について次点よりも下位の作品を繰り上げず、潔く3点を発表すれば良かった。無理に4点にしたことで、要らぬ臆測を呼ぶことになってしまった」さらには「(上位8点に)選ばれなかった作品のうち最上位である『9位』だったと思いたいし、それならばきちんと説明すればいい。できないとなると、何かしら作為的なものを感じてしまう」
 
先の日刊ゲンダイの記事ではないが、敗者復活した作品が「今回も五輪を仕切る広告代理店と関係が深いH氏の作品で決まり」ではないことを願っている。
 
さて、今週初めに「習近平氏やプーチン氏の周辺者がタックスヘイブンで租税逃れ? メッシ選手やジャッキー・チェンさんも…報道機関連合が内部文書検証」という記事を見て、所得税も払えない低年金生活のオジサンには全く縁のない話なのだが、やはり金持ちは「税金逃れ」しているから資産形成ができるのか。
 
20160409panamadocuser.jpg 
  
リークでは有名なあの人もこなんツイートを発信していた。

 
しかし小国とはいえ首相が辞任する国まで現れて、このパナマ文書の隠された爆弾の大きさが徐々に現れ始めている。
 
<プーチン露大統領報道官は「怪文書の標的に」と反論 アイスランド首相は辞任 指導者・有名人の資産隠し続々、各国当局捜査へ>
 2016.4.6 07:00 産経新聞
 【ベルリン=宮下日出男】パナマの法律事務所の内部文書が流出し、世界の指導者や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用した資産隠しを行っている可能性が明るみに出た問題で、パナマ検察当局は4日、違法行為の有無や関係者の洗い出しなどの捜査に乗り出した。英BBC放送によると、資産隠し疑惑が浮上していたアイスランドのグンロイグソン首相は5日、辞任を表明した。
 欧米メディアによると、5日までにフランスも当局が捜査を始め、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデンでも調査を開始。米当局も「パナマ文書」に関心を寄せている。
 グンロイグソン首相と夫人の資産隠し疑惑が発覚したアイスランドの首都レイキャビクでは4日、首相に辞任を求める市民らが大規模な抗議デモを展開。野党がグンロイグソン氏への不信任決議案を提出して責任を厳しく追及し、同氏は辞任表明に追い込まれた。
 今回文書が流出したパナマの法律事務所は、顧客の依頼に応じ、租税が優遇されるオフショアに多数のダミー会社を設立、租税回避などを支援したとされる。
 ロイターなどによると、同事務所は、文書はハッカー攻撃で流出した本物だとしつつ、違法行為は否定。声明で、「われわれの仕事の性質がねじ曲げられて伝えられている」と主張した。
 「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が発表した文書の検証結果は、ロシアのプーチン大統領の関係者による不透明な巨額の取引を指摘。これに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官は4日、プーチン氏への個人攻撃だとの見方を示した。インタファクス通信が伝えた。
 波紋はスポーツ界にもおよび、国際サッカー連盟(FIFA)倫理委員会は5日までに、文書で名前が取り沙汰された同委メンバーの調査を始めた。
 パナマ文書は独紙南ドイツ新聞が入手し、ともに分析したICIJが3日に結果を公表。世界各国の現旧首脳12人を含む政界関係者ら約140人が、租税回避地に法人を設立していたことが分かった。
 
本来ならばテレビの情報番組で大きく取り上げられてもよさそうなのだが、実は電通がパナマ文書により暴露された租税回避企業のひとつにリストアップされているので、国内マスメディアはこれ以上は取り上げられないらしい。
 
それは菅義偉官房長官の「パナマ文書について調査はしない」と早々と口封じを始めていることからもわかる。
 
すでにネット上では「パナマ文書をマスコミが報道しない理由と55兆円租税回避の真相 消費税増税なんか必要なかった」という情報が広まっており、詳細を知りたい方は見てほしい。
 
そして、「『パナマ文書』データベースの使い方:これはすごいツールだった!?」を参考にしながら各自でデータベースを検索して、あの電通がどんな企業や人物とつながっているのかを調べると世界の闇の深さが分かるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年04月06日

新国立競技場3・2弾圧 追い出し、拷問、世論調査・・・

以前、「これは酷い、2020年五輪の裏では・・・」の中で、新国立競技場の建設予定地で、野宿者の追い出しに関して、以下のようにつぶやいた。
 
1月27日早朝7時20分、日本スポーツ振興センター(JSC)の職員・新国立競技場設置本部運営調整役高崎義孝氏ほか約8名が、大量の警備員を引き連れ明治公園の2ヶ-所の出入り口(四季の庭からの迂回路(外苑西通り)、明治公園霞岳広場[南東]日本青年館脇歩道)の封鎖を強行し、さらに霞岳広場にある公衆便所および園内の水道と電気を止めようとする暴挙に出たという。
2ヶ所の出入り口には27日現在、単管と金網でゲー-トが設置され24時間体制で警備員が通行を不当に制限している状態らしい。
明治公園内には数名の野宿生活者が暮らしており、JSCはこれまで明治公園住人に「住んでいる人がいる間は工事はしない」「生活に影響のある工事について事前に説明をする」「話し合いで解決する」と約束してきたにもかかわらず、1月27日東京都が都立公園としての明治公園を「廃止」し、新国立競技場敷地としてJSCへの無償貸付を決定し管理権を移譲した、その一点のみを理由に、生活通路を塞ぎ最低限必要なライフラインを絶つといった暴挙を行なったという。
野宿者の居住区と公衆便所を行き来する通路に、あろうことかクレーン車で単管を組んだ鉄柵を吊り下げ、抗議する住人と応援有志の頭上をかすめるように設置しようとするなど、信じ難い光景が繰り広げられていた。
 

 
 
その後もJSC側と明治公園住人とで話し合いがもたれ、11時間の攻防の末、JSCより3日間の停戦合意を得たという。
 
2月4日JSC総務課米山課長より、「次週2/8月曜に話し合いの日程候補を連絡する-」との連絡


  
ところが、2月5日8時突然、明治公園へJSC職員に伴われた警視庁機動隊動員が押し寄せ力づくの強制封鎖が強行された。
 
そして、それから1か月経って、野宿者の追い出しに反対して活動していたAさんが突然、3月2日に傷害と公務執行妨害の容疑で警視庁公安部に逮捕された。
 
その逮捕理由は、1月27日、予定地にある明治公園の一角で、JSCの職員にけがをさせた疑いだという。 
 
当時の各メディアの報道を、「Living, Loving, Thinking」によれば、「JSCの男性職員に鉄製バリケードをたたきつけてけがを負わせ」(共同通信)、「JSCの男性職員に、設置されていた重さ7キロのバリケードをたたき付けて軽傷を負わせ」(時事通信)、「設置されていたバリケードを持ち上げ、JSC職員にたたきつけるなど暴行」(産経新聞)と表現は若干異なるものの、AさんがJSCの職員にバリケードをたたきつけたという、警察情報を垂れ流していた。
 
実際には、さきのつぶやきでも紹介したように「野宿者の居住区と公衆便所を行き来する通路に、あろうことかクレーン車で単管を組んだ鉄柵を吊り下げ、抗議する住人と応援有志の頭上をかすめるように設置しようと」したのはJSC側である。
 
クレーンで吊り下げるような鉄柵を、1人の人間が持ち上げ叩きつけることが、どうしてできたのであろう。
 
1ヶ月以上も前の件ででっち上げるという中心人物のねらいうちという明らかな弾圧である。
 
話し合いで解決すると約束しておいて、1月27日いきなり実力で公園を封鎖し暴力で追い出そうとしたJSCに対し、現地では渾身の抵抗が続いており、弾圧はその最中のことであった。
 
「野宿者との約束など守る必要はない、彼を逮捕すれば抵抗はつぶれるだろう。」という権力者たちの卑劣な思惑が行わせた弾圧に、現地そして各地の仲間から「貧乏人をばかにするな」と怒りが広がっていた。
 
そして、以下のような抗議声明を発表していた。  
 
オリンピックによる野宿者追い出しを許さない
 新国立競技場3.2弾圧救援会声明

2016年3月2日のAさんの不当逮捕に抗議する
 
 3月2日の午前8時過ぎ、私達と活動をともにしてきた仲間Aさんが路上で警官7、8人にいきなり取り囲まれ、パトカーに乗せられ連れ去られるという事件が起きました。いわゆる令状逮捕といわれるものです。容疑は1月27日の新国立競技場建設予定地での野宿者強制排除の現場で、JSC(日本スポーツ振興センター)職員に怪我を負わせたというもの。しかし、これまでの新国立競技場建設をめぐるJSCと明治公園の野宿当事者の話し合いの過程からすると、今回の逮捕はあまりに事実経緯を無視したものです。1月27日から1ヵ月以上たっての、この突然の逮捕は、問題含みの新国立競技場建設を強行するための社会運動に対する弾圧と考えざるをえません。
私達「オリンピックによる野宿者追い出しを許さない 新国立競技場3.2弾圧救援会」は、この不当逮捕・弾圧に対し社会的な陣形を形作り撃ち返し、Aさんを一日も早く取り返すことを目指します。

1月27日に起こったこと 圧倒的な暴力を振るったのはJSCです

 1月27日の早朝、JSCは大量の警察官・警備員を動員して、新国立競技場の建設予定地である明治公園の出入り口を封鎖しようとしました。クレーン車で鉄パイプを組んだバリケードを吊り下げ、抗議する野宿者や支援者の頭上をかすめるようにして設置を強行し、また、出入り口に集まった私達を追い出しました。JSCや警備員・警察官らによる暴力がふるわれる中、傷を負った私達の知人友人が何人もいます。さらにはJSCの職員が救急箱を持って走り、私達の友人の怪我に薬を塗るといった光景も見られました。
 そもそものはじまりであり、最も大きな暴力は、JSCによる公園の強制封鎖です。中に人が暮らしているにもかかわらず、またこれまでの話し合いを反故にして、いきなり生活空間の出入り口を封鎖しようとしたJSCの稚拙で非人間的なやり方が、1月27日の騒ぎの原因であることはまちがいありません。
 3月2日のAさんの逮捕は、容疑である「公務執行妨害」と「傷害」が事実無根であるだけでなく、1月27日に明治公園でJSCが振るった暴力と嘘を隠蔽し、居直るという意味でも許しがたいものです。

追い出しではなく、話し合いを! 私達はずっと求めてきました

 これまでJSCは、公園内に野宿し暮らしてきた人達の求めに応じて話し合いを続けてきました。そして、「住んでいる人がいる間は生活に影響のある工事はしない」「話し合いで解決する」と約束してきました。それにもかかわらず1月27日、JSCは明治公園を強制封鎖しようとし、野宿者・支援者の必死の抗議によってそれが中止せざるをえなくなった後も、2月5日には再び警察官を使って出入り口を閉ざそうとしました。紙切れ一枚で工事の妨げになるものは人間であろうとなんであろうと排除する、という姿勢です。
 しかし私達は、JSCがなりふり構わぬ追い出しを行うようになった1月27日以降も、話し合いでの解決を求めて活動してきました。2月17日には、JSC職員が明治公園にやってきて、30分ほどですが話し合いを行い、「人が暮らしている間は工事はできない、しない」ということをあらためて確認しています。Aさんが逮捕された3月2日は、私達が1月27日の危険な工事や2月5日の強制封鎖の法的根拠などJSCに確認したいことをまとめた質問書の回答期限でした。それへの返答が今回の逮捕なのでしょうか? 野宿者に対してなら約束も確認も守る必要はないということでしょうか?
 今回のAさんの逮捕は、当事者と支援者を力づくで分断することによって、これまでの話し合いのプロセスを踏みにじるものです。今回の逮捕の報を受けた公園に住む野宿当事者は「こんなやりかたでは、出ていくわけがない」と憤っていました。私達は引き続きJSCに話し合いを求めていきます。

Aさんを一日も早く取り戻すため、多くの方々の支援と連帯を

 私達は、3月2日のAさんの逮捕をJSCと警察が一体になった形での社会運動に対する圧力であり、野宿者追い出しの一環としての弾圧と考えます。マスコミを大量動員しての見せしめ逮捕を絶対に許すことは出来ません。JSCが1月27日に明治公園で行ったことは、いくつかの動画が上がっているのでぜひご覧になっていただきたいと思います。
 今回の不当逮捕の容疑のひとつは「公務執行妨害」。これはJSCの職員が公務員とみなされること(「みなし公務員」)を表しています。法的根拠を示せずに、果たして公務といえるのでしょうか?
今回の弾圧により、あらためて新国立競技場を建設する主体であるJSCに注目が集まっています。だからこそ、この機会にJSCの行状を白日の下にさらし、貧者を更に厳しい状況へ追い込む権力者たちを大衆的に包囲していく重要な契機であると考えています。警察署に勾留されているAさんも同意見であり、黙秘を続けて頑張っています。
 今回の逮捕は、法律・警察権力の濫用であると同時に、人権侵害なしでは計画が進められないJSC・新国立競技場のあり方そのものの問題です。社会の矛盾が最も凝縮する中で暮らしてきた野宿者に対して、国策としてのオリンピックのために一方的に追い出すJSCに対する広範な社会的批判を創りだしていきましょう。そしてAさんの一日も早い奪還を、実現しようではありませんか。
文責:オリンピックによる野宿者追い出しを許さない 新国立競技場3.2弾圧救援会
2016年3月4日

原宿署に留置されたAさんは3月11日、拘留の延長が決まった。
 
この間、Aさんは逮捕された翌4日には、数人の警察官に床に押し倒され、全体重をかけてのしかかられるなどの暴力を受け、激痛で手足の感覚がなくなるほどまでに拘束具できつく縛られた上、「保護房」にぶち込まれたという。
 
これはまさに文字通りの「拷問」であり、これが現代の日本の警察のやることなのか。
   
3月17日、東京地裁430号法廷で行われた「拘留理由開示」で弁護人の吉田哲也弁護士は、JSC職員にけがをさせたとされるAさんの行為の具体的な態様が曖昧であると指摘し、「基本設計さえいまだ立てられていない競技場建設のための封鎖工事に適法性はなく、公務執行妨害罪の構成要件を欠いている」と追及した。
 
しかし、中山登裁判官は「1件記録と関係者の供述から拘留を決定した。それ以上は答えない」と繰り返すのみだったという。 

先のメディアは揃って警察のいうがままを右から左に流し、Aさんの名前を晒し者にしていた。
 
さらにNHKや民放テレビ各局は、オジサンも記憶があるが、Aさんの連行や家宅捜索の場面を大々的に放映していた。
 
とくにTBSは公安警察やJSCから何らかの便宜供与を受けたかのように、「2月17日には、JSC職員が明治公園にやってきて、30分ほどですが話し合いを行」った場面の映像を勝手に使っていたという。
 
Aさんは「逮捕は、野宿者の生活を破壊するJSCの行為を隠蔽しようと、メディアを使って世論操作し、運動潰しを狙った政治的な弾圧だ」と訴えていた。
 
そもそも、ケチの付きっぱなしの2020年東京五輪。
 
盗作疑惑で白紙になったエンブレム問題も、最近では「これが公正? 新『五輪エンブレム選考』またデキレースか」とささやかれたり、白紙撤回され新たなデザインが決まった新国立競技場でも、「聖火台のない「新国立」 こんな間の抜けた話が発覚するとは......」という無様さを曝け出している。
 
警察権力を使って野宿者たちを追い出したところで、肝心の新国立競技場が聖火台というシンボルなしという状態では、追い出された野宿者たちも浮かばれない。
 
2020年東京オリンピックを考える-4」で紹介した「転居迫られる『霞ケ丘アパート』住人」たちは、2016年の年明け早々「半世紀の思い胸に 『都営霞ケ丘アパート』新国立建設で立ち退き」ということになった。
 
野宿者たちを一方的に排除し、高齢者たちも強制的に移転させる。
 
それまでして、東京五輪を開催する必要性があるのか。
 
反五輪の会」の最新メッセージを紹介する。
 
追悼 ザハ・ハディド〜ザハはゾンビとなって国立競技場の墓場をさまよっている
たくさんのゾンビたちが国立競技場の墓場に出現している http://tiny.cc/cuheay。本日、その隊列に新たなゾンビが加わったことが確認された。
それは、ザハ・ハディドだ。
ザハは、戦争法案で支持率が低迷した安部総理の人気取りのために自らのデザイン案を突然破棄され他案に置き換えられ復活の機会が与えられなかった。すでに生前から亡霊のような風姿を身にまとうようになったザハは、隈研吾による案に対し自らのデザインを換骨奪胎したものと主張し提訴も辞さないと述べていた。突然の死去によって、これらのことが曖昧にならないように願いたい。
ザハは、JSCの国立競技場デザインコンペにおいて、募集要項の計画対象範囲を踏み外し、JR線と高速道路をまたぐ方向に拡張した案を提出した。そして重要なことは、それが同コンペで一方的に関連敷地にされた都営霞ヶ丘アパートを残した提案だったことだ。そこにザハの建築家としての良心と抵抗を読みとることが可能かもしれない。ただし、第二次選考前に都営霞ヶ丘アパートを消し去った案に変更したのであるから、われわれとしてはザハを評価することは出来ない。
しかし、一方において、立ち退き問題が顕在化し移転を 望まない住民から要請文が出されている上で、霞ヶ丘アパートについて配慮もせず発言もしなかった、隈研吾・伊東豊雄よりはザハに見るべきところがあったとは言えるだろう。
やがて響くかもしれない国立競技場建設の槌音は、ゾンビたちの足音である。その中にザハの足音と笑い声が混ざっていることを知る日が来るだろう。
われわれには見える。混乱と紛糾の中で仮にオリンピックスタジアムが作られたとしても、ゾンビの一団が姿を現し、スタジアムを埋める群衆がゾンビとなり街に溢れる日がくることを。
その先頭を歩く生き生きとしたゾンビ、ザハ・ハディドさんのご冥福を祈ります。 
 
こんな呪われた新国立競技場の建設は止めて、さらに五輪も辞めた方が日本人のためになるのではないだろうか、とオジサンは思う。

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