2016年09月27日

机上の空論、南スーダンPKO

昨年9月19日に国会で戦争法が強行採決され、今年の3月には正式に施行された。
 
当時は4月から戦争法の中で改正された国連平和維持活動(PKO)で「駆け付け警護」が直ちに実施されるのではと思われていた。
 
しかし参院選前に自衛隊員に死傷者がでれば選挙に大きな影響を与えるとの安倍政権側の思惑から実施されず、それは参院選後に持ち込まれた。
 
その後日本政府は8月24日、戦争法に基づく自衛隊活動の訓練を順次実施すると正式に発表した。
 
それから約3週間経って実際の訓練が始められた。     
 
<自衛隊が新任務の訓練開始 南スーダン、安保法の駆け付け警護想定>
 2016年9月16日 朝刊 東京新聞
 陸上自衛隊が安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」など国連平和維持活動(PKO)に関する新任務の実動訓練を始めたことが、防衛省関係者への取材で分かった。11月、南スーダンPKOに11次隊として派遣される予定の陸上自衛隊第五普通科連隊(青森市)を中心とする部隊が対象で、新任務実施に向けた準備が加速する。
 今後は政府が実際に新任務を付与するかどうかが焦点になる。
 現行の南スーダンPKOに関する実施計画は10月末が期限で、派遣中の10次隊には新任務を付与していない。
 政府は期限までに現地の治安情勢や訓練の習熟度、世論動向などを見極め最終判断する。
 岡部俊哉陸幕長は15日の定例会見で「いつ、いかなる任務が与えられても事態に即応し、任務を完遂できるよう万全の態勢を取る」と述べた。
 訓練は武装集団に襲われた国連職員らを隊員が武器を使って助ける「駆け付け警護」と、他国軍と連携して宿営地を守る「宿営地の共同防衛」が対象。いずれも安保関連法で武器使用基準が緩和され可能になった。
 実際に部隊を動かす実動訓練は陸自の演習場などで当面、非公開で実施。駆け付け警護で新たに可能になる警告射撃を行う際の判断や、共同防衛での他国軍との連絡手順などを実際の状況に近い形で確認する。海外派遣部隊を教育する陸自の「国際活動教育隊」も立ち会う見込みだ。
 
この訓練に先立ち、安倍晋三のお気に入りのポスト安倍を狙う稲田朋美防衛相は、15〜18日の日程で、米国と南スーダンを訪問する日程が発表され、17日(日本時間同)には南スーダンの首都ジュバに入り、現地の国連平和維持活動(PKO)に派遣されている陸上自衛隊の施設部隊を視察することになった。
 
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ところが、なぜか突然南スーダン訪問が急遽中止になった。
 
<稲田防衛相、南スーダン視察中止 抗マラリア薬副作用か    
 2016年9月15日12時50分 朝日新聞DIGITAL
 防衛省は15日、稲田朋美防衛相が17日に予定していた南スーダン訪問について、体調不良のため中止すると発表した。ワシントンで15日(日本時間16日未明)に予定されるカーター米国防長官との会談は行うという。
 防衛省によると、稲田氏は抗マラリア薬の副作用とみられるアレルギー症状が現れた。医師と相談して南スーダン訪問を取りやめた。
 南スーダンでは、国連平和維持活動(PKO)で派遣される陸上自衛隊の宿営地などを視察し、安全保障関連法に基づく「駆けつけ警護」の任務を与えるかどうかの判断材料にする予定だった。
 
このドタキャンに関しては、陸自は黙っていたが、7月に首都ジュバで大規模な戦闘が発生した際、陸自宿営地の隣のビルで2日間にわたって銃撃戦が起きていたことが明らかになり、ネット住民は〈稲田大臣は怖くなって逃げ出したんじゃないか〉と噛みついていた。
 
官邸事情通によると、
「安倍政権は、稲田防衛相に南スーダンを訪問させ、それを受けて安保関連法に基づく『駆け付け警護』などの新任務を陸自に付与するシナリオを描いていた。政権にとっては重要な“イベント”だったはずなのに、体調不良を理由にすっ飛ばしたわけで、うがった見方が出るのも当然です。まあ、訪問中にドンパチが起きたら、新任務付与もへったくれもない。安保関連法に対する批判も高まるでしょう。安倍政権もそれは避けたい」
ということらしいが、稲田防衛相が逃げ出したとしてもおかしくないほど、南スーダンは緊迫しており、7月の大規模戦闘ではジュバで270人以上が死亡、陸自宿営地の隣で起きた銃撃戦でも政府軍兵士2人が死亡したという。    
 
<陸自宿営地 隣で銃撃戦 南スーダンPKO 参加要件に疑問も>
 2016年9月18日 朝刊 東京新聞
20160926southsudan.jpg 【ジュバ=共同】南スーダンの首都ジュバで7月に大規模な戦闘が発生した際、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の宿営地の隣にあるビルで2日間にわたり銃撃戦が起きていたことが分かった。南スーダン政府軍のルアイ報道官が16日、共同通信に現場を公開した。 
 南スーダンPKOへの日本の参加を巡っては、停戦合意などPKO参加5原則は満たされているのか疑問の声が上がっている。安全保障関連法の成立から19日で1年。同関連法に基づく駆け付け警護など新任務の付与について日本政府が検討する中、PKO参加の是非が改めて問われそうだ。
 陸自は、宿営地内で流れ弾とみられる弾頭が見つかったことは発表済みだが、周辺での戦闘の詳細は明らかにしていなかった。
 ルアイ報道官によると、銃撃戦があったのは7月10から11日にかけて。建設中のビルに立てこもった反政府勢力約20人と政府軍の間で断続的に続き、政府軍の2人が死亡した。
 ビルから宿営地までは約100メートル。報道官は七階建てビルの五階付近に記者を案内し「反政府側はここから狙撃を繰り返した」と説明した。5階からは政府軍本部につながる道路や陸自宿営地が見渡せた。ビルの外壁には砲弾痕が確認できた。
 反政府勢力は宿営地の近くにある空港の占拠を狙っていたもよう。宿営地は標的にならなかったという。
 ルアイ報道官は「反政府側は弾薬を使い果たした後、武器を捨ててPKO施設内の避難民キャンプに逃げた」と述べた。銃撃戦があった7月当時、陸自宿営地があるPKO施設内にはキャンプが設営され、戦闘により家を追われたジュバ市民を受け入れていた。
 7月の戦闘では首都で270人以上が死亡した。陸自隊員にけがはなかった。菅義偉官房長官は「武力紛争が発生したとは考えていない」との認識を示していた。
 
あらためて、「外務省・PKO政策Q&A」からPKO5原則を確認してみる。
 
1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2)当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊へのわが国の参加に同意していること。
3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4)上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5)武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。
 
この原則に照らし合わせれば、すでに南スーダンの首都ジュバは日を追うごとに内戦状態が激化しているので、PKOの対象の地域ではない。
 
そんな中で戦争法で新たな任務になった「駆け付け警護」がはたして現実的なのか。   
 
今月初めには、今回の南スーダンへの自衛隊の派兵はその任務内容からして、「知的怠慢としかいいようがない。日本政府が想定するような状況が、南スーダンで本当にあり得ると考えているのでしょうか。PKO参加5原則の柱である『当事者間の停戦』はとっくに崩壊しています」と東京外語大の伊勢崎賢治教授は疑問を投げかけていた。  
 
<続報真相 南スーダンへの自衛隊派遣 空論でなく現実見よ>
 毎日新聞 2016年9月2日 東京夕刊
 机上の空論と言わずして何だろう。アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への自衛隊派遣のことだ。安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新たな任務が11月にも課せられる方向だ。現地を知る専門家は「政府の想定とかけ離れた現実」と指摘するが、このまま突き進んでいいのだろうか。【吉井理記】
 「駆け付け警護」は、自衛隊が所在地から離れた場所にいる国連職員やNGO関係者らの生命を守るために駆け付け、武器使用すること。これまでは正当防衛と緊急避難以外は憲法が禁じた「武力行使」にあたるとされていたが、安保関連法によって別表のようにPKO参加5原則を満たしたうえで、任務遂行のための武器使用を認める条件を拡大した。日本の国会で議論された「駆け付け警護」は国際法にない概念で、戦闘が続く南スーダンでの武器使用が適法かは日本が独自に判断する必要がある。
 「知的怠慢としかいいようがない。日本政府が想定するような状況が、南スーダンで本当にあり得ると考えているのでしょうか。PKO参加5原則の柱である『当事者間の停戦』はとっくに崩壊しています」と根本的な疑問を投げかけるのは東京外語大の伊勢崎賢治教授だ。日本政府代表や国連の現地責任者としてシエラレオネ、アフガニスタンに乗り込んで武装勢力の武装解除の責任者を務めた「紛争解決のプロ」だ。
 南スーダンへの自衛隊派遣は2012年に始まったが、翌13年から政府側と反政府側との事実上の内戦状態に突入。昨年8月にいったん停戦合意が成立し統一政府が発足したものの、今年7月には大規模な衝突が発生し8月には統一政府を作っていた元反政府側トップが国外脱出する事態になっているのだ。自衛隊は国連南スーダン派遣団(UNMISS)の管理下で活動しているが停戦崩壊した状況でのPKOは現地では中立と受けとめられていないと伊勢崎さんは指摘する。
 「南スーダン政府側は国連やPKO部隊、援助団体職員の活動を『干渉』と敵視し始めています。現に7月には南スーダン政府軍の兵士集団が、人道支援団体の外国人が滞在していた施設を襲撃する事件が発生したと報じられています。自衛隊はどう対応するのでしょうか」
 南スーダンで民生復興支援を続けてきた日本国際ボランティアセンターの谷山博史代表理事も、停戦は成立していると強弁する日本政府の姿勢を危惧する。駆け付け警護の政府見解は「国または国に準ずる組織の場合は憲法が禁じる『武力行使』にあたる恐れがある」との立場のため、「政府軍が敵対者として登場しない状況を無理やり設定している」と指摘する。
 「実際の紛争現場で『武装勢力』『テロリスト』と政府軍をどうやって見分けろというのでしょうか。あまりに現実離れした要求です。軍服を着ていなければ、民間人と武装勢力・テロリストの区別もつかないでしょう。アフガニスタンでは、多くの民間人が米軍などに殺害されました。私たちの現地スタッフの親族も犠牲になったのです」
 民間人に犠牲者が出れば住民感情は悪化する。政府・反政府問わず、武器を使用すれば、どちらか一方への肩入れ、と受け取られかねない。いざという時、自衛隊員はためらわずに武器を使えるか。伊勢崎さんは「『撃てない銃』を抱えたまま、自衛隊の若者が事実上の戦地に派遣されるのです。殉職者は増える、と僕は心配しているのですが……」とつぶやいた。
間違いあれば隊員の責任?
 もう一つの新たな任務「宿営地の共同防衛」もリスクが高く、「民間人を殺傷した場合の責任の所在が不明確」と懸念するのは、カンボジアPKOなどを現地取材した経験のある軍事ジャーナリスト、前田哲男さんだ。
 「例えば宿営地に車が向かってくる。武装勢力か避難民か分からない。何となく銃みたいなものが見えた。隊員個人が撃った、または指揮官が発砲を命じた。相手は実は民間人だった、という場合もあり得る。この時、日本の法体系の下、だれが責任を負うのか、きちんと議論されていないんです。国の命令で派遣されるのに、間違いがあれば隊員や指揮官個人が責任を負うことになりかねない」
 これまでの自衛隊のPKO派遣では、武器使用した自衛隊員が個人的に責任を問われないよう、正当防衛を主張するための手続きがあった。前田さんは新たな任務では過失での武器使用を含め、こうした法的問題があいまいだと指摘する。
 「例えばこれまでの正当防衛なら警察官職務執行法をもとにした部隊行動基準があり、(警告や威嚇の射撃をしてから相手を狙い撃つ)事前回避義務があった。駆け付け警護や共同防衛は判断の遅れが命取りになる場合もある。事前回避義務が徹底できるのか」
 自衛隊OBは新たな任務をどう見ているか。01年、自衛隊初の特殊部隊「海上自衛隊特別警備隊」の創設に携わり、7月に出版した著書「国のために死ねるか」が波紋を広げる伊藤祐靖さんを訪ねた。
 自衛隊出身者なら、PKOなど海外活動の縛りを緩める安保関連法を歓迎するかと思いきや「個人的にはものすごく疑問です」ときっぱり。何のために自衛隊員を危険地に向かわせ、命をかけさせるのか。隊員が納得できる理由が必要だ、と感じているという。
 「私が派遣命令を受けたら、上官に『何で?』と問いますね。命を落とす危険性がある、でも憲法との絡みで活動に制約がある、それでも国として『国家の理念』を貫くために必要な行動だ、その理由はこれこれだ、だから行け、と。そうであればいいんですよ。隊員は『事に臨んでは危険を顧みず……』と宣誓して入隊するんですから」
 伊勢崎さんは「苦渋の代替策」を提言する。「憲法上、非現実的な武器使用を想定するしかない自衛隊に代わり、完全武装の警察を国連文民警察に派遣する。警察権の執行なら、憲法の問題はありません。そもそも事実上の戦地に派遣したくはないんですが……」
PKOは変質、先制攻撃も許容
 なぜこんなに現実離れした想定で計画が進んできてしまったのか。伊勢崎さんはPKOを巡る国際情勢は、日本が初めて自衛隊をカンボジアに派遣した1992年とは変わっているのに、日本ではそれが認識されていないことが背景にあると言う。「かつてのPKOは中立を守るため、停戦合意が破られればすぐ撤退しましたが、今は違う」と解説する。転機は94年にルワンダで住民虐殺が起きた際、PKO部隊が現地にいながら阻止できなかったことに対する国際社会の批判だったという。
 「これ以降、PKOの最優先任務は『住民保護』になり、場合によっては中立性を捨て、住民を守るための武力行使をするようになったんです。10年のコンゴ民主共和国(旧ザイール)PKOでは住民を攻撃する武装勢力に対し、先制攻撃する特殊部隊すら承認された。今のPKOは撤退しないし、交戦主体となることをためらいません。日本だけ時計が止まったままなんです。憲法上、交戦権のない自衛隊を長年、その現場に送り続けたことに無理がある。国会とメディアの怠慢ですよ」と記者を見据えた。
 PKO部隊のリスクが高まったことに伴い、先進国主導の部隊編成から、紛争国周辺や発展途上国から参加を募る流れも加速しつつある。国連PKO局資料によると、日本が初参加した92年末、PKO派遣人数の上位10カ国のうち6カ国を英仏加など欧米諸国が占めた。昨年末の統計では欧米諸国は姿を消し、パキスタンなど南アジア諸国や、エチオピア、ナイジェリアなどアフリカ諸国が占めた。南スーダンで展開する13カ国の内訳は、日本以外には、工兵部隊としてインド、韓国、中国、バングラデシュの4カ国で、残りの歩兵や航空部隊の主力はアフリカやアジアの発展途上国だ。
 谷山さんは「今やほとんどの先進国はPKOに軍を派遣していません。PKOへの貢献は自衛隊を送ることだけじゃないんです。民間や文民警察、他の公務員でだってできる。日本はいいかげん、PKO・国際貢献=自衛隊派遣という凝り固まった考えを捨てるべきです」と話す。
 安保関連法で新たな任務が法的に可能になったからと、自衛隊の武器使用を急ぐ必要はない。机上の空論はやめて、何のための国際貢献か、憲法上可能なのか、現地の状況や国際情勢を踏まえた議論をすべきではないだろうか。
安保関連法施行後の「武器使用」に関する政府見解
 (首相官邸ウェブサイトの資料などを基に整理)
 <PKO参加5原則>
 1992年制定のPKO協力法に定めたPKO参加5原則は、(1)紛争当事者間で停戦合意が成立(2)紛争当事者がPKOと日本のPKO参加に同意(3)中立性の厳守(4)原則が満たされない場合は部隊を撤収できる(5)「武器使用」は隊員の生命保護などのための必要最小限に限る。
 <現行法で認められる武器使用>
 武器使用は、(1)隊員自身の他、一緒にいる他の隊員や管理下の住民らの生命・身体を守る「正当防衛・緊急避難」(2)自衛隊の武器・装備の防護(3)「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」などの任務遂行を妨害する相手の排除  の場合に限られる。(3)では、相手が犯罪集団であることが明確な場合は武器使用が許容されるが、派遣国・周辺国の政府軍や現地警察など「国または国に準ずる組織」の場合、憲法で禁じる「武力行使」にあたる恐れがある。
 <憲法が禁じる武力行使>
 憲法が禁じる武力行使は、「国または国に準ずる組織に対する組織的・計画的な戦闘行為」。PKO部隊に派遣された自衛隊の活動でも認められず、仮にPKO部隊が武力行使に及んだとしても一体化することはない。
 
今やほとんどの先進国はPKOに軍を派遣していません。PKOへの貢献は自衛隊を送ることだけじゃないんです。民間や文民警察、他の公務員でだってできる。日本はいいかげん、PKO・国際貢献=自衛隊派遣という凝り固まった考えを捨てるべきです
 
まさに日本は戦闘経験のない自衛隊を、それも1周遅れでPKOに参加させようとしているのである。
 
なぜなら、今後、米国の下請けとなって地球の裏側まで自衛隊を派兵することが、米国と約束させられているのかもしれない。
 
オジサンは先週、こんなツイートを飛ばしたら、思いもかけずリツイートがあった。11月からPKOの新しい部隊が南スーダンに出発する。
 
このままだと、「自衛隊の戦死者」が出る可能性が強くなる。
 
そうした事態になったら、安倍内閣が政府専用機で日の丸に包まれた柩に入った戦死者を羽田空港に運び、そこで大掛かりに「国のために殉じた自衛隊員」として扱うセレモニーを実施するかもしれない。
 
安倍晋三が最もやりたいことかもしれない。 
 
しかし、南スーダンでの駆けつけ警護では、少なくとも「日本の敵」ではない誰かに殺される可能性が高く、その死は日本のためではなく、無駄死にであり犬死になってしまうのであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 集団的自衛権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月23日

5年半経っても変わらぬ福島だが、1年後の戦争法は絵に描いた餅か?

昨日は深夜から降り続く激しい雨を見て、19日の国会前の立ちっぱなしの1時間半を思い出し、参加は見送ってしまった。
 
しかし午後からは雨も上がったのでデモはやるのかい、と思ったが、現地では雨は止まずデモは中止になったようである。
 
それでも主催者発表ながらも、9000人以上の熱心な人々が参加した昨日の「さようなら原発 さようなら戦争大集会」。
 
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いつもながら、原発関連集会を必ず報道しているのはこのメディアだけ。
 
<「避難者は困窮している」 脱原発集会で訴え>
 2016年9月23日 朝刊 東京新聞
20160923sayonaragenpatu.jpg 脱原発などを呼び掛ける「さようなら原発 さようなら戦争大集会」が22日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。激しい雨でデモは中止になったが主催者発表で9500人が集結。参加者はずぶぬれになりながら、東京電力福島第一原発事故から5年半がたった福島や避難者たちの現状報告を聞いた。
 原発事故被害者団体連絡会「ひだんれん」共同代表の長谷川健一さんが登壇し、「来年3月に飯舘村の避難を解除するというが、帰った後は何の補償もない。自己責任で帰れというのはおかしい」と訴えた。
 「『避難の権利』を求める全国避難者の会」共同代表の中手聖一さんは、福島から母子で自主避難をしている人たちが経済的に困窮している状況を報告。来年3月には自主避難者への住宅無償提供が打ち切られるが、「国は汚染した土地に戻って被ばくをするか、自主避難で貧困かの選択を避難者に押しつけている」と批判。避難者への住宅支援の継続や強化を求めた。
 前橋市の生協職員佐藤千晶さん(29)は「避難者の支援打ち切りは反対。国や東電は支援をし続けるべきだ」と話した。
 
放射能で汚染されたのは住民の責任ではなく、その住民を強制避難させておいて、6年目の来年の3月には「避難解除」するので故郷へ帰れというのは、余りにも現場を知らない、避難住民無視の政策である。
 
田畑は5年以上も放置していれば、元の農業に戻れるまでには莫大な時間がかかり、その間の生活保障は全くないのである。
 
2020年東京五輪を「福島復興のシンボルに!」との号令の下、聖火ランナーを「復興した被災地」に走ってもらおうと企んでいる連中の犠牲になるのが、除染も完全ではない地域に再び強制帰還させられる被災者たちなのである。   
 
そんな被災者を生んでしまった福島第一原発のその後は、相変わらずのドタバタが続いている。 
 
<福島第一原発 汚染地下水が大雨で急増 流出防止作業、廃炉の足かせ>
 2016年9月23日 朝刊 東京新聞
20160923fuku1sagyouin.jpg 東京電力福島第一原発では、相次ぐ台風による大雨で、護岸に近い敷地の地下水が急激に増加した。現場は連日、放射性物質の混じった地下水が海に流れ出さないよう護岸際の地下水ドレン(井戸)から水をくみ出し、建屋に移送する作業に追われている。 (山川剛史)
 特に厳しかったのが台風16号。20日ごろから地下水位が急上昇し、翌21日午前7時前、井戸の水位は地表ぎりぎりにまで達した。地下水に含まれる放射性物質の濃度は、建屋地下にたまる高濃度汚染水とは比べものにならないほど低いが、過去には放出基準(放射性セシウム137は1リットル当たり90ベクレル)を上回ったこともあった。
 今回は濃度を測定してから対応していると、井戸から水が噴き出し、海に流れ出す恐れがあった。このため東電は、井戸の周りに土のうを積み、井戸の仮設ポンプをフル稼働。さらにはバキュームカ14台も動員して移送作業を続けた。
 いったん水位は下がったものの、21日夜になると再び地表ぎりぎりまで上昇し、22日もくみ上げ作業は続いている。雨が降った数日後に水位のピークが来ることが多く、雨がやんだ後も気を抜けない。ただでさえ建屋に地下水が流入し、建屋地下の高濃度汚染水の水かさが増えて廃炉作業の足かせになっているのに、大量の移送も加わることになる。
 東電も、雨が地中に染みこまないよう土の部分は徹底的に舗装し、1〜4号機周囲には氷の壁で囲う凍土遮水壁を設けるなどしたが、いずれも十分に機能していないとみられる。
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当時の科学技術の粋を集めた原子力発電所も地震と大津波の前にはなす術もなく、電源を失い冷却系統の故障により炉心の温度が異常に上昇し、核燃料が融解し圧力容器の底に溜まるというメルトダウン状態になり、その後、高温により圧力容器の底が溶かされて燃料が容器の底を突きぬけるメルトスルーになってしまった。
 
そして圧力容器から流れ出た核燃料により汚染された汚染水は、遮水壁作戦も崩壊し、海洋に徐々に流れ込んでいるにが現状である。
 
それでも原発の再稼働を断念しない原子力ムラの面々。
 
目先の企業利益しか念頭になく、それが将来の日本の安全を脅かすかもしれないという想像力が欠如している。
 
さて、日本を取り巻く安全保障環境が変わったからと、戦争法を成立させてしまった安倍政権。
 
それから1年が過ぎ、実態は日本の安全保障ではなく、「米軍とのシームレスな活動」と強弁する日米軍事同盟の強化に他ならない。  
     
<安保法成立1年 米との共同訓練に内容反映、強化へ>
 毎日新聞 2016年9月20日 01時03分
<20160923anpohounagare.jpg 集団的自衛権行使を可能にし、自衛隊の役割を拡大した安全保障関連法の成立から19日で1年となった。政府は今後、米国との共同訓練に安保関連法の内容を反映させ、日米同盟による抑止力の向上につなげる方針だ。だが、新たな任務に対する反対論は根強く、国民への理解をどう深めるかが問われている。
 「(安保関連法は)自衛隊の任務と遂行能力を大きく拡大することを可能にした。米軍とシームレス(切れ目なく)に活動する自衛隊の能力を向上させる」
 米政府の政策決定に影響力を持つワシントンの主要シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で15日、稲田朋美防衛相は安保関連法の意義を強調した。
 安保関連法は、昨年4月に改定された「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)や2013年に成立した特定秘密保護法などと合わせ、平時から有事まで「日米同盟をより深化させる」(河野克俊統合幕僚長)という狙いがある。
 防衛省は約1年間の準備作業を終え、先月24日、安保関連法を反映させた訓練を解禁した。集団的自衛権行使が可能な存立危機事態や、後方支援の地理的制約を撤廃した重要影響事態などの想定が可能となり、10月以降の日米共同演習から取り入れられそうだ。
 政府は安保関連法が必要な理由として「抑止力の向上」を訴えてきたが、今年に入り、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射、中国の沖縄県・尖閣諸島周辺での活動はエスカレートしている。抑止力に対する懐疑的な見方もあるが、安倍晋三首相は12日、防衛省で自衛隊幹部を前に訓示し、「制度は整った。必要なのは新しい防衛省・自衛隊による実行だ」と強調した。
 一方で、重要な協力項目が進んでいない現状もある。日米間の後方支援の拡大に必要な物品役務相互提供協定(ACSA)の改定は、通常国会での審議日程が確保できないとして臨時国会へ先送りになった。平時の米艦防護を巡っては、どのような要件下で自衛隊が米軍を防護できるかについての調整が必要で訓練解禁に至っていない。与党関係者は「1年たっても始まらなければ、米側の期待も下がるだろう。作業を急ぐべきだ」と指摘している。
 自衛隊の国際協力活動の拡大も安保関連法の大きな柱の一つだ。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している施設部隊に対し、離れた場所に救援に向かう「駆け付け警護」や、他国軍と拠点を守る「宿営地の共同防護」の任務を付与するかが焦点となっている。政府は11月中旬に派遣する交代部隊に任務付与する方針だが、現地の治安は流動的だ。自衛隊に被害が出れば、政権を揺るがす事態にもなりかねず、派遣直前に最終判断する。
 南スーダンには約350人の施設部隊を半年交代で派遣しており、交代部隊として派遣される陸自第9師団は、今月14日に駆け付け警護などの実動訓練を始めた。駆け付け警護では、自分や管理下に入った人を守るためだけでなく、妨害する相手を排除する武器使用も認められるようになり、新たな武器使用基準への習熟が課題となる。
 また、民間人を誤射したり、本格的な戦闘に発展したりする可能性も指摘される。毎日新聞の今月の世論調査でも、駆け付け警護の実施に反対が48%で、賛成の39%を上回った。
 稲田氏は15日、ワシントンで記者団に「国民のみなさん、特に女性や若い方にしっかり説明することが重要だ」と述べ、安保関連法の広報に力を入れる方針を示した。【村尾哲】
 
昨年の戦争法成立後、安倍晋三首相や当時の中谷元・防衛相らは、「これから国民にさらに丁寧に説明する」ということを、「丁寧に説明」するばかりであった。
 
しかし結局口から出た言葉が「抑止力の向上」であった。
 
これは、誰に対する、どんな行為を「抑止」するのかが曖昧であった。
 
安全保障上の抑止力は少なくとも日本と外交関係が良好な国に対しては必要がないことは明らかであり、その対象は米国が警戒する北朝鮮、中国、ロシアといった共産国である。
 
それでは、この1年間にどのような変化が現れたのであろうか。     
 
<安保法成立前後の1年比較 「抑止力高める」統計伴わず>
 2016年9月23日 朝刊 東京新聞
20160923anposeiritugo.jpg 昨年9月19日に成立した安全保障関連法。安倍政権は安保法は抑止力を高めると説明しているが、成立前後の1年間の統計を比べると、日本周辺で緊張を高める北朝鮮や中国などの活動は、成立後の方が活発化。政権の主張通りにはなっていない。 (新開浩)
 安倍晋三首相は、安保法が施行される直前の今年3月の国会答弁で、安保法について「日米同盟が強化され、抑止力が高まり、地域の平和と安定が保たれていく」と述べた。
 しかし、実際の統計では、昨年9月19日以後の1年間と、法成立前日までの1年間を比べると、成立後に北朝鮮による核実験やミサイル発射が極度に増加。結果的に、日本周辺の緊張は高まっている。
 北朝鮮の核実験はこれまで3〜4年おきに行われていたが、成立翌年の今年は1月に3年ぶり4回目の実験を行ったのに続き、今月9日にも5回目を実施。北朝鮮は「核弾頭の爆発に成功した」との声明を発表した。
 弾道ミサイル発射数も法成立前の1年間は、昨年3月のスカッド2発だったが、成立後は今年2月以降の13回にわたる計21発に急増した。8月と9月には、日本の排他的経済水域(EEZ)に相次いで着弾した。
 沖縄県・尖閣諸島周辺の中国公船による領海侵入も、成立後の一年間で延べ112隻に上り、成立前の1年間よりも増えた。海上保安庁によると、今年8月には延べ23隻が領海侵入し、尖閣諸島の国有化を宣言した2012年9月以降では最多となった。
 領海侵入が急増したのは、南シナ海の領有権を巡る中国の主張が仲裁裁判所で否定されたことを受け、安倍政権が中国は仲裁に従うべきだと主張していることへの反発とみられる。
 領空侵犯に備えた自衛隊機の緊急発進も、昨年10月から今年6月まで9カ月間の集計で計811回となり、昨年9月までの1年間の回数を既に上回った。811回のうち、中国機に対する発進が539回、ロシア機に対しては258回で、両国機への対処が全体の98%を占めた。
 
日本の戦争法は、みずから他国に仕掛けて戦争する、または戦争できる法律ではないことを、周辺国は良く分かっている。
 
したがって日本国領土に意図的に侵入しない限りは、日本の自衛隊は攻撃することはないので、さまざまな挑発行為をしているのであろう。
 
いくら安倍晋三が「抑止力は高まった」と強がって見せても所詮、日本は米国の命令でなければ戦争はできないと喝破されているからであろう。
 
ある筋の情報では、米国は「米中関係」の中で、日本の軍国化は米国がコントロールしていると伝えているらしい。 
  
それ故に北朝鮮はもとより、中国も日本には決して屈しない姿勢は崩していない。
 
しかし、最も恐ろしいことは、思い上がった日本の最高権力者の「バカ殿」が、日本の真の力を見せつけてやると「先制攻撃も辞さない」とばかりに、挑発に乗って尖閣諸島や直接は関係ない南シナ海に自衛隊機や艦船を派遣させることではないだろうか、とオジサンは思う。  

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2016年03月29日

国民の命を守り抜く必要な自衛が海外派兵なのか?

昨年9月19日未明に成立した戦争法は、同30日に公布された。
 
この「公布」とは、憲法7条に基づく天皇の国事行為として広く国民に知らせるために行われる儀式でもある。
 
そして公布から6か月以内に施行すると同法に定められており、政府は今年の3月22日に閣議決定によって29日を施行日と決めたことにより、本日午前零時をもって戦争法が効力を持ったことになる。
 
その前夜の国会は、反対する人々が集まり抗議の声を上げていた。
 
安保法、施行 集団的自衛権容認、専守防衛を転換 違憲批判、参院選争点
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【朝日新聞DIGITALより】

    
安保法制 『シールズ』国会前で施行反対訴え
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【毎日新聞より】

 
<安保法制下の日本に 関連法が施行>
 2016年3月29日 07時05分 東京新聞
20160329sekouhantai.jpg 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法が29日午前零時に施行された。戦後の歴代政権は武力行使が許されるのは、日本が攻撃を受けたときのみとしてきた。だが、安保法の施行により、日本は攻撃されていなくても戦争参加が可能になった。(金杉貴雄)
 安保法は自衛隊法など10の改正法と新法「国際平和支援法」の計11の法律で構成。安倍晋三首相は28日の参院予算委員会で「国民の命を守り抜く必要な自衛のための措置は何かを考え抜いた」と述べた。
 集団的自衛権の行使容認に関しては「他国への攻撃で国民の生命が根底から覆される明白な危険がある」場合を存立危機事態として武力行使できるとした。事態の認定は、政権の「総合判断」に委ねられる。
 周辺事態法を改正した重要影響事態法は、米軍の戦闘支援を日本周辺から他国軍を含む世界規模に拡大。自衛隊活動に関し「非戦闘地域」の考え方をなくし、より戦闘に近い場所で活動できる。国際平和支援法は日本の安全と直接関係なくても他国軍支援を世界中で随時できるようにし、非戦闘地域の限定も外した。
 突発的な衝突で攻撃された米艦を守る「平時の米艦防護」も可能にした。
 国連平和維持活動(PKO)に関しては、離れた非政府組織(NGO)職員などを守る「駆け付け警護」や治安維持活動ができるように任務を追加。海外での邦人救出も可能とした。自衛でなく相手の妨害を取り除く「任務遂行型」の武器使用を解禁した。
◆苦悩する自衛官
 「与えられた任務をこなすだけです」。3月上旬、名古屋市内で自衛隊入隊予定者の激励会があった。安全保障関連法について聞くと、自衛官の卵たちは前向きな言葉を連ねた。同様に答える現役自衛官も多いが、本音は単純ではない。
  関東に勤務する50代の陸上自衛官は、海外派遣に賛同するインターネット上の過激な書き込みには「現実が分かってない」と首をかしげる。一方で「戦争法」という表現も「違う」と思う。
 「海外で銃を構える自分が想像できない」という。入隊時から仕事は「国を守ること」だと自らに言い聞かせてきた。「給与・手当の問題、装備の充実を考慮すると、とんでもない額のお金が必要になるはず。こうした観点から安保法を考える人が少ないのは不思議です。その負担を強いられるのは国民なのに」
 航空自衛隊の中堅幹部によると、部隊の若い隊員の間では「海外に行けと言われれば行くしかない。今さら自衛隊は辞められない」「後方支援部隊までが海外に行くなら、日本も本格的に戦争に巻き込まれるな」という言葉が交わされるという。幹部は「辞められないのは家庭があるから。本音は『海外は危険だから行きたくない』だ」と説明する。自身も「幹部自衛官だから『行きたくない』とは言えないが、射撃能力や体力が基準に満たない隊員も少なくない。海外に行けば間違いなく死者が出る」と懸念を隠さない。
 中部地方の若手自衛官は、不安を口にする隊員に「死ぬ覚悟はないのか」と同僚が怒りをぶつけるのを見た。
 「命令されれば『職業軍人』として海外に行く。服務宣誓しているのだから当然」と言い切った後で、不安を明かした。「敵から撃たれる時のことを想像すると冷静にいられるのか…。銃を撃つ時も覚悟が必要になる。公には言えないが、はっきり言って怖い」
 
国会前で反対の声を上げている20代の若者が、直ちに戦場に駆り出されることは当分はないだろう。
 
少なくとも自衛隊に入らなければ意に反して「戦場で人を殺す」という行為を回避することはできる。
 
しかし就職難から自衛隊に不本意ながらも入るしかないという若者も現実には存在し、これが高じれば「経済的徴兵制」と呼ばれることが現実的になる。  
 
政府広報紙の世論調査では「安保法制に理解深まる、『評価』上昇…読売調査」という手前ミソ的な記事で、以下のように説明していた。
 
●2015年9月の調査
「評価する」 :31%
「評価しない」:58% ・・・この差は27ポイント
●2015年10月
「評価する」 :36%
●2015年11月
「評価する」 :40%
●2016年3月
「評価する」 :38%
「評価しない」:47% ・・・差が9ポイントに縮まる
 
そして「原因に、北朝鮮の核・ミサイル開発や、中国の一方的な海洋進出など、日本の安全保障を脅かす動きが相次いだことで、同法の必要性を認識する人が増えたようだ。」と解説していたが、北朝鮮のミサイル発射問題などで、政府がNHKを使って過剰宣伝し国民の不安を煽ったに過ぎないのだが、依然、評価しない方が上回っているのも事実である。
 
さらに政府機関紙メディアでは「3・29安保法施行 でも駆け付け警護や米艦防護など重要任務は先送り…ホントにこれでよいのか?」という記事で、政府の本音を代弁していた。
 
当初、一連の任務は安保関連法の施行と同時に自衛隊部隊に付与されるとみられていた。ところが、中谷元・防衛相は3月22日の記者会見で、当面は先送りすることを表明した。その理由について「(駆け付け警護などを行うための)国内での準備訓練を十分に実施するには時間が不足している」と説明。米軍の武器等防護については「適切な運用を図るために米軍に十分な理解を得る必要がある」と述べた。
 しかし、昨年9月の安保関連法成立から施行までの間、政府は新任務の実施に必要な訓練や米軍との調整に着手してこなかった。新任務の付与を施行に間に合わせる気がなかったのは明白だ。幹部自衛官は「政府は『切れ目のない』安全保障体制を目指したはずだが、施行後も切れ目は残ったままだ」と漏らす。
 政府が訓練実施や任務付与を控える背景には、7月の参院選の存在があるようだ。「安保関連法に対する世論の理解はまだまだ十分ではない」(官邸筋)とされ、いらぬ反発を招きかねない訓練などは先送りさせたいというのが本音だ。
 
NGO活動に携わる海外在住日本人の生命を守るより、選挙の方が大事であるということは、安倍政権の維持が目的になっているという実態が見え隠れする。 
 
やはり、こんな時こそ「賢い市民、考える市民になれ」と山田健太・専修大教授は語る。
 
<<特別編>「国論一つ」狙う 言論法学者・山田健太さん>
 2016年3月29日 東京新聞
20160329yamadakenta.jpg 安保法制が施行され、日本は海外で「戦える国」になった。これに先行し、国民の「知る権利」を侵す恐れのある特定秘密保護法が運用されている。さらに、高市早苗総務相の「電波停止」発言など、メディア規制の動きも見られる。3つの連動した動きは何を意味するのか。言論法学者の山田健太・専修大教授が、いま「言わねばならないこと」を語った。
 時の政権が国論、国益を重視するとき、秘密保護法と言論統制法を制定する傾向が強い。典型は、安保法制が想定するような戦争や有事のとき。その際、政府はこうした法律を使って、言論をコントロールし、政権批判を封じ込め、国論、つまり、世の中の空気を一つにしようとする。古今東西で行われてきたことだ。
 例えば明治維新の日本。まだ政権が安定せず、のちに日清・日露戦争へと向かう明治政府は、為政者を批判する出版・新聞を取り締まる讒謗(ざんぼう)律と新聞紙条例をつくった。さらに、軍事上の秘密を探ったり、漏らすと、罰せられる軍機保護法を制定した。その延長線上に、自由主義思想や政府批判を弾圧した昭和の治安維持法がある。
 単純に過去と同じとは言わないが、秘密保護法は安全保障や外交に関するものなど、政府が指定した情報を漏らすと、厳罰を科せられ、軍機保護法と同じ趣旨だ。政府は都合の悪い情報を隠すことができ、それを公にすれば罰せられる。
 また、高市氏は政治的に公平でない放送を繰り返す放送局に電波停止を命じる可能性に言及した。この発言は、放送の自由を守る放送法の解釈を変えて、放送取締法のように機能させることを意味する。政府を批判することで放送が止められるなら、事実上、讒謗律と同じ言論統制法だ。
 高市氏は放送局の「公平性」を強調するが、そもそも、国際基準で言えば、メディアに求められる「公正」とは、反論の機会を与えたり、社会的少数者の意見を尊重すること。「中立」も、メディアが政権や政治から距離を置き、独立していることを指し、高市氏が言うような政治的に真ん中という意味ではない。
 どの国でも原則として言論・表現の自由が保障されている。例外中の例外として国家安全保障上の問題があるときだけ、言論・表現の自由は一歩退く。しかし、米国で国家機関の盗聴が広がるなど、世界で例外と原則が逆転する流れが進んでいる。
 不幸にも日本もその流れに乗っている。世界の中で情報公開の仕組みは最後尾で、取り締まりの制度は先端にいる。見過ごしてはいけない。気づくと、こうした積み重ねが後戻りできない状況になっている可能性がある。賢い市民、考える市民になるしかない。
 <やまだ・けんた> 1959年生まれ。専修大教授。専門は言論法。英国エセックス大・人権法研究所客員研究員など歴任。「言わねばならないこと」本編の26回目(2014年7月20日朝刊)に続き2度目の登場。
 
戦争法施行に向けて準備された「特定秘密保護法」や最近の報道規制の動きに反対している、マスメディア関連の労働組合の団体が、戦争法施行日に、以下のような声明を出した。
 
MIC声明

あらためて「戦争法」廃止を求める

2016年3月29日
日本マスコミ文化情報労組会議
議長 新崎 盛吾
 歴代政権がこれまで憲法違反としてきた集団的自衛権の行使を認め、自衛隊の活動範囲を大幅に拡大する安全保障関連法(戦争法)が施行された。日本の安全保障政策は大きな転換点を迎えようとしている。私たちは、この法律が戦争放棄を明確に定めた憲法9条の下にある平和国家としての信頼を根底から覆し、米国の意向に従って海外での軍事行動に道を開くとして、あらためて廃止を求める。
 戦争法は昨年9月、多くの憲法学者や法律家らが違憲と指摘し、多くの市民が反対運動を繰り広げる中で強行成立した。国会審議の過程では、立憲主義に反するとの批判が相次ぎ、違憲論議は未だに決着がついていない。
 何よりも問題なのは、自衛隊の活動が大きく変質していく可能性をはらんでいることだ。これまで専守防衛に徹していた自衛隊は、武器使用の基準を緩和され、海外で他国軍への弾薬提供や給油などの後方支援に加わり、国連平和維持活動で国連や非政府組織の職員が襲われた際には「駆け付け警護」も可能になる。自衛隊の任務は明らかに危うさを増し、隊員の命が危険にさらされることになる。
しかも安倍晋三政権は、この危険な任務を自衛隊に指示する時期を参院選後に先送りしようとしている。選挙に不利に働くテーマを先送りして争点を隠そうとする姿勢は、今に始まったことではないが、国民への説明責任という政権の最低限の義務すら果たしていないと言わざるを得ない。
日本にとって、戦争法の整備で本当に安全保障の抑止力が向上したのか、もう一度考えてみる必要がある。日米同盟は強化されたかもしれないが、米国の軍事行動に巻き込まれる可能性は明らかに高まった。これまで一人も殺さず、殺されることのなかった自衛隊が変わっていく危険性は、防衛大学校卒業生の任官辞退者が昨年の2倍近くに急増したことにも、如実に表れているといえよう。
安倍政権は今年の参院選に向け、憲法改正の目標を明確に掲げた。特定秘密保護法や戦争法などの既成事実を積み上げた上で、「憲法が時代に合わなくなった」というすり替えの論理を展開している。憲法改正に向かって突き進む暴走を止めなければならない。
 日本の平和憲法は最大の危機を迎えている。私たちメディア関連で働く労働者は多くの市民と連帯し、戦争への協力を余儀なくされた過去の反省に立って、引き続き一日も早い戦争法の廃止を求め続ける。
以 上


2014年2月12日の国会審議において、野党の質問に対し安倍晋三首相は「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と答弁していたことを思い出す。
 
まさに立憲主義を否定する発言だったのだが、本人自らが「選挙で審判を受ける」と語った選挙があと3か月後に迫ってきている。
 
「いらぬ反発を招きかねない訓練などは先送りさせたい」などと国民を舐め切っている安倍政権に国民はきっぱりと「アベ政治は許さない」という審判を下すしかない、とオジサンは思う。

 
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2015年11月26日

虚妄の安保政策のツケは誰が払うのか

11月25日、米海兵隊トップのロバート・ネラー司令官と官邸で会談し、米軍普天間基地の名護市辺野古移設に関して「確固たる決意で進める」と伝えた安倍晋三首相。
 
その会談の冒頭では戦争法が成立したことに触れ「日米の協力をさまざまな分野で進め、同盟をさらなる高みに導いていきたい」と高揚感にあふれていた。
 
戦争法の国会審議中には幾度となく、「集団的自衛権が行使されることにより日米同盟がより深化し、抑止力が高まりわが国の安全が保障される」と言っていた。
  
日米同盟が深化すれば日本の安全保障が担保されるという前提は、日本に駐留している米軍がいざとなったら日本を守ってくれる、ということらしいのだが、これが全くの思い込みに過ぎなかったという事実が最近明らかになった。
 
週刊文春の12月3日号の「機密解除 米政府の外交文書でわかった『在日米軍は日本防衛に直接関与しない』」という記事を今朝の新聞広告で知った。
  
その記事の著者は、元共同通信社論説副委員長で専門は日米外交とインテリジェンス、核問題を扱っているジャーナリストの春名幹男であり、数日前にこんなツイートを発信していた。

ネットで検索すると、この週刊文春を読んだ天木直人ブログが見つかり、さらには文春新書を読み終えた共同通信社で約20年間、書籍編集をやっていて現在はフリーの著作家である人のブログ「海神日和」が既にあったので以下に紹介する。
 
<『仮面の日米同盟』(春名幹男著)をめぐって >
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 日本人はアメリカを日本の頼れる同盟国だと思いこんでいますが、本書は日米同盟の仮面をあばきながら、戦後の外交史をふりかえり、日本の今後をもう一度考えなおしてみるための本といえるでしょう。
 とりわけ衝撃的なのは、新しい「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」には、米軍が絶対的に日本を守ると書かれていないことが判明したというくだりです。日本を守るのは自衛隊であって、米軍ではないというのです。
 しかも、万一の事態が発生した場合にも、米軍が自衛隊を支援するとはかぎらないというニュアンスすら残されています。新ガイドラインには、むしろ米軍が日本の引き起こす可能性のある戦闘(たとえば尖閣問題)に巻きこまれたくないという思いさえ、にじみでているかのようです。
 さらに衝撃的なのは、著者が次のような米政府機密文書を発見したことでした。そこにはこう書かれていました。
「在日米軍は日本本土を防衛するために日本に駐留しているわけではなく(それは日本自身の責任である)、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛のために駐留している」
 これは1971年の文書ですが、米軍の駐留目的は現在も変わらないでしょう。むしろその戦略的防衛範囲は、西アジアや中東地域にまで拡大しているとみてよいかもしれません。さらに、この文書には在日米軍基地の目的が、兵站、すなわち物資・装備の調達や補給にあることも明記されています。
 こうしてみると、在日米軍基地は、アメリカにとって、アジア・中東の防衛戦略拠点であるとともに、米軍の補給、訓練、休養場所として位置づけられていることがわかります。
 日本人は米軍が日本を守ってくれる代わりに、米軍に基地を提供していると思っています。しかし、それだけでは申し訳ないので、米軍基地の費用を負担する「思いやり予算」をつけ、さらには「集団的自衛権」で米軍にもっと協力するため、新安保法制を成立させ、実質的な憲法改正をおこないました。
 ところが、じつは在日米軍は日本の防衛に直接関与しないことが、米機密文書にもはっきりと示されていたのです。集団的自衛権を認めた新安保法制が、日本政府のいうように、はたして抑止力を高めることになるかは、はなはだ疑問だ、と著者はいいます。
 著者は「アメリカ側は往々にして、同盟国相手といえども、真意を隠し、米国益の追求に邁進する」と記していますが、これはまったくそのとおりでしょう。
 知られざる戦後史の真実が、いま徐々にあきらかになりつつあります。
 たとえば沖縄返還交渉の裏には何があったのでしょう。そこにもさまざまな駆け引きがありました。当時、沖縄では日本への復帰要求が高まっていました。佐藤政権は沖縄の祖国復帰を最大の政治課題とし、復帰の方向性として「核抜き本土並み」というスローガンをかかげました。
 すると、アメリカはこうした沖縄の住民や日本政府の声にこたえるかたちで、沖縄を日本に返還したのでしょうか。いや、そうではない、と著者はいいます。
 たしかに沖縄返還の合意ができなければ、1969年に佐藤政権が倒れるかもしれないという懸念を米政府がいだいていたことは事実です。そのため、ニクソン政権が返還交渉を急いだという側面もあります。
 本書には、そうした沖縄返還交渉の舞台裏がこと細かに記されていますが、それは読んでいただいてのお楽しみということにして、この交渉でもっとも重要だったポイントは、沖縄の施政権を日本に返還するとしても、日本側がアメリカに「米軍基地の自由使用」と「緊急時の核持ち込み」を認めるということでした。
 日本側はこれを呑んで、建前上の「核抜き本土並み」の沖縄返還が実現します。しかし、秘密合意を含むこの返還協定は、将来に禍根を残すことになりました。米軍基地の存続と、緊急時の核持ち込みが、沖縄の民意をよそに、日米間で合意されていたのですから。
 沖縄返還交渉の実態は何だったのでしょう。それは著者のいうように「アメリカは在日米軍基地を維持するために、沖縄返還交渉に応じた」ということです。アメリカは住民からの反発も強く、維持コストもかかる沖縄の施政だけを日本にゆだね、そのいっぽうで米軍基地を存続・拡充させる方策を実現したのです。
 沖縄返還交渉にはもうひとつの裏取引がありました。交渉にさいして、アメリカは日本に繊維製品の対米輸出を自主規制するよう迫りました。そもそも繊維問題は沖縄とはまったく無関係なはずです。それなのに、アメリカは沖縄で恩を着せたかのようにふるまい、日本に繊維規制を求め、佐藤首相はあいまいにそれを約束したのです。
 実際には日本国内で繊維の対米自主規制問題は難航します。日本が調整に手間取っているのをみたニクソン政権は、これに報復するかのように、事前に日本側に通告することなく、「ニクソン訪中」と「ドル防衛措置」を立て続けに発表するのです。いわゆる「ニクソン・ショック」と呼ばれるものです。
 これによって、ニクソン政権は円の対ドルレートを一挙に引き上げ、さらに強権を発揮して日本に繊維問題の決着を迫りました。
 これをみても、自国の利益を守るためには、アメリカがなりふりかまわぬ行動をとることがわかります。
 次にアメリカがこころみたのは、米中正常化でした。ニクソンはみずからの訪中に先立ち、キッシンジャーを特使として北京に送り、周恩来との会談を実現させます。
 中国は日米安保条約に反対し、米軍のアジアからの撤退を求めていました。これにたいし、キッシンジャーがもちだしたのが、いわゆる「瓶のふた」論です。
 著者によると、「瓶のふた」論とは、「日本の再軍備や核武装、対外軍事進出を抑えるために、日米安保条約は必要であり、在日米軍はその任務のため日本に駐留している」という理屈です。安保条約は、日本の軍国主義復活を防ぐための手立てだというわけです。
 キッシンジャーはこういう理屈を展開することによって、中国側の歓心を買いました。ここにはアメリカの二枚舌外交をかいまみることができます。とはいえ、日本を押さえつけておきたいというのは、たしかにアメリカ外交のホンネでした。
 田中角栄による日中国交回復を、アメリカがおもしろく思っていなかったのはとうぜんです。本書では、そのあたりのことはふれられていませんが、いずれにせよ米中国交回復によって、米中間には、日中間以上に(いやひょっとしたら日米間以上に)強いコネクションが結ばれました。
 本書では尖閣問題についても論じられています。オバマ大統領は「尖閣諸島は日米安保条約の対象」と、くり返し明言しています。しかし、そのいっぽうでアメリカは日中間の領土紛争に巻きこまれたくないため、早くから尖閣諸島の主権問題については中立の立場をとることを決めていたというのです。
 このあいまいさは、いったい何を意味するのでしょう。
 はっきりいうと、アメリカは尖閣諸島の領有権が日本にあると明言したことはないのです。それではなぜ、尖閣は日米安保条約の対象なのでしょうか。
 沖縄返還によって、アメリカは尖閣の施政権も日本に返還したことになっています。しかし、すでに当時、台湾が尖閣の主権を主張していることも認識しており、尖閣の主権の帰属は未定とする立場をとったというのです。
 現在も、尖閣諸島の領有権について、アメリカが中立的な立場をとるのは、将来起こりうる日中台間の領有権争いに、アメリカ自身が巻きこまれたくないからだ、と著者はいいます。
 しかし、もし尖閣諸島に中国の武装した漁民などが上陸した場合は、日本側はどう対応するのでしょう。まず沖縄県警と海上保安庁が上陸者排除へと動きだすでしょう。
 しかし、さらに事態が悪化すれば、自衛隊が出動することになるのでしょうか。自衛隊と米軍のあいだでは、離島奪還訓練がおこなわれています。これをみて、日本人は尖閣問題では、米軍がバックについてくれているから安心だと思い込んでいます。しかし、実際に万一の事態が発生したときに、米軍がどう自衛隊に協力するかは、まったくわからない、と著者はいいます。
 現在、米中関係は強いパイプで結ばれ、日本を軽視するなかで、話し合いが進められているといいます。これにたいし、日米関係はむしろ希薄で、かたちだけになっているように思えます。何度も会う機会はあったのに、「安倍はオバマにスルーされてきた、という印象さえある」と、著者は記しています。
 この本から学ぶべき教訓。それは次のようなことです。
 アメリカはどんなことがあっても、日本を守るとはかぎらないこと。
 尖閣で戦闘があった場合もアメリカは積極的に日本を助けないこと。
 アメリカは日本のためを思って行動しているわけではなく、常に自国の利益のために行動していること。
 そしてアメリカと中国の動きを正確に把握する情報が、いかにたいせつかということ。
 何よりも有事を発生させないようにする手立てを、日本はあらゆる方法を使って進めなければならないこと。
 さらにいえば、新安保法制の名のもとで、日本はアメリカの尻馬に乗って突き進まないようにすること。
 東アジアに永続的平和を築くための安保戦略を構築しなければならないこと
、などです。
 これはお勧めの好著です。
 
「在日米軍は日本本土を防衛するために日本に駐留しているわけではなく、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛のために駐留している」
 
言葉換えれば、在日米軍と基地は、完全に米国に戦争のためにあるということである。

著者の春名幹男は元防衛官僚にこの機密文書を見せたら、「政治家は誰も知らないでしょうが、私は気づいていました」と言ってのけたという。
 
「アメリカ側は往々にして、同盟国相手といえども、真意を隠し、米国益の追求に邁進する」
 
こんな米国に嬉々として尻尾を振るのだが、「安倍はオバマにスルーされてきた、という印象さえある」と指摘されている安倍晋三首相は、米海兵隊トップのロバート・ネラー司令官に対して辺野古新基地建設は「確固たる決意で進める」とまで言い切り基地建設に反対する沖縄県民を愚弄する。
 
戦争法案審議中にも「日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。だから日本も自衛隊が米軍を支援できるようにして日米同盟を強化しなけばいけません」と「血の同盟」論を繰り返してきた安倍晋三首相。
 
まさに『仮面の日米同盟』なのだが、こんな虚妄の下で成立させたのが戦争法である。
 
暴力的に他人の家に入り込み長年にわたり居座っていた「用心棒」と思っていた人間が、いざとなったら少しも役に立たず、無駄飯を貪っていた、ということに日本人が気付いた時にはもう手遅れであろう、とオジサンは思う。

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2015年09月23日

安保法制は成立したが日本のサイバー環境は大丈夫か

オジサンは読んでいなかった昨日の讀賣新聞の連載記事「変わる安保」その2という記事を読んだ天木直人は「米国が守ってくれると本気で思っている安倍首相のおめでたさ」と題したブログに、「日本が危険にさらされた時、日米同盟は完全に機能する。それを世界に発信することで抑止力は高まる」という安倍晋三首相の言葉に「あらためて驚いた」と書いていた。
 
この言葉は、戦争法案の衆院特別委でも何度となく発言されていた言葉であり、いくら集団的自衛権を行使可能にする戦争法案が成立したところで、日米安保条約が改定されない限りは、米軍が尖閣のために血を流すことなどあり得ない。 
 
米国にとって最も関心を持って注視している国は中国であり、決して日中間のいざこざには口を出すことはない。
 
GDPと軍事費で世界第1位の米国と第2位の中国だが、圧倒的な軍事力を持つ米国が中国と軍事的に直接対決することはありえない。 
 
むしろ現在は陸海空軍の出る幕ではなく、サイバー空間における戦いが喫緊のテーマとなっている。 
 
<(世界新秩序 米中を追う)攻防、サイバー安全保障 米、対中制裁も示唆>
 2015年9月22日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 中国の習近平(シーチンピン)国家主席が22日から訪米し、25日にオバマ大統領と会談する。オバマ氏は習氏を初めて「国賓」として迎え、ホワイトハウスで晩餐(ばんさん)会も開く。だが、舞台裏で両国の対立は激しさを増す。その最前線のひとつが、陸海空と宇宙に続く「第5の戦場」、サイバー空間での攻防だ。
 米海兵隊に所属する30代の男性職員が6月中旬、ワシントン郊外にある国防総省のオフィスで電子メールをチェックしていると、見慣れぬ差出人から一通のメールが届いていることに気づいた。
 「政府職員の個人情報が流出するサイバー事件が起きた」。公務員の情報を管理する人事管理局からだった。謝罪の言葉に加え、漏れた情報を悪用したなりすましなどの「二次被害」に備え、100万ドル(約1億2千万円)の保険をかけているとの説明だった。
 深刻なのは、機密に接する政府職員に提出が求められている身上書の情報が、漏れた恐れがあることだ。税金や年金などを管理する社会保障番号、薬物の使用歴、好む酒、国外への渡航歴や外国人との交友関係――。何者かに奪われた情報は広範だ。社会保障番号は本人確認のために使われており、身分をかたるなど、悪用される恐れがある。
 少なくとも2150万人の政府職員らの個人情報が流出した。米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は議会の公聴会で「私の個人情報も含まれている」と述べ、高官の情報も流出したことを認めた。
 米側が攻撃の「発信源」とみているのが、中国だ。オバマ大統領は今月16日、「サイバー攻撃が解決されなければ、両国関係に大きな問題をもたらす」と述べ、対中制裁の可能性も示唆。習氏との会談で強い懸念を伝えると明言した。
 米国の電力網がサイバー攻撃を受けた場合の被害を試算した機密文書の一部が2012年、公開されている。システムや設備が破壊された発電所や変電所を造り直すのに1年以上かかり、設置や試運転の期間を含むと数年を要す。国土安全保障省によると、電力や水道などインフラに対するサイバー攻撃は、09年の9件から14年には245件に急増している。
 一方、中国はサイバー問題については一貫して「我々も攻撃の被害者だ」(外務省報道官)と主張してきた。鄭沢光・外務次官補は「サイバー問題は米中の対立点ではなく、うまく協力できる分野」と強調する。サイバー攻撃をめぐり、何らかの合意に至るかどうかが焦点のひとつだ。
 「インターネットは国際社会を運命共同体にした。同時にネットの発展は、国家の主権と安全保障に対する新たな挑戦だ」
 習氏は昨年、アップルやアマゾン、フェイスブックなど世界のIT企業幹部を集めた中国での会議に寄せた祝辞で、こう述べている。
 サイバー問題に詳しい中国のIT企業幹部は語る。
 「軍事、諜報(ちょうほう)分野で米国との実力差が最も少ないのが、サイバーの世界。遠くない将来に米国をしのぐ可能性もある。いま手を引くわけにはいかない」
 (ワシントン=峯村健司、北京=林望)
 
優秀なハッカーからすれば破れないセキュリティシステムは存在しないという。
 
米国の国防総省の人事管理局から2150万人の政府職員らの個人情報が流出したという事実からすれば、もはや安全なシステムは無いに等しい。 
 
したがって、明らかな犯人探しとその証拠の確保が必要となる。
 
そのためには敵のサーバーに侵入する必要があるのだが、NSAはすでに中国人民解放軍でサイバー攻撃やスパイ活動を行う総参謀部第3部所属の部隊のサイバー攻撃に使われたコンピューター端末5台に入り込んだという。 
  
<米国:中国のサイバー攻撃、作戦データ入手 09年、解放軍端末に侵入>
 毎日新聞 2015年09月22日 東京朝刊
 【ワシントン和田浩明】米国防総省の情報収集機関である国家安全保障局(NSA)は2009年、中国人民解放軍でサイバー攻撃やスパイ活動を行う総参謀部第3部所属の部隊が米政府に攻撃を仕掛けた証拠を入手していた。米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者が持ち出していたNSA内部文書を毎日新聞が分析した結果、明らかになった。サイバー空間での米中両国の攻防の実態が内部文書から浮き彫りになるのは極めて珍しい。(9面に「米中の現場」)
 オバマ米大統領は25日にワシントンで行う中国の習近平国家主席との首脳会談でサイバー問題が「最大の議題の一つ」と明言。中国をけん制する形で米国が高いサイバー活動能力を持っていると強調している。内部文書は、米国がこうした能力を実際に行使し、中国に反撃していることを示すものといえる。
 内部文書は10年6月の日付で「機密」指定。中国を名指しして米国や外国政府に情報収集活動を行っていると指摘した。詳細は不明だが中国の標的には日本も含まれている。英語圏のイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドだけを配布先としており、日本政府には知らされなかったとみられる。
 文書によると、総参謀部第3部所属の部隊が、米軍の世界的な兵站(へいたん)や輸送活動を統括する輸送軍のコンピューター網の管理者パスワードや内部プログラム情報など2500以上のファイルを盗み出した。
 NSAは対抗手段としてサイバー攻撃に使われたコンピューター端末5台に入り、米政府機関に「作戦」を仕掛けたデータを入手したとしている。
 さらに部隊のリーダーと見られる人物が個人的に使っているコンピューター端末にも侵入し、複数の米政府機関や外国政府などへの攻撃を行ったことを示す情報やホワイトハウスや米政府高官をサイバー攻撃の標的にする事前調査を行っていたことも判明したと指摘している。
 文書でサイバー攻撃への関与が指摘された総参謀部第3部については、米司法省は昨年5月、同部傘下の「第61398部隊」の将校5人を、米国企業から原子炉関連情報などを盗み出す産業スパイ行為などを行った罪で起訴したと発表していた。
 中国側は関与を全面否定し、身柄引き渡しを拒否している。
 
既に米中は過去数年にわたって激しいサイバー空間での攻防を繰り広げていたことになる。 
 
日本政府の対応は、今年の1月にサイバーセキュリティ戦略本部を内閣に設置、同時に内閣官房に「内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)」を設置したばかりである。
 
NISCによると、政府機関へのサイバー攻撃は2012年度は約108万件だったが、2013年度には508万件と5倍に激増、脅威は深刻化しているという。 
 
サイバー攻撃には国境はないし、情報戦には敵も味方もない。 
 
当然ながら、集団的自衛権などは通用しない世界でもある。 
 
ところで、先日、警察庁がコンピューターウイルスを仕込んだ「標的型メール」や不正アクセスなどによるサイバー攻撃で今年上半期、日本年金機構や東京商工会議所、早稲田大など16組織が情報流出の被害を受けたと発表した。
 
標的型メール攻撃は昨年同期比約7倍の1472件と急増、上半期では統計を取り始めた2012年以降、最多となった。
 
被害を受けた組織のうち半数は標的型メール攻撃の被害に遭っている。
 
この攻撃は、2011年に表面化した三菱重工業へのサイバー攻撃で注目された手口であり、一層巧妙化しているのが特徴で、警察庁の担当者は「不審なメールを安易に開けず、最新のセキュリティー対策を実施してほしい」と注意を促している。 
 
しかし、「標的型メール」は不審に思ったら開封しなければ済むだけの話しなのだが、不審に思わせないような実在する内部の組織名や専門的なキーワードを使った題名のメールなどは、容易には個人では判断できないようである。
 
こんなお寒い状態で来年から日本人全員にマイナンバーが付与され多くの個人情報にリンクされることになる。 
 
現実に、国内の100の自治体がサイバー攻撃の標的となっていたことが明らかになった。
 
<サイバー攻撃 100自治体に マイナンバーへ対策課題>
 2015年9月22日 朝刊 東京新聞
20150923cyberattack0.jpg 個人情報の流出やホームページの書き換えなど、システムの安全性を破壊する「サイバー攻撃」の標的となった地方自治体が、少なくとも100百に上ることが共同通信の調べで21日、分かった。中国など海外からの不正アクセスが多く、住民のメールアドレスが漏れるなど情報保護が脆弱(ぜいじゃく)な部分が狙われた形だ。
 国民一人一人に番号を割り当てて情報を管理するマイナンバー制度導入を前に、個人番号を管理するシステムをインターネットに接続したままの自治体もあり、安全対策のための人材や財源確保が課題となっている。
 攻撃を受けた自治体は44都道府県に広がり、県庁や複数の自治体でつくる広域連合なども含まれる。共同通信が8〜9月に全市区町村に実施したアンケート結果を基に、個別取材して確認した。100自治体はホームページを運用するサーバーを攻撃された。発信元は中国が目立ち、ロシア、北米、アフガニスタン、プエルトリコ、オランダも確認されている。
 内部侵入を阻止できた7自治体以外は(1)公式ページ約600ページ全てを改ざん(愛知県内の自治体)(2)閲覧するとウイルスに感染する改ざんが44日間、21回にわたり繰り返された(長崎)(3)大量のメールを送りつけられ、サーバーが動かなくなった(和歌山)(4)サーバーが乗っ取られ、外部に10000通のメールが送信された(新潟)−などの被害を受けた。
 サイバー攻撃は2000年ごろから始まり、今年に入ると長野県や三重県の自治体で個人アドレス数100人分が漏れたり、外部からのぞき見できるようにされたりする被害が起きた。日本年金機構の情報漏えいと同じ型のウイルス付きメールを送りつける「標的型攻撃」を受けた自治体もあり、情報流出を狙う悪質なケースが増える傾向だ。
 共同通信の市区町村調査では18.9%が個人情報を扱うシステムをネットから分離していないと回答している。
 
今後はマイナンバーが全国民の「生命と財産」の情報を管理するようになる。
 
これを守るには自衛隊は無力であり、もちろん米国は日本の首脳すらを盗聴している国である。
 
本当の意味での専守防衛能力が問われるのだが、今の安倍政権には、いや残念ながら安倍晋三の頭ではこのサイバー攻撃の恐ろしさを理解できない。
 
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣中の陸上自衛隊に「駆け付け警護」の任務を新たに与える検討なんかをするよりも、さらに売り先がない米国のオスプレイを米軍が使っているオスプレイよりも1.5倍ほど高い値段で17機と代替部品、エンジン40基、赤外線前方監視装置40基などのセットで総計3600億円も払うくらいならば、本気で日本人の生命と財産を守るために使うべきではないだろうか、とオジサンは思う。 

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2015年09月03日

元憲法の番人が解釈改憲を批判し、変更するなら改憲しろ!

1か月以上もスッタモンダした挙句、ようやく疑惑の五輪公式エンブレムが新国立競技場建設と同様、白紙撤回され、海外メディアも厳しい論調だった。 
 
<20年東京五輪:エンブレム撤回 海外メディア「再び恥かいた」>
 毎日新聞 2015年09月02日 東京夕刊
 東京五輪の公式エンブレム撤回に対する海外メディアの関心はあまり高くないが、論調は「組織委員会が再び恥をかいた」(米紙ニューヨーク・タイムズ電子版)などと厳しいものになっている。
 英BBC放送(電子版)は組織委が7月に新国立競技場の建設計画を撤回したことも取り上げ、「主催者は過去1カ月でぶざまな姿をさらけ出している」と報じた。2日の韓国紙・朝鮮日報は「東京五輪の準備が相次ぐ悪材料でよろめいている」と指摘。佐野研二郎氏が潔白を主張した後でさらに疑惑が拡大したことを受けて、「緻密な日本らしくない」と評した。【大前仁】
 
昨日の「オールニッポン 無責任体制」でも指摘したように、「組織委、どこか他人事 五輪エンブレム取り下げ」が最大の問題であった。
 
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それにしても、7月24日に都庁前の都民広場で開かれたド派手なエンブレム発表会の開催費用が莫大な金額だとは誰も知らなかったらしい。 
 
五輪エンブレム:東京都の支出7000万円ふい?
 
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さんざん煽りながら梯子を外されたスポンサー企業は、撤回が発表された瞬間から「20年東京五輪:エンブレム撤回 企業、広告修正急ぐ 組織委の賠償焦点」となった。
 
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さて、6月4日の衆議院憲法審査会において、参考人として招致された3人の憲法研究者全員が集団的自衛権行使と安保関連法案について違憲であるとはっきりと述べた。
 
これに対して、弁護士資格だけは持っているらしい高村正彦自民党副総裁は、「憲法の番人は最高裁であり、憲法学者ではない」と強弁していた。
 
その最高裁の元長官が、集団的自衛権行使を認める戦争法案は違憲であると、朝日新聞のインタビューで答えていた。
 
<「60余年、支持された9条解釈。変更するなら改憲が筋」 山口繁・元最高裁長官インタビュー>
 2015年9月3日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 「憲法の番人」のトップを務めた山口繁・元最高裁長官が朝日新聞のインタビューに応じ、集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案を「違憲」と指摘し、安倍政権による憲法解釈の変更や立法の正当性に疑問を投げかけた。主な一問一答は次の通り。
 ――安全保障関連法案についてどう考えますか。
 少なくとも集団的自衛権の行使を認める立法は、違憲と言わねばならない。我が国は集団的自衛権を有しているが行使はせず、専守防衛に徹する。これが憲法9条の解釈です。その解釈に基づき、60余年間、様々な立法や予算編成がなされてきたし、その解釈をとる政権与党が選挙の洗礼を受け、国民の支持を得てきた。この事実は非常に重い。
 長年の慣習が人々の行動規範になり、それに反したら制裁を受けるという法的確信を持つようになると、これは慣習法になる。それと同じように、憲法9条についての従来の政府解釈は単なる解釈ではなく、規範へと昇格しているのではないか。9条の骨肉と化している解釈を変えて、集団的自衛権を行使したいのなら、9条を改正するのが筋であり、正攻法でしょう。
 ――「法案は違憲」との指摘に対して、政府は1972年の政府見解と論理的整合性が保たれていると反論しています。
 何を言っているのか理解できない。「憲法上許されない」と「許される」。こんなプラスとマイナスが両方成り立てば、憲法解釈とは言えない。論理的整合性があるというのなら、72年の政府見解は間違いであったと言うべきです。
 ――「限定的な集団的自衛権の行使」は容認されるという政府の主張についてはどう考えますか。
 腑(ふ)に落ちないのは、肝心かなめの日米安全保障条約についての議論がこの間、ほとんどされていないことだ。条約5条では、日本の領土・領海において、攻撃があった場合には日米共同の行動をとるとうたわれている。米国だけが集団的自衛権を行使して日本を防衛する義務を負う、実質的な片務条約です。日本が米国との関係で集団的自衛権を行使するためには、条約改定が必要で、それをしないで日本が米国を助けに行くことはできない。しかし、条約改定というフタを開けてしまえば、様々な問題が噴き出して大変なことになる。政府はどう収拾を図るつもりなのでしょうか。
 ■砂川判決、集団的自衛権想定せず
 ――安倍晋三首相ら政権側は砂川事件の最高裁判決を根拠に、安保法案は「合憲」と主張しています。
 非常におかしな話だ。砂川判決で扱った旧日米安保条約は、武装を解除された日本は固有の自衛権を行使する有効な手段を持っていない、だから日本は米軍の駐留を希望するという屈辱的な内容です。日本には自衛権を行使する手段がそもそもないのだから、集団的自衛権の行使なんてまったく問題になってない。砂川事件の判決が集団的自衛権の行使を意識して書かれたとは到底考えられません。
 ――与党からは砂川事件で最高裁が示した、高度に政治的な問題に司法判断を下さないとする「統治行為論」を論拠に、時の政権が憲法に合っているかを判断できるとの声も出ています。
 砂川事件判決は、憲法9条の制定趣旨や同2項の戦力の範囲については判断を示している。「統治行為論」についても、旧日米安保条約の内容に限ったものです。それなのに9条に関してはすべて「統治行為論」で対応するとの議論に結び付けようとする、何か意図的なものを感じます。
 ――内閣法制局の現状をどう見ていますか。
 非常に遺憾な事態です。法制局はかつて「内閣の良心」と言われていた。「米国やドイツでは最高裁が違憲審査や判断を積極的にするのに、日本は全然やらない」とよく批判されるが、それは内閣法制局が事前に法案の内容を徹底的に検討し、すぐに違憲と分かるような立法はされてこなかったからです。内閣法制局は、時の政権の意見や目先の利害にとらわれた憲法解釈をしてはいけない。日本の将来のために、法律はいかにあるべきかを考えてもらわなければなりません。
 (聞き手 論説委員・高橋純子、編集委員・豊秀一
 ■政府、「法案は合憲」の根拠に砂川判決 自民幹部「解釈の最高権威は最高裁」
 国会で審議中の安全保障関連法案をめぐっては、6月4日、衆院憲法審査会に参考人として招かれた憲法学者3人全員が「憲法違反」と指摘。自民党推薦の長谷部恭男・早大教授は、「個別的自衛権のみ許されるという(9条の)論理で、なぜ集団的自衛権が許されるのか」と批判した。
 これに対し政府は同9日、法案は違憲ではないとする見解を野党に提示。自民党幹部は「憲法解釈の最高権威は最高裁。憲法学者でも内閣法制局でもない」(稲田朋美政調会長)などと反論を始めた。
 政府や自民党は、砂川事件の最高裁判決を法案の合憲性の「根拠」に挙げている。この主張は、公明党から「集団的自衛権を視野に入れた判決ではない」などと反発を受け、一時は「封印」されていたが、「最高裁こそ権威」との訴えを支えるものとして再び使われるようになった。
 安倍晋三首相は同26日の衆院特別委員会で、「平和安全法制の考え方は砂川判決の考え方に沿ったもので、判決は自衛権の限定容認が合憲である根拠たりうる」と答弁。同判決が集団的自衛権の行使を容認する根拠になると明言した。
 また、砂川判決が「統治行為論」を示した点も、与党側は政権による解釈変更の正当性を主張する論拠に使っている。
 ◆キーワード
 <1972年の政府見解> 田中内閣が国会で示した政府見解。(1)憲法は必要な自衛の措置を禁じていない(2)外国の武力攻撃によって急迫、不正の事態に対処し、国民の権利を守るためのやむを得ない措置は必要最小限度にとどまる――との基本的論理を示し、「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と結論づけた。安倍内閣は、(1)と(2)の論理は維持するとした上で、安保環境の変化を理由に「自衛の措置としての集団的自衛権の行使は認められる」と結論を変えた。
 <日米安保条約5条> 米国の対日防衛義務を定めた条項。「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続(き)に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する」などと規定。武力攻撃が発生した場合に、日米両国が共同で日本の防衛にあたることを定めている。
 
内容的には至極当たり前のことを山口繁・元最高裁長官は答えていたのだろうが、聞きようによっては「憲法解釈の最高権威は最高裁。憲法学者でも内閣法制局でもない」から、最高裁が違憲というならば改憲すればよい、という世論誘導にも聞こえてくる。
 
もっともオジサンがこの記事に興味を持ったのは、聞き手の編集委員・豊秀一という人物であった。
 
全くの余談になるが、東大出身の朝日新聞記者というコースを歩み、朝日新聞労組委員長から専従の新聞労連委員長になった頃、付き合ったことがある。
 
もっとも精々一緒に酒を飲んだ程度なのだが、彼が青森支局勤務当時に飲んだ旨い日本酒があると、オジサン等が主催したあるパーテイーに彼の名前と同じ「豊杯」という純米吟醸酒の1升瓶を差し入れしてくれたことを思い出す。
 
最後に、またしても共産党議員が参院特別委で爆弾資料を基に中谷元・防衛相を立ち往生させた。
 
共産党新たな『自衛隊内部文書』」 
 

 
官僚が用意した答弁資料すらをまともに読むことができない防衛相が、質問通告されていない資料内容には一切答えられないというのは、余りにも情けなくもあり頼りない。
 
こんな人物が今後自衛隊を的確な判断の元、派兵できるのかと思うと、ますます危ない戦争法案であり、こんな無理筋な法案は今国会では廃案にすべきであろう、とオジサンは思う。

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2015年08月27日

不動産屋の広告並みの杜撰な戦争法案

久々に秋晴れの朝を迎えた。
 
雲の姿が明らかに夏とは異なる形になってきている。 
 
わが家の周辺に住む園児たちが既に夏休みが終わったのか登園する姿が見られた。 
 
疑惑のエンブレム問題ですっかりケチがついた2020年東京五輪だが、白紙になったような新国立競技場建設を巡って新たな、予想もしなかったような提案が出てきた。 
 
<新国立「屋根木造に」 建築士連150億円と試算>
 2015年8月27日 東京新聞
20150827mokuzouyane.jpg 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設をめぐり、全国の建築士でつくる日本建築士会連合会が26日、屋根部分を木造建築とする提言をまとめた。「建設費削減や工期短縮に役立つ」として、提言を遠藤利明五輪相へ提出し、計画への反映を要請したという。
 提言は収容観客数を8万人と想定。必要な木材の量は10000立方メートルで、複数の木材を接着した「集成材」を全国の工場で加工し、競技場建設現場へ持ち込んで組み立てる構想。
 屋根部分の建設費は150億円と試算し、国が計画を白紙撤回する前の今年7月時点で見込んでいた950億円より大幅に少なくて済む。
 木材は鋼材に比べ重さが半分程度のため、屋根を支えるスタンドや基礎部分の建設費削減にもつながるとする。
 加工や組み立ては既存の技術で対応でき、遠藤五輪相と25日に会談した国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長が要請した、2010年1月までの完成も可能という。
 三井所(みいしょ)清典会長は会見で「これを皮切りに建築物の木造化を進め、林業活性化につなげたい。日本文化の象徴である木材を使うことで、来場者に『おもてなし』の心が伝わる」と強調した。
 
広く多くの人の意見を聞くという遠藤利明五輪担当相の姿勢は決して間違ってはいないのだが「『冷房設備が必要』認識一致…文科相と五輪相」ともなれば、観客の暑さ対策が課題だが、「少なくとも冷房は欲しいがコスト的にきつい」ことは否めない。
 
それなら大胆な木造屋根も一笑に付すことはできないのではないだろうか。 
 
さて、SEALDs(Students Emergency Action for Liberal Democracy s)現象が地域的には、東北、関西、沖縄と広がっているが、若者に負けちゃいられない、とばかりに中年世代の「MIDDLEs」やお年寄りのOLDs(Otoshiyori for Liberal Democracy)などが現れ、先週は東京都内の現役教職員らでつくるグループ「TOLDs(トールズ)」(Tokyo のLiberal でDemocratic なSensei)」のメンバーが、都庁で記者会見し、「法案を日本国憲法の精神から認めません」とする反対声明を発表した。
 
そして昨日は法律家たちが立場を超えて弁護士会館に集まった。
 
<(ウォッチ安保国会)法律家ら300人「違憲」>
 2015年8月27日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20150827hourituka300.jpg
 参院特別委で審議中の安全保障関連法案を巡って、元最高裁判事や元内閣法制局長官、憲法学者など法律の専門家ら約300人が26日、弁護士会館(東京都千代田区)に集まり、法案を「違憲」と指摘した上で反対の意思を示した。
 日弁連が専門家らを一堂に集め、立場の違いを超えて訴えようと企画。出席者の一人、中野晃一・上智大教授(政治学)は「法曹、憲法学の最高権威が並んだ。こんな場は見たこともない」と評した。
 終戦時9歳だったと語り始めた元最高裁判事の浜田邦夫さんは「戦後民主主義教育の第一陣と自負する世代として容認できない」と安保法案の廃案を求めた。元最高裁判事の那須弘平さんもメッセージを寄せた。
 内閣法制局長官経験者からは2人が登壇。大森政輔さんは、歴代内閣が集団的自衛権を「一貫して違憲と結論づけてきた」とした上で「(安倍政権は)閣議決定で覆し、法的安定性を自ら害した」と発言した。
 宮崎礼壹(れいいち)さんも「集団的自衛権は、自国が攻撃されていないのに他国間の紛争に介入する権利。憲法9条の容認するものであるはずがない」と指摘した。
 会見後には法曹以外の学者らも参加し、日比谷野外音楽堂で集会を開いた。石川健治・東大教授(憲法学)は「日本国憲法の体制の連続性、法的連続性が断たれるという事態は、革命もしくはクーデターだ」と話した。会場内外に約4千人(主催者発表)が集まり、集会後に国会まで行進した。
 (後藤遼太)
 ■108大学でも声明
 全国の大学で教員や卒業生らがつくる「有志の会」も26日、都内で共同記者会見を開いた。現時点で少なくとも108の大学が反対声明を出しており、うち80大学から教員ら250人が集まった。
 「有志の会」は7月ごろから各地の大学で立ち上がり始めた。それぞれが声明文を出し、署名を集めてきたが、共同で行動するのは初めて。声明をまとめた冊子を同日、全参院議員の事務所に渡し、廃案を要請した。
 
まさに全国的な広がりを見せている戦争法案反対運動を意識しているのかは全く不明だが、参院特別委では答弁するたびにボロ丸出しの中谷元・防衛相が安倍晋三首相お気に入りの昨年5月に示した母子のイラストの欺瞞性を明らかにしてしまった
 
<米艦防護の条件めぐり 防衛相、邦人乗船「絶対でない」>
 2015年8月27日 朝刊 東京新聞
20150827kosokunasetumei.jpg

 中谷元・防衛相は26日、安全保障関連法案に関する参院特別委員会で、他国を武力で守る集団的自衛権行使の代表例として政府が挙げる邦人輸送中の米艦防護をめぐり、邦人が乗っているかどうかは「絶対的なものではない」と述べ、条件ではないとの考えを示した。安倍晋三首相はこれまでの記者会見で、紛争国から避難する母子を米艦が輸送するイラストを掲げ、集団的自衛権行使の必要性を訴えてきた。
 民主党の大野元裕氏が、朝鮮半島有事の際、米艦への攻撃に自衛隊が集団的自衛権に基づき反撃できる存立危機事態の認定について「(米艦内の)邦人の有無は関係ないのでは」と指摘。中谷氏は「邦人が乗っていないからといって存立危機事態に該当しないということはない。邦人が輸送されていることは判断要素の一つだが、絶対的なものではない」と認めた。
 首相は集団的自衛権の行使を容認するため、憲法解釈の変更を検討すると表明した昨年5月の記者会見で、米艦に輸送される日本人の母子を描いたパネルを示し、集団的自衛権を行使しなければ「紛争国から逃れようとしている子どもたちが乗っている米国の船を守れない」と主張。憲法解釈の変更を閣議決定した同7月の記者会見でも同じパネルを使い「逃げようとする日本人の命を守るため、米国の船を守る」と強調してきた。
 大野氏は、首相の姿勢について「女性や子どもを使って国民感情に訴え、(法律を制定する必要性の根拠となる)立法事実を覆い隠すのは姑息(こそく)なやり方だ。真摯(しんし)に立法事実を示して国民の理解を得る態度とは全く違う」と批判した。
 
昨年5月の集団的自衛権行使容認の閣議決定後、「紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない」と喚いていた安倍晋三首相が出席している場で言ってほしかった。
 
当時から、米軍の艦船が日本人救出するなんてことはあり得ないと、アメリカの公式文書にも明記されていることが指摘されていたが、残念ながら大手マスメディアは決して取り上げようとはしていなかった。  
 
日刊ゲンダイで「安保法案の欠陥を衝く」というタイトルで連載記事を書いている倉持麟太郎が、10法案が一括して提出されている戦争法案の中で、改正自衛隊法95条の2「米軍等の武器等防護」の危険性を指摘していた。
 
<裏口からフルスペックの集団的自衛権の行使が可能>
 2015年8月26日 日刊ゲンダイ
 不動産屋の広告で、「オートロック完備、女性も安心」といううたい文句をよく見る。実際に行ってみると「非常口」と称する裏口が常に開いていて、「皆さんそこから出入りしていますよ」などとさわやかに言われることがある。
 本安保法制における改正自衛隊法95条の2「米軍等の武器等防護」は、「自衛官」が米軍の「武器等」=「航空機」「艦船」を防護できるという規定だ。そもそも「自衛官」個人の責任と権限でそんなことができるのか。それよりも、本規定の「武器使用」は、「我が国の防衛に資する活動に従事」している米軍等への攻撃があれば、新3要件等を飛ばしてフルスペックの集団的自衛権を行使できることになっている。この「使い勝手のよさ」こそが大問題だ
 A国が、日本と合同演習中の米艦にミサイルを発射する準備をしているという場合、存立危機事態の認定なしで、「自衛官」は、米艦という武器を防護すべく「武器等防護」の規定に基づいて、ミサイル基地を攻撃できることになる(黒江政府参考人は、飛んできたミサイルも「武器等防護」で迎撃できると答弁している)。我が国への攻撃がなく他国への攻撃をもってそのミサイルを迎撃できれば、まさにフルスペックの集団的自衛権行使そのものだ。
 「武器等防護」の名のもとに、政府が限定的集団的自衛権の行使のみならず、フルスペックの集団的自衛権の行使と同じ状況を可能にする改正自衛隊法95条の2の危険性をどれだけの国民が理解しているだろうか。
 本規定は、新3要件というオートロックのかかった入り口を経由せずに集団的自衛権を密輸入できる「非常口」だ。非常口からいくらでも人が入ってこられるのに「女性も安心」と言われれば、借り主は怒るし、防犯上大問題である。まして国家最大の暴力である軍事権の話ともなれば、このような「ざる」状態は論外である。
 集団的自衛権行使をなし崩し的に認めてしまう改正自衛隊法95条の2の行く末は2つしかない。ひとつは、憲法改正手続きを経て、堂々と集団的自衛権行使を国民に問うてから、95条の2の規定を新設するというプロセスを経るか、もうひとつは、今国会で提出されている本法案から95条の2を削除することである。憲法改正論議をしないのならば、法理論上は95条の2は削除を免れず、したがって、本法案の今国会での可決を断念し、再提出するしかない。安保法制、鍵のかけ直しである。
▽くらもち・りんたろう 1983年生まれ。慶大法を経て中大法科大学院卒。安保法案に反対する若手の論客として知られ、衆院特別委にも参考人として呼ばれた。
 
「限定的な集団的自衛権の行使」というのが改正自衛隊法95条の2により、フルスペックになるという、まさにこれも姑息な国民を欺くやり方であり、この筆者の言うとおりに「本法案の今国会での可決を断念し、再提出するしかない。」と、オジサンもそう思う。

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2015年08月26日

違憲法案にアリバイ的な質問は必要ない

朝方の激しい雨の影響なのか我が家全体が冷やされ、起床後、朝刊取って台所にはいると気温が20℃であった。
 
猛暑の日でもエアコンで20℃に下げるとかなり寒さを感じる温度である。
 
東京の今日の最高気温が25℃とあり、もうすでに夏は過ぎ去ってしまったのか。
 
季節がが変わろうが、落ち着きがないのが新国立競技場建設問題である。 
 
<新国立 2年前に開閉式屋根なし簡素案も 検討せず不採用>
 2015年8月26日 07時03分 東京新聞
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 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画をめぐり、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が2年前、開閉式屋根などを設けない1300億円余の簡素案を作成していたことが関係者への取材で分かった。この案はまともに検討しないまま不採用となった。政府が今月中にもまとめる新しい整備計画は開閉式屋根を採用せず、千数百億円を上限とする方針。当時のコスト意識の低さがあらためて問われそうだ。 (上田千秋、森本智之)
 この案は、13年8月にJSCが設計会社のJV(共同企業体)とまとめた7案の1つ。関係者の話などによると、JSCは当時、国際デザインコンクールで最優秀賞となったザハ・ハディド氏のアイデアを全て盛り込めば3462億円になると、設計JVから報告を受けていた。
 工費は概算で1300億円を予定したため、JSCから報告を受けた文部科学省は削減を指示。JSCは解体費を含め1358億〜3535億円の7案を作成し、文科省にも伝えた。最も安い案が開閉式屋根や可動席がない「一般的なスタジアムのイメージに近いもの」(JSC関係者)だったという。
 一方、最高額はハディド氏案の特徴である巨大アーチ構造などを盛り込んだもので、残る5案はアーチの長さや床面積、資材の質などに応じて作成。JSCは結局、床面積を2割減らしながらも開閉式屋根や可動席、アーチ構造は設ける1785億円(解体費を除く)の案を選んだ。9月に文科省へ報告し、11月に有識者会議で説明した。
 JSCが文科省に7案を報告した時期は、20年五輪が東京に決まる2週間余り前だった。工事が難しいとされるアーチ構造をやめれば、工費を減らせる可能性があったが、文科省関係者は「招致への悪影響を懸念してハディド氏のデザインが変更になるような抜本的な対応は検討すらしなかった」と説明する。
 開閉式屋根などを断念しなかったのも「収益を安定させるため、コンサートなどにも使う必要があった。屋根を諦める選択肢はなかった」。ハディド氏案をやめると「2位の案で作業をやり直したりする必要が生じ、19年秋のラグビー・ワールドカップ(W杯)に間に合わない。変える発想はなかった」と述べた。
 JSCはその後、開閉式屋根の設置を五輪後にして2520億円で施工業者と合意したが、安倍晋三首相が今年7月に白紙撤回を表明した。新たな計画では開閉式屋根を採用せず、機能は原則として競技に限定する方針。完成は20年春までとし、19年ラグビーW杯では使わない。
 
新国立競技場を検証する第三者委員会が8月7日に開かれたのだが、多くの関係者に対するヒアリング作業はかなり時間がかかりそうにもかかわらず、建設計画の大枠の予算だけが独り歩きしている。
 
白紙撤回に至った原因の「戦犯」は誰が見ても明らかなように「森喜朗」と「安倍晋三」の二人であることは間違いない。
 
「解体費を含め1358億〜3535億円の7案」を文科省に報告したところで、「19年秋のラグビー・ワールドカップ(W杯)に間に合わせろ」とか、2020年五輪が招致できなければ元も子もないと脅されれば、大幅な縮小案は採用されるわけがなかった。 
 
しかしIOCも理解を示してくれた建設計画見直しに対して「工期圧縮、新たな難題 新国立、完成3カ月前倒し要請」という事態になっている。 
 
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これにより計画が前倒しになれば様々な問題が発生することは目に見えている。
 
そもそも、2020年4月完成という計画も何ら保証がなく、今後も紆余曲折が繰り返されることになるだろう。
 
参院特別委では「にわか脱原発野郎」の山本太郎が短い質問時間の中で、戦争法案の核心を突く質問が注目を集めており、昨日は彼の質問開始時間が遅くなり、質問途中でNHK中継が終了してしまい、ネット上には多くのツイッターが乱れ飛んでいた。


実際に当日のNHKの番組表には18時10分までは延長してもよさそうであった。
 
もっとも、その後こんなツイターが飛んできた。



そして山本太郎の全ての質問の様子はこの通り。 
 
2週間前、共産党の小池晃議員が参院特別委で爆弾質問により審議をストップさせ、当日は散会となったことがあったが、昨日も民主党の福山哲郎議員の質問に、中谷元・防衛相はシドロモドロの曖昧答弁により、再三再四、審議は中断した。
 

 
<安全確保策めぐり紛糾 存立危機は規定なし 自衛隊の後方支援>
 2015年8月26日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 安全保障関連法案を審議する参院特別委員会は25日、安倍晋三首相も出席して集中審議があった。他国軍を後方支援する自衛隊員の安全確保策が議論となり、野党は存立危機事態で後方支援するケースで、法案に安全確保の規定がないことを批判。審議が紛糾し、後日に政府が見解を示すことになった。
 今回の法制では、日本の存立が脅かされ、集団的自衛権を使う「存立危機事態」で、同時に自衛隊が「米軍等行動円滑化法案」に基づいて米軍などへの後方支援もできるようになる。民主党の福山哲郎氏は、このケースについて「安全確保の(具体的な)規定がない。自衛隊の安全確保はどう担保されるのか」と質問した。
 中谷元・防衛相は「明確な規定がない」と認めつつ、「後方支援は安全を確保して必要な支援を行う」と答弁した。福山氏は具体的な安全確保策が法案に明記されていないことを重ねて追及したが、中谷氏が同様の答弁を繰り返し、野党が反発。審議が一時中断した。
 審議が紛糾したのは、従来の政府の説明と中谷氏の答弁が食い違ったためだ。
 安倍政権は、法案提出前の与党協議の段階から、自衛隊員の安全確保を海外派遣の原則の一つに位置付けた。国際貢献が目的の「国際平和支援法案」や日本の安全確保のための「重要影響事態法案」の後方支援では、活動場所を戦闘現場以外に限定。防衛相が戦闘が行われないと見込まれる「実施区域」を指定し、もし戦闘に巻き込まれそうになれば活動を一時休止・中断することを明記した。
 さらに国際平和支援法案では、隊員の安全確保への配慮も防衛相に義務付けている。こうした規定を根拠に、安倍首相は国会で「安全確保措置は法律上の要件として明確に定めている」とアピールしてきた。
 だが、存立危機事態での後方支援を定めた今回の法案では、そうした規定がない。福山氏は「首相は『安全が確保されない限り、後方支援は行わない』と言ってきた。答弁を撤回すべきだ」と批判した。
 

 
強行採決した時の衆院特別委での答弁と異なる答弁を参院特別委で行ったのなら、参議院での審議は一切拒否するという覚悟が無ければ、この法案はひっくり返せない。
 
中谷元・防衛相はそもそも戦争法案の中身を「つまびらかに」読んではいないし理解もしていないようである。
 
事前に提出された予定質問に対する答弁は防衛官僚が作成した答弁書を棒読みすればまだしも読み違えも度々あり、本来ならば、政府側委員としては失格であると退場させるだけの迫力を野党側質問者は示さなければならない。
 
衆院特別委では野党から、後方支援とは兵站活動であり、それは戦闘行為そのものであると指摘されている。
 
戦闘行為ならば自衛隊員のリスクは格段に増加し、いくら法律で安全確保の規定を明記したところで、戦闘現場では上官の命令にすべてが左右され、法律なんかでは命は守れない。 

そもそも違憲であると断定されている戦争法案なので、包括された個別法案について重箱の隅を突っつくような質問して審議をストップさせたり、防衛相や外務相を立ち往生させたところで、いたずらに時間が経過するだけである。
   
何故、この戦争法案が憲法の枠内で合憲なのかを正面から何度も安倍晋三首相に突きつけ、論破しなければ安倍晋三は「往生」しないであろう、とオジサンは思う。

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2015年07月31日

血を流す政治より、血の通う政治を

戦争法案の審議が参院に移り、少数会派すべてに質問時間を与えたことは決して悪くはないのだが、質問者が多くなれば必然的に質問時間が削減されてしまう。
 
テレビ中継される機会が全くなかった少数野党の代表者は、首相に質問したというパフォーマンスで満足している輩も見受けられ、少なくとも違憲の戦争法案を何が何でも廃案にする、という気迫は全く伝わってこない。
 
心の中では、「頑張って参院で廃案にしたところで衆院で再可決されてしまう」という腰が引いている感じである。
 
しかし国会の外では、「理解が進んできた」様々な年齢層の人々が反対の声を絶やさない。
 
NHKで戦争法案反対のデモは絶対に放映されないが、メディアチェックしている安倍晋三首相の側近らは、反対運動の広がりを遂次安倍晋三首相に伝えている。
 
それが、国会での答弁に如実に表れ始めている。
  
<断言首相 「絶対にない」「断じてない」「いささかもない」 安保法案>
 2015年7月31日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 絶対にない」「断じてない」「いささかもない」――。安倍晋三首相が安全保障関連法案の参院審議で、こんな断定調を増やしている。法案に対する世論の不安を払拭(ふっしょく)するためとみられるが、「断定」の根拠はというと、いま一つはっきりしない。
 ■「戦争、巻き込まれることは絶対ない」「徴兵制全くあり得ない、今後もない」「専守防衛、いささかの変更もない」
 首相は30日の特別委員会で、自民党の森雅子氏から集団的自衛権の行使を認めたことをめぐり、「戦争に巻き込まれることはないのか。世界の警察であるアメリカに言われたら断れないのではないか」と問われ、「戦争に巻き込まれることは絶対にない」と述べた。
 あくまで日本の防衛のために集団的自衛権を使うのであり、それに関係ない戦争に自衛隊は出せないという説明だ。だが、首相が普段から「日米同盟」の重要性を強調しているだけに、野党や憲法学者は、米国に助けを求められれば何らかの理屈を作り、米国の戦争に加わることにならないかと指摘する。
 さらに森氏が徴兵制を取り上げ、「子育て中のお母さんと話すと、『徴兵制になるんじゃないの』という声を聞く」とただすと、首相は「徴兵制の導入は全くあり得ない。今後も合憲になる余地は全くない。子どもたちが兵隊にとられる徴兵制が敷かれることは断じてない」と繰り返した。首相は「政権が代わっても導入はあり得ない」と言い切ったが、民主党幹部は「長年の憲法解釈を変更し、歴代内閣が使えないとしてきた集団的自衛権の行使を認めたのは首相で説得力がない」と指摘する。
 また首相は、民主党の広田一氏から、日本が相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使するとされる「専守防衛」の原則について問われ、「基本方針であることにいささかの変更もない」と述べた。だが集団的自衛権が使えるようになると、他国への攻撃でも、日本の存立が脅かされる明白な危険があると、政府が判断すれば武力行使できるようになる。広田氏は「専守防衛の考え方が破棄される」と批判した。
 ■<視点>説得力欠ける
 首相が「断定調」を繰り返すのは、法案への国民の理解が深まっていないとみて危機感を募らせているからだ。首相周辺の一人は「攻撃は最大の防御だ」と語る。強気の答弁で野党の批判を封じ、国民の支持を得たいということなのだろう。
 しかし首相がどう口調を強めようと、問題の本質は法案の「違憲性」と、どんなケースに集団的自衛権が適用されるかがあいまいな点にある。
 多くの憲法学者が法案を「憲法違反」と指摘し、その根幹への不信感が高まっているのに、首相は集団的自衛権を行使する判断基準を聞かれると「総合的な判断だ」と繰り返す。政権の裁量を少しでも広げておこうと、あえて法案や答弁ぶりにあいまいさを残している。これでは憲法上も安全保障政策上も、行使が適切かわからない。
 そもそも、長年の憲法解釈を一内閣の閣議決定で変更したのは首相自身だ。その首相が、いくら将来のことを「絶対にない」「今後もない」などと明言しても説得力に欠ける。
 
毎日新聞の社説「安保転換を問う 存立危機事態 想定がころころ変わる」でも言われているように、仮定の話で作り上げた「存立危機事態」には具体性が無く、なまじ例をあげればすぐに事態が変わり、一貫性が保てなくなる。
 
そうなると、国の最高責任者として「強く」言い切ることが、国民に安心感を与えることになると取り巻き連中が考えたのであろう。
 
しかし、こんな断定調は、虚言症の子どもが「僕は絶対に嘘をついていない」と言っているようなものである。
 

数年前までは、皆さんのような人たちの前で話をするとは想像もしていませんでした
 
この「皆さん」とは、戦争法案と集団的自衛権に反対している人々であり、話を始めたのは2004年から6年程、歴代政権の中枢にいた元防衛官僚で内閣官房副長官補を務めた人。
 
昨日、都内の200名程入れば満席という小さなホールで柳澤協二さんの講演を聞いた。
 
講演前の話は続く。
 
「最近、あちらこちらで安保法制の問題点を話しているので、妨害なんかないのですか、と聞かれます」
 
「そんな妨害はないのですが、かつての友人からは、『利用されないで』といわれます」
 
「しかし私は十分に皆さんに利用されるためにやってきました」
 
こんな出だしから、穏やかな口調でわかりやすい解説を始めた。
 
会場には彼の講演の「追っかけ」と思われる御婦人も参加しているらしく、「この前の資料にチョット付け加えました」とも話していた。
 
表紙を含めて22枚の資料がプロジェクターで映し出されたが、そのうちの13枚を特別にお借りして画像で紹介してみる。
 
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自衛隊法88条では「国家意思として防衛出動命令行い、武力行使により殺傷・破壊ができる」と定義されているのだが、海外派兵に適用すると憲法違反になるので、国家意思ではなく、あくまで自衛官個人の意志による「殺傷・破壊」行為が行われることになる。 
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国会では安倍晋三首相が「自衛隊員のリスクはむしろ低くなる」という全く根拠のない正反対の答弁をしていたのだが、それは真っ赤なウソであると断じていた。
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この服務規程は柳澤さんも防衛庁に入ったころ宣誓したらしいのだが、日本国憲法を遵守しなければなえらない自衛隊員が違憲の法律で海外派兵に行かされるという大きな矛盾を抱えることになるという。
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やはり参加者の一番の関心は今後のことなのだが、柳澤さんは法案は成立してしまうだろうが、それを効力のあるものにするには「国会承認」が必要であり、これは参院で野党が過半数になれば、衆院でも再承認ということはできないという。
 
そのためには法案が成立しても諦めず、来年の参院選挙まで怒りを継続して、自公政権から過半数を奪えばよい、と強調。 
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安倍政権の強行採決のお蔭で、それまで関心の薄かった人々が目覚め、自分たちの問題として捉え始めている。
 
安倍政権は平気で自衛隊員を米国に差し出す。
 
当然、戦闘行為に巻き込まれ命を落とす危険性は増大する。
 
最後に柳澤さんはこう締めくくった。
 
血を流す政治より、必要なのは血の通った政治である
 
この意味がはたして安倍晋三首相が理解できるのか、おそらくは無理だろうな、とオジサンは思う。

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2015年07月30日

似た物同士か似て非なるものか

一昨年の特定秘密保護法に反対して生まれた学生のグループ「SASPL」が衣替えした「SEALDs」。
 
最初は東京から生まれたが、SNSの活用により「SEALDs東北」とか「SEALDs関西」や「SEALDs京都」等々、まるで第一次安倍政権の時に生まれ全国的に広がった「9条の会」の学生版といったところか。
 
余りにも急速に拡大し、危機感を持った連中はさっそく、昔ながらの「赤攻撃」をやっているが、公安関係者は「学生だけでなく主婦など政治的思想のない普通の人の集まりです。共産党や日本民主青年同盟(民青)が裏で手を引いているとの指摘もありましたが、それはないと判断しています。むしろ、共産党や民青が一枚かみたいとシールズに近づいているという構図。それもうまくいっていません」と解説する。

それでも、2週間ほど前から、こんなツイッターが発信され、一部の若者の間では拡散しているらしい。

 
このツイッターの内容について大手メディアが検証していた。  
 
<デモに参加すると就職に不利…「いつの時代の話?」>
 2015年7月30日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 安保法案に反対の声を上げる学生団体が注目され、若者が国会前に足を運んでいる。しかし、ネット上では「デモに行けば就職できない」という声が飛び交う。本当に就職に不利になるのだろうか。
 ■「つぶやき」次々と投稿
 都内に住む女子大生(19)は、衆院特別委の強行採決直後の15日夜、初めて国会前のデモに参加した。
 家を出る前、母と祖母に「デモに参加して就職できなくなった人も昔はいたのよ」と言われた。「行動しないと気持ちがおさまらない」と1人で出かけたが、「就職に響くって本当かな」という心配も、頭の片隅に残った。
 衆院の安保審議が大詰めを迎えた14日以降、「就職や結婚に響く可能性」などという大学生のデモ参加をめぐるツイートが次々と投稿された。「デモに行くだけで、確実に人生詰みますよ」「就職に不利益が…」。16日にツイッターに投稿されたつぶやきは約3千回もリツイートされた。
 ■採用拒否は認めぬ流れ
 「デモに行くなどの政治的表現の自由は、憲法が保障する権利の中でも価値が高いもの」と一橋大大学院の阪口正二郎教授(憲法学)は話す。しかし、誰を採用するかは「企業活動の自由」でもある。
 「三菱樹脂事件」では、学生の思想を理由に企業が採用を拒否したことが争われた。1973年の最高裁判決は「特定の思想信条を有する者を雇うことを拒んでも、当然に違法とはできない」とした。しかし、学界から「憲法で保障される思想、信条の自由を考慮していない」と批判され、三菱樹脂社も結局学生を雇った。阪口教授は「企業が思想で採用を拒む自由は、時代を追って狭くなっている」と指摘する。
 職業安定法が99年に改正され、企業が求職者の個人情報を集めるのは業務に必要な範囲に限られた。厚生労働省は思想信条などに関わる情報の収集を原則禁止する指針を出している。
 雇用問題に詳しい成蹊大の原昌登教授(労働法)は「労働法学界では、思想信条を理由に採用拒否するような行為は公序良俗に反し不法行為になるという考えが多数派だ」と説明する。また、思想を理由に内定を取り消された場合は、労働基準法違反で無効になる。
 ■感度の高さ、評価の傾向
 思想信条による企業側の採用拒否について「あるべきではないが、あり得ないともいえない」と話すのは就活事情に詳しい千葉商科大専任講師の常見陽平さんだ。「社風によっては敬遠することもあるかもしれないし、不採用の理由は明かされないから分からない」
 一方、企業は近年「社会問題への感度の高さを評価する傾向にある」という。「国会前に足を運ぶのは、デモでヘイトスピーチを叫ぶのとはわけが違う。むしろ肯定的に受け取る可能性は十分ある」と感じる。
 実際に採用する側はどう感じるのか。
 大手化学メーカーで採用を担当する幹部は「デモが就職に不利なんて、いつの時代の話ですか。学生がデモに参加したかなんて調べるヒマもリソースもありませんよ」と一刀両断。「うちの会社には学生運動出身の役員も何人もいますし、私もキャンパスの学長室で座り込みをしていて写真を撮られました。もう30年以上も前かなあ」と笑う。
 (後藤遼太)
 
やはり、ガセネタのようだったらしい。
 
しかし就職に有利・不利は本人の生き方の問題であり、学生時代の活動・運動が原因で就職(就社)できなかったら、その程度の企業だったと、見下せばよい。
 
■最高顧問 - 麻生太郎、谷垣禎一、安倍晋三
◆相談役 - 小池百合子
●代表 - 平井卓也(2010年11月- )自民党ネットメディア局長が兼任する。
▼事務局長 - 新藤義孝
 
上記の連中が役員になっている、怪しげなJ-NSCよりは外に出てデモをしているSEALDsのメンバーの方がズット健康的で頼もしいと考えるまともな企業の経営者もどこかにいるはずである。
 
さて話変わって、新聞の日曜版などによく掲載されている「2枚の絵の間違い探し」というクイズがある。
 
複数の登場人物や風景などで、違いを見つけるという極めてわかりやすいクイズなのだが、実際の世の中で余りにも大胆に「間違い」があると、むしろ気が付かれずに放置される場合がある。 
 
東京メトロ:新駅名「北干住」? 1カ月足らずでパネル修正
 
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ところで参院特別委は昨日で2日目の審議を終えたのだが、戦争法案を廃案に追い込む迫力は野党には見られない。
 
単発的に鋭い質問をしても事前に「質問予告」をしているので、それに対して官僚が模範答弁を作成し、安倍晋三首相や中谷元・防衛相や岸田文雄外相が「木で鼻を括った」ように棒読みするという、衆院特別委の焼き直し場面が多い中で、昨日たまたま出先でテレビ中継を見ていたら、あの「にわか原発反対野郎」の山本太郎が安倍晋三首相を、上手に攻めていた。 
 

 
山本太郎議員
 「稼働中の川内原発がミサイル攻撃を受けた時にどれくらいの放射性物質が放出されるのか?」
●原子力規制委員会の田中委員長 
 「弾道ミサイルが直撃した場合の想定はしていません。ちなみに事故が起きた場合の想定は福島原発事故の1000分の1以下」
山本太郎議員
 「どうして福島原発の1000分の1で済むのか。前に質問したところ、仮定の質問でありお答えするのは差し控えたいとの返答があった。仮定の話ではお答えするのは難しいということなのでしょうか総理」
■安倍首相 
 「武力攻撃は規模の大小やパターンが異なることから、一概に想定するのは難しい」
山本太郎議員
 「今回の法案、中身や仮定や想定を元にしていませんか? A国がB国に攻撃を仕掛けた。友好国のB国から要請があって武力行使が出来るの出来ないの。これは仮定ですよね?」
山本太郎議員
 「都合の良い時だけ仮定を連発して、国防上ターゲットになり得るような核施設に対する仮定や想定は出来かねますって、どんだけご都合主義ですか!?
 
当初は原発再稼働の可否の問題かと心配していたら、分かりやすく、うまく戦争法案の本質を突いていた。
 
「平和安全法案」とネーミングして臨んだ安倍政権だったが、法案の中身は明らかになるにつれて「危険戦争法案」、略して「戦争法案」という呼び名が全国的に広がってきている。
 
そもそも「正しい戦争」などあり得ない。

ましてや「安全な戦争」などは形容矛盾であることはいうまでもない。

戦争は人を殺し、殺されるのである。
 
特に米国が今世紀に行った戦争は全て他国への侵略戦争である。
 
その米国の手先となって名目上の「非戦闘地域」で後方支援と称する「兵站」活動は立派な戦闘行為であると、衆院特別委では共産党の志位委員長が鋭く追及していた。
 
安倍政権は参院特別委では、「戦争」という言葉を「自衛措置」と言い換えるという姑息なことをやり始めている。
 
<「戦争」とは―― 首相「集団的自衛権と区別」 野党「武力行使すれば戦争」>
 2015年7月30日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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  何をもって「戦争」と呼ぶか――。安全保障関連法案を審議中の参院特別委員会で安倍晋三首相は国連憲章を挙げ、「戦争法案」と呼ぶ野党に反論した。一方、野党は集団的自衛権の行使を「戦争参加」そのものと断じる。法律上の定義か、あくまで実態か。
 「『戦争に参加する』という表現は、違法行為を我が国が行っていると誤解されかねない、極めて不適切な表現だ」。首相は29日、参院特別委で「戦争法案」との批判に反論した。
 首相が根拠に挙げたのは「国連憲章」だ。事実上、戦争を違法だとする条文を設ける一方、安全保障理事会が集団安全保障措置を決定するまでの間、加盟国の個別的、集団的自衛権を「固有の権利」と認める。首相は「国連憲章で違法とされる戦争とは明確に区別されている」と答えた。
 だが野党の見方は違う。民主党の福山哲郎幹事長代理は28日の特別委で「集団的自衛権の行使は戦争に参加することだ」。日本と密接な関係がある国が戦争中で、それにより日本の存立が脅かされる危機がある場合、集団的自衛権で武力行使すれば、国連憲章の考え方は別にして、実態は戦争参加と同じだというわけだ。横畠裕介内閣法制局長官は「戦争ではない。あくまで自衛の措置にとどまる」と答えたが、概念上の「戦争」と、一般的な「戦争」とで認識が異なっている。
 国連憲章が認めない違法な戦争に日本が加担する可能性もある。2003年のイラク戦争では、米国は湾岸戦争直前の1990年の安保理決議などを根拠に開戦。仏、独などが反対し、当時のアナン国連事務総長は04年、「国連憲章上から違法」と指摘した。だが、自衛隊はクウェートを拠点にバグダッドへ米兵や物資を輸送するなど後方支援を行った。社民党の吉田忠智党首は29日の特別委で「米国の対テロ戦争にお付き合いした」と指摘した。(石松恒)
 
渋谷のママデモでは多くの母親たちが「自分の子どもを戦場に行かせない」「徴兵制反対」という声を上げていた。
 
このような女性たちの声には敏感な安倍晋三首相は「首相、徴兵制を強く否定 『合憲の余地なし』安保特別委」と、お得意の「解釈」をしないで、現憲法では違憲と宣う。
 
しかし集団的自衛権の話になると憲法を飛び越え、国連憲章を持ち出すという、まさに山本太郎が指摘したように「ご都合主義」そのものではないだろうか、とオジサンは思う。 

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