2017年07月17日

海の日に考え思う事

九州北部では記録的な豪雨のためにかなりの死傷者が発生しているが、関東地方では雨が例年より少なく水がめと言われる主要ダムの利根川水系8ダムの貯水率が47%と1か月前に報道されていた。
 
8つのダムのうち、規模が大きい矢木沢ダム(群馬県)の貯水率は20%にとどまっており、これから農業用水や都市用水の需要期を迎えることから、「深刻な状況」となっている。
 
これは冬期に記録的な少雪だった上、5月の雨量も例年の半分程度だったことが要因らしいのだが、関東地方整備局は「このまま雨が降らなければ取水制限せざるを得ない」と7月から10%の取水制限も考えているという。
 
昔から言われる「カラ梅雨」なのだが、まだ梅雨明け宣言が出ていないにもかかわらず、連日の真夏日が続いているが、総務省消防局の「熱中症情報」によれば、「7月3日〜7月9日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、4241人 昨年より同時期で1000人ほど減少」ということなので、それなりの熱中症対策が進んでいるのかもしれない。
 
都内の繁華街などでインタビューに対して一番必要なものは「お金」と答える若者が多い。
 
それはある意味では事実なのかも知れないが、砂漠で仮に「100万円」持っていても、水分が無ければ生きて行けない。
 
そもそもヒトは水がなければ生きてはいけない動物であることは言うまでもない。
 
年齢と体内水分の比率は平均的には、赤ん坊は80%が水分、小学生は75%、大人は約60%、そして高齢者は50%だという。
 
これは歳をとるということは体内から水分が抜けていくということになる。
 
オジサンも前期高齢者から数年経っており体内水分は50%前後ということになる。
 
しかし、積極的に水分を取る必要がある、といって昼間から冷たいビールを飲む言い訳にはならない、といつもオバサンに監視されている。
 
ある資料によると、人体を構成する組織の中では「目の網膜」が水分の比率が最も高く92%、次は血液で約82%、続いて「筋肉」が76%、「脳」が約75%、そして「皮膚」が72%、硬い骨ですら22%が水分である。
 
体の器官別にみてみると、水分量の第1位は脳である。
 
脳内はリンパ液と呼ばれる豊富な水分で満たされた頭蓋の中に、いわば豆腐のような脳が浮かんでいる状態で存在している。
 
このような浮遊状態のために外部からの衝撃が直接脳に及ばず、いわゆるショックアブソーバーの役割も水がはたしている。
 
さらに、脳内に十分な水分があることにより、電気信号が流れやすくなるという。
 
それはイオンの移動がスムースになり、神経細胞が揺らぎやすくなるらしい。
 
この反対に脳内水分が少なくなると様々な症状が起きてくる。
 
米国の老化防止医学協会の調べでは、脳内水分(約75%)が1〜3%減少するとイライラが始まり、集中力が減退するという。
 
3〜5%の減少では"ボケ"や物忘れが頻発するようになる。
 
人前で話すときや試験に臨むときには、コップ1杯の水が大きな力を発揮するという。
 
講演会などで講師の演台に必ずコップ付の容器に水が入っているのは、単に喉を潤すだけではなく、イライラが解消され集中力が増す効果があるというわけである。
 
ここで思い出すのは3年前、日刊ゲンダイが、「『ラドン』の次は『磁気玉水』 安倍首相“民間療法”頼みの心理」という記事の中で、「安倍首相が飲んでいるのは、パチンコ玉大のセラミックボールを浸した〈情報水〉というシロモノです。なんでも磁気を含んでいるとかで、胃腸の働きが良くなり、体調が安定するそうです」と関係者の話を紹介していた。
 
1個1万800円のセラミックボールだそうで、漢方やミネラルなど、体にいい成分の磁気情報をバイオIT(生命情報記憶伝達技術)で水に転写。その水と粘土を混ぜて作ったモノだという。
 
安倍晋三の水筒から飲むシーンは4年前から国会内の委員会で良く見られたのだが、最近は見かけない。
 
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そうすると長時間委員会に拘束状態になり脳内水分補給が十分にいかなくなり「イライラが始まり、集中力が減退する」という症状が顕著になり、それが野党側の質問に対して攻撃的な答弁を繰り返したということなのかもしれない。
 
さて、水の話題の次は海の話である。
 
オジサンの若い頃は、「海の記念日」という民間での記念日であった。
 
もちろん、この海の記念日というのは、明治天皇が明治9年に東北地方を巡幸されたのち「明治丸」という船にご乗船し、7月20日横浜港に無事ご帰着された事に由来したとされている。
 
しかしなぜか1995年に「国民の祝日に関する法律」で「7月の第三月曜日」とされ、一連の「連休を増やす」という政策から、ほとんど意味の無い休日になってしまった。
 
もっともそんな由来なんか関係ない、休みが増えることを歓迎する勤労者たちからすれば、反対する余地がない。
 
同じ海でも本土からは遠く離れた沖縄県名護市の辺野古海の破壊は現在も続いている。
 
当初は「世界一危険な飛行場」と言われた普天間飛行場(基地)を返還する見返りに辺野古に新基地を建設するということになっていたはずであった。
 
ところが、返還にはいくつかの条件があり、それがクリアされないと普天間は返還されないということが明らかになった。  
<稲田氏発言が波紋 普天間返還条件 未達成なら「返還なし」>
 2017年7月4日 11:00 琉球新報
 米軍普天間飛行場の返還を巡り、稲田朋美防衛相が移設先の名護市辺野古の新基地建設が進んだとしても、それ以外の返還条件が満たされない場合は普天間が返還されないと明言し、沖縄県議会で議論になるなど波紋を呼んでいる。返還条件は8項目あり、防衛省も従来、条件が満たされなければ返還されないとの見解を示している。ただ防衛相が「返還できない」と明言したのは初めて。辺野古新基地が建設されても普天間が返還されないと明示したもので、継続使用されれば負担が増大する可能性を示したことになる。
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8の返還条件のうち一つしか達成していないことが明らかになった米軍普天間飛行場
 
 稲田氏の発言があったのは6月15日の参院外交防衛委員会。民進の藤田幸久氏への答弁だった。藤田氏は普天間飛行場の返還条件の一つ「長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善」を挙げ、米側と調整が進まない場合に普天間が返還されないことがあるか確認した。
 普天間飛行場の返還条件は2013年4月、日米両政府が合意した嘉手納基地より南の米軍基地の返還・統合計画で決まった。
 条件は
 (1)飛行場関連施設等のキャンプ・シュワブへの移転
 (2)航空部隊、司令部機能、関連施設のシュワブへの移設
 (3)必要に応じた飛行場能力の代替に関連する航空自衛隊新田原基地・築城基地の緊急時の使用のための施設整備
 (4)代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善
 (5)地元住民の生活の質を損じかねない交通渋滞、諸問題の発生回避
 (6)隣接する水域の必要な調整の実施
 (7)施設の完全な運用上の能力の取得
 (8)KC130空中給油機の岩国飛行場の本拠地化−の8項目となっている。
 
藤田氏が問いただしたのは(4)の項目だ。普天間飛行場は滑走路約2700メートルだが、辺野古はオーバーランを含めても約1800メートルで、短くなる。そのため米側が「大型の航空機などが使用できる滑走路を求めている」(防衛省関係者)ため、民間空港の使用が想定されるという。
 ただ現状では日米間の協議で使用する空港は決まっていない。そこで、稲田氏は仮定の話だとした上で「普天間の前提条件であるところが整わなければ、返還とはならない」と明言し、新基地が建設されても普天間が返還されない可能性を繰り返した。
 返還条件の8項目については、防衛省も本紙の取材に対し、条件を満たしているのは(8)だけだと回答しており、稲田氏と同様の見解を示している。
 現在、嘉手納基地ではSACO最終報告に違反する形で移設したはずの旧海軍駐機場が使用されている。県や嘉手納町が問題視する中、米軍は2009年の日米合同委員会で「必要に応じて使用」に合意したと主張している。
 騒音問題に配慮して住宅地近くから嘉手納基地中央部に移されたため、旧海軍駐機場は使用されないとみられていた。だが、1月の移転完了後も外来機の飛来が相次いでいる。日本側は「必要に応じて使用」するとした合意の存在を否定する。一方で米側に対し、旧海軍駐機場の使用を禁止するようには求めておらず黙認している状態だ。
 今後、普天間飛行場についても、辺野古新基地が建設されても他の返還条件が満たされない場合、米軍が辺野古と同時に使用する可能性は否定できない。4月から新基地の埋め立て本体工事が進められているが、普天間飛行場の返還条件という根本の議論が改めて注視されている。

6月15日当時の在京各社のWeb版を調べてみると、加計学園疑惑を巡る文科省の内部文書の対応や、共謀罪の強行採決と国会閉会という時期と重なっており、紙面で取り上げた形跡はなかったようである。
 
在京メディアが伝えないとなかなか沖縄の現状と辺野古新基地建設反対運動の状況も一般の人には伝わらない。
 
そのような人は、せめて、沖縄意見広告運動に参加したり、僅かな寄付でも力となる、「辺野古基金、6億2930万円に 寄付11万2113件」へのオジサンのような貧者の一灯を試みてはどうだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:54| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月13日

20年前に既に政府から見放されていた沖縄

突然ですが、全く季節外れの動画をご紹介!
 
 
 
そして冬になり、「今年の漢字は?」といえば思い出すのが、安倍晋三のこれ!! 
 
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まあ、お遊びはこのくらいにして、今年の漢字に関してはこんなつぶやきがあった。

それにしても、ベスト10の漢字たちは、総じてそれなりに世相を表しているのであろう。  
 
 「金」「選」「変」「震」「驚」「米」「輪」「不」「倫」「乱」
 
やはりというのか、高裁が政府側の主張の沿った判決を下したことで、県も政府も双方が「想定済」という結果になった。 
 
上告主意書もまともに読まず、弁論を開かずに判決を出すということは、最高裁の判決は決まっている。
 
今年の3月の和解条項に従い、翁長県知事は「判決には従う」ことになった。
 
<辺野古攻防、次の手は 翁長知事、徹底抗戦の構え>
 2016年12月13日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐる違法確認訴訟の上告審で、国の勝訴が確定する見通しとなった。安倍政権は勝訴確定も追い風に、移設に反対する沖縄県を揺さぶり、辺野古移設の推進を図る。一方、翁長雄志(おながたけし)知事は敗訴となってもなお、移設阻止に向けて徹底抗戦の構えだ。
 この日夕、翁長知事は報道陣を前に険しい表情を浮かべ「判決には従う」と述べた。「この2年間、いろんなことがありましたから、(一報は)淡々と受け止めました」とも言った。
 翁長氏にとって、最高裁での敗訴は想定内だった。それでも上告に踏み切ったのは、1996年に大田昌秀知事(当時)が国と裁判で争った「代理署名訴訟」の上告審と同様、「知事が東京の大法廷に立つ」ことに意義があると考えたからだ。県幹部は「全国に沖縄の現状を伝える機会だったのに」と残念がる。
 ただ、辺野古反対が翁長氏の最大の公約であることに変わりはない。11月末の合同インタビューでは、敗訴したとしても、来年3月末に期限が切れるサンゴ礁の開発許可を更新しないことや、知事の承認が必要な「埋め立て工事の設計や工法の変更」を認めない、といった手法を検討していることを明言。「判決の趣旨に従って誠実に対応する」と定めた和解条項についても弁護団と協議を重ね、「埋め立ての承認以外の手続きは縛られない」との解釈で押し切れると踏む。
 トランプ氏が大統領に就任する来年には、米国世論に訴えるため3度目の訪米も準備する。翁長氏はいつも通りのフレーズを繰り返した。「辺野古新基地は造らせない。私の思いを遂げていきたい」(吉田拓史)
 ■県に損賠請求案 政府
 「和解条項では司法の判断が示された場合、判決に従い、主文およびその理由の趣旨に従って協力して誠実に対応するとなっている」。菅義偉官房長官は12日の記者会見で、国が勝訴した場合には今年3月に成立した和解に基づき、埋め立て工事の再開に応じるよう県を牽制(けんせい)した。
 政府にとって、最高裁での勝訴確定は想定内だ。来春にも埋め立て工事を再開する道筋を描く。むしろ、懸念しているのは翁長氏の出方だ。最高裁で敗訴が確定しても、知事権限を使って対抗策を打ち出してくるのではないかとみているためだ。
 その場合の対応として、政府内では県に対する損害賠償請求案が浮上している。官邸幹部は「ここまで工事が遅れているのだから、その分の損害賠償を求めることについて議論している」と明かす。
 さらに、政府は来年で期限切れとなる酒税軽減など9項目の沖縄振興税制について、特例措置の延長期間短縮を決めた。今月22日には、沖縄にとっては負担軽減となる米軍北部訓練場(東〈ひがし〉村、国頭〈くにがみ〉村)の一部返還が予定されている。硬軟織り交ぜて揺さぶりをかける方針だ。(岩尾真宏)
 ■米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる経緯
<2013年3月> 国が辺野古沿岸部の埋め立てを沖縄県に申請
<12月> 仲井真弘多県知事(当時)が埋め立て申請を承認
<14年11月> 翁長雄志氏が県知事に当選
<15年10月> 翁長県知事が埋め立て承認を取り消し/国が埋め立ての本体工事に着手
<11月> 国が沖縄県を提訴
<12月と16年2月> 沖縄県が国を提訴(2件)
<3月> 国と県の和解が成立/国が埋め立て承認取り消しの撤回を県知事に指示
<7月> 国が取り消し撤回に応じない県知事の違法確認を求め提訴
<9月> 福岡高裁那覇支部で県知事が敗訴/県知事が上告
<12月> 最高裁が弁論を開かず20日に判決
 
「ここまで工事が遅れているのだから、その分の損害賠償を求めること」は、原発保有電力会社が、再稼働差し止め仮処分を不服として本訴に持ち込み勝った場合、差し止め中の損害を請求するという、まさに「スラップ訴訟」になりかねない。 
 
辺野古新基地建設反対派の人たちの声。
◆「ヘリ基地反対協議会」の安次富浩共同代表(70)
 「予想されたことで抗議活動への影響はない。最高裁判決を受け政府は辺野古移設を強硬的に進めてくるだろうが、挑発に乗らずしっかりと運動が展開できるよう対応を考えたい」
◆名護市汀間地区の新名善治区長(62)
 「国の政策に反対する判決が出るのは難しいと思っていた。しかし、絶対に辺野古に基地を造らせない。できる限りの手段で抵抗する」
◆辺野古の自営業、西川征夫さん(72)
 「移設問題を巡り20年にわたって辺野古の集落は二分されてきた。子や孫への影響を考えると、最高裁の判断に逆らってまで反対運動を続けるのは難しいのでは」「移設反対の気持ちは変わらない」
◆翁長知事を支える仲村未央県議
 「これで(移設工事に関する)知事権限が全てが封じられたわけではない。沖縄の民意に司法が向き合わなかったことで、新たな闘いに向けて県民の団結はより強まっていく」
 
移設を容認する人たちも存在することは、「100%の民意」ではないことを物語っている。
 
○移設容認する元辺野古商工会長の飯田昭弘さん(68)
 「もろ手を挙げて歓迎するわけではないが、こうなることは分かっていた」
 「インフラ整備を含め辺野古の将来ビジョンを定め、国としっかり交渉してほしい」
○辺野古代替施設安全協議会の許田正武代表理事(48)
 「想定内の結果だ。苦渋の選択だが、充実した雇用、教育、安全な暮らしを目指さないといけない」
○宜野湾市の女性会社員(53)
 「現実を考えれば県は国には勝てない。(辺野古移設で)自然を壊してしまうのは悔しいが、何年も訴訟を続けるよりも普天間を確実に返還してもらうことが大事だと思う」
 
移設を容認するといっても、決して積極的な移設派とはいえず、多くはお上には逆らえず、また逆らっても負けてしまうという諦めからの「苦渋の選択」支持派であろう。
 
移設反対の声は海外でも上がっており、具体的な行動を起こしている団体も存在していた。  
 
<退役軍人平和団体 辺野古反対を正式可決 全米に支持求める>
 2016年12月11日 10:16 琉球新報
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】全米120の支部を持つ退役軍人らでつくる平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」は10日までに、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画の中止を求める決議案と、米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江周辺でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設の中止を求める緊急決議案を賛成多数で再度可決した。沖縄に関する両決議は8月に開かれたVFPの年次総会では支部代表や役員らによって可決されていたが、今回は会員全員の投票で正式に可決された。
 決議案を提案したVFP琉球沖縄国際支部(VFP−ROCK)のダグラス・ラミス代表(沖縄キリスト教学院大大学院客員教授)は「私たちは沖縄問題に対して行動するよう、さまざまな支部に促すことができる」と述べた。同支部は可決を受け、全支部に対し、新基地建設に反対する決議を全米各地の議会でも可決するよう働き掛ける。
 可決した辺野古新基地に反対する決議文では、翁長雄志知事や稲嶺進名護市長が反対していることを強調した。その上で各支部に(1)普天間第1海兵航空団の撤退(2)新基地建設計画の撤回(3)沖縄からのオスプレイの撤収−の3点を地方議会などで決議するよう働き掛けることを求めている。
 
1996年4月12日夜、当時の橋本首相とモンデール駐日米大使は緊急記者会見を行い、沖縄県の米軍普天間基地を5ないし7年以内に日本に返還することで正式に合意したと発表した。
 
これまでの日米特別行動委員会(SACO)の協議では「困難」といわれてきていただけに、大きな政治的演出効果を持つものであった。
 
普天間基地の返還には厳密に4つの条件がつけられていた。
(1)沖縄の米軍基地の中に新たにヘリポートを建設する
(2)嘉手納基地には追加的な施設を整備し、普天間基地の一部機能を統合する
(3)普天間基地の空中給油機を岩国基地に移しかえる
(4)危機が起きた時の米軍による基地施設の緊急使用について、日米両国が共同で研究を行う
というものである。
 
この合意があくまでも米軍基地の現有機能を確保することを前提にしたものであり、「純粋な形での返還」ではないということであり、返還される普天間の施設は、米国へ持ち帰るのではなく沖縄県内、本土の他の基地へ移転され、そこには新たな重圧が加わると当時から指摘されていた。
 
そして「本土の他の基地へ移転」することは本土内で新たな基地反対闘争を引き起こすことを避けるため、その後政府内では名護市への移設を既定事実化するような書簡が明らかになった。
   
<辺野古決定 政権の本音 梶山元官房長官、98年に書簡>
 毎日新聞 2016年6月3日 08時34分
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に米側と合意した故橋本龍太郎元首相の下で沖縄問題を担当した故梶山静六元官房長官が1998年、本土(沖縄県外)の基地反対運動を理由に、同県名護市への移設以外にないと記した直筆の書簡が残されていることが分かった。政府はこれまでほぼ一貫して沖縄の地理的優位性や米軍の抑止力を名護への移設理由と説明しているが、当時の政権中枢が「本音」とも言える見方を示していたことで、名護移設の是非を巡り改めて論議を呼びそうだ。【鈴木美穂】
 本土の反対懸念「名護よりほか無い」
 書簡は縦書き便箋3枚。欄外に「衆議院議員 梶山静六 用箋」と印刷されている。普天間返還と名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖への機能移設を巡っては97年12月、名護市の住民投票で反対多数となりながら、当時の比嘉鉄也名護市長が受け入れと辞任を表明し、翌98年2月に行われた市長選で比嘉氏後継の岸本建男氏が当選。書簡はそれから間もなく書かれたとみられる。
 移設先について書簡は「シュワブ沖以外に候補地を求めることは必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす事が予想されます」と記載。「比嘉前市長の決断で市として受け入れを表明し、岸本現市長が『受け入れ』のまま市の態度を凍結するとしている名護市に基地を求め続けるよりほかは無いと思います」とつづられている。
 梶山氏は96年1月〜97年9月に官房長官を務め、退任後も防衛庁幹部とともに現地を訪れて要望を聞くなど沖縄問題に傾注した。書簡の宛先は、98年7月まで続いた橋本内閣の「密使」として革新系の大田昌秀沖縄県知事(当時)との橋渡し役を担った下河辺淳・元国土庁事務次官。梶山氏の郷里・茨城の先輩でもあり、書簡は「愚考も参考にして頂ければ幸いです。下河辺先輩」と結ばれていた。
 政府は名護移設の理由を「米海兵隊は司令部、陸上、航空、後方支援部隊を組み合わせて一体的に運用しており、普天間のヘリ部隊を切り離して移設すれば機動性や即応性を失う」などと説明している。しかし、書簡の出された前後の98年3月、大田知事らは来県した政府担当者に「海兵隊の距離や迅速性を挙げるなら揚陸艦をなぜ長崎・佐世保に置くのか説明がつかない」と指摘。政府側は「そのように言われるのは唐突な感を受ける」などと答え、議論はかみ合わなかった。
 書簡は下河辺氏の記録を管理する「下河辺淳アーカイブス」(東京都港区)から、近く他の沖縄関係資料とともに沖縄県公文書館に寄贈される。
書簡の内容(抜粋)
○シュワブ沖以外に候補地を求めることは必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす事が予想されます。
 比嘉前市長の決断で市として受け入れを表明し、岸本現市長が「受け入れ」のまま市の態度を凍結するとしている名護市に基地を求め続けるよりほかは無いと思います
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橋本内閣で官房長官として沖縄問題を担当した梶山静六氏が、政府の「密使」を務めた下河辺淳・元国土庁事務次官に宛てた直筆書簡の1枚目 
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橋本内閣で官房長官として沖縄問題を担当した梶山静六氏が、政府の「密使」を務めた下河辺淳・元国土庁事務次官に宛てた直筆書簡の2枚目 
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橋本内閣で官房長官として沖縄問題を担当した梶山静六氏が、政府の「密使」を務めた下河辺淳・元国土庁事務次官に宛てた直筆書簡の3枚目
 
先の、橋本首相とモンデール駐日米大使は緊急記者会見は金曜日の夜8時、テレビのゴールデンタイムを選んでの意表をついた重大発表という演出までして、「沖縄基地返還」を大々的に国民に印象づけ、闘争を分断、切り崩す攻勢に転じた。
 
日米政府はテレビでの記者会見を通じて、安保「再定義」への世論誘導を意図的に行ったが、モンデール大使はわざわざ「今回の計画で米国は兵力水準を減らすわけではないし、日米安保条約のもとで、果たすべき能力や即応力を劣化したり軽減するものではない」と強調したことを当時の日本政府は忠実に守ってきたという事であった。
 
沖縄県が、まさに20年前にすでに日本政府から見放されてきたという事実は覆い隠すことはできない、と同時に沖縄の基地問題を解決するには日米安保条約を根本的に改定するか破棄するしかない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:08| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月05日

和解には勝者も敗者もないのだが・・

今朝の朝刊のスポーツ欄には2つの女子スポーツの明暗が写真と共に報道されていた。
 
「明」は一時は下降気味であった女子卓球チームが世界選手権団体戦で1971年名古屋大会以来の決勝戦に明日の6日臨むことになったという記事。 
 
「暗」は2011年に行われたドイツ女子サッカーW杯で米国を破り優勝した「なでしこジャパン」の、今年のリオ五輪出場への敗退(?)という記事。
 
W杯の優勝といっても、なでしこは今まで90分の試合でも、延長を含めた120分の試合でも米国には勝っていない。
 
それがPK戦で勝利したことにより、一気に全世界に「なでしこジャパン」の名が知れ渡るようになった。
 
だが実際には翌2012年のロンドン五輪や2015年のカナダW杯では米国に歯が立たなかったのである。
 
その間にアジアを始め他国の女子サッカーチームは「パスをつなぐ」なでしこ流のサッカーに舵を切り、徐々に追いついてきた。
 
その間、「今までと同じやり方」をやっていた「なでしこジャパン」は今回のリオ五輪最終予選で、世界ランキングが下位の国に勝てない状態が続いている。
 
一度でも「世界一」となったチームはその維持が並大抵ではない。
 
世界中のチームが優勝チームを目指して選手強化に邁進する中で、「なでしこジャパン」は2011年当時のレギュラーの大半が現在もレギュラーとして残っており、新しい若い選手とのスムーズな世代交代が出来ていない。
 
常に勝つことが求められる監督の立場からすれば、5年後、10年後を見据えたチーム作りよりも、大きな大会での結果を出すことが求められるため、安全運転をしたくなり、若い選手に国際試合経験を積ますということがおろそかになる。
 
今回五輪出場ができなければ監督責任が問われるかもしれない。
 
そうなれば、新しい監督の下、若い選手主体のチームに転換して3年後の2019年のフランスW杯に向けて再出発する方が現実的ではないかと思う。 
 
ところで、「若い」ことが必ずしもいいことではないが、政治の世界での「和解」はどちらに有利になるのだろう。      
<国と沖縄 仕切り直し 辺野古工事中断 再協議>
 2016年3月5日 朝刊 東京新聞
 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)の新基地建設をめぐる代執行訴訟で、安倍晋三首相は四日、福岡高裁那覇支部が示した和解案の受け入れを表明した。この後、首相は翁長雄志(おながたけし)知事と官邸で会談し、和解が成立した。国による工事は中断する。国と県の協議は仕切り直しとなるが、首相は新基地建設方針は「何ら変わりない」としている。対立の構図は変わっていない。 (金杉貴雄)
 和解条項に基づき、辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しの撤回を国が求めた代執行訴訟など、国と県は互いに提訴した3訴訟をすべて取り下げる。首相は埋め立て工事の「中止」を指示した。
 今後、国は翁長氏に対して埋め立て承認取り消しの是正を指示することから手続きをやり直す。県は国地方係争処理委員会に審査を申し出て、その後に訴訟を提訴できるが、訴訟が確定するまで双方は「円満解決に向けて協議」することが和解に盛り込まれた。
 首相は翁長氏との会談で「訴訟合戦を続けていけば膠着(こうちゃく)状態となり、現状が固定化されてしまう恐れがあり決断に至った」と説明。翁長氏は「和解成立は大変意義がある」と評価し、「(昨年夏の国と県による)集中協議は形式的だった。皆さんの思いもしっかり聞きたい」と述べた。
 国と県による今後の協議で双方の主張が変わらなければ、再び法廷で争われることになる。和解条項はこれを想定し、双方が「確定した判決には従う」とした。
 ただ「仮に最高裁まで争えば1年程度」(与党幹部)とも指摘される再訴訟の間、工事は行われないことになった。
 日米両政府は2022年度にも移設を完了することで合意していた。政府は和解内容を米側にも説明。菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で、移設計画が遅れる可能性を認めて「(スケジュールに影響が)出ないと言えばうそになる」と述べた。
◆近づく参院選 民意に迫られ<解説> 
 米軍普天間飛行場の移設をめぐる国と沖縄県による異例の「訴訟合戦」は、安倍政権が民意に押され、政権内で想定されていなかった譲歩を迫られる結果に至った。
 防衛省幹部は和解について「1日も早い工事完成と言ってきたが、少なくともその方向ではない。全く予想していなかった」と不満を漏らした。和解案の受け入れは、官邸による政治判断といえる。
 新基地建設については、2014年11月の沖縄県知事選で、辺野古埋め立てを承認した前知事を破り、翁長雄志知事が当選。同12月の衆院選では沖縄の全4小選挙区で、新基地建設の反対を訴えた候補が与党を破った。沖縄の民意が新基地建設に反対していることが鮮明になった。
 普天間飛行場を抱える宜野湾市で今年1月に行われた市長選では、新基地反対を訴えた候補が敗れたことで、政権内には沖縄の民意が変わりつつあるとの見方もある。だが、当選した現職は新基地建設問題を争点化しておらず、その見方は必ずしも妥当ではない。
 和解案に対しては、沖縄側が受け入れを早々に表明した一方、政府は工事中止が盛り込まれていることを理由に受け入れに消極的だった。それでも最終的に和解に応じたのは、沖縄の民意に変化の兆しがないまま夏の参院選に臨めば悪影響が及ぶと懸念。対立を一時棚上げするのが得策との判断もあったとみられる。
 首相はこの日「県との協議」を再び強調した。だが「辺野古が唯一の選択肢」という政権の基本方針まで変えたわけではない。 (関口克己)
 
政治に無関心の人ならば政府が工事を一時中断したことを評価はするかもしれないが、現在の安倍政権の狡猾ぶりを知っている多くの人は、今回の和解案は政府に圧倒的に有利になっていると理解している。
 
取りあえず、在京大手紙と地方紙、特に地元沖縄のメディアの社説を比べてみる。
 
■朝日新聞「政府と沖縄 真の和解にするために

一方で、政府の狙いは6月の沖縄県議選、夏の参院選に向けて、問題をいったん沈静化させることではないか、との懸念の声もある。
 思い出すのは、安保法制の国会審議がヤマ場を迎えた昨年夏にも、政府が工事を中断して県と1カ月間の集中協議期間を設けたことだ。この時は、県の主張を聞き置くばかりで実りある対話とは程遠かった。同じ轍(てつ)を踏んではならない。
 首相はきのう、普天間の危険性の除去と、県の基地負担の軽減が「国と県の共通の目標」だとも強調した。
 ならば、政府がいま、なすべきことははっきりしている。
 首相が県に約束した普天間の「5年以内の運用停止」の実現に全力を尽くすことである。
 福岡高裁那覇支部が示した和解勧告文には、こうある。
 「本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきである。そうなれば、米国としても、大幅な改革を含めて積極的に協力をしようという契機となりうる
 そのために、普天間の機能の県外・国外への分散を進める。政府と県だけでなく、本土の自治体とも話し合い、米国との協議に臨むべきである。
 「辺野古が唯一の選択肢」という思考停止を脱し、県との真の和解をめざす。そのための一歩を踏み出すべきときだ。 
 
護憲派に対して「憲法を変えてはならないという思考停止」というフレーズを使う安倍晋三首相に、「辺野古が唯一の選択肢」という思考停止を脱せよ、と迫ることは評価したいが、「普天間の機能の県外・国外への分散を進める」ことは2009年の民主党政権当時に戻ってしまうことになるのではないだろうか。
 
■毎日新聞「辺野古訴訟和解 政府は誠意ある対話を

国と県は昨夏にも1カ月間、工事を中断して集中協議をしたことがある。だが安全保障関連法案の審議と重なるのを避けるための政治休戦の面が強く、議論は深まらなかった。
 今度こそ政府は県の疑問に誠実に答え、解決策を見いだしてほしい。再協議を、参院選までの時間稼ぎの形式的なものにしてはならない。
 
今の安倍晋三政権に対して「ないものねだり」しても何も解決しない。
 
かなり「ぬるい」紋切型の論調の社説である。
 
◆讀賣新聞「辺野古訴訟和解 移設推進方針は堅持して臨め

安倍首相は、辺野古移設について「普天間飛行場の全面返還のためには、唯一の選択肢との考えに変わりはない」とも強調した。
 日米両政府と地元関係者が膨大な時間と精力を費やした末に、ようやくまとめた結論が辺野古移設である。米軍の抑止力の維持と基地周辺住民の負担軽減を両立させるため、政府は、今の立場を堅持することが重要である。
 
沖縄県民の気持ちを全く省みない安倍政権の意図を明確に代弁しているかのようである。
 
◆産経新聞「普天間和解 現実直視した再協議急げ

日本と東アジアの平和と安定を確保するための抑止力として日米同盟の重要性も真摯(しんし)に語られるべきだ。
 東・南シナ海では、中国が戦闘機やレーダーなどを配備し、「力による現状変更」を試みている。中国は沖縄・尖閣諸島に対する野心も隠そうとしない。翁長氏も、十分承知のはずである。
 約束の不履行が続いている現状は、日米同盟にも影を落としかねない。和解が解決への光明となるなら歓迎したい。
 
同じ御用新聞でもひときわ好戦的なこのメディアは、初めに日同盟ありきの発想から抜け出すことができず、いたずらに中国の脅威を強調し、沖縄県民を犠牲にしてまでも本土を死守せよ、という敗戦前の姿勢が継続しているようだ。
 
あの百田尚樹に「潰さなければならない」と言われた現地の2紙はどんな論調であろう。
 
□沖縄タイムス「[辺野古訴訟 和解]政治休戦で終わらすな

安倍晋三首相は和解が成立したその日に、記者団に対して「辺野古が唯一の選択肢であるという国の考え方に変わりはない」と語った。あ然として二の句が継げない。
 6月の「県議選」、夏の「参院選」に配慮し、ソフト路線を演出するだけの、魂の抜けた、権謀術数の和解受け入れであってはならない。 
政府が「対話による解決」を望むのであれば、県の考えを取り入れ、計画を見直すことである。それが辺野古問題を着地させる「唯一の選択肢」である。
 
あ然として二の句が継げない」、「魂の抜けた、権謀術数の和解受け入れ」と本土の大手メディアでは決して使えない言葉が自然と出てくるところが、地元県民の意を表している。
 
やはり、このメディアが核心を突いている事がよくわかる。
 
□琉球新報「代執行訴訟和解 新基地 根本から問え 『辺野古が唯一』は本当か

一見、国が柔軟な姿勢に転じたかに見える。だがそれは見せ掛けにすぎない。真実は、敗訴間近に追い詰められた国が、やむなく代執行訴訟から退却したのである。
 県と国の対立は仕切り直しとなった。だが新基地建設という国の頑迷な姿勢はいささかも揺らいでいない。沖縄の民意を踏みにじり、あくまで新基地を押し付ける姿勢が民主主義、自治の観点から正しいのか。「辺野古唯一」は本当か。根本から問い直すべきだ。
 
沖縄側の勝利
 
 「暫定案」は国が工事を停止して代執行訴訟を取り下げた上で、代執行より強制力の低い手続きを踏んで再度、県に是正を求めるという内容だ。
 福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長がこの和解案を示した時点で、結論は必然だったとも言える。国と県の対立に決着を図る上で最も強権的な手法が代執行だ。他の手段を経ず、いきなり最終手段たる代執行を求めた国に対し、裁判長は代執行以外の手段を勧めたわけである。「このまま行けば国敗訴だ」と警告したのに近い。
 一方で裁判長は、県側が申請していた環境や軍事専門家の証人申請を却下していた。前知事の埋め立て承認に瑕疵があったことを立証するのに不可欠な証人たちだ。却下は、翁長雄志知事の承認取り消しの適法性に対する関心の低さの表れとも見える。不適法との心証を抱いていたのかもしれない。
 さらに裁判長は、違法確認訴訟で県が敗訴すれば県は確定判決に従うかと問い、県は「従う」と答え
た。このやりとりを国側にあえて見せたのではないか。代執行訴訟では国が敗訴しそうだが、仕切り直して是正の指示の取り消し訴訟になれば、いずれは国有利での解決もあり得る、とのメッセージを送ったようにも見える。
 だから国は代執行訴訟取り下げという「退却」を選択したのだろう。
 今後、県と国は再び協議の席に着く。溝が埋まらなければ、「是正の指示」、係争処理委員会、是正の指示の取り消し訴訟などの、より強権度の低い手続きへと進むことになる。その間、工事は止まる。いずれにせよ、あれだけ強硬だった政府の工事を暫定的ながら止めたのだから、沖縄側の勝利であり、成果には違いない。
 
真の仕切り直し
 
 安倍首相は早速、「辺野古移設が唯一の選択肢という考え方に変わりはない」と述べた。この頑迷ぶりが今日の混迷を招いたという自覚はうかがえない。ましてや民主主義や地方自治の無視を恥じる姿勢は見当たらなかった。
 首相の姿勢が正当化されるなら、どんな危険を強制されても、環境を破壊されても、選挙でどんな意思表示をしても、国がひとたび決めてしまえば地方は奴隷のごとく従うしかないことになる。これで民主国家だと言えるのか。それこそが本質的な問題なのだ。
 是正の指示の取り消し訴訟は国有利だとささやかれる。沖縄側敗訴もあり得るだろう。だが仮に敗訴しても、次は埋め立て承認の「撤回」をすればよい。設計変更は必ずあるからそのたびに知事が承認を下さなければ、工事はできない。いずれにせよ沖縄側が折れない限り、新基地完成は不可能である。
 今回、工事は1年以上、止まるだろう。米側もさすがに、日本政府の「移設に問題はない」との説明に疑念を募らせているはずだ。
 真の意味での仕切り直しの好機である。海兵隊は、普天間代替基地は必要か。百歩譲って必要としても、「辺野古が唯一」とする軍事的理由はない。復帰前は海兵隊の航空団と歩兵砲兵は岩国と沖縄に分かれていた。両者が近距離にないといけないというのは虚構なのだ。「沖縄の海兵隊」という思考停止の見直しが必要だ。そこからしか真の解決は見つかるまい。
   
「辺野古が唯一の選択肢」と「沖縄の海兵隊」という思考停止の見直し、が今後は流行るかもしれない。
 
改めて、政府が異例の裁判官異動人事をしてまで福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長を誕生させた理由を思い出す必要がある。  
 
作家の黒木亮が昨年の12月には「辺野古代執行訴訟『国が勝つことは決まっている』」と書いており一読を勧める。
 
改めて和解骨子を提示しておく。
 
20160305wkaipoint.jpg

 
たとえ一時的にせよ「政治休戦」し工事を中断したところで、県と国が譲歩できるレベルではないことは誰でも分かる。
 
「辺野古が唯一の選択肢」・「沖縄の海兵隊」という思考停止した安倍政権と、これ以上沖縄には基地を作らせないという翁長雄志県知事には傍から見ても歩み寄りの余地はない。 
 
本来の「和解」は当事者同士が「和」して問題を「解決」することなのだが、この裁判所を巻き込んだ仕組まれた和解案では、最終的には沖縄県側が判決に従わなくてはならず、その判決内容は想像するに難くない、とオジサンは思う。

20160305kongononagare_asahi.jpg
【朝日新聞DIGITALより】


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2016年02月22日

辺野古も安保も根っこは同じ、次世代につなげる闘いを

もし前日(20日)のような悪天候だったら、こんなには多くの人々が集まらなかったかもしれない。 
 
主催者の最初の挨拶のように「天はわれらに味方した」かのような青空が国会周辺には広がっていた。 
 
<辺野古阻止も列島響く 全国8カ所で反対集会>
 2016年2月22日 朝刊 東京新聞
20160222kokkaimaehenoko.jpg 辺野古への米軍新基地建設に反対する市民らの国会包囲行動には、28000人(主催者発表)が集まった。札幌市や名古屋市など全国8カ所でも反対の集会があり、各地で抗議の声が上がった。
 国会包囲の輪に加わった参加者たちの多くは、沖縄の海をイメージした青色の服やスカーフなどを用意。「埋め立てやめろ」「海を守ろう」と声を合わせた。
 国会前のステージでは、沖縄県選出の国会議員らが参院選の野党共闘に触れ「安倍政権を退陣に追い込む」などと訴えた。稲嶺進・名護市長は「正義はわれわれにある。力を貸してください」と呼び掛けた。
 横浜市鶴見区の会社員大森英史さん(51)は、妻と五歳の長男とともに参加。家族旅行で辺野古近くのホテルによく泊まるといい「きれいな海をつぶすのはどうかと思う。少しでも力になれれば」と語った。
 
13時半過ぎから約2時間ほど、国会を見あげる歩道の石垣に仲間と座りながら演説とシュプレヒコールを繰り返した。
 
そのため国会前のステージまで近づくことができなかったので、何人かの写真をレイバーネットの「止めよう!辺野古埋立て〜国会大包囲行動に28000人」の投稿記事から紹介する。
 
20160222_inaminesicho.jpg
稲嶺進さん(オール沖縄会議共同代表 名護市長)
「名護市は今ピンチです。政府は官房長官含め辺野古しかないと強引に工事をすすめています。裁判も3つ。異常です。来週は私が被告席に立ちます。売られたけんかです。政府の法の乱用と不誠実を訴えたい。正義・道理は我々にあります。これからも力を貸してほしい」
 
20160222yasutomi.jpg
安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会・共同代表)
「沖縄の民意は普天間即時閉鎖と辺野古の美しい海を守ることです。普天間危険性の除去は、基地をアメリカに持っていくこと。アメリカの意向に沿って動くアベコベ政権を参院選で退陣に追い込もう」と話しました。沖縄選出の4名の国会議員が発言しました。赤嶺政賢さんは「世界一危険な普天間基地に、世界一危険なオスプレイを配備したのは安倍政権。オールジャパンで安倍内閣を追い詰めよう」   
 
20160222hisiyama.jpg
菱山南帆子さん(許すな!憲法改悪 市民連絡会。解釈で憲法9条壊すな!実行委員会。戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会。街頭宣伝を企画)
 
この日は渋谷では高校生たちのデモも行われ、国会包囲行動後に渋谷に移動した参加者もいたらしい。
 
安保法反対 『声上げたい』高校生らデモ
 
20160222koukouseidemo_asahi.jpg安全保障関連法に抗議する「全国一斉高校生デモ」が21日、東京や大阪などであった。高校生団体「T―ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」などが企画。都内では渋谷や原宿で、高校生らに大人も加わり、大音量の音楽に合わせて「選挙に行こう」「憲法守れ」と訴えながら歩いた。
【朝日新聞DIGITALより】

 
「老々男女」が大半を占めた国会前の「2.21止めよう!辺野古居埋立て 国会包囲行動」の報道よりは、若い高校生主体の渋谷でのデモの報道の方が圧倒的に多かったようである。  
 
20160222koukouseidemo.jpg
高校生らで作る団体「T-ns SOWL」が呼びかけた安保法制反対デモ=東京都渋谷区で2016年2月21日午後4時47分、後藤由耶撮影
【毎日新聞より】

国会前で見かけたオジサンの知り合いの記者が、上記写真にも映っていたが被写体としても若者中心のデモのほうが注目を集めたようである。 
 
今後、参院選に向けて選挙権を行使できる高校生を中心としたデモがより活発になることが予想されるが、想定外の高校生のいわゆる反政府的な政治活動に対して、行政側の規制に対しては自治体の反発も出ている。
 
<高校生のデモ参加届け出「自由縛られる」 自治体、分かれる対応>
 2016年2月22日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 先生、明日デモに行きます――。高校生にこうした届け出をさせることは必要か。文部科学省は届け出を容認したが、自治体の対応は分かれる。「18歳選挙権」の導入で高校生の投票も当たり前になるのを前に、デモに参加する生徒からは「自由が縛られる」といった声が上がる。
 「届け出をさせると、生徒が政治活動に参加しにくくなる恐れがある」。仙台市の担当者は1月に文科省が届け出容認を示して以降、市立高校などを訪ねて校長らに考えを伝えてきた。賛同する反応が多かったことも参考に市教育委員会は今月9日、「届け出制は不要」と正式に通知した。
 香川県も今月10日、県立高の教頭らを集めた会合で「届け出制は望ましくない」と伝えた。デモの名称や主催者名などを事前に教員へ伝える形にすると、生徒の参加意欲をそぎかねないと考えた。「本人と保護者の責任で動いてもらえばいい」と担当者は話す。
 届け出の制度化を決めた都道府県と政令指定市はなかったが、生徒の安全管理などの観点から必要性を指摘する声はある。「トラブルに備えるという点でアルバイトの届け出制と同じ。導入もあり得る」。福島県ではそんな意見も出たという。「生徒の権利を縛りかねない」という声もあったため採否の判断は各校に委ねた。
 熊本県は届け出について特に検討はしていないとした。ただ、県立高に配ったガイドラインで文科省通知を引用し、違法行為があったり、暴力的になったりする可能性が高い活動については「学校は制限または禁止することが必要」と記した。
 群馬県も「各校の判断」としたが、担当者は「参加する生徒がほかの生徒を強引に勧誘するなど、迷惑をかける行為が続けば、何らかの規制もあり得る」。京都市も同じ対応だが、担当者は「生徒が参加の是非を主体的に判断できるように、学校教育を充実させたい」と話した。
 ■デモ参加の高校生は
 「これからもデモで声を上げます。文科省が届け出制を容認したけど、高校生だって主権者です」
 21日午後、東京・渋谷。安全保障法制に反対する高校生グループ「T―ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」などのデモの途中、メンバーの女子生徒がこう訴えた。同グループは文科省の「届け出制容認」に対し、「主権者として認められるべき自由と権利をないがしろにする」と反対声明を出している。
 ■教員から「制服控えろ」
 参加した茨城県の高2女子(17)は「届け出制になると、デモ参加をためらう人が出る」。昨年夏からデモに参加し始めた。昨秋、新聞に載ったデモの写真に偶然、制服姿の自分が写っていた。それを見た高校の教員に言われた。「デモでは制服は控えろ」。嫌な気持ちになった。「政治的な活動だから、学校的にまずいと思ったのかも」
 埼玉県の高1男子(16)も「届け出にすると、デモに行く生徒に文句を言う教師が出てくる」と言う。
 21日には、仙台市や大阪市などでも高校生らによる同様のデモがあった。大阪市で初めてデモに参加した高3男子(18)は「たとえば届け出て、『成績悪いのに大丈夫か?』と先生に止められるようなことを言われれば、それは実質的に許可制だ」と心配する。
 ■「議論のきっかけにも」
 仙台市で参加した同市の高1女子(16)は、宮城県教委が届け出を不要と判断していることについて「うれしいこと。高校生が政治について考えるきっかけが増えればいい」。教員全員がデモ参加に反対ではないのも知っている。新聞で自分の活動を知った教員に「誇りに思う」と伝えられ、うれしかった経験があるからだ。
 大阪府の高3女子(18)は「届け出ずに参加し、後で問い詰められたりするなら届け出制に反対。でも、届け出で先生と政治について議論するきっかけになる可能性もある」と話した。
 ■人権侵害の恐れも
 近藤孝弘・早稲田大教授(政治教育学)の話 届け出制を導入すると、自分の思想信条を教員に知られたくない生徒が活動を控える事態が起こりうる。基本的人権の一つである集会の自由を侵しかねない。「安全管理のため」と言うが、そもそも大半のデモは平和的。高校生が平和的な政治活動のありようを学ぶ機会を奪わないようにすべきだ。
 <「届け出は不要」とし、各校に伝えた自治体>
 宮城、愛知、香川各県、大阪府、仙台、堺両市
 <「各校が判断」とした自治体>
 北海道、東京都、京都府、青森、秋田、福島、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、兵庫、和歌山、島根、山口、徳島、愛媛、福岡、鹿児島各県、札幌、横浜、川崎、新潟、京都、神戸、広島各市
 
56年前の「60年安保闘争」の主体は学生と労働者だった。
 
中心の全学連が内ゲバや内部抗争の繰り返しで崩壊し、高度経済成長時代の波に乗った労働者は、働かされ過ぎで疲弊し、労働組合への結集率は右肩下がりとなってしまった。

最近の自民党の劣化した、粗忽議員の失言、放言の数々を見ると、高校生の方がよりましに見えてくる。
  
政府の意のままになる独裁政治が現実味を帯びようとするときに、10代の高校生が政治的に目覚めてしまうことは、為政者側からすれば、これほど好ましくないことはない。

そんな政府の意向を忖度するかのようなトーンの記事をこの御用新聞は書いていた。 
 
<安倍首相呼び捨て、「私は言いたい」のパターン…ティーンズソウル、「兄貴分」を踏襲>
 2016.2.22 08:15 産経ニュース
 安全保障関連法に反対する高校生グループ「T−nsSOWL」(ティーンズソウル)が21日夕、全国各地でデモ活動を行った。東京・渋谷では数百人が1時間かけて繁華街を行進し、安倍晋三首相を呼び捨てにしながら政権打倒を訴えるシュプレヒコールを上げた。安保関連法に反対し、野党の応援を公言している大学教授も駆けつけ、高校生らに連帯を呼びかけた。だが、高校生らしき若者はごく一部だけ。反安倍政権の大人が高校生を利用しているかのような構図のデモだった。
 「戦争反対!」「戦争したがる総理はいらない!」「憲法読めない総理はいらない!」「安倍晋三から日本を守れ!」「安保法制絶対反対!」「安倍はやめろ!
 ティーンズソウルの高校生はこのようなラップ調の音頭を取り、参加者らはシュプレヒコールを繰り返した。主張の内容は、安保関連法に反対する大学生グループ「SEALDs」(シールズ)にそっくりで、首相を呼び捨てにするところまで踏襲していた。
 「安倍政治の本質は何か。今この瞬間のことしか考えない。だから原発を再稼働し、若者を使い捨てる」
 行進を先導する街宣車上で最初にマイクを握り、こう主張したのは、夏の参院選で野党統一候補の支援を目指す市民団体系の組織「市民連合」の中心メンバー、山口二郎法政大教授だった。
 山口氏といえば、「安倍を叩き切ってやる」と訴える民主党のブレーン的な存在だ。山口氏は「こんな情けない日本をつくったことについて私の世代は本当は責任をとらなきゃいけない。みんなに糾弾されても仕方ない」と“反省”の弁を述べつつ、「一緒に歩いて平和と民主主義を訴えてくれて本当にありがとうございます」と謝辞も述べた。
 山口氏は、6月19日に選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられることに触れ、高校生らに向かって「皆さんと一緒に日本の平和と民主主義を守るため戦い抜きたい」と訴えた。
 次にマイクを握ったのは、同じく市民連合の中心メンバーの佐藤学東大名誉教授だった。佐藤氏は自身が高校2年生のときにベトナム戦争反対のデモに参加した話を披露。デモに参加する現代の高校生がとても頼もしく見えたようで、「安倍政治を次の世代に渡すわけにはいかない。安保法制を廃止に追い込むまでともに戦い抜こう」と声を張り上げた。
 最後にスピーチをしたのは、ティーンズソウルの女子高校生、「あいね」さん(16)。
 「私は言いたい。まだまだ安保法制反対の声を上げていくべきだ。だから私はこれからもデモに行く。デモに行って声を上げる。間違ったことには間違いだと言い続けなければいけない。なぜなら私たちは主権者だからだ」
 「私は言いたい」やデモで宣言した日の年月日を最後に言うのは、兄貴分(姉貴分)のシールズとそっくりで、「あいね」さんは「私は安保法制の廃止と安倍政権の退陣を求めます」と締めくくった。
 参加者は「GO VOTE(投票に行こう)」と書いたプラカードを掲げて行進した。だが、高校生は先頭に集中し、数百人の参加者の大多数は中高年だった。デモの最後尾になると、シュプレヒコールの声を上げる人は少なく、先頭の熱い高校生とは同じデモとは思えないほど。「辺野古新基地NO」など安保関連法とは別の政治課題に関するプラカードを手にする中高年も目立った。
 デモが行われた日曜の夕刻の渋谷は大勢の買い物客らでにぎわった。大音量で音楽を流しながらシュプレヒコールを上げる一団を、物珍しそうに写真に収める若者や外国人観光客もいた。
(政治部 田中一世、酒井充)
 
「安倍首相呼び捨て」というタイトルから笑わせられる。
 
内閣打倒とアジテーションを行っている最中で、その内閣の最高責任者に対して「安倍さん辞めて」とは言わないであろう。
 
ましてや高校生はオジサンの経験からしても、尊敬できない教師は陰では「呼び捨て」していた。
 
法学部の学生時代に立憲主義を習ったことがないと豪語し、憲法すら読めない、理解できない安倍晋三に対して、尊崇の念を持てとは高校生に対してだけでなく、子どもにも大人に対しても言えるものではない。 
  
さらに「ティーンズソウル、『兄貴分』を踏襲」という表現にも、昨年の9月の深夜の国会前での長時間コールを行った「兄貴分」の「SEALDs」に手を焼いた連中の気持ちを見事に代弁している。
 
「SEALDs」を大学生にもかかわらず安保関連法に反対する悪いグループというレッテルを貼り、その兄貴分を踏襲しているとして、「T−nsSOWL」を貶めようとする狙いが透けて見える。
 
「高校生は先頭に集中し、数百人の参加者の大多数は中高年だった。デモの最後尾になると、シュプレヒコールの声を上げる人は少なく、先頭の熱い高校生とは同じデモとは思えないほど。『辺野古新基地NO』など安保関連法とは別の政治課題に関するプラカードを手にする中高年も目立った。」
 
歪んだ思想の政治部の記者らしい、かなり悪意に満ちた現場報道記事である。
 
主催者発表は5000人だが、仮に話半分でも「数百人の参加者」とは余りにも事実を矮小化している。
 
前述したように国会包囲行動後に「辺野古新基地NO」のプラカードを持って渋谷に移動した中高年の参加者も多かったようである。
 
オジサンも支援している「戦争を許さない市民の会」に、昨日の国会包囲行動に向けて寄せられたメッセージから、東洋大学教員の柴田隆行氏のメッセージを紹介しておく。
 
 ある意味、安倍政権のおかげで、安保、辺野古、原発、TPP、憲法改悪、教育体制改悪、情報統制等々に共通する資本の論理が明確になった。
 それぞれの現場で闘っている人たちのつながりも強くなった。心強い仲間が全国全世界にいりことが実感できるようになった。
 
今後は、個別政治課題ごとの集会やデモではなく、資本の論理をむき出しに国民を痛めつける「安倍政権打倒」に集結した運動がますます広がっていくのではないだろうか、とオジサンは思う。 
 
 
posted by 定年オジサン at 12:13| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月20日

沖縄を再び戦場にしてはならない!

先月の宜野湾市長選挙で現職市長が当選したことにより、政府は普天間の辺野古移転が支持されたと喧伝した。
 
しかし現市長は辺野古移設問題を争点とせず、あくまでも普天間の危険性を訴え早期運用停止要求に過ぎなかった。 
 
その点では普天間基地を抱える宜野湾市民の総意は、危険な普天間基地の閉鎖に他ならない。
 
同じ沖縄県民としては、これ以上県内に基地を作らせないという思いは共有している。
 
辺野古沖への「移転」ではなく、新基地建設の是非が問われているのであり、沖縄県の翁長雄志知事は建設そのものを阻止するために国と裁判闘争を行っている。
 
しかし、福岡高裁那覇支部は、翁長雄志知事が埋め立て承認を認める代わりに国が代替施設の供用後30年以内の返還か軍民共用化を米国と交渉することを求める根本的な解決案と、国が工事を中断し再協議する暫定的な解決案の2つを国と県に示し、政府は米政府に協議を打診し、根本案の「供用後30年」や「軍民共用化」などの文言をもっと幅のある表現にできないか調整することにしたらしい。
 
そんな辺野古では本体着工前の準備工事としての仮設工事費がすでに2.5倍に膨らんでいるという。
   
<辺野古の仮設工事費2.5倍に 契約変更、1年間で4回>
 2016年2月20日05時04分 朝日新聞DIGITAL
20160220henokokoujikingaku.jpg
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設予定地とされる名護市辺野古に仮設桟橋などを造る工事について、防衛省が発注後の1年間に契約を4回変更し、工事費が当初の59億円から147億円と2.5倍に膨らんでいたことが朝日新聞の調べで分かった。抗議活動への対応で追加工事が必要になったためというが、「当初の入札の意味がない。新たな契約を結ぶべきだ」と批判が出ている。
 この工事は本体着工前の準備工事だが、その後に発注された本体工事でも契約が直後に変更され、当初より150億円以上増えたことも判明。防衛省は2014年3月、移設の総経費を「3500億円以上」と明かしたが、膨らむ恐れがある。
 2・5倍になったのは「シュワブ(H26)仮設工事」。沖縄防衛局は14年6月に指名競争で入札を実施し、大手ゼネコンの大成建設と59億6千万円で契約した。落札率は97・9%だった。
 沖縄防衛局や契約関係書類によると、工事内容は、仮設の浮桟橋・桟橋の設置▽フロート(浮き具)やブイ(浮標)の設置▽安全対策。防衛省は14年7月、移設予定地周辺の海域約560ヘクタールを日米地位協定に基づき立ち入り禁止と設定しており、フロートやブイはその周囲に設置された。
 辺野古移設に反対する人たちは、カヌーでフロートを乗り越えて立ち入り禁止区域内に入るなどの抗議活動をしている。防衛局は当初契約4カ月後の14年10月、「フロートの設置数量が追加となった」として契約を変え、47億8千万円増額した。防衛省関係者は「カヌーが入れないようにフロートを二重三重にした。安全確保のために仕方がない」と説明する。
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 沖縄防衛局はその後も3回契約を変更し、さらに金額は膨らんだ。この増額理由について、防衛局は詳細を明らかにしていない。
 防衛局は仮設工事を進める傍ら、14年10月〜15年2月に岸壁建設など本体工事を7件発注。当初契約では計413億7千万円だったが、うち4件について1〜2カ月後に契約を変更し、総額は計564億9千万円となった。契約変更調書には、理由について「設計精査」と記されている。
 会計検査院は今年1月に沖縄防衛局に検査に入っており、移設工事の妥当性を調べているとみられる。
 辺野古移設を巡っては、会計検査院の07年度の検査で、約8億円の予算だった海底地質調査に関し、旧那覇防衛施設局が抗議活動への対応として次々に追加で事業を出し、計約22億円を支払っていたことが発覚。この際は契約変更の会計手続きも怠っていたとして、検査院が悪質なケースに当たる「不当事項」と指摘した。検査院は09年、この事例で当時の局長2人を懲戒処分するべきだと防衛省に要求したが、防衛省は従わなかった。
 辺野古移設を巡っては、防衛省は昨年10月末、沖縄県が反対するなか本体工事に着手した。国は今後、本体工事を本格化させるとみられる。(大谷聡)
■増額分の閲覧、現地窓口のみ
 この仮設工事は、広く入札参加を募る「一般競争」ではなく、参加業者を発注側が選ぶ「指名競争」で発注された。だが、入札を行ったことが明らかにされたのは、契約を結んだ後。工事の内容を記し、入札時に業者に示された書類は、いまも公開されていない。
 入札参加業者名などを記した書類は契約後に公表されたが、それによると四つの大手ゼネコンや共同企業体が参加し、大成建設以外の3者は予定価格を超過していた。
 沖縄防衛局は工事や業務の契約について、当初契約の金額はホームページ上で公開しているが、変更後の契約金額については出していない。辺野古移設事業の増額分についても、沖縄県嘉手納町の同防衛局窓口まで行って書類を閲覧しなければ把握できない。同防衛局は「防衛省内のルールに従っており、沖縄防衛局としては適切に公表を行っていると認識している」としている。
■安全確保の観点から
 《沖縄防衛局の話》 現場の状況を踏まえ、工事の安全確保にさらなる万全を期す観点から、当初計画からフロートの設置数量が追加となったため、変更契約を締結した。移設の経費については、正確な数字を示すことは困難であるが、大まかな見積もりとして少なくとも3500億円以上と見込んでいる。
■入札の意味ない、新たな契約結ぶべきだ
 《元会計検査院局長の有川博・日大教授(公共政策)の話》 これほど高額な工事が何倍にも契約変更されるケースには接したことがない。当初の入札の意味がなくなり、競争性が失われてしまっている。本来、別途新たな契約を結ぶべきだ。内容でも、工事の中に多額の安全対策という業務が含まれるなどあまりに不透明。こうした増額が窓口に行かないと分からないのは仕組みとしておかしいし、最低でも増額の内容は説明されるべきだ。防衛省では09年に受けた検査院の懲戒要求に応じなかったことがあり、こうした過去の対応も今回の事例につながる一因になっているのではないか。

先日、ドキュメンタリー映画「戦場ぬ止み」を観る機会があった。
 
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辺野古ゲート前で座り込みを続ける市民に対し、本土のネトウヨ連中は「座り込みの大半は本土から応援に来たプロ市民運動家たちだ」とことあるごとに言っていた。
 
しかしこのドキュメントを見れば、そんな浅薄な言葉はすっ飛んでしまう。


 
「私を轢き殺してから行きなさい」と工事車両の前に身を投げ出したのは、あの残酷な沖縄戦を生き延びた85歳の文子おばあ。
 
我が身を呈して阻止する行動は、本土から応援に来た者にはできない行動である。
 
沖縄での市民たちの家族ぐるみで国家権力と闘っている姿は、この映画を見なければ本土の人間は理解できない。
  
せめてオール沖縄の声に呼応して全国でたちあがろうと、明日は国会大包囲行動が予定されている。
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辺野古ゲート前に行くことができない本土の人たちは、こぞって国会前に集まろう、とオジサンも行くつもりである。
 
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2016年01月25日

政府の分断策で苦悩する沖縄県民

「原子力発電所」と「沖縄米軍基地」はどちらも地元住民からすれば危険で、やっかいな代物であり、できればよその土地に移ってもらいたいというのが本音である、という点では共通している。
 
さらに原発を建設したり基地を容認する側からすれば、もっと別な目的があったり、より大きな国家的な目論見があり、決して地元住民のことを考えてはいない、という点でも似ている。
 
そして少なからず住民の負担軽減として国家予算が投入され、それにより雇用も生み出され依拠している住民も少なくはない。
 
ところが、選挙になれば「原発の是非」とか「基地の是非」を意識的に選挙において争点から外されてしまう。
 
昨日は、日本原子力発電(原電)東海第二原発が任期中の2018年に法律上の寿命の40年を迎え、再稼働の判断を誰に委ねるかが問われ、原発が立地する村の岐路とも言える選挙だったが「東海村議選投開票 『原発』を争点から外す」となって、原電社員が初当選するという異常な事態となり、脱原発派が議席を減らしてしまった。
 
沖縄県宜野湾市でも同様に「辺野古新基地建設」の是非は争点から外され、あたかも「普天間の固定化」か、「辺野古移設」かという選択を宜野湾市民はせざるを得ない状況であった。
 
<宜野湾市長に現職・佐喜真氏 新基地を「非争点化」 焦点は参院選に>
 2016年1月25日 朝刊 東京新聞
20160125futenmakiti.jpg 安倍政権と翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事の「代理対決」になった宜野湾市長選は、政権が推す佐喜真(さきま)淳氏が再選された。佐喜真氏は同市が抱える米軍普天間(ふてんま)飛行場の移設に伴い、名護市辺野古に新基地を建設する計画の争点化を避ける戦術で勝利した。 (金杉貴雄)
 翁長氏が擁立した志村恵一郎氏は新基地建設を最大の争点とし、反対を主張。佐喜真氏は新基地には触れず「普天間の固定化を阻止する」とのみ訴える一方、経済振興など地元の課題に力を入れた。その結果、新基地に関する議論は盛り上がらなかった。
 宜野湾市民が「どんな形でも一刻も早い普天間返還を」と願うのは当然だ。そんな中でも志村氏が21000を超える票を得たのは、基地負担の県内つけ回しとなる新基地を政権が強行していることへの批判が、現に基地被害に苦しんでいる宜野湾市民でさえ強いことを示した。
 政権は佐喜真氏の勝利を受け、辺野古沖の埋め立て工事をさらに推進する構えだ。翁長氏にとって、国との法廷闘争は先行きが見えないだけに知事選、衆院選の県内全小選挙区で反対派が勝利したのに続き、普天間の地元で「直近の民意」を得たいところだった。
 夏の参院選の沖縄選挙区(改選数1)では政権が推す現職の島尻安伊子沖縄北方担当相と、知事ら新基地反対派が擁立する候補が激突する見通し。佐喜真氏が争点化を回避したことで、全県での「民意」の結果がより重みを増すことになった。
20160125futenmatizu.jpg◆翁長知事「反対姿勢を堅持」
 宜野湾市長選で政府・与党が支援する佐喜真氏が勝利したことについて、翁長知事は24日夜、「一般的にはやはり普天間基地の重圧を何とかしてくれというのは、市民としてあったと思う」と述べた。
 自身の県政運営については「これまでの姿勢を堅持し、県政の重要課題としてやっていく」と述べ、あらためて辺野古移設反対の意向を示した。
 一方、佐喜真氏に対しては「争点外しという意味では、新辺野古基地には触れずに普天間の返還、固定化反対で(選挙を)戦った。新辺野古基地には言及しきれなかった」と評した。
 
投開票の沖縄県宜野湾市長選で共同通信社が実施した出口調査では、市内にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について、宜野湾市内16カ所で実施し、投票を終えた有権者1412人から回答を得た結果が以下の通り。。
 
【辺野古移設】 
「反対」:56.0% <新人志村恵一郎氏投票>:77.1% <現職佐喜真淳投票>:22.9% 
「賛成」:33.2% <現職佐喜真淳氏>:92.5%
【移設計画を進める政府の姿勢】
「支持しない」:54.9% <新人志村恵一郎氏投票>:81.2%
「支持する」:33.8%   <現職佐喜真淳氏>:54.9%
 
「辺野古移設」には半数以上が反対しているが、それを争点としなかった候補者に投票した市民も存在した。
 
「原発」や「辺野古新基地建設」の推進派メディアは、当然ながら選挙結果に対しては「宜野湾市長再選 『普天間固定』を避ける一歩に」(讀賣新聞・社説)と反対派市民に配慮した表現もあったが、「宜野湾市長再選 基地移設を着実に進めよ」(産経新聞・主張)と露骨に政権の本音を代弁する御用メディアもあった。
 
ある意味では旗幟鮮明なのだが、最近は「旗幟不鮮明」な大手マスメディアがおり、昨日の宜野湾市長選挙結果を社説で論ずることなく、「『このままでは普天間が固定』『どうせ辺野古なら跡地利用』 宜野湾市長選、現職へ投票の有権者」(朝日新聞)と題して、有権者の声を載せるだけで、ジャーナリストとしての主張が全くなかった。
 
■佐喜真淳派
・米軍普天間飛行場のそばで生まれ育った無職宮城治隆さん(63)
「このままでは基地が固定してしまう」
「辺野古移設への反対ばかりでなく、普天間基地の撤去から始め、前に進めていってほしい」。
◆佐喜真淳派だが移設は反対
・米軍機の飛行ルート下の地域に住む調理師の男性(60)  
 「反辺野古の翁長雄志知事を支持してきたが、政府が移設を進める中で、あきらめを覚えるようになった」
 「どうせ辺野古になるなら、政府と協調して普天間の跡地利用に取り組める佐喜真氏で。政府はいくら沖縄を犠牲にしても構わないんでしょう」
●現実派
・3歳と1歳の子を連れて投票所を訪れた主婦末吉志緒里さん(28)
「医療費無料化や給食費助成などの政策を重視」
「普天間飛行場はずっと県外移設と言っても現実は変わらないだろう」
□志村恵一郎派
・2004年に米海兵隊のヘリが墜落した沖縄国際大のそばに暮らす前原澄子さん(80)
「ここは日本なのか。どうして基地を押しつけるのか」
「翁長さんに『沖縄には米軍基地が多すぎる』と国に強く言ってほしい」
・4年前は佐喜真氏に投じたが、今回は志村氏を支持した会社員永吉盛彦さん(58)
「県外移設についての態度があいまいになり、裏切られた気がする」と語った。
 
それに比べれば、やはり地元紙の社説は核心を突いており、かつ沖縄県民の永年の苦悩というものを伝えている。 
  
<佐喜真氏再選 新基地容認ではない 国に「5年以内」閉鎖責任>
 2016年1月25日 06:01 琉球新報
 宜野湾市長選で佐喜真淳氏が再選を果たした。佐喜真氏の1期4年の実績を市民が評価し、今後の市政運営に期待した結果である。
 ただし佐喜真氏再選で沖縄の民意が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設容認に変わったわけではない。佐喜真氏は選挙戦で辺野古移設の賛否を明言せず、市民が容認したことにはならないからだ。
 重視すべきは、佐喜真氏が公約した普天間飛行場の5年以内運用停止を、市民が国に突き付けたことだ。佐喜真氏を支援した安倍政権には5年以内の期限である2019年2月までに運用停止を実現する責任がある。
 曲解は許されない
 安倍晋三首相は市長選を前に「安全保障に関わることは国全体で決めることだ。一地域の選挙で決定するものではない」と述べた。民意をないがしろにする許されない発言だが、翁長県政与党が支援した志村恵一郎氏が落選したことを捉えて、辺野古移設が支持されたとする可能性がある。曲解は許されない。厳に慎むべきだ。
 宜野湾市長選を前に琉球新報社などが昨年12月末に実施した世論調査で「県外移設」「国外移設」「無条件の閉鎖撤去」は計71.1%に上った。1月調査でもその割合は計74.4%に達した。国が推し進める「辺野古移設」支持は12月調査11.1%、1月調査12.9%でしかない。この結果からしても市民が普天間飛行場の閉鎖と引き換えに、辺野古新基地建設を望んでないことは明らかだ。
 佐喜真氏は「普天間飛行場の固定化は許さない」と訴えて当選した。選挙結果が示すことは、普天間飛行場によって市民が危険にさらされている状況を、1996年の返還合意後20年も放置する国に対する市民の強い怒りである。
 佐喜真氏には5年以内運用停止を実現する責任がある。だが、たなざらしにされる可能性は否定できない。
 中谷元・防衛相は昨年、5年以内運用停止の定義を「飛行機が飛ばないこと」と明言した。菅義偉官房長官が(1)空中給油機能(2)緊急時着陸機能(3)オスプレイの運用機能−の3要件停止だとの見解を示すと、防衛相は「幻想を与えるようなことは言うべきでない」と前言を撤回した。
 市民が求める運用停止は、飛行機などが飛ばないことである。佐喜真氏も「一日も早い閉鎖、返還を求める」と訴えた。安倍政権が支援したのは佐喜真氏の政策と合致したからだろう。ならば、その実現に全力を尽くすのが筋である。裏切りは許されない。
 分断策克服を
 沖縄は、基地をめぐる対立をうんざりするほど抱え込まされてきた。なぜ沖縄ばかりが市民を分断されねばならないのか。
 市民の一体感が損なわれれば政策効果が上がらないことは、ロバート・パットナムのソーシャルキャピタル(社会関係資本)をめぐる研究で実証済みだ。沖縄の社会を分断してきた国の罪は大きい。もう分断はたくさんだ。
・・・後略・・・
 
「普天間飛行場の固定化は許さない」、「一日も早い閉鎖、返還を求める」という主張は誰もが納得できるものであり、さらに再選した佐喜真市長には5年以内運用停止を実現する責任があるということを忘れてはならないし、市民や県民のみならず国民がそしてメディアが監視していかなければならない。

それにしても、東京新聞以外は「辺野古移設」という表現を用いているが、誰が見ても普天間基地よりはるかに大きく、そして新たな機能も備えており「新基地建設」と呼ぶことがより安倍政権の欺瞞を直視することになるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月18日

市長選挙は「沖縄vs安倍政権」の代理戦争

今朝は「暖冬」とメディアが騒いでいたのが嘘のように、窓を開けると白銀の世界であった。
 
昨夜から降り出した小雨が、さらに気温が下がれば雪になるとの予報通りの初雪となった。
 
週初めの雪となり多くの交通機関では通勤客に影響が出始めていた。
 
朝食時に見た朝の情報番組では、ご丁寧に午前1時頃から5時頃まで都心を男性リポーターがマイク持って雪に弱い都民たちに直撃インタビューを行っていた。
 
毎年豪雪に見舞われる雪国の人たちからすれば、ナントのどかな光景なことだろう、と冷笑されそうであった。    
 
ところで昨日は雪になりそうな寒さの都内と、南国の沖縄で2つの市長選が告示された。 
 
都内では、八王子市の市長選で、安倍晋三首相側近の萩生田光一と一体の石森孝志現市長に対して、「市民の手で市長をつくる会」から出馬要請を受けていた元法政大教授の五十嵐仁が第一声を挙げた。
 
選挙には素人なのだが、昨年末からネット上ではかなり辛辣なコメントも多く見受けられ、24日の投票日までは予断を許されない状況である。 
 
個人的には過去に数回彼の講演を聞いたり、一緒に旨い日本酒を飲んだことも何度かあった。
 
そして沖縄では、「世界一危険な飛行場」といわれる普天間基地がある宜野湾市長選が火ぶたを切った。
 
これは事実上の翁長雄志県知事と安倍政権との代理戦争の様相となる。   
 
<辺野古争点に一騎打ち 沖縄・宜野湾市長選が告示>
 2016年1月18日 朝刊 東京新聞
20160118sakimajun.jpg 米軍普天間(ふてんま)飛行場を抱える沖縄県宜野湾(ぎのわん)市の市長選が17日告示され、現職の佐喜真淳氏(51)=自民、公明推薦=と、新人の元県幹部志村恵一郎氏(63)の無所属2人が届け出た。安倍政権が推進する普天間飛行場の移設計画への対応が最大の争点で、接戦が予想される。投開票は24日。
 名護市辺野古(へのこ)の新基地建設反対を掲げた翁長雄志(おながたけし)知事が2014年12月に就任して以降、移設をめぐる民意が問われる沖縄の首長選は初めて。有権者の選択は政府が着手している新基地工事の進行や、夏の参院選に影響を与えそうだ。
 佐喜真氏は辺野古移設について具体的に言及せず、飛行場の速やかな閉鎖と返還の実現に力点を置く。一方、志村氏は辺野古移設反対を公約の柱とし、無条件の飛行場閉鎖、返還を日米両政府に求める姿勢だ。
 佐喜真氏は出陣式で「飛行場のフェンスを取っ払うことがわれわれの夢だ。一緒に実現しよう」と有権者に呼び掛けた。
 島尻安伊子沖縄北方担当相もマイクを握り、基地返還跡地へのディズニーリゾート誘致といった佐喜真氏の公約実現を「私たちがバックアップする」と宣言。公明党の斉藤鉄夫選対委員長も応援に駆け付けた。
20160118simurakeiitirou.jpg 志村氏は第一声で「宜野湾市民と名護市民の命は等しく重い。きっぱりと新基地建設に反対する」と強調。翁長氏と連携して飛行場返還を実現すると訴えた。
 翁長氏は志村氏の隣に立ち「普天間飛行場を(返還できなくなるとの)脅しに使って、新基地を造るのは絶対に許されない。必ず勝利しよう」と力を込めた。
◆宜野湾市長選立候補者(届け出順)
佐喜真淳(さきま・あつし)51 市長 無現<1>=自公
志村恵一郎(しむら・けいいちろう)63 (元)県職員 無新 
 
「安倍政権は、この選挙は国の(辺野古移設の)方針に何ら影響を及ぼさないと言っている。本当にそうか、目に物を見せてやろうじゃないか」と、17日午前、志村恵一郎候補の横で、はちまき姿の翁長知事は声を張り上げていた。
 
辺野古移設に反対して政権と対立する翁長知事にとって、この市長選は「選挙に裏付けられた沖縄の民意」を示すため、絶対に負けられない選挙になる。 
 
一方、この選挙でも自公推薦の現職市長は沖縄県民の民意が明らかになった辺野古新基地建設問題を選挙の争点にしない姿勢を示している。
 
これは参院選に向けて都合の悪いことは全て選挙後に後回しするという安倍政権と同じ狡猾な選挙戦略であることはいうまでもないのだが、そもそも現市長の佐喜真淳の胡散臭さがあまり県民にも知られていないようである。
 
2014年5月10日、沖縄県祖国復帰42周年大会が宜野湾市民会館大ホールで開催された。
 
会場に集った800名が祖国復帰の意義と喜びを共有したらしいのだが、当時の仲井眞弘多沖縄県知事から祝辞が寄せられ、宮崎政久衆院議員、松本哲治浦添市長、桑江朝千夫沖縄市長、佐喜真淳宜野湾市長らが出席したという動画がある。
  
 
 
<園児が教育勅語を唱和…宜野湾市長が出席した大会の異様>
 2016年1月14日 日刊ゲンダイ
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佐喜真市長(左)と園児たちの様子(ユーチューブから
 
 今月24日に投開票される沖縄県宜野湾市長選。現職で与党推薦の佐喜真淳氏(51)の再選を阻めば辺野古移設の歯止めになることから、全国的な注目度も高い。
 もっとも、それ以前にこんな人物を再選したら、宜野湾市民は常識を疑われることになりそうだ。
 2年前に宜野湾市民会館で開催された「沖縄県祖国復帰42周年記念大会」の動画がネット上で流れており、これに佐喜真市長も出席しているのだが、「まるで北朝鮮みたい」と突っ込まれるほどヒドイ内容なのだ。
 オープニングでは地元保育園の園児が日の丸のワッペンをつけた体操着姿で登場。猿回しの猿というか、北のマスゲームように「逆立ち歩き」「跳び箱」をさせられ、それが終わると、全員で〈立派な日本人となるように、心から念願するものであります!〉と「教育勅語」を一斉唱和させられるのだ。
 それが終わると日本最大の右翼組織「日本会議」の中地昌平・沖縄県本部会長が開会宣言し、宮崎政久衆院議員といった面々が「日本人の誇り」について熱弁を奮う。この異様な大会の“トリ”を務めたのが佐喜真市長であり、やはり「日本人としての誇りを多くの人に伝えていきたい」と締めくくった。
 佐喜真市長が日本会議のメンバーかどうかは知らないが、善悪の判断がつかない園児に教育勅語を暗唱させ、一斉唱和させるなんて戦前そのものではないか。
 
「佐喜真市長が日本会議のメンバーかどうかは知らない」どころか、4年前には佐喜真淳候補は、「日本会議」の会員であったが選挙中は隠していたという。
 
ぎのわん市議会だより 第84号 平成24年9月10日」の7ページにはこんな質疑応答が掲載されていた。 
 
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市長が加入している日本会議について
 桃原功(とうばる・いさお)宜野湾市議の質問
◎桃原議員:市長が加入されている日本会議、どのような団体なのか?
これからも日本会議の活動を続けていくのか?
■佐喜真宜野湾市長:これからの行動については、日本会議が持つさまざまな政策あるいは施策等について吟味しながら、私が同意できるものに対しては、やっていきたいと思う。
 
「アベ政治は許さない」「暴走安倍政治をとめよう!」と安倍政権さえ倒せれば後はうまくいくと思っている国民も多い。
 
しかし、2007年の参院選で惨敗、その後総理大臣の職を投げ捨てるという大失態し世間からは消えてしまったと思われた安倍晋三を陰日向支えていたのは「日本会議」であった。
 
この怪しげな右派団体に関しては「なぜ報道されない?安倍首相も属する極右団体『日本会議』が政治を牛耳ってる」というまとめサイトもあり、そこでは「日本会議」の6つのスローガンが記されている。
 
「日本会議」6大スローガン
1.憲法改正
2.教育基本法改正
3.靖国公式参拝の定着
4.夫婦別姓法案反対
5.より良い教科書を子供たちに
6.日本会議の主張の発信
 
まさに安倍晋三はこの6大スローガン実現のために総理大臣になったわけであり、現在の安倍内閣のメンバーのうち、安倍晋三首相や麻生財務相をはじめ実に4分の3が日本会議議連に所属していることから、この組織を根絶しない限りは、第二、第三の安倍晋三が生み出されてしまうのだろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:22| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月28日

辺野古新基地問題は政治の決断の回避であり、怠慢である

昨夜は民放のテレビ番組が余りにも見るに堪えない番組ばかりであったので、仕方なくNHKの21時からの「NHKスペシャル 証言ドキュメント▽永田町・権力の興亡 “安倍一強”実像に迫る」を見てしまった。
 
「『安倍一強』とも呼ばれる状況になっている日本政治。安全保障関連法の攻防、自民党総裁選でのせめぎ合いなどの舞台裏に政治家たちの証言で迫り、日本政治の行方を探る。」という番組案内であり、日常的なテレビのニュースでは紹介されない個々の自民党主要議員のインタビューには興味をそそられた。
 
番組冒頭のナレーションで「戦後70年の節目を迎えた2015年、日本政治は『安倍一強』とも呼ばれる状況になっている。その状況は、なぜ、いかにして生まれ、何をもたらそうとしているのか。国論を二分する中で成立し、最大の政治テーマとなった安全保障関連法をめぐる攻防、そして無投票に終わった自民党総裁選の水面下でのせめぎ合い…。今年の政治をめぐる『攻防・葛藤・決断』のドラマを政治家たちの証言から浮き彫りにし、日本政治の行方を探る。」と期待を膨らませてくれた。 
 
確かに、民放では絶対に制作できないような番組だったのだが、残念ながら現職の政治家たちの発言の内容に関しては当時のネットメディアが伝えていた内容とは大差なく、「今だがら本音を話そう」とまでにはいかなかったのは当然かもしれない。
 
野党党首のインタビューも登場するが、それはあくまでも安倍晋三首相の前座であり、至る所に安倍晋三首相のインタビューが登場し、その内容には一切の批判もせず、言いっぱなしにさせて、終わってみれば「安倍様のNHK」の看板通りの番組となって、安倍政権への「よいしょ」ドキュメントであった。  
 
国民に「当分は『安倍一強』が続きそう」と暗示しているかのようであった。
 
昔から「権力は腐る」といわれてきたが、権力が腐る前に国民が貧困と格差拡大とTPPにより疲弊してしまうことを予感させられた。
 
番組の中で安倍晋三首相は「『決めるときには決めなければいけない』それがリーダーとしての私の責任」と虚勢を張っていたが、リーダーなのだから少数意見や国民の反対の声を聞く必要はないとばかりに「強行採決」で戦争法案を可決したことには反省の色さえも見られなかった。
 
再放送はこちらから。(ただし、やることが無くてお暇な人向き) 
 
ところで、実は見逃していたのだが、数日前にこんな記事を朝日新聞の政治社説担当の小村田義之記者が書いていた。 
 
<(社説余滴)辺野古は唯一の解ではない 小村田義之>
 2015年12月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
2015122komuratakisya.jpg 「軍事上は、辺野古は唯一の解決策ではないでしょう。そう思いませんか」
 あえて直球の質問を投げてみた。相手は日本政府の関係者。沖縄の米軍普天間飛行場をめぐる日米交渉に携わったことのある人物だ。
 しばらく沈黙が続く。
 彼は目を落とし、意を決したように言った。
 「後輩たちが一生懸命やっているから、本当は言ってはいけないことだけど、軍事上は唯一ではないね」
 現役の自衛隊幹部にも同じ質問をしてみた。外務省の関係者にも尋ねた。答えは同じだ。「軍事上は唯一とは言えないでしょう」
 この答えは決して意外なものではない。むしろ常識的かもしれない。抑止力を保つ方策には多くの組み合わせがあり、一つの解しかないということはあり得ない。
 たとえば、嘉手納統合案。まず沖縄・嘉手納基地の米空軍の戦闘機部隊を青森県の三沢基地などに分散する。そのうえで、普天間の海兵隊を嘉手納に移す。2011年に米国で公表された案だが、それ以外にも具体的な代替案が取りざたされてきた。
 思い出したのは、この嘉手納統合案を唱えたレビン米上院軍事委員長が当時、辺野古案について日本側の関係者に伝えた言葉だ。その時の記録が手元にある。
 「日米両国は現実的な代替策を模索すべきだ。両国は内々ではこれを理解し、同じ思いを抱いていながら、公にするのを躊躇(ちゅうちょ)している」
 「これは、両国とも、同盟国としてお互いをがっかりさせたくないからである。しかし、その分、両政府は両国民に対して不正直であったと言わざるを得ない」
 率直な述懐だろう。この発言は伏せられたが、ずっと心に引っかかっていた。
 「辺野古が唯一」という主張の背景には、辺野古移設の見直しに伴う政治的な混乱を避ける思惑がある。埋め立てを進めれば、やがて沖縄県民の反対は収まるはずだという期待もあるだろう。
 政治的な意味で唯一、ということなのか。
 レビン氏は辺野古案について「環境面でも問題があり、実現は不可能だ」とも語っていた。その強行突破を図るのが、安倍政権である。
 だがそれが軍事上、唯一の選択肢でないとしたら――。
 現実的な代替案を検討しないのは、政治の決断の回避であり、怠慢ではないのか。
 (こむらたよしゆき 政治社説担当)
 
「環境面でも問題があり、実現は不可能だ」と語っていたレビン米上院軍事委員長の話をもっと早い時期に報道していれ状況は大きく変わっていたかもしれない。 
 
米軍普天間基地の危険性の除去のため「辺野古は政治上の唯一の解決」であり軍事上の解決ではないということは、多くの日米関係者が言っているという。
 
それならば現実的な代替案を検討し実現することが政治上の解決であり、「決める時には決める」という真のリーダーシップを取るべきと、日本の最高権力者にメディアとして諫言するべきであろう。 
 
今頃だから書ける記事なのだろうが、本来はもっと早い時期に日米双方の関係者の話を「社説余滴」ではなく、キチンと「社説」に書いてほしかった。
 
さて、本土では関心があまり盛り上がらない辺野古新基地建設反対運動だが、米国ではすでに「米バークレー市が『沖縄支援』決議 辺野古新基地中止求める」という動きが9月にあったのだが、今度はケンブリッジ市議会でも反対決議が行われた。
 
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<辺野古移設 米国からも反対 地方議会で決議広がる兆し>
 2015年12月28日 07時08分 東京新聞
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 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)の新基地建設に反対する決議を採択する動きが、米国の地方議会で広がりだした。カリフォルニア州のバークリー市議会に続いて21日には、東海岸マサチューセッツ州ケンブリッジ市議会が反対を決議。バークリーの場合は、反戦・反基地の主張を共有する沖縄とバークリーの女性平和団体による草の根の交流がもたらした。 (ワシントン・青木睦)
 先駆けとなったバークリー市議会の決議は、米軍基地が沖縄に過剰集中していることや、県民が移設に反対している実情を指摘。米政府にも環境や人権の面で法律に基づいた措置を取るよう要求し、米政府が移設問題の当事者であり、責任もあることを認めた。
 決議へ動いたのは、バークリーや隣接するサンフランシスコを拠点とする平和団体「真の安全保障のための女性の会(WGS)」で、教師や学生、主婦らで組織。WGSは市議会の諮問機関「平和と正義の委員会」を通じて決議採択を市議会(定数9)に働き掛けた。9月に行われた採決では6人が賛成し、3人が棄権した。
 一方、沖縄側の平和団体「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」はWGSと強いつながりを持つ。女たちの会は1995年に沖縄で起きた米兵による少女暴行事件後に発足した。翌96年に訪米し、基地問題を訴えて以来、WGSと連携。交流の輪は広がり、この2つの団体は韓国、フィリピン、米自治領プエルトリコなど米軍基地が社会問題化した地域の平和団体とネットワークを形成するまでになっている。
 WGSが反対決議を求めたのは、長年、沖縄基地問題に取り組んできたためだが、決議が採択されたのには、バークリーが全米でも進歩的な土地柄であることも見過ごせない。決議採択を後押しした平和と正義の委員会のダイアナ・ボーンさん(75)は「バークリーには世界の人々と連帯する伝統がある。沖縄基地問題の原因は米政府にある。新基地に反対することは米国人の責任です」と語る。
 女たちの会はサンフランシスコ市議会にも同様の決議採択を働き掛けている。広がりだした反対の意思表明。ボストンに隣接するケンブリッジの市議会で反対決議を提案したナディーム・マゼン市議は「こうした決議が集まれば、米国の政策決定者を動かすことができる」と語る。
 
そして、さらに「辺野古反対決議 審議へ ホノルル市議会、計画検証求める」と各地に広がりを見せている。
 
やはり、日本が「政治判断」をすべき時が近づいているのではないだろうか。 
 
特定秘密保護法が国会に提出されたことから、東京新聞では「言わねばならないこと」と題して様々な分野の人たちからの意見を掲載してきており、特に9月18日の参院での強行採決の頃は「特別編」として6人の識者の声を掲載していた。
 
そして今年の最後は62人目となる、オジサンと同じ干支の憲法学者の声である。 
 
「非立憲」の政治に警鐘 憲法学者・石川健治氏
20151228isikawakenji.jpg 安全保障関連法については、こういう決め方・変え方で良いのか、という違和感をもつ人々が、安倍政権の支持者の中にもいたはずだ。この違和感には理由がある。決め方・変え方のルールは、法秩序にとって自らがよって立つ根拠であり、最も重要なルールだ。これを破壊すると、法秩序の枠組み自体が壊れてしまう。
 ところが安倍政権は、発足当初から「憲法を国民に取り戻す」と称して、憲法改正ルールを定める憲法96条に狙いを定めた。この決定・変更のルールを攻撃するという姿勢において、政権は首尾一貫している。昨年7月1日の閣議決定による憲法解釈の変更もまた、そうだった。
 集団的自衛権を行使しないという政府の方針は「将来も変更しない」という約束として定着していた。「変えない」というのは変え方のルールの一種であり、憲法上のルールを補充するルールとして、政府が自らに課した義務づけである。しかし、一内閣の閣議決定によって、国民に信を問おうともせず、大転換が行われた。昨年12月の衆院選では、安保政策の争点化は巧妙に回避された。そして「勝手に決めるな」と叫ぶ国会前の声を無視して、安保法は成立した。
 自分が自分に課すルールは義務づけの力が最も強く、それを破るようでは、他のルールもたやすく破り始める。事実、安倍政権は、野党が臨時国会の開催を求めたにもかかわらず、そうした場合に召集を義務づける憲法53条を、公然と破るに至った。
 この間、私は安保法それ自体の違憲/合憲とは別に、政権の立憲/非立憲という対立軸をたてて発言をしてきた。戦後の立憲政治を担ってきたはずの自民党は変質してしまった。反対派のみならず賛成派ももろともに立憲政治が倒されようとしている事実に、あらためて警鐘を鳴らしたい。
 <いしかわ・けんじ> 1962年生まれ。東大法学部教授。「立憲デモクラシーの会」呼び掛け人。著書に「学問/政治/憲法 連環と緊張」(編著)など。
 
「決め方・変え方のルールは、法秩序にとって自らがよって立つ根拠であり、最も重要なルールだ。これを破壊すると、法秩序の枠組み自体が壊れてしまう」ということを安倍政権は今年一杯続けてきたということであり、これによって「他のルールもたやすく破り始める」ということになれば、これからの日本社会は「最高責任者がルールを破っているのだから」という理由で犯罪者たちが居直ることになってしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。 

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2015年12月26日

47都道府県に入っているはずの沖縄の歴史の扱い方

大地震や大規模土砂災害などが発生した時などに、「インフラ関連の復旧は遅れそうです」などと報道されることがある。
 
インフラはインフラストラクチャー(infrastructure)の略であるが、狭い意味では、道路・鉄道・上下水道・送電網・港湾・ダム・通信施設など「産業の基盤となる施設」を指す。
 
一般家庭からすれば「電気・水道・ガス」といったところか。
 
そういう意味では、昨日はオジサンの家ではインフラ関連が暫し麻痺状態になってしまった。
 
オジサンの家は14年前に「太陽光発電所」になったわけだが、同時に東電と深夜電力契約を結び、単価の安い深夜電力で湯を沸かすという、粉飾決算で有名になったT社製の電気給湯・温水器を導入した。
 
これにより23時から朝の6時までの深夜帯で90℃の湯が180g沸かすことができ、常時温水が使用可能となる便利な設備であった。
 
しかしこの温水器に内臓されているセンサーが大変敏感らしく、漏電状態と感知すると自動的にブレーカーが切断されてしまうシステムになっている。
  
通電してなければ温水器は単なる水槽と化してしまう。
 
こんな異常状態がクリスマスの日の朝に発生していた。
 
前日はファミリークリスマス会に出かけており入浴せずに翌朝入浴することにしていた。
 
ところが、朝、湯張すべくコントロールパネルを見ると「湯切れ」と表示されており、調べてみると漏電ブレーカーが切断された状態であった。
 
早速、操作マニュアルを取り出して、リセット処理をしても湯沸し時間が夜間の11時からにセットされていたので結局入浴は断念。(夜間にマニュアルに「緊急湯沸しモード」があることを知った)
 
しかし、9年前に当時足腰が弱っていた父親のため浴室をバリアフリーのユニットバスに切り替えたことがあり、その作業は地元のガス会社に依頼したので、ガスによる給湯設備も設置されていた。
 
都市ガスが通っているバス通りからかなり離れているオジサンの家の周辺は皆、プロパンガスを使用している。 
 
このガス給湯器は電気温水器が使用不可の場合のための予備として日常は使用していないシステムであった。
 
夕方、初めて使用したオジサンは、湯を出す手順を若干間違ったらしいことに気付かず、湯栓を開きっぱなしにしてしまい、そのためなのか、給湯機に接続されているプロパンガスのメーターに緊急停止のサインがでていたらしい。
 
台所のガスが消えかかりオバサンからガスが供給されていないと指摘され、初めて気が付いた次第。
 
さっそくガス会社の夜間緊急連絡先に電話してリセット手順を教えてもらいガスは何事もなく供給され、ガス給湯器によってようやく浴槽に熱い湯が満たされたのは夜の8時を大きく過ぎていた。
 
電気やガスはもはや生活の必需品なのだが、事故防止のために予防装置が施されているのは結構なことなのだが、その危険を察知するセンサーの感度が良すぎると平穏な生活に浸っている人間にとっては厄介な代物となってしまうことがわかった。
   
さて、話は1か月ほど前に戻るのだが、日本の戦争加害者としての責任を認めたくない安倍晋三首相の強い意向を受けて、自民党内に歴史検証組織が発足されることになった。   
   
<自民が歴史検証組織 東京裁判など「修正主義」指摘も>
 2015年11月21日 朝刊 東京新聞
 自民党は20日の総務会で、極東国際軍事裁判(東京裁判)や占領時の憲法制定過程など過去の歴史を検証する「歴史を学び未来を考える本部」の設置を決めた。党総裁である安倍晋三首相の直属機関とする。29日の結党60年記念式典に合わせて発足させる。米国や中国、韓国などからは「歴史修正主義」につながる動きと受け取られる可能性がある。
 本部では、学識経験者を講師に招き、所属の国会議員が歴史認識を議論する。対象範囲は日清戦争(1894年)から第2次世界大戦後まで。第2次世界大戦後の連合国軍総司令部(GHQ)による占領政策に限らなかったのは、戦勝国である米国などの批判をかわす狙いがある。
 あくまでも歴史を学ぶ勉強会としての位置付けにとどめ、提言も作成しない方針。本部長には谷垣禎一幹事長を充てた。
 二階俊博総務会長は20日の記者会見で、歴史修正主義との懸念について「こじつけて言えばそういうこともあるかもしれないが、立党60年、戦後70年を勘案して勉強しようということだ」と強調した。
 一方、保守色の強い稲田朋美政調会長は「東京裁判で裁かれた日本の歴史、占領期間も含めてきちんと自分たちで検証することが必要だ」と繰り返している。本部設置は従来の歴史認識に不満を持つ保守層の声を受けて決まった側面がある。
 稲田氏は東京裁判に関して「裁判を受け入れて日本は独立を回復したので、効力は認めるが、とらわれる必要はない」と主張してきた。東京裁判のやり方や判決の内容などに疑問を示すような議論になれば、米国の反発は避けられない。
 中国と事実認定が食い違う南京事件や、韓国との懸案である慰安婦問題も取り上げる予定。国会議員が自ら都合よく歴史認識を示す場になりかねず、中韓との関係改善の動きに水を差す恐れもある。 (後藤孝好)
 
そして3日前に「慰安婦、南京…自民の『歴史を学び未来を考える本部』初会合 歴史検証、テーマ選定へ意見交換」という運びになったのだが、本部設置を主導した稲田朋美政調会長らは、東京裁判も議題にする方向で「稲田朋美自民党政調会長 『慰安婦』『百人斬り』…虚偽訂正 学ぶことから」と自分たちにとっては負の歴史になるという「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」などを、歴史上「無かったこと」にしようというのが真の狙いであろう。
 
こんな連中に支えられている安倍政権なので、沖縄の戦災の歴史も無視しようとしている。
 
1946年9月27日に府県制改正により北海道庁を北海道に移行してわが国は「1都1道2府42県」(46都道府県)となり、1972年5月15日の沖縄返還により沖縄県が復帰して「1都1道2府43県」(47都道府県)となり現在に至っている。
 
しかしどうやら43県の中に沖縄を入れたくないのが安倍政権の本音である。 
 
<沖縄抜き「全国戦災史」 国の調査、戦後70年行われず>
 2015年12月26日 朝刊 東京新聞
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 太平洋戦争の惨禍を後世に伝えるため、戦災に関する資料を調査・収集した政府の「全国戦災史実調査報告書」から、激しい地上戦があった沖縄戦が抜け落ちたままになっている。沖縄県は今年、政府の責任で記録を残すよう求めたが、安倍政権はあらためて調査はしない方針。政府の戦災記録に沖縄の悲劇が記載されないまま、戦後70年の年を終える。 (高山晶一)
 全国戦災史実調査は総務省などが社団法人日本戦災遺族会(2010年解散)に委託して1977〜09年度に実施。空襲被害、学童疎開、思想統制など違うテーマで報告書にまとめた。
 沖縄返還(72年)後の調査にもかかわらず、沖縄戦については一部の年表で「沖縄の守備軍全滅」などと簡単に触れるなどした程度。「46都道府県における戦災を対象に調査した」と前文に注釈を入れた年も複数ある。
 空襲被害の調査(77年度)では、調査員も派遣するなどして死者や負傷者数、焼失戸数などを詳しく記録したが、那覇市などで少なくとも668人(県調査)が亡くなった44年の「十(じゅう)・十(じゅう)空襲」は触れずじまい。学童疎開の調査(81年度)も、都市ごとに人数や受け入れ先を記載したが、多くの学童が犠牲になった沖縄からの疎開船「対馬丸」撃沈は巻末の年表で簡単に触れただけだ。
 今年9月、照屋寛徳衆院議員(社民)が質問主意書で沖縄戦を除外した理由をただしたのに対し、政府の答弁書は、調査報告書を作った当時の行政文書が残っていないことから「不明」とした。同遺族会の元幹部は、沖縄は沖縄開発庁(現内閣府)が担当していたため「所管の違いだったと思う」と本紙に説明。「特別な意図があって沖縄を外したわけではない」と話す。
 沖縄県は11月、国として沖縄の戦災記録を残すよう翁長雄志(おながたけし)知事名で要請。対応した総務省幹部は「県と協力しながら記録を残していきたい」と応じた。しかし、同省の担当者によると、県側からデータが提供されればホームページ(HP)に掲載する方針だが、政府として新たに沖縄戦の被害を調べる予定はないという。
 安倍政権は、名護市辺野古(へのこ)への米軍新基地建設問題で沖縄の「分断」を批判されているが、この問題でも同様の構図が浮かび上がる。
 吉浜忍・沖縄国際大教授は「最も厳しい状況に置かれた沖縄の調査をまずやるのが筋だった」と指摘。「沖縄戦の戦没者の実数はまだ分かっていない。国にしかできない調査はあるはず。それが過去に向き合うということだ」と強調した。
<沖縄戦> 太平洋戦争末期、沖縄本島などであった米軍と旧日本軍の戦闘。住民も動員され、集団自決に追い込まれたりした。沖縄県は1976年に「20万656人が犠牲になり、うち民間人は約9万4000人」と発表したが、正確な数は不明。国が、戦没者数を含む沖縄戦の実相を総合的に調査したことはない。厚生労働省が把握する戦没者数もあるが、旧日本軍の資料に基づく概数。
 
今年の1月31日、ベルリンで94歳で死去した西ドイツ大統領や統一ドイツ大統領を務めた、リヒャルト・フォン・ワイツゼッカーのこの言葉を改めて安倍晋三に贈りたい。
 
過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる
 
現在の沖縄についても、米軍のために辺野古新基地を作ることしか念頭になく、沖縄県民に対してはまさに盲目になっている政府に対して、沖縄県としては徹底的に国に対して闘う姿勢を貫いている。 
 
<沖縄県が国提訴 「抗告訴訟」那覇地裁に>
 毎日新聞 2015年12月25日
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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設計画を巡り、沖縄県は25日、翁長雄志(おなが・たけし)知事による埋め立て承認取り消し処分の効力を執行停止した国土交通相の決定は違法として、決定の取り消しを求める「抗告訴訟」を那覇地裁に起こした。併せて判決が出るまでの間、国交相の決定の効力を執行停止するよう申し立てた。記者会見した翁長知事は「移設工事を止めることが一番重要。抗告訴訟の提起は工事を止めるうえで有効な方法だ」と提訴理由を説明した。
 翁長知事による埋め立て承認取り消しの撤回を求める「代執行訴訟」を国が既に起こしており、双方が互いに提訴する異例の事態となった。
 訴状で県は、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づいて行った承認取り消しの執行停止の申し立てを国交相が認めたのは「違法」と主張。「行政不服審査制度は私人の権利利益の救済が目的で国(沖縄防衛局)には請求適格が認められず、国交相は却下すべきだった」とし、「それにもかかわらず国交相は埋め立て工事を実施する目的で執行停止決定を行っており、違法性は明らかだ」と指摘した。テーマで
 「沖縄県の民意に反して新たに米軍基地を建設することは沖縄県の自治権を侵害するもの」とも訴えた。
 抗告訴訟は行政事件訴訟法に基づき、行政庁の公権力の行使に不服がある場合に処分の取り消しなどを求めるもの。国民の権利利益を保護するための訴訟制度で、自治体の訴えは対象にならないとの見方もある。
 翁長知事は会見で「沖縄の主張は正当で必ず理解が得られると思っている」と移設阻止の決意を示した。これに対し、菅義偉官房長官はBS朝日の番組収録で「わが国は法治国家だ。(前知事の承認で)行政の判断は出ている」と強調した。国交相の決定を受けて沖縄防衛局の移設作業は現在も進んでおり、中谷元(げん)防衛相は記者団に「一日も早く移設が完了するよう全力で工事を進めたい」と述べた。
 一方、国交相の決定は違法だとする翁長知事から審査の申し出を受けていた総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会は24日夜、審査対象には当たらないとして県の申し出を却下することを決めた。
 翁長知事は25日の会見で「実質的な審査を一切行わずに却下した判断は係争処理委の存在意義を自ら否定しかねず、誠に遺憾」と強く批判。決定に不服がある場合は30日以内に高裁に提訴できるため、県は検討を開始した。訴訟になれば、辺野古移設を巡って国と県の間で三つの訴訟が並行することになる。【佐藤敬一、高本耕太】
 
おそらく現在の「忖度裁判」では国策に対しては逆らわない判決が出されることは十分に予想できる。
 
翁長雄志県知事もその辺りは覚悟の上であろう。
 
1か月ほど前に名護市民会館で「辺野古新基地建設問題---政府とどう向き合うか」というテーマで稲嶺進名護市長と対談した評論家の佐高信はこんな主旨の話をしていた。
 
「4月に訪米し米国の議会で安倍は英語で演説をしたのです。それも、僕ちゃんよく習ったねえというレベルの英語で。独首相のメルケルが米国に行って英語で演説しますか? するわけがないでしょう。頭のないタカ派が、米国に媚びをうったわけです。言葉は文化であり思想です。言語を奪われた経験のない安倍にはそれがわからない。沖縄の人には分かると思います。(中略)あまり指摘されないんですが、翁長雄志知事を訴えているのは正確に言うと国土交通省の石井啓一大臣なのです。この人は公明党議員です。公明党が辺野古の問題で安倍の代弁をしている。『国は〜」という言い方より、石井という公明党の議員が翁長知事を訴えているんだという事実をもっと追及する必要があると思う。」
 
菅義偉官房長官はBS朝日の番組収録で「わが国は法治国家だ。(前知事の承認で)行政の判断は出ている」と壊れたレコードのような発言を繰り返すが、承認した知事が選挙で民意を失い交代すれば、次の知事の判断に従うべきであり、それは安倍晋三自身が「民主党政権時代のものは政権が替わったので変えていかなくてはならない」と言ったことと大きく矛盾しているのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2015年12月24日

日本人よりはるかに沖縄県民を理解している米国の識者たち

今月の初めころ「徴兵予備軍へのリクルートは益々盛んになっている」とのつぶやきの中で、2015年版の自衛官募集CMを紹介した。
 
経済的徴兵にならないまでも、家庭の事情から条件の良い自衛官になる若者が増えるのではないだろうかと心配していたが、どうやらそれは杞憂だったらしい。
 
民主党時代より求人有効倍率が上昇したと、いつの席だったかは忘れたが安倍晋三首相が、あたかもアベノミクスの成果だと胸を張っていたのだが、どうやら今年の自衛官の応募の減少は、みずからの強行成立させた「戦争法」の成果であろう。 
 
<自衛官募集、苦戦 高卒応募、昨年度比2割減 企業の求人増・安保法も影響か>
 2015年12月24日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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 自衛官の募集が苦戦を強いられている。高校新卒者らを中心に募集する「一般曹候補生」の今年度の応募者数は、昨年度比で約2割減。防衛省は「民間の雇用情勢が改善しているため」と説明する。だが、安全保障関連法による自衛隊のリスクの高まりが影響していると指摘する声もある。
 自衛隊の現場部隊の中核を担う一般曹候補生の応募は8〜9月に受け付ける。今年度の応募者数は2万5092人。2014年度より6053人少なく、19.4%減だった。現在の募集区分になった07年度以降でみると、東日本大震災時の自衛隊の活動が注目された11年度に最多の5万1192人を記録。今年度はそのほぼ半分だ。
 一般的に、景気が上向くと民間企業に人気が集まって公務員は苦戦する。防衛省は、有効求人倍率や新卒の高校生の求人倍率が高まっていることを踏まえ、応募者減は「景気や雇用情勢の影響」と説明。安保法制の影響について同省幹部は「志願者が減ったのは法制の影響が主だとは思っていない」と話す。
 ただ、複数の自衛隊幹部は「志願者本人が安保法制を気にすることは少ないが、保護者が心配して受験しないように働きかけるケースが増えている」と語る。
 大分県内の退職自衛官らでつくる「隊友会」は、志願者の情報収集・提供などでリクルートを支援している。ただ、事務局長を務める男性は昨年秋以降、自衛官を志望する高校生の母親らから「危険な目にあうのでは」などの相談を30件以上受けたという。
 一方、今夏、首都圏での採用説明会に参加した高校3年の男子生徒は「自衛官の父から、『集団的自衛権で戦争に行くかもしれないからやめた方がいい』と言われた。やめようかと思ったけど、国のために働きたいと思う」と話した。
 
「国のために働きたいと思う」と心から日本の国のことを思っている若者には、是非、知ってほしいことがある。
 
それは「集団的自衛権で戦争に駆り出されるのは、決して日本のためではなく米国のためなのだ」ということである。 
 
さて、米国のため日本政府が戦後国内至る所に進駐していた米軍基地を沖縄に集約した結果が、今日の「基地の島」沖縄であることはいまさら言うまでもない。
 
そして沖縄県民の悲願が基地撤廃であることも事実であるが、本土では「沖縄は基地で生活が成り立っている」と実情を知らない無責任な発言者がいるが、現実は米軍基地の返還後の開発により、基地跡地は経済規模が拡大し、県経済全体を牽引していると、琉球新報が独自に調査した「中南部に位置する米軍基地の経済問題」という資料がある。
 
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こんな沖縄の実情を全く無視するかのような政府と駐日米大使による茶番会見が行われたのが20日前だった。 
 
<沖縄基地 普天間など一部、返還前倒し 日米合意>
 毎日新聞 2015年12月4日
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普天間基地沿いの土地などの一部早期返還合意の共同記者発表で発言するキャロライン・ケネディ駐日米大使。右は菅義偉官房長官=首相官邸で2015年12月4日午後5時25分、藤井太郎撮影
 菅義偉官房長官は4日、ケネディ駐日米大使と首相官邸で会談し、沖縄県の米軍嘉手納基地(嘉手納町など)より南の米軍施設・区域のうち、普天間飛行場(宜野湾市)の土地約4ヘクタールなど一部を前倒しして2017年度中に返還することなどで合意した。
 前倒し返還を合意したのは普天間飛行場東側沿いの約4ヘクタールと牧港補給地区(浦添市)の東側沿いの約3ヘクタール。13年4月に決定した返還計画では、普天間は「22年度またはその後」、牧港は「24年度またはその後」としていた返還時期を17年度中に前倒しする。いずれも隣接道路拡充のため地元が早期返還を要望していた。
 このほか、今年3月に返還されたキャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区に隣接するインダストリアル・コリドー南側部分を日米共同使用の対象とする。宜野湾市が同住宅地区と国道58号を結ぶ高架式道路の建設を計画しており、市などの立ち入り調査を可能にする。1996年に一部返還で合意した北部訓練場(同県東村、国頭村)の迅速な返還の必要性も再確認した。
 合意では、普天間飛行場の名護市辺野古移設が「唯一の解決策」と改めて確認した。菅氏は共同記者発表で「沖縄の負担軽減のための話し合いが実を結んだ」と強調。ケネディ氏は「県民の日常生活にプラスの影響を与える」と述べた。
 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は県庁で記者団に「本来ならばもっと前に解決されるべきで、辺野古新基地を巡って裁判で争っている最中に発表したことは作為的で強い憤りを感じる」と述べた。
 
当時は明らかなパフォーマンスで歯牙にもかけなかったのだが、上記の記事に代表されるように本土メディアはこの共同記者会見模様をそのまま伝えるだけで、一切の論評もせずむしろ、あたかも「地元が早期返還を要望していた」ので日本政府が「前倒し返還する」ということを印象付けていた。
 
当日の会見では菅義偉官房長官は以下のように話しており、メディアは正確にこの内容を伝えていなかった。 
 
・・・前略・・・
また、牧港補給地区の一部返還は、1996年のSACO最終報告に記載された案件であり、これまで実現をしてきませんでしたが、今回の合意により統合計画を前倒した返還及び国道拡幅に向けた作業が具体的に動き出します。国道が拡幅されれば、同地区の渋滞が大幅に緩和され、住民の交通利便性が向上することが期待をされます。
さらに、普天間飛行場の東側の一部土地は、1990年に返還に向けた手続を進めることを米国と確認したものの、実現をするに至っていなかった案件であります。宜野湾市が市道を整備するために重視し強く要望していたものであり、返還の具体的目処を立てることができました。
 
そんな前に決まっていたことが何故、いままで実現できなかったのか、なんで今頃発表されたのかという説明もメディアはしなかった。 
 
こんな本土メディアに洗脳された一部の本土国民に対して現地の人が、今朝の東京新聞の投稿欄「ミラー」で以下のように沖縄の実情を語り、欺瞞だらけの政府発表を垂れ流す本土・大手マスコミを批判していた。
 
 今月4日、菅義偉官房長官とケネディ駐日大使が、米軍普天間飛行場の一部(約4f)と近くの牧港補給地区(約3f)を2017年度中に返還することで合意したと共同発表しました。事情をよく知らない沖縄以外の国民の中には、沖縄のため政府は頑張っているとの誤解があるかもしれません。沖縄では、周知の事実をあえてお知らせします。
 まず今回発表されたのは沖縄の米軍基地の総面積22,300f余りのうち約7f、率にして僅か0.031%の微々たる面積です。これらは以前から交通渋滞緩和に向けた道路拡張などのため地元から強い要望があったものです。しかも前者・普天間飛行場の一部返還はについては25年前、後者・牧港補給地区の一部については19年前に返還が合意されていたものにすぎません。
 このような経過や数値を知らない本土の国民には、日本政府が沖縄のため大いに努力し、米軍基地の大幅な削減を実現したとものと受け取ったかたもおられるでしょう。
 沖縄の実情を伝えない本土・大手マスコミの存在を考えれば無理もないかもしれません。今なお沖縄は基地で食っている、金ほしさにわがままを言っている、多くの振興予算をもらっているとの誤解が広範に存在しているようです。
 いま政府が大々的に喧伝している普天間飛行場が仮に全面返還されたとしても、沖縄が占める米軍専用施設の比率が73.8%から73.1%へ、たった0.7ポイント縮小されるに過ぎないことをご存じでしょうか。沖縄については政府発表が一事が万事、欺瞞がつきまとっています。
 
12月4日の菅義偉官房長官が演出した「前倒し返還を合意」パフォーマンスショーに共演したケネディ駐日米大使は、よせばいいのにこんな発言をしていた。
 
<ケネディ駐日米大使「辺野古が最善」 日本記者クラブで会見>
 2015年12月17日 沖縄タイムス
 【東京】ケネディ駐日米大使は17日、日本記者クラブで会見し、名護市辺野古への新基地建設計画について「普天間移転が実現できれば大きな前進になる。今はできるだけ早く現在の計画を実施に移すべきだと思う」と述べ、新基地建設を推進する考えを示した。
 ケネディ氏は、仮に日本側が辺野古以外の移設先を示した場合、米国政府として検討する余地があるかとの問いに、「さまざまな計画が検討されベストのものに至ったと信じている」と強調し、辺野古案が最善だとの考えを示した。
 また、普天間飛行場東側などの一部が返還合意に至ったことに触れ、「今まで発表されたものだけではなく、兵力を削減するためにさらなる土地返還は続く。米軍再編で将来(の沖縄)はよりよい状態になる」と述べ、基地負担軽減を進める考えを示した。 
 
まさにオバマ政権の主張をそのまま会見で言い放ち、自分の頭で考えられないこの駐日大使に対しては、米国内の識者たちが怒りの声を上げてくれていた。
 
<辺野古最善は「侮辱」 米識者70人、ケネディ氏発言に抗議声明>
 2015年12月24日 05:0 琉球新報
20151224oliverstone.jpg【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】映画監督オリバー・ストーン氏や言語学者ノーム・チョムスキー氏ら米国の文化人や識者ら70人は22日、ケネディ駐日米大使が17日の日本記者クラブでの記者会見で米軍普天間飛行場移設に関して、名護市辺野古への移設が最善だとの考えを示したことに抗議する緊急声明を発表した。声明は大使の発言について「(辺野古移設計画に)激しく反対してきた沖縄の圧倒的多数の人々に対する脅威、侮辱、挑戦であり、同時に法律、環境、選挙結果を軽視する行為だ」と批判した。その上で「米国市民として、米政府が沖縄市民の基本的人権を否定することをやめるよう強く要求する」とし、辺野古移設をやめるよう訴えた。
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 辺野古移設をめぐる海外識者による声明は今回で4回目。ただ今回は日本で米政府代表を務めるケネディ駐日米大使による発言であることから、その責任を問うため米国人識者が声明を発表した。声明にはストーン氏のほか、沖縄返還に関する米政府の交渉担当者のモートン・ハルペリン氏や元米陸軍大佐で外交官でもあったアン・ライト氏をはじめ、元連邦上院議員で大統領選にも立候補したことがあるマイク・グラベル氏が初めて加わった。
20151224MortonH_ Halperin.jpg 声明は日米両政府が推進する辺野古移設計画について「普天間飛行場は閉鎖されなければならないが、辺野古移設は解決策とはならない。より人目につかない場所に問題を移すだけで、島の別の場所に新たな脅威を導入し、米軍を強化するものだ」と強調した。
<ケネディ駐日米大使発言への抗議声明全文>
 12月17日、東京の日本記者クラブでの記者会見で、キャロライン・ケネディ駐日米大使は辺野古が米海兵隊の新基地の場所として最善であるとのオバマ政権の主張を忠実に繰り返した。
 米国は「良き隣人」であろうと努力しており、また沖縄本島の約20%を占める何十もの米軍基地を抱える地域社会への影響については「気を配る」という丁寧なコメントをした後、ケネディ大使は沖縄の人々が容赦ない実力行使と威嚇にもかかわらず何百日も抗議活動をしている基地に対しての支持を表明した。
 (記者会見で)「基地建設に対する沖縄の人々の反対についてどう思うか。また米国は代替案を検討するのか」との質問に対し、ケネディ大使は「この計画(現在人口の密集する宜野湾に位置する米海兵隊基地を閉鎖し移設する)は人々が大変懸命に努力し、多くの選択肢を検討し、練り上げてきたものだ。だから私は今まで検討された計画でこれが最善のものと思っている」と答えた。
 米国が普天間飛行場を閉鎖し、辺野古に基地建設を一刻も早くすることを求めているというケネディ大使の発言は、この計画に激しく反対してきた沖縄の圧倒的多数の人々に対する脅威、侮辱、挑戦であり、同時に法律、環境、選挙結果を恥ずかしげもなく軽視する行為である。
 普天間飛行場は閉鎖されなければならないが、辺野古に移設することは解決策とはならない。この計画はより人目につかない場所に問題を移すだけであり、島の別の場所に新たな環境・安全の脅威を導入し、沖縄の米軍拠点としての役割を強化するものだ。
 ケネディ大使は日本記者クラブのゲストブックに、ジョン・F・ケネディ大統領による報道の自由についての発言を引用しながら署名した。しかし大使が引用するべきはむしろ、ケネディ大統領が世界平和について力強く、説得力のある主張を行った1963年のアメリカン大学卒業式での演説だったのではないか。
 ケネディ大統領は言った。
 「戦争に絶望し、平和をもたらすことを望む思慮深い市民は誰でも、まず内面を見ることから始めるべきだ―平和の可能性への自らの態度を調べることを…」
 ケネディ大使は沖縄の人々の懸念に対し、誠実に尊厳を持って取り組む勇気も度胸も持たないような米国の選挙で選ばれた公職者、政策立案者、軍の指導者たちの代弁者としての役割を果たしている。大使は父親が「アメリカの軍事力によって世界に強制的にもたらされるパックス・アメリカーナ(米国による平和)」を拒絶した演説をもう一度読むべきだ。
 もし再読したならば、ケネディ大使は父親が「平和とはつまり基本的に、荒廃の恐怖を感じることなく生活できる権利、自然の空気をそのまま呼吸する権利、将来の世代まで健全に存続する権利といった人権に関する問題ではないか」と問うたことを思い起こすことになるだろう。
 これらの言葉はわれわれにとってまだ意味があるために、われわれは米国市民として、米政府が自己決定権、健全で安全な環境で暮らす権利を含む沖縄の市民の基本的人権を否定することを止めるよう強く要求する。
<ケネディ駐日米大使発言への抗議声明に署名した米識者>
(名字のアルファベット順、敬称略)
▽クリスティーン・アン(DMZをわたる女性たち)
▽ガー・アルペロビッツ(「ネクスト・システム・プロジェクト」共同代表、メリーランド大学政治経済学元教授)
▽クリスチャン・G・アッピー(マサチューセッツ工科大学歴史学教授)
▽サンディ・アリッツァ(翻訳家)
▽ダビンダー・ボウミック(ワシントン大学近代日本文学准教授)
▽ハーバート・ビックス(ニューヨーク州立大学ビンガムトン校歴史学・社会学名誉教授)
▽コートニー・B・キャズデン(ハーバード大学名誉教授)
▽ノーム・チョムスキー(マサチューセッツ工科大学言語学名誉教授)
▽マージョリー・コーン(トーマス・ジェファーソン法科大学院教授)
▽エリザベス・コリ―ジョーンズ(ハーバード大学)
▽フランク・コスティグリオラ(コネチカット大学歴史学教授)
▽ボブ・クッシング(ジョージア州セント・ジョセフ教会神父)
▽サーシャ・デイビス(キーン州立大学助教授)
▽ジーン・ダウニー(著述家、「京都ジャーナル」寄稿編集者)
▽アレクシス・ダデン(コネチカット大学歴史学教授)
▽リチャード・フォーク(プリンストン大学国際法名誉教授)
▽ジョン・フェッファー(「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」ディレクター)
▽ノーマ・フィールド(シカゴ大学名誉教授)
▽マックス・ポール・フリードマン(アメリカン大学歴史学教授)
▽ブルース・ギャグノン(「宇宙への兵器と核エネルギーの配備に反対する地球ネットワーク」コーディネーター)
▽ダニエル・H・ギャレット(元国務省外交局職員、アジアインスティテュート研究員)
▽ジョセフ・ガーソン(アジア太平洋平和と非軍事化ワーキンググループ)
▽ゲリー・ゴールドスタイン(タフツ大学教授)
▽マイク・グラベル(元米国上院議員)
▽メル・ガートフ(ポートランド州立大学政治学名誉教授)
▽モートン・ハルペリン(元米政府高官)
▽ローラ・ハイン(ノースウェスタン大学教授)
▽ダッド・ヘンドリック(ベテランズ・フォー・ピース)
▽ミッキー・ハフ(ディアブロ・バリー・カレッジ歴史学教授)
▽パット・ハインズ(「トラップロック・センター・フォー・ピース・アンド・ジャスティス」ディレクター)
▽カイル・イケダ(バーモント大学日本語准教授)
▽ビンセント・イントンディ(モンゴメリー・カレッジ歴史学准教授)
▽ゼニ・ジャーディン(ジャーナリスト)
▽レベッカ・ジェニソン(京都精華大学人文学部)
▽ジャン・ユンカーマン(ドキュメンタリー映画監督)
▽シーラ・K・ジョンソン(人類学者)
▽カイル・カジヒロ(「ハワイ・ピース・アンド・ジャスティス」理事)
▽タラック・カウフ(ベテランズ・フォー・ピース理事)
▽ピーター・カズニック(アメリカン大学歴史学教授)
▽バリー・レイデンドーフ(ベテランズ・フォー・ピース会長)
▽ジョー・ローリア(元「ウォール・ストリート・ジャーナル」国連担当記者)
▽ジョン・レットマン(ジャーナリスト)
▽スタンリー・レビン(ベテランズ・フォー・ピース)
▽C・ダグラス・ラミス(沖縄キリスト教大学大学院客員教授)
▽キャサリン・ルッツ(ブラウン大学教授)
▽アンドリュー・R・マークス(コロンビア大学教授)
▽ケネス・E・メイヤーズ(ベテランズ・フォー・ピース)
▽ヨシ・マッキンタイア(学生)
▽キャサリン・ミュージック(海洋生物学者)
▽クリー・ピーターソン―スミス(クラーク大学地理学部博士課程)
▽ロバート・ナイマン(「ジャスト・フォーリン・ポリシー」政策ディレクター)
▽クーハン・パク(「グローバライゼーションを考える国際フォーラム」プログラム・ディレクター)
▽サミュエル・ペリー(ブラウン大学准教授)
▽マーガレット・パワー(イリノイ工科大学歴史学教授)
▽クレイグ・キロロ(「レイプ・リリーフ」創立者)
▽スティーブ・ラブソン(ブラウン大学名誉教授)
▽ベティ・A・レアドン(「平和教育に関する国際研究所」創立者)
▽ローレンス・レペタ(ワシントン州弁護士会)コリーン・ラウリー(元FBI捜査官、弁護士)
▽アーニ・サイキ(「モアナ・ヌイ・アクション・アライアンス」)
▽ピート・シマザキ・ドクター(ハワイ・沖縄アライアンス)
▽ティム・ショロック(ジャーナリスト、労働運動家)
▽アリス・スレーター(「ワールド・ビヨンド・ウォー」調整委員会)
▽ジョン・スタインバック(首都エリアヒロシマ・ナガサキ平和コミティー)
▽オリバー・ストーン(映画監督)
▽デイビッド・スワンソン(著述業)
▽ロイ・タマシロ(ウェブスター大学教授)
▽エリック・ワダ(御冠船歌舞団会長)
▽ローレンス・ウィットナー(ニューヨーク州立大学アルバニー校歴史学名誉教授)
▽アン・ライト(元米陸軍大佐)
 
「現在人口の密集する宜野湾に位置する米海兵隊基地を閉鎖し移設する」という計画は「人々が大変懸命に努力し、多くの選択肢を検討し、練り上げてきたもの」ではなく、日本政府から言いだしたことである。
 
日本が無条件で新基地を作ってくれるのなら米国としては諸手を上げて歓迎するのは当たり前である。
 
「誠実に尊厳を持って取り組む勇気も度胸も持たないような米国の選挙で選ばれた公職者、政策立案者、軍の指導者たちの代弁者としての役割を果たしている」にすぎないケネディ駐日大使は残念がら父親のDNAを受け継ぐことができず、日本に汚点をのこして帰国するだけであろう。
 
それにしても民主主義と基本的人権を大切にする米国の有識者たちがこんなにいることを改めて知り驚くとともに、オジサンも寄付した辺野古基金を使って訪米し沖縄の問題は人権問題であると訴えた翁長雄志県知事の行動が実りつつあるのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:41| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 辺野古新基地建設問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする