2017年05月13日

憲法の私物化をする、みともない首相を替えることが先決だ

わが国の「アッキード事件」は、まだまだ燻り続けているが、「昭恵氏付、出張書類なし 私的活動同行、『公務』のはずが」と新たな事実も出てきている。
 
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さらには「森友検証、検査院の手に 国有地売却経緯は・値引き適正か」と会計検査院の検証も始まり、容易には終わりを見ないようである。

ところで、新政権の最初の100日と国民・マスメディアの関係をハネムーン期間と呼んでいるが、大統領当選後の支持率が歴代の大統領と比べてはるかに低かった米国のドナルド・トランプ大統領の100日間の評価は、「トランプ米大統領、就任100日で成果を強調 『国民は満足』」と自画自賛していたが実態はかなり危うい状態になりつつあるようである。  
 
<「ロシアゲート」米に衝撃 FBI長官解任、批判拡大>
 2017/5/12 23:16 日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領によるコミー前米連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任の衝撃が続いている。政権側の解任理由の説明は二転三転し、昨年の米大統領選へのロシア関与疑惑を巡る捜査を妨害するためだとの臆測が広がる。「第二のウォーターゲート事件」「ロシアゲート」との批判が強まっており、政権を揺るがす火種となりかねない。
 「目立ちたがり屋だ。FBIは混乱状態にあった」。トランプ氏はコミー氏解任から2日後の11日、米NBCテレビのインタビューで解任理由をこう語り「(司法省の)勧告の有無にかかわらず、私は解任するつもりだった」と強調した。
 司法省の勧告に基づく解任としていた政権の当初の説明と食い違う。しかも、マケイブFBI長官代行は11日の上院公聴会で「コミー氏はFBI内で幅広い支持を得ている」と証言。政権とFBIの対立が深まった。
 「ロシアゲート」。大統領選で民主党候補ヒラリー・クリントン氏を追い落とすため、トランプ陣営とロシアにつながりがあったのではないかとの疑惑。ニクソン元大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件にちなみ、こう呼ばれる。
 政権側はクリントン氏の私用メール問題を巡るコミー氏の対応の誤りを解任理由に挙げるが、すでに政権発足から100日以上たち、与党共和党内でも「がっかりした」(マケイン上院議員)と批判の声が上がる。米メディアの報道で浮かぶのは、感情任せに人事を動かすトランプ氏の姿だ。
 大統領就任直後の1月22日、ホワイトハウスにコミー氏を招いたトランプ氏は「私より有名人だ」と周囲に紹介した。コミー氏は大統領選直前にクリントン氏の私用メール問題の再捜査を表明し、これがクリントン氏の敗北につながったとトランプ氏は評価していた。
FBI長官解任までの経緯
2016年
7月2日 FBIがクリントン氏を私用メール問題で任意の事情聴取
  5日 コミー氏がメール問題で訴追を求めないと表明
10月28日 コミー氏がメール問題の捜査再開を公表
11月6日 コミー氏、刑事訴追を見送る方針に変更なしと表明
  8日 米大統領選挙
17年
1月20日 トランプ大統領就任
2月13日 ロシアとの不適切な接触を巡り、フリン米大統領補佐官を事実上解任
3月20日 コミー氏、議会公聴会でトランプ陣営関係者とロシア政府の関係を捜査していると認める。オバマ前大統領が盗聴していたとのトランプ氏の主張を否定
5月3日 コミー氏、上院の公聴会でメール問題の捜査再開公表について「選挙に影響したかもしれないと思うと、多少吐き気を催す」と発言。判断は正しかったと強調
9日 トランプ氏がコミー氏を解任

 だが直後からすれ違う。1月末にコミー氏を夕食に招いたトランプ氏は、自身への忠誠を誓うよう求めた。コミー氏は公正であることは誓ったが、忠誠は拒んだという。
 さらにコミー氏は3月20日、トランプ陣営とロシアの関係の有無を含め、米大統領選へのロシア関与の疑惑を捜査していると表明した。だめ押しは今月3日。コミー氏が上院公聴会で、クリントン氏の再捜査が「選挙に影響したかもしれないと思うと、多少吐き気を催す」と発言。怒ったトランプ氏はローゼンスタイン司法副長官らを呼びつけ、コミー氏解任の勧告書を出すよう命じた。
 突然の解任劇はFBIだけでなく、その責任を押し付けられた司法省の内部にも政権への反感を広げた。ローゼンスタイン氏も事件の黒幕のように扱われたことに不満を漏らしているという。
 トランプ氏は11日のインタビューで自分がロシア疑惑の捜査対象ではないことをコミー氏に3回確認したと明かした。潔白を強調する狙いのようだが、捜査に圧力をかけたとの批判が広がる。
 トランプ氏は12日、政権の説明が二転三転しているとの報道に「今後は記者会見をすべて取りやめ、正確を期するために文書を配ることが最善かも」とツイッターで反発。「コミー氏はメディアへの情報漏洩を始める前に、我々の会話を録音したテープが存在しないよう願ったほうがいい」などと書き散らした。
 今回の解任劇を「不適切」とする回答が5割を超えた世論調査もある。来年の中間選挙を控え、与野党ともに世論の風向きに敏感だ。後任のFBI長官選びを含め、トランプ政権に「ロシアゲート」が重くのしかかる。
 ▼ウォーターゲート事件 1972年6月、当時のニクソン大統領の再選をめざす集団が野党の民主党全国委員会本部に盗聴器を仕掛けようとした事件。ニクソン氏は再選したが、捜査担当の特別検察官を解任。「捜査妨害」との世論の反発を受けて議会が弾劾に動き、ニクソン氏は74年8月、米国史上初めての大統領辞任に追い込まれた。


大統領選挙期間中から、トランプがロシアに訪問した頃、ロシア政府による「ハニートラップ」にかかった証拠があるとの噂は絶えなかった。
 
「ロシアゲート」が本格的に捜査されればトランプ大統領の任期は限りなく短くなりそうである。
 
一方、自らの任期を延長させた安倍晋三首相は任期中に悲願であった憲法改正に脇目も振らず突き進むようである。
 
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 「首相、改憲原案作り指示 党本部に 自公だけで調整も
   
 「改憲へ「圧力」、首相猛進 自民、沈む野党協調派/本丸9条、公明は困惑
そして、自民党内の憲法族にも軋みが生じているという。
 
<改憲論議 自民「憲法族」板挟み>
 毎日新聞 2017年5月12日 23時05分
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【板挟みの自民党「憲法族」】

 自民党内で与野党協調型の憲法改正論議を担ってきた「憲法族」が苦境に立っている。2020年の改正憲法施行を目指し、改憲案の早期策定を迫る安倍晋三首相と、「期限を切るべきではない」と反発する野党の板挟みとなっているためだ。12日の党憲法改正推進本部(保岡興治本部長)の幹部会では、首相側近から「高村正彦副総裁に権限を一本化してはどうか」と露骨な発言も飛び出した。
 「党総裁の並々ならぬ決意、大いなる期待を重く受け止め、憲法改正原案を具体化する議論を加速し、深めていきたい」
 保岡氏は推進本部の会合で、早期の議論とりまとめに意欲を示した。一方、推進本部メンバーを兼ねる衆院憲法審査会の中谷元・与党筆頭幹事は11日の幹事懇談会で、首相発言について「自民党向けで、(20年施行に)縛られるものではない」と述べ、野党への配慮をにじませた。
 憲法族は与野党協調を重視し、国論を二分しかねない9条改正は「2回目の国民投票以降の課題とする」との姿勢だった。現在もこの路線を維持する構えだが、党執行部では「推進本部では議論が遅い」との声が続出。改正案策定を幹事長室を中心とする「新たな組織」で行う案をちらつかせ、自民主導での改憲を進めるよう迫る圧力が強まっている。憲法族は党内と党外で発言を切り替えざるを得ない状況だ。
 本部幹部会で高村氏への一本化に言及したのは、柴山昌彦首相補佐官。保岡氏を前に「高村氏が公明党の北側一雄副代表と与党間で調整するのがいい」と提案した。高村氏は安全保障関連法や天皇陛下の退位に関する特例法案の与党協議を担った経験があり、北側氏と太いパイプを持っているのが念頭にある。
 露骨な発言には保岡氏も不快感を示し、「本部長抜きに話を進めるのはどうか」と反発。憲法族の一人も「急がば回れ(で与野党協調した方が改憲が早まること)がどうして分からないのか」と怒りをぶちまけた。07年成立の国民投票法では第1次政権当時の首相発言が要因で与野党協議が停滞した経緯を踏まえ、船田元・推進本部長代行も記者団に「首相の気持ちは分からなくもないが、やはり国会の議論に一定の期限を切るのは望ましくない」と苦言を呈した。
 ただ、与野党協調路線に首相が見切りをつければ、秋にも予定される党役員人事で推進本部から憲法族が外されかねない。憲法族からも、同本部のもとに9条や教育無償化などに特化して議論を加速するため小委員会を設置する「妥協案」が浮上している。【小田中大、村尾哲】
 
たとえ自民党内に多少の異論が出ようとも、安倍晋三首相は本気で改憲を何としても自分の在任中、即ち安倍内閣で実現したいらしい。
 
最後は、「本部長抜きに話を進めるのはどうか」という連中をすべて自分の意に沿うように首を挿げ替えるかもしれない。  
 
さて、戦争法の国会審議中の2015年6月、自民党推薦の参考人として衆院憲法調査会に出席し、戦争法案を違憲とした早稲田大学の長谷部恭男教授が、東京新聞のインタビューで、憲法9条を改憲し東京五輪は開催される2020年に施行したいと表明した安倍晋三首相に対し「憲法の私物化」につながると厳しく指摘していた。
 
ー首相は九条に自衛隊を明記することを主張した。
 「自衛隊の存在は国民に広く受け入れられている。今さら憲法に書く意味はない。首相が『憲法学者の中に自衛隊が違憲だという人がいるので、あいつらを黙らせるために憲法を変えたい』ということなら、自分の腹の虫をおさめるため変えることになり、憲法の私物化だ
ー自衛隊は合憲との立場を取っているが、違憲と考える憲法学者は多いのか。
 「存在が違憲という人はいるとは思うが、自衛隊がない方がいいと本当に言い切れる人はいないと思う。私は合憲論だ」
ー自衛隊を明記するだけなら「現状を変えないのだから問題ない」との意見もあるが。
 「歴代政権は個別的自衛権しか行使できないと明確だった。だが安倍政権は九条を変えないとできないとしてきた(他国を武力で守る)集団的自衛権の行使に、良く分からない論理で解釈だけで踏み込んだ。安全保障関連法の成立で自衛隊に何ができ、できないか分からなくなった。憲法に自衛隊を書き込めば、今度は何ができると言いだすか分からない。相当危険な提案だ
ー首相は高等教育を含む教育無償化を明記する改憲も定期している。
 「憲法に書いても財源がなければ実現できない。財源を確保できるなら、逆に憲法に書く必要がない。理由も必要性も分からない」
ー今回の首相の主張をどう評価するか。
 「首相は憲法を大事なものとして真面目に扱う気がないのではないか。憲法は党派、世代を超えて守っていかなければならない枠組みだ。『対案を出せ』言うが、憲法を変えること自体が目的となっていておかしい。これまでも改憲要件を緩和する九十六条改憲など、様々なことを主張していた。憲法が大嫌いで、どこでもいいから変えたいと思っているのだろう。  
ー国民が憲法を通じて権力者を縛る「立憲主義」の原則から見てどうか。
 「首相が改憲を主張することが決して許されないわけではないが、提案は理由も必要性も感じられない不真面目なものだ。変えること自体が目的であれば立憲主義に反する。憲法と20年の五輪開催は全く関係ない」
 
さすが、全国憲法研究会の代表である。
 
「みっともない憲法」と言って憚らなかった安倍晋三首相。
 
立憲主義も理解できない、子供じみた発想からの憲法の私物化を一刀両断したようである。  
 
一刻も早く、こんな「みっともない首相」を替えなければならない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:18| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月11日

新9条案は「3項加憲」と大同小異

まだまだ原発震災の影響で汚染された森林の除染作業は遅々として進まず、自治体は現場の実情も把握しないで業者任せにすると、こんな偽装工事が発生してしまう。
 
業者側の内部告発を元に、メディアの独自調査報道が森林汚染作業の偽装を暴いていた。  

<森林除染「竹林」に偽装 単価10倍、1200万円不正か>
 2017年5月11日 朝刊 東京新聞
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(上)昨年3月提出の工事完了報告書に添付された写真。竹林を偽装するため、短く切った竹が置かれていた(下)「偽装竹林」と同じ場所。今年4月、記者が確認すると、竹の切り株はまったくなかった=福島市松川町で(片山夏子撮影)
 福島の原発事故に伴う福島市の除染事業で、下請け企業の一部が、通常の森林除染を工事単価が10倍となる竹林で作業したように装っていたことが、市や元請けの共同企業体(JV)への取材で分かった。市は偽装に気づかず竹林の工事単価で除染費用を支払った。業者側は約1200万円を不正に受け取った可能性がある。下請け作業員からの内部告発を受け、市とJVは調査している。 (片山夏子)
 JVなどによると、現場は同市松川町にあり、晃(ひかり)建設、古俣工務店、ノオコー建設(いずれも福島市)の3社JVが受注した。JVは2014年9月〜昨年3月、住宅から約20メートル以内にある森林計約18万5000平方メートルを除染し、計約6億2000万円の支払いを受けた。問題の現場はそのうちの約2600平方メートル。
 市の森林除染に対する発注単価は1平方メートル当たり500円強。竹林は密生していて立ち入りが難しかったり、そのままでは落ち葉が除去できなかったりするため、間伐や切った竹の処分など手間がかかり約4600円が上乗せされ、約10倍の単価が設定されている。
 3次下請けだったゼルテック東北(福島市、3月に閉鎖)の作業員は、落ち葉などを除去した森林の地面に短く切った竹を並べ、竹林だったように装う写真を撮影。JVはこの写真を使った工事完了報告書を市に提出していた。本紙は写真の現場を確認したが、竹の切り株はなかった。
 市への内部告発は昨年11月。JVの工事責任者によると、JVは告発後に写真偽装に気づいた。責任者は取材に、下請けの写真偽装を認め、「市から約2600平方メートルは竹林ではなかったのではないかと指摘されている」と話す。
 市の除染企画課の担当者は「全ての現場を確認するのは困難で、業者からの報告を信頼し、書面で確認した。対応を協議している」とした。
<JVの工事責任者の話> 管理が不適切で、偽装写真を提出してしまった。それを基に市が竹林と判断したのなら、過剰請求であることを認めざるを得ない。
<ゼルテック東北元社長の話> 竹が全くなかったのではなく写真の担当者が誇張した。JVに報告する際、偽装写真を削除するよう社内で指示したが、一部の写真が上がってしまった。
<森林除染> 福島市は2011年秋から、住宅地などの除染を実施。住宅から約20メートル以内の森林も生活圏森林として除染している。市は1平方メートルの中にチェーンソーを使わないと切れない太さの竹が4本以上あると、竹林に認定している。
 
偽装写真を「写真の担当者が誇張した」と言い訳する下請け会社の元社長はおそらく確信犯であったのだろう。
 
今年の3月に会社が閉鎖したらしいが、ある意味では3次下請けという重層構造のしわ寄せを食らったのかもしれない。
 
一昨日、「笑えない、衆院予算員会集中審議風景」の中で、こんなことをつぶやいた。
 
「御用ジャーナリストの山口敬之も、北朝鮮に関しては、「北朝鮮危機を扇動、“安倍の代弁者”山口敬之が『騒ぎすぎという奴は全員北朝鮮で毒饅頭を食らっている』と陰謀論」とジャーナリスとは思えない言動をしていたようである。」
 
たしかにジャーナリスとは思えない御用ジャーナリストの山口敬之は、2年ほど前に知り合いの女性とトラブルを起こし、「安倍応援団・山口敬之の女性スキャンダルを『週刊新潮』が取材中の情報! “準強姦”告発を警察がもみ消しの疑惑」と、いわゆる「新潮砲」を食らっていた。
 
その後、山口敬之は、「ジャーナリストの山口敬之氏、週刊新潮の記事に反論!事実関係を否定!まさかの昭恵夫人がいいね!」とFaceBookで反論していた。
その中身が、「私のスキャンダル記事について」と「週刊新潮の記事について」。
 
もっとも週刊誌記事に対して反論することは、まさに表現の自由なのだが、事実のもみ消しを権力側が行っていたとなれば、話は違ってくる。 
 
<“安倍の太鼓持ち”山口敬之のレイプ事件潰しは官邸の圧力? 逮捕寸前に中止命じた警察官僚は菅官房長官の右腕>
 2017.05.10 リテラ
・・・前略・・・
 だが、さらに本サイトが注目したいのはその後の展開だ。というのも女性はその後、レイプ被害を警察に訴え、山口は一時、逮捕寸前だったのに、官邸に近い警察官僚の手で捜査がつぶされていたからだ。昨日の本サイトでも「事件そのものが揉み消されたとなれば、大きな圧力が存在したということになる」と指摘したが、まさに、その通りの事態が起こっていたのだ。
 事件の捜査に動いていたのは高輪署だった。女性が相談した当初は、消極的だったというが、監視カメラやホテルのベルボーイ、タクシーの運転手などへの確認をしてもらったところ、容疑が濃厚になり、6月に逮捕状が出され、山口氏が米国から帰国する8日には、成田空港で捜査員が逮捕執行のため捜査員が待ち構える事態にまで発展する。
 ところが、その直前、上層部からストップがかかったのだという。決裁したのは警視庁の中村格刑事部長(当時)。所轄が扱い逮捕状まで出した準強姦のような事件に、警視庁刑事部長が介入するのは異例中の異例だ。
 実は、この中村元刑事部長は現在、警察庁の組織犯罪対策部長の職にあるが、第二次安倍政権発足時に菅義偉官房長官の秘書官をつとめ、菅官房長官から絶大な信頼を得て、いまも「菅官房長官の片腕」として有名な警察官僚。
 そして、山口氏は当時、まだTBSの記者だったが、安倍首相とは2006年にいっしょに靖国神社に極秘参拝するなど、第一次政権前からズブズブの関係を築いていた。菅官房長官とも、その著書で明らかにしているように、当時、安倍首相返り咲きのために頻繁に情報交換をしてべったりの関係を築いていた。
 また、このレイプ事件を起こす直前、山口氏は被害者女性に「今売ってる週刊文春に僕の寄稿が掲載されるから読んでおいてね」というメールを送っているが、これは、「週刊文春」(文藝春秋)15年4月2日号に掲載された「歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!」。旧日本軍の従軍慰安婦を糾弾する韓国へのカウンターとして書かれたもので、実はネタ元は官邸、菅官房長官ともいわれていた。
 そして、山口氏はこの記事をTBSに無断で文春に発表したことがきっかけで同局を退職。安倍首相と昵懇の見城徹氏率いる幻冬舎から安倍首相のPR本『総理』を出版し、評論家デビューを果たすのである。
 その最中に起きたレイプ事件を、安倍首相や菅官房長官子飼いの警察官僚がもみ消したというのは、どう考えても偶然とは思えない。安倍首相や菅官房長官が自分たちの応援団ジャーナリストを守るためになんらかの圧力をかけた、との疑惑が浮上するのは当然だろう。
 中村元刑事部長は「週刊新潮」の取材に対し、忖度や圧力は否定しているが、「事件の中身として、(逮捕は必要ないと)私が判断した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います。自分として判断した覚えがあります」と、逮捕を阻止したことを認めている。前述したように、準強姦事件に、警視庁の刑事部長が直接判断を下すというのはありえない。
 そういう意味では、これは森友学園問題と同じ、官僚を使って“身内”を特別扱いしまくっている安倍政権の疑惑なのだ。
 いまのところ、テレビや新聞がこの問題を後追いする気配はないが、被害者女性は検察審査会に不服申し立てをする準備をしているという。本サイトとしては、安倍政権がどう捜査に関与したのかを引き続き、追及していくつもりだ。
 
「成田空港で捜査員が逮捕執行のため捜査員が待ち構える事態にまで発展する。 ところが、その直前、上層部からストップがかかった」・・・テレビの刑事ドラマの脚本のようである。
 
しかし現実的には、上層部の本人が、「事件の中身として、(逮捕は必要ないと)私が判断した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います。自分として判断した覚えがあります」と認めているというが、13年前と11年前の2回も東京都迷惑防止条例違反で逮捕され、最終的には実刑を食らった植草一秀が自ブログ『知られざる真実』で「ニュースサイトが排除する山口敬之氏重大情報」と題して自分の体験から警察権力批判を行っている。
 
私はかねてより、日本の警察、検察、裁判所制度には三つの重大な欠陥があると指摘してきた。
第一は、検察、警察に不当に巨大な裁量権が付与されていること
第二は、基本的人権が尊重されていないこと
第三は、裁判所が人事権を通じて行政権力の支配下に置かれていること
である。
不当に巨大な裁量権とは、
犯罪が存在しないのに犯罪をねつ造して市民を犯罪者に仕立て上げる裁量権

犯罪が存在するのにその犯罪者を無罪放免にする裁量権
のことである。
これを警察・検察権力と言う。
この巨大な裁量権こそ、検察・警察の巨大な天下り利権の源泉である。
そして、重要なことは、この裁量権が政治的目的で多用されていることだ。
政治的な敵対者に対しては、犯罪をねつ造して犯罪者に仕立て上げることが行われる。
他方、政治的な友好者に対しては、犯罪が存在しても無罪放免にする、あるいは、不当に緩い措置を講じる。
これが日本の検察・警察権力の実態である。 
 
まさに、今回の山口敬之のレイプ事件もみ消しは、「犯罪が存在するのにその犯罪者を無罪放免にする裁量権」を持っている警察が、「政治的な友好者に対しては、犯罪が存在しても無罪放免にする」という警察権力の濫用であろう。  
   
ところで、日にちは若干戻るが、安倍晋三首相が5月3日に突然言い出した憲法改正のスケジュールは、「ナベツネの入れ知恵なのか、ビデオメッセージの改憲日程」とつぶやいたのだが、それは全くの検討外れだったようである。
 
<安倍首相の「9条に自衛隊明記」改憲案は日本会議幹部の発案だった!「加憲で護憲派を分断し9条を空文化せよ」>
 2017.05.10 リテラ
 安倍「3項加憲」の発案者は日本会議政策委員・伊藤哲夫!
 安倍首相が3日に突如打ち出した“2020年新憲法施行宣言”が大きな物議を醸している。本サイトでも指摘してきたように、これは総理大臣の権限を大きく越えた発言で、明らかに憲法尊重擁護義務(99条)違反だ。ところが、国会で安倍首相はその発言が自民党総裁としてのものであると二枚舌を駆使し、「読売新聞を熟読してもらいたい」などと、うそぶいたのである。
 まさに国会軽視、民主主義の破壊者としかいいようがないが、この安倍の“2020年新憲法施行宣言”にはもうひとつ、とんでもない問題が潜んでいる。それは、この宣言で打ち出した9条への「3項加憲」案が、ある“日本会議幹部”が昨年ぶち上げていた狡猾な改憲戦略の丸写しだったという事実だ。
 周知のように、安倍首相は読売新聞のインタビュー公開と同日、日本会議のフロント組織「美しい日本の憲法をつくる国民の会」と「民間憲法臨調」が共催する改憲集会へのビデオメッセージでも、「9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む」という「3項加憲」方式での9条改憲を打ち出した。
 しかし、安倍の従来の持論といえば、少なくとも9条2項「戦力の不保持」を削除したうえで自衛隊を明記することだった。それがなぜ突如、一見軟化したかに思える「1項、2項を据え置きで3項追加」に方針転換したのか。
 実は、昨年の参院選のすぐ後、日本会議の中枢メンバーが、ずばり「「三分の二」獲得後の改憲戦略」と題して、この「9条3項加憲」を打ち出していたのだ。
 その人物とは、日本会議常任理事で政策委員の伊藤哲夫氏。伊藤氏といえば、かねてから安倍首相のブレーン中のブレーンと言われてきたが、氏が代表を務めるシンクタンク・日本政策研究センターの機関誌「明日への選択」には、憲法改正はもちろん、歴史修正主義、「偏向教科書」運動、夫婦別姓反対、ジェンダーフリーバッシングなどなど、フル装備の極右思想が理論的に展開されている。そんな“理論派”の伊藤氏が、「明日への選択」16年9月号で提案したものこそ“自衛隊条項の戦略的加憲”だった。
 明かされた「護憲派に反安保のような統一戦線をつくらせない」の本音
 伊藤氏はまず、“中国の脅威”を強調するなどして〈「反戦・平和」の抵抗運動〉を押さえ込み、〈護憲派への徹底した「反転攻勢」を始めるべき〉としたうえで、こう述べている。
〈ところで、もう一方で提案したいと考えるのが、改憲を更に具体化していくための思考の転換だ。一言でいえば、「改憲はまず加憲から」という考え方に他ならないが、ただこれは「三分の二」の重要な一角たる公明党の主張に単に適合させる、といった方向性だけにとどまらないことをまず指摘したい。むしろ護憲派にこちら側から揺さぶりをかけ、彼らに昨年のような大々的な「統一戦線」を容易には形成させないための積極戦略でもある、ということなのだ〉
〈(平和、人権、民主主義には)一切触れず、ただ憲法に不足しているところを補うだけの憲法修正=つまり「加憲」なら、反対する理由はないではないか、と逆に問いかけるのだ〉
 さらに、具体的には〈例えば前文に「国家の存立を全力をもって確保し」といった言葉を補うこと、憲法第九条に三項を加え、「但し前項の規定は確立された国際法に基づく自衛ための実力の保持を否定するものではない」といった規定を入れること〉とまで言明している。まさに安倍首相のいう「3項加憲」とまったく同じである。
 しかも見ての通り、伊藤氏は「加憲」の狙いが「護憲派の分断」にあると開陳している。ようするに、本来、安倍首相や日本会議が悲願とする戦前回帰の改憲では国民の支持が得られないから、まずはソフトな「加憲」から入り、一度憲法改正を実現させてから本丸へと切り込もうという、姑息きわまりない策略なのである。
 事実、伊藤氏は「加憲」を〈あくまでも現在の国民世論の現実を踏まえた苦肉の提案でもある〉とし、〈まずはかかる道で「普通の国家」になることをめざし、その上でいつの日か、真の「日本」にもなっていくということだ〉と結んでいる。では、その「真の『日本』」とは何か。
 伊藤氏は〈戦後リベラリズムの系列に属するあらゆる発想の否定〉を理念とし(「明日への選択」03年10月号)、大日本帝国憲法を〈その精神自体は大いに学ばれ、継承されるべきだと真剣に考える〉と絶賛している(同誌04年3月号)。これを踏まえれば、「改憲はまず加憲から」の先に描く青写真が、戦後民主主義の否定と復古的な臣民意識の確立なのは明白だ。
 「3項加憲で2項の戦力保持と交戦権否定を空文化」と真の目的が
 安倍首相が初めて「加憲」を言い出したのは日本会議系の改憲集会でのことだったが、実はそのアイデアすら、日本会議のブレーンによる、護憲勢力を分断しまず改憲を既成事実化するための、“まやかしの作戦”だったというわけである。
 まさに「一国の首相が極右団体に牛耳られている」との見方をされても仕方のない、完全に国民を馬鹿にした話だろう。
 しかし、恐ろしいのはここからだ。そもそも、9条1項と2項には触れないという点をもって、首相や日本会議が悲願とする極右的改憲から一歩でも後退したのか? 答えはノーだ。
 昨日9日の国会参院予算委員会では、共産党の小池晃議員が「どう書くにせよ、1項、2項に加えて、3項に自衛隊の存在理由が書かれることになれば、3項に基づいて海外での武力行使に対する制約がなくなってしまう。2項は空文化せざるを得なくなるのではないか」と質した。これに対し安倍首相は「御党は政府見解と違い自衛隊は憲法違反と述べている」などと言ってごまかしたが、しかし、この「3項加憲」は現状の追認でもなんでもなく、真の狙いが憲法の平和主義を骨抜きにすることなのはもはやバレバレなのである。
 実際、先にその戦略の元ネタであることを指摘した日本政策研究センターの「明日への選択」では、伊藤氏による“戦略的加憲論”を掲載した翌々月号で、同センター研究部長の小坂実氏が、こんな本音を暴露していた。
〈「戦力」の保持を禁じ、自衛隊の能力を不当に縛っている九条二項は、今や国家国民の生存を妨げる障害物と化したと言っても過言ではない。速やかに九条二項を削除するか、あるいは自衛隊を明記した第三項を加えて二項を空文化させるべきである〉(同誌11月号「今こそ自衛隊に憲法上の地位と能力を!」)
 ようするに、自衛隊の明記は「戦力の不保持」と「交戦権否認」を定めた2項を「空文化させる」と断言しているのだ。実際、3項が加えられ自衛隊が明文化すれば、その活動に歯止めがきかなくなり、専守防衛が崩壊するのは目に見えている。
 しかし、信じられないのは、こうしたまやかしに乗っかって、リベラル派の中にも、この提案に賛同する声が出てきていることだろう。
 本来なら、“自衛隊を合憲化するために憲法に書き込むべき”などという主張は、安倍首相が自衛隊を違憲だと認識していることの証明なのだ。立憲主義国家の行政の長としてそんなことを言うなら、まずは自衛隊を解散させてからにしろ、と反論すべきなのに、「現状をきちんとするために改憲もありだ」などというのは、まさに連中の詐術に乗せられているだけではないか。
 繰り返すが、自衛隊の明文化は“現状の追認”どころではなく、正真正銘の“平和主義の破壊”である。こんな安倍首相の詐術にだまされてはいけないし、連中がほくそ笑む「護憲派の分断」にも屈してはならない。
 
「加憲で護憲派を分断し9条を空文化せよ」という目論見は、2年前にすでに「新9条案」というのが、今井一や伊勢崎賢治、そして戦争法に反対していた改憲派の小林節らが唱えており、当時の東京新聞も特集報道で「安倍流の改憲を許さないための新九条である」としてこの提案を積極的に肯定し推進していた経緯がある。
 
世に倦む日日のブログ主が「左からの初めての本格的な改憲策動に寒気と目眩を禁じ得ない」と、なげくのも当然である、とオジサンは思う。

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2017年05月08日

ナベツネの入れ知恵なのか、ビデオメッセージの改憲日程

憲法記念日に日本会議関連の集会に安倍晋三首相が「ビデオメッセージ」で、憲法改正の具体的な内容と改正スケジュールまでを提示したことに対しては、その発言自体が憲法違反であろうとも、様々な議論を呼んでいる。
 
反安倍政権の旗頭でもある日刊ゲンダイが「立法府無視で唐突な改憲宣言…その裏側がまたおぞましい」の中で識者たちの評価を紹介していた。 
 
■聖学院大学の石川裕一郎教授(憲法学)
「憲法審査会をすっ飛ばし、自民党の改憲草案にもない独自案を首相がいきなり表明した。政権支持率が高止まりしている状況を見て、もはや何をやっても大丈夫とタカをくくっている表れでしょう。まさに、おごり高ぶりです。批判が続出しても不思議ではないのに、メディアは安倍首相のビデオメッセージを天皇の会見のように伝えるだけ。あまりに酷い状況です」
   
■上脇博之・神戸学院大教授=憲法
「自民党の総裁任期が3月の党則改正で『連続2期6年』から『3期9年』に延長され、最長で2021年秋までの長期政権を担うことが可能になりました。さすがに4期延長はないだろうし、仮に20年施行であれば、公布や国会発議、国民投票の実施などのスケジュールを逆算すると今が最後のチャンスと思ったのでしょう」
「高等教育の無償化は改憲しなくても可能です。それをあえて取り上げたのは、教育無償化を掲げていた維新を改憲勢力に取り込むためでしょう。ただ、7年前の旧民主党政権が政策の目玉に打ち出したのが『高校授業料の無償化』でしたが、バラまきと批判していた急先鋒は自民党。本当は無償化にヤル気がない政党が、果たして本気で取り組むのでしょうか」
 
■元外務省国際情報局長の孫崎享 
「日本政府が世論誘導したといっていい北朝鮮のミサイル脅威論と無関係ではない」
「先日、関西地方に講演に出掛けた際、幼稚園児が北のミサイル着弾に備えた避難訓練を行っていると聞きました。つまり、それほど北の脅威論は国民にじわじわと浸透しているのです。おそらく、安倍首相は今のタイミングであれば、『北朝鮮に備えるには改憲して自衛隊の態勢を整える必要がある』と訴えれば国民の支持を得られると判断したのだと思います。改憲を唱える日本会議にメッセージを寄せたのも同じ理屈で、今なら、安倍政権との近しい関係を問題視する世論の反発も抑えられる上、森友問題でギクシャクした関係改善も図ることができると考えたのでしょう」
 
「北朝鮮のミサイル脅威論」に関しては日本経済新聞編集委員の高坂哲郎が「ミサイル攻撃時にいかに国民を守るかを改めて考えて」みた記事を書いていた。  
 
<政府、ミサイル攻撃対策を模索 「いざ」に備え>
 2017/5/7 6:30 日本経済新聞
 朝鮮半島情勢がきな臭さを増している。日本政府はこれまでの対策の遅れを取り戻すべく、急ピッチで弾道ミサイル攻撃時の国民避難という課題に取り組み始めている。着手が遅かったという面はあるにせよ、何もしないよりは断然よい動きである。ミサイル攻撃時にいかに国民を守るかを改めて考えてみる。
 政府がミサイル攻撃時の国民避難という問題に対し、より現実的に対応し始めたのは昨年10月だった。ミサイルが日本領土・領海内に落下する可能性がある場合など3パターンに分け、政府が国民に警報を発する段取りや、国民がとるべき対処の仕方を国民保護ポータルサイト(http://www.kokuminhogo.go.jp/)で公開した。
 続いて、今年3月には秋田県男鹿市でミサイル発射を想定した初の避難訓練を実施した。訓練シナリオは、最終的にミサイルは領土内には着弾しないという想定で、訓練に参加した市民は100人余りというごく小規模の訓練ではあったが、全国瞬時警報システム(Jアラート)を実際に鳴らすことも含め、日本初の画期的な試みとなった。秋田で訓練の「ひな型」をつくった政府は、6月以降、全国各地の自治体と共同で避難訓練を実施する見通しだ。既に山形県や長崎県から「うちでも訓練をしたい」との声が上がっている。
■情勢認識、政府と国民の間でギャップ
 政府は近く、ミサイル発射を探知後に国民に避難を開始するよう促すタイミングを前倒しする見通しだ。現在は、
 (1)ミサイル発射
 (2)米軍の早期警戒衛星などが発射を探知
 (3)米国から日本政府・自衛隊に通報
 (4)政府はその時点でまず国民に警報を出し、発射の事実を周知
 (5)ミサイルの軌道を追跡し、日本領土内に着弾する可能性があることが判明した時点で国民に避難を呼びかける――という段取りだった。
 ただ、これだと(4)から(5)に至る1〜2分をみすみす無駄にしてしまう恐れが大きいため、新たに(4)の時点で避難を開始するよう呼びかけることに改める。菅義偉官房長官の一声で決まったと聞く。「政治主導」が良い方向へ働いている。
 読者の中には、こうした政府の動きをみて「そんなに事態は深刻なのか」「どうもピンとこない。騒ぎすぎなのではないか」と感じる向きもあるかもしれない。確かに、政府と一般国民の間には温度差がある。政府は、米国政府・米軍から朝鮮半島情勢、特に北朝鮮軍の動向などに関する多くの機密情報をもらっており、これらを国民を含む部外者には勝手に伝えてはならない立場にある。事態が切迫するほど政府と国民の間には現状に関する認識ギャップが生まれやすい。弾道ミサイルのリスクは、その最たる事例の一つだろう。
 この先、朝鮮半島で武力衝突が起きるような事態になれば、日本に弾道ミサイルが撃ち込まれる可能性は一気に現実味を増す。
 政府はミサイル攻撃時の避難場所として、「頑丈な建物」に加えて「地下」を挙げている。これは大いに意味がある。地下に入れば、熱線や爆風、破片、まき散らされる化学剤などから国民を守れる確率が増すためだ。
 1945年8月の米軍による広島への原爆投下時に、爆心地に近い日銀広島支店でたまたま金庫のある地下室にいた人が奇跡的に助かっている。同年3月の大阪大空襲では、地下鉄駅に避難した人々を地下鉄職員たちが鉄道輸送し、多くの人命を救っている。
■地下鉄構内をシェルターに
 韓国の首都ソウルには、北朝鮮から大量砲撃を受けた場合に市民が逃げ込める地下シェルターが市内各所に設けられているという。日本にはミサイル攻撃などを想定して設けられた地下シェルターはまだないが、ビルや地下鉄構内など既存の地下施設は活用できる。
 例えば、ミサイル発射警報が流れた時点で、すべての地下鉄の運行を止め、電車を動かす電流も止めることができれば、地下鉄の駅や通路に加えて線路も避難場所になり、収容可能人数を一挙に増やせるかもしれない。地下鉄の線路を通って爆心地から離れられれば、放射線や化学剤などに身をさらさずに済むだろう。
 政府の最近の取り組みに対し、一部からは「あの程度の避難訓練では意味がない」とか「地下施設の収容力を確認せずに、地下避難を呼びかけるのはいかがなものか」といった批判が起きている。確かに、そうした指摘には妥当なものもある。そもそも、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が顕在化したのは93年のノドン・ミサイル日本海着弾のときだった。当時、避難体制の構築に動き出す判断が国にあれば、現状は大きく変わっていたはずだ。
 これらについて今の政府でミサイル避難対策を担当する人々を責めても酷だろう。
 朝鮮半島でいつ武力衝突が起きてもおかしくない状況なのはまぎれもない現実だ。今は、過去の責任問題を取り上げたり、揚げ足取りをするのではなく、官民で当事者意識を持ち、建設的な知恵を出し合う時機である。筆者のみる限り、政府の担当者は「聞く耳」を持ってくれている。それが何よりの救いである。
 
こんな記事を読むと、日本経済新聞らしい記事だと思わざるを得ないのだが、自治体レベルが本気で避難訓練などを行えばますます国民の不安は増し、日本もしっかりと対抗するためには立派な軍隊が必要だ、という方向に世論が誘導されてしまう。
 
実際問題として、北朝鮮がミサイルを発射する場合は、やみくもに発射することは無く、特定の場所を狙う。
 
日本国内では米軍基地が最有力であろうが、日本海沿いの原発地帯を攻撃されれば、「頑丈な建物」や「地下」に一時的に避難したとしてもその後の広範な放射能汚染により、日本は壊滅状態に陥ることは言うまでもない。
 
もっとも北朝鮮が本気にミサイルを発射しようとした場合、自民党内では「『敵基地攻撃能力の保有必要』自民・安全保障調査会が緊急提言 30日に安倍晋三首相に提出へ」と本気で考えている連中もいる。
 
しかし、「敵基地攻撃論は北朝鮮に対する国民のイライラ感を解消するにはうってつけの話かもしれない。しかし、それによってできること、できないこと、日本にとってのプラスとマイナスのいずれが大きいかなどを考慮すれば、必ずしも当然の選択肢とはならない」と薬師寺克行・:東洋大学教授は、「対北朝鮮の『敵基地攻撃論』には実効性がない」と断言している。   
話しを元に戻すと、元官僚で御用経済学者の橋洋一は「安倍サプライズ発言から読み解く、憲法改正の『具体的な日程』」の中で御丁寧に解散日程も含めた具体的なスケジュールを示し、民進党は股裂きになり、共産党は論理破綻になると、安倍政権が聞いて喜ぶ内容のオンパレードであった。
 
元時事通信社政治部記者で「「生涯一記者」がモットーの政治ジャーナリストの泉宏は、東洋経済ONLINE版の「安倍改憲の本丸『9条改正』に待ち受ける関門」の中で、こんなことを暴露していた。
 
「4月24日夜には、数年前に独自の改憲試案を紙上で発表した読売新聞の渡辺恒雄・グループ本社主筆と会食。同26日には同紙の単独インタビュー応じ、その内容が同紙の5月3日朝刊の一面トップに掲載された。同日の集会での首相メッセージはこれを受けたもので、70年に合わせて憲法特集を組んでいた大手マスコミ各社は、首相の改憲案を競って報道した。」
 
やはり安倍晋三独自では考えられないような「9条3項の加憲」の発想だったらしい。   
 
この記事には多数のコメントがあったが、一つだけ以下のまともなコメントを紹介しておく。 
 
9条に第3項を加えるということは、歴代自民党政府が「自衛隊は憲法第9条に照らし合わせて合憲」として国民を欺いて来た定義を自ら否定する事になります。この事によって、問わず語りに現在の自衛隊は憲法第9条に照らし合わせると違憲状態であると告白しているようなものです。この重大な問題に対して、石破氏は「苦言」を呈しているのです。憲法を守るべき三権の長である首相自らがこのような重大な発言をするということの意味をアベヒトラーはまるで理解していないようです。司法の場では自衛隊合憲論に基づいて国民の自衛隊違憲の訴えを門前払いしてきましたが、これがデタラメであったと自ら告白してしまったワケです。
 
このように安倍晋三がナベツネの入り知恵により、「自衛隊は違憲」なので「合憲」としようとの発言に対しては、よせばいいのにこの男は、「首相の改憲発言『憲法審査会に一石』 萩生田官房副長官」と、一国の首相の発言を「あくまでも自民党総裁としての個人的提案」と擁護していたという。
 
当然ながら、批判ツイッターがあふれていた。



たしかに、朝日新聞は事実をそのまま垂れ流し、その内容には一切の批判がない。
 
少なくとも讀賣新聞や産経新聞や日本経済新聞よりは、「よりまし」なリベラルメディアだったはずが、これでは、安倍晋三に入れ知恵した讀賣新聞の渡辺恒雄・グループ本社主筆となんら違いがないのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2017年05月04日

決めるのは総理じゃない、怒りの国民が55,000人

毎年、5月3日の「憲法記念日」には護憲派たちが集まる「憲法集会」と、改憲を目論む日本会議関係者たちが集まる集会が行われている。
 
改憲派集会としては、昨日は「第19回 公開憲法フォーラム」が開かれ、そこで安倍晋三首相は「自民党総裁」としてこんなビデオメッセージを送っていた。
 
冒頭のあいさつで、あえて「自由民主党総裁の安倍晋三です」と言うところは、 憲法99条を意識していたのかもしれないが、その内容は公明党が喜ぶ加憲(自衛隊の存在を明記する9条の3項を追加)とか、維新の提案を受け入れる高等教育無償化などは、改憲は自民党単独では行っていませんよという国民への偽りのポーズであろう。
安倍晋三の発言は13年前の発言からこのように変化している。 
 
 
当然、数の力を背景とした暴走安倍内閣に憲法を勝手に変えさせないと、憲法集会には昨年を上回る市民たちが集まった。
 
<決めるのは国民 憲法施行70年集会に5万5000人>
 2017年5月4日 朝刊 東京新聞
 日本国憲法の施行から70年となる3日、憲法を守ることを訴える集会が東京都江東区の有明防災公園(東京臨海広域防災公園)で開かれた。約5万5000人(主催者発表)の参加者らは「憲法改悪反対」「9条守ろう」と声を上げた。
 登壇した弁護士の伊藤真さんは、安全保障関連法成立など安倍政権の政策を挙げ「個人の尊重、尊厳という憲法の考え方が大きく覆されようとしている」と批判。「こういう時代だからこそ、憲法の輝きを増していかなければならない。子や孫が、自由と平和の中で憲法施行100年を祝える未来を築くことが、私たちの責任ではないか」と訴えた。
 東京都目黒区の会社員鈴木沙織さん(40)は「憲法を変えるかどうかを決めるのは、私たち国民だ」ときっぱり。改憲に前のめりな安倍晋三首相に「憲法について無関心な人が多い中で、本当に国民全体が憲法を変えたいと思っているのだろうか」と疑問を投げかけた。
 
 
昨日は、乗る予定の地元の路線で人身事故が発生し、仕方なく迂回経路を使ったため、集会が行われた防災公園に到着した頃は、ステージ前は既に多くの観衆であふれていた。
 
そのために13時からの「トーク」や立憲野党代表の挨拶、それから2人のアピールもはるか遠くから音だけを聞いていた。
   
あらためてこの動画のお蔭で各人の話は確認できた。 
 
【施行70年 いいね!日本国憲法−平和といのちと人権を!5.3憲法集会】

 
座り込む余地がなかったのでカメラを持って会場内外を歩いて目についた風景を撮りまくった。 
 
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憲法集会では毎年、必ず右翼の街宣車が多数繰り出し集会を大騒音で妨害する光景が繰り広げられる。
 
昨年の防災公園での集会では、公園の周囲の道路を街宣車が繰り返し走りながら放送宣伝を繰り返していた。
 
今年は少々戦術を変更したらしいのだが、1人の右翼の団員に対して、多くの機動隊員が「見守る」様子を傍から見ていると、あたかも右翼連中の「表現の自由」を保障しているかのようであった。  
 
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デモ行進の際にデモ隊を満開のツツジが見送っていた。 
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あらためて、施行70年目を迎えて、今後も「施行80年」とか「施行100年」と、孫の代まで続くさせるためにも、改憲勢力に対抗していかなければならない、とオジサンは思う

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2017年05月03日

施行70年 日本国憲法 5・3憲法集会

昨年の参院選は32の1人区にすべて野党統一候補が立ち、結果は3年前には2人しか当選しなかった1人区に11人が当選し、飛躍的な前進という評価もあったが戦後4番目という低い投票率もあり改憲勢力が参議院で3分の2議席を占め、衆参両院で憲法改正の発議を可能にさせてしまった。
 
護憲派からすれば、いつでも改憲案、それも自民党案をベースの「壊憲案」が発議されるのではと警戒心がより一層高まった。
 
衆院で憲法審査会が始まったが、メンバーには前身の衆院憲法調査会からつながりのある顔ぶれがそろい、互いに気心が知れている顔ぶれがいる。

当時の調査会長の中山太郎元外相は意見表明の時間を少数会派にも平等に配分し、「中山方式」と呼ばれる伝統は憲法審にも引き継がれている。
 
ただ、当時は国政選挙のたびに自民党と民主党が「2大政党」として政権を争っていたので、憲法調査会に政争が持ち込まれたら議論が停滞すると懸念した自民党が、中山方式を許容したともいえる。
 
これに対し、国会では今、改憲に前向きな勢力が衆参両院で3分の2を超える議席を持ち、改憲案を発議できる環境にあるにもかかわらず、自民党が民進党の協力を期待するのは、その先の国民投票をにらんでいるからだという。
 
ある自民党幹部は「たまたま『3分の2』を取れたから改正してしまえというわけにはいかない」と語る。
 
同党には、1回目の国民投票で失敗したら改憲は難しくなるという危機感が強いらしい。
 
3月の自民党大会で安倍晋三首相は「自民党は憲法改正の発議に向けて、議論をリードしていく。それこそが歴史的使命ではないか」と訴えたが、思い描く改憲のスケジュールに言及したわけではなかった。
 
国会が衆参各院の3分の2以上の賛成で改憲案を発議すると、国民投票法に基づき、衆参両院議員10人ずつによる「国民投票広報協議会」が設置される。
 
設置後に衆院が解散されたら、衆院側は現職議員でなくなるが、法律上の問題はないのだが、協議会の実務に支障が出る可能性はあり、この点を「国民投票法が国政選挙との同時実施を想定していない証拠だ」と指摘する専門家もいる。
 
また、発議から国民投票まで60〜180日の周知期間について、与党内では「初回は180日が望ましい」という見方が多い。
 
国政選挙を避けながら十分な周知期間を取ろうとすれば、国民投票の時期はかなり限定される。
 
<改憲国民投票 早くて五輪後 与党も「国政選挙と分離」>
 毎日新聞 2017年5月2日 09時39分
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 国会が今後、憲法改正案を発議した場合、初めての国民投票は国政選挙と切り離して実施される見通しになった。複数の自民党関係者が明らかにした。次期衆院選は2018年12月までに行われ、19年夏には参院選がある。一方、国会の憲法審査会では論点整理が始まったばかりで、改憲項目を絞り込むめどは立っていない。国民投票は20年夏の東京五輪・パラリンピック後になる可能性が高い。
 就任以来、改憲に意欲を示してきた安倍晋三首相は来年9月の自民党総裁選でさらに3年の任期を確保したうえで、国民投票の時機を探ることになりそうだ。
 憲法第96条は国民投票について、単独実施と国政選挙との同時実施の両方を認めている。しかし、00年に設置された衆院憲法調査会(中山太郎会長)では「国民投票と国政選挙を一緒に実施すべきではない」という認識で与野党の委員が一致した。
(1)政権を争う国政選挙と改憲の賛否を問う国民投票は性質が違う
(2)規制が多い選挙運動と、原則自由であるべき国民投票運動の調整が難しい−−などが理由だった。
 その後、自民・公明両党と民主党(当時)はそれぞれ、議員立法で国民投票法案を国会に提出。両案を審議した06年の衆院憲法調査特別委員会で、民主党の質問に対し、自民党は「同時実施を禁止する規定を置いているわけではないが、国会の政治的判断で担保する」と答弁した。
 法案提出者の一人だった自民党の保岡興治憲法改正推進本部長は「憲法調査会以来、議論の方向性ははっきりしている」と語る。中山氏も毎日新聞のインタビューに「国民に改正の全容が見えやすい。国政選挙とは別にすべきだ」と述べた。
 国会が発議するまでには
(1)改正項目の絞り込み
(2)それに基づく改正原案の作成
(3)衆参両院の憲法審での原案の審査
−−という手順が必要だ。特に両院の憲法審と本会議で議決する原案の審査は「一国会では不十分だ」(与党関係者)という。国政選挙以外にも、19年10月には消費税率10%への引き上げが予定されている。増税は政権への逆風になるとみられ、19年後半から20年前半の国民投票は現状では想定しにくい。
 
このタイトな日程の合間をくぐって国民投票の周知期間を180日(6か月)取るとすれば、自ずと東京五輪以降しかなく、2018年に自民党総裁の再選を狙う安倍晋三首相にとっては、思い通りの改憲をして花道を飾るというストーリーならば、2020年後半に国民投票となる可能性が高まってくる。
 
もっとも政治の世界は一寸先が闇であり、現在のドミノ辞任恐怖症に怯える安倍内閣もこの先いつまでもつかは誰もわからない。 
 
施行されてから70年目の日本国憲法なのだが、それは70年間も一度も改憲されてこなかったわけであり、それなりの理由がある。 
 
歴史社会学者・小熊英二がその理由を解説していた。 
 
<日本国憲法 改正されずにきた訳は 歴史社会学者・小熊英二>
 2017年4月27日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 月刊誌が自民・民進・公明・維新の4党に憲法観を聞いた。各党とも、「憲法はいまの日本の姿に見事に定着しています」(保岡興治・自民党憲法改正推進本部長)という点では、ほぼ共通しているようだ。
 だが一方で、時代の変化に応じた改正が必要だという認識でも、4党は共通している。各党が挙げている改正点は、9条を別にすると、環境権、地方自治、緊急事態対応、合区解消、教育無償化、首相の解散権などだ。
 とはいえ上記の諸問題の多くは、改憲せずとも法律の改正で対応できる。総じて「これは急いで改憲しないと困る――といった具体的な提案はどの党からも出ていない。変えたほうが望ましいといった議論があるのみ」(枝野幸男・民進党憲法調査会長)なのだ。
    *
 実はこうした状態は、今に始まったものではない。敗戦直後から、憲法の不備を指摘する意見は多かった。それでも改憲は実現しなかったし、また実現しなくても大きな問題はなかった。
 その理由は何だろうか。改憲への反対が強かったこととは別の理由として、ケネス・盛・マッケルウェインは、日本国憲法の特性を指摘する。
 実は日本国憲法は非常に短い。各国憲法を英訳した単語数を比較すると、日本国憲法はインド憲法の29分の1、ドイツ基本法の5分の1に満たず、世界平均の4分の1以下なのである。
 なぜ短いのか。日本国憲法制定以後の他国の憲法が、環境権など新しい権利を記していることが多いのも一因だ。だがそれ以上に大きな理由は、条文に具体的規定が少ないことである。例えば他国の憲法では、選挙や地方自治の制度などを具体的に書いてあることが多い。だが日本国憲法では「法律でこれを定める」と書いてあるだけだ。
 マッケルウェインはこれが、日本国憲法が改憲されなかった理由だという。他国では改憲が必要な制度改正でも、日本では公職選挙法や地方自治法の改正で対応できたからだ。
 なお議会での改正手続きをもつ憲法のうち、3分の2の賛成を必要とするものは78%だという。つまり日本国憲法は、特段に改正が難しいわけではない。改憲しなくても「事足りた」から改憲されなかったというのである。
 私が確認してみたところ、日本国憲法で「法律でこれを定める」と書いてある条文は10カ所もある。それには選挙制度や地方自治、会計検査院の権限など統治機構の条文、さらに国民の要件、財産権の内容、労働条件、参政権資格など人権に関する条文が含まれる。他にも教育を受ける権利、納税の義務など、法律で詳細を決めるという条文は数多い。
 このことを踏まえると、昨今の改憲論の背景がわかる。例えば民進党の細野豪志は、現憲法は「国と地方の関係」を「法律に丸投げ」しているとして、地方自治や教育権などの条文を詳細にする私案を公表した。確かにそういう不備はあるといえるだろう。
 とはいえ、そうした不備は細野が指摘した条文だけにあるのではない。このやり方で各条文を詳細にすれば、憲法全体を書き直す作業になる。その困難さと、過渡期の混乱を考えれば、政策の実現手段としては現実的ではない。
 なおこれとは別に、「押しつけ憲法」だから改憲しようという声もある。だが木村草太は「『押しつけだから気に入らない』というのでは、『いまの日本国憲法に内容的問題がない』と自白しているようなもの」と評する。こうした心情的改憲では、条文の具体的内容がよくなる目途はないだろう。
 だが現憲法も人間が作ったものである以上、完全無欠ではない。マッケルウェインは「ここで改めて憲法とはなんであるかを確認しておきたい」「憲法は権力者が守るべきものとして定められたものである」と述べ、憲法の規定が簡略すぎるのは問題だと指摘している。憲法が簡略であるほど、政権党や政府の裁量や解釈が入りこみやすいからだ。
 つまり問題はこうだ。憲法が簡略すぎるのは、確かに一種の不備ともいえる。とはいえ、憲法全体の書き直しは現実的でない。ではどうするか。
    *
 ここで発想を変えてみよう。安易に憲法を変える前に、まず憲法の不備を別の形で補う努力をするべきだ。例えば国民が国政への関心と権力への監視を高めれば、上記のような不備を補う機能を果たしうる。そもそも「憲法の不備は自分たちで補う」というくらいの国民意識の高まりがないのなら、形だけの改憲をしても混乱を生むだけではないか。
 木村はこのようにも述べている。「改憲が必要かどうかは、これまでに生じている問題を分析した上で、法律の運用の適正化でも、法律改正でも対応できない、となって始めて議論されるべきものだ」。だが「権力者の問いを待っているだけでは国民のための国家は実現しない。国民の側から、『こんなことに困っている』『この制度はおかしい』と声を上げていかねばならない」。
 そうした状態をめざすことが、憲法をめぐる全ての議論の前提だ。それなしには、「憲法を変える」ことも、「憲法を守る」ことも、ありえないのだから。
 
国民に選ばれたという衆院、参院の議員全員がそれぞれの選挙で「憲法改正に対する賛否」を有権者に問うてはいない。
 
むしろ改憲に賛成の党の公認を得た議員といった程度なのだが、自民党は党是で改憲を明確にしているが、民進党は改憲派と護憲派が同居状態で、党としての統一性は見られない。
 
したがって衆参両院で3人の2の改憲派議員が占めているからと言って、それがそのまま民意にはなっていないことも自明である。
 
やはり、ここは再度「憲法は権力者が守るべきものとして定められたものである」という原点に立ち返り、国民が主語で書かれた憲法を国民の意思で作ろう、改正しようという動きが出ない限りは改正すべきではない、とオジサンは思っており、これから日本国憲法を護るため「憲法集会」に出かけることにする。
 
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2017年01月07日

「偽装改憲」「改憲詐欺」何でもアリの安倍政権

昨日、フォローしている人のツイッターにこんなコメントをつけてリツイートした。


単なる「裸のバカ殿」に成り下がってしまった安倍晋三首相なのだが、そのようにさせた振付師がいる。
 
第1次安倍内閣の下で内閣官房に出向し事務担当の内閣総理大臣秘書官を務め、その後は経済産業省の本省にて大臣官房総務課課長や貿易経済協力局審議官を経て、外局の資源エネルギー庁で次長に就任するなど要職を歴任した今井尚哉。
 
安倍晋三に乞われ、第2次安倍内閣の発足とともに政務担当の内閣総理大臣秘書官に就任し、第3次安倍第1次改造内閣が掲げた「一億総活躍社会」というスローガンを発案したことでも知られている。
 
この今井秘書官と安倍晋三の関係を「インサイダー」編集長で「ザ・ジャーナル」主幹の高野孟が「裸の王様」ゴッコしていると喝破していた。   
 
<手を取り合って幻想空間を遊泳する安倍首相と今井秘書官> 
 2017年1月5日 日刊ゲンダイ
 アンデルセンの「裸の王様」は、「馬鹿の目には見えない不思議な布でできている」という触れ込みの高価な衣装を、家臣も王様本人も「見えない」と言えば馬鹿と思われるから、お互いに本当のことを言わず、そのため王様は裸のままパレードに出ていってしまうというお話だが、今の安倍晋三首相と今井尚哉首席秘書官の関係もそれに似ている。
 外務省のロシア専門家を押しのけて、対ロ外交の総括責任者に就いたのは今井で、経済協力で大盤振る舞いをした上で、ロシアのプーチン大統領を高級温泉旅館でもてなせば、北方領土で妥協するだろうという幼稚極まりないシナリオを描いて安倍に振り付け、大失敗に終わった。それですぐに目先を変えて、「戦後の首相として初めて」と銘打った安倍の真珠湾訪問を仕掛け、それがうまくいけば「真珠湾解散だ」とまで新聞に書かせてあおり立てたが、「初めて」どころか吉田茂も鳩山一郎も岸信介も訪問していたことが判明して、ずっこけてしまった。
 自民党中堅議員が嘆く。
「とにかく今井は、外交舞台をその場限りの派手なサプライズ演出のチャンスとしか考えておらず、うまくいけばその勢いで解散・総選挙を打って政権延命という一本やりの単純思考。5月の伊勢志摩サミットで、偽データのパネルを作って『リーマン・ショック級の世界経済危機』を演出してダブル選挙に持ち込もうとしたのも、今井。プーチン来日に大いに期待を持たせて、年末年始の北方領土解散をさんざんあおったのも、今井。それがダメなら真珠湾というのも、今井。彼は、自分の仕掛けたことが失敗だとは言えないから『成功した』と安倍に囁き、マスコミにもそう書かせる。安倍も自分が失敗したとは思いたくないので、今井の言葉や、彼が切り抜いてきた新聞記事を信じようとする。2人で手を取り合って幻想空間を遊泳しているかのようだ」と。
 次の場面は今月末で調整中のトランプ新大統領との会談である。同議員の言うには、これについても今井は安倍に対して「何も分かっていないトランプに注文をつけて世界が大混乱に陥るのを防ぐのが、豊富な政治・外交経験を持つ総理の役目ですから」などと、誇大妄想を吹き込んでいるらしい。それで妙に自信過剰になった安倍が、仮にもトランプを見下すような発言をしたりすると、大惨事に陥ることになろう。
 
安倍晋三本人が「大惨事に陥る」ことは大歓迎だが、日本に大惨事をもたらすことだけは避けなければならない。
 
ところで、昨日の「呼び名変更により高齢者が減り、オスプレイにより国内の危険は増す」の冒頭で、安倍晋三首相の年頭所感について、「安倍首相は、戦後の民主主義と経済発展の2つのうち、経済発展のみを継承するという意思表示ではないか」との見方をしていた、著述家の菅野完氏。
  
この作家の著書が出版差し止めされるとは、思いもよらなかった。


<ベストセラー「日本会議の研究」 異例の出版差し止め決定>
 2017年1月7日 朝刊 東京新聞
20170107nihonkaigihon.jpg ベストセラーの新書「日本会議の研究」によって名誉を傷つけられたとして、書籍内に登場する千葉県の70代男性が、出版元の扶桑社に出版差し止めを求めた仮処分で、東京地裁(関述之(のぶゆき)裁判長)は6日、「真実でない部分があり損害も著しい」と判断し、差し止めを命じる決定をした。
 扶桑社によると、昨年春からの発行部数は約15万3000部。裁判所がベストセラーの出版を差し止めるのは異例だ。
 書籍では、保守系団体の日本会議と宗教法人「生長の家」の関係を記載。生長の家幹部だった男性は、6カ所について真実ではないとして仮処分を申し立てていた。
 決定は、男性の布教活動に関する1カ所の記述が真実とは言えず、著者の菅野完(すがのたもつ)さんは男性に取材していなかったと指摘した。その上で、販売が続くと男性の社会的評価が低下して回復困難な損害を受けるとし、この部分を削除しなければ出版は認められないと結論付けた。その他の記述は、うそとは言えないなどと判断した。
 扶桑社は「当社の主張がほぼ認められた決定ではあるが、一部削除を求められたことは誠に遺憾だ」とコメントした。自社にある在庫は出荷しないが、既に書店や出版取次会社に配送された本は回収しない方針。
 この決定によりただちに差し止めの効力が生じるが、扶桑社は異議と執行停止を地裁に申し立てることができる。男性の弁護士は「裁判所の公正な決定を歓迎する」とコメントした。
 関裁判長は2014年には、インターネットの検索結果削除を求めた仮処分申し立てで、国内で初とみられる削除命令の決定をしている。
 書籍は日本会議の成り立ちを探った上で、安倍政権による改憲に向けた動きを批判する内容。各書店でベストセラーランキングの上位に入った。
 日本会議の広報担当者の話 日本会議として仮処分申し立てに関与していないので、コメントできない。
◆著者「言論弾圧」
 「日本会議の研究」著者の菅野完さんは6日の東京地裁決定後、取材に「一カ所だけ削除修正を求められていることは極めて遺憾。本件は言論弾圧の一環と言わざるを得ない」とコメントした。
 菅野さんは、削除修正が求められていた大部分について地裁が請求を退けた点を挙げ「こちら側の主張の通り、請求がほぼ全面的に却下され、言論の自由の観点からも安堵(あんど)している」と説明。今後の対応については扶桑社と相談するとした上で「これまでも嫌がらせは絶えなかったが、誰からの弾圧であれ、自分の言論活動に引き続きまい進していきたい」と述べた。
<日本会議> 保守系団体の「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」を統合し、1997年5月に設立された民間団体。「皇室崇敬」や「新憲法の創造」を掲げ、近年は夫婦別姓反対や外国人参政権反対などを訴える。政府や政党に対して政策提言や要望書を提出することもある。全都道府県に下部組織があり、会員は約3万8000人。名誉会長は元最高裁長官の三好達(とおる)氏、会長は元時事通信社外信部長の田久保忠衛(ただえ)氏。
 
2001年に新しい歴史教科書をつくる会が編集した歴史・公民教科書を出版した、フジサンケイグループ傘下の出版社である扶桑社。

この社から出版された書物なので、同系列の内容のものかと思っていたが、安倍政権による改憲に向けた動きを批判する内容であった。  
 
安倍晋三首相の思想的な支えになっている日本会議の実体を暴露した本なので、決して政治的な判断がなかったとは言い切れない。 
 
そして、その安倍晋三首相が年頭から憲法の「改正ありき」の印象付けをはじめた。
 
<「安倍首相が本格的に改憲に動き出した! 国民を騙すために不要な条項作る「偽装改憲」計画も浮上」>
 2017.01.06 リテラ
 2017年を迎え、さっそく安倍首相が改憲に向けて動き出した。4日の年頭記者会見では「日本国憲法の施行から70年という節目の年」と強調し、「戦後のその先の時代を切り拓く、次なる70年を見据えながら、未来に向かって、いまこそ新しい国づくりを進めるとき」と述べ、5日の自民党の会合での挨拶でも「新しい時代にふさわしい憲法はどんな憲法か。今年はいよいよ議論を深め、段々姿、形を作っていく年にしていきたい」(産経ニュース)と宣言した。
 つまり安倍首相は、現行憲法施行70年というタイミングを「改憲へのまたとないチャンス」と捉え、年始から「改正ありき」の印象付けをはじめたというわけだ。
 しかも、改憲を現実にするための具体的なプランも浮上している。以前から予想されていた“お試し改憲”の本格的な準備だ。
 現に、今月3日付けの北海道新聞は〈自民党が近く、新たな憲法改正案の策定作業に入る〉と報道。〈2005年と12年に発表した党改憲草案では各条文の改正点を網羅的に掲げたが、新たな改憲案は各党の理解を得やすい項目のみを抽出する形式に変更する〉といい、新憲法改正案に盛り込まれることが想定される項目として、「参院選挙区の合区解消」「緊急事態条項の創設」「環境権の創設」「私立学校への補助金支出の合憲化」「財政規律条項」を挙げている。
 同紙の取材に対して自民党閣僚経験者が「異論を唱えにくい項目(に絞る)」とコメントしているように、自民党の狙いは野党の合意を得られやすく、かつ国民の反発が起こらない“ソフトな改憲”から実行しようとしているのだ。
 だが、これがカモフラージュであることは一目瞭然。多くの人にとって抵抗感のない“お試し”によって改憲のハードルを下げ、そのあとに本丸である9条の改正に乗り出すことは目に見えている。
 それだけではない。馬鹿げているのは、この自民党の新憲法改正案に盛り込まれると予想される項目のいずれもが改憲に値しない、現行憲法や法律で対応できるものばかりだからだ。
 まず、権力の集中と国民の権利が制限されるため、もっとも強い懸念が示されている「緊急事態条項」はどうか。日本会議などの改憲極右たちは「緊急事態条項がないから東日本大震災では被害が拡大した」「緊急事態条項があれば災害が起こっても国がパッと対応できる」などと喧伝しているが、これらは完全なデマ。災害時には2014年に改正された災害対策基本法によって緊急対応が可能だからだ。
 しかし、こうした反論を自民党は見越してか、最初の改憲では「緊急事態条項」の一部である「国会議員の任期延長」に焦点を絞るという見方もある。
 だが、これにしても、たとえば衆院が解散していても緊急時には内閣は参院の緊急集会を求めることができ、緊急集会が国会の代わりを果たすことができるし、このことにより予算や法律の対応も可能になる。また、これは衆院が解散されたときの規定で衆院の任期満了の規定ではないが、〈衆議院が機能しない場合に参議院が国会に代わって活動するという緊急集会の趣旨からすれば、緊急集会を求めることは憲法に適合すると解釈でき〉る(永井幸寿『憲法に緊急事態条項は必要か』岩波書店)。逆に、国会議員の任期延長を憲法上で認めることは、議員がいつまでも居座りつづける可能性も孕んでいるため、非常に危険なものだということを覚えておかなくてはいけない。
 同様に「参院選挙区の合区解消」も、自民党は「一票の格差」問題を是正するために憲法への明記が必要だというが、これも法律で対応できる問題だ。たとえば、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)のレギュラーコメンテーターである玉川徹氏は、以前、番組内で「一票の格差」問題を取り上げた際、“合区にするのではなく人口の多い選挙区の議員定数を増やし、その代わり議員の給料を減らせばいい”と提唱したが、その通りだろう。
 さらに、「私立学校への補助金支出の合憲化」「環境権の創設」などは、一見もっともらしいが、ちゃんちゃら可笑しい。
私立学校への補助金支出の合憲化」は、憲法89条が《公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない》としていることから私立学校への補助金支出が憲法違反にあたると言いたいのだろうが、1946年に金森徳次郎国務大臣が、98年には町村信孝文部大臣がそれぞれ「私立学校への助成は憲法違反ではない」と明言している。現行憲法でも私学への補助金支出は憲法上、問題ないのだ。
環境権」も同じだ。自民党の憲法改正草案では「環境保全の責務」として《国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない》と条文を新たに加えているが、国民の環境権は現行憲法13条の幸福追求権と25条の生存権によって保障されていると考えられる。だいたい、政府は環境保全の責務を課す以前に、騒音や公害訴訟において13条と25条に則って積極的にその責任を認めるのが先ではないのか。いや、原発再稼働を容認し、TPP法案に躍起になって地球温暖化対策のための「パリ協定」承認案可決を後回しにしたような政権が「環境権ガー」などと喚くのは、片腹痛いというものだ。
 そして、「財政規律条項」にいたっては、トチ狂っているとしか言いようがない。「次世代に借金を残さないためのもの」などと聞こえはいいが、アベノミクスの失敗によって2016年度の第3次補正予算案で1.7兆円もの赤字国債を追加発行した当人が財政の健全化を憲法に明記しようと言い出すとは、自己矛盾も甚だしい。しかも、これも憲法に規定を設けずとも法律で対応できるものであり、現に自民党は下野時代の2010年に「財政健全化責任法案」を提出していたし、昨年2月には民主党(当時)と日本維新の会も同法案を提出している。憲法云々ではなく法案として議論するのが筋だろう。
 このように、これから安倍政権が動き出す改憲内容は、そのすべてが早急な憲法改正の必要などないものだらけだ。にもかかわらず自民党は、いかにも必要な改正であるかのように装い、現行憲法や法律で対応可能であることを覆い隠し、改憲へと議論を進めていくはずだ。
 だからこそ、忘れてはいけない。これはもはや“お試し改憲”“ソフトな改憲”などではなく、明確な「偽装改憲」「改憲詐欺」だ。
 
「新しい時代にふさわしい憲法はどんな憲法か。今年はいよいよ議論を深め、段々姿、形を作っていく年にしていきたい」
 
そもそも何を指して「新しい時代」といっているのか全く分からない。
 
「日本国憲法の施行から70年という節目の年」という「70年」が節目になるのか。
 
改憲派は「今の憲法は時代にそぐわない」と事あるごとにうそぶく。
 
そもそも時代にそぐわないのは、憲法に書き込まれた国民の権利をしっかりと守ってこなかった自民党政治そのものであろう。
 
選挙では一切争点にしないで、いざ衆参両院で3人の2以上の議席を占めた途端、「我々は既に改憲草案を提示しており、その党員たちが選挙で当選したので、国民から改憲が支持されている」と平然と言ってのけた安倍晋三首相。
 
こんな首相だから、「偽装改憲」「改憲詐欺」も平気でやってしまうであろう、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 13:50| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月06日

いくら漫画を変えても9条の本質は不変である

21世紀(2001年)になり昨年までの15年間で日本新聞協会の「新聞の発行部数と普及度」によると、日刊紙の合計で約1657万3000部も減少している。
 
最近の結果でも「朝日新聞、4年間で発行部数105万減の衝撃…新聞業界、存亡の危機突入へ」によれば下表のように軒並み発行部数は減少しており、とりわけ、読売・朝日・毎日の3大紙だけでも、この2年間に東京新聞の規模の地方紙がほぼ5社分消えたことになるほどの斜陽ぶりである。
 
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そんな状況なので、今までは毎日新聞、朝日新聞は登録するだけでWEB版を自由に読めたのだが、最初に毎日新聞が特定記事を「有料化」を始めて、今年に入ってからいつの間にか朝日新聞も有料化を推し進めてきている。
 
「無料登録者」は有料記事も1日に読める本数が限られており、タイトルを吟味して選択しないと、どうしても読みたい記事が読めなくなってしまう。
 
しかし、讀賣新聞、産経新聞、日本経済新聞に比べれば「リベラル」とされている上記の2紙なのだが、最近の傾向として官邸からのクレームを恐れてなのか「両論併記」の記述が増えており、ジャーナリストとしての政権批判精神が全く希薄になってきている。
 
そんなわけで、今日は「東京新聞」の記事だけでつぶやいてみたい。
 
やはり、原発関連記事では他紙を圧倒的に引き離しているので、最初はこの記事から。
 
<福島の整備工場 洗車汚泥に放射性物質>
 2016年11月6日 朝刊 東京新聞
20161106odeiimage.jpg 福島県内の自動車整備工場にある洗車用の汚水浄化槽に汚泥がたまり、一部で国の指定廃棄物基準(1キログラム当たり8000ベクレル超)を7倍上回る最大57,400ベクレルの放射性物質を検出していたことが、業界3団体への取材で分かった。東京電力福島第一原発事故当初に車に付着した物質とみられる。整備工場は県内に約1700カ所あり、「洗車汚泥」は団体側の推計で数千トン。国や東電は事故後5年半にわたって対策を先送り。住宅や公共施設に比べ遅れがちだった産業施設への除染対策が早急に求められる。
 団体側は、県内全域をカバーする民間初となる独自の中間処理場新設計画案をまとめ、環境省などと協議を急いでいる。
 3団体は日本自動車販売協会連合会など。汚泥があふれないよう手作業でくみ上げる工場が続出し、団体側は「健康被害の恐れがある」と不安を訴えている。工場では汚泥の保管容器の置き場所も不足している。
 1700カ所は国の認証工場。厳しい排水規制を受けており、洗車で生じた汚水を垂れ流さないよう1トン前後の容量がある浄化槽「油水分離槽」を工場の床下などに設置。汚水をためて有害物質を沈殿させ、残りを排水している。
 共同通信が入手した第三者機関によるサンプル検査結果(2014年11月)によると、浄化槽36基の汚泥から、43200ベクレルの放射性セシウム137(半減期30年)を含む最大57400ベクレルを検出。国の指定基準を超えたのは19基で半数超を占めた。
 
「業界3団体への取材で分かった」という文面から提携している通信社の記事ではなく、独自取材の結果なのであろう。
 
それにしても、5年半以上経過しても場所によっては基準を上回る放射性物質が存在しているということを国民に知らせるということは大切である。
 
こんなことを言うと、「直ちに人体に影響がでるわけでもない事象を大げさにするな」と事実を矮小化しようとする連中が反発して来る。
 
自動車整備工場の業界3団体が「健康被害の恐れがある」と不安を訴えている」ので全く無視することはできない。
 
いつも健康被害を真っ先に受けるのは現場で作業させられている労働者たちである。
 
「独自の中間処理場新設計画案」をいくらまとめ上げても、核廃棄物として最終的に処分する場所が無ければ、単なる問題の先送りとなってしまう。   
 
<処分合意には脱原発必要 核のごみ問題で首長会議が声明>
 2016年11月6日 朝刊 東京新聞
 全国の市区町村長やその経験者でつくる「脱原発をめざす首長会議」は5日、札幌市で会合を開いた。原発の高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋める最終処分に関し、「原発をやめる方針を打ち出し、廃棄物の総量を確定させなければ、処分場建設に向けた合意形成の出発点に立てない」とする緊急声明を採択した。
 政府は処分場の候補地として適性がある「科学的有望地」を12月にも提示する方針だが、声明は「有望地の提示は、住民間や地域内の亀裂を生じるリスクもはらむ。自治体をいたずらに混乱させるだけだ」と指摘。原発推進の政府方針の下では、処分場選定は前進しないと主張している。
 会合後に記者会見した同会議事務局長の上原公子・元国立市長は「政府は再稼働を進めるために、最終処分を推進しようとしているのではないか」などと訴えた。
 同会議のメンバーは、37都道府県の現職首長と経験者ら計100人。この日は、日本原子力発電東海第二原発がある茨城県東海村の村上達也前村長らメンバー4人が出席し、市民約100人が集まった。
 北海道には高レベル廃棄物の持ち込みを「受け入れがたい」と拒否する条例があり、市民の関心も高いことから、札幌で会合を開いたという。
 
今から30年以上も前の話だが、オジサンが住んでいる地域には行政による生ゴミの回収は無かった。
 
燃えるゴミは隣の空き地で燃やし、生ゴミはまだ広かった自宅の庭に穴を掘って埋めていた。
 
しかし徐々に家族が増えるにつれて増改築を行い、同時に生ゴミの量も増加し、ついには広くない庭は埋めるスペースがなくなってしまった。
 
その後暫く経って市の環境局のゴミ収集事業が本格化したことを思い出してしまった。
    
最近は保育園や老人施設の建設にも反対する住民運動が起きており、ましてや核廃棄物の最終処分候補地になれば、ますます住民の反対運動は激しくなってしまう。
 
「政府は再稼働を進めるために、最終処分を推進しようとしている」ならば、完全に負のレガシーを後世に残すことになってしまう。 
 
同じレガシーでも日本が世界に誇れるものが憲法9条である。
 
しかし安倍晋三は昔から、「憲法9条はGHQから押し付けられた」負のレガシーだと思っているだけならまだしも、至る所で公言している。
 
以前、「やはり『押し付け憲法』ではなかった!」というつぶやきの中で、当時の東京新聞記事を紹介した。
 
『9条は幣原首相が提案』マッカーサー、書簡に明記 『押しつけ憲法』否定の新史料」 
 
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『9条提案は幣原首相』 史料発見の東大名誉教授・堀尾輝久さんに聞く

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ところが、「押しつけ憲法」派の圧力だったのかは定かではないのだが、ある時期から学習漫画の記載が正反対になったという。  
  
<入れ替わった9条提案 学習漫画「日本の歴史」>
 2016年11月6日 朝刊 東京新聞
 戦争放棄を盛り込んだ憲法九条は、日本側の意思でつくられたのか、それとも連合国軍総司令部(GHQ)に押し付けられたものなのか。長く論争となってきたテーマについて、読者の方から興味深い情報が寄せられた。小学館の学習漫画は当初、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相の提案と表現していたが、ある時からマッカーサーGHQ最高司令官の提案に変わったという。記載はいつごろ変わったのか、どんな事情があったのか、学習漫画を巡る「謎」を追った。
 学習漫画は「少年少女日本の歴史」。第一巻が1981年から刊行されているロングセラーだ。指摘された場面は第20巻「新しい日本」の中で、46年1月24日の幣原・マッカーサー会談を描いた一コマ。出版時期が違うものを探して比べたところ、絵柄はほぼ同じなのに発言内容が変わっていた。
 具体的には、93年3月発行の第33刷は、戦争放棄を憲法に入れるよう提案したのは幣原としていたが、94年2月発行の第35刷はマッカーサーの提案となっていた(第34刷は見つからず)。現在発行されている増補・改訂版は21巻で現憲法制定に触れているが2人の会談場面は描かれていない。
 
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 漫画の表現変更は昨年夏ごろからツイッター(短文投稿サイト)で話題になっていた。その中から「国会前で『憲法は米国に押しつけられたのではなく、日本側が戦争放棄を提案したのです』と訴えるチラシをもらった。配っていたのはシルヒトマン氏」との書き込みを見つけた。
 その人は埼玉県日高市のドイツ人平和歴史学者、クラウス・シルヒトマン氏(72)。幣原や九条について何十年も研究し、日本語やドイツ語、英語で本も出している。幣原提案説に立つ。漫画の表現変更に気づき、新旧の描写を著書に載せたり、はがきにして首相官邸前デモで配ったりした。それが拡散したようだ。
 漫画の表現変更の理由は知らないという。記者も手を尽くしたが、監修した学習院大学元学長の児玉幸多(こうた)氏は2007年に死去。小学館広報室も「記録が残っていない。当時の担当編集も退社し、経緯は把握していない」との回答だった。
20161106siruhitiman.jpg ◆ドイツ人研究者指摘「湾岸戦争で世界の批判影響か」
 シルヒトマン氏=写真、朝倉豊撮影=に漫画の書き換えや憲法九条について聞いた。
 −幣原元首相や憲法九条になぜ興味を持ったのか。
 「ドイツの平和学会に入り、各国の憲法、特に平和に関する規定に興味を持った」
 −漫画の表現の書き換えに気づいた経緯は。
 「日本人に広く読まれている漫画で、どう表現されているのか興味を持った。最初に幣原がマッカーサーに(戦争放棄を)提案している方を見つけ、その後、真逆のストーリーになっていることに気が付いた」
 −表現が変わった理由をどう考えるか。
 「日本が湾岸戦争で国際的な批判を受けた後、漫画の表現が変わった。日本人が、改憲を現実的な問題として真剣に考え始めた証しではないか」
 −改憲勢力には、九条も時代に合わせて変えるべきだという意見がある。
 「九条は本来、国連が世界連邦として機能し、世界中で武装解除が進むという理想を見据えて策定された。現実はそうなっていないが、今は過渡期。変えたらすべて終わってしまう」
 −九条はむしろ世界に広げていくべきなのか。
 「戦力不保持を明記した九条は際立っている。この条文を各国の憲法に生かすことができれば、大きな起爆剤となるはずだ」
 <憲法9条> 戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を明記し、平和憲法の根幹と位置づけられる。1946年1月24日、幣原喜重郎首相がマッカーサーGHQ最高司令官と会談した際に戦争放棄を入れるよう提案したという説と、否定する説がある。
 <ニュース読者発> 今回の取材は、千葉県佐倉市の匿名の女性が送ってくださったファクスが発端です。表現が変わった理由は解明できませんでしたが、いろいろ気づかされたことがありました。(北條香子、安藤美由紀)
 
日本の戦後の憲法は米国に押し付けられた憲法なので、自らの手で憲法を造らなければならないというのは、自民党の党是である。
 
そのバックには日本会議が存在しているのだが、「9条があるから平和になったわけではない。日米安保と自衛隊が抑止力になって平和が守られたのは明らか。現実と乖離した憲法の改正を阻むことこそ立憲主義に反すると考えます」と主張するのは日本会議・神奈川副運営委員長の木上和高。
 
憲法9条はある意味では究極の理想であり、それに近づける努力を惜しまないことが大切であり、現実と乖離しているから現実に合わせろということと、体が大きくなり服が着られなくなったので大きな服を作れ、というのとはわけが違う。
 
たとえ「押し付けられた」としても、結果的には抑止力となる自衛隊が海外で人を殺すことを「抑止」できたのは、まぎれもなく憲法9条であったということだけは事実である、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:56| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月19日

足もとがふらつき始めたか、TPPと憲法審査会

昨日のIOCバッハ会長と小池百合子都知事との会談は、当初は冒頭のみのメディア公開だったらしいのが、急遽、都知事判断で全面公開となった。
 
その会談が始まる日の朝刊には、驚くべき記事が出ていた。  
 
<東京五輪>ボート会場 都、IOCに安い金額を虚偽報告
 
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そして会談の中では、いまさら決まったことをひっくり返すのか、といったバッハ会長の本音も出ていた。
 
まさに「同床異夢」ならぬ、「同『舟』異夢? 東京五輪、会場見直し巡り応酬」となった模様で、組織委員会内からは、IOC関係者の話として「韓国のボート会場使用」案というリークじみた話も飛びだし、ボート会場の開催地は三つ巴どころではない様相になってきた。
 
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今月末までには、東京としての結論を出すと大見得を切った小池百合子都知事だったが、落としどころは、傍から見ると五里霧中といった感じである。   
 
オジサンにとってはボート会場どころか、五輪なんか招致不要だった立場からすれば、もっとスッタモンダして、世界に悪い印象を与えた方が好ましいとさえ思っている。
 
五輪会場からはるか遠く離れた南の島では、「アスリートファースト」ではないが、「住民ファースト」からはほど遠い、住民虐待と言える権力の横暴が蔓延っている。    
 
<沖縄・高江 ヘリパッド工事のダンプカーは違法車両だった>
 2016年10月19日 日刊ゲンダイ
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背面と側面に番号表示がない(上)車検のステッカーがない(下)(C)日刊ゲンダ

 バリケードを張る反対住民を強引に排除し、安倍政権が有無を言わさず建設を推し進めている沖縄・高江周辺の米軍ヘリパッド。なんと砂利を運ぶダンプカーは違法車両だったことが分かった。法令で義務付けられている荷台の側面や背面に“番号表示”がなかったり、着色フィルムでの装飾など不正改造され、中には前窓の中央上に貼る車検のステッカーがない車両もあった。
 現地で抗議活動している住民が言う。
「トラックが違法車両だと分かったのは、1カ月くらい前です。まさか、政府が建設を推し進める工事で違法車両が使われているとは思いもしませんでしたが、プロに見てもらったところやっぱり違反車でした。すぐに現場で機動隊に抗議したのですが、管轄が違うと相手にされませんでした」 そこで、14日、地元住民が沖縄陸運事務所を訪問。証拠写真を示して、ダンプカーの法令違反を指摘したところ「内容を確認し、行政指導など対応したい」と回答したという。地元住民はきょう(18日)陸運事務所を再訪問し、行政指導の進捗を確認する予定だ。
 現地の警察は、違法車両を見て見ぬふりをしていた疑いがあるという。
 10トン車のダンプカー12台で砂利が納入される際、車両を護衛するようにパトカー3台、機動隊50人が付いている。「半分くらいの車両は番号表示はなかった」(地元住民)というから、大勢の警官らが違反車両を“現認”していたはずなのだ。取り締まる立場のパトカーが違反車両を護衛していたわけだ
 また、何とか年内に完成させたい焦りなのか、過積載で運ばれている可能性が高いという。
「写真だけでは証明できないので、陸運事務所には申し入れしませんでしたが、砂利が荷台にこんもりと盛り上がっているのは、砂利の比重からして積載オーバーだと思う」(地元住民)
 ジャーナリストの横田一氏はこう言う。
「警察は、住民に対しては少し体が当たっただけで公務執行妨害、ちょっと敷地に入ると不法侵入で拘束します。もし、違法車両をスルーしていたとしたら、明らかにダブルスタンダードです」
 17日、沖縄県警はヘリパッド建設反対のリーダーを器物損壊の疑いで逮捕した。
 辺野古海上では、海上保安庁が監視船の定員を超えても、かまわず抗議する人を拘束している。沖縄ではルール無用の取り締まりが横行している。
 
高江には「違法車両」のダンプカーだけではなく、最近は東京だけではなく下品な関西弁丸出しのヤクザまがいの「不良機動隊員」も送り込まれている。 
 
<市民を「土人」呼ばわり 機動隊員、沖縄のヘリパッド建設現場 識者ら差別発言と批判>
 2016年10月19日 06:30 琉球新報
20161019dojinhatugenkeikan.jpg 沖縄県の東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設問題で18日午前、建設に抗議する市民に対して、現場の機動隊員が「土人が」などと発言する場面があった。市民が撮影した動画で本紙記者が確認した。識者や市民らは「沖縄差別の発言だ」などと指摘しており、県民の反発を強めそうだ。
 18日午前9時45分ごろ、訓練場N1地区ゲート横の丘に設置された仮設フェンス(金網)沿いで抗議をしていた市民に対し、基地提供施設内のフェンスの内側にいた機動隊員1人が「どこつかんどんじゃ、ぼけ。土人が」と発言した。当時、市民数人がフェンスに上ったり揺らしたりするなどして抗議していた。
 抗議に参加した女性は「本土の機動隊だと思うが、巻き舌気味で全て脅しに聞こえた。まるで暴力団のようだった」と語った。
 県警は取材に「県警としてそのような発言は確認されていない」と回答した。
(注:オジサン) 下の動画では30秒あたりで「土人」という言葉を発している。
 辞書によると「土人」という言葉は本来、土着の人という意味だが、近代以降、未開の地域住民を侮蔑(ぶべつ)する用語として定着している。

2016年10月18日午前9時45分頃、ヘリパッド建設工事が進むN1表ゲート近くで撮影。砂利搬入に抗議する沖縄県民を「土人」呼ばわりする大阪府警の機動隊員。
 
さて、「南スーダンよりは危険ではない」という主旨のことをほざいたアホがいた永田町では、TPPの集中審議真っ最中なのだが、このTPP審議に対して自民党の委員や閣僚の不規則発言が目に余っている。 
 
◆9月29日
 衆院TPP特別委員会理事を務める自民党の福井照衆院議員は、「この国会ではTPPの委員会で西川(公也)先生の思いを、強行採決と言う形で実現するよう頑張らせていただく」と発言。
◆同日
 福井照衆院議員は、竹下亘国会対策委員長に理事を辞任する考えを伝え、了承された
◆10月17日
 安倍晋三首相は環太平洋戦略的経済経済連携協定(TPP)の承認案を審議する衆院特別委員会で、「我が党においては(1955年の)結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」  
◆10月18日
 山本有二農林水産相が佐藤勉・衆院議院運営委員長のパーティーで、TPPの承認案を審議する衆院の特別委員会をめぐり、「野党が必ず強行採決するだろうと総理に質問するが、強行採決するかどうかはこの佐藤勉さんが決める
 
自民党総裁でもある安倍晋三首相が、「結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」などと、全く事実とは異なることを、「息を吐くように嘘をつく」始末なので、「強行採決するかどうかは衆院議院運営委員長が決める」などと、トンデモ発言を平然と口にしてしまうほど、タガが緩んでしまっているのが今の自民党であろう。
 
しかし、「1強多弱」とマスメディアに囃し立てられ、今年7月の参院選の結果、改憲派議員が3分の2を占め、「さあ、念願の憲法9条の改正だ」と生き込んでいた安倍晋三首相だったが、余りにも自民党憲法改正草案が「粗案」であることが一般国民に知るところとなり、撤回はしないまでも棚上げし始めた。 
 
<自民、改憲草案を封印 憲法審で合意可能項目を模索へ>
 2016年10月19日 07時09分 東京新聞
20161019fuuinkaikensouan.jpg 自民党憲法改正推進本部の保岡興治本部長は18日に開かれた参院選後初の全体会合で、2012年に策定した党改憲草案について衆参の憲法審査会に「そのまま提案することは考えていない」とする「本部長方針」を示した。民進党などの野党から「国民の権利を軽んじている内容だ」などと指摘されている草案を事実上封印し、憲法審査会での議論再開を促す狙いがある。自民党は今後、反発の少ない改憲項目を審査会で絞り込みたい考え。しかし、合意を得やすい課題を先行させる「お試し改憲」は9条改憲などにつながるとの批判がある。 (金杉貴雄、清水俊介)
 安倍晋三首相(自民党総裁)は党改憲草案の扱いに関し、6月の参院選テレビ討論で「われわれは既に案を示している。これを憲法審査会で議論していただきたい」と強調。参院選の結果、改憲勢力が衆参で改憲発議に必要な3分の2を占め、首相は自民党改憲草案をベースにした改憲議論の加速に期待を示していた。
 しかし、自民党が野党時代にまとめた改憲草案は現憲法の9条2項を削除し、「国防軍」の創設を明記。基本的人権を位置付けた97条を削除するなど「平和主義や人権を損なう」との批判が強い。
 民進党の野田佳彦幹事長は憲法審査会での議論にあたり、自民党改憲草案の撤回を要求。審査会での議論開始の障害となっていた。保岡氏としては、憲法審査会での議論を進めるには、首相の一連の発言を修正するのもやむを得ないと判断したとみられる。
 実際、衆院憲法審査会の与党筆頭幹事の中谷元・前防衛相(自民)と野党筆頭幹事の武正公一元財務副大臣(民進)は18日に国会内で会談。幹事懇談会を20日に開き、早ければ27日にも審査会を開催して実質審議を再開することで合意した。
 自民党は今後、9条や人権関連の条項など、野党の反発が予想される課題は避け、野党も議論しやすい課題を憲法審査会の議題として提案するとみられる。たとえば、大震災などの非常時に国会議員などの任期を例外的に延長する緊急事態条項や、参院選の「合区」解消のため参院議員を都道府県から少なくとも1人以上選出することを憲法上規定することなどが自民党内では検討されている。しかし、「合意を得やすい」発想で項目を探す「お試し改憲」には、改憲自体が目的となったとの批判がある。
 党憲法改正推進本部は総裁の直属機関。保岡氏は本部長方針として、05年にまとめた「新憲法草案」などと同様に改憲草案を「党の公式文書の一つ」と位置付けて、「現在の議員で党の考え方を整理する必要がある」と強調した。
 
かなり奇妙な話である。
 
そもそも、憲法審査会というのは「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する機関」で9年前に国会法第102条の6の規定に基づき「(衆議院に)設ける」とされている。
 
したがって、叩き台になる案が示されて初めて議論になるわけで、「野党の反発が予想される課題は避け、野党も議論しやすい課題を憲法審査会の議題として提案する」とは、本末転倒とでもいうべきことである。
 
朝日新聞は社説「自民党草案 憲法観が転倒している」で、「大原則は、憲法改正をめぐる議論は国民、与野党の大多数が必要性を認め、納得して初めて前に進めるべきものということだ。
 自民党が逆立ちした憲法観のままならば、その前提は決して整わないだろう。」と正論を吐いている。
  
毎日新聞は社説で「自民党改憲草案 内と外で使い分けるな」と真正面から批判していた。
 
・党内向けには「公式文書」と位置づけて重要性を強調し、対外的にはそれを「提案しない」と言って反発をかわそうとする。党内外で使い分ける対応は方便と言うほかない
・天皇の「元首」化、自衛隊の「国防軍」化、非常時の国家緊急権付与などを柱とする草案は、基本的人権の尊重より公共の秩序を優先し、国家主義的で復古調の色彩が濃い
・自民党は12年草案とあわせて、保守色が抑制された05年新憲法草案も党内議論の土台とするという。それでも与野党が冷静な議論をするにはやはり12年草案を破棄すべきだ。
 それが健全な憲法論議を進めるうえでの政権党の責務であろう。 
 
改憲自体が目的になるような憲法審査会などは開く必要がない。
 
本来ならば、国会で改憲が必要かどうか、改憲するならどの条文なのか、ということを具体的に議論することが先決であろう。

「お試し改憲」というまるで通販のような軽な言葉を平気でにするような連中の車には決して乗ってはならぬ、とオジサンは思う。

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2016年08月12日

やはり「押し付け憲法」ではなかった!

昨日、「巧妙な改憲阻止という天皇メッセージ」の中で、「おそらく、参院選で改憲勢力が3分の2の議席を獲得し、憲法改悪が現実的な問題となったことで、自分が「元首」にさせられる憲法なんか許さない、という気持ちがこのメッセージに強くにじみ出ているのではないだろうか」とオジサンの勝手な推測をつぶやいた。
 
しかし、天皇メッセージを全文読んでいなかったことから、もっと重要な部分があったことを知らされた。
 
それは以下の部分である。
   
「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ二カ月にわたって続き、その後喪儀に関連する行事が、一年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります」
 
まさに昭和の最後の年であった「昭和63年」。
 
世の中はバブル景気の真っ只中で、オジサンもそれまで乗っていた軽乗用車から国産の中型車に買い替えた年でもあった。
 
昭和天皇の「吐血」が徐々に「下血」となり同じ血液型の自衛隊員を始め、日本中の屈強な若者の血液が集められたという話を聞いたことがあった。   
 
その後の国内の自粛振りは常軌を逸していたのだが、「天皇が『お気持ち』で危惧した“崩御による自粛”の実態とは? 昭和の終わりに起きた恐ろしい状況が平成で再び」から、その一部を簡単にまとめてみた。 
 
◆1988年9月19日、昭和天皇が吐血。新聞各社はトップで「ご容態急変」と一斉に報じ、以降、まさに社をあげた「天皇報道」一色となっていくのだが、この時点ですでに、メディアによる“自粛ムード”は萌していた。
・新聞報道の翌日に後追いしたスポーツ紙の一面は、普段のカラー印刷ではなくモノクロ。
・週刊誌では9月27日に発売予定だった「女性自身」(光文社)が、グラビアページの天皇の写真を左右逆に掲
載していることが判明し、回収のうえ発売中止になる。
◆「吐血報道」の数日後には娯楽番組などの中止や変更が多発。
・『オレたちひょうきん族』(フジテレビ)『スーパーJOCKEY』(日本テレビ)
・『全日本プロレス中継』(同)
・『ひらけ!ポンキッキ』『おそ松くん』(ともにフジテレビ)『仮面ライダーBLACK』(TBS系)
・『笑っていいとも!』(フジテレビ)ではタモリによるオープニングの歌やダンスがとりやめになる。
◆CMの改変も続発
・日産の自動車CMで井上陽水が「みなさーん、お元気ですか?」という音声がカット。
・工藤静香出演のロッテのチョコレートCMでの台詞「その日が来ました」なども差し替えられた。
◆9月末ごろからは日本各地でお祭りやパレード、コンサートなどの各種イベントが相次いで中止。。
・神奈川県横浜市では、秋分の日に予定されていた横浜駅西口の名物行事「ヨコハマカーニバル」が中止。
・千葉県東京ディズニーランドでパレードの後の花火打ち上げが中止。また、ミッキーマウス生誕六十周年を祝うイベント「ミッキー・カー・オブ・ザ・イアー」が延期。ディズニーランド駐車場に一般参加者の車で巨大ミッキーマウスの絵を描く予定だった。
・千葉県印西町で開催予定だった「第一回コスモスサミット」が無期延期。
・長野県で行われる予定だった全国俳句大会(参加者約200人)が中止。
・福島県の会津秋まつりで、約7000人の小中学生が市内を練り歩く「提灯行列」と、3日間続けられる予定だった盆踊り大会が中止。
・静岡県静岡市登呂遺跡で行われる予定だった「第27回登呂祭り」が中止。例年、市民約10万人が参加していた。
・三重県伊勢市の「伊勢おおまつり」と「伊勢神宮奉納花火大会」が中止。
・佐賀県の県民体育大会開会式で、太鼓演奏やファンファーレなどが取りやめ。
・長崎県長崎市の諏訪神社で行われる予定だった秋の大祭「長崎くんち」の奉納踊りが中止。
・プロ野球では、セ・パ両優勝チームのパレードが中止。なおパ・リーグは西武ライオンズが1位に輝いたが、恒例の西武デパート「優勝感謝セール」は行われなかった。
・特殊法人「住宅・都市整備公団」が予定していた新宿駅前の「ススキと月見だんごの街頭プレゼント」が中止。「新宿でひと足早いお月見気分を」と、ススキと月見だんご計1000セットを無料プレゼントするはずだったという。
・キッコーマンと子会社のマンズワインが開催を予定していた「マンズワイン祭り」「マンジョウまつり」が中止。ともに、ワインやみりんの工場で無料試飲、各種ショーを訪問客に披露する予定だった。なお、通常の工場見学は普段通り受け付けたという。
◆1989年1月7日、昭和天皇の逝去でピークを迎える。
・テレビ局ではアナウンサーやキャスターが黒服や喪服を着用し、画面から一切のCMがアウト。
・新聞からも広告がバッサリとなくなり、電車の中吊りも外された。「週刊文春」(文藝春秋)など週刊誌も、広告面スペースを天皇関係の写真で埋めたり、白紙で構成したりするほどだった。
・銀座のデパートには天皇の遺影が大きく配置され、街頭のネオンや看板は白幕で隠された。
・10月には神奈川県の露天商を営む夫婦が、自宅六畳の部屋で、天井のはりにナイロンロープをかけて首を吊って自殺。多額の借金の返済に悩んでの心中だった。夫婦は9月の「秦野たばこ祭」と10月の「伊勢原観光道灌まつり」に出店を計画していたが、いずれも主催者側が天皇の容態に配慮して中止に。「たばこ祭」のために、すでに約60万円の材料の仕入れを済ませていたという。
・同じく神奈川県で、体育祭を実行するか中止にするかで板挟みになり、実行委員長が自殺するという事件も発生している。
 
たしかに生前退位すれば、当時のようなバカ騒ぎはしなくても済むかもしれない。
 
本来、日本国憲法に定義された象徴天皇のありよう、つまり民主主義を守るための皇室制度改革は、国民やメディアの側から声を上げなければならないにもかかわらず、国民の代表である安倍政権は天皇を再び国家元首にしようという極右勢力に支配され、メディアは天皇タブーに縛られ、政権やネトウヨたちの空気をうかがうことしかしようとしない。
 
その結果、天皇が自ら発言せざるをえなくなったのだろうが、今回のメッセージ表明でわかったのは、皮肉にも、もっとも反民主主義的な存在である天皇が、もっとも民主主義のことを考えていたという事実かも知れなかった。
 
ところで、自民党憲法改正草案で天皇を「国家元首」にしようとしている安倍政権は、安倍晋三を始め取り巻きの連中が口を開けば「現行憲法は米国からの押し付け憲法だ」と言って憚らない。
 
正確には連合国軍総司令部(GHQ)に押し付けられたと言いたいのだが、オジサンは、2007年12月5(水)に千代田区の九段会館で「日本の青空」という映画を見て、日本国憲法は鈴木安蔵を中心とした憲法研究会が骨格を作ったという事実を知った。
 
その映画は北は北海道から南は沖縄まで上映されたのだが、大手マスメディアは取り上げず、上映館も地域の公共施設が中心だった。
 
当時は第一次安倍内閣が本人の敵前逃亡により崩壊した年だったので、安倍晋三一派はこの映画の存在も知る由もなかった。
    
今朝の東京新聞はこんなスクープ記事を掲載していた。
 
<「9条は幣原首相が提案」マッカーサー、書簡に明記 「押しつけ憲法」否定の新史料>
 2016年8月12日 朝刊 東京新聞
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 日本国憲法の成立過程で、戦争の放棄をうたった九条は、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相(当時、以下同じ)が連合国軍総司令部(GHQ)側に提案したという学説を補強する新たな史料を堀尾輝久・東大名誉教授が見つけた。史料が事実なら、一部の改憲勢力が主張する「今の憲法は戦勝国の押しつけ」との根拠は弱まる。今秋から各党による憲法論議が始まった場合、制定過程が議論される可能性がある。 (安藤美由紀、北條香子)
 九条は、一九四六年一月二十四日に幣原首相とマッカーサーGHQ最高司令官が会談した結果生まれたとされるが、どちらが提案したかは両説がある。マッカーサーは米上院などで幣原首相の発案と証言しているが、「信用できない」とする識者もいる。
 堀尾氏は五七年に岸内閣の下で議論が始まった憲法調査会の高柳賢三会長が、憲法の成立過程を調査するため五八年に渡米し、マッカーサーと書簡を交わした事実に着目。高柳は「『九条は、幣原首相の先見の明と英知とステーツマンシップ(政治家の資質)を表徴する不朽の記念塔』といったマ元帥の言葉は正しい」と論文に書き残しており、幣原の発案と結論づけたとみられている。だが、書簡に具体的に何が書かれているかは知られていなかった。
 堀尾氏は国会図書館収蔵の憲法調査会関係資料を探索。今年一月に見つけた英文の書簡と調査会による和訳によると、高柳は五八年十二月十日付で、マッカーサーに宛てて「幣原首相は、新憲法起草の際に戦争と武力の保持を禁止する条文をいれるように提案しましたか。それとも貴下が憲法に入れるよう勧告されたのか」と手紙を送った。
 マッカーサーから十五日付で返信があり、「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです」と明記。「提案に驚きましたが、わたくしも心から賛成であると言うと、首相は、明らかに安どの表情を示され、わたくしを感動させました」と結んでいる。
 九条一項の戦争放棄は諸外国の憲法にもみられる。しかし、二項の戦力不保持と交戦権の否認は世界に類を見ない斬新な規定として評価されてきた。堀尾氏が見つけたマッカーサーから高柳に宛てた別の手紙では「本条は(中略)世界に対して精神的な指導力を与えようと意図したもの」とあり、堀尾氏は二項も含めて幣原の発案と推測する。
 改憲を目指す安倍晋三首相は「(今の憲法は)極めて短期間にGHQによって作られた」などと強調してきた。堀尾氏は「この書簡で、幣原発案を否定する理由はなくなった」と話す。
 <しではら・きじゅうろう> 1872〜1951年。外交官から政界に転じ、大正から昭和初期にかけ外相を4度務めた。国際協調、軍縮路線で知られる。軍部独走を受けて政界を退いたが、終戦後の45年10月から半年余り首相に就き、現憲法の制定にかかわった。
 
安倍晋三首相の「(今の憲法は)極めて短期間にGHQによって作られた」という発言もどうやら妄言と本人も認めなければならないようだ。 
 
<「9条提案は幣原首相」  史料発見の東大名誉教授・堀尾輝久さんに聞く>
 2016年8月12日 朝刊 東京新聞
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 憲法9条は幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相が提案したという学説を補強する新たな史料を見つけた堀尾輝久・東大名誉教授に、発見の意義などを聞いた。 (北條香子、安藤美由紀)
 −なぜ、書簡を探したのか。
 「安倍政権は、戦争放棄の条文化を発意したのはマッカーサーという見解をベースに改憲を訴えている。マッカーサー連合国軍総司令部(GHQ)最高司令官が高柳賢三・憲法調査会長の質問に文書で回答したのは知っていたが、何月何日に回答が来て、どういう文脈だったのか分かっておらず、往復書簡そのものを探し出そうと思った」
 −書簡発見の意義は。
 「マッカーサーは同じような証言を米上院や回想録でもしているが、質問に文書で明確に回答したこの書簡は、重みがある」
 −二項も、幣原の発案と考えていいのか。
 「一項だけでは(一九二八年に締結され戦争放棄を宣言した)パリ不戦条約そのもの。往復書簡の『九条は幣原首相の先見の明と英知』、幣原の帝国議会での『夢と考える人があるかもしれぬが、世界は早晩、戦争の惨禍に目を覚まし、後方から付いてくる』などの発言を考えると、二項も含めて幣原提案とみるのが正しいのではないか」
 −幣原がそうした提案をした社会的背景は。
 「日本にはもともと中江兆民、田中正造、内村鑑三らの平和思想があり、戦争中は治安維持法で押しつぶされていたが、終戦を機に表に出た。民衆も『もう戦争は嫌だ』と平和への願いを共有するようになっていた。国際的にも、パリ不戦条約に結実したように、戦争を違法なものと認識する思想運動が起きていた。そうした平和への大きなうねりが、先駆的な九条に結実したと考えていい」
 −今秋から国会の憲法審査会が動きだしそうだ。
 「『憲法は押しつけられた』という言い方もされてきたが、もはやそういう雰囲気で議論がなされるべきではない。世界に九条を広げる方向でこそ、検討しなければならない」
 <ほりお・てるひさ> 1933年生まれ。東大名誉教授、総合人間学会長。教育学、教育思想。東大教育学部長、日本教育学会長、日本教育法学会長などを歴任した。著書に「現代教育の思想と構造」「教育を拓く」など。
 <たかやなぎ・けんぞう> 1887〜1967年。法学者。成蹊大学初代学長。専攻は英米法。22年に東大教授となり、東京裁判で日本側弁護団のリーダー格を務めたとされる。帝国議会貴族院議員として46年、憲法審議に関わった。57年に憲法調査会長に選ばれ、憲法の再検討に当たった。
 
この東京新聞の記事に関してネトウヨ連中のツッコミが今一で、まともな掲示板が多かったようだ。
 
特に安倍晋三首相のきわめていびつな憲法観についてはこんな真っ当な発言があった。
 
19 : 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ 6b67-EtGe)2016/08/12(金) 09:40:22.23 ID:ZK9dyDeR0
安倍は当時のGHQ担当部局を「憲法も国際法も全く素人の人たち」と呼んだが
GHQ民政局には弁護士経験者が4人含まれていた。
では安倍自身の憲法観はと言えば・・・・・

「有権者は議会は非生産的だと思っているので一院制にすべき」
「みっともない憲法ですよ、はっきり言って」
「改憲がライフワーク」「(憲法学者の芦部信喜を)私は存じ上げておりません」
「現行憲法はGHQの素人が8日間で作りあげた代物」(政府修正と国会審議したが)
「憲法が国の権力を縛るという考え方は古色蒼然とした考え方」
「憲法が国家権力を縛るのは王権時代の考え方。今は国の形、理想と未来を語るもの」
「憲法解釈の変更は私が閣議決定で決める」→政権毎に変わるのかと批判続出
「戦争参加ではなく紛争地への弾薬輸送できるか検討」兵站は戦争ではないと珍説
「(集団的自衛権行使できない憲法解釈という)建前論に終始する余裕はない」
「戦後70年の方針を変えたら戦争に巻き込まれるなんて荒唐無稽だ。
   戦後70年平和国家としてやってきた歴史がそれを証明している」
「同性婚認めたら憲法違反」と第24条の「両性の合意」を勘違い
「自衛隊は、わが軍」参院予算委で政府の憲法解釈に反する表現
「危険な任務の自衛隊に就く諸君は、私の誇りであり、日本の誇り」
「どういう時に武力行使するか敵に知られてはまずいので国会でも言わない」
「安保法案に支持がなくても採決する。成立後に国民は理解するだろう」
「憲法改正をはじめ、占領時代の仕組みを変えるのが立党の原点」
「議会運営について勉強したほうがいい。私は立法府の長だ」「言い間違えた」
 
母方の祖父・岸信介が叶わなかった「憲法改正」を自らの手で行うことを唯一の目的とする世襲政治屋で、基本的に日本国民の生活には何の関心もない安倍晋三によって絶対に憲法改悪をさせてはならない、とオジサンはあらためて思う。

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2016年08月11日

巧妙な改憲阻止という天皇メッセージ

東京周辺が猛暑に襲われていた頃、理想的な「避暑」を満喫した。
 
しかし定年後最長の8日間の避暑は、その間に2番目の孫の誕生日会を昨年に引き続き設定したため、娘一家4人と息子一家3人が合流し、総勢9名が数日間同じ屋根の下で暮らした。
 
今年の2月に生まれたオジサンの息子の娘はようやく一人で寝返りをするようになり、自然と笑顔が出るようになった。
 
安倍政権のデフレ脱却という無定見の経済政策により遂に「国の借金、総額1053兆円 国民1人あたり830万円」という事態になり「国民1人あたり830万円」とは、生後6か月の3番目の孫娘もその一人に含まれる計算である。
 
新聞もパソコンもない生活を続けたのだが、先週リオ五輪が開幕し日本選手が続々と活躍し始めると、テレビメディアは終日同じ光景を垂れ流し続けていた。
 
昨日自宅に戻ってきてから、100通以上のメールを処理しネット情報をチェックし始めた。 
  
すると、「リオレベルの開会式は不可能 東京五輪・新国立の“大欠陥”」という記事があり、こんな指摘があった。
 
■花火も上げられない新国立
 関係者は今、「華やかな開会式にならないのではないか」「開会式が行われる新国立競技場には致命的な“欠陥”がある」と不安を強めているという。新国立の屋根が木造のため、開会式で「花火」を使えない恐れがあるというのだ。
 建築アナリストの森山高至氏はこう言う。
「花火の火の粉が降りかかれば、火が燃え移ってしまう可能性は否定できません。木材より危ないのは、屋根の外側を覆う白い膜です。透明感を出すため、不燃性の高いガラス繊維が使われておらず、燃えやすい。とても花火は使えないでしょう。ライトやCG、プロジェクションマッピングなど、人工的な光で代替するしかないのではないか。そうなると、花火独特の『音』もなくなり、迫力にも欠けてしまいます。日本文化の象徴でもある花火が使えなければ、海外へのアピール力も不足してしまうでしょう」
 新国立は、消防法との関係で「聖火台」すら屋内に置けないという。東京五輪はショボい“開幕”になりかねない。
 
日本の伝統の花火が使えないことは特に致命的にはならないのだが、新国立競技場の最終デザインが採用された後、聖火台が設置できないことが明らかになり、4月末までに結論を出すと言っていたのだが、実際には「新国立競技場の聖火台の設置場所について」という新国立競技場の聖火台に関する検討ワーキング・チー ム作成の資料によると、結論としては、「技術的制約要因が少ないと考えられる」場所、すなわち「全ての観客から聖火台が見えるフィールド」か、または「スタジアムの外にいる人々から聖火台が見える外部(敷地内)に設置する」という、従来の聖火台のイメージとはほど遠いチンケな代物になりそうである。
 
その東京五輪の費用に関して都知事選でも、五輪費用検証チームの立ち上げを公約として掲げていた小池百合子都知事が、早くもその公約実現自体が怪しくなり、さらには都知事選で公約にもなっていなかった「カジノ誘致」構想を打ち上げていた。
  
<カジノ構想で結託か 小池都知事&森会長“和解劇”の裏側>
 2016年8月10日 日刊ゲンダイ
 東京とリオデジャネイロで口角泡を飛ばし合っていた小池百合子都知事(64)と東京五輪組織委の森喜朗会長(79)が9日、都内で初会談。犬猿の仲を払拭するかのように、握手で写真撮影にも応じた。
 もっとも、どちらが出向くかで二転三転。小池氏は当初、リオ五輪視察に出ていた森会長に、帰国後の都庁への立ち寄りを求めていたが、結局は組織委本部へ小池氏が足を運んだのだ。政治評論家の伊藤達美氏は言う。
「さかのぼれば、小池さんは清和会(旧森派)の所属。政界の大先輩で元首相の顔を立てたのでしょう。小池さんが折れたことで、双方の政治家としてのメンツは保たれました」
 森会長の“小池嫌い”は根深い。2003年に小池氏が断りなく環境相を引き受け、初入閣したことで爆発。08年の総裁選に小池氏が出馬して、さらにこじれた。
 いがみ合いは都知事選までもつれ込み、小池氏が選挙中に五輪開催費用をヤリ玉に「2兆とか、3兆とか、お豆腐屋さんじゃない」「情報公開して透明性を確保する」などと、組織委を牛耳る森会長を陰に陽に攻撃。当選後は公約通りに「都政改革本部」を設置し、五輪費用を検証する調査チームを立ち上げて手を突っ込もうとするから、面白いわけがない。
 それが、会談を終えてみたら双方とも軟化。森会長が「よく勉強されてますね」と言えば、小池氏も「国民と都民の理解が得られる方法を模索することで意見が一致しました」と一気にトーンを和らげた。政界フィクサー気取りの老害と、政界渡り鳥。衆人環視の“和解劇”に、思惑がないわけがない。ズバリ、舛添都政で消えたカジノ構想の復活だ。
 小池氏は当選早々からカジノを含む統合型リゾート(IR)に意欲的で、「インバウンドに弾みをつけるためにも有効な手だてではないか」などと前向きな発言を繰り返している。
 「観光立国を目指す安倍政権は東京五輪開催のタイミングに合わせ、東京カジノ構想を温めていた。数兆円の経済効果を期待していたのですが、舛添前知事の反対で頓挫してしまった。それで、台場にカジノ誘致をもくろんでいたフジサンケイグループによる“舛添叩き”が始まり、結果的に引きずり降ろされた。そこに降って湧いたのが小池新知事。小池知事は衆院議員時代にカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟)に所属していた積極派。森会長も同様で、石原都政時代のお台場カジノ構想を国政に持ち込んだ自民党内の『国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟』の顧問を務めていた。利害は一致します」(都政関係者)
 日本ラグビーフットボール協会の名誉会長も務める森会長は、「スポーツ振興くじ(toto)」の対象競技拡大にも前のめりだ。
 カジノ構想が再起動すれば、利権をめぐってありとあらゆる業界が動きだす。こうなってくると「東京大改革」そのものが怪しくなってくる。
 
都知事選に於いて自民党候補の分裂を招いた自民党員の小池百合子は、自民党に進退伺を提出していた。
 
もっともそれも都知事選における戦術の一つであったのだろうが、291万票も獲得した大勝利を見せつけられ自民党も「撃ち方やめ」となり、結局は安倍政権の意を汲んだ都知事として、大方の都民の期待を裏切る都政を運営することになるであろう。
 
まさに「年増の厚化粧」が時と共に剥がれていくことを都民は見せつけられることになる。  
 
さて、都政に関しては今後ますます大きな問題が横たわっており、ネタには困らないほどであるが、約1か月ほど前に「天皇の『生前退位』をめぐるキナ臭さ」というつぶやきの中で、「明仁天皇の『生前退位の意志表明』は安倍政権と日本会議の改憲=戦前回帰に対する最後の抵抗だった!」という記事を紹介したが、その後この問題に関して改憲派メディアが「フジ産経が『天皇の生前退位のために改憲が必要』のデマにもとづく詐欺的世論調査を実施! 安倍政権もグルか」という仕掛けをしてきていた。
 
その中での世論調査は、設問をどう読んでも“天皇の「生前退位」には憲法改正が必須だ”ということが前提になっており、以下のような意図的な設問の流れである。
 
〈Q13. 現在の皇室制度では、天皇が生前に退位し、天皇の位を皇太子に譲る「生前退位」の規定がありません。生前退位について、あなたは、政府がどのように対応すべきだと思いますか。次の中から、あなたのお考えに近いものを1つ選び、お知らせください。〉
・・・・・・
〈Q14. 今後、天皇の「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思いますか、思いませんか。〉
 
皇室典範の改正と憲法改正をあえて混同させて読者を誘導している設問であった。  
 
そして、71年前の「玉音放送」程のインパクトはなかったが、現行憲法に抵触しないギリギリの内容を天皇明仁は自らのメッセージとして全国民に伝えていた。 
 
これに関しては、雑誌「インサイダー」編集長のジャーナリストの高野孟は浅薄なコメントを発していた憲法学者らを痛烈に批判しながら、このメッセージは安倍政権にとっては曲球になると分析していた。 
 
<「お気持ち」に応えれば改憲戦略は先延ばししかない>
 2016年8月11日 日刊ゲンダイ 
 天皇の「お気持ち」表明についての識者コメントで、いちばんひどかったのは2人の憲法学者で、ひとりは横田耕一・九大名誉教授の「退位を希望する理由が公務負担の重さなのであれば、減らせばよい。極端に言えば、国事行為だけをしていれば問題ない」(日経9日付)というもの。もうひとりは浦田賢治・早大名誉教授の「憲法に根拠がない公的行為は憲法違反」(東京9日付)だ。
 いったい何を聞いていたのだろうか。天皇はメッセージを通じて、国事行為以外の、被災地慰問、戦跡地慰霊はじめ公的行為で全国各地を歩き、人々とじかに触れ合うことこそが「天皇の象徴的行為」として最も大切なのであって、「全身全霊をもって」それを果たせなくなるのでは天皇の座にあることに意味がない、と訴えているのである。「国事行為や公務を限りなく減らしていく」ことや、「摂政を置く」ことは、そのことの解決にはならないとも明言している。
 憲法にある国事行為は、元首であった明治憲法下の天皇の行いを、形の上だけで引き継いだもので、もし公務を減らして解決するなら、こちらを廃止するのが筋である。この学者どもは、憲法の条文が何より大事で、天皇の心や体がどうなろうと知ったことではないという倒錯に陥っている。
 さて、摂政はダメだと言われてショックを受けているのは、安倍晋三首相だろう。皇室典範の見直しとなると、10年前の「女性天皇・女系天皇」や野田政権時の「女性宮家」の議論が蘇ってきかねない。「男系男子」一筋で「万世一系」神話を守りたい安倍やその背後の日本会議系の右翼は、それを何より嫌っていて、現典範の摂政条項の拡大解釈か、1回限りの特別立法で切り抜けようと模索していた。
 しかし、そういう姑息な手段でなく、皇室が未来にわたって安定的に存続していけるような抜本的な皇室改革を考えてもらいたいというのが、お気持ちの根本趣旨であるから、安倍は有識者会議を編成して本格的に議論し、しかも早急に結論を出さなければならない。漫然と先延ばししているうちに万が一、天皇が病に伏すようなことがあれば、切腹では済まないことになるからである。
 むしろ、秋に憲法審査会を開いて、来年にも「環境権」か何かでお試し改憲を、という安倍の改憲戦略のほうを、大幅に先延ばしせざるを得ないのではないか。安倍が天皇のお気持ちとそれを支持する世論に応えようとすれば、日本会議系からの安倍批判がますます激しくなるという股裂き状態に追い込まれつつある。
 
自民党憲法改正草案の第1章・第1条で天皇は「日本の元首」と定義しており、これは将来安倍政権が戦争を引き起こした時には日本の元首が最終責任者になってしまうということである。
 
おそらく、参院選で改憲勢力が3分の2の議席を獲得し、憲法改悪が現実的な問題となったことで、自分が「元首」にさせられる憲法なんか許さない、という気持ちがこのメッセージに強くにじみ出ているのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:26| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする