2018年10月12日

豊洲市場の寿命は意外と短いかもしれない


6月12日の米朝首脳会談以降、北朝鮮が一気に時代の寵児になりつつある。
 
もっとも北朝鮮に米国が接近したことに危機感を覚えた中国とロシアが「社会主義国」の先輩面したいということも手伝っている。
 
したたかな金正恩は2つの大国に対してはそれなりに一定の距離感を持ちつつも、擦り寄っていることは確かである。
 
30代の若者がうまく中露を操っているかのようにも見えるしたたかさも垣間見える。
 
金正恩は距離的にも近い中国に3度も訪中し習近平と会談している。
 
このためロシアも金正恩委員長をロシアに招待しているのだが日程の調整中と伝えられている。
 
そんな中で、最近ではこんな動きがあるという。
 
<ロシア、後ろ盾姿勢鮮明 北朝鮮国交樹立70年>
 2018年10月12日 朝刊 東京新聞
 【モスクワ=栗田晃】ロシアと北朝鮮は12日、国交樹立から70年を迎える。ロシアは北朝鮮の核・ミサイル開発を巡る国連安全保障理事会の制裁決議順守をアピールしつつ、非核化進展に伴う制裁緩和も強く主張。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が近くロシアを訪問するとの見立てもあり、旧ソ連時代からの友好国として後ろ盾となる姿勢を鮮明にしている。
 多くの北朝鮮労働者を受け入れてきたロシア極東ウラジオストク。住宅修繕会社の男性社長は、本紙の電話取材に「1年前は10〜15人の北朝鮮労働者がいたけど、いまはゼロ。代わりにウズベキスタン人を雇っている」と明かす。
 昨年の国連安保理決議で北朝鮮労働者の労働許可更新を禁じ、2年以内の本国送還を求めたからだ。ロシアメディアによると、ロシア国内にいた半数の2万人が帰国したとされる。
 一方、北朝鮮問題を担当するモルグロフ外務次官は、韓国、北朝鮮と鉄道やエネルギー網を結ぶ3カ国共同事業を見据え、9月の経済フォーラムで「最終的な解決を待たずに、事業の準備に入るべきだ」と主張。今月9日にモスクワで開かれた北朝鮮、中国との3カ国外務次官級協議では「非核化に向けた重要な措置を考慮し、安保理の制裁決議を適時見直すべきだ」との共同声明を発表した。
 こうした動きに対して米国は、海上の積み替えで禁輸品の石油製品など北朝鮮に持ち込む「瀬取り」にロシアも協力し、すでに制裁を骨抜きにしていると非難。米財務省は8月、瀬取りに関わったとして、ロシアの海運会社2社などを資産凍結などの制裁対象に加えた。ロシア科学アカデミーのトロラヤ・アジア戦略センター長は「ロシアの制裁違反があったかのように、圧力をかける米国のいつものやり方だ」と批判した。
 
北朝鮮を巡っては表向きは国連安全保障理事会の制裁決議を遵守する姿勢を取りながらも裏では中国と共に北朝鮮を支援しているロシア。
 
そのロシアが従来の北朝鮮問題における「6ヵ国協議」から日本を除外した「5カ国協議」を提唱している。
 
<朝鮮半島問題、5カ国協議の必要性で一致=ロシア>
 2018年10月10日 REUTERS
 [モスクワ 10日 ロイター] - ロシア外務省は10日、朝鮮半島の緊張緩和のため、米国と韓国を交えた5カ国協議が必要だとの認識でロシア、中国、北朝鮮が一致したことを明らかにした。
 ロシア、北朝鮮、中国の外務次官が9日にモスクワで会談し、関係正常化のため5カ国協議に支持を表明したという。
 
これに対しては国内からこんな反応が起きている。     
完全に「日本」が外された訳であり、それが安倍晋三の「無能外交」という形で鮮明になったということであろう。
 
少なくとも中国、ロシア、北朝鮮からすれば、日本は常に米国の顔色を伺いながら行動していると見透かされており、あえて北朝鮮を巡る協議には不要とみなされている。
 
こんなことで、果たして安倍晋三は残りの3年間で「日中会談」と「日ロ会談」、さらには「日朝会談」を実現し残された懸念を解決することができるのか、ということである。 
 
もはやレームダック化している安倍晋三には静かに引き取ってもらいたいものなのだが、昨日、「豊洲市場開場だからあえて問題点を再確認する」とつぶやいたが、新たに生まれた豊洲新市場の初日は予想通りの混乱とトラブルが発生していたが、さらに深刻な問題が内在している。
 
<「豊洲市場は震度5強以上で液状化」ターレや大渋滞より深刻な問題を専門家が指摘>
 2018.10.12 07:00 AERAdot.
 火事に大渋滞、ターレに挟まれて女性がケガ…… 築地に代わる東京の新たな中央卸売市場として11日に開場した豊洲市場(江東区)は、初日からトラブルが相次ぐスタートとなった。
 そもそも、豊洲市場へのアクセスの悪さや場内の不便さは、これまで市場関係者や専門家からたびたび指摘されてきた。早くもその懸念が的中したことで「豊洲市場は本当に安全なのか」との不安は、しばらく消えることはなさそうだ。
 ただ、渋滞や市場内の混乱は、時間をかけて対策をすれば、いずれ解決できるかもしれない。しかし、豊洲市場には建物の根本に関わる致命的欠陥がある。これまで繰り返し指摘されているとおり、地下に存在する汚染された土壌だ。
 仲卸業者の宮原洋志さんは、こう話す。
「豊洲は地盤が弱く、地震で液状化が起きる可能性がある。そうなれば地下の汚染土壌が噴き出し、有害ガスが発生するかもしれない。これは働く人の命に関わることです」
 よく知られているように、豊洲市場は東京ガスの工場跡地に建設されていて、地中にはシアン、水銀、ベンゼンなどの有害物質に汚染された土壌がある。東京ガスもそのことを認識しており、当初は跡地を都に売却することをしぶっていたほどだ。
 都はそういった“いわくつき”の土地であることを承知で購入していて、土壌汚染対策の柱として考えていたのが「盛り土」だった。ところが、本来は盛り土で埋まっているはずの建物の地下が、空洞になっていたことが16年に発覚。地下水から環境基準の100倍以上となるベンゼンも検出された。
 その後、追加安全対策工事が実施され、小池百合子東京都知事は今年7月31日に安全宣言を出した。しかし、対策はいつも後手後手で、市場関係者の不安は消えていない。
 では、追加工事で本当に地震に耐えられる市場になったのか。一級建築士の水谷和子氏は、否定的な見方をしている。
豊洲市場の建物以外の部分は、144ガルまで耐えることができます。しかし、144ガルは震度5程度の揺れですので、震度5強以上では液状化の危険があります。実際に液状化が起きれば、地中から有害ガスが噴き出し、豊洲市場は大きな打撃を受ける可能性が高い
 都も、豊洲市場の地盤が弱いことを認めている。2012年に作成した「東京の液状化予測図」では、豊洲市場とその周辺は「液状化の可能性が高い地域」と「液状化の可能性がある地域」に指定されている。
 また、昨年8月の「豊洲市場の液状化対策と築地市場における地盤工学的問題」では、2011年3月11日の東日本大震災で、地盤改良前の豊洲市場建設地で108カ所で地下の砂が噴出したことが確認されている。ちなみにこの時、豊洲市場から築地市場の距離は約2キロだったが、築地市場の方は建物も地盤もほとんど被害がなかった。
 問題はこれだけではない。仮に大地震が起きても、地下の汚染された土壌や水が地表に噴出しないよう、都は地下水の水位を干潮時海水面(荒川基準点)から1.8メートル以下にすることを求めている。ところが、これもすでに維持できていないのだという。前出の水谷氏は言う。
「都は、7月19日に水位を測定した結果、1.8メートル以下を達成したのは約4割、最高値は2.65メートルでした。しかも、測定日以前の2週間で雨はほとんど降っていません。そこで、10月1日の水位を確認したところ、1.8メートル以下は33カ所中、わずか7カ所だけ。3メートル以上の水位になっているポイントも複数ありました。これでは、地下から有害な空気が地表に上がってきてもおかしくありません」
 ある仲卸業者は「引越し作業をしている時に異臭がした」と話す。これが設備の修繕で解決するのならいいが、仮に地下水が管理できていないとなると、豊洲市場の安全宣言の根幹を揺るがす重大な問題になりかねない。
 前出の宮原さんも、都の安全宣言を信じられずにいる。そこで宮原さんは、豊洲市場が事故や災害で機能しなくなった時に備え、しばらくは築地市場をそのまま維持しておくことを訴えている。11日には、閉場した築地市場で店を開き、実際に商品を販売した。営業を続ける限りは、都も強引に築地市場の解体作業を進めることはできないだろうと考えたためだ。宮原さんは言う。
「豊洲市場は、見せかけはいいが中身は問題だらけ。いざという時のために、仲間が残ってこれる場所を残しておきたいのです」
 豊洲市場の問題は、まだまだ終わりそうにない。(AERA dot.編集部/西岡千史)

開場初日の豊洲市場周辺の交通渋滞は今朝には解決したらしいが、豊洲市場内の小さな設計不備などは、そこで働く業者たちが腹をくくって頑張れば徐々に慣れてくるかもしれない。
 
しかし働く業者がいくら頑張っても解決できないのが地震による被害であろう。 
 
最近、日本の各地で地震が多発しており、南は九州の熊本地震から今年は北海道の胆振地震まで、さらに震源地が茨城、千葉、埼玉等々と内陸に多くなっている。
 
すでに、「首都直下地震、いつ起きても不思議ではない状態…すでに千葉でM6級が頻発」ということから、築地市場は83年間の歴史があったが、豊洲市場はどうやらそれほど長くはないような気がしてくる、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:31| 神奈川 ☔| Comment(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月11日

豊洲市場開場だからあえて問題点を再確認する


今日から豊洲市場が開場した。
 
朝の情報番組では各局が取り上げていたが、もろ手を挙げた歓迎内容とと豊洲移転に疑問を持つ内容に分かれていたようであった。

そもそもは2年前の東京都知事選で「「いったん立ち止まる」との発言で豊洲移転反対派からの票を集めて当選した小池百合子都知事による土壌汚染問題が大きくクローズアップされたことから始まった。
 
もちろん、それ以前から多くの専門家からは豊洲市場の耐震構造の不安について様々な指摘があった。
 
しかし土壌汚染ということが「食の安全」というキーワードから最も国民の注目を集めたのだが、地下水の汚染度を測定するたびに値が変わり、常に許容度を超えていた。
 
今年になって移転日程が決まると、安全基準をはるかに超える数値が出ていても、大きく取り上げるメディアはなかった。
 
そして何を根拠にしたのかは不明だが、7月には小池百合子都知事は豊洲の「安全宣言」を行いメディアもそれに水を差すことは避け歓迎ムードを演出していた。
 
しかし、根本的な問題はなんら解消されておらず、今朝豊洲市場で最初の仕事をした仲買業者からはいくつかの不備が指摘されていた。
 
もうすでに「豊洲移転反対」は過去のものになってしまったが、今後、大きな致命的な問題が起きた時には一体誰が責任をとるのかが不明であり、そのためにはすでに明らかになっている問題と訴訟まで起こして反対している状況等を豊洲移転直前の3本の記事から紹介しておく。
 
<豊洲市場開場直前、関係者から不満噴出「朝はパニックに」>
 2018年10月5日 7時0分 NEWSポストセブン
・・・前略・・・
 豊洲市場が仕入業者らに初めて公開されたのは9月下旬。東京都内の高級すし店主A氏は「このままじゃ市場に入場することすらままならない」という。
「築地には6か所ある入場門が豊洲には1か所しかないから公開日には車が大渋滞した。公開日に集まったのは1000人程度だが、市場には荷受や配達トラックなどで1日2万人ほどが早朝に密集する。セリに遅れて鮮魚を仕入れ損ねたら、お客さんにどう謝ればいいのか。そもそも駐車場の場所すらしっかり決まってないんだから、大変なパニックになるのではないか」
 豊洲市場で準備を進める仲卸業者B氏も続ける。
「豊洲市場では、生簀の水を流したら排水溝の径が狭すぎて詰まって水浸しになった。俺たち現場の声を聞かず、使い勝手を度外視してつくったから、こんなことになっているのではないか」
 豊洲移転問題の解決を託されて都知事に当選した小池氏が開業延期を決定したのが2年前。そこから都は何をやっていたのか。
「市場の本来の機能という重要な課題が、土壌汚染問題から盛り土の話にすり替わって、安全宣言ですべて解決したみたいになってしまった。小池さんは世間の関心がある時だけ口を出してその後は知らんぷり。それはないんじゃないか」(仲卸業者B氏)
「築地の中で移転賛成派と反対派に分かれたのは事実だが、その間に役人がどんどん建設を進めてしまった。とにかく10月の開場に間に合わせることだけが都の目的になっていったのではないか」(仲卸業者C氏)
 このままなし崩しに開場することへの危惧を、前出・すし店主A氏はこう口にする。
「市場に行けば信頼を築いた仲卸さんから自分で納得した魚を仕入れることができる。そうやってすし職人も目効きになれる。それが“世界に誇る築地ブランド”だったのに、豊洲市場移転でその信頼が壊れてしまうんじゃないか」
 
<「湿気がひどくてマグロにカビが生える」開場目前の豊洲市場に不安の声が高まる>
 2018/10/09 文春オンライン
地盤沈下によって引き起こされた巨大な「ひび割れ」
「ここにきて、移転推進派だった人たちまで、顔を曇らせていますよ」(仲卸業者・男性Aさん)
 一体、何がそこまで不安視されているのか。築地市場に赴き、人々の声を拾った。
 この記事の画像(18枚)
 「築地を離れることの寂しさ、というような情緒的な話ではないんです。いい話がまったく聞こえてこない」(同前)
 豊洲市場はこれまで土壌汚染問題が、度々、取り上げられてきたが、その汚染状況も改善されない中、ここへきて、建物そのものに対する問題が持ち上がっている。
 そのひとつが、深刻な地盤沈下だ。
 9月上旬、仲卸棟西側で、横幅約10メートル、段差約5センチという「ひび割れ」が発見された。地盤沈下によって引き起こされた巨大な「ひび割れ」である。
「豊洲の店舗にダンベ(魚や水産物を入れる業務用冷蔵庫)を入れたら、それだけで床が沈んでしまった、という話もあります」(仲卸業者・男性Bさん)
 豊洲は、もともと地盤が非常に緩い。その上に重厚長大な建物を作った。先日は、工事を請け負った業者から、「地中に打ち込む杭が十分に支持層(固い地盤)に届いていない」という内部告発もなされている(『週刊現代』2018年9月1日号)。
「豊洲の床耐荷重は本当に、大丈夫なのか」
 緩い地盤、偽装工事……。ただでさえ不安が募る中、9月下旬になって、突如、豊洲市場内に貼り出された紙が、業者の人々をさらに驚愕させた。
「貼り紙に、『2.5トンフォークリフト、800kg』と書いてあります。2.5トンフォークリフトといったら、2.5トンの荷を積めるリフト、という意味なんです。それなのに、800キロまでって。一度にそれしか運べないのでは仕事になりません」(仲卸業者・女性Aさん)
 この貼り紙は、「豊洲の床耐荷重は本当に、大丈夫なのか」という不安を改めて市場関係者に与えることになった。ターレ(運搬車)は本体だけで800キロ、荷を載せれば2トン近くになる。フォークリフトはさらに重く、荷物を載せれば6トンに近い。築地は1階部分だけが売り場だったため心配する必要がなかった。だが、豊洲の場合、中卸棟の売り場は4階まである。床が抜けたりしないか、十分な重みに耐えうる設計になっているのか。不安の声は尽きない。
「とても臭くて白濁していたそうです」
 9月23日には、汚染水がマンホールから噴き出すという、信じ難い出来事も起こった。仲卸業者のひとりで、「築地女将さん会」会長の山口タイさんが語る。
「仲卸業者が移転の準備のために、豊洲に行っていた時、偶然、見つけたんです。水は、とても臭くて白濁していたそうです。たまたま彼らが発見したから明るみに出ましたが、そうでなければ、都はこれも隠蔽したんじゃないでしょうか」
 東京都は、地下水の上昇を抑えるために地下水管理システムを導入。地下水の水位が上昇した際には、速やかに浄化して、外に排出できると説明した。だが、そのシステムが機能せず、浄化前の地下水が、そのままマンホールから噴き出したのである。
 地下水は言うまでもなく、汚染されている。
 東京都は、この件に関して「地下水を汲み上げて排水施設に送るための送水管の空気弁に付着物が挟まったことが原因」として、「過去に同様のケースはなく、今後は再発防止に務める」との見解を示した。だが、この説明では仲卸業者の不安は少しも解消されない。
 
【衝撃! 豊洲新市場のマンホールから大量の“クサイ水”が】

 
マグロの身にカビが付着したら……
 湿気とカビは、より深刻な問題である。
「とにかく豊洲市場は湿気がひどいんです。地下水が水蒸気になって上がってくるのに、建物が密閉型で窓ひとつない。温度を冷暖房で常に25度になるよう設定しているので、特に夏場は、ダクトを通じて室内にも水滴が生じる。開店すれば、店内に冷凍庫やダンベといった冷蔵機器を入れ、冷凍食品を扱うわけだし、水も流す。益々、湿気が出るはずです。
 開場前の今現在で、空調を24時間フル稼働にしても、湿度が70パーセント。高い時は90パーセントを超える。だから、ものすごくカビが出るんですよ。カビは生ものに付着して繁殖する。一番、心配なのはマグロです。マグロの身にカビが付着したら、3、4日後に発生する。豊洲で売る時は目に見えなくても、小売店に渡ってからカビが出ることも……」(仲卸業者・男性Bさん)
 都も、ここまでの湿気とカビの発生は想定外だったのだろう。開場を目前にして、至るところに、大型の除湿機を断りもなく設置した。仲卸業者の女性が、憤慨しつつ語る。
「最近になって、突然、巨大な除湿機が無造作に通路にボンボン置かれたんです。カビ対策なんでしょうね。でも、こんなものがあったら、危なくてターレを走らせられない」
 湿気を除去する根本的な手段がなく、この巨大な除湿機を都は置いたのだろうか。
豊洲では「買い回し」ができない
 市場機能を無視した構造上のミスをあげる声も数多く耳にした。
「豊洲は築地のようにコンパクトにまとまっていない。だだっ広いばかりで、まったく動線を考えて作られていないんです。これでは、仲卸棟で魚を買って、青果棟で野菜も買う、という『買い回し』ができません。それに、鮮魚は新鮮さが命。時間をかけないように機能的に運ばなくてはならないのに、築地の何倍も時間がかかる」(仲卸業者・男性Aさん)
 卸、仲卸、青果棟と、これまでは三つの機能がワンフロアに集約されていた。階段やエレベーターとは無縁だった。
 だが、豊洲は3か所に建物が分かれており、しかも、それぞれが幹線道路によって分断されている。また、仲卸棟の積込場や店舗は1階から4階まである。
「それなのに、エレベーターは6基のみ。4階まで買いに来てもらえるのか。本来、市場は築地のような平屋が理想なんです」(仲卸業者・女性Aさん)
漁港から大型トラックで運ばれる魚や水産物は、まず、大卸(水産卸)に持ち込まれ、セリや相対取引を経て、仲卸の各店舗に運ばれる。1日に扱う鮮魚や水産加工物は2016年度で1628トン、青果は1021トンにのぼる。
「築地では、すべての売り場が繋がっていたけれど、豊洲では、卸棟と仲卸棟は別の建物。地下道で荷物を運ぶことになる。ところが、その地下道は3本しかない上に、傾斜がきつく、ひどいヘアピンカーブ。あれでは、ターレから荷が崩れ落ちてしまう。それに、道幅が狭くて接触事故を起こしそうです」(仲卸業者・Aさん)
 こうした初歩的な設計ミスは、いたるところで指摘されている。
 大型トラックは、大卸のトレーラーヒットに横付けされ、横面扉が開いて、荷を下ろす。だが、豊洲の設計者は、コンビニなどを回っている一般的なトラックのように、縦付けして、後ろの扉を開き、荷を下ろすものと思い込んで設計していた。
 また、排水溝が設計ミスで浅く、詰まりやすいという声もあった。
「大量の水で魚の血や鱗を洗い流すことができないようでは衛生を保てないのに……」(仲卸業者・男性Bさん)
 市場の命は水だ。築地では真水と海水で流し清め、排水し続け、食の衛生を守ってきた。だが、豊洲は水を大量に使えば、構造上の不備で排水は詰まり、さらにはカビが出てしまう。大変なジレンマだ。
駐車場の数が圧倒的に足りない
 アクセスの点でも、問題は広がっている。
 最寄り駅はゆりかもめの市場前だが、始発でも競りの時間には間に合わない。
 東京メトロ有楽町線の豊洲駅からでは、徒歩で20分。自動車を使う場合も、駐車場からの距離が遠く、さらには、駐車場の数が圧倒的に足りないことが判明し、追加工事が急遽行われた。開場すれば、約1800台のトラックやバスが早朝から押し寄せることになるはずだが、周辺の道路環境は整っておらず、橋を渡らなければならないため渋滞が懸念されている。
「豊洲は時間がかかるだけだと敬遠されて、誰も来なくなってしまうのではないか。市場の機能を理解せずに設計して、手直しもできないという状況だ」(仲卸業者・男性Aさん)
「このまま開場したらパニックになる。ターレの激突や床の陥没も心配だ。死亡事故が起こるんじゃないかと心配です。何より食品の安全性が保てるのか」(仲卸業者・男性Cさん)
 こうした状況を受けて、一部の業者は9月19日、「移転差止請求」を東京地方裁判所に出した。
「よもや都知事が『安全宣言』を出したり、農水省が認可を下ろすとは思えなかった。私たちは最後の手段として司法に訴えたんです。都知事は2年前に移転延期を決めた。それから状況は何も改善されていないのに、今度は何の説明もなく強引に移転を決めた」(「築地女将さん会」会長・山口タイさん)
 豊洲市場が抱える多くの問題を、どう捉えているのか。今、この状況で市場を開場することは正しい判断といえるのか。小池都知事は説明を求める市場関係者と真摯に向き合うべきである。
 
<豊洲市場開場に待った! 築地「女将さん会」らが移転差し止め訴訟>
 2018年10月9日1:03PM 週刊金曜日オンライン
 「『盛り土』もウソでした。『汚染物質はすべて除去』もウソでした。すべてがウソなのです。これで移転計画が中止にならなければおかしいと思います」
9月19日、東京都(小池百合子知事)が進める築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転に反対する水産仲卸業者の山口タイさん(75歳)はこう話した。
この日、山口さんほか仲卸業者ら56人は、東京地裁に移転差し止めを求めて提訴、同じく仮処分も申し立てた(注)。都は10月6日で築地市場の営業を終了、同11日に豊洲市場を開場させる予定だ。
だが、今年6月の地下水調査でも環境基準の170倍のベンゼンが検出されるなど豊洲市場には深刻な汚染が残されている。都は有害物質に汚染された土壌や地下水を「無害化」すると約束した(2010年)が、追加工事を含めて897億円もかけた土壌汚染対策は大失敗に終わったのだ。
だが、7月30日、都の専門家会議(座長=平田健正・放送大学和歌山学習センター所長)は、豊洲市場で行なわれた追加工事について「将来のリスクを踏まえた安全性が確保された」と評価。地下に汚染があっても遮断されているので地上の市場建物内は安全との理屈だ。小池知事は翌31日に「安全宣言」をした。原告の新井眞砂子さん(76歳)は、「安全宣言をしなければならない市場なんてほかにどこにありますか」と批判した。
原告によれば、土壌汚染対策が不十分な豊洲市場に移転すれば消費者の不安は大きくなり、営業上大打撃を受けるのは必至だ。また、最近豊洲市場で地盤沈下によるコンクリートのひび割れが発覚したが、すき間から地下の揮発したベンゼンなどが市場建物内に入り食の安全が脅かされ、仲卸業者らの健康も害される危険性がある。さらに豊洲市場ではカビが発生したり、駐車場不足のほか、開場すれば都の市場問題プロジェクトチームの試算で年間約100億円の赤字が見込まれるなど問題山積という。
弁護団長の宇都宮健児弁護士(元日弁連会長)によれば、裁判では人格権に基づき移転の差し止めを求める。
「人格権とは、個人の生命、身体、生活に関する利益の総体であり、憲法13条(幸福追求権)、25条(生存権)から導かれる権利で、判例もあります」と同弁護士は説明した。大飯原発(福井県)の運転差し止めを住民が求めた訴訟では、結局は今年7月、名古屋高裁金沢支部で住民側の逆転敗訴が確定したが、一審福井地裁(樋口英明裁判長)は2014年に人格権に基づいて差し止めを認めている。
【「旗を立てよう!」】
仲卸業者の女性らでつくる「築地女将さん会」が、移転期日半年前の今年3月に水産仲卸業者に実施したアンケート調査では、535業者中261業者(48・6%)から回答を得たが、「今からでも中止するべき」82業者(31・4%)、「凍結して話し合うべき」101業者(38・7%)で豊洲市場への移転の「中止」「凍結」の合計が183業者で、約7割を占めた。
前出の山口さんは「築地市場の多くの関係者が移転には全く納得していません。それが皆さんの目に触れるよう『旗を立てよう!』と提訴しました」と話した。の
「女将さん会」は、これまで小池知事に公開質問状などを5回以上出したが、ことごとく無視。他方で知事は「女将さん会のご主人方も、一方で準備もされておられる」(8月3日定例記者会見)と発言、「情報はつかんでいる。抵抗してもムダ」と言わんばかりだ。
都は築地市場の解体を営業終了後から始める。原告の宮原洋志さん(67歳)は「私は豊洲には行くが、築地でもやります。10軒か20軒の仲卸業者は間違いなく築地に残ります。豊洲の卸から荷を運んで販売します。私たちが営業している限り、(財産権に基づく)営業権があるから都は築地市場を閉鎖できません」と決意を述べた。
原告は裁判で闘い、日々の生活でも闘う徹底抗戦の構えだ。
(永尾俊彦・ルポライター、2018年9月28日号)
(※編注:仮処分申し立ては10月4日に棄却されたため、仲卸業者らは東京高裁に即時抗告した)
 
以上紹介した現場の声をもとに、数年前には豊洲市場問題で連日メディアに登場していた建築エコノミストの森山高至がまとめた「豊洲の主な7つの問題点」を列挙しておく。
 
1.不便なアクセス(立地計画の問題)
 これまでの築地市場における地下鉄、バスや自動車や自転車を使ったアクセスと比較し、時間がかかりすぎる。公共交通機関が新交通システム「ゆりかもめ」しかない豊洲市場は、利便性比較において、買い出しのための往復交通で1時間近い時間の差がでるという。
2.市場の循環機能が分断(配置計画の問題)
  全国の水産生産者から大型トラックで搬入する卸売業者の7街区建物と、その卸売業者から選別購入し小売業者や飲食店に販売する仲卸業者の6街区建物が真っ二つに分断されている。
 築地市場では卸売が搬入する店舗の空間は連続し、十数本の連絡通路が網の目のごとく張りめぐらされ、ちょうど我々人体における心臓と血管のような構造をもっている。その中で場内流通を請け負う多くの約2,000台以上のターレと呼ぶミニトラックによって迅速に搬入する。この循環機能の経路が、豊洲市場では都道の分断により大きく組女なわれている。そのことによる場内流通の渋滞や荷物の延着が心配されている。5街区の青果棟まで1キロ近くも離れており、築地のように魚を買った後に刺身のツマや野菜を買い回ることも難しくなる。
3.基本寸法を無視した店舗の間口(平面計画の問題)
 豊洲市場につくられた仲卸店舗は、築地市場の実情とあまりにもかけ離れている。それは基本寸法の問題だ。日本の建築空間は畳の広さで部屋の大きさを計るように尺寸でできており、中に入れる家具や器具も基本尺寸が元になっている。築地もこの6尺(約1メートル80センチ)という畳にの長さの寸法で店舗間口ができている。
 しかしなぜか豊洲市場はでは1メートル50センチに狭められその分店舗の奥行きを伸ばしたので同じ面積だと東京とは考えているらしい。まったく机上の数字合わせとしか言いようがない欠陥寸法である。長い包丁や切断加工機械を使っての仕事が難しいだけでなく、事故につながるような危険な店舗を生み出すことになっている。
4.荷物配送が困難な環境(断面計画の問題)
5.鮮魚を扱う「水」の不備(設備計画の問題)
6.物流の結節点が消滅(物流設計の問題)
7.年間約100億円の赤字(運営計画の問題)
 
まだまだ数多くの問題が取り残されているのだが、中には「住めば都」とばかりに、徐々に慣れてくると楽観する外野の連中もいるが、日々そこで真剣勝負をしている業者たちは、慣れる前にストレスが蓄積してきて思わぬ事故につながる恐れもある。

いまさら後には簡単に戻れないが、開場前に各方面から指摘された点を全て無視して開場させたのは東京都であり最終責任者は小池百合子都知事であるということは逃れられない事実である、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 11:41| 神奈川 ☁| Comment(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月23日

国民を救えない国家予算と無謀な豊洲移転


来年度予算案が発表されたが、いずれのメディアの論調は厳しいものがあった。 


  「続く借金依存 97兆7128億円予算案、決定 社会保障・防衛費、最大 来年度」 
 
  「対北、膨らむ防衛費 6年連続増 5兆1911億円」(東京新聞)
 
20171223_tokyo.jpg
 
とくに問題になるのは、米国から購入する武器・兵器の類が、まともな売買方式ではないということである。
  
FMS(対外有償軍事援助)という米国独特の売買方式とは、米国の武器輸出管理法に基づき、
@契約価格、納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない
A代金は前払い
B米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる
という不公平な条件を受け入れる国にのみ武器を提供する。
という内容である。
 
売り手と買い手の双方が納得して契約する一般的な商売と異なり、購入する側に著しく不利な内容だが、高性能の武器が欲しい国は甘んじてFMS方式を受け入れており、世界一の武器輸出大国でもある米国は160カ国以上とFMS契約を結んでおり、日本も結ばざるを得ない状況らしい。
 
これでは、いくら防衛のためと称する高い装備関係を止めて福祉関連に回せという声は全く無視され続けている。
 
20171223_yosanhaibun.jpg
 
今朝の在京各紙の来年度予算案に関する社説をひも解いてみた。      
 
■朝日新聞「来年度予算 防衛費 どこまで膨らむのか
ミサイル防衛をどこまで優先するか。巨額の費用に見合う効果があるのか。次々と兵器を購入する背景に、米国への過度な配慮があるのではないか。
 
具体的な指摘と批判が弱すぎる 
 
■毎日新聞「過去最大の来年度予算案 歯止めなき膨張の危険性
借金まみれの危機的な財政を一段と深刻にしかねない内容だ。
・公共事業費も約6兆円と6年連続で増えた
・自民党の支持団体へのばらまき
・大盤振る舞いが続く
・裕福な高齢者には医療費の負担増を求めるなど踏み込んだ対応が必要だ。
 
朝日新聞に比べればはるかに具体性に富んでいる内容である。
 
■讀賣新聞「18年度予算案 将来への不安に応えているか
◆財政健全化果たす意思に乏しい◆
◆税収予測の前提が甘い
◆社会保障は切り込めず
◆抜け道となる補正予算
消費税率を10%に引き上げた後も、さらなる引き上げを視野に入れねばならない。
 
まるで、「もっとやれ、イケイケドンドン」の論調で、国民目線からまったく外れているかのようである。
 
■産経新聞「来年度予算案 切り込み不足は否めない 税収増頼み脱し改革に本腰を
痛みを伴う歳出入改革に本腰を入れる好機だと捉えるべき
支払い能力に応じて負担を求め、必要な人に重点的にサービスを提供することを基本に歳出構造を見直す不断の改革が必要だ。
・物流の効率化を通じて企業の生産性を高める効果に期待したい。
・適正規模のインフラ整備を進めるべきだ。
・税収増ばかりに頼るのではなく、腰を据えた歳出入改革を打ち出してもらいたい。
・北朝鮮の核・ミサイル開発などで安全保障環境が厳しさを増しており、防衛力整備に万全を期す必要がある。
 
まるで経済界の代弁者のごとくの論調である。
 
もっとも的確で厳しい論調がこれ。
 
■東京新聞「政府予算案 目に余る政権の無責任
 政府が決めた来年度予算案は、先進国で最悪の財政状況という現実から目をそらし、小手先の帳尻合わせに終始した。財政規律を喪失し、後世への問題先送りを続ける政権の無責任さは目に余る
 膨張を続ける一般会計当初予算案が過去最大を更新するのは6年連続である。
 高齢化の進展による社会保障費の増大が大きな要因だが、景気の長期拡大を自賛しながら公共事業費を高水準で維持したり、防衛費は4年連続で過去最高を更新したりするなど、歳出抑制の意思は感じられないのである。
 予算規模では「大きな政府」だが、福祉に手厚いわけではなく、逆に生活保護基準を引き下げるなど冷たい自己責任社会である。
 政府は27年ぶりという高い税収の伸びを見込み、新規国債の発行額や借金への依存度は低下したと胸を張る。しかし、それは気休めにもならない。国債依存度は歳入の3割以上を占め、借金残高の累増は一向に止まらない
 そもそも財政の構造自体がもはや限界なのである。所得税、法人税、消費税の基幹三税を合わせた税収は、自動的に地方交付税に回す分を差し引くと社会保障費だけでほぼ消えてしまう。その他の税収などで他の経費を賄えるはずはなく、良心的な政府であれば増税や歳出カットを選ぶはずだが、安倍政権は30兆円以上の借金に頼っているのである。
 問題なのは、税制改正も予算編成も官邸主導で進められ、ほとんど異論も聞かれないことである。与党は沈黙し、官僚は萎縮、経済界は理不尽な財政穴埋めの資金提供をも受け入れる。日銀が異次元緩和で金利を抑え込み、利払い費の圧縮を支える。これらが相まって財政規律を失わせている。
 安倍政権は2020年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという国際公約すら断念した。政権には一層の財政拡大論も根強く、新たな目標がどうなるか不透明である。
 このような弛緩(しかん)状態がいつまでも許されるはずはない。25年には団塊世代がすべて75歳以上となり、放置すれば医療や介護の費用が急増しかねない。
 財政を持続可能とするためには社会保障と税の新たな一体改革に早急に着手することだ。当初予算に比べチェックが甘い補正予算も野放しにしていては借金増大に歯止めはかからない。中長期的な目標設定と財政の抜本的な構造改革こそ政府・与党の責務である。
 
さて、話は変わって、先ごろの産経新聞によると、「小池百合子東京都知事の支持率が過去最低 11ポイント減の29%」となり、少なくとも国政レベルでは過去の人になっているのだが、まだ東京都知事としてもなんら成果が表れていない。
 
特に、昨年の都知事選で「立ち止まって考える」として1年以上も立ち止まったまま豊洲市場移転問題は、安全宣言もなく移転日程だけが決まってしまった。
 
これに関して、「解除できるのか 豊洲“時限爆弾”」というテーマで昨年9月から継続的に問題点を指摘してきた日刊ゲンダイがついに、「真珠湾攻撃の話はするけど、ミッドウェー海戦とインパール作戦の話はしない」という右翼も語りたくないインパール作戦の責任者である牟田口廉也司令官を小池百合子にかぶせていた。
 
<暴走する小池知事 豊洲10月開場は“インパール作戦”と化す>
 2017年12月23日 日刊ゲンダイ
 小池都知事の座右の書は「失敗の本質――日本軍の組織論的研究」だ。同書がケーススタディーとして扱うのがインパール作戦。10万人超の餓死・戦病死者を出し「陸軍史上最悪」と呼ばれた無謀な作戦で、日本組織の「一度やると決めたら引き返せない」欠点が凝縮されているが、この本からの教訓を小池知事が理解しているのかは疑わしい。彼女が進める豊洲移転が平成のインパール作戦となりつつあるためだ。
 20日に豊洲市場の開業日が「来年10月11日」に決まり、小池知事は「年内に開場日が決定した。ひとつの節目を迎えることができた」とご満悦だったが、こんなものは移転が着実に進んでいるかのように見せかけるためのプロパガンダにすぎない。
 実際、豊洲移転は難題山積だ。江東区が求める豊洲市場内の商業施設「千客万来施設」の開業は不透明。運営事業者の万葉倶楽部は撤退を示唆した。来年7月末に終える予定の汚染対策の追加工事にも疑問符がつく。
「東京都は追加工事の設計図を公にしていません。そのため、工事内容が何を目指しているのか分からないのです。都が『前例がない』と認めた盛り土なしの地下空間の底にコンクリートを敷設する工事も、地下水管理システムの機能強化で地下水位を低位に抑えるのが前提条件。揚水ポンプが目詰まりを起こし、水位が上昇すれば水の泡で、水圧によるコンクリートのひび割れなど異常を来す。工事の入札不調が相次いだのは、ゼネコンも『やりたくない』がホンネで、都の『やると決めたら止められない』体質に嫌々従っているだけでしょう。見切り発車の印象です」(建築エコノミストの森山高至氏)
■課題の難易度を上げるだけ
 市場全体の使い勝手の悪さの改善も不徹底だ。業者が求める水産卸棟4階にある屋上駐車場の屋根の設置も都は聞き入れようとしない。これらの難問解決のメドが立たないのに、来年10月開場とゴールだけを設定すれば、ますます課題の難易度を跳ね上げるだけだ。
 すでに豊洲市場の総工費に約6000億円を費やし、移転延期による補償費用も今年度だけで49億円。仮に開場できても年間140億円の赤字を垂れ流し、その補填のため、小池知事は築地再開発で年間160億円の利益を生み出すという高いハードルを設定する行き当たりばったり。付き合わされる市場業者も役人もゼネコンも大変だ。
 そのうえ、業者や市民団体からの公開質問状に一切回答しないクセに、「これまでも丁寧な対応をしてきた」とうそぶく始末。最悪だ。
 来年10月開場なんて絵に描いた餅。無謀な“作戦”をゴリ押しする小池知事は「平成のオンナ牟田口廉也」の汚名を進んでかぶる気なのか。
 
先日、「不祥事ニュースの一掃には自然の脅威が最適か」の中で、こうつぶやいた。
 
・良心が異常に欠如している
・他者に冷淡で共感しない
・慢性的に平然と嘘をつく
・行動に対する責任が全く取れない
・罪悪感が皆無
・自尊心が過大で自己中心的
・口が達者で表面は魅力的

これらは、実は犯罪心理学者のロバート・D・ヘアが「サイコパス」の特徴として定義している内容であり、余りにも安倍晋三首相の言動と酷似しているので、あえて列挙してみた。   
 
どうやら、これからの日本は「サイコパス」首相と、その中でも特に東京は「平成のオンナ牟田口廉也」によって目を覆うばかりの有様になるのかもしれない、とオジサンは思う。  

posted by 定年オジサン at 12:11| 神奈川 ☀| Comment(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月24日

都知事に専念すると難題が露わになってきた


うっかり見逃してしまったのだが、先週の土曜日にこんな記事があった。
  
 「『姥捨て』題材コラージュに麻生氏の顔写真 国連公認誌
なんでも、カザフスタン出身の国連職員が執筆した「オバステ」という英文記事で、「長年勤めた元職員の待遇について触れ、1958年の木下恵介監督の映画『楢山節考』で描かれたうば捨てのようにならないように、と警鐘を鳴らしたものだった」らしいのだが、問題になったのは添えられていた「うば捨て」を題材にしたコラージュに麻生太郎副総理兼財務相の顔写真が用いられていたという、思わず「さすが!」と思ってしまった。

ネトウヨ連中は国連に対する怒りに満ちたコメントを発していたが、麻生太郎の過去の言動をみれば、至極当然であろう。

ところで、関東では昔から、千葉県の選挙は金がものをいう金権体質として、全国的に知られてきた。
 
投票することを「手間賃」とよび、金をもらわなければ、選挙へいかないという人たちが少なくなかったという。
 
そのため、選挙のたびに各候補者による買収合戦がくり広げられ、過去の選挙では多くの逮捕者を出してきたことにより、千葉県が「金権選挙」の代名詞になっていた時代があった。
 
いまではそんな話は聞かなくなったが、西の大阪では最近もこんなことがあったらしい。 

 「現金、議会で自ら手渡し 封筒に札束、市議『20万円や』『選挙前、堂々と』 大阪・自民議員」 
 
■後援会に配った/法的には悪くない 神谷氏
 神谷衆院議員は22日、朝日新聞の取材に応じた。主なやりとりは次の通り。
 ――大阪府和泉市、岸和田市の市議に現金を配ったのは事実か
 「(各市議の)後援会に対してです。個人に配ったわけではない」
 ――自民の市議に20万円、それ以外は10万円か
 「それは間違いない」
 ――どういう趣旨か
 「政治活動費です。政治活動というのはいろんなのがありますから、それはその方が勝手にご理解していただくこと」
 ――公職選挙法に抵触しかねないのでは
 「私ども、党から1千万円頂いているので、それを(各市議の)後援会に配ったつもりだった」
 ――自民党支部からの支出か
 「そうそう。領収書を切って(公表して)いれば大丈夫と。そういう風にしていたんですが、最近はだいぶ変わってきましたからね。法的には別に悪いことはないと思っているが、選挙の前にちょっとやっぱり、適正でなかったらあかん、と指摘を受けた。これから気をつけます」
 ――和泉市議会の会派控室で、ご自身が配ったと
 「そうそう。事実です」
 ――自民系以外の市議にも現金を渡す理由は
 「もししていただくことがあれば、電話賃もいるやろうし。やっぱり、みなさんに一律にお世話になるということで。これは法的に問題ないと申し上げたが、一斉に返ってきたんで、私もそれは出過ぎたなと思っています」
 ――電話賃というと選挙運動の報酬になるのでは
 「報酬じゃないです。やっぱり、電話をかけるなどがあるので、通常経費的にと思ったが、みなさんがかえって気を使ってくれて。これ渡しておいたら、またいろんな問題が起こりそうですけどね」
 ■買収行為の恐れ
 上脇博之・神戸学院大教授(政治倫理)の話 候補者側が現金を配った際、演説会の開催を求めるなど事実上の選挙運動のお願いをしたのならば、公職選挙法が禁じる買収行為にあたる可能性が高い。現金がすぐ返されても、買収の申し込みと判断され、処罰対象になり得る。候補者側が政治団体からの合法的な寄付と主張しても、事務所などを通さず個人に直接渡している点などから、通常の寄付とは異なると判断して返還したのだろう。候補者側の意図を「金をやるから応援してほしい」と受けとめたのではないか。
 ■現金を配られた市議の主な証言
 <和泉市議会「明政会」>
・神谷氏の秘書から、自民の市議は1人20万円と聞いた
・神谷氏から演説会開催を要請されたのであかんと思った
・何か起きた時に大変だと思い、自民の市議4人で返した
・神谷氏から渡され、金とは思わなかったが20万円だった
・10万円だった。「受け取っても大丈夫」と言われたと思う
・個人演説会を開いて神谷氏を呼んでほしいと秘書に言われた
 <和泉市議会「五月会」>
・「合法なので領収書を下さい」と秘書に言われた覚えがある
・神谷氏を応援するわけない。現金は迷惑で返せてほっとした
・ややこしい時期。寄付なら半年前、1年前でもよかったのに
 <岸和田市議会「自民クラブ」>
・秘書から後援会資金として、3人分をまとめて受け取った
・疑問に思ったので、20万円は事務所に返しにいった
 
さて、国政政党「希望の党」の代表を降り、都民の要望により都知事に専念することになった小池百合子都知事。
 
昨年の「都知事選」、今年の夏の「都議選」と、ホップ・ステップを続けたが、最後のジャンプで、どうやら踏切板を踏み間違えたらしく失速してしまい、大方の見方は「ほとんど再起は不能で政治生命は終わり」などと酷評されていた。
 
残された大きな課題は2020年の五輪の成功もさることながら、当面の難題は自ら「立ち止まらせた」豊洲移転問題であったが、食の安全性という観点から豊洲市場の土壌調査をやっていたのだが、完全な「安全宣言」がされないまま来年10月11日の開場が発表されていたが、どうやらそれが怪しくなってきた。  
 
<豊洲開場日 小池流が足かせ 合意寸前で2つの壁>
 2017年11月24日 朝刊 東京新聞
20171124toyosumarket.jpg 東京都の豊洲市場(江東区)は、来年10月11日に開場へ−。築地市場(中央区)の業界団体と都は今月中旬、そんな合意の一歩手前まできたが、一転して足踏み状態となっている。小池百合子知事が打ち出した再開発計画や入札契約制度改革が足かせに。国政政党「希望の党」の代表を辞し、「都政に専念する」と宣言した知事の手腕が早速、問われている。 (内田淳二、木原育子)
 真新しい施設が並ぶ豊洲市場の一角に、がらんとした空き地がある。ホテルや温泉、飲食店が入る観光施設の予定地だ。事業者の万葉倶楽部(くらぶ)(神奈川県小田原市)の担当者は「建設か撤退か、まだ判断がつかない」とこぼす。
 観光施設は、2020年東京五輪・パラリンピックの一年前に全面開業する予定だった。ところが、小池知事が移転を延期した上、今年6月には築地跡地を「食のテーマパーク」として再開発すると発表。
 同社は、似た施設が近くにできれば採算が取れなくなると懸念し、都に説明を求める質問状を8月に送った。今月15日にやっと届いた回答は「整合を図る」とあるだけだったという。
 というのも、都は再開発の方針を来年5月ごろにまとめる予定で、将来像はまだ白紙の状態。同社の担当者は「来春まで待てるかどうか。現時点でも東京大会までの開業はもう無理」と窮状を明かす。
 こうした都の姿勢に不満を表明したのが、江東区の山崎孝明区長だ。観光施設の建設は、区が市場受け入れの条件にしてきた。
 今月6日には「(観光施設の)整備が確定しない限り、市場の受け入れを再考せざるを得ない」とコメントを発表。その後も「(移転の)拒否ではない」としつつ「早く見通しを」と都に注文した。
 区の意向を、市場業界も重くみた。今月10日、都との協議で豊洲市場の開場日を「来年10月11日」と決める予定だったが、業界側は区との調整を求めて決定を先送りに。築地市場協会の泉未紀夫副会長は、小池知事に対し「ご自身が解決に動いてほしい。都政に専念するということはそういうこと」と訴える。
◆入札改革 土壌汚染対策、不調相次ぐ
 懸念はほかにもある。移転の前提となる土壌汚染の追加対策工事の入札は、計九件のうち7件が、予定価格超えなどで不調や中止に。工事単価の上昇や、特殊な工事で大手企業しか応札しにくい背景があるが、都の入札契約制度改革も要因になっている。
 小池知事は6月から、落札額の高止まりを防ぐため、予定価格の入札後公表や「一者以下の入札は中止」との制度改革を試行していた。だが、豊洲での不調を受け、今月20日には初回の入札より4割引き上げた予定価格の事前公表に踏み切った。一者以下だったことによる入札中止も相次ぎ、都の担当者は「新たに手を挙げる業者を期待して再入札したが、状況は変わらない」と困惑する。
 都は年内に工事契約を結び、来夏までに工事を終える方針だが、来年10月の移転を目指す日程に、余裕はなくなりつつある。
◆築地市場の土壌にヒ素 基準超え8カ所
 東京都は22日、築地市場(中央区)で9〜11月に土壌の詳細調査を実施し、26カ所のうち8カ所で採取した土や地下水から土壌汚染対策法の基準値を超える有害物質のヒ素が検出されたと発表した。担当者は「敷地はアスファルトなどで覆われており、安全性に問題はない」と説明している。
 都によると敷地内26カ所でボーリング調査などを実施し、6カ所の土から基準値の最大4.8倍、4カ所の地下水から基準値の最大1.3倍のヒ素をそれぞれ検出した。2カ所で重複があった。
 
八方美人という言葉があるが、都議選前に表明した、「築地は守る、豊洲は生かす」が当時からこう批判されていたことを思い出す。

フリー経済ジャーナリストの伊藤博敏が、「豊洲追加工事が不調の理由」を明快に解説していた。 
 
<ゼネコンがさっそく小池都知事に見切りをつけたかもしれない>
 2017.11.23 現代ビジネス 
中止・不調の嵐
「風」は残酷である。小池百合子都知事を舞い上がらせた「緑の風」は、今、ぱたりと吹き止んで、「小池改革」は色あせた。
希望の党は小池色を薄め、豊洲の盛り土に五輪の施設見直しで小池氏を煽ったマスコミは、掌返しで小池氏を叩く。その流れを見切った東京都の官僚とゼネコンを始めとする業界は、離反に回っている。
それが如実に表れているのが、豊洲市場の追加工事だろう。
安全対策として、3棟の地下ピット室にコンクリートを敷設、地下水管理システムを強化し、換気設備を整えることにした。3棟で3件、都合9件の入札が繰り返されているが、以下のように中止・不調が続き、まだ2件しか成立していない。
5街区(青果棟・鹿島建設JV施工)では、鹿島が落札した地下ピット床面対策のみで、地下換気設備と地下水管理システムは不調。6街区(水産仲卸棟・清水建設JV施工)では、3件の入札がすべて不調。7街区(水産卸棟・大成建設JV施工)では、アサノが地下換気設備を落札し、地下水管理システムは不調、地下ピット床面対策が中止だった。
追加工事は、豊洲市場の18年10月開業に欠かせない。従って、工期から逆算すれば10月には業者選定が終わっていなければならないのに、中止・不調が続き、年内に契約が成立しなければ、移転スケジュールに支障をきたす。
業者サイドの言い分はこうだ。
「入札制度が変わり、予定価格(落札の上限価格)は事前から事後に、そのうえ1者入札は認められなくなった。不調が続いて時間がかかるのも無理はない」
小池氏の意向で導入された入札制度は、@予定価格の事後公表、AJV編成義務の撤廃、B1者入札の中止、を柱としている。
それまで、継続案件の入札などでは、最初に受注した業者が、他社が見送るなか既得権益のように1者入札、予定価格の上限に合わせて99%以上で落札するケースが少なくなかった。それを小池氏は是正した。
悪いことではない。談合で業者が決まる以上、価格は業者サイドの言い値が通り、高値に張り付く。改革は、17年度からの制度改革第一弾であり、「1者入札99.9%落札の抑制」が、目的とされた。
追加工事までの豊洲市場は、業者が工事を分け合い、官僚がそれを追認する予定調和の世界だった。
最初の発注は土壌改良工事であり、11年8月、5街区(青果棟)を鹿島建設JVが119億円で、6街区(水産仲卸棟)を清水建設JVが333億円で、7街区(水産卸棟)を大成建設JVが89億円で落札した。スーパーゼネコン4社のうち大林組が入っていないが、同社は最大工区6街区で清水とJVを編成、バランスは取れている。
この時点で、13年11月に実施された建物施設の入札でも各社スライドすることになっていたが、各社横並びで「(ゼネコン各社の)見積価格が(都側の)予定価格に合わない」として、応札しなかった。
焦った都の担当幹部は、ゼネコン各社幹部を呼んで“希望”を聞いた。その結果、14年2月に再入札が行われ、5街区の鹿島JVが259億円、6街区の清水JVが436億円、7街区の大成JVが339億円で落札した。
入札制度改革は、こうした業者主導、官僚追認の談合の世界を廃するものだった。しかし、豊洲安全対策という最も注目を集め、工期を譲れない工事で、小池氏は“返り討ち”にあった。
次の一手はあるのか
ゼネコン幹部が開き直る。
「土壌改良から始め、建設工事まで請け負った業者が、地下ピットの汚染対策に責任を持つのは当然のこと。設計仕様なども分かっており、特に今回は責任重大なので、他社は手を出しません。
少なくとも地下水管理システムと地下ピット床面対策工事は、鹿島、清水、大成がやらざるを得ない。それを事後公表だ、1者入札はダメだ、というから『では、勝手にやってください』という話になった」
最後まで責任を持つという業界の暗黙のルールを壊したのは、「むしろ都の方だ」というわけである。
自民党都議の次の意見に、小池氏への反発が滲む。
「公共工事は理屈じゃない。工費や工期で業者を泣かせることもある。そんな時、内田(茂前都議)さんのような実力者が、ゼネコンなどに『今度は協力してくれ。次に面倒は見るから』といって説得する。
その貸し借りは、しがらみを生むが、潤滑に工事を進め、都政を円滑に回す。それを小池さんは、ひとりで改革するという。無理に決まっていた」
希望の党は、「しがらみのない政治」を標榜していた。入札改革はそれに沿ったもの。だが、風が止み、小池退潮が明らかになると、ゼネコンはサボタージュを始めた。そこには、「しがらみがないなら見返りもない」というクールな計算と、空前の好景気で決算は絶好調という彼らの懐事情もある。
東京都は、連続する豊洲市場入札の不調を受けて、入札制度の見直しを決めた。早くも11月20日入札分から予定価格を事前公表、1者入札についても弾力的に見直す。
民意はかくも移ろいやすく、しがらみのなかで生きる官僚や業者は現金だ。残る任期は2年8ヵ月。レイムダックには早過ぎるが、小池氏に次の一手があるのだろうか。

「しがらみ」とは漢字では「柵」と書き、「水流をせきとめるため、杭を打ち並べて竹や木を横に渡したもの」を意味しているが、世間のしがらみの場合は、「押しとどめて、さまたげるもの。心にまとわりついて、決意などをじゃまするもの」として使われる場合が多い。
 
都議選で自民党のドンを落選させたまでは良かったが、物事には、作用と反作用がある。
 
どんな施策も、いいことづくめというわけにはいかず、効果が出る一方で、必ず副作用も出る。
 
しがらみが問題だからといって、単純にしがらみを元から消し去ってしまったら、角を矯めて牛を殺すことになりかねない。
 
みずから播いた種なのだが、すべての「しがらみ」を絶つと孤立無援になることが多く、小池百合子都知事は徐々に都庁内でそんな道をだどっていくのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月18日

豊洲の闇は汚染地下水よりもっと深い所にある

昨夜、出先から戻り久々にパソコンを起動しブログのこの間の訪問者数を調べたら、16日のアクセス数が突然「3倍増」の桁数になっていた。
 
その日の最大アクセステーマが、なぜか2016年10月14日に公開した「築地市場移転の陰にはゴールドマンサックス」。
 
オジサンのブログ訪問者で、たまにFACEBOOKの「いいね」を押してくれる人がいるが、1人でもいればその影響は大きい。
 
翌日の17日はさらに訪問者数(ユニークアクセス数)は通常の10倍を超え、2000以上の訪問者のリンク元は全てFACEBOOKからであった。
 
有名人のブログが簡単に炎上するのもFACEBOOKやツイッターの影響が大きいことが良く理解できた。
 
もっとも、オジサンのブログは「日刊新聞ブログ?」と、ある人に言われたことがあるくらい、事実関係が明らかになっている記事を中心に簡単な論評を加える程度なので、悪意に満ちたコメントの類はもらったことはない。
 
豊洲市場で行った地下水調査の結果、201の観測地点のうち72カ所で環境基準の79倍のベンゼンなど3種類の有害物質が検出されたと公表されたのが1月14日。
 
おそらくネット市民は土日は外出していた人が多かったので、16日の月曜日にこの事実を知って、関連ブログを検索したのかもしれない。
 
しかし、昨年10月14日のブログ内では「『ゴールドマンサックス 豊洲市場卸売』というキーワードで検索してみたら3000件以上のサイトが現れた。」と書いており、検索結果ではすでに2008年にこの両者の関係は指摘されていた。
 
今日時点で『ゴールドマンサックス 豊洲市場卸売』で検索すると、不思議なことにオジサンのブログと、その中で紹介した田中龍作ジャーナルの「築地移転の核心 TPPとセリの廃止」という記事が一緒に上位に検索されていた。
 
もはや築地市場の豊洲移転はほとんど不可能な状態になってきていると思うのだが、今後は過去の知事時代の闇の部分が明るみに出ることが予想される。
 
すでに、豊洲市場で行った地下水調査を請負った会社に関しては黒い噂が出始めている。
 
<地下水管理も採水も請け負い 豊洲市場“猛毒”の黒幕を直撃>
 2017年1月18日 日刊ゲンダイ
 豊洲市場の地下水モニタリング調査の最終結果で猛毒が検出された問題。市場の安全性を追及してきた共産党都議団は16日、小池都知事と都議会に市場をめぐる汚染状況の全面調査や特別委員会の開催を申し入れた。そこで浮上しているのが、“お手盛り”調査疑惑だ。
 地下水管理システムの設計や運転保守などを請け負ったのは、新宿区に本社を置く非上場企業の「日水コン」。都は2012年8月に行った入札で、システムなどの設計業務を3750万円で発注。日水コンは15年6月に工事に入り、16年10月に竣工した。
 問題は、日水コンが1回目から3回目までの「地下水調査」も担当していたことだ。地下水を「管理する会社」と安全性を調べるために「水を採取する会社」が同じでは、信頼性を担保できないだろう。
 共産党が問題視しているのも、この部分だ。渦中の「日水コン」に異常数値に関する見解を問うと、総務部長がこう答えた。
■「付き合いでやらされた」
――まず、採水を担当した経緯は?
 都から井戸水の取り方が分かる業者がいないと言われ、しょうがないから(契約を)取ったと聞いています。
――しょうがないから取った? どういうことですか?
(発注)金額が安かった(から積極的に受注しようとする業者がいなかった)んじゃないですか。安い金額で落札したと聞きましたから。あんまりやりたくなかったと。付き合いでやらされたと。都がまず(入札)参加メンバーを選定し、その中で競争させた。都から「おたくしか考えられないなあ」と言われて。今となってはいいのか悪いのか。
――有害物質の検出数値が跳ね上がったのは、地下水管理システムの稼働が影響しているとの見方があります。
 地下水管理システムは16年8月に試験稼働して、本格稼働させたのが10月。地下水調査に影響したのだとすれば、(前回の)11月の調査にも影響したのでは?
――共産党都議団は特別委員会を開き、貴社に説明を求める方針です。
 契約書でもそのほかのことでも、説明が必要ならいくらでも応じますが、これ以上何を説明しろというんですか。一切やましいことはない。
 ちなみに、都の公表資料によると、8回目調査の採水期間は16年9月5日から10月3日まで。地下水管理システムが本格稼働する前だ。共産党都議団によると、日水コンは運転保守などの11件の業務委託で、都と総額3億570万円の大型契約を結んでいるという。
 共産党の曽根はじめ都議は言う。
「地下水管理システムとモニタリング調査は別個の問題だが、業者が同じである以上、場合によってはリンクしている可能性も考えられます。全面的な検証が必要です。そもそも、地下水管理システムの設計不備の懸念も高まっている。40ヘクタールもの広大な土地に引かれた用水路は58本だけ。どの専門家に尋ねても、これで水位を海抜1・8メートルに制御するのは不可能だと一蹴されます」
 都議会で決着をつけるのが筋だ。
 
上記の記事中にでていた「日水コン」という企業は既に昨年の10月頃にはこんな指摘がされていた。
 
<日水コン豊洲市場の地下水管理システム請負業者の随意契約はブラックボックス?>
 2016-10-05 yellow card
・・・前略・・・
そのような豊洲新市場における多機能な水質管理システムの設計を請け負った業者は(株)日水コンという東京都の新宿区に本社を構える上下水道分野を中心とした建設コンサルタント会社です。
1959年に日本水道コンサルタントとして設立されて今に至っているようです。
 
事業内容
1.国内及び海外における次に掲げ
る事業の企画、調査、研究、計画、
設計、工事監理及び施設の運転、
管理、診断、水質検査並びにこれら
に係わる経済・財務分析その他のコ
ンサルティング
(1) 上水道、下水道及び工業用水道
(2) 治水、利水及び河川、湖沼、沿
   岸海域に係わる環境管理
(3) 産業廃水、都市廃棄物等の処理
(4) 建築、都市開発及び地域開発
(5) 農業開発
2.前号に関連する情報処理システム
 の開発・販売
日水コン請負業者は随意契約
その日水コンは豊洲市場の工事契約において東京都が入札条件とする『地下水を解析する実験研究施設を備えていること』に反しているのではないかと共産党都議団の大山とも子氏が指摘されたのです。
これに対して都議会では市場長の岸本良一市場長は「実験研究施設を持っていることを確認したうえで契約している」
と答弁されたようです。
また小池百合子都知事はこの件については
「必要があれば都が設置したプロジェクトチームで調べる」
私も調べましたが日水コンは上下水道分野を中心としたコンサルティング業者でありますので実験研究施設などを持っていないことは明らかです。
また共産党大山幹事長は直接実験研究施設の有無を確かめられたとも言われています。
岸本良一市場長の苦し紛れの答弁ですがあまりにも軽率ですよね ・・・
また調べによりますと日水コンは2012年の8月に地下水管理システムの設計を3750万円で受注その後も随意契約を結び今年7月までに11件で3億570万円を受注したようです。
東京都が当初の段階で業者選定にあたっては二つの条件を提示していました。
@ 汚染水の対策検討の実績
A 地下水流動の解析を行う実験研究施設の所有
しかし日水コンはAの要件を満たしておりませんでした。
 
東京都中央卸売市場」の公式サイトには第1回から8回までの「地下水のモニタリング調査」結果が掲示されている。
 
しかしその中の「濃度計量証明書」の実施会社名はすべて「のり弁」状態で、テレビ報道でも「A社」「B社」との表記であったが、一昨日の「豊洲市場地下水の調査会社はどこ?共産党が小池都知事に公開を要請した!」という記事によればこのような会社らしい。
 
@ ユーロフィン日本環境株式会社
  住所 神奈川県金沢区幸浦2−1−13
A 株式会社産業分析センター
  住所 埼玉県草加市谷塚二丁目11番7号
  ISO/IEC17025試験所認定ASNITE0104T(環境・化学製品)     
 
急激な数値悪化なぜ? 豊洲市場、過去の検査を検証へ」によれば、すべての業者名が明らかになっている。     
 
20170118chousakaisya.jpg
【朝日新聞DIGITALより】
 
豊洲市場の建設の入札をめぐってその大手建設JVに天下りした東京都OBの問題もいまだにブラックボックスの中であり、確証は掴んではいないのだが、地下水の調査会社に東京都OBが天下りしているとも言われている。
 
冒頭の「築地市場移転の陰にはゴールドマンサックス」に戻るのだが、築地から豊洲への移転は、農水省もからむ国策的な大きな陰謀と利権が背景に見え隠れしており、地下水の汚染度調査結果によっては、闇に蠢く連中の大きな巻き返しが出てくることも予想される、とオジサンは思う。

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2016年10月29日

小池百合子都知事が取るべき道は

東京都知事選では、「都民ファースト」という、今までの都知事選候補者が口にしなかったフレーズで都民の気持ちをわしづかみして、圧倒的な票を集めて当選した小池百合子都知事。
 
その時の公約の中には、「2020年五輪開催費の削減」と「豊洲新市場への移転を立ち止まって考える」の2つが注目された。
 
11月7日に決まっていた豊洲新市場への移転に関しては、「立ち止まり」は成功し、さらに怪しげな「盛り土なし地下空間」という新たな疑惑が発覚し、立ち止まり期間は長くなりそうである。
 
一方、五輪費用の削減に関しては、当初の見積もりとその後の見直し金額が余りにも乖離していた「海の森 水上競技場」に焦点が当てられ、代替候補地が登場し、その宮城県の長沼ボート競技場の地元では、町を挙げての招致ムードが高まった。
 
しかし、IOCバッハ会長の来日以来、当初の五輪施設の見直しに反対する組織委員会の森喜朗会長の必死の巻き返しにより、小池都知事の思惑から外れるような状況になりつつある。
 
もっとも、小池都知事の本来の目的は、代替施設への変更というよりは、既に決まった施設の建設費を少しでも減額することであり、それが実現すれば一応は都民との約束を果たしたことになる。
 
20161029minaosihiyou.jpg
 
従って、JOCや組織委員会と真正面から対立することは考えていないように傍からは見える。
 
ましてや、ボート会場に関しては、なまじ「アスリートファースト」と掲げてしまった手前、アスリート団体が現状の決まった施設でやらせてくれ、という要請や陳情が続いており、それらの声を無視してまでも、他の既存施設への変更はかなり困難である。
 
同じ動きは水泳やバレーボールの団体からも相次いでいる。 
 
もっと安く建設できなければ既存施設の改修に変更するぞ、と脅せばいくらでも建築工法の工夫により、数十億円単位での減額は可能なのである。        
 
さて、先日、加賀藩の第4代藩主で加賀前田家5代の人物である"前田綱紀"を「ペンネーム」にしている人の文章を見た知人からこんなメールを受け取った。
 
中身はかなり過去の事実を調べており数字的にも信憑性が高かったので、あえて紹介してみたい。
  
小池百合子が取るべき道は、東京五輪は、すでに誘致活動段階で「汚染」されている。
 
「東京汚リンピック」は開催するべきではなく、一刻も早く、IOCに開催返上の通告を行うべきである。
 
そして、築地、豊洲、東京汚リンピック、ゼネコン、利権政治屋、これらは一気通貫でつながる事項である。
 
汚染物質まみれの普通には使いようのない土地。これを「お上」が高値で買い取ってくれるなら「売り主」は儲けもの。「売却話」を仕切ってくれた「政治屋」に巨大な「金封」を差し出しても十分におつりがくる。
 
「築地」というのは「汐留」の隣接地であり、「築地」の「市場」が消滅して、「築地」が「ビジネスセンター」として「汐留」と合体すれば、「汐留・築地地区」が「巨大ビジネスセンター」として価値は激増。「大手町」に匹敵する「巨大ビジネスセンター」に昇格する。
 
「ゼネコン」はどこでもいい。「巨大ビジネス」が転がり込んで来れば、「濡れ手に粟」だ。
「入札」と言っても、形だけの入札で、予定価格ピッタリの札を入れての落札は、いわゆる「談合」。
取り仕切ってくれた「政治屋」さまに巨大な「金封」を包んでも、十分におつりがくる。
 
これらを仕切る「政治屋」にとって、こんなにうまい話はそうざらにはない。
 
「築地」は「築地」だから、市場は「築地」で再整備するのが筋。
 
当初は「移転反対」の業者が多かったが、多くの業者がいつのころからかおとなしくなった。
「新銀行東京」が絡んでいる。
 
「築地」を移転する方針が定められたのは1999年。移転先が「豊洲」となったのは2001年。環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出されたのは2008年5月。豊洲新市場整備方針が決定されたのは2009年2月。
 
このときは「盛り土」実施方針だった。「盛り土」が「地下空間」に入れ替わったのは2011年3月から6月の間である。当初は、盛り土の上に「高床式」施設が建設されるはずだった。これが、「盛り土」部分に「地下空間」を作り「高床式」にしない設計に変貌した。2011年6月のことだ。
 
豊洲汚染地の売買が行われたのは2011年3月。1859億円が東京都から東京ガスおよび関連会社に支払われた。
 
しかし、「汚染地」であるから「汚染対策」が必要になる。東京ガスは汚染対策費の100億円と追加費用負担78億円を支払ったが、汚染対策はこの金額では実現せず、東京都がさらに849億円も投入した。
 
2011年3月と言えば、あの原発事故と東日本大震災が発生した、まさにその時である。
 
埋立地では「液状化」現象が発生した。実際、豊洲新市場敷地においても、百数箇所で液状化が発生したと報じられている。
 
このなかで、東京都は土地売買を実行してしまった。
しかも、東京ガスが負担した汚染対策費はその後の実費をはるかに下回る金額である。
「不正売買」で東京都が損失を蒙ったとして訴訟も提起されている。
 
築地、移転、豊洲、土地売買、「盛り土」から「地下空間」への変化、のすべては、1999年から2011年までの間に生じたことである。
 
この期間、東京都知事の地位にいた者は誰か。答えは、石原慎太郎氏である。石原氏は1999年4月から2012年10月まで東京都知事の地位にあった。築地移転、豊洲決定、土地売買、「盛り土」から「地下空間」への変身は、すべて石原氏の都知事時代に発生した事象である。
 
一連の事象の本質を洞察する「カギ」は、これらの事象で「利益を得たのは誰か」という視点にある。
 
汐留、築地地区に立地する主要企業は
 電通
 日本テレビ
 共同通信
 朝日新聞
である。
 
これらの企業にとって、築地が「市場」から「ビジネスセンター」に変貌することは巨大な「うまみ」である。
石原慎太郎氏の子息の石原伸晃氏は日本テレビに就職した。
 
そして、日本のメディアを支配しているのが「電通」である。
CIAとの関係も深いと見られている。
築地を整備するのでなく、築地を移転することを誰よりも強く望んだのは電通・日本テレビであると考えられる。
 
移転先はいくらでもあったが、最初に除外されなければならない場所は、汚染地である。
汚染地にもいろいろあるが、生命の危険をもたらす物質に汚染されている土地は問題外である。
 
豊洲新市場敷地は絶対に除外されなければならない「代表例」として挙げられるような敷地である。
「汚染地」だから「安く買える」と言うが、東京都はまったく安く買っていない。
「汚染対策費」を売り主負担にしないとおかしい。
 
日本国政府、小泉純一郎自公売国奴政権が米国リップルウッドに長銀を売却した時には、「瑕疵担保特約」をつけて、リップルウッドが巨万の富を得た。

東京都が東京ガスから汚染地を購入する際には、この「瑕疵担保特約」がついていない。
東京都民の利益を損なう売買である。
 
そして、最も重大な問題は、東京都が虚偽事実を公表し続けたことだ。
敷地全体に「盛り土」を行うことが「汚染地対策」の中核だった。
この「盛り土」を実施したとの「虚偽事実」がホームページなどを通じて公表され続けてきた。
議会審議においても、「虚偽答弁」が行われてきた。
今回の都知事選で移転が中断され、新事実が公表されなければ、この「不正」が闇に埋もれたままになっていなのである。
 
これらの無数の「疑惑」と関係するのが、東京都の「天下り利権」である。
築地移転、豊洲決定、不正売買疑惑の動きのさなか、2005年に東京都局長から東京ガス執行役員に天下った人物がいる。
東京ガスに利益を供与し、見返りに天下りポストを東京都が獲得する。このような見立ても可能だろう。
 
実はこれが「天下り」問題の本質である。官僚機構が民間事業者に「利益供与」を行う。その「見返り」として「天下りポスト」を提供させる。
 
「天下り」問題は霞が関官庁だけの問題でない。地方自治体の「天下り」問題の方が、はるかにすそ野が広い。
 日本の地方を含めた国家財政支出の規模は十分に大きい。それにもかかわらず、社会保障が極めて貧困である最大の理由は、財政支出の大半が「利権支出」に回されていることにある。
 この「利権支出」が「天下り」と表裏一帯をなしている。
 
豊洲新市場の総事業費は、2011年度段階での3900億円から約1.5倍の5900億円に膨れ上がっている。
 
東京オリンピックの国立競技場建設と一緒で、さらに拡大の見通しだ。これだけの費用を投下したものを取り壊すわけにはいかない。
 
しかし、取られるべき土壌汚染対策が実際には実行されなかった豊洲を、生鮮食品を取り扱う市場として利用することは許されない。別の用途で建造物を活用するべきである。東京都の職員が活動する施設として利用するべきだろう。
 そして、築地市場は築地の地で再整備するべきである。これが小池百合子が取るべき適正な対応方法だ。
 
五輪の施設建設削減案は、今月末は難しそうだが、11月には決着がつきそうである。
 
しかし豊洲新市場移転問題は、来年の最後の水質検査結果次第と言われているが、おそらくそれまでにも、まだまだ食の安全を脅かす事態が発生する可能性が大きい。
 
そういう意味では、「小池百合子が取るべき適正な対応方法」は豊洲市場は断念し、「築地市場は築地の地で再整備する」しかないのではないだろうか。
 
そうでなければ、小池百合子都知事の消費期限は2年くらいではないだろうか、とオジサンは思う。   

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2016年10月14日

築地市場移転の陰にはゴールドマンサックス

日本維新の会が自民党との幹事長・国対委員長会談でTPP批准に関して14日に審議入りで一致するなど野党の足並みを乱し、すっかり与党気分になったようである。
 
与党補完勢力とかなり前からいわれていたことなので、驚くことではないかもしれないし、「野党共闘」の仲間にも入っていないので、「や党」でも「よ党」でもない、その中間の「ゆ党」と揶揄される所以である。  
  
身内の余りにも杜撰な報告書で恥をかかされた小池百合子都知事は、さっそく、「小池都知事が『豊洲』粛清人事 “第1号”は中央卸売市場長」によれば、「地下空間は知っていたが、盛り土の上に建設されていると思っていた」と証言し、今月4日の都議会で「市場長の責任は免れない」と答弁していた岸本良一中央卸売市場長が他局に飛ばされるかもしれない。
 
これはほんの手始めで、かつての石原慎太郎都知事と「都議会開始前ランチ」で盛り土を決めたらしい、この連中がターゲットであることは言うまでもない。
 
20161014isiharatorimaki.jpg
石原慎太郎氏と11人の幹部一覧(C)日刊ゲンダイ
 
 
さらに、「64年東京五輪時と酷似…市場問題は第2の『黒い霧事件』に」発展すれば利権を貪っていた連中が暴かれるので楽しみなのだが、築地市場移転というのはかなり深い問題を含んでおり、その大きな狙いの一つに、仲卸業者の市場からの淘汰があるという。
 
昨夜おそくこんな記事を見つけた。 
    
<築地移転の核心 TPPとセリの廃止>
 2016年10月13日 22:5 田中龍作ジャーナル
20161014tanaka01.jpg
仲卸によるセリをなくして電子取引にしてしまおうというのが、ハゲタカの目論見だ。=11日、築地のセリ場 撮影:筆者=
 
 与党はあす(14日)にもTPPの国会承認を審議入りさせたい構えだ。TPPは農業ばかりでなく水産業も破壊する。
 小池都政により注目を集める築地市場の豊洲移転問題は、TPP水産分野の核心である。マスコミが騒いでいるような環境や欠陥建築の問題ではないのだ。
 核心部分を具体的に言うと仲卸業者の市場からの淘汰である―
 農水省が2006年に発表した「第8次卸売市場整備基本方針」では「仲卸業者の大幅な削減を図ること」と盛り込まれた。仲卸の目利きによるセリの廃止と電子商取引が想定されているのである。
 目利きによる適正な価格付けは産地(漁師)に還元されていた。産地(漁師)は潤い、再生産につなげた。
 豊洲移転にはもうひとつ大きな仕掛けがある。大卸7社を3社に絞ろうと言うのだ。そのうちの1社は米強欲資本のゴールドマンサックスが大株主である。
 
20161014tanaka02.jpg
翌日からのTPP審議入りに反対する市民たちが農水省前で抗議の声をあげた。=13日夕方、霞が関 撮影:筆者=
 
 ブッシュ政権時(2001〜2009年)に規制改革のための官民会議が日米間に設置された。米国側の議長はゴールドマンサックスのCEOがつとめた。
 「第8次卸売市場整備基本方針」(2006年)に盛り込まれた「仲卸業者の大幅な削減」は、米国側の有無を言わさぬ要望だったことは疑いようもない。
 米国が望む通り、目利きをする仲卸がいなくなれば、利益が生産地(漁師)に還元されることはなくなる。適正な価格づけがなされなくなるからだ。生産地(漁師)は亡びるだろう。
 (観光用の見世物セリは残すが)仲卸を廃業に追い込む。そして買い付けを電子商取引にし、大卸と大手流通が市場を独占する
 それを支配するのがゴールドマンサックスだ。価格の操作など朝飯前である。
 日本の水産業を潰し、生産から流通までを米国が支配する。米強欲資本の真の狙いだ。
 日本のバカマスコミが土壌汚染と盛り土で騒ぎ立てるほど、ハゲタカは小躍りする。

 
ちなみに、「ゴールドマンサックス 豊洲市場卸売」というキーワードで検索してみたら3000件以上のサイトが現れた。
 
もっともほとんどが、過去のニュースやブログの引用や孫引きが多いのだが、いくつかめぼしいものを見つけた。  
 
6年前、東日本大震災の前年に書かれた内容なのだが、「ゴールドマンサックスが大卸業者の株主」という事実は当時はあまり表面化していなかったようである。 
 
<築地市場移転という壮大な生体実験>
 2010年08月20日(金) 永田町異聞
・・・前略・・・
 都心の一等地、築地は、大掛かりな建築物を大手ゼネコンに建てさせ、再開発することで兆がつく利権となる。
そして、広大な埋立地である豊洲に市場を移すことでほくそ笑むのは、大量の食品を仕込む大手スーパーや外食産業、それら大口顧客に直接売りさばく年商1000億円前後の「大卸」であろう。
包装加工施設や荷捌き場、集配スペースを確保することにより、卸と量販店が一体となった巨大物流センターができあがる。
ちなみに大都魚類(東証2部上場)という卸は、今年3月期1480億円の売上を計上。東都水産(東証1部上場)は同期1410億円の売上である。
一時はこの2社とも、ゴールドマンサックスが第2位の株主に名を連ねていたらしいが、最近のデータを見た限りでは見当たらない。
平成20年11月13日の参院財政金融委員会で、大塚耕平議員(現内閣府副大臣)が築地市場について質問したさい、ゴールドマンサックスが築地市場移転にからむ利権を狙っているのではないかと思わせるやりとりがあった。
大塚 「築地の移転問題は単なる移転問題ではないと思っております。伝統的なセリにもとづく市場のメカニズムを解体するなど何らかの意図があることも想定されます。豊洲における卸売業者、現状7社は3社に限定される方向にあると聞いておりますが、その3社と想定される卸売業者の大株主には外国資本が徐々に入ってきております
大塚議員が言う外国資本とはもちろん、ゴールドマンサックスのことだ。
これに対する平尾農水省総合食料局次長の答弁では、大都魚類の大株主は一位がマルハニチロホールディングス、二位がゴールドマン・サックス・インターナショナルになっていた。
大塚議員の質問にもあるように、築地市場の卸業者は、水産物に限れば、前記2社を含め7社ある。
そこから仕入れて小売など、小口の買付人に販売するのが築地に750ほどある「仲卸」で、いわば彼らが築地の賑わいを演出してきた。高級料亭向けの食材の目利きとしても重宝されている。
外国からの観光客も増えてきた築地という場所への愛着。コスト負担がのしかかる豊洲移転。仲卸業者にすれば、このままこの場所で営業したいというのが本音だろう。
しかし、大塚議員が「平成18年4月の市場整備基本方針では、仲卸業者数の大幅な縮減を図ることが盛り込まれております。電子取引の導入、仲卸の目利きによる競りの廃止が想定されております」と指摘したように、このまま計画が進めば、仲卸にとって厳しい事態が待ち受けている可能性はある。
米国発の金融危機でゴールドマンサックスがいったん手を引いたとしても、築地の閉鎖を機に、卸→仲卸→小売という日本独特の流通システムを解体して、寡占化で利益をむさぼろうという米国資本と日本の利権勢力の思惑は健在である。
今後、知らぬ間に米資本が大手卸の株主上位に食い込んでくることは十分予想される。
・・・後略・・・
 
このブログ内容が書かれる2年前には、「ゴールドマンサックスの築地卸業者の持ち株は予想以上(関連:2000年の農水省研究会での規制緩和)」と題したサイトでかなり詳しく大卸会社の情報が調べられていた。
 
以下に、その抜粋を紹介するが、農水省関連のリンク先はなぜが削除されていた。
 
東京都が公認している卸(大卸、荷受け)業者は下記の7社。
●大都魚類株式会社
●中央魚類株式会社
●東都水産株式会社
●築地魚市場株式会社
●第一水産株式会社
●千代田水産株式会社
●綜合食品株式会社
 
<1> 大都魚類(通称ダイト)
大手、豊洲移転を表明しています。
東証2部上場。マルハ系。売上高1693億円(平成18年度 連結)
http://www.daitogyorui.co.jp/
ゴールドマンサックス(GS)が第2位の大株主になっています。(現在は8位)
http://g2s.biz/tool/holder/8044.html
<2> 丸千千代田(千代田)
豊洲移転を表明(下記によれば切望)しています。
鮮魚の取り扱いは現状なし。非上場ですが、売上高は465億円(2005年3月期)です。
移転推進の談話が下記にあり(移転により鮮魚なども扱えるようにということ)。
http://www.marusen.co.jp/recruit/project/02.html
卸7社で豊洲構想のワーキンググループ(WG)が作られている(いた?)そうです。
<3> 中央魚類(通称マルナカ)
大手、豊洲移転を表明しています。
東証2部上場。ニッスイ系。売上1264億円(平成20年3月期)
(注)ゴールドマン・サックスは現在は株主になって内容である。
http://www.ullet.com/8030.html
※追記(過去の大きな株の動き):
2005〜2006年 約200万株 三菱銀行→三菱東京UFJ。
2005〜2006年 約140〜160万株 日本証券金融→GS。
<4> 築地魚市場(通称トーイチ、東市)
http://www.tsukiji-uoichiba.co.jp/
東証2部上場、ニチレイ系。819億円(H19.3月度)
ここもなぜか株価が大都同様に暴落しています。
大株主としては、
http://www.ullet.com/8039.html
Bank of NYやCitiはありますが、GSは上位には見られません。
<5> 東都水産(通称トースイ)
大手、移転推進を表明しています。
http://www.tohsui.co.jp/
東証1部上場。1630億円(H20.3月度)
こちらも同じく最近株価急落。
また、2008年6月に東証での大きな出来高あり決算後の5月に報告書、ゴールドマンサックスが第2位に登場したそうです。
http://g2s.biz/tool/fiverule/8038.html
http://www.ullet.com/8038.html
<6> 第一水産(第一)
http://www.daiichisuisan.co.jp/
非上場ですがウェブサイトによれば年商は527億円(平成19年度)
<7> 綜合食品(綜合)
鮮魚の取り扱いなし。非上場です。ウェブサイトはありません。
〜〜〜
東京都によって、豊洲に「連れて行ってもらえる大卸」は、3社だけだとも言われています。
そのため、合併・統合や廃業が噂されてもいます。
そして、偶然かもしれませんが、積極的に豊洲移転を表明ないし推進している会社には、ゴールドマン・サックス(GS)の資本が高い割合で入っています。
ただ、GSは、7社しかない大卸のすでに3社ないし4社に入っていて、かつ東京都のそんな締め付けがあったとしたら、移転賛成を言わざるを得ない状況に追い込まれているので、相関があるとすら言えないのかもしれませんが・・・。
 
小池都知事によって「○○ファースト」というフレーズが飛び交っているが、この築地市場移転に関しては、「築地使用業者ファースト」だけでは解決せず、小口の買付人に販売する築地に750ほどある「仲卸」たちの本音を再度確認しなければ、移転問題は解決できないのではないだろうか、とオジサンは思う。 

posted by 定年オジサン at 12:14| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月01日

無期限延期になった場合の豊洲新市場の活用法

しんぶん赤旗日曜版の「2016年08月14日号」にこんなスクープ記事が掲載されていた。
 
「『白紙)で受領 認める 自民パー券代"金額は自分たちが記入" 稲田防衛相 疑惑領収書 3年間で524万円分」
 
その後、日刊ゲンダイやスポーツ紙などが取り上げていたが、リテラもは、「稲田朋美防衛相に領収書偽造が発覚、なんと520万円分! マスコミはこの重大疑惑を報じることができるのか」という記事の最後をこう締めくくっていた。
 
問題はこの赤旗報道に、はたしてマスコミが続くか、である。ずっと指摘してきたことだが、辞任に追い込まれた舛添知事と同じような「政治と金」の疑惑が発覚しても、安倍政権中枢の政治家については一切報道しない、という状況が続いてきた。この重大疑惑がもし同じように無視されたとしたら、もはやこの国は民主主義国家ではない。
 
この記事で指摘されたように、この赤旗報道を取り上げるテレビメディアは皆無で、大手マスメディアもスルー状態であった。
 
「政党機関紙のスクープを基に後追い取材なんかできない」という大手の新聞・.テレビメディア連中は、ましてや「安倍政権中枢の政治家については一切報道しない」という姿勢を取り続けていたのかもしれない。
 
そんな安倍政権中枢で、ポスト安倍ともささやかれ、異例の早期の閣僚になって得意になっていた稲田朋美防衛相に対して、民進党の辻元清美は過去の事実にもとづいて言行不一致を国会で追及した。
 
本人の「活動ブログ」の前半を紹介する。     
   
<南スーダンPKO、稲田防衛大臣の戦没者追悼式欠席について質疑しました>
 今日の予算委員会の質疑で、私は稲田防衛大臣に、今年の8/15に行われた全国戦没者追悼式を欠席した件をただしました。
稲田大臣は、8/13から8/16まで、ジブチに海外出張していたのです。異例なほどあわただしく決まった出張だったため、「稲田大臣を靖国神社に参拝させないための指示ではないか」という憶測記事が出たほどでした。その結果、上記の追悼式を欠席する事態になったのです。
各地で活動する自衛隊員のみなさんの活動を視察し、激励するのは防衛大臣の大切な仕事です。
しかし、8/15の追悼式は特別な式典なのです。昭和57年4月13日の閣議決定で「戦没者を追悼し平和を祈念する日」が設けられて以降、追悼式を欠席した防衛庁長官や防衛大臣はいないのです。実は、2015年の「海賊対処レポート」(ソマリア沖・アデン湾における海賊対処に関する関係省庁連絡会)によれば、昨年2015年のソマリア沖・アデン湾の海賊等事案発生状況(IMB年次報告)は「ゼロ」。すなわち、昨年ソマリア沖・アデン湾でおきた海賊事案はゼロ件だったのです。
私も国土交通副大臣のときは、海賊対処などに備えて海上保安庁の大型巡視艇「あきつしま」建造に着手したり、近隣諸国に海保のノウハウを伝えるなど、さまざまな努力を重ねました。こうしたこれまでの日本政府や各国政府のとりくみが功を奏した結果の「ゼロ件」ですが、防衛大臣が追悼式を欠席するほどの緊急性が今回の出張にあったかどうかを知りたかったのです。
『自国のために命をささげた方に感謝の心を表すことのできない国家であっては防衛は成り立ちません。これは日本という国家の存亡にまで関わる』と発言してきた稲田防衛大臣に、今回の出張の緊急性をたずねましたが、「残念」という答弁しかありませんでした。ぜひ今回の指摘を重く受け止めていただきたいと思います。
・・・後略・・・
 
実際の質疑応答の全文を、産経新聞が掲載していた。 
 
<稲田朋美防衛相が涙目… 民進・辻元清美氏「戦没者追悼式欠席は言行不一致」と追及され言葉詰まる>
 2016.9.30 17:08 産経新聞
・・・前略・・・

 辻元氏「稲田大臣、こういうことをおっしゃっている。『自国のために命をささげた方に感謝の心を表すことのできない国家であっては防衛は成り立ちません。これは日本という国家の存亡にまで関わる』と」
 「ところで、そうおっしゃっている大臣が、国防の責任者になられて、今年の8月15日です。これは防衛大臣になられて初めての8月15日。全国戦没者追悼式があった。これは閣議決定までして天皇皇后両陛下、総理大臣、両院議長はじめ政府の公式の追悼式。今年は5800人の遺族の方、ご高齢の方が多いですが、全国から出てこられているんです。先ほど天皇陛下のご公務の話があったが、最重要のご公務だといわれている」
 「これを欠席されたんですよ。あなたはいつも『命をささげた方に感謝の心を表すことのできない国家ではなりません』と言っているにもかかわらず、欠席するのは言行不一致ではないかと思いますよ。そう思いませんか。いつもおっしゃっていることと違いますか。政府の公式ですよ。そして調べました。閣議決定されてから防衛大臣で欠席されたのはあなただけなんですよ。言行不一致じゃないですか。いかがですか」
 稲田氏「私は常々、日本の国のために命をささげた方々に感謝と敬意、そして追悼の思いを持つということは、私は日本の国民の権利でもあり、義務でもあると申し上げてきました。義務というよりも、心の問題ですね。心の問題と申し上げてきました」
 「その中で今回、戦没者追悼式に出席しなかったという指摘ですけれども、それは誠にその通りでございます。その理由については就任後、国内外の部隊について一日も早く自らの目で確認して、その実情を把握してまた激励もしたいという思いから、部隊の日程調整をしてきた結果、残念ながら出席をしなかったということでございます」
 辻元氏「反省していますか」
 稲田氏「大変残念だったと思います」
 辻元氏「急にジブチの出張が入ったといわれているが、8月13日に出発して15日を挟んで16日に帰国されている。12日に持ち回り閣議でバタバタと出発しているわけです。確かに世界各国、日本国内の自衛隊を防衛大臣が視察されること、激励されることは大事ですよ」
 「しかし、あなた、日ごろいっていることと違うのではないですか。こうもおっしゃっていますよ。『いかなる歴史観に立とうとも国のために命をささげた人々に感謝と敬意を示さなければならない』。毎年、靖国神社に行ってこられましたね。これ公式行事ですよ。あなたの、戦争でなくなった方々への心をささげるというのは、その程度だったのかと思われかねないですよ。そんなに緊急だったんですか」
 稲田氏「今までの私の発言… 読み上げられた通りです。その気持ちに今も変わりはありません。今回、本当に残念なことに出席できなかったということですが、ご指摘はご指摘として受け止めたいと思います」
 辻元氏「国会議員は地元で式典があったり、集会があったりします。でも防衛大臣ですよ。ジブチに行きたくなかったんじゃないですか。稲田大臣が防衛大臣として靖国に行くと問題になるから、回避させるためではないかと報道されているんですよ。あなたは防衛大臣だったら信念を貫かれた方がいいと思いますよ」
 
上記の一問一答の場面は、昨夜の「報道ステーション」で見て知ったのだが、驚くべきことにキャスター富川アナウンサーはこの問題の内容にはコメントできず、「小池都知事を始め女性が活躍していますよね」と問題の本質をはぐらかしていた。
 
というその小池都知事なのだが、豊洲新市場の謎の空間は「いつ、誰が」決めたのかを検証して報告すると言っていたが、どうやら「自己検証報告書」という身内が身内を調査しただけの内部調査報告書なので、ピンポイントで犯人特定することは土台無理な話であった。
 
<(時時刻刻)地下空間、縦割りの末 豊洲市場、組織の連携不足 土木系と建築系、異なる認識>
 2016年10月1日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20161001kisyakaiken_asahi.jpg調査報告書を公表する小池百合子・東京都知事の定例記者会見に多くの報道陣が集まった=30日午後、都庁、川村直子撮影
 豊洲市場(東京都江東区)の土壌汚染対策として決まっていた盛り土計画は、どんな経緯で変更され、地下空間に姿を変えたのか。30日に公表された都の報告書からは、縦割りによる連携不足やガバナンスの問題が浮かぶ。4年後に五輪開催を控えた巨大都市は、信頼を取り戻せるのか。▼1面参照
 「一言で言えば、今回の事態を招いた最も大きな要因は、ガバナンス、責任感の欠如ということになります」。30日午後、都庁で定例記者会見に臨んだ小池百合子都知事はこう話した。
 豊洲市場の盛り土問題をめぐる一連の経緯をまとめた報告書は、都中央卸売市場の元管理職ら32人への聞き取り調査などを経てまとめられた。組織内の風通しの悪さにより、職員の間で「憲法」とも呼ばれた盛り土計画が、少しずつ形を変えていく様子がわかる。
 豊洲市場の土壌汚染対策の原点は、都の専門家会議が2008年7月に「敷地全体の盛り土をするべきだ」と提言したことだ。一方で、提言を実現するために直後に設置された技術会議では、将来地下水汚染が発生した場合に作業スペースとなる「モニタリング空間」を設ける必要性が論じられ始めていた。
20161001moridokeii_asahi.jpg ■高床式と理解
 09年1月時点では、地下空間に重機がある様子を描いた内部資料も存在していた。だがこの段階では、建物を高床式にして、地面と1階の床下の間にモニタリング空間をつくると理解していた職員もいたという。
 職員間の認識の違いは大きかった。土壌汚染対策を担う土木系職員は、敷地全体に盛り土をするのは当然と考えていた。一方、施設建設を進める建築系職員は、配管などのスペースとして地下空間を設けるのは基本的なことだと認識していたという。
 両者の意思疎通を欠いたまま、11年8月の関係部課長会議で「地下にモニタリング空間を設ける」との方針が決定。これは事業の責任者である中央卸売市場長に報告されたが、モニタリング空間の設置により、盛り土がなくなることは説明されなかった。
 意思疎通の問題は、技術職と事務職の間にもあった。30日に記者会見した元中央卸売市場長の中西充副知事は「私は事務職、(豊洲市場整備を担う)新市場整備部は技術職。頻繁なコミュニケーションをとればよかった。市場長として風通しのよい組織風土をつくるべきだった」と話した。
 報告書は、いつ誰が計画変更を判断したかについて特定できていない。責任の所在はあいまいなままだ。問題は個人にあるのか、それとも組織か。小池氏は会見で「豊かさゆえの、大組織ゆえの一種の甘えと、それから油断があったのではないだろうか」と述べた。
 ■「都庁に横串」
 ガバナンス強化に向け、小池氏の動きは早かった。30日には副知事4人や教育長、主要局長らからなる「都庁マネジメント本部」を立ち上げた。様々な懸案事項を庁内全体で共有し、意思決定の過程や責任を明確化するという。同本部設置を発表した会見の3時間ほど前に初会合を開いたといい、今後も毎週金曜に集まる。小池氏は「都民目線で都庁全体に横串を刺す。一丸となって信頼回復に邁進(まいしん)することを貫いていきたい」と強調した。
 (別宮潤一、其山史晃)
 ■移転、先行き不透明 安全性の判断長期化も
 盛り土をしていない豊洲市場は安全なのか。その結論が出るまでの期間は長期化する恐れもある。築地市場(中央区)からの移転計画の先行きは不透明さを増している。
 都が9月中旬に再開した専門家会議(座長=平田健正・放送大学和歌山学習センター所長)は、地下水の分析などを重ねて安全性を調べる予定だ。
 29日には、市場の地下水から環境基準を超える濃度のベンゼンとヒ素が検出されたことが発表された。飲んだり食品を洗ったりしなければ、安全性に問題はないとの専門家の指摘もある。ただ、土壌汚染対策工事が終わった14年10月以降の地下水検査で、ベンゼンなどの濃度が基準を超えたことはなかった。都の担当者は「なぜこのタイミングで出るのか」と頭を抱える。
 食品を扱う施設の特性上、平田座長は「上乗せした対策が必要。業者の方々が『大丈夫だ』と思うかだ」と指摘する。
 都の試算では、移転の延期に伴う豊洲市場の維持管理費は1日約700万円。小池氏は会見で、延期で生じた市場関係者の負担の補償に取り組む考えを示した。移転計画の今後については、こう繰り返した。「総合的な判断をしたい」
 (小林恵士、末崎毅)
 ■<視点>無責任体質、見直す覚悟を
 16万人超の職員、年7兆円の一般会計予算。一国に匹敵するほどの巨大組織、東京都のずさんな組織運営の実態が明らかになった。今回の問題は一部局にとどまらない。都庁全体の無責任体質が表れたものだ。
 報告書によると、経費6千億円近い大型事業にもかかわらず、その安全を支える根幹の盛り土について、部局トップの市場長が判断して事を進めた形跡はなかった。担当者らは「許可済み」と思い込み、上司や他の担当と連携せずに設計を固めていった。
 「流れの中で、空気の中で」。小池百合子知事の言葉を借りれば、そんな雰囲気で大きな事業が形になり、都民や議会には事実と異なる説明を続けていた。さらに、調査を尽くしたにもかかわらず、責任者を特定できなかった。その東京都に、2020年五輪・パラリンピックという世界的イベントが開催できるのか。あらわになった課題解決を急ぐ必要がある。
 小池氏は「東京大改革」を掲げ、20年五輪など都の事業見直しを次々と始めている。都議会とのなれ合いを含め、歴代知事が放置してきた組織運営の抜本的見直しに切り込めるのか。都民との約束を実行する覚悟と実現力が問われている。
 (岡雄一郎)
 
そもそも、2008年12月に都が技術会議に「地下水の浄化のため建物下に作業空間が必要」と説明して以来、何度か地下空間についての話が出てきており、特に興味深いのが2011年8月に開かれた都の市場当局による部課長会で、ここで地下にモニタリング空間を設置する方針が確認されているらしい。
 
それならば、この部課長会議に出席した担当者をまず個別に調べ上げ、ピンポイントで犯人特定なんかをしないで、まずは部局ごとに責任を追及していけば、自己保身から思わぬ人物の名前が飛び出してこないとも限らない。
 
最近読んだ週刊誌に.こんな投書が掲載されていた。
 
【豊洲への新都庁移転を提案】
 汚染と水漏れ、設計上の問題、さらに情報隠蔽が加わり、豊洲新市場は原発並みの惨状だ。こんな大問題をなぜこれまで取り上げられなかったのか、大手マスメディアの責任も問いたいところだ。
・・・役人にもそれなりの責任を取らせたい。そこでこんな対応を考えた。
 まず、築地は営業を続けながら部分的に改築を進める。東京五輪の重要な輸送路だという道路の計画は破棄する。
豊洲の件で都知事にエールを送った五輪相に"融通"を利かせてもらおう。
 工事の受注企業には都議への献金は"捨て金"だったと諦めていただく。損害賠償を請求してきたら、今後いっさい公共事業を発注しないと、都と国で連携して"恫喝"すればいい。豊洲の方は小規模改装を行って都庁として使う。都の職員には面倒で申し訳ないが、このたびの不祥事の"連帯責任"で事務所を移転してもらう。・・・・。
 さて、残るのが新宿の都庁だ。通勤至便なこの場所をまずは更地にして、超高層の緑豊かな低所得者向け住宅を建てる。
  居住者だけでなく、都内在住者・在勤者なら誰でも子どもを預けられるように、またいつでも家族を見舞えるように、保育所や高齢者介護施設などをたくさん併設する。
 災い転じて福となす。・・・。
 
あながち突拍子もない提案とは切り捨てるわけにはいかない。
 
そもそも3兆円もかかるという2020年東京五輪を返上すれば、そんな費用はいくらでも調達できるのではないだろうか、とオジサンは思う。   

posted by 定年オジサン at 12:13| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月25日

臭いものに蓋をするのが好きな日本人だが、パンドラの箱の底には何がある?

すでに国家としての形を失ったと指摘されているシリア。 
 
そのアサド政権は自国民を殺すことに何の躊躇もなくなっている。
 
混迷するシリアを巡り、アサド政権を支援するロシアと反体制派を支援する米国との「1週間の様子見停戦」はもろくも崩れ、再びシリア国内で多くの子どもたちを始めとする市民が殺され始めている。  
 
<停戦崩れ、シリア空爆激化 アレッポ死者100人超か 米ロなお溝、交渉不調>
 2016年9月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 ロイター通信は、現地病院関係者の話として、23日までに91人が死亡したと伝えた。在英NGO「シリア人権監視団」によると24日の空爆で少なくとも25人が死亡した。
 負傷者の救助を続ける非武装中立のボランティア組織「シリア民間防衛隊」のイブラヒムさん(29)は23日夜、朝日新聞の電話取材に「空爆は20日から続いている。夜間も空爆が続き、防衛隊の救出作業は困難を極めている」と話した。防衛隊の拠点のうち3カ所も空爆の標的となったという。
 国連児童基金(ユニセフ)によると、反体制派が支配しているアレッポ東部の約25万人に水を供給している水道施設が空爆で損傷した。反体制派は報復として政権支配地域のアレッポ西部の150万人に水を供給する施設の電源を遮断した。ユニセフは「水供給の途絶は特に子どもたちに深刻な健康リスクを引き起こす」と警告した。
 国連総会が開かれているニューヨークでは、ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相が、停戦の維持を図ろうと話し合いがもたれたが、両者の主張はすれ違ったままだ。ケリー氏は21日、「彼らは異世界にいる人々のようだ」とロシア側への不満をあらわにした。
 国連総会中、米ロに加え、欧州や中東諸国の外相を交えた「国際シリア支援グループ」(ISSG)の会合が急きょ、2度も開催された。
 しかし、米国は、ロシアが支援するアサド政権が、停戦合意に違反していると批判。一方のロシアは、米国が支援する反体制派に問題があると譲らなかった。米国が、一定期間の軍用機の飛行停止を提案したが、ロシア側に応じる気配はなく、不調に終わった。
 両氏は23日にも会談。ラブロフ氏は会談後の記者会見で、反体制派の一部がアルカイダ系のシリア征服戦線(旧ヌスラ戦線)と共闘していると指摘。反体制派とテロ組織が分離されていないのは、米国に責任があると批判した。
 (ドバイ=翁長忠雄、ニューヨーク=杉山正)
 
結局のところシリアでも「米ロ代理戦争」が行われているのだが、この膠着状態の原因はどうやら米国のオバマ大統領のあと2カ月余りの任期と大いに関係があり、一橋大学から外務省に入った変わり種の外交評論家の岡本行夫は今朝のTBS「サンデーモーニング」で、「オバマ大統領は未来の核廃絶よりも当面のシリア内戦をどうするかに注力すべき」という主旨の見解を示していた。
 
すでにオバマ米大統領は1月12日、上下両院合同会議で今年の内政・外交の施政方針を示す一般教書演説の中で、「危機的状況にある全ての国を引き受け、再建することはできない」と述べて「脱・世界の警察官」を宣言する一方、「世界で孤立もせず、米国の安全と強さを確保する」方法を見つける必要があると訴えた経緯がある。
 
さらに次期大統領に世界の関心が集まっている現状では、オバマ大統領が自らシリア問題の解決に乗り出すことは期待できず、先の岡本行夫の言葉を借りれば「レバノン内戦は15年も続き、シリアはまだ5年くらいなのでこれからも続く」ということらしい。
 
もはや世界には「鶴の一声」を発することができる指導者がいなくなったということか。 
  
日本人には「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とか、「人のうわさも75日」といった言葉が多々あるが、やはりどんなに年月が経っても忘れてはいけないものもあり、その当時の記録を残し未来につなげるということが大切である。
 
それが歴史的な大事故の場合は、決して2度と繰り返してはならないためにも、失敗から学ぶ姿勢こそが事故を繰り返さない基本にもかかわらず、せっかく集めた貴重な資料が生かされていないという事実が明らかになっている。 
 
<国会事故調、進まぬ開示 福島第一原発検証、のべ1167人聴取>
 2016年9月25日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20160925kokkaijikochou_asahi.jpg  東京電力福島第一原発の事故を検証した国会事故調査委員会の収集記録を国会が公開せず、閲覧できない状態が続いている。事故原因を究明する独立調査委を設けるよう求めた事故調の提言も実現していない。原発が再稼働し、廃炉費用の国民負担をめぐる議論が進む一方、事故に学ぶ姿勢がおざなりになっている。
 国会事故調が集めたのは政府、東電の内部資料のほか、事故当時の状況について関係者のべ1167人から計900時間を超えて聴取した記録などだ。分量は段ボール箱77箱分。公開の場で聴いた菅直人元首相らの聴取録もある。2012年7月に事故調が報告書を公表した後は、国会図書館の倉庫に保管されている。
 聴取録のなかには、非開示を前提にした内容もある。このため、同月に事故調が解散したときは、衆参両院の議院運営委員会が記録開示に必要なルールを定めることにしていた。
 事故調の側も開示に備えて、調査の経緯や資料の出典を含めた記録を残した。委員長だった黒川清・東大名誉教授は「記録をもとに新たな報告書や本にする人たちが出てくるなど、記録から事故の背景などを学ぶことができる。失敗から学ぶ姿勢こそが事故を繰り返さない基本だ」と語る。
 ところが議運メンバーが始めた議論は、同年11月に野田佳彦首相(当時)が衆院を解散したあおりで中断。自民、公明両党が政権復帰した後、超党派議連の「原発ゼロの会」(約70人)の要請で、衆院議運の小委員会が1度開かれたが意見交換どまりだった。
 「原発を推進した自民党にとっても、事故対応にあたった民主党にとっても不都合な内容が記録に含まれている可能性があり、与野党双方が開示に及び腰だ」と議運メンバーは説明する。何より議員の熱が冷めている。
 今年4月、自民党原子力規制に関するプロジェクトチーム座長で福島県選出の吉野正芳衆院議員の働きかけで、河村建夫氏が衆院議運委員長として初めて保管状況を視察した。河村氏は「(事故から)5年経ったので両院で協議したい」との考えを示したが、今月26日に始まる臨時国会で委員長を交代。積み残した課題として引き継ぐという。
 ■提言実現は一部
 国会が消極的なのは、記録の開示だけではない。事故調は報告書で7つの提言をした。国会には、民間中心の専門家からなる独立調査委の設置を求めた。事故調の解散後も、未解明な事故原因の究明などに継続的に取り組む組織になるはずだったが、議運では話し合いが行われていない。
 一方、規制当局を監視する委員会の常設を求める提言は、13年に衆参両院にそれぞれ特別委員会を設置する形で実現した。ただ、電力労組出身や原発立地県選出の議員が、再稼働に対する規制当局の審査の厳しさを批判したり、原発の運転期間を原則として40年以内とするルールの見直しを求めたり、原発推進を主張する場にもなっている。
 事故調の提言実現を目指す原発ゼロの会事務局長の阿部知子衆院議員(民進)は「原発事故は時間が経ってからわかるものもあるのに究明の場が閉ざされている。事故検証を続ける仕組みを整えることは立法府の責任だ」と話す。
 ■「ルール作り、原則公開を」
 曽根泰教・慶応大教授(政治学)の話 国政調査権を持つ国会による調査は国民に代わって調べるもので、得られた記録はプライバシーにかかわる点などを除き、原則公開が望ましい。国会事故調は国政調査権を背景に初めて国会に設けられた組織だ。今後の前例にもなるので、早く開示のルールを作るべきだ。
 ◆キーワード
 <国会事故調査委員会> 東京電力福島第一原発事故の原因を究明するため、国会固有の国政調査権を背景に、政府からも事業者からも独立した調査委として衆参両院が2011年12月に設置。12年7月に約600ページの報告書をまとめ、事故を「自然災害ではなく、明らかに人災」と断定した。政府が設けた政府事故調査・検証委員会とは別組織。こちらは当初非公開とした聴取記録のうち、本人の同意が得られたものを14年9月から順次開示している。
 
まさに「原発を推進した自民党にとっても、事故対応にあたった民主党にとっても不都合な内容が記録に含まれている可能性があり、与野党双方が開示に及び腰だ」という言葉にすべてが込められているようだ。
  
近い将来、似たようなことになりかねないのが、ますます混沌としてきた豊洲新市場関連問題。
 
都庁内では、「地下空間を推進した○○局にとっても、盛り土を推進した○○にとっても不都合な内容が・・・」とか、さらには、「豊洲移転を推進した・・にとっても、豊洲不具合の対応にあたった・・・にとっても不都合な内容が・・・」という事態になりかねない。 
 
もうすでにパンドラの箱は開けられてしまったらしいので、中途半端で閉めることは許されない。
 
一度解散した当時の専門家会議の座長の平田健正・放送大和歌山学習センター所長は、液状化対策の必要性も示したという。

<豊洲たまり水 専門家座長も「地下水」 液状化対策が必要>
 2016年9月25日 朝刊 東京新聞
 築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の盛り土問題で、安全性を確認する「専門家会議」座長の平田健正(たてまさ)・放送大和歌山学習センター所長は24日、水質調査の結果から、建物下の地下空間にたまった水は地下水だと発表した。都の調査では地下空間の水も空気も環境基準を満たしているが、今後、調査地点を増やして検証を続け、液状化への備えなど必要な対策を専門家会議で議論する方針を示した。
 平田座長は豊洲市場で、地下空間にたまり水のある水産卸売場棟など四棟を視察後、記者会見した。
 15日に3棟の地下空間と周辺の井戸から取った水のイオン濃度を調べたところ、組成がほぼ同じで「都は雨水ではないかと言ったが、明確な間違い。調査結果を見れば、地下水しかあり得ない」と述べた。地下空間の水からベンゼンやシアン化合物は不検出で「水道水レベル。安全ということ」と説明した。
 地下空間の地下水は、砕石層がコンクリートで覆われていない床部分から湧き出したとの見方を示し、10月中旬に予定する地下水管理システムの稼働によって「水は減っていくと思う」と説明。地震による液状化で泥が噴き上げないよう「地下水が上がってくるところはふさぐことが大事だ」とも述べた。たまり水については、共産党都議団が16日、独自調査の結果から地下水だと指摘していた。
 地下空間の大気中のベンゼン濃度の調査結果も初めて発表。15〜16日に三棟の九カ所で採取した空気中、ベンゼンは1立法メートル当たり0.0005〜0.0025ミリグラムで、環境基準(同0.003ミリグラム)を下回った。「一般環境大気に比べて過大でなく、安全」と評価した。平田座長は「築地市場の方々がどう考えるか、意見を聞いてみる必要があると思う」と話した。
 
液状化といえば、5年前の東日本大震災を引き起こした震度6の地震により、その昔は海だった埋立地の新浦安に住んでいる知人がこんな写真を送ってくれたことがある。
 
20160925urayasuekijyouka.jpg
 
さらには地震発生当時の豊洲の状況は東京新聞の「こちら特報部」がこう報道してた。
 
20160925toyosukeijyouka.jpg
   
「草ぼうぼうの空き地は埋め立て地だ。あちこちに水たまりがあり、油が流れた虹色の皮膜が見える。月面のクレーターのように、なだらかに盛り上がっている砂山も点在する。大きさはさまざまで、表面には水が流れたような筋もついている。
 色は真っ黒。水を含んで泥のようだが、乾くとさらさらと砂鉄のように細かい。埋め立てに用いたのは、海から浚渫した土砂で、地中から表に噴き出していた。」
 
豊洲新市場は「土壌汚染対策」のみならず「液状化対策」も必要なのだが、現在すでに市場周囲の道路ではその現象が現れているという。
 
それにしても「開場」前に余りにも多くの税金を使い過ぎてしまった豊洲新市場。  
 
「築地の改修はカネがかかるから安い豊洲へ」という話しが、豊洲で市場を開場するには、最終的には1兆円くらいになるという。 
 
<許していいのか 豊洲問題に投じられる都民の血税1兆円>
 2016年9月25日 日刊ゲンダイ
 いよいよ底ナシになってきた。東京・築地市場の豊洲移転をめぐる問題。土壌汚染対策で「盛り土」が必要とされながら、建物の地下に空間が広がり、今もナゾの汚染水がたまり続けるなど、新たな疑惑が出るわ出るわ。もはや豊洲市場の開場は「延期」どころか、「中止」が現実味を帯びているが、気になるのは結局、都民負担が一体、どのくらいになるかだ。
 今年3月15日の都議会「経済・港湾委員会」。これまで豊洲市場の整備に投じられたカネについて、答弁に立った都担当者はこう説明した。
〈豊洲市場整備に係る事業費の執行を開始した平成13年度末の(市場会計の)保有資金は約2800億円であり、来年度予算案の平成28年度末予定貸借対照表におきましては、保有資金は約455億円と見込まれます〉
〈平成13年度末の(市場関係の)企業債残高(借金)は約954億円であり、来年度予算案の平成28年度末予定貸借対照表におきましては、企業債残高は約3763億円と見込まれます〉
 つまり、豊洲移転によって資産はこの15年間で6分の1に減り、代わりに借金が約4倍に増えているということ。豊洲移転には既に6000億円近いカネが投じられているのである。
「豊洲移転がパーになれば、これまでの6000億円近いカネがドブに捨てられることになる。このため、都はもう後戻りできないと何が何でも豊洲移転を進めるでしょう。しかし、今のままでは移転はムリだから、何らかの対策が必要になる。開場延期による営業補償、新たな汚染対策費、再度の環境アセス……。今後、数千億円規模の負担は免れません」(都政担当記者)
 今までの費用と合わせると、豊洲移転には少なくとも1兆円規模のカネが必要になる計算だ。「築地の改修はカネがかかるから安い豊洲へ」だったはずなのに、こんなバカな話はない。小池百合子都知事はきのう(23日)の会見で、豊洲問題について「犯人捜しが目的ではない」なんて言っていたが、冗談じゃない。犯人を締め上げて責任を追及しなければ都民も納得しない。それに犯人を特定する“証拠”はいくらも残っているのだ。
 「例えば、08年12月15日に開かれた『第8回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議』。会議録には、都職員が改正土壌汚染対策法に触れつつ、豊洲市場の地下について『地下水浄化ができるような、そういった作業ができるような空間も確保する(略)こういった対策を東京都としては考えていく』と発言しています。要約すれば『都は地下空間をつくろうと考えている』と断言している。ここから遡れば、どこに“真犯人”が潜んでいるのかが分かります」(前出の担当記者)
 都民に1兆円規模のカネを負担させるオトシマエを、きっちりつけてもらおうじゃないか。
 
ギリシャ神話によると、神によって作られた人間の世界には、もともと「災い」がなく、男性しか存在していなかった。
それを良しとしない最高神のゼウスは、息子でもあるオリンポス12神の「ヘパイトス」に人間に災いをもたらすために人間の女性を作らせた。
その女性にゼウスが命を与え、そして 「全ての神からの贈り物」 という意味の名前を付けたのが「パンドラ 」。
このパンドラを、地上の人間の元へ連れて行く際、ゼウスが渡した箱が「パンドラの箱 」であり、その中には悲観、不安、嫉妬、争い、苦悩、悲嘆、欠乏、後悔、疫病、その他、ありとあらゆる災いが詰められていたという。
話しを簡単にすると、箱の中身が気になるパンドラはその箱を遂に開けてしまい、慌てて蓋を閉めたものの、時すでに遅し。
災厄は人間界に解き放たれてしまい、そして閉じられた箱の底には「希望」だけが残っていたという。
 
「男性が幅を利かせていた男社会」の都庁の中に都民がユリコという女性を送り込んだ。
 
そして長年、誰も触らなかった「トヨス」という地下の扉を開けてしまった。そして・・・・。
 
神話では、パンドラの箱の底には「希望」が残っていたというが、それが時には不吉な「予兆」にもなり、はたしてどちらに転ぶかは神のみぞ知るのかもしれない、とオジサンは思う。     

posted by 定年オジサン at 13:05| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 築地市場移転問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月20日

あきらめない雨中の23000人と往生際悪い伏魔殿の主

多少の雨は覚悟して出かけた昨日の国会前。
 
なんとか正門近い並木通りの石垣に座って、霧雨模様の中で開会まで待つこと約1時間。
      
「八王子生まれ・育ち!国会前デモの美人女闘士」とネット上で評判(?)の、「許すな!憲法改悪 市民連絡会。解釈で憲法9条壊すな!実行委員会。戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の街頭宣伝を企画担当している菱山南帆子嬢の司会で始まる。
 
さっそく例のコールが始まるが、正直なところ最近はこのコールは少々耳に付く。     
    
それでも周囲に座っている昭和前期生まれと思われるお姉さんたちは元気よくコールに応える。
 
 
 
開会冒頭、野党の代表が挨拶を始めた。
 
戦争法1年 国会前 4野党代表が勢ぞろい
 
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(写真)そろってコールにこたえる4野党代表。左から福島、岡田、志位、木戸口の各氏=19日、国会正門前
  
 
なぜか野党第一党の民進党の代表は、岡田克也元代表。
 
本来ならば生きのよい新しい代表が来てもよさそうなのだが、それができない複雑な内部事情を抱えている民進党。
       
「今日は雨の中、こんなにたくさんの皆さま、ありがとうございます」と岡田元代表が言った時、オジサンは思わず「お前にために来たのではない」とヤジったら、志位和夫共産党委員長ファンらしきお姉さまたちから、大きな笑い声が聞こえた。
 
段々と雨脚が強くなり座っていられず立ち上がり、傘を差しながらの1時間半余りの抗議行動に耐えた。
 
それでも一部を除けば、発言者の話の内容はそれぞれの立場から興味深い話も飛び出した。
 
元自衛官の人は、稲田朋美防衛相が17日に予定していた南スーダン訪問を取りやめた理由をこんな風に話していた。
 

 
実は南スーダンの首都ジュバは、日本政府は認めていないが既に内戦状態になっており、「稲田朋美防衛相がそこでPKOに参加している陸上自衛隊部隊を視察するためには『公人エスコート』が必要であるが、現地の自衛隊には公人擁護の命令を出しておらず、替わりに現地滞在の韓国軍や中国軍に依頼することをも出来ず、アレルギー症状を発症したことを理由に取りやめた・・・らしい」
 
まあ、主催者発表といえども、かなりひどくなった雨の中、よくも老々男女がこんなに集まったものである。       
    
戦争法1年 たたかい止まらない 国会前、雨つき2万3000人 市民と野党の共同さらに 全国400カ所超」 
 
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(写真)戦争法廃止を訴える国会正門前行動の参加者=19日、東京都千代田区

 
安保法成立1年 廃止、諦めない…各地で抗議集会
 
20160919kokkaimae.jpg安全保障関連法の成立から1年がたち、国会議事堂(左奥)近くでの抗議行動に雨の中でも集まる人たち(右)。左は警戒する警官らと報道陣=東京都千代田区で2016年9月19日午後4時31分、山本晋撮影
      
さて、そろそろ豊洲新市場の「闇の劇場」もそろそろ閉幕を迎えるようである。
 
4.5mの盛り土で土壌汚染問題を解決することを前提に豊洲新市場移転が決まったはずだったのが、その肝心の盛り土が全くされておらず、「立派な地下空間」が出来ていたという闇に包まれたミステリー。
 
すでに、「新国立競技場の二の舞いになるのか豊洲新市場」の中で、9年前の「第1回豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の議事録では、石原慎太郎元都知事に「下から」と言われた比留間中央卸売市場長が挨拶の中で、「建物建設地以外は掘削いたしまして土壌の入れかえ等を行い、その上に法令の指針を上回る厚さの盛土を行ってまいります。」という発言をしていた事実を示した。
 
その後、犯人探しが始まり二転三転しながらも、ようやく動かぬ証拠が出てきた。 
      
<盛り土、厚いコンクリで代替 設計時に都部局判断 豊洲市場>
 2016年9月20日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 東京都の築地市場(中央区)から移転を予定する豊洲市場(江東区)で、主な施設下に土壌汚染対策の盛り土がされなかった問題で、都の担当部局が設計段階で「(建物の1階の床下を)厚いコンクリートで隔てれば、盛り土と代替可能」と判断していたことが19日分かった。
 豊洲市場については、都の「専門家会議」が2008年、盛り土による対策を提言。しかし実際には、主な3棟などで地下に空間が設けられ、専門家会議の了承も得られていなかった。
 都中央卸売市場の元担当者は「厚さ10センチ以上という土壌汚染対策法の基準を満たすコンクリートがあれば、(盛り土でなくても)十分対応可能と内部で議論した」と明かした。
 11年3月に大手設計会社・日建設計に基本設計を発注する際、建物下部と地下空間を隔てるコンクリートを厚くするよう条件をつけ、結果的に厚さは35〜45センチに。ただ、揮発したベンゼンをコンクリートで遮断できるかどうかは当時、判断しなかったという。元担当者は「専門家会議に説明し、効果を確かめてもらうべきだった」と話した。
 一方、11年8月に都と業者の間で交わされた土壌汚染対策工事の契約時の仕様書に、豊洲市場の建物の下には盛り土をしない内容が明記されていることが分かった。契約書には当時の石原慎太郎都知事の印鑑が押されており、石原氏の当時の認識が問われそうだ
・・・後略・・・
 
朝日新聞では、さらっと「契約書には当時の石原慎太郎都知事の印鑑が押されており」と書いていたが、都知事の印鑑を局長レベルが簡単に押せるものではなく、当然内容を確認したうえで当時の石原慎太郎都知事が押印したとみるのが一般的である。
 
まさか、それが「メクラ判」とか、「俺が知らないところで勝手に押された」となれば、もっと大問題であろう。 
    
昨夜の国会前の行動から帰宅後、テレビのニュースを見て、すべての流れが明らかになったようだった。    
    
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【情報画像…Nスタ ニューズアイより】
    
    
<建物下に盛り土なし工事、石原元知事が契約承認>
 TBS系(JNN) 9月19日(月)19時21分配信
 豊洲新市場の盛り土問題について、小池知事へ週内に調査結果が報告されます。一方、2011年8月、豊洲新市場の建物の下に盛り土をしない工事の契約がかわされ、石原元知事が承認をしていたことがわかりました。
 「答えない。面倒くさい。同じことだ」
 18日、取材には答えないと話す石原元都知事。その石原元都知事の印鑑が押された工事契約書。タイトルは「豊洲新市場土壌汚染対策工事」。費用は333億4275万円、日付は2011年8月30日です。契約書に記された内容は・・・
 「豊洲新市場予定地における施設建築物の建設エリア以外の」
 「盛土」
 「汚染のおそれのない土で埋め戻すこと」
 新市場の建物以外に盛り土をする、つまり建物の下の盛り土を行わない契約書なのです。
 「私は下から聞いたことを皆さんに報告しただけ」
Q.下というのは?
 「市場長でしょ」(石原慎太郎元知事 今月15日)
 石原元知事は当初、2008年に市場長から、建物の地下を、盛り土ではなく、コンクリートの箱にする案を提案されたと主張。しかし、当時の市場長が反対に「石原知事から提案された」と主張すると、一転して自らの指示だったことを認めたのです。
Q.2、3聞きたいことが・・・
 「いいんです。同じことを繰り返すつもりはないから」(石原慎太郎元知事 18日)
 結局、この地下コンクリート案は採用されなかったものの、今回、2011年8月に豊洲新市場の建物の地下に盛り土をしない契約書を石原氏が承認していたことがわかりました。資料を入手した一級建築士の水谷和子氏は・・・
 「建設エリア以外については埋め戻すが、建設エリア以内は盛り土をしないということがここに明記されている」(一級建築士 水谷和子氏)
 契約書の日付については・・・
 「平成23年8月30日になっています」
Q.この時点では盛り土はしないと決まっていた?
 「そうです。それがあって、この契約に至ったということ」(一級建築士 水谷和子氏)
 19日、リオパラリンピックの閉会式後に小池知事は石原元都知事について・・・
 「当時のご担当の方の発言ということで、その意味では情報として意味があるのだろうと。私の出張中にこれまでの経緯を調べるように指示していたので、戻り次第、調査結果を知りたいと思っています」(東京都 小池百合子知事)
 新市場の移転に影を落とす地下空間。2009年7月まで市場長だった比留間英人氏によると、自分の任期中に地下を空間とする案はなかったといいます。地下を空間とする基本設計ができたのは2011年6月、そして、同じ年の8月、当時の石原知事が建物の地下に盛り土をしない契約書を承認。この間にどんな経緯があったのか、都は2009年以降の担当職員を中心に聴取を進めています。
 
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・・・後略・・・
 
晩節を汚した石原慎太郎。
 
度重なる差別発言では立派な「レイシスト」の称号を頂戴しているが、自ら口走った「都は伏魔殿」といった言葉がそっくりそのままわが身に降りかかってくることは夢にも思わなかった哀しき老兵であろう、とオジサンは思う。      

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