2016年12月24日

年末モード全開だが見逃してはならない事実がある

どうやら日本のメディアは年末モードになってきた。
 
今さらではないが、テレビ番組表をみるとオジサンのような人間にとっては「ウンザリ」する「○○スペシャル」番組が勢ぞろいし、新聞では今年の「重大ニュース」の連載を始めている。
 
過去を振りかえることは決して悪いことではなく、問題は過去の失敗とか間違えを正しく評価できるかだと思う。
 
日本経済新聞によると、6月末時点の国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が1053兆4676億円だったという。
 
この数字は、経済ジャーナリスト・財部誠一氏の「日本の借金時計」でリアルタイムにその金額を確認できる。
 
そんな日本の財政状況を知っているにもかかわらず、相変わらず「地球儀俯瞰的外交」と称してバラマキ外交を続けている安倍晋三首相。
 
ことし最後の大判振る舞い的なロシアに対する経済協力と称するバラマキを含めて、今までの安倍政権として海外にばら撒いた金額を、まとめサイト「安倍政権が外国にばらまいた金額一覧」のタイトルから拾ってみた。
 
【安倍政権が外国にばらまいた金額一覧】
▼ミャンマーに日本への支払いが滞っている債務のうち新たに2000億円免除し、5000億円の債務解消、円借款と無償資金協力を合わせて総額910億円のODA実施
▼中東・北アフリカ地域に対し新たに総額22億ドル=2160億円規模の支援を発表
▼安倍首相、シリアの女性支援にODA3000億円表明 国連演説
▼シリア難民に59億円追加支援、安倍首相が国連演説
▼ASEANに5年間で2兆円規模の ODA拠出を発表
▼「ラオスに円借款90億円」 安倍首相、供与を表明
▼モザンビークに支援表明 700億円のODAを供与
▼アメリカでリニア構想、日本政府が融資提案 5000億円規模
▼インドへ円借款2000億円 首脳会談
▼バングラデシュに6000億円支援=政府
▼安倍首相パプアニューギニアに3年間で200億円規模を供与
▼チェルノブイリ支援に3.5億円=安倍首相表明、
▼インドに5年で3兆5000億円の官民投融資、日本政府が約束
▼日・スリランカ首脳会談、ア施設整備に137億円の借款
▼日本政府、1兆7400億円の途上国支援・気候変動サミットで表明
▼安倍首相、エボラ対策として、国連などに43億円の追加表明
▼安倍首相、中東支援で新たに55億円の緊急支援を表明
▼ガザ復興へ 日本政府、約22億円の支援表明
▼ミャンマーに円借款260億円供与 安倍首相、大統領に表明
▼エジプトに円借款430億円 首相、中東訪問で表明へ
▼安倍首相、中東政策スピーチ 安定化に3000億円支援表明
▼難民支援でヨルダンに147億円 首脳会談で安倍首相表明
▼シリア難民の新たな支援で7億円 政府拠出
▼政府:アジアのインフラ投資支援に約13兆円を提供 AIIBに対抗
▼中国の緑化、日本政府が100億円拠出へ
▼安倍首相エジプトインフラ整備に約411億円の政府開発援助
▼安倍首相、東ティモール大統領と会談。ODA50億円供与
▼安倍首相、ウクライナ大統領と会談。2000億円の経済支援
▼安倍首相、パナマのモノレール事業に約2800億円の支援
▼元慰安婦に1人1000万円…日韓合意
▼安倍首相、ベトナムに気候変動対策として円借款228億円伝達
▼安倍首相、ミャンマーの貧困削減、農村開発に1250億円支援
▼アフリカに3兆円投資 安倍首相表明
▼安倍首相 ケニアに10億円資金協力
▼安倍首相、難民支援に2850億円拠出 国連サミットで表明
▼安倍首相、キューバに12億円の医療機器供与
▼ヨルダン支援で300億円=安倍首相が国王に表明
▼フィリピンのドゥテルテ大統領地元に農業支援 安倍首相、50億円供与伝達
▼安倍首相、ミャンマーに8000億円支援表明
▼<安倍首相>「途上国の女性に3450億円以上」支援
▼日本政府、英原発に1兆円の資金援助へ
▼【ロシア】日ロ首脳会談 日本側の経済協力3000億円規模で合意
  
合計金額を計算するのもバカらしいのでやめておく。
 
さて話はがらっと変わるが、世界で後進国とか途上国呼ばれる国ではしばしば内乱が起きる。
 
とりわけアフリカでは今から四半世紀前のルワンダ紛争がいまだ記憶に残っている。
 
アフリカ中央部にあるルワンダにおいて、1990年から1993年にかけ、フツ系の政府軍及びインテラハムウェと、ツチ系のルワンダ愛国戦線との間で行われた武力衝突・ルワンダ内戦と、和平協定後も続いたツチとフツ等の対立、虐殺を指す。
(Wikpedia)     
 
一般に内戦とは、時の政府軍と反政府軍という対立構図を指すのだが、ルワンダの場合は政府軍のバックにはフランス陸軍、反政府軍であるルワンダ愛国戦線にはウガンダ軍がいた。
 
従って交戦状態では、フランスとウガンダがそれぞれ武器の調達支援をしていた。 
 
同じアフリカではスーダンから分離独立した南スーダン内でも政府軍と反政府軍の衝突と日本政府が強弁している内戦が行われている。
 
この国は大統領派と副大統領派の対立なのだが、背景は2つの民族(ディンカとヌエル)の対立があった。
 
内戦に必要な武器は国内で生産されるものではなくほとんどが他国から入ったものである。
 
そのため内戦をこれ以上悪化させないためにも、南スーダン政府や反政府勢力への武器禁輸などの対南スーダン制裁決議案を米国が非常任理事国の日本に賛同を強く求めていたにもかかわらず、「南スーダン安保理制裁決議案 米の賛同要求、日本難色」ということが今週初めに報じられた。
 
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その後、日本は同盟国の米国の賛同要求に応えず、棄権をして決議案は否決されてしまった。
 
<国連安保理 南スーダン制裁決議案を否決 日本は棄権>
 毎日新聞 2016年12月24日 00時49分
 【ヨハネスブルク小泉大士】国連安全保障理事会は23日、南スーダンへの武器輸出を禁止する制裁決議案を採決した。理事国15カ国中、採択に必要な9カ国の賛成が得られず、決議案は否決された。
 陸上自衛隊を現地の国連平和維持活動(PKO)に派遣する日本は棄権した。制裁が南スーダン政府を刺激し、自衛隊のリスクが高まることを懸念したと受け止められている。
 国連の専門家が「民族間の対立がジェノサイド(集団虐殺)に発展する恐れがある」と警告する中、米国のパワー国連大使は武器の流入を食い止める必要があると主張、決議案に慎重な日本の対応を批判していた。
 採決では米英仏など7カ国が賛成し、日本、ロシア、中国と、アンゴラなどアフリカ3カ国を含む計8カ国が棄権した。
 南スーダンでは、政府軍側が大量の武器を国外から持ち込み大規模戦闘の準備を進めているとの見方も広がっている。
 
それにしても、「制裁が南スーダン政府を刺激し、自衛隊のリスクが高まることを懸念」ということは理解しがたい。
 
南スーダン政府軍と反政府軍は民族間対立が根本にあり、日本政府がPKOに派遣した自衛隊員は基本的には政府軍寄りである。
 
その政府軍が「大量の武器を国外から持ち込み大規模戦闘の準備を進めている」としたら、南スーダン制裁決議案が否決されたことにより、反政府軍への攻撃が強まり、ますます内戦の危険性が増してくる。
 
そして反政府軍が難民たちに紛れて国連PKO部隊の宿営地に避難してきた場合は、一体どのような対応をするのか。
 
そしてそのような現地での対応がキチンと記録に残され、PKO任務終了後の検証に使われなければならない。
 
1年ほど前に、北海道新聞に「『経済的徴兵制』を書いた 布施祐仁さん」と紹介されたジャーナリストの布施祐仁氏が貴重な情報を入手した。
 
<PKO部隊の日報廃棄 南スーダン7月の武力衝突 防衛省「目的終えた」>
 2016年12月24日 07時02分 東京新聞
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防衛省の不開示通知書(抜粋、赤線は本紙記載)

 アフリカの南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊が、首都ジュバで7月に大規模な武力衝突が発生した際の状況を記録した日報が、廃棄されていたことが分かった。陸自の文書管理規則が定める3年間の保存期間に満たない。治安が悪化する同国でのPKOは派遣要件を満たしていないと疑問視する声が強いが、日報の廃棄でさらに批判が高まる可能性がある。
 南スーダンPKOは半年ごとに部隊が交代しており、7月に活動していたのは10次隊。ジャーナリストの布施祐仁(ゆうじん)氏が情報公開法に基づき、同月7〜12日の日報を9月末、防衛省に開示請求したところ、今月2日付で「既に廃棄しており、保有していなかった」とする通知を受けた。
 同省によると、陸自の文書管理規則では、PKO関連文書の保存期間の基準は3年間。一方で「随時発生し、短期に目的を終えるもの」や「1年以上の保存を要しないもの」は、例外的に1年未満で廃棄できる。
 同省統合幕僚監部の担当者は、廃棄の理由について「上官に報告した時点で、使用目的を終えた」と説明。これ以外の日報も、紙や電子データを含め、同様に廃棄しているという。
 陸自は、日報に基づき、後続部隊ヘの教訓をまとめた「教訓要報」を作成しており、当時の現地状況もこの中である程度記載される。しかし、原本に当たる日報が廃棄されてしまえば、治安の実態や自衛隊の行動について国民が正確に把握することが難しくなる。
 布施さんは「これが許されるなら、あらゆる報告文書はすぐに廃棄されてしまう。国民の検証のために公文書を保管する意識が欠如している」と批判する。
◆黒塗りより深刻
 日報廃棄の問題からあらためて浮かび上がるのは、活動継続への疑念が強い南スーダンでのPKOについて、国民に正確な情報を届けて理解を得ようという意識が、安倍政権に依然として薄いことだ。
 ジュバで最初の大規模衝突が起きた、2013年12月に派遣されていたPKO五次隊の「教訓要報」には、隊員らが防弾チョッキと鉄帽を着用したり、撤退経路を偵察したりという対応が記されている。
 これを作成する材料となった日報が存在していれば、国民は当時の状況をより詳しく知ることができた。
 まして今回、日報の廃棄が判明した六日間は、陸自の宿営地の隣にあるビルで銃撃戦が起きるなど、13年に劣らず緊迫していた状況が明らかになっている。日報の廃棄が、検証を難しくした可能性は大きい。
 PKO関連文書の保存期間を原則3年間と定めた、文書管理規則が形骸化している事実も見逃せない。今回のように「上官に報告したから」という理由での廃棄がまかり通れば、組織にとって都合の悪い文書はすべて公開せずに済む「抜け道」になりかねない。
 南スーダンPKOを巡っては、これまでも現地報道を基にした地図を黒塗りにして公表するなど、情報公開に消極的な政府の姿勢が批判されてきた。黒塗りどころか、将来公開される可能性を摘む「廃棄」は、より深刻な問題だ。 (新開浩)
 
日報廃棄理由が「上官に報告した時点で、使用目的を終えた」ということがまかり通れば都合の悪いことはすべて「上官に報告したから」で隠蔽することが可能になってしまう。
 
TPP関連資料の黒塗りの、いわゆるのり弁状態よりも悪質である。
 
これでは、現地に派遣された自衛隊の戦闘中の死傷者も、衝突事故死どころか、「上官に報告した」だけで闇に葬らされてしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:57| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 南スーダンPKO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月18日

アメリカファーストのトランプと日本をトリモロス安倍晋三、ならば自衛官を無駄死にさせるな

ようやく国会において衆参両院の憲法審査会が一昨日と昨日開かれた。
 
どうやら「改憲派」が3分の2を占めたにもかかわらず、その「改憲」の中身は各党さまざまで、自民党だけが浮き上がっているようであった。
 
参議院憲法調査会では、「自民『改憲は議員の責務』 慎重・反対『憲法理念の実現こそ』」。
 
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一方、衆議院の憲法審査会では、「『9条改憲』明言は自民だけ 改憲派、与党内も主張に隔たり」となっていた。
 
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政党間では「自民党の前のめり」感が強くでていた憲法審査会なのだが、その自民党内でも一人「前のめり感」が露わになったのが、世界中の首脳よりも早くトランプ次期大統領の下にはせ参じた安倍晋三首相であった。
 
その会談内容の詳細は国会でも明らかにしないらしいのだが、どうやら急遽、ニューヨークに途中下車した真の理由はこんなところだったようである。その行為は「暴力団の儀式」と酷評されていた。
ドナルド・トランプが大統領選挙に当選する約1か月ほど前には、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは、「トランプは、誇張する形で自由貿易に反対する彼が、アメリカ国内の雇用市場を改善してくれるのではという期待につながっているからだ」という分析に対して、「経済的な困難を移民や有色人種のせいにする、白人低所得者層の人種的な緊張感を利用している」に過ぎないと分析していた。
 
<ポール・クルーグマンがトランプ氏批判「優れたビジネスマンは、マクロ経済の知識ない」>
 2016年10月15日 17時02分 JST The Huffington Post
 「経済的不安は、誰がトランプ支持者かを見分ける最良の指標ではない」と、クルーグマン氏は8月にブルームバーグTVのインタビューで答えている。「人種的対立が、トランプ支持者を見分ける格好の目印だ」
リアリティ番組のスターだったトランプ氏は、自身が「労働者階級の大資産家」であり、そのファシスト的なスタイルと、これまでの伝統的な大統領のあり方を否定することで、自身が一般大衆の声を代弁することになる、とぶちあげている。ここ何十年かで雇用が海外に流出し、苦しんでいる工場労働者たちを守ると、彼は誓っている。不景気にあえぐ鉱山業界の雇用を促進するため、最も環境汚染度が高い化石燃料である石炭への制約を減らすとも明言している。
トランプ氏はFoxテレビの番組の「Foxビジネス」で、民主党候補のヒラリー・クリントン氏が公約に掲げた「アメリカ全土で老朽化したインフラの再建費2750億ドル」を「少なくとも倍増させる」と語っている。この公約は、政府歳出を抑えるという共和党正統派の理念とは決別することを宣言したものだ。クルーグマン氏は、マイナス実質金利が政府の借入を利益事業にしている現実があるのにもかかわらず、トランプ氏の公約の実現性に疑問を呈した。
「彼は、『インフラのために借入するべきだ』と誰かが言ったのを聞いていた。そこでテレビ番組に出て、『それが今やるべきことだ』と言っている」と、クルーグマンは言った。
資産と派手な不動産業界での経歴を誇示するトランプ氏は(両方とも父親からの相続だ)、ほとんどの職歴が公的機関であるクリントンよりも、自分の方が優秀な経済のマネジャーになるのは当たり前だと主張している。
「私たちは、ビジネスでの経験が経済政策を回していくのに重要だ、という錯覚を持っている。しかしそれらは、全くの別物だ」と、クルーグマン氏は述べた。「優れたビジネスマンは一般的に、マクロ経済学について何の知識もない」
トランプは、環太平洋連携協定(TPP)や北米自由貿易協定(NAFTA)といった国際貿易協定を廃止し、メキシコと中国からの輸入品に巨額の関税を課すと公約しているが、それは貿易紛争の火種となりかねない。ムーディーズ・アナリスティクスの報告書によると、1100万人の不法移民を強制退去させ、効果が疑わしい巨大な壁をアメリカ・メキシコ国境に建設するという公約にかかる支出を合算すると、トランプ氏の経済政策はアメリカに大恐慌以来の長期的な不況をもたらす可能性がある。
「彼の中国バッシング、そして『中国の貿易商品がアメリカ経済停滞の原因なのだ』という考えは間違いだ」とクルーグマン氏は言う。「今まさに進行しているのは、何十年にもわたって共和党への投票を促してきた、こうした隠れた本音が、表面化してきているだけだと思われる」
実際に、トランプ氏が大統領選の候補者となったことで、白人優位主義、反ユダヤ主義など、政治のメインストリームでは長らくタブー視されてきた声を増幅させた。白人優位主義の差別団体「クー・クラックス・クラン」(KKK)の元指導者デビッド・デューク氏は、トランプ氏支持を表明した後、アメリカ上院のルイジアナ選挙区に自ら立候補すると発表した。トランプファンとおぼしき集団が、ユダヤ人ジャーナリストに対してサイバー攻撃を企て、伝統的なユダヤ人の名字を持つ人たちを判別し、嫌がらせの対象にしやすいようにするGoogle Chromeの拡張機能を開発するまでに至っている。トランプ氏が長年にわたって女性に対し非常に下品な発言を繰り返していたことは、2015年に初めて明るみに出た。Foxニュースの司会者ミーガン・ケリー氏が、予備選討論会の序盤で彼に答えづらい質問を浴びせたのは、「彼女が生理中だったからだ」と、トランプは発言している。
有色人種、宗教的マイノリティ、女性を侮辱するコメントは数え切れないほどあるのに、トランプ氏は自身が人種差別主義者でも、ミソジニスト(女性嫌悪)でもないと主張しており、メディアは経歴のあら捜しをすることに執着していると攻撃している。
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ハフポストUS版編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた、嘘ばかりつき、極度に外国人を嫌い、人種差別主義者、ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。
 
そして、ドナルド・トランプが米国の大方の予想と「願望」を打ち砕くように当選(選挙人の過半数を獲得)してから10日ほど経って、米国滞在中にトランプにあった経験のある寺島実郎が、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンと同様の見立てから、トランプは「金融の肥大化に歯止めをかけるのではなく、加速させる価値観に立っている人」だと断言していた。
   
<<トランプの米国> 日本総合研究所会長・寺島実郎さんに聞く>
 2016年11月18日 朝刊 東京新聞
◆自国第一の誘惑断て
 「米国が第一」という主義の下、過激な政策案や発言でこれまでの世界の価値観を揺るがす次期米大統領のドナルド・トランプ氏(70)。安倍晋三首相が17日夕(日本時間18日午前)、ニューヨークで初めて会談する。異端のリーダーの登場で米国はどう変わるのか、日本が取るべき対応策は。日本総合研究所の寺島実郎会長に聞いた。 (聞き手・白山泉)
 トランプ氏はどんな人物ですか。
 「米国駐在時に2度彼と会ったことがあり、論稿も書いた。彼の人生哲学を凝縮するキーワードはディール(取引)だ。相手が一瞬たじろぐ条件をぶつけ腰が引けたところで落としどころに持っていく。不動産ビジネスの神髄みたいなところで生きてきた男だ。西部劇のヒーローのように悪玉の首を取ってくるという冷戦時代型の発想で、今の世界秩序では通用し難いだろう」
 でも市場では期待感で株価が上がっています。
 「問題の本質を測りかねている現象だ。彼を勝たせたエネルギーは白人貧困層のいらだちだ。不満を解消するには貧困と格差の是正に取り組まねばならないが、ウォール街の金融機関トップの政権入りが浮上するように金融規制を緩めマネーゲームで経済を浮上させる方向に傾いている。これを期待してか、彼を嫌っていたはずの『マーケット』と称する人たちが根拠なくはしゃいでいる。その危うさを見抜くことが重要だ。いずれ、米国人は気づくだろう。彼は金融の肥大化に歯止めをかけるのではなく、加速させる価値観に立っている人だということに」
 日本の道は。
 「第一次大戦後に国際連盟の創設を主導し、第二次大戦後は国際連合や世界銀行、国際通貨基金(IMF)の構想を出し世界をリードしてきたのは米国だ。その国が自国利害中心主義に戻ろうとしている。中国やロシアの掲げる理念も自国中心主義的だ。そういう時だけに日本はナショナリズムに回帰する誘惑を断ち切らないといけない」
 「マネーゲームでなく、ものづくり国家としての蓄積が今の日本の繁栄を支えている。必要なのは平和に徹した技術を持つ成熟した民主国家として、アジア諸国との関係を構築すること。米国への過剰な期待と依存を脱し、主体的に東アジアに安定と安全の基盤をつくっていく発想が必要だ」
◆格差・貧困生む金融肥大
 米国国民がトランプ氏を勝たせた要因は何でしょう。
 「米国社会に広くまん延した貧困や格差にあえぐ白人貧困層に、トランプは『生活難の原因となる不法移民をたたき出すべきだ』などのメッセージをぶつけ、それに呼応する形でトランプ現象が引き起こされた」
 「しかし、米国の格差と貧困を生み出したのは彼が言う移民や生産力の海外移転ではない。マネーゲームの肥大化だ」
 「冷戦が終わって以降、米国の金融ビジネスは変質し、1999年にグラス・スティーガル法が廃止され、証券と銀行の垣根が取り除かれた。それ以来、産業を活性化し新たな雇用を生み出すはずの金融は自己増殖し、リーマン・ショックを引き起こしたサブプライムローンのように投資家や金融機関が自分で利ざやを稼ぐための金融に傾斜してきた。金融資産を持ち恩恵を受ける人と、置き去りにされる人のギャップが広がり、米国では昨年、上位1%の人の所得が富の21%を保有する構図になった」 日本にとって、今回の大統領選の教訓は。
 「日本でも貧困化が静かに進み、同質の問題を抱えている。勤労者家計の可処分所得が97年のピークに比べて年間84万円減っている。株が上がれば景気が良くなっているというのは錯覚であり、大事なのは実体経済だ。産業と家計こそが大切だという認識を持たなければならない」
 「参考になるのはドイツだ。米国流の金融資本主義に対して、産業国家としての自覚を持っている。日本は金融国家への誘惑にかられているが、ものづくり国家として次の基軸産業を育てるとともに、サービス産業の高度化を実現することが日本経済にとって必要である」
 国際社会はこれからどうなっていくのでしょうか。
 「世界を覆う核心的な問題がはっきりしてきた。肥大化する金融資本主義を制御する上で、デモクラシー(民主主義)は機能しているかということだ。米国の大統領選挙ではトランプ現象が起こり、英国の国民投票は欧州連合(EU)離脱を選んだ。格差と貧困への国民のいら立ちを、デモクラシーが解決することができるのかどうかが問われている」
 
ところで今週に入ってテレビメディアは韓国大統領関連疑惑ニュースであふれていたが、他国よりも自国の、それも生命にかかわるニュースを国民に知らせるべきではないだろうか。
 
<酷暑と緊張のジュバ 駆け付け警護の現場>
 2016年11月17日 夕刊 東京新聞
 【ジュバ=共同】日差しが肌を焼く。乾いた風が土ぼこりを運ぶ。国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊が展開する南スーダンの首都ジュバ。政府軍兵士が頻繁に行き交い、治安担当の私服警官が市民を監視する。陸自が新任務「駆け付け警護」を来月から担う現場は、酷暑と緊張の中にある。
20161118southsudanpko.jpg◆小銃を手に警戒
 「日なたに置くと温度計は50度を超える」。日に焼けた陸自関係者が言った。ジュバ南西部にある南スーダン派遣団(UNMISS)司令部の敷地内で隊員らは、隣接する避難民キャンプとの間の防護壁を整備中だ。
20161118southsudanmap.jpg
 つい最近、雨期は終わった。日陰にいても乾期の熱風が吹き付ける。隊員が操る重機の音が響く中、小銃を持った警備担当の隊員が周囲に目を配る。敷地のすぐ外では女性たちが麻袋やバケツを頭の上に載せてゆっくりと歩いている。
 政府軍と反政府勢力が戦った7月当時、司令部の近くには反政府側の拠点があった。避難民キャンプを警備していたUNMISSの中国人隊員2人が攻撃を受けて死亡した。
 ジュバ北部にある陸自宿営地までは約10キロ。部隊は1日の作業を終えると、未舗装のでこぼこ道を戻っていく。高機動車は速度を抑え、車上に顔を出した隊員は前方に広がる赤茶色の道を注視する。砲弾を受けた建物や焼け焦げた草木の脇を通り過ぎた。
◆市民と交流せず
20161118southsudanpko1.jpg16日、南スーダン・ジュバでPKO施設内で防護壁設置のため整地作業をする陸自隊員。奥は避難民キャンプ=共同
 陸自の宿営地は出入りが制限されていて、隊員と市民の交流はあまりない。陸自は当初、市民が使う道路の整備などで貢献するはずだった。しかし、現在の活動場所はUNMISS施設内に限られている。陸自関係者は「本当は市民の目に留まるよう街の中で活動したい」と話す。
 7月の戦闘の後、反政府勢力は撤退し、いま市内で戦闘は起きていない。それでもトラックの荷台に乗って移動する軍兵士の姿が目立つ。同行のカメラマンは治安警官から撮影を制止された。夜間の集会は禁じられている。地元記者は「南スーダンは戦時下にあるんだ」と語った。
 2013年12月に内戦が始まって以来、ジュバの避難民キャンプで暮らす男性トゥト・ルルさん(53)は「食料は足りず、十分な教育も受けないまま子どもたちが苦しんでいる。子どもだけでも他の国に連れて行って普通の暮らしをさせてやってほしい」と訴えた。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は今年9月、南スーダンから近隣国などに逃れた難民が100万人を超えたと発表した。
 
こんな状態の南スーダンに銃器を持った自衛隊員が、駆け付け警護と称して現地に赴けば、いつかは「誰が敵か市民か見分けられない」場面に遭遇し自衛隊員として「殺人」を犯す可能性が大きくなる。
 
実際にアフガニスタンやイラクで従軍し現地の人たちを殺傷した経験のある退役軍人声に耳を傾けるべきであろう。  
 
<新任務「9条逸脱の恐れ」 米退役軍人が「駆け付け警護」に警鐘>
 2016年11月18日 朝刊 東京新聞
 米国の退役軍人らの会「ベテランズ・フォー・ピース」(VFP)のメンバー2人が17日、東京都内で記者会見し、アフガン戦争とイラク戦争に従軍した経験を語った。南スーダンに派遣される陸上自衛隊への「駆け付け警護」など新任務付与が決まったことで、現地で起こり得る事態と憲法との関係にも触れ、警鐘を鳴らした。 (石原真樹)
 2人は、元陸軍のロリー・ファニングさん(39)と元海兵隊マイク・ヘインズさん(40)。市民団体「安保法制に反対する海外関係者の会」(OVERSEAs)の招きで来日した。
 同団体発起人の武井由起子弁護士(第一東京弁護士会)らによると、VFPは第2次大戦以降の戦争を経験した退役軍人や家族、趣旨に賛同する市民が1980年代につくった。
 米国を中心に120以上の支部があり、会員は数千人。平和構築を目的に退役軍人や戦争被害者の支援、戦争体験を広く伝える活動を続けている。2人は28日までの間、都内や神奈川県内などで講演したりデモに参加したりする予定。
 武井弁護士は「戦争を経験した彼らがどんな議論をしているのか、多くの人に知ってほしい」と話す。イベント予定はフェイスブックで「ベテランズ・フォー・ピース」で検索できる。
20161118roly.jpg◆敵か市民か見分けられぬ ロリー・ファニングさん
 2001年の米中枢同時テロの数カ月後に入隊を決めた。大学を卒業したてで何万ドルも学費のローンがあった。米国では軍に志願すると返済支援してくれる。でもそれより、9・11のようなことが二度と起こらないよう、奉仕したかった。
 02年2月に入隊。アフガニスタンに行ってびっくりしたのは極度の貧困だ。人類史上最強の軍備を持つ米国が、地上で最も貧しい国の一つを攻めていた。
 「タリバンはどこだ?」と住民に聞き、通報した人にカネを渡して通報された家に踏み込み、従軍可能な年齢の男性は袋をかぶせ収容所に連れて行った。でも、タリバンとは無関係だったことがしょっちゅうあった。04年に除隊した。
 イラクやアフガンと、今の南スーダンも同じ図式。誰が敵か市民か見分けられない。(安全保障法制下の新任務で)日本が自衛隊を派遣すれば、憲法九条が規定する自己防衛の趣旨を外れる。武器を持てば制圧しかできない。現地の人が求める食料やインフラ提供など、ほかにやれることはある。
20161118mike.jpg◆自分自身がテロしていた マイク・ヘインズさん
 1994年に入隊し、2003年にイラクに攻め込んだときに海兵隊の特殊部隊にいた。目的は大量破壊兵器の発見と、テロと戦うこと。どちらもうそだった。
 バグダッドでは情報を基に家に押し入った。玄関に爆発物を仕掛け、爆発と同時に中に入ると、ほとんどは一般の家庭。年配の女性を壁に押し当てて脅したりした。6歳か7歳くらいの女の子が「ママ、ママ」と泣き叫んだ声が今でも耳から離れない。やっていることの恐ろしさを感じた。
 現地の人は自分たち以下の人間で殺してもいいんだと思い込もうと「野蛮人」などと蔑称で呼んだ。従軍できる年齢の男性は収容施設に送り、家に戻れなかった。僕らは死と破壊をもたらし、大切な家族をばらばらにした。自分自身がテロをしていると自覚した。
 04年に退役すると、まず怒りの感情が起こり、次に自分や周囲を非難するようになった。前向きにやっていく気持ちになるまで10年かかった。自分の手を他人の血で染めることは絶対にしてはならないことだ。
 
たとえ自己防衛のためといえども、「武器を持てば制圧しかできない」という言葉は現場での体験なしには語れない言葉であろう。
 
最後に日本政府がどんな考えで自衛隊員を南スーダンに派兵するかという、分かり易い質問主意書の回答を紹介しておくことにする。









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2016年11月08日

PKOでの駆け付け警護の真の狙いは実弾経験か

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2年前の1月頃、トンデモないことを平然と口走ったこの男が2年以上もNHK会長にとどまっているとは、想像できなかった。
 
NHK会長の任命権限を持つNHK経営委員会は来年1月に任期が切れる半年前の7月に「指名部会」を立ち上げた。
 
その後2週間に1回の経営委員会のたびに検討を続け、10月11日の指名部会では、次期会長の資格要件として以下の5項目を確認した。
 
@NHK公共放送としての使命を十分に理解している。
A政治的に中立である。
B人格高潔であり、説明力にすぐれ、広く国民から信頼を得られる。
C構想力、リーダーシップが豊かで、業務遂行力がある。
D社会環境の変化、新しい時代の要請に対し、的確に対応できる経済的センスを有する。
 
この資格要件については、そもそも籾井会長が選ばれたことを持って実効性を失っているとの指摘が多い。
 
その後、国会に参考人として呼ばれながらも持論を撤回しないことを明らかにし、個人使用タクシー、不明朗な関連団体での土地取得など多くの問題を起こしてきた。
 
今年の8月には、「NHK会長再任してはならない 27団体申入れ」と、NHK全国退職者有志ら27の民間団体が「真に公共放送に相応しい会長が選ばれるよう、選考過程の抜本的改革を求める」との申入れを石原進NHK経営委員会委員長や経営委員に行っていた。
 
さらに、10月末には、児童文学作家の那須正幹さんや落語家の古今亭菊千代さんら17人が呼びかけ人となり、ジャーナリストや弁護士、元NHK職員ら87人が賛同者として名を連らねて、「NHK会長再任『反対』 経営委員会に学識者らが要望書」を提出したという。
 
こんな周囲の反対に対し再任を狙ってなのかどうかは定かではないが、「受信料下げ、会長側提案へ 月50円 NHK経営委は慎重」という動きもでているという。
 
安倍晋三の意を汲んだ経営委員たちが決めた籾井勝人会長により、この2年間余りでNHKは大いに変節してしまったことは紛れもない事実である。
 
来年の新会長には是非とも「会長の資格要件」5項目をクリアした人物を選んで欲しいものである。
 
さて、「『自衛隊の駆けつけ警護』は本末転倒 自壊した日本の安全神話」と批判されている「駆け付け警護」の任務付与が正式に閣議決定されるという。
   
11年前に、「防衛庁・自衛隊の武器・装備の調達会社を設立せよ」(2004 年6月〜2004 年11 月)という研究成果をまとめ「国営防衛装備調達株式会社を設立せよ」というタイトルで報告書を発表していた、軍事ジャーナリストで作家の清谷信一。
 
小学校6年から反共を旨としているが、選挙では国政地方問わず、日本共産党に投票していると述べているが、基本はもちろん超保守であり、「政治家と防衛省が真摯に『軍隊』として戦う体制を構築」すれば自衛隊は無残な被害者にはならないと主張している人物である。
 
この清谷信一が、「敢えて誤解を恐れずにいえば自衛隊ができるのは戦争ごっこであり、実戦ではない」と具体的な事実をもとに自衛隊の情報体制の脆弱さを批判している。 
 
<自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その1 情報編>
 2016/11/4 Japan In-Depth
 昨年の安保法制改正にともない、自衛隊がPKO活動などで他国の部隊や民間人などが襲撃を受けた際に、これを武力を持って救援する、いわゆる「駆けつけ警護」が可能になった。安倍首相は、自衛隊は軍隊と同じであり、法律さえ変えれば「駆けつけ警護」といった「かんたんな任務」はこなせて当たり前と思っているのだろう。だがいくら法律が変わっても自衛隊にその能力はない。自衛隊は軍隊として実戦ができない組織だ。自衛隊の現状のまま「駆けつけ警護」をやらせれば他所の国の軍隊の何倍もの死傷者を出すことが予想される。
手足がもげ、一生義手義足、車椅子で生活する、あるいは視力を失って白い杖をついて一生を終わる隊員が続出する可能性がある。政治と行政の無策で戦死者、重度の身体障害者を量産するだけに終わるだろう。それらは政治家と防衛省が真摯に「軍隊」として戦う体制を構築すれば防げる被害だ。政治家、特に与党の政治家たちには脳天気にも自衛隊=軍隊という誤った認識しか持っていない。単に国益とか、国際貢献とか口当たりのよい言葉に酔って実戦を安易に考えているのではないか。
筆者は駆けつけ警護自体を否定するものではない。国益を鑑みて、PKOやPKFに部隊を出すことは奇異なことではない。また軍事作戦において犠牲がでることは当然であるとも考える。だがそれは自衛隊が軍隊と同等の能力と当事者意識を持ち、政府と防衛省が、現場の部隊が遭遇するであろう危険に対して最大限に対策を取らせてはじめて行うべきだ。自衛隊の現実の戦闘をあたかも映画かゲーム程度の認識で、安っぽい国家意識や愛国心から安易に自衛隊を戦闘に投入し、隊員を犬死にさせるべきではない。
率直に申し上げて、自衛隊と軍隊はナリが似ているだけで、全く異なる組織だ。それは自衛隊が全く実戦を想定していない、パレード用の軍隊でしかないからだ。故吉田茂はかつて、「自衛隊は戦力なき軍隊である」と述べたが、自衛隊の実態はその言葉そのものである。警察予備隊発足当時からソ連崩壊に至るまで、自衛隊が期待されたのは西側の一員としての一定規模の「軍隊らしき」組織として存在することだった。商売の見せ金のようなもので、実際に戦争をすることは期待されてこなかった。つまり、なんとなく「軍隊らしい」存在として西側世界の軍事力のカサを上げる存在であればよく、実戦を行うことを全く想定してこなかった。
演習をそつなくこなすことや、災害救助こそが自衛隊の任務であり、自衛隊に実戦を想定した用意も訓練もしてこなかった。演習では敵弾は飛んでこないし、敵弾によって命や手足を失うことはない。このため自衛隊は営々と戦闘機や戦車など軍隊らしく見える「見栄えのいい道具」を買うことだけを目的とし、その運用や実戦での使用を考えてこなかった。率直に申し上げれば自衛隊は「軍隊のフリをしていれば良い組織」なのだ。
かつて、防衛庁の天皇と呼ばれた内局官僚で、後に評論家に転じた故海原治氏は、この点を厳しく指摘してきた。海原は30年、40年も前に自衛隊は実戦を全く想定してない組織であると指摘していたが、その実態は全く変わっていない。
戦死者、戦傷者が出ることを全く想定していないので、ピカピカの戦闘機や戦車は過分に欲しがるが、兵站や基地の防御、戦傷治療、通信、情報といった「裏方」にはカネをケチってきてまともなシステムを構築してこなかった。そもそもそういうものが必要だという認識がない。
多くの国民が誤解しているが良くも悪くも自衛隊は軍隊ではない。元気のいい保守派の政治家や、「論客」の皆さんが信じている「精強たる自衛隊」はイリュージョンでしかない。そのような誤解が蔓延している一因は記者クラブという制度にある。記者クラブ会員の記者は軍事に明るい専門の記者ではなく、比較的若手がローテーションで当てられているだけだ。このため先端の軍事術は勿論、軍事に関する世界情勢は勿論、専門的な知見が無い。だから防衛予算について、具体的な質問ができないし、するつもりもない。
しかも彼らが独占する記者会見では大臣や幕僚長が困るような具体的な予算に関わるような質問はしない。筆者から見ると馴れ合いにしか見えない。つまり素人が当局と馴れ合っている状態だ。そしてその情報源は内局や幕僚監部からのご説明であり、彼らの説明が本当かどうかも検証する能力がない。また諸外国の実態を取材もしていないで海外の軍隊と自衛隊を比較することもできないので「大本営発表」を鵜呑みにする。
そのマスメディアが自衛隊精強の虚像を垂れ流し続けてきた。このため多くの国民が自衛隊は精強だと誤解している。だがその実態は大規模な戦争はもちろん、駆けつけ警護ですら満足に行える実態はない。敢えて誤解を恐れずにいえば自衛隊ができるのは戦争ごっこであり、実戦ではない。
「駆けつけ警護」という実際の交戦の場では情報収集と分析、火力、防御力、衛生などの要素が必要であるが、いずれにしても陸自のレベルは、NATO諸国はもちろん、途上国よりも劣っている。この点を多くの日本人は理解していない。

今回はまず自衛隊の情報体勢を取り上げてみよう。まず駆けつけ警護が必要なのか、必要であるならばどのような状況であるのかをできるだけ正確に把握する必要がある。軍隊ではこれをISR( Intelligence, Surveillance and Reconnaissance:情報・監視・偵察)と呼ぶが、この能力が自衛隊は極めて低い。まず情報機関がないために、現地情報、特にヒューミント(HUMINT:Human intelligence 諜報活動)情報が入ってこない。また人的なネットワークが現地に存在しない。またアフリカや中東に関わりが深い、英国やフランスとの連携も不十分だ。
最近増員された防衛駐在官にしてもその地域のエキスパートというわけでも情報の専門家でもなく、派遣に際して十分な訓練もされていない。しかも情報活動に必要な予算も極めて少ない。これは外交の一元化という名の元、本来防衛省が担当する情報収集を防衛省が放棄していることも大きい。陸自に至っては、歩兵、砲兵、工兵、機甲などと並んで諸外国では当然存在する情報科という兵科が6年ほど前まで存在すらしなかった。それだけ情報を軽視してきた組織ということだ。
更に現地で情報を収集するためにUAV( Unmanned Aerial Vehicle : 無人機)などのアセットが必要だが、これが欠如している。対して近年は途上国ですら、各部隊サイズの偵察用UAVを保有している。日立が開発し、陸自が採用した手投げ式の携行型UAV、JUCX-S1は高度計に不備があり、飛ばした半数が帰ってこない体たらくだ。しかもこれすら筆者が知る限り現地に持ち込まれていない。
陸自にはより大型のヘリ型遠隔操作観測システム、その発展型である無人偵察機システムが存在するが信頼性が低く、先の東日本大震災では一度も使用されなかった。その後国会で防衛省は、無人偵察機システムは導入後1年で習熟期間が足りなかったと抗弁したが、今年発生した熊本地震でも使用されなかった。しかも支援用の地上システムが6両ほどの車輌からなる大掛かりなものであり、PKO用には向かない。そしてその後調達は中止された。これら以外のUAVを陸自は保有していない。つまり陸自のUAVは極めて少ない上に、その信頼性も極めて低い。これは中国やパキスタン以下である。とても先進国の軍隊を自称できるレベルではない。
イラクのサマーワに部隊を派遣した際に、陸自はヤマハの民生用の小型のヘリ型UAV、RMAXを改良したUAVを導入した。これは信頼性も高く、大活躍したのだが、その後は使用されなくなっている。陸自全体の装備としてはともかく、「実戦」で有用であることが認められた装備をPKO用として継続して使用することが何故できないのか。
またそれ以外にも国内には優れたUAVを開発している、フジインバック、ヒロボー、その他多くのメーカーが存在し、防衛省の装備調達庁が開発するUAVよりも遥かに安価で性能と信頼性が高い製品を供給している。だが、防衛省は既存の防衛企業でないためか、これらの企業から無人機を調達して使用するという発想が欠如している。あるいはこれらの企業には天下りできないからではないかと疑われても仕方あるまい。
通信機も問題だ。陸自では近年最新型の広帯域多目的無線機を導入したが、通じないことが多いと現場で不評である。無線機に関する話題では、伏せてアンテナの位置が低くなる、あるいはアンテナが横向きになるだけで電波の送受信状態が悪くなり、通信が途絶するというコントのような話も聞こえてくる。原因は自衛隊向けの電波の周波数帯が軍用無線に適していないことだ。これは先の東日本大震災でも陸自の無線が通じなかった大きな要因だったが、防衛省はこの「戦訓」を無視している。これは法律の改正すら必要なく、総務省との調整が必要なだけだ。だがそれすら怠り、通じない無線機の調達を続けている。
現代戦ではネットワーク化が進み、無線通信は音声だけではなく、データや動画のやり取りも行われる。例えば敵の情報を動画や、デジタルマップ上の情報で、やり取りし、射撃の諸元などもデータでやり取りする。この分野では自衛隊は大きく遅れており、未だに音声通信と紙の地図を多用している。仮にNATO並の装備を導入しても無線が通じないなら無意味であり、カネの無駄だ。
「駆けつけ警護」の現場で無線が通じなければどういうことになるだろうか。素人にも分かる話が防衛省や陸幕の偉い人たちにはわからないようだ。
何故周波数帯の問題が放置されているのだろうか。恐らくは総務省の調整という「余計な仕事」をしたくないからと、これを非関税障壁として利用しているからだろう。外国製の通信機やネットワーク機器、更には無人機に至るまでそのままでは自衛隊で使用できない。この規制がある限り国内メーカーは保護される。国内メーカーは、実戦はもちろん市場で揉まれたこともないので、まともな製品が作れず、調達コストも高い。このような国内メーカーの維持を、天下り先の確保のために実戦能力を放棄することを甘受しているならば許しがたい。
イラク、アフガンでの戦い以降、個々の将兵に持たせる音声用の個人無線機を支給する軍隊が増えている。また近年では米軍やイスラエル軍のようにクローズドのネットワークのスマートフォンを持たせる軍隊も出ている。このような個人携帯無線機は、現場では隊員相互の意思疎通が円滑になり、効率的な戦闘と、無用な被害を減少させることに非常に有用だ。だが自衛隊には無論これらの装備はないし、調達するつもりもないだろう。
国内の演習場では無線機が使いものにならないので、演習で隊員たちは私物の携帯電話を使用している。だが東日本大震災では携帯電話の基地局も被害にあって携帯電話が使えなかった。PKOでも同様に私物の携帯電話でコミュニケーションを取ることはできない。意思の疎通ができない「軍隊」が実戦でまともに戦えるわけがない。
現場の情報が不明であれば、敵の規模、味方の位置、民間人がどの程度いるかも不明ということになる。自衛官が間違って自衛官や、味方の軍人、あるいは民間人を殺傷する可能性は極めて大きい。ネットワーク化され、敵味方の識別装置なども導入している先進国の軍隊でもイラクやアフガンでは多くの同士討ちや、民間人に対する誤射が生じている。それが批判されていることはご存知だろう。
故に自衛隊部隊が誤射をする可能性は大きい。現地で自衛官に撃たれた我が子を抱いた母親の姿が世界中に流されたら、誰がどのように責任を取るのか。自衛隊の情報能力が諸外国に大きく劣ることが世間に明らかになれば我が国は威信を失墜するだろうし、抑止力も大きく減退するだろう。そのような自体を政府は想定しているのだろうか、甚だ疑問である。
 
上記の筆者は、以前にも「陸自装備の兵器調達センスは80年遅れ」とか、最近では「自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その2 火力編」でも自衛隊員が持たされている兵器では戦闘行為ができないと主張している軍事オタクでもある。
 
戦後日本国憲法が施行されて以来、「武力による威嚇、又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄」し、「陸海空軍その他の戦力は保持しない」という憲法9条のもとでの自衛隊であったのだから、当然の話である。
  
いくら訓練を重ねても実際に実弾で人を殺す訓練はしてこなかっただろうし、できない事であった。
 
明らかな内戦状態の国へ、それも「情報体制」と「携行重火器」が脆弱な自衛隊をあえて「駆け付け警護」と称して銃撃戦が予想される戦地に送り込むということは、南スーダンPKOである程度の負傷者や最悪の場合の戦死者も織り込み済みで、実戦を経験させることが安倍政権の本当の狙いではないだろうか、とオジサンは思う。

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2016年10月26日

突然の報道の裏には何かある?!

今年7月の参院選東京選挙区に新党改革から立候補し、街頭演説で自身の政策の柱としている「医療大麻」の早期導入を訴えていた、元女優の高樹沙耶が、昨日の午後から突然「高樹沙耶容疑者」となった。
 
それは大麻取締法違反(所持)容疑で移住先の石垣島で25日に逮捕され飛行機で沖縄・那覇空港から、那覇市内の沖縄麻薬取締支所へ移送されたというニュースで知った。
 
高樹容疑者は、欧米では医療大麻の研究が進み、認知症予防、がん、慢性関節炎、緑内障など250の疾患に有効と証明されており、大麻草は暮らしをサポートする天然資源と以前から主張していた。
 
最近では、あるテレビ番組で自宅や同居している4人の男性たち、そして独力で建てた民宿所などが紹介されていた。
 
その時に「事実婚」と噂され今回大麻所持を認めた男性が、あえて巻煙草を吸うシーンが放映され、スタッフがわざわざ、「それは大麻ではないですよね」と質問していた場面を思い出した。
 
彼女の主義主張からすれば、身近に大麻があっても不思議ではなく、厚労省の麻取担当者は内偵を続けていたのかもしれない。
 
それにしても、「何故、今なのか、このタイミングなのか」という疑問が湧いてくる。
 
その元女優の前日には、こんなニュースが流れていた。
 
<栽培許可得ていた会社社長ら、大麻を譲り渡した疑い>
 2016年10月24日 TBSニュース   
 大麻草の栽培許可を得ていた鳥取県智頭町にある大麻の加工販売会社社長・上野俊彦容疑者(37)が大麻を隠し持っていたとして逮捕された事件で、厚生労働省の麻薬取締部は上野容疑者が従業員の男2人に大麻を譲り渡したとして3人を再逮捕しました。
 麻薬取締部によりますと、上野容疑者は今年6月、従業員の男(30代)に対して大麻およそ13グラムを、7月と9月には別の従業員の男(30代)に合わせておよそ39グラムを会社の事務所でいずれも無償で譲り渡した疑いが持たれています。
 取り調べに対し、上野容疑者は容疑を一部否認していますが、従業員2人は譲り受けを認めているということで麻薬取締部が入手ルートなどを調べています。  
 
そして驚くことに、37歳の若い上野俊彦社長と昵懇である、日本のファーストレディである安倍晋三首相夫人の安倍昭恵に関しての記事が1週間前には出ていた。
 
その一部を紹介する。  
 
<安倍昭恵が大宣伝していた「大麻で町おこし」の会社社長が大麻不法所持で逮捕!「家庭内野党」からの撤退に拍車」>
 2016.10.18 リテラ
 すっかり「お騒がせ」キャラが板についた安倍総理のファーストレディ・昭恵夫人が、またしても注目を集めている。今度は、昭恵夫人が大々的に応援していた大麻加工を行う会社の代表が、大麻を所持し、大麻取締法違反の疑いで厚生労働省の麻薬取締部に逮捕されていたのだ。
 逮捕されたのは、鳥取県智頭町で大麻の関連商品の販売を行っていた上野俊彦容疑者。上野容疑者は大麻草の種や茎から食品や衣服をつくる取り組みを行っていたが、今回、逮捕されたのは栽培していた大麻とは違うものだといい、「他人から譲り受けて吸うために所持していた」と供述しているという。
 そして、この上野容疑者の大麻栽培・加工販売を高く評価し、メディアを通して宣伝していたのが昭恵夫人なのである。
 まず、昭恵夫人は2015年7月3日、自身のFacebookで〈鳥取県智頭町。上野俊彦さんの麻畑を訪ねました〉と投稿。大麻畑でにっこりと微笑む写真はネット上で大きな話題を呼んだが、「SPA!」(扶桑社)15年12月15日号では、上野容疑者との対話も掲載されているのだ。
 このなかで昭恵夫人は「麻はすべての部分を有効活用できる植物なんです」「日本ではまだ認められていませんが、医療用としても大いに活用できると思っています」と、大麻が秘める可能性に言及。上野容疑者のもとを訪ね、その取り組みに耳を傾けたといい、誌上では〈大麻栽培での町おこしにかける上野さんの情熱に、昭恵夫人も感心しきりだった〉とレポートされている。
 また、上野容疑者の「お年寄りから子供たち、そしていちばん偏見の強かった団塊の世代の方々からも、温かい声援をいただいています」という話を受けて、“大麻は縄文時代以来の日本の文化”と言う昭恵夫人は「今、昔ながらの日本人が持っていた精神性を取り戻しつつあるのだと思います」と語っている。
 たしかに大麻の加工や医療用大麻の解禁については積極的な取り組みや議論が進んでいい話だと思うが、総理の夫人が猛プッシュしていた人物が大麻の個人使用の疑いで逮捕されてしまうというのは、さすがに立場上まずいだろう。
・・・後略・・・
 
なぜか、こんな重要なニュースがテレビでは一切取り上げられていない。
 
もしテレビの情報番組で取り上げてしまったら、安倍政権から睨まれて担当プロデューサーだけでなく上層部まで責任問題が及ぶので現場では当然無視することになる。
 
もっとも、高樹沙耶と安倍昭恵とは同列には論ずることができないのだが、置かれた立場の重さからすれば、決して無視できないファーストレディの行動であったといえよう。
 
さて、スピン(英語:spin)という言葉があるが、これは、パブリック・リレーションズ(PR)において、特定の人に有利になるような、非常に偏った事件や事態の描写を意味する、通常皮肉のこもった言葉である。(Wikipedia)
 
この言葉が報道の世界に持ち込まれると、「スピン報道」と呼ばれる。
 
それは、政治家のカネにまつわる不祥事とか、政府にとって国民には余り知られたくないことを隠す為に何か別のニュースを大きく取り上げることによって、少しでも目をそらせる効果があり、権力者がマスコミと結託し行うある種の世論誘導による報道技術といわれている。
 
今年の通常国会が始まってから、様々な国会での重要案件に関する実況中継もNHKのみで、民放ではほとんど取り上げず、芸能人やスポーツ選手たちの覚せい剤や不倫問題などであふれかえっていた。
 
極みつけは、「セコイ都知事」に対する集中バッシング報道があり、その後都知事選、参院選へと突入してしまった。
 
その間に国会で可決された法案などは、「スピン報道についてのまとめ」を参照してもらいたい。
 
ところで、戦争法に基づく自衛隊の新しい任務が付与される南スーダンへのPKO派遣が来月に迫ってきているが、国民にはあまり知られたくない事態が最近明らかになっていた。
 
<「南スーダンで政府軍が宿泊施設襲撃 PKO部隊は救助出動せず>
 2016年10月26日 朝刊 東京新聞
20161026southsudanmap.jpg 【ヨハネスブルク=共同】南スーダンの首都ジュバの民間宿泊施設が7月に襲撃された際、出動命令が下されたにもかかわらず、国連平和維持活動(PKO)の南スーダン派遣団(UNMISS)が出動しなかったことが分かった。部隊の一部が危険な現場の状況を懸念したとみられる。国際社会で非難の声が上がり、国連の潘基文(バンキムン)事務総長は経緯を調査する考えを表明した。
 市民保護を最重要任務とするUNMISSには陸上自衛隊も参加しており、新任務「駆け付け警護」が付与された場合、対象となり得る案件。新任務に高い危険が伴う可能性を物語るとともに、出動の判断も国際社会の厳しい目にさらされることになりそうだ。
 襲撃されたのはUNMISS司令部から約1キロの宿泊施設。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチによると、国際機関の職員ら約50人が滞在していた。
 政府軍兵士らが地元記者を殺害し、外国人の女性らを暴行。数時間にわたり略奪を続けた。現場から電話で国連に救助要請があったが、UNMISSは部隊を派遣しなかった。
 米国の非政府組織(NGO)「紛争市民センター」は報告書で「UNMISS内部で出動命令が下されたが、中国とエチオピアの部隊が出動を拒んだ」と指摘。中国部隊は準備が整っていないことを理由に挙げたが、施設に向かう途中にも戦車や数百人の政府軍兵士がいたため、出動は危険と判断したもようだ。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは25日「市民が殺されるのを傍観した」とUNMISSの失態を非難した。
 南スーダン政府はUNMISSが反政府側を支援しているとの疑念を持っている。このため、UNMISSは政府から活動を妨害されており、これが失態の遠因になったとの見方もある。
 
南スーダン国連平和維持活動に部隊を展開している国は14か国。
 
日本以外の先進国で米国やEC諸国の参加は無く、旧宗主国の英国のみが参加している。
   
おもな歩兵部隊を派遣している国は、モンゴル、ネパール、エチオピア、ガーナ、ケニア、ルワンダなどだが、今回、南スーダン派遣団の出動命令を拒否した中国は、歩兵部隊、医療部隊、工兵部隊と最大3000名の要員を派遣しているが、現地時間の7月10日午後6時40分ごろ、キール大統領派とマシャール第1副大統領派の戦闘が発生した首都ジュバで、難民キャンプの警戒任務にあたっていた中国派遣部隊の装甲車1台に砲弾が命中し、隊員2人が死亡し、2人が重傷、3人が軽傷という被害に遭っている。
 
もはや市民を救うよりも自分たちの命を守ることが重要になってきているということであろう。  
 
いずれの国の派遣部隊も、あくまでも「平和維持」のための活動であり、内戦状態の国での戦闘行為はPKOの本来の任務とは異なる。
 
すでに南スーダンはPKO5原則に照らしてみれば即座に撤退すべきなのである。
 
それにも拘わらず政府がPKO部隊のさらなる延長を発表した。
 
<南スーダン派遣延長 新任務の慎重判断を強調 政府が文書「治安厳しい」>
 2016年10月26日 朝刊 東京新聞
20161026kaketukekeigoimage.jpg 政府は25日、南スーダンPKOへの陸上自衛隊の派遣期限を、今月末から5カ月間延長する実施計画の変更を閣議決定した。8回目の延長で初めて「派遣継続に関する基本的な考え方」という文書を発表し、厳しい治安下で活動を続ける必要性を訴えた。政府は安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」などの新任務付与を、交代部隊が出発する直前の11月中旬に閣議決定する方向。それまでは付与を慎重に判断する姿勢を示す構えだ。 (新開浩)
 稲田朋美防衛相は25日の記者会見で、新任務付与の時期を明言せず「訓練の習熟度や治安状況を総合的に判断する」と、従来の見解を繰り返した。
 稲田氏は今月8日、陸自部隊が活動している南スーダンの首都ジュバを訪問し「市内は落ち着いている」と明言。23日には陸自部隊による新任務の訓練を岩手県内の駐屯地で視察し「隊員が各種動作を整斉とこなす姿を確認できた」と評価した。
 それでも、政府が新任務付与を決定しないのは、南スーダン国内で武力衝突が相次ぐためだ。ジュバでは7月に大統領派と反政府勢力との銃撃戦が発生し270人以上が死亡。今月中旬にはジュバから約600キロ離れた地域での戦闘で50人以上が死亡した。
 政府が示した「基本的な考え方」でも「治安は極めて厳しい。ジュバの今後の情勢も楽観できない」と認めた。その上で「7月の衝突の後も部隊を撤退させた国はない」と、国際社会に足並みをそろえる必要性を強調した。
 25日の参院外交防衛委員会では、元陸自幹部の佐藤正久氏(自民)がジュバから遠く離れた治安の悪い地域で、自衛隊が駆け付け警護をする可能性を「実際にはないだろう」と指摘。防衛省幹部は、派遣されるのが道路整備などの施設部隊中心であることを踏まえ「駆け付け警護を行うのは、施設活動を行う地域に限られる」と答弁した。
   
「治安は極めて厳しい。ジュバの今後の情勢も楽観できない」ということは、稲田朋美防衛相の「市内は落ち着いている」という7時間滞在視察は全く意味のない視察であったことを認めたようなものである。
 
さらに「7月の衝突の後も部隊を撤退させた国はない」というが、平和維持部隊は戦闘部隊とは異なり、携帯している武器は政府軍や反政府軍には立ち向かうことはできない。
 
楽観できない現地で、本来の業務を遂行できない状態では、「国際社会に足並みをそろえ」て、中国やエチオピアの部隊のように出動を拒否することが現地の自衛隊の判断だけでできるのだろうか、はなはだ疑問であり心配だ、とオジサンは思う。 

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2016年10月15日

非現実的な「駆けつけ警護」は日本人の命を危険にさらす

明日16日は新潟県知事選挙の投開票日である。
 
4選を目指していた泉田裕彦知事が突如、出馬撤回を表明したのが8月30日。
 
様々な陰謀めいた報道もされたが、現職知事の意思を継ぐ候補者は出ず、9月1日に前長岡市長の森民夫が自民党本部を訪れた際、二階俊博自民党幹事長周辺は「いい形だ。これで決まっただろ。無投票もありうる」と語っていた。民進党が自主投票を決めたことも楽観論を加速させた。
 
ところが、その後の医師の米山隆一の立候補表明で構図は一変し、自民党が行った世論調査では横一線で、報道各社の調査でも森氏のリードは数ポイントにとどまった。
 
自民党には悪夢の再来がよぎった。
 
7月の参院選新潟選挙区(改選数1)では、自民党現職が野党統一候補だった森裕子に敗北し、危機感を強めた安倍晋三首相は今月上旬、県連幹部に電話をかけ、「2連敗は避けたい」と指示したという。
 
それから自民党のなりふり構わない選挙運動が激化し、最近は形勢不利となると、ついにお得意の怪文書作戦となった。


 
賢明な新潟県民の結果は明日の夜には判明する。
 
さて、なかなか現地の詳細情報が伝ってこない南スーダンの内戦状況は、とてもじゃないが自衛隊を派遣して「駆けつけ警護」なんかをさせる状態ではなさそうである。
 
<南スーダン反政府派が救援活動従事者を強姦した際‘持ち場放棄’した国連平和維持軍>
 2016年10月14日 (金) マスコミに載らない海外記事
20161015southsudan.jpg国際連合南スーダン派遣団(UNMISS)に派遣されて、ジュバの国連文民保護(PoC)サイト敷地外をパトロールする中国平和維持部隊。2016年10月4日。アルベルト・ゴンザレス・ファラン / AFP
 
7月、南スーダンで国連平和維持軍の一部が“持ち場を完全に放棄し”文民を世話し“保護する任務に従って行動”し損ねたと人権団体は述べている。反政府派が、少なくとも5人の救援活動従事者を強姦した際、平和維持軍は助けるのを拒否したとも報じている。
7月11日、最大100人の反政府派兵士が、ジュバのテレイン・ホテル構内を攻撃し、連中は“少なくとも、5人の国際救援活動従事者を強姦、輪姦し、少なくとも更に何十人も肉体的、あるいは性的に襲い、ヌエル族であるという理由で、南スーダン人ジャーナリストを処刑した”と、ワシントンを本拠とする紛争地域民間人センター(Center for Civilians in Conflict)(略称Civic)の報告にある。
UNMISS内のいくつかの部門は、攻撃が起きて間もなく、情報を受けて、緊急対応部隊(QRF)は対応を命じられたが、“ところが緊急対応部隊は国連基地の門から出ようとせず、少なくとも中国とエチオピアの大隊は出撃を拒否した”と報告書にある。
 
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Justin Lynch Up to南スーダンで、272人死亡、国連公館近くを迫撃砲や携行式ロケット弾攻撃
 
人権団体は更に報じている。UNMISSは南スーダン当局から、路上のスーダン人民解放軍陣地をQRFが通り抜ける支援を確保したが“部隊は、それでも介入するのをいやがった。”
ジュバのある文民保護サイトでは、中国平和維持軍は“持ち場を完全に放棄し、国連基地に撤退した”と報告は明らかにしている。
“文民保護サイト内部には砲火から逃れる場所はなく、平和維持軍による保護も皆無のため、約5,000人の民間人が、塀と鉄条網を越えて、国連平和維持軍基地に逃げ込んだ。そこで、UNMISS 軍は、状況に対処しようと苦闘した。
7人の目撃者の説明によると、7月12日朝、UNMISSは、ほとんど、あるいは全く警告せずに、一般市民に向けて、催涙弾を発砲した。”
文民保護サイト内での平和維持軍の行動は様々で“UNMISSに外部を守る能力は存在しない”と報告書は指摘している。
7月8日に戦闘が始まって以来、国連任務は“ほとんど完全に、その基地に限定されており、外部の誰にでも保護を提供する能力は全く存在していない。更に、緊急時対策のまずさと、ミッションに関する、危機前の、交戦規則の普及や実地演習が不十分なのがあいまって、UNMISSは、一般市民に対する脅威に対応するには準備不足だった。”
“7月のジュバにおける衝突時に、国連平和維持ミッションは、大変に困難な環境に直面したが、基地の中と外の文民保護は不十分だった”と、Civicの事務局長フェデリコ・ボレジョは報道発表に書いている。
20161015southsudan_02.jpg中央アフリカ共和国におけるフランス平和維持軍による強姦とされるものは、思っていたより大規模 - NGO
 
“そのような問題が決して再発しないようにするためには、何がまずかったのかについて国連は透明性を高め、保護の任務に従って行動しそこねた、あらゆる個人や部隊の責任を問うことが重要です”と彼は述べた。
Civicは、暴力で直接被害を受けた、約27人の南スーダン民間人女性と、32人の南スーダン民間人の男性、21人の民間人と、UNMISS軍人、南スーダンにいる人道支援団体代表、22人、7月11日の攻撃時に構内に居合わせた4人、南スーダンにいる現地の市民運動代表、政府官僚と外交官にインタビューしたという。
しかしながら、7月の不手際は驚くべきことではないと人権団体は言う。この団体は、以前、政府兵士が、北部の町マラカルの民間人保護サイトを攻撃し、少なくとも30人の一般市民が死亡し、100人が負傷した際に、エチオピアとインドとルワンダの平和維持軍が居合わせた、2月の別の出来事を調査したことがあった。
暴力が進展する中、準備から実行に至る“平和維持軍の対応は、重大な諸問題に悩まされている”とCivicは述べた。後に国連も、攻撃された際の平和維持部隊の“怠慢、持ち場放棄と、戦闘拒否”を認めた。
 
記事原文のurl:https://www.rt.com/news/361767-un-peacekeepers-sudan-rape/
 
このような現地の実態を政府は把握していないのか、それとも把握しているが、それを明らかにすれば11月からのPKO任務に就く自衛隊員に「駆け付け警護」などの新たな任務を付与させることに批判が出ることを恐れているのだろうか。
 
<政府 南スーダンに派遣見通しの部隊 新任務付与の方向で検討>
 10月15日 4時23分 NHKニュース
 政府は、南スーダンで国連のPKO=平和維持活動にあたっている自衛隊について、来月、交代で派遣される見通しの部隊に、安全保障関連法に基づいて「駆け付け警護」などの新たな任務を付与する方向で検討を進めることになりました。
アフリカの南スーダンでは、自衛隊が国連のPKO=平和維持活動にあたっていますが、来月、交代で派遣される見通しの部隊は、安全保障関連法に基づいて、武器を使って他国の部隊などを救援する「駆け付け警護」などの新たな任務が付与された場合に備えて訓練を行っています。
政府は、この部隊に新たな任務を付与するかどうか、14日、NSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開いて検討しました。この中で稲田防衛大臣は、先に南スーダンを訪れ、自衛隊の宿営地などを視察し、UNMISS=国連南スーダン派遣団の代表らと会談した結果、首都ジュバの治安状況は比較的落ち着いていたなどと報告しました。
そのうえで閣僚会合では、引き続き南スーダンでのPKOに協力していく必要があるとして、今月末までとなっている自衛隊の派遣期間を延長したうえで、交代で派遣される部隊に「駆け付け警護」などの新たな任務を付与する方向で検討を進めることになりました。
 政府は、稲田大臣が近く、部隊が行っている「駆け付け警護」などの訓練を視察したうえで、現地の治安状況などもぎりぎりまで見極めて、来月にも新たな任務の付与を最終的に判断することにしています。
 
「首都ジュバの治安状況は比較的落ち着いていた」と報告した稲田朋美防衛相は、現地滞在が僅か7時間で、ジュバの郊外は危険すぎて視察に行けなかったことが、明らかになっている。
 
さらに最近の国会における不安定な言動がますます防衛相としての資質が問われている。  
 
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【毎日新聞より】

 
陸上自衛官の次男を持つ北海道千歳市の50代の女性はこう話していた。
  
「こうした人物に我が子を預ける親は、私に限らず不安だろう」
「自衛隊などについて防衛相になる前からさまざまな発言をしていたが、言うことがくるっと変わった。南スーダンの訪問予定も体調を理由にキャンセルし、批判されれば慌てて訪問する印象だ」 
 
さらに、軍事評論家の前田哲男も、「資質もないのに大臣となり、ボロが出たのだろう」と厳しく指摘し、「防衛相には憲法と日米安保体制に折り合いを付ける覚悟と見識が求められる。稲田氏は、そのどちらも持ち合わせていないようだ。そこが野党側に狙われた」と分析していた。  
 
日本国際ボランティアセンター(JVC)の現地代表で、南スーダン入りしている今井高樹は現地の惨状をこう語っていた。
 
「一時的な停戦は行われているが、ジュバを一歩出ると近隣の村々が兵士から襲撃を受け、日常的に殺戮の犠牲になっている。近隣の村から避難民キャンプに逃げてきた女性に話を聞くと、彼女の村は突然武装集団に襲撃されたという。武装集団は家々を焼き討ち、住民を無差別に撃ち殺し、その遺体を切り刻んだ。そして彼女の子どもたちはまるで『鶏を打ち殺すかのように』次々と打ち殺された。彼女は村を誰が攻撃したかもわからないと言ったが、政府軍、反政府軍、民兵が入り乱れていて、それすら判然としない混乱状況になっているのだ。」
 
こうした事実上の内戦状況の中、11月から「駆けつけ警護」の任務が付された自衛隊が派遣されるという。
 
「駆けつけ警護」において政府はNGOスタッフが危険に晒された際の「警護」も想定しているが、JVCは現場で活動する立場から、「駆け付け警護は非現実的だ」と繰り返し警鐘を鳴らしていた。
 
JVCスタッフが避難民キャンプにいる時にもし銃撃に遭い、駆け付けた自衛隊が、「紛争当事者」になってしまうとすれば、日本人は武装勢力にとって「格好のターゲット」になる可能性がある。
 
日本人を守るはずの法律が、逆に人道支援活動を行っている日本人を危険に晒すことになる。
 
ましてや、現地では誘拐、拉致も横行しているという。
 
「駆け付け警護」によって救出しようとしても、成功する可能性はきわめて低いと、長年紛争地で活動してきたJVC担当者は指摘する。      
 
自衛隊の宿泊地は、ジュバの難民キャンプに隣接しており、駐留を続けるだけでも、「紛争当事者」になることも考えられる。
 
「南スーダン、永田町よりはるかに危険」と、脳天気な答弁をしている安倍晋三首相は、「現地の治安状況などもぎりぎりまで見極め」て、人道支援活動を行っている日本人を危険に晒すことを避けなければならない、とオジサンは思う。

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2016年10月12日

戦闘を衝突? 退却を転進といった旧軍部と同じか

昨日は夕方から地元のNPO団体の会議に出席していたので、18時からのW杯ロシア大会アジア最終予選「日本vsオーストラリア」戦は、帰宅後、後半からの戦いを実況中継で観戦した。
 
その時点では1-1の同点で、オバサンに聞いたら「原口が先制点を入れたのだが、原口がPKで同点された」と、少々訳の分からぬことを言っていた。
  
引き分けで試合が終わった後に、録画した試合を開始から後半に同点されるまでを改めてみた。
 
確かに前半開始早々に見事なコンビネーションの速攻で原口が最終予選での3点目を決めたのだが、後半に味方デフェンスが崩されて原口が前線から一気に戻り、ペナルティアエリア内でオーストリア選手を後ろから押したと判定され相手のPKとなったことがわかった。
 
原口本人とすれば、自分の得点を自分の反則で失い、チームとしては勝利を逃したのだから悔しい思いをしたことであろう。
 
サッカーの国際試合の場合、他の球技と異なり観客数も多く、特に敵地での試合となれば99%が相手国のサポーターということは当たり前である。
 
そんな環境ではさすがのプロ選手も本来の実力を出し切れず不利な戦いを強いられる事が多い。
 
そのため、敵地での戦いで「負けなかった試合」はそれなりに評価されることがある。
 
昨夜の結果を伝えるメディアの試合結果の見出しは、アジア王者に敵地で挑む予選の最初の難関であったので「敵地でドロー サッカーW杯最終予選」(朝日新聞)という表現が一般的なのだが、勝ちきれなかった悔しさをにじませたような「サッカー日本代表 厳しい現状、最低限の結果…豪州と分け」(毎日新聞)という見出しもあった。
 
大方のファンもオジサンと同じように、「サッカー日本代表、勝ち切れず 序盤先制もPKで追いつかれる」といった気持ではなかったのだろうか。
 
こんな結果には、辛口のサッカー解説者のセルジオ越後が「セルジオ越後氏、日本の戦いに『こんな臆病な姿は初めて。恥ずかしい』『勝ち点3を取るサッカーした?』」と解説していた。   
 
「日本代表のワールドカップ予選をこれまでいくつも見てきたけど、こんなに臆病な試合をする姿を見るのはW杯に出場するようになってから初めて。恥ずかしくなってしまった。これまでは勝敗の結果はあるにせよ、対等に戦おうとする姿勢は見せていた。だが、今日の試合は最初から守りに徹し、相手の実力が上であることを認めるサッカーだった。今の日本の実力が、このくらいのレベルなんだということを表していたのではないだろうか」

「最後の選手交代(丸山祐市投入)はビックリした。初めてA代表のピッチに立つ選手をあそこの場面で使うのは疑問だ。ハリルは『勝ち点2を失った』と言ったみたいだけど、勝ち点3を取りにいくサッカーをした? グループ最大のライバルとのアウェーゲームとは言え、W杯の予選初戦をホームで落としたチームが勝ち点を取り返すためにやるサッカーをしなかった。交代も遅すぎる。原口元気や小林悠は守備を重点的にしたから、そこから攻撃に出ていくのは大変だ。選手はつらいよね。誰が見ても消耗している選手は明らかだったが、判断は遅かった」

「最近、批判を受けていることに監督はナーバスになっていたようだが、監督である以上、批判されてしかるべきサッカーをしているなら、それはしょうがないことだよ。あと以前、金崎夢生に忠告をしていたが、自分が審判に詰め寄る姿も子どもに見せられるようなものではない。抗議するにしてもやりすぎだね」

「本田圭佑のワントップは個人的にはやるべきではないと思っている。それ以外のセンターフォワードが出てこないという点が問題だ。あと、やはり90分間はもたない。出場機会がないのだから当然と言える。香川真司はどこにいた? 守備をすることが仕事ではない。他にしなければいけない仕事があるはずだ」    
     
全て的を射ており決して酷評ではないと思った。 
 
さて、先日「倫理、道徳観を失った政治家はだれが裁くのか」の中で、自民党閣僚連中の白紙領収書問題で、高市早苗総務相の発言に対して、「与党内の『政治家同士の場合は信頼関係の中でやっているケースがある』行為も、一般常識から逸脱していれば、国民との信頼関係はなくなるという考えが高市早苗総務相には全くなく、単なる与党擁護者に成り下がっている。」とつぶやいた。
 
国会での共産党の追及と多くの国民が税務署に問い合わせたり、怒りの自営業者たちからも「常識はずれだ!」と批判され、遅まきながら自民党は白紙領収書を改めることにしたらしいが、往生際が悪い。  
  
<白紙領収書改めます 自民「法律上問題ない」は改めず>
 2016年10月12日 朝刊 東京新聞
 自民党は11日、政治資金パーティーに出席した議員が受付で白紙領収書をもらい、金額などは自らの事務所で後日記入する慣行が党内にあることを受け、党所属議員に対し、パーティーを主催する場合は受付で金額などの必要事項を記入した領収書を渡すよう改善を通知した。
 通知は受付が混雑し、その場で必要事項を記入した領収書を渡せない場合でも事後に領収書を交付するよう指示している。二階俊博幹事長は党本部で「後ろ指をさされないよう改めるのは当たり前だ」と記者団に述べた。
 白紙領収書の慣行は6日の参院予算委員会で共産党の小池晃書記局長が取り上げ、菅義偉(すがよしひで)官房長官と稲田朋美防衛相が答弁で事実を認めた。菅氏は11日の記者会見で、通知を受け「法律上の問題があるとは考えていないが、国民から不信を招くことがないよう党全体として気をつけようということだ」と述べた。
 同日の参院予算委員会では、共産党の大門実紀史氏が白紙領収書について「世間で通用しない。国会議員や閣僚が使っていいとは法律のどこにも書いてない」と批判。政治資金規正法を所管する高市早苗総務相は所得税法、法人税法にも領収書の作成要件の記載がないとした上で「帳簿と照らし合わせて総合的に状況を見るのが実務だ。その意味では民間と大きく違うわけではない」と強調した。高市氏は6日の参院予算委で「規正法に領収書の作成方法は規定されておらず、法律上の問題は生じない」との見解を示した。 (古田哲也)
 
高市早苗総務相は「規正法に領収書の作成方法は規定されておらず、法律上の問題は生じない」と居直っていたが、その総務省のホームページには、こんな領収書問題が多いことから、丁寧に「収支報告書等の作成」という手引書を掲示して「国民から見て分かりやすい収支報告書等の作成に努めて下さい」と訴えていることを知らなかったようであった。
 
【よくあるご質問】領収書関係の52ページにはこんな問答がある。
 
Q1 法における「領収書等」は、当該支出の「目的」、「金額」、「年月日」を記載した領収書その他の支出を証すべき書面とのことですが、これらの記載すべき事項が記載されていない場合は、「領収書等」に該当しないのですか。
A1 法における「領収書等」は、当該支出の「目的」、「金額」、「年月日」の三事項が記載されていなければなりませんので、1つでも欠ければ、法の「領収書等」に該当しません。一般的な領収書において、「目的」とは「ただし、○○代として」など何に支出されたのかが分かるような記載を、「金額」とは当該支出の金額を、「年月日」とは当該支出の日付をいいます。
 
さらに62ページにも、こんな風に分かり易く解説している。
 
Q.領収書等に支出の目的が記載されていない場合、国会議員関係政治団体側で追記してもよいのか。
A.領収書等は支出を受けた者が発行するものであり、支出の目的についても発行者において記載すべきであり、国会議員関係政治団体側で追記することは適当ではありません。したがって、会計責任者等において発行者に対し記載の追加や再発行を要請することが適当です。
Q.領収書等にあて名が記載されていない場合、国会議員関係政治団体側で追記してもよいのか。
A.領収書等は支出を受けた者が発行するものであり、あて名についても発行者において記載すべきであることから、発行者から追記の要請がある場合を除き、国会議員関係政治団体側で追記することは適当ではありません。したがって、今後、当該国会議員関係政治団体の正式名称を発行者において記載してもらうよう助言することが適当です。
 
罰則規定がなければ、自分たちの都合よく解釈し慣行としてしまえ、という自民党側の驕りとゆるみが露呈した顛末であった。 
 
ところで、後3週間余りと迫ってきた南スーダンに新たに派遣するPKO部隊。
 
戦争法の目玉である「駆けつけ警護」と称する重火器を持った戦闘行為を、まさに実戦で行おうとする安倍政権。
 
しかし現地では、稲田朋美防衛相が7時間足らずの滞在で、それもジュバの市内だけを視察して「落ち着いていると目で見ることができた。意義があった」と強調」していたが、ジュバ郊外はまだまだ戦闘状態が続いている。 
   
<自衛隊PKO活動の南スーダン 襲撃で市民21人死亡>
 10月11日 18時21分 NHKニュース
 日本の陸上自衛隊もPKO=国連の平和維持活動に派遣されているアフリカの南スーダンで、市民を乗せたトラックが武装グループに襲われて21人が殺害され、国連は、政府軍と反政府勢力の双方に直ちに暴力行為を停止し、市民を保護するよう強く要請しました。
ロイター通信などによりますと、南スーダン南部で8日、首都ジュバからおよそ100キロ離れた幹線道路を走っていたトラックが武装グループに襲撃され、乗っていた市民など21人が殺害されました。
この襲撃について、南スーダンの政府関係者は、反政府勢力によるものだと非難を強めていますが、反政府勢力側は「市民を標的にした攻撃は行っていない」と反論しているということです。
南スーダンではことし4月、暫定政府が樹立され和平に向けた動きが本格化しましたが、7月には首都ジュバで政府軍と反政府勢力の戦闘が再燃し、以来270人以上が死亡しています。国連のPKOのUNMISS=南スーダン派遣団は、10日、声明を発表し、市民に対する残虐な行為が行われているとして、政府軍と反政府勢力の双方に直ちに暴力行為を停止し市民を保護するよう強く要請しました。
 ロイター通信などによりますと、南スーダン南部で8日、首都ジュバからおよそ100キロ離れた幹線道路を走っていたトラックが武装グループに襲撃され、乗っていた市民など21人が殺害されました。
この襲撃について、南スーダンの政府関係者は、反政府勢力によるものだと非難を強めていますが、反政府勢力側は「市民を標的にした攻撃は行っていない」と反論しているということです。
南スーダンではことし4月、暫定政府が樹立され和平に向けた動きが本格化しましたが、7月には首都ジュバで政府軍と反政府勢力の戦闘が再燃し、以来270人以上が死亡しています。国連のPKOのUNMISS=南スーダン派遣団は、10日、声明を発表し、市民に対する残虐な行為が行われているとして、政府軍と反政府勢力の双方に直ちに暴力行為を停止し市民を保護するよう強く要請しました。
UNMISSには陸上自衛隊も派遣されていることから、8日には稲田防衛大臣が首都ジュバの自衛隊の宿営地を視察し、首都の治安は落ち着いているとの見方を示しましたが、依然として各地で不安定な情勢が続いています。
「安全確保に万全期す」
稲田防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、「南スーダン各地で偶発的、散発的な衝突が発生している1つではないかと認識している」と述べました。そのうえで、稲田大臣は、国連のPKO=平和維持活動にあたるため、南スーダンに派遣されている自衛隊の活動について、「首都のジュバ市内は、比較的落ち着いているという印象をこの目で見て感じたところだが、引き続き、現地情勢を注視しつつ、わが国の要員の安全の確保には万全を期していきたい」と述べました。
 
国内で政府軍と反政府勢力が武器をもって戦闘行為を行えば、完全に「内戦状態」であり、PKO5原則から逸脱しているのは明らかであるにもかかわらず、それを認めたくない輩は苦し紛れの言い逃れをしようとする。
 
<安倍首相「戦闘ではなく衝突」 ジュバの大規模戦闘>
 2016年10月11日13時37分 朝日新聞DIGITAL
 自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に従事する南スーダン・ジュバで7月に起きた大規模な戦闘について、安倍晋三首相は11日の参院予算委員会で、「『戦闘行為』ではなかった」という認識を示した。民進党の大野元裕氏への答弁。
 ジュバでは7月に大規模な戦闘が発生し、市民数百人や中国のPKO隊員が死亡した。首相答弁に先立ち、稲田朋美防衛相は「法的な意味における戦闘行為ではなく、衝突だ」「戦闘行為とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたはモノを破壊する行為だ。こういった意味における戦闘行為ではないと思う」と述べた。
 「戦闘ではなかったのか」と再三問うた大野氏に対して、首相は「武器をつかって殺傷、あるいはモノを破壊する行為はあった。大野さんの解釈として『戦闘』で捉えられるだろうと思うが、我々はいわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている」と説明した。
 
武器を持った勢力同士が「武器をつかって殺傷、あるいはモノを破壊する行為」を国際的には「戦闘行為」というのだが、この御仁の頭には、武器を持って抗争をつづける国内の暴力団程度のイメージ敷かないようである。
 
しかしフツーの人から見れば明らかにおかしい安倍晋三首相の詭弁には多くの批判が集まっていた。

 
 
「戦闘ではなく衝突」という言葉のすり替えは、「自衛隊のいるところが非戦闘地域だ」と平然と国会でのたまわっていた小泉純一郎元首相の詭弁と同じであろう。
 
ツイッターでも指摘されていたこんな言葉遊びで「駆け付け警護」という新任務を課せられた自衛隊員とその家族はどんな気持ちでこの答弁を聞いたのであろう。
 
この調子だと、万が一「駆け付け警護」で戦闘に巻き込まれて自衛隊員が殉職しても「衝突」なので「事故死」として処理されてしまったら、国を守るために自衛官に志願した自衛隊員はまさに「無駄死に」になってしまう。


「戦闘」でも「衝突」でも1発の銃弾を浴びれば簡単に命を落としてしまうという想像力が欠如している安倍晋三首相。

旧日本軍を彷彿させ、再びあの惨禍の中に日本を引きずり込もうとしている安倍晋三を、これ以上のさばらしてはならない、とオジサンは思う。

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2016年10月10日

存在が知られていない自衛隊のPKOは期待されていない?

昨日の「倫理、道徳観を失った政治家はだれが裁くのか」の中で、稲田朋美防衛相や菅義偉官房長官らの白紙領収書問題で、「富山市議の不正と同じ手口なのに…テレビはなぜ稲田朋美防衛相の“白紙領収書”問題に一切触れないのか」とか、「今度は菅官房長官に「領収書偽造」発覚も…テレビは沈黙、新聞も完全に及び腰…富山市議や豊洲追及の勢いはどこへ」という記事で、この問題に関してテレビは沈黙と批判されたテレビ番組の中で、10日朝の「羽鳥慎一モーニングショー」では司会者がパネルを使って視聴者に分かり易く説明をしていた。
 
このコーナーは必ず解説者として「専門家」が登場するのだが、政治問題に関しては政治評論家と称される人物がパネルの脇に立っている。
 
国民から見れば政治家の非常識な感覚を厳しく追及する内容と期待したのだが、驚くことに安倍晋三首相の「鮨とも」の1人であり、「テレビで安倍擁護連発、田崎史郎・時事通信特別解説委員に自民党から金! しかも国民の血税『政党交付金』から」と過去に報じられた田崎史郎がお目付け役の如く佇んでいた。
 
そのコーナー終了直後から視聴者からの(オジサンを含む)以下のような反響が番組HPに掲載され始めた。   
 
せっかく、稲田朋美防衛相と菅義偉官房長官の白紙領収書問題を、視聴者に分かり易く説明していたが、ゲスト評論家が安倍晋三首相と「鮨とも」と呼ばれている時事通信社の田崎史郎だったので、全体のトーンが、追及ではなく
「政治家の政治団体は課税対象ではない」との専門家の意見を紹介し、全体的にうやむやな終わり方であった。

自民党の広報担当評論家田崎がこの番組によく出てくるけど、これってこの番組が視聴者ではなく政権のほうを向いて制作していることの証明になってるね。 羽鳥はオロオロしてみっともない。政治問題のMCが出来ないんだったらバラエティー専門になったほうがいいんじゃない。

本日防衛大臣となった稲田大臣の特集を行っていますが、解説の田崎さんは不適です。この人はマスコミ人の顔で出ていますが、この人は安倍総理と飲食を共にしている人で体制側の弁護をする人です。公平な解説者を出してください。防衛大臣という責任ある立場についているのですから「慣れていないから・・」などの弁解は許されません。稲田さんはいろいろな問題がある議員ですが、大臣就任以来、夫名義で軍需産業の株を大量に買っているのも大問題です。インサイダーになる件なのになぜ報道しないのですか? 是非取り上げてください。大臣として失格です。

司会といいコメンテーターといい、
野党時代に尖った事をいうのはそういう手法だからそういうものだとか
白紙の領収書は違法ではないからそういうものだとか言っているけど、
マスコミなら、政治家自身が作ってる抜け道であったり慣例をそういうものだですませないでほしい。
ゲストの方は市民目線で発言してくれているが、
コメンテーターが笑いながら若干キレ気味なのも大人気ない。
追求みたいな体でボード出している割に
司会側がまったく追求する気配がない。
擁護したいなら最初から応援するようなボードにすれば?
しばらく見ていたけどテレビ消しました。

 
テレビ朝日の制作現場の腰の引け方が露わになった番組であった。
 
その番組の中で、田崎史郎は「白紙領収書は民進党もやっており、政党助成金を受け取っていない共産党だから国会で追及できたのでしょう」と言われた共産党機関紙「赤旗」の記事を再確認しておく。  
 
<白紙領収書“問題ない”の強弁 自民の常識は国民の非常識>
 2016年10月9日(日) 赤旗
 日本共産党の小池晃書記局長が6日の参院予算委員会で追及した稲田朋美防衛相、菅義偉官房長官ら安倍内閣の主要閣僚の「白紙領収書」問題は、「これが大臣の『常識』か」(「朝日」8日付社説)、「政治家の非常識に驚く」(「毎日」同)など批判の声が広がっています。自民党の「常識」は、国民からみて非常識そのもの。通用しません。
 「ありえないじゃないですか、普通の会社だったら」(40代・男性会社員)、「なんでも偽造できちゃうじゃないですか」(20代・女性会社員)
 7日放送のTBS系番組「NEWS23」は、小池氏の国会論戦を交えながら、「白紙領収書」に怒り、疑問をなげかける街頭インタビューの声を紹介しました。番組キャスターの星浩氏は「民間は税務署のチェックが非常に厳しいので、とっくにこの“白紙領収書”というやり方はやっていない。国会議員だけがオッケーという制度はどうみても不合理」とコメントしました。
 短文投稿サイト・ツイッターでも「もう法律の意味がなくなってしまう」など批判が飛び交っています。
 国会議員の政治資金パーティーにお金を払って出席した際に、主催者側から白紙の領収書を受け取って、後から金額を書き込む―稲田氏らはこの事実を認めましたが、小池氏に追及されると「法律上、領収書の発行側の作成方法は規定されておらず、法律上の問題は生じない」(高市早苗総務相)と居直っています。
 「金額が白紙のものは領収書とは言わない。総務省発行の政治資金収支報告の手引きにも(領収書の金額は)後から追記してはいけないと書いてある」(小池氏)という、そもそものルールさえ、政治資金を所管する閣僚がわからない異常。
 社説でも、「領収書をめぐっては、富山市議が白紙の領収書を偽造して政務活動費を架空請求した不祥事が判明したばかりだ。パーティーの白紙領収書も、裏金作りなどに悪用される懸念は否定できない」(「毎日」8日付)と指摘しています。

稲田朋美防衛相が国会で民進党の辻元清美と蓮舫に集中砲火を浴びていたことについて、田崎史郎は「民進党の国会戦略で、稲田防衛大臣を攻めて、安倍内閣の弱体化を狙った」と訳知り顔で解説していたが、その稲田防衛相は、これ以上国会で追及されたらアブナイとばかりに、以前は余りにも危険すぎたので「マラリヤの予防接種でアレルギーが出た」という理由でドタキャンした南スーダンを視察していた。
 
<稲田防衛相 南スーダンPKO、厳戒の視察 滞在7時間、防弾車両で移動>
 毎日新聞 2016年10月10日 東京朝刊
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 【ジュバ村尾哲】稲田朋美防衛相が8日、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊施設部隊の活動状況を視察するため、南スーダンの首都ジュバを訪れた。現地の政府高官や国連南スーダン派遣団(UNMISS)幹部は首都の治安が改善していることを訴え、インフラ整備に対する日本の支援に期待感を表明。武力衝突が起きた7月以降、自衛隊が控えていた国連施設外での活動再開に向けた調整も進んでいる。
 南スーダンでは7月、大統領派と当時の第1副大統領派の武力衝突が起き、日本の国際協力機構(JICA)の職員らが国外へ退避した。政府は11月に派遣する交代部隊に対し、安全保障関連法に基づいて「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務を付与すべきか検討しており、現地視察はその判断材料となる。稲田氏の滞在時間は約7時間に限られ、安全確保に万全を期すためとして報道関係者の同行も4人に限っての代表取材となった。
 稲田氏や同行者は自衛隊の防弾仕様の四輪駆動車に分乗し、ジュバ市内を移動。自動小銃を構えた南スーダン政府軍兵士約10人が乗るトラック2台が車列の前後について警戒した。ヤウヤウ副国防相との会談には、道路橋梁(きょうりょう)担当相や農水相ら5閣僚が同席し、日本によるインフラ整備支援を求めた。南スーダン側の要請で急きょ、JICAと日本企業が7月に退避したため中断している橋の建設現場の視察も日程に加わった。同行筋は「南スーダン政府は大型案件である橋の工事を日本に再開してほしいとの思いが強い。厳重な警備も安全面は大丈夫と言いたいのだろう」と解説した。
 こうした中、国連側は自衛隊による国連施設外の活動再開を非公式に打診しているという。治安が安定していた7月以前は、ジュバ市郊外でも自衛隊は活動していた。11月に派遣される交代部隊に駆け付け警護の任務が付与され、国連施設の外で活動することになれば、施設内だけの活動に比べ、他国の部隊や非政府組織(NGO)関係者の救援に当たる可能性が格段に高まることは確実だ。
 だが、今回の視察で稲田氏はジュバ市郊外に足を運ぶことはなかった。また、橋の視察が組み込まれた影響で自衛隊宿営地での視察時間が短縮され、隊員との昼食や訓示などの日程を慌ただしくこなした。日程の最後には、自衛隊が国連施設内で避難民向けの退避壕(ごう)を整備している現場を5分ほど視察。稲田氏は視察後、記者団に「きょう見たのはジュバ市内だが」と断ったうえで、「落ち着いていると目で見ることができた。意義があった」と強調し、再び厳重な警備の下、空港に向かった。
 
安全といわれたジュバ市内を、「自衛隊の防弾仕様の四輪駆動車」に乗り、「自動小銃を構えた南スーダン政府軍兵士約20人」に護衛されながら、駆け付け警護にゴーサイン出すためのアリバイ作りとして視察したのであろう。 
 
僅か7時間足らずの滞在で、それも自衛隊が活動しているジュバ市郊外を見ずに、「落ち着いていると目で見ることができた。意義があった」と強調していたそうだが、はたして自衛隊のPKO部隊を現地で迎える支援者たちはどう見ているのか。
 
<南スーダン現地の支援関係者は、PKOの「駈け付け警護」に誰も期待していない!?>
 2016年10月09日 HARBOR BUSINESS online
20161010southsudanpko_01.jpg 南スーダンにPKO(国連平和維持活動)として派遣されている陸上自衛隊に、今年11月には「駆け付け警護」任務が付与される見通しだ。政府は任務を付与するかどうかの最終結論を10月中に出す見込みだが、なかなか詳しい現地の状況は伝わってこない。
 そこで、9月に南スーダンの首都ジュバに入り、避難民への支援活動を行った国際NGO、「日本国際ボランティアセンター」(JVC)スーダン事務所現地代表の今井高樹さんに話を聞いた。7月の戦闘激化以降、南スーダンに入った日本人は、自衛隊と政府関係者を除けば今井さんくらいだろう。
 
■街中での写真撮影禁止、報道関係者専用の収容所まで
「南スーダンは2013年の内戦勃発以降、継続的に戦闘が発生しています。しかし、その状況は国外にほとんど伝えられていません」と今井さんは語る。
「南スーダン政府は海外に国内の状況を知られることを極度に嫌い、報道関係者に対する弾圧を行っています。戦闘行為を伝えようとする報道関係者は、政府により拘束・投獄されることが常態化。報道関係者を収容するための専用の収容所まであるそうです。
 また、外国人が街中で写真を撮ることさえ禁止されています。市民が密告することもあり、外国人が捕まることも日常茶飯事です」
 
■自衛隊の存在自体も知られていない
20161010southsudanpko_02.jpg 日本が「駆け付け警護」を行うということは、現地では伝えられているのだろうか。
「自衛隊の存在自体、南スーダンではあまり知られていません。『国連PKOの一部』くらいの認識しかないでしょう。もちろん自衛隊がPKO5原則を持っていることや、憲法上の制約があることなども、現地では全く認識されていません。
 2013年の内戦勃発以降、戦闘を止められてこなかったPKO部隊に対して、国民はほとんど何も期待していません。戦闘発生時の避難場所としては頼りにされていますが。南スーダン政府は『避難民の中に反政府派がまぎれ込んでいる』と考えているため、避難民に対しても敵対的です。
 そもそも、南スーダン政府自体がPKOを快く思っていないようです。外交の公式な場では政府がPKOや国連を批判することは控えていますが、政府の高官はたびたび『PKOは主権の侵害。出ていってほしい』と発言しています」
 
■現地の支援関係者たちは、PKOより民間警備会社を信頼
 実際、現地で活動する支援関係者はPKOに「駆け付け警護」をしてもらっているのだろうか。
「現地のNGO関係者の間では『安全確保ではPKOに期待できない』という意見が一般的です。7月の戦闘の際、外国人が多く泊まっている首都ジュバのホテルが政府軍の兵士に襲撃されました。南スーダン人のNGO関係者が殺害され、外国人は長時間拘束されたうえに何人かの女性はレイプされ、国際問題に発展しました。
 その際、宿泊客は駐在しているPKOに対して救助を要請しました。しかし、PKO側は検討をしたうえで、出動を拒否しました。そういったこともあって、現地の支援関係者はPKOには期待せず、民間警備会社と契約をして身を守っています。
 後にこの襲撃は南スーダン政府軍兵士が行ったということを南スーダン政府が認め、国連の要請によって調査を行っています。もちろんPKOは何も手を出せないでしょう」
 
■武力行使以外で日本が貢献できる分野の議論も必要
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「南スーダンでは、政府軍と反政府軍のそれぞれに同調する民兵が入り乱れている状況。PKO部隊が南スーダン政府の検問所で停められることもよくあります。もし駆け付け警護で出動して、政府側の民兵とことを構えれば、南スーダン軍とPKOが戦闘状態に入ってしまう可能性すらあります。
 日本政府は駆け付け警護に際して『相手国の同意を得る』と言っていますが、それはどう考えても不可能です。自衛隊が自国民を守るためにPKOの指揮を離れて独自に救助活動することが現実的とも思えません。駆け付け警護はそもそも前提がおかしいのです。
 現地の状況を知りもしないで行われている、架空の議論に疑問を感じます。私のように現地生活が長くなると、いったい現地の人々にとってはどうなのだろう……と考えてしまいます。こうしている間にも、現地では毎日数え切れないほどの弾薬が使われ、多くの命が失われています。
 日本では、自衛隊がどうするかということばかり議論されています。『武力の行使』以外の分野では、どのような形で内戦・紛争解決に貢献できるのかといったことも議論するべきでしょう」
※JVCでは南スーダンの緊急支援に対する寄付を募っている。詳しくはJVCのHPを参照。今井さんは現在日本に一時帰国し、10月12日に東京・築地本願寺講堂で報告会を開催する。
<取材・文/白川愚童 写真提供/日本国際ボランティアセンター(JVC)>
 
スーダン事務所現地代表の今井高樹さんは、さらにこんな話もしていた。
 
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避難民キャンプの前で聞き取り調査を行う今井さん
 
「現在南スーダンで行われている戦闘は、単なる政府軍VS反政府軍というものではないんです。政府軍以外の兵士は軍服を着ていません。そして政府側・反政府側のどちらにも、武装勢力の民兵が戦闘に参加しています。
 一般の人々は誰と誰が戦っていて、自分たちが何のために攻撃を受けているのかもわからない状況です」
「日本政府は南スーダンで『紛争は発生していない』と話しています。起きているのは、あくまで『発砲事案』であると。日本の自衛隊派遣にはPKO5原則というものがあり、戦闘当事者の間で停戦合意が行われていることが条件となっているので、そのような言い方をしているのでしょう。
 しかし、戦車や軍用ヘリが日常的に戦闘行為を行っている状況が、どうして『紛争』ではないのでしょうか。また、自衛隊は憲法9条のからみから他国軍とは交戦できないことになっています。しかし、戦闘しているのが誰かもわからないところで、どうやって『軍』と『軍以外』を分けるのでしょうか。
 自衛隊の活動現場になるであろうジュバのPKO司令部は、避難民保護施設に隣接しています。その周辺では銃撃、兵士による住民・避難民への暴行、国連関係車両への妨害行為が頻発しています。いつ戦闘が発生し、それに巻き込まれてもおかしくないでしょう」
 
駆け足視察の稲田朋美防衛相は、こんな現地の実情を知ることもなく帰国してしまい、その報告を受けて政府がPKO派遣を決定してしまうという。
 
存在自体を知らされていない日本の自衛隊が、民間警備会社より信頼されていないPKO活動で、しかもスーダン政府の閉鎖的な報道規制では、命を落とすことがあっても、現地からの報道は日本には届かない可能性もあり得る。
 
このような状態で11月から自衛隊が新任務が付加されたPKO活動を本当に果たすことができるのか、はなはだ疑問である、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:22| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 南スーダンPKO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月29日

20年以上前から違憲だった自衛隊派遣

衆院本会議で野党の代表質問が始まったにもかかわらず、昨日のすべてのテレビメディアは、始まった都議会での小池百合子都知事の所信表明演説一色になっていた。
 
スポンサーが命の民放としては、視聴率を稼げる「小池劇場」の実況が最優先であった。 
 
その裏番組では衆院でも代表質問があり、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐり、論戦になっていた。
 
陸上自衛隊がPKOに従事する南スーダンの情勢について、共産党の志位和夫委員長は「内戦の悪化が深刻になっている」と指摘したことに対して、安倍晋三首相は、
 
「(7月の戦闘を)武力紛争とは考えておらず、現在、現地の情勢は比較的落ち着いている。『PKO参加5原則』は一貫して維持されている」と反論し「『殺し、殺される』というおどろおどろしいレッテル貼りは全くの的外れだ」と強調していた。
 
先日、「机上の空論、南スーダンPKO」の中で、「知的怠慢としかいいようがない。日本政府が想定するような状況が、南スーダンで本当にあり得ると考えているのでしょうか。PKO参加5原則の柱である『当事者間の停戦』はとっくに崩壊しています」と語る東京外語大の伊勢崎賢治教授の根本的な疑問を紹介した。
 
実はこの教授は異色の経歴の持ち主であることを最近知った。
 
インド国立ボンベイ大学大学院に留学中、現地スラム街の住民運動に関わる。2000年3月 より、国連東チモール暫定行政機構上級民政官として、現地コバリマ県の知事を務める。2001年6月より、国連シエラレオネ派遺団の武装解除部長として、 武装勢力から武器を取り上げる。2003年2月からは、日本政府特別顧問として、アフガニスタンでの武装解除を担当。現在、東京外国語大学教授。プロのト ランペッターとしても活動中。
 
この過去の経歴からも分かるように、PKOに関しての知識は日本の政治家たちは足元にも及ばない。
 
今年の2月ころ、「自衛隊『海外派遣』、私たちが刷り込まれてきた二つのウソ?ゼロからわかるPKOの真実」という記事ではこう怒っていた。 
 
つまり、自衛隊の派遣は、「武力の行使」と「交戦権」を禁じる9条に、20年以上前に自衛隊がカンボジアPKOに送られてた時から、ずぅーと、違反しているのだ。
こんな、現場に行けば(行っても自衛隊の追っかけばかりやっていなければ)簡単にわかることを、メディアが、それも派遣反対のメディアが、世論が、リベラル政治勢力が、検証を怠ってきた。
本当に、ふざけるな、なのである。
日本国民の、自衛隊へのアレルギーを取るために、PKOという"崇高"な目的を使い続けてきた歴代自民党政権の戦略にブレは無い。9条と抵触させないための見え透いた刷り込みは、着実に成果を上げ、自衛隊への好感度は国民にしっかり定着した。
安倍政権の今、野党/与党の対立の政局は、依然として、その刷り込まれたウソで固められた土俵の上に、繰り広げられている。安倍政権打倒を叫ぶ野党結集にも、その土俵を土台からひっくり返すことを結集の結節点にする声は、皆無だ。ただ、ABEの悪魔化と憎悪があるのみ。
いつまで、これを続けるのか。
 
こんな激しい口調では、多くの読者に不安と誤解を与えてしまうという杞憂からか、7か月後にはかなりトーンを変えて語りかけるような、分かり易い文章を提供していた。 
 
国会の代表質問への答弁で安倍晋三首相が、「現地の情勢は比較的落ち着いている」と答えたことに対しては、「安定している」と言い続けなれば、南スーダンに自衛隊を置き続ける法的な根拠が土台から崩れてしまうからだと、PKOの実態を明かしていた。 
 
<南スーダンの自衛隊を憂慮する皆様へ?誰が彼らを追い詰めたのか?>
 2016.09.27 現代ビジネス
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・・・前略・・・
南スーダンPKOの筆頭任務は「住民の保護」
南スーダンは、スーダンの内戦から生まれた、世界で一番新しい国です。2011年のことです。
国際社会は、依然隣国のスーダンとの紛争を抱えるこの国の誕生を支援しようとしました。PKOも、新しい国の建国の支援という意味合いで派遣されることになりました。
ところが、しばらくすると、この国は内部から分裂してしまうのです。なんと、新しい内閣の大統領と副大統領が仲違いし、両派の間で2013年から激しい内戦状態になるのです。
2013年は、1999年のPKO変革の後ですから、南スーダンPKOは、即座に、筆頭任務を「住民の保護」(保護する責任)に切り替えました。ルワンダの時のように、撤退はしません。
 
20160929_gendaibusiness2.jpg南スーダンで活動するPKO兵士。「住民の保護」のため、もはや撤退することはない。〔PHOTO〕gettyimages
 
昨年2015年にやっと、停戦合意が、締結されました。その合意を実行するために、ずっと国外にいた副大統領とその一派が首都ジュバに入り、これから新しい政府の体制をつくろうかという矢先、今年7月、両派の間で大規模な戦闘が起きてしまったのです。
多くの住民が犠牲になりました。でも、PKOは逃げません。中国軍のPKO兵士が2人殉職しました。
事態を重く見た国連安全保障理事会は、先月、PKO部隊4000名の増員を決定しました。
繰り返しますが、PKOは、もう、逃げないのです。住民を守るために。
 
 自衛隊派遣の根拠は? 
さて、自衛隊です。
皆さんの中には、「駆けつけ警護」などの新しい任務を背負わせて、安倍政権がこれから自衛隊を派遣すると思っている方はいませんか?
それは違います。南スーダンに自衛隊を送ったのは、2011年、民主党政権です。
この時に派遣の根拠としたのは、PKO派遣5原則という日本の国内法で、1992年にできたものです。
PKO派遣5原則とは、自衛隊の派遣のための条件です。
その条件とは、紛争当事者の同意があり停戦が守られていること。そして、その停戦が破られたら撤退できる、というものです。
これが、現在でも、南スーダンの自衛隊派遣の根拠になっているのです。
PKO派遣5原則はなりたっていないのだから自衛隊は今すぐ撤退させろ!と皆さんは思うでしょう。
できません。遅すぎます。
今、全世界が、南スーダンの情勢を憂い、住民を見放すなと言っている時に、日本が引いたら、どうなるか? ルワンダの時とは、まったく違うのです。日本は、危機に瀕した無垢な住民を見放す非人道的な国家として烙印を押されます。外交的な地位が失墜します。
だから、現場の自衛隊は、撤退しないのです。というか、できないのです。
 
 誰が自衛隊を追い込んだのか?
これは、非常に奇妙な状況です。
だから日本政府だけなのです。世界が重大な人道危機と憂いている南スーダンの今の状況を、「安定している」と言い続ける国は。
「安定している」と言い続けなれば、南スーダンに自衛隊を置き続ける法的な根拠が土台から崩れてしまうからです。
でも、その土台を根本的に見直す、という話にはならない。
だって、その土台を運用してきたのは、歴代の自民党政権だけでなく、旧社民党の面々も内閣にいた旧民主党政権の面々も、みんな同じ穴のムジナなのですから。
つまり、諸悪の根元であるPKO派遣5原則の見直しは、「政局」にならないのです。だから、ズルズルとここまできてしまったのです。
現場の自衛隊はたまったものではありません。全く意味をなさない日本の国内法と、国際人道主義の板挟みになって、世界で最も危険な戦場の一つに置かれ続けるのです。
自衛隊をこの状況に追い込んだのは誰の責任でしょうか?
1999年の国連によるPKOの劇的な変化を見誤ったのは、誰の責任でしょうか?
そのPKOに劇的な変化をさせたのは、現場で起こっている人道危機です。南スーダン、いや、アフリカのあの一帯の危機的状況を見誤ったのは、誰の責任でしょうか?
自民党だけですか? そもそも、常に批判の目を政策に注ぐのが、野党の役目じゃないのですか? 
僕は、安倍政権の安保法制に反対の立場をとってきました。これは、現場、特に南スーダンの自衛隊の立場を、今まで以上に悪くするものと考えています。
しかし、以上の説明のように、諸悪の根元は、この安保法制ではありません。それ以前からあるPKO派遣5原則なのです。
言うまでもなく、PKO派遣5原則の見直しには、与党、野党、双方がまず懺悔することが必要です。これを政局にしてはいけません。与野党の協力が必要なのです。 
残念ながら、それには、時間がかかります。
じゃあ、今、我々が直面する南スーダンの危機をどう乗り切るか?
神様に祈るしかありません。
国連がPKOの増員を決定したばかりですから、いつか必ず、現場は、小康状態になるはずです。それまで、自衛隊が、武力で住民を守らなければならないような状況に遭遇しないことを祈る。それしかありません。
そして、なんとか持ちこたえて、その小康状態が訪れたら(その時には国際人道主義も少しは余裕があるはずで)今度こそ、チャンスを逃さず、自衛隊を一旦、完全に撤退させましょう。
ここまでのプロセスを、懺悔と共に、与野党が合意するのです。
そして、PKO派遣5原則を見直す国民的議論をしましょう。
 
 「9条を護る」とはどういうことか
繰り返しますが、今PKOに加わることは、「紛争の当事者」になることを前提としなければなりません。
それは、つまり、「敵」を見据え、それと「交戦」することです。9条が許しますか?
これは9条の問題なのです。
二つしかオプションはありません。
@ 変貌したPKOに自衛隊を参加させるのだったら、9条を変える。
A 9条を変えないのなら、自衛隊は絶対にPKOに行くべきでない。
これを国民が決めるのです。
これこそを、与野党は、政局とするべきなのです。
その際に、特に憲法9条を大切に思っている皆様に考えていただきたいことがあります。
南スーダンのあるアフリカのこの一帯は、すべて、原油、レアメタル、ダイヤモンドなどの資源国です。
内戦状態のこういう国から、資源がなぜか我々一般消費者の元に届くのです。密輸されたものです。そして、この利権が内戦の原因なのです。
欧米では、こういうものを「紛争資源」「紛争レアメタル」「紛争ダイヤモンド」と呼んで、業界そして消費者自身の自主規制の運動を始めています。
 
20160929_gendaibusiness3.jpg9月12日、ワシントンで記者会見を開き、南スーダン内戦に加担する銀行を強く非難したジョージ・クルーニー〔PHOTO〕getty 
内戦の原因となる地下資源をマーケットから排除する取り組みがなされているのです。アメリカでは、それをすでに法令化し、EUでも同じ動きがあります。
日本はどうか。全く、悲劇的に、遅れているばかりでなく、日本のメディアは報道すらしません。
メディアの責任か? 我々視聴者が、それに興味を示さないかぎり、営利企業であるメディアは報道しません。
日本は、「紛争資源」を無批判に消費する、数少ない先進国の一つになってしまいました。日本国憲法の前文でいう「名誉ある地位を占めよ」とは、こういうことなのですか?
我々は、今度こそ、本気で、「9条を護る」とは、どういうことか、考えなければなりません。 
 
確かに「南スーダンに自衛隊を送ったのは、2011年、民主党政権」という事実を明確に覚えている人は少ないかもしれないが、当時のテレビニュースで放映されていた。
 
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「20年以上前に自衛隊がカンボジアPKOに送られてた時」から憲法違反だったPKO。
 
与野党が賛成して作った「諸悪の根元であるPKO派遣5原則」。 
 
PKOから自衛隊を撤退させるということができないのが、「歴代の自民党政権だけでなく、旧社民党の面々も内閣にいた旧民主党政権の面々」であるので、「与党、野党、双方がまず懺悔」をして、「PKO派遣5原則の見直し」をしなければ自衛隊員の命は守られない、と伊勢崎教授は説く。
 
過去には、「PKO法案に『憲法違反だ!』と大騒ぎしていた面々。あれから20年。彼らの言説は?」と批判している自称政治学者もいたが、このような法律は最初に認めてしまうと徐々に内容が変節してしまい、当時は自衛隊員の生命の危険などは想定外だったかもしれない。 
 
PKO法案が1991年に国会に提出されたとき、反対したのは当時の社会党と共産党だけ。
 
そして社会党が消滅し、国会で安倍政権に南スーダンの情勢について質問できるのが共産党だけだという理由がよくわかるのではないか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:53| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 南スーダンPKO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする