2017年04月02日

疑惑解明は進まないが、戦前回帰にはまっしぐらの安倍政権

先月末に開花した桜が異例の寒さで震えていたが月が替わり徐々に気温が上昇してきたので、今週末は満開の桜が期待されそうである。
 
国会では、日本会議に連なる輩同士の仲間割れの様相になってきた森友学園疑惑も、小出しに出てくる籠池サイドの情報を残念ながら野党側がうまく利用できず腰が引けてきた感じである。
 
本来ならば次年度予算案を人質にして審議をストップするほどの構えで、財務省の「忖度役人」や自分の肩書を使って自由奔放に振る舞っている安倍昭恵らの証人喚問を要求するべきであった。
 
それがなぜかあっさりと予算案を通過させてしまったので、政府を追い詰めるカードがなくなってしまい、安倍政権のメディア操作により、森友学園疑惑は、籠池前理事長の逮捕によって強引に幕引きされる可能性も出てきた。 
  
そして先月末から昨日にかけて、政府側の不穏な動きが露骨になってきている。
 
中学武道に銃剣道を追加 体育で「異性への関心」は残る
 
こんな記事を見て、「なんでこの時代に銃剣道?」という気持ちになった国民も少なくはなかった。
 
こんな動画を見て、かなり前から銃剣道の大会が行われていたことをオジサンも初めて知った。 
 
【第23回全日本銃剣道選手権大会 準決勝&決勝 ダイジェスト】

 
これに対しては、連日、反対の異を唱えていた人が精力的にツイッターを飛ばしていた。


そもそも「銃剣道」は、接近戦(白兵戦)において相手を銃剣で相手を突き刺して倒す格闘術「銃剣術」から生まれた競技であり、「銃剣」とは、小銃(ライフル銃)の先端に装着する短剣で、鋭い刃を持つもの、先端が尖っているものなどがある。
 
こんな競技をやっている人たちは9割が自衛隊員ということは、中学生のころから銃剣道に親しんでもらい、将来は立派な自衛官になってもらいたいという政権側の思惑が透いて見える。
 
なぜ「銃剣道」が新学習指導要領に加わったのかの答えは、中央教育審議会(中教審)による学習指導要領改訂に関する答申にある。
 
2016年12月に出された、中教審の「学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」では、中学の保健体育について「グローバル化する社会の中で、我が国固有の伝統と文化への理解を深める観点から、日本固有の武道の考え方に触れることができるよう、内容等について一層の改善を図る」としていることから、銃剣道が加わったらしい。 
 
もっとも中学生からでは遅すぎるとばかりに、幼児期からと「保育所で『国旗国歌』 運営指針決定 委員『議論一切なかった』」ということなのか。
 
「国旗国歌」は文科省が積極的に、現実には強制的に推し進め、公立学校では行事の際の日の丸の掲揚と式の初めの君が代斉唱は当たり前になっており、厚労省管轄の保育所でも「国旗国歌」を、と官邸から言われる前に忖度した結果の決定であろう。
 
まさに幼児、園児、中学生と着々と「軍国少年」作りが進んでいるようである。  
 
そして極めつけがこの動きである。 
 
<最近話題の「教育勅語」肯定論は… 歴史修正主義と表裏一体>
 毎日新聞 2017年3月28日 東京夕刊 
  国民の代表たる国会が戦後に否定した127年前の文書について、閣僚が「取り戻そう」と叫ぶ平成ニッポンである。文書とは、森友学園問題で注目された「教育勅語」。稲田朋美防衛相をはじめ、安倍晋三政権の周辺には肯定論を唱える人が多い。彼らの主張は正しいのか?【吉井理記】
「皇国史観」と「国家への服従」思想 明治期、「古くて偏向」と改定の動き 戦時期には「玉砕」を助長
 まず教育勅語を読んでみよう。戦前・戦中は小学校令などでは勅語の写し(謄本)に最敬礼するのが義務だったが、今は平成の世である。落ち着いて読んでほしい。
 教育勅語は、1890年に明治天皇が国民に与えた。戦前教育のベースとされたが、敗戦後の1948年に「主権在君や神話的国体観に基づき、基本的人権を損なう」などとして、戦後の選挙で国民が選んだ衆参両院の議員が議論し、排除・失効を決議した。
 その教育勅語、森友学園の人々だけでなく、稲田氏も「教育勅語の核は取り戻すべきだ」(3月8日、参院予算委員会)と評価した。安倍首相自身、排除された経緯に触れながらも「『夫婦は温かい家庭を築き……』など大変素晴らしい理念が書いてある」(2006年6月2日、衆院教育基本法特別委)と褒めているし、閣僚の多くが関わる保守団体「日本会議」の小堀桂一郎副会長は「教育勅語を復活すべきだ」(月刊誌「正論」03年11月号)と訴えるのだ。
 だが、以下の事実を知っても、彼らの認識は「素晴らしい」と思えるだろうか?
 「教育勅語は、明治期ですら政府内で内容が問題視され、改定が議論された。それを今に至って政治家が称賛するとは……」と絶句するのは、日本教育史が専門の日本大教授、小野雅章さんである。
 実際、教育勅語が出た4年後に文相になった西園寺公望は、勅語の価値観を「文明の進歩に少なからず障害を与える。皆さんは注意し、古く偏った考えを打破し、世界の文明に合わせた教育を進め……」(1895年4月、東京高等師範学校での訓示)と批判し、「女子教育を充実させ……外国人に親切に」などと書き込んだ「第2次教育勅語」の草案を書いた。
 驚くことに、明治天皇自身が西園寺の指摘を受け入れ、草案の起草を命じたという。しかし西園寺の病気で実現しなかった(文相参事官を務めた竹越与三郎著「西園寺公」1947年)。
 小野さんが解説する。「西園寺の懸念は勅語にある『皇祖皇宗、国を肇(はじ)むること……』ににじむ皇国史観が『日本は特別な国だ』という内向き思考を招き、国際協調に悪影響を与える、ということです。教育勅語は数年で改定が議論される程度のものでしたが、天皇の権威が確立し、天皇の言葉の改定・撤回はありえない状況になりました」
 では内容はどうか。安倍首相いわく「大変素晴らしい」ものらしいが……。
 調べると、教育勅語が出た翌年、1891年に出版された解説書「勅語衍義(えんぎ)」に行き着いた。勅語の読み方を詳述したものだ。
 ただの解説書ではない。宮内省帝室編修官を務めた渡辺幾治郎の「教育勅語渙発(かんぱつ)の由来」(1935年)などによると、明治天皇の命で時の文相・芳川顕正が哲学者・井上哲次郎に書かせた。私著として出版されたが、明治天皇も「天覧」し、教育勅語が国民に何を求めているかを説明した事実上の「公式教科書」として扱われた。
 何を求めているか。例えば「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」(国家に事変があれば、勇気を奮い一身をささげて皇室国家のために尽くすべし=尋常小学修身書)の項だ。
 「(臣民は)ただただ徴兵の発令に従いて己の義務を尽くすを要す……真正の男子にありては、国家のために死するより愉快なることなかるべきなり」。もう、訳する必要もあるまい。
 「爾(なんじ)臣民父母に孝に」の項は「一国は一家を広げたもので、君主が臣民に命じることは一家の父母が子らに言いつけることと同じだ」、「以(もっ)て天壌無窮(てんじょうむきゅう)の皇運を扶翼(ふよく)すべし」(かくして天地とともにきわまりなき皇位のご盛運を助け奉るべきなり=同)も「臣民は君主の意を体し、逆らってはならない。服従は臣民の美徳である」など、あらゆる場面で「天皇主権」が強調される。明治政府が勅語を通じて国民に求めたものを、現代ではどう感じるか。
 政治思想史に詳しい放送大教授の原武史さんは「現憲法の国民主権、基本的人権の尊重と正反対の内容です。『良いことも書いてある』と評価する人は、一体どういう読み方をしているのか」とあきれるのだ。
 なぜなら「父母に孝に……」などの「徳目」が並ぶ一文は「以て天壌無窮の……」で結ばれる。「つまり『良いこと』のように並ぶ徳目は、すべて皇室を支えるために臣民に課す、という位置づけです。戦前の小学校でも、これが教育勅語の核と教えられた。一部を切り出し、全体を評価することはできません」と解説する。
 元文部科学相の下村博文氏も14年4月に「内容はまっとうだが、昭和期に誤った使われ方をした」と述べたが、原さんは「確かに小学校で暗唱が課されたが、昭和期に語句が変わったわけではない。最初から問題のある思想を内包していた」と両断した。
 憲法学の専門家の意見を聞いてみたい。早稲田大教授の水島朝穂さんだ。普段は温厚なのに本気で怒っていた。
 「戦前は学校の『奉安殿』に教育勅語の写しと天皇、皇后の写真が保管された。文部省学校防空指針では人命より重視され、空襲時に持ち出そうとして焼け死ぬ校長も相次いだのです。子供も勅語で『皇室国家に命をささげよ』と教えられ、兵士となって戦場では降伏せずに玉砕した。その勅語の称賛は、不見識を越えて不届き至極です」
 現憲法の精神に反する教育勅語をたたえる国会議員は、公務員に課された憲法尊重擁護義務から見ても不適格だ、と怒りが収まらない。
 「歴史修正主義者は、枝葉を否定して全体をも否定しようとします。日本でも戦前・戦中の歴史で同じような議論がありますね。逆に教育勅語では、枝葉を肯定することで全体をも肯定する。勅語肯定論と歴史修正主義は裏表の関係なのかもしれません」
 前出の原さんはこんな危惧を抱く。「来年は『明治維新150年』です。明治天皇の言葉である教育勅語を再評価する可能性もある。結局、私たちが歴史を見る目を養うほかはないんです」
 個人の考えは自由である。だが閣僚や国会議員の歴史観や思想は注視すべきだろう。教育勅語が人々を縛った時代の再来を防ぐためにも。
教育勅語(現代仮名遣い)
朕(ちん)惟(おも)うに我が皇祖皇宗、国を肇(はじ)むること宏遠(こうえん)に、徳を樹(た)つること深厚なり。我が臣民克(よ)く忠に克く孝に、億兆心を一にして、世世(よよ)その美を済(な)せるは、これ我が国体の精華(せいか)にして教育の淵源(えんげん)また実にここに存す。爾(なんじ)臣民父母に孝に、兄弟に友に、夫婦相和(あいわ)し、朋友(ほうゆう)相信じ、恭倹(きょうけん)己を持し、博愛衆に及ぼし、学を修め業を習い、以(もっ)て智能を啓発し、徳器を成就し、進んで公益を広め、世務(せいむ)を開き、常に国憲を重んじ国法に遵(したが)い、一旦(いったん)緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮(てんじょうむきゅう)の皇運を扶翼(ふよく)すべし。かくのごときは、独り朕が忠良の臣民たるのみならず、また以て爾祖先の遺風を顕彰するに足らん。この道は実に我が皇祖皇宗の遺訓にして、子孫臣民の倶(とも)に遵守(じゅんしゅ)すべき所、これを古今に通じて謬(あやま)らず、これを中外に施して悖(もと)らず、朕爾臣民と倶に拳拳服膺(けんけんふくよう)して咸(みな)その徳を一にせんことを庶幾(こいねが)う。
 
そして、遂に歴史修正主義者たちにより、教育勅語そのものが復活するかも知れないところまで来てしまった。
  
<教材に教育勅語、否定せず 政府答弁書「憲法に反しない形で」>
 2017年4月1日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 安倍内閣は31日、戦前・戦中に道徳や教育の基本方針とされた教育勅語(ちょくご)について、「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との答弁書を閣議決定した。だが、教育勅語は、過去に国会で排除・失効決議が出ており、答弁書との整合性や、教育現場でどのように使われるのかが問題になりそうだ。
 民進党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた。教育勅語は、明治天皇が1890年に国民に授ける形で示した「教え」。両親への孝行など一般的な道徳を表す項目がある一方、国民は君主に支配される「臣民」とされ、国に「万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家のためにつくせ」(旧文部省図書局の通釈)とも書かれている。
 だが、戦後の1948年、国会が「主権在君並びに神話的国体観に基づいている」ことから、「基本的人権を損」なうなどとして教育勅語の排除・失効の確認を決議。森戸辰男文部相(当時)は同年6月の衆院本会議で「教育上の指導原理たる性格を否定してきた」とし、憲法や教育基本法などの制定で「法制上明確にされた」と答弁した。
 今回の答弁書でも「勅語を我が国の教育の唯一の根本とするような指導」は「不適切」としている。松野博一文部科学相はこれまでの記者会見で、憲法や教育基本法に反しないような配慮があれば「教材として用いることは問題としない」と発言していた。
 一方、第1次安倍政権時の2006年の国会で、伊吹文明文科相(当時)は「戦中の教育に対する反省などから、天皇陛下のお言葉を基本に戦後の教育を作ることは、そぐわないということになり、教育基本法が作られ、衆参両院の議決によって教育勅語は実質的に廃止されたと理解している」と述べている。
 教育勅語は、学校法人「森友学園」が運営する幼稚園で園児が暗唱していたことが報道などで取り上げられ、国会でも閣僚の認識が論点になった。(水沢健一)
 ■使われ方懸念
 島薗進・上智大教授(日本宗教史)の話 問題は「教育の唯一の根本」かどうかではない。臣民である国民に天皇の命ずる教えに従うことを強いたことが問題。権威に従う態度を強い、神聖な天皇に命を捧げるということまで含む。個々人の命が軽んじられた歴史を学ぶためなら必要かもしれないが、教育現場で一方的に教え込む権威主義的な使い方をされかねない。日本の未来に関わる判断であり、時の政府の都合で閣議決定などすべきものではない
 
オジサンの息子の1歳になる娘は、母親が3月から総合病院の看護師として勤務し始めたので、病院内の託児所に日中は預けられている。
 
しかし3歳になれば近隣の幼稚園に通うことになる。
 
その時に森友学園傘下の塚本幼稚園児のように「教育勅語」を暗唱させられることがない、と果たして言い切れるのか。
 
今の安倍政権をこのまま放置すれば、ますます戦前回帰が進み、そんな悪夢を絶対に孫たちには見させてはならない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 11:57| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月09日

米国の自作自演が暴露されてきた「テロとの戦い」

2013年9月10日、米国のオバマ大統領はテレビ演説でこう語ったという。
 
「化学兵器による死から子どもたちを守り、私たち自身の子どもたちの安全を長期間確かにできるのなら、行動すべきだと信じる」と大統領は、化学兵器の禁止に関する国際ルールは維持すべきだと強調。しかし、武力行使に対しては、驚くような考えを明かした。
 「米国は、世界の警察官ではない
 「私は、武力行使の必要性に対して抵抗した。なぜなら、イラクとアフガニスタンの2つの戦争の末、ほかの国の内戦を解決することはできないからだ」 
 
その後日本国内でも様々な分析や見方がネット上に投稿されていたが、1年前には「赤旗」が「オバマ氏一般教書 世界の警察官でないというが」と疑念を抱く主張をしていた。
 
「警察官」という表現は、何か問題が発生した時に正面からトラブルを解決するという姿勢の表れであろう。
 
しかし、「アメリカは、2016年に7カ国で軍事作戦を実施」という記事によれば、アメリカの外交政策専門家、ミカ・ゼンコ氏が、「アメリカは2016年に7カ国への攻撃において2万6000発以上の爆弾を使用した」と明らかにしている。 
 
これは、どう見ても「世界の警察官」以上の行動であろう。
 
米国には世界一の軍隊が存在するが、彼らの空爆などはかならず明らかになるのだが、他国の政府の転覆を生業にしている秘密組織であるCIAはその行動は隠密裏に行われ、表面化することは少ない。
   
2016年1月に活動を開始したイランのニュースサイトParsToday。
 
世界30カ国以上の言語により(一部は準備中)、オンラインでニュースや情報を提供しているという。 
 
「中東の政治情勢、中東で発展に向かう安全で影響力を持つ国としてのイランの役割」とか、「ParsTodayのメディアとしての役割が、ますます重要性を帯びています。」と少々手前味噌な感は否めないが、少なくとも日本のメディアではお目にかかれない内容が報道されていることは大いに意義がある。
 
このサイトのいくつかのニュースを紹介しながら、如何にオバマ大統領の演説内容が事実とは異なり、しかも国際的に同盟国に対して「テロは許さない」「テロと闘う」と言いながら、陰でそのテロ組織を育ててきたかということを、明らかにしたい。
 
<アメリカがISIS殲滅に向け、シリアとの合意を強調>
 2016年03月26日19時50分 ParsToday
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 アメリカのケリー国務長官が、「アメリカはISISの殲滅に向け、早期にシリア大統領と合意に至るべきだ」と強調しました。
ベルギーのブリュッセルを訪問していたケリー国務長官は、25日金曜、CNNのインタビューで、「アメリカがシリアのアサド大統領と合意に至るのが早ければ早いほど、ISISを早く殲滅することができる」と語りました。
さらに、「どの国もISISを支持しておらず、ISISは孤立している。このため確信をもってISISは消滅すると断言できる」と述べました。
ケリー長官はEU本部のあるブリュッセルを訪問する前に、2日間、ロシアを訪問し、プーチン大統領やラブロフ外務大臣などロシアの政府高官とシリア問題について会談していました。
ロシアのリャブコフ外務次官は、「ケリー長官とロシアの政府関係者の会談で、両国はシリアでの停戦の継続と強化に関して大筋で合意した」と語りました。
ロシアとアメリカの合意により、シリアでの停戦は2月27日から始まり、シリア軍と反体制派はそれを守っています。
この停戦には、安保理のテログループのリストに入っているISISやヌスラ戦線などのテログループは含まれておらず、シリア軍とロシア空軍による攻撃は続いており、これらのグループは現在大きな被害を受けています。
リャブコフ外務次官はさらに、現在の協議で、アサド大統領の進退に関して協議しないことで合意したと発表しました。
 
「アメリカがシリアのアサド大統領と合意に至るのが早ければ早いほど、ISISを早く殲滅することができる」という言葉の真意は、アサド政権が退陣すればISISは必要なくなる、というシグナルであった。
 
CIAがテロ組織ISISを育成には関与していたことが明らかになっている。
 
<CIAのゴーサインによりサウジアラビアが出現させたテロ組織ISIS>
 2016年04月24日20時28分 ParsToday
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 アメリカの複数のメディアが、「テロ組織ISISはサウジによって育成され、CIAもこれを熟知」というタイトルの報告を、トップニュースとして大々的に報じました。
キャラミー解説員
サウジアラビアの自白に関する報告は初めて、イギリスの新聞フィナンシャルタイムズがアメリカのケリー国務長官に関する記事において発表し、「サウジアラビアはケリー長官に対し、ISISはサウジによって育成されたこと、これはCIA・アメリカ中央情報局にとっても周知の事実であることを伝えた」と報じました。フィナンシャルタイムズによるこの報道以来、今度はアメリカの報道各社がこの内容を再度報じています。サウジアラビアの関係者はまた、ケリー長官との会談で、「アメリカが中東問題に干渉しているため、サウジアラビアはまず、テロ組織アルカイダを、次いでISISの基盤を築いた」と語っています。サウジアラビアの主張によれば、2003年のアメリカによるイラク攻撃により、状況はイランにとって有利に転じ、イランに対する措置が講じられるべきだったということです。
アメリカ共和党の元連邦下院議員だったロン・ポール氏は、ロン・ポール研究所のダニエル・マクアダムス理事との会談で、「ISISを自ら育成したというサウジアラビアの自白は、必ずしも衝撃的なことではない」と語りました。ロン・ポール氏によれば、サウジアラビアはCIAへの通告なしにISISを出現させることはできなかったということです。ロン・ポール氏はまた、「CIAとアメリカ国防総省は、シリア危機の勃発により、同国のアサド大統領を辞任させるお膳立てをしており、まさにこのためにISISを必要としていた」と述べました。
ロン・ポール研究所のダニエル・マクアダムス理事も、「ISISを立ち上げ、資金援助を行ったのはサウジだが、ISISとアルカイダが国際舞台に台頭する必要な条件を整えたのはアメリカだ」と考えています。マクアダムス理事によれば、この問題は中東への干渉というアメリカの政策が発端となっているということです。
サウジアラビアは、強硬派の1つ・ワッハーブ派の発祥地であることから、過激派組織の形成に直接役割を果たしていますが、過激派はまた違った名称や方法により、ワッハーブ派の思想を利用してその存在を宣言しています。たとえば、サウジアラビアはテロ組織タリバンの結成に重要な役割を果たしていることが指摘できます。タリバンは次第に、サウジアラビアの資金を利用して、ワッハーブ派の思想の教育を開始し、過激派の新世代を育成しました。ロン・ポール氏によれば、彼らはISISとなってテロリストの世界に入ってきたということです。
ISISの原始組織は、2003年のイラク占領と同時に、「イラクとシャームのイスラム国」の発足を宣言しています。その指導者は、アルカイダの過激な危険因子で現在収監中のアブーバクル・バグダーディですが、彼はアメリカの口説きにより釈放されます。イラクのバース党政権の崩壊により、バース党の幹部とISISの協力関係が成立し、イラク政府は深刻な問題に直面することになります。バース党をISISとの協力に誘導したのは、まさにサウジアラビアとアメリカによる共同の政策の結果なのです。
さらに、2001年のアメリカ同時多発テロに関する報告の、28ページにわたる部分の削除は、サウジアラビアがテロ支援に直接関与していることを裏付けています。しかし、アメリカ政府はサウジアラビアとの協力関係を理由に、同時多発テロにサウジが関与していた事実の公開に反対しています。この報告書の削除された部分には、CIAの名が直接あるいは間接的に述べられていると言われています。このような措置は、サウジアラビアの同時多発テロへの関与、CIAが地域におけるサウジの行動やテロ組織の結成を周知していたことが、疑いのない事実であることを物語っています。
 
「28ページにわたる部分の削除」はその後ウィキリークスにより明るみに出てしまった。
 
<ISIS結成へのアメリカの関与>
 2016年11月30日19時45分 ParsToday
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 アメリカの外交文書の公開から6年目に際し、機密情報公開サイト・ウィキリークスの創設者、アサンジ氏が、「アメリカのCIAがテロ組織ISISを生み出した」と述べています。
ミールターヘル解説員
アサンジ氏は、声明の中で、「ISISの起源は1979年に遡る」とし、「アメリカの諜報機関CIAとサウジアラビがソ連と戦うために、アフガニスタンのムジャヒディンを武装させる決定を下したことは、パキスタン、その後アフガニスタンへのオサマビンラディンの派遣を考慮すると、アルカイダの創設につながった」としました。アルカイダというサラフ主義組織の結成は最終的に2001年のアメリカ同時多発テロにつながりました。アメリカはこの攻撃を口実に、アフガニスタン、そしてイラクに侵攻し、その結果イラクの権力に空白を生じさせ、ISISが形成されました。
アサンジ氏はISISの形成の歴史的経緯を説明していますが、ISISは2011年のアラブの春の後に、明らかな名前とメンバーを持ったテログループとして、シリアで情勢不安をアック題することで結成されました。ISISは初め、イラクで、サッダームフセインの残党勢力や世界各地から集まったサラフ主義者、タクフィール主義者によって結成され、まもなくイラクからシリアに活動の裾野を広げました。
西側を率いるアメリカは、ヨーロッパの同盟国と共に、シリア危機が形成され拡大された時から、テログループを良いものと悪いものに分け、良いテログループとしてISISに大規模な支援を行いました。西側の目的はシリアのアサド政権を転覆させることにあり、その目的を実現するために、これらのテログループを利用しようとしました。
こうした中、ISISは西側のレッドラインを越えて、現在欧米での脅威に変わっています。その例として、パリ同時テロやアメリカのセントバーナーディーノでのテロ事件を挙げることができます。こうした攻撃を受け、欧米の指導者はISISに対して真剣な攻撃を行うと表明しました。こうした中、これまでアメリカは、ロシアがシリアで行っているような、大規模な空爆やミサイル攻撃といった真剣な軍事攻撃を行っていません。
アメリカのトランプ次期大統領も、選挙戦で、オバマ大統領やクリントン前国務長官がISISの結成に直接かかわったと表明しました。トランプ氏の表明は実際、何度となく、プーチン大統領など、世界の一部の国の首脳が述べてきた疑いを認めるものでした。
実際アメリカは、中東で目的を実現するためにISISの形成や強化に大きな役割を果たしてきました。
その一方で、アメリカは対ISIS国連連合を主導していますが、これに関してもそれが本物かどうかは疑いの余地があります。2015年にはイラクの領空を介して、アメリカがISISに後方支援を送っていたことが明らかになっており、アメリカの一部パイロットも、「ISISの関連の標的を攻撃することができたにもかかわらず、上官は攻撃の許可を出さなかった」と証言しています。
ISISがシリアの合法政府を転覆させるためのアメリカやその同盟国であるサウジアラビアの努力が生み出したものである中、現在、なぜアメリカはISISとの戦いを主張しているのでしょうか。彼らはISISを殲滅しようとしているのでしょうか、それともISISの力を制限し、地域での目的に向けそれを維持しようとしているのでしょうか。
 
そして遂に米国の国務長官がシリアのアサド政権を打倒するためにISISを結成させたことを正式に認めた。 
 
<アメリカ国務長官、「ISISの結成目的はシリア政権の打倒」>
 2017年01月08日16時36分 ParsToday
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 アメリカのケリー国務長官が、「アメリカは、シリアのアサド政権を打倒するためにテロ組織ISISを結成した」との異例の発言を行いました。
英語のインターネットサイト、オフ・ガーディアンによりますと、ケリー長官は、シリアにおけるアメリカの主要な目的がアサド政権の打倒であるとし、「アメリカ政府は、この目的を果たすためにISISの結成を許可した」と語りました。
また、「アメリカは、ISISの結成やこの組織の権力増大により、シリアのアサド大統領にアメリカの望む外交的な解決手段を見出させ、退陣に追い込むことを希望していた」とし、「アメリカは、この2つの目的達成のために、ISISの一部のメンバーを武装化した」と述べています。
さらに、「アメリカ政府は、ISISがいつでもより強大化することを視野に入れていた」とし、「アメリカは、シリア政府がロシアに軍事支援を依頼するとは予想していなかった」としました。
この報告によりますと、シリアの反体制派グループの代表者との会談における、ケリー長官のこの談話の音声ファイルは、これ以前にCNNやアメリカの新聞ニューヨーク・タイムズに公開されていましたが、アメリカのISIS支援に関するおよそ35分間の部分は、アメリカのメディアにより検閲、削除されていました。
なお、内部告発サイト・ウィキりークスは、オバマ政権にISISが結成されたことに関する、アメリカの次期大統領トランプ氏の発言を認証し、昨年9月22日に行われたケリー長官のこの表明の音声ファイルを公開しています。
 
アメリカは反政府勢力(アルカイダ系)とISIS双方に二股を掛けていたということになる。
 
いままで「陰謀論」とかゴシップ同然だったものが、米国国務長官の会談の話として大手英米新聞にも掲載されており、全世界的に再掲載するメディアが後を絶たないにもかかわらず、なぜ日本のメディアは大きく取り上げないのか。
 
また常に「テロには屈しない」と言い続けて日本人人質を見殺しにした安倍政権は、米国とISISの関係が明らかになった現在、日本の考えを明確にしなければならない、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:10| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月06日

呼び名変更により高齢者が減り、オスプレイにより国内の危険は増す

昨日は、「今年も大ホラで始まるのか安倍政権」で安倍晋三首相の年頭所感が酷評されたと冒頭に書いたが、今朝の東京新聞の「こちら特報部」では、美辞麗句が並ぶ年頭所感のポイント毎に的確な解説を加えていた。
 
 「わが国の たちなほり来し 年々に
 あけぼのすぎの 木はのびにけり」
 30年前の新春、昭和62年の歌会始における昭和天皇の御製です。
 戦後、見渡す限りの焼け野原の中から、我が国は見事に復興を遂げました。昭和天皇がその歩みに思いを馳せたこの年、日本は、そして世界は、既に大きな転換期に差し掛かっていました。
 
年頭所感で御製に触れることはまれであり、第2次安倍政権誕生以降に天皇の言葉が用いられたことはないという。
 
「あけぼのすぎ」は1941年岐阜でメタセコイアの化石が発見され、その数年後、中国で現生種が見つかったという。
 
米国の調査隊が持ち帰った苗が同国で育てられ、その一部が1949年、昭和天皇に献上、御所に植えられたという経緯がある。
 
著述家の菅野完氏は、「メタセコイアが昔は日本に存在したのと同じく、民主主義も欧米からの輸入品ではなく、もともと日本にあった、戦後日本こそ正しいという万感の意味を込められたのではないか」と指摘した上で、「安倍首相は、戦後の民主主義と経済発展の2つのうち、経済発展のみを継承するという意思表示ではないか」との見方をしていた。
 
安倍晋三首相お得意の、巧妙な天皇の政治利用の現れかも知れない。 
 
 本年は、日本国憲法施行70年の節目の年にあたります。
 「歴史未曽有の敗戦により、帝都の大半が焼け野原と化して、数万の寡婦と孤児の涙が乾く暇なき今日、如何にして『希望の光』を彼らに与えることができるか・・・」
 現行憲法制定にあたり、芦田均元総理はこう訴えました。
・・・中略・・・
 今を生きる私たちもまた、直面する諸課題に真正面から立ち向かい、未来に不安を感じている、私たちの子や孫、未来を生きる世代に「希望の光」を与えなければならない。未来への責任を果たさなければなりません。
 
芦田元首相の「芦田均日記)の編さんに当たった福永文夫・独協大教授(日本政治外交史)はこう指摘している。
 
「芦田元首相は憲法制定時の首相ではない。安倍首相とのつながりも見えない」
「芦田首相は戦争を反省し、平和国家、文化国家を目指していた。現行憲法を『希望の光』と見ていたはずで、憲法改正を『希望の光』とするとは、自らに都合よく解釈している」  
 
まさに安倍晋三首相の浅学非才ぶりが露呈したのか、それとも「狡猾さ」が現れているのかどちらであろう。
 
 女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、一度失敗を経験した人も、誰もが、その能力を発揮できる一億総活躍社会を創り上げ、日本経済の新たな成長軌道を描く。
 
この部分に関しては慶応大学の金子勝教授が安倍政権の失政を断じていた。
 
「第2次安倍政権になって約4年、何の成果も出ていない。にもかかわらず『新たな成長』と言うと、これまで何かを達成したかのように聞こえる。何かをやっているふりをしているだけだ」
「経済政策が失敗しているのは明らか。失敗や現実を語った上で具体的な政策を打ち出すのが筋だが、目を向けていない」
「原発や武器の輸出とカジノでは、富が一部に集まるだけで地方は潤わない。2017年は貧富の格差だけではなく、地域間格差も広がる」 
 
 激変する国際情勢の荒波の中にあって、積極的平和主義の旗をさらに高く掲げ、日本を、世界の真ん中で輝かせる。
 
元外務省国際情報局長の孫崎享にこう警鐘を鳴らさせていた。
 
「もっと世界で影響力を発揮したい、という思いの表れだろう。思い自体は結構だが、積極的平和主義というやり方はいけない」
「軍事力の行使は報復の連鎖を生み出しテロによる犠牲者が増える。非常に危険だ。積極的平和主義では、平和を実現できないことに気づいてほしい。血を流すのが『輝く国』ではないはずだ」  
 
 そして、子どもたちこそ、我が国の未来そのもの。子どもたちの誰もが、家庭の事情に関わらず、未来に希望を持ち、それぞれの夢に向かって頑張ることができる。そういう日本を創り上げてまいります。
 
こんな空疎な言葉の羅列に対しては、現場で生活困窮者たちを支援しているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長は、こう怒っていた。
 
「この年末年始も、生活に困窮する若者がたくさんいた。安倍首相は雇用が回復したと言っているが、非正規雇用が増えただけで、若者は不安定な生活を余儀なくされている。子どもについても、給付型奨学金の新設を打ち出したが、額も人数も限られ、ほんの一部あいか救えない。年金カットも進み、若い世代が老後に受け取れるかもわからない。このままでは希望を抱くことはできない」 
 
「年金カットも進み、若い世代が老後に受け取れるかもわからない。このままでは希望を抱くことはできない」という心配は若者だけではなく、すでに高齢者として65歳から年金を満額受け取っている人たちも、今後は保障の限りではない事になるかもしれない。
 
『高齢者は75歳以上』 65〜74歳は准高齢者 学会が提言
 
慢性疾患の受診率は低下し、生物学的な年齢が5〜10歳若返っている?
 
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【朝日新聞DIGITALより】
 
 
<高齢者は75歳以上 65歳から「准」90歳から「超」 老年学会が提言>
 2017年1月6日 朝刊 東京新聞
20170106koureisyakubun.jpg 高齢問題の研究者らでつくる日本老年学会などは5日、現在は65歳以上とされている「高齢者」の定義を75歳以上に見直し、前期高齢者の65〜74歳は「准高齢者」として社会の支え手と捉え直すよう求める提言を発表した。医療の進歩や生活環境の改善により、10年前に比べ身体の働きや知的能力が5〜10歳は若返っていると判断。活発な社会活動が可能な人が大多数を占める70歳前後の人たちの活躍が、明るく活力ある高齢化社会につながるとしている。
 高齢者の定義見直しは、65歳以上を「支えられる側」として設計されている社会保障や雇用制度の在り方に関する議論にも影響を与えそうだ。
 学会は、年金の支給年齢の引き上げなど社会保障制度の見直しに関しては「国民の幅広い議論が必要だ」と強調している。提言をまとめた大内尉義(やすよし)・虎の門病院院長は「高齢者に対する意識を変え、社会参加を促すきっかけになってほしい」と述べた。
 平均寿命を超える90歳以上は「超高齢者」とした。学会によると、日本は50年以上前から国連機関の文書などに基づき、慣例的に65歳以上を高齢者としている。
 学会は、脳卒中や骨粗しょう症などの病気や運動のデータを解析。慢性疾患の受診率は低下し、生物学的な年齢が5〜10歳若返っているとみている。知能の検査では、最も得点の高い世代が40代から50〜60代に変化。残った歯の数も同一年齢で比べると年々増える傾向にあり、死亡率や要介護認定率は減少していた。
 国の意識調査で、65五歳以上を高齢者とすることに否定的な意見が大半であることも考慮した。
 昨年9月の総務省の推計によると、65歳以上は約3400万人で人口の約27%。高齢者を75歳以上とした場合は約13%に半減する格好だ。
 准高齢者は、仕事やボランティアなど社会に参加しながら、病気の予防に取り組み、高齢期に備える時期としている。
 
「准高齢者」というわけのわからぬ言葉の言い換えは、2015年3月までは要介護は1〜5まであり、特別養護老人施設の入所資格は「要介護1」以上であったのを、施設入所者が増えそれを阻止するために、「要介護1〜2」を「要支援1〜2」と言い換えた時と同じ発想ではないのだろうか。
 
これにより特養入所資格は「要介護3以上」となってしまったわけである。 
 
特養に入所できるのは原則として要介護 3 以上の方となります」 
 
たしかに元気に動ける年齢が上がったのは喜ばしいかもしれない。
 
しかし、それを社会保障制度の見直しに直結させるのは時期尚早であり、日本老年学会も発表の中で「定義を変えることで(年金制度などが)ネガティブな方向に動いてほしくない」とくぎを刺していた。
 
しかし今回の定義の見直し提言により、数字の上では高齢者の占める割合が反減することになる。
 
もっとも高齢者が見かけ上減ったとしても、高齢者の存在は減ることはないのだが、この「未亡人製造機」は今後は日本国内に対して安全を保障するどころか新しい危険をまき散らしそうである。
  
<オスプレイの空中給油、きょうにも再開 事故究明は米国任せ>
 2017年1月6日 朝刊 東京新聞
20170106beigunkijiko.jpg 防衛省は5日、米海兵隊普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)所属の新型輸送機オスプレイの大破事故で、在日米軍が事故後に中止した同機の空中給油訓練を、6日以降に再開すると発表した。米軍は昨年12月の事故後、わずか6日でオスプレイの飛行を再開したのに続き、事故原因とみられる空中給油訓練についても、トラブルの全容解明前に再開を決めた。
 防衛省は訓練再開に同意した理由を盛り込んだ文書を公表。稲田朋美防衛相もコメントを書面で出した。防衛省によると、事故機のフライトレコーダー(飛行記録装置)は米軍が回収したとみられるが、記録されたデータの提供は受けていないという。
 米軍側は事故原因とみられるプロペラと給油ホースの接触に関し、想定される理由として強風や乱気流、パイロットの習熟度不足などを挙げ、隊員に再教育を実施したと説明。日本側は教育現場を実際に確認せず、米側が提出した資料を評価しただけだった。 (新開浩)
 
そしてこんな欠陥機を使って米軍も失敗した空中給油訓練を自衛隊も実施するということが明らかになった。 
 
<陸自も空中給油を想定 オスプレイ類似事故の懸念>
 2017年1月6日 朝刊 東京新聞
20170106ospreykougouhani.jpg 防衛省は5日、陸上自衛隊が2018年度から配備する新型輸送機オスプレイについて、昨年12月に沖縄県名護市沖で大破事故を起こした米海兵隊機と同様に、空中給油訓練を実施する方針であることを明らかにした。訓練を行う空域は未定で、海上の訓練空域などを想定している。 (新開浩、荘加卓嗣)
 陸自のオスプレイについて、防衛省幹部は「空中給油機能がある機種を調達する。空中給油の実施は想定している」と述べた。
 防衛省によると、オスプレイが燃料を満載して飛び続けられる航続距離は約3900キロ。従来のヘリコプターCH46の5倍以上の航続距離で、日本全域やグアム、マニラまで飛行できる性能を持つ。基地を出発し、作戦を行い帰還するまでの「行動半径」は、給油しなければ約600キロだが、空中給油を1度行った場合は約1100キロに延びる。
 陸自は18年度からオスプレイ17機を順次配備。17年度予算案でも4機分の取得費を計上した。佐賀県の佐賀空港を拠点とし、整備は千葉県の陸自木更津駐屯地で行う計画。防衛省は米海兵隊機の事故後の佐賀県議会への説明で、佐賀空港に近接する有明海には訓練空域がないため、同空港周辺では空中給油訓練を行わない方針を示した。
 オスプレイはプロペラの角度を変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と固定翼機並みの速度の長距離飛行ができる機能を併せ持つ。特殊な構造による機体の不安定さや操縦の難しさが指摘されている。
 米本国などでは開発中の四件の墜落事故で計30人が死亡。05年の量産決定後も事故は続き、一昨年5月には米ハワイでの着陸失敗で乗員2人が死亡した。
 日本国内では、事故機を含む米海兵隊の24機が沖縄県宜野湾(ぎのわん)市の普天間(ふてんま)飛行場に配備されている。米軍横田基地(東京都福生市など)には17年後半に空軍用の3機が配備され、21年までに計10機が常駐する計画。陸自が今後導入する17機を合わせると、将来は計51機が国内を拠点とすることになる。
◆構造的な問題
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米軍普天間飛行場に駐機する新型輸送機オスプレイ=5日午後、沖縄県宜野湾市で
 オスプレイの問題に詳しい沖縄国際大学の前泊博盛(まえどまりひろもり)教授は「オスプレイは給油を受けるための機体前部のパイプが短く、給油ホースとの連結部分の位置がプロペラに近いため、ホースが巻き込まれやすい構造上の問題がある」と指摘。陸自の空中給油訓練について「こうした訓練は極めて危険で、陸自が実施した場合も同様の事故が起きる可能性がある」と懸念する。米海兵隊機の事故直後に開かれた昨年末の自民党の部会では、中谷元・前防衛相が「夜間に何百キロものスピードで飛びながら、どうやって訓練しているのか。しっかり検証してほしい」と防衛省に求めた上で「日本も、夜間の給油訓練を行うのか」と疑問を投げ掛けている。
 
墜落した事故機のフライトレコーダー(飛行記録装置)に記録されたデータの提供を受けていない状態で、米軍の一方的な通告で事故原因の究明なしに給油訓練を再開させてしまう防衛省。
 
深化した日米同盟という軍事同盟を結ばされ、米軍の下請けとなってしまった自衛隊。
 
これでは、「子どもたちこそ、我が国の未来そのもの」と言いながら、日本の未来が脅かされようとしているのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:41| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月09日

国は守るが住民は守らない。そんな安保・防衛政策に正義はない!

・・・今年になって、なぜかフィリピンのドゥテルテ、「アメリカ第一」のトランプなど、ナショナリズムを煽るリーダーの出現が相次ぎ、欧州でも『ナショナリズム』に根差した新興政党の躍進が目覚ましい。
 
イタリアでは4日の国民投票で政権が倒れ、反グローバル・反EUを打ち出す「五つ星運動」が政権奪取に意欲を見せている。
 
来年春に大統領選を控えるフランスも右翼政党が勢いづき、来年秋のドイツの総選挙でも、反イスラム・反難民を掲げる新興政党が台頭しそうである。
 
もはやグローバルやインターナショナルのコンセプトは崩れ去り、それぞれの国が勝手気ままに民族主義や保護主義へとやみくもに駆け抜けていく。
 
何しろ世界はひどくガタついている。そんな時代の幕開けムードが世界中に漂う中で、安倍首相の抵抗は良い意味での「想定外」の出来事ではある・・・。
 
・・・こんなリードで書きだした老エコノミストの高橋乗宣が、安倍政権のカジノ解禁による成長戦略はセンスが疑われると言い放っていた。 
  
<協調外交は立派だが…ギャンブル立国は絶対あり得ない>
 2016年12月9日 日刊ゲンダイ
・・・前略・・・ 
 ただ、外交面はともかく、内政に目を向ければ、やはり支離滅裂だ。たった6時間未満の審議で、カジノ法案の採決を強行し、一気呵成に解禁してしまうなんて本当に理解に苦しむ。
 ラスベガス、マカオ、モナコと世界を代表するカジノはすでに衰退しており、新規参入にメリットがあるわけもない。むしろカジノで儲ける風潮を受け入れない潔癖な文化と社会を維持してきたのが、「日本らしさ」でもあったはずだ。
 そもそもカジノ解禁を成長戦略に掲げるセンスを疑う。ギャンブルを経済の尺度で扱うべきではないし、あぶく銭を当て込んだ経済成長もあり得ない。カジノが日本経済を牽引するとは到底思えないのだ。
 ものづくり大国、技術大国などと呼ばれ、輸出立国、産業立国を目指したのも今や過去の話なのだろうか……? それにしても、観光立国を新たな目標に掲げるのはまだ許せるが、ギャンブル立国というのはもってのほかだ。
 安倍政権は一体、この国をどこに導くつもりなのか。とてもじゃないが、納得できない。

いまさら、安倍晋三首相のセンスを疑っても手遅れなんだが、せめてお手本にする米国のカジノ事情をもうすこし調べてほしかった。
 
米ラスベガスと並ぶ「カジノの街」はある米東部ニュージャージー州で、住民の62%が「カジノ解禁は州にとって良くなかった」と考えていることが、7日、米キニピアック大学の世論調査で分かったという。
 
この大学の世論調査は米大統領選挙において投票の4か月前には既にトランプの有利を報じていたらしい。
 
ニュージャージー州は1976年、経済効果を期待して海岸リゾート地アトランティックシティーでカジノを合法化した。
 
一時はラスベガスと並び称されるほど栄えたが、最近はトランプ次期大統領が過去に所有したカジノも閉鎖されるなど衰退が目立っていた。
 
この調査によると、かつてにぎわっていたアトランティックシティーにとって「良かった」は35%にとどまり、「良くない」が60%を占めた。州全体では「良かった」が29%だった。
 
多くの住民がカジノは期待したほどの経済の特効薬にならなかったと感じていると、キニアピック大は指摘していた。
 
所詮、カジノに限ら賭博というものは「必ず胴元が儲かる」ようになっていることは歴史的な事実でもある。
 
安倍晋三首相からすれば、自分の任期中に経済効果が少しでも出てくればそれで良し、あとは野となれ山となれの心境なのであろう。   
    
ところで、日本は裁判では三審制を取っており、その裁判所は「三権分立」といって独自性が保たれている、と多くの国民は教えられてきた。
 
そのため、誤った判決が下されても告訴し(二審)、それでもダメなら上告して救われるという道があった。
 
上告先は最高裁判所なのだが、そこでは日本国憲法にもとづいて「人権」を重んじる判決が下されることが求められていたはずであった。   
 
残念ながら、「米軍」がらみになると、途端に住民敗訴になってしまう判決が出てしまう。
 
1か月ほど前にはこんな判決があった。
   
<米軍住宅反対の住民敗訴 岩国、最高裁で確定>
 2016.11.4 22:34 産経WEST 
山口県岩国市の愛宕山地区で進んでいた住宅市街地開発事業の許可を国が取り消したのは違法だとして、地権者だった住民らが撤回を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は住民の上告を退ける決定をした。1日付。住民敗訴の2審判決が確定した。
 この地区では現在、米軍岩国基地への艦載機移転に伴う米軍住宅の建設計画が新たに進んでおり、住民は建設に反対する目的で提訴していた。
 確定判決によると、地価の下落や需要低迷により採算が合わないとして、県は平成19年に開発事業を中止。県の申請を受け、国が21年に事業認可を取り消した。
 代わって米軍住宅の計画が浮上。訴訟で住民側は周辺が攻撃目標になる可能性が高まり、平和に生きる権利が侵害されるなどと主張したが、1審広島地裁判決は「米軍住宅の建設で、権利が侵害されるとまでは言えない」と退け、2審広島高裁も支持した。 
  
今度は、国内の米軍基地を使っている日本の自衛隊機の騒音被害に関する訴訟で有名な厚木基地の騒音訴訟では、ナントそれまでの住民救済の判決が覆ってしまった。 
 
<厚木基地騒音訴訟 自衛隊機差し止め認めず 住民側の逆転敗訴>
 2016年12月9日 朝刊 東京新聞
 ◆最高裁「高度の公共性」
 米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民らが騒音被害の解消を求め国を訴えた第四次厚木基地騒音訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)は八日、「自衛隊機の運航には高度の公共性がある」などとして、自衛隊機の深夜・早朝の飛行差し止めや、将来分の損害賠償を認めた二審東京高裁判決を破棄し、住民側の逆転敗訴を言い渡した。
 基地騒音訴訟では、民事訴訟での差し止め請求は不適切として、退けられてきた。第四次厚木基地騒音訴訟は、民事訴訟に加え、国の権限行使の妥当性を問う行政訴訟も起こした初のケースだった。最高裁が差し止めに高いハードルを設けて、請求を退けたことは、各地の同種訴訟に大きく影響しそうだ。
 判決は、自衛隊機による騒音が、基地周辺の住民に睡眠妨害など「重大な健康被害を生じさせる恐れがある」と認定。その上で、飛行には高度の公共性、公益性があり、国による深夜・早朝の自主規制や、住宅の防音工事への助成といった対策などを総合的に考慮すれば「防衛相の裁量の範囲は超えない」と指摘。差し止めは認められないと結論付けた。5人の裁判官全員一致の意見だった。
 二審判決が認めた2016年末までの将来分の損害賠償約12億円については「被害が将来も続くことが予想されても、あらかじめ損害額を明確に認定できない」として認めず、二審結審時までの過去分の賠償額約82億円が確定した。
 原告側は、騒音被害の大きな要因になっている米軍機の飛行差し止めも求めたが、一、二審同様、実質的な審理をせずに退けた。
 厚木基地 神奈川県大和市、綾瀬市に施設の大部分がある。旧日本軍の基地として整備され、終戦で米軍に接収された。1950年に米海軍に移管。71年から米海軍と海上自衛隊が共同使用を始めた。米海軍は横須賀基地に配備されている空母の艦載機の拠点として使用し、海上自衛隊は日本周辺海域で他国の潜水艦の動きを監視する任務などに従事。基地周辺に200万人以上が住む。
 
以下に、厚木基地騒音訴訟の経緯について説明している毎日新聞記事の一部を示しておく。 
 
<第4次厚木基地騒音訴訟 「振り出しに戻った」 住民、司法に怒り 「静かな空」願い届かず 最高裁判決>
 毎日新聞 2016年12月9日 東京朝刊
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逆転敗訴となった最高裁判決を受け、うつむきながら報告集会に臨む原告団ら=東京都千代田区で2016年12月8日午後4時26分、徳野仁子撮影 「逆転不当判決」「最高裁 被害救済を放棄」。午後3時25分、最高裁から飛び出した弁護士3人が正門前で旗を掲げた。「最悪の結果だ」。法廷を出てきた原告は、知らせを待つ支援者らに力なく伝えた。
・・・中略・・・
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 ■解説
被害低減、国に責任
 最高裁判決は騒音被害について「睡眠妨害は深刻で軽視できない」とした。自衛隊機の飛行差し止めは覆ったが、1次訴訟の提訴から40年にわたり違法な騒音が継続しており、国には被害の低減を果たす責任は残されている。
 4次訴訟は1審から最高裁まで騒音の主因を米軍機と認定しつつ、司法による米軍機の飛行差し止めができない現実を改めて示した。そうした中、初めて自衛隊機の飛行差し止めを認めた1、2審判決を住民側は「大きな前進」ととらえていただけに、落胆は大きい。
 過去分の賠償を命じるだけでは騒音はなくならず、住民は何度も訴訟を起こさねばならない。2審が将来の被害に対する損害賠償まで認めたのも、そのためだ。最高裁は防衛省の防音対策などを評価したものの、差し止めの余地は残しており、「カネによる解決」にお墨付きを与えたわけではない。
 2審は騒音の程度に応じて原告1人に月4000〜2万円の賠償を命じ、確定した。4次にわたる訴訟で確定した賠償金は総額約125億円に上る。今回の原告は約7000人だが、賠償の対象となるのは約24万世帯とされ、訴訟が続けば巨額の賠償金が積み上がる問題もある。騒音軽減策として厚木基地の米空母艦載機の岩国基地移転が計画されているが「騒音のたらい回し」との懸懸念もある。国には住民の不安を解消する努力が求められている。【島田信幸】
厚木基地騒音訴訟の経緯
1976年 9月 住民92人が米軍機・自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を求める1次訴訟を横浜地裁に提訴
 82年10月 1次訴訟1審判決=飛行差し止めを却下し、損害賠償約3600万円を認める
 86年 4月 1次訴訟2審判決=住民側が全面敗訴
 92年12月 2次訴訟1審判決=原告約130人に損害賠償約1億1000万円を認める。飛行差し止めは認めず
 93年 2月 1次訴訟最高裁判決=損害賠償の部分のみ2審に差し戻す。飛行差し止めは住民側の敗訴確定
 95年12月 1次訴訟差し戻し審判決=約1億600万円の損害賠償を国に命じる(確定)
 99年 7月 2次訴訟2審判決=約1億7000万円の賠償を国に命じる。飛行差し止めは認めず(確定)
2002年10月 3次訴訟1審判決=原告が約5000人となり、約27億4600万円の損害賠償を認定。飛行差し止めは住民側が求めず、審理の対象外
 06年 7月 3次訴訟2審判決=約40億4000万円の賠償を国に命じる(確定)
 14年 5月 4次訴訟1審判決=自衛隊機の飛行差し止めを初めて認める。原告が約7000人となり、賠償額を約70億円と認定
 15年 7月 4次訴訟2審判決=1審に続き自衛隊機の飛行差し止めを命じる。将来の損害賠償を初めて認め、賠償額は約94億円に増加
 16年12月 4次訴訟最高裁判決
 
この毎日新聞の社説では「厚木最高裁判決 騒音被害に冷たすぎる」と判決を批判し、地方紙では北海道新聞が「厚木最高裁判決 『住民救済』が後退した」と住民側に立った社説内容で、日本最大の面積の米軍運基地を擁する沖縄県の地元紙では、沖縄タイムスが「[厚木基地騒音訴訟]救済の道狭めた判決だ」と若干の程度の差はあるが、一様に判決を批判していた。 
 
ある政治ブロガーが「右翼新聞」と酷評している讀賣新聞だけが「厚木騒音訴訟 海自の公益性重んじた最高裁」と、「公益」という言葉で、判決は当然という政府寄りの社説であった。
 
とくに「人権」を前面に押し出して判決を批判したのは朝日新聞の社説であった。 
 
<厚木基地判決 住民の人権の視点欠く>
 2016年12月9日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 何とか救いの手をさしのべようと、地裁や高裁が判例の壁に小さな穴をあける。それを最高裁が埋め戻し、より強固な壁をつくる――。被害者の視点を欠いた「人権のとりで」の姿に、大きな疑問と失望を抱く。
 神奈川・厚木基地の騒音をめぐる裁判で、最高裁は自衛隊機の飛行差し止めを求めた住民の訴えを退けた。やむを得ない場合を除き、夜間早朝の運航を禁じた東京高裁判決を破棄したうえでのゼロ回答である。
 差し止めには大きな壁が立ちはだかる。それでも高裁は、被害の深刻さを受けとめ、法律が定める差し止めの要件を柔軟にとらえて乗り越えようとした。
 これに対し最高裁は、騒音が「重大な損害を生ずるおそれ」があることは認めた。だが自衛隊機をどう飛ばすかは、防衛相の幅広い裁量にゆだねられるとし、運用はその裁量権の範囲におさまっていると述べた。
 「防衛に関することに部外者は口を出すな」との国側の主張をほぼ受けいれた判断である。
 平和と安全の確保はむろん重要だ。だが、やはり大切な日々の生活やだんらんは、判決では後景に追いやられてしまった。
 損害賠償の面でも高裁の踏みこんだ結論ははね返された。
 騒音が続く可能性が高いとして、高裁は15年7月に言い渡した判決で「16年末まで」の被害に対する支払いを国に命じた。将来の損害も救済対象にふくめて注目されたが、これも従来通り「高裁の審理が終わった15年5月まで」に変更された。
 縮められた期間の賠償を得るには新たに裁判を起こさなければならず、負担は大きい。
 かつて別の騒音訴訟の最高裁判決で、2人の判事が「期限や金額を控えめにしつつ、将来分についても賠償を認めることが公平にかなう」などとする見解を示した。こうした考えも手がかりに、住民の苦しみに向き合う判断はできなかったか。
 そして最大の騒音源である米軍機の飛行差し止めは、今回も認められずに終わった。
 「安保条約にも国内の法令にも、国が米軍の活動を制限できる定めがない」との理由で請求を退けた23年前の最高裁判決以降、同じ結果が続いている。
 この間、政府は米側にかけあって「制限できる定め」をつくるなどの努力もせず、「金を払うのだから我慢せよ」という態度を変えようとしない。
 国は守るが住民は守らない。そんな安保・防衛政策に正義はない。「人権」よりも「公共、公益」に傾く司法もまた、その責任を免れることはできない。
 
「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」と規定しているのは、自民党憲法改正草案である。
 
現憲法では「公共の福祉」という言葉を使うが、自民党の改正草案になると、あらゆる場面で「公益及び公の秩序」という文言が顔を出してくる。
 
憲法学者の小林節は、「『公益』と『公の秩序』は一時的には政府が認定」すると指摘していた。
 
どんなに表現の自由があろうとも、「公益」や「公の秩序」に反していると政府が認定すれば国民はなにも言えなくなってしまう。
 
基本的人権に関わる訴訟で「高度の公共性」を錦の御旗にした判決が出されるようでは、まさにこの国から正義がなくなってしまうのではないだろか、とオジサンは思う。

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2016年11月15日

オバマはこれでもノーベル平和賞受賞者なのか?

1週間ぶりにネットを覗くと米国大統領選挙の思わぬ結果に国内は大にぎわいだった。
 
新大統領就任は来年の1月20日にもかかわらず、様々な予想や思惑があふれていたようである。
 
少なくとも明確になったことは、米国上下院を共和党が過半数を占めたことによりオバマ大統領在任中はTPPの審議はないということである。
 
そして大統領就任演説でトランプ新大統領がTPP離脱を宣言することが期待されている。
 
もっともトランプは次期大統領が確定後の発言は、選挙期間中の過激な発言はかなりトーンダウンしており、必ずしも発言通りにすべてが運ぶとは考えられず、ひょっとするとTPPに関しても、17日渡米する安倍晋三首相に米国にとって利益が大いにあると説得されれば、どう変心するかは誰も分からない。
 
さて、ヒラリー・クリントンが敗れた原因と、ドナルド・トランプが勝利した原因が政治評論家と称する連中たちにより、あれこれ語られているが、基本的にはオバマ大統領の政策を受け継ぎ推し進める民主党の候補が敗れたということは、オバマ大統領の公約自体が否定されたということになるのではないだろうか。
 
10日ほど前の週刊金曜日に「オバマは『失敗した大統領』として去る」と題した記事が掲載されていた。
 
遡ること1年ほど前の軍事ジャーナリストの田岡俊次の「オバマの軍事行動はなぜことごとく失敗するのか」も参考にしながら、バラク・オバマの失敗を検証してみる。
 
「イラクでの戦争を終わらせる。軍隊は、本国に引き揚げさせる。任務は終了するだろう。アフガニスタンでのアルカイダとの戦いも、終わるだろう」
 
これは2008年1月8日、民主党内の大統領候補予備選の最中に、バラク・オバマ大統領がニューハンプシャー州で演説した際の一節である。
 
大統領選挙でも「戦争終結」を強調し、ブッシュ前政権下で反戦運動を展開した「ムーブ・オン」等の有力市民団体が、オバマ支持に回った。
 
前政権が始めたアフガニスタンとイラクでの戦争にうんざりしていた米国民は、決戦投票でタカ派のイメージのジョン・マケイン共和党候補ではなく、「草の根の反戦候補」を選んだのであった。
 
それから8年経ってオバマ大統領の任期が終わろうとしている現在、2つの国で米軍は軍事行動を続けている。
 
だが、スキャンダル合戦ばかりが目立った今回の大統領選挙では現実の戦闘が完全に争点から消え失せ「大統領の公約違反」を指弾することなく終わってしまった。
 
米兵の戦死者が劇的に減り、もともと外交にはほとんど関心を示さない米国の大半の有権者に戦争への注目を維持させる要因が事実上消えてしまったことが影響しているのだろうが、米国の始めた戦争のために2つの国で依然人々の血が流され、解決策が見えなくなっているという現実は否定できない事実である。
 
オバマ大統領は就任した2009年以降、アフガニスタン南部への増派作戦を3回にわたって実施したが、タリバンの制圧に失敗したにも拘わらず、一時的に同勢力の攻撃が減少したこともあって、2013年1月11日にはアフガニスタンのカルザイ大統領(当時)との会談で、「2014年が過ぎたら米軍の基本的任務は終了する」との楽観論を示していた。
 
その2014年の5月27日には「アフガニスタンでの戦闘は同年12月に終結し、その時までに兵力は9800人までに削減し、2016年末までに完全に撤退する」と宣言していた。
 
以降米軍は、@アフガニスタン政府軍の訓練と助言A特殊部隊による「アルカイダに対する対テロ作戦」の2点に限定され、2015年末までには引き続き5500人に兵力を半減させる展望を述べていた。
 
だが半年後の同年12月には一転して「より拡大した任務」という名目で地上戦や空爆によるタリバン勢力への直接攻撃再開を
指示した。
 
さらに2015年10月15日の演説で、オバマ自身が退任する2017年以降も5500人の兵力を維持すると述べ、最終的に「アフガニスタン撤退」という公約を任期中に果たせない事実を認めてしまった。しかも、大統領選の真っ最中の今年の7月には兵力が8400人に変更されていたのである。
 
米国政府のアフガニスタン復興支援を監査する「アフガニスタン復興担当特別監察官」が4月30日に議会に提出した報告書では、米軍が支援・訓練するアフガニスタン政府軍は警察を含めると公式上35万2000人が登録しているが、「米国政府もアフガニスタン同盟国も、実際には何人いて、遂行できる任務がどれだけあり、作戦能力が本当はどれほどのものか、誰も知らない」とされていた。
 
また同「特別監察官」によると、政府が支配しているのはこの7月段階で首都カブールを除く地方の65.6%に限られ、今年初めよりも約5%縮小している。
 
このままタリバンの攻勢が続くと、戦意の低さで知られている政府軍が相手ではカブールまで脅かされかねず、米軍の増派が再び必要とされかねない。
 
オバマ大統領はアフガニスタン戦争を米国史上最も長期間の戦争にまで押し上げながら、解決の展望を完全に失わせているのである。
 
この事実は大統領選挙中には問題にされなかったという。
 
一方で、オバマ大統領の数少ない「功績」の1つにされかけた「イラク戦争終結」も、幻想に終わりつつある。
 
たしかに大統領は2011年12月14日、イラク駐留米軍の「完全撤退」を宣言したが、当時、イラクの首都バグダッドに占領期間中建設された22棟ものビルが敷地内に林立する「世界最大の大使館」の米国大使館に、「イラク政府軍の訓練」等を名目にした157人の「残留部隊」が配置され、米軍の下請けである傭兵部隊が数千人も残されていた事実は、あまり報じられていない。 
そしてイラクの北部に2014年6月以降、IS(「イスラム国)」が台頭して支配地域を広めると、オバマ大統領は「完全撤退」から一転して新たな軍事介入を開始した。
 
まず、同年8月から「虐殺行為を防ぐため」と称し国連安保理事会の承認もなく空爆に着手している。
 
さらに、イラク政府のISに対する不安につけ込むように、以降は特殊部隊や「軍事顧問」をなし崩し的に送り込み、国防総省は正式な数を発表していないが、推定で約6000人の地上部隊がいつの間にかイラク内で展開するに至っている。
 
また10月から開始されたISの拠点・モスルの奪還作戦を口実に、国防総省は4月の段階で200人の陸軍派兵を発表していた。
 
内訳は「作戦顧問」と「防衛部隊」が主だが、「完全撤退」後初めて攻撃用ヘリコプターが戦闘に加わり、さらに最新鋭の多連装ロケットランチャーも登場するなど、軍事介入を急速に本格化させているのである。
 
これらに加えてロンドンを拠点とする中東問題中心のインターネットサイト「The New Arab」が2014年9月9日に報じたところでは、米軍はすでにイラク国内に5か所の「恒久基地」を再び確保しているという。
 
オバマ大統領はISを口実に、国民の知らない間に再びイラクの軍事支配に乗り出そうとしていることは疑いのないことであろう。
 
既に2014年以降、判明しているだけでも21人の米兵の死者が出ているが、これを見てもいったい何のための「完全撤退」であったのか。
 
それどころか、オバマ大統領は、「撤退」どころか別の戦争に火を付けたのである。
 
シリアで同国政府の抗議を無視し、許可もなく「対IS」を口実に空爆を続けている。
 
しかも2015年10月から11月にかけ、米軍機がシリア国内の発電所や水道施設を意図的に破壊している。
 
今年の9月17日には、他のNATO加盟国軍と共に東部のデリゾール市郊外でシリア政府軍を空爆し、約90人を殺害した。
 
米軍側は「ミス」と弁解しているが、シリア政府は「空爆数分後にISが攻撃してきた」と発表し、入手した米軍とISの交信記録からも、両者が示し合わせて行動したのは明白だと抗議している。
 
しかもイランのFNA通信が9月24日に報じたところでは、米軍はシリア北部に同国を分割状態にする作戦の一環として7か所の基地を違法に建設し、特殊部隊を配置している。
 
こうしたオバマ大統領の狙いは、リビアのカダフィ政権に次ぐシリアのアサド政権の転覆にほかならない。
 
そのためには「テロリスト」も使って政府軍を攻撃させる一方、、自らの軍事介入の口実として「対テロ作戦」と称しているのは、以下の理由を見れば明らかであろう。
 
@ISへの主な資金提供国が同盟国のサウジアラビアとカタールである事実を把握しながら抗議もせず、預金口座の封鎖もしない。
A激戦が続く北部のアレッポでは、米軍は政府軍と闘うアルカイダ系の「アルヌスラ」に公然と武器を供与している。
 
オバマ大統領は8年前に「チェンジ」を乱発し当選したのだが、「チェンジ」したのは自身の公約だけで、国際法無視やデマと二枚舌、残虐性が特徴の米国の軍事・外交政策が対象ではなかった。
 
「戦争終結」も口先だけで、実際は戦争をも手段とする中東・中央アジアの支配と基地網の拡大を目指したに過ぎなかった。
 
だが、そこでも目立った「成果」を挙げぬまま、流血と破壊を生むカオスをさらに拡大した末に、ホワイトハウスを去ろうとしている。
 
次期大統領になったトランプは選挙期間中はオバマ大統領の政策、とりわけ「オバマケア」を批判していたが、「流血と破壊を生むカオス」の拡大ぶりには批判の矛先が向かなかった。
 
米国内の強力な軍需産業に支えられていたオバマ政権。
 
それと比べれば、トランプは潤沢な資産があり、そんな紐付き政策はあえてする必要がないが、世界の警察官を返上しようとする動きが本格化すれば、そのうちに日本に肩代わりするように要求してくるかもしれない、とオジサンは思う。   

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2016年10月30日

領土問題では主体的に交渉らしいが、核の傘から出られない日本

数日前、「大丈夫なのか、日露北方領土交渉」の中で、「日露平和条約は日本が主体的に判断する。日露交渉の全てを米国と協議はしない」と安倍晋三首相は啖呵を切っている、とつぶやいた。
 
しかし、どうやらその啖呵は遠吠えのようになる可能性が濃厚になってきた。
 
日露交渉 すれ違い 平和条約の調整難航」によれば、「12月15日に山口県で開かれる日露首脳会談を前に、日露両政府の平和条約交渉と経済協力をめぐる思惑の違いが浮き彫りになってきた。安倍晋三首相は両者を同時に前進させたい考えだが、ロシアは極東での経済協力プランの規模を独自に発表し、プーチン大統領も早期の平和条約締結をけん制した。日露の溝は埋まっておらず、調整は難航しそうだ。」ということらしい。
 
20161030nitirosyunoukaidan.jpg
【毎日新聞より】

 
ロシアのプーチン大統領が27日、ロシア南部ソチでの内外有識者との会合「ワルダイ会議」に出席した際、日本との平和条約締結交渉について、「(合意までの)期限を設けるのは不可能であり、むしろ有害だ」と語ったという。

さらには、いつ、どのように解決するかについても「今答えることはできない」という。
 
日本国内では12月のプーチン訪日に合わせ、北方領土問題について「2島返還」だとか、「期限を区切った平和条約の締結で合意する」など過剰な期待が高まっていたことに対する牽制としてのプーチン発言だったのであろう。
 
菅義偉官房長官は「簡単にすぐ(締結)できるものではない」と冷静を装っているが、安倍政権にとっては一大事であろう。
 
安倍晋三首相が北方領土の返還を外交成果に解散に踏み切る、というストーリーが首相周辺でささやかれていたが、どうやらそんな空気ではないらしい。
 
12月15日の地元山口での日ロ首脳会談で、北方領土問題での進展を目指していた安倍晋三首相だが、島の返還どころか、スケジュールすら立てられない空っぽの外交交渉になりそうだという。

さらに、プーチンのこの発言には、政府関係者はショックを受けていたという。
 
強い信頼関係にある中国との国境画定交渉ですら40年を要した。残念ながら、日本とはその水準に達していない
 
まるで原発の廃炉期間のような気が遠くなる時間だが、それはほとんど現時点では「四島の帰属問題を解決し平和条約を締結する」ということが絵空事であるということであろう。
 
元外務省国際情報局長の孫崎享はこう言っていた。
 
「プーチン大統領は国民から高い支持を得ているイメージがありますが、ナショナリズムをベースにしたもので、安定したものではない。5月のロシアでの世論調査では8割が日本への島の引き渡しに反対しています。国内世論を無視してまで、日本との交渉を進展させるつもりはないでしょう。日本側は歯舞、色丹でリップサービスしてくれるのではと期待がありましたが、今回の発言でそれもなくなりました」
「酒を交わして、真剣に協議していきましょう、という感じでしょうか。“成果”とは呼べないレベルで、解散総選挙の土産にはならないでしょう。そもそも、本気で締結に向けて詰める気があるなら、東京で開催すべきです」  
 
2013年1月、第二次安倍内閣の発足に伴う所信表明演説で言及された「地球儀を俯瞰する外交」も、蓋を開けてみれば「外交」ではなく単なるカネばら撒き「外遊」であった。
 
残念ながら、安倍晋三は「外交」という言葉の意味がわからないらしい。
 
とうとう日本は、やはり米国追随外交しかできないということを、国連総会で見事に示してくれた。    
   
<核兵器禁止条約、交渉入り決議 「核の傘」重視、日本反対>
 2016年10月29日05時00分 朝日新聞DIGITAL
20161030ketugikeka.jpg 国連総会第1委員会(軍縮)で27日、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年から交渉を始めるとの決議が、123カ国の賛成多数で採択された。核保有国の米ロ英仏などは反対したが、唯一の戦争被爆国である日本も反対に回り、被爆者らから厳しい批判が出ている。
 反対の理由について岸田文雄外相は28日、「核保有国と非核保有国の間の対立をいっそう助長し、亀裂を深めるものだからだ」と説明した。日本政府は、決議が「米国の核抑止力(核の傘)に依存する安全保障政策と相いれない」として早くから賛成はしない方針を固めており、反対を訴えていた米国に同調して自らも反対に回った形だ。
 米国は決議について「安全保障体制を下支えしてきた長年の戦略的安定性を損ねかねない」などと強く反対を表明。自らが主導する北大西洋条約機構(NATO)の加盟国にも、反対するよう文書で求めていた。
 日本が反対票を投じたことについて、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が日本政府に抗議文を送るなど、被爆者らは一斉に反発している。
 岸田外相は「私としては交渉には積極的に参加し、主張すべきことは主張していきたいと考えている」と述べ、交渉のための会議には参加すべきだとの考えを示したが、外務省幹部は慎重な姿勢を示しており、日本がどのようにかかわっていくかは不透明な状況だ。
 決議は核兵器を禁止する法的措置を交渉する国連会議を2017年3月と6〜7月に開催するように求める内容。年内に国連総会本会議で採択され、核兵器の法的な禁止をめぐる本格的な議論が初めて国連の枠組みで行われることになる。
 
日本の佐野軍縮大使の反対の理由が意味不明である。
 
「核軍縮を実効的に進めるには、核保有国と非保有国の協力がなければならない。国際社会の総意で進められるべきだと強く求めたが、受け入れられなかった」
 
何故、唯一の被爆国という立場を最大限活用し、核保有国と非保有国の対立した溝を埋めるような外交努力を放棄したのだろう。
 
さらには、萩生田官房副長官は閣議後の記者会見で、「慎重な検討を重ねた結果、反対票を投じた。北朝鮮などの核、ミサイル開発への深刻化などに直面している中で、決議は、いたずらに核兵器国と非核兵器国の間の対立を一層助長するだけであり、具体的、実践的措置を積み重ね、核兵器のない世界を目指すというわが国の基本的考えと合致しないと判断した」という発言も「言語明瞭意味不明」の境地に入っている。
 
「いたずらに核兵器国と非核兵器国の間の対立を一層助長するだけ」ならば、どちらにも組しないという「棄権」の立場を明らかにすべきであった。
 
そして「核兵器のない世界を目指すというわが国の基本的考え」は、「核兵器禁止条約」について来年から交渉を始めるとの決議に賛成した北朝鮮とどこが違うであろうか。
 
国際NGO、ICAN(アイキャン)の核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員の、今回の決議案に日本政府が反対したことについての「驚くとともに憤りを感じている。日本は核のない世界を目指すという目標を掲げておきながら、核兵器禁止条約の交渉を拒否した。日本政府はこれまで核兵器を持つ国と持たない国の橋渡しをすると言ってきたが、今回反対したことで、完全に軸足を核保有国側に移したと言える。国内でも理解されるとは思えないし、強く抗議をしていきたい」という怒りがすべてを物語っていると言えよう。
 
日本が23年連続して提出してきた、法的拘束力がない核廃絶を呼びかける決議について、今年は去年を上回る167か国が賛成し、去年反対した米国が共同提案国にもなったことは、「核軍縮を現実的に実践的に進めるという日本の考え方が幅広く支持された結果だ」ではなく、日本が「核兵器禁止条約」交渉決議に反対することとバーターであったことは誰の目からも疑いのない事実であろう、とオジサンは思う。

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2016年09月19日

戦争法廃止!9.19国会正門前行動

今から9年前の11月18日深夜、ほとんど血の気のなくなった老父の左手を握っていた。
 
もう心臓の力だけで呼吸させられている老父の息遣いが、段々と弱くなるのを感じていた。
 
日付が変り、まだ外は暗い午前3時20分、老父は生と死の境から、静かに眠るように彼方に旅立った。
 
2007年11月19日午前3時20分、老父90歳の人生を終えた。
 
その後は49日、1回忌、3回忌と法事を行っていたが、喪主の母が認知症が激しくなり2010年から在宅介護をするようになり、亡父の墓前に行く機会がめっきり減ってしまった。
 
亡くなった父より現存している母の世話が忙しくなり菩提寺からも足が遠のいてしまった。
 
世の中には大切な人を亡くし、いつまでも忘れないために亡くなった月日ではなく、「月命日」といって、毎月その日に墓前にお参りする人たちがいる。
 
国民にとって大切な憲法が踏みにじられ、立憲主義が無視され、民主主義と平和主義の根幹を揺るがす「戦争法」が強行採決されたのが1年前の9月19日未明。
 
戦後70年間守られた平和国家が、今後は海外に自衛隊員が派兵され、他国の人々を殺したり、あるいは殺されるかもしれない法律が作られてしまった。 
 
その後、多くの人々が毎月19日、国会前に集まって抗議行動を繰り広げていた。
 
残念ながら集まる人は徐々に減っている。
 
しかし決して忘れてはならぬと19日は「月命日」と決めている人もいる。
 
そして今日は「戦争法」成立から1年、「立憲主義」が安倍政権によって葬られて1周忌。

「敬老の日」で彼岸入りの、亡父の「月命日」でもある。
 
諦めてはならない、まだ間に合うを合言葉に「戦争法」廃止を求めて声を上げ続けなければならない。
 
少々空模様が不安定だが、それにもめげずオジサンも今日は昔の仲間たちとこれから国会前に出かけることにする。
 
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2016年09月15日

役立たずの日本のミサイル防衛

遂に5度目の核実験を行った北朝鮮。
 
すでに、北朝鮮による核ミサイル攻撃は現実の脅威となりつつあリ、その射程距離は飛躍的に伸びている。
 
20160915northkoreamisile.jpg

 
しかし、「俺たちはいつでもお前たちを攻められるぞ」という虚勢を張った威嚇であることは、周辺国のみならず多くの国が認識しているところであろう。
 
ただし素直に大人の忠告に対して聴く耳もたぬ「ダダッ子」であるので、取扱い要注意といったレベルでもある。
 
日本はこの北朝鮮のお蔭で空の安全保障の強化と称して、防衛相省は着々と高価な「ミサイル防衛システム」の整備を目論んでいる。
 
1週間ほど前の東京新聞【私説・論説室から】で、長年自衛隊取材を行っている半田滋論説兼編集委員はこんな見方を披露していた。
 
<北朝鮮SLBMの対策は>
 北朝鮮が発射試験を繰り返す潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)。恐ろしい兵器だが、実用化は簡単ではない。
 北朝鮮は1993年、ロシアからくず鉄としてゴルフ級潜水艦を購入した。船底から艦橋まで貫通させた艦内にSLBMを垂直に積む通常動力型だ。米国の北朝鮮専門サイトは東海岸にゴルフ級に似た潜水艦が停泊している衛星画像を公開した。地名から新浦級と名付け、1、2発が搭載可能という。
 次には原子力潜水艦や大型潜水艦の建造を目指すと報道されているが、できるだろうか。米英中ロ仏印のSLBMは原潜に積まれている。なぜ原子力かといえば、水中速度が30ノット(約55.6キロ)前後と速く、乗員に必要な酸素も作れるからだ。高速で潜航時間に制約がない原潜の探知は極めて難しい。
 北朝鮮に原潜建造の技術はないとみられ、通常動力型を使った場合、速力や換気の問題が残る。トップレベルの対潜水艦戦の技量を持つ海上自衛隊の相手ではない。
 とはいえ、安倍首相はSLBM試射を「重大な脅威」と述べた。振り返れば、日本は北朝鮮の弾道ミサイル試射をきっかけに情報収集衛星を保有したり、一兆円以上かけてミサイル防衛システムを米国から導入したりした。「以前、米軍から原潜購入を持ちかけられたことがある」と元海自幹部。今度は原潜保有だったりして。 (半田滋)
 
まさに核心を突いた見立てである。
 
少なくとも北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は「トップレベルの対潜水艦戦の技量を持つ海上自衛隊の相手ではない」らしい。  
 
1か月前には軍事ジャーナリストの田岡俊次が、日本のミサイル防衛のお粗末さを指摘していた。 
 
<平和ボケの極み!北朝鮮の事前通告がないと役に立たないミサイル防衛>
 2016年8月18日 DIAMOND Online
 秋田県沖に落ちた北朝鮮のミサイル
政府は全く対応できなかった
 
 8月3日午前7時53分頃、北朝鮮は同国南西部の黄海南道の殷栗(ウンリュル)付近から弾道ミサイル2発を発射した。1発目は発射直後爆発したが、2発目は北朝鮮上空を横断して日本海に向かい、約1000km飛行して秋田県男鹿半島の沖約250kmの日本の排他的経済水域内に落下した。
 日本政府がこのミサイルの発射を知ったのはそれが落下した後か直前と見られ、ミサイル防衛に当たるはずのイージス艦や、陸上の要地防衛用の「PAC3」ミサイル部隊に「破壊措置命令」は出されず、全国の市町村の防災無線、有線放送などを通じて警報を出すはずの「Jアラート」も役に立たなかった。ミサイル防衛には今年度予算を含め1兆5800億円が注ぎ込まれたほか、「Jアラート」にも消防庁が市町村に交付金を出し普及率は100%になっていた。
 防衛省は「北朝鮮から事前の通告がなかった」「移動式発射機から発射されたため兆候がつかめなかった」と釈明するが、人工衛星の打ち上げと違い、実戦用の弾道ミサイルは当然予告なしに発射されるし、先制攻撃で破壊されないよう自走式発射機に載せるのが一般的だ。日本のミサイル防衛は形だけであることを証明する結果となった。
 北朝鮮はこれまで大型ロケット「テポドン2型」などを使って人工衛星打ち上げを目指し、2012年12月12日と今年2月7日、小型衛星を地球周回軌道に乗せることには成功した。これは米戦略軍総合宇宙運用センターが確認している。衛星は2回とも故障した様子で電波を出していないが、ロケットの第3段が高度500km付近で水平方向に加速、周回軌道に物体を放出した飛行パターンは人工衛星打ち上げを狙ったとしか考えられない。軍用ミサイルならさらに上昇して頂点に達した後、放物線を描いて落下する。
「テポドン2」は全長30m、重量90tもの大型で、高さ67mもの固定式発射機の側で2週間以上かけて組み立て、燃料を注入して発射している。海岸近くの発射場で衆人環視の中、戦時あるいは緊張時にこんな悠長な作業をしていては航空攻撃などで簡単に破壊される。また北朝鮮は発射の前にその日時(幅がある)や第1段、第2段のロケットの落下予定地点を国際海事機関に通報していた。
 防衛省は従来その通報を受けて「破壊措置命令」を出しイージス艦を出港させたり、ミサイル防衛用の「パトリオット・PAC3」を防衛省の庭や沖縄の宮古島、石垣島などに展開したが、これは実は「ミサイル」に対する防衛ではなく、人工衛星打ち上げ用ロケットが不具合を起こして落下して来ることへの対策になりうる程度だった。現実には、ミサイル防衛に巨費を投じることが国民の安全を守る役に立つ、と宣伝し予算を確保するための行動の色が濃かった。
・・・後略・・・
 
防衛省が8月末に発表した2017年度予算の概算要求の総額は、過去最大の5兆1685億円(16年度当初予算比2.33%増)で、5年連続の要求増となった。
 
もちろん、その根拠は北朝鮮の相次ぐミサイル発射のお蔭で、ミサイル防衛(MD)の態勢強化に1872億円を計上し、海上自衛隊のイージス艦に搭載する新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の取得費147億円を初めて盛り込んだ。
 
SM3ブロック2Aは現行のSM3の改良型で、より高い高度で複数の標的を同時に迎撃でき、防衛省は迎撃ミサイルを搭載できるイージス艦を現行の4隻から6隻に増やす計画を進めており、イージス艦「あしがら」のシステム改修費121億円も盛り込んだ。
 
弾道ミサイルを地上から迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)関連では、射程を伸ばした新型ミサイル「PAC3MSE」の取得費69億円を計上。航空自衛隊千歳基地などに配備している発射機28基を987億円かけて新型ミサイル対応型に改修する。
 
こんなにカネをかけてはたして本当にミサイル防衛体制が強化されるのかは、前述した軍事ジャーナリストの田岡俊次の指摘通りであろう。
 
それでも、防衛省はこれ幸いと、必要のない新型兵器までジャンジャン買い込もうとしている。

例えば、1機で318億円もする米ボーイング社製の空中給油機KC46A。
 
防衛省は戦争法の新任務に海外での補給活動が加わったため、新型の空中給油機が必要だと訴えているが、軍事ジャーナリストの世良光弘は首をかしげる。
 
「自衛隊はKC767という優秀な空中給油機をすでに4機も持っています。航続距離は、航空自衛隊の輸送機の中では政府専用機に次ぐ7200キロを誇ります。巨額の税金を使って新型の給油機を購入する必然性が見当たりません。自衛隊は世界のエネオスでも目指すつもりでしょうか」
 
また、最新鋭のステルス戦闘機F35を6機取得するために946億円の費用が盛り込まれた。
 
「専守防衛の日本は防空識別圏から敵機を追い払えればいい。制空権を守るだけなら現行のF15で事足ります。レーダーに探知されにくい隠密飛行ではなく、姿を見せた方が抑止力にもなるでしょう。F35が十分に能力を発揮するのはシリアの空爆などの場面。安倍政権は一体、どんなシーンでの活用を考えているのでしょうか」(世良光弘氏)
 
どうかしているのは、旧型の兵器まで買い込もうとしていることだ。防衛省は2018年度までに米海兵隊をモデルにした「水陸機動団」を新設する計画の実現のため、30年以上前に開発され、目新しい技術が使われていない水陸両用車「AAV7」に1両7億円も払い、52両を調達するという。
 
どれもこれも米国製のうえ割高に買わされているのだから、高校生に恐喝された小学生並みである。
 
1機当たり約100億円で取得する輸送機オスプレイを、米軍は50億〜60億円とほぼ半額で購入している。
 
軍事研究の助成費用も大幅アップされている。
 
「安全保障技術研究推進制度」の予算を今年度の6億円から18倍の110億円に大幅に増やす予定で、軍事への応用が期待できる基礎研究を行う企業や大学に対し、研究費を助成する制度である。
 
2年前、安倍政権は武器輸出を原則禁止する『武器輸出三原則』を180度転換した。
 
今回の予算措置は、武器を輸出するために大学や企業の協力を仰ぐ狙いがあり、いずれ世界中に兵器を売って稼ぐつもりなのである。

話しをミサイル防衛に戻そう。
 
ミサイル防衛には今年度予算までに1兆5787億円が投じられているが、これははっきり言って「ドブに捨てた」ようなものであるが、官邸や防衛省は、さらなる増強に躍起になっており、価格2倍のミサイル購入やイージス艦を増やしたり、ミサイル発射探知用に独自の静止衛星打ち上げの話まで出ている。
 
明らかに国家財政に響くような大プロジェクトになりかねず、ミサイル防衛の効果や限界を国民に説明せずに巨額の予算をつぎ込もうとしている。
 
「特定秘密」を盾に“不都合な事実”を隠蔽してこれ以上防衛費を膨らませるのは許されない、という立場から、26日からの臨時国会で是非ともこの問題に切り込んでほしい、とオジサンは思う。

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2016年08月14日

警察が「特高化」していくこの日本

多くの「護憲派」の中には、現憲法の第1章「天皇」は不要だと主張する人が少なくない。
 
中でも、政党組織として明確に打ち出しているのは共産党くらいで、戦前の治安維持法で厳しい弾圧を受けた歴史からすれば当然であろう。
 
その共産党も今年の通常国会の開会式に出席し、天皇の入場に対して起立し頭を下げていた。  
 
それは先の参院選に臨むにあたり「野党共闘」を実現するための戦略的な転換であった。
 
しかし結果的には参院選では改憲派の3分の2議席を許してしまい、安倍政権はますます安泰し、中途半端な野党共闘で臨んだ都知事選では元防衛相で核保持には積極的な安倍晋三と変わらない危険な思想の持ち主の小池百合子を当選させてしまった。  
 
こんな状況を見て日本には「主権者マインド」が育っていないと、澤藤統一郎弁護士は「天皇崇拝の『信仰』と『マインドコントロール』からの脱却」を訴えていた。 
 
<天皇崇拝の「信仰」と「マインドコントロール」からの脱却、それが歴史の進化だ。>
 2016年8月13日 澤藤統一郎の憲法日記
 天皇が生前退位の希望をつぶやいて以来、「ヘイカおいたわしや」の類の反響に驚いてばかり。つくづく、この国はおかしいと思う。この国には主権者マインドが育っていない。いまだに多くの国民が臣民根性から抜け出せないままなのだ。なるほど、どうりでアベ政権が安泰で、小池百合子が当選もするわけだ。
日本の近代においては、個人の自立も民主主義も、天皇制と拮抗して生まれ天皇制と対峙して育った。その天皇制が、今日に至るも、かくも強固に根を張っていることに衝撃を覚える。
日本において「国民主権」とは、天皇主権の対語であり、歴史的に天皇主権否定という意味にほかならない。主権者意識の成熟度は、天皇制の呪縛からの解放度によって測られる。
近代天皇制とは、「信仰」と「マインドコントロール」と「社会的同調圧力」とそして「法的強制」とから成り立っていた。いま、象徴天皇制下に「法的強制」はなくなっている。「信仰」も「マインドコントロール」もなくなったはずだったが、実はしぶとく生き残っているのだ。象徴天皇への敬意を強制する「社会的同調圧力」の強さは、戦前と変わらないのではないか。一皮むけば、この国は、戦前と戦後を通じてさほどの違いがない。いまだに、何ともおかしな世の中なのだ。
近代天皇制は、明治維新期に国民統治の道具として国家が作り上げたものだ。神の子孫であり現人神であることが、天皇の統治権正当性の根拠とされた。2000年昔の話ではない。市民革命も産業革命も経た19世紀後半に、神話を国家の礎に据えるという、マンガみたいなことができたのだ。こんなリアリティを欠いた「宗教国家」が、現実に20世紀の半ばまで持ちこたえた。
天皇を神とする「信仰」が国家神道である。これは天皇を教祖とし神とするのだから天皇教と言ってよい。信仰だから理屈は通じない。しかも、精神の内奥の話だ。一人ひとりの国民の精神生活が、神なる天皇に乗っ取られたのだ。その天皇が、信仰の世界だけでなく、世俗の政治権力を総覧し軍事大権を掌握して大元帥ともなった。天皇主権を受容する臣民たちの精神状態が、天皇制国家の国民に対する「マインドコントロール」である。マインドコントロールは全国の学校と軍隊で組織的に徹底して行われた。それに、家父長制の家庭も地域も参加した。NHKも朝日も毎日も、メディアがこれを補強した。
しかし、世の中には、天皇を神と認めない人も、マインドコントロールを意識的に拒絶する人もいた。自分は自分でなければならないと自覚する人びと。しかし、この人たちも「社会的同調圧力」に敢然と抗することは難しかった。内心はともかく、誰もが忠君愛国・滅私奉公を実践するフリをせざるを得なかった。社会的同調圧力による面従腹背の強制である。
さらに積極的に天皇制に抵抗を試みる不逞の輩には、予防検束や刑事罰が待ち受けていた。「國体を変革することを目的として結社を組織したる者又は結社の役員其の他指導者たる任務に従事したる者は死刑又は無期もしくは5年以上の懲役もしくは禁錮に処す」という治安維持法が過酷に弾圧のムチを振るった。
蛇足だが、治安維持法にいう「國体」とは天皇制のことである。「『天皇制を否定して民主主義国家を作ろう』などという不届きな運動の首謀者は死刑」というわけだ。
こうして、誰もが天皇には逆らいがたい状況がつくられ、その状況が戦争を準備した。多くの国民がマインドコントロール下に率先して「大君の醜の御楯と出で立っ」て、戦地から還ることがなかった。少なからぬ若者が、内心では出征などマッピラご免と思っていたが、社会的同調圧力はこのホンネを口に出すことを封じた。心ならずも子も母も、「感涙にむせんで」戦争に協力した。
おびただしい死者を出して戦争が終わって、国民はマインドコントロールから覚醒した。神なる天皇に支配されていた精神を解放した…、はずだった。教育勅語も修身も軍人勅諭も戦陣訓もなくなった。治安維持法もなくなり、大逆罪も、不敬罪も廃止された。これで、国民は主権者として自立するはずだった。
ところが、神権天皇制は廃止されたものの、その残滓が象徴天皇制として生き残った。同時に臣民根性も根絶されずに生き残った。生き残った臣民根性は、社会的同調圧力を飼料として増殖を開始し、今肥大化している。天皇に過剰な敬語を要求する同調圧力は年々強まっている。主権者が、天皇について率直に語りにくいこの空気は、危険この上ない。
8月15日がもうすぐだ。日本が神国などではなく、神風は祈っても吹かず、天皇も一人の人間でしかないことを国民が悟ったその日。その日を思い出して、もう一度、天皇制からの呪縛を意識的に断ち切らねばならない。かつて教場で子どもたちに刷り込まれた天皇崇拝の信仰とマインドコントロールから脱却し、社会的同調圧力に抗おう
日本国憲法は不磨の大典ではない。天皇制という憲法体系の中の夾雑物は、次第にその役割と存在感を縮小して、やがてなくすることが歴史の進化の方向である。皇族を減らし、皇室予算を減らし、天皇の公的行為などは全廃してよいのだ。天皇への敬語使用の同調圧力に迎合した発言は、歴史に抗する愚行というほかはない。
 
8月8日の天皇メッセージでは「個人」という言葉を使い、すでに現人神ではないことを強調していたが、残念ながら目に見えぬ「社会的同調圧力」によって多くの国民の中には「臣民根性」が生き残り、マインドコントロールから脱却できていないということだ。
 
たしかに象徴天皇制下に「法的強制」は無くなり、「治安維持法」も無くなったが、またぞろ復活しそうな様相が現れてきている。
 
<長崎原爆の式典で安倍首相に「改憲反対」と叫んだ参列者を警察が拘束! 取材中の不当聴取なのにマスコミは抗議も報道もせず>
 2016.08.13 リテラ
 原爆が落とされた8月9日、今年も長崎で開かれた平和祈念式典。しかし、その中でこの国が「平和」とはまったく逆の方向に向かっていることを示す事態が起きた。なんと、安倍首相の挨拶の最中、改憲反対を叫んだ市民が、それだけで警察に連行されてしまったのだ。
 それは、この平和祈念式典で安倍首相があいさつをするため演台に向かおうとしたときのことだ。安倍首相が参列席に一礼した瞬間、参列席から男性が「改憲反対」という声を上げた。
 もちろん、それ自体が問題なのではない。この男性は声をあげただけで、安倍首相に近づいたわけでもなければ、挨拶を妨害したわけでもない。というか、そもそも、広島、長崎の原爆の式典で挨拶をする安倍首相については、地元でもその態度や政策との不一致を批判する声が強く、これまでもしばしば厳しいヤジが飛んできた。今回もそれが起きたというだけに過ぎない。
 ところが、おかしいのはこの後だった。式典終了後、報道陣がこの男性に発言の意図を確認しようと取材し、男性もそれに応じていた。ところが男性が「首相は民主主義をないがしろにしている」などと説明している最中に、複数の警察官が割って入ってきたのだという。そして、男性を取り囲んで事情を聴き始め、警察車両まで連れて行ったというのだ。
 このいきさつを報じた長崎新聞によると、浦上署は「本人の了解を得た上で、車に乗り込んでもらった」としたが、男性は終始「触らないでください。離してください」と訴えていたという。
 これは明らかに警察による不当な事情聴取であり、取材に対する妨害行為だ。男性は式典の参列者であり、何か暴行を働いたわけでも、妨害行為を行ったわけでもない。たんに「改憲反対」と述べただけだ。それだけで無理やり事情聴取をされるというのは、治安維持法や特高警察があった戦中の時代に逆戻りしているようではないか。
  警察は「警備上、念のため」などと釈明するかもしれないが、実はこうした事態は警備が必要な式典以外の街中でも起きている。たとえば昨年の10月には、ピーター・バラカン氏が、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組『The Lifestyle MUSEUM』(TOKYO FM)で、その日スタジオに向かう途中、こんな経験をしたことを語った。
「めずらしく広尾の方から六本木に向かって有栖川公園の脇を歩いていると、まずひとりの警官にちょっと、変な目で見られて(略)。もうちょっと先を歩くと、中国大使館のすぐ手前のところで2人の警官に、止められました。『あれ? どうしたんですか?』と言ったら、『いや、あの今日これから抗議をする予定ですか?』と聞かれたんですね。ん?いや、特にそんなことはないと『なぜそんなことを聞くんですか?』と言うと、『9条のTシャツを着ているから』と」
 ようするに「憲法9条のTシャツ」を着て六本木を歩いていただけで、警察官に呼び止められ、詰問されたというのだ。バラカン氏は、「ほんとうに僕、40年以上この国で暮らしてはじめてそうふうに聞かれたもので、今も釈然としないものがあって。仮に抗議に行く予定だったといっても、なぜ、それがいけないことなのか」と述べている。
 同じく昨年10月、東京新聞が、「『No.9(憲法九条)』と書かれた小さなタグや缶バッジをつけた市民が国会本館や議員会館に入ろうとすると、警備員らに制止される例が相次ぐ」ことを報じている。
 辺野古の新基地建設に反対する院内集会に参加しようと参院議員会館を訪れた女性が、手荷物検査を受ける際に制止され、バッグに付けていた手のひらサイズの「No.9」のタグについて、「示威行為に当たるので外すか隠してほしい」と求められた。女性は、その2ヵ月前に女性が衆院第二議員会館を訪れた際にも、入り口で止められたという。
 さらに同時期ツイッターでは、一般ユーザーによる〈クリスチャンの女性が「平和がだいじ」と書いた可愛らしい絵本袋を持って国会周辺を歩いていたら警官に職務質問されたそうだ。彼女が警官に「どうして聞くんですか」と聞いたら絵本袋をさして「平和って書いてあるから」と。今や「平和」は犯罪!〉という投稿も確認できる。前述のバラカン氏や議員会館で制止された女性の例を踏まえると、十分ありうる話だ。
 先の参院選で改憲勢力3分の2の議席を得て、安倍首相が描く“改憲スケジュール”は待ったなし。自民党や日本会議、産経新聞などの右派勢力は、改憲の世論づくりのために、あらゆる場所で日本国憲法への攻撃を強めている。一連の憲法排除は、こうした空気を警察権力が敏感に感じ取って、警備・監視行動に反映させているということだろう。
 いうまでもなく、政治家、役人、警察官などの公務員には、憲法を尊守する義務がある。にもかかわらず、その公務員がいま、市民が「9条」や「平和」「護憲」のメッセージを身につけているだけで“危険思想”扱いして排除に乗り出している。繰り返すが、そのような異常な事態が現実に起きているのだ。
 この状況を見て、想起させられるのは、前述した戦前・戦中の状況、とくに1925年、治安維持法が制定されて以降に起きた事態だろう。同法は当初、天皇主権や資本主義を否定する運動を取り締まるものだったが、そのうち、反戦や人権尊重などを口にするだけで反政府的主張とみなされ、摘発・拘禁されるようになっていった。そして、その中央政府による恐怖政治の先兵となったのが、警察や地方行政、メディアだった。ようするに、その戦前・戦中の公権力の姿勢が復活しつつあるのだ。
 しかも、唖然とするのは、マスコミがこうした状況に対して、ほとんど批判をしなくなっていることだ。前述した長崎の平和祈念式典で「改憲反対」を叫んだ男性が連れて行かれたのは、報道陣がこの男性を取材中の出来事だったが、驚いたことにその場にいた記者たちは一切、抗議しなかったという。それどころか、この一件を記事にしたのは、地元の長崎新聞だけ。全国紙もテレビもその事実を知りながら、一切報道しなかった。
 これでは、警察がどんどんエスカレートとして、思想チェックのような行為を平気でやっているのも当然だろう。
 本サイトでも繰り返し報じてきた「子どもたちを戦場に送るな」と言う教師を取り締まる“密告フォーム”の件もそうだが、これから日本は、「平和」や「反戦」「護憲」を口にするだけで、本当に“思想犯”として逮捕されるような時代に突入してしまうのかもしれない。
 
そもそも、「改憲反対」と叫んだだけで警察が事情を聴かせろという行為は、言論弾圧以外のなにものでもない。
 
おそらく「改憲賛成」と叫んでいたのなら、警察は絶対に動くことはなかったかも知れない。
 
恐ろしいのは、安倍政権にとって不都合な発言は取り締まってやろうと待ち構えていた警察の姿勢である。
 
まさに、戦前・戦中の特高警察のやり方とまったく同じで、「おい、こら」の時代を彷彿させられる。
 
ところで選挙期間中は警察は選挙違反を取り締まらず、投開票終了の翌日から摘発を始める。
 
警察庁は12日、7月の参院選の選挙違反取り締まり状況を発表した。
 
全国の警察は投票日の30日後となる今月9日までに公選法違反容疑で51事件、90人を摘発した。そのうち逮捕者は警視庁や埼玉県警など12都府県警による29人に上ったという。
 
今回から改正公選法で18歳以上の選挙権が認められ、選挙運動も可能になったが、10代の摘発はなかった。  
 
しかし、オジサンの地元の隣の区では警察のおかしな動きがあった。
 
<18歳投票率で問い合わせ、横浜 神奈川県警、県立高に>
 2016/8/12 20:46 共同通信
 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初めて実施された7月の参院選を巡り、神奈川県警青葉署が横浜市青葉区の県立高3校に「区の18歳投票率が高いが、特別な取り組みをしたのか」と電話で問い合わせていたことが12日、県教育委員会などへの取材で分かった。
 青葉署は「18歳投票率が高かったとの報道を受けて、理由を調べるためだった」と説明。「電話をかけたことに問題はなかった」としている。
 県教委などによると、参院選後の7月15日、青葉署生活安全課の署員が3校に電話で問い合わせた。県は「今後の主権者教育に影響はなく、問題ないと考えている」としている。
 
本来、投票率の数字に対して警察が関心を示すことはありえない。
 
「区の18歳投票率が高いが、特別な取り組みをしたのか」と問い合わせれば、その裏には「違法な取り組みをしたのでは」という疑念がミエミエで、これは明らかに県立高校教師たちへの脅しと捉えられても仕方のない行為であろう。
  
既に政権与党は現場教師に対しては、常軌を逸した脅しを行っており、ついには「自民党の教師密告フォームの効果が早くも…『与党2/3で改憲』『戦争に行くことも』と発言した教師が追及され謝罪」という事態も発生しているのである。
 
そして今後は警察権力が政権の意向を忖度して市民の監視を強化し、恫喝し、予防検束が発生することにでもなれば、戦前・戦中の特別警察化してしまうのではないだろうか、とオジサンは思う。


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2016年07月03日

貧困対策を進めないのは、経済的徴兵制の狙いか

日本企業240社が事業を行なっているというバングラデシュは、1947年に英国からインド、パキスタンが分離独立した際にパキスタンの一部(東パキスタン)となり、71年の第3次印パ戦争を経てバングラデシュとして独立した。
 
面積は日本の僅か4割程の14万7千平方キロだが、人口は1億5940万人と日本よりも多く、イスラム教徒が9割を占める。
 
世界中のイスラム教徒が行う断食月―「ラマダン」は6月6日より7月5日まで30日間にわたって行われるそうである。
 
そのため、首都ダッカの高級住宅街、グルシャン地区にあるレストラン「ホーリー・アルティザン・ベーカリー」で夕食のテーブルを囲んでいるのはほとんどが裕福な外国人だったらしい。
  
したがって、このような殺され方になったのであろう。

 
しかし1年前にこんな声明文があったことを忘れてはならない。 

その結果がどうなったか。
 
今日からは参院選投票日までの最後の1週間となるのだが、残念ながらテレビの垂れ流し番組では、ダッカでの日本人の犠牲者らの名前が明らかになれば、その遺族たちのコメントがあふれることであろう。
 
昨晩は、チョット前によくテレビに出ていたあの顔が飛び込んできて違和感を覚えた。
 
<JICA理事長「テロリストに怒り」 ダッカ襲撃>
 2016年7月3日07時52 朝日新聞DIGITAL
20160703kitaokasiniti.jpg
日本人の死亡が確認され、会見をするJICAの北岡伸一理事長=3日午前0時52分、東京都千代田区、北村玲奈撮影
・・・前略・・・
 3日未明、JICAも記者会見を開いた。
 「まことに残念、痛恨の極み。膨張する都市交通を状況改善すべく活動していた人たちで、バングラデシュの発展のために貢献していた人を失った。テロリストに怒りを禁じ得ない」。北岡伸一理事長はショックを受けた表情で語った。
 JICAによると、事件が起きたのは日本時間の2日未明だった。当初、午前2時半の段階でJICA職員の安全を確認したが、その後、コンサル会社の社員の一部と連絡が取れていないことを把握したという。
 2日夜の記者会見で、北岡理事長は「IS(イスラム国)が現れてから2年、ラマダン明けの時期なので注意を呼びかけていた。特にバングラデシュは去年事件があった」、「現場は大使館のそばで高級レストラン。通常考えれば安全なところだった」などと漏らしていた。
 〈国際協力機構(JICA)〉 1974年に国際協力事業団として発足し、海外への技術協力や青年海外協力隊の派遣などに取り組んできた。2008年に国際協力銀行(JBIC)の円借款部門が統合され、現在の組織になった。独立行政法人の一つで職員は約1800人。世界約90カ国で活動している。
 海外での主な活動は、@インフラ整備に低利融資する円借款(有償資金協力)A人道支援の無償資金協力B技術協力の途上国援助(ODA)の3分野。
 JICA関係者によると、橋や道路の建設のための円借款事業や無償資金協力事業では、日本などのコンサルタント会社が、はじめに相手国政府と契約する。設計図や施工図をつくって提案し、相手国政府が施工業者を選ぶのが一般的な流れだという。
 
北岡伸一はこんな人物であったと記憶している。
 
■2006年11月 - 2007年2月
 日本版NSC設置検討のために設置された「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」委員。
■2007年4月 - 2008年8月 
 日本の集団的自衛権保持の可能性について考える安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」有識者委員。
■2013年、第2次安倍内閣で「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員にで座長。
 集団的自衛権について、最小限度であれば憲法改正せずとも行使可能との立場をとる。
 更にその活動範囲について「論理的には地球の裏側まで、極論すれば地球外でも。宇宙だろうがどこだろうが行くかもしれない」。
 ただし、一方で攻撃された国からの明確な要請がない限り、自衛隊は派遣できないとも主張している。
 
安倍政権における「戦争法」制定までの憲法歪曲策動の中心人物であった。 
 
そして昨年、戦争法が強行採決されたのち、お役目御免となり2015年10月1日付で国際協力機構(JICA)の理事長に天下ったのである。   
 
集団的自衛権行使容認が閣議決定される前年には、日本外国特派員協会で会見をひらき、こんな光景が繰り広げられた。
 
一応、両者の発言要旨だけを、忘備録として掲載しておく。
  
<日本は「集団的自衛権」を行使すべきか?〜北岡伸一(安防懇座長)VS柳澤協二(元防衛官僚)>
 BLOGOS編集部 2013年11月29日 07:18
20160703kitaoka.jpg
【北岡伸一(安防懇座長)】
■「9条の核心部分は、1928年のケロッグブリアン協定(不戦協定)や、国連憲章と同じく、国際紛争を武力ではなく、平和的に解決するという点だ」
■「9条のいう『国際紛争』は、日本と他国の紛争、つまり日本が直接関与する紛争のことだ」
■「9条で禁止されているのはあくまで『武力』であって、『武器』とは違う」
「集団的自衛権はもともと小さな国が集まって敵に対処するという考えだ。小国は、個別的自衛権だけでは自国を防衛できないので、他国からの防衛のために協力が必要になる。もし、個別的自衛権だけで対処しようとすれば、より巨大な軍隊が必要となってしまう」と説明し、これまでの政府解釈を「理論上も実際上も間違っている」
 
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【柳澤協二(元防衛官僚)】
○「日本はこれまでも『アメリカの軍事行動と一体化しない』ということを条件に、憲法の範囲内として行ってきた」と主張した。97年に改訂された「日米防衛協力ガイドライン」は、この論理に基づいて実現したもので、朝鮮半島有事におけるアメリカと日本の役割を明確に分けているという。また、同様の論理で行われたイラクへの自衛隊派遣は、「戦闘任務抜きでも、ブーツ・オン・ザ・グラウンド(陸上部隊の派遣)を実現したとして、アメリカからも高く評価されている」
○日本にとって集団的自衛権が必要となる場面は、
(1)アメリカの軍事プレゼンスを日本が補完しなければならない場合
(2)アジアでNATO型の集団防衛体制を作る場合
(3)日本を中心とした対中包囲網を作る場合
の3つしかないが、「いずれも現実味がない」と切り捨てた。
○「安倍首相は憲法解釈の解釈変更によって、戦後の日米安保体制が持つ矛盾を一挙に『解決』しようとしているのではないか。歴史認識を見直し、憲法を見直すことに、アメリカからの自立というモチベーションが含まれているとなれば、同盟国アメリカとの認識のギャップはますます大きくなりかねない。それが私の最大の懸念だ」
 
まあ、過ぎ去ったことは置いといて、わが国において、国家安全保障に関する重要事項および重大緊急事態への対処を審議する目的で、内閣に置かれたのが国家安全保障会議(日本版NSC)。

 そのNSCの司令塔となるのが首相、官房長官、外相、防衛相によって構成される「4大臣会合」であり、その会合に、国内事情の選挙応援で欠席するという前代未聞の事態が発生していた。
 
<菅長官、官邸不在8時間 選挙応援でNSC欠席>
 2016年7月3日 朝刊 東京新聞
 バングラデシュの飲食店襲撃を受け、安倍晋三首相は2日、北海道で予定していた参院選の応援演説を取りやめた。一方、菅義偉(すがよしひで)官房長官は応援演説で新潟県を訪れ、事件対応のために開かれた国家安全保障会議(NSC)を欠席した。 菅氏は2日午前8時半すぎ、官邸で緊急に記者会見して状況を説明。首相は午前9時すぎに官邸に入った。菅氏は午前10時前に官邸を出て、自民党候補の応援で新潟県内2カ所で街頭演説。午後6時すぎまでの約8時間、官邸を空けた。
 その間、バングラデシュの特殊部隊が店内に突入したとの情報が入り、首相はNSCを開催。会議後は菅氏に代わり、萩生田光一官房副長官が会見した。
 萩生田氏は「官房長官出張時の職務代理指定を受けて、この場に立っている。危機管理態勢には全く問題がない」と強調した。内閣法は官房長官不在の場合、官房副長官が職務を代行すると定めている。
 菅氏は2日夜、官邸に戻った後に会見し、官邸を一時不在としたことについて「首相が北海道遊説をやめて陣頭指揮しており、全く問題ない」と述べた。
 菅氏の対応について、民進党の岡田克也代表は「危機管理への正常な感覚が失われている。官房長官としてきちんと責任を取らないといけない」と、兵庫県西宮市で記者団に述べた。共産党の志位和夫委員長は川崎市で「危機管理の責任者が官邸を離れるのは非常に重大な問題だ。人命優先と言いながら選挙優先だ」と指摘した。
(大杉はるか)
 
平時ならともかく緊急事態に「出張時」云々という表現そのものが危機意識欠乏の現れであろう。
 
NSC会議なんていうものも、この程度なのであろう。
 
「国民の生命と財産を守る」という自覚が本当にあれのならば、たとえ前から決まっていたこととはいえ、選挙応援で新潟出張なんかできるはずがない。
 
もっともダッカで殺された日本人よりは、参院選1人区における自民党候補の劣勢の方が「緊急事態」なのかも知れない。
 
またしばらくは、「痛恨の極み」と称してこんな顔がNHKあたりで垂れ流されるのであろう。
 
20160703abesinzoutuukon.jpg
 
 
できれば、参院選の結果如何で、上記の顔をしてくれる事を多くの国民は願っているかもしれない。
 
軍部の独走によって戦争は作られる」と以前つぶやいたが、その中で大手マスメディアが「参院選 改憲勢力3分の2うかがう 毎日新聞序盤情勢」という記事によって、徐々に「国防軍」に近づいてきたとほくそえんでいる防衛省は、やはりというのか「経済的徴兵制」を検討していることが明るみになった。
  
<防衛省 “経済的徴兵制”を検討 自衛隊入隊前提に奨学金>
 2016年7月2日(土) 赤旗
20160703jinzaikakuho.jpg 少子高学歴化や安保法制=戦争法の強行の影響で自衛官の応募者数が減少傾向にある中、防衛省が「ROTC(予備役将校訓練課程)」と呼ばれる米軍の制度を参考に、自衛隊入隊を前提にした奨学金などが目玉の新たな募集制度を検討していることが、本紙が情報公開請求で入手した内部文書で判明しました。高学費に苦しむ学生を狙い撃ちにした“経済的徴兵制”といえるものです。
 同省の「国防を担う優秀な人材を確保するための検討委員会」(委員長・防衛政務官)の内部文書(2013年6月)は、「学生時代からの入隊希望者の取り込み」を図るため「新たな募集種目」をつくり、「日本版ROTCの検討」を進めると明記しています。
 ROTCとは、米軍が国内の大学に設けた幹部養成制度。受講生は卒業まで学費や生活費の支給が保障される一方、部隊訓練への参加や軍事に関する講義などを課せられ、卒業後は一定期間、軍勤務が義務づけられます。受講生の圧倒的多数は貧困層とされています。
 防衛省の制度案についての文書は大半が黒塗りですが、現行の「自衛隊貸費学生」制度を強化する方向性を模索。「貸費学生」とは理系の大学生・大学院生を対象に月5万4000円を同省が貸与し、卒業後に一定期間、自衛官として勤務すれば返還を免除する制度。安倍政権は「試行」的に同制度採用枠を拡大する予算を15年度に計上しています。
 また、「教育機関への再就職の拡大について」と題する文書は、「退職自衛官を学校職員・部活動指導員等で活用する枠組みを構築」して学校を再就職先として開拓する方針に言及し、「総合学習等を通じた(自衛隊募集への)理解の促進」など、授業内容への介入も検討。退職自衛官が教授業や訓練を受け持てるようにする狙いが浮上しています。
 
そもそも「ROTC(予備役将校訓練課程)」と呼ばれる米軍の制度を参考にしているので、「国防を担う優秀な人材」がなにも「理系の大学生・大学院生」だけを対象にしなくてもいいわけで、最前線に派兵される兵士は「圧倒的多数の貧困層」が狙われることは目に見えている。
 
従って、若者の貧困層が皆無になったら困るのは防衛省であり、そのために口先だけの貧困対策を安倍政権は唱えているだけではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:25| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 反戦平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする