2014年05月03日

居酒屋の疫病神

先日、都心で開催されたある講演会の帰りに、年に数回しか立ち寄らない焼き鳥屋に一人で行った。
 
だが、いつもの「赤提灯」がぶら下がっているその店はなく、道を間違えたかと辺りを幾度となく歩いてしまった。
 
そして最初に通った道を慎重に歩くと、先ほど通り過ぎた店が、あの店だった。
 
店の外観は変わらないのだが、明らかに全体の様子が異なり、窓から中を覗くと初老の夫婦ではなく、店長らしき若い男性がカウンターの中に立ち、フロアには若い女性従業員も目に入った。
 
さらに驚くことにカウンターには女性客が2人並んでいた。
  
オジサンが2か月前に入った時は、カウンターに常連のサラリーマンが1人で、キープしてある焼酎ボトルを置いて飲んでいた。
 
その後店に入ってきた数人の客もサラリーマン風の男性客だった。
 
外からよく見ると店の名前が変わっており、明らかにあのマスター夫婦は何らかの理由で店を他人に譲ったか手放したらしい。
 

 
50歳代になって見つけたカラオケパブが昨年から今年の初めにかけて続けて3店も閉店や閉鎖した。
 
経営者の個人的な事情とか、中には店が入っていたビルそのものがなくなっていた所もあった。  
 
もちろん、それぞれの店の事情があるのだろうが、客がいつも一杯で繁盛していれば店が潰れることはない。 
 
しかしオジサンが行くような店は、アベノミクスとやらの恩恵など全く関係のない人たちが常連であった。 
 
やはり不況のための閉店だったのだろうと想像に難くないが、もちろんオジサンにはなんら責任はない。 
 
ところが今から12年前に「純米酒」がキーワードになった居酒屋が短期間に潰れていたことが、当時の「つぶやき」にあった。 
 
 ◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇ 
 
今ではもう常識になっている本物の酒「純米酒」。
 
オジサンがこの純米酒に出会ったのは40代になってからだった。
 
それ以降二日酔いになっても頭がガンガン痛くなるような事態には陥っていない。
 
今では口に入る日本酒はすべて「純米酒」なので日本酒を飲む店は自ずと厳選される。
 
(注:当時は一般の「清酒」は、アル添酒や三倍増醸酒と呼ばれる学生時代から飲んでいた安い日本酒のイメージが強かった。
 そのため醸造用アルコールが入った本醸造酒でも「本物の酒ではない」という先入観が強かったころである。
 それは醸造用アルコールの原料として、穀物類の他に廃糖蜜から作るアルコールを使った酒があったことに起因する。
 もはや現在では、痛飲後の二日酔いの原因は「醸造用アルコール」ではないことは明らかになっている)
 
(注:二日酔いの原因は飲酒によって起こる脱水症状と低血糖であると最近では広く知られている。
 飲酒することで、アルコールの脱水作用により、脳の細胞に含まれている水分が少なくなって頭痛を引き起こす。また、カルシウム、マグネシウム、亜鉛など体の調節に必要なミネラルが尿と一緒に体の外へ出てしまい、疲労感や脱力感を生む。
 同時に、飲酒によって低血糖が起こるので、これを補うために体内のグリコーゲンやアミノ酸が使われる。
 更に、アルコールを分解するために、大量のビタミンB1が使われ、ビタミン不足からめまい、けん怠感が起こるとされている。)

 
<その1>
職場の近くにあった「純米酒」専門店。
仲間と数人で入ると必ず2〜3本の1升瓶が空になる。
量も種類も豊富で安い。余りにも飲みすぎたせいかある日その店に行ったら「焼肉や」に変身(?)していた。
 
<その2>
東京下町の表通りに面したお好み焼き屋。
ある月例会のメンバーに女性がいたので数ヶ月に1回位の割合で利用していた。
そんな店が純米酒を置いてあるのを発見。
さっそく端から順に飲み始めた。(埼玉県の地酒だという記憶がある)
飲むのはオジサン1人なので毎回複数種類の瓶の封が切られお酒の鮮度が落ち、その店はある時「お惣菜や」さんになっていた。
 
<その3>
やはり同じ下町の居酒屋で最も多くの仲間と利用した店。
ここも地酒が豊富で特に「純米・浦霞」がお得な値段。
1合単位に売られるているわけだが、オジサンが呑兵衛仲間と店に入ると必ず「ボトル売り」を要求する。
未開封ボトル(1升瓶)なんか少ないため「売れません」と、当初は拒否されていたのだが度重なる訪問のお陰でついに実現。
ある晩、仲間の歓迎会の晩、残った1升瓶全てを空にしてしまった。
しばらくしてその店は数週間も「休業」し、そして引越ししてしまった。
わずか数年の間にそれも決して経営が危なそうではなかった店が相次いで辞めてしまった唯一の共通点はオジサンが純米酒を飲みすぎたことであった。
やはりこれは「疫病神」と呼ばれるのであろうか。
 ◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇ 
 
残念ながら、現在の「定年オジサン」にはハシゴする「持久力」とそれを支える「金力」も希薄になったので、激しい二日酔いになることはなくなった。
 
今日は憲法記念日。
 
毎年、日比谷公会堂で開かれる「憲法集会」にこれから出かけるので、まさに「つぶやき」風の日記になってしまった。 


posted by 定年オジサン at 09:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月08日

ワタミと最低賃金と生活保護

今月の4日の参院予算委員会では共産党の小池晃議員が質問に立ち、集団的自衛権行使に関して小松一郎内閣法制局長官から憲法9条に関する解釈として次のような答弁を引き出していた。

 
法制局長官 憲法9条の解釈として、従来政府が申し上げておりますことは、それ自体が武力行使に当たらない活動であっても、外国が行う武力行使と一体化する行動を行うことは、わが国があたかも武力行使を行ったと同じように評価される恐れがある。そういう武力行使の一体化という法理を従来、政府はとってきておりまして、そのこととの関係で、いま申し上げたような規定になっているわけでございます。 

 
その後の安倍晋三首相の答弁とのやり取りは議論がかみ合わなかった点もあったが、他の野党議員が追及しきれない内容も質問していた。

 
こんなやり取りは大手マスメディアは特に取り上げず、予算委員会における「質疑と答弁」の概要を簡単に報道するだけで、もちろんネット上で話題になることなどなかった。

しかし小池議員の賃上げ問題以降の質問には大変興味深い点があった。 

 
・・・前略・・・
小池 続いて景気回復のカギを握る賃上げの問題に移ります。
 日本共産党は賃上げのための三つの提案をしておりますが、まず第一に、内部留保を活用した賃上げ。大企業の内部留保はこの1年間で15兆円以上も増えました。275兆円です。「収益が改善したら賃上げを」と先送りするのではなく、内部留保の一部を活用してまず賃上げを、とこの間、何度も申し上げてきました。
 そして、「賃下げ政策」にほかならない労働者派遣法など労働法制の改悪をやめ、人間らしく働けるルールをつくることも求めております。
 きょうは、さらに一つ、最低賃金の問題を取り上げたいと思います。
 私たちは、厚労省と総務省の統計をもとにフルタイムの一般労働者で時給1000円未満の労働者がどれだけいるのか計算してみました。

201403081000enmiman.jpg 

 
 これをみますと、若年者、高齢者、そして全体を通じて女性です。フルタイムであってもこれだけの低賃金が広がっているわけです。
 私は、最初に総理に基本的な認識をうかがいたいんですが、年収200万円に満たないワーキングプアの広がりは日本社会の未来にとってきわめて重要な課題だと思いますが、総理の認識をまずお答えください。
首相 ワーキングプアの方々は、非正規雇用である場合が多いと考えられるわけでありまして、賃金水準が低いことに加え、能力開発の機会が乏しい、セーフティーネットが不十分とさまざまな課題があると認識しております。このため、キャリアアップ助成金の活用などによって非正規から正規への移行支援等の取り組みを進めるとともに、こうした方々が就労以外のさまざまな生活上の問題を抱えている場合には、昨年成立した生活困窮者自立支援法に基づきまして、生活資金の貸付の斡旋(あっせん)等の支援を行うなどの取り組みを行っております。
小池 私はもうちょっと大きな認識を聞いたんですが。
 こういう低賃金の広がりは社会の本当に病理現象ともいえる深刻な状況だと思うんですよ。この打開のためには、最低賃金の抜本的引き上げがきわめて重要だと思います。
 最低賃金の大幅引き上げは、必ずこれは消費に結びついてまいりますし、内需の活性化に最も効果的な景気対策であり、企業の経済活動にもプラスになります。
小池 1959年に最低賃金制を導入した当時の岸信介首相も、最低賃金制によって「中小零細企業の劣悪な労働条件が改善され、能率も上がり、事業も安定し、過当の競争もなくなる」「中小企業対策としても効果がある」と答弁をされているわけです。
 欧米諸国も最低賃金の引き上げを経済政策の柱にすえております。軒並み時給1000円以上です。

 
20140308saiteitinginhikaku.jpg

 
 アメリカのオバマ大統領は最低賃金の引き上げで817円を1100円を超える水準へと呼びかけていますし、ドイツも今度の政権合意で、全国一律最低賃金制度の導入を決めています。
 これに比べて日本は圧倒的に遅れているわけですよ。もちろん、中小企業は大変です。ほんとに必死の経営でやっている。賃金を上げるのはそんなに簡単なことではないことは私も十分承知をしています。しかし、中小企業に対しても、本気で抜本的な支援を行うこととあわせて、これをやることは中小企業の経営にとってもいいんだと。岸元首相の答弁にある通りだと私は思うんです。
 最低賃金制を導入した、この歴史をさらに前に一歩進める。そういう決意はありませんか。全国一律で最低賃金を引き上げることによって地域格差も解消する。このことは大事な政策ではないか。やっぱり最低時給1000円以上と。これを目指して、そのための中小企業支援を行う。先送りにはできないと思いますが、いかがですか。
首相 最低賃金が引き上がっていく状況をつくっていくことについては、共産党の小池先生も岸信介も私も同じ考え方といってもいいんだろうと思います。その考え方のもとに、昨年度は15円最低賃金を引き上げたところであります。
 最低賃金を引き上げていくうえでは、中小企業、小規模事業者もその支払い能力がなければならないということも重要であります。だからこそ第1次安倍政権のとき中小企業、小規模事業者の生産性を上げていくという支援をさせていただいたところでございます。そのため、企業の収益を向上させ、それが雇用の拡大や賃金の上昇につながる経済の好循環をつくっていくことによって、そういった環境をつくっていきたいと思います。
小池 最低賃金を引き上げたとおっしゃるんですが、全国平均で5年前の703円から764円です。ペースは若干上がってきていますが、毎年10円ちょっとの引き上げなんです。この5年間のぺースでいくと、1000円になるのにあと20年かかるわけです。

 
「時給1000円未満の労働者」や「年収200万円に満たないワーキングプア」の多くが若年者、高齢者、そして全体を通じて女性であるという事実を突きつけられても、全く関心がない安倍晋三首相は、担当省庁の施策を羅列するだけで基本的な認識を示すことができなかった。

 
1959年に最低賃金制を導入した当時の岸信介首相の答弁を例に出されて、安倍晋三首相も「岸元首相の答弁にある通り」と答えざるを得なかった。

 
 
そして、最低賃金問題はワタミグループに及んだ。 

 
 小池 実は最低賃金額に張り付いているのは決して中小企業だけではないんです。大企業のグループ企業で最低賃金に張り付いているケースは少なくありません。
 たとえば、ワタミグループが経営する居酒屋のアルバイト時給。ホームページで私は全国を調べました。全国47都道府県のうち13都道府県の店舗でその地域の最低賃金の募集をかけているんです。

 
20140308saiteitingin.jpg

 
 総理。「中小企業だから」という言い訳は通用しないと思う。総理、十分な体力のある大企業グループが最低賃金ぎりぎりで雇用しているような状況をこのまま放置していいんでしょうか。何とかすべきではないでしょうか。
 首相 最低賃金については、それぞれの県において適切な引き上げが行われる状況をつくっていきたいと思っているところでありますが、最低賃金に張り付いている企業がなかなか人材が集まらない、人が集まる状況をつくっていくなかにおいて、そうした賃金における待遇、職場環境の改善に努力を傾注していかなければならないと考えております。
 小池 なんかちょっと頼りない答弁ですね。もっときちんとガツンというべきじゃないですか。体力が十分あるような大企業グループで、最低賃金ぎりぎりなんていうことはもうだめだとはっきりいうべきですよ。
 神奈川県のマクドナルドで15年間働いている36歳の男性はこういっています。
 「シフト制で週5日8時間働いている。時給860円。15年前に800円で働き始めて、毎年10円上がったけれども、2006年以降860円のまま。交通費も有給休暇もない。月収13万円から14万円で病院に通っていて月1万3000円から1万4000円の医療費がかかっている。親と暮らしているが、結婚もしたいし、子どももほしいが、この給料では望めない。せめて時給は1000円以上に」と。
 「支払い能力が…」なんていうから最低賃金が上がらないんです。きちんと経済の発展の原動力と位置付けるべきだ。
 小池 もちろん、中小企業に対する支援も必要だと思います。私たちは、政府のデータをもとに計算をしてみました(グラフ)。最低賃金を時給1000円以上に引き上げる場合に、雇用者全体の約2割にあたる932万人が賃上げの対象になってまいります。
 そのために必要総額は約2兆2000億円。そこで、従業員規模100人未満の企業を対象として最低賃金を900円に引き上げる段階では最大で4000億円程度。1000円に引き上げる段階でも9000億円。もちろんこの中には黒字企業もあるでしょうから、すべてを助成しなくてもできると思うんですね。
 今回、賃上げを期待して復興特別法人税の前倒し廃止。その規模は1兆円だというんです。しかし、法人税というのは黒字企業しか払っていないわけであります。
 一方、こうした最低賃金引き上げのための直接支援を行えば、確実に賃金上昇につながる。ワーキングプアの解消になる。消費に回る賃上げになるから企業の収益向上にも貢献する。全国一律最低賃金制で地域格差の解消にもなる。まさに好循環じゃないですか。
 いろんな財源があると思う。たとえば、雇用保険には5兆円の積立金がある。これも活用できるのではないか。賃金が上がれば、雇用保険にはさらに保険料が入ってくるわけですから。
 総理。私は現実的、具体的、前向きな提案をしているんですよ。「日本経済の好循環」というのであれば、ぜひ、こういう低賃金を解消する施策に足を踏み出すべきじゃないですか。総理、総理答えてください。
・・・後略・・・

 
 
「こういう低賃金を解消する施策に足を踏み出すべきじゃないですか。総理、総理答えてください。」との質問には安倍晋三首相は残念ながら答えられなかった。

 
もっとも「日本を世界一企業が活躍しやすい国にする」と公言している安倍晋三に対して「労働者が世界一働きやすい国」にしろと要求することは、まさに「八百屋で魚を求める」ような」ことかもしれない。

 
 
4日の予算委員会での「ワタミグループ」が最低賃金で働かせているという話は、ネット上で多くの反響を呼び、こんなブログもあった。

 
・・・前略・・・
同日の予算委には、ワタミグループ創業者で自民党参院議員の
渡辺美樹氏も出席していました。
しかしワタミの低賃金の実態が取り上げられ、数人の自民党議員が渡辺氏を探し始めると、渡辺氏はすでに退席した後だったのです。法律ギリギリの低賃金で過酷な労働をさせようとするなんて卑怯極まりなく、これじゃ鬼畜と言われても仕方がありませんね。
これで企業のトップで自民党議員で、おまけに人生相談なんかもやってたんですから驚きです。
普段は大層な事喋っている癖に賃金の話題になったら逃げるとは。
それにしても逃げ足が速いですね。
バイト感覚で議員やってるんですか?
でも逃げ出しても高額な議員報酬はもらえますからね。
都合が悪くなると逃げ出すあたり、やはり安倍政権の一員です。
・・・後略・・・

 
その後、よせばいいのに渡邊美樹がFaceBookで反論していた。

 
先日の参議院予算委員会で共産党の小池晃さんが ワタミのアルバイトは最低賃金と同額だと指摘した件。
同一のアルバイト募集のホームページで最低賃金ではない職種の募集もしています。
20140308watamikyuuyosyousai.jpg
職業選択の自由は憲法で保障されている議論の大前提です。
そもそも共産国家でない日本は、あの企業で働きたくないと烙印をおされ、経営がなりたたないリスクとも、経営者は常に向き合っています。
内部留保に関しても、中長期で企業を維持、発展させる責任が経営者にはあります。
経営者視点の発想、事情が理解できない政治家がいるのも仕方ありませんが
レッテル貼り」によって、日々の政治活動や経営がブレたり影響を受けることはありません。
同じ国会議員として、この国を「成長させる政策」で対決したいと思っています。

 
そして「数人の自民党議員が渡辺氏を探し始めると、渡辺氏はすでに退席した後だった」との批判に対しては、「私が担当の委員会ではないので、午前中は一年生議員の当番として、午後は元々出席の予定はありませんでした。事実と異なります」と反論していたが、逆に「『担当外だから』と言って目の前にある業務をしない社員について、経営者としてどう思いますか?」と突っ込まれていた。 

 
そしてご丁寧に「最低賃金ではない職種の募集」の証拠写真も掲載していたが、その金額は「深夜割増金額込」であり、最低賃金ではない、と強弁するには無理がある。

 
渡邊美樹のFaceBookには「支持者」の励ましともいえるコメントが多かったが、その中にオジサンのツイッターのフォロワーの一人が書いてきたコメントが冷静に核心を突いていた。

 
山田 太郎 1ヶ月、150時間働いたとすると、130,350円。社会保険や税金を引いたら、生活保護以下に転落?
それでもワタミで働こうという人がいるのだから、一種の宗教なのでしょう。
生活保護と最低賃金を比較するなという人もいるが、最低賃金が低ければ働かない方が得と考える人もいるのでは?
最低賃金を大幅アップして、労働意欲をあげて生活保護の受給者を減らして、自立した生活が出来る社会にすべきです

 
2年前につぶやいた「労働者が犠牲になる会社」を読み返して、あらためてワタミは少しも反省してはいない、とオジサンは思った。
posted by 定年オジサン at 12:27| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月07日

最近、虚偽、捏造、まやかしが増えてきているが・・・

安倍政権の「デブレ脱却」とやらで、あたかもインフレが素晴らしいことのように囃し立てられてから1年余り、円安が加速し輸入材料費が高騰し、それを原料とする製品が大きな影響を受けていた。

 
わが家のオバサンはスーパーから買い物をしてくるといつも、「最近、袋詰めの中身が少なくなった」と憤慨していた。

 
輸入原料をしているのかは確認できないが、袋の大きさが同じスナック類などは明らかに内部空間が広がったという。

 
最初のころはオジサンも別に気に留めていなかったが、日課としている夕方の散歩で水分補給をするために自動販売機を利用したときに気になることがあった。

  
家で毎日飲む缶ビールは大きいのが500ml、小さいのが350mlである。

 
そしてペットボトルの容量も500ml、小型は350mlが当たり前と思っていだが、ある場所で買った小型ペットボトル入り飲料水がなぜか一気飲みできるほどの量なので、飲み終わてから確認すると285mlだった。

 
特に値段が安かったわけではなかったので、なぜかだまされたような気持になった 

 
もっとも厳格に容量と値段に公的な関連性があるわけではなく、製造メーカーに委ねられる問題なので抗議のしようがない。

 
来月から消費税が3%上がるのだが、それに便乗して早くも値上げをしていている店があった。

 
定年後、月に1〜2回程だが、地元の駅近くの「いつのも居酒屋」に立ち寄ることがあるが、昨晩はオバサンが昔の職場の後輩と会うので夕飯は外でするように指示され、1か月ぶりにその居酒屋に入った。

 
しかし店に入った瞬間、いつもとは異なる雰囲気を感じた。

 
オジサンが店に入ると今までは店長がさっと迎えてくれて空いているカウンターかテーブル席に案内してくれる。

だが昨夜はいつもの店長がおらず、フロアには見慣れない中年の女性が一人。

 
当然、オジサンとは初対面なのでその女性もオジサンが自分で座るまで黙って眺めていた。

 
そして今までの店長が始めた19時まで酎ハイや日本酒(もちろん本醸造)がすべて「200円」という時間セールの貼り紙がなくなり、「本日のおすすめ」が書かれている白板の中身が大幅に変更(値段が高い)されていた。 

 
それでもいつものように注文し飲み食いしていると、会計をしている客がなにかレジの前の女性と話している。

 
その女性は「合計はこれで消費税が付きますからね」という主旨のことを客に説明していた。

 
特に珍しいことではないのでその後小1時間ほどして酔い気分になって会計をしてもらうと、ほとんど先月と同じ品を注文したにもかかわらず合計金額が「1901円」という半端な金額だったが、その場では何も言わず、お釣りだけを受け取って店を出た。

 
帰宅後、「消費税が付く」というレジの女性の言葉が気になり、その金額から消費税を引くと先月とほぼ同額になった。

 
先月の保存してあったレシートには各金額の後ろに(内)と記入され、内税であることが明記されている。

 
そして今回は「外税」ならば各品の金額は「税抜表示」するのが当たり前なのだが、どうやらその店は消費税を含んだ金額に対して、さらに5%の消費税を取ったことになる。

 
これは「外税」と偽った実質的な値上げであり、この金額をベースに4月からさらに8%の消費税を取られると、実質的には10%以上の値上げになってしまい、客に対する背信行為である。

 
これを実施させたのはその店の本部の指示だったのかもしれないが、それが原因でいままでの店長がいなくなったのかな、とオジサンは邪推している。 

 
まあ、こんなことは決して珍しいことではなく、信頼を裏切られたと思った客が店を変えれば済むだけの話なのだが、1人の若い細胞生物学者の周辺から起きてきた疑惑が世界中で話題になっている。

 
いつもの信ぴょう性の低いコメントが多々見られる掲示板に「疑惑深まるSTAP細胞 免疫細胞の専門家が小保方論文の決定的な矛盾点を指摘 難波紘二 広島大学名誉教授」というタイトルの投稿記事が掲載され、その数多いコメントにはかなり専門的な内容も多く、驚いた。

 
ちなみに、彼女の画期的な論文発表から1週間も経たずにさまざまな疑惑が上がっていた。 

 
・2014年1月29日 STAP論文が発表される。
・2014年2月5日(米国時間)  Pubpeerで、 Nature Article論文の電気泳動画像の不正疑惑が浮上する。
・2014年2月12日 RNAseqとChiPseqのデータの未登録問題が明らかとなる。
・2014年2月13日 Twitter上で、 Nature Letter論文の胎盤画像の流用疑惑を公表。その後、PubPeerにも同内容を投稿。
・2014年2月14日 小保方晴子氏、総合科学技術会議土壇場で欠席(時事通信)
・2014年3月5日 不自然なテラトーマ画像に関する疑惑が指摘される。
・2014年3月5日 理研より、追加のSTAP細胞作製方法が公開される。STAP幹細胞にはTCR再構成の証拠がみつからなかったことが公表され、著者らの論文のストーリーが崩壊する。
・2014年3月6日 マウスの性別を統一せずに実験を実施していたのではないかという致命的な実験ミスの可能性が指摘される。

 
さらにより詳細な各国の論文比較も行っている記事などが「小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑」にまとめられている。

 
これをすべて目を通すだけでかなりの労力が要求されてしまう。

 
STAP細胞『小保方論文』の画像疑惑の真相」とお馴染みのまとめのサイトにも登場している。

 
先の掲示板に掲載された難波紘二・広島大学名誉教授はネット上の威力に驚いてメルマガでこう書いていた

 

小保方論文それ自体については、理研、ネイチャー、ハーヴァード大、東京女子医大、早稲田大で調査が進んでいると思うので、もう多くを書かない。
・・・中略・・・
  そのせいか、ブログに書き込まれた意見を読んでみると、週刊誌を含めて、新聞・テレビに対するつよい不信感を表明しているものが多い。理研の記者会見後、あれだけ小保方を持て囃しておいて、疑惑が浮上したらだんまりを決め込んでいることが、つよく批判されている。
 森口事件、佐村河内事件と異様な事件が続き、それに今度の事件が起こり、「日本がおかしくなっているのでは」という声も強い。確かに時代が転換期に差しかかっているという予感が、私にもする。
 研究不正は結局のところ、研究者倫理の問題に帰着する。私は「インターネットは人間を正直にするだろう」と述べたことがある。それは「正直な人間なら、ネットで弾劾されることもない」というような弱い意味だった。
 その後、哲学者ワイニンガーの「性と性格」(村松書館)を読み、彼が「論理は記憶によって媒介され、それを貫徹するところに、倫理が成立する」と述べているのを知った。つまり、倫理の基盤は論理だという。「記憶」を大脳皮質や海馬に限定しないで、もっと広い意味での「しつけ」とか「教育」による「身体性記憶」まで含めれば、たぶんそうだろうと思う。
 身体で覚えた倫理は忘れられない。中江兆民が「孔子に意思の自由はない」と述べたのは、礼節を体現した孔子には例え悪をなす機会があっても、それをなすことができない。従って「善と悪」の選択ができないから、孔子に「意思の自由」はない、としたのである。
 記憶力の弱い人間は前に言ったことと、今度言うことが違っていても、平気である。つまり非倫理的な行動ができる。しかし、過去に対する記憶をきちんと保持している人は、その記憶が現在の行動を規制するので、首尾一貫した行動をとる。
 記憶が弱い人間はいくらでもいる。が、今回の「ネット掲示板」のように、ある特定の研究者の研究活動や論文の記載内容や、家庭環境、学歴、周囲の人物評まで一挙に明らかにされる(これは過去にはプロのジャーナリストでないとできなかったことだ)と、嘘の言い逃れや弁明が通用しなくなってしまう。
 SF映画では「サイバー警察」活躍するが、これはもう現実のものとなっている。今回の「集合知」のための、ネット活動を見ていて、真相究明には非常に効果的であることが、よくわかった。しかし、これがもし間違って無実の人に向けられたら、恐ろしいことになる可能性があるな、とも思った。掲示板を見ると、今回の関係者の履歴などの個人情報が、ほとんどすべて開示されている。匿名であれをやられたら、かなわないなとしみじみ思った。
 できるだけそういうデータに依存しないで、公開情報から真実に迫ることを個人的には心がけているつもりだ。

 
 
佐村河内事件(偽ベートヴェン)では、そもそもクラシック音楽の世界では、「マーラーの交響曲第3番の第1楽章の最初の部分はブラームスの交響曲第1番の第4楽章のパクリだし、そのブラームスの交響曲第1番の第4楽章は、ベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章のパクリです。さらにベートーヴェンの交響曲第3番の第1楽章は、モーツァルトが子どもの頃に書いたオペラのパクリ」ということは常識となっているが、研究論文の世界でもヒョットすると他人の論文の流用(パクリ)は日常茶飯事で、一般に知られていないだけであるかもしれない。

 
しかし「STAP細胞 小保方さん、再現実験に成功 論文発表後初めて」という記事と、同日付けの「【空前の論文捏造】難波先生より」と比較して読むと、オジサンレベルではますます混乱してきそうだが、「真実は一つ」であり「嘘は突き通せない」という言葉を信じようと思う。 
 
 

posted by 定年オジサン at 12:47| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月17日

労働者が犠牲になる会社

2年前、オジサンは「ワタミとノロウィルス」で、ブラック企業で有名なワタミで発生したノロウィルスについてつぶやいた。
 
しかし、それよリもさらに2年前の2008年6月12日に大手居酒屋チェーン「和民」で働いていた26歳の女性社員が過労のため自殺した。 

その後の経過は以下の通り。
 
 ■2008年08月19日 横須賀労基署に労災申請
 ■2009年07月09日 横須賀労基署が業務外認定
 ■2009年08月24日 神奈川労災審査官に審査請求
 ■2012年02月14日 神奈川労災審査官により労災認定
 
あの構造改革といわれる悪政により、労基署の監督官も公務員削減のあおりで手薄となっており、労基署で認定される労災事件が少なくなっており、最終的には行政訴訟になる場合が多い。
 
今回の女性の場合は、市の労基署で門前払いを受けて県に再審査を求めて認定されたのだが、それでも死亡から4年もかかってしまった。
 
過労死が認定されれば、当然、当該の企業の労務管理が厳しく問われる。
 
ところが、素直に認めればよかったものの、ワタミの渡邉美樹会長がツイッターでこう発信していた。
 
「労災認定の件、大変残念です。4年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理 できていなかったとの認識は、ありません。ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです
 
よせばよかったものの「会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです」などと心にもないことを言ったもんだからネット上では一時祭り状態になった。
 
改めて説明をするまでなく会社というのは利益を出すことが目的である。
 
慈善事業を定款として収益事業を行わない株式会社は存在しない。
 
利益を出さずに社会貢献や国際貢献を行っているところはNPOとかNGOであり、少なくとも「株式会社」と看板を掲げている組織は、株主のために利益を出すことが目的であるのは言うまでもない。
 
サービス産業においては、利益を出すためには、質のいいサービスを顧客に提供し、信用され信頼されなけばならない。
 
そのためには、質のいいサービスが提供できる社員が必要である。
 
質のいい社員を揃えるためには社員教育をきちんとやり、彼等の成果に対しそれなりの待遇を与えなければならない。
 
社員に過重労働させては客に対するサービスの質も低下することになる。
 
労働時間や社員の勤務管理を含め、コンプライアンスを守ることは企業としては大前提なのだが、結果的には「自殺の原因が過重労働」と認定されたにもかかわらず「会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです」と言うのは盗っ人猛々しいというものである。
 
過労の多くが長時間残業が原因である。
 
企業内に労働組合があれば、よほどいい加減な組合でもない限り、「36協定」を会社側と結び日常的に組合員の残業実態をチェックすることが可能である。
 
ところが労働組合が存在する飲食産業のチェーン店などは圧倒的に少ない。
 
労働組合がなければ、企業が事業所単位で管轄の労働基準監督署に提出する36協定は実効力を伴わないものになってしまう。
 
まさにワタミの場合はその典型であった。
  
<残業で不正手続き ワタミ過労死 労使協定 形だけ>
  2012年5月17日 東京新聞
居酒屋チェーンを展開するワタミフードサービス(東京)に入社2カ月後に自殺した森美菜さん=当時(26)=が、長時間労働などを理由に過労死と認定された問題で、同社が労働基準法で定められた労使間の手続きを踏まず、従業員に時間外労働をさせていたことが、会社側への取材で分かった。手続きが形骸化すれば、経営者側の思うままに従業員側に長時間労働を強いることも可能だ。同様の違反はほかの企業でもみられ、専門家は「適正な手続きが担保されないと、過労死を助長しかねない」と警鐘を鳴らす。
 この手続きは「時間外労働・休日労働に関する協定(36(さぶろく)協定)」。厚生労働省労働基準局監督課は、ワタミフードサービスについて「適正なやり方とは言えず、労基法に抵触する」と指摘している。
 労基法上、時間外労働は禁じられているが、労使間で36協定を結べば認められる。36協定を結ぶには、経営者側は店や工場ごとに労働組合もしくは、従業員の過半数の推薦で選ばれた代表との合意が必要となる。
 ワタミフードサービスは毎年、「和民」など全国530のチェーン店(4月1日現在)で36協定を結んでいる。同社は労働組合が無く、協定を結ぶには、店舗ごとに社員やアルバイトの過半数の推薦を得た代表と合意しなければならない。しかし、実際は違った。
 親会社ワタミの法令順守部門を担当する塚田武グループ長は「店長がアルバイトの中から代表を指名し、協定届に署名させている」と、手続きが形骸化していたことを認めた。
 同社は全店の協定届に、従業員の代表を「挙手で選出」と明記していたが、塚田氏は「挙手している前提で記載していたが、実態として行っていなかった」と釈明した。
 森さんが勤めていた神奈川県内の店では当時、月120時間まで時間外労働を認める36協定が結ばれていた。ワタミは「次回の36協定の更新時から、適正な手続きに改める」としている。
 森さんは2008年6月に自殺。労災を認めた神奈川労働者災害補償保険審査官によると、月の時間外労働時間は厚労省が過労死との関連が強いとする80時間を上回り、約140時間に及んだ。
 
 <36協定> 時間外労働を例外的に認めた労働基準法36条の規定から取った通称。同法で定める労働時間は1日8時間、週40時間。この時間を超えて働かせるには、労使合意に基づき書面で上限時間などを定めた協定を結び、労働基準監督署に届け出ることを36条で義務付けている。協定にも月45時間の上限はあるが、上限を超えて働かせられる「特別条項」もあり、労使の力関係で時間外労働は青天井になりうる。
◆労働者の声反映を
 労働問題に詳しい鵜飼良昭弁護士の話 36協定を結ぶ際に、「120時間も働けない」という労働者の声が反映される適切な運用ならば、過労死は防げただろう。労使協定は労働時間や賃金控除など、さまざまな労働条件に影響する問題で、組合のない企業でも、労働者が声を上げられる法制度や環境づくりが大切だ。
 
「店長がアルバイトの中から代表を指名し、協定届に署名させている」ということは、店長が「管理職」であるとの前提らしい。 
 
労働基準法上の「管理職」の定義としては以下の3つの条件を満たすものでなくてはならない。
 
1.経営や労務管理について経営者と一体的な立場なのか。
2.勤務時間の自由裁量があるか。
3.職務の重要性に見合う手当てが支給されているか。
 
2007年頃から「名ばかり店長」が社会問題になり、裁判でも次々と会社側の敗訴が続いていた中で、まさにワタミのような「名ばかり店長」がアルバイトを指名して労基署への届け用紙に署名させるという、常識では考えられないことが日常的にワタミグループ内では行われていた。
 
しかし、自殺した森さんが働いていた「和民京急久里浜駅前店」(神奈川県横須賀市)の36協定届には、労使協定を結ぶ労働者側の代表は、「挙手による選出」と印字されていたにも関わらず、男性アルバイトは「協定届を見たことはないし、挙手で代表を選んだこともない」と打ち明けていた。
 
「会社側から36協定の説明を受けたことはない」と首都圏のワタミで店長や副店長を務めた男性(30)は同意した覚えのない協定届を根拠に、毎月300時間ほど働いていたと証言している。
 
ある現役店長は「全従業員の意思を確認する時間もない」と明かし、さらには自分の店の時間外労働の上限を知らない店長までいた。 

ワタミによると、毎年の協定更新の際、店長が経験の長いアルバイトの中から代表を指名して、すでに時間外労働の上限時間が記載された協定届を印刷し、アルバイトが署名をして本社に返送するやり方が常態化していた。
 
遺族代理人の堤浩一郎弁護士は「理論上、ワタミ過労死事件は業務上過失致死の典型例」と言っていた。
 
憲法第27条では、「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と定められている。
 
働くことは権利であり、その権利を生かして自分の能力が発揮できる企業を選ぶことができる。
 
しかし昨今の長引く不況のあおりで、なかなか思うような企業に入ることが困難な時代には、時には意に沿わない企業を選ぶこともある。
 
それでも「勤労の義務を負ふ」といわれても、労働者が犠牲になるような会社で死ぬまで働かされる義務はない、とオジサンは思っている。


posted by 定年オジサン at 11:20| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月12日

いつもの居酒屋3

母を自宅で介護し始めたのが昨年の9月6日。
 
その後は、週3回のデイサービスの日は、朝食と帰宅後の夕飯の準備をし、デイサービスがない火曜と木曜は一日中、朝・昼・晩の食事の面倒を見てきた。
 
そんな環境であったため、定年退職してから見つけた「いつもの居酒屋」からはしばらく足が遠のいていた。
 
昨日、母を「仮設」とオジサンが名づけた「老人保健施設」に正式に入所したので、その晩、久々に「いつもの居酒屋」に入った。
 
その店は1年ほど前にどのような理由かは知らないが店の改装と共に全従業員が入れ替わった。
 
そして系列店から来たらしい男性が店長となり店を仕切るようになっていた。
 
当初は、どこから見ても「素人」に毛の生えたような、接客不慣れな様子がありありの店長だった。
 
その店長は、業界には余り染まっていないような人物で、後に判明したのだが、無類の競馬好きだった。
 
店内の改装により、それまでの常連さんの席がなくなってしまい、新しい常連が徐々に増えてきた。
 
そんな新たな常連の中に、いつも早い時間からカウンターの右端かまたは左端に座っている男性がいた。
 
8人程度が座れるカウンターに、誰も座っていない場合、どこへ座るかはその人の性格による。
 
電車の座席の場合は、多くの乗客は両端から埋まっていく。
 
やはり、後から自分の両隣に他人が座られるのを嫌うからだろう。
 
居酒屋(この店の前身はカウンターだけの立ち飲みや)のカウンターでは、人望の厚い常連さんは、あとからやって来る仲間を意識してカウンターの中央から座っていく。
 
両隣に誰が来ても顔見知りだからである。
 
しかし、オジサンの場合ははむやみに話しかける御仁も多いので、可能な限り端に座る。
 
先ほどの男性の場合は、カウンターの端で他の客を睥睨するかのように座っている。
 
顔がでかく、態度もでかく、おまけに声もでかく、よく飲みよく食う。
 
オジサンが最も不得手としている人物である。
 
普通のサラリーマンではなさそうだが、話す内容は意外と多岐に渡り雑学に富んでいる。
 
身なり風体からは、「金回りの良い不動産屋のおやじ」といった印象を受ける。
 
そして不愉快なことに、いつも30代後半位の若い常連の男が隣に座って、太鼓持ち風の会話をしている。
 
同じカウンターに座っているオジサンの耳にも時折彼等の会話の端々が飛び込んでくる。
 
いつもは他愛の無い世間話から最後は本人の自慢話みたいな内容になる。
 
だが、昨夜は少々内容がいつもとは異なっていた。
 
「いやあ・・・、連休明けってやだね。仕事したくなくなっちゃうよ」
「学生たちも遊びつかれて乗り気じゃないし・・・・」
 
ここまで聞いて、どうやら彼はどっかの学校の教師らしいと感じた。
 
その後、突然、ピアノの話になり、
「盲目の辻井は父親が歯科医師だから海外のコンクールに行けたんだ」
「しかし彼の曲は横山幸雄のコピーだよ」
「まあ、あんまり今後は期待できないんだよね」
と、どうやらピアノに関しても詳しいらしい。
 
普通の人は、盲目のピアニスト辻井伸行は知っていても、その恩師の横山幸雄なんかは知らないかもしれない。
 
辻井伸行に関してはこの人の1年前のブログを参考にするとよく分かるし、師匠との関係については、「横山幸雄 辻井伸行 全盲ピアニストの恩師 炎のレッスン」というブログに詳しく、親については「辻井伸行さんの師匠横山幸雄さんのピアノレッスン」を参考に。
 
段々と、その男性は某音大のピアノ教師らしく、盲目のバイオリニスト和波たかよしについても詳しかった。
 
そして、突然、その彼がカウンター越しに二人の会話を聞いていた店長に対して、
「この人は自分では隠しているが実は中々のインテリで音楽好きなんだよ」
 
という言葉を受けて、店長は「私も若い頃は、ウラディーミル・アシュケナージが大好きでよく聴きましたよ!」。
 
「アシュケナージ?!!」。

思わず、オジサンの目は点になってしまった。
 
以前「小説とピアノ」でつぶやいた時に、ベートーベンのピアノ奏鳴曲嬰ハ短調「月光」に初めて出会ったことを紹介したが、その時の動画は今井顕の演奏だった。
 
その晩は、帰宅して早速、ウラディーミル・アシュケナージとルービンシュタインが演奏したベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番聴きながら床に就いた。
  
  
  
場末の前身が立ち飲みやだった居酒屋の客層なんて・・・・、と少々見くびっていた感があったのだが、この晩の何気ない会話から、「人は見かけによらない」ものだ、と改めて知らされたオジサンだった。

posted by 定年オジサン at 09:53| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月30日

割引券と優待券

昨日、母を年末年始のショートステイのため自宅から約3kmの場所にある老人施設に送っていった。
 
帰宅後、家の戸締りをして在宅介護を始めてからの慢性腰痛の治療のため、在職中から使用していたマッサージ店に行くことにした。 
市バスに乗って地下鉄の駅まで行き、近くの「餃子の王将」に入った。
 
10年くらい前は、超多忙な仕事で連日の深夜作業後は、よくこの店で「中生ビール・餃子・東京ラーメン」というメニューを注文した。 
懐かしく当時を思い出しながら味わった。
 
そして数ヶ月前に妻からもらった「生ビール割引券」を会計時に出した。
 
その割引券には「税込み200円引」と明記されており、有効期限と使用上の注意が記入されていた。
 
もらったレシートには「小計額」の下に「無料券」としての割引額が200円と印字されており、合計は200円引かれた金額になっていた。
 
とくに別段変わったところはなく自然とお釣りをもらった。
 
腹も膨らみ、乗った地下鉄で暫し午睡して、約1時間後に予約していたマッサージ店に入った。
 
実はこの店で先月使用した際に「500円 OFF ご優待券」をもらっていた。
 
1時間6000円のマッサージコースを希望し、500円引きの優待券を持っているので、5500円になると「素早く」計算して、財布から「5000円札」1枚と、500円の優待券を出した。
 
すると、受付の小柄な男性治療師が、
 
「あの・・・、最初に6000円頂いてから、500円をお返しします」
 
というので、オジサンは素直にあと1000円札を1枚出して、500円硬貨を1枚もらった。
 
一瞬、オジサンは違和感を感じた。
 
 【オジサンの財布の最初の状態】
  ・5000円札1枚
  ・1000円札1枚
  ・500円優待券1枚
  
 【支払い後の財布の状態】
  ・500円硬貨1枚
 
ここで奇妙な錯覚に陥ってしまったのだ。
 
最初の財布の中には「合計6000円」と「500円の優待券」が入っているから「6500円相当」になる。
 
そして、5500円を結果的には支払ったので、1000円札が残るはずであるが500円硬貨しか残っていない。
 
しかし、よく考えれば現金が500円残ったということだから、5500円を消費したわけで、決して損をしたわけではない。
 
このマッサージ店の「優待券」は、自社のみで使う券金券であるから、貨幣や補助貨幣ではない。
  
ということは、オジサンの財布の最初の状態における「500円の優待券」それ自体は、500円という補助貨幣ではないので単独では、500円の値打ちはなく、特定の指定された店でのみ、実際の貨幣と一緒に使われて、その金額相当の割引がされるという性格のものらしい。
 
ネット上には、あるマッサージ店の優待券のこんなオークションがあった。
 
その券は単なる「20% OFF」となっており、高い金額のマッサージのコースほどお客にとっては有利になる代物であり、これならば、堂々とネットオークションに出品できるのか、と改めて思った。
 
*
 
マッサージのお陰で腰の鈍痛も少しはほぐれ、帰りに地元の行きつけの「いつもの居酒屋」に入った。
 
一般のサラリーマンは年末年始休暇に入っているのだが、この店はそうではない人たちで賑わっている。
 
最近のオジサンのお好みは「オニオンボール」。
 
もっとも食通が食べるような、オニオンボールではない。
 
玉葱1個をきれいに剥いて細めに切る。
 
それらを今度は1枚ごとに衣に包んで丸く重ねてボールを2個つくり、それを油で揚げるというきわめてシンプルなものである。
 
つまみとしては最高のコストパフォーマンス(280円)なのである。
 
その晩は、注文したがなぜかボールが1個しかなかった。
 
気のせいか、チョットいつもより大きめだったので、実質値上げでもしたのかなと思いながら食べた。
 
しばらくしてから、料理長(と常連は呼ぶ)が、外から玉葱を1個持って店に戻り、オジサンに
 
「先ほどは失礼しました。実は玉葱が半分しかなかったものですから。これから残りを揚げますから・・」
 
時間をおいていまさら同じ揚げ物を食べる気はしないので丁重に断った。
 
そして会計時にそのことを店長に何気なく話したら、
 
「それはすいませんでした。今日は半額にしておきますから・・」
 
といったので内心「しめた! 今日の飲み代は半額だ」と喜んでレシートを見たら、当たり前のように、オニオンボールが「140円」と印字されていた。
 
それでも、「500円の優待券」よりはなぜか得をした気分になり、小さな幸せにひたりながら家路を急いだ。




posted by 定年オジサン at 14:15| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月06日

いつもの居酒屋2

昨日から、民主党の前原誠司外相に関して永田町もネット上でも「犯人探し」から「陰謀説」まで大変にぎやかなことである。
 
マスメディアも「池に落ちた犬」とばかり叩いている。これも今に始まったことではない。
 
昨夜は、そんな話題も出た宴会の帰りに、いつもの地元の居酒屋に立ち寄った。
 
オジサンの定位置のカウンターはいつもの常連客が帰った後でガラガラ状態。
 
中央付近に座ると若いマスターが「黒でいいですか?」と確認し、その後ホッピー黒セットが出て来る。
 
大型の氷と甲類の焼酎が入った中ジョッキにホッピーを満たす。
 
一気に数口飲んだ後に店のママが温めた「温野菜」がお通しとして出される。
 
いつもながら心地よいタイミングである。
 
お通しを食べ終わった頃に、「塩鯖」を注文。
 
生鮮食料店が経営しているので魚は新鮮である。
 
焼きあがった塩鯖にレモン汁をたらした大根おろしを乗せて食べようとした時、奥くのテーブル席の2人連れの会話が耳に入った。
 
「○○さん、今晩はゆっくり飲みましょうや」
 
「いや、明日何が起きるか分からないので、程ほどにしましょう」
 
体格の良い30代くらいのラフな格好の若者とスーツ姿でいかにも総務関連風の50代くらいの中年男性。
 
どう見ても職場の上司と部下ではない。
 
学生時代の先輩と後輩なのかな、とオジサンは聞くと話に耳をそばだてる。
 
「明日何が起こるかなんて考えていたらやっていけないでしょう!」
 
「そりゃ、今うちの会社は大変かも知れないけど、そんなこと俺たちの問題じゃないですよ」
 
と若者は反論する。
 
そのうちに、酔いが回ってきたのか、中年男性が陽気になり饒舌になってくる。
 
もう会話ははっきりと聞き取れない。
 
しばらくして、中年男性がトイレに立った。
 
1人になった若者がマスターに話しかけた。
 
「俺さ、今日あの人と初めて飲んだんだ」
 
「実は俺とあの人は同じカイキュウなんだぜ」
 
「カイキュウ? 階級のことか?」オジサンは少々違和感を覚えた。
 
同じ会社の同僚ならば、たとえ年齢が違っていても同じ地位ならなんと呼ぶだろう。
 
日本の企業ならば、職階・職務という人事制度が一般的で、「ああ見えても、俺たち同じ係長なんだぜ」というのなら自然である。
 
「あの人、酔うと陽気なんだが普段はすごい真面目なんだぜ」と若者が話している最中に、中年男性が戻ってきた。
 
しきりにマスターにビールを勧める。とても気配りのよい人である。
 
再び、2人の会話がオジサンの耳に入ってきた。
 
中年男性が、酔いからさめてきたのか、突然、「うちのショカツはさあ・・・」と話し始めた。
 
「ん?、ショカツって所轄のことか!!」
 
「階級と所轄」という2つの言葉から連想されるのは当然「警察」である。
 
2人が勘定を済ませて帰ったあとママはオジサンの興味深い顔を見透かしたように言った。
 
「あの人たちは地元のT警察の人なのよ。若い方がうちの店の常連さん」
 
「警察の外では、一般の人に警察官と分からないように『会社』と呼んでいるんだって」
 
元警察官の人のブログにもこのように書かれている
 
・・・前略・・・
それから、これも警察官の悲しい性(さが)ですが、初対面の人には「職業は公務員です」と言います。
最初から「警察官です」と言う人はあまりいません。
警察官どおし、飲みに行っても「うちの署は・・・」と言わずに「うちの会社は・・・」と言います。
警察本部のことは「本店」、警察署のことを「支店」というのも刑事ものドラマなんかで耳にしますよね。
あれはまさに警察官の日常会話そのものです。
警察官はとりあえず自分の職業を隠したがります。
まあ、そのほうが、無難といえば無難ですから・・・
・・・後略・・・

オジサンは納得したが、昇任試験を受けなければ上の階級には上がれない警察社会では、30代と50代(ママの話では57歳だたっとか)の2人が同じ階級というのは「優秀な若い警察官」なのか「昇任試験嫌いの中年警察官」なのかはオジサンには分からなかったが、少なくとも居酒屋で明るく飲んでいる2人からは警察官のイメージは全くなかった。
 
オジサンは帰り際に、の若いときに初めて駐車違反で摘発され出頭した警察がT警察だったことを思い出した。
 
posted by 定年オジサン at 14:02| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月29日

還暦クラス会

Googleで「還暦クラス会」というキーワードで検索してみたら約52600件ものページがヒットした。
 
いくつか該当ページを見ると、キーワードが「還暦」と「クラス会」に分けて検索されヒットしたものも多く含まれていた。
 
したがって、全てのページが「還暦クラス会」のページとは限らない。
 
それでもかなりの多くの還暦を迎えた人々がクラス会の情報をインターネットに公開していたことになり、いかに日本人の寿命が長くなったかがよく分かる。
 
一昔の人なら、還暦になってパソコンを使う人はまれだった。
 
少なくとも1995年の「Windows95」の発売までは、パソコンは一部のマニアか理工系の技術者に近い人たちしか使用していなかったと思う。
 
当然、オジサンも自分のパソコンを持ったのは1995年からであった。
 
でもそのときは、まだ45歳。
 
とても自分の「還暦」なんか夢にも思わなかった。 
 
中学校時代の3年生のときのクラスは2年生から一緒のクラスだった。
 
最近の様子は分からないが、当時の中学校ではクラス内が5〜6名くらいの男女別の班に分けられていた。
 
おそらく担任が決めたのではなく、比較的気の合う仲間が班を形成していたと記憶している。
 
優等生もそうでもない生徒も混在した、決して仲間はずれになるような生徒はいないような班構成だった。
 
中学を卒業すると、当時の班別の集まりを頻繁に行っていた班と、全くバラバラになってしまう班があった。
 
オジサンは高校に進学して直ぐにサッカー部に入り部活に忙しく、中学校時代の仲間と顔を合わす暇がなかった。
 
したがってオジサンの当時の班の連中とは卒業後会うことはなかった。 
 
浪人して大学に入り1年目にオジサンが幹事のとき最初のクラス会を「お好み焼き屋」で開いた。
 
しかしその後、大学でもサッカー部に入り、途中から正式な体育会のサッカー部になったため、ほとんど中学時代のことは忘れかけていた。 

社会人になり結婚し、長女が生まれた29年前に中学校時代のクラス会の誘いが来た。
 
一般的にはクラス会は当時の恩師を呼んで行うことが多い。
 
でもオジサンはなぜだか、恩師が来たクラス会の思い出がない。
 
29年前に開かれたクラス会では、オジサンと同じように子どもが生まれた男性は少なく、多くの女性はすでに子持ちであった。
 
そのときに感じたことは、出席者の男性は独身か子どもなしが大半で、女性はほとんどが姓が変わり子どもがいたということだった。
 
言い換えれば「身軽な男子」と「結婚と出産を経験した女子」といった構図である。
 
同じ班で数年に一度くらい会っている連中はとくに違和感はないが、中学卒業して30歳を過ぎて初めてクラス会に出席する人は、当然卒業以来のその人の歴史を聞かれることになる。
 
誰もが幸せな、人に自慢できる道を歩んだ人ばかりとは限らない。
 
クラス会の幹事に聞くと、○○さんは「いまさらクラス会なんかには出たくない」ときっぱりと断られたという。
 
したがって、先週末に開かれた「還暦クラス会」は、皆な「それなり」の話が他人にできる連中ばかりが出席するのでは、とオジサンは期待していた。
 
当時の「3年4組」は男子25名、女子21名のクラスであった。
 
その内、男子9名、女子6名が参加した。
 
当然、今までに開かれたクラス会の常連メンバーであった。
 
場所は新宿NSビル29Fの「一瑳」というオジサンの地元にもあるチェーン店である。
 
約束の18時に数分遅れて店内に入った。
 
なぜかすでに決められた座席に11名が着席し15分遅れて全員がそろって宴会が始まった。
 
残念なことに、いくらオシャレな店といっても所詮はチェーン店の「2時間飲み放題コース」というオジサンが最も苦手なパターン。
 
まして料理は、
 
・チャンキーミートとフライドトルティーヤ
・ビンチョウ鮪の彩りカルパッチョ
・大根と海藻のさっぱりサラダ
・一瑳特製チーズフォンデュ
・青大豆の手造り豆腐
・やわらかチキンのグリル〜白いシチューソース
・エリンギとほうれん草のリングイネ
 
という横文字がやたら多い、名前だけは立派だがとてもオジサンの箸が進まない代物。
 
同じ年齢なのに、なんで若者風に見栄を張るのかと心の中で幹事を恨みながら、唯一の救いのモルツビールだけを飲みながら、鮪と大根と海藻だけを食べて何とか時間を過ごした。
 
しかし常連メンバーといっても、各自の外観を観察すると、男は、首から上が大きく変化した者とほとんど変わっていないものがいる。 

大半は「頭部前線」が後退した者が多く、中には完璧に前線が消滅し見事なスキンヘッドの、昔オジサンと同じ班だった者もいる。
 
だが、個別に話しを聞いていくうちに、2ヶ月前に亡くなった男性がいたり、4年前に癌を手術したが転移の恐れと闘っている女性や、今年の7月に肺癌が発見され余命数年と宣言された高校教師で、やはりオジサンと同じ班だった男性がいた。
 
その他では怪しげな基金団体のディレクターと書いてあるカラー名刺を男性たちに配っていた女性がいた。
 
昔は保険のセールスレディをやっていたそうだが、明らかにその名刺の団体は外資系のマルチ商法の組織だった。
 
20時半頃一次会は終わり全員で2次会の店を目指し、21時過ぎにやっと新宿西口パレットビル7Fの「天狗」に入った。
 
なじみの居酒屋に入ったので、オジサンはさっそく浦霞の純米酒を1升瓶で注文したが人数が多くあっという間に空瓶となった。
 
2本目を注文したが、ほとんどつまみも食わずに空となり2次会も終わりになった頃、幹事から「次回の幹事を」と当日のわずかばかりの残金を渡された。
 
最初は断ったが、肺癌と闘っているかつての班員が「俺が生きている限り毎年やってくれ」の一言で、来年からは「生存確認クラス会」をやることになった。
 
はたして、いつまで続けることができるのか、当面は次回のクラス会がタフなクラス会になることは確かである。
posted by 定年オジサン at 11:00| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月23日

システム変更

オジサンが夫婦でよく行くラーメン店に、「和歌山らーめん まっち棒」という店がある。
 
麺は、極細のストレート麺で、オバサンはこのような細いラーメンしか食べない。
 
その店はチェーン店で中はカウンターのみ。
 
そのカウンターも10名も座れないほどのスペース。
 
ある日入ったら妙に圧迫感を感じた。
 
よく見ると、入り口近くのカウンターの上に「自動券売機」が置いてある。
 
その券売機のために店内に「死角」が生じていた。
 
いままではラーメンを食べた後にカウンター越しに精算をしてきた。
 
店内が混んでくると会計を担当する店員待ちになる場合があった。
 
食べ終わって、店長に自動券売機の設置の理由を尋ねたら、
 
「食べ終わった後、お客さんが直ぐに帰ることができるので・・・」
 
と言っていた。
 
当時は店外に客が列を作るほどの繁盛振りだった。
 
しばらくしてからその店に入ると、以前の状態に戻っていた。
 
客席数をあえて減らし、客に券売機を買わせる手間をかけさせるという仕組みは、結局はお客のためではなかった。
 
再び店長に話を聞いたら、
 
「やっぱりお客さんから評判が悪かったのですよ」
 
と素直に認めていた。
 
 
先週、先々週と夜の公式行事(宴会)が続き、しばらく寄れなかった「いつもの居酒屋」に、昨夜は予定より早く仕事が終わり、18時過ぎに入った。
 
すでに「第1ゾーン」の入り口近くの定番のカウンター席はオジサンの知らない男女の客で満席。
 
大型テレビに背を向けるように、カウンター席の反対側の1mほどの壁に向かって椅子席が2つ並んでいる、第4ゾーンに座る。
 
早速「黒セット」を注文し、ホッピーの黒とジョッキに入った焼酎&氷がやってくる。
 
すでにオジサンは財布から千円札2枚出して待っていると、いつもの「前金」をいれる小さな樹脂製のカゴを持ってこない。
 
今までは、このカゴにおしぼりを入れて持ってくるのだが、なぜか今日はいつもと様子が違う。
 
お通しを持ってきてもただ置いていくだけ。
 
仕方なしに出した千円札を財布にしまう。
 
しばらく来なかったこの2週間の間になにか起こったに違いない。
 
厨房には中年と老年の2人のなじみの料理人がいて、客対応は若いラップのS君。
 
月曜日なのでママは休みとか。
 
バイトの若い女性もいない。 
 
この店は前金制なので、自分が飲食した金額が分かる。
 
通常はおしぼりを入れてきたカゴに客は金を入れる。
 
オジサンはいつもおしぼりを取った後に千円札を2枚入れると、ホッピーの黒セットとお通しで700円取られおつり300円が入れられる。
 
おつりがカゴに入れられるので、あとどのくらい何を注文すればよいか分かる仕組みになっている。
 
といっても毎回異なるつまみを頼むわけではなく、ほぼ固定している。
 
したがって最初に入れた前金(限度額)がなくなれば、もう帰る時となる。
 
誠に明朗会計でオジサンにとっても心地よいシステムであった。
 
常連さんたちも、カゴの中がなくなれば帰ると心がけている。
 
オジサンは帰りしなS君に聞いてみたところ、
 
「お客さんが立て込んできてあちこちから注文を受け、そのつど現金を受け取り、おつりを返すんですけど、僕がいないときに若い女性のアルバイトがおつりを間違えてしまい、お客さんに迷惑をかけたので、帰りにレジに打ち込んで精算するようにしたんです。僕たちもズット楽になりましたよ」

と答えた。
 
店に入って一人でホッピーを飲んでいるときに、団体の客がやってきて各自が勝手に飲み物やつまみを注文し、そのつど合計金額を計算してその場で現金精算するというのは、なれないアルバイト店員では中々難しいことはオジサンでもよく理解できる。
 
さらに、同時にいくつかのテーブルから注文が発生すると、複数個所におつりを持っていくことになる。
 
最初にオーダーしてほとんど追加注文が発生しないラーメン店ならそれでもいいが、居酒屋とは、最初から全てを注文するところではなく、店に入って最初に口にするのは、「まず、○○」。
 
夏場なら、まず生ビール。冬になれば熱燗。
 
そして段々と飲むにつれ酔いに任せて気がついたら結構飲んでいた、食っていた、というのが居酒屋である。 
 
一般的には自動券売機による「前金制」は、店と客の間には濃密な関係を作らず、会話も必要とせず、さらに飲み逃げや食い逃げを防ぐという効果と店側の狙いがある。
 
しかし、この店の前金制は、毎回客と店員との会話があり、双方がそのシステムの利点を謳歌していたと思う。
 
双方に利点があったシステムを店側の都合で変更されると、今度は客側に自己管理が求められる。
 
常に自分の財布の在庫を意識しながら「もう一杯」と声をかけなければならない。
 
オジサンも気がついたら携帯電話のメモ帳に注文した料理を記入していた。

今回のシステム変更が「吉」となるか「凶」となるかは、お客によって結果が出されると思う。
posted by 定年オジサン at 12:47| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

ワタミとノロウィルス

世間でよく言われている「ブラック企業」とは、
 
 広義には入社を勧められない企業を指すインターネットスラング。
 
 従業員に労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を強いたり、関係諸法に抵触する可能性がある営業行為を従業員に強いたりする、若しくはパワーハラスメントという暴力的強制を常套手段としながら本来の業務とは無関係な非合理的負担を与える労働を従業員に強いる体質を持つ企業(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)のことを指すと、定義されている。(
Wikipedia)
 
今まで「ブラック企業」として有名だったのは、オジサンの記憶では、モンテローザ、NOVA、ワタミ、グッドウィル辺りが新しいところ。
 
そのうちの「ワタミ」が最近、またまた問題を起こしたという。
 
Googleで「ワタミ ノロウィルス」で検索すると、新旧合わせて8590件も引っかかった。
 
政府教育再生会議委員でもある
渡邊美樹が代表取締役会長をやっている「ワタミ」に対して、マスメディアは都合の悪いことは書かなかった。
 
それが「ダブーに挑戦」する週刊誌「
週刊金曜日」が久々に、ネット上をにぎわす記事を発表した。
 
とても概略だけではワタミの実態が伝わらないので、全文を以下に紹介する。
(注:漢数字は読みやすくするため算用数字に直しました)
 

<ノロウイルス食中毒事故で7日間の営業停止処分>
 
 居酒屋ワタミが事故を隠蔽工作(2010/11/5)
 
 居酒屋から墓場まで――外食産業から介護、医療、不動産、農業と事業を拡大している東証一部上場企業ワタミグループ。渡邉美樹会長(CEO)もメディアによく登場し、広告塔として活躍しているので知名度は高い。そのグループの主力である外食事業を展開するワタミフードサービス(桑原豊社長)の居酒屋「語らい処 坐・和民」三軒茶屋駅前店(以下、当該店舗)が、20名の発症者を出すノロウイルス食中毒事故を起こして9月30日から7日間の営業停止処分を受けていたにもかかわらず、処分期間中を「改装工事」とする隠蔽工作を謀っていたことが、このほど明らかになった。グループ全体では、今回で5度目の食中毒事故、発症者は累計100名を超えた。
 
 ★休業の名目は「改装工事」
 
「お店がつぶれちゃうから、家族、友人には(事故の事実を)言わないでほしい」
 匿名を条件に取材に応じた当該店舗の従業員によれば、営業停止処分決定後、本社から派遣されている社員が従業員に対してこう口止めをした。9月30日から10月6日までの休業期間中は「改装工事」を表向きの名目とすることにし、本社のホームページ、グルメ情報サイトなどでは、当該店舗は「改装工事のためCLOSE」としていた。当該店舗前には「設備改修および店内清掃」として近隣の系列店を紹介する掲示板を立て、実際にワックス掛けや店内装飾品の付け替えなどの軽微な改装を行なっていたという。改装工事が休業の理由であれば従業員への賃金補償がされるはずだが、それはなかったという。
 
 東京都では一般的に30名以上の発症者を出した食中毒事故については東京都記者クラブに対して発表を行なっているが、今回は発症者が合計20名であったため、発表はされなかった。営業停止処分期間中は世田谷区が区ホームページ内の食品衛生法違反者公表のページに違反事実を掲載したが、世田谷区広報課によると同期間中このページには96件しかアクセスがなかった。また、今回の食中毒事故を報じたメディアも一社もなかった。つまり事故については、ほぼ関係者にしか知られていないのである。
 
 世田谷保健所は事故の詳細についての問い合わせには一切答えないとしているため、情報開示を請求。それにより、10月20日に明らかになった資料によれば、事故発生日は9月10日(金)。この日に当該店舗が提供するコース料理「お馴染みコース」を飲食した23名の団体から14名が、9月11日から13日にかけて食中毒症状を呈していることがわかった。連絡を受けた世田谷保健所が発症者を検査した結果、13名からノロウイルスG2を検出した。後日、同じ日に同じコース料理を利用した別の11名の団体から6名が食中毒症状を発症していることが判明し、保健所の検査で5名からノロウイルスG2を検出した。
 保健所は同月13日に当該店舗に立ち入り調査を行なったが、従業員、食品、食器などからノロウイルスは検出されなかった。世田谷保健所および健康安全研究センターの調査によって、発症者を出したそれぞれの団体から同じ遺伝子配列のノロウイルスG2が検出された。世田谷保健所はこの事故を同店が提供した食品を介した集団食中毒であると断定し、9月30日から10月6日までの営業停止処分を科した。
 
 ★グループ内5回目の事故 
 
 今回の事故でワタミグループが運営する施設での事故は累計5回となる。そのすべての原因がノロウイルスだ。ノロウイルスは、2002年にフランス・パリの国際ウイルス学会で命名されたため、日本でも03年から食中毒原因物質として登録された。05年に広島県内の老人ホームでノロウイルスが間接原因となり7名が死亡した事故が発生している。感染力の強さから、翌06年には牡蠣業者などが風評被害を訴えるほど有名になった。現在は有効なワクチンが開発されてないので、治療法としては安静と水分補給を続けるほかない。ノロウイルスに詳しい東京都福祉保健局健康安全部食品監視課食中毒調査係長の服部大氏は以下のように対策を呼びかける。
「ノロウイルスは感染力が非常に強いので、感染者の嘔吐物や排泄物をきちんと処理することが重要。二枚貝類は十分に加熱し、特別な場所に保管すること。用便後はよく手を洗って食材を汚染しないようにするなど、非常に慎重な取り扱いが必要になってくる。また、従業員の健康をチェックする場合にも、はねられたらアルバイト代が入らないということがあり、(体調が悪くても)自分は健康であると言ってしまう場合もある。もちろん体調不良がない人がノロウイルスを持っている場合もある。体調は良いがウイルスを持っている健康保菌者による事故が最近増えているので注意すること。いずれにせよ、体調の管理と、手洗いの徹底をし、特に調理従事者は汚染されないように注意すること」
 
 ★取材を拒否し続ける本社
 
 ワタミ本社は本誌の取材を拒否し続け、今回の事故に関する説明を完全に放棄している。同社広報部は10月13日に、「10月1日に『世田谷区からの行政処分について』と題した文書を発表しており、それ以上は一切答えられない」と主張した。同文書はワタミフードサービスの情報欄には掲載されておらず、検索しなければ閲覧することができない。同文書では発症者への「お詫び」が述べられているが、事故の詳細については一切触れられていない。しかし、同社広報は「お答えできない理由もお答えできない」と言う。改めて本社、桑原豊社長、渡邉会長に対して取材を申し込んだが、後日本社から取材には一切答えられない旨と、このことは社長、会長両名が認識していることを伝える文書が送られてきた。
 
 ノロウイルス事故を連発しているワタミグループは、外食産業における非正規化・合理化の最先端を突っ走ってきた企業だ。現在ワタミフードサービスの全従業員約1万7000名のうち、正社員はおよそ2500名。事故を起こした店舗でも全従業員42名のうち、正社員は数名ほどだったという。1996年に提出した有価証券報告書によれば、当時から全従業員の8割以上はアルバイト・パートで構成されていた。非正規依存率は、高まる一方のようだ。
 
 そして従業員に低賃金かつ不安定な労働を要求しながら、一方で労使関係を利用して渡邉会長を崇拝する思想注入を行なっていることも、複数の従業員への取材で明らかになってきた。それによれば、従業員は全員、毎月1回本社から送られてくる渡邉会長の自慢話やワタミ社株の購入などを勧める内容の「メッセージビデオ」なる30分程度の映像を観させられ、後に感想を提出しなければならないとのこと。正社員は渡邉氏の思想が記述された「理念集」を所持させられるなどしているという。ある従業員は「宗教的だ」と揶揄するほどだ。
 
 創業者・渡邉氏はテレビや業界紙などで、あたかも飲食店経営のプロのようにもてはやされている。しかしその社史を追ってみると、地道に飲食業に従事したというよりも、企業買収と減量経営によって成り上がったことがわかる。普段、メディアで「何があってもウソはつかない。それは利益よりも大切だ」などと気前のいい発言をしているが、それならばなぜ取材に一切応じないのだろうか。
 
                  村上力・ジャーナリスト

 
 
ワタミグループの過去のノロウイルス食中毒事故の記録を調べてみた。
 
   ・和民 上尾モンシェリー店(2007/11、12)・・・発症者33人、3日間営業停止
   ・介護ホーム レストヴィラ町田小野路店(2009/04、05)・・・発症者28人、9日間営業停止
   ・坐・和民 JR三宮高架下店(2010/01)・・・発症者14人、3日間営業停止
   ・坐・和民 広島西条駅前店(2010/02)・・・発症者14人、3日間営業停止
   ・坐・和民 三軒茶屋駅前店(2010/09)・・・発症者20人、7日間営業停止
 
最初に食中毒事件を起こしてからしばらくは鳴りをひそめていたが、2009年から発症頻度が高くなっている。
 
2008年にリーマン・ブラザーズの破綻という米国発の金融危機の影響で日本の雇用に大きな影響を与えた頃と、このワタミにおける食中毒の発症の増加が決して無関係ではないのでは、とオジサンは勝手に想像している。
 
2〜3人でワタミで飲食して腹具合が悪くなっても保健所では取り上げてくれない。

ワタミで「10名以上の団体」としての宴会コースで飲食すれば、最悪の場合ニュースになるかもしれない。

それでも、あなたはワタミを利用しますか?


posted by 定年オジサン at 11:16| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする