2017年07月02日

大手マスディアが報道しない真実の姿

危ぶまれた空模様が好天気になった。
 
都議選の投票日。
 
悪天候で投票率が下がれば組織票を持っている政党が有利とされ、ほとんどが新人の「都民ファーストの会」は苦戦するという予想も覆され、有権者の出だしも良いらしく、大方の見立て通り自民党の大敗が現実的になるかもしれない。
 
もっとも都議選は都民しか選挙権がなく、それ以外の国民の関心は、ヒョットすると、歴代最多の公式戦29連勝を記録した最年少プロ棋士・藤井聡太四段が30連勝を懸け、本日臨む東京・将棋会館での竜王戦決勝トーナメント2回戦かも知れない。
 
しかし、都民以外でも関心を持たざるを得ないのは、日本の未来図に大きく影響して来るからであり。
     
 「都議選 きょう投開票 首都、国の未来図は
 
20170702togisenpoint.jpg
【東京新聞より】

 
都議選が告示されてから昨日までの安倍晋三首相の自民党総裁としての動きを検証してみる。
 
街頭演説すればヤジが飛んでくることを恐れて最初は小学校の体育館のような屋内での応援演説をやっていた。
 
しかし一部メディアから、「応援演説に立てない 都議選は安倍首相の終わりの始まりだ」と批判され、選挙戦の最終日に、最初で最後の街頭演説に臨んだ。

 「首相演説に『辞めろ』『帰れ』の声 都議選で初の街頭に」 
 
人の演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない。相手を誹謗中傷したって、何も生まれない。こんな人たちに負けるわけにはいかない
 
このような発言は、安倍晋三首相が国会で民進党を攻撃する時に使う常套句である。
 
しかし、昨日のこの演説の言葉はどう考えてもそれまでとは違うだろう。
 
なぜなら、明らかにヤジを飛ばした一般聴衆者に対して発せられた言葉だからである。
 
「負けるわけにはいかない」ということは、とうとう自らを批判する一般国民までを敵呼ばわりしたということになる。
 
これは政治家にはあるまじき言葉であり、ましてや、すべての国民の上に立つ現職の首相が、街頭で発する言葉ではない。
 
これはまさしく国民から追いつめられた安倍晋三首相の断末魔の叫びではないだろうか。 
 
実は、テレビメディアが放映しなかった映像が、真実を表している。
 
普通の日本語を勉強している人なら、「拍手をもってお迎えください」と言うべきところ、聴衆の激しいヤジに同様してしまった石原伸晃の姿がみじめであった。そして、夜のニュースには余り取り上げられなかった国民の怒りの声が直接安倍晋三に届いていた。
今朝の東京新聞で時事芸人の「プチ鹿島」が的を射る分かり易いコメントがを書いていた。  
「昔ながらの『保守対リベラル』という対立軸ではなくて、自民と都民ファーストという『保守対保守』の戦い。ただし、小池知事が対立している相手はあくまでも都議会自民党であって、政権批判は避けている。小池知事と安倍首相は『甘噛み』し合っているように僕には見える。都民ファースが躍進したら、『保守の中の席替え』と言えるだろうし、長い目で見れば自民党や保守にとっては痛手にはならないのでは。(後略)」 
 
保守の中の席替え』との表現は、プロの政治評論家でもできない例えである。
 
その辺のさらに詳しい事情をリテラは解説していた。 
 
<小池知事と都民ファーストでいいのか? 仕切っているのは国民主権否定を公言する極右、安倍政権に全面協力の密約も>
 2017.07.01 リテラ
 ついに東京都議会議員選挙の投開票が明日に迫った。稲田朋美防衛相による自衛隊の政治利用発言に、豊田真由子衆院議員のパワハラ音声、そして下村博文元文科相の加計学園ヤミ献金疑惑など、自民党の不正が次から次へと飛び出していることによって、都議選では小池百合子都知事率いる都民ファーストの会が自民党への反発の「受け皿」となり、都議会第一党の座を奪う可能性が濃厚になってきた。
 安倍首相の暴走を抑止するためにも、自民党の議席が減るのは大歓迎だ。しかし、そのぶんの議席がそのまま都民ファーストに流れ込むという展開はありなのか。
 そもそも、都民ファーストは自民党に対抗する政党などではなく、その主張や思想はほとんど安倍自民党と大差ない。その象徴が、小池都知事の特別秘書である、野田数氏の存在だ。
 野田氏はもともと保守党時代の小池氏の秘書から都議になった人物だが、小池氏が都知事選に出馬した際、選対本部の責任者に抜擢され、小池都知事が都民ファーストの代表に就任するまで、同会の代表を務めていた。この経歴からもわかるように、野田氏は小池氏の側近中の側近で、今回の都議選の都民ファーストの公認候補の選定もほとんどこの野田氏が仕切っていたという。事実、5月頃には「オレが都議選候補者の公認権を持っている」と豪語していることを週刊誌に報じられている。
 ところが、この小池氏の名代として都民ファーストを牛耳る野田氏の主張というのが、安倍周りの政治家やネトウヨと同じ、いやひょっとするとそれ以上のゴリゴリの極右なのだ。
 野田氏は都議時代から、都立高校の歴史教科書から南京虐殺を削除するよう圧力をかけるなど、一貫して歴史修正主義の押し付けを行い、2012年には、石原慎太郎都知事の尖閣諸島購入に全面賛成して国会議員の「尖閣視察団」に参加。「週刊文春」(文藝春秋)に誇らしげに国旗を掲げる姿が大きく掲載された。
 また、当時から評論家を名乗って、「WiLL」(ワック)や「SAPIO」(小学館)、「正論」(産経新聞社)などの極右雑誌に寄稿していたが、そのなかには、戦前や戦中日本の軍国主義をもろに賛美するものもあった。
小池都知事の極右思想、ヘイト団体との接点も
 さらに、12年には、現行の日本国憲法を無効とし、戦前の「大日本帝国憲法」の復活を求める時代錯誤の請願を紹介議員として提出、「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄すべき」と主張した。
 国民主権を否定しているこんな人物が、小池都知事の右腕として政策を牛耳り、都民ファーストの公認を選定しているのだ。当然、候補者には改憲に賛同するという踏み絵を踏ませていると考えるべきだろう。
 しかも、この方向性はけっして、小池都知事の意に反したものではない。小池都知事自身も、2010年にヘイト市民団体「在特会」(在日特権を許さない市民の会)の関連団体である「そよ風」が主催する集会で講演を行うなど、安倍首相と同根の歴史修正主義者でありヘイト政治家であり、極右思想の持ち主だ。憲法についても「9条改正」を訴え、2003年の段階ですでに「集団的自衛権の解釈変更は国会の審議の場において、時の総理が『解釈を変えました』と叫べばよい」(「Voice」03年9月号/PHP)と主張していたほど。
 都知事になった後も、小池氏はそうした極右思想を隠していない。都知事就任後には、以前、国会議員懇談会の副会長まで務めた日本会議について「ここ数年は距離を置いているが、日本の国益、伝統、歴史は大切にするという点では賛成」と発言。昨年12月1日の所信表明でも「韓国人学校への都有地貸与の撤回」を功績として語り、今年3月16日の都議会予算特別委員会では「グローバル人材の育成の観点からも、国旗や国歌を大切にする心を育むということこそ重要」と言い、都立看護専門学校や首都大学東京での入学式・卒業式において、国旗の掲揚のみならず「国歌斉唱についても行うよう望んでいきたい」と述べた。その結果、この4月に行われた7つの都立看護専門学校の入学式では国歌斉唱が行われた。
 都民目線のリベラルな地域政党というイメージをふりまく都民ファーストだが、こうした知事と、特別秘書が仕切る政党がリベラルなはずがない。その実体は、ゴリゴリの改憲派、極右政党なのだ。
 となると、当然、浮上してくるのが、近い将来、国政で安倍自民党とタッグを組んで、改憲に全面協力する可能性だ。
 それは、思想的な共通性があるということだけではない。そもそも、小池都知事じたいが安倍自民党と関係が切れているわけではなく、裏でつながっている可能性がきわめて高いのだ。
 自民党都連に対しては厳しい対決姿勢を全面に打ち出している小池都知事だが、実はこの間、安倍自民党の批判をほとんどしていない。頻発した疑惑や失言にしても、はっきり批判したのは、直接、都議選に関わる稲田朋美防衛相の「自衛隊としてお願い」発言くらい。加計学園問題などについては、具体的なコメントをほとんど口にしていないのだ。都議選では都民ファーストと協力するものの、国政では自民党と連立を組むという微妙な立ち位置になっている公明党候補者でさえ、国政での自民批判を言葉にしているにもかかわらず、である。無論、内閣支持率低下の元凶たる安倍首相を直接批判することもない。
安倍首相と密約が…小池都知事のエゲツない野望
 小池都知事は、表向きは「五輪を控えて協力し合わなければならない総理との対立は避ける」というポーズを取っているが、本当の理由はそこにはないだろう。現に、今年1月10日に行われた安倍首相と菅義偉官房長官との会談で、小池都知事はこう話していたからだ。
衆院選では総理と一緒に自民党の候補者を応援します
 国政では安倍自民党を応援する──。この発言について、小池都知事は「記事は嘘」と一蹴、小池サイドの議員も「報道された内容は完全に官邸サイドからのリーク」と否定。たしかにこれは官邸のリークである可能性は高いが、しかし、小池都知事がそう約束した可能性は非常に高い。
 実際、小池都知事は五輪云々ではないところでも、安倍政権との関係を保ってきた。たとえば、今年4月19日には小泉政権時の要職らが赤坂の日本料理店で「同窓会」を開いたが、ここに小池都知事も出席。同会では、小池氏が保守党を離党した際に自民党に引っ張り上げた二階俊博幹事長らと思い出話に花を咲かせたというが、じつはこの会には、安倍首相も顔を出している。
 また、小池都知事は6月1日に自民党に離党届けを出し、自民党との決裂をアピールしたが、インターネット報道メディア「IWJ」の6月28日の報道によれば、小池氏の離党手続きは済んでおらず、自民党広報は〈離党扱いを協議する「党紀委員会」に対し、二階幹事長が離党手続きの申請をしていない〉と回答。小池都知事の籍は、いまだに自民党にあるのである。
 おそらく、小池都知事の作戦はこうだ。まず、都議選で日本新党が大躍進した1993年の再現をめざす。このときの都議選は国政で自民党が弱体した直後に行われ、細川護煕によって結党された日本新党は、小池氏が目玉候補となったその後の衆院選で35人が当選。政権交代によって細川連立政権が誕生、小池氏は総務政務次官に就任した。一方、都民ファーストの会は現在、地域政党にすぎないが、すでに国政研究会を発足させており、都議会選後は国政に進出することは目に見えている。
 だが、1993年と大きく違うのは、小池都知事が野党を束ねて連立政権をつくるのではなく、与党自民党へ合流を考えている点だ。国政選挙で一定数の議席を獲得した後は、改憲をめざす安倍政権に協力して恩を売り、最終的には自民党にもう一度戻って、改憲を実現した後の最初の総理大臣に就任する──。
 ようするに、小池都知事にとって今回の都議選の主眼は「東京大改革」などではなく、国政への復帰であり、一貫して目指してきた「日本初の女性総理大臣」の座。都民ファーストならぬ「自分ファースト」の選挙なのだ。
 この選挙戦で小池都知事は、よりにもよってトランプ大統領を真似た「MAKE TOKYO GREAT AGAIN」なる文言が入った百合子グリーンのタオルを首から下げ、「東京大改革を進めていく」などと喧伝しているが、まさにその思考はトランプに近いと言えるだろう。
 既存政党に対抗するオルタナティブ政党であるかのように装い、地域改革を掲げながら、結局は国政で自民党と一体化する。まさに、維新の会と同じ悪夢のような展開が繰り広げられようとしているのである。はたして、有権者はこのように馬鹿にされっぱなしでいいのか。都民の懸命な判断を求めたい。
 
メディア各紙・各局は、「小池都政」vs「安倍政権」と囃し立てていたが、おそらく将来近い(年末頃)には国政研究会をベースに国政政党としての「小池新党」の可能性が大である。
 
既に若狭勝議員は無所属議員の位置付けになっており、政党要件の5人を満たすためには残り4人が必要になる。

長島昭久、渡辺喜美ら、改憲派のタカ派議員たちが「都ファーストの会」の国政版入りを狙っていることは周知だ。
 
そして、民進党役員室長の柿沢未途衆院議員の妻の幸絵。
 
都議選で民進党が惨敗すれば柿沢夫婦そろって小池新党にすり寄っていくことであろう。
 
「都民ファーストの会」が大勝利すれば、それは先にも述べたように単なる『保守の中の席替え』ということを肝に銘じておく必要がある、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:38| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月01日

不都合な情報を消すことは己の非を認めたという事

プロサッカーの試合で、格下のチームが相手の怒涛のシュートに耐えて、守りきり1発逆転のシュートで勝利を手にするという弱小チームの作戦としては、決して珍しくはない。
 
しかし野球の場合は相手投手が付け入る隙がないほどの完璧な投球を続ければ、簡単には勝利にはたどり着けない。
 
半世紀以上も前に「大洋ホエールズ」と改称して以来、いばらの道を歩き続け、何度も球団名を変え、本拠地も変えながら、「横浜大洋ホエールズ」となった頃には、当時の常勝球団からは、「横浜銀行」と揶揄されるほどの弱さであった。
 
そんな球団がオーナーも新しくなり、「横浜DeNAベイスターズ」となったのが6年前。
 
そして、遂に球団史上初の珍しい歴史的な勝利を、かつては「カモ」にされ続けたチームから奪った。
 
 「ラミDeNA、歴史的G倒!球団初2安打&59年ぶり残塁0で」 
 
相手チームは「報道機関か?!」疑われるような政府の広報紙に成り下がっている新聞社がオーナーの球団であった。
 
ところで、今朝の朝食後、うちのオバサンが「昨日はプレミアムフライデーだったのね」とつぶやいていた。
 
すでに年金生活に入っているオジサン夫婦には全く関係のない事なのだが、おそらくテレビのニュースなどで耳にしたのであろう。
 
先月の6月16日、未明の国会で共謀罪が成立してしまった日に、こんなタイトルのネットニュースがあった。
 
 「一般人認定試験、来年度実施を検討 『共謀罪』成立受け
 
国会の審議中に「共謀罪は一般人を対象にはしません」という政府側の虚偽答弁を逆手にとったフェイクニュースであり、この発行元はその名の通りの「虚構新聞」であった。
 
その虚構新聞が、「3人に1人が参加 プレミアムフライデー、定着の兆し」という記事を掲載すれば、事情通なら「そんなハズがない」と思うような内容が、なんとあの政府広報紙にそっくりそのまま掲載されていたという。
 
<「プレミアムフライデー 定着の兆し」 全面広告に失笑...「虚構新聞」もネタに>
 2017/6/28 19:05 J-CASTニュース 
 「プレミアムフライデー 定着の兆し」「3人に1人が『プレ金』に参加」――そんなちょっと目を疑うような見出しが、読売新聞の2017年6月27日付朝刊に躍った。
 実はこれ、新聞記事風の体裁を取った「プレミアムフライデー推進協議会」による全面広告だ。なかなか普及が進まない現状もあり、読者からは冷ややかな声が続出したほか、あの「虚構新聞」にもネタにされてしまった。   
  
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【読売新聞に掲載された全面広告が話題に】

よく読めば...「早帰りに限らず」って
 この記事風広告によると、プレミアムフライデーの認知率は約9割に達し、2月以来の過去4回のプレミアムフライデーにおいて、約3分の1が「いつもの週末にはできない、ちょっと豊かな過ごし方をした」と回答したという。「記事」では、「徐々に盛り上がりを見せるプレミアムフライデー」「今後への期待も膨らんでいる」「皆さんも、ぜひ豊かな週末を満喫してほしい」といった文言が躍り、経団連の石塚邦雄副会長による、
「プレミアムフライデーが、かつての『花金』のように、国民の豊かな時間を生む文化として定着するよう、経団連としても引き続き応援していきます」
というコメントも掲載されている。
 3人に1人がプレミアムフライデーに参加した、といわれると、確かに普及が進んできたように感じる人も多いだろう。ところがこの設問文をよく見ると、
「いつもより早く帰ったかどうかに関わらず、普しかし通の週末にはできない過ごし方ができましたか?」
とある。つまりプレミアムフライデーの本来の趣旨である「15時に仕事を終える」かどうかは、最初から度外視されているのだ。そもそもこの調査自体、経産省などからなる「プレミアムフライデー推進協議会」が自ら実施したものである。
 なお、第1回のプレミアムフライデーだった2月24日の直後に行われた別の調査では、実際に「早く帰った」人はわずかに3.7%どまり。ちなみに、J-CASTニュースが6月28日、ツイッターで行った簡易アンケートでは、「一度も早く帰れたことがない」が92%に達した。メディアなどでも「プレミアムフライデー失敗論」が盛んに論じられている。 
ほとんど同じ文章が「虚構新聞」に
 こうしたお寒い状況で、大々的に打たれた「定着の兆し」広告に、ツイッターなどではもはや失笑が漏れるばかり。
「プレミアムフライデー。新聞に広告載せて流行ってますアピールが実に滑稽。お前ら政府が笛吹いたって今の日本人が踊る余裕など無い」
「プレミアムフライデーってそもそもが早く帰らせるのが目的だった気がするのに『早く帰れなくても豊かな週末の過ごし方』とかって言い出しててこの記事風広告を担当した奴ら軒並み馬鹿なの?」
「私も今日、読売新聞のプレミアムフライデーの広告、爆笑しながらよんだよ。これこそまさに印象操作」
 さらに、「起こりえない」嘘ニュースばかりを掲載する人気サイト「虚構新聞」には28日、
「3人に1人が参加 プレミアムフライデー、定着の兆し」
の見出しで、この広告ほぼそのままの内容が掲載された。つまりは、「虚構」並みと皮肉られたわけだ。 
 
一部の右翼連中からは、かつて「従軍慰安婦」問題を巡る記事を「捏造」と決め付けられたこともあるメディアは、「月末金曜、何だっけ? プレミアム効果、期待ほどでは…」とのタイトルで取材に基づいた記事を掲載している。
 
しかし取材に基づいて当たり前の記事を書くことが、その内容が政権にとって不愉快な記事の場合、あからさまなメディア批判をする始末である。
 
<メディア批判、やまぬ自民 失言報道にいら立ち、背景>
 2017年7月1日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 東京都議選の最終盤になり、政権幹部らの問題発言や疑惑が相次いで報じられ自民逆風となっていることの責任を報道機関に転嫁するかのような発言が飛び出した。安倍政権下ではこれまでも、若手議員らによるメディアへの威圧発言が明らかになっている。自らの意に沿わない報道を退けようとする、政権の姿勢が浮き彫りになったかたちだ。
 「私らを落とすなら、落としてみろって。マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違いですよ」。30日、東京都国分寺市内であった都議選の応援演説で、自民党の二階俊博幹事長が唐突にメディアを批判した。発言の背景には自身の失言と報道に対するいら立ちもあるようだ。
 二階氏は29日の応援演説で、北朝鮮の弾道ミサイル発射を念頭に「よく変なものを打ち上げてくるきちがいみたいな国があるでしょう」と発言。精神障害者に対する差別的な表現であり、演説後、記者団に「今後、注意したい」と釈明した。ただ、同党二階派に所属する鶴保庸介・沖縄北方相が「選挙の最中は耳目をひく言葉を強い口調で言わなければならない時もあるが、行き過ぎは自重するとともに節度を持って選挙活動に臨むべきだ」と語るなど、都議選への影響に懸念も出ていた。
 二階氏は4月にも、政治家の失言を報じる報道機関に怒りをあらわにしたことがある。当時復興相だった二階派の今村雅弘衆院議員が東日本大震災をめぐり、「東北で良かった」と発言して更迭されると、二階氏は直後の講演で「マスコミが、一行悪いところがあったらすぐ『首をとれ』という。なんちゅうことか」と憤った。
 2015年6月、自民党若手議員らが開いた勉強会「文化芸術懇話会」で、報道の自由を否定するような発言が相次いだこともある。安倍晋三首相と親しい作家の百田尚樹氏を講師に招いた会合で、出席した議員は「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。日本を過(あやま)つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」(大西英男衆院議員)などと発言した。
 話題が沖縄のメディアに及ぶと、百田氏は沖縄タイムスと琉球新報の二つの地元紙を取り上げ、「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」と主張。その際、会場から発言をたしなめる声は出なかったとされている。
 今年6月、スイス・ジュネーブであった国連人権理事会では日本における表現の自由が取り上げられ、国連の「表現の自由の促進」に関する特別報告者のデービッド・ケイ氏が「当局者による直接・間接のメディアへの圧力」などについて、「特に懸念している」と指摘した。
 こうした流れの中で、今回、二階氏がまたも報道機関を批判した。ただ、政権中枢は取り合おうとすらしていない。首相官邸幹部は30日夜、こう語った。「二階氏らしい発言だ。まったく問題はない」
 ■報道を追及、筋違い
 川上和久・国際医療福祉大教授(政治心理学)の話 稲田朋美防衛相の失言など東京都議選の期間中にここまで不祥事が相次ぐとは思っていなかったのだろう。「私らを落とすなら、落としてみろ」という発言は、逆風を感じてやけくそになっている印象がする。「買ってもらっていることを忘れちゃダメ」というのは、マスコミを恫喝(どうかつ)しているようなものだ。マスコミには、与野党関係なく、政治家の言動を有権者に伝える責任がある。気に入らない報道をするマスコミを追及するのは筋違いだ。
 
「私らを落とすなら、落としてみろって。マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違いですよ」
 
この発言を、「二階氏らしい発言だ。まったく問題はない」と言い切ったのは恐らくは菅義偉官房長官かも知れない。
 
10年前、第一次安倍政権が崩壊した時に、当時の安倍晋三首相は「マスコミによって潰された」と言っていた記憶がある。
 
そして5年後にゾンビの如く蘇った時には、最初にマスコミ対策として「アメとムチ」作戦を取り続けてきた。
 
「アメ作戦」としては、NHKを始めテレビの民放各社のトップ連中との会食や、記者クラブの各社の政治部記者らとの定期的な懇親会等々で成果もあがり、マスメディアは完全に「アベ様のもの」という誤った思い上がりが顕著になっている。
 
そして「ムチ作戦」としては、昨年の参議院選挙前には、「池上彰がテレビ局の『忖度』の裏に安倍政権の圧力があることを明言!『テレビ局には連日、抗議と“電凸“が』」ということが明らかにされており、明日の投開票の都議選でも、「都議選報道でテレビ朝日が『自民と都民ファは同等に、他は半分で』とメール通達! 背後に安倍政権への忖度」ということが堂々と行われているという。
 
このような背景から、「マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違いですよ」という傲慢な発言が飛び出したのであろう。
 
安倍政権は内閣支持率の低下には敏感に反応し、それは安倍政権の強引、無謀、不誠実な姿勢がメディアを通して国民に正しく伝わったからである。
 
したがって、安倍政権の趨勢を左右するのは国民を覚醒させるマスメディアの力あり、それによって選挙が左右されるのである。
 
さて、安倍晋三首相の盟友の200万円闇献金に対する本人の釈明会見は甚だ心もとないものであった。
 
【下村博文 加計「ヤミ献金」を否定[記者Q&A部分]6/29】
 
 
恐らくであろう。
      
その闇献金をもらった下村博文の妻もまた、加計学園疑惑に絡んだ情報隠しに躍起となっていた。
 
  「下村博文氏の妻・下村今日子氏がフェイスブックを削除!加計学園関連の投稿が消える!
 
下村博文・都連会長の妻である下村今日子氏がフェイスブックの投稿を削除していることが分かりました。削除されたのは加計学園関連の投稿で、加計学園の関係者と思われる人物と記念撮影した画像などが含まれています。
今日子氏は加計学園で教育審議委員を担当しており、同じく加計学園で様々な活動をしている安倍昭恵夫人と非常に親しい関係です。夫の博文氏に加計学園からの献金疑惑が浮上していますが、夫婦揃って加計学園と繋がりがあったということになります。
他にも加計学園との関係を指摘された人物がフェイスブックなどのSNS情報を削除している事例が見られ、情報を隠す方向で一気に動き出した感じがあるところです。





 
近い将来、日本政治の暗黒史みたいなものができれば、「日本を私物化した政治家夫妻」として「安倍晋三・昭恵 下村博文・今日子」の名前が刻まれるかもしれない、とオジサンは思う。
 
最後に昨夜の安倍晋三お気に入りの「稲田防衛相『誤解』35回連発」をお届けしておく。
    
【稲田大臣「誤解」繰り返し…会見大荒れ_総理の「獣医学部の全国展開」に反対の声170630houdoustation】


posted by 定年オジサン at 12:28| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月30日

老兵は死なず! 『腹心のメディア』になるな

6月の最終日となり、1年の半分を過ぎようとしている。
 
今年は新年早々、「今年も大ホラで始まるのか安倍政権」というつぶやきの中で最後に以下のように書いた。
 
・・・酉年は、しばしば政治の大きな転換点となってきました。そして本年は、世界でも様々な国のリーダーが交代します。変化の一年となることが予想されます。」と昨日の記者会見で話していた安倍晋三首相。
そう今年こそは、「世界でも様々な国のリーダーが交代」する変化の年として、大嘘つきのアホすぎる日本のリーダーも交代させなければならない
 
今年はまだ半分残っているので今後の情勢次第ではどう転ぶかは、神のみぞ知るであろう。
 
しかし、転び始めている兆候は髄所に溢れ出している。
 
将棋の世界では「玉将」を巡って闘いが繰り広げられるが、その「玉将」を如何に守るかということの戦法の一つに「穴熊囲い」という昔からの囲いがある。
 
20170630anagumasenpou.jpg
 
金銀が連結した形で密集しており、守りとしては非常に堅く、玉が端にいて戦場から遠いことに加え、そのままの形では王手が絶対に掛からないというメリットがある。
 
しかし、終盤では、玉が隅にあるので身動きが取れず、逃げ道がないというデメリットもある。
 
最近の安倍政権を見ていると、2012年の総選挙で政権を奪い返し、それから4年かけて国会に於ける絶対的な議席数を背景に万全の体制を築いてきた。
 
しかし「穴熊囲い」のような堅牢な体制であったので、他からの付け入る隙を与えず、「安倍1強」などとメディアは囃し立てた。
 
本人もすっかりその気になり、「バカはおだてりゃ木にも上る」と言われる如く、縦横無尽にやりたい放題の4年間であった。
 
しかし守るべきはずの「金銀」たちが「カネ」に目がくらみ「バカ殿」の足手まといになってきている。
          
【下村博文 加計「ヤミ献金」を否定[記者Q&A部分]6/29】

 
先月には、「安倍首相 細田派に『四天王を作りたい』」と、自らの出身派閥・細田派に関し、稲田朋美防衛相、松野博一文部科学相、自民党の下村博文幹事長代行の3人の名前を自ら挙げたのだが、残念ながら彼らは「失点王」に成り下がっている。 
 
「穴熊囲い」に鎮座している安倍晋三首相を攻めるには、定石は必要はないとばかりに、政治部の連中で作る記者クラブが主催する菅義偉官房長官の定例の記者会見では社会部のこの記者が孤軍奮闘している。
 
『加計問題追及」 東京新聞 望月衣塑子記者」 
 
【「東京新聞 望月衣塑子記者O」官房長官 記者会見 2017年6月29日午前】

 
【菅 ゼネコン質問に連日ムキにvs東京新聞・望月記者6/29午前】

 
望月衣塑子記者の真実を追求するための執拗な質問攻めには、「うんざり顔」の菅義偉官房長官なのだが、かなりむかつきながらも必死に反論している。
 
しかし、中には菅義偉官房長官を護ろうとする許し難いメディア連中がいることも大きな問題である。
 
あんなヤツを二度と会見場に入れるな!と読売!」と題したブログではこう批判していた。
 
・・・前略・・・
 読売のキャップが東京新聞のキャップのところに飛んできて「何だあいつは。あんなヤツを二度と会見場に入れるな!これはクラブの総意だからな」と怒鳴り上げた、という。
 「読売新聞は権力に魂を売って官邸の下足番に成り下がった」と日刊ゲンダイが激しく非難した。当然だ。
 あり得ない話だ。他社の記者の質問を「妨害する」など、まともな記者がやることではない。読売の記者たちは一体、何のために官邸に詰めているのか? 取材をするためではないのか?
 ろくな取材もせずに、ひたすら他社の記者の言動を監視する。安倍政権に「雇われた」スパイか?密告社会を先取りしたかの読売新聞。だから「共謀罪」に熱心だったのか。
 取材陣の中に官邸の“情報員”が紛れ込んでいるとしたら危険な話だ。読売は報道機関なのか? それとも権力の末端組織なのか?どっちなんだ? 紛らわしいので早く、旗幟鮮明にすべきだ。
・・・後略・・・
 
そして遂に、日刊ゲンダイは「第1次政権と酷似 政権ぶん投げカウントダウンが始まるぞ」と警告をしていた。
 
ところで、テレビ朝日HDの株主総会に出席してきた人がこんな報告をしてくれていた。 
 
<テレビ朝日HDの株主総会に出席してきました!>
 2016年06月29日 | Weblog
 人生初の株主総会を経験してみて、私たちが考える以上に、テレビの報道を取り巻く空気は、逼塞していると感じました。
質疑応答では、てっきり、報道ステーションの古館キャスター降板に関して批判的な意見が頻出するものと思っていました...甘かった!!  
むしろ、逆!!
発言者のほとんどが、テレビ朝日の報道番組は(左に)偏向しているという批判だったのには、心底驚きました。
私など出る幕はないと思っていましたが、質問せずにはおられなくなり、2問質問してきました。
@放送法を順守して公平公正、政治的中立に留意して報道番組をつくっているとの説明だったが、そのようななかで、どのようにジャーナリズムとしての使命を担保するのか?
A今年2月の高市大臣の停波発言は、政権による報道の自由への圧力であり、憲法違反であるから、テレビ報道を担っている立場として、もっと明確に抗議すべきだったのではないか?
私に対する質問も、また、私とは真逆の立場の質問にも、「放送法にのっとって、公平公正、政治的中立な放送を行っていく」という趣旨の答弁を繰り返すのみでした。
先日ギャラクシー賞を受賞した、報道ステーションの「ワイマール憲法」を扱った特集が、とんでもない番組だったと批判にさらされるのを聞いていて、制作現場の方々が、本当に可愛そうになりました。
そして、私たちの想像を絶するほどの、抑圧した空気の中で番組を作らなければならない苦労を思うと、
もっと、声を上げて現場を応援してあげなければいけないのではないかと強く感じた次第です。
視聴者として良い番組には直接称賛の声を届けると同時に、小口でも株主となって、来年の総会で直接、役員に意見を申し述べにいきましょう!!
・・・後略・・・
 
ネット上で、「そもそも総研が最近つまらん。テレ朝の忖度か。」という声が最近上がっていた理由が良く分かるというものである。 
 
テレビ朝日元社長が安倍首相と癒着する早河会長ら現幹部を『腹心メディアと認知されていいのか』と批判! 株主総会で追及も」という記事で紹介されていた元社長は、2005年6月に株式会社テレビ朝日代表取締役社長に就任し、以降は2009年6月同社代表取締役会長、2012年6月同社相談役、2013年6月同社退任した、根っからのテレビマンであった君和田正夫。
 
彼は自らが塾長をつとめる「独立メディア塾」のウェブサイトで危機感をもって後輩たちを批判していた。 
  
<「腹心のメディア」になるな>
 2017年6月号 独立メディア塾
 首相の一日を朝から帰宅まで追った記事が、毎朝、新聞に出ています。「首相日誌」「首相の一日」などタイトルは様々ですが、5月25日の記事は私にとって衝撃的でした。朝日新聞の4面「首相動静」から引用します。
◇        ◇
「6時41分、東京・赤坂の日本料理店『古母里』。テレビ朝日の早河洋会長兼最高経営責任者(CEO)、篠塚浩取締役報道局長と食事。10時8分、東京・富ケ谷の自宅」(時間は午後の時間)
◇        ◇
 
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生臭さプンプンの会食
 「この時期に?まさか」というのが正直な気持ちでした。
首相の関与があったのか、なかったのか、「忖度」があったのか、なかったのか、森友学園から加計(かけ)学園へと疑惑の火種が次々に拡大しています。憲法改正、共謀罪、天皇の退位特例法という大きな政治課題もあります。いずれも意見が大きく分かれたり、様々な意見が出たりしている案件です。生臭さがプンプンしている最中です。
 しかも、イタリアでのサミット(7カ国首脳会議)に参加するため、翌25日、首相は羽田空港から出発することになっていました。その前夜というタイトな日程の中です。首相の行動が公表されることは双方、十分承知のことです。重要な話があったのだろうか、とメディア関係者の間では大きな話題になっています。
 同じ25日の朝刊一面で朝日新聞は、文部科学省の前事務次官、前川嘉平氏のインタビュー記事を掲載しました。前川氏は加計学園問題で「総理の意向」が記された文書について、担当課から説明を受けた時に示された本物の文書だ、と認めました。「週刊文春」も前川氏にインタビューし、同日付で、大きな見出しのついた新聞広告を打っています。翌日には前川氏自身による記者会見が開かれ、問題がどこまで拡大するか、注目されています。
 会食の前日、「組織的犯罪処罰法」が衆院を通過しました。「何が罪になるのか」という根本的な問題が明らかにならないまま採決されました。メディアの対応も割れました。名称からして「共謀罪」派と「テロ等準備罪」派の二派に分かれました。「共謀罪派」は法案に反対、「テロ等派」は賛成、といった色分けでしょうか。
「読売新聞で改憲構想発表」の異様さ
 安倍首相は憲法改正について読売新聞の単独インタビューに応じて話題になりました。憲法施行70周年になる5月3日付朝刊一面で「憲法改正20年施行目標」という見出しの記事として発表されました。また、同じ日に開かれた憲法改正の集会にビデオメッセージを寄せて、「20年施行」を訴えました。国会や自民党ではなく、個別の新聞を発表の場に選んだ異様な事態に対して、与党内からも批判が出ました。
 ビデオメッセージは質疑ができません。読売新聞のインタビューも質疑ができません。5月8日の衆院予算委員会で、首相の改憲構想と自民党の憲法草案との整合性について質問された首相は、なんと「読売新聞を読んでくれ」と答えてしまいました。国会の場での質疑さえ拒絶したわけです。インタビューはその材料に使われたのです。
朝日グループへくさび?
 こうした緊迫した状況の中で「政治臭の強い会食」と捉えた人が多いでしょう。どのような狙いの会食だったのでしょう。首相側からすれば、難局故にメディアの味方を増やしたい、という強い欲求があったのかもしれません。朝日新聞などは安倍批判を強めています。朝日グループの一角を崩そうと狙ったのかもしれない、と考えてしまいます。メディア側の目的は何でしょう。会食の日程が公表されるメリット、ディメリットなどいろいろ想像しても思いつきません。会食することによって、「首相の腹心のメディア」と世間に認知される恐れを抱かなかったのでしょうか。
 たとえ前から決まっていた日程だったとしても、時期に関係なく、また場合によって内容に関係なく、首相と会食する、ゴルフをする、といったこと自体が、メディアの在り様に深く関わってくる、と思います。
「忖度」する部下の恐れは
 さらに私が危惧することは「取締役報道局長」が同席したことです。取材・報道に携わる者は取材先との距離感に敏感でなければなりません。癒着が疑われたら報道内容の信ぴょう性にまで影響します。社内的にもCEOと報道局長が、首相と親しいとなれば、「忖度」する部下が出て来る恐れがあります。そうならないことを願っています。
 現役を退いてからテレ朝の経営や番組編成にはできるだけ口を出さないことにしてきました。今後もそうしようと思っていますが、首相のメディアへの対応について、様々な指摘、批判がなされている中での会食に、強い危惧と異様さを感じました。「書生っぽい議論」と言われるでしょうが、メディアが「越えてはいけない一線」を越えようとしているように思えてならないのです。
 
「首相のメディアへの対応について、様々な指摘、批判がなされている中での会食に、強い危惧と異様さを感じました」という元会長の危機感に対して、早河洋会長兼最高経営責任者(CEO)と篠塚浩取締役報道局長に是非お答えもらいたいものである。
 
しかし、もはや彼らは「越えてはいけない一線」をすでに超えてしまっているのではないだろうか、とオジサンは思う。

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2017年05月14日

「常軌を逸している」安倍晋三首相には真っ当な批判を!

長きにわたって竹下登や野中広務といった経世会議員の番記者を務めてきた、「リベラル保守」のポジションにあった人物。

それが第二次安倍政権発足後は安倍晋三首相と会食する一方で、テレビでは安倍政権の擁護をダラダラと繰り返すようになったのが、「報道ステーション」(テレビ朝日)コメンテーターの後藤謙次。
 
昨年3月末で、官邸から名指しで「辞めさせろ」と言われたかどうかは定かではなかったが、少なくとも一定の節度を持って政権批判をしていた3人のテレビキャスターがほぼ同時に担当していた番組を降ろされていたことは周知の通りである。
 
「報道ステーション」メーンキャスター、古舘伊知郎とTBS「NEWS23」アンカー、岸井成格、そして後を追うようにNHK「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスター。
 
そしていずれの局の当該番組は、後任のキャスターによって、気の抜けたサイダーかまたは「泡の無くなったノンアルコールビール」のような内容になったと多くの視聴者から批判の声が上がっていた。
 
とりわけ「報道ステーション」はメインキャスターの交代と共にコメンテーターの人選もそれまでの朝日新聞の論説委員らを排除して無難な、決して政権批判をあからさまにしないコメンテーターを起用し始めた。
 
その一人が、冒頭の後藤謙次であった。
 
たまにチャネルを合わせた時に見た「報道ステーション」での後藤謙次の解説を見てうんざりしたことがあった。
 
そんな後藤謙次が最近、発言の内容に変化をきたしている。
 
『安倍政権はタガが外れている』『報道ステーション』後藤謙次の安倍批判がキレキレ! 御用記者に何が?」の記事を元に時系列に後藤謙次の発言をまとめてみた。
 
■4月5日(共謀罪について)
 「まだ実行行為に至らない、その準備段階で捜査対象にするという法律ですから、仮にこの法律が成立すると、それを支えるものは何かと言えば、すべて情報なんですね。そうすると情報を得るために何をするのか。たとえば会話を盗聴する、電話を傍受する、あるいはおとり捜査をするといった情報手段の法整備がどんどん広がっていく」
■4月6日(同上)
 「警察幹部のOBですら、『テロについてはもうすでに既存の法律で十分対応できる』と言っているんですね。共謀罪については13、予備罪については27もの法律がすでに存在していると、こう言っている」 
■4月12日(森友学園疑惑)
 「森友問題というのは安倍総理にしか収束できない。誰が説明しても、誰も納得できない」
 「安倍総理は委員会の場できちんと釈明・説明するか、あるいはこの問題に限った記者会見を行うべき」

■4月17日(共謀罪について)
 「どんどんどんどん捜査手段が拡大していく。それが取り返しのつかない事態を招く」
 「自分が監視されている、見られているという思いをするだけで、立派に抑止力というのは働いてしまう。そうすると一億総監視社会ができあがってしまうと。非常に恐ろしいと思いますね」
 「『まったくない』というのは安倍総理が国会答弁でしばしば使うものですが、そういう強引な押し切り方で果たしてこの法律を通していいのかと、ずっと懸念が膨らむ」
 「とくに私が非常に心配なのは、北朝鮮情勢の緊迫化に伴ってですね、日本全体のなかにこの『テロ等準備罪』という名称に引きずられたような法案を積極的に容認しようという空気があるということ。逆にこういうときこそ、一歩留まって、慎重に考えるべきだと思うんですね」

■4月19日(金田法相について)
 「呆れて物が言えない。大臣がきちっと説明できないような法案を国民に理解しろということ自体がどだい無理な話」
 「与党側が一方的に官僚の局長を呼ぶための議決をするという、前代未聞の出来事」
 「ほんとうに法案を通したいと政府が熱望しているのなら、まず大臣を変えて、そして国民にきちっと説明、意見できる人が座ってからにしてもらいたい」

■4月25日(今村復興相更迭について)
 「辞任は当然というか遅きに失した」
 「『自主避難者は自己責任』発言自体で更迭理由は十分にあった」
 「政治自体が上から目線、そして権力をもっている人たちのおごりというのが今回、端的に表れた」
 「いまの政権はタガが緩んだのではなくタガが外れている」
■5月1日(海上自衛隊による米艦防護に対して)
 「緊急性のないデモンストレーション」
 「安倍さんが指摘したのは国内向けに非常に特殊なケースを説明して、我々はそのイメージで頭が固まっていた。それで大きく説明責任を果たしていると言えるのか」

■5月7日(安倍晋三首相の新憲法施行宣言に対して)
 「総理の政治的な思惑のなかで、日程や中身を決めていいということはないんです」「(安倍首相の発言は)99条の憲法遵守義務に反すると指摘する人もいます」 
■5月8日(「読売を熟読しろ」発言について)
 「自民党総裁としての立場と内閣総理大臣の立場は違うんだと。その使い分けの一つの舞台装置として読売新聞を使ったと、こう言っているようなもの」
 「はっきり言えば『メディアの私物化』と言ってもいい」

■5月9日(参院予算委員会の集中審議について)
 「きょうに限らず、このところ予算委員会の劣化というのは目を覆うばかり」
 「その問題点の核心というのは、やはり安倍総理の答弁にある」
 「都合が悪くなるとはぐらかしたり焦点をずらしたり、あるいはヤジに対応して茶々を入れたり、その『真摯な態度がない』というところが、いまのこの予算委員会の劣化の最大の要因」
        
■5月11日(五輪がらみの安倍晋三首相の発言に対して)
 「頻繁に自らの内政を推進するために東京五輪の名前を出している。これはある面で、『五輪の政治利用』と言われても仕方がない」
 
同記事では最後に、「メディアの私物化、五輪の政治利用、憲法遵守義務違反、真摯な態度ゼロ──どれも現在の安倍首相の暴走を目の当たりにしていれば“出てきて当たり前”の指摘ばかりではあるが、現在のメディア状況を考えれば、名指しで安倍首相をきちんと評する後藤氏のコメントは、じつに貴重なものと言えるだろう。」というほど、「常軌を逸している」安倍晋三首相を真っ当に批判できないメディアへの危機感を募らせていた。
 
「リベラル保守」や純粋な「リベラル」ジャーナリストやコメンテーターは世に多く存在するのだが、残念ながら彼らは、官邸の顔色を常に伺っているマスメディアの幹部によって、家庭の主婦たちが多く見ている民放テレビの情報番組からは排除され、みんなネットの世界に入ってしまった感がある。
 
従って、共謀罪も「テロ対策」に必要で、一般の人には無関係、さらには2020年東京五輪開催には必要という、安倍晋三のプロパガンダによって、共謀罪に関しては国民の賛否は拮抗している有様である。
 
後藤謙次よりもっと強い保守の老ジャーナリストが最近、こんなことを言ってネットを賑わしている。
 
さて、安倍内閣のポンコツ閣僚連中の失言、放言、暴言が続いているのだが、かれらの任命責任者の安倍晋三首相は口先だけで責任の取り方をしらないらしい。
 
そして知らないのは、それだけではなく「基本的」な言葉の使い方も理解していないようである。
 
国会の答弁に関して、先月19日の「そもそも」答弁に関しては、「首相 大丈夫?答弁の解釈、辞書になく…言葉の粗雑さ露呈」とあからさまに批判されていたが、本来ならば素直に言い直せば済んだものを、なまじ自分で「辞書を調べた」ようなことを言ってしまい、今度は政府として庇わなければならず、遂に、民進党の初鹿明博氏が質問主意書に対して、「安倍首相 『そもそも』用法、政府が答弁書で正当化」という前代未聞のことをしてしまった。

毎日新聞の校正記者である岩佐義樹は、「頭が混乱した」と、「『そもそも』=『基本的に』閣議決定 文法的に『どだい」無理』」という記事を書くほどであった。
 
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【毎日新聞より】

 
ノンフィクション作家の保阪正康は歴代首相の施政演説方針を比較して、「ともすれば改正論者の中には、『押しつけ憲法』とか『占領憲法』と平気でレッテルを貼る者も見られるが、それが吉田茂をはじめ先達たちをいかに愚弄(ぐろう)しているかを知るべきであろう。どこをどう変えるかではなく、改正のみを主張するのもまたこうした愚を犯しているといっていいのではないかと私には思えるのである。」と言っている。  
  
<昭和史のかたち 歴代首相と憲法=保阪正康>
 毎日新聞 2017年5月13日 東京朝刊
 戦後日本肯定する施政方針演説
 安倍晋三首相はこの5月3日にも、憲法改正の意志をあらわにし、それも2020年という時間を設定しての覚悟を示した。近代日本の首相の中で、これほど改正それ自体を強調し、どこをどのように変えるかの論点を明確にしない首相も珍しい。まず「改正ありき」では、論戦そのものが逆立ちしているように思えるほどだ。
現在の憲法が制定されて以来、首相は吉田茂から安倍現首相まで31人に及ぶが、これほど改正のみを叫ぶ人物はこの31人の中に、安倍首相以外ひとりもいなかった。確かに、岸信介、中曽根康弘らは改正を口にしたが、それでもそこには自制が感じられた。私自身そのことに関心を持ち、特に憲法制定以来、昭和という時代に首相の座にあった15人(吉田茂から竹下登)の施政方針、所信表明の演説文を丹念に読んでみた。社会党の片山哲を除いてすべてが自民党とそれに連なる保守系ということになるが、しかしそこには微妙な違いがいくつもあると気づいた。つまり戦後日本の歩んだ道は、この憲法によってつくられてきたとの強い認識を持った。
 たとえば田中角栄は、1972年10月28日の所信表明演説において、「戦後四半世紀にわたりわが国は、平和憲法のもとに、一貫して平和国家としてのあり方を堅持し、国際社会との協調融和のなかで、発展の道を求めてまいりました。わたくしは、外においては、あらゆる国との平和維持に努力し、内にあっては、国民福祉の向上に、最善を尽くすことを政治の目標としてまいります」と語っている。福田赳夫にしても、77年1月31日の施政方針演説で外交・経済政策を訴えたのち、その末尾で憲法には直接触れないにしても、国民の皆様も「いたずらな物欲と、自己本位の欲望に流されがちの世相から訣別(けつべつ)」しようと呼びかけて、次のように断じている。
 「この日本の国土の上に、世界中の国々から信頼と敬意をかち得るように、真に安定した文明社会をつくり上げようではありませんか」
 このように自民党の首相演説を読んでも、現憲法がつくりあげた戦後日本という空間そのものを肯定的に捉えていることがわかる。
 中曽根康弘は83年1月24日の施政方針演説のなかで、「わが国の戦後の発展は、何よりも新憲法のもたらした民主主義と自由主義によって、日本国民の自由闊達(かったつ)な進取の個性が開放され、経済社会のあらゆる面に発揮されたことによるものであります」と極めて明快に説いている。
 吉田茂は現憲法制定を直接に進めた首相だが、第1次内閣組閣時の46年6月21日の議会(このときはまだ帝国議会だったが)で、民主主義と平和主義の実現を目指し、「憲法ノ改正ヲ待ツマデモナク、軍国主義ト極端ナル国家主義トノ色彩ヲ完全ニ払拭(ふっしょく)シ、其(そ)ノ将来ニ於(お)ケル再生ヲ防止スル為(ため)」に努力することを約束している。片山哲、芦田均らもその方向を明確にしている。つまり憲法制定時の首相たちは積極的に自らも関わりをもち、この憲法を守ること、そして憲法の精神を生かすこと、軍国主義復活を許さないこと、を憲法を論じるときの姿勢に据えていることがわかってくる。
 ともすれば改正論者の中には、「押しつけ憲法」とか「占領憲法」と平気でレッテルを貼る者も見られるが、それが吉田茂をはじめ先達たちをいかに愚弄(ぐろう)しているかを知るべきであろう。どこをどう変えるかではなく、改正のみを主張するのもまたこうした愚を犯しているといっていいのではないかと私には思えるのである。
 昭和30年代の、いわゆる55年体制成立後しばらくの首相演説は確かに憲法の精神にそれほど触れていない。鳩山一郎は自主憲法の制定を主張したが、55年体制成立直前の同年1月22日の施政方針演説では、その改正には慎重を期すべきであると前置きをして断じている。
 「政府といたしましては、国民各層の意見を十分に徴して、子細にその内容を検討し、平和主義、民主主義の原則を堅持しつつ、最もわが国情に適するごとく改善の方途を講じなければならない」
 改正するにしても国民総意のもと、その方向は前向きにということである。
 石橋湛山は特に憲法に触れていない。その施政方針演説(57年2月4日)は、石橋が病で倒れたために岸信介首相臨時代理が原稿を代読する形になっている。ハト派の演説をタカ派が代読したわけだ。石橋退陣後に、岸内閣が成立するが、同年2月27日の所信表明演説では、石橋内閣の施政方針を引き継ぐと言っている。憲法観では石橋と異なっていたので、就任時にはあえて触れなかったのであろう。
 保守系内閣の中でもっとも明確な憲法観を打ち出した首相は鈴木善幸で、80年10月3日の所信表明演説では、「私は、今後とも、憲法の定める平和と民主主義、基本的人権尊重の理念を堅持し、国民の優れた力を結集して、わが国の将来を確かなものにしてまいりたい」と宣言している。こういう演説に触れると、月並みな護憲派、改憲派という分け方に改めて疑問がわいてくるのである。
 
「メディアの私物化、五輪の政治利用、憲法遵守義務違反、真摯な態度ゼロ、漢字読解力ゼロ」という安倍晋三首相に知性を求めるのは、いつも言われているように「八百屋で魚を求めるようなこと」なので、「どだい無理」な話しだが、国民にとって最大の不幸なのは、歴代の首相と大きくその憲法観が異なっているということである、とオジサンは思う。

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2017年05月05日

狂った歯車を回復させるため「第四の権力」に期待できるか

さわやかなGWの中日でもあるこどもの日。
 
最近、オジサンの住んでいる自治会内では以前に比べて多くの子ども達の姿を見るようになった。
 
現在の家に住んで40年目になるが、当時は大きな地主たちが闊歩している時代であった。
 
その初代(?)地主たちが高齢化して代替わりが盛んになると、江戸時代ならば「田分け者」と呼ばれたかもしれないが、相続税が払えず手放す2代目以降が不動産業者に土地を売り始めた。
 
そして新興住宅が雨後の筍のように建ち始め、都心から多くの若い家族がやってきた。
 
最近では3人の子どもがいる家族が珍しくない状態である。
 
それにもかかわらず、全国的には「子どもの数 36年連続減 14歳以下1571万人」ということらしい。
 
まさに少子高齢化がかなり進んでいるということ。
 
少なくなった子どもたちに手厚い援助をしようと、今年3月、保育や幼児教育を無償化するための「こども保険」を創設する提言をまとめ、その狙いを「自民党の若手議員が提言する『こども保険』とは? 小林史明・衆院議員がズバリ答える」と説明していた。
 
もっとも子どもをもたない家族も多く存在しており、経済評論家の山崎元は、「小泉進次郎氏らが提案する『こども保険』に気乗りしない理由」という記事を書いていた。
 
巷では、「こども保険料」は厚生年金と国民年金の保険料に上乗せして徴収するらしいのだが、来年10月の消費税増税を見送った場合に備えた財源になるのではないかと言われ、「子ども」を使った胡散臭い話しかも知れない。
 
そんな子どもには全く縁がない安倍晋三首相だが、最近はその横暴振りと周辺の首相への忖度振りが目に余り、一部からは「まるで北朝鮮ソックリ」と批判されている。
 
例えば、3月23日に突如、証人喚問が行われたが、その理由が「総理に対する侮辱だからしっかり受け止めなければならない」ということであった。
 
4月12日の介護保険法改正案が突然、強行採決されたのも、森友学園絡みの質問に不機嫌になった安倍晋三首相に対する自民党の“忖度”だった。 
 
滞貨一掃閣僚ポストである復興省の椅子に座っていた今村雅弘復興相が「本人の自己責任」発言に続いて「東北でよかった」という暴言で更迭されたのだが、その理由も、安倍晋三首相が「私の顔を潰した」「恥をかかされた」と激怒したからだと言われていた。
 
首相の機嫌を損ねたからクビになった、という今や大臣の任命基準は、安倍晋三首相の気持ちひとつとなってしまい、本当に「立法府の長」になってしまった。  
 
最近の共謀罪創設があたかも安倍晋三首相の答弁では「テロ対策」ということになっているようだが、そもそも、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結のために政府が必要としている「共謀罪」法案(組織的犯罪処罰法改正案)については、2000年に国連総会で採択された同条約に関連し、各国が立法作業をするための指針を示した「立法ガイド」の執筆で中心的役割を担った国際刑法の専門家である米ノースイースタン大のニコス・パッサス教授が、「テロ対策は条約の目的ではない」と明言した。
  「『条約、対テロ目的でない』 国連指針を執筆・米教授 『共謀罪』政府説明と矛盾」 
 
さて、一昨日の憲法記念日に、安倍晋三首相が、憲法第9条の1項と2項を残しつつ自衛隊の存在を9条に明記すると提案したことに対して、「党内でこういう議論は一回もしていない。長い議論の積み重ねをまったく無視していいとはならない」と、自民党の石破茂元幹事長は3日のフジテレビの番組で、戸惑いを隠さなかったようである。
  「首相改憲案 自民に波紋 石破氏「議論していない
 
何度でも書くが、「憲法は権力者を縛るもの」であり第99条で「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と明記されており、安倍晋三首相の3日の発言は明らかな憲法99条違反なのである。
 
5年前、自民党総裁として「みっともない憲法ですよ、はっきり言って。日本人が作ったんじゃないですから」と暴言を吐いたのだが、最近では、あの「アベサマのNHK」ですら、こんな変わりようである。
 
在京大手紙は、安倍晋三首相の改憲発言を矛盾だらけで説得力に欠けると社説で批判していた。
  
<「社説 首相の『9条改正』発言 重要な提起ではあるが」>
 毎日新聞 2017年5月5日 東京朝刊
 安倍晋三首相が憲法改正について「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言した。さらに戦争放棄を定めた9条に自衛隊の存在を明記するなどの案を示した。
 施行時期の目標を明らかにし、具体的な改憲項目を明示した踏み込んだ発言だ。改憲実現に向けた意思を改めて明確にし、国会や国民の活発な議論を促す狙いなのだろう。
 自衛隊の憲法明記を支持する意見は根強くある。公明党も「加憲」論議の対象としている。改憲派も護憲派も9条を憲法論議の要と捉えるなか首相の提起はそれなりに重要だ。
 しかし、議論のテーブルに載せるには、あまりに多くの問題がある。
 まず、首相が施行時期を東京五輪開催年に重ねたことだ。両者は何の関係もない。自民党総裁の3選を見据え、任期中に改憲を実現したい思いからの後付けの理屈に聞こえる。
 国会軽視の姿勢も問題だ。衆院の憲法審査会は参政権や国と地方などの課題を巡り有識者を呼んで議論している。自民党は野党第1党の民進党との調整を重視している。
 改憲案を審議する権限は憲法審査会にしかない。その頭越しで公明党などの改憲容認勢力さえ固めればいいという話ではないだろう。
 首相は9条改正について1項の戦争放棄と2項の戦力不保持を堅持しつつ「自衛隊を明文で書き込む」ことを提起した。2項を抜本改正し国防軍などを創設するという従来の考え方からは退いたように見える。
 自衛隊は政府解釈で合憲とされ、災害派遣や国連平和維持活動(PKO)などを通じて国民に定着し、高く評価されている。
 にもかかわらず、首相は一部の憲法学者らの「自衛隊違憲論」を引き合いに9条改正を主張した。これは説得力に欠けるのではないか。
 一方、今の自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力」を超え、違憲となる「戦力」に相当するという議論もある。明記される自衛隊の位置付けが戦力不保持の規定とどう整理されるか、はっきりしない
 首相が言う「新しい憲法」という表現からは、米国による「押しつけ憲法」から脱却したいことへのこだわりもにじむ。
 9条は国のかたちを定める核心部分だ。扱いは丁寧であるべきだ。
 
2020年を「新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っています」と平然と口にするこの御仁は、日本人すべてが東京五輪開催を歓迎していると思い込み、「五輪のためなら」共謀罪でも9条加権でも賛成してくれると思うほどの脳天気である。
 
「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という「加憲」という考え方は決して国民的な議論に値するものではなく、単に公明党が喜ぶだけである。
 
こんな首相の下で日本の政治システムは歯車が狂いつつあると、朝日新聞は社説で主張した。   
 
<(社説)憲法70年 「第2の政治改革」構想を>
 2017年5月5日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 政治システムとは機械仕掛けの時計のようなものだろう。
 優れた全体設計が求められ、繊細なバランスの上で歯車やバネが役割を果たさなければ、針は狂い、故障してしまう。
 「安倍1強」の下で、日本の政治システムの歯車が狂いつつあるのではないか。不自然な国有地払い下げに端を発した森友学園の問題を見るにつけ、そう感じざるをえない。
 ■首相への権力集中
 安倍首相は本人も妻昭恵氏も関与していないと繰り返す。政府は事実究明に後ろ向きだ。
 一方、政府の監視役であるべき国会は、国権の最高機関としての役割を果たせないでいる。
 野党は国政調査権の発動を求めるが、与党の反対で実現しない。財務省資料の国会提出は宙に浮いたままだ。
 政府・与党を掌握する首相への権力集中という政治状況が、問題を解明しようとする歯車の動きを止めているのだ。
 首相の1強は、1980年代末から進められてきた「政治改革」の帰結ともとれる。
 金権政治への国民の怒りを受けた一連の政治改革は、自民党一党支配を元凶と見立て、政権交代可能な政治をめざした。
 勝敗をより際立たせて強い政権をつくるため衆院に小選挙区制を導入。政党助成金制度で、政治家個人や派閥より政党に政治資金が集まるようにした。
 その後も省庁再編、国家安全保障会議や内閣人事局の設置など、歴代政権がバトンをつなぎながら「政治主導」「首相官邸機能の強化」を追求した。
 人事権、公認権、カネ、情報……。権力の源泉が首相に集中する一方で、国会による監視機能は相対的に低下した。
 確かに、小選挙区制は政権交代をもたらした。政治とカネの大きな疑惑も減った。
 だが、政権交代を繰り返すことで、権力チェックの機能が強まる。そんな好循環は旧民主党政権の挫折によっておぼつかなくなっている。
 ■抑制と均衡の回復を
 政治改革の成果は生かしながらも、行き過ぎた権力の集中がないかを検証し、統治機構のバランスを回復するメンテナンスが必要だ。
 立法府と行政府の間に抑制と均衡の緊張関係を取り戻す。そのための「第2の政治改革」と言ってもいい。
 例えば森友学園問題で俎上(そじょう)にのぼった国政調査権。ドイツでは行使の権利を議会の少数派に与えている。同様の制度を日本でも導入できないか。
 憲法に書き込む方法もあろうが、国会法などの改正で実現することもできる。
 「強すぎる首相」の一因である、首相の衆院解散権を抑制すべきだという指摘もある。
 衆院憲法審査会では「解散理由を国会で審議するなど解散手続きを法律で定める方法と、憲法を改正して解散の条件を明記する方法がある」という具体的な選択肢も議論された。
 政治の歯車が狂うのは権力の集中によってだけではない。衆参の多数派が異なる「ねじれ」現象で国会が停滞し、「決められない政治」と批判を浴びた。再び衆参がねじれた場合に、国会がどのように合意形成をはかるのかという問題にも答えを出しておく必要がある。
■三権の全体構想から
 似通った選挙制度と権限をもつ衆院と参院という二院制の役割分担をどう整理するかは、政治改革で積み残された大きなテーマでもある。
 衆院のコピーではなく、参院独自の果たすべき役割とはなにか。「再考の府」か。それとも「地方の府」か。
 憲法学者の大石眞・京大名誉教授はこう指摘する。
 「衆参それぞれの役割をイメージしたうえで、選挙制度や権限はどんな組み合わせがよいのかという統治機構全体を構想する議論を始めるべきだ」
 まずは司法を含む三権全体のあり方を点検する議論から始めたうえで、今の不具合は国会の規則や慣例の変更で対応できるのか。国会法、公職選挙法、内閣法など「憲法付属法」の改正が必要なのか。統治機構の基本枠組みを定めた憲法の改正が避けられないのか――。
 そうした整理を進めることこそ、あるべき道筋だろう。
 自民党からは「参院選の合区解消」「緊急時の国会議員の任期延長」など統治機構の一部をとらえた改憲論も上がる。手を付けやすいテーマでとにかく改憲をという思惑が透ける。
 求められるのは、このような改憲ありきの局所的な手直しではないことは明らかだ。
 日本国憲法は施行から70年の時を刻んだ。自由や人権、平和主義といった憲法の核心といえる理念を守り、次の世代に引き継いでいくには、健全な政治システムが必須となる。
 その針と歯車は狂いなくしっかりと動いているか。主権者である国民一人ひとりが絶えず目を光らせる努力が欠かせない。
 
いつ頃だったのかは定かではないが、「「マスコミには立法・行政・司法の三権を監視する使命がある」という意味合いで言われ出した言葉」としての「第四の権力」。
 
残念ながら、今では「マスコミが現に持っている権力は立法・行政・司法の三権に並んでおり、警戒すべきものである」という意味に用いられる場合は全くなくなっているようである。
 
朝日新聞の社説は内容的な事実は決して間違ってはおらず、むしろ優等生的な作文が多い。
 
誰が「首相への権力集中」に手を貸したのか、「抑制と均衡の回復を」目指す働きを行ってきたのか、という自省の念が全く感じられない。
 
「例えば森友学園問題」と言っているが、官邸の森友学園疑惑への幕引きをを誰が協力しているのか。

籠池元理事長が録音した内容から十分に安倍昭恵が関与した事実があきらかになっており、ズバリ「安倍晋三首相は総理も国会議員も辞任すべきである」と進言し、もしそうでなければ財務省が勝手に忖度しただけという証拠を提出させればよい
 
国民にとって死活問題になるようなテーマに関して、マスメディアが揃って大キャンペーンを張ったということは、最近全くなくなってきているように感じる。
 
「主権者である国民一人ひとりが絶えず目を光らせる努力が欠かせない」などと他人事のような書かれ方をみると、マスメディアは一体誰にために何のために存在するのか、少々不安になってしまう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:51| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

平日のメーデーの日に初の「平時の米艦防護」

国民的な労働者の祭典などと言われて久しい5月1日のメーデー。
 
1890年の5月1日に、アメリカやヨーロッパ各国などで 「第1回国際メーデー」が実行され、国連も認めた 「国際デー」として広がりを見せていた。
 
現在では、世界の80ヶ国以上でメーデーが祝日とされているというが、祝日としていない主な国は、OECD加盟国では、イギリスをはじめスイス、オランダ、デンマーク、そして 日本や韓国である。。
 
今年の5月1日は月曜日であったので、昨年や一昨年よりは、勤労者たちの参加が少ないように見え、その代り年金生活者の数は年々増加していることは確かである。
 
今年も都内ではナショナルセンターと言われる労働3団体はそれぞれの事情から、連合系は4月29日、全労連系は1日に代々木公園で、全労協系が日比谷野外音楽堂で開催された。
 
最大組合員数の連合のメーデーは大手紙でも翌日報道されていたが、肝心の5月1日の集会は大手マスメディアはスルー状態であった。
 
レイバーネットの「日比谷メーデーに7000人〜東部労組は『非正規差別なくせ!』と都庁行動」からの集会の様子。   
 
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【日比谷メーデー】

 
開会時刻が11時からの代々木公園での参加者の様子。
 
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【代々木公園メーデー】

 
主催者発表で3万人の参加者のデモ隊を送り続けるうたごえ隊の熱唱振り。
  
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【代々木公園メーデー】

 
さて、憲法遵守を義務付けられているはずの日本の首相は、相変わらず、「安倍首相 改憲へ『歴史的一歩を』 論議加速へ強い意欲」との記事によれば、「憲法を不磨の大典と考える国民は少数になり、いよいよ機は熟してきた。理想の憲法の具体的な姿を国民に示す時だ」と国民の感情を無視した考えを露わにしていた。
 
しかし世論調査結果では安倍晋三首相の思惑とはいささかずれている。 

 
この首相は自ら北朝鮮の脅威を国民に煽りながらも連休前にロシア、英国へと意味のない外遊をしていた。
 
当然、私人の安倍昭恵も同伴し政府専用機に同乗していた。  
 
この場合の安倍昭恵の立場とそれに伴う出費について、以前、政府は後ろめたさもありまともには答えられなかった。

昨日は、こんな動きがあった。

   「安保法任務を初実施 海自が米艦防護説明ないまま
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海上自衛隊が戦争法(安全保障関連法)に基づく「平時の米艦防護」を初めて実施した1日、命令を出した稲田朋美防衛相は驚くことに防衛省に登庁せず、公式に説明する場面はなかった。
 
公なアナウンスなき戦争法の発動は、北朝鮮情勢の展開によっては、国民が知らないまま自衛隊の米軍支援が進んでいく可能性を示した。
 
政府は平時の米艦防護に関し、米軍への妨害行為や偶発的な攻撃が発生した場合に限って実施を公表するとした運用指針を昨年末に決定し、米国からの要請の有無や自衛隊の活動内容は、米軍の弱点に関わるとして原則公表しない姿勢をとっている。
 
今回の防護命令も政府の公表ではなく、4月30日時点で報道機関の取材で明らかになっていた。
 
米艦が攻撃される可能性の低い太平洋側で、なぜ防護が必要なのか、政府は国民に説明していないが、明らかにこれは安全な海域での「実績作り」であろう。
 
他国を武力で守る集団的自衛権の行使には国会承認が必要だが、平時の米艦防護は防衛相の判断だけで実施できるという、国会も海自の活動内容を検証できない仕組みになっている。

米艦防護では武器を使った反撃が可能で、状況次第では武力衝突に発展する危険性をはらむのだが、こうした任務が国民への情報公開も国会のチェックもなく実施される戦争法の問題点が、鮮明になったわけである。
 
大手・ローカル各紙の社説をチェックして見た。
 
◆東京新聞・社説「初の米艦防護 本当に必要な任務か」 
◆毎日新聞・社説「自衛隊が初めて米艦防護 実績作りを急いでないか
◆河北新報・社説「初の米艦防護/なし崩し的拡大に歯止めを」 
◆秋田魁新報・社説「米艦防護初実施 なし崩しの恐れないか
◆神戸新聞NEXT・社説「米艦防護/一体化の歯止めはあるか
◆西日本新聞「米艦防護 なし崩しの「日米一体化」」 
◆琉球新報・社説「米艦防護開始 安保関連法を廃止せよ
 
決して政権側に忖度なんかしていない全て真っ当な記事であり、このような社説が普通に書ける報道の自由を守らなければならない。
 
ところで、「the camel's nose under the tent」(テントの下のラクダの鼻)という英文は「悪い前例」を意味する中近東の寓話から来ているらしいのだが、今朝の東京新聞・筆洗でこれを取り上げていた。  
 
 「ラクダの鼻」という言い方が英語にある。のんびりとした鼻を思い浮かべるが、その意味を知れば、ちょっと身構えたくなる。語源は中近東あたりの昔話だと聞く。こんな話である▼ある男が一頭のラクダを連れて、砂漠を旅していた。ある夜、疲れたラクダは男にこう頼み込んだ。「鼻だけテントの中に入れてもいいですか」。男は快く応じるが、その日を境にラクダはどんどん大胆になっていく。顔を、首を、脚を…。テントに入れてくる部分がどんどん大きくなる。結局、ラクダはテントの中で眠るようになり、男が出て行けといっても聞かない▼小さく、無害に見えてもそれをいったん認めれば、既成事実となり、やがて取り返しのつかぬ事態につながる。「ラクダの鼻」とはそういうたとえである▼「ラクダの鼻」になる危険は本当にないのか。海上自衛隊の護衛艦「いずも」が米海軍の補給艦防護のために、横須賀基地から出港した。安全保障関連法に基づく新任務が初めて実行に移された▼日程は約二日間。米補給艦を護衛するのは四国沖まで。本当に必要なのかの疑問も残るほどに「ラクダの鼻」程度の任務かもしれぬ▼心配なのはこうした任務の積み重ねがやがては米軍との一体化を思いもしないレベルまで強め、同時にそれに対する国民の警戒心を弱めないかである。不気味な鼻が太平洋を静かに泳いでいる。
 
「やがては米軍との一体化を思いもしないレベルまで強め、同時にそれに対する国民の警戒心を弱めないか」という指摘に対しては、政府広報紙が社説「海自『米艦防護』 双方向の協力で同盟を強固に」でこう批判していた。 
 
今後、防御が手薄な空母や、ミサイル迎撃態勢にあるイージス艦などの防護要請も想定される。
 実績を着実に重ね、双方向の協力を充実させるべきだ。
 自衛隊が役割を拡大し、非対称の関係を是正すれば、米軍が対日防衛により真剣に取り組むことにつながる。日本の発言力を高め、日米連携も緊密化しよう。
 疑問なのは、一部の野党が米艦防護を「米軍との一体化」などと批判していることだ。
 日本近海で活動する米軍艦船は基本的に、日本や地域の平和と安定を維持する任務を担っている。同盟国として、その米軍艦船を十分に守れる能力を持ちながら、法律上の制約で実行できなかった従来の状況こそが問題だった。
 米艦防護を通常の任務として円滑に実施できる同盟関係を構築することが肝要である。
 
まさに政権の見解そのものを代弁している社説である。
 
ジャーナリストならば、巨大な軍事力で「日本や地域の平和と安定を維持する」のではなく、外交の力で平和を維持するのが政治力であると政府には箴言すべきであろう。 

「『米軍との一体化』などと批判している」ことに疑問を感じる必要はない。
 
「米軍との一体化」に執着する同盟国根性丸出しの社説担当者には、改めて「ラクダの鼻」の寓話を読んでもらいたい、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 13:04| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

そもそも軽かった復興庁の位置づけと記者会見

東日本大震災復興基本法(2011年6月24日法律第76号)第4章(24条)に復興庁設置の基本方針が規定され、半年後の2011年12月9日に成立した復興庁設置法によってその目的、所掌事務、組織が具体化され、内閣の下に置かれた復興庁。
 
東日本大震災復興基本法第2条の基本理念にのっとり東北地方太平洋沖地震・東日本大震災(福島第一原子力発電所事故による災害も含む)からの復興に関する内閣の事務を内閣官房とともに助けること、主体的かつ一体的に行うべき東日本大震災からの復興に関する行政事務の円滑かつ迅速な遂行を図ることを目的とした。
 
この時点で、主目的は東北地方太平洋沖地震・東日本大震災からの復興であり、原発震災に関しては副次的に、「福島第一原子力発電所事故による災害も含む」とされていた。
 
さらには、設置法21条により震災発生から10年となる2021年3月31日までに廃止されることとされている。
 
これは民主党政権時代の当時の野田佳彦内閣時代に決められたことで、現在の安部内閣が決定したわけでない。 
 
当時から、期間限定の復興庁であったので、本来は復興庁長官と呼ばれるのだが、なぜか復興相と呼ばれている。
 
安倍政権になってからは、度重なる閣僚の不祥事で有力な大臣候補が枯渇状態となり、入閣待望組の連中の在庫整理ポストとされてきている。
 
従って復興相自身には大きな権限もなく、さらには原発震災に対する思いも知見も希薄なポンコツ大臣が誕生していた。
 
そんな極みが今回の今村雅弘復興相であろう。
 
東大法学部卒の前職はJR九州関連事業本部企画部長という国鉄マンで、1996年、国政進出後、当選7回を重ねるベテランなのだが、出身選挙区の佐賀2区は3区と合区され、比例九州ブロックにはじき出されたという経緯があり、年齢からすればもう後はないという人物である。
 
最近では、その発言には多くの批判が上がっていた。
 
被災者感情、逆なで繰り返す 復興相、度々の問題発言
 
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しかも過去には資金管理団体の金を私物化していたことも明らかになっている。
 
地元評も最悪 ブチ切れ今村復興相は政治資金で“飲み放題”
 
20170409imamura.jpg
 
こんなできそこないの大臣の「感情的になって」暴言を吐いた記者会見と、多くの批判を浴び官邸からも諌められたあとの記者会見の模様を動画で確認しておく。
 
【今村復興相 記者に激高 「無礼な事言うな。出て行きなさい!」】
 
 
【今村復興相、「自己責任」発言を撤回するも、支援策ゼロ】

 
自らの足元が危うくなっている安倍晋三首相は少しでも批判の火種を消しておくとばかりに福島県内各地を今村雅弘復興相を引き連れてお詫び行脚を行っていた。
 
<今村復興相発言 安倍首相「私からもおわび」 南相馬で>
 毎日新聞 2017年4月8日 19時17分
 安倍晋三首相は8日、今村雅弘復興相が東京電力福島第1原発事故による自主避難について「本人の責任」と発言したことに関し、「大臣は既に謝罪しているが、私からも率直におわびを申し上げたい」と陳謝した。震災復興の視察先の福島県南相馬市で記者団の質問に答えた。
 首相は「今後も福島の皆様、被災者の皆様の気持ちに寄り添いながら復興を進めていく。この安倍内閣の方針は全く変わらない」と強調。野党の辞任要求に対し、首相は6日の衆院本会議で辞任の必要はないとしており、首相自身が被災地で陳謝する形で問題の収拾を図った。首相はこの日、福島県各地を訪問し、今村氏も同行。居合わせた住民らから今村氏の発言に関する質問などはなかったという。今村氏は浪江町で記者団に「地元を元気にすることが一番大事。そうしたら(自主避難者の)皆さんが帰ってきやすくなる。しっかりやる」と語り、続投に意欲を示した。今村氏は首相と記者団とのやりとりにも立ち会い、神妙な面持ちで耳を傾けていた。
 
現在の与野党の力関係からは、安倍内閣の閣僚が国会で虚偽発言をしたり記者会見で暴言を吐いても、記憶違いとか謝罪や陳謝して発言を撤回してしまえば一切お咎めなし、という状態である。
 
ましてや記者クラブが仕切っている記者会見では幹事会社が事前に質問内容を通知して、決して担当大臣に恥をかかせない仕組みになってしまっている。
 
しかし、歴史の浅い復興庁では記者クラブ制度が無いため、大手メディア記者以外でもフリーの記者たちも会見には出席でき、かつ復興庁の職員が会見を議事進行していたため自由に質問ができたという。
 
今村雅弘復興相の「暴言発言」を誘発した質問をしたフリージャーナリストの西中誠一郎が語っていた。  
 
<今村復興大臣を激高させた“フリージャーナリスト”が安倍政権の原発被災者切り捨てとバッシングへの思いを激白!>
 2017.04.08 リテラ
 福島原発事故での自主避難者について「自己責任」「裁判でも何でもやればいい」と発言したすえに、それをフリージャーナリストに追及されると、「うるさい!」「出て行きなさい!」と激昂し、暴言を吐いた今村雅弘復興相。昨日、会見で謝罪と発言撤回を表明することで、安倍政権はそれで幕引きをはかろうとしているが、ほんとうにそんな程度ですませていいのだろうか。
 自主避難者を「自己責任」と切り捨てたその発言は明らかに「原発事故子ども・被災者支援法」という法律の条項に反するものであり、被災者に寄り添うべき復興大臣の資格はない。即刻、辞職すべきだ。
 だが、メディアはそのキレ方をおもしろおかしく取り上げているだけで、この本質的な問題にはまったく踏み込もうとしない。それどころか、保守系メディアやネット右翼の間では、復興相を追及して激昂のきっかけを作った“フリージャーナリスト”に対するバッシング攻撃まで展開されている。
「しつこい記者」「怒らせるための質問」「あいつはフリージャーナリストではなく活動家だ」……。
 そこで、会見の翌日、今村復興相にキレられた当事者である“フリージャーナリスト”こと西中誠一郎氏にインタビューを敢行した。質問の真意や今回の会見だけではなかった今村復興相の被災者軽視の態度、そして自らへのバッシングについてどう考えているかまで、権力に尻尾を振ることしか考えていないマスコミの記者とはまったくちがう、その真摯な思いをぜひ知ってほしい。
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――今村復興相の激怒会見、そして「自己責任」発言が大きな問題となり、これを受けて避難者の支援団体も大臣辞任を要求する緊急デモを各地で行っています。そこで、問題の会見の経緯や状況をお聞きしたい。
西中 自分ではこんなに大騒ぎになるとは思ってもいませんでした。会見後は別の用事で、ネットもテレビも見ていなかったんです。そしたら翌日、たくさん電話やメールが入っていて、えらい騒ぎになっていると。
 これまで原発事故関連の取材に関しては、事故直後から始まった年間20mSv「基準」撤回の取り組みや、原子力損害賠償紛争審査会、特定避難勧奨地点の設定と解除、埼玉県に集団避難した双葉町、福島県内の仮設住宅、「避難の権利」と「原発事故 子ども?被災者支援法」、いくつかの住民集団訴訟などを取材し、復興庁の記者会見には、節目節目で出てきました
 原発事故から6年が経ちますが、この間「復興の加速化」のかけ声が大きくなる一方で、避難者の姿はどんどん見え難くなり、誰がどう責任をとるのかということはうやむやにされたままです。そんな中、3月末で避難指示区域の大半が解除され、区域外避難者への住宅無償提供が打ち切られました。これは生活そのものを大きく左右する大問題です。その影響の実態や、責任の所在はどこにあるのか、国の責任とは何か? 復興大臣の考えを改めて聞きたいと思いました。
――こうした省庁の記者会見では記者クラブに加入できないフリーはなかなか質問の機会がなかったりしますが、今回はどうだったのでしょう。
西中 各省庁によって違いますが、多くは記者クラブの幹事社から質問が始まり、大手の記者、そしてフリーと続くケースが多い。しかし復興庁は記者クラブ自体がなく、職員が議事進行していました。さらに最近の会見録を見れば分かりますが、復興庁の会見は質問が少ないことが多い。今回も冒頭の大臣発言が終っても誰からも質問が出ず、そのまま記者会見が終わりそうになったので、慌てて手をあげて、一連の質問になったのです。
 もちろん今村大臣のこれまでの発言を確認しても、期待できる答えが返ってくるとは思っていませんでした。少し前の『日曜討論』(NHK、3月12日放送)でも、自主避難者に対して「故郷を捨てるのは簡単だが、戻って、とにかく頑張るんだという気持ちを持ってもらいたい」などと発言していましたからね。大臣の頭の中は、“なんで早く帰らないんだ。なぜ地元の復興のために頑張ってくれないんだ”という思いが先走っていたと思います。実際、そうした気持ちが記者会見でも伝わってきました。ですから、それはおかしいだろうと質問を繰り返したのです。
 今村大臣は“避難者の面倒を見てやる”的な上から目線の発言が多いと思いますが、もちろん、あそこまで激怒するとは思いもしませんでした。ただ国策の結果原発事故が起り、否応無しに避難生活が続いているのだから、国としての責任を、自分の言葉で語って欲しかっただけです。
――激怒のきっかけは西中さんが発した「自己責任」に関する質問でした。福島に帰りたいけれど、帰れない人がいる。この質問に対し、今村復興相は「それは本人の責任でしょう」と答えています。
西中 同様の発言は実は3月14日の記者会見でも出ていたことです。「避難指示を解除するというわけで、皆さん判断してくださいよと言っているわけです」と。4日の激怒会見の後、今村大臣は“感情的”だったことを謝罪しましたが、しかし“自己責任”という発言については当初、撤回すらしませんでした。それは本心だからでしょう。
 そもそも2015年5月、6月に、政府と福島県が相次いで「自主避難者の住宅支援を2017年3月末で終了する」と決定してから約2年間、打ち切りの撤回と住宅政策の拡充を、避難者と支援団体は、国、福島県、そして受け入れ先地方自治体などに訴え続けてきました。そして打ち切り期限が間近に迫る中、経済的に逼迫した避難者を路頭に迷わせないために、様々な必死の行政交渉や相談会を避難者自身や「避難の協同センター」などが続けてきました。しかし、第一義的な責任がある国と福島県は、その打ち切り方針を変える意志を示してきませんでした。
 2012年6月に全会一致で可決成立した「原発事故 子ども 被災者支援法」では、政府が指示した避難区域よりも広い地域を「支援対象地域」とし、そこで生活する被災者や、その地域からの避難者、帰還者、いずれの立場であっても、生活面、健康面での支援政策の実施を、国の責任において定めています。
“避難は本人の責任”などという今村大臣の信じられない発言は、そんな基本理念すら無視するということなのでしょう。
 さらに問題なのは、避難指示区域が解除され、自主避難の住宅無償提供が打ち切られるという状況が迫る中で、ぎりぎりの政府交渉や院内集会などが開催されても、出席した国と福島県は責任を押しつけあうだけで、責任の所在が全く見えず、復興大臣の存在は希薄で、話題にすらなりませんでした。
――そうした問題は、たしかにテレビや新聞などでもほとんど取り上げられていませんね。
西中 最近の会見録を見ても、原発事故の自主避難者が直面する問題を質問する記者は少なかったと思います。しかし、3月14日の記者会見で突っ込んだやり取りがあったので、問題がうやむやにならないように、避難者の生活再建の命綱である住宅問題について、国の責任を明確にしておきたかったのです。
 また3月17日、前橋地裁が原発事故の原因を東電と国の責任による人災と認め、一部の避難者に対して不十分ながら損害賠償を命じた判決がでました。現在、同様の住民集団訴訟が全国30 カ所近くで起きています。今後様々な判決が各地で出ると思いますが、原発事故で「国の責任はありません」では済まされません。
 そもそも復興庁がなぜできたのか。それは東日本大震災と、福島第一原発事故があったからです。しかし、東京オリンピックが開催される2020年までの設置期限が設けられています。震災と原発事故からわずか9年でなくなる。オリンピックまでに、「原発事故被害者はいなくなりました」と現政権は言いたいのではないかと勘ぐりたくなります。
――これまで自主避難を始め、原発事故を取材してきた西中さんにとって、そもそも今回の自主避難と住宅提供の打ち切り問題をどう見ているのでしょう。
西中 住宅無償提供の打ち切りが発表されてから2年間、避難者や支援団体と、政府や福島県との交渉や院内集会に何回も参加しましたが、大きくマスコミ報道される機会が少ない中で、3月末を迎えてしまいました。そして国は住宅対策の責任を、福島県と避難者の受け入れ先自治体に丸投げしてしまいました。
 今回の今村大臣の記者会見での発言でも、「身近な親元である福島県が事情を一番良く知っているので、国はそのサポートをしっかりする」という発言がありましたが、「親元」って一体何なのですかね? 「避難者は、県と国が作ったルールに従え!」という上からの強制力にしか聞こえません。原発事故を起こした責任がある国が、被害を受けた福島県に責任を押しつけ、帰還しなければ、被害者である避難者が「自己責任」で住宅を確保しろというのは、どう考えてもおかしいです。本来なら、福島県は避難者の側に立って、国に対して抗議すべきだと思います。
 大臣の「自己責任」という発言も、“帰還ありき”という姿勢から出てきたことは明白です。「自主避難は勝手にやったこと、わがままだ」と大臣は言わんばかりです。最近しばしば報道されるようになった、避難先での子どものいじめ問題も、こうした国の避難者への対応の現れだと思います。
 住宅無償提供の打ち切りが迫る中で、生活に困窮する避難世帯が増えてきていると聞きます。子どもの低線量被ばくや内部被ばくを避けるため、母子避難している世帯も多いわけですが、数年前まで院内集会などに出席して積極的に発言していたお母さんが、最近どんどん減ってきているように感じます。長期間の避難生活で、経済的にも精神的にも逼迫しやむを得ず福島県内に戻られたご家庭もあるでしょうが、離婚はじめ様々な事情で帰る場所すら失い、自らSOS を発信する余裕すらない。追いつめられた家族が増えているのではないかと懸念しています。
――そうした弱者をバッシングする空気は日本に蔓延しています。また今回ネットでは大臣に逆らったとして西中さんへのバッシングも起こりましたが、そんな風潮についてどう思われていますか?
西中 4月4日の記者会見以降、連日大変慌ただしい状態で、メールやSNSは一部しか読むことができません。「今村復興大臣の辞任を求める署名活動」も始まり、わずか1日で28000筆を超える署名が集まり、抗議活動や署名提出、記者会見などが相次いで行われました。ですから自分に対するバッシングには気を止める余裕がないのが現状です。
 弱者バッシングということで、この10数年関わってきた取材の中で最初に思い出したのは、2008年から2009年にかけて起った、長期非正規滞在で法務大臣に在留特別許可を求めていたフィリピン人家族に対する「ネトウヨ」と言われる人々の誹謗中傷やヘイトスピーチでした。
 私は東日本大震災以前は、入管難民問題や外国人労働者問題、「治安テロ対策」の名目で行われていた在日ムスリムや難民申請者に対する警察の違法捜査と人権侵害、朝鮮学校の高校無償化排除問題などの取材や支援活動に長らく関わっていました。
 いずれにも共通するのが、行政機関による差別的な政策が行われる中で、深刻な人権侵害が起き、それに追随するように民間のバッシングが沸き起こるという図式です。在留特別許可を求めていたフィリピン人家族のケースもそうでした。オーバーステイが違法であることは確かですが、1980年90年代に来日し、経済産業界の労働力不足を補っていたのは、紛れもなく非正規滞在の外国人労働者でした。
 しかし日本政府は極めて狭い範囲でしか、外国人労働者の在留資格を認めていないので、多くの外国人が非正規滞在のままで在留年数が長期間し、結婚し子どもが生まれ、生活基盤を日本の地域社会に形成してきました。しかし景気が悪くなると、入管は取り締まりを強化し、このフィリピン人家族も父親が入管に収容され、最終的には、日本で生まれ当時中学1年だった娘だけが在留許可され、父母はフィリピンに帰国するという選択肢を選ばざるを得ませんでした。こういう家族は実は多いのですが、このケースは大きくマスコミ報道され、家族分離の強制送還に反対し家族での在留許可を求める声と、入管周辺や家族が在住する地域でのヘイトデモなどが入り交じり、注目されました。
 しかしこの家族に対するバッシングやヘイトデモが横行したきっかけになったのは、2003年秋に東京都と法務省、東京入管、警視庁が合同で立ち上げた「当時約30万人いた不法滞在外国人を、5年間で半減させる」という「不法滞在外国人半減キャンペーン」だったと思います。「治安テロ対策」の名目で「外国人犯罪の増加」の情報操作を行政機関自ら行い摘発や強制送還を大強化する。そのお墨付きに便乗するような形で、「不良外国人は出て行け!」というヘイトスピーチが始まりました。
 こうした傾向が、日本政府の植民地政策・戦争責任を拒否する傾向が強い第二次安倍政権発足以降激しくなり、在日朝鮮人や朝鮮学校、沖縄米軍基地建設への市民の抗議活動などに対する「ヘイトスピーチ問題」に繋がっていると思います。
――たしかに、今回の西中さんへのバッシングも明らかに安倍政権支持者とネトウヨが中心になっています。
 政治や行政による無作為や差別政策により深刻な人権侵害が生まれているにも関わらず、それを利用する形で民間のヘイトスピーチや、被害者へのバッシングが横行するという傾向が、この10数年強まっているのではないでしょうか。そして国の政策を批判すると「売国奴」とか「反日極左」というレッテル貼りがはじまる。私個人は好きでやっているだけなので何と呼ばれても構いませんが、苦しい状態に追いつめられた被害者をさらに貶め、傷つけるような風潮は許せません。
 ですから、やむにやまれず「自主避難」されている原発事故被害者に対して、「自己責任」であるとか「放射脳」であるとか、帰還を強要するような風潮は絶対に止めるべきだと思います。国の政策により被害状況が深刻になっている人たちがいる。その上に新たな誹謗中傷が生じていることは確かでしょう。そのような感情が、政権、閣僚の中にも蔓延しているように思います。
 今回の今村大臣の発言にしても、国や福島県が避難当事者の意見も聞かずに一方的に住宅無償提供の打ち切りを決めたにも関わらず、その路線に従わないのはけしからん、という本音が出たのだと思います。あれだけ感情が露になったのには驚きましたが、あれが素直な気持ちなのだと思います。
 安倍政権全体がそうですよね。安倍首相自身、批判的な意見に対しては感情的に食ってかかる。「気分のナショナリズム」とでも言うのでしょうか。しかし、そのような気分や身勝手な信念で押しつぶされるのが人権であり、人々の暮らしです。そして政権は不都合な事実を隠すことしか考えていない。ですから原発事故による避難者の存在じたいが、「復興の加速化」を標榜する現政権にとって不都合な存在なのでしょう。
 しかし震災から6年たっても、福島第一原発事故は収束していないし、低線量被ばくや内部被ばくの心配をしながら、福島県内で暮らしている多くの人々や、やむにやまれず避難生活を日本各地で続けている人々がいる。そのような“現実”に、これからも向き合っていかなければならないと思います。
(インタビュー・構成 編集部)
西中誠一郎
1964年東京都生まれ ジャーナリスト。入管難民問題や外国人労働者問題、治安テロ対策と監視管理社会化、戦後補償問題などをテーマに活動。「週刊金曜日」(金曜日)や「世界」(岩波書店)などに寄稿。共著に『国家と情報――警視庁公安部「イスラム捜査」流出資料を読む』(現代書館)などがある。
 
復興庁のホームページによると、「下着ドロボー」の前科がバレた高木前復興相のあと就任した今村雅弘復興相は昨年8月3日から3日〜4日置きに精力的に記者会見を開いている
 
回数は多いのだが時間が10分から20分程度で中味は薄く、出席した記者からの質問も緩い内容が多い。 
 
幸にも「フリージャーナリスト」の質問(追及)でいみじくも今村雅弘復興相・安倍政権の実態があぶり出されたわけだが、記者クラブのほかの新聞社・テレビ局の記者は今まで何を質問してきたのかという疑問は過去の記者会見録をみれば良く分かる。
 
「自主避難者」への支援の打ち切りについて、いままで今村雅弘復興相に「国の責任」をたださなかった。
 
「記者クラブ」の弊害は以前から指摘されており、今回のようにフリージャーナリストも会見に参加できるという一部の改善はされている。
 
記者クラブ主催の記者会見は、大手企業に属している社員が中心であり、「記者」といわれているが「ジャーナリスト」と呼ばれる連中は少ない。
 
そういう点からみれば、ジャーナリスト・西中誠一郎の今回の質問は、澱み切った従来の記者会見に大きな刺激を与えたのではなかったのか、とオジサンは思う。
 
【付録】
今村復興大臣閣議後記者会見録(平成29年4月4日(火)1000〜1015 於)」 

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2017年01月10日

御用ジャーナリストや提灯持ち芸人にとって耳の痛い話

今朝、ブラウザーを立ち上げあるニュース記事を開いた途端、画面に表示された産経新聞の見出しだった。 
 
<新元号は平成31年元日から 皇室会議を経て閣議決定へ 法案提出は今年5月連休明け>
 2017.1.10 05:00 産経新聞
 天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、政府は、平成31(2019)年1月1日(元日)に皇太子さまの天皇即位に伴う儀式を行い、同日から新元号とする方向で検討に入った。国民生活への影響を最小限とするには元日の譲位が望ましいと判断した。譲位に伴う関連法案は、有識者会議の報告と衆参両院の論議を踏まえ、5月上旬にも国会に提出する見通し。譲位は「一代限り」として皇室典範改正は最小限にとどめる方向で検討を進める。
 複数の政府関係者が明らかにした。譲位の日時に関しては「○年以内に政令で定める」として法案に明記せず、皇室会議を経て閣議決定する方針。
 具体的には、平成31年元日、国事行為である「剣璽等承継の儀」(三種の神器等引き継ぎ)と「即位後朝見の儀」(三権の長らの初拝謁)を宮中で行い、官房長官が速やかに新元号を発表する方向で検討している。
 皇位継承に伴う重要儀礼である大嘗祭は、準備に半年以上を要するため、平成31年11月にずれ込む見通し。皇位継承を内外に示す国事行為「即位礼正殿の儀」は大嘗祭の前に行われるという。
 天皇陛下の譲位に関する有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)は1月23日に論点整理をまとめる。「一代限り」で譲位を可能にする法整備を求める内容になるとみられる。
 これを受け、衆参両院は譲位に関する議論を始める方針。国会での議論を受け、有識者会議は3月中に最終報告をまとめる。政府が国会に法案提出するのは、5月の連休明けになる見通しだという。
 安倍晋三首相は6日、菅義偉官房長官、杉田和博官房副長官らと譲位に関する法整備をめぐり協議した。皇室典範に関しては、付則の一部だけを改正して特例法で対応するか、本則一部も改正するか、政府内で意見が分かれている。
 皇室典範は終身在位を基本とし、譲位を想定しておらず、譲位後の称号や住居、葬儀なども定める必要がある。このため、政府は、皇室経済法や宮内庁法などの一部改正も視野に入れており、譲位関連法案としてパッケージで国会に提出することになりそうだ。
 憲法4条は「天皇は国政に関する権能を有しない」と定めており、「天皇陛下のご意向」を憲法違反にならぬ形でどのように反映させるかも焦点となる。
 ◇ 
 ■皇室会議 皇位継承や婚姻、皇籍離脱など皇室に関する重要な事項を合議する国の機関。皇室典範に定められる。首相が議長を務め、皇族(2人)、衆参両院正副議長、最高裁長官、宮内庁長官ら10人で組織される。
 ◇ 
※おことわり 譲位に関する特別措置法は、特例法に表記を改めます。 
 
少なくとも他の大手紙は報道していないので、恐らくはリークされた内容をスクープの形で書いたのであろう。
 
オジサンは特に天皇制には興味はなく、どうなっても構わないのだが、憲法第1章を削除する憲法改正には賛成する立場である。
 
ただ、またもや元号が変わることには閉口し、これを機会に元号廃止、西暦一本化になればいいと思っている。

こんな産経新聞の記事に、「今上天皇はあと2年で終わると書いた産経新聞の不敬」と批判している人がいた。
 
・・・前略・・・ 
 想定されているとはいえ、ここまではっきりと書いたのは、産経新聞がはじめてだ。
 しかし、これは言い換えれば、「今上天皇はあと2年で終わる」と書いたも同然だ。
 これほどの不敬があるだろうか。
 もちろんその不敬の極みは安倍首相だ。
 東京五輪まで何が何でも首相を務める。
 その意欲を隠そうとしない。
 つまり2020年までは何があっても日本の総理を続け、自分の手で天皇を譲位させる。
 そう言っているということだ。
 その意向を産経に書かせ、なし崩しに国民にその気にさせようとしているのだ。
 右翼の産経にスクープさせ、産経が書いたのだからほかのメディアも安心して後追い記事が書ける。
 そうして既成事実化する。
 これ以上の悪知恵があるだろうか。
 安倍首相も産経も不敬の極みである。
 みずからのお言葉を逆手にとられ、譲位だけを食い逃げされる。
 ただでさえ政治的発言を禁じられている天皇だ。
 おまけに今年は年頭所感まで口封じされた。
 今上天皇の悔しさは、いかばかりか。
 せめて国民は声をあげて、譲位関連法案の中に、「この国の首相は憲法9条遵守の義務がある、それが国家と国民の統合の象徴である天皇制の本旨だ」、という規定を明記させなくてはいけない。
・・・後略・・・
 
まあ、これもどうでも良い話なのだが、1月20日が近づくことにより、ますますトランプの言動に注目が集まるのは仕方がないことである。 
 
米国には親族を政府機関の職に採用することなどを禁じた反縁故法があるにもかかわらず、同法はホワイトハウスには適用されないと主張し、「娘婿のクシュナー氏を大統領上級顧問に起用 法令違反の指摘退ける」と、親族をホワイトハウス入りさせると発表したトランプ次期大統領。 
 
既に新体制の中には元将軍たちがおり、かれらと米国軍需産業との密なつながりによる懸念は、「オバマ大統領の最期のあがきに抗うかのようなトランプ新体制」の中でこうつぶやいた。
 
「元将軍ともなれば軍需産業界との密なつながりも予想され、国家予算で製造された人殺し武器や兵器類の消化のためには、海外で戦争を起こす必要性が必ず出てくる。
米国が核能力を『大いに強化し拡大』すべきだと言って憚らないトランプなので、一触即発の危険性をはらんでいる政権であろう。」
 
しかし、反縁故法違反もさることながら、本人の存在自体が今後は「利益相反」という大きなしがらみとなってきそうである。 
 
<(トランプショック 実像に迫る)トランプ氏、しがらみ抱え 大統領職と手広い事業、利益相反の指摘>
 2017年1月10日05時00分 朝日新聞DIGITAL
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【トランプ氏が関係する主なビジネス/商取引がある主な国】
 トランプ次期米大統領は不動産業やホテルなどのビジネスを世界で展開してきた。大統領になれば「国益」を代表することになるが、自身の事業との利益相反を生み出す恐れがある。すでに多くの訴訟や借金もあり、新大統領はビジネスリスクのしがらみを抱えて就任する。
 「大統領が利益相反を問われることはあり得ない」
 トランプ氏は大統領選後の昨年11月、米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューでこう言い放った。
 トランプ氏が大統領選の立候補時に提出した資産報告書によると、同氏が展開する関連企業や法人は500以上に及ぶ。多くが上場していないために詳細は明らかでないが、米メディアによると、少なくとも約20カ国で商取引し、外国政府とつながっている事業もあるという。
 ブッシュ政権で、ホワイトハウスの倫理担当弁護士を務めたミネソタ大学のリチャード・ペインター教授は「過去には、資産家の大統領は何人もいる。しかし、トランプ氏のように世界各国につながるビジネスを展開した人はいない」と話す。その上で、大統領としての職務と、経営者としての判断の間で、利益相反が起きるかもしれないとの懸念を示した。
 その一例は、昨年、首都ワシントンの旧郵便局の建物を改造して開業した「トランプ・インターナショナル・ホテル」だ。建物は今も米連邦政府が所有し、トランプ氏の関連企業にリースしている。トランプ氏が大統領に就くと、建物の「貸主」と「借り主」に同時になってしまう
 明らかな利益相反になるが、トランプ氏がさほど気にしている様子はない。利益相反を禁じる法律の対象に大統領がなっていないことからだ。インタビューでもトランプ氏は「法律は完全に私の側にある」と強調している。
 一方で、米国憲法は公職にある人が議会の許可なく、外国政府から贈与や報酬を受け取ることを禁じており、この規定に違反するという意見も出ている。
 ワシントンのトランプ・インターナショナル・ホテルは昨年、海外の外交官を招いたイベントを開いた。外交官からは「泊まることで、大統領への印象を良くしたい」との声が出た、と米メディアは報じている。
 オバマ政権で倫理担当弁護士を務めたノーマン・エイゼン氏は「憲法の規定は、外国政府からの影響を排除するために設けられた」と指摘、外交官からの宿泊費が会社を経由してトランプ氏の資産となれば、憲法に抵触すると話す。
 トランプ氏は昨年のツイッターで「大統領に専念するため、ビジネスを離れる」と発信。この問題について今月11日に開く記者会見で説明するとみられる。
 ただ、エイゼン氏は「トランプ氏が会社経営から離れても、所有している限りは同じだ。子どもが会社経営にかかわるという点もおかしい」という。エイゼン、ペインター両氏らが連名で出した提言では「ビジネスをすべて売却しない限り、問題は解消しない」と指摘。このままでは就任とともに違憲状態が生まれると主張している。
 ■訴訟の山、駆け込み和解も
 トランプ氏は多くの訴訟を抱えている。USAトゥデーの集計によると、関連会社を含めると、これまで4千件以上の訴訟に関わっているという。
 トランプ氏は5日、訴訟に関連して弁護士の質問に答える「宣誓供述」に時間を割かなければならなかった。米国で、訴訟が本格的に始まる前に行われる手続きだ。ワシントンのホテルに出店予定だった著名シェフが、トランプ氏の差別的な発言を理由に撤退し、トランプ氏側が「契約違反だ」と訴訟を起こした。シェフ側も争う構えで、訴訟は大統領になっても続く。
 このほか、ゴルフ場の会員から集団で訴えられた訴訟や、セクハラを報告したことを理由に解雇されたと主張する元従業員との訴訟が続いているという。
 大統領になっても、こうした訴訟からは免除されず、リスクとしてついて回る。米メディアによると、訴訟で現職大統領が最後に宣誓供述を求められたのは、セクハラで訴えられたクリントン大統領。この時に別の女性との性的関係を否定したことが偽証にあたるとして弾劾(だんがい)裁判につながった。
 トランプ氏も、大きな訴訟は就任前に決着させたいようだ。不動産セミナー「トランプ大学」の受講者たちが、「詐欺だった」として起こした集団訴訟などについては当選後、争う姿勢を一転させて2500万ドル(約29億円)を支払う和解で合意した。ただ、原告が和解を不服として争うことも可能で、法廷での手続きは終わっていない。
 ■国内外に多額負債
 「不動産王」のトランプ氏は「借金王」を名乗ったこともある。借り入れを活用することでビジネスを伸ばしてきた。
 昨年に公開した資産報告書によると、トランプ氏の関連企業は、不動産を抵当に少なくとも3億1500万ドル(約368億円)を借りている。ただ、ニューヨーク・タイムズの分析によると、実際の借入額は少なくとも6億5千万ドル(約760億円)に上る。 大統領に就任すると、この借り入れも問題になるかもしれない。資産報告書によると、トランプ氏の関連会社の主要な融資元の一つにドイツ銀行の米国法人がある。ニューヨーク・タイムズによると、中国銀行もトランプ氏が一部を所有するビルを抵当に融資をしているという。トランプ氏が、海外の金融機関から借り入れをしている形だ。
 ドイツ銀行は過去の不正取引をめぐって米司法省から厳しい追及を受け、現在もロシア関連の融資について捜査を受けているとされる。今後、トランプ氏が融資を受けている金融機関の規制も担う可能性がある。
 また、ウォールストリート・ジャーナルによると、トランプ氏の借り入れの多くは証券化され、投資家らに売られてきたため、実際には150機関以上が所有している。同紙は「幅広い金融機関が、新しい大統領に対して影響力を行使できる可能性のある立場にある」とみている。
 (ニューヨーク=中井大助)
 
世界を股にかけた実業家としての過去の負の遺産の整理はそれなりに金を使えば解決できるかもしれない。
 
しかしトランプの持って生まれた人格に関しては、正式に大統領に就任しても変わりようがなく、そのような人間が権力者となればますます弱者やマイノリティーに対する差別が顕在化する。
 
最近の日本のマスメディアはもちろん、自由な表現者であるはずの役者や芸能人たちも、権力への批判的な発言は皆無な状態に陥っている。
 
しかし米国には言うべきことはキチンというという姿勢を持ったベテラン女優がいた。 
 
<「権力者が地位を利用していじめをすると、全員が負ける」ストリープさん、トランプ氏を批判>
 2017/01/09 16:09 BuzzFeed
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 女優のメリル・ストリープさんが、長年にわたる映画界への貢献で、ゴールデングローブ賞のセシル・B・デミル賞を8日(現地時間)、受賞した。
受賞スピーチで、ストリープさんは、ドナルド・トランプ次期大統領が腕が不自由な記者の真似をした出来事に言及。「胸が張り裂けそうになった」とした上で、「権力を持っている人が、その地位を利用して他人をいじめると、私たち全員が負けることになります」と、トランプ氏を批判した。そして、芸術表現に携わる人たちに、他者への思いやりの気持ちを持ってほしいと呼びかけた。
・・・中略・・・
ストリープさんの受賞スピーチの一部訳>
 でも、今年、私を驚かせた演技がひとつありました。私はそれを目にして、衝撃を受けました。感激したからではありません。そのパフォーマンスには良いところはありませんでした。しかし効果的であり、果たすべき役割を果たしました。それは、それを期待していた聴衆を笑わせました。
私たちの国で、最も尊敬されている場所に立とうとしている人が、特権、権力、そして反撃する能力において、自分のほうがはるかに上回っているにも関わらず、体の不自由な記者の真似をしたのです。
私はそれを見たとき、 胸が張り裂けそうでした。私はまだ、自分の頭の中からそのときの記憶を消し去ることができません。なぜならそれは、映画の中の出来事ではなく、現実の出来事だったからです。
誰かに屈辱的なことをする。公の場で権力を持っている人がそのような行為をした時、他のすべての人生に影響してきます。他の人たちも同じような行動をとっても良いと、許可を与えることになるからです
無礼は無礼を招く。暴力は暴力を呼び起こす。権力者が、その地位を利用していじめをすると、私たち全員が負けることになります。
ここで、報道陣の話をさせてください。 私たちには、怒りで声をあげなくてはならない事態が起きた時に、信念のある報道陣がしっかりと声をあげてくれることが必要なのです
だからこそ、私たちの国、アメリカを建国した人たちは、憲法の中で、報道とその自由を守ることを決めたのです。だから私は、裕福なことで有名なハリウッド外国人映画記者協会と映画業界のみなさんに、ジャーナリスト保護委員会への支援を呼びかけたいのです。真実を守りながら前に進んでいくために彼らの力が必要だからです。
・・・後略・・・
 
「私たちの国で、最も尊敬されている場所に立とうとしている人が、特権、権力、そして反撃する能力において、自分のほうがはるかに上回っているにも関わらず、体の不自由な記者の真似をしたのです」

「無礼は無礼を招く。暴力は暴力を呼び起こす。権力者が、その地位を利用していじめをすると、私たち全員が負けることになります」
 
こんな熱い抗議の声は、嬉々として権力者との会食を共にすることがステータスと思っている芸能人連中は肝に銘ずるべきである。
 
さらには、「私たちには、怒りで声をあげなくてはならない事態が起きた時に、信念のある報道陣がしっかりと声をあげてくれることが必要なのです」というメリル・ストリーブの発言は、安倍晋三の鮨ともと呼ばれる似非ジャーナリスト連中にそっくり進呈してやりたい、とオジサンは思う。

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2016年12月25日

使用できない土地を返すことが負担軽減という欺瞞

昨夜は定年退職や早期退職によって企業家ではなく「起業家」になった中高年者たちの「大宴」と称する飲み会に参加した。
 
大手の企業人だったが天下りもせずに、オジサンと同年代の中高年の男女が新しい道を切り開きたいという希望に満ちた話しをしており、珍しいクリスマスイブの夜になった。
 
明けて25日はクリスマスとなり都会では華やかなイルミネーションに飾られた街中に、若者たちは吸い込まれていく。
 
日本におけるクリスマスの歴史は明治維新以前の16世紀にさかのぼるのだが、明治時代になり1900年(明治33年)に明治屋が銀座に進出し、その頃からクリスマス商戦が始まったことが大きな契機になり、日本でクリスマスが受け入れられるようになったという。
 
しかしすべての日本人がクリスマスの夜を楽しく過ごせるとは限らず、2008年のリーマンショックによる日本への影響は凄まじく、多くの季節工とか派遣労働者が職と住居を同時に失い、日比谷公園に「年越し派遣村」ができたことは忘れてはならない。
 
その頃は、「Merry Christmas」ではなく、「滅入り苦しみます」だと誰かが言っていたことを思い出す。
 
明日からクリスマス休暇をハワイですごす米国オバマ大統領とハワイ・真珠湾訪問するという安倍晋三首相。
 
大手マスメディアは当初、「現職首相の訪問は初めて」と大騒ぎだったが、実は1951年9月に当時の吉田茂首相の真珠湾訪問が表面化すると、「アリゾナ記念館を訪れるのは初めて」と一気にトーンダウンしてしまった。
 
さらに、22日付の米国「ハワイ報知」新聞は〈鳩山一郎、岸両首相も訪れていた〉との大見出しで、鳩山が1956年10月29日に、岸はアイゼンハワー大統領との会談で訪米した際の57年6月28日に、それぞれ真珠湾を訪れていた――と報じており、歴代首相としては4番目になってしまい話題性がなくなってしまった。
 
おまけに、河野洋平元副総理が、衆院議長時代の2008年12月にアリゾナ記念館を訪れていることが明らかになり、安倍晋三首相のパフォーマンスも新鮮味が全くなくなってしまったということであろう。
 
またもや不要な外遊であり国費の無駄使いである。    
   
しばしば政府にとって都合の悪い、反対派からの反発が強まることは目立たずに行ってしまうのが今の安倍政権の常套手段。
 
戦争法施行後、世論を気にして運用が先送りになっていた「グレーゾーン事態」における平時の米艦防護を可能にすることを国家安全保障会議で承認した。
 
<安保法 平時の米艦防護可能に 政府了承、運用開始>
 毎日新聞 2016年12月22日 東京夕刊
 政府は22日午前の国家安全保障会議(NSC)で、安全保障関連法で可能になった平時や有事に至らない「グレーゾーン事態」での米軍部隊の武器等防護(米艦防護)に関する指針を了承し、運用を開始した。米側との調整のため3月の関連法施行後も運用が先送りされていた。今後は米側の要請があれば防衛相の判断で自衛隊による米艦防護が可能となる。南スーダンでの駆け付け警護に加え、関連法の運用が一層本格化する。
 平時からの米艦防護は、日本の防衛に資する活動に従事する米艦を、第三国による妨害行為やテロ行為などの「武力攻撃に至らない侵害」から警護する任務。2015年4月に改定された日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)に明記された。適用場面としては北朝鮮などによる弾道ミサイル発射への警戒監視・情報収集活動や日米共同訓練などを想定している。
 運用指針によると、あらかじめ要請を受けた防衛相がその都度、米軍の活動目的や内容、周囲の情勢などを踏まえ、必要性を判断する。米側から初めて要請があった際や第三国での防護などはNSCを開き、その要否を判断する。稲田朋美防衛相は22日の記者会見で「日米同盟の抑止力、対処力が一層強化される」と意義を強調した。
 政府は相手から侵害行為を受けるなどの特異事象は速やかに公表するが、米艦防護の実施状況は「部隊の運用に支障が出る」として非公表とする。今後はまず自衛隊と米軍が机上訓練を通して実施に備える見通しだ。【村尾哲】
 
これに対して、戦争法案が国会に提出される前から、反対の論を張っていたこの人は、「平時の米艦防護は国会の関与を前提としていない。これも安保法制の欠陥だ」と批判していた。 
 
<柳沢協二さんのウオッチ安保法制 日本の開戦招くリスク>
 2016年12月25日 朝刊 東京新聞
◆「平時の米艦防護」可能に
 日米共同の警戒監視や訓練の最中に、第三国による妨害行為などから米艦を守る「平時の米艦防護」が運用可能となった。武力行使に至らないが、情勢が緊迫する「グレーゾーン事態」に対処する任務だ。米軍からの要請を受け、防衛相が実施の可否を判断する。つまり、緊張感がある程度高い状態が前提だ。
 政府は防護を実施する場合の具体例として、日米の共同訓練を挙げている。米艦の防護が必要となる共同訓練とは何か。
 太平洋の真ん中で行うような訓練で、襲撃してくる相手などいるわけがない。米軍から警護の要請があるということは、それなりに敵地に近い場所で訓練するということだ。一触即発の状況下で、第三国の軍事行動を水際で抑止するため、米軍が示威行動として行う訓練が想定できる。
 抑止とは、相手を軍事的な恐怖で抑えて戦争をさせないことだ。しかし、必要以上に追い込みすぎると、相手が恐怖に駆られて逆に先制攻撃をしかけてくるリスクもある。
 戦争とは往々にして、恐怖に駆られた予期せぬ行動がきっかけで起こるものだ。日本周辺では北朝鮮、中国との間で緊張が高まっている。相手の目の前で共同演習を行うことは、軍事的な挑発行動として受け止められる。そういう状況で自衛隊が米艦を守るために武器を使えば、日本が戦争の火ぶたを切ることになりかねない。政治家はその危険を認識すべきだ。
 他国を武力で守る集団的自衛権の行使や、戦闘中の米軍に日本が弾薬や物資を供給する重要影響事態の認定には、国会承認の仕組みが一応あるが、平時の米艦防護は国会の関与を前提としていない。これも安保法制の欠陥だ。 (聞き手・新開浩)
 <武器等防護> 政府が安全保障関連法で「武器等防護」の対象を米軍の艦艇などに拡大した。安保法整備で改正された自衛隊法は、平時から自衛隊と連携して活動する米軍などの他国軍に対し「わが国の防衛に資する活動」に従事している場合、武器等を防護できるとした。正当防衛や緊急避難の要件を満たさない場合は、危害を加える武器使用はできない。
 
そもそも「米艦の防護が必要となる共同訓練」が「太平洋の真ん中で行うような訓練」ではなく、「敵地に近い場所で訓練する」示威行動のことであり、極めてリスクの高い行動である。
 
日本が自ら好んで戦争に巻き込まれる行動になりかねない。
 
さて、最近の政治家はインターネットの発達により誰でもが簡単にブログを開設することができ、自らの意見表明を行ったり我田引水的な自慢話をする輩も多い。
 
この人の最近のブログもその傾向が強い。
 
菅義偉官房長官が自ブログで「沖縄県訪問:米軍の基地負担の更なる軽減を」というダイトルでこんなことを言っていた。
 
北部訓練場は、20年前にアメリカと沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小に関するSACO合意において、ヘリパッド代替施設建設を条件に総面積の過半、約4000haを返還することが決まっていましたが、
これまで一部のヘリパッドの工事が進まず、返還が実現していませんでした。昨年8月に私が沖縄を訪れ、北部訓練場のある東村、国頭村の村長とお会いしたときに、できるだけ早く返還してほしいという要請を受け、今年の7月から新たに4カ所のヘリパッドの建設に着手しました。
本年10月には、ヘリパッドの工事進捗状況を視察し、年内の返還に向けてアメリカと交渉することを表明し、この度の返還となりました。
返還式典には残念なことに翁長知事は出席されませんでしたが、地元から国頭村長、東村長、さらにはヘリパッドの移設先である高江区長が出席されて、この歴史的な返還の意義を分かち合いました。
 
米軍北部訓練場の部分返還について、あたかも自分の手柄の如くのような内容だが、じつは5か月ほど前にはこんなことが明らかになっていた。
 
<米は機能強化強調 北部訓練場運用計画 「最大限に活用>
 2016年7月27日 15:03 琉球新報
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】海兵隊が2013年に太平洋地域の基地運用計画についてまとめた「戦略展望2025」で、米軍北部訓練場の部分返還について機能強化と捉えていることが分かった。戦略展望では「最大で約51%の使用不可能な北部演習場を日本政府に返還する間に、限られた土地を最大限に活用する訓練場が新たに開発される」と明記している。
 日米政府は北部訓練場の部分返還を沖縄の基地負担軽減策と説明しているが、県内基地の整理統合によって基地の機能強化を進める海兵隊の戦略があらためて浮き彫りになった。
 米軍普天間飛行場の代替施設建設が予定されるキャンプ・シュワブについても「すさまじい変化を遂げる」と強調。日米両政府が合意している嘉手納より南の米軍基地の返還・統合計画については「海兵隊は、次世代の海兵隊員やその家族を支えるための最新で、近代化され、効率的な施設で利益を得るだろう」としている。
 
「嘉手納より南の米軍基地の返還・統合計画」とは、世界一危険な飛行場ではなく、手狭になり手放し、より機能的に向上する辺野古新基地に統合するということである。
 
そして、「海兵隊は、次世代の海兵隊員やその家族を支えるための最新で、近代化され、効率的な施設で利益を得るだろう」ということは、沖縄在住の海兵隊は決して日本の防衛のためではなく、抑止力にもなっていないということである。  
 
当時は在京大手紙は余り関心を示さなかったのだが、昨夜は沖縄米軍北部訓練場の返還が沖縄の負担軽減に役立つと宣伝する安倍・菅暴政の大ウソを見事に国民の前に証明してくれた番組がTBS「報道特集」で放映され、キャスターの金平茂紀が現地から報道していたという。
 
【住民負担増加? 生活の質は低下?】

 
あらためて米海兵隊「戦略ビジョン2025」を確認すると、「最大51%の使用できない土地を日本政府に返還する、一方で新しい訓練施設を使って海兵隊の土地が最大限に活用できるようになる」、そして「高江周辺6つのヘリパッドは、オスプレイの使用を想定し、各ヘリパッドで年間420回使用する」ことにより、従来使用した輸送ヘリよりも年間1200回以上多くなる。
 
一体、これのどこが「米軍の基地負担の更なる軽減」になるのか、むしろ負担増加になっているこの欺瞞性をマスメディアは追及するべきであろう、とオジサンは思う。

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2016年12月03日

人の不幸を踏み台にする疑問と懸念満載のカジノ法案

駆け付け警護に関しては、1か月前に「南スーダン 駆け付け警護に手当 6000〜7000円で」という報道があり、その中ではこう書かれていた。
 
「隊員が公務中に死亡した場合に遺族に支給する賞恤(しょうじゅつ)金(功労金)の引き上げは見送り、現行のまま6000万円とする。イラク派遣では最高額を6000万円から9000万円に引き上げた経緯があり、新任務付与に合わせての引き上げを検討していた。政府は駆け付け警護について『極めて限定的に実施する』との運用方針を示しており、危険性が大幅に高まるわけではないとして引き上げを見送ったとみられる。」
 
その後、自衛隊秋田地方協力本部大館出張所の男性隊員が作成した自衛官募集チラシのこのコピーが大きな話題となった。
  
〈稲田防衛大臣(女性)は少々頼りないですが頼れるあなたはぜひチャレンジを!〉 
 
頭に血が上った稲田朋美防衛相は、「事実関係を確認して」と指示を出し、それを受けて防衛省の武田博史報道官は「女性だから頼りないと捉え、防衛相をこのような形で取り上げているのは極めて遺憾」と会見で説明し、この隊員の処分を検討する意向を示していたが、防衛省、自衛隊内ではこの動きに反発する声が静かに広がり続けているという。
 
「こんな気の緩んだ大臣の命令で俺たちは、駆け付け警護など命懸けの任務に行くのか」という怒りも込められているのです」(防衛省職員)という声も聞こえてくるという。 
 
現場からの怒りを静めるためなのか、手当額が増額されるという。 
 
<駆け付け警護に手当8千円=弔慰金は最高9千万円−政府>
 2016/12/02-17:00 JIJI.COM
 政府は2日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊に対し、安全保障関連法で可能となった新任務「駆け付け警護」を実施した隊員には1日8000円の手当を追加支給する方針を固めた。職務執行中の死亡・傷害などに見舞金として支払われる賞じゅつ金(弔慰金)も、最高額を現行の6000万円から9000万円に引き上げる。
 同国では依然として不安定な治安情勢が続いていることなどを考慮した。近く関係する政令などを改正する方針だ。ただ、稲田朋美防衛相は新任務付与について「新たなリスクが高まるということではない」と説明しており、整合性が問われそうだ。
 道路整備などを行うため同国へ派遣されている隊員には現在、「国際平和協力手当」として、1日1万6000円が支給されている。駆け付け警護の業務に従事した場合、支給額は計2万4000円となり、イラク復興支援活動に派遣された隊員に支払われた手当と並ぶ。
 
稲田朋美防衛相は「新たなリスクが高まるということではない」と再三再四、国会で答弁していたが、それは真っ赤な嘘であることが、戦闘行為の危険性に鑑みた手当の増額という方針が見事に物語っている。 
 
ところで、自由主義貿易から保護貿易に大きく転換させようとしている米国次期大統領のトランプはかなり大胆なことを言い始めているようである。 
 
トランプ流介入、企業恐々 米キヤリア、工場国外移転を見直し
 
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【朝日新聞DIGITALより】
 
 
このトランプに関してはこんな話がある。
 
「米大統領選挙でトランプ氏の大スポンサーだったのが、世界一のカジノ王である米ラスベガス・サンズのアデルソン会長です。トランプ氏の政治資金団体に約27億円を寄付しています。そのアデルソン会長が日本進出を熱望している。日本でカジノがやれるようになれば、アデルソン会長が喜び、トランプ氏にとって大きなメリットになる。トランプ氏も、もともとカジノを経営していたビジネスマンですからね。」
 
先月、50数万円の金色のゴルフクラブを手土産にトランプに会いに行った安倍晋三首相。
 
非公開の会談内容は明らかにはされていないが、おそらく話題となったであろう日本へのカジノ進出。
   
その可能性を一気に推し進めるべく、「カジノ法案 課題山積 衆院委可決、審議6時間」となった。
 
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【毎日新聞より】

 
<依存症対策・経済効果…疑問残したまま カジノ法案可決>
 2016年12月2日22時57分 朝日新聞DIGITAL
20161203kajinorongi.jpg 自民党が採決を強行して可決させた統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解禁法案」。ギャンブル依存症など数多くの問題点が残る中、日本維新の会とタッグを組み、渋る連立パートナー公明党を押し切った。
 スピード採決に至った法案の内容には、どんな問題点があるのだろうか。
 まず、施行後1年以内をめどにカジノの運営ルールなどを定めた法制化を行うことを定めており、具体的対策は政府がつくる実施法に委ねている点だ。公明からも「政府に丸投げ」との批判がある。
 1日の衆院内閣委の審議では、公明の高木美智代氏が経済効果への疑問やギャンブル依存症対策の不備を例に挙げ、「引き続きの努力を強く求めたい」と念を押した。
 ギャンブル依存症の増加の可能性もある。厚労省が2014年に発表した調査結果では、成人の5%弱がギャンブル依存症の疑いがあると推計。韓国でも、安宿に長期間泊まってカジノに通う「カジノホームレス」と呼ばれる人たちが生まれ、行政側が対応に追われている。この日の審議では依存症対策について質問が飛んだが、提出者の松浪健太氏(維新)は「実施法で議論する」と述べるにとどめた。
 カジノの経済効果を疑問視する声もある。11月30日の審議では、島津幸広氏(共産)が、マカオやシンガポールなどのカジノで来客数の減少で売り上げが前年割れになっていると指摘。日本のIRが来日する中国人富裕層をあてこんでいるとして「大前提がすでに破綻(はたん)しつつあるのではないか」と述べた。
 超党派議連の所属議員は約240人を数えるが、朝日新聞が2014年10月に実施した世論調査では法案への「賛成」が30%で「反対」の59%が大きく上回っており、世論の理解が広がっている状況にはない。
 衆院内閣委が2日に決めた15項目にわたる付帯決議では、入場規制や患者の相談体制といったギャンブル依存症対策の整備、カジノ事業者への厳格な規制をできる体制づくりなどを求めている。IR開ける区域を法律で限定することも盛り込んだ。決議を主導した公明の井上幹事長は採決前の記者会見でこう語った。
 「中身をきちんとしておかなければ、政府としても法案をつくりようがない」
■維新と接近、公明押し切る
 「重大な法案をわずかな審議時間で強行する責任を厳しく指摘する」
 2日の内閣委員会。共産党の池内沙織氏が、自民や維新を批判した直後、秋元司委員長(自民)が採決に踏み切ると、民進党議員は「6時間もやっていないぞ」と委員長席に詰め寄った。審議は5時間33分だった。
 民進の安住淳代表代行は可決後の記者会見で「賭博に関係する法案を強行採決した。官邸が命じるような形でやるのは異様なことだ」と怒りを込めた。
 法案は議員立法だが、カジノ推進の旗振り役は、政権幹部そのものだ。
 安倍晋三首相はシンガポールでカジノを視察した際に「日本の成長戦略の目玉になる」と語り、法案を提出した超党派の議員連盟の元最高顧問でもある。カジノ参入を狙うゲーム・パチンコ機器大手セガサミーホールディングスの経営者とは会食したり、家族の披露宴に招かれたりする仲だ。
 首相側近の萩生田光一官房副長官は10月まで、議連事務局長。菅義偉官房長官も推進派で、審議入りした11月30日、周囲に「この国会で必ず成立させる」と自信をにじませた。推進派の自民議員は「首相や官房長官が推進の立場だったのが大きい」と振り返る。
 首相本人にとっても今国会での成立を急ぐ理由があった。来年の通常国会には天皇陛下の退位を可能とする法案審議を控える。国民注視の最重要法案だけに、カジノ解禁法案に力を注ぐ余裕はなくなる可能性がある。衆院解散になれば2014年と同じように廃案になるリスクもある。
 自民にとって、最大の援軍となったのが維新だ。与野党で賛否が分かれた補正予算や環太平洋経済連携協定(TPP)承認案、年金改革関連法案などにいずれも賛成するなど、今国会の重要局面で常に協力してきた。その裏で、自民との幹事長、国対委員長会談を重ね、カジノ法案成立を働きかけた。維新議員は「賛成の見返りが、IRと大阪万博、リニア新幹線の大阪延伸だ」と言い切る。
 自民と維新の接近に気おされたのが公明だ。党内論議で賛否が伯仲。1日もまとまらず意見対立が先鋭化。山口那津男代表ら幹部による常任役員会が2日朝、賛否を個々の議員にゆだねる自主投票に決めたのは、採決の3時間半前だった。
 井上義久幹事長は直後の記者会見で「議員一人一人が自ら判断しても良い」と説明。自らは衆院本会議で反対する意向を示した。採決でも対応が割れ、佐藤茂樹氏が賛成、角田秀穂、浜村進の両氏が反対に回った。採決後、山口氏は集まった議員を前に「党内議論の時間が十分取れず、極めて例外的な自主投票となり、じくじたる思いだ」と振り返った。
 公明幹部は法案の付帯決議によって、かろうじて体面を保とうとしている。井上氏は内々に自主投票の意向を固めた後、大口善徳国会対策委員長に付帯決議の作成を指示。ギャンブル依存症対策の強化など政府に求める計15項目を、A4用紙4枚にまとめさせた。自民との関係を考えると、法案に反対はできないものの、歯止めの役割を印象づけることで「ギリギリのバランス」(党幹部)を取った。
 首相が悲願とする憲法改正の発議には、数のうえで公明も維新も必要になる。衆参で単独過半数を握った自民は、国会運営で公明と維新両党をてんびんにかける余裕が生まれる政治状況がはっきりしてきた。維新の幹部は「政界の力学が変わった」と語った。
 
すでに2年前にはズバリ核心を突くこんなブログがこう語っていた。
 
「皮算用すればIR議連の活動により利益を得る人たち(カジノ企業、ジャンケット、マネロン中国人、投資銀行、銀行、パチンコ・ホール、政治家、天下り官僚)は多岐にわたる。
それに比べ、損をする人たちは一様だ。
カジノに足を踏み入れ、必ず負ける人たちである。」
 
このカジノ法案に関しては、政府のリーク記事を垂れ流しているメディアまでもがまともな批判をしていた。
 
■讀賣新聞「カジノ法案審議 人の不幸を踏み台にするのか
 
カジノの合法化は、多くの重大な副作用が指摘されている。十分な審議もせずに採決するのは、国会の責任放棄だ。
法案は2013年12月に提出され、14年11月の衆院解散で廃案になった。15年4月に再提出された後、審議されない状況が続いてきた。自民党などは、今国会を逃すと成立が大幅に遅れかねない、というが、あまりに乱暴である。
そもそもカジノは、賭博客の負け分が収益の柱となる。ギャンブルにはまった人や外国人観光客らの“散財”に期待し、他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全である。
さらに問題なのは、自民党などがカジノの様々な「負の側面」に目をつぶり、その具体的な対策を政府に丸投げしていることだ。
 
「国会の責任放棄」、「あまりに乱暴」、「極めて不健全」等々、かなり激しい言葉で批判している。
 
しかし、このような言葉は最近の政府与党の国会運営に対して、そっくりそのまま当てはまることである。
 
「特定秘密保護法」、「戦争法」、「年金カット法」など挙げればきりがない。 
 
今回のカジノ法案は政府案ではなく、超党派による議員立法なので、法案成立後にアリバイ的に社説で批判したのならば、本来のメディアの責務を果たしたとはいえないであろう、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:38| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マスメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする