2016年12月31日

JAL不当解雇撤回原告団、あれから6年

2010年12月31日、整理解雇と称してJALの客室乗務員84名、乗員81名の計165名が「整理解雇」されてから6年目を迎えて。
 
残念ながら、司法の場では、地裁・高裁と敗訴し最高裁上告は棄却されてしまった。
・2012年3月:東京地裁不当判決
・2014年6月:東京高裁不当判決
・2014年9月:最高裁に上告
・2015年2月:最高裁で上告棄却
法廷闘争はこれ以上続けることはできなかった。
 
しかし、今年の9月23日に最高裁は、「管財人の行った発言は不当労働行為である」と断罪した。
 
この事件は、2010年11月16日の労使交渉において、整理解雇に反対し真摯な労使交渉を求めてスト権投票を始めたCCUと日航乗組に対し、企業再生支援機構のディレクターと管財人代理が、「企業再生支援機構の正式な見解」として、「整理解雇を争点とする争議権を確立した場合、それを撤回するまで企業再生支援機構は3,500億円の出資はできない」と発言した不当労働行為事件です。これほど明確な不当労働行為はありません。当然、都労委は不当労働行為と認定し、救済命令を出しました。しかし、日本航空はこれを不服として、命令の取り消しを求めて、東京地裁に行政訴訟を起こしました。昨年8月東京地裁は会社の申し立を棄却。会社が控訴したことから東京高裁で争われてきました。今回の判決で地裁に続き高裁でも、弁護士である管財人の行為が不当労働行為であると再び断罪されました。   
 
不当解雇撤回裁判は、今年2月に最高裁で審理もされないまま上告棄却され、解雇有効の東京高裁判決が確定したのだが、本判決で管財人の不当労働行為が断罪されたことによって、「管財人の判断はすべて正しい」「解雇は有効だから、不当労働行為はなかった」とした判決が間違っていることが証明された訳である。
 
裁判所が選任した、公正・公平なはずの管財人が違法行為を犯したことになる。
 
本判決で、管財人が組合と話合いをし、解雇を回避する努力をせず、違法行為を犯してまで、解雇を強行したことが明らかになったことにより、解雇が強行される前に立ち戻り、解雇回避のためになすべきことを労使双方で協議すべきである。
 
そして、10月には3労組統一要求を作り日本航空に対して下記の要求書を作成し提出した。 
 
日本航空株式会社
代表取締役社長 植木 義晴 殿
      
2016年10月19日
日本航空乗員組合 執行委員長 篠崎 恵二
日本航空キャビンクルーユニオン 執行委員長 古川 麻子
日本航空機長組合 執行委員長 柴田 利浩

三度に亘るILO勧告と、今般の不当労働行為に関する最高裁の決定を真摯に受け止め、以下の三労組統一要求に回答することを求めます。また本件要求に対して、至急、貴職出席の上、三労組合同の団体交渉を開催するよう求めます。
解雇問題に関する三労組統一要求

1. 被解雇者に関する要求
@ 職場復帰を希望する被解雇者については、組合との協議に基づいて、全員を職場復帰させること。
A 復帰に当たっては、年齢や長期にわたる業務離脱を勘案し、十分な手厚い訓練を行うこと。
B 病気等の理由で原職への復帰が適わない被解雇者については、組合との協議に基づいて、地上の職場における雇用を確保すること。
C 年齢などにより職場復帰が適わない被解雇者については、組合との協議に基づいて何らかの補償を行うこと。
2. 希望退職者・特別早期退職者の再雇用に関する要求
職場の人員不足に起因する高稼働、過酷な勤務を改善し全ての乗務員が健康で安心して働ける職場とするために、再雇用を希望する希望退職者・特別早期退職者に、再雇用への道筋をつけること。
3. 解雇問題の円満解決に関する要求
不当労働行為事件を含めた争議状態を円満に解決する為に、被解雇組合員や組合が受けた多大な不利益や負担を補填すること。
4. 労使関係の正常化に関する要求
2010年12月31日付整理解雇が、労使の信頼関係を阻害しただけでなく、職場からの経営に対する信頼感も大きく損なったことを率直に認め、争議解決を通じて、労使関係の正常化、職場の信頼感の再構築、安全運航の推進に全力を挙げること。
以上
 
しかし会社側がこの要求をすんなりと認めるわけがなく、社前抗議行動や都内各駅頭宣伝行動、本社前座り込み行動等を継続的に行っている。 
 
来年は正真正銘の解決に向けての大きな山場を迎えることになりそうである。
 
丸6年を経過し、まだまだ目が離せないが、最終的な解決まで微力ながらもオジサンは支援を続けるつもりである。 
 

 
本年も最後までお付き合い、ありがとうございました。、
 
毎日「つぶやき」続けて6年目が過ぎようとしています。
 
来年も、いや明日からもお暇なら、時間の許す限りの訪問をお待ちしております。
 
   
よいお年をお迎えください!!!


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2015年12月31日

JAL不当解雇撤回原告団、あれから5年

2012/04/05 JAL解雇撤回 総決起集会(東京・四ッ谷)


2012/08/31 に公開

 
整理解雇と称してJALの客室乗務員84名、乗員81名の計165名が「整理解雇」されてから5年が経った。
 
2011年に東京地裁に提訴して闘った「JAL整理解雇原告団」は2012年3月の相次ぐ不当判決により、その後は「JAL不当解雇撤回原告団」と名称を変えて、単なる整理解雇ではなく、会社側の真の狙いである「不当労働行為」を全面に押し出して、東京高裁に控訴した。
 
そして、その高裁における控訴審もほとんどが東京地裁の判決の焼き直しのような内容の不当判決だった。
 
さらに最高裁は2月4、5日付けで、客乗訴訟・乗員訴訟とも上告棄却・上告不受理という不当な決定を下し、ほとんど審査もされずに棄却という門前払いをされてしまった。
 
法廷闘争はこれ以上続けることはできない。
 
しかし解雇された客乗84名、乗員81名は依然不安定な生活を強いられている。
 
それでは165名を整理解雇したJALはその後どうなったのか。
 
職場の労働条件の維持・向上のためJAL経営側と闘ってきた「物言う組合」の中心人物を集中的に解雇したため、職場での労働強化がますます厳しくなり、退職者が続出した。
 
特に機内では立ち仕事が多い客室乗務員の過重労働による退職が続き、以下のように毎年数百名もの新人を採用する羽目になっている。
 
◆2010年12月31日・・・ベテラン客室乗務員84名を整理解雇
◆2012年度・・・・・・新人客室乗務員650名採用
◆2013年度・・・・・・新人客室乗務員660名採用  
◆2014年度・・・・・・新人客室乗務員580名採用 
◆2015年度・・・・・・新人客室乗務員270名採用さらに既卒者を募集 
◆2016年度・・・・・・新人客室乗務員330名募集開始 
 
20年、30年というベテラン客室乗務員が一気にいなくなり、新人を600名以上も採用したのだが各フライトで新人を教える先輩も入社数年という状況で、度々、表ざたにならないような事故が相次いでいる。
 
一たび大事故になればベテランの判断が生かされず、大事故につながる可能性が大きい。 
  
パイロットに関しては航空業界全体的に人員不足である。 
 
たとえば、今年の4月1日、航空各社では入社式が行われだのだが、事実上経営破綻したスカイマークですら11人の新入社員を迎え、そのうち10人はパイロット候補生である。
 
現在スカイマークは、経営破綻し民事再生手続き中なのだが、予定通りの採用を行っている。
 
これはパイロットを育成するのには時間を要することから、継続した人材の確保が重要だという経営判断が働いている。
 
残念ながら、2010年に整理解雇を行ったJALではこの経営判断が働かず、現在ではパイロット不足に陥り、来年度の事業も縮小しなければならない有様になっている。 
 
その後の行動の大きな特徴は日航乗組とCCUがの両組合が、10月3日よりジュネーブのILO本部に要請団を派遣したことである。 

そもそも、LAJ経営は解雇強行から、LO勧告を無視し、解雇問題の完全解決に向けて一切の交渉を拒否していていた。
 
10月の訪問の目的は、2月の訪問以降の日本の最新の状況についての報告を行い、更なる支援を要請することであり、ジュネーブでの論議は多岐に渡り、新たな三次勧告やILOの一歩進んだ具体的な支援措置についての論議にまで至った。
 
そこでの最新情報の報告は、9月5日付で乗員組合とCCUからILOの結社の自由委員会に提出した「追加情報」を中心に、行い「よく整理され、分かりやすい」という感想と共に「追加情報」の内容に対して、ILO各部署の高官からは、「解雇問題に状況の進展があったことが理解できた」との率直な評価が出されたという。 
 
国内においては、塩崎厚労相は解雇問題に対して「・・・解雇終了となった労働者再雇用に関する事項は労使の協議事項である・・・」(3月は9日参議院予算委員会)、「・・・(解雇問題の解決に向けては)労使で話し合いをすることが大事・・・」(4月5日衆議院厚生労働委員会)と発言しており、これは、この4年間の中で、解決に向けては労使交渉が行われるべきことが政府見解として初めて表明され、同時に、その内容が今までに出されたILO勧告内容と同じであるということに大きな意義があった。
 
ILO本部では、労働者活動局の高官を中心に率直な意見交換が行われ、以下のようなコメント等が寄せらた。
 
・国会発言をよく読むと、国としても放置できなくなってきた、という認識が出てきていることを読み取ることできる。
・今年の年末の交渉、来春闘の交渉は、労使双方にとって大変に重要な交渉になるでしょう。実質的なきちんとした交渉にすることがとても重要です。
・再雇用に向けては開かれた交渉のもと、差別が行われないという事が大変に重要です。
・次なる勧告が出される条件は、すべて整っています。
・皆さんの選択肢としてはILOに対して一歩進んだ手段を要請することができます。
・“ILOの窓”は常に開いており、諦めずに最大限ILOを活用してください。
・日本航空という企業は、解決するまでILO監視下に置かれているという事を忘れてはなりません。
・ILOは解決するまで皆さんへの支援を継続します。頑張ってください。

20151231jalilo.jpg

以下は、「JAL不当解雇撤回ニュース」より抜粋。 
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2015年11月12日、ILOから日本政府に対して第三次勧告が出されました。今回の勧告は2013年10月の二次勧告以降の労使関係の状況と、日本政府の動き(4月15日の塩崎厚生労働大臣国会発言「労使の当事者が自主的に解決に向けて努力しなければならないことに尽きる」)などを踏まえたものです。
今回の勧告の重要な点の一つは「委員会は、本件の最新の展開に鑑み、会社と当該労働組合との意義ある対話を維持することの重要性を、今一度,強調する」と、二次勧告よりも一歩進んだ形で、労使間での自主的な解決を更に強く求めている点です。 
また、ILOは「労働者の整理解雇の問題について、真に交渉についていたかどうかという点について、労働者と使用者間で意見の相違がある」と指摘しています。このことは、組合がこの4年間、解決に向けての協議を求め続けていることに対して、会社側の言う交渉が解決に向けた本当の交渉にはなっていないということをILOが把握し、指摘していることを示しています。
 
 今回の勧告では、次に示すように、JALの経営に対して、JALグループ関連の全ての労組との話し合いを求めているのも特徴です。勧告では解雇問題の解決に向けて「会社が、本件について、事業に関係するすべての労組との討議がなされるよう会社の態度を維持することを信頼し・・・」とJALに交渉を続けるよう求めています。このことは、146名(原告数)の整理解雇がJALの一連の人員削減策の中で実施されたことから、人員削減の影響を受けたJALグループ内の全ての労働組合との協議を求めています。希望退職した整備士等の地上職員や、整備子会社である日東整の解雇問題等についても議論していく必要があることを示していると言えます。
 
◆塩崎厚生労働大臣は、2015年4月の国会で「労使の話し合いがきちんと行われるよう、注視していきたい」とILO勧告にそった答弁をしています。
◆2015年11月、ILOはJAL案件で日本政府に対して三度目の勧告を出しました。勧告は、解雇した労働者を職場に戻すために、労使で意義ある話し合いをするよう再度強く求めています。
◆JALは、労使交渉で「争議が長引くのはよくない。話し合いは続けていく」と述べていますが、未だに解決のための誠実な交渉は一度も行われていません。
◆ILOは争議の早期解決を求めています。政府もJALも国際条約であるILO勧告に従い、早く争議の解決を目指すべきです。
◆解雇を強行するために、管財人が不当労働行為を行ったことが東京高裁で断罪されました。違法な手続きで行われた解雇を撤回し、解雇した人を職場に戻すべきです。
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丸5年を経過し、いよいよ来年は会社との交渉の場での闘いとなる。
 
まだまだ目が離せないが、最終的な解決まで微力ながらもオジサンは支援を続けるつもりである。 
 
 
本年も最後までお付き合い、ありがとうございました。、
 
毎日「つぶやき」続けて5年目が過ぎようとしています。
 
来年も、いや明日からもお暇なら、時間の許す限りの訪問をお待ちしております。
 
   よいお年をお迎えください!!!



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2015年02月27日

政権の意向を忖度した最高裁の自殺行為

2011年に東京地裁に提訴して闘った81名のパイロットと84名の客室乗務員ら「JAL整理解雇原告団」は2012年3月の相次ぐ不当判決により、その後は「JAL不当解雇撤回原告団」と名称を変えて、単なる整理解雇ではなく、会社側の真の狙いである「不当労働行為」を全面に押し出して、東京高裁に控訴した。
 
そして、その高裁においては周到に証拠資料と証人を準備して臨み確かな手ごたえを得たにもかかわらず2014年の9月にほとんどが東京地裁の判決の焼き直しのような内容の不当判決だったことから、2014年9月最高裁に上告した。
 
膨大な資料のため最高裁での事務局の調査には1年以上かかるものと予想されていたが、なんと半年もたたずに最高裁からは下記の「常套文句」による門前払いの用紙が送られてきた。 
 
1.上告について
 民事事件について最高裁判所に上告することが許されるのは民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び不備・食い違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。
2.上告受理申立てについて
 本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
 よって裁判官全員一致の意見で、主文の通り決定する。
 
 裁判長裁判官 鬼丸かおる
    裁判官 千葉勝美
    裁判官 小貫芳信
    裁判官 山本康幸
 
ちなみに、最高裁が上告棄却する際の根拠となる民訴法とは下記のとおりである。 
 
■民事訴訟法312条
・判決に憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法の違反があること(1項)
・法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと(2項1号)
・法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと(同項2号)
・日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと(同項2号の2)
・専属管轄に関する規定に違反したこと(特許権等に関する訴えにつき、民事訴訟法6条1項により定まる東京地方裁判所か大阪地方裁判所かの選択を誤った場合を除く)(同項3号)
・法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと(追認があった場合を除く)(同項4号)・口頭弁論の公開の規定に違反したこと(同項5号)
・判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること(理由の不備・理由の齟齬)(同項6号)
(高等裁判所にする上告の場合)判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があること(3項)
■民事訴訟法318条
 民事で、上告すべき裁判所が最高裁判所である場合は、上告理由がなくても、上告受理の申立てをすることができる。判例違反やその他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、最高裁は、上告審として事件を受理することができ、その場合には上告があったものとみなされる。


原告団のパイロットと客室乗務員は直ちに下記の声明を出した。
 
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日本では三審制が取られており、一審が地方裁判所、控訴審が高等裁判所でさらに最高裁判所に上告することができ、日本国憲法第6章「司法」の第81条にはこう書かれている。
 
【法令審査権と最高裁判所】
 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
 
これによると、全く憲法判断をしない高等裁判所の判決に対して異議を申立て最高裁判所に不服申し立てしても、最高裁は憲法判断を回避して棄却できてしまう、とも解釈できる。
 
若き佐藤高志弁護士は「最高裁判所の審理状況 〜事実上の二審制?〜」という法律コラムの中でこう解説している。 
  
・・・前略・・・
民事事件判決に対する最高裁判所への不服申立方法は,@上告(民事訴訟法311条1項)とA上告受理申立(同法318条1項)の2通りがありますが,その要件は極めて厳しいものです。@の上告理由は同法312条に列挙されていますが,要するに控訴審の判断に憲法違反がある場合や,事件に利害関係のある裁判官が担当してしまった場合等の通常の事件ではまずあり得ないような例外的ケースに限って認められています。裁判所が平成25年7月に公表した第5回「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(以下「本報告書」といいます。)によれば,平成24年に終了した上告事件合計2263件のうち,上告理由があるとして破棄判決がされたのはわずか2件(0.09%)ということですから,これが如何に狭き門かがわかると思います。
 Aの上告受理申立は,同法318条1項に規定されているとおり,控訴審の判断に過去の判例違反や法令解釈に関する重要事項が含まれている場合に例外的に最高裁判所が上告を受理することができるという仕組みになっています。要するに,最高裁判所が「これは最高裁判所として統一的な法令解釈を示した方が良いな。」と考えた場合に限って例外的に認められるということです。平成24年に終了した上告受理申立事件合計2817件のうち,この狭き門を突破して受理されたのはわずかに51件(1.8%)です。その他は裁判所が取り上げるに値しないということで「不受理決定」等により終結しています。いわば門前払いです(ちなみに,上告受理申立事件の半数近くは,最高裁判所が事件記録を受け取ってから3か月以内に不受理決定により門前払いされます。)。
 狭き門を突破して受理されても,その全てで申立人の主張が認められるわけではありません。最高裁判所での審理の結果,上告受理申立理由が容れられて控訴審判決等が破棄されたのは,平成24年に終了した上告受理事件51件のうち36件です。ただし,受理された事件のうち約70%が控訴審判決等を破棄しているわけですから,受理さえされれば逆転の可能性は比較的高いといえます。
 このように,最高裁判所で逆転するというのは確率論でいえば極めて例外的ケースです。当然のことですが,第1審から訴訟活動に全力を尽くすことが極めて重要です。
 
JALの165人の整理解雇という労働組合及び組合役員等を狙い撃ちした不当解雇事件は、会社更生法手続き下の企業には再建が優先されそのためには労働者を自由に解雇できるという、安倍政権が推し進めている労働法制改悪の先取りであった。
 
したがってこのような状況下で首を切られた労働者を裁判闘争によって職場に戻すことは許されないという政権の意向を忖度した最高裁の判断であったと推測できるが、これでは最高裁の自殺行為である。
 
一般の国民は、最高裁判所は「正義の最後の砦」と思っているかもしれないが、幻想に過ぎない。 
 
しかしこんな事例を認めてしまえばますます働きにくい、「物言えば唇寒し労働者」という暗黒の社会になってしまう。

22日日曜日の原告団は集会後に「日本航空は不当解雇を撤回し、165名を職場に戻せ 私たちは不当解雇撤回まで決して諦めず闘います」というアピールを出した。
 
 最高裁は、2月4日と5日の両日、JAL不当解雇撤回の客乗訴訟と乗員訴訟の上告棄却・上告不受理の不当な決定をした。客乗訴訟で4カ月、乗員訴訟では3カ月にも満たない異例の早さでの決定であった。しかも、補充書提出を承知している矢先での決定である。会社更生手続き下での初の解雇事件であることや、管財人(弁護士)の行った不当労働行為事件の行政訴訟が東京高裁で審理されている最中での決定である。また、大阪地裁の客室乗務員の裁判で「解雇無効の判決が出された直後のことである。
この異常な決定は最高裁が判断を放棄したものであり、JAL解雇撤回闘争の拡がりを嫌った意図的・政治的判断でもある。ここに強く抗議する。
JALの職場では、この4年間にパイロット170名が他社に流出して、現在パイロット不足が深刻となっている。客室乗務員も毎年600名前後の流出が続き、すでに2000名が採用されている。にもかかわらず、パイロット81名と客室乗務員84名を職場に戻さない。こうした問題にILO(国際労働機関)は強い関心を持ち、労使協議で解決するよう二度の勧告を出している。JALが自主解決を拒否しているのは、165名の解雇の真の狙いが人員削減に名を借りた労働組合潰しであり、もの言う労働者排除にあったからである。
JALの現場からは“職場が暗い”“人がいない”“勤務がきつい”の声が次々と報告されている。ベテランパイロットや客室乗務員の解雇は世界中に例がないばかりか、職場のモチベーションに悪影響を与えている。165名の不当解雇でJALの安全運航の基盤が崩れてきていることを経営者は認識すべきである。
 この4年余に亙る解雇撤回の闘いを通じて原告団は多くを学んできた。解雇撤回を求めて一人原告で闘う労働者、過労死で息子を亡くされ裁判で闘うご両親、冤罪事件に巻き込まれ闘う青年、すべて社会の不条理を許さない闘いである。JAL不当解雇撤回の闘いは4年余の運動で全国に拡がっている。国際的な連帯も強化されている。私たちの闘いは、労働組合だけでなく、広範な人々の支援によって支えられてきた。裁判が終結しても当解雇に変わりはない。私たちの闘いは人権と雇用を守らせる闘いであり、空の安全を守る闘いでもある。決して譲ることのできない闘いである。
本日、JAL不当解雇撤回原告団として新たな闘いを開始する。不当解雇撤回まで諦めず、団結して闘う決意を確認するとともに、これまで以上のご支援を呼びかけ、闘いの決意とする。

 2015年2月22日
                              JAL不当解雇撤回乗員原告団
                              JAL不当解雇撤回客乗原告団

原告団と多くの支援者は今日は最高裁判所前に結集して抗議行動を起こすことになった。
 
20150227saikousaikougi.jpg 
 
そして明日からは裁判闘争の原告団を卒業したJALのパイロットと客室乗務員たちが、日本航空に対して直接話し合いで解決を求める本来の争議団に対して争議解決まで支援しなければならない、とオジサンは思う。
 
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2014年12月31日

JAL不当解雇撤回原告団、あれから4年

整理解雇と称してJALの客室乗務員84名、乗員81名の計165名が「整理解雇」されてから4年が経った。
 
2011年に東京地裁に提訴して闘った「JAL整理解雇原告団」は2012年3月の相次ぐ不当判決により、その後は「JAL不当解雇撤回原告団」と名称を変えて、単なる整理解雇ではなく、会社側の真の狙いである「不当労働行為」を全面に押し出して、東京高裁に控訴した。
 
そして、その高裁における控訴審もほとんどが東京地裁の判決の焼き直しのような内容の不当判決だった。
 
ここで少々今までを簡単に振り返ってみよう。
 
■JAL破綻から不当解雇裁判までの経緯
・2010年1月    JAL経営破綻 管財人は労働組合に「解雇はしない」と約束する
・2010年12月31日 165名を不当解雇
・2012年3月    東京地裁で原告に不当判決
・2014年8月    JALは不当労働行裁判で敗訴
・2014年9月    東京高裁判決に対して最高裁に上告
 
■JAL破綻の原因は放漫経営
@米国との貿易不均衡の解消のためにジャンボ機113機を購入
A99か所もの地方空港乱造で赤字路線が拡大
BJAL経営の長年にわたる乱脈、放漫経営
 ★ホテル・リゾート事業・・・・1300億円損失
 ★ドル物先買い・・・・・・・・2200億円損失
 ★燃油の先物取引・・・・・・・1900億円の損失
 ⇒ この莫大な損失に対して当時の経営者は誰も責任を取っていない
  
結局、165名の解雇を強行した本当の狙いは、JAL経営に対して安全や労働条件の向上を求める労働組合を潰すことだった。
 
不当解雇時のJALの解雇基準はまさに安全を脅かす内容だった。
 ●年齢での解雇基準
  ◇機長    55歳以上
  ◇副操縦士  48歳以上
  ◇客室乗務員 53歳以上
 ●病歴での解雇基準
  一定日数以上の病欠者を対象に多くが30歳〜40歳代
そして、165名が解雇された時点での状況は、
 @人員削減目標を、パイロット110名、客室乗務員78名も超過して退職していた
 A営業利益は、約1600億円もあり
まさに解雇する理由がなく、ますます解雇の正当性が疑われている。
   
さらに驚くことに、解雇後1年数か月で、客室乗務員の新規採用が始まり、すでに1820名も入社している。
 
パイロットもそれまで中止されていた訓練が再開され新規採用も行われており、現場は人手不足状態になっている。
 
「JAL不当解雇撤回裁判原告団」が作成したニュースから、JAL再建の真相を明らかにしたい。
 
<片山管財人は、破綻したJALから約1億円の報酬を得ていた!>
 JALは政府指導の下で、2010年1月19日に会社更生法を適用して、企業再生支援機構の支援を受け、事前調整型で再建が進められてきました。更生手続き開始決定を受けて、東京地裁は管財人として、企業再生支援機構(法人管財人)と片山英二弁護士を選任しました。その後8月31日には企業再生支援機構から3500億円の出資が決められました。企業再生支援機構(現在は名称を地域経済活性化支援機構に変更)は、官民ファンド(基金)で運営される会社で、出資された3500億円は「公的資金」と言われてきたものです。
 管財人の片山英二氏は、職務遂行上の必要として、当初、弁護士など23名とJAL役員を含む5名を管財人代理に選任しました。東京地裁(民事8部)は、片山管財人の申請を許可すると同時に、管財人と管財人代理の報酬を決定しました。
 
 最高裁判所長官でも、月額報酬は207万円(2009年調べ)
 
 JAL管財人の報酬は、月額580万円(8月からは460万円)
  
2010年12月31日、JALで165人(パイロット81人、客室乗務員84人)が管財人片山英二氏の名で解雇されました。165人は仕事を奪われ、人生設計や生活を破壊され、人間としての誇りも傷つけられました。経営破綻を口実にネテラン社員の首を切って、実は一方で、公的資金が投入された日本航空から多額の報酬を得ていたのでした。管財人と主な管財人代理の月額報酬と、任務終了後(1年3か月間)の報酬は以下の通りです。
  
 <管財人と主な管財人代理の報酬額>
 
 ■片山英二管財人   月額580万円(8月以降460万円)終了時に3330万円
 ◆石嵜信憲管財人代理 月額280万円(7月以降200万円) 8月に退任
 ◆加藤愼 管財人代理 月額160万円    終了時に1010万円
 ◆服部明人管財人代理 月額160万円    終了時に870万円
 ◆吉野公浩管財人代理 月額160万円    終了時に800万円
 
 現在、管財人の片山氏は日本航空の社外監査役に就任、管財人代理の石嵜氏、服部氏、加藤氏、吉野氏らは、整理解雇事件で会社側代理人(弁護士)となtっています。
 
 まさに企業と裁判所と管財人たちがグルになって、日本航空を偽装倒産させて、会社側の意のままにならない労働組合に属する社員たちを狙い撃ちにした悪質な解雇事件であり、その裏では公的資金を食いものにしてきた「倒産ムラ」の連中が跋扈するという企業犯罪と言ってもおかしくはない解雇事件なのである。
 
1週間前に送られたJAL解雇撤回国民共闘事務局が作成した「JAL不当解雇撤回ニュース」から、その一部を紹介する。
 
危機感のない経営者は失格
 日本航空はいま、かつて経験したことのない危機に瀕しています。それはパイロットの流出が止まらないということです。パイロットを整理解雇した後の2011年1月から今年10月までの間に、日本航空では146名(機長67名、副操縦士79名)、グループ会社を含めると170名のパイロットが同業他社に流出しています。特に今年度に入ると機長12名、副操縦士3名というように機長の退職が目立ってきています。
大量流出に人員不足。そして不当解雇された81名のパイロットは放置されたままです。こうした事態に危機感を持たない経営に、日航の将来を託すことはできません
JALはパイロット供給会社に変質
 乗員組合・機長組合の合同年末アンケートでは、回答者の67%が「他社への転職を考えている・考えたことがある」と答えています。その理由として、「賃金などの労働条件」、「乗員を大切にしない会社の雰囲気」、「労務姿勢」を挙げ、さらに副操縦士は「機長昇格年齢の遅れ」を挙げています。今、日本航空はパイロット供給会社ともいえる有り様です。
経営破綻前にパイロットの流出問題など全くありませんでした。パイロットの養成には長い時間がかかります。副操縦士になるまで3年~4年間、機長になるまではさらに10年間の歳月を要します。パイロットの大量流出が続くなら2020年の東京五輪というビジネスチャンスを日本航空は失うことになります。
警鐘を鳴らしている安全アドバイザリーグループ
 経営破綻直前の2009年12月、柳田邦男氏を座長とする安全アドバイザリーグループの「新提言書」は、「守れ、安全の砦」と題して、全役職・社員のモチベーションの重要性を強調しています。そして、日本航空の社員としての誇り、意欲の減退や一体感の希薄化は、『安全の層』を薄くすることに直結すると警告しています。まさに、安全アドバイザリーグループの危惧が現実の問題となっていることを植木社長は認識すべきです。
天の声(稲盛名誉会長)がなければ動かない植木社長
 再建にあたって稲盛会長(当時)は社員を前に「嫌な人は辞めてもらって結構です。」と発言を繰り返しました。経営のこのような考え方は、人材流出を助長させるだけなのです。
乗員組合との経営協議会でもこの流出問題が議論されましたが、植木社長は「私は(乗員を)信じている」と答えています。また、営業担当の上川専務は「どう対処していくべきかというのは、役員間で議論する必要があると思う。今、これをやると決めたものは無い」と緊張感に欠けた対応をしています。
170名のパイロットが流出しているにもかかわらず、役員会の議論にもなっていないことが明らかになりました。稲盛名誉会長の「お言葉」を待つような能天気な経営者は失格です。
植木社長の驚くべき発言
 1985年8月12日、520名の犠牲者を出した御巣鷹山事故を「日本航空の安全の原点」として、全社員が必死になって安全運航に努力してきました。植木社長も一社員として頑張ってきたはずです。
ところが、11月11日の機長・先任組合との経営協議会で、日本航空の連続事故の背景が議論になった際に驚くような発言をしています。
【機長組合】
日本航空が、過去の多くの事故で744名の尊い命を奪ってきたことは事実ではないか?
【植木社長】
それは事実。
【機長組合】
日本航空の社長として、その事故の歴史と、その背景にある労使関係を背負っているのではないか?
【植木社長】
私は、その歴史の延長上にいるわけではない。経営破綻があって再生して、あるべき論でやっている。
【機長組合】
日本航空という会社は法的に継承されている。その認識は認められない。
御巣鷹山事故は日本航空の安全の原点
 月刊誌「ZAITEN」2014年12月号に日本航空の特集記事があります。記事の中には、生花を抱えて墜落事故の慰霊塔に向かう植木義晴社長の写真が挿入されています。対外的には御巣鷹山事故の反省を装い、社内的には「過去のもの」と忘れさせようとする2枚舌の経営姿勢は許されるものではありません。
植木社長の経営姿勢は、安全問題を真剣に取り組む社員に対して「御巣鷹山事故がトラウマになっている」と安全を後回しにする稲盛名誉会長発言と同じ立場に立ったものです。
「最小の費用で最大の収入(売上)」を標榜する経営理念によって、今の職場は、人が足り無い、時間が無い、部品も無いのナイナイづくし≠フ状況となっています。
日本航空の安全の原点、御巣鷹山事故の教訓を風化させてはなりません。植木社長は、自分の頭で考えて、安全最優先を貫くとともに、不当解雇撤回と労使関係の改善を図るべきです。
 
表向きには経営破綻から脱却し上場を果たした日本航空だが、その労務政策は旧態依然としており、ますます職場の実態は悪くなっているよである。 
 
本気で経営側もこの争議を労使で話し合って解決するという姿勢を見せない限りは泥沼に陥る可能性が大きい。 
 
来年には最高裁への上告の結果が出る。
 
多くの支援者たちの力をさらに借りて、運動の輪を大きくして最高裁で決着を付けるべく支援していきたい。 
 
 
本年も最後までお付き合い、ありがとうございました。、
 
毎日「つぶやき」続けて4年目が過ぎようとしています。
 
来年も、いや明日からもお暇なら、時間の許す限りの訪問をお待ちしております。
 
   よいお年をお迎えください!!!


posted by 定年オジサン at 09:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月16日

JAL不当解雇撤回裁判の判決は 'ぐるみ判決'だった

先日、「行政機関が文書を持っていることを立証する責任は請求者側が負う」との初判断を示したのが最高裁第2小法廷での千葉勝美裁判長。
 
最高裁に上告するのは、高裁で敗訴した原告かまたは被告側。
 
大方の上告は門前払いなのだが、最高裁が上告を受理し弁論を開くと判断した段階で、高裁差し戻しの可能性が強くなり、高裁で敗訴した側が、俄然有利になる。
 
4年前の2010年大晦日に「整理解雇」と称して、日本航空(JAL)が「物言う労働組合」潰しを行って、JAL不当解雇撤回裁判が開始され、2012年3月の東京地裁ではJAL側の言い分をそっくり認めた判決で原告が敗れ、高裁に控訴した裁判闘争でも、今年の6月に、東京地裁判決を踏襲した判決が下され、原告団は最高裁へ上告した。
 
 
JAL関係のOBらが管理している「JAL再建放談」では、こんな放談が展開されていた。
 
“ 切 捨 御 免 ”も同然の高裁判決 切 捨 御 免 ”も同然の高裁判決
  乗客不在のJAL、欠航相次ぎ整備もトラブル頻発(第40号)
               JAL倒産の本質シリーズ・その3
黄門さま JALがパイロットとスチュワーデスを整理解雇した事件に対し、
 東京高等裁判所が相次いで『解雇は有効』との判決を言い渡した。
 ところが、裁判官の言い草を聞いみると、江戸時代に戻ったかの
 ように、武士の特権である『斬捨御免』を振り回しておるわい。
ガンさん 『倒産した会社なんだから仕方がない』というのが裁判官の理屈で
 すから、これじゃ何を訴えても、問答無用で片付けられちゃいます。
 ここまで露骨にお上の肩を持つようじゃぁ悪代官も顔負け、法の番人
 としては失格です。民百姓は飢えて死ね、てぇことですかねぇ。
黄門さま パイロットへの判決当日、JALではコンピューターのトラブルで
 174便が欠航となった。因果応報、なんとも暗示的であるのう。人
 を減らした挙句に安くこき使い、あくどく儲けたはずが、肝心の安全
 性や効率性まで切り下がった。大迷惑のお客さんこそいい面の皮じゃ。
ガンさん ベテランの社員がいれば、手作業で簡単に処理できる程度のトラブ
 ルなのに、国内線の3割が欠航するというお粗末。安全の屋台骨であ
 る整備の現場でも、“無資格の整備士”が、整備完了の署名をしてヒ
 コーキを飛ばせようとしたのがバレて欠航。しかも初犯じゃない……。
黄門さま 『利益至上主義』の行き着く先はこんなところで、よその国の“過
 積載フェリー転覆”を笑えた義理じゃない。奇怪な高裁判決に対して、
 乗員OBたちが、すかさず声明文を発表したのは、現状をよくよく憂
 いてのことであろう。全文を紹介しておくので、一読をお勧めじゃ。
・・・・・後略・・・

「切捨御免」の判決を下した東京高等裁判者所の裁判長の一人である「大竹たかし」に関しては、6年も前だが、ある匿名の投書がネット上に流れた。
 
・・・前略・・・
このようなことは民事20部の中では日常茶飯事である。 とりわけ、現在の甲府地方 ・ 家庭裁判所長大竹たかしが部統括として民事20部に在籍していたときに収賄関係の内部統制がひどくなった。
大竹自らが再生計画認可の見返りに賄賂を様々な筋から得ていたという話も聞く。
そして、その金で最高裁判事の座を狙っているというのである。 今の最高裁判事才口千晴は倒産専門の弁護士であったが、多額の実弾を使い最高裁判事に上り詰めている。
才口が最高裁判事に内定した時の祝賀会には、各方面から様々な関係者が集まり祝ったというが、他の最高裁判事の祝賀会とは比べ物にならないほど盛大なものであったという。
なお、大竹と才口は互いに知り合いである。 才口の最高裁判事就任に際し八面六臂の活躍をしたのが大竹だという話も聞く。
才口の最高裁判事就任については、倒産弁護士の超大物である松嶋英機の働きも大きいだろう。倒産関連では中央大学出身の弁護士たちが牛耳っており、才口、松嶋ともに中央大学出身である。
松嶋が代表を務める 「 事業再生実務家協会 」 は裁判所からの信頼も厚く ( なぜ信頼が厚いかについては様々な裏事情があるのだろう )この協会の意に反する生真面目な弁護士は裁判所からも疎まれ大口案件の管財人になることは難しい。
超大口案件の管財人になれば様々な方面からもてはやされる。営業譲渡、物品の処分に際しても管財人が全権を持っているため、投資ファンドや外資系企業などは管財人に接待攻勢をするわけである。
また、より安く営業譲渡してもらう代わりに賄賂を渡すなどということも行われる。むろん、ばれれば犯罪であるが、裁判官も同じ穴の狢であるためばれることは決してない。 裁判官も見て見ぬふりをする代わりに賄賂を受け取るのである。
倒産法関連では、検察官への通知制度が法律上廃止されている。この改正には東京地裁や弁護士からの強い意向があり廃止されたが、その本意はどうやら手続きの簡素化ということには無いようである。
才口千晴が最高裁判事に就任した時、日本の司法は死んだのだ。
最高裁判事からして腐っているのであるし、地裁裁判官にモラルを期待することが間違いなのかもしれない。

先ごろ、送られてきた「JAL不当解雇撤回ニュース」では、裁判官の黒い人脈を糾弾する内容となっていた。
 
6月3日と5日に出された東京高裁の判決は、地裁判決と同様に事実と証拠を無視し、会社側の主張をそのまま丸呑みにした許しがたい判決でした。更生計画を絶対視、管財人無謬論(誤りはない)の判決で、裁判官の良心や独立性などを全く感じさせず、労働者の働く権利や生活をも一切顧みない憲法蹂躙の判断そのものです。
裁判官は憲法で定められているように、良心に従い、独立し憲法と法律にのみ拘束されなければなりません。しかし、この結論ありきの判決の裏には、司法の独立性に疑いを持たざるを得ない事実(人脈)が次々と明らかになってきています。

◆登場人物と明らかになっている事実
 
片山英二氏(管財人)
 ●東京地裁8部から選任され、更生会社となったJALの管財人になり、JALの異常な労務のいうままに165名の解雇を強行。
 ●一方、公的資金を受けながら、自らはJALから毎月580万円の報酬と退職金3330万円などで、一年で約1億円の報酬を得る。
 ●現在はJALの社外監査役に就任。
 ●東京地裁の法廷で、証人に立った片山氏に対して、渡辺弘裁判長が「片山先生」と呼ぶなど、裁判長の対応が異常。
 
甲斐中辰夫氏(社外取締役) 
 ●元最高裁判事で、不当解雇撤回裁判が東京地裁で争われている中で、JALの社外取締役に就任し、現在も社外取締役。
 ●破たん後、元最高裁判事の才口千晴氏がJALコンプライアンス委員会の委員長となり、甲斐中氏は副委員長。
 ●片山英二管財人が、コンプライアンス委員会の報告書を丸呑みにして、経営再建の陣頭指揮を執る。
 コンプライアンス委員会の報告書を口実に経営者の責任を免罪して、社員を首切りの一方で、旧経営陣から役員に昇格させるなど、倒産族(裁判官、弁護士、学者)がグルになってJALの破たん処理。
 ●オリンパス巨額粉飾決算事件では、第三者委員会の委員長で、片山英二氏は5人のメンバーの一人だった。
 
大竹たかし(東京高裁裁判長)
 ●客室乗務員の判決で、裁判所が選任した片山英二管財人が行った、解雇の時期・規模・内容すべて合理的であったと認定。
 ●東京地裁民事20部(破産・再生の担当)の部長経験者。
 ●甲斐中辰夫氏と片山英二氏が第三者委員会のメンバーであった、オリンパス巨額粉飾事件で、企業側に有利な判決下す。
 ●大竹たかし氏と才口千晴氏は昵懇の間柄。
 
「JAL不当解雇撤回ニュース」はさらにこう続けている。 
 
そもそもの破たんの原因は、航空行政とJALの放漫経営にありました。しかし、政府も歴代の経営者も責任をとることはありませんでした。
それどころか、偏った人選でコンプライアンス委員会を立ち上げ、これを利用して、経営責任や行政責任に免罪するという仕組みを使ってきました。経営破たんの引き金となった燃油のヘッジ(2008年契約)では1937億円の損失を出しました。その責任者の一人であった菊山英樹氏は、東京地裁の法廷で、当時の経営状況と解雇の必要性をとうとうと述べ、現在では専務執行役員にまで昇格しています。
私たちは、労働者犠牲の再建は許さないと国民世論に訴えていきます。

JAL破綻までをわかりやすく説明しているのが下図である。 
 
20140709jalnews.jpg
 
被告である会社と「良心と独立性」が要求される裁判官が裏で繋がっているということは、闘っている相手側の人間がレフェリーも兼ねているようなものであろう。
 
闘いの場は最高裁に移ったが、サッカーでいえば「完全アウェイ状態」かも知れない。
 
しかしこのJAL165名の不当解雇撤回闘争は「絶対に負けられない」闘いである。
 
日本航空パイロット・客室乗務員の不当な高裁判決を跳ね返すための最高裁判所宛 団体・個人署名のお願い」を1人でも多くの国民が聞いて、読んで、協力してくれることをオジサンは願っている。

posted by 定年オジサン at 10:46| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月09日

インサイダー疑惑のJAL再建

6月3日と5日の「JAL不当解雇撤裁判」に対する東京高裁が下した判決の主旨は「会社側の整理解雇を100%容認する」内容であった。
 
事実上、管財人の手に渡った「再建会社」には労働法は全く適用されず、管財人・会社は何をしても許される、と宣言するものであり、「再建会社」を労働法の治外法権下に置くことを公然と認めるものであった。
 
あらためて、「会社更生について」をひも解いてみる。
 
会社更生とは、窮地にある株式会社について利害関係人の利害を調整しつつ、その事業の維持更生を図る手続である会社更生法にしたがって、裁判所の監督のもと、裁判所が選任した管財人(更生管財人)により企業の再建を図っていくというものです。
一般債権者のみならず担保権者や株主も対象として広く関係者の利害調整を行い再建を図る手続であり、企業の消滅が社会的影響を及ぼす、債権者数が多く債権額も大きい大規模会社を想定しています。
□会社更生の手続
裁判所へ再生手続開始申立がなされると、債務の弁済禁止などを内容とする保全処分命令の発令とともに保全管理人が選任されます。保全管理人は、更生手続開始の原因の審査を行い、事業を継続しつつ財産の調査を行って更生の見込みを裁判所に提出し、裁判所が再生の見込みがあると認めれば更生手続の開始を決定します。
・・・中略・・・
□会社更生の特徴
1. 経営者と株主は地位を失うこと
会社更生により、経営権や財産処分・管理権は、管財人に移り、さらに更生計画案において新経営者が選任されて、従来の経営者は地位を失うことになります。また、更生計画案において定められた100%減増資が行われる結果、従来の株主は地位を失うことになります。
2. 否認権制度があること
管財人は、公正な手続を確保するため、更生会社が更生手続開始前になした債権者に損害を与える一定の行為について、その法的効力を否定し、減少した財産を回復することができます。
3. 担保権の行使ができなくなること
更生会社の再生に担保権を消滅させることが必要と認められる場合、担保権者は、担保権評価相当額の返済を受ける代わりに担保権の行使ができなくなります。
4. 従業員の雇用が維持されること
雇用関係については直ちに従業員の雇用関係が失われるわけではなく、未払賃金についても一般優先債権として支払いは可能です。ただし、再建過程では一層の合理化は不可避であり、リストラの一環として解雇となる可能性もあります。
5. 債権調査・確定制度があること
債権者が届出をした債権について、管財人が認めた債権のみが更生債権・更生担保権として認められます。

「裁判所の監督のもと、裁判所が選任した管財人(更生管財人)により企業の再建を図っていく」ことが会社更生法であるので、仮に「整理解雇」されてそれを不服として裁判を起こしても「裁判所には逆らうな」ということになってしまう。
 
2年前に地裁の不当判決が下されたことを受け「JAL地裁判決の裏にあるもの」では、こんなつぶやきをした。
 
東京地裁が片山弁護士を管財人に指定し、社内では、元最高裁判所の判事を経験した2人を雇い、コンプライアンス委員会の委員長に才口千晴(元最高裁判事)、副委員長に甲斐中辰夫(元最高裁判事)という布陣を敷いていたのである。
この周到な準備の結果が、あたかも意識改革をしない労働組合の幹部を一気に社外の放り出すために、コンプライアンス委員会のお墨付きのリストラ策を金科玉条の如く行使したということになる。

まさに最初から仕組まれた「裁判所シフト」であり、これではいくら裁判で争っても勝利判決は望むべくもない状況だった。
 
そして2年前の9月19日にJALの再上場の日程が決まった。
 
企業再生支援機構は保有する全株式1億7500万株を売り出すことになるのだが、当時の想定売り出し価格は1株3790円であり、日航株は1株2000円なので、支援機構は出資した3500億円の倍近い金額を回収することになった。 
 
その頃「日航未公開株250万株取得 稲盛名誉会長が創業の京セラ上場で 約45億円の“利益”も」という話が広まっていた。
 
20140609mikoukaikabuhoyuusya.jpg
 
それが今年になってようやく「インサイダー疑惑」として国会で取り上げられていた。
 
<インサイダー疑惑まで出たJAL再上場の怪――参院自民党から立法の動き>
 2014年5月8日 週刊金曜日ニュース
20140609jalplain.jpg羽田空港を発着する国際便が3月30日から拡充したことを受け、航空各社がマスコミや電車内など各方面に広告を打ち出している。その筆頭が、一度は経営破綻したものの公的資金によって再生した日本航空(JAL)だ。
4月16日の参議院政策審議会では、JALと全日空(ANA)など競合他社の間にひろがる経営体力差、JALが目下法人税を払っていない状況を生んでいる繰越欠損金制度の是非、JAL再上場(2012年)時のインサイダー疑惑などが議論の俎上にのった。 政府からは、国土交通省航空局、内閣府(企業再生支援機構担当)、財務省主税局、公正取引委員会などが出席した。
状況を説明したのは自民党の西田昌司参議院議員。10年に経営破綻したJAL再生のための過剰支援により航空業界全体の競争環境が歪められている実態を指摘した。
西田氏は本誌にこう語る。
「JALとANAの経営体力に圧倒的な差がついてしまっている。このまま市場の原理に任せておけばJALがANAの株を買いしめる事態も起こりうる」
13年度の当期純利益(見通し)は、JALが1480億円(最終利益率11.4%)、ANAが150億円(同0.94%)で、その差は約10倍にも達する。国内航空大手2社の間に、10倍以上の差があるのはいかがなものか。借金もANAが約1兆円であるのに対し、JALは実質無借金状態。両社の経営体力差はひらく一方である。
税免除は4000億円
しかもJALは10年に破綻した後、会社更生法の繰越欠損金制度の適用を受けることになっている。同制度は、企業再生の過程で出た赤字を、翌期以降の黒字(課税対象部分)と相殺できる仕組みで、JALはこの制度を利用することで毎年1500億円前後の純利益をあげながら18年度まで法人税を払わずにすむのだ。その額は計4000億円にのぼる。
当然、この日の政審では批判がとんだ。過去に遡って納税させるのは無理があると主張する財務省に対し、自民党の脇雅史参議院幹事長は「行政が知恵を出さなければおかしい」と一蹴。西田氏も「健全な競争環境がゆがめられている。政治の力で是正する必要がある」と、議員立法に言及した。
西田氏はまた、JAL再上場時のインサイダー疑惑を問うた。
JAL再生では、企業再生支援機構が3500億円を投入したものの、会長(当時)の稲盛和夫氏は「自己資本が足りない」として第三者割当増資を要請。その結果、稲盛氏が創業者でもある京セラが50億円、大和証券が50億、その他損保業界などが計27億円の増資を引き受けることとなった。
「企業再生支援機構は、再生する企業の自己資本が足りない場合、国が追加出資に応じたり融資することを定めており、第三者が増資を引き受ける必要はないはず。にもかかわらず、翌年に上場することがわかっていながら京セラや大和証券は出資に応じた。コンプライアンスの観点からこうした出資は許されないはずだ」(西田氏)
『腐った翼JAL消滅への60年』(幻冬舎)の著書があるノンフィクションライターの森功氏も「京セラや大和は出資するべきではなかった。インサイダーの疑いはぬぐいきれない」と指摘する。
JALとANAの体力差について森氏は「事業再生のスタート地点から公平性を欠いていた。事業を縮小させることなしに国の公的資金で再生し、再上場してしまったために歪んだ競争環境が生まれている。JALは国際線からも撤退するべきだったが、稲盛さんの政治力がものを言い、そうはならなかった。不採算路線までカットしたが、一方のANAは不採算路線にも飛ばしつづけている。この先JALがANAを買収するなどということになれば、日本の信用力にも打撃になる」と話す。
国土交通省や財務省が確たる対策が打てない中、自民党参議院では議員立法の動きが出てきそうだ。政治の力でどこまで対処できるかが今後の焦点となる。
(野中大樹・本誌編集部、4月25日号)

自民党の西田昌司参議院議員は4月16日の参議院政策審議会の1週間前にはビデオレターでこんなことを言っていた。
 
こんにちは、参議院議員の西田昌司です。今日は4月9日の水曜日です。
JALは、政府の過大な援助によって企業再生をしましたが、その結果競争環境を歪め、とんでもない大きな問題を残しました。これにつきましては、自民党の参議院政審会で勉強会を開いて、もし政府がやらないのであれば議員立法も含めて対応策を考えていくべきだという見解を示して頂きました。
JAL問題について元々はJALの再生の仕方がまずかった、本来はやらなくても良い過剰な経営支援をしているという問題が有りますが、それらもこれらも上場しなければ全て政府の手で解決することが出来る問題でありました。上場してしまった事が全ての問題点です。
問題は上場企業にしてしまった結果、政府は一株たりとも株を持っておらず、完全な民間企業になりました。そうなりますと、彼らは資本の論理で自由に投資や経営もするということになります。後でそれが過剰だったと言ったとしましても、政府の意思でJALにそれを戻させると言うことは出来ません。何故かと言いますと、JALは完全な民間企業で有りますから、過大な支援をして頂いたのでそれを返します、と今の経営者がもし考えたとしましても、経営者の意思では出来ません。JAL自身が株主の物になっておりますし、株主とすれば、せっかく利益の出る体制になっているのに、何故返さなければならないのか、と言うことでもし経営者がそう言った事を行えば、当然経営者の解任ということも出てきます。
特にJALの場合には、4割以上が外国人の株主であると言われております。外資の方は高い配当に魅力を感じて沢山株を買っている訳であります。そう言った方からしますと、自分達の配当が低く成ることは許されない訳であります。これも上場企業であったらどこでも同じような事になるわけです。だからこそ、私は色んな事を整理するまで上場を少し待つべきであるという事をずっと言って来ましたけれども、行ってしまいました。

放漫経営により破綻させ、会社更生法により裁判所監督下での更生会社となる。
 
そして更生計画案において定められた100%減増資が行われる結果、従来の株主は地位を失うことになった。
 
2010年1月19日のプレスリリースにも記載されているように、
「本社のスリム化を図り、整備・客室乗務員・運航乗務員を含めて適正規模の人員構成とし、生産性向上を目指し、また、意思決定の適時・適切化を進め、若手経営層の登用等を行い、新たな経営体制を構築することが必要と考えられます。」
という人員・組織体制等の見直しと称して、JAL経営に物申す労働組合員を狙い撃ちに解雇した。
 
そして企業再生支援機構から支援決定を受けながらも、更生計画が終了する直前に当時の名誉会長の稲盛和夫が創業した京セラを中心とする関連金融グループに未公開株を割り当てた。
 
まさに国の支援を受けながら企業ぐるみのインサイダー取引で濡れ手に粟の報酬を得るための企ての犠牲者になった165名であった。
 
このままでは人生がめちゃくちゃにされた労働者は黙ってはいない。
 
最高裁に上告し「勝つまで闘う」原告団をこれからも微力ながらも支援していこう、とオジサンは思っている。  
 
posted by 定年オジサン at 11:58| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

やはり司法は死んでしまっていたのか、JAL不当解雇撤回裁判 控訴棄却

親方日の丸を背負って世界の空を飛び回っていた日本航空(JAL)の解雇争議に関しての最初のつぶやきは「大晦日の解雇」であった。
 
そのつぶやきへのコメントは当時の多くの国民のJALに対する率直な感情があった。
 
*コメント
正直雲の上の人達の話なんてどうでもいいです。
会社なんて、悪くなったらつぶれるものだって、中小に勤めていたら知っています。他の人が今までのように働いているから、これまでの人が悠々と年金をもらって過ごしていられるから自分が辞めさせられるのはくやしいって言うしょうもない内部の争いにしか見えません。
外から見たら、どうしようもないなら潰れていらないものはそぎ落としてからいるものを集めて再開した方が早いのに・・・ってしか思えません。
Posted by さくらこ at 2011年01月19日 14:40

このコメントに対してはオジサンはこう答えた。
 
*コメントへの回答
さくらこさん、コメントありがとうございます。今まで国内でも最高峰の給料をもらっていると思われていたパイロットやスチュワーデスの皆さん。しかし実態はマスメディアが正確に報道しないため伝わってはいません。
もう彼等、彼女等は「雲の上」ではなく、飛行機から放り出された「地上の人」たちです。それも自分たちは一所懸命会社に協力して給料4割カットもしながら立て直そうとしていた人たちです。中小企業の社長さんたちのように自らが汗水流して金策に駆け回り、精根尽きて会社を畳むんで皆な申し訳ないが辞めてくれ、という話ならばオジサンもしかたがないかな、と思います。しかし日航の経営悪化は最高責任者が何もしないばかりか、放漫経営の結果の大赤字です。それを従業員に押し付けていいのかといった問題が今回の日航の解雇事件なのです。

そして年が明けた2011年1月1日の「異常な年末」では「来年からは、目が離せない争議となりそうである。」と長い闘いになりそうな予感がしていた。
 
そして昨夜のアクセス数が多かった「JAL不当解雇撤回原告団、あれから3年」では、
 
おそらく、高裁判決がどのような形で下されようとも、この闘争は最高裁まで持ち込まれる可能性が強い。
年明けの通常国会では、様々な労働法制の改悪を狙う法案が提出される。
「解雇特区」と揶揄される労働者にとっては「無法地帯」が画策され「解雇自由」社会を安倍内閣は虎視眈々と狙っている。
政府の顔色を見ている裁判官の判断は決して侮れない。
安倍内閣は不要社員を金銭解決で済ませる法案を準備しており、JAL原告団が勝利して職場復帰するという政府側にとって具合の悪い前例は作りたくないというのが本音である。

と、つぶやいていたが高裁の判決は最悪の結果となった。  
 
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そして直ちに判決速報が出された。
 
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その後の高裁判決報告集会では、支援者たちの怒りで満ち溢れていた。
 
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レイバーネットでは「司法は死んでしまったのか!〜JAL不当解雇争議 控訴審判決も『解雇容認』」と原告の声を紹介していた。
 
「司法は死んでしまったのか。言葉で言い表せない憤り。企業側の論理だけを認め、社会を支える働くものを考慮しないのか。このままでは日本は暗黒社会になる」、原告の客室乗務員の女性は厳しい口調で語った。6月3日、JAL客室乗務員71名の整理解雇を争う控訴審裁判で、東京高裁は地裁判決を維持する「解雇有効」の判決を下した。「不当判決」の旗出しに、数百名の支援者からため息が漏れた。そしてそれはすぐに怒りのシュプレヒコールに変わった。山口乗員原告団団長はマイクを握り、「東京高裁は安倍内閣の“世界で一番企業が活動しやすい国にする”実行部隊に成り下がった」と声を張り上げた。内田客室乗務員原告団長は「最高裁に上告してたたかい続ける。引き続き支援を」ときっぱり語った。(M) 

解雇された労働者である原告側の声を取り上げていたが、大手マスメディアは押しなべて「発表記事」のスタイルの域を出なかった。
 
■朝日新聞「日航の整理解雇、二審も『有効』 東京高裁」 
■毎日新聞「日航訴訟:乗務員解雇、2審も有効…『会社存続に必要』
■讀賣新聞「JAL解雇のCA71人の控訴を棄却…東京高裁
■時事通信「日航整理解雇、二審も適法=客室乗務員らの訴え棄却−東京高裁
 
判決内容と原告・被告双方のコメントを「公平」に列挙してするだけで、全くの論評がなかった。 
 
読者からすれば、日本航空側と裁判所の判断が正しかったと刷り込まされてしまうことになる。 
 
直ちに、原告団と弁護団は連名で声明を出した。 
 
  事実と道理を無視したJAL客室乗務員高裁判決
 
 会社は解雇当時、史上最高の営業利益を挙げていて、パイロットを含めた165 名の解雇によるコスト削減は当時の年間営業費用のわずか 0.13%。従来の判例基準からすれば、解雇が許されないことは明白であった。
 ところが東京地裁判決は、「本件は会社更生手続きの解雇だから特別だ。どんなに営業利益が上がっていても、更生手続きで予定された人員削減体制にするために解雇は必要だった。」と解雇を容認した。
 これに対して東京高裁では、徹底的な反撃・追求が行われた。まず、更生手続きの解雇だから特別だという論理に対して、名だたる労働法学、倒産法学、会計学の学者・研究者の方々から、その理論的誤りを追求する優れた意見書が、続々と高裁に提出された。あわせて高裁では全国 25 万筆の公正な判決を求める要請書名、5万通の証人採用葉書の結果、ついに私たちが必要とする証人尋問、本人尋問、本人意見書の機会を確保し、ここに解雇の違法を裏付ける、次のような決定的な事実が証明された。
 
@ 解雇の時点で会社の人員削減目標は既に超過達成され、解雇の必要性は無かった事実。
A 解雇に至る会社の信義則違反・不当労働行為の連鎖・集中。
ア 更生手続開始当初、管財人が、ワークシェアなど雇用継続のための解雇回避措置を各労組に約束しながら、会社は後にその約束を破って常務外しの圧力下の「希望」退職強要に終始し、肝心の解雇回避努力を一切放棄した。
イ 解雇の人選基準(年齢・病欠)も、安全無視の不合理と労組の中心メンバーの狙い撃ちが明らかになった。
ウ 対等の交渉確保のための争議権確立投票に不法介入し、交渉では解雇時点の在籍者数(削減目標を超過達成していた筈)を隠蔽したまま解雇を強要した。
エ 以上の信義則違反・不当労働行為は、これに先立つ過去何十年にわたる会社の一貫した労組分裂・差別政策と一体。
 このような、解雇の違法を裏付ける決定的な事実について、会社は何一つ反論・反証出来なかった。にもかかわらず判決は、そのことを悉く無視し、専ら「更生計画ありき、よって解雇有効」という論理によって解雇を認容した。このような、事実と道理を無視した判決は断じて許されない。私たちは、これまでの国民支援共闘会議、支える会の皆様の熱いご支援に心から感謝申し上げ、この不当判決を乗り越えて勝利まで闘い抜く決意である。
2014 年6 月 3 日
JAL不当解雇撤回裁判客乗原告団
JAL不当解雇撤回裁判客乗弁護団 

この解雇争議が発生した年は、まだ民主党政権時代であった。
 
まさか2年後に安倍政権が復活するとは関係者たちは予想すらしていなかった。
 
したがって「整理解雇」の濫用を主たる争点として一審を闘い、見事に敗訴してしまった。
 
そして控訴審では、「整理解雇の不必要性」の立証と共に、あとから「不当労働行為」を追加して高裁で闘った。
 
しかし高裁判決は地裁判決をそのまま踏襲していたため、不当労働行為の有無はまったく視野にすらいれてなかった。
 
hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)」では「日本航空事件と整理解雇の年齢基準」と興味ある記事を書いている。
 
「集団的自衛権行使」の容認にまっしぐらの安倍政権は、労働者をまもるべく労働法制の規制緩和を容認する改悪を掲げている。
 
そんな政権下の司法は、すでに「三権分立」の精神も矜持も捨ててしまっているのだろう。
 
昨日は判決後に原告団が記者会見したが、なぜかタイミングよく「栃木女児殺害:鹿沼の32歳男を逮捕」という「お茶の間の関心が強い」事件によってすべてのテレビメディアが占領されてしまい、全く不当判決報道が消えてしまったことに違和感を覚えてしまったのは、オジサンだけだろうか。 
 
posted by 定年オジサン at 11:08| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月29日

なぜ?朝日新聞は稲盛和夫を持ち上げるのか

2年前の大晦日に「JAL整理解雇原告団、あれから2年」の中で、オジサンは以下のようにつぶやいた。
 

産業能率大学の調査によると、従業員数が10人以上の企業経営者に「2012年の最優秀経営者」を尋ねたところ、トップは日本航空名誉会長の「稲盛和夫」氏で25.4%だった。
2010年に会社更生法の適用を申請し、上場廃止した日本航空を、わずか2年で業績を回復させ再上場させた手腕が評価された。
具体的には「非常に困難と思われた企業再建を予想外の短期間で達成した」(47歳/卸売・小売業/北海道)、「利益だけを追求せず道理に則り原理原則で経営をしている」(36歳/運輸業/山口)といった声があった。
 
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とても信じがたい結果である。
「利益だけを追求せず道理に則り原理原則で経営をしている」どころか、「利益なくして安全なし」がこの会社の哲学である。
さらに、会社更生法の適用後、希望退職者が予定より上回り、利益も計画以上も上げておきながら、意に沿わない労働組合に属しているパイロットや客室乗務員を「整理解雇」という名で、「指名解雇」した張本人が最優秀経営者というのだから、あきれてしまう。

 
そして、原告団が東京地裁の不当判決に対して控訴した東京高等裁判所では、乗員原告団の山口宏弥団長と客乗原告団の内田妙子団長が意見陳述したが、その中での稲盛和夫会長に対する部分を再掲する。

 
【乗員原告団の山口宏弥団長】
・・・前略・・・
経営破綻を機会に、影響力のある組合役員を狙い撃ちした解雇
稲盛会長は法廷で「経理上(165名を)残すことは不可能ではなかった」と証言しましたが、全くその通りだと思います。経営破綻を機会に、影響力のある組合役員を狙い撃ちした解雇であったからです。
・・・後略・・・

 
【客乗原告団の内田妙子団長】
・・・前略・・・
何のための証人尋問か―稲盛証言
裁判では、証人採否が判決の行方を大きく左右すると言われています。進行協議のなかで、私たちが証人として申請した稲盛会長(当時)について、裁判長は被控訴人代理人の抵抗に対し、「労働者に非のない整理解雇が行われたのであるから、経営のトップにいた稲盛さんからその考えを聞きたい。ご当人も言いたい事があるでしょう。証人採用は合議で決定したことです」と発言されました。私たちは稲盛会長が法廷で真実を述べられるなら、必要のない解雇であったことが証明されるにちがいないと期待しました。
そして9月30日の証人尋問で、稲盛会長は「165名の方々の賃金というのは、年間で20億程度だとおっしゃったとおり、そのときの会社の収益状況からいけば、誰が考えても、それは雇用を続けることは不可能ではないということはわかるでしょうねと、そういう意味で申し上げました。」と証言されました。
・・・後略・・・


それぞれの原告団の団長が陳述したように、165名(客室乗務員84人、運航乗務員81人)の整理解雇は破綻した経営を立て直すためには「全く必要がない解雇」であると当時から指摘されてきた。

 
それにも係らず整理解雇と称する「特定の労働組合員」を指名解雇した張本人が稲盛和夫だった。

 
高裁での闘いは組合側が申請した多数の証人尋問により東京地裁判決が不当であることが明白になり、昨年の12月24日と26日に東京高裁での控訴審が結審になった。

 
その控訴審の結審2か月前に、週刊朝日は、この解雇争議の首謀者でもある稲盛和夫に単独インタビューを行っていた。
 
<JAL名誉会長・稲盛和夫 「組織はトップの器以上にならない」>
 京セラ創業者で倒産した日本航空(JAL)をわずか2年半で再上場させた、“経営の神様”稲盛和夫氏(81)。稲盛氏が考える立派な経営哲学とはどんなものなのか、話を聞いた。
―アベノミクス効果で少しは沸いている日本ですが、今後打つ手としては、何が重要でしょうか?
 国民の意識改革が必要になると思います。国家は財政破綻への道を歩んでいるのだということを、経営者だけでなく、国民全体が認識しなくてはなりません。一人ひとりが危機意識を持ち、国や社会を再生させるための強い意志を持って、行動に移していくべきです。
―倒産したJALを3年で再生されたのも、意識改革の成果ですか?
 最も重要な課題でした。二次破綻の可能性があるにもかかわらず、JALの幹部には、死に物狂いで再建しようという熱意が感じられなかった。ですから私は、倒産した事実を十分に認識させ、必死に努力して再生計画を達成しなくては、誰も助けてくれないのだ、と説きました。
―幹部だけでなく、全社一丸となって立て直すことが重要だとおっしゃっていましたね?
 その通りです。自分たちの会社を、自分たちで守ることが肝要です。JALには、一握りの経営陣がいい加減な経営を長く続けたために、会社が倒産したのだと思っている従業員も多くいました。しかし、本当は自分たちにも責任があるのだから、今後は、従業員全員で自分たちの会社を守り、皆で力を合わせて会社を立派にしよう、そうすれば、自分たちも幸せになれるのだと叱咤激励していきました。
―会社が立派になれば幸せになれますか?
 全従業員の物心両面の幸福を追求することが、会社経営の目的の一つだと考えています。幹部だけでなく、契約社員や派遣社員を含む全従業員に、自分たちが幸せになるためにも力を合わせて立派な会社をつくり上げましょう、と話しました。全員が一丸となって、燃えるような熱意で必死に頑張ったことが、JALが再建できた一番の理由だと思います。
―若手経営者が稲盛会長の経営を学びたいと立ち上げたのが盛和塾です。本誌(8月16−23日号)で報じたように、その塾でぴあの矢内廣社長やサカイ引越センターの田島治子副会長、ソフトバンクの孫正義社長などが学びました。経営者として飛躍された方には何か特徴がありましたか?
 いえ、それはあまり感じません。自分の会社をさらに立派にしたい、立派な経営をしていきたいと思っている方が盛和塾には集まっています。皆さん、大変熱心に経営を勉強されているし、盛和塾以外の会合でも学ばれていました。そういう熱心な人が、経営者としても成長したと感じています。
―今後、稲盛会長は経営の神髄として何を伝えていきたいと思っていますか?
 会社、組織は、トップの器以上のものにはなりません。立派な会社や組織にしたいならば、まずリーダーが、自分の人間性、人格を高めることが何より大事です。経営を伸ばしたいと思うなら、心を高めなさいと、盛和塾でもずっと言ってきました。
―なぜでしょうか?
 問題に直面した時に、判断し、決断するのが会社のリーダーです。いろんな戦術・戦略がある中で、何を取捨選択して会社を経営していくかは、リーダーの価値観、もっと言うと判断基準にかかってきます。ですからリーダーというのは、フィロソフィ、つまりその人が持つ哲学が立派なものでなくてはなりません。
―立派な経営哲学とはどういうものでしょうか?
 自分の欲望や損得に根ざしたものではなく、世のため人のためになることを考えるべきです。思いやりをもった価値判断基準で、戦略・戦術を選択すべきでしょう。我欲をおさえ、「利他の心」で経営をしていけば、経営はおのずとうまくいくものです。
週刊朝日 2013年10月25日号

 
「JALには、一握りの経営陣がいい加減な経営を長く続けたために、会社が倒産したのだと思っている」多くの組合員が実際は解雇者の大半を占めている。 

 
「本当は自分たちにも責任があるのだから、今後は、従業員全員で自分たちの会社を守り、皆で力を合わせて会社を立派にしよう」というのは余りにも虫のよい話である。

 
経営破綻の基本的な責任者は経営陣であり、それを「自分たちにも責任がある」と従業員に押し付けるやり方が稲盛和夫の「フィロソフィ」であることも有名である。 

 
一般的にビジネス雑誌などが企業経営者を取り上げる「提灯記事」はその企業が宣伝広告を記載雑誌に出している場合がある。  

 
さらにこのような「カリスマ経営者」として持ち上げるような記事は、新春号と称して年頭に出されることが多い。 

 
高裁での結審の2か月前に上記の記事が週刊朝日から出たわけだが、今年の5月15日には客室乗務員の判決が、6月5日にパイロットの判決が出されるこの時期は、裁判長が判決文を書いている頃でもある。

 
すでに高裁には2014年2月26日現在で個人署名が318,000筆も届けられている。 

 
このように原告団が必死に取り組んでいる最中に、今度は週刊朝日の親会社の朝日新聞がまたもや稲盛和夫に好き勝手なことを話させていた。

 
<不屈不撓の一心:1 まずは従業員の幸せ 稲盛和夫さん>
 2014年3月24日 朝日新聞
◇京セラ名誉会長・KDDI最高顧問・日本航空名誉会長
 自らの歩みは、逆境の連続だった。だが、その体験から導き出した経営哲学と経営術は、国内外の多くの経営者に支持されている。京セラ、KDDI、日本航空。畑違いの3社を設立・成長、再生へと導いた稲盛和夫氏(82)が60年に及ぶ経営者人生を語る。
 ■JAL変えた経営理念
 《78歳の誕生日を迎えたばかりの2010年2月、経営破綻(はたん)した日本航空(JAL)の会長に就いた。二次破綻の可能性も指摘されていたところを2年8カ月で、再上場に導いた。「官僚以上に官僚的」と言われたJALを変えたのは、半世紀前の京セラの創業時に掲げた経営理念だった。》
 09年の年末でした。
 当時の前原誠司・国土交通相が「JALを何とかしてほしい。他に適任者はいません」と言ってきました。彼は京都の出身で、彼の東京の後援会長を務めたこともあります。
 ■再建に大義あるか
 でも、私は航空業界の経験も知識もない。どうすれば再建できるのかも分からない。「私の任ではない、他にいるだろう」と断ったのですが、何度も頼まれたので、義侠心(ぎきょうしん)のようなものが出てきました。そこで、JALの再建に大義があるかどうか、を考えました。
 もしJALが二次破綻したら、日本の景気、国民にも悪い影響を及ぼす。1万6千人は希望退職などで辞めて頂くけれど、残り3万2千人の職を守るのは大事なことです。日本の航空業界で、JALと全日本空輸の2社が健全な競争をすることは、利用者の国民に必要です。景気、雇用、競争という三つの大義を感じて引き受けました。
 最初にこう言いました。
 「経営の目的は、全従業員の物心両面の幸せの一点に絞ります。株主のためとかは一切ない。これまで、政府の役人、政治家の圧力を受けてきたかもしれませんが、圧力がかかれば、私が矢面に立ちます」
 幹部の反応は「はあ?」というか「何を言ってるんだろう」という感じでした。会社更生法による再建のために、弁護士、会計士も来ていた。彼らも同じでした。「更生法の適用を申請した会社の目的が従業員の幸せですか……」という受け止め方でした。
 でも、私は言いました。「従業員が幸せになれば、サービスも向上し、業績も上がる。結果、株主価値も上がる、あらゆるところにはね返ってくる。余計なことを考えなくても、この一点に絞れば、社員も一緒に努力してくれる」
 当時、現場の社員、お客さんと接するカウンターの社員、キャビンアテンダントらは社会から厳しい目で見られていました。彼らに向け、思想家の中村天風(てんぷう)氏の言葉を紹介しました。「新しい計画の成就は只(ただ)不屈不撓(ふくつふとう)の一心にあり。さらばひたむきに、只想(おも)え、気高く強く、一筋に」。各職場の壁に、この言葉を張り出しました。考え方を一生懸命説いた結果、3年足らずの短い間に再上場という成果につながったんです。
 「全従業員の物心両面の幸せ」という経営理念は、京セラ、KDDIも同じです。京セラの創業間もないころ、思いがけない出来事から思い至ったものです。
 ■労使交渉3日3晩
 私は鹿児島から京都に出てきて、松風工業という会社に入りました。でも、上司と対立し、3年で辞めました。支援者が私の持っていた技術を生かそうと、会社をつくっていただけることになった。京都セラミック(今の京セラ)です。
 設立3年目に事件が起きました。前年に入った高卒社員全員がやって来て私に要求書を差し出しました。「ボーナスは何カ月以上出すこと、来春の賃上げは何%以上」と書いてある。しかも「要求が受け入れられなかったら全員辞める」。到底、応じられません。
 夜は、彼らを自宅に呼び「何でこんなことをするんだ。力を合わせて、会社を立派にして、みんなの生活をよくしていこうと、話したじゃないか」と言いました。でも、彼らは聞き入れようとしなかった。
 60年安保の翌年です。当時の京都は共産党が強く、知事も共産党の蜷川虎三さんでした。企業経営者というのは、労働者をこき使って、労働者から搾取すると見てたんでしょうね。3日3晩、説得を続けました。同じことの繰り返しでしたが、とうとう最後の1人も納得してくれました。
 その晩、寝床で考えました。私は7人兄弟の上から2番目。親に大学を出させてもらって、親、兄弟のために何かしないといけなかった。でも、何もしてない。一方、見ず知らずの人たちを採用したばっかりに、彼らの一生も面倒みないといけない。会社経営とは何と割に合わないのだろうと、すごく悩みました。
 ■苦悩の果てに真理
 2〜3日悩んだ末の明け方、会社経営の目的を「全従業員の物心両面の幸福を追求する」と決めました。株主のためでも、経営者のためでもない。少し足りないと思ったものですから「人類社会の進歩、発展に貢献する」もつけました。
 翌朝、みんなの前で理念を説明しました。ふっきれた私は正々堂々です。私心は一切なしに、みんなのために会社を経営しようと思いました。誰にも遠慮がなくなり、従業員に率直に話ができ、自信が出ました。
 悩んで苦しんで、一つの真理を見いだした。この会社経営の目的は、京セラの全世界の社員、後に設立する第二電電(現KDDI)社員の求心力にもなりました。JALでも、再建を目指す社員の支えになったんですね。
 (聞き手=編集委員・多賀谷克彦)
     *
 いなもり・かずお 1932年、鹿児島市生まれ。鹿児島大卒業後、59年に京都セラミックを創業。「人間として何が正しいのか」を経営判断の基準に、売上高1兆2千億円超の大企業に育てた。84年にはKDDI前身の第二電電を創業。2012年、経営破綻した日本航空を会長として再建した。元京都商工会議所会頭。稲盛財団理事長。著書に「生き方」「アメーバ経営」など。


 
この記事を読んで乗員原告団の山口宏弥団長は朝日新聞の経済部の責任者に40分に渡り抗議電話をしたと言っていた。

 
「全従業員の物心両面の幸福を追求する」ためならば、会社の意に沿わない一部の従業員は解雇しても仕方がなかったという稲盛和夫の主張をそのまま朝日新聞は一言の批判もなしに掲載しているのである。

 
「私心は一切なしに、みんなのために会社を経営しようと思いました。」と昔話を自慢げに話す稲盛和夫はJALの再建の陰では自分の会社のために私腹を肥やしていた。

 
天下の朝日新聞が「日航株再上場 名誉会長出身企業など“ぬれ手であわ”京セラは45億円余」という事実をあえて指摘せず、稲盛和夫の行為をすべて正当化し、それに反対する組合員が起こした裁判を結果的に矮小化させてしまうような上記の朝日新聞の記事は、意図的な世論操作であり、判決にも影響を与えかねない反社会的な行為といわざるを得ない、とオジサンは思う。 
 
posted by 定年オジサン at 12:58| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月31日

JAL不当解雇撤回原告団、あれから3年

3年前にJALのパイロット81名、客室乗務員84名の計165名が「整理解雇」されてから3年が経った。

 
2011年に東京地裁に提訴して闘った「JAL整理解雇原告団」は2012年3月の相次ぐ不当判決により、その後は「JAL不当解雇撤回原告団」と名称を変えて、単なる整理解雇ではなく、会社側の真の狙いである「不当労働行為」を全面に押し出して、東京高裁に控訴した。

 
そして、その高裁における控訴審も今週で全て終了し判決は来年の5月と6月になった。

 
オジサンは先週の金曜日、年末ジャンボ宝くじの発売最終日に、有楽町マリオン前で支援のビラ配布を手伝った。

 
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宝くじ売り場の「1番窓口」に並んでいる人の列がマリオン前まで伸びており、最高列は約2時間前だった。
 

3年前の同時期は、JALの仲間たちもあと10日後に解雇されるとは夢にも思っていなかった。

 
会社のために費用削減に協力し進んで作業効率化も行なった組合に所属している客乗や乗員の皆さんは、自分たちは正しいことをやっているのだから首を切られることなんかあり得ない、という気持ちが残っていた。
 

しかし、いざ大晦日に解雇通知が送られてくると、一瞬の内に奈落の底に落とされた気分になったという。
 

「愛するJAL」に裏切られ、見捨てられた原告団は、空の上から地に落とされ、その後は這いつくばるような長い闘争に入った。
 

全国を走り回る支援要請キャラバンも行なわれた。
 

大量の個人、団体の署名も集めた。
 

あとは裁判長が判決文を書く迄に地道な運動を続けてより多くの世論を見方にしなければならない。
 

おそらく、高裁判決がどのような形で下されようとも、この闘争は最高裁まで持ち込まれる可能性が強い。
 

年明けの通常国会では、様々な労働法制の改悪を狙う法案が提出される。
 

「解雇特区」と揶揄される労働者にとっては「無法地帯」が画策され「解雇自由」社会を安倍内閣は虎視眈々と狙っている。
 

政府の顔色を見ている裁判官の判断は決して侮れない。
 

安倍内閣は不要社員を金銭解決で済ませる法案を準備しており、JAL原告団が勝利して職場復帰するという政府側にとって具合の悪い前例は作りたくないというのが本音である。
 

しかし、反対にこの闘争を勝利することによって、労働法制改悪の流れを変えさせることもできる。
 

明日からはそんな彼等に解雇後の4度目の正月がやってくる。
 

一日でも早く、彼等を職場に戻し空から日本を、そして世界を見させてやりたい。
 

来年は正念場の解雇撤回闘争となる。
 

微力ながらも、オジサンもマイク手にしたり、ビラを配ったりのささやかな支援を続けて生きたい。
 


 

本年も最後までお付き合い、ありがとうございました。
 

毎日「つぶやき」続けて3年目が過ぎようとしています。
 

来年も、いや明日からもお暇なら、時間の許す限りの訪問をお待ちしております。


posted by 定年オジサン at 09:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月20日

英断か、時代に逆らう全日空客室乗務員の正社員化

多くの企業経営者の本音は、毎月の固定費以外の人件費をゼロにして、売上のほとんどを利益にしたいと考えている。
 
もっと広くいえばコスト全体を限りなく減らすことが企業経営者の使命かもしれない。
 
最近では柏崎刈羽原発の再稼働に関して「安全性よりも企業利益を優先するのが私の使命」と平然と言ってのけ、厳しい非難を浴びた東京電力の廣瀬社長がその典型的な姿であろう。
 
コスト削減のしわ寄せは、その業種にもよるが製品の品質低下とか安全性の欠如といった形で現れてくる。
 
「安全性」というキーワードは様々な分野でも「食の安全性」とか「空の安全性」といった形で使われる。
 
「食の安全性」の対象範囲は広すぎるが、仮に安全性が損なわれても余程の場合以外は、即、人命に影響を及ぼすことは少ない。
 
それと比較すれば、乗務員や客室乗務員の僅かな判断ミスなどが大事故につながる可能性が高い航空会社の「空の安全性」への要求度は高い。
 
2010年の大晦日にパイロット81名、客室乗務員84名の計165名を整理解雇した日本航空(JAL)は、本来ならば「安全なくして利益なし」であるところを、稲盛和夫会長の下、「利益なくして安全なし」という社内哲学に変質してしまった。
 
詳細は、当時のオジサンのつぶやき「大晦日の解雇」や「異常な年末」を参照してください。
 
オジサンの若い時は、「国際線のJAL」「国内線のANA」とそのJALと並び称されていたのが全日空(ANA)。
 
JALの協力により制作されたテレビドラマが1970年8月23日〜1971年3月28日の毎週日曜19時30分から放映された「アテンションプリーズ」。
 
大学生だったオジサンは同年代の国際線スチュワーデスの卵たちの奮闘振りを毎週楽しみに見ていたという懐かしい想い出がある。  

当時「スチュワーデス」と呼ばれた憧れの職業も時代と共にその呼称が変わり、現在ではCA(Cabin Attendant)という和製英語で呼ばれているが、英語としては「フライトアテンダント」(Flight Attendant)、または「キャビンクルー」(Cabin Crew)が標準的である。 

そしてその職業に大きな転換をもたらしたのが「契約制」という新しい制度であった。
 
1980年代以降の国際的な航空業界の競争激化と低コスト化に対応して、外国の航空会社に比べその水準が高かった日本のスチュワーデスの給与体系を下げることを目的に1994年に日本航空が導入した雇用制度が契約制スチュワーデス制度。
 
その後、全日空や日本エアシステムなどのほかの大手航空会社も相次いで導入し、その結果、日本のスチュワーデスの給与体系が外国の航空会社より少し高い水準にまで下がったこともあり、日本の航空会社の収益性の向上と競争力強化に大きく貢献したと言われている。 

スチュワーデスの契約内容は最初に導入した日本航空を例に挙げると、当初は1年間の有期限雇用で、3年経過後は本人の希望や仕事への適性、勤務実績を踏まえて正社員への切り替えを行うもので、余程のトラブルを起こさない限り全員正社員へ移行できた。
 
なお、契約制スチュワーデスとして勤務する最初の3年間も社会保険などの福利厚生は与えられるが、無償航空券やボーナスなどの福利面は正社員より落ちる点は、他の業種における契約社員と同様である。
 
スチュワーデス契約制の導入当初はJALウェイズなどの子会社で採用し親会社に出向するという案もあったり、3年目以降の正社員移行制度がない(=有期限契約社員)契約内容であったが、1994年当時の亀井静香運輸大臣からの「労働条件の格差は緊急時のチームワークに影響を及ぼし社内の士気に悪影響を及ぼす」とのクレームなどを受け、現在のような内容に改変されている。
 
しかし、この制度は当時の日本航空乗員組合から「契約制スチュワーデス制度を考える!!」と多くの問題点を抱えていると指摘されていた。
 
JALでは現在も「JAL雇止めCAを空にもどす会」が雇い止めになった契約制客室乗務員の職場復帰に向けての裁判闘争が続けられている。
 
また、一部の外資系航空会社や新興航空会社では、実質的に3年目以降の契約更新も正社員への移行も行わない「完全有期限契約社員」として扱われるケースもある。 
 
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最近では、1994年以前に入社したスチュワーデス数も年月とともに減り、JALウェイズなどで行っている「スチュワーデス経験者による契約スチュワーデス」制度などが導入され、スチュワーデスの雇用体系もまた大きく変わろうとしている時代に入った。
 
さらに、早期退職制度もあり、早期に退職した人を対象に有限付きの契約制度なども導入されている。
 
これらの雇用制度はすべて「時給」による有期限雇用制であり、正社員とは全くの一線を引かれている。 
 
このように、非正規社員が増大しているこのご時世に、ANAでは真逆の動きが出てきた。
 
<ANA、客室乗務員を正社員採用へ 14年度から>
 2013年8月19日 Aviation Wire
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客室乗務員の全正社員化を説明するANAの河本客室センター長=8月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
 全日本空輸(ANA)は8月19日、2014年度から客室乗務員(CA)を正社員として採用すると発表した。正社員化によりCA自らの将来を描きやすくし、意欲的に働く人を早期に登用することで、サービスと顧客満足度の強化につなげたい考え。現行制度では契約社員として入社し、3年後に本人の希望や適性、勤務実績などを踏まえて正社員に登用していた。現在契約社員として働いているCAも、来年4月1日付で正社員契約に原則切り替える。
 現行制度は1995年に、当時世界的にみて高水準だった同社CAの給与水準を抑制することなどを目的として導入。ANAグループのCAは約6000人で、このうち約1600人が契約社員として働いている。ANAによると、契約社員の約8割が3年経過時に正社員となり、残り2割は契約社員として期間延長を行うという。
 ANAの契約社員のCAは、地上職を一定期間経験したり、責任者を務めることができない。正社員化により、意欲や能力がある人は、マネジメント業務など早期から役割や業務領域を拡大させ、各クラスの責任者となるパーサーや、総責任者のチーフパーサーを目指すモチベーション向上を狙う。
 新制度へ移行後の平均年収は、現在の450万円と同水準となる見通し。年金や退職金など、会社側の負担が増加する面もあるが、離職率を抑えることで毎年400人から500人程度採用している新人を1割ほど削減できると見ており、訓練費など新人育成コストを抑えられることで、人件費の大幅増にはならないという。
 契約社員として現在働いているCAは、本人が希望すれば来年4月1日付で正社員に切り替わるが、2年間の制度移行期間を設け、後から雇用形態を選ぶことも可能。
 ANA取締役執行役員の河本宏子客室センター長は、「今の制度は20年掛けて育ててきたもので、制度が破綻したわけではない。社会環境が変わる中で、そのままで行くのか、変えるのかを天秤にかけた」と制度を改める理由を述べた。また、CAや労働組合からの働きかけによる制度変更ではないとした。
 ANAによると、他の航空会社から転職してくる既卒者も、契約社員として採用しなければならないため、CAとして相応の乗務実績があっても新人と同列に扱わなければならない点が弊害になっていたという。
 また、現時点ではANAのCA志望者数は減っていないとしているが、安定的に長く働ける環境を用意することで、他業種を含めて優秀な人材の獲得競争が激化する中、採用競争力を高めたい考えを示した。
 
オジサンの昔からの持論として、「経営側から提案された制度で労働者のためになる制度はほとんどない」というのがある。
 
例えば、「来年から毎年賃上げを無条件で10%ずつ行う」なんていう制度を経営側は決して提案しない。
 
むしろ「目標管理制度」「成果主義制度」などと、一見、働くものにも利益があるように見えた新人事制度も結局は経営側のコスト削減だけが目的だったという例が少なくない。
 
安倍政権の新成長戦略では「限定社員制度」というもっともらしい制度を導入しようとしているが、職場や職種を「限定」されて採用された限定正社員は、事業の統廃合で職場や職種がなくなれば、有無を言わずに解雇されてしまう制度である。 
 
契約制スチュワーデスを最初に導入したJALは3年前の大晦日に客室乗務員を84名解雇したが、その後、職場の労働環境が悪化し客室乗務員の退職が後を絶たず、既に1000名以上の新人が採用されている。
 
利益なくして安全なし」の体制を早急に改めないと、来年以降は客室乗務員をめざす若い人を全てANAに取られてしまうだろう。
 
それにしても、悪しき労働環境が作られようとする中でのANAの来年度からの「全正社員化」という発表は、目先のコストにとらわれない企業姿勢として多いに注視していきたい、とオジサンは思う。 
 
 
posted by 定年オジサン at 10:57| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日航争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする