2017年11月22日

ゴルフは国民の1割が行うスポーツなのか


昔から、といってもいつ頃の時代かは定かではないが、日本人の特徴の一つとして「勤勉」であると言われてきた。
 
2年ほど前に、「勤勉と言われて喜んでいる日本人」と題したある人のブログでは、「江戸時代の場合は適当に行ったり休んだり、暑いからやめとこみたいな、そんなええ加減な部分も多分にあったようだ」と紹介しながら、日本人が勤勉になった時期は、「明治時代の富国強兵政策かららしい」と推論していた。
 
調べてみると、7年前には中国人と名乗る人が、YHOO知恵袋に「日本民族の勤勉性はいつから形成されましたか?」と問いかけていた。
 
その問いに対する的確な回答としてベストアンサーに選ばれた内容に説得力があった。
 
江戸時代の労働の実例として幕末期の記録によると、当時の江戸・京都・大阪などの大工の労働時間は二刻(とき)ぐらいだったようです。
昼休み・午前・午後の1日3回長い休憩があったせいですが、一刻を平均2時間12分と考えても1日の労働時間は4時間ちょっとだったということです。
建設・土木工事において、工期は特に設定されていなかったようです。
江戸時代は「効率」とは無縁の時代だったといっていいでしょう。
きわめて安定した社会が長い間続いた時代です。森林伐採など開発も規制され、様々な点で発展が抑制されていたともいえます。
最近の研究で、江戸時代の農民の生活(労働環境)はいわれてきたほど厳しいものではなかったことが分かってきています。
現状維持さえ可能なら、効率を上げて生活を良くしようとか、他の者を出し抜いて自分だけ儲けようといった考えをする必要が無かったのでしょう。
※江戸時代を「長い日曜日」と評した人もいます。
日本人が勤勉になったのは明治維新後だと思います。
「税率の増加」「徴兵制」など、農民も今まで以上に働かざるを得なくなった時期でしょう。
「勤勉さ」は「発展」につながるはずですので、急激に発展した明治以降が、日本人が急激に勤勉になった時期といえるのではないでしょうか。
さらに、太平洋戦争後、がむしゃらに働かなくては命にかかわる時代もありました。(結果的に戦後の経済発展に繋がりましたが…)
勤勉さは日本人の美徳のように思われがちですが、長い歴史を考えたらその歴史は浅く、しかも勤勉にならざるを得ないような圧力があった結果なのではないかと思えます。
 
このような時代背景から、「勤勉」ではない、即ち「遊び」に対してはお上からすれば好ましくないという考えが生じることは自然なのかもしれない。
 
オジサンがこの世に生を受けた時から約1か月後に「娯楽施設利用税」という娯楽施設の利用に対し課されていた地方税が誕生した。
 
その4年後の1954年、「入場税が第一種の施設(映画館、劇場、演芸場、競馬場など)と第二種の施設(展覧会場、遊園地など)の部分が国税として移譲されたことにより、第三種の施設(ゴルフ場、パチンコ場、マージャン場、たまつき場など)の利用に対し地方税の娯楽施設利用税として課すこととされた。
1989年の消費税導入を契機に、ゴルフ場以外の施設については税率も低く、また、消費行為の多様化により課税される施設と課税されない施設の間に不均衡もあるとの理由から、課税対象をゴルフ場に限定し、ゴルフ場利用税と改称され現在も存続している。」(Wikipediaより) 

当初の「贅沢な遊び」とされたものから税金を徴収していたいだが、徐々に国民に浸透した遊びには税がかからなくなり、最後に残ったぜいたく税が「ゴルフ場利用税」である。
 
もちろん、「贅沢は敵だ!」という時代ではないのだろうが、もっともらしい課税理由が付けられた。
  
1.応益税 - ゴルフ場に係る開発許可、道路整備などの行政サービスは、専らゴルフ場の利用者に帰属することから、ゴルフ利用者にこれらの費用を負担させようとする考え方。
2.贅沢税 - ゴルフ場の利用は、日本においては、他のレジャーに比べて費用が高い。ということは、利用者にはより高い担税力があるとする考え方。
 
ゴルフ場利用税とは?非課税となる人は?」という専門サイトにはこんな詳細が記述されていた。
 
【規模や整備状況に応じて、「ゴルフ場利用税」が発生】
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の規模や整備状況によって1級から8級までに分類されています。
一人当たり1級の税額は1,200円、2級:1,100円、3級:1,000円、4級:900円、5級:800円、6級:600円、7級:500円、8級:400円となっています。
ゴルフ場利用税の全国平均は1日/1人当たり5級の800円で、その税収額は年間約500億円と言われています。その税収の7割の約350億円が、ゴルフ場が所在する市町村の財源となっています。
■等級 1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級 8級
■税額 1,200円 1,100円 1,000円 900円 800円 600円 500円 400円
【ゴルフ場利用税が非課税となる場合がある】
ゴルフ場利用税は次に掲げるゴルフ場の利用については、非課税となります。
1:年齢18歳未満の方又は70歳以上の方が行うゴルフ場の利用。
2:身体障害者などの方が行うゴルフ場の利用。
3:国民体育大会のゴルフ競技に参加する選手が、国民体育大会のゴルフ競技として行うゴルフ場の利用。
4:学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒等又はこれらの者を引率する教員がその学校の教育活動として行うゴルフ場の利用。
 
ところで、国会議員が加盟している議員連盟はナント313もあり、極めて真面目な連盟から「?」が付くようないい加減な連盟まで玉石混交である。
 
その中でも、業界や特定団体の利益代表みたいな連盟も少なくはない。
 
たとえば、2013年に発足したたばこ議連は、その目的として「零細かつ高齢化しているたばこ販売者の生活を守る」としており、設立趣意書にはたばこは「多大な財政貢献をなしている社会的に重要な消費財」と書かれている。
 
そして「日本禁煙学会」が調査した「タバコ業界からの政治献金の実態調査」を見ればその実態は明らかに「たばこ産業擁護団体」である。 
 
その連盟に先立ち2011年に「健康被害の防止」を掲げて発足したのが受動喫煙防止議連。
 
同じ自民党内に「たばこ農家や財務省とつながりが深い」議員たちのたばこ議連と、「医療とか厚生労働系の議員が多い」受動喫煙防止議連があり、その勢力の違いから受動喫煙防止法が骨抜きになって表れている。
 
だいぶ前置きが長くなったが、自民党の議連に20年以上にわたり活動している「ゴルフ振興議員連盟」という議連がある。
 
かなり長い間、ゴルフ場利用税の廃止を訴え続けていたのだが、遂に「自民議連 ゴルフ場利用税廃止求める決議採択」を行ったという。
 
<自民議連 ゴルフ場利用税廃止求める決議採択>
 11月21日 15時59分 NHKニュース
 ゴルフ場を利用する人にかかるゴルフ場利用税について、自民党の議員連盟などが会合を開き、「スポーツの中で、ゴルフ場の利用にだけ課税されるのは不当だ」などとして、来年度の税制改正で廃止を求める決議を採択しました。
会合には、自民党のゴルフ振興議員連盟のメンバーや、全国のゴルフ団体の関係者らが出席し、ゴルフ場を利用する人に、原則1人1日当たり800円が課せられているゴルフ場利用税について意見を交わしました。
議員連盟の会長を務める衛藤征士郎元衆議院副議長は「ゴルフだけがぜいたくなスポーツだということで利用税が残されたが、どう考えてもおかしい。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、根こそぎ廃止すべきだ」と述べました。
また、廃止を求めるスポーツ庁も、ゴルフ場利用税が市町村の財源となっていることを踏まえ、廃止が実現した場合には、利用者から1人200円の寄付金を集めるなどの案を示しました。そして、「ゴルフは、国民のおよそ1割が親しむ生涯スポーツであり、スポーツの中で、ゴルフ場の利用にだけ課税されることは、税の公平性の観点からも極めて不当だ」として、来年度の税制改正で、ゴルフ場利用税の廃止を求める決議を採択しました。
      
「ゴルフは、国民のおよそ1割が親しむ生涯スポーツ」とはどのような調査から導き出したのかは知らないないが、かなり怪しい数値である。
 
レジャー白書2017」によれば、ゴルフ人口(コースで1回以上プレーした人口)が前年から210万人減少、550万人になったことが判明し、前年から27.6パーセントの減少となっている。
  
「550万人」が国民のおよそ1割に相当するという計算は全く正確性を欠いている。
 
先ほど紹介した利用税が非課税になる場合を示しておく。
 
【ゴルフ場利用税が非課税となる場合がある】
ゴルフ場利用税は次に掲げるゴルフ場の利用については、非課税となります。
1:年齢18歳未満の方又は70歳以上の方が行うゴルフ場の利用。
2:身体障害者などの方が行うゴルフ場の利用。
3:国民体育大会のゴルフ競技に参加する選手が、国民体育大会のゴルフ競技として行うゴルフ場の利用。
4:学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒等又はこれらの者を引率する教員がその学校の教育活動として行うゴルフ場の利用。
 
これだけの非課税ケースがあるのだから、「税の公平性の観点からも極めて不当」ではないはずである。
 
ましてや70歳以上の議連の連中は非課税対象者である。
 
本来の税の公平性の観点からみれば、収入の多寡にかかわらず、すべての国民から一律に徴収する消費税の方がはるかに不公平感がはなはだしい、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:28| 神奈川 ☀| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする