2018年02月21日

裁量労働制の適用拡大は無期延期にするべし


今年になって発生した米軍機の事故は既に4件もある。
 
●1月6日 - 沖縄県うるま市伊計島の東側の砂浜に、普天間基地所属のヘリコプターUH-1Y輸送ヘリコプターが不時着した。機体の目立った損傷はなくけが人もいなかったが、不時着した場所は最寄りの民家から約100メートルの場所だった。
●1月8日 - 沖縄県読谷村儀間にある廃棄物最終処分場の敷地内に、普天間基地所属のAH-1Z攻撃ヘリコプターが不時着した。機体に損傷はなく、住民やヘリの乗組員2人にもけが人はいなかった。
●1月23日 - 沖縄県渡名喜村渡名喜島のヘリポートに普天間基地所属のAH-1Z攻撃ヘリコプターが緊急着陸した。飛行中に警告灯が点灯したため予防措置として着陸したという。
●2月9日 - 沖縄県うるま市伊計島の大泊ビーチでMV-22Bティルトローター輸送機のカーボン製の右側エンジン空気取り入れ口のカバーが海上に浮いているのが見つかった。在沖縄海兵隊は海上飛行中に落下したと8日に乗組員から報告を受けていたが日本側には報告していなかった。

 
いずれの事故も詳細な原因は発表されておらず、そのれらの事故によってすべての飛行中止措置も取られていない。
 
そして事故後には必ず発表される、「米側に対して安全管理の徹底と原因究明、再発防止を強く求める」という日本政府の常套句。
 
残念ながら、その言葉は5件目の米軍機の事故の発生で全く空虚に聞こえてくる。
    
<米軍機タンク投棄 漁船まで200m 漁すべて中止 青森>
 毎日新聞 2018年2月20日 23時59分
 20日午前8時40分ごろ、米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機のエンジンが離陸直後に出火した。同機は基地北西側の小川原湖に補助燃料タンク2個を投棄し、約3分後に基地に引き返して着陸した。タンクの投棄地点の周辺では漁船がシジミ漁をしており、小川原湖漁協によると、最も近い漁船は約200メートルしか離れていなかった。操縦士も含めてけが人はなかった。

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【小川原湖】

 
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 同漁協は同日、米軍がタンクや油を回収して安全が確認されるまで、湖でのすべての漁を中止すると決めた。三村申吾県知事は「漁師が近くにいたことは重大。シジミ漁は大事な産業で、被害が出たことは遺憾だ」とコメント。防衛省東北防衛局も三沢基地司令官に安全管理の徹底や再発防止を求める申し入れを行った。
 同機は三沢基地の第35戦闘航空団所属。同基地の声明によると、離陸直後にエンジン火災が確認され、「操縦士が人けのないことを確認し、タンクを湖付近に投下した」としている。同機は安全に帰投し、操縦士にけがはなかった。同航空団のジョーブ司令官は「原因究明のため徹底した調査を実施する」とコメントしたが、防衛省関係者によると、同基地ではトラブル後も同型機の飛行が続いているという。
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【小川原湖の氷上に散乱していた金属片=小川原湖漁業協同組合提供】


 防衛省などによると、F16の補助燃料タンクは通常、主翼の下に取り付けられ、全長は約4.5メートル、直径約1メートルで、重さは空の状態で約215キロ。最大約1400リットルの燃料を搭載できる。戦闘機のジェット燃料は灯油に近いケロシンと呼ばれる石油製品が主成分で、飛行中に不具合が発生した場合は、引火を避けたり、機体を軽くしたりするために燃料タンクを切り離すことが多い。今回の投棄地点の湖面には油膜や部品のようなものが確認されており、同省は今後、現地調査をして被害への補償も検討する。
 F16は1970年代に開発された対地攻撃も可能な戦闘機で、航空自衛隊のF2戦闘機のベースになった。三沢基地のF16を巡っては、2014年や15年にも海上に燃料タンクを投棄するトラブルが起きた。01年には基地北東でタンクやミサイルを投棄し、畑で金属片が見つかったこともある。【佐藤裕太、前谷宏】
「当たったら死ぬ」
 「冗談じゃない。船に当たったら妻が死んでいた」。地元のシジミ漁師、山田正彦さん(52)は語気を強めた。水につかりながら漁をしていると、上空を戦闘機が通過する爆音が響き、約500メートル前方で高さ約15メートルの水柱が突然上がった。妻はすぐそばの漁船上でシジミの選別中。突然上がった水柱に「何かの見間違いかと思った」と驚きを隠さない。
 小川原湖漁協によると、落下地点は小川原湖南岸の沖合で、厚さ約1センチの氷を突き破っていた。すぐ近くでは5、6隻が操業中。同漁協の沼田広樹指導課長によると、氷上には部品とみられる金属片が散乱し、油膜が確認された。米軍の状況確認に同行した漁師の山田さんは「氷に直径15メートルくらいの穴が開き、油のきつい臭いがした」と証言した。
 燃料流出の可能性があり、この日、湖の南側で水揚げされたシジミ385キロはすべて処分され、休漁日だった日本一の水揚げを誇るワカサギ、シラウオとともに当面、漁を見合わせることが決まった。
 東北町の蛯名鉱治町長は20日、三沢基地の司令官に対し「命にもかかわる重大事態」として、再発防止やタンクの早期回収を求めたが、禁漁長期化の懸念もある。
 付近でシジミ漁をしていた平田悟さん(58)は「漁に出られない日が続いたら、アルバイトを探すしかない」と不安そうに話した。
 
生命を脅かされる事故がある限り、「安全が確認されるまで、湖でのすべての漁を中止する」ことは仕方がないが、その前に「原因究明のため徹底した調査を実施」して、それまでは「すべての飛行を中止する」と三沢基地司令官はコメントすべきであった。
 
「日本の安全保障」のためではない米軍基地が存在する限り、常に日本人の命が危険に晒されているのは沖縄県だけではないはずだ。
 
そろそろ、米軍基地の在り方や米国に対する「おもいやり予算」という「在日米軍駐留経費負担」を隣国の韓並み(注:日本は74.5%、韓国は40.0%)に減額すれば、国立大学の授業料とか小中学校の給食費を無料にできるはずである。 
 
さて、相変わらず国会の予算委員会ではこの問題が続いている。
 
【長妻昭(立憲)「裁量労働制」撤回された首相答弁:2/20衆院・予算委】 
首相の答弁姿勢、責任は厚労省に 野党批判『無責任だ』
 
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【朝日新聞DIGITALより】

<説明不足データ、労政審に 働き方改革法案、作成過程に疑義 厚労省提出>
 2018年2月21日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 裁量労働制の対象拡大を含む働き方改革関連法案の作成にかかわる厚生労働省の労働政策審議会に対し、同省が、調査手法を十分に説明せずに労働時間のデータを示していたことがわかった。政権は、これまで労政審には不適切なデータを提供していないと説明し、法案に問題はないと主張してきたが、その前提が揺らいでいる。
 20日の衆院予算委員会で立憲民主党の長妻昭代表代行が指摘した。問題のデータは、厚労省が2013年10月に労政審に提出した「労働時間等総合実態調査」の一部。一般労働者の平均的な人について、1週間の残業時間を単に「平均2時間47分」と記載していたが、これは1カ月間のうちの「最長の1週間」の値を尋ねて集計したデータだった。長時間の回答が集まりやすい調査だったが、厚労省はそうした調査手法について説明していなかった。
 厚労省はこの調査結果が労政審に提出されたことを認めている。野党は、不適切な対応だったとして、調査のやり直しや法案の撤回を求めたが、加藤勝信厚労相は「(労政審の)委員がどこまで理解していたかは承知していない」と応じなかった。
 厚労省は19日、裁量労働制で働く人と、一般労働者の労働時間を比較したデータが不適切だったことを認めて謝罪した。安倍晋三首相はこのデータを元にした1月29日の「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」との答弁を撤回した。
 政権は、この不適切な比較データが労政審に示されていないことを理由に「法案提出、成立の方針に全く変わりはない」(菅義偉官房長官)と強調していた。だが、説明が不十分な別のデータが労政審に示されていたことで、野党から反発が出ている。
 首相は20日の衆院予算委の質疑で、「役所から上がってきた資料は、ある程度信頼して答えざるを得ない」と述べ、答弁撤回の責任は不適切なデータを提供した厚労省にもあるとの考えも示した。
 
厚労省は政府の息がかかった労働者代表委員を集めた「労働政策審議会」に丸投げして、しかるべき作成する法案に沿った議論と答申を行わせている。
 
したがって、恣意的なデータを政府側が提示すれば、それによって思惑通りの法案が出来てしまう。
 
さすがに今回は、もうこれ以上言い訳が困難と判断したのか、働き方改革関連法案に含まれ、不適切なデータ処理が問題になっている裁量労働制を巡り、政府は21日、裁量制の適用拡大の施行時期を予定より1年程度遅らせ、2020年4月と修正する検討に入ったらしい。
 
 「裁量労働制の適用拡大1年延期も 働き方改革、政府が検討」 
 
1年も先延ばしにすれば「ホトボリも覚める」とでも思っているのだろうが、そもそも雇用されている労働者に自分の働き方の裁量があるはずはないのである。
 
国内の外資系の高度な専門知識を有する年収10万ドルクラスになれば、ある程度の裁量権を持って、約束された一定の成果を出すまでは働き続けるかもしれない。(日本の高度プロフェッショナル制度のお手本)
 
しかし、企業に雇用されている現状の裁量労働者の多くは、数万円程度の残業代込の「みなし残業労働者」である。
 
そんな労働者を今後増やすということは、けっして多様な働き方を「お示しする」のではなく、経営者のために「残業代」というリスクをなくすだけの政策であり、1年延期どころか「無期延期」にすべきである、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:24| 神奈川 ☁| Comment(0) | 働き方改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする