2017年11月20日

右でも左でもなく前へ進めばうまく行くのか?


政治団体とは、政治的な目的を行うために作られた団体で、活動範囲や区域などにより、 総務省に届出を行う全国団体と、各都道府県の選挙管理委員会に届出が必要となる都道府県内団体に分類される。
 
そして、政党とは同じ政治的目的をもつ人達により組織されている団体であり、日本では「政治団体のうち、所属する国会議員を5人以上有するものであるか、 近い国政選挙で全国を通して2%以上の得票を得たもの」と定められている。
 
日本の政治団体名・政党名一覧」というサイトを見ると、現存する政党以外で有名無実な政党も数多く存在する。
 
特徴的なのは、新しくできた政党で、既存政党から分派した政党名には「新党」という名が頭に付く政党が多く見られるが、残念ながら選挙に於いてはほとんどが埋没している。
 
さらに「革新」という文言が入った新党もあるが、実態は「与党崩れの革新党」と言われている。
 
その昔、社会党が元気なころは「保革対決」といった状況があったが、、中曽根内閣が国鉄分割民営化を断行し、それにより国労が衰退し、最終的には総評、社会党が消滅してしまい、自民党に対峙する革新政党がなくなってしまった。
 
新社会党とか社民党という名で残っている政党は、残念ながら「名ばかり政党」になってしまい、新たに出来た政党はほとんどが出自は自民党である。
 
このような状態が長く続き、今年の総選挙では、立憲民主党を立ち上げた枝野幸男が「『右』や『左』は20世紀の古い考え方だ。上からの政治か、草の根の声に寄り添った本当の民主主義かが問われている。右でも左でもなく前へ進む新しい選択肢を掲げたい。」と有権者の心を鷲づかみにして、野党第一党に躍進し、「左」といわれていた共産党が大きく議席を失ってしまった。
 
そして、「『週刊ダイヤモンド』11月18日号の第1特集は「右派×左派 ねじれで読み解く企業・経済・政治・大学」です。右派と左派。そう聞けば自分とは関係ない世界の話だと思う人が多いでしょう。ただ、現在の日本をこの両極から読み解くと、これまでとは異なる社会、経済、政治の断面を見ることができます。
 すでに壊れた冷戦構造の残滓であるイデオロギーから現代を読み解くことを無意味と断じる向きもありますが、私はそうは思いません。日本では今、右派と左派のねじれが顕著で、そうしたねじれがあるところにこそ、社会の矛盾が凝縮されるからです。本特集では企業・経営者の保守人脈から「自称リベラル」の真実まで、左右にまつわる事象を硬軟織り交ぜてお届けします。」と、『週刊ダイヤモンド』編集部の山口圭介がいくつかの特集記事を発表していた。
  
最初に、1972年に「あさま山荘事件」を起こすなど、あの時代に強烈なインパクトを残した極左暴力集団(過激派)の一つ、連合赤軍に所属して、殺人罪、死体遺棄罪、強盗致傷罪など計31の訴因で起訴され、懲役20年の刑を受けた元連合赤軍活動家、植垣康博さんに左派の衰退や事件について聞いた3回シリーズのいくつかのインタビュー記事から抜粋する。
 
『護憲で思考停止』がリベラル左派衰退の理由、元連合赤軍が語る
 
【 元連合赤軍活動家・植垣康博氏インタビュー(2)】
■学校でも戦争、軍事を教え国民皆兵制にすべき
――護憲で思考停止の政党というと。
記者が訪れた夜、酔った客が「植垣は人殺しなんて何とも思ってない」とからんだ。それまで笑顔で受け答えしていた植垣さんは「言っていいことと悪いことがありますよ」と真顔で答えていた
 社民、共産、立憲民主……。憲法改正を自民党が主導して言ってますが、左翼が憲法についてもっと積極的に発言していたら、左翼が力を持っていたかもしれない。ただ護憲であれ、改憲であれ、安保体制を打破しないと、自主的な憲法は絶対につくれない。要するに米軍の従属下にある限り、アメリカの意向を無視できない。
――植垣さんは憲法論議ではどんなお考えなんですか。
 安保条約を破棄したうえで、自主憲法制定。軍隊を持つか持たないかはあまり重要じゃない。大切なのは軍事を知るべきだ。日本人の悪いところは、学校でも戦争、軍事を教えないところ。そして国民皆兵制にすべき。武器の扱いを知るべき。軍隊を持っていてもそれがつぶれれば終わり。本当の戦いはそこからという面があります。
――左派政党も改憲を積極的に言うべきだという考え。極端な話、共産党も改憲を主張すべきと?
 言うべきだ。左翼の定義が変わるだろうね。左翼、右翼という区別がいまや意味を成していないわけですけど。左翼は護憲、右翼は改憲という固定観念は打破していかないと。
 
『極左だった私が右翼にモテる訳』元連合赤軍が説く“義”」  
 
【元連合赤軍活動家・植垣康博氏インタビュー(3)】 
■名前を出さない限り大した力にはなりません
――ネット右翼についてはどうみていますか。
 所詮自分の名前を出さないでやっていて、どこまで本気で言っているのかなという印象です。名前を出さない限り、大した力にはなりません。わーわー叫ぶのは勝手ですが。ヘイトスピーチも大した力になっていない。名前を出すことはリスクがありますが、出してこその言論の自由なんじゃないかと。連合赤軍の問題でも匿名で出る人いるが、あれじゃあだめ。私みたいにちゃんと顔を出せよと(笑)。
――左派が衰退しているということは、逆に言えば、日本全体が右傾化しているとも言えます。
 日本経済の先が見えないことに対して無思考。考えないで行動してしまう。それが最大の問題ではないでしょうか。マスコミも右傾化してしまっている。朝日、毎日も右傾化しているように思う。朝鮮問題にしても振り回されている。私なんか「出来レースなんだからほっておけ」なんて思う。日本だけ良かれという国粋主義もあります。そういう意味では昔の右翼とは全然違う。
  
政治の世界の右傾化、保守化の動きに、当の右翼団体が実は違和感を感じている。
 
今も民族派運動を続ける蜷川正大氏が、「『ネトウヨは男のすることじゃない!』右翼民族派の主張」と語る。
 
■匿名でモノを言う人は右も左も嫌い
――今は若い世代を中心にネット右翼が台頭しています
 全然評価しない。僕は匿名でモノを言う人は右も左も嫌いです。自分の言動に責任を持つのは最低限のマナーだと思うからです。こたつの中でヌクヌクとしてながら過激な言葉を発するのは男のすることじゃない。例えば朝鮮人がどうとか個人の国籍を否定しても意味がない。個人に石を投げるのは卑怯じゃないですか。
 僕は右翼ですけど、実は左翼の友達もいっぱいいる。野村の慰霊祭を毎年開いていますが、元連合赤軍活動家の植垣康博さんも参加してくれている。人と付き合うのに思想なんか関係ない。右翼の中にだって嫌いな人もいっぱいいます(笑)。
――社会全体の右傾化が叫ばれて久しい
 僕は朝日新聞を好きじゃないが、じゃあ全て産経新聞になっていいかというとそれも違う。反対意見がなくなると議論は活性化しない。嫌だけど反対の意見にも耳を傾けることが物事を考えるきっかけになるんです。そうしないとファシズムになってしまう。双方が日本男児であるべきだと思う。  
 
左右の「ねじれ」を具体的に調査をしてまとめたのがこの記事。  
 
“極右”の安倍政権が左派的政策をとり、共産党が「保守」と呼ばれる訳
 
・・・前略・・・「若い有権者は、最も左派色の濃い日本共産党を“保守”と呼び、保守を代表する自民党や日本維新の会を“リベラル”と認識している──。本来の立ち位置とは正反対の政党認識が話題になっている。
 今年7月から8月にかけ、「読売新聞」と早稲田大学が実施した共同調査で明らかになった。この調査結果をまとめたのが、下図である。」
 
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・・・中略・・・ 
「下図を見てもらいたい。これは日本の政党の立ち位置を示したものだ。自民党は一般的に政治・文化的には保守、経済的にも右派で小さな政府を志向する右上に配置されることが多い。ただ、時に“極右”とやゆされる現安倍政権は経済政策の面では左派であり、右下の「保守左派」のカテゴリーに分類される。
 逆に、リベラル派の旧民主党などは緊縮的な財政政策を取りがちで、「事業仕分け」はその典型だろう。こうした政策はむしろ経済右派の考え方となる。」
 
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■「保守左派」を都合よく利用する狡猾な安倍政権
 具体的に見ていこう。2012年の衆院選で政権を奪い返すと、安倍政権は13年にアベノミクスを本格始動させる。その年の7月に行われた参院選は株高の後押しを受けて圧勝。参議院で野党が多数を占める衆参のねじれの解消に成功する。
 この辺りから抑えていた保守色が強まっていく。同12月に特定秘密保護法を成立させた安倍首相は、靖国神社にも参拝した。
 その後、支持率が低下しだすと、左派モードに切り替えて「地方創生」を提唱。さらに消費税の増税先送りを決定し、14年の衆院選と15年の統一地方選にも勝利した。その後に出てきたのが、国民的な議論を呼んだ安全保障関連法案だ。これも同9月に強行採決で成立に持ち込んだ。
 強引な政権運営への不満が高まってくると、今度は「1億総活躍社会」を打ち出し、参院選に完勝する。すると再度保守モードに切り替わり、いわゆる共謀罪法を実現するといった具合だ。
 聞こえのいい左派的な経済政策を隠れみのに、本丸である保守色の強い政策を通す。その手腕は見事だが狡猾さも透ける。
 共産党の愚直な“保守”と、自民党の狡猾な保守。この二つの保守の根っこにあるのも右派と左派のねじれといえる。 
 
もはや、「保守≒右翼」、「革新≒左翼」という構図はわが国には存在しないのかもしれない。
 
しかし、現在の安倍政権の改憲への勢いは容易には止められず、来年の通常国会で改憲案の発議がされれば、2019年に予想される国民投票では、「新しい憲法を作りましょう」というキャンペーンの下、憲法を変えられないのは「守旧派」だとのレッテル貼りがメディアに氾濫するのではないだろうか、とオジサンは思う。

posted by 定年オジサン at 12:28| 神奈川 ☀| Comment(0) | 憲法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする